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真の勝者はMLBの会計士?

RONSPOによると、メジャーリーグ機構はドジャースとカブスの東京ドームでの開幕シリーズがメジャー史上最大の単独国際イベントとなったことを発表しました。

ドジャースの大谷翔平(30)選手ら日本人メジャーリーガー5人が出場した今回のシリーズの視聴者数、グッズ販売数、観客動員数でメジャーの新記録を樹立しました。

アメリカのメディアは「真の勝者はメジャーリーグの会計士だ」と皮肉っています。

“MVP男”大谷選手が凱旋帰国した東京シリーズは記録づくしの大成功に終わりました。
史上初の日本人同士の開幕対決となった山本由伸選手と今永昇太選手が投げ合い、大谷選手が2安打2得点をマークして、ドジャースがカブスに4-1で勝利した開幕戦の日本での平均視聴者数は、2,500万人以上で、国際イベントでは過去最高だった昨年のドジャースとパドレスの韓国シリーズの1,870万人を600万人以上も上回ったのです。
マリナーズのイチローの引退試合となった2019年のマリナーズとアスレチックスの東京シリーズの開幕戦の560万人に比べると1,900万人以上も多かったそうです。
全米での過去最高記録である2017年のワールドシリーズ第7戦、ドジャース対アストロズの2,820万人には届かなかったですが、2位の記録だった2019年のワールドシリーズ第7戦、アストロズ対ナショナルズの2,300万人を上回りました。
大谷選手が今季1号を放ちドジャースが連勝した第2戦も2,300万人以上の視聴者数を記録しました。

また、ドジャース対巨人のエキシビションゲームも1,800万人の平均視聴者数を記録し、これは全米で最も視聴されたMLBのエキシビションゲームとなりました。

ドジャース対阪神の平均視聴者数も1,230万人でした。
時間帯が悪かったアメリカでの視聴者数も大成功でした。

シカゴで午前5時、ロサンゼルスで午前3時に試合が始まりましたが、開幕戦がFOXで平均83万8,000人の視聴者を記録し、アジアで行われた開幕戦としてはMLB史上最高記録を更新しました。

昨年の韓国シリーズでの平均視聴者数35万人を139%上回っています。
グッズ販売も史上最大の売り上げを記録しました。

Fanatics社によると、総売り上げは4,029万ドル(約60億円)にのぼり、同社の最高記録となりました。

東京ドームの場外に設置された巨大なオフィシャルストアには、140台のレジが設置され、1時間あたり平均1,000件以上の取引があり、50万以上の商品が販売されました。

最も売れたのは東京シリーズのワッペンが貼られた大谷選手のユニホームでした。

また、ネットで販売されたアーティストの村上隆氏とコラボした東京シリーズのユニホームは、発売開始1時間で在庫がなくなったそうです。

約60億円の売り上げは、国際イベントでは過去最大だった2024年のロンドンシリーズを320%も上回り、全米で最もグッズ売り上げのあった2022年のロサンゼルスでのオールスター戦ウイークの数字も105%上回っています。
トレーディングカードのTOPP社も、特別に「TokyoSeries MegaBox」を販売しました。

これも大ヒットで1週間で1万2,000箱を販売し、約20万人が楽しんだそうです。
また、観客動員も、阪神、巨人のエキシビションゲーム4試合と開幕2試合を合わせた6試合で計25万2,795人を数えました。

Mastercardのチケットの先行販売では、38万人以上が同時に殺到しました。
さらに、東京スカイツリーなど東京ドーム以外の各所でファンフェスティバルも行われ、12日間で45万人以上のファンが集まりました。
SNSやネットの世界も席巻しました。

MLBの公式アカウントに投稿された動画コンテンツは、計8,807万回も再生され、昨年の韓国シリーズに比べて75%増でした。

SNSの関連コンテンツのインタラクションは、917万回で、これも韓国シリーズの50%増でした。

今回は、MLBアプリ内で初めて日本語のコンテンツが公開されたことで、期間中のアクセスが急増したのです。

アプリへのアクセス数は、平均的な春季キャンプ時に比べて約2倍になっています。
スポンサー収入も記録を更新しました。

今回は23社のスポンサーが全国各地で活動を展開しました。

MLB公式サイトは、各社の広告企画を紹介しています。

セブンイレブンは全国2万2,000以上の店舗でプロモーションを行い、日本航空は大谷とMLBのロゴが描いたドリームショウジェットを運航し、チケットプレゼント企画を実施して27万人以上の応募者があったそうです。

アサヒビールは、東京シリーズの記念のビール缶を200万本以上製造し、チケットプレゼント企画には、44万8,000人が応募したそうです。

スポンサー収入は、これまで最多だった2024年の韓国シリーズを240%上回りました。
アメリカのスポーツサイトの「エッセンシャリスポーツ」は「ポケモンや鬼滅の刃などの人気アニメメシリーズとコラボしたファンイベントもたくさんあった。試合だけでなくMLBと日本の野球の絆が強まった。東京シリーズは、単なる野球の試合ではなく、スポーツマーケティング、文化融合、経済的成功の特別な舞台だった」と、東京シリーズの成功を評価した上で、こう皮肉ることを忘れていませんでした。
「MLBは野球だけのために活動しているのではなく収益のために活動している。この傾向が続けば真の勝者はMLBの会計士になるのかもしれない」

会計士が儲かるのかどうか分かりませんが、マーケティング会社やコンサルティング会社とかと契約していて、結構な報酬を支払っているんでしょうね。

皮肉られるほど日本が熱狂したのだと思いますが、やはり、大谷選手をはじめ、たくさんの選手がメジャーリーグで主力として活躍していることやWBCなんかが影響しているんでしょうね。

それを考えると、野茂選手やイチロー選手たちが築いてきた道が素晴らしかったんだなぁと改めて感じました。

真の勝者はMLBの会計士?について、あなたはどう思われましたか?


インボイス制度開始で8割超の公認会計士や税理士の業務量が増加!

2024年04月26日(金)

TECH+によると、freeeは2024年4月11日、公認会計士や税理士を対象に実施した、インボイス制度と電子帳簿保存法対応に関するアンケート調査の結果を公表しました。

インボイス制度開始によって80.6%の公認会計士や税理士は業務量が増えたことが明らかになりました。

このレポートは、freeeが2024年2月22日〜3月1日、公認会計士または税理士196人を対象にWEBアンケート方式で実施したインボイス制度と電子帳簿保存法対応に関する調査の結果に基づいています。

インボイス制度対応は業務量に影響をおよぼしたか尋ねると、「20〜39%増えた」が36.2%、「1〜19%増えた」が31.1%、「変わらない」が18.9%「40%以上増えた」が13.3%、「減った」が0.1%の回答となっています。

全体の80.6%がインボイス制度対応で業務量が増えたと回答しました。

インボイス制度対応のために顧問料を値上げしたか質問すると、「行っておらず、検討もしていない」が41.8%、次いで「行ってはいないが、検討している」が32.7%、「行った」が20.9%、「その他」が4.6%となり、インボイス制度対応を目的とした値上げは現状74.5%が行っていませんでした。

インボイス制度対応のために従業員を増員したかという問いには、「行っておらず、検討もしていない」が85.2%、次いで「行ってはいないが、検討している」が12.2%、「行った」が1.5%、「その他」が1%と、従業員増員は行わず現状維持で対応する事務所がほとんどでした。

また、電子帳簿保存法対応は業務量が増えたか聞くと、「変わらない」が46.9%、「1〜19%増えた」が32.1%、「20〜39%増えた」が15.3%、「40%以上増えた」が4.1%、「その他」が1.5%と、電帳法対応で業務量が増えた先は半数を超えることがわかりました。

今後新たに生じる制度対応に不安はあるか尋ねると、「少しある」が41.3%、「大いにある」が24.5%、「ある」が19.4%、「全くない 」12.2%、「その他」が2.6%で、85.2%が将来の制度変更対応に関して不安を感じていることが明らかになりました。

記帳代行を基本的にやっていない弊事務所でも、グダグダの電子帳簿保存法はともかく、インボイスは質問対応を含めて業務量は増加しています。

そして今年は、定額減税で業務量が増えることが明らかです。

個人的には、賃上げと言っている割に、一方で収益を生まないような業務を増やしているので、時間やコストが増加しているのは明らかなので、業務量が増加した事業者や会計事務所に、1人当たりいくらとか税額控除してくれるような仕組みを作ってほしいなぁと思います。

インボイス制度開始で8割超の公認会計士や税理士の業務量が増加していることについて、あなたはどう思われましたか?


公認会計士のマネロン対策が厳格に!

日本経済新聞によると、政府は2024年4月から司法書士や公認会計士に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)対策を厳しくするように求める見通しです。

顧客となる企業や個人に、取引目的や職業を確認することを義務付け、疑わしい取引は行政に報告することを課します。

改正犯罪収益移転防止法の施行に伴うもので、対象は司法書士や行政書士、公認会計士、税理士といった士業になります。

これまでは氏名や住居、生年月日など顧客の基本情報を確認する義務が課されていました。

今後は本人確認以外に、取引を行う目的、職業・事業内容も確認します。

法人の場合は、実質的支配者の確認も求めます。

すでに義務化している金融機関と同様の内容を求めることになるのです。

行政書士、公認会計士、税理士には新たに「疑わしい取引」の届け出義務を課します。

顧客から得た収益が犯罪による収益である疑いがあると判断した場合に、所管行政庁に速やかに届け出ることを義務付けます。

200万円を超える取引は、資産や収入の状況も確認します。

公認会計士は顧客の会社設立の手続きを行うことがあります。

例えば、事業実態のないペーパーカンパニーは、資金洗浄に使われる可能性があります。

こうした場合は「疑わしい取引」として届け出対象になることが想定されます。

マネロン対策を強化する背景には、特殊詐欺などが増え、犯罪者の資金源となっている可能性があるからです。

警察庁によると、2022年には特殊詐欺の被害額が8年ぶりに増加し、2023年も11月末時点で2022年を上回る被害額となりました。

クレジットカードの不正利用被害額も2022年には約437億円にのぼり、過去最悪を更新しました。

テロ資金などを警戒する国際社会からの圧力も強まっています。

各国・地域のマネロン対策を調べる国際組織「金融活動作業部会(FATF)」が2021年に公表した第4次審査の結果で、日本は実質的に不合格を意味する「重点フォローアップ国」という評価を受けたのです。

なかでも士業や非金融機関は「マネロン対策への理解が不十分」「その監督当局もリスクベースによる監督を実施していない」など厳しい評価を受けました。

数年後に控える第5次審査では士業・非金融機関への審査が強化される見込みです。

士業の一つである公認会計士を所管する金融庁は、公認会計士と監査法人を対象に改正犯収法施行に伴う実務上の新たな指針を2024年3月末までに示すようです。

指針案によると取引目的や職業などの確認義務の対象業務は、財務に関する相談業務に付随した会社設立の手続き時などになる見通しです。

金融庁は新たな指針をもとにモニタリングも行います。

問題が見つかれば犯収法に基づき報告徴収や是正命令を出すことも視野に入れています。

マネロン対策は預金を扱う大手銀行や地域金融機関にとっても喫緊の課題です。

金融庁が2021年から金融機関にマネロンに関する体制整備を要請していました。

80超の項目を並べて対応を求めており、2024年3月末は対応完了の期限となります。

金融庁や財務局は、各地域でマネロン担当役員を対象としたフォーラムや勉強会を開いて対応を促します。

金融庁は2024年4月以降、指針に関する不備がある金融機関には業務改善命令などの行政処分を出すことも辞さない構えです。

公認会計士も、マネロンに関する対応が必要な時代なんですね。

それだけ、特殊詐欺などが増えているということなんでしょうけど。

公認会計士のマネロン対策が厳格になることについて、あなたはどう思われましたか?


PwCあらたとPwC京都が合併して「PwC Japan有限責任監査法人」へ!

LIMOによると、PwCあらた監査法人(以下「あらた」という)とPwC京都監査法人(以下「京都」という)は、2023年12月1日付で合併すると発表しました。

あらた・京都ともに4大国際会計ファーム・コンサルティングファーム(Big 4)の一つである「PwC(PricewaterhouseCoopers、プライスウォーターハウスクーパース)」のメンバーファームです。

監査法人とは、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明を組織的に行うことを目的として、公認会計士法第34条の2の2第1項によって、公認会計士が共同して設立した法人のことです(公認会計士法第1条の3第3項、第2条第1項)。

一般的には、上場している企業の決算を監査する、公認会計士資格を持つ者が所属する組織と言われます。

実際は、上述の法定監査以外にも、「任意監査」「決算早期化支援」「経理・財務に関する相談業務」「コンサルティング業務」など多くの業務を行っています。

そのため、社員も公認会計士資格者のみで組織されているわけではなく、様々なバックグラウンドを持った者が在籍しています(法律上、公認会計士でない社員の割合は決められています)。

国際会計ファーム・コンサルティングファームとしては大規模グループが存在し、
・Deloitte Touche Tohmatsu(デロイト トウシュ トーマツ)
・EY(Ernst & Young、アーンスト&ヤング)
・KPMG
・PwC(PricewaterhouseCoopers、プライスウォーターハウスクーパース)
の4グループ(順不同)が「Big 4」と呼ばれます。

「Big 4」それぞれのメンバーファームが日本国内にも存在し、4大監査法人と呼ばれており、以下のとおりです。
・有限責任監査法人トーマツ(デロイト)
・EY新日本有限責任監査法人(EY)
・有限責任あずさ監査法人(KPMG)
・PwCあらた有限責任監査法人(PwC)

2023年6月1日、あらたは京都との統合に向けた協議を開始したと公表しています。
ともに同じPwCのメンバーファームであるため、Purposeも共通しています。

また、監査業界では、人的資本や気候変動対策を記載する、サステナビリティ関連開示情報の保証業務(著者注:「経理の状況」に対してと同様に何らかの保証をすること)を担うことが想定されることや、テクノロジーを用いた監査の更なる高度化が求められることなど、監査法人を取り巻く環境が大きく変化することが見込まれています。

両法人の強みを活かすことで、統合して規模を拡大することが高品質の保証サービスを提供できるとしています。

<各社概要>
●PwCあらた有限責任監査法人
・設立:2006年6月1日
・人員:3,006名(2023年6月30日時点)
・売上高:609億8,100万円(2022年7月1日~2023年6月30日)
・主要顧客:トヨタ自動車株式会社(東証プライム、7203)、ソニーグループ株式会社(東証プライム、6758)ほか、トヨタ傘下企業、ソニーグループ傘下企業など

●PwC京都監査法人
・設立:2007年3月19日
・人員:443名(2023年6月30日時点) ・売上高:69億9,000万円(2022年7月1日~2023年6月30日)
・主要顧客:KDDI株式会社(東証プライム、9433)、ニデック(旧:日本電産)(東証プライム、6594)、京セラ株式会社(東証プライム、6971)、任天堂(東証プライム、7974)

京都の主要顧客を見て、驚かれた方もいるのではないでしょうか?
準大手監査法人ながら、多くのグローバル企業の会計検査人を担当しているのです。

2023年12月より、4大監査法人の名称が変更となります。
17年の歴史がある「あらた」の名が消えて、「PwC Japan有限責任監査法人」となります。

僕は、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)の出身ですが、就職活動をしていた頃は、6大監査法人と言われていました。
・太田昭和監査法人(E&Y)
・中央監査法人(C&L)
・監査法人トーマツ(DTT)
・朝日監査法人(AA)
・センチュリー監査法人(KPMG)
・青山監査法人(Pw)
色々とくっついたり、離れたりで提携ファームが変わったり、この中にはカネボウ事件でなくなった監査法人もありますし、今でも名前が残っているのはトーマツだけですね。
『トーマツ』はあまり知られていないのかもしれませんが、実は、監査法人等松・青木・津田・塚田・青木・宇野・月下部事務所の『等松』なのです。
大手監査法人がくっついたり、離れたりするたびに、粉飾の歴史などを思い出しますね。

PwCあらたとPwC京都が合併して「PwC Japan有限責任監査法人」になることについて、あなたはどう思われましたか?


会計監査の現場離れ!

日本経済新聞に東京都立大学大学院の松田千恵子教授が以下のように、書かれています。記録的な猛暑とそれに続く豪雨などで体調を崩した人も多いでしょう。
新型コロナウイルスも相変わらず猛威を振るっています。
しかしながら、感染症法上の分類が「5類」に移行して以来、会食や旅行需要は相当回復してきました。

コーポレートガバナンス(企業統治)の世界でも、社外役員を含む現場視察やオフサイト、監査役員による現場実査などもコロナ前と同様に活発に行われるようになっています。
ただひとつ気になるのは、時たまささやかれる「会計監査のリモート化が戻らない」という点だそうです。

もちろん、多くの会計監査人は真摯に現場で業務を遂行しています。
移動にさしたる障害がなくなった今、リアルでの監査は通常のことでしょう。
しかしながら、コロナ禍で行われていたような、実地棚卸をスマートフォン越しに済ませるといったことも引き続きあるという声を時々耳にするようです。

リモートワークに異を唱えるつもりはありません。
むしろ、適宜活用して生産性を上げることは大事です。
会計など情報を扱う分野は、リモートワークとの親和性も高いでしょう。
ただし、率直に言えば、実地棚卸などを含む会計監査については、当然ながら現場をしっかり見てほしいというのが本音です。

ある監査法人の調査によれば「今後は不正リスクが高まる」と感じている企業の割合は2020年に59%でしたが、22年には64%へと上昇しました。
これまで現場のチェックや対面での状況把握が難しかったため、不正の芽が見えなくなっているのではという不安の表れとも言えるでしょう。

一般に、景気の先行きが不透明になれば、将来への不安や金銭面の困窮、ノルマ達成圧力の増大などにより、不正に走る動機は多くなります。
基本中の基本とも言える、「しっかりと現場を把握すること」の重要性を改めてかみしめるべき時機でしょう。

僕自身は、実地棚卸の本を出していますので、少し前に監査法人の後輩から棚卸の立会はZoomとかで現場でつないでやっていますと聞いて、コロナ禍とはいえ大丈夫なのだろうか?と思いましたが、やはり現場に行って現物を確認することが重要だと思いますね。
過去においても、棚卸を通じた粉飾がたくさんあり、会計監査人が基本的に必ずやらなければならないこととして、実査・立会・確認があるわけですから、実地棚卸の立会は必ず現場に行ってやってほしいですね。

会計監査の現場離れについて、どう思われましたか?


形式的な作業に失望し公認会計士の監査法人離れが進む!

日本経済新聞によると、財務諸表をチェックする会計監査の担い手不足が深刻になっているようです。
監査法人で働く公認会計士の比率は10年で10ポイント下がりました。
上場企業数や監査業務量が増え続けるなか、やりがいに乏しい形式的な作業に失望し、スタートアップやコンサルティング企業に転身する動きが目立っています。
資本市場の門番役を担う監査制度に、空洞化の危機が迫っています。

「お世話になりました」と、監査法人の年度末から初めにあたる6月から7月、大手法人幹部のメールボックスには所属公認会計士から届く離職のあいさつが引きも切らないようです。
「採用するのと同じ規模の人数がやめてしまう」と頭を抱えています。

公認会計士登録者は2023年3月末時点で3万4,436人と10年前から38%増えていますが、監査法人所属の公認会計士は1万3,980人と7%しか増えていません。
10年前に51%だった監査法人所属者比率は41%まで低下しました。

公認会計士は歴史的に流動性の高い職種です。
監査法人内でパートナーと呼ばれる役職者になれるのは同期の1割ほどで、経験を重ねつつ徐々に責任が重くなるピラミッド構造にあります。
入所10年程度で昇格するマネジャー職まで経験を積み、別の道を歩むのがかつての典型でした。

しかしながら、近年は離職する公認会計士が若手スタッフからパートナーまで全職階に広がりました。
「マネジャーまで頑張ろうと思っていたが、1年働くごとに気持ちが変わっていった」と、2021年8月に監査法人を去った20代公認会計士は吐露しています。

なぜなのでしょうか?
まず、「本当に意味があるのかと思う部分まで、全てをしゃくし定規に記録に残す」(30代公認会計士)監査業務への失望が挙げられます。
監査法人を退職した公認会計士約10人への取材で多く聞かれたのが、日本公認会計士協会が監査でやるべき手続きを定めた「監査基準委員会報告書」、通称「カンキホウ」への不満です。
元あずさ監査法人所属の40代独立公認会計士は「(報告書では)形式的で膨大な作業が積み上がっている」と明かしています。

東芝や英カリリオン、独ワイヤーカードなど、世界的に大きな会計不正は絶えず、発覚の度に監査法人に批判の矛先が向きました。
国際的な監査基準の要求事項は上乗せされ、監査法人も所属公認会計士に、規制当局から責められないように実施手続きを監査調書に細かく記録するよう求めたことも形式化に一段と拍車をかけています。

前出の20代公認会計士は「労働時間の概念を取っ払って大量のチェック項目をつぶすことが生きがいなのか、自問した」と話しています。
監査法人トーマツパートナーを経て早稲田大学会計大学院で教える林敬子教授は「(若い公認会計士に)回り道したくないという意識が強まっている」と指摘しています。
成長に寄与しない業務を避ける構図が、監査法人離れの背景にあるようです。

全体の業務が増える一方、近年は若手スタッフの残業時間上限が管理されるため、上司であるマネジャーやシニアスタッフらが「残務を巻き取っていた」(2022年に大手法人を退職した30代公認会計士)。
若手の離脱や働き方改革のしわ寄せが上の階層に波及し、監査現場全体の疲弊が進んでいるようです。

監査法人以外の「活躍のフィールドが広がっている」(日本公認会計士協会の鶴田光夫副会長)ことも要因です。
企業では経理のほか、経営企画や内部監査など引く手あまたです。
スタートアップでは若くして最高財務責任者(CFO)も珍しくありません。

かつては高収入の代表格だった監査法人ですが、一般企業の待遇面は遜色なくなってきています。
監査法人入所後、数年で昇格するシニアスタッフの年収が最低でも600万円程度、10年前後でなれるマネジャーは800万〜1,000万円程度とされます。
他方、会計系の転職エージェントでは内部監査や経理で700万円程度、戦略コンサルだと900万円強が提示されます。

監査法人に公認会計士をつなぎ留めるには、賃上げやデジタルを活用した業務効率化が必要です。
原資となる顧客から受け取る監査報酬の引き上げが欠かせませんが、時間単価はここ10年ほど1万2,000円弱と一向に伸びていません。
日本の上場企業は過去最高水準まで増えているにもかかわらず、顧客企業に危機感が伝わっていないようです。
EY新日本監査法人の片倉正美理事長は「値上げを納得してもらうには、単に監査意見を出すだけでなく付加価値のある知見を提供する必要がある」と語っています。

監査が空洞化して情報の信頼性が欠如すれば市場は効率的に機能しなくなります。
ある会計監査業界の関係者は「中小企業と大企業で同じ情報開示が必要かなど、資本市場システムの全体像を議論すべきだ」と強調しています。
公認会計士の監査法人離れは監査制度の土台を揺るがしかねず、すでに崩壊の瀬戸際にあるのかもしれません。

公認会計士に時間的な余裕を生み出すための監査DX(デジタルトランスフォーメーション)で各法人がしのぎを削っています。
カギを握るのが人工知能(AI)の活用です。

理化学研究所が日本公認会計士協会の協力で実施した2022年発表の調査によると、監査現場の進捗管理や取りまとめなどを担う現場責任者「主査」の各業務はAI活用で10年後に平均35%の時間短縮をもたらす可能性があります。
特に定型的な監査手続きは70%減、監査契約時のリスク評価は42%減と想定効果が大きいようです。

AI監査は実証段階から本格導入へ移行し始めています。
EY新日本監査法人は「リアルタイム監査」などと呼ばれる仕組みの本格展開を開始しました。
企業の統合基幹業務システム(ERP)からの取引データなどの定期的抽出や加工、AI分析による異常検知まで人手を介さず進めます。
足元では10社程度で、3年後までに100社に広げます。

今後は生成AIも広がりそうです。
あずさ監査法人では取引を勘定科目で記録した仕訳データの分析で活用を目指します。
「基礎分析して」と指示すると平均や分散などの統計量を出すとともに「金額が大きい項目の詳細分析をする」など次の行動も推奨するのです。

生成AIは、一見もっともらしいが事実と異なる内容を返す「ハルシネーション(幻覚)」を起こすこともあります。
業務効率化を理由に監査の質を落とさないため、回答をうのみにしないで高度な判断につなげる知見は欠かせません。

<公認会計士>
財務諸表に不正などがないか確認する監査業務を独占的に担います。
イギリスで誕生し、日本では医師、司法試験に並ぶ難関資格とされています。
資格取得には短答式と論文式試験の合格、監査法人勤務など3年以上の実務経験のうえ、修了考査合格が必要になります。
2006年以降の新試験制度から大学卒業などの受験資格要件をなくしました。
直後に試験合格率は2割弱まで上昇しましたが、近年の合格率は1割程度、人数はおよそ1,300〜1,400人で推移しています。
2022年試験合格者の平均年齢は24.4歳と、10年前から2歳下がるなど低年齢化が進んでおり、資格自体の若者の人気は高いようです。
試験合格後に監査法人を経ず、コンサルティング企業に就職を希望する例も増えています。

僕は、約11年監査法人に勤め、そのあと東京の会計事務所に転職し、約4年勤めてから独立開業しましたが、監査法人をやめた理由のうちの大きな一つが、当時、カネボウの粉飾事件があり、金融庁の検査のために行っているのではないかと思われる手続きが増えたことです。
もう16年以上前の話しになりますが、その当時と比べても、格段にそのようなことが増えているんでしょうね。
個人的には、会計監査は、マニュアルも重要かもしれませんが、直観も非常に大事だと思っていますので、マニュアル化やAIは、直観とか経験があまり生かせなくなりますので、自分で考えて仕事がしたい方には、会計監査という仕事は面白くないでしょうね。
かと言って、公認会計士になったからといって、企業の経理やコンサルティングがすぐにできるわけはない(会計監査という仕事は、会社が作った財務諸表などに大きな間違いがないかどうかを確かめる仕事)ということは、雇う側も公認会計士も知っておいた方がよいかと思います。
僕自身、転職活動をするときに、監査法人で会計監査のみしていた人間にセールスポイントはあるのだろうか?と本当に思いましたから。

形式的な作業に失望し公認会計士の監査法人離れが進んでいることについて、あなたはどう思われましたか?


金融庁が専門部署を設置し監査法人を直接監督へ!

日本経済新聞によると、金融庁が監査法人を直接監督する体制を整えます。
2023年度に金融庁内に「監査モニタリング室」を置き、傘下の公認会計士・監査審査会の中に「公認会計士監査検査室」を設置する方向です。

15年ぶりに公認会計士法を改正し、自主規制機関(日本公認会計士協会)だけでなく、金融庁も直接監督・検査できるようにしました。

金融庁が近くまとめる23年度の機構・定員要求に盛り込むそうです。

2022年5月に改正公認会計士法が成立していました。
上場企業の監査を担うにあたって、自主規制団体の日本公認会計士協会による登録を法律で義務付けます。
また、公認会計士・監査審査会の立ち入り検査などにおいて、通常の業務運営体制に加えて新たに有価証券報告書に対する虚偽の監査証明の検証も行えるようになります。

金融庁による監査法人への検査・監督では行政処分を発動するといった監督権限は企画市場局が持ち、検査については公認会計士・監査審査会が担っています。
監査モニタリング室は企画市場局に、公認会計士監査検査室は公認会計士・監査審査会にそれぞれ設置することを想定しているようです。

大手監査法人からそれ以外の監査法人への監査契約のシフトがここ数年、急激に進んでいます。
『監査難民』ということばが使われるほど、監査法人との監査契約が締結できないところも増えています。
当然、大手監査法人と監査レベルが大きく異なる監査法人が、上場企業の監査をしていることがあるのも事実です。
自主規制機関では年間に検査できる件数が限られているようですので、今後、一定のレベルに達していない監査法人の排除が進めばいいですね。

金融庁が専門部署を設置し監査法人を直接監督することについて、どう思われましたか?


あずさ監査法人の公認会計士が法定研修で不正で45人処分!

大手のあずさ監査法人は、先日、所属する公認会計士45人が法律で義務づけられた研修をオンラインで不正に受講していた疑いがあると発表しました。
2つの講座に同時にログインして受講したと偽り、単位認定を受けた可能性があるようです。
あずさ監査法人は公認会計士たちを減給などの懲戒処分にすることを検討中だそうです。
また、高波博之理事長ら役員10人の報酬をカットする方針を決めました。

公認会計士たちが不正に受講していたのは、公認会計士法で義務づけられている「継続的専門研修」(CPE)です。
「職業倫理」「不正リスク対応」などの科目を直近3年間で120単位以上、年20単位以上取得する必要があります。

2020年3月に内部告発があり、過去数年にわたってパソコンのログなどを調べたところ、20代~40代の45人が1台の端末を使って2つのオンライン講義を同時に受講した可能性があることがわかったようです。
あずさ監査法人は最終的な調査を現在進めていますが、対象となる公認会計士の中に「パートナー」と呼ばれる幹部社員も含まれています。

システムに二重ログインができるようになった2014年から、不正受講を繰り返していた公認会計士もいるようです。
あずさ監査法人は2020年5月にシステムを改修し、現在は同時にアクセスできない仕組みに変えています。

CPEは、アメリカのエンロン事件など続発した会計不祥事に対応するため、監査の質向上をめざし、2004年から法律で義務づけられました。
ただし、オンラインで受講したり、学会に出席したりすれば単位取得が認められることもあるため、研修制度そのものが形骸化していた可能性もあります。

先日会見した日本公認会計士協会の手塚正彦会長は「会計士制度の根幹をなす研修を怠ったのは極めて遺憾だ」と語り、協会として他の監査法人にも同様の不正がなかったのか調べる考えのようです。
不正を繰り返し悪質な場合は、金融庁の行政処分を受けて公認会計士の登録を抹消される可能性もあるそうです。

公認会計士の教育や研修をめぐっては2017年、公認会計士試験に合格した補習生12人が実務補習中に提出した論文に、他の文献を引き写す盗用行為が見つかり、大手監査法人から処分を受けたことがあります。
公認会計士としての資質が問われかねない事態が再び起こり、2006年に簡素化され、試験合格者を大量に出すようになった会計士試験のあり方を変えるべきだとの声もあがっているようです。

青山学院大の八田進二名誉教授は「不正を見抜く立場にある会計士としての資質に欠けていると言わざるをえない。試験制度そのものを見直し、マナーや倫理観を兼ね備えるような会計士を育てていく必要がある」と指摘しています。

ちなみに、あずさ監査法人は、旧新日本監査法人(現EY新日本監査法人)から国際会計事務所KPMGと提携する部門が独立し、2004年に旧朝日監査法人と合併して発足した監査法人です。
国内の4大監査法人のひとつで、約3千人の会計士が所属し、約3,600にのぼる企業や学校法人などの監査を手がけています。

同業者として恥ずかしい限りです。
普段、内部統制がどうとか、決算の数値がどうとか言っている監査法人の人間が、このような不正をしているとは、モラルが低すぎますね。
こういう人たちは、会計監査をすべきではないと思いますし、公認会計士をやめるべきだと思います。
社風なども影響しているでしょうから、あずさ監査法人にも責任があるのではないでしょうか。
あずさ監査法人にも会計監査を受けている企業はどう思われるのでしょうか?
コンプライアンスが重要とは監査法人の人間は言っているでしょうから、これをきっかけに契約解除されても仕方ないようなことだと思います。
日本公認会計士協会も、厳しい処分を課して欲しいと思います。

あずさ監査法人の公認会計士が法定研修で不正で45人処分されたことについて、どう思われましたか?


BACK TO THE BASIC!

 今日は、いつもと違った感じです。

 現在、連載もので執筆しているものがあるのですが、来年度も継続の依頼をいただきました。

 2か月ごとに発行されますので、年間6回書くことになるのですが、初回はこれについて書いて欲しいというオーダーをいただきました。

 税務のテクニカルな話しではなく、会計のベーシックな話しでしたので、事務所の本棚から古い本を取り出しました。

 飯野利夫氏の書かれた『財務会計論(三訂版)』です。

 10数年以上前にお亡くなりになっていますが、僕が大学2年生のときに、公認会計士試験のために専門学校にも通い始めて一番最初に買った会計の本なのではないかと思いますので、僕の公認会計士としてのベースになっている本ですね。

 それから25年以上経っていますが、さらっと見たところ、会計の理論は色褪せていないかもしれないですね。

 この本を参考に、来年度は6回の連載を執筆していこうと思います。

 さらっと見ましたが、日頃は目の前の仕訳や税務に対応していることが多いですが、会計のベーシックなことを久しぶりに目にして、スゴく新鮮な気持ちになりました。

 普段もシンプルにものごとを考えるということを念頭に置いて仕事に取り組んでいますが、たまには、こういうベーシックなところに立ち返って、シンプルにものごとを考えるということを改めて考えるというのも良いなぁと感じました。

 ちなみに、櫻井通晴氏の書かれた『原価計算<理論と計算>』や『経営原価計算論(増補版)』も、僕の公認会計士としてのベースになっている本です。


金融庁が清流監査法人を処分!

 金融庁は、清流監査法人に対して処分を行いました。

内容は、以下のとおりです。

 金融庁は、令和元年7月5日、公認会計士・監査審査会(以下「審査会」という。)から、清流監査法人(法人番号8011205001626)に対して行った検査の結果、当監査法人の運営が著しく不当なものと認められたとして、当監査法人に対する行政処分その他の措置を講ずるよう勧告を受けました。
 同勧告を踏まえ、金融庁は本日、下記のとおり、当監査法人に対して公認会計士法第34条の21第2項に基づき、以下の処分を行いました。

                      記

1.処分の概要
(1)処分の対象
名称:清流監査法人(法人番号8011205001626)
事務所所在地:東京都千代田区

(2)処分の内容
業務改善命令(業務管理体制の改善)

(3)処分理由
別紙のとおり、運営が著しく不当と認められるため。

2.業務改善命令の内容
(1)総括代表社員は、組織的に監査の品質を確保する必要性を十分に認識し、社員の職責の明確化、社員会の機能発揮、社員及び職員の経験に依存した業務運営の改善など、実効性のある品質管理のシステムの構築に向け、当監査法人の業務管理態勢を整備すること。
(2)総括代表社員は、審査会の検査及び日本公認会計士協会の品質管理レビューにおいて指摘された不備の原因を十分に分析したうえで改善策を策定及び実施し、改善状況の適切な検証ができる態勢を整備するとともに、監査契約の新規の締結における十分かつ適切なリスク評価、監査実施者に対する実効性のある教育・訓練、審査担当責任者による批判的かつ適切な審査、実効性のある日常的監視及び定期的な検証を実施できる態勢を整備するなど、当監査法人の品質管理態勢の整備に責任を持って取り組むこと。
(3)現行の監査の基準に準拠した監査手続を実施するための態勢を強化すること(固定資産の減損会計における兆候判定、株式移転の会計処理、関連当事者取引に関する検討など、審査会の検査において指摘された事項の改善を含む。)。
(4)上記(1)から(3)に関する業務の改善計画について、令和元年11月末日までに提出し、直ちに実行すること。
(5)上記(4)の報告後、当該計画の実施完了までの間、令和2年4月末日を第1回目とし、以後、6か月ごとに計画の進捗・実施及び改善状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること。

上記の『別紙』の内容は以下のとおりです。

清流監査法人の運営は、下記のとおり著しく不当なものと認められる。

               記

1 業務管理態勢
 当監査法人は、社員5名、非常勤職員を中心とした監査補助者等により構成されているが、総括代表社員を除く社員は、それぞれの個人事務所等の業務を主としており、当監査法人の業務への関与は低く、総括代表社員が品質管理担当責任者を兼務している。
 また、当監査法人は、設立以来、特定の個人により実質的に支配されている企業グループを主な被監査会社とし、その監査報酬は当監査法人の業務収入の大部分を占めている。
 当監査法人の監査業務は、社員2名がそれぞれ審査又は定期的な検証の専任であることから、総括代表社員を含む3名の社員を中心に実施されている。また、監査補助者は主に非常勤職員で構成され、業務執行社員が主査を担当する監査業務もあるなど監査実施態勢は十分ではない。この点について、総括代表社員は、当監査法人の強みを、経験を積んだ公認会計士を基本に監査チームを編成していることであるとし、社員及び職員のこれまでの経験に依存した運営を継続しており、品質管理態勢を十分に整備する必要性を認識していない。
 このような状況において、当監査法人は、日本公認会計士協会(以下「協会」という。)の平成29年度品質管理レビューにおいて限定事項を付されており、総括代表社員は、限定事項とされた関連当事者取引の不備の根本原因を会計基準や監査の基準の理解不足にあると認識している。
 しかしながら、下記2に記載するとおり、その改善は、チェックリストの整備等の対症療法的な対応であり、知識や能力の向上を各自に委ねており、適切な教育・訓練態勢を構築していない。また、限定事項とされた審査態勢や定期的な検証等の実施態勢の改善を検討していない。
 そのため、下記3に記載するとおり、今回公認会計士・監査審査会(以下「審査会」という。)検査で検証対象とした全ての個別監査業務の業務執行社員及び監査補助者において、会計基準及び現行の監査の基準が求める水準の理解が不足している状況、職業的懐疑心が発揮できていない状況がみられ、それらに起因する重要な不備を含む不備が広範かつ多数認められている。
 また、総括代表社員以外の社員は、当監査法人の業務運営を総括代表社員に委ね、重要事項の意思決定に十分に関与していない。そのため、財務諸表等の訂正要否や監査契約の新規の締結の審査などの重要事項が社員会に付議されているにもかかわらず、十分に検討されることなく承認されるなど社員会の機能が発揮されていない。
 このように、総括代表社員においては、法人トップとして組織的に監査の品質を確保するという意識に欠けており、当監査法人の監査業務の現状を踏まえた実効的な品質管理のシステムを構築するためにリーダーシップを発揮していない。また、総括代表社員以外の社員においては、当監査法人の業務運営、品質管理のシステムの整備及び運用を総括代表社員に委ね、これに関与するという意識に乏しく、社員としての職責を十分に果たしていない。

2 品質管理態勢
(前回審査会検査及び品質管理レビューでの指摘事項に対する改善状況)
 総括代表社員は、前回審査会検査及び平成29年度品質管理レビューでの指摘事項を踏まえた対応として、全社員及び職員を対象として品質管理レビュー等の結果報告会を開催し、指摘事項を周知するとともに、指摘事項を反映したチェックリストを作成し、業務執行社員が当該チェックリストを用いて改善状況を確認する等の改善措置を指示している。
 しかしながら、総括代表社員は、社員及び職員が会計基準や監査の基準を十分に理解していないことを個別監査業務における不備の根本原因として認識していたにもかかわらず、法人内での指示やチェックリストは、指摘事項に直接対応する対症療法的な内容にとどまっており、認識していた根本原因に対応したものとしていない。
 また、平成29年度品質管理レビューにおいて、「指示と監督及び監査調書の査閲並びに監査業務の審査、定期的な検証」について限定事項とされているが、これに対する改善は、限定事項の理由とされた関連当事者取引を重点的に確認する等の措置のみにとどまっており、総括代表社員は、審査、定期的な検証等の実施態勢の改善を検討していない。
 このように、いずれの取組も不十分であることから、今回審査会検査で検証した個別監査業務の全てにおいて、これまでの品質管理レビュー等での指摘事項と同様の不備が繰り返されている。

(監査契約の新規の締結及び更新)
 当監査法人は、監査契約の新規の締結及び更新に関する方針及び手続を「監査の品質管理規程」に定めているが、業務執行社員予定者の選任、独立性の確認、リスク評価などについて具体的な実施手続を整備していない。
 また、前回審査会検査において監査契約の新規の締結に伴うリスク評価の不備について指摘を受けているが、今回審査会検査においても監査契約の新規の締結に当たり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況に係る検討が不足しており、また、主要な経営者、監査役等の異動をリスクとして識別していないなど、リスク評価が不十分である。
 さらに、限定事項付き結論となった平成29年度品質管理レビューの結果を会計監査人の選任議案の決定権限を有する監査役等に書面で伝達していない。

(監査実施者の教育・訓練)
 監査実施者の教育・訓練を担当する総括代表社員は、前回審査会検査及び平成29年度品質管理レビューにおいて指摘された不備には、社員及び職員の会計基準及び監査の基準の理解不足に起因するものがあると認識している。このような認識の下、総括代表社員は、自ら出席した協会研修のうち業務上重要と判断した研修資料を社員及び職員へのメール等で共有し、また、専門要員の年間40単位以上の継続的専門研修の履修を確認したとしている。
 しかしながら、今回審査会検査においても、会計基準及び監査の基準の理解不足に起因した不備が多数生じており、当監査法人の教育・訓練は実効性のあるものとなっていない。

(監査業務に係る審査)
 当監査法人は、特定の社員を審査担当責任者として選任し、全ての監査業務の審査を担当させている。
 当該審査担当責任者は、審査で気付いた点を監査チームに伝達するにとどまり、最終的な判断を業務執行社員に委ねていること、監査チームの説明に過度に依存し、監査調書に基づいた客観的な検証が不足していることなどから、今回審査会検査において指摘した重要な不備を指摘できていない。
 このように、平成29年度品質管理レビューにおいて限定事項とされた後も、審査担当責任者は、審査の職責を果たしておらず、当監査法人の審査態勢は十分に機能していない。また、総括代表社員は、限定事項とされた後も、このような審査態勢の改善を検討していない。

(品質管理のシステムの監視)
 当監査法人は、特定の社員を定期的な検証担当責任者として選任し、日常的監視及び監査業務の定期的な検証の全てを担当させている。
 当該定期的な検証担当責任者は、日常的監視において、内部規程の内容を十分に確認しておらず、定期的な検証業務においては、会計上の論点を中心に検証し、監査証拠の適切性及び十分性の観点からの検証が不足している。このようなことから、今回審査会検査において認められた内部規程等の整備及び運用状況に係る不備や個別監査業務の重要な不備を看過しており、定期的な検証担当責任者が実施する、日常的監視及び定期的な検証による品質管理システムの監視は不十分である。また、総括代表社員は、定期的な検証について平成29年度品質管理レビューにおいて限定事項とされた後も、このような実施態勢の改善を検討していない。
 このように、当監査法人の品質管理態勢は、前回審査会検査及び品質管理レビューでの指摘事項に対する改善状況、監査契約の新規の締結及び更新並びに監査業務に係る審査に重要な不備が認められるほか、広範に不備が認められており、著しく不十分である。

3 個別監査業務
 総括代表社員を含む業務執行社員及び監査補助者は、会計基準及び現行の監査の基準が求める水準の理解が不足している。そのため、固定資産の減損会計における兆候判定の誤りや株式移転の会計処理の誤りを見落としている事例、関連当事者取引の開示や連結財務諸表に関する会計基準に従った連結範囲の検討が不足している事例などの重要な不備が認められる。
 また、当監査法人の主な被監査会社は、特定の個人により実質的に支配されており、関連当事者間で多様な取引が行われている状況にあるが、総括代表社員を含む業務執行社員及び監査補助者は、関連当事者取引の検討や会計上の見積りの監査などにおいて、職業的懐疑心が不足している。そのため、当該特定の個人との通例ではない重要な取引を批判的に検討していない事例、工事進行基準の適用における会計上の見積りの検討が不足している事例などの重要な不備が認められる。
 上記のような重要な不備は今回審査会検査で検証対象とした個別監査業務の全てにみられる。そのほか重要な不備ではないものの、被監査会社が作成した情報の信頼性を評価していない事例、経営者が利用する専門家の適性・能力及び客観性の評価が不足している事例、不正リスクを識別している売上高の実証手続が不足している事例、監査報告書日後に実施した手続を監査報告書日前に実施したように監査調書に記載している事例など、不備が広範かつ多数認められる。
 このように、検証した個別監査業務において、重要な不備を含めて広範かつ多数の不備が認められており、当監査法人の個別監査業務の実施は著しく不十分なものとなっている。

以上

このような状況の監査法人が、上場企業の会計監査をやっていて良いのでしょうか?
毎年、いくつかの監査法人が処分されていると思いますが、オピニオンショッピング(会計監査を受ける企業が、自社にとって都合の良い監査意見を表明してくれる監査法人や公認会計士を新たに選任すること。)の温床とならないこと祈るばかりです。
市場から退場していただかないといけないところは早めに退場していただかないと思いますし、このようなことがあると、公認会計士業界全体の信頼が失われてしまいますので。

金融庁が清流監査法人を処分したことについて、どう思われましたか?


女子中学生にわいせつな行為をしようとした公認会計士を逮捕!

 先日、公認会計士の男が女子中学生にわいせつな行為をしようとしたとして、警視庁に逮捕されました。

強制わいせつ未遂の疑いで逮捕されたのは、東京都調布市の公認会計士(32)です。
公認会計士は5月12日午後5時ごろ、調布市のマンションで帰宅途中の女子中学生がエレベーターからおりたところ、後ろから抱きついて口を塞ぎ、わいせつな行為をしようとした疑いがもたれています。

警視庁によると、2人に面識はなく、女子中学生が悲鳴をあげたため、公認会計士は非常階段から逃げましたが、防犯カメラの捜査で関与が浮上したようです。
取り調べに対し、公認会計士は「間違いありません」と容疑を認めているということです。

後日、PwCあらた有限責任監査法人が、『当法人の職員の逮捕に関するお詫び』という以下のプレスリリースを行っています。
 昨日PwCあらた有限責任監査法人の職員が逮捕されました。詳細は現在調査中であり、事実関係を確認次第、厳正に対処いたします。皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
                                    2019年5月22日
                              PwCあらた有限責任監査法人

本当にこういったことはやめて欲しいですね。
1人の行為が、所属監査法人、公認会計士業界に多大なる影響を与えてしまいます。
先生と呼ばれることの多い士業には、人格や品位などが必要だと思いますね。
PwCあらた有限責任監査法人のプレスリリースも『皆様』になっていますが、まずは被害者の方やご家族に謝罪すべきであると思いますので、このプレスリリースはどうなんだろうと思いますね。
クライアントに向けてリリースしているのでしょうか?

女子中学生にわいせつな行為をしようとした公認会計士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


イギリスの競争当局が4大監査法人の「業務分離」を報告!

 イギリスの競争当局である競争・市場庁は、先日、イギリス監査業界の改革に関する最終報告書を公表しました。
「ビッグ4」と呼ばれる4大監査法人グループについて、監査とそれ以外の業務を組織内で分離するよう求めるのが柱です。
大手4社の寡占が監査の質を下げていると問題視し、上場する大企業には複数の監査法人による共同監査を義務付けることも提言しました。

イギリス政府は、報告書への見解や対応方針を90日以内に明らかにし、法制化の必要性などを判断するようです。

イギリスでは建設大手カリリオンが2018年1月に経営破綻したのを機に、経営悪化を見抜けなかった外部監査人のKPMGなど大手監査法人への批判が強まりました。
競争・市場庁は、2018年12月、利益相反リスクを減らすため監査とそれ以外の非監査業務を組織内で分けたり、共同監査を導入したりする案を示して意見を募っていました。

最終報告書は、これまでの議論を踏襲しました。
まず大手4グループについて、決算書類が正しいか調べる監査業務と、経営や税務戦略を指南するコンサルティングなどの非監査業務を運営上分離するよう求めました。
グループ内で経営や収益管理などを分け、監査部門は監査に集中すべきだと訴えました。

この背景には利益相反の懸念に加え、高収益な非監査部門の存在が監査部門を資金的にも支え、準大手以下の参入を妨げる一因になっているとの問題意識もあるようです。
政界からは別法人として完全に切り分ける「解体」論も上がっていたようですが、急進的な変更はリスクがあるとして踏み込みませんでした。

ロンドン証券取引所に上場する主要350社を対象に、原則として2つ以上の監査法人による共同監査を義務付けることも提案しました。
イギリスでは主要350社の97%の監査を4大法人が行っています。
寡占を打破するため少なくとも1つは4大監査法人以外とし、準大手以下の参入による競争の活性化を促すようです。

競争・市場庁は声明で「市民の生計や貯蓄、年金は監査が高い基準で行われているかにかかっている」と述べ、改革の必要性を強調しました。
一方で、市場関係者からは実効性に疑問の声も出ているようです。
英金融業界団体ザ・シティーUKは「真の監査の質向上につながる証拠はない」とし、急進的な改革で副作用が出ないよう慎重な実施を求めました。

僕は公認会計士で、もともと監査法人に勤めていた人間ですが、個人的には、独立性の観点からは、一般の方々にとっては、同一クライアントに対して監査以外のサービスを提供しているという状況は監査上大丈夫なのだろうかという疑問は生じると思いますので、同一クライアントに対して監査業務以外のサービス提供はやめた方がよいのではないかと思います。
共同監査については、個人的には、反対です。
日本でもあまり行われていないということは効果がないことの表れだと思いますが、監査法人ごとに監査手続きの進め方などに独自のやり方があると思いますが、共同監査になると、それを見せることになり、独自性がなくなっていく(存在意義がなくなる)と思います。
結局、お互いが手の内を見せないことになると、担当を完全に切り分けるだけになると思いますが、コミュニケーションのなさが粉飾等を見落とす原因となると推測されます。
あとは、監査意見や会計処理についてもそれぞれ独自のものがあるでしょうから、監査法人間の意見の対立・調整という監査の本質ではない無駄な時間が増加する可能性があるように思います。

イギリスの競争当局が4大監査法人の「業務分離」を報告したことについて、どう思われましたか?


東芝の監査法人である新日本監査法人に1兆円請求!

 東芝の不適切会計問題を巡り、株主が会計監査を担った新日本監査法人(東京)に損害賠償を求めた株主代表訴訟で、原告の株主側が請求額を約105億円から1兆円に増額したことがわかったようです。
監査法人を訴えた同種訴訟は珍しく、請求額が1兆円に上るのは異例です。

東芝は、20157月、パソコン部門で利益を水増しするなどの不適切会計があったとする外部の第三者委員会の報告書を公表し、3人の歴代社長が辞任しました。
金融庁は201512月~20161月、不適切会計を見抜けなかったとして、新日本監査法人に一部業務停止や約21億円の課徴金納付を命じ、20169月、大阪府内の株主が約105億円の賠償を求めて東京地裁に提訴しました。

ただし、その約3か月後、アメリカにある東芝の原発子会社ウェスチングハウス(WH)が201512月に買収したアメリカの原発建設企業の資産価値が想定より大幅に低かったことも発覚し、東芝は、アメリカの原子力事業で1兆円超の損失を計上する事態となりました。

原告側が問題視するのは、アメリカでの原発建設の遅れに伴ってWH20122013年度に計上した約1,100億円の損失を東芝がすぐには公表しなかった点です。
東芝は201511月に公表したものの、この時にはWHと原発建設企業が買収に合意していました。

原告側は「WHの損失が早く公表されていれば、株主は原発建設企業の買収を認めなかった。公表しないという東芝の判断を追認した監査法人は損失の責任を負う」として、20191月に請求額を増額しました。
これに対し、新日本監査法人は「企業が何を公表するかは監査法人の監査対象ではない」として請求棄却を求めています。

株主代表訴訟は、提訴時の手数料が一律13,000円で、請求額に応じて上昇する通常の民事訴訟よりも巨額訴訟を起こしやすいとされます。
会社法に詳しい上村達男早稲田大教授は、今回の訴訟について、「会社で生じた損失には多くの要因があり、全てを監査法人に負担させようというのは無理がある」とした上で、「1兆円の請求額は根拠に乏しい」と指摘しています。

一方、原告側代理人の弁護士は「監査法人の責任でどれだけ損害が生じたのかを裁判で明らかにすることは、再発防止のためにも意味がある」と話しているようです。

僕自身、公認会計士というのもあるとは思いますが、上村教授のおっしゃるとおりだと思います、
粉飾も第一義的には、東芝に責任があるということをきちんと認識してほしいですね。
当然、会計監査人に責任がないとは思いませんが、こういうことがどんどん出てくると、最近増えている大手監査法人が監査契約を断るというケースがますます増え、いわゆる『監査難民』となる上場企業が増えるのではないかと思います。
世間一般的に、会計監査人側と投資家側の会計監査に対する『ギャップ』があるのは事実だと思いますが、金融庁とか証券取引所とか日本公認会計士協会などが、地道に取り組んでいかないといけないでしょうね。

東芝の監査法人である新日本監査法人に1兆円請求がなされたことについて、どう思われましたか?


日本公認会計士協会が通年でビジネスカジュアルを実施!

 日本公認会計士協会は、これまで、官庁が提唱する温暖化対策への対応として、夏季期間に会館内で執務する役職員の軽装を実施していました。
しかしながら、今後は、通年で「ビジネスカジュアル」を実施するようです。

役職員のビジネスカジュアルに当たっては、『来館者の方々に対し、失礼とならない服装に努めますので、何卒、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。』とコメントしています。

僕自身も、普段お会いしている方はご存知かと思いますが、監査法人トーマツ時代に、夏場はビジネスカジュアルだったこともありますが、年がら年中、ビジネスカジュアルで、スーツを着るのは年間数日です。

昔は、スーツや靴やネクタイやシャツに結構お金をかけていましたし、スーツが嫌いなわけではないのですが、特に必要もないのではないかと思っています。
クールビズでも、上着を着ず、ネクタイをしない(クールビズにふさわしくないようなシャツ)だけなのは、中途半端さが個人的には大嫌いで、やめた方が良いと思っています。
服装で仕事をするわけではないので、こういった流れがどんどん広がり、ビジネスカジュアルが普通という時代に早くなってほしいですね。

日本公認会計士協会が通年でビジネスカジュアルを実施することについて、どう思われましたか?


監査法人トーマツが罰金2億円を支払い!

 アメリカ証券取引委員会(SEC)は、先日、僕の出身の監査法人トーマツが会計監査の独立性ルールに違反し、200万ドル(約2億2,000万円)の罰金を支払うと発表しました。
トーマツ元幹部は同法人が監査を担当する金融機関の口座に一定基準を上回る金額を預けていました。
「独立性が損なわれた状態」で監査報告書が提出されていた上に、法人内の監督体制も不十分で、今回の処分につながったようです。

SECの発表によると、トーマツの元最高経営責任者(CEO)である天野太道氏が独立性ルールに違反しました。
金融機関名は公表されていませんが、アメリカニューヨーク証券取引所に上場する三菱UFJフィナンシャル・グループとみられます。
三菱UFJフィナンシャル・グループが2015年にSECに提出した資料で、トーマツ幹部の預金残高が限度額を超え、独立性ルールに抵触していたと開示していました。
天野氏、は2015年7月末にトーマツのCEO職を辞任しています。

SECのルールでは会計監査の独立性を保つために、監査法人の幹部や監査チームのスタッフが、監査担当企業の銀行口座に一定水準を超す金額を預けないように求めています。
日本企業の場合、預金保険機構の保険限度額(1千万円)がこの水準に当てはまります。
天野氏は三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の銀行に口座を持ち、預金額が一定期間、1千万円を超えていたとみられます。
この間、三菱UFJフィナンシャル・グループは、トーマツの監査報告書を添付してSECに財務書類を提出していた。

SECによると、天野氏の違反は2014年3月にトーマツ内で発見されましたが、監査先の金融機関に伝達されたのは2015年に入ってからでした。
さらに別の調査によって、トーマツに所属する計88人が「独立性ルール」に違反していたことが判明したそうです。
SECはトーマツの違反発見後の対応のまずさや、ずさんな監督体制を問題視し、今回の重い処分につながったようです。

トーマツは「品質管理態勢への影響はない。今後とも監査品質の向上に最善を尽くす」とコメントしています。

独立性が重要な監査法人のトップがこれでは、処分されて当然のように思います。
僕が勤務していた時から、こういったことはチェックするシステムがありましたが、甘かったんでしょうね。
幹部の方々はたくさん報酬をもらっていらっしゃるでしょうから、忙しくて数か月放置しておくとすぐに超えてしまうのかもしれませんね。
それについては、元々、報酬の振込口座としてクライアントを除くことにしておけば良いかと思いますが。

監査法人トーマツが罰金2億円を支払ったことについて、どう思われましたか?


タクシー運転手を蹴った公認会計士を暴行容疑で逮捕!

 タクシー運転手の男性に暴行を加えたとして、神奈川県警緑署は、先日、暴行容疑で、横浜市緑区長津田町の公認会計士(49)を逮捕したようです。
公認会計者は、「覚えていない」と供述しているそうです。

逮捕容疑は、2019日午前2時5分ごろ、自宅近くの路上に止まったタクシー車内で男性運転手(54)を蹴ったとしています。

神奈川県警緑署によると、公認会計士は東京都千代田区内からタクシーに乗車し、自宅付近にさしかかったため寝ていた公認会計士を男性運転手が起こそうとした際、足蹴りしたそうです。
男性運転手が取り押さえて通報し、駆け付けた同署員に引き渡しました。

こういったことで『公認会計士』の名前が出ることは、残念なことです。
人格なども大事ですね。
おそらく、この方はコンサル会社の執行役員だと思いますが、そもそもこういう方がコンサルをできるのでしょうか?
あとは、公認会計士協会のホームページから検索すると、平成29年度は、継続的専門研修(いわゆるCPE)の履修義務が不履行になっていますね。

タクシー運転手を蹴った公認会計士が暴行容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


1億8千万円横領容疑で弁護士を逮捕!

 土地建物管理会社から依頼を受けて弁護士の業務として預かっていた計約18,200万円を着服したとして、大阪地検特捜部は、先日、業務上横領容疑で、大阪弁護士会所属の弁護士(66)を逮捕したようです。
大阪地検特捜部は認否を明らかにしていません。

逮捕容疑は、土地建物管理会社が所有するビルの賃料相当損害金を管理する業務を行っていた20135月~201412月、19回にわたり、同社から預かっていた賃料相当損害金を、預かり金口座から出金して流用したり、自分個人名義の口座に振り込んだりして計約18,200万円を着服したとしています。

弁護士をめぐっては、大阪弁護士会が20183月、預かり金をめぐるトラブルの調査に誠実な回答をしなかったとして、業務停止3か月の懲戒処分にしたと発表していました。

大阪弁護士会によると、弁護士が建物の明け渡しや賃料の支払いをめぐる訴訟の代理人をしていた2012年~2014年、相手方が賃料として預かり金口座に振り込んだうち、約9,200万円の行方が分からなくなったようです。

大阪弁護士会が調査に乗り出したようですが、弁護士は口座の取引明細証明書の一部を黒塗りにして大阪弁護士会に提出し、開示を求めても応じなかったりしたため、懲戒処分を決定したそうです。

毎年何人かこのような弁護士のことが新聞などに出ていますが、専門家としては、悲しくなりますね。
信用で成り立っている専門家ですので、一人の行為が、業界全体の信用失墜につながりますからね。
専門家として、プライドを持って仕事をしてほしいですね。
仕事を頼まれる方も、誰を信じていいのか分からなくなると思いますので。

18千万円横領容疑で弁護士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


公認会計士の継続的専門研修における「会員の研修履修結果の開示」!

 公認会計士は、導入されてかなり経ちますが、継続的専門研修制度(いわゆるCPE制度)は、公認会計士としての使命及び職責を全うし、監査業務等の質的向上を図るため、公認会計士の資質の向上及び公認会計士が環境の変化に適応するための支援を目的とし行われ、会員は所定の単位数の取得を義務付けられています。

日本公認会計士協会の会員の義務達成率は平成29年度では98.8%となっており、大多数の会員が義務を達成し、その資質の向上に役立てています。

この度、公認会計士に業務を依頼する際の参考に資するための情報充実の観点から、会員の研修履修結果が開示されることになりました。

会員の研修履修結果については、公認会計士等検索システムで会員個人を検索していただいた画面で確認することができます。

僕も自分のものを確認してみましたが、開示されるようになっています。
僕自身も、年間に、公認会計士や税理士向けの研修だけでなく、かなりの数の研修を受講していますので、良い試みではないかと思います。
これを見て、この人に仕事を頼もうなどといった考えが働くかどうかは疑問ではありますが。

公認会計士の継続的専門研修における「会員の研修履修結果の開示」について、どう思われましたか?


ユニクロの柳井氏が記念式典で講演し「公認会計士がハンコを押す人になっている」!

 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、先日、日本公認会計士協会が開催した記念講演で、公認会計士に対して「経営者と経営課題を議論できるパートナーになってもらいたい」と語った。人工知能(AI)の発達などで会計業務が標準化される可能性について言及したうえで、会計知識の経営への活用を参加者らに呼びかけました。

 日本公認会計士協会が東京国際フォーラム(東京・千代田)で開いた「公認会計士制度70周年記念式典及び記念講演」に登壇しました。

柳井氏は、公認会計士が「(監査業務で)ハンコを押す人になっている」と指摘しました。
AIの発達などで「単純な計算や分析は必要がなくなる」との見通しを示したうえで、経営者との協調を呼びかけました。

柳井氏は、また、国内企業の経営力が劣化しているとの持論を展開し、その例として「一番もうかっている半導体の部門を売って時代遅れの重厚長大な部門を残す経営判断はおかしい」と半導体メモリー子会社を売却した東芝を挙げました。

近くで開催されれば行ったのですが、流石に、柳井さんは的をついたことをおっしゃいますね。
日本公認会計士協会は、AIが発達しても、業務に影響がないことをアピールしたいのでしょうが(笑)。
僕が、監査法人にいた頃から、指導はしてはいけないということがあったので、疑問は感じでいました。
本当に、『ハンコを押す人』になっていると思います。
やはり、監査に関すること以外も経営者と協議をして、色々なことに対して発言・指導することによって、存在感が増し、クライアントとの良好な関係が構築されるのではないかと思います。
当然、監査を行う公認会計士に、幅広い知識が要求されます。

ユニクロの柳井氏が記念式典で講演し「公認会計士はハンコを押す人になっている。」と述べられたことについて、どう思われましたか?

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仙台の通信事業関連会社が確定申告せず約4,300万円を脱税か?

 

NHKによると、通信機器のレンタルなどを行う宮城県仙台市の通信事業関連の会社の社長が、2年分の所得を申告をせず、およそ4,300万円を脱税したとして、仙台国税局から法人税法違反などの疑いで告発されました。

告発されたのは宮城県仙台市青葉区にある通信事業関連会社と、この会社の社長(67)です。

仙台国税局によると、2021年3月までの2年分の所得がおよそ1億8,100万円あったにもかかわらず、確定申告を行わず、およそ4,300万円を脱税したとして法人税法違反と地方法人税法違反の疑いで仙台地方検察庁に告発しました。

この会社は、通信機器のレンタルなどを行う会社で、申告されなかった所得は、法人名義でのマンションの購入や預金に充てられていたということです。

NHKの取材に対し、社長は「事業が忙しくて税理士もいなかったため確定申告ができなかった。意図的ではなくすでに修正申告と必要な納税は済ませた」と話しています。

 

『事業が忙しくて税理士もいなかったため確定申告ができなかった。』という言い訳は、どうなんでしょうね?

忙しければ、税理士に依頼すれば良いわけですし、そもそも法人で自分でできるとでも思っているのでしょうか?

脱税するくらい稼いでいるわけですから、税理士に報酬を支払うことはできるでしょうし、マンションを購入する時間はあるわけですから。

 

仙台の通信事業関連会社が確定申告せず約4,300万円を脱税していたことについて、あなたはどう思われましたか?


確定申告「闇バイト」に応募で所得税の不正還付をめぐる詐欺事件で2人目を逮捕!

 

朝日新聞によると、所得税の不正還付をめぐる詐欺事件で、約90万円を詐取したとして愛知県警が40代の男を詐欺の疑いで逮捕したことが、先日、捜査関係者への取材でわかったようです。

愛知県警は男が「闇バイト」に応募し、不正還付の指示を受けた可能性があるとみて調べています。

捜査関係者によると、40代の男は2024年、「所得税約90万円がすでに源泉徴収されており、同額が超過納付されている」などとするうその申請を、インターネット経由の確定申告e-Tax(イータックス)上で行い、還付金約90万円をだまし取った疑いがあります。

同様の手口で還付金約95万円をだまし取ろうとしたとして、愛知県警は、先日、愛知県一宮市の会社員(63)を詐欺未遂の疑いで逮捕しました。

会社員は「節税案件」などとうたう広告をみて闇バイトに応募し、指示役と共謀して還付金を詐取しようとしたとされます。

愛知県警は、手口などから今回逮捕された男もこうした闇バイトの1人で、会社員と同様に指示されて還付金を詐取した可能性があるとみて調べを進めています。

確定申告にも『闇バイト』が出てくるとは、時代を感じますね。

消費税の不正還付もそうですが、こういう事件が多発することにより、所得税の還付が厳しくならないようにして欲しいですね。

確定申告「闇バイト」に応募で所得税の不正還付をめぐる詐欺事件で2人目が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


賞与を水増しして9千万円を脱税の疑いでエンジン製造会社を告発!

 

東京新聞によると、従業員の賞与を水増しして法人所得を圧縮し、約9,700万円を脱税したとして、大阪国税局が法人税法違反の疑いで農業機械用ディーゼルエンジン部品製造会社(大阪市東成区)と、代表(75)を大阪地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

告発容疑は、2023年3月期までの2年間、従業員の賞与を水増しして約3億8,100万円の所得を隠した疑いです。

水増し分はキックバックさせ、代表が個人的なブランド品や貴金属の購入に充てていたようです。

賞与を水増しして支給し、キックバックさせていたというのは、かなり悪質ですね。

2年間で4億円弱所得隠しをしているということは、かなり儲かっていますね。

数年前の楽天モバイルの横領事件も、ブランド品をたくさん購入していたと思いますし、ブランド品などをたくさん買っている人を調べることができれば、脱税とか横領をしている人が芋づる式に見つかるかもしれませんね。

賞与を水増しして9千万円を脱税の疑いでエンジン製造会社を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


“雇われ院長”開業は免税対象ではなくTCBに追徴課税9億円!

 

NHKによると、全国で美容クリニックの「TCB東京中央美容外科」を展開する医療法人などが、クリニックの利益を院長がそれぞれ開業したもので個人の所得だとして税務申告させていましたが、国税局から実際は法人の利益にあたり、本来適用されない消費税納付の免除を受けていたなどと指摘され、あわせておよそ9億円の追徴課税を受けたことが関係者への取材で分かったようです。

追徴課税を受けたのは、全国で「TCB東京中央美容外科」などを展開する、福島県福島市にある医療法人社団「メディカルフロンティア」や東京、北海道などの運営法人です。

関係者によると、TCBグループの複数の運営法人が、美容クリニックの利益を院長がそれぞれ開業したもので個人の所得だとして税務申告させ、開業から2年間は一定の条件を満たせば消費税の納付を免除される制度の適用を受けさせていたということです。

ところが、各地の国税局が税務調査を行ったところ、法人と院長が雇用契約を結んでいるなど実際は「雇われ院長」で運営法人が税務申告すべきであり、法人の売上高が一定の額を超えているなど消費税の免除制度の対象の条件に当てはまらないと判断されたということです。

また、一部の運営法人で実体のない業務委託費を計上していたなどと認定し、仙台国税局や東京国税局などは、2023年6月までのおよそ4年間で8億円余りの申告漏れを指摘し、過少申告加算税などを含めおよそ9億円を追徴課税したということです。

取材に対し「メディカルフロンティア」は、これまでにコメントしていません。

せこいことをしていますね。

雇用契約を結んでいるのに、開業しているというのはどうなんでしょうね。

脱税をして、規模を拡大しているのであれば、実質的に税金が使われているということですから、勘弁して欲しいですね。

法人としても、コメントを出して欲しいと思います。

“雇われ院長”開業は免税対象ではなくTCBに追徴課税9億円があったことについて、あなたはどう思われましたか?


大阪国税局が新地ホステスの所得税8,600万円を納めなかったクラブ経営者を告発!

 

産経新聞によると、ホステスらの源泉所得税約8,600万円を納めなかったとして、大阪国税局が所得税法違反の罪で、大阪・キタの歓楽街「北新地」にある会員制クラブの経営者(51)を大阪地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、会員制クラブの経営者は北新地で複数の会員制クラブを経営していました。

2022年9月~2023年12月、在籍していた黒服やホステスから源泉徴収した所得税約8,600万円を納付しなかったそうです。

会員制クラブの経営者は、黒服やホステスには源泉徴収分を差し引いた給与や報酬を支払っていましたが、源泉徴収分を納めずに店の事業資金などに充てていたそうです。

所得税を源泉して給与や報酬を支払っているのに、税務署へ納付をしないというのは、かなり悪質ですね、

お店を使っている方は、このようなことが起こるとどう思われるのでしょうか?

コンプライアンスに厳しい会社の方も使われていらっしゃるでしょうから、そういう会社とかそういう会社の役員や従業員を相手に商売されている方も、コンプライアンスを気にしないといけない時代かもしれないですね。

大阪国税局が新地ホステスの所得税8,600万円を納めなかったクラブ経営者を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


東京地検特捜部が東京都江東区の人材派遣会社を法人税など“1億円超”脱税した罪で在宅起訴!

2025年02月27日(木)

TBSによると、法人税などあわせて1億円あまりを脱税したとして、東京地検特捜部は東京都江東区の人材派遣会社とその代表を法人税法違反などの罪で在宅起訴しました。

法人税法違反などの罪で在宅起訴されたのは、東京都江東区の人材派遣会社と代表(56)です。

東京地検特捜部によると、代表は2021年8月までの1年間に架空の従業員の給料を計上するなどして、およそ8,700万円の所得を隠し、法人税およそ2,100万円を脱税した罪に問われています。

このほか、2022年に確定申告書を提出せず、法人税と消費税あわせておよそ8,000万円を脱税した罪にも問われています。

東京地検特捜部は代表の認否を明らかにしていません。

架空の給料の計上とか、無申告は悪質ですね。

それにしても、人材派遣業って儲かるんですね。

脱税ではなく、きちんと月次決算をして、節税すればよいと思いますが、なぜ脱税に走るのでしょうか?

あと、こういう会社から人材派遣を受けていらっしゃるところは、どういう対応を取られるのでしょうか?

東京地検特捜部が東京都江東区の人材派遣会社を法人税など“1億円超”脱税した罪で在宅起訴したことについて、あなたはどう思われましたか?


税理士資格ない会社役員が確定申告で脱税指南をして東京国税局が告発!

 

NHKによると、東京都渋谷区の48歳の会社役員が、税理士の資格がないのに確定申告の際、知人の税務書類の作成を請け負い、男女5人に対して架空の損失を計上する手口を指南し、合わせておよそ2,000万円を脱税させたとして東京国税局から告発されたようです。

告発されたのは、経営コンサルティング会社を経営する東京都渋谷区の会社役員(48)です。

関係者によると、会社役員は、税理士の資格がないのに確定申告の際、知人の税務書類の作成を請け負い、会社員の男女5人に対して架空の副業で損失が出たとして、所得を少なく見せかける手口を指南していた疑いがあるということです。

東京国税局は、役員が5人と共謀し、2023年までの4年間に合わせて1億2,000万円余りの所得を隠し、およそ2,000万円を脱税させたとして、所得税法違反などの疑いで東京地方検察庁に告発しました。

会社役員は、無資格で税理士の業務を行った税理士法違反の疑いでも告発されました。

5人から報酬として、およそ700万円を受け取っていたとみられるということです。

会社役員は取材に対し、これまでにコメントしていません。

国税当局は、2025年2月17日から始まった2024年分の所得税の確定申告を前に、適正な申告を呼びかけています。

最近は、ネットで情報提供したり、セミナーをしたりする人が結構いらっしゃると思いますが、税理士資格を持たない人、いわゆる『ニセ税理士』が他人の申告書作成などを行うと、有償だろうと無償だろうと、税理士法違反です。

もちろん、脱税は犯罪ですので、脱税指南は言うまでもなく、アウトです。

税理士資格ない会社役員が確定申告で脱税指南をして東京国税局が告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


施設管理会社が不正経理手伝う「B勘屋」を使い5億円の所得隠し!

 

朝日新聞によると、デジタル発電施設の管理などを手がける会社(東京都港区)が、架空の経費を計上して利益を少なく見せかけたとして、東京国税局から2023年2月期までの5年間に約5億円の所得隠しを指摘されたことがわかったようです。

関係者への取材によると、デジタル発電施設の管理などを手がける会社は、約4億円を業務委託費名目で複数の業者に支払い、その後に約8割の約3億円を簿外でデジタル発電施設の管理などを手がける会社に現金で戻させ裏金にしていました。

東京国税局は、デジタル発電施設の管理などを手がける会社が、裏金の使途先を具体的に明らかにしなかったとして、支出額の40%を追徴する「使途秘匿金課税」も適用しました。

追徴税額は重加算税などを含め約4億円だそうです。

支払いを受けた複数の業者は、手数料を受け取って架空の領収書などを発行して不正経理に加担する「B勘屋」と呼ばれるグループとみられます。

『B勘屋』というのは初めて聞きました。

『B勘』は、税務署の職員が使う隠語で、本物の領収証のことを『A勘』、偽物の領収証のことを『B勘』と呼んでいたことに由来し、そのような領収証はブラックであることも『B勘』と呼ばれる原因だそうです。

『B勘屋』はこのような領収書を販売する業者のことだそうです。

こういう行為は、脱税であり、犯罪ですので、たとえ知り合いに勧められたとしても断りましょう。

課税当局はそれほど甘くありませんし、1億円くらい手数料を支払って5億円の所得を隠して、追徴税額が重加算税などを含め約4億円だと、何のためにやっているのか分かりませんので。

施設管理会社が不正経理手伝う「B勘屋」を使い5億円の所得隠しを行っていたことについて、あなたはどう思われましたか?


東京国税局が経費を架空計上して5,100万円脱税の疑いでIT会社を告発!

 

朝日新聞によると、経費を架空計上して約5,100万円を脱税したとして、東京国税局査察部が、ITシステム会社(東京都中央区)と代表(44)を法人税法違反容疑で東京地検に告発したことがわかったようです。

告発は2024年6月25日付です。

関係者によると、代表は取引先や知人名義で自社宛てのうその請求書をつくり業務委託費を支払ったように見せかけるなどして、2021年12月期までの3年間に約2億1,100万円の所得を隠し、脱税した疑いがあります。

得た金は預貯金や高級時計の購入に充てるなどしていたそうです。

代表は朝日新聞の取材に対し、修正申告をしたうえで納税もほぼ済ませたとし「今後は適切に申告納税していく。多くのみなさまにご迷惑をおかけし、おわびします」とコメントしました。

本当に、最近は架空経費(業務委託費)の計上による脱税事件が多いですね。

それを見逃すほど、課税当局は甘くないですよ。

ITシステム会社は儲かるんですね。

儲かるからといって安易な脱税は絶対にやめましょう。

節税をしましょう。

東京国税局が経費を架空計上して5,100万円脱税の疑いでIT会社を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


奈良県内の税務職員を虚偽申告で大阪国税局が懲戒免職!

 

NHKによると、奈良県内の税務署に勤務する50代の職員がうその確定申告を行い、所得税150万円余りの還付を受けていたなどとして、大阪国税局は、先日、懲戒免職にしました。

処分を受けたのは、奈良県内の税務署に勤務する50代の上席国税調査官です。

大阪国税局によると、この職員は2023年までの7年間、親族5人について扶養控除などの対象だとするうその確定申告を行って、所得税158万円の還付を受けていたということです。

また、これとは別に2022年までの6年間の親族の確定申告で、実態のない事業で損失が出たとして125万円の所得税の負担を免れさせていたということです。

さらに、職場でも扶養手当およそ108万円を本来よりも多く受け取っていたということで大阪国税局は、先日、この職員を懲戒免職にしました。

職員と親族は重加算税を含めた380万円余りをすでに納付したということで、大阪国税局は「税務行政に携わる職員としてあるまじき行為で深くおわびします。今後、このようなことが起きないよう信頼回復に努めていきます」とコメントしています。

こういう人が税務調査の責任者をしていると思うと、腹が立ちますね。

税務署職員は、何を思って税務署職員になったのかを、改めて考えて欲しいと思います。

税務調査とかをしていて、脱税を目にしたりして、簡単に脱税できるとか、バレないと思って安易にやるのでしょうか。

自らの組織の存在価値を否定するとともに、組織としての能力のなさも分かってやっているように思いますね。

どうやって、今後、このようなことが起きないようにして、信頼回復に努めていくのか楽しみです。

奈良県内の税務職員を虚偽申告で大阪国税局が懲戒免職にしたことについて、あなたはどう思われましたか?


東京地検特捜部が架空の委託費を計上で弁護士を脱税容疑で再逮捕!

 

朝日新聞によると、約2,700万円の脱税容疑で2024年11月に逮捕された法律事務所元代表の弁護士(53)について、東京地検特捜部は、先日、さらに約6,400万円を脱税した疑いがあるとして法人税法違反などの疑いで再逮捕し、発表しました。

認否は明らかにしていません。

東京地検特捜部によると、弁護士は自身が実質的に経営する人材派遣会社の業務に関し、架空の業務委託費を計上するなどして2021年6月期と2022年6月期の法人所得計約1億5,400万円を隠し、法人税など計約4,200万円を免れたほか、架空の課税仕入れを計上することで2020年7月〜2022年6月の消費税など計約2,200万円を免れた疑いがあります。

また、東京地検特捜部は、同日、弁護士と代表を務めていた法律事務所について、同事務所の業務に関して架空の業務委託費を計上するなどして2017年12月期と2019年12月期の法人所得計約1億1,200万円を隠し、法人税など計約2,700万円を脱税したとして法人税法違反などの罪で起訴しました。

脱税の手助けをしたとして、東京都内の会社役員(49)も法人税法違反ほう助などの罪で在宅起訴しました。

法律の専門家がかなり悪質なことをしていますよね。

架空経費の計上をこれだけの金額で1回でもやると、簡単だなぁと思うんですかね?

弁護士も人数が増えて経営が厳しい人が多いと聞きますが、儲かっている人は儲かっているんですね。

あと、人手不足はずっと続いているので、人材派遣業も儲かるんですね。

脱税は絶対にダメです。

法人で節税策はたくさんあると思います。

月次決算をきちんとして、脱税ではなく、節税をしましょう。

あとは、脱税の指南する人の意見を聞いてはいけません。

東京地検特捜部が架空の委託費を計上で弁護士を脱税容疑で再逮捕したことについて、あなたはどう思われましたか?


住職が除外した戒名料を個人的に費消!

 

税務通信に、国税当局の未公表調査事例集の住職が除外した戒名料を個人的に費消事例が載っています。

調査法人は、住職世帯の家族構成を踏まえると給与支給額が少額であったことから、調査対象として選定しました。

調査法人に臨場し、過去帳等の原資記録及び帳簿を確認したところ、葬儀の際に檀家に対して戒名を多数授与しているにもかかわらず、現金出納帳に戒名料が計上されていない事実を把握しました。

住職に対し、戒名料の計上がないことについて説明を求めたところ、自信満々に「当宗派の慣例により戒名料は、檀家から受領した都度、上部組織に上納しており全額現金で支払っている。領収証?いちいち保管せず破棄したのは申し訳ない。」と理路整然と主張したようです。

過去の宗教法人調査の経験では、このような上納金の支払い方法を承知していませんでしたが、戒名料を帳簿等に記帳していない事実や、住職の堂々たる態度に違和感を覚えたことから、直ちに、住職の面前で上部組織へ架電し反面調査を実施したようです。

その結果、住職の顔色が曇るのと同時に、上部組織では調査法人から上納金の支払いを受けた事実はない旨の回答が得られました。

この回答を基に意気消沈した様子の住職を厳しく追及した結果、檀家から受領した戒名料について経理担当に渡さないことにより現金出納帳に記帳せず、世帯の生活費や息子の大学進学費用などとして費消していた事実を認めました。

以上の調査結果から、戒名料を除外して住職が個人的に費消した金員を、住職に対する簿外給与と認定したうえ、源泉徴収が必要である旨を指摘したところ、当該指摘に基づき源泉所得税が納付されたそうです。

『坊主丸儲け』とはならないですね。

戒名料は宗教法人にとっては収益事業にはあたらないため課税対象とはなりませんが、給与を支払った場合は、源泉徴収が必要になります。

個人のポケットに入れていたわけですから、通常の法人だと、給与(役員報酬)は損金不算入、収入は売上高として課税対象となりますが、宗教法人だと、給与(役員報酬)は損金不算入になりますが、戒名料は課税対象とならないため、優遇されているのが分かりますね。

優遇されているのだから、こういった脱税行為があると、宗教法人の法人格をはく奪とかにすれば良いのではないかと思いました。

住職が除外した戒名料を個人的に費消していたことについて、あなたはどう思われましたか?


広島国税局が岡山県笠岡市の歯科医院を5,500万円脱税容疑で告発!

 

NHKによると、岡山県笠岡市にある歯科医院が、おととしまでの3年間に2億1,000万円あまりの所得を隠し、およそ5,500万円を脱税したとして、広島国税局から法人税法違反などの疑いで告発されました。

告発されたのは、岡山県笠岡市にある医療法人と、理事長(52)です。

広島国税局によると、理事長は歯科医院の窓口での収入について記録を改ざんし、確定申告をする際に収入の一部を除外するなどの方法で、所得を少なく見せかけていた疑いがあるということです。

広島国税局は2022年9月までの3年間に2億1,400万円ほどの所得を隠し、およそ5,500万円を脱税したとして、岡山地方検察庁に法人税法違反などの疑いで告発しました。

理事長は、脱税で得た資金を株やFXの投資にあてていたということです。

NHKの取材に対し、理事長は「コメントすることはない」と話しています。

歯科医院の窓口での収入について記録を改ざんし、確定申告をする際に収入の一部を除外するなどの方法で、所得を少なく見せかけていたというのが事実であるならば、かなり悪質ですね。

理事長の「コメントすることはない」という回答もどうなのかと思います。

それにしても、単純平均で年間約7,000万円を隠していたわけですから、歯科医院ってかなり儲かるんですね。

広島国税局が岡山県笠岡市の歯科医院を5,500万円脱税容疑で告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


脱税で刑事告発された40歳女性コスプレイヤーは“過激配信のパイオニア”!

NEWSポストセブンによると、確定申告をせず所得税およそ7,800万円を脱税したとして、神奈川県大和市の女性(40)が東京国税局から刑事告発されました。

女性は、自身をモデルとした成人向け動画を有料の会員制サイトなどで配信し、収益を得ていたそうです。

「X(旧Twitter)で30万人以上のフォロワーを抱えています。一昨年までの3年間でおよそ2億1,300万円の所得があったものの、申告しなかったといいます。不正に得た資金は預金していたとのことです」(全国紙の社会部記者)

ある会員制サイトで、女性には43万人を超えるファンがついていました。

プロフィール欄では、「普段は真面目なお仕事してる素人レイヤー」と自己紹介し、“お試し”とした無料プランのほかに、月会費1,500円の「えちえちプラン」と、月会費3,000円の「ぷれみあむプラン」を設けていました。

「Xにもキワドいコスプレ写真を投稿していますが、会員制サイトでは、あられもない姿でセルフプレジャーを楽しむ様子など、さらに過激な姿を披露していました。ほぼ毎日のペースで、いろいろな衣装やグッズを使った動画をアップし、ストイックに配信に向き合っている印象でした。10年以上前から活動しており、女性個人で行う成人向け動画配信業においてはパイオニア的存在と言えるでしょう。それだけにSNS上でも驚きの声が広がっています」(グラビア雑誌の編集者)

前出の全国紙の社会部記者は、同様の大人向けプレイ動画を売りにする個人配信者の多くが確定申告をしていない可能性が高く、この女性のケースは氷山の一角だと指摘しています。

「YouTubeを含め個人事業主の配信者は、確定申告をしない人が多い。『これくらいの収入ならよいか』と軽視しているケースも多いでしょう。しかし、大人向けのジャンルだと、個人によるコンテンツ制作でも莫大な利益を得ている場合があります。その多くは銀行口座を使用しているので、国税当局の把握は容易ですが、一件一件の捜査に多くの人手と年単位の時間がかかるため、費用対効果の面から全部に対応しきれないのが現状です。この女性は、大人向けの動画配信者の中でも特に収入が多く脱税額も高額で悪質だったことから、国税局が着手したようです。今後、同様の摘発が相次ぐ可能性があります」(前出・社会部記者)

NEWSポストセブンの取材に対し、この女性は、「国税局からの指摘に従い、修正申告の上、納税を済ませております。今後は適正な申告・納税を行ってまいります」と回答したようです。

一段落ついたということなのか、刑事告発の報道が出た日にもこの女性はコスプレ動画をXに投稿しています。

反省を胸に、今後も活動にまい進していくようです。

有名になればなるほど、国税当局が把握すると思いますが、そもそも納税は義務ですからね。

それにしても、稼いでいる人は稼いでいるんですね。

このような有名な方の脱税事件が報道されることにより、確定申告をしていなかった人がするようになれば良いと思いますし、国税当局もどんどん無申告の人を摘発して欲しいと思います。

脱税で刑事告発された40歳女性コスプレイヤーは“過激配信のパイオニア”だったことについて、あなたはどう思われましたか?


約7,400万円の脱税でHP制作会社などの代表取締役を告発!

 

NHKによると、札幌市のホームページ制作会社など2社の53歳の代表取締役が、関連会社の株式を売却する際に支払った手数料を水増しして法人税などあわせておよそ7,400万円を脱税したとして、東京国税局から告発されました。

告発されたのは、札幌市中央区のホームページ制作会社と代表取締役(53)です。

関係者によると、代表取締役は、ホームページ制作会社と東京都渋谷区で3年前まで経営していたホームページ運営会社が関連会社の株式を売却する際にコンサルタント会社に手数料を水増しして支払い、所得を少なく見せかけていた疑いがあるということです。

水増し分はキックバックさせていたということです。

東京国税局は、代表取締役が、2020年と2022年、2社であわせて2億9,000万円余りの所得を隠し、およそ7,400万円を脱税したほか、ホームページ制作会社について不正に消費税およそ1,300万円の還付を受けたとして、法人税法違反と消費税法違反などの疑いで東京地方検察庁に告発しました。

不正に得た金は代表取締役の口座に預金されていたほか、ゴルフ場の会員権の購入などに充てられていたということです。

ホームページ制作会社と代表取締役はこれまでにNHKの取材に応じていません。

かなり悪質ですね。

消費税の不正還付は実際に支払っていないものを返してもらうわけですから、重大な犯罪だと思います。

相手方のコンサルタント会社がキックバックをどう処理していたかも知りたいですね。

約7,400万円の脱税でHP制作会社などの代表取締役が告発されたことについて、あなたはどう思われましたか?


ホストクラブが申告せず報酬記録も破棄して20億円の所得隠し!

 

読売新聞によると、業界大手とされるホストクラブグループを巡り、多額の税逃れが東京国税局の調査で明らかになりました。

運営会社など9社とホスト約30人を合わせ、指摘された所得隠しは約20億円です。

大半のホストは税務申告をしていなかったといい、納税意識の希薄さが鮮明になっています。

調査対象となったホストクラブ(東京都新宿区)グループが展開するホストクラブは、繁華街に設置した看板やSNS上で、そうした宣伝を繰り広げています。

関係者の話やホームページなどによると、ホストクラブは2011年設立で、グループは新宿区歌舞伎町を中心に大阪市ミナミ、名古屋市栄など各地の繁華街でホストクラブを運営しています。

店員の中には、年間億単位の売り上げを記録するホストも複数いるとされています。

東京国税局は、グループ9社とホスト約30人を一斉に調査しました。

ホストの多くは税務申告をしておらず、店側から発行された報酬記録を破棄するなどしたとして計十数億円の所得隠しを認定されたとみられます。

店舗運営の9社は、ホストクラブ創業者が代表を務めるミクロネシア連邦の法人に対する「ノウハウ使用料」約3億円を計上していましたが、支払いやノウハウ提供の実態がなかったそうです。

ホストクラブも架空の外注費を計上して所得を圧縮したなどと認定されたとみられます。

調査で浮かび上がったのは、業界には高い報酬を稼ぐ一方、納税意識に欠けるホストがいる実態です。

ホストを顧客に持つ東京都内の税理士によると、店では通常、客が支払った飲食代(売り上げ)に応じてホストに報酬が支払われます。

店側は所得税を源泉徴収(天引き)して税務署に納めていますが、通常の会社員と違って年末調整がなく、確定申告が必要となります。

20歳代で年間1億円近い報酬を得るホストもいるそうですが、税理士は「夜に働き、昼に寝て、また出勤して店で客と酒を飲む繰り返し。金を稼ぐことで頭がいっぱいで、税務申告が必要だという発想すら持っていないケースが目立つ」と指摘しています。

中には源泉徴収で納税が済んだと誤解するケースもあるといい、税理士は「店や税理士が適正な税務申告を促していく必要がある」と話しています。

ホストクラブを巡っては近年、「ツケ払い」にして客の支払い能力を超えた飲食代を請求し、女性客が返済のために売春を強要されるなどの問題が相次ぎました。

警察庁によると、各地の警察は2023年1月~2024年6月、悪質な営業などで83件、計203人を摘発しました。

警視庁の有識者検討会は2024年に入り、料金の虚偽説明や、恋愛感情に乗じた悪質請求を規制する方向で議論を進めています。

年内にも報告書がまとまる見通しで、警視庁幹部は「風俗営業法の改正も含めて対策を進めていく」と語っています。

こういう悪質なところは、どんどん調査をして、税金を取って欲しいですね。

ミクロネシア連邦の法人を使うのは、税務に関する知識があるのではないかと思われますが、一方で、実態がないのに支払うというのはかなり悪質ですね。

おそらく氷山の一角だと思いますので、こういった報道が出ることで、税務リテラシーがあがるといいなぁと思いました。

ホストクラブが申告せず報酬記録も破棄して20億円の所得隠しを行っていたことについて、あなたはどう思われましたか?


年商1億の60歳社長が税務調査で“社用車のポルシェ”がやり玉に上がるも経費計上が認められたワケ!

 

THE GOLD ONLINEによると、個人・法人とわず、突然やってくる「税務調査」ですが、その税務調査において、個人事業主や法人が指摘される項目に「経費」があります。

大好きなポルシェを社用車にしていたコンサルティング業社長のAさんは、税務調査で指摘を受けました。

しかしながら、最終的には調査官が“謝罪”する結果になったようです。

いったいなぜポルシェが経費として認められたのでしょうか?

事例をもとに、多賀谷会計事務所の宮路幸人税理士が解説しています。

「とうとうきたか……。」と、富裕層向けのコンサルティング業を営むAさん(60歳)は、税務署から「税務調査に伺います。」との連絡を受け、こうつぶやきました。

Aさんが代表取締役を務めるB社は、年商およそ1億円です。

数年前から売上が増えていたこともあり、近いうちに税務調査が来るのではないかと予想していたのです。

当日、和やかなムードで税務調査が始まりましたが、徐々に話はAさんの“社用車”へと移っていきます。

調査官「いやあ、それにしても壮観ですね! こんなに高級車が並んでいる様子はあまり見たことがありません。でも……社用車がポルシェである必要はあるのでしょうか? もし社長の個人的な趣味でお使いになられているのであれば、経費として認めるわけにはいきませんからねぇ。」

Aさん「はは(笑) いえいえ、ポルシェは私の趣味で乗っているわけではありません。会社で必要があるものですから……。」

このあと、税務調査官による入念な調査の結果、「私が間違っていたみたいですね、すみません」と調査官側が折れ、無事にポルシェは経費として認められることになりました。

では、いったいなぜ高級車が経費として認められたのでしょうか?

そもそも「経費」とは、事業において収益を得る目的で使用した費用を指します。

日々の業務で使用する事務用品から取材のための交通費、打ち合わせで使用したカフェの飲食代にいたるまで、経費にできる費用はさまざまです。

法人税は事業の収益から上記のような経費を差し引いた「課税所得」について計算されるため、経費にできる費用が多いほど課税対象となる所得が減り、税額が少なくなります。

ただし、当然ですが、なんでもかんでも経費にできるわけではありません。

計上経費として認められる判断基準は「売上に結びつくかどうか」です。

経費があまりにも多い場合は税務調査で追及されるため、売上との結びつきを適切に判断し、正しく計上しなければなりません。

では、税務署に疑われないために、あるいは万が一税務調査を受けても追徴課税を避けるために、どのような点に気をつければよいでしょうか?

考えられる対策は下記の3つです。
<支出金額が常識の範囲内であること>
事業に必要な経費であっても、一般的な常識を超えた金額は経費として認められません。

たとえば、高額な飲食代や、高級ホテルでの宿泊代などは“常識を外れている”と判断され、経費として認められない場合があります。
<事業運営に関わる経費であると証明できること>
取引先との食事代や、取引先へ行く出張費用などは事業のために必要な経費と認められますが、それを客観的に証明できる資料がない場合、それが事実であったとしても経費として認められない場合があります。

レシートや領収書など、証拠となる資料を保管しておくようにしましょう。
<支出が「期間損益」に対応した経費であること>
企業の会計処理は、会計期間を区切り損益計算を行うため、収益と費用はその発生した期間に正しく処理するという費用収益対応の原則があります。

そのため、会社の状況によって経費を計上する期を後にずらしたり、前倒ししたりすることはできないので、事業運営に必要な経費だったとしても、費用収益対応の原則に当てはまらなければ、その経費は計上できないことになります。

企業が営業活動をすることにより生み出された成果を「収益」といい、収益から経費を差し引いた額が利益です。

すなわち、経費が大きくなればなるほど利益は小さくなります。

経費にすることで節税につながると考えると、経費で落とすことはいいことばかりのように思えますが、「経費を増やす」=出費が増えることに変わりありません。

経費が増えすぎると赤字になってしまいます。

また、なるべく多く経費で落とそうと考えた末、実際には使用していない経費を不正計上する企業もあります。

特に、接待費などは不正計上されることが多い勘定項目です。

経費の不正計上、架空計上は犯罪であり、税務調査などで発覚した場合には、過少申告加算税のペナルティが課されます。

また、悪質とみなされた場合には重加算税が課されることもあり、会社の信用にも関わることになりますので注意が必要です。

では、今回ポルシェが社用車(経費)として認められたのはなぜなのでしょうか?

調査官が言ったように、高級車を“社長の個人的趣味”で乗っている場合、経費として認めることはできません。

そのため、税務調査では「高級車が会社の業務に本当に必要であるのか?」という観点から追及されます。

これは言い換えると、事業上の必要性を認めさせることができれば、経費として認められるということです。

今回Aさんが調査官に主張した点は、下記の4つでした。
(1)B社の顧客は富裕層であるため、業務上顧客のレベルにあわせた服装や振る舞いが求められる。そのため、社用車についても相応の車に乗らないと相手に信用されない。顧客も高級車に乗っている人が多く、社用車が高級車であることで、顧客との話題作りにもなる
(2)車の運行記録などはすべて記録してあり、仕事以外では使用していない
(3)プライベートでは会社の車を使わず、必ず自家用車を利用している
(4)ポルシェのような人気高級車は、売却する際も高値で取引できるので、法人で購入する以上、資産運用という観点等も考慮して車種を考慮し購入している

Aさんは車両の運用状況などの記録などを保管しており、税務調査に備えて客観的に証明できる資料を揃えていました。したがって、上記の主張をした結果、その購入の妥当性が認められることとなりました。

税務調査の際は、必ずエビデンスを求められます。

調査官を説得しきれないと否認されることとなりますので、注意しましょう。

調査官は自分の基準で、このような経費は認められないとか言いますが、調査官の基準と世間の基準は違うことはよくあると思いますので、こちらが正しいと思うことはきちんと主張しないといけないですね。

あとは、税務調査の時に何か言われたときにきちんと説明できるように常に考えておくことはマストだと思います(説明できないようなものはそもそも経費とかにできませんので。)。

年商1億の60歳社長が税務調査で“社用車のポルシェ”がやり玉に上がるも経費計上が認められたワケについて、あなたはどう思われましたか?


入居者立ち退きで架空委託をした脱税疑いで大阪の不動産会社を告発!

 

共同通信によると、権利関係が複雑な土地を安く買い取って売却する際、入居者を立ち退かせるための業務委託料を架空計上し、法人税など計7,200万円を脱税したとして、大阪国税局が法人税法違反などの疑いで、大阪市西区の不動産会社と実質的経営者(74)を大阪地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

実質的経営者は取材に対し、「悪いことをしたと反省している」と話しました。

既に修正申告済みとしています。

告発容疑は、2022年7月期までの1年間に、立ち退きに必要な業務委託料として架空の外注費を計上して約2億400万円の所得を隠し、法人税約5,200万円を脱税した疑いです。

他にも消費税約2千万円の不正還付を受けた疑いがあります。

なぜ、安易に架空経費を計上するんでしょうね。

脱税ではなく、節税をしましょう。

法人税が減りますので、当然住民税も減りますが、消費税については、支払ってもいないのに還付になるわけですから、かなり悪質な行為です。

架空経費は、相手にとっては収入になりますしね。

重加算税や延滞税、場合によっては源泉所得税及びその延滞税が必要になりますし、青色申告の取り消しとかになると、かなりの負担になりますからね。

年間で言うと、かなりの数の架空経費の事件がニュースや新聞に出ていると思いますが、自分はバレないとでも思っているのでしょうか?

入居者立ち退きで架空委託をした脱税疑いで大阪の不動産会社を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


法人税1億円超脱税の疑いで電力会社元社長を逮捕!

 

時事通信によると、法人税など計1億円余りを脱税したとして、大阪地検特捜部は、先日、法人税法違反などの容疑で、太陽光発電会社(大阪市天王寺区)元社長で会社役員(62)を逮捕しました。

大阪地検特捜部は、認否は明らかにしていません

逮捕容疑は、太陽光発電会社の実質的経営者として2021年8月期の確定申告書を提出する際、架空の特別損失を計上し、法人所得約4億1,000万円を秘匿し、法人税と地方法人税計約1億500万円を免れた疑いです。

架空の損失約4億1,000万円というのはスゴイですね。

どういうものを架空の損失で入れたのか知りたいですね。

ある程度、損益予測はしやすい業種のように推測されますので、なぜ、脱税ではなく節税をしなかったのだろうかと疑問に思います。

法人税1億円超脱税の疑いで電力会社元社長が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


宮司が神社の収入一部を私的流用で東京国税局が所得隠しを指摘!

 

NHKによると、東京都北区にある「赤羽八幡神社」の60代の宮司が神社の収入の一部を私的流用するなどしていたとして、東京国税局が神社を運営する宗教法人と宮司に対し、およそ2億5,000万円の所得隠しを指摘していたことが関係者への取材で分かりました。

東京国税局から所得隠しを指摘されたのは、1,200年を超える歴史があるとされる東京都北区の「赤羽八幡神社」を運営する宗教法人「八幡神社」と代表役員を務める60代の男性宮司です。

関係者によると、この神社が販売するお守りなどの模様が、人気アイドルグループを連想させるとしてファンからは「聖地」と呼ばれ、多額の法人収入がありましたが、宮司は収入の一部を自身の買い物などに流用していたということです。

東京国税局は、宮司が2023年までの7年間に私的に流用したおよそ2億5,000万円は、法人から宮司への「給与」にあたり法人が所得税を源泉徴収する義務があるとして所得隠しを指摘し、法人と宮司に重加算税を含むおよそ1億3,000万円を追徴課税しました。

NHKの取材に対し、宮司は「コメントできない」としています。

神社や寺の収入を個人的に流用するなどして宗教法人が「源泉徴収漏れ」を指摘されるケースは、全国で相次いでいます。

法人税法では宗教法人の事業のうち、お守りやおみくじの販売などの「宗教活動」については、法人として納税の必要がなく非課税です。

こうした非課税の収入であっても宗教法人の代表などが、その収入を個人的に流用した場合は、法人が代表などの個人に対して支払った給与にあたるとされ、法人が所得税を源泉徴収し納税する義務が生じます。

しかし、関係者によると、さい銭やお布施などは領収書を発行しない現金収入であったり、法人の収入と生活費などを同じ口座で管理したりすることもあり、「源泉徴収漏れ」につながっているということです。

国税庁によると、2023年6月までの1年間に調査を行った全国の宗教法人1,975法人のうち7割余りにあたる1,429法人で「源泉徴収漏れ」が指摘され、およそ15億円を追徴課税したということです。

国税庁は宗教法人向けのパンフレットを作成し、法人の収入と住職などの個人の家計は明確に区分するよう呼びかけるとともに、法人が住職などの飲食代や子どもの学費を負担した場合は、給与にあたるとされ源泉徴収の対象となることなどを説明しています。

昔から『坊主丸儲け』ということばがあり、あまり税金のかからない商売なのでしょうが、払わないといけないものはきちんと払って欲しいですね。

私的流用で給与認定となると、おそらく重加算税が課されるでしょうし、役員報酬の損金不算入、源泉徴収漏れで、かなりの税額となってしまいますね。

税務署も、どんどんこういうところを調査して、税金をいっぱい取って欲しいと思います。

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トレンドマイクロがオランダ子会社を巡り96億円の申告漏れ!

 

日本経済新聞によると、ウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」などを手掛けるセキュリティー大手のトレンドマイクロが東京国税局の税務調査を受け、外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)に基づき、法人税など約96億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

指摘を受けたのは、2020年から2022年までの3年間です。

過少申告加算税を含めた追徴税額は約24億円で、すでに全額納付しました。

トレンドマイクロは「当局との間に見解の相違があった。課税処分については十分な納得に至っておらず、今後どう対処すべきか検討している」などとコメントしました。

タックスヘイブン対策税制は、日本企業が税率が低い国・地域にある関連企業を利用するなどして税額を圧縮する行為を防ぐ制度です。

関係者によると、東京国税局はトレンドマイクロと取引があった債券の運用などを行うオランダ子会社について、事業実態が認められないと判断して同税制を適用したもようです。

タックスヘイブン税制が適用されると、オランダ子会社の利益が合算されます。

トレンドマイクロは東証プライム上場で、「ウイルスバスター」などを主力製品としています。

それ以外に、パスワード管理などのセキュリティーサービスも提供しています。

アメリカやヨーロッパ、アジアなどで幅広く事業を展開しており、2023年12月期の売上高は約2,486億円です。

納得できないのであれば、徹底的に争ってほしいですね。

タックスヘイブン対策税制は、非常に難しく、それなりに海外子会社との取引がある会社などは、大手税理士法人に依頼するなど対応を考えていると思いますが、それでも、たくさんの申告漏れの指摘があるということは、わかりにくい税制ということなのだろうと思います。

個人的には、税制はシンプルで分かりやすいものでないといけないと思いますが、最近では、電子帳簿保存法、インボイス制度、定額減税など、複雑で分かりにくいものがどんどん出てきているので、どうにかしてほしいですね。

トレンドマイクロがオランダ子会社を巡り96億円の申告漏れを指摘されたことについて、あなたはどう思われましたか?


タクシー会社元専務を着服金の税務申告せず約5,200万円を脱税した疑いで告発!

 

北陸放送によると、新型コロナの患者を療養施設などに運ぶ石川県の業務委託の費用1億2,400万円余りを着服したとして逮捕・起訴されたタクシー会社の元専務の男が、およそ5,200万円の所得税を脱税したとして金沢国税局に告発されました。

所得税法違反の疑いで告発されたのは、石川県金沢市のタクシー会社の元専務(58)です。

金沢国税局によると、元専務は会社の資金を着服して得た2021年と2022年の所得およそ1億2,900万円の税務申告を行わず、所得税およそ5,200万円を脱税した疑いがあるということです。

国税局は、先日、所得税法違反の疑いで金沢地方検察庁に告発しました。

元専務は2020年9月からおよそ3年間にわたり、新型コロナの患者をタクシーで療養施設などに運ぶ県の業務委託料1億2,400万円あまりを横領したとして、業務上横領の罪で逮捕・起訴されています。

これだけ横領されていて気づかないということは、よっぽど儲かっていて、資金も豊富にあるんでしょうね。

他の報道を見ると、元専務個人の口座に入ったもののうち、一部を会社の口座に移したようなことが書いてありますが、そもそも支払う県は個人の口座に振り込むものなのでしょうか?

タクシー会社元専務を着服金の税務申告せず約5,200万円を脱税した疑いで告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


モナコ移住者が会社売却の際の所得33億円を無申告!

 

テレビ朝日によると、コールセンター運営会社の元代表でモナコ公国に住む日本人男性が会社を買収された際に得た所得を税務申告していなかったとして、関東信越国税局から約33億円の申告漏れを指摘されていたことが分かりました。

関係者によると、モナコ公国に住む56歳の日本人男性はコールセンター運営会社「日本トータルテレマーケティング」の代表で大株主でしたが、この会社は2018年に博報堂グループの「博報堂プロダクツ」に子会社化されました。

子会社化にあたって男性は事前にほぼすべての株式を集めて約50億円で博報堂側に売却し、33億円ほどの譲渡所得を得ましたが税務申告していなかったということです。

追徴課税は約6億2,000万円に上るとみられます。

男性は10年ほど前に所得税がないモナコ公国に移住しましたが、日本の所得税法では居住地にかかわらず、国内財産の譲渡で得た利益は課税の対象になります。

会社の経営者だったわけですから、税理士との付き合いもあるでしょうし、あまりにもお粗末な感じですね。

一方で、お金持ちが海外に移住しているということは、日本人として残念に思いますね。

理由は分かりませんが、日本の税制も理由の一つのように思われますので。

増税になると、税金をたくさん納めているお金持ちが海外に移住するということになるでしょうから、日本にとってなかなか難しい問題ですね。

モナコ移住者が会社売却の際の所得33億円を無申告だったことについて、あなたはどう思われましたか?


年収少なすぎたお笑い芸人の税務調査で「あなたを芸人と認めません」!

 

日刊スポーツによると、お笑いトリオ、みちがえるの、たけし(39)が、先日放送の日本テレビ系「大悟の芸人領収書」(月曜深夜11時59分)に出演し、税務署にプロ芸人と認めさせるため格闘した過去を明かしました。

この番組は、タレントが経費と主張する領収書を公開して、MCの千鳥大悟から判定を受ける番組です。

たけしは、芸歴21年目でかまいたち、元和牛らが同期であることが紹介されると、コント道具を購入した5,389円の領収書を提示しました。

たけしは「お笑い芸人だけでは食べられないので、水道検針員のバイトをしながら、芸人もやっていて、年収の割合で行くと水道が200万円ぐらい、芸人が2万円ぐらい」と説明しました。

大悟に「ごっつい水やん」とツッコまれる中、たけしは、確定申告をしたところ税務署から連絡があり「税務調査に入ります」と伝えられたと紹介しました。

理由について「あなたの芸人としての収入が少なすぎて、我々はあなたを芸人と認めません」と伝えられたことを明かしました。

大悟は「税務調査って芸人か、芸人じゃないか、も見分けてるの?」と爆笑しました。

たけしは税務調査官から「今のあなたは、趣味でお笑いをやっている水道検針員です」と言われたことも振り返り、コントやライブで使ったお金が経費とならないため「税務署に芸人として認めさせないといけない」状況になったと語りました。

たけしは何百枚ものレシートを税務署に提出し、税務調査官から「女性のカツラは何のネタで使いましたか」などの質問を受けたと説明しました。

「そこから税務官と一緒に僕のネタ動画を見るんです」と言うと、大悟は「地獄!さすがに笑わんやろ」と大笑いし、たけしも「ずっと笑わないんですよ」と応じました。

税務調査官との格闘は約2か月続き「これもう無理かな、俺は水道検針員になるしかないのかな」と思ったころ、ライブに出たらスーツの男性がいて、状況が変わったそうです。

後日、税務署に行ったとき、税務調査官から「先日、隠れてあなたのライブを見に行かせてもらいました」と声をかけられると「あなたのネタは、お客さんには全くウケてなかったです。でもウケてないにもかかわらず、最後まで汗を流しながらネタをやる姿。我々税務署は、あなたを芸人と認めます」と言われたことを報告しました。

大悟はまたも爆笑し、たけしは「税務署の人も人の子だったんですよ」と、感慨深げに語りました。

領収書は動画の証拠がなかったもので、たけしは「2か月かけて、国からは芸人と認めてもらえたんですよ」とアピールしました。

大悟は「お前をワシが芸人と認めるかどうかだね」と話しながら、「おもしろい芸人でした」と承認しました。

たけしは喜びながら、税務署に芸人と認められなかったネタについて「同期のかまいたちが持っている訳ない」と強調しました。

みちがえるは、たけしと、藤井萌人、渡辺直人で2023年に結成されました。

芸人として認められるかどうかということは、税務上は、事業所得か雑所得かということだと思います。

事業所得だと、マイナスになった場合、(水道検針員などの)給与所得などと通算(相殺)できますが、雑所得だと、雑所得内では通算できますが、マイナスが出たとしても、給与所得などと通算(相殺)できません。

芸人として認めます・認めませんとは実際には言わないと思いますが、税務調査官もきちんとライブを見に行って判断しているのはすごいなぁと思いました。

また、こういうことをネタにできるので、芸人さんって素晴らしい職業だなぁとも感じました。

それにしても、売れていない芸人さんってギャラが無茶苦茶安いんですね(笑)。

年収少なすぎたお笑い芸人が税務調査で「あなたを芸人と認めません」と言われたことについて、あなたはどう思われましたか?


パチスロ機大手ユニバーサルエンターテインメント創業者が50億円の申告漏れ!

 

読売新聞によると、香港に設立した資産管理会社の所得を巡り、東証スタンダード上場の大手パチスロ機メーカー「ユニバーサルエンターテインメント」(UE、東京)創業者の元会長(81)が、東京国税局から2020年までの3年間で約50億円の申告漏れを指摘されたことが関係者の話でわかったようです。

外国法人を用いた租税回避を防ぐ「タックスヘイブン対策税制」に基づき、資産管理会社の所得の一部を個人所得と合算して申告すべきだったと判断されました。

タックスヘイブン対策税制は法人に適用されるケースが大半で、個人への適用は珍しいです。

所得税の追徴税額(更正処分)は無申告加算税を含めて約27億円で、元会長は処分を不服として国税不服審判所に審査請求しましたが、2023年末に棄却されたようです。

関係者によると、香港の資産管理会社は2010年に設立され、元会長と親族らが株を持ち合ってきました。

総資産は2011年時点で約1,000億円相当に上り、利息などで多額の収入があったとみられるほか、UE社株を取得して親会社となりUE社から配当も受け取ってきました。

タックスヘイブン対策税制は、日本法人や日本居住者らが計50%超の株を持つ外国法人について、現地での法人税負担割合が20%未満で、事業実態がない場合などに適用されます。

香港の法人税率は日本(約29%)より大幅に低い約16%で、東京国税局は資産管理会社に事業の実態がないとして、資産管理会社の所得のうち元会長の株保有割合(約46%)分に相当する約30億円は日本で申告すべきだったと指摘したようです。

資産管理会社から元会長個人への配当分も合わせ、申告漏れ総額は約50億円とみられます。

読売新聞は弁護士などを通じて元会長に取材を申し込みましたが、回答は得られなかったようです。

UE社は「元会長は現在は当社と関係がない」とコメントしました。

よく名前が出てくる方ですが、顧問税理士は大手税理士法人だと思いますが、なかなか難しいはなしですね。

実態があるかどうかは、そもそも資産管理というものが事業として否定されるべきなのだろうかとも思いますし、実態を示すために無理やり何か事業をやることになりかねないように思いますので。

パチスロ機大手ユニバーサルエンターテインメント創業者が50億円の申告漏れをしてきされたことについて、あなたはどう思われましたか?


4,400万円の脱税の疑いで滋賀のケーブルテレビ会社を告発!

 

共同通信によると、架空の工事費を計上するなどの方法で計約4,400万円を脱税したとして、大阪国税局が法人税法違反の疑いで、滋賀県のケーブルテレビ設置会社と社長(38)、取締役(38)を大津地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

社長は取材に対し、「コメントは差し控える」と答えたようです。

関係者によると、2人は知人に実態のない会社を数社設立させ、2022年3月期までの3年間に架空の工事費を計上する手口で、計約1億7,900万円の所得を隠して法人税の支払いを免れた疑いがあります。

重加算税を含む追徴税額は計約5,900万円で、既に修正申告したとみられます。

最近、この手の事件が多いですね。

儲かっている会社が多いということかもしれませんが、何度も言っていますが、架空経費の計上は相手方にとっては売上ですので、税金を支払わないといけなくなりますし、急に売上が増えると税務調査の可能性が高まると思いますので、相手先の税務調査からバレる可能性も高くなるのではないかと思います。

結局、きちんと税金を支払う方がお金は残りますし、税金を減らしたければ、きちんと節税対策をすればいいと思いますね。

4,400万円の脱税の疑いで滋賀のケーブルテレビ会社を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


スノーピークが海外の子会社との取引で1億5,000万円余りの追徴課税!

NHKによると、アウトドア用品の総合メーカー「スノーピーク」が、海外の子会社との取り引きで本来、日本で計上されるべきおよそ6億円の所得を海外に移していると関東信越国税局から指摘され、1億5,000万円余りを追徴課税されていたことが、関係者への取材で分かったようです。

NHKの取材に対し、「修正申告を済ませた」と回答しています。

追徴課税を受けたのは、キャンプなどのアウトドア用品の総合メーカーで新潟県三条市に本社を置く「スノーピーク」です。

関係者によると、「スノーピーク」は国外の事業のうち韓国の子会社との取り引きで、アウトドア用品などを一般的な価格より安く提供して、本来は日本で計上されるべき所得の一部を海外に移していると、関東信越国税局から指摘されました。

こうした取り引きでは、日本での売り上げが低くなって会社が納める法人税が減る一方、海外では仕入れ値が抑えられて利益が上がり、納める税が増えることになります。

それゆえ、国税局は、国内と海外の税の不均衡の是正のため海外に移し替えられた所得に課税する「移転価格税制」を適用し、「スノーピーク」に対し、2022年12月までの3年間におよそ6億円の申告漏れがあると指摘して、過少申告加算税などを含め1億5,000万円余りを追徴課税したということです。

「スノーピーク」はNHKの取材に対し、「当局との見解の相違があり、議論を重ねました。最終的に妥結点を見いだし、修正申告を済ませました」と回答しています。

少し前に、スノーピークは上場廃止になりましたが、これも上場廃止の理由の一つなのではないかと思ってしまいました。

移転価格税制は非常に難しい問題であり、輸出が多い企業は、大手税理士法人に頼んでかなり慎重に検討しているのではないかと思いますが、指摘されたということは、スノーピークはどうしていたのでしょうか?

結局、日本の税収が減っているということですから、国税局も移転価格税制については、おかしな企業があれば、どんどん指摘してほしいですね。

スノーピークが海外の子会社との取引で1億5,000万円余りの追徴課税を受けたことについて、あなたはどう思われましたか?


貸付金を業務委託費に仮装し法人税約3,200万円を脱税疑いで建築工事会社を刑事告発!

 

TBSによると、大手ゼネコンの下請けをしている横浜市の建築工事会社が法人税およそ3,200万円を脱税したとして、東京国税局に刑事告発されました。

会社の代理人はJNNの取材に対し、「大手税理士法人から合法の節税スキームだと説明を受けていた」と釈明しています。

東京国税局に刑事告発されたのは、横浜市西区の建築工事会社と社長(47)、それに千葉県の会社役員(43)です。

社長は2021年5月までの1年間に、千葉県の会社役員が実質的に経営する会社への貸付金を業務委託費と装って、およそ1億1,900万円の所得を隠し、法人税およそ3,200万円を脱税した疑いがもたれています。

社長は脱税で得た金を事業資金に充てていたとみられていて、社長の代理人はJNNの取材に対し、「大手税理士法人から、合法の節税スキームだと説明を受けたこともあり、違法な脱税スキームとの認識を欠いていた。深く後悔している」とした上で、「修正申告をした上で現時点での納付分全額を納付済みだ」としています。

千葉県の会社役員は同様の手口で別の会社の法人税などを脱税したとして、すでに逮捕、起訴されています。

大手税理士法人が、本当に合法の節税スキームだと言うんですかね?

常識的に考えて、貸借対照表項目である貸付金を、損益計算書項目である業務委託費にするわけですから。

おそらく、他にもやっている会社があるでしょうから、今後、どう説明を受けていたとかが明らかになればいいなぁと思いますね。

貸付金を業務委託費に仮装し法人税約3,200万円を脱税疑いで建築工事会社を刑事告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


代表が自宅購入していた人材派遣会社を3,300万円の脱税容疑で東京国税局が告発!

 

朝日新聞によると、約3,300万円を脱税したとして、東京国税局査察部が、人材派遣会社(千葉県柏市)と代表(42)を法人税法違反の容疑で千葉地検に告発していたことが、先日、関係者への取材でわかったようです。

告発は2024年3月25日付けです。

関係者によると、代表は2022年8月期までの2年間、業務委託料やコンサル料などの名目で知人が関係する会社に資金を振り込み、のちに現金で戻させる方法で約1億3,600万円の所得を隠し、計約3,300万円を脱税した疑いがあります。

得た金は代表が自宅の購入資金などに充てていたとみられます。

朝日新聞は代表に取材を申し込みましたが、回答はなかったようです。

なお、東京国税局査察部は2023年6月に強制調査に着手していました。

脱税して建てたお家で穏やかな気持ちで住めるものなのか知りたいですね。

ここの会社のホームページを見ると、『質』にこだわっているようなことが書いてありますが、経営者としての『資質』はどうなのかなぁと思います。

このような架空経費の計上・後日キャッシュバックの脱税事件を見るたびに思いますが、脱税をしている会社は架空経費計上により法人税や消費税を減らすことができますが、相手先は、法人税や消費税が増えるため、何とかしてキャッシュバック分を経費にしたいと考えると思いますが、そこが脱税スキームがバレるところなんでしょうね。

代表が自宅購入していた人材派遣会社を3,300万円の脱税容疑で東京国税局が告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


福井と京都の会社が2,700万円を脱税疑いで金沢国税局が福井地検に告発と発表!

 

金沢国税局は、先日、法人税など計約2,700万円を脱税したとして、法人税法違反などの疑いで、ともに生分解性樹脂関連商品開発・製造・販売のⅩ社(福井県福井市)とY社(京都府京都市中京区)、Ⅹ社の女性社長(68)と男性前社長(58)を福井地検に告発したと発表しました。

告発日は、2020年12月16日です。

Ⅹ社の告発容疑は、架空の商品仕入れ高を計上するなどして2019年3月期の所得約3,700万円を隠し、法人税と地方法人税計約900万円の支払いを免れた疑いです。

Y社の告発容疑は、同様の手口で2017年9月期と2018年9月期の所得約7,600万円を隠し、法人税と地方法人税計約1,800万円の支払いを免れた疑いです。

金沢国税局によると、Y社は当時、福井県おおい町内にあり、2人は役員でした。

最近は、本当に架空経費の計上で告発とか逮捕という事件が多いですね。

これだけニュースとかでたくさん出てくるのに、やろうと思うのでしょうか?

当然、消費税が還付になったり、納付額が減少するので、課税当局も気付きやすいと思いますが。

月次決算とかをそれなりにやっていると、脱税ではなく、節税ができますけどね。

あとは、2020年の話しが、なぜ今頃出てくるんでしょうね?

福井と京都の会社が2,700万円を脱税疑いで金沢国税局が福井地検に告発と発表したことについて、あなたはどう思われましたか?


100人分以上の架空給料計上で1億100万円を脱税した疑いで人材派遣会社などを告発!

 

産経新聞によると、従業員100人分以上の架空の給料を計上するなどして約1億100万円を脱税したとして、東京国税局が法人税法違反や消費税法違反などの疑いで、人材派遣業の会社(東京都江東区)と人材派遣業の会社の代表取締役(55)を東京地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

告発容疑は、2021年8月期に架空の給料を計上するなどして所得を少なく見せかけ、2022年8月期は期限までに確定申告書を提出せず、計約2億4,200万円の所得を隠すなどしたとしています。

関係者によると、不正に得た資金は馬券購入などに充てていたとみられます。

人材派遣業の会社は、産経新聞の取材に対し、「修正申告し、納税もほぼ済ませた。今後は適切に納税する」とコメントしたようです。

架空の給料の計上は昔は結構行われていたということを耳にしたことがありますが、やり方も古いと思いますし、売上と対応することになるでしょうから、簡単にバレるのではないかと思います。

それも100人分以上ですから。

2022年8月期は申告をしていなかったようですから、かなり悪質ですね。

最近、コンプライアンスを重視する会社が増えてきていると思いますが、こういうコンプライアンスを無視したような会社との取引は避けるでしょうから、こういった会社は自然に淘汰されていくんでしょうね。

100人分以上の架空給料計上で1億100万円を脱税した疑いで人材派遣会社などが告発されたことについて、あなたはどう思われましたか?


ヨネックスが約11億円の申告漏れで追徴課税!

 

日本テレビによると、スポーツ用品メーカーの「ヨネックス」が、日本で計上すべき利益を海外の子会社に移していたとして、およそ11億円の申告漏れを指摘されていたことがわかりました。

申告漏れを指摘されたのは、東京都文京区のスポーツ用品メーカー「ヨネックス」です。

関係者によると、ヨネックスは、2022年3月までの4年間で、アジアにある子会社に対し、本来の価格より安くスポーツ用品などを提供することで、日本で計上すべき利益の一部を海外に移し、国内での納税額を少なくしたと判断されたということです。

東京国税局はヨネックスに対し、およそ11億円の申告漏れを指摘し、過少申告加算税を含めておよそ2億円を追徴課税したということです。

移転価格税制は難しい話だとは思いますが、難しい話だからこそ、大企業は大手の税理士法人などに関与してもらっているのではないかと推測されますが、ヨネックスはどうだったんでしょうね。

ちなみに2024年3月期の連結の売上高は1,200億円弱で、およそ11億円の申告漏れに対し、過少申告加算税を含めておよそ2億円の追徴課税ということなので、ヨネックスにはそれほど影響はないのかもしれませんが、イメージが悪くなったりはするんでしょうね。

ヨネックスが約11億円の申告漏れで追徴課税を受けたことについて、あなたはどう思われましたか?


巨人坂本選手が「高級クラブなどの飲食費を必要経費として計上」し1億円の申告漏れ!

 

2024年5月14日のDeNA戦で通算2,352安打とし、川上哲治を抜いて日本歴代13位となった巨人の大黒柱・坂本勇人選手(35)の推定年俸は日本人選手最高峰の6億円です。

しかしながら、デイリー新潮によると、その華々しいキャリアの裏で、約1億円もの申告漏れを税務当局から指摘されていたことが分かったようです。

東京国税局の関係者が明かしています。
「渋谷税務署が管轄する渋谷区には、多くの高額納税者が住んでいます。そこで同署は、区内在住のスポーツ選手を対象に、納税が適正に行われているかを重点的に調べる方針を昨年夏に打ち出し、水面下で作業を進めてきました。その過程で、少なからぬ金額の申告漏れが疑われるアスリートが複数人浮上したのですが、うち一人が坂本選手だったのです。」

坂本選手への本格的な税務調査は、昨シーズン終了後から始まったということですが、「渋谷署の見立て通り、坂本選手は、毎年の確定申告で銀座や六本木の高級クラブなどの飲食費を必要経費として計上していました。金額にして年間およそ2,000万円。直近の5年をさかのぼって調べたところ、毎年のようにこれを続けており、総額で約1億円もの過大な経費の計上が確認されたのです。」

そもそも、プロ野球選手の飲食費が必要経費として認められるケースはあるのでしょうか?
「税務申告において、必要経費であるかどうかは『自らの収入を得るために必要なのか否か』を基準に判断されます」と、税理士の浦野広明氏は言っています。

「プロ野球選手であっても、例えばバットやシューズメーカーの人との飲食なら経費に計上できる、といった基準はありません。その会食を催すための根拠となる大義名分があるかが重要になります。一人で、あるいはチームメイトと飲食した場合、その費用は『収入を得るための手段』とは考えにくい。私的な支出である以上は必要経費とは認められませんが、にもかかわらず毎年計上していたのであれば『悪質な申告漏れ』ともいえるのではないでしょうか」

先の国税局関係者は、「指摘を受けた坂本選手は“見解の相違”を理由に、すみやかに修正に応じる姿勢を示さなかったといいます。本人の確定申告は毎年、親族が代表を務める個人事務所が主体で行っているのですが、『これまで飲食費は認められてきた』などと主張していると聞きました」

いかに体が資本の仕事とはいえ、年間2,000万円もの飲食費、とりわけ飲み代などが必要経費とされるのでしょうか?

あらためて球団に尋ねると、「(坂本)選手本人の税務申告は顧問税理士が行っています。税務申告に関し、管轄の税務署と協議を続けているところですが、税務署の指導に従い、適正な申告、納税を行う所存です。」(読売巨人軍広報部)

そう前置きしつつ、「ただ、悪質な申告漏れや所得隠しを指摘されたことは過去になく、今回もそのような指摘を受けておりませんし、修正申告をした事実もありません」(同)

税務署との協議を続けているとは認めつつも、「悪質な」申告漏れではない、が球団側の見解ということになります。

しかし、先の国税局関係者が証言するように「飲食費」を必要経費として認めてもらいたいがための「協議」は、一般の理解を得られるものなのでしょうか?

個人的には、すべてがダメというものではないとは想いますが、年間2,000万円というのは厳しいに思いますね。

税務調査で指摘を受けたときに『過去は認められていた。』とおっしゃる方が結構いらっしゃるのですが、認められたわけではなく、税務調査においては、すべてを見ているわけではない(物理的に不可能)ので、過去は、単に税務署が気付いていないというケースが多いのではないかと思います。

顧問税理士も付いていると思いますが、今後どうなるかウォッチしていきたいですね。

巨人坂本選手が「高級クラブなどの飲食費を必要経費として計上」し1億円の申告漏れを指摘されたことについて、あなたはどう思われましたか?


光通信の子会社で連結納税を巡り70億円の申告漏れを国税局が指摘!

日本経済新聞によると、インターネット回線サービスなどを手掛ける光通信の子会社が、親子会社間で損益を通算できる「連結納税制度」を巡り、東京国税局から2019年6月期までの2年間で約70億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材でわかったようです。

過少申告加算税を含めた追徴税額は約19億円です。

光通信の子会社は更正通知に基づき納付したとしていますが、国税不服審判所に審査請求しました。

連結納税制度に関する追徴課税が明らかになるのは初めてとみられます。

連結納税制度は親会社と日本国内の完全子会社などが法人税をまとめて納税できる制度で、2022年に子会社に対しても申告を求める「グループ通算制度」に移行しました。

関係者によると、指摘を受けたのは光通信の子会社「インテア・ホールディングス」(2020年解散)です。

2017年に光通信の連結子会社になりましたが一度関係を解消し、別の複数の黒字グループ会社を連結子会社として自らの赤字と通算して税務申告しました。

その後、再び光通信の連結子会社に戻りました。

連結納税制度では、親会社などが子会社の赤字を通算する行為は条件が制限されています。

国税当局はインテア社の一連の行為にグループ全体の税額を減らす狙いがあったとみたもようです。

法人税法には、企業の行為などが税負担を不当に減らすものと判断された場合、是正できる「行為計算否認」と呼ばれる規定があります。

今回も同規定が適用されたようです。

光通信は2024年2月に公表した決算短信に、子会社の過去の税務処理について更正通知を受け、これに基づく金額を納付したが、当局との間で見解の相違が生じているなどと記載していました。

今回も国税当局は『伝家の宝刀』を使いましたね。

光通信のニュースリリースを見ると、事実と異なる報道がなされているとか重加算税は課されていないとか書かれていますが、今後どうなるか楽しみです。

光通信の子会社で連結納税を巡り70億円の申告漏れを国税局が指摘したことについて、あなたはどう思われましたか?


イニエスタ選手ら3人に国税が日本居住者と判断し申告漏れを指摘!

 

日本経済新聞によると、サッカーJリーグの契約金などを巡り、ヴィッセル神戸に所属していた元スペイン代表、アンドレス・イニエスタ選手ら外国人選手3人が大阪国税局から計21億円を超える申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

日本に生活の本拠があるのに確定申告をしていない時期があると判断されました。

イニエスタ選手のほかに指摘されていたのは、元韓国代表でセレッソ大阪所属の金鎮鉉選手、ブラジル出身で名古屋グランパス所属のパトリック選手です。

関係者によると、3人の追徴税額は無申告加算税などを含む計約10億円とみられます。

追徴税額は、イニエスタ選手が約5億8千万円、金選手が約2億2千万円、パトリック選手が約2億1千万円です。

所得税法では、課税対象者は日本に生活の本拠を置く「居住者」と、そうではない「非居住者」に区分されます。

外国人選手の場合、非居住者とされれば、日本での所得は税率が約20%の源泉徴収で済みますが、居住者扱いとなれば、全世界所得について確定申告が必要になり、所得4千万円を超えると最高税率45%が適用されます。

国税庁によると、契約期間が1年未満で家族を帯同していないなどの場合は非居住者扱いになります。

国税局は選手らが1年未満の契約だった時期について、家族と同居していたなどの理由で居住者に当たると判断したとみられます。

イニエスタ選手が当時所属していたヴィッセル神戸は「個人情報に関わることなのでお答えしかねます」とコメントしました。

金選手が所属するセレッソ大阪は「個人の話なので、クラブとしてお答えすることができない」としています。

パトリック選手が所属する名古屋グランパスは「個人に関わることなのでコメントは差し控える」と回答しました。

居住者か非居住者かの判断は難しく、イニエスタ選手が日本に来た年の話しで、意図的なものではなくものではなく、選手側と国税局側の見解の相違でしょうが、同じような状況の選手はサッカーに限らず他にもたくさんおられると思いますので、国税側がもっと明確にしないと、今後も出てくるでしょうね。

イニエスタ選手ら3人に国税が日本居住者と判断し申告漏れを指摘したことについて、あなたはどう思われましたか?


東京国税局が調査で税務上の誤りを指摘しJOCに約20億円の追徴課税!

 
NHKによると、JOC(日本オリンピック委員会)は東京国税局の調査で収支の計上方法などについて税務上の誤りを指摘され、およそ20億円の追徴課税を受けたと、先日、発表しました。「東京国税局と見解には相違がある」としていますが、すでに修正申告を行ったと説明しています。
JOCは、先日、東京都内で会見を開き、2022年度までの5年間のマーケティングの収支の計上方法などについて、東京国税局の調査で税務上の誤りを指摘され、合わせておよそ18億円の申告漏れがあるとして、過少申告加算税を合わせ、およそ20億円の追徴課税を受けたと発表しました。収益を計上すべき年度や、損金の計上について指摘を受けたということで、JOCは「税務上の問題は無いと認識しており、東京国税局との見解には相違がある」としながらも、すでに修正申告を行い、全額を納付したと説明しました。JOCは修正は「遺憾だ」としたうえで、「今後の大会に向けた選手強化事業が影響を受けることがないよう運営し、適正な申告納税に努めていく」としています。
<JOCの東京国税局との見解相違についての説明>
JOC(日本オリンピック委員会)の北野貴裕常務理事は、東京国税局と見解に相違があると主張した理由について、
▽各年度において監事および独立監査人による会計監査を受けていること
▽法人税などの計算は税理士法人に委託し、収支の計上方法などについて適正な見解を得ていること
を挙げました。一方で、不服を申し立てずに修正申告を行ったことには、「大変な労力とお金、時間がかかる。結果的に認めざるを得なかった」と説明しました。そのうえで、「JOCは内部留保をするような会計方針ではなく、すべての収益を選手強化や競技団体の支援、スポーツの普及振興に充てている。今回の国税局の指摘は本当に遺憾だが、会計処理をしかるべき専門家に委託しながら見解の相違が起きてしまった。今後、こういうことがないようにしたい」と話していました。JOCの令和4年度の決算では、
▽経常収益がおよそ153億5,000万円
▽経常費用がおよそ134億6,000万円
▽正味財産の期末残高は106億9,000万円余りで
▽法人税などの額は1億8,000万円余りでした。納得できないのであれば争えば良いのではないかと個人的には思いますが、なぜ争わなかったんでしょうか?会計監査は申告の内容を検討するものではありませんし、税理士法人も記帳をしているわけではなく、すべての状況を把握しているわけではないので、これらを理由にするのもどうなのかなぁと思います。税理士法人に非があるのであれば、国税庁と争ったあとに損害賠償を求めればよいわけですから。東京国税局が調査で税務上の誤りを指摘しJOCに約20億円の追徴課税を行ったこと言就いて、あなたはどう思われましたか?

さらに3企業に1億円余り脱税させた脱税指南の容疑者を再逮捕!

 
NHKによると、東京都内の企業に脱税の方法を指南したなどとして、2024年2月に東京地検特捜部に逮捕された容疑者が、さらに3つの企業に法人税、合わせて1億円余りを脱税させた疑いがあるとして再逮捕されました。
再逮捕されたのは、営業コンサルティングなどを行う東京都渋谷区の会社の実質的経営者(43)です。東京地検特捜部によると、架空の業務委託費を計上させる手口で、東京都内にある3つの企業に法人税、合わせておよそ1億1,900万円を脱税させたとして、法人税法違反などの疑いが持たれています。東京地検特捜部は容疑を認めているかどうか明らかにしていません。実質的経営者は東京都港区の機械工具販売会社に脱税を指南した疑いでも2024年2月に逮捕されていて、3月6日に起訴されました。関係者によると、みずからが実質的に経営する会社がこれら4つの企業からコールセンター営業を請け負ったように見せかけて、架空の業務委託費を計上させていたということで、東京地検特捜部は詳しい経緯について調べを進めるものとみられます。またかぁという感じですが、架空経費の計上による脱税ですね。自分の会社を使っているので、自分の会社に課税が生じるのではないかと思いますが、この辺はどう処理していたのでしょうか?毎回思いますが、架空経費の計上は安易だと思いますし、節税を考えられなかったのかという気はします。脱税だと重加算税が課されると思いますので、あえて脱税もしなくても、税金を払った方が、おそらく手残りは多くなりますからね。指南された側も、税理士ではない人のことばを信じるというのが不思議ですね。さらに3企業に1億円余り脱税させた脱税指南の容疑者が再逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?

名古屋国税局が所得税4,000万円の脱税容疑で「頂き女子」を告発!

時事通信によると、所得税約4,000万円を脱税したとして、名古屋国税局査察部は、先日、所得税法違反容疑で、「頂き女子」と称していた住所不定、無職の女性(25)=詐欺罪などで公判中=を名古屋地検に告発したと発表しました。

名古屋国税局によると、この女性は埼玉県所沢市に住民登録があり、詐欺行為により多額の所得があったのに確定申告せず、2021~2022年の2年間で、所得約1億1,000万円を隠し、所得税約4,000万円を脱税した疑いが持たれています。

勤務していた風俗店やマッチングアプリで知り合った男性に恋愛感情を抱かせ、困窮を訴えて金銭を自身の口座に振り込ませていたとみられます。

名古屋国税局は、2023年11月に強制調査(査察)を行いました。

納税を免れた資金はホストクラブなどの遊興費に充てられ、残っていないようです。

一時期、ニュースをにぎわせた事件だと思いますが、2年間で1億1,000万円というのもすごいですね。

この事件だけでなく、世の中には、ここまでの金額にいかなくても申告押していない人はいっぱいいる(むしろ、申告している人の方が少ない?、ほとんどいない?)んでしょうね。

課税当局には、こういった案件をどんどん摘発してほしいですね。

名古屋国税局が所得税4,000万円の脱税容疑で「頂き女子」を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


東京国税局が1億円超の脱税の疑いで薬局運営会社の経営者らを告発!

高知新聞によると、架空の経費を計上して約1億700万円を脱税したとして、東京国税局が法人税法違反の疑いで、東京都港区の薬局運営会社の実質経営者(82)と、薬局運営会社の顧問税理士だった公認会計士(65)を東京地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、薬局運営会社の実質経営者は、東京都内や神奈川県横浜市の病院の土地などを売買して得た利益を圧縮するために外注費などとして架空の経費を計上していました。

2021年8月期までの2年間に計約4億3,700万円の所得を隠し、法人税約1億700万円を免れた疑いがあります。

利益が出たから架空の経費を入れて脱税するという事件が、結構、多いですね。

安易に脱税に走るのではなく、きちんと節税対策をしましょうということですね。

節税対策も、お金を使って3割くらい税額が安くなる一方、7割のキャッシュアウトが生じるだけで、結局、節税対策をせずに税金を支払った方が会社にお金が残るというものも多いですからね。

脱税に走り、報道や反面調査で社会的信用を失い、延滞税や重加算税が取られ、青色申告が取り消されたりすることを考えると、何もあるものはありませんので。

東京国税局が1億円超の脱税の疑いで薬局運営会社の経営者らを告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


国税幹部もなげく税務調査の低レベル化!

月刊社長のミカタによると、長かったコロナ禍を経て、ついに税務調査が本格的に再開されています。

やり手の調査官たちが腕まくりをして乗り出してきている―と思いきや、聞こえてくるのは「税務調査の質が落ちた」という専門家たちの声です。

コロナ禍での調査自粛による若手調査官たちの〝経験不足〟が要因だとみられています。

調査官のスキルの低下は納税者にとっては嬉しい知らせのように思えますが、一概にはそうとも言い切れない部分もあります。

最新の調査トレンドを追っています。

「ようやく新型コロナも5類に移行して、以前のように実地調査を行えるようにはなってきた。一方で〝失われた3年〟の影響がどの程度あるのか、そこだけが心配」とこぼすのは、とある国税局の上級幹部です。

現場に携わるベテラン調査官によると、若手のスキル低下は「かなり深刻なレベル」だそうです。

コロナ禍の自粛ムードのなかで、多くの人が外出の頻度や人との接触機会を減らしていたように、国税当局もまた外での活動を控えてきました。

ここでいう「外での活動」とは、いうまでもなく納税者の自宅や職場に赴いての実地調査のことです。

完全に調査をストップさせたわけではないものの、「新規感染者が増勢にあるうちは来てほしくない」といった納税者の訴えもあり、当局にとっては身動きがほとんど取れないようなものでした。

特にコロナ禍の前半ではその傾向が顕著で、国税庁が発表したデータによればコロナ禍が始まった2020年7月~2021年6月の1年間で行われた実地調査は所得税で23,804件と、前年に比べて60.1%減の著しい落ち込みを示しました。

当然、その背景にはコロナ禍による接触機会の減少があります。

さらに、コロナ禍の影響は調査の現場だけにとどまりません。

国税当局では例年、新人職員を埼玉県和光市にある税務大学校に集めて、泊まり込みで研修を行う規則となっています。

いわば国税職員としてのイロハを叩き込むわけですが、コロナ禍でこの研修スケジュールも大きな変更を余儀なくされたのです。

コロナ禍が発生した直後の2020年1月には、新型コロナの発生源とされる中国・武漢からの帰国者や、国内で感染が初めて確認されたクルーズ船の乗客らの一時受け入れ先として、税務大学校校舎が使用されることとなりました。

そのため、同時期に行われていた税務職員への研修は一部が途中で「繰り上げ終了」となったのです。

その後、現地研修を再開させようとしたものの、クルーズ船の乗客が滞在した部屋を使うことに対する参加者の不安や、大人数を1か所に集めて研修を開くことに対する懸念の声もあり、最終的には大野元裕埼玉県知事をして「国が千人規模の集合研修を実施するということは知事としては看過できない」と言わしめる事態にまで発展してしまいました。

その結果、税務大学校での研修は一時期、完全非対面によるリモート研修で行われるようになりました。

しかしながら、十分な準備なしのオンライン移行だったこともあり、その内容は到底関係者を満足させるものではなかったようです。

当時の報道では、「関係者がため息をつく」と表現されている部分もあるほか、当時の状況を取りまとめた税務大学校の研究報告でも「一方通行の映像講義よりは研修生の目を見てコミュニケーションをとりながら進める方法の方が効果的であることは間違いない」と言い切っています。

集合研修で身につくはずだった国税職員としての基本的なスキルが定着しないまま調査の現場に配属され、しかも配属後もろくに現場経験を積めない状況が長く続いたという事情が、冒頭の上級幹部の言葉につながっているわけです。

税理士として、毎年、何件か税務調査に立ち会い、2023年は何かと税務署の方と接することが多かったですが、この記事にあるように、若い方のコロナ禍における実地調査件数の激減ということもあるとは思いますが、ビフォーコロナにおいても、10年近く前と比べると、かなり、税務調査のレベルは下がっているなぁと思っていましたので、その辺りで現場に出ていた方が管理職等になっていれば、当然、レベルは下がるのではないかと思います。

税理士としては、助かるなぁと思うことが多い反面、基本的な内容の説明が必要な場面が増えたり、時間がかかったりすることが増えてきているように感じます。

申告をしていない方や不正な申告をしている方から、きちんと税金を取ってもらうには、レベルアップが必要だと思いますので、課税当局は、レベルが下がっていることを認識して、数年、数十年かかるとは思いますが、真摯に対応していほしいですね。

国税幹部もなげく税務調査の低レベル化について、あなたはどう思われましたか?


ニチリンの海外への所得移転で11億円の申告漏れを大阪国税局が指摘!

 

日本経済新聞によると、東証スタンダード上場の自動車用ホース製造販売会社「ニチリン」(兵庫県神戸市)が大阪国税局の税務調査を受け、2021年12月期までの4年間で約11億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、ニチリンや関係者への取材で分かったようです。

所得を海外子会社に移転したとして、国外への所得流出を防ぐ移転価格税制が適用されました。

追徴税額は過少申告加算税を含めて約3億円です。

ニチリンは修正申告をして、全額納付しました。

ニチリンの担当者は「当局との見解に相違があったが、納税は済ませた。」としています。

関係者によると、大阪国税局はベトナムなどアジア圏の子会社との取引を巡り、ニチリンがホースの部品代金などを適正価格よりも安く設定したほか、子会社が支払うべき技術開発費なども肩代わりしたと指摘しました。

そして、日本で計上すべき利益を海外に移転させたと認定しました。

ニチリンは1914年創業で、2021年12月期の連結売上高は約582億円、経常利益は約75億円でした。

売上高582億円で、経常利益75億円なので、結構儲かっている会社ですね。

これほどの企業になると、移転価格税制には細心の注意を払っていると思いますが、どういった見解の相違なのか知りたいですね。

ニチリンの海外への所得移転で11億円の申告漏れを大阪国税局に指摘されたことについて、あなたはどう思われましたか?


富裕層調査による申告漏れ所得総額は過去最高の980億円!

 

TabisLandによると、国税庁が先日公表した令和4事務年度の所得税等の調査状況では、新型コロナウイルス感染症の影響による制限が緩和されて調査件数が大幅に増加したうえ、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を優先して調査した結果、追徴税額の総額は、過去最高額の1,368億円にのぼっています。

そうしたなか、国税当局では同事務年度も“富裕層”への調査を積極的に行っており、申告漏れ所得金額が最高額を更新したことが明らかになりました。

国税当局では、有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な者などいわゆる“富裕層”に対して、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に調査を実施しています。

2023年6月までの1年間(令和4事務年度)には、前事務年度比32.3%増の2,943件の富裕層に対する実地調査が行われ、同16.8%増の申告漏れ所得金額980億円が把握されました。

申告漏れ所得の総額は、富裕層対象の統計を始めた平成21年度以降で最高額となりました。

実地調査の結果、調査件数の約86%に当たる2,533件(前年対比29.0%増)から何らかの非違を見つけ、その申告漏れ所得金額980億円について、183億円(同▲23.1%減)を追徴しました。

1件当たりの申告漏れ所得金額は3,331万円(同▲11.6%減)となり、追徴税額は623万円(同▲41.6%減)と前年度からは大幅に減少したものの、所得税の実地調査(特別・一般)全体の1件当たり274万円と比べ2.3倍にのぼっています。

また、国税当局では富裕層の海外投資等にも目を光らせており、同期間中にも海外投資を行っていた667件(前年対比39.8%増)の調査を展開し、約87%に当たる583件(同34.6%増)から514億円(同37.4%増)の申告漏れ所得金額を把握、71億円(同▲49.6%減)を追徴しています。

1件当たりの申告漏れ所得金額は7,706万円(同▲1.7%減)、追徴税額は1,068万円(同▲63.8%減)で、実地調査(特別・一般)全体の274万円に比べ3.9倍となっている。

富裕層に限らず、申告漏れ・無申告を重点的に調査して取ってほしいですね。

コロナ禍で、給付金のためにそれまでしていなかった確定申告をして、その後、確定申告をしていない人なども当然、狙っているとは思いますが。

富裕層調査による申告漏れ所得総額は過去最高の980億円だったことについて、あなたはどう思われましたか?


茨城県のサツマイモ農家が「つまみ申告」で1億9,300万円の所得隠し!

 

読売新聞によると、農作物の売り上げの一部を申告せず約8,200万円を脱税したとして、関東信越国税局は、先日、茨城県鉾田市の農業男性(54)を所得税法違反の疑いで水戸地検に告発したと発表しました。

告発は2023年3月28日付です。

発表によると、男性は、2019年~2022年、サツマイモの売り上げを実際よりも少なく申告する「つまみ申告」と呼ばれる手口で、所得を約1億9,300万円過少申告し、所得税約8,200万円を脱税した疑いです。

個人的には、「つまみ申告」ということばを知りませんでしたが、国税庁や国税不服審判所のホームページにも出てきていますね。
「つまみ申告」とは、不正経理や二重帳簿等の作成等の積極的な行為がないという場合であって、所得金額や収入金額の一部のみを故意につまみ出し、つまみ出した過少な所得金額などを申告書に記載して提出することだそうです。
それにしても、サツマイモ農家は儲かるんですね。
3年間で年間平均6,400万円以上も売上を抜いているわけですからね。

茨城県のサツマイモ農家が「つまみ申告」で1億9,300万円の所得隠しをしていたことについて、あなたはどう思われましたか?


税理士法人Impactによる札幌国税局管内・不当課税に関する訴訟!

税理士法人Impactが、札幌国税局管内の複数の税務署が、昨年から今年にかけて行った法人税の税務調査において、「事実のねつ造等の方法により不当な課税を強行しようとしていた」として、被害を受けた複数の事業者が同時に、札幌国税局管内の札幌中税務署長、札幌西税務署長、札幌南税務署長ら国を相手取り、国家賠償請求訴訟を令和5年8月4日に提起しました。
また、調査を行った税務職員とその上司の行為は、刑法193条の公務員職権乱用罪等の疑いがあるとして、所轄警察署に刑事告訴を予定しています。

札幌国税局管内の複数の税務署や国税局の税務調査において、複数の事業者(法人)に対して「不当な課税を強行」しようとしていた事例が、短い期間の間に多数発生していました。
「不当な課税を強行」とは、具体的に言うと、①事実のねつ造、②証拠書類の隠蔽、③脅迫的な質問調査や誘導尋問の実施、④反論しない税理士との不適切な談合等により、本来であれば課せられない不当な税金を税務当局が事業者に対して課税しようとしていたものです。

いずれの事例も、税務調査終了の間際、最終の調査結果説明が行われ、税務当局の指示に従い修正申告を提出する直前(提出後は不当課税が発覚しても原則撤回できません)というギリギリのタイミングで、税理士法人Impactに相談があり、「不当な課税」であることを直ちに指摘して、修正申告の提出をストップし、処理の内容を全面的に見直すこととなったものです。そのうち2つの事案を今回訴訟提起することとしました。

1つ目の事案は(北祥株式会社)、税務調査終結に伴う結果報告の際、当局から583万円もの税金が課税される内容での修正申告の強要をされた事案です。事業者から依頼を受けた当法人が課税の根拠を示すように当局へ抗議したところ、突然、説明や謝罪もなく0円(税務調査による課税なし)となり調査終了となった事案です。
現時点においても何ら説明がされておりません。当局がなぜ、583万円もの架空の税金を課税しようとしたのか、不明となっております。

2つ目の事案は(コノヨシグループ)、税務調査終結に伴う結果報告の際に、2種類の税額が書面で示されるとともに、途中から税務調査の対応をすることとなった当法人を排除しなければ高い方の税額となると脅して税理士の排除を求めるなどした事案です。2種類の税額においては、約1億円も税額が異なっていました。言うまでもなく、本来課税される税額は1つしかあり得ません。
税理士法人Impactにおいて抗議したところ、当初示された税額の低いほうの案(加減算事項①)からも少なくとも2,500万円以上減額された状態で当局は更正処分を行ってきました(加減算事項③)。
この更正処分は、当法人において提出した修正申告(問題事項一覧)を無視して行われたもので、これ自体無効となりうるものです。税額についてはいまだ決定していません。本事案は多数の問題行為が行われた事案です。事業者は、架空の税金の課税をされそうになったことから、破産に追い込まれそうになりました。そうであるにもかかわらず、当局が自認するだけでも当初2,500万円以上の架空の税金を課税しようとしたことについて、説明や謝罪はありません。このほかにも、国税局が定める各種ルールに基づかない調査懈怠と言わざるを得ない税務調査行為がなされました。

2つのいずれの事案においても、税務当局の当初案と、当法人の関与後との案では大きく税額が異なってしまっています。2つの事案とも元々関与していた現地の税理士や税理士法人は、税務当局からの「不当な課税」の指示に対し、特に反論することなく、言われるがままに修正申告を作成し、当初案での申告を行おうとしていました。
当然のことですが、租税法律主義のもと、税務当局の裁量で自由に税務調査やその後の課税が許されるものではありません。国税庁は、全国的なルールとして「調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)」と「署課税部門における争点整理表の作成及び調査審理に関する協議・上申等に係る事務処理手続について(事務運営指針)」を定め、十分な証拠の収集等に基づく事実認定と法令の適用の更なる適格化を図ることとして、全国の税務署・国税局はこのルールに従って事務を進めることとなっています。

札幌国税局管内の税務調査において、明らかに国税庁のルールに沿っていないと認められる事例が複数起こっていることを重く受け止め、税理士法人Impactは令和5年4月27日付で、札幌国税局長宛てに上申書を提出し、事実の釈明と謝罪、原因の解明と再発防止を訴えましたが、何ら対応が無く無視されました。当局が事態を真剣に受け止めて改善しようという姿勢を全く見せないことから、同様の被害事例を起こさせないためにも、今回、やむを得ず国家賠償請求訴訟の形を取って、世間に広く事実を公表することとしたものです。

国家賠償請求訴訟の原告は、被害を受けた北祥株式会社及びFAREASTEATING株式会社(コノヨシグループ本部)であり、2社の顧問税理士であり、訴訟の補佐人である税理士法人Impactが投稿させていただきました。

≪担当税理士における訴訟提起に至った理由・思い≫
今回の2事例(3法人)だけでなく、当法人がかかわった札幌国税局管内の法人税調査において、令和3年1月からの2年半という短い間に、計4事例(7法人)の同様の不当な課税を強行しようとした事例が確認できました。
これらすべての事案に共通して、元々関与していた税理士や税理士法人は、この税務当局の「不当な課税」の指示に対して、特に反論することなく受け入れ、言われるがままに修正申告を作成していました。
一般的なケースにおいて、事業者の唯一の味方は関与税理士であり、中立な立場で公正に税務当局に意見を述べる必要があります。しかし、個々の理由はわかりませんが、関与税理士は全て税務当局の言いなりになっていた状況でした。
北海道の心優しい事業者の皆さまが、その気質から争いを好まず強く反論できないのをよいことに、まるで弱いものイジメするかのごとく札幌国税局管内の税務署が権限を濫用して「不当な課税を強行」しているとしたら、決して許されるものではありません。
もしかしたら、悔しい思いをしながら仕方なく理不尽な課税に応じるしかなかった事業者の皆様が、北海道には、ほかにも多数いるかもしれません。
今後、札幌国税局の管内の税務調査において、二度と同様の「不当な課税を強行する」事例が起こらないように、あえて国家賠償請求訴訟の形を取って、事実を世間に公表することが必要と考え、本日訴訟提起したものです。

税務署の対応が上記のとおりであれば、税理士法人Impactは非常に勇気ある行動をされたと思いますし、税務署長などにはきちんと説明して欲しいと思いますね。
あとは、元々関与していた税理士や税理士法人は本当に上記のような対応をしているのか、元々関与していた税理士や税理士法人の意見も知りたいですね。

税理士法人Impactによる札幌国税局管内・不当課税に関する訴訟について、あなたはどう思われましたか?


野菜の卸売会社経営者が架空取引で水増し計上しキックバックで1億9,000万円脱税か?

 

ABCによると、架空の取引手数料を水増し計上するなどして、約1億9,000万円を脱税したとして、大阪国税局は野菜の卸売会社などの実質的な経営者を、大阪地検に告発しました。

告発されたのは、カット野菜やドレッシングを扱う大阪市阿倍野区の卸売会社やその関連会社の合計3社と、それらの会社の実質的な経営者(59)です。

大阪国税局によると、3社は、2017年から2020年までの3年間で、架空の取引手数料や広告宣伝費などを水増し計上する方法で約6億7,000万円の所得を隠し、法人税や消費税など約1億9,000万円を脱税した疑いが持たれています。

関係者によると、実質的な経営者は、知人の会社十数社に架空の請求書を作らせ、支払った経費を個人の口座にキックバックさせる形で、不正に金を得ていたとみられます。

金は、高級ブランド時計やかばんなどの購入費にあてていたということです。
重加算税を含む追徴税額は約2億6,000万円にのぼるということで、実質的な経営者は既に修正申告し、そのうちの大半を納税しているということです。

この事件も架空経費の計上ですね。
それに加えて個人にキックバックなので、会社のお金を個人に付け替えているわけですからね。
知人の会社十数社にとっても迷惑な話しですよね。
そんなに儲かるのであれば、農家の方に還元してほしいですね。

野菜の卸売会社経営者が架空取引で水増し計上しキックバックで1億9,000万円脱税していたことについて、あなたはどう思われましたか?


海員組合前トップの6億円の申告漏れを東京国税局が指摘!

 

日本経済新聞によると、海運業の労働者らで組織される労働組合「全日本海員組合」(東京都)の前組合長(57)が東京国税局の税務調査を受け、2020年までの6年間で計約6億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

組合の関連団体の基金を私的流用するなどしていましたが、申告していなかったようです。
追徴課税は重加算税や過少申告加算税を含め、約2億円以上とみられます。

関係者によると、前組合長は組合関連の財団法人が管理する外国人船員の研修などの福利厚生に充てる基金の一部を使い、貴金属や高級腕時計を購入しており、東京国税局は実質的な給与とみなしたとみられます。

基金の原資は組合と労働協約を結んだ船舶に乗る外国人船員の組合員が拠出したものです。
内部の規定では使途の詳細について組合員への報告義務はなく、管理が不十分な状況が続いていたそうです。

また、前組合長は組合の代表部があるフィリピンで、船員向けの宿泊施設などを建設した際に、現地の業者からのリベートを自身の海外口座で受け取っていたことも税務調査で判明しました。
東京国税局は、これらは悪質な所得隠しに当たると判断したもようです。

前組合長は1993年に組合の専従職員として採用後、フィリピン代表部代表や副組合長を経て、2014年に組合長に就任しました。
税務調査が始まった後の2021年11月に「健康上の理由」で辞任しました。
組合の担当者は取材に対し、「お話しすることはない」としています。

全日本海員組合は、旅客船や海運業で働く船員と海事関連の労働者で組織される個人加盟の労働組合で、2022年時点の組合員数は約8万人です。
連合の主要構成団体として知られ、主要な港を抱える国内24か所に支部があるほか、海外にも代表部を持っています。

事実だとすると、かなり悪質ですね。
全日本海員組合のホームページを見ると、税務調査においては、不正な資金の使用などの事実はなく、当該事象による課税処分も受けていない旨のコメントが出されていますが、実際にはどうなのでしょうか?
給与課税をするのであれば、組合側も源泉徴収漏れとか損金不算入とかになると思いますので。

海員組合前トップの6億円の申告漏れを東京国税局が指摘したことについて、あなたはどう思われましたか?


架空経費で法人税1億9,000万円あまりの脱税で建設会社2社を告発!

 

NHKによると、水道管の補修工事や建設現場の残土処理などを請け負っていた都内の建設会社など2社が、架空の経費を計上する手口であわせて法人税1億9,000万円余りを脱税したなどとして、東京国税局から告発されました。

告発されたのは、いずれも葛飾区にある建設会社、S社とN社、それにS社の代表(62)です。

関係者によると、S社は、東京都水道局が発注する水道管の補修工事などのほか、東京オリンピック・パラリンピック関連の建設残土の処理などを請け負っていましたが、N社との間で互いに架空の事業を発注したようにみせかけ、所得を少なく見せかけた疑いがあるということです。

東京国税局査察部は、おととしまでの3年余りに、2社があわせておよそ7億7,700万円の所得を隠し、法人税およそ1億9,200万円と、消費税あわせておよそ8,100万円を脱税した疑いで、2社と代表を東京地方検察庁に告発しました。

関係者によると、代表は不正に得た資金を自宅や貸金庫で現金のまま保管するなどしていたということです。

NHKの取材に対し、2つの会社と代表の代理人の弁護士は「国税の指摘に従って修正申告と納税を済ませています。十分反省し、2度とこのような事件を起こさないよう経理体制などの整備に努めております」とコメントしています。

本当に、最近は安易な架空経費を計上する事件が多いですね。
重加算税や延滞税、会社の信用の崩壊などを考えると、素直に税金を納めたほうが良いと思いますが、なぜ脱税に走るのでしょうか?
東京都の仕事やオリンピック・パラリンピック関連の仕事で稼いでいるのであれば、ますます、税金を支払うべきかと思いますが。
ある程度、月次決算を行っていれば着地予想は分かるわけですから、脱税ではなく、節税をすれば良いのにと感じてしまいます。
あとは、取材に対し、代表ご本人ではなく、代理人である弁護士が回答するというのもどうなのかなぁと思いました。

架空経費で法人税1億9,000万円あまりの脱税で建設会社2社を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


和室の床下開けると3,000万円の現金!

 

TBSによると、国税庁は全国の国税局査察部、通称「マルサ」が、昨年度に総額およそ100億円の脱税を告発したと発表しました。

物が散乱した住宅の和室。畳の下の床板を外すと、床下に袋が隠されていました。
その中には、総額3,000万円の現金が。
これは「マルサ」が強制調査で見つけた脱税資金です。

国税庁は、「マルサ」が昨年度告発した脱税が103件で、総額およそ100億円だったと発表しました。
新型コロナの感染拡大による調査自粛の影響で、3年連続で減っていましたが、件数も金額もコロナ前の水準に戻りつつあります。

中でも目立つのは、SNS上で勧誘され安易に脱税してしまうケースです。
「払いすぎている税金を戻しませんか?」
「副業で赤字が出た」などとウソの申告をすれば、税金の還付が受けられるといった誘い文句に乗せられ、所得税を不正還付、つまり脱税をしたとして、昨年度は会社員の男女100人以上が国税当局の指摘を受けました。

国税庁調査査察部 中西佳子 査察課長
「SNSでの延長で、安易に脱税を犯してしまう事案が出てきていると感じています。ぜひ、そういった一線を越えないように、皆様には気を付けていただきたい」

国税庁は「経済・社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に刑事責任を追及していく」としています。

そんなに安易に税金が返ってくるのはおかしいと思わないといけないでしょうね。
税金の還付をしてもらうためには、更正の請求という手続きをすることになりますが、税務署も税金の還付については、過去から不正還付が多いことから、そう簡単には返してはくれませんので、自らよく調べてくれと言っているようなものだと思います。
普通に考えて、そもそも赤字になるような副業をやりますか?ということでしょうね。
こういった不正還付や、現金を隠したりする事件が増えることで、真面目に申告している人まで、なかなか税金を還付してくれない、税務調査が長くなるといった事態は避けてほしいですね。

和室の床下開けると3,000万円の現金が隠されていたことについて、あなたはどう思われましたか?


太陽光発電で9,100万円脱税容疑で一般財団法人の実質的経営者を逮捕!

 

FNNプライムオンラインによると、太陽光発電事業で得た所得を少なく申告し、法人税約9,100万円を脱税した疑いで一般財団法人の実質的経営者が水戸地検に逮捕されました。

先日、水戸地検の係官らが家宅捜索に入いりました。

法人税法違反の疑いで逮捕されたのは、茨城県取手市の一般財団法人の実質的経営者(68)です。

実質的経営者は、一般財団法人の代表理事らと共謀し、2020年6月までの1年間で法人税約9,100万円を脱税した疑いが持たれています。

関係者によると実質的経営者は、架空の外注加工費を計上する手口で太陽光発電事業で得た所得を少なく申告したとみられていますが、逮捕前の任意の調べに対し否認していたそうです。

あいかわらず、安易な架空経費の計上が見受けられますね。
これだけニュースとかに取り上げられているわけですから、バレないわけがないです。
脱税ではなく、節税をしましょう。

太陽光発電で9,100万円脱税容疑で一般財団法人の実質的経営者が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


勤務時間中にFX取引や株取引をしていた税務署勤務の男性職員2人を減給の懲戒処分!

2023年05月26日(金)

TBSによると、勤務時間中にFX取引や株取引を行ったとして、東京国税局は職員2人を減給の懲戒処分としたと発表しました。

処分を受けたのは、東京都内の税務署に勤務する42歳と60歳の男性職員です。

東京国税局によると、職員2人は、勤務時間中にFX取引や株取引、暗号資産の取引を行っていたということです。

東京国税局は「誠に遺憾」として、職員2人に対し減給とする懲戒処分を出しました。

東京国税局は、人数も多いんでしょうけど、不祥事も多いように思いますね。
そろそろ『誠に遺憾』というどうでもいいコメントはやめて、実際にどうやって防いでいくかを真剣に考えて欲しいですね。
一方で、実際にFX取引や株取引や暗号資産取引をやっている人を、それらの調査にあたらせる方が、効果的な税務調査ができるように思いますが。

勤務時間中にFX取引や株取引をしていた税務署勤務の男性職員2人が減給の懲戒処分となったことについて、どう思われましたか?


法人税3,800万円を脱税したコンサル会社と代表を東京国税局が告発!

 

読売新聞によると、法人税約3,800万円を脱税したとして、東京国税局がコンサルティング会社(山梨県甲府市)と代表(49)を法人税法違反の疑いで東京地検に告発していたことがわかったようです。

関係者によると、コンサルティング会社は企業から人事や経理のシステム構築を受注するなどして多額の利益を上げていましたが、売り上げの大半を除外し、2022年3月期までの3年間に約1億5,700万円の所得を隠し、法人税約3,800万円の納税を免れた疑いがあります。

2022年9月に東京国税局の査察(強制調査)を受けた後、本店を東京都港区から山梨県甲府市に移しました。

隠した所得は、代表が株の売買や借金の返済に充てるなどしたそうです。

代表は取材に対し、「国税局の指導に従って修正申告し、納税もほぼ済ませた。今後は適切に納税する」と回答したそうです。

売上の大半を除外とは、かなり悪質ですね。
査察後に、本店を移しているのも、セコいですね。
今は途中で本店を移しても意味がないと思いますが。
こういう案件を、どんどん調査して、税金を取ってほしいですね。

法人税3,800万円を脱税したコンサル会社と代表を東京国税局が告発したことについて、どう思われましたか?


暗号資産取り引きで3億円の所得を隠した会社役員らを逮捕!

 

NHKによると、暗号資産の取り引きで得た所得を隠し、3億円余りを脱税したとして、鹿児島県にある建設会社の役員が、指南役とみられる中東ドバイの貿易会社代表とともに、所得税法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。

逮捕されたのは、鹿児島県姶良市にある建設会社の役員(74)や、中東のドバイにある貿易会社の代表(72)ら、合わせて4人です。

東京地検特捜部によると、建設会社の役員らは暗号資産の取り引きで得た所得を隠し、3億円余りを脱税したとして、所得税法違反の疑いが持たれています。

東京地検特捜部と東京国税局は、先日、合同で建設会社などの関係先を捜索しました。

関係者によると、貿易会社の代表は、暗号資産の売却益の大半をドバイの貿易会社からの貸付金に見せかける手口で、建設会社の役員の脱税を指南していた疑いがあるということです。

貿易会社の代表は、埼玉県や群馬県の会社役員らの脱税に関与したなどとして、2022年に3回起訴されていて、逮捕されるのは4回目です。

東京地検特捜部は、先日の捜索で押収した資料を分析するなどして詳しい経緯の解明を進めるものとみられます。

なお、東京地検特捜部は、逮捕された4人の認否を明らかにしていません。

これも悪質な味例ですね。
海外との取引、暗号資産などだとバレないと思っているのかもしれませんが、そんなに甘くはないですよね。
儲かっているのであれば、安易に脱税を考えるのではなく、じっくりと節税を考えればいいのにと思ってしまいますね。

暗号資産取り引きで3億円の所得を隠した会社役員らを逮捕したことについて、どう思われましたか?


「インフルエンサー」の女性9人の計3億円の申告漏れを国税局が指摘!

 

読売新聞によると、SNS上で高い発信力を持つ「インフルエンサー」の女性9人が東京国税局の税務調査を受け、2021年までの6年間に計約3億円の申告漏れを指摘されたことが関係者の話でわかったようです。
SNSで商品やサービスを紹介して多額の報酬を得ていましたが、一部を申告していなかったことなどが判明したそうです。

9人は加算税を含め所得税など百数十万~約3,000万円を追徴課税されました。
追徴税額は計約8,500万円に上るとみられます。

関係者によると、税務調査を受けたのは、インスタグラムやユーチューブなどで数千~数十万人のフォロワーがいる女性9人です。
多くが首都圏在住の30歳代で、家族や友人との日常の写真などを投稿し、同世代を中心に人気を集めていました。

女性らは、広告主とインフルエンサーをつなぐ代理店に登録し、広告主から宣伝業務を受注していました。
化粧品や美顔器などを使用している写真などをSNSに投稿し、「医師とメーカーの共同開発」とうたったり、「ぜひ試してみてね!」と勧めたりしていました。

こうした広告目的の投稿は「企業案件」と呼ばれ、フォロワー数に応じて加算される報酬を受け取るなどして多額の利益を上げていたようです。

東京国税局が2021年以降に税務調査を行ったところ、報酬の一部を申告していなかったり、年によって確定申告していなかったりしたケースが次々と判明したそうです。
うち1人はSNSを通じて販売した情報商材の売り上げを海外のペーパーカンパニーの収入と装い、所得を隠していたそうです。

読売新聞は9人のうち数人に取材を申し込んだようですが、いずれも返答はなかったそうです。

インフルエンサーによる広告は近年拡大を続けており、SNSマーケティング会社「サイバー・バズ」(東京都)などによると、2023年の市場規模は2020年の2倍以上の741億円で、2027年には1,302億円に上ると推計されています。

会社員らが副業で行うこともありますが、本業以外に年間20万円を超える所得があれば確定申告が必要です。
国税当局は税務調査を強化しているほか、広告を紹介する代理店を通じてインフルエンサーに適正な税務申告を呼びかけています。

<インフルエンサー>
英語の「インフルエンス」(影響)が語源。
影響力のある人を意味します。
SNSで1万人以上のフォロワーがいることが目安とされ、1件の投稿で100万円以上を稼ぐ人もいるようです。
広告の対象は化粧品や食品が多かったですが、最近は不動産や金融商品など多様化しています。

これも悪質なケースですね。
最近、どこかの窓口を通じた一網打尽のケースが増えていますね。
バレないと思っているのかもしれませんが、本当にそんなに甘くはないです。
稼いでいるなら、きちんと申告・納税し、税額を減らしたいのであれば、何らかの節税方法を考えましょう。
インフルエンサーなのであれば、税務調査があったことや所得隠しを指摘されたことも投稿して、少しでも脱税する人を減らしてほしいなぁと思います。

「インフルエンサー」の女性9人の計3億円の申告漏れを国税局が指摘したことについて、どう思われましたか?


4,300万円脱税疑いで愛媛県の会社を告発!

 

産経新聞によると、高松国税局は、先日、計約4,300万円を脱税したとして法人税法違反の疑いで、愛媛県伊予郡の会社と代表取締役(64)を松山地検に告発したと発表しました。
2022年6月22日付です。

高松国税局によると、松山市の会社の代表取締役も兼ねていた代表取締役は、同社の売上金を実体のない団体名義の預金口座に入金するなどし、2017年5月期と2017年12月期の所得約1億200万円を隠し、法人税約2,300万円を免れた疑いです。

愛媛県伊予郡の会社についても同様の手法で2018年3月期の所得約8,500 万円を隠し、約2,000万円を免れた疑いがあります。

最近、悪質な事案が多いですね。
バレないだろうと安易にやっているのかもしれませんが、課税徳局はそんなに甘くはないです。
追徴やレピュテーションリスクなどを考えると、脱税は失うものがかなり大きいように思います。
本当に、脱税はやめましょう。
普段からきちんと数値を把握して、合法的な節税をしましょう。

4,300万円脱税疑いで愛媛県の会社を告発したことについて、どう思われましたか?


「納めすぎた税金を取り戻す」と脱税指南をしたコンサル会社代表を告発!

 

朝日新聞によると、「納めすぎた税金を取り戻そう」と全国の会社員にSNSで呼びかけ、不正な還付申告による脱税の手口を指南していたとして、東京国税局査察部が、東京都新宿区のコンサルタント会社の代表(36)を所得税法違反の疑いで東京地検に告発したことが関係者への取材でわかったようです。

給与から所得税を源泉徴収される会社員が、副業で損失を出した場合、その赤字分を本業の給与所得から差し引き、納めすぎた税金の還付を受けられる仕組みがあります。
確定申告で過去5年分をさかのぼって申請できます。

関係者によると、代表はこの制度に目をつけ、東京や埼玉、愛知、岐阜、大阪、兵庫、福岡、熊本など19都道府県の会社員ら109人に、架空の副業で計約7億2,900万円の損失を出したように装わせ、計約4,300万円分の所得税の還付を不正に申告させた疑いが持たれています。
一部は実際に会社員らに還付されたようです。

代表は、告発容疑となった109人を含む300人以上にこうした手口を伝え、1年分の申告書を作成するのに1人5万円の手数料を得ていたようです。
受け取った手数料の総額は約5千万円に上り、一部は会社員らの勧誘を手伝った知人らにも渡っていたとみられます。

指南を受けたとされる会社員らも、国税当局から所得隠しを指摘されました。
大半が重加算税を含む追徴課税を受け、修正申告と納税に応じたようです。

朝日新聞は代表に文書で取材を申し入れたようですが、2月28日までに回答はなかったようです。

こんなのバレるのが当たり前のような気がしますが、依頼する方もおかしいと思わないのでしょうか?
こういうのがあると、副業の赤字に対しては、課税当局の結構厳しい目で見るようになるでしょうね。
そもそも、赤字の続きの副業が損益通算できる事業所得になるのだろうか?という疑問はありますが。

「納めすぎた税金を取り戻す」と脱税指南をしたコンサル会社代表を告発したことについて、どう思われましたか?


不動産仲介大手の元部長が脱税事件に絡み数千万円受領か?

 

日本経済新聞によると、東京国税局が脱税の疑いで東京都新宿区の不動産仲介業者「ビルド」と同社代表を東京地検に告発した事件に絡み、不動産仲介大手の三井不動産リアルティ(東京都千代田区)の元部長が、ビルド側から現金数千万円を得ていたのに税務申告していなかったとして、国税当局から所得税の申告漏れを指摘されていたことが、7先日、関係者への取材で分かったようです。

三井不動産リアルティは日本経済新聞の取材に対し、「国税局からの査察で取引先から金銭を受け取った事実が判明し、社内規則違反であるため懲戒解雇にした。誠に遺憾で社内コンプライアンスをより強化していく」と回答していますが、三井不動産リアルティは詳細を明らかにしていません。

関係者によると、ビルドの代表(59)は取引先に虚偽の領収書を作らせ、架空の仕入れ高を計上して所得を圧縮していたようです。
2021年9月期までの2事業年度で、所得約1億9千万円を隠し、法人税など約4,800万円を免れた疑いがあります。
こうした不正で得た資金の一部が取引先の元部長に渡っていたとみられます。

国税局は、脱税行為の主体はビルドの代表だったとして、元部長を告発対象には含めなかったもようです。
元部長は修正申告と納税を済ませたとみられます。

本当に、最近は架空経費の計上による脱税が多いですね。
簡単にできると思っているのかもしれませんが、そう甘くはないですよね。
一方の経費は、一方の売上になるでしょうから。

不動産仲介大手の元部長が脱税事件に絡み数千万円受領していたことについて、どう思われましたか?


楽天モバイルの委託先が70億円の所得隠しで追徴課税!

 

日本経済新聞によると、楽天モバイルから携帯電話基地局の整備に関する業務を委託されていた運送会社(東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、70億円超の所得隠しを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
追徴税額は重加算税を含め約30億円に上るとみられます。

関係者によると、運送会社は楽天モバイルの携帯電話基地局の部材を輸送するなどしていた物流会社(東京都、民事再生手続き中)から輸送業務などを受託し、一部の業務は複数の下請けにさらに委託していたとされます。

東京国税局は、運送会社が2022年3月期までの3年間で、下請け業者に対して業務委託名目の経費を支払ったように偽装するなどして利益を圧縮し、法人税などを故意に少なく申告していたと認定したとみられます。

楽天モバイルは2022年9月、共謀した元従業員と物流会社から不正な請求を受けていたと発表しました。
損害は46億円に上るとみられ、元従業員を懲戒解雇し、警察に告訴状を提出していました。

民間の信用調査会社によると、運送会社は破産手続きを進めているとされ、代理人の弁護士の事務所は取材に対し「現在、担当者が不在のため対応できない」と回答しています。

運送会社は元請である物流会社から仕事を受けていたにもかかわらず、所得隠しをしようと思うほど稼いでいたわけですから、不正があったにしろ、どれだけ高い金額で楽天モバイルは発注していたんでしょうね?
破産手続きを進めているといことは、所得隠しはしていたものの、、楽天モバイル以外の事業は赤字で、それらを補てんしており、実際には財務的に納税ができないような状況なのでしょうか?

楽天モバイルの委託先が70億円の所得隠しで追徴課税を受けたことについて、どう思われましたか?


マルチ商法で化粧品を販売している会社が架空経費などで38億円の所得隠し!

 

読売新聞によると、化粧品販売などを全国で手がけるグループが国税当局の税務調査を受け、計約38億円の所得隠しを指摘されたことが関係者の話でわかったようです。
架空経費の計上や売り上げの一部除外によって利益を不正に圧縮したなどと指摘されたようです。

関係者によると、化粧品販売会社は2017年設立で、化粧品やサプリメントを販売しています。
新たな顧客を獲得した会員に報酬を支払う「連鎖販売取引」(マルチ商法)で事業を拡大し、2020年11月期の売上高は約140億円に上っています。

税務調査は東京、金沢、関東信越、福岡、高松の各国税局が実施しました。
仕入れ先の化粧品製造工場や、法人会員、個人会員など20か所以上が対象になったようです。

この結果、化粧品販売会社は2020年11月期まで3年間に取引先に対して架空の外注費を計上したり、売り上げの一部を除外したりして利益を不正に圧縮し、税負担を免れていたことが明らかになったそうです。

申告漏れの総額は会員を含めてグループ全体で約49億円に上り、国税当局はこのうち約38億円について仮装・ 隠ぺい を伴う所得隠しにあたると判断しました。
重加算税を含め法人税など約19億5,000万円を追徴課税したとみられます。

化粧品販売会社は2022年10月に社名を変更し、本店を東京都内から金沢市に移転しています。
ホームページによると、以前と同様の商品を取り扱っています。
読売新聞の取材に対し、期日までに回答はなかったようです。

化粧品販売会社を巡っては、消費者庁が2021年8月、勧誘時に特定の大学名を挙げて「共同研究した」と虚偽の説明をしたなどとして、化粧品販売会社とオーナー(68)らに対し、特定商取引法違反でいずれも6か月間の取引停止や業務禁止の命令を出していました。

消費者庁によると、化粧品販売会社の連鎖販売取引の仕組みは以下のようです。
まず、会員になるには、最初に40万~50万円分の商品を購入し、その後も毎1万円程度の購入を継続する必要があります。

会員が新規会員を獲得すると、1件あたり2万円の報酬が支払われるほか、多くの傘下会員を抱える会員には別途、報酬が入いります。
会員は2020年12月時点で6万5,000人に上ったそうです。

「まるで宗教にはまったようだった」と、東北地方に住む60歳代の母親が会員になった30歳代女性は、取材にそう振り返っています。
女性と母親が、親族から「会わせたい人がいる」と会員を紹介されたのは2018年秋でした。
「会員になって別の人を誘えばお金が入る」といった話の後、「今からセミナーがあるから行きましょう」と誘われました。
女性は「マルチだ」と直感して断ったそうですが、セミナーに参加した母親が会員になり、自宅に毎月、大量の化粧品が届くようになりました。
女性は「やめた方がいい」と進言しましたが、母親は「商品がいいのよ」と聞く耳を持たなかったようです。
化粧品販売会社の説明には虚偽があると伝えても、「ちゃんとした会社なの」と反論したそうです。

女性は結婚を機に2021年秋に家を出た後、母親とほとんど連絡を取っていません。
母親は化粧品販売会社に100万円超を支払っているとみられ、女性は「最初に勧誘された時に止められていたら……」と悔やんでいます。

架空の外注費を計上したり、売り上げの一部を除外したり、かなり悪質ですよね。
こういう会社からどんどん税金を取って欲しいと思いますし、国などが何らかの対応をして、破綻する方などが一人でも減ればなぁと思います。

マルチ商法で化粧品を販売している会社が架空経費などで38億円の所得隠しをしていたことについて、どう思われましたか?


法人税など7,300万円を脱税し自宅金庫に数千万円を隠していた空調設備会社と前会長を告発!

 

読売新聞によると、法人税など約7,300万円を脱税したとして、東京国税局が空調設備工事会社(東京都板橋区)と前会長(51)を法人税法違反などの疑いで東京地検に告発していたことがわかったようです。

関係者によると、空調設備工事会社はビルのエアコン工事などを受注して多額の利益を上げていましたが、金額を水増しした請求書を取引先に作成させて架空の外注費などを計上し、2021年5月期までの3年間に約1億9,500万円の所得を隠し、法人税約5,200万円を脱税した疑いです。

仕入れにかかる消費税を過大に計上し、消費税約2,100万円の納税を免れた疑いもあるようです。

隠した所得は、前会長が株の投資などに充てていたほか、自宅の金庫に数千万円を保管するなどしていたそうです。

空調設備工事会社は1999年設立で、調査対象期は毎年10億円程度の売り上げがあったようです。

読売新聞の取材に対し、空調設備工事会社は「国税当局の指摘に基づき、修正申告と納税を済ませた」と回答しています。

最近は、本当に架空経費を計上して脱税を行う会社が多いですね。
これだけニュースとかで出ているのにやるのは、簡単にできてしまうからでしょうか?
法人税の脱税のみならず、消費税の脱税や不正還付につながりますので、やめてほしいと思いますし、課税当局にも頑張ってほしいですね。
あと、読売新聞の取材に対する回答もどうかと思いますね。

法人税など7,300万円を脱税し自宅金庫に数千万円を隠していた空調設備会社と前会長を告発したことについて、どう思われましたか?


ジャニーズ事務所のタレントへの「お年玉」9,000万円を経費と認めず!

 

読売新聞によると、芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」(東京都港区)と関連2社が東京国税局の税務調査を受け、2022年までの5年間に所属タレントに渡した「お年玉」約9,000万円について、経費とは認められないと指摘されていたことが関係者の話でわかったようです。

お年玉を渡した3社の藤島ジュリー景子社長への賞与にあたるとして、不納付加算税を含め源泉所得税計約4,000万円を追徴課税されたそうです。

関係者によると、指摘を受けたのは、ジャニーズ事務所と関連会社「エム・シィオー」、「ジャニーズ出版」です。
ジュリー氏は毎年1月、所属タレントにお年玉として現金を渡しており、この分について3社はそれぞれ交際費として税務申告していたそうです。

交際費は得意先や仕入れ先への接待や贈答などに支出する費用です。
東京国税局は、ジュリー氏が個人的に渡すお年玉は交際費とは認められず、3社からジュリー氏への賞与にあたると指摘したとみられます。
お年玉は1人当たり多くても数十万円で、贈与税は発生しなかったようです。

ジュリー氏は創業者のジャニー喜多川氏のめいで、ジャニー氏が2019年7月に87歳で他界した後、ジャニーズ事務所の社長に就任しました。
取材に対し、ジャニーズ事務所は「見解の相違があったが、国税当局の指摘に従って修正申告と納付を済ませた」と回答しています。

所属タレントへのお年玉を交際費として処理していて、見解の相違というものが生じるのかどうか分かりませんが、理論的には、賞与か役員賞与かということになるかと思います。
前者ならば、損金となり、一方で、所得タレントに所得税がかかり、源泉徴収をしないといけませんし、後者ならば、事前確定給与の届出を出していないと損金にはならず、一方で、社長に所得税がかかり、源泉徴収をしないといけないと思います。
ただし、実務上は、経費としているところは結構あるのではないかと推測されますが、なぜ、修正申告に応じたのでしょうか?

ジャニーズ事務所のタレントへの「お年玉」9,000万円が経費と認められなかったことについて、どう思われましたか?


租税回避地使った脱税手法考案の46歳男性を大阪地検特捜部が逮捕!

 

産経新聞によると、海外法人に架空の経費名目で送金し、法人税など計約3,200万円を脱税したとして、大阪地検特捜部は、先日、法人税法違反などの疑いで会社役員(46)を逮捕しました。

会社役員は脱税手法を考案し、それを利用した企業から報酬を受け取っていたとみられます。
大阪地検特捜部は認否を明らかにしていません。

逮捕容疑は、大阪市北区の不動産売買会社の元社長(48)らと共謀し、架空の支払い手数料などを計上し、平成28年12月までの3年間で同社の所得約1億2,600万円を隠し、法人税など計約3,200万円を脱税したとしています。

関係者によると、会社役員らは、タックスヘイブン(租税回避地)として知られるシンガポールなどの海外法人に架空の経費名目で資金を送金し、大半をひそかに還流させる手口を考案し、同社など複数な社に指南していたとみられます。

事件を巡っては、大阪国税局が元社長らを大阪地検に告発し、いずれも起訴され、有罪判決を受けました。
一方、会社役員は海外に出国しており、この日帰国したところを逮捕されました。

どのような手法なのか知りたいですね。
色々な会社に指南していれば、一網打尽ということでしょうね。
多額の海外送金は税務当局もチェックしているでしょうから、バレるでしょう。

租税回避地使った脱税手法考案の46歳男性を大阪地検特捜部が逮捕したことについて、どう思われましたか?


富裕層の申告漏れ所得が過去最高の839億円!

 

日本経済新聞によると、国税庁は、先日、2022年6月までの1年間(2021事務年度)に実施した所得税などの調査結果を発表しました。
高所得者や不動産の大口所有者ら「富裕層」の申告漏れ所得の総額は前年度比72.3%増の839億円で、富裕層対象の統計を始めた2009年度以降で最高額でした。
1件当たりの申告漏れ金額は3,767万円でした。

全体の調査件数は約59万9千件(前年度比19.4%増)で、申告漏れ所得の総額は7,202億円(同29.1%増)、追徴税額は1,058億円(同44.5%増)でした。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で減っていた対面での調査などが増え、いずれも前年度を上回りました。

国税庁はインターネット上のサービスを利用して民泊などを運営する「シェアリングエコノミー」や配達代行業など、新しいビジネスモデルに関する調査を強化しています。
東京国税局は、マッチングアプリを介して知り合った人と飲食を共にする「ギャラ飲み」で得た所得約4,000万円を申告しなかった女性に対し、加算税を含む約1,100万円を追徴課税しました。

個人事業主の消費税の申告漏れなどは前年度比13.9%増の約5万5千件、追徴税額は同73.3%増の312億円でした。

富裕層を狙うのが当然税金を取りやすいと思いますし、稼いだものに対して税金がかかるので新しいビジネスモデルに関する調査を強化するのは当然だと思いますが、そういうことに気付いたということだけでも評価すべきなのかもしれませんね。
どこかのサイトを使ったサービスで稼いでいる場合だと、そこを調査すれば一網打尽だと思いますし、課税当局としては効率的になっているのかもしれないですね。

富裕層の申告漏れ所得が過去最高の839億円だったことについて、どう思われましたか?


移転価格税制の追徴課税巡り日本ガイシに77億円税還付!

 

日本経済新聞によると、日本ガイシは、先日、ポーランド子会社との取引について名古屋国税局から約85億円を追徴課税された処分を巡り、法人税や地方税など約77億円が還付されると発表しました。
先日、名古屋国税局から通知を受けたようです。
加算金とあわせ2023年3月期に純利益の増加要因として計上します。

日本ガイシによると、ポーランド子会社が自動車用排ガス浄化装置を製造する際、本体に支払う技術料を適正価格より安くして本体の所得を同子会社に移したとみなされていました。
2011年3月期から2015年3月期までの取引が対象で、日本ガイシはまず国税不服審判所に審査請求をして約4億円の還付を受けました。
さらに、課税全額の取り消しを求めて2019年12月に東京地裁に提訴していました。

日本ガイシは「追徴税額の相当部分が還付されることなどを総合的に考慮し、今後訴訟を取り下げる」とコメントしました。

本社と海外子会社の所得移転をめぐる課税制度は移転価格税制と呼ばれます。
日本ガイシは2007年3月期から2010年3月期までの同様の追徴課税についても取り消しを求めて提訴していましたが、2022年3月に取り消しが確定しました。

実質、日本ガイシの勝利ということですね。
資金力のある大手企業は、納得できないことは、泣き寝入りするのではなく、争ってほしいですね。
最近、課税当局側が負けるケースが出てきていますが、裁判は長期間要するため、還付となると多額の還付加算金が生じますので、最初の追徴課税をするかどうかの段階で、もっと課税当局は慎重であってほしいですね。
結局、還付加算金は税金でしょうから。

移転価格税制の追徴課税巡り日本ガイシは77億円税還付となったことについて、どう思われましたか?


一部の大規模法人を対象にリモート調査を試行実施!

 

日税ジャーナルオンラインによると、国税庁は2022年10月から一部の大規模法人を対象に、国税庁の機器・通信環境を利用したリモート調査を試行実施するようです。

新型コロナウイルス感染拡大を契機として、対面機会を抑制することを目的に、大企業を中心に国税当局に対してWeb会議システム等を活用したリモート調査を要請するケースが多く見られました。

国税庁では、すでに納税者の機器・接続環境を利用したリモート調査は必要に応じて実施してきましたが、今回、一部の大規模法人を対象に、国税庁の機器・通信環境を利用したリモート調査を試行的に実施することとなりました。

一部の大規模法人とは、国税局調査部の特別国税調査官および沖縄国税事務所調査課による調査の対象法人です。

リモート調査の実施に当たっては、まず、事前準備として納税者から「リモート調査の実施に関する同意書」をe-Taxで提出してもらいます。

その後、オンライン(Webex)による概況聴取としてヒアリングを実施した後、オンラインストレージサービスを利用して帳簿データ等の受け渡しが行われます。

コロナ感染者が出てから、2年半以上経ちますが、あまりにも遅すぎるという感じがします。
とは言え、時代の流れに対応しようとしていることは良いことだと思います。
税務調査に立ち会っている時やその後の交渉の際などに、こうすればもっと早く終わるのではないかと思うことが多々ありますが、少しずつでも今までのやり方を変えていってほしいと思います。
それが、納税者のためにも、課税当局のためにも、税理士のためにもなると思いますので。

一部の大規模法人を対象にリモート調査を試行実施することについて、どう思われましたか?


5,200万円脱税の疑いで大阪国税局が不動産会社を告発!

 

日本経済新聞によると、計約5,200万円を脱税したとして、大阪国税局が不動産会社(大阪市北区)と同社役員2人を法人税法違反などの疑いで大阪地検に告発していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、2人は共謀し、大阪市のテナントビル3棟と京都市のマンション1棟を売却する際、売り上げの一部を除外していました。

2018年6月期までの2年間に計約2億1,600万円の所得を隠し、法人税と地方法人税計約5200万円を不正に免れた疑いが持たれています。

2人は貸金庫や親族名義の預金口座を使い、隠した所得を保管していたそうです。

修正申告は既に済ませています。

売上除外は悪質ですよね。
いつもこのような事件を目にするたびに思いますが、節税方法は色々あるだろうに思ってしまいます。
売却すると一気に所得が増えるのは分かりますが、だからと言って、脱税をしてよいということには決してなりません。
売却のタイミングを考え、じっくりと節税方法を考えて欲しいですね。

5,200万円脱税の疑いで大阪国税局が不動産会社を告発したことについて、どう思われましたか?


ドバイの会社が暗号資産を売却!

 

熊本日日新聞によると、暗号資産(仮想通貨)の取引で得た利益を脱税したとして、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに本店を置く貿易会社の代表(71)らが東京地検特捜部に再逮捕された事件で、貿易会社が依頼者から暗号資産を預かって売却していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

ドバイでは所得税がかからないため、貿易会社の暗号資産だと装い、課税回避を図った疑いがあるようです。

貿易会社は手数料を差し引き、貸付金名目で依頼者に戻していました。

節税を持ちかけ、脱税を請け負っていたとみられ、東京地検特捜部が解明を進めています。

色々なことを考える人がいますね。
けれど、そんなには甘くはないということです。
セコイことを考える時間があれば、もっと稼ぐ方法を考えた方がいいのではないかと思います。
2023年10月1日からインボイス制度が導入されることになっていますが、導入に反対をしている方々がいたり、税理士会も6年間の特例措置を当分の間とするよう意見を出しているようですが、先日、とある方が書いていましたが、免税事業者の方々が(売上高1,000万円超の)課税事業者となるよう取引先も免税事業者も頑張るような日本経済にすればいいのではないかと思っていますが、節税とか脱税を考えるのであれば、もっともっと稼ぐことを考えた方が日本経済のためにも良いのではないかと思った1件でした。

ドバイの会社が暗号資産を売却していたことについて、どう思われましたか?


“マルサ”の脱税告発額がコロナによる調査件数の減少で過去最少を更新!

 

NHKによると、国税局の査察部、いわゆる「マルサ」が2021年度に刑事告発した脱税の総額はおよそ61億円で、過去最少だった前の年度を8億円余り下回りました。
新型コロナウイルスが収束しない中、調査件数の減少の影響が続く形となりました。

国税庁によると、全国の国税局の査察部が2022年3月までの1年間に刑事告発した脱税事件は75件で、脱税の総額は60億7,400万円でした。

この額は、昭和47年度に統計を取り始めて以降、最も少なかった前の年度よりも8億円余り、率にしておよそ12%少なくなりました。

告発した件数も前の年度より8件減っていて、国税庁は、新型コロナウイルスの影響で調査件数が少ない状態が続いていることが理由だとしています。

告発された業者数を業種別で見ると、建設業が最も多く19、次いで、不動産業が15、卸売業が4でした。

国税庁は摘発した事件で資金を隠した手口も公表し、このうち大阪国税局の事件では、
●銀行の貸金庫から、現金およそ2億5,000万円が、
●自宅の押し入れの紙袋から、現金およそ4,500万円が
見つかったということです。

国税庁査察課の西川健士課長は「消費税の不正還付などを積極的に摘発したが、悪質な事例があとをたたない。引き続き、しっかりと調査に臨みたい」と話しています。

そろそろ、国税局も納税者もコロナを理由にできなくなってきていると思いますので、マルサの方々には頑張っていただいて、悪質なケースをどんどん暴いていってほしいですね。
理由はよく分かりませんが、建設業と不動産業が多いのは、前者は帳簿に載せられないような取引がある、後者は安定的に取引が発生するわけではなく、1件の額が大きいため、売上高がたくさん上がった年度は何とかしたいという考えが働きやすいということなのでしょうか?
手口を公表することは良い面も悪い面もあるのでしょうが、公認会計士・税理士としては、考えさせられることが多く、勉強になり、ありがたいですね。

“マルサ”の脱税告発額がコロナによる調査件数の減少で過去最少を更新したことについて、どう思われましたか?


法人税など約6,300万円を脱税指南したドバイの貿易会社代表ら3人を逮捕!

 

2つの会社に架空の経費を計上する手口を指南し、脱税させたとして、会社代表の男らが東京地検特捜部に逮捕されました。

逮捕されたのは、ドバイの貿易会社の代表ら3人です。

東京地検特捜部などによりますと、ドバイの貿易会社の代表らは太陽光発電を行う会社など2社に、架空のコンサルティング料を自身の会社に支払わせる方法で脱税の手口を指南し、法人税など計約6,300万円の脱税に関与した疑いがもたれています。

関係者によりますと、ドバイの貿易会社の代表は見返りとして報酬を受け取っていたということです。

東京地検特捜部はドバイの貿易会社の代表の認否を明らかにしていませんが、これまでの任意の事情聴取に対し「取引は正当である」と容疑を否認していたということです。

東京地検特捜部などは、ドバイの貿易会社の代表が他の企業にも脱税の手口を指南していなかったかどうか調べを進めることにしています。

コンサルティングが正当な取引であれば、見返りとしての報酬は必要ないと思いますが、どうなんでしょうね。
この手の事件は脱税を指南した側のことのみ取り上げられることが多いですが、指南を受けた方がどう判断したかとかについても知りたいですね。
言われたことを鵜呑みにする経営者もどうかと思いますので。
どうでもいい話しですが、最近、色々な事件でドバイが出てきますね。

法人税など約6,300万円を脱税指南したドバイの貿易会社代表ら3人が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


アプリで女性を集客して競馬ソフトを販売していた自営業者を脱税の疑いで告発!

 

日本経済新聞によると、マッチングアプリなどで出会った女性らに競馬投資ソフトを販売して得た所得を申告せず、約4,100万円を脱税したとして、東京国税局が東京都目黒区の自営業者(35)を所得税法違反の疑いで東京地検に告発していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、アプリなどで知り合った客と従業員を出会わせ、目的を告げずに「サロン」と称する都内のマンション一室にある事務所に誘い、80万円以上する競馬投資ソフトを販売していました。
主な客は20~30代の女性で、2018年までの3年間で1,200人以上から約10億5千万円を売り上げていたようです。

自営業者は2018年までの3年間で所得計約1億2,500万円を隠した疑いがあります。
自営業者は従業員名義で事務所の賃貸借契約やソフトの売買契約を締結させ、自身が販売者であることを隠していたとみられます。

脱税で得た金は従業員や知人に貸したり、高級ブランド品の購入費用に充てたりしていたそうです。
自営業者の代理人弁護士は取材に対し、「指摘を受け修正申告をし、全額納付を済ませている」としています。

20~30代の女性がそう簡単に80万円以上もする競馬投資ソフトを買うんですかね?
そのソフトを使うとものすごく儲かるというのであれば、売れるかもしれませんが。
これだけの数の方が購入しているのであれば、そうなのかもしれませんね。
元々はソフトを買った側の調査を機に、発覚したのではないかという気はしますし。
それにしても、儲かる商売は世の中にたくさんあるんですね。
もちろん、儲かってもきちんと申告するのは当たり前のことですが。

アプリで女性を集客して競馬ソフトを販売していた自営業者が脱税の疑いで告発されたことについて、どう思われましたか?


災害時に使うアンテナで売上が増加した千葉県千葉市の会社を脱税の疑いで告発!

 

企業や官公庁の防災対策が進むなか、災害時などの衛星通信に使う特殊なアンテナの売り上げを伸ばしていた千葉県千葉市にある会社の社長が、法人税などおよそ3,200万円を脱税した疑いで東京国税局から告発されました。

告発されたのは、千葉県千葉市の電気通信工事会社とこの会社の社長(73)です。
関係者によると、この会社は災害が起きたときに車などに搭載して衛星通信を行えるアメリカのメーカーが製造するアンテナの総代理店で、国内で災害が相次ぐなか、防災対策を進める企業や官公庁への販売額を増やしていました。

しかしながら、社長は、本来仕入れていなかった部品を国内の会社から買い付けたように装って架空の経費を計上するなどして所得を少なく見せかけた疑いがあるということです。

東京国税局査察部は、2020年9月までの3年間におよそ1億3,300万円の所得を隠し、法人税などあわせておよそ3,200万円を脱税したとして千葉地方検察庁に告発しました。

社長はNHKの取材に対し、「見解の相違はなく、すでに修正申告を済ませた。節税対策で相談していた経営コンサルタントの指示に深く考えずに従ってしまい、大変申し訳ないことをした」とコメントしています。

節税対策を税理士ではなく、経営コンサルタントに相談するんですかね?
節税対策ではなく、脱税対策になっていますね。
こういった経営コンサルタントは、税理士法違反にならないのでしょうか?。
一方、指南されたときに、経営者もおかしいとは思わないものなのでしょうか?
おかしいと思うのであれば、顧問税理士に確認するような気はしますが、顧問税理士はどこまで知っていたんでしょうね?

災害時に使うアンテナで売上が増加した千葉県千葉市の会社が脱税の疑いで告発されたことについて、どう思われましたか?


8,200万円の脱税疑いで三重県伊勢市の不動産業者を告発!

 

中日新聞によると、多額の保険金収入を申告せず、約8,200万円を脱税したとして、名古屋国税局は、先日、法人税法違反などの疑いで、三重県伊勢市の不動産賃貸業の会社の社長(84)と不動産賃貸業の会社を津地検に告発したと発表しました。

告発容疑は、所有不動産の損壊に保険金が下りたにもかかわらず、2017年3月期に所得はなかったと偽って申告することで、所得約3億3,900万円を隠し、法人税など計約8,200万円を脱税したとされます。

関連会社の従業員によると、2015年12月に所有ホテルの屋根が突風被害で損壊し、告発容疑で所得とされた額とほぼ同額の保険金が支払われました。

取材に対し、「特殊な構造のため修理業者がなく、修繕費が定まらなかっただけだ。脱税とした国税局の見解には相違がある」と答えたようです。

屋根は応急処置した状態です。

国税局によると、保険金は社長や関係法人名義の口座に入金され、投資信託の購入などに費やされたようです。
税法上、不動産に対する損害保険金が修繕に充てられずに残った場合、課税対象となります。

登記によると、不動産賃貸業の会社は2011年設立で、社長は申告時は就任前でしたが、実質経営者で業務を統括していたと判断されました。

別の報道によると、取材に対し、「国税当局と見解の相違があり、修正申告はしていない。会社としてもしかるべき対応したいと」とコメントしているようですが、保険金は社長や関係法人名義の口座に入金され、投資信託の購入などに費やしているのはなぜなんでしょうね。
あと、納税を免れるために、申告書類に会社が営業していないをことを示す「未開業」と記載して税務署に提出していたとも報道されています。
保険金の入金と修繕の実施時期が違うのであれば、特別勘定を使えば良いと思いますが、なぜ使わなかったんでしょうね。

8,200万円の脱税疑いで三重県伊勢市の不動産業者が告発されたことについて、どう思われましたか?


シェアハウス販売会社の5億円超の脱税の疑いで2人を逮捕!

 

日本経済新聞によると、投資用シェアハウスの販売を手掛けていた不動産会社(東京都世田谷区)が法人税など計5億円超を脱税したとして、東京地検特捜部は、先日、実質的経営者(54)と経理部門の責任者(47)を法人税法違反(脱税)などの疑いで逮捕しました。

特捜部は、東京国税局と合同で関係先を家宅捜索しました。

逮捕容疑は架空の販売用不動産原価を計上する方法で、2016年4月期~2018年4月期の3年間で不動産会社の所得計約21億4,500万円を隠し、法人税と地方法人税計約5億3,400万円を不正に免れた疑いです。

東京地検特捜部は、2人の認否を明らかにしていません。

関係者によると、不動産会社は投資用シェアハウスのオーナーになれば安定的な収入を得られるなどと投資を募り、物件の販売や建設などで売り上げを伸ばしていました。

不動産会社のシェアハウスに投資したオーナーは、不正融資が発覚したスルガ銀行から資金を借り入れるなどしていたようです。

信用調査会社などによると、不動産会社は2011年に設立され、居住用の不動産売買のほか、投資用のシェアハウスの運営を手掛けてきました。

3年間で所得隠しが21億4,500万円とは、シェアハウスって儲かるんですね。
ネットで見る限り、かなり悪質な業者のようですが。
以前、破綻したところもありますが、こういったことがあると、普通にシェアハウスを経営されている方も悪いイメージが付くかもしれませんので、迷惑な話ですよね。

シェアハウス販売会社の5億円超の脱税の疑いで2人が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


3億円超を脱税した福井県の眼鏡輸入会社に有罪判決!

 

産経新聞によると、眼鏡など日用雑貨の輸入価格を偽って申告し、関税など計約3億2,600万円を脱税したとして、関税法違反や消費税法違反などの罪に問われた輸入販売会社(福井県鯖江市)の社長(58)に、大阪地裁は、先日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年)の判決を言い渡しました。

法人としての、輸入販売会社には求刑どおり罰金1,500万円の判決としました。

判決によると、2016年4月~2019年3月、日用雑貨の輸入価格を低くするなど684回にわたり虚偽の申告をし、計約3億2,600万円を免れました。

渡部市郎裁判長は「従業員に課税標準の価格の調整を詳細に指示し、巧妙で悪質な手口。常習的に脱税を繰り返し(刑事責任は)相当重い」と述べました。

一方、修正申告をして延滞税や重加算税も全額納付したなどとして執行猶予としました。

かなり悪質な脱税ですよね。
国税局にはこういう脱税をどんどん摘発して欲しいなぁと思います。
良く分かりませんが、修正申告をして延滞税や重加算税も全額納付したなどとして執行猶予というのはどうなのかなぁと思いますね。
バレたら、修正申告をして延滞税や重加算税を全額納付したらいいという人が今後も出てくることにならないでしょうか?
脱税しても納税資金があるかないかで罪が変ってくるのはどうなのかなぁ?と疑問に思います。

3億円超を脱税した福井県の眼鏡輸入会社に有罪判決が下されたことについて、どう思われましたか?


ディズニーランドの工事も受注していた建設会社が1億円超の脱税か?

 

朝日新聞デジタルによると、外注費を水増しして法人税など約1億2,800万円を脱税したとして、東京国税局査察部が、千葉市若葉区の建設会社と代表(54)を法人税法違反などの容疑で千葉地検に告発したことがわかったようです。

関係者によると、建設会社は下請け先や知人などに虚偽の請求書を作成させる方法で外注費を水増し計上し、2020年7月までの2年間で約3億7,800万円の所得を隠し、法人税約9,200万円と消費税約3,600万円を脱税した疑いがあります。
約2億円は銀行の貸金庫で保管していたようです。

建設会社の売上高は、2018年7月期は1億円程度でしたが、2020年7月期には6億円超に急増しました。
東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)の関連施設の改修工事を受けるようになったためで、人気アトラクション「スプラッシュ・マウンテン」の工事を受注したこともあったようです。

結局、脱税するほど儲かっているということは、受注価格が高すぎるんでしょうね。
売上高6億円超で、2年間で約3億7,800万円も所得を隠しているわけですから、どれだけの利益率なんでしょうか?
こういったことが発覚すると、重加算税や延滞税などもがっぽりと持っていかれるでしょうし、オリエンタルランドとの取引もなくなるでしょうし、下請け先や知人などにも迷惑をかけるでしょうから、誰も得しませんよね。
場合によっては、企業の存続問題にも発展するかもしれません。
虚偽の請求書を作成した側は、当然売上高になるでしょうから、どうやって処しているんでしょうね。
ここでも虚偽の請求書を作成してもらったりしていたら、被害者がどんどん増えていきますね。
法人の節税方法はたくさんあるわけですから、脱税ではなく節税を考えましょう。

ディズニーランドの工事も受注していた建設会社が1億円超の脱税をしていたことについて、どう思われましたか?


中堅ゼネコンが3億円の所得隠し!

時事通信によると、名証2部上場の中堅ゼネコン「徳倉建設」(愛知県名古屋市)が名古屋国税局の税務調査を受け、2019年3月期までの3年間で、約3億円の所得隠しを指摘されていたことが、先日、徳倉建設への取材で分かったようです。

重加算税を含む追徴税額は約1億円とみられます。
徳倉建設は修正申告し、既に納付しました。

徳倉建設によると、徳倉建設は中南米での政府開発援助(ODA)事業に伴うインフラ工事を実施し、現地のコンサルティング会社に対し、相手政府などからの工事代金回収を依頼しました。
徳倉建設はコンサル会社に支払った費用を、工事の経費の一部として計上しましたが、国税局は「計上できない」と判断したようです。

徳倉建設の担当者は「コンサル費用は正当な工事費用と認識していた。国税局と見解に相違があった」と説明しました。

工事代金回収に3億円も必要なのだろうか?
3億円の中には別の項目のものが含まれているのではないだろうか?
そもそも政府相手の仕事で工事代金回収を代行してもらう必要があるのだろうか?
など疑問に思いますが、具体的にどういうロジックで否認されたかが知りたいですね。
国税局の言っていることがおかしければ、争えばいいわけですから。

中堅ゼネコンが3億円の所得隠しをしていたことについて、どう思われましたか?


コロナで税務調査件数は6割減も悪質事案に照準!

 

日本経済新聞によると、国税当局の税務調査が量から質を重視した運用にシフトしているようです。
新型コロナウイルスの感染拡大で調査件数や申告漏れの総額は減少しましたが、調査1件当たりで指摘した申告漏れ金額は大幅に増加しました。
質が高まる一方、「金額を大きくしようと無理な調査を実施しようとするケースもある」(税理士)という声もあるようです。
企業などの納税者側にとっては、課税リスクの洗い出しや事前準備が重要となるでしょう。

「新型コロナの影響で、外回り(調査)になかなか行けなかったのは事実。ただ、より悪質性の高いと見込まれる企業などの調査に注力した」と、首都圏の税務署の中堅職員は明かしているようです。

新型コロナの感染拡大を受けて国税当局は「納税者の事情に配慮する」などとして新規の調査を控えるなどの措置をとりました。
企業や個人が「今は調査を控えてほしい」と申し出た案件については調査時期を先延ばしにした例もありました。

国税庁が2021年11月に公表した法人税などの調査実績によると、2020事務年度(20年7月から21年6月まで)に企業などに実際に赴く実地調査件数は約2万5千件でした。
2019事務年度から約67%減少し、過去最低となりました。

法人税の申告漏れ金額は全体で約5,286億円と前年度より約32%減、追徴税額も1,207億円と約27%減となりました。
一方、調査1件当たりの申告漏れ金額は2倍に跳ね上がり、2,116万円で過去最高となりました。

例年のような調査件数を確保できない分、事前の調査などにより力を注ぎ、悪質性などが高いと見込まれる企業の調査に集中した結果とみられます。

東京国税局が手掛けた案件をみると、新型コロナに関連する事案が目を引きます。
輸入雑貨品などの販売を営む企業は、マスクなどの売り上げが大幅に伸びて多額の利益が出そうだったため、売上高を少なく申告し、利益を圧縮していました。
東京国税局は7,600万円の申告漏れを指摘し、重加算税を含めた追徴税額は2,500万円でした。

税務調査とは、国税局や税務署の職員が企業や個人の税務申告が適正かどうかをチェックするものです。
日本では法人税や所得税などは納税者が自分で税額を計算して確定申告をし、納税する仕組みになっています。
納税者の申告ミスや、あえて虚偽の申告をする場合などもあるため、税務調査でチェックするのです。

通常は国税の担当者が企業や自宅などを訪れたり、帳簿などを調べたりします。
ベテラン調査官は「提出された申告書だけではヒト、モノ、カネの正確な確認は難しい。本当に従業員が働いているのか、在庫はあるのか、この経費が正しいのか、などというチェックは実際に現場に赴かないと分からない」と話しています。

所得税や相続税の調査も法人税と同様に、実地調査件数が減る半面、1件当たりの規模が大きくなりました。
個人などを対象とした所得税の実地調査件数は約6割減の2万3,804件にとどまりましたが、調査の結果、指摘された1件当たりの申告漏れ金額は約33%増の1,257万円となっています。

申告漏れの金額が5億円超の大型事案もありました。
金沢国税局は、会社社長の男性が日本では取り扱いのない暗号資産の取引を行っている情報をつかみ、調査に着手しました。
自宅などの調査で、暗号資産取引に利用していると想定される預金口座を把握しました。
その後、暗号資産の販売を仲介する会社への送金や課税を逃れるための数々の工作も解明しました。
申告漏れ金額は5億300万円、重加算税を含めた追徴税額は約2億9,500万円に上りました。

相続税でも実地調査件数はほぼ半減しましたが、1件当たりの申告漏れ金額は3,496万円と2割強増加しました。
追徴税額も943万円と過去10年で最高となりました。
自宅床下に大量の金地金を隠していた例や、公益法人名義で投資信託を購入するなどし約22億円の申告漏れを指摘された例もありました。

ある国税幹部は「今後も実地調査件数を一気に増やすのは、かなり厳しいと思う。実地調査には行けないが、手紙や電話による連絡など納税者と接触をする機会を増やしていくことは重要だ」と話しています。
今後について「消費税の不正還付など悪質な納税者の調査に重点を置くなどメリハリをつけた対応で臨む」としています。

ただし、「量より質」ともいえる税務調査の傾向の変化には、納税者側から、ひずみを指摘する声も上がっています。

大企業の税務調査対応などの相談を多く手掛ける税理士は「申告漏れ金額が大きくなりがちなタックスヘイブン(租税回避地)関連の調査で、強引ともいえる調査が出始めている」と指摘しています。
事業実態そのものではなく「書類上の不備といった形式的なことばかりを集中して調べるなど本質的とは思えない調査もある」そうです。

タックスヘイブン対策税制は、低税率国を使った税逃れを防ぐための制度です。
しかしながら、制度の仕組みが非常に複雑なため、企業側のミスが多いことでも知られます。
税逃れをするつもりがなかった企業が、税務処理のミスによってタックスヘイブン税制に関する多額の申告漏れを指摘される例も相次いでいます。
税務当局にとっては大型の申告漏れ案件に結びつきやすい分野ともいえ、過去にはソフトバンクグループ(SBG)やサンリオ、みずほ銀行なども課税されました。

この税理士は「企業側は、当局の積極的な課税方針に対して、適切な反論を行うことがますます重要になる」と強調しています。
特に注意が必要なのが、タックスヘイブン対策税制や海外企業のM&A(合併・買収)を巡る税務処理など、申告漏れ金額が多額に上る可能性がある取引などです。

例えば多国間にわたる資金移動や低税率国の子会社が絡む商取引などは、税務当局の注目を集めやすくなります。
あらかじめ自社が行った税務処理の根拠となる資料を整理しておくなど、税務調査を受ける前から税務リスクを分析し、準備することが大切になります。

税務調査に行けないので、調査先の選定や金融機関などの調査などに時間をかけるようになるのは当然の結果だと思います。
僕自身も、税理士として年に数回、税務調査に立ち会っていますが、色々な面で厳しくなったり、よく調べているなぁと思うことが増えてきています。
2021年も結構ハードな対応が必要となった案件がありましたし。
個人的には、消費税の不正還付とか、無申告の案件について、積極的に調査したら良いのにと思っています。

コロナで税務調査件数は6割減も悪質事案に照準を合わせていることについて、どう思われましたか?


「ギャラ飲み」に参加した女性らが多額の税金申告漏れか?

 

TBSによると、飲み会に参加して謝礼金が支払われる、いわゆる「ギャラ飲み」をめぐって、参加した女性らによる税金の申告漏れの疑いが相次いでいることが関係者への取材で分かったようです。

関係者によりますと、東京国税局は、2021年3月までに「ギャラ飲み」に参加する女性らが利用するマッチングサービスの運営会社に対する税務調査を実施しました。

この運営会社のホームページなどによりますと、サービスに登録している「キャスト」と呼ばれる女性らは、運営会社から報酬が支払われる仕組みとなっていますが、税務調査の過程で女性らが一定の所得を得ているにもかかわらず、税金を納めていない疑いがあることが判明したということです。

関係者によりますと、中には、年間で数百万円以上の報酬を得ながらも、所得税の申告をしていないキャストが数十人確認されているということです。
国税局は、免れている税金が高額なキャストを調べ、個別に税務調査を進めているとみられています。

きちんと申告している人が大半なわけですから、こういう人からきちんと税金を取ってほしいですね。
何度か書いていますが、個人的には、それまで申告をしていなかった人で持続化給付金をもらった人を調査すれば、結構取れるのではないかと思っていますが。

「ギャラ飲み」に参加した女性らが多額の税金申告漏れの疑いがあることについて、どう思われましたか?


脱税で起訴された日本大学前理事長が2021年12月末に修正申告!

 

テレビ朝日によると、脱税の罪で起訴された日本大学前理事長が、2021年12月末に修正申告をしていたことが分かったようです。

日本大学前理事長(75)は、およそ1億2,000万円の所得を隠し、およそ5,200万円を脱税した所得税法違反の罪で、2021年12月20日に起訴されました。

関係者によると、2021年12月末に日本大学前理事長が修正申告を行い、すでに一部を納付したということです。

加算税を含む追徴課税はおよそ6,000万円を超えるとみられています。

日本大学前理事長は取り調べに対し起訴内容を認めていて、なるべく早く修正申告をしたい意向を示していました。

日本大学前理事長は、2021年12月21日、保釈されています。

脱税で逮捕されたくらいですから、重加算税が課されると思いますので、結構な税額になるでしょうね。
結局、きちんと申告しましょうということです。

脱税で起訴された日本大学前理事長が2021年12月末に修正申告したことについて、どう思われましたか?


「脱税する人の気持ちになる」大学生が領収書の改ざんの見破りに挑戦!

 

朝日新聞によると、税務調査の仕事を理解してもらおうと、名古屋国税局が、先日、国税専門官インターンシップ(就業体験)を開いたようです。

大学生ら144人が加筆された領収書の見破りにチャレンジしました。

国税専門官は税務のスペシャリストで、調査や滞納処分をするのが仕事です。

大学生らは「1」が「4」に改ざんされた料亭の「4万9千円」の領収書や、「¥10,000」に「1」を加筆した「¥110,000」の不自然な領収書をチェックしました。

実際の調査でも、裏から見れば筆圧に差がありインクの濃さも違うので見破れる、と説明を受けました。

参加した中京大学の学生(20)は、確定申告のアルバイトをして税務署を身近に感じたようです。
「手が加えられた領収書に気づくのは難しい。脱税する人の気持ちになることも大切と思った」

インターンは、国税局に興味を持ってもらい、優秀な人材を確保するのが狙いです。
今回で3回目で、昨年はコロナ禍で開けませんでした。

僕自身、元々は監査法人に勤務していましたが、入所して間もない頃、先輩の公認会計士から、『國村くん、優秀な監査人になろうと思ったら、自分が粉飾をするとしたらどうすれば良いか考えて仕事をすればいいんだよ。』と言われました。
これは、今でも普段から考えていますし、税務においても、この局面で、自分が(決してやりませんが)脱税や合法的な節税をやるとしたら、どうするだろうということは常日頃考えています。
よって、こういう取り組みは素晴らしいことだと思います。
大学院の授業やセミナーなどで話したりするのですが、粉飾の仕方や脱税の仕方を教えることになる可能性があり、なかなか難しいところですけどね。
今後やりたいと考えている研修があり、その中で粉飾などについては取り入れてみようかと考えてはいますが。

「脱税する人の気持ちになる」大学生が領収書の改ざんの見破りに挑戦したことについて、どう思われましたか?


やりすぎ節税に「待った!」DXで進化する税務調査!

 

週刊エコノミストOnlineによると、コロナ禍を経て国税当局の税務調査が「進化」を遂げているようです。
税務調査のパフォーマンス向上を目指し、申告漏れ額が大きい事案、悪質な不正が見込まれる事案などを優先的に調査し、実地調査の着手に制約があるなかで、調査の効率化を急ぎ、成果を上げています。

2021年7月には法人税など計約1億3,700万円を脱税したとして東京地検特捜部が、アニメ「鬼滅の刃」の制作会社「ユーフォーテーブル」(東京都)の社長を法人税法違反などで在宅起訴、法人としての同社も起訴しました。
同社が運営するカフェの売り上げの一部を除外する手法で所得を隠していたそうです。
任意の税務調査とは異なりますが、東京国税局査察部の強制調査で金庫から約3億円が見つかったとされています。
大ヒットアニメの関係者が起こした事件だけに、「脱税を許さない」という国税の姿勢を世間に強く印象付けました。

国税庁が2021年11月に発表した2020事務年度(20年7月~21年6月)の所得税、消費税の調査などの状況によると、実地件数は約24,000件(前年度約60,000件)と大幅に減少しました。
一方で、申告漏れなどがあった場合に追加で課税される追徴課税は、実地調査1件当たり224万円(同166万円)と増加しました。

特に、大口の有価証券や不動産などを持つ富裕層の1件当たりの申告漏れ所得金額は2,259万円(同1,767万円)と過去最高額となりました。
また、「簡易な接触」とされる文書や電話での納税者への接触の回数を前年比で10万件以上増やすなど、実地調査以外の手段も駆使し、コロナ禍でも追及の手を緩めていません。

国税は富裕層、特に海外に資産のある個人の申告漏れなどに目を光らせています。
税逃れを目的とした無申告や悪質な仮装・隠ぺいだけでなく、過度な節税策にも「待った」をかけることもあります。
2020年6月に国税不服審判所で裁決された事案では、海外に不動産を持つ納税者(Aさん)が申告した建物の減価償却費が過大な計上であると認定されました。

税務調査では、その結果に納税者が納得できない場合は、税務署長らに「再調査の請求」や、第三者的な立場で裁決する国税不服審判所長に「審査請求」できます。
同ケースではAさんが審査請求を行い、棄却されました。

裁決書によると、Aさんは投資物件としてアメリカの不動産(土地・建物)を購入しました。
売買契約書の書面には、土地と建物それぞれの価格に対する内訳の記載はありませんでしたが、売買した当事者間で土地比率20%、建物比率80%の物件を購入することで合意され、物件の紹介者から渡されたパンフレットにも同趣旨の記載などがあることを根拠に、Aさんは申告を行いました。

不動産においては、マンションやアパートなどの建物やその附属設備などは時がたつことで価値が減っていく「有形減価償却資産」とされ、減価償却費が経費として計上できます。
そのため、一般的に土地より建物の取得金額の割合が高い方が減価償却を利用することで納める税額は抑えられるのです。
当局は「購入代金が明らかではない場合は、租税負担の公平、実質主義の観点から、合理的な方法によって土地と建物の取得価格は区分する」と主張しています。

調査の結果、Aさんが一括購入した土地建物の価格配分が建物にウエートを置き、過度な節税目的と税務当局は認定しました。
Aさんの主張は認められなかったのです。

富裕層は日本より節税効果があると考え、海外に資産を持つケースが多くなっています。
税理士法人タクトコンサルティングの遠藤純一情報企画部課長は「やり過ぎだと判断されれば指摘される。海外の事案でも適切にデータの入手ができる時代で、英語の資料などを読み込める調査官もいる。海外に資産があれば安全だということはなく、むしろ富裕層を狙って当局の調査が入りやすいと考えたほうがいい」と語っています。

多額の資産を持つ富裕層が悩ましいのが、それを子や孫などに渡すタイミングと方法です。
扶養する家族の生活費など日常的なお金を渡す場合などは非課税だが、原則、年間を通じて個人が受け取った財産の総額が110万円以上になると、贈与税が発生します。

贈与税が課されるのを回避しようと画策したものの、裏目に出たケースがあります(2021年4月裁決)。
裁決書によると、継続して金銭の振り込みによる贈与を受けていたBさんは本来ならば所定の贈与税を納めなければなりませんでした。
しかしながら、金銭による振り込みが贈与ではない「貸し借りの契約」であることを主張するため、「金銭消費貸借契約書」を作成しました。
当局はこれが「真実とは異なる契約書の作成で、仮装・隠ぺいなどの不正行為に当たる」として、税務署が税務調査により決定した重加算税などの処分を支持し、処分の取り消しを求めたBさんの請求を退けました。

生前贈与を巡っては、計画的に贈与を繰り返していけば子や孫に無税で財産を移転できる。富裕層にとって有利な仕組みとなっていることもあり、格差の固定化の是正、中立的な税制の構築に向け相続税と贈与の一体化が議論されています(結局、先日公表された令和4年度与党税制改正大綱には織り込まれませんでしたが。)。

国税庁は効率だけでなく、税務調査の「高度化」を目指しています。
税務行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)として2021年6月に公表された資料では、マイナンバーや法人番号を基に納税者から申告された内容と国税当局が保有する情報とマッチングし、効率的に誤りを把握する「申告内容の自動チェック」、税務調査や滞納整理に必要な金融機関への預貯金の照会などをオンラインで行う「照会などのオンライン化」、そして、将来的にはAI(人工知能)を活用したデータ分析による申告漏れの可能性が高い納税者を判定する「AI・データ分析の活用」などの取り組みを進めています。
金融機関へはこれまで対面や書面で照会していましたが、NTTデータが提供するオンライン照会サービスを導入している金融機関に対して、2021年10月から照会を開始しました。

国税は、全国の税務情報をオンラインで集約・管理するKSKシステム(国税総合管理システム)を税務調査に活用しています。
調査先の選定などにおける端緒となる当局の「武器」ですが、いかに効果的に活用できるかは調査官の力量に左右されます。

李総合会計事務所の李顕史税理士は「これまでの調査では、同業他社比較や職員の勘に頼ってきた面が否めない。例えば、同じ水道光熱費で同業他社と比較して売り上げが低い銭湯があれば、売り上げ除外の可能性があるのではないかといった感じだ。AIにより高い精度で税務調査先を絞り込むことができる時代が来る」と注目しています。

加えて、国を挙げてのマイナンバーの推奨、2026年度に向けたKSKシステムの刷新などの動きも進んでいます。
税務調査は今後ますます効率化・高度化し、納税者の資産や申告などに関する情報は「丸裸」となるでしょう。
もはや調査から逃げ切ることはできないのです。

まぁ時代の流れとともに、税務調査の手法が変わっていくのは当然のことだと思います。
真面目に申告している法人や個人のほうが、申告をしていない・適当に申告している法人や個人より損をしていると思うこともありますので、色々な技術を駆使して、申告をしていない・適当に申告している法人や個人からきちんと税金を取ってほしいなぁと思います。
手っ取り早いのは、今まで申告していなかったのに、2020年の持続化給付金をもらうために過年度の申告をしたところを狙えば、それなりに取れるのではないかと思っています。

やりすぎ節税に「待った!」DXで進化する税務調査について、どう思われましたか?


日大の前理事長を脱税の疑いで告発・起訴!

 

東京新聞によると、東京国税局は、先日、日本大学との取引のある業者からのリベート収入などの所得を隠し、約5,200万円を脱税したとして、所得税法違反(過少申告)の疑いで、日本大学前理事長(75)を東京地検に告発しました。

そして、東京地検特捜部は勾留期限の2021年12月20日に、前理事長を所得税法違反罪で起訴しました。

特捜部は妻の共謀についても捜査しましたが、関与の度合いは低いとして立件を見送りました。

関係者によると、前理事長は、医療法人「錦秀会」前理事長(61)=背任罪で起訴=らから受け取ったリベートなど、2018年に1,000万円、2020年に約1億800万円の収入を税務申告せず、それぞれ約400万円、約4,800万円の所得税を免れたとされています。

2018年分の1,000万円は2018年12月、都内の飲食店で、医療法人前理事長から、前理事長の妻が紙袋入りの現金で受け取っていました。
前理事長の妻は「こんなの頂いたんだけど」と後で前理事長に相談しましたが、「せっかく持ってきていただいたものだし、返したら気を悪くされるんじゃないか」などと、前理事長から受領を指示されたそうです。

妻は税理士とやりとりするなどし、前理事長の資金全般を管理する立場にありました。
前理事長は逮捕直後、金銭の授受や容疑を否認し「税務申告は妻に任せていた」と説明していました。
しかしながら、脱税容疑に関して妻の共謀の疑いが浮上すると「俺が責任を取る」などと述べ、特捜部の調べに対し、税務申告の必要性を認識しながら所得を隠した容疑を認めました。
修正申告の意向も周囲に伝えているそうです。

報道によると、以前も申告漏れを指摘されたことがあるとのことなので、かなり悪質ですよね。
このような方が、日本最大の大学のトップだったわけですから、この事件を機に、日本大学は生まれ変わって欲しいですね。
学生・教員・職員・卒業生などはどう思っていらっしゃるのでしょうか?
個人的には、理事などを一掃しないと、前理事長の影響力を排除できないのではないかと思っていますが。

日大の前理事長が脱税の疑いで告発・起訴されたことについて、どう思われましたか?


“脱税”の「鬼滅」アニメ制作会社が有罪判決!

 

日本テレビによると、「鬼滅の刃」など人気アニメを制作する会社とその会社の社長が、脱税の罪に問われた裁判で、東京地裁は社長に対し執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。

アニメ制作会社「ユーフォーテーブル」と社長は3年間でおよそ1億3,800万円を脱税した罪に問われています。

社長はこれまでの裁判で、競争が激しいアニメ業界の現状に触れた上で、「運転資金のためにカネをためていた」などと起訴内容を認めていました。

先日の判決で東京地裁は「ヒット作品に恵まれるかどうかが収益を左右することは、程度の差こそあれ、アニメ業界特有の問題ではない」「経営者として強い非難を免れない」などと指摘しました。

その上で、社長に懲役1年8か月執行猶予3年、会社に対して罰金3,000万円の有罪判決を言い渡しました。

競争が激しいから脱税をして良いというルールはもちろんないわけですから、社長はおかしな認識をしていますね。
逆に無茶苦茶稼いでいるわけですから、きちんと申告・納税をしないといけないという意識を持って欲しいですね。
違法な脱税は認められませんが、合法的な節税はできるわけですから、きちんとした節税をすれば良いと思いますが。
子どもたちにみならず、大人たちにも夢や希望を与えている企業なわけですから、こういったことで、信用を失うのは残念でなりませんね。

“脱税”の「鬼滅」アニメ制作会社が有罪判決を受けたことについて、どう思われましたか?


1億2,500万円の脱税容疑で太陽光事業会社社長らを逮捕!

 

時事通信社によると、太陽光発電事業に使う土地を売って得た売り上げの一部を少なく申告し、法人税約1億2,500万円を脱税したとして、東京地検特捜部は、先日、法人税法違反などの疑いで、太陽光発電事業会社(東京都中央区)社長(57)、営業責任者(61)の両容疑者を逮捕しました。

逮捕容疑は、福島県小野町の太陽光発電用地の売却で得た売り上げの一部を除外する方法で、2019年3月期の法人税約1億2,500万円を免れた疑いです。

関係者によると、両容疑者が隠した所得は約5億2,000万円に上り、カジノなどで使っていたそうです。

売上除外は悪質ですね。
それも、5億2,000万円ですからね。
脱税ではなく、節税をしましょう。
こういう場合は、狭義の節税ではなく、課税の繰延でいいはずなので。

1億2,500万円の脱税容疑で太陽光事業会社社長らが逮捕されたことについて、どう思われましたか?


ダイヤ裸石の12億円の架空仕入れを国税が指摘!

 

朝日新聞によると、宝飾品や美容用品の卸売業者(岐阜県岐阜市)が名古屋国税局の税務調査を受け、ダイヤモンドルース(裸石)の仕入れを架空計上したとして、約12億円の所得隠しを指摘されたことがわかったようです。

追徴税額は重加算税を含め約4億8千万円です。
宝飾品や美容用品の卸売業者は課税を不服とし、名古屋国税不服審判所に審査を申し立てたようです。

関係者によると、宝飾品や美容用品の卸売業者は愛知県名古屋市内の貴金属輸出入会社(解散)からルースを仕入れ、東京のコンピューター会社に卸していました。
2018年に国税局が無予告で税務調査に着手すると、登記上の所在地を愛知県大治町から沖縄県那覇市、愛知県名古屋市、岐阜県岐阜市へと移したようです。

国税局は、宝飾品や美容用品の卸売業者が2017年8~10月、計約12億円分のルースを現金で仕入れたと計上した分について、仕入れは架空で、その分の法人所得を少なく見せかけたと判断し、2018年5月期に約4億8千万円を追徴課税(更正処分)しました。

宝飾品や美容用品の卸売業者は国税局に「会社の現金勘定の残高がマイナスだったという理由で、現金取引の実態がないと指摘された。取引の実態はあった」と説明しています。
現在、不服審判所で審査中だそうです。

信用調査会社などによると、宝飾品や美容用品の卸売業者は1991年創業で、2006年に法人化しました。
美容品や宝飾品の卸販売などを手がけています。

以前から税務調査を受けた会社が、意図的に会社の所在地を移転するケースがあります。
原則として納税地の国税局・税務署の職員だけが質問検査権を使うことができることを悪用した調査逃れで、対策が課題となっていました。

東京・銀座などで飲食店ビルを展開し、「銀座の不動産王」と呼ばれた経営者の脱税事件では、グループ企業が所在地や社名を次々と変更しました。
経営者は「経営戦略」と主張しましたが、国税関係者は当時「所在地や商号が頻繁に変われば、担当税務署も変わり、資金の流れや帰属がつかみにくくなる」と話していました。

国税通則法の改正で、2021年7月からは、会社が移転しても元の所在地を管轄する国税局・税務署の職員が法人税や消費税などの調査ができるようになっています。

この事件が事実だとすると、かなり悪質ですね。
中小企業だと、個人で少額を立て替えているケースはあると思いますが、通常は現金のマイナス残高は考えられないですよね。
また、登記上の所在地を転々と変えるのも普通に考えて怪しいですよね。
登記上の所在地を変えるという手法はかなり前から言われていますので、あまりにも遅いような気はしますが、今年、国税通則法が改正されたことは良いことでしょうね。

ダイヤ裸石の12億円の架空仕入れを国税が指摘したことについて、どう思われましたか?


8,500万円を脱税した困窮者向け賃貸会社を東京地検特捜部が起訴!

 

先日このBLOGで書いた『脱税で東京地検特捜部が3人を在宅起訴!』の3人のうちの1人の話しですが、時事通信によると、生活保護受給者らから受け取ったアパートの家賃収入を少なく見せ掛け、法人税計約8,500万円を脱税したとして、東京地検特捜部は先日、法人税法違反などの罪で、東京都江戸川区の不動産賃貸会社など4社を起訴し、社長(69)を在宅起訴しました。
東京国税局が、2020年に告発していました。

他に起訴されたのは、東京都葛飾区、東京都小金井市、東京都杉並区の関連会社3社です。
いずれもこの社長(69)が経営していました。

起訴状などによると、この社長は2016年から2019年に売り上げの一部を除外するなどして、計約3億8,000万円の所得を隠し、法人税計約8,500万円を脱税したとされています。

売上除外は悪質ですよね。
一方で、生活保護受給者などへアパートを賃貸しており、社会的に必要な事業を行っている企業でしょうから、そういった事業で得た所得を隠して脱税をしていたと思うと、悲しくなりますね。

8,500万円を脱税した困窮者向け賃貸会社を東京地検特捜部が起訴したことについて。どう思われましたか?


高松国税局が徳島のバス会社とその代表者らを脱税の疑いで告発!

 

NHKによると、貸し切りバス事業などを手がける徳島市のバス会社とその代表らが、売り上げの一部を除外するなどして、およそ1億2,700万円の所得を隠していたとして、脱税の疑いで高松国税局から告発されたようです。

告発されたのは、徳島県徳島市のバス会社3社、それに3社の代表取締役と取締役です。

高松国税局によると、3社と代表らは2018年までに、売り上げの一部を除外するなどして、所得を少なく見せかけた疑いがあるということです。

高松国税局は、合わせておよそ1億2,700万円の所得を隠し、法人税などおよそ2,700万円を脱税した疑いがあるとして、3社と代表取締役ら2人を法人税法と地方法人税法違反の疑いで、2020年10月、徳島地方検察庁に告発したことを、先日、明らかにしました。

3社の担当者は、NHKの取材に対し、「修正申告は済ませた」としています。

売上除外ですので、悪質ですよね。
高松国税局の告発の記事はあまり目にしたことがないような気がしますが、どんどん悪質なところを告発してほしいですね。
ビフォアーコロナにおいては、インバウンド需要などで貸し切りバス事業などは儲かっていたのかもしれませんが、ウイズコロナにおいては経営がかなり厳しいと思いますし、アフターコロナにおいても厳しさは続くと思いますので、この脱税事件はバス会社にとってかなり痛手でしょうね。
結局のところ、脱税ではなく、節税をしましょう、税金をきちんと払いましょうということだと思った事件でした。

高松国税局が徳島のバス会社とその代表者らを脱税の疑いで告発されたことについて、どう思われましたか?


脱税で東京地検特捜部が3人を在宅起訴!

 

産経新聞によると、東京地検特捜部は、先日、法人税法違反などの罪で不動産仲介会社(東京都品川区)の実質的経営者(54)を在宅起訴し、法人としての不動産仲介会社を起訴しました。
また、不動産会社(東京都中央区)を起訴し、元代表(58)を在宅起訴しました。

起訴状などによると、不動産仲介会社は2018年12月期までの3年間に法人税など約1億6千万円を脱税しました。
不動産会社は不動産仲介会社と虚偽の業務委託契約を結んで架空経費を計上し、2018年5月期までの2年間に法人税約2,400万円を免れたとしています。

また、東京地検特捜部は、同日、法人税約8,500万円を脱税したとして、法人税法違反の罪で、東京都内の不動産会社など4社を起訴し、4社を経営する社長(69)を在宅起訴しました。

具体的なことは分かりませんが、不動産会社は、架空経費を計上して脱税していますね。
最近、安易に、架空経費を入れる事件が多いように思います。
それほど課税当局も、甘くはないですよ。
経営者自らがやっているのか、どなたか指南している方がおられるのかが気にはなりますが。
本当に、一時的に儲かって税額を抑えたいのであれば、脱税ではなく節税をすれば良いのにと思ってしまいますね。
脱税をするくらいなら、普通に税金を払った方がお金は残ると思いますし。

脱税で東京地検特捜部が3人を在宅起訴したことについて、どう思われましたか?


実習生監理団体が2億円の所得隠し!

 

読売新聞によると、外国人技能実習生に実習先をあっせんする監理団体「アジア共栄事業協同組合」(愛知県一宮市)と関連会社が、名古屋国税局から、2020年3月期までの3年間に計約2億円の所得隠しを指摘されていたことが、関係者への取材でわかったようです。
重加算税を含む追徴税額は約1億円。同組合は「すでに修正申告し、全額を納付した」としています。

関係者によると、同組合は架空の監理業務の委託料を経費として申告するなどして、約1億7,000万円の所得を圧縮していました。
アジア共栄事業協同組合の松岡晴記理事長が取締役を務める関連会社「アジア経済総研」(同)も約3,000万円の架空経費を計上するなどしていました。
名古屋国税局は、これらを仮装・ 隠ぺい を伴う所得隠しにあたると指摘しました。

松岡理事長は読売新聞の取材に対し、「悪意はなく、国税側と経費の認識に相違があった」としています。

アジア共栄事業協同組合は全国各地に支部を置き、監理業務の一部を委託していました。
組合関係者によると、実習生の数に応じて派遣先から受け取る監理費の一部を各支部に支払っていましたが、実態のないものも含まれていたようです。

監理団体は、海外の送り出し機関と連携して実習生を受け入れ、実習先で適正に実習が行われるよう指導する非営利法人です。

架空経費に認識の相違があるのかどうかよく分かりませんが、結構な額を否認されていますね。
この記事もそうですが、イメージが先行してしまう『非営利法人』という名称を、そろそろ『非分配法人』に変えた方がいいのではないかと思います。

実習生監理団体が2億円の所得隠しをしていたことについて、どう思われましたか?


3億円あまりを脱税した福井県の眼鏡メーカーと代表取締役を在宅起訴!

 

関西テレビによると、眼鏡などを輸入する際、価格を実際よりも安く申告して3億円あまりを脱税したとして、福井県の眼鏡メーカーと代表取締役の男が関税法違反などの罪で在宅起訴されました。

関税法違反などの罪で在宅起訴されたのは、福井県鯖江市の株式会社と代表取締役(58)です。

大阪地検特捜部によると、株式会社と代表取締役は、2019年までの3年間で、中国などから眼鏡や靴下などを輸入する際、実際よりも安い価格で虚偽の申告を行い、684回の取引で3億円あまりを脱税した罪に問われています。

特捜部は、代表取締役の認否を明らかにしていません。

2021年6月に代表取締役らを告発した大阪税関によると、過去10年間に扱った脱税事案の中では最高額だということです。

株式会社は既に修正申告をして全額納付したことを発表していて、「法令順守を徹底し再発防止を徹底する」とコメントしています。

結構悪質だと思いますね。
代表取締役の判断でやったのか、誰か指南役がいたのかが気になりますが。
あとは、どうやって発覚したのかが知りたいですね。

3億円あまりを脱税した福井県の眼鏡メーカーと代表取締役が在宅起訴されたことについて、どう思われましたか?


2億円の脱税容疑で「おおきにビル」を大阪国税局が告発!

 

朝日新聞社によると、大阪国税局は、先日、虚偽の申告をして消費税など約2億円を脱税したとして、不動産売買業「おおきにビル」(大阪市中央区)など関連会社計7社と、グループ企業の実質的な経営者(44)を消費税法違反容疑などで大阪地検に告発したと発表しました。

関係者によると、実質的な経営者は不動産を購入した際、消費税の課税対象となる建物の価額を水増しする一方、非課税の土地の価額を減らすことで、仕入れ時の消費税額が増えたように装うなどして納付額を少なくした疑いがあるようです。
脱税や不正還付を受けた額は、2019年8月期までの約4年間で約1億円に上るそうです。

実質的な経営者は、グループ企業を使って架空の修繕費を計上するなどして所得計約4億3千万円を隠し、法人税約1億円を脱税した疑いもあります。
重加算税を含む追徴税額は約2億8千万円で、大半は納付済みとみられます。

実質的な経営者が経営する「おおきにグループ」は約50社あり、年間の売上額は100億円以上に上るそうです。
おおきにビルの関連会社はホームページに「多大なるご迷惑とご心配をおかけして深くおわび申し上げる」とするコメントを出しています。

建物の割合を増やしたり、グループ企業を使って架空経費を計上したりしているところを見ると、かなり悪質ですよね。
コロナで働き方改革が進み、事務所も不要と考える企業などが増え、貸しビル業は今後、厳しくなっていくのではないかと思いますし、また、金融機関の信頼もかなり失ったのではないかと思われますね。
それだけ儲かっていて、かなりの規模の会社ですから、脱税ではなく、節税の方法はいっぱいあるのではないかと思います。
脱税で手にした資金で建っているビルもあるかもしれませんし、ここのグループのビルなどにテナントに入っている企業などの方はどんな気分なんでしょうね。

2億円の脱税容疑で「おおきにビル」を大阪国税局が告発したことについて、どう思われましたか?


1億4千万円の脱税罪で「鬼滅の刃」制作のアニメ会社と社長を起訴!

 

 朝日新聞社によると、人気アニメ「鬼滅の刃」の制作会社として知られる「ユーフォーテーブル」(東京都中野区)が4億円を超える所得を隠して約1億4千万円を脱税したとして、東京地検特捜部は、先日、ユーフォーテーブルと社長(51)を法人税法違反などの罪で起訴したと発表しました。

発表によると、ユーフォーテーブルは2015年、2017年、2018年の3年間で、売上高の一部を除外するなどして計約4億4,100万円の所得を隠し、計約1億900万円の法人税を免れたとされます。
また、申告しなかった売り上げ分の消費税約2,800万円も脱税したとされます。
なお、時期的に、「鬼滅の刃」関連の売り上げは含まれていません。

ユーフォーテーブルと社長は代理人弁護士を通じ、「ファンの皆さまや関係者に心よりおわび申し上げます。国税当局の指導に従って修正申告を行い、全額納付いたしました。法令を順守し、経営の適正化に努めてまいります」とコメントしました。

ユーフォーテーブルは、2007年~2010年に劇場公開した「空(から)の境界」シリーズで注目を浴び、2011年からは人気ゲームを基にした「Fate」シリーズのテレビアニメや劇場版を制作しました。
2019年以降はマンガ原作の「鬼滅の刃」を手がけ、2020年に公開された映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は興行収入が400億円を突破し、歴代1位を記録し、「鬼滅ブーム」は社会現象にもなりました。

こういう大ヒットを飛ばす制作会社が脱税をするとは、残念でなりません。
きちんと納税して、国民の規範になるような会社でいてほしいですね。
個人的には、この時期に税務調査が入り、脱税が指摘されて良かったのではないかと思います。
『鬼滅の刃』の大ヒットで、無茶苦茶もうかったでしょうから、税務調査に入っていないと、もっと脱税をしていたのではないかと推測されますので。

1億4千万円の脱税罪で「鬼滅の刃」制作のアニメ会社と社長が起訴されたことについて、どう思われましたか?


国税局が“ウーバーイーツ”に配達員の情報提供を要求!

 

日本テレビによると、配送代行サービス「ウーバーイーツ」に対し、東京国税局が、配達員の報酬などの情報提供を求めたことがわかったようです。
配達員が適切に確定申告を行っているかなどを把握する狙いがあるとみられます。

関係者への取材によると、東京国税局は「ウーバーイーツジャパン」に対し、配達員の住所や氏名、2019年の報酬額、銀行口座などの情報提供を求めたということです。

副業として配達員をやっている場合、年間所得が20万円を超えると確定申告が必要ですが、国税局は、配達員の中に確定申告を怠っている人もいるとみて、今回、実態の把握に乗り出したものとみられます。

「ウーバーイーツジャパン」は日本テレビの取材に対し、「個人情報に関わるためお答えできません」とコメントしています。

ウーバーイーツジャパンが、情報提供に応じるのかどうか分かりませんが、国税局は、申告していない配達員が多いと思っているんでしょうね。
こういったことが、報道されることで、ウーバーイーツの配達員に限らず、それなりの申告漏れの抑止力にもなるんでしょうね。
申告漏れは、課税当局に頑張ってもらって、ないようにして、きちんと税金を取ってほしいですね。
この辺りは、マイナンバーをきちんと運用できればできるような気はしますし、補助金や給付金などを絡めて、国には必死でやってほしいなぁと思います。

国税局が“ウーバーイーツ”に配達員の情報提供を要求したことについて、どう思われましたか?


大阪国税局の2020年度の査察脱税総額は14億円!

 

大阪国税局は、先日、2020年度に査察部が強制調査を終えた脱税事案は27件で、脱税総額14億5,300万円だったと発表しました。
悪質性が高い20件(脱税総額11億7,300万円)については、検察庁に告発しました。

国税局は、消費税の不正事案や海外に資金を隠すなど国際事案、確定申告をしない「無申告」について重点的に調べました。
告発したケースでは、キャバクラ店で多額の報酬を得ていたホステスや自己啓発セミナーを開いていたメンタルトレーナーが申告せず、ともに5,000万円超を脱税していました。

脱税した資金の隠し場所も様々だったようです。
土のうの袋の中に現金800万円が入っていたり、知人が借りていたホテルの部屋で現金1億7,629万円が入った紙袋が見つかったりしたそうです。
大阪国税局の比田勝隆博査察部長は、「コロナ禍であっても効果的、効率的な調査を進めている」と語っています。

最近、査察の摘発が少なくなっていて存在価値が問われているというような記事も目にしますが、おそらく脱税する側のレベルも年々上がっていくこと、消費税の不正事案や海外に資金を隠すなど国際事案、確定申告をしない「無申告」を重点的に調べたことなどから、なかなか摘発も困難な中で頑張っているのではないかと思います。
インパクトのある摘発があれば、世の中に与える影響が大きくなり、脱税の減少につながると思いますので、どんどん摘発してほしいですね。
そして、査察の案件は長時間を要すると思われますので、コロナの影響は2021年度以降に出てくると推測されますので、コロナ禍で何かと大変かとは思いますが、コロナで増加したであろう副業の所得などを申告しない人も出てくると思いますので、存在価値を高めて欲しいですね。

大阪国税局の2020年度の査察脱税総額は14億円だったことについて、どう思われましたか?


免税証不正取得で軽油引取税を脱税した奈良県の3人を逮捕!

 

軽油引取税の支払いが免除される「免税証」を不正に取得したとして、奈良県警は、先日、奈良県の石油販売会社社長(56)ら3人を地方税法違反容疑で逮捕しました。
3人は免税証を使って軽油引取税約4,600万円の支払いを免れていたといい、奈良県警は脱税で得た利益を分け合っていたとみて調べるようです。

ほかの2人は、奈良県の中古自動車販売会社社長(48)、同社社員(33)の両容疑者で、3人とも容疑を認めています。
奈良県警によると、免税証の不正取得での逮捕は珍しいそうです。

発表では、3人は船舶用で軽油を使う場合に適用される免税制度を悪用しています。
2019年8月~2021年1月、軽油をプレジャーボートに使用すると偽り、奈良県から不正に取得した計約1,430キロ・リットル分の免税証を使用した疑いです。
免税証を使うと、1リットルあたり32.1円の軽油引取税(都道府県税)の支払いが免除されます。

奈良県警によると、中古自動車販売会社社長と社員が、免税証3,352枚(1,880キロ・リットル、免税額計約6,000万円相当)を不正に取得し、石油販売会社社長に手渡し、石油販売会社社長はこのうちの一部を実際に使用したそうです。

こういう制度があることを知れませんでしたが、認めている都道府県も、不正の可能性があるということを念頭に置いて、制度の運用をして欲しいですね。

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「マルサ」の2020年度刑事告発の脱税は総額69億円で過去最少!

 

国税局の査察部、いわゆる「マルサ」が昨年度に刑事告発した脱税の総額は69億円で、新型コロナウイルスの影響を受けて、過去最少となりました。

国税庁によりますと、全国の国税局の査察部が2021年3月までの1年間に刑事告発した脱税事件は83件でした。
前の年度よりも28%余り少なく、昭和39年度以降の57年間で最も少なくなりました。

また、脱税の総額は前の年度より25%余り減って69億2,600万円となり、昭和47年度に統計を取り始めて以降、最も少なくなりました。

国税庁は、新型コロナウイルスの影響で調査の件数が減ったことなどが理由だとしています。

一方、消費税の輸出免税制度を悪用したり、海外に資金を隠したりするなどの「国際事案」はこの5年間で最も多い27件でした。

国税庁は摘発した事件での資金を隠した手口も公表し、東京国税局の事件では、ベッドのマットレスの下に隠された段ボール箱や防災袋の中から現金およそ6億6,000万円が見つかったほか、事務所のクローゼットにあったスーツケースから現金およそ6,000万円が見つかったということです。

国税庁査察課の原田一寿課長は「コロナの影響は少なからずあったが、国際事案の摘発が増加したことは成果だ。今後もコロナの対策を講じたうえで、しっかり調査に取り組みたい」と話しています。
国際事案の摘発が増えていることは、とても素晴らしいことですね。
コロナの影響で調査件数が減っているため、調査して取れそうなところを選んでいるでしょうから、調査があるところは注意が必要ですね。

「マルサ」の2020年度刑事告発の脱税は総額69億円で過去最少だったことについて、どう思われましたか?


証券税務調査にマイナンバー!

 

日本経済新聞によると、個人の証券口座とマイナンバーのひも付けが2021年末にかけて加速するようです。
2021年末が登録の猶予期限になっているためです。
法的義務であるマイナンバーの提供を渋る個人は多いですが、制度改正で、証券会社は証券保管振替機構(ほふり)から未提供者のマイナンバーを取得できるようになっており、各社は作業を進めています。
個人にとっては、証券に関する税務調査が厳しくなる可能性が大きいでしょう。

「未提供のお客様については、ほふりからマイナンバーを取得し、順次登録します」と、2020年後半からこんな内容の告知をホームページなどに掲載する証券会社が増えています。
野村証券など大手がまず始め、2021年に入ってから地方の中小証券にも広がりました。

マイナンバー制度は2016年に始まり、国民一人ひとりに割り当てた12ケタの番号を税・社会保障や災害の際の行政手続きに必要な本人情報とひも付けます。
「公的な負担と給付を公正・公平に実施するのが目的」と中央大学の酒井克彦教授は指摘しています。

証券分野では、個人が新規に取引口座を開く際にマイナンバーを提供することが義務となりました。
少額投資非課税制度(NISA)口座の開設でも運用益の非課税という恩恵を受けるには本人確認が必要になるため、マイナンバーの提供を義務化しました。
マイナンバー制度導入前の2015年までに開設していた約2,300万の証券口座については、当初2018年末までひも付けの猶予期間としましたが、登録割合は2018年6月末で約40%と低迷しました。

そこで、政府は2021年末まで猶予期間を3年延長しました。
さらに、個人がマイナンバーを提供しなくても、ほふりを通じて取得できる制度を導入しました。
2019年度の税制改正に盛り込み、2020年4月から2021年12月末まで利用できるようにしました。

2015年以前に開設した口座のマイナンバー登録割合は、2020年12月末時点で64%に上昇しています。
しかしながら、証券各社は2021年末までに残り36%を取得し、マイナンバーで個人口座を管理する体制を構築する必要があるのです。
これからの約半年がひも付けのヤマ場となりそうです。

具体的な仕組みをみてみましょう。
まず、証券会社は未提供者の氏名、生年月日、住所といった基本情報をほふりに通知し、マイナンバーを要請します。
ほふりはマイナンバーのシステム管理などを担当する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から該当者のマイナンバーの提供を受け、証券会社に伝えるという流れです。

政府がマイナンバーによる証券口座の管理を進めるのは、税務上の理由が見逃せません。
マイナンバーの提供が任意となっている預貯金口座と比べると分かりやすいです。
預貯金の運用益である利子は銀行が所得税・住民税を源泉徴収し、税務当局に納付するため、預金者は確定申告をする必要はありません。

一方、証券取引では源泉徴収なしの特定口座や一般口座は確定申告が必要です。
源泉徴収ありの特定口座でも、複数の証券会社の口座で損益通算をする場合は確定申告をしなければなりません。
税務当局は証券会社から提出された支払調書をもとに申告内容をチェックしますが、事務作業は煩雑です。

例えば、複数の口座を持つ人を一つの名義に集約する名寄せをしたうえで本人の氏名、住所、生年月日などの基本情報に基づいて証券会社に口座情報を照会したり、申告内容が適切かどうかを調査したりしています。
「マイナンバーのひも付けが進めば事務作業を効率化できる」(国税庁)そうです。

個人にとって影響が大きいのは税務調査が厳しくなる可能性があることでしょう。
申告漏れや脱税の可能性がある場合、当局は税法に基づいて本人に通知するなど所定の手続きを経てから調査をします。
「税務署員の数に限りがあるので、調査件数が大幅に増える可能性は小さい」(税理士の岡田俊明氏)との見方が多いようですが、調査1件当たりの内容は厳格で詳細になりそうです。

「株式取引が1件漏れているのでは」と、都内で開業する税理士Aさんは2021年3月、税務署から顧客の確定申告についてこんな問い合わせを受けました。
顧客は経営者で、個人で株式投資も活発に手掛けています。
長年にわたって確定申告を請け負ってきましたが、株取引1件について指摘を受けたのは初めてだったそうです。
「マイナンバーのひも付けが進むと、こうした例が増えそうだ」とAさんは話しています。

相続税の調査も同様です。
「調査担当者はまず、相続財産に漏れがないかどうかに注目する」と辻・本郷税理士法人の浅野恵理税理士は話しています。
マイナンバーのひも付けが進めば、税務署は来年から証券口座の資産の全容についてこれまで以上に把握しやすくなります。
相続人は相続財産をすべて把握して申告しないと、申告漏れの指摘が相次ぐ可能性があります。

証券税制にも影響を与えそうです。
仮に、課税所得4,000万円以上の高所得者が株式の配当金を給与などと合算して課税する方式を選ぶと、税率は所得税・住民税合計で55%です。
ただし、他の所得と分離する方式も選択でき、税率は約20%で済むため、実際は分離課税を選択します。
格差を生む要因ともいわれ、見直しを求める声は根強いようです。

マイナンバーで正確な所得金額と有価証券などの保有資産額を漏れなく捕捉できるようになれば、税制の見直しもやりやすくなります。
例えば、一定の高額所得者については証券の運用益にかかる税率を20%より引き上げる案も考えられ、「2022年度以降の税制改正議論でテーマになる可能性がある」と税理士の藤曲武美氏は話しています。

税理士としては、すべての財産や所得などを把握できないため、マイナンバーを利用して、捕捉できるようにするのが、課税上平等だと思いますし、手間もかからないのではないかと思います。
コロナ禍で、マイナンバーカードを持っている人から、給付金の支給やワクチンの接種を優先するなどして、マイナンバーカードの普及を高めるタイミングはたくさんあったと思いますが、マイナポイントくらいで、なぜ、やらなかったんでしょうね。
まずは、国会議員や公務員の普及率を明らかにしてから、早急に進めればよいと思うのですが。

証券税務調査にマイナンバーが使われるようになることについて、どう思われましたか?


3億円の所得隠しを指摘された笠松競馬の騎手らに税の研修会!

2021年06月07日(月)

朝日新聞によると、笠松競馬(岐阜県羽島郡)を運営する岐阜県地方競馬組合は、先日、厩務(きゅうむ)員会館で騎手や調教師、厩務員ら約110人に税の研修会を開いたようです。
不正馬券購入をめぐる一連の不祥事の再発防止策で、騎手らが国税局に総額3億円超の所得隠しを指摘されたことを受け、適正な申告を呼びかけました。

岐阜南税務署員が、不祥事の調査報告書でも指摘された、2020年の税務調査で馬券購入の利益を申告しない事案を説明しました。
中央競馬での騎乗の謝礼を申告しない例もあったそうです。
SNSの情報もチェックしており、税務調査の判断材料にしていると説明し、経費の計上などの確認を呼びかけました。

調教師の後藤正義さん(41)は「税金を払うという当たり前のことができていなかった。馬券の不正購入は『まさか』という気持ち。絶対にないようにしたい。」、騎手の大原浩司さん(41)は「普段から疑われないような行動をしたい。」と話しました。

笠松競馬は所得隠しの報道を受け、レースの開催を中止し、不正馬券購入などで職員を含む騎手ら51人を処分しました。
うち4人を競馬界から追放しました。
競馬の開催について、古田肇岐阜県知事は、先日、記者会見で「国の指定手続きが順調に進めば6月に再開の準備に入り、7月の再開を目指したい」と話しました。

こういう税の研修会も当然必要だと思いますが、小さい頃から、税金や投資に関する教育も必須にしないといけない時代なっているのではないかと思います。
話しはまったく変わりますが、大学入試の科目から簿記が外されたのも、日本経済を回復し、成長させていくにはマイナスではないかと思っています。

3億円の所得隠しを指摘された笠松競馬の騎手らに税の研修会が行われたことについて、どう思われましたか?


富裕層牽制のドラマ「逃げ得は許さない」を国税庁が78万円をかけて制作!

 

税金の滞納者と国税徴収官との攻防を描いた約20分のドラマ「国外財産を追いかけろ!~国際徴収への取組~」を、国税庁が約78万円をかけて制作したそうです。

「どこに隠そうとも追いかけます」。
劇中のせりふ通り、国外に資産を隠す富裕層への牽制が狙いです。

約5千万円の税金を滞納した男性は、督促状を放置し、国税局の捜索も「ご自由に」と意に介しません。
海外の銀行口座に多額の預金を隠し持っているものの、「税務署は海外の財産には手が出せない」と高をくくっていました。

これに対し、主人公の国税徴収官が「徴収共助」制度を使って取り立てに乗り出す、というのがドラマのストーリーです。

徴収共助は、他国の要請を受けて徴収を代行する国際的な互助制度です。
日本は制度を導入した2013年以降、2020年6月までに54件の要請を行い、約9億円の徴収に成功しています。

ただし、制度そのものの認知度は低く、国税庁徴収課の担当者は、「ドラマを通じて『逃げ得』は許さないという国税の姿勢を知ってもらえれば」と話しています。

ドラマは2021年5月27日夕から国税庁のホームページとYouTube「国税庁動画チャンネル」で配信されています。

ホームページとYouTubeでどれだけ認知度が高まるのか分かりません(納税者がどれほど観るのでしょうか?)が、『徴収共助』以外に認知度のとても低いものはたくさんあるのではないかと思います。
認知度を高めるためにどうすればよいかを、納税者の視線でもっと考えた方が良いのではないかと思います。

富裕層牽制のドラマ「逃げ得は許さない」を国税庁が78万円をかけて制作したことについて、どう思われましたか?


新宿「2丁目のボス」が2億円超の所得を隠し脱税!

 

テレビ朝日によると、新宿2丁目のバーの運営会社と「2丁目のボス」と呼ばれる社長が約2億6,800万円の所得を隠して脱税したとして、東京国税局に刑事告発されました。

運営会社など2社と社長(38)は約2億6,800万円の所得を隠し、6,400万円余りを脱税した疑いが持たれています。

関係者によりますと、店では会計が3万円を超えた客の伝票を破棄し、売り上げを少なく見せ掛けていました。

社長は年間5億円近くを売り上げ、客には著名人も多くいることから、2丁目のボスと呼ばれているということです。

「将来の不安から利益を残そうと考えた」と話しているということです。

将来の不安というのは分からなくもないのですが、その解消のために脱税をするというのは本末転倒だと思います。
最近、安易な脱税が目につきますね。
個人的には、金額の大きい売り上げを抜く方がバレやすいように思いますが。
脱税をするなら、もっと稼ぐことを考えましょう。

新宿「2丁目のボス」が2億円超の所得を隠し脱税していたことについて、どう思われましたか?


コロナであぶり出された笠松競馬の騎手ら3億円超の所得隠し!

 

日刊SPA!によると、先日、笠松競馬の騎手・調教師ら約20名が3億円超の所得隠しをしていたというニュースが全国紙各紙で報じられました。
その中でも「約2億円は馬券を買っていて所得申告していなかった」という衝撃の内容が明らかにされ、大きな波紋を呼びました。
これは、関係者が馬券を買ってはいけないという競馬法29条に違反した行為です。
その理由は言わずもがな、八百長につながる可能性があるからです。

今回は名古屋国税局の税務調査によって所得隠しが発覚しました。
もちろん、この件で発覚した内容には経費水増しの話もありますが、なぜ税務調査が入ったのでしょうか?
関係者に取材をすると、事の発端は2020年6月にさかのぼるようです。

「発端は、昨年6月にあった岐阜県警による騎手や調教師に対する馬券購入の疑いへの捜索ですね。当該騎手や調教師は引退しましたが、捜査は続いていましたから、芋づる式に他からも出てきたというのが実態でしょう」(地方競馬関係者)

報道では、以前から内部情報をもとに親族に依頼して馬券を買って利益を出していたという証言もあったようですが、この1,2年で立て続けに発覚したのには、ある理由があるようです。

それは笠松競馬での引退騒動よりも前、2020年1月にボートレースの元選手が逮捕された八百長事件です。
彼もまた、親族に舟券を頼み、自らの着順を意図的に下げることで利益を得ていました。
その調査で、すでに名古屋国税局はこのパターンでの調査に知見を得ていたわけですが、どうやら“脇の甘さ”が発覚を招いたと関係者たちは語っています。

「こうした関係者が購入する手口は、昔は親族などに頼んで馬券やら舟券やらをレース場で買っていたと言われている。だからなかなか発覚しなかったのに、ボートレースの元選手の関係者はネット投票で買っていたという。そんなのアシがつくに決まってるじゃないですか」(公営競技記者)

そうなのです。
ネット投票で買ってしまっていたからこそ、登録情報や銀行と紐付いた入出金履歴でバレバレだったのです。
調べれば払い戻しの10円単位まで全部わかってしまうということです。
正直、インサイダーか八百長かはともかくとして、犯罪としてのレベルは低すぎます。

2020年6月の笠松競馬での捜索から7か月、この期間中は、コロナによって公営競技界では無観客開催、すなわちネット投票でしか原則馬券を購入できない時期がありました。
実はこれが決定打になったようです。

「ネットでしか馬券が買えない時期がありましたから、この時期に悪いレースをやっていたら購入額とレースの内容で状況証拠は揃いますね。もはや言い逃れはできないと思っています」(前述の公営競技記者)

八百長疑惑はコロナによって炙り出された……。
なんとも皮肉な話なのでしょう。

また、今回の報道では馬の体調などの内部情報で儲けていたとあったようですが、それはどの程度有力なのでしょうか?
競馬予想界隈ではこんな見解もあるようです。
「中央競馬だと完全ではないがコメントも広く伝えられ、また、近年ではパドックで脚の状態を見定める人たちが多く、表になってなくても見抜いていく人たちもおり、パドック予想は進化していますからそこまで内部情報が有効でもなくなってきています。ただ、地方ではデータベース的利用者もまだまだ少なく、パドック文化的にもそこまで至っていないところが多いので、こうした情報は有効だったのでしょう。現に利益が出ているわけですから」(競馬予想紙記者)

結局は情報公開を進めていくことで抑止力とするほかないでしょう。
今後は笠松競馬だけでなく、競馬情報の透明化や在り方も見直しが迫られます。

脱税もしており、かなり悪質な話ですね。
名古屋国税局は、すごく良い仕事をしましたね。
一方、笠松競馬の今回の事件に関わった方々は、モラルが低すぎますね。
プライドもないのでしょうか?
昔から一般的に行われていたのかもしれませんが、時代の変化に対応できないと将来はないということが改めて分かった1件だったのではないかと思います。
マイナンバーをきちんと使いだすと、同じようなことは起こると思いますが、納税は国民の義務ですので、早くマイナンバーを使うようにして欲しいと思います。

コロナであぶり出された笠松競馬の騎手ら3億円超の所得隠しについて、どう思われましたか?


渋谷駅移設工事の建設会社が5,500万円“脱税”で刑事告発!

 

TBSによると、渋谷駅の線路移設工事を請け負っていた建設会社が法人税や消費税などおよそ5,500万円を脱税したとして、東京国税局に刑事告発されたようです。

法人税法違反などの疑いで東京国税局査察部に刑事告発されたのは、横浜市の建設会社と社長(48)です。

建設会社は、渋谷駅の線路の移設工事なども請け負っていて、関係者によりますと、従業員が代表を務める会社に架空の請求書を作成させるなどの手口で、おととしまでの2年間におよそ1億4,200万円の所得を隠し、法人税などおよそ3,300万円を脱税した疑いがもたれています。
また、消費税などについてもおよそ2,200万円を脱税した疑いがもたれています。

この建設会社は取材に対し、「コメントすることはありません」としているようです。

脱税するほど儲かるということは、工事代金が高すぎるんでしょうね。
それにしても、安易に架空経費を計上する会社が多いですね。
見つかるわけないとでも思っているのでしょうか?
そんなに甘くはないと思いますよ。
こういう建設会社は、今後、大企業との取引はできるのでしょうか?
大企業は、コンプライアンスとかに厳しいでしょうから、どうなるんでしょうね。
その辺の影響も考えて、脱税はやめてもらいたいと思います。
節税の手法なんて、いくつでもあるでしょうから。

渋谷駅移設工事の建設会社が5,500万円“脱税”で刑事告発されたことについて、どう思われましたか?


約1億8,500万円の所得を隠した鎌倉市の不動産会社を脱税で起訴!

 

TBSによると、神奈川県鎌倉市の不動産会社が約1億8,500万円の所得を隠し脱税したとして、東京地検特捜部に起訴されました。

法人税法違反などの罪で東京地検特捜部に起訴されたのは、神奈川県鎌倉市の不動産会社で、社長(37)も在宅起訴されました。

東京地検特捜部などによりますと、社長は知り合いの不動産仲介業者に架空の領収書を作成させるなどの手口で、2019年までの3年間に約1億8,500万円の所得を隠し、法人税およそ4,500万円を脱税したとされています。

東京地検特捜部は社長の認否を明らかにしていませんが、関係者によりますと、先日の時点では脱税を認めていたということです。

この事件も安易な架空経費の計上ですね。
ただし、この事件は、協力した知り合いの不動産仲介会社は処分されていないようですね。
最近の安易な架空経費の計上の事件が多いことを考えると、もう少し罰則を重くしたり、協力者の罰則も明確にした方が良いのではないかと思いますね。
何度もこのBlogでも書いていますが、月次決算をきちんとして、脱税ではなく節税をしましょう。

約1億8,500万円の所得を隠した鎌倉市の不動産会社が脱税で起訴されたことについて、どう思われましたか?


渋谷の不動産会社が約2億2,800万円を隠し脱税で起訴!

 

TBSによると、東京都渋谷区の不動産会社が、約2億2,800万円の所得を隠し脱税したとして、東京地検特捜部に起訴されました。

法人税法違反などの罪で東京地検特捜部に起訴されたのは東京都渋谷区の不動産会社で、社長の(49)と別の会社の役員(66)と(47)も在宅起訴されました。

東京地検特捜部などによりますと、社長は架空のコンサルタント料を計上するなどの手口で、2019年までの1年間にテナントビルの用地を売却して得た所得約2億2,800万円を隠し、法人税など約5,900万円を脱税したとされていて、別の会社の役員2人は、それを手助けしたとされています。

東京地検特捜部は3人の認否を明らかにしていませんが、2020年6月、不動産会社はJNNの取材に対し、脱税を認めたうえで、「コンプライアンスの再徹底をはかり、信頼回復に努めたい」としていました。

このBLOGでも何度も取り上げていますが、最近、本当に安易な架空経費の計上が多いですね。
見つける課税当局もすごいと思いますが、安易に脱税をする経営者が多いことに驚きます。
顧問税理士がいるのかどうかは記事からは分かりませんが、節税をする方法はたくさんあるでしょうから、脱税ではなく節税をしましょうね。
きちんと月次決算をしていれば、タイムリーに対策はできるはずです。

渋谷の不動産会社が約2億2,800万円を隠し脱税で起訴されたことについて、どう思われましたか?


『転売ヤー』の税務調査に本腰!

 

アサ芸Bizによると、先日、国税庁は2020年6月までの1年間に実施した所得税の税務調査で、富裕層の申告漏れ額が過去最高になったと発表しました。
ネット上では怒りの声が上がっているようですが、その一方で、《富裕層だけでなく転売ヤーも調査しろ!》といった声も見られたようです。

「国税庁によれば、富裕層に対する税務調査は4,463件実施され、そのうち3,837件で申告漏れが見つかり、申告漏れの額は789億円に上ったといいます。
なお、今回の富裕層への調査件数は新型コロナウイルスの影響で前年比16%減っていますが、それでも申告漏れ額は同3.4%増となっており、国税庁は『引き続き積極的に調査する』としています」(社会部記者)

これにネット上では、《コロナの影響で貧富の差はさらに広がっているというのに、富裕層は申告逃れもしようとしているのか…》《4,463件中3,837件って申告漏れの確率高すぎないか?富裕層は片っ端から調査するべき》など批判が相次いでおり、中には《コロナ禍に転売ヤーがウジャウジャ出てきたけど、アイツら絶対に申告してないだろ》《転売ヤーも徹底的に税務調査して吊るし上げてほしい》といった声も少なくなかったようです。

「今回の国税庁の発表では商品の転売で利益を上げる個人転売ヤーの税務調査も発表されており、調査した1,877件のうち、なんと1,680件で申告漏れが発覚し、こちらも過去最高となる65億円の追徴税が発生しています。そのなかでも、名古屋国税局が指摘したケースでは、ゲーム機などを大量に仕入れて転売を繰り返し、4,000万円以上も申告していなかったという男性もいたようで、消費税を含めて約1,400万円を追徴課税しています。今年はコロナの影響でマスクやトイレットペーパー、除菌スプレーなど数多くの転売行為が横行していましたから、さらに調査すれば、ボロ儲けした転売ヤーの申告漏れが続々と公になるのではないでしょうか」(ITジャーナリスト)

やったもん勝ちの転売ヤーを野放しにしてはいけませんね。

課税当局は、きちんと申告している法人や個人事業主の調査を主体とするのではなく、無申告の事案を徹底的に調査してほしいですね。
新型コロナウイルスの影響で出てきた、転売ヤーとか今まで申告していなかったのに持続化給付金をもらうために申告した法人や個人事業主だけでもかなりの数・金額になると思いますけどね。
ちなみに、申告漏れの確率が高くないかみたいなコメントがあるようですが、以前より、税務調査の件数が減っており、2020年の10月以降は新型コロナウイルスの影響でさらに件数が減ると思いますので、最近は、事前の調査によりある程度確証をつかんだうえで税務調査の先を選んでいるという面もあるのではないかと思っています。
特に、2020年の10月以降の案件はその傾向が強いんじゃないでしょうかね。

『転売ヤー』の税務調査に本腰を入れることについて、どう思われましたか?


さいたま市役所が自転車レースグッズの売り上げを申告せず税務調査を受ける!

 

さいたま市で毎年秋に開催される自転車レース「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」の2016~2018年分の会計処理について、浦和税務署(さいたま市)が2020年10月、さいたま市役所に調査に入っていたことが分かったようです。
先日のさいたま市議会文教委員会でさいたま市側が報告しました。

さいたま市によると、レースは当時、さいたま市が主催していました。
さいたま市やさいたま市議会、埼玉県などでつくる実行委員会形式で運営し、会計処理はさいたま市が担当していました。
レースは現在、別団体が主催しており、実行委員会は解散していますが、書類を引き継いださいたま市が2020年10月13日、14の両日に税務調査を受けました。

調査の具体的な内容は不明ですが、さいたま市はカレンダーなどオフィシャルグッズの3年分の売り上げ計約5,830万円を申告していなかったことを確認しているようです。
さいたま市は、「調査には全面的に協力したい」としています。

税金を支払いましょうという立場にある市が申告をしていないというのはどうかと思いますね。
さいたま市でもほかの実行委員会形式のもの、他の都道府県や市町村でも実行委員会形式のものはあるのではないかと思いますが、それらはどうなっているんでしょうね。
最近、税務署職員、税務署OBなどの不正なども多いですが、普通の人以上にモラルを持ってもらわないと、税金を支払いましょうとか言えなくなってしまうでしょうね。

さいたま市役所が自転車レースグッズの売り上げを申告せず税務調査を受けたことについて、どう思われましたか?


「嵐」などのチケット転売し約6,300万円を脱税した大阪の業者を告発!

 

NHKによると、「嵐」などの人気アイドルグループのコンサートチケットをインターネット上で転売していた大阪の業者がおよそ1億5,600万円の所得を隠し、約6,300万円を脱税した疑いで大阪国税局から告発されたようです。

告発されたのは、大阪市浪速区のチケットショップの経営者(56)です。

関係者によると、この業者は、「嵐」など人気アイドルグループのファンクラブに架空の名前や他人の名義で600人分以上の登録をしてコンサートチケットを購入したうえで、インターネットの転売仲介サイトなどで売りさばいていたということです。

定価の2倍から30倍の高値で年間およそ1万枚を転売して売り上げを伸ばしていましたが、税務署には、収入の一部しか申告していなかったということです。

こうした方法で隠した所得は平成29年までの3年間でおよそ1億5,600万円に上り、約6,300万円を脱税していたということで、大阪国税局は所得税法違反の疑いで大阪地方検察庁に告発しました。

脱税で得たカネは、FX取り引きや個人の生活費に充てていたということです。

悪質だと思いますが、こういう案件を課税当局には頑張って見つけて税金を取ってもらいたいと考えているので、個人的には、よく摘発できたなぁと思うと同時に、どうやって発覚したのかを知りたいと思いました。
転売仲介サイトなどから調べているようには推測しますが。
あとは、転売目的で、架空の名義や他人の名義でファンクラブに登録しているというのが、腹立たしいですね。

「嵐」などのチケット転売し約6,300万円を脱税した大阪の業者が告発されたことについて、どう思われましたか?


大阪の北新地の人気ホステスを2億円の無申告の疑いで国税局が告発!

 

読売新聞によると、大阪随一の歓楽街・北新地の高級キャバクラの人気ホステスが3年間の所得約2億100万円を申告しなかったとして、大阪国税局から所得税法違反容疑で大阪地検に告発されていたことがわかったようです。
無申告加算税などを含めた追徴税額は計約6,200万円で、すでに修正申告し、大半を納付しているそうです。

関係者によると、告発されたのは、大阪府堺市北区のホステスの女性(35)です。
ホステスの女性は2016年~2018年、個人事業主として契約している高級キャバクラから多額の報酬を受け取っていましたが、税務署に申告せず、所得税約5,100万円を脱税した疑いが持たれています。
脱税した金は預貯金などに充てていたそうです。

3年間で所得約2億100万円、所得税約5,100万円を無申告というのは、直感的に所得税額が少ないと感じます。
また、記事によると、『無申告加算税など』とありますので、『重加算税』は課されていないのだと推測されますが、無申告でも『仮装』や『隠ぺい』があるときには『重加算税』が課されますが、『仮装』や『隠ぺい』があると認められない場合は『無申告加算税』で済んでしまうのが、どうなのかなぁと思います。
『納税』は国民の義務であり、納税者が自分で申告して自分で納めるという申告納税制度が採用されていますので、個人事業主の場合、『申告しないといけないことを知らなかった』というのは普通ありえないと思いますし、課税当局は、無申告の調査に力を入れて、また、無申告の場合の加算税を引き上げる必要があるのではないかと思いますね。

大阪の北新地の人気ホステスを2億円の無申告の疑いで国税局が告発したことについて、どう思われましたか?


2億5千万円の所得を隠した疑いで不妊治療クリニックを国税局が告発!

 

朝日新聞によると、高額な費用がかかる不妊治療をめぐり、東京都台東区の不妊治療専門医院「秋葉原ART Clinic(アート・クリニック)」のいずれも40代の女性院長と夫が、治療費を売り上げから除外するなどして約2億5千万円の所得を隠したとして、東京国税局査察部から所得税法違反容疑で東京地検特捜部に告発されたことがわかったようです。

関係者によると、女性院長と夫は、患者から受け取った治療費の一部を除外したり、架空の広告費を計上して経費を水増ししたりする方法で、2017年と2018年の2年分の院長の個人所得約2億5千万円を隠し、約1億円を脱税した疑いがあります。
2人とも容疑を認めているそうです(ホームページにも公表しています。)。

会計を担当していた夫が脱税を主導し、女性院長は違法と知りながらうその税務申告をしていました。
脱税して得た資金は金融機関に預けて管理していたようです。

同医院のホームページなどによると、女性院長は中国出身で、2004年に日本の医師免許を取得し、東京都新宿区のクリニックなどで勤務した後、2017年4月に台東区のクリニックを開院し、体外受精や顕微授精といった高度な不妊治療を専門としています。
「自然周期プラン」の「基本体外受精費用」として24万5千円、成功報酬として18万円と記載しています。
体外受精や顕微授精などの治療は、公的医療保険が適用されない自由診療です。

保険診療の場合、患者は医療機関の窓口で医療費総額の1~3割の自己負担分を支払い、残りは診療報酬として患者が加入する健康保険組合などから医療機関に支払われます。
医療機関はこれらを売り上げとして計上し、納税しています。

診療報酬の金額は、診療報酬点数によって細かく定められていますが、自由診療にはこうした決まりはありません。
国税OBの税理士は「『言い値』で診療代金が決まる自由診療は売り上げが把握しづらい。特に不妊治療は高額なケースが多く、国税が摘発した意義は大きい」と指摘しているようです。

女性院長は朝日新聞の取材に対し、クリニックのスタッフを通じて「現時点で取材には応じられない」とコメントしています。

脱税するほどもうかって仕方がないのであれば、高額な診療報酬を下げてあげればよいのに思うのは僕だけでしょうか?
そうすれば、ご本人たちは脱税で告発されることなく、信頼も落とさず、不妊治療で苦労されている患者さんの金銭的な負担も減るわけですから。
最近、架空経費の計上など、安易な脱税が増えているように感じます。
国税はそれほど甘くはないですよ。
逮捕されたり、多額の重加算税などが課されたり、社会的信用などを失ったりしますので、特に、今回の新型コロナウイルスの影響で改めて重要性が認識されたと思いますが、税金を支払ってでも、お金を残すことが大事という意識が納税者の間で少しでも浸透してほしいですね。

2億5千万円の所得を隠した疑いで不妊治療クリニックを国税局が告発したことについて、どう思われましたか?


「節税」うたい脱税を指南し6億円の所得隠しの容疑でコンサル会社など4社を告発!

 

朝日新聞によると、「節税」をうたったセミナーで企業経営者らに脱税を指南し、その手数料など約1億6千万円を申告せず脱税したとして、名古屋国税局がコンサルタント会社(名古屋市千種区、破産手続き中)と代表(38)を法人税法違反容疑などで名古屋地検に告発したと、先日発表したようです。

脱税指南を受けた名古屋市や東京都内の3社も告発されました。
4社の所得隠しの総額は約6億4千万円、消費税を含めた脱税額は約2億円にのぼります。

関係者によると、代表は首都圏などでセミナーを開催していました。
コンサルタント会社と業務委託契約を結べば、「コンサルタント料」などの名目で同社が請求書を発行し、その金額を経費として計上することで利益を減らし、節税できると持ちかけていました。
コンサルタント会社は約130社と実態のない業務委託契約を結び、手数料として請求書の金額の2割程度を得ていたとみられます。

名古屋国税局は、コンサルタント会社が税務申告をせず2017年12月期に約1億6,600万円の所得を隠し、法人税約3,900万円と消費税約2千万円を脱税したとして告発しました。
代表は得た資金を高級車の購入や遊興費などに使ったとみられます。
顧問税理士によると代表は容疑を認めているそうです。

他の告発対象と消費税を含む脱税額は、ネット広告会社(東京都港区)と代表(28)が約1億500万円、電気工事会社(名古屋市中川区)と社長(55)が約1,700万円、通信販売・ウェブサイト企画会社(東京都渋谷区)と前代表(42)が約2,100万円となっています。

3社はコンサルタント会社の指南に従って架空経費を計上したとされます。
ネット広告会社と電気工事会社はいったん請求額をコンサルタント会社に振り込み、大半を現金で戻させていました。
通信販売・ウェブサイト企画会社はコンサルタント会社から資金提供を受け、その資金に上乗せした請求書の金額を振り込んでいたようです。

関係者によると、ネット広告会社の代表は隠した金で外車などを購入し、電気工事会社の社長は車や株の購入に充てたといい、取材に「国税とは見解の相違があったが指導に基づき納税を済ませた」と話したようです。
通信販売・ウェブサイト企画会社は「はくだけでやせる」などと宣伝してストッキングを売り上げた利益を隠したといい、前代表は「節税できると思い込んでしまった。反省している」と話したようです。
いずれも修正申告を済ませたそうです。

これほど明らかな脱税手法であるのに『見解の相違』というのは、どうなんでしょうね?
最近、安易に架空の経費を入れて脱税するところが多いように思いますが、国税もそれほど甘くないと思いますよ。
脱税を考えるほどの所得が出るくらい稼いでいるわけですから、経営の能力はあるんでしょうから、きちんと税理士に相談して、合法的に節税する方法とかを考えたら良いのになぁと思います。
指南かつ脱税をしていたコンサルタント会社の顧問税理士のコメントが載っていますが、おそらく、知らないところでされているんでしょうね。
そういった信頼関係の成り立っていない状況で、僕は、顧問契約は厳しいでしょうね。

「節税」うたい脱税を指南し6億円の所得隠しの容疑でコンサル会社など4社が告発されたことについて、どう思われましたか?


キッザニアに子どもが“税務調査”をする新コーナー!

 

TBSによると、子どもたちが“税”について学ぶコーナーが、テーマパークの「キッザニア東京」に期間限定でオープンしました。

さまざまな職業が体験できるテーマパーク「キッザニア東京」に、2020年11月11日にオープンしたのは「税務署」のコーナーです。
子どもたちは消費税や軽減税率について学んだあと、一列になって向かった先は、施設内の土産物店の“税務調査”です。
帳簿や提出された書類に間違いがないか、真剣な表情でチェックしました。

「初めて税の調査をしたので緊張した」(小学5年生)
「普段、税について考えていなかったが、これを機会に税を考えることができた。お買い物に行ったときや旅行に行ってお土産を買ったときに税について考えると役に立つと思う」(小学5年生)
国税庁は毎年11月11日から17日までを「税を考える週間」としており、こうした機会に税に対する知識と理解を深めてほしいとしています。
税務署のコーナーは、2020年11月17日まで体験できるということです。

個人的には、子どものころから、租税教育や投資教育が必要だと考えていますので、この取り組みは非常に良いことだと思います。
少しでも税金に興味を持つ子どもたちが増えて、国民の税金に対する意識が変わればよいなぁと思いますし、税理士試験の受験者が年々減少していますので、税理士という職業が子どもたちにも認識されて、将来、税理士という職業、もちろん、税務署職員もですが、これらを目指す子どもたちが増えればよいなぁと思います。

キッザニアに子どもが“税務調査”をする新コーナーができたことについて、どう思われましたか?


ビル・マンションの管理会社を東京地検が脱税で起訴!

 

TBSによると、ビルやマンションの管理などを行う会社が約4,600万円を脱税したとして、東京地検特捜部に起訴されました。

消費税法違反などの罪で起訴されたのは、東京都練馬区のビル管理会社と社長(54)です。
東京地検特捜部などによりますと、社長は売り上げを営業実態のない会社に分散させ、事業規模をわからなくする隠ぺい工作を行い、おととしまでの3年間に消費税など約4,600万円を脱税した疑いがもたれています。

東京地検特捜部は社長の認否を明らかにしていませんが、2020年3月、JNNの取材に対し、「今後は税理士の指導を受けながら適正な納税をしていく」と答えていました。

消費税を逃れるために、売上を分散させて免税にしていたのであれば、かなり悪質ですね。
個人的には、そのようなやり方を誰から聞いたのだろう?と思います。
もし、指南している方がいるのであれば、この会社以外にもたくさん起訴される会社が出てくるのではないかなぁと思います。

ビル・マンションの管理会社を東京地検が脱税で起訴したことについて、どう思われましたか?


出会い系アプリなど制作の広告会社を東京地検が脱税で起訴!

 

TBSによると、出会い系アプリ制作などを請け負っていた広告会社がおよそ3,500万円を脱税したとして、東京地検特捜部に起訴されました。

法人税法違反などの罪で起訴されたのは、東京都豊島区の広告会社と取締役(43)ら4人です。
東京地検特捜部などによりますと、取締役らは、おととしまでの2年間におよそ1億4,900万円の所得を隠し、法人税などおよそ3,500万円を脱税した疑いがもたれています。

関係者によりますと、広告会社は、出会い系アプリの制作など幅広く事業を展開していて、不正に得た金は高級ブランド品の購入に充てるなどしていたということです。
東京地検特捜部は、起訴された4人の認否を明らかにしていません。

所得隠しの手法が書かれていないので詳細が分かりませんが、儲かりすぎて脱税に走ったということなんでしょうね。
高級ブランド品の購入に充てているので、納税資金は用意できたのでしょうか?
国税局や税務署は、きちんと申告している会社ではなく、こういった悪質な会社に税務調査に入り、税金をたくさん取って欲しいと思います。

出会い系アプリなど制作の広告会社を東京地検が脱税で起訴したことについて、どう思われましたか?


3,200万円脱税の疑いで医療コンサル会社元社長らを逮捕!

 

TBSによると、医療コンサルティング会社の代表取締役だった男らが法人税約3,200万円を脱税したとして東京地検特捜部に逮捕されました。

法人税法違反などの疑いで特捜部に逮捕されたのは、東京都豊島区の医療コンサルティング会社の元代表取締役(65)です。
また、法人税法違反ほう助の疑いなどでも会社役員(63)ら3人が逮捕されました。

特捜部によりますと、元代表取締役は架空の広告宣伝費を計上するなどの手口でおよそ1億3千万円の所得を隠し、法人税など約3,200万円を脱税し、会社役員らは、それを手助けした疑いがもたれています。
特捜部は逮捕された4人の認否を明らかにしていません。

ここ数年、架空の経費を計上して脱税をする会社が増えているように思いますが、考えているほど甘くはないですよね。
儲かって仕方がないのであれば、きちんと月次決算をして、脱税ではなく節税をすれば良いのにといつも思いますね。
節税の方法はいくらでもあるでしょうから。

3,200万円脱税の疑いで医療コンサル会社元社長らが逮捕されたことについて、どう思われましたか?


明浄学院元理事長が21億円の申告漏れ!

 

日本経済新聞によると、大阪観光大などを運営する学校法人「明浄学院」(大阪府熊取町)を巡る横領事件に絡み、法人の元理事長(62)が大阪国税局の税務調査を受け、横領したとされる21億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

追徴税額は過少申告加算税を含めて約11億円で、すでに修正申告したとみられます。

起訴状などによると、元理事長は2017年7月ごろ、大阪市の不動産会社の元社長らと共謀し、明浄学院が所有する土地を不動産会社に売却する際、手付金として振り込まれた21億円を横領したとされます。
2020年6月に大阪地裁で開かれた初公判で、起訴内容を認めています。

大阪国税局は、21億円について、元理事長の所得にあたると判断し、追徴課税したとみられます。

裁判などで大変ななか、税務調査の対応も大変だったと思いますが、色々なものを失っていきますね。
国税局は、こういった悪質な方からいっぱい取って欲しいですね。

明浄学院元理事長が21億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


勤務中にトイレでFX取引などをし申告もしていなかった国税職員を懲戒処分!

2020年10月09日(金)

下野新聞によると、関東信越国税局は、先日、勤務中に株取引をしたなどとして、栃木県内税務署に勤務する30代男性職員を減給10分の2(3か月)の懲戒処分にしたそうです。
また、取引で得た所得を確定申告しておらず、3年間で約112万円の申告漏れがあったようです。

職員は2016年1月~2019年6月、職場のトイレなどで勤務時間中に株やFX、仮想通貨の取引を計277回行い、職務専念義務を怠っていました。
また、2015年12月~2017年12月、インターネットのオークションなどで株主優待券などを売却し、兼業禁止違反行為を繰り返していました。

国税局監察官の内部調査で発覚したようです。
修正申告などを行い、本来支払うべき11万2千円を納税したそうです。

職員は「2015年ごろから株価が上がり、以前やっていた株取引を再開した」などと話しているそうです。
国税局の小出康孝(こいでやすたか)国税広報広聴室長は、「税務行政に携わる公務員としてあるまじき行為。深くおわびいたします」とコメントしました。

あるまじき行為なのに減給10分の2(3か月)でいいんですかね。
きちんと申告しましょうと言っている国税の人間が申告をしていなかったわけなのですから、普通に考えて、懲戒免職のような気はします。
無知ということはありえないでしょうから、金額が多いか少ないかも関係ないのではないかと思います。
税務調査も、まずは国税職員をきちんとやった方がいいのではないかと思います。
申告をせず、納税もしていないような人が属する組織が、税務調査とか行政指導をすべきではないと思いますので。

勤務中にトイレでFX取引などをし申告もしていなかった国税職員が懲戒処分になったことについて、どう思われましたか?


コロナで中止の訪問税務調査が10月から再開!

 

日本経済新聞によると、全国の税務署や国税局が新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2020年4月から中止していた新規の訪問税務調査を再開させることが、関係者への取材で分かったようです。
国税側は連休明けの2020年9月23日から納税者に電話で調査を受けてもらえるかどうか確認し、2020年10月から再開する見通しです。

中止が続くと税逃れの放置につながることに加え、2021年2月に始まる所得税の確定申告受け付けに備え、2020年10月中の再開が欠かせないと判断したとみられます。
一方、調査は屋内で長時間実施することが多く、高齢の納税者が断る可能性もあり、引き続き難しい対応を迫られそうです。

日本税理士会連合会などの関係者によると、国税庁は12ある国税局・事務所のトップを集めた会議で再開を通知し、2020年9月18日に日税連に連絡したそうです。

国税庁は訪問調査時の感染防止策について「職員の人数や滞在する時間を可能な限り最小限にする」などとしています。

納税者側からすると、税務調査はない方が良いのでしょうが、国税庁としてもノルマがあるでしょうから、当然かなぁという気はします。
しかしながら、やはり、あまり人と接触したくない状況ですから、結局、持ち帰って色々とやるんでしょうね。
調査に立ち会う税理士としては、持ち帰るのは、何をやっているのか分からないので、やりにくいのですが。

コロナで中止の訪問税務調査が10月から再開することについて、どう思われましたか?


自己啓発セミナー講師を脱税で告発!

 

全国で自己啓発セミナーを開き女性を中心に人気を集めていた大津市のメンタルトレーナーが、集めた参加料の大半を申告せず、5,600万円あまりを脱税した疑いで大阪国税局に告発されたようです。

告発されたのは大津市に住む自己啓発セミナーの主催者で、メンタルトレーナー(46)です。

関係者によりますと、メンタルトレーナーは「ライカイアマーサ」という名前で、ブログやYouTubeで「スピリチュアル能力を高める」と説明し、全国で自己啓発セミナーを開いて1回3万円の参加料を集めていたということです。

女性を中心に人気を集め、セミナーの参加者はおととしの時点で、1年間にのべ3,000人近くにのぼっていたとみられますが、大阪国税局の税務調査で、集めた参加料の大半を申告せず、収入を少なく見せかけていたことがわかったということです。

大阪国税局は、メンタルトレーナーがおととしまでの3年間におよそ1億5,200万円の所得を隠して5,600万円あまりを脱税していたとして、所得税法違反の疑いで大津地方検察庁に告発しました。

この手の事件を目にするたびに思いますが、儲かっている人はかなり儲かっているんですね。
当然、儲かり過ぎたから脱税するということはやってはいけないことですが。
こういうことが発覚すると、信用を失い、仕事が減ったり、なくなったりすると思います。
きちんと申告・納税するか、節税対策をしっかり行うということになると思いますが、脱税しているくらいなので、税理士を付けていなかったんでしょうね。
新型コロナウイルスの影響で控えていた税務調査が、10月から本格的に始まるようですが、こういった悪質な案件を積極的にやってほしいですね。

自己啓発セミナー講師が脱税で告発されたことについて、どう思われましたか?


ノーベル賞受賞の本庶氏の22億円申告漏れを国税局が指摘!

 

朝日新聞によると、がん免疫治療薬「オプジーボ」につながる研究で、ノーベル医学生理学賞を受けた本庶 佑(ほんじょたすく)京都大特別教授が、オプジーボを製造販売する小野薬品工業(大阪市)から支払われた特許の使用対価をめぐり、大阪国税局から2018年までの4年間で約22億円の申告漏れを指摘されていたことがわかったようです。

関係者などによれば、本庶氏は発見したオプジーボの元になる分子「PD-1」の特許について、共同出願した小野薬品工業と2006年に使用契約を結びましだ。

契約では、小野薬品工業がその特許を用いて薬を販売する場合、販売額の一部を、特許の使用対価として本庶氏に支払うなどとする内容でした。
しかしながら、本庶氏は対価が低すぎるとして受け取らなかったため、小野薬品工業は法務局に供託していました。
国税局は供託金であっても有効な契約に基づいており、課税対象となる本庶氏の所得にあたると判断したとみられます。

この契約をめぐっては、本庶氏側は、特許の経済的価値や対価などについて認識を誤ったまま契約したなどと小野薬品工業側に申し入れ、同社側から契約の条件変更の提案が示されましたが、契約は改定されないまま2014年、オプジーボの販売が始まりました。

所得税の追徴税額は過少申告加算税を含め約7億円で、意図的な税逃れではないとして、重加算税は課されなかったとみられます。

本庶氏は、先日、朝日新聞の取材に対し、「ルールであり、僕は特例ではないということ。税理士、弁護士に相談して法律に従った」と語っています。
すでに修正申告したそうです。

小野薬品工業は2020年7月、小野薬品工業のホームページで「2006年に本庶佑氏と合意の下に締結し、契約に基づいて適切に特許使用料をお支払いしている」と公表しています。
小野薬品工業の決算資料によれば、2020年3月期のオプジーボの売り上げは873億円(国内分)となっています。

なお、本庶氏は2020年6月、小野薬品工業が特許権侵害があったとして訴えたアメリカの製薬会社からの特許使用料の配分をめぐり、小野薬品工業を相手取り、約226億円の支払いを求める訴えを大阪地裁に起こしています。

<弁済供託>
供託制度のうち、今回課税対象となったのは弁済供託とよばれるものです。
債権者が賃料などの受け取りを拒否したり行方不明だったりし、債務者が支払いをできない場合、金銭や有価証券を供託所(法務局)に預ける(供託する)ことで債務を免れられる制度です。
例として、建物の借り主と家主がトラブルとなり、家主が賃料の受け取りを拒否したケースでは、借り主が賃料を供託すると賃料の支払いをしたのと同じ効果があります。
家主は請求すれば原則として、いつでも供託物を受け取ることができます。

本庶氏本人は受け取っていないのにも関わらず、申告漏れを指摘されたということは、課税当局は契約が有効と判断したということですよね。
その点は、本庶氏が甘かったという気はします。
恥ずかしながら、『弁済供託』という制度を知りませんでしたが、契約が有効であれば、本来受け取る側は課税されるということが分かりました。
今回は意図的な税逃れではないとして、重加算税は課されなかったようですが、今回の件がありますので、今後は、別の方も知らなかったではすまないかもしれませんね。
あとは、研究者の方も、知財については弁理士などを付けるなどしてきちんと契約しておかないといけないでしょうね。

ノーベル賞受賞の本庶氏の22億円申告漏れを国税局が指摘したことについて、どう思われましたか?


ゴーン被告の新たな10億円私的流用を東京国税局は日産自動車の経費と認めず!

 

読売新聞によると、保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(66)(会社法違反などで起訴)を巡り、日産自動車が東京国税局から2019年3月期までの5年間に約10億円の申告漏れを指摘されたことが関係者の話でわかったようです。
東京国税局は、この期間のコーポレート(社有)ジェット費用のほか、東京や海外住居の家賃などについて、ゴーン被告の私的流用にあたると認定し、日産自動車の法人所得から控除される経費への計上は認められないと判断したようです。

過少申告加算税を含む法人税の追徴税額(更正処分)は約2億5,000万円です。
東京国税局は、2014年3月期までの3年間についても同様に約1億5,000万円の申告漏れを既に指摘しており、東京国税局が認定したゴーン被告による私的流用分は、8年間で計約11億5,000万円となりました。

日産自動車は取材に対し、「2019年3月期までの税務調査は終了し、税務当局から更正通知を受け取った。通知に従い対応する」と回答したようです。

日産自動車は2020年2月、一連の私的流用やゴーン被告の指示による会社資金の不正支出などで損害を被ったとして、ゴーン被告に約100億円の支払いを求めて横浜地裁に提訴しています。

コストカッターと呼ばれていた割りには、私的な費用をいっぱい使っていたんですね。
力がありすぎて、周りも何も言えなかったのでしょうが。
中小企業でも税務調査で色々と指摘されますが、これと比べると微々たるものです。
まずは、大きな会社からきちんと税金を取って欲しいですね。

ゴーン被告の新たな10億円私的流用を東京国税局は日産自動車の経費と認めなかったことについて、どう思われましたか?


大阪国税局が消費税不正還付で不動産会社社長2人を告発!

 

産経新聞によると、消費税の還付を不正に受けるなどし、約1億5,400万円を脱税したとして、大阪国税局が、消費税法違反などの罪で、大阪市浪速区の不動産賃貸会社2社を経営する社長(61)と法人としての両社を大阪地検に告発していたことが、先日、関係者への取材でわかったようです。
重加算税を含む追徴税額は、計約2億800万円で、すでに修正申告を済ませ、大半を納付したようです。

関係者によると、2社は大阪市内に11棟の賃貸マンションを所有しています。
社長は2015年5月~2018年4月、住宅用として貸し出していた部屋を事業用と偽り、消費税の還付を受けていました。

消費税法では住宅用の貸し付けは非課税取引ですが、事業用は課税取引とされ、事業者は条件を満たせば消費税が全額控除され、還付を受けることができます。

また、これとは別に、同局は消費税など約7,400万円を脱税したとして、消費税法違反罪などで、大阪市浪速区の不動産賃貸会社2社を経営する社長(56)と法人としての両社を同地検に告発しています。

少し前に悪質な消費税の還付が横行したのだと思いますが、最近は、消費税の還付申告をした場合、すぐには還付してくれません。
僕も年間数件、消費税の還付申告をしていますが、早ければ電子申告した翌日に税務署から電話がかかってきて、資料の提出を求められたり、税務調査があったりします。
不正還付がアウトなのは言うまでもないことですが、きちんとした消費税の還付申告であっても、簡単ではないということを、納税者の方は認識しておいてほしいですね。

大阪国税局が消費税不正還付で不動産会社社長2人を告発したことについて、どう思われましたか?


6,900万円の脱税の疑いで名古屋国税局が人材派遣会社社長を告発!

 

自動車部品工場などへの人材派遣で得た売り上げを申告せずに、消費税約6,900万円を脱税したとして、名古屋国税局が消費税法違反などの疑いで、岐阜県可児市の人材派遣会社2社と、同社の社長(48)を岐阜地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、同社と関連会社(岐阜県大垣市)は自動車部品工場や携帯電話販売店など約130カ所に人材派遣を実施しています。
岐阜県可児市の人材派遣会社は2018年2月期までの3年間で計約7億2,700万円、岐阜県大垣市の関連会社は2018年3月期までの2年間で計約1億9,500万円の売り上げを申告せず、消費税計約6,900万円を脱税した疑いが持たれています。

追徴税額は無申告加算税などを含め総額約1億1,100万円に上る見込みだそうです。
脱税した金は会社の運転資金に充てたとみられます。

人材派遣会社の関係者は取材に対し、「業務が忙しく、人手も足りず申告ができなかった」と話しているようです。

忙しくて申告ができなかったというのは、理由になるのでしょうか?
人事派遣会社は、特徴として、売上は消費税が課税、コストの中で多いと思われる人件費は不課税ですので、基本的に消費税の納付が多くなるため、消費税は気にしておかないといけない重要なものだと思います。
そこを忙しいという理由で無申告というのは、経営者としてどうなのかなぁと思います。
税理士に頼めば、申告作業はしてくれると思いますし、何か良い方法を考えてくれるかもしれませんので。
あとは、法人税はどうだったのだろうかが気になります。
消費税の計算をしないと、法人税の申告もできないと思いますので。
赤字だったのでしょうか?
どちらにしても、コンプライアンスを気にする企業は増えてきていると思いますので、信用を失い、仕事は減るでしょうね。

6,900万円の脱税の疑いで名古屋国税局が人材派遣会社社長を告発したことについて、どう思われましたか?


1億2,500万円の脱税の疑いで不動産会社の経営者を逮捕!

 

日本経済新聞によると、架空の支払手数料を計上する方法などで法人税計約1億2,500万円を不正に免れたとして、東京地検特捜部は、先日、複数の不動産会社を経営する容疑者(80)を法人税法違反(脱税)容疑で逮捕しました。
東京地検特捜部は、認否を明らかにしていません。

逮捕容疑は、自らが経営する東京都港区の会社など計3社で、実態のない支払手数料や売上原価を計上するなどして、2年間で5億円余りの所得を隠し、法人税計約1億2,500万円を不正に免れた疑いです。

最近、安易な方法で結構多額な脱税をされる方が増えているような気がしますね。
指南している方がいるのでしょうか?
いつも思いますが、結構儲かる商売をされている方が世の中にはたくさんいらっしゃるんですね。
もちろん、脱税はあるまじき行為なので、合法的な節税をすればいいと思うのですが、顧問税理士がいるとすれば、何も提案とかアドバイスをしないんですかね?
やはり、月次決算をして、タイムリーに手を打つことが重要だなぁと改めて感じた1件でした。

1億2,500万円の脱税の疑いで不動産会社の経営者が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


ユニバーサルミュージックの課税取り消しを二審も認める!

 

大手レコード会社「ユニバーサルミュージック」(東京都渋谷区)が国を相手取り、約58億円の課税処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が、先日、東京高裁でありました。

秋吉仁美裁判長は、処分を違法として取り消した一審の東京地裁判決を支持し、国側の控訴を棄却しました。

ユニバーサルミュージックは組織再編の一環で、海外の関連会社から約866億円を借り入れ、支払った利子を損金として計上しました。
東京国税局は利子が関連企業への利益移転に当たるとみて、約58億円を追徴課税していました。

判決理由で、秋吉裁判長は借り入れが「経済的合理性を欠くというべき事情は見当たらない」と指摘しました。
税負担を不当に避ける行為だったとはいえないと判断しました。

ユニバーサルミュージックさんは良かったですね。
行為計算の否認は課税当局の伝家の宝刀なのですから、使う際には、国税局はきちんとした理論を持ってやって欲しいですし、何が良くて何が悪いかのラインを他の納税者にも明確にして欲しいですね。
当然、訴訟になるとコストがかかり、結局税金が使われるわけですから。
このあと、国税局がどうするか分かりませんが、おかしいものはおかしいときちんと主移調できるユニバーサルミュージックさんには頑張って欲しいですね。

ユニバーサルミュージックの課税取り消しを二審も認めたことについて、どう思われましたか?


固定資産税情報を不正入手した統括国税調査官を名古屋地検が在宅起訴!

 

時事通信によると、他人の土地の固定資産税に関する情報を不正に入手したなどとして、名古屋地検特捜部は、先日、虚偽有印公文書作成・同行使などの罪で、名古屋国税局の統括国税調査官(52)を在宅起訴した。

国税庁は、統括国税調査官を懲戒免職処分としました。
統括国税調査官は国税庁の調査に対し、「私的な目的だった」と不正を認めているそうです。

起訴状によると、統括国税調査官は大垣税務署に勤務していた2019年6月、私的目的で他人の土地の固定資産課税台帳の記載事項を入手しようと虚偽の閲覧等請求書を1通作成し、大垣市役所に提出して閲覧したなどとされます。

統括国税調査官ともあろう方がどのような目的化は分かりませんが、私的目的で不正入手するなんて、国税庁の職員のレベルが低すぎますね。
こういう人がいる組織が、まともに税務調査ができると思えませんよね。

固定資産税情報を不正入手した統括国税調査官が名古屋地検に在宅起訴されたことについて、どう思われましたか?


三井住友信託銀行が「うっかりミス」で18億円の追徴課税!

 

日本経済新聞によると、意図的に税金を逃れようとしたわけではないのに、三井住友信託銀行が約18億円の追徴課税処分を受けていたようです。
海外で資金調達する機会が増える中、複雑な「国際税務」に関するチェックが甘かったのが原因です。
みずほ銀行でも似たような問題が発生しており、2社とも係争中です。
カストディアン(有価証券管理のプロ)が犯した不名誉なうっかりミスですが、事務処理と甘く見た代償は大きく、税務リスクの盲点が浮き彫りになりました。
同業他社も対岸の火事とは言えないでしょう。

関係者や訴訟資料などによると、2018年5月末に三井住友信託は源泉所得税のほか、不納付加算税と延滞税を加えた約18億円の追徴課税処分を受けました。
処分内容に納得できず、2019年4月、東京地裁に取り消しを求めて提訴しました。
同社は事実を認めたうえで、「係争中のため、コメントはできない」としました。

「うっかりミスなんです……」。
同社関係者は悪質な脱税だったり、行き過ぎた節税だったり、意図した税逃れではないことを強調しています。
「嘆願書を出したのですが、ダメでした。仕方なく、訴訟に踏み切ることにしました」

「探したが見つからなかった」。
5枚の書類の提出漏れですが、海外投資家などにいくら利子を支払ったか示すのに必要な5枚の書類が提出されていないことを東京国税局は重く見たのです。
顧問税理士に相談するテーマは国税当局と論争になりそうな「解釈」です。
納税手続きという「事務処理」は通常、相談しません。
免税や非課税の特例が存在する税制の実務では、ミスが起きやすいのです。
実は盲点です。

今回、盲点になったのは租税特別措置法の「民間国外債等の利子の課税の特例」というものです。
そもそもこの利子についての所得税は、発行主体の日本企業が徴収・納付する義務を負います。
日本の国税当局が海外で税金を徴収することは原則できず、日本なら日本企業が課税対象になります。
わかりにくい仕組みですが、源泉徴収義務を負う日本企業がまさに三井住友信託銀行だったのです。
そのため、東京国税局は必要な手続きを怠ったと指摘しました。
もともと日本企業が海外で起債しやすくするため、非課税制度があり、三井住友信託銀行が「利子受領者確認書」を提出すれば非課税となるはずでした。

社債を2015年4月までに償還し、投資家に資金を返還し終えていた2017年秋、東京国税局が三井住友信託銀行の税務調査に乗り出し、争点となる事態が発生したのです。
とはいえ、この制度は昭和40年代後半から続いており、1998年には今の姿になりました。
「税務処理も含めて実務は確立されている」(弁護士)とのことです。

気づいた東京国税局からの指摘を受け、三井住友信託は2017年12月に国税当局に嘆願書を提出しています。
そこには「確認書の提出を示す控えが残っていないが、寛大なるご配慮を頂きたい」という趣旨の文章が記され、不名誉ながらミスを認めた格好です。

約18億円という多額に上ったのは、当時の時代背景と無縁ではありません。
三井住友信託銀行の前身、中央三井信託銀行が舞台なのです。
当時の中央三井信託銀行は公的資金を注入され、経営再建中でした。
早く公的資金を返済しようと資本増強を急いでいました。
2005年2月に海外で発行した社債の規模は8億5千万米ドル(当時のレートで約900億円)に上ります。
投資家に約束した利回りは約5%で、毎年の利払い費用は約40億円に上りました。

みずほ銀行は租税回避地(タックスヘイブン)に置いた特別目的会社(SPC)の税務処理をめぐり、東京国税局から約84億円の申告漏れを指摘されました。
過少申告加算税を含め約20億円を追徴課税され、2019年に提訴し、現在、東京地裁で係争中です。
この案件も悪意があるものではありません。
同行はリーマン・ショック後にSPCを使うスキームを利用して自己資本を増強しました。
その後、スキームを解消する際、形式的な利益がSPCの利益と見なされてしまい課税処分へとつながったのです。

共通するのは資金調達後の「アフターフォロー」への意識が甘かった点でしょう。
三井住友信託銀行が国税当局から提出遅れを指摘されている確認書はわずか5枚の書類です。
みずほ銀行もSPCの決算期日を1日ずらすなど形式的に利益が出ないようにすれば、追徴課税は避けられた可能性があります。

悪意がなく形式的でも申告漏れに当たれば国税当局は課税します。
プロでもミスを犯す「複雑な税制」に全く問題がないとは言えませんが、経営陣も国税当局と大きな論争を呼ぶような「解釈」を巡るリスクへの備えは意識しても、「事務処理」は現場任せというのが実態です。
その点では銀行側にも落ち度はあると言えるでしょう。

EY税理士法人の角田伸広会長は「一般的に日本企業は税務のような内部管理システムへの投資や人材育成が欧米に比べ大幅に遅れている」と指摘しています。
「オペレーショナルリスク」と呼ばれる事務処理上のリスク管理体制が甘かった可能性はあります。

海外での資金調達は危機時の資本増強策などとして増える傾向があります。
足元の新型コロナウイルスの感染拡大で、資本増強などを迫られる企業は急増するでしょう。
先行き不透明な今、投資家も預金者の目線も厳しくなります。
係争中であり処分が取り消される可能性も残っていますが、仮にうっかりミスが多額の税負担を招くとしたら、担当者や現場責任で片付けられる問題ではありません。

危機が去った後、税務リスクは顕在化するでしょう。
それを見越した体制整備が必要ですね。

うっかりミスで18億円というのはきついですね。
税務関係の事務処理も、きちんとルールを考え、それに基づいているかどうかチェックしないといけない時代になっていますね。

三井住友信託銀行が「うっかりミス」で18億円の追徴課税を受けたことについて、どう思われましたか?


「鬼滅の刃」アニメ制作会社に1億4千万円の脱税の疑い!

 

人気アニメ「鬼滅(きめつ)の刃」の制作会社として知られる「ユーフォーテーブル」(東京)と同社の社長(50)が、東京国税局査察部から脱税容疑で東京地検に告発されたことがわかったようです。
運営する飲食店の売り上げを少なく見せかけるなどして約4億4,600万円の所得を隠し、計約1億4千万円を脱税した疑いが持たれています。

関係者によると、同社は手がけたアニメを題材としたカフェやレストランを各地に展開しています。
このうち東京と大阪の計4店舗の売り上げについて、社長が経理担当者に帳簿を改ざんさせる方法で、2015、2017、2018年の各期3年間で計約4億4,600万円分の売り上げを申告せず、法人税約1億1千万円を脱税した疑いが持たれています。
また、申告しなかった売り上げにかかる消費税約2,900万円を脱税した疑いもあります。

社長は、4店舗の売り上げをすべて現金のまま都内の自宅で保管していました。
経費などを支払った残りの売り上げの一部を申告せず、同社の事業資金などに充てていました。
2019年3月に東京国税局が自宅を家宅捜索したところ、金庫などから現金約3億円が見つかったそうです。

同社と社長は代理人弁護士を通じ、「ファンをはじめ、関係者にご心配、ご迷惑をおかけすることについて誠に申し訳なく、心よりおわび申し上げる。国税当局の指導に従って修正申告を行い、全額納税した」などとコメントを出しました。

なお、手がけたアニメを題材とした飲食店の売り上げを少なく見せかけた疑いがもたれていますが、アニメファンにとってはハイクオリティーの映像で知られるスタジオであり、社長は作品づくりを先頭で引っ張る剛腕プロデューサーです。

ユーフォーテーブルは、「ルパン三世」などで知られる東京ムービー新社(現トムス・エンタテインメント)出身の社長が2000年に設立しました。
2007~2010年に劇場公開した「空(から)の境界」シリーズで、緻密(ちみつ)な映像作りが注目を浴びました。
締めくくりの第8作は社長が自ら監督しました。
社長は他の作品でも、プロデューサーにとどまらず、脚本を書いたり音響監督を務めたりといった形で創作部分に深く関わるスタイルをとっています。

2011年から、人気ゲームを基にした「Fate」シリーズのテレビアニメや劇場版を制作し、同社の看板作品に仕立てました。
最新作を2020年4月25日に劇場公開する予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け延期になっています。
2017年にはゲーム原作の「刀剣乱舞」を、昨年はマンガ原作の「鬼滅の刃」を手がけ、丹念に作り込んだ映像と迫力あるアクションで多くのファンを獲得しました。
「鬼滅の刃」はアニメ化で原作が爆発的に売れ、同社制作による劇場版も2020年10月公開の予定です。

社長は2009年、出身地の徳島市にスタジオを開設しました。
地域振興を目的としたアニメ関連のイベント「マチ★アソビ」を発案し、自らプロデュースして同年秋に開催しました。
春と秋の名物行事として全国のアニメやゲームのファンが同市を訪れ、初回に約1万2千人だった来場者は2018年5月の第20回には約8万4千人に達しました。

ただし、同社の脱税疑惑が一部で報じられ、社長は2019年4月に同イベントの実行委員会会長を辞任しました。
2020年5月の第24回は、コロナ感染拡大の影響で中止になりました。
また、同社の制作への影響を心配する声も上がっていました。

社長が経理担当者に帳簿を改ざんさせる方法で売り上げを申告していなかったとのことなので、かなり悪質ですね。
剛腕プロデューサーなのかもしれませんが、経営者としては失格ですね。
代理人弁護士を通じた「ファンをはじめ、関係者にご心配、ご迷惑をおかけすることについて誠に申し訳なく、心よりおわび申し上げる。国税当局の指導に従って修正申告を行い、全額納税した」というコメントも、脱税に関するコメントはなく、反省していないかもしれませんね。
こういう事件を目にするたびに思いますが、儲かっているところは儲かっているんですね。
ただし、脱税は違法という認識は常に持っていて欲しいですね。

「鬼滅の刃」アニメ制作会社に1億4千万円の脱税の疑いがあることについて、どう思われましたか?


前澤友作氏の資産管理会社が約5億円の申告漏れ!

 

ファッション通販サイト「ZOZO」の創業者で実業家の前澤友作氏が役員を務める資産管理会社が、プライベートジェットの私的利用をめぐって東京国税局からおよそ5億円の申告漏れを指摘されたことが関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、実業家の前澤氏は、みずからが役員を務める資産管理会社「グーニーズ」が所有するプライベートジェットを、私的な海外旅行などで頻繁に利用していたということです。

前澤氏は、プライベートジェットの利用料として一部の費用を資産会社側に支払っていましたが、東京国税局は、本来、前澤氏が支払うべき利用料が2019年3月期までの3年間でおよそ5億円不足し、資産管理会社はその利用料を所得として計上する必要があると指摘したということです。

関係者によると、会社側はすでに修正申告したそうですがが、赤字分と相殺され、法人税の追徴課税は発生しなかったとのことです。

一方、前澤氏個人も、絵画の売買で得た利益などをめぐって、東京国税局から、2018年までの3年間でおよそ9,900万円の申告漏れを指摘され、追徴課税はおよそ4,000万円に上ったということです。

これについて前澤氏は、先日、ツイッターに「私は逃げも隠れもしないし、税務処理の方法でご指摘があれば、惜しまず税金払いますので、税金はどうか有効活用願います」などと投稿しています。

前澤氏ほどの方になると、一流の顧問税理士がいるでしょうから、上手にやっているんでしょうね。
3年間で5億円修正しても、赤字分と相殺され、法人税の追徴課税は発生しないわけですから。
個人的には、前澤氏のような経営者になると、どこまでが仕事でどこまでがプライベートかの線引きが非常に難しいと思いますので、国税局がどう判断したのかが非常に気にはなります。
個人の方の、絵画の売買などで得た利益の申告漏れも、どのような指摘がされたのか、知りたいですね。

前澤友作氏の資産管理会社が約5億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


金地金使った税還付を指南した税理士に8億円所得隠し容疑!

 

消費税還付方法を指南して得た報酬を売り上げから除外するなどして計8億円超の所得を隠したとして、東京国税局査察部が、東京都府中市の税理士(38)と、この税理士が実質的に経営するコンサルティング会社2社(東京都中央区と東京都渋谷区)を所得税法と法人税法違反の容疑で東京地検に告発したことがわかったようです。

税理士と2社は不動産投資家らに対し、「金地金(きんじがね)」の取引を使った消費税還付の方法を助言する事業を展開していました。
関係者によると、2社への架空のコンサルタント手数料を支払ったとして自身の所得を少なく申告したほか、2社については売り上げの一部を除外し、2017年までの3年間で計約8億2,700万円の所得を隠し、計約2億1,200万円を脱税した疑いがあります。
隠した所得は外国為替証拠金取引(FX)などに使っていたそうです。

この税理士は2006年に税理士登録しており、税理士事務所のホームページによると、不動産投資と相続に関する節税業務に特化しており、顧問先の95%が地主とサラリーマン大家だとしています。
この税理士は取材に対し、税理士を廃業したと説明したうえで、「国税局の指導に従い、修正申告を行った。納税もほぼ済ませている」と回答しているようです。

脱税の疑いで告発されたこの税理士と2社は、不動産購入時にかかった消費税を取り戻すために、「金地金」の取引を活用する方法を指南して売り上げを伸ばしていました。
消費税は、通常、売上時に受け取った税額から、仕入れ時にかかった税額を差し引いて納めます(仕入れ税額控除)。

ただし、不動産を居住用として貸し出している場合は、賃貸先から受け取る家賃に消費税が上乗せされていないため、購入時に支払った消費税の仕入れ税額控除ができないのです。

この税理士らが指南していたのは、この消費税を取り戻す方法です。
まず、オーナーは法人を設立した上でマンションなどの不動産を購入する一方で、法人は金地金の取引を繰り返し、家賃を含めた法人の売り上げの一定以上となるまで高めます。
こうすれば、法人がマンション購入時に支払った消費税は、金地金の仕入れで支払った消費税と合算して控除できるようになります。
金地金の売却時に支払った消費税から差し引けば、その分が還付される仕組みです。

しかしながら、2020年度の税制改正でこのスキームは通用しなくなります。
消費税に詳しい大野晃男税理士によると、このスキームに関わる税理士は、申告書の書き方や金の取引方法を指南して報酬を得るのが一般的です。
大野税理士は「本来は受けられない還付を、法律に当てはめて条件を整えることで受ける仕組み」とした上で「オーナーは事業者なのにマンションの高額な消費税を負担しなければならず、取り返そうと考えるのは仕方ない」と話しています。

いわゆる税理士試験を受けて合格した試験組で、このようなことを指南していた上に、自らも脱税していたなんて、信じられないですね。
税理士が絶対にしてはいけないことが、脱税のお手伝いだと思いますが、指南だけでなく、自らも脱税していたわけですから。
本人は東京都府中市で、コンサルティング会社2社の所在地を東京都中央区と東京都渋谷区とにしているのも、所轄税務署を別にすることで、税務調査がしにくいようにしているのではないかと疑ってしまいますね。
これくらいの指南で、こんなにも稼げるのは、ある意味凄いなぁと思いますが。
どこで道を誤ったのでしょうか?
この税理士は、すでに廃業の届を出しているようですが、節税の本などを出版しています。
脱税と節税はまったく違いますので、納税者の方々も、提案を受けても自ら良いのかどうかを判断していただきたいですね。

金地金使った税還付を指南した税理士に8億円所得隠し容疑があることについて、どう思われましたか?


名古屋国税局が人材派遣業者を3,100万円の脱税容疑で告発!

 

消費税約3,100万円を脱税したとして、名古屋国税局が消費税法違反の疑いで、人材派遣会社役員(66、愛知県西尾市)を名古屋地検に告発したことが関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、2018年までの3年間、当時営んでいた別の人材派遣業で約3億9千万円の売り上げがあったのに申告せず、派遣先から預かった消費税約3,100万円の納税を免れたとされています。

また、従業員給与から所得税分を天引きする源泉徴収や自身の所得税も無申告だったとみられ、追徴税額は無申告加算税などを含め総額約6,200万円に上るもようです。

人材派遣会社役員は取材に対し、「脱税の認識はあったが預金に回してしまった。反省している」と答えています。
一部を納税したそうです。

人材派遣会社役員は当時、ベトナム人やインドネシア人労働者らを自動車関連会社や製菓会社に派遣していました。

脱税の認識があったわけですから、救いようがないですね。
そして、従業員給与から所得税分を天引きする源泉徴収や自身の所得税も無申告だったようですので、悪質と言わざるをえないですね。
こういうケースは、どんどん告発して欲しいですね。

名古屋国税局が人材派遣業者を3,100万円の脱税容疑で告発したことについて、どう思われましたか?


東京地裁が塩野義製薬への課税処分取り消し!

 

組織再編税制を巡り、大阪国税局から約400億円の申告漏れを指摘された塩野義製薬が課税処分の取り消しなどを求めた訴訟の判決が、先日、東京地裁でありました。
古田孝夫裁判長は同社の請求を認め、法人税や過少申告加算税など計約80億円の課税処分を取り消しました。

塩野義製薬は医薬品開発のため、組合を設けて海外企業と共同事業体(JV)を設立し、
組合の持ち分をイギリス子会社に現物出資しましたが、国税局はこれに絡み、約400億円の申告漏れを指摘しました。

法人税法は企業の組織再編について特別な課税ルールを設けており、海外同士の資産移転など一定の条件を満たせば、課税を繰り延べることができます。
塩野義製薬は、組合の資産は国内でなくアメリカで管理されていたなどとして、現物出資にはこの規定が適用されると主張していました。

古田裁判長は判決で、組合の資産のうち現金はアメリカの預金口座に入金され、会計処理や税務申告もアメリカの事業所で行われていたと指摘し、「組合の主要な資産は国外で管理されており、国税局の処分は違法だ」と結論づけたのです。

塩野義製薬は「当社の主張を実質的に全面的に認めた判決だ」とコメントしています。
大阪国税局は「控訴するかについては、判決内容を詳細に検討し、関係当局と協議の上で決定したい」としています。

時間やコストがかかりますが、そういった理由であきらめず、納得できないことは、とことん争ってほしいですね。
最近、国税局の指摘も理由がイマイチのものや、よく分からないものが増えているように思いますので、十分に争う価値はあるのではないかと思っています。
塩野義製薬さんはさすがですね。

東京地裁が塩野義製薬への課税処分取り消したことについて、どう思われましたか?


良品計画が移転価格税制で70億円申告漏れを指摘され追徴20億円!

 

「無印良品」を展開する良品計画(東京都豊島区)が東京国税局の税務調査を受け、2017年2月期までの3年間で約70億円の申告漏れを指摘されたことがわかったようです。
海外への所得移転を防ぐ移転価格税制を適用されたそうです。
法人税の追徴税額は約20億円とみられ、すでに納付したそうです。

関係者によると、良品計画が中国子会社に販売する商品価格や商標権使用料が低く、日本で計上するべき利益の一部が中国側に移ったと指摘されたとみられます。

良品計画の公表資料によると、2019年2月期の営業収益(売上高)は約4,097億円です。
積極的に出店を進める中国では256店舗を展開し、日本国内に次ぐ約750億円の営業収益を上げていました。

良品計画は、先日、ホームページ上に「二重課税分については見解の相違があるものの支払うこととした。日本、中国それぞれの税務当局に二国間協議の手続きを申請した」と発表しました。

移転価格税制はかなり難しい問題であるため、それなりの規模の企業は顧問税理士などと慎重に進めると思いますが、良品計画はどうだったんでしょうね。
見解の相違があるのであれば、争ってほしかったと思います。

良品計画が移転価格税制で70億円申告漏れを指摘され追徴20億円を受けたことについて、どう思われましたか?


AKB運営会社の元社長の22億円の申告漏れを国税局が指摘!

 

アイドルグループAKB48などを運営する「AKS」(東京都千代田区)の元社長(48)が東京国税局の税務調査を受け、約22億円の申告漏れを指摘されたことが関係者の話でわかったようです。

個人で保有していた株式の譲渡益を申告しなかったそうです。
所得税の追徴税額は過少申告加算税を含め約4億円で、すでに修正申告した模様です。

関係者によると、元社長はアイドルグループ「乃木坂46」の運営に関わる「ノース・リバー」(同区)の株式を保有していましたが、株式を妻名義にした後、2017年に遊技機メーカー「京楽産業.」(名古屋市)に譲渡しました。
元社長は、同社から約24億円を借り入れており、この借入金と株式を相殺する取引だったそうです。

東京国税局は、実質的には元社長が株式を売却して得た利益で借入金を返したと判断し、売却時点で申告するべき所得があったと認定した模様です。

報道からは全くわかりませんが、多分株価はかなり高いでしょうから、個人的には、どうやって妻名義にしたのか、そのときの税務処理はどうしたのだろうか(きちんと申告しているのだろうか)ということに興味があります。
あとは、京楽産業は、多分画数などを考慮して、社名に『.』を入れているんだなぁと思いました。

AKB運営会社の元社長の22億円の申告漏れを国税局が指摘したことについて、どう思われましたか?


“闘う社長”元キックボクサーが1億5,000万円の所得隠し!

 

日刊ゲンダイによると、自身をブログで「闘う社長」と紹介していた元プロキックボクサーは税金をごまかし、出会い系サイトで稼いだ金で、ぜいたく三昧の生活を送っていたようです。

出会い系アプリなどの制作を手がける広告会社(東京都豊島区)の経営者で元プロキックボクサーの社長(43)が約1億4,900万円の所得を隠し、法人税3,500万円を脱税したとして、法人税法違反の容疑で東京国税局から刑事告発されました。
東京国税局は2019年6月に査察に入り、社長が容疑を否認していたため、悪質と判断したようです。

「社長は、複数の知人が経営する会社にウソの請求書を作らせ、仕事を発注したように見せかけ代金を口座に振り込んでいた。外注費を支払ったことにして、知人の会社から現金でキックバックを受けていたのです。信用調査会社の資料によると、同社の売上高はここ数年、毎年3億円で、2018年12月期の売上高は4億5,000万円になっていた。2018年12月期までの2年間で、3,500万円を脱税していた疑いです」と、国税事情通は言っています。

脱税で得た金は、高級時計やブランドバッグの購入に充てていたほか、飲食代や株式、不動産の取得にも使われていました。

会社の設立は2005年で、同社は転職サイトに「パチンコや競馬、飲食業界の顧客と直接取引しています。評判が口コミで広がり、広告依頼が増加中。2009年には売上高10億円、対前年比200%を記録しました」と明記していました。

「コンサルタント業務や広告業に加え、『トップドッグレコーズ』という音楽事業をしていたこともあったが、実態は不明です。最近はマンションなど不動産投資の電話代行業のほか、出会い系アプリの制作で売り上げを伸ばしていた。どうやら関連会社が出会い系サイトの運営にも関わっていたようです。そのサイトはとにかく利用料が高額でサクラが多いともっぱらでした。女性から直接的なお誘いのメッセージが次々送られてくるが、結局は会えず、お金を取られるだけと、さんざんな評判でした」と、業界関係者は言っています。

社長がかつて所属していた格闘技ジムのホームページによると、戦績は8戦3勝4敗1分けで、2011年には総合格闘技大会で優勝を飾ったこともあったそうです。
話を聞くため、日刊ゲンダイは会社に連絡したようですが、社長は不在で対応できる担当者もいないとのことです。
本人のブログは閉鎖され、ダンマリとは「闘う社長」らしくないですね。

最近、架空の請求書で脱税をしているケースが多いように思いますが、発覚するのは氷山の一角でしょうから、世の中ではたくさん行われているんでしょうね。
これだけ、告発等されているケースが多いわけですから、思っているほど甘くはないということは分かるような気はしますが、毎年何件も出てくるのはなぜなのでしょうか?
指南をしている方がいるのでしょうか?
架空の経費は相手にとっては架空の売上ということを認識してほしいですね。

“闘う社長”元キックボクサーが1億5,000万円の所得隠しをしていたことについて、どう思われましたか?


瀬戸の定光寺前住職らの1億1,000万円の私的流用を名古屋国税局が指摘!

 

中日新聞によると、尾張徳川家ゆかりの定光寺(愛知県瀬戸市)の前住職(75)と息子の前副住職(46)が寺の収入から約1億1,000万円を私的に使ったとして、名古屋国税局が寺を運営する宗教法人定光寺に、所得税の源泉徴収漏れを指摘していたことが分かったようです。
重加算税などを含めて約4,000万円を追徴課税しました。
既に修正申告し、大半を納付したようです。

税法上、宗教法人はお布施など宗教活動にあたる非収益事業の収入は課税されませんが、住職らの給与や寺の金を私的に使った分は源泉徴収の対象になります。

定光寺が所属する臨済宗妙心寺派(本山・妙心寺、京都市右京区)などによると、国税当局は2017年までの4年間に、2人が戒名料や霊園供養料などを定光寺の収入とせず、私的に流用したと判断したもようです。
その額が計1億1千万円にのぼるそうです。

妙心寺派の担当者は取材に対し、「このような事態になり大変遺憾で、檀家に申し訳ない」と話したようです。
聞き取りに対し、元住職らは、私的流用の使途を説明しなかったそうです。

国定公園内にある定光寺をめぐっては、前住職らが違法に山林を開発し、2017年に県が行政指導しています。
これを受け、妙心寺派は前住職を免職処分にし、前副住職も退職しました。

新たに指名された現在の住職らが、2人に対して損害賠償を求め提訴する方針だそうです。

定光寺は南北朝時代の1336年の創建とされ、本堂奥の尾張徳川家の始祖・徳川義直の廟所は、国の重要文化財に指定されています。

宗教法人はそもそも税制上優遇されているなかで、このような事件が起こるのは非常に残念ですね。
また、住職や副住職の立場にある方が、行政指導を受けたり、このような事件を起こすのは、どうなんでしょうね。
檀家の方々の信頼を一気に失うでしょうね。
やはり、大企業でもそうでなくても、経営者には経営者としての資質が必要ということを改めて感じた1件でした。

瀬戸の定光寺前住職らの1億1,000万円の私的流用を名古屋国税局が指摘したことについて、どう思われましたか?


ミシュランたこ焼き店が1億4,000万円の所得隠し!

 

 ミシュランガイドにも掲載された大阪の梅田(大阪市)の人気たこ焼き店「はなだこ」の運営会社と関連会社の計3社が大阪国税局の税務調査を受け、2018年4月までの5年間で計約1億4千万円の所得隠しを指摘されたことがわかったようです。
重加算税を含む追徴税額は約8千万円で、国税局はインバウンド(訪日外国人客)効果で売り上げを伸ばし、その一部を申告していなかったとみています。

 はなだこは、JR大阪駅東の高架下の「新梅田食道街」の中で営業。「ミシュランガイド京都・大阪2018」で、5千円以下で質の高い料理を出す「ビブグルマン」として掲載されたこともあり、外国人観光客が多く訪れ、昼夜を問わず行列ができる人気店です。

関係者によると、調査を受けたのは大阪府守口市の「芭食サービス」「翠松フードサービス」「新紀」です。
国税局は、レジを操作して客が商品を購入した記録の一部を消去する手口で売り上げの一部を除外し、法人税や消費税の支払いを免れていたと判断しました。
また、従業員の給与にかかる源泉所得税の一部も納めていなかったとみているようです。

3社はすでに修正申告し、納税したようです。
運営会社側は「(3社が)税務調査を受けたことは事実」としたうえで、調査の内容や結果については「お答えできません」としています。

昨年は、大阪城公園のたこ焼き屋さんが脱税で有罪になっていたと思いますが、インバウンド効果があるのか、無茶苦茶儲かるんですね。
おそらく現金売上だと思いますが、売上を除外したり、源泉所得税の一部も納めていなかったというのは、かなり悪質ですね。
既に修正申告及び納税をしているのであれば、認めたということだと思いますが、今後は適切な申告に努めます的なコメントをする会社が多い中で、「お答えできません」というコメントも会社のスタンスを表しているような気はしますね。
既にミシュランからは外れているようですが、きちんと申告はして欲しいとは思いますし、国税局・税務署にももっと悪質な会社を調査し、税金を取ってほしいですね。

ミシュランたこ焼き店`が1億4,000万円の所得隠しをしていたことについて、どう思われましたか?


海外資産の税逃れ防止のために取引記録を保管要請!

 

 日本経済新聞によると、政府・与党は富裕層が海外に持つ資産について、税逃れ対策を強化するようです。
国外にある銀行預金の入出金や不動産の賃貸借などの取引記録を保管するよう納税者に求めます。
現在は年に1度、不動産の保有残高などの情報の提出を義務付けていますが、資金の流れを示す取引記録も保存を促します。
記録があれば申告漏れ時に追加課税を軽減する仕組みを設ける方針です。
取引の透明性を高めて自主的な申告を迫る狙いです。

2019年12月にまとめる与党税制改正大綱に盛り込み、2020年度税制改正に反映します。

政府は2014年に国外財産調書の制度を導入しました。
海外に計5,000万円超の資産を持つ人を対象に海外資産の保有状況を調書にまとめ、税務署に毎年提出するよう義務づけました。
しかしながら、資産残高のストック情報だけでは税逃れの実態は把握しにくくなっています。
預金利子や不動産賃料、有価証券の配当や売却益など海外資産から生じたフローの所得を把握することが課題でした。

新制度では現行と同様に計5,000万円超の海外資産を持つ居住者を対象に、新たに資産の取引実態が分かる入出金記録や帳簿の保管を求めます。

保管は義務化しないようですが、税務調査で提出を求められた際に示せなければ国税当局の厳しい調査を受けることになるようです。
申告漏れを指摘された際に提出すれば追加課税の納税額が下がりますが、示せなければ納税額が高くなります。
取引の情報を透明化するため保管を強く迫る制度です。

国税庁はこれまで、ストックの情報を示した調書をもとに、税逃れの実態を調査して追徴課税した例があります。
日本に在住する韓国大手銀行の株主が配当や譲渡益を日本で申告していなかったため、大阪国税局から計15億円の申告漏れを指摘された事例などがあります。

国外財産調書の制度がうまくいっていない(提出していない方が大勢いると推測されます。)ので、色々な方法で捕捉しようとしてきますね。
任意なので、どれほどの方が保管するのかよく分かりませんが。

海外資産の税逃れ防止のために取引記録を保管要請!することについて、どう思われましたか?


チュートリアルの徳井さんの申告漏れ問題につき吉本興業が改めて経緯説明!

 

 吉本興業は、先日、お笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実さん(44)が税務申告漏れ問題で活動自粛を発表したことを受け、公式サイトで問題の経緯に関する報告を掲載しました。
申告漏れや未納問題に加え、徳井さん個人および徳井さんが2009年に設立した会社「チューリップ」が、設立当初から社会保険に未加入のままであったことも明らかになりました。

 前日までに同様の経緯説明を掲載(現在は削除)しましたが、この日改めて発表したかたちです。
 「徳井本人は過去の税務申告状況を正確に記憶しておりませんでしたので、その後確定申告資料及び税理士からの説明等を整理し新たに判明した事実につきましても追加して報告させていただきます」として、以下のとおり説明しました。

1.チューリップ社の法人税申告状況について
 チューリップ社は2009年に設立されました。決算期は3月です。
 まず、2010年3月期乃至2012年3月期分についてですが、各年の申告期限内に申告をしておらず、税務署からの指摘を受け、3年分を併せて2012年6月25日に申告しておりました。
 また、2013年3月期乃至2015年3月期分についても、各年の申告期限内に申告をしておらず、同様に税務署からの指摘を受け、3年分を併せて2015年7月23日に申告しておりました。
 以上のうち2013年3月期乃至2015年3月期分の3年分については上記のとおり申告自体は時期を後れてでも完了させましたが、その納付については、再三にわたる税務署からの督促にもかかわらず、手続き怠慢により納付をしておらず、その結果2016年5月ころ銀行預金を差し押さえられるに至りました。以上の経緯については会見では触れられておりませんでした。
 このような度重なる申告漏れ及び未納があったこともあり、チューリップ社は2018年9月頃に国税局の税務調査を受け、2016年3月期乃至2018年3月期の3年分については無申告であるため申告するように指摘を受けました。
 また同時に、2012年3月期乃至2015年3月期の税務申告において経費として計上していた旅費、衣服代等の一部が否認されるに至りました。なお、否認された経費の具体的な内容についてですが、チューリップ社としては税務調査に至った非を認め、修正申告の内容は国税局の指導に全面的に従ったものであったため、その否認された経費詳細については把握していないと税理士から伺っております。
 チューリップ社は、以上の申告漏れ及び否認を受け、2018年11月から12月にかけて税務署からの指導に従い、2016年3月期乃至2018年3月期の3年分については確定申告書の提出を行い、2012年3月期乃至2015年3月期の4年分については修正申告書の提出を行い、法人税の追徴課税として約3700万円を納付いたしました。この金額には、否認された経費約2000万円に対する重加算税が約180万円、申告漏れ金額約1億1800万円に対する無申告加算税約510万円が含まれております。
 なお、2019年3月期については期間内に申告を完了しております。以上がチューリップ社の申告状況です。

2.徳井個人の所得税申告状況について
 続いて徳井本人の個人事業主としての所得税申告状況については以下のとおりです。
 まず、2012年乃至2014年の3年分について無申告であるため申告するように指摘され、2015年7月23日に3年分の申告をいたしました。
 また、2015年乃至2017年の3年分についても同様に無申告であるため申告するように指摘を受け、税務署の指導に従い2018年11月頃に申告いたしました。
 2018年分については期限内に申告を済ましております。

3.その他
 チューリップ社及び徳井個人の社会保険料の納付状況ですが、2009年の法人設立時に社会保険の加入手続きをしていない状況が続いておりました。速やかに加入手続きをいたします。
 当社としては、徳井が速やかに保険の手続きを実施し、社会的責任を果たすまで必要な手続きをフォローしてまいります。
 また当社はこれまでコンプライアンス研修を実施してまいりましたが、今後は税務に関する正しい知識・情報についても研修内容とした上で、徳井のみならず所属タレント全員に対する納税意識の啓蒙を続け、また各種手続きについてもサポートをしてまいる所存です。

報道が法人のことばかりでしたが、先日のBLOGで、徳井さん個人の所得税の確定申告もしていないのはないか?と書きましたが、結局、税務調査に入られたことで慌てて過去3年分したということですね。
吉本興業の文書には消費税のことが書かれていませんが、消費税も法人税と同様なんでしょうね。
税理士のコメントを見ても、税務調査にもおそらく立ち会ってはいないですね。
顧問料や税務調査の立ち会いの費用などもケチっていたんでしょうね。
個人的には、税理士が立ち会っていれば、全面的に受け入れるということはないかと思いますが…。
国の仕事を引き受けたりしていますし、レピュテーションリスクにもつながりますので、吉本興業は、雇用契約ではないにしろ、きちんと所属タレントに納税等の教育等を行わないといけないですね。

チュートリアルの徳井さんの申告漏れ問題につき吉本興業が改めて経緯説明したことについて、どう思われましたか?


法人税1億2,000万円を脱税した不動産会社元社長を逮捕!

 

 投資用マンションのコンサルティングやセミナーなどを手がける東京の不動産会社の元社長が、架空の損失を計上するなどの手口で4億円余りの所得を隠し、法人税1億2,000万円を脱税したとして、東京地検特捜部に逮捕されました。

逮捕されたのは、東京 港区の不動産会社の元社長(39)です。

東京地検特捜部などによりますと、元社長はおととしまでの3年間に架空の損失を計上するなどの手口で、会社の所得4億円余りを隠し、およそ1億2,000万円を脱税したとして、法人税法違反の疑いが持たれています。

民間の信用調査会社によりますと、元社長は平成23年に会社を起業し、不動産売買のほか個人の顧客を対象に投資用マンションのコンサルティングやセミナーを手がけて業績を伸ばしていました。

しかしながら、スルガ銀行で投資用不動産の不正融資の問題が明らかになったことなどを受けて業績は悪化し、現在は不動産関連の業務を停止しています。

特捜部と東京国税局は、捜索で押収した資料などを分析し、資金の流れについて実態解明を進めるものとみられます。

架空の損失を計上しているようなので、かなり悪質ですね。
徳井さんは無申告を繰り返していたものの逮捕されず、今回のような架空の損失の計上は逮捕されるというのは、改めて、無申告とのバランスがおかしいように感じますね。
個人的には、意図的な無申告の方が罪が重くなるように改正して欲しいと思います。
もちろん、本当に無知で無申告だったというケースもあるとは思いますので、無申告の中でも、判断が難しいとは思いますが、意図的が意図的でないかなどで類型を分け、意図的なものについては、重加算税より支払額が多くなるようにして欲しいなぁと思います。
あとは、きちんと申告しているところに税務調査に入り、取るものがないので印紙を狙うといったことをするよりは、無申告案件の調査に時間を割いて欲しいと思いますね。

法人税1億2,000万円を脱税した不動産会社元社長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


「チュートリアル」の徳井義実さんの会社が約1億2,000万円の申告漏れ!

 

 お笑いコンビ 「チュートリアル」の徳井義実(44)さんが設立した会社が、東京国税局から2018年までの7年間で約1億2,000万円の所得隠しと申告漏れを指摘されていたことがわかり、大阪市中央区の吉本興業本社で謝罪会見を行いました。

徳井さんは、所属する吉本興業から支払われるテレビやラジオの出演料などを本人が個人として設立した「株式会社チューリップ」を通して受け取っていましたが、2012年から2015年までの4年間で個人的な旅行や洋服代、アクセサリー代などを会社の経費として計上していました。

東京国税局はこれを経費として認めず、約2,000万円の所得隠しを指摘しました。
また、2016年から2018年までの3年間は収入を全く申告しておらず、徳井さんに対し約1億円の申告漏れを指摘しました。
重加算税等を含めた追徴税額は、合わせて約3,400万円にのぼるとみられます。
徳井さんはすでに納税と修正申告を済ませています。

現在の所得税の税率は最高45%である一方、法人税の税率は約半分の23.2%であることからタレントやスポーツ選手らは個人事業主として受け取った出演料などを確定申告するより、自分の会社の収入にして会社から給与として受け取った方が税制上のメリットがあるといわれています。

今回のケースでは会社から法人税の申告はされておらず、一部を個人の旅行代金などに経費として計上していたことや、指摘された1億2,000万円の所得隠しと無申告は実に7年間に渡っていて、国民の義務を果たさず、納税を軽視した事案といえるでしょう。

徳井さんの申告漏れについて、税理士の高橋創氏は、重加算税が課税されたことを理由に「国税庁は悪質とみている」と指摘しています。
高橋税理士は「重加算税は税金で一番重い罰金で、追徴税額の3~4割。悪質でなければ5~10%程度の過少申告加算税などになる」。
特に2016~2018年の所得隠しを含むとみられる約1億円の申告漏れを重視し「12~15年は申告しているので申告義務を分かっていたことになる。不満なら修正申告せず争うこともできた」と述べました。
徳井さんが申告を怠った理由については「面倒になったのでは」と推察しています。
高橋氏は、徳井さんが逮捕などに至らなかった理由については、約3,400万円の追徴税額をあげました。
「1億円を超えたら逮捕という目安がある」。
また「チューリップ」の利益について、3年間で約1億円の未申告があったことから「年平均3,000万円ほどの利益があったと推察される」としました。
ただし、徳井さんの収入額については、チューリップから徳井さんに払われている給与の額で変動するとしました。

レイ法律事務所の松下真由美弁護士も、「国税局は重い事案と見ている」と指摘しています。
新たな申告漏れが発覚したり、今後繰り返した場合「罰金刑もあるので懲役とはいかないまでも逮捕の可能性がある」と指摘しました。

そもそも無申告は論外ですね。
会見の一部をニュースで見ましたが、こういう問題があると、『税理士にすべて任せていた。』的なことを言う方が多い中で、税理士からは申告するよう言われていたとか、税理士の責任にしていなかったところとか、すべて自分が悪いようなことをおっしゃっていた点は、ホッとしました。
個人的には、顧問契約ではなく年1(決算・申告のみ)だったんだろうなぁとか?とか、おそらくチューリップから徳井さん個人に支払っている役員報酬は2,000万円を超えていると推測されるので徳井さんは所得税の確定申告はしていたのだろうか?とか、そもそも芸能人個人の収入をすべて法人に入れても特に指摘はなかったのだろうか?などと思いました。
おそらくほかにも同じような方はおられるのではないかと思われますが、見せしめにはなるでしょうね。

「チュートリアル」の徳井義実さんの会社が約1億2,000万円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


生産者への上乗せ支払いが「経費」かどうかを巡り青果卸が国税局と対立!

 

 名古屋市中央卸売市場北部市場(愛知県豊山町)にある青果卸売会社「セントライ青果」が名古屋国税局の税務調査を受け、2018年3月期までの4年間で法人税など約12億5千万円の申告漏れを指摘されたことが分かったようです。

過少申告加算税など追徴税額は約6億4千万円です。
セントライ青果は処分を不服とし、課税の取り消しを求めて名古屋国税不服審判所へ審査請求するようです。

セントライ青果によると、国税局が申告漏れを指摘したのは、量販店など小売りの意向を受けた仲卸会社との取引で、生産者団体の希望価格を下回った場合、差額分を上乗せして団体側に支払う「集荷対策費」です。
セントライ青果は経費として処理していましたが、国税局は、生産者団体側への寄付金に当たると判断し、経費計上を認めなかったそうです。

セントライ青果の会長(66)は取材に対し、「30年以上前から続く長年の商習慣で、青果を安定供給する上で必要な経費。なくすことは難しい」と話しているようです。

民間信用調査会社によると、セントライ青果の2018年3月期の売り上げは約288億円です。

仕入量を確保するためのものと思われ、長年の商慣習とのことですので、争うと国税局に勝ち目があるのかなぁと思います。
しかしながら、よく考えると、本来は仲卸会社が負担すべきものをセントライ青果が負担しているのではないかとも思いますので、どうなるか注目したいですね。

生産者への上乗せ支払いが「経費」かどうかを巡り青果卸が国税局と対立していることについて、どう思われましたか?


フェイスブック日本法人が5億円の申告漏れ!

 

 アメリカのフェイスブック(FB)の日本法人が東京国税局の税務調査を受け、2017年12月期までの2年間に約5億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者の話で分かったようです。
日本法人の利益を低税率国のアイルランドに移転していたと判断されたとみられます。

法人税の追徴税額は過少申告加算税などを含めて、1億数千万円程度とみられます。
日本法人は修正申告に応じたもようです。

GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)に代表される巨大IT企業を巡っては、世界中で利益を生み出し、その利益を低税率国に集める租税回避への批判が根強いものとなっています。
ヨーロッパを中心に課税強化の動きが活発になっています。

関係者によると、申告漏れを指摘されたのはFBの日本法人「フェイスブックジャパン」(東京・港)です。
日本国内の広告料は広告主や広告会社が契約したFBアイルランド法人に支払われており、日本法人はアイルランド法人の業務を支援した対価として、経費に数%が上乗せされた報酬を受け取っていました。

東京国税局は税務調査で、日本法人の報酬は広告料に連動させるべきだと指摘し、申告漏れにあたると判断したとみられます。
日本の法人実効税率は約3割なのに対し、アイルランドは12.5%と低税率国として知られています。

フェイスブックジャパンは取材に対し、「本監査に関しては、日本の税法に準じ税務監査が行われ、現在日本では未解決の討議はございません」とコメントしているようです。

フェイスブックにとっては、1億数千万円はちっぽけな金額なんでしょうね。
個人的には、GAFAなんかは1国で対応するのではなく、関係する国すべてが足並みをそろえてやっていかないと、なかなか税金を取るのは難しいのではないかと思います。
今回の、東京国税局の指摘も、あまり説得力がないように思います。
フェイスブックは、ちっぽけな金額で争うのは、ほかの指摘事項も出てきても面倒なので得策ではないと判断したのでしょうか?
あと、個人的には、『税務調査』ではなく『税務監査』という表現が気にはなりました。

フェイスブック日本法人が5億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


タックスヘイブン税制適用で東京の医師に対して1億円の申告漏れを指摘!

 

 再生医療を手掛ける「表参道ヘレネクリニック」(東京)の院長が、東京国税局の税務調査を受け、2017年までの5年間で約1億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
追徴税額は過少申告加算税などを含め約5,000万円です。

関係者によると、院長はクリニックを経営する一方、医療機器のレンタル会社をシンガポールに設立し、給与や株の配当を受け取っています。

国税局は会社に実体がないとして、法人税率の低い国に所得を移して節税するのを防ぐ「タックスヘイブン対策税制」を適用し、会社の所得の一部は院長の個人所得に当たると判断したとされます。
また、院長は給与や株の配当を日本で税務申告していなかったとみられます。

院長は2016~2018年、雇用している医師2人の給与計約5千万円について所得税の源泉徴収をしていなかったことも指摘されました。
追徴税額は重加算税を含む約2,500万円です。

関係者によると、院長は2人に指示してタックスヘイブンの英領バージン諸島にペーパーカンパニーを設立させた上で、この会社に広告宣伝費を支出していましたが、国税局は実質的に2人への給与に当たると判断したもようです。

信用調査会社やクリニックのウェブサイトによると、クリニックは2013年に創業し、患者から採取した細胞を培養して体内に戻し、美容や動脈硬化、関節の負傷などに活用する再生医療を実施しています。

詳細は分かりませんが、こういうやり方をすれば節税できると指南している方がいるんでしょうね。
そうなると、おそらく、この院長以外にも同じようなことをやられている方がおられるのではないかと思います。
見せしめみたいな案件なんでしょうね。
安易に目先の節税だけを考えるのではなく、税務リスクやレピュテーションリスクなども考えて節税の対策を考えないといけないですね。
そのためには、メリットだけではなく、きちんとデメリットも説明できる専門家をつけないといけないでしょうね。
結局、何のためにやったのだろう?ということになりかねませんから。

タックスヘイブン税制適用で東京の医師に対して1億円の申告漏れを指摘したことについて、どう思われましたか?


ソフトクリーム大手日世が10億円の申告漏れ!

 

 ソフトクリーム総合メーカー大手の「日世(にっせい)」(本社・大阪府茨木市)を大阪国税局が税務調査し、2017年までの約3年間で約10億円の申告漏れを指摘したことがわかったようです。
日世が製造マニュアルなどを提供している中国の子会社の所得が、実質的に日世の所得に当たると認定したそうです。
過少申告加算税などを含む追徴税額は約2億円で、すでに全額納付しています。

関係者によると、日世は中国の菓子製造の子会社に対して製造マニュアルなどを提供していましたが、対価を受け取っていなかったようです。
子会社は製造した商品を中国国内の別の子会社を通して顧客に販売しており、日世に技術提供の対価を払っていない分、利益率が高くなっていると国税局は判断しました。
子会社の売り上げの一部が実質的に日世の売り上げに当たるとし、国内で計上するべき所得を海外に移していたと認定しました。

国内の会社が海外の関連会社との取引を通じて利益を海外に移し、国内での法人税の支払いを減らすことを防ぐ「移転価格税制」に基づく措置です。
日世は「子会社の中国でのビジネス力が大きく、現地でコストもかかっていることから、移転価格に当たらないとの認識だった。見解の相違があったが、指摘に従い、修正申告した」としています。

日世は1947年に商社として創業。戦後、米軍が持ち込んだソフトクリームを、1951年に日本で初めて大阪・梅田の喫茶パーラーで販売しました。
ソフトクリームに関連するコーンやフリーザーなどの機器も製造する総合メーカーで、国内トップシェアを誇っています。
ちなみに、2018年の売り上げは約371億円です。

全国の法人の海外取引での申告漏れは年々増加しています。
2017事務年度(7月~翌6月)は4,500件(約3,670億円)で、2013事務年度の3,379件(約1,783億円)から金額が倍増しました。
このうち移転価格税制での申告漏れの指摘は、2017事務年度で178件(約435億円)でした。

無償でノウハウを海外に提供するというのは厳しいでしょうね。
すごく技術力があってお店に合ったものを提供できる素晴らしい企業というのをテレビで見たことがあるので、逆に、非常に残念に思います。
今後は、きちんと移転価格税制の対策をして、海外企業と戦って勝って、海外でのシェアを伸ばしていって欲しいですね。

ソフトクリーム大手日世が10億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


ニセコの土地取引を巡り30億円の申告漏れ!

 
 

 北海道・ニセコ地区の不動産取引をめぐり、国内外の不動産会社や外国人投資家らが、札幌国税局から総額約30億円の申告漏れを指摘されたことがわかったようです。
別荘用地の売買で利益を得たのに税務申告していない事例などへの指摘が約10件相次いだそうです。
追徴課税は計6億数千万円で、いずれも期限後申告や納税を済ませたとみられます。

良く知られた話だと思いますが、北海道・ニセコ地区はパウダースノーが楽しめるスキーリゾート地として世界的に注目され、地価が高騰しています。
十数年前から豪州やアジア各国の外国資本による土地取引も活発化しています。
日本に住んでいない人や外国会社は基本的に日本の所得税や法人税がかかりませんが、日本の不動産を取引して得た利益などには課税されます。

関係者によると、札幌と東京の両国税局は、各国の会社の登記や不動産業者からの情報、インターネット情報などから取引に関わった会社を特定し、香港やサモア、イギリス領バージン諸島などの5社に約15億円の法人税の申告漏れを指摘しました。

また、2007年に香港に登記された投資会社は、倶知安(くっちゃん)町内の10ヘクタール超の土地を2017年にシンガポールの会社に転売しています。
売却額は購入価格とほぼ同額の約3億円でしたが、同時に、投資会社の株主だった香港の2人が投資会社の株式も土地の売却先に売って利益を得ていました。
札幌国税局は、株式の売却益は実質的に土地売却益を付け替えたものと認定し、所得税約12億円の申告漏れを指摘し、約2億円を追徴した模様です。

このほか国内外の数社に源泉徴収漏れを指摘しています。
外国会社が持つ日本の不動産を、国内業者(日本に支店などがある外国会社を含む)が購入した場合、支払代金の約10%を源泉徴収しなければならないのに、未徴収だったようです。

林野庁によると、外資によるとみられる森林買収事例は2006~2018年に223件(計2,076ヘクタール)。うち北海道は178件(1,577ヘクタール)と約8割を占めています。

土地を所有する会社の株式のみが売買されると、登記上の所有者が変わらないため、把握が難しいとされます。
国税幹部は「観光地や水源地などの不動産を取引する外国資本の動きの把握は、全国的な課題になってくるだろう」と話しているようです。

ちなみに、ニセコ地区とは、北海道倶知安町、ニセコ町とその周辺の山岳丘陵地域を指し、主峰はニセコアンヌプリ(標高1,308メートル)です。
世界有数の豪雪地帯で、スキー場や温泉がたくさんあります。
アイヌ語で「切り立った崖」の意味だそうです。

国税局も頑張っていますね。
こういった指摘をどんどんしていって欲しいですね。
取引を捕捉できる仕組みを色々と考えていかないといけないですね。
国税局としては効率的なんでしょうが、兵庫県芦屋市六麓荘町なんかもそうですが、最近、特定のエリアを狙い打っていますね。
中小企業から取るよりは、こういったところからきちんと取ってほしいと思いますね。

ニセコの土地取引を巡り30億円の申告漏れを指摘されていることについて、どう思われましたか?


我が香川県立の2病院で所得税の源泉徴収が不足!

 

 香川県立の2つの病院が医師や看護師などの所得税の源泉徴収が不足していたことが税務署の調査で分かったようです。
2019年2月の税務調査で指摘を受けたのは、香川県立中央病院と白鳥病院です。

中央病院では、年末調整で住宅ローンの借り換えを行った職員の調整計算ができていなかったり、所得が38万円を超える家族を特定扶養控除の対象にしていなかったりしました。

白鳥病院では、宿日直手当の一部を非課税にしていましたが、救急医療機関では救急対応を想定した宿日直は通常勤務にあたり、全額課税になることを担当者が認識していませんでした。

時効を迎えていない過去5年間で、源泉徴収が不足していたのは合わせて125人分の約915万円です。
香川県(うどん県)は、不納付加算税と延滞税を合わせた1,017万円あまりを7月29日までに納付しました。

香川県(うどん県)の病院課では、再発防止策として職員を対象に説明会を開いて源泉徴収制度の周知徹底を図るとともに、税理士事務所と顧問契約を結んで税務に対する相談体制を強化するとしています。

香川県も税務調査があるのですね。
源泉所得税や消費税が対象になるのでしょうが、これだけの規模でも、顧問税理士をつけていなかったんですね。
個人的には、どれくらいの人数でどれくらいの期間税務調査を行ったのだろうか?、不納付加算税と延滞税は誰が負担するのだろうか?、どういう方が顧問税理士になるのだろうか?ということにすごく興味があります。

我が香川県立の2病院で所得税の源泉徴収が不足していたことについて、どう思われましたか?


サンリオが28億円の申告漏れ処分の取り消しを求め提訴!

 

 以前、このブログでも書きましたが、キャラクター商品などを手がけるサンリオは、香港の子会社からの所得をめぐって東京国税局から受けたおよそ28億円の申告漏れの処分について、取り消しを求める訴えを起こしました。

サンリオは2017年、キャラクターの商品化ビジネスなどを行う香港の2つの子会社からの所得をめぐって、東京国税局からおよそ28億円の申告漏れを指摘され、追徴課税およそ11億円を支払いました。

これについて、サンリオは、先日、国を相手取って処分の取り消しを求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

サンリオによりますと、今回の処分では、香港の子会社の事業が税率が低い国や地域での課税逃れを防ぐための「タックスヘイブン対策税制」の対象になるかどうかをめぐって国税当局との間で見解の違いがあるということです。

サンリオは、「香港の子会社に租税回避の意図はなく、今後、裁判において正当性を主張していきます」としています。

サンリオは、2018年、東京国税局に再調査の請求をしたものの棄却され、その後、東京国税不服審判所に審査請求を行っていました。

国税局の処分が納得できないのであれば、どんどん争ってほしいですね。
こういう訴訟が増えることにより、安易に処分するのではなく、処分するのであれば、納税者がきちんと納得や理解できる理由を示したうえで行うようになってほしいなぁと思います。

サンリオが28億円の申告漏れ処分の取り消しを求め提訴したことについて、どう思われましたか?


職務怠った税務署の管理職を札幌国税局が処分!

 

 札幌国税局は、先日、所得税や法人税などの滞納者19件に対する財産調査を怠り、うち1件では必要な財産差し押さえ手続きもしなかったとして、北海道内税務署に勤務する管理職の40代男性を減給10分の1(1か月)の懲戒処分にしたと発表しました。
男性は「滞納者の処理数を増やし、実績を上げたかった」と説明しており、同日付で辞職しました。

札幌国税局によると、男性は2018年7月までの1年間、滞納者19件の預貯金や固定資産などの調査を十分行っていないにもかかわらず「財産はない」などと偽った書類を作成し、滞納者に納税させるための手続きを怠っていました。
19件の内訳は、法人7社、個人12人で、滞納額は計4千万円でした。

男性の転勤後、後任者が気づいて発覚しました。
札幌国税局の調査では、19件のうち18件は実際に財産がなかったようですが、1件の個人は財産があり、滞納額約280万円を納税させる手続きを進めています。

札幌国税局は、「国民の信頼を損なう遺憾なものと受け止めている。深くおわびし、未然防止を徹底したい」としています。

回収額や回収率ではなく、処理者で実績を評価しているんですかね。
そうだとすると、評価の仕方を変えないと、同様のことが起こるような気はしますし、他にもやっている職員がいるのではないかと思ってしまいます。
毎年何人か不祥事を起こす国税庁の職員がいますが、教育に時間をかけて、国民の信頼を失うようなことはやめて欲しいですね。
税務調査などで国税局と戦っている経営者の方々や税理士としては、こういった職員がいる組織は、まともに相手にして良いのかという疑問が生じますよね。
あとは、こういった職員が退職して、税理士として開業しないようにして欲しいですね。

職務怠った税務署の管理職を札幌国税局が処分したことについて、どう思われましたか?


ソフトバンクグループが過去最高額である4,200億円の申告漏れ!

 

 ソフトバンクグループ(SBG、東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、約4,200億円の申告漏れを指摘されたことがわかったようです。
2016年に約3兆円で買収した大手半導体会社の株をめぐって巨額の損失を計上しましたが、東京国税局は損失額の一部を認めなかった模様です。
すでに修正申告したそうです。

数千億円規模の申告漏れは、極めて異例です。
日本IBMが約10年前に約4千億円の申告漏れを指摘(後に最高裁決定で課税取り消し)された例がありますが、今回はそれを上回り過去最高額とみられます。
ただし、修正申告後も損失が上回っていたため、追徴課税はなかったようです。

SBGは2016年9月に、イギリスのアームを240億ポンド(約3兆3千億円)で買収しました。
SBGや関係者によると、SBGは2018年に、2017年5月に設立した10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)にアーム株の一部を現物出資した際、取得価格と時価評価額の差にあたる約1兆4千億円の損失を計上したそうです。

しかしながら、東京国税局は、SBGがSVFに相当額を出資していることなどから、損失額の約30%について計上を認めず、約4,200億円の申告漏れを指摘した模様です。

SBGは取材に対し、「損金算入の時期で見解の相違があり修正申告した。約4千億円は2019年3月期の損金に算入される。所得隠しのような脱税に関わるものではない」としています。

SBGは、孫正義会長兼社長の率いるグループの持ち株会社です。
2019年5月にはSVFの第2弾のファンドの立ち上げ方針を発表するなど、投資事業に力を入れています。

国税OBでKPMG税理士法人の角田伸広パートナーは「巨額の損失を計上して翌期以降にも繰り越せば、将来にわたって税負担が減ることになる」と指摘しています。
「行き過ぎた租税回避ととられれば、会社の社会的評価や信用を落とす。申告前の事前照会制度を活用するなど、適正な税務申告に努めるべきだ」と話しています。

なお、今回の税務調査でSBGは追徴税額がなかったため、過少申告加算税や重加算税は課されていません。

期ズレの話だと言え、4,200億円って桁違いの金額ですね。
ソフトバンクグループにとっては、損失の計上が1年遅くなる、つまり、税務上の繰越欠損金を使える期間が1年長くなるので、良い方向の修正申告なんでしょうね。
ただし、今回のソフトバンクグループに限りませんが、組織再編やM&Aによって巨額の損失を出し、節税をしている企業があるように思えてならないので、厳しい姿勢で対応して欲しいなぁと思いますね。

ソフトバンクグループが過去最高額である4,200億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


仮想通貨販売会社が9億円の所得隠し!

 

 独自の仮想通貨販売を手掛けていた「エクラドクール」(那覇市)が東京国税局などの税務調査を受けて2017年5月期までの2年間で約9億円の所得隠しを指摘されていたことが、先日、関係者の話で分かったようです。
アメリカからの仕入れが架空だったと判断されたもようです。
重加算税を含む追徴税額は約3億円とみられます。

関係者によると、エクラドクールはアメリカの「ネオシード」が発行する「サークルコイン」と呼ばれる仮想通貨を販売していますが、仕入れ代金として約9億円を経費に計上していました。

東京国税局と沖縄国税事務所の調査で、ネオシードはエクラドクールの代表を務める男性の知人らが設立していたことが判明しました。
サークルコインは、東京都内のシステム開発会社が発行していました。

東京国税局と沖縄国税事務所はネオシードに実体がなく、仕入れ代金は架空経費になると判断したとみられます。

企業などが独自の仮想通貨を発行して資金を集める手法は「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)」と呼ばれます。
投資家は発行企業が提供するサービスや、交換所への「上場」による値上がり益を期待して購入しています。
金融庁の研究会は、2018年、ICOについて「詐欺的な事案が多いという指摘がある」との報告書を公表しています。

『暗号資産』に名称が変わる『仮想通貨』ですが、問題が色々と出てきますね。
法整備をきちんとして、業界全体で早く信頼して取引できるようにしていかないと、将来はないでしょうね。

仮想通貨販売会社が9億円の所得隠しをしていたことについて、どう思われましたか?


「ココイチ」創業者の資産管理会社が20億円の申告ミス!

 カレーチェーン「CoCo壱番屋」の創業者である宗次徳二氏(70)が取締役を務める同氏の資産管理会社「ベストライフ」(名古屋市)が2018年、名古屋国税局の税務調査を受け、約20億円の申告の誤りを指摘されたことが分かったようです。
2016年に所有するバイオリンの名器「ストラディバリウス」「グァルネリ」など、本来は減価償却できない楽器を経費として処理したと指摘されたそうです。

過少申告加算税を含む追徴税額は約5億円で、ベストライフ社は修正申告し、全額を納付しました。
宗次氏は取材に対し、「知識不足による税務処理のミスだった」と説明しました。

宗次氏は、1978年、愛知県内でカレーの1号店をオープンし、一代で全国有数のチェーンに育てました。
2002年に引退後は音楽の普及に力を入れ、私財で名古屋・栄に「宗次ホール」を建設しました。
現在、ストラディバリウスのバイオリンやチェロ計6丁を含む約30丁の楽器を国内外の有望な音楽家に無償で貸与しています。

宗次氏の説明や関係者によると、これらの宗次氏が所有していた楽器は2016年までに、同氏らがお金を貸して、資産管理会社が購入しました。
管理会社は同年、楽器の資産価値の目減り分を耐用年数に応じて計上する減価償却費として経費に計上して処理しました。

これに対し、国税局は、業務に使う一般の楽器は減価償却が認められていますが、宗次氏の楽器の中には制作から何百年も過ぎたものもあり、希少価値がある骨とうなどの美術品と同じで、年数が経っても価値が下がらないと指摘しました。
いずれの楽器も減価償却の資産にならないとして、約20億円の申告の誤りを指摘しました。

これらの楽器は「宗次コレクション」と呼ばれ、高額なストラディバリウスのバイオリンは1丁10数億円。値段が低いものでも約2千万円するそうです。

また、宗次氏と妻は2015年と2017年、資産管理会社が楽器を購入するために貸し付けていた、約10億円の債権を放棄しました。
それにより、管理会社の資産価値の上昇に伴って株価も上がり、国税局は会社の株主だった宗次氏と妻を含む親族7人が利益を得た実質的贈与とみなし、約7億円の申告漏れを指摘しました。
過少申告加算税などを含む追徴税額は約4億円で、全員がすでに納税したそうです。

ベストライフは、宗次氏の資産管理のほか、コンサートホールの経営や音楽活動を企画しています。
民間の情報会社によると2018年6月期の売上高は約4億7千万円です。

<ストラディバリウス>
17~18世紀のイタリアで、名匠アントニオ・ストラディバリが制作したバイオリンやチェロなどの弦楽器で、世界最高のブランドとされ、深みのある音色が魅力です。
現在は世界に600丁ほど残っているとされています。
高嶋ちさ子さんや諏訪内晶子さん、五嶋龍さんや神尾真由子さんら著名な音楽家が演奏しています。

<減価償却>
事業などに使用される建物や機械、車などの資産は、時間がたつとその価値が減っていきます。
これらの資産を減価償却資産といい、その目減り分が経費として計上できます。
土地や時間がたっても価値が減らない希少な美術品などは、減価償却資産にはあたりません。
美術品は、希少価値がなくても1点100万円以上であれば原則、減価償却できません。

単なる税理士のミスだと思っていたのですが、いわゆる『みなし贈与』も指摘されているんですね。
減価償却の方も、価値が下がらないものは償却できないことは当たり前のことだと思いますが、顧問税理士はどう判断したんでしょうね。

「ココイチ」創業者の資産管理会社が20億円の申告ミスをしたことについて、どう思われましたか?


銀座の高級クラブのママが報酬2億8千万円を隠して脱税容疑!

 

 ホステスとしての報酬を隠し、約6,700万円を脱税したとして、派遣会社(東京都港区)と社長(38)、税務申告に関与した税理士(47)が、東京国税局から法人税法違反容疑で千葉地検に告発されていたことがわかったようです。

関係者によると、社長はクラブのホステスとして自分自身を派遣する形で店側からの報酬を派遣会社で受け取る一方、納税額が少なくなるよう税理士に依頼しました。
売り上げの一部を除外して派遣会社を赤字に見せかけるなどし、2012年から2017年に約2億8,600万円の所得を隠し、脱税した疑いがあります。

社長は源氏名で銀座の高級会員制クラブの雇われママを務め、隠した収入の多くを預金していたようです。
取材に対し、代理人を通じて「当局の指導に従い、修正申告と納税を完了した。今後は適正な税務申告に努める」とコメントしたようです。

税理士は税理士試験に合格後、2004年に税理士登録しています。
旧姓でしたが、査察調査後に改姓したようです。
文書で取材を申し込んだそうですが、回答はなかったようです。
所属する千葉県税理士会の担当者は、「特にトラブルなどは聞いていない」と話しているようです。

もちろん、脱税はいけないことだと思いますが、依頼されて、脱税に加担する税理士は、税理士となるべきではないと思います。
脱税ほう助は税理士がやってはいけないことは、税理士は当然知っていると思いますので、こういった税理士がいることに、個人的には驚きです。
改姓しているのも、いやらしい感じがしますね。

銀座の高級クラブのママが報酬2億8千万円を隠して脱税容疑で告発されたことについて、どう思われましたか?


USJホテル用地を巡る脱税容疑で不動産会社元幹部を告発!

 

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)のオフィシャルホテルの用地取引で得た仲介料などを隠し、約1億8,400万円を脱税したとして、日鉄興和不動産(東京)の元営業開発室長(59)が、東京国税局から法人税法違反容疑で東京地検に告発されたことがわかったようです。

 告発されたのは、元室長と、元室長が社長を務める会社(東京都港区)です。
2017年12月期までの2年間に約7億5,200万円の所得を隠し、脱税した疑いがあるようです。

関係者によると、USJの南隣に建設中の「リーベルホテル アット ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(760室、2019年11月開業予定)の用地約3万平方メートルを、2016年8月に埼玉県の会社が約100億円で特定目的会社から購入しましたが、元室長は買い手側の窓口となった日鉄興和不動産の交渉を担当する一方、売り手側の仲介役の不動産会社に自身が社長を務める会社を関与させ、不動産会社から仲介手数料などを得ていたそうです。

東京国税局は2018年12月に強制調査(査察)に着手し、仲介料の一部を小切手で受け取って売り上げから除外していたほか、架空の外注費を計上するなどして、所得を少なく見せかけたと判断したようです。

日鉄興和不動産は取材に対し、「個人的な脱税行為に関する容疑と承知している。副業禁止の社内規定に違反していたため厳正に対処し、今年1月に依願退職した」と説明しています。
元室長は取材に回答しなかったようです。

基本的には、個人のモラルの問題だと思いますが、内部統制が機能していなかったということですね。
この手の話は、考えそうな方が世の中にはたくさんいるような気はしますが。
USJもこういうことで名前が出るのは迷惑でしょうね。
取引先も選ばないといけないですね。

USJホテル用地を巡る脱税容疑で不動産会社元幹部が告発されたことについて、どう思われましたか?


6,800万円の脱税容疑で弁理士会元副会長を告発!

 

 香港のペーパーカンパニーに業務を委託したように偽装し、所得税約6,800万円を脱税したとして、日本弁理士会元副会長の弁理士(59)が、東京国税局から所得税法違反容疑で東京地検に告発されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

元副会長の弁理士は、取材に対し、「国税局の指摘を厳粛に受け止めて修正申告に応じ、今後は法にのっとって粛々と対応していく。関係者に多大なご迷惑を掛け、大変申し訳なく思う」と文書でコメントしたようです。

関係者によると、元副会長の弁理士は香港に設立したペーパーカンパニーに翻訳業務を委託したように見せ掛け、個人所得を圧縮し、2017年までの3年間で約1億5,100万円の所得を隠し、所得税6,800万円を免れた疑いが持たれています。

元副会長の弁理士は、虚偽の請求書を作成し、香港に開設した口座に決済資金を振り込みました。
国内の現金自動預払機(ATM)から繰り返し現金を引き出し、知人への資金援助に充てたとみられます。
国税局が2018年11月に強制調査(査察)したようです。

元副会長の弁理士は1987年に弁理士試験に合格し、1992年に東京都新宿区に、現在の国際特許事務所の前身事務所を開設し、大手メーカーなどから特許関連業務を受注し、約50人のスタッフを雇用していたそうです。
2005年から1年間、日本弁理士会の副会長を務め、大学で非常勤講師をしたこともあったようです。

このような方は、士業業界の信頼、ひいては、士業の信頼を失うので、本当にやめて欲しいですね。
あとは、こういった方が役職に就くのは、勘弁してほしいです。
海外の取引だとバレないとでも思っていたのでしょうか?
それほど世の中甘くありません。

6,800万円の脱税容疑で弁理士会元副会長が告発されたことについて、どう思われましたか?


除染業者の役員報酬が「過大」だとして30億円の申告漏れ!

 

 東京電力福島第1原発事故に伴う除染を下請け受注した福島県いわき市の業者が仙台国税局から、2016年12月期までの3年間の役員報酬が過大だとして、約30億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

 業者は土木工事会社で、民間信用調査会社によると、事故後の2012年1月に設立し、2019年4月月10日に避難指示が一部解除された福島県大熊町で、大手ゼネコン「清水建設」の下請けとして除染を手掛けていました。

業績は拡大し、売上高は2012年の約19億円から、2015年には約111億円、2016年は約105億円に達しました。
大半を清水建設から受注していましたが、2018年4月以降は同社との取引関係は解消しているようです。

関係者によると、土木工事会社で2016年12月期までの3年間に支払われた役員報酬は約76億円で、うち申告漏れにあたるのは約30億円で、代表取締役会長の報酬だったようです。

過少申告加算税などを含む追徴税額は約8億円ですが、土木工事会社は処分を不服とし、仙台国税不服審判所に審査請求しているそうです。

環境省によると、福島県大熊町での2017年度までの国直轄除染事業の契約金額は、総額500億円超で、すべて清水建設が単独か共同企業体(JV)で受注しています。

土木工事会社は取材に対し「担当者がおらず、コメントできない」としているようです。

下請けでこれだけの役員報酬が支払えるということは、そもそも国の契約額が高すぎるということだと思いますが、心理的な問題はともかく、それと税務上役員報酬が高いかどうかは直接は関係ない話です。
これだけの役員報酬を出せるほどの利益を出している会社であれば、仕事を獲得する営業力などは高いのでしょうから、それほど高額ではないのではないかと思ってしまいますが、国税局の避妊の理由を詳しく知りたいですね。
ネットで検索すると、この土木会社は、プロ野球の監督(当時)に会長がフランクミューラーとロレックスの腕時計を送ったいう話や、このブログでも書きましたが、清水建設の執行役員の実家の雪下ろしをしたり、安倍総理の出身派閥のパーティー券を大量に買ったりして、過去にも話題になっているようですね。

除染作業は当然必要だと思いますが、下請け企業がこれだけ稼いでいるので、清水建設も稼いでいると推測されますが、国が食い物にされているのではないかという疑問は生じますね。

除染業者の役員報酬が「過大」だとして30億円の申告漏れをしてきされていることについて、どう思われましたか?


大ヒット劇場版「Fate」の人気アニメ会社に脱税疑惑で東京国税局がガサ入れ!

 

 アニメ制作会社「ユーフォーテーブル有限会社(以下、ユーフォーテーブル)」に脱税疑惑が持ち上がり、3月12日、東京国税局による“ガサ入れ調査”が行われたことが「週刊文春デジタル」の取材でわかったようです。

ユーフォーテーブルは、アニメ制作プロデューサー(代表取締役社長)が2000年に立ち上げたアニメ制作会社です。
2017年にヒットしたアニメ「活撃 刀剣乱舞」、自衛隊が“萌え系”を採用したとして有名になったアニメタッチの自衛官募集ポスター制作など話題作を手掛けているそうです。

「ユーフォーテーブルの代表作と言えば、やはりゲームの世界をアニメ化した『Fate』シリーズでしょう。劇場版『Fate』シリーズでは、2017年に公開された第1章が観客動員数で98万人を超え、興行収入は15億円を達成。現在、公開中の第2章は前作を超え、観客動員数100万人を突破する大ヒットになっています」(アニメ業界関係者)とのことです。

同社はアニメ関連グッズの販売などを手掛けていますが、在庫数や販売数の管理は杜撰で、いくつかの店舗では、売り上げた現金を会社の銀行口座に入金するのではなく、社長自らが現金の束を回収するという悪質な所得隠しとも考えられる会計処理をしていたようです。

元国税調査官の税理士が解説しています。
「仮に売り上げが30億円で、半分の15億円の所得を隠していた場合、追徴課税は加算税や延滞税、そして消費税なども含めると同額超になる可能性もあるでしょう。今後1年くらいかけて調査が続けられると思いますが、起訴、逮捕の可能性も十分に考えられます」

週刊文春デジタルは、東京国税局に取材を申し込んだようですが、「個別の案件には答えられません」と回答だったようです。
しかしながら、関係者によれば、社長は当局に対して容疑を認めているようです。
ユーフォーテーブルに事実確認を求めると、「●●の意向が会社の意向ですので、社長に直接聞いて下さい」と答えたようで、社長にも電話と手紙で取材を申し込んだようですが、期日までに返答はなかったそうです。

最近では、横領などを防いだり、回収のコスト削減などのため、極力現金で回収せず、振込などにしていく方向にあると思いますが、現金の束で回収するというのはあまりにも古典的なような気はします。
支払う方も、現金を引き出して会社に戻ってくるまでのコストやリスクを考えると、現金での支払いは嫌だと思うのですが、そういうことが今もなおまかり通る業界なのでしょうか?

大ヒット劇場版「Fate」の人気アニメ会社に脱税疑惑で東京国税局がガサ入れに入ったことについて、どう思われましたか?


1億3,000万円の脱税容疑で千葉県の不動産会社を告発!

 

 架空経費を計上して土地の売却益を隠し、約13,000万円を脱税したとして、千葉県流山市の不動産会社と社長(64)が、東京国税局から法人税法違反容疑で千葉地検に告発されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、社長は霊園開発をしようと茨城県守谷市の土地を購入しましたが、近隣の反対で計画が中止になり、同業他社に2016年に転売しました。
その際の法人所得約52,200万円を隠して、約13,000万円を脱税した疑いがあります。

社長は約24,000平方メートルの土地を約12億円で売却しており、仕入れとの差額で約7億円の利益があったとみられます。
知人の会社など十数社に虚偽の領収書を作成させて、土地の造成など架空の業務委託費を計上するなどしていたようです。

国税局は20185月に強制調査(査察)を行い、脱税で得た資金は貸金庫や社長名義の口座などに残されていたほか、遊興費にも充てたとみられます。

社長は取材に対し、「近隣対策で裏金を作るために架空経費を計上したが脱税額が膨らんでしまった。修正申告して納税しており、脱税しなければ良かったと本当に反省している」と話しているようです。

またもや安易な架空経費の計上ですね。
近隣対策費は交際費となって損金算入できない部分があるため、こういったことをしているのでしょうが、見直しが必要な気はしますね。
近隣対策費は建設を進めていくうえで必要なものもあるでしょうから、要件を明確に定めたうえで、損金算入を認めるようにしてほしいですね。

13,000万円の脱税容疑で千葉県の不動産会社が告発されたことについて、どう思われましたか?


光学製品設計会社が1億6千万円脱税の疑いで東京地検から告発!

 約16,300万円を脱税したとして、光学製品の設計などを手がける会社(東京都豊島区)と社長(62)が、東京国税局から法人税法違反と所得税法違反の疑いで東京地検に告発されたことがわかったようです。

関係者によると、光学製品設計会社はカメラレンズのアイリス(絞り)部品を中国企業に加工委託するなどして利益を上げているようですが、取引先の香港企業にうその請求書を送らせ、経費を水増しして利益を圧縮していました。
20169月期までの4年間に約36,600万円の所得を隠し、法人税約9,500万円を脱税した疑いがあります。
また、源泉所得税約6,800万円の納付も免れたとされています。

隠した資金は、社長個人の不動産購入や預金などに充てていたようです。
社長は、「国税当局の指導に従い修正申告し全額納税した。深く反省している」と文書で回答したようです。

最近、すごく架空経費の計上による脱税が目につきますが、安易にやりすぎのように思います。
社長個人が自らやっているのか、このような方法を指南している方がいらっしゃるのかよく分かりませんが、こういう報道をどんどんして、脱税はダメということを経営者の方々にはきちんと認識してほしいですね。
脱税ではなく、合法的な節税の方法はたくさんあるでしょうから。

光学製品設計会社が16千万円脱税の疑いで東京地検から告発されたことについて、どう思われましたか?


新幹線好調の金沢の経営者ら100人が12億円の申告漏れ!

 

 金沢市内の飲食店の経営者ら約100人が、金沢国税局から総額約12億円の申告漏れを指摘されたことが、関係者への取材でわかったようです。
20153月の北陸新幹線の金沢開業後に客足が伸びて利益が膨らむ中、売り上げを実際よりも少なく見せかけて申告した店が目立ったそうです。

関係者によると、金沢国税局は2017年春ごろから、JR金沢駅周辺や市中心部の繁華街の店舗を相次いで調査しました。
すし店や割烹(かっぽう)料理店、居酒屋などの個人経営者ら約100人に、所得税や消費税の申告漏れを指摘しました。
売り上げのうち現金分の一部を除外していた例が多かったようです。
申告漏れの総額約12億円のうち約4億円については、帳簿の仮装や隠ぺい行為があったなどとして重加算税の対象にしたとみられます。

北陸新幹線の金沢開業から来月で4年になります。
金沢市内の宿泊者数や外国人観光客数は増え、飲食業や観光業を中心に地元経済は好調です。
石川県内の路線価の最高地点はJR金沢駅前にあり、6年連続で上昇しています。
金沢駅の乗車客数は2017年度に22,895人(前年度比1%増)と高止まりしており、富山県内の新幹線3駅の合計(11,067人)の2倍を超えています。

好況下の業種や特定地域への大規模な税務調査はこれまでもあったようです。
太陽光発電関連の約200社が総額約70億円の申告漏れを指摘されたことが2018年に判明しています。
「式年遷宮」でにぎわった伊勢神宮(三重県伊勢市)周辺の飲食店など約30業者が計約28千万円の申告漏れを指摘された事例や、兵庫県芦屋市の資産家ら50人以上が総額30億円超の申告漏れを指摘された事例などがあります。

先日の芦屋市の件もそうですが、一網打尽という感じですね。
現金を抜くことによる売上の除外は、金額の算出も難しいと思いますので、どうやって算出しているのか、その色々な方法について興味がありますし、それを考えると実際にはもっとたくさんの売上除外があると推測されますので、それほど新幹線の駅ができるということはスゴイ効果があるんですね。
我が四国にも新幹線を走らせようとしていますが、こういうのを見ると、経済効果がとてもあるので、走らせることに意義があるのかもしれませんね(乗客は高松を通過しそうな気はしますが、)。

新幹線好調の金沢の経営者ら100人が12億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


「青汁王子」を脱税容疑で逮捕!

 

 架空の広告宣伝費を計上するなどして計約1億8千万円を脱税したとして、東京地検特捜部は、先日、インターネットで青汁を販売する健康食品販売会社(東京都渋谷区)の社長(29)を法人税法違反などの疑いで逮捕したと発表しました。
関係者によると、青汁王子は「広告宣伝費は正当な支払いだった」と容疑を否認しているそうです。

特捜部は、健康食品販売会社役員(34)と健康食品販売会社経理責任者(49)の2人も同ほう助容疑で逮捕しました。

発表によると、青汁王子は2015年9月期と2017年9月期の各年度で、架空の広告宣伝費を計上するなどして所得を隠し、法人税約1億4千万円を免れたほか、消費税約4千万円を免れた疑いがあります。
役員と経理責任者は、架空の広告宣伝費を加藤容疑者の会社名義の口座に入金させた疑いがあるようです。

健康食品販売会社社長は「青汁王子」として民放のニュース番組などに出演し、2018年8月、自身のツイッターで国税局から連絡を受けたことを明かしたうえで、「20億円は税金を納めている。全部記録済み」「数十億円納税して、この仕打ちはやってられない」などと投稿していたようです。

信用調査会社によると、健康食品販売会社は2007年に設立され、2017年9月期の売上高は約120億円で、前年比6.5倍でした。
青汁などの健康食品や化粧品の販売で急成長しているそうです。

報道等によると、『税金で半分以上持っていかれる』ようなことを言っていたり、高級ブランドの商品をたくさん買ったようなことをSNSで投稿していたようですが、本当のお金持ちはそういったことはしないでしょうね。
ハングリー精神はすごくあって良いかと思いますが、経営者として、根本的なところが?という感じですね。

「青汁王子」が脱税容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


脱税30億円を摘発した国税は芦屋の超富裕層たちの何に目をつけたのか?

 

 このブログでも先日書きましたが、ほんの一握りの「真の富豪」しか住めない高級住宅地に、国税が目をつけています。
一度に多くの住人が脱税を指摘される「異常事態」は、いったいなぜ起きたのでしょうか?
週刊現代が、住民たちの動揺と国税の思惑をレポートしています。

<異例の大規模調査>
兵庫県芦屋市の六麓荘町は、日本屈指の高級住宅地として知られる街です。
かつては、光世証券創業者で「北浜の風雲児」と呼ばれた巽悟朗氏や、ダイエー創業者の中内功氏などが住んだことで知られ、現在も小林製薬の小林一雅会長や日本管財の福田武会長、UCCの上島一族など、日本の財界のトップたちが居を構えています。
まさに桁違いの「超富裕層」ばかりが静かに暮らすこの街に、世間の注目がにわかに集まったのは、2018年11月22日のことです。
朝日新聞朝刊に掲載されたある記事がきっかけでした。
〈「芦屋の資産家ら 申告漏れ30億円 大阪国税局指摘 富裕層への監視強化」
全国有数の高級住宅街があることで知られる兵庫県芦屋市の資産家らに対して大阪国税局が税務調査に乗り出し、昨年7月からの約1年間で、そのうち少なくとも50人以上が総額30億円超の申告漏れを指摘されたことがわかった〉
「総額30億円」という金額の大きさもさることながら、それ以上に驚きをもって受け止められたのが、申告漏れを指摘された人数の多さです。
「『少なくとも50人以上』ということは、問題にならなかった世帯を含めれば、数百人をしらみ潰しに調べたということでしょう。
ものすごい手間と時間がかかっています。
ひとつの地域を対象に、これだけの規模の調査を行うのは極めて異例のことです」(全国紙経済部記者)
最新の2015年の国勢調査によれば、六麓荘町の人口は650人で、単純に計算すれば人口の10%近くが申告漏れを指摘されたので、住人たちの心中は穏やかではないでしょう。
六麓荘町は六甲山のふもとに位置し、大阪湾と阪神間の都市を一望できる抜群のロケーションです。
街中には電柱や信号、マンションやコンビニなど、普通の街なら当たり前に目にするものが一切存在しません。
これは、かつて「東洋一の住宅地」とも称された景観を守るため、町内会に厳しい建築ルールが存在しているためです。
一例をあげれば、建物の敷地面積は400㎡以上に制限され、それ以下の面積へ分筆することは固く禁じられています。
したがって、六麓荘町のメインストリート沿いには、いかにも歴史的価値の高そうな日本家屋に、中世ヨーロッパの古城を思わせる洋館など、豪邸ばかりが立ち並んでいます。
道を行き交う車は、最高クラスのベンツやBMW、アウディなど高級車ばかりです。
これだけでも、六麓荘町が独特な空気に包まれたところであることがわかるでしょう。

<お宅もですか>
周囲とは隔絶された空間だけに、今回の「脱税騒ぎ」で世の中の注目を集めたことは、住人たちの間でも大きな話題になったようです。
両親の代からこの地に住む70代の女性が言っています。
「この辺の住民は徒歩で移動する習慣がないので、ご近所付き合いというのはあまりないんです。でも、国税の調査の件は、以前からかなりの噂になっていました。
一時期は顔をあわせると、きまって『うちにも税務署が来たんです』『ええ、お宅もですか』という話になりました。来なかった家のほうが少ないんじゃないでしょうか。
なかには、家じゅうの美術品を『これは誰の名義か』と根掘り葉掘り聞かれたお宅もあったそうで、『いまさら所有者なんて言われても、代々、家に飾ってあるんだからわからない』と困っている様子でした」
実際に、六麓荘町に住む顧客が申告漏れを指摘されたという税理士に話を聞いています。
「1年半前くらいかな。『先生のお客さんのAさんの資産状況についてお伺いしたい』と、芦屋税務署から問い合わせがきた。
その方は、3年ほど前に夫を亡くして巨額の遺産を相続した。芦屋署はウチに問い合わせてきた時点で、具体的な不動産や株の配当益など、こと細かに調べていました。
こちらとしては、申告には何ら問題がないと思っていたので資料も提供したのですが、税務署からはかなり細かく聞かれましたね。
お客さんは『先生にすべて任してますのに。申告の時、何も問題ないって言うてたのに』と不満げな様子でした。でも、税務署は巧みに『見解の違う点』を見つけてくる。
お客さんも立場のある人ですから、脱税などと言われるのを嫌がってすぐに修正申告に応じました。細かいことは言えませんが、指摘された金額は数千万円程度です」
今回、住民たちが指摘された内容は、ほとんどが為替差益や相続財産の申告漏れといったケースです。
新興の成金ならいざ知らず、六麓荘町に住むのは代々莫大な資産を受け継いできた超大金持ちたちゆえ、「カネのことは税理士に一任」という家が多く、「意図的に脱税した」という意識は薄いでしょう。
前出の女性住人も「なぜ、このタイミングで目をつけられたのか」と首をかしげています。
「どこの家も代々お抱えの顧問税理士に処理をお願いしているところばかりですから。全部お任せして同じようにやってきて、何の問題も起きなかった。皆さんが不安に思うのも、もっともです」

<25人の精鋭調査官>
そもそも、芦屋税務署の陣容は全部で100人ちょっとで、管内に83の税務署と9,000人の職員を抱える大阪国税局の規模からすれば、極めて平均的な人数配置であり、特に重点的にチェックされている地域ではありませんでした。
住民の税に対する意識も、どこかおっとりとしたものだったに違いありません。
しかしながら、時代は変わっています。
元東京国税局職員の税理士が言っています。
「7~8年前からでしょうか。国税庁は富裕層への課税強化のための調査研究を一気に進めています。
たとえば、名古屋国税局管内の昭和税務署では、対富裕層のスペシャリストである『国際担当統括国税調査官』を配置し、富裕層の資産運用の実態を調査する手法を蓄積してきました。
そのノウハウをどんどん広げるかたちで、東京や大阪にも、次々と『調査チーム』ができています。
また、総資産3億円以上等の条件にあてはまる人に提出が義務付けられる『財産債務調書制度』や、やはり5000万円超の国外資産の保有で義務付けられる『国外財産調書制度』など、富裕層の課税逃れに目を光らせるためのシステムが次々と整備されてきています。
今までよりも、かなり緻密に資産状況を把握できる土壌が生まれているのです」
六麓荘町で行われた調査も、まさに元東京国税局職員の税理士の言う「調査チーム」によるものでした。
このチーム、正式名称を「重点管理富裕層プロジェクトチーム」といいます。
「基準は一切公開されていませんが、ある一定以上の資産を持つ富裕層を網羅的にピックアップし、国際課税に精通する実査官を中心に、複数の部署の担当者らが協力して『逃税』行為に眼を光らせています」(前出・全国紙経済部記者)
国税局に設置されたチームの成績が相当良かったのでしょう。
2017年には全国の国税局・国税事務所すべてにプロジェクトチームが拡大され、さらには、関東、近畿の富裕層が住む地域の税務署にも置かれることになりました。
その中に、芦屋税務署が含まれていたのです。
芦屋税務署は、阪神芦屋駅から歩いて3分ほどの場所にあります。
駅周辺には、スーパーやマンションが並び、自転車やミニバンがひっきりなしに行き交います。
同じ芦屋市内といっても、六麓荘町とはだいぶ趣が異なります。
税務署の建物は3階建てで、オフホワイトの外壁はところどころひび割れているようです。
1階に総合案内があり、2階には主に法人課税、3階に個人課税を担当する部署が置かれており、この3階の一番奥に、「特別国税調査官」たちが陣取っています。

<摘発ラッシュが起きる!>
前出の元東京国税局職員の税理士は、六麓荘町のように、富裕層が密集している地域は「集中調査」の格好のターゲットになると指摘しています。
「集中調査には、国税局でも税務署レベルでも、年間計画みたいなものがあります。
富裕層のもとには、証券会社や銀行、プライベートバンクの営業マンなど、いろいろな金融商品の営業が入ってくる。
たとえば、『このエリアの富裕層はみんな同じ手を使っている』という情報が入手できれば、芋づる式に一網打尽にすることも可能で、成績に繋がりやすいのです」
つまり、国税庁肝いりの「プロジェクトチーム」の実績づくりに六麓荘町の住民たちが一役買う形になったわけですが、元国税調査官の税理士は、国税がこの町の摘発に注力したもうひとつの「狙い」を指摘しています。
「ここまで具体的な金額が出てくれば、心当たりのある全国の富裕層たちも『いい加減な申告はできないな』と感じたはずです。
それに、度重なる増税で不満を感じている一般所得層に対しては、『こうして富裕層からもしっかり取っていますよ』という姿を見せて、納税意識を高めることもできる。国税からすれば一石二鳥のキャンペーンです」
富裕層への徹底課税は、世間へのアピールにも最適というわけです。
そして、今回のような大規模調査が、今後は全国の高級住宅地で行われる可能性が高いと考えられます。
「結局、あちこちに高級住宅街が分散している東京に比べ、関西エリアは芦屋近辺に富裕層が密集しているから調査がしやすく、早く結果が出たのでしょう。
様々な制度が整い、各国の税務当局との情報共有も簡単になっていますから、今後は海外財産までガラス張りになる。全国各地で、富裕層の摘発が増えていくと思います」と元仙台国税局長で元明治大学教授の川田剛氏は延べています。

全国の富豪たちを、「摘発ラッシュ」が待ち受けているでしょうね。
個人的には、大学生時代と当時の公認会計士第2次試験合格までの約5年半、芦屋市に住んでいたので、この件は、非常に興味深いですね。
このあとは、おそらく東京だと思いますが、こういうことによって、芦屋市から引っ越して、六麓荘が今と違った姿になったり、東京や海外への移住が増えないようにしてほしいですね。

脱税30億円を摘発した国税は芦屋の超富裕層たちの何に目をつけたのか?について、どう思われましたか?


税務署署員が税務調査で財布を盗み逮捕!

 

 2018年12月に税務調査で訪問した和歌山県みなべ町の農業男性(78)宅から約2,500円が入った財布を盗んだとして、和歌山県警御坊署は、先日、窃盗の疑いで、御坊税務署に勤務していた元署員(26)を逮捕しました。

逮捕に先立ち、大阪国税局が、懲戒免職処分にしました。

大阪国税局によると、2018年7月から財務事務官として御坊税務署に勤務し、主に納税者宅を訪問し、所得税に関する調査をしていたようです。
2018年9月~12月に、税務署内で上司や同僚から金銭の窃取を繰り返しており、被害は計数万円でした。
「金に困っていた」と話しているようです。

こういう署員が税務調査をしているなんて、信じられないですね。
毎年のように不祥事を起こす人がいると思いますので、まずは、国税庁や税務署内の教育に励んでほしいですね。
そうしないと、税務調査に来て、何か指摘しても、聞く気にならないですよね。

税務署署員が税務調査で財布を盗み逮捕されたことについて、どう思われましたか?


1億円の脱税の疑いで静岡の製麺会社を告発!

 

 役員を務める親族への給与にかかる源泉所得税約1億円を脱税したとして、名古屋国税局が製麺会社(静岡市駿河区)と社長(76)を所得税法違反の疑いで静岡地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

社長は取材に対し、「指摘された税額はすでに納付した」と話しているようです。

関係者によると、製麺会社は、2014年から2016年に親族の役員約10人に総額5億4千万円の給与を支給しています。
扶養控除等申告書を提出していないにもかかわらず、提出した場合に適用される低い税額で源泉徴収し、約1億円を脱税した疑いが持たれています。
名古屋国税局が2017年6月に強制調査をしていました。

信用調査会社や製麺会社によると、製麺会社は1988年に設立され、コンビニエンスストア向けにラーメンやそばなどの麺類を生産しています。
2018年8月期の売上高は53億円でした。

乙欄なのに甲欄として脱税を指摘されるケースがあるんですね。
勉強になりました。
年末調整のときには、気を付けないといけないですね。

1億円の脱税の疑いで静岡の製麺会社が告発されたことについて、どう思われましたか?


自動車会社長がフェラーリを売って1億円の所得隠し!

 

 高級外車「フェラーリ」の売却益を隠し、約2,700万円を脱税したとして、自動車用品販売会社(埼玉県伊奈町)と社長(53)が、関東信越国税局からさいたま地検に法人税法違反容疑で告発されたことがわかったようです。

関係者によると、自動車用品販売会社社長は2015年2月期と2017年2月期に、社有車のフェラーリ2台を売却して多額の利益を得ましたが、実際より安い取引価格を記したうその売買契約書を作成するなどして約1億1,300万円の所得を隠し、脱税した疑いがあるようです。

隠した資金は現金で保管したほか、一部は遊興費などに充てていたとされます。

信用調査会社によると、自動車用品販売会社は大手チェーン「イエローハット」の店舗をフランチャイズで運営し、2018年2月期の売上高は7億円です。
自動車用品販売会社は、取材に対し、回答しなかったようです。

生産台数の少ない限定モデルの外車は愛好家や富裕層に人気があり、数億円の価格で取引されることもあるようです。
関係者によると、一昨年から各地の国税局が、フェラーリなどの高級車の取引に関連した個人・法人計約20件の税務調査を実施し、自動車販売会社や都内の歯科医師らが売却益を申告しなかったり、架空の手数料を計上して利益を圧縮したりしたとして、総額20億円超の申告漏れや所得隠しを指摘されたそうです。

フェラーリって売却するとそんなに利益が出るんだ!と思いましたが、うその売買契約書を作成していたところからするとかなり悪質ですね。
最近、安易な脱税が多いような気がしますが、それほど甘くはないということを認識してほしいですね。
僕はイエローハットの株主なのですが、こういったことがあると、ブランドのイメージを傷つけ、フランチャイザーや他のフランチャイジーやフランチャイザーの株主にも多かれ少なかれ迷惑をかけるということも承知したうえで、フランチャイジーになってほしいですね。

自動車会社長がフェラーリを売って1億円の所得隠しをしていたことについて、どう思われましたか?


グーグルの日本法人が35億円の申告漏れ!

 

 アメリカのグーグルの日本法人がシンガポール法人との取引を巡り、東京国税局から2015年12月期に約35億円の申告漏れを指摘されていたことが関係者の話でわかったようです。

グーグルの日本法人は、事実上、日本で広告事業を担いながら、広告料などは税率の低いシンガポールの法人に支払われ、日本法人はそこから経費に8%が上乗せされた金額を報酬として受け取っていたようです。

東京国税局は、日本法人の利益が低く抑えられ、実質的にシンガポールに移されていたと判断しました。

申告漏れを指摘されたのは、グーグルの日本法人「グーグル合同会社」(東京都港区)で、追徴税額は、過少申告加算税などを含め約10億円とみられます。
グーグル合同会社は、修正申告に応じ、2016年12月期分についても、国税側の指摘に沿って自主的に法人所得約60億円を上乗せして申告したようです。

最近、世界的にアップルやグーグルなどに対して風当たりが厳しくなっていますので、今後は日本でもこのような案件が増えていくんでしょうね。
35億円というのは直感的には少ないような気もしますが、ネットの世界ではなかなか難しい面もあるのでしょうが、国税局にも頑張ってほしいですね。

グーグルの日本法人が35億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


工業用製品・建設用資材販売会社が5億円の所得隠し!

 

 工業用製品・建設用資材販売会社(名古屋市中区)が名古屋国税局の税務調査を受け、20179月期までの7年間で約5億円の所得隠しを指摘されていたことが、複数の関係者への取材で分かったようです。
意図的な所得隠しがあったなどと認定され、追徴税額は重加算税を含めて約2億円とみられます。

関係者によると、工業用製品・建設用資材販売会社は、いったん帳簿に計上した売り上げの一部を決算期末に一方的に減らしたり、在庫を本来よりも少なく計上したりして、利益を少なく見せかけた模様です。
また、取引先に対する支払いを水増ししていたことも所得隠しと判断されたとみられます。
工業用製品・建設用資材販売会社は、既に修正申告をした模様です。

工業用製品・建設用資材販売会社は取材に対し、「取材には応じられない」としているようです。

信用調査会社などによると、工業用製品・建設用資材販売会社は建設資材の販売などをしており、20179月期は、リニア中央新幹線の工事に関連する事業が業績に貢献し、売上高は約155億円だったそうです。

報道を見る限り、悪質なケースですね。
最近、このBLOGでしょっちゅう言っているような気はしますが、信頼できる顧問税理士をつけて、脱税ではなく、節税をしてほしいですね。
例えば、建設関係の会社の場合、重加算税を課されると10年間入札に参加できないようにするなどしないと、あまりにも安易に脱税をしているのではないかと思ってしまいます。

工業用製品・建設用資材販売会社が5億円の所得隠しを指摘されたことについて、どう思われましたか?


テレビにも登場している温泉旅館が9千万円の脱税容疑で告発!

 

 宿泊料の一部を売り上げから除外し、約9千万円を脱税したとして、温泉旅館(栃木県日光市)の運営会社が、関東信越国税局から法人税法違反と消費税法違反の疑いで宇都宮地検に告発されたことがわかったようです。

 告発されたのは、運営会社と社長(44)です。
関係者によると、運営会社は売り上げのうち宿泊客がクレジットカードや口座振り込みなどで支払った分を適正に計上する一方、現金分の一部を簿外にし、利益を圧縮していました。
2016年7月期までの3年間で法人所得約2億8,500万円を隠し、約6,900万円を脱税したほか、消費税約2,100万円も免れたとされます。
得た資金の多くは、社長が現金で保管していたようです。

ホームページなどによると、温泉旅館は客室数40室で、貸し切り露天風呂や古民家風の造りが特徴です。
旅行情報サイトや雑誌、テレビ番組などで紹介され、人気を集めているそうです。
社長は取材に対し、修正申告と納税を済ませたとし、「深く反省している。国税局の調査後は適正な申告をしている」とコメントしたそうです。

温泉旅館は部屋数がわかり、ネットや宿泊台帳などで稼働率もわかるでしょうから、現金売上を抜いてもバレるでしょうね。
脱税で宿泊料金が安くなっているのであれば、本末転倒でしょうね。
最近、安易に脱税をしている人が多いと感じますが、調査のレベルも基本的には年々上がるはずですから、そこまで甘くはないですよね。

テレビにも登場している温泉旅館が9千万円の脱税容疑で告発されたことについて、どう思われましたか?


所得税申告漏れは合計9,038億円!

 国税庁は、先日、2018年6月までの1年間(2017事務年度)に実施した所得税の税務調査の結果を発表しました。 全体の所得税の申告漏れ総額は9,038億円で2016事務年度に比べ1.7%増えました。 今回は仮想通貨取引で得た利益を適切に申告していなかった不正事案を初めて公表しました。

税務調査などは約62万件で、うち約38万件で申告漏れなどが見つかり、追徴税額は1196億円と2016事務年度比で7.6%増加しました。 国税庁が税務調査に積極的な富裕層については670億円の申告漏れを指摘し、追徴税額は177億円と2016事務年度比で4割増えました。

公表された仮想通貨取引をめぐる事案は、会社員男性が複数の仮想通貨交換会社に自分や妻名義の口座を開設しましたが、妻名義などの利益を申告しませんでした。 東京国税局は男性に約5千万円の申告漏れを指摘し、重加算税を含め約2,400万円を追徴課税しました。

ほかに、会社員男性が民泊による収入を申告せず約700万円を追徴課税された事例や、チケットの転売で多額の利益を得ていた男性が約4千万円を追徴課税された事例もありました。

仮想通貨は、推測するにかなりの方が申告していないのではないかと思われますので、そこは、徹底的に調査してほしいですね。 そうすることが、啓蒙活動につながるのではないかと思います。

所得税申告漏れは合計9,038億円だったことについて、どう思われましたか?


銀座の不動産王が丸源ビル脱税事件で実刑判決!

 

 このBLOGでも以前取り上げましたが、東京・銀座や福岡・小倉の繁華街で多数のテナントビルを展開した「丸源グループ」の脱税事件で、法人税法違反の罪に問われたグループ経営者(86)の判決が、先日、東京地裁でありました。

 前田巌裁判長は「強固な犯意に基づき、したい放題に売り上げや経費を操作した」と述べ、懲役4年、罰金24千万円(求刑・懲役5年、罰金3億円)を言い渡しました。

判決によると、経営者は社長を務めた不動産会社「東京商事」(清算)について、2009年~2011年の所得計約354,300万円を隠し、法人税計約106千万円を免れました。

弁護側は、東京商事が運用していた31物件の賃料収入は経営者個人に帰属するため、「法人税法違反ではなく、所得税法違反にあたる」などと争い、無罪を主張していました。 判決は、経営者と同社の間では、全ての収益を同社が受け取る契約が結ばれていたと指摘し、収入は同社に帰属すると認定しました。 判決はさらに、脱税の手口が売り上げの一部除外や架空の固定資産売却損の計上など、多岐にわたっていると指摘しました。 被告の年齢や修正申告したことを考慮しても「実刑は免れない」と結論づけました。

経営者は1963年ごろから貸しビル業を始めました。 一時は銀座、小倉や、静岡県熱海市、福岡市などで「丸源ビル」といった名前を付けた60ほどのビルを所有し、「銀座の不動産王」と呼ばれました。 2012年に東京国税局が強制調査(査察)に入り、2013年に東京地検特捜部が逮捕・起訴しました。 初公判は20136月に開かれましたが、弁護団が何度も代わり、主張や証拠の整理をし直す手続きに時間がかかっていました。

脱税によって、賃料が安くなっていたり、新たな不動産を取得していたとすると、複雑な気分になりますね。 また、課税当局は、なぜもっと早く気づかなかったのだろうかと思ってしまいますね。 その辺りは、国税OBを使ってうまくやっていたのかもしれませんが…。 指南した方がいるのであれば、誰が指南したかについて、知りたいですね。

銀座の不動産王が丸源ビル脱税事件で実刑判決を受けたことについて、どう思われましたか?


芦屋の資産家らが30億円超の申告漏れ!

 

 朝日新聞によると、全国有数の高級住宅街があることで知られる兵庫県芦屋市の資産家らに対して大阪国税局が税務調査に乗り出し、20177月からの約1年間で、そのうち少なくとも50人以上が総額30億円超の申告漏れを指摘されたことが分かったようです。 国税当局は全国で富裕層の税逃れへの監視を強めており、一つの地域での集中調査としては異例の規模だそうです。

関係者によると、申告漏れを指摘されたのは、特に多額の資産を持つ「超富裕層」が多いとされる芦屋市六麓荘(ろくろくそう)町などに住む一部の資産家や会社経営者らです。 外国通貨を円に換えるなどして得た為替差益(為替変動で得られる利益)や、相続財産の一部を申告していないケースが目立ち、仮装・隠蔽を伴う所得隠しも一部認定されたようです。 過少申告加算税などを含む追徴税額は、計10億円規模に上るとみられます。

国税庁は富裕層の税逃れへの監視を強化しようと、2014年に東京、大阪、名古屋の3国税局に「富裕層プロジェクトチーム(PT)」を設置しました。 富裕層や多国籍企業が税逃れに利用しているとされるタックスヘイブン(租税回避地)の実態を暴いた「パナマ文書」などが注目されるなか、2017年までに全国12か所の国税局・国税事務所すべてに拡大し、東京国税局管内は麻布や世田谷など、大阪国税局管内は芦屋や西宮(兵庫県)などの各税務署にもPTを置きました。 芦屋では20177月以降、約25人態勢で調査していたようです。

申告漏れはもちろんいけないことだと思いますが、特定のエリアの住民の方にターゲットを絞って調査するというのもどうかと思いますね。 このようなことが横行すると、ますます東京への一極集中、ひいては海外への移住などが進み、日本の将来にとってあまり良いことだと思いませんね。 よっぽど、想像以上に浸透していない『マイナンバー』の徹底的な利用の方が良いのではないかと個人的には思います。

芦屋の資産家らが30億円超の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


国税庁が日本人の海外口座情報55万件を入手したことを公表!

 

 先日、このブログでも情報として書きましたが、国税庁は、先日、世界各国の口座情報を自動的に交換し、資産を「ガラス張り」にできる新制度を使い、64か国・地域の金融機関にある日本人の口座情報55705件(速報値)を入手したと明らかにしました。 タックスヘイブン(租税回避地)の情報も含まれており、富裕層や企業の税逃れ対策に効果が期待されています。

活用されたのは、経済協力開発機構(OECD)が策定した「CRS」(共通報告基準)と呼ばれる制度です。 非居住者が自国に持つ金融機関の口座の残高や、利子や配当の受取額などの情報を各国(102か国・地域)の税務当局と自動的に交換することで、海外資産を透明化できるメリットがあります。

日本は9月に初めて情報交換しました。 口座残高や住所、納税者番号などの情報を得た一方、日本からは58か国・地域に89,672件(速報値)の口座情報を海外当局に提供しました。

国をまたぐ個人や法人の資金の動きを探る場合、国税庁はこれまでも租税条約に基づき海外の税務当局と情報を交換できましたが、人手がかかり数か月かかることもあったそうです。 国税庁幹部は、「CRSで海外資産の税逃れを速やかにチェックできる」としています。

タックスヘイブンでの節税実態を暴いたパナマ文書問題では、各国の税務当局がグローバル経済に対応できていない実態が浮き彫りになりました。 富裕層の税逃れを放置すれば、税制そのものへの信頼も揺らぎかねないため、国税庁幹部は「CRSの導入で海外資産の透明化が図れる。納税者のコンプライアンス(法令順守)意識も向上し、自主的な申告につながる」とCRSの効果に期待しているようです。

個人的には、海外財産は税務署に把握されないと思っている方がたくさんいらっしゃるでしょうから、このような制度ができることは素晴らしいことだと思います。 どんどん使って、実効性のあるものにして欲しいですね。 おそらく、今後、著名な方の名前がニュースに出るんでしょうね。

国税庁が日本人の海外口座情報55万件を入手したことを公表したことについて、どう思われましたか?


太陽光関連業者が相次ぐ申告漏れ!

 

 太陽光発電事業をめぐり、個人事業者を含め全国の約200社が税務調査で総額約70億円の申告漏れを指摘されたようです。 固定価格買い取り制度(FIT)に基づいて高値で発電分を売れる「売電権」を取引し、利益を得たブローカーもいたようです。

FITに基づく買い取り価格は、当初、事業用で1キロワット時あたり40円と国際的に見ても高値で、太陽光パネルなど設置費用の値下がりを待って建設に着手しない業者も多くなっています。 買い取り価格は年々下げられており、価格が高い時期に取得された発電事業の権利「売電権」は価値が高まりました。 売電権を取得したのに発電せず、権利だけを売って利益を得る業者や、その取引を持ちかける仲介業者の存在も指摘されていました。

関係者によると、こうした状況を背景に関東信越や広島、福岡などの各国税局が数年前から、太陽光発電の関連業者を集中的に税務調査しているようです。 太陽光パネルの設置や送電に適した郊外地域の建設業者や、再生可能エネルギーの大手事業者などを調べたところ、収入の一部を除外したり、架空の支払手数料を計上したりして所得を圧縮したケースが目立ったようです。 売電権の取引を仲介して得た利益を適切に申告していなかった事例もあったようです。 総額約70億円の申告漏れのうち、約40億円は意図的な所得隠しと認定されたそうです。

FITについては、事業者の利益が膨らみすぎるとして、国は制度見直しを決めています。 国は2013年度以降、買い取り価格を毎年のように下げ、2018年度は同18円、2022年度~2024年度に同8.5円にする方針です。

太陽光発電事業にからみ、全国で約200の法人・個人が国税当局から追徴課税を受けました。 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)を背景に高収益を見込んで様々な業者が殺到し、バブルの様相を呈した太陽光ビジネスですが、その陰で、申告漏れや所得隠しが相次いでいたようです。

中部地方の山中、広大なゴルフ場の跡地に太陽光パネルが並んでいます。 関係者によると、この施設を所有する会社に事業の権利「売電権」を売却した名古屋市のコンサルタント会社社長の男は、数億円の利益を上げたそうです。 男は20182月、売却などで得た所得を隠して法人税と消費税計約14千万円を脱税した疑いで地検に逮捕されました。

「世界のどこを見ても、事業者にとってこれほどおいしい制度はなかった」と、北関東や関西などで大規模太陽光発電所(メガソーラー)を展開する会社の幹部はこう話しています。 「もうけの勘の鋭い人は、制度が始まった当初に権利を取得し、転売して大きな利益をあげた」

FITに基づき発電分を電力会社に買い取らせる価格は現在、事業用で1キロワット時あたり18円ですが、制度が始まった2012年度は、再生エネルギーを普及させるため2倍以上の40円でした。 価格は20年固定のため、初期の権利の価値が高まっています。 一方、太陽光パネルの価格低下などで、発電システムの平均設置費用は2012年の1キロワット当たり426千円から2017年は同30万円へと約3割も下がりました。 高い買い取り価格の権利を持ち、施設建設を遅らせれば利益が膨らむ状況が生まれ、実際には稼働せずに「売電権」だけがひとり歩きし、高値で取引される事態となったのです。

2012年から始まった優遇税制も「バブル」に拍車をかけました。 事業用の太陽光発電の設置や購入にかかった費用の全額を、稼働させた最初の年度に損金(経費)にできる仕組みです。 損金は益金(収益)から差し引き、課税対象の所得が減ります。 合法的な節税策として、企業や富裕層が飛びつきました。

優遇税制はその後、要件が厳しくなったり、損金にできる額が縮小されたりしましたが、九州の太陽光発電事業者の幹部は、「土地取引でもうけた不動産業者や歯科医などが節税狙いで入ってきた」と話しています。

こうしたなか、国税当局は数年前から太陽光パネルメーカーやコンサルタント業者、建設会社などの関連業種も含め、全国的に調査の手を広げたようです。 仙台国税局は20185月、約13千万円の脱税容疑で秋田県の土木工事会社会長らを告発しています。 また、大阪国税局から告発を受けた京都地検も、約12千万円を脱税したとして京都市の不動産会社の実質経営者を法人税法違反などの罪で在宅起訴しています。

ある太陽光発電所設置会社の関係者は、取材に対し、「数億円で施設を建てれば、売電で月約500万円の収入が得られた。まともに申告すると税金が高すぎるので、架空の外注費を立てて見かけの所得を少なくした」と証言しているようです。

FITの制度設計に有識者としてかかわった日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の辰巳菊子常任顧問は、「FITが導入当初、事業者の性善説に立ったつくりで、参入時の事業計画の審査などが甘かったことは否めない」と話しています。 そのうえで、「良心的な業者が事業を進めにくくなったり、再生可能エネルギーそのものが下火になったりしないよう配慮しつつ、国は監視を強め、転売益狙いのブローカーなど悪質な業者を排除していくべきだ」としています。

入口(全額損金算入)のことしか考えていない会計事務所などが提案しているところもあるのでしょうが、節税に関しては、やるかどうか判断する時に、入口から出口まで考えないといけないと思います。 それをしないから、途中で利益が出過ぎると脱税に走ってしまっているのではないかと推測されます。 『節税』も、『純粋な節税』と『単なる課税の繰り延べ』があることを知っておかないといけないですね。 さらに、それぞれ『キャッシュアウトが伴うもの』と『キャッシュアウトが伴わないもの』とがあることも知っておきましょう。 『節税』ということばに、安易に飛びつかないようにしましょうね。

太陽光関連業者が相次ぐ申告漏れで指摘を受けていることについて、どう思われましたか?


6,700万円の脱税容疑で国税局がネットワーク会社を告発!

 

 ネットワークシステムの製作などを手がける会社(東京都渋谷区)が消費税と源泉所得税計約6,700万円を脱税したとして、東京国税局が同社と代表(61)を消費税法違反などの疑いで東京地検に告発したことがわかったようでず。

関係者によると、売り上げの一部を除外したり、従業員への給与を外注費に仮装したりして、2014年から2017年にかけて消費税約4,600万円を免れたほか、源泉所得税約2,100万円を納付しなかった疑いがあります。

同社は弁護士を通じて、「すでに修正申告した。深く反省している」とコメントしたようです。

売り上げの除外とか、給与の外注費への仮装などをしているところを見ると、それなりに税務の知識がある方なんでしょうね。 ただ、脱税方法としては稚拙な感じがしますので、そんなことを考えるのであれば、きちんとした節税をすればいいのにと思いますね。 決算が終わってから利益が出過ぎていたというのであれば、月次決算をきちんとしましょうということになると思います。 顧問税理士はいらっしゃったのでしょうか?

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6千万円の脱税で3不動産会社社長を在宅起訴!

 

 支払手数料を架空計上して法人税約6,600万円を不正に免れたとして、東京地検特捜部は、先日、不動産会社(東京都港区)の社長(38)を法人税法違反(脱税)罪で在宅起訴し、法人としての同社を起訴しました。

東京地検特捜部は、知人の会社社長ら3人についても、脱税を手助けしたとして法人税法違反のほう助罪で在宅起訴しました。

起訴状によると、社長は20179月期までの2年間に支払手数料を架空計上する方法などで法人所得約22,400万円を隠し、法人税約6,600万円を脱税したとされます。

これも、最近よく目にする架空経費を用いた脱税ですね。 脱税を手助けした知人も在宅起訴されているところを見ると、一部のところで、『架空経費を計上すれば税金が安くなる』といったことが広まり、安易にやってしまう方が増えているのかもしれませんね。 もちろん、脱税ですので、税務に知識のない方でも許される行為ではありませんので、儲かっている会社は、顧問税理士に相談して、脱税ではなく節税をして欲しいですね。 その方が、色々な意味で安くつくはずです。

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大阪や東京のビルメンテ会社3社が8千万円の脱税で大阪地検に告発!

 

 産経新聞によると、消費税や法人税総額約8,300万円を脱税したとして、大阪国税局は、先日、消費税法違反などの罪で、東京都台東区のビルメンテナンス会社など計3社と、同社の社長(46)ら計3人を大阪地検に告発しました。 追徴税額は重加算税を含め、約1億円の見通しだそうです。

3社は企業グループで、社長が実質的に運営していました。 ほかに告発されたのは、社長の妻で、グループの経理を担当する同社の社員(47)、元税理士事務所事務員(47)です。

関係者によると、20134月~201611月、パート従業員の給与などを、消費税の控除対象となる仕入れ費用に仮装して計上し、消費税と地方消費税計約6,600万円を脱税しました。  また、20134月~201611月、架空の仕入れ費を計上して所得を圧縮し、法人税と地方法人税計約1,700万円の課税を免れたとしています。

最近、架空経費などを計上して脱税する事件をよく目にしますが、元税理士事務所職員が関わっているというのが残念ですね。 元税理士事務所職員ならば、脱税を考えるのではなく、きちんとした節税を考えて欲しいものです。

大阪や東京のビルメンテ会社3社が8千万円の脱税で大阪地検に告発されたことについて、どう思われましたか?


片山さつき地方創生担当大臣に100万円の国税口利き疑惑!

 

 「週刊文春」によると、10月に発足した安倍改造内閣で、唯一の女性閣僚となった片山さつき地方創生担当大臣(59)に古巣の財務省に対する口利き疑惑が浮上しているようです。

2015年当時、私の会社に税務調査が入り、青色申告の承認が取り消されそうになっていました。何とかならないかと片山先生に相談したのは紛れもない事実です。そして片山事務所の秘書を通じ、私設秘書だった◉◉▲▲という男を紹介されました」と「週刊文春」取材班の再三の取材申し込みに、製造業を営むX氏が初めて重い口を開いたそうです。 「◉◉氏に『とにかく青色申告取り消しだけは困るんです』と話すと、『大丈夫ですから、安心してください』などと言われ、税務調査の対応をお任せすることにしたのです。そして157月、指定された口座に100万円を振り込みました。これで片山先生が働きかけてくれると信じていました」

「週刊文春」取材班は、X氏宛ての「書類送付状」を独自に入手しており、この書類では口利きの対価として、100万円の支払いを求めています。 日付は、〈150701〉で、差出人欄には〈議員名 参議院議員 片山さつき〉〈秘書名 秘書・税理士 ◉◉▲▲〉とあり、議員会館の住所が記載されています。 そして、書類の末尾には、こうあります。 〈着手金100万円を、至急下記にお願い申し上げます。ご確認後、国税に手配させて頂きます〉

片山事務所は、次のように回答したようです。 「事務所にご質問の会社が税務調査を受けているようだとの連絡があり、当時の秘書が片山に相談し、知り合いの税理士である◉◉を紹介しました。◉◉税理士に聞いたところ、税理士報酬をもらった旨を知りました。事務所の認識では、◉◉氏は155月に私設秘書を退職しています」

元特別国税調査官は疑問を呈しているようです。 「今回のケースをみると、税務署に承認取り消しといわれた段階で、簡単に『任せてください』と100万円を受け取るのは詐欺的です。税理士の仕事とは到底いえません」 X氏が語っています。 「私は税理士の◉◉氏に仕事を依頼したのではなく、片山事務所から彼を紹介されただけで、片山先生にお願いしたと認識しております。わざわざ100万円を払って◉◉氏に頼む理由がありません」 元東京地検検事の弁護士が指摘しています。 「疑惑の構図は、甘利明経済再生担当相(当時)のURをめぐる口利き疑惑に近く、あっせん利得処罰法違反の疑いがあります」

この記事に対して、片山さつき地方創生担当大臣は『事実誤認かつ不正確』と否定し、『名誉毀損で訴える準備を進めている』と述べたようですが、果たしてどうなるのでしょうか? そもそもこういったことを国会議員に頼むということ自体、世の中には頼めば何とかしてくれるかもしれないという認識があるということであり、その辺りを払拭することから政治家は始めないといけないような気がしますが、どうなのでしょうか? 別の大臣にも『口利き疑惑』が出ているようですが、政治家は何のために存在するのでしょうか?

片山さつき地方創生担当大臣に100万円の国税口利き疑惑があることについて、どう思われましたか?


歯科医や社長らの高級外車の売却益隠しが続出!

2018年10月31日(水)

フェラーリなど高級外車の売却益を巡り、約20の法人と個人が東京国税局や関東信越国税局などから相次いで所得隠しや申告漏れを指摘されていたことが、関係者の話で分かったようです。 所得隠しは、2017年までの数年間で計約8億円です。 申告漏れだけを指摘されたケースも含めると総額は25億円を超えます。 背景には、富裕層の納税意識の低さが浮かび上がります。

関係者によると、所得隠しや申告漏れを指摘された法人は、社有車を転売した東京都武蔵野市の化粧品販売会社のほか、中野区や川崎市の自動車販売会社など約10社です。 個人は目黒区の自動車輸出入会社の元社長や港区の歯科医、茨城県の呉服店社長など十数人に上ります。

こうした法人や個人は2017年までの数年間に、大田区や千葉県の車輸出入会社などにフェラーリやポルシェなどの高級外車を転売し、それぞれ数百万円から1億数千万円の売却益を得ていましたが、申告していませんでした。

高級外車は結構売却益が出るんですね。 このような報道をはじめ、納税意識を高める努力が税務署をはじめ取り組む必要があると思いますが、自動車販売会社にも、本人に所得が発生した場合は申告が必要となる旨を伝えたり、自動車の名義変更のデータを入手してチェックしたり、一定金額以上の売却については支払調書を提出するなどしないと、真面目に申告している人が損をするということになりかねないと思いますので、国税庁も何らかの対策を考えて欲しいですね。

歯科医や社長らの高級外車の売却益隠しが続出していることについて、どう思われましたか?


国税庁が日本人の資産隠し調査ため海外口座40万件の情報を入手!

 

 国際的な脱税や租税回避を防ぐために経済協力開発機構(OECD)が策定した新制度を使い、国税庁が約50カ国・地域の金融機関にある日本人の口座情報約40万件を入手したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。 租税回避地(タックスヘイブン)の情報も含まれており、今後、国境をまたぐ資産隠しなどの解明に活用するそうです。

2016年に公表された「パナマ文書」では、各国の首脳や著名人によるタックスヘイブンを利用した課税逃れの実態が表面化しました。 海外投資が増え、一国だけで富裕層の資産を把握するのが難しくなるなか、他国から大量の口座情報を入手することが可能となった新制度の効果が注目されます。

新制度はCRSCommon Reporting Standard=共通報告基準)と呼ばれる仕組みです。 各国の税務当局は自国の金融機関に外国に住む顧客(非居住者)の口座情報を報告させ、年1回、参加国間で情報交換します。 顧客の氏名、住所、口座残高、利子・配当の年間受取総額などが対象となります。

2017年に最初の情報交換があり、日本は2018年から参加しています。 現時点で英領ケイマン諸島やパナマなどのタックスヘイブンを含む102カ国・地域が加わっています。 ちなみに、アメリカは参加していません。

関係者によると、2018年秋の情報交換で、日本は約50カ国・地域から日本人の口座情報約40万件を入手、逆に約50カ国・地域に対し約9万件の情報を提供したもようです。 一部の国からの情報は今後追加される可能性もあります。

日本では国外に5千万円超の財産を持つ場合、財産内容を記す「国外財産調書」の提出が義務付けられています。 2016年分の調書は約9千件にとどまっており、国税庁はCRSの情報と照合するなどして海外の「隠し資産」の発見に取り組みます。

CRSは、20141月にOECDの租税委員会が承認し、海外の金融機関を使った租税回避への対応を目的に策定されました。 これまでも国税庁は各国の税務当局との間で個別に情報交換をしてきましたが、個人や法人を特定して書類で提供を受ける方法などが主でした。

海外の資産は税務署にバレないと言われていた時代があったのかもしれませんが、それほど甘くないですね。 『国外財産調書』ですが、おそらく、提出していない方が多いのではないかと推測されます。 結論としては、きちんと提出し、きちんと申告しましょうねということです。

国税庁が日本人の資産隠し調査ため海外口座40万件の情報を入手したことについて、どう思われましたか?


パナソニックが421億円の申告漏れを指摘されるも不服申し立て!

 

 パナソニックは、先日、大阪国税局の税務調査で、約421億円の申告漏れを指摘されたと発表しました。 パナソニックが保有する北アメリカ子会社の株式をオランダの子会社に売却した価格が、不当に安かったと認定されたそうです。 重加算税を含めて約60億円を追徴課税される可能性があるといい、パナソニックは不服申し立てをする方針のようです。

パナソニックは、20173月、北アメリカ事業を統括する子会社「パナソニック ノースアメリカ」の全株式をオランダの子会社に約7,371億円で売却しました。 パナソニックによると、大阪国税局は時価での評価額は約7,783億円だとし、差額の約412億円が寄付金で課税対象になると認定しました。 ほかにも帳簿に資産の記入漏れがあるなど、約9億円分の申告漏れを指摘されたそうです。

一方、パナソニックは、先日記者会見を開き、担当者が「第三者機関に依頼して算出した客観的な評価に基づいている」と反論しました。

不服申し立てをする方針の一方、国内の会計基準に基づき、20193月期の単体決算には約60億円分の法人税などを計上する予定だそうです。

当然、これほどの金額になるということで、パナソニックも第三者にそれなりの報酬を支払って客観的な評価をしてもらっていると思います。 なぜ、オランダの子会社に売却する必要があったかという全体的なストーリーが分からないので何とも言えませんが、報道によると、評価額が安かったということなので、行為計算の否認(個別取引としては問題ないが、一連の行為全体で考えると問題がある)というケースではないように見受けられますので、パナソニックには争っていただいて、勝ってほしいと思います。 そうしないと、客観的な評価を出すために第三者に依頼するという行為自体ができなくなり、国税局側の評価がすべてというおかしな状況になってしまいます。 株価を算出している企業はもちろんのこと、そこが属している士業団体なども国税局が否定していることになるのではないかと思います。 僕自身も、第三者に評価を依頼して、その数値を用いて申告をしたものの、認められなかったケースもあります。 客観的な評価を否認するのであれば、税務上、もう少し明確な算出方法を定めてほしいと思います。

パナソニックが421億円の申告漏れを指摘されるも不服申し立てを行うことについて、どう思われましたか?


脱税事件で丸源ビルオーナーに懲役5年・罰金3億円を求刑!

 
 東京・銀座などの繁華街で飲食店ビル「丸源ビル」を展開し、10億円超を脱税したとして法人税法違反罪に問われた同ビルオーナー(86)の論告求刑公判が、先日、東京地裁(前田巌裁判長)で開かれました。
 検察側は「強固な脱税の犯意に基づく悪質な犯行」として懲役5年、罰金3億円を求刑しました。 2018913日に弁護側の最終弁論を経て結審し、20181120日に判決が言い渡される予定です。オーナーは20133月に逮捕、起訴され、同年6月の初公判で「全部でたらめです」と無罪を主張していました。 その後、たびたび弁護人が交代し、公判が長期化していました。論告で検察側は、利益額を恣意的に減らすため、税理担当者に不正な経理処理を指示したと指摘し、「多岐にわたる脱税手段を用いて虚偽の確定申告書を作成させた。健全な納税意識が欠如している」と述べました。起訴状などによると、オーナーは201112月期までの3年間、社長を務めていたビル管理会社「東京商事」(清算)の法人所得計約354,300万円を隠し、法人税約106千万円を脱税したとされます。 オーナーは修正申告に応じて、約115千万円を納付しています。他の報道などによると、国税OBをたくさん雇って節税を図っていたとのことですが、どういう経歴の方が関与していたか、どのような節税方法を提案していたのか、具体的に知りたいですね。 こういうことがあると、入居者の方はどのような気持ちになるのでしょうか?脱税事件で丸源ビルオーナーに懲役5年・罰金3億円を求刑したことについて、どう思われましたか?

大阪城公園の「たこ焼き店」が1億3千万円脱税!

 
 大阪地検特捜部は、先日、大阪城公園(大阪市)でたこ焼きを売って得た所得を申告せず、約13千万円を脱税したとして、所得税法違反の罪で、軽食販売業の女性(72)を在宅起訴しました。
 これを受け、公園を管理する同市の吉村洋文市長は店側に改善報告を求め、応じない場合は対抗措置を取る意向を明らかにしました。
 
 店は、厳密には大阪城公園内にある豊国神社の所有地の中にあり、市の土地との境界付近に立地しています。
 吉村市長は「利用者のほとんどが公園に遊びに来た人だろう。市が(店を)管理していると思われても仕方がない」と述べました。
 
 その上で、所得を申告しなかった経緯や改善の報告を店側に求め、応じない場合は、店の前の市の土地に壁を建設する可能性に言及しました。
 
 起訴状によると、2012年~2016年の所得約3億3千万円を申告せず、所得税を免れたとしています。
 
 関係者によると、客の89割はインバウンド(訪日外国人客)で、34年前から客が急増し、2016年の売り上げは約2億4千万円でした。
 たこ焼き(8個入り600円)などを販売しています。
 
 すごく売れるんですね。
 8600円というのは、個人的には外国人相手だとこんな高い値段でも売れるんだぁという感じですが。
 たまに、なんばに行きますが、外国人がほとんどという感じで、最近はたこ焼き屋さんやラーメン屋さんが増えていますよね。
 
 大阪城公園の「たこ焼き店」が13千万円脱税していたことについて、どう思われましたか?

消費税1億円の不正還付で腕時計免税店を告発!

 
 腕時計を外国人に免税手続きをして販売したように装い、不正に消費税約1億円の還付を受けようとしたとして、東京国税局が時計店運営会社(東京都港区)と実質経営者(45)を消費税法違反容疑で東京地検に告発したことがわかったようです。
 
 関係者によると、同社は20178月から11月に、免税店で1100万円前後の高級腕時計を多数の中国人観光客らに販売したように帳簿を作成し、十数億円分を仕入れ、それをやや上回る売り上げがあったように仮装して、仕入れ時に負担したとする消費税約1300万円の還付を申告しました。
 
 東京国税局は、仕入れ先との間で商品と資金を循環させる架空取引を行うなど事業実態がないと認定したようです。
 実質経営者は、「誤った申告をしたことを反省している」とコメントしているようです。
 
 201910月に消費税率の10%への引き上げが予定されるなか、国税庁は不正還付申告の増加を懸念しており、東京・大阪・福岡の各国税局に、先日、消費税事案の専門部署を設置し、監視を強めています。
 国税庁幹部は、「納めるべき税金を逃れる脱税とは違い、消費税の不正還付は国からお金をだましとる詐欺的行為で悪質だ」と話しています。
 
 法人の不正還付申告の追徴税額は、2013事務年度(7月から翌年6月)の約72千万円から、16事務年度は約128億円に急増しました。
 国税庁は東京・大阪の両国税局に課長級をトップとする56人の専門チームをそれぞれ設置しました。
 福岡国税局にも専門職員を置き、不正還付の疑いがある事案を中心に全国的に情報収集するようです。
 
 数年前から、消費税の不正還付が横行しているようですね。
 よって、真面目に申告をしている企業でも、還付申告をすると、すぐに税務署から税務調査や追加資料提出の連絡があります。
 比較的簡単にできるのかもしれませんが、国税庁幹部がおっしゃっているように、消費税の不正還付は国からお金をだましとる詐欺的行為なので、絶対にやめてほしいですね。
 
 消費税1億円の不正還付で腕時計免税店が告発されたことについて、どう思われましたか?

「EXILE」所属事務所が3億円の申告漏れ!

 
 人気ダンス&ボーカルグループ「EXILE」が所属する芸能事務所「LDH JAPAN」(東京都目黒区)が、20173月期までの4年間で総額約3億円の申告漏れを東京国税局から指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
 LDH JAPANはすでに修正申告を行い、追徴課税された過少申告加算税を含む法人税約6千万円をすでに納付しているそうです。
 
 LDH JAPANは「国税当局との見解の相違があった。所得隠しのような意図的な行為は一切なく、国税当局からそのような指摘もなかった。今後はより慎重に法務、税務を確認し業務遂行していくよう、スタッフ一同改めて気を引き締めて取り組んでいく」としているようです。
 
 関係者によると、取引先などと会食した接待飲食費の一部について、経費としては認められない上限額を超えた分を計上しており、海外関連法人への業務委託費などについて、国税局は経費には当たらないと判断した模様です。
 
 ちなみに、LDH JAPANの前身に当たる芸能事務所「LDH」も、東京国税局の税務調査を受け、20093月期までの2年間で、約3億円の申告漏れを指摘されていたようです。
 
 芸能関係のことはよくわかりませんが、接待的なものも多く、色々と判断に迷うことも多いんでしょうね。
 かと言って、どんぶり勘定でよいというわけではなく、以前も3億円もの申告漏れを指摘されているので、慎重に検討し、きちんと納税してほしいですね。
 こういうことになると、過少申告加算税や延滞税のような資金的な負担はもちろんのこと、レピュテーションリスクにもつながるでしょうから。
 
 「EXILE」所属事務所が3億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?

福島第1原発補修工事の防水工事会社の前社長を告発!

 
 東京電力福島第1原発や柏崎刈羽原発などの補修工事などを請け負う新潟市の防水工事会社と前社長(52)が法人税約6,200万円を脱税したとして、関東信越国税局が法人税法違反の罪で新潟地検に告発していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。  同社は産経新聞の取材に対し、「チェック態勢を見直したい」と答えたようです。 関係者によると、前社長は取引先に虚偽の請求書作成を依頼し外注費を水増し計上するなどの手口で、平成279月期までの3年間で約24,400万円の所得を隠し法人税約6,200万円を脱税したとしています。  不正に得た資金は現金で留保し、先物取引の投資資金に充てていたそうです。
 
 民間の信用調査機関などによると、この会社の平成29年年9月期の売上高は199,000万円で、平成233月の東日本大震災後に原発関連施設補修工事の受注が増え、業績は好調でしたが、前社長は平成2911月に退任していたようです。
 
 最近、架空経費計上による脱税が多いように感じますね。
 外注先との力関係、景気が回復しているということなどの表れなのでしょうが、一方で、将来に対する不安もあるのでしょう。
 だからと言って、脱税は決して許されるものではありません。
 法人の場合、それなりに節税の手法はあると思いますので、脱税ではなく節税を主なってほしいですね。
 
 福島第1原発補修工事の防水工事会社の前社長が告発されたことについて、どう思われましたか?

4,000万円の脱税で神奈川県の土木工事会社を告発!

 約4,000万円を脱税したとして、東京国税局が法人税法違反などの罪で、神奈川県海老名市の土木工事会社と同社の社長(56)を横浜地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。 関係者によると、土木工事会社は平成249月期と平成279月期、同業者に虚偽の請求書を書かせる手口で架空の外注加工費などを計上し、約14,600万円の所得を隠し、約4,100万円を脱税した疑いが持たれています。 社長の口座に振り込ませ不正に得た資金は、社長からの貸付金という形で土木工事会社の事業資金に充てていたそうです。 民間の信用調査機関などによると、土木工事会社は平成4年に設立し、大手ハウスメーカーから門扉や塀などの外構工事を請け負っていたようです。 大手企業はこういったことをしている企業と今後取引はしないでしょう。  また、虚偽の請求書を書いた同業者も売上が増え税金も増えるでしょうから、なぜ協力したのでしょうか?  経審のために必要だったのでしょうか?  架空請求を求められる会社側にもモラルが必要ですね。 4,000万円の脱税で神奈川県の土木工事会社が告発されたことについて、どう思われましたか?

投資用マンション販売会社が4千万円の脱税容疑で告発!

 投資用マンションの販売会社(東京都新宿区)が約4千万円を脱税したとして、東京国税局が投資用マンションの販売会社と社長(46)を法人税法違反容疑で東京地検に告発したことがわかったようです。関係者によると、社長は別会社の口座に手数料などの名目で資金を振り込んだ後、現金で戻させるといった手口で、2015年3月期と2017年3月期に計約1億6,100万円の所得を隠し、脱税した疑いがあります。隠した資金は、借入金の返済などに充てていたそうです。取材に対して、社長は、「国税局の指摘を受け、修正申告に応じた」と弁護士を通じてコメントしたようです。最近、国税局も頑張っていますね。 架空の経費については、どんどん調べて、告発してほしいですね。 延滞税、過少申告加算税、重加算税などは結構な金額になりますので、儲かっている会社は、脱税ではなく、堂々と節税をしてほしいなぁといつも思いますね。投資用マンション販売会社が4千万円の脱税容疑で告発されたことについて、どう思われましたか?

六本木の高級クラブの元経営者を1億円の脱税の疑いで告発!

六本木の会員制高級クラブの経営で利益を得ていたのに税務申告せず、約1800万円を脱税したとして、東京国税局が、元経営者(53)を消費税法違反と所得税法違反の疑いで東京地検に告発したことがわかったようです。 国税局の調査を受け、すでに申告を済ませたとみられます。関係者によると、元経営者は店名を変えて経営実態を隠すなどし、2013年~2016年、消費税約2,900万円を免れたほか、ホステスらに支払った給与や報酬にかかる源泉所得税約7,900万円を納付しなかった疑いがあります。 店は2017年に閉店したようです。いまだに店名を変えたりして消費税を逃れる人がいるんですね。 税務当局も頑張っていますね。 あと、源泉所得税を納付しないのは、かなり悪質ですね。 源泉徴収制度を根本からくつがえす行為ですね。六本木の高級クラブの元経営者が1億円の脱税の疑いで告発されたことについて、どう思われましたか?

マルサの「横目調査」是非めぐり争う国税と被告!

 脱税事件の端緒になった被告の口座がなぜ見つかったのでしょうか?  競馬の払戻金を申告せず約6,200万円の所得税を免れたとして、所得税法違反の罪に問われた大阪府寝屋川市職員の男(48)を巡る大阪地裁の公判で、国税局査察部(マルサ)の「横目」と呼ばれる調査手法の是非が争われています。  被告側は「国税が違法に口座情報を盗み見た」として無罪を主張し、地裁も国税側に調査手法の説明を求める異例の展開で、判決が注目されていました。 大阪地裁の村越一浩裁判長は、20185月9日、調査手法について「違法の疑いが残る」と判示しました。  ただし、調査が銀行側の協力を得ていることなどを踏まえ「違法の程度は重大とまでは言えない」として、有罪判決を言い渡しました。 被告は課税対象の16,300万円を申告せず、所得税約6,200万円を免れたとして大阪国税局が告発し、大阪地検特捜部が201610月に在宅起訴しました。  被告が利用するインターネット銀行の口座には、計約3億円の払戻金が振り込まれていたようです。 被告は過少申告加算税などを含めて約9,000万円を納付し、公判で起訴内容を認めました。  しかしながら、国税側が違法な手段で自らの口座を見つけたと主張しており、調査手法の違法性が争点になっていました。 この手法は、査察官らが特定の口座を正規に調べる際に他の口座情報を見るもので、税務・金融機関関係者らの隠語で「横目」(よこめ)と呼ばれます。  被告側はプライバシーを侵害する違法な手法だとし、無罪を求めていました。 一方、検察側は別の脱税事件の調査過程でネット銀行の顧客情報の開示を受けた際、日本中央競馬会(JRA)から被告の口座に入金された高額の払戻金を偶然見つけたと説明し、調査に違法性はないとしています。  「横目調査をしたことがありますか」「ありません」  20182月には、調査にあたった男性査察官が証人出廷し、横目調査を否定しました。  弁護人が調査方法や端緒について尋ねましたが、「守秘義務がある」として何度も証言を拒みました。 これに対し、裁判所は、守秘義務を解くよう大阪国税局長宛てに異例の要請をしましたが、国税側は「将来の調査に重大な支障を及ぼす恐れがある」として応じませんでした。 被告の口座はJRAとの取引だけで、多額の配当があったことは誰にも話していなかったそうです。  弁護人は「別事件の調査で判明したとは考えにくい。網羅的に口座情報を見る横目調査は無差別な監視につながる」と訴えています。  検察側は論告で脱税額の大きさなどを指摘し、懲役1年・罰金1,900万円を求刑しています。 横目調査はプライバシーの侵害と批判されますが、国税関係者には「脱税の摘発には不可欠」との声もあります。  大阪国税局によると、国税通則法などに基づいて顧客情報や入出金伝票の開示を求めることは日常的にされています。  不審な入出金があれば取引先も調べますが、「不特定多数の口座情報を見ることはない」と説明しています。  一方、ある国税局OBは、「調査の過程でたまたま無関係の情報を見ることはあった」と打ち明けています。  脱税事件では他人名義や多数の口座を使い分けることも多く、「疑わしい金の出入りは見過ごせない」と話しています。 個人的には、僕は税務当局側の人間ではありませんが、脱税している人は当然罰するべきであり、何がきっかけで発見するかはあまり問う必要はなく、横目調査も、きちんと法律に明記した上で認めるべきでないかとも思います。  また、この方は、固定資産税課の元課長であり、税務に係る部門で働いていた方は、一般の方より当然、脱税はダメということは分かっていると思いますので、許される行為ではないと思います。  こういう事件があると、JRAに支払調書の提出を義務付けたり、マイナンバーを使って、脱税がないようにしないといけないという流れになってくるかもしれませんね。 マルサの「横目調査」是非めぐり争う国税と被告について、どう思われましたか?

愛知県知立市の会社がダミー会社を利用して消費税など3,700万円を脱税!

海外からの輸入取引を悪用して消費税と法人税計約3,700万円を脱税したとして、名古屋国税局が、消費税法違反などの疑いで、愛知県知立市の工業製品設計会社と社長(46)を名古屋地検に告発していたことが分かったようです。

工業製品設計会社は、自動車のプラスチック部品を設計・製造し、メーカーに販売するなどしています。 関係者によると、部品の金型製造を中国やタイの取引先に発注して輸入する際、国内のダミー会社から仕入れたように見せかけていたようです。

消費税法上、国内企業からの仕入れにかかった消費税分は、のちに控除が受けられます。 本来は控除の対象にはならない輸入取引を国内取引に偽装することで、201611月期までの3年間で消費税約2,200万円を免れたとみられます。

また、こうした輸入の代金を水増しして支出し、複数の企業を迂回させ、実際の代金との差額を、タックスヘイブン(租税回避地)でもある香港のペーパーカンパニーに貯めていたようです。 隠した所得は約6,800万円で、法人税約1,500万円を脱税した疑いももたれているようです。

社長は取材に対し、「経理関係を任せていた人の助言に従った結果だが、すべての責任は私にある」と話しています。 今後、修正申告する予定だそうです。 信用調査会社などによると、業製品設計会社は20131月設立で、資本金は1千万円です。

誰が助言し、どういう助言だったのかが気になります。 果たして、助言の中でおかしいなぁと思うところはなかったのでしょうか? 脱税ではなく、節税を考えるのであれば、手法は色々とあるとは思いますが。

愛知県知立市の会社がダミー会社を利用して消費税など3,700万円を脱税したことについて、どう思われましたか?


不動産売買の仲介報酬2億3,000万円を隠して脱税の疑い!

 
 不動産売買を仲介した報酬として得た23,000万円余りの所得を申告せずに脱税したとして、埼玉県の男性が東京国税局から刑事告発されたようです。埼玉県川口市の男性(65)は横浜市中区の不動産売買を仲介し、売却元の会社から報酬として得た約23,400万円の所得を隠して申告をせず、約9,900万円を脱税した疑いが持たれています。埼玉県川口市の男性は、報酬を知人が経営する不動産会社の口座に振り込ませ、その後、現金を受け取って自宅の建築費用などに充てていたようです。埼玉県川口市の男性は、ANNの取材に応じ、「仲介を手伝ってくれた会社なので、報酬の支払先として問題ないと思っていた」「指摘を受けて大反省し、修正申告も済ませている」などと話しているようです。仲介報酬が23,000万円というのはスゴイと思いますが、きちんと申告して欲しいですね。 それほど甘くはないです。不動産売買の仲介報酬23,000万円を隠して脱税の疑いが持たれている男性がいることについて、どう思われましたか?

ボクシング元3階級王者の父が3億5,000万円の申告漏れ!

2018年05月16日(水)

ボクシングの元世界3階級王者で、2017年に引退した井岡一翔元選手(29)の父親で、「井岡ボクシングジム」(大阪市)の井岡一法会長(50)が大阪国税局の税務調査を受け、平成27年までの約4年間で約35千万円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。 世界戦などで得た興行収入の多くを申告しておらず、うち約2億円が悪質な所得隠しと認定されたようです。 追徴税額は、重加算税を含めて1億数千万円に上るとみられます。

関係者によると申告漏れを指摘されたのは、井岡会長が代表取締役を務めるジム運営会社「一伸」(堺市)の法人所得や、平成2512月に同社を設立する以前の個人所得です。 試合のチケット販売代金や、ジム内で運営していた接骨院の診療で得た利益などを過少に申告していたとされます。

ボクシングでは、支援者や知人らにジム側が直接チケットを販売するケースがありますが、こうした販売代金がずさんに管理されていたほか、試合の宣伝に必要な経費を裏付ける証拠書類が適切に保管されていなかったそうです。

産経新聞の取材に対し、井岡会長や一伸の担当者は「帳簿のつけ間違いなどで単純な漏れがあり修正申告し、納めるべきものは納めた。向こう(国税局側)の間違いもあった」などと説明しています。

単純な漏れであれば重加算税はありえないでしょうね。 これだけ有名になると、課税当局もマークするでしょうから、こういった行為は慎むべきですね(そもそも脱税は許されない行為ですが。)。

ボクシング元3階級王者の父が35,000万円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


ソフトバンクが939億円の申告漏れ!

 
  ソフトバンクグループ(SBG、東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、20163月期までの4年間で約939億円の申告漏れを指摘されたことがわかったようです。

 買収した海外企業がタックスヘイブン(租税回避地)に持っていた子会社の所得について、SBGの所得と合算すべきだと判断されたそうです。 追徴税額は過少申告加算税を含め約37億円で、すでに修正申告したようです。

SBGは、孫正義会長兼社長が率いる通信事業グループの持ち株会社です。 2013年に米携帯電話大手スプリントを、2014年に米携帯卸売り大手ブライトスターを買収しました。 SBGや関係者によると、この2社は買収前から、税の負担が軽いバミューダ諸島にそれぞれ子会社を持ち、事業目的で支出した保険料の一部が子会社に入る仕組みにして利益を上げさせていました。

東京国税局は、「バミューダ子会社は実質的な事業活動をしていないペーパー会社」と判断し、税負担の軽い国や地域に所得を移し日本で支払う税金を減らすのを防ぐ「タックスヘイブン対策税制」の対象と認定しました。 そのうえで、子会社の所得を最終的な親会社であるSBGの所得に合算するべきだと指摘しました。

また、ブライトスターのシンガポール子会社である中古携帯端末の流通業者も、関連会社以外との取引が少ないことからタックスヘイブン対策税制の対象に認定したそうです。

合算対象となった所得は計約747億円で、数百億円規模の申告漏れは異例です。 株式売却益をめぐる経理ミスなどもあり、申告漏れ総額は約939億円にのぼりましたが、意図的な税逃れではないと判断され、重加算税は課されなかったようです。 追徴税額は過去のSBGの赤字と相殺され、約37億円にとどまったようです。

SBG広報室は朝日新聞の取材に対し、「買収後にすべての外国子会社の所得を把握し検討すべきところを、スプリントとブライトスターの傘下会社が数百社あり、適時にそれができていなかった。現在は再発防止策を講じた」としています。

SBG2017412月期の純利益は前年同期比20%増の1149億円です。 20137月にスプリントを約18千億円で、20141月にブライトスターを約1,200億円で子会社化し、アメリカでの事業基盤を築きました。 20169月には英国の半導体大手アームホールディングスを約33千億円で買収するなど、積極的な海外投資を続けています。

SBGの巨額の申告漏れには、世間を驚かせる大型買収を次々に成功させて世界展開を図る中、急増した子会社を把握しきれず税務がおろそかになった構図がにじんでいます。 孫正義氏は、2006年にボーダフォン日本法人を買収して携帯電話事業に参入して以降、買収や投資を繰り返して業績を伸ばしてきました。 しかしながら、元幹部の一人は、「経理や税務の体制は大きくは変わっておらず、会社の急激な規模拡大に追いついていない」と指摘しています。

今回、SBGは指摘に従って納税も済ませており、ある関係者は「租税回避の意図はなく、指摘されて初めて問題に気づいたようだ。いわば『うっかりミス』だったのではないか」と話しています。 しかしながら、SBGは純利益1兆円を達成した数少ない日本企業であり、業界の範となるコンプライアンス(法令や社会規範の順守)が求められることは言うまでもありません。 適正な税務申告に向けた組織づくりが急務ですね。

うっかりミスだとすれば、上場企業としてどうなのかなぁと思いますね。 当然、これだけの規模の企業を買収する際には税務ディーデリジェンスもすると思いますし、把握していなかったとすれば、どうなんでしょうね。 拡大をしていくのは構わないと思いますが、これだけの規模になるとうっかりミスが致命的になるかもしれません。

ソフトバンクが939億円の申告漏れを指摘されたについて、どう思われましたか?


化粧品の輸出見せかけた書類を提出し消費税の不正還付2億6千万円!

 
 東京の化粧品販売会社の社長が、化粧品を仕入れたように装って、消費税など、およそ26,000万円の不正還付を受けた疑いで逮捕された事件で、社長が、化粧品などを海外に輸出したように見せかけていたことがわかったようです。

 東京都港区の化粧品販売会社の社長(41)は、化粧品を仕入れたように装って、消費税など、およそ26,000万円の不正還付を受けた疑いが持たれています。

その後の関係者への取材で、化粧品販売会社の社長が、化粧品などを海外に輸出したように見せかけた申告書類を、税務署に提出していたことがわかったようです。

化粧品販売会社の社長は、都心の一等地にある高級タワーマンションで暮らしていました。

消費税には、売上より仕入れなどの費用の方が大きかった場合、差額が還付される制度があり、特捜部は、化粧品販売会社の社長がこのシステムを悪用したとみて調べているようです。

あってはならないことですが、消費税を使った不正還付事件が、ここ数年多いように感じますね。 架空経費を計上すると、法人税なども減って、消費税も減る(場合によっては還付になる)ので、安易にされている方が多いように新聞やニュースなどを見て思いますが、消費税の還付は不正が多いこともあって、それなりの金額になると税務調査が入いる可能性が高いと思っていて、間違いないと思います。 ということは、消費税の不正還付をやろうと思っても、税務署に見つかる可能性がかなり高いということです。 ここ数年、設立直後の会社で、最初に設備投資や開発費がかかって消費税が還付になる場合、消費税を申告すると、数日後に税務署から電話がかかってきて税務調査が入いることが多いことから、そのあたりはひしひしと感じます。

化粧品の輸出見せかけた書類を提出し消費税の不正還付26千万円を受けた社長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


2億円の脱税容疑で東京国税局が不動産仲介会社を告発!

2018年03月13日(火)

法人税と消費税の計約2億600万円を脱税したとして、東京国税局が不動産仲介会社(東京都文京区)と社長(72)を法人税法違反と消費税法違反の疑いで東京地検に告発したことがわかったようです。

関係者によると、この不動産仲介会社は、2014年3月期と2016年3月期に東京都北区のマンション建築用地の売買を仲介し、利益をあげました。 その後、別会社に手数料名目で資金を振り込み、架空の経費を計上する手口で所得を圧縮し、法人税約1億5,200万円と消費税約5,400万円を脱税した疑いがあります。 振り込んだ資金は別会社から現金で戻させるなどして、社長が保管したり、競艇に使ったりしていたそうです。

取材に対し、この不動産仲介会社は修正申告したことを認め、「深く反省している。今後は適正な税申告を行う」とコメントしたそうです。

おそらく約6億円の架空経費を計上したと推測されますが、もうかっている会社はもうかっているんですね。 このブログで何度も言っていますが、安易に脱税を考えるのではなく、節税を考えてほしいものです。 東京オリンピック後の需要の激減の可能性を考慮した上の行為かもしれませんが、世の中それほど甘くないと思いますし、合法的な節税方法はたくさんあると思いますので。

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佐川長官は逃げずに説明を!

2018年03月02日(金)

先日、日本経済新聞の社説に載っていました。 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、政府のこれまでの説明と食い違う資料が相次いで確認されました。 野党は昨年の佐川宣寿財務省理財局長の国会答弁は虚偽だったとし、改めて招致を求めています。 佐川氏は国税庁長官に就任後、記者会見に応じていません。 説明から逃げ回るような姿勢は国民の不信感を膨らませるだけです。

麻生太郎副総理・財務相は、先日の衆院予算委員会で「(佐川氏は)国税庁長官として適任。職責を果たしてもらいたい」と述べ、野党の更迭要求を拒否しました。 国会招致にも慎重な考えを示しました。

佐川氏は国会答弁で森友側との交渉記録について「破棄した」と繰り返し、売却価格の事前交渉もしていないと明言しました。 しかしながら、判明した音声データでは、近畿財務局の担当者が値引き要請に対して「ゼロに近い価格まで努力する」などと語っていました。

問題の本質は、国民の貴重な財産である国有地がなぜ8億円強も値引きされて売却されたかです。 安倍晋三首相の昭恵夫人は、学園が建設予定だった小学校の名誉校長に一時就いていました。 学園側が交渉過程で昭恵氏の名前を何度も出していた経緯も分かっています。

財務省は交渉経緯に関する資料を、昨年11月の会計検査院の検査報告書が出る前日まで提出しませんでした。 情報公開の請求があってから文書やデータを小出しにする対応は、政府ぐるみで何かを隠蔽している印象を与えます。

今国会では茂木敏充経済財政・再生相の秘書が選挙区内の有権者に線香などを配布していた問題も明らかになりました。 茂木氏は自身の氏名は明示しておらず違法ではないとの立場ですが、「氏名を類推させる方法」であれば公職選挙法の買収行為にあたります。 脱法的な軽率な行動との批判は免れないでしょう。

野党はスーパーコンピューター開発をめぐる補助金詐取事件への政権の関与も追及しています。 様々な疑惑がすべて的外れだというのであれば、政府・与党は自ら進んで説明責任を果たすべきでしょう。

本当に、佐川国税庁長官には、表に出てきて答弁をして欲しいですね。 僕は、税理士の仕事もしており、税務調査などにはきちんと対応しているつもりですので、大いに関わりのある国税庁のトップ(長官)は、信頼できる人であって欲しいですね。

日本経済新聞も『佐川長官は逃げずに説明を!』と言っていることについて、どう思われましたか?


日本医科大学が謝礼を計上せず6.6億円の申告漏れ!

2018年02月27日(火)

学校法人日本医科大学(東京都文京区)が、2017年3月期までの7年間で計約6億6千万円の申告漏れを東京国税局から指摘されたことがわかったようです。 このうち約2千万円は、付属病院の医師の派遣先からの謝礼などを計上していなかったとして所得隠しと認定されたそうです。 日本医科大学は、「ほとんどは解釈の違いによるものだが、指摘に従い修正申告した」としています。

関係者によると、申告漏れの大半は学校法人などの非課税制度をめぐるものです。 公益目的事業に関係するとして申告した管理費の一部を、課税対象の収益事業に関係すると認定されました。

さらに、日本医科大学は各地の医療機関からの求めで付属病院の医師を派遣していますが、派遣先が支払った謝礼や紹介料などの一部を、学校法人の口座ではなく、派遣された医師が所属する医局の口座で受け取っていました。 民間企業からの委託研究費などの一部もこうした口座に入っていたそうです。

国税局は、これらの入金は収益事業で法人所得として申告すべきだったと認定した模様です。

国税局から所得隠しと認定された医師派遣の謝礼や企業からの委託研究費ですが、日本医科大の医師らは「実態が見えにくい。もっと透明にすべきだ」と指摘しています。

「派遣先が田舎の小さな病院ほど、主任教授への『お礼』は大きいようだ」。日本医科大学付属病院の40代の男性医師はそう話しています。

「派遣」の形は様々で、付属病院を退職して再就職先で1年ほど常勤をすることもあれば、在籍したまま週1回だけ診療を請け負うような例もあるそうです。 「都心の病院でのアルバイトならいいが、引っ越して地方の病院で働くとなると多くの医師は尻込みする。そういう場合、病院側が主任教授にけっこうな額を払ったと聞いたことがある」

日本医科大学の元主任教授の男性は在職中、盆暮れに企業や医療機関から大量の付け届けがあったと明かしています。 家族が現金入りの封筒を受け取ってしまったこともあったといい、あわてて送り返したそうです。 「自分は断ったが、受け取る人間がいても驚かない」と話しています。

日本医科大学の広報担当者は「外部との資金のやりとりは学校法人が窓口だが、一部の医局で徹底されていなかった」としています。

大学が口座を把握していないのは、どうかと思いますね。 あとは、付け届けを、もらった側も贈った側もどう処理しているのかが個人的には興味がありますね。

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ヤマダ電機が子会社への貸付金を巡り40億円の申告漏れ!

2018年02月07日(水)

家電量販最大手のヤマダ電機(群馬県高崎市)が関東信越国税局の税務調査を受け、海外子会社への貸付金の処理をめぐり、2016年3月期までの3年間で約28億円の申告漏れを指摘されたことが分かったようです。 他の経理ミスなども合わせた申告漏れ総額は約40億円とみられます。 追徴税額は約6億円で、すでに修正申告し、納税したそうです。

税務上、外貨建ての貸付金のうち、決算期終了後1年以内に返済されるものについては、原則として決算期末時点の為替レートで日本円に換算し、貸付時のレートでの換算額との差損益を計上しなければなりません。

関係者によると、ヤマダ電機は中国に設立した子会社に米ドル建てで貸し付けた債権の一部について、期末時のレートではなく貸付時のレートのまま税務申告していました。 同国税局は、子会社への貸し付け後に円安ドル高が進み、円建てで約28億円の評価益が出ていたのに、計上しなかったと指摘した模様です。

ヤマダ電機は2010年に遼寧省瀋陽市に中国1号店をオープンし、2011年に天津市、2012年には南京市に進出しましたが、瀋陽店以外は2013年に撤退しました。 関係者によると、進出に伴う初期投資の負担に加え、尖閣諸島をめぐる問題などの影響もあって販売面でも苦戦し、本社が現地子会社に支援をするなかで貸付額が膨らんだそうです。

ヤマダ電機は朝日新聞の取材に対し、「定期的な税務調査で指摘を受けた内容について、自主的に修正申告をした」とコメントしているようです。

ちなみに、ヤマダ電機は海外を含め955店(2017年3月末現在)を展開する業界最大手で、2017年3月期の連結売上高は1兆5,630億円、純利益は345億円です。

貸付金の件は、いわゆる『期ズレ』の話しなんでしょうね。 個人的には、その他の約12億円が、どのようなことを指摘されているんだろうということに興味はあります。

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スパコン前社長が数億円の所得隠しの脱税容疑!

2018年02月02日(金)

朝日新聞によると、スーパーコンピューター開発を巡る国の助成金詐欺事件で、東京地検特捜部に再逮捕されたスパコン開発会社の前社長(50)=詐欺罪で起訴=が、同社の所得を数億円隠して法人税を脱税した疑いがあることが関係者の話でわかったようです。 隠した所得は趣味の自動車レースで出た損失の穴埋めなどに使われており、捜査当局は法人税法違反容疑でも前社長を立件する方針とみられます。

前社長は、2010年度以降、同社やスパコン関連グループ2社の開発資金名目で、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)などから総額100億円超の助成金や無利子融資を認められました。

関係者によると、前社長は、自身のスパコン開発会社「PEZY(ペジー) Computing(コンピューティング)」から、会長を務めた関連会社「ウルトラメモリ」などへの外注費を水増しし、所得を少なくみせかけていました。 ウルトラメモリ社には自動車レースなどで出た損失があったそうです。 前社長は、逮捕前の調べでは脱税の容疑を否認していたそうです。

特捜部はNEDOの2013年度の助成金約4億3千万円をだまし取ったとして、昨年12月に前社長らを詐欺罪で起訴しました。 今年1月には、2012~2013年度に別の助成金約1億9,100万円をNEDOからだまし取ったとして、前社長らを詐欺容疑で再逮捕しました。

この事件が公になったときに、あの社長が・・・とか、信じられないとかいう意見をかなり目にしたので、人間的にも誠実で、優秀な経営者だと思っていましたが、こういう脱税事件の話が出てくると、疑問符が付きますね。 とにかく、事件の概要を早く明らかにして欲しいですね。

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自民党鳩山二郎衆議院議員の秘書が国税庁に税務調査の説明を要求!

2018年01月18日(木)

宝石の架空販売で不正な消費税の還付申告をした疑いがあるとして東京国税局から還付を保留されていた免税店運営会社4社の税務調査をめぐり、自民党の鳩山二郎(故鳩山邦夫氏の次男)衆院議員(39、福岡6区)の秘書が、2017年4月、国税庁幹部を議員会館に呼び、還付保留について説明を求めていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。 秘書は当時、国税局に4社の架空仕入れ先と認定された宝石販売会社の顧問を務めていました。 なお、説明を求めた場には、鳩山氏も同席していたそうです。 国税側に、税務調査への圧力ととられかねず、詳しい説明が求められそうです。

関係者によると、4社は2015年4月~2016年12月、秘書が当時顧問を務めていた宝石販売会社「国際東日ジュエリー」(東京)から仕入れた宝石を外国人観光客に販売したように装い、仕入れ時に負担した消費税約2億2千万円の還付を申告したそうです。 ところが、東京国税局は還付を保留したところ、秘書は4月4日に議員会館事務所に国税庁幹部を呼び出し説明を求めたようですが、「個別・具体的なことは言えない」と言われたそうです。

税務調査の結果、国税局は取引に実態はなかったと認定し、重加算税など約3億円を追徴課税したようです。 ただし、4社は処分を不服として2017年12月、国税不服審判所に審査請求したようです。

秘書は面会時に、国税OBの顧問税理士の名も挙げていたそうです。 秘書は、産経新聞の取材に対し、「(宝石販売)会社の顧問だったので中身を把握したかった。圧力をかけた認識は全くない。国税OBが税理士であることは事実だが、圧力をかけるためにそういう話をしたわけではない」と話しています。

鳩山氏は「還付制度のレクチャーを聞いてくださいと秘書に言われ、同席した。それ以上でも以下でもない」としています。

議員側の説明要求をめぐっては、山本幸三前地方創生担当相が、2012年5月ごろ、証券取引等監視委員会の幹部を議員会館に呼び出し、知人のインサイダー取引事件に関して「人権を軽視した違法な調査だ」などと発言していたことが、2017年7月に発覚しています。

どこからリークされたのか分かりませんが、結果的には、重加算税が課されていますが、政治家の力を借りれば圧力をかけられるのであれば、税務が政治にゆがめられているというおかしなことになってしまいますね。 あってはならないことだと思います。

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名古屋の医院長が1億円の所得隠し!

 
  名古屋市中村区の形成外科・泌尿器科などの医院を経営する男性院長(61)が名古屋国税局の税務調査を受け、2015年までの5年間で約1億円の所得隠しを指摘されました。

 複数の関係者への取材で、重加算税を含む追徴税額は約5千万円で、院長はすでに修正申告して全額を納めたことが分かったようです。

院長らによると、クリニックは男性器の皮膚切除手術など、保険が使えない自由診療を中心に手がけています。 手術代の一部を抜いた帳簿を作って報酬を隠し、所得を少なく見せかけていたとみられます。 院長は取材に対し、「事務方任せにしていた。書類の一部に不備があった」「申告漏れによる所得はほとんど研究などに使った」と話しているようです。 年間の売上高は約1億5千万円だそうです。 院長は、2001~2003年分の確定申告で、所得税が1千万円を超えた高額納税者として当時、税務署で公示されていました。

自由診療は、健康保険組合などに請求するための「診療報酬明細書」(レセプト)を作成しないため、ある医療関係者は「診療代金を隠しやすい」と話しています。

『事務方任せ』というのもどうかと思いますし、『申告漏れによる所得はほとんど研究などに使った』のであれば、その分も織り込んだ修正申告にすれば良いかと思いますが、実態はどうなのでしょうか? あとは、このような場合、医師免許はどうなるんでしょうね?

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ソフトバンクが約62億円の申告漏れ!

 
 ソフトバンクグループの通信事業会社ソフトバンク(東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、携帯電話の設備の経費計上などをめぐって総額約62億円の申告漏れを指摘されていたことが分かったようです。

 このうち約14千万円は、意図的な経理操作による所得隠しと認定されたようです。 ソフトバンクによると、追徴課税は20153月期までの3年間で約17億円で、すでに納税したそうです。

ソフトバンクや関係者によると、通信用設備の耐用年数について、ソフトバンクは30年とし、減価償却費を計上していました。 しかしながら、国税局は、「40年とすべきだ」と判断したそうです。 これにより、1年ごとの経費が減り、所得が増えることになりました。

このほか、ガスメーターの無線検針装置の開発を外部委託した費用を20153月期に計上しましたが、同期内に納品された装置は一部にとどまっていました。 税務上は開発が完了するまで費用計上はできず、すべて納品されたように書類を装うなどしていたことから、所得隠しと判断されたとみられます。

ソフトバンクは、「誤りのほぼすべてが収益や費用などの計上時期の相違から生じた」とコメントしています。

ソフトバンクみたいに大きな会社になると、少しのミスでもかなりの金額になってしまいますね(ソフトバンクにとっては、これくらいの金額は大きな金額とは言えないのかもしれませんが。)。 設備投資はとてつもないような金額になると思いますので、チェックも大変でしょうが、逆に慎重に行って欲しいですね。

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電通を襲った再びの悪夢「世界進出」の落とし穴!

東洋経済によると、国内最大の広告グループに、再び悪夢が訪れたようです。

電通グループは先日、2024年12月期決算(国際会計基準)を発表しました。

収益は1兆4,109億円(前期比8.2%増)に拡大した一方、営業損益は1,249億円の赤字に転落(前期は453億円の黒字)しました。

純損益は1,921億円の赤字(前期は107億円の赤字)と、過去最大の赤字に膨らみました。

前期までの4か年中期経営計画も、事業成長・収益性ともに掲げてきた目標は未達に終わりました。

五十嵐博社長は先日の決算説明会で、「厳しい現状を厳粛に受け止めている」と自省の念を語りました。

大赤字の元凶となったのが、莫大なのれんの減損損失です。
2013年にイギリスの広告大手イージスを約4,000億円で買収して以降、電通グループは海外でM&Aを連発してきました。

アメリカの広告業界専門誌『アドエイジ』によると、2023年の世界シェアで電通グループは7位につけ、売上総利益ベースの海外比率も60%に達しています。

一方で矢継ぎ早の買収によって、電通グループののれんは2023年末時点で、総額8,000億円超に上っていました。

昨今の金利上昇から将来見込まれるキャッシュフローの割引率を高く設定し、ITの急激な台頭や世界的な広告大手同士の合併といった海外事業全般のリスクを保守的に織り込んだ結果、アメリカセグメントと、ヨーロッパ・中東・アフリカのセグメントに関連したのれん減損を約2,100億円計上することになったのです。

電通グループが前回、過去最大の赤字に沈んだのは2020年12月期のことです。

実はこの時も、赤字の最大の要因は、海外での買収によって膨らんだのれんの巨額減損でした。

経営陣の脳裏には、嫌でも当時の苦い記憶がよみがえったことでしょう。

その後は東京本社ビルなどの不動産売却や本業の広告ビジネスが貢献し、業績は底を打ったかに見えていました。

しかしながら、2023年に入り、潮目が怪しくなったのです。

広告ビジネスを主軸とする中国などで市況が悪化し、2023年12月期にはアジア・太平洋セグメントに関連するのれんの全額と無形資産の一部について、678億円の減損損失を計上しました。

2024年には、データ分析を売りにした海外でのDX・コンサルティングビジネスも苦境を深めていきました。

FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の利上げ以来、案件受注に要するリードタイムが長期化する中、コロナ禍によるDX・コンサル特需自体も一服しました。

既存顧客の予算は縮小傾向となり、欧米における同ビジネスが業績の足を引っ張り、今回の巨額減損を招いたのです。

もっとも、海外事業の不振の要因は外部環境の変化だけではありません。
グローバルの顧客企業の間では目下、一気通貫のマーケティング戦略に基づき、広告やDX・コンサルなどの各ソリューションを包含した一体提案へのニーズが高まっています。

ところが、電通グループは、急拡大していたDX・コンサル需要に追いつくうえで、事業別の収益管理・目標設定を徹底することが有効と判断しました。

各事業をそれぞれのCEO(最高経営責任者)が統治する独立経営を推進しました。

結果として、一体提案を望む顧客に対しても、グループの各部門が個別で提案を持ち込んでしまう状況に発展しました。

一気通貫のソリューションを推し進めるフランスの広告大手のピュブリシス・グループなどに、案件の獲得で水をあけられることとなったのです。

近年、伝統的な広告ビジネスからコンサルなど非広告領域への拡張を掲げてきたことがあだとなった面も否めない電通グループです。

五十嵐社長は「サイロ化が非常に強く進んでしまった」と認めたうえで、「サイロ化を完全に解消し、われわれのポートフォリオを劇的に変えていくプロセスに時間がかかっている」と吐露しました。

こうした状況を踏まえ、決算と併せて発表された2027年までの新中期経営計画では、M&Aに偏重した過去の成長戦略を一定清算し、事業規模の大きい日本とアメリカへの集中度を引き上げていく方針が示されました。

まずは、不振ビジネスの一掃です。

累計投下資本が100億円を上回り、2期以上連続で赤字の市場に、「徹底的かつ迅速な打ち手を実行」することにより、2026年12月期には赤字市場ゼロを目指します。

その過程では、国・地域単位での人員削減や撤退も選択肢となりそうです。

海外M&Aに傾注する傍らで、実は日本セグメントは4期連続で過去最高の売上総利益を更新し、前期に最高益を達成しているのです。

広告事業の堅調ぶりに加え、DX・コンサル領域の成長も寄与しました。

とくに近年は、パーパス策定など経営層に対するコンサルの収入拡大が顕著となっています。

日本の電通は、「ビジネスプロデューサー(BP)」と呼ばれる職種が広告クライアントの御用聞きとなり、司令塔として自社のデータ分析部門と広告制作部門、広告枠を押さえるメディア部門を束ねることで、より最適なマーケティング支援を図っています。

BPは顧客企業の経営企画と事業部との調整などをしながら広告案件を積み重ね、企業の奥深くまで入り込んでいくことを強みとしています。

その過程で、顧客が抱える経営課題の解像度も上がっていきます。

ある電通のBP社員は「パーパス策定から広告戦略まで一気通貫で提供できれば、広告に対するクライアントの納得感も高いはずだ」と胸を張っています。

そんな絶好調の日本モデルを移植していくのがアメリカです。

2024年には、「海外版BP」ともいえる「インテグレーテッド・クライアント・リード(ICL)」というポジションを導入しました。

顧客企業とグループの間に立ち、広告やDX・コンサル部門を束ね、ニーズの把握と一体提案の推進を図ります。

ターゲティング戦略にも修正が入ります。

グローバル企業の全世界での広告展開を対象とした超大型案件では、世界最大手級の広告会社と対峙すると、スケールメリットで劣ることからネット広告枠の調達レートを下げきれず、クライアントの希望する価格水準を満たせないケースも少なくないようです。

規模を武器にした競争は、2024年12月に発表された、世界4位のオムニコム・グループによる同6位のインターパブリック・グループ買収によって、激化の一途が予想されます。

こうした事業環境を踏まえ、グローバル企業でもアメリカ国内に限定された広告展開や、アメリカのみで事業展開する大手地場企業のマーケティング支援など、格上の広告会社が拾いきれない中~大型案件のウエートを高める方針です。

グループ組織のスリム化も重要となります。

東京とイギリスのロンドンで分かれている本社機能の統合や、各国支社の簡素化、業務自動化に向けたAI・システム投資などを推進します。

2025年12月期は、リストラなどに伴う約500億円の構造改革費用を計上する見込みですが、2027年12月期には同規模の販管費削減が期待されるそうです。

曽我有信副社長は「最大の課題は、1兆2,000億の売上総利益が上がりながら、利益を上げられない事業構造」と振り返り、「構造改革をやり遂げたうえで、1兆2,000億の売上総利益を適切に支えるリーンな組織を作り上げる」と述べました。

オフィス機能の集約は、広告とDX・コンサルの一体提案を加速させるというグループ統治の面でもプラスに働くでしょう。

ただし、2023年夏からdentsu Americas CEOとしてアメリカセグメントの軌道修正を進め、今期の続投も発表されていたマイケル・コマシンスキ氏が、年明け早々に電撃退任し、電通グループ副社長のジュリオ・マレゴリ氏がCEO代行に就くなど、足元はおぼつかなくなっています。

日本でも気を抜く余裕はありません。

世界2位の広告会社でもあるコンサル大手・アクセンチュアの日本法人は、2023年にPR会社のシグナルを買収するなど、マーケティング領域を強化しています。

業界関係者の間では、「アクセンチュアがさらなる買収を仕掛けて、広告枠の調達機能を埋めに来るのではないか」という声も上がっています。

グループが抱えるのれんは2024年末時点でも、7,000億円近く残っています。

2度あることは3度あります。

そんなジンクスを打ち破れるか、日本モデルの世界展開がカギを握るという意味では、電通グループの真価が問われることになりそうです。

1兆2,000億の売上総利益が上がりながら、利益を上げられない事業構造というのもスゴいですね。

電通グループが、データ分析を売りにしたDX・コンサルティングビジネスをしていたのは知りませんでした。

広告以外では、国関係の補助金などの事務局業務を受注して、丸投げして稼いでいるのかと思っていました。

広告も、フジテレビの問題で、今後どうなるか分からないですね。

電通を襲った再びの悪夢「世界進出」の落とし穴について、あなたはどう思われましたか?


クスリのアオキが食品スーパーのM&Aを加速するワケ!

M&A Onlineによると、食品スーパーマーケットとドラッグストアはいずれも業界再編が進んでいます。

食品スーパー市場はコロナ禍で伸びたとはいえ、市場規模は2010年代以降、横ばいに推移してきました。

一方、ドラッグストア市場は拡大し続けているものの、地方の小規模業者は厳しい状況にあります。

こうした状況で業界8位の「クスリのアオキホールディングス」(クスリのアオキHD)は各地の地場食品スーパーを次々に買収しています。

ドラッグは食品スーパーを買収する背景には、どういう狙いがあるのでしょうか?

ドラッグストア業界で8位に位置するクスリのアオキHDですが、後述のとおり、食品や総菜に力を入れており、店舗は“食品スーパー化”しています。

そして、近年の事業拡大では、新規出店のみならず、地場の食品スーパーを買収し、ドラッグストアへ業態転換する手法も採ってきました。

先に結論を言うと、地場の食品スーパーのM&Aを進めるのは店舗物件に加え、買収先が持つ運営・仕入れのノウハウが手に入るためなのです。

そして、アオキが買収を進める食品スーパー市場は成長期が終わり、特に小規模業者は厳しい局面に置かれています。

経済産業省の商業動態統計調査を参照すると、食品スーパーの市場規模は2019年の13兆983億円から2023年の15兆6,492億円へと拡大しました。

コロナ禍に伴う巣ごもり需要や値上げが影響した形です。

しかしながら、市場規模は1997年に12兆円を突破後、2013~2019年の間は13兆円台を推移し横ばい傾向にあったのです。

人口減少も進み、特に地方の弱小業者を買収するハードルは低下しています。

地場の食品スーパーのM&Aのほか、近年の大型案件では2015年のイオンによるダイエーの子会社化が挙げられます。

一方のドラッグストア業界は2015年に5兆円、2020年に7兆円を超え、2023年は8兆3,438億円の規模となりました。

食品スーパー市場とは対照的に伸びが著しく、「食品や日用品、化粧品の安売りで集客し、利益率の高い薬で儲ける」ビジネスモデルが成功した形です。

大型店では1店舗で何でも揃うというワンストップショッピングのメリットも大きいです。

ところが、小中規模業者が乱立するような状況であり、仕入のスケールメリットなどの観点から食品スーパー同様に業界再編が進んでいます。

2021年にはマツモトキヨシHDとココカラファインが経営統合して、業界3位のマツキヨココカラ&カンパニーが誕生しました。

業界1位のウエルシアHDと2位のツルハHDも、将来的な統合に向けて協議を進めています。

同じ業界でひとくくりにされがちなドラッグストア各社ですが、例えば、コンビニ市場とは違い、各社の商品構成は大きく異なります。

大まかには、『ロードサイド型』と『都市型』に二分されます。

今回のクスリのアオキHDはロードサイド型ドラッグストアであり、ウエルシアHDやツルハHDもこれに分類されます。

ロードサイド型ドラッグストアは食品の割合が25%前後と高く、化粧品は15%程度しかないのです。

食品の安売りを集客手段として拡大してきた背景があり、食品スーパーのように生鮮や惣菜を充実させている大型店もあります。

特に地方のロードサイド型店舗では、“食品スーパー化”が著しくなっています。

2017年にツルハHDの傘下に入った静岡県が地盤の「杏林堂薬局」は、調剤併設型店舗として平均700坪の大型店舗を出店しています。

250坪を目安とする郊外型ドラッグストアや300坪の食品スーパーよりも大きく、小さなホームセンター並みの面積です。

こうした大型店では食品スーパーのように精肉コーナーを設けています。

コンビニよりも店舗数が多いと言われている地方において、食品スーパーとしての機能を備えるドラッグストアは、重要な買い物の場として機能してきました。

一方のマツキヨココカラ&カンパニーを筆頭とする都市型ドラッグストアは、主に駅前・市街地に出店し、売上高に占める化粧品の割合が3割を超え、食品は1割を下回ります。

ロードサイド型が食品の安売りを集客手段としてきたのに対し、都市型は化粧品に特化してきたのです。

クスリのアオキHDは1985年に設立され、石川県が地盤のドラッグストアとして北陸を中心に事業拡大を行ってきました。

2007年に100店舗を達成、2018年には500店舗を達成し、現在では約950店舗を展開するなど著しいスピードで拡大してきました。

2024年5月末時点で373店舗の北信越、262店舗の関東が中心で、東北や東海、関西、四国にも進出しています。

地方・ロードサイド型のドラッグストアであり、東京都内には出店していません。

従来は新規出店が主でしたが、近年では地場の食品スーパーを買収しています。

手始めに石川県で食品スーパーを6店舗展開していたナルックスを2020年6月に買収(額は非公開)し、以降は毎年のように買収を行っています。

いずれも、各地で数店舗を展開する地場の食品スーパーです。

2024年は既に4件のM&Aを手掛けています。

買収先を食品スーパーとして存続する例はほぼみられず、次々に「クスリのアオキ」へと業態転換しています。

こうしたM&Aについて、食品スーパーの持つ仕入・運営ノウハウの獲得や生鮮MDの強化、好立地物件の確保などを目的としています。

2026年5月期売上高4,850億円(2024年5月期は4,369億円)を目指すクスリのアオキHDは現在の中期経営計画において、①「フード&ドラッグへの転換」、②「調剤併設率70%」、③「ドミナント化への移行」の3点を指針としています。

フード&ドラッグへの転換は、いわばドラッグストアの“食品スーパー化”です。

①に関しては生鮮を充実させた400坪店舗を基本形として、そのノウハウを既存の300坪店舗にも応用する方針です。

また、2025年5月期までに小型店を除き、全店舗で惣菜を販売する計画です。

地場の食品スーパーの取得には、生鮮・惣菜のノウハウをそのまま活かせるメリットもあります。

拡大路線をとる限り、地場食品スーパーを買収して店舗・ノウハウを取り込みつつドラッグストアへ業態転換するという動きを継続するでしょう。

今後のM&Aに注目したいですね。

人口10万人当たり大型小売店数全国1位である我がうどん県(香川県)で健闘していたムーミーも、最近、クスリのアオキHDに事業譲渡し、一部店舗はリニューアルオープンし、残りの店舗は2025年初夏にリニューアルオープンする予定です。

個人的には、地元の企業が県外の企業にM&Aされるのは残念であり、ドラッグストアはコスモス薬品などがどんどん出店しているので少々飽き気味ですが、小売店の活性化につなげて欲しいと思います。

最近も大型小売店の出店が続いていますが、どう戦っていくのかウォッチしていきたいですね。

クスリのアオキが食品スーパーのM&Aを加速するワケについて、あなたはどう思われましたか?


売上1兆円を目指す居酒屋「ワタミ」がSubway日本法人の子会社化で業績への貢献は?

M&A Onlineによると、居酒屋などの外食事業や宅配食事サービス事業などを手がけるワタミが、2024年2度目となるM&Aに踏み切りました。

ワタミはアメリカのサンドイッチチェーン「Subway(サブウェイ)」の日本法人である日本サブウェイ(東京都品川区)を2024年10月25日に子会社化するとともに、アメリカ以外での事業を統括するオランダのサブウェイ・インターナショナル(アムステルダム)との間で、日本国内で「サブウェイ」を展開できるマスターフランチャイズ(日本国内でフランチャイズ本部になる権利)契約を結びました。

2024年1月にシーフードや肉類の輸入や加工を手がけるシンガポールのLEADER FOODグループの3社を子会社化したのに続くもので、農業、製造業、小売業を一体運営するワタミモデル拡大の一環です。

ワタミは2024年に創業40周年を迎えたのを機に、ホームページで公開した渡邉美樹代表取締役会長兼社長CEO(最高経営責任者)のトップメッセージで、ワタミモデルを世界モデルにするとともに、2048年までに1兆円企業になるとの目標を掲げています。

今後M&Aが一段と活発化しそうです。

サブウェイは2024年10月25日時点で、既存店の売り上げが48か月間連続で増加しており、店舗数は2024年10月30日の福岡赤坂店(福岡県福岡市)のオープンで206店舗となりました。

2024年に約20店舗の出店を計画しており、今後5年間で300店舗まで拡大する従来の計画に加え、ワタミが経営権を握ったことで、渡邉会長兼社長は、将来は現在の10倍以上となる3,000店舗を目指す考えを示しています。

サブウェイの顧客層は20~30代がメインです。

渡邉会長兼社長は「第二の創業で、ワクワクする。若い人や女性が好きなワタミというブランドに生まれ変わる最大のチャンス」と語っており、ブランドイメージの転換と店舗数拡大を目指す考えです。

大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドは、現在日本国内でおよそ3,000店舗を展開しており、サブウェイ3,000店舗が実現すれば、マクドナルドと同等規模の店舗数となり、知名度は大きく向上します。

果たして思惑どおり、居酒屋のワタミからサンドイッチのワタミに生まれ変われることはできるのでしょうか?

現在、ワタミは国内7か所の農場(530ヘクタール)で農業と酪農を行っており、ここで生産された農畜産物を加工し、グループの外食事業や宅配食事サービス事業で使用しています。

こうした食材を生産し、加工して、販売する取り組みをワタミモデルとしており、農畜産、加工、外食などの分野でM&Aを活用することでワタミモデルを拡大する方針です。

ワタミは日本サブウェイを子会社化したことで、食の総合企業としての事業展開を強化するとともに、自社生産の野菜を使用した商品開発や、フランチャイズ展開のノウハウの強化、海外進出の促進など、さまざまなシナジーを見込んでいます。

2024年1月のLEADER FOODの子会社化では、国内外のサプライチェーン強化や海外への販路拡大、ワタミモデルの海外展開を狙いに挙げており、今回のサブウェイの子会社化でも食関連の事業拡大とともに、海外進出の促進を狙いとして挙げています。

新しいチェーンの創出と並んで、海外進出、ワタミモデルの世界展開が今後の事業運営でのキーワードとなりそうです。

日本サブウェイはフランチャイズ方式でサブウェイを運営しており、2023年12月期の売上高は5億3,600万円(前年度比15.5%減)、営業利益は3,000万円(同34.7%減)でした。

子会社化によって、この数字がワタミの業績に加わることになりますが、これだけでは業績に与えるプラス効果はさほど大きくありません。

加盟店からはロイヤリティが売り上げの8%、宣伝促進費として売り上げの3.5%を受け取っています。

ただし、ワタミがサブウェイの店舗を直接運営すれば、売り上げ、利益ともに大きく伸びることが予想されます。

食材を生産し、加工して自ら販売するワタミモデルを拡大することで、1兆円企業を目指すとなれば、店舗の直接運営という選択は自然な流れのように見えます。

ワタミはコロナ禍の影響で2021年3月期と翌2022年3月期に営業赤字に転落しましたが、2023年3月に黒字転換し、2024年3月期も増収営業増益を達成しました。

ワタミが2025年3月期第1四半期決算時(2024年8月9日)に公表した業績予想(それまでは中東やウクライナ紛争などの先行きが不透明なため非公表。)によると、2025年3月期の売上高は881億円(前年度比7.0%増)、営業利益は41億円(同9.2%増)で、3期連続の増収営業増益を見込んでいます。

好業績は新しいチェーンの創出やM&Aの活発化の追い風になりそうです。

ワタミが農業や酪農をやっていることを知りませんでしたが、そこで採れたものを自社やサブウェイで使うとなると、ワタミもサブウェイも同業者と比べて、かなりのアドバンテージが出てくるように思いますね。

マクドナルド並みの3,000店舗にするとなると、農業も拡大するでしょうから、良い企業をM&Aしたなぁと感じます。

M&Aで売上高1兆円をぜひとも達成して欲しいと思います。

売上1兆円を目指す居酒屋「ワタミ」がSubway日本法人の子会社化で業績への貢献について、あなたはどう思われましたか?


サンマルクが112億円で牛カツ「京都勝牛」を子会社化!

2024年10月09日(水)

日本経済新聞によると、外食店を展開するサンマルクホールディングス(HD)は、先日、同業のジーホールディングス(GHD、東京都中央区)を子会社化すると発表しました。

GHDの全株式を、2024年11月中旬に取得するようです。

概算の取得額は112億円です。

GHD子会社が展開する牛カツ定食「京都勝牛」ブランドなどを傘下に入れ、訪日客の取り込みや海外進出の強化につなげます。

GHDは国内に直営74店舗、フランチャイズとして国内外に43店舗などを運営しています。

子会社のゴリップ(京都市)やOHANA(愛知県刈谷市)が、京都勝牛のほかカフェの「NICK STOCK」を手がけています。

2024年7月期の売上高は92億円です。

サンマルクHDは、出店ノウハウや物流網の共有、デジタル活用の支援によりGHDの成長を加速させ、和食業態を経営の柱の一つにする狙いです。

個人的には、牛カツが好きなので、梅田や三ノ宮の『京都勝牛』のお店に行ったことがあるので、サンマルクHDが買うんだぁと思いました。

以前は、高松にもサンマルクのベーカリーレストランがあり、行ってましたが、現在は四国にはベーカリーレストランはなく、サンマルクカフェが香川県には3店舗あるだけなんですね。

サンマルクHDのプレスリリースを見ると、GHDの連結純資産は約57億円、EBITDAは15億円ですから、妥当な金額といったところでしょうか。

サンマルクが112億円で牛カツ「京都勝牛」を子会社化することについて、あなたはどう思われましたか?


すかいらーくHDが「資さんうどん」運営会社を買収し完全子会社へ!

NHKによると、大手外食チェーンの「すかいらーくホールディングス」は、九州を中心に「資さんうどん」のブランドで和食レストランを運営する会社の株式を取得し、完全子会社にすると発表しました。

ファミリーレストランの「ガスト」などを展開する「すかいらーくホールディングス」は、福岡県北九州市に本社があり、九州を中心に和食レストランの「資さんうどん」を運営する会社を買収すると発表しました。

買収にかかる金額は240億円で、2024年10月上旬にすべての株式を取得し、完全子会社とする方針で、和食レストランのブランドは維持することにしています。

「資さんうどん」は、九州の国道沿いのエリアなどを中心に、およそ70店舗あり、2023年から関西にも出店を始めたということです。

「すかいらーくホールディングス」は、買収によって全国への出店を進めるとともに、九州に根ざしたチェーンをグループに取り込むことで収益の拡大を図りたいとしています。

スーパーやドラッグストアは、どんどん大きなところが小さなところを買収して寡占化が進んでいると思いますが、飲食業界も、チェーン店を全国展開している大きなところが、地方でチェーン店を展開しているようなところをどんどん買収していくのかもしれませんね。

僕は根っからの香川県人(うどん県人)なので、うどんには反応してしまいますが、「資さんうどん」など九州のうどんは柔らいので、「すかいらーくホールディングス」が全国へ出店するとしても、香川県は厳しいでしょうね。

以前、讃岐うどんをやっているお店が全国展開を図ろうとしていたときも、九州はお店を出しても流行らなかったらしいですから。

すかいらーくHDが「資さんうどん」運営会社を買収し完全子会社をすることについて、あなたはどう思われましたか?


オートバックスセブンがディーラー事業強化へ初のTOB!

M&A Onlineによると、オートバックスセブンはカー用品販売の業界トップに立ち、2位のイエローハットを売上規模で5割以上引き離しています。

とはいえ、先行きは必ずしも安泰ではないようです。

人口減による自動車保有台数の減少や若者層のクルマ離れで市場の縮小が避けられないためです。

事業の多角化と海外展開が経営課題となる中、その手立ての一つとしてM&Aにどう向き合うのでしょうか?

オートバックスセブンは今夏、同社として初めてのTOB(株式公開買い付け)に着手しました。

ターゲットは、東証スタンダードに上場するホンダ系自動車ディーラーの東葛ホールディングス(HD)です。

買付期間は8月9日~9月24日で、最大約41億円を投じて全株式の取得を目指しています。

ディーラー事業の成長・拡大につなげるのが狙いです。

TOB主体はディーラー事業を統括する傘下のオートバックス・ディーラーグループ・ホールディングス(東京都練馬区)です。

現在、ドイツ車「アウディ」、中国車「BYD(比亜迪)」の正規ディーラーを運営するが、国内メーカー車の販売に乗り出すのは今回のホンダ車が初めてとなります。

東葛HDは1969年にホンダ車の販売を目的に設立され、千葉県北西部を地盤に、新車拠点9店舗、中古車拠点3店舗を運営しています。

オートバックスセブンの2024年3月期業績は、売上高2.7%減の2,298億円、営業利益31%減の80億円、最終利益12%減の63億円でした。

売上構成をみると、カー用品や車検・サービスを柱とする国内オートバックス事業が7割以上を占め、残りを海外事業、ディーラー事業、BtoB事業(車両メンテナンスなど)、オンラインアライアンス事業(ネット販売など)、ファイナンス事業などが分け合っています。

カー用品店「オートバックス」を中心とする店舗数は国内590、海外109(2024年3月末)です。

国内のカー用品市場ではオートバックスセブンがイエローハットとともに“2強”を形成していますが、売上規模を比べれば、2,000億円を超えるオートバックスセブンがイエローハットの1,446億円(2024年3月期)を大きくリードしています。

しかし、2000年代に入って以降、カー用品市場の縮小に伴い、売上高は現状維持にとどまり、2,000億円台前半で一進一退が続いてきたのが実情です。

およそ20年に及ぶ停滞期を打破し、再成長を期して2023年5月に策定したのが「Beyond AUTOBACS Vision 2032」と題した長期ビジョンです。

最終年度の2033年3月に売上高5,000億円を掲げており、目標水準は現在の2倍以上にあたります。

同ビジョンを踏まえた足元の中期経営3カ年計画(2024年4月~2027年3月)は最終年度に2,800億円を目指しています。

この中で重点施策の一つにディーラー事業の強化を打ち出していました。

オートバックスセブンがディーラー事業に進出したのは2015年です。

ドイツ車BMWの正規ディーラーであるアウトプラッツ(東京都豊島区)を傘下に収めたのがスタートです。

2021年にはアウディの正規ディーラーを栃木・千葉県で運営するTAインポート(現バックス・アドバンス、栃木県宇都宮市)をグループに迎えました。

この間、2019年にディーラー事業の総括会社として、オートバックス・ディーラーグループ・HDを設立しました。

2023年には同社の傘下に新会社・バックス・eモビリティ(東京都練馬区)を立ち上げ、中国EV(電気自動車)大手のBYD車の販売を始めるとともに、中古EV専門の展示場を東京都内と栃木県宇都宮市に開設しました。

一方で、この年、BMW車のディーラー事業から撤退しました。

実は、オートバックスセブンはM&Aの経験が極めて豊富なことで知られています。

2014年以降の10年間に30数件のM&Aを手がけ、今年だけでもすでに触れたTOB案件を含めて6件に上ります。

内容的にはカー用品店「オートバックス」のFC(フランチャイズチェーン)加盟店や、各地の車検・整備会社を取り込むケースが多かったのですが、最近では新事業領域での案件も目に付きます。

その一つが2024年8月末に発表した買収。電気設備工事のパワーコントロールテクニック(群馬県桐生市)を傘下に持つPCTホールディングス(東京都港区)を子会社化することを決めました。

拡大が見込まれるEV充電器の据え付け工事需要に備える狙いとみられます。

現在、「オートバックス」の都内・都市近郊の店舗では急速EV充電器の設置を進めており、2023年度の3店舗に続き、2024年度は7店舗に導入を予定しています。

海外でのカー用品事業は台湾、シンガポール、タイなどアジア6か国・地域とフランスで展開し、計109店舗を構えています。

タイが82店舗と最も多く、フランスの8店舗が続いています。

アメリカ、中国には2000年代初めに出店しましたが、その後、撤退しています。

2032年度までの長期ビジョンでは期間中、総額1,000億円の投資を計画しています。

既存事業の進化への成長・戦略投資に600億円、新事業創造投資に200億円、既存事業の維持・更新投資に200億円を想定しており、M&Aの出番が増えるのは間違いないでしょう。

海外事業ではアメリカ、中国への再進出する可能性もあります。

2024年11月には、「オートバックス」1号店が大阪府大東市にオープンして50年の節目を迎えます。

再成長への土台づくりをどう進めるのか、要ウオッチの局面が続きそうです。

◎オートバックスセブンの主な沿革
年    出来事
1947    自動車部品の卸売りを目的とする末廣商会として大阪市内で創業
1948    末廣商会を改組し、富士商会を設立
1974    日本初のカー用品ワンストップショップ「オートバックス」を大阪府大東市に開店
1974    FC(フランチャイズチェーン)展開を開始
1977    プライベートブランド商品として、タイヤ、オイル、バッテリーを発売
1979    オートバックス100店を達成
1980    オートバックスセブンに社名を変更
1986    海外初進出として香港に出店
1989    大証2部に上場
1991    車検の取り扱いを始める
1993    東証1部に上場(2022年4月、東証プライムに移行)
1995    ロンドン証券取引所に上場(2007年上場廃止)
1996    フランス自動車大手のルノーと提携
2000    中古カー用品買取・販売の「走り屋セコハン市場」を開店
2003    米国に出店(その後、撤退)
2004    中国に出店(その後、撤退)
2015    独BMW正規ディーラー事業を開始(2023年に撤退)
2019    ディーラー事業の統括会社オートバックス・ディーラー・グループ・ホールディングスを設立
2022    中国EV大手のBYD(比亜迪)とディーラー契約
2024    ホンダ系ディーラーの東葛ホールディングスをTOBで子会社へ

個人的には、イエローハットの株主であること、近くのオートバックスがオイル交換の時に駐車場から作業場まで自分で車を動かさないと行けないのがどうも好きになれないことなどから、オートバックスではなく、イエローハットを使っているので、オートバックスのことはほとんど知らなかったのですが、ディーラー事業に走っているんでしょうね。

経営計画で数年後に売上高を2倍以上にするというのは、昔のファーストリテイリングの柳井さんを思い出しますね。

柳井さんもそうでしたが、数年間で売上高を2倍にしようと思ったら、常識的に考えて、M&Aをしないとおそらく無理だと思いますので、どんどんM&Aを仕掛けていくんでしょうね。

どうやって実現していくのかウォッチしていきたいですね。

オートバックスセブンがディーラー事業強化へ初のTOBを行うことについて、あなたはどう思われましたか?


カナダのコンビニ大手がセブン&アイに買収提案!

日本経済新聞によると、セブン&アイ・ホールディングス(HD)がカナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたことが先日、わかったようです。

セブン&アイは社外取締役で構成する独立委員会を立ち上げており、評価額など提案内容の精査を始めた。その答申を踏まえ、受け入れるかを検討します。

提案を知る複数の関係者が明らかにしました。

提案は法的拘束力のないものだそうです。

出資比率や株式の取得方法などの詳細は明らかになっていません。

セブン&アイの時価総額は、2024年8月16日時点で約4兆6,000億円です。

完全買収するには少なくとも5兆円以上が必要となります。

実現すれば、海外企業による日本企業買収としては最大級となる見通しです。

2023年に経済産業省が定めた「企業買収における行動指針」では、経営支配権を目的とした買収提案は取締役会に付議または報告するよう求めています。

真摯な買収提案であれば真摯な検討が必要だとしています。

セブン&アイは指針を踏まえ、アリマンタシォンの提案を検討するため、社外取締役による独立委員会を立ち上げました。

独立委員会では提案がセブン&アイの企業価値を適切に評価したものか、長期的な成長につながるものかなどを検討します。

独立委員会の結論を踏まえ、セブン&アイの取締役会は提案を受け入れるか判断します。

取締役会が提案を拒否した場合、アリマンタシォンが同意を得ないままTOB(株式公開買い付け)に乗り出す可能性もあります。

これまで日本企業は買収提案を受けても、取締役会に諮らずに水面下で是非を判断することが多かったようです。

指針は株主に対する公平性や透明性を確保するためのもので、今回のセブン&アイの独立委員会を設けての対応は日本の「M&A(合併・買収)文化」の変化を示しているといえるでしょう。

アリマンタシォンは「クシュタール」や「サークルK」といったブランドで、北米のほか、スウェーデンやフィンランド、アイルランド、ポーランドなどに店舗があります。

店舗数は世界約30カ国で約1万7,000店に及びます。

カナダのトロント証券取引所に上場しており、時価総額は約800億カナダドル(約8兆6,000億円)とセブン&アイを上回っています。

アリマンタシォンは2020年にもセブン&アイに買収を打診しています。

2024年4月期の売上高は692億ドル(約10兆円)と同じくコンビニを中核とするセブンの約11兆円(24年2月期)と同規模です。

両社の売上高は単純合算で20兆円規模となり、コンビニを軸にした世界有数の巨大小売りグループが誕生する可能性もでてきました。

アリマンタシォンの狙いはアジアへの展開や店舗網の拡大にあるとみられます。

セブンはすでに世界20の国・地域で約8万5千店のコンビニを持っています。

2021年には米国でガソリンスタンド併設型コンビニを展開する「スピードウェイ」を買収しました。

2030年までに約30の国・地域の10万店まで拡大する方針を掲げています。

セブン&アイは買収提案を慎重に検討する方針ですが、弁当や総菜などが主軸の日本流のコンビニ運営方法に加えて、商品開発や従業員の教育などについても両社の考え方には違いが多いとの見方もあるようです。

アリマンタシォンの狙いが何かよく分かりませんが、国内トップだとしても海外の企業に買収されてしまう可能性があるということを示した案件だと思います。

上場企業である以上、常にそういう可能性があるということを経営者は意識しておかないといけないと思いますし、対策も考えておかないといけないんでしょうね。

カナダのコンビニ大手がセブン&アイに買収提案したことについて、あなたはどう思われましたか?


商工中金がM&A新部署を設立!

Forbes JAPANによると、商工組合中央金庫(以下、商工中金)が、2024年にM&Aアドバイザリー部を設立し、中小企業へのM&A支援に力を入れる方針を掲げています。

M&Aアドバイザリー部において、中小企業の経営者と日々向き合っている藤井和昭氏と橋本悠保氏が、M&A支援のミッションや具体的な支援内容、今後の展望を語っています。

商工中金は2024年4月にM&A支援室と事業承継グループを統合し、M&Aアドバイザリー部を設立しました。

M&Aアドバイザリー部で西日本エリア統括を務める藤井和昭氏(以下、藤井氏)は、部門設立の思いを語っています。

「後継者不在のみならず、人口減少によるマーケット縮小、持続的な成長への不安など、複合的な要因によってM&Aを検討する経営者は増えています。また、若い経営者が会社をさらに成長させるために大手企業にグループインする成長志向型M&Aを検討される時代になり、お客さまの多様なニーズにしっかり応える体制を整えました」(藤井氏)

同じくM&Aアドバイザリー部アドバイザーの橋本悠保氏(以下、橋本氏)は、「近年は、M&Aの相談をいただく企業の規模が大型化していると感じます。これまで商工中金が手がけるM&Aは売上高数億円のお客さまからのご相談が中心でしたが、売上高数十億円、従業員が100人を超えるお客さまからご相談をいただくケースが増えています」と、M&A検討企業の現状を指摘しています。

M&Aアドバイザリー部は総勢30人です。

東京と大阪に拠点を構え、日本全国の経営者の悩みによりスピード感をもって対応できる体制を整えました。

その顔ぶれとしては、10年以上M&A業務にたずさわる経験豊富なメンバーのみならず、中小企業診断士や社会保険労務士、不動産鑑定士などの資格保有者が多数在籍するほか、税理士等も出向しており、多面的な視点から提案することができる専門家が集結しています。

M&Aアドバイザリー部は、中小企業から承継に関する相談があれば、全国47都道府県にある支店の担当者とともに訪問します。

「初回訪問ではお客さまの悩みをお聞きするところから始めます。そして、将来どのように会社を成長、発展させたいのかなど今後のストーリーをうかがっていきます。そのうえで、選択肢として親族内承継、MEBO(役員または従業員への承継)、M&Aなどの承継方法をご説明していきます」(橋本氏)

「承継に関する悩みは、経営者にとって半年や1年といった短期間で決断し、解決されるものではありません。役員・従業員はもちろん、家族にさえ相談できないケースも珍しくなく、親族内承継やMEBO、M&Aなどの複数の選択肢のなかで思い悩まれる方は非常に多いです。こうした揺れ動く心情は経営者として当然の心理、ということを理解していますので、ささいなことでも、お考えをお聞かせいただきたいです」(藤井氏)

何代にもわたり承継されてきた歴史的背景や経営者の会社に対する思いなどをアドバイザーが把握していることは、経営者が心から納得するM&Aを成立させるために欠かせません。

だからこそ、商工中金では中長期的な視点で顧客本位の姿勢を大切にしています。

そのため、経営者は、M&Aの話を進めている途中でもMEBOに移行する、またはその逆など当初とは異なる選択をとる場合もあります。

どのような結論に至ったとしても、「お客さまの事業が円滑に継続されるようたずさわっていく」と橋本氏は言っています。

「お客さまは、歴代の支店の担当者とも何十年にもわたって信頼関係を築いてきた方々ばかりです。強引にM&Aを進めて、これまでの信頼を損なうことがあってはなりません」(橋本氏)

藤井氏も「M&A成立後も、譲渡企業と譲り受け企業の双方がともに成長することが重要ですし、お客さまと商工中金との間ではご融資などのお付き合いは続きます。M&Aによって事業が継続でき、従業員もより安心して働けるよう、腰を据えて経営者とじっくり話し合い、最適解を見つけていくことが何よりも大切です」と、商工中金がM&A業務を行う意義を語っています。

これまでに手がけたM&A支援には、商工中金ならではの事例が多くあるようです。

橋本氏が担当した運送業の場合、譲渡企業側の経営者からM&Aの相談を受けてから株式譲渡の成立までに5年以上の歳月をかけました。

その経営者は、当初はM&Aの意向があったものの、M&Aプロセス中に一度親族内承継へ考えが変わりました。

しかしながら、運送業界の働き方改革などの業界動向をふまえ、自社単独で経営するよりも、やはりM&Aによりパートナーを探すことが最善であると再考し、かじを切りました。

その間、経営者は、将来自社のあるべき姿、親族や従業員の人生、運送業界の将来などあらゆる観点で葛藤を抱き続けていたそうです。

「M&Aアドバイザリー部のみならず支店の担当者もお客さまのお話、ご意向をうかがい、その葛藤に寄り添い続けました。じっくり時間をかけたからこそ、お客さまは最も納得できる結論が出せたと思います」(橋本氏)

また、最適なマッチングを実現するために、地域金融機関とも連携しています。

地域金融機関の営業エリア内でM&Aの相手先を探せなかった場合などに、商工中金の全国ネットワークから最適な譲り受け候補先を探し、マッチングをしていきます。

「地域金融機関との連携を含め、外部ネットワークが充実しているのも当金庫の強みです。地域金融機関との連携は引き続き強化していき、より多くの中小企業にM&Aを通じた成長機会を提供したいと考えております」(藤井氏)

別組織だったM&A支援室と事業承継グループを統合させ、M&Aアドバイザリー部を設立しました。

M&Aと事業承継のチームが連携し、経営者が最適解を見つけるまで支ます。

M&Aアドバイザリー部のミッションは、中小企業から選ばれる存在であることを目指し、付加価値を提供することです。

「当金庫には、中小企業専門の金融機関として全国の中小企業と深く接してきた歴史があります。各業界に対する深い知見や事業性評価などのノウハウを生かし、企業の成長を後押しするM&Aを実現できることは当金庫の強みです」(藤井氏)

また、これまでは事業ライフサイクルの成長期から安定期にある企業のM&A支援が多かったですが、今後は創業期や衰退期の企業にも対象を広げ、M&Aを通じて企業の持続的な発展をサポートしていきたいそうです。

「中小企業の経営者がもつ夢や情熱のバトンをご納得いただけるM&Aというかたちで次世代につなげ、大きな社会的インパクトを生み出したい」と橋本氏は展望を語っています。

中小企業の経営者は、取引先との関係や資金繰り、人材確保、事業の継続など、複雑に絡み合う経営課題を目の前にして日々葛藤しています。

こうした経営者にとって、長期的な付き合いがあり、自社の歴史や経営を深く理解している商工中金という存在があることは、M&Aを選択する際に大変心強いです。

M&A支援だけでなく、融資なども含めた総合金融サービスを提供する商工中金は常に経営者に寄り添っています。

「M&A含め、事業承継における検討事項は多岐にわたり、その方針決定には信頼できるアドバイザーの活用が不可欠であると考えています。商工中金ではM&Aだけでなく、親族内承継やMEBOなど幅広い支援が可能であり、M&Aありきで話を進めません。経営者に寄り添って最適解を見つけるスタンスで活動しておりますので遠慮せずまずはご相談ください」(藤井氏)

こういった記事を目にする度に、M&Aも随分世の中に浸透してきたなぁと感慨深いものがありますが、一方で、我々、公認会計士や税理士ももっと頑張らないといけないなぁと思います。

金融機関も中小企業と深い関係にあるとは思いますが、会計事務所はもっと深い関係にあると思うからです。

知らないうちにM&Aの話しが進んでいて、顧問税理士の変更で顧問先がなくなってしまうということは避けないといけないと思います。

会計事務所が業務をやるかどうかはともかく、金融機関ではなく、会計事務所に真っ先に相談があるように、普段から事業承継やM&Aなどのお話もしておかないといけないなぁと改めて感じました。

商工中金がM&A新部署を設立したことについて、あなたはどう思われましたか?


レッドブルがサッカー大宮アルディージャを買収する理由とは?

M&A Onlineによると、オーストリアの大手飲料メーカー、レッドブルがTT東日本からサッカーJ3の「大宮アルディージャ」を買収すると多数のメディアが報道したようです。

国内プロスポーツは日本企業間での買収劇が繰り広げられてきましたが、外資系企業も本格的に参入した格好です。

なぜ、国内サッカーチームのM&A が外資を巻き込んで活気づいているのでしょうか?

外資がJリーグチームに出資している事例はありますが、1社単独でオーナーになるのはレッドブルが初だそうです。

レッドブルは欧米でも2005年にオーストリアのサッカーチームSVアウストリア・ザルツブルグ(現 レッドブル・ザルツブルク)とアメリカメジャーリーグサッカーのメトロスターズ(現 ニューヨーク・レッドブルズ)を買収しています。

日本のJリーグチームとも2015年にセレッソ大阪とスポンサー契約し、2022年にセレッソ株の大半を保有するヤンマーとプレミアム・パートナー契約を締結しました。

セレッソの選手がレッドブル傘下の海外チームに移籍するなど、関係を深めていました。

スポーツチームの買収は珍しくありません。

Jリーグでも2014年に楽天グループが「ヴィッセル神戸」を、2018年にRIZAPグループが「湘南ベルマーレ」、サイバーエージェントが「FC町田ゼルビア」を、2019年にメルカリが「鹿島アントラーズ」を、2021年にMIXIが「FC東京」を、2023年にはDeNAが「SC相模原」を、それぞれ買収しています。

買収の理由は、各社とも「ビジネス機会の創出」で一致しています。

しかし細かく見ると、RIZAPグループは本業とのシナジー、楽天とメルカリは企業ブランド力向上、MIXIはウェブコンテンツの充実、サイバーエージェントとDeNAは地域づくりビジネスへの参入など狙いは様々です。

では、レッドブルはどうなのでしょうか?

レッドブルがサッカーチームを買収したのは、スポーツ飲料のマーケティングでカギを握る国です。

とりわけドイツ語圏の国を中央ヨーロッパでのマーケティングの要と見ています。

2009年にはRBライプツィヒを買収し、ドイツのプロサッカーリーグにも参入しました。

消費者購買情報の「ID-POS」を統計化したデータベース「True Data」(集計期間2024年4月1日〜6月30日)によると、「栄養ドリンク」の販売ランキングで「レッドブル」は6位です。

サントリーホールディングスの「デカビタC」や大塚製薬の「オロナミンC」、アサヒ飲料の「ドデカミン」などの後塵を拝しています。

ちなみに7位には「モンスターエナジー」がランクインしています。

レッドブルは1988年、トレイルラン、パラグライダー、カヤック、マウンテンバイクの4種目をチームでリレーする「ドロミテマンレース」のスポンサー契約を結んだのを皮切りに、ウィンドサーフィン、エアレース、ヨットレースといったエクストリームスポーツや自動車レースの最高峰F1などでブランド力を高めてきました。

ところが、いずれも日本では一般消費者になじみがなかったり、ブームが終わったスポーツばかりです。

日本で人気があるプロスポーツは野球とサッカーが双璧ですが、野球は買収価格が100億円台と高額な上に、チーム数(独立リーグを除く)が12球団と少なく「売り案件」が出て来ません。

一方、サッカーはJ1でも20億円台半ばと安く、チーム数も多いのです。

さらには債務超過と3期連続赤字を禁止する厳しいライセンス規則もあって、業績が伸び悩んでいるチームなどの「売り案件」も容易に探せます。

レッドブルが買収する大宮は、2023年度時点で債務超過に陥っておらず当期純利益も黒字でした。

しかし、近年の成績は低迷し、2023年11月に初のJ3への降格が決まりました。

親会社のNTT東日本が今後のクラブ強化コストなどを加味した採算性の問題から売却を決めたとされます。

円安による「割安感」もあり、今後はJリーグの外資による買収が加速しそうです。

バスケットボールのBリーグはかなりM&Aが行われていますが、Jリーグでも活発になっていて、外資も参入しているんですね。

プロスポーツですから、色々な国の会社がオーナーになって、既存のものを変えたり、新たなマーケティングやスポンサーがリーグに良い影響を与えれば、リーグ自体の活性化や底上げにつながるのではないかと思います。

レッドブルがサッカー大宮アルディージャを買収する理由について、あなたはどう思われましたか?


まさに吸血型M&A!

TBSは、先日のnews23で、後継者不足に悩む納豆会社にM&Aを仕掛け、資金を吸い取る、悪質な買い手企業の実態を伝えました。

神戸国際大の中村智彦教授(中小企業経営論)は、その手口を「吸血型M&A」だと批判しました。

その背景には日本の経済構造の大きな転換がありました。

中村教授に話を聞いています。

―現在、中小企業のM&Aはバブルともいえる状況にある。M&A助言会社のレコフによると、2022年の企業M&Aは過去最多の4,304件、事業承継型のM&Aは2023年に過去最大の約1兆8,400億円(買収金額等)を記録した。この背景には何があるのか。

「要因は2つある。1つは、2020年に菅政権が『日本の経済成長の阻害要因は、中小企業の生産性の低さだ』として、M&Aを積極的に支援する『国策』を次々に打ち出したこと。もう1つは、コロナ禍が沈静化した後、補助金が打ち切られ、資金繰りに苦しむ企業が続出したことだ」

―中小企業の生産性の低さとは。

「歴史は戦前に遡る。政府は中小企業を『社会的弱者』とみなした一方、『過小過多(規模が小さく、数が多すぎる)』であることを問題視していた。国家総動員体制下では、様々な業種の企業が合併を強いられた。1963年の中小企業基本法には、『中小企業は救済すべきもの』という問題意識が反映された。1999年には自助努力を支援する方向に改正されたが、生産性の向上は進まなかった」

―中小企業庁によると企業全体に占める中小企業の割合は99.7%(約337万社 2021年)。東京商工リサーチによると2023年に廃業などに踏み切った企業は約5万件で、代表者の平均年齢は72歳。中小企業庁によると、廃業の理由として28.4%が後継者不在を挙げている。

「後継者問題を抱えている経営者は、高度経済成長期の1970年代に、地方から東京や大阪など大都市に出てきた後に独立・創業して、苦労してきた人たちだ。彼らが60代や70代になった時に『さあどうしようか、後継者がいない』と悩んでいる」

―後継者がいない理由は。

 「一般的に、苦労してきた親の事業を継ぎたくない、という心理がある。私が見聞きしたケースだと、代替わりを迎えた創業者の子供達は、就職氷河期を経験してやむを得ず家業に入らざるを得なかった世代が多くを占める。二代目、三代目が『後を継ぐか?』と聞かれた時に、『自分はこれがやりたかったんだろうか』と悩んで、事業承継を断る」

―創業者の心理は。 

「『それでも従業員の生活を守らないといけない。事業を存続させたい』という気持ちがある。黒字であればなおさらだ。そのタイミングで、M&A仲介会社から積極的な営業をかけられたり、ダイレクトメールが来たりする。そうすると、『渡りに船だ』とばかりにM&Aに踏み切ることになる」

■「吸血型M&A」…「ルシアン問題」が浮かび上がらせたもの

―ルシアン社の手口は。 

「ルシアン社の場合は、仲介会社を通じて中小企業を買収し、まともに経営に取り組むどころか、契約を守らずに、株式の譲渡金を払わなかったり、負債を創業者に押しつけたり、あげくの果てに倒産に至ったケースもある。吸い取ったカネで、他の企業を買収し、更に巨額のカネを吸い取ろうとする。昆虫の「タガメ」が、活きのいい魚から血や栄養を吸い取る。標的がボロボロになったら次の魚を狙う。そんな比喩が一番当てはまる。まさに吸血型M&Aだ」

―吸血型ですね。関係者によると、ルシアン社が買収した企業は37社にのぼる。 

「芝居のようなやり口だ。台本を書いて、それぞれが役者として振る舞う。素人の手口とは思えない。関係者から、ルシアン社以外の企業も問題を起こしているケースをいくつも聞いている。ルシアン問題は氷山の一角に過ぎない。私の肌感覚では1割から2割のM&Aはまともに行われていないと思う」

―M&A仲介会社はルシアン社の問題を把握していたのか。 

「個別のケースは分からない。しかし、把握しているのであれば当然伝えるのが誠実なビジネスのやり方だろう。仮に知らなかった場合でも、『知りませんでした』『免責条項があるから責任は負いません』では済まされない。買収された企業には従業員の生活、地域での歴史、積み上げてきた信頼がある。健全な中小企業を詐欺的な行為で失うことは地域の経済の衰退を加速させる危険性を孕んでいる」

―中小企業の経営者は適切な判断ができるのか。

「いかにも優秀そうな、仲介会社のコンサルタントが東京から地方に乗り込んでくる。M&Aを経験したことのない経営者の前で、立て板に水のプレゼンをする。そこで紹介された会社に、よもや騙されるとは思わない。経営者には、『早く売却したい』という切羽詰まった事情がある。それが被害の拡大に拍車をかける」

―仲介業者への規制はないのか。

「不動産や金融には、それぞれの業界を規制する『業法』がある。しかし、M&A仲介業にはそれがない。専門的な資格制度もないので、誰でも『コンサルタント』を名乗ることができる。法規制の議論をすることが時期尚早だとは思わない。業界団体や第三者機関が仲介会社の格付けをすることも効果的だ」

―中小企業と長年取引をしている銀行の役割は。

「M&Aによる業績改善を見込んで融資を行う。買収側はその貸付金までも吸い取る。結果として、銀行は貸し倒れの被害に遭うが、あまり知られたくないので、実は明るみに出ていないトラブルが多数あるとみている。一方で、地方の金融機関は、地域の実情を知悉している。既に買い手企業に関する信用情報を掴んでいることもある。経営者は仲介会社の情報だけではなく、彼らに積極的に相談し、頼るべきだ」

吸血型M&Aって、スゴく表現がうまいなぁと思いました。

僕自身は15年以上前からM&A関連業務に関わっていますが、最近、増加しているM&A儲かるということで金融機関をはじめ、様々なところがM&A関連業務に参入し、また、マッチングサイトに登録している専門家でもM&Aをやったことがないのではないかと思われる専門家が結構多いのと、経済産業省に登録しているところでもM&Aをやったことがないのではないかと思われる登録機関が結構多い(そもそも税理士法人では法律上できないのではないかと思っていますが。)ことから、遅かれ早かれこのようなことは起こるのではないかと思っていましたが、やはり出てきましたね。

こういう事件をきっかけにでも、規制などをしていかないと、せっかくM&Aというものが世の中に認知されはじめた(毛嫌いされなくなった。)のに、後戻りしてしまうのではないかと危惧しています。

まさに吸血型M&Aについて、あなたはどう思われましたか?


古河電池をアドバンテッジパートナーズが買収!

日本経済新聞によると、投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(東京都港区)は、先日、2次電池の鉛蓄電池大手の古河電池を買収すると発表しました。

TOB(株式公開買い付け)などを経て、約400億円で全株式を取得し非公開化します。

親会社の古河電気工業は非公開化後に再出資します。

アドバンテッジパートナーズは2021年に買収した鉛蓄電池会社と古河電池を統合する計画です。

電気自動車(EV)の補助電池や再生可能エネルギーの貯蔵に使う鉛蓄電池の再編が、ファンド主導で進むことになります。

TOB価格は1株1,400円です。

規制当局などの許認可を得た後、2025年3月下旬にもTOB(株式公開買い付け)を実施する予定です。

買収には東京センチュリーも加わります。

古河電池株を約57%持つ古河電工はTOBには応募しません。

その後の古河電池の自社株買いに応じる形で全株を売却します。

TOBが成立すれば古河電池は上場廃止となります。

古河電池は、同日、TOBへの賛同を表明しました。

買収会社には古河電工が再出資し、アドバンテッジパートナーズは約6割、東京センチュリーと古河電工が2割ずつ出資する形となります。

アドバンテッジパートナーズと東京センチュリーは2021年に昭和電工マテリアルズ(旧日立化成、現レゾナック)から鉛蓄電池事業を買収しています。

そのエナジーウィズ(東京都千代田区)と古河電池を統合させます。

古河電池は古河電工が電池製作所を開く形で設立されました。

自動車用バッテリーに使われる鉛蓄電池などを手掛けています。

鉛蓄電池はリチウムイオン電池がメインのEVやハイブリッド車(HV)でも補助として使われるほか、太陽光発電など再生可能エネルギーシステムの電力貯蔵などに使われます。

リチウムイオン電池より安価で、原材料の鉛のリサイクル率が高いことも強みとなります。

国内の自動車向け鉛蓄電池はジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)が高いシェアをもっています。

古河電池の2024年3月期連結決算は売上高が前の期比9%増の754億円、純利益が3.2倍の25億円でした。

値上げの効果のほか、退職給付制度の改定による特別利益の計上もあり増収増益となりましたが、GSユアサは売上高5,628億円、純利益320億円と差が大きくなっています。

古河電池とエナジーウィズを統合し規模を拡大し、拠点の集約や原料の共同調達などでコスト削減を進めます。

製品物流や使用済み電池の回収も効率化が期待でき、鉛のリサイクルなどを加速して脱炭素にもつなげます。

古河電工は資本効率改善のため、上場子会社の株式売却や事業の整理を進めています。

先月にはUACJ株を一部証券会社に売却し、保有割合を議決権ベースで25.20%から19.75%に下げて持ち分法適用から外しました。

古河電池株の売却で得た資金は今後の戦略投資にあてます。

ちなみに、2次電池とは、使い切りの1次電池に対して、充電して繰り返し使える電池を2次電池といいます。

電気自動車(EV)や再生可能エネルギーの電力をためておくことに使え、脱炭素の「切り札」ともいえます。

軽くて容量が大きいリチウムイオン電池に対して、太陽光発電など再生可能エネルギーシステムの電力貯蔵用途でニーズが高まっているのが鉛蓄電池です。

日本で初めて試作されたのは1895年で、リチウムイオン電池よりも長い歴史を持ちます。

豊富に取れる鉛を使うため安価で、発煙・発火のリスクが低く、リサイクル率も高いのです。

太陽光や風力など季節や時間帯によって発電量の異なる発電の課題の克服に欠かせません。

経済産業省の機械統計によると、2023年の国内の2次電池の販売金額は前年比26%増の1兆4,289億円でした。

そのうちリチウムイオン電池は6割、鉛蓄電池は15%を占めています。

鉛蓄電池は、ジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)が国内最大手で、パナソニックホールディングスは2023年に同事業から撤退しました。

世界ではアメリカのクラリオスが高いシェアを持っています。

蓄電池は将来的に期待できる業種かと思っていたのですが、手放すんですね。

パナソニックホールディングスも撤退していますし、続けても、GSユアサには到底及ばないということなのでしょうか?

一方、アドバンテッジパートナーズは、どこに勝算があると考えているのか気になりますね。

古河電池をアドバンテッジパートナーズが買収することについて、あなたはどう思われましたか?


中小M&Aの過大な仲介手数料の抑止ため経済産業省が指針改定へ!

日本経済新聞によると、中小企業は経営者の高齢化や人手不足などで円滑な事業承継が課題になっています。

経済産業省は中小企業のM&A(合併・買収)に関わる仲介事業者に手数料の開示を求めるよう指針を改定します。

算定基準をガラス張りにして、サービスに比べて過度な手数料を請求されるといったトラブルを抑止します。

中小が安心して仲介事業者を利用できる環境を整え、事業承継や有力企業への事業集約を後押しします。

今秋をメドに「中小M&Aガイドライン」を改定し、2025年4月ごろから手数料の開示を始めます。

経済産業省が有識者会議で指針の改定に向けた議論を始めました。

中小企業のM&Aでは売り手や買い手の企業が、仲介事業者やアドバイザーに手数料を支払います。

指針では仲介事業者らに対し、手数料が売却金額のどの程度の割合となるかや手数料の最低水準を示すことを求める方針です。

各社の手数料を比較できるようにし、過度に高額な手数料を設定できないようにする狙いです。

東京商工会議所が中小企業を対象に2023年夏に実施した調査では、M&Aを検討しない理由として12.9%の企業が「手数料が割高だ」と答えました。

売り手側に最適な取引先を紹介しないまま、特定の買い手側企業から追加で手数料を徴収して優先的にマッチングさせる例もあるそうです。

現行の指針では手数料の水準を事例と一緒に紹介したり、仲介事業者の最低手数料の水準の分布を示したりすることにとどまっていました。

手数料は計算式や支払う時期などの料金体系が会社によって異なり、中小企業などからは「分かりにくい」といった声があがっていました。

経済産業省は、指針の内容を順守する仲介会社を「M&A支援機関」として登録する制度を設けています。

指針の改定後は、手数料を開示しない仲介会社は登録の取り消し対象となり、中小M&Aに関する政府の補助金の支給要件から外れます。

登録制度を通じて指針の実効性を高めます。

同制度には現在、仲介事業者や公認会計士事務所など3,089社が登録しており、2021年の2,278件から増加傾向にあります。

国が設置する「事業承継・引継ぎ支援センター」には2022年度に2万2,361人から相談が寄せられ、1,681件のM&Aが成約しました。

経営者の高齢化などを背景に、いずれも過去最高でした。

利益相反にあたる行為の禁止も検討します。

リピーター企業を優先的に成約させる行為などが対象になり得ます。

現行の指針にある「両当事者間において利益相反のおそれがあるものと想定される事項」を具体的に明示します。

すでに買い手がいるかのように装う虚偽の勧誘など、過剰な営業や広告も禁止する方針です。

不適切な事業者の排除も焦点となります。

債務超過で経営が困難な企業が売り手側になる場合などでは買い手側に信用調査の実施を求めます。

経営者自身が会社や事業の連帯保証人になっている場合に、事業売却後にその連帯保証の扱いをどうするかも当事者間で話し合うよう促します。

個人的には、僕自身も、会計事務所も株式会社も経済産業省の「M&A支援機関」になっていますので、一部の悪質な人のために迷惑だなぁと思う一方、悪質な人を排除するためには必要だろうなぁとも思います。

M&Aは報酬が高いとよく言われますが、お相手探し、株価算定、財務調査、契約、手続、交渉など、結構な時間を要するのも事実です。

結果だけでなく、プロセスにかなりの時間、コスト、ノウハウなどを使います。

この記事だと、特定の買い手側企業に持ちかけるのが悪いようにも読めますが、M&Aを何回も経験しているストロングバイヤーに話しを持っていく方が、途中でブレークしにくく、スムーズに進む面もあり、必ずしも悪いことではないように感じます。

自社で簡単にできるのであれば自社でやればよいわけですから、経済産業省ももっと実態を把握した方が良いと思いますし、一方、悪質な人を排除する方法をよく考えていただければいいなぁと思います。

中小M&Aの過大な仲介手数料の抑止ため経済産業省が指針改定をしていることについて、あなたはどう思われましたか?


「M&A仲介で事業承継」で資金流出や給与遅延や倒産のトラブル相次ぐ!

朝日新聞によると、後継者不在の中小企業の経営者らがM&A(合併・買収)の仲介を通じて売却した会社で、給与遅延や税金未納などのトラブルが相次いでいるようです。

買い手は同一の法人グループで、一部の買収先では多額の現預金が買い手側に流出していました。

政府は中小企業のM&A仲介を推進しているが、業界に潜む「構造的な問題がある」との指摘もあるようです。

朝日新聞の取材では、茨城県などに拠点を置く法人グループが2021年以降、10社を超える仲介業者を通じ、飲食店や建設業者など約30社を買収しました。

しかしながら、多くの会社で資金繰りが悪化し、従業員の給与や取引先代金、融資返済、年金・税金などの遅延や未払いが多発しています。

買収先の多くで社長に就いた買い手の法人グループの代表(64)は2023年末から行方がわからなくなり、一部の会社が警察に被害の相談をしているようです。

朝日新聞の集計では、買収先11社が営業停止となり、5社で倒産の手続きが進んでいます。

少なくとも百数十人が失職し、倒産先の負債総額は30億円規模に上ります。

買収時の契約で約束した経営者の個人保証の解除がされていない例もめだちます。

一部の買収先から相談を受ける鈴木英司弁護士は「仲介業者が買い手に不審な点があると気づきながら、取引を急いだと疑われる事例もある。顧客の利益より取引成立を優先する構造的な問題がある」と指摘しています。

経営者の高齢化や後継者不足を背景に、M&A仲介は市場が広がり、仲介業者も急増しました。

ただし、資格や免許は不要で、ルールづくりは道半ばです。

売り手と買い手の双方から手数料を受け取る仲介業者は中立性を保つのが鉄則だが、どちらか一方に肩入れする利益相反の懸念も指摘されています。

僕自身も15年以上前からM&A関連業務に携わっていますが、とうとうこういうところが出てきたかぁという感じです。

ここ数年、M&Aが世間にも認知され、大手M&A専門会社は報酬も高く、従業員の給料も高いことから、色々なプレーヤーが業界に参入してきたからです。

経験や資格も必要ありませんし、M&Aを何度も経験しているいわゆるストロングバイヤーも増えてきました。

こうなると、こういうところが出てくるのは当然のような気はします。

仲介会社、ファイナンシャルアドバイザー、買い手など、誠実に業務を遂行したり、買ったりするところが残り、そうでないところはそろそろ淘汰される段階になっていくでしょうね。

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上場企業の看板を返上するMBOは2024年もハイペース!

M&A Onlineによると、MBO(経営陣による買収)が今年もハイペースを保っているようです。

2024年2月25日時点でTOB(株式公開買い付け)は12件(届け出ベース)を数えますが、その半数の6件がMBO案件です。

年間16件だった2023年を上回るペースで推移しており、過去最多を記録した2011年21件に並ぶ勢いです。

MBOは上場企業の看板を返上して株式市場から「退場」することを意味し、究極の買収防衛策とも言われます。

創業家出身の経営者らがTOBを通じて自社の株式を買い取り、非公開化するパターンが一般的です。

多額の買収資金を必要とするため、投資ファンドと連携するケースが増えています。

キャンプ用品大手のスノーピークは、2024年2月20日、MBOで株式を非公開化すると発表しました。

今年に入って6件目のMBO案件で、翌21日から買い付けが始まりました。

買付代金は最大約340億円で、創業家出身で筆頭株主の山井太会長兼社長が組んだ相手は米国投資ファンドのベインキャピタルです。

MBOが成立すれば、東証プライム上場が廃止となります。

コロナ禍で盛り上がったアウトドア需要の一巡で業績の頭打ちが鮮明になったことに加え、海外ローカルブランドやスポーツ用品、ホームセンターなどの異業種の参入で今後一層の競争激化が予想されます。

こうした中、上場を維持したままでは短期的な業績や株価動向にとらわれ、中長期な視点で事業構造改革を進めるのが難しいとの判断です。

MBOは、コロナ禍の影響が広がった2020年を境に増加傾向が顕著になりました。

2020年11件(TOB総数は60件)→2021年19件(同70件)→2022年12件(同59件)→2023年16件(同74件)と増減しながらも4年連続で2ケタを記録しました。

2024年はここまで6件(同12件)ですが、前年より4か月ペースが速くなっています。

過去をたどると、MBOが最高潮を迎えたのは2000年代後半から2010年代初めのことです。

ピークの2011年は年間21件に達しました。

元通産官僚の村上世彰氏が率いる「村上ファンド」の登場や海外投資ファンドの日本上陸を機に物言う株主の存在が意識され始めた時期に重なります。

2008年のリーマンショックを引き金とする世界同時不況の中、非公開化で上場コストを減らす動きも広がったのです。

足元の2024年のMBOで例年以上に目立つのが、投資ファンドの存在です。

ここまでの6件中、アオキスーパーの案件を除く5件には投資ファンドが絡んでいます。

しかも、そのうち4件は海外投資ファンドです。

2024年1月末に始まったベネッセホールディングスのMBOでは同社創業家がスウェーデン投資ファンドのEQTと組み、総額2,079億円に上ります。

MBOをめぐってはここへきて巨額案件が相次いでいます。

中堅や地方の上場企業にとどまらず、大手クラスにも波及してきたからです。

2024年1月半ばに完了した大正製薬ホールディングスのMBOは、7,000億円超と国内最大となりました。

2024年2月末から3月にかけては製造系・技術系派遣の最大手、アウトソーシングへの2,200億円規模のMBOが控えています(2023年12月に公表)。

東京証券取引所は2023年3月、プライム・スタンダード市場の全上場企業に対して資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を要請しました。

とくにPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業には風当たりが強まっています。

さらには物言う株主の台頭も著しくなっています。

こうした中、株価対策や株主の意向に左右されず、中長期で経営改革を進めるための方策として、オーナー系企業を中心にMBOによる非公開化を模索する動きが広がりを見せているのです。

◎2024年のMBO一覧(届け出ベース)
開始    対象会社    公開買付者    総額    上場
1/9    アオキスーパー    青木商店(創業家)    107億円    1994年
1/25    ペイロール    TAアソシエイツ(米国)    240億円    2021年
1/30    ベネッセホールディングス    EQT(スウェーデン)    2,079億円    1995年
2/9    ウェルビー    ポラリス・キャピタル・グループ(日本)    240億円    2017年
2/13    ローランド ディー.ジー.    タイヨウ・パシフィック・パートナーズ(米国)    620億円    2000年
2/21    スノーピーク    米ベインキャピタル(米国)    340億円    2014年
※アオキスーパーの案件は2月20日に終了(成立)。これ以外は現在進行中。

短期的な利益が求められるとか、買収の可能性があるとかは、上場する以上、当たり前の話かと思いますが、それらを理由にMBOで上場廃止になるのであれば、そもそも上場しなければいいのにと思うのは、僕だけでしょうか?

上場で莫大な財産を手にしながら、自分に都合が悪いことが起こると、ではさようならだと、損をする株主も当然いますし、MBOに応じるにしても、会社指定の証券会社に移管しないといけないなど、手間やコストもかかりますので。

そして、数年後に再上場となると、ファンドや証券会社が儲かるだけだと思いますし、

ファンドも会社の価値を上げてエグジットしないと回収できないので、ファンドからのプレッシャーも大きいのではないかと思います。

上場企業の看板を返上するMBOは2024年もハイペースであることについて、あなたはどう思われましたか?


2023年に最も多くのM&Aを手がけた上場企業はどこ?

M&A Onlineによると、2023年のM&A件数(適時開示ベース)は1,068件と前年を119件上回り、16年ぶりに1,000の大台に乗せるエポックとなりました。

その主役である上場企業の数は全国で3,900社を超えますが、年間を通じて最も多くのM&Aを手がけたのはどこだったのでしょうか?

2023年の全M&A1,068件(買収側と売却側の双方が発表したケースは買収側でカウント)のうち、1社で複数(2件以上)のM&Aに取り組んだ上場企業は193社で、件数にして計480件です。

年間1件は588社を数えました。

件数トップはSHIFTとGENDAが各10件で並び、両社ともすべて買収案件でした。

前年(2022年)に各6件でトップを分け合ったヨシムラ・フード・ホールディングス(HD)は1件、ケア21は3件とペースを落としました。

SHIFTはソフトウエアテスト業務を主力とします。

2019年を境にM&Aにアクセルを踏み込み、ソフト開発、システム開発、デジタルマーケティング分野など周辺領域に業容を拡大してきました。

2019年5件、2020年6件、2021年3件、2022年3件と推移し、2023年は10件と一気に2ケタまで件数を伸ばし、買収総額も約125億円(金額非公表が1件)に上りました。

2023年の案件をみると、バイリンガル人材紹介事業や保育園運営会社の買収も含まれます。

このうち、バイリンガル人材紹介事業については異なる言語、文化を持つメンバー間を橋渡しするブリッジエンジニアなどの採用力強化につなげるのが狙いだそうです。

一方、国内M&A市場にすい星のごとく現れたのが「GiGO」ブランドを中心にアミューズメント施設を全国展開するGENDAです。

2023年7月に東証グロース市場に上場後、わずか半年間にエンターテインメント関連で10件のM&Aに取り組みました(金額はいずれも非公表)。

会社設立は2018年5月ですが、実は上場以前も10件近くのM&Aを実施しており、買収意欲が旺盛な“ストロングバイヤー”として知られる存在だったのです。

買収対象もアミューズメント施設の運営会社をはじめ、ゲーム用景品販売、レモネード専門店、ポップコーン専門店、映画配給など多岐にわたります。

このうち、2023年11月末には独立系映画配給大手のギャガ(東京都港区)を傘下に収めました。

GENDAは2024年の年明け早々、カラオケボックス「カラオケBanBan」(全国約370施設)を運営するシン・コーポレーション(東京都新宿区)の子会社化を発表しています。

次点はSNSマーケティング事業のアジャイルメディア・ネットワークで、年間7件でした。

これに続く年間5件はグローバルキッズCOMPANY、ソラスト、日本創発グループの3社でした。

年間4件はクオールホールディングス、ニデック、トナミホールディングス、三井物産、三井松島ホールディングスなど14社ありました。

過去5年の年間トップの顔ぶれをみると、2019年はソフィアホールディングスで11件、2020年はココカラファイン(現マツキヨココカラ&カンパニー)で8件、2021年はアウトソーシングで9件、2022年、2023年についてはすでに触れたとおりです。

<2023年M&A件数:上場企業別ランキング(適時開示ベース、HDはホールディングスの略)>
10件    SHIFT、GENDA
7件    アジャイルメディア・ネットワーク
5件    グローバルキッズCOMPANY、ソラスト、日本創発グループ
4件    KPPグループHD、揚工舎、エフ・コード、クオールHD、テンダ、電通グループ、トナミHD、ニデック、日本エコシステム、ベクトル、三井物産、三井松島HD、ミンカブ・ジ・インフォノイド、ランドビジネス
3件    ダイヘン、ミネベアミツミ、戸田建設、日本テレビHDなど36社
2件    137社

個人的には、M&Aは一度うまくいくと以後も続けていく傾向があると思っていますので、GENDAみたいなところも今後、どんどん増えていってくれればいいなぁと思います。

話しを持ち掛ける方も、ストロングバイヤーに持っていくのが、話しも早いですし、決まる確率も高く、楽でしょうから。

話しを持ち掛けられる方も、良い案件が集まってきますからね。

2023年に最も多くのM&Aを手がけた上場企業はどこ?について、あなたはどう思われましたか?


大正製薬HDのオーナー家によるTOBが成立し上場廃止へ!

日本経済新聞によると、大正製薬ホールディングス(HD)は、先日、オーナー家の上原茂副社長が代表を務める大手門(東京都豊島区)が実施していたTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表しました。

大正製薬HDは2024年3月開催予定の臨時株主総会での手続きなどを経て上場廃止となる見通しです。

TOBの買い付け予定数の下限を上回る6,003万4,194株の応募がありました。

大手門は大正製薬HDの73%の議決権を取得します。

今後、全株式を取得するためスクイーズアウト(強制買い取り)を実施します。

普通株の買い付け総額は約7,100億円となり、日本企業最大のMBO(経営陣が参加する買収)となります。

大正製薬HDの株価はMBO発表後、ほぼ一貫してTOB価格の8,620円を上回って推移しました。

発表直後の大正製薬HDのPBR(株価純資産倍率)は0.5倍台で、TOB価格でも1倍を下回っています。

東京証券取引所はPBRが1倍を割り込む企業に対し、資本コストや株価を意識した経営を求めています。

投資助言会社のカタリスト投資顧問は大正製薬HDのMBOについて「PBR1倍を下回るTOB価格での市場からの退場は、少数株主を軽視した判断だ」と意見を表明していました。

大正製薬HDは今後、上原茂氏が社長に昇格する予定です。

現在の上原明社長は約40年にわたりグループのトップを務めてきました。

主力の一般用医薬品(大衆薬)が伸び悩むなか、非上場化でネット販売や海外事業を強化します。

個人的には、PBR1倍を下回るTOB価格は安すぎるのではないかと感じ、誰か出てくるかと思いましたが、出てきませんでしたね。

やはり、金額が大きいと、ハードルが高くなるんでしょうね。

TOB価格で争う方が出てきて、今後起こりうるTOBにおける価格の妥当性を示してほしいように思います。

大正製薬HDのオーナー家によるTOBが成立し上場廃止になることについて、どう思われましたか?


2023年版中小企業白書でも国内のM&Aが活発化が取り上げられている!

日税ジャーナルによると、後継者不在の問題が深刻化する中、2023年版「中小企業白書」では、中小企業でも広がりを見せているM&Aについて検証しています。

近年、M&Aの件数は増加傾向で推移しており、2022年は過去最多の 4,304件となりました(㈱レコフデータ調べ)。

これはあくまでも公表されている件数のため、未公表のものも一定数存在することを考慮すると、国内のM&Aはさらに活発化していることが推察されます。

M&Aの買い手として関心がある企業を対象に、M&Aの目的(複数回答)を尋ねたところ、「売上・市場拡大」が74.6%と最も高く7割を超えています。

また「新事業展開・異業種への参入」と回答する割合も46.9%と高く、M&Aを企業規模拡大や事業多角化といった成長戦略の一環として捉えている企業が多いことが分かります。

そのほか、「人材の獲得」が54.8%と5割を超えており、M&Aを人材獲得の手段として捉えている企業も多いようです。

買い手における経営統合(PMI)時の課題としては、「自社従業員と相手先従業員の一体感の醸成」が 50.3%と最も高く、次いで「相手先従業員のモチベーション向上」が 47.2%でした。

M&Aで期待以上の満足度を実感している企業ほど、相手先企業への確認事項として「相手先経営者や従業員の人柄・価値観」を重視しており、白書では「M&A成立前の段階から相手先従業員の人柄や価値観を確認しておき、対策を講じておくことが必要」と指摘しています。

買い手としてM&Aを実施する際の障壁(複数回答)を見ると、「相手先従業員等からの理解が得られるか不安がある」と回答した割合が51.6%と半数を超えており、白書では「M&A成立前の段階から相手先経営者や従業員の人柄・価値観を確認しておくことが、不安の解消につながる可能性が考えられる」と分析しています。

また、「判断材料としての情報が不足している」、「期待する効果が得られるかよくわからない」、「相手先(売り手)企業が見つからない」と回答した割合がそれぞれ3割を超えており、M&Aに関する情報不足や期待した効果を得られるか不明瞭である点を障壁と感じている企業も多いようです。

買い手におけるM&Aの具体的な効果(複数回答)としては、「商品・サービスの拡充による売上げ・利益の増加」(49.8%)や「商圏拡大による売上げ・利益の増加」(45.4%)など、売上げ・利益面の相乗効果を実感している企業が多い傾向にあります。

また、「技術・ノウハウ等の横展開」(26.0%)、「ブランドや信用力の向上」(21.0%)など、買い手企業・売り手企業双方の経営資源を組み合わせた相乗効果を実感している企業も目立ちます。

このように、中小企業の間でもM&Aは広がりを見せており、M&Aの目的として「売上・市場シェア拡大」や「新事業展開・異業種への参入」を挙げるなど、事業承継だけでなく企業の成長を促す手段としてM&Aが認識されつつあります。

最後に白書では、「事業承継やM&Aは企業の挑戦や成長を促す転換点といえる。事業承継やM&Aを通じて、後継者が新しい挑戦へ果敢に取り組み、企業の更なる成長・発展につなげていくことを期待したい」とまとめています。

どんどんM&Aが浸透していくことは、嬉しいことですね。

目的も事業承継だけでなく、成長を促す手段という認識がされつつあるというのも、M&A=ハゲタカみたいなイメージがあった頃からM&Aに関わっている人間としては、隔世の感がしますね。

新規事業を始めるくらいの感じでM&Aが行われるようになればいいのになぁと個人的には思っています。

2023年版中小企業白書でも国内のM&Aが活発化が取り上げられていることについて、あなたはどう思われましたか?


第一生命が異例の「後出し」買収提案で国内M&Aに転機!

日本経済新聞によると、第一生命保険ホールディングス(HD)がベネフィット・ワンの買収に向けて、異例の対抗TOB(株式公開買い付け)を表明しました。

今回の買収提案はベネフィット・ワンの事前の同意を得ておらず、長く日本企業の安定株主として経営を支えた生命保険会社の姿勢から一歩踏み込むことになります。

日本のM&A(合併・買収)の転機になりそうです。

先日開いたオンラインの記者会見で、第一生命HDの甲斐章文執行役員は「同意なき買収を企図しているのでなく、親会社のパソナやベネワンの賛同を原則にしている」と、敵対的な買収ではないと繰り返しました。

ベネフィット・ワンにはエムスリーがTOBをしています。

よって、第一生命HDの提案は結果的に「後出し」となります。

関係者によると、第一生命HDの経営陣はパソナ側と事前に接触しておらず、買収に向けた協議をこれから本格化させるようです。

第一生命HDが唐突にも映る対抗TOBに乗り出したのは、本業の国内保険事業に対する危機感があります。

傘下の第一生命保険が新たに獲得した保険契約が将来生み出す利益を示す指標では、2023年3月期に初めてマイナスとなり、事実上の採算割れを起こしたのです。

厳しい国内市場の打開策として、保険の販売を担ってきた営業職員が投資信託も取り扱ったり、2023年3月にはペット保険を手掛けるアイペットHDを完全子会社化したりしてきました。

第一生命HDは、企業の福利厚生を代行するベネフィット・ワンのネットワークを使って保険商品を拡販するほか、従業員の健康に資する新たなサービスを共同で開発する構想を描いています。

第一生命HDの甲斐氏は、「(2024年度に始まる)新しい中期経営計画で非保険事業の拡大を考えるなか、ベネワンの買収をかねて検討していた」と明らかにし、「少数株主にとっては訴求力のある提案だ」と自信をみせました。

ベネフィット・ワンの今の親会社であるパソナグループはエムスリーのTOBに応募する契約を結んでいます。

ただし、エムスリーの価格を上回る提案が出た場合は、パソナはエムスリーと協議を申し入れることができるようになっているようです。

パソナは当初の契約通り、1株1,600円でエムスリーのTOBに応じることもできます

が、高値での売却機会を逃したとしてパソナ株主からの反発が想定されます。

パソナは「エムスリーとの契約に基づいて対応を検討する」としています。

第一生命HDによる買収提案の発表後、ベネフィット・ワンの株価は私設取引システム(PTS)で、2023年12月7日の終値比25%高の1,888円まで上昇する場面がありました。

エムスリーが、第一生命HDに対抗してTOB価格を引き上げるかも焦点となります。

他の買収提案もでてきて、ベネフィット・ワンを巡る争奪戦になる可能性もあるでしょう。

日本では相手先の同意を得ないまま買収提案することは、まだ少ないです。

2020年にはDCMホールディングスが買収で合意していた島忠に対して、ニトリホールディングスがより高値の提案をして買収しています。

2023年はニデックが、TAKISAWAに同意なきまま買収提案し、実現させてます。

これらも似鳥昭雄氏や永守重信氏といった個性派の実力創業者によるもので、ほとんどの日本企業にとって「一度決まったM&Aに対抗提案を出すことや、相手の同意を得ずに買収を提案することはお行儀が悪い」(証券会社首脳)というのが常識でした。

今回の第一生命HDの対抗提案は、その常識を覆すものとなります。

経済産業省が2023年8月に「企業買収における行動指針」を出しました。

株主価値や企業価値の向上に資する買収提案であれば、経営陣は真摯に検討すべきだというのが盛り込まれました。

指針の背景には、日本企業の時価総額が海外に比べて見劣る理由の一つは、M&Aの活性化で遅れを取ったからだとの危機感があるからです。

大手機関投資家であり、創業家経営ではない第一生命HDがこれまで日本企業にとって非常識とされていたM&Aに乗り出したことは、よりM&Aを活性化させ、日本企業を魅力的な投資対象にすることにつながりそうです。

今年(2023年)は、ニデックの件や今回の件で、日本におけるM&Aで転機が訪れたということは間違いないですね。

当然、少数株主にとっては、知らないところでTOB価格は決まるわけですから、高いか安いかはなかなかは判断は難しいでしょうし、安いとしてもどうすることもできないので、高く買ってくれるところがあった方がありがたいでしょうから。

僕自身も、ベネッセホールディングスの株を持っていますが、取得価格より安いTOB価格には納得していないですからね。

第一生命が異例の「後出し」買収提案で国内M&Aに転機が訪れていることについて、あなたはどう思われましたか?


日本生命が介護最大手のニチイHDを2,100億円で買収!

日本経済新聞によると、日本生命保険は介護最大手のニチイ学館を傘下に持つニチイホールディングス(HD)を約2,100億円で買収するようです。

介護事業は高齢化に伴い、市場拡大が見込まれます。

日本生命は生保事業と相乗効果が見込みやすいライフケア分野の強化や顧客基盤の拡張につなげるようです。

生保によるM&A(合併・買収)は海外の同業や資産運用会社が中心で、異業種を買収するのは異例です。

日本生命は、先日、アメリカのベインキャピタル系のファンドなどが間接的に保有しているニチイHDの発行済み株式の約100%を約2,100億円で取得することで関係者と合意しました。

金融庁の認可を前提に、早期の買収完了をめざします。

ニチイHDは、傘下に介護や医療事務、保育サービスを手がけるニチイ学館や介護付き老人ホームなどを展開するニチイケアパレスなどを抱える持ち株会社です。

2023年3月期の営業利益は前の期比約4倍の117億円、介護事業の売上高は推定1,600億~1,700億円で業界トップ水準にあります。

日本生命とニチイHDは、1999年から子育て・介護を軸とするライフケア領域で業務提携関係にあります。

ニチイ学館の有資格者が日本生命の保険契約者向けに認知症や介護に関する相談を受けるサービスを手がけているほか、多様化する就労ニーズに対応した専用保育所を共同で展開しています。

ニチイHDが持つ顧客基盤を活用して、日本生命の本業の生保事業とのシナジー効果の発揮も見込んでいるようです。

介護や保育の顧客への保険商品の提案や、保険に付く介護関連サービスの強化などが軸になるとみられます。

具体策は今後検討するようです。

介護サービスは高齢化で市場拡大が見込まれています。

厚生労働省によると、介護が必要な高齢者は2023年8月末時点で約700万人います。

2021年度の介護費用(保険給付や自己負担を含む)は約11兆円と過去最多を更新しました。

政府推計では2025年度に給付費だけで15兆円規模まで膨らむ見通しです。

半面、担い手は小規模事業者が多くなっています。

賃金の低さから慢性的に人手が不足し、資金力が限られれば採用も難しくなっています。

近年は異業種からの参入が相次いでいます。

シェア上位にはSOMPOホールディングス傘下のSOMPOケアや教育事業を手がけるベネッセHD、学研HDといった大手企業が並んでいます。

ニチイHDは日本生命の傘下に入ることで、中長期的に安定した経営につなげやすくなります。

日本生命はかねて、子育て・介護やヘルスケアなど保険の周辺領域での新規事業創出に注力してきました。

背景には人口減少や少子高齢化など市場環境が変化するなか、生保事業だけでは収益が先細りするとの危機感があるからです。

特に主な販路である営業職員経由の保険販売は新型コロナウイルス禍が明けても、不振が続いています。

2023年4~9月期の個人保険における新規契約獲得件数や保障額は、前年同期比10%以上落ち込みました。

本業の立て直しを含めて、グループ全体での収益力の底上げが急務になっているようです。

日本生命は2024年度から始まる新たな中期経営計画で、ライフケアを中心に生保以外の新規事業の強化を柱の一つに掲げる方針です。

今回のニチイHDの買収を足がかりに、日本生命が持つ保険の周辺事業のノウハウなどを取り込むとともに、人材・資金面での支援を強化します。

現状、日本生命における新規事業の利益貢献はグループ全体の1%に満たないです。

ニチイHDの買収でまずは新規事業自体の収益力の底上げを図ります。

日本生命の傘下に入ると、資金面で困ることはないでしょうから、他社にとっては脅威でしょうね。

日本生命の傘下に入ることによって、ニチイHDの従業員の給料が高くなって業界の給与水準の底上げにつながると良いと思いますが、一方で、資金面で余裕のない小規模事業者からニチイHDに人が移って、小規模事業者の経営が成り立たなくなることは避けて欲しいですね。

日本生命が介護最大手のニチイHDを2,100億円で買収することについて、あなたはどう思われましたか?


大正製薬HDが日本企業最大約7,100億円のMBO!

日本経済新聞によると、大正製薬ホールディングス(HD)は、先日、MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表しました。

オーナー家が代表を務める企業がTOB(株式公開買い付け)を実施しますが、普通株の買い付け総額は約7,100億円です。

日本企業のMBOでは過去最大です。

主力の一般用医薬品(大衆薬)が伸び悩む中、非上場化でネット販売や海外事業を強化し立て直すようです。

日本企業では、通信教育の「進研ゼミ」などを手掛けるベネッセホールディングスもMBOを発表したばかりです。

東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)の1倍割れ企業に改善を求めているほか、株主からの還元圧力も強まるなど上場維持のコストが増しています。

このような中、経営の立て直しへMBOで株式の非公開化に動く企業が増えています。

オーナー家の上原茂副社長が代表を務めている企業がTOBを実施します。

株式の買い付け期間は2023年11月27日から2024年1月15日までです。

買い付け価格は1株8,620円で、大正製薬HD株の2023年11月24日の終値を5割超上回ります。

TOBが成立すれば上場廃止になる見通しです。

大正製薬HDは、同日、TOBへの賛同を表明し、株主に応募を推奨すると発表しました。

筆頭株主の上原記念生命科学財団など大正製薬HD株を合計で約4割保有するオーナー家は、TOBへの応募契約を結びました。

大正製薬HDはMBOの背景について、市場環境の変化で、大衆薬のネット販売に向けたインフラの整備や、グローバルで展開できる他ブランドの買収など、中長期的な取り組みが必要になるとしています。

その上で「相応の時間と大きなリスクを伴うもので、株主の全面的な支持を得るのは難しい」としています。

大正製薬HDは、2023年9月までに早期退職優遇制度で645人が退職しました。

2024年3月期の連結純利益は前期比45%減の105億円の見通しです。

医療用医薬品などを扱う医薬事業の縮小に応じた措置としています。

大正製薬HDの医薬事業の売り上げは2012年3月期には1,000億円超でしたが、2023年3月期は377億円でした。

東海東京調査センターの赤羽高シニアアナリストは、「すでに大正製薬の社名は浸透しており、上場コストと効果が見合わないと判断したのだろう。上場廃止で経営資源を広告や製品価値の向上などに振り向ける判断をしても不思議ではない」と分析しています。

大正製薬は1912年創業で、1963年9月に東証2部に株式を上場しました。

2011年10月にはホールディングスを設立し、東証1部に上場後、2022年4月から東証スタンダード市場に上場していました。

以前からそうかもしれませんが、上場しているメリットが薄れてきているため、今後もたくさんMBOで上場廃止になるところが出てくるかもしれませんね。

物言う株主が出てきたり、敵対的M&Aをされる可能性がありますので、非上場化した方が落ち着いて経営できるでしょうね。

個人的に株式を持っているベネッセホールディングスもそうですが、プレミアを付けてくれたとしても損失が出る株主は複雑な気持ちでしょうけど。

大正製薬HDが日本企業最大約7,100億円のMBOを行うことについて、あなたはどう思われましたか?


伊藤忠商事が創業家の関与なしが条件でビッグモーターの買収を検討!

日本経済新聞によると、伊藤忠商事と国内の企業再生ファンドが中古車販売大手ビッグモーター(東京都多摩市)の買収を検討していることが、先日、わかったようです。

ジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)と組み、買収に必要なデューデリジェンス(資産査定)の独占契約を結んだと発表しました。

伊藤忠商事とJWP連合は契約に当たり、ビッグモーターとの間で創業家が経営に関与しないことで大筋合意しました。

伊藤忠商事と子会社で燃料商社の伊藤忠エネクス、JWPの3社連合が、先日、ビッグモーターとデューデリジェンスを独占で実施することで基本合意書を結びました。

3社はビッグモーターの経営状況を詳細に分析し、2024年春までに再建を支援するかを最終決定します。

ビッグモーターは未上場で、ビッグモーター株は創業者の兼重宏行氏らの資産管理会社が保有しています。

2023年7月に自動車保険金の水増し請求などの不祥事が発覚し、顧客離れが進んでいます。

中古車販売は一時、例年に比べて6割以上減少しました。

現在も、月次で赤字が続いています。

ビッグモーターは現預金や売掛金などの流動資産を数百億円抱える一方、従業員への賃金支払いなどで資金の流出が続いています。

銀行団は借入金の借り換えに応じないなど資金繰りに苦慮しており、自主再建が困難な状況です。

ビッグモーターはコンサルティング会社のデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーの協力を仰ぎ、経営再建を急いでいます。

支援企業を早期に確定し経営の立て直しを目指していますが、不祥事の影響が長引き難航していました。

伊藤忠商事はグループで自動車リース事業を手掛けているほか、ニッポンレンタカーサービスを傘下に持つ東京センチュリーを持ち分法適用会社にしています。

輸入車・中古車販売大手のヤナセも抱え、自動車ビジネスとのつながりが深くなっています。

グループとの相乗効果が高い可能性があると判断し、支援に名乗りを上げました。

焦点は買収価格や事業譲渡の対象です。

ビッグモーターを巡っては、顧客の車体を故意に傷つけるなどして、損害保険会社に保険金を水増し請求する不正行為が横行していました。

国土交通省は、2023年10月、ビッグモーターが全国に持つ135工場のうち34工場で自動車整備を事業停止にするなどの行政処分を出しました。

金融庁も、2023年11月末に保険代理店登録を取り消す行政処分の実施方針を表明しています。

中古車の買い取りや販売でも1,000件以上のトラブルが生じ、複数の民事訴訟を抱えています。

2023年10月末には経営不振で東京都や埼玉県で計9店舗を閉鎖しました。

伊藤忠商事はビッグモーターの支援を通じ、自社のブランドイメージが毀損しないかも慎重に検討するようです。

デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーが入ったとの報道があった時点で、M&Aだろうなと思っていましたが、直感的に、オリックスかと考えていました。

少し前の報道では、オリックス・IDOM(ガリバーの運営会社)・QVC(テレビショッピング大手)が支援に手を挙げているとありましたが、このうち、IDOMが支援しないという報道が先日あったので、ますます、オリックスかと思っていましたが、伊藤忠商事が出てきましたね。

伊藤忠商事は、最近、有名ブランドを買っていますが、流石、色々なものを扱っている商社ですね。

上場企業ゆえ、コンプライスを無視したような企業の買収は慎重にやらないといけないとは思いますが。

伊藤忠商事が創業家の関与なしが条件でビッグモーターの買収を検討していることについて、あなたはどう思われましたか?


ニデック永守会長が仕掛けたTOBは敵対辞さず経営者の役割を問う!

日経ビジネスによると、ニデックが岡山県岡山市に本拠を置く中堅工作機械メーカー、TAKISAWAに仕掛けたTOB(株式公開買い付け)が9月に迫っています。
大企業によるTOBは過去、ほとんどうまくいきませんでしたが、市場の見方は近年、大きく変わりました。
業績と企業価値を上げているかどうかが厳しく問われる時代になってきており、ニデックのTOBは企業経営を巡る変化を映し出しています。

「これで(TOBが)否決されるようなことがあったら日本は異常な事態ですよ」と、工作機械メーカー、TAKISAWAに対するTOBを表明しているニデック(旧日本電産)が想定する予定買い付け期間(2023年9月14日~11月13日)のスタートまで1か月を切りましたが、ニデックの永守重信会長CEO(最高経営責任者)は、いつにも増して強気の姿勢をのぞかせています。

TAKISAWA経営陣は今もTOBに同意しておらず、このままいけば敵対的なTOBとなる可能性が大きくなっています。
日本では大企業によるTOBの成功例はごくわずかしかありませんが、永守会長は、「こういう手法が日本でも(十分に)使えることが分かれば、もっと大きな会社も買える可能性が高まる」と執念を見せています。

過去を振り返ると、ニデックは日本電産時代の2008年に鉄道用機器メーカーの東洋電機製造にTOBを仕掛けましたが、東洋電機製造の強い抵抗に遭い、取りやめた経験があります。
15年ぶりの再挑戦は、永守会長の意地のようにも映りますが、角度を変えて見れば、このTOB劇は最近の日本の企業経営を巡る変化を映し出しています。

「TOBという手法が世の中に出てきた。これが本当に使えるかを試してみようと思った。」と、2008年9月、東洋電機に対するTOB発表後、永守会長は狙いをこんな風に話しました。
M&A(合併・買収)巧者として知られる永守会長は、それまで業績が悪化し、倒産寸前になったような企業を買収しては自ら徹底した合理化で再建していきました。
基本的に元の経営者は変えず、従業員のリストラもしません。

相手の合意を得た上で傘下に収め、経営手法を徹底的に変えることで強い企業に再生するのです。
それが、東洋電機製造を巡ってはアプローチを一転させました。
そこにあったのは、いわば「さぐり」だったのでしょう。

2000年に通商産業省(現経済産業省)出身の村上世彰氏が率いた村上ファンドが不動産会社、昭栄(現ヒューリック)へ国内初の敵対的TOBを仕掛け、2003年にはアメリカ投資ファンドのスティール・パートナーズがユシロ化学工業やソトーに対する敵対的TOBに動きました。

そして、2006年には王子製紙(現王子ホールディングズ)が北越製紙(現北越コーポレーション)にTOBを仕掛けて、大企業もアメリカ型の買収に打って出ました。
これを見た永守会長は、この手法が日本に本当に定着するのかを試そうとしたのではないでしょうか?

うまくいくようなら、「強い手段」も含めて買収をさらに加速しようと考えたのでしょう。
この時期は、ニデックが、二デック急成長のけん引役となったハードディスク用の精密モーターから、自動車や家電・商業・産業用のモーターへ多角化を図り、新たな成長段階に入ろうとしていた時期に当たります。

しかしながら、結局、この時期のTOBは村上ファンドなどのアクティビスト(物言う株主)から事業会社によるものまで、ほとんど不成立に終わりました。
東洋電機製造の抵抗に遭った永守会長も、それを見て無理せず、相手企業との合意を元にしたM&Aに回帰していったのでしょう。

以後続いた「穏やかな時代」が、ここにきて変化してきたのです。
「真摯な買収提案を恣意的に解釈し、企業価値を高める提案を安易に断ることがないよう留意が必要」と、経済産業省が2023年6月に公表した「企業買収における行動指針(案)」はこううたっています。
指針は、経産省が株主利益の保護や企業価値向上を目指して日本企業にM&Aを推奨する方向に動く中で出されました。

M&Aについての事実上のガイドラインです。
6月からパブリックコメントを募集しており、年内に正式制定されると見られます。

これが企業経営を巡る1つ目の変化です。
仕掛けられた側の経営者の思いだけでは、もはや買収を拒否できません。
ニデックもTAKISAWA取締役会に送った「経営統合に関する意向表明書」でこの指針に触れ、「本取引は全体として指針で推奨されている望ましい買収であると考えている」と述べています。
株主に企業価値向上をもたらす提案であると宣言しているのです。

ニデックのTOBが映し出す企業経営の変化の2つ目は、経営者が成長と企業価値向上競争を常に迫られる時代に入ったことです。
ニデックは、2023年3月期までの10年で売上高を約3倍の約2兆2,400億円に伸ばし、さらに2030年にはその約5倍の10兆円に引き上げるという高成長構想を打ち出しています。

ニデックの工作機械事業は、もともとは車載用モーターをはじめとする主要事業の部品の精度を上げることを主な狙いとして始めたものです。
しかしながら、2021年8月に三菱重工工作機械(現ニデックマシンツール)を、2022年2月にOKK(現ニデックオーケーケー)を買収し、業績不振だった両社を短期間に再生したことで、永守会長は考え方を転換しました。
「工作機械業界には、経営改善を進めればもっと業績を上げられる企業がたくさんある」と。

工作機械事業を伸ばし、10兆円構想の柱の1つに育てる方向に転じたのです。
2023年2月にはイタリアの工作機械メーカー、PAMAもM&Aでグループに入れました。
その上でTAKISAWAに買収を提案した狙いは、既にニデックグループ入りしている工作機械メーカーとのシナジー(相乗効果)を引き出すことです。

ニデックマシンツールは、歯車工作機などニッチな分野で市場シェアが大きく、門形マシニングセンター(MC)や横中ぐりフライス盤などの大型機を持っています。
ニデックOKKは市場のボリュームゾーンである中小型MCを得意とし、PAMAは大型MCや横中ぐりフライス盤などで欧米と中国・アジアに販路を持っています。

TAKISAWAは市場規模の大きい旋盤を柱にしており、TAKISAWAをグループに加えれば、製品分野の広がりの面でも、事業エリアの地理的な面でもカバー範囲を広げられるのです。

これによって販売と生産・サービスでのシナジーと購買や生産規模拡大によるコストダウンなど多様な効果が見込めます。
それは、ニデックグループの既存3社だけでなく、グループに入ればTAKISAWAの成長にもつながり、TAKISAWAの株主のメリットにもなると、ニデックはそう訴えています。

TAKISAWAの2023年3月期の連結売上高は279億9,500万円で、10年前の2013年3月期からの成長率は33%にとどまります。
もともと東京証券取引所1部銘柄でしたが、2022年4月の市場再編の際、最上位のプライムではなく、2番手のスタンダード市場を選択しました。

こうした状況下で、TOBにかつてのような「乗っ取り屋」的な拒否反応が出ないのは、企業はたゆまず価値向上に尽くす必要があるという考え方がこの10年で日本の産業界に浸透したからでしょう。
安倍晋三政権が2013年に「日本再興戦略」を策定し、企業にガバナンス(企業統治)力の強化を求め、経営改革を進める力を付けるよう促しました。

2014年2月には金融庁の有識者検討会が「スチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)」を策定し、機関投資家が企業と対話して、その成長を促すことが投資家の役割・責任として明確にされました。
機関投資家による経営監視強化の一歩です。

2015年5月には東証によって「コーポレートガバナンス・コード」も策定され、ガバナンス強化が本格化しました。
さらに2022年4月の東証の市場再編も経営者に改革を求める圧力となりました。
経済産業省の「企業買収における行動指針(案)」などは、こうした一連の動きに連なるものでもあります。

このように経営陣が企業価値を向上できるかどうかについて市場やステークホルダー(利害関係者)の目は年を追って厳しくなってきました。

TAKISAWAの経営陣はニデックがTOB開始を想定する9月14日の前日に会社としての意見を「公表することを目指す」としており、TOBに対するその他の具体的な対応策はまだ見えません。
TAKISAWAの株価は、ニデックが7月13日にTOBの方針を公表して以降急騰し、既に予定買い付け価格である1株2,600円にほぼ達しています。

TAKISAWAの株価がこの水準に達したのは今から約5年半前の2018年2月初め以来であり、既存株主の多くにとって既に損のない水準になっていると見られます。
今後、TAKISAWAがこれを超える株価を実現する企業価値向上への方策を示せるかどうか、ニデックとTAKISAWAの攻防戦は日本の企業経営の大きな変化の1つの断面なのでしょう。

個人的にも、この案件についてはすごく興味を持っています。
敵対的TOBが日本で成功するかどうかのきっかけになる案件だと思いますので、ウォッチしていきたいですね。
上場している以上、TOBのリスクは当然ありますので、その辺りについて上場企業の経営者には認識して欲しいと思いますし、業績を上げて、配当を増やし、株価を上げるのも経営者の責任ということを自覚して欲しいですね。
そうなると、PBRが1倍を割るのも解消されるでしょうし、株価も上昇するでしょうから、日本経済も活性化するのではないでしょうか?

ニデック永守会長が仕掛けたTOBは敵対辞さず経営者の役割を問うことについて、あなたはどう思われましたか?


『地球の歩き方』を廃刊から救った「事業譲渡」というサバイバル術!

2023年06月06日(火)

M&A Onlineによると、ダイヤモンド・ビッグ社が、先日、東京地裁より特別清算開始命令を受けたようです。
ダイヤモンド・ビッグ社は1969年9月に設立された、出版大手ダイヤモンド社の子会社です。
旅行ガイドブックの編集・出版を手がけ、1979年に創刊した『地球の歩き方』シリーズで有名です。
一部ネットメディアで同シリースが廃刊になると伝えられましたが、これは明らかな誤報で。同シリーズは引き続き発行されます。

なぜなのでしょうか?

実は『地球の歩き方』は2021年1月に、ダイヤモンド・ビッグ社から学研ホールディングスが設立した孫会社の株式会社地球の歩き方(東京都品川区)に事業譲渡されています。
今回清算するダイヤモンド・ビッグ社とは、すでに無関係なのです。

学研ホールディングスは2009年以降、少なくとも8件の買収を実施しています。
学研ホールディングスが『地球の歩き方』シリーズの事業譲渡に乗り出したのも、自然な流れでした。

『地球の歩き方』は日本人の海外旅行ブームに乗って、100タイトル以上を発行しています。
現地の口コミなど従来のガイドブックとは一線を画す実用書として人気を博していました。
「ドル箱商品」を得たダイヤモンド・ビッグ社は、2001年9月期に年間売上高112億6,500万円をあげています。

その後は出版不況が長引いた上に、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う海外渡航制限の影響もあって、2020年3月期には同28億8,500万円にまで激減し、学研グループへの事業譲渡に踏み切りました。
ダイヤモンド・ビッグ社は2023年3月31日に株主総会の決議により解散しており、清算は既定路線でした。
負債総額は2022年3月期末時点で約10億4,977万円です。

事業譲渡により『地球の歩き方』シリーズは生き残りました。
その決断をためらっていたら、『地球の歩き方』シリーズは惜しまれつつ歴史の幕を閉じることになったでしょう。
企業は消滅しても、商品は残るのです。

コロナ禍を支えた実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済は2023年7月から2024年4月にかけてピークを迎えます。
事業継続を断念せざるを得ない企業も急増する見通しです。
そうした企業でも、将来性のある事業が存在するケースも少なくありません。

事業譲渡ができれば製品やサービスは残り、顧客や取引先への責任も果たせます。
状況次第で雇用も守れるでしょう。
「座して死を待つ」よりも、事業譲渡を模索する方が得策と言えそうです。

事業譲渡ではM&A仲介事業者などから、助言や買い手探し、譲渡交渉などの支援を受けられます。
経営が行き詰まる前に真剣に考えておきましょう。

海外旅行と言えば、『地球の歩き方』というイメージを持っていましたが、コロナへの対応ができなかったんでしょうね。
儲かるビジネスを構築していただけに、新たなことに対応できなかったのでしょうか?
残念ですが、事業譲渡で『地球の歩き方』は残ったわけですから、良しとしましょう。
学研ホールディングスはM&Aに力を入れているのか、先日、M&A登録支援機関である弊事務所にも、売り案件はないですか?みたいな郵便がきていました。
こういった案件をいっぱいやっていただいて、ブランドを存続させて欲しいですね。

『地球の歩き方』を廃刊から救った「事業譲渡」というサバイバル術について、どう思われましたか?


M&Aが「経営破綻の末の売却」とは言い切れない訳!

2023年05月23日(火)

M&Aという決断は、企業に何をもたらすのでしょうか?
ビジネスシーンでよく耳にする「M&A」ですが、その件数は増加傾向にあり、2022年には過去最多となりました。
M&Aに対し「経営破綻の末の売却」といった印象を持つ人もいますが、近年、そのイメージは塗り替えられています。
後継者不足の解決策として、また、積極的な成長戦略の一環として、M&Aを選ぶ企業が増えているのです。

東洋経済ONLINEによると、この記事の筆者らは、主に中小企業を対象としたM&A仲介をしています。
M&Aとは「Merger(合併)&Acquisition(買収)」の略です。
ある企業がほかの企業を買収したり、複数の企業が合併したりすることを指します。
よく「企業と企業の結婚」とたとえられ、私たちM&Aアドバイザーは、その「仲人」に当たります。
譲渡企業(売り手企業)と譲受企業(買い手企業)を結び付け、成長に導く仕事です。

中小企業のM&Aの場合、吸収合併や経営統合となるケースは少なく、買い手企業が売り手企業の51%以上の株式を買い取り、子会社化することがほとんどです。

日本企業のM&A件数は年々増加しています。
2020年はコロナ禍の影響で減少したと見られますが、2022年は4,304件で、過去最多となっています。

M&A仲介業は、日本独自のビジネスモデルといわれています。
これは日本企業の99%が中小企業であり、海外諸国に比べてM&Aが起きやすい環境だからだといえます。

M&Aの大きな要因は事業承継問題の顕在化です。
2045年には、70歳以上の経営者は約245万人に増え、後継者不足の企業はその半数超の127万社になるといわれています。

さらに、その127万社のうち60万社は黒字企業です。
つまり、後継者がいないために、黒字でありながら廃業しなければいけない企業が増えています。
その解決のためにM&Aを選ぶ企業が多くなっています。

このように、M&Aは後継者問題を解消する手段として注目を集めていますが、企業がM&Aを選ぶ動機はそれだけではありません。
事業拡大のため、人材確保のため、知名度の獲得のためなど、複合的かつさまざまです。

ただ、理由の1つに事業承継が含まれるケースはやはり多く、M&A業界全体の7割ほどを占めているという印象です。

かつて多くの人がM&Aに持つイメージは、「経営破綻したから売ったんだ」というものでした。
そこからM&Aの増加につれて、近年では成長戦略の手段の1つとしてM&Aを選択するケースが増えています。

2022年11月、アメリカの投資ファンドのベインキャピタルが、国内アパレルのマッシュホールディングスを2,000億円規模で買収しました。

日本経済新聞の記事(2022年11月15日、電子版)では、(マッシュホールディングスは)「さらなる成長には、ファンドのノウハウを借りながら海外展開を一段と進める必要があると判断」、(ベインキャピタルが)「成長企業に出資し、資金やノウハウを提供して一段の事業拡大を支援」と、ポジティブな表現です。M&Aというワードに対する印象が、変わってきたと感じました。

M&Aの意義を一言で表現するならば、「時間を買うことができる」です。
世界的な例を挙げると、Facebook社(現・Meta社)は、2012年にアメリカのスタートアップ企業だったInstagram社を買収しました。
10億ドルもの値段でしたが、より若い世代のユーザーを世界中で獲得することができました。

Facebook社が単独で新たなSNSを開発するよりも、すでにある企業を買収するほうが、成長戦略としては効率的です。
売り手側の目線に立てば、「頑張って株式上場を目指そう」と考えていたところから、上場企業に買われたことで、自分たちで上場しなくても上場企業グループの看板を使えることになります。

時間というリソースは限られています。世界中の企業が1分1秒を競い合って新しい価値を生み出そうとしている時代に、これまでと同じやり方ではどんどん差を付けられてしまいます。

加えて、M&Aでは「同じ船」に乗ることで生まれるエネルギーがあります。

筆者らが企業に対してM&Aのご提案をする中で、「業務提携でいいのでは」と言われることもあります。
もちろん、それで解決する部分もあると思います。
ただし、それではやはり、本当にコミットメントし合う関係にはなりません。
「受注した仕事をする」「任せた通りの仕事をしてもらう」ということ以上のインセンティブは働きません。同じ場所を目指す仲間になるからこそ100%コミットし合い、それがお互いの成長になるという関係性を築くことができます。

前述ではFacebook社とInstagram社という世界的に有名な企業を例に出しましたが、M&Aは売り手、買い手とも企業の規模を問わず適用できる戦略です。
小さな会社でも大手と一緒に組めば、より広い世界観に飛び込むことができます。

しかし、中小企業の場合、自社の将来に対する課題意識はあっても、M&Aという選択肢を考えていない経営者が多い傾向にあります。
やはりM&Aは巨額の資金を持つ大企業がするものだというイメージがあるのでしょう。

なかには、そもそも成長意欲がないと言わざるを得ない企業もあります。
ぼんやりと「現状維持でいい」と考えている経営者は、意外と多い印象です。

しかし、これからの時代において「現状維持」は「後退」を意味します。
人口が減り続けるなかで、優秀な人材の確保はより一層難しくなります。
中小企業ほど、さらなる業務効率化や生産効率の向上が求められます。

こうした意識の背景には、中小企業という閉じられた環境の中にいることで、経営環境が激変する状況に目が向けられていないことがあると思います。
あるいは、「自分が育ててきた会社だ」というプライドが邪魔をして、視野を狭くしているのかもしれません。

もちろん、自社の将来をどう考えるかは自由です。
しっかりと売上や利益が上がっていて、「ずっとこの会社をやっていくんだ、生涯現役なんだ」というのであれば、それも自社への愛着として共感できます。
その結果、廃業することになったとしても、従業員の就職先を見つけ、職を保証できれば問題ないと言えるのかもしれません。

ただ、やはりすべての企業は成長を目指すべきだと私たちは思います。
M&Aのプロセスでは、実際に契約するかしないかは、相手や条件を見てから決めることができます。
とりあえず検討してみて、自社に合わないと思えばやめればいいでしょう。
厳しい言い方になってしまいますが、成長のための選択肢を検討しないことは、経営者としての怠慢ではないでしょうか。

日本は少子高齢化が進み、労働人口も減っています。
企業の生産性も上がらず、特に中小企業ではずっと同じ給料で働く人も多いのが現状です。飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していた高度経済成長期を経て、日本は「失われた30年」などと揶揄される経済の停滞期に突入しています。

日本企業の大部分を占める中小企業の生産性が改善されなければ、当然、日本全体の生産性も高まりません。
このままでは「元気な日本」はいつまでたってもやってこないでしょう。

私たちが多くの企業の現場を見ているなかで、その危機感を覚えることもあります。
最も多いのは、やはり経営者の高齢化です。
一般的には、どうしても高齢になるほど気力や体力は続かなくなり、判断力は落ちていきます。
結果的に売上は横ばいになり、組織もマンネリ化してきます。
そういう企業では、従業員のモチベーションは下がり、優秀な人材から流出していきます。

あるいは、デジタル化の遅れです。
いまだに経理担当者が手作業で給与計算をしている会社も多く、「新しいやり方を取り入れて、ほかに労力を割いたほうがいいのでは」と感じます。

そうした課題を解決するための有効な手段が、M&Aによって成長産業を集約していくことです。
成長できる余地があるならば、思い切って自社を第三者に任せるという決断は、やはり必要です。

個人的には、この記事のタイトルにあるように『M&Aが「経営破綻の末の売却」』だと考える経営者はそんなにいないのではないかと思いますが、M&Aは、事業承継のためはもちろんのこと、事業拡大のため、人材確保のため、知名度の獲得のためなのは、間違いないと思います。
今は、70代の経営者の事業を引き継ぐいわゆる団塊ジュニア世代の方がたくさんおられると思いますが、団塊ジュニア世代の方が70代くらいになって事業を引き継ごうと思う頃には、それほど人口の多い年代がなく、かなり厳しいのではないかと考えています。
そこが厳しいのですから、今、事業をうまく引き継げないと企業は将来的には残っていけないと思います。
よって、経営者の方は、早めに事業承継のことを考えましょうということです。

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M&Aの課題は「一体感の醸成」!

2023年05月18日(木)

ツギノジダイによると、中小企業の間でもM&Aは広がりを見せていますが、買い手としてM&Aを検討する企業は、「相手先従業員等からの理解が得られるか不安がある」などの不安を抱えていると2023年版の中小企業白書は指摘しています。
調査からは、早期の段階から PMIを検討し、事前に相手先経営者や従業員の人柄・価値観などを確認することや、買い手企業と売り手企業双方でM&Aの目的や戦略を明確化することの重要性が見えてきました。

2023年版中小企業白書によると、M&Aの件数は増加傾向にあり、公表されている数字だけですが、2022年は過去最多の4,304件に上りました。

それでは、M&Aの満足度はどんな要素に影響を受けるのでしょうか?
中小企業白書によると、M&Aの満足度が「期待以上となった」企業は、「相手先経営者や従業員の人柄・価値観」をより重視する傾向にありました。

逆に、買い手としてM&Aに関心がある企業を対象に「M&Aの障壁」について尋ねたところ、「相手先従業員等からの理解が得られるか不安がある」と回答した割合が最も高く、50%を超えていました。

さきほどの結果をあわせて考えると、M&A成立から「相手先経営者や従業員の人柄・価値観」を確認しておくことが、不安の解消につながる可能性が考えられます。

また、「判断材料としての情報が不足している」、「期待する効果が得られるかよくわからない」、「相手先(売り手)企業が見つからない」と回答した割合がそれぞれ30%を超えていました。

PMIとは、Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略称で、M&Aによって引き継いだ事業の継続・成長に向けた統合やすり合わせなどの取り組みのことを指します。

調査では、PMIを「基本合意締結前」に検討した企業は、「基本合意締結後~クロージング完了後」に検討した企業や「検討していない」企業と比較して、M&Aの満足度が「期待以上となった」割合が高い傾向にありました。

中小企業白書は「今回の調査だけで一概にはいえないものの、M&Aで期待した成果を得る上で、早期の段階からM&A成立後を見据えて、PMIの準備を行うことが重要だと示唆される」と説明しています。

僕自身も、年間に数件M&A案件に関わっていますが、ここ数年、PMIの重要性は非常に感じています。
やはり、買収後のことをキチンと見据えて検討しないと、買収したとしても上手くいかないケースが多いのではないかと感じています。
既に買収していたとしても、専門家などを交えて丁寧に検討していけば、上手くいくケースもあるでしょうが。

M&Aの課題は「一体感の醸成」であることについて、どう思われましたか?


フジトランスポートが事業譲渡希望の運送事業者を公募!

日経産業新聞によると、長距離輸送の大手のフジトランスポート(奈良県奈良市)が事業譲渡を希望する運送事業者の公募を始めたようです。
ドライバーの労働時間の規制が強化される「2024年問題」まで残り約1年となり、マッチングサイトを通じて初めて公募するそうです。

競合他社のM&A(合併・買収)も活発になる中、業界再編の波がさらに広がる可能性があります。

「24年問題に向け、輸送力のある事業者はどんどん買収されている。このタイミングで手を打つ必要があった」と、フジトランスポート執行役員の川上泰生氏はそう力を込めています。

フジトランスポートが募集するのは、積載重量10トン以上のトラックを少なくとも10台ほど所有する運送事業者や、トラック整備工場などです。
フジトランスポートが輸送網を構築していない沖縄以外の46都道府県を対象に、5月22日まで受けつけます。

運送事業者は匿名で応募でき、成約まで無料でマッチングサイトの担当者のサポートを受けられます。
マッチングサイトの担当者によると、物流企業によるこうした取り組みは珍しく、「自社でも2例目になる」と話しているようです。

背景には、ドライバーの年間時間外労働時間が960時間に制限される2024年問題を前に、物流業界でM&Aが活発になっていることがあります。

このマッチングサイトでは、物流関連のM&A件数は2021〜2022年の2年間で2019〜2020年比で1.8倍に増加しています。
フジトランスポートも2020年4月以降に10社を買収し、自社の出店も合わせて42拠点を新設しました。

従来は自社で買収先を探していましたが、他社の動きも活発になるなか、「自前では限界がある。今回の公募は予算や事業者数に上限を設けずに幅広く募集する」(川上氏)ようです。

フジトランスポートを含むグループの国内拠点数は118カ所で、保有トラックは約2,500台です。
2035年までに同200カ所、同5,000台まで増やす計画だそうです。

譲渡する企業にもメリットがあります。
グループの給油所などを利用することでコストを抑えられます。
このほか、物流業界は下請けの多重構造で、2次請けや孫請けで荷物を運ぶケースも多くなっています。

長距離輸送の大手であるフジトランスポートは、荷主との運賃交渉でも比較的スムーズです。
川上氏は「グループに入った企業は収益改善などが進んでいる。今後もM&Aを含めた規模拡大を行い、24年問題を乗り切りたい」と話しています。

2024年問題は、運送業界にとっては死活問題であり、大変ですね。どこかの傘下に入るという選択肢も重要になってきますね。
日本人は、運送に関して早さや安さを求めすぎなのかもしれませんが、物価高騰や人手不足の問題もあるわけですから、まずは、例えば、運送に関する意識を変える必要があるのではないかと思います。
また、自動運転やドローンの規制緩和と合わせてやる必要もあるのではないかと考えています。

フジトランスポートが事業譲渡希望の運送事業者を公募したことについて、どう思われましたか?


独立系M&A仲介会社が相次いで大型案件を獲得!

日本経済新聞によると、国内のM&A(合併・買収)市場で、大手証券の主戦場だった数千億円規模の大型案件に独立系M&A仲介会社が参入しているようです。
1月に完了したオリックスによる通販化粧品大手ディーエイチシー(DHC、東京・港)の子会社化は、M&Aキャピタルパートナーズが仲介しました。
仲介会社が得意とする事業承継M&Aが広がっており、非上場のまま高値で取引される企業が増えています。

オリックスのDHC買収額は約3,000億円で、M&A 仲介会社が手掛けた案件として過去最大規模です。
M&Aキャピタルパートナーズが取引完了時に得る手数料は数十億円規模とみられます。
日本経済新聞はM&Aキャピタルに事実確認を求めたようですが、同社は「個別案件へのコメントは控える」と回答しています。

M&Aキャピタルパートナーズは2022年、オリックスが電気設備工事大手のHEXEL Works(ヘクセルワークス、東京・港)を約400億円で買収した際も仲介業務を担っています。
M&Aキャピタルパートナーズは、DHC 創業者の吉田嘉明氏に会社売却の意向があることが分かると、買い手候補としてオリックスを選定し、約1年にわたり両社の調整役を務めました。

大手経営コンサルタントの山田コンサルティンググループは2022年、アメリカ投資ファンドのベインキャピタルによるアパレル大手マッシュホールディングス(東京・千代田)の買収で、売り手であるマッシュ側の財務アドバイザー(FA)を務めました。
ベインによるマッシュの評価額は約2,000億円にのぼりました。

もともと山田コンサルはマッシュから会計コンサル業務を引き受けていました。
マッシュ創業者の近藤広幸社長が新規株式公開(IPO)を検討していたところ、山田コンサルはノウハウのあるファンドに保有株式の一部を売却し、連携してIPOをめざすことを提案しました。
売り手側FAとして複数のファンドが参加する入札を取り仕切きりました。

これまで取引額1,000億円超の大型M&Aは、主に大手証券会社が手掛けていました。
一方、M&A仲介会社は、中小企業のオーナーが事業承継目的で会社を売却する数億〜数十億円の案件を中心に手掛けてきました。
両者にはすみ分けができていました。

ここにきてM&A仲介会社の存在感が増してきたのは、仲介会社が得意とする事業承継M&Aが活発化しているためです。
M&A助言のレコフによると、事業承継M&Aは2022年に約750件と前年比2割弱増え、過去最高を更新しました。
非上場であっても売却対象となれば数百億〜数千億円の高値が付く企業も出てきました。

M&A仲介会社が高い報酬で人材をひき付けていることも大きいようです。
M&Aキャピタルパートナーズの2022年9月期の平均年間給与は上場企業トップの3,161万円です。
一部の管理部門を除き、営業成績に基づく歩合制をとっています。
中村悟社長も例外ではなく、2005年の会社設立以来、中村社長の報酬が社員平均を下回ったことが2回あるそうです。

大手証券も事業承継を中心とする非上場企業のM&A案件を狙っています。
大和証券は全国の支店長を事業承継担当とし、オーナー経営者の相談に応じる体制を整えました。
社員研修でも事業承継に関する内容を増やしています。

野村証券はM&A 担当部署に非上場企業の専門チームを設けています。
主にリテール営業担当者が受けるオーナー経営者の会社売却相談を専門チームにつなぎ、FA 業務に取り組んでいます。

M&A 仲介会社では手数料を売り手・買い手の両方から徴収する「両手取引」が慣行になっており、取り過ぎとの批判があります。
公的な資格が不要で、知識や経験が不足した事業者も少なくないため、オーナー経営者とのトラブルも起きています。

もっとも、オーナー経営者の事業承継問題は深刻化しており、東京商工リサーチによると、2022 年時点の後継者不在率は約6 割にのぼります。
大手証券も交えて事業承継M&A の支援業務が活発になれば、手数料の下げ圧力や業界の透明性向上につながる可能性があります。

大手証券会社に独占されていた大型案件が、M &A 仲介会社にも回ってきていることは良いことですね。
これらにより、売ったり、買ったりする側の選択肢が増えるでしょうし、おそらくかなり高い証券会社の手数料も下がるでしょうから。

独立系M&A仲介会社が相次いで大型案件を獲得していることについて、どう思われましたか?


ソフトバンクグループがM&A税務巡る見解相違で370億円の申告漏れ!

日本経済新聞によると、ソフトバンクグループ(SBG)が東京国税局の税務調査を受け、2021年3月期までの2年間で約370億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

傘下のアメリカ携帯通信スプリントの合併に絡む取引の費用が過大に計上されていたとみられます。
グローバルなM&A(合併・買収)案件が増えるなか、関連支出を巡る国税当局と企業側の見解の相違が目立ってきました。
ルールを巡る議論にも一石を投じそうです。

調査対象の2期間とも税務申告は赤字で、追徴課税は発生しなかったもようです。
SBGは日本経済新聞の取材に対し「法人所得で約370億円の修正申告を行いました。経費計上タイミングなどの見解の相違によるもので、仮装、隠蔽に課せられる重加算税の対象となる修正はありません」とコメントしました。

関係者によると、焦点となったのはM&Aの関連支出が「費用」か「資産」かという税務処理を巡る判断です。
SBGは2020年4月に傘下だったスプリントとTモバイルUSの合併に伴ってスプリント株を手放し、新会社の株式を取得した取引に絡み、デューデリジェンス(資産査定)費用や弁護士費用などを雑損失として計上しました。
雑損失は税務上の費用として損金算入され、税負担の減少につながる場合があります。
スプリントの企業価値は2018年4月時点で約590億米ドル(当時のレートで約6.4兆円)でした。

これに対し、東京国税局は費用ではなく株式の取得価格として資産計上すべきだと指摘したもようです。
取得価格に含まれると、株式を売却するまでは税務上、損金になりません。

M&Aの関連支出を巡り、企業と国税当局間で意見が食い違うケースは少なくないとされています。
背景にあるのが国内企業によるM&Aの増加です。
M&A助言のレコフによると、2013年の約1,900件が2022年に約4,000件と倍増しました。
税法に詳しい弁護士は、「M&Aの関連支出の扱いに関する規定には曖昧さがあり、企業側は慎重な対応が必要だ」と指摘しています。

このほかに、傘下の「ビジョン・ファンド」の一部の管理費用に関する申告漏れも含まれているそうです。

SBGで数百億円以上の申告漏れが明らかになるのは、2018年にタックスヘイブン(租税回避地)の子会社などに関し約900億円の申告漏れが発覚して以降4度目です。
2019年には約4,200億円の申告漏れが判明し、子会社からの配当と子会社株式の譲渡を組み合わせた節税策を封じる税制改正につながりました。

ソフトバンクグループの税務処理を巡っては、色々と問題が出てきますね。
かなり税務を研究しているのではないかと思いますが、ここまで大きいと、税務の隙間みたいなところが改正されてしまいますね。
実際には、赤字であり、指摘されても期ズレの問題であり、痛くもかゆくもないのでしょうが。

ソフトバンクグループがM&A税務巡る見解相違で370億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


横浜銀行が神奈川銀行にTOBを実施し完全子会社化へ!

テレビ神奈川によると、横浜銀行は、神奈川銀行の完全子会社化へ向けて、株式の公開買い付けを開始すると、先日、正式に発表しました。

記者会見には、横浜銀行の片岡達也頭取と神奈川銀行の近藤和明頭取が出席し、社会の変化に対応するため、同じ神奈川県を地盤とする両行が一体となって、安定的な金融仲介機能を発揮する必要があると経営統合の趣旨を説明しました。

経営統合は、2022年8月から横浜銀行側からの提案で連携強化について協議を始めたもので、比較的規模が大きい企業との取り引きに強みがある横浜銀行と、中小企業への支援が得意な神奈川銀行はお互いに補い合える関係としています。

また、店舗統合ありきの完全子会社化ではなく神奈川銀行のブランド名は継続するほか、課題となっていたデジタル化について横浜銀行のノウハウを生かすメリットが期待されるとしています。

横浜銀行の片岡達也頭取は、「5年後10年後の先を見据えた経営を行っていく中で、両行の業績が堅調な状況でまさにこのタイミングで経営統合を行って将来に向けて先手を打つ」とコメントしています。

横浜銀行は、すべての株式の公開買い付けを2023年4月4日までに行うことを目指し、2月6日から買い付けを開始しています。
その規模はおよそ82億円を見込んでいるということです。

今後、こういうことが全国的にどんどん進んでいくんでしょうね。
どう考えても、金融機関は多過ぎますから。
金利で競い、手数料の高いものを売るのではなく、サービス内容で競うように早くなってほしいですね。

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M&A業務が裁量労働に!

日本経済新聞によると、厚生労働省はあらかじめ決めた時間を働いたとみなす「裁量労働制」の対象業務に銀行や証券会社のM&A(合併・買収)業務を追加します。
2023年1月内に決定します。
多様な働き方の実現に向け、時間にとらわれない働き方ができるよう対象を拡充します。
適切な運用には過重労働の防止策などの充実も求められます。

裁量労働制は弁護士やゲームソフトの創作など専門性が高い19職種が対象の「専門型」と事業の立案・調査など「企画型」の2種類あります。
M&A業務は専門型として追加します。
企業から「M&A分野は専門性が高い半面、繁閑の差が大きい」などと追加を求める声があったようです。
経団連も対象拡大を要望していました。

専門型の対象業務は省令や告示で定め、現在19あります。
M&Aを追加すれば2003年以来、約20年ぶりです。
2023年に政省令を改正し、2024年に施行する見通しです。

従来は企画型のみ必須だった本人同意を専門型でも義務化します。
企業が一方的に適用を決めると過剰な業務責任を与えて過労を引き起こすとの懸念があったからです。

厚労省による2019年の調査では、裁量労働制の適用者は1日の平均労働時間が9時間と非適用者より21分長くなっています。
適用者は8割程度が「満足」「やや満足」と答え、私生活とのバランスが取りやすいと評価する声が目立ちました。

日本総合研究所の山田久氏は「現場判断で新しいものを作るような、プロフェッショナルで自立性の高い働き方は経済活性化につながる」と裁量労働制を評価しています。
過度な裁量や業務を与えられる余地が残っている点を問題に挙げ、企業での「研修や適正なガイドラインの導入が必要だ」と課題を指摘しています。

2018年に成立した働き方改革関連法の審議過程で厚労省提出のデータに不備が見付かり、対象業務の拡大が法案から削除された経緯があります。
厚労省は改めて労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論しています。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークの普及などで従来の枠組みでは労務管理がしづらくなっている面があります。
働き手の実態に即した仕組みに改める取り組みが欠かせません。

M&A業務は仕事のある時とない時では、かなり差があるので、良い改正ですね。
M&Aというものが、世間一般に認知されたようで嬉しいですね。

M&A業務が裁量労働になることについて、どう思われましたか?


Chatworkが給与計算アウトソーシング事業を行うミナジンの株式取得して子会社化!

日本M&Aセンターによると、Chatwork株式会社は、株式会社ミナジン(大阪府大阪市)の全株式を取得し、子会社化することを決定したようです。

取得価格は、600百万円です。
ただし、業績連動型のアーンアウト方式を採用しているため、ミナジンの今後3年間の業績達成度合に応じて総額最大1,000百万円が支払われる可能性があります。

Chatworkは、クラウド型ビジネスチャットツール「Chatwork」の開発運営を行っています。

ミナジンは、クラウド型就業管理及び人事評価システムの企画・販売、並びに給与計算等の労務アウトソーシングなど、人事労務領域の事業を展開しています。

本件M&AによりChatworkは、ビジネスチャットというコミュニケーションツールと人事労務領域サービスの連携による高付加価値なサービスを顧客に提供し、さらなる価値提供を目指します。

また、両社のサービスは主要顧客が中小企業という特徴を持つことから、相互の顧客基盤の拡大による収益増、コスト効率化といったシナジー効果の創出を図ります。

Chatworkは結構前から使っていますが、ビジネスチャットだけではなく、色々なサービスをやっていますよね。
秘書みたいなサービスはすぐにやめたと思いますが、色々とやっていかないと、会社として成長しないんでしょうね。

Chatworkが給与計算アウトソーシング事業を行うミナジンの株式取得して子会社化することについて、どう思われましたか?


さようなら「東急ハンズ」「日立金属」!

M&A Onlineによると、東急ハンズ、日立金属が、先日、社名変更を発表しました。
東急ハンズは「東急」を外し、既に、10月1日に「ハンズ」として再出発しています。
日立金属は2023年1月4日に「プロテリアル」に名前を改めます。

長年慣れ親しまれた社名に別れを告げる理由はM&Aです。
買収されて親会社が変わることになったからです。

東急ハンズがホームセンター最大手、カインズ(埼玉県本庄市)の傘下に入ったのは2022年3月末です。
カインズが東急不動産ホールディングスから東急ハンズの全株式を取得し、完全子会社化しました。
このため、東急の名が消えることは時間の問題とみられていました。

東急ハンズは1976年に創業し、独自のDIYを中心に新たなライフスタイルを提案する小売業態の先駆的存在として知られ、生活雑貨ブームの牽引役となりました。
現在、国内外合わせて88店舗(うちフランチャイズ23店舗を含む)を展開しています。

近年はネット販売の台頭に押されて苦戦し、ここに新型コロナ禍が重なり、業績が急速に悪化しています。
コロナの影響が本格化する前の2020年3月期に950億円だった売上高は2022年3月期は555億円まで低下し、2年連続の営業赤字に沈みました。

新たな店名、ロゴについては今後決める予定で、当面、店舗の看板などには「東急ハンズ」が残ります。

カインズは非上場ながらホームセンター業界トップで、流通大手「ベイシアグループ」の中核会社です。
作業着大手のワークマンもベイシアグループの一員で、こちらは東証スタンダード市場に上場しています。

一方、日立金属は日立製作所グループを離れ、日米投資ファンド連合の傘下に入いります。
東証プライム市場への上場も廃止となります。

新社名の「プロテリアル」はプロと、材料を意味するマテリアルを組み合わせたものです。
プロはプロフェッショナル(専門的な)、プログレッシブ(革新的な)、プロアクティブ(主体的な)の3つの言葉を表しています。

日立金属は1956年に日立の鉄鋼部門が分離独立して発足しました。
日立グループでは日立金属、日立電線(2013年に日立金属と合併)、日立化成と並んで“御三家”と呼ばれた名門です。
グループ再編の一環として、日立化成も2020年に昭和電工に売却されています。

米投資ファンドのベインキャピタルによる日立金属へのTOB(株式公開買い付け)が9月27日(~10月25日)に始まりました。
元々、2021年11月に開始される予定でしたが、各国当局の審査が遅れていました。

ベインキャピタルはTOBを通じて47%の株式を買い付けます。
そのうえで、日本産業パートナーズ(東京都千代田区)など国内投資ファンド2社と組んで、親会社の日立が保有する残る53%の株式を取得し、日立金属を完全子会社化します。
買収総額は8,100億円に上ります。

このほか、日立金属と同じく2023年1月4日付で社名変更を予定しているのが新生銀行です。
TOBを経て、2021年12月にSBIホールディングスの子会社になったのを受け、「SBI新生銀行」として再スタートします。

最近、社名を変更するところが増えていますね。
『ホールディングス』を付けたり、『グループ』を付けたり、漢字を外したり、ローマ字にしたりするところが増えてきているように感じますが、M&Aによるものも以前から多いですね。
個人的には、小文字と思っていたのが大文字だったり、ブランド名と違っていたりするため、社名を見たりするのが、新たな発見があり、楽しいです。

さようなら「東急ハンズ」「日立金属」について、どう思われましたか?


株式交付で「私的節税」!

日本経済新聞によると、M&A(合併・買収)による事業再編を促し日本企業の競争力を高める目的で2021年に導入された株式交付制度が、上場企業オーナーの私的な節税に使われているとの指摘が出ているようです。
専門家の意見は「制度の乱用とまではいえず問題ない」や「制度趣旨から外れており税制改正が必要」などと分かれており、議論を呼びそうです。

「私的な節税策にみえる」と専門家が注目するスキームがあります。
本来は企業が事業再編しやすくするための株式交付制度を使い、オーナーが個人保有する株を資産管理会社に移すものです。
上場企業では7月末までの判明分で、ティーケーピー、coly(コリー)、G-FACTORY、アールエイジ、オージックグループの5社の例があります。

スマートフォンゲームを配信するコリーは6月に実施しました。
2021年上場の同社は、創業オーナーの姉妹2人が個人で同社株を32.55%(議決権ベース)ずつ計65.11%持っていました。
今回は株式交付制度を使い、このうち計50.56%分を、2人が折半出資する資産管理会社に移管しました。

株式交付は、自社株を対価として他社を買収できるM&Aの新たな手法です。
類似の「株式交換」もありますが、完全子会社化する場合に限られるなど使い勝手の悪さも指摘されていました。
株式交付は50%超の部分買収にも使えるため、「大型買収でも活用できて有意義だ」(M&Aに詳しい弁護士)ともいわれます。

税メリットもあり、買収される会社の株主は株式譲渡益への課税を繰り延べられます。
コリーのオーナー2人による株の売り出し価格は総額41億円で、もし、同制度がなければ、譲渡益に約2割の税率で所得税などがかかった可能性があります。

株を個人ではなく資産管理会社で持つ手法は、一般的な節税策として知られています。
例えば持ち分3分の1超の国内関連法人からの配当は一定の条件下でほぼ全額が非課税(益金不算入)になります。
オーナーが個人として配当を受ければ所得税などがかかりますが、資産管理会社が受け取れば税金を抑えられる可能性が高くなります。

資産管理会社にたまるお金は、資産運用などで様々な節税メリットも享受できます。
コリーは現在無配ですが、将来は配当を実施する可能性もあります。

株式交付制度は本来、企業の成長につながる事業再編を促す制度です。
しかしながら、オーナーの株を資産管理会社に移すのに使われるのは、私的な節税策を後押しする側面が強いようにみえます。

5社は適時開示で資産管理会社による資料も示しています。
ところが、オーナーの保有株を資産管理会社に移管する目的については、実質的な説明がほとんどありません。

日本経済新聞は5社に対し、書面で目的などを質問したようですが、「節税目的」と認めた社はなかったようです。

コリーは「長期安定的な株主構成を構築し持続的な成長に寄与する」などとし、オーナー2人の私的な節税目的ではないと説明しています。
アールエイジは「経営の不安定化を回避し、弊社株主の皆様の利益に資するようにするという観点」としました。

一方、企業再編などの税務に詳しい梅沢謙一税理士は、こうした活用について「本来の制度趣旨に沿っていないのではないか」と指摘しています。
ある上場企業の財務担当役員も「これらの事例には違和感がある。もし資産管理会社に非課税で配当をプールするスキームを組むのに使われ始めたら、やり過ぎだ」と話しています。

税制改正を検討すべきだとの声もあるようです。
仮に国税当局がこのスキームを調査するなら、どこに注目するでしょうか?
国税当局で長年、企業再編などの税務調査をした大山清税理士は「極端な租税回避行為を否認する規定(法人税法132条の2など)を視野に調査を行うだろう」とみています。
その際の注目点は「合理的な理由や租税回避の意図の有無などだ」だそうです。

一方、元国税庁キャリアの木村浩之弁護士は「法律上、オーナーから資産管理会社への株式移管には使えないなどの制約はない。法律の穴を突くあざとさがあるとは思わない」と指摘しています。
「税務調査で否認され申告漏れなどが指摘されるリスクは低いだろう」と話しています。

M&A助言のレコフによると、株式交付M&Aは制度開始から7月末まで計16件です。
このうちオーナーの資産管理会社が絡むものは5件で一定割合を占めています。
公認会計士・税理士の森将也氏は「今後も同様事例が出る可能性がある」とみています。

株式交付制度は経済産業省が長年、導入を望んできました。
担当者は「(日本企業は)現状維持やリスク回避の傾向が強く制度的なイノベーションが起こりにくい。まず制度を形にしないと大きな動きは作れない」と話しています。
今回のような利用を想定していたかについては「コメントしない」としています。

財務省で長く税制改正に携わった朝長英樹税理士は「租税回避行為として否認されるリスクは低いが、節税の目的ならば好ましくないのは明らかだ。株式交付の特例は要件が緩くなっていることもあり、税制改正が必要か検討すべきだ」と話しています。

個人的には、組織再編税制はガチッと要件を決めたうえで認めているわけですから、基本的に、要件を満たせば良いのではないかと考えています。
当然、当初想定していなかったようなスキームが出てくれば、改正すれば良いわけですから。
最近では、節税を目的としたものは否認されるリスクがあることから、目的やストーリーをきちんと考えたうえで実行していると思われますので、よっぽど安易に実行しているもの以外、否認されるリスクは低いのではないでしょうか?
それよりは、近いうちに改正される可能性の方が高いのではないでしょうか?

株式交付で「私的節税」について、どう思われましたか?


アマゾンはなぜ「ルンバ」に手を出したのか?

M&A Onlineによると、アメリカのアマゾンが、先日、アメリカの家庭用ロボット掃除機最大手iRobotを買収すると発表しました。
買収総額は約17億ドル(約2,290億円)で、コリン・アングル経営最高責任者(CEO)は残留します。
アマゾンがロボット掃除機を傘下に入れた狙いは何なのでしょうか?

iRobotは円盤型の自走式ロボット掃除機を普及させたメーカーで、アマゾンの「買収の思惑」についてはすでに多くの推察がメディアを騒がせているようです。
その中でも有力なのが「ホームマップの取得」です。

「ルンバ」は家庭で自動清掃をするプロセスで、全体の間取りを把握しているそうです。
そうした「家庭内地図」をロボットが作成し、データをメーカーのサーバに蓄積します。
そのホームマップを元に、デジタル家電の制御や新たな機器の導入が提案できるようです。

ただし、アマゾンの狙いは、そうしたBtoC(企業・個人間)ビジネスだけではありません。
大口で、より長期的に安定した取引が期待できるBtoB(企業間)ビジネスにも視野に入れているのでしょう。
同社の典型的なBtoBビジネスの成功例が、アマゾン ウェブ サービス(AWS)です。
AWSはアマゾンをクラウドサービスの「勝ち組」にしました。

アメリカの調査会社のガートナーによると、2021年にAWSは世界シェア38.9%と、同21.1%のアメリカのマイクロソフト、同9.5%中国のAlibaba、同7.1%のアメリカのGoogleなどを大きく引き離しています。
そして、クラウドに代わるビジネスとして注目されているのが、無人搬送車(AGV)です。

アマゾンとAGVと言ってもピンとこないかもしれません。
かつてアマゾンはAGVを「買う」立場でしたが、2012年にアメリカのKivaシステムズを買収してからは自社開発に力を入れ、今や「売る気満々」なのです。

物流業界では人材不足対策と配送処理の迅速化から、物流の自動化に取り組むのがトレンドです。
次世代物流構想の「ロジスティクス 4.0」でもAGVは重要な役割を果たします。
この流れに乗って、アマゾンがAGV市場の本格参入するのも時間の問題でしょう。

この市場の競争は激しく、アマゾンのKivaシステムズ以外にも、中国のギークプラスやインドのグレイオレンジ、ノルウェーのJakob Hatteland Computerなどが世界市場を狙ってしのぎを削っています。

そんなアマゾンがiRobotを狙ったのは、AGVの量産化と値下げのためと見られます。
iRobotは家庭用ロボット掃除機では高級ロボットが主力で価格は高いが、AGVの世界では格安です。
iRobotの量産技術で低価格帯のAGVを投入していけば、中小物流業者にも導入が進むでしょう。

市場調査会社のグローバルインフォメーションによると、自律型移動ロボット(AMR)を含むAGV市場は2021年の30億ドル(約4,050億円)から2027年には180億ドル(約2兆4,300億円)を超えると予測されています。

AGVの作業効率を向上し、人間などとの接触事故などを防止するためには人工知能(AI)の精度向上がカギを握るため、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)には有利です。
AGVがAWSと並ぶアマゾンのBtoBビジネスに成長する可能性もありそうです。

直感的には安いような気はしますが、さすがアマゾンですね。
色々なことを考えて、M&Aしているんでしょうね。
日本も、早くこういう自社で足りないところは買うとか、シナジー効果があれば買う、成長性がある市場にM&Aで参入するとかいうことが、日本でも当たり前になれば、日本の企業も強くなり、日本経済も活性化するでしょうね。

アマゾンはなぜ「ルンバ」に手を出したのか?について、どう思われましたか?


大王製紙が紙製猫砂メーカー大手の大貴を子会社化!

M&A Onlineによると、大王製紙は、猫の排泄に用いられる紙製猫砂を製造する大貴(東京都港区。売上高27億1,000万円、営業利益1億5,200万円、純資産40億3,000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めました。

グループ内におけるマテリアルリサイクルモデル確立の一環です。

大貴は紙製品メーカーで規格外となった紙おむつ、壁紙、パルプ系不織布などのリサイクル原料を活用し、高品質な紙製猫砂を製造しています。

取得価額は約74億円。取得予定日は2022年10月3日です。

大貴は1984年設立で、OEM(相手先ブランド生産)を主体とし、紙製猫砂市場で約4割のシェアを持っています。
真岡工場(栃木県真岡市)、四国工場(香川県三豊市)の2工場を置き、全国をカバーしています。

大王製紙は衛生用紙、紙おむつ、生理用品、マスクの製造過程で発生する生産ロスについて、その多くを原料工程まで戻して製品化する一方、再利用が難しい部分はリサイクル原料として外販、もしくは自社ボイラーの燃料として利用することで対応していました。
今回、大貴を傘下に収めることで、一連の生産ロスについてグループ内で完結する形でマテリアルリサイクルを実現します。

自社でやっていないものを補うために、取引先をグループに取り込むということですね。
直感的には高いような気はしますが、どうしても欲しかったんでしょうね。
特定のグループに属することで、仕入先が減少するリスクもあるとは思いますが。

大王製紙が紙製猫砂メーカー大手の大貴を子会社化することについて、どう思われましたか?


チャコット・成城石井・ティップネスの親会社はどこ?

この会社ってあのグループだったの?と、よく知られた会社でも、親会社の名前を聞いて思わず驚くことがないでしょうか?

M&A Onlineによると、実はM&Aが関係していることが多いそうです。
そんな「意外な子会社」として今回ピックアップしたのは、チャコット、成城石井、ティップネスです。
この3社の親会社はどこでしょうか?

<バレエ・ダンス用品のチャコット>
バレエ・ダンス用品の国内トップブランドとして圧倒的な知名度を誇る「チャコット」(東京都港区)ですが、その名前を聞けば、バレリーナに夢見た少女時代を思い出す人も少なくないようです。
ジュニア・キッズから、レディース、プロのダンサーまで顧客層は幅広いです。

戦後間もない1950(昭和25)年に創業し、東京・板橋でトゥシューズやバレエシューズの製造に乗り出しました。
1961年に法人化し、スワンシューズを設立し、レオタード、タイツなどに手を広げ、総合用品メーカーとして道を切り開いてきました。
バレエ・ダンスはもちろん、フィットネス、ヨガ、新体操、フィギュアスケート、コスメまでカバーします。
現在、全国に直営は26店舗で、カルチャースタジオ10か所を運営しています。

チャコットに社名変更したのは1974年で、創業者の土屋 誠(つちやまこと)氏から「ま」を抜いた語順を入れ替えてネーミングしたとされます。

そんなチャコットに一大転機が訪れたのは1990年です。
同族経営にピリオドを打ち、アパレル大手のオンワード樫山(現オンワードホールディングス)の傘下に入ったのです。

<上場が取りざたされる成城石井>
成城石井(神奈川県横浜市)といえば、今や高級スーパーの代名詞とされます。
関東を中心に中部、関西に店舗を広げ、約200店舗を数えます。
2022年2月期業績は売上高1,097億円、営業利益122億円で、ここへきて東証プライム市場への上場が取りざたされています。

それもそのはずで、コンビニ3強の一角を占めるローソンの傘下で“孝行息子”に成長を遂げたからです。

ローソンが三菱商事系投資ファンドの丸の内キャピタル(東京都千代田区)から成城石井を約360億円で買収したのは2014年です。
当時に比べ売上高は倍増し、店舗数も6割増えました。
親会社のローソンの「出口戦略」として、成城石井について子会社上場の検討にいよいよ動き出した模様です。

成城石井は1927年に東京都の成城で食料品として創業しました。
1976年からスーパーとして営業展開をスタートし、高価格帯の特徴ある品ぞろえを売り物にしています。

ただし、その歩みは決して平たんではありませんでした。
2004年に焼肉「牛角」などを展開するレインズインターナショナルの傘下に入った後、2011年に丸の内キャピタルに経営権が移った経緯があります。

<ティップネスはサントリーの元子会社>
では、首都圏や関西など都市部でフィットネス事業を手がけるティップネス(東京都港区)はどうでしょうか?

コナミスポーツクラブ(コナミホールディングス傘下)、セントラルスポーツ、ルネサンスに次ぐ業界4番手で、店舗数は167(2022年3月時点。24時間ジム「FASTGYM24」110店舗を含む)です。
こちらの親会社は意外にも、日本テレビホールディングスなのです。

ティップネスもM&Aと無縁というわけではないのです。
1986年にサントリー(現サントリーホールディングス)の子会社として発足し、2001年に丸紅系スポーツクラブのレヴァンを吸収合併しました。
日本テレビが買収に動き出したのは2014年で、新たな収益源と位置づける「生活・健康関連事業」の本格展開の第一歩とする狙いでした。

ティップネスに限らず、スポーツクラブ各社の経営はコロナ禍による会員減少や利用自粛などで体力を奪われてきただけに、反転攻勢が急務になっています。

数年前から、地元でもこの会社はここのグループなんだぁとか思うことが増えたように思います。
それだけ、M&Aが増えているんでしょうね。
ちなみに、高松市で大きな税理士法人も2021年に東京の税理士法人のグループに入っています。
個人的には、最近、実業家としてのROLANDさんをよくテレビで見かけるので、すごく興味を持っているのですが、ぜひ残したいと思ったお店を買い取ったりしたりしていますね。
M&Aがどんどん一般的になって、親会社や経営者が変わっても、良い会社やお店が続いてくれたらいいなぁと思う今日この頃です。

チャコット・成城石井・ティップネスの親会社はどこ?について、どう思われましたか?


リコーが富士通のスキャナー事業を840億円で買収!

日本経済新聞によると、リコーは、先日、富士通の全額出資子会社でスキャナー大手のPFU(石川県かほく市)を買収すると発表しました。
買収額は840億円で、富士通が保有するPFUの株式の8割を取得します。
先日開いた取締役会で決議され、2022年7月1日の買収を予定しています。

PFUは1960年の創業で、主力の「スキャンスナップ」などを手掛けるスキャナーメーカーです。
医療機関や貿易機関、銀行などで手書き書類をスキャンして画像データにするなど、専門性の高い業務フロー部分に使われています。
リコーはこれまで接点の少なかった金融機関や医療機関などの顧客基盤を取り込み、デジタルサービスの提供先を広げる狙いのようです。

リコーはPFUの技術や顧客基盤と、既存のデータ処理技術などと組み合わせたデジタルサービスに力を入れます。
銀行での申請書入力作業を自動化し、リコーの持つクラウド基盤「リコースマートインテグレーション」とつなげて申請作業を効率化するサービスと組み合わせるなど、業務フロー改善を提案します。

PFUの持つIT(情報技術)技術も取り込みます。
PFUが強みとするクラウド構築運用やセキュリティーサービスといったIT管理サービスのノウハウを取得し、リコーのオフィス関連のサービスと組み合わせます。

ペーパーレス化などで事務機市場の縮小が続くなか、リコーはオフィスや様々な業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)関連サービスを強化し、事務機メーカーからデジタルサービス会社への転換を急ぎます。

富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)には、DocuWorksというものがあり、これが使いたいがために、富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)の複合機を使っている会計事務所も多いように聞いたことがありますが、リコーは、PFUを買収という方向に行きましたね。
僕自身も、開業当初からScanSnapを使っていますが、非常に便利なものです。
弊事務所はキヤノンの複合機を使っていますので、どうせならキヤノンに買収して欲しかったですね(笑)。

リコーが富士通のスキャナー事業を840億円で買収したことについて、どう思われましたか?


レコード大手を巡る58億円の追徴課税取り消し訴訟は国側の敗訴が確定!

グループ会社の組織再編に伴う借り入れを巡り、約58億円を追徴課税した東京国税局の処分を不服として、大手レコード会社「ユニバーサルミュージック」(東京都渋谷区)が処分の取り消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は、先日、国側の上告を棄却しました。
課税処分を取り消した一、二審判決を支持し、国側の敗訴が確定しました。

訴訟では、グループ会社間で税負担を不当に減らす税務処理が行われた場合、国税当局が税額を算定し直せるとする法人税法の規定適用の是非が争われました。

第1小法廷は判決理由で、ユニバーサル社の借り入れや組織再編について「税負担の減少が目的に含まれていたといわざるをえない」としつつ、機動的な事業運営を可能にするなどの理由もあったと指摘しました。
「取引全体としてみると、経済的合理性を欠くとまではいえない」として、規定の対象にはならないと結論付けました。

判決によると、ユニバーサル社は2008年から2009年にかけて進められた組織再編に絡み、海外のグループ会社から約866億円を借り入れ、関連会社の買収費用に充てました。
その後、支払った利子計約181億円を損金として計上したのです。

東京国税局はユニバーサル社の組織再編や借り入れ行為は不自然で、課税回避が目的だったと判断し、国税側が税額を再計算できるとした法人税法の規定に基づき、2012年12月期までの5年間で計約181億円の申告漏れを指摘し、約58億円を追徴課税しました。

東京国税局は「主張が認められなかったことは大変残念だ」とのコメントを出しました。

先日の相続税対策の不動産購入の件は残念な結果に終わりましたが、こっちは喜ばしい結果となりましたね。
最近、節税目的のものはダメという傾向になっていると思いますが、『税負担の減少が目的に含まれていた』としても、『経済的合理性を欠くものではない』場合は、認められたという点が非常に意義があったと思います。
営利企業ですから、完全な節税目的の場合は除きますが、何かをやるときに、税額が安くなる方法を選ぶのは当然のことだと思います。
今回も、何かやる時は、取引全体を考えて、経済的合理性があるというストーリーを示すものにしないといけないなぁと改めて感じた一件でした。

レコード大手を巡る58億円の追徴課税取り消し訴訟は国側の敗訴が確定したことについて、どう思われましたか?


マスク氏のツイッター買収提案を巡りゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが対決!

Bloombergによると、アメリカの資産家であるイーロン・マスク氏によるツイッターへの買収提案を巡り、ウォール街の2強が対決するようです。
企業価値を約430億ドル(約5兆4,300億円)と評価し、ここ数年で最大級となる買収が成功した場合、アドバイザーを務めるモルガン・スタンレーとゴールドマン・サックス・グループの両行に多額の助言料収入がもたらされます。

先日の当局への提出書類によれば、モルガン・スタンレーはマスク氏のアドバイザーを務めます。
マスク氏の買収提案にどう対応するか検討するツイッターはゴールドマン・サックスに支援を求めたと事情に詳しい複数の関係者は明らかにしています。
両行は企業の合併・買収(M&A)ランキングでたびたび首位を争っており、ブルームバーグの集計データでは、ゴールドマン・サックスが現在トップです。

もちろん、銀行の助言料の大部分は今回の買収提案の結果次第で、その行方は不確実です。
マスク氏は、先日、「実際に買収できるかどうか確信がない」と発言し、ツイッター取締役会が拒否した場合に備えプランBを用意していると述べた。

モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスは、交渉では対峙することになりますが、いずれもマスク氏とは10年以上にわたる関係を持っています。
マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)メーカー、テスラの2010年の新規株式公開(IPO)では両行が引受業務を担いました。
当時の目論見書の1番左側に記された主幹事はゴールドマン・サックス、2番目がモルガン・スタンレーでした。

今回のツイッターを巡る件は注目していますが、裏では、そういう争いもあるんですね。
報酬も驚くほど高いんでしょうね。
プランBがどういうものか楽しみですが、今後、ウォッチしていきたいと思います。

マスク氏のツイッター買収提案を巡りゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが対決していることについて、どう思われましたか?


上場企業によるプロバスケットボールチームの買収が増加傾向!

M&A Onlineによると、コロナ禍において、上場企業によるプロバスケットボールチームの買収が増加傾向を見せているようです。
東証適時開示情報に限ると、2017年、2018年、2020年にそれぞれ1件ずつだった買収が、この1年間は3件に達しました。

買い手はいずれもIT・ソフトウエア業界の企業で、プロスポーツチームの運営と自社事業との相乗効果を高めるのが買収目的の一つとなっています。

感染防止のため観客数が制限されるなどプロスポーツは厳しい環境下にあり、経営が悪化する運営会社は少なくありません。
新型コロナウイルスの感染拡大が長引けば、さらに買収件数が増える可能性がありそうです。

全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A Online編集部が集計したところ、この1年ほど間に、スカラ<4845>、マイネット<3928>、スマートバリュー<9417>の3社がプロバスケットボールチームの運営会社を買収しました。

これ以前の4年間では2020年の識学<7049>による「福島ファイヤーボンズ」の運営会社の子会社化、2018年の加藤製作所<6390>による「東京エクセレンス(現・横浜エクセレンス)」の運営会社の子会社化、2017年のディー・エヌ・エー<2432>による「東芝川崎ブレイブサンダース(現・川崎ブレイブサンダース)」の取得の3件だったため、ここにきて買収件数が急増していることが分かります。

スカラはITやAI(人工知能)、DX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術による生活やビジネスの変革)などを手がけている企業で、傘下のスポーツストーリーズ(東京都渋⾕区)を通じて、2022年3月9日に「さいたまブロンコス」を運営するさいたまブロンコス20(埼玉県さいたま市)を子会社化しました。

スカラのシステム開発⼒やデータ分析⼒を活⽤し、データに基づいた選⼿獲得や育成のほか戦略や戦術の策定などに取り組むそうです。

マイネットは、スマホゲームサービスを主力事業としている企業で、2021年9月に「滋賀レイクスターズ」を運営する滋賀レイクスターズ(滋賀県大津市)を子会社化しました。

ITツールを活用してチームの戦績や選手のパフォーマンスを上げるなどのスポーツDX事業を推進する計画のようです。

スマートバリューは、行政の電子化や車両のIoT(モノのインターネット)などを手がける企業で、新設子会社を通じて2021年3月に「西宮ストークス」を運営するストークス(兵庫県西宮市)を子会社化しました。

施設運営を予定している神戸市の多目的アリーナと「西宮ストークス」を一体的に運営することで、魅力ある神戸の街づくりという社会課題の解決につなげるのが狙いです。

3社ともスポーツのDX化を目標に掲げており、こうした取り組みでスポーツ文化の醸成や地域社会の課題解決などを促進するようです。
コロナ禍がIT・ソフトウエア業界とプロスポーツチームとの相性の良さを浮き上がらせたようです。

プロバスケットボールチームは元々地域密着というのがあるのでしょうが、移動等にもそれなりにお金がかかると思いますし、チームを強くしようとすると高い年俸を支払わないといけないと思います。
レベルが上がれば上がるほど、費用は増えていくでしょうから、地元の企業だけでは支えきれないチームが出てくるのは当然するかと思います。
そこで出てくるのは、資金力のある上場企業でしょうから、当然の結果なんでしょうね。
その企業の提供しているサービスを利用して、さらにプロバスケットボールチームのレベルが上がれば、リーグ全体にとっても良いと思います。
ちなみに、香川県のチームもどうなっていくのかウォッチしていきたいですね。

上場企業によるプロバスケットボールチームの買収が増加傾向にあることについて、どう思われましたか?


相次ぐMBO失敗は誰のせい?

日本経済新聞によると、片倉工業のMBO(経営陣の参加する買収)がとん挫しました。
株価がTOB(株式公開買い付け)価格を上回って推移し、成立に必要な応募が集まらなかったのです。
MBOの失敗は2021年以降5件と相次いでいます。
現在の株価に責任のある経営陣が、買収にあたり評価した企業価値が適切かが問われているのでしょう。

片倉工業は会長と社長が折半出資する会社(かたくら)が1株2,150円でTOBをしていました。
期間中に筆頭株主の保有株を1株2,350円で取得した鹿児島東インド会社(鹿児島県大島郡)が「片倉工業が保有する不動産の時価を考慮した場合、TOB価格は著しく低廉」と反発していました。

片倉工業はさいたま新都心駅の東側に広がるショッピングセンター「コクーンシティ」を保有しています。
賃貸等不動産の2020年12月期末の時価は約1,278億円、簿価は314億円と有価証券報告書で開示しています。
含み益を反映するとTOB価格に対する実質的なPBR(株価純資産倍率)は1倍を下回るとみられ、TOB価格が安いとの主張につながりました。

M&A助言のレコフによるとMBOの失敗は2004年のソトー以降、10件しかありません。
2021年には光陽社や日本アジアグループ、サカイオーベックス(1度目)、パイプドHDも失敗しており、半数がこの1年強で起きたことになります。

MBOが当初の思惑通り進まなくなった背景には、物言う株主(アクティビスト)の台頭があるのです。

日本アジアグループ、サカイオーベックスには村上世彰氏がTOB価格が安すぎると主張し、株式を買い付けて株価がTOB価格を上回りました。
それにならうように光陽社やパイプドHD、そして今回の片倉工業もTOB価格に不満を唱える株主が現れ、不成立につながったのです。

企業価値に比べてTOB価格は低いとのアクティビストの主張に市場が呼応し、株価がTOB価格を上回ることが、MBOの失敗が相次ぐ背景にあります。

村上氏は「少数株主を一番なめてはいけないのがMBO」だと断じています。
買い手が経営陣のMBOは、高く評価してもらわないといけない売り手と、少しでも安く手に入れたい買い手が同一という利益相反関係にあります。
株価を企業価値に比べ割安に放置してきた経営陣が、本来より安い値段で買収することで、少数株主が得られるはずの利益を得られなくなるからです。

TOB価格の妥当性で議論になる一つがPBRです。
PBR1倍割れは、企業が解散して資産を株主に分配した方が株主にとって理論上、得になるほど株価が割安な状態です。

2021年にMBOを狙った光陽社の場合、TOB価格を基にしたPBRは0.5倍強しかありませんでした。
直近3か月の平均株価に対するプレミアム(上乗せ幅)は5割強と一般的なTOBよりも高かったですが、「株価を割安に放置していた経営陣が高いプレミアムを主張しても説得力がない」(個人投資家)と応募は集まりませんでした。

MBOには一時的な収益悪化を気にせずに抜本的な改革ができる利点があります。
上場にはコーポレートガバナンス(企業統治)の強化などコストもかかります。
証券会社が企業に提案することもあり、MBOに踏み切る企業が増える可能性はあります。

ただし、経営者はMBOの前に自社の株価が企業価値に見合っているかを鑑みたほうがいいでしょう。
安易に考えると「割安な株価を放置したあげく、MBOにも失敗した経営者」との烙印を押されかねません。

僕も20年以上前から株式投資をしているので、過去に何度かMBOによって、スクイーズアウトされたことがあります。
少数株主だと、結局何もできません。
結局、株価を上げることができなかったことに対して経営者に責任があると思いますが、一方で、安く買おうとするのがおかしいなぁと思うところですね。
そして、数年後に再上場するところがありますが、創業家などは上場時と再上場時の2回、キャピタルゲインを得ることができますが、会社の将来性などを見越して投資した株主のキャピタルゲインが創業家に取られているだけのように思います。
そう考えると、アクティビストのおっしゃることは当然のことだと思いますし、今後も、安易に安い価格でMBOが行われることがないようになればいいなぁと期待しています。

相次ぐMBO失敗は誰のせい?について、どう思われましたか?

イオンがキャンドゥ買収で業界“激震”の100均戦争!

テレビ朝日によると、先日、イオンが100円ショップ「キャンドゥ」買収を正式に発表しました。
「ダイソー」、「セリア」に続いて業界3位のキャンドゥの買収ですが、狙いはどこにあるのでしょうか?

業界に衝撃が走った、イオンとキャンドゥの強力タッグですが、
100円ショップの利用者:「個人的にはダイソーの方が好きかな。種類豊富」「セリアはたまに行きます。おしゃれで良い」「(Q.キャンドゥは?)は、うふふ…」
現状、キャンドゥは業界3番手です。しかし、今後は大きく変わるかもしれません。

経済ジャーナリストの荻原さんは、今回のタッグは消費者にとってメリットが大きいと話しています。
経済ジャーナリスト・荻原博子さん:「良い組み合わせなんじゃないかと思います」

コロナ禍でも支持を集める100円ショップは出店競争が激化していますが、キャンドゥは店舗数がおよそ1,200店舗と業界トップのダイソーの3分の1にとどまっていました。
経済ジャーナリスト・荻原博子さん:「100円ショップを店舗内に入れると集客の目玉になる。知名度の高い100円ショップを入れたいの一番最初に声掛かるのがダイソー」

今回、全国に2万店舗あるイオングループの傘下に入ることでキャンドゥの店舗数が増え、消費者にとっても便利になります。
キャンドゥ・城戸一弥社長:「5年後には店舗数が2,000店舗になることを計画」

ただし、イオンの中には他の100円ショップが入っている店舗もあります。
これらは、キャンドゥに変わっていくのでしょうか?
イオン・吉田昭夫社長:「我々の考え方としては、立地だとか区画に合わせて使い分けていこうと。当然、今回グループ入りしたのでキャンドゥの出店は優先的に考えていきたい」

消費者にとっては、これもメリットになるといいます。
さらに、将来的には両社のオンラインショップを共同で運営できるようになり、100円ショップの商品をもっと簡単に手に入れられるようになりそうです。

個人的には、言うほど簡単ではないように思います。
我が香川県で集客力のあるイオンモール綾川店には、セリアが入っていますし、その隣の300円ショップもPayPayで支払うとダイソーと出るのでお店の人に聞いて知ったのですが、ダイソーがやっています。
現在、イオンはスーパーではなく、銀行やデベロッパーとして稼いでいます。
当然、イオンモールを出店するときには、集客力のありそうなお店に声をかけているのだと思います。
そう考えると、既存店は変えられないのと、イオンモールへの出店を持ち掛けられて、会社の戦略としてもイオンモールへの出店を積極的に進めていたお店から反発も出るのではないかと推測されますね。

イオンがキャンドゥ買収で業界“激震”の100均戦争について、どう思われましたか?


カインズが東急ハンズを買収!

J-CASTニュースによると、ホームセンター大手のカインズが東急不動産ホールディングス傘下の生活雑貨大手、東急ハンズを2022年3月に完全子会社化します。

ここ数年、ホームセンターが絡む合併・買収(M&A)が相次いでいます。
ホームセンター業界はコロナ禍にあっても、感染対策や「巣ごもり」需要の拡大を背景に業績は好調でしたが、「コロナ特需」だけでは乗り切れない苦境が再編の動きを加速させているようです。

カインズは全国に227店舗を展開しています。
一方の東急ハンズは、都市部を中心に86店舗を運営しています。
完全子会社化を発表した2021年12月22日の記者会見で、カインズの高家正行社長兼経営責任者(CEO)は、
「地方を中心に大型店舗を展開するカインズと、都市を中心に店舗を構える東急ハンズは相互補完性が高い」と述べ、買収による相乗効果の大きさを強調しました。

ホームセンター業界のM&Aの動きは活発です。
2021年1月には家具・日用品大手のニトリホールディングスがホームセンター大手の島忠を完全子会社化しました。
また、ホームセンター大手のアークランドサカモトは、子会社のビバホームを2022年9月に合併する予定です。
ビバホームは2020年11月にアークランドの完全子会社になったばかりで、その動きは素早いです。

ただし、コロナ禍にあって、コンビニエンスストアをはじめ、百貨店など小売業界全体が苦しんでいる中で、ホームセンターは比較的好調に推移しています。
アクリル板やビニールシートなど、感染対策用グッズの売り上げが伸びたほか、多くの人が自粛生活を送るなか、家庭内で楽しめるインテリア用品やDIY用の商品が売れたからです。

日本DIY・ホームセンター協会によれば、2020年度のホームセンター全体の売上高は4兆2,680億円で、初めて4兆円に乗せました。

しかしながら、ホームセンター業界に楽観論はないようです。
「そもそもホームセンターは、日用品でドラッグストアやディスカウントストアと、インテリア用品でイケアなどの専門の小売業と競合するなど、異業界が絡んだ競争が熾烈だ。当然、インターネット通販との戦いにも対応しなければならない」(流通関係者)といい、経営環境は非常に厳しいからです。

その一方で、ホームセンター各社が新規出店を加速してきた結果、「市場はすでに飽和状態にある」とも言われているようです。
日本DIY・ホームセンター協会によれば、2020年度の店舗数は4,860店で、2010年度(4,180店舗)比で約2割増、2000年度(3,730店舗)比で約3割増に膨らんでいます。

異業種の攻勢に加え、同業同士の戦いも年々激しくなっており、生き残りのための対応が避けられなくなっているようです。

中長期的に人口減少による消費の先細りが不安材料なのは他業界と同様で、コロナ禍の下での一過性の好調さに甘んじるどころではありません。
「むしろ今こそ、将来に向けた戦略や投資が必要だという考えが強まっている」(同)とされています。

地域の郊外型店舗というイメージが強いカインズが、洗練されたブランドとして定着している東急ハンズに狙いを定めたのも、将来を見込んでのことでした。
カインズは東急ハンズの名称を将来は使わないという可能性も示しており、どのような戦略で買収の成果を発揮するのか、業界では注目の的だそうです。

カインズに続き、相手・規模など多彩なM&Aが引き続き行われる可能性は高く、ホームセンター業界には期待や不安が渦巻いています。

ブランド力のある東急ハンズを手放すのは驚きでしたが、ホームセンターが買うというのも驚きでしたね。
東急ハンズは品揃えが豊富で魅力的ですが、専門的な知識がある人を雇わないといけないけれど採用が困難な時代であったり、小さくて比較的高価なものも多いでしょうから万引きの被害も大きいでしょうし、豊富な品揃えには在庫のリスクが生じ、資金も寝てしまうこと、大店舗ゆえそれなりの来客者がないと商売が成り立たない中でコロナの影響で来客者が減ったりなど、経営はそれほど簡単ではないのでしょうね。

カインズが東急ハンズを買収することについて、どう思われましたか?


2021年の日本企業のM&Aは過去最多に!

朝日新聞によると、2021年に日本企業が関わったM&A(合併・買収)の件数は4,280件(速報値)で、過去最多になったことがわかったようです。
新型コロナウイルスの感染拡大や世界的な脱炭素の流れを受け、事業の再編が活発化しています。

M&A助言大手のレコフが公表情報をまとめた2021年のM&A(出資を含む)の件数は前年より550件(14・7%)多く、過去最多だった2019年を上回りました。

コロナ禍で案件は一時減りましたが、全体的には増加傾向です。
国内市場の先細りなどを背景に大企業が子会社を売るケースがめだちます。
DX(デジタル化による変革)のため技術がある企業が買われているようです。
2022年4月の東京証券取引所の市場再編を控え、上場基準に対応するための再編も出てきています。

レコフによると、2021年の取引総額は16兆4,844億円でした。
最高額は三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)による米地銀MUFGユニオンバンクの売却で約1兆9千億円でした。
2位と3位は構造転換を進める日立製作所の案件です。
米IT企業のグローバルロジック社を約1兆円で買収し、中核子会社である日立金属を日米の投資ファンド連合に約8千億円で売却します。

脱炭素もキーワードになっています。
石油元売り最大手のENEOSホールディングスは、子会社で道路舗装大手のNIPPOの株式を約1,900億円で売って非上場化します。
舗装用のアスファルト合材をつくる過程で大量の二酸化炭素(CO2)が出ることが経営課題となっていました。
エネオスは北海油田で原油生産を手がける英国子会社も約1,900億円で手放します。
一方で、太陽光などの再生可能エネルギー大手のジャパン・リニューアブル・エナジーを約2千億円で買います。
エネオスは車の電動化などで遅くとも2040年には国内の石油需要が半減するとみており、石油関連事業の変革を急いでいます。

M&Aは増えているとは聞いていましたが、そのとおりでしたね。
将来を見越した再編が進んでいますね。
一方で、香川県は案件が少なかったと聞いていますし、僕自身も、ここ数年で一番関与した案件が少なかったです。
2022年は増えるといいなぁと思っています。

20222021年の日本企業のM&Aは過去最多になったことについて、どう思われましたか?


兵庫県内の11信金がM&Aで連携!

神戸新聞によると、兵庫県内の11信用金庫が、後継者がいない企業を別の企業に譲り渡す「小規模M&A(合併・買収)」で連携するようです。
2か月ごとに信金の担当者が集まり、売り手と買い手の情報を共有します。
条件などを精査して双方を引き合わせます。
「信金王国」と呼ばれる兵庫は取引先が約8万社と多く、M&Aの成約率向上を目指します。
県内の全信金が連携する取り組みは全国でも珍しいそうです。

信金の取引先は小規模事業者が多く、経営者の高齢化による廃業の増加が見込まれます。
ただし、「まだ頑張れる」という経営者が多かったり、親族や従業員の中に後継者候補がいなくて外部に相談しづらかったりするなど、信金の対応は進んでいません。

新たに取り組む小規模M&Aで、各信金はまず、事業を第三者に譲りたいという取引先のニーズを掘り起こします。
こうした売り手に、信金が自らの取引先の中から買い手を紹介(マッチング)するのが理想ですが、現状では見つかりにくいです。
そこで買い手の範囲を兵庫県内11信金の取引先に広げ、成約につなげる方針です。

M&Aの専任者を置く信金は兵庫県内でもまだ少なく、当面は担当者同士のネットワークづくりや、実務手法の共有などを重点的に進めます。
連携組織は「しんきん事業承継ネットワーク・ハイタッチ兵庫」と名付け、2021年11月下旬に初会合を開きました。

同様の組織は、2019年以降、岡山の7信金や島根、鳥取の6信金などが立ち上げました。
兵庫の11信金は都道府県別の預金量で全国4位と規模が大きくなっています。
取引先の数も多いため、M&Aの増加が期待されます。

兵庫県信用金庫協会の作田誠司会長(尼崎信金理事長)は「新型コロナウイルス禍の融資対応で信金の身近さを感じてもらえたと思う。マッチングは信金の取引先同士という安心感もある。実績を重ね、地域で培われた技術や雇用の流出を防ぎたい」と話しています。

やはり、M&Aはマッチングが難しいので、良い試みですね。
信金中金がM&Aに取り組んでいますが、それほど成果が上がっていないと思いますので、全国に広がって、M&Aの実績が増えるといいですね。
必ずしも県内企業同士のM&Aが良いとは限りませんので、県内だけでなく、もう少し広い範囲で提携したほうが良いと思いますが。

兵庫県内の11信金がM&Aで連携いたことについて、どう思われましたか?


「事業承継ガイドライン」 と「中小M&Aガイドライン」の違いは?

M&A Onlineによると、後継者不在による中小企業の廃業が急増しています。
政府は会社や事業を現経営者から後継者へ引き継ぐことを意味する「事業承継」に関する問題を喫緊の課題と位置づけ、第三者への承継や参入業者が相次ぐ「M&A」に関する政策に力を入れています。

今回のコラムでは、混同しやすい「事業承継ガイドライン」と「中小M&Aガイドライン」の違いについて書かれています。

1.「事業承継ガイドライン」とは
「事業承継ガイドライン」は、日本の企業数の99%を占める中小企業・小企業事業で経営者の高齢化が進んでいる状況を踏まえて、円滑な事業承継の手引きとして、中小企業庁によって2006年(平成18年度)に策定されました。

その10年後、経営者の子供が必ずしも後を継ぐとは限らない価値観の変化、後継者の不在、それによる廃業増加の予測から、「事業承継ガイドライン」が2016年(平成28年度)に改訂されました。

「事業承継ガイドライン」(平成28年度改訂)は、
①中小企業・小企業事業者の経営者に事業承継を取り巻く現状と課題、事業承継の進め方を知ってもらうこと
②地域の支援機関、支援団体、金融機関、自治体、士業等の専門家に事業承継計画書の策定を支援してもらうこと
を目的としています。

2.「中小M&Aガイドライン」とは
一方で、「中小M&Aガイドライン」の前身は、「事業引継ぎガイドライン」です。先ほどご紹介した「事業承継ガイドライン」と「事業引継ぎガイドライン」は名称が似ているので、混同しやすいのですが、別のガイドラインとなります。

「事業引継ぎガイドライン」は、中小企業・小企業事業の経営者の高齢化が進む中、親族内承継、従業員承継だけでは後継者の確保が厳しくなっている状況から、第三承継の手段として、大手だけでなく中小企業・小企業事業においても、M&Aの手続きの流れ、仲介者・アドバイザーの役割、契約内容、留意点などを知ってもらうために、中小企業庁によって2015年(平成27年度)に策定されました。

そして5年後、日本の中小M&Aが拡充してきたことから、新たに「中小M&Aガイドライン」が2020年(令和2年度)に策定されました。

「中小M&Aガイドライン」は、
①M&Aに関する意識、知識、経験がない後継者不在の経営者が適切な形でM&Aを進められる手引きの提示
②中小企業・小規模事業のM&Aを支援する関係者がそれぞれの特色や能力に応じて適切に支援するための基本事項の提示
を目的としています。

「中小M&Aガイドライン」には、M&A専門業者を利用する経営者向けに、中小企業・小規模事業の中小M&Aの事例紹介、中小M&Aの進め方、M&Aプラットフォームの活用、事業引継ぎ支援センターの活用、仲介者へ支払う手数料の考え方などが記載されています。

また、M&A専門業者、金融機関、商工団体、公認会計士・税理士・中小企業診断士・弁護士などの各士業や専門家向けに、それぞれの特色や能力に応じた支援内容(企業価値や事業価値の評価、財務デューデリジェンス、税務デューデリジェンス、事業デューデリジェンス、法務デューデリジェンス、契約書の作成など)が記載されています。

3.2つのガイドラインの違い
「事業承継ガイドライン」は、
①親族内・従業員・社外(M&A)のいずれかで後継者がいる中小企業・小規模事業を対象とした、事業承継に向けた5つのステップの提示
②支援機関を対象とした、事業承継診断と事業承継計画の策定支援
がポイントとなります。

「中小M&Aガイドライン」は、
①後継者不在である中小企業・小規模事業を対象とした、中小M&Aの進め方、相手企業とマッチングできるツールの紹介
②中小M&Aの支援者を対象とした、それぞれの特色や能力に応じた支援内容
がポイントとなります。

いずれも発行体が中小企業庁(経済産業省)のため混同しやすいのですが、「事業承継ガイドライン」が事業承継(第三者承継)を行う経営者向けであるのに対し、「中小M&Aガイドライン」は未上場企業がM&Aを実施する際のガイドラインという位置づけになると思います。

4.今後の取り組み
「事業承継ガイドライン」と「中小M&Aガイドライン」は、いずれも経営環境の変化に応じて改訂されています。

事業承継における取組の経緯
経済産業省 中小企業庁財務課 事務局説明資料(令和3年9月1日)より
前回の「事業承継ガイドライン」改訂から約5年後の2021年9月1日、「事業承継ガイドライン第1回改訂検討会」が開催され、2022年に改訂が予定されています。

この5年間で、「事業承継税制」は法人版に加えて個人版の創設、第三者承継の手段として「中小M&A」の重要性の高まり、「事業承継補助金」が「事業承継・経営資源引継ぎ補助金」に拡充、新型コロナウイルス感染症の影響による廃業の増加に対する支援、若手後継者による支援グループの創設など、様々な環境の変化に応じる施策が実行されてきました。

検討会の委員メンバーは前回と比べて入れ替えがあり、中小企業・小規模事業の経営環境の変化に応じた「事業承継ガイドライン」に改訂されるものと思われます。

また、2021年9月には「事業承継ガイドライン」の改訂検討会の下に、「中小PMIガイドライン(仮称)策定小委員会」が設置され、M&A後の課題に取り組む姿勢も打ち出しています。

弊事務所・弊株式会社もM&A支援機関として先日登録されましたが、『中小M&Aガイドライン』を遵守することが要請されています。
国のやることは、省庁が違うことなどが理由で、同じようなことでも非常に分かりにくくなったりしていることも多々ありますが、分かりやすい体系にして欲しいですね。
ともあれ、こういったものができることにより、サポートする側の品質がきちんと担保され、事業承継やM&Aというものが、世間一般に認知されるようになればいいなぁと思います。

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ウィズコロナ見据えた投資でM&A件数が過去最高に!

産経新聞によると、国内企業が実施するM&A(企業の合併・買収)の件数が2021年、過去最高となる可能性が高まってきたようです。

デジタル化の加速で、IT技術を活用して事業構造を抜本的に改革するDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の大型案件が相次いでいます。

新型コロナウイルス禍による消費者心理の変化や業績の落ち込みは、生き残りに向けた業態変化の背中も押しています。

企業にM&A関連の助言を行っているレコフによると、2021年1~9月の国内企業のM&A件数は前年同期比17%増の3,153件でした。
このペースで12月まで増加した場合、過去最高を記録した2019年(4,088件)を大きく超える見通しです。

大型案件が目立つのは、国内企業による海外企業の買収や資本参加です。
代表例の一つはパナソニックによる米IT企業ブルーヨンダーの完全子会社化です。
約78億9千万ドル(約8,600億円)を投じ、2021年9月17日に買収完了を発表しました。
ブルーヨンダーが手掛ける製造や小売り、物流管理のソフトウエアを活用し顧客企業のデジタル革新を支援するようです。

一方、コロナ禍による経済構造の変化を捉えたM&Aも多くなっています。
営業自粛要請で打撃を受けた飲食業界では、回転ずし「スシロー」を展開するフード&ライフカンパニーズが2021年4月、吉野家ホールディングス子会社で持ち帰りすしの「京樽」を約42億円で買収しました。
〝巣ごもり消費〟の常態化を見据え、自宅需要を取り込むようです。

キャベジンなどの医薬品製造の興和(名古屋市)は2021年5月、20億円を投じ、挙式中止が相次いで経営が悪化した婚礼大手ワタベウェディング(京都市)の筆頭株主となり、6月に完全子会社化しました。
興和は名古屋市などでホテル事業も手掛けており、婚礼事業とのシナジー効果を期待しているようです。

コロナ禍では、自粛経済で業績が著しく悪化した企業と、手元資金が厚く不景気でも攻勢に出られる企業との二極化が進みました。
岡三証券の高田創(はじめ)エグゼクティブエコノミストは「今後もデジタル関連や、資本が不足している飲食・宿泊などのM&Aは増加傾向が続く」と予想している。

予想された結果だと思います。
2極化が進んでいますので、見極めが難しい面はありますが、今後しばらくは続くでしょうね。
数年後に、コロナ融資の返済がスタートすると倒産するところがたくさん出てくると思いますので、売り手も買い手も早めに手を打つ必要があると思います。

ウィズコロナ見据えた投資でM&A件数が過去最高になりそうであることについて、どう思われましたか?


二谷友里恵氏が社長の「家庭教師のトライ」買収を英投資ファンドが検討!

読売新聞によると、英投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」が、「家庭教師のトライ」を展開するトライグループ(東京)を買収する方向で検討していることが、先日わかったようです。

買収額は1,000億円規模に上るとみられます。

トライグループは非上場企業で、二谷友里恵氏が社長を務めています。
家庭教師や個別指導塾などを手がけており、登録家庭教師数は20万人を超えています。
コロナ禍の影響で教育分野ではオンライン化が進んでいます。

CVC傘下でデジタル投資を強化し、3~4年後の上場を目指す模様です。

ちなみに、CVCは投資ファンドの世界的大手です。
日本では、2021年、資生堂の「TSUBAKI(ツバキ)」などのブランドを含む日用品事業を買収したほか、東芝に対し、全株式を取得して非公開化する提案をしたりしています。

久しぶりに、二谷友里恵氏の名前を目にしましたが、社長をされているんですね。
それも、1,000億円くらいの評価の会社ですから、すごいですね。
デジタル投資がうまくいって、上場できればいいですね。
ただし、日本のファンドにも頑張って欲しいなぁと思います。

二谷友里恵氏が社長の「家庭教師のトライ」買収を英投資ファンドが検討していることについて、どう思われましたか?


事業承継研究会が定例会を実施し事業譲渡がしやすくなった建設業界について議論!

安定的な事業承継の実現を目指し、国による様々な後押しも実行される昨今、株式会社ワールドファミリーゼネラルコンサルティングは、税理士、司法書士など各分野のエキスパートたちによる“事業承継研究会”を発足し、定期的な議論を重ねているようです。

2021年9月も定例会を実施し、8月に続き建設事業者へのサポートについて議論したようです。
話題の中心になったのは、2020年に改定された建設業法です。
譲渡も含めた事業の引き継ぎが容易となった中で、改めて懸念される許可の要件を確認し、助言の方向性を決めたようです。

建設業は許可事業であり、許認可を受けていないと、500万円以下の案件しか請け負えないなどの制約があります。
事業承継の際に、身内や社内に後継者が見つからず、組織や事業を他者に引き継ごうとした場合、この許認可の問題が二の足を踏む要因となってきているようです。
従来は事業譲渡に伴い、引き継ぐ事業者が新たに許認可を取得しなければなりませんでした。
しかしながら、2020年10月の建設業法改定によって、こうした状況に変化が起きたと税理士から説明がされました。
「事業譲渡あるいはM&Aなどの際、事前に申請をしておけば許認可も引き継げるようになりました。これまでは、事業を受け継いだものの、許認可のために書類作成や審査などの煩雑な手続きがあり、クリアするまでに数か月かかっていた。利益の生まれない時間をきらって、事業承継が成立しないケースも多分にありました。空白期間が無くなったことで、事業承継を積極的に考えられるようになったと思います。事業承継を後押しする国の姿勢も窺えるので、この改定を私たちも活かしていきたいですね」。

事業承継のハードルが下がったことに研究会のメンバーからも期待を寄せる声が続いたようです。

その上で、他の税理士さんからはこうした指摘がありました。
「引き継ぐ側が要件をきちんと満たすためのフォローも改めてしていくべきだと思います。例えば、建設業を営むには経営業務管理責任者が必須です。事業だけ切り分けて譲渡したい、けれど引き継ぐ先にこの役職に就ける人がいないと問題になる場合もあります。建設業界での役員並みの経験が5年要るポストなので、他分野の事業者が引き継ごうとする場合は特に注意が必要です。許認可は容易になったものの、時間をかけた綿密な承継準備の必要性を引き続き伝えていきましょう」。

建設業法の改定によって、事業承継できる可能性は広がりました。
一方で、許可事業である以上、引き継ぎが容易になったとはいえ、適切な承継ができるように整えるべきことはいくつもあります。
事業を受け渡す側、引き継ぐ側、そして、仕事を依頼するお客様。
誰もが将来的に安心できる承継を実現するために、留意点の確認とサポートの方針が定められたそうです。

次回も建設業についての検討がなされる予定だそうです。

僕も年に数件、M&A案件に関わっていますが、ここ数年、多い業種の一つが建設業です。しかしながら、建設業は、M&A案件の中では非常に難しいと思っています。
それは、この記事の『許認可』のタイミングの問題や、『経営業務管理責任者』の要件の問題などがあるからです。
また、『経営事項審査』(いわゆる経審)というものがあるため、粉飾のリスクが他の業種と比べると高いと思いますし、M&Aに際しての損失の計上がしにくいといった面があります。
この辺りは、経験が大事になってきますし、公認会計士や税理士だけではできないところですね。

事業承継研究会が定例会を実施し事業譲渡がしやすくなった建設業界について議論したことについて、どう思われましたか?


マツキヨココ始動し社長は「追加M&A視野に」!

日本経済新聞によると、マツモトキヨシホールディングスは、2021年10月1日、ココカラファインと経営統合し、新会社のマツキヨココカラ&カンパニー(マツキヨココ)が始動しました。

連結売上高の単純合算でウエルシアホールディングスに次ぐ業界2位に浮上しました。
2026年3月期に目指す連結売上高1兆5千億円に向け、追加のM&A(合併・買収)に乗り出す構えです。

新会社の社長に就任するマツキヨの松本清雄社長は日本経済新聞のインタビューで「(追加の)M&Aなしで1兆5千億円を狙えるとは思っていない。一緒に進む仲間を集め、向かっていく」と、さらなる業界再編に意欲をみせました。
再編相手は郊外型ドラッグストアも含めて検討するそうですが、スーパーなど異業種は選択肢としない考えのようです。

新会社はマツキヨ流の都市部中心の出店戦略を維持します。
足元は新型コロナウイルス禍でインバウンド需要が急減し、郊外立地が中心の競合他社に後れを取っています。
ただし、「3回目のワクチン接種が終わる2022年春ごろにはインバウンドも戻ってくる」(松本社長)とみています。

マツキヨは売り上げ規模より収益性を重視する戦略をとり、コロナ禍前の2020年3月期の連結売上高は5,905億円と業界5位にとどまっていました。
一方、付加価値の高い化粧品の取り扱いなどが奏功し、同期の売上高営業利益率は約6.4%と業界トップでした。
新会社では物流や発注などのシステム統一で稼ぐ力を引き上げ、2026年3月期の営業利益率7%の実現につなげるようです。

しかしながら、こうした数値目標の達成に向けた具体的な手法は明示されていません。
株式市場は実効性を見極めており、マツキヨ株の2021年9月30日終値は5,050円と、2021年9月7日に付けた年初来高値(5,440円)に比べて7%安い水準にあります。
クレディ・スイス証券の山田紘規アナリストは「具体的なシナジーの内容や今後の利益率の改善ペースなどについてより詳細な説明があれば、都心店やインバウンドの回帰と相まって株価は持ち直す」とみています。

こういう記事を見ると、企業の成長戦略の一環に、当然のごとくM&Aが織り込まれる時代になったんだなぁと感慨深いものがありますね。
個人的には、業界トップであっても、売上高営業利益率が6.4%で、将来的に7%を目指すというのは、再編が避けられない業界なのだなぁとは思います。
これだけドラッグストアが増えていますから、独自性を出さないと将来的にはキツいでしょうね。

マツキヨココ始動し社長は「追加M&A視野に」入れていることについて、どう思われましたか?


M&A仲介業自主規制団体「一般社団法人M&A仲介協会」設立!

株式会社日本M&Aセンターホールディングス(本社:東京都千代田区、代表:三宅 卓)は、子会社の株式会社日本M&Aセンターが同社を含むM&A仲介上場5社(株式会社日本M&Aセンター、株式会社ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ株式会社、株式会社オンデック、名南M&A株式会社)が、各社の代表者を理事としてM&A仲介業自主規制団体「一般社団法人M&A仲介協会」を2021年10月1日に設立したことを公表しました。

<設立の背景と目的>
日本企業の後継者不在率は65%と依然として高く、2025年に経営者が70歳を超える245万社のうち、127万社が後継者未定となり、その半数の60万社が黒字廃業の危機にさらされています。
中小企業庁では、2021年4月に中小企業・小規模事業者のM&A推進のために今後5年間に実施すべき官民の取り組みを「中小M&A推進計画」として取りまとめました。「中小M&A推進計画」では、2021年8月より運用を開始したM&A支援機関の新たな登録制度の創設とM&A仲介業者による自主規制団体である本協会の設立が盛り込まれました。

こうした官民の連携強化により、中小企業・小規模事業者が安心してM&Aに取り組める基盤の構築が進んでいます。

本協会は、中小M&Aガイドラインを含む適正な取引ルールの徹底などを通じて、M&A仲介サービスの品質向上とM&A仲介業界全体の健全な発達を図るとともに、M&Aを行う企業を支援することを目的に設立されました。
M&A仲介上場5社(株式会社日本M&Aセンター、株式会社ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ株式会社、株式会社オンデック、名南M&A株式会社)の各代表者を理事として設立し、2022年1月よりM&A仲介業者および金融機関などを対象に、会員の募集を開始する予定です。
M&A仲介に携わる業者が一丸となり、企業の次世代への事業継承と新たな成長機会の創出をサポートすることで、日本国経済の発展と維持へ寄与することを目指しています。
ちなみに、株式会社日本M&Aセンターは、2021年10月1日より持株会社体制に移行し、親会社となる株式会社日本M&Aセンターホールディングス(2127)が上場企業となりました。

<事業内容>
上記の目的に資するため、次の事業を行います。
●M&A仲介の公正・円滑な取引の促進
●中小M&Aガイドラインを含む適正な取引ルールの徹底
●M&A支援人材の育成サポート
●M&A仲介に係る苦情相談窓口の運営

<協会概要>
■名称:一般社団法人M&A仲介協会
■英文名称:M&A Intermediaries Association(MAIA)
■設立日:2021年10月1日
■代表理事:
三宅 卓(株式会社日本M&Aセンター 代表取締役社長)
■理事:
荒井 邦彦(株式会社ストライク 代表取締役社長)
中村 悟(M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 代表取締役社長)
久保 良介(株式会社オンデック 代表取締役社長)
篠田 康人(名南M&A株式会社 代表取締役社長)
■監事:
弁護士 菊地 裕太郎(菊地綜合法律事務所)
■所在地:東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館20階
■URL:https://ma-chukai.or.jp/

M&Aは、(最低報酬の設定は別にして、個人的には手間などを考えると決して高いとは思いませんが)仲介業者のフィーが高いとか、儲かるということで色々な業者が参入しサービス内容に疑問が残る業者も多いなどということを耳にしたりするのではないでしょうか?
こういう協会ができて、啓蒙活動を行ったり、一定以上の品質が保たれるようになれば、M&Aを安心して取り組める土壌ができ、一般的なものになっていくのではないかと期待しています。

M&A仲介業自主規制団体「一般社団法人M&A仲介協会」が設立されたことについて、どう思われましたか?


中小企業庁がM&A支援機関として専門業者など493件を登録!

M&A Onlineによると、中小企業庁は2021年9月13日、新たな「M&A支援機関登録制度」で公募している登録ファイナンシャルアドバイザー(FA)及び仲介業者の中間結果を公表しました。
登録要件を満たしたのは493件で、M&A専門業者が半数超を占めました。
新型コロナウイルスの影響にも苦しむ中小企業の経営資源活用が急務の中、中小M&A市場の活性化につながることが期待されています。

M&A支援機関登録制度は、中小企業庁が2021年4月に取りまとめた「中小M&A推進計画」で2021年度の創設を明記しました。
2021年8月24日に運用開始され、支援機関の公募もスタートしました。

国の事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)における支援機関の活用で生じる仲介手数料などの補助は、登録を終えた機関が提供する支援のみが対象となります。

中間結果の493件は2021年9月6日までに申請があったもので、法人405件、個人事業主88件でした。
M&A専門業者は271件で、仲介154件、FA117件でした。
種類別では税理士(61件)、公認会計士(43件)、地方銀行(26件)、信用金庫・信用組合(11件)、弁護士(5件)、M&Aプラットフォーマー(同)が続きました。

一方、M&A支援業務専従者別は「0~2人」が294件と圧倒的で、大半は9人以下の小規模な体制です。
設立年代別も「2010年代」が252件、「2020年代」と比較的経験の浅い組織が156件に上ります。

中小企業庁は登録機関の支援をめぐる問題などを抱える企業側からの情報提供に応じる窓口を設けますが、制度の円滑な活用を促す上では窓口の適格な運用も求められそうです。

公募期間は2021年9月21日まででした。
登録要件は、M&A事業者などの適切な行動指針を示す「中小M&Aガイドライン」で国が定めた契約交渉、デューデリジェンス(DD)実施などに関する項目の順守を宣誓するなどとなっています。
中小企業庁は2021年度事業承継・引継ぎ補助金の利用に際し、支援機関を検索できるデータベースを2021年10月中旬までに公表します。

中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤づくりに向けては、M&A業界の健全な発展と中小企業の保護を目指す自主規制団体の設立も2021年度中に予定されています。

國村公認会計士事務所及び株式会社Your Partnerは、2021年9月13日に登録されました。
なお、M&A関連業務は従来は、國村公認会計士事務所で行っていましたが、徐々に、株式会社Your Partnerに移管していっています。
ここ数年、色々な事業者がM&A関連業務に進出してきていますので、実績が多数あるところからないところまで色々あると思います。
よって、とりあえず、こういう制度ができるのは、一定以上の品質を担保するには必要でしょう。
ただし、登録には実績は要求されていませんので、どう運用していくのかが重要なのではないかと思っています。

中小企業庁がM&A支援機関として専門業者など493件を登録したことについて、どう思われましたか?


株主が迷う関西スーパー争奪戦はM&Aの情報開示に一石!

日本経済新聞によると、関西スーパーを巡り、2つの陣営が別々の買収提案を戦わせています。
関西を地盤とする食品スーパー、『関西スーパーマーケット』を巡る買収合戦で、一般株主や投資家から「判断材料が足りない」との声が出ているようです。
2つの買収提案に関する関西スーパー側の説明だけでは、どちらが株主に有利かわかりにくいためです。
M&A(合併・買収)の際の企業の説明責任について、日本のルールなどが曖昧だとの指摘もあるようです。

「エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)の提案では関西スーパーの1株当たりの価値がわかりにくい」。「きちんと2つの買収提案を評価したのか」。
買収合戦が表面化した8月末以降、関西スーパーの株主や投資家が集まるネット上の掲示板には、不満を示す書き込みが連なっています。

関西スーパーには、H2Oと関東が地盤のオーケー(横浜市)がそれぞれ買収提案を出しました。
オーケーの提案は、上場来高値である1株当たり2,250円でTOB(株式公開買い付け)を実施するものです。
H2O案は、同社の子会社の株式と関西スーパー株を交換するものです。
異なる構図の提案がぶつかる珍しいケースのうえ、H2Oの子会社が非上場のため市場価格がつかないことが比較を難しくしています。

関西スーパーは、H2Oの提案を受け入れる方針です。
社外取締役と外部の弁護士で構成する特別委員会が両提案を検討し、「(オーケーの提案と比べ)これを上回るか少なくとも遜色ないもの」として、H2Oとの経営統合を進めるよう取締役会に勧告した。関西スーパーは勧告内容や経緯を公表しており、「現段階で株主への説明責任は果たしていると考えている」(同社広報)としています。

ただし、特別委員会も、H2O案が関西スーパー株を2,250円よりも高く評価したといえるのかまでは言及していません。
一般株主や投資家の戸惑いが消えない理由でもあります。

そもそもM&Aについての適切な情報開示とは何なのでしょうか?
日本には詳細なルールがないのが実情です。
企業法務に詳しい弁護士は「各提案について、現金に換算してどちらが高値をつけているかまで株主に示さなければいけないという法令はない」と解説しています。

法律ではありませんが、経済産業省は2019年に「公正なM&Aの在り方に関する指針」を策定しました。
同指針は、買われる側の企業が対価が低い買収提案の方が企業の価値を向上させると判断する場合は「判断の合理性について十分な説明責任を果たすことが望ましい」としています。

九州大学大学院の徳本穣教授は、同指針などを踏まえ、関西スーパーの取締役が十分に説明することは「民法や会社法で定める善管注意義務・忠実義務の内容になってくる」とみています。
会社に損害を与えないよう十分に注意を払って業務を行う法的な義務のことで、過去の判例でも、適正な情報開示をその義務の範囲に含むとするものがあります。

ただし、同指針も、何をもって「十分な説明」とするのかまでは詳しく示していません。
結局、関西スーパーの情報開示が妥当といえるのかどうかは、はっきりしないのです。

アメリカとの差を指摘する声もあるようです。
アメリカでは1986年の判例で定着した「レブロン義務」により、企業経営者は株主のために最善の買収価格を獲得する努力を尽くす義務を負います。
複数の買収提案が出された場合、会社側はどの提案が最も株主の利益になるのか、株主にしっかり説明しなければなりません。

株価の算定が難しい複雑なスキームでも、説明責任の重さは同じです。
アメリカのM&Aに詳しい植松貴史弁護士は、「株式交換において、非上場会社の株式の算定価格の公表まで踏み切る例はまれとみられるが、少なくとも、どの提案が最も評価が高かったかを判断した根拠は丁寧に説明することが求められる」と話しています。
説明不足となれば、反対する株主から多額の賠償金を求める訴訟を起こされるリスクもあります。

関西スーパーは2021年10月末の臨時株主総会に、H2O側との経営統合案を提出します。
総会では、2021年3月末時点で約35%を保有していた個人株主の動向も影響を与えそうです。
関西スーパーが今後、どれだけ説得力のある説明を続けるのでしょうか?
それは買収合戦の行方を占うだけでなく、日本のM&Aにおける情報開示のあり方にも一石を投じるでしょう。

基本的にMBOなどのケースでは、個人株主は置いてけぼりの感じはありますので、今回のように一方は非上場の株式との交換、もう一方はTOB(株式公開買い付け)という珍しい状況下においては、通常以上に、個人株主に丁寧な説明が必要なのではないかと思います。
その辺の対応は、会社が個人株主をどれだけ重視しているのかが現れるんでしょうね。

株主が迷う関西スーパー争奪戦はM&Aの情報開示に一石を投じたことについて、どう思われましたか?


「敵対的」案件増によるTOB不成立が早くも前年に並ぶ6件に!

M&A Onlineによると、TOB(株式公開買い付け)の不成立が相次いでいるようです。
2021年はすでに6件を数え、4か月余りを残して過去最高だった前年分と並びました。
こうした背景にあるのが対象企業の同意を得られずに行われる敵対的TOBの増加です。

ENEOS系石油販売会社の富士興産(東証1部)の子会社化を目的にTOBを実施していたシンガポール投資会社のアスリード・キャピタルは、先日、関東財務局にTOB撤回届出書を提出しました。
これにより、TOB不成立が確定しました。
TOBに反対する富士興産が6月下旬の株主総会で新株予約権の無償割り当てによる買収防衛策を可決したことを撤回の理由としています。

TOBの不成立は富士興産の案件で2021年は年6件目となりましたが、うち4件は富士興産のケースと同様に敵対的TOBです。
残る2つの不成立案件はMBO(経営陣による買収)の一環として行われたTOBでした。

敵対的TOBそのものは2021年に入って5件ありますが、成立したのは東京製綱株を買い増した日本製鉄の1件だけです。
敵対的TOBは2020年に年間5件発生し、2007年(5件)以来13年ぶりの高水準となりましたが、2021年も増勢が続いています。

敵対的TOBに発展すると、対象企業は買収防衛策で対応するのが一般的です。
フリージア・マクロスは、7月末、日邦産業の持ち分法適用関連会社化を目的に1月末から実施していたTOBを撤回しました。
日邦産業の買収防衛策に関する名古屋地裁への仮処分命令の申し立てが棄却される見通しとなったのを踏まえての判断です。

旧村上ファンドの投資会社シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が日本アジアグループの全株取得を目指して2月~3月に行ったTOBでも撤回がありました。
日本アジアグループが対抗措置として純資産の52%(帳簿価額)に相当する特別配当を実施する方針を打ち出したのを受け、TOBを維持することは著しく経済合理性を欠くとして取り下げたのです。

もっとも、日本アジアグループを巡っては「続き」があったのです。
シティは4月末に日本アジアグループに対する再TOBに乗り出し、今度は日本アジアグループも賛同に転じ、7月末にTOBが成立しました。
日本アジアグループは2020年秋、MBOで株式の非公開化をもくろみましたが、不調に終わり、二転三転の末にシティの傘下に入ることになりました。

上場企業の間では買収防衛策を廃止する動きが年々広がっています。
平時に買収防衛策を継続することは経営陣の保身につながりかねないなどとの批判があるためで、近年は新たな買収者が出現した“有事”に際して買収防衛策導入の是非を検討するケースが主流になりつつあります。

買付者

対象企業

2021

フリージア・マクロス

日邦産業(反対)

シティインデックスイレブンス

日本アジアグループ(反対)

経営陣

サカイオーベックス(賛成)

経営陣

光陽社(賛成)

米スターウッド・キャピタル・グループ

インベスコ・オフィス・ジェイリート(反対)

アスリード・キャピタル(シンガポール)

富士興産(反対)

2020

シティインデックスイレブンス

東芝機械(反対)

META Capital

澤田ホールディングス(反対)

DCMホールディングス

島忠(留保)

ストラテジックキャピタル

京阪神ビルディング(反対)

経営陣と米カーライル・グループ

日本アジアグループ(賛成)

出光興産

東亜石油(賛成)

2019

経営陣と米ベインキャピタル

廣済堂(賛成)

南青山不動産

廣済堂(中立)

エイチ・アイ・エス

ユニゾホールディングス(反対)

米フォートレス

ユニゾホールディングス(反対)

2018

2017

富士通

ソレキア(賛成)

経営陣

東栄リーファーライン(賛成)

2016

敵対的買収が増えているということだと思いますが、個人的には、成功するかどうかは別にして敵対的買収が増えることは良いことだと思っています。
やはり、株主の方を向いていない上場企業も多いと思いますので、その点が、敵対的買収の増加により是正されていけば良いのではないかと感じています。

「敵対的」案件増によるTOB不成立が早くも前年に並ぶ6件になっていることについて、どう思われましたか?


現役税理士が警告する「M&Aマッチングサイト」で初心者がハマる“落とし穴”!

今やM&Aもネットのマッチングサイトからスタートすることが可能になりましたが、初心者といえども知っておくべきこと、注意を要する点は厳然とあるようです。
今回、現役税理士の今村仁さんが、そんな重要ポイントを専門家の目線でレクチャーし、「売り手側に立った当然の礼儀」が必要と説いています。

ネットのマッチングサイトを使ったスモールM&Aでは、登録者のうち、買い手が9割以上となっています。
もしマッチングサイトに訪れている人をリアル化出来るとしたら、そこにいる人のほとんどが買い手であるということです。
マッチングサイトを通じて私たち専門家に送られてくる問い合わせも、そのほとんどが買い手からです。

さらに、その売り案件が人気のものであれば、ライバルの買い手候補は通常20社以上となります。

そんな状況にも関わらず、「短文の質問事項を、スマホ片手に、お酒飲みながら夜中に書き込み」をして、返事がないのは、当然かもしれません。
「お金を出して買おうとしているのに、何で返事がないのかな?もしかしたら、書き込みを見落としているのかな?」と考えて、「至急返事下さい!!」なんて、買い手が更に書き込むとどうなるでしょうか。
売り手や売り手アドバイザーの多くの反応は、更に「音沙汰無し」でしょうが、もし返事があるとしたら、それは怒りの滲み出た「結構です」の一言だったりします。

「質問しても音沙汰無し」という状況にマッチングサイト初心者の買い手が陥ってしまうのは、そもそも「サイト利用者のほとんどが買い手であるという事実」を知らないからと、ネットであってもM&Aという会社の第三者承継である以上、「当然の礼儀が必要であるという真実」を知らないからだと思われます。

最近のマッチングサイトでは、スマホから、いつでも簡単にそして自由に、売り手へコンタクトがとれます。
このこと自体は、ネットの特性でもあり、素晴らしいことだと思います。
しかしながら、買い手9割というライバルが多い状況であることを考えると、「是非と思う案件ほどファーストコンタクト=最初の書き込み」は、慎重にされたほうがいいでしょう。
リアルと同じでネットでも、ファーストインプレッション=最初の印象は、最後まで良きにつけ悪しきにつけ、引きずります。

短文の質問事項で、誤字もあり、自分の欲求解消だけを目的としたような書き込みを、最初に売り手やそのアドバイザーが見て、どのように感じるでしょうか。
他の丁寧な売り手の事情も考慮されているような書き込みをされている買い手さんと比べて、売り手やそのアドバイザーはどう思うでしょうか。

もしこのような状況で前に進んだとしても、最初に上記のようなネガティブな印象を売り手が受けた場合に、その後、トップ面談や財務調査などお互い顔を合わすときに、スムーズにいくでしょうか。
さらに、もしですが、売り手が我慢したままM&Aが成約となった場合、買い手は売買対価を支払った後にある売り手からの引継ぎ業務において、ノウハウの開示や承継、前向きな取引先の紹介などをしてもらう事が出来るでしょうか。

売り手やそのアドバイザーは、買い手が思っている以上に、「必死」です。
売り手にとってM&Aとは、手塩にかけてきた自分の子供のような会社や事業を、見ず知らずの第三者に譲り渡すということです。

そこには、長年苦楽を共にしてきた従業員もいれば、大切な取引先もいます。

買い手も同じ経営者である以上、いつかは売り手側に回る可能性もあるのですから、当たり前に「売り手側に立った当然の礼儀」が必要です。

僕も年間数件M&Aに関わっており、現在進行中の案件もありますが、買い手は売り手の10倍と言われていますので、おっしゃるとおりかと思います。
自分で会社を設立した方しか分からないかもしれませんが、自分で設立した会社は、子どものようなものなので、値段だけではない面もあります。
よって、買い手は、この点を強く認識しておかないといけないと思います。
買い手がここを意識していないと、成約の確率が低いのは、過去の経験から明らかだと思います。

現役税理士が警告する「M&Aマッチングサイト」で初心者がハマる“落とし穴”について、どう思われましたか?


ストライクが着手金を無料化し中小M&Aの促進を図る!

M&A(合併・買収)仲介大手のストライク(東京都千代田区)は、先日から、仲介の契約時に受け取っていた「着手金」を無料にしました。
M&A業界では、会社の譲渡を希望する「売り手企業」から着手金を徴収するのが一般的で、従来はストライクも資産総額の大きさに応じて100万~300万円を受け取っていました。
今回の着手金の無料化は、スタートアップ企業やM&Aを通じた事業承継を検討している中小企業の経営者の仲介サービスへのハードルを低くすることで、新規契約の増加を目指すようです。
M&Aの敷居が低くなれば、企業の資本集約を通じた中小企業の生産性向上を後押しする可能性もあるそうです。

ストライクでは中小企業の事業承継やスタートアップ企業などを中心に、年間で100組超、200件超のM&Aを手掛けています。
従来は仲介依頼の契約を結ぶ際に、資産総額が10億円以下の場合、100万円、10億円超〜50億円の場合は200万円、50億円超の場合は300万円の着手金を徴収していました。

ただし、「実際に買い手企業を見つけてもらえるのか」「手元資金が少ない」などの理由から、着手金を支払うことをためらう譲渡希望企業も一部にあったようです。
特にスタートアップでは、成長期待が高いにもかかわらず、資金が乏しい企業も多く、着手金の存在がM&Aの最初のハードルとなっていました。

このため、同社は譲渡希望企業と買収を希望する企業を引き合わせ、M&Aの基本合意を結んだ時点で「基本合意報酬」を支払ってもらう方式に変更します。
基本合意報酬の料金体系は、従来の着手金と同じにし、成約した際の「成約報酬」の体系も従来から変更しないとしています。

少子・高齢化や団塊の世代の大量退職などを背景に、中小企業では後継者不在の問題が深刻になっています。
M&Aを通じて事業を承継する動きも増えています。
着手金無料化により、「会社を譲渡したい」と希望する企業は、M&Aの基本合意までお金がかかりません。
ストライクでは、仲介サービスの使い勝手が良くなり、中小企業の事業承継の促進にもつながるとしています。

確かに、着手金が必要になるため、M&Aをためらう企業もあったのではないかと思います。
よって、着手金無料化に伴って、使い勝手が良くなる面はあるかと思います。
一方で、着手金は、企業のM&Aに対する本気度を測るバロメーターであるという面があります。
途中でやめても返ってこない着手金を支払うということは、安易にM&Aをやってみようかなぁという企業を排除するハードルになるのです。
よって、着手金を取っている大手のM&A仲介会社は、ストライクの着手金無料化をそれほど気にしていないのかもしれませんね。

ストライクが着手金を無料化し中小M&Aの促進を図ることについて、どう思われましたか?


47都道府県のM&A勢力図は?

M&A Onlineによると、2021年上期(1~6月)のM&A件数(適時開示ベース)は前年同期を26件上回る447件で、上期として2008年(468件)以来13年ぶりの高水準を記録しました。
新型コロナ禍による経済環境の変化がM&A市場にとって追い風となっていますが、47都道府県ごとの状況はどうなっているのでしょうか?

上場企業に義務づけられた適時開示情報のうち、今年上期のM&A全447件について、買い手、売り手、対象(自社もしくは子会社・事業がターゲット)のいずれかの立場でM&Aにかかわった件数を集計しています。

例えば、神奈川県のA社(買い手)が大阪府に本社を置くB社(売り手)の石川県内にある子会社C社(対象)を買収したケースでは神奈川県、大阪府、石川県をそれぞれ1件とし、逆に同じ県内ですべての完結する場合は当該県の1件のみとカウントしています。

集計結果は、東京都(346件)が2位の大阪府(68件)を5倍の大差で引き離して断トツの首位となっています。
1位、2位は不動ですが、3位の座は愛知県が神奈川県から奪還しました。
愛知県は42件と前年の20件から倍増する一方、神奈川県は前年の25件から19件に減りました。

愛知県の中身をみると、県内企業が買い手となったケースが25件。県内企業が対象となったのは17件で、このうち7件は県内企業が売り手として子会社や事業を手放しました。
個別には、医療機器メーカーの朝日インテック(愛知県瀬戸市)が上期だけで4件の買収(うち3件は海外)を手がけたほか、製造系を中心に人材サービス会社が買収対象となった案件が4件あり、総件数を押し上げました。

上期中10件を超えたのは東京、大阪をはじめ、愛知、神奈川、福岡、千葉、兵庫、埼玉、京都の9都府県でした。
前年14件だった北海道は7件に半減し、勢いを欠いています。

買い手、売り手、対象のいずれにも該当せず、上期段階で件数ゼロだったのは和歌山、鳥取、うどん、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本の8県でした。
西日本に集中し、国内M&A市場の「東高西低」が浮き彫りになった格好です。

M&A市場は、東高西低なんですね。
この集計方法が良いのかどうかは別にして、我がうどん県は件数ゼロですので、M&Aに関わる僕としては、もっともっと頑張らないといけないなぁと思いました。

47都道府県のM&A勢力図は?について、どう思われましたか?


ツイッターがクラブハウス買収で交渉していた!

Bloombergによると、アメリカのツイッターは、ここ数か月以内に、招待制の音声交流サイト(SNS)アプリ「クラブハウス」の買収に向けて協議していたと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたいようです。

部外秘情報であることを理由に匿名で語った関係者によると、双方はクラブハウスの価値を約40億ドル(約4,400億円)と評価する可能性について話し合っていたようです。
交渉はもはや行われていないようですが、その理由は不明だそうです。

ツイッターの広報担当者は、コメントを控えました。
クラブハウスの担当者にもコメントを求めたようですが、これまで返答は得られていないようです。

ブルームバーグ・ニュースは今週に入り、クラブハウスを運営するアルファ・エクスプロレーションが、企業価値を約40億ドルと評価して新たな資金調達を交渉していると報じていました。
ツイッターとの協議が進展しなかった後、クラブハウスは代わりにその評価額での資金調達が妥当かどうかを検討し始めたようです。

すでに下火になったと思われるクラブハウスを、約4,400億円も出して買うところは出てくるのでしょうか?
こういうケースは、スピードが大事かもしれないですね。
Androidユーザーゆえ、どこにキャッシュポイントがあるのかも知らないのですが(笑)。

ツイッターがクラブハウス買収で交渉していたことについて、どう思われましたか?


香川県高松市の大豊産業がM&Aで関東の基盤強化!

日本経済新聞によると、産業用機器の販売などを手がける大豊産業(香川県高松市)が関東の生産・営業基盤の強化を進めているようです。
40人超の技術者を抱える日本治具(群馬県太田市)を買収したほか、2019年に完全子会社化したロボットの設計・製造を手掛けるヤザックを吸収合併して神奈川事業所としました。
優れた技術者を得て、これまでヤザックが外注していた製品を内製化するなど、相乗効果を狙うようです。

2021年2月、大豊産業は日本治具の全株式を取得しました。
取得額は非公表です。
日本治具は治具や加工装置、組み立て装置の設計や製造を手掛けています。
大豊産業は産業用機器の販売で全国の製造業と取引があり、ロボット関連事業を強化していきたいとの考えから、技術力のある企業を探していたようです。

大豊産業はグループ全体の売上高のうち7割弱を四国が占めています。
関東圏での事業拡大が成長のカギになるとみて、企業買収を進めてきました。
今回の買収では、製造面での相乗効果を生み出すことが狙いの一つのようです。

ヤザックと日本治具は、装置の設計や製作などで、事業内容と取引先が重複する部分があります。
買収により生産・販売効率を高めることができるとみています。
ヤザックは設計力に強みがあるものの技術者の数は少ないことから、製造を外注していました。
日本治具の技術者を取り込むことで生産能力を強化し、これまでの外注分を内製化していきます。

大豊産業が2020年に開発した、死亡鶏など鶏舎の異常を人工知能(AI)で検知する自走式装置の販売にもつなげます。
人が巡回し確認していた作業を自動化できることから、養鶏業の省力化につながるとみています。
北関東で農業畜産分野の事業を拡大するため、日本治具を装置の組み立て・整備拠点にします。
これまでは、ヤザックの人材に限りがあるため、対応することは難しかったようです。

販売面の相乗効果も狙っています。
大豊産業が手掛ける太陽光パネルや産業用機器の販売を、関東圏でも広げるための営業拠点にします。
日本治具の中に大豊産業東日本支社を設立し、物販を強化します。
日本治具のある群馬県は太陽光発電が盛んなことから、新エネルギー関連の需要を取り込みたい考えです。

大豊産業の2020年3月期の売上高は約108億円です。
技術の獲得ではスピード感を重視していることから、近年積極的なM&A(合併・買収)に動いています。
四国での事業は継続しながら、関東での基盤強化を進めていく考えのようです。

我が香川県の企業がM&Aをして、県外に進出しているというのは嬉しいですね。
こういう記事がたくさん出てくるようになって、M&Aが経営の中で一般的に使われるような時代に早くなってほしいと思います。

香川県高松市の大豊産業がM&Aで関東の基盤強化をしていることについて、どう思われましたか?


日本アジアグループのMBOが旧村上ファンド系の対抗受け不成立!

日本経済新聞によると、再生可能エネルギー事業などを手掛ける日本アジアグループは、先日、アメリカ投資ファンドのカーライル・グループと組んで実施していたMBO(経営陣が参加する買収)が不成立になったと発表しました。

旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が対抗TOB(株式公開買い付け)を実施し、株価が高止まりしていました。
シティ社のTOBに対する意見は留保としました。

MBOでの買い付け価格は当初1株600円でしたが、株価の高止まりなどを受けて1,200円に引き上げました。
最近、シティ社が1,210円で対抗TOBを開始すると発表し、期限におけるMBOへの応募は買い付け予定数の4割弱にとどまりました。

安く買いたい経営陣側と、高く売りたい株主側の利害は対立しますので、安過ぎる設定はこういうことになりかねないという良い例でしょう。
こういうことが、普通に行われるようになって、MBOの際の株価の算定がもっと適正になればいいですね。

日本アジアグループのMBOが旧村上ファンド系の対抗受け不成立となったことについて、どう思われましたか?


「ルイ・ヴィトン」展開の仏LVMHがティファニーの買収完了!

讀賣新聞によると、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」などを展開する仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は、先日、米宝飾大手ティファニーの買収を完了したと発表しました。

ティファニーの新しい最高経営責任者(CEO)には、かつてティファニーに在籍していたルイ・ヴィトン幹部のアントニー・ルドリュー氏を起用しました。

両社は2019年11月に買収で合意しましたが、LVMHが2020年9月に買収計画の撤回を表明したことで対立し、一時は訴訟にまで発展しました。

2020年10月に買収額を当初の約162億ドル(約1兆6,800億円)から約158億ドルに引き下げ、再び合意していました。

無事に買収したみたいですね。
売買代金は少し下がりましたが、コロナウイルスの影響を考えると、売り手側はこの金額で売れて良かったのではないかと思います。
ブランドってなかなか評価が難しいとは思いますが、それにしてもスゴい金額ですね。

「ルイ・ヴィトン」展開の仏LVMHがティファニーの買収を完了したことについて、どう思われましたか?


ニフティが女性客取り込みのため通販のセシールを買収!

日本経済新聞によると、家電量販店のノジマは、先日、傘下でネット接続事業者のニフティ(東京都新宿区)が通販大手のディノス・セシール(東京都中野区)から「セシール」ブランドのカタログ通販事業を買収すると発表しました。
買収金額は約30億円とみられます。

ニフティのネット接続サービスの会員は男性が中心ですが、セシールは女性消費者の知名度が高くなっています。
カタログや通販の会員を取り込み、顧客層を広げるようです。
新型コロナウイルスの流行に伴う巣ごもり消費の寄与も狙っています。

ディノス・セシールは2013年7月にセシール、ディノス、フジ・ダイレクト・マーケティングの3社が合併して発足しました。
新たに設立する完全子会社にセシール事業を承継し、2021年3月1日付でニフティに新会社の株式を譲渡する予定です。
「ディノス」ブランドの通販事業は引き続き継続します。

ディノスは生活用品分野のカタログやネットの通販事業に強みを持っています。
近年は人工知能(AI)を使った顧客分析などに力を入れています。
アメリカのアマゾンなどネット通販の普及でカタログ通販は苦戦しており、ブランドを整理するようです。

ノジマは2017年に富士通からニフティのインターネット接続事業を買収しました。
部門削減など構造改革を進め、現在はグループ企業のスルガ銀行との連携も模索するようです。

セシールは元々、我が香川県高松市の会社でしたので、驚きました。
最初は、ライブドアグループとなり、その後、フジテレビグループとなったのですが、次はノジマグループなんですね。
グループは変わりましたが、セシールの名前で頑張って欲しいですね。
巣ごもり需要が追い風になると考えられますので、ニューノーマルにうまく対応して、フジテレビグループに手放さなければ良かったと思われるような存在になればいいですね。

ニフティが女性客取り込みのため通販のセシールを買収したことについて、どう思われましたか?


日本政策投資銀行がMBA取得者を中小社長に仲介する事業承継ファンドを設立!

日本経済新聞によると、日本政策投資銀行は経営学修士号(MBA)を取得するなど起業意欲がある若者を中小企業に仲介するファンドをつくるようです。
経営人材として有望な若手に、中小企業を買収する資金を提供します。
後継難に悩む経営者が増えていることに対応するものです。

アメリカで1980年代に始まった「サーチファンド」と呼ぶ事業承継の仕組みを日本で初めて全国展開します。
経営者を目指す個人に対して、複数の投資家が買収に必要な資金をサーチファンドに拠出します。

日本政策投資銀行は日本M&Aセンターと、経営者紹介のキャリアインキュベーション(東京・千代田)とファンドの運営会社を設立しました。
外資系ファンドを経て中小企業の経営支援に携わってきた伊藤公健氏が社長に就きました。

2020年11月までに10億円弱の規模の1号ファンドを組成します。
年間売上高が数億円の小規模な企業を対象とし、2年程度のうちに数件の実績を目指します。

企業の新陳代謝が活発なアメリカでは、サーチファンドはあくまで資金の出し手で、経営者を目指す若者が対象企業を選んで条件を交渉します。

日本の中小企業は創業者が高齢になるまで経営を担うことが多くなっています。
後継者難に直面しているが、外部から経営者を突然招くことへの抵抗感も根強くあります。
日本政策投資銀行は資金の出し手となるファンドを仲介役に、友好的に事業承継を進めたい考えです。

日本M&Aセンターの知見などを活用して候補となる企業の情報を集め、買い手と売り手の交渉や経営方針の共有を後押しします。
買収後も定期的に経営者と面談をして円滑な承継を支援するようです。

サーチファンドの仕組みを使った事業承継はアメリカで300件以上の実績があり、近年は欧州やアジアにも広がっているようです。
日本でも山口フィナンシャルグループなどが2019年にファンドを立ち上げ、同社の営業地域内で案件を組成しています。

銀行や投資ファンドによる事業承継の枠組みは広がっています。
日本政策投資銀行らのサーチファンドが対象とする小規模な中小企業は、安定的な業績をあげていても将来の売却による収益が少ないため投資先になりにくい状況にあります。
ファンドによる買収と異なり、オーナー自身が次世代の経営者の人柄を見定められる仕組みはニーズが強いとみて全国での仲介を目指します。
日本に少ないプロ経営者を育成する仕組みとしても活用を促すようです。

東京商工リサーチによると、2020年1月から6月に後継者難を理由に倒産した企業は194件と前年同期比で8割増えました。
上期としては調査を始めた2013年以降で最多となりました。
日本政策投資銀行の担当者は、「次の難局を意識して前倒しで承継を検討する企業が増える」と指摘しているようです。

規模の大きな企業を相手にしている日本政策投資銀行や、手数料が高いと言われる日本M&Aセンターが、売上高数億円規模の中小企業の事業承継にも参入してくるんですね。
政府系のファンドはあまりうまく行っていないものがほとんどだと思いますが、お手並み拝見ですね。

日本政策投資銀行がMBA取得者を中小社長に仲介する事業承継ファンドを設立することについて、どう思われましたか?


コロナ禍のM&Aは売り手と買い手で意識格差!

中小企業の事業承継問題を解決する一つとしてM&A(合併・買収)に注目が集まっていますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、M&A市場はどうなっているのでしょうか?
KaikeiZineによると、M&A仲介サービス大手のストライク(東京都千代田区)の調査により、コロナ禍での売り手、買い手の意識格差が浮き彫りになったようです。

日本国内はもとより世界経済に大きなダメージを与えている新型コロナウイルスですが、事業承継に踏み切れない中小企業経営者の中には、この“コロナ”をきっかけに、M&Aを真剣に考える向きがあるようです。
こうしたなか、ストライクは2020年6月、コロナ禍においての、買い手、売り手の意識調査を行いました。
調査は2020年6月3日から5日の間、インターネットを通じて経営者を対象にアンケート調査を実施し、有効回答数は311人でした。

それによると、買い手は売り手に比べて事業規模が大きく、財務基盤が強いことが多いため、コロナ禍でもM&Aに積極的ということが分かりました。

調査では、買い手企業が、コロナ禍によるM&Aへの「マイナスの影響はない」(52%)「プラスの影響がある」(14%)と回答しており、合わせて7割近くを占めています。
「マイナスの影響がある」との答えしたのは33%にとどまりました。

一方で、売り手企業の58%が「マイナスの影響がある」と回答しています。
「影響はない」は25%、「プラスの影響がある」は16%でした。

買い手企業の経営者の多くが、コロナ禍でもM&Aに積極的な理由としては、72%が「コロナ禍が経営にそれほど影響がなかったため」と回答しています。
18%が「コロナ禍は経営に影響しているが、M&Aは必要と考えているため」と答えています。

買い手企業の多くが体力のある大企業とみられ、企業買収を中期的な経営戦略の一環ととらえていることが、逆風下でもM&Aに積極的な理由だと考えられます。

売り手企業で「マイナスの影響がある」と答えた理由は、52%が「売り上げが減少し、将来に不安を感じた」と回答しています。
19%は「売り上げが減少し、事業を継続できなくなった」としています。
いずれも、コロナ禍による業績の悪化が、M&Aに悪影響を及ぼした格好です。
「オンライン化などのビジネス環境の変化により将来不安を感じた」との回答も9%ありました。

コロナ禍でもM&Aに積極的な買い手企業は、計画を延期しても「M&Aを再検討する」としており、再検討する時期についても87%以上が「半年以内」と回答しています。
「3か月以内に再検討する」とした買い手企業も5割に達しています。
迅速に業容を拡大したい方針が垣間見えます。

一方で、計画が延期になった場合に「M&Aを再検討する」と答えた売り手企業は66%にとどまり、「半年以内に再検討する」と答えた企業は20%、「3か月以内」としたのは6%に過ぎませんでした。
「再検討するのは1年以上経過してから」と回答した売り手企業は33%にのぼりました。

2020年上旬までは、売り手、買い手ともに前向きだったM&A市場ですが、コロナ禍の影響で売上高の減少や将来不安などが影響し、買い手、売り手双方の経営者の心理や行動に影を落としていることが浮き彫りになりました。

僕自身、年間5件から10件ほどM&A案件に関わらせていただいておりますが、この調査と同じように認識しています。
従来からM&Aをやられている買い手の方、これからM&Aをしようとしている方は、買うという姿勢は変わらず、また、今が買い時と考えているように思います。
売り手の方は、お話がかなり減っていますので、延期になっているのではないかと推測されます。
コロナ禍でも話を進めている方の中には、先延ばしにすればするほど売却価格が安くなると考えている方もおられるのではないかと思います。
個人的には、今後は売らざるをえなくなった売り案件が増えてくると思いますが、買い手はM&Aに慣れている方が多いと思いますので、何かこれがあるから買いたいというものがないと、なかなか成立しないかもしれないですね。

コロナ禍のM&Aは売り手と買い手で意識格差が生じていることについて、どう思われましたか?


SGHDと日立物流が新型コロナウイルス感染症の影響で経営統合を見送り!

日本経済新聞によると、佐川急便を傘下に持つSGホールディングス(HD)と日立物流は、先日、経営統合を当面見送ると発表しました。
2016年に統合を視野に資本・業務提携を決めましたが、新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界的に物流が停滞するなど環境が一変し、提携の重要性が薄れたと判断したようです。
相互に持ち合う株式の出資比率も引き下げ、両社とも独自の成長戦略を優先させます。

SGHDは日立物流が保有する佐川急便の発行済み株式の20%分すべてを875億円で買い取ります。
日立物流もSGHDが持つ自社株を、988億円を上限として市場で取得します。
SGHDの持ち分は現在の29%から6%前後になる見通しです。

売買は2020年10月29日に完了する予定で、日立物流はSGHDの持ち分法適用会社から外れます。
トラックの共同利用といった業務提携は続けます。

佐川急便は宅配便大手で、日立物流は企業間物流に強みを持っています。
2016年の提携は、個人から法人まで包括的に荷物を扱う総合物流グループの形成が目標とされていました。

しかしながら、新型コロナの流行で両社の経営環境は一変しました。
電子商取引(EC)の利用は急拡大しました。
宅配便の需要が膨らむなかで業務の効率化や省人化への取り組みなど、佐川急便の経営判断を迅速に行う必要性が高まったのです。
SGHDは完全子会社化の必要があると判断し、株式の買い戻しを日立物流側と協議していました。

日立物流も目算が外れました。
国内では業務の効率化などで一定の成果があがったものの、新型コロナの流行で世界的に物流網が目詰まりしました。
輸送量も急減し、成長のけん引役として重視していた国際物流で連携の効果が生じにくくなったのです。

日立物流は海外事業のてこ入れにはSGHDよりも、海外企業との連携を強化する必要があるとの判断に傾いたようです。
自社株を活用した現地企業のM&A(合併・買収)も視野に入れているとみられ、株式の買い戻しにつながったようです。

SGHDは、先日、出資比率の引き下げに伴い2021年3月期の業績予想を見直すと発表しました。
日立物流の株式持ち分比率が減ることで連結経常利益は前期比11%増の890億円と、従来予想に比べて20億円減少します。

一方で佐川急便株を取得するため、純利益は前期比16%増の550億円と従来予想に比べて25億円増える見通しです。

純利益の増加で配当予想も見直しました。
1株当たり前期比8円増の52円にし、従来予想から3円積み増します。

SGHDは同日、株式1株を2株に分割することも発表しました。
2020年10月31日を基準日とし、11月1日付で実施します。

新型コロナウイルスの影響は色々なところに出てきますね。
ただし、意思決定が早かったと個人的には思います。
まずは、それぞれが現状を打破するようにタイムリーに取り組んで、ニューノーマルというものがある程度確立してきたときにでも、再度どうするかを考えれば良いのではないかと思います。

SGHDと日立物流が新型コロナウイルス感染症の影響で経営統合を見送ったことについて、どう思われましたか?


東京海上が誓約違反を補償する中小企業のM&Aの保険を販売!

日本経済新聞によると、東京海上日動火災保険は中小企業の事業承継を支援する保険を売り出すそうです。
隠れた負債などの誓約違反が発覚した場合に、承継先の損失を補償します。
個別に補償内容などを定める従来のM&A(合併・買収)保険は、保険料が高額で中小企業は使いづらいものとなっています。
誓約内容を定型化し、保険料を下げて加入しやすくします。

経営者の高齢化や後継者の不在で廃業する事業者が増えています。
雇用や技術の消失を防ぐためにも円滑な事業承継が重要になっています。
承継は買い主と売り主が対立することが少なくありません。
一般的に、買う側は想定外のリスクに備えて広範囲の誓約を求めますが、売る側は時間やコストをかけるのを嫌い、限定的な内容を希望するからです。

東京海上は誓約の書類を定型化して、無駄な交渉を省けるようにします。
引き受けの調査にかかる時間も縮めます。
保険料は300万円からで、1,000万円以上するオーダーメード型のM&A保険より割安にしました。

情報開示が進んでいない非上場の中小・零細企業は買収した後に財務や法務の隠れたリスクが見つかるケースがあります。
誓約書は財務の計算処理、取引先との契約、労務、租税関係などを網羅します。
従業員の賃金の未払いや隠れた株主が発覚するような事態も補償します。

このような保険が発売されることは良いことだと思います。
しかしながら、どれだけ保険を使う方がいらっしゃるのかは疑問です。
中小企業のM&Aの場合、数千万円から数億円の案件、もちろん、数百万円の案件もあります。
僕も年間5件から10件ほどM&A案件に関わっていますが、このような中、M&Aの仲介手数料が安くても数百万円、財務DDの報酬も数百万円すると思いますし、隠れた負債とかを避けたいのであれば、株式譲渡ではなく事業譲渡にすれば良いと思いますので、ここに300万円以上乗ってくるとなると、それなりの金額の案件になってくると考えられ、使われるのはそれほどないのではないかと思います。
ただし、この記事が日経に出た日に受講したセミナーで、上場している某M&A仲介会社の子会社の方が既に保険を検討しているとおっしゃっていたので、他社からも今後この手の保険が出てくると思いますので、もっと小さな案件に使えそうな保険が出てくるききっかけになればいいなぁと思います。

東京海上が誓約違反を補償する中小企業のM&Aの保険を販売することについて、どう思われましたか?


M&A「やっぱりやめた」が横行!

日経ビジネスによると、欧米で合意済みのM&A(合併・買収)案件の破談が相次いでいるようです。

高級ブランド世界最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)が米ティファニーの買収見直しを示唆、米ボーイングもブラジルのエンブラエルとの事業統合を撤回した。新型コロナウイルスの影響で、コロナ前に見込んでいた買収効果が得られるか不透明になったというのが理由だそうです。

コロナ禍の今、欧米ではM&A案件は「撤回するのが当たり前」(外資系投資銀行)のようです。
そして日本で強行された1兆円ディールには驚きの声が集まっているそうです。

LVMHは2019年11月、ティファニーを総額162億ドルで買収することで合意しました。
しかしながら、新型コロナの影響を鑑み、2020年6月2日の取締役会でティファニー買収の妥当性を再協議し、6月4日に「現時点でティファニー株の購入を予定していない」という声明を出しました。
水面下でLVMHが買収価格引き下げを打診したものの、ティファニーが拒否したという情報もあるようです。

ブラジル航空機大手のエンブラエルは、事業統合を撤回したボーイングを相手取り「契約不履行とキャンセルにより被害を受けた」とする仲裁手続き入りを表明しました。
直近では2020年6月10日、アメリカのショッピングモールを運営するサイモン・プロパティ・グループが、同業であるタウブマン・センターズを36億ドルで買収するという合意の撤回を求める訴えを起こしています。

いずれの場合も、買収撤回の理由は新型コロナウイルスとされます。
ティファニーなどの売り上げは新型コロナで急減しており、LVMHの翻意は分からなくもありません。
もちろん合意済みの買収を撤回すれば違約金は発生します。
しかしながら、「違約金を払ってでも買収をやめた方が、強行するよりリスクが小さいと考える経営者が急増している」(米系投資銀行幹部)ようです。
もちろん合意を一方的に破棄するのだから、裁判沙汰になるのは覚悟の上だそうです。

「クローバック条項」を導入している企業が欧米には多いことも、買収撤回の判断に影響している可能性があります。
クローバック条項とは、投資に伴う巨額損失や不祥事などが後々発生した場合、支給済みの役員報酬を会社に強制返還させる仕組みです。
アメリカでは、2017年時点で製造業の9割超が導入済みとされます。
新型コロナ前に決めた価格で買収を強行して後に巨額損失が発生した場合、役員としては自分の懐が痛みかねません。

こうして合意済みのM&A案件の撤回が欧米で相次ぐ中、逆に注目を集めてしまったのが昭和電工による日立化成買収です。

「えっ、あのディールは実行されたのか」。
2020年6月5日、東京証券取引所は日立化成株を6月19日付で上場廃止にすると発表した(実際に、6月19日で上場廃止になっています。)。
昭和電工による買収成立を受けた措置です。
それを伝え聞いたアメリカの大手証券会社幹部は「てっきりやめたと思っていた」と絶句したそうです。

昭和電工は1兆円弱を投じて日立化成を買収しましたが、そもそも買収で合意したと発表したのは2019年12月です。
つまり、新型コロナ前です。
当時でさえ高値づかみのリスクがささやかれていましたが、その後のコロナ危機で日立化成の業績は悪化しています。

買収発表時点の日立化成の2020年3月期の純利益見通しは前の期比23%減の220億円でしたが、新型コロナの影響などで最終的に同利益は43%減の164億円になりました。
自動車向け顧客が新型コロナの影響を受けていることが響いたようです。

そして昭和電工による日立化成買収のためのTOB(株式公開買い付け)は、買い付け価格を変えることなく2020年3月24日に始まりました。
コロナの影響で世界経済が大きく傷むことが既に十分分かっていた時期です。
日立化成買収に同じく手を上げていた外資系ファンド幹部は「この状況では数百億円の違約金を払ってでもTOBを始めないのが普通。昭和電工の決断は全く理解できなかった」と振り返っているようです。

欧米と日本の経営者の考え方の違いは何なのでしょうか?
思い出されるのは2~3年前、数千億円の買収案件を巡り、日本のある上場企業のアドバイザーに就いた投資銀行幹部の言葉です。

その企業は買収を巡り最後まで他社と競り合い、買収価格を何度も引き上げ最終的に競り勝ちました。
アドバイザーは「確かにその会社に必要な買収だった。だが事前に取締役会で決めた上限価格を超えても、社長は退かなかった。もうペイしない、撤退も考えるべきだと進言したが、社長はサラリーマン人生をかけた高揚感に包まれ耳を貸さなかった」と振り返っています。

幸い、その買収案件ではその後に大きな減損損失を出したとは聞かないようです。
しかしながら、交渉の過程で、買収することが目的化していた面は否めないでしょう。
まして、昭和電工の場合は買収で合意と発表済みです。
新型コロナのせいとはいえ、その後に買収を撤回すればレピュテーションリスク(企業に対するマイナス評価)にさらされると危惧するのも理解できます。

日本電産や富士フイルムホールディングスのように買収慣れしている企業ならともかく、多くのトップにとってM&Aはサラリーマン人生最大の決断でしょう。
一度腹をくくったそれを、数百億円の違約金を払ってでも撤回しろというのは確かに酷な話かもしれませんね。

一方、裁判沙汰になってでも撤回した方がいいとドライに経済合理性で判断するのが欧米企業です。
両社を比較すると、あくまでも「理」で決める欧米に対し、「情」が強い日本企業とでも言えるかもしれません。
ここでその優劣を論じるつもりはありませんが、結果で評価されるのもまたトップの宿命です。
どちらであっても、結果を出せば勝ち、結果が出なければ負けなのです。

過去にも、買収が失敗と言われたものの成功している事例はあります。
ブリヂストンによるファイアストンなどです。
しばらく経ってからでないとM&Aが成功だったか失敗だったかは分からないと思いますが、日本人の『情』が成功につながったと言えるように、あまり外野の意見は気にせず、昭和電工さんにはぜひとも頑張って欲しいですね。

M&A「やっぱりやめた」が横行していることについて、どう思われましたか?


経済産業省が中小企業のM&A手数料で根拠明示を求める指針!

経済産業省は中小企業のM&A(合併・買収)を手がける業者が不当に高い仲介手数料を取るのを防ぐ指針をまとめました。
手数料の根拠や支払時期をあらかじめ説明するよう求め、悪質な業者を排除します。
優れた技術を持ちながら後継者難に悩む企業の事業承継などが円滑に進む環境を整えます。

指針は成功報酬や着手金などの一般的な水準を示しました。
「複数の業者を比較検討することが望ましい」と明記しています。
中小企業側に不安がある場合は他の支援機関に意見を聞くことも勧めています。

国が全国の都道府県に設けた「事業引継ぎ支援センター」に登録する約200の仲介業者らに指針の順守を求めます。
違反した場合は登録取り消しも検討します。
各地の事業引継ぎ支援センターは事業の譲り渡しを望む中小とM&Aを検討する事業者の橋渡しの場となっています。
除外されれば仲介の機会や情報を得にくくなるため、経済産業省は指針が一定の強制力を持つとみています。

国内では2025年までに経営者が70歳を迎える中小企業のうち127万社で後継者が決まっていないとされます。
黒字のまま廃業を迫られる事例も多くなっています。
親族などに後継者がいない場合、社外の第三者への売り渡しが選択肢となります。
実際には仲介業者が高額な手数料を要求したり、説明が不十分なまま契約を結んだりするケースがあります。

経済産業省は2029年ごろまでに60万件のM&Aを成立させる目標を掲げます。
新たな指針も含め、支援を強化します。

国が民間のことに口を出すのはどうかと思いますが、悪徳なところも多いんでしょうね。
個人的には、コロナウイルスの影響で、生き残るために国が力を入れている事業承継は後回しになる可能性が高いと思いますが、どうにもならなくなって売りに出す企業は多くなるのではないかと思います。
その点、買いたたかれ、手数料もたくさん取られてほとんど残らないということの歯止めには少しはなるかなぁとも思います。

経済産業省が中小企業のM&A手数料で根拠明示を求める指針を作成したことについて、どう思われましたか?


新型コロナウイルスに負けないM&Aとは?

日経ビジネスによると、M&A(合併・買収)の世界にも新型コロナウイルスの影響が出始めたようです。
業績の急激な悪化や株価の急落を受け、世界中で様々な案件が中止や延期に追い込まれ始めており、今後もこうした動きが続々と出てくるのは間違いありません。
では逆に、こうした株価急落を受けて前に進むM&Aはないのでしょうか?

「今年はもう冬眠するよ…」。
外資系の投資銀行でM&Aのアドバイスを手掛ける担当者はこうため息をついているようです。
理由は新型コロナのまんえんです。
買収交渉の最終局面で必須のトップ同士の対面交渉が世界各国の移動制限でままならない上、買収価格を決めるのに必要な買収先企業のデューデリジェンス(DD)と呼ばれる資産査定業務も進みません。
書面チェックだけなら可能ですが、工場在庫の確認などの実地調査ができないためです。

どの業界でも今後の業績見通しを立てることが困難になっており、どの程度の成長可能性を織り込んだ買収価格が妥当なのか、合理的に計算がしづらくなっています。

実際、M&Aの破談や延期は相次いでいます。
アメリカ事務機器大手ゼロックスがアメリカHPへの敵対的TOB(株式公開買い付け)を撤回しました。
マクロ経済と市場の混乱でTOBを継続できない環境になった、というのがその理由です。

国内では2020年3月31日に神戸製鋼所が子会社コベルコ マテリアル銅管の株式の一部を日本産業パートナーズに売却するのを延期すると発表しました。
同日には古河電気工業も日本産業パートナーズへの事業譲渡を延期すると発表しています。
両社ともに買い手の日本産業パートナーズが新型コロナによる環境変化を理由に延期を求めてきたといい、「できるだけ早期に本株式譲渡を確実に実行するよう、(日本産業パートナーズに)要求してまいります」としています。

買い手からすると、新型コロナがここまで大きな騒ぎになる前に決めた買収条件なので、割に合わなくなったから猶予がほしいということなのかもしれません。
このほかに未発表ですが水面下で交渉が進んでいたM&A案件が、新型コロナの影響で中止や先送りになってしまったというケースも数多くあるでしょう。

ただし、M&A案件がすべてなくなるのかというと、そうとは限りません。
ある投資銀行の担当者は「これからは親子上場の完全子会社化案件とMBO(経営陣が参加する買収)に絞って営業をかけていくつもり」だそうです。
どういうことなのでしょうか?

いま、M&Aの障害になりつつあるのはDDが精緻にできないことと、業績見通しが立たないため合理的な買収価格の算定が難しいことでしょう。このハードルが比較的低いのが、上場子会社の完全子会社化とMBOなのだそうです。

情報が不足しがちな他社を買収するのに最も大事なのが正確なDDだが、子会社であればある程度の事前情報は持っているはず、というのがその理由です。
MBOなら自社のことなのでなおさらです。
つまり、DDの不足に対する懸念が相対的に低いM&Aが子会社の完全子会社化とMBOということになります。
加えて買収先の収益見通しが甘すぎたりしたため、「のれん」の減損処理をする羽目に追い込まれた、といったことも起きにくくなります。

世界的な株価急落を受け、従来よりも割安な価格で完全子会社化、もしくはMBOができる可能性も高まっています。
これは買い手の論理ですが、動機としてはむしろ背中を後押しする方に働きます。

マルハニチロは2020年3月30日に50%強の株を持つ連結子会社の大都魚類をTOBで完全子会社化すると発表しました。
TOB価格は過去6か月の平均株価に対するプレミアム(上乗せ)で見ると30%にとどまりますが、発表直前の株価に対するプレミアムで見ると約5割に達します。
直近の大都魚類の株価が急落したため、足元の株価と比べると魅力的なTOB価格を提示することが可能になった、とみることもできます。

世界的な株安で、「今、会社を売るのは得策ではない」と経営者、つまり売り手は考えるはずです。
買い手からすると割安で買える可能性が高いですが、双方の思惑が一致しないとM&Aは成立しません。
売り手の思惑にとらわれることなく、ディールが進められるという点で、半分以上の株を既に押さえている上場子会社の完全子会社化と売り手がある意味で存在しないMBOは話が進展しやすいでしょう。

もちろん上場子会社だからといって、少数株主の意向を無視した過度に割安な価格設定にしたりすると、不満を持った少数株主から訴訟を起こされるリスクもあります。
とはいえ、こんな時だからこそ前に進みそうなディールもあるでしょう。
銘柄選別の上で先回り買いが好きな投資家には一つの基準となるかもしれません。

確かに、売り手は今はやめておこう、買い手は今が買い時と考えるとすると、M&Aはなかなか成り立たないのかもしれません。
その点、子会社の完全子会社化とMBOが狙い目というのは正しいように思えます。
しかしながら、コロナウイルスの影響で業績が悪化し、資金が必要になり、資金が潤沢な大手の傘下に入るというケースも、収束までに時間がかかるとなると増えてくるのではないかと思います。
高い給料をもらっているM&A仲介会社の方々は収入が減って大変かもしれませんが、うどん県を中心に微力ながらM&Aに関わっている身としては、地域経済や雇用のために、少しでも貢献できれば良いなぁと思っています。

新型コロナウイルスに負けないM&Aとは?について、どう思われましたか?


小売業のM&Aはデジタル強化主流!

あらゆる産業で進むデジタル化は小売業界に変革をもたらしています。
ネット通販の伸長で従来の出店モデルが転機を迎え、デジタル強化を狙った大型M&A(合併・買収)や提携の動きが増えているようです。

小売り世界最大手のアメリカのウォルマートは2018年にインドのEC大手フリップカートを160億ドル(約1兆7,500億円)で買収しました。
アメリカでの大量出店と世界各国での小売業の買収でグローバル展開してきた同社の戦略は、方向転換しているようです。

そうした波は日本にも押し寄せています。
ウォルマートは2018年、傘下の西友を通じて楽天とネットスーパーでの協業を発表しました。
日本では同業への買収戦略で最大手に成長したイオンも戦略を練り直しています。
2019年にイギリスのネットスーパー大手のオカドと提携しました。
これまでの小売業のM&A戦略は規模拡大を最優先課題とし、自社のノウハウを買収先に注入するのが基本戦略でした。
これに対して、今後は、買収・提携先の事業モデルから学び、自らを変革することが求められそうです。

小売業は、通販などの影響を受け、苦戦していますから、当然の流れでしょうね。
時代の激しい移り変わりに対応するには、スピードも必要ですし、既存事業を0から見直すくらいでないとうまく行かないと思いますので、既存事業の思考を持った方よりは、新しい思考を持った方の方が良いでしょうから、M&Aということになると思います。
大手は、購買力や店舗網があり、価格競争力や顧客はあるのですから、頑張って、ネットスーパーを一般的なものにして欲しいと思います。

小売業のM&Aはデジタル強化主流であることについて、どう思われましたか?


MBOが今年早くも5件に達しているが「上場企業」返上の理由は?

M&A Onlineによると、2020年に入り、経営陣による買収(MBO)がすでに5件に達し、前年の6件に早くも並ぶ勢いです。
このままのペースでいけば、2013年以来、7年ぶりに2桁(10件)に乗せる公算が大きいようです。

MBOを通じて上場廃止は、敵対的買収を回避する究極の策とされます。
その数は2011年の21件をピークに減少傾向に転じていますが、モノ言う株主(アクティビスト)による株主提案の活発化などを背景に潮目の変わる可能性もあり、今後の推移が注目されます。

5件のMBOは1月30日から翌週の2月5日までの1週間の間にバタバタと発表されました。
非公開化によって上場企業の看板を下ろすことを決めたのは豆蔵ホールディングス(東証1部)、JEUGIA(東証2部)、オーデリック(東証1部)、ミヤコ(ジャスダック)、総合メディカルホールディングス(東証1部)です。

上場歴が最も長いのは1991年以来のJEUGIAで、30年近く経っています。
最も浅い豆蔵HDでも2004年から16年となります。
5件のうち、JEUGIAを除く4件のMBOは創業者(家)の意向によるもので、所有と経営を一つにする狙いが込められているようです。

◎2020年:MBOによる非公開化を発表した企業

企業名

業種

上場年

PBR

豆蔵HD

システム開発支援

2004

3.55

JEUGIA

楽器販売など

1991

0.64

オーデリック

住宅用照明器具

1996

1.08

ミヤコ

住宅用給排水器具

2000

0.95

総合メディカルHD

調剤薬局・医業支援

2001

1.92

※PBR(株価純資産倍率)は2月14日時点のものです。

それにしても、なぜ、多くの企業にとって目標である上場企業の座を返上してまで非公開化するのでしょうか?

各社がそろって大きな理由の一つに挙げるのが「抜本的・機動的な意思決定を可能にする経営体制の構築」です。
機関投資家など株主の要求や株価動向など市場の声に惑わされることなく、中長期的な戦略や方針に基づき、迅速な経営判断が行えるようになるというわけです。

含み資産を持ちながら、時価総額を純資産で割ったPBR(株価純資産倍率)が1倍を割り込むような割安企業は買収のターゲットとされやすくなります。
したがって、上場廃止による非公開化は買収リスクから経営陣を解放することを意味します。
一方で、非公開化はコーポレートガバナンス(企業統治)や経営監視機能の低下につながるといった懸念が生じます。

MBOに際しては、経営陣が市場から株式を買い付けるための資金を銀行借り入れなどで賄いますが、投資ファンドの協力を得る場合も少なくありません。

今回の5件のケースをみると、JEUGIAが19億4,700万円、オーデリックは313億円、ミヤコは31億円の銀行融資を受けるようです。
豆蔵HDは国内投資ファンドのインテグラル(東京)、総合メディカルHDも同じく国内投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループ(東京)と組みます。
MBO資金として、豆蔵HDは344億円、総合メディカルHDは763億円を必要とします。

MBOは2000年代後半から2010年代初めにかけて盛り上がりました。
リーマンショックによる金融危機が起きた2008年16件→2009年18件→2010年13件→2011年21件→2012年9件→2013年10件と推移し、以降は6件~3件です。
ピーク時の2011年は全TOB(株式公開買い付け)の3分の1以上をMBOが占めました。

2000年代半ば、旧村上ファンドに代表されるモノ言う株主や一部の外国人投資家による株買い占めが先鋭化したことなどから、非公開化に向けた企業の背中を押したのです。

また、近年は政府主導のコーポレートガバナンス改革で持ち合い解消による安定株主の減少が進み、割安企業を中心に買収リスクが高まっているほか、株価維持のために自社株買いなどの株主還元が強く求められています。

こうした中でのMBOラッシュです。
2020年を境に、非公開化志向が再び台頭する転換点になるのでしょうか?

個人的には、迅速な経営判断や買収リスクからの解放ということが目的であるならば、元々上場しなければ良いのではないかと思いますが、時代の変化や元々の目的が相続税対策というところもあるので、仕方ないんでしょうね。
株主の視点がすっぽりと抜けているような気はしますが。

MBOが今年早くも5件に達しているが「上場企業」返上の理由は?について、どう思われましたか?


タブーが薄れ敵対的TOBに証券会社も動く!

日本経済新聞によると、企業やファンドによる「敵対的買収」が広がる中、長らく協力に後ろ向きだった証券業界の風向きが変わりつつあるようです。
経営者や投資家が企業価値の最大化へ敵対的な手段も辞さないようになり、証券会社にもそうした動きが波及しているためです。
その敵対的買収の成否を左右する証券会社が、日本橋兜町の東京証券取引所のすぐそばにあるのです。
1949年設立の老舗、三田証券です。

「三田は押さえたか?」「三田をとったのはどこだ」――。
企業買収を巡る水面下の攻防で、M&A(合併・買収)関係者の間でこうした声が聞かれるようになっているようです。

それでは、なぜ従業員数が100人に満たない「中小」の三田証券がなぜ注目されるようになったのでしょうか?

敵対的買収にはTOB(株式公開買い付け)が多く用いられます。
そのためにはTOBに応じる株主向けの証券口座が必要で、代理人の証券会社の協力が欠かせません。
しかしながら、敵対的買収は買われる側の企業の反発を招くため、証券会社にはタブーだったのです。

そこに風穴を開けたのが、三田証券なのです。
転機は2012年から2013年にかけて繰り広げられた案件です。
ゴルフ場運営大手のPGMホールディングスによる同業のアコーディア・ゴルフへの敵対的TOBで、三田証券はPGMの代理人業務を務めました。
TOBは失敗しましたが「三田証券」の名は投資銀行業界にとどろいたのです。

2017年に富士通が企業向けパソコン販売のソレキアをTOBで子会社化しようとした際、対抗TOBに成功した企業経営者の佐々木ベジ氏に証券口座を提供したのも三田証券でした。

「対抗TOBなどが出るのは日本市場にとってよいことだ」と、三田証券の3代目である三田邦博社長は話しています。
「敵対的でも既存株主に利点があり、企業統治の強化につながるなら受託する。」

同氏が家業の三田証券に入社したのは1998年です。
1997年には山一証券が自主廃業を決め、1999年には株式売買の委託手数料が完全自由化されました。
2001年にトップに就いた三田社長は旧来型の証券事業からの脱却を進め、社外取締役にはゴールドマン・サックス証券で金融アナリストだったデービッド・アトキンソン氏が就いています。

複数の買収者が入り乱れた不動産大手のユニゾホールディングス争奪戦では、敵対的買収も検討していたアメリカの投資ファンドのブラックストーン・グループが三田証券を「予約」していたとみられます。

もっとも、敵対的案件をタブー視しない姿勢は大手でも広がっているようです。
大和証券グループ本社の中田誠司社長は、「外形的に『敵対的TOB』とみなされる案件も引き受けることはある」と明言しています。

2019年末、東芝による上場子会社、ニューフレアテクノロジーのTOBで、対抗TOBに打って出たHOYAのM&A助言とTOBの代理人になりました。
このTOBは最終的に東芝に軍配が上がりましたが、大和証券の思い切った決断で、敵対的買収を検討する買い手の選択肢が増えそうです。

先日、前田道路へのTOBを発表した前田建設工業の助言は大和証券が担っています。

歴史をひもとくと、2006年に王子製紙(現王子ホールディングス)が北越製紙(現北越コーポレーション)に敵対的TOBを仕掛けた際は取引会社らの反発を招き、成立しませんでした。
このとき王子製紙側についたのが野村証券で、敵対的案件は「タブー」という風潮が続くことになりました。

その野村證券も、2019年は伊藤忠商事による系列のデサントへのTOBで、伊藤忠商事側の代理人を務めました。

「19年は敵対的買収の元年とも言われるだろう」(外資系証券幹部)とのことです。

企業統治指針と機関投資家の行動規範であるスチュワードシップ・コードが定着し、経営者や投資家は企業価値の向上につながる決断を求められようになりました。
その結果、敵対的な買収でも以前より成立しやすくなっているといえるでしょう。
裏方である証券会社の出番が増えるなか、「三田争奪戦」が激しくなりそうです。

大手証券会社ともなると、敵対的買収の案件の両社ともかかわっている可能性が高く、かかわっていないとしても今後のことを考えてやらなかったのでしょうが、こういった証券会社が増えて、敵対的買収が増えることは良いことなんだろうなと、個人的には思っています。
敵対的買収が成功するにしろ失敗するにしろ、株主の方を向いた経営をするようになれば良いと思います。

タブーが薄れ敵対的TOBに証券会社も動いていることについて、どう思われましたか?


コメ兵の香港子会社の社員が1億円を着服!

日本最大級のリサイクルショップであるコメ兵は、先日、グループ会社であるBRAND OFF LIMITED社員により不正行為が行われていた疑いがあることが発覚したと発表しました。

発表内容は以下のとおりです。

グループ会社社員による不正行為の疑いについてのお知らせ

この度、当社のグループ会社であるBRAND OFF LIMITED社員により不正行為が行われていた疑いがあることが発覚いたしました。BRAND OFF LIMITEDは、2019年12月3日付で当社のグループ会社となりました株式会社K-ブランドオフの香港子会社であります。

当社グループ会社においてこのような事態が生じましたことにより、お客様、株主の皆様ならびに関係者の皆様に、多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを心より深くお詫び申し上げます。

なお、現在、本件の事実関係の解明に鋭意取り組んでおりますが、現時点で判明している内容及び今後の対応につきましては、下記の通りであります。

1.不正行為の疑いの概要

現在判明しております不正行為の疑いの概要は、BRAND OFF LIMITED社員が、経理担当としての立場を利用し、同社の資金を着服していたとの本人の申告に基づくものであり、2020年1月22 日、当社内部監査担当者等による臨店の際のヒアリングにより発覚したものであります。なお、その合計金額は約1億円の見込みであります。

2.当社の対応について

当社は、すでに社外取締役(監査等委員)を中心に調査委員会を立ち上げ、調査を進めておりますが、今後、社外の法律及び会計の専門家の協力のもと、事実関係の解明を進めてまいります。なお、調査委員会では、①本件に関する事実関係の確認、②本件による当社連結財務諸表等への影響額の確認、③類似事案の調査と確認、④本件が生じた原因の分析と再発防止策の提言、⑤その他、調査委員会が必要と認めた事項等について調査を進めてまいります。

調査が終了し、事実関係及び会社の損害額が判明した段階で、関係者に対する必要な措置を決定するとともに、再発防止策を策定し、併せてご報告いたします。

また、当期の業績に与える影響または、影響を及ぼす期間等につきましては、現在判明しておりませんが、調査委員会による事実関係の解明に伴う損害額が判明次第、適時開示させていただきます。

なお、2020年3月期第3四半期の決算発表につきましては、2020年2月10日を予定しており、現時点での変更はございませんが、調査の状況等により、万一日程等を変更する場合は、確定次第報告させていただきます。

当社といたしましては、このような事態が発生したことを厳粛に受け止め、調査結果を改めてご報告させていただくとともに、グループ管理体制の見直し、強化を行い、再発防止に向け、当社を含むグループ全体で取り組んでまいる所存であります。

今後ともご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

以上

スポンサーになってすぐに不正が発覚したようですが、財務調査も子会社も含めたところできちんとしないといけないですね。
僕自身、M&A関連の業務を年間数件行っているため、こういう案件が出ることによって、今後、買い手やスポンサー側が消極的にならないかがすごく気になります。
先日の公認会計士協会の研修でも言っていましたが、内部統制監査導入後、不正が増加しており、中でも最近は海外子会社の不正が多くなっていますので、子会社のコントロールを改めて見直さないといけない時代になっているなぁとは思いました。

コメ兵の香港子会社の社員が1億円を着服していたことについて、どう思われましたか?


M&Aの2019年の件数は6%増で最高更新!

 M&A(合併・買収)助言のレコフによると、日本企業が関わった2019年の件数は前年比6%増の4,088件と、過去最高を更新しました。
金額は約18兆円と前年の大型案件の反動で減少したものの、2017年比では3割多い水準になっています。

デジタル化をはじめとする産業構造の変化や海外市場の開拓に対応しようと、幅広い業種の企業がM&Aを活発化させています。
野村証券グローバル・ヘッド・オブM&Aの角田慎介氏は、「今と同じやり方では5年後に通用しないという危機感が後押ししている」と指摘しています。

ただし、M&A競争の過熱で買収価格が割高になり、将来見込んでいた収益を得られず損失を被るリスクも増しています。
IT企業を対象にしたM&A1件当たりの平均金額は日本で25億円と、この5年間で2倍強に膨張しています。
世界では8,000万ドル(約90億円)と前年から1.25倍に上昇しています。

どうやって件数等を把握しているのかよく分かりませんが、僕もそれなりにM&A案件に関わっていますので、ここ数年、M&Aの件数が増えているのは、我がうどん県(香川県)でも実感しています。
一方で、利益が出ているにも関わらず後継者がいないため売り案件になっている会社が多くなっているので、赤字の会社や債務超過の会社が売れにくくなっているような話を耳にします。
あとは、M&Aに慣れている大きめの買い手の会社が、M&Aの知識のない中小企業を安く買っているという話も耳にします。
M&Aの世界も、売りやすい業種や売りにくい業種のトレンドもありますし、また、当事者はある程度のM&Aに関する知識を持っておかないといけないと思っています。

M&Aの2019年の件数は6%増で最高更新だったことについて、どう思われましたか?


ライザップの経営立て直しへの手ごたえ!

 「この1年間取り組んできたことを通じて、やっと黒字を一歩一歩出せる状況になった」と、RIZAP(ライザップ)グループの瀬戸健社長は、先日東京都内で開いた9月中間決算の説明会で、経営立て直しへの手ごたえをこう語りました。

 実は、この日はM&Aの凍結を宣言した1年前と同じ日です。
「まだ足りないことはたくさんあるが、(RIZAPが)こんなに変わったと言われるように、結果を出していきたい」と決意をにじませました。

9月中間の連結業績(国際会計基準)は売上高が前年同期比2.5%増の1,083億円、営業利益が27億円(前年同期は58億円の赤字)でした。
本業のもうけを示す営業利益は、9つある上場子会社の8社が黒字を達成しました。
前年同期は6社が赤字に陥っていましたが、このうちフリーペーパー発行大手の「ぱど」を除いて黒字転換しました。

ぱどについては、赤字幅が半減したものの、短期的に収益改善が期待できないとして、12月に売却することを決めています。
売却金額は約24億円で、グループ傘下の会社・事業の売却は2018年10月に事業構造改革に着手して以来4件目ですが、9社ある上場子会社では、ぱどが初のケースです。
売却益として約10億円を計上します。

ちなみに、上場子会社9社の取得価格は166億円です。
これに対して持分時価は379億円(2019年11月13日時点)で、子会社の大半が再建途上ながらも230億円近い投資効果を生んでいる計算です。

<RIZAPグループ傘下の上場会社9社>

買収年 社名 業務内容

2013

イデアインターナショナル

インテリア雑貨、旅行用品など

2014

SDエンターテイメント

エンタメ事業を売却、
ウェルネス(健康)事業に集中

2015

夢展望

衣料品ネット販売

2016

HAPiNS

インテリア・生活雑貨

MRKホールディングス

体型補正下着、ヘアサロン関連

2017

ジーンズメイト

ジーンズなどカジュアル衣料専門店

ぱど
(12月売却予定)

フリーペーパー発行など

堀田丸正

和装・洋装、寝装

2018

ワンダーコーポレーション

ゲームソフト、CD、文具など

中核であるフィットネスなどのRIZAP関連事業の売上高は微増の222億円(前年同期は221億円)でした。
5月半ばに発表した赤字決算が響き、7月にかけて入会者数が伸び悩んだそうです。
「8月以降は上向いている」(瀬戸社長)とし、下期に巻き返しを期しているようです。

2020年3月期(通期)予想は売上高1.1%増の2,250億円、営業利益32億円(前期93億円の赤字)、最終利益5億円(同193億円の赤字)となっています。
今回の中間決算段階では従来予想をそのまま据え置きました。

この点について、瀬戸社長は「足元をしっかり一歩一歩固めていきたい。本当の意味での成長は来期以降。今期中に(課題を)すべてやってしまいたい。必要な投資があれば行う」との基本スタンスを強調しました。
また、下期に何らかの大きな損失が出る可能性の有無については「確度が高いものはない」とかわしました。

RIZAPは積極的な企業買収を成長の原動力としてきましたが、買収した企業の経営改善の遅れなどで2019年3月期は193億円の最終赤字(2018年3月期は92億円の黒字)に転落しました。
このため、M&Aを凍結し、本業のフィットネス事業と関連性や相乗効果が乏しい事業の売却や整理を進めてきました。

業績不振の企業を純資産より割安な価格で買収し、この差額を「負ののれん」として利益計上してきました。
しかしながら、子会社化した企業が早期に赤字から脱却できなければ、連結業績の足を引っ張るリスクがあり、それが現実となっていました。

RIZAPは2020年度入りに合わせ、新中期経営計画をスタートさせる予定です。
「下期にしっかり結果を出す」としたうえで「当社の強みを磨き、新たな価値創造をしていきたい」と意欲的に語りました。

成長の両輪と位置づけるのが、20~40代を中心とした「美容・ダイエット」と、法人、ミドル・シニア世代を対象とする「健康・ヘルスケア」です。
シニア向けの新プログラムについては、来年度発表に向けて「今まさに開発中」としています。

個人的には、本業がしっかりしているので、立て直してくるとは思っていましたが、結構早かったですね。
いわゆる『負ののれん』で収益を稼いでいた企業ですが、きちんと子会社を立て直し、将来的には、再び再生などを手掛ける企業になるのではないかと思っています。
色々と処分したり、黒字化したりしていますので、ノウハウもかなり得ているのではないかと思います。
今後も期待したい企業の一つです。

ライザップの経営立て直しへの手ごたえについて、どう思われましたか?


「焼肉店」のM&Aが再燃?

 M&A Onlineによると、焼肉店のM&A(合併・買収)がじわり増えているようです。
上場の外食企業が買い手となる案件は2018年はゼロでしたが、2019年はこれまで3件を数えています。
ターゲットは、いずれも都内に本拠を置く焼肉店です。
同業同士は1件で、残る2件は居酒屋チェーンが新業態として「焼肉」に取り込むケースです。

海鮮居酒屋で知られるチムニーは焼肉業態に進出します。
2019年12月1日付で、都内や埼玉県で「牛星」など焼肉店10店舗を経営するシーズライフ(東京都渋谷区)の全株式を取得して子会社化します。
ちなみに、買収価格は非公表です。

シーズライフは2011年に設立し、直近売上高は約8億7,300万円です。
焼肉「牛星」8店舗、焼肉「山河」2店舗のほか、居酒屋「熟成魚うらら」1店舗を運営しています。
首都圏以外では我がうどん県(香川県)内に「牛星高松空港通り店」を唯一出店しています。

チムニーは「はなの舞」「さかな道場」「豊丸水産」などのブランドで全国732店舗(2019年9月末)を展開しています。
海鮮居酒屋以外に、鶏肉や串焼き、もつ煮といった専門店も持っていますが、焼肉業態はこれまで手がけていませんでした。
居酒屋業態は競争激化や客足減少などで苦戦が続いており、新業態の開発を課題としていました。

2018年11月には、チムニーの親会社である酒類販売大手、やまやが「つぼ八」を日鉄住金物産(現日鉄物産)から買収しました。
現在、チムニーとつぼ八を合わせた店舗数は約920店舗で、規模拡大による調達コストの削減などを進めてきました。

そうした中、チムニーが繰り出したのが焼肉業態への参戦です。
戦線拡大に向けて第2、第3のM&Aも十分に考えられます。

2019年5月、飲食業の弥七(東京都港区)から立ち食い焼肉「治郎丸」を買収したのは海帆です。
海帆は名古屋で居酒屋「なつかし処昭和食堂」を中心に、レストラン、ギョウザ、油そば、タンメンなどの約90店舗を運営していますが、焼肉は初挑戦です。

「治郎丸」は比較的珍しい立ち食いスタイルの焼肉店です。
寿司屋を思わせるカウンター席に小さなコンロが置かれ、好みの肉を一切れずつ注文できます。
値段は1切れ30円から高級なもので300円ほどで、新宿、渋谷、御徒町、秋葉原、大井町、荻窪の都内6店舗があります。

都内では2011年に出店した1店舗(池袋、居酒屋)にとどまっていましたが、「治郎丸」の買収で本格的な足場を築いた形です。
今後、本拠地の名古屋で「治郎丸」ブランドを投入することになるのかどうか注目されます。

中部地区を地盤に焼肉チェーンを展開する、あみやき亭は2019年4月、「ホルモン青木」で知られるホルモン焼肉専門店を都内で6店舗展開する杉江商事(東京都江東区)の全株式を取得して子会社化しました。
あみやき亭は中部と関東で合計266店舗(2019年10月末)を展開していますが、関東ではとくに都心部への出店加速を課題としていました。

傘下に収めた「ホルモン青木」は行列店としても知られる“名店”です。
あみやき亭は関東で焼肉業態の店舗として「スエヒロ館」「炭火焼肉かるび家」「ブラックホール」を展開していますが、いずれも買収で傘下に収めています。

上場企業に義務づけられた適時開示情報をもとに、M&A Online編集部が調べたところ、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)件数は今年に入り697件(2019年11月11日時点)です。
業種別では外食関連が26件あり、このうち焼肉店を買収先とする案件は3件と全体の1割強を占めています。
2018年までの過去3年間、焼肉店がターゲットだと明確に認められる案件は見当たらず、2019年は一転、M&Aが再燃した格好です。

外食産業では市場が縮小に向かう中、新業態の取り込みや既存業態のスクラップ・アンド・ビルドが課題となっており、その過程で今後、焼肉店がM&Aの草刈り場になる可能性も考えられます。

過去、焼肉業界の大型M&Aとして思い出されるのは、2012年の「牛角」を運営するレインズインターナショナルの買収劇です。
居酒屋「甘太郎」などを展開する外食大手、コロワイドが約140億円を投じて傘下に収めました。
翌2013年には、回転寿司店「平禄寿司」などで知られるジー・テイストが「焼肉屋さかい」を運営する、さかい(当時ジャスダック上場)を吸収合併しました。

焼肉店の買収が進んでいるということは、将来的な収益への貢献が期待されるということでしょうね。
個人的には、『牛星』がなぜ関東以外で我がうどん県(香川県)高松市に出店しているのだろうか?、日本で一番決算発表の早い『あみやき亭』の名前を久しぶりに聞いたなぁと思いましたが、興味深くウォッチしていきたいと感じました。

「焼肉店」のM&Aが再燃していることについて、どう思われましたか?


ソフトバンクグループの窮地で孫正義氏が狙うLINE買収

 新聞などでも報道されましたが、その前に文春オンラインが取り上げていました。
ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長(62)が窮地に立たされています。
孫氏が組成した10兆円の「ビジョン・ファンド」が投資するシェアオフィス大手のアメリカのウィー・カンパニーが新規株式公開を延期し、さらに米ゴールドマン・サックスが同ファンドへの融資枠(約3,300億円)の一部を引き上げる検討に入ったと報じられたためです。

当初、ウィーは2019年9月に上場予定で、孫氏は「470億ドル(約5兆円)の企業価値がある」と豪語し、110億ドル(約1兆2,000億円)を投じてきました。
しかしながら、創業者のアダム・ニューマンCEO(最高経営責任者)による杜撰な経営が暴露され上場は延期され、ニューマン氏も辞任に追い込まれ、先行きは不透明です。

「市場では、ビジョン・ファンドが投資する他のユニコーン企業群についても疑念が持たれ始めています」(大手証券幹部)

孫氏は2019年8月の会見で、ビジョン・ファンドについて「7兆円を投資して2兆円利益を出した。来年3月までに5、6社が上場」と豪語していましたが、ウィーの失敗でシナリオが狂い始めました。
しかも、利益の大半は投資する未上場株の評価益で、約80社の投資先企業の価値が下がれば利益も目減りします。

危機を跳ね返す奇策はあるのか、孫氏が狙っているとされたのが、あの企業でした。

「国内8,000万人ものユーザーを持ち、85%が毎日アクセスするというLINEです。LINEの時価総額は9,300億円足らずで、プレミアムを加味しても十分射程に入る。また筆頭株主の韓国ネイバーが株の約73%を保有しているので、買いやすい」(市場関係者)

その仲介役とみられるのが、みずほフィナンシャルグループです。SBGとLINEの共通のメインバンクで「ソフトバンクから得る手数料は多い年に数百億円で、一蓮托生の関係」(メガバンク幹部)です。
また、みずほとLINEは共同でネット銀行「LINE Bank」を設立、来年開業を目指しています。

「LINEは金融子会社『LINEフィナンシャル』を設立し、既存の事業者と組んで金融事業を強化しています。対話アプリが頭打ちとなり、新たな収益源として『LINE経済圏』の構築を図っているのです。しかし、金融事業を含む戦略事業の営業損益が赤字で、テコ入れは待ったなしの状況です」(エコノミスト)

メガバンク幹部が続けます。
「買収すればSBGの価値は飛躍的に高まる。ヤフー、ZOZOにLINEが加われば、アマゾンに対抗できるでしょう」

連結純有利子負債は2019年3月末で17兆円と世界2位のSBGですが、孫氏の真価が問われています。

先日、真っ赤っかの大赤字の決算を発表した孫氏は何かを仕掛けてくると思いましたが、早かったですね。
実現すれば、楽天を追い抜くようですので、すごい規模になりますね。
ただし、銀行、証券会社、クレジットカード会社、生命保険会社、損害保険会社などを、おそらく計画的に次々と子会社化してきた楽天と比べると、LINEペイを手にしたとしても、収益源となる金融関係がまだまだ弱いような気はしますね。

ソフトバンクグループの窮地で孫正義氏が狙うLINE買収について、どう思われましたか?


M&Aに対する企業の意識調査!

 日本経済が持続的に成長するためには、企業がこれまでに培ってきた技術やノウハウ、貴重な人材や設備などを次世代に引き継ぐことが喫緊の課題といわれています。
こうしたなか、政府や行政などの支援も後押しとなり、中小企業における事業承継などの課題解決の手段の1つとして、M&Aが注目されています。
そこで、帝国データバンクは、M&Aに対する企業の見解について調査を実施しました。
本調査は、TDB景気動向調査2019年6月調査とともに行っています。
ここで、M&A とは、企業の買収や合併、一部株式を売買して資本提携することなどの企業戦略全般を指しています。
また、人材難などにより後継者がいない場合の事業承継の手段や事業の一部を譲渡することなども含められています。
なお、資本の移動を伴わない業務提携(共同研究、開発など)は含んでいません。

<今後5年以内に『M&Aに関わる可能性がある』企業>
近い将来(今後5年以内)における自社のM&Aへの関わり方について尋ねたところ、『M&Aに関わる可能性がある』(「買い手となる可能性がある」「売り手となる可能性がある」「買い手・売り手両者の可能性がある」の合計)企業は35.9%となりました。
また、「近い将来においてM&Aに関わる可能性はない」が39.0%、「分からない」が25.1%となりました。
企業の3社に1社が何らかの形でM&Aに関わる可能性がある一方、M&Aに関わる可能性がない企業も4割近くにのぼりました。
『M&Aに関わる可能性がある』企業を業界別にみると、『小売』が42.7%でトップとなりました。
次いで『金融』(42.0%)、『サービス』(41.2%)、『運輸・倉庫』(40.4%)が4割台で続きました。
他方で、『農・林・水産』(16.7%)は唯一1割台となっており、他の業界と比較するとM&Aに関わる可能性が極めて低い結果となりました。
従業員数別にみると、従業員数が多くなるにつれてM&Aに関わる可能性は高くなる傾向が表れました。
とりわけ「1,000人超」(56.3%)では半数を超え、「5人以下」(30.1%)と比較すると26.2ポイント上回っていました。
「M&Aの買い手となる可能性がある」企業からは、「将来を見据えた企業規模の拡大、事業戦略としてM&Aは必要と考えている」(建設機械器具賃貸、埼玉県)や「初期投資を考えるとM&Aの方が投資効率は高い」(旅館、愛知県)といった声が聞かれました。
一方、「M&Aの売り手となる可能性がある」企業からは、「事業承継のためにM&Aを考える時期は近いと思う」(乾物卸売、千葉県)や「当社を買収したいと思わせるように、魅力的な会社に成長させている」(ソフト受託開発、東京都)などの意見があげられました。
他方、「近い将来においてM&Aに関わる可能性はない」企業からは、「後継者が育っているので、弊社には不必要」(製紙機械・パルプ装置製造、大阪府)や「現状は考えていないが、条件が合致すれば、買い手として考えてみても良い」(包装用品卸売、埼玉県)などの意見が聞かれました。
既に後継者や事業承継の道筋が立っている企業からは、そもそもM&Aを検討していないという声もあがった一方、条件などが合致すれば検討するなど前向きな企業もみられました。

<買い手として相手企業にM&Aを進める上でどのようなことを重視するか?>
「買い手となる可能性がある」または「買い手・売り手両者の可能性がある」企業に対して、買い手として相手企業にM&Aを進める上でどのようなことを重視するか尋ねたところ、「金額の折り合い」が76.8%で最も高くなっています(複数回答、以下同)。
次いで、「財務状況」(70.3%)、「事業の成長性」(67.4%)、雇用維持などの「従業員の処遇」(54.6%)、「技術やノウハウの活用・発展」(54.3%)が続きました。
他方、「売り手となる可能性がある」または「買い手・売り手両者の可能性がある」企業では、「従業員の処遇」が78.3%でトップとなり、「買い手」の同選択肢を23.7 ポイント上回りました。
企業からも「従業員などの生活基盤が大きく崩れないよう配慮する必要がある」(鉄鋼卸売、東京都)や「今後、廃業かM&Aかの選択を迫られれば、従業員の事を考えるとM&Aを選ばざるを得ない」(油圧・空圧機器製造、京都府)などの声が聞かれ、従来から雇用している従業員の今後を第一に考えている様子がうかがえました。
次いで、「金額の折り合い」(72.7%)、「経営陣の意向」(50.4%)、「人事労務管理や賃金制度」(35.9%)、「財務状況」(32.6%)が上位にあげられました。
「金額の折り合い」は「買い手」「売り手」企業ともに7割を超えており、売買金額を重視する割合は非常に高くなっています。
また、雇用維持などの「従業員の処遇」では「売り手」企業が「買い手」企業を、「財務状況」「事業の成長性」などでは「買い手」企業が「売り手」企業を大きく上回っていました。
立場によりM&Aを進める上での重要事項に大きな差異があることが浮き彫りとなりました。

<今後のM&A の必要性>
2019 年版中小企業白書では、社会の大きな変化や経営者の高齢化が進むなかで、「経営者の世代交代」「経営資源の引継ぎ」「構造変化への対応」が重要な課題として指摘されています。
そこで、これらの課題に関して、今後のM&Aの必要性について尋ねたところ、企業の51.5%が今後「M&Aの必要性は高くなる」と認識していました。
また、必要性は「変わらない」が21.7%、「M&Aの必要性は低くなる」が1.7%でした。
半数を超える企業でM&Aの必要性が高まると考えている一方で、「自社の役員・従業員、全員で対応をする予定」(医薬品小売、岡山県)という意見も聞かれました。
「M&Aの必要性は高くなる」と認識している企業からは、「後継者が不在である場合の事業承継の有効な手段になり得る」(医療用機械器具卸売、山形県)や「優良な技術を持つ企業がM&Aによって残っていくことができれば良い」(冷暖房設備工事、東京都)といった意見があがりました。
他方、「信頼のおけるM&A会社に仲介を依頼したいが、なかなか見当たらない」(冷暖房設備工事、北海道)や「M&A仲介業者の手数料が高すぎる。買い手として依頼出来ない」(鉄骨工事、静岡県)などといった意見もありました。
企業がM&Aを進める上で仲介業者との関係に頭を悩ませている様子もうかがえました。
また、「会員制の紹介プラットフォームがあれば誰もが利用できるのではないか」(再

生資源卸売、滋賀県)という指摘にあるように、M&Aの紹介サイトやマッチングサイトなどのWebサービスを期待する声もあがりました。

本調査結果から、企業の35.9%が近い将来(今後5年以内)に何らかの形で『M&Aに関わる可能性がある』と考えていることが明らかとなりました。
特に小規模企業からは「後継者の問題、技術の伝承などからみてもM&Aをもっと大いに取り上げ、国全体の問題として取り組んでほしい」(鉄鋼卸売、福岡県)といった声もあるように、事業承継問題の解決や貴重な経営資源の散逸を防ぐ手段としてM&Aに期待感を持っている様子が明らかになりました。
また、「後継者不足による廃業・営業縮小の企業を買収し、事業拡大を模索中」(飲食料品卸売、東京都)など、既にM&Aを検討し、業容拡大を目指している企業も多くなっています。
M&Aを進める上で相手企業に対し重視することは、両者の立場によって重視する項目に大きな違いがみられ、「買い手」企業においては相手企業の財務状況や成長性を重視する一方で、「売り手」企業においては既存の従業員の処遇に重きを置いていました。
また、売買金額についての関心は高く、「買い手」「売り手」企業を問わず7割を超えています。
他方、今後、社会の大きな変化や経営者の高齢化が進むなかで、企業規模に関係なく5割以上の企業でM&Aの必要性は高まるとみています。
しかしながら、実際にM&Aを進める上では、適切な情報収集や仲介役となる企業との関係性などが課題という声が聞かれました。
政府や行政は、M&Aが企業の直面する課題解決の手段として活用されるよう、引き続き取り組み支援や財政支援を行う必要があります。
特に中小企業においては、行政をはじめとする公的な機関に加えて、民間の仲介業者の必要性も高まるなかで、買い手と売り手をつなぐマッチングサービスの充実などが重要となるでしょう。

個人的には、国も力を入れていますし、安価なコストで利用できるマッチングサイトも増えてきているように思いますが、まだまだアピールができていないということでしょうね。
売買金額が重要なことなのは当然だと思いますが、僕もM&A案件に年間数件関わらせていただいている感覚からすれば、売り手は既存の従業員の処遇に重きを置き、買い手は相手企業の財務状況や成長性を重視するのは肌感覚と合っています。
僕自身も、M&Aのお手伝いをしていることがまだまだアピールできていないので、1件でも多くのお手伝いができるよう取り組んでいきたいと思います。

M&Aに対する企業の意識調査について、どう思われましたか?


ライザップが子会社不振で純損失193億円に転落!

 トレーニングジム大手のRIZAP(ライザップ)グループが先日発表した2019年3月期決算(国際会計基準)は、純損益が193億円の赤字(前年は90億円の黒字)となり、大幅な赤字に転落しました。
この日開示した決算短信に、企業としての存続に疑義を生じさせるような状況があるが、対策を講じている場合に記載する「継続企業の前提に関する重要事象等」(いわゆるゴーイングコンサーン注記、GC注記)をつけました。
つまり、経営上のリスクが高まっているということです。

 期初は純損益が159億円の黒字になると見込んでいましたが、2018年11月に業績予想を下方修正し、70億円の赤字になるとの見通しを発表していました。
赤字幅はこの予想より123億円拡大しました。
売上高は前年比82.3%増の2,225億円でした。

ちなみに、2020年3月期の業績予想は、売上高が前年比1.1%増の2,250億円、純損益は5億円の黒字となっています。
資金が必要になる事態に備えて、取引銀行3行との間で計70億円の融資枠(コミットメントライン)を設定することも発表しました。

ライザップは、積極的なM&A(企業合併・買収)で事業規模を拡大してきましたが、傘下に収めた企業の再建が進んでおらず、拡大路線を転換しました。
新規のM&Aを凍結し、不採算企業の整理に乗り出しています。
ただし、傘下に収めた企業の経営改善に向けて2018年6月に招いた元カルビーCEO(最高経営責任者)で、「プロ経営者」の松本 晃氏は2019年4月に、取締役を2019年6月に退任すると発表しています。

松本氏がいなくなって大丈夫なのかという気はしますが、本業は順調なようなので、しばらくは本業で利益を出し続け、組織的にも経営者となれるような人が育ってくれば、再び、M&Aで拡大していって欲しいと思います。
CMに出ていた方々は、痩せたあとどうなっているんでしょうね?
個人的には、そのあたりも気になります。

ライザップが子会社不振で純損失193億円に転落したことについて、どう思われましたか?


日本企業による海外M&A実態調査報告書!

 経済産業省は、2018年夏より、M&A経験豊富な海外企業や外資系投資ファンドへのインタビュー、日本企業とのグループディスカッションを含むワークショップ等を通じ、M&Aの最前線に立つ国内外企業の「生の声」を集め、日本企業による海外M&Aの課題を整理した報告書にまとめました。

1.報告書作成の背景
近年、日本企業がグローバル規模で成長を実現していく上で、海外M&Aが重要かつ有効なツールとして認識され、日本企業による海外M&Aは増加傾向にあります。一方で、海外M&Aの難易度の高さから、期待されていた成果を十分あげられないケースが少なくありません。こうした背景から、平成29年度に経済産業省は、「我が国企業による海外M&A研究会」を発足させ、日本企業が抱えるM&Aに関する課題を有識者とともに検討し、海外M&Aを有効に活用していく上での留意点や事例を報告書と「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」として取りまとめたところです。

平成30年度においては、上記取組をさらに深化させ広く共有することで、日本企業が激しいグローバル競争環境の中で十分に成果を得られるように、以下のような調査を実施し、報告書にまとめました。

2.調査内容
•海外M&Aの課題や対応策をさらに具体化させるため、買収契約成立後の統合プロセス(PMI:Post Merger Integration)の一環で現地に派遣されている日本企業の駐在員や買収先の経営陣を複数名集めた座談会の開催(米国・英国・シンガポール)および海外企業(米国・英国・独国・シンガポール・インドで計15社)・外資系投資ファンド(日本未進出のファンドを含む計5社)等へのインタビューの実施
•「9つの行動」を活用して海外M&Aに関する留意点等を日本企業に幅広く浸透させること、及び日本企業が抱える課題の深堀を行うことを目的として、海外M&Aに取り組んでいる又は取り組もうとしている企業を対象とした、双方向での議論を含む国内ワークショップの開催
•海外企業・外資系投資ファンドへのヒアリングを通じて、日本への投資における魅力及び課題と、海外M&Aにおける工夫点や事例等を整理

3.報告書概要
海外M&Aにおける日本企業の課題は、グローバルで事業を行うに当たって直面する「グローバル経営力の不足」、「グローバル経営の制度・仕組みの未整備」、そしてM&Aを効果的に実行するための「M&Aプロセス全体を意識した「型」作りの不備」の3つに整理されます。
1.グローバル経営力の不足
– 自社の経営理念・ビジョン・強み、M&Aの位置付けを明確に「伝える力」
-「伝える力」に必要となる「言語力」
– 買収後の経営を効果的に推進するための「異なる企業文化への適合力」
2.グローバル経営の制度・仕組みの未整備
– 説明責任・結果責任を意識したコーポレートガバナンスへの対応
– インセンティブの仕組みを含むグローバルスタンダードの報酬制度
3.M&Aプロセス全体を意識した「型」作りの不備
– M&Aの戦略、実行、PMIの各プロセスにおいて押さえるべきポイントの明確
– M&Aへの取組にかかわる組織体制

上記の通り、海外M&Aでは、異なる言語・文化・商慣習・制度を有する海外企業を買収し経営管理していく必要があるため、グローバルで共通とされる経営力を備え、かつ、グローバルで多く取り入れられ、当たり前とされている制度や仕組みに対応することが不可欠であり、国内M&Aとは大きく異なる点といえます。また、M&Aを行う際の戦略から検討・実行、買収後の経営管理までの一連のプロセスの型を持っているかという点も問われています。

当たり前のことを書いているような気はしますが、日本国内企業同士のM&Aでも上手くいかないケースが結構あるわけですから、海外M&Aはそれ以上に難しいでしょうね。
豊富な資金力を活かして海外のM&Aをたくさん仕掛けたものの、失敗しまくりのNTTドコモなどが良い失敗例ですね。
その辺は十分に認識したうえで、海外M&Aを進めて欲しいですね。

『日本企業による海外M&A実態調査報告書「海外M&Aと日本企業~M&Aの最前線に立つ国内外の企業の声からひもとく課題克服の可能性~」をまとめました!』について、どう思われましたか?


建設業界のM&Aのピークは2021年!

 M&Aの市場が拡大を続けています。
2017年の日本のM&A件数は3,050件(2018年版中小企業白書、㈱レコフデータより)と過去最高となりました。
後継者がいない中小企業の事業承継や事業規模の拡大、海外進出への足がかりなど、ニーズは様々です。

東京商工リサーチ(TSR)は、中堅・中小企業に特化したM&A仲介の㈱日本M&Aセンター(東京都千代田区、東証1部)の三宅卓社長に業界の課題と今後の展望を聞いています。

-現在の業界のトレンドは?
2つの大きな波が来ている。1つは事業承継型のM&Aの波。団塊の世代が70歳を超え、後継者不在率が66%を超えている。今、まさに後継者問題に差し迫っている企業が爆発的に増えている。それにも関わらず、後継者がおらず、10年間で83万社が減少するという調査もある。約400万社のうちの83万社。このため、国や経済産業省をはじめ、地方創生を合言葉に中小企業を救っていこうという動きがある。こうした状況で事業承継型が非常に増えているというのが1つの大きな波だ。

-もう1つの波は?
もう1つは「就業人口が激減する」というもの。20~64歳が、2000年に約8,000万人いたのが、2025年に6,600万人、2060年には4,400万人にまで減少するという。働く人が約半分になる。ということは、モノを買う人も半分になってしまう。「家を買う」、「車を買う」、「洋服を買う」など、その行為は20~64歳が中心。モノを作る人が半分、モノを買う人も半分になるということは極論を言えばGDPが半分になる。輸出・輸入を考慮する必要はあるが、GDPは少なくとも激減する。そうすると企業の数も激減する。実際には、強いところが弱いところを買収する形で「業界再編」が起こるだろう。すでに再編が多く起こっているのは、ドラッグストア、調剤薬局を皮切りに、建設業、IT・ソフトウェア関連。さらに食品業。これらの業界は再編の波が起こっている。しばらくはこの波が続くだろう。

-M&Aが顕著な業種は?
建設業だ。ただ、東京五輪のあと1年ぐらいが(M&Aの)ピークだと思う。M&Aが盛んで、建設業だけでなく周辺業種も含めて非常に活況を呈している。今は仕事があり、技術者が足りないので買収ニーズが強い。一方、後継者不在による譲渡ニーズも強い。譲渡を希望する場合、買い手が豊富にいるので会社は売りやすい。だが、東京五輪が終わって1年ぐらいの後処理期間を挟んだ後は、民間も公共もかなり冷えむと予測する。仕事が減るため、建設業界のM&Aは激減していくだろう。「売る」のも、「買う」のも、東京五輪プラス1年ぐらい。2021年ぐらいまでがピークだろう。

-建設業以外でM&Aが顕著な業種は?
製造業も多い。これから自動車関連業界のM&Aが増えていくと思っている。自動車の電動化が進めば使用する部品が減る。海外移転も進んでいく。メーカーが海外に行っても、下請けは簡単に海外移転できない。海外展開している企業の傘下に入るのも有効な手段となる。ただ、自動車産業はまだこれから。
ソフトウェア会社は業態が古く顕著だ。オフィスコンピュータ時代の人がソフトウェア会社を作って、今、65歳とか70歳になっている。こういう人たちは、新しいスマホの時代に対応できなかったり、クラウドに対応できないということで非常に困っている。片やフィンテック企業やクラウド系の会社は技術者不足なので、そういう会社を買収し、「技術者を手に入れたい」、「得意先を手に入れたい」と思っている。M&Aも熾烈になっている。
また、就業者人口が激減している中で、働き手が得られない業種は、M&Aの増加が顕著だ。例えば、レストランチェーンや居酒屋チェーンなどの外食産業や運送、印刷は人手が確保できない。M&Aが増えている。

-病院・介護業界のM&Aの背景は?
病院の背景は2つあり、1つは後継者不足。ご子息が医師になっている場合も多いが、後を継がないことも多い。というのも、病院経営と医療の追求は両立しづらいからだ。息子が医者になっていても、医療の道を進みたいという意思が強い場合は、「高度医療をやりたい」とそのまま大学に残ったり、「自分で(患者さんの)ケアをやりたい」とクリニックを開業するケースも多い。
もう1つは、経営が難しくなっている点。レセプト(診療報酬)点数が下がっている。一方、病院は設備投資が増えている。清潔感のある病院じゃないと患者が来ない、高度医療機器、CTとかMRIも必要になっている。設備投資は増える一方で、診療報酬が下がっているので経営は厳しい。2つのこと(経営と医療)を両立させることは非常に難しい。
医師は“医療のプロ”ではあるが必ずしも“経営のプロ”ではない。昔は、診療報酬が十分に入ってきたので、医療のプロであれば経営も伴っていた。きちんとした医療をしていたら自然と儲かって両立できていたが、今は難しい時代になった。今は経営の能力も問われる。両立は難しいと判断し、経営能力のある大手の傘下に入って、「医療に特化していきたい」というケースがある。反対に大手は病院を多数買収してスケールメリットを出していかないと、なかなか採算が合わない。こうした背景で病院(のM&A)は増えている。
介護も同様だ。人手不足やヘルパーの賃金が低いなど劣悪な環境。車両やロボット化など積極的な設備投資が必要となり、スケールメリットを追求していかなくてはならない。

個人的にも、年々に何件かはM&A関連のお仕事をさせていただいていますが、僕の感じていることはおおむね間違っていないなぁというのを改めて感じました。
あとは、都会と地方では少し違うように感じてはいますので、その辺の情報を収集しつつ、良いサービスが提供できればいいなぁと思っています。

建設業界のM&Aのピークは2021年であることについて、どう思われましたか?


M&Aは成功から成約の時代へ!

 M&A成立後の統合プロセス“PMI(注、ポスト・マネージャー・インテグレーション)”が日本ではまだ浸透していません。
国内外のみならず、世界各地のM&Aに触れてきたなかで、日本は世界の中で最もPMIが苦手な国であると言えるでしょう。
それは、日本の企業文化に拠るところが大きいのではないでしょうか?
日本企業は“同一文化”の傾向が強く、M&A後に買収企業の新たな文化が加わった際、戸惑ってしまう場面も少なくありません。
買収企業は「こちらの気持ち分かりますよね?だからよしなにやってくださいよ」と“空気”に任せてしまうきらいがあります。
例えば、製造と小売が一緒になった場合など、文化は全く異なります。
それゆえ、互いに目標を明確に設定する過程や、企業文化の融合は欠かせないのです。
東京商工リサーチ(TSR)は、中堅・中小企業に特化したM&A仲介の㈱日本M&Aセンター(東京都千代田区、東証1部)の三宅卓社長にPMIなどについて聞いています。

-PMIに関して代表的な取り組みは?
 当社のPMIは成約式の実施等、企業文化の融合に特に注力している。当社は2016年にPMI支援室を設置し、その後2018年4月にPMIコンサルタント会社である(株)日本CGパートナーズ(TSR企業コード:027958264、千代田区)を設立した。
 PMIの取り組みのひとつとしては、成約式を専門に手掛ける“M&Aセレモニスト”を配置し、結婚式のような「成約式」を執り行う。成約式では企業間の相互文化理解につながるサービスを提案する。中でも式のハイライトともいえる“手紙の代読”は大変好評を頂いている。事業を譲渡する側の社長の奥様から、ご主人に向けた手紙をお預かりする。社長の一番そばで会社の成長を見続けてきたのが奥様。そんな奥様が綴る会社への想いの数々に式出席者は皆、感動し感銘を受ける。また、その模様を買い手企業の役員会で放映する。それを観ることで「自分たちは前経営者がこんなに苦労して築いた事業を承継したんだ」と、よりM&Aへの思いを強くする。(映像を)流すのと流さないのとでは結果が全く違う。M&A後の文化相違の解消につながっている。

-成約式セレモニーを行うきっかけは?
 結婚の仲介・紹介会社の取り組みを参考にした。民間調査で、結婚式を挙げなかったカップルは、挙げたカップルに比べ離婚率が高いという統計を見た。その差は倍以上だった。それを目にして「この統計結果はM&Aにも共通するだろう」と。
 例えば、結婚式やパーティーを通じて親類縁者に「この人が私の奥さんです」、「旦那さんです」と紹介する。そうすると「奥さん元気?」、「旦那さん元気?」、「何か困ったことがあったら相談してね」と、周囲の人間にちょっとした協力体制が生まれる。(結婚)式を挙げた夫婦に離婚が少ないという調査結果の要因の一つに周りの協力、理解がもたらす面も少なからずあるだろう。そこに目を付けた。

-M&A仲介会社が増えている
 現在、雨後の筍のようにM&A仲介会社は増加している。小規模を含めると現時点で300社あると言われている。その状況下、これからのM&Aは“成約”ではなく、“成功”の時代に向かっていく。(企業の)売りニーズも増えているし、買いニーズも増えているので、各案件の“成約”のハードルは下がってきている。でも、M&Aは“成約”がゴールではない。市場が成熟に向かっていくなか、しっかりとした“成功”を収めることができなければ、仲介会社もお客様から選ばれなくなる。結婚だって、結婚そのものが目的ではないはずだ。夫婦でどんな家庭を築き、どんな幸せを手に入れていくかが大事。「結婚できたから、まあいいや」ではない。それと一緒だ。

-地方創生が叫ばれて久しい
 創生に絡み、地方経済を支える各企業の構成は4つのレイヤーに分けられる。まず下層は、零細企業や商店が支える。3段目に中小企業、2段目に中堅企業が来て、一番上にその地元の核となる企業が存在し、地域経済が成り立つ、というものだ。その上で、国内各所でこれまでよく議論されてきたことが、“中小企業をどう存続させていくか”。でも、地方だって都心と同様、中小企業だけで成り立っているわけではない。中小企業だけが存続したところで地元経済は果たして救われるのか―と。さらに、規模の小さい零細企業にも目を向けなければ、地域経済は支えられない。零細を含めたM&Aのウエートは地方で高まるだろう。

-零細の具体例でどのような会社があるか
 例えば、秋田県や島根県の山間部に行くと、10台しか車両のないタクシー会社がある。営業を続けてきたが、経営者が廃業を考えはじめた。しかし、そのタクシー会社がなくなると、地域住民の“足”に多大な影響を及ぼすことが予想される。交通インフラが半ば崩れてしまうような地域-例えば、1日1往復しかバスが運行しないような地域。子供も都心に出てしまい、夫婦や独居で暮らすお年寄りだと、そのタクシー会社がなくなるだけで医療機関にも満足に通えなくなるし、食品の買い出しだってままならなくなるだろう。でも、これが東京になると話は別。逆に10台のタクシー会社が廃業しても地域への影響はものすごく限定的だ。

-自治体からの仲介ニーズは?
 年々高まっている。自治体だけの力では、事業承継や譲渡を必要としている会社の把握は難しい。2018年に、弊社ではインターネット上で零細企業向けのM&A、事業譲渡の仲介を行う「バトンズ」をグループ会社のアンドビズ(株)(TSR企業コード:027958426、千代田区)でスタートした。手数料も通常のM&A案件の10分の1、20分の1の低価格で実現できる。街の商店レベルで事業承継が可能となった。このような背景もあり、自治体からの問い合わせは今後もっと増えるだろう。今、市や県レベルでは年10数件ペースで相談を受けているが、間もなく数十件のレベルに達する。

-経営者の高齢化、後継者不足も深刻だ
 後継者問題を後回しにする経営者は多い。私も60歳になって久しいが、やはり経営者は60代になったら「3つのこと」を考えなければならないと思っている。▽会社▽家族▽自分の人生のこと、これらをちゃんとテーブルに載せて見つめ直す機会が必要だ。特に、「会社のこと」は会社を成長戦略にのせてくれる相手にしっかり事業承継しなければならない。従業員のいることなのだから。実の子供か、娘婿か、はたまた第三者か、成長戦略を実現してくれる人がみつかれば、潔くM&Aを決断すべきだと思う。会社には関係者がたくさんおり、単なる“私物”ではないのだから。しかしいつまで経っても“会社”“仕事”から離れられない経営者は多い。

-なぜそのような傾向にあるのか
 それは、中堅・中小企業の社長さんがバリバリの「営業マンタイプ」と「技術者タイプ」が多いからだろう。大企業での総合企画部あがりや人事部あがりの人材が多いのとは対照的。営業マンタイプ・技術者タイプ両者に共通するのが「前向きの問題解決は極めてポジティブ」だ。逆に、「後ろ向きの問題解決は面倒に思う」傾向にある。例えば、突然クライアントから強力な値下げを要求されたとか、競争相手が現れて値下げを要求された際には、値段交渉のために先方の元に向かう。片や、経理のことや健康診断、後継者問題等、自身の得意とする業務以外になると「考えたくない」、「後回しにしたい」と思ってしまう。

-事業承継に伴う課題も山積している。業界の今後の見通しは?
 全国津々浦々、事業承継問題は今後10年間、活発になりピークを迎えていく。その中で、新しいM&A仲介会社やコンサル会社ができてきていて、業界としてはますます活発化するとみている。業界内で特徴がある企業が現れてサービスレベルの更なる向上が望めそうだ。
 一方で経験の少ないプレーヤーも相当に増えていくだろう。PMIのことを考えず、成約のことしか頭になくM&Aを進める新興業者だって増える可能性がある。私たちはセミナーを全国で開催し、事業承継のプロセスや重要性を経営者さんにお伝えしている。弊社で毎年開催している「M&Aカンファレンス WiNNOVATION」は「法務」、「PMI」、「海外M&A」など多岐に渡る講演が好評をいただき、昨年は3,000名の参加申し込みがあった。今年も東京・台場で2月26日に開催する。

-業界の中でも淘汰される会社も増えるか
 今後、仲介会社が増えることで、淘汰も進んでいくだろう。企業を買う側、買われる側も「どこにM&Aを頼むか」としっかり見極め、考えなければいけない時代に入っていく。しっかり見極めていただきたい。M&Aはものを売ったり買ったりするほど簡単なものではない。経営者は従業員の“人生”という大きなリスクを背負っている。だからこそ、絶対に失敗できない仕事である。そこを業界全体でどう担保していくか、リーディングカンパニーとして、その見本を私たちが示していく責務があると思っている。

 M&Aは企業同士の結婚-。三宅社長は、M&Aをこう表現する。何よりも「互いに夢を育み、新しい世界を築くための結婚(M&A)。仕方がないからと妥協してはいけない。将来のことをしっかり考えて」と成長の大切さを訴える。

 現在、「高齢化」、「地方創生」など、企業を取り巻く環境は厳しさを増している。経営者が業界の現状や自社の不調に気付かず、「やむを得ずに会社を失ってしまうケースは少なくない」(三宅社長)と経営者の“決断機会の損失”に警鐘を鳴らす。同時に、三宅社長は「60(歳)を過ぎたら、自分と会社の来し方を振り返り、行く末を考えなければならない。会社を支えてきてくれた従業員さんを思うなら尚更」と、決断に悩む経営者に“心から”のメッセージを送る。

(注)PMI(ポスト・マネージャー・インテグレーション) M&A成立後の統合過程。M&Aの当事者である買収側、承継側のシナジー効果発揮のために行う戦略・販売体制・従業員意識等の目標設定や実現に向けての進捗管理。

何年も前から言われていますが、PMIが重要ですね。
失敗している事例も多いでしょう。
僕も、『M&Aは企業同士の結婚のようなもの』と言っていますが、我々、M&A関連する業務を行っているところは『仲人』だと思いますので、PMIのことも考えて業務をやっていきたいですね。

M&Aは成功から成約の時代へ向かっていることについて、どう思われましたか?


RIZAPがグループ企業の「減量」で損失を計上!

 先日、RIZAPグループ㈱(札証アンビシャス)は20193月期第3四半期(4月~12月)の決算説明会を開きました。
説明会には瀬戸 健代表取締役社長、松本 晃取締役が出席しました。

20193月期第3四半期(累計)は201811月から着手している構造改革により、営業利益は▲579,900万円(前年同期808,200万円の黒字)、四半期利益は▲812,600万円(同52100万円の黒字)と大幅な赤字を計上しました。
グループ会社の「減量」による構造改革について、瀬戸社長は「今期中に損失を確定させる」と強い意欲を見せました。

美容やヘルスケアを中心としたRIZAP関連事業の好調に加え、新規連結が寄与して第3四半期の累計売上高(連結)は1,724400万円(前年同期比73.9%増)と、7期連続の増収となった。
一方、利益は「グループ企業の経営再建の早期完遂」、「事業の選択と集中」、「新規M&Aの原則凍結」を柱とする構造改革を進め、大幅な赤字を計上しました。
具体的な構造改革として、201812月に連結子会社のSDエンターテイメント㈱(JASDAQ)のエンターテイメント事業を北海道SOキャピタル㈱に売却し、20191月には㈱ジャパンゲートウェイを㈱萬楽庵に譲渡しました。
これに伴い、第4四半期は77,000万円の売却損を計上しました。

4四半期は、グループ企業・事業の再編を集中的に実施し、構造改革を加速させる方針を明らかにしました。
瀬戸社長は、「多額の赤字を出している企業を優先し、大きく踏み込んで再生に注力する」とし、今期中に「(構造改革に伴う)損失を確定する」と語りました。
これに伴い、事業売却損及び構造改革関連費用の追加発生が見込まれますが、通期業績への影響は「精査中」としました。

会見に詰めかけた記者からは、損失の具体的な金額、売却対象となるグループ企業への質問が相次ぎましだ。
瀬戸社長は明言を避け、「今期中に大きく踏み込んで損失を確定させたい」と強調するにとどめました。
構造改革担当の松本取締役は、構造改革のスピード感を問われ、「まあまあ」と評価しました。
瀬戸社長と松本取締役のコミュニケーションは取れており、ロードマップで進捗を確認しているそうです。
松本取締役は「ひとつひとつやっていけば2019年には少しずつ回復し、2020年には本格復活できるのではないか」と見通しを述べました。
自身の去就を問われ、松本取締役は「役目は半分終わったと感じている」としながらも、「去就は決めていないが、瀬戸社長との関係は切れることはない」と明言しました。

4四半期で一層の事業売却を進め、20193月期で損失を確定、来期への黒字復活を見すえています。
RIZAPグループが「減量」をコミットできるか注目されますね。

松本取締役は非常に優秀な方だと思いますので、『減量』も思った以上に進んでいるように感じました。
ここで、去就を問う方もどうかと思いますね。
早くグループ企業を『減量』していただき、事業として、個人だけでなく企業も『減量』できる企業になれるのではないかと密かに期待しております。

RIZAPがグループ企業の「減量」で損失を計上したことについて、どう思われましたか?


伊藤忠商事vsデサントの断絶を招いた根本原因!

 「(デサントの)ガバナンスに関してかなりの懸念を持っている」と、伊藤忠商事の鉢村剛CFO(最高財務責任者)は、2019年2月5日の決算会見で述べました。

伊藤忠商事とスポーツウェア大手デサントとの不協和音が止まりません。
伊藤忠商事は、2019年1月31日、デサントへの出資比率を現在の30.44%から最大40%に引き上げるべく、TOB(株式公開買い付け)を行うと発表しました。
買い増しが順調に進めば、伊藤忠商事は株主総会で拒否権を発動できる3分の1超を確保することになります。

東洋経済オンラインによると、伊藤忠商事とデサントの付き合いは、約50年にのぼります。
1980年代からデサントの筆頭株主となった伊藤忠商事は、1984年と1998年の2度にわたる経営難の際、デサントを支援してきました。
その両社が今、仲たがいするのはなぜでしょうか?
その経緯を時系列で追うと、両者の断絶をもたらした事件の数々がみえてきます。

デサントが伊藤忠商事に対する不信感を強めたのは2011年ごろからです。
2011年、デサントが伊藤忠商事から仕入れる額を年間100億円から150億円へ引き上げるよう、伊藤忠商事出身の社長が社内に呼び掛けました。
翌2012年にはこの150億円の目標値を達成するために、「通し」や「付け替え」が、伊藤忠商事からデサントへ要請されました。

通しとは、デサントが伊藤忠商事以外の商社から仕入れている取引について、伊藤忠商事が間に入ったような形に伝票上変更することです。
一方、付け替えとは、デサントがほかの商社から仕入れている取引を、伊藤忠商事に代わって取引することです。
これらはデサントの仕入れ政策をゆがめ、商品力を落としかねず、「到底受け入れ困難なものだった」(デサントの公表資料より)。

大株主としての立場を利用して、商社としてのビジネスの拡大を図る伊藤忠商事の姿勢に、デサント社内での反発は高まりました。
その空気のもと、2013年2月には創業家出身の石本雅敏氏のデサント社長就任が決まりました。
この人事を決めた取締役会に際しては、事前に伊藤忠商事側への根回しはなかったそうです。

デサントによれば、石本社長の就任と同時に、一連の経緯を社内委員会で調査し、結果をまとめた文書を伊藤忠商事に届けました。
しかしながら、その後も両者の間でこの問題をめぐる対話は深まりませんでした。
長年にわたる信頼関係は傷付いたまま、放置されていたのです。
伊藤忠商事はデサントからの問題提起に応えるわけでも、信頼関係回復のためのアクションをとるわけでもありませんでした。
この後、数年にわたって伊藤忠商事が沈黙を続けた理由は、大きな謎です。

そして2018年、両者の相互不信を決定的なものとする展開がありました。
6月に決算報告に訪れたデサントの石本社長と伊藤忠商事・岡藤正広会長CEOとの面談で両者のスタンスの違いが明らかになり、伊藤忠商事がついに実力行使を決断しました。
資本の論理でデサントを押さえ込むべく動いたのです。

2018年7月4日、伊藤忠商事がデサント株を買い増し始めました。
伊藤忠商事のデサントへの出資比率は2011年から25.7%で横ばいでしたが、7月4日以降、伊藤忠商事はデサント株を順次買い増しました。

すると、8月末、デサントがワコールとの包括的業務提携を発表したのです。
デサントの取締役には伊藤忠商事出身者が2人いますが、彼らへの事前説明がないまま取締役会に緊急動議として付議され、決まったようです。

その後、岡藤会長CEOと石本社長の会談内容が漏洩し、週刊文春11月1日号に「伊藤忠商事のドン岡藤会長のデサント“恫喝テープ”」として掲載されました。
ことここに及んで、両者の関係は修復不可能なまでに悪化したのです。

伊藤忠商事の説明によれば、11月中旬ごろ、デサントの石本社長からMBO(経営陣が参加する買収)による株式非公開化を検討しているとの連絡を受けました。
これに関わっているファンドは伊藤忠商事に対し、デサントは多額の借り入れをして市中の株式を買い取り、非上場化すると説明しました。
伊藤忠商事はデサントの財務体質が不安定になるとして、株式非公開化に反対し、「現経営陣の保身を優先し、社員を軽視している可能性がある」と指摘したのです。

そして2019年1月31日、伊藤忠商事はデサント株のTOBに踏み切りました。

これに対しデサントは2月7日、TOBに対して「反対」の意見を表明し、伊藤忠商事側の言い分に真っ向から異を唱えました。

「株式非公開化は、初期的に検討されたものにすぎず、負債の金額その他具体的な取引条件等の検討に至っておりません」「従業員との間の良好な関係を極めて重要視しており、現に良好な関係を構築してまいりました」「伊藤忠商事らの主張は、事実に反するとともに、極めて誤導的なものであり、非常に恣意的かつ悪意に満ちた内容でさえあると当社は考えています」と、反対表明のリリースに記しています。

2月8日には、デサントのホームページに、デサント労働組合執行部が伊藤忠商事のTOBに対して反対する声明が掲載されました。
組合は声明で、「当社の価値を支える労使の信頼関係や雇用、労働条件へ重大な影響を及ぼしかねない本TOBに対して、受け入れることはできない。今後両社の経営陣が敵対的ではなく、建設的な協議のもと平和的解決に導かれることを強く望みます」としています。

ただし、伊藤忠商事がTOBを中止する可能性は低いと思われます。
伊藤忠商事はなぜデサントから手を引かず、ここまでこだわるのでしょうか?
岡藤会長CEOが繊維カンパニー出身であることが影響しているのではないかと見る向きは少なくありません。
伊藤忠商事側には、今日のデサントをつくりあげてきたのは伊藤忠商事だとの思いもあるのでしょう。

伊藤忠商事の2018年度純利益は5,000億円が見込まれます。
デサントの2018年度の純利益は65億円の計画で、伊藤忠商事の株式持ち分に応じた純利益への貢献は20億円程度でしかありません。
1株当たり2,800円の買付価格を設定したTOBには、約200億円を投じることになります。
直近の株価に約50%のプレミアムを乗せた価格です。

割に合わないのではないかとの質問に、伊藤忠商事の鉢村CFOは「デサントは高い商品力を持っており、従業員のレベルも高い」とし、「デサントの持っている潜在力をフルに発揮できる環境、体制であるべきだ」と説明しています。

低迷するアパレル業界にあってデサントが手掛けるスポーツ分野は「伸びしろがある領域」です。
2020年の東京五輪・パラリンピックなどスポーツイベントが控えているだけでな中国の旺盛な需要を取り込む余地は大きいと言えます。
とはいえ、約200億円の投資を上回る追加リターンを得られるかは未知数です。

伊藤忠商事は4月1日付で繊維カンパニープレジデントの小関秀一専務を理事とする人事を発表しました。
デサントへ小関氏を送り込む布石とみられます。
デサントの経営陣刷新へ向けて準備を着々と進めているようです。
伊藤忠商事にとってもこれだけの騒動となったデサントがまるで収益に貢献しないということになれば、今度は伊藤忠商事の株主から経営責任を追及されかねません。
TOBの期限は3月14日。あと1か月ほどあるため、その間に新たな展開もあるでしょう。
伊藤忠商事とデサントのなりふり構わぬ対立は、どう決着するのでしょうか?

伊藤忠商事のTOBに対し、ほとんど打つ手がないデサントが頼みの綱とするのは世論です。
世論を味方につけるには、デサントの主張の正当性や、伊藤忠商事が自社の利益を優先しデサントの企業価値を損ねる可能性が高いことを丁寧に説明する必要がありますね。

今回の対立の報道で知ったのですが、デサントは、ルコック、アリーナ、マンシングウェア、アンブロ、スリクソン、アヴィアなどのブランドを保有しているんですね。
僕の中ではあまり伊藤忠商事のイメージは良くないので、デサントに頑張って欲しいですね。
早く、ホワイトナイト(白馬の騎士)が現れることを期待しています。

伊藤忠商事vsデサントの断絶を招いた根本原因について、どう思われましたか?


4億円の赤字でも社長報酬14億円のあの“お騒がせ企業”がついに身売り!

 ミネベアミツミが売上高1兆円企業の仲間入りを果たすようです。
精密部品メーカーのミネベアミツミは、同じく東証1部上場の自動車ドア関連部品メーカーのユーシンを買収します。
2019年1月下旬からユーシン株に対して1株あたり985円でTOB(株式公開買い付け)を実施して、完全子会社にします。
買収総額は326億円を見込んでいます。

ミネベアミツミの2019年3月期の売上高は9,400億円、ユーシンの2018年12月期の売上高は1,510億円の見通しで、単純合計すると、連結売上高が1兆910億円の企業となります。

ミネベアミツミの貝沼由久会長兼社長は積極的なM&A(合併・買収)で、同社をベアリングから電子部品まで扱う総合部品メーカーに育てました。
自動車部品は電動化を背景に再編の最中にあります。

ミネベアミツミは自動車向けにボールベアリング(軸受け)や液晶バックライト、モーターなどを生産し、ユーシンは電子錠やドアハンドルなどを国内外の自動車メーカーに供給しています。
完成車メーカーと直接取引するユーシンの販売網を取り込み、成長市場と位置づける自動車分野を強化するようです。

貝沼氏は旧ミネベアの中興の祖といわれた元社長、故高橋髙見氏の娘婿です。
従業員10数人の日本ミネチュアベアリング(のちのミネベア)に入社した高橋氏は、1970年代から国内外でM&Aを重ね「買収王」の異名をとりました。

1985年から1988年にかけての、ミネベアによる世界的なオルゴールメーカー、三協精機製作所(現日本電産サンキョー)の乗っ取りは、M&A攻防戦の歴史に名をとどめます。
しかしながら、高橋氏の最後の乗っ取りは失敗に終わり、有終の美を飾れませんでした。

貝沼氏は慶應義塾大学法学部法律学科を卒業し、ハーバード大学ロースクール出身で国際弁護士の資格を持っています。
アメリカで弁護士をしていましたが、義父の招きで1988年にミネベアに入社しました。
胃がんに侵された高橋氏が三協精機の乗っ取りを断念した年です。
高橋氏は翌1989年に亡くなり、娘婿の貝沼氏に事業の後継を託したのです。

貝沼氏は松下電器産業(現パナソニック)との小型モーターの合弁会社の経営で事業家としての経験を積み、2009年、ミネベア社長に就任しました。
貝沼氏は義父譲りの買収による多角化とグローバル化を両輪に、攻めの経営を進めました。

貝沼氏の大型買収がミツミ電機との経営統合です。
ミツミ電機はスマートフォンメーカー向けのカメラの手ぶれ補正器などの電子部品の販売が落ち込み、2016年3月期の連結最終損益は98億円の赤字(その前の期は38億円の黒字)に転落しました。

ミネベアがミツミ株1株に対してミネベア株0.59株を割り当てて経営統合し、2017年1月、統合会社ミネベアミツミが発足しました。
モーターなど機械部品と電子・通信部品を幅広く持つ世界でも珍しい事業体となりました。
これはミネベアの歴史のなかでも最大級のM&Aとなりました。

貝沼氏は中長期計画で2020年3月期に売上高1兆円、2021年3月期に営業利益1,000億円の目標を掲げました。
2019年3月期の売り上げは9,400億円、営業利益は850億円の見込みです。
目標達成にあと一歩です。

「海外生産の立て直しに力を貸してほしい」
ユーシンは2018年8月、ミネベアミツミに支援を要請しました。
ミネベアミツミにとってユーシンの打診は「渡りに船」でした。
主力のスマホ向けバックライトの需要縮小が予測されていたからです。
ユーシンを買収すれば、売上高1兆円企業となる目標を達成できます。

ユーシンはなぜ、ミネベアミツミに“身売り”を申し入れたのでしょうか?
創業家と完全に訣別することにしたのです。

ユーシンは2017年1月10日、会長兼社長の田邊耕二氏が「一身上の都合」により辞任し、新社長には生え抜きの岡部哉慧専務が昇格しました。

ユーシンの“帝王”と呼ばれた田邊氏は、創業家の2代目として1978年に社長に就任以来、40年近くにわたって最高実力者として君臨してきました。
社長公募や10億円以上の高額報酬など、何かと話題を集める“お騒がせ”経営者でした。

田邊氏の後継者探しは波乱ずくめでした。
2006年、元日産自動車常務で自動車部品会社ナイルス(現ヴァレオジャパン)の社長だった竹辺圭祐氏を社長に招き、自身は最高顧問に退きました。
しかしながら、竹辺氏と生え抜きの役員たちとの対立が深刻化し解任し、田邊氏は2年で社長に復帰しました。

2010年には社長公募という奇策に打って出ました。
元外務省キャリア官僚の八重樫永規氏を選出、社長代行に据えました。
ところが、「商売には向いていない」として、あっさりクビにしました。
2014年にも2度目の社長公募に乗り出しましたが、「いい人材がいない」と書類選考の段階で打ち切りました。
「2回目の公募は社長に執着していないことを見せるためのパフォーマンス。辞める気はさらさらない」と社内外から見透かされる始末だった。

後継者問題と並んで話題となったのが田邊氏の高額報酬です。
ユーシンの2014年11月期の最終損益は4億3,300万円の赤字にもかかわらず同期の田邊氏の役員報酬は14億500万円で、2013年11月期(8億3,400万円)の1.7倍となりました。

会社は赤字、田邊氏は高額役員報酬で、株主から「会社の私物化」と批判を浴びました。
ある個人投資家は2016年夏、田邊会長兼社長ら取締役や元取締役など7人を相手取り、5億7,000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。

田邊氏にトドメを刺したのは業績の悪化でした。
2016年11月期の最終連結損益は96億円の赤字(その前の期は2億円の黒字)に再び転落し、業績予想の下方修正は3度目にわたり、年間配当は1997年の東証1部上場以来、初めてゼロとなったのです。

業績悪化の原因は、2013年にフランス自動車部品大手Valeo(ヴァレオ)社から鍵(キー)やドアハンドル部門を約200億円で買収したことです。
「小が大を呑み込む買収」と話題になりましたが、業績には寄与せず失敗に終わりました。

株主総会で経営責任を追及されることは必至の情勢でした。
そこで、総会を前に「一身上の都合」で退任しました。
次女の田邊世都子氏をトップに据え、院政を敷くというのがもっぱらの見方でしたが、次女も同時に退任しました。

新経営陣は、約40年君臨した帝王の影におびえず改革を推し進めることができるかが大きな課題となりました。
その経営陣が出した答えが、ユーシンをミネベアミツミに“身売り”して、創業家と訣別することでした。

個人的には、後継者を決め、うまく事業承継を進めることも経営者の仕事だと思っていますが、ソフトバンクの孫さんにしても、ユニクロの柳井さんにしても、ユーシンの田邊さんにしても、本人が優秀で、会社が大きくなると、なかなかうまくいきませんね。
その中で、当然選択肢の一つとして出てくるのは、M&Aだと思います。
今後も、上場企業が買収されるケースが出てくるでしょうね。

4億円の赤字でも社長報酬14億円のあの“お騒がせ企業”がついに身売りすることについて、どう思われましたか?


借金を活用して利益を計上するRIZAPに監査法人が「待った!」

 このブログでも何度も取り上げていますが、積極的なM&A(合併・買収)による拡大戦略がつまずいたRIZAPグループ。
2019年3月期の業績下方修正で割安な企業買収で発生する「負ののれん」の問題点に注目が集まりましたが、それ以上に監査業界で疑問視されていた会計処理がありました。
子会社の借金を活用した利益計上です。
担当する監査法人がこうした利益のかさ上げに「待った」をかけていました。

2018年11月14日、RIZAPは2019年3月期に連結最終損益(国際会計基準)が70億円の赤字に転落すると発表しました。
新規のM&Aを凍結することで、前期の営業利益の6割を占めていた「負ののれん」が今期は計上できなくなるのが赤字の主因です。

「問題になっていた利益かさ上げの手法は負ののれんだけじゃない」と、大手監査法人の幹部は明かしているようです。
中でもRIZAPが2015年に買収した女性用衣料品のネット通販を手掛ける上場子会社「夢展望」を巡る会計処理が2018年春、会計士たちの間で話題になっていたようです。

特別利益の発生に関するお知らせ――。
2018年3月30日、夢展望は子会社のトレセンテ(東京・中央)からの4億1,900万円の「債権取り立て益」を2018年3月期の特別利益に計上すると発表しました。

宝飾品販売のトレセンテは業績が低迷しており、2017年4月にカタログ通販大手ニッセンホールディングスから夢展望が1円で買収しました。
トレセンテの純資産(帳簿価格)を大きく下回る1円で買収できたとして、差額の約5億7,000万円を「負ののれん」として2018年3月期の営業利益に計上しました。

この結果、夢展望は2018年3月期末に2017年3月期末は4億3,200万円だった連結債務超過を解消し、東証マザーズの上場維持基準を満たしました。
親会社のRIZAPが得意とする業績不振企業の買収を使って「負ののれん」を計上し、上場廃止の危機を逃れたのです。

しかしながら、話はこれで終わりません。
夢展望は買収にあわせてニッセンHDが抱えていたトレセンテ向け貸付債権も1円で取得し、買収後にトレセンテは金融機関と4億円の借り入れ契約を結んだのです。

トレセンテは借入金を使って夢展望に債務を返済し、夢展望は1円で計上していた貸付債権の帳簿価格との差額を単独決算の特別利益に計上する算段でした。
これが2018年3月30日に公表した「債権取り立て益」の仕組みです。

「夢展望は1円で買った赤字企業に借金させて、単独決算の見栄えも良くしようとしていた」と、RIZAP関係者はその狙いをこう証言しているようです。
この関係者によると、RIZAPのグループ会社でこんな取引が複数あったそうです。

こうした利益の計上に「待った」をかけたのは、監査法人でした。

RIZAPは、2008年から監査を担当してきた東邦監査法人から2018年4~6月期決算から準大手の太陽監査法人に変わりました。

東邦監査法人側は「(担当の会計監査人として)適切に指摘した」としています。
準大手の太陽監査法人もRIZAPと監査契約を結ぶに際し、夢展望などを含めグループの不透明な利益計上をやめるよう求めたようです。

夢展望は2018年3月30日の発表から2週間後の2018年4月14日、一転して特別利益の計上を中止すると発表しました。
夢展望が業績不振のトレセンテに資金援助する可能性があるにもかかわらず、子会社からの一過性の返済金を利益に計上するのは不適切な「循環取引」になりかねないと監査法人側は判断したとみられます。

夢展望は日本経済新聞の取材に対し、「利益をかさ上げする意図はなかった」と説明したようです。

カルビー会長からRIZAPに転じた松本晃元代表取締役(現取締役)は2018年6月の就任以降、太陽監査法人側と意見交換を重ねてきたそうです。
業績の下方修正は松本氏がM&A凍結を主導した結果でしたが、監査法人である太陽監査法人側の働きかけも大きかったようです。

もっとも、利益のかさ上げを計画したのは会社自身です。
RIZAPの株価は下方修正発表前から4割超下落し、時価総額は2017年11月に記録した過去最大(7,516億円)の5分の1以下の水準にしぼみました。
夢展望の株価は2018年3月末の3分の1の水準に沈んでいます。

色々と出てきますね。
M&Aを用いた利益計上術という感じですかね。
こういうクライアントがあると、監査法人も大変でしょう。
本業は好調でしょうから、瀬戸社長には本業に専念していただいて、松本取締役の力で子会社を立て直してほしいですね。

借金を活用して利益を計上するRIZAPに監査法人が「待った!」をかけていたことについて、どう思われましたか?


RIZAPが70億円の最終赤字で拡大路線を転換!

 先日、このblogにも書いたRIZAPですが、矢継ぎ早に経営不振の企業を買収し、収益を拡大させてきたRIZAPグループの経営が転換点を迎えているようです。
20193月期の連結最終損益(国際会計基準)は70億円の赤字となる見込みです。
先日、東京都内で記者会見した瀬戸健社長は「株主をはじめ、ステークホルダーの皆様の期待を大きく裏切ることになった。本当に申し訳ない」と頭を下げました。
159億円の黒字との予想から一転して大幅な赤字となり、今後は新規のM&A(合併・買収)の凍結と、不採算部門の撤退も検討するようです。

記者会見には瀬戸社長と、カルビーから6月にRIZAP入りした松本晃代表取締役の2人が出席しました。
瀬戸社長は、「事業の選択と集中を進める。短期的な投資回収や収益改善が難しい事業、当初想定していたグループシナジーが見込めない事業については積極的に縮小、撤退、売却を検討していく」と述べ、M&A(合併・買収)による拡大路線を転換すると明らかにしました。
RIZAPM&Aに特に積極的な新興企業として知られてきましたが、この2年で傘下に収めたのは60社以上あります。
23年かけて黒字化するとしてきたものの、現実には再建が思うようにいかない子会社も多いようです。
今回、不採算事業の整理や固定資産の減損損失などの計上を迫られました結果、営業損益は33億円の赤字(前期は135億円の黒字)と従来予想の230億円の黒字から大幅に下方修正しました。
アパレルや雑貨など異業種を取り込む多角経営に陰りが見えており、今後は主力事業と位置づける完全個室型のトレーニングジムなどに注力するそうです。
49月期は85億円の最終赤字を計上し、経営責任を明確にするために、瀬戸健社長は20184月~20193月までの1年間、役員報酬の全額を自主返上します。
その後も連結営業利益が230億円を超えるまで報酬の返上を続けるとしています。

今回、明確にしたのが拡大路線からの180度の転換です。
事業の選択と集中を進めるために、新規のM&Aを凍結するようです。
短期での収益改善が難しい事業や、当初想定していたようなグループ企業同士の相乗効果が見込めない事業からは撤退や売却を検討するそうです。

この路線変更は、RIZAPの利益に大きく貢献してきた会計処理が今後は使えなくなることも意味します。
この会計処理とは、買収の際に発生する「負ののれん」です。
負ののれんとは、買収額が買収先の純資産を下回った場合に計上するもので、その差額は営業利益に一括計上されます。
経営不振の赤字企業を中心に買収してきたRIZAPでは、この一時的な会計上の利益で営業利益が押し上げられていました。
ちなみに、20183月期の営業利益(135億円)のうち、6割以上を負ののれんが占めています。
しかしながら、今回、矢継ぎ早の買収路線を修正することで、今期見込んでいた「負ののれん」による利益が計上できなくなります。
新規買収による黒字企業の収益貢献も見込めず、M&Aの凍結で総額100億円を超える利益が押し下げられます。

RIZAPは札幌証券取引所アンビシャスに上場している2003年に設立したわずか15年の会社ですが、積極的なM&Aで急拡大してきました。
20133月期に10社だった連結子会社は20183月時点で75社に膨らみました。
この半年でも買収を続けており、201811月時点での連結子会社は85社にものぼります。
今回はフリーペーパー発行のぱどやCD・ゲームソフト販売のワンダーコーポレーションといった子会社が損失計上を迫られました。
RIZAP自身の性急ともいえる拡大路線で、経営のコントロールが難しくなった面は否めません。
「再建は現場の力でやる」(瀬戸社長)という基本方針でやってきましたが、赤字企業を短期間に再生させるには困難が伴ったようです。
子会社のノウハウを共有することで新商品開発を加速したり、顧客を相互に紹介したりするなどして目指してきた「RIZAP経済圏」は曲がり角に来ています。

カルビー再建で知られ20186月に経営陣入りした松本晃氏は、201810月に最高執行責任者(COO)から外れ「構造改革担当」となりました。
松本氏は就任当初から「子会社の出血を止める」と口酸っぱく言ってきました。
これまでは瀬戸社長が主導し、M&Aを通じた拡大路線にまい進してきましたが、松本氏の意向を反映する形で経営を転換するようです。
本業のRIZAPブランドの個人向けジムや英会話は拡大を続け、利益も上げているため、今後はこうした主力の高収益事業に経営資源を集中的に投入するようです。
松本氏は同日の記者会見で、「おもちゃ箱のような会社だが、いくつか壊れているおもちゃがある」と指摘し、「たくさん買った会社の中に不況産業があり、今修繕しないと大きな問題になる」と、瀬戸社長に改革を迫った背景を強調しました。
また、「8月後半ぐらいから瀬戸さんとはずいぶん話した。瀬戸さんは私が言うことに99%同意すると言ってくれている」と指摘し、「私と瀬戸さんが対立したことは一切無い」と強調しました。
RIZAPの株価は上場来高値を付けた201711月から約7割も安い水準にあります。
収益性を重視する経営戦略への転換を市場は評価するのでしょうか?
現実路線に回帰したRIZAPの経営の手綱さばきに注目が集まります。

思いのほか、方向転換が早かったですね。
瀬戸社長も拡大路線の失敗を認識していたため、カルビーの松本さんに頼んだんでしょうね。
再生の実績のないなか、経営不振企業を買収するのは、少し早すぎたんでしょうね。
いわゆる成長に組織が追い付いていない典型例でしょう。
オーナー企業の社長の場合、自分に意見をしてくれる方はあまりいないでしょうから、瀬戸社長は良い人を見つけたのかも知れませんね。
本業が好調なときに気付いたことは素晴らしいことだと思います。
数年間は厳しいかもしれませんが、再建が成功すると、再びM&Aをして、再建していくというビジネスで成長するかもしれませんね。
結果にコミットする企業なので、期待しています。

RIZAP70億円の最終赤字で拡大路線を転換したことについて、どう思われましたか?


武田薬品工業のシャイアー買収の助言費用は1,100億円!

 武田薬品工業によるアイルランドの製薬会社であるシャイアーの買収を巡り、両社が助言費用として銀行や法律事務所に約96,000万ドル(約1,100億円)を支払うことが分かったようです。

武田薬品工業が73,300万ドル、シャイアーが最大22,900万ドルを支払うようです。
今回の買収は総額7兆円弱と日本企業最大の買収案件で、金融機関が得る助言費用も巨額となりました。

シャイアーが投資家向け資料で明らかにしました。
内訳は資金調達を支援した銀行などに6億ドル超、法律事務所に約1億ドル、会計事務所に約2,600万ドルなどとしています。

両社は125日にそれぞれ買収の是非を問う臨時株主総会を開きます。
早ければ201918日に買収が完了するとみられます。

想像もつかないような金額が支払われるんですね。
僕もM&A関連の業務をそれなりにやっていますが、うらやましいかぎりです()
それにしても、資金調達によって金利も手にする銀行などが、色々なアドバイスを行ってるのでしょうが、大部分を取るんですね。
日本企業による日本企業の買収(In-in)でもうまくいかないことも多く、日本企業による海外企業の買収(In-out)はなおさらうまくいかないケースが多いと思いますが、失敗したら誰のための買収だったのかという気はするでしょうね。
創業家も反対しているようですし。

武田薬品工業のシャイアー買収の助言費用は1,100億円だったことについて、どう思われましたか?


RIZAPがM&Aを繰り返して利益を計上?

 Business Journalによると、RIZAP(ライザップ)グループの2018年度第1四半期が営業赤字になったようです。
直前の20183月期は、通年で売上高1,362億円、営業利益135億円と10%もの営業利益を出していましたが、そこから一転しての営業赤字です。

前年度の第1四半期と比較すると、売上高は286億円から521億円と1.8倍に急拡大し、第1四半期連結累計期間としては9期連続で過去最高を更新していますが、営業利益は27億円の黒字から37億円の赤字になっています。

RIZAPの四半期報告書によると、営業利益の悪化は、グループ各社の積極的な新規出店や、テレビCMを中心とした広告宣伝の強化、RIZAP GOLF等のRIZAP関連事業の新規事業等の積極的な先行投資の結果であり、「期初計画通り」とのことです。
そして、「本先行投資の効果もあり、第2四半期連結会計期間以降については、大幅な成長を見込んでおります。」とのことです。

<積極化するM&A
RIZAPといえば、「結果にコミットする」のテレビCMで有名なボディメイク事業の印象が何より強くなっています。
それを積極的に展開しているのは事実ですが、実はRIZAPにはもうひとつの顔があるのです。
それは、投資家としての顔です。
次から次へと積極的なM&Aをしているのです。
2016年度には、書籍・雑誌出版の日本文芸社、婦人服の製造・販売をする三鈴、超富裕層向けヘルスケアを提供するエンパワープレミアム、体型補正用婦人服下着を手掛けるマルコ、カジュアルウェアの専門チェーンであるジーンズメイト、地域密着型無料宅配雑誌を手掛けるぱどと、合計7社の新規買収をしています。
2017年度には、宝飾品小売りのトレセンテ、洋装品等の製造・販売を行う堀田丸正、国内外で電気部品の加工・販売や各種パッキングの製作販売を手掛けるGORIN、スポーツ用品販売のビーアンドディー、エンターテインメント商品や化粧品などの小売りや携帯電話や音楽・映像ソフトのレンタル業などを営むワンダーコーポレーション、リビング新聞を発行するサンケイリビング新聞社と、合計6社の新規買収をしています。
2018年度は「月に1件はM&Aをする」(RIZAPグループ・瀬戸健社長)との方針のようです。

<見せかけの利益を押し上げる「負ののれん」>
これらのM&Aが、グループの売上高急拡大の大きな原動力になっています。
しかしながら、RIZAPグループの業績判断をする上では、気をつけなければならない会計上の仕組みがあるのです。
それは、M&Aに伴って発生するのれんの処理です。
のれんとは、被買収企業の会計上の評価額と、実際の買収額との差額です。
会計上の評価額には会計上認識される限定的な情報しか反映されていないので、通常はそれを上回る価額で買収するのが普通です。
その場合、のれんはプラスとなります。
しかし、RIZAPグループの場合、大半を会計上の評価額を下回る価額で買収しています。
その場合ののれんはマイナスになるので「負ののれん」と呼ばれます。
2016年度は7社中4社、2017年度は6社中実に5社で負ののれんが発生しています。
会計上、正ののれんと負ののれんは扱いが異なります。
正ののれんは資産に計上しますが、負ののれんは収益として損益計算書に計上することになっています。
かつては、負ののれんを負債に計上するというルールの時代もありましたが、会計上の評価額を下回る価額で買収するというのは、いわば「ワケあり商品を安く買う」という特別なケースなので、現在は一気に収益として顕在化させるルールになっているのです。
日本基準においては、負ののれんはその特別な性質から文字通り特別利益に計上することになっています。
ところが、RIZAPグループはIFRS(国際会計基準)を採用しています。
IFRSでは、負ののれんは「その他の収益」として営業利益に含めることになっています。
さらに、IFRSでは正ののれんは償却対象外なので、減損の対象にならない限り費用化されないのです。

RIZAPの業績は本物か?、見せかけの錬金術か?>
かくして、負ののれんの分だけ営業利益が押し上げられることになります。
RIZAPグループの20183月期におけるその額は87億円で、負ののれんを除くと営業利益は48億円となり、売上高営業利益率は10%から3.5%になります。
これをもってRIZAPグループの本当の収益力と見るべきでしょう。
そもそも、なぜ会計上の評価額を下回る価額で買収できているのかというと、被買収企業が業績の悪い「ワケあり商品」だからです。
実際、半数企業が赤字企業なのです。
2018年度第1四半期は、負ののれんという水増し分がなくなったことによって、その赤字が表面に出てきたともいえます。
RIZAPM&A戦略は、おそらく業績不振の企業を安く買ってそれを立て直し、グループ全体の業績に貢献させようというものでしょう。
RIZAPが言う「計画通りの先行投資」が本当にその通りならば、効果が現れるのはこれからです。
また、カルビーの最高経営責任者(CEO)からRIZAPグループの最高執行責任者(COO)に就いた松本晃氏は、「規模を拡大すればいいというわけではない」と言っており、やみくもなM&Aに一定の歯止めもかかりそうです。
RIZAPグループの業績は本物なのか?、見せかけの錬金術なのか?
その答えは「第2四半期連結会計期間以降については、大幅な成長を見込んでおります」という言葉通りになるかどうかでわかるでしょう。

 個人的には、RIZAPを特に責めるべきではないと思います。
同じような企業は他にもあるでしょうし、IFRSにおいても、のれんの取扱の見直しはしばしば話題に上がっています。
ちなみに、上場企業が3,500社ほどある中で、IFRSを採用している企業もしくは採用することを決定している企業は200社にも達していません。
IFRSを採用している企業リストを見てみると、のれんを償却しなくても良いため、M&Aを積極的に行っている企業が多いのは事実だと思います。
M&Aはすぐに結果がでるわけでなく、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション。M&A成立後の統合プロセスのこと)が非常に難しいと言われています。
それゆえ、長期的に視点に立って、M&Aが成功だったか失敗だったかを判断する必要があるように思います。
RIZAPM&Aの結果にコミットできるかどうかウォッチしていきたいと思います。

RIZAPM&Aを繰り返して利益を計上していることについて、どう思われましたか?

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15年ぶりにロゴも刷新の高松市のシティプロモーションの狙いと課題は?

 

我が香川県高松市が「シティプロモーション」に取り組んでいるようです。

高松市の魅力を発信し、ブランドを向上させようというものですが、なぜ今、力を入れているのでしょうか?

その背景と市の戦略をKSBが取材しました。

2025年3月3日、高松市議会に提案された高松市の2025年度一般会計当初予算案には、「シティプロモーション推進事業」の費用として約3,500万円が盛り込まれています。

高松市は2023年度、地元出身の音楽プロデューサー、塚田良平さんに「シティプロモーションプロデューサー」を委嘱しました。

2024年度は、首都圏から人を呼び込もうと東京駅の近くのシェアオフィスに「東京事務所」を開設したり、うどん以外の魅力をアピールするPR動画を作成したりしました。

そして、2025年2月、事業費1,650万円をかけて行った企画が「インフルエンサー100人旅行」です。

主に「Z世代」の若者に向け、SNSで影響力を持つ約100人を2泊3日で高松市内に招待しました。

参加したインフルエンサーのSNSの総フォロワー数は5,000万人超です。

うどん作り体験などを通じ、高松のグルメや景観などの魅力を発信してもらいます。

委託を受けたPR会社によると、2025年2月末時点でインスタグラムやTikTokなどの総再生回数は1億1,000万回を上回っています。

(高松市/大西秀人市長・2025年2月5日)
「これまでのやり方ではなかなか若い世代の人たちに伝わらないというところがあると思います。若い人たちはそちら(SNS)が中心でいろいろ見聞をするということですから、そういった人たちに訴えかけるためにこういう催しが必要ではないか」

そもそもなぜ高松市はシティプロモーションに力を入れているのでしょうか?

その背景にあるのは「人口減少」です。

国勢調査に基づく高松市の2020年の人口は、41万7,000人で、2005年の合併以降、ほぼ横ばいです。

ただし、その後の推計では緩やかな減少傾向となり、2035年には40万人を下回ることが予想されています。

また、高松市外から転入する人と転出する人の差を年齢別にみると、特に、20~24歳と15~19歳の「若い世代」で高松市から出て行く人が多いのが分かります(2019年から5年間の平均)。

(高松市広聴広報・シティプロモーション課/久保慶浩課長補佐)
「50年100年先を見据えた街づくりをする時に人が少なくなっていくのは大きな問題」

高松市は、この問題を解決するため、外から中に人を呼び込むPRだけでなく、「市内の人に向けたPR」も重要だと位置付けています。

(高松市広聴広報・シティプロモーション課/久保慶浩課長補佐)
「若い方々が高松という街に誇りと愛着を持ってもらえるような施策が求められている」

高松市で暮らす人、訪れる人、関わる全ての人から「選ばれるまち」になるために、2025年2月、高松市は「シティプロモーション推進ビジョン」を初めて策定しました。

その理念を形にしたのが新しいロゴマークです。

しかし……

(高松市民は―)
「タカマツ……? 知らんなあ。なんかちょっと(フォントなどが)かたい」
「このアルファベットを見ただけでは、なんのことか分からないなぁとは思いますね」

高松市民の反応は、今ひとつです。

15年ぶりに刷新したロゴマークの狙いは何なのでしょうか?

2025年2月20日、高松市の大西市長が香川県内の大学などの学長らと「若者が定着する街」に向けて意見を交わしました。

この中で、大西市長がお願いしたのが新しいロゴマークを活用した自発的な情報発信です。

淡い青色の背景に「TKMT 高松」とオレンジ色で書かれたロゴマークで、背景と文字の色は、複数から選ぶことができます。

最大の特徴は、T・K・M・Tの頭文字を使って「(T)たのしい(K)けしき(M)みんなで(T)つくる」のような「あいうえお作文」ができる点です。

(高松市/大西秀人市長・2025年2月20日)
「オリジナルのキャッチコピーを、使う人が自由に作って、SNS等で発信できるようにするものでございます」

これまで行政が一方的に行ってきた魅力発信を、市民にも楽しみながら行ってもらうのが狙いです。

高松市が2010年から使ってきたのは、海と城をデザインした「瀬戸の都 高松」のロゴマークです。

広報誌などを通じて一定の認知度はありますが、民間に活用されていないのが課題でした。

そこで、市は推進ビジョンの策定支援と新しいロゴマークなどの作成を電通西日本高松支社に968万円で委託。

2024年12月、「とにかく・きょうも・みんな・たのしそう」というキャッチコピーが入った素案を発表しました。

しかしながら、1か月かけて行ったパブリックコメントでは高松市の内外から149件の意見が寄せられ、ほとんどが批判的な内容でした。

(高松市広聴広報・シティプロモーション課/久保慶浩課長補佐)
「中でも多かったのが高松らしさを感じられないというもの」

ほかにも「ポエムのようで稚拙、ゆるい」などの声もあり、高松市はキャッチコピーを削除して今の形にしました。

「TKMT」を使った情報発信はできそうか、高松市民に聞きました。

(高松市民は―)
「(T)楽しく(K)活動して(M)みんなで(T)ともに遊ぶ。おかしいかな?(Q.作ってみてどうですか?)いや~あんまり思いつかないというか」
「(T)楽しく(K)輝く(M)街(T)高松。難しかった。(Q.どういう活用の仕方がありそう?)SNS以外で何かあるかしら」
「ピアノとか音楽とか美術とかをすごい頑張っているイメージが(高松市に)あるので、それにつなげられたらいいですけどね……難しいですよね」
「難しい。あるかな?」

高松市は今後、新しいロゴマークを使ったポスターやステッカーなどの活用事例を示し、市民が使いやすい流れを作りたいとしています。

Q.市がいろいろな発信をしても、民間側からのレスポンス、活用例がなかなか出てこない可能性も考えられるが?
(高松市/大西秀人市長・2025年3月4日)
「今からやって、少しずつ積み重ねていくしかないと思っております」

専門家「市民が達成感を得られる仕組み作りが必要」
行政の広報やシティプロモーションに詳しい東海大学の河井孝仁客員教授によると、高松市が目指すようなロゴマークの活用に成功している自治体もあるといいます。

(東海大学文化社会学部/河井孝仁客員教授)
「先行事例としては宇都宮市。『住めば愉快だ宇都宮』というのがある」

栃木県宇都宮市が2009年に作ったロゴマークは「住めば」の部分を好きな言葉に変えたり色を変えたりして、民間企業などが自由に使えるようにしています。

現在約1,500団体が活用しています。

河井さんは、市民がロゴマークを使うことで、「達成感」を得られる仕組み作りが必要だと指摘します。

(東海大学文化社会学部/河井孝仁客員教授)
「例えばシティプロモーションの何らかの媒体に載せてあげるだけで、それを考えた市民の皆さんが『僕のTKMTがここに載っている!』『私の店が考えたTKMTがここに載っている』みたいな。市民や市外の人が作ったTKMTであふれています。みたいな形にできれば、高松市のシティプロモーションとしては大きな成功を収めるのではないか」

自治体のロゴマークは公募をしたり、複数の案から市民に投票してもらったりするケースが多いため、パブリックコメントでは「決め方」を問題視する意見もありました。

ロゴやブランドの浸透には時間がかかるため、「T」作って終わりではなく「K」活用することで「M」みんなの「T」宝にできるか、注目していきたいと思います。

 

個人的には、使う人がいるのだろうかと思いました。

ロゴを見て、何か高松市をイメージするものもありませんし、なぜ、この色なんでしょうね?

電通に1千万円近く支払うのであれば、公募の方が良かったのではないかと思いますね。

今後、インフルエンサーもそうですが、このロゴも支出と効果の検証をしてきちんと公表して欲しいと思います。

 

15年ぶりにロゴも刷新の高松市のシティプロモーションの狙いと課題について、あなたはどう思われましたか?


はなまるうどんの香川県への本社移転は再成長の起爆剤!

 

先日も書きましたが、日本経済新聞によると、吉野家ホールディングス(HD)傘下のうどんチェーン、はなまるが2025年1月1日付で本社を東京から創業の地である香川県高松市に移転しました。

20年ぶりにうどんの本場へ「Uターン」した狙いは何なのでしょうか?

前田良博社長に移転を決断した背景と今後の展開を聞いています。

――なぜ本社を高松市に戻したのですか。
「はなまるの創業は2000年5月。アパレルを経営していた創業者が、安くてうまい香川のうどん店をマクドナルドや吉野家のようなファストフードとして全国区にすることを目標に始めた。画一化したオペレーションでチェーン展開するという当時の外食産業の王道に従ってきた」
「ところが本場の香川では地元の店が色々なことに取り組み、独自の進化を遂げている。我々は金太郎あめのように画一であることがいいことだと思ってきたが、柔軟に変化し成長する地元の店をみて、本当の讃岐うどんの魅力は多様性にあると感じた。香川に身を戻し、地元から学んで、その楽しさを全国に発信したいと思った」

――本社所在地は高松市中心部の田町商店街にある「はなまるうどん田町店」ですが、まだ本社が移転した様子はありません。
「店舗が入るビルの3階をオフィスにする。2月末に改装を終え、エリアマネジャー、店長など4人が現地入りする。まず県内14店舗のうち5店舗を改装するが、プロジェクトの進捗次第で人員を増強する」

――前田社長は常駐しないのですか。
「月の半分以上は東京になると思うが、地元にいないとできないことは多い。月に1週間は高松で勤務したい」

――香川県内での展開を具体的に教えて下さい。
「今のはなまるうどんは特徴がない。改装する5店は手打ちうどんを提供したり香川名物の骨付鳥が食べられる居酒屋風にしたりと、店舗ごとにコンセプトを変えて県外客も訪れる店にしたい。第1弾は5〜6月の改装開店をめざす」
「県内14店舗は3月上旬から香川県産小麦『さぬきの夢』を配合した麺に切り替える。今はなくなった香川の名店の味を我々の店で復活させてみたいし、アスパラガスなど県産食材を使ったメニューの提供も考えたい」

――はなまるはセントラルキッチンで製造し、各店舗に配送するチェーン店です。香川県での取り組みを全国展開できるのでしょうか。
「本場さぬきうどん協同組合の香川隆昭理事長にお願いして、社員に手打ちうどんを学ばせている。そこで培ったノウハウを製麺工場に落とし込み、香川県と同じ品質を全国の店舗に広げる」

――本社移転も含め、香川発祥を強調しています。県外資本のトリドールホールディングスが運営する「丸亀製麺」を意識しているのですか。
「香川生まれのうどん店であることをお客さまにきちんと伝えてこなかった。我々自身も特徴が薄くなっていたという反省があった。今回、地元にも協力してもらえることになり、改めて香川と一緒にやっていきますとアピールしていこうと考えた」

――高松空港には「丸亀市にもある、本物の讃岐うどんです」など刺激的なコピーの広告を掲示しています。
「広告会社が考えてくれたコピーだが、事実なのでインパクトをあるものを選んだ。ただ、私自身には丸亀製麺への対抗意識はない」

――同じ2000年創業の丸亀製麺との業績格差が拡大しています。セントラルキッチン方式のはなまると、店内製麺の丸亀製麺というオペレーションの違いに起因するのでしょうか。
「安定したクオリティーの麺を安定した状態でいつでも提供できるようにするため、我々がとった戦略がセントラルキッチンだ。戦略の立て方に違いがあるのは事実だ」

――過去500店超だった店舗数は418店に減りました。今後の出店計画を教えて下さい。
「新型コロナウイルス禍を経て不採算店を整理したので、筋肉質な店が残っている。このプロジェクトは起爆剤の一つだが、もう一度成長させたい」
「27年までの中期目標で500店に増やし、店舗がゼロになった海外も再トライする。吉野家が実績のある国・地域は人もノウハウもインフラもあり、成功確率は高まるのではないか」

 

「私自身には丸亀製麺への対抗意識はない」というのは個人的には疑問であり、丸亀製麺が日本うどん協会に加盟したり、寄付を行ったり、香川県のうどん屋さんとイベントを行っていることや、すかいらーくホールディングスが資さんうどんを買収したため、今後は全国展開が予想されることなどに対して、焦りを感じているのではないかと思っています。

香川県発祥の会社であり、本社移転を機に、今後、どうやって香川県や讃岐うどんに貢献して、再成長を実現していくのか期待したいですね。

 

はなまるうどんの香川県への本社移転は再成長の起爆剤であることについて、あなたはどう思われましたか?


NEXCO西日本管内32か所の料金所がETC専用に!

 

瀬戸内海放送によると、NEXCO西日本は、2025年2月から3月にかけて、高速道路の料金所のうち32か所を新たにETC専用に変更します。

我が香川県では、高松道の引田、志度、高松東、高松檀紙の4つの料金所が、2025年2月27日からETC専用になります。

岡山県では、山陽道の和気、中国道の作東、岡山道の賀陽、米子道の湯原の4つの料金所が2025年2月20日からETC専用になります。

ETC車載器を搭載していないと料金所を通過できなくなるため、注意が必要です。

NEXCO西日本は料金所の手前に「ETC専用」と書いた標識を設置することにしています。

 

ETCはそのまま通過できるので便利ですし、値段も安くなりますし、カード払いゆえ後払いなので、付けないと損だとは思っています。

年間に、結構高速道路を使っていますが、時々、ETCではない出口にたくさんの車が並んでいる時がありますね。

25年前くらいに、初めてETCを付けたのですが、当時は助成金がもらえて、遠くに車で仕事に行っていたので、割引料金で1週間も経たない間にペイできたことを思い出しました。

ETC専用にすると、人件費が減るでしょうから、高速料金を下げて欲しいなぁとは思いますね。

 

NEXCO西日本管内32か所の料金所がETC専用になることについて、あなたはどう思われましたか?


長崎スタジアムシティに開業3か月で140万人も回遊模索!

 

日本経済新聞によると、2025年1月14日で開業から3か月を迎えたスポーツ競技場を中核とする大型複合施設・長崎スタジアムシティ(NSC、長崎県長崎市)が連日にぎわっているようです。

サッカーやバスケットボールの試合がない平日でも1日平均で約1万人を集客し、来場者数は延べ約140万人に達しました。

全国でも珍しい民間主導のまちづくりプロジェクトは市内への回遊拡大へ向けた次の一手を模索しています。

先日、バスケットボールB1の長崎ヴェルカが約6,000席のハピネスアリーナで横浜ビー・コルセアーズとの今年の初戦に臨みました。

10の飲食店が軒を連ねる「フードホール」は正午頃から来場者でごった返し、ラーメンや洋食など人気店は約30分待ちの状態で、空席を見つけるのが困難なほどでした。

サッカー場のピーススタジアムに設置した神社で参拝した長崎県佐世保市在住のカップルは「人の多さに驚いた。芝生を見ながらくつろぐのは気持ち良い」と話しています。

応援グッズを買い求めた京都在住の女性は「スタジアムを見たくて、姉妹の住む長崎で新年を過ごしている」と声を弾ませました。

NSCは元日から営業を開始し、初売りや抽選会、各種イベントを開いた三が日の来場者数は連日2万人を超えました。

NSCは通販大手のジャパネットホールディングス(HD、長崎県佐世保市)が総事業費約1,000億円をかけて取り組む民間主導の再開発プロジェクトです。

スポーツ施設に加えホテル、オフィス棟、商業施設などを併設しています。

ジャパネットHDによると、開業から2025年1月7日までの約3か月間の来場者数は約140万人に達しました。

スポーツの試合がある週末は2万〜3万人、平日も1万人前後で推移しています。

施設を運営管理するジャパネットHD傘下のリージョナルクリエーション長崎(長崎市)の岩下英樹社長は「魅力的な施設づくりのためにいろいろと仕掛けたことに対して、一定の実績が伴っている」と受け止めています。

「ここでしか味わえない体験」にこだわった設計が奏功しています。

試合のない日にスタジアムを一般開放していることで、平日も午前中から散歩に訪れる市民の姿が目立ちます。

「日本初」とされるスタジアム上空を滑走するジップラインは想定を超える人気ぶりで、休日はフル稼働です。

ハピネスアリーナを使ったイベントも好調です。

コンサートや家族連れ向けのイベント、大相撲巡業などいずれも盛況です。

日常的に利用する食品スーパーや温浴施設、学習塾を備えたことも集客に貢献しています。

人口約39万人の長崎市に誕生した新しい集客スポットは周辺地域の人の流れに影響を与えはじめました。

長崎大学情報データ科学部の神山剛准教授がNTTドコモの人流データ「モバイル空間統計」で分析したところ、繁華街の人流が減る一方で、NSCとその周辺の開発地域に滞在する人が急増する傾向が浮かび上がりました。

長崎市内の数カ所の繁華街や観光スポットをピックアップして、時間帯ごと500メートル四方のエリア人口を算出しました。

新型コロナウイルス禍の前の2019年12月とNSC開業後の2024年12月を比較すると、NSCが立地する「スタジアムシティノース電停」エリアでは平日の正午の人出が5年間で936人、37%増えていました。

一方、百貨店の長崎浜屋などがある伝統的な商業集積地の「浜町・新地中華街」は同時刻に1,681人減りました。

減少率は15%に達します。

神山准教授は繁華街の人流減少について「2021年以降の駅周辺の再開発に加えて集客力の高いNSCの開業が影響しているのではないか」と分析しています。

長崎商工会議所の森拓二郎会頭も先日開いた会合で「スタジアムシティや駅周辺、臨海部が活況を呈する一方で、浜町を中心とする市街の空洞化が懸念される」と指摘しています。

施設運営の目標に地域創生を掲げるジャパネットHDの高田旭人社長兼最高経営責任者(CEO)は「生活をより豊かにすることで長崎全体が活性化され、ワクワクであふれるプロジェクトを目指す」と話しています。

リージョナル社の岩下社長も「来場者を最大限街中に送り出したい。集客した人をNSCにとどめておく理由はない」と力を込めています。

NSCに約3万人が集まった大型イベントの開催日に市内各地の人流を分析した神山准教授は「今のところ来場者がイベント前後の時間に市内を回遊する現象は確認できていない」と話しています。

新施設への集客維持と長崎市の魅力アップへ向けた取り組みが求められます。

 

ネットなどでNSCの映像を見ましたが、海沿いに建っていて、すごいですね。

人気があるのが分かります。

ジャパネットHDはさすがだなぁと思います。

人口的に長崎市に近い我が香川県高松市も今年、サンポート高松にアリーナや大学ができ、今後も、高級なホテルができ、人が増えると予想されていますが、少し離れた繁華街や商店街に人が流れるかが重要だと思っています。

長崎市や高松市が地方活性化の成功例になるといいなぁと考えています。

 

長崎スタジアムシティに開業3か月で140万人も回遊模索について、あなたはどう思われましたか?


はなまるうどんが香川県高松市に本社を移転し原点回帰して「さぬきうどん」を全国へ発信!

 

瀬戸内海放送によると、さぬきうどんチェーンのはなまるうどんは、先日、2025年1月から発祥の地である香川県高松市へ本社を移転したと発表しました。

はなまるうどんは2000年創業です。

セルフ式のさぬきうどんチェーンの先駆けとして急成長し、2002年に東京・渋谷の公園通りに直営店をオープン、2011年には上海に中国1号店をオープンさせました。

2024年2月現在、全国に418店舗を展開しています。

25年目を迎え、顧客ニーズの変化を捉え直し、地元・香川県に本社を戻して原点回帰し、地産地消の促進や、小麦粉「さぬきの夢」の使用など、「香川発」を意識した商品提供を行うということです。

1号店の高松・木太店など県内の複数店舗を全面改修し、新メニューの開発も行うということです。

 

はなまるうどん(法人名は株式会社はなまる)は吉野家ディー・アンド・シー(現吉野家ホールディングス)と資本業務提携を締結した後に、東京に本社を移し、その後、連結子会社となりましたが、再び、本社を我が香川県高松市に移すんですね。

上記ニュースでは、原点回帰と書いていますが、個人的には、何となく、昨年、すかいらーくホールディングスが資さんうどんを買収し、今後、全国展開していくはずなので、それに対抗することを考えているんでしょうね。

ちなみに、上記ニュースに出てくる『1号店の高松・木太店』は我が事務所のお隣りです。

約25年間で2回しか行ったことはないですが(笑)。

 

はなまるうどんが香川県高松市に本社を移転し原点回帰して「さぬきうどん」を全国へ発信することについて、あなたはどう思われましたか?


瀬戸内国際芸術祭にも船員不足の壁で直島ラインが運航を断念!

 

日本経済新聞によると、2025年4月に開幕する瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)が船員不足の壁に直面しています。

ジャンボフェリー(兵庫県神戸市)は、人気会場がある香川県の島々を結ぶ臨時航路「直島ライン」の運航を断念しました。

来場者の回遊に影響しそうです。

直島ラインは3年に1度の瀬戸芸の開催期間に、香川県内の小豆島の坂手港(小豆島町)と土庄東港(土庄町)、直島(直島町)の直島港、男木島(高松市)、大島(高松市)を結ぶ臨時航路です。

どの島も高松港(高松市)とは定期航路で結ばれていますが、島と島とは結ばれていないのです。

直島ラインを利用すれば島から島へと移動できるため、島々に点在するアート作品を効率良く観賞できる移動手段でした。

ジャンボフェリーは、直島ラインの運航を断念した理由に船員不足と採算性の問題を挙げています。

内航海運はトラック運転手の残業規制強化に伴い物流の停滞が懸念される「2024年問題」より前の2022〜2023年にかけて船員の残業規制が厳格化されました。

船員の高齢化も進み、「船員確保が非常に難しい状況」(同社)だそうです。

運航日もゴールデンウイークと盆休みを除き、土曜日と日曜日だけで、採算が取れるだけの乗客がいませんでした。

直島ラインの問題は、2024年10月17日の瀬戸芸実行委員会総会でも懸念の声が上がりました。

高松市の大西秀人市長は「臨時航路の存在は非常に大きかった。調整にできるだけのご努力をいただきたい」と要望しました。

香川県の池田豊人知事は「引き続き努力したい」と答えましたが、ジャンボフェリーはすでにホームページで「25年は運航いたしません」と告知しており、調整は難しい情勢です。

実行委員会は前回(2022年)同様の航路確保をめざし、フェリー会社に臨時航路の運航を要請してきました。

粟島(三豊市)と高見島(多度津町)、本島(丸亀市)の3島間、小豆島の土庄港(土庄町)と犬島(岡山市)間、土庄港と直島の宮浦港間、岡山市中心部の京橋と犬島、豊島(土庄町)間の4つの臨時航路は「運航の確約を得ている」(実行委員会)そうです。

新型コロナウイルス下での開催となった2022年は来場者が前回より4割減りましたが、2025年は国際博覧会(大阪・関西万博)とも開催時期が重なり、相乗効果で多くの来場が見込まれます。

移動が不便になることで見られるアートの数が減れば、来場者の満足度の低下は避けられないでしょう。

アクセス対策が求められます。

 

ここでも人手不足が影響かと思ってしまいましたが、香川県にとって、瀬戸芸は重要なイベントですので、残念です。

これだけインバウンド需要で観光客の方が増えているので、採算についてはやり方によっては何とかなるかもしれませんが、人手不足は簡単な話しではないですね。

一方で、不便さも地方の特徴であり、それを受け入れてほしいと思いますし、その分、滞在日数を増やしていただければいいのになぁと、香川県人としては思います。

 

瀬戸内国際芸術祭にも船員不足の壁で直島ラインが運航を断念したことについて、あなたはどう思われましたか?


チョコザップ会員は高校生が多いのは福井でコスパ重視は島根!

 

日本経済新聞によると、RIZAPグループが運営するコンビニエンスジム「チョコザップ」の顧客データから見た県民性を前回掲載したところ、社内外含め「おらが町」への関心が高いことがわかったようです。

なので、今回は分析はほどほどに、できるだけ都道府県が露出できる内容としています。

チョコザップといえば、筋トレ以上に脱毛、ネイル、ホワイトニングなどセルフ美容サービスへの関心が高くなっています。

今回の調査での美容好き男子ランキングの1位が、沖縄です。

RIZAPによると「南国で日差しが強く、肌への関心が高い。来訪者が多い観光地なので見た目に気を使っているのでは」と見ています。

2位以下は、青森、鳥取、島根が続きます。

上位を見ると地方都市が目立ち、東京や大阪、神奈川など大都市部は下位となりました。

地方には男性向け美容サービスの企業が少なく、手軽に利用できるチョコザップで試してみるケースが多いのでしょう。

ちなみに、チョコザップ利用が多い高校生ランキングでは、福井が2.46%と首位となりました。

高校生がチョコザップを利用する場合、セルフ美容が多いようです。

県民博士の木原誠太郎氏は、「(今どきの)高校生は自己成長への意欲が旺盛で、セルフケアは自己投資の積極性を映している」と見ています。

2位以下は、宮崎、奈良と続きました。

将来性を買うなら、自己投資を重んじる地域の出身者が有望ということでしょうか。

保証はしませんが。

今回の調査は、生活スタイルについての分析も多くなっています。

夜型タイプ(午後11時〜午前2時台の利用率)は、美容男子部門に続き、沖縄がトップでした。

「夜遅くまで(飲食などが)続くにぎやかな文化で、夜間の活動が多い」(木原氏)ためで、2位は東京です。

これは眠らない街らしく、必然的な結果でしょう。

3位以下は宮崎、熊本、石川、愛媛と続きます。

温暖な気候の南国、あるいは繁華街が発達した金沢を持つ石川らしいかもしれません。

逆に朝型(午前4時〜7時台)はどうでしょうか?

1位は秋田で、なんとも農業県らしい感じです。

朝活系は夜に弱い東北など北国が上位を占め、朝の来館率が低いのは四国や九州、本州西部となっています。

RIZAPでは「日の出の早さと早朝来館率には相関関係がある」と推測しています。

 

面白いのは2位で「夜型3位」の宮崎です。

朝活も夜活も上位なだけに、一日中行動が活発な地域であることが浮き彫りになっています。

最後に、近年はやりのコスパ(コストパフォーマンス)&タイパ(タイムパフォーマンス)はどうでしょうか?

コスパランキングはジム内の清掃や備品の補充を手伝ってもらい、月間の料金が最大2千円安くなる特典利用者の割合で算出しています。

1位は島根で、木原氏によると「伝統を重んじ、地域への愛着が強い」との見立てです。

自分の利用する店はきれいにして、しかも割安になります。

実にしっかり者が多いです。

ちなみに、2位以下は兵庫、大阪、奈良が続きます。

価格に敏感な関西が多いのは誰もがうなずくことでしょう。

タイパは平均利用時間の短い地域で、やはり通勤時間が長く、忙しそうな東京は1位でした。

ちなみに、2位は、無酸素運動という短時間型の筋トレで1位だった和歌山です。

日本経済新聞社の和歌山出身者によると、「せっかちだからですかね」と自己分析していたようです。

デジタル化でさらに情報共有が高まり、ますます「狭くなる」日本ですが、違いを大きいと見るか、小さいと見るか、このビジネスセンスが結果にコミットするかもしれないですね。

 

今回も面白い分析でしたね。

朝方は、仕事前にジムに行ったりする東京が多いのかと思いましたが、東北とかでしたね。

関西が、コスパに敏感なのは納得でした。

やはり、データ分析は大事で、地域に応じたビジネスに繋がる可能性があるなぁと思いました。

 

チョコザップ会員は高校生が多いのは福井でコスパ重視は島根であることについて、あなたはどう思われましたか?


チョコザップ会員は高校生が多いのは福井でコスパ重視は島根!

 

日本経済新聞によると、RIZAPグループが運営するコンビニエンスジム「チョコザップ」の顧客データから見た県民性を前回掲載したところ、社内外含め「おらが町」への関心が高いことがわかったようです。

なので、今回は分析はほどほどに、できるだけ都道府県が露出できる内容としています。

チョコザップといえば、筋トレ以上に脱毛、ネイル、ホワイトニングなどセルフ美容サービスへの関心が高くなっています。

今回の調査での美容好き男子ランキングの1位が、沖縄です。

RIZAPによると「南国で日差しが強く、肌への関心が高い。来訪者が多い観光地なので見た目に気を使っているのでは」と見ています。

2位以下は、青森、鳥取、島根が続きます。

上位を見ると地方都市が目立ち、東京や大阪、神奈川など大都市部は下位となりました。

地方には男性向け美容サービスの企業が少なく、手軽に利用できるチョコザップで試してみるケースが多いのでしょう。

ちなみに、チョコザップ利用が多い高校生ランキングでは、福井が2.46%と首位となりました。

高校生がチョコザップを利用する場合、セルフ美容が多いようです。

県民博士の木原誠太郎氏は、「(今どきの)高校生は自己成長への意欲が旺盛で、セルフケアは自己投資の積極性を映している」と見ています。

2位以下は、宮崎、奈良と続きました。

将来性を買うなら、自己投資を重んじる地域の出身者が有望ということでしょうか。

保証はしませんが。

今回の調査は、生活スタイルについての分析も多くなっています。

夜型タイプ(午後11時〜午前2時台の利用率)は、美容男子部門に続き、沖縄がトップでした。

「夜遅くまで(飲食などが)続くにぎやかな文化で、夜間の活動が多い」(木原氏)ためで、2位は東京です。

これは眠らない街らしく、必然的な結果でしょう。

3位以下は宮崎、熊本、石川、愛媛と続きます。

温暖な気候の南国、あるいは繁華街が発達した金沢を持つ石川らしいかもしれません。

逆に朝型(午前4時〜7時台)はどうでしょうか?

1位は秋田で、なんとも農業県らしい感じです。

朝活系は夜に弱い東北など北国が上位を占め、朝の来館率が低いのは四国や九州、本州西部となっています。

RIZAPでは「日の出の早さと早朝来館率には相関関係がある」と推測しています。

 

面白いのは2位で「夜型3位」の宮崎です。

朝活も夜活も上位なだけに、一日中行動が活発な地域であることが浮き彫りになっています。

最後に、近年はやりのコスパ(コストパフォーマンス)&タイパ(タイムパフォーマンス)はどうでしょうか?

コスパランキングはジム内の清掃や備品の補充を手伝ってもらい、月間の料金が最大2千円安くなる特典利用者の割合で算出しています。

1位は島根で、木原氏によると「伝統を重んじ、地域への愛着が強い」との見立てです。

自分の利用する店はきれいにして、しかも割安になります。

実にしっかり者が多いです。

ちなみに、2位以下は兵庫、大阪、奈良が続きます。

価格に敏感な関西が多いのは誰もがうなずくことでしょう。

タイパは平均利用時間の短い地域で、やはり通勤時間が長く、忙しそうな東京は1位でした。

ちなみに、2位は、無酸素運動という短時間型の筋トレで1位だった和歌山です。

日本経済新聞社の和歌山出身者によると、「せっかちだからですかね」と自己分析していたようです。

デジタル化でさらに情報共有が高まり、ますます「狭くなる」日本ですが、違いを大きいと見るか、小さいと見るか、このビジネスセンスが結果にコミットするかもしれないですね。

 

今回も面白い分析でしたね。

朝方は、仕事前にジムに行ったりする東京が多いのかと思いましたが、東北とかでしたね。

関西が、コスパに敏感なのは納得でした。

やはり、データ分析は大事で、地域に応じたビジネスに繋がる可能性があるなぁと思いました。

 

チョコザップ会員は高校生が多いのは福井でコスパ重視は島根であることについて、あなたはどう思われましたか?


チョコザップから見た県民性によると「筋トレ好き」1位は和歌山県で「減量」は佐賀県!

 

日本経済新聞によると、人口が減っていると言われても、日本の地域性はやはり根強く残っています。

地元テレビ局や地元紙といった独自メディアの影響もあるでしょうが、それだけではありません。

グローバル化が叫ばれる中で、「自分たちは何者なのか」を問うローカリズムも同時に強まるからです。

RIZAPグループが運営する低価格のコンビニジム「チョコザップ」は約2年で47都道府県に進出して、130万人近い会員を集めました。

時折トラブルも起きるチョコザップですが、安全性や無人化などへのデジタル投資に積極的で、100万人規模の行動データを蓄えています。

そこで「利用動向に地域差はあるのか」と尋ねると、ちょうど都道府県の県民性を調査し、分析していたようです。

一端を聞くと意外なデータも多く、それぞれの地域の独自性を実感します。

「チョコザップ版、県民ショー」をどうぞ。

まずは、ジムの柱である筋トレランキングです。

全マシンの利用時間における無酸素運動マシンの利用時間の割合を分析すると、利用率1位の「筋トレ好き」はなぜか和歌山県でした。

RIZAPでは県民博士として活躍中のディグラム・ラボ(東京都港区)代表の木原誠太郎氏の考察をベースにして、理由も挙げています。

すると、和歌山県は「自然豊かな環境で育ち、体を動かすことが生活の一部になっている、そして自分をしっかり持っている県民性。このため自らの限界に挑戦し、達成感を味わうことを重視した結果ではないか」(木原氏)とのことです。

和歌山県は熊野古道もあるし、野球も強いので、ちょこっと納得できます。

ちなみに、最下位は我が香川県(うどん県)でした。

 

ここでも面白いデータが見つかっています。

筋トレ最下位の我が香川県は走ったり、歩いたりする有酸素運動のランキングでは1位なのです。

木原氏の分析では「香川県民は効率的に健康を維持することを好む性格で、環境も整っているから」とみています。

マッチョな和歌山、持久力を好む我が香川という対照的な結果でした。

チョコザップの利用者は体組成計やヘルスウオッチ、アプリを使い、体組成や運動量を記録できます。

そこでまめに記録する都道府県を調べてみると、このランキングでは岩手県が1位でした。

「忍耐強く、厳しい自然環境の中で計画的な生活が求められていた。農業や林業が盛んで、作業の細かい記録が不可欠。きちょうめんでデータ管理にたけている」(同氏)との分析です。

ちなみに上位5件のうち、なんと4県が東北でした。

「東北人は粘り強い」というステレオタイプな表現があるが、チョコザップのデータでは証明されたわけです。

「減量にコミット」をテーマとしたランキングもあります。

一定の調査期間で2キロ以上、体重を減らした人の割合をみると、佐賀県が1位でした。

SAGAさが。

タレントのはなわさんの人気曲「佐賀県」には牛丼屋ができたのが遅いという歌詞があります。

もしかして、がっつり食が苦手だからでしょうか?

木原氏の分析では、佐賀県民は「落ち着いて控えめ。地道に努力することを好む」という性格らしく、「地元の健康的な食文化も影響」とあります。

まだまだ興味深いデータもあるので、後編は後日取り上げます。

オチと新しい意外なデータをサガします。

 

面白い記事だと思いました。

こういう分析にビッグデータを使うのは良いことだと思いますね。

我が香川県(うどん県)は、走ったり、歩いたりする有酸素運動のランキングでは1位なのに、筋トレは最下位ということには、驚きました。

お金があまりかからない、散歩をする人が多いのかもしれませんね。

久しぶりに県民性に関する面白い記事を見たように思いますが、個人的には、昔、仕事で、不良債権の発生と県民性の関係を真剣に考えていたことを思い出しました。

後編が楽しみです。

 

チョコザップから見た県民性によると「筋トレ好き」1位は和歌山県で「減量」は佐賀県であることについて、あなたはどう思われましたか?


香川県の地価調査は全用途平均が32年連続下落も下落幅は前年より減少で住宅地は二極化の傾向!

 

瀬戸内海放送によると、不動産取引の目安となる地価調査の結果が発表されました。

香川県では、全ての用途の平均変動率が32年連続下落も、下落幅は前年より減少しています。

香川県の地価の平均変動率は「住宅地」が-0.4%、「商業地」が-0.2%でした。

「全ての平均」は-0.3%で32年連続の下落ですが、下落の幅は2023年より小さくなっています。

住宅地で最も高かったのは、「高松市番町3丁目」の1平方メートル当たり28万9,000円です。

生活利便性に優れた高級住宅地で、2023年より4.3%上がりました。

住宅地は123地点のうち25地点の地価が上がり、2024年は丸亀市と三豊市でも上昇地点がありました。

しかしながら、東かがわ市など下落の幅が拡大した地点もあり、二極化の傾向が表れています。

商業地で最も高かったのは、「高松市磨屋町2番」の1平方メートル当たり46万5,000円です。

2023年より3.3%上がりました。

調査した不動産鑑定士は「香川県内の景気は持ち直し、高松市や直島町の地価は上昇傾向にある。しかし、金利の上昇や建設費が高騰していて今後の動向は不透明」とコメントしています。

 

下げ幅は下がってきていますが、二極化が進んでいますね。

相続税対策や相続税申告のお仕事をさせていただいているので、不動産をお持ちになられている方と接することも多いですが、昔は田んぼばっかりだったのに、お店ができたことなどにより賃貸収入が発生するようになり、評価が高くなった土地をお持ちの方、田んぼや家が建たないような宅地をお持ちの方や、いらない土地が収用になった方など様々な方がおられますので、不動産って難しいなぁと常日頃感じています。

 

香川県の地価調査は全用途平均が32年連続下落も下落幅は前年より減少で住宅地は二極化の傾向になることについて、どう思われましたか?


シャープ三重工場の一部を半導体関連に転用することで香川県の企業と合意!

 

大手電機メーカーの「シャープ」は、中小型の液晶パネルを生産している三重工場の一部について、半導体関連の生産ラインに転用することで香川県の電子部品メーカーと合意したことを明らかにしました。

発表によると、シャープは中小型の液晶パネルを生産していた三重県多気町の三重第1工場の活用について、香川県に本社がある電子部品メーカーの「アオイ電子」と合意しました。

液晶パネル事業の不振を受けてシャープは、大阪府堺市にある子会社の工場での大型液晶パネルの生産停止に加え、三重工場などでの中小型の液晶パネルの生産縮小を決めていて、今回は工場の敷地を有効利用したいシャープ側と、既存の工場を活用することで早期に生産ラインを構築したいアオイ側の思惑が一致した形です。

アオイ電子は、2024年中に半導体を製品化するラインの構築に着手し、2026年中の本格稼働を目指すとしていて、工場を買い取るかどうかを今後、シャープ側と詰めるとしています。

シャープは大型液晶パネルの生産停止を決めた大阪府堺市の工場について、AI向けのデータセンターとして整備する方向でKDDIやソフトバンクと検討を進めるなど、自社工場の転用を加速させています。

シャープは海外企業の傘下になり、どう立て直すのだろうかと思っていましたが、やっぱり無理でしたね。

世界の亀山工場と言われ、すごいブランド力のあったシャープですが、ブランド力というものも一瞬にしてなくなってしまいますね。

工場を建てるのは結構資金が必要でしょうから、こういう案件だと安く買えるでしょうから、半導体は難しいのかもしれませんが、我が香川県の『アオイ電子』には頑張って欲しいですね。

シャープ三重工場の一部を半導体関連に転用することで香川県の企業と合意したことについて、あなたはどう思われましたか?


4省庁次官に出身者抜てきで霞が関に「讃岐」旋風?

 

日本経済新聞によると、霞が関の夏の風物詩となっている各省庁の幹部人事が出そろいました。

行政機関の事務方のトップである事務次官に香川県出身者が相次ぎ抜てきされました。

財務省、総務省、厚生労働省、農林水産省の4省庁です。

そもそも香川県は中央官庁の出先機関が集積し、つながりは強いです。

総務省の四国総合通信局は愛媛県松山市に拠点を置きますが、ほとんどの省庁が香川県高松市に四国の出先機関を設けています。

四国一を争うライバル関係にある松山市との比較で引き合いに出されることも多いです。

今回の次官人事は、地元の新聞社やテレビ局でも報じられました。

香川に四国の出先拠点が多いのは企業も同じです。

厚生労働省の伊原和人次官は高松市出身ですが、転勤が多かった父親の影響で仙台市や名古屋市へと引っ越しが続きました。

農林水産省の渡辺毅次官は父親も香川出身で旧食品流通局長を務め、親子2代続けての農水官僚です。

財務省の新川浩嗣次官は、地元高校の財務教育の授業でオンライン講師として登壇するなど現在も香川県との関わりを保っています。

四国財務局内でも、香川県のことをよく知る次官就任を歓迎する声があがっているようです。

次官のなかでも異色の経歴を持つのが総務省の竹内芳明次官です。

高松高専(現香川高専)を経て東北大に入学し技官として旧郵政省に入いりました。

技官出身者が次官に就くのは2001年の総務省発足以来初めてで、先日の交代式では「内閣全体の課題に貢献できる総務省になるよう力を尽くす」と意気込みました。

中央省庁とのつながりから歴代の香川県知事も官僚出身者が多いです。

それぞれが出身省庁での知見を生かした政策を打ち出してきました。

農水官僚出身で前々任の真鍋武紀元知事は香川県の代名詞である讃岐うどんに使う小麦の専用品種の育成に注力しました。

浜田恵造前知事は財務官僚として培った根回し力で瀬戸内国際芸術祭を開催し、国内外から観光客が集まる一大イベントに押し上げました。

元国交官僚で現職の池田豊人知事は香川県民悲願の四国新幹線の実現を打ち出しています。

池田香川県知事がまだ1期目の半ばで時期尚早ですが、香川県出身の次官が4人も誕生し、中央省庁とのパイプ役が期待できる「知事候補」は豊富になりました。

ただし、政府の出先機関の職員も通う地元の郷土料理店の店主に今回の次官人事について尋ねると「知らなかった」と認知度はまだいまひとつといったところだそうです。

4人の次官が胸を張って故郷に凱旋するには、成果で存在感を発揮する必要がありそうです。

 

我が香川県から、事務次官が4名も抜てきされたというのは、驚きました。

この人事が、香川県にとって良い方向に向かえば良いなぁと思います。

この記事の、『香川県民悲願の四国新幹線の実現』というところは、本当にそうなのだろうか?(反対の人の方が多いのではないのだろうか?)と疑問に思いましたが。

 

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香川県が整備した観音寺市の工業用地に東京の会社が工場建設へ!

 

KSBによると、香川県が整備した観音寺市の工業用地に、東京の建設会社が工場を造ることが決まったようです。

香川県庁で、先日、協定の締結式が開かれ、東京に本社を置く建設業「フジタ」の奥村洋治社長と、香川県の池田知事、観音寺市の佐伯市長が協定書にサインをしました。

用地は、香川県が2023年、観音寺港を埋め立てて整備した分譲地の約7万平方メートルの区画です。

ここに、フジタの子会社のテクノマテリアル(本社・東京)がコンクリート製の床や柱などを製造する「プレキャストコンクリート工場」を3年後に操業する予定です。

(フジタ/奥村洋治 社長)
「(西日本)全部カバーできる好立地になっていますので四国のあの場所が大変いい場所だった」

協定には、できる限り工場で使う部材を地元で調達したり、地元から従業員を雇用したりすることが盛り込まれています。

池田知事の就任後、県の工業用地に県外の大型工場の立地が決まったのは初めてです。

 

固定資産税の減免とかはあるのでしょうが、県外の企業が進出して、地域の活性化につながるのであれば、良いことだと思います。

まぁ、過去には県内の工業団地で、驚くほど土地の賃料が安く、批判を受け、土地を買い取ってもらっているところがあるようですが、税金を使って、無駄なことはしないようにはしてほしいですね。

あと、話は変わりますが、地下道があって、自動車がスムーズに進めている中央公園の所の番町交差点に横断歩道を作るようなことが新聞に載っていましたが、作る必要性はあるのだろうかと疑問を持っています。

 

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東京国税局が旅館改修で水増しして消費税を不正還付未遂の社長らを告発!

時事通信によると、神奈川県箱根町にある旅館の改装工事で、消費税約2,900万円の還付を不正に受けようとしたとして、東京国税局査察部が消費税法違反などの容疑で、不動産会社(神奈川県箱根町)と不動産会社社長(54)を横浜地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

告発は2024年11月27日付です。

関係者によると、不動産会社社長は2022年12月~2023年11月、不動産会社が箱根町に所有する3旅館の改修工事代金を水増しして過大に計上しました。

水増しした分の消費税と地方消費税計約2,900万円の還付を不正に受けようとした疑いが持たれています。

実際の工事代金は3旅館で計約3億3,000万円でしたが、建設業者に虚偽の請求書などを作成させて計約6億6,330万円に代金を水増ししていました。

不動産会社社長が代表を務め、3旅館を運営する会社は取材に対し、「捜査中のため回答を差し控える」とコメントしたようです。

本当に、最近、安易な架空経費の計上による脱税事件が多いですね。

それだけ、儲かっている会社が多くなってきているということだとは思いますが、脱税は犯罪です。

特に、消費税の不正還付は、支払ってもいない消費税を国から返してもらうわけですから、詐欺です。

いつも思いますが、消費税の還付は厳しいので、金額が大きくなると反面(架空経費の相手先)の調査もしているのではないかと思いますが、こっちの架空経費の計上は、あっちでは架空売上の計上になりますので、税額が増えるはずです。

代金をとりあえず支払ってもらうとしても、後から戻すときに処理に困ると思いますが、どうやっているんでしょうね。

ここでもまた架空経費の計上が行われているとなると、架空経費のループに陥ってしまい、芋づる式に発覚してしまうのではないかと思います。

東京国税局が旅館改修で水増しして消費税を不正還付未遂の社長らを告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


東京地検特捜部が消費税不正還付容疑で東京都世田谷区の会社役員を逮捕!

共同通信によると、東京地検特捜部は、先日、消費税計約7,200万円の不正還付を受けたなどとして、消費税法違反容疑で、東京都世田谷区の会社役員(53)を逮捕しました。

逮捕容疑は2020年~20023年、会社役員が代表を務める宮城、石川両県などにある不動産賃貸会社4社の業務に関し、金地金売買を仮装し、架空の課税仕入れを計上するなどして消費税約7,200万円の不正還付を受けたほか、他の3社についても同様の手口で約8,800万円の還付を受けようとした疑いです。

消費税の還付は、このような不正還付事件が多いこともあり、課税当局も書類の提出を求めたり、税務調査に入ったうえで行われることが多いのは、周知の事実だと思いますが、安易にやられる方もまだまだいらっしゃるんですね。

架空取引の計上による消費税の還付は、法人税などが少なくなるだけではなく、支払ってもいない消費税を還付してもらうというかなり悪質なスキームですので、本当になくなって欲しいと思います。

東京地検特捜部が消費税不正還付容疑で東京都世田谷区の会社役員を逮捕したことについて、あなたはどう思われましたか?


東京国税局が消費税無申告のオンラインゲームの海外法人に「電光石火」で18億円追徴課税!

読売新聞によると、オンラインゲームを日本国内に配信するなどしていた香港法人が、東京国税局から2022年までの3年間で消費税計約18億円を追徴課税されていたことが関係者の話でわかったようです。

同社は税務調査に非協力的で、納税の見込みもなかったことから、東京国税局は本来の納付期限を前倒しする「繰り上げ請求」を行い、国内にある同社の財産を早期に差し押さえたようです。

海外法人に対しては税務調査が難しいだけではなく、国税当局が追徴課税をしても自主的に納めない場合、税の徴収は容易ではありません。

今回は東京国税局が徴収制度を駆使し、財産が海外に散逸する前に迅速な差し押さえに成功した形です。

今後、差し押さえた財産から消費税が徴収される見通しです。

関係者によると、追徴課税されたのは、2017年頃に設立された香港法人で、ゲームなどの開発を行うグループの主要会社です。

日本を含めた世界各国にゲームを配信し、利益を得ていたようです。

消費税は海外事業者によるサービスも含め、日本国内での取引が課税対象となります。

しかしながら、東京国税局が調べたところ、同社は、日本の利用者がアイテムを購入するなどしてゲーム内で課金された場合にかかる消費税を申告していなかったことが判明しました。

その額は計約15億円で、東京国税局は無申告加算税を含む計約18億円を追徴課税しました。

同社は税務調査に非協力的で、日本国内の「納税管理人」も定めていなかったことから、同国税局は自主的に納税する見込みがないと判断し、繰り上げ請求を実施しました。

前倒しされた期限が過ぎても同社は納税せず、東京国税局は、同社が日本子会社(東京都港区)に対して保有していた約15億円の売掛債権(将来、代金を受け取る権利)を財産として差し押さえたそうです。

追徴課税から財産の差し押さえまでは通常、1か月以上を要しますが、今回は繰り上げ請求によって10日程度で完了しました。

日本子会社から香港法人へ代金が支払われてしまうと、税にあてるべき財産が海外に散逸する恐れがあることから、東京国税局は差し押さえを急いだとみられます。

読売新聞は香港法人に追徴課税の事実などをメールで尋ねましたが、返答はなかったそうです。

日本子会社の担当者は「取材はお断りしている」と回答しました。

<繰り上げ請求>

国税通則法で定められた手続き。

納付期限までに税の完納が見込めないという「主観的要件」に加え、海外企業が国税当局との窓口となる「納税管理人」を定めていないなどの「客観的要件」を満たす場合、税務署長は期限を繰り上げて納税を求めることができます。

国税庁によると、2024年6月までの1年間に全国で259回、実施されました。

『繰り上げ請求』というものを恥ずかしながら知りませんでしたが、東京国税局も頑張っていますね。

悪質なところからは、きっちりと取って欲しいと思います。

東京国税局が消費税無申告のオンラインゲームの海外法人に「電光石火」で18億円追徴課税したことについて、あなたはどう思われましたか?


過大に消費税の還付受けた疑いで「ファーマライズ」に追徴課税!

NHKによると、全国で調剤薬局を展開する「ファーマライズ」が卸売り業者から医薬品を仕入れて別のグループ会社に販売する形を取り、消費税の計算上、仕入れの際の税額を多くすることで過大に消費税の還付を受けていたとして東京国税局から3億円余りを追徴課税されていたことが関係者への取材で分かりました。

追徴課税を受けたのは、全国でおよそ200店舗の調剤薬局を展開する東京都中野区に本社がある「ファーマライズ」です。

関係者によると、「ファーマライズ」は卸売り業者から医薬品を仕入れて別のグループ会社に販売する形を取り、消費税の計算上、仕入れにかかった税額を多くすることで還付される消費税があるとして税務申告をしていました。

しかし、一部の医薬品について、グループ会社が直接発注したり、「ファーマライズ」を経由せずに配送されたりしていて、東京国税局は「ファーマライズ」が仕入れていたとは言えず実際より多く消費税が還付されていたと判断したということです。

東京国税局は2023年5月までの3年間で過大に還付された消費税と過少申告加算税を含めて、3億3,000万円余りを追徴課税しました。

親会社の「ファーマライズホールディングス」は、「東京国税局との間で一部見解の相違はあるものの税務上はその見解に基づいて計算し連結損益計算書に反映を見込んでいる」としています。

きちんと証明できれば否認されることはないと思いますので、このケースで見解の相違があるのかどうかは個人的に疑問ですが、意図的にやっているのであれば悪質なように思います。

仕入れてもいないものを仕入れたことにして、決算時には在庫として計上して、期をまたいでからグループ会社に販売したことにすれば、消費税の支払いを実質的に先送り(もしくは還付)できますので。

過大に消費税の還付受けた疑いで「ファーマライズ」に追徴課税が行われたことについて、あなたはどう思われましたか?


消費税申告ミスで8億円追徴のエンビプロ子会社は「承服できず」不服申し立て!

朝日新聞によると、東証プライム上場企業「エンビプロ・ホールディングス」の子会社で、リサイクル資源会社「NEWSCON(ニュースコン)」(東京都中央区)が東京国税局の税務調査を受け、輸出免税取引をめぐる消費税の還付申告に誤りがあったとして、2023年までの3年間で約8億円の追徴課税(更正処分)を受けたことが関係者への取材でわかったようです。

エンビプロ社は「承服できず、国税不服審判所に不服申し立てをした」としています。

関係者によると、NEWSCONは主な輸出品である製鋼原料などのリサイクル資源に加え、中国で需要が高まった雑貨などを含めて、輸出免税の適用を受けるために申告していました。

しかしながら、東京国税局は、雑貨など約70億円分の商品については、実際の輸出元は同社ではなく仕入れ先の業者だったとして、輸出免税を認めず、2024年7月に追徴課税をしたようです。

事業者は、売上時に受け取った税額から、仕入れ時に支払った消費税額を差し引き、納税します。

輸出による売り上げは免税のため、仕入れ時の税額を還付申告できます。

輸出免税はなかなか難しいですね。

争って、白黒はっきりさせて欲しいですね。

今後どうなるかウォッチしていきたいと思います。

消費税申告ミスで8億円追徴のエンビプロ子会社は「承服できず」不服申し立てを行ったことについて、あなたはどう思われましたか?


渡航者の免税品不所持の消費税の課税漏れが3億円超!

時事通信によると、海外からの渡航者が購入した免税品を出国時に所持していない場合に、消費税が適切に課税されているかを会計検査院が調べたところ、成田、羽田両空港の税関で2022年度、計約3億3,900万円が課税漏れとなっていたことが、先日、分かったようです。

税関は、渡航者が日本国内で購入した免税品を出国時に所持せず、輸出も確認されない場合、国内で消費したと見なして消費税を課税します。

購入総額が1億円を超えるケースでは、渡航者の搭乗時に書面か口頭で課税を通知します。

会計検査院は2022~2023年度、税関が渡航者の購入額計約647億600万円について適切に課税されたかを調査しました。

両空港の税関で2022年度、9人が購入した高級腕時計など計約33億9,800万円分の消費税約3億3,900万円が課税漏れでした。

書面作成の時間が足りなかったことなどにより、渡航者の搭乗時刻までに通知が間に合わなかったようです。

税関を所管する財務省は、検査院の指摘を受けて課税通知に関する実施要領を改正するなどしました。

日本国民が外国人の消費税を負担しているのと同じだと思いますので、きっちりと取って欲しいですね。

そもそも免税品の消費税は、色々なところが確認を怠って追徴課税されたりしていますが、いったんは消費税を支払ってもらって、空港などで確認のうえ返すなど、見直した方が良いのではないかと思っています。

渡航者の免税品不所持の消費税の課税漏れが3億円超であることについて、あなたはどう思われましたか?


調剤薬局グループが架空取引で消費税16億円を不正還付か?

朝日新聞によると、全国で調剤薬局チェーンを展開する会社(兵庫県芦屋市)やグループ企業など約60社が国税当局の税務調査を受け、2022年から2023年の約1年間に消費税計約16億円の不正還付を受けたと指摘されたことがわかったようです。

薬局間での医薬品の架空取引を通じて、還付対象の消費税があるように装ったと判断されたとみられます。

追徴税額は、重加算税を含め計約23億円とみられます。

この会社は朝日新聞の取材に対し、「架空取引の認識ではなかった。見解の相違があったが、指摘を真摯(しんし)に受け止め、修正申告と追徴税額を含む納税を行った」と回答しました。

消費税は、モノやサービスを売った時に受け取る税額より仕入れ時に支払った税額が多い場合、その差額が還付されます。

関係者によると、この会社は近年、企業合併・買収の資金調達のためにグループ企業などとの間で医薬品の在庫を売買していたそうです。

大阪国税局など全国の国税当局が約60社について調べたところ、書類だけで実態のない取引が見つかり、それにより仕入れなどで支払ったとして差し引ける消費税が実際より多いように装って還付請求したと判断されたとみられます。

帝国データバンクなどによると、この会社は各地の調剤薬局チェーンを買収するなどして規模を拡大し、調剤薬局などを全国で計562店舗展開しています。

2023年5月期の連結売上高は2,233億円で、調剤薬局グループでは国内で大手とされています。

大手ドラッグストア「スギ薬局」を運営するスギホールディングスが2024年9月にこの会社を子会社化しています。

見解の相違があるのであれば、争えば良かったのではないかと思いますが、争わなかったんですね。

実態のない取引があるとされたということだと思いますので、よほど杜撰な処理をしていたんでしょうね。

過去に悪質な方法で還付申告をした会社等がたくさんあり、消費税の還付申告をすると税務調査が入る可能性が高いということを認識して、おかしなところがないことを確かめて還付申告をしないといけないということを知っておいた方がいいですね。

調剤薬局グループが架空取引で消費税16億円を不正還付していたことについて、あなたはどう思われましたか?


消費税2,400万円不正還付疑いで東京国税局が電子決済会社を告発!

共同通信によると、キャッシュレス端末の架空仕入れを計上し、消費税約2,400万円の不正還付を受けたとして、東京国税局が消費税法違反の疑いで電子決済システム関連会社(東京)と、前代表取締役(51)を東京地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、電子決済システム関連会社は他社から仕入れたキャッシュレス端末を店舗などに卸しています。

告発容疑は、キャッシュレス端末の架空仕入れを計上して仕入れ時に多額の消費税を支払ったと虚偽申告し、2020年分の消費税について不正還付を受けた疑いです。

不正に得た資金は事業費に充てていたとみられます。

こういう人がいるから、真面目に申告している会社が消費税の還付申告をすると、税務調査に来たり、資料の提出を求められたりで、なかなか還付してもらえませんので、絶対にやめて欲しいですね。

払ってもいないのに還付してもらうなんて、国からだまし取っているということですからね。

消費税2,400万円不正還付疑いで東京国税局が電子決済会社を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


「買い子」が免税品大量購入で転売のダイコクドラッグに3億円を追徴!

朝日新聞によると、化粧品などの免税販売をめぐり、ドラッグストア「ダイコクドラッグ」をチェーン展開する運営会社2社が大阪国税局の税務調査を受け、2021年8月期までの2年間に過少申告加算税を含め消費税計約3億円を追徴課税されたことがわかったようです。

転売目的など、免税要件を満たさない外国人客への販売が約30億円分あったとみられます。

追徴課税されたのは「中央ダイコク」と「道頓堀ダイコク」(いずれも大阪市中央区)です。

2社とも修正申告をし、全額を納付したそうです。

関係者によると、日本に住む中国人らが転売業者に雇われ、「買い子」として2社の一部店舗で化粧品や日用品を大量購入するなどしたケースが多数見つかり、免税要件を満たさないと指摘されたそうです。

指摘を受けた期間は、コロナ禍の影響で訪日客が激減していた時期と重なります。

親会社の「ダイコク」は取材に「パスポートでの本人確認や在留期間の確認などが不十分だったと国税局から指摘を受けた。真摯に受け止め、適正な免税販売をする」としています。

以前は高松の商店街の中にあるダイコクドラッグで時々買い物していましたが、最近は、高松にもドラッグストアがたくさんできて、違うところで買っているので、『ダイコクドラッグ』という名前を聞いたり、見たりすることがほとんどなかったのですが、久しぶりに名前を目にするとこういうことだったんですね。

インバウンド向けの販売が多いことは分かっていましたが、会社を分けていることは初めて知りました。

株式会社四国ダイコクもありますが、本社は大阪市中央区です。

本来免税とならないものを免税とすると、国の消費税の税収が減るわけですから、課税当局には厳しく調査してもらい、適正に販売するようになってほしいと思います。

許可の取り消しとか、何年間かは許可しないとかも考えないといけないのかもしれませんね。

「買い子」が免税品大量購入で転売のダイコクドラッグに3億円を追徴したことについて、あなたはどう思われましたか?


「領収書や請求書を捨てればばれないと」などと個人事業者7,615人が消費税無申告!

読売新聞によると、消費税の申告義務がある個人事業者が申告しない事案が全国で横行しているようです。

2023年6月までの1年間の税務調査で、7,615人の無申告者が過去最高となる計198億円を追徴課税されました。

申告義務がないように装うために年間売上高をごまかしたり、故意に申告しなかったりするケースが目立つようです。

国税当局は積極的に調査に乗り出すなどして、警戒を強化しています。

福岡県内の女性ブリーダー(70歳代)は福岡国税局の税務調査を受け、2021年までの7年間で得た所得のうち約9,600万円を申告せず、消費税約1,000万円の納税を意図的に逃れていたとして、2022年に重加算税を含む計約5,300万円を追徴課税されました。

関係者によると、ブリーダーとしての年間売上金額が消費税の納税義務が生じる1,000万円を超えることが想定されましたが、申告がなかったため、同局は調査に着手しました。

女性は当初、「年間売上高は1,000万円以下で消費税の納税義務はない」と説明していました。

出品したペットオークションの運営会社が発行し、犬や猫の売買代金が記された書類などについては「捨てた」と話していました。

このため、同局は女性が出品していたペットオークションやペットショップを運営する会社に対し、女性との取引履歴を確認しました。

その結果、ブリーダー業の年間売上高が1,000万円を超えることを把握しました。

調査結果を基に女性をただしたところ、「納税義務があることを知っていた。売上金額を意図的に少なく申告した」と認め、期限後申告を行いました。

「領収書や請求書などの書類を捨てて、確定申告を行わなければ、税務署にばれないと思った」と、2023年、消費税の無申告などを指摘された長崎県在住の設備工事業の男性(60歳代)は、福岡国税局の税務調査に対し、こう語ったそうです。

関係者によると、2021年までの7年間で得た所得約5,200万円とともに、消費税約1,400万円を申告せず、納税を免れていました。

男性は売り上げや仕入れに関する領収書などの資料を破棄し、納税義務がないように装っていました。

同局の指摘を受け、重加算税を含む計約3,100万円を追徴課税されました。

国税庁によると、2023 年6月までの1年間の税務調査で確認された消費税の無申告者は、全国で7,615人に上りました。

指摘された個人事業者の業種は、ブリーダーのほか、建築業、運送業、飲食業など様々です。

追徴税額は前年度比約1.5倍で過去最高の198億円に膨らみ、1人当たりの平均額も過去最高だった前年度を上回る260万円でした。

追徴税額が増えた背景には、消費税は身近な税で、無申告が相次げば適切に納税する国民の不公平感を招きかねないため、国税当局が監視の目を光らせていることがあります。

2023年10月に始まった消費税のインボイス(適格請求書)制度導入を見据えて調査を強化したとみられ、それが影響した可能性もあります。

福岡国税局管内(福岡、佐賀、長崎各県)では、470人が消費税の無申告を指摘されました。

追徴税額の総額12億8,600万円と、1人当たりの平均額274万円はともに過去最高を更新しました。

同局の担当者は「引き続き適正に課税するため、厳格に対応していきたい」としています。

書類を破棄すればバレないと思っているのがスゴいですね。

どこかのサイトを使っていればサイト運営会社を調べればすぐに分かるでしょうし、反面調査もありますから。

名前が出るとそれまで築き上げてきた信用も一瞬にして失うでしょうし、重加算税を課されるとその後の税務調査の頻度も高くなるでしょうし、青色申告取り消しの可能性もありますから、何もいいことはないですよね。

「領収書や請求書を捨てればばれないと」などと個人事業者7,615人が消費税無申告だったことについて、あなたはどう思われましたか?


中国人爆買いの近鉄百貨店に8億円追徴!

産経新聞によると、消費税の免税要件を満たさない中国人客らに化粧品などを大量販売したとして、近鉄百貨店(本店・大阪市阿倍野区)は、先日、大阪国税局の税務調査を受け、令和4年2月期までの4年間で約7億円の申告漏れを指摘されたと明らかにしました。

過少申告加算税などを含む追徴税額は約8億円で、修正申告するとしています。
消費税法は、訪日外国人が土産物として国外に持ち出すことを前提に、1回50万円までの免税販売を認めています。

ただし、転売目的で不正購入された場合などは適用されず、阪急阪神百貨店(大阪)や大丸松坂屋百貨店(東京)などで、同様の指摘が相次いでいます。

近鉄百貨店によると、あべのハルカス本店などで、同一の外国人客が化粧品などを大量に購入するケースがあり、国税局は4年間に免税販売された一部の約75億円分が、転売目的などとみて追徴対象にしたそうです。

この期間に免税販売した約9割が中国からの訪日客で、うち7割がメークやスキンケア商品でした。

近鉄百貨店は「見解の相違はあったが指摘を受け入れた。今後は適正な処理に努める」としています。

最近、消費税の免税の指摘が増えていますが、購入した本人ではなく、販売した企業が消費税を負担することになるわけですから、適切に運用して欲しいですね。

それよりは、そもそも論として運用方法を変える必要があるのかもしれませんが。

株主とかはどう思われるんでしょうね。

利益が減るわけですから。

中国人爆買いの近鉄百貨店に8億円追徴課税が行われたことについて、あなたはどう思われましたか?


携帯買い取り店運営会社が約28億円の消費税申告漏れの指摘!

NHKによると、携帯電話の買い取り店を運営する東京の会社が、虚偽の客の名義を使って、大量のiPhoneの取り引きをしていたとして、およそ28億円の消費税の申告漏れを、東京国税局から指摘されていたことが関係者への取材で分かったようです。会社側はこれを不服として、審査を請求しました。申告漏れを指摘されたのは、東京都豊島区の携帯電話買い取り店の運営会社です。関係者によると、この会社は、令和3年までの2年間に、中国人などおよそ80人の客からおよそ60万台のiPhoneを買い取り、輸出業者に販売したと申告し、仕入れの際に支払った消費税額の控除を受けていました。しかしながら、客1人当たりの台数が不自然に多く、組織的な転売などが疑われるとして、東京国税局が取り引きの実態を調べたところ、一部の客は、「店にiPhoneを持ち込んではいない」などと話したということです。東京国税局は、この会社が虚偽の客の名義を使って大量のi Phoneを買い取っていたとみていて、適切な形で帳簿に取り引きを記載せず、税の控除は認められないとして、およそ28億円の消費税の申告漏れを指摘し、およそ32億円を追徴課税したということです。一方、会社側はこれを不服として国税不服審判所に審査請求したということです。どれくらいの規模の会社か分かりませんが、80人から60万台、約28億円というのは、すごい数・金額ですね。消費税に関しては、悪質な還付申告などが以前から結構あるようですので、課税当局も厳しいですから。不服を申し立てているということですから、今後どうなるのか楽しみにウォッチしていきたいですね。携帯買い取り店運営会社が約28億円の消費税申告漏れを指摘されたことについて、あなたはどう思われましたか?

委託事業の消費税の取り扱いを誤り課税対象約4,000万円を非課税に!

OHKによると、香川県は、社会福祉法人などに委託している障害者相談支援事業などの委託料について、誤って消費税を非課税にしていたと発表しました。

総額は6年分で約4,000万円に上っています。

香川県によると、誤って消費税を非課税としていたのは、香川県内11の社会福祉法人などに委託していた17の事業の委託料です。

障害者やその家族の悩みや相談を受け付ける事業などで、非課税としていた総額は、6年分で約4,210万円に上ります。

2023年10月4日付で委託事業が法律上の社会福祉事業には該当せず、国から課税対象であるとの通知が届き、判明しました。

非課税とされていたのは2002年度からで、香川県は修正が可能な過去5年分について事業を委託した法人に修正申告と納付を依頼し、課税対象分の消費税と延滞税相当額などを法人に支払うとしています。

また、高松市も同じように8つの事業で約1億2,00万円を非課税としていたほか、坂出市でも4つの事業で1,050万円が非課税となっていました。

県や市が事前に確認しないものなのでしょうか?

このようなものに税金が使われるのであれば、それでいいのだろうかとの疑問が湧きますね。

修正申告にかかる税理士報酬などはどうするのだろうか?とも思いますし。

委託事業の消費税の取り扱いを誤り課税対象約4,000万円を非課税にしていたことについて、あなたはどう思われましたか?


インボイス制度導入後は経理作業が「月12時間増」!

日本経済新聞によると、2023年10月に始まった消費税のインボイス(適格請求書)制度への対応を巡り、企業の現場で混乱が続いているようです。

民間調査によると月次決算で経理担当者1人当たりの作業が平均約12時間増えていることが分かったようです。

取引先から受け取った請求書がインボイスの要件を満たしているかどうか、目視で確認する作業の負担が増しています。

特に資金力に乏しい中小・零細事業者はデジタル化が遅れており、混乱は長期化する可能性が高いでしょう。

請求書管理ソフトを手がけるSansanが、2023年11月6〜8日、請求書業務を担当する経理担当者500人を対象に調べました。

インボイス制度対応に「課題を感じている」と答えた経理担当者の割合は70%を占めました。

課題の内容(複数回答)は「請求書業務の負荷が増えた」が最多の39.2%、「社内理解が不十分で混乱が生じた」が28.6%で続いています。

制度の理解不足などを背景に記載内容に不備がある請求書が多く出回っていることが背景にあるようです。

Sansanの調べによると、同社のソフト「Bill One」を使い、顧客企業が処理した請求書のうち、適格請求書の要件を満たさずに「要確認」と判定された項目で最も多かったのは「適用税率の記載漏れ」で4割を占めました。

不動産売買・開発を手がける日本ユニスト(大阪市)では、2023年10月に取引先から受け取った請求書のうち、1割程度で税率や税額の記載が漏れるなどの不備があったようです。

制度開始の1〜2か月前から新たな請求書の様式を取引先に周知しましたが、「不動産売買の業界はこれまで消費税を入れずに請求書を発行することが多く、対応が遅れている」(同社)とのことです。

Sansanによると受け取った請求書は経理や現場部門が「人力で対応している」との回答が計8割を占め、ソフト導入など「外部サービスで対応」は1割未満にとどまっています。

経理の作業時間が増加することは、企業側は当然分かっていたと思いますが、インボイス制度を作った側は考慮していたのでしょうか?

経理担当者でこれだけ増加しているということは、会計事務所はどれだけ増えているのでしょうか?

うちの事務所は基本的に記帳代行をやっていないので、それほど作業時間が増えるわけではありませんが、質問対応に結構時間は費やしています。

インボイス制度の導入により、もちろん、潤う事業者もいらっしゃるでしょうが、対応にかかるコストが増えますので、消費税の税収は増えるのかもしれませんが、法人税や地方税の税収は減るでしょうね。

一方、ますます、働き方改革や賃上げは厳しくなるのではないかとも思います。

インボイス制度導入後は経理作業が「月12時間増」となっていることについて、あなたはどう思われましたか?


インボイスで「消費税二重取り」の巧妙手口は財務省の試算以上の税収増の可能性!

週刊ポストによると、消費税のインボイス(適格請求書)制度導入について、「増税を目的としたものではない」と説明したのは鈴木俊一財務大臣です。

義兄の麻生太郎氏も財務大臣時代、インボイス登録が開始された日の会見でこう語っていました。

「複数税率で適正な課税をやっていくにはインボイス制度は必ず必要だ」

兄弟揃って白々しい嘘でした。

2023年10月に導入されたインボイス制度には、免税業者との取引によって、国(地方分を含む)に消費税率10%以上の税収が入ってくる「消費税二重取り」の仕組みがあります。

財務省はそれを国民にひた隠しにしたまま導入したのです。

「インボイス増税」(消費税二重取り)のカラクリは、図にすると簡単にわかります。

A社は税率10%の商品を1万円(消費税納税額は1,000円)でB社に売り、B社は1万1,000円(同100円)でC社に販売、C社は1万2,000円(同100円)で消費者に小売りする。

このケースでは本来、国(地方分を含む)に入る消費税収の合計は小売価格の10%の合計1,200円です。

B社が年間売り上げ1,000万円以下の免税業者の場合、従来は消費税分の100円はいわゆる「益税」となって納めなくていいから、税収合計は1,100円でした。

インボイス制度は、免税業者と取引する業者(C社)に、「益税」分を肩代わり納税させる制度と説明されています。

ところが、実態はもっとひどいのです。

B社が免税業者の場合、仕入れ控除を受けられないC社は、小売価格の10%の1,200円の消費税を丸ごと納めなければならないのです。

1つの商品でA社とC社が重複して消費税を納めることになります。

税理士の木村昇氏が、以下のように指摘しています。

「インボイス導入によって、C社は免税業者B社の益税分100円を肩代わり払いさせられるだけではなく、A社が納める消費税1,000円も控除できないからその分を二重払いしなければならないわけです。その結果、このケースでは小売価格1万2,000円の商品なのに消費税の納税額は合わせて2200円となり、税率約18%になってしまう。

インボイス導入から3年間は免税業者との取引は8割の仕入れ控除が認められるなどの経過措置(注:令和5年10月1日から令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%控除、令和8年10月1日から令和11年9月30日までは50%控除という6年間の経過措置が設けられている)がありますが、それでもC社の消費税納税額はB社の益税分を肩代わりするより多くなります」

これのどこが「適正な課税」で「増税ではない」などと言えるのでしょうか?

財務省のインボイス導入の狙いは、「免税業者」を取引から排除させ、売り上げ1,000万円以下でも消費税納税の義務がある課税業者(インボイス登録)を選択させることだと指摘されてきましたが、そうではないようです。

財務省にとっては、たとえ免税業者が課税登録しなくても、この「消費税二重取り」の仕組みがあれば消費税をどんどん二重取りできるから好都合なのです。

財務省はインボイス導入後は「益税」の減少で2,480億円の税収増になるとの試算を発表していますが、実際は、二重取りによってそれをはるかに上回る増収になる可能性が高いようです。

しかも、インボイス導入で税負担が増える事業者は、当然、損しないためにその分を小売価格に転嫁して値上げする。国が二重取りする消費税は最終的には全て消費者が負担させられるのです。

岸田文雄首相は「物価高騰対策」で所得税減税すると言いながら、財務省が仕組んだこの消費者を苦しめるカラクリに頬被りを決め込んでいます。

僕自身を含め、会計事務所は毎日のようにインボイスの質問等を受けていると思いますが、この計算については、少し前にクライアントの方から『税額が増えますが、インボイス制度はおかしくないですか?』と言われ、図に書いてみると、確かに税収が増えるんだなと思いました。

個人的には、免税事業者を排除するのがインボイス制度の目的だと思いますので、経過措置の最初の3年間は2%を負担するということで仕方なく泣く事業者もそれなりにいるのかもしれませんが、あとの3年間の5%や経過措置がなくなってからの10%の負担は厳しいでしょうから、当然に、免税事業者は取引から排除されていくと思っていますので、結果的には、益税が減るということになり、週刊ポストが書いているような二重取りはあほとんど起こらないのではないかと思っています。

それにしても、特例などで複雑になり、事業者に事務的・コスト的負担の多いインボイス制度は、シンプルなものにしてほしいなぁと思います。

軽減税率をなくしたり、免税事業者をなくしたり、簡易課税の基準を緩和するなどを考えてほしいなあと思いますね。

インボイスで「消費税二重取り」の巧妙手口は財務省の試算以上の税収増の可能性があることについて、あなたはどう思われましたか?


「フォートナイト」提供会社の子会社が消費税約30億円の申告漏れ!

NHKによると、世界的に人気のオンラインゲーム「フォートナイト」を提供するアメリカのゲーム会社「エピックゲームズ」の海外の子会社が、日本のユーザーからの課金収入をめぐって、東京国税局からおよそ30億円の消費税の申告漏れを指摘され、およそ35億円を追徴課税されていたことが、関係者への取材でわかったそうです。

申告漏れを指摘されたのは、世界で数億人のユーザーがいる人気オンラインゲーム「フォートナイト」を提供するアメリカのゲーム会社「エピックゲームズ」の、ルクセンブルクにある子会社です。

関係者によると、この子会社は、日本のユーザー向けに「フォートナイト」を配信していますが、ユーザーがゲーム内でのアイテムの購入などで課金したおよそ300億円について、本来は、日本の消費税の課税対象であり、申告納税の義務があるのに、これをしていなかったことが、東京国税局の税務調査で分かったようです。

東京国税局は、この子会社に対し、2020年までの3年間でおよそ30億円の消費税の申告漏れを指摘し、過少申告加算税を含め、およそ35億円を追徴課税しました。

関係者によると「エピックゲームズ」側は、すでに修正申告を済ませ、追徴課税分を全額納付しているそうです。

海外企業に対する追徴課税としては、過去最大規模とみられます。

海外からの配信などは課税されず、日本国内企業が不利ということで数年前に税制が改正されましたが、いまだに取れていないものも、ここ以外にもおそらくあるということでしょうね。

国税局には頑張ってもらって、取るべきものはきちんと取ってほしいですね。

「フォートナイト」提供会社の子会社が消費税約30億円の申告漏れを指摘されたことについて、あなたはどう思われましたか?


インボイスの税務調査は「大口・悪質」に限定と国税庁長官がコメント!

日本経済新聞によると、国税庁の住沢整長官は10月に始まるインボイス(適格請求書)制度の税務調査について、従来と変わらず大口で悪質な事例に限定して実施する意向を示しました。
「軽微な記載のミスを確認するための調査はこれまでしてきていない。記載事項(の不備)をあげつらうような調査はしない」と、日本経済新聞のインタビューに答えました。

住沢氏は税務調査に関して「制度の定着を図ることが当面重要な課題だ。柔軟かつ丁寧な対応をしていきたい」と述べました。

インボイスには税率ごとの消費税額や税務署から事業者ごとに割り振られる登録番号などの記載が必要になります。
住沢氏は仕入れ先から受け取ったインボイスに記載事項の不備があった場合でも、納品書や契約書など他の書類で必要事項を確認できれば、仕入れにかかった消費税額の差し引きを認める考えを明らかにしました。

仕入れ先から再度、必要事項を記載して修正したインボイスを受け取ることも選択肢になります。
「記載の漏れがあったときに、(別の方法で)きちんと確認できれば申告漏れだと指摘することはない」と強調しました。

政府は免税事業者が課税事業者に転換すると、納める税額が売り上げにかかる税額の2割で済む時限措置を設けています。
売上高5,000万円以下の「簡易課税事業者」にはインボイスがなくても支払った消費税額を控除できる仕組みもあります。
住沢氏は「インボイスが必要なケースは限られる」と説明しました。

国税庁によるとインボイス制度の申請件数は2023年8月末時点で388万件となりました。
そのうち300万いる課税事業者の申請件数は285万件で9割を超えます。
460万いる免税事業者の申請件数は103万件に達しました。
財務省は460万のうち新たに課税事業者になり得るのは160万と推計しています。

インボイスを必要としない一般消費者や、インボイスを受け取らなくても支払った消費税額を簡易に計算して差し引ける簡易課税事業者を取引先とする事業者が一定数いることを念頭に、住沢氏は「相当程度、登録申請は進んできていると見ることもできる」と訴えました。

登録を迷っている事業者に関しては制度開始後も説明会を継続するなど丁寧に対応する意向です。

免税事業者の中には、インボイスを発行できないことを理由に取引を止められたり、一方的に購入価格を下げられたりしかねないとの不安があります。
「中小事業者の不安に寄り添ってきめ細やかな対応をしていく」と言明しました。
税務署で相談を受けた場合は、公正取引委員会や中小企業庁など必要な窓口を紹介するなど関係省庁と連携します。

岸田文雄首相は、先日、事業者の不安軽減を目的に閣僚級会議の立ち上げを指示しました。
経済対策での支援を含めた必要な対応を取るそうです。
住沢氏は「新しい支援策が出てくればきちんと周知・広報していく」と話しました。

インボイス制度開始後も、免税事業者からの仕入れについても一定割合の税の差し引きを認めるなどの経過措置が用意されています。
日本税理士会連合会は「経過措置の延長や恒久化」などの検討を求めています。
住沢氏は「必要があれば与党の税制調査会などで検討することになる」と述べるにとどめました。

▼インボイス制度
「適格請求書等保存方式」の通称。2019年10月に消費税率を10%に引き上げた際に食料品などには8%の軽減税率を適用しました。
どの税率を適用したかを正確に把握して納税するために導入が決まりました。

モノやサービスの売り手は請求書に事業者の登録番号や税率ごとに区分した税額を記載することが求められます。
10月以降は売り手が課税事業者として登録しておらずインボイスを発行しないと買い手は仕入れにかかった消費税額の全額を控除できなくなる場合があります。

インボイスを発行する事業者として登録するかは任意ですが、登録すると納税義務が生じます。

ある意味想像はできていたことですが、国税庁長官が導入前にコメントする必要があるのでしょうか?
真面目にインボイスに対応するためにコスト等をかけている企業や個人事業主もたくさんおられるわけですから。
インボイス制度自体がグタグタになってしまうのではないかと思ってしまいます。
個人的には、消費税の計算は簡単にしないといけないと思いますので、インボイス導入に伴う特例は話しや処理を複雑にしますので、極力やめて欲しいと思います。

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農家が「減収避けられぬ」インボイス巡るJTの「通告」に公正取引委員会が注意!

朝日新聞によると、2023年10月に始まるインボイス(適格請求書)制度をめぐり、日本たばこ産業(JT)が葉タバコの生産農家に一方的に取引価格の引き下げを通告したとして、公正取引委員会から注意を受けていたことがわかったようです。
制度後に予想される消費税の負担増を農家側に転嫁しようとしたとみられます。
JTは引き下げ幅を小さくするなど修正しましたが、減収が避けられない農家側からは待遇の改善を求める声が上がっています。

JTはたばこ事業法に基づき、国内農家が生産した葉タバコを全量、買い取っています。
現在は買い取り価格に含まれる消費税分を自らの納税額から控除できますが、インボイス制度が始まると、農家側からインボイスを受け取らなければ控除できなくなり、負担が増します。
インボイスは商品の販売先に対し、適用した税率や税額を伝えるための請求書などを指します。

ただし、インボイスを発行できるのは消費税の納税義務のある「課税事業者」だけです。
現状、タバコ農家の多くは年間売り上げが1千万円以下で納税が免除された「免税事業者」です。
課税事業者にならなければ、インボイスを発行できません。

岩手県二戸市の葉タバコ農家が加入する二戸農民組合によると、JTは2022年末以降、岩手県たばこ耕作組合を通じて農家に「インボイス登録をしない免税農家には消費税額分を除いた税抜き価格で支払う」と価格引き下げを伝えました。

関係者によると、公正取引委員会はJTによる価格引き下げの通告が一方的だったことを問題視しました。
仕入れ先が免税事業者でも一定割合で税控除を認める経過措置が計6年は認められているのに、控除可能な部分も含めて大幅に価格の引き下げを求めた点も含めて独占禁止法上、問題につながるおそれがあると判断して注意に踏み切った模様です。

JTともあろう大きな会社にしてはお粗末な対応ですね。
世の中にはインボイス制度導入をきっかけに廃業などをするところも出てくるでしょうから、消費税分を値切ると廃業して仕入先などがなくなる可能性もありますので、慎重に協議のうえ取引価額を決定しないといけませんね。
個人的には、苦労なく課税売上高が1千万円を超えるような日本経済にしないといけないのではないかと思っていますが。

農家が「減収避けられぬ」インボイス巡るJTの「通告」に公正取引委員会が注意を受けたことについて、あなたはどう思われましたか?


インボイス導入で複雑ルールも背景に取引先への圧力懸念!

日本経済新聞によると、消費税の税率と税額を記した請求書などをやりとりするインボイス制度が2023年10月に始まるのを前に、取引先に不適切な圧力をかける企業などが出始めているようです。
個人や零細の事業者に一方的に取引価格の引き下げを迫るといった行為で、公正取引委員会が問題視しています。
一部の専門家は、制度やルールが複雑で企業が混乱しているとも指摘しています。
ルールを明快に周知できるかという課題も浮かんできます。

「独占禁止法違反につながる恐れがある」と、公正取引委員会は、2023年5月、インボイス導入を巡り、フリーランスなどに仕事を発注する事業者が、取引先に一方的な取引価格の引き下げを通告した5つの問題事例を公表しました。
公正取引委員会が各事業者に注意をしたそうです。

イラスト制作業者が関わった例では、業務委託先のイラストレーターに「インボイス導入後も免税事業者のままでいるなら、消費税相当額を取引価格から一律に引き下げる」などと一方的に通知したとされます。

インボイス制度は、国に納税されずに一部事業者の利益となっている「益税」解消などの狙いがあるとされています。
事業者は消費者や他の事業者から受け取った消費税から、仕入れ時などに他の事業者に支払った消費税分を差し引く「控除」をしたうえで納税しています。
しかしながら、売上高が1,000万円以下だと免税事業者とされ、受け取った消費税を納税せずに自らのものにできます。
これが益税と呼ばれています。

制度導入後は、登録事業者からの仕入れなどで支払った消費税分しか控除できなくなります。
免税事業者は消費税分を含んだ代金を受け取らなくなって、益税解消につながると見込まれています。

ただし、消費税の適正な納税が期待される一方、「個人や零細の事業者が不利益を押しつけられかねない」との指摘も出ていました。
今回の公正取引委員会による注意事例は、その懸念が現実になりつつある証左ともいえるでしょう。

インボイス制度を理由にして一方的に不利益な取引条件変更を迫るのは、独占禁止法が禁じる「優越的地位の乱用」や下請法違反にあたる恐れがあります。
公正取引委員会は事業者向けのQ&Aの公表などを通じて適切な対応を呼びかけてきましたが、問題事例を止められませんでした。

なぜ、取引先への不適切な圧力が起きるのでしょうか?
専門家には「インボイス対応に独禁法が適用されること自体があまり知られていない」との見方があります。
平山賢太郎弁護士は「そもそも『優越的地位』やその『乱用』の認定はいずれも難しい。適切な対応と不適切な乱用の線引きは、非常にわかりにくい」と指摘しています。

例えば、取引先に課税事業者への転換を要請するのは正当ですが、一方的に取引条件の変更を通知すると違法行為に問われるリスクが高まります。
転換を受け入れた相手との価格の見直し交渉では「十分な協議」が求められますが、どうすれば「十分」なのかの判断も難しいです。

大半の企業は、もっぱら税理士と相談しながら対応準備を進めています。
独占禁止法に詳しい弁護士の助言も受けるような、充実した準備ができる企業は少ないです。

新興や中小からの相談が多い緒方文彦弁護士は「新興や中小などの取引の発注元の事業者と、仕事を受けるフリーランス側の双方で制度やルールの理解が浸透していない」とみています。

仕事を発注する企業にとっては、免税事業者との取引条件を見直さなければ消費税分を余分に負担することになります。
一方で、適切な説明や協議を経なければ独禁法違反のリスクとなり、板挟みです。
長沢哲也弁護士は「(適切な手続きを進めるには)かなり複雑で作り込んだマニュアルが必要になる」と話しています。

結局「独禁法リスクを重くみて、負担増を自社で吸収すると判断する企業も出ている」(長沢弁護士)ようです。
インボイスの対応準備を進める、ある企業の担当者は「(制度の複雑さの)ツケが企業側にまわされているように感じる」と不満を漏らしています。

インボイス制度の導入まで約2かですが、対応準備が遅れている事業者も多いです。
制度開始後に戸惑いが広がる可能性もあります。

国税庁や公正取引委員会はこれまでも、特設のウェブサイトや専用の電話相談窓口などで制度の適切な運用についての周知を図ってきました。
しかしながら、事業者間のトラブルや混乱を避け、円滑に制度を導入するには、さらにわかりやすく対応の参考になる情報発信ができるかが問われます。

多数のフリーランスと取引する企業は、インボイス制度の導入にあたり、対応に苦慮しています。

ポーラ・オルビスホールディングス傘下のポーラ(東京都品川区)は、エステやカウンセリングを通じて化粧品などを販売する個人事業主2万5,000人と委託販売契約を結んでいます。
「課税事業者登録への協力を呼びかけている」(ポーラ)ようです。
同時に、オンライン説明会や動画配信、コールセンター設置など独自で手厚い対応も進めています。

仕事の発注者と働き手をマッチングする仲介サービスは、板挟みに悩む様子が垣間見えます。

約90万社の企業と働き手約560万人が登録する最大手のクラウドワークスは、2023年10月以降、働き手が課税登録をしているかどうか発注者側が確認できる仕組みにします。
クラウドワークスは、インボイス対応の方針について自社ブログで説明しています。
一方で、働き手を保護するため、発注者側に対しては従来どおり、働き手に消費税分を含んだ料金を支払うよう求める方針です。

ただし、働き手の個人事業主らからは「免税事業者のままだと選別されて、受注が減るのではないか」といった不安も出ているようです。
クラウドワークスは「制度開始後の状況によって、必要な対応をさらに検討していく」としています。

<インボイス制度とは>
消費税額を正確に計算するための制度。10%と8%税率のうち、どの税率の取引か把握するため売り手が請求書(インボイス)に税率ごとに税額を記します。
インボイスを発行できるのは税務署に登録した課税事業者のみです。
インボイスがないと買い手が消費税を納める際、仕入れにかかった消費税額を差し引けません。
フリーランスなどに多い免税事業者との取引が敬遠される懸念もあります。
ただし、制度導入後6年間は、免税事業者からの仕入れについて一定割合を差し引ける経過措置もあります。

10月にインボイス制度がスタートすると、色々と混乱するでしょうね。
個人的には、まだまだ国の周知が足りないのではないかと思いますし、特例などを設けることにより余計複雑になっているのではないかと思います。
インボイス制度導入に反対されている方もおられるようですが、登録するかどうか悩むくらいであれば、課税事業者となるよう頑張れば良いとおっしゃる方も多いですし、僕自身もそう思います。

インボイス導入で複雑ルールも背景に取引先への圧力懸念が強まっていることについて、あなたはどう思われましたか?


中身は水なのに「高級化粧品370億円分輸出」と申告し消費税を不正還付!

読売新聞によると、高級化粧品の架空取引を巡り、東京都内の卸売会社と輸出会社が東京国税局の税務調査を受け、計約44億円を追徴課税されていたことが関係者の話でわかったようです。
仕入れにかかる消費税を過大に計上したほか、輸出免税制度を悪用し、消費税の不正還付を受けようとしていました。

関係者によると、東京都新宿区の卸売会社は2021年11月までの2年間に、都内の会社から高級化粧品などを約370億円で仕入れ、輸出会社約10社に販売したと税務申告しました。
輸出会社は化粧品を香港に輸出したと申告していたようです。

東京国税局は税務調査の結果、実際に取引されていたのは化粧品ではなく、飲料水だったと判断しました。
卸売会社が約370億円とした仕入れは、実際には約30億円で、東京国税局は、仕入れにかかる消費税を過大計上していたなどとして、卸売会社に過少申告加算税を含む消費税約35億円を追徴課税しました。

輸出会社に対しては、商品を海外に輸出すると、仕入れ時に支払った消費税が還付される免税制度を悪用し、不正な還付申告をしたとして計約9億円を追徴課税しました。
東京国税局は、卸売会社が輸出会社に還付申告を促し、受け取った還付金を分配しようとしていたとみています。

卸売会社の代表は税務調査後、中国に出国して連絡がつかず、会社所在地のマンションも不在となっているようです。

事実だとすると、かなり悪質ですね。
取れないと日本として大損害ですので、どうにかして、税金を取って欲しいですね。

中身は水なのに「高級化粧品370億円分輸出」と申告し消費税を不正還付していたことについて、あなたはどう思われましたか?


ポイント交換は無償取引であるとの逆転判決!

TabisLandによると、企業間のポイント交換に応じて支払われた金員が消費税法上の役務の提供の対価に該当するか否かの判断が争われた事件で、大阪高裁(善本貞彦裁判長)は、共同で行う顧客に対する企業ポイントの交換サービスを実施して、他の法人から受領した金員は資産の譲渡等の対価に当たらず不課税取引に該当すると判断して一審の判決内容を否定し、カード運営事業者側の請求を認容する逆転判決を言い渡しました。

この事件は、会員に対して鉄道等の旅客運賃等及び商品購入代金等を決済するサービスや、商品購入代金等の決済手段としてカードを利用した際に企業ポイントを付与するサービスを提供する他、その企業ポイントと提携法人が付与する企業ポイントとを交換するなどのサービスを提供する交通系ICカードを発行する運営事業者が控訴していたものです。

控訴人は当初、提携ポイントを企業ポイントに交換した後に提携ポイントを付与した提携法人から支払われた金員を消費税の課税標準で課税資産の譲渡等の対価の額に算入した上で申告をした後、その金員は消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額に算入されないなどとして更正の請求をしたところ、原処分庁から更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けたため、その一部取消しを求めて提訴したという事案です。

しかしながら、一審の大阪地裁が、控訴人に支払われた金員は、提携法人に対してポイント交換がされた提携ポイントを保有していた双方の会員に、提携ポイント数を基に所定の割合によって算出した数の企業ポイントを付与し、その数の企業ポイントについて控訴人が実施するポイントサービスの対象に組み込むという役務の提供に対する反対給付であるというべきであるから、対価に該当すると判示して訴えを斥けたことから、判決内容を不服とした運営事業者側が更にその取消しを求めて控訴していたわけです。

控訴審は、提携ポイントを付与した提携法人から支払われた金員は、ポイント交換に係る提携ポイントを発行した者としてその利用に係る経済的負担を負うべき立場にある提携法人がポイント還元を行う控訴人のためにその原資を提供する行為に他ならないことから、ポイント交換は無償取引であると判断し、運営事業者側の請求を認容する逆転判決を言い渡しました。
国側が上告を断念したため、納税者勝訴で確定しました。

納税者の勝訴は嬉しいですね。
納得できなければ、争って、課税当局の考えを正してほしいですね。

ポイント交換は無償取引であるとの逆転判決があったことについて、あなたはどう思われましたか?


不適正な免税販売で大丸松坂屋に4億円超の追徴課税!

日本経済新聞によると、大丸松坂屋百貨店が消費税の免税販売を巡って東京国税局の税務調査を受け、2022年2月までの2年間で約3億9,000万円の申告漏れを指摘されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
免税販売の要件を満たさない取引が複数あり、過少申告加算税を含めて約4億3,000万円を追徴課税されました。

消費税法は外国人観光客らが購入した土産品などに免税を認めています。
転売目的での購入はできません。

関係者によると、大丸心斎橋店(大阪府大阪市)などの一部店舗で、本人確認が不十分なまま化粧品を販売したり、購入者の誓約書など必要書類を保管していなかったりした事例が相次いで確認されました。
パスポートの人物とは異なる購入者が同じ商品を免税で数十万円分購入するなど、転売目的が疑われる事例もあったそうです。

日本経済新聞の取材に対し、大丸松坂屋百貨店は「今回の税務調査での指摘を踏まえ、今後より一層、適切な免税処理に努める」とコメントしました。

百貨店の免税販売を巡ってはそごう・西武、小田急百貨店、松屋の3社も要件を満たさない取引があったとして追徴課税を受けています。

百貨店は免税だと訪日客の売上が増えていいのかもしれませんが、不正に使われると、日本の税収が減るということを認識してほしいですね。
そもそも、それが分かっているところだけに、免税店の許可を与えるべきだと思いますが。
なぜ、海外では一般的だと思われるいったん消費税は支払って、あとから返すみたいなやり方にしなかったのでしょうか?

不適正な免税販売で大丸松坂屋に4億円超の追徴課税が行われたことについて、どう思われましたか?


給料を外注費と偽り消費税など5,500万円を脱税!

テレビ朝日によると、消費税などおよそ5,500万円を脱税したなどとして、神奈川県大和市の土木工事業の実質的経営者の男ら2人が在宅起訴されました。

土木工事業の実質的経営者(53)と役員(58)は、2019年8月までの3年間で消費税などおよそ5,500万円を脱税した罪などで在宅起訴されました。

横浜地検によると、実質的経営者らは消費税が控除されない従業員の給料について、消費税が控除される「外注費」と偽って計上し、確定申告をしていました。

横浜地検は2人の認否を明らかにしていません。

また、同じ手法で脱税したとして逮捕されていた別の代表(64)も起訴されました。

これも悪質なケースですね。
こういうのは、指南役がいるのでしょうか?
そもそも、給与か外注費かというのは判断がなかなか難しいところので、こういったところで脱税を図ると、税務調査があると、バレやすいのではなかと思います。
常々言っていますが、安易に脱税するのではなく、きちんと検討したうえで節税をしましょうということですね。

給料を外注費と偽り消費税など5,500万円を脱税していたことについて、どう思われましたか?


銀行送金をインボイスと連動し入出金の確認を大幅に短縮!

日本経済新聞によると、政府が2023年10月にインボイス(適格請求書)を導入するのに合わせ、全国銀行協会が企業間の決済を簡単にできるようにするようです。
多くの情報を載せられる送金システムの規格をデジタルインボイスに対応させ、企業が請求から決済までをデジタルで一括でできる仕組みを整えます。
三菱商事がアナログ取引削減のため顧客への普及を目指すなど、企業側の動きも広がっているようです。

政府は2023年10月にインボイス制度を導入します。
商品・サービスの売り手は税率などを記したインボイスの発行が求められます。
国が普及を推進するのが、請求書情報をデータ化したデジタルインボイスです。

全銀協は2023年春をめどに、デジタルインボイスの標準仕様に対応した送金規格をまとます。
通常よりも情報処理量が多い送金システム「全銀EDI(ZEDI)」での送金でこの規格を使います。
規格に対応した会計ソフトなどを使えば、企業が取引先からデジタルインボイスとして受け取った請求書データを送金情報に自動連携でき、送金は請求書とひも付けられます。

具体的には「どの請求書に対する支払いか」や請求書発行日、請求金額、連絡先などの情報が載せられます。
お金を受け取った企業は会計ソフトを使うと、この情報を自動で記録できるようになります。
企業の決済・会計業務を大幅に効率化できると期待されています。

恩恵が大きいのはお金の受け取り手です。
通常の送金で送る情報は「宛先」「金額」などわずかです。
商品・サービスを売ってお金を受け取った企業は「これは何のお金か」を手作業で確認して記帳しなければなりません。
送金側とメールなどでやりとりして照合する必要があることも多くなっています。
全銀協の調べでは、中小企業の半数以上が入金確認作業に月5時間以上を費やしています。
中小の素材メーカーや専門商社では電話や紙、ファクスなどアナログ取引の慣行も多く残っています。
三菱商事は請求や決済を効率化する製品を開発し、ZEDIに連携させる計画です。
決済のデジタル化を顧客や関係企業に普及させたい考えのようです。
三菱商事の担当者は2022年12月の全銀協の会合で「まずは鉄鋼業界への普及を図りたい」と話しました。

今回デジタルインボイスと連動するZEDIは、銀行間送金を担う全国銀行データ通信システム(全銀システム)を補完する送金網として2018年に稼働を始めました。

銀行界は企業の決済を効率化させる目的でZEDIを設けましたが、専用の会計ソフトが企業の間で普及しておらず、利用率が低迷していました。
普及に弾みをつけるため、全銀協はインボイスとZEDIの双方に対応する会計ソフトなどを開発する企業に助成金を交付する事業を募集し、NTTコミュニケーションズなど19事業者が応じました。

ZEDIは2024年12月に更改期限を迎えます。
更改後は、全銀協で初めて送金網にクラウドサービスを使う方針です。
NTTデータのクラウドを利用します。
クラウド化で運用コストを引き下げ、金融機関の負担を減らします。

送金に請求書などの情報を載せて決済事務を効率化する動きは世界の潮流です。
世界の銀行が出資し、1973年に設立された国際的な資金決済網であるスイフトは情報量の多い新たな送金規格への移行を進めています。
スイフトは200以上の国・地域で1万1,000社以上の金融機関が利用しており、国際送金の共通基盤となっています。
国境を越えた資金のやり取りが増えるなか、日本の国内でも決済のデジタル化は急務です。

早く、中小企業でも低コストで使えるようなデジタルインボイスが普及して、スタンダードなものになってほしいですね。
そうなると、事務処理がかなり減少すると思います。

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インボイス発行なしでもフリーランスと取引!

日本経済新聞によると、消費税の税率と税額を記した請求書をやりとりするインボイス制度の10月からの導入を控え、人材サービスのWaris(東京都千代田区)やマイナビなど7社・団体は、先日、インボイスを発行しないフリーランスと取引を続けると表明しました。
インボイスがないと税負担が増しますが、事業に欠かせないフリーランスとの協業を優先するようです。

フリーランスら1万人超が会員となっているプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(フリーランス協会、東京都中央区)が取引の維持や待遇の改善を呼びかけていました。
フリーランスが消費税の課税事業者に転換し、インボイスを発行できるようになる場合は2%以上の報酬の引き上げを促します。

現在、企業は消費税の納税で、取引先からの仕入れにかかった税額は控除できます。
しかしながら、10月以降は原則としてインボイスがなければ控除できなくなります。
よって、インボイスを発行しない事業者は取引を打ち切られる懸念がありました。

インボイスを発行するには自らが消費税の課税事業者となる必要があります。
フリーランスは売上高1,000万円以下の免税事業者が大半で、フリーランス協会が2021年に実施した調査では課税事業者への移行を選ぶ事業者は4割弱です。

中小企業庁が2022年に実施した免税事業者への調査では「課税事業者として登録する予定はない」との回答が3割でした。
取引先からインボイスの発行を求められている事業者の1割が「発注側から値下げや打ち切りを言われている」そうです。

こうした発注側の対応について、政府は「独占禁止法上の優越的地位の乱用にあたる可能性がある」と法令順守を呼びかけています。
下請け事業者の保護をめざす下請法に違反する可能性もあります。

フリーランスとの取引継続を表明したのはWarisなどのほか、IT(情報技術)系フリーランス仲介のPE-BANK(東京都港区)、キャリア開発のクオリティ・オブ・ライフ(東京都中央区)、コンサル会社のヒューマン・コネクト(東京都千代田区)、システム開発のビーブレイクシステムズ、民間団体TETAU(和歌山県上富田町)です。

協会はインボイスがないことを理由に報酬を引き下げないよう促します。

最近は、インボイスのことを聞かれることも多くなりました。
免税事業者の場合、なかなか難しい判断をしないといけないケースもあります。
10月からスタートしないのではないかと思っている方もそれなりにいるのではないかと感じていますが、個人的にはスタートすると思います。
軽減税率8%の財源の大きな部分を占めるのが、インボイス制度の導入によるものですから。

インボイス発行なしでもフリーランスと取引すると明言するところが現れたことについてどう思われましたか?


パワーストーンの仕入れを装い消費税7.5 億円の不正還付受けようとした疑いで刑事告発! 

TBS によると、パワーストーンの仕入れを装い、消費税の還付を不正に受けようとしたとして、コンサルティング会社の代表らが東京国税局に刑事告発されました。

消費税法違反の疑いで刑事告発されたのは、東京都内のコンサルティング会社の代表(36)と、雑貨販売会社などの代表ら6人です。

関係者によると、代表は6人にパワーストーンを仕入れたことにして、消費税およそ7億5,000 万円の還付を不正に受けさせようとした疑いがもたれています。

代表は「関係各所へは真摯に対応させて頂く」とコメントしています。

これも悪質な事案ですね。
脱税の指南をやってはいけないのは明白だと思いますが、やる会社の経営者も払ってもいない消費税が還付されるということをおかしいとは思わないのでしょうか?

パワーストーンの仕入れを装い消費税7.5 億円の不正還付受けようとした疑いで刑事告発されたことについて、どう思われましたか?


イオンリテールが免税不適正対応で追徴課税2億円超!

日本経済新聞によると 総合スーパーを展開するイオンリテール(千葉県千葉市)は東京国税局の税務調査で、消費税の免税販売を巡り保管が義務付けられている書類を破棄するなど不適正な対応があったとして、計2億3,600万円の追徴課税を受けたと発表しました。

既に納付を済ませたそうです。

税務調査は2021年8月~2022年2月に行われ、イオンリテールによると、同社の店舗で2020年度までの5年間にわたり必要書類を破棄していたほか、2019、2020年度にはパスポートなどによる本人確認をしないまま免税販売をしていたことが判明しました。

イオンリテールは「国税当局からの指摘を真摯に受け止め、適正な免税販売に努める」とコメントしています。

不正により日本の税収が減るわけですから、課税当局には厳正に対応していただき、今回のようにきちんとルールを守っていないとことからはきっちり取ってほしいですね。
こういうことがあると、取り消しとかはできないんですかね?

イオンリテールが免税不適正対応で追徴課税2億円超となったことについて、どう思われましたか?


不動産会社と国税局が賃料収入の解釈の対立によるマンション転売時の消費税控除は?

日本経済新聞によると、中古賃貸マンションを転売する際の消費税控除を認めず、課税処分をした国税当局の対応は不当だとして、不動産会社が処分取り消しを求めた訴訟の上告審弁論が、先日、最高裁第1小法廷(安浪亮介裁判長)で開かれました。

不動産会社は「エー・ディー・ワークス」(東京都)です。
マンションを購入して大規模修繕などして、投資家らに転売する事業を手掛けています。
2017年3月期までの3年間の売買に関する消費税の税務処理を巡って国税当局から計約5億3千万円の課税処分を受け、2018年に提訴しました。

訴訟では、消費税の「仕入れ税額控除」の適用の可否が争われました。
販売時に受け取った税額から購入時に支払った税額を控除して納税する仕組みです。

エー・ディー・ワークスは制度に基づいて税務申告しましたが、国税側は転売先が決まるまでの間、一部の住居から賃料収入を得ていた点を問題視し。控除を一部しか認めず申告漏れを指摘しました。

先日の上告審弁論で、エー・ディー・ワークス側は「マンションの購入は転売収入が目的で、賃料収入が目的ではなかった」と主張しました。
国側は「購入時点で賃料収入の発生は見込まれていた。課税処分は適法だ」と反論しました。

下級審では判断が割れました。

一審・東京地裁は2020年9月、エー・ディー・ワークスの取引の主眼は転売で賃料収入は「副産物」として、処分の取り消しを認めました。
二審・東京高裁は2021年7月、控除の対象にならないとしてエー・ディー・ワークスの逆転敗訴としました。

2020年4月に中古マンションの売買は仕入れ税額控除制度の対象から一律で除外され、今回の訴訟と同様の問題は生じないようになっています。

国税庁が解釈を途中で変えた案件だと思いますので、エー・ディー・ワークスには勝っていただいて、国税庁の勝手な解釈の変更を認めないでほしいですね。

不動産会社と国税局が賃料収入の解釈の対立によるマンション転売時の消費税控除について、どう思われましたか?


10月開始のインボイスショックで声優の「4人に1人が廃業」を検討!

ダイヤモンド・オンラインによると、声優は日本に1万人以上いますが、その約76%が年収300万円以下だそうです。
ほとんどの声優が免税事業者であり、受け取った消費税の納税は免除され益税となっています。

およそ4人に1人が廃業を検討という驚愕の事実が明らかになりました。
2022 年秋に声優やアニメ、漫画、演劇といったエンターテインメント業界4団体が、関係者たちにインボイスの影響について尋ねたアンケートの結果です。

エンタメ業界では、フリーランスや個人事業主として働く人が大半ですが、インボイス制度に対して悲観的であることがうかがえます。

例えば、声優は日本に1万人以上いますが、その約76%が年収300万円以下です。
ほとんどの声優が売上高1,000万円以下の免税事業者であり、受け取った消費税の納税は免除され益税となっています。
とはいえ、レッスンなどに多額の経費がかかり、生活は苦しいというのが実態です。

そうした中、インボイスの発行事業者(適格事業者)になれば消費税の納税義務が発生するだけでなく、事務作業の負担も増します。

何より、適格事業者にならなければ、発注元が仕入税額控除できないため仕事の依頼が来なくなったり、単価の引き下げを求められたりすることになります。

「経済的事情から事業の継続を諦めざるを得ない人が出てくる。多くの才能が集まらなくなり、クオリティーが落ちるだろう」(40代、俳優・声優)

「所属俳優でインボイス登録しない者は、消費税分のギャラを引くと言われた。実質年収1割減が確定した。登録してもしなくても収入が減り、負担が増える制度はおかしいと思う」(50代、声優・ナレーター・講師)

20代の大学生からは、「将来、私はアーティストとして活動するために勉強中です。でも、インボイス制度が導入されれば、今学んでいることが無駄になりかねません」という声も上がっています。

しかも、新型コロナウイルスの感染拡大により、特に声優や俳優、演劇の仕事はなくなり、そもそも低めだった収入がさらに大幅に減っています。
そのタイミングでの事実上の増税である“インボイスショック”に対し、悲鳴が上がるのも無理はないでしょう。

こうした憂き目に遭うのは、何もエンタメ業界だけではありません。
個人タクシーもインボイス制度の影響が大きい業界なのです。

というのも、個人タクシーの運転手は免税事業者がほとんどです。
そのため、適格事業者にならなければ、個人タクシーを利用した企業は仕入税額控除ができず、企業側の納税負担が増えてしまうのです。

それゆえ、企業から敬遠されまいとして多くの個人タクシー運転手は適格事業者となる見込みですが、消費税の納税負担があるだけでなく、インボイスを発行する機械の交換などの費用もかかるため、廃業を検討している人も少なくありません。

しかも、簡易課税制度を利用すれば売上消費税の50%を控除できますが、高額な自動車を購入した場合には簡易課税制度の方が多額になるケースも出てくるため、判断が難しいのです。

また、当面は経過措置もあり、適格事業者と免税事業者が混在することになりそうですが、社名表示灯(あんどん)や車体の色で区別する方向とはいうものの、利用者からすれば混乱を招くことになるでしょう。

インボイス導入により、業界によっては色々な問題が出てくるかと思います。
インボイス導入の目的のひとつが益税の排除なのですから、悲観ばかりせず、業界の構造を変えるチャンスとか、ご自身の商売について再度考える必要があるように思いますね。
個人的には、売上が1,000万円にいっていないから登録すると損をするからどうしようかと考えるより、1,000万円を超えるようになるにはどうすれば良いかを考える方がわくわくしますし、将来性があるのではないかと思います。

10月開始のインボイスショックで声優の「4人に1人が廃業」を検討していることについて、どう思われましたか?


インボイス制度でネットバンキングと連携し自治体が中小企業を支援!

日本経済新聞によると、消費税の軽減税率に対応し正確な税額を示すインボイス(適格請求書)制度が2023年10月1日に始まるのに合わせ、インボイスの作成や送受信を自動化するシステムを開発する動きが自治体から出てきました。
地域の中小企業などが対応を迫られる受発注業務のデジタル化を支え負担を軽減します。
岐阜県のシステムは最大約100社が実証に参加する見通しで、本格稼働すれば全国のモデルケースとなる可能性があります。

インボイス制度が始まると中小の事業者は受発注業務のデジタル化が不可欠となります。
現在、年間の課税売上高が1,000万円以下の企業は消費税の納付が免除されています。
制度開始後は、多くの企業は課税売上高などにかかわらず、消費税の適用税率や税額の明細を記したインボイス(請求書や納品書)を基に納税するのが原則となります。
中小企業にとってそのためのシステム投資は重荷です。

そこで岐阜県は県内の金融機関やシステム会社と協力し、企業間の受発注に使われる既存のEDI(電子受発注)システムを生かした「EDIデータ連携共通基盤システム」を開発します。
2023年度当初予算案に事業費を計上し実証実験を行う。岐阜県産業デジタル推進課の担当者によると、実証に参加する事業者は最大約100社に上る見通しで、本格稼働すれば「岐阜モデル」として注目されそうです。

特徴は金融機関のインターネットバンキングシステムを介してデジタルインボイスのやり取りができる点です。
利用企業は法人口座を持つ金融機関のネットバンキングシステムにログインすれば、岐阜県のEDIデータ連携共通基盤システムを利用できます。
全銀EDIシステム(ZEDI)を介しEDIの取引データと連携することで、自動振り込みやデジタルインボイスの自動作成・保存が可能になります。
ZEDIは全国銀行資金決済ネットワーク(東京都千代田区)が運用する企業間決済基盤です。

岐阜県のシステムはデジタルインボイスをやり取りできる国際規格「Peppol(ペポル)」に準拠し、2024年1月に義務化される電子帳簿保存法にも対応します。
岐阜県は中小企業への普及を促すとともに、自ら発注者として電子調達にこの仕組みを活用します。
金融機関にとっては取引データを生かした融資などの新サービスにつながる可能性があります。

インボイスのデジタル化を巡っては、会計システムを手掛ける約20社がペポル対応製品を近い時期に発表する見通しです。
ただし、製品は出そろっておらず、自治体は地元企業の支援が急務となっています。
岐阜県の情報化を推進する公益財団法人ソフトピアジャパン(岐阜県大垣市)の松島桂樹理事長は「方言が『標準語』になれる可能性がある」と全国で参考になるモデルにしたいと意気込みを語っています。

会計ソフトの会社などがデジタルインボイスのサービスを提供すると思っていたのですが、自治体でも提供するところが出てきたんですね。
税金の無駄づかいにならないよう、切磋琢磨して、事業者にとって使い勝手が良いものができることを期待しています。

インボイス制度でネットバンキングと連携し自治体が中小企業を支援することについて、どう思われましたか?


消費税免税の制度悪用を見抜けずAppleに130億円の追徴課税!

日本経済新聞によると、アメリカのアップルの日本法人、アップルジャパン(東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、約130億円の消費税を追徴課税されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
過去数年間にiPhoneなどの販売で、消費税の免税制度の要件を満たさない取引を見抜けなかったケースが多数あったなどと指摘されたもようです。
客の申告に基づく日本独特の制度が悪用された形で「抜け穴」の解消が急務でしょう。

消費税で100億円を超える追徴税額は極めて異例です。
アップルジャパンは修正申告したとみられます。

消費税法は、来日6か月未満の非居住者が購入した土産物や日用品などの免税を認めています。
転売目的などは課税対象となり、不適切な購入を見抜けなかった免税店側が消費税分を負担しなければいけない場合があります。
インバウンド(訪日外国人)客の購買需要が増すなか、日本製品や高級品を巡る適切な免税販売の徹底が改め
アップルジャパンは、2022年6月に免税販売を自主的に中止しました。
日本経済新聞の取材に対し、「弊店では免税でのお買い物はご利用いただけません。ご不便をおかけすることをおわび致します」とコメントしました。

消費税の導入から33年経ちました。
国税当局が2022年6月までの1年間に実施した法人調査で、消費税は約2万4千件の申告漏れがあり、追徴税額は計869億円に上りました。
5年前から11%増え、過去最高となりました。

近年増えているとされるのが、インバウンド客への不適切な免税販売です。
2021年以降、大手百貨店3社が東京国税局から計1億円超を追徴課税されました。

政府は2012年以降、インバウンドを成長戦略の柱と位置付け、空港の発着枠や免税店を拡充してきました。
訪日客の購買意欲を示す免税売上高(日本百貨店協会)は2019年に3,400億円を超え、3年連続で過去最高を更新しました。
一部で不適切な免税販売が行われれば、本来は国の社会保障財源となるはずの消費税が納付されず「国の損失」となります。

海外では出国時に免税額を払い戻す制度が主流で、手続きが煩雑な半面、不適切な免税販売は起きにくくなっています。欧州連合(EU)は主に税関の確認を経て事業者が払い戻します。
出国時に税相当額を政府機関が還付する国もあります。

日本政府は2020年4月に、免税店が購入情報の電子データを国税庁や税関と共有する仕組みを導入しました。
国税当局は、一部業界で不正が疑われれば免税販売しないよう行政指導しました。
免税販売を適正化できるか実効性が問われています。

そもそも消費税率を上げたり、インボイス制度を導入して免税事業者を課税事業者にさせる前に、こういった取りっぱぐれをなくすことを考える方が先決なのではないかと思います。
いったんは消費税を支払ってもらって、税関で現物を確認のうえ、払い戻すのが現実的なのではないかと思います。
手続きが面倒な人からは消費税が取れ、また、転売目的のものを一定数は防げるでしょうから。

消費税免税の制度悪用を見抜けずAppleに130億円の追徴課税が行われたことについて、どう思われましたか?


絵画や骨董品で高額取引を装う消費税の不正還付申告を東京国税局が指摘!

朝日新聞によると、輸出の際に消費税が還付される制度を悪用したとして、東京都内の輸出会社が東京国税局の税務調査を受け、消費税約5,400万円の還付を不正に申告したと指摘されたようです。

重加算税を含めた追徴課税は約7,300万円です。

東京国税局は、複数の業者が組織ぐるみで絵画や骨董品などを高額で取引したように見せかけていたとみています。

関係者によると、追徴課税されたのは東京都台東区の輸出会社です。
輸出会社は、今回の追徴課税の取り消しを求めて国税不服審判所に審査請求しているようです。
東京国税局は取引自体が架空だったとみていますが、輸出会社は「適正な輸出手続きの過程で消費税の還付申告をしているので、還付を受けるのが相当だ」と主張しています。

消費税は国内で売買された商品にかかる税金のため、輸出品は免税となります。
そのため、国内で商品を仕入れて輸出した場合、仕入れの際に支払った消費税は国から還付される仕組みになっています。

関係者によると、輸出会社は2020年2月~2021年3月に、中国人画家の絵画の贋作や中国製のつぼ、陶器といった骨董品など計約30点を都内の古物販売業者から総額約6億円で仕入れ、ほぼ同額で香港の業者に輸出したとする申告書を税務署に提出しました。
「仕入れ時に支払った」として消費税約5,400万円の還付を受けようとしましたが、東京国税局は不審な申告だとして還付を保留し、実際に還付されることはなかったそうです。

どちらの主張が正しいのかはよく分かりませんが、不正還付なのであれば、きちんと対処して欲しいですね。
こういったことがあるので、普通に消費税の還付申告をしてもなかなか返してくれませんので、どうにかしてほしいですね。

絵画や骨董品で高額取引を装う消費税の不正還付申告を東京国税局が指摘したことについて、どう思われましたか?


訪日客の免税品の転売防止のために買い手から税を徴収!

日本経済新聞によると、政府は一部の訪日外国人による悪質な転売事例への対策も強めるようです。
政府・与党は訪日外国人に免税品を購入させて買い取り、消費税を免れる不正行為を防ぐための対策の検討に入いりました。

自国に持ち帰らず日本国内で転売した場合、買い取った業者側から消費税を徴収しやすくします。
2022年12月中にまとめる2023年度税制改正大綱に盛り込むことを目指すようです。

消費税法では、訪日客など日本に住まない人が一定の条件を満たす商品を買って自国に持ち帰る場合、消費税を免除する制度があります。

この制度を悪用し、国内を拠点とする業者から指示を受けた訪日外国人が免税で大量に購入した化粧品やブランド品を国内で転売し、消費税分などの利ざやを稼ぐケースが相次いでいました。

これまでは買い取った業者から徴収できるのは訪日客が特定できない場合に限っていました。
政府・与党は水際対策の緩和で訪日客が再び増えることも想定し、訪日客を特定できるかを問わず、業者側から徴収できるように制度を改めます。

日本が消費税を損しているわけですから、こういった改正は良いことだと思います。
こういうことをやる目的で日本に来て爆買いしているとしたら、訪日客が増えても喜ばしいことではないですね。

訪日客の免税品の転売防止のために買い手から税を徴収することについて、どう思われましたか?


東京地検が5,100万円の脱税疑いで不動産会社の役員を逮捕!

日本経済新聞によると、東京地検特捜部は、先日、約5,100万円を脱税したとして東京都中央区にある不動産会社の実質的経営者の会社役員(59)を法人税法違反などの疑いで逮捕しました。
東京国税局と合同で関係先を家宅捜索しました。
東京地検特捜部は、認否を明らかにしていません。

逮捕容疑は架空の業務委託費を計上するなどして約2億900万円の所得を隠し、2015年8月から2016年7月までの事業年度の法人税と地方法人税を免れた疑いです。

不動産会社のホームページなどによると、ビルやマンションの管理代行、売買などを手がけています。
不動産会社の実質的経営者の会社役員は大手の保険代理店の創業者に、消費税計約2,500万円の不正還付を指南したとして、2013年に消費税法違反などの罪で起訴され一、二審で執行猶予付きの有罪判決を受けていました。

脱税である架空の経費を計上するくらいなら、合法的な節税の方法はたくさんあると思いますが、なぜ脱税に走るんでしょうね。
決算の段階で利益が出過ぎていることに気づいて、慌てて架空の経費を入れるのでしょうか?
それならば、月次決算を行って、毎月の状況を確認しつつ、合法的な節税をすればよいと思いますが。

東京地検が5,100万円の脱税疑いで不動産会社の役員を逮捕したことについて、どう思われましたか?


小規模業者はインボイスなしでも税額控除を可能にすることを政府・与党が検討!

日本経済新聞によると、政府・与党は消費税の税率や税額を請求書に正確に記載・保存する「インボイス制度」を巡り、2023年10月の導入時に小規模な事業者向けの猶予措置を設ける調整に入ったようです。
仕入れ時にかかる消費税額の控除を、少額の取引ならインボイスがなくても受けられるようにします。
中小零細企業の事務負担を軽くし、制度を円滑に導入できる環境を整えます。

インボイス制度は「適格請求書等保存方式」の別称。取引した商品やサービスごとに消費税額と税率を記載した請求書をやりとりします。
軽減税率の導入で8%と10%に税率が分かれた消費税の正確な納税に欠かせない仕組みです。

2023年10月の導入が迫り、規模の小さい事業主の事務負担の軽減が課題となっています。
会計ソフトなどを活用していない場合、インボイスを1枚ずつ手作業で確認する必要があります。

政府・与党は会計システムの導入には一定の期間がかかるとみています。
このため数年間の時限措置として、一回の仕入れ額が少額な取引ではインボイスがなくても控除を受けられるようにします。

対象となる事業者の線引きと期間、取引額の上限は今後詰めます。
事業者は課税売上高で年1億円以下に絞る案があります。
少額取引の額は1万円未満とする方向で調整するようです。

財務省によると、課税売上高が5,000万円以下の事業者は2021年3月末時点で全国に114万あります。
1億円以下が基準となれば、100万を上回る事業者が対象となります。

現在はインボイスよりも簡素な請求書を使っています。
一回3万円未満の取引は請求書を保存しなくても仕入れ時の消費税の控除を受けられる特例があります。
この特例に似た措置を小規模事業者の少額取引に限って設けます。

消費税を納めない小規模な免税事業者はインボイスを発行できません。
控除を受けられなくなる買い手から敬遠されて取引を打ち切られる可能性がありました。
こうした心配が当面は和らぎます。

2022年10月末時点でインボイス発行の登録・申請を済ませたのは約168万社です。
日本商工会議所が2022年9月に公表した調査によると、4割の事業者は特段の準備をしていないようです。
日本税理士会連合会は2023年度税制改正に向けて「少なくとも中小企業者の実務を踏まえた柔軟な運用を行うべきだ」と要望していました。

政府は会計ソフトの導入などに使える補助金も用意しています。
手作業がいらないデジタルインボイスが広がれば、小規模事業者の事務負担を緩和できるとみています。

税額と税率を正確に記載したインボイスは、納税実務をデジタル化する基盤となります。
制度の導入は2016年に決まりました。
政府は移行時の負担軽減策を設けつつ、制度の普及を急ぎます。

結局、小規模事業者の少額取引のみが対象であれば、あまり意味をなさないのではないかと思います。
大企業と取引のあるところは、この制度を使えない大企業側は登録していないところとの取引は極力避けるでしょうし、1万円以上のものを売っているところは関係ないでしょうから。
中途半端に特例を作ると、余計面倒になるような気がしてなりません。

小規模業者はインボイスなしでも税額控除を可能にすることを政府・与党が検討していることについて、どう思われましたか?


中国人男女ら7人で77億円分の“爆買い”は消費税の免税対象外!

NHKによると、中国人の男女ら7人が大阪市内の百貨店などでいわゆる“爆買い”した高級ブランド品など77億円相当の商品について、必要な書類などがなく免税の対象にならないとして、大阪国税局が消費税およそ7億6,000万円を徴収する処分を出したことが、関係者への取材で分かったようです。
業者から頼まれた転売目的の疑いがあり、7人は大半を納付せず、すでに出国したということです。

関係者によると、中国人の男女ら7人はおととし以降、観光などの目的で日本を訪れ、大阪市内の百貨店などで高級ブランドの腕時計やバッグなど合わせて77億円相当を“爆買い”し、消費税の免除の手続きをとったということです。

しかしながら、7人は半年以上日本に滞在したうえ、免税に必要な、商品を海外に送ったことを証明する書類を持っていなかったことなどから、大阪国税局は免税の対象にならないとして、7人が納めなかった消費税、合わせておよそ7億6,000万円を徴収する処分を出したということです。

関係者によると、7人は転売目的の業者から資金を得て高級品を購入して渡し、報酬を得ていた疑いがあるということです。
また、大半を納付せず、すでに出国したということです。

大阪国税局は「免税品は、お土産などとして国外に持ち帰る目的で購入する人だけのものなので、転売目的やSNSなどで依頼を受けて購入することはできないことを周知徹底していきたい」としています。

今回、悪用されたとみられるのは、外国人観光客が商品を国外に持ち出して消費する場合などに、消費税が免税される制度です。

免税品は、外国人観光客などが税務署の許可を受けた免税店で購入することができ、家電製品やカバン、化粧品や食品など、日常の生活で使われるものが対象になっています。

免税手続きをした人が、出国時に免税品を所持していなかったり、出国までに輸出していなかったりすると、免税の対象にならないとして、消費税を徴収されます。

一方、免税品は、事業用や販売目的の場合は免税の対象になりません。

免税品をめぐっては、コロナ禍前には、インバウンドの増加を背景に、免税制度を悪用した不正な消費税の還付や、転売目的の購入が相次いでいて、水際対策が大幅に緩和される中、国税当局は警戒を強めています。

国税庁は、不正の防止などを目的に、おととし4月から、免税店が購入記録や客のパスポート情報を国税庁に送る仕組みを導入し、税関ともこの情報を共有して、対策強化を進めています。

日本百貨店協会によると、ことし1月から9月までの全国の88の百貨店の免税品の売り上げはおよそ615億3,900万円で、コロナ禍で落ち込んだ去年1年間をすでにおよそ156億円上回っています。

入国者数の段階的な引き上げとともに、ことし7月以降は1か月当たりの売り上げが去年の同じ時期と比べて倍以上に伸びていて、ことし9月の売り上げは去年の同じ時期のおよそ3倍になっています。

ことし9月は、免税品を購入した客はおよそ2万8,000人に上り、客1人当たりの平均では、およそ33万円相当の商品を購入しているということです。

人気の商品をみると、1位が化粧品、次いで高級ブランド品、食料品です。

免税手続きをした人を国や地域別でみると、最も多かったのは中国で、次いで、台湾、韓国でした。

日本百貨店協会は、「コロナ禍前と比べるとまだ低い水準ではあるものの、水際対策が大幅に緩和された先月以降、免税品の売上はさらに伸びていると感じる」としています。

爆買いは、百貨店などは売り上げが増加して喜ばしいのでしょうが、こういうことがあると、日本としては損をしていますので、どうにかして、取り返してほしいですし、今後、こういったことがないように仕組みを考えてほしいですね。

中国人男女ら7人で77億円分の“爆買い”は消費税の免税対象外であることについて、どう思われましたか?


東京国税局が全国初の「消費税不正還付対策本部」を設置!

テレビ朝日によると、東京国税局が輸出商品への免税制度などを悪用した消費税の不正還付を防ぐため、全国で初めて対策本部を設置しました。

東京国税局の重藤哲郎局長は「通常の調査事案に比べても非常に困難性が高い場合が多々あります。国税当局の様々な部署が一体となって総力を上げて取り組んでいく必要があると認識しています。」とコメントしています。

先日設置された消費税不正還付対策本部には、東京国税局や税務署の職員ら100人以上が参加しています。

不正に還付された消費税額は、2021年6月までの1年間で全国で34億円でした。

そのうち8億円は東京国税局管内で、全国で最も多くなっています。

対策本部に関係部署の職員らを一同に集めることで、効率的に調査を進める狙いがあります。

消費税の不正還付は以前からたくさんあると言われており、真面目に申告している会社でも、消費税の還付申告をすると、最近では、簡単には還付をしてくれません。
税務調査がはいったり、資料を色々と提出しないと、それほどの金額でなくても還付してくれないことが多いように感じます。
一方で、後日、e-Taxで資料を提出しておきますと言っているのに、定期異動で担当者が変わり、引継ぎがきちんと行われていなかったのか、『まだ提出していただいておりませんが、どうなっていますか?』と言われ、『1か月以上前にe-Taxで提出しましたけど。』と答えると、多額であってもすぐに還付されたケースもありましたが(笑)。
こういうのができて、消費税の不正還付が減り、真面目に申告している企業は極力早めに還付されるようになることを期待したいですね。

東京国税局が全国初の「消費税不正還付対策本部」を設置したことについて、どう思われましたか?


インボイス制度でサイトに本名ずらりという身バレ懸念を受け国税庁が見直し!

朝日新聞によると、消費税の「インボイス制度」に登録した個人事業主の名前などの公表方法について、国税庁が見直す方針を決めたことが同庁への取材でわかったようです。

国税庁のウェブサイトから名前の一覧を誰でもダウンロードできる状況になっていましたが、先日、一時的に停止しました。
個人事業主の中には本名を明かさずに仕事をしている人も多く、「身バレにつながる」と懸念する声があがっていました。

サイトでは、2022年8月末までに登録した約20万件の個人事業主の名前が登録番号などとともにファイルにまとめられ、一括でダウンロードできていました。

国税庁によると、ダウンロードを一時的に停止し、このファイルの中で公表する情報の中身を見直すそうです。

インボイスとは、請求書や領収書のことです。
通常、事業者は商品などの販売時に受け取った消費税額から、仕入れなどにかかった消費税額を差し引いて納税しています。
仕入先からインボイスをもらえなければ、消費税から差し引けずに納税額が増えるのです。
2023年10月から、仕入先の事業主から受け取ったインボイスの保存が必要となる「インボイス制度」がスタートします。

制度に登録していない事業主からの仕入れでは控除を受けられないため、取引を敬遠される可能性があり、国税庁は個人事業主にも積極的な登録を呼びかけてきました。
サイトでの氏名の公表は、登録状況を誰でも確認できるために行っています。

しかしながら、掲載が2021年11月に始まると、事業主の間で波紋が広がりました。

「名字は公表したくないが、仕事をもらっている弱い立場で断れない」と話すのは声優の岡本麻弥さんです。
「機動戦士ガンダム」シリーズなど数々の有名アニメに、旧姓であり芸名でもあるこの名前で出演してきました。

サイトで公表される情報は原則は本名だけで、住所や芸名などの「屋号」については任意となります。
ただし、取引先から求められて公表すると、サイト上に本名と芸名が並ぶことになってしまいます。
「自分の本名を誰かがネットで拡散したら」という同じ不安を多くの声優仲間が抱えていることを知り、「VOICTION(ボイクション)」という団体を立ち上げ、公表を含む制度の見直しを求めてきたのです。

少し前にできたM&Aの登録支援機関なども、登録後、M&A関連の業者からDMなどが結構来るのですが、今回のインボイス制度の件も、ある程度は想定できていたのではないかと思います。
法人の場合、いわゆる登記簿に役員の氏名や代表取締役などの住所が記載され、誰もが見ようと思えば見れるため、法人と個人事業主とで差をつける必要がないという考えもあるのかもしれませんが、個人事業主の開業届や、支払調書などの個人番号(個人事業主としての個人番号は存在せず、個人としての個人番号が使われる。)や、事業所得なのか雑所得なのかを含め、国税庁が色々と見直さないといけない時期にきているのではないかと感じた1件でした。

インボイス制度でサイトに本名ずらりという身バレ懸念を受け国税庁が見直しを行うことについて、どう思われましたか?


「インボイス制度」への対応で免税事業者と「取引しない」が約1割で半数は検討中!

2023年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まります。
東京商工リサーチによると、消費税の仕入額税が控除されるインボイス制度について、「知らない」は7.5%で、制度の認知は広がっています。
しかしながら、準備や対応は鈍く、まだ半数近く(46.7%)の企業が取引方針を決めていない実態もわかりました。
一方、税控除ができない免税事業者との取引については、「これまで通り」との回答は4割(41.2%)にとどまり、「取引しない」(9.8%)が約1割、「取引価格を引き下げる」も2%(2.1%)ありました。
今後、取引関係に変化をもたらす可能性も危惧されます。

なお、東京商工リサーチは2022年8月1日~9日に、インターネットによる「インボイス制度」についての企業向けアンケート調査を実施し、有効回答6,441社を集計・分析しました。
資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義しています。

課税売上高1,000万円以下のフリーランスなど小・零細規模の事業者は、消費税の申告・納税義務が免除されています。
制度開始後、消費税の申告・納税が必要となる課税事業者が、インボイス発行事業者になると、売上先は仕入税額を控除できます。
ところが、免税事業者のままだとインボイスを発行できず、売上先は仕入税額を控除できないため納税額が大きくなるのです。

これを避けたい事業者が、免税事業者との取引解消や値下を要求する懸念が問題となっています。
一方で、免税事業者が、課税事業者を選択すると消費税の納税義務が生じ、小規模事業者ほど板挟みに苦悩しています。

Q1.2023年10月に導入される「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」についてご存じですか?(択一回答)
インボイス制度を「知らない」と回答した企業は7.5%(6,441社中、483社)にとどまり、「よく知っている」19.5%(1,257社)、「大体知っている」49.0%(3,158社)、「少し知っている」23.9%(1,543社)を合わせた「知っている」は92.5%に達しました。
規模別では、「知らない」は、大企業が6.2%(988社中、62社)、中小企業が7.7%(5,453社中、421社)で、規模を問わずインボイス制度の認識は広がっています。

Q2.インボイス制度導入後、免税事業者との取引はどうする方針ですか?(択一回答)
インボイス制度の導入後、免税事業者との取引について、「これまで通り」が41.2%(5,292社中2,181社)と4割超を占めました。
一方で、「免税事業者とは取引しない」は9.8%(523社)、「取引価格を引き下げる」は2.1%(115社)と、1割強(11.9%)が取引中止や取引価格の引き下げ意向を示しています。
また、「検討中」は46.7%(2,473社)と、まだ半数近くは取引方針を迷い、免税事業者への悪影響が広がる可能性もあります。
規模別では、「免税事業者とは取引しない」は、大企業が6.4%(765社中、49社)、中小企業が10.4%(4,527社中、474社)で、中小企業が大企業を4ポイント上回りました。
また、「取引価格を引き下げる」は、大企業が1.4%(11社)、中小企業が2.3%(104社)で、取引継続は資金負担が生じることもあるだけに中小企業のシビアな回答が目立ちました。
一方、「これまで通り」は大企業が38.3%(293社)、中小企業が41.7%(1,888社)で中小企業が高くなっています。
「検討中」は大企業が53.8%(412社)、中小企業が45.5%(2,061社)と大企業では過半以上が検討中で、今後の方針決定で取引関係が大きく変わる可能性があります。

例えば、メーカーのA社が小売業のB社に11,000円(消費税1,000円)で納品し、B社が消費者に16,500円(消費税1,500円)で販売した場合、A社がインボイスを交付しB社が仕入税額控除を行うと1,500円から1,000円を引いた500円が納付税額となります。
しかしながら、A社が免税事業者だと、一定期間(6年間)の経過措置が設けられていますが、B社は控除できず、1,500円を納付しなければならないケースが出てきます。
そのためB社は、免税事業者との取引見直しを検討し、今回のアンケート調査では約1割の企業が取引を止めると回答しました。

免税事業者から課税事業者への移行を前に、個人事業から法人へシフトする動きも目立っています。
東京商工リサーチの調べでは、2021年の新たな「合同会社」の法人設立は36,934社で、5年前から1.6倍に急増しました。
設立手続きが簡単で、運用コストが安いメリットの合同会社を個人事業主が選択しているとみられます。

消費税の納税義務を免除されていた一部のフリーランスなどの免税事業者は、課税事業者に移行すると納税負担が増します。
一方、免税事業者のままでは取引解消のリスクが現実味を帯びてきます。
国は免税事業者との取引に配慮し、制度開始から6年間は仕入税額の一部控除が可能としました。
また、免税事業者との取引を、インボイス制度実施を契機に取引条件を見直すと、優越的地位の濫用として問題にもなりかねないと警鐘を鳴らしている。
ただし、企業は、基本的に取引先の選択を自由にでき、税負担が増す免税事業者との取引縮小の動きが加速する可能性は高いでしょう。
長引くコロナ禍で、小・零細事業者は経営不振が続くだけに、インボイス制度の導入で混乱が起きないように、事前の支援やフォローが重要になっています。

個人的に、知らないが7.5%というのは低すぎるのではないかと思いますが、かなり認知度は増してきているのは事実だと思います。
2021年10月1日から、インボイス制度の登録がスタートしていますが、1年ほど前に弊事務所のお客様にインボイス制度の説明をしたときには、ほとんどご存じの方はおられませんでしたが、最近では、取引先から説明を受けたりいているのか、お会いした方にインボイス制度の話しをすると、制度のことは知っている方が多いように思います。
継続的に多額の取引をしているところでなくても、飲食店、消耗品を買っているところなども、結局、インボイスの登録をしていないところだと、経理処理が煩雑になりますので、敬遠されていくのではないかと思っています。
免税事業者の方は、どうするかを早くから慎重に検討しましょう。

「インボイス制度」への対応で免税事業者と「取引しない」が約1割で半数は検討中であることについて、どう思われましたか?


消費税4,900万円を脱税した税理士だった社長は国税告発直前に税理士を廃業!

読売新聞によると、消費税約4,900万円を脱税したとして、東京国税局が衣料品卸売会社(東京都渋谷区)と、衣料品卸売会社社長で元税理士の男性(54)を消費税法違反の疑いで東京地検に告発していたことがわかったようです。

関係者によると、衣料品卸売会社は海外からカシミヤ製の衣料品を輸入し、百貨店の顧客向けに販売していました。
社長は、衣料品卸売会社に消費税の申告義務があることを知りながら、2020年8月までの3年間、消費税の確定申告を行わず、同期間の売り上げにかかる消費税計約4,900万円を免れた疑いです。

不正に得た資金は、社長の生活費や、衣料品の仕入れ費などに充てられていたようです。

取材に対し、社長は「国税局の指導に従って期限後申告を行い、納税も一部済ませた。今後は期限内に申告、納税をしていく」と文書で回答しました。

社長は衣料品卸売会社経営のほか、ビジネスコンサルタントとして企業向けの講演などをしていました。
税理士としても相続の相談や税務調査の立ち会いなどの業務を行っていましたが、告発直前の2022年3月13日に税理士を廃業しました。

これも、税理士としての処分を受ける前に廃業して処分を回避するという案件ですね。
税理士としては、当然、消費税の申告義務があることは分かっていたはずですから、あってはいけないことだと思います。
この社長は何冊か本も出されている方だと思いますが、同業者として恥ずかしいですね。
税理士であることを除いて考えても、こういう人に社長やビジネスコンサルタントがつとまるのだろうかと思ってしまいますが。

消費税4,900万円を脱税した税理士だった社長は国税告発直前に税理士を廃業したことについて、どう思われましたか?


消費税の過少申告で多額の追徴課税を受けた貴金属の買取・販売業者が破産!

東京商工リサーチによると、東京都台東区の貴金属の買取・販売会社が、先日、東京地裁から破産開始決定を受けたようです。

負債は債権者6名に対し、公租公課を中心に約24億9,700万円だそうです。

貴金属の買取店を出店し、一般顧客などを対象に金・銀・プラチナなどの貴金属の買取を手掛けていました。

買い取った貴金属の転売により収益を得ていましたが、2020年に消費税の過少申告が発覚し、過去3年間について東京国税局より過少申告加算税を含めて約24億円を追徴課税される事態が発生しました。

以降、追徴課税の負担がのしかかるなか、経営も限界に達し今回の措置となったようです。

記事からは意図的なのかどうか分かりませんが、きちんと申告しないと、追徴課税のみならず、会社の存続にもかかわるという一例ですね。
金額から推測すると、結構な金額の貴金属を扱っていたんでしょうね。
破産となると、税金を取りっぱぐれてしまうのではないか思いますが、どうなるんでしょうか?

消費税の過少申告で多額の追徴課税を受けた貴金属の買取・販売業者が破産したことについて、どう思われましたか?


外注費偽装で4,300万を円脱税した和歌山県の会社を告発!

産経WESTによると、従業員の人件費の一部を外注費と偽るなどし、約4,300万円を脱税したとして、大阪国税局が消費税法違反などの罪で、和歌山県岩出市の運送会社の元社長(65)と法人としての運送会社を和歌山地検に告発していたことが関係者への取材で分かったようです。

追徴税額は重加算税を含む約5,800万円で、すでに修正申告を済ませて大半を納付したようです。

関係者によると、運送会社は令和2年6月末までの3年間で、人件費の一部を、消費税の控除を受けることができる外注費に偽装して計上し、不正に消費税の還付を受けるなどし、約4,300万円を脱税したとされます。

消費税がかからない給与か消費税がかかる外注費かは、実務上判断が難しく、税務上、問題になることも多い論点だとは思いますが、偽装して、重加算税が課されているということは、悪質だったんでしょうね。
改めて、雇用か業務委託かは注意しないといけないなぁと思った1件でした。

2023年10月1日からインボイス制度が導入されますが、免税事業者である外注先がある場合、取引をどうするかなどの問題も出てきますので、早めに外注先のリストアップ、インボイス制度への対応策なども考えたほうが良いと思います。

外注費偽装で4,300万を円脱税した和歌山県の会社を告発したことについて、どう思われましたか?


「1,000万円の猫」と偽装し消費税の不正還付を受けようとした社長を逮捕!

日本経済新聞によると、東京地検特捜部は、先日、イベント用として数百万~1千万円の猫を仕入れたと装い、不正に消費税の還付を受けたとして、東京都中央区のペット関連会社の社長を(70)を消費税法違反などの疑いで逮捕しました。
東京地検特捜部と東京国税局は、同日、合同でペット関連会社の店舗を家宅捜索しました。

関係者によると、ペット関連会社の社長は実際には数十万円の猫を100匹ほどしか所有していなかったのに、数百匹分を総額20億円超で仕入れたと装っていたようです。
任意の事情聴取には、「多くは死んでしまった」と話したそうです。

消費税の還付制度では、物品の仕入れ先に払った消費税が売上時に受け取った消費税より多い際、差額分の還付が受けられます。
ペット関連会社は所有する猫と触れ合える「ふれあいねこ展」を全国で開催しており、仕入れに伴う消費税額がイベント収入などで受け取った分を上回ったとして、税務署に還付を申告していました。

逮捕容疑は、2018年1~9月に消費税と地方消費税計約9,100万円の還付を不正に受け、2018年10月~2019年9月に計約1億100万円の還付を不正に受けようとした疑いです。

事実だとすれば、かなり悪質ですね。
記事からすると、2018年1~9月分については消費税を還付を受けているようなので、国税局も還付する際の調査等が甘かったのではないかと思います。
これに味をしめて、2018年10月~2019年9月も不正還付申告をしたのではないかと思います。
こういう不正還付申告をする人が結構いるので、本当に消費税が還付になる会社などが還付申告をすると、税務調査が入ったりしてなかなか還付してもらえませんので、本当にやめて欲しいですよね。
架空経費で法人税等を脱税する行為はもちろん悪質だと思いますが、架空仕入れで消費税を不正還付を受けるという行為は、国などから不正にお金を搾取しているということですので、かなり悪質ということは理解してほしいですね。

「1,000万円の猫」と偽装し消費税の不正還付を受けようとした社長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


公明党議員秘書が国税に再三要望!

朝日新聞によると、公明党選対委員長の高木陽介衆院議員(61)=比例東京=の公設秘書が2020年12月から2021年2月にかけて、知人が顧問を務める会社の税務調査をめぐり、会社側の要望を電話で10回以上、国税庁に伝えていたことが関係者への取材でわかったようです。
秘書は、国税側と会社側との面会の場を設けたほか、同庁職員を議員会館に呼んで会社側の不満を伝えていました。

秘書は朝日新聞の取材に対し、会社側の要望を繰り返し国税庁に伝えた事実を認めたうえで、「納税者の意見を伝えただけで、圧力をかけたわけではない」と説明しました。
一方、個別の税務調査への介入ではないかとの指摘については「真摯(しんし)に受け止めたい」と答えたようです。

東京国税局の税務調査を受けたのは、サプリメント販売会社(東京都新宿区)です。

関係者によると、サプリメント販売会社は、仕入れ時に支払った消費税が売上時に受け取った消費税を上回った場合に差額が還付される制度を使い、還付を申請していました。
しかしながら、2020年8月に税務調査が始まり、申し立てていた消費税約1億円の還付手続きがストップし、サプリメント販売会社の顧問は還付されないことなどへの不満を知人の秘書に相談しました。

秘書は2020年12月下旬以降、調査中を理由に止まっていた消費税の還付を求めるサプリメント販売会社の要望を、国税庁に電話で繰り返し伝え、社長らと面会するよう求めました。
国税側は2020年12月24日に東京上野税務署(台東区)で社長らと面会しました。
しかしながら、社長らが対応に不満を持ったため、秘書は国税庁に「うちの顔を立てて下さい」と伝えました。
その後、2020年12月28日には東京国税局(中央区)で再度の面会が行われました。

その後も続いた税務調査の中で、国税側は2021年1月27日、社長らに調査結果の見通しを説明し、課税処分する可能性を示しました。

秘書は会社側からこの説明内容への不満を聞き、2021年1月28日、国税庁の課長補佐2人を議員会館に呼び、還付が行われていないといったサプリメント販売会社の不満を直接伝えました。
サプリメント販売会社側に不正の根拠を明確に示すことを求めたうえで、「気をつけてもらいたい」と述べたそうです。

税務調査の結果、東京国税局は2021年4月、サプリメント販売会社がサプリ原料の仕入れ額を過大に計上し、2019年10月までの1年間で約11億円の所得隠しをし、消費税の還付額も過大に申し立てたと認定しました。
重加算税を含む法人税と消費税計約7億円を追徴課税(更正処分)しました。
サプリメント販売会社はこれを不服とし、2021年7月に国税不服審判所に審査を請求した。

サプリメント販売会社は朝日新聞の取材に応じていないようです。
サプリメント販売会社の税理士は、「消費税還付がされず、資金繰りが厳しくなった窮状を訴えるため、代議士事務所に国税庁への働きかけを求め、動いてもらった、と社長から聞いている」と話しているようです。

国税庁は「個別の税務調査にはコメントしない。一般論として議員や議員秘書からの問い合わせに関わらず、国税庁としては、個々の事実関係に基づき、法令等に照らし適切に対応している」としています。

税務署の処分が正しいとすれば、悪質な企業なわけですから、税務調査が終わってから消費税を還付するという税務署の態度は正しいのではないかと思います。
たとえ不正をしていなくても、消費税の不正還付が過去から横行しているわけですから、消費税の還付申告をすれば、少額であっても、追加資料の提出を求められたり、税務調査に入って確認した後でないと最近は還付されないというのは周知の事実ですから。
あと、疑問に思うのは、この秘書のやっていることは税務代理のような気がしますので、税理士法違反なのではないかと思ってしまいますね。
当然、秘書のやっていることは議員にも責任があると思いますが。
国税庁の方は議員会館に行く必要はなかったように思いますが、圧力に屈することなく、最後まで毅然とした態度で臨まれたと思います。

公明党議員秘書が国税に再三要望していたことについて、どう思われましたか?


コロナ禍で国税が調査チームを作り消費税不正還付で9社で5億円を追徴!

朝日新聞によると、消費税の輸出免税制度を悪用して還付申告をしたとして、化粧品やマスクなどを扱う東海地方の貿易会社など9社が、名古屋国税局から消費税計約5億円の追徴課税を受けたことが分かったようです。

コロナ禍が企業活動にも影響を与えるなか、名古屋国税局は消費税の還付申告額が急増した業者に着目し、約100人態勢のチームで調査していました。

国税幹部は「消費税の不正還付は国から金をだまし取るようなもので、税金を納めない脱税よりも悪質と言える。コロナ禍でも厳正に調査する」と話しています。

調査を受けたのは、岐阜県瑞穂市の中国系の貿易会社7社と、不動産管理会社など2社です。

関係者によると、貿易会社などは主に、日本製のハンドクリームやマスクといった海外で人気がある化粧品・日用品を販売し、利益を上げていましたが、架空の仕入れを計上して、取引先に消費税を支払ったように仮装していました。
さらに売り上げについて、輸出や外国人旅行者向けの免税販売だったように見せかけ、税務署に消費税の還付申告をし、不正に還付を受けたとされます。

仕入れ先をごまかすため、大手ドラッグストアの白紙領収書を悪用したケースもあったそうです。

取材に対し、岐阜県瑞穂市の貿易会社の社長は「国税の指摘は納得できず、争っているところだ」、別の貿易会社(名古屋市中区)の社長は「消費税の還付について国税の指摘を受けた」と話しています。

事業者が国内で仕入れた商品を輸出すると、仕入れ時に消費税を支払う一方で、輸出先からは消費税を受け取れません。
そのため税務署に申告すると、仕入れでかかった消費税分が還付されます。
この仕組みを悪用して還付額を膨らませる事案が後を絶ちません。

国税庁によると、2020年6月までの3年間に、還付申告をめぐり意図的な不正があったとして130億円を追徴課税しました。
名古屋国税局の管内(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)では計33億円にのぼっています。
外国人旅行者に雑貨などを免税品として販売したように装う手口が目立つようです。

国税庁は2021年7月、不正還付に特化した「消費税専門官」を新設しました。
新宿や渋谷、浦和、静岡、名古屋中、神戸、福岡など全国の主要11税務署に配置しています。

消費税の不正還付は、納めないということでなく、それに加えて国からだまし取るということなので、事実だとすると、かなり悪質ですね。
消費税の不正還付はかなり前から横行しているようで、普通に消費税の還付申告をするとしたとしても、税務調査に来たり、追加で色々と書類を提出しないと、なかなか還付してもらえません。
こういった悪質な例が多いからであり、真面目に申告して還付となっている事業者は結構迷惑を被っているのではないでしょうか?
専門のチームを作ったのが遅いような気はしますが、作った以上、どんどん悪質なところを指摘して、追徴してほしいですね。

コロナ禍で国税が調査チームを作り消費税不正還付で9社で5億円を追徴したことについて、どう思われましたか?


東京都直営市場が消費税1億円の申告漏れ!

産経新聞によると、東京都直営の中央卸売市場の一つ「食肉市場」(東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、2018年度までの3年間で約1億600万円の消費税の申告漏れを指摘されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
本来は消費税のかからない都債の償還(返済)について、課税対象と誤解して税務処理したのが原因でした。
追徴税額は過少申告加算税などを含め約1億2千万円で、東京都側はすでに修正申告したとしています。

消費税は、商品を販売した際などに受け取った「課税売り上げ」にかかる消費税額から、仕入れや外注などで支払った「課税仕入れ」にかかる消費税額を差し引いたものが納税額となります。
東京都の特別会計で収支を管理している食肉市場でも、食肉処理場の使用料などとして業者から消費税を徴収しており、他の経費などで支払った消費税分を差し引いて納税しています。

東京都や関係者によると、食肉市場では資金調達のために発行した都債の返済費として2016~2018年度、元本と利子を含め総額約22億円を充当しました。
このうち元本の返済分を課税仕入れとして計上していました。
これに対し国税局は、都債の返済はそもそも消費税のかからない「不課税取引」で、課税仕入れには計上できないと指摘しました。
課税仕入れ額が圧縮されたことで、1億円超の消費税が申告漏れとなりました。

東京都中央卸売市場財務課は「国税当局の手引きなどに基づき、課税仕入れになると認識して税務処理したが誤っていた。指摘に従って昨年5月に修正申告し、納税を済ませた。現在は認識を改め、適正に納付している」と話しています。

食肉市場は、豊洲市場など都内に11か所ある都中央卸売市場の一つです。
食肉の取扱量は1日当たり約315トン(2019年)で国内では最大規模です。

経営者の中にも、なぜ借入金の返済が経費にならないのかと思っている方がそれなりにいらっしゃるような気はしますが、借入金等の返済が課税仕入になるのであれば、当然、借り入れなどが課税売上になりますよね。
借り入れなどが課税売上にはならないと考えていると思いますので、借入金の返済が課税仕入にならないのは当たり前のような気はしますが、それなりの規模のところでも、そういった知識のところがあることに驚きでした。
東京都って顧問税理士がいないんですかね。

東京都直営市場が消費税1億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


3年分の税控除を過大申告し2,558万円脱税疑いで給食業者の代表取締役を逮捕!

沖縄タイムスによると、消費税と地方消費税約2,558万円を脱税したとして、那覇地検は、先日、消費税法違反と地方税法違反の疑いで、給食受託業(那覇市)の代表取締役(69)を逮捕したと発表しました。

「捜査に支障が生じる」として、認否を明らかにしていません。

那覇地検によると、代表取締役は業務全般を統括しており、2016年5月~2019年4月分の確定申告時、税控除額を過大に計上するなどして、納付税額を実際より少ない約210万円と申告し、約2,558万円の支払いを免れた疑いがあります。

那覇地検は、先日、沖縄国税事務所と合同で代表取締役の関係先を家宅捜索しました。

おそらく架空経費の計上ですが、そうであるならば、結構悪質ですよね。
消費税は、架空経費の計上で、還付申告するという悪質なものが世の中には結構あると耳にしますが、還付申告ではなく、消費税を納付していれば大丈夫と思っていたのでしょうか?
それほど、甘いものではないと思います。

3年分の税控除を過大申告し2,558万円脱税疑いで給食業者の代表取締役が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!

2021/4/15に自分の確定申告を終え、今シーズンの確定申告業務が終わりました。
昨シーズンは、自分を除き、当初の期限である3/15に終えたのですが、今シーズンは、3/16以降に申告を終えた方がそれなりにいて、4/14にも2名電子申告をしました。

備忘録を兼ねて、今週は、今回の確定申告で感じた留意点をまとめたいと思います。

<所得税>
①事業的規模でなくても65万円控除ができる!
②役所を信じてはいけない!
<消費税>
③雑所得でも所得税の還付申告ができる!
④新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!
<贈与税>
⑤すぐに贈与税の申告ができない!

すでに、『事業的規模でなくても65万円控除ができる!』、『役所を信じてはいけない!』、『雑所得でも所得税の還付申告ができる!』については書きましたので、4日目の本日は、『新型コロナウイルス影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!』です。

新型コロナウイルス感染症の影響で、急遽、多額の設備投資を行うことがあるでしょう。
簡易課税を選択している場合、課税期間を短縮したうえで原則課税に変更するという手もありますが、新型コロナウイルス感染症等の影響による被害を受けたことにより、簡易課税制度の適用を受ける(またはやめる)必要が生じた場合、税務署長の承認により、その被害を受けた課税期間から、その適用を受ける(またはやめる)ことができます。

書類としては、『災害等による消費税簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書』を提出します。
発生した災害その他やむを得ない理由、被害の状況、被害を受けたことにより特例規定の適用を受けることが必要となった事情、災害等の生じた日及び災害等のやんだ日などの記入が必要です。
提出時期は、災害その他やむを得ない理由のやんだ日から2か月以内です。
ただし、災害等のやんだ日がその申請に係る課税期間等の末日の翌日(個人事業者の場合は、当該末日の翌日から1月を経過した日)以後に到来する場合には、その課税期間等に係る申告書の提出期限までとなります。

ちなみに、2通提出が必要で、税務署長が承認すると、1通は税務署長が押印して郵送されます。
(税務署の人に確認したところ、電子申告できますと言われたのですが…)僕の使っている申告ソフト(NTTデータ達人シリーズ)は、この申請書は電子申告に対応していないので、紙で提出しました。

新型コロナウイルス感染症の影響はまだまだ続くと思いますので、有効に使いたいですね。

新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できることについて、どう思われましたか?


雑所得でも消費税の還付申告ができる!

2021/4/15に自分の確定申告を終え、今シーズンの確定申告業務が終わりました。
昨シーズンは、自分を除き、当初の期限である3/15に終えたのですが、今シーズンは、3/16以降に申告を終えた方がそれなりにいて、4/14にも2名電子申告をしました。

備忘録を兼ねて、今週は、今回の確定申告で感じた留意点をまとめたいと思います。
<所得税>
①事業的規模でなくても65万円控除ができる!
②役所を信じてはいけない!
<消費税>
③雑所得でも所得税の還付申告ができる!
④新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!
<贈与税>
⑤すぐに贈与税の申告ができない!

すでに、『事業的規模でなくても65万円控除ができる!』、『役所を信じてはいけない!』については書きましたので、3日目の本日は、『雑所得でも所得税の還付申告ができる!』です。

これまで、公的年金等かそれ以外の2つの区分しかなかったのですが、副業をしている方が多いのか『業務』加わり、令和2年分からは以下の3つに区分されました。
●公的年金等
●業務
●その他

ここで、所得税法上、『事業』と『業務』の明確な定義はないのです(不動産所得を除きます。)が、最高裁の判決により、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められるものを『事業』とし、それ以外のものを「業務」として区分しているようです。
『事業』と『業務』の主なものに、(1)事業所得と雑所得、(2)不動産所得を生ずべき「事業」と「業務」の区分があります。

一方、消費税法上、『事業』とは、対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供が反復、継続、独立して行われることをいいます。

それゆえ、消費税の方が、『事業』の範囲が広いということになります。

よって、所得税法上、『事業(所得)』にあたらず『雑所得』であると考えているとしても、消費税法上、『事業』に該当すれば、所得税の確定申告書では『雑所得』で申告していたとしても、消費税の還付申告はできます。

ただし、税務署から電話がかかってきて理由を求められましたし、雑所得の場合、青色決算書などを提出しないため、税務署は収支などが分からないため、会計ソフトから出力することができる消費税の集計表を求められました。
理由の説明としては、上記の、所得税法上と消費税法上の『事業』の範囲が異なり、所得税法上は、●●という理由(ここはそれぞれ異なると思います。)で『事業』ではないと考えているものの、消費税法上は『事業』に当たるということを説明すれば大丈夫です。

雑所得でも消費税の還付申告ができることについて、どう思われましたか?


金1.7トンを密輸し10億円を脱税した韓国籍の男性らを逮捕!

金地金を密輸入して消費税など約1,800万円を脱税しようとしたとして、千葉県警は、先日、消費税法違反などの疑いで、韓国籍の無職の男性(34)ら2人を逮捕しました。

東京税関によると、2人は報酬目的だったと供述しているようです。
他に複数の韓国人が関与し、密輸入した金地金は計1.7トン、脱税額は10億円に上るということです。

逮捕容疑は、2020年6月4日、金地金30キロを香港から航空貨物で成田空港に無許可で持ち込み、消費税などを脱税しようとした疑いです。

金と比重が似たタングステン製の筒に入れて持ち込んでいたそうです。
筒は医療機器の部品と申告していました。

最近、金地金を利用した脱税が横行しているようですが、かなりの金額をやっている人がいるんですね。
消費税はインパクトが大きいので、昔から脱税とかが行われることが多いですね。
金地金の取引は課税取引ゆえ、消費税を支払っていない金地金を海外から持ってきて国内で仕入れたことにして仕入税額控除を取り、脱税するというスキームです。
おそらく、氷山の一角だと思いますので、どんどん摘発してほしいですね。

金1.7トンを密輸し10億円を脱税した韓国籍の男性らが逮捕されたことについて、どう思われましたか?


金地金買い取り業者など80法人・個人を消費税不正で40億円を追徴課税!

読売新聞によると、国税当局が、全国の免税店などを対象に消費税の不正申告の有無を調べる一斉税務調査を行い、約80の法人と個人に計約40億円を追徴課税したことが関係者の話で分かったようです。

うち約30億円は金地金買い取り業者2社への課税で、中国人などから金地金を買い取ったとする帳簿の記載に裏付けがないと判断されたようです。

2019年10月の消費増税で不正による利得額も増すため、調査を強化する必要があるとして、東京、大阪、福岡など7国税局が実施しました。

消費税の不正申告に特化した全国一斉調査は、初めてのようです。

関係者によると、最も多額の追徴を受けたのは、東京都台東区の金地金買い取り業者で、2019年8月期までの3年間について、過少申告加算税を含め約24億円を追徴課税(更正処分)されたようです。

3年間で24億円も取られるなんて、かなりの取引量がある中で、かなりの不正をしていたということでしょうね。
こういった悪質な業者からは、今回のような全国一斉調査をどんどんして、どんどん税金を取って、不正が減るように国税庁には頑張って欲しいですね。
ただし、以前、消費税の不正還付が横行して、数年前から、きちんと処理・申告をしていても、すぐには還付してくれない状況になっていますので、こういう悪質な業者がいっぱい出てくると、ますます還付が簡単にはしてもらえなくなるんでしょうね。

金地金買い取り業者など80法人・個人を消費税不正で40億円を追徴課税したことについて、どう思われましたか?


中古マンション転売の消費税の課税処分取り消し!

中古賃貸マンションの売買時の消費税の税務処理が争われた訴訟で、東京地裁(清水知恵子裁判長)は、先日、東京国税局の課税処分を取り消す国税局側敗訴の判決を言い渡しました。
法改正で現在は同じ問題は起こりませんが、過去の同種事案に波及し、不服申し立てなどにつながる可能性があります。

争っていたのは不動産会社「エー・ディー・ワークス」で、中古の賃貸マンションを購入した後、大規模修繕などで価値を高め、収益が見込める投資用不動産として販売する事業を行っています。
中古マンションの売買時にかかる消費税の税務処理をめぐって、約5億3千万円の課税処分を受け、取り消しを求めていました。

消費税には販売時に受け取った税から、仕入時に支払った税を差し引いて申告、納税する「仕入税額控除」の制度があります。
控除できる金額の計算には詳細なルールがありますが、今回は中古マンションの仕入れの目的が投資家への販売なのか、家賃収入を得る目的もあったのかが最大の争点となったのです。

エー・ディー・ワークスは販売目的の仕入れであり、仕入時の消費税を全額差し引くことができると主張しました。
一方、東京国税局は販売までの期間にマンション居住者から家賃を受け取っていると指摘し、「家賃収入も事業の目的の一つで、全額を差し引く処理はできない」としてエー・ディー・ワークスに申告漏れを指摘しました。

判決で清水裁判長は「仕入れの目的が不動産の売却にあることは明らか。賃料収入は不可避的に生じる副産物として位置づけられる」と指摘しました。
賃料収入が見込まれるからといって全額を差し引けないとする国税の判断は「相当性を欠く」と結論づけました。

同様の課税処分は全国で行われており、「判決が確定すれば、不服の申し立てなどが相次ぐ可能性もある」(国税OB)ようです。

親会社のADワークスグループは「主張の正当性が全面的に認められたものであり、妥当な判断であると考えている」とコメントしています。
一方、東京国税局は「国側の主張が認められなかったことは大変、残念。控訴するかどうか関係機関と判決文を検討中」としています。

この事件については、このBLOGでも何度か取り上げましたが、国税側がO.K.と言っていたものを急に変えて否認したというケースです。
当たり前の判決だと思いますが、こういう判決を機に、国税側のスタンスを改めて欲しいと思います。
場当たり的な対応ではなく、筋の通った、誰もが理解できるような税制にして欲しいと思います。
結局、こういう裁判関係の費用は税金で支払われていると思いますので。
個人的には、ここ数年流行っている商品でエー・ディー・ワークスさんとは付き合いがあるので、本当に良かったなぁと思います。

中古マンション転売の消費税の課税処分取り消しの判決が出たことについて、どう思われましたか?


キャッシュレス決済に係る決済手数料の消費税課否判断は?

 消費税率引上げと同時に、キャッシュレス・消費者還元事業が本格的にスタートしています。
事業者にあっては、これを機にキャッシュレス決済端末を実質無料で入手し、対応している場合もあることでしょう。

 キャッシュレス決済により商品の販売を行った場合、その販売代金は、お客様が利用した決済方法に係る決済会社に応じ、ある程度の時期にまとめて入金がされます。
その入金の際、ほとんどのケースにおいて決済手数料が差引かれることとなっていますが、この決済手数料に係る消費税について、改めて確認しておきましょう。

まずは、クレジットカード決済に係る決済手数料についてです。
これは、国税庁サイトで公表されている質疑応答事例集になります。
この事例は、加盟店が信販会社に対して商品代金という『金銭債権』を譲渡し、譲渡代金を受取っているケースです。
このような場合の決済手数料は、金銭債権の譲渡ということで、消費税は非課税として取扱われます。
決済手数料に係る消費税が非課税となるものとしては、他に、QUICPayやiDなどが該当します。
ただし、1点気をつけていただきたいのは、加盟店が信販会社と直接契約ではなく、決済代行会社を通しているケースです。
このような場合には、決済代行会社に対して『金銭債権』を譲渡しているわけではないので、決済代行会社に支払う決済手数料に係る消費税は課税として捉えられます。

また、この他に『金銭債権』を譲渡しないケースが存在します。
いわゆる“チャージ”方式のキャッシュレス決済手段を用いた場合の決済手数料です。
こちらも、消費税が“課税”になります。
代表的な決済手段ですと、Suicaなどの交通系電子マネー、LINE Pay、Alipay、WeChat Pay、d払いなどです。

以上をまとめると、以下のとおりです。

決済手数料に係る消費税が
『非課税』となる決済手段

決済手数料に係る消費税が
『課税』となる決済手段

・クレジットカード
・QUICPay
・iD
など(ただし、契約先が決済代行会社の場合には、課税)

・交通系電子マネー(Suicaなど)
・LINE Pay
・Alipay
・WeChat Pay
・d払い
・楽天Edy
・nanaco
・WAON
左の非課税となっている決済手段のうち、契約先が決済代行会社のケース
など

会計処理を行う上では、必ず契約書や入金に関する明細書をご覧いただき、消費税の課否判断を行いましょう。

なんちゃらPayとか、色々な決済手段が増えていますので、取り扱いには注意したいですね。
個人的には、なんちゃらPayも早く淘汰されて、数社に集約されて欲しいですね。
そうしないと、お店も大変だと思います。

キャッシュレス決済に係る決済手数料の消費税課否判断について、どう思われましたか?


マンション取引に関し東京地裁で消費税の注目判決!

 最近の話題の1つに消費税増税がありますが、我々、税の専門家の間で消費税の話題といえば、2018年6月にマスコミ報道のあった株式会社ムゲンエステートや株式会社エー・ディー・ワークスと課税当局との争いが挙げられるでしょう。

マンション販売事業者らが取得した居住用建物に係る消費税仕入税額控除の取扱いを巡っては、課税当局とムゲンエステート、エー・ディー・ワークスが現在東京地裁で係争中です。
争点は、入居者がいる中古賃貸マンションの建物や部屋を購入し、その後転売する取引の税務処理です。
消費税では、仕入れに際して支払った消費税を、売上時に受け取った消費税から控除して納める、いわゆる「仕入れ税額控除」をすることになります。
2019年10月1日からは、消費税率が引き上げられたことから、不動産会社によっては影響も大きく、関係者は裁判の行方を注視しています。
この地裁での争いが2019年6月25日に結審し、判決の言い渡しが10月11日に行われました。
同社並びに同様の問題を抱える同業者には厳しい内容となりました。

同裁判の争点は、中古賃貸マンションを転売目的で購入した場合の消費税還付申告について「すでに建物を仕入れた日には貸付と家賃の収受が前提で、賃借権負担付売買契約締結していた」場合、非課税所得である個人家賃収入と共同して要する課税仕入れとなるとし、全額還付とはならないことの是非を問うものでした。
従来は転売目的が明確であり、賃貸が一時的なものは全額が還付対象とされてきました。
しかしながら、近年同様のケースで、仕入れ税額控除の大部分を否認する更正処分が相次ぎましだ。

根拠となったのが平成24年1月19日付大阪国税不服審判所裁決で、「課税仕入れ等の用途区分(消費税法30条2項)の判定について、課税仕入れ等を行った日の状況により、当該課税仕入れ等の目的及び当該課税仕入れ等に対応する資産の譲渡等の内容を勘案して行う」とされました。
この裁決により、課税売上割合が95%未満の個別対応方式の場合、仕入れ税額控除が全額認められなくなり還付金額が激減するリスクが顕在化したのです。

一方、さいたま地裁平成25年6月26日付判決では、前記大阪国税不服審判所裁決を前提にしながらも、消費税法30条2項一号イに規定される「課税資産の譲渡等のみに要する課税仕入れ」の解釈について、マンション等の課税仕入れを大方容認するかのごとき「コスト」なる用語を使用されていました。
マンション等販売業社の間ではこの一点を頼みとする流れが発生しました(ただし、課税仕入れと同日に賃貸管理契約を締結しているため原告納税者側がこの裁判では敗訴しています)。
また一部の識者から指摘された、行政側の同様のケースで仕入れ税額控除全面容認を示す「国税庁内部文書」提出命令申し立ては裁判長により却下され、「国側から原告に対する反証も必要なし」との心証を示すなど原告には厳しい局面となっています。
この件はほぼ同内容で追徴税額5.4億円を争うエー・ディー・ワークス社が継続している裁判にも影響を与えると考えられますが、前記識者が関わっている事案だけに注目されています。

消費税の税収は、導入当初平成元年3.3兆円だったものが、令和元年予算では所得税収に匹敵する19.4兆円が予定されている。

2019年10月1日付で消費税率も8%から10%に引き上げられたのと同時に、2023年10月1日以降予定されている適格請求書保存方式(インボイス方式―登録ナンバーを得た事業者の請求書でなければ仕入れ税額控除できない)導入を睨み、経済合理性や効果を無視してでも消費税の課税方式の精緻化が進展しそうな状況です。

このBLOGでも以前書いていますが、国税局が従来の考え方を変えてきている案件ですが、現状では、理論的に考えれば、また、間違ったものがあれば直していくのが当然と考えれば、ムゲンエステートやエー・ディー・ワークスにこれ以上争っても勝ち目はないように思いますね。
ただし、国税局も、考え方を変えるときは、周知すべきなのではないかと思います。

マンション取引に関し東京地裁で消費税の注目判決があったことについて、どう思われましたか?


“イートイン脱税”に対し麻生財務大臣が「必要な対応とる」!

 10月1日に導入された消費税の軽減税率制度について、コンビニエンスストアなどの店内で飲食するにも関わらず、申告せずに85%の税率で購入する行為が行われていることについて、麻生太郎財務大臣は、先日の記者会見で、「業界団体などを通じ実態把握に努めないといけない」としたうえで、「周知、広報を含め、軽減税率制度の円滑な実施・定着にむけて必要な対応を講じたい」と述べました。

軽減税率制度は、酒類を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く制度です。
低所得者対策として、税率10%への引き上げに合わせて導入されました。
レストランなど外食は軽減税率の対象外で、コンビニやスーパーなどで購入した食品も、イートインコーナーで飲食する場合は、外食扱いとなり10%の税率が適用されます。

ただし、店員が全ての客に店内飲食か持ち帰りかを聞く必要はなく、張り紙などで申告を促せばよいことになっています。
そのため、申告せずに8%の税率で購入したにも関わらず、店内飲食する行為が横行しており、インターネット上では“イートイン脱税”などと指摘されています。

これは、導入前から指摘されてきたことだと思います。
コンビニによっては、イートインコーナーに張り紙をしているようです。
代金を支払ったあとに、イートインコーナーで気付くこともあるのではないでしょうか?
このBLOGでも何度か書いていますが、もともと消費税が導入された趣旨が、簡単に計算できるということだったと思いますし、低所得者の保護が軽減税率の趣旨であれば、マイナンバーの普及を絡めたところで他にやり方はあったと思います。
本当に、軽減税率はすぐにでもやめて欲しいと思います。

“イートイン脱税”に対し麻生財務大臣が「必要な対応とる」!と発言したことについて、どう思われましたか?


輸出企業への還付が「大手優遇」との不公平感を指摘!

 輸出時に消費税が企業に払い戻される「輸出免税制度」が、大手輸出企業を優遇しているとして、税法の専門家が国を批判しているようです。
輸出先の海外では消費税を徴収できず、国内の仕入れ時に支払った税額分が「利息」付きで戻されるからです。
10月1日に税率が10%に上がれば、大手輸出企業への利息を含めた還付金額はさらに膨らみ、不公平感は大きくなるでしょう。

企業は仕入れ時に支払った消費税を商品価格に上乗せして消費者に負担してもらいますが、輸出すると消費税を受け取れないため、仕入れ時の消費税は戻ってくるのです。
2017年度の消費税の還付金額は約4兆1千億円で、消費税収の約2割の規模となっています。
財務省は「税額分を返しているだけ」と強調しています。
しかしながら、税務署から払い戻される還付金には、年率1.6%の「利息」に相当する還付加算金が上乗せされるのです。

税理士で元静岡大教授の湖東京至(ことうきょうじ)氏が2017年度の決算を基に大手企業への利息を除いた還付金額を推計したところ、トヨタ自動車は3,506億円、日産自動車は1,509億円、パナソニックは220億円だそうです。
輸出企業だけが対象になるうえ、加算金の高い利率も理由に、湖東氏は「輸出企業を優遇する補助金と言わざるを得ない」と語っています。

日本大学教授で税理士の阿部徳幸氏も、仕入れ先など下請け企業は大手企業の圧力で税額分を上乗せしにくい現状を挙げ「今回の増税で中小零細企業は負担を強いられる一方、大手輸出企業の還付金が増えるのはおかしい。制度自体を見直してほしい」と訴えています。

これに対し、財務省は、輸出免税制度は経済協力開発機構(OECD)のガイドラインに規定されているとした上で、「国際ルールに従っており、制度に問題はない」としています。

<消費税の還付>
企業が税務署に払いすぎた消費税が返金されること。消費税は消費者が負担する仕組みになっており、企業が仕入れ時に取引先に払った消費税は税務署に立て替えた形にすぎず、商品を売って消費者から回収しています。
セールなどで商品価格を下げ、立て替えた消費税のほうが高くなれば差額が還付されます。
特に、海外に商品を売った場合は消費税を受け取れず、立て替えた税額分は払い戻されるため、「輸出免税制度」とも呼ばれます。

制度上問題はないのでしょうが、心理上は疑問符が付きますね。
還付加算金は、現在の金利水準から考えてかなり高めの『金利』になっていますから、金額的な上限を設けるか、還付加算金(延滞税もそうですが)の計算方法の見直しが必要な時期になっているように思いますね。

輸出企業への還付が「大手優遇」との不公平感が指摘されていることについて、どう思われましたか?


大東建託の子会社がオーナーに増税分30億を円未払いか?

 不動産会社が賃貸用の物件をオーナーから借り上げる「サブリース契約」をめぐり、全国の不動産オーナー約3万人への支払いに消費増税分を上乗せしなかったとして、公正取引委員会は、先日、不動産管理会社の大東建託パートナーズ(東京)に消費税転嫁対策特別措置法違反(買いたたき)で勧告を出し、公表しました。
未払い分は推定で約30億円に上り、同法の施行以来、過去最高額だそうです。

発表によると、大東建託パートナーズは、駐車場や事務所用ビルを一括で借り上げて転貸するサブリース契約を個人や法人のオーナーと結び、その物件を利用者に貸し出して得た収入から管理費を差し引いた金額をオーナーに支払っていました。

しかしながら、消費税が5%から8%に上がった2014年4月以降、大東建託パートナーズは自ら受け取る管理費を増税に合わせて値上げする一方、オーナーへの支払額には本来必要な増税分を上乗せしていませんでした。
大東建託パートナーズが利用者から受け取る賃貸料は据え置きだったため、オーナーへの支払いは実質的に減額されたかたちになっていました。
公正取引委員会の調べに対し、大東建託パートナーズは「違反だと気づかなかった」と説明したようです。

サブリース契約をめぐっては、個人のオーナーを中心に「賃料を一方的に減額された」「契約解除をしたくてもできない」といった不動産会社とのトラブルが相次いで表面化しています。
ただし、借地借家法では借り主の不動産会社の権利が保護されるため、貸主側が守られにくくなっています。
このため公正取引委員会の担当者は、「オーナーのほとんどは個人事業者で、サブリース契約では往々にして弱い立場に立たされる。本件事案を契機に業界全体に良い影響を与えられることを期待する」と話しているようです。

また、公正取引委員会は、大東建託パートナーズの親会社である大東建託(東京)についても、自社が使用するために借りた事務所や駐車場の賃料に消費増税分を上乗せしていなかったとして、貸主約140人への上乗せ分約1,200万円を払うよう勧告しました。

大東建託は「公取委の処分を厳粛に受け止め、グループ全体で再発防止に取り組む」とコメントしています。

本当に、「違反だと気づかなかった」のでしょうか?
大東建託は節税をセールストークにしてアパート建設の営業をしていると思いますので、相続税だけではなく、消費税や所得税の知識を持って販売して欲しいですね。
それは、子会社である管理会社も同様だと思います。
あとは、消費税率が10%になる直前での公表は、良いタイミングで公正取引委員会は出してきたなぁと思いますね。
今回の増税は、こういったことがないようにして欲しいですね。

大東建託の子会社がオーナーに増税分30億を円未払いであることについて、どう思われましたか?


アニメ制作会社が3千万円の脱税容疑で告発!

 消費税約3千万円を脱税したとして、東京国税局がアニメ制作会社(東京都杉並区)と実質経営者(68)を消費税法違反の疑いで東京地検に告発したことがわかったようです。

関係者によると、アニメ制作会社は国内の会社からアニメの原画や動画づくりを受注し、中国や韓国の業者に下請けに出していましたが、国外からの仕入れに消費税がかからない仕組みを悪用していました。
下請け先が国内の会社であるように装って、仕入れにかかった消費税額を過大に計上し、その分を支払うべき消費税額から控除することで、2018年6月までの2年間に約3千万円を脱税した疑いがあります。

アニメ制作会社の担当者は、取材に対し、「本人は中国に行っている。会社として特にコメントはない」と話しているようです。

最近、国税局が公表した査察の概要を見ても、消費税の不正還付などに力を入れているようです。
還付でなくても、納付税額が少ないケースは、悪質さでいうと同等かと思います。
ここ数年、消費税については、還付の申告書を出すと、結構すぐに税務署から電話があって、税務調査となったり、消費税の集計表や請求書を追加で求められ、それらが終わらないと、還付になりません。
よほど、消費税の不正還付が多いということだと思います。
税務署は、最近は消費税については特に厳しいということは認識しておいてほしいですね。

アニメ制作会社が3千万円の脱税容疑で告発されたことについて、どう思われましたか?


平成30年度査察の概要(5/5)

 先日、国税庁が『平成30年度査察の概要』を公表しました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。

<査察調査の概要>
【平成30年度の取組】
○査察事案121件を告発
平成30年度は、免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した消費税受還付事案、太陽光発電設備の取得を装った消費税 受還付事案、他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案、外国法人を利用した国際事案など、計121件を告発。
○重点事案を多数告発、特に消費税受還付事案は16件を告発(注)
消費税受還付事案16件、無申告ほ脱事案18件、国際事案20件を告発 。
消費税受還付事案は、国庫金の詐取ともいえ悪質性が高いが、過去5年間で最も多い16件を告発。うち、平成23年に創設された未遂犯も過去最多の8件を告発。
無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、18件を告発。
(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。
○脱税総額(告発分)は112億円
平成30年度の査察事案に係る脱税額(告発分)は112億円。
【平成30年度中の判決状況】
○122件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、7人に実刑判決
最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役4年6月。

この中で、『重点事案への取組』として、以下のものが挙げられています。
(1)消費税受還付事案
(2)無申告ほ脱事案
(3)国際事案
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
また、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についても書かれています。

今週は、これらについて、順番に取り上げていきたいと思います。
最終日の今日は、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についてです。

<不正資金の留保状況及び隠匿場所>
脱税によって得た不正資金の多くは、現金や預貯金として留保されていましたが、その他に、有価証券、居宅、暗号資産(仮想通貨)、金地金、ブランド品の取得費用、親族や特殊関係人への援助資金、ギャンブル等の遊興費などに充てられていた事例もみられました。
また、不正資金の一部が、海外の預金口座で留保されていたほか、海外における投資、コンドミニアムの取得費用、遊興費(カジノ)などに充てられていた事例もありました。
脱税によって得た不正資金の隠匿場所は様々でしたが、
○居宅階段下の収納庫に存在した金庫及びバッグ並びに脱衣所内の金庫の中(法人税法違反)
○居宅応接間の金庫及び居室内の衣装ケースの中(所得税法及び法人税法違反)
○居宅寝室のベッドの下(法人税法違反)
に現金を隠していた事例などがありました。

<査察事件の一審判決の状況>
平成30年度中に一審判決が言い渡された件数は122件であり、全てに有罪判決が出され、そのうち実刑判決が7人に出されました。
なお、実刑判決のうち最も重いものは、査察事件単独に係るものが懲役4年6月、他の犯罪と併合されたものが懲役7年でした。

<トピック11>悪質な脱税者に実刑判決
平成30年度においても、特に悪質な脱税者に対しては実刑判決が出されています。
【事例1】
L社は、美容関連製品の輸出販売を行うものですが、架空の国内仕入(課税取引)及び架空の輸出売上(免税取引)を計上する方法により、不正に多額の消費税の還付を受けていました。
同社の代表者Mは、消費税法及び地方税法違反の罪で、懲役4年6月の実刑判決を受けました。
【事例2】
N社は、繁華街に所在する多数のビルを管理し飲食店等のテナント賃貸を行うものですが、賃料収入の一部を除外するなどの方法により所得を隠し、多額の法人税を免れていました。
同社の代表者Oは、法人税法違反の罪で、懲役4年の実刑判決を受けました。
【事例3】
Pは、Qと共謀の上、暴力団に対して上納された資金からの収入を申告から除外し、多額の所得税を免れていました。
PとQは、所得税法違反の罪で、それぞれ懲役3年と懲役2年6月の実刑判決を受けました。

不正資金の留保状況及び隠匿場所と査察事件の一審判決の状況について、どう思われましたか?


平成30年度査察の概要(3/5)

 先日、国税庁が『平成30年度査察の概要』を公表しました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。

<査察調査の概要>
【平成30年度の取組】
○査察事案121件を告発
平成30年度は、免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した消費税受還付事案、太陽光発電設備の取得を装った消費税 受還付事案、他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案、外国法人を利用した国際事案など、計121件を告発。
○重点事案を多数告発、特に消費税受還付事案は16件を告発(注)
消費税受還付事案16件、無申告ほ脱事案18件、国際事案20件を告発 。
消費税受還付事案は、国庫金の詐取ともいえ悪質性が高いが、過去5年間で最も多い16件を告発。うち、平成23年に創設された未遂犯も過去最多の8件を告発。
無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、18件を告発。
(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。
○脱税総額(告発分)は112億円
平成30年度の査察事案に係る脱税額(告発分)は112億円。
【平成30年度中の判決状況】
○122件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、7人に実刑判決
最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役4年6月。

この中で、『重点事案への取組』として、以下のものが挙げられています。
(1)消費税受還付事案
(2)無申告ほ脱事案
(3)国際事案
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
また、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についても書かれています。

今週は、これらについて、順番に取り上げていきたいと思います。
3日目の今日は、『国際事案』についてです。

平成30年度においては、現下の経済社会情勢を踏まえて、特に、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案、市場が拡大する分野における事案などの社会的波及効果の高いと見込まれる事案を重点事案として積極的に取り組みました。
(3)国際事案
海外取引を利用した悪質・巧妙な事案や海外に不正資金を隠すなどの国際事案に積極的に取り組み、平成30年度は20件を告発しました。
国際事案では、租税条約等に基づく外国税務当局との情報交換制度を活用しました。

<トピック6>外国法人を利用した法人税・源泉所得税事案を告発
海外取引を利用した不正は、執行管轄権等の制約のため調査は困難を伴いますが、外国との間で締結した租税条約等に基づく情報交換制度を活用するなどして、海外取引を利用した不正を解明し、法人税及び源泉所得税事案を告発しました。
【事例】
F社は、香港法人の代表者に虚偽のインボイスを発行させ架空仕入を計上する方法により法人税を免れたほか、同不正により得た資金からF社の役員に対する簿外の役員報酬を国外で支給し、同報酬に係る源泉所得税を一切徴収せずに納付していませんでした。

<トピック7>中古自動車の輸出販売を装った消費税受還付の長期事案を告発
中古自動車の販売事業者による輸出販売を装った不正取引の解明に3年余りを要しましたが、検察当局の協力の下、当該不正取引を解明し、消費税の不正受還付事案を告発しました。
【事例】
G社は、中古自動車の仕入れに係る領収証及び虚偽の輸出許可通知書を作成し、架空の国内仕入(課税取引)及び架空の輸出売上(免税取引)を計上する方法により、内容虚偽の消費税の確定申告を行い、不正に消費税の還付を受けていたほか、受けようとしました(一部未遂)。

国際事案について、どう思われましたか?


平成30年度査察の概要(1/5)

 先日、国税庁が『平成30年度査察の概要』を公表しました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。

<査察調査の概要>
【平成30年度の取組】
○査察事案121件を告発
平成30年度は、免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した消費税受還付事案、太陽光発電設備の取得を装った消費税 受還付事案、他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案、外国法人を利用した国際事案など、計121件を告発。
○重点事案を多数告発、特に消費税受還付事案は16件を告発(注)
消費税受還付事案16件、無申告ほ脱事案18件、国際事案20件を告発 。
消費税受還付事案は、国庫金の詐取ともいえ悪質性が高いが、過去5年間で最も多い16件を告発。うち、平成23年に創設された未遂犯も過去最多の8件を告発。
無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、18件を告発。
(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。
○脱税総額(告発分)は112億円
平成30年度の査察事案に係る脱税額(告発分)は112億円。
【平成30年度中の判決状況】
○122件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、7人に実刑判決
最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役4年6月。

この中で、『重点事案への取組』として、以下のものが挙げられています。
(1)消費税受還付事案
(2)無申告ほ脱事案
(3)国際事案
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
また、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についても書かれています。

今週は、これらについて、順番に取り上げていきたいと思います。
初日の今日は、『消費税受還付事案』についてです。

平成30年度においては、現下の経済社会情勢を踏まえて、特に、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案、市場が拡大する分野における事案などの社会的波及効果の高いと見込まれる事案を重点事案として積極的に取り組みました。
(1)消費税受還付事案
消費税の輸出免税制度などを利用した消費税受還付事案は、いわば国庫金の詐取ともいえる悪質性の高い事案です。
平成30年度は16件と過去5年間で最も多くの告発を行いました。

<トピック1>免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した不正受還付事案を告発
近年の訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加や免税店(輸出物品販売場)の増加を背景に、免税店における輸出免税制度を悪用して不正に消費税の還付を受けようとした者を告発しました。
【事例】
A社は、高額な腕時計の仕入れを装い架空仕入(課税取引)を計上するとともに、その商品を輸出物品販売場の許可を受けた免税店で外国人旅行者に販売したように装い架空売上(免税取引)を計上する方法により、多額の消費税還付金額を記載した内容虚偽の消費税の確定申告を行い、不正に消費税の還付を受けようとしました。

<トピック2>太陽光発電施設の取得を装った不正受還付事案を告発
太陽光発電施設を運営し、発電した電気を再生可能エネルギー固定価格買取制度に基づき販売していた事業者による消費税の不正受還付事案を告発しました。
【事例】
B社は、太陽光発電施設を実際には取得していないにもかかわらず、これを取得したように装い架空仕入(課税取引)を計上する方法により、消費税の控除対象仕入税額を過大に計上した内容虚偽の消費税の確定申告を行い、不正に消費税の還付を受けていました。

<トピック3>過去最多・最高額の消費税不正受還付の「未遂犯」を告発
平成23年に創設された消費税不正受還付の未遂犯は、平成26年度に初めて告発し、平成30年度においては、過去から最も多い8件、不正還付(未遂)総額15億円余りを告発しました。
【事例】
C社は、取引事実がないにもかかわらず、高級腕時計を代表者から仕入れたとする虚偽の納品書を作成し架空仕入(課税取引)を計上するとともに、香港でのオークション販売を装い架空輸出売上(免税取引)を計上する方法により、多額の消費税還付金額を記載した内容虚偽の消費税の確定申告を行い、不正に消費税の還付を受けようとしました。
(参考)消費税の不正受還付に係る未遂処罰規定は、悪質性の高い消費税の不正受還付事案に厳正に対処するため、平成23年に創設されました。

消費税受還付事案について、どう思われましたか?


軽減税率で高所得層で2,880億円の恩恵と財務省が試算!

 財務省は、先日、201910月の消費税率引き上げ時に導入する軽減税率制度について、所得階層別の軽減度合いに関する試算をまとめました。
衆議院の財務金融委員会に提出しました。

2018年の家計調査をもとに階層別の消費支出額とシェアを計算しています。
そのうえで、軽減税率制度による減収額1.1兆円を各所得階層のシェアで割り、それぞれの階層ごとの減収額を算出しています。

最も所得が低い層(年収238万円未満)では計1,430億円が軽減されるのに対して、最も所得が高い層(年収738万円以上)では計2,880億円でした。
中位層(同355万円以上500万円未満)は計2,190億円が軽減される計算となりました。

試算を要求していた立憲民主党の川内博史衆院議員は「低所得層への恩恵が少ない」と批判しています。
これに対し、麻生太郎財務相は高所得層の方が消費額が多く、世帯当たりの人数も低所得層の3倍弱いるとしています。

国の出すデータも正しいのかどうか分かりませんが、元々、消費税の軽減税率は低所得層の方向けのものだったと思います。
日刊紙が消費税の軽減税率の対象になっているのがよく分かりませんが(マスコミ関係を味方につけるため?)、本当に、軽減税率って必要なのかと思いますね。
早く軽減税率をやめて、期限付きの商品券を与えるなどしてほしいですね。

軽減税率で高所得層で2,880億円の恩恵と財務省が試算していることについて、どう思われましたか?


中古マンションの消費税を巡る不動産業者vs国税局の争い!

 入居者がいるマンションを売買したときの税務申告をめぐり、不動産業者と国税当局が裁判で争っているようです。
売買の際にかかる消費税と、入居者からの家賃収入の関係について見解の相違が生じている形です。
消費税率引き上げも予定されるなか、不動産会社によっては影響も大きく、関係者は裁判の行方を注視しているようです。

争点となっているのは、入居者がいる中古賃貸マンションの建物や部屋を購入し、その後に転売する取引の税務申告です。
消費税は、仕入れ時に支払った税額を売上時に受け取った税額から控除して納めます(仕入税額控除)。
たとえば、不動産会社が建物を2億1,600万円(消費税額1,600万円)で購入し、3億2,400万円(同2,400万円)で転売したとすると、納税額は800万円となります。

「ムゲンエステート」(東京)と「エー・ディー・ワークス」(同)はこの考え方で税務申告しましたが、東京国税局は、両社が購入から転売までの間に入居者から家賃を得ていたことを問題視し、家賃には消費税がかからないため、「課税対象の仕入れ(建物の購入費)から、非課税の売り上げ(家賃収入)が生じている」として、控除を一部しか認めず、両社は申告漏れを指摘されました。
エー・ディー・ワークスによると、控除は3割程度しか認められなかったようです。

過少申告加算税などを含めた追徴課税(更正処分)は、ムゲンエステートが2015年12月期までの3年間で約6億3,900万円、エー・ディー・ワークスが2017年3月期までの3年間で約5億3,700万円で、両社とも不服申し立てをしました。

両社は課税取り消しを求めて東京地裁で国税局と係争中で、エー・ディー・ワークスは「仕入れの目的は建物の転売であって、家賃収入は副次的なものにすぎない」などと主張しています。
さらに国税庁が約20年前に作成した内部文書があり、同様の取引で仕入れ税額控除を全額認める解釈が記されているとして、この文書を証拠として提出する見込み。ムゲンエステートもこの文書の提出命令を国に出すよう裁判所に申し立てており、2018年12月の口頭弁論で裁判長は「もし文書が存在するなら、業者側の主張が独自の見解だとは言えなくなる」と述べ、任意提出するか、申し立てに反論するかを国に求めたそうです。

家賃収入が見込めるワンルームマンションなどの中古不動産は、投資先として富裕層を中心に人気があり、リノベーション(改修)などで資産価値を上げてから転売されるのが一般的で、入居者が多い物件のほうが高値がつくようです。

エー・ディー・ワークスの幹部は取材に対し、「20年以上、同じ考え方で申告していて、税務調査で問題にされたことはなかった。追徴課税に戸惑っている」と話しているようです。
国税局の指摘に従うと、消費税の負担は年2億円程度増え、税率が10%に引き上げられるとさらに大きくなる見込みだそうです。
エー・ディー・ワークスの経常利益は年約9億~16億円程度で、この幹部は「不動産を再生し、投資先として提供する社会的意義の高いビジネス。このモデルを見直すことになりかねない」と心配しています。
裁判を担当する弁護士によると、他に10社ほどから同様の課税をめぐって相談があるようです。

なお、仕入税額控除の仕組みは、消費税の申告納税義務がある事業者が対象で、一般の人には適用されません。

平成12年に国税庁消費税課が出している消費税審理事例検索システムに載っていた文章(『譲渡用住宅を一時期賃貸用に供する場合の仕入税額控除』)を見ると、ムゲンエステートやエー・ディー・ワークスの処理で問題ないと思いますが、なぜ解釈を変えたのでしょうか?
その辺を明確にしてほしいですね。

中古マンションの消費税を巡る不動産業者vs国税局の争いについて、どう思われましたか?


消費増税で政府がカード手数料の引き下げを要請?

 政府が平成3110月の消費税率引き上げにあわせ消費者にポイントを還元する景気対策で、クレジットカード会社に対し、小売りなどの加盟店から受け取る手数料を引き下げるよう要請する方向で調整に入ったことが、先日、分かったようです。
ポイント還元は、クレジットカードなど現金を使わないキャッシュレス決済をした買い物客が対象です。
政府は店側の負担を軽減してクレジットカードの導入を後押しし、消費者が幅広くポイント還元を受けられるようにします。

クレジットカードを導入した店は、カードの読み取り端末を設置し、売上高に応じた手数料をカード会社に支払っており、手数料は数%で店により異なります。

しかしながら、手数料は「倒産などのリスクに備えるため、小規模な店ほど高くなる」(大手カード会社幹部)傾向にあるそうです。
このため中小の店では手数料の重い負担を嫌って、クレジットカードの導入に二の足を踏むケースも多かったようです。

カード払いができる店が少なければポイント還元による景気対策の効果も薄れるため、政府は手数料引き下げを促し、クレジットカードの導入拡大を図ります。
カード会社に要請する引き下げ幅などは今後詰めるようです。

政府が検討する景気対策では、中小の小売店で消費者がクレジットカードや電子マネーといったキャッシュレス決済で商品を購入したときに、増税分の2%をポイントで還元します。

レストランでの食事などサービス業でのポイント還元も検討するそうです。
期間は数か月から1年程度を想定しており、ポイントを発行するカード会社などを通じて還元し、費用は国が補助します。

経済産業省によると、平成27年のキャッシュレス決済の比率は18%です。
政府は景気対策を生かして、この比率を引き上げたい考えのようです。

クレジットカード会社は、当然貸倒リスクを考慮して手数料率を決めていると思いますが、この設定に政府が口を出すのはどうかなぁと思います。
こういうことをするのであれば、軽減税率をやめて、マイナンバーを利用して所得を把握し、一定以下の所得の方に、期限付きで商品券、キャッシュレス決済の比率を高めたいのであればプリペイドカードなどで還元すれば良いのではないかと思います。
もちろん、転売などを防ぐ方法は考えないといけないとは思いますが、そうすれば、景気拡大にもつながると思いますし、キャッシュレス決済の比率が高まると思いますし、キャッシュレス決済に対応しようとするお店も増えるのではないかと思います。

消費増税で政府がカード手数料の引き下げを要請したことについて、どう思われましたか?


「軽減税率」導入の波紋を受け外食・小売りが苦悩!

 「週刊東洋経済」によると、6月中旬、ある大手外食チェーン本社の会議室に十数人の幹部が集まったようです。
 「レジの改修にいくらかかるのか」「現場のオペレーションをどのように変えたらいいのか」など、議題となっていたのは、201910月に導入される軽減税率制度の影響についてです。
 2019年秋に控える消費増税により、税率が8%から10%に引き上げられますが、それと同時に導入されるのが軽減税率です。
 20186月に閣議決定された「骨太の方針」にも明記された同制度は、生活必需品の消費税率を低く抑える低所得者対策という位置づけです。
 今回は生活必需品とされた飲食料品の税率を8%に据え置く反面、外食や酒類は10%に引き上げられます。
 軽減税率の実施まで1年余りとなり、いよいよ準備に動きだした外食・小売り各社ですが、聞こえてくるのは不安の声ばかりです。
 「食事のシーンによって分ける税制というのは無理があります。
 お客様対応の負担も増え、生産性は明らかに落ちる」と、外食の業界団体である日本フードサービス協会の髙岡慎一郎会長はそう不満を漏らしています。
 外食企業にとって問題なのは、店内飲食であれば税率10%、持ち帰りであれば8%というように、同じ商品に2つの税率が存在する点です。
 今回の税制改正では、外食に該当しない持ち帰りや宅配、出前などは軽減税率が適用されることになっています。
 ある牛丼チェーン関係者は、「軽減税率で(割安となる)持ち帰り販売の比率が高まれば、包材などの関連コスト増が想定される」と語っています。
 具体的な試算はこれからだそうですが、年間数千万〜数億円のコスト増になるおそれがあるようです。
 接客時の混乱を懸念する声も多いようです。
 別の外食チェーン幹部は「フードコートで(税率の低い)持ち帰り注文をした客が、テーブルに座って飲食することがありうる」と話しています。
 接客時に店内飲食か持ち帰りかを確認する必要が生じ、接客の手間が増えます。
 「クレームの原因にもなりそうだ。面倒な接客を嫌って、これまで以上に人手を集めることが難しくなる」(同)とも話しています。
 人手不足対策や現場の負担軽減の観点から導入が進む券売機についても、問題が指摘されています。
 現在、外食チェーンなどで使われる券売機は10円単位のものが主流で、1円玉や5円玉に対応できていないものが多くなっています。
 ただし、同じ本体価格で税率8%と10%に対応する場合、ほぼ確実に1円単位の金額が発生します。
 そのため、業界内からは「本体価格を持ち帰りと店内飲食で別々に設定して、税込み価格を統一する選択肢もある」(前出の牛丼チェーン関係者)という声も聞こえてくるようです。
 仮に持ち帰りの本体価格を306円、店内飲食を300円とした場合、税込み価格はいずれも330円となり、10円単位の券売機でも対応が可能というわけです。
 こうした価格設定は国税庁も容認しているようです。
 税制に詳しい東京財団政策研究所の森信茂樹研究主幹は「価格設定は本来店の自由であるべき」と前置きしたうえで、「税込み価格を同じにしても、不正は生じうる」と指摘しています。
 軽減税率を導入しているドイツでは、税率の低い持ち帰りの割合を店側が実際より過大に申告することで、納税額を抑える問題が発生しているようです。
 懸念を示すのは外食企業だけではありません。
 スーパーなどの小売り事業者は8%と10%の商品を分別できるよう受発注システムやレジの改修を進める必要があります。
 中でも不安視されるのが、イートインコーナーの扱いです。
 近年、スーパー各社は購入した弁当などを店内の客席で食べられる、イートインコーナー併設店の充実に力を入れています。
 イートインコーナーでの飲食については、今回の税制改正では外食と見なされ、10%の標準税率が適用されることになっています。
 ただし、国税庁によると、「イートインコーナーをご利用する場合、お申し出ください」などの掲示で済ませればよいということだそうです。
 「適用税率の判定時期は商品を売ったとき。客が申し出ない時点で軽減税率と判定されるので、気が変わって店内で食べても、税率は変わらない」(国税庁の担当者)とのことです。
 つまり、商品購入時に「イートインコーナーを利用する」と利用者自らが申し出ないかぎり、税率は8%のままとなるのです。
 小売り事業者で構成される日本チェーンストア協会の小濵裕正会長は、「申告によって不公平感が出るおそれがある。そもそもイートインコーナーは交流の場を提供する社会貢献の意味合いもある」と憤りを隠しません。
 現場の作業負担軽減を目的としたセルフレジの導入も増える中、「店内飲食するかを確認するため、対応するシステムを入れる必要が出てくると、大きなコスト増になりかねない」(スーパー関係者)ようです。
 ある外食企業首脳は「1,000円以上の高級弁当が税率8%で、300円台の牛丼は店内飲食だと10%。どこが低所得者対策なのか」と首をかしげているようです。
 いずれにせよ、外食・小売り各社に残された準備時間はそう多くはありません。
 個人的には、軽減税率には大反対です。
 そもそも、消費税は、計算を簡単に行うために一律の税率を用いるもののはずです。
 低所得者対策を行いたのであれば、色々な方のコストや手間の増すものではなく、マイナンバーの普及も兼ねて、所得を把握し、一定の所得以下の方に、期間限定でスーパーなどで使える金券を渡す方がいいのではないかと思っています。
 あとは、税理士という仕事をしていますが、消費税の申告のために、会社も個人事業主も手間やコストが増え、税理士も手間がかかりますが、おそらく申告の報酬は上がらないでしょう。
 また、税込み金額を同じにするのが主流になると、本来は10%のものなのに税率の低い8%の方で申告して脱税するような人がたくさん出てくるでしょうね。
 本当に、軽減税率は廃止にして欲しいですね。
 「軽減税率」導入の波紋を受け外食・小売りが苦悩していることについて、どう思われましたか?

「輸出免税」悪用して消費税1億4千万円を脱税!

 輸出する商品に消費税がかからない「輸出免税制度」を悪用して約14千万円を脱税したとして、大阪国税局が消費税法違反などの罪で、兵庫県尼崎市の輸出業者の社長(51)と法人を神戸地検に告発していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
 すでに修正申告済みで、重加算税を含む追徴税額は約17千万円に上るとみられます。
 関係者によると、平成25年3月~平成282月に、自動車の中古バッテリーなどの国内売上分を帳簿上、輸出取引で売り上げたかのように装うなどして虚偽の確定申告書を提出しました。
 還付を受けた消費税を含め、計約14千万円を脱税したとされます。
 この会社は平成21年ごろから非鉄金属相場の下落により経営が悪化し、不正に得た金を事業資金に充てていたとみられ、現在は休業しているようです。
 消費税を悪用するケースは多いですね。
 以前、消費税の不正還付が多発したこともあり、最近は、消費税の還付申告をすると、すぐに税務署から電話がかかってきて、調査に行きますとか書類を提出してくださいと言われ、それが終わらないと還付してくれないようになってきていると思います。
 きちんと申告されている企業などからすると、いい迷惑ですね。
 軽減税率がどうこうと考えるより、インボイスのことを含め、そもそもの消費税の仕組みを根本的に考え直さないといけない時期になってきているのではないかと思います。
 輸出業者が「輸出免税」悪用して消費税14千万円を脱税していたことについて、どう思われましたか?

株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版による消費税転嫁対策特別措置法違反!

 中小企業庁が、株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版が支払う委託料等(原稿料、著作権使用料(印税)、広告販売手数料、講師料)に関して調査を行った結果、消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段(買いたたき)の規定に違反する行為が認められたようです。
 当該調査結果を受け、先日、中小企業庁長官は、株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版による違反行為に関して、同法第5条の規定に基づき、公正取引委員会に対して、適当な措置をとるよう請求しました。
<違反事実の概要>
(1) 株式会社マイナビ(以下「マイナビ」という。)は、就職・転職等の情報を提供する「マイナビ」と称するポータルサイト(以下「情報ポータルサイト」という。)を運営している。
 また、株式会社マイナビ出版(以下「マイナビ出版」という。)は、マイナビの出版部門を平成27101日に分社化して設立したものであり、マイナビから出版事業を承継し、雑誌・書籍等を発行している。
(2) マイナビ及びマイナビ出版は、自らが発行する雑誌・書籍の編集にあたり必要な原稿・イラスト作成等の業務(以下「原稿等作成業務」という。)や、当該雑誌等に掲載する広告の営業業務である広告販売促進業務について、個人事業者を中心に継続して委託している。そのほか、マイナビは、各部門が運営する情報ポータルサイトに関する原稿等作成業務や、自らが運営する就職イベント等の講師業務について、個人事業者を中心に継続して委託している。(両社の委託先を以下「本件委託先」という。)
(3) 上記(2)で記載した業務の委託料は、原稿等作成業務については業務内容ごとの「原稿単価」を消費税を含まない額(外税単価)又は消費税を含む額(内税単価)で定め、業務実績を乗じて算出した額を委託料(原稿料)として本件委託先に支払っている。
 また、著作権使用料が発生する場合は、著作権を有する事業者(以下「本件著作権者」という。)との間で出版契約書を締結し、「著作物ごとの利用単価」を消費税を含む額(内税単価)で定め、一定期間の実売部数を乗じて算出した額を著作権使用料として本件著作権者に支払っている。
 さらに、広告販売促進業務については「月額報酬単価等」を、講師業務については一回当たりの「講師単価」を、それぞれ消費税を含む額(内税単価)で定め、業務実績を乗じて算出した額を委託料(広告販売手数料、講師料)として本件委託先に支払っている。
 なお、講師業務はマイナビのみであり、講師料もマイナビのみ支払っている。
(4) マイナビ及びマイナビ出版は上記(3)で記載した消費税を含む額(内税単価)で定めた原稿単価等について平成2641日以後も消費税率引上げ分を上乗せせず、同年3月分までの原稿単価等と同額に定め、本件委託先及び本件著作権者に対し、上記(3)の方法で算出した額を当該業務の委託料及び著作権使用料として、マイナビは平成283月分まで、マイナビ出版は平成2912月分まで、支払っていた。
(5) 両社における当該行為は、消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段(買いたたき)の規定に違反する行為であり、多数の本件委託先及び本件著作権者(マイナビ約960名、マイナビ出版約190)に対して当該行為が行われていた。
(6) なお、マイナビは平成264月1日以後に消費税率引上げ分を上乗せせず支払った上記(4)の委託料(原稿料、広告販売手数料、講師料)及び著作権使用料について、平成30228日までに、消費税率引上げ分に相当する額を上乗せした額に定め、平成264月1日に遡って当該引上げ分相当額を本件委託先及び本件著作権者に対して支払った。
 また、マイナビ出版は、平成279月以前の前身会社であるマイナビから継続して消費税率引上げ分を上乗せせず支払った上記(4)の委託料(原稿料、広告販売手数料)及び著作権使用料について、平成30329日までに、消費税率引上げ分に相当する額を上乗せした額に定め、平成27101日に遡って当該引上げ分相当額を本件委託先及び本件著作権者に対して支払った。
 最近、消費税転嫁対策特別措置法違反の話を目にしていなかったのですが、毎年、数件はあるみたいですね。
 ・平成26年 1113
 ・平成27年 1518
 ・平成28年 45
 ・平成29年 55
 ・平成30年 44社(6月末まで)
 我がうどん県高松市でも、平成2710月に㈱穴吹ハウジングサービスが勧告を受けていますね。
 株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版による消費税転嫁対策特別措置法違反について、どう思われましたか?
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元大阪国税局職員の脱税事件で東京の不動産会社代表を告発!

朝日新聞によると、法人税など約5千万円を脱税したとして、大阪国税局元職員の会社役員(50)が法人税法違反の疑いで逮捕された事件で、東京国税局査察部が、不動産会社(東京都世田谷区)の代表(48)を東京地検に同容疑で告発したことがわかったようです。

関係者によると、不動産会社代表と大阪国税局元職員は共謀し、不動産会社が2020年4月期に不動産の売却で多額の収入があったのに、複数の合同会社に投資して失敗したように装い、架空の有価証券売却損を計上しました。

約2億1,100万円の所得を隠し、約5,100万円を脱税した疑いがあります。

大阪国税局元職員は報酬として約1,700万円を得ていたそうです。

年間に脱税事件で逮捕される税理士や節税(脱税?)コンサルタントが何名かいますが、国税局OBが多いですよね。

脱税ほう助は絶対にダメという意識が乏しいんですかね。

国税局で不祥事が多いのも、国税局という組織に問題があるのかもしれませんね。

元大阪国税局職員の脱税事件で東京の不動産会社代表が告発されたことについて、あなたはどう思われましたか?


福島県国見町が「企業版ふるさと納税」めぐり初の認定取り消し!

NHKによると、「企業版ふるさと納税」をめぐり、福島県国見町に寄付をした会社の子会社が事業を受注したことは便宜供与にあたるとして、内閣府は、対象となった町の計画の認定を取り消しました。

「企業版ふるさと納税」をめぐる認定の取り消しは初めてです。

「企業版ふるさと納税」は地方創生につながる自治体の事業に企業が寄付した場合、法人税などが軽減される制度です。

内閣府によると、福島県国見町は令和3年度から「企業版ふるさと納税」を活用して「高規格救急車」を研究・開発し貸し出す計画を作成しました。

これについて内閣府が調査した結果、寄付をした会社の子会社が事業を受注したことが確認され、町はこの子会社が受注する可能性が高いことを認識しながら公募の条件を設定していたということです。

このため「町が寄付をした会社に対して便宜供与を行った」と結論づけ、先日、町の計画の認定を取り消しました。

「企業版ふるさと納税」をめぐる認定の取り消しは初めてです。

制度を所管する伊東地方創生担当大臣は記者会見で「今後、本事案なども踏まえ、制度の健全な発展の観点から、必要な改善策を検討していく」と述べました。

最近、税理士関係の研修などを受けていると、『企業版ふるさと納税』が徐々に使われるようになっているとよく耳にするので、今後、地方にとって有効な寄付がどんどん出てくれば良いなぁと思っていたのですが、このような事件が出てくると、悪いイメージが付くので、非常に残念に思います。

自社のためではなく、地方のために寄付をして欲しいですね。

福島県国見町が「企業版ふるさと納税」めぐり初の認定取り消しとなったことについて、あなたはどう思われましたか?


新型コロナ融資の手続き代行で約6,700万円を脱税か?

NHKによると、大阪市でエステ店を経営する会社の社長が、新型コロナウイルス対策の公的融資の手続きを代行するなどして得た所得を申告せず、法人税などおよそ6,700万円を脱税した疑いで大阪国税局から告発されたことが関係者への取材で分かりました。

告発されたのは、大阪市西区でエステ店を経営する会社と社長(42)です。

関係者によると、この会社はエステ店を経営しながら、新型コロナ対策の公的融資の手続きを代行して手数料を得ていましたが、こうした所得を申告していなかった疑いがあるということです。

この融資は新型コロナで影響を受けた医療機関や福祉施設に対し、「福祉医療機構」が1億円を上限に無利子で貸し付けていたもので、会社は手続きの代行でエステとは別に売り上げを増やしていたということです。

大阪国税局は、2021年7月までの1年間でおよそ2億6,500万円の所得を申告せず、法人税などおよそ6,700万円を脱税したとして、会社と社長を法人税法違反などの疑いで大阪地方検察庁に告発しました。

関係者によると、脱税で得た金は、社長の自宅マンションの購入費などに充てられたということです。

エステ店をやっている会社が、公的融資の手続きを代行をしているんですね。

どうやって、顧客を獲得しているのか興味があります。

何件くらいやっているのか分かりませんが、1年間で2億6,500万円というのはスゴいですね。

それを申告しないというのも、スゴいと思いますが。

新型コロナ融資の手続き代行で約6,700万円を脱税していたことについて、あなたはどう思われましたか?


1億9,300万円を申告せず法人税4,800万円脱税の疑いで東京国税局が広告会社と代表らを告発!

読売新聞によると、法人税約4,800万円を脱税したとして、東京国税局が広告会社(東京都中央区)と同社の代表取締役(31)、父親(61)を法人税法違反容疑で東京地検に告発したことがわかったようです。

関係者によると、同社はインターネットの動画広告の制作などを手がけ、2020年8月期に約1億9,300万円の所得を得ましたが、税務申告をせずに法人税約4,800万円を脱税した疑いです。

隠した所得の大半は、父親が自宅や貸金庫に現金で保管していたようです。

読売新聞は2人に文書で取材を申し込みましたが、回答はなかったそうです。

約2億円の所得ってスゴイですね。

なぜ申告をしないのか分かりませんが、周りにアドバイス等する人がいないんですかね。

こういう事件を見ると、無申告の法人などが分かるような仕組みが必要なのではないかと思いますね。

申告をしていなかったり、納税をしていなかったりする企業などとは取引をしたくない企業や個人も多いでしょうから。

1億9,300万円を申告せず法人税4,800万円脱税の疑いで東京国税局が広告会社と代表らを告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


JTの1,200億円の配当返還に「税負担なし」と国税当局が伝達!

日本経済新聞によると、日本たばこ産業(JT)が海外子会社から受け取った約1,200億円(8億ドル)の配当を返還したことを巡り、税負担は生じないとする見解を国税当局が同社側に伝達していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

課税対象になれば、JTから多額の資金が流出して財務が悪化する恐れがあり、当局の判断が注目されていました。

JTは2023年8月にオランダの子会社と孫会社を合併させ、存続会社となった旧孫会社から配当8億ドルを受け取りました。

しかしながら、2023年12月に同額を旧孫会社に返還したのです。

巨額の配当金返還は、極めて異例でした。

JTは当時、返還理由を「グループ内の現金保有量の最適化等」と開示していました。

2009年度の税制改正で、海外子会社からの配当収入は一定要件を満たせば95%が非課税(益金不算入)となります。

ただし、子会社株式の25%以上を6か月以上保有することが要件です。

ところが、JTは旧孫会社の株式を直接持っておらず、非課税要件を満たしていなかったのです。

2023年12月中旬に旧孫会社の取締役会で配当決議が取り消され、これを受けてJTが返還しました。

仮にこの配当が課税対象になれば、JTは300億円規模の税負担が生じる恐れがあったのです。

JTは、法人税などの取り扱いについて東京国税局に相談できる「J-CAP」制度を使って照会し、回答を得たようです。

国税当局への照会や回答について、日本経済新聞はJTに回答を求めましたが、「当局の見解については当社がお答えできる立場にない」としました。

一方、東京国税局は「個別の事案についてはコメントしない」と回答しました。

JTは、自社の株主に対し利益の75%を配当する方針を掲げており、高配当銘柄として個人投資家から人気が高くなっています。

JTは、2023年末に1,200億円を返還したことで単体の利益が減り、配当できる上限額が下がってしまいました。

この上限額を引き上げるため、2024年3月の株主総会で株主資本のうち配当可能額に含まれない「資本準備金」を、配当可能な「その他資本剰余金」に振り替える議案を諮り、可決されていました。

ミスに後から気付き、慌てて戻したのだと思いますが、税負担がないということになり良かったですね。

担当者は、しばらくの間、気が気でなかったでしょうね。

JTほどの会社となると、社内にも優秀な方がたくさんいると思いますし、大手税理士法人やOB税理士が付いていると思いますが、なぜ配当をする前に気付かなかったんでしょうか?

JTの1,200億円の配当返還に「税負担なし」と国税当局が伝達したことについて、あなたはどう思われましたか?


ネット広告業者が法人税など約1億9,000万円脱税か?

NHKによると、東京都渋谷区でインターネット広告の代理店や、ウェブサイトの運営会社を経営している44歳の会社役員が、架空の外注費などを計上する手口で、法人税などおよそ1億9,000万円を脱税したとして、東京国税局から告発されました。

告発されたのは、東京都渋谷区にあるインターネット広告の代理店と、ウェブサイト運営会社の実質的経営者の役員(44)です。

関係者によると、役員は広告デザインなどに関連した会社の業務を外注したように見せかけるなどして、架空の経費を計上していた疑いがあり、東京国税局は、役員が、2022年7月までの2年間に、2つの会社あわせておよそ5億7,300万円の利益を隠し、法人税と消費税およそ1億9,000万円を脱税したとして、東京地方検察庁に告発したということです。

役員は脱税で得たカネをカジノなどでの遊興費に充てていたということです。

役員は弁護士を通じ、「すでに修正申告をし、納税も行っています。再発防止に向け、コンプライアンスを強化していきます。」などとコメントしています。

インターネット広告の代理店とかウェブサイト運営会社は儲かるんですね。

もちろん、儲かるから脱税しても良いということはなく、これだけ脱税して捕まっている人がたくさんいるのに、なぜ安易に架空経費の計上に走るのでしょうか?

月次決算とかをやっていれば、ある程度の損益予測は分かるでしょうから、節税対策もそれほど難しくないのではないかと思いますが。

ネット広告業者が法人税など約1億9,000万円脱税していたことについて、あなたはどう思われましたか?


下請法違反の日産は「賃上げ税優遇」の適用除外で最低1年で収益面に悪影響の可能性!

読売新聞によると、下請け業者への納入代金を発注後に減額した下請法違反問題を受け、日産自動車が、賃上げを行った企業の法人税を減額する「賃上げ促進税制」を利用する資格を失ったことがわかったようです。

日産はこれまで同税制を利用しており、違反問題が収益面にも悪影響を及ぼす可能性があります。

同税制は2013年度に始まったもので、岸田政権は企業の賃上げを後押しするために制度を拡充しました。

大企業では2024年度以降、賃上げによる給与の支払総額の増加分について最大35%が減額される仕組みとなっています。

日産のような大企業が同税制を利用するには、まず自社のホームページに、従業員への利益還元や取引先への配慮に関する経営方針を掲示しなければなりません。

その上で、政府などが作る専用サイトで、取引先への不合理な価格交渉を行わないことを約束する「パートナーシップ構築宣言」を公表する必要があります。

2024年4月5日時点で、トヨタ自動車など約4万4,000社が掲載されています。

日産は2024年3月、下請法違反で公正取引委員会の勧告を受け、所管省庁の経済産業省を通じて専用サイトから掲載が削除されました。

一度削除されると1年間は再掲載されないため、日産は少なくとも1年間は同税制を利用できないことになります。

日産によると、2022年度以前の納税分については同税制を利用していたそうです。

日産は2023年春闘で3.4%の賃上げの実施を決めたほか、2024年春闘では5%という高水準の賃上げの実施を労働組合に回答しました。

違反問題がなければ、申請によって2023年度の納税分の法人税も減税措置を受けられた可能性があります。

財務省によると、同税制を導入した2013年度は減税額が計420億円、適用件数は約1万件でしたが、2022年度には計5,150億円、約21.5万件に拡大しました。

大企業の場合は、年間数十億円以上の減税効果を得られるケースもあるようです。

下請法違反の問題を巡り、日産は公正取引委員会から違法認定を受けた下請け業者36社に約30億円を返金しました。

取引先との信頼回復を急ぐため、公正取引委員会の認定では対象外となった企業についても独自に返金する方向で検討しています。

最近良いニュースを聞かない日産ですが、決算への影響もあるでしょうね。

賃上げ促進税制は、結局のところ、大企業の賃上げの一部を税金でまかなっているに過ぎないという気がしますね。

やはり、大企業は自社で努力してもらって、中小企業の賃金が上がるようなことをしないと、いつまで経っても、物価上昇に賃金上昇が追いつかないのではないかと思います。

話は変わりますが、先日、イオンが過去最高益であることを発表していましたが、理由の一つが仕入先の見直しによるコスト削減とのことですが、取引を切られた仕入先は業績が悪化するもしくは倒産等に追い込まれるでしょうし、結局のところ、消費者である仕入先の関係者の年収は減るでしょうし、イオンで買い物しなくなるかもしれませんので、マクロで考えると、大企業が儲かるということはあまり良いことではないのではないかと思いました。

下請法違反の日産は「賃上げ税優遇」の適用除外で最低1年で収益面に悪影響の可能性があることについて、あなたはどう思われましたか?


“Amazonせどり”コンサル会社の社長を法人税など約5,000万円脱税疑いで刑事告発!

TBSによると、ネット通販に商品を転売して利益を得る「せどり」のコンサルティングをしていた東京都内の会社社長が、法人税などおよそ5,000万円を脱税したとして東京国税局から刑事告発されました。

刑事告発されたのは、東京都台東区の転売コンサルティング業の会社と社長(38)です。

社長は売り上げの一部を税務申告しないなどの手法で、2021年11月までのおよそ4年間に法人税などおよそ5,000万円を脱税した疑いがもたれています。

転売コンサルティング業の会社は、仕入れた商品をAmazonに出品して利益を得る「Amazonせどり」と呼ばれる手法のコンサルティングなどを行い、利益を上げていました。

<コンサルを受けていた男性>
「(社長が)『私がコンサルするんだから儲かります』と。『すぐにもとが取れるんで(受講料)50万円は安いですよ』と私を説得にかかりました。味噌とか醤油とか単価の安いものですよね。継続的に仕入れて販売できるような商品を薦めていました」

社長は、脱税で得たお金を投資などに充てていたとみられていて、JNNの取材に対してこれまでに回答していません。

この社長はYouTubeとかをやっていると思いますが、露出すると課税当局も調べているのは自明でしょうから、脱税していると、当然バレますよね。

あと、こういった脱税をしている人からコンサルを受けた人はどんな気持ちになるんでしょうね。

コンサルを受ける人も、コンサルをする人をきちんと選ばないといけないですね。

“Amazonせどり”コンサル会社の社長が法人税など約5,000万円脱税疑いで刑事告発を受けたことについて、あなたはどう思われましたか?


2億4,000万円の脱税疑いで大阪の測量設計会社を告発!

日本経済新聞によると、架空の外注費を計上するなどして約2億4,000万円を脱税したとして、大阪国税局が法人税法違反などの疑いで、大阪府大阪市の測量設計会社と同社の元社長を大阪地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

重加算税を含む追徴課税は3億4,000万円に上る見通しです。

既に修正申告したそうです。

脱税したお金は遊興費などに充てていたとみられます。

関係者によると、元社長は、取引先の同業者の名前を利用して架空の経費を計上し、2021年12月期までの3事業年度に所得約6億6,800万円を過少申告し、法人税や消費税などの支払いを免れた疑いがあります。

測量設計会社は全地球測位システム(GPS)などを使った測量技術を利用し、官公庁などから道路建設などの仕事を請け負っています。

なぜ、これほど安易に架空経費を計上する事件が多発するんでしょうね。

決算の数値が出てから慌てて脱税ではなく、普段から月次決算をきちんとして数値を把握しておき、節税すれば何の問題もないように思いますが。

脱税するくらいですから、そもそも、官公庁が支払っている金額が高すぎるのではないかとも推測されますが。

数か月の指名停止ではなく、こういった業者を排除していかないといけないのではないかと思ってしまいますね。

2億4,000万円の脱税疑いで大阪の測量設計会社が告発されたことについて、あなたはどう思われましたか?


法人税4,800万円を脱税の疑いで無申告分を馬券購入費などに充てた内装工事会社代表を告発!

読売新聞によると、法人税約4,800万円を脱税したとして、東京国税局が内装工事会社(東京都港区)と内装工事会社代表の男性(51)を法人税法違反容疑で東京地検に告発していたことがわかったようです。

関係者によると、内装工事会社はオフィスや保養所の内装工事などで多額の利益を上げていましたが、2022年5月期までの2年間の所得計約1億9,500万円を申告せず、法人税約4,800万円を脱税した疑いがあります。

内装工事会社は近年、無申告の状態が続いており、帳簿類もほぼ記載がなかったそうです。

代表の男性は、申告しなかった所得を競馬の馬券購入費などに充てていたとみられます。

読売新聞は、内装工事会社に取材を申し込んだようですが、回答はなかったとのことです。

最近、架空経費の計上による脱税事件は新聞等でよく目にしますが、無申告というのは珍しいですね。

代表の男性に、そもそも申告が必要という意識があったのでしょうか?

見つけるのが難しいかもしれませんが、こういった案件を、課税当局はどんどん見つけて、税金をがっぽり取ってほしいですね。

法人税4,800万円を脱税の疑いで無申告分を馬券購入費などに充てた内装工事会社代表を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


1億円脱税疑いで会社役員の男を逮捕!

日本経済新聞によると、貸付金を業務委託費に仮装するといった手口で法人税など計約1億円を脱税したとして、東京地検特捜部は、先日、会社役員(43)を法人税法違反(脱税)などの疑いで逮捕しました。

東京地検特捜部は、認否を明らかにしていません。

逮捕容疑は東京都内のベアリング販売会社から会社役員が実質的に経営するシステム販売会社(東京都渋谷区)への貸付金を業務委託費と仮装させ、ベアリング販売会社の2021年3月期の法人税など計約7,800万円を脱税した疑いです。

ベアリング販売会社に架空の課税仕入れを計上させ、消費税など計約2,300万円を免れさせたほか、計約680万円の不正還付を受けた疑いも持たれています。

貸借対照表に計上すべき貸付金を、損益計算書の業務委託費に計上するというのはスゴいですね。

いわゆる架空経費なので、法人税や消費税を減らし(脱税し)、消費税については不正還付まで受けているので、かなり悪質ですね。

こういう事案は、どんどん課税して欲しいと思いますが、こういう事案がたくさんあるので、真面目に申告して還付になる会社が、簡単に還付してもらえないのは勘弁して欲しいですね。

1億円脱税疑いで会社役員の男が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


法人税1億5千万円の脱税容疑のコンサル会社社長は「税理士に断られ申告できなかった」!

2023年06月20日(火)

読売新聞によると、法人税約1億5,800万円を脱税したとして、東京国税局が東京都中央区のコンサルタント会社と同社の社長(78)を法人税法違反容疑で東京地検に告発したことがわかったようです。

関係者によると、コンサルタント会社は2018年9月に設立され、新宿区の土地の売買などで多額の利益を上げましたが、2019年3月期の税務申告をせず、約6億5,500万円の所得を隠し、法人税約1億5,800万円の納税を免れた疑いです。

隠した所得は、社長が借金の返済などに充てていたようです。

社長は取材に対し、「税理士に断られたために申告できなかった。脱税の意図はなかった」と話しました。

税理士に断られたのであれば、他の税理士を探せば済むように思いますが、複雑な案件で、面倒くさいことを言う社長で、誰も引き受けたがらなかったのかもしれませんね。

法人税1億5千万円の脱税容疑のコンサル会社社長は「税理士に断られ申告できなかった」とコメントしていることについて、どう思われましたか?


架空の外注費などの計上で3,900万円の脱税の疑いで建築会社と社長ら2人を告発!

札幌テレビ放送によると、札幌国税局は、先日、法人税法違反などの疑いで、札幌市白石区の建築会社と、社長(49)と役員(39)の2人を札幌地方検察庁に告発したと発表しました。

2人は共謀し、2019年から2020年にかけて、架空の外注費や支払手数料を計上して、約1億6,000万円の所得を隠し、約3,900万円を脱税した疑いが持たれています。

札幌国税局によると、社長の男は業務全般を統括し、役員の男は決算書類などを作成していたということです。

2人は、先日、同じ容疑ですでに札幌地検に逮捕されています。

最近、安易な架空経費の計上による脱税事件が多いですね。
普段から数値を把握しておけば、色々と検討したうえで節税ができると思いますが、バレないと思っているのか、決算日を過ぎて数値を把握すると思いのほか利益が出ていて慌てて架空経費を計上するのか、理由はよく分かりませんが、年間にすると、ニュース等に取り上げられる事件だけでもかなりの件数あると思いますので、それほど甘くはないということに早く気付いてほしいですね。
こちらの架空経費の経費は、相手にとっては売上になるわけですから、相手を調べればおそらくすぐに分かりますよね。

架空の外注費などの計上で3,900万円の脱税の疑いで建築会社と社長ら2人を告発したことについて、どう思われましたか?


法人税など1億円余り脱税の前社長に有罪判決!

NHKによると、架空の外注費用を計上し、所得を少なく見せかけて法人税を免れるなどして合わせて1億円余りを脱税したとして長崎県長崎市の会社と前の社長が法人税法違反などの罪に問われていた裁判で、長崎地方裁判所は前の社長に対し懲役1年6か月、執行猶予3年、会社に対し罰金2,500万円の判決を言い渡しました。

長崎市の重量機器の搬入会社と前社長(69)は平成28年10月期から平成30年10月期にかけて、架空の外注費用を計上して所得を少なく見せかけて法人税を免れたり、控除の対象となる仕入れを過大に計上して消費税を免れたりして合わせて1億円余りを脱税したとして法人税法や消費税法違反の罪に問われています。

先日の裁判で長崎地方裁判所の芹澤俊明裁判官は「知人に依頼して実体のない会社を設立させ、継続的に架空の請求書を発行させるなどしており巧妙かつ悪質である。動機や経緯につき特に酌量すべき余地はない」などと指摘しました。

そのうえで「会社は本税、延滞税などを全て納付し、役員や税理士などを一新して経理体制の改善を図ったことなど考慮すべき事情もある」などとして、前社長に対し懲役1年6か月、執行猶予3年、会社に対し罰金2,500万円の判決を言い渡しました。

架空経費を計上して、脱税する事件が後を絶ちませんが、当然、多額になると有罪になりますね。
こういったことがあるということを認識して、安易な脱税はやめてほしいと思います。

法人税など1億円余り脱税の前社長に有罪判決があったことについて、どう思われましたか?


2,700万円脱税の疑いで大阪国税局が大阪府堺市の工事会社を告発!

外注費の架空計上などで約2,700万円を脱税したとして、大阪国税局が型枠工事を手がける会社(大阪府堺市)と元社長(48)を法人税法違反などの疑いで大阪地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

修正申告はすでに済ませたそうです。

関係者によると、同社は下請け業者に支払った外注費を還流させるなどして、2020年3月期までの2年間に約1億1,500万円の所得を隠し、法人税など約2,700万円を不正に免れた疑いが持たれています。

隠した所得は元社長名義の不動産購入などに充てたそうです。

最近、架空経費の計上による脱税が多いですね。
告発されるのは、もっと金額が多いケースかと思っていましたが、そうではないみたいですね。
悪質なところから、国税局はどんどん取って欲しいですね。
社会的信用の失墜、重加算税などを考えると、普通に税金を支払うか、合法的な節税をすれば良いと思うのですが、なぜ、脱税に走るのでしょうか?

2,700万円脱税の疑いで大阪国税局が大阪府堺市の工事会社を告発したことについて、どう思われましたか?


東京国税局が法人税4,500万円の脱税容疑でアニメイト関連会社を告発!

時事通信によると、アニメショップチェーン「アニメイト」のグループ会社で、アニメカード販売などを手掛ける「カードラボ」(東京都板橋区)が法人税など約4,500万円を脱税したとして、東京国税局査察部が同社と前代表(47)を法人税法違反容疑などで東京地検に告発していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、前代表は知人男性から人気漫画「遊☆戯☆王」やアニメ「ポケットモンスター」の希少カードを仕入れたように装って所得を圧縮していました。
虚偽の請求書に基づきカードラボから知人の銀行口座に資金を移した上、95%程度を返金させて自らの口座に入れていたそうです。

かなり悪質な脱税ですね。
知人も巻き込んでいますし。
最近、架空の経費を計上して脱税を図るところを新聞記事等でyちょくちょく目にしますが、誰が主導で行っているのでしょうか?
指南をするコンサルタントなどがいるのでしょうか?

東京国税局が法人税4,500万円の脱税容疑でアニメイト関連会社を告発したことについて、どう思われましたか?


民間資金で学校新設を法人税負担減で後押し!

日本経済新聞によると、政府・与党はエンジニアや起業家らを養成する学校の整備に民間資金を生かす仕組みづくりを進めるようです。
高等専門学校などの新設に資金支援した企業の法人税負担を軽くする案を検討します。
最新のデジタル技術など産業界のニーズに合った教育を提供する場を広げます。
2022年12月にまとめる2023年度の税制改正大綱への反映をめざしているようです。

今冬までの税制改正論議で、政府・与党は岸田文雄首相が訴える「人への投資」を主要テーマに位置づけています。
財務省・経済産業両省で制度の詳細を詰めます。

政府・与党は現行の制度を見直し、企業がより資金を出しやすい環境を整える方向で議論します。
企業が損金算入する際の限度額を引き上げる案などが浮上しています。
企業側の利便性も考慮し、制度設計します。

政府の「人への投資」をめぐっては、リスキリング(学び直し)を中心に就業経験がある社会人向けの支援策がこれまでは目立っていました。
しかしながら、今回の税制改正では、就業前の若年世代の能力向上も狙っています。

財務省・経産両省がモデルケースとして着目するのが、2023年4月に開校を予定する私立の「神山まるごと高等専門学校」(徳島県神山町)です。
山間部に全寮制の校舎を設け、IT(情報技術)分野を中心とした起業家の育成に重点を置いています。
デジタル技術やデザインといったスキルの習得へのカリキュラムを打ち出しています。

同校の新設にあたっては国内の起業家らが発起人となり、数十億円の寄付を民間から集めました。
衣料通販大手のZOZOで最高技術責任者(CTO)を務めた大蔵峰樹氏が初代校長に就いています。

日本の高専は国立が中心で、私立は少ないです。
政府は少子化のなかでもユニークな人材育成を手がける学校の新設を後押しします。

国立だとできることが限られてくると思いますので、私立で独自の人材育成を行いやすくなると、日本のために良いことだと思いますね。
同じ四国の神山町から素晴らしい起業家が誕生してくれたら嬉しいですし、公認会計士・税理士として、何かお役に立つことがあれば協力させていただきたいと思います。

民間資金で学校新設を法人税負担減で後押しすることについて、どう思われましたか?


「経営強化税制」、「固定資産税特例」等の税制特例に関する誤った内容の「工業会等による証明書」発行!

先日、同業者からの情報で、すごいプレスリリースを見ました。
現在、工業会等による証明書が取れるかどうか検討している案件があるので、非常にタイムリーな話でした。
以下は、ダイキン工業のプレスリリースです。

~ここから~

大切なお知らせ

「経営強化税制」、「固定資産税特例」等の税制特例に関する誤った内容の「工業会等による証明書」発行についてのお詫びとお願い

この度、「中小企業経営強化税制」、「先端設備等導入計画に関する固定資産税の特例」、「(旧)生産性向上設備投資促進税制」、「(旧)中小企業投資促進税制(上乗せ措置)」、「(旧)経営力向上計画に関する固定資産税の特例」において、弊社の空調等設備の一部が、これら税制特例の対象設備に該当しないにもかかわらず、誤って該当要件を満たしているものとして「工業会等による証明書」が発行されていたことが判明しました。
「工業会等による証明書」の発行を受けたお客様のうち、誤った内容の証明書を用いて税制特例の適用を受けられていたお客様におかれましては、お手数をおかけしますが、税額の修正申告、納付手続等の税務手続をしていただく必要がございます。
ご愛用いただいているお客様に深くお詫びを申し上げるとともに、発生の経緯と今後の対応についてご案内いたします。
今回、お客様から「工業会等による証明書」の記載内容についてお問合せがありました。
「工業会等による証明書」は、弊社が自社のソフトウェアを用いて申請対象の該非判定を行った上で記入しており、同ソフトウェアに登録している一部の製品の仕様データに誤りがあることが判明しました。
社内にて調査した結果、対象期間である平成26年1月〜現在の間に、誤った内容の証明書が発行されたことを確認しました。
該当する証明書の発行を受けた可能性があるお客様には、弊社より直接ご連絡し、証明書の誤り部分のご説明、ならびに修正申告等の税務手続のお願いと、税額のお支払いを含めた具体的な今後の手続きについてのご案内をさせていただきます。
なお、お心当たりがあり弊社からの連絡が無くご心配のお客様は、誠にお手数ですが、以下のフリーダイヤル、または弊社ウェブサイトにてご相談下さい。
弊社にて状況を確認の上で、個別にご回答申し上げます。
今後、このようなことがないように、証明書発行に関わる仕様データの作成から申請書発行までの業務手順の厳格化、各手順におけるデータや記載内容のクロスチェックの徹底、業務の実施状況の定期点検および改善など、万全の対策を期して参ります。
お客様におかれましては、大変ご迷惑とお手数をおかけいたしますが、なにとぞ、ご理解・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

フリーダイヤル 0120−557−704(平日9時〜17時30分)
お問合せフォーム https://www.daikinaircon.com/info/20220823/contact/

~ここまで~

ざっくりと言うと、固定資産を取得した際に、『工業会等による証明書』があると、特別償却や税額控除や固定資産税などの税制上の優遇があるという制度の『工業会等による証明書』が間違っていた(本来は発行してはいけないものだった。)ということです。
もちろん、この製品が欲しくて買ったところもあるでしょうが、固定資産を取得する際に、税制上の優遇措置が使えるからということでこの製品を取得したり、税制上の優遇措置が使えるものの中からこの製品を選んでいるケースも多いのではないかと思います。
証明書を発行してはいけない製品だったわけなので、当然、税制上の優遇措置が使えないということで修正申告等が必要になりますし、税制上の優遇措置が目的で購入したのであれば、税額分を負担する必要がありますので、ダイキン工業は、どれくらいになるのかは想像もつきませんが、かなりの手間や負担額が発生するでしょうね。

「経営強化税制」、「固定資産税特例」等の税制特例に関する誤った内容の「工業会等による証明書」発行についてのお詫びとお願いについて、どう思われましたか?


法人税率の引き上げ案が浮上!

時事通信によると、与党の税制調査会で、法人税の実効税率を引き上げる案が浮上していることが、先日、明らかになったようです。
併せて、設備投資などに対する減税措置も拡充し、増税と減税を組み合わせることで企業にも「貯蓄から投資」を強く促し、日本経済の構造転換を後押しします。
与党税調幹部は2023年度の税制改正を見据え、政府側と検討を進めたい考えのようです。
ただし、企業業績には不透明感が強まっており、経済界が難色を示す可能性もあります。

実効税率の引き上げが実現すれば、1984年以来となります。

法人税率をめぐっては、2021年、経済協力開発機構(OECD)主導で最低税率を設定することで国際合意が成立し、世界的な引き下げ競争に歯止めがかかってきました。
アメリカのバイデン大統領も税率引き上げを提案しており、新型コロナ対応で財政赤字が拡大した各国で政策を転換する動きが出ています。

現在、法人税(国税)と法人事業税(地方税)などを合わせた法人実効税率は29.74%です。
政府は2015年度以降、企業が減税分を賃上げや設備投資に回すと期待し、34.62%だった税率を段階的に引き下げてきました。

これに対し自民、公明両党は2021年12月にまとめた2022年度税制改正大綱で、税率引き下げにより企業の内部留保は増加したものの、投資拡大など「意図した成果を挙げてこなかった」と指摘しました。
そのうえで「企業の行動変容を促すためにどう対応するか幅広く検討する」と、民間資金を投資に誘導する仕組みづくりを示唆していました。

今回は増税額と減税額が同規模となる仕組みを想定しているようです。
税調幹部は「大幅には引き上げられないが、日本の実態に合った構造転換は必要だ」と訴えています。

ただし、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う原材料価格の高騰で、企業業績は今後厳しさを増す可能性があります。
また、設備投資の規模は業種によってばらつきが大きく、サービス業など減税措置の恩恵が限られる業界は差し引きで増税となる恐れがあります。
大企業を中心とする黒字企業などからは強い反発も予想され、実効税率の引き上げが実現するかは不透明な情勢です。

相続税、消費税、所得税などが増税傾向にあるなか、唯一と言ってよいほど、法人税は減税傾向にありましたが、法人税も増税になるかもしれませんね。
以前の総理が、グローバル企業が世界的な市場で勝負できるように、実効税率の30%切りにこだわり、表面上は実現させました(課税対象が拡大になっているため、実際には引き下げにはなっていない。)が、手のひらを返す感じですね。
企業だと、業績が悪くなると、ますはコスト削減を考え、そのあとに値上げを考えるのが一般的なように思いますので、増税するのであれば、まずは国の無駄遣いを削減してからにして欲しいですね。
法人税率が上がれば節税効果は上がるのですが、一方で、法人税率が低いということが法人化の理由の一つとなっていると思いますので、法人税率が上がると、税理士としての対応も変わってはきますね。

法人税率の引き上げ案が浮上していることについて、どう思われましたか?


政治家個人への寄付は禁止なのに使い道報告義務のない「抜け穴」から与野党が計22億円支出!

東京新聞によると、自民党、国民民主党、日本維新の会、社民党、れいわ新選組の5党が2019年、「政策活動費」や「組織活動費」の名目で党幹部ら30人に総額約22億円を支出していたことが、政治資金収支報告書の東京新聞の調査で分かったようです。
禁止されている政治家個人への寄付を政党だけに認める制度があるためで、その先の使途は報告義務がありません。
1994年の政治改革で小選挙区制と同時に埋め込まれた「抜け穴」は、秋に総選挙を控えた現在も解消されていません。

ちなみに、政治資金収支報告書は、政治団体の収入、支出、資産を記載するよう政治資金規正法で定める報告書で、年間5万円超の寄付をした人や、20万円を超える政治資金パーティー券の購入者も記載します。
総務大臣や都道府県の選挙管理委員会に提出します。
総務大臣所管の2019年分は2020年11月に公表されました。

政治資金規正法は政治家個人への寄付を禁じ、資金管理団体や政党支部で受けて収支報告書を提出するよう定めています。
ただし、「政党がする寄付」には適用しないという例外規定があり、支出が認められています。

2019年の収支報告書を集計したところ、こうした政策活動費などを最も多く支出していたのは自民党です。
二階俊博幹事長や甘利明選挙対策委員長(当時)ら計18人に13億410万円を出していました。
国民民主党は玉木雄一郎代表と平野博文幹事長(同)に8億1,000万円を支出していました。
日本維新の会は党支部の位置付けの国会議員団から、5,865万8,000円を馬場伸幸幹事長ら4人に出していました。
社民党は照屋寛徳国対委員長ら5人に1,500万円を、れいわ新選組は山本太郎代表に40万円を出していました。

支出された議員らが代表を務める資金管理団体や政党支部で、判明した約100団体の収支報告書を調べたようですが、受領の記載はなかったようです。
取材に対し、自民党、国民民主党、日本維新の会は、党勢拡大や政策立案の資金としたうえで「政治資金規正法に則のっとり、適正に処理している」などと回答しています。
社民党は「適正に支出」としたうえで「使途報告が求められない現行制度は法の趣旨に照らして十分とはいえない」と答えました。
れいわ新選組は「領収書管理の負担軽減のため。ただ、支援者が寄付した資金を分かりづらい形で支出することは改善する必要がある」としています。
立憲民主党、公明党、共産党は2019年分の支出がありませんでした。

東京大の谷口将紀教授(現代日本政治論)は「政治資金規正法の狙いは政治家の資金面の公私の峻別だが、大きな抜け穴になっている。議員が自らの資金管理団体で収支報告するか、政党が使途を説明させるなど、制度を変える必要がある」と指摘しています。

「子どもにお使いを頼んで、家計簿にそのまま『お使い』とだけ書いておくようなもの。何を買ったか分からない」
使途の報告義務がない「政策活動費」などの問題点を、神戸学院大の上脇博之ひろし教授はこう例えています。

「抜け穴」は、1994年成立の政治改革関連法で生まれました。
政治腐敗が相次いだ時期。金権政治の温床を断ち切るべく、政治献金の制限など政治資金の「入り口」の議論に熱視線が注がれました。
しかしながら、その裏で、使途などの「出口」を巡り、政治家自身の縛りを緩める法改正がひっそりと行われたのです。

それから30年近く、与野党問わず制度は使われ続けています。
国会での追及も散発的です。
「答える立場にない」「適正に支出」と述べ合い、自浄作用が働いたとは言えない状態でした。

コロナ禍で国民が困窮にあえぐ中、政治の現場で不透明な資金が横行する現状は許されるのでしょうか?
今秋には総選挙があります。
民主主義を担う公党である以上、与野党で法改正に向けた議論を始める必要があります。
少なくとも、使途報告を義務づけるルール作りは今すぐにでもできるはずでしょう。

法人とか個人事業主は、例えば、領収書は7年間の保管が義務付けられ、使途秘匿金は、消費税においては仕入税額控除の適用を受けることができませんし、法人税においては損金不算入に加えて、使途秘匿金の40%の税額が課されます。
法人とか個人事業主はこういうのがありますが、政治の世界でのこういったものが認められているということには、税理士としてすごく違和感を感じます。

政治家個人への寄付は禁止なのに使い道報告義務のない「抜け穴」から与野党が計22億円支出していることについて、どう思われましたか?


住友化学がコーポレートガバナンスを強化し税務方針を制定!

ゴムタイムスによると、住友化学は、先日、「住友化学グループ税務方針」を制定したと発表しました。
同方針は、同社グループにおけるコーポレートガバナンス強化の一環として、これまでの税務に関する取り組み方針を明文化したものとなっています。

2012年6月に経済協力開発機構(OECD)において発足した「BEPS(Base Erosion and Profit Shifting・税源浸食と利益移転)プロジェクト」を契機として、租税回避行為の防止に向けた国際課税ルールの見直しが各国・地域で進められています。

このような世界的な税務コンプライアンス強化の動きのほか、企業によるグローバル展開の拡大などに伴い、企業グループが抱える潜在的な税務リスクの規模や複雑性が増大しています。

同社グループは現在、世界の約30カ国で事業展開をしており、納税を企業が果たすべき最も基本的かつ重要な社会的責任の一つと捉えています。

これまでも各国・地域において適用される税法を順守し、適切な納税を行ってきましたが、税務コンプライアンスと税の透明性確保に向けた取り組みを全グループ会社がより高いレベルで実行するため、同方針を制定しました。

同社グループは、コンプライアンスを企業経営の根幹と位置付けており、引き続き、事業活動を行っている各国・地域において、諸法令はもとより、企業倫理の順守を徹底していくとしています。

GAFAなどが税法を研究して節税を図っているなか、このような真面目な企業が彼らと世界的に戦っていけるのだろうかと思ってしまいますが、過度に保守的になり過ぎないようにしていただき、こういう企業がグローバルスタンダードになればいいなぁと思います。

住友化学がコーポレートガバナンスを強化し税務方針を制定したことについて、どう思われましたか?

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入居事業者からの賃料減免なら損金として計上可能に!

国土交通省は2020年4月10日までに、テナントビル所有者に対し、入居する事業者からの賃料を減免した場合、損失額を税務上の損金として計上することが可能だと通知しました。

通常は寄付金扱いとなりますが、損金とすることで法人税の負担軽減を図ります。

通知は2020年4月9日付けです。
新型コロナウイルス感染拡大による売り上げ減少で、賃料の支払いが困難な事業者が増えていることを踏まえたものです。
国税庁が近く適用要件を公表します。

国土交通省は、3月末、テナントビル所有者に対し、支払いの猶予など柔軟な対応を要請していました。

テナントビル所有者も事業としてやっているわけですから、当然のことだと思いますね。
もちろん、要請するのであれば、固定資産税の免除も当たり前かと思いますが、テナントビル所有者側に立った報道等が少ないのはなぜなんでしょうね?

入居事業者からの賃料減免なら損金として計上可能になったことについて、どう思われましたか?


「巧妙な隠ぺい」“スパコン詐欺”の元社長に懲役5年!

以前このBLOGでも取り上げましたが、スーパーコンピューターの開発を巡って国の助成金をだまし取った罪などに問われた開発会社の元社長に対し、東京地裁は懲役5年の判決を言い渡しました。

ベンチャー企業「PEZY Computing」の元社長(52)は、経済産業省が所管するNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成金6億5,000万円余りをだまし取ったほか、法人税約2億3,000万円を脱税した罪などで起訴されました。

判決で東京地裁は「虚偽の書類を示すなど巧妙な隠蔽策で詐欺を完遂した」「助成金を無関係な運転資金や個人的な支払いなどに流用した」などと指摘し、元社長に懲役5年を言い渡しました。

弁護側が一部を除いて無罪を主張していた脱税の罪については「故意の脱税だった」と認め、弁護側の主張を退けました。

こういう事件がありますので、助成金という制度自体を見直さないといけない時代になっていると思います。
助成金も補助金も一部の知っている企業だけが使っている傾向にあると思いますので、金額を小さくして、多くの企業に与えるのも一案かと思います。
また、返さなくても良いということが詐欺や効果のなさにつながっていると考えられますので、何か要件を充たせば返さなくても良いといった感じに変えても良いかもしれませんね。

「巧妙な隠ぺい」“スパコン詐欺”の元社長に懲役5年の判決が言い渡されたことについて、どう思われましたか?


税・社会保険の電子申告の導入が迫るなか企業の準備は整っていない!

日本経済新聞によると、2019年12月、行政の電子化を目的とするデジタル手続法が施行され、パスポートの申請など約500の手続きが順次電子化されます。2020年4月からは、企業の税申告や社会保険の申請の電子化も義務付けられます。約2万4,000社が対象となりますが、準備が整っていない企業が多いのが実情だそうです。

政府が2019年12月下旬に公表した「デジタル・ガバメント実行計画」には、仕事や暮らしに関わる様々な手続きの電子化計画が並んでいます。
2020年4月以降、資本金1億円超の大企業に義務付けられるのが、法人税と消費税の電子申告です。
3月期決算の企業の場合、法人税については、9月期までの中間申告から電子化が求められます。
消費税は、年間申告回数によって異なりますが、早い企業では6月末までの対応が必要になります。

導入まであと2か月弱と迫るなか、現場では不安の声が広がっているようです。

NTTデータで法人税の電子申告システムの販売を担当する小谷智昭氏は、「間に合わない企業が続出しかねない」と話しています。
同社が2019年7月から11月にかけて実施したアンケートによると、6割の企業が準備に着手していなかったようです。
「書面ベースで進める稟議など、社内の承認手続きの流れを見直すには相当の時間がかかる」(小谷氏)。
システムを導入するだけでは不十分で、経営陣を含めた業務プロセスの見直しが欠かせないようです。

対象企業は、国税庁の納税システム「e-Tax」などを用い、法人税と消費税の確定申告書を提出します。
複数のITベンダーがe-Taxと連携した申告システムを販売しており、国税庁の2018年の調査でも資本金1億円を超える7割の企業が電子申告を利用しているようです。

しかしながら、会計システム大手のTKCの富永倫教執行役員は、「制度変更に完全に対応できていない企業は多い」と指摘しています。
法人税では「別表」と呼ばれる申告書本体だけでなく、財務諸表や勘定科目内訳明細書などを添付して提出します。
2020年4月からの義務化では、これら全ての書類を電子化して提出する必要がありますが、申告書本体のみにとどまっている企業も多いようです。

化学メーカーのリケンテクノスは、2016年から法人税の電子申告に対応しました。
しかしながら、財務諸表などの添付書類を50枚以上、今でも郵送で送っているそうです。
電子化する際のファイル形式が申告書本体と異なり、システム対応に手間がかかるためです。
「対応できるように検討している。義務化には間に合わせたい」と同社の担当者は話しています。

より広い範囲で対応が求められるのが、社会保険の電子申請です。
2020年4月から健康保険、厚生年金保険、労働保険、雇用保険に関する12の手続きの電子化が義務付けられます。
総務省の「e-Gov」と呼ぶシステムを使いますが、ここでも対応の遅れが指摘されています。

2020年4月には早速、新入社員の雇用保険手続きで電子申請が必要です。
しかしながら、労務管理システムを販売するエムケイシステムの三宅登社長は、「当初から完全対応できる企業は2割程度にとどまる」と見ています。
給与や人事、マイナンバーなど関連する社内の業務システムを一元管理できていない企業が多いのが理由です。
「被保険者の報酬月額変更届など、頻度の少ない手続きも義務化の対象」(社会保険労務士の片山力氏)ですが、すべてシステムで対応しようとすると投資負担が大きくなるのです。

政府は2024年度中に、年10億件近い行政手続きのうち、件数ベースで9割の電子化を目指すそうです。
企業が戸惑うのは「システムが使いづらく、変更も多い。対応に手間と費用がかかる」状態が長引きそうなことです。
電子化を進める関係省庁部局が複数にまたがり、情報が一本化されていません。
企業側も税務、人事など担当レベルで部分的に把握できたとしても、企業全体でどう対応すべきか経営トップがつかみにくい状況にあるといえます。

労働人口が減るなかで生産性の向上は避けて通れない課題です。
中長期でみれば「税や行政手続きの電子化によって、企業の間接業務の効率化は進む」(野村総合研究所制度戦略研究室の梅屋真一郎室長)でしょう。
梅屋氏は、「人材配置の最適化を進める機会とするのが望ましい」と指摘しています。

この行政手続きのオンライン化を進める上で欠かせないのが「ハンコ文化」の見直しです。
印鑑証明書が必要な行政手続きは100種類以上あります。
電子証明書で代用できる手続きも多いですが、利用が進んでいません。
契約書など民間業務でも必要とされることがあり、法人の印鑑証明書の発行は、年間約1,300万件(2018年)にもなります。

政府は2019年12月に策定した「デジタル・ガバメント実行計画」で、印鑑証明書の省略や印鑑の代わりとなる電子証明書の普及を進める方針を打ち出しています。
商業登記法では法人を登記する際、代表者の印鑑を届け出ることが義務付けられています。
この条文が2019年12月に成立した改正法で削除され、印鑑登録が任意になりました。
改正法は2021年2月までに施行される見通しです。

電子証明書や電子署名などデジタル認証の仕組みは整いつつありますが、日本では「ハンコ文化」が根強いのです。
企業でも、正式文書は押印した紙で保存する習慣が残っています。

税や社会保険の手続きを電子化することにより、手間が省けるのであれば、個人的には大賛成です。
僕自身、税理士として、法人税や消費税の申告は100%電子申告していますが、中小企業でも紙で出さないといけないものがあったりして不便だなぁと感じることがあります。
中小企業ですらこのような状況ですから、加減算項目の多い大企業になるとものすごい手間が生じるのではないかと思います。
また、e-Taxを導入した当初、導入企業がまったく増えず、税理士会経由で税理士に呼びかけ、利用率は増加したものの、実質は一部の別表だけ電子申告し、残りは紙で提出している企業が多いというような記事も見かけましたので、実質的な利用率はそもそも低い状況下で電子申告を義務化するというのもどうかと思います。
国には、きちんとシステムを整備し、電子申告する企業にメリットがある状況にしたうえで、やってほしかったなと思います。

税・社会保険の電子申告の導入が迫るなか企業の準備は整っていないことについて、どう思われましたか?


企業版ふるさと納税につき寄付額の9割軽減を政府が検討!

 政府は、地方自治体に寄付した企業の税負担を軽くする「企業版ふるさと納税」を拡充するようです。
税負担を軽減する割合を現在の約6割から、約9割に広げたうえで、2019年度までの時限措置を2024年度まで5年間延長する方向で調整します。
「個人版」に比べ伸び悩む企業の寄付をテコ入れし、地方創生への資金の流れを促します。

内閣府が提出する2020年度の税制改正要望に盛り込み、2019年末に向けた与党の税制改正議論などで詳細を詰めます。

企業版ふるさと納税である「地方創生応援税制」は、2016年度に始まりました。
現行制度は内閣府が認定した自治体の事業に企業が寄付すると、損金算入措置による約3割の税の軽減効果に加え、寄付額の3割が税額控除され、合計で寄付額の約6割分の税負担が軽くなり、実質の企業負担は約4割で済みます。

2020年度からは税額控除の割合をさらに3割拡大し、税負担の軽減幅を合計で約9割に広げる方向で検討します。
企業版は、「個人版」で一定の範囲で許容されている返礼品のような経済的な見返りがなく、企業側のメリットの分かりにくさが寄付低迷の一因との指摘があります。

これまでの例では、企業が創業の地や工場がある地域、被災地などの自治体に寄付する例が多くなっています。
自治体は地域の再生に企業資金を呼び込むことができ、企業にとっては社会的責任(CSR)活動の一環として地域貢献をアピールできる利点があります。
今後は企業の寄付を促すため、表彰制度の創設も検討するようです。

寄付の対象も広げます。
企業版は内閣府の認定を受けた事業に寄付する仕組みですが、いまは予算など詳細が固まった後でないと企業が申請できません。
2020年度から詳細が固まる前でも申請を受け付けられるようにし、企業側の都合に合わせて申請できるようにする方針です。

拡充案では、国の交付金や補助金を受けている事業も寄付対象の事業として認定を可能にします。
これまでは「地方創生関係交付金」など一部を除き、他の財政支援を受けている事業は寄付の対象として認定を受けられませんでした。

企業版ふるさと納税を募っているのは都道府県と市町村を合わせて406で、全自治体の23%にとどまっています。
寄付額も個人版に比べ見劣りします。
企業版は2018年度に34億円(速報値)と2016年度の開始当初より4倍以上増えましたが、個人版の5,127億円と大きく離れています。

本当に創業の地や工場がある地域に貢献したいのであれば、損金になるかどうかを考えずやればよいと思いますし、寄付は売名行為ではありませんので、表彰というのは寄付金の性質上、違うのではないかと個人的には思います。
まさか、個人版のふるさと納税による税収が減ると見込まれるため法人版に期待しているということはないと思いますが、個人版のふるさと納税制度は失敗だと思っていますので、個人版をまねるのではなく、本来のふるさと納税の趣旨に立ち返って、変えるところは変えて欲しいと思います。

企業版ふるさと納税につき寄付額の9割軽減を政府が検討していることについて、どう思われましたか?


平成30年度査察の概要(4/5)

 先日、国税庁が『平成30年度査察の概要』を公表しました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。

<査察調査の概要>
【平成30年度の取組】
○査察事案121件を告発
平成30年度は、免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した消費税受還付事案、太陽光発電設備の取得を装った消費税 受還付事案、他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案、外国法人を利用した国際事案など、計121件を告発。
○重点事案を多数告発、特に消費税受還付事案は16件を告発(注)
消費税受還付事案16件、無申告ほ脱事案18件、国際事案20件を告発 。
消費税受還付事案は、国庫金の詐取ともいえ悪質性が高いが、過去5年間で最も多い16件を告発。うち、平成23年に創設された未遂犯も過去最多の8件を告発。
無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、18件を告発。
(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。
○脱税総額(告発分)は112億円
平成30年度の査察事案に係る脱税額(告発分)は112億円。
【平成30年度中の判決状況】
○122件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、7人に実刑判決
最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役4年6月。

この中で、『重点事案への取組』として、以下のものが挙げられています。
(1)消費税受還付事案
(2)無申告ほ脱事案
(3)国際事案
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
また、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についても書かれています。

今週は、これらについて、順番に取り上げていきたいと思います。
4日目の今日は、『その他の社会的波及効果の高い事案』についてです。

平成30年度においては、現下の経済社会情勢を踏まえて、特に、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案、市場が拡大する分野における事案などの社会的波及効果の高いと見込まれる事案を重点事案として積極的に取り組みました。
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
近年、市場が拡大する分野における脱税など、社会的波及効果が高いと見込まれる事案に対して積極的に取り組みました。

<トピック8>好況なネット通販事業者の告発
近年、インターネット等のネットワークを通じた多様な経済取引が可能となっているところ、このような取引で得た多額の利益を隠し法人税を免れていた事案に対し、デジタルフォレンジック技術を活用するなどして不正を解明し告発しました。
【事例】
H社は、インターネットや各種メディアを利用して自社商品を販売し、多額の利益を得ていたものですが、不正加担者と通謀し、同人の主宰会社に対して架空の広告宣伝費等を計上する方法により法人税を免れ、同会社に送金した資金を現金でバックさせるなどして還流させていました。
本事案では、デジタルフォレンジックツールを使用して、スマートフォン内のデータを解析し、不正資金の還流の事実を解明しました。

<トピック9>好況な不動産事業者の告発
近年、不動産業の売上及び経常利益が上向いている状況ですが、不動産取引による売上を正しく申告しないほか、架空経費を計上し、所得(利益)を過少に申告していた事案を告発しました。
【事例】
I社は、入場者数が増加している国内有数のテーマパーク近隣の開発予定地に係る不動産売買取引に関与し、多額の利益を得ていたものですが、仲介手数料収入を除外するほか、取引に係る虚偽の覚書を作成し架空外注費を計上するなどの方法により法人税を免れていました。

<トピック10>クラブ経営者らによる消費税・源泉所得税事案を告発
日本有数の歓楽街でクラブ及びキャバクラ等を経営する法人による消費税及び源泉所得税事案を告発しました。
【事例】
Jは、クラブ及びキャバクラ等を経営する法人を主宰するものですが、経理責任者Kと共謀し、主宰法人の消費税の確定申告を一切せずに納税を免れたほか、店舗従業員の給与に係る源泉所得税を一切納付していませんでした。

その他の社会的波及効果の高い事案について、どう思われましたか?


連結納税のミス修正の事務負担を軽くすることを検討!

 財務省は、企業グループを一体とみなして法人税を計算する連結納税制度について、企業の事務負担の軽減をめざしているようです。
制度を使えばグループ内の利益から損失を差し引いて課税所得を圧縮できる半面、1つの子会社の税務申告に間違いがあるだけでグループ全社の集計作業がやり直しになります。
企業にとって大きな負担のため、ミスした企業の修正だけで済むような制度の見直しを検討するようです。

政府税制調査会(首相の諮問機関)で、近く連結納税制度の見直しを検討事項の一つに取り上げるそうです。
制度が複雑なうえ、企業実務に絡む専門的な議論が必要なため、2019年度の税制改正をめざすのではなく、中期的な課題と位置づけて議論するようです。
財務省は、政府税制調査会などで企業側の意見を聴き、問題点を洗い出します。

2002年度に導入された同制度を使うと、国内グループ企業の利益と損失を通算できるため、一般的には個別に納税するよりも、法人税がかかる所得を小さく抑えられます。
制度を使うかどうかは企業が選ぶことができます。
2010年度税制改正で、子会社が持つ過去の欠損金を反映できるようにするなど使い勝手がよくなり、利用が増えました。
現在、資本金1億円以上の大企業のうち、3割超が制度を利用しています。

一方で、税務申告にかかわる企業の事務負担は重くなりがちです。
特に、対象となる子会社や孫会社のどこか1か所で経費計算などにミスが起きるだけで、グループ全体の集計作業がやり直しになる問題を抱えています。
対象企業の税務上の損失や控除額などをいったん足し上げて、全体の税額などを計算するためです。

こうした負担を軽くする方策の一つとして、財務省内では連結納税の対象となる各社がそれぞれ個別に税務申告書をつくる案が浮上しています。
現行制度では、親会社がまとめる連結申告書に一本化されています。
情報を一括して把握できる半面、いったん内容に疑問が生じると、グループ全社で集計作業をやり直さなければ問題を修正できない原因にもなっています。

個別に申告書を備えておくことで、ミスが生じても部分的な修正だけで済まそうという考え方です。
個々の会社による申告書の作成作業が増えるようにみえますが、実際には各社はすでに同じような作業を手掛けており、修正が必要になった場合の対応を大幅に簡素化できるメリットの方が大きいと財務省はみています。

税務当局にも利点があります。
例えば、申告内容に問題があれば、税務署は親会社だけでなく、全国各地の子会社も調べなければなりません。
制度の見直しは、「人員が限られ、十分な調査ができない」(国税庁関係者)という現状の改善につながります。

財務省は、連結納税の対象企業の範囲といった制度の骨格は変えない方針ですが、企業のM&A(合併・買収)の増加に対応する見直しなどは課題となりそうです。
現行制度では、新たに買収した会社を連結納税の対象に加えようとすると、その会社の資産の含み益に応じた税金を事前に払う必要が生じます。
せっかく買収した企業の価値が目減りしかねず、課税の繰り延べなどが検討課題となります。

僕自身は、連結納税の申告業務をやったことがないので、実務上の煩雑さなどが分からないのですが、『連結納税』というくらいですから、子会社の申告書にミスがあれば、グループ全体の集計が異なってくるのは当然だと思いますが、どうなのでしょうか?
手間をかけてでも税金を安くしたいという企業が使えばいいと思いますし、実務上の負担が大きいのであれば、もっとシンプルな制度にすればよいのではないかと思います。

連結納税のミス修正の事務負担を軽くすることを検討していることについて、どう思われましたか?


陸上自衛隊演習場の地権団体が100億円の申告漏れ!

静岡県にある陸上自衛隊東富士演習場の土地を国に貸し、賃料を得ている静岡県内の一般社団法人と一般財団法人の計10法人が、名古屋国税局から総額約100億円の申告漏れを指摘されたことが、関係者への取材でわかったようです。
2008年の公益法人制度改革に伴い、課税対象になった賃料収入を数年間にわたって申告していませんでした。
追徴税額は、過少申告加算税を含め計約20億円に上るようです。

関係者によると、御殿場、裾野、小山の21町には演習場に土地を貸している法人が11あるそうです。
以前、所得隠しを指摘された1法人を除き、残る10法人が指摘をうけました。
法人の大半は国から年間数億円の賃料を受け取っていますが、申告していなかったそうです。

公益法人制度改革前、10法人は公益法人の社団法人もしくは財団法人で、税の優遇を受けていました。
公益法人の場合、国に直接貸した土地の賃料は所得から除外され、非課税になります。
それゆえ、演習場の賃料も税金がかかりませんでした。

公益法人制度改革後、10法人は一般社団法人もしくは一般財団法人となり、公益法人ではなくなりました。
引き続き演習場の賃料が非課税とされるには、「特定の個人・団体に特別の利益を与えていない」ことなどが要件になりました。

国税局は、10法人は事務所がある一部の地域に限って寄付や助成をしており、これが特定の個人や団体への利益供与にあたると認定されたようです。
非課税の要件を満たしていないとして、演習場の賃料は申告が必要な所得と判断した模様です。

年間約5億円の賃料収入があるという御殿場市の法人代表は、取材に対し、5年分で計約25億円の申告漏れを指摘されたことを認めたようです。
この代表は「演習場による賃料は非課税だと思っていた。税理士にも相談したが、わからなかった」としています。

「税理士にも相談したが、わからなかった」というところからは、これらの法人に顧問税理士がいるのか単に相談しただけなのかどうかは分かりませんが、多額の収入があるわけですから、公益法人制度改革時にきちんと税務面での検討を行うべきだったように思います。
直感的に、寄付や助成の仕方を変えれば、行けるかもしれないのではないかと感じますね。

陸上自衛隊演習場の地権団体が100億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


NPO法人による障害者就労支援に課税!

 NPO法人による障害者向けの就労支援について、国税庁が「原則、収益事業で納税義務がある」との見解を示したようです。

 全国の小規模作業所に不安が広がり、課税を不服として争う法人もあるそうです。
作業所などの全国団体「きょうされん」(事務局・東京)は近く、国税庁長官に撤回を求めるようです。

 国税庁は、2017年7月、ホームページで見解を発表しました。
こうしたNPO法人は障害者と契約して役務を提供し、利用料を受け取る「請負業」との判断を示しました。

税法上、収益事業は「継続して事業場を設けて行われるもの」で、請負のほか、物品販売、製造など34業種が限定列挙されています。
国税庁の法人課税課の担当者は「NPO法人の障害福祉サービスは以前から収益事業だが、複数の税務署から相談があり、見解を示した」と話しているようです。

広島市の「つくしんぼ作業所」は国などの給付を受け、就労困難な知的障害者が家にこもらないように働く場を提供し、1946歳の男女18人がクッキーを作るなどしています。
2007年にNPO法人となった際、税務署から「収益事業でない」と説明を受けたそうです。
しかしながら、2015年に一転して収益事業と指摘され、法人税や無申告加算税など過去3年分で計約200万円を課されました。

2017年4月、「運営はボランティアの支えもあり、福祉が目的で収益事業ではない」と、広島国税不服審判所に税の取り消しを求めて審査請求しました。
今月にも結論が出る見通しです。
厚生労働省によると、つくしんぼ作業所のようなNPO法人は、全国で約3,300201610月現在)に上るようです。

きょうされんは、201712月、障害福祉サービスを実施する加盟の507NPO法人にアンケートを実施しました。
回答した231法人のうち、法人税を申告したとするのは77法人でした。
多田薫事務局長は、「資金力のない法人は課税で圧迫され、福祉サービスが低下しかねない」と話しています。

NPO法人は、そもそも非営利団体のことです。
特定非営利活動促進法により設立されたNPO法人は株式会社と違い、毎年の利益や解散する時の残余財産を構成員に分配できませんが、利益を上げる事業は行えます。
法人税は所得に課税するので、赤字のNPO法人は課税されません。
なお、所得が年800万円以下のNPO法人の税率は、中小企業と同じ15%です。

これに関しては。このような法人に限らず、収益事業かどうかという判断に迷うことが多々あります。
納税者の方も、なぜボランティア的なことをしているのに課税されるのかと思ったりすることが多いのではないでしょうか?
ただ、安易に収益事業ではないとすると、おそらく悪用する方がたくさん出てくるのでしょう。
個人的には、まず、『特定非営利活動法人』という名称を変えたほうが良いのではないかと常々思っています。
普通の方は、『非営利』と言われると『営利を追求しない』と考えるでしょうから。
あとは、税法上『収益事業』となる34業種も、見直す時期に来ているのではないかと感じています。
これは、時代の変化に合わせて新たな業種も生まれてくるでしょうから、タイムリーに改正していかないといけないと思います。

NPO法人による障害者就労支援が課税されることについて、どう思われましたか?


2019年からスマホでコンビニ納税!

2018年01月19日(金)

2019年1月から、スマートフォン(スマホ)などを使い、コンビニエンスストアで納税できるようになるようです。
スマホやタブレット端末などで手続きを簡素にし、電子申告・納税の利用を促します。
納税者らの利便性を高めるほか、税務署の納付書の宛先確認や郵送といった業務の削減を目指します。

財務省と国税庁が主導します。
納税者が電子申告するとその税額や、所得税や法人税といった税目などのデータを記録したQRコードがPDFとして表示されます。
利用者がスマホ画面などに表示されたQRコードをコンビニの読み取り端末にかざすと、税目や税額が印字された書類が発行され、レジで税金を納めることができます。

納税は現金で、全ての税目が対象となります。
読み取り端末はセブンイレブンの「マルチコピー機」やファミリーマートの「Famiポート」、ローソンの「Loppi」などを想定しています。

こうした端末では、既に、イベントのチケットやスポーツ振興くじ(toto)の購入、住民票の写しや印鑑登録証明書などの発行、自動車保険の加入といった手続きができます。
2019年からスマホを使った納税も加わります。

ただ、QRコードの読み取り端末があるコンビニでしか使えず、現状では対象となる店舗が限られるようです。
財務省と国税庁は今後利用できるコンビニを広げていく考えです。

スマホ納税の利用者として想定されるのは、主に個人事業主や法人です。
現在は電子申告したあとに、税務署が作成した納付書を受け取りに行ったり、税務署から郵送してもらったりして、納付書を手に入れなくてはなりません。
納付書があれば今もコンビニで支払えますが、税務署や銀行で支払う人がほとんどだそうです。

また、電子申告をするにはこれまでは本人認証でマイナンバーカードなどの電子証明書や読み取り機器が必要でしたが、2019年からは税務署で一度でも本人確認すれば、IDとパスワードで認証できるようになるため、電子申告を利用する人が増えるとみられます。

政府は規制改革推進会議でICT(情報通信技術)による業務コストの削減を掲げており、電子申告・納税の普及を進めています。
コンビニは生活者にとって様々なサービスの拠点となっており、身近なスマホを使って納税できるようになれば、利便性が高まり電子申告・納税に弾みがつくでしょう。

実は、税理士も僕が使っている申告用のソフトであるNTTデータの達人シリーズなんかは、数年前から納付書を出力できるようになっています。
しかしながら、納付書は3枚綴りなので、B4に3枚分が印刷され、それを3枚に切って、銀行の窓口などに持って行く必要があり、少し手間です。
QRコードでいけるとなると、便利になりますね。
一方で、最近、窓口に来る人がかなり減っていると言われている銀行ですが、税金の納付の方がまぁまぁ多いのではないかと思います。
これらの方がコンビニで支払うようになると、銀行は不要になってきますね。
AIに取って代わるとも言われていますし、最近、手数料の値上げとか言っていますが、銀行の存在自体が危うくなってくるかもしれませんね。

2019年からスマホでコンビニ納税ができるようになることについて、どう思われましたか?

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相続税の滞納で差し押さえられ公売で不動産会社が落札した私立幼稚園が閉園へ!

日本テレビによると、千葉県松戸市の私立幼稚園が、相続税の滞納を理由に東京国税局に差し押さえられ公売にかけられていたことがわかったようです。

土地などは不動産会社に落札され、園は2025年3月末で閉園するということです。

関係者によると、千葉県松戸市にある私立幼稚園は、関係者が相続税を滞納し延滞税などが生じているとして、東京国税局に園の土地や建物を差し押さえられ、2025年2月、公売にかけられたということです。

幼稚園として使用されている土地が国税局の公売にかけられるのは異例で、園側も入札したもののおよそ1億5,000万円で不動産会社が落札したということです。

園は2025年3月末で閉園することが決まり、現在、在籍しているおよそ20人の園児は、別の園に移ることになるということです。

園長は、日本テレビの取材に対し、「多大なご迷惑をおかけし、園児や保護者には申し訳ない気持ちでいっぱいです」としています。

初めて目にする事件ですね。

相続対策をきちんとしておかないと、このようなことが起こり、親族だけではなく、外部の方にも迷惑をかけてしまいますね。

改めて、できるだけ早くからの相続対策が必要ということを感じました。

相続税の滞納で差し押さえられ公売で不動産会社が落札した私立幼稚園が閉園になることについて、あなたはどう思われましたか?


2023年度は国庫に帰属「相続人なき遺産」が1,000億円で10年で3倍!

2025年02月28日(金)

日本経済新聞によると、相続人が不在で国庫に入る財産が2023年度に1,015億円となったことが最高裁への取材で分かったようです。

10年で3倍に増え、初めて1,000億円を超えました。

配偶者や子どものいない単身高齢者は増加しており、今後も増え続ける可能性が高いでしょう。

相続時に登記されないことなどによる「所有者不明の土地」が全国で問題化し、土地については2023年4月から国が不要な土地を引き取り国有地とする「相続土地国庫帰属制度」が始まりました。

資産は国庫に帰属すると使途が選べず、専門家は「望む使い道があれば早めに遺言をつくるべきだ」と指摘しています。

最高裁によると、相続人不存在によって国庫に帰属した財産収入は2023年度に1,015億5,027万円でした。

2022年度の768億9,444万円から32%増えました。

記録が残る2013年度は約336億円でした。

財務省によると、国庫帰属分の遺産の使途は明確に決まっておらず、何らかの歳出に充てられるそうです。

相続人が存在せず遺言もない場合、国や自治体のほか利害関係者が「相続財産管理人」の選任を家庭裁判所に申し立て、整理を任せます。

未払いの公共料金や税金などの債務を清算した残りが国庫に入ります。

最高裁の調査では相続財産管理人の選任申し立ても2019年以降、毎年増えています。

2023年は前年比4%増の計6,948件でした。

「相続人なき遺産」が近年増えている大きな要因が単身高齢者の増加です。

厚生労働省の2023年の国民生活基礎調査によると、65歳以上の3,952万7,000人のうち「単独世帯」は21.6%(855万3,000人)でした。

10年前の17.7%から増加傾向となっています。

国立社会保障・人口問題研究所の2024年推計で、65歳以上の一人暮らしは2050年に1,084万人となります。

高齢者の単独世帯で未婚者の割合も男性が6割、女性が3割になる見通しです。

国庫以外の遺産の行き先として、遺言を残してNPOなどに寄付する「遺贈寄付」があります。

相続の実務に詳しい松岡章夫税理士は「家族を持つ人が少なくなり、相続人がいない人は増えている。特定の使途に遺産を使ってほしいという希望がある場合などには、早めに遺言を準備すべきだ」と話しています。

遺産を特定の使途に使って欲しいとか、特定の人に渡したいという考えがあるのであれば、早めに相続の専門家などに相談して、国庫に入るのではなく、ご自身の希望がかなうようにして欲しいですね。

もちろん、僕も相談に応じます。

2023年度は国庫に帰属「相続人なき遺産」が1,000億円で10年で3倍となったことについて、あなたはどう思われましたか?


相続税脱税の母娘が起訴内容認め結審!

上毛新聞によると、相続税約8,500万円を脱税したとして、相続税法違反の罪に問われた群馬県明和町の会社役員の女性(77)と群馬県太田市の無職の長女(54)の初公判が、先日、前橋地裁(橋本健裁判長)であり、2人は起訴内容を認めました。

検察側は「動機は身勝手で手口は巧妙」として、会社役員の女性に懲役1年6月と罰金1,000万円、長女に懲役1年と罰金1,000万円を求刑し、即日結審しました。

検察側は冒頭陳述で、2019年に死亡した会社役員の女性の夫(会社役員)が生前に主導し、病気の長男らのために遺産を多く残そうとしたと説明しました。

両被告は無断で開設した親族名義の口座に資産を移したり、自宅のサウナ室に隠したりとさまざまな手段を講じたと指摘しました。

長男は知らなかったようです。

弁護側は修正申告と支払いを済ませ反省しているとして、寛大な判決を求めました。

論告によると、会社役員の女性と長女は共謀して夫の遺産を過小記載した相続税申告書を提出し、約8,500万円の支払いを免れたとされます。

関東信越国税局が2023年3月に告発し、前橋地検が2024年10月に起訴しました。

無断で開設した親族名義の口座に資産を移したり、自宅のサウナ室に隠したりというのはかなり悪質ですね。

簡単に脱税できるほど、課税当局は甘くないですよ。

妻と長女が共謀して、長男は知らなかったとありますが、修正申告をすると、知らなかった長男の税額も増えると推測されますが、どういう心理になり、どのように負担をしたんでしょうか?

相続税脱税の母娘が起訴内容認め結審したことについて、あなたはどう思われましたか?


「税務署員にはノルマがあって…」国税庁が“相続税裁判で完敗”のワケ!

週刊新潮によると、日経速報ニュースが、国税庁の「完敗」を報じたのは2024年9月27日のことです。

それによると、2024年8月末、相続税の税額を争った裁判で東京高裁が国税庁の控訴を棄却しました。

国税庁が上告せず、そのまま敗訴が確定となりました。

裁判所の担当記者が解説しています。
「この訴訟は “東北薬局事件”と呼ばれ、税務関係者の間で注目されてきました。舞台は仙台を中心に50店舗以上を展開している調剤薬局で、創業者は武見太郎・元日本医師会会長から薫陶を受けて事業を始めた人。2014年6月に亡くなり、2人のお子さんが株を相続します。しかし、未上場だったことから同業の上場会社の株価と比較して、相続額は総額約1億7,500万円と申告したのです。払った相続税はそれぞれ約8,000万円。これは国税庁のルールに基づいて算出したものです。」

ところが、しばらくして国税庁が手のひらを返したのです。

創業者の死後、医薬品商社が調剤薬局を買収し、その値段が申告時より10倍以上に跳ね上がっていたのです。

「それを知った税務署は、株の評価額が少な過ぎたとして、税額をそれぞれ2億6,800万円に引き上げ、さらには約2,400万円の過少申告加算税まで取り立てたのです」(同)

国税庁が根拠としたのは、「財産評価基本通達総則6項」です。

たとえ法律に沿った申告でも課税逃れと見なされると、国税庁の判断で税額を引き上げることができるという内容です。

税務関係者の間では「総則6項」と略して呼ばれており、誰もが畏れる“伝家の宝刀”です。

以前にも固定資産評価額が実勢価格より低いことを利用するマンション節税に対して総則6項が適用され、2年前に最高裁で国税庁が勝利しました。

ところが今回、納得がいかない子供たちが国税庁を提訴すると、一審で国税が敗訴しました。

そして、控訴審も冒頭のとおりに棄却となったのです。

課税逃れとまではいえないと判断されたのです。

税理士の浦野広明氏が言っています。
「公然の秘密ですが税務署員にはノルマがあって、達成するためにずさんな課税をしてくるケースがままあります。総則6項といってもしょせんは通達であって法律には勝てません。課税がおかしいと思ったら迷わず税理士に相談することです。」

そこで国税庁に聞くと、「国側の主張が認められなかったことは残念ではありますが、判決結果を受け止め今後も適切な課税に努めてまいります。」と回答があったようです。

「伝家の宝刀」は、めったに抜かないから威力があるのです。

この判決は、今後の課税当局の対応に影響を及ぼすでしょうね。

早く後出しじゃんけんみたいな伝家の宝刀をなくして欲しいと思います。

「税務署員にはノルマがあって…」国税庁が“相続税裁判で完敗”のワケについて、あなたはどう思われましたか?


国税当局の「伝家の宝刀」が折れて相続税の算定ルール見直しも!

日本経済新聞によると、非上場株の相続を巡り、国税当局が「伝家の宝刀」と呼ばれる特別な規定を使って課税した事案の税務訴訟で2024年8月、国税側が敗訴しました。

通常ルールでは財産評価が実態とかけ離れる場合などに適用してきた特別規定ですが、今後は慎重な運用になるとの見方があるようです。

また、非上場株の通常の評価ルール自体を見直す議論につながる可能性もあります。

「本件控訴を棄却する」。

2024年8月28日午後、東京高裁の法廷で梅本圭一郎裁判長がごく短い主文の判決を言い渡しました。

東京地裁で2024年1月に下った一審判決に続き、国税当局側の2連敗です。

最高裁への上告は断念し、判決が確定しました。

「伝家の宝刀」とも呼ばれる財産評価基本通達総則6項という特別規定を使った相続税の課税を巡り、国税側の敗訴確定は初めてとなりました。

裁判で争われたのは、東北地方で薬局経営などを手掛ける非上場企業の株式の評価額についてでした。

代表取締役の死去後、その子らの相続人は法定の期限内に相続税を申告しましたが、相続した株式について、国税当局が通達で定めている通常の算定ルールにのっとって1株8,186円と評価しました。

これに対して国税当局は「評価額が低すぎる」と判断し、総則6項を適用し、専門会社に価格算定を依頼して1株8万373円が妥当だと結論付けたのです。

相続人側が求められた追加の相続税額は約4億円です。

相続人側はこの処分を違法だとして2021年に提訴していました。

財産評価基本通達は、相続税を算定する際の財産評価の手法を細かく定めています。

非上場企業の株式の場合、その企業の利益や配当、類似企業の株価をもとに評価するなどとしており、今回の相続人もこの手法で申告しました。

一方、基本通達には例外規定として「総則6項」があるのです。

通常の算定ルールでの評価が「著しく不適当」と認められる場合に、国税当局が評価をし直すことができると定めている特別規定です。

総則6項の適用は年に数件で、節税策などで相続財産のみかけの価値が極端に下がっている場合などに使われることが多くなっています。

ただし、今回は事情がやや異なりました。

代表者の男性は生前、同社株を他社に売却しようと検討していました。

みずほ銀行をアドバイザーとして価格も算定し、売却予定価格は総額約63億円(1株10万5,068円)でした。

しかしながら、正式な契約が成立する前の2014年6月に男性は急逝したのです。

妻が交渉を引き継ぎ、約1か月後に予定価格で売却しました。

その後2015年2月に相続税の申告を行いましたが、申告では通常の通達ルールに基づいて株式を評価し、評価額は実際の売却額の12分の1以下だったのです。

国税当局はこの価格差などに注目しました。

総則6項を適用し、企業が将来生み出すキャッシュフローをもとにして現在価値を算定する「DCF法」で再評価し、1株8万373円という数字をはじき出したのです。

裁判では、この評価額の引き上げが正当かが焦点になりました。

この裁判の審理中に出た別の裁判の判決が、今回の結果に影響しました。

いわゆる「マンション節税」に対して国税当局が総則6項を適用したことが争われた、2022年4月の最高裁判決です。

この最高裁判決では国税側が勝訴しましたが、判決の中で最高裁は「通達評価とかいりがあるだけでは、6項適用の合理的な理由にはならない」と指摘したのです。

そのうえで、「租税負担の公平に反する事情がある場合には適用できる」などとしました。

つまり、節税策が可能な人とできない人との間に見過ごせないほどの違いがみられる場合に総則6項が使えると示したのです。

非上場株式の評価を巡る今回のケースについて、一審の東京地裁は「税負担の回避を目的で売却を行ったとは認められない」などとして国税当局の処分を違法としました。

東京高裁も「評価額を下げるような行為はなく、相続人らが税負担を免れさせる行為がない以上、不公平であると判断する余地はない」などと指摘しました。

いずれも2022年の最高裁判決の考え方をベースにした形です。

税法に詳しい平川雄士弁護士は「国税当局は今後、総則6項の発動に、より慎重になるだろう」とみています。

さらに「国税当局は今後、納税者側に税負担回避の目的があったことを示す電子メールなどの証拠を集めようとする傾向が強まるのではないか。一方で納税者側も、節税目的以外の経済合理性を示せるようにしておくなど、より慎重な対応が求められる」と話しています。

相続財産を評価する通常の算定ルールの見直し議論につながる可能性があります。

今回のように、非上場株の実際の売買価格と通達で定められたルールでの評価額に差があるケースもみられます。

ある弁護士は「非上場株の評価をめぐる通達のルールが経済的な実態を表さなくなってしまっているのは事実だ」と話しています。

実際にマンション節税を巡って争われた裁判の後、マンションの評価ルールが見直されました。

相続税の実務に詳しい松岡章夫税理士は「マンションの評価ルールと同様に、今回の判決を契機として国税当局が非上場株式に関する通達を見直す可能性がある」と指摘しています。

国税OBの税理士によると、役員退職金を支給するなど、様々な施策で非上場株式の評価を大きく引き下げるような節税策も実施されています。

ただし、非上場株は不動産と違い実勢価格があるわけではなく、各企業の事情による個別要素も強くなっています。

非上場株は流動性が低いため、納税者が高額の相続税を支払うために一部を売却して資金を確保することが難しいなどの問題もあります。

事業承継などに詳しい鈴木淳税理士は「通達ルールの改正を検討するならば、事業承継の観点や相続後の納税資金の手当てなど精緻な検討が必要だ。拙速に結論を出すべき問題ではない」としています。

<総則6項とは>

国税庁の財産評価基本通達の規定の一つです。

財産評価基本通達は、様々な財産の評価方法を細かく定めた国税当局の内部規則で、相続税などの財産評価は原則としてこの通達に沿った方法で計算します。

非上場企業の株式などのほか、土地や建物、特許権などの評価方法を示しています。

総則6項は例外規定のような位置づけで「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」としています。

非上場企業の株式の場合、通達ではその企業の純資産や類似業種の企業を参考にして算定するとしていますが、6項を適用して将来のキャッシュフロー予想を基にDCF法などで評価し直すこともあるのです。

適用されると評価額が跳ね上がり税額が大幅に増えるケースもあり、影響は大きいでしょう。

ただし、何をもって「著しく不適当」と判断するかなどの明確な基準はないのです。

良い判決が出ましたね。

ここ数年、総則6項を適用した案件が増えていると思いますが、財産評価基本通達で計算方法を定めているのに、後から総則6項を適用されると、どのような場合に総則6項が適用されるか具体的な定めがないので、申告に常にリスクが伴ってしまいます。

現実と財産評価基本通達がかけ離れているというのであれば、財産評価基本通達を見直すのが先だと思います。

また、総則6項を適用する場合の具体的な要件も定めて欲しいと思います。

この判決で、安易に伝家の宝刀を使う案件が減ることを切に願っています。

国税当局の「伝家の宝刀」が折れて相続税の算定ルール見直しの可能性があることについて、あなたはどう思われましたか?


相続手続きの効率化が進んで預金・不動産の一括照会が可能に!

日本経済新聞によると、相続で遺族などが直面する煩雑な手続きの効率化が進みそうです。

2024年3月から被相続人(亡くなった人)などの戸籍情報について本籍地が遠かったり、生前の転居などで請求先が複数あったりする場合に最寄りの役場でまとめて取得できるようになったのに続き、故人の財産を一括で照会できる制度が預貯金では2025年3月末をメドに、不動産では2026年2月に始まる予定です。

それぞれの制度を活用し、相続に役立てたいですね。

「相続人の負担が相当軽くなっている」と、司法書士の船橋幹男氏は、法務省が始めた「戸籍の広域交付制度」についてこう話しています。

相続で財産の分け方を決める際は相続人を確定するため、故人が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本をすべて集める必要があります。

戸籍を遡れば、例えば、故人に離婚経験があり前の配偶者との間に子どもがいるといったことが分かります。

故人に転居などで複数の本籍地がある場合、子どもなど相続人はこれまで各地の役場に出向いたり、郵送で請求したりするなどしていました。

「すべての戸籍を集めるだけで数カ月かかることも少なくなかった」(船橋氏)そうです。

しかしながら、全国の市区町村と法務省をつなぐ「戸籍情報連携システム」が2024年3月に稼働しました。

利用者が自分の居住地など最寄りの役場で申請すると、同システムを通じて例えば故人の出生時、転居時、死亡時の本籍地の役場から戸籍謄本をまとめて入手できるようになったのです。

申請者は市区町村役場の窓口に出向いて手続きをする必要があり、戸籍謄本の取得に1通当たり450円かかります。

交付までにかかる日数はケース・バイ・ケースです。

本籍地があった市区町村が少なければ当日交付も可能とする自治体があれば、数が多いと1週間程度かかるとする自治体もあります。

それゆえ、申請する際に確認するとよいでしょう。

相続手続きを円滑に進めるには、故人がどんな財産をどれだけ保有していたかを確認することも大切です。

遺言書を残していれば原則として遺言に沿って財産を分けますが、遺言があるケースは少ないです。

多くの場合は相続人が自力で財産を調べたうえで、遺産分割協議で誰が、どの財産を、どれだけ引き継ぐかを決めます。

まず、預貯金は通帳やキャッシュカード、郵便物などを手掛かりに金融機関に口座の有無を問い合わせます。

取引のあったことを確認できたら、死亡した日の残高証明書を請求します。

ただし、相続人は心あたりに一つ一つ尋ねるといった手間がかかりやすく、故人の口座のあった金融機関すべてをカバーできているかどうかの懸念もあります。

預貯金口座探しの負担軽減につながる可能性があるのが、マイナンバーを活用した「預貯金口座管理制度」です。

個人が取引のある一つの金融機関で自分の口座をマイナンバーで管理することを申請し氏名、住所、生年月日といった本人を特定できる情報も提供します。

本人が希望すれば、預金保険機構を通じて、口座のあるすべての金融機関でマイナンバーとひも付けることができます。

口座をひも付けた人が亡くなって相続が発生した際に相続人が一つの金融機関に照会すると、故人の口座情報が一括して通知されます。

ひも付けを申請できるのは原則名義人だけのため、被相続人が生前に手続きをする必要があります。

デジタル庁では「2024年度末ごろに稼働させたい」としています。

相続財産で預貯金と並んで金額が大きい不動産でも、物件を一括して照会できる「所有不動産記録証明制度」が2026年2月2日にスタートします。

法務省が登記簿の名義人ごとに全国の所有不動産をリストにします。

名義人が保有している土地や建物の種類、所在地、面積といった情報を一覧できるようになるのです。

名義人のほか相続人などが情報を請求できます。

故人の保有不動産を調べる方法としては現在、固定資産税の納税通知書を確認したり、市区町村が固定資産課税台帳を基に不動産の所有者別にまとめた「名寄帳」を閲覧したりするなどがあります。

ただし、いずれも管轄内の物件に限られます。

新制度は全国の不動産が対象のため、故人の不動産の全容を把握しやすくなりそうです。

生命保険では生命保険協会が提供する「生命保険契約照会制度」があります。

協会が契約の有無について生保各社に調査を依頼し、結果をまとめて回答します。

上場株式や上場投資信託(ETF)などの口座は、証券保管振替機構(ほふり)の「登録済加入者情報」に開示請求をすれば、どの証券会社にあるかが分かります。

非上場の投信などは対象外です。

戸籍集めや財産調べは「相続開始から2~3カ月以内に終わらせたい」と船橋氏は助言しています。

故人に多額の借り入れがあることが分かったとき、相続人は預貯金などの資産も負債も引き継がない「相続放棄」をしたり、資産の範囲で負債を相続する「限定承認」をしたりすることができますが、相続開始から3カ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。

また相続税の申告・納付は故人が亡くなった日の翌日から10カ月以内が期限です。

故人の財産が基礎控除(3,000万円+600万円×相続人の数)を上回ると課税対象になります。

ただし、自宅の土地の評価額を一定の条件で8割減とする特例や、配偶者は相続額が法定相続分か1億6,000万円のどちらか大きな額までは課税されない特例があります。

遺言書がない場合、特例が適用されるには期限までに遺産分割協議を終え、分割協議書を作成することが条件です。

便利にはなりそうですね。

ただ、預金とかはマイナンバーとのひも付けを嫌がる方が多いのではないかなぁと推測されます。

すべてを紐付けしないと意味がないと思いますが、強制にすると、タンス預金が増えるでしょうから、本当に実効性のあるものにするには、もっとやり方を考えないといけないでしょうね。

相続手続きの効率化が進んで預金・不動産の一括照会が可能になることについて、あなたはどう思われましたか?


相続手続きの負担減のため戸籍謄本の電子交付を政府が検討!

日本経済新聞によると、政府は相続手続きに必要な戸籍謄本などの戸籍証明書に関し、全国の自治体で電子交付できるようにします

家族が死亡したときの相続手続きを巡る負担を軽減します。

提出先となる金融機関や法務局、税務署にデータで提出できる仕組みを念頭に置いています。

行政手続きのデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めて煩雑な手間を減らします。

法務省とデジタル庁が連携し、2024年度中に結論を出します。

すでに電子データ化されたおよそ1億1,000万件の戸籍を対象とします。

パソコンやスマートフォンを使ってインターネット上で申請から交付までを完結できるシステムの整備を目指します。

パスポート(旅券)の新規発行は2024年度中に行政手続きの個人向けサイト「マイナポータル」から申請し、紙の戸籍謄本を提出しなくてもよくなります。

相続手続きの電子化の具体案はこれからですが、同じような仕組みになる可能性はあります。

法務省のシステムを介してPDFなどの形式で電子化された戸籍謄本が申請者のスマホやパソコンに届くイメージです。

税務署などにはPDFのまま提出できます。

相続手続きでは戸籍謄本や遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書といった複数の書類を金融機関や法務局、税務署などに提出する必要があります。

なかでも法定相続人を特定する際は、被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての本籍地の戸籍謄本と除籍謄本といった戸籍証明書を各自治体から書面で集めなければならないのです。

電子交付ができるようになれば、市区町村の窓口に行ったり郵送したりする手間を省けます。

2022年に死亡した人は全国で156万人と前年比で9%増えました。

相続手続き用を含め、2022年度に発行された戸籍証明書は前年度比5%増の4,059万件にのぼります。

法務省によると、戸籍証明書を電子交付している自治体はまだありません。

申請手続きだけなら、270ほどの自治体がマイナポータルなどを使ったオンライン申請を導入していますが、全国の市区町村の15%程度にすぎません。

政府は2024年6月に閣議決定した規制改革実施計画に、戸籍証明書の電子交付やオンライン申請について全国で実現を目指す案を盛り込みました。

しかしながら、実現に課題もあります。

電子交付に対応する市区町村はシステム改修が必要で、その費用を国と自治体のどちらが負担するのかを検討しなければならなりません。

電子データでの提出を受けることになる金融機関なども同様です。

国のシステムで電子交付する場合は、自治体の事務を国が担っていいのかという問題も残ります。

これまでも、政府は戸籍に関する手続きのDXを進めてきました。

2019年に改正戸籍法が成立し、2024年3月から戸籍情報とマイナンバーの連携が可能になりました。

これらの新たな仕組みを活用し、年金や児童扶養手当の申請、結婚の届け出、パスポート申請などで必要だった戸籍証明書の提出を順次不要とします。

全国の市区町村は1994年以降、戸籍を紙から電子データに置き換えてきました。

氏名に使う文字が適合しないものや存在しない日付などデータにできない戸籍は今回の電子交付の対象外となります。

現在、紙に印刷された戸籍証明書の取得は、自治体の窓口で受け取るほか郵送やコンビニエンスストアの複合機で入手できます。

マイナンバーカードを使ったコンビニ交付は本人や同一の戸籍に入っている人が対象です。

別の戸籍に入る親の証明書を子どもや代理人が取得するには、地方自治体の窓口に行ったり、郵送を依頼したりする必要があります。

法務省が2024年3月に始めた本籍地以外の市区町村で戸籍証明書を取得できる「広域交付」の仕組みを使えば、相続手続きでも1カ所の自治体の窓口に行けば被相続人の戸籍証明書をたどれます。

窓口に直接出向く必要は残ります。

便利になることはいいことですね。

僕自身、相続税の申告のお手伝いを年間それなりにさせていただいておりますが、戸籍謄本の取得は、お金も時間もかかりますからね。

お金については、国が負担すれば良いのではないかと思います。

ついでに、e-TaxとeLTAXも統一してくれればいいなぁと思いました。

相続手続きの負担減のため戸籍謄本の電子交付を政府が検討していることについて、あなたはどう思われましたか?


路線価でミスがあり農地の一部の評価額が過大となり国税は「個別に対応する」!

朝日新聞によると、相続税や贈与税の算定基準となる路線価をめぐり、国税庁は、先日、農地の一部の評価額が誤っていたと発表しました。

税額が過大になったとみられる納税者には税務署から個別に連絡し、還付などの対応を取るそうです。

誤りがあったのは、2024年7月公表の大阪国税局と関東信越国税局、2019年7月公表の高松国税局の路線価です。

「市街地周辺農地」と「市街地農地」について、評価額から差し引く金額を示す「宅地造成費の金額表」にミスがありました。

このため1平方メートル当たり6,200~100円、評価額が過大になっていたそうです。

高松国税局が管轄する四国4県では、誤りがなかった「純農地」「中間農地」も含め、2019年に約2千件の農地の相続・贈与の申告がありました。

大阪国税局と関東信越国税局での影響は、最大で百数十件とみられるそうです。

国税庁は「税額が過大になった納税者には個別に連絡し丁寧に対応する。心当たりのある人は最寄りの税務署にお問い合わせいただきたい」と呼びかけています。

国税庁が間違えていると、納税者や税理士ではどうしようもないですから、何かを出す前にはきちんとチェックをしてほしいですね。

あとは、税理士に負担をかけないように、個別に対応してほしいですね。

路線価でミスがあり農地の一部の評価額が過大となり国税は「個別に対応する」ことについて、あなたはどう思われましたか?


資産家の遺族の9億円の申告漏れを大阪国税局が指摘!

日本経済新聞によると、不動産業を営んでいた資産家の男性の遺族が大阪国税局の税務調査を受け、相続財産を巡って総額約9億円の申告漏れを指摘されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

重加算税と過少申告加算税を含む相続税の追徴税額は計約3億1千万円で、すでに全額が納付されました。

関係者によると、この男性は生前、大阪府内で不動産業を営み、自分の預金を引き出して複数の金融機関に開設した妻や子ども名義の口座に振り分けて入金していました。

口座から不審な現金の引き出しがあったことなどから、国税局が調査したそうです。

遺族は当初、「自らの資産だ」などと説明していましたが、その後、遺産と知りながら相続税を逃れるため、申告していなかったことを認めたそうです。

課税当局も皆さんが考えているほど甘くないということがよくわかる案件ですね。

やはり、『名義預金』については厳しいですね。

重加算税は35%取られますから、かなりの税額になります。

これに過少申告加算税とかもかかってくると、もちろん、税理士の報酬も再度必要になってくるでしょうし、最初からきちんと申告しておいた方がよかったという気持ちになったのではないかと思います。

結局、きちんと申告しましょうということです。

資産家の遺族の9億円の申告漏れを大阪国税局が指摘したことについて、あなたはどう思われましたか?


戸籍謄抄本がどの自治体でも取得可能になる改正法が成立!

日本経済新聞によると、戸籍データを法務省のシステムでつなぐ改正戸籍法が、先日、参院本会議で可決、成立しました。

パスポートの取得などに必要な戸籍謄本や抄本が、本籍地以外の市区町村でも取得できるようになります。

法務省は2024年をめどに新システムの運用を始める予定です。

戸籍の原本は市区町村がそれぞれ管理し、法務省のシステムで副本を管理しています。

個人情報を含むため、現在は自治体間や年金事務所などとの間で戸籍情報の共有ができないのです。

法改正を受けて、法務省の管理システムをネットワークでつなぎます。

本籍地以外の自治体も戸籍データを見られるようにします。

本籍地以外の自治体で戸籍の謄本や抄本を請求する場合は、運転免許証やマイナンバーカードで本人確認します。

本籍地から離れて住んでいる場合に、自ら出向いたり郵送したりして請求する必要がなくなるのです。

本籍地以外の自治体で婚姻などを届け出るときにも、戸籍データを添える必要がなくなります。

届け出を受けた自治体が、法務省のシステムから審査に必要な情報を取得できるようになるためです。

戸籍データは、マイナンバーとも連携させます。

色々エラーが起きたようですが、年金受給など社会保障関係の手続きでも、戸籍データの添付を省略できるようになります。

税理士として、毎年数件、相続税の申告のお手伝いをさせていただいておりますが、相続が発生した際の手続きの中で、面倒なことの一つが戸籍謄本などを取ることだと思います。

同じ市町村内にずっと戸籍がある方はそうでもないのかもしれませんが、そうでない方は

色々な自治体で入手する必要があります。

郵送とかだと色々と時間がかかったりするので、わざわざ、県外まで取りに行く方もおられます。

これらが解消するのであれば、素晴らしいことですね。

自治体も楽になるでしょうから、なぜ、もっと早くできなかったのだろうかと思いますが。

戸籍謄抄本がどの自治体でも取得可能になる改正法が成立したことについて、あなたはどう思われましたか?


富裕層の相続税節税に厳しい目で国税当局が「伝家の宝刀」の活用増!

日本経済新聞によると、国税当局による富裕層への相続税調査が厳しくなっています。

節税策などに対し、税負担の大幅増につながる特別規定の「総則6項」を適用する例が急増しています。

かつて適用が極めて少なく「伝家の宝刀」ともいわれた規定ですが、専門家は「国税当局が一般的に使う手法になりつつある」と指摘しています。

「6項による課税処分を検討することになります」。

2023年、ある相続税を巡る調査で、国税当局の担当者が納税者側に迫ったようです。

この納税者は多額の資産を持ち、資産管理会社を活用するなどのスキームで相続税の軽減を試みていました。

節税策は合法で、通常の相続税の算定ルールを適用すれば税負担が大幅に軽減される計算でした。

しかしながら、国税当局は簡単に認めず、総則6項という「宝刀」をちらつかせたのです。

総則6項は「著しく不適当と認められる財産の価額」の場合、通常の財産評価手法とは別の手法でやり直すことができるものです。

この件では納税者側が折れて修正申告をし、最終的には6項は適用されませんでした。

ところが、関与した税理士は「6項の活用に関し、明らかに国税当局がシフトチェンジした」と振り返っています。

相続税は、相続した財産の総額に税率をかけて計算します。

財産は「時価で評価する」とされ、通常は国税当局の内部ルール「財産評価基本通達」に従って計算します。

ただし、財産の種類や納税者が節税スキームを組んだ場合などによっては、通常の評価手法では極端に納税額が低く算出される例もあります。

こうした場合に対応するための規定が「総則6項」なのです。

かつて、国税当局内部には「あくまで例外的な規定で、なるべく使わずに済ませたい」との声もあったようです。

しかし、近年、潮目が変わりました。

国税庁によると、2012事務年度(2012年7月から2013年6月まで)から2021事務年度までの10年間で総則6項の適用は計9件のみです。

それが2022事務年度だけで一気に6件に急増し、2023事務年度も2023年10月末までで3件ありました。

金融機関からの借入金を使って極端に税負担を減らす不動産節税などに適用されたもようです。

近年は、タワーマンションなど相続税の評価額と実勢価格がかけ離れた物件を利用した節税もブームになっていました。

中には相続税の評価額は4,000万円弱にもかかわらず実勢価格は1億円を超えるような物件もあり、国税当局が注視していました。

6項の適用急増の背景には、2022年の最高裁判決の影響があるとみられます。

相続した不動産の評価に6項を適用した国税当局による課税処分の妥当性が争われた訴訟で、最高裁は国税当局の処分を適法としたのです。

最高裁は「相続人らは税負担の軽減を期待して不動産を購入、借り入れを行った。他の納税者との間に看過しがたい不均衡を生じさせ、租税負担の公平に反する」としました。

6項適用の是非を巡る初めての最高裁判決でした。

最高裁判決を受け、国税庁は6項の適用に関する事務運営指針を策定、現場に示しました。

指針は、①通達評価以外に他の評価方法が存在するか、②著しい乖離があるか、③通達以外の価格とすることに合理的な理由があるかなどの内容です。

ある国税幹部は「6項を使うのにためらいがなくなった」と明かしているようです。

もともと国税当局は富裕層調査に積極的です。

2022事務年度の所得税の税務調査で富裕層の申告漏れは、過去最高の総額980億円となりました。

相続税でも積極的に調査しており、国税当局は6項という大きな武器が使いやすくなった形です。

ただし、「宝刀」も絶対ではありません。

東京地裁は2024年1月、国税当局が過去に6項を適用した案件について、国税側敗訴の判決を出したのです。

非上場株を巡る案件での適用の是非が争われ、判決は「6項の適用には、相続税負担を回避する目的を持って積極的な行為を行うなど特段の事情が必要」と指摘しました。

そのうえで「特段の事情はなく、適用は違法」としました。

国側は控訴しました。

税務に詳しい平川雄士弁護士は、最高裁判決以降に国税当局が6項の活用に積極的な現状を「理解できる」としつつ、「本来は6項を適用すべきでない事案にも、過剰に適用されている懸念がある」とみています。

平川氏は「最高裁判決は6項適用について、適用の可否が十分判断可能な要件は示した。国税当局と納税者側の双方とも、判決の趣旨に沿った慎重な検討が重要だ」と話しています。

相続節税に対する国税当局の厳しい姿勢は、今後も続きそうです。

元熊本国税局長の渡辺定義税理士は、「納税者は外部のコンサルタントなどからもたらされる安易な節税策に飛びつかない慎重さが必要だ。新しい取引、金融商品など税金の処理方法が不明瞭なものも多い。場合によっては専門家の活用なども検討すべきだ」と話しています。

▼総則6項とは
国税庁の財産評価基本通達の規定の一つです。

財産評価基本通達は様々な財産の評価方法を細かく定めた国税当局の内部規則で、相続税などの財産評価は原則としてこの通達に沿った方法で計算します。

例えば市街地の宅地などは、路線価をもとに財産価値をはじき出します。

総則6項は例外規定のような位置づけで「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」としています。

路線価と実勢価格がかけ離れている場合に不動産鑑定などで評価し直す例があります。

適用されると評価額が跳ね上がる場合もあり影響は大きいが、何をもって「著しく不適当」と判断するかなどの明確な基準はありません。

個人的には、財産評価の結果と時価に乖離が生じるのは、結局のところ、税制の不備なのではないかと考えています。

おかしなところがあれば、税法などを改正すれば良いわけで、それをやらずに総則6項を適用するというのは、おかしいことに気づいていながら放置しておき、後出しじゃんけんで否認するということですから。

納税者や税理士は、基本的に、財産評価基本通達に基づいて評価を行うわけですから、これで評価して、あとからアウトといわれるのであれば、何に基づいて評価すれば良いのか分からないですから。

本当に、総則6項の適用については、納税者や税理士が納得できるような明確なものを明らかににしてほしいですね。

富裕層の相続税節税に厳しい目で国税当局が「伝家の宝刀」の活用を増やしていることについて、あなたはどう思われましたか?


東京地裁で総則6項を巡る事件で国が敗訴!

税務通信によると、東京地方裁判所(民事第51部:岡田幸人裁判長)は、先日、非上場株式の相続税評価に係る「総則6項」を巡る事件で、総則6項の適用を認めず、国の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をいずれも取り消しました。

裁判で総則6項の適用が認められなかった事件は初めてとみられます。

不動産に係る総則6項の適用を巡る令和4年の最高裁判決以降、初めての総則6項に係る判決で、その適用解釈を示しています。

2024年1月24日現在、国は控訴していません。

<事件の概要>
本件被相続人の子である法定相続人の原告AとBが、その相続で取得した非上場株式(本件被相続人が代表取締役の会社(X社)の株式)について、X社は「大会社」(評基通178)に該当するため、評価通達に基づき、「類似業種比準価額」(評基通180)によって1株当たり約8千円(本件通達評価額)と評価して相続税の申告をしました。

しかしながら、国側は、評価通達の定めにより評価することが著しく不適当として、国税庁長官指示により評価する総則6項に基づき、類似業種比準価額とは異なる株式価値の算定金額に基づき1株当たり約8万円(本件算定報告額)と評価したうえで、更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(本件各更正処分等)を行ったのです。

本件では、「本件相続株式を総則6項により評価することの適否」が争点となっています。

<裁判所の判断>
●通達評価額と算定報告額の大きなかい離のみで公平に反するとはいえない
東京地裁はまず、令和4年の最高裁判決に基づき、本件通達評価額と本件算定報告額との間に大きなかい離があることのみをもって直ちに、評価通達の定めによる画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情があるとはいえないとしています。
そのうえで、「本件では類似業種比準価額による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情(特段の事情)」があるか否かを検討するとしました。

●X社株式の売却は租税回避目的と認めず
最高裁判決は、実質的には、「特段の事情」がある場合に総則6項を適用することを肯定しているものと解されると指摘しました。

ところが、特段の事情としてどのようなものが挙げられるか一般論として明示はしておらず、被相続人側の租税回避目的による租税回避行為がない場合について直接判示したものとは解されないとしました。

もっとも、租税回避行為をしなかった他の納税者との不均衡、租税負担の公平に言及している点に鑑みると、租税回避行為をしたことによって納税者が不当ないし不公平な利得を得ている点を問題にしていることがうかがえるとしています。
本件では、最高裁判決の事案とは異なり、本件被相続人及び本件相続人らが相続税の租税回避の目的でX社株式の売却を行ったとは認められないと判断しました。

そのため、本件更正処分等の適否は、本件相続開始日以前に本件通達評価額を大きく超える金額での売却予定があったX社株式について、実際に本件相続開始日直後に当該金額で予定どおり売却ができ、その代金を本件相続人らが得たことをもって、この事実を評価しなければ、「他の納税者と原告らとの間に看過しがたい不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反する」(最高裁判決)といえるかどうかによって判断すべきとしました。

●多額の借金で不動産購入などの租税回避行為なければ不均衡とはいえず
相続財産の一部を売却して現金化することは稀有な事情ではなく、評価通達の定めに基づく評価額よりも相当高額で現金化することができたとしても、その売却やそれに向けて交渉すること自体は何ら不当ないし不公平なことではないとしています。
相続税を軽減するために、被相続人の生前に多額の借金をした上であらかじめ不動産などを購入して、評価通達の定める方法における現金と不動産など他の財産に係る評価額の差異を利用する相続税の回避行為をしているような場合でない限り、他の納税者と比較してその租税負担に看過しがたい不均衡があるとまでいうことは困難と判断しました。

<本件の主な事実関係>
①平成26年5月29日、本件被相続人は、Y社との間で、X社株式をY社に対して売却・資本提携等を前提に、X社株式の譲渡に向けた協議を行うことの基本合意(本件基本合意)を締結した。本件被相続人は、X社株式の全部を取りまとめY社に譲渡するものとして、譲渡価格は1株当たり約10万5千円(譲渡予定価格)とされた。
②6月11日、本件被相続人は死亡。同18日、X社の取締役会により、本件被相続人の妻である法定相続人のCが代表取締役となり、X社株式の売却プロセスを進めることになった。
③7月8日、遺産分割協議が行われ、X社株式をA、B、C(本件相続人ら)がそれぞれ一定数を取得(本件相続株式)することを合意。原告らが保有するX社株式をそれぞれ譲渡予定価格と同じ1株当たり約10万5千円でCに譲渡する契約を締結した。
④7月14日、CがY社にX社の全株式を1株当たり約10万5千円(本件売却価格)の譲渡価格とする契約に基づき、譲渡した。
⑤平成27年2月27日、本件相続人らは類似業種比準価額により本件相続株式を1株当たり約8千円と評価するなどして、相続税を申告した。

<X社株式の1株当たりの各価額>
・Y社への譲渡予定価格(①)
・原告からCへの譲渡価格(③)
・CからY社への本件売却価格(④)

①③④ 1株当たり約10万5千円

・原告側の類似業種比準価額による本件通達評価額(⑤)

⑤1株当たり約8千円

・国側の本件算定報告額

1株当たり約8万円
※①③④⑤は上記「本件の主な事実関係」の番号を指す
●相続開始前のX社株式の譲渡価格の合意は特段の事情とはいえない
本件相続開始日直後に評価通達の定める方法による評価額を大幅に上回る高値で本件相続株式を売却できたという事情に加え、本件相続開始日以前から本件被相続人がX社株式の売却の交渉をしており、譲渡予定価格まで基本合意していた事情があるとしました。

しかしながら、この場合でも、最終的に本件相続株式の売却が成立し、本件相続人らが本件通達評価額を大幅に上回る代金を現に取得したという事情がなければ、およそ本件算定報告額をもって課税しなければ他の納税者との間に看過しがたい不均衡が生じるとはいえないとしています。
こうした点から、本件相続の開始前からX社株式の譲渡予定価格が事実上合意されていたという事情をもって、特段の事情(の一部)ということはできないとしました。

●相続開始前に税額を軽減させる積極的行為をしていた程度の事情が必要
本件のように、相続財産となるべき株式売却に向けた交渉が相続開始前から進行しており、相続開始後において実際に相続開始前に合意されていた価格で売却することができ、かつ、当該価格が評価通達の定める方法による評価額を著しく超えていたという事実をもってしても、直ちに納税者側に不当ないし不公平な利得があると評価することは相当でないと指摘しています。
総則6項を納税者の不利に適用するには、一定の納税者側の事情が必要と解すべきとして、例えば、【参考】のような事情が特段の事情として必要なものと解されるとしました。

●本件の総則6項の適用は最高裁判決の判断枠組みに照らして違法
本件被相続人が本件相続開始日以前に行った行為は、本件基本合意等にとどまり、これらの行為は、本件相続開始日以降に行われた本件相続株式の売却の結果を含めて評価したとしても、それがなかった場合と比べて相続税の金額を軽減する効果を持つものではないと指摘しています。
本件において特段の事情はないものというほかなく、本件相続株式の価額は本件通達評価額によって評価すべきであり、総則6項を適用し本件算定報告額を用いて本件相続株式を評価した本件各更正処分等は、最高裁判決の判断枠組みに照らして、平等原則の観点から違法としました。
そのため、本件相続株式の価額は、本件通達評価額によって定められるべきと判断しています。

【参考】本件で特段の事情として必要と解されると例示した内容
被相続人の生前に実質的に売却の合意が整っており、売却手続を完了することができたにもかかわらず、相続税の負担を回避する目的で、他に合理的理由もなく、殊更に売却手続を相続開始後まで遅らせたり、売却時期を被相続人の死後に設定しておいたりした場合など、最高裁判決の事例のように、納税者側が、それがなかった場合と比較して相続税額が相当程度軽減される効果を持つ多額の借入れやそれによる不動産等の購入といった積極的な行為を相続開始前にしていたという程度の事情

<ポイント>
令和4年の最高裁判決後に、総則6項の適否がどのように判断されるか注目されていました。
本件では、X社株式の原告側の通達評価額と国側の算定価額が約10倍と大きくかい離していますが、総則6項の対象と解される「特段の事情」として相続開始前に税軽減効果を持つ積極的な行為をしていたという程度の事情が必要であるとし(【参考】)、X社株式の譲渡の合意に至っているという事情は特段の事情に当たらないと判断しました。

【参考】では、本件において特段の事情に当たるような状況も例示しています。

近年、課税当局が安易に総則6項を発動している事案が増えてきていますので、素晴らしい判決のように思います。

総則6項は、『伝家の宝刀』と巷では呼ばれており、何がO.K.で、何がN.G.か分からない中で、課税当局がN.G.と言ってくる可能性があるというものであり、安易にこれが発動されると、納税者も税理士も安心して申告ができないのではないかと思います。

もっと、総則6項を発動する基準を明確にしてほしいですね。

東京地裁で総則6項を巡る事件で国が敗訴したことについて、あなたはどう思われましたか?


印鑑登録証明書の有効期限!

年間に数件相続税の申告のお手伝いをしていますし、先日、僕自身の相続税の申告を行いましたが、必要な書類のひとつに、『印鑑登録証明書』があります。
いわゆる『印鑑証明書』です。

その『印鑑登録証明書』ですが、結構、聞かれるのが有効期限です。
金融機関で、3か月以内のものが必要と言われたりすることがあり、そのイメージがあるためかと思っています。

そもそも『印鑑登録証明書』は契約書類に押印された印鑑が、本人が自治体に登録済みの『実印』であるということを証明する書類です。
それゆえ、重要な契約を結ぶときなどに、『実印』による押印と『印鑑登録証明書』の提出を求められたりします。

また、個人にも法人にも『印鑑登録証明書』があるのですが、今回は個人の『印鑑登録証明書』について話しを進めていきます。

自治体によって内容が異なりますが、例えば、我が香川県高松市の『印鑑登録証明書』の記載内容は、以下のとおりです。
・登録印影
・氏名
・旧氏
・生年月日
・住所
・備考

少し前に色々と問題があり、コンビニでの取得ができない自治体があるかもしれませんが、高松市の場合、マイナンバーカードがあれば、コンビニで『印鑑登録証明書』を取得できます。
また、窓口で取得すると1通350円かかりますが、コンビニだと250円です。

『印鑑登録証明書『そのものは、登録している印鑑が変更にならない限り有効期限はありません

色々な手続きの際、発行から3か月以内とか6か月以内の『印鑑登録証明書』を要求される場合があります。
これは、あくまで提出先が有効期限を設定しているに過ぎないのです。

ただし、不動産登記の申請で印鑑登録証明書を法務局に提出する場合、不動産登記令16条3項により「作成後3ヶ月以内のもの」とありますので、3か月以内のものを提出する必要があります。

ちなみに、相続税の申告書において、遺産分割協議書のコピーを提出する場合、『印鑑登録証明書』の提出も求められますが、遺産分割協議書に押印した『実印』と同じであれば、3か月以内とかいう期限は問われません。
結局、『印鑑登録証明書』は『印鑑』が変わらない限り基本的に有効期限はないということですが、不動産登記の場合や、提出先によっては、3か月以内のものとか6か月以内のものが必要となるということです。
非常に分かりにくいですね。

印鑑登録証明書の有効期限について、あなたはどう思われましたか?


マンション節税防止で算定法を見直し評価額4割から6割に!

日本経済新聞によると、国税庁が「マンション節税」や「タワマン節税」の防止に向け、相続税の算定ルールを見直す方針を固めました。
実勢価格を反映する新たな計算式を導入します。
マンションの評価額と実勢価格とのかい離が約1.67倍以上の場合に評価額が上がり、高層階ほど税額が増える見通しです。
年間10万人以上の相続財産が課税対象となる中、税負担の公平化を図る狙いがあります。

現行ルールは1964年の国税庁通達に基づきます。
国税庁は財産の評価方法を定めた通達を2023年中に改正し、2024年1月1日以降の適用を目指します。
現在は実勢価格の平均4割程度にとどまっている評価額が、6割以上に引き上がる結果となります。

相続税法は財産の評価は「時価による」と規定しています。
現金や上場株に比べて土地や建物は評価が難しく、国税庁は通達で、マンションの場合は建物と土地の評価額の合計とします。
建物は建築費などから地方自治体が算定する固定資産税の評価額を使用し、土地は一般的に毎年公表される路線価を使って計算します。
金額に応じて10〜55%の税率を掛け、相続税額を申告します。

今回のルール改正の最大のポイントは、実勢価格を反映する指標の導入です。
新たなルールは①築年数や階数などに基づいて評価額と実勢価格のかい離の割合(かい離率)を計算、②約1.67倍以上の場合、従来の評価額にかい離率と0.6を掛けることで評価額を引き上げます。
戸建ての平均かい離率(1.66倍)にそろえる狙いです。

国税庁がルール改正を検討するために設置した有識者会議の資料によると、東京都内の築9年の43階建て高層マンションの23階で、約1億1,900万円の実勢価格に対して評価額が3,720万円となっていました。
相続税に詳しい複数の税理士によると、この場合、従来は3,720万円が基準で、相続するのが子ども1人の場合は単純計算で相続税は約12万円になります。

新たなルールでは、実勢価格とのかい離率を3.2倍とした場合、3,720万円に3.2と0.6を掛けた約7,140万円が評価額となります。
単純計算の相続税額は約508万円となり、従来に比べて負担は500万円近く増すことになります。

国税庁が全国の20階以上のマンションについて2018年のデータを抽出調査したところ、かい離率は平均3.16倍でした。
国税庁の調査範囲に限れば、1.67倍の基準を大きく上回り、大半の住戸で税負担が増える可能性があります。

国税庁がルールを見直す背景にあるのが、評価額と実勢価格のかい離です。
路線価はそもそも公示地価の8割が基準で、足元の地価上昇が反映されにくくなっています。
さらにマンションの場合、全体の敷地面積を戸数で分けるため、戸数が多い高層マンションであるほど1戸当たりの土地の持ち分は小さくなります。

現行の算定ルールが導入された当時は皆無だったタワーマンションは現在、全国に1,400棟以上あります。
人気で高価格の高層階ほど実勢価格と評価額の差が大きくなる傾向があります。
この差を使った節税策は「マンション節税」や「タワマン節税」とも呼ばれ、相続税負担の不公平性がかねて指摘されていました。

見直し議論が本格化したきっかけは、2022年4月の最高裁判決です。
購入価格が計13億円超のマンション2棟の評価額を3億3千万円とした相続人に対し、実際の評価額は12億7千万円だとした国税当局の追徴課税を認容しました。
判決理由で「他の納税者との間に看過しがたい不均衡が生じ租税負担の公平に反する」と言及しました。
国税庁が2023年1月に有識者会議を立ち上げ、算定ルールの見直しを検討してきました。

2021年に亡くなった約143万人のうち、不動産や現預金などの相続財産の税務申告が必要だったのは約13万人でした。
相続税に関わる裾野は広がっており、多くの納税者にとって無縁ではなくなってきています。
高層階の税負担が大幅に増えればマンション市場に影響する可能性もあります。

<相続税>
亡くなった親などから受け継いだお金や土地といった遺産にかかる税金で、資産が多い人の富を再分配する役割があります。
相続した財産の額から葬式費用や借金を差し引き、基礎控除である「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」を上回った額に応じて10〜55%の税率がかかります。
基礎控除を下回る場合、税額はゼロになります。
2015年に基礎控除が縮小され、相続税が課税された被相続人の割合は以前の4%台から8%台に上昇しました。
2021年分の申告では亡くなった約143万人のうち9%にあたる13万人の相続財産が課税対象となり、税額は計2兆4,421億円と5年前と比べて1.3倍に増えました。

そもそも、同じ面積であれば、タワーマンションの1階だろうと最上階だろうと、同じ評価額になるのはおかしいですよね。
節税目的の方が、本当にマンションを買いたい方の相場を上げていると思いますし、改正は良いことだと思います。
このニュースが出てから、マンション販売業者の株価が下がっているようですから、今後のマンションの売れ行きや価格に影響を及ぼすということなんでしょうね。

マンション節税防止で算定法を見直し評価額4割から6割になることについて、あなたはどう思われましたか?


市街地の空き家建て替えが狭い道路沿いでも可能に!

時事通信によると、国土交通省は、市街地での空き家の建て替えを促すため、狭い道路に面した敷地での建築の規制を市区町村が緩和できるようにするようです。
今国会で審議中の空き家対策特別措置法改正案に特例の創設を盛り込みました。
使い道が見つからない敷地の有効活用を後押しします。

建築基準法のルールでは、住宅やビルを建てる場合、原則として敷地が幅4メートル以上の道路に2メートル以上接している必要があります。
消防活動の場や災害時の避難スペースを確保するためです。
ただし、道路幅が狭い市街地や古い住宅街などでは、この規制の影響で同じ場所での建て替えができないケースがあり、空き家が放置される要因の一つとなっていました。

そこで改正案では、市区町村が中心市街地などを空き家の「活用促進区域」に指定できる制度を創設しています。
区域内では、安全確保策を実施すれば、敷地に接する道路幅が4メートル未満の場合でも建て替えを可能にします。

国交省は今後、規制緩和の条件となる安全確保の基準をまとめ、市区町村に提示します。
例えば、新しい建物について燃えにくい構造とすることや、避難対策を講じることを想定しています。
ガイドラインも作成し、具体的な事例を示す考えです。

改正案は、促進区域内で建物の用途に関する規制を緩和できる特例も盛り込みました。
例えば、原則店舗を建てられないなどの制限があるエリアでも、地域活性化や観光振興を目的に、空き家をカフェなどに活用することを可能とします。

年間に何件か相続税の申告のお手伝いをさせていただいておりますが、何もできない土地に結構出くわします。
こういう改正により、土地を使えるようになるのはいいことですね。
一方で、土地の価値が高まるわけですから、路線価とか固定資産税評価額も上がるのでしょうか?
エリアがどこになるか分かりませんが、業者が今のうちに買い漁るかもしれませんね。

市街地の空き家建て替えが狭い道路沿いでも可能になることについて、どう思われましたか?


認知症の母の遺産「14億円」を次男がコンビニで少しずつ出金したものバレた理由!

2023年05月22日(月)

幻冬舎ゴールドオンラインで、認知症の母の口座から14億円を出金していた息子ですが、その後、母が亡くなり、母名義の財産のみで相続税申告をしたところ数年後に国税局から連絡が来て税務調査が入る事態に発展したという実際にあった裁判事例をもとに税理士が解説しています。

アルツハイマー型認知症を患っていた母・ママ子さん(仮名)は、秋も深まるある日に財産を残して亡くなりました。
相続人は長男・タロー(仮名)と次男・ジロー(仮名)です。
ママ子さんは、亡くなる3年半前から老人保健施設で暮らしていました。

悲しみに暮れるなかタローとジローはママ子さんが残した財産を相続し、それぞれの相続額分の相続税申告をしました。
ところが数年後、国税局からジローのもとへ連絡が入り、税務調査に発展しました。

ジローがママ子さんが亡くなるまでの2年の間に、ママ子さんの預金口座からATMで合計約1,900回以上、総額約14億円以上を引き出した記録があります。
しかしながら、ジロー本人はこの出金の事実について否認しています。

ママ子さんが亡くなった時点では、財産がすでに約14億円目減りした状態だということが判明したのです。

<時系列まとめ>
本件は、実際にあった裁判事例です。
まずは、時系列を整理していきましょう。
H22.11
母・ママ子さん アルツハイマー型認知症と診断される
H24
ママ子さんは所有している証券口座について、次男・ジローを取引代理人とする「代理人・印鑑届」を提出
H24.12
ママ子さん 老人保健施設に入所
H25.9~12
ジローが上記、ママ子名義の証券口座に預けられていた株式を全て売却
H26.2
ママ子さん 介護付き有料老人ホームに転居
H25.12~H28.1
ジローが750日(約2年)の間に、ATMを通じて合計1,902回、総額14億3,002万3,000円を出金
H28.4
タローとジローがママ子さんの遺産を相続開始
タローとジローは法定期限内に相続税申告書を国税局に提出(上記出金は相続財産に計上していない)
数年後
ジローへの税務調査に発展。
ジローはATMでの出金の事実を否認
R2.3
国税局が「13億8,735万円に相当する金員に係る不当利得返還請求権が相続財産に含まれるもの」として、ジローへ更正処分を下す
R3.4
国税不服審判所にて、国税局のジローへの処分は適法と判断
R5.2
東京地方裁判所にて、国税局の処分は適法と判断

争点としては、下記2つです。
1. ATMから出金をしたのは次男か
2. もし次男だとしたら不当利得返還請求権が成立するか

1. ATMから出金をしたのは次男・ジローか
現金が出金されたATMはとあるコンビニに設置されているものです。
そのコンビニの店長及び従業員に、国税局の調査担当職員が、ジローの顔写真を提示して、「この人物について知っていることを教えて欲しい」と質問しました。
コンビニの店長や従業員は、「毎回のようにATMで用事を済ませた後、食料品を大量に買い、税金の支払いに係る納付書を何枚も持ってきて、多額の納付をすることもあった」と回答しました。
この店長や従業員はジローとは利害関係のない第三者であって、虚偽の発言をする動機は見当たらず、両者の具体的な申述内容が合致していることから、「ジローについての申述は正確なものと認められる」と審判所、裁判所は判断しました。
すなわち、次男・ジローの申述内容は信頼できず、ATMから出金したのはジローだと認定されたのです。

2. ATMから出金をしたのは次男・ジローだとしたら不当利得返還請求権は成立するか
ATMからの出金者はジローと認定されました。
次に、相続財産を構成するために、出金した財産を特定するか、次男に対する債権であるかのいずれかを認定しなければなりません。
本件では、出金したあとの財産を特定することができなかったと推察されます。
となると、次男に対する債権であることを認定する必要があります。
この認定のために重要となるのが出金時の母・ママ子さんの状況です。
ママ子さんは平成22年11月にアルツハイマー型認知症と診断されています。
出金時の平成25年12月~平成28年1月の意思能力の程度を考慮すると、ジローに対して、本件金員が贈与されたとは考え難く、ジロー本人も本件金員の贈与等を受けた事実がないことは認めています。

したがって、ジローは相続の開始までに出金した約14億円の一部を自己のために費消し、いずれかで保管していることから、法律上の原因なく利益を受け、そのためにママ子さんに損失を及ぼしたものといえます。
すなわち、母・ママ子さんは次男・ジローに対する不当利得返還請求権を有することとなります。

相続税の負担を軽減するため、被相続人(財産を遺して亡くなった方)が亡くなる数年間で現金を引き出したとしてもバレます。
銀行の記録を調べれば、どこのATMで引き出したかもすぐに分かります。
そしてそのATMの防犯カメラや従業員等の申述により、引き出した人は特定されてしまいます。

本事例では、次男のジローは出金した財産を隠すことには成功しました。
仮に自宅の庭などに埋められていて、国税局の職員が発見すればその現金を相続財産として認定します。
しかしながら、本件では、現金や他の預金等を見つけることができなかったのでしょう。
それゆえ、不当利得返還請求権として相続財産に計上すべきであると認定されたのです。

すなわち、出金した現金を無事隠すことに成功したとしても不当利得返還請求権等の債権として相続税がかかってきてしまうのです。

本件で相続税申告を担当した税理士はジローに対し、「『多額の出金を隠してもいいことはなく、このまま申告書を提出すると税務調査が入る可能性がある』と伝えましたが、ジローは『調査が入っても構わない』旨を返答した」と言います。

本件は出金を隠したことにより、当初から適切に申告をしていればかからなかった重加算税等のペナルティもかかってしまいました。
経済的に得をするために虚偽の申告をした結果、むしろ経済的に損をしてしまった事例です。
亡くなったお母様は一番悲しむのではないでしょうか?

バレないと思っているのが、ある意味スゴいなぁと思います。
それほど甘くはないです。
長男はこの14億円について知らなかったでしょうから、この後、どうしたんでしょうね?
この14億円が次男のものだとしても、相続財産がこれだけ増えると長男の税額もかなり上がるでしょうから。

認知症の母の遺産「14億円」を次男がコンビニで少しずつ出金したものバレた理由について、どう思われましたか?


デジタル遺言制度を創設!

日本経済新聞によると、政府は法的効力がある遺言書をインターネット上で作成・保管できる制度の創設を調整するようです。
署名・押印に代わる本人確認手段や改ざん防止の仕組みをつくります。
デジタル社会で使いやすい遺言制度の導入により円滑な相続につなげます。

法務省が年内に有識者らで構成する研究会を立ち上げ、2024年3月を目標に新制度の方向性を提言します。
法務大臣の諮問機関である法制審議会の議論を経て民法などの法改正をめざします。

現行制度で法的効力がある遺言書は3種類あります。
本人が紙に直筆する自筆証書遺言、公証人に作成を委嘱する公正証書遺言、封書した遺言書を公証役場に持参する秘密証書遺言です。

自筆遺言には国による保管制度があります。
法務省が2018年に発表した推計では作成済みと作成予定の合計で1,204万人の需要がありました。
公正証書遺言は2022年に11万1,977件の利用がありました。
秘密証書はほとんど使われていません。

新制度では自筆遺言をパソコンやスマートフォンで作成し、クラウド上などに保管する案があります。
現在の自筆遺言は本人がペンを使って本文や作成日を書いて署名・押印しなければ法的効力を持ちません。
法務局に預けて亡くなった後で受け取りを請求する制度は用紙の大きさや余白やページ番号のふり方まで細かい規定があります。

不動産や現預金など相続する財産を一覧化した財産目録も作成しなければならず、高齢者が自筆遺言を作るのは簡単ではありません。
弁護士らの助けが必要になるケースが多いようです。

ネット上での作成が可能になればフォーマットに沿って入力する形になるため遺言制度に詳しくない人でも自分でつくりやすくなります。
紙の遺言書と違って紛失リスクがなく、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使えば改ざんもされにくくなります。

デジタルでの相続対策サービスを手がけるサムライセキュリティ(東京都渋谷区)の浜川智最高経営責任者(CEO)は「デジタル化で遺言作成の利便性が高まれば利用者の裾野が広がる」とみています。

海外では紙以外の遺言制度の整備が進んでいます。
法務省などの資料によると、アメリカは2019年に電子遺言書法を定めました。

2人以上の証人の前で電子署名すればデジタルでの遺言書を認めました。
導入は各州の判断に委ねられており、これまでにネバダ州やフロリダ州などが取り入れました。

韓国も遺言を残す本人による趣旨説明や証人の立ち会いで、録音の遺言が効力を持ちます。

一方で、ドイツやフランスなどまだデジタル形式や録音での遺言を認めていない国もあります。
遺言書は通常の契約と異なり本人が死去した後に使うものであり、事後の意思確認ができないため、電子化への慎重論もあります。

政府はこうした意見を踏まえ、安全性や実効性を担保できる制度設計を探ります。

『争族』を避けるためにも、もっと『遺言書』が普及すれば良いと考えていますので、今までより簡単に作成できるデジタル遺言が認められればいいなぁとは思いますね。

デジタル遺言制度を創設することについて、どう思われましたか?


夫の遺産相続で相続税1億円あまりを脱税した妻を告発!

NHKによると、5年前に亡くなった夫の遺産を相続したのに申告せず、相続税1億900万円余りを脱税したとして、岡山県瀬戸内市の71歳の妻が広島国税局から検察庁に告発されました。

告発されたのは岡山県瀬戸内市の会社員(71)です。
広島国税局によると、2018年6月に夫が亡くなり、ほかの相続人とともにおよそ4億4,800万円を相続しましたが、複数の場所に分散して隠すなどしたうえ、相続税の申告書を提出しなかったということです。

広島国税局は、相続した遺産を隠し、1億900万円余りを脱税したとして、相続税法違反の疑いで、先日、岡山地方検察庁に告発しました。

約4億5千万円を相続したのに、複数の場所に分散して隠し、申告しないというのは、かなり悪質ですね。
遺産が何なのか、どうやって分かったのかなどについては分かりませんが、これだけの遺産があると、隠し通せるほど甘くはないと思いますが、簡単に隠せると思ったのでしょうか?
重加算税や延滞税などを考えると、かなり持っていかれるでしょうね。

夫の遺産相続で相続税1億円あまりを脱税した妻を告発したことについて、どう思われましたか?


2021年度は相続人なき遺産が過去最高の647億円で国庫へ入いった!

朝日新聞によると、遺産の相続人がいないなどの理由で国庫に入る財産額が、2021年度は647億円と過去最高だったことがわかったようです。

身寄りのない「おひとり様」の増加や不動産価格の上昇も背景に、行き場のない財産は10年前の倍近くに増えています。

専門家は早めに遺言書をつくるよう勧めています。

最高裁判所によると、相続人不存在による相続財産の収入は、2021年度は前年度比7.8%増の647億459万円でした。

2001年度は約107億円、2011年度は約332億円で、この20年で6倍に増えたことになります。

相続人も遺言もない遺産は、利害関係者の申し立てにより、家庭裁判所に選任された「相続財産管理人」が整理します。

未払いの税金や公共料金などを清算し、相続人が本当にいないかを確認し、一緒に暮らしたり身の回りの世話をしたりした「特別縁故者」がいれば家裁の判断などにもとづいて財産を分与し、残りは国庫に入るのです。

もし、お世話になった方などがいて財産を渡したいと思っていたにも関わらず、遺言書などを作成していなかったばかりに国庫に入るのは非常にもったいないように感じますね。
エンディングノートなどが大事になってくるのかもしれませんが、おひとり様だとしても、早めに、遺言書を作っておくのがいいでしょうね。

2021年度は相続人なき遺産が過去最高の647億円で国庫へ入いったことについて、どう思われましたか?


放置された空き家について活用を促すため税負担増を政府が検討!

日本経済新聞によると、政府は全国で増える空き家について、壁に亀裂が入るなど管理が不十分な建物の税優遇を見直す検討に入ったようです。
住宅用地を対象に固定資産税を軽減する特例から外す方向で、事実上の増税となります。
実施されれば平均的な宅地の税額は4倍程度に増えます。
建て替えや売却を促して倒壊などの危険のある住宅の増加を抑え、中古住宅市場の活性化につなげます。

先日に開かれた有識者会議で空き家対策の方向性が示されました。
2023年1月ごろに報告書をまとめ、空き家対策特別措置法など関連法の改正を視野に内容を詰めます。
早ければ2023年度中の実施をめざします。

国土交通省によると、全国の空き家は2018年時点で849万戸です。
うち賃貸・売却用などを除き居住目的のない空き家は349万戸と、20年前からほぼ倍増しています。
地方の住宅を親や祖父母から相続して放置するケースなどが目立っています。
適切な対策をとらなければ2030年に470万戸に増える見込みです。

住宅用地の固定資産税の軽減は、高度成長期に農地などの宅地化を進めるために導入されました。
倒壊の危険がある「特定空き家」は既に特例からの除外が可能です。
今回さらに対象を広げ、そこまで状態が悪化していない建物でも管理が不十分なら適用しないようにします。

屋根の一部や窓が損壊する建物などを念頭に置いています。
こうした建物は少なくとも約24万件あります。

所有者が分からない約5万戸の空き家の扱いも課題となっています。
自治体は固定資産税の情報を利用するなどして所有者を探せるが限界があります。
市町村が裁判所に財産管理人の選任申し立てをして、弁護士らが物件を管理する制度の見直しも議論されています。

個人的には、活用を促すことになるのか疑問に思います。
定年後などに実家に帰ってくることもあるため、実家を相続してそのままにしている方も結構いらっしゃるのではないかと推測されますが、こういう制度ができると、実家を早めに売り払おうとして、将来実家に戻ってくる可能性を閉ざすのではないかと思います。
もちろん、購入された方が、その地域の活性化などに貢献していただければ、素晴らしいことだとは思いますが、おそらく、都会に出て行って戻ってこない方が、地方に移住する方を上回ると思いますので、地域の過疎化が進んでいくのではないかと思います。
固定資産税を上げるよりは、地方自治体が中心となって、移住を考えている方や移住者に期間限定でこういった家を安く貸すような制度を作ったり、ふるさと納税を使うなどしてこういった家を管理してくれるような制度を作ったり、サブスクリプション方式のわーケーションの場として提供するといった仕組みを作ったり、四国だと世界遺産を目指しているお遍路さん向けに貸したりする仕組みを作るなど、家を守っていくということも考えた方が良いのではないかと思います。

放置された空き家について活用を促すため税負担増を政府が検討していることについて、どう思われましたか?


東京都心の中古マンションが1億円超え!

日本経済新聞によると、東京カンテイ(東京都品川区)が先日まとめた11月の東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)の中古マンション平均希望売り出し価格(70平方メートル換算)は、前月に比べ63万円(0.6%)高い1億13万円だったようです。
14か月連続で上昇し、2002年の集計開始後で初めて1億円の大台に乗りました。

高橋雅之主任研究員は「投資マネーの流入でバブル期以来の水準になった」と指摘しています。
都心部では新築の高額物件に引っ張られるといった形で中古マンションも値上がりが目立ち、実際に住む需要だけでなく投資目的の資金も集めました。

首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)全体では2万円安い4,807万円と、18か月続いた値上がりが一服しました。
都内の都心6区外での値下がりが響いた格好で、高橋氏は「実需向けには高額すぎる一方で、投資目的には人気が薄いエリアだ」と言っています。
周辺3県は実需に支えられて価格上昇が続いています。

日銀は、先日、長期金利の許容上限を従来の0.25%程度から0.5%程度へ引き上げることを決めました。
固定型住宅ローン金利の上昇を通じて需要は全般に落ち込む可能性があります。
東京カンテイの高橋氏は「資産形成目的の投資家はキャッシュで買うことが多く、都心部の人気物件は値下がりしないのでは」とみています。

近畿圏は21万円(0.7%)高い2,888万円、中部圏は30万円(1.3%)高い2,281万円でした。

中古で1億円を超えるなんて、凄いですね。
高層マンションは軽くするために、作り自体はあまり良くないと聞きますが、修繕が必要になってくる将来的な資産価値はどうなっていくんでしょうね?
また、個人的には、今回の税制改正では改正になりませんでしたが、相続税や贈与税の計算の際の評価方法が近いうちに改正になり、節税目的の購入が減り、相場が下がると思っているのですが、どうなんでしょうね?
あとは、震災等のリスクのことも考えないといけないように思います。

東京都心の中古マンションが1億円超えになったことについて、どう思われましたか?


コロナ禍の影響薄れ相続税の申告漏れは2,230億円!

日本経済新聞によると、国税庁は、先日、2022年6月までの1年間(2021事務年度)の調査で、相続税の申告漏れが前年度に比べ24.9%増の2,230億円だったと発表しました。
新型コロナウイルス禍の影響が弱まり、調査件数は前年度比23.7%増の6,317件でした。

国税庁によると、調査では悪質なものや大口の事案が優先され、1件当たりの申告漏れ課税額は3,530万円と過去10年間で最高となりました。

項目別の相続財産の金額は、現金・預貯金6兆6,846億円、土地6兆5,428億円、有価証券3兆2,204億円、家屋1兆133億円で、いずれも過去10年間で最高となりました。

申告漏れの事例では、関東信越国税局が、洗濯機の下や床下に隠した夫の現金約3億円や家族名義の預金通帳約1億円を申告しなかったとして、妻や子に重加算税を含めて約1億7千万円を追徴課税した事例があるようです。

税務調査も増えてきていますね。
悪質なケースを中心に頑張ってほしいですね。
どうやって見つけたのかとかについても知りたいですね。

コロナ禍の影響薄れ相続税の申告漏れは2,230億円だったことについて、どう思われましたか?


相続税の節税のイタチごっこで不動産「小口化」市場が急伸!

日本経済新聞によると、相続税の財産評価をめぐり、新しく編み出される節税スキームと国税当局のイタチごっこが繰り返されているようです。
ここにきて都心オフィスビルなどを共同で所有する「不動産小口化商品」が急伸しています。
2015年の基礎控除縮小で中流層も課税対象になり、高齢者らの関心は高まる一方ですが、節税効果に目を奪われ、リスクが過小評価される可能性もあります。

東京・豊洲の商業ビル「セレサージュ豊洲」はコスモスイニシアが展開する不動産小口化商品のひとつです。
東京オリンピック会場に近い豊洲エリアは再開発で子育て世代が増え、このビルも学習塾「早稲田アカデミー」などのテナントで埋まっています。

セレサージュ豊洲を所有する任意組合への出資は1口500万円で2口から。投資家は相続税の節税を目的とする高齢者が目立ちます。
神奈川県在住の二宮太郎さん(仮名、78)はマンション1戸よりも少額から始められるうえ、「子ども2人に相続するときに分けやすい」とみて4,000万円を投じました。

「これからは都心のビルを小口化して所有する」と、新幹線の車内広告にも不動産小口化商品のセールストークが躍っています。
2013年度末に473億円だった任意組合型の累計募集額は2020年度末に3倍の1,447億円にのぼりました。
足元で2,000億円規模に積み上がったとの見方があります。
信託法に基づく商品を含めると、さらにふくらみます。

大手の青山財産ネットワークスは「相続課税が強化された2015年以降に商品供給が増えた」(東川亨FTK推進部部長)といっています。
2015年に相続税の基礎控除が縮小され、都市部に持ち家のある中流層が広く課税対象になりました。
家賃収入による分配金に加えて相続税の財産評価を下げたい高齢者が小口化不動産を買っているのです。

配偶者と子ども2人が法定相続人の場合の基礎控除は、8,000万円から4,800万円になりました。
東京都では2015年、亡くなった人のうち相続税がかかる割合が16%と前年の10%から跳ね上がりました。
夫婦の一方が先に亡くなる「1次相続」で残された配偶者の相続分は1億6,000万円まで非課税のため、世帯単位では課税対象の割合はもっと高いとみられます。

資産を現金などから不動産に移しておくのは、相続税の節税の常とう手段です。
土地は実勢価格の約8割の路線価、建物は固定資産税評価額で計算するため、現金での相続に比べて節税になるのです。
賃貸アパートなどに使っている「貸家建付地」、200平方メートルまでの「小規模宅地」とみなされれば、2,000万円で買った小口化不動産の評価が最終的に400万~600万円ほどに下がる場合があります。

富裕層によるタワーマンションの高級住戸などの取得や地主の賃貸マンション経営といった節税スキームは、中流層には困難でした。
これに対して、資産価値が落ちにくい都心一等地の不動産を1口数百万円から買える小口化不動産は投資家の裾野がはるかに広く、資金が集まりやすくなっています。

ただし、投資リスクが消えるわけではありません。
サンフロンティア不動産の荒井徹也コンサルティング事業部長は「運用期間が終わるタイミングが、リーマン・ショックのように市況が悪い場合は元本割れするリスクがあります。
『出口戦略』をよく考えて購入の判断をするべきだ」と指摘しています。

小口化不動産は「資産圧縮」「納税額軽減」など、あからさまに相続税の節税メリットをうたった広告も多くなっています。
ある国税幹部は「税務上問題になるかどうかは、個別のケースを検討しないと分からない」との原則を前置きしたうえで「興味深く、注視している」と問題意識をにじませています。

FP総合研究所の松原健司代表理事は「相続前後に短期売買したりすると、当局から目をつけられる可能性が高い」と分析しています。
相続の発生時期は予想できず、そのときまでに相続税制が変わっているかもしれません。

「新しい資本主義」で分配を重んじる岸田文雄政権の下、2023年度の税制改正大綱では生前贈与の見直しが議論される可能性が浮上しています。
もらう人1人当たり年110万円までの非課税枠が縮小されるとの見方があり、これが現実になれば中流層の節税対策は過熱しそうです。

相続財産評価の実務ルールは国税庁の「財産評価基本通達」であり、節税スキームの規制も国税当局の裁量という面があります。
当局は通達に基づく相続税申告が「著しく不適当」である場合、国税庁長官の指示を受けて再評価できます。
節税目的で肥大化しつつある小口化不動産がどう扱われるか、業界関係者は当局のさじ加減に神経をとがらせています。

最高裁は2022年4月、借入金とマンション取得を組み合わせた極端な相続節税について、国税当局の課税を容認する判決を出しました。
多額の財産を背景として高齢者には異例の高額ローンを組んだ事例で、最高裁は「租税負担の公平に反する」と判断しました。

税理士業界でも「あの節税はやり過ぎだ」(フジ相続税理士法人の高原誠税理士)との声が多いようです。
ただし、節税スキームの骨格は一般的なものだけに、極端かどうかの線引きがはっきりしないと「後出しジャンケン」との不満を招きかねません。

2021年度の相続税収は2兆7,702億円と国税の3.9%ほどですが、一人ひとりの納税者にとっては金額が大きいです。
節税ニーズは強く、過去にも不動産会社などが地主層に薦める賃貸アパート経営の失敗などが問題になってきました。

2015年の基礎控除縮小により、相続財産が1億円未満の中流層の負担も重くなりました。
これに合わせて教育資金や結婚資金を贈与する場合の非課税枠を設けました。
現役世代への資産移転によって景気浮揚につなげる狙いでしたが、富の再分配という税の本来的な役割になじまないご都合主義が否めません。

相続税制は国による違いが大きくなっています。
シンガポール、オーストラリアなどは相続税がありません。
アメリカは基礎控除が大きく、ごく限られた富裕層しか課税されません。
中流層に課税を広げた日本の相続税制は、税の3原則「公平、中立、簡素」に照らして検証すべき時期にきていると言えるでしょう。

■日本の相続税
日露戦争の戦費調達のため1905年に導入されました。
第2次世界大戦後はGHQ(連合国軍総司令部)が財閥などに富を集中させないよう税率の引き上げを求めました。
累進の最高税率はかつて90%に達しており、「3代で財産がなくなる」といわれていました。
税務申告ベースでは2020年に亡くなった約137万人の8.8%に相当する約12万人が残した財産が課税対象になりました。
相続財産は約17兆4,000億円で、土地と家屋が合わせて40%、現金などが34%を占めています。
相続発生時に亡くなった人と相続人がともに10年を超えて海外に住んでいれば海外財産に相続税はかかりません。
超富裕層は節税目的で海外移住することがあり、法改正で5年超から10年超になりました。

個人的には、今年の4月の最高裁の判決は極端な事例だと思っていますし、相続税法上認められた評価なので、批判されるべきものではないと考えています。
ダメなのであれば、後出しジャンケンの総則第6項ではなく、明確にダメなものを規定すべきだと思います。
記事を書いた方があまり詳しくないのではないかと思いますが、贈与税が改正されるかもということで昨年あたりは人気があり、すぐに売り切れていましたが、今年は取り扱っている業者が増えたのもあると思いますが、大手業社の物件も売れ残る状況になっており、会計事務所向けなどに色々なイベント等を開催して販売しようとしているのがありありと見てとれますので、かなり下火になってきているのではないかと感じています。

相続税の節税のイタチごっこで不動産「小口化」市場が急伸していることについて、どう思われましたか?


路線価の全国平均は2年ぶりに上昇も明暗が分かれる!

読売新聞によると、国税庁は、2022年7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる2022年分(1月1日時点)の路線価を発表しました。
全国の平均変動率は前年比プラス0.5%で、2年ぶりに上昇しました。
コロナ禍の影響が縮小し、一部の観光地などでは回復しましたが、需要が低調なオフィス街などは下落が続いています。

都道府県別では、地方を中心に27県で下落した一方、前年より13都府県多い20都道府県で上昇しました。
宅地やオフィス需要のある北海道がプラス4.0%で最も高く、福岡3.6%、宮城2.9%と続きました。
東京(プラス1.1%)や愛知(同1.2%)など、前年はマイナスだった都市部も多くが上昇に転じました。

都道府県庁がある47都市の最高路線価も、前年より7都市多い15都市で上昇しました。
最も上昇幅が大きかったのはJR駅周辺の再開発が進む千葉市(プラス5.1%)で、札幌市(同4.8%)や広島市(同3.5%)が続きました。

路線価トップは、東京都中央区銀座5の銀座中央通りで、1平方メートル当たり4,224万円です。
前年から1.1%下落しましたが、37年連続で全国1位となりました。

一方、大阪のミナミの戎橋ビル前の心斎橋筋は、前年が26.4%下落、2022年が10.6%下落で、2年連続下落率日本一ですから、明暗が分かれています。

相続税を考えると路線価は低い方がいいんでしょうけど、財産として考えると高い方がいいですし、色々な方々のマインドへの影響を考えると上昇する方がいいんでしょうね。
毎年のことですが、基本的に、路線価は1月1日時点のものが7月1日に公表されますが、もっと早く公表できないのだろうかと思います。
1月の初めの頃にお亡くなりになった場合、土地を持っていると7月1日以降でないと、相続税の計算ができないからです。
非上場株式もそうなのですが、1月や2月にお亡くなりになった場合、6月にならないと、評価に用いるデータが公表されないため、相続税の計算ができないのです。
贈与税の申告のためのデータは、12月までのものが翌年1月に公表されるので、非上場株式の方は間違いなく早く公表できるはずです。
相続税の申告・納税を早く終わらせて、すっきりしたいと考える方が多いので、本当にどうにかしてほしいですね。

路線価の全国平均は2年ぶりに上昇も明暗が分かれたことについて、どう思われましたか?


新田真剣佑に“相続トラブル”!

2021年、新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった千葉真一さんの「遺産整理」の過程で、息子で俳優の新田真剣佑が〝千葉さんに1,300万円〟を貸したとする「借用書」の存在が明らかになったと『FRIDAY』が報じています。

同誌の取材に応じた千葉さんの所属事務所社長が明かしたところによると、この「借用書」のサインは千葉さんの筆跡ではないそうです。

「千葉さんの死後、一部の関係者たちが対立関係に陥っているんです。あれほどの世界的スターですから、さぞかし莫大な遺産が残っていると思われがちですが、映画制作などに巨費も投じていた千葉さんには、相当な額の借金もあると言われていました。」(スポーツ紙記者)

問題の「借用書」は、千葉さんの遺産を整理するにあたって代理人が「債権者は届け出てほしい」とアナウンスした際に提出されたもののようです。

「千葉さんの所属事務所社長は、対立する関係者が勝手に出したのではないかと疑っているようです。しかし、提出したのは真剣佑の代理人だとされていますから、彼もまったく知らないわけではなさそうですね。」(同・記者)

真剣佑は、異母姉で女優の真瀬樹里とも協調路線をとることなく、千葉さんの「お別れ会」を同じ日に別々に行う予定だったとされています。

「実の弟の眞栄田郷敦は真剣佑サイドについているというが、結局『お別れ会』は真瀬サイドだけが予定通りに執り行い、真剣佑・郷敦サイドは延期している。千葉さんの遺品に関しても、真瀬と関係者などの間でもめているというからね。もうグチャグチャだよ。」(芸能プロ関係者)

最終的に、問題の「借用書」は取り下げられたそうですが、真剣佑は別の〝金銭トラブル〟も抱えているようです。

暴露系ユーチューバーのガーシーこと東谷義和氏に巨額のカネを貸し付けているのです。
「ガーシーは、真剣佑に6,000万円借りていることを認め、それをギャンブルに使ったことまで明かしている。本人は返済の意思を示しており、参院選にガーシーを擁立するNHK党の立花孝志党首も、弁護士を通じて返済の仲介役を買って出ているが、今のところ真剣佑サイドからの連絡はないようだ。」(同・関係者)

真剣佑は、東谷氏に女性スキャンダルやステマによる〝脱税疑惑〟まで暴露されています。
6,000万円を返済してもらいたくても、下手にコンタクトをとれば再び火だるまになりかねません。

災難続きの真剣佑は、SNSなどの更新もストップし、沈黙を続けているようです。

芸能人は相続トラブルが多いですね。
たくさん稼がれてたくさん財産があるということもあるのでしょうけど、親族関係が複雑だったり、資産家の割には相続税対策とかをあまりしていないんでしょうね。
芸能人に限りませんが、相続をきっかけに親族の中が悪くなるのは非常に残念なことですので、できるだけ早めに相続税対策などを始めましょう。

新田真剣佑に“相続トラブル”が起こっていることについて、どう思われましたか?


2022年世界長者番付トップはテスラCEOで日本人トップは柳井正氏!

読売新聞によると、アメリカの経済誌のフォーブスは、先日、2022年版の世界長者番付を発表しました。
アメリカの電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の資産額が2,190億ドル(約27兆円)に上り、初めて首位に立ちました。
テスラの業績が好調で保有株が大幅に値上がりし、資産額が膨らんだのです。

ウクライナ侵攻に伴う対露経済制裁により、ロシア市場で株価や通貨ルーブルの価値が下落し、フォーブスの試算ではロシアの億万長者の資産は昨年から2,600億ドル(約32兆円)以上減りました。
100億ドル以上減る富豪が続出し、リスト(保有資産10億ドル以上)に入ったロシアの億万長者は2021年から34人減って83人となりました。

2021年まで4年連続で首位だったアメリカのアマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏は1,710億ドル(約21兆円)で2位となりました。
3位は高級ブランド「ルイ・ヴィトン」などを傘下に持つ仏LVMHのベルナール・アルノーCEOで、1,580億ドル(約19兆円)でした。

ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が日本人トップの54位で、資産額は261億ドル(約3.2兆円)でした。
2位は、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の74位で、213億ドル(約2.6兆円)でした。

毎年、大学院の授業で、フォーブスの世界長者番付を取り上げていますが、すごい金額ですよね。
日本人も、トップが柳井さんと孫さんが年によって入れ替わっていますが、業績によって大きく変りますね。
日本で売上高が1兆円を超える企業が100数十社しかないわけですから、財産として3.2兆円とか2.6兆円というのは想像を絶しますね。
ちなみに、日本で一番売上高が多いトヨタ自動車が27兆円ですから、マスクさんとかペゾスさんの財産は、それに匹敵するくらいあるということです。
資産が大幅に減少したロシアの富豪の方々は、今どのような気持ちなのでしょうか?

2022年世界長者番付トップはテスラCEOで日本人トップは柳井正氏だったことについて、どう思われましたか?


注目のマンション相続課税は「伝家の宝刀」抜いた国の勝訴が確定!

朝日新聞によると、父が購入したマンションを相続した遺族が相続税を「ゼロ」と申告したところ、税務署が「伝家の宝刀」とも呼ばれる手法で、3億円余りの追徴課税をしました。
この課税が妥当かどうかが争われた訴訟で、最高裁第三小法廷(長嶺安政裁判長)は2022年4月19日、取り消しを求めた遺族の請求を棄却する判決を言い渡した。
これにより、遺族側の敗訴が確定しました。

問題とされたのは東京都杉並区と川崎市のマンション計2棟です。
不動産会社の代表だった男性(故人)が銀行から借金をして2009年に計13億8,700万円で購入し、子どもたちが2012年に遺産相続しました。

国税庁の通達では、不動産の相続税を計算する際、土地の評価に「路線価」、建物に「固定資産税評価額」を使うとしています。
遺族はこれをもとに土地と建物の価値を計約3億3,300万円と評価したうえで、銀行からの借金を差し引き、相続税はゼロと申告しました。

しかしながら、評価額が購入額より大幅に低いことなどから、税務署は、マンションの購入自体が相続税を回避しながら資産を引き継ぐ目的だったとみなし、「行きすぎた節税策で、ほかの納税者と著しく不公平になる」と考えたのです。

通達には、税務署が「著しく不適当」と考えた場合、独自に評価をやり直せるという例外規定があります。
税務の世界で「伝家の宝刀」とも呼ばれるこの手法を使い、税務署は土地と建物の鑑定をやり直しました。
その結果、マンションが将来生み出す収益も見込めば評価額は約12億7,300万円だと算定し、約3億3千万円を追徴課税したのです。

遺族は「マンション購入は父親の不動産業の経営効率を良くするためだった」「例外規定の適用基準があいまいだ」と反論し、追徴課税の取り消しを求めて裁判を起こしました。
一審・東京地裁と二審・東京高裁はいずれも、遺族の申告は「租税負担の実質的な公平を著しく害する」などと指摘し、追徴課税は妥当と判断していました。

相続税の申告をしている税理士にとっては、注目されていた案件の判決が出ました。
国側が敗訴することを期待していたのですが、残念な結果となりました。
残念な結果となったのは仕方ないですが、『租税負担の公平』と言われても非常に難しいので、どういうケースだと『伝家の宝刀』(いわゆる総則6項)を使うのかということを明確にしてほしかったと思います。
そうしないと、税理士も通達に基づいて申告をしてもアウトと言われる可能性があり、何に基づいて計算すればいいのだろうかということになってしまいますので。
きちんと説明しておかないと(きちんと説明していても?)納税者から訴えられるリスクがありますし、保守的な方を取っているとあの税理士は保守的すぎると批判されるかもしれませんし、他の税理士に更正の請求をされて万が一通ったら信頼を失うでしょうし、税理士のリスクがあまりにも高いように思います。

注目のマンション相続課税は「伝家の宝刀」抜いた国の勝訴が確定したことについて、どう思われましたか?


税務署が「亡くなった人の印鑑」を厳しくチェックする理由!

ダイヤモンド・オンラインによると、大切な人を亡くした後、残された家族には膨大な量の手続が待っています。
しかし手続を放置すると、過料(金銭を徴収する制裁)が生じるケースもあり、要注意です。
また、国税庁によれば、2019年7月~2020年6月の事務年度において、税務調査を受けた家庭の85.3%が修正となり、1件当たりの平均追徴課税(申告ミス等により追加で課税される税金)は、なんと641万円でした。
税務署は「不慣れだったため、計算を間違えてしまった」という人でも容赦しません。

●税務署が「印鑑」を徹底的に調べる理由
税務調査が行われると、「今、この家にあるすべての印鑑を出してもらえますか?」と言われます。
指示に従い、印鑑を渡すと、調査官は「印影をいただきますね」と言いながら、印影を取っていきます。
このとき、最初の1回目は朱肉を使わずに印影を取ります。
おっちょこちょいな調査官なのかと思いきや、これはあえてそのようにしているのです。
朱肉を使わずに印影が取れた場合、その印鑑は最近使用したと推定されます。
税務調査は、実際に相続が発生してから2年後くらいに行われます。
故人の実印は、基本的に亡くなった後に使う機会はなくなるはずです。
それにもかかわらず、故人の実印が最近使われたというのは、契約書のバックデイト等の疑いが浮上します。
バックデイトとは、過去から契約書が存在するように見せかけて、本当は日付を遡って契約書を作成するという文書偽造行為です。
昔から贈与契約書があったと見せかけるために、税務調査直前に贈与契約書を偽造する人がいるので、このような調査が行われます。

●調査官は、既に知っていることも質問する
事前に調べていて調査官が知っていることでも、知らないふりをして質問してきます。
これは、調査を受けている相続人が嘘をつく人なのかどうかを調べるために行います。
調査官に嘘をつくような人には、重加算税という非常に重いペナルティが課されるので、そういったことは絶対にしないようにしましょう。
国は、みなさんが大体どのくらいの財産を所有しているか把握しています。
国税庁には、国税総合管理(KSK)システムという巨大なデータベースがあり、全国民の毎年の確定申告(サラリーマンの場合は給与の源泉徴収票)の情報や、過去にどのくらいの遺産を相続したか等の情報が集約されています。
その情報をもとに、「この人はこれくらいの財産を持っているだろう」という理論値を計算します。
税務調査に選ばれるのは、KSKシステムが弾き出した理論値と、実際に申告した遺産額に大きな乖離がある方です。

(本原稿は、橘慶太著『ぶっちゃけ相続「手続大全」ーー相続専門YouTuber税理士が「亡くなった後の全手続」をとことん詳しく教えます!』を編集・抜粋したものですが)そこで、みなさんに強く推奨したいことが2つあります。
1つ目は「税務署の影に怯えながら、故意に違法なことをするのではなく、合法的な相続税対策をしたほうがいい」ということ。
2つ目は「税務調査では嘘をつかずに誠実に対応したほうが、良い結果になりますよ」ということです。

僕も税理士として年間数件、相続税申告のお手伝いをさせていただいているため、それなりに相続税の税務調査の立ち会いもしています。
そこで感じるのは、まずは、隠さずに申告したほうが安く付きますよということです。
税務調査で、何か出てくると、財務調査が長引いて精神的にも良くないですし、重加算税や過少申告加算税や延滞税、税務調査立ち会いや修正申告の我々税理士の報酬を考えると、明らかです。
次に、事前にきちんと対策をしておけば、こんなことにならなかったのにということです。
ちょっとした事前対策をしておけば相続税は抑えられたのになぁとか、なぜこの対策をしたのだろう?と思うことが多々あります。
これらを避けるためには、早めにきちんとした対策を時間をかけて行うということだと思います。

税務署が「亡くなった人の印鑑」を厳しくチェックする理由について、どう思われましたか?


「おひとりさま」の相続で重要な2つのポイント!

幻冬舎ゴールドオンラインによると、近年増えている、生涯所帯をもたない「おひとりさま」ですが、自身の相続の生前対策として、どのような手続きをとっておくべきなのでしょうか?
誰が相続人となるのか、また自分が認知症などで財産管理が出来なくなった場合の対処法について、相続に詳しいAuthense法律事務所の柳川智輝弁護士が解説しています。

おひとりさまと言われる独身者の相続では、生前に何も対策をしていないと、財産の把握などができず、相続手続きが非常に難航することが多いです。

また、独身者の場合、直系尊属(父母や祖父母)がいない場合は、兄弟姉妹が相続人となるため、相続人と被相続人(ご本人様)間、相続人同士の関係が疎遠で、うまく話し合いが進まず、遺産分割調停などの裁判所を使った手続きとなることも多いです。

また、最近は、高齢化が進んでいるため、独身の方が認知症などで自身での財産管理や施設との契約行為が困難となった場合に、誰が財産管理や身の回りの世話をするのかという問題も生じます。

そのため、独身者の相続対策では、
1.財産の承継先を決めておくこと、
2.自分の判断能力が無くなった場合に備え、財産管理や身の回りの世話を依頼する人を決めておくこと
が重要となります。

ここでは、1.2.について、詳しく解説していきます。
1.財産の承継先を決めておく
<自分の相続人を把握する>
独身者の相続では、遺言書などを作成し、財産の承継先を決めておくことが重要になります。
そのために、まず、自分の相続人が誰か把握するようにしましょう。
直系尊属(父母や祖父母)がいる場合は、直系尊属が法定相続人となります。
直系尊属が亡くなっている場合は、兄弟姉妹が法定相続人となります。
法定相続人となる兄弟姉妹には、父母が同じ兄弟姉妹だけでなく、父母の一方が同じ兄弟姉妹も含まれますので、注意が必要です。
例えば、自分の父が再婚で、前妻との間にも子どもがいる場合は、その前妻との間の子どもも異母兄弟となりますので、法定相続人に該当します(ただし、法定相続分は、父母が同じ兄弟姉妹の2分の1)。

<財産目録・遺言書を作成>
次に、自分が所有する財産の財産目録を作成しましょう。
自分に万が一のことがあった場合、財産がどこにあるか分からず、残された方が非常に苦労する場合もあります。
また、財産を誰に承継させるかを決めましょう。
法定相続人が兄弟姉妹となる場合、遺留分(遺言内容にかかわらず、相続人が最低限相続できる相続分)は生じませんので、生前に遺言書を作成しておくと、遺された方で紛争が生じる可能性は非常に低くなります。
そのため、財産を誰に承継させるかを決めて、遺言書を作成しましょう。
遺言書は、主に自筆証書遺言(手書きの遺言)と公正証書遺言(公証人が作成する遺言)がありますが、公正証書遺言がお勧めです。
というのも、公証人が作成するため、遺言の内容の誤りが少なく、遺言能力(遺言を作成できる判断能力があること)も問題になりにくいため、遺言書を巡って争いが生じにくいからです。
また、遺言書作成時には、遺言執行者(遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人)も指定しておきましょう。遺言執行者は、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などを指定することも可能ですので、財産を承継する人が、相続関係の手続きに不慣れな場合は、専門家を指定すると良いでしょう。

2.財産管理・身の回りの世話をお願いする人を決める
<後見制度を活用する>
高齢になってくると、財産管理や施設入所や病院の手続きなどを一人で行うことが難しくなってきます。
最近では、高齢者を狙った詐欺事件も多く、より一層財産管理に注意しなければならなくなりました。
高齢になり、判断能力が不十分となると、後見制度を活用することになります。
後見制度には、任意後見制度と法定後見制度があります。
任意後見制度は、将来自分の判断能力が不十分になったときに備えて、予め、依頼する後見事務の内容を定め、自身にかわりその事務を行う人(任意後見人)を決めておく制度になります。
法定後見制度は、既に判断能力が不十分の方の保護のために後見人を選任する制度になります。
両制度の大きな違いは、任意後見制度では、任意後見人や後見事務を本人が決めることができますが、法定後見制度は、家庭裁判所が後見人を選任し、後見事務の内容は法律で定めるとおりになるという点になります。
そのため、自分の財産の管理方法や生活状況について、自分の意向を反映させたい場合は任意後見契約がお勧めです。
独身者財産管理については、判断能力が不十分となった時点で後見人(任意後見人)が介入するという後見制度では不十分な場合も多くあります。
そのため、例えば、判断能力はあるけれども、高齢のため、多額の財産の管理は心配だという場合は、財産管理委任契約を締結して、信頼できる親族又は専門家に財産の管理を依頼する契約を締結することもできます。
また、定期的に面談したり連絡をとったり、生活状況や健康状況の把握をしてもらうことで見守りをしてもらう、見守り契約を専門家との間で締結することも可能です。この見守り契約では、契約内容によっては緊急時の連絡先になってもらったり、トラブルへの対応などをしてもらうこともできます。
基本的に、本人の死亡により後見契約は終了するため、相続発生後の葬儀や後片付けなどの死後の事務を依頼する死後事務委任契約を、親戚や専門家との間で締結しておくことも可能です。
死後事務委任契約にて、どの葬儀社に依頼するか、葬儀の規模や読経をお願いするお寺などを決めておくことも可能です。

独身者の相続では、法定相続人を正確に把握し、財産の承継先をしっかりと決めておくことが大事になります。

もし、身の回りの世話をしてくれている甥や姪に財産を承継させたいという場合は、自分の両親や兄弟が生きている場合、甥や姪は法定相続人になりませんので、その甥や姪に確実に財産が承継されるよう遺言書に記載をしたり、その甥や姪を受取人とした生命保険に加入しておくと良いでしょう。

また、自身で自分の財産を全て把握することもなかなか大変です。
最近は、ネット口座などもあり、財産の把握に苦労することもありますので、専門家に確認しながら、財産目録を作成すると良いでしょう。

さらに、任意後見契約や死後事務委任契約をどのような内容にするかについて、自分の希望を専門家に伝え、それをうまく契約の内容に入れてもらうことが必要です。

手続きを依頼する専門家を決め、納得のいく契約書を作成するようにしましょう。

これらの手続きは、生前かつ判断能力があるときでないと行うことはできませんので、なるべく早めに相続や後見制度に詳しい、弁護士、司法書士や行政書士などに相談をして、手続を進めると良いでしょう。

おひとりさまの相続は、生前の対策が不可欠となります。
また、遺言書や様々な契約書の作成が必要となりますので、相続に強い弁護士に早めに相談をして、納得のいく対策を一緒に検討してもらうことをお勧めします。

以前は、こどもがいないご夫婦の場合、相続対策が必要と言われていましたが、一歩進んで、おひとりさまも同じですね。
おひとりさまは増えていますし、家族がいる方よりさらに財産の把握が難しいので、早めの対策が必要ですね。
この記事では(意図的なのか知識がないのか分かりませんが)触れられていませんが、家族信託も使えると思います。

「おひとりさま」の相続で重要な2つのポイントについて、どう思われましたか?


路線価に基づかない相続課税の是非につき最高裁が司法判断へ!

日本経済新聞によると、実勢価格より大幅に低い路線価に基づいて相続財産を評価することが適切かどうかが争われた訴訟で、最高裁第3小法廷(長嶺安政裁判長)は、先日、当事者の意見を聞く上告審弁論を2022年3月15日に開くと決めました。
二審・東京高裁は、路線価が大幅に低い場合は路線価による財産評価は不適当だとする国の主張を認めましたが、最高裁が改めて考え方を示す可能性があります。

国税庁が相続財産の算定基準のひとつとする路線価は、土地取引の目安となる公示地価の約8割とされており、実勢価格より低いのが一般的です。
このため節税目的で不動産を購入する富裕層も多くなっています。
今回の事案は実勢価格から大きくかい離した路線価を基にした相続財産の評価が問題となった訴訟で、関係者の間で大きな注目を集めていました。

原告は、故人が銀行から融資を受けて購入した不動産の相続人です。
一、二審の判決での事実認定などによると、原告は東京都内と神奈川県内のマンション計2棟を相続した際、路線価に基づいて財産を約3億3,000万円と評価しました。
一方、銀行からの借り入れもあったため、相続税額を「ゼロ」として申告しました。

もともと故人が購入した価格は2棟で計13億8,700万円でした。
国税当局の不動産鑑定でも評価は計約12億7,300万円で、路線価とかけ離れていたため、国税当局は「路線価による評価は適当ではない」と判断し、相続人による財産評価を否認し、約3億円を追徴課税しました。
原告側はこれを不当だとして訴えました。

2019年8月の一審・東京地裁判決は、路線価に基づいて申告した評価額について「不動産の客観的な交換価値を示しているかは相応の疑義がある」と指摘しました。
「特別な事情がある場合には路線価以外の合理的な方法で評価されることが許される」として、課税処分は妥当だと判断しました。
2020年6月の二審・東京高裁判決も判断を維持しました。

国税庁は相続時の財産評価のあり方を「財産評価基本通達」で示しています。
不動産なら公表されている路線価などを算定基準としているのです。

ただし、路線価は実態と大きく乖離する場合があることから、同通達6項では「通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は国税庁長官の指示を受けて評価する」との例外規定を設けています。
今回の訴訟で争われた財産を巡っても、国税当局はこの規定を適用し、評価を見直したのです。

最高裁はこの規定の適用について司法判断を示す可能性があり、その内容に関心が集まりそうです。

どういう場合に財産評価基本通達6項が発動されるか明確ではないにもかかわらず、最近は、6項を発動した否認が多くなっています。
あまりにもかけ離れ過ぎているようにも思いますが、どういう場合に6項が認められるのかが明らかになればいいなぁと思います。
今後どうなるか注目したいですね。

路線価に基づかない相続課税の是非につき最高裁が司法判断することについて、どう思われましたか?


相続税調査件数は5割減だが22億円超の申告漏れ例も!

日本経済新聞によると、国税庁は先日、2021年6月までの1年間(20事務年度)に全国の国税局などが実施した相続税の実地調査件数が前年度より52%減の5,106件だったと発表しました。

新型コロナウイルス禍で緊急事態宣言が発令されるなど、対面による調査が困難だったことが主な原因だそうです。

申告漏れ額は前年度比41%減の1,785億円でした。
ただし、大口事案を重点調査したことで、調査1件当たりでは22%増の3,496万円となっています。
追徴税額は47%増の943万円で、過去10年で最高でした。

関東信越国税局は約22億2,000万円の申告漏れを指摘しました。
公益法人を主宰する女性が公益法人名義の投資信託を購入し、相続人の男性は投資信託の管理を女性から生前に任されて申告の必要性を認識していましたが、故意に税理士に伝えませんでした。
相続財産から除外して申告したとして、重加算税を含めて約12億9,000万円を追徴課税しました。

無申告事案の1件当たりの追徴税額も48%増の1,328万円と、集計を始めた2009年度以降で最高となりました。

国税庁は相続税の申告実績も併せて公表しました。
2020年に亡くなった約137万人のうち、財産が相続税の対象となったのは約12万人でした。
課税割合は、相続税の基礎控除額が引き下げられた2015年分以降で最も高い8.8%となっています。

税務調査の手続きの厳格化による調査件数の減少に加え、新型コロナウイルスの影響による調査件数の減少がありますので、相続財産が大きい案件は、税務調査が入ると思っていた方がいいでしょうね。
22億2,000万円も除外するとは、かなり悪質ですね。
この金額で、重加算税を含めて追徴税額が12億9,000万円というのは少なすぎるような気はしますが。
最高税率55%だと、重加算税がこの35%、これに加えて重加算税の場合は申告期限の翌日から延滞税がかかりますので、ほとんど残らないイメージがあります。
やはり、きちんと申告しましょうということです。
相続税の申告の場合、税理士もスポットのことが多いですので信頼関係が築きにくいこと、ご本人が亡くなっていること、いわゆる名義預金などの名義財産が存在することが多いこと、いわゆる都市伝説も多いことなどから、申告漏れが発生する可能性がどうしても高くなってしまいますが。

相続税調査件数は5割減だが22億円超の申告漏れ例もあったことについて、どう思われましたか?


相続金融資産が首都圏へ流入!

日本経済新聞によると、筑波大学などが実施した相続に伴う資産の流れを「見える化」する分析で、東京や周辺部への金融資産の移転が進んでいることが浮き彫りになったようです。
筑波大学の持つ社会工学のノウハウと、民間のデータを組み合わせて分析しました。
人口の都市部への集中で、相続資産も地方から都市部にシフトする傾向が指摘されていますが、今回初めて具体的な数字を示して定量分析しました。

地域科学に関する学際的な研究を進める「応用地域学会」で2021年11月下旬に公表しました。
相続関連サービスのルリアン(京都府京都市)が持つ被相続人が住む市町村、相続財産の額、相続人数、年齢、子供や配偶者の有無などのビッグデータを活用しました。
移動可能な金融資産を「可動産」と定義し、総額を年間34兆円と推計しました。

調査では国の一般会計歳出の3割強に相当する規模の可動産が地域間でどのように移動するのかを分析しました。
国内を「東京都」「大阪府」のほか、埼玉県、神奈川県、愛知県、福岡県の「準都会」、それ以外の「地方」の4地域に分類し、マーケティングで使うOD調査の手法を用いて調べました。

ルリアンが扱う相続データを基に、被相続人が所有していた金融資産の額を人口比や相続件数などを考慮して地域別に計算しました。
東京都の占める割合は約8%、大阪府20%、準都会32%、地方は約40%になりました。

一方、相続を受けた後の金融資産額の地域別の割合は、東京都が約11%、準都会が約34%で、被相続人の金融資産の割合を上回り、資産が他の地域から移転してきたことがわかります。
逆に大阪府は約16%、地方は約39%で相続に伴って他の地域に流出したと判断できます。

大阪府の占める割合が比較的高いのは、「ルリアンの営業地域が関西地盤という点が影響している」(小西弘樹取締役)。
さらに「東京都は不動産が資産に占める割合が高めで、金融資産だけをみると比率が小さくなる傾向がある」(同)が、「全体のトレンドをみるには問題ない」(同)そうです。

東京都は、地域外から流れ込む金融資産の割合が53.5%で唯一、過半を占めました。
地方の可動産の8.4%が東京に、9.2%が準都会に移転するなど、金融資産が地方から東京都や周辺部などにシフトしているのです。

都道府県別に相続前後で金額がどう変化したかを分析すると、流入額(1案件当たり)のトップは神奈川県の81万1,000円です。
次いで東京都65万4,000円、千葉県35万7,000円など首都圏の自治体が上位3位を占めています。
逆に流出額が多いのは、長野県の96万1,000円、群馬県の31万3,000円などとなっています。

相続人となる子供が地方から首都圏に移動し、配偶者を亡くした人が地方から都会に住む子供を頼って引っ越す例が増えています。
これに伴い、相続資産も都市部に移動する傾向があることはこれまでにも指摘されてきました。
今回の分析は具体的なデータで資産の流れを裏付けた形です。

分析を指導した筑波大学の大沢義明教授は、「都会に流入している相続税の地方への再配分を検討するなど、地方創生につながる政策提言に生かしていきたい」と話しています。

僕も職業柄、相続税の申告を何件かお手伝いさせていただいておりますが、最近は、相続人の方が首都圏に住まれているケースが多いように感じていますので、当然の結果だとは思います。
当然、相続だけでなく、贈与も世の中ではたくさん行われているわけですから、相続財産に限らず、金融資産が首都圏に流入しているのでしょう。
地方に住む僕としては、地域活性化のためにも、地方で有効な資産運用の方法がないかなぁと日々考えています。

相続金融資産が首都圏へ流入していることについて、どう思われましたか?


岩手県内3行が金融資産の相続手続き書類を共通化!

岩手日報によると、岩手銀行、北日本銀行、東北銀行の岩手県内地銀3行は10月1日から、預金や投資信託など金融資産の相続手続きの書類を共通化するそうです。

これまでは各行で記入する書式や提出する書類が異なっており、利用者が煩雑な手続きに戸惑うケースもあったようです。
高齢化社会で相続手続きは増加傾向にあり、競争関係にある地銀が協力して利用者の負担軽減を図ります。

亡くなった人の預金などを家族らが受け取る場合は、金融機関での相続手続きが必要になります。
その際に必要となる用紙は記入する書式が異なり、提出を求められる書類も一部で違っていました。

これらを共通化し、遺族ら相続する利用者の必要な作業をできる限り統一します。
ただし、手続き自体は各行で行う必要があります。

徐々に同様のことが増えていっていますが、地銀側の都合で決めていたものが、利用者の利便性を考えて共通化されるということは良いことだと思います。
口座は地銀だけではないと思いますので、特定の県の中だけではなく、メガバンクや信金なども含め、全国的に統一したらよいのではないかと思います。

岩手県内3行が金融資産の相続手続き書類を共通化したことについて、どう思われましたか?


「二世帯住宅」「アパート経営」に関して相続でよくある失敗とリスク回避法!

マネーポストWEBによると、相続には様々な“特例”があり、それを活用した相続税対策も多いですが、注意が必要です。
たとえば、親と同居する子が自宅を相続する場合、「小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)」が適用され、土地(330平方メートル以内)の相続税評価額が8割減(言い換えれば2割の評価)となります。

その特例を使おうと、父親の土地に二世帯住宅を建て、1階を父親、2階を長男の名義としたものの、父親の死後、「同居」とは認められず、特例の適用を受けられなかったというケースがあります。

相続専門の税理士法人レディング代表の木下勇人税理士が解説しています。
「これはよくある失敗で、二世帯住宅が階ごとの区分所有となっていると、“同じマンションの別室に住んでいる”のと同様に解釈されてしまい、原則として同居とみなされない。
建物を区分所有登記にするのではなく、親と長男の2分の1ずつの共有名義にすると、特例が適用できる可能性が高まります。ただ、登記変更は土地家屋調査士などに依頼する必要があり、手間もコストもかかるので、それに見合うかは要検討です。」

小規模宅地等の特例は、節税効果が高いので活用したくなりますが、かえって損をするリスクもあるのです。

年老いた母親は、相続税対策でアパートを経営していました。
賃貸アパートが建つ「貸付事業用宅地等」は相続の際に小規模宅地等の特例が適用され、200平方メートルまでの敷地の相続税評価額が最大50%削減されるからです(ただし、特定居住用宅地等には制限があります。)。

ところが、建てて10年後には空き部屋だらけにというケースがあります。

「とくに地方ではこうした相続税対策の事例が目立ちます。代々受け継いできた土地があって、毎年の固定資産税ばかりがかさむといった場合、業者から勧められるままにアパート経営に手を出してしまうことがある。
ただ、地方では需要が少ないため、築10年を超えたあたりから経営が厳しくなりがちです。自己所有の土地に借金をしてアパートを建てていれば、たしかに相続財産は圧縮されて相続税は安くなります。小規模宅地等の特例を使うなどして、相続税がゼロになることもあるでしょう。
ただ、空室だらけのアパートは相続人にとってマイナスの資産でしかない。売却しようにも金額を相当下げなければ買い手はなかなか見つかりません」(木下氏)

“負の遺産”を残すようでは、対策は失敗でしょう。

この2つに限りませんが、安易な節税策を結構目にします。
特に、後者のアパート経営は、あまり勧めていません。
地方だと、土地を持っていて、どうしてもその土地の有効活用がしたいというときで、アパート経営として成り立つと思うのであれば、やってくださいというスタンスで相談に乗ったり、提案しています。
木下氏の言うように、マイナスの資産になりかねませんので。
個人的には、お金があるのであれば、都会の区分所有不動産に投資する方が良いと思っています。
あとは、相続対策で、非上場会社の株式を毎年110万円の範囲内でたくさんの方に贈与して移していっているケースも結構目にしますが、現在は、経営権が重要なため、できるだけ株主は少なくというのが主流だと思いますので、疑問を感じますね。
対策にも、時代に合った流行り廃りがあると思いますので、慎重な検討が必要だと思います。

「二世帯住宅」「アパート経営」に関して相続でよくある失敗とリスク回避法について、どう思われましたか?


親の介護で苦労しても相続で報われるケースがほとんどない理由!

マネーポストWEBによると、遺産相続において、介護を担った相続人には「寄与分」が認められるとされていますが、実際には認められないケースは少なくないようです。

そのリアルケースを見てみましょう。
ひとり暮らしをする高齢の父の近所に住む50代の長女は、食事や洗濯、デイサービスセンターへの送り迎えなど、父の身の回りの世話を続けてきました。
父の死後、遺産分割協議では介護を負担した分、多く相続することを長女は求めましたが、2人の弟は「遺産は均等に分けるべきだ」と反発し、弁護士を交えて話し合うことになりました。

「このような事例では、長女が単に親の面倒を見たということだけでは寄与分(相続人等が、被相続人に対して特別の貢献をしていた場合、遺産分割に反映させる制度)の主張は、認められない可能性が高いでしょう」
そう解説するのは、1級ファイナンシャル・プランニング技能士で、『トラブルの芽を摘む相続対策』などの著書がある吉澤相続事務所代表の吉澤諭氏です。

「基本的に、子供が親の面倒を見るのは当たり前のことと理解されます。長女は“弟たちは一切、親の世話をしなかった”と主張するかもしれませんが、たとえ弟たちが何もしなかったとしても、長女がやったことは当然のこととされ、相当な寄与がない限り寄与分はないということになるのです。
親の面倒を見て寄与分が認められるケースは、例えば徘徊を防ぐために24時間見守っていたとか、仕事を辞めてまで親の世話をせざるをえなかった、などになります。
デイサービスの送り迎えをしたといっても、デイに預けている間は面倒を見ていなかったわけですし、そもそも送迎だけでは寄与を主張するのは難しいでしょう」

ただし、高齢の親の目線で考えても、介護してくれた子供が報われないという状況は望まないのではないでしょうか?
それではどうすればいいのでしょうか?
吉澤氏が続けています。

「たとえば、親が元気なうちに遺言書を残して長女の取り分が多くなるようにしておくとか、生命保険の受取人を長女にしておくといった選択肢があります。先に長女に生前贈与しておくことも考えられるでしょう。つまりは、子供の側が“親を介護したんだから多く相続できるだろう”と考えるだけでは不十分で、親の側が“感謝しているから多く残したい”と思っていなくてはならないのです。
仮に親がそうした意思を残しておらず、介護した子供が寄与分を主張するためには、“通常の限度を超えて多大に貢献した”と言えるような事実を示す資料を残しておくことです。1時間ごとのタン吸引を1年以上続けたとか、寝たきりの世話を2年続けたとか、細かく日記をつけておくなどして、他の兄弟が納得して寄与分を認めるようにするしかないでしょう。それでも認められない場合は裁判に持ち込むしかありませんが、認められるハードルは高いと思ってください」(吉澤氏)

超高齢社会を迎えるにあたって、多くの家族にとって他人事ではないでしょう。

遺産分割の際に、もめる理由として多いものがいくつかあると思いますが、そのうちの一つが、この介護の問題だと考えています。
これが原因で、仲の良かった兄弟姉妹の仲が悪くなるというのはとても不幸なことだと思いますので、やはり、生前に、親御さんがお元気なうちに、きちんとお子さんに説明をしたうえで、遺言書で介護をされているお子さんの分を増やすのが一番良いのではないかと思っています。
そこでの注意点は、相続人ではないお子さんの配偶者は話し合いの場には入れないことだと思います。
相続で重要なことは、何事も、お元気なうちから早めにということだと思います。

親の介護で苦労しても相続で報われるケースがほとんどない理由について、どう思われましたか?


最強の相続税対策は「家族仲良く円満に」!

DIAMONDonlineに、橘慶太税理士が書いています。
コロナ禍では、お金を増やすより、守る意識のほうが大切です。
相続税は、おひとりにつき1回しか発生しない税金ですが、その額は極めて大きく、無視できません。
家族間のトラブルも年々増えており、相続争いの8割近くが遺産5,000万円以下の「普通の家庭」で起きています。

「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」、橘税理士の大好きな相田みつをさんの言葉だそうです。
橘税理士はこれまで数多くの相続の現場に立ち会ってきましたが、「この言葉の通りになるなぁ」と感じることが多々あるそうです。

小規模宅地等の特例を始め、相続税にはたくさんの特例がありますが、その特例を使うには「遺産分割が決まっていること」が条件になります。
他にも、家族全員の足並みが揃っていれば、生前贈与や生命保険の活用など、相続税対策はいくらでもできます。

一方で、相続トラブルが起きた場合は、相続税の特例が使えないのはもちろん、弁護士費用などの余計なコストが発生する可能性もあります。

さらに、金銭的な負担だけでなく、時間的・精神的エネルギーも相当奪われます。
何とか勝利を収めたとしても、後味のよいものではないでしょう。

最高で最大の効果を発揮する相続税対策は、家族仲良く円満に過ごすことなのです。

以前、とある方の相続税申告の依頼を受け、お父さまの遺産の分け方を、お母さま、長女、二女の3人で検討していたそうです。

しかしながら、その途中でお母さまに重い病気があることが発覚し、緊急入院することになりました。
先は長くないと医師から伝えられたお母さまは、病院に私を呼び、「私がもうすぐ死んでしまうとしたら、娘たちに一番多く遺産を残す方法は何ですか?」と質問されたそうです。

橘税理士が「それはご主人の遺産をお母さまが一切相続しないことです」とお伝えすると、「それでは、そのように主人の遺産分割協議書を作ってきてください」とおっしゃりました。

その後、病院で遺産分割協議書に相続人全員で署名をし、それからしばらくしてお母さまも息を引き取りました。

最後の最後まで娘さんたちのことを思いやる姿に、橘税理士はとても多くのことを感じましたようです。

相続トラブルを抱えている多くの方が「昔は仲良かったんですけどね……」と言います。とある3姉妹の三女から相談を受けました。

「父が元気だったころは、お正月やお盆に家族皆で集まり仲も良かったのに、父が急に他界し、それにショックを受けた母が一気に重度のうつと認知症を併発しました。母の介護をしていた長女は、私たちに『あなたたちも少しは手伝いなさいよ!』と当たり散らすようになり、今では絶縁状態になりました。私たちにはまだ小さい子どもがいて、遠方に住んでいる母の介護まで見れる状態になかったんです……」

今現在、家族の仲が良かったとしても油断しないでください。

「自分の家は大丈夫」と過信してしまうことが一番危険なのかもしれません。
先人たちが落ちた穴に、皆さんは落ちないよう気をつけてくださいね。

僕も税理士として、毎年数件、相続税申告や相続税対策のお仕事をさせていただいておりますが、相続税の申告は、ご家族の仲が良いかどうかで、スムーズにいくかどうかがかなり変わってきます。
また、相続税対策をする場合、ご家族の仲もヒアリングし、仲が悪くなるとできなくなる場合があることをお伝えしていますが、今仲が良いご家族は、たいてい『うちは仲がいいので大丈夫です。』とおっしゃられます。
僕自身も、相続がきっかけでご家族の仲が悪くなるのは、お亡くなりになった方の本望ではないと思いますし、相続税対策は、残す方が、仲が悪くならないような対策を考える場であると常に思って、提案をしています。

最強の相続税対策は「家族仲良く円満に」であることについて、どう思われましたか?


相続や終末期医療を話し合う「家族会議」は参加者が多いと失敗の元に!

新型コロナウイルスのワクチン接種が進むとともに、お盆や年末年始の帰省も増えていくのではないでしょうか?
「抗体獲得後」に、久しぶりに親子が顔を合わせた際、話し合っておきたいことは数多くあります。
マネーポストWEBに、どうやって話を切り出し、何を決めればいいのかが書かれています。

相続や葬儀、終末期医療などは、家族同士でも話題にするのがはばかられることもあるデリケートな問題です。
気軽に“リモートで話そう”というわけにはいきません。
だからこそ、新型コロナの影響は大きいのです。

妻に先立たれ、ひとり暮らしの73歳男性がこう話しています。
「父が亡くなった時は、実家のどこに通帳や現金、重要書類があるかを整理している最中だったので、全財産をきちんと継げたのか判然としなかった。その反省から、息子と娘には面倒をかけないようにと、細かい財産目録を作って3か月に1回更新しています。誰に何を相続させるかも整理して、子供たちが帰省した時に最新のリストを見せていた。ただ、この1年ほどはコロナで子供たちも帰省しないので、その機会がなくなってしまった。」

この男性のようにコロナ前から準備を進めていたのであれば影響は少ないですが、“これから話し合おう”と思っていた家族には、コロナ禍が大きな問題となりました。

ワクチン接種が進めば、ようやく「家族会議」で顔を合わせて話せるようになるでしょう。

相続問題に詳しい公認会計士・税理士の五十嵐明彦氏はこう言っています。
「いたずらに焦っても仕方ありませんが、家族会議をやろうと思っているうちに親御さんの認知症が進行してしまったケースもあるので、早い段階で話し合う場が設けられるとよいでしょう。ポイントのひとつとしては、参加者をしぼることです。息子や娘など、法定相続人に限定し、それぞれの配偶者を入れないほうがスムーズに進みやすい。」

関西在住の78歳男性は一昨年、ケガで入院して手術を受けた後、退院する際に集まった2人の息子とそれぞれの妻の4人を前に、自分が死んだ後の財産分与について話したというが、「失敗だった」と振り返っています。

「長男は東京で就職し、次男夫婦は私と同居している。だから自宅は次男に相続させ、預貯金は2人で分けてほしいと伝えました。自宅を継ぐと、墓を守ったりと色々費用がかかるから、多少、次男に手厚くしたいという話もしました。
すると後日、長男が“配分に納得できない”と言い出したのです。どうも、一緒に話を聞いていた長男の妻から文句が出たようです。コロナが収束したら、息子たちだけを呼んでもう一度、話をしなくてはならないと思っています」

家族会議では、「誰に、どこまで情報を伝えるか」が重要です。
ひとつひとつ確認していきましょう。
まず、家族会議に先立って、財産の内容を整理した一覧を作成します。
預貯金や有価証券、不動産などをリスト化していきますが、その内容を子供たちにどこまで伝えるかは、慎重な検討が必要です。
相続・終活コンサルタントで行政書士の明石久美氏はこう言っています。
「口座番号などの情報を整理して一覧にするのは必須ですが、細かい残高まで記入したほうがいいかはケースバイケースでしょう。金額がはっきり分かったことで、子供たちが遺産をアテにするようになっても困ります。
ただし、子供たちのうちの誰か一人、たとえば同居する長男が親の財産を管理するといった場合は、内容をオープンにしたほうがいい場合もある。子供たちの間で、“不正な持ち出しがあったのでは”といった疑心暗鬼が生じることを防ぐ必要があります」

また、“マイナスの財産”である負債については、亡くなった後に発覚すると家族の手間も負担も増えるので、その存在を家族の誰かに明確に伝えておくことが重要です。

僕も、税理士として、相続税の申告のお手伝い、相続税対策のお手伝いなどをさせていただいておりますが、もめるケースで多いものの1つは、遺産分割協議などに相続人以外を入れるケースだと以前から感じています。
窓口となる方が相続人でないような場合、結構気を使っています。
血のつながった方じゃないと分からない過去の細かいことなどがあり、他人(姻族を含む。)が口をはさむ問題ではないからです。
この辺りは、気をつけて進めていただきたいですね。

相続や終末期医療を話し合う「家族会議」は参加者が多いと失敗の元になることについて、どう思われましたか?


自宅の相続の考え方は「誰に譲りたいか」より「税負担を軽くする」が重要!

自分が亡くなった後、遺産相続を巡って家族がバラバラになる──そんな悲しいことはないでしょう。
そういったトラブルを避けるためには、相続や生前整理について正しい備えが必要なのです。

週刊ポストによると、預貯金などの財産が少ない場合はとくに、「自宅」を巡ってトラブル(争族)になるケースが多いようです。
妻と子の関係が険悪な場合は、分け方でもめないように遺言書で遺産配分を明記しておくことが望ましいです。

相続・終活コンサルタントで行政書士の明石久美氏はこう話しています。
「課税強化によって都市圏でマイホームがあれば相続税がかかる家族もいますから、“誰に譲りたいか”だけでなく“どうすれば妻子の税負担が軽くなるか”を考えたい。
妻がある程度の財産を持っている場合、妻が亡くなった後の『二次相続』で子供たちが大きな税負担を強いられるリスクがある。子供に相続させたほうが得になることもあるので、税理士など専門家に相談して、家族の負担が軽くなる方法を考えるといいでしょう」

遺品整理は手間がかかるため、“生前からの形見分け”も多くなりました。
ただし、特定の人だけを対象にすると、それもトラブル(争族)を招きかねません。

「貴金属などの高価なものは、どの子供たちも欲しがるケースが多い。たとえば娘が2人いて、姉だけを呼んで渡すと、妹はいい気持ちがしません。相続では、そういうちょっとしたことが積もり積もって感情的な争いになりがち。だからこそ、できれば子供全員を呼んで分けてもらうのが望ましい」(明石氏)

“一体なんて死に方してくれたんだ!”と恨まれないために、考えるべきことは多いです。

遺産分割は、金額で考える方も多いのかもしれませんが、分けやすい・分けにくい、換金化しやすい・換金化しにくいといったことも考えないといけません。
相続をきっかけに仲の良いご家族や兄弟姉妹の仲が悪くなってしまうことは、ぜひとも避けたいですね。
そのためには、できるだけ早くから、慎重に検討しましょうね。

自宅の相続の考え方は「誰に譲りたいか」より「税負担を軽くする」が重要であることについて、どう思われましたか?


生命保険の契約で同性パートナーを保険金の受取人にできるのか?

ファイナンシャルフィールドによると、同姓パートナーを受取人に指定できる保険商品が増えているようです。
同姓パートナーを受取人とする保険を契約するためには、どのような手続きが必要なのでしょうか?

昨今、多様性を尊重する考えが広まるとともに、LGBTなど性的少数者のカップルを認めるパートナーシップ制度を導入する自治体が増えてきました。
我がうどん県(香川県)でも増えてきています。
東京新聞 TOKYO Webによれば、2021年4月1日現在、導入自治体数は100に達したということです。

パートナーシップ制度を導入した自治体では、結婚している夫婦と同じ関係の同性カップルが「パートナーシップ証明書」の発行を受けられます。
そして、2015年に渋谷区と世田谷区でこの制度がスタートして以降、それまで親族しか認められなかった生命保険の受取人に、同性のパートナーの指定を認める生命保険会社が増えてきました。
現在は、約半分の保険会社で同性パートナーを受取人にして加入できると言われています。

「パートナーシップ証明書」によって2人の関係が公に認められるようになりましたが、残念ながら法的拘束力がないため、戸籍上の夫婦に認められている権利が認められません。

例えば、万が一どちらかが亡くなったとき、遺された同性パートナーには相続の権利がありません。
そのため、遺産は亡くなった人の親族が相続することになります。
遺言書を遺したとしても、もし亡くなった人の親や子どもがいる場合は、相続の権利を主張(遺留分侵害額請求←昔の遺留分減殺請求)されれば、すべてを同性パートナーに遺せない可能性があります。

その点、生命保険の保険金は、法定相続分とは関係なく、受取人に指定された人が受け取れます。
したがって、自分に万一のことがあった場合にパートナーにお金を遺す方法の1つとして、生命保険の利用が有効となります。

同性パートナーを受取人として認める場合も、生命保険会社によって必要な書類はまちまちです。
大きく分けると、パートナーシップ証明書の提出を必要とするか、会社独自の書類を提出するかの2つに分かれます。

まず、パートナーシップ証明書を必要とする保険会社の場合、住民登録している自治体がパートナーシップ制度を導入していなければ申し込めません。
また、中にはパートナーシップ証明書とともに、任意後見契約や合意契約の公正証書を求める保険会社もあります。

ここで、任意後見とは、将来本人の判断能力が低下した場合などに、本人に代わって法律行為や財産管理などを行う後見人を自ら指名しておく制度です。
公正証書によってパートナーを任意後見人に指名する契約を結び、将来、例えば認知症で判断能力が低下したときなどに、家庭裁判所に申し出て任意後見監督人を選定してもらったうえで、パートナーが後見人になります。

後見人であれば、本人に代わって介護サービスの契約や、本人のために必要なお金を銀行口座から引き出すこともできます。
なお、渋谷区では任意後見契約と合意契約の公正証書がパートナーシップ証明書の条件となっています。

パートナーシップ証明書を必要とせず、所定の書類や住民票などで契約できる生命保険会社もあります。
居住地にパートナーシップ制度がなくても、生命保険に加入できます。
なお、契約の際、訪問して同居実態を確認するケースもあるということです。

ちなみに、自動車保険でも、同性パートナーを配偶者として認める保険会社が出てきました。
これにより、同性パートナーを「夫婦限定」の契約や個人賠償責任保険の補償の対象とすることができるようになります。
また、住宅ローンでも、同性パートナーを連帯保証人として認める銀行や、同性カップルがペアローンを組める銀行が登場しました。

配偶者として税制上の優遇措置が受けられない、相続の権利が認められないなどの不平等はまだありますが、同性カップルを夫婦として認める動きは少しずつ広がっているようです。

日本では、相続においてもそうですが、戸籍にこだわり過ぎているように思います。
時代の流れ・多様性などに対応して、生命保険のように、実態に即したものになっていって欲しいと思いますね。

生命保険の契約で同性パートナーを保険金の受取人にできるのか?について、どう思われましたか?


紀州のドン・ファン元妻逮捕で遺産の行方は?

夕刊フジによると、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家(当時77)を殺害したとして元妻(25)が殺人などの疑いで逮捕されたことで、注目されるのが13億円超の遺産の行方です。
すでに訴訟沙汰になっていますが、今後の捜査も取り分を左右しそうです。

約13億5,000万円とされる遺産について2019年9月、紀州のドン・ファンが全財産を田辺市に寄付するとした遺言書が見つかったとして、田辺市が受け取る方針を明らかにしています。

弁護士の高橋裕樹氏は、「相続人ではない第三者に全額を相続するという遺言でも、妻、子供、親には『遺留分侵害額請求権』が認められている。このケースでは請求権を認められるのは元妻のみで、田辺市と半分ずつ相続することになる」と解説しています。
元妻には6億7,500万円が入る計算です。

これに対し、紀州のドン・ファンの兄ら親族4人は2020年5月、遺言書の無効確認を求めて提訴しました。
訴状によると、遺言はコピー用紙1枚に赤ペンで手書きされたもので、熟慮の末に作成したとは考えにくいとしています。
無効が認められた場合、「元の法定相続に従って遺産が分配され、親族側は4分の1、残りの4分の3は元妻に相続される」と高橋氏は言っています。
元妻の相続分は10億円を上回ります。

しかしながら、元妻の逮捕で状況は一変しました。
民法にのっとり相続人の相続権を剥奪する「相続欠格」という制度があるためです。
前出の高橋氏は「相続欠格の要件の一つに『故意に被相続人を死亡させて刑に処された場合』という項目がある。元妻が殺人罪で起訴され有罪が確定した場合、相続権をはく奪され、焦点は再び遺言の有効性に移る。遺言が有効なら遺産は全額田辺市に、無効と認められれば親族側が全額を分け合うことになる」と話しています。

元妻が今後起訴された場合、公判の長期化が予想されます。
「有罪か無罪か決まるまでは遺産の分割に踏み切ることはできないだろう」と高橋氏は言っています。

これとは別に、元妻は紀州のドン・ファンから引き継いだ会社の資金約3,830万円を詐取したとして、紀州のドン・ファンの知人男性で会社の元監査役から詐欺容疑で告発されています。
事件の影に、金銭問題が見え隠れしています。

真実が何かは僕には分かりませんが、相続って大変ですよね。
お金持ちは、相続人らがもめないよう時間をかけて慎重に相続税対策をしないといけないと思いますし、普通の人でも、相続税はかからなくても遺産分割は必要ですので、相続対策は必要かと思います。

紀州のドン・ファン元妻逮捕で遺産の行方は?について、どう思われましたか?


国税庁がHOYA元社長遺族の遺産90億円の申告漏れを指摘!

2015年に死去した光学機器大手「HOYA」(東京)の鈴木哲夫元社長の遺族が東京国税局の税務調査を受け、約90億円の相続財産の申告漏れを指摘されたことがわかったようです。
国税局は、鈴木氏が保有していたHOYA株を移転させたことによる相続財産の圧縮が、「著しく不適当」と判断した模様です。

過少申告加算税を含む相続税の追徴課税は約50億円で、遺族は既に納税したとみられます。

鈴木氏は2015年6月に90歳で死去しました。
関係者によると、死去する前年の2014年、保有する百数十億円分のHOYA株を資産管理会社「エス・アイ・エヌ」(以下、「エヌ社」といいます。)に現物出資し、エス社の株を取得したのち、エス社はHOYA株を完全子会社の「ティ・ワイ・エッチ」(以下、「ティ社」といいます。)に寄付しました。
ちなみに、いずれも非上場会社でした。

鈴木氏の遺族はエス社株を相続しましたが、相続税は相続財産の価格をもとに算出する必要がありますが、株価が公開される上場企業の株と違い、エス社株は時価が分からないため、独自にその価値を計算しなければなりません。
遺族側はこれを約20億円と算出し、相続税を申告しました。

これに対し国税局は金額が少なすぎると指摘したのです。
遺族側がエス社株の価値の算定に当たり、完全子会社であるティ社が持つHOYA株の存在を十分に反映していなかったということです。

これだけの金額の(結果としてなっていませんが)節税を図っているので、当然、税理士が関わっていると思われますが、少し安易すぎるのではないかと思います。
この手の節税スキームは世の中でたくさん行われていると推測されますが、色々と検討して、きちんとストーリーを描いたうえで実行しないと、損害賠償請求にもつながるのではないかと思います。
ざっくりと言うと、非上場株式の評価は、『類似業種比準価額方式』と『純資産価額方式』というものを用いて行うのですが、一般的に、前者のほうが後者より低い金額になります。
好きにどちらを選んでも良いというわけではなく、原則的に、会社の規模が大きくなると、前者のウェイトが高まり、株価が安くなっていきます。
また、計算上、その会社が『大会社』となると、前者のみを使うことになるのですが、そうなると、その非上場会社の配当・利益・純資産を用いて計算しますので、持っている上場株式の評価は関係なくなります。
それゆえ、相続税が極端に少なくなるのです。
財産評価基本通達6項は、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の評価は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」と定められており、行為計算の否認の条項ではないのですが、課税当局の伝家の宝刀であることには違いありません。資産管理会社へ移すタイミング・理由などを明確にしておかないと節税が目的ということになるでしょうし、時価との乖離が大きい場合は慎重にやらないと、厳しいでしょうね。
もちろん、財産評価基本通達6項も、何がO.K.で何がN.G.というのがまったく分かりませんから、明確なものに変えないといけない時期に来ているのかもしれませんが。

国税庁がHOYA元社長遺族の遺産90億円の申告漏れを指摘したことについて、どう思われましたか?


2020年分の路線価の引き下げが大阪・ミナミの13地域に拡大!

国税庁は、先日、大阪・ミナミ(大阪市中央区)の13地域の地価について、新型コロナウイルスの影響で最大30%近い下落が確認されたとして、相続税などの算出に使う2020年分の路線価を引き下げると発表しました。
引き下げは、2021年1月に続き2回目です。
前回の対象は道頓堀周辺に限られていましたが、今回、難波や船場にまで拡大しました。

路線価は全国の主要道路に面した1平方メートル当たりの土地評価額で、毎年1月1日時点の調査で決められています。
地価の約8割を目安としているため、下落幅が20%を超えると路線価の方が高くなり、算出される税額も高くなってしまいます。
その不利益をなくすため、国税庁は3か月ごとに地価を調べ直しています。

前回の再調査(2020年7~9月)では、心斎橋筋2丁目、道頓堀1丁目、宗右衛門町の3地域の地価が2020年1月と比べて23%下落したことが分かり、路線価を引き下げました。
今回の再調査(2020年10~12月)では、この3地域に加え、難波千日前や日本橋1丁目、南船場3丁目など、計13地域で21~28%の下落が確認されました。

金融庁は、「訪日客の不在が長期化している影響」とし、13地域について、路線価に補正率(0.90~0.98)を掛けて減額します。

今回の再調査では、そのほかに、東京都新宿区の「歌舞伎町1丁目」で15%、名古屋市中区の「錦3丁目」で16%、京都市東山区の祇園で14%程度、神戸市中央区の三宮駅付近で8~13%の下落がそれぞれ確認されましたが、いずれも路線価の引き下げは見送られました。

大阪のミナミは、コロナ前は外国人だらけでしたから、地価が大きく下落していますね。
相続税の計算上は引き下げは嬉しいでしょうが、資産としての価値を考えると厳しいですね。
それ以外の、新宿の歌舞伎町、名古屋の錦3丁目、京都の祇園、神戸の三宮駅付近も地価と路線価が近づいているわけですね。
まだまだ新型コロナウイルスは収まらないでしょうから、2021年分の路線価はかなり下がるでしょうね。

2020年分の路線価の引き下げが大阪・ミナミの13地域に拡大したことについて、どう思われましたか?


亡くなった人の銀行預金をおろす方法!

DIAMONDonlineに橘慶太税理士の記事が載っていますが、相続が発生すると、その方の預金口座は凍結されます。
預金の払い戻しを受けるためには、相続人全員の同意と印鑑が必要でした。

そのため、「相続人同士の仲が悪い」「遠方にお住まいのため共同で手続きができない」ときなどは、故人の預金を引き出すことができず、当面の生活費や葬儀に充てるための費用を工面できませんでした。

そこで2019年7月より、預金の払い戻し制度が始まりました。
これにより、相続発生後に凍結されてしまう銀行口座について、相続人の同意がなくても一定の金額を払い戻すことができるようになりました。

一定の金額とは、各銀行の相続開始時の預金額に3分の1と、その相続人の法定相続分を乗じて計算した金額とされており、その金額が150万円を超える場合は150万円が上限となります。

例えば、相続人が子ども2人であれば、各相続人の法定相続分は2分の1ですので、仮に預金額が600万円であれば、600万円×3分の1×2分の1=100万円となるので、100万円を払い戻すことが可能です。

もし、預金額が1,200万円であれば、1,200万円×3分の1×2分の1=200万円となり、150万円を超えているので、払い戻せる金額は150万円になります。

また、遺産分割協議が難航し、調停や審判を行う場合で、家庭裁判所が必要性を認めた場合には、この金額を超える部分の引き出しも認めてもらえるようになりました(仮分割の仮処分の要件緩和)。

当初、使いやすそうな制度に思えたのですが、実際の手続きには、法定相続分を明らかにするために、亡くなった方の出生から死亡時までの戸籍謄本と相続人全員の戸籍謄本が必要です。
申請してから振込までに2週間以上かかる銀行もありますので、葬儀費用に充てるには間に合いません。

ただし、葬儀費用のためではなく、当面の生活費の確保のためということであれば、とても有効な制度と言えるでしょう。

なお、この払い戻したお金を葬儀費用に充てる場合はいいのですが、もしも、相続人の自分の生活費に使った場合には、相続放棄ができなくなってしまいます。
そういった面でも、この制度の利用は慎重に考えなければいけません。

ちなみに、ちょっと悲しい話ですが、葬儀費用を誰が負担すべきかを争った裁判は過去にいくつかあります。
裁判の結果、①相続前から葬儀社との間で負担者が決まっていた場合にはその人、②相続人の話し合いで負担者が決まればその人、③話し合いで決着がつかない場合には、喪主負担とすることが通例となっています。

このあたりの知識も持っておいて損することはないでしょう。

以前から、亡くなってから葬儀費用を預金から引き出そうとすると、口座が凍結されて引き出せないということはよく耳にするせいか、相続税申告のお手伝いをしていると、最近は、亡くなる直前や、亡くなった直後に預金を引き出しているケースをたまに目にしていましたが、こういう制度もありますので、知っておくことは重要ですね。
あとは、亡くなる直前に引き出しても、亡くなったときに残っていたものについては相続財産になりますので、申告漏れがないようにしたいですね。

亡くなった人の銀行預金をおろす方法について、どう思われましたか?


「借金すれば相続税対策になる」に騙されるな!

ダイヤモンドオンラインに、橘慶太税理士の記事が載っています。
コロナ禍では、お金を増やすより、守る意識のほうが大切です。
相続税は、1人につき1回しか発生しない税金ですが、その額は極めて大きく、無視できません。
家族間のトラブルも年々増えており、相続争い(争族)の8割近くが遺産5,000万円以下の「普通の家庭」で起きているのです。

ちまたでよく聞く「借金をすれば相続税対策になる」という話を考察していきましょう。
結論から言うと、この話は嘘です。
不動産を購入するから相続税が減るのであって、借金やローン自体に相続税を減らす効果があるわけではありません。
手元に余裕資金のある人は、手元の預金で不動産を買っても、借金して不動産を買ったとしても、減る相続税の金額は同じです。
つまり、相続税対策のために無理にローンを組む必要はないのです。

ただし、生活費や将来の相続税の納税資金を残しつつ、規模の大きめな不動産を買いたい方は、あえてローンを組んで不動産を買うのもよいでしょう。

不動産を買うために手元の資金をほとんど使い、相続税の支払いに充てる資金を無くしてしまった場合は、①延納(税金の分割払い)、②銀行から借金をして相続税を払う、このいずれかを選ばなければいけません。
銀行は、相続税を払う目的でもお金を貸してくれますが、一般的にこの場合の金利はかなり高く、年利3~10%前後になることが多いです。
ちなみに、延納の利子税は1%前後で銀行の金利よりも安いです。
しかしながら、延納は、当面の生活費(3か月分)だけの金銭を残し、それ以外の金銭はすべて納税に充て、それでも賄い切れない部分にだけしか認められません。
非常に厳しい制度なのです。

一方、不動産を買うためのローンは、不動産に抵当権を設定される代わりに、金利は比較的安く、自宅として使うなら住宅ローン控除が使え、投資用として使うなら利息は経費として扱えます。
相続税を払うための借り入れに比べてかなり得です(相続税を払うための利息は経費にできません)。
そういった意味でも、あえてローンを組んで余裕資金を確保しておくのも一つの手です。

「相続争いは金持ちだけの話」ではありません。
実は「普通の家庭」が一番危ないのです。
2018年に起こった相続争いの調停・審判は1万5,706件。
そのうち、遺産額1,000万円以下が33%、5,000万円以下が43.3%です。
つまり、相続争いの8割近くが、遺産5,000万円以下の「普通の家庭」 で起きています。
さらに、2000年から2020年にかけての20年間で、調停に発展した件数は1.5倍以上に増えており、今後もさらに増えていくことが予想されます。

なぜ、普通の家庭で相続争いが起こるのでしょうか?

「財産がたくさんある家庭」が揉めると思われがちですが、それは間違いです。
揉めるのは 「バランスが取れるだけの金銭がない家庭」 です。
例えば、同じ5,000万円の財産でも、「不動産が2,500万円、預金が2,500万円」という家庭であれば、一方が不動産を、もう一方は預金を相続すれば問題ありません。
ところが、「不動産が4,500万円、預金が500万円」ならどうでしょうか?
不動産をどちらか一方が相続すれば、大きな不平等が生じます。
こういった家庭に相続争いが起こりやすいのです。

多くの方が「私たちの家庭事情は特殊だから」と考えがちです。
しかしながら、相続にまつわるトラブルには明確なパターンが存在します。
パターンが存在するということは、それを未然に防ぐ処方箋も存在するのです。

記事には書いていませんが、相続財産が少ないほどもめる件数が多いというのは、分母がそもそも違うという面はあるのかもしれませんが、相続財産がそれなりにある方は、相続対策をしているということだと思います。
あとは、相続税がかかるかかからないかを問わず、遺産分割、つまり、財産を分けることはしないといけないからです。
僕も良く言っていますが、『借り入れをすれば相続税が安くなるというのはウソ!』など、間違った知識をお持ちの方も多いのも事実かと思います。
『うちは関係ない。』と思わずに、早めに相続対策はしましょうね。

「借金すれば相続税対策になる」に騙されるなということについて、どう思われましたか?


10年分の管理費相当額の納付で相続した土地を国有化できる制度案!

2021年03月26日(金)

読売新聞によると、政府は、先日の閣議で、所有者不明土地問題の解消策を盛り込んだ民法などの改正案を決定しました。

相続登記や住所変更登記の申請を義務化することなどが柱です。

今国会での成立を目指し、2023年度にも施行するようです。

改正案では、相続人が相続した土地を手放したい場合、権利関係に争いがないなどの要件を満たしていれば、10年分の管理費相当額を納付することで、土地を国有化できる制度も新設するようです。

土地の所有者が特定できない場合、裁判所が管理人を選定する制度も設けました。

僕も、年間数件、相続税の申告のお手伝いをさせていただいておりますし、相続税対策のお手伝いもさせていただいておりますが、亡くなられた方が農家、相続人がサラリーマンというケースが結構多く、空き地を含めて、相続した土地をどうするか?ということが問題となることが多いです。
都会の違い、地方は土地が簡単には売れないからです。
また、最近は、相続人が県外にお住いのことも多く、なおさら、土地をどうするか?ということが悩ましい問題になります。
こういう制度ができると、選択肢の一つとして、すごく良いと思います。
管理費相当額がどれくらいになるのかが、この制度が使われるか使われないか、重要な気はしますが。

10年分の管理費相当額の納付で相続した土地を国有化できる制度案について、どう思われましたか?


少子高齢化時代反映し相続人のいない方の国への遺産漂流が603億円!

産経新聞によると、財産を残して死亡したものの相続人がおらず、換金の末に国が引き取った遺産の額が令和元年度は603億円に達し、わずか4年の短期間で約1.4倍に急増したことが、先日、最高裁への取材で分かったようです。
少子高齢化の影響とみられます。
遺産を残した人の思いとは裏腹に、国による「相続」を阻もうとした身内が、遺言書を偽造するなど不正に手を染めるケースもあるようです。
自らの死後、誰に何をどれだけ渡したいのか、早めの相続準備が求められていると言えるでしょう。

故人が遺言書を残さず死亡した場合、民法の規定に基づき、遺産は「法定相続人」が遺産分割協議で相続します。
配偶者は常に相続人となり、ほかの血族については子、孫、親などの順で相続します。
兄弟姉妹が死亡していれば、その子に当たる甥(おい)や姪(めい)にも相続権があるものの、遺言書がある場合を除き、いとこを含む遠縁の親族には権利がありません。

相続人が存在しない遺産については、行政機関などの申し立てを受け、家庭裁判所が選任する相続財産管理人が整理します。
法定相続人のほか、内縁の妻や、介護を続けた「特別縁故者」がいないことを改めて確認し、不動産などは現金化した上で国庫に入れます。
ある法曹関係者は「少子高齢化を背景に、身近な親族や晩年の世話をしてくれる人がいないまま亡くなる人は増えている」と説明しています。

最高裁によると、相続人不在で国が「相続」した遺産の金額は、右肩上がりで増加しています。
平成27年度は約420億円でしたが、平成30年度は過去最高額の約627億円に。令和元年度は約603億円と前年よりもわずかに減少したものの、対平成27年度比で約1.4倍に増えました。

故人が遺言書を残していれば、法定相続人以外の人でも遺産相続は可能です。
このため、遺言書の偽造トラブルが後を絶たないようです。

関係者によると、兵庫県内で法律事務所を営んでいた40代の元男性弁護士は2020年初め、亡くなった大阪府内の女性が残した約2億円の遺産を相続できないか、との相談を女性のいとこから受けました。

元弁護士は「(故人の)全財産をいとこに包括遺贈する」とした文案をいとこに示し、いとこが女性の筆跡をまねた手書きの遺言書を実際に偽造しました。
2020年5月に大阪家裁に提出し、相続できるようにしました。

ところが、その後偽造が疑われ、兵庫県弁護士会の調査に元弁護士は不正を認めました。
「遺産をいとこに遺贈させた方が故人の遺志を反映できると思った」などと説明しましたが、元弁護士は、有印私文書偽造・同行使などの罪で在宅起訴され、2020年11月に懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受けました。

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所がまとめた「50歳時での未婚の割合」によると、平成27年で男性は23.37%、女性は14.06%と、それぞれ過去最高を更新しました。
このデータは生涯未婚率とも呼ばれます。
厚生労働省の推定では、生涯未婚率は今後さらに上昇し、法定相続人がいないまま亡くなる人の数も増えるとみられます。

電話相談を受け付ける大阪弁護士会「遺言・相続センター」の蝶野弘治弁護士によると、2020年は、新型コロナウイルスに感染し命を落とすといった不慮の事態に備え、遺産分割や遺言書作成の方法を尋ねる高齢者の相談が特に目立ったそうです。
蝶野弁護士は「残された財産をめぐって遺族同士が相争い、関係が悪化する例は少なくない。遺言書を残すなどして、元気なうちに『終活』に向き合うことが大切だ」と話しています。

国庫に入るのはもったいないと考えるのは分からなくもありませんが、遺言書の偽造は決して認められるものではありません。
弁護士が偽造のお手伝いをしているというのも驚きですが、『相続対策はできるだけ早めに!』というのを改めて感じた記事でした。
皆さまも、できるだけ早めに相続対策に取り組みましょうね。

少子高齢化時代反映し相続人のいない方の国への遺産漂流が603億円もあったことについて、どう思われましたか?


ポーラ・オルビスHDの鈴木社長が保有する株式の売買契約書が「偽造の可能性が高い」との判決!

ダイヤモンド・オンラインによると、化粧品大手ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の鈴木郷史社長が保有する同社株式(以下、HD株)のうち4,191万株(2021年1月29日終値で時価総額877億円)は、元をたどればグループ2代目社長が亡くなった後、鈴木社長が指示して有価証券売買契約書を偽造し入手していた可能性が高いようです。

ポーラ・オルビスHD創業家の巨額遺産裁判で、東京地方裁判所(東京地裁、伊藤繁裁判長)は、2021年1月29日、被告の鈴木社長の指示によって上記の不正が行われた可能性が高いと判断しました。
原告の鈴木千壽氏の訴えを全面的に認める判決を出したのです。
鈴木千壽氏は、鈴木社長の叔父でグループ2代目社長を務めた鈴木常司氏(2000年死去)の妻です。

訴えは、鈴木社長保有のHD株4,191万株が「本来、常司氏死亡後に親族間で分割されるべき遺産であった」ことの確認を求めるものです。
仮に地裁判決が確定すれば、4,191万株は法定相続のやり直しにより、その4分の3(3,143万株、時価総額658億円)が鈴木千壽氏の手に渡る見込みです。

4,191万株は同社の発行済株数(自己株式除く)の18.93%を占め、株式相続のやり直しと鈴木社長の不正濃厚認定は、「株の支配」に大きな変化をもたらします。
遺産裁判によって、鈴木社長を中心とした現経営体制は崩壊しかねません。

以前から興味を持っていたポーラ・オルビスHD創業家の巨額遺産裁判に関し、東京地方裁判所の判決が出ました。
個人的には、非常に安い価格での有価証券売買契約書だったので、本当にありうるのだろうかと思う一方、上場企業のトップともあろう方がそんなことをするのだろうかという、一体どうなるのだろうかと気にはなっていましたが、東京地方裁判所は偽造という判断を下しましたね。
上場企業では前代未聞のできごとだと思いますので、今後どうなるのか楽しみです。
偽造だとすれば、社長では本来なかったということになるでしょうから、過去の役員報酬や株式の配当なんかはどうなるんでしょうね?

ポーラ・オルビスHDの鈴木社長が保有する株式の売買契約書が「偽造の可能性が高い」との判決が出たことについて、どう思われましたか?


土地登記を相続から3年以内にしなければ過料!

日本経済新聞によると、法制審議会(法相の諮問機関)は、先日、相続や住所・氏名を変更した時に土地の登記を義務付ける法改正案を答申しました。
相続から3年以内に申請しなければ10万円以下の過料を科します。
所有者に連絡がつかない所有者不明土地は全体の2割程度に達し、土地の有効活用の弊害になっています。

法制審の総会で民法や不動産登記法などの改正案の要綱を示しました。
政府は3月に改正案を閣議決定します。
今国会で成立させ、2023年度にも施行します。

現状では、相続が発生しても登記は義務ではありません。
申請しなくても罰則はありません。
土地の価値が低かったり、手続きが面倒と感じたりした場合は、放置する例があります。
死亡者の名義のまま年月を経れば、所有権の把握は難しくなります。

所有者が不明の空き家や荒れ地は処分ができず、周辺地の地価が下がったり景観が悪化したりする問題があります。
公共事業や民間の都市開発が一部の所有者不明土地のために進まないケースも多いようです。

法務省によると、所有者不明土地が発生する理由の66%は相続登記がないことで、34%が住所変更の不備だそうです。

改正案では取得を知ってから3年以内に登記を申請しなければ10万円以下の過料を科します。
住所変更や結婚などで氏名が変わった場合も、2年以内に申請しなければ5万円以下の過料になります。
法人が本社の登記変更を届け出ない場合も過料の対象になります。

一連の罰則は、法施行後に新たに相続する人らが対象になります。
施行前の相続などに伴う問題は一定の猶予期間を定めて適用する見通しです。

登記手続きの負担は減らします。
相続人のうち1人の申し出で登記ができます。
10年間、届け出がなければ行政が法律で定める割合で遺産を配分する「法定相続」にします。

行政が住民基本台帳ネットワークで死亡者を把握し、登記に自動的に反映する仕組みもつくります。
死亡者が名義人だった不動産の一覧情報を発行して親族が簡単に把握できるようにします。

土地やビルなどの建物の共有者が不明でも改修や売却をしやすくします。
裁判所の確認を経て公告し、他の共有者の同意で利用目的を変更できます。
短期間の賃貸借は共有者の過半数で決められます。

裁判所が管理人を選べば、不明の所有者に代わって土地や建物の売却もできます。
代金は所有者が判明した場合に備えて供託します。
商業地などでは共有者が分からず、有効利用ができない不動産も多くなっています。
制度が広がれば都市開発が進む可能性があります。

今回の法改正が実現すれば、新たな所有者不明土地が生まれることを抑える効果はありそうです。
一方で既に所有者が不明になっているへき地の山林などでは、公共事業や民間の開発の対象外なら、引き続き放置される可能性があります。

改正されることは良いことです。
しかしながら、過料が10万円以下というのはどうなのでしょうか?
地価の高いエリアにある土地、面積の広い土地とかだと、登録免許税や司法書士の報酬などで10万円を超えるでしょう。
そのようなケースだと、過料の方がマシという方も出てくるのではないでしょうか?
登記した方が安くつくようにしないと、実効性に欠けるでしょうね。

土地登記を相続から3年以内にしなければ過料となることについて、どう思われましたか?


保険証券に載っていない人が保険金を受け取れる!

ファイナンシャルフィールドによると、保険証券に載っている死亡保険金の保険金受取人ですが、受取人を変更する場合、基本的には、契約者が被保険者の同意を得て手続きを行います。

ところが、死亡保険金の受取人を変更の手続きをせずに変える方法があるのです。
どういうことでしょうか?
死亡保険金の受取人を遺言で指定することができるのです。
受取人の変更にあたり保険会社の手続きを行う時に、受取人の同意を得る必要はありません。

例えば、以下のような生命保険の契約があったとしましょう。
生命保険会社:X
契約者:Aさん
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:Bさん(保険金受取割合100%)

Aさんは遺言を作成することにし、その内容に「死亡保険金の受取人をCに変更する」としました。
遺言の作成では、推定相続人(=相続が現実になった時には相続人になる)の同意は不要です。
特に秘密証書遺言の場合、公正証書遺言は2人以上の証人が必要ですが、推定相続人は証人になることはできません。
つまり、遺言によって受取人を変更する場合も同じです。
先述の例でいうと、Cさんが死亡保険金の受取人になったという事実は、Aさんの遺言を見て初めて知ることとなります。

なお、Aさんが遺言によってBさんからCさんに受取人を変更した場合、生命保険会社もその事実を知る由もありません。
つまり、Aさんが契約者・被保険者である生命保険の契約における保険金受取割合100%の受取人として、BさんとCさんの2人が存在することになってしまうのです。

Aさんに相続が発生した場合、どのような展開になるのでしょうか?
BさんとCさんの両方が、それぞれ受取割合100%の死亡保険金を受け取ることができるのでしょうか?
それは、できません。
では、BさんとCさんそれぞれが受取割合50%の死亡保険金(=2人合わせて受取割合100%の死亡保険金)を受け取ることになるのでしょうか?
そうではありません。
答えを言葉飾らずに言えば、BさんとCさんのいずれか、早い者勝ちということになります。

では、保険金の請求手続きに違いはあるのでしょうか。
Bさんの保険金請求は、保険金請求書や死亡診断書、本人確認書類、保険会社によっては戸籍抄本の他、状況によっては他に必要な書類などを生命保険会社Xに送ります。
基本的に、この手続きについてはCさんも同様です。

ただし、Cさんは上記に加え以下の手続きを踏む必要があります。
保険法73条では、『保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない』と書かれています。
保険者とは、先述の例でいうと生命保険会社Xです。
Cさんが保険契約者、つまりAさんの相続人となった場合、Cさんが生命保険会社Xに遺言書を送付して通知する必要があります。
ちなみに、保険金の支払い手続き後、遺言書の原本は返却されます。

保険金請求の手続きにおいて、スムーズに受け取ることはできるのはBさんのほうでしょう。
Bさんは、保険金の請求書を準備するにあたり、他の相続人に諮ることなく、必要な書類を準備できるからです。
また、Bさんは(死亡保険金に限っては)遺言の中身を知らなくても良いのです。

しかし、Cさんのほうは、遺言を見た時に初めて、自らが死亡保険金の受取人であることを知ります。
そして、遺言の原本は(原則として)一通しか存在せず、その一通しか存在しない遺言を生命保険会社Xに送らなくてはなりません。
当然、他の相続人に諮る必要があるでしょう。

生命保険会社Xは、BさんでもCさんでも、保険金を支払ってしまえばその役割を終えることになるので、相続においてこれ以上の関わりを持つことはできません。

遺言によって保険金受取人を変更することは、受取時のトラブル・相続トラブルを生じさせてしまう可能性を秘めています。
こういった事態をしっかり考慮して、検討・手続きを行うことをおすすめします。

遺言による保険金受取人の変更は、2010年6月に施行された保険法によります。
施行前に契約が成立している生命保険では、遺言によって受取人を変更できないこともありますので、生命保険会社に確認する必要があります。

前述のとおり、相続が発生した時に「死亡保険金の受取人を遺言で変更した」がゆえに、相続トラブルに発展してしまう可能性があります。
保険金受取時・相続時のさまざまな状況を想定し、しっかりと検討しましょう。

当初、受取人として考えていたものの、何らかの理由で気が変わり、遺言で受取人を変更することもあるでしょう。
遺言で受取人を変更できることは専門家であれば当然知っていると思いますが、実行する際には、もめる原因とならないように気をつけましょうね。

保険証券に載っていない人が保険金を受け取れることについて、どう思われましたか?


大手銀行の「通帳有料化」が与える相続税申告への意外な影響!

みずほ銀行は「2021年1月18日以降に新規で口座開設する70歳未満の人」から「新規発行時と繰越時」の通帳発行手数料を有料化し、通帳1冊につき1,100円の手数料が発生するようになりました。
また、三井住友銀行でも「2021年4月1日以降に新規で口座開設する18歳から74歳までの人」を対象に、年550円の手数料が発生することが決まっています。
幻冬舎ゴールドオンラインは、そこで相続税申告を数百件経験した相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の山田浩史税理士に、通帳の有料化に伴う相続税申告の影響と対策について解説してもらっています。

税理士が相続税申告に関与する場合、一般的には亡くなる前の5~6年分の通帳を確認します。
残高証明があれば亡くなった時点の口座種類、口座番号、金額が明らかになるにもかかわらず、通帳の中身を確認するのは、通帳には相続税申告書を作成するための多くのヒントが隠れているためです。
具体的には通帳から下記のような取引を探し、申告書作成のヒントにします。
●親族への資金移動(親族への振込や、親族名のメモ)
●預金口座からの多額の出金(一度に30万~50万円以上)
●相続開始直前の出金(手許現金の金額の推測のため)
●証券会社との取引や配当金の入金
●生命保険料の支払いや個人年金の入金
●定期的な入金(収入)と出金額(生活費)

相続税の申告において、親の財産を子どもが申告するケースが多いですが、子どもが親の財産内容や取引をまったく把握していないということは少なくありません。
生前贈与を行っていたことは覚えていても、その時期や金額をはっきりと覚えていないというケースもあります。
通帳で事実を確認し、それを相続人に質問していくという作業をするために、通帳は欠かすことができない資料なのです。

申告のお手伝いをしていると、亡くなった人の通帳がないというケースは現在でも多くあります。
では、古い通帳が残っていない場合、実務上はどうするのでしょうか?
相続人の間で資金移動が絶対にないというケースであれば確認を省略することもありますが、それ以外のケースでは取引履歴を銀行から取得することをおすすめしています。
相続人から依頼を受けて、専門家が取得代行まで行うこともあります。

この場合、銀行の手数料がかかります。
みずほ銀行の場合は1か月当たり330円ですので、仮に5年分を取得すれば、330円×12月×5年=19,800円の手数料となります。
取得を専門家に依頼すればその手数料もかかりますし、取引銀行の数が多ければそれなりの費用と時間がかかります。

三菱UFJ銀行はまだですが、メガバンク2行で新規口座の通帳発行が有料化されることに伴い、徐々にデジタル通帳(紙でない通帳)を利用する人が増加するのは間違いなさそうです。
この動きはすでに広がりを見せ始めており、他の金融機関でも有料化を行うことが発表されています。
ちなみに、三菱UFJ銀行も、「2021年7月1日以降の新規口座」を対象に、2年以上利用がない口座は年1,200円(税別)の口座管理手数料を徴収することが発表されました。

今現在でも50代、60代の人が亡くなった場合に、インターネット銀行の取引があることはわかっているものの、相続人がそのパスワードを知らないことから、取引履歴をプリントアウトすることができないというケースがあります。
このような場合も、手数料や手間の兼ね合いから必ずしも取引履歴を取得するとは限らず、紙の通帳があるときと比較して、税理士が亡くなった人の通帳を確認できずに申告書を作成せざるを得ないケースが多いように思われます。

一方、税務当局は必要に応じて自由に取引履歴を確認することが可能ですので、税理士が確認できていない取引について指摘され、対応が後手になることが増加しそうです。

また、金融機関は過去10年間の取引履歴の保管義務があるものの、それ以降は行内のルールに従って破棄しているはずのため、税務調査での通帳確認も一部の例外を除いて最大10年間といわれてきました。

ところが、三井住友銀行ではデジタル通帳(三井住友銀行は「Web通帳」と呼んでいます)の利用者は2019年10月以降の取引について、最大30年間の取引を見ることができる予定になっています。
利便性が高まる一方、データが残っていることから将来的には税務調査で10年以上前のことが論点とされるケースが出てくるかもしれません。

有料化の対象は「新規」で口座開設するものが対象です。
今現在、紙の通帳を利用している人は、これまでと同様に手数料がかからないので、高齢者は今までどおり、紙の通帳をしっかりと保管したほうが相続税申告の観点からは好ましいといえるでしょう。

なお、みずほ銀行では毎年1月時点で過去1年間通帳記帳がない方は自動的に「e-口座」という紙の通帳が発行されない口座に移行してしまうため、定期的に記帳するよう注意が必要です。

また、利便性の面を含め、インターネット口座に切り替えたいという人は定期的に取引履歴を家族が利用できるPCにPDF等で保管しておくことや、家族にIDやパスワード等を残すなど対策が必要です。

デジタル遺産という言葉を耳にして久しくなりましたが、その管理と承継の重要性は今後ますます高くなりそうです。

本当は、マイナンバーにすべて口座を紐づけすれば良いのでしょうが、反対もあり、できないでしょうね。
個人的には、マイナンバーを導入するのであれば、そこまでやらないといけないとは思いますが。
まずは、口座を手数料がかかる前に開設しておくということも重要だと思いますね。
あとは、過去の経験上、税務調査において、数十年前の取引が確認できれば反論できるかもしれないにもかかわらず、金融機関が10年しか保管していないということで、悔しい思いをしたこともあります。
良い方に働くか、悪い方に働くか分かりませんが、取引を確認できる期間が延びるということは個人的にはありがたいことだと思っています。

大手銀行の「通帳有料化」が与える相続税申告への意外な影響について、どう思われましたか?


浅香光代さんの内縁の夫が「財産は息子たちと分けてと遺言あった」と独白!

2020年12月13日、すい臓がんのために波乱の生涯を終えた女優の浅香光代さん(享年92)ですが、週刊朝日は浅香さんと事実婚の関係にあったコメディアンの世志凡太さん(87)に独占インタビューしています。

2人が一緒に暮らした約30年の年月、がんがあちこちに転移し「余命3か月」と宣告された最後の日々、浅香さんの「遺言」など、初めて語る数々の秘話を明かしていただいています。

世志さんが浅香さんと暮らしていたのは東京・浅草にある事務所兼自宅の5階建てのビルで、通いのお手伝いさんと猫の「たっくん」(浅草福猫太郎)と、3人と1匹の暮らしでした。

「このビルを建てたのが1991年。ビルができた時から一緒に暮らしていましたから、もうかれこれ約30年になります」
浅香さんは世志さんより5つ歳上で、ビル内にはエレベーターがあり、3階に上がると世志さんの部屋でした。

「この部屋で、浅香と食事をして語り合い、4階の寝室に上がって寝ていました。ベッドは隣合せでしたが別々に分かれていました。とてもかわいがっていた猫の『たっくん』が浅香のふとんに潜り込んできて、寝ていました。寝室の私のベッドの枕元には浅香の分骨がまつってあります。いつでもお参りできるようにね。大勢お参りに来てくれてますよ」

浅香さんは3年前から、心臓にペースメーカーを入れていたそうです。
「若い頃から、心臓がドキドキする方だったそうです。浅香は18年に90歳の卒寿のお祝いパーティを盛大に催しましたが、その時には既にペースメーカーを入れていました。本人は『肋骨のソバにデッパリがあってやだね』って言ってましたがね」

異変があったのは2020年10月中旬のことです。
浅香さんの最後の出演番組となったNHKの「アナザーストーリーズ 運命の分岐点 『阿部定事件〜昭和を生きた妖婦の素顔〜』」を撮り終えた後のことでした。
「自宅の、私が今座っているこのソファーで収録しました。その時はいつもと変わらず歩いてしゃべっていたんですが、3〜4日経って寝込むようになったんです。ソファに私が『そんなとこで寝ちゃだめだよ。ちゃんとベッドで寝なよ』と言うと、ベッドに這いずり上がるようにして寝ていました。足がしびれてトイレに行けないって言うから、これはいけないと思った」

さっそく主治医に相談し、10月末まで2週間ほど介護施設に預かってもらうことになったそうです。
「施設に入って3日目くらいに総合病院に入院することになって、そこでがんが発見されました。医師から『あちこちに転移していて、あと3か月の命です』と宣告され、愕然としました。しかも、新型コロナウイルスの感染予防のために面会謝絶状態となり、思うように面会することもできなくなってしまいました」

ようやく面会がかなったのは、浅香さんが亡くなる1週間前のことで、世志さんは地元の後援者と一緒に見舞いに行ったそうです。

「『わかるかい、6番目の亭主の世志凡太だよ』と言ったら、本人はうなずくだけ。言葉は出なかったけど、私とわかったんじゃないかと思います。それが、私たちの最後の会話でした……それから亡くなるまで私に知らせはなく、最期を看取ることはできませんでした」

2020年12月17日に、家族葬がしめやかにとり行われました。
喪主は長男が務めました。
「家族葬の時、私は内縁の夫だという理由で友人・知人の席に座らされ、妙な感じでした。だから、今度は別のかたちで『忍ぶ会』を盛大にやりたいと思っています。30年前の二人の披露宴は、私がもともとジャズ屋なので、クレイジーキャッツのメンバーとジャズの演奏をしたり、浅香が劇団の連中に引っ張られた人力車に乗っかって登場し、踊りを披露してました。仲人は、はかま満緒、高橋圭三、政治家の福田康夫、当時の世田谷区長と4人いましたね。それはにぎやかな式でした。本人も、そういう送られ方を望んでいるのではないかと思うんです」

ところで、30年も二人で暮らしながら、何故、入籍しなかったのでしょうか?
「私は若い頃から不動産の売買をしていて借金があったから、浅香に迷惑がかかることになってはいけないと思い、入籍はしませんでした」

事実婚なので通常は世志さんに相続の権利はないが、浅香さんは生前、自身の「終活」の一貫として「遺言書」を作っていたそうです。
「ちゃんと法的な立ち会いも入った遺言書です。そこには、『遺産は息子たちと私とで3人仲良く分けて』という主旨のことが書いてありました。遺産と言っても、この5階建てのビルの土地は別の人の持ち物だし、建物だけ。そんなにはありません。貯金などすべて合せて数千万円くらいです。私は、子供たちと平等に3分の1ずつ分ければいいと思っています。ビルの建物も売却する予定で話が進んでいます。ただ、浅香は一生、浅草にいたいと言っていて浅草が大好きでしたから、売却してもここを借りる予定でいます」

浅香さんは9歳で舞台劇団の一座に加わるようになり、「浅香光代一座」を旗揚げで、浅草や新宿など各地で興行しました。
そのうちに、ジャズマンだった世志さんと知り合い、今日に至っています。
世志さんは、こう回想しています。
「戦後の一時期、浅香は舞台で、胸のさらしが落っこちそうになると暗転する、そういう“チラリズム”の演出をやっていて、これがまた人気になりましたね」
60年代に入ると、長谷川伸の名戯曲「一本刀土俵入」や「勧進帳」などの演目で大劇場で舞台公演をし、女剣劇のスターになりました。

日本舞踊では全国に3千人以上の門弟がいる「浅香流演劇舞踊団」を主宰していました。
弟子の中には著名人もいたようです。
「昨年亡くなった芸能リポーターで目黒区議の須藤甚一郎さんや梨元勝さん、オスマン・サンコンさんも、舞踊の弟子でしたね。浅香流の『名取』にもなれたんじゃないかな」
浅香さんはきっぷのよい性格で、稽古場では人前で胸のさらしを取り替えても気にしなかったそうです。

「稼いだお金はほとんど、衣装、かつら、大小の刀などにつぎ込んでいました。私はそんな彼女の仕事へのひたむきさに惚れましたね」
プロ野球監督だった野村克也氏の妻、野村沙知代さんとは、1999年から3年くらい「ミッチー・サッチー騒動」でお茶の間の話題をかっさらった。
「もともと、ノムさん(野村克也氏)とサッチーさんと私たち4人は古くからの知り合いでした。サッチーさんの情報が浅香に集まるものだから、テレビリポーターやスポーツ紙、週刊誌の記者たちが連日、うちに詰めかけていましたよ。今思えばたわいもないネタで盛り上がったものですが、うちはサッチーから名誉毀損で訴えられ、110万円の支払い命令を受けました。でも、サッチーはその後、騒動について『あれは浅香光代さんを有名にするためにやってあげたのよ』なんて言ってましたけどね」

様々な修羅場をくぐり抜けてきた浅香さんですが、この1年くらいの暮らしぶりはどうだったのでしょうか?

「1日5食べていましたよ。眠っているか食べるか、でしたね。2人で外食へもよく行きました。浅草の老舗の喫茶店『デンキヤホール』の『ゆであずき』とオムレツの皮で巻いた『オムマキ』が大好物でしたね。ラーメン店へもよく出かけました」

世志さんは今後、茨城県に引っ越す計画を立てている。
「茨城県に全部で2万5,000坪くらいの広い土地がありまして、開発する会社の役員になっています。そこに浅香光代の芸能記念館、介護施設、ショッピングモールを造りたいと思っています。私は昔から、売れてナンボの芸能界だから、売れないで下の方でうろちょろする人生はつまんねぇと思っていましてね。新型コロナで、歌い手も役者もスタッフもどれもこれもみんな食えなくなっているでしょう。地方の方が、面白い時代ですよ。やりがいのある時代でもあります。才能はあるけど、埋もれている芸人にどんどんと仕事を与えたいと思っています」
FMスタジオなども設け、30席前後の客席もつくり、日本舞踊や三味線の演奏者などに芸を披露してもらう構想も持っているそうです。
「茨城県は都道府県別の魅力度ランキング(ブランド総合研究所調査)で42位。そんな茨城県を活性化したいと思っています。ちょっとこれからは違う世志凡太の生き方も模索したい」

前述の、浅香さんの最後の出演番組となった「アナザーストーリーズ 運命の分岐点 『阿部定事件〜昭和を生きた妖婦の素顔〜』」は、浅香さんが亡くなった後の2020年12月22日に放送されました。
浅香さんは定と実際に交流があったそうです。
「浅香の最後にふさわしいドキュメンタリーになりました。浅香がいないのは寂しいけど、浅草のみなさんに愛された浅香光代なんだから、天寿をまっとうし、今でも慕われ、浅香も満足だと思います」

形式ではなく、実態で判断すべきものだと思いますが、事実婚の場合、民法で相続権は認められておらず、税法(相続税法)でも基本的に民法の規定に従います。
そのような中、きちんと『終活』をして、公正証書遺言を作っていたというのは、素晴らしいことだと思います。
野村さんのところはもめているみたいですので。
遺言書を作ることが逆にもめる原因になることもあるかもしれませんが、生前にきちんと遺言書を作っておくというのが普通になればいいなぁと思います。

浅香光代さんの内縁の夫が「財産は息子たちと分けてと遺言あった」と独白!したことについて、どう思われましたか?


任意後見人の立場悪用した行政書士が90代女性の口座から4,800万円を着服!

読売新聞によると、任意後見人の立場を悪用して女性の預金約4,800万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた大分市の元会社経営で、大分県行政書士会員(55)に対し、大分地裁は、先日、懲役3年6月(求刑・懲役5年)の判決を言い渡しました。

判決によると、行政書士は2017年2月~2019年6月、任意後見人として財産を管理していた大分県宇佐市の女性(90歳代)の口座から30回以上にわたり、計約4,800万円を着服しました。
事業資金や借金の返済に充てていたようです。

金友宏平裁判官は「行政書士の立場を利用して信頼を得ており、被害結果も重大」と指摘しました。

判決後、弁護側は控訴しない方針を示しました。

大分県行政書士会は「最も重い廃業勧告を視野に処分を検討する」としているようです。

士業による着服も年間何件かは起こりますね。
どの士業も、人数が増えて、報酬が安くなっているのかもしれませんが、付加価値の高い仕事を考えたり、業務の効率化を考えたり、時代の流れを見越した商売をしないといけないですね。
そもそも倫理とかの話だと思いますので、こういった方々には、士業をやらないで欲しいですね。
こういった事件が、士業の信頼を失うことになりますので。

任意後見人の立場悪用した行政書士が90代女性の口座から4,800万円を着服したことについて、どう思われましたか?


家族信託のメリットとは?

ガシェット通信によると、家族信託とは、財産を信じて託すことで、一般的には銀行の信託が有名ですが、銀行ではなく家族を信じて託すのが家族信託です。
例えば、アパートの大家さんが家族信託をする場合、自分でアパートを所有したまま、賃貸経営者である受託者と、家賃を受け取る受益者を家族に指定する内容の信託契約書を締結します。
・委託者:本人
・受託者(賃貸経営する人):子
・受益者(家賃を受け取る人):孫
通常、本人が所有していれば賃貸経営するのも家賃を受け取るのも本人ですが、家族信託を利用することでこれらをすべて別々の人に指定することができるのです。

では、受託者、受益者を指定することでどのようなメリットがあるのでしょうか?

アパート経営をしている本人が認知症にかかってしまうと、その後の賃貸経営が非常に難航します。
具体的には、家賃の集金管理や建物に必要な維持修繕費用の支出、さらには管理会社との管理委託契約など、さまざまな法律行為について本人が行うことができません。
通常、このような状況に陥ると成年後見という制度を利用することになります。

成年後見制度とは、認知症や痴ほうなどで判断能力がなくなってしまった方の財産を保護するために、裁判所に申し立てをして本人の代わりに財産を管理する成年後見人を選任してもらう必要があります。
この場合、手続き的には非常に大変で医師の診断書など様々な書類が必要になるほか、時間もかかるため実際に利用するのはとても大変です。

また、成年後見人を家族で選任できたとしても、財産の処分など一定の行為については後見監督人や裁判所の許可などが求められるため、とにかく時間がかかります。

一方、家族信託を利用した場合、本人が認知症にかかったとしても賃貸経営の実務については、事前に受託者に委託しているので、本人の同意をその都度得ることなく、受託者の名前で管理委託契約書を締結したり、場合によっては物件自体を売却したりすることも可能です。
つまり、本人が認知症になっても成年後見制度を利用することなく、これまで通り受託者が主体となって賃貸経営を継続することができます。

アパートの所有者が何らかの事情で破産した場合、通常であればアパートは差し押さえの対象になります。
一方、家族信託を使っている場合、本人が自己破産した場合でも、アパートは信託財産なので受託者に属するという扱いになり、差し押さえの対象ではなくなるのです。
ということは、受託者が破産したらアパートを差し押さえられるのでは、と思うかもしれませんが、ここが家族信託の面白いところで、信託財産は独立した財産として扱われるので、受託者が破産したとしても差し押さえられません。
このように破産から財産を守ることができることから、「倒産隔離機能」ともいわれています。

遺言書で財産を相続させる場合、自分が死亡した時の相続についてはもちろん指定できますが、そこから先の二次相続のことについては遺言書に書いたとしても実現することができません。
よく相談されるのは、自分の財産を妻に相続させたのち、将来妻が死亡したら長男に相続させることはできますか、と聞かれることがあるのですが、これを遺言書で実現することはできません。
通常であれば、妻の相続については妻自身の遺言書でしか指定ができないからです。

一方、家族信託を利用した場合、信託契約書の条文で信託財産から生じる家賃について、受益者が死亡した場合、次の受益者を指定しておくことができます。
つまり、妻の死亡後の二次相続にまで踏み込んで信託契約ができるということです。
こういった内容の信託契約のことを「後継ぎ遺贈型の受益者連続型信託」といいます。
これを使えば、遺言書では実現できない二次相続後の扱いについても、本人の意思で実現することが可能なのです。

家族信託はまだ広く一般には浸透していませんが、メリットが非常に大きく成年後見制度よりも使い勝手がいいので、アパートなどの収益物件をお持ちの方については特におすすめです。
ぜひ遺言書とあわせて検討してみてはいかがでしょうか?

個人的にも、数年前から『家族信託』に興味を持ち、講座を受けたりして、資格なども取得しています。
比較的新しい制度であり、今後、訴訟の判決によって実務がこなれていく面は大いにあるとは思いますが、使い方を間違えなければ、素晴らしい選択肢の一つになります。
基本的には、節税にはなりませんが、財産管理、相続対策という意味ではすごく使えると思います。

家族信託のメリットについて、どう思われましたか?


亡くなった本人しか分からないネット口座内の上場株式を相続する際の対処策!

相続した株式を売却すると、譲渡所得税がかかります。
一般に、株式を相続するなら証券会社で名義変更の手続きが必要です。
また、上場株式だと評価はそれほど難しくありませんが、評価額を巡って相続人同士がもめることがあります。
さらに、インターネット口座の普及で保有株式の存在が本人しか分からないと、相続する身内はどうしたらいいか分かりません。
相続会議で、上場株式の相続手続きや評価方法、相続する際の注意点について、税理士が解説しています。

上場株式の相続手続きは、以下の流れで行います。

<1.証券会社へ連絡し、取引内容を確認する>
相続が始まったら故人が口座を保有していた証券会社に連絡しましょう。
取引していたかどうかは、証券会社からの郵便物や通帳の履歴から把握します。
この連絡の際、相続に必要な書類と手続きを確認します。
また、遺産分割や相続税の申告に備えて残高証明書を請求しましょう。
残高証明書で株式の種類や銘柄、数量が確認できます。
遺産分割協議前でも相続人なら取得可能です。
ただし残高は相続開始日(口座名義人の死亡日)のものでなくてはなりません。

<2.相続人名義の口座を開設>
故人の株式を相続するには、引き継ぐ人自身の口座を準備しなくてはなりません。
故人の株式を売却する予定であっても相続人名義の口座が必要になります。
故人と同じ証券会社に以前から口座を持っていたのでなければ、口座開設の手続きを行いましょう。

<3.名義変更をする>
相続人名義の口座を準備できたら、株式の名義変更を行います。
株式の売却は名義変更後になります。
なお、名義変更には次のような書類が必要です。
・相続による株券名義書換依頼書(証券会社所定の書類)
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・遺産分割協議書または遺言書
・相続人全員の印鑑証明書
なお、戸籍謄本の代わりに「法定相続一覧図」を使うこともできます。

故人が上場株を保有していたかどうかは、配当計算書や支払通知書、株主総会招集通知書が郵便物にあるかどうかで分かります。
また、取引残高報告書も郵送かメールで証券会社から交付されます。
しかしそれでも取引があったかどうか、分からないことがあります。
このようなときは証券保管振替機構(通称「ほふり」)に連絡しましょう。
「登録済加入者情報の開示請求」という手続きを行えば、どの証券会社に口座を開設していたかが分かります。
この開示請求で必要な書類は、以下のとおりです。
・開示請求書
・請求する人(通常は相続人)の氏名・生年月日・住所が確認できる書類(運転免許証など)
・法定相続一覧図(なければ被相続人の除籍謄本や相続人の戸籍謄本など)
・被相続人の住所を確認できるもの(戸籍の附票など)
・相続人の印鑑証明書

【参考】証券保管振替機構HP
【相続人(又は相続人の代理人)】登録済加入者情報の開示請求に係るお手続について(https://www.jasdec.com/download/ds/certificate/kaiji/otetsuzuki2.pdf

また、現在、上場株は法律によりすべて電子化されています。
なので、通常、上場株には株券という書面が存在しません。
しかしごく稀に電子化されていない株券(失念株)が発見されることがあります。
このようなときも「ほふり」に連絡し、電子化の処理を依頼しなくてはなりません。

預金もそうなのですが、ネット取引があると、相続財産の把握が困難なときがあります。
上場株式については、上記のように『ほふり』に連絡すれば分かりますので、便利ですね。
まぁ、それよりは、エンディングノートを書くなどして、相続人が相続財産の把握に苦労することがないようにしておくことが大事かと思います。
早めに、相続のことを考えておきましょう。

亡くなった本人しか分からないネット口座内の上場株式を相続する際の対処策について、どう思われましたか?


空き家の賃貸・売却時の課題は「需要不足」!

不動産流通研究所によると、国土交通省は、先日、「令和元年空き家所有者実態調査」の結果を公表しました。

1980年よりほぼ5年ごとに「空家実態調査」として継続的に実施してきましたが、「平成30年住宅・土地統計調査(総務省)において世帯が回答する調査票に新たに「居住世帯のない住宅(空き家)」についての調査項目が追加されたため、調査対象・方法を見直し、名称が変更されました。
調査対象は、「平成30年住宅・土地統計調査」(2018年10月1日現在)の調査区から無作為に抽出した調査区内において、「居住世帯のない住宅(空き家)を所有している」と回答した1万2,151世帯。有効回答数は5,791世帯です。
調査期間は2019年11月~2020年1月となっています。

調査では、半数を超える空き家で、腐朽・破損が見られました。
利用現況別では、「二次的住宅・別荘用」は3割超、「貸家用」は4割超、「売却用」・「その他」については6割超の物件で、腐朽・破損が報告されました。
管理頻度・利用頻度は「月に1回~数回」の割合が最も大きく約4割となっています。
所有世帯の居住地からの所要時間は1時間以内が約7割を占めています。

今後5年程度の利用意向は、「空き家にしておく」が約3割で最多となっています。
その理由は「物置として必要」(60.3%)、「解体費用をかけたくない」(46.9%)など。「賃貸・売却」、「セカンドハウスなどとして利用」もそれぞれ約2割に上っています。
「賃貸・売却」する上での課題点としては「買い手・借り手の少なさ」(42.3%)、「住宅の痛み」(30.5%)、「設備や建具の古さ」(26.9%)があげられました。
「寄付・贈与」の意向はわずか1.3%でしたが、その中でも、「費用がかかるなら寄付・贈与しない」が40%を超え、「一定の費用負担を伴っても寄付・贈与したい」と同程度に並んでいます。

個人的には、この調査は実態を表しているのだろうかという気はしますが、税理士として、相続税対策や相続税申告をお手伝いさせていただいておりますが、相続人が県外にいるケースが増えており、空き家がどんどん増え、管理もできない家もどんどん増えると思います。
個人的には、コロナの影響で働き方が見直され、空き家を利用して、地域活性化が図れるのではないかと考えていますが、地方自治体を中心に何かやってほしいなぁと考えています。

空き家の賃貸・売却時の課題は「需要不足」であることについて、どう思われましたか?


相続税の税務調査で海外資産絡む申告漏れの指摘件数が149件で過去最多!

日本経済新聞によると、国税庁は、先日、2020年6月までの1年間(2019事務年度)に全国の国税局などが実施した相続税の税務調査の結果を発表し、海外資産に絡む申告漏れの件数が149件で過去最多となりました。
海外の税務当局と金融口座情報を交換する制度「CRS(共通報告基準)」を生かし、13億円を超える申告漏れを指摘した事例もあったようです。

国税庁によると、新型コロナウイルスによる感染拡大に伴い、全体の実地調査の件数は1万635件で、2018事務年度と比べて約15%減少、申告漏れ額も3,048億円と約14%減っています。

こうしたなか、国税当局は資産運用の国際化に着目し、海外資産について重点的に調査したようです。
1,008件の実地調査を実施した結果、統計を開始した2001事務年度以降で過去最多となる149件の申告漏れを指摘しています。
金額は2018事務年度比で約32%増の77億円となり、過去3番目の多さでした。

大阪国税局の事例では、相続人3人が父親の死亡後、海外の父親名義の預金口座に残高があることを認識していたにもかかわらず、「海外預金なので申告しなくても国税当局が把握することはないだろう」と考え、税理士にも伝えずに税務申告していました。

大阪国税局はCRS情報を活用して海外口座の存在をつかみ、預金を意図的に申告財産から除外していたほか、過去の贈与税が無申告だったことを明らかにしました。
3人は総額約13億6千万円の申告漏れを指摘され、重加算税を含めた追徴税額は約5.3億円に上ったようです。

国税庁は相続税の申告実績もあわせて公表しています。
2019年に亡くなった約138万人のうち、財産が相続税の対象となったのは約11万5千人で課税割合は8.3%でした。
相続財産は土地が最も多くなっています。

CRS(共通報告基準)を活用した海外の税務当局との情報交換が始まる前、当時の国税幹部は「富裕層の海外資産が丸裸になるだろう」と想定していました。
国際的な租税回避を防ぐため、経済協力開発機構(OECD)で策定された制度を通じ、国税庁は初回交換の2018年に約55万件、2019年には約189万件の情報を入手しました。

今回発表された2019事務年度の相続税調査では13億円超の申告漏れの端緒となり、所得税や法人税の税務調査でも海外での資産運用の実態解明につながる事例が出ています。
「国税当局から問題のある海外預金をピンポイントで指摘された。CRS情報による調査だと説明を受けた納税者もいる」(国税OBの税理士)とのことです。

税務調査を巡る各国の連携が威力を発揮し始めた形ですが、課題も見えつつあるようです。
CRSの枠組みが検討されていた当時、暗号資産(仮想通貨)は普及途上であり、現状では相互に交換できる情報に含まれていません。

国税幹部は「さらなる国際連携の強化や交換対象となる情報の拡大なども重要だ。国際的なルールづくりにおいて日本も重要な役割を果たしていきたい」と強調しています。

CRSは素晴らしい制度だと思いますし、タイムリーに総合交換できる情報を付け加えられるようにして、悪質な方からは、どんどん取って欲しいですね。
これだけ脱税していたとしても、逮捕はされないのでしょうか?
その当たりを明確にしてほしいなぁと思います。
税理士としても、基本的に依頼者から言われたものしか財産は分かりませんので、色々と対応を考えないといけないですね。

相続税の税務調査で海外資産絡む申告漏れの指摘件数が149件で過去最多だったことについて、どう思われましたか?


マラドーナ氏の死去により莫大な遺産をめぐり親族10人以上が骨肉相続バトルへ!

英雄亡き後に待ち受けるドロ沼の争いとは?
東スポによると、サッカー界のスーパースターで元アルゼンチン代表FWのディエゴ・マラドーナ氏が、先日60歳で死去したことで、新たな〝火種〟が持ち上がっているようです。
あまりにも早すぎる死に世界中に衝撃が走りましたが、今後に注目されるのが莫大な遺産の行方です。
複雑な家族構成ゆえ、相続を主張する関係者が続出しそうな雲行きとなっています。

マラドーナ氏は現役時代にスペイン1部バルセロナ、イタリア1部ナポリ、アルゼンチン1部ボカジュニアーズなどの強豪クラブを渡り歩き、高額な報酬を手にしてきました。
引退後もアルゼンチン代表監督を務めたほか、2011年にはUAE1部アルワスルに年俸990万ポンド(約14億円)という破格の待遇で招かれるなどサッカーにおける収入だけでも100億円以上を荒稼ぎしました。

それ以外にもスポンサーや権利関係の副収入に加え、キューバのフィデル・カストロ議長やイタリアマフィア、ドバイの投資家などさまざまな〝タニマチ〟がいたとされ、莫大な資産を築いたとみられています。
マラドーナ氏の突然の訃報を受け、遺産の行方にも注目が集まりそうです。

北中米や南米で展開するメディア「エルフットボレロ」米国版は、「マラドーナの死後、億万長者の財産の相続人は誰か」と題して今後の遺産相続を巡る争いを予想しました。
「彼の死の前に遺産はすでに論争されていた」と同紙が指摘するように、その資産規模が大きすぎるがゆえに生前から金銭トラブルが頻発していました。
2015年には自身の預金口座から無断で約10億円を引き出されたとして、前妻クラウディアさんを訴えています。

マラドーナ氏に現在、配偶者はおらず「直接の相続人は(実子の)ダルマとジャンニーナ、フェルナンド、ディエゴ・ジュニア、ジャナ。彼らの間で財産の大部分を分割する」と同紙は指摘しています。
ただ、一筋縄ではいきそうもありません。

この5人のほか、英紙「サン」は「2019年に、マラドーナ氏の顧問弁護士が3人のキューバ人の子供を認知しており、合計8人の子供がいる」と報じています。
正式に血縁関係が認められれば、当然相続権が生じます。
さらにマラドーナ氏には札幌や福岡でプレーした実弟のウーゴ氏(51)を始め、7人の兄弟姉妹がおり、こちらも遺産相続を主張する可能性があるようです。

「誰が財産を得るのか、明日から戦争が始まる」と同メディアは伝えています。
希代のスーパースターが残した遺産を巡り、まさに骨肉の争いが繰り広げられそうです。

お金を持つと、それはそれで大変ですね。
アルゼンチンの税制などがまったく分かりませんが、どういった相続対策をしているのでしょうか?
お金持ちの方はそれなりのお金をかけて相続対策をしないと、親族間での争いを作る結果となり、お金を残すことが幸せなのか不幸なのか分からなくなってしまいます。
日本でも、今月10日に公表されると言われている令和3年度税制改正大綱に『相続税と贈与税の一体化』が織り込まれるとの話があり、将来的には相続対策がガラッと変わるとか、過去の相続対策が無意味なものになったり、効果が薄まったりする可能性もありますし、財産等の状況も変化していくと考えられますので、一度相続対策をしたら終わりというものではなく、タイムリーに対策をしていかないといけないですね。

マラドーナ氏の死去により莫大な遺産をめぐり親族10人以上が骨肉相続バトルとなりそうなことについて、どう思われましたか?


故八千草薫さんの3億円豪邸が一周忌前に相続税の支払いのために解体!

女性セブンによると、自分が死んだ後の不動産について、悩みを抱える人は多いようです。
夫も子供もいないとなれば、なおさらです。
2019年に亡くなった女優・八千草薫さん(享年88)も亡くなる前に、長年過ごしてきた東京都世田谷区の豪邸に考えを巡らせ、遺言書に思いをつづっていたようです。

しかし・・・。
ミシミシ、バリバリバリと、10月中旬のとある日、東京世田谷区の閑静な高級住宅街に、轟音が響いていました。

重機が住宅の塀を壊して敷地に入り、邸宅を容赦なく破壊していく。ここに建っていたのは、瀟洒な戸建て。150坪もの敷地に広がる庭には桜や金木犀が植えられ、メダカやオタマジャクシなど小さな生き物の生をはぐくむ池もあり、土地だけでも3億円もの資産価値があります。
大きな家が多いこのあたりでも、特に目を引く豪邸だったと、近隣の住民が残念そうに話しています。

「この家は、八千草さんが生前お住まいになっていた家なんですよ。亡くなった後、ずっとそのままだったのですが、ついに取り壊しが始まってしまいましたね。まだ一周忌前というのに随分早いな……何か事情があるんでしょうか」

2019年10月24日に88才で亡くなった八千草さんですが、2018年にすい臓がんと診断され大手術を受けるも、その後は自宅に戻って療養を続けてきました。

「一時期は、懇意にしていた脚本家の倉本聰さんの案内で北海道富良野を訪れるほど回復したのですが、昨年突然体調を崩されて入院。そのまま帰らぬ人となってしまったのです」(八千草さんの知人)

八千草さんの夫で映画監督の谷口千吉さん(享年95)は2007年に他界しており、子宝には恵まれなかったものの、おしどり夫婦として知られていました。

「実は八千草さん、亡くなる直前に遺言書を書いていたんですよ。ひとり身ですし、きょうだいもいないので、自分が亡くなった後のことを気にしていたのでしょう。遺言書には、アクセサリーやバッグなどを知人に形見分けすること、“自宅をそのままの形で残してほしい”といった旨がつづられていたんです」(前出・知人)

「愛する伴侶と過ごした思い出がつまった家を残したい。」、それは、八千草さんの最後の望みでした。
この願いをかなえるため、彼女自身も生前からさまざまな方法を思案していたそうです。

「世田谷区に寄贈することも考えたそうですが、“更地なら”という条件だったそうで、断念せざるを得なかったそうです。最終的に、“いちばん迷惑が掛からない方法で”と選択したのが、お世話になったかたたち3人に遺贈することだったんです」(前出・知人)

自宅の登記簿を見ると、2020年2月、3人に遺贈の手続きが取られていました。
そのうち2人は、八千草さんと谷口さん、それぞれの遠戚にあたる人、もう1人は八千草さんの所属事務所社長のAさんです。

「3人とも八千草さんの身の回りのお世話をしたり、一緒に旅行したり、彼女が入院中に愛犬の散歩をするなど、生前かなり親しくしていた間柄のかたがたです。“自宅をこのままの形で残したい”という八千草さんの思いを汲んで、自宅を取り壊さずそのまま売却して現金化し、それを元手にして相続税を払う予定だったと聞きました」(テレビ局関係者)

しかしながら、八千草さんの願いはかなわず、自宅は即解体されてしまいました。

「2,500万円? そんなもんじゃない」
八千草さんの一周忌を前に、事態は一変していました。

「予想外のことばかり起きてしまい……背に腹は代えられない思いで解体となってしまったのです」
こう話すのは、Aさんです。

「八千草は“できることなら、個人のかたに買っていただきたい”と望んでいました。“リフォームするとしても、何かしらあの家のにおいのようなものが残ればうれしい”と話していたんです。そのため、当初は不動産業者さんではなく、個人のかたの買い手を探していました」

しかしながら、動き始めた矢先にコロナ禍に見舞われます。
先行き不安な中、個人で不動産を買おうとする人は激減し、しかも、土地だけで3億円もするような大型物件ゆえ、なかなか買い手が見つからなかったそうです。

「仲介をお願いしていた業者さんにも、“お気持ちはわかりますが、この状況で個人相手に売るのは難しいと思いますよ”と言われてしまいまして……。もう少し粘ることも考えたのですが、私たちには“タイムリミット”が迫っていたんです。仕方なく、路線変更して、業者さんに買い取っていただくことも視野に入れ始めたんです」(前出・Aさん)

2020年9月末、売却が済み、豪邸は不動産販売業者のものとなりました。
今後は業者がこの豪邸を一般向けに売っていくことになるようです。
都会では、広すぎたり、こだわりのある仕様の家だと買い手がつかないことが多いため、取り壊して更地にし、広い土地を分割して売るのが一般的なのです。

おそらく八千草さんの豪邸もそのようなケースに当てはまるのでしょう。
彼女が愛したこだわりの邸宅は、すでに取り壊され、ほぼ面影を残していません。
個人の買い手を探すことを諦めたのは、Aさんが語ったタイムリミットが大きな理由だそうです。
それは、相続税の支払いです。

法定相続人でない人が遺贈を受ける場合、通常の相続よりも2割加算された額を相続税として支払う必要があり(いわゆる2割加算)、しかも控除もありません。
そのため、相続税の支払い額を知って仰天する人も多いようです。

「実は、売却する前に相続税の支払期限が来たんですよ。金額を見たら、“うわー”って、ビックリするぐらいの額で(笑い)。一部の報道では2,500万円と書かれていましたが、そんなもんじゃないですよ……」(前出・Aさん)

数千万円という相続税の支払いは、大きな負担だったのでしょう。
自宅は売却しない限り現金化されず、多額の支払いだけがのしかかります。
Aさんたちは泣く泣く、不動産業者への売却を決めました。
そうすれば、相続税を支払っても3人の手元には現金が残るため、それを等分したのです。

八千草さんのケースの場合は、自宅の売却にこぎつけるまでの間にも、さまざまな“ハードル”がありました。
Aさんは、八千草さんが亡くなった後、庭や室内の手入れのため、毎日欠かすことなく自宅に通い続けていたそうです。
「庭は植木屋さんにお願いしたり、池のお魚や生き物を業者さんに引き取ってもらったり。やるべきことは山のようにありました」(前出・Aさん)

自宅に残っていた数々の遺品は、八千草さんが生前決めていた希望に従って知人などに分けるといった作業に没頭してきたそうです。
「膨大な量でしたが、ようやく終わったという感じです。作業の間は、“これ終わらないんじゃないかなぁ”なんて感じて、ヒーヒー言っていたんですが、終わってしまうと、心にぽっかり穴が空いたようで、とても寂しいです」(前出・Aさん)

自宅を整理するまで、なんと10か月もかかったそうです。
「遺品の整理をしている最中に、“こんなものが出てきた!”とか“このとき、あんなことがあったんだよなぁ”と感慨に浸ってしまうものですから余計に時間がかかってしまって……。
たしかに大変な作業ではありましたが、この10か月は、八千草との思い出をかみしめる大切な時間でもあったと思うんですよ。それだけに、家を取り壊さないといけないという結果になってしまい、残念ですし、悔しいんです……」(前出・Aさん)

こだわりの自宅をそのままの形で残すことはかないませんでしたが、家を愛し、周囲の人を大切にした八千草さんの思いは、目に見えずとも、この地にずっと生き続けることでしょう。

相続税の申告・納付はお亡くなりになってから10か月以内ですので、納付期限までに売れるような土地で良かったですね。
相続が発生してからしばらく経ってから売却を検討し出すと思いますので、田舎とかだと、おそらく納付期限までに売却できることは少ないのではないかと思います。
あとは、こういった相続人がいらっしゃらないケースは意外と相続対策をされていない方が多いと思いますが、きちんと遺言書を作っていたから、比較的スムーズに進んだんでしょうね。
おそらく優秀な顧問税理士などがいらっしゃるのだとは思いますが、良い対策をされていたのではないかと思います。
やはり、早めの対策が重要ということですね。

故八千草薫さんの3億円豪邸が一周忌前に相続税の支払いのために解体されたことについて、どう思われましたか?


国税庁が「路線価」を引き下げず!

新型コロナウイルスの影響で地価が下がる中、国税庁は相続税などの計算の基準となる「路線価」の補正を検討してきましたが、引き下げないことを決めました。

2020年の上半期に土地の相続などをした人の納税額は、地価が下がっていても感染拡大前の状況に基づいて決まることになります。

路線価は、国税庁が1月1日の時点での全国の主な道路に面した土地について1平方メートル当たりの評価額を算定し、相続税や贈与税を計算する基準となります。

2020年7月1日に発表された2020年度の路線価は、新型コロナウイルスの感染拡大前の地価に基づいていたため、国税庁は地価が20%以上下落する状況が全国の広範囲に及んでいないかなどを目安に、路線価の引き下げの検討を進めてきました。

2020年1月から半年間の地価の下落幅は、東京、大阪、名古屋の観光地や商業地の合わせて6地点で15%を超えましたが、全国平均では、住宅地が0.4%、商業地が1.4%だったということで、国税庁は、先日、路線価の補正は行わないと発表しました。

2020年1月から6月の間に土地を相続したり、土地の贈与を受けたりした人の納税額は、地価が下がっていても、感染拡大前の状況に基づいて決まることになります。

不動産に詳しいニッセイ基礎研究所の吉田資主任研究員は「地価の下落の幅は小さくなっていて、今回の判断は妥当だと思う。今後の感染状況による影響に注視したい」と話しています。

個人的には、税理士として相続税の申告業務も年間数件していますので、引き下げがあればいいなぁと思っていましたが、結局、引き下げはしないということになってしまいましたね。
株式の場合、一部の上場株式の月ごとの株価の推移が反映されるため、新型コロナウイルスの影響が比較的反映されると思いますが、土地と株式では元々の評価方法が異なるので、仕方ないんでしょうね。

国税庁が「路線価」を引き下げなかったことについて、どう思われましたか?


分けにくい、貸しにくい、売りにくいタワーマンション節税は有効なのか?

週刊ポストによると、2015年の税制改正で、相続税の課税対象となる被相続人が急増しています。
もはや誰もが相続税を無視できなくなっているわけであり、相続税対策について知っておくべきことは多くなっています。

相続税対策では、一般的に、不動産において節税効果が大きいとされます。
金融資産に比べて、不動産は評価額が低くなるためです。
そして、この延長で節税テクニックとして頻繁に話題にあがるのが、タワーマンションの購入です。

以前は、1階と最上階で販売価格は大きく異るタワーマンションの建物の固定資産税評価額が1階も最上階も面積が同じであれば同じだったため、親が高層階の物件を購入し、相続税を低く抑えたのち、相続した子供が時価で高く売却する「タワーマンション節税」が盛んでした。

それが2017年の税制改正で高層階ほど評価額が高くなり、節税メリットが少し薄くなったとされます。
夢相続代表で相続実務士の曽根惠子氏がアドバイスしています。
「それでも一般的な評価額は時価の30%程度しかなく、1億円で購入したタワマンの評価が3,000万円未満ということがよくあります。
ただし、タワマンは『分けにくい、貸しにくい、売りにくい』というデメリットもあります。1億円で1部屋を買うよりは、コンパクトな部屋を3~4部屋購入した方がリスクを分散できます。」

同様に節税対策としてよく取り上げられるアパート経営はどうなのでしょうか?
「土地活用で賃貸住宅を建てると『貸家評価』となって評価額がさらに低くなります。例えば1億円の建物であれば2,800万円ほどの評価になります。更地で持たず建物を建てると、節税メリットがはるかに大きくなります。」(前出・曽根氏)

ただし、素人のアパート経営には大きなリスクがあります。
元国税調査官で税理士の松嶋洋氏が解説しています。
「節税対策として不動産の賃貸経営を望む人は多いですが、相続税を減らしても相続後に入居者が見つからず、不動産事業としてのキャッシュフローが回らなくなるケースが多く、固定資産税などの維持コストもかかる。アパート経営は賃貸事業のノウハウがない人には、お勧めできません」

不動産業者が「節税対策になる」とアパート経営を勧めてくるケースもあるので注意したいですね。

個人的には同感です。
公認会計士・税理士として、相続関連のお仕事を年に数件させていただいておりますが、僕もアパート建設などによる節税対策に関して意見を求められたときは、『確かに相続税は安くなるかもしれません。しかしながら、空室の増加などによって負の財産(借入金が返済できない、売れない、壊すにしても多額の費用がかかるなど。)となる可能性がありますので、節税は置いておいて、アパートなどの建設を賃貸業の経営と考えたときに、経営が成り立つと思われるのであればやればいいんじゃないですか。』と答えるようにしています。
目先の利益だけを考えず、将来的なことを考えて検討してほしいと思いますね。

分けにくい、貸しにくい、売りにくいタワーマンション節税について、どう思われましたか?


第四銀行が「家族信託」の利用支援業務を開始!

日本経済新聞によると、第四北越フィナンシャルグループ(FG)の第四銀行は、財産の管理や運用などの権利を家族へと託す「家族信託」の利用支援業務を始めました。
少子高齢化に伴い、高齢者の財産の管理や運用などについて悩む人が増えていることに対応するものです。

業務は2020年9月1日に開始しました。
顧客が家族信託に関する相談や利用を希望する場合は、第四銀行の提携先である司法書士や税理士などの専門家を紹介するようです。
紹介だけで手数料はかかりません。
別途、専門家が定める報酬や手数料などは払う必要があります。

信託財産を管理するための専用の口座も開設できるようにしました。
開設手数料は1口座当たり5万5,000円です。
口座開設にあたっての必要書類である信託契約書は、専門家を通じて作成してもらうことになります。

僕自身は、数年前から『家族信託』に取り組んでいますが、金融機関の対応が遅いなぁという感じです。
あとは、なぜ口座開設料が必要なのだろうか?と疑問に思います。
まぁ、少しずつでもいいから、こういったことを積み重ねて『家族信託』が世の中に認知されていけばよいですね。

第四銀行が「家族信託」の利用支援業務を開始したことについて、どう思われましたか?


志村けんさんの愛犬は家政婦が相続!

2020年3月末に、新型コロナウイルスによる肺炎で急逝した志村けんさん(享年70)ですが、女性セブンによると、生前愛用していた高級外車「キャデラック・エスカレード」を、お笑いコンビ『千鳥』の大悟(40才)が購入していたことが報じられているが、ほかにも、“相続”は進んでいるそうです。

『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)の司会を16年間務めた志村さんは、プライベートでも動物好きで有名でした。
これまで計7匹の犬を飼っており、亡くなる直前には、豆柴の「殿(との)くん」とゴールデンレトリバーの「チロくん」とともに暮らしていました。

「志村さんは、自宅の庭に犬用のプレハブ小屋を建てるなど、愛犬をわが子のようにかわいがっていました。散歩は1匹ずつ連れて行くのがルール。長いときは犬が満足するまで、2時間も散歩していたようです」(志村さんの知人)

なかでも殿くんとは深い絆で結ばれていました。
殿くんと出会ったのは、2010年に『天才!志村どうぶつ園』のロケで訪れた豆柴ブリーダーの施設です。
そのとき志村さんは、すでにほかの犬を飼っていましたが、殿くんのキュートな姿に魅了され、一緒に暮らし始めたのです。

「殿くんも志村さんにとてもなついていて、この3月、コロナで志村さんが入院してからも、しばらくは玄関先で主の帰りを待っていた。1週間ほどで志村さんがもう帰ってこないことに気づいたのか、今度は寝室に行き、志村さんのにおいが残るベッドで丸まっていたそうです」(前出・志村さんの知人)

志村さんにとって2匹は家族同然です。
しかしながら、コロナで入院直後から意識を失い、そのまま帰らぬ人となったため、家族の“相続問題”は未解決のままでした。

「亡くなった当初、関係者の間では番組で共演していた嵐の相葉雅紀さん(37才)が引き取るのでは?とも囁かれていました」(テレビ局関係者)

志村さんは遺産整理をせずに亡くなったと報じられたが、愛犬に関しては別でした。
こんな“遺言”を残していたそうです。
「日頃から犬のお世話をしていた2人の家政婦さんに、“自分にもしものことがあったら2匹を頼む”と話していたそうです。いま、殿くんとチロくんは、それぞれ家政婦さんの元で元気に暮らしていますよ」(前出・志村さんの知人)

志村さんのもう1つの遺産である『天才!志村どうぶつ園』は2020年9月で終わり、10月からは相葉さんが新MCの動物番組が始まります。

番組終了に際して、志村さんの“形見分け”が進んでいるそうです。
「番組で志村さんが首に巻いていたピンクのバンダナと同じ物が100枚以上も残っているんです。番組終了のタイミングで共演者やスタッフに配られる計画があるようです」(前出・テレビ局関係者)

志村さんの“遺産”は、彼の信頼する仲間たちに託されました。
天国の志村さんも安心しているに違いないですね。

僕は、税理士として、相続税関連の仕事をそれなりにさせていただいていますが、やはり、ペットも家族同然ですよね。
ペットは相続人となりえないのですが、『民事信託』とか『家族信託』と呼ばれるものを使えば、ペットのために財産を残すことができます。
ペットの飼育のために財産を残したい方は、検討されても良いかもしれませんね。

志村けんさんの愛犬は家政婦が相続したことについて、どう思われましたか?


内閣府特命担当大臣(少子化対策)が少子化財源に相続税増税と発言!

日本経済新聞によると、衛藤晟一内閣府特命担当大臣(少子化対策)は、先日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、少子化対策を推進するため、財源として相続税の増税を検討すべきだとの考えを示しました。

「相続についてもっと社会全体として受け取ってもいいのではないか」と言及しました。

これは、多子世帯への給付金の拡充や育児休業給付金を休業前賃金の80%に引き上げる措置を念頭に置いているようです。

財務省に概算要求や税制改正を求めるそうです。

2015年から基礎控除額の引き下げなどにより、相続税が増税になっていますが、また、増税になるんですかね?
今でも亡くなられた方のうち相続税を支払っているのは8%くらいの方なので、増税したところでそれほどの税収増にならないと思いますし、海外に移住する方も増えてしまうような気はします。
まぁ、コロナウイルスの影響で、消費税や所得税や法人税などは上げにくいと思いますので、上げても批判が少ないのは相続税かとは思いますが。
相続税対策がますます重要になってくるかもしれませんね。

内閣府特命担当大臣(少子化対策)が少子化財源に相続税増税と発言したことについて、どう思われましたか?


熊本国税局職員が相続税など2,800万円の申告逃れで懲戒免職!

熊本日日新聞によると、熊本国税局は、先日、本来払うべき相続税など計約2,800万円を払っていなかったとして、熊本国税局に勤務する50代の男性職員を同日付で懲戒免職処分にしたと発表しました。
国家公務員法で定める信用失墜行為に当たると判断したようです。

熊本国税局によると、2017年の職員本人と親族の相続税について相続財産の一部を申告せず、約2,380万円の税負担を免れていたそうです。
このほか2015年に親族から現金の贈与を受けたにもかかわらず、贈与税の申告をしていませんでした。

2018年7月に職員本人から税務調査を受けるとの報告が当時の所属長にあり、発覚したようです。
熊本国税局の調べに対し、「認識不足だった」などと釈明したそうです。

先日、熊本市の同局で会見した松原弘明国税広報広聴室長らは、この職員が既に追徴課税の納付を済ませたことなどを説明しました。
ただし、重加算税の有無など詳細については明らかにしませんでした。

また、約1年半にわたって勤務時間中に無断帰宅を繰り返すなどしていた県内の税務署勤務の50代の男性職員を同日戒告処分にしたことも発表しました。
松原室長は「いずれも税務行政に携わる公務員としてあるまじき行為」と陳謝しました。

この前の名古屋国税局の固定資産税の情報の不正入手もそうですが、あまりにも職員のレベルが低すぎますよね。
きちんと納税しましょうという立場の国税局の職員が、『認識不足だった』とよく釈明できるなぁと思います。
国税局の職員ももちろん専門分野はあるのでしょうが、国税局の職員として専門外の分野も最低限の知識を持っておくのは当然かと思います。
あと、熊本国税局は「意図的な脱税だったかどうかはいえない」としているので、多分、重加算税は課されていないんでしょうね。
納税者に厳しく、身内に甘いというのはどうかと思いますし、『意図的かどうか』をきちんと説明すべきだったのはないかと思います。
プライバシーがどうたらという局面ではないと思いますので。

熊本国税局職員が相続税など2,800万円の申告逃れで懲戒免職になったことについて、どう思われましたか?


相続税が課税されない非課税財産は?

ガシェット通信によると、相続が発生した際に相続人の方から、「どの財産に相続税が課税されるのですか?」というご相談をよくいただくようです。
結論としては、金銭に見積もることができるものすべてが相続税の課税対象です。

一般的な認識としては、預金残高や土地、建物などの不動産、株式などが思い浮かぶかと思いますが、これら以外にも貴金属、宝石、書画、骨董品、美術品、さらには貸付金や著作権、特許権までも相続税の課税対象となります。

このように相続税の課税対象範囲は非常に広いのですが、一方でどんな財産が非課税財産になるのでしょうか?

以下の財産については、相続によって取得したものだとしても相続税非課税財産となりますので、相続税は課税されません。
●生命保険金
被相続人にかけられていた生命保険の保険金は、保険料を被相続人が負担しているとみなし相続財産として相続税の課税対象となりますが、「500万円×法定相続人の数」で算出される非課税枠の範囲内であれば、非課税財産となり相続税は課税されません。
このような制度があるので、生命保険に加入する際には非課税財産になるように保険金額をうまく調整して加入しているケースが多いと思われます。
なお、生命保険金は、過去の判決から受取人固有の財産となるため、遺産分割協議の対象からは外れます。

●死亡退職金
被相続人に対して支払われる死亡退職金は、原則として相続税の課税対象ですが、生命保険金と同様に「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、その範囲内の金額であれば非課税財産として扱われます。

●寄付した財産
相続財産を寄付した場合、その財産は相続税の課税対象から除外されて非課税財産として扱われます。
ただし、寄付ならどこでもよいというわけではなく、国や地方公共団体等に寄付した場合で、なおかつ相続税の申告期限までに寄付を終えていなければなりません。
日本赤十字社などは、積極的に寄付を受け付けています。

●仏具など
葬儀で使用される仏具や仏壇などの財産は、原則として非課税財産として扱われます。
ただし、これを悪用して純金の仏像を作る人などがいるため、あまりにも高額なものについては相続税の課税財産となるので注意が必要です。
また、被相続人のお墓についても相続税の非課税財産として扱われます。
ところが、生前にお墓を購入していない場合は、死亡後に慌ててお墓を購入したとしても非課税財産にはなりませんので、ご注意ください。
ちなみに、葬儀費用については、原則として相続財産から債務控除として差し引いて相続税を計算することができます。

以下は、贈与税の非課税財産です。
相続税と並びよく質問を受けるのが贈与税の非課税財産です。
贈与税については、非課税財産の取り扱いが相続税とは微妙に異っています。

★法人からの贈与
贈与税は贈与を受けた側が納税義務を負いますが、あくまで個人から贈与を受けた場合に限られます。
よって、法人から贈与を受けた場合、贈与税は非課税財産として扱われ、代わりに所得税の課税対象となるため注意が必要です。
この際、贈与された財産は一時所得として申告することになります。

★生活費
配偶者や子供など日常生活に必要な生活費については、贈与税は課税されず非課税財産となります。
例えば、一人暮らしをしている子供に仕送りをするような場合は、生活費なので課税財産に当たりません。
金額に制限はありませんが、生活費と認められないほど極端に高額な金額については、贈与する前に一度税理士に相談することをおすすめします。
例えば、毎月30万円仕送りしていて、毎月15万円は貯金しているような場合は、この15万円は生活費とは認められません。

★教育費
子供の学校の入学金や授業料なども非課税財産として扱われます。
ただし、相続が発生した際に、子供の間でかけている教育費に大きな差がある場合は、相続人から特別受益の持ち戻しなどの訴えを受ける可能性があるため注意が必要です。
相続対策としては、できるだけ平等に教育費を支出するといった配慮も必要でしょう。
数年前から、教育資金の1,500万円までの一括贈与という制度ができ、大ヒット商品になっていますが、そもそも教育費は非課税ということを認識したうえで行うかどうかの検討をした方が良いでしょう。

★香典、見舞金
個人から受け取った香典や見舞金については、贈与税の非課税財産となります。
また、花輪代、年末年始の贈答、祝物なども贈与税は課税されません。

★相続開始の年に被相続人から贈与された財産
相続が開始する前に贈与を受けていたとしても、亡くなられた年に受けていた贈与については贈与税ではなく相続税の課税対象となります。
相続税申告においては、よく漏れる部分なので注意が必要です。
なお、相続開始前3年以内の贈与財産については、贈与税が非課税である年間110万円以下のものも含めて相続税の課税対象となる点にはご注意ください。

税金については、納税者が損をしていても税務署は教えてくれません。
知らないと損をすることがあるのです。
僕は年間に数件相続税の申告のお手伝いをさせていただいておりますが、時々、お墓を買ったのですが、引けないですかね?と言われます。
お墓の場合、お亡くなりになった後に買えば引くことはできませんが、お亡くなりになる前に買っておけば、非課税財産になります。
少しでも相続税を節税したいのであれば、生前であればできることは色々とあります。
早めに検討することをお勧めします。

相続税が課税されない非課税財産は?について、どう思われましたか?


2020年7月10日から遺言書がもっと身近に!

全国312カ所の法務局で遺言書を1通3,900円で預かるサービスが、2020年7月10日に始まります。
遺言書に関心があっても「ハードルが高い」と思う方もいるでしょう。
落語家「参遊亭英遊」の芸名も持ち、相続をわかりやすく伝える活動をしている相続専門税理士の石倉英樹さん(46)に、朝日新聞が聞いています。

<遺言書の相談が増えていると聞きます>
前は、財産が多い人、子ども同士の仲が悪くて相続争いが心配な人から相談がありました。
最近は子ども同士の仲が良くても、そのなかで1人でもお金に困っていれば書いておいたほうがいいと考えるようで、増えています。
新型コロナウイルスの感染拡大でダメージを受けている人が増えたことが心理的な影響を与えていると思います。

<法務局で預かるようになると変わりますか?>
一度3,900円を払えばずっと保管してくれて、気が変わったら同額で出し直すこともできるので、身近になります。
相続法の改正で遺言書はすべてを手書きする必要がなくなり、財産目録をパソコンで作ることや、通帳などのコピーの添付が認められました。
遺言そのものも、シンプルなものであれば「私は妻○○に全財産を相続させる」と書いて、日付と署名まで自筆したうえで、押印すれば有効です。
財産目録も不要です。

<ほかには何もいらないのですか?>
「配偶者にすべて」で済まない人は多いでしょう。相続で難しいのは、主な財産が家だけの場合です。
遺族の共有にすると誰が使うかでもめたり、誰かが反対すると売ることもできなかったりします。
実家をめぐる争いは、お金持ちより、ほかに財産が少ない家で起きがちです。

<遺言を書くのも、難しい決断になりますね>
遺言がないと、仲のいい子ども同士でももめることがあります。
兄弟姉妹で話し合えば収まることも、それぞれの配偶者が関わることで崩れることがあります。
遺言で誰かに譲ると書いたら、最後になぜそうして欲しいのかの説明があると、子どもたちは納得しやすいと思います。

<法務局で遺言の中身の相談もできますか>
それは「一切受け付けない」と書いてあります。
法務局は形式が整っているかどうかのチェックはしますが、中身の相談はできません。
私を含め、司法書士や行政書士などの専門家で、初回は無料で相談に応じる人がいます。
そのうえで難易度に応じて数万円の料金で作れるはずです。

<遺言書を書き始めるといろいろ考えそうです>
財産目録を作ると、例えば預金口座が多くて整理したいと思うかもしれません。
不動産の登記簿を取ると、親の名義のままで、自分自身の相続が終わっていないことに気づく人もいるでしょう。
パソコンで目録を作るのを子どもに手伝ってもらうと、改めて子どもと向き合う機会にもなります。
遺言書を書く前は8割を長男にと考えていた人が、書いた後に事情を知らない次男から優しくされて気持ちが変わったという話を聞いたこともあります。

<法務局に出す前に必要な準備はありますか?>
原則として予約が必要です。代理人ではだめで本人が行く必要があります。
本人確認のために写真つきの身分証が必要ですが、運転免許証がない人は写真つきのマイナンバーカードがあるとスムーズに手続きができそうです。

自筆証書遺言は、コストがかからないなどのメリットがありましたが、一方で、要件を充たしていない可能性がある、改ざんのリスクがある、発見されない可能性がある、家庭裁判所の検認が必要であるなどのデメリットがありました。
今回の改正で、安いコストで、かなりデメリットを抑えることが可能になりました。
ただし、内容のアドバイスなどは受けられませんので、やはり、それなりの財産をお持ちの方は公正証書遺言が良いでしょうね。

2020年7月10日から遺言書がもっと身近になることについて、どう思われましたか?


香川県の路線価は28年連続下落!

2020年7月1日に国税庁から令和2年分の路線価が公表されました。
香川県の標準宅地2,210地点の平均変動率は前年比0.3%マイナスで、28年連続下落となりました。

最も路線価が高いのは、高松市の高松丸亀町商店街で、1㎡当たり36万円で、前年より2万円アップし、4年連続上昇となりました。

高松丸亀町商店街の路線価は、2014年に高松市兵庫町の中央通りを抜いて以降7年連続で香川県内トップです。
2014年から2016年は31万円、2017年から3年連続で1万円ずつ上昇し、2020年は2万円上昇しました。
なお、対前年の変動率はプラス5.9%で、四国の26税務署内でトップです。

445万円だったピーク時の1992年と比べると、なんと8.1%の水準です。
全国の県庁所在地の価格順位では、前年より1位上がって26位でした。

ちなみに、どこにでも路線が付いているわけではなく、香川県には、8市9町ありますが、このうち路線価が付いているのは、6市2町のみです。
三豊市と東かがわ市には路線価が付いているところはありません。
町で付いているのは、宇多津町と土庄町のみです。

6市2町も全域に路線価が付いているわけではありません。
例えば、さぬき市で路線価が付いているのは志度だけ、土庄町は淵崎と大字なしのエリアのみです。
高松市も、西は香西東町や円座町辺りまで、東は北の方は屋島西町辺り、南の方は元山町辺りまで、南は円座町や仏生山町や上林町や六条町辺りまでです。

路線価は、土日の場合を除き、毎年7月1日に公表されていますが、評価時点は1月1日です。
それゆえ、新型コロナウイルス感染症の影響は反映されていません。
先日の日本経済新聞に、国税庁が、都道府県が不動産鑑定士の評価を基にまとめる基準地価(7月1日時点、毎年9月ごろに公表)が新型コロナウイルス感染症の影響で、広範囲で大幅に下落した場合、その地域の路線価を減額修正できる措置の導入を検討している旨の記事がありました。
僕も年間数件、相続税の申告のお手伝いをさせていただいていますが、早く申告・納税を終わらせて相続から解放されたいという方が多いのですが、おそらく今年は、それを待って申告をする方が増えるでしょうね。

香川県の路線価は28年連続下落したことについて、どう思われましたか?


国税庁の「マルサ」が摘発脱税手口を公開!

日本テレビによると、国税庁は全国の国税局査察部、通称「マルサ」が2019年度に摘発した手口の一部を公開しました。

部屋に置かれたごく普通の和ダンス。
奥に見えるカベ板を取り外すと、そこには1万円の束がぎっしり。
他の引き戸にも同じ細工が施され、隠されていた現金は5,000万近くにのぼりました。

一方、こちらはレンタル収納スペース。
中に置かれたキャリーケースを開けてみると、大量の紙封筒が敷き詰められおよそ1億4,500万円の現金が隠されていました。

これらは2019年度、国税局査察部、通称「マルサ」が家宅捜索で発見したものです。

国税庁査察課の寺田広紀課長は、「我々査察部門の使命というのは、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及することで、適正かつ公平な課税を実現していくことだと思っております」とコメントしています。

2019年度に摘発された脱税総額は93億円で、集計を始めた1972年度以降で最低となりました。
国税庁は近年は経済取引の国際化やICT化などに伴い、脱税の手段が複雑になっていることなどが要因とみられるとしています。

また、新型コロナウイルスの影響により事件の着手に影響を受けたとしながらも、今後、必要性に応じて調査を実施していきたいとしています。

どういうことがきっかけで発見されたのか知りたいですね。
ここ数年、相続税の知識のある方が増えてきたのか、どこかで調べたり聞いたりしてきたのか分かりませんが、『現金で持っておけば分からないでしょ。』みたいなことをおっしゃる方が増えてきたように思いますが、それほど甘くありません。
国税庁がこういったものをドンドン流して、少しでも脱税の抑制になれば良いなぁと思いました。

国税庁の「マルサ」が摘発脱税手口を公開したことについて、どう思われましたか?


国税庁がコロナで地価下落なら路線価の減額修正を検討!

日本経済新聞によると、新型コロナウイルスによる経済活動低迷などの影響で大幅に地価(時価)が下落した場合、相続税や贈与税の算定に使う「路線価」を減額修正できる措置を国税庁が検討していることが、関係者の話で分かったようです。
実態とかい離した課税となるのを回避するのが目的です。

路線価は主要道路に面する土地の1月1日時点の1平方メートル当たりの価格で、国税庁が毎年7月1日に公表しています。

相続税法は、相続財産は被相続人が死亡した時点の地価で評価すると定めています。
上場株などと違い、相続人が地価を把握するのは難しいケースもあり、国税庁が路線価を公表し、路線価に基づいて算定した地価を原則、認めています。

現行制度でも、地価が路線価を下回った場合は、納税者が個別に不動産鑑定士に頼んで評価額を出し、それをもとに相続税などを申告しても有効です。
ただし、鑑定には数十万円の費用がかかることもあります。

このため国税庁は、都道府県が不動産鑑定士の評価を基にまとめる基準地価(7月1日時点、毎年9月ごろに公表)が新型コロナの影響で、広範囲で大幅に下落した場合、その地域の路線価を減額修正できる措置の導入を検討しているようです。

路線価は通達に基づき国税局長が定めています。
路線価を減額修正するための法改正は必要なく、国税庁長官が通達を出せば対応できる見通しです。

地価がどの程度下がった場合に減額修正の措置を導入するのか、対象地域をどう決めるのかなど詳細は今後詰めるそうです。
対象地域の路線価に1未満の係数を乗じ、減額できるようにする案が検討されているもようです。

みずほ信託銀行系の都市未来総合研究所によると、新型コロナの感染拡大などが響き、上場企業などによる不動産売買額(公表ベース)は今年4月以降急減しています。
5月は約500億円と前年同月比で87%減でした。
平山重雄・常務研究理事は「不動産売買は様子見となる可能性があり、そうなれば地価の下落圧力が強まるだろう」と指摘しています。

2018年に亡くなった約136万人のうち、財産が相続税の対象となったのは約11万6千人で課税割合は8.5%でした。
相続財産で最も多かったのは土地で約6兆円(全体の35%)です。
株価や不動産価格の上昇などを背景に、相続税の課税対象となる人はこのところ増加傾向にありました。

ちなみに、路線価は、主要道路に面した土地の1平方メートルあたりの標準価格(1月1日時点)を示します。
相続税や贈与税の算定基準となるほか、銀行が融資の担保とする土地の評価にも使っています。
調査地点は約32万9千地点で、国税庁が毎年7月1日に公表しています。
路線価のほか、民間企業などの土地取引の指標として、国土交通省が毎年3月に公表する公示地価(1月1日時点)、都道府県が調べて国交省が毎年9月に公表する基準地価(7月1日時点)があります。
基準地価は7月を調査時点とするため年半ばの地価の動向を把握できる利点があります。

相続人の方にとってはこれが行われると嬉しいですね。
ただし、僕も年間数件相続税の申告をさせていただいておりますが、できるだけ早く相続税の申告・納付を終えて、心理的に相続から解放されたいとおっしゃる方がかなり多いので、これを使うために申告が少し遅くなってしまうのではないかという気もします。
個人的には、1月1日時点のものを公表するのであれば、路線価をそもそももっと早く公表して欲しいと思っています。
結局、7月1日に路線価とか倍率表が公表され、相続税の申告書のひな型が公表されるので、1月とか2月にお亡くなりになった方も、7月以降でないと相続税の申告ができず、その年度の最新の相続税の申告のソフトも8月とか9月にリリースされることになるため、申告が遅くなってしまうからです。

国税庁がコロナで地価下落なら路線価の減額修正を検討していることについて、どう思われましたか?


兄弟姉妹でもめないための「相続新ルール」の使い方と注意点!

週刊ポストによると、2018年7月の相続法の大改正を受け、遺産相続に関する新ルールが次々と施行されています。
これらの新制度にうまく対応していくことが、「兄弟姉妹」が円満に相続財産を分け合う上でのカギとなります。
相続実務士の曽根恵子氏(夢相続代表)が解説しています。

「財産目録のパソコンでの作成が認められたり、法務局で保管してもらえたりするなど、自筆の遺言書を残しやすくなりました。
ただ、親が遺言書を残しても、遺産分割に偏りがあって残された子供たちの間に不満が生じると、遺留分(相続人が最低限の遺産を確保するために設けられた制度)を請求する争いなどに発展してしまうことがあります。それを防ぐには、親が子供たちに対して、遺言書の内容をあらかじめ知らせ、きょうだい間で納得する話し合いを済ませておくことが大切です」

法定相続人ではない“長男の妻”などが介護や看病にあたった場合、遺産の一部を請求できる「特別の寄与」も新たに認められるようになりましたが、大切なのはやはり、親子間と子供同士での情報共有だそうです。

「親が亡くなってから後出しで“妻がこんなに介護していた”と言い出すと、きょうだい間の揉め事のタネになる。介護が始まった時点から、全員にどのくらいの負担があるかを伝えることです。
特別の寄与が認められるために介護記録が必要という話を聞くかもしれませんが、これも単に“請求の材料”と考えるのではなく、親の状態を知らせて共有するために活用したい。理想は、親から“世話になったので嫁にもこのくらい残したい”という話を子供たちにして、遺言書にもきちんと記してもらうことでしょう」(同前)

葬儀などの費用として、故人の預金口座から一定額(ひとつの金融機関につき上限150万円)が払い戻せる新制度もスタートしました。
遺産分割協議がまとまる前でも使える便利な仕組みですが、これも残された子供たち同士での話し合いを前提に利用したいですね。

「仲が悪いと“勝手に親の預金を使い込んだんじゃないか”という不信感を生みかねません。払い戻したお金を何に使ったか記録を残すのはもちろんのこと、できる限り親が生きているうちから預金口座や残高などの情報を子供同士で共有しておくのがいちばんです」(同前)

必要な情報共有や話し合いができれば、新ルールを円滑な相続のために活用できます。
それを実現するための準備に時間を使いたいですね。

僕自身、税理士として、年間数件、相続税の申告や相続対策のお仕事をさせていただいておりますが、ここ数年、遺産分割でもめたり、話しが長引いたりするケースが増えているように思います。
良い面も悪い面もあるのですが、相続人の方の相続に関する知識レベルが上がったり、未婚だったり、離婚して実家に戻ってきているケースが増えているのもあるかとは思いますが、生前の対策の不平等さや、対策をしていなかったことに起因していると思います。
やはり、相続対策は、お元気なうちに早めにスタートするのが良いでしょうね。

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静岡県内の4地銀8信金が2020年8月までに相続手続きを共通化!

日本経済新聞によると、静岡県内に本部を置く4地銀と8信金は、2020年8月までに預金などに関する相続手続きを共通化するそうです。
顧客にとっては用意する書類が各金融機関で統一され、書類作成の負担が軽くなります。
非競争分野で手を組み、顧客の利便性を高めるようです。

2019年10月、静岡銀行と浜松いわた信用金庫(浜松市)が相続手続きを共通化しました。
この取り組みを、静岡県内の他の金融機関にも広げます。

共通化には、しずおか焼津信用金庫(静岡市)、島田掛川金曜金庫(掛川市)など6信金、清水銀行が既に参加しました。
2020年6月にはスルガ銀行、8月には静岡中央銀行と富士信用金庫(富士市)も加わる予定です。

共通化では、相続人が複数いる場合でも、相続人代表者1人分の署名・なつ印で相続手続きが可能になることがあります。

一方、富士宮信用金庫(富士宮市)は、「遠方に相続人がいる場合などは利便性が高まるが係争に発展するリスクもある」として導入を見送りました。

静岡銀行によると、相続手続きは年約1万件に上るようです。
高齢化に伴って件数も増えています。

僕も毎年数件の相続税の申告のお手伝いをさせていただいていますが、相続発生後の手続きが面倒ということをよく耳にします。
金融機関ごとに必要な書類が異なるということが、その中でも多いと感じます。
それゆえ、今回の静岡県内の金融機関の相続手続き共通化というのは、素晴らしい取り組みだとだと思います。
ただし、おそらく痛い目にあったことがあるのだと思いますが、相続人が複数いる場合でも、相続人代表者1人分の署名・なつ印で相続手続きが可能になることがあるというのは、参加していない富士宮信用金庫のおっしゃるように、係争のリスクを抱えているのではないかと思います。
係争の起こらないような形で手続きを共通化すれば、とても素晴らしいことだと思いますし、全国的に統一されればいいなぁと思いますね。

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富裕層だけではなく中流層も「標的」とし相続課税を強化!

「税額が100万円程度の小規模な申告の件数が増えている」と、東京都、神奈川県など首都圏で相続税の申告を扱うランドマーク税理士法人の清田幸弘代表税理士は話しています。
相続税は富裕層の税金、自分には関係ないと考える人は多いのではないでしょうか?
実際、2018年の被相続人(亡くなった人)1人当たりの課税財産額は1億3,956万円、税額は1,813万円と高額です。
しかしながら、今後は「自宅と金融資産で5,000万円程度の中流層も課税を避けられない」(清田氏)とのことです。
親が都市部に住んでいるなら、あなたも相続税を支払う可能性が高いと言えるでしょう。

原因は2015年の相続課税強化です。
非課税となる基礎控除が従来の「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」から「3,000万円+600万円×法定相続人数」へと40%も縮減されました。
相続人が配偶者と子ども2人の場合、非課税枠は8,000万円から4,800万円に減りました。
その結果、東京、大阪など都市部の中流層にも課税の裾野が広がりました。

増税前の2014年は年間死亡者約127万人に対して、相続税が課税されたのは被相続人ベースで約5万6,000人で、課税割合は4%台でした。
増税後の2015年以降は年間死亡者130万人台に対し課税対象者は10万人台と、課税割合は8%台に上昇しています。

特に都市部で比率が増しています。
東京国税局管内の東京都、神奈川県など1都3県の課税割合は2017年には13%台に上昇しました。
死亡者の8人に1人が相続税の課税対象となる計算です。
全国平均を下回る熊本国税局管内(熊本県、鹿児島県など4県)が4%弱にとどまるのと対照的です。

ただし、地方でも安心できません。
2025年には団塊世代が全て75歳以上の後期高齢者となり、社会保障費の増加で国の財政難は一段と厳しくなります。
増税は不可避の状況で、相続税も非課税枠のさらなる縮小などが検討されるでしょう。
相続税は全国的に中流層を巻き込むことになりそうです。

辻・本郷税理士法人の浅野恵理税理士は「自分が相続税を払う立場になるかを確認したい」と話しています。
親の保有財産を調べ、非課税枠内に収まっているかを見ます。
非課税枠を上回っているなら、生前贈与などで課税財産を減らします。
毎年、贈与税の基礎控除(年110万円)の枠内で贈与すれば10年間で最大1,100万円を無税で減らせます。
親と一緒に考えたい相続税対策です。

次に、親の自宅敷地に「小規模宅地の評価減の特例」を適用できるかを検討します。
この特例は330平方メートルまでの自宅敷地を配偶者や同居の子どもが相続する場合に評価額を80%減らせるのです。

人生100年時代には「支出管理」が重要になります。
この支出管理には日々の節約だけでなく、節税も含まれます。
医療費控除などを利用して所得税を減らすだけでなく、特に負担が大きい相続税節税にも関心を持ちたいですね。
ただし、親が生前贈与に走りすぎた揚げ句、生活資金が足りなくなるような事態は避けたいですね。
相続税の納税原資となる資金は別枠で現金で用意するよう親と話し合うとよいでしょう。
相続人である配偶者や自分ら子どもが困らないよう家族で準備することも大切な心得なのです。

僕自身もここ数年、年間数件の相続税の申告のお手伝いをさせていただいており、現在も数件進行中ですが、結果として相続税の申告が不要なケースが増加しているのと、全体的に遺産総額が少なくなってきているのはすごく実感しています。
それゆえ、相続税にももっと早くから興味を持っていただきたいなぁと思いますね。

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生涯収入50億円の野村克也さんの遺産をめぐる骨肉バトル!

資産家が亡くなると、著名人であればあるほど、財産分与で揉めることが多くなっています。
週刊FLASHによると、2020年2月11日に虚血性心不全で亡くなった野村克也さん(享年84)の場合も、雲行きが怪しくなっているそうです。

野村さんは、現役時代と監督時代の年俸に加え、解説者としてのギャラや講演料などで、生涯収入は50億円を超えると言われています。
さらに、田園調布に豪邸を構えており、莫大な財産をめぐっての遺産相続争いが起きる条件は、整っているというわけです。

野村さんには、前妻との間に生まれた長男、妻の故・沙知代さんの連れ子で養子の団野村氏(62)、ケニー野村氏(60)、そして沙知代さんとの間に生まれた克則氏(46)と、4人の息子がいます。
本来であれば、兄弟4人で財産を均等に分ければすむ話ですが、そう簡単には運びそうにないそうです。

野村家親族の関係者が、内情を吐露しています。
「じつは、野村さんの財産分与以前に、2017年12月に急死した沙知代さんの遺産分割で揉めていて、いまだに解決していないんです。
沙知代さんの財産は、夫である野村さんが2分の1、残りを団氏、ケニー氏、克則氏が3分の1ずつ相続する権利がありましたが、財産といっても、ほとんどが自宅などの不動産で、現金はそれほど多くなかったんです。
ところが団氏は、不動産を現物で取得する形での相続を望んでおらず、『不動産を売却して現金化したうえでの相続』を要求していると聞いています」

そもそも団氏は、沙知代さんの存命中から、不動産の売却を口にしていたそうです。
「それに対して克則氏は、『2人の思い出が詰まった家だし、“終の住処” にしてあげたい』と、反対したんです」(同前)その言葉どおり、克則夫妻は、自分たちの家も敷地内に建て、半同居生活を送ってきました。

「克則氏にすれば、『2人の面倒を見てきたのは自分と妻の有紀子さんだ』という自負がある。あまり関わってこなかった団氏が、自分に都合のいい要求をすることが、我慢ならないのでしょう」(同前)

思い出のある家や土地を残したい克則氏と、現金化したい団氏――。
このようなケースの場合、どう対処したらいいのでしょうか?
相続問題に詳しい、木野綾子弁護士に聞いています。
「遺産分割で、どうしても現物の取得を望まないというのであれば、不動産分を克則さんが取得して代償金を支払うか、第三者に不動産を売却して、その売却代金を分けることになります。
話し合いがつかなければ、家庭裁判所で遺産分割の調停を申し立て、それでも決着しない場合は、審判を仰ぐことになります。ここまで話がこじれると、決着するまでに2~3年はかかるでしょうね」

当然だとは思いますが、週刊FLASHが遺産相続問題について団氏・克則氏に問い合わせたところ、期日までに回答はなかったようです。

この沙知代さんの相続問題が解決しても、野村さんの遺産相続が控えています。
今度は、野村さんと前妻との間に生まれた長男にも相続権があるわけで、兄弟4人による泥沼の相続問題に発展する恐れもあります。

「親が急死した場合、相続で揉めるケースはかなり多い。だからこそ、元気なうちに遺言書を作っておくべきです」(木野弁護士)

息子たちの骨肉バトルを、野村さんは草葉の陰でボヤいているのでしょうか?

財産があるというのも、遺産分割でもめることが多く、悩ましいですね。
あとは、兄弟姉妹間で、父親や母親が違う方がおられるとますます難しくなることが多いですね。
やはり、もめるのが目に見えているような場合は、ご本人がお元気なうちに相続対策をして、お子様らにどう分けたいかを納得してもらっておかない(場合によっては、親の威厳で抑え込まないといけないこともあるとは思いますが。)と、相続が『争族』になる可能性が高いので、早めの相続対策をしましょう。
もめて得をすることはありませんので。

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公示地価が5年連続上昇!

国土交通省が先日発表した2020年1月1日時点の公示地価は、商業・工業・住宅の全用途平均(全国)が1.4%のプラスと5年連続で上昇しました。
札幌など中核4市を除く地方圏も0.1%上昇と28年ぶりにプラスに転換しました。
ただし、訪日客の増加や都市の再開発がけん引する構図で、新型コロナウイルスの経済への打撃が長引けば影響は避けられないでしょう。

住宅地は堅調な雇用や超低金利に支えられ、0.8%上昇しました。
商業地は3.1%上昇となり、それぞれ前年より伸び幅が拡大しました。

商業地は東京、大阪、名古屋の三大都市圏では5.4%のプラスとなりました。
企業が人材獲得のため、ゆとりのあるオフィスや通勤時間を減らせるサテライトオフィスを確保する動きが影響したようです。
訪日客の多い地区を中心にホテルや店舗向けの引き合いも強かったようです。

地方の中核4市(札幌・仙台・広島・福岡)は伸び幅が11.3%と2桁に達しました。
訪日客の消費も見込んだ商業施設やオフィスの開発が活発し、東京などの不動産価格が上昇したことを受け、より高い投資収益を求めるマネーが地方に流れたようです。

地価上昇の動きは中核4市を除く地方にも広がりました。
商業地では我がうどん県(香川県)がプラスに転じ、24都道府県で上昇しました。
秋田市では秋田駅周辺で複数の再開発が進んでいることが評価され、27年ぶりに上昇に転じました。
住宅地では山形、長崎の両県でプラスに転換しました。

もっとも、調査地点に占める上昇地点は全国で48%、地方で37%にとどまり、広がりを欠きます。
調査後の2020年2月から新型コロナの経済への打撃が強まり始め、地価回復のけん引役である観光地と大都市に影を落としています。

商業地の上昇率が13.3%、住宅地が9.5%で、ともに全国首位となった沖縄県ですが、中国発などのクルーズ船の寄港キャンセルや航空路線の減便により、足元では国際通りなどの繁華街では人出がめっきり減っています。

沖縄県内の商業施設でも営業時間短縮などの動きが相次いでいます。
地元の不動産鑑定士の浜元毅氏は「影響が長期化すれば不動産の価格にも影響を及ぼしかねない」と話しています。

訪日客数は経済情勢や2国間関係に左右されやすく、2019年は日本全体で2.2%増にとどまりました。
地価上昇を持続させるには、暮らしやすい街づくりなど地域の魅力を高める取り組みが欠かせないでしょう。

2020年の公示地価は、2019年に日本列島を襲った大型台風が爪痕を残しています。
浸水被害のあった長野市の住宅地は全国で最大の下落率となりました。
2018年に西日本を襲った豪雨など頻発する自然災害が地価を押し下げる状況が続いています。
地価上昇が続いた都心でも、一服感が見える地域も出始めているようです。
新型コロナウイルスによる逆風も強まり、地価上昇の持続力が試されています。

2019年10月の台風19号の被災地では地価の下落が目立ちました。
長野市では千曲川の氾濫で浸水した4カ所が下落しました。
堤防が決壊した場所から近く、住宅全壊などの被害が特に大きかった豊野地区(住宅地)の地点の下落率は13.6%と全国最大になりました。
同地区の3月1日時点の人口は台風前と比べて3%減り、地価下落に拍車をかけました。

福島県いわき市では、上昇基調だった地価を今回の被害が直撃しています。
市役所に近い地点では横ばいまで回復してきた地価が3.1%減となり、浸水があった商業地の地点では2019年の1.9%上昇から4.6%減へとマイナスに転じました。
宮城県丸森町でも1%未満まで下落幅が縮小していた住宅地の2地点が3~5%のマイナスに落ち込みました。

公示地価からは長く続いた上昇局面の一服感を示す数字も見て取れます。
2019年7月1日時点の基準地価と今回の公示地価の共通地点(約1,600地点)の変動率を見ると、半年間の地価上昇率は東京圏の住宅地で0.8%です。
2019年前半の半年間は0.9%で、今回5年ぶりに伸び率が縮小しました。
商業地でも三大都市圏の上昇率は2019年前半が3.2%、後半が3.3%と落ち着いてきています。

全国最高額は今回も東京都中央区銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」でしたが、伸び幅は2019年の3.1%からほぼ横ばいの0.9%に鈍化しました。
1平方メートルあたり5,770万円と既にバブル期の最高価格を上回っています。
商業地の価格で2位だった銀座5丁目の「対鶴館」も上昇幅は4.5%から1.2%に縮んだ。

銀座の場合は再開発が一巡したことや、有名店の出店が緩やかになっていることも背景にあるようです。
一般的に不動産価格は都心から地方へ上昇の波が広がっていきます。
都心の一等地で価格の一服感が出てきたことは地価の潮目の変化を示しているとの見方も多いようです。

同様の傾向は名古屋圏でも見て取れます。
全用途平均の上昇率は1.9%で、2019年の2.1%より小幅になりました。
「名古屋市中心部の中村区や中区の価格水準が上がった」(国土交通省)ことが背景にあるようです。

都市未来総合研究所によれば、国内の不動産取引は6年ぶりに4兆円を割った2018年度からやや増加し、2019年度は2月までの時点で約3.9兆円に回復しました。
ただし、5兆円前後の取引があった2014年度や2017年度に比べれば低い水準です。
海外勢の投資意欲はなお強いようですが、都心の物件価格の高騰による投資利回りの低下もあり、投資に慎重になっている様子がうかがえます。
中核4市を除いた地方圏の商業地では、基準地価との共通地点で比べると2019年の前半と後半で伸び率が0.8%で変わりませんでした。
景気が後退局面入りした可能性も取り沙汰されており、今後は子育て世代の支援や高齢者に優しい街づくりなどの努力がより重要になるでしょう。

上昇しましたが、来年はコロナウイルスの影響で下がるでしょうね。
家賃が支払えなくて出ていくテナントも増えていくでしょうし、将来への不安も増えていくでしょうから、家賃は下がり、土地の需要も減るでしょうから、数年間は厳しいでしょうね。
このような状況ですので、路線価などにも影響を及ぼす公示地価を修正することはできないのでしょうか?
相続税申告時の評価は高く、売ればかなり安いという状況になってしまうと思いますので。

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荒廃の淡路島のランドマーク「大観音像」が民法に基づき「国庫帰属」となり解体へ!

弁護士ドットコムによると、兵庫県淡路市の「世界平和大観音像」(高さ約100メートル)は、所有者が亡くなってから、しばらく放置されていましたが、財務省近畿財務局がこのほど、2022年度までに解体撤去すると発表したそうです。

大観音像は1982年、地元出身の実業家の男性が建立しましたが、男性は1988年に亡くなり、相続人も2006年に死亡していました。淡路市によると、モルタルが剥がれ落ちるなど荒廃がすすみ、住民から不安の声があがっていたようです。

民法のルールでは、所有者が明らかでない場合、以下のような手続きがとられることになっています。

(1) 利害関係人などからの申し立てによって、家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任する
(2) 相続人がいない場合は、一定の手続きを経たあと、金銭や不動産などの残余財産が国庫に帰属する

近畿財務局によると、大阪地裁が2011年、相続財産管理人(弁護士)を選任して、2018年に相続人がいないことが確定しました。
そして、このほど清算手続きが終了したため、2020年3月30日付で、大観音像(十重の塔、山門含む)は国庫に帰属することになりました(民法959条)。

大観音像はかつて淡路島のランドマークでした。
週刊ダイヤモンド(2009年9月12日)によると、1日で数千人が訪れる観光名所だったそうです。
しかしながら、2006年に相続人が亡くなり、閉鎖・放置されてからは一気に建物の劣化が激しくなったとされます。
しかも、勝手に入れるような状態だったようです。
神戸新聞によると、2020年2月、観音像の展望台から男性が飛び降りて亡くなるという事件も起きています。

近畿財務局は、住民の不安を解消するため、十重の塔と山門は2020年度中に、大観音像は2021年度から2022年かけて解体撤去工事をすすめるとしています。

個人的には時々淡路島に入っていますが、ここには行ったことがありませんでした。
集客力のあるランドマークがなくなるのは、大変残念だと思いますが、法律的なことはよく分かりませんが、地元の方々で何とか保存する方法はなかったのでしょうか?
あとは、ご本人や相続人がお亡くなりになるのがもう少し後であれば、建立された方にたくさん資産があるとすれば、信託を用いて何かできなかったのだろうかと思います。
維持費はかかるのでしょうが、インパクトのあるもの、インスタ映えするものは、淡路島のみならず、どこの観光地などの集客にとっても貴重なものだと思いますので。

荒廃の淡路島のランドマーク「大観音像」が民法に基づき「国庫帰属」となり解体されることについて、どう思われましたか?


紀州のドン・ファンの田辺市への遺産の相続費用が最大1.8億円!

多くの女性と交際を重ねて「紀州のドン・ファン」とも呼ばれ、2018年5月に急性覚醒剤中毒で急死した和歌山県田辺市の会社社長(当時77)の遺産を田辺市が受け取るための手続き費用が、最大で約1億8千万円に達するとわかったようです。
田辺市は、新年度当初予算案に関連予算1億1,698万円を盛り込み、開会中の定例市議会に提案しています。

紀州のドン・ファンは田辺市に全財産を寄付するとした「遺言書」を残しており、田辺市は2019年9月、相続する方針を表明しました。
遺産は約3億円の預貯金や約9億8千万円分の有価証券などで約13億円に上るとして、寄付を受けるための弁護士費用など関連費用として、補正予算計約6,500万円を計上していました。

債務や評価額未定の土地や建物、絵画などもあり、現在も最終的な金額は確定していないようです。
田辺市は新年度予算案に弁護士委託料1億94万円や鑑定評価手数料1,254万円などを盛り込み、年度中に債務を清算、土地や建物の評価額を算出して換金し、プラスの財産を確定することを目指すそうです。

紀州のドン・ファンの妻は遺産の一部を受け取る権利が法律で認められており、田辺市は遺産総額を確定させた後、財産分割の協議に入るそうです。

一部遺族から「遺言書」を無効とする訴えが起こされた場合、予定どおり寄付を受けられない可能性もあるようです。

結局、田辺市で、約1億1,700円を含む2020年度の当初予算が可決されたようですね。
個人的には、遺産の額に対して相続費用が高いように感じますが、田辺市としては、ネットで残れば良いんでしょうね。
遺産分割協議もすんなりいくとは思えないですし、今後どうなっていくのかウォッチしていきたいですね。

紀州のドン・ファンの田辺市への遺産の相続費用が最大1.8億円かかることについて、どう思われましたか?


『遺産相続トラブル』で70歳女性が61歳義理の妹に暴行した疑いで逮捕!

母親の遺産相続をめぐって口論になり、義理の妹に暴行を加えた疑いで、70歳の女が逮捕されました。
暴行の疑いで逮捕されたのは、兵庫県加古川市に住む無職の女性(70)です。

警察によりますと、女性は、先日、兵庫県多可町の住宅で、義理の妹(61)の腕をつかんだり引っ張ったりするなどの暴行を加えた疑いがもたれています。

2人は90代の母親の遺産の相続や年金をめぐって数年前からトラブルになっていたということで、口論の末に女が暴行したということです。
警察の調べに対し、女は「色々ないざこざはあった」と容疑を認めています。
警察は詳しい状況などを調べています。

こういうことは表沙汰にならないものがあるでしょうから、世の中にたくさんあるんでしょうね。
特に、今回のケースは義理の妹なので、血族ではないので、こういうことになるかもしれませんね。
やはり、相続税がかかるかどうかに関係なく、相続対策の中でも遺産分割対策はきちんとしておかないといけないですね。
相続をきっかけに仲が悪くなるということは、亡くなった方も望んでいないでしょうから。

『遺産相続トラブル』で70歳女性が61歳義理の妹に暴行した疑いで逮捕されたことについて、どう思われましたか?


鳩山邦夫元総務大臣の遺族が遺産7億円の申告漏れ!

 2016年に67歳で死去した鳩山邦夫元総務大臣の遺族が東京国税局の税務調査を受け、相続財産について約7億円の申告漏れを指摘されたことが関係者への取材でわかったようです。
政治団体への貸付金を相続財産に含めないなどのミスがあったそうです。
過少申告加算税を含む追徴課税は2億数千万円で、すでに修正申告したとみられます。

鳩山氏が代表を務めていた資金管理団体「新声会」の収支報告書によると、2016年6月の死去の時点で、鳩山氏から6件計約4億5千万円の借入金がありました。
故人が会社や個人などに資金を貸し付けていた場合、原則として相続財産の対象となります。
しかしながら、関係者によると、鳩山氏の遺族らは、相続税の申告時に新声会への貸付金を計上していなかったとみられます。

このほか、不動産の評価額の誤りなどもあり、申告漏れの総額は計約7億円にのぼったそうです。
いずれも意図的な税逃れではないと判断され、重加算税は課されなかった模様です。

政治団体の代表者が死亡した場合の残金処理の規定はなく、後継者が新たな代表者となってそのまま資金を使うことも、別の団体に資金を移すこともできます。
こうして政治資金として引き継ぐ場合は相続税や贈与税はかかりませんが、収支報告書によると、衆院福岡6区の地盤を継いだ次男の鳩山二郎衆院議員(41)の資金管理団体への資金移動はありませんでした。

鳩山氏の母親はブリヂストン創業者の故・石橋正二郎氏の長女安子氏(2013年2月に90歳で死去)で、鳩山氏は同社株や不動産などを保有し、兄の由紀夫元首相(72)と並んで政界有数の資産家でした。
死去により、妻エミリー氏(64)、二郎氏ら遺族4人は100億円を超える遺産を相続したとみられます。

鳩山家の資産管理会社「六幸商会」(東京都港区)は朝日新聞の取材に対し、「何もお答えできない」としているようです。

これだけの財産を持っている方だと、それなりの税理士が付いていると思いますが、貸付金が漏れていたり、不動産の評価額が誤っていたというのは、どうなんでしょうか?
鳩山家は以前にも、相続を巡って問題があったと思いますが、慎重にならなかったのでしょうか?
政治団体の残金は政治資金として引き継ぐと相続税や贈与税がかからないというのもおかしい(二世議員を生み出すもと)とは思いますが、なぜ引き継がなかったのでしょうか?
財産をたくさん持つというのも、色々と大変だなぁと改めて感じた1件でした。

鳩山邦夫元総務大臣の遺族が遺産7億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


相続登記を怠ると罰則や所有権放棄制度の創設も!

 毎日新聞によると、法制審議会(法相の諮問機関)の民法・不動産登記法部会は、先日、所有者不明土地問題の解消に向けた制度改正に関する中間試案の概要をまとめたようです。
相続登記を義務付けて怠った場合の罰則を設けるほか、所有権の放棄を可能とする制度を創設することなどが柱となっています。
部会がさらに検討を加えたうえで年明けに意見公募を実施し、来夏にも要綱案をまとめるようです。
政府は、来秋の臨時国会に民法などの改正案提出を目指しています。

土地の権利関係の登記は、相続などで所有者が変わっても名義を変更する義務はなく、税負担や手続きの手間を避けようと、相続人が登記をしないケースがあるとされます。
所有者が分からないまま放置される土地が増えているとの指摘を踏まえ、中間試案は、被相続人が亡くなって相続人が土地を取得してから一定期間内に登記することを義務付け、怠れば罰則として過料を科すとしました。

また、少子高齢化などを背景に土地を手放したい人も増えていることから、所有権放棄を認める制度も創設するようです。
土地所有者からの申請を受け、権利関係に争いがないか、現状のままで管理が容易か、などの要件について行政機関が審査し、放棄が認められれば国有地になるとしました。
将来的には自治体が取得して再開発するなどの利用が想定されています。

このほか、相続人が遺産分割の協議を行う期間に制限を設ける新制度も盛り込まれました。
協議がまとまらずに遺産分割されないまま長期間経過すると、権利関係が複雑化し、土地の有効活用を妨げるとの指摘があります。
このため、制限期間を過ぎた場合は、家庭裁判所などが法定相続分に従って分割します。
制限期間は「10年」とする案を有力とし、「5年」とする案も併せて検討します。

所有者不明土地問題を巡っては、増田寛也元総務相ら民間有識者でつくる研究会が2017年、所有者が分からなくなっている可能性のある土地の総面積が約410万ヘクタールに達するとの推計を公表しました。

相続関係の仕事をしていると、相続登記をせずに放置したままになっている土地をまぁまぁ目にします。
個人的には、遅くなればなるほど、関係者が増えて登記を行う際の手間が増えると思いますので、義務化は大賛成です。
相続したものの使い道のない土地というのもかなり目にしますので、所有権の放棄も大賛成ですね。
あとは、意図的に相続登記をしていないケースと、遺産分割協議が終わっていないケースがあると思いますので、遺産分割協議の期間に制限を設けるのも良いかなぁと思います。
ただし、これについては、ご家族にしか分からない過去の経緯、心情などがあると思いますので、一律法定相続分にしてしまうと、ますます相続人間の仲を悪くさせる可能性があるのではないかと思いますね。

相続登記を怠ると罰則や所有権放棄制度の創設がされることについて、どう思われましたか?


相続税の申告で「路線価」による評価を否定した地裁判決!

 「路線価に基づく相続財産の評価は不適切」とした東京地裁判決が波紋を広げています。
国税庁は路線価などを相続税の算定基準としていますが、「路線価の約4倍」とする国税当局の主張を裁判所が認めたからです。
路線価は取引価格の8割のため節税策として不動産を購入する人もいます。
しかしながら、相続税の基準となる路線価と、取引価格に大きな差があれば注意が必要です。

2019年8月末の判決で、東京地裁が路線価に基づく相続財産の評価を「不適切」としたのは、2012年6月に94歳で亡くなった男性が購入していた東京都内と川崎市内のマンション計2棟です。

購入から2年半~3年半で男性が死亡し、子らの相続人は路線価などから2棟の財産を「約3億3千万円」と評価しました。
銀行などからの借り入れもあったため、相続税額を「ゼロ」として国税側に申告しました。

しかしながら、男性が購入した価格は2棟で計13億8,700万円で、路線価の約4倍でした。
国税当局の不動産鑑定でも2棟の評価は約12億7,300万円で、路線価とはかけ離れていました。

このため、国税側は「路線価による評価は適当ではない」と判断しました。
不動産鑑定の価格を基に「相続税の申告漏れにあたる」と指摘し、相続人全体に計約3億円の追徴課税処分を行いましたが、相続人らは取り消しを求めて提訴していました。

土地や家などの相続財産は「時価」で評価すると法律で決められています。
ただし、国税庁は「納税者が時価を把握することは容易ではない」として主要道路に面する土地について「路線価」を毎年発表し、相続税や贈与税の算定基準としています。

路線価は土地取引の目安となる公示地価の8割の水準です。
このため現金よりも不動産を購入して相続した方が税金が安くなる傾向があり、”節税”目的での不動産取得は今も昔も広く行われていることは、よく知られていることです。

今回の判決では「特別の事情がある場合には路線価以外の合理的な方法で評価することが許される」と指摘しています。
今回は「近い将来に発生することが予想される相続で、相続税の負担を減らしたり、免れさせたりする取引であることを期待して実行した」と認定し、国税の主張する不動産鑑定の価格が妥当としました。

原告の相続人らは不服として控訴しています。

今回、国税当局は国税庁長官の指示で財産の評価を見直すことができる通達の規定(財産評価基本通達の6項)を適用して価格を見直しています。
相続税の算定基準を路線価とする根拠でもある通達です。

通達は国税当局の判断で財産の評価を変えられるため「国税の伝家の宝刀」とも呼ばれています。
しかしながら、どんな場合に宝刀が抜かれるのか明確な基準はなく、判決に困惑する税理士も少なくありません。

相続税の課税対象は、2014年は4.4%にとどまっていましたが、2015年1月から対象が拡大されました。
2017年に亡くなった人では8.3%とほぼ倍増しており、相続財産の評価が求められる機会が増えています。

相続税に詳しい佐藤和基税理士は今回の判決を受け、「金額の大きな相続では、手法やリスクの検討をこれまで以上に慎重にしないといけなくなる」と懸念しています。
税務訴訟に強い平川雄士弁護士も「正当な不動産投資をも萎縮させる可能性がある。国税当局は通達を適用する基準を明確にすべきだ」と指摘しています。

この判決には驚きですね。
僕は、以前、路線価で評価すると実勢価格と比べるとあまりにも高すぎるので、不動産鑑定士による評価を取り、それに基づいて申告した案件があるのですが、税務署に路線価でないとダメと言われたことがあります。
実勢価格と路線価がかなりかけ離れているというのであれば、国税庁の路線価の設定がおかしいのではないと思いますし、路線価がダメなケースがあるのであれば、財産評価基本通達で明確に示してほしいと思います。
そうしないと、国税庁の判断でどちらかということが決まってしまうことになりますので。
納税者には頑張ってぜひとも勝ってほしいと思いますし、興味深くウォッチいていきたいと思います。

相続税の申告で「路線価」による評価を否定した地裁判決について、どう思われましたか?


登記遅れでゆらぐ遺言の効力!

 日経電子版の記事ですが、相続人同士が遺産分割を巡って争う「争続」を避けるには、遺言を残しておくことが大事だと言われます。
しかしながら、この遺言の「効力」が揺らぎ始めたのです。
2019年7月に始まった改正民法の相続規定(相続法)の影響です。

相続が起こると、被相続人(死亡した人)の財産を法定相続人の間で分けることになります。
遺言がなければ相続人が遺産分割協議で分け、遺言があれば遺言が優先します。
しかしながら、改正民法によって相続登記の順番によっては遺言が優先しないケースが想定されるようになったのです。

相続登記とは、被相続人の不動産の所有名義を取得分に応じて相続人の名義に変更することです。
登記すれば、不動産の所有権を対外的に主張できます。
あまり知られていませんが、法定相続人は遺言があったとしても「他の相続人の了解を得ずに相続人全員がそれぞれの法定相続分を登記できる」(司法書士の大貫正男氏)のです。

具体例を見てみましょう。
子がいない夫婦の夫が「自宅は全て妻に相続させる」という遺言を残していても、4分の1の法定相続割合をもつ夫の兄は妻より先に法定相続分を登記できるのです。
すると、4分の1は夫の兄の名義になりますので、「売却したり、担保にしてお金を借りたりすることができる」(弁護士の伊東大祐氏)のです。

そうなると困るのは妻です。
せっかく自分に全てを相続させるとの遺言があるのに最悪の場合、自宅が「持ち分を購入した第三者との共有になる」(弁護士の上柳敏郎氏)からです。

民法改正前は、そのような不都合は解消できたのです。
伊東弁護士は、「妻が持ち分を買った第三者を訴えれば、勝って全てを自分のものにできた」と話しています。
最高裁が「遺言があれば遺言が優先する」と判断していたからです 。

ところが、民法改正で最高裁の判断は否定されたのです。
改正民法では、「法定相続割合(このケースでは4分の3)を超える分については登記しないと第三者に権利を主張できない」としたのです。

こんなケースもあるでしょう。
父が「自宅を全て長男に相続させる」と遺言で指定したとします。
法定相続割合は母が亡くなっていれば兄弟2人の場合、2分の1ずつです。
先に次男が法定相続分を登記し、その分を第三者に売却すれば、長男は第三者と自宅を共有せざるを得なくなるのです。

このような問題の解決策は一つです。
自宅を全て相続させると遺言で指定された相続人は「他の相続人よりも先に全部を相続する旨の登記をすること」(伊東氏)です。
他の相続人から遺留分(最低限の取り分で通常、法定相続分の半分)を請求される可能性はありますが、金銭で解決できます。
相続人が兄弟姉妹の場合(このケースだと、兄)、遺留分の請求権がないので妻がすべて取得できるのです。

今回の民法改正について知っているか知らないかで、大きな差が出ることを覚えておきましょう。

厳密にいうと、解決策は一つでないように思います。
生前であれば、いわゆる民事信託を使えば、このような問題を回避できるかもしれません。
最近でも、遺言は絶対的と書いている記事を見たりしますが、この民法改正のことを知らない方もたくさんいますので、気を付けないといけないですね。
四十九日が済んでからと悠長なことは言っていられませんので。

登記遅れでゆらぐ遺言の効力について、どう思われましたか?


借入をして賃貸物件を取得する相続税節税が認められない?

 先日、税理士としては非常に気になる判決が出ています。
税務通信によると、東京地方裁判所は2019年8月27日、被相続人が相続開始前に借入金で取得した賃貸用不動産の相続税評価額を巡り、財産評価基本通達6項に基づく国税庁長官の指示による評価を認め、納税者の主張を棄却しました(平成29年(行ウ)第539)。

本件では、平成21年まで不動産賃貸業を営む法人の代表者であった被相続人が、“相続開始前3年5か月前”に、賃貸用不動産(甲不動産)を約8億3千万円で取得しました。
また、“相続開始前2年6か月前”に、賃貸用不動産(乙不動産)も約5億5千万円で取得しました。
そして、これら本件各不動産の購入資金として、銀行から合計約10億円の借入れをしていました。
平成24年6月の相続開始後、相続人は本件各不動産を評価通達に基づき合計約3億3千万円と評価する一方、借入金約10億円を債務控除し、小規模宅地特例を適用したうえで、相続税をゼロとして申告しました。

これに対し税務署は、伝家の宝刀である評価通達6項(評価通達の定めにより評価することが著しく不適当な場合に国税庁長官の指示で評価する定め)に基づき、鑑定評価額(甲不動産:約7億5千万円、乙不動産:約5億2千万円)による評価が適正として、平成28年4月に更正処分を行いました。
国税不服審判所の裁決(平成29年5月23日裁決)を経て、提訴されました。

なお、相続人は相続開始の9か月後に、乙不動産を約5億1千万円で第三者に譲渡しています。

東京地方裁判所は国の主張どおり、本件での評価通達6項に基づく鑑定評価額を認めました。
租税負担の実質的な公平を著しく害することが明らかな「特別の事情」がある場合には、評価通達で定める以外の合理的な方法で評価することが許されると解すべきとして、評価通達6項の定めを支持しました。
そして、本件各不動産について、特別の事情があるか否かを検討しています。
まず、本件各不動産の評価通達の評価額と売買価額や鑑定評価額を比べ、4倍ほどかい離していることを指摘しています。
本件各不動産の売買について市場価格と比べ特別に高額等であったという事情もなく、いずれも共同住宅等として利用されており、本件鑑定評価は収益還元法による収益価格を標準に鑑定評価額を求めています。

不動産鑑定士が不動産鑑定評価基準に基づき算定する不動産の正常価格は、基本的に不動産の客観的な交換価値、つまり相続税法上の時価を示すと考えられることも勘案すれば、本件相続開始時における本件各不動産の客観的な交換価値を算定するにつき、評価通達の評価方法が合理性を有することについては、相応の疑義があると言わざるを得ないとしました。

さらに、本件各不動産が相続財産に含まれることになった経緯をみると、被相続人は当時90歳、91歳の時に銀行から多額の借入れをして本件各不動産を購入しています。
借入金と本件各不動産の購入がなければ、本件相続の課税価格は6億円を超えるものでしたが、借入金と本件各不動産の購入があったことで、評価通達の評価額と比べ借入金債務が多額となり、その差額が不動産を除く相続財産から控除され、相続税は課されないこととされました。
加えて、借入金に係る銀行の貸出稟議書の記載などによれば、本件各不動産の購入や借入れを被相続人及び法人の事業承継の過程の一つと位置づけつつも、それが近い将来発生することが予想される相続において相続税の負担を減じるものと知り、かつ、それを期待してあえて企画して実行したと認められます。

以上の事実関係の下で、本件では、評価通達の評価方法を形式的に適用すると、本件各不動産の購入と借入れに相当する行為を行わなかった他の納税者との間で、かえって租税負担の実質的な公平を著しく害することが明らかというべきであり、評価通達以外の評価方法で評価することが許されるというべきです。
そして、本件鑑定評価の適正さに疑いをさしはさむ点がないことに照らせば、本件各不動産の時価は、収益還元法に基づく本件鑑定評価額と認められるとしました。

●主な事実関係
・平成20年8月、被相続人は、二男の長男である孫と養子縁組をした。
・ 平成21年1月、被相続人は、売主の法人との土地と建物を買い入れる売買契約により、甲不動産を取得。被相続人はR銀行から借入れ。
・平成21年12月、被相続人は、売主の法人との土地と建物を買い入れる売買契約により、乙不動産を取得。被相続人はR銀行から借入れ。
・平成24年6月、被相続人が死亡。被相続人は平成21年まで不動産賃貸業を営む法人の代表者だった。養子が本件各不動産と債務の全部を承継した。
・平成25年3月、養子は買主の個人との乙不動産の売買契約により、乙不動産を譲渡。
・平成28年4月、税務署から相続税の更正処分を受ける。
相続人は、被相続人の妻、及び長女、長男、二男、養子(二男の長男)で、養子に多くの財産を相続させる遺言があった。
銀行が作成した貸出稟議書には、「相続税対策のためローンを実行し不動産を購入」といった旨の記載がある。

●本件のポイント
本件は、相続開始直前期において、銀行から借入れをし、その借入金で賃貸用不動産を取得したことで相続税の負担をなくしたスキーム。
その賃貸用不動産の評価通達による評価額と売買価額等が著しくかい離しているというだけでなく、銀行の貸出稟議書等から、相続税の節税のためにあえて借入れ及び不動産の購入を企画、実行したものと認め、こうした本件の経緯にも着目した上で、評価通達6項に基づき鑑定評価額を認めています。

この手の相続税対策は世間一般的によく行われていることだと思いますし、おそらく税理士も関与していると思いますが、これが否認されてしまうんですね。
高齢であったこと、相続税対策というのを前面に出してしまった(銀行の稟議書に記載)こと、相続発生後9か月で売却したことなどが理由だと思いますが、売却していない方の不動産も否認されていますから、やはり、できるだけ早めに、ストーリーをきちんと描いてやらないといけないということですね。

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信託業務の裾野が広がり5年で登録倍増!

 財産の管理や運用を担う信託業務に事業会社の参入が相次いでいるようです。
信託会社として登録する企業はこの春までの5年でほぼ倍増しています。
再生エネルギー設備や留学費用、地方の商業施設の管理といった信託銀行が手掛けてこなかった新分野で需要を掘り起こしています。
高齢化や国際化を背景に、信託の新たな担い手が存在感を高めそうです。

そもそも信託業務とは何なのでしょうか?
金銭や不動産などの財産を持つ人が第三者に財産権を引き渡し、その第三者が目的に沿って財産を管理したり処分したりする業務を指します。
日本では長く銀行法に基づく免許を持つ銀行が、信託業を兼営してきました。
しかしながら、2004年の信託業法の改正で、銀行以外の事業会社も信託業に参入できるようになったのです。
登録・免許を取得した企業数は2013年度末の14社から、2018年度末には25社に増えました。

新規参入は住宅や不動産関連の企業が目立っています。
大和ハウス工業や積水ハウス、大東建託などが信託子会社を設立し、自社で扱うアパートの事業主を対象に、認知症や相続に備えて物件の管理を受託するサービスを展開しています。

事業会社からの参入組は信託銀と競合しない新分野を広げています。
2019年3月に信託会社の免許を取得したジェイバリュー信託(東京・千代田)は、太陽光発電などの再エネ関連設備の管理・運用を受託しています。
資金管理や納税を含む発電所の運営を一括で請け負います。
既設の太陽光発電所の売買仲介も手掛け、運営に不慣れな企業でも発電所を取得しやすくします。

信託銀行が投資や相続に関わる商品開発に力を注ぐ一方、新規参入の信託各社はより小規模な利用者を想定しています。
ジェイバリュー信託の谷山信社長は「銀行では収益化が難しい分野で信託の需要を掘り起こす」と話しています。

留学安心信託(東京・新宿)は、学生が支払った留学費用の海外の大学などへの送金を受託します。
留学を支援する会社の倒産で留学費が学生に返ってこない事例が増えていることに着目しました。

信託の仕組みを使うと費用を支援会社から切り離せます。
支援会社から各個人の費用を受託し、留学に関わる書類の送付や両替業務も請け負います。
2018年12月の事業開始から約1,300人分を受託しました。
年内には専門学校とも契約する見通しです。

地方創生に信託をいかす信託会社もあります。
すみれ地域信託(岐阜県高山市)は、山間部の小水力発電所や商業施設の管理・運営を担っています。
2018年秋には地元の小売業者、建設業者などから建物や借地権を受託し、新業態の複合店舗に改装しました。
森林の相続にも進出しています。
高齢化で施設や森林を管理する人材が不足していることが背景にあります。

日本は銀行が信託業を兼営し、遺言信託など金融資産や不動産の管理が中心です。
欧米では住宅の管理や環境保護、知的財産の管理など信託の仕組みが幅広く活用されています。
新規参入各社の事業規模はまだ小粒だが信託サービスの裾野が広がり、幅広い資産の有効活用につながるかどうかが試されます。

最近は、大手の参入してこないようなニッチなところや、自社の商品の販売のためにやっているところが多いようですね。
まだまだ、色々なリスクを抱えているとは思いますが、様々な信託業務が出てきて、世の中の人々に早く信託が認知されるようになってほしいと思います。
基本的に節税にはなりませんが、僕も財産管理の観点から積極的に取り組んでいきたいと思っています。

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中央出版創業者親族が相続税130億円の申告漏れ!

 教育関連事業を手掛ける「中央出版」(名古屋市名東区)の創業者で2014年に死去した前田亨氏の長男が、名古屋国税局の税務調査を受け、相続した株式の評価を巡って約130億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
相続税の追徴税額は、過少申告加算税を含めて約70億円とみられます。

長男は、中央出版の役員の前田和一氏で、和一氏は追加の税金を支払った上で、処分を不服として再調査を請求し、一部が取り消されました。
現在は、全体の処分の取り消しを求めて国税不服審判所に審査請求をしています。

関係者によると、和一氏は、中央出版などの親会社にあたる「中央出版ホールディングス」(非上場)の株式などを相続し、申告しました。
国税庁は、取引相場のない非上場株の評価について、業種や事業の内容が似ている上場企業の株価などをもとに算定するよう通達で求めています。

和一氏は通達に沿って、一株の価値を18円と算定して申告しました。
しかしながら、名古屋国税局は、過去の同社株の取引価格などから「通達以外の方法によって価値を算定すべき特別な事情がある」と判断し、民間の第三者機関の鑑定をもとに一株の価値は55円と認定し、全体で約130億円の申告漏れを指摘しました。

和一氏が処分の取り消しを求めたところ、価値が一部見直され、約30億円の申告漏れが取り消され、追徴税額も約15億円減額されました。
ただし、和一氏は、全体の処分の取り消しを求めて国税不服審判所に審査請求を申し立てました。

中央出版は、1972年に創業されました。
現在の主力事業はプログラミング教室や保育園の運営事業で、2018年4月期の売上高は約45億円です。
和一氏の代理人弁護士は、「通達以外で評価すべき特別な事情はなく、申告は適正なものであると認識している」とコメントしました。

相続や贈与を巡っては、過去にも企業経営者の親族が申告漏れを指摘された例があります。
2017年に飯田グループホールディングス元会長の遺族が株式を巡り約80億円の申告漏れを指摘されたことが明らかになったほか、2016年にキーエンス創業者の贈与でも親族が株式の評価額を巡って1,500億円超の申告漏れを指摘されたことが分かっています。

報道からだとよく分かりませんが、「通達以外の方法によって価値を算定すべき特別な事情がある」と判断するのは、よっぽどの時ではないといけないと思いますし、特別な事情についてはきちんと説明すべきだと思います。
安易にこれが使われてしまうと、通達が何のためにあるのかよく分かりませんし、いちいち事前に税務署に確認したうえで申告しないといけないような状況になってしまいます。
あとは、国税庁として、『特別な事情』をきちんと世間一般に公表すべきだと思います。
個人的には、和一氏に全面的に勝ってほしいと思いますね。

中央出版創業者親族が相続税130億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


相続登記が義務化!

 所有者不明の土地が増えている問題をめぐり、法務省の研究会は先日、相続登記の義務化や所有権を放棄できる制度の導入などを提言した報告書を公表しました。
一定期間内であれば相続登記時の戸籍謄本や除籍謄本などの書類提出を不要にするなど、手続きの簡略化を盛り込みましだ。
相続人の負担を減らして義務化の実効性を持たせ、所有者不明土地の発生を予防します。

研究会での検討を踏まえ、山下貴司法務大臣は、先日、法制審議会(法相の諮問機関)に民法と不動産登記法の改正を諮問しました。
今後審議を進め、2020年秋の臨時国会にも改正案の提出をめざします。

現行法では相続登記は任意で、土地の価値が低いと登記しないケースも多くなっています。
報告書は相続登記を義務化し、違反者には罰金を検討すべきだとしています。
被相続人の死亡の事実と相続対象の不動産を申し出れば、添付書類なしに不動産登記簿上の情報を書き換えられるようにすることも提言しました。

所有権の放棄を認める要件として、(1)所有者が管理費用を負担、(2)災害で危険な状態にある、(3)土地の買い手がつかないなどのいずれかを満たす必要があると指摘しています。
放棄した場合の帰属先や財政負担をどうするかが課題だとしました。
放置されている土地について、所有者が所有権を放棄したとみなす制度の創設についても検討を求めました。

相続関係の仕事をしていると、相続登記をしていないケースを見かけますが、色々と手間が生じますよね。
よって、相続登記の義務化は良いことだと思います。
ただし、JAなどが相続人のうちの1人に預金を払い戻して問題になっているケースがたくさんあると思いますが、手続きの簡素化は必要だと思いますが、相続人間の争いのもとにならないようなものにして欲しいですね。

相続登記が義務化の方向にあることについて、どう思われましたか?


遺産約1億6千万円の横領容疑で元弁護士を逮捕!

 東京都内の寺院に寄付されるはずだった檀家(だんか)の遺産を横領したとして、警視庁捜査2課は、業務上横領の疑いで、東京都渋谷区富ケ谷の元弁護士(73)を逮捕したようです。
元弁護士は、「間違いありません」と容疑を認めています。

捜査関係者によると、元弁護士は、港区に所在する寺院から遺産の寄付業務を受任しました。
檀家の女性から、死後に寄付する予定だった約1億6千万円を預かり、自身の関係口座で保管していましたが、2016年9月に女性が死亡した後、自身名義の口座に移し替えていたそうです。

元弁護士は2018年8月、別の顧客から預かった遺産を返還しなかったとして、東京弁護士会から業務停止2年の懲戒処分を受けました。
この処分を受け、寺院側が調べたところ、寄付金が消失していたことが判明し、被害が発覚したそうです。

元弁護士は、横領した金を株取引の損失補てんなどに使っていたようです。

逮捕容疑は、2016年12月下旬、業務で預かっていた遺産約1億6千万円を横領したとしています。

年に何名かはこういう弁護士が出てきますね。
弁護士業界も、公認会計士業界や税理士業界と同様に、経営が厳しくなってきているとは思いますが、きちんとビジネスを考えて、こういったことのないようにしてほしいですね。
弁護士業界や士業業界の信用失墜につながりますので。
やはり、お金を目の前にすると、人間は目がくらんでしまうんですかね?

遺産約1億6千万円の横領容疑で元弁護士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


土地の相続登記を義務化!

 法務省は、先日、所有者不明の土地が増えている問題を解消するため、民法と不動産登記法を見直すと発表しました。
相続登記の義務化や所有権の放棄を認める制度の創設、遺産分割の話し合いができる期間の制限などが柱となります。
山下貴司法務大臣が、先日の法制審議会(法相の諮問機関)総会で諮問しました。
2020年の臨時国会に改正案を提出したい考えのようです。

山下法務大臣は、先日の閣議後の記者会見で「所有者不明土地は民間の土地取引など土地の利用を妨げている。対策は政府全体で取り組むべき重要な課題だ」と述べました。

所有者不明の土地は、不動産登記簿などの所有者台帳で所有者がすぐ分からなかったり、判明しても連絡がつかなかったりする土地を指します。
増田寛也元総務大臣ら民間有識者の研究会による2016年の推計によると、全国で約410万ヘクタールです。
2040年には約720万ヘクタールにまで広がる見込みです。
所有者を探す費用や公共事業の遅れなどの経済損失額は同年までの累計で約6兆円に上ります。

こうした土地は所有者が亡くなった後に相続人が決まらず放置されたり、相続人が登記簿上の名義を書き換えなかったりして発生する例が多くなっています。
権利関係を外部からわかりやすくするため、法務省は相続時の登記の義務化を検討します。
登記していなければ罰金などを科すことも視野に入れているようです。

現在は、相続登記は任意で、登記するかどうかは相続人の判断に委ねられています。
名義が死亡者のまま長年放置されれば、法定相続人が分からなくなる可能性があります。
土地の購入や賃借をしたい人がいても取引が進みません。

相続人同士が遺産分割を話し合いで決める期間にも制限を設けます。
話し合いでの合意や家庭裁判所への調停申し立てがされずに被相続人が亡くなって一定期間が過ぎれば、法律に従って自動的に権利が決まるようにするようです。
期間は3年、5年、10年の複数案があります。

土地の所有権を放棄できるようにする制度も検討するようです。
例えば「遠方に住む親から土地を相続したが、手入れが難しく手放したい」などのケースでも、現在は放棄を認めていません。
放棄を認める条件や、第三者機関や自治体など受け皿となる機関について議論します。
税逃れや将来放棄するつもりで管理をしないなど、モラルハザードが発生しない仕組みも課題となるでしょう。

相続人のいない土地も活用を促します。
被相続人が複数の土地を持っていた場合、債権者などが土地ごとに相続財産管理人を選任できるようにします。
管理人は相続人がいないかどうかを調べた上で、土地をもらうべき人に分けたり、売却して債務の支払いに充てたりします。

相続人の調査にかかる期間を現行の10カ月から最短3~5か月に短縮します。
選任の費用負担も減らします。
全ての土地を調べる現行制度では時間が長くかかり、費用もかさんでいました。
管理人を介しやすくし、自治体や企業などへ売却を促します。

法務省の対策は新たな不明土地の発生を防ぐ仕組みが中心となります。
すでにあるものも含めて不明土地を減らし、抜本的な解決に結びつけられるかは未知数です。

良い改正だと思います。
相続関連の業務をやっていると、相続登記がなされないままになっている不動産をたまに見かけます。
登記費用がかかるとかいう理由で登記していないと思われますが、登記を義務付けないと、後々面倒になりますよね。
一方で、登記費用を安くしてほしいですね。
あとは、最近、土地を相続したがいらないとか、相続人全員が土地をいらないと言っているなど、相続したくない土地が増えているような気がします。
よって、土地の放棄は認めて欲しいですね。

土地の相続登記を義務化することについて、どう思われましたか?


2億5,000万円の遺産隠しで会社会長を告発!

 亡き夫から受け継いだ遺産2億5千万円を隠し、相続税1億3千万円を免れたとして、名古屋国税局が相続税法違反(脱税)の疑いで、化粧品会社(東京)の会長(79)を名古屋地検に告発したことが分かったようです。

関係者らによると、愛知県豊山町の夫が2016年2月に72歳で死亡し、妻の化粧品会社会長が不動産など6億円以上の遺産を相続しましたが、このうち、50キロ分の金地金(2億5千万円相当)を隠し、申告しなかったとされます。

国税局が2018年2月、強制調査(査察)に入り、意図的に申告から除外したと判断したもようです。

化粧品会社会長は取材に対し、「このような事態になりとても残念」と答えたようです。
既に修正申告し、納税済みだそうです。

民間調査会社によると、2016年8月~2017年7月の化粧品会社の売り上げは12億円です。
会長は化粧品会社ホームページなどで別名を名乗り、化粧品会社の創業者です。
夫は会長と結婚後、化粧品会社の役員を務めていました。

報道によると意図的に申告から除外したということですので、コメントの『残念』という意味がよくわかりませんが、金地金はバレないとでも思っていたのでしょうか?
それほど甘くはないですよね。
相続税の申告でこういうことをするのであれば、法人はどうなのだろうか?と思うのは僕だけでしょうか?

2億5,000万円の遺産隠しで会社会長が告発されたことについて、どう思われましたか?


相続で配偶者を優遇する改正民法が成立!

 民法の相続分野の規定を約40年ぶりに見直す改正民法など関連法が、先日の参院本会議で可決、成立しました。
残された配偶者が、自身が亡くなるまで今の住居に住める配偶者居住権が新設され、遺産分割で配偶者を優遇する規定も設けられます。
 この改正により、高齢化に対応し、配偶者が住まいや生活資金を確保しやすくなります。
 20207月までに施行されます。居住権を得た配偶者は、預貯金など他の遺産の取り分を増やすことも可能になります。
婚姻期間20年以上の夫婦であれば、住居を生前贈与するか遺産で贈与の意思を示せば住居を遺産分割の対象から外す優遇措置も設け、高齢になった配偶者が生活に困らないようになります。亡くなった被相続人の親族で相続対象でない人でも、介護や看病に貢献した場合は相続人に金銭を請求できる仕組みもできます。
息子の妻が義父母の介護をしていた場合などを想定しています。相続トラブルを避けるため、生前に書く「自筆証書遺言」を法務局に預けられる制度を創設するための法も可決、成立しました。参院法務委員会で採択した付帯決議では、配偶者居住権の評価額の基準を検討するよう求めました。
多様な家族の保護のあり方について検討するとの内容を盛り込まれました。
遺言書の保管制度の実効性を確保するため、遺言者の死亡届が提出されると、遺言書の存在が相続人などに通知される仕組みもつくられます。時代の流れに反映した改正ですね。
相続の発生により、自宅を出ていかないといけなくなったり、自宅を相続した結果、現預金などの他の資産を相続できなくなったりするケースなどがあるからです。
また、息子の妻が、どれほど義父母の介護を一生懸命行ったとしても、遺言がある場合など以外では金銭をもらえず、それが原因で『争族』に発展するケースもたくさんあったはずです。
良い方向への改正だと思います。
この改正に伴い、相続対策も、少し変わっていくでしょうね。
 相続で配偶者を優遇する改正民法が成立したことについて、どう思われましたか?

ポーラHD社長を提訴し結果次第では現経営体制の崩壊も!

 以前、このブログに書いた件ですが、週刊ダイヤモンドによると、化粧品大手ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の鈴木郷史社長が遺産相続に関し不正をしたとして、故会長の妻が提訴したようです。
鈴木社長保有のHD株約4,191万株は遺産の対象だったことの確認などを求めるもので、複数の訴訟の結果次第ではHD株の過半が対立側へ移り、現経営体制は崩壊しかねない。
 ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の鈴木郷史社長を相手取り、故鈴木常司会長(鈴木社長の叔父)の妻(以下、夫人)が提訴に踏み切ったことが週刊ダイヤモンドの取材で明らかになりました。
 背景には現経営トップに対する疑念と憤りがあり、関係者によると、夫人は「これを機に真相が解明され、上場会社にふさわしいガバナンス体制になってほしい」と話しているそうです。
 鈴木社長に関しては、2017年末から20183月の間に2件の疑惑が浮上しました。
 具体的には、以下のとおりです。
①常司会長が2000年に急死した際に、「鈴木社長がグループ有力会社の株約69万株を11円で会長から譲渡される契約書を生前に作られたように捏造した」とHD元ナンバー220183月まで取締役)が告発した件。
②「常司会長が美術品を寄付する旨の確約書を鈴木社長が同様の手口で捏造した」と公益財団法人ポーラ美術振興財団の元関係者が本誌に告発した件。
 夫人は、①の疑惑に関連して、東京地方裁判所へ提訴しました。
 焦点は鈴木社長が譲渡契約書の捏造という不正をしたのか否かです。
 夫人側代理人は契約書の捏造について、HD元取締役らの証言や鈴木社長への証人尋問などで立証していくとみられます。
 総額486億円といわれた常司会長の遺産の相続をめぐる「夫人vs鈴木社長」の法廷闘争は、「戦後最大級の“争族”」(関係者)として約5年続いた後に、2005年に和解しています。
 2018年に入って①の疑惑が報道されると、HDは「取締役が指摘している先代社長(常司会長)の相続に関しては、既に裁判所で厳正に審理、判断、確認をいただき決着しております」とのコメントを出し、疑惑も否定しました。
 しかしながら、夫人は、「疑惑は今年になって初めて分かったことであり、和解の前提にない」として、争族バトルの“第2ラウンド”に乗り出しています。
 夫人側は、2000年当時のグループ有力会社の株約69万株は、2010年のポーラグループ上場などを経て、現在のHD株で約4,191万株(529日終値で時価総額約2,204億円)に当たると計算しているもようです。
 また、夫人は、同じタイミングで、②の疑惑に関連して、鈴木社長が理事長を務めるポーラ美術振興財団を相手取り、財団所有の美術品839点は本来相続人の間で分割されるべき遺産であったことを確認する訴訟も東京地裁に起こしました。
 財団は本誌の取材に対し、疑惑を否定しています。
 美術品にはゴッホ、ピカソ、レオナール・フジタといった著名画家の作品が含まれており、神奈川・箱根のポーラ美術館に所蔵されているとみられます。
 夫人は、HD株・美術品ともに、本来は遺産の対象であったことを確定させた後、当時の法定相続分(4分の3)に当たる現在のHD株で約3,143万株(529日終値で時価総額約1,653億円)を求める調停などを東京家庭裁判所に申し立てる方針です。
 また、この間に鈴木社長が得ていた株の配当金が約110億円だと計算して、それに関する不当利得返還請求の訴訟も後日起こすとみられます。
 鈴木社長は約5,067万株を所有する大株主(持ち株比率22.9%)ですが、夫人の主張が全て通ればその多く(持ち株比率14.2%)が夫人に渡ることになります。
 上場前にグループ会社の株取引に関する別の疑惑もあり、それに関しても訴訟を起こして勝てば、夫人の株は持ち株比率にしてさらに数ポイント増えます。
 鈴木社長に対する疑惑は、別の民事訴訟も20182月から進行中です。
 ①の疑惑を告発した元取締役と、仲介したHDリスク管理委託業務先代表は、告発に関連してHD最大株主(約7,861万株、持ち株比率355%)であるポーラ美術振興財団の理事職を解任されました。
 2人は解任決議無効の確認を求め、東京地裁で財団側と係争中です。
 仮にこちらも勝訴すれば2人が理事に復帰し、今度は逆に鈴木社長の理事長解任を内部から画策する可能性が高いでしょう。
 そもそも①、②の疑惑に関する訴訟で鈴木社長の不正が認められれば、鈴木社長は公益財団法人のトップにふさわしくないとして、現理事らが黙っていないでしょう。
 いずれにせよ、HD最大株主の財団が、現体制を支持する安定株主とならなくなる公算が大きくなります。
 つまり、訴訟の結果次第ではありますが、夫人が勝ち取る株と反鈴木社長派となった場合の財団の株を合わせれば、持ち株比率で過半数に達します。
 それは現体制の経営基盤が失われることを意味します。
 夫人の訴えが認められると、前代未聞の事件でしょうね。
 直感的には、それなりに株価の高い会社の株式を11円で譲渡するというのは通常ないのではないかと思いますが、どうなんでしょうね?
 結果次第で、HDの経営にも影響が及ぶでしょうね。
 ポーラHD社長を提訴し結果次第では現経営体制の崩壊が起こることについて、どう思われましたか?

土地を放棄できる制度を政府が検討!

政府は、土地の所有権を放棄したい時に放棄できる制度の検討を始めたようです。
人口減で土地の活用や売却に困る所有者が増えていることが背景にあるようです。
防災上の必要性など一定の要件を満たせば、所有者が土地を手放せるようにする方向です。
放棄された土地の引受先などが課題になるでしょう。政府が近いうちに取りまとめる「骨太の方針」に盛り込むようです。
法務省や国土交通省が具体的な検討を進め、20192月にも方向性を示すようです。民法には「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」(第239条)との規定がありますが、土地放棄の手続きを定めたルールはありません。
そこで廃棄物処理のように、土地の所有者が一定額を納めれば放棄できる仕組みなどを検討します。所有者が管理できるのに、放棄して国や地方自治体に負担を押しつけるような事態を避けるため、災害で危険になった土地に限定するといった一定の要件を設ける方向です。
中山間地などで住民が極端に少ないなど適切な管理を続けるのが難しい土地について、低コストで最低限の管理をすれば済むような仕組みができれば、放棄できる土地の対象が広がる可能性もあるでしょう。要件が厳しかったり、所有者に費用負担を求めたりすれば、放棄ルールをつくっても活用されず、土地の放置状態が結局解消されない可能性もあります。
一方、放棄された土地の管理コストを税金で賄うことに反発の声も出そうです。放棄された土地の引受先も課題で、国交省内で検討されます。
民法上は国ですが、自治体や公的な第三者機関などが引き受けるべきだとの意見も政府内にはあるようです。
2019年2月にかけて、法務省の研究会で放棄できる土地の要件や、放棄の際の所有者の負担が必要かなどの詳細を詰めていきます。日本司法書士会連合会が2017年、全国約2万2千人の司法書士にアンケートしたところ、回答した797人の約半数が「いらなくなった不動産を自治体に寄付したい」と相談を受けたと回答しており、土地を手放したい人は少なくないとみられます。うまく使えるのであれば、素晴らしい制度になるでしょうね。
一方、中途半端なものにしてしまうと、やるだけ無駄になるでしょう。
個人的には、コンパクトシティなどと言っていますので、居住地域を狭めるのは行政的なコストの観点からも良いのではないかと思います。
また、土地の大部分が収用となったものの一部使えない土地が残ったままという話も聞きますし、我が高松市も近いうちに開発がしにくくなるようですし、都会に住んでいる方が田舎の土地を相続するなど、まったく使えない土地を持つ方が増えてくるように思いますので、そういった方への配慮もしてほしいなぁとも思います。土地を放棄できる制度を政府が検討していることについて、どう思われましたか?

株式譲渡契約書の捏造疑惑でポーラHD社長を役員が告発!

  週刊ダイヤモンドによると、日本初のしわ改善化粧品「リンクルショット」のヒットなどで過去最高益を更新中の国内化粧品4位、ポーラ・オルビスホールディングス(HD)で、好調な業績とは裏腹に、鈴木社長は現役の取締役に辞任を迫られていたようです。

 鈴木社長が握る株式が、不正な行為で取得したものだと告発されたそうです。

「取締役会は、監査役会意見も踏まえ、当該取締役に対し、辞任の勧告を行うことを決議し実行いたしました」と、ポーラ・オルビスHDの社内向けウェブページに緊迫した文言がアップされたのは2018222日です。
かつてHDナンバー2だった現役の取締役の名を挙げ、「忠実義務に違反」「経営を混乱させる行動」などと糾弾しました。

ポーラ・オルビスHDは、創業89年、連結従業員数4139人で、東証1部に上場しています。
一時期を除いて創業家の鈴木家が代々トップのオーナー企業で、いったい何が起こっているのでしょうか?
関係者によると、発端は201711月下旬に、先の取締役が「鈴木社長のワンマン経営で面従腹背が横行。もう我慢ならない。ひいては内部告発したい」とポーラ・オルビスHDのリスク管理業務委託先に相談しました。

委託先を通じて2017126日、この取締役は鈴木社長に退任を迫りました。
さらに201812月中旬までに数回、直接または間接的に退任を求めました。

鈴木社長は年の瀬の20171229日、取締役会で、「取締役らから恐喝、強要されている」と主張し、さらに、2018221日の取締役会では、この取締役を会社から完全に締め出すことを決め、当の取締役は監査役会の調査の不備を指摘した上、「裁判所で決めていただくしかない」と反発しました。
222日、取締役会は、冒頭の文言などを社内ウェブにアップしました。

「近年のHDは構造改革が激しく、社長に我慢ならない人が現れてもおかしくないと思っていた」と、ある業界関係者は声を潜めているようです。
激変の一つが、目まぐるしい子会社トップの入れ替えです。
「業績不振で仕方がなかったり、定年だったりもありますが、多くは鈴木社長のイエスマンを起用する独善的人事だ」とあるポーラグループ幹部は言っています。

固定費の削減も進めています。
子会社の一つでグループの化粧品を製造するポーラ化成工業の静岡工場を2014年、静岡県内の袋井工場に統合しました。
関係者によると、従業員約260人をリストラし、また、袋井工場も現在、閉鎖またはOEM(相手先ブランドによる生産)会社への売却が検討されているそうです。

かつて「ポーラレディー」と呼ばれた委託販売契約のビューティーディレクターも、2016年、約13万人から約4万人へ削減されました。

改革が奏功した面はあります。
一方で、買収した海外2企業の不振で、2013年以降、計約180億円の減損を出すなど経営の穴も目立ちます。
最近の好業績は「ひとえにインバウンドとリンクルショットのおかげ」との声が社内外から聞こえるようです。

激しい環境変化が抵抗勢力を生むのは世の常ですが、この件は謀反や権力争いとは異なる次元の問題をはらんでいるようです。
すなわち、2代目社長を務めた鈴木常司氏(鈴木社長の叔父)が2000年に急死して起きた、総額486億円といわれた遺産相続バトルの再燃となり得るのです。
常司氏の妻と鈴木社長らの間で約5年の間に、約100件も訴訟が繰り広げられ、「戦後最大級にして最悪レベルの“争続”」(関係者)となりました。
内部告発はこの争いに関わるものだったようです。

週刊ダイヤモンドが入手した取締役の内部告発書面は、18年前に鈴木社長が行ったとされる株式譲渡契約書の「捏造」を暴露しています。
告発書などによれば、鈴木社長は、子供がなく正式な遺書も残さなかった常司氏(当時会長)が急死した際、常司氏の妻が株式の多くを継承し、経営に影響を及ぼすことを懸念していました。
そこで、社内にあった常司氏の実印を使って、グループ有力会社の約69万株(46%)を11円で常司氏が鈴木社長に譲渡する契約書を、生前の日付で捏造し、それを起点にグループ支配を優位に進めました。

告発した取締役は当時秘書室長で、鈴木社長の指示で動いた一人であるため、事情に詳しいのだそうです。
書面は「不法行為等で手にした資本を背景に人の上に立って、自らの考えを押し通すために力を行使していくことは、今後とも許されることなのでしょうか」と結ばれています。

関係者によると、2017年末に退任を迫られた鈴木社長が「会社がいいときに身を引くというのは悪くはない」「年末まで時間が欲しい」などと逡巡する音声記録や、当時の「捏造」を知る別の社員の証言もある模様です。
仮に常司氏の妻がそれらを根拠に遺産分割のやり直しを求める裁判を起こして勝てば、株主構成が変わるなどし、鈴木社長体制は崩れる恐れがあります。

ポーラ・オルビスHDの広報担当者は、「取締役の主張は根拠がなく、事実ではない。近日中に刑事告訴する予定」と説明しています。

いずれにせよ、201712月期で8期連続増収増益となり、鼻高々で臨めるはずだった2018327日のHD株主総会は波乱含みとなるでしょう。

上場企業の事業承継で約100件も訴訟が起きている案件があるとは、知りませんでした。
こういうことが、会社の経営に悪影響を与えると、誰も得する人はいませんよね。
個人的には、箱根のポーラ美術館に行ったこともあり、相続税対策をうまくやっているんだろうなぁと思っていました。
11円での譲渡なので、税務上どう処理したのかが気にはなりますが、司法の場で何が正しいかを明らかにして、通常の会社に早く戻ってほしいですね。

株式譲渡契約書の捏造疑惑でポーラHD社長を役員が告発したことについて、どう思われましたか?


配偶者を優遇する相続関係の民法改正案が閣議決定!

  政府は、先日、遺産相続に関連する民法などの改正案を閣議決定しました。
改正案は、被相続人(死亡者)と法的に結婚している配偶者の優遇を強く打ち出しているのが特徴です。
寿命が延び、相続が発生する頃には被相続人の配偶者も高齢になっているケースが多いことから、配偶者が余生で困窮しないようにする狙いがあるようです。
改正されれば、昭和55年以来、約40年ぶりに相続のルールが大きく変わることになります。

 改正案に盛り込まれた配偶者優遇策は、以下のようなものがあります。
①配偶者がそれまで住んでいた家に住み続けられるようにする権利「配偶者居住権」を新設
20年以上結婚していた夫婦に限り、住居が配偶者に生前贈与もしくは遺言で遺贈された場合、遺産分割の対象から除外できる

これらの改正によって、配偶者は相続で他の相続人ともめても、住んでいた家を失わずに住めるうえに、生活に必要な現金も相続しやすくなります。

厚生労働省によると、平成28年の日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳で、同い年の夫婦が平均寿命で死亡すると仮定した場合、妻は働くことが困難になる80歳過ぎから約6年、1人で生きていかなければなりません。

しかしながら、現状の相続ルールで遺産を分割すると、妻は住む家を失うか、生活資金を相続できないといったリスクがありました。

このほか、改正案では、自筆証書遺言を法務局に預けられるようにする制度を新設しています。
これにより偽造・変造や紛失などのリスクを減らすことができるようになります。
また、被相続人の預貯金を遺産分割前に引き出せるようにする制度の創設なども盛り込まれています。

職業柄、相続税の申告業務などをやっているため、相続に関わることが多いですが、なかなか良い改正なのでないかと思います。
改正になると、今まで行った相続対策を根本的に見直さないといけないケースも出てきそうですね。

配偶者を優遇する相続関係の民法改正案が閣議決定されたことについて、どう思われましたか?


リスクの見えにくい「バラ色の計画」を憂い日弁連が規制強化を要望!

 「かぼちゃの馬車」などのシェアハウス投資で約束通りの賃料が支払われず、オーナーとなった会社員らが多額の借金に苦しんでいる問題に絡み、日本弁護士連合会(日弁連)は、先日、「サブリースを前提とするアパート等の建設勧誘の際の規制強化を求める意見書」を国土交通大臣と金融担当大臣に提出しました。

日弁連は意見書で、「サブリース契約は一括借上により当面の賃料が確保されることから、表面的には、空室・賃料低下のリスク等が見えにくい」などと問題点を挙げました。
サブリース契約も借地借家法が適用される賃貸借契約であり、賃料減額請求が主張される可能性があるなど、土地所有者などが貸家ビジネスの経営リスクを負担させられるおそれがあるとしています。

その上で、サブリース業者と同一または関連会社である建設業者が、「空室や家賃滞納にかかわらず家賃保証します」などと勧誘する手法について言及しています。
金融機関から多額の融資を受けて建設しても、30年や35年の長期間の家賃保証があるおかげで実質的な負担がなく、「バラ色の計画」が実現するものと誤認させて契約に至っている実態があると指摘しています。

日弁連は国交省に対し、「家賃の変動リスクや期間の限定、中途解約のリスクなどに照らして将来の家賃収入が保証されているものではないこと」などを、建設工事請負契約を結ぶ前に説明することを法令上の義務とするべきだと主張しました。

また、日弁連は、金融庁の規制や銀行など金融機関の対応についても問題視しています。
金融庁が金融機関に対し、「アパート等のローン融資に際して、将来的な賃貸物件の需要見込み、金利上昇や空室・賃料低下リスク等を説明する義務があることを明示すべきである」と指摘しました。

サブリースとは不動産業者が建物などを一括して借り上げ、他の人に貸すこと(転貸)で収益をあげる事業のことです。
問題の「かぼちゃの馬車」の場合、多くの会社員らがスルガ銀行から多額の融資を受けてシェアハウスを建設し、「家賃収入の長期保証」をうたうスマートデイズがサブリース形式で借り上げました。
しかしながら、入居率は振るわず、約束は一方的に破られ、20181月には家賃収入がゼロになり、自己破産が続出しかねない事態に陥っているようです。

職業柄不動産投資に関わることが多いですが、経験上、業者は説明したと思っていても、オーナーは業者の意図どおりに解釈していないケースが多いのではないかと思います。
やはり、ご家族も含めたところでのきちんとした説明を義務付けて、リスクを認識してもらい、それでも投資するという人のみと契約しないと、将来、世の中トラブルだらけになるでしょうね。
投資する方も、そんなにリスクなく儲かるのであれば、業者自らやるでしょうということを念頭に置かないといけないでしょうね。
よって、不動産投資事業として成り立つと考えられるであれば、やればよいと思います。

リスクの見えにくい「バラ色の計画」を憂い日弁連が規制強化を要望したことについて、どう思われましたか?


相続税のかかる方は8.1%!

2018年01月09日(火)

国税庁は、先日、平成28年分の相続税の申告状況を発表しました。

これによると、平成28年中(平成28年1月1日から平成28年12月31日)に亡くなられた方から、相続や遺贈などにより財産を取得した方についての相続税の申告状況の概要は、次のとおりです。
(注)平成27年1月1日以後の相続等については、平成25年度税制改正により、基礎控除額の引下げ等が行われています。

1.被相続人数等
平成28年中に亡くなられた方(被相続人数)は約131万人(平成27年約129万人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約10万6千人(平成27年約10万3千人)で、課税割合は8.1%(平成27年8.0%)となっており、平成27年より0.1ポイント増加しました。

2.課税価格
課税価格の合計は14兆7,813億円(平成27年14兆5,554億円)で、被相続人1人当たりでは1億3,960万円(平成27年1億4,126万円)となっています。

3.税額
税額の合計は1兆8,681億円(平成27年1兆8,116億円)で、被相続人1人当たりでは1,764万円(平成27年1,758万円)となっています。

4.相続財産の金額の構成比
相続財産の金額の構成比は、土地38.0%(平成27年38.0%)、現金・預貯金等31.2%(平成27年30.7%)、有価証券14.4%(平成27年14.9%)の順となっています。

平成27年から相続税が増税となり、平成27年から相続税がかかる方が約2倍の8%になりましたが、平成28年もほぼ同様ですね。
ざっくり言うと、130万人亡くなって、10万人くらいが相続税がかかるという感じです。
これだけ(約2倍)増えると、相続税対策を急いでしないといけないと思う方もいらっしゃるのかもしれませんが、たった8%ですし、人口が減っていく中、安易に賃貸アパートを建設することだけは避けて欲しいですね。

平成28年分の相続税の申告状況について、どう思われましたか?


一般社団法人や家なき子を利用した相続節税の抜け道が封じられる?

2017年12月04日(月) 

政府・与党は、相続税の過度な節税防止に乗り出すようです。
一般社団法人を設立して相続税の課税を逃れたり、住宅を贈与して宅地にかかる相続税を減らしたりする節税策が広がっており、2018年度税制改正で具体的な対策を講じるようです。
相続税は、2015年から始まった増税で課税対象となる人が増えており、節税策を封じて課税の公平性を確保します。

「一般社団法人の問題は放置できない」と、自民党税制調査会の宮沢洋一会長は社団法人を使った節税を問題視しています。

一般社団法人は、2008年から営利目的でも設立できるようになりましたが、株式会社と違って相続税はかからない制度となっています。
企業の株式に当たる持ち分が存在しないからです。
役員の人数や親族の割合に関する定めもなく、比較的容易に設立できる面があるのです。

この仕組みを悪用して節税に使うケースが増えているようです。
まず、親が代表者となって法人を設立し、資産を移します。
その後に子供を代表に就かせ、法人の支配権を承継すると、持ち分が存在しないため、資産には相続税がかかりません。
この仕組みを使えば、子供ばかりか、孫やその先の代まで、延々と非課税で資産を相続できるのです。

しかも、法人設立にかかる費用は、司法書士などに頼む報酬などを除けば、登記の6万円しかありません。
国も設立要件について「公序良俗に反しない限り全ての事業が対象」(法務省)としています。
2016年は6,075件が設立されており、この5年で1.5倍という急増ぶりです。
登記だけで簡単に設立できる点が、節税策として活用される一因になっています。
政府・与党は、親族が代表者を継いだ場合、非課税の対象と見なさず、課税対象とする方向で検討を進めるようです。

政府・与党が問題視するもうひとつの節税策は、小規模宅地の特例を悪用するケースです。

相続税には亡くなった人の住まいなどを、同居していた配偶者や親族が手放さずに済むよう、負担を軽くする仕組みがあります。
さらに、転勤や貸家住まいなどの事情を考慮し、過去3年間、持ち家がなければ減税してもらえる特例も設けています。
土地の評価額を330平方メートルまでは8割減らして相続の負担を軽くするのです。

悪用とも言える税逃れとは、どのようなケースが該当するのでしょうか?
40代男性を例に具体的に考えてみますと、まず、この男性が所有するマイホームを20代の長女に贈与し、自分は持ち家を持たない人になるのです。
いわゆる「家なき子」として3年以上過ごすのです。
その段階で男性の80代の父親が亡くなると、父親の宅地を相続する場合に、税負担が軽く済むのです。

このような形で特例を使う人が増えているとみられ、特例適用による減収見込み額は2016年度で1,350億円と、3年で実に2倍近く伸びています。

政府・与党は、相続時に住む家がもともとは自分で所有しているものだったり、3親等内の親族が所有する家に住んでいたりすれば、優遇の対象外とする方針のようです。
課税逃れに備えている動きと判断されます。

年間の相続税収は2兆円ほどです。
相続税は基礎控除の見直しに伴い、税金を納める人が増えています。
年間死亡者数に占める課税件数をみると、2015年に3.6ポイント上昇し、約2倍の8%にのぼりました。
このため、納税者の間で相続税の負担感が急激に増しており、政府・与党も、相続税で公平に課税する姿勢を前面に打ち出す必要があるとみています。

2017年度税制改正でも、節税防止策は論点のひとつに浮上し、高層マンションの上層階の固定資産税の負担を重くしました。
しかしながら、新たな節税策は相次いでおり、国と納税者の間でいたちごっこになっている面もあるのです。

上記は、日経新聞の記事ですが、個人的には、これらを税逃れというのか疑問に思います。
税理士は、条文に基づいて仕事をすることになるため、税制改正などが行われ、新しい制度ができたり、要件が厳しくなったりすると、当然、利用するような対策を考えたり、要件を満たすための対策を考えます。
よって、そもそも条文を作ったり、変えたりするときに、抜け穴はないだろうかという視点が抜けているか足りていないということだと思います。
それは、『税逃れ』ではなく『条文の不備』だと思いますね。
当然、税理士は、現在は対策として有効だけれども、将来、税制改正などによって使えなくなる可能性があるということを説明したうえで提案しているとは思います。
個人的には、一般社団法人については、これが認められていいのだろうかと感じ、将来おそらく改正されるだろうと思っていましたので、提案などはしていませんでした。
最近、この手(条文の不備を直す)の改正が増えていることから、提案がしにくい時代にはなってきているように感じますね。

一般社団法人や家なき子を利用した相続節税の抜け道が封じられようとしていることについて、どう思われましたか?

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東京地裁が愛媛県の丸住製紙の民事再生手続きの開始決定!

日本経済新聞によると、丸住製紙(愛媛県四国中央市)が、2025年3月5日付で東京地裁から民事再生手続きの開始決定を受けていたことが分かったようです。

丸住製紙は2025年2月28日付で東京地裁に民事再生法の適用を申請していました。

帝国データバンクによると、負債総額は約587億円に上ります。

丸住製紙によると、債権者数は約1,000人で、東京商工リサーチの調べでは1億円以上の債権者数は金融機関を中心に少なくとも20社以上です。

紙需要の減少や原材料価格の高騰により、丸住製紙の経営環境は厳しさを増していました。

2024年11月期は45億円の赤字で、3期連続の最終赤字となっていました。

丸住製紙は、2025年2月、売上高の約7割を占める新聞用紙や出版印刷用紙の事業から撤退することを明らかにしていました。

2025年3月中に取引先への納入を停止する予定です。

2025年3月3日には、債権者説明会を開催しました。

化学品や再生可能エネルギーを手がけるアメリカのペトロン・サイエンテックがスポンサーとして興味を示していることを明らかにしました。

パルプ事業や売電事業、衛生用紙事業は、今後も継続すると説明しました。

日本政策金融公庫は、先日、丸住製紙の民事再生手続きに関連し、愛媛県内3支店に相談窓口を開設しました。

中小企業や農林漁業者の融資や返済についての相談を受け付けています。

大王製紙に次いで四国中央市で第2位の丸住製紙は、採算度外視で価格を下げて仕事を取りに行くほど経営状況が良くないことは、数年前から耳にしていましたが、コロナ禍で経営判断を誤ったんでしょうね。

装置産業は設備投資額がかなり多額になりますから、投資の判断を誤ると致命傷になりますね。

四国中央市の経済に与える影響が大きいでしょうから、きちんとしたスポンサーを選んで、再起して欲しいと思います。

東京地裁が愛媛県の丸住製紙の民事再生手続きの開始決定をしたことについて、あなたはどう思われましたか?


遅すぎたSBI新生銀の公的資金完済!

日本経済新聞によると、SBI新生銀行が3,300億円の公的資金を2025年度中にも完済する方針を決めました。

前身の旧日本長期信用銀行が1998年に一時国有化されてから四半世紀が過ぎ、遅ればせながら完済にたどり着きます。

国有化後も長きにわたって経営の迷走を招いた反省を金融行政の糧にすべきでしょう。

預金保険機構の金融危機管理審査委員会(佐々波委員会)が1998年に決めた主要21行向けの約1兆8千億円など、1990年代後半からの金融危機で国は総額10兆円を超す公的資金を注入しました。

SBI新生銀行は当時注入された公的資金を抱える最後の1行であり、その完済は歴史的な節目となります。

SBI新生銀行は3,300億円抱える公的資金のうち、まず1,000億円を2025年3月末までに返します。

残る2,300億円を2025年度中にも完済する計画を6月末までに固め、国と合意したい考えです。

SBI新生銀行の親会社であるSBIホールディングスは2021年に新生銀行(当時)にTOB(株式公開買い付け)を仕掛け、その2年後に上場廃止にしました。

国が持つ普通株を優先株に転換し、優先配当を払う形で公的資金の返済を進めます。

公的資金完済の暁には再上場を検討するようです。

上場廃止からわずか2年ほどで再上場する異例のケースになる可能性があります。

株価を上げて公的資金を返す本筋を避けた今回のやり方には「奇策」との批判もつきまといます。

それでもなお、SBI新生銀行の公的資金返済が行き詰まっていた状況を打破した点は評価すべきでしょう。

反省すべきは公的資金の返済が行き詰まるに至った経緯でしょう。

旧長銀は一時国有化後、米投資ファンドの傘下で新生銀行として再上場を果たしました。

しかしながら、個人向けビジネスやノンバンクに依存した成長は長続きせず、ガバナンスの不安もたびたび指摘されました。

経営が迷走を重ねた結果、国が大株主という異常事態が長引いたのです。

SBI新生銀行は公的資金の完済後も、国の支援で立ち直った事実を忘れてはなりません。

価値ある商品・サービスを提供し、社会に貢献する姿勢が問われます。

銀行は公共インフラを担う存在であり、経営危機に際して公的資金を使う意義はあります。

ただし、国の経営への関与は最小限にとどめるべきです。

今も公的資金を抱える地方銀行は複数あるが、旧長銀の轍を踏まぬよう、金融庁に細心の注意を求めたいですね。

長い期間かかりましたね。

現在の金融機関の多さを見ると、すべてを救う必要があったのかは疑問ですが、新たなサービスとかを打ち出して、あまりサービスに違いのない古い業界を変えてもらいたいなぁと思っています。

遅すぎたSBI新生銀の公的資金完済について、あなたはどう思われましたか?


創業100年超の香川県坂出市の温泉旅館「国立公園城山温泉」が負債約3億円で破産開始決定!

OHKによると、創業100年以上の老舗温泉旅館が自己破産を申請しました。

香川県坂出市府中町にある温泉旅館「国立公園城山温泉」が、先日、高松地方裁判所丸亀支部から、破産手続きの開始決定を受けたことが、民間の信用調査会社「帝国データバンク高松支店」の調べでわかりました。

負債額は約3億円とみられています。

帝国データバンクによると、「国立公園城山温泉」は1923年創業で、創業時は農機具の製造を行っていましたが、1950年頃から温泉旅館の経営を始めました。

大展望温泉からは瀬戸大橋や瀬戸内海が一望できるほか、ラドン成分を含む天然温泉として、神経痛などに効能があるとされていました。

また、施設内に観劇専用の芝居小屋を備え、劇団による大衆演劇などで集客を図り、ピーク時には年間3億円弱の売り上げがあったということです。

しかし、その後は健康ランドやスーパー銭湯との競合激化や、個人消費の冷え込みなども重なり、厳しい経営を余儀なくされていました。

さらに2020年からは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、利用客がさらに減り、近年の売り上げは年間1億円を下回る状況が続いていました。

業況の回復が図れないなか、過去の設備投資に対する借り入れ負担が重荷となり、事業の継続を断念したということです。

負債は約3億円とみられています。

行ったことはないのですが、眺めが良いということは聞いたことがあるので、残念に思います。

高松市のスーパー銭湯などをやっている会社も、財政状況があまり良くない(悪い?)と耳にしますが、経営状況は厳しいんでしょうね。

最近は、インバウンド需要も増えており、今年は、瀬戸内国際芸術祭や大阪・関西万博の開催、香川県立アリーナのこけらおとしもあるので、香川県での人の動きはかなり増えると思っていたのですが、それらも期待できないと判断したんでしょう。

それにしても、創業100年超の企業は、何とかならなかったんでしょうか?

創業100年超の香川県坂出市の温泉旅館「国立公園城山温泉」が負債約3億円で破産開始決定となったことについて、あなたはどう思われましたか?


SNS炎上で大量在庫発生の徳島県の食用コオロギ生産のベンチャー企業が破産! 

NHKによると、食糧問題の解決に貢献しようと食用コオロギの生産や商品開発に取り組んできた徳島大学発のベンチャー企業がSNS上で炎上したことをきっかけに大量の在庫を抱えるなどしたため、裁判所に破産手続きを申し立てたことがわかりました。

破産手続きを申し立てたのは徳島大学発のベンチャー企業「グリラス」です。

民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」によると、「グリラス」は2019年に設立され、世界で深刻さを増す食糧問題を解決するためタンパク質の解析や分析を行う技術などを用いて食用のコオロギの生産と販売を行っていました。

徳島県美馬市の廃校を利用した生産拠点を中心に粉末状にした「コオロギパウダー」を生産しパウダーを使った食品を販売していましたが、徳島県内の高校で希望する生徒に粉末を使った給食が提供されたことが、2022年から2023年ごろSNS上で炎上したことをきっかけに全国販売を計画していた案件などが次々と中止になり、大量の在庫を抱えるようになりました。

その後、畜産や水産向けの飼料生産などの事業を計画して国に対して設備投資などの補助金の申請を行いましたが、申請が通らず事業の継続を断念したということです。

このため「グリラス」は、先日、徳島地方裁判所に破産手続きを申し立て、その時点の負債総額は1億5,339万円だということです。

一時期、ニュースとかで結構取り上げられていたので、驚きました。

色々な考えの方がおられると思いますが、食べたければ食べれば、食べたくなければ食べなければいいのではないかと感じますので、SNSとかで叩く必要はあったのでしょうか?

先日、カイガラムシを結構食べているというお話しを聞きましたが、普段から口に入れているものでも、表示からはよく分からず、詳細を聞くと驚くことはそれなりにあるのではないかと思います。

叩くのではなく、自分で調べて、ご本人が納得すれば食べれば良いのではないでしょうか?

SNS炎上で大量在庫発生の徳島県の食用コオロギ生産のベンチャー企業が破産したことについて、あなたはどう思われましたか?


低価格テレビで一世風靡した「世界のFUNAI」が破産手続きへ!

日本経済新聞によると、船井電機(大阪府大東市)は、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けました。

主力の事業が海外勢との競争激化で苦しむなか、近年は2023年に買収した脱毛サロンチェーンの運営会社を1年で売却するなど迷走もみられました。

ホームベーカリー(パン焼き器)や低価格テレビで一世を風靡した関西の老舗企業は2008年の創業者の退任後、後継者選びに失敗し赤字体質に陥ったのです。

船井電機は創業者の船井哲良氏が立ち上げたミシンの卸会社が源流です。

1961年にトランジスタラジオ部門を分社する形で設立されました。

1980年代にホームベーカリー「らくらくパンだ」を発売し、ボタンを押すだけで焼きたてのパンを食べられる手軽さが消費者に受けました。

生産が注文に追いつかない人気商品になり、会社の知名度を高めました。

代名詞ともいえるテレビは、1997年のアメリカのウォルマートとの取引開始で販売に弾みをつけました。

アメリカの老舗家電メーカー「エマーソン」のブランド使用権の取得や、中国などで量産したテレビやDVDプレーヤーを北米で安く売る戦略が奏功し、2000年代初めまで2,000億円に満たなかった船井電機の売上高は2007年3月期に過去最高(3,967億円)を更新しました。

しかしながら、翌2008年3月期の売上高は前の期から30%減少しました。

北米市場を巡るソニーグループや韓国サムスン電子との競争激化に伴い、液晶パネルの調達などに苦戦したことが響いたのです。

上場以来初となる営業赤字を計上し、81歳になっていた船井氏は同じ年に社長を退任しました。

創業者の退任後はトップが安定しませんでした。

とりわけ2014年1月からの約3年半は4度の社長交代がありました。

生え抜きの幹部のほか、商社や電機大手出身者を抜てきし、最短約9か月で代わりました。

その間、オランダのフィリップスからブランド使用権を取得し、売り上げを一時回復させたものの、中国の海信集団(ハイセンス)などが船井電機より安い価格で北米に攻勢をかけると、再び劣勢に立たされました。

イギリスのオムディアによると、2012年に13.5%あった船井電機の北米市場における薄型テレビのシェア(出荷台数ベース)は2023年に2.8%まで下がりました。

日本ではヤマダホールディングスと業務提携し、2017年から現在まで「FUNAI」ブランドのテレビをヤマダの店舗で独占的に販売しています。

2021年に出版を手掛ける秀和システム(東京都江東区)の傘下に入り上場廃止となったため、損益は不明ですが、2023年に設立された船井電機の親会社(船井電機・ホールディングス)の事業報告書では、2024年3月期の映像機器事業の売上高は737億円でした。

船井電機は上場廃止になる前の2021年3月期までの10年間に、2年しか最終黒字を確保できませんでした。

再建に意欲を示した秀和システム代表の上田智一氏は2024年9月27日付で船井電機の社長と船井電機・ホールディングスの代表取締役を退きました。

柱の事業が競争力を失う過程で、事業構造の転換をなし遂げられなかったことが中堅家電メーカーの没落を招いたようです。

僕自身は船井電機の製品を買ったことはありませんが、ホテルの部屋のテレビが船井電機のものであったり、レッドソックスやエンジェルスのスポンサーになっていたので、スゴい企業なんだなぁと思っていました。

秀和システムに買収されたことを知りませんでしたし、ドジャースのスポンサーにはなっていなかったので、気にはなっていましたが、財政状態は良くなかったんですね。

日本を代表する国際企業がなくなるのは残念ですね。

ヤマダ電機が救うすべはなかったのでしょうか?

低価格テレビで一世風靡した「世界のFUNAI」が破産手続きに入ったことについて、あなたはどう思われましたか?


ついに「農協崩壊」がはじまった農林中金!

プレジデントオンラインによると、JAなどが出資する農林中央金庫の今期最終赤字が、1兆5,000億円規模になる見通しとなったと報じられています。

キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「農林中金は全国の農協が集めた60兆円超の資金を預かり、毎年3,000億円ほどの運用益を還元している。これらが縮小・消滅していくと、農協は倒産・崩壊の危機に直面することになる」といっています。

JAバンクの中央機関、農林中金は、先日の記者会見で、アメリカの金利高止まりによる外債価格下落で、2025年3月の赤字が5,000億円となる見込みとなり、傘下のJA農協から1兆2,000億円の資本増強を受けると公表しました。

ところが、後日、報道各社がその最終赤字は1兆5,000億円規模に拡大する可能性があると相次いで報じました。

2008年のリーマンショックの際にもサブプライムローン問題で5,700億円の赤字を計上し1兆9,000億円の資本増強を行っています。

JA農協の金融機関である農林中金が、なぜ多額の資金を外債で運用して損失を被ったのか、なぜ簡単にJA農協から巨額の金を集められるのか、不思議に思われる人が多いのではないでしょうか?

本稿では、その理由や背景と今回の赤字が農業に与える影響について述べられています。

戦前、農業には「農会」と「産業組合」という2つの組織がありました。
「農会」は、農業技術の普及、農政の地方レベルでの実施を担うとともに、地主階級の利益を代弁するための政治活動を行っていました。

農会の政治活動の最たるものは、米価引き上げのための関税導入でした。

農会の流れは、現在農協の営農指導・政治活動(JA全中の系統)につながっています。

地主階級が米価引き上げや保護貿易を推進したのと同様、農会を引き継いだJA農協は、高度成長期に激しい米価闘争を主導したし、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉、TPP等の貿易自由化交渉においては、農産物の貿易自由化反対運動を展開しました。

「産業組合」は、組合員のために、肥料、生活資材などを購入する購買事業、農産物を販売する販売事業、農家に対する融資など、現在農協が行っている経済事業(JA全農の系統)と信用事業(JAバンク、農林中金の系統)を行うものでした。

JA共済事業は、職員に過酷なノルマを課すことで、勧誘がうまくできないと自分で保険に加入したり他人の保険料を負担したりする自爆営業を行わせていることが問題となっています。

これは、戦後追加されたもので、本来農業と関連するよう考えられたものですが、今の事業は、生命保険や損害保険と変わりません。

当初産業組合は、地主・上層農主体の信用組合にすぎず、1930年の段階でも、零細な貧農を中心に4割の農家は未加入だったのです。

しかし、農産物価格の暴落によって、娘を身売りする農家も出た昭和恐慌を乗り切るために、1932年農林省は、有名な「農山漁村経済更生運動」を展開します。

産業組合は、全町村で、全農家を加入させ、かつ経済・信用事業全てを兼務する組織に拡充されました。

これを農林省は全面的にバックアップしました。

特に支援したのはコメの集荷と肥料の販売でした。

これに圧迫されたコメ商人や肥料商人から激しい“反産(産業組合)運動”が起こされました。

農山漁村経済更生運動の大きな目標は、農民の負債整理でした。

この手段として、産業組合が活用されました。

産業組合中央金庫は、その全国団体として設立されました。

半分が政府の出資によるものでした。

したがって、政府系金融機関としての性格が強く、理事長以下の幹部はほとんど役人でした。

これが、今の農林中金です。

産業組合中央金庫は、政府の出資金を利用して農業に低利で融資するものだったため、高橋是清蔵相は金融体系を乱すものとして設立に反対しました。

それを、農山漁村経済更生運動を推進した小平権一(後に農林次官)が、「あんなもの、頼母子講(タノモシコウ)に毛が生えたようなものですよ」と煙に巻いて認めさせたのです。

大きな頼母子講になったものです。

この二つの組織が、第2次大戦中、統制団体“農業会”として統一されました。

農業会は、農業の指導・奨励、農産物の一元集荷、農業資材の一元配給、貯金の受け入れによる国債の消化、農業資金の貸付けなど、農業・農村の全てに関係する事業を行う国策代行機関でした。

終戦直後の食糧難の時代、農家は高い値段がつくヤミ市場に、コメを流してしまいます。

そうなると、貧しい人にもコメが届くように配給制度を運用している政府にコメが集まりません。

このため、政府は農業会を農協に衣替えし、この組織を活用して、農家からコメを集荷させ、政府へ供出させようとしたのです。

これがJA農協の起こりです。

GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の意向は、戦時統制団体である農業会は完全に解体するとともに、農協は加入・脱退が自由な農民の自主的組織として設立すべきだというものでした。

農林省の中にも、そうした正論はありました。

しかし、戦後の食料事情は、そのための時間的な余裕を与えなかったのです。

こうして農協は農業会の「看板の塗り替え」に終わりました。

ヨーロッパやアメリカの農協は、酪農、青果等の作物ごと、生産資材購入、農産物販売等の事業・機能ごとに、自発的組織として設立された専門農協です。

これに対し、農業会を引き継いだJA農協は、作物を問わず、全農家が参加し、かつ農業から信用(銀行)・共済(保険)まで多様な事業を行う“総合農協”となりました。

欧米では、日本の農協のように、金融事業等なんでもできる農協はないのです。

農協法の前身の産業組合法も、当初は信用事業を兼務する組合を認めませんでした。

戦後、農協法を作る際も、GHQが意図したのは、欧米型の作物ごとに作られた専門農協だったし、GHQは、信用事業を農協に兼務させると、信用事業の独立性や健全性が損なわれるばかりか、農協が独占的な事業体になるとして、反対していました。

アメリカの協同組合に、信用事業を兼務しているものはないのです。

アメリカから日本のGHQ本部を訪問した人たちは、信用事業を兼務する協同組合が日本にあることに、みな驚いたといわれています。

しかし、農林官僚が日本の特殊性を強調し、総合農協性を維持しました。

信用事業を兼務できる協同組合はJA農協(と漁協)だけであるし、信用事業と他の業務を兼務することは、農協以外には、日本のどの法人にも認められていないのです。

農協の正組合員は、農業者です。

農業者のための協同組合だから、当然です。

しかし、農協には、地域の住民であれば誰でもなれる准組合員という独自の制度があるのです。

准組合員は、正組合員と異なり農協の意思決定には参加できませんが、農協の信用事業や共済事業などを利用することができます。

JA農協の前身だった産業組合は、農業に従事しない地主を含め地域の住民を組合員にしていました。

しかし、農協法を作る際、GHQは地主を排除するため、組合員資格を“農民”とすることにこだわったのです。

このため、元の産業組合のように、地域の住民であれば誰でも農協を利用できるようにするため、他の協同組合にない准組合員という制度を作ったのです。

利用者がコントロールするという協同組合原則からは完全に逸脱するものですが、歴史的な経緯から、やむを得ず、例外的に認められた制度でした。

戦後JAバンクは、食糧管理制度の政府買い入れ制度の下、政府から受け取ったコメ代金をコール市場で運用して大きな利益を得ました。

さらに、肥料メーカーには、独占禁止法の適用除外を認めた「肥料価格安定臨時措置法」によって1954年から1986年までカルテル価格が認められました。

本来の趣旨は、国際市場で価格競争をするため安くなる輸出向け肥料の損失を、国内向け価格を上げて補てんすることがないようにするというものでした。

しかし、制度の運用結果は、正反対のものとなったのです。

1954年当初は輸出向け価格と同水準であった硫安の国内向け価格は、1986年には輸出向け価格の3倍にまでなりました。

この法律は5年間の時限立法でしたが、制度の継続・延長を繰り返し要望したのは、肥料産業というより、肥料販売の大きなシェアを持つ農協だったのです。

高い価格を払うのは、農家です。

ところが、政府が農協を通じて農家からコメを買い入れていた食管制度の時代、肥料や農薬、農業機械などの生産資材価格は、政府が買い入れる際の価格(生産者米価)に満額盛り込まれました。

農協が農家との利益相反となるような行為を働いても、農家に批判されない仕組みが、生産者米価の算定方式によって、制度化されていたのです。

肥料などの農業資材を農家に高く販売すると、米価も上がります。

食管制度の下で米価を高くすると、農家にとってヤミに流すうまみが薄れ、農協を通じて政府に売り渡す量が増えるのです。

このため、農協のコメ販売手数料収入は価格と量の両方で増加します。

農協は、農家への資材の販売、農家の生産物の販売という両面で、手数料収入を稼いだのです。

高いコメ代金はJAバンクに預金されます。

また、農林中金は、高い肥料価格を保証された肥料産業へ融資しました。

1956年から10年間で、農林中金から肥料産業への融資額は13.5倍に増大し、農協の肥料販売シェアは、1955年の66%から03年には90%まで増加したのです。

米価引き上げで、コストの高い零細な兼業農家もコメ産業に滞留しました。

酪農家の84%が農業で生計を維持している主業農家であるのに対し、コメ農家の74%は副業農家で、主業農家は8%しかいないのです。

これらの農家の主たる収入源は兼業収入と年金収入です。

農家全体でみると、多数の米農家の存在を反映して、2003年当時で農業所得に比べ兼業所得は4倍、年金収入は2倍です。

これらは、JAバンクの口座に預金されました。

また、地価高騰による宅地等への巨額の農地転用利益もJAバンクに預金されました。

農地面積は1961年に609万haに達し、その後公共事業などで約160万haを新たに造成しました。

770万haほどあるはずなのに、現在は430万haしかありません。

食料安全保障に最も重要なものは農地資源です。

日本国民は、造成した面積の倍以上、現在の水田面積240万haを凌駕する340万haを、半分は転用、半分は耕作放棄で喪失しました。

160万haを転用したとすれば、農家は少なくとも200兆円を超える転用利益を得たことになります。

JAは、急増した預金量を農業や関連産業への融資では運用しきれなくなったのです。

このため、JAは、農協だけに認められた准組合員制度を活用して農家以外の人を組合に積極的に勧誘し、他の都市銀行に先んじて住宅ローンなどの個人融資を開始しました。

今や准組合員は634万人で農家組合員の1.6倍に達します。

また、准組合員はローンや共済を利用するだけでなく、預金もしてくれるので、さらに預金額は増えます。

JAは農家以外の組合員が多い“農業”協同組合となりました。 

1960年頃は、JAバンクの預金額が農業生産額を下回っていましたが、1970年頃から逆転し、今では10倍以上もの開きがあります。

JAが農業に融資したくても、預金額に比べて農業の規模はあまりに小さいのです。

さらに、農業には、政府系の日本政策金融公庫による長期低利の制度資金があります。

また、大きな農業法人のメインバンクは地銀となっています。

JAバンクの農業融資は、これらの金融機関と競合するのです。

このため、JAバンク全体で農業への融資は預金総額の1%程度に過ぎません。

現在JAバンクの預金量は109兆円に上ります。 

以前から、JAバンクの貯貸率(預金に対する貸し出しの比率)は3割程度であり、他の銀行に比べて著しく低いことが指摘されてきました。

JAは、准組合員向けの住宅ローンや自動車ローン、農家が農地転用した土地に建設するアパート建設資金への融資などで努力しても、30~40兆円程度しか処理しきれないのです。

60兆円超の運用を任せられる農林中金は、日本有数の機関投資家として海外有価証券市場で大きな利益を上げ、預金集めの見返りとして傘下のJAに毎年3,000億円の利益を還元してきました。

JAが簡単に資本増強に応じるのも、今までの受益の蓄積があるからです。

逆に、JAに利益を還元するためには、国内ではなく収益の高い海外で運用するしかなかったのです。

しかし、今回の赤字計上で、今まで通りの資産運用はできなくなっています。

2021年JAの収益は、信用(銀行)事業で2,425億円、共済(保険)事業で1,160億円の黒字、これに対して、農業関連事業は226億円、生活その他事業は229億円、営農指導事業は978億円の赤字です。

金融事業からの補てんで、農業等の事業を行っているのです。

別の見方をすれば、大手商社も農業資材分野で活動しているにもかかわらず、JA農協が肥料で8割、農薬や農業機械で6割の圧倒的な販売シェアを維持しているのも、この補てんによる効果があるからでしょう。

筆者の郷里の葬祭業者は店をたたんでしまいました。

住民が葬式を出そうとするとJA農協に頼むしかないのです。

今回の赤字の根源に農家や農協の“脱農業化”があります。

本籍農業のJAを支えるのは農林中金中心の金融業です。

信用事業の利益は、農林中金による利益還元のおかげです。

しかし、共済事業の自爆営業も、農林中金のマネーゲームも持続可能(サステイナブル)ではありません。

これらが縮小・消滅していくと、JA農協は倒産・崩壊の危機に直面します。

農政は、農協、農林族議員、農水省の三者による連合体で実施されてきました。

筆者は、『農協の大罪』(宝島社)という著書の中で、これを“農政トライアングル”と呼びました。

これは極めて強力な利益共同体でした。

農協は多数の農民票を取りまとめて農林族議員を当選させ、農林族議員は政治力を使って農水省に高米価や農産物関税の維持、農業予算の獲得を行わせ、農協は減反・高米価等で維持した零細農家の兼業収入を預金として活用することで日本第2位のメガバンクに発展しました。

今回の農林中金の赤字は、戦後政治で最大の利益団体となったJA農協の弱体化につながります。

政治力が弱まれば、減反政策のような「補助金」と「高いコメ代」という二重負担を国民に強いる政策についても見直されていくでしょう。

非効率な零細農家は離農し、その農地は専業農家に集約されて生産性が向上します。

本来農業振興のための組織だったJA農協の弱体化が、農業の再生につながるとは皮肉な話です。

個人的には、日本政策金融公庫の農業経営アドバイザー試験に合格し、農業関係のお仕事もさせていただいておりますが、非常に勉強になりました。

普段からJAの存在価値について考えることが多いですが、本当にゼロベースでJAの存在価値を考える時期に来ているということを再認識しました。

JAが儲かるのではなく、農家の方が儲かる農業にしないと、日本の農業に未来がないのではないかとおもいますね。

ついに「農協崩壊」がはじまった農林中金について、あなたはどう思われましたか?


経営者のモラル低下や放漫経営による倒産が急増!

2024年5月の企業倒産は約11年ぶりに1,000件を超えました。

物価高や人手不足などが増加の背景ですが、その影に隠れ「放漫経営」が急増しています。

2024年1-5月は累計190件で、過去10年間で最多を更新しました。

手厚い創業支援、個人保証に依存しない融資も増えましたが、一部の経営者のモラル低下と無謀な経営が倒産を押し上げています。
東京商工リサーチ(TSR)は、1952年に企業倒産の全国集計を開始しました。

5月に1,000件を超えましたが、月間最多は1984年5月の1,965件で、増えたと言ってもまだピークの半分です。

それでもコロナ禍で裁判所の受付が難しかった2020年5月の314件と比べると約3倍に増え、倒産が身近に迫っています。

TSRは倒産原因(主因)を、販売不振や他社倒産の余波、過小資本など10区分で集計しています。

全業種の倒産を、経営者や取引先、代理人弁護士、破産管財人などに取材し、原因を特定しているのです。

10通りのうちの1つに、「放漫経営」があります。

放漫経営は、経験不足などの「事業上の失敗」、異業種への進出失敗などの「事業外の失敗」、融通手形などの「融手操作」の3パターンに分かれます。
過去10年の1-5月の放漫経営を主因とした倒産は、2016年の188件が最多でした。

これまでの定説は「放漫経営の倒産は好況期に増える」でした。

好調な業績で事業拡大を無計画で進めたり、余剰資金を投資で増やそうとして失敗したりするのです。
ところが、コロナ禍で放漫経営による倒産が一変しました。

2021年同期は107件まで急減しましたが、これはコロナ不景気での減少ではありません。

ゼロゼロ融資などの手厚い支援で、倒産全体が減少し放漫経営が目立たなくなったに過ぎないのです。

しかし、支援縮小とともに放漫経営が顕在化し始めました。

起業しても従業員が集まらずに事業を始められなかったり、決算書作成を怠り税金を納めていなかったり、コロナ禍に隠れていた放漫経営の姿が明るみとなり、2024年同期は過去最多の190件に達しました。

放漫経営の倒産増について「経営者保証を付けないこと」が原因の1つと分析する審査マンもいます。

TSR集計で、2023年の新設法人は過去最多の15万3,405社に増えました。

経営者の個人保証に依存しない融資が次第に浸透し、起業マインドを底上げしたようです。
その副作用で、モラルハザードも起きています。

無計画な起業は、従業員や取引先に迷惑をかけるのです。

倒産増の局面では、勢いだけの経営者は、いずれ淘汰の憂き目に遭うことを教えています。

色々なところで、金融機関の支店長などお会いした時に、経営者保証のことを聞くことが多いのですが、金融庁が勧めているので、時代の流れとして外していくようにはなっていくと考えている方と、モラルハザードが起きるので正直なところ外したくはないと考えいる方とに分かれているように思います。

個人的には、どちらの意見もごもっともで、時代の流れとして外すのが当然になっていくとは思いますが、一方で、モラルハザードが起こらないようにしてほしいなぁ、緊張感を持って経営はやらないといけないのではないかなぁと思っています。

経営者のモラル低下や放漫経営による倒産が急増していることについて、あなたはどう思われましたか?


コロナ禍の支援策が重荷になるケースもあり農業関連業者の倒産が急増し過去最悪に! 

ITmediaによると、農業関連業者の倒産が急増しているようです。

帝国データバンクが調査結果を発表し、2023年度は81件の倒産があり、2000年度以降で最多だった2022年度(64件)を26.6%上回ったことが分かりました。

2024年度は4月に1件、5月に10件と計11件の倒産がすでに発生しています。

5月31日までの期間で、負債1,000万円以上法的整理による倒産を調査しました。

業種別で最も倒産が多かったのは「野菜作農業(きのこ栽培含む)」で24件で、前年度比で118.2%と急増しました。

次点は「施設野菜作農業(きのこ栽培含む)」で、同160.0%増の13件でした。

特に目立ったのが、きのこ生産業者の倒産です。

肥料やおがくずなどの価格、生産施設維持に関わる燃料費などが高騰し、収益を圧迫したことが背景にあるようです。

農業は事業初期段階で設備投資などの借入金負担が重く、収益化までの資金繰りがタイトになりやすいです。

コロナ禍前に創業した企業では、ゼロゼロ融資の返済が重荷となっているケースも多くなっています。

こうした中、2024年5月29日に食料・農業・農村基本法の改正案が参議院本会議で可決・成立しました。

農業単体でなく、食品製造や流通とも連携し、適正な利益を確保できるシステムを生み出す動きも進むなど、持続的な環境構築の取り組みも始まっています。

需給関係で価格が決まることが多いため、原価が高騰しても、価格転嫁が難しいのが、農業です。

こういう時こそ、JAに頑張って欲しいですね。

そうしないと、どんどん農家が減り、JAへの影響もあるでしょうから。

コロナ禍の支援策が重荷になるケースもあり農業関連業者の倒産が急増し過去最悪になったことについて、あなたはどう思われましたか?


休廃業が5万社と2022年のコロナ禍を超え10年で最多となり進む淘汰!

日本経済新聞によると、休業や廃業、解散を決めた企業が2023年に約5万社となり、比較できる2013年以降で最多となったようです。

物価や人件費が上昇するなか、新型コロナウイルス禍の補助金もなくなり、市場からの退出を選ぶ企業が増えています。

失業者の増加を招かないよう円滑な事業譲渡や人員受け入れの取り組みが重要になっています。

東京商工リサーチによると、2023年の休廃業・解散企業は前年比0.3%増の49,788社でした。

直近で最多だったのは、コロナ感染が広がった2020年の49,698社でした。

2021年はコロナ補助金や実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)などの公的支援で44,000社台まで減っていました。

2022年以降は49,000社台に戻りました。

休廃業・解散企業のうち、48%は直前の決算期が赤字でした。

赤字企業が占める割合は2016年の36%を底に年々上昇しています。

人件費の削減や補助金の活用で経営を続けてきた企業でも、足元のコスト高に耐えられずに赤字転落する例が増えたのです。

産業別では飲食店やホテルなどのサービス業が16,286社と全体の33%を占め、建設業が16%、小売業が12%と続きました。

いずれも人手のかかる業種です。

人手不足が休廃業・解散の判断につながっているようです。

人材サービス大手ディップによると、2024年1月のアルバイト・パートの平均時給は1,386円と前年同月比167円増え、過去最高を更新しました。

神奈川県横須賀市の酒卸・小売業を営む経営者は「昨年秋に時給を上げたがアルバイトの面接に人が来ない。春に大学生アルバイトが2人辞めてしまう。今後十分な人手を確保できるか不安だ」と人員確保の困難さを語っています。

黒字でも後継者が見当たらずに店をたたむケースは少なくありません。

休廃業・解散企業の代表者の年齢別では70代が全体の4割強にのぼっています。

一方、失業率は低水準です。

2月の完全失業率(季節調整値)は2.6%と低位にとどまります。

休廃業や解散が増えても失業率が上がらない理由のひとつに、休廃業や解散する企業の規模の小ささがあります。

有限会社や個人経営など従業員が少ない企業の休廃業・解散が増えているのです。

事業承継やM&A(合併・買収)で従業員が他社に移るケースもあります。

自動販売機向けの飲料品を扱う都内の卸売業者は2023年夏、同業の中堅企業に事業を譲り渡しました。

コロナ禍で自販機の売り上げが減り、値上げや採算性の低いエリアからの撤退に取り組んだものの業績は回復しませんでした。

40年近く営業してきました。

経営者の男性は従業員の雇用確保を優先して事業譲渡を決めました。

支援したメインバンクのきらぼし銀行が債権放棄に応じたことも寄与し、約30人の従業員のうち20人以上が譲渡先に移りました。

きらぼし銀融資管理部の牧岡大介副部長は「企業再生の弁護士と連携しながら、銀行と企業が抜本的な経営改革を決断できた」と話しています。

休廃業や解散を選ぶ企業は一段と増えそうです。

金利のある世界に戻ると、超低金利下で抑えられてきた債務の利払いは増えます。

ピクテ・ジャパンは2024年に企業の利払い費が最大で前年比4割増えると予測しています。

政府はコロナ禍の資金繰りから事業再生へと支援の軸足を移しています。

独力で再生計画を描くのが難しい企業は望む、望まないに関わらず退場を迫られる可能性があります。

従業員の雇用を確保するためにも円滑な事業譲渡やM&Aを支援する枠組みが重要になってきます。

人手不足が続いていますので、何とか休廃業を止めたいですね。

事業承継とか、M&Aとかで、微力ではありますが、公認会計士として貢献できればなぁと思っています。

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「コロラド」や「イノダ」などの京都の老舗カフェは事業承継で再興へ!

日本経済新聞によると、コーヒー文化が盛んな京都で、老舗喫茶店が事業承継による再興を探っています。

喫茶店「コロラド」を展開するワールドコーヒー(京都府京都市)は他の飲食店グループ経営者がスポンサーとなり体制を刷新しました。

イノダコーヒ(同)は投資ファンドの下で店舗拡大を図ります。

新型コロナウイルス禍や後継者難による行き詰まりの打破を目指します。

「京都でのワールドコーヒーの知名度は今でも高い。中長期ではピークだった20億円の売上高を目指したい」と、社長に就任して5か月の森田淳平氏は意気込んでいます。

2023年10月、ワールドコーヒーは債務を旧会社に切り離し、事業は新会社に移管する方式(いわゆる第2会社方式)での再生に踏み切りました。

スポンサーとなったのは焼肉店やカフェなど数十店舗を運営するダンシンダイナー(大阪府大阪市)のオーナーです。

森田社長は同社の人事部長も務めています。

1961年創業のワールドコーヒーは直営4店舗を運営し、足元の売上高は5億円ほどです。

1980年代の純喫茶ブームのころには20億円規模だった時期もありますが、前社長で現在は統括本部長を務める戸塚晴彦氏は「外資カフェチェーンなどに押されて近年は赤字が続いていた」と説明しています。

長年の負債に加え、コロナ禍で営業休止が広がりました。

コロナ対策融資の返済や特例で猶予されていた従業員の社会保険料納付が始まった2023年ごろ、資金繰りに行き詰まったのです。

新体制となり、ダンシンダイナーの系列店舗と仕入れを共通化するといった効率化策に着手しました。

仕入れ価格の上昇分の価格転嫁や、スーパー向け商品のパッケージ変更などの改革を急ぎます。

黒字体質に転換した上で「2年後をメドに店舗運営のモデルとなるような旗艦店をつくりたい」(森田氏)と話しています。

総務省の家計調査(2023年)によると、全国の都道府県庁所在地と政令指定都市の中で京都市の2人以上の世帯当たりのコーヒー(豆と粉末)の年間消費額は1万311円と、大津市(1万321円)に次いで全国2位でした。

コーヒー文化が根付いていますが、観光客の需要が多かった分コロナ禍の傷痕は深かったようです。

事業再生コンサルティングのみらいエフピー(東京都千代田区)の小林廣樹社長は「2023年に入ってゼロゼロ融資返済などが本格化した。喫茶店などの飲食業界を中心に、悪化した財務状況に改めて向き合わなくてはならなくなる事例が増えている」と指摘しています。

1940年創業で全国に9店舗を運営するイノダコーヒ(京都市)も2022年に投資ファンド、アント・キャピタル・パートナーズ(東京都千代田区)の傘下に入いりました。

イノダコーヒの前田利宜社長は「サロンのような静かな時間や空間を楽しんでもらうのが当社の強み。今後市場を見ながら複数店を出店したい」と話しています。

卵のサンドイッチなどを看板商品に喫茶店4店舗を運営するLa Madrague(ラマドラグ、京都府京都市)は2022年12月にサンマルクホールディングス(HD)の完全子会社になりました。

新型コロナ禍以降に営業赤字が続いていました。

サンマルクHDは「歴史ある店づくりの知見やレシピを生かし、新業態として好立地を選んで出店していきたい」(管理本部)と意気込んでいます。

観光客の回復に加え、昭和レトロブームなどの追い風で「若い世代や外国人の利用も多い」(サンマルクHD)。

資金力や運営ノウハウを生かしてブランド力を磨くことができれば、成長の道も見えてきそうです。

コメダも以前、ファンドが入って立て直していますので、カフェはうまく経営できれば、儲かる業種なんでしょうね。

出店で行き詰まるところが多い感じはしますので、資金があれば立て直せるのかも知れませんね。

京都に限らず、カフェは人々にとって、なくてはならないものだと思いますので、立て直しがうまくいって欲しいと思います。

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「ゾンビ企業」がゼロゼロ融資の余波で2022年度比で3割増の25万社!

日本経済新聞によると、本業の利益で借入金の利払いをまかなえない「ゾンビ企業」が増えているようです。

2022年度は前年度比3割増の約25万社で11年ぶりの高水準となりました。

新型コロナウイルス禍に伴う政府支援で生き延びたものの、過大な債務を抱えて実質破綻状態に陥る企業が増えています。

事業譲渡など新陳代謝を促す再生支援が急務です。

帝国データバンクが国際決済銀行(BIS)が定める「ゾンビ企業」の定義に沿って、本業の利益や配当金で借入金の利払いをまかなえない企業を集計しました。

2022年度の「ゾンビ企業」の比率は前年度比3.6ポイント上昇の17.1%で6社に1社の計算になりました。

集計を始めた2007年度以降では2009〜2011年度(17.2〜19.8%)に次ぐ水準で、コロナ禍前の2019年度(10%)から急上昇しました。

リーマン・ショック後の2009年に金融機関に返済猶予や支払い期限の延長を求めた中小企業金融円滑化法が成立したのに伴い、2011年度は27万4,000社まで膨らみました。

その後は減少し、コロナ禍前の2019年度は14万8,000社でした。

増加の背景にはコロナ禍の緊急対応として政府が打ち出した資金支援があります。

2020年春に始まった実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の利用数(2022年9月末時点)は約245万件で、約43兆円の融資を実行しました。

ゼロゼロ融資はコロナ禍で中小企業の資金繰りを支え、倒産や失業者の急増に伴う社会不安の抑制に効果を発揮しました。

半面、迅速さを重視した結果、本来は融資を受けられないような企業を延命させたり審査が甘くなったりする副作用も生んだのです。

一定期間の元本返済と利払いを免除する制度だったため、目先の資金繰りを回すために債務を膨らませ、利払いすら困難になる企業が続出しました。

実質破綻状態に陥っても事業を続けようとするのは、経営者保証の影響も大きいです。

経営者個人が企業の債務を連帯保証するしくみで、企業が倒産すれば持ち家など生活の基盤までなくなってしまうという恐怖感が背景にあります。

金融機関も不良債権処理を先延ばししたいという誘因が働きやすく、政府の支援策などを使って延命させるケースは少なくありません。

「ゾンビ企業」の有利子負債は平均で月の売上高の約10倍に膨らみ、企業全体の平均の5.6倍を大きく上回っています。

平均の自己資本比率もマイナス5.4%と債務超過の状態で、手詰まり感は強くなっています。

ピクテ・ジャパンの大槻奈那氏は「2024年は長期金利の上昇や倒産リスクの上昇に伴う上乗せ金利の拡大などを背景に企業の調達金利が上昇し、利払い負担が増す可能性がある」と指摘しています。

足元では倒産件数も急増しています。

日銀で調査統計局長をつとめたSOMPOインスティチュート・プラスの亀田制作氏は「(倒産増は)過去の行き過ぎた支援策の反動であり、新たな資金支援の根拠にはならない」と話しています。

実質的に破綻状態にある「ゾンビ企業」が増えれば経済の新陳代謝は滞り、低賃金が放置されたり成長産業への労働移動が妨げられたりします。

政府も資金繰りから事業再生に支援の軸足を移す方針を示しています。

過大な債務の圧縮には金融機関の協力が欠かせません。

返済猶予や借り換えに応じるだけでなく、債権放棄や事業譲渡の支援など抜本的な策に踏み込む姿勢が求められますが、備えが万全とは言い難いです。

日銀によると、銀行が融資の焦げ付きに備えて積んでいる貸倒引当金は2023年11月時点で約3兆6,000億円です。

「ゾンビ企業」が27万社に膨らんだ2011年より3割ほど少ない水準で、貸し倒れに伴う損失のショックはそれだけ大きくなります。

金融システムへの負荷を抑えながら「ゾンビ企業」を減らしていけるか、金融機関の覚悟も問われます。

コロナの5類以降で、経済活動も通常に戻ってきているかと思います。

生活スタイルの変化などで、コロナ前の水準には戻らないとは思いますが。

このような中で、ゾンビ企業が日本経済の回復の足を引っ張ることは避けないといけないでしょう。

コロナが始まってからかなり時間が経っていますので、企業が対応しないといけない点は分かっていると思いますので、資金繰りから事業再生に支援の軸足を移すのは当然のことでしょう。

金融機関は、真摯に取り組んで欲しいですね。

「ゾンビ企業」がゼロゼロ融資の余波で2022年度比で3割増の25万社になっていることについて、あなたはどう思われましたか?


人手不足倒産が2023年1月から10月は206件で過去最多!

日本経済新聞によると、物流や建設業界ではさらなる人手不足が懸念されているようです。

帝国データバンクは、先日、人手不足による企業の倒産件数が2023年1〜10月に前年同期比78%増の206件になったと発表しました。

集計値がそろう2014年以降の年間の最多件数をすでに上回っています。

建設業が件数の37%、物流業が16%を占めました。

いずれも2024年4月から時間外労働の上限規制(いわゆる2024年問題)が適用される業種で、さらなる人手不足が懸念されています。

調査を担当した帝国データバンク情報統括課の旭海太郎副主任は、「今後人手不足による倒産の影響が一段と広がる可能性がある」と指摘しています。

従業員規模別にみると、10人未満の企業の倒産が155件で全体の75%を占めました。

10〜50人未満が23%で50人以上は1%のみでした。

業歴別では30年以上が最多の84件で41%でした。

小規模で業歴の長い企業ほど人手不足と事業継続懸念に直面しているようです。

いわゆるゼロゼロ融資の返済がすでに始まってきていますし、いわゆる2024年問題もありますので、今後数年間は倒産する企業が増加すると考えられます。

物流や建設は、日本経済を支えている業種だと思いますので、なんとかしないといけないですね。

国はどうする対応していくのかよく分かりませんが、本当に効果のあるものにとどめて、ゾンビ企業を増やすようなばらまきはやめてほしいですね。

人手不足倒産が2023年1月から10月は206件で過去最多だったことについて、あなたはどう思われましたか?


ゼロゼロ融資返済で苦境の企業支援は“事業再生を軸に” が金融庁の方針!

NHKによると、いわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化する中、過剰な債務を抱えて事業の継続が危ぶまれる中小企業も出ています。

こうした中、金融庁はこれまでの資金繰り面の対応から事業再生を軸とした支援の形に転換する必要があるとして金融機関に対し、取り引き先の事業再生に向けた取り組みを早いタイミングで実施するよう求めていくことにしています。

新型コロナ対策として中小企業などを対象に実施された実質無利子・無担保のいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化する中、過剰な債務を抱え、物価高や人手不足も重荷となって倒産に追い込まれる中小企業が相次いでいます。

こうした中、金融庁はこれまでの資金繰り面の対応から事業再生を軸とした支援の形に転換する必要があるとして、金融機関に対し取り引き先の事業再生や経営の改善に向けた取り組みを早いタイミングで実施するよう求めていくことにしています。

具体的には、金融機関が取引先と積極的にコミュニケーションをはかりながら経営悪化の兆候をできるだけ早く把握し、経営改善計画の策定や事業再生に向けたメニューの提案など金融機関に期待されるコンサルティング機能を発揮するよう促していくことにしています。

金融庁は月内にもこうした方針を金融機関に示すことにしています。

個人的には、金融庁や経済産業省や財務省などの施策の失敗により、いわゆるゾンビ企業をたくさん産み出す結果になっていると思っていますので、いまさら、事業再生を軸とした支援と言われてもどうなのかなぁと思います。

いったん、退場していただいて、再起を図るということにして、国が再起しやすいような施策を整備するということの方が長い目で見ると良いのではないかと思います。

また、金融機関にコンサルティングの能力があるかどうかも疑問ですし、支店等も減らし、人も減っている中で、膨大な数の事業者の支援ができるのでしょうか?

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「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の運用開始から1年半で利用は145件!

帝国データバンクによると、コロナ禍で実行された実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資などの新型コロナ関連融資によって過剰債務状態に陥った中小企業の出口戦略としても注目されている「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」 (以下、GL)ですが、2022年4月の運用開始から1年半が経過しました。

2023年8月30日に公表された『挑戦する中小企業応援パッケージ』(経産省・金融庁・財務省)における「再生フェーズ」の体制整備項目となっており、10月17日には金融庁が活用事例を公表するなど徐々に利・活用が進んできているようです。

帝国データバンクは、GL手続きのなかで中立的な立場から再生支援を担う「第三者支援専門家」 として中小企業基盤整備機構および事業再生実務家協会が公表しているリストに登録のある専門家(弁護士・公認会計士・税理士・中小企業診断士など213名)に限定してGLの対応状況についてアンケート調査を行い、判明した結果をもとに分析しています。

調査期間は2023年8月28日~9月29日で、有効回答数は213名中156名(回答率73.2%)となっています。

1.「第三者支援専門家」の活動状況

「第三者支援専門家」213名に対して、GL運用開始後、「GLに基づいた事業再生を手がけた・あるいは手がけているか」尋ねたところ、156名が回答(無回答57名)しています。

156名のうち「はい」が52名(構成比33.3%)、「いいえ」が104名(同66.7%)となっています。

運用から1年半で約3割の専門家が「第三者支援専門家」としてGLに基づいた手続きに関わったことが判明しました。

2.GLの利用実績

「はい」と回答した「第三者支援専門家」52名に、手がけた・あるいは手がけている案件について尋ねたところ、手続きが開始となった件数は145件でした。

145件のうち、再生型私的整理は99件(構成比68.3%)、廃業型私的整理は46件(同31.7%)でした。

手続きが開始となった145件の進捗について尋ねると、すでに再生計画案が成立したものが55件(構成比37.9%)でした。

このうち、計画をすでに実施・完了しているものが41件(同28.3%)でした。

計画案が成立した55件の内訳は、再生型私的整理が38件(構成比69.1%)、廃業型私的整理が17件(同30.9%)でした。

再生型38件のうち、債務減免、リスケがそれぞれ19件(同50.0%)でした。

計画をすでに実施・完了している41件の内訳は、再生型私的整理が28件(構成比68.3%)、廃業型私的整理が13件(同31.7%)でした。

再生型28件のうち、債務減免は19件(同67.9%)、リスケは9件(同32.1%)でした。

3.GLに基づく再生案件の特徴

2022年4月~2023年9月までに発生したGLに基づく事業再生案件145件について、「第三者支援専門家」に「業種」「所在地」「年商規模」「負債規模」「依頼を受けた経緯」について尋ねた結果を分析しています(1案件1回答ではないため、母数は一致しません。)。

業種別でみると、「製造」が33.0%で最も高く、「小売」が25.0%、「サービス」が13.0%で続きました。

「その他」には今回のGLで扱えるようになった社会福祉法人などがあります。

所在地別でみると、「関東」が33.0%でトップとなり、「近畿」が32.0%、「中国」が12.6%と続き、「関東」と「近畿」で全体の65%を占めました。

年商規模別にみると、「1億~5億円未満」が38.7%で最も高く、「5億~10億円未満」が18.3%、「10億~50億円未満」「5,000万~1億円未満」はともに17.2%となりました。

負債規模別にみると、「1億~5億円未満」が41.4%で最多となり、次いで「5億~10億円未満」が21.8%で続きました。

年商・負債いずれも「100億円以上」の案件はありませんでした。

「第三者支援専門家」を依頼された経緯を尋ねると、「外部専門家」からの依頼が72.9%と最も高く、次いで「金融機関」からの依頼が24.3%、「その他」が2.8%となりました。

「その他」は中小企業活性化協議会(以下、協議会)などがありました。

GLで、協議会では取り扱いのなかった廃業型私的整理が新たに設けられたため、協議会で進めていた案件が、GLの廃業型私的整理に移行したケースなども聞かれました。

4.まとめ

2022年4月から運用がはじまったGLの案件数は2023年の9月末時点で判明したのが145件となりました。

「第三者支援専門家」リストの専門家のうち、アンケートに回答した156名の約3割に当たる52名が「第三者支援専門家」としてGLに基づく私的整理を手がけたことが判明しました。

1人当たり1件~複数件手がけており、複数手がける専門家は「関東」と「近畿」に集中しています。

専門家のなかには「第三者支援専門家」ではなく外部専門家として関わっているケースも多くみられるほか、地域によっては企業や金融機関のGLに対する認知度が低く、再生メニューとしては全国的にはまだ定着していない印象です。

協議会の2022年度の再生計画策定支援の完了件数は1,067件で、そのうち債務圧縮や減免を伴う抜本的な支援は115件でした。

GLは、手続きが類似する協議会と比べるとまだ認知度も低く、件数は決して多くはありません。

他方で、協議会では扱うことができない社会福祉法人や学校法人等を扱うことが可能であるうえ、GLでしか扱えない廃業型私的整理手続きもあるなど、「需要は高く今後は増える」とみる専門家が多かったようです。

専門家からは実務面で「補助金の手続き」に関するコメントも多く聞かれましたが、慣れの問題もあり、案件数が増えるに従ってスムーズに行われるようになっていくものとみられます。

今後については、私的整理の選択肢として、専門家に限らず金融機関、中小企業自身においてもいかにしてGLの認知度を高めるかが当面の課題と言えるでしょう。

<第三者支援専門家からの主なコメント>

【GLの認知度や利用申請に関して】

スケジュール面が柔軟で使い勝手がよい。今後も硬直的にならぬよう実務家が工夫していくべき

地域によっては認知度が低く浸透していない部分もあるため、協議会が選ばれることが多い

担当者によってはGLへの理解に差があるため、金融機関向けの勉強会やセミナーが必要

慣れていないということもあるが、補助金の申請手続きが複雑で大変

【中小企業活性化協議会(以下、協議会)との役割分担などについて】

協議会は受理されるまでに時間がかかる一方、GLはスピード感をもって取り組める

GLには協議会のようなサポートや調整機能がないので、誰が音頭を取るのかで問題となる

協議会か、GLかの使い分けに迷いがあり、金融機関からもどちらがよいか質問を受ける

金融機関の認知度に濃淡があり、まだ「まずは協議会」というところが多い

【対象債権者について】

政府系金融機関はGLに積極的だが地銀や信金はまだ認知度が低い

協議会と類似した手続きなので、違和感はない様子で、スムーズに進む。メインバンクは協力的

廃業型ではリース会社も対象にいれることがあるが、リース会社にはまだ浸透していない印象

【再生型私的整理・廃業型私的整理について】

案件が持ち込まれるタイミングが遅く、手続きを進める間の資金繰りがもたず破産となった

廃業型はGLにしかなく、ニーズがある。後継者がいないケースに使いやすい

廃業型の入り口はたやすいが清算価値保障などを考えると終わり方が難しい

再生型はスポンサー探し、計画案、債権者との交渉など外部専門家の働きが大事。うまくいかなければ、後ろ倒しになる。入り口部分で主要債権者からある程度同意が得られないと困難

【担い手について】

GLの担い手が少ない。県内に「第三者支援専門家」の登録が少なすぎる

補佐人制度があるが、「第三者支援専門家」のいない県で登録者を増やすのは現状では難しい

企業に接触する専門家が再生メニューとしてGLを紹介するほど認知されていない

「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」は、(一社)全国銀行協会を事務局とする「中小企業の事業再生等に関する研究会」によって2022年3月4日に公表、同年4月15日より運用が開始となった、事業再生について中小企業者・金融機関の基本的考え方や具体的な私的整理手続きを定めたものです。

ガイドラインは第一部「本ガイドラインの目的」、第二部「中小企業の事業再生等に関する基本的な考え方」、第三部「中小企業の事業再生等のための私的整理手続」に分かれています。

第二部において、中小企業者を「平時」「有事」の段階に分け、それぞれの段階で中小企業者と金融機関が果たすべき役割を明確化し事業再生等に関する基本的な考え方を示したことや、第三部において「有事」の場合に迅速に取り組める、新しい準則型私的整理手続きにおいて「再生型私的整理手続き」に加えて「廃業型私的整理手続き」を定めたことが注目されています。

「第三者支援専門家」は、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」において初めて定められた役割。私的整理の開始段階では弁護士などの専門家が関わる(「外部専門家」という)が、再生計画案の作成・調査を行う中立的な立場として外部専門家とは別に選任されます。

僕自身、香川県や愛媛県の案件に関わっていますが、今後、ゼロゼロ融資の出口戦略として使われることが多くなると思いますので、事例を集約するとともに、もっと認知度を高めないといけないのではないかと思いますね。

ガイドラインを使って、モラルハザードにならず、周りへの影響を抑えて再生とか廃業ができるのであれば、非常に意味のあることだと思います。

「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の運用開始から1年半で利用は145件だったことについて、どう思われましたか?


天保年間創業の老舗である福岡県の酒造メーカーの鷹正宗が民事再生!

2023年06月08日(木)

東京商工リサーチによると、鷹正宗株式会社(福岡県久留米市)と、関連の叡醂酒造株式会社(えいりんしゅぞう、同市)は、先日、福岡地裁に民事再生法の適用を申請しました。
負債は、鷹正宗が約36億8,300万円、叡醂酒造が約2億5,100万円(いずれも2022年12月期決算時点)で、2社合計約39億3,400万円です。

鷹正宗は天保年間創業の老舗酒蔵で、「鷹正宗」のブランドで清酒の醸造を手掛け、高い知名度を有していました。
清酒離れが進むなか、近年は低価格帯の焼酎製造にも注力し、焼酎は麦焼酎を主体にパックの「めちゃうま」シリーズや、量り売りの「ごりょんさん」などを製造していました。

1988年8月には大手飲料メーカーが資本参加し、傘下入りしましたが、2008年6月には株式会社原武商店(福岡県久留米市)が当社株式を取得して、代表取締役会長に原武商店社長の原武康弘氏が就任し、以降は原武商店のグループ企業として新体制による業務を開始していました。

酒類の小売・卸売を手掛ける原武商店との相乗効果により、グループ業績は拡大していたとされていましたが、実際には業績不振に陥っていた模様で、2023年2月末には原武商店がバンクミーティングを開催しました。
これを機に同社の粉飾決算が明るみとなり、動向が注目されていました。

こうしたなか、原武商店が2023年5月末までに事業を停止し、6月1日に福岡地裁へ破産を申請しました。
これに連鎖する形で、鷹正宗と叡醂酒造の2社は民事再生法を申請しました。

やはり、M&Aも難しいですね。
今回のような母体が吹き飛ぶような案件は、慎重にやらないといけないですね。
粉飾も経営者としてダメでしょうね。
キチンと数値を事実として受け止め、早めに対策を打つべきだと思います。

天保年間創業の老舗である福岡県の酒造メーカーの鷹正宗が民事再生の適用を申請したことについて、どう思われましたか?


SBI新生銀の非上場化は買収当初から計画されていた!

SBIホールディングスは、先日、50%強の株式を保有するSBI新生銀行に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、上場廃止にすると発表しました。
一般株主が持つ最大27%分の株式取得をめざします。
取得額は1,542億円です。
SBI新生銀行には約3,500億円の公的資金が残っています。
上場廃止により、利益剰余金での返済の道を探るようです。
SBIはSBI新生銀行や金融庁へTOBを実施する方針を伝えました。

この発表にメガバンク幹部は、「やはりこの手しかなかったのだろう。SBIの北尾吉孝氏とSBI新生銀行会長で元金融庁長官の五味広文氏との連携プレーだね」と指摘しました。
大手銀行で唯一公的資金が残るSBI新生銀行の返済は難題中の難題でした。

新生銀行は1998年から公的資金の注入を受け、1,500億円を返済しましたが、約3,500億円が未返済となっています。
2000年に当時の谷垣禎一金融再生委員長は公的資金の返済に関し、政府保有の新生銀行株の時価総額が500億円を超えることが条件との趣旨の国会答弁を行っています。
株価に引き直せば1株7,450円となります。
現状のSBI新生銀行の株価では100年たっても無理とみられていました。

実はこの公的資金返済の裏技は、SBIが新生銀行買収当初から発案されていました。
SBIは2019年4月から新生銀行株を買い増し始め、同年夏にはSBIの北尾氏が新生銀の工藤英之社長(当時)を訪ね、資本提携の提案を行っています。

その時、北尾氏が工藤氏に手渡した「公的資金返済プラン」と題する書類には、①SBIが48%を上限に新生銀行株を取得(連結子会社化)②自社株買いなどで一般株主の比率を低下③公的資金を注入している国とSBIの議決権が計90%に達した段階で非上場化④国の保有株を買い取り、公的資金を返済する、いわゆる「スクイーズアウト」を実施する–という内容が盛り込まれていました。

新生銀行株を市場で売却して公的資金を回収することは現状の株価水準からみて難しい以上、新生銀行株を非上場化し、株価が市場価格から離れることで、株価の算定方法も多様化します。
新生銀行の利益剰余金は2023年3月末で3,900億円超あります。
自己資本比率の問題は残りますが、市場を介さなければ返済は可能でしょう。

この案が浮上した背景には、SBIが新生銀行を買収し、経営陣に五味氏を送り込んだことが関係しています。
「五味氏は新生銀行に金融庁幹部として公的資金を入れた当事者。その返済に責任を感じていた」(メガバンク幹部)のためです。
同様に、現在の金融庁幹部にとっても、SBI新生銀行に残る公的資金の返済は頭痛の種でした。
まさに渡りに船ということでしょう。

これで公的資金が返済できるのであれば、すごく良いことでしょうね。
いつ想像し得ないことが起こるか分からない時代であり、また、公的資金を注入することが生じるかもしれませんし、モラルハザードが生じるかもしれませんし。

SBI新生銀の非上場化は買収当初から計画されていたことについて、どう思われましたか?


千葉の医療法人社団心和会が過去3番目の規模の倒産!

日経産業新聞によると、千葉で2023年4月、負債132億円という医療機関として過去3番目の大きさとなった倒産が発生しました。
「八千代病院」などを運営し、約1,200人の従業員が働く医療法人社団心和会(千葉県四街道市)が2023年4月4日に民事再生法の適用を申請し、倒産しました。
医療とリゾートの融合など新たなサービスを進めてきた法人が、なぜ巨額の負債を抱えることになったのでしょうか?

心和会の歴史は、1946年に荒井元吉氏が千葉県四街道市に個人経営の診療所を開設したことにはじまります。
その後、1954年に医療法人荒井病院に法人改組し、1955年に八千代市に新しく八千代診療所を開設、1957年に同診療所を八千代病院(当時53床)に変更して礎を築き、1967年に法人名を心和会に改称しました。

事業規模が大きくなったのは1983年に新八千代病院(当時200床)を開設させたことがきっかけです。
さらに、1988年に八千代病院を現在の場所に移転させて372床に増床させ、さらに1991年に現在の422床に増床させました。
このような初代の事業展開を経て、1992年に荒井壽明氏が2代目理事長に就任しました。

壽明氏は1992年の介護老人保健施設・荒井記念ホーム(100床)をはじめ、複数の訪問看護ステーションやクリニックなどの開設に携わり2009年に約17年の任期を終えました。

2009年に3代目の理事長としてバトンが引き継がれたのは、壽明氏の三男である荒井宗房氏で、2009年3月期の年収入高は約60億7,200万円まで増加していました。

宗房氏の就任後は、人間ドックからフィットネス、スパを手がける医療リゾートのシンワメディカルリゾート(2011年)、シンワメディカルリゾート柏の葉(2016年)のほか、成田リハビリテーション病院(2017年、100床)、江東メディカルタワー(2018年)、シンワメディカルリゾート宮古島(2021年)などを手がけ、医療と健康・美容の融合や医療とリゾートの融合など新しいサービスを進めてきました。

心和会の2008年3月期以降の15期分の業績推移を見ると、年収入高は一度も前期を下回ることがなく増加し続け、2015年に70億円、2019年に80億円、2021年に90億円を突破しました。
2022年3月期には約97億5,900万円と100億円目前になっています。

ただ一方で、利益(当期純利益)は近年悪化していました。
2009年を除き利益を計上し続けていましたが、2019年、2021年、2022年と赤字の計上が続いていました。
2019年は役員退職金約10億5,100万円を臨時費用として計上したことなどから約12億7,900万円を計上しました。

また、新たにはじめたリゾート関連の事業は新型コロナウイルス禍の影響もあり、当初の計画通りに進んでいなかったようです。
相次ぐ施設の開設もあり、借入金(長期・短期合計)は宗房氏の理事長就任時と比較して約3倍に膨れ上がっていました。

さらに、開設されて間もないシンワメディカルリゾート宮古島の営業が2022年12月末をもって終了しました。
2023年2月1日には宗房氏から宗房氏の兄である荒井泰助氏に理事長が交代しました。
「ついに情勢が急変する前兆かもしれない」とある関係者は語っていました。

そうしたなか、心和会は2023年4月4日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請しました。
負債は金融債務約58億4,800万円、一般債権約27億1,000万円など含めた計約132億円で、債権者数は275人にのぼりました。

2022年3月期末時点の負債は決算書上で約80億9,900万円となっていたことから約51億円もの差異があることになります。
背後にこれまで公にされてこなかった大きな問題が潜んでいるのではないかと関係者の間でささやかれていました。

132億円の負債は、医療機関の倒産として医療法人育和会(大阪、2002年民事再生法)の200億円、浪速医療生活協同組合(大阪、2005年民事再生法)の134億円に次ぐ過去3番目の規模となり、医療関連の審査関係者の間でも大きな話題となりました。

もともと医療機関は安定経営の事業者が多いとされています。
なかでも病院の倒産は年間5件(2022年)と一般企業と比べて極めて少なくなっています。
そうした中で発生した心和会というまれにみる「大倒産」は医療機関の倒産史に極めて大きなインパクトを残しました。

心和会の支払い遅延に関する情報を耳にするようになったのは2021年春を過ぎた頃からだったようです。
以後、毎月のように支払い遅延・延期要請をはじめとする信用不安情報が帝国データバンクに寄せられるようになり、特に不動産や手形に関連したトラブルが多く、不可解な人脈・関係性が見え隠れしていました。

2023年4月4日、民事再生法の一報を受け、大手医薬関連企業の審査担当幹部は「過去から信用不安情報をキャッチして警戒感を高めていたところ、2022年春に心和会の割止め情報が入り、取引撤退を社内にて決定していた」と話しています。

翌4月5日には、心和会のホームページに「民事再生手続申し立てに関するお知らせ」がアップされましたが、そこに書かれていた申し立ての経緯の内容に驚いた人は多かったはずです。

そこには、近年、意図せずに外部の者による不当な介入を受け、前理事長がこれらの者から度重なる詐欺・恐喝を受け続け、抗拒不能の状態に陥り資金流出を許してしまったという内容が書かれていました。
東京地裁に提出された申立書の中にも申し立てにいたった理由について、同じことが書かれているようです。

心和会の従業員は1,204人で、数多くの患者が存在し、多方面の取引先も有し、地域の医療だけでなく、経済・雇用も支える存在となってきました。
それだけに再生を進めていくには前理事長の経営責任を含めた徹底した原因究明が求められます。
本業とは関係ないと思われる要因が飛び交っている今回の倒産劇ですが、これまで心和会と関係を保ってきた従業員、金融機関、一般取引先、そして患者とその親族の感情にも大きく影を落としそうです。

次々と設備投資を行なっていたため、その減価償却費などで赤字になったと金融機関などには説明していたのかもしれませんが、実際は思ったほどの収益が上がらず、粉飾をして、それを補ったり、隠すために、どんどん設備投資をしていたのかもしれませんね。
規模が大きいだけに、金融機関としても、取引をしたかったでしょうし。
基本的には、フリー・キャッシュ・フローの範囲内で設備投資を行なうのが普通だと思いますが。

千葉の医療法人社団心和会が過去3番目の規模の倒産したことについて、どう思われましたか?


2022年は物価高・人手不足が打撃となり企業倒産が3年ぶりに増加!

日本経済新聞によると、2022年の日本国内の企業倒産件数が3年ぶりに前年を上回ったようです。
ウクライナ侵攻などで原燃料価格が高騰し、建設業や運輸業で資金繰りが行き詰まりました。
2021年が実質無利子・無担保融資の「ゼロゼロ融資」の恩恵で57年ぶりの低水準だった反動もあり、年8,000件台で推移していた2019年以前に比べれば少なくなっています。
ただし、物価高や人手不足は厳しさを増し、2023年は中小を中心に倒産がさらに増える可能性があります。

東京商工リサーチ(TSR)によると、2022年の倒産件数は11月まで8か月連続で前年同月を上回り、11月までの累計で5,822件と前年同期比5%増えています。
通年では6,400件程度となり2021年通年(6,030件)を超えたもようです。

負債総額は2兆3,000億円程度と、2021年の1兆1,507億円から倍増したもようです。
2017年の3兆1,676億円以来の高水準となります。
2022年には1兆円超の負債を抱えて民事再生手続き入りした自動車部品大手マレリホールディングスなどの大型倒産がありました。

ロシアによるウクライナ侵攻や円安で燃料や原材料の価格が高騰しました。
コストの上昇分を転嫁しきれず、採算が悪化する企業が増えました。
特に建設業や運輸業で倒産が広がりました。
1~11月の合計で建設業は2021年前年同期の件数を13%、運輸業は33%それぞれ上回りました。
件数全体の増加(5%)に比べ建設と運輸の増加が鮮明です。

2022年は物価高の影響が目立ちました。
帝国データバンクによると、仕入れ価格上昇などが原因の「物価高倒産」の件数は昨夏以降増加が目立つようになっています。
2022年11月まで5か月連続で最多を更新し、11月の物価高倒産は46件と全体の1割弱になりました。

人手不足も影を落としています。
コロナ禍から経済が回復するなか、働き手が確保できず経営に行き詰まるケースが出ています。
TSRによると、2022年11月は経済再開の恩恵を受けやすい飲食や宿泊業でも倒産件数が増加しました。
飲食が前年同月比26%増の49件、宿泊が50%増の6件でした。
慢性的な人手不足に悩む介護関連も1~11月の合計で2021年通年の件数を67%上回り、過去最高水準にあります。

日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、全規模全産業の雇用人員判断DI(「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を引いた値)は2022年12月時点でマイナス31と、近年では最も深刻だった2018~2019年ごろの水準に接近しました。

後継者不足も深刻です。
TSRの集計では、国内の企業経営者の平均年齢は2021年時点で62.77歳と過去最高でした。
2022年には経営者不在が原因の倒産が1~11月合計で389件と11%増え、通年では過去最多になったようです。

2023年は実質破綻状態でありながら延命する「ゾンビ企業」の退場を促す流れが加速する可能性があります。
ゼロゼロ融資の元金返済が本格化し、当初実質免除されていた利払いも始まります。
日銀が大規模緩和を修正し、企業の利払い負担が増える可能性もあります。

2023年は、ゼロゼロ融資の元本返済や利払いが始まるため、倒産件数が大幅に増えそうですね。
会計事務所は再生系の仕事がおそらく増えるでしょう。
国が何かするかもしれませんが、単なる延命にすぎないような政策は、日本の将来のためにもやめてほしいですね。

2022年は物価高・人手不足が打撃となり企業倒産が3年ぶりに増加したことについて、どう思われましたか?


経済産業省が中小企業支援で信用保証協会等と連携協定を締結!

TabisLandによると、経済産業省(地方経済産業局・沖縄総合事務局)はこのほど、増大する債務に苦しむ中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合的支援をさらに加速するため、信用保証協会、中小企業活性化協議会と支援態勢構築に向けた連携協定を締結しました。

経済産業省はこれまで、2022年3月に策定した「中小企業活性化パッケージ」に基づき、コロナ禍で増大する債務に苦しむ中小企業支援を進めてきましたが、より多くの事業者の収益力改善・事業再生・再チャレンジを促すため、中小企業活性化協議会と信用保証協会の連携強化などによる「中小企業活性化パッケージ」のさらなる実行加速が求められているところです。

こうしたなか、2022年9月8日に経済産業省、金融庁及び財務省で「中小企業活性化パッケージNEXT」を策定・公表し、収益力改善支援・事業再生・再チャレンジの総合的支援をさらに加速するための追加措置の一つとして、信用保証協会、中小企業活性化協議会及び地方経済産業局の間で連携協定を締結することとしています。

これを受け、中小企業活性化協議会及び信用保証協会の連携を深化させ、強み・弱みを補完し合うことでより多くの中小企業に支援を届けることができるよう、このほど全国47都道府県において、実効的な支援態勢の構築に向けた信用保証協会、中小企業活性化協議会及び経済産業局等の連携協定を締結しました。

協定の主な内容は、1)連携深化の前提としての対話と支援対象・内容の共有、2)信用保証協会を起点とした中小企業活性化協議会との連携(プッシュ型経営支援)、3)中小企業活性化協議会を起点とした信用保証協会との連携、4)中小企業及び経営者個人の破産回避に向けた積極的な連携、5)外部意見を積極的に取り入れた更なる質向上の取組み、などです。
中小企業に対するさらなるフォロー体制の拡充に期待が寄せられます。

コロナ融資の返済がそろそろスタートし、返済できない事業者がたくさん出てくると思われますので、中小企業活性化協議会(旧中小企業再生支援協議会)及び信用保証協会の出番は今後かなり増えると思いますので、連携は良いことですね。
モラルハザードの問題もありますので、すべてを救うことが必ずしも良くないことだとは思っていますが。
我が香川県の場合、双方のトップがともに僕の大学の先輩ですので、ますます期待したいと思います。

経済産業省が中小企業支援で信用保証協会等と連携協定を締結したことについて、どう思われましたか?


マレリHDの法的整理で露呈した“全会一致”の限界!

東京商工リサーチによると、準則型私的整理の一種である事業再生ADRで再建を模索していたマレリホールディングス株式会社は、先日、ADR手続きが不成立となり、東京地裁に民事再生法の適用を申請しました。
負債総額は1兆1,330億円です。

ADR手続きで検討されていた再建案は、対象債権者9割以上の同意を得ており、簡易再生での再建を目指しまします。
マレリHDは商取引債権を全額弁済する方針ですが、金融債務のみを対象とした私的整理のとん挫は、2021年に改正された産業競争力強化法に大きな問いを投げかけました。

事業再生ADRは、会社更生法や民事再生法などの法的整理とは異なり、裁判外での紛争解決を目指すもので、金融債権者を対象とします。
裁判所を通さないため、憲法が保障する「財産権」や「法の下の平等」を超えることが出来ず、対象債権者の全会一致が原則です。

ただし、他の貸出先との兼ね合いで債権カットの行内調整がつかなかったり、自行に有利な条件を要求する金融機関もあり、全会一致に苦慮するケースもあります。
事業再生が必要な企業は多額の債務を背負っており、商品開発や設備投資など将来に向けた投資ができず、ADR手続きの長期化は事業価値の毀損をもたらすこともあります。

このため、2014年~2015年にかけ、事業再生ADRを念頭に多数決による成立が検討されました。
ここでの議論も踏まえ、根拠法の産業競争力強化法は以降2度にわたって改正されました。
2021年の改正では、事業再生ADRが成立しない場合、「簡易再生への移行」、手続きのなかで検討された「同一再建計画の成立見込みの予見性向上」が規定されました。
関係者の間では「ごね得の排除」と呼ばれ、金融債権者からみた場合の法的整理のインセンティブがほぼなくなるため、事業再生ADRの成立を後押しする効果が期待されました。

こうした流れを汲んだにも関わらず、マレリHDは一部の金融機関の反対で全会一致ができず、法的整理へ移行しました。
法的整理は「倒産」であり、期限の利益を喪失し、個別の契約条項の巻きなおしを迫られたり、与信限度額の引き下げ、最悪の場合、取引停止もあり得ます。
また、法的整理の申立では、株主や出資先、取引先の概要なども裁判所へ提出しますが、こうした書類は一定の手続きを経ると閲覧可能でライバル企業に手の内を晒すことになります。

国内の金融機関は、法的手続きによるこうした事業毀損が最終的に取引先の業績や従業員の待遇に結びつくことも考慮します。
1社(グループ)への債権放棄による損失の方が、法的整理による計り知れない影響よりも小さいとの理屈です。
最近では、「地域の経済合理性」などで債権放棄を理論立てる動きもありました。

しかしながら、海外の金融機関は、当該企業の取引先や従業員と取引関係にないこともあります。
つまり、法的整理のインセンティブはないがデメリットもないのです。
今回はこの盲点を突かれた格好です。

2022年6月7日に公表された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」では、「全ての貸し手の同意は必要とせず、裁判所の認可の下で事業再構築等に向けて多数決により権利変更(金融債務の減額等)を行う制度も存在する」と諸外国を例示しながら、「事業再構築のための私的整理法制の整備」を明記しました。

マレリHDのケースは、準則型私的整理の限界も垣間見せました。
事業価値毀損の回避に向けたさらなる検討が急がれます。

再生については詳しいことは分かりませんが、こういったことで企業の価値が毀損していくのは残念なことだと思いますし、国際的な企業が、国際的な競争から取り残されていくのは、日本経済にとっても良くないことだと思います。
実態にあった法律にして欲しいですね。

マレリHDの法的整理で露呈した“全会一致”の限界について、どう思われましたか?


鶏卵最大手のイセ食品が会社更生法の手続きへ!

日本経済新聞によると、鶏卵最大手のイセ食品(東京都千代田区)は、先日、会社更生手続きに入ったと発表しました。
グループ会社も更生手続きに入り、帝国データバンクによると2社合計の負債総額は453億円です。
全国に生産拠点を構え、アメリカやアジアに進出するなど拡大路線を続けてきましたが、近年は業績が低迷して過剰債務に陥っていたようです。
飼料や燃料など生産コストの上昇も重なり、資金繰りに行き詰まりました。

他に更生手続きに入ったのは、イセ(富山県高岡市)で、2社の株主と債権者が東京地裁に会社更生法の適用を申請し、受理されました。
今後は再建に向けてスポンサーを探すとみられます。
金融機関との間で、当面必要な資金の融資を受けるための契約を締結済みで、商品の供給などに影響はないとみられます。

イセ食品の創業は1912年。「森のたまご」などのブランド名で鶏卵を全国のスーパーなどに卸しています。
国内7か所で鶏卵のパッキング工場を構えるほか、1980年代にはアメリカへ進出し、アメリカトップクラスの事業規模となりました。
イセ食品の売上高は500億円程度とみられます。

近年は過剰債務を抱え、資金繰りが悪化していました。
2022年1月には資金確保のため、札幌市のグループ会社を同業に売却すると決めました。

イセ食品の創業家出身であり、長年にわたり代表取締役を務めてきた伊勢彦信前会長は2021年6月末で退任しています。
業績が低迷し、取引金融機関などから経営責任を問われたのが理由のようです。

伊勢氏は日本有数の美術品収集家として知られています。
2018年夏ごろには、伊勢氏が関わる会社が格安スーパーとして関西圏で知名度が高い「スーパー玉出」を買収して話題となりました。

以前、スーパーで卵を見ると、『イセ食品』のものばかりだなぁと思った記憶がありますが、最大手だったんですね。
やはり、もともと価格が安いものは、近年のコスト上昇がかなりの影響を与えていると思いますので、うまく値上げをしないと、厳しい会社は多いんでしょうね。
会社ではなく、株主や債権者が会社更生法の申請をしており、他の報道によると、創業家は反対をしているということですが、会社としても美術品をたくさん持っているのではなかと思われますので、今後どうなるかウォッチしていきたいですね。

鶏卵最大手のイセ食品が会社更生法の手続きへ入ったことについて、どう思われましたか?


不採算店の退店が功を奏し「いきなりステーキ」が黒字化を達成!

M&A Onlineによると、過剰出店と新型コロナウイルス感染拡大のダブルパンチで大不振に陥ったいきなりステーキが息を吹き返しているようです。
2021年12月期第3四半期において、いきなりステーキ事業単体で9,500万円のセグメント利益(前年同期は18億500万円の損失)を出しました。
事業の売上高は前期比39.3%減の127億1,400万円となったものの、利益が出る体質へと変化しました。

投資ファンドJ-STARにペッパーランチを譲渡して73億2,000万円の売却益を得たペッパーフードサービスは、アドバンテッジアドバイザーズ傘下のファンドを引受先とする第三者割当増資も実施して100億円を調達し、債務超過を脱して自己資本比率は25.1%まで回復しました。

調達した資金で徹底的な退店を実施しているペッパーフードサービスは、着実に稼ぐ力を取り戻しています。

いきなりステーキ事業単体では黒字化を達成しましたが、「炭焼きステーキくに」「牛たん仙台なとり」など他のレストラン事業が1億1,500万円のセグメント損失を計上したため、会社としては2021年12月期第3四半期に1億9,700万円の純損失(前年同期は33億400万円の純損失)を計上しています。
ただし、通期では6,100万円の純利益を予想しています。

ペッパーフードサービスの業績回復に向けた一番の取り組みは、114店舗という桁違いの大規模退店計画です。
すでに107店舗は閉店が決定しています。
飲食店は原状回復させるための費用が、一般的な相場で1坪当たり5万円前後必要です。
いきなりステーキのように特殊な店づくりの場合は居抜き物件としての売却は難しく、原状回復が求められるでしょう。
店舗の坪数は20坪ほどなので、単純計算で100店舗の退店費用だけでも1億円にのぼる計算です。

その他、早期撤退による賃料の支払いや従業員の退職金など、相当な額の費用が必要になります。
また、退店による会計処理で特別損失を計上することにより、利益も圧迫されます。
多店舗展開する飲食企業が、退店よりも業態転換で店舗を存続しようとする理由はそこにあります。

しかし、ペッパーランチ事業の売却とアドバンテッジへの第三者割当増資によって巨額の資金を調達したペッパーフードサービスは、大規模な退店を決めました。
その成果は出ています。
2020年12月期までは事業単体で全く利益は出ていませんでしたが、2021年12月期に入ってからは赤字を一度も出していません。

■いきなりステーキ事業四半期ごとの売上高と利益の推移(単位:百万円)

2020年12月期

2021年12月期

第1Q

第2Q

第3Q

第4Q

第1Q

第2Q

第3Q

売上高

10,021

14,809

20,953

26,954

4,572

8,665

12,714

セグメント利益

-542

-1,427

-1,805

-1,727

23

76

95

利益率

0.5%

0.9%

0.7%

※決算短信よりM&A Onlineの筆者作成

■いきなりステーキ既存店の対計画比月次売上

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

103.2%

106.6%

114.1%

91.4%

74.2%

71.2%

72.9%

66.2%

62.0%

※「取り組み施策の進捗状況」よりM&A Onlineの筆者作成

3月までは既存店の売上高が計画を100%上回っていましたが、5月に急降下して大幅に下回っています。
背景には新型コロナウイルスの感染再拡大と4度目の緊急事態宣言があったためと考えられます。
計画時はそこまで状況が悪くなることを見越していなかったのでしょう。

10月に入って緊急事態宣言が終わり、感染者数も激減しました。
不採算店の退店が終わった後の業績回復には、集客が欠かせない条件となります。

そのためペッパーフードサービスは、これまでにない取り組みを実施しています。
その1つが立地特性を分析して、エリアに合わせた商品開発です。
様々な部位を楽しめるよう、ステーキを小口に分けたトッピングステーキやビーフシチューハンバーグなどを一部店舗で導入しました。
6月からは事前決済で待ち時間なく食事ができるモバイルオーダーも導入しています。

リモートワークが解除され、オフィスに戻る人の姿が目立つようになりました。
いきなりステーキのランチ需要も活発になるものと予想されます。

株価は2020年1月の1,000円台から1年後の2021年1月13日に240円まで下落しました。
しかしながら、11月24日には435円まで回復しています。
これまでにない難局を乗り切ったペッパーフードサービスですが、再び高収益企業に返り咲くことができるのか。注目が集まっているようです。

数年前に大学院の授業のレポートのテーマで取り上げたため、非常に気になる会社ですが、儲かっているペッパーランチ事業を手放し、どん底のいきなりステーキ事業を残したことには驚きましたが、業績は回復しているんですね。
先日も、一流料理人の方7名が合格か不合格かを判定するテレビ番組で、5品すべて合格(そのうち2品は全員合格)で、料理自体は素晴らしいのでしょうから、頑張って欲しいですね。

不採算店の退店が功を奏し「いきなりステーキ」が黒字化を達成したことについて、どう思われましたか?


ことでんグループのゴルフ場運営「高松グランドカントリー」が民事再生!

帝国データバンクによると、高松グランドカントリー㈱(TDB企業コード:710079415、資本金9,500万円、代表豊永優氏ほか1名)は、2021年11月24日に高松地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日弁済禁止の保全処分および監督命令を受けました。

申請代理人は、籠池宗平弁護士(籠池法律事務所)ほかです。

高松グランドカントリーは、1972年(昭和47年)3月に設立されたゴルフ場で、香川県内唯一の私鉄運営業者である高松琴平電気鉄道(株)(TDB企業コード:710034020)の子会社として、地元有力企業の資本参加を得て設立され、1974年10月に「高松グランドカントリークラブ」をオープンしました。

鹿庭コースと氷上コース合わせて香川県内では唯一の36ホールのゴルフ場として、讃岐百景のひとつである「嶽山」を中心とした広大な丘陵地帯に位置することで小豆島や屋島なども一望でき、プレーとともに自然の景観も楽しめるコースとして知名度は高く、香川県外からの来場者も多かったことで、1999年11月期には年収入高約8億6,800万円を計上していました。

しかしながら、1990年代以降は長引く景気の低迷によるゴルフ人口の減少を背景に業容の縮小が続くなか、2004年には台風によって鹿庭コースが陥没などの甚大な被害を受け、大幅な欠損計上により財務面は債務超過の状態が続いていました。

そのため、平日のプレー代を低価格に設定するほか、インターネット予約、ポイント制導入、個人記名会員制の導入などで業況の回復に努めていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で利用客が減少したことや、クラブハウス内のレストランを一時期閉鎖していたこともあり、2020年11月期の年収入高は5億円を割り込んでいました。

この間、預託金の償還資金の不足に対してグループ会社の支援や期限の延長などで対応してきましたが、償還の目処が立たないことで、民事再生手続きによる再建を目指すこととなりました。

負債総額は約46億8,000万円です。

なお、ゴルフ場の営業は継続中です。

新型コロナウイルス関連倒産は香川県で23件目、四国地区では53件目となります。

コロナ禍でも、屋外でやるためゴルフ場利用者は増えているという認識だったので、驚きました。
僕の父親の会社でも以前持っていて、父親はゴルフをやめていて、僕がゴルフをやっていた時期に僕に名義変更をしたのですが、僕もゴルフをやめたため、預託金の償還を請求しました。
結局、資金不足で、請求してから償還されるまで3年くらいかかりました。
それはかなり前のことですので、最近は、償還希望者も増えていたんでしょうね。
ちなみに、預託金の10倍くらいの価格で売買されていた時期があったそうです。
スポンサーも出てくるでしょうから、民事再生を申請したとはいえ、事業を継続して、名門として早く立ち直ってほしいですね。

ことでんグループのゴルフ場運営「高松グランドカントリー」が民事再生となったことについて、どう思われましたか?


中小企業再生支援協議会の2020年度の支援件数は兵庫県が全国最多の183件!

神戸新聞によると、中小企業の経営を立て直す「兵庫県中小企業再生支援協議会」の2020年度の支援件数は183件で、全国で最多だったことが分かったようです。
新型コロナウイルス感染拡大による事業環境の悪化で、小売業やサービス業を中心に案件数が急増しましたが、阪神・淡路大震災後の経済復興などで培った関係者らの支援ノウハウも威力を発揮したようです。

中小企業再生支援全国本部によると、中小企業の再生計画策定の支援を完了した件数(速報値)は、全国で前年度比3倍の3,150件でした。
うち兵庫も同4.5倍と高い伸びを示しました。
返済期限の繰り延べを金融機関に働き掛けたり、業績改善への取り組みを助言したりしました。
兵庫県は例年、東京と大阪に次ぐ件数でしたが、初めて最多となりました。

兵庫県中小企業再生支援協議会によると、業種別の最多は製造業の62件で、次いで卸・小売業(48件)、サービス業(27件)などが続き、コロナ禍による外出自粛や休業要請などが響いた事業者への支援が目立ちました。
183件の支援完了で約8,200人の雇用が守られたそうです。

兵庫県中小企業再生支援協議会の野田勝也統括責任者は「阪神・淡路大震災やリーマン・ショック、東日本大震災など多くの危機を乗り越えてノウハウが蓄積された。今後もあらゆる手法を総動員して支援したい」としています。

兵庫県と全国の支援完了件数を押し上げたのは、国が2020年4月に創設したコロナ関連の新制度「特例リスケジュール」です。
資金繰り悪化による倒産を防ぐため、企業に最長1年間の返済猶予を認めるほか、新規の借り入れも支援しました。

借り手の企業は金融機関に資金繰りを報告し、コロナ禍が落ち着いたら返済を含めた経営計画を立てます。
早い企業では2020年秋から策定にかかり、現在は半数近くが計画を立案中です。

各都道府県の中小企業再生支援協議会は借入先の金融機関と交渉し、返済猶予を認めてもらいます。
兵庫県の場合、普段から地方銀行や信用金庫の経営陣とコミュニケーションを取っているため、経営者との面談から猶予の要請まで4日間で終わるようです。
全国平均では13日かかるそうです。

負債が資産を上回る「債務超過」の企業には、兵庫県中小企業再生支援協議会と連携する政府系金融機関のサポートを仰ぎます。
返済順位が低く、資本に近い性格の「劣後ローン」を注入し、事業を存続させます。
必要な資金は地域金融機関が協調して貸します。
資金繰り改善や事業の継続が見込めなければ、弁護士らと連携し、事業と従業員を別の企業に譲渡するよう働きかけることもあります。

帝国データバンクによると、全国のコロナ関連の企業倒産は2020年度で1,237件でした。
うち兵庫は50件で、東京(290件)や大阪(121件)などに続く7番目でした。
倒産につながりそうな企業の一部を兵庫県中小企業再生支援協議会の支援で食い止めたと見ることもできます。

ただし、3回目の緊急事態宣言が発令され、サービス業を中心に経営体力を消耗する中小企業はたくさんあります。
2020年のコロナ特例融資で企業が借り入れた資金の返済は、コロナ禍収束後に本格化します。

【中小企業再生支援協議会】
産業競争力強化法に基づき、国が都道府県ごとに設ける公的組織で、2003年2月から全国に順次設置されました。
当初は特措法に基づく時限措置でしたが、2013年から恒久的な機関となりました。
兵庫県は神戸商工会議所が運営し、常駐スタッフは14人で、2021年3月末までの約18年間に1,491件の相談を受け、667社を支援しました。
支援企業の従業員は約3万2千人に上ります。

弊事務所のクライアントで『特例リスケジュール』を使ったところもありますし、香川県中小企業再生支援協議会のお仕事もたまにやっているのですが、2020年度は兵庫県が一番支援件数が多かったんですね。
阪神・淡路大震災などで培ったノウハウが活かされているというのは、素晴らしいことだと思いますし、全国的にノウハウを広めていってほしいと思います。
ただし、コロナ融資の返済が始まると、返済できないところがたくさん出てくると思いますので、そこからが正念場だと思います。
ノウハウを活かし、残せるところは残し、雇用を守り、日本経済の回復・成長に貢献してほしいと思います。

中小企業再生支援協議会の2020年度の支援件数は兵庫県が全国最多の183件だったことについて、どう思われましたか?


藍野大学らが20億円の資金提供で明浄学院を支援し再建を目指す!

産経新聞によると、学校法人藍野大学(大阪府茨木市)と学校法人理知の杜(長野県)の麦島善光理事長は、先日、元理事長らによる巨額横領事件があった学校法人明浄学院(大阪府熊取町)と支援契約を結んだようです。

明浄学院側は約20億円の資金提供を受け、再建を目指します。
運営する明浄学院高校(大阪市)は藍野大学が、大阪観光大(大阪府熊取町)は麦島氏がそれぞれ支援します。

高校・大学は移転せず、名称もそのまま残すようです。

明浄学院をめぐっては、高校の土地の売却契約の手付金21億円を着服したとする業務上横領の罪で元理事長ら6人が起訴されました。
明浄学院側は2020年3月、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し、支援者を募っていました。

色々ありましたが、スポンサーが決まって良かったですね。
高校と大学の運営が分離される理由について、管財人の弁護士は、「教職員の意見や課題の違いを考慮した」としていますが、やはり、高校と大学を同じ組織でやるのはなかなか難しいんでしょうね。
観光業界はコロナの影響で今後厳しいかもしれませんが、知名度は良い意味でも悪い意味でも上がったと思いますので、スポンサーの力で結果を出して欲しいですね。

藍野大学らが20億円の資金提供で明浄学院を支援し再建を目指すことについて、どう思われましたか?


負債7億6,000万円の明浄学院が民事再生法を申請!

このBLOGでも何度も取り上げている元理事長らによる巨額横領事件が起きた、学校法人「明浄学院」(大阪府熊取町)は、先日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請しました。
負債は約7億6,000万円に上り、当面の運転資金の確保が困難になったそうです。
運営する大阪観光大(同)と明浄学院高(大阪市阿倍野区)は従来どおり存続する予定で、法的手続き下での経営再建を目指すようです。

法人は内部対立で混乱が続いており、地裁が2020年3月4日付で理事長らの職務を停止しています。
職務を代行している弁護士が、2020年3月16日に民事再生を申し立て、地裁は債務の支払いなどをいったん停止する「保全管理命令」を出しました。

選任された保全管理人側によると、法人では土地売却を巡る手付金21億円が横領された上、校舎の解体工事などの費用が拡大し、教職員の給与などの運転資金が一時的に不足する見通しだったようです。

記者会見した管理人側の北野知広弁護士は「破産とは違い、事業を継続するための手続きだ」と強調しました。
「従来の理事らではなく、管財人による事業再生が必要だ」と述べました。
借り入れで資金調達し、経営を安定化させる考えだそうです。

今後、地裁が再生手続きを開始するか判断します。
資金援助を申し出ている企業グループもあり、並行して協議を進めます。

現在の学生・生徒数は大阪観光大が783人、明浄学院高が377人に上ります。
2020年4月にはそれぞれ308人、70人が入学予定で、授業はそのまま続ける見通しです。
校舎などは維持し、教職員も原則、雇用を続けるそうです。

法人を巡っては、元理事長(62)らが高校の土地売却の手付金21億円を着服したとして業務上横領容疑で大阪地検特捜部に逮捕、起訴されています。

もうそうなるしかないかなぁと思っていましたが、とうとう民事再生法の適用の申請に至りましたね。
生徒さんには、何の責任もありませんので、経営陣を一掃して、立て直してほしいですね。
今回の新型コロナウイルスの影響で、日本が今後も観光立国に力を入れていくのかどうか分かりませんが、日本にとって観光は非常に重要だと思いますので、存在感をアピールしてほしいですね。
あとは、21億円について、早く全容を明らかにしてほしいと思います。

負債7億6,000万円の明浄学院が民事再生法を申請したことについて、どう思われましたか?


やきとりのひびきが民事再生法を申請!

 やきとり店などを手掛けるひびき(埼玉県川越市)が、先日、東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請し、同日付で保全および監督命令を受けたことが分かったようです。

帝国データバンク大宮支店と東京商工リサーチ埼玉支店によると、負債総額は約77億949万円だそうです。
店舗拡大による人件費や企業買収(`M&A)による経費の増加などが影響し、債務超過に陥りました。
今後は県内の店舗を軸に事業の改善などに努めながら再建を目指すようです。

ひびきは1992年設立で、1995年に埼玉県東松山市の名物で黒豚のカシラ肉を辛口のみそだれで食べる「やきとり」を提供するテークアウト店を埼玉県川越市内に開業以降、居酒屋形態の店舗「ひびき庵」を埼玉県内を中心に展開しています。

2013年ごろから出店ペースを加速させ、2019年7月末現在で埼玉県川越市を中心に埼玉県内に24店舗、東京都内に5店舗、茨城県内に1店舗あります。
2018年6月期には売上高20億円を計上していました。

しかしながら、製造工場の開設や出店数の増加で、各種投資などに要した借入金が膨らみ収益を圧迫しました。
収益源だった都心の店舗をテナント側の意向もあり閉店しましたが、その分を他店舗で補え切れなかったようです。

2018年に埼玉県内の酒卸売業を、2019年に東京都内の飲食業をそれぞれ買収し、非食品分野への投資も推進しましたが、相乗効果を得られずコスト増で苦境に陥っていました。

店舗の統廃合など合理化を進めたものの、2019年6月期に13億円の赤字を計上し、債務超過に陥りました。
今後、資金繰りが厳しくなる可能性が極めて高くなったことから、自力での再建を断念し、法的手続きによる再建を目指すことになりました。

再建へ、債務者である日疋氏が社長職にとどまり、事業を継続しながら早期の立て直しを図ります。
具体的には県内の収益性の高い店舗に経営資源を集中させ、再建を進めます。
日疋氏は「法的手続きに基づいて早期に事業回復を図り、改めて県内経済を支える一助になれるよう努めたい」としています。

既に、東京都内で債権者向けの説明会が行われています。

事業を拡大し、失敗した典型例ですね。
やはり、身の丈に合った経営が必要ですね。
以前、埼玉県東松山市に出張で行ったときに、会社の人に『やきとり』と書いていますが『ぶた』ですよと言われてお店に行ってみて、本当だぁと驚いたことがありましたが、この辺りでは普通なんですよね。
民事再生で、こういった食文化は残してほしいと思いますね。

やきとりのひびきが民事再生法を申請したことについて、どう思われましたか?


Forever21が破産申請を準備!

 Bloombergによると、米カジュアル衣料のフォーエバー21は破産法の適用申請を準備しているそうです。
計画に詳しい複数の関係者が明らかにしたようです。
保有現金が減少する中で、立て直しに向けた選択肢が狭まりつつあります。

同社は追加の資金調達で交渉を行い、債務再編に向けてアドバイザーのチームと取り組んできましたが、潜在的な貸し手との交渉はこれまでのところ行き詰まっているそうです。
このため、破産回避へ土壇場で合意する可能性は残っているものの、焦点は連邦破産法11条に基づく会社更生手続き申請に向けたつなぎ融資(DIPファイナンス)の確保に移っているようです。

交渉の部外秘を理由に匿名で語った関係者は、破産申請が不採算店舗の閉鎖と資本増強に道を開くと説明しました。
フォーエバー21の担当者にコメントを求めたものの、返答はないようです。

共同創業者ドン・チャン氏が支配株を保持する方針を続けているため、資金調達の選択肢が限られています。

1984年創業のフォーエバー21は米欧、アジア、中南米で800を超える店舗を運営しています。

一時時代を席捲したとしても、業績が悪くなるのはあっという間ですね。
アパレルの世界ランキングを見てみても、フォーエバー21は入っていません。
ちなみに、インデックス(H&M)がトップで、ファーストリテイリング(ユニクロなど)は3位、しまむらは10位となっています。
インデックスやファーストリテイリングが業績を伸ばしているなか、うまくいっていないのは将来的な見通しを誤り、対策が間違っていたんでしょうね。
企業の寿命は30年とよく言われますが、まさしくそんな感じですね。
そういうなかで、我が日本のファーストリテイリングはすごいなぁと思いますね。

Forever21が破産申請を準備していることについて、どう思われましたか?


「逃げ恥」「三匹のおっさん」など人気ドラマ制作会社が民事再生を申し立て!

 東京商工リサーチによると、「逃げるは恥だが役に立つ」といった人気テレビドラマなどを手がけてきた映像制作会社「イメージフィールド」(東京都新宿区)が、先日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請したようです。
負債は推定10億円です。

 イメージフィールドに対し、アイドルグループ「SKE48」運営会社などを傘下に抱えるKeyHolder(東証JASDAQ上場)の子会社が支援することで合意しています。

イメージフィールドは、2002年に設立され、テレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」や「コウノドリ」「重版出来!」「三匹のおっさん」「空飛ぶ広報室」など数々の人気ドラマや、「植物図鑑」「響 -HIBIKI-」などの映画、CMを手がけています。

イメージフィールドのWebサイトには、2019年4月クールのドラマとして「わたし、定時で帰ります」(TBS)や「インハンド」(TBS)などが掲載されています。

東京商工リサーチによると、イメージフィールドは、2019年3月期に25億1,200万円の売上高を計上していましたが、多数の制作を手掛ける中、一部の大型案件や海外案件で想定以上のコストが重なったことなどで資金繰りが急激に悪化したとのことです。

KeyHolderは、傘下の映像制作会社、フーリンラージを通じて再生を支援するようでs。
「民事再生手続きの開始は急激な資金繰りの悪化によるもの」として、2億円を当面の運転資金とし、つなぎ融資を行うことでイメージフィールドの再生を支援するとしています。

業績悪化などではなく、多くの仕事を抱えるなかでの民事再生は、珍しいかもしれませんね。
やはり、会社が伸びている時こそ、業務フローの見直し、コスト管理、資金管理、月次決算による素早い対応などが必要ということでしょうね。
キャッシュ・フローを意識した経営が大事ということを改めて感じました。

「逃げ恥」「三匹のおっさん」など人気ドラマ制作会社が民事再生を申し立てたことについて、どう思われましたか?


民事再生法弁済率調査

 2000年4月に施行された民事再生法は、2016年には申請件数が1万件を超え、2018年4月で18年が経過しました。
申請企業の負債額上位を見ると、リーマン・ブラザーズ証券㈱やタカタ㈱、㈱そごうなど、当時大きくニュースで取り上げられた企業が並びました。
民事再生法の申請件数は、倒産全体と同じく減少傾向にありますが、現在も、規模や業種を問わず、再建型倒産手続きのスタンダードとなっています。
民事再生法を申請し再建を果たした企業があるなかで、申請した企業すべてが文字通り“再生”を果たしたわけではなく、㈱SFCGや㈱安愚楽牧場など申請後に破産に移行するケースも少なくありません。
帝国データバンクは、2017年1~12月に再生手続き認可決定を受けた90社について調査し、再生計画の内容が判明した企業を対象に、一般再生債権の弁済率、弁済期間、少額弁済額の分析を行いました。

1.民事再生法件数推移
2000年4月に施行された民事再生法は、東京地裁第1号案件となった㈲白形印刷(2000年4月3日申請)から数えて、1万544件となりました(2018年11月末集計時点)。
年別ピークを見てみると、施行翌年の2001年に965件で最多となっています。
その後、2006 年まで5年連続減少が続いていましたが、2007年に増加へ転じ、リーマン・ショックが起こった2008年には、前年から214件増の884件を記録しました。
その後は再び減少傾向が続き、2017年はピーク時の約4分の1となる230件となっていましたが、2018年は11月時点で234件と2017年を既に上回り、10年ぶりの前年比増となりました。

2.負債額別平均弁済率
2017年の1年間に認可決定を受けた企業のうち、一般再生債権の弁済率が判明した32社を負債額別にみると、「20~30億円未満」の弁済率が26.4%と最も高くなりました。
次いで「10~20億円未満」の26.2%、「30~50億円未満」の10.2%と続きました。
また、2017年に認可決定を受けた企業のうち、一般再生債権の弁済率が判明した32社の平均弁済率は約15.3%となりました。
2009年調査時の平均弁済率(12.4%)は上回ったものの、2001年調査時の平均弁済率(24.2%)は下回りました。

3.弁済率別分布
判明した32社の弁済率分布をみると、「10%未満」が17件(構成比53.1%)で最多となりました。
以下、「10~30%未満」の12件(同37.5%)が続き、30%未満で全体の9割を占めました。
10%未満のうち1%以下は8件と判明しました。

4.業種別平均弁済率
判明した32社を業種別にみると、最も高い弁済率は「製造業」の28.7%で唯一の20%超えとなりました。
以下、「小売業」の18.8%、「卸売業」の13.1%と続きました。
一方、最も低い弁済率となった「不動産業」は0.3%とその他を除いて2番目に低い「建設業」の7.9%と比較しても7.6 ポイントの差があり、業種間で差が開きました。

5.一般再生債権弁済完了までの期間
一般再生債権の弁済が完了するまでの期間が判明した33社をみると、「1年未満」の一括弁済が20件(構成比60.6%)で最多でした。
次いで、法律上の最長弁済期間となる「10年」が5社(構成比15.2%)となりました。
2001年調査時には全体の59.5%が、2009年調査時は全体の35.9%が10年の再生計画となっていましたが、今回の調査では10年の再生計画となったのは5社で20%に届きませんでした。
また、「1年未満(一括弁済含む)」は、2001年調査時では1割未満だったものが、2009年調査時には約4割、今回は約6割となるなど比率が高まっています。
こうした動きは、弁済率が低くなっても短期間での弁済完了を望む債権者の意向が強く反映されたものと推察されます。
また、事業の一部もしくは全部を別会社(新設会社がほとんど)に譲渡したうえ旧会社を清算させる“清算型”民事再生法の活用が散見されることも、弁済完了までの期間を1年未満(一括弁済含む)とする比率が高まった要因ともいえます。

6.少額弁済額
少額弁済額が判明した32社をみると、「10~30万円未満」が15件(構成比46.9%)で最も多く、このうち10万円が11社と構成比34.4%に達しました。
同11社の内訳をみると、負債額は50億円近くから、1億円未満のケースまであり、少額弁済額が負債額にリンクしていないこともわかりました。
また、弁済率も50%以上から1ケタまで多岐にわたっています。
また、2009年調査時においても最多は「10~30万円未満」で構成比64.0%となっており、少額弁済額については多少の変化はあるものの傾向は変わっていません。

今回の調査で2017年認可決定を受けた企業のうち、弁済率が判明した企業の平均弁済率は15.3%と判明しました。
民事再生法は、2000年にそれまで用いられてきた和議に代わる企業再生手段の1つとして施行されました。
同じく再建型と言われる会社更生法との違いは、申請に伴い経営陣の退陣が必須事項でないことや法人だけではなく個人でも適用可能という部分です。
「破産手続開始の原因を生ずるおそれ」もしくは「事業の継続に著しい支障を来すことなく債務を弁済できないこと」などが民事再生法適用要件として挙げられ、比較的早い段階で法的整理へ移行することができることで、企業または個人が破たんすることなく再生可能という部分が特徴と考えられてきました。
今でもその特徴は消えることなく運用されていますが、近年は民事再生後に事業を別会社に移し適用会社は破産へ移行するケースや、不正などにより再生計画認可の見込みがないことなどから手続きが廃止となり、棄却され破産に移行するケースも散見されます。
2018年は8年ぶりに件数増加しましたが、取り巻く状況も変わりつつあるなか、弁済率や期間などの再生計画が今後どのように変化していくのか注目されます。
個人的には、平均弁済率が15.3%もあることには驚きました。
いわゆる抜け殻方式や借金棒引きは、同業者にはモラルハザードになるのではないかと思っている一方、企業または個人に再度チャンスを与えることができるという思いはあります。
民事再生が有効に使われればいいですね。

民事再生法弁済率調査について、どう思われましたか?


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富裕層の増加で1億円以上の個人預金口座は20年間で3倍に!

日本経済新聞によると、大口の個人預金口座が増えているようです。

日銀の「預金者別預金」統計によると、国内銀行で残高が1億円以上の個人預金の口座数は2024年9月末時点で前年同月末比5.9%増の13万8,900件でした。

預金の保護を元本1,000万円と利息までとするペイオフの全面解禁後の2005年9月末からの約20年間では3倍となりました。

金融機関では富裕層を囲い込む動きが強まっています。

株式や投資信託などの金融資産の価格上昇や相続などで預金額が膨らんだ人が多いとみられます。

富裕層は複数の銀行に分けて多額の預金を預けている可能性もあります。

残高が1億円以上の口座の総預金量は前年同月末比5.8%増の29兆4,695億円で、伸びは全体と比較して3倍超でした。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「アベノミクスが始まった2013年から預金残高1億円以上の口座数の増加が目立つ。富裕層と低所得者層の所得や資産の差が拡大している可能性がある」と指摘しています。

一方、保有残高が300万円未満の口座数は前年同月末比2.6%減で、ペイオフ解禁後に15.5%減っています。

総預金量は136兆7,751億円で2005年9月末時点(136兆5165億円)とほぼ同水準です。

銀行統合や長期間放置していた口座を解約する動きなどが出たことが影響した可能性があります。 

野村総合研究所が先日公表した調査によると、2023年時点で純金融資産(金融資産の合計から負債を引いた額)を1億円以上保有する世帯数は165万3,000世帯と、調査として遡れる2005年以降で最多でした。

2021年(148万5,000世帯)と比較し11.3%ほど増えました。

1億円以上保有する世帯の純金融資産の総額は469兆円と推計され、2021年に比べて28.8%増えました。

みずほリサーチ&テクノロジーズの河田皓史主席エコノミストは「株高の恩恵を受けて富裕層は増えてきた」と分析しています。

国税庁の統計によると2023年には年間所得が1億円を超える人数は3万3,324人で、比較可能な2006年と比べると2倍に増えました。

大手金融機関は富裕層の囲い込みへと動き出しています。

一部の銀行は一定以上の金融資産を持つ顧客に対して会員向けのサービスを進めています。

証券会社も商品を拡充したり、営業の人員を強化したりします。

大和証券グループ本社は経常利益に占めるウェルスマネジメントの割合を2030年度に45%に高める方針を打ち出しました。

富裕層の増加に伴い、金融機関の収益源にも変化が生じているようです。

少し前に話題になった老後の2,000万円は、若いうちから運用すると大したことはないとか言われますが、やはり、運用というものは強いですね。

暗号資産で稼いでいる人も多いのかもしれませんが、投資信託とかでも10%とか20%の利回りのものはそれなりにありますからね。

結局、運用は元本が大きいほど、増える金額は大きいわけですから、ますます富裕層は資産を増やしていくと思いますね。

やはり、もっと国民に対して、運用とかの教育を行って、金融リテラシーを高めて、みんなが労働による収入とは別に運用による収入を得るようになれば、豊かな日本になるのではないかと思いました。

富裕層の増加で1億円以上の個人預金口座は20年間で3倍になっていることについて、あなたはどう思われましたか?


「違反逃れるため」偽の駐禁除外標章を掲げた疑いで前時津風親方を逮捕!

朝日新聞によると、歩行が困難な障害者らに交付される「駐車禁止除外指定車標章」を悪用したとして、警視庁が、先日、大相撲の前時津風親方(元幕内時津海)(51)を偽造有印公文書行使の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で分かりました。

「駐車違反の取り締まりを免れるためだった」と容疑を認めているそうです。

捜査関係者によると、前時津風親方は、先日、東京都墨田区両国4丁目の路上で自分の車を駐車する際、偽の標章を車外から見えるよう掲げた疑いがあります。

標章は東京都内の別の男性名義で、カラーコピーされたとみられるそうです。

警視庁は、前時津風親方が遅くとも2024年7月以降、複数の偽造された標章を使って継続的に違法な路上駐車を繰り返していたとみています。

前時津風親方は2007年、力士暴行死事件を受けて解雇された先代時津風親方に代わり、現役を引退して名跡を継承しました。

その後、2010年には野球賭博事件に関わったとして降格処分を受けました。

コロナ禍の2021年には、場所中に風俗店やマージャン店に出入りしていたことが発覚し、協会理事会が「退職勧告」処分を決定したため、退職届を提出し、受理されていました。

この標章は悪用している人がいるのではないかと以前から思っていましたが、逮捕者が出ましたね。

本来、障害者の方などのためのものだと思いますので、適切に使ってほしいと思いますし、警視庁なども厳しく見回って欲しいと思います。

「違反逃れるため」偽の駐禁除外標章を掲げた疑いで前時津風親方が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


物価上昇で修繕に懸念が生じマンション組合が資産運用に動く!

日本経済新聞によると、マンション管理組合が物価上昇を受け、住民から集めた修繕積立金の資産運用に動き出しています。

住宅金融支援機構が管理組合向けに発行する運用商品「マンションすまい・る債」の2024年度の応募数は前年度比で3割増となりました。

管理組合向けの運用商品を開発する金融機関も現れ始めています。

同債券は政府が全額出資する住宅金融支援機構がマンション管理組合の修繕積立金の運用向けに販売しています。

2024年10月に募集を締め切った2024年度の応募数は3592組合で、直近2年で1.95倍に膨らみました。

利回りは市中金利の動向などを踏まえて決めています。

日銀が1月24日に追加利上げを決めたことで、2025年度に募集する際には利回りは高くなる公算が大きいでしょう。

応募増の背景にあるのは建築資材や人件費が高騰し、以前に見積もった修繕費用に基づく積立金では足りなくなる問題です。

国土交通省の2023年度の調査では、積立額が計画に比べて不足していると回答した管理組合は4割近くに上りました。

不動産関係者は「運用に関心のない管理組合も多かったが、必要性を認識する組合が増え始めている」と話しています。

すまい・る債を購入する組合は直近増えていますが、国交省の23年度の調査(複数回答可)によると全体の19%という状況です。

銀行の定期預金で運用しているのは35%で、普通預金や決済性預金に資金を預けているだけの組合も多くなっています。

すまい・る債の24年度発行分の利回りは0.5%(管理計画認定を受けた場合は0.55%)で、資材価格や人件費の上昇率には遠く及びません。

神奈川県のマンション組合の理事の男性は「大規模修繕の不足分を補えない」と頭を悩ませています。

運用ニーズが高まる中で新たな関連商品も登場している。融資型クラウドファンディング(CF)を手掛けるFunds(ファンズ、東京都渋谷区)は2024年12月、組合向け運用商品を開発しました。

融資型CFは、投資家から集めた資金を企業に融資し、収益の一部を投資家に分配する金融商品です。

予定利回りは年1〜3%程度と、すまい・る債を超えています。

元本割れのリスクを極力減らすため、融資対象は、ファンズで一度も貸し倒れしたことのない上場企業などに絞っています。

満期は1〜3年と短く、大規模修繕のタイミングに対応しやすくなっています。

融資先は、組合の方針に沿ってファンズ側が候補を選定し、組合側に提案します。

管理組合を支援する動きは大手金融機関でも出始めています。

三菱UFJ信託銀行は金融機関として初めて2025年度に管理組合の理事会業務を代行する事業に参入する予定です。

積立金の運用でも、信託銀行としての専門性を生かせる可能性があります。

管理組合は区分所有者から集めた積立金を目減りさせないことを非常に重視しており、相対的にリスクの大きい投資信託などには手を出しづらくなっています。

修繕前に運用をやめて現金にしなければならないという点も、継続的な運用の難しさにつながっています。

金融に詳しい人が組合の理事などにいるケースでも、リスクの高い運用について区分所有者の合意を得るのは容易ではありません。

国内のマンション管理組合の積立金は2兆円規模とされます。

まだまだ銀行預金として置かれているケースが多い積立金を安定運用する動きを活発化させるためには、専門的な知見を持つ金融機関のサポートや商品開発も重要になるでしょう。

「金利のある世界」が本格的に到来するなかで、修繕金の運用の重要性はより一層高くなってきます。

マンション管理組合に限らず、運用に困っている組織は多いのではないかと感じています。

個人的には、投資信託だと、毎月分配で年間10%~20%の運用利回りのものもありますので、目減りさせないことを重視するのは分かりますが、一定の範囲内でリスクを取って運用するという考えも大事なのではないかと思っており、新たな収益を作るというサービスも提供しています。

金融機関が出てくるのは否定しませんが、自らの手数料を最重視する金融機関もありますので、気をつけないといけないですね。

物価上昇で修繕に懸念が生じマンション組合が資産運用に動いていることについて、あなたはどう思われましたか?


積水ハウスの詐欺被害で東京地裁が「地面師」に10億円の賠償命令!

毎日新聞によると、書類を偽造して所有者になりすまし、他人の土地を勝手に転売する「地面師」グループに、大手住宅メーカーの「積水ハウス」が約55億円をだまし取られた事件を巡り、積水ハウスが損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は、先日、地面師側に請求どおり10億円を支払うよう命じました。

訴えられたのは、事件のリーダー格で詐欺罪などで実刑が確定した受刑者(71)と受刑者(64)ら計5人です。

事件の舞台となったのは、東京・西五反田にあった旅館跡地(約2,000平方メートル)です。

訴状によると、積水ハウスは2017年、偽造パスポートで旅館跡地の所有者を装った地面師グループと土地の売買契約を締結し、約55億円の損害を負いました。

積水ハウスは、この一部に当たる10億円の支払いを求めて10人を提訴しました。

争わなかった5人には10億円の賠償を命じる判決が出て確定し、受刑者(71)ら残る5人の審理が続いていました。

積水ハウス側は訴訟で、5人がなりすまし役の手配や、偽造パスポートの準備、売買協議への立ち会いといった役割を果たし、詐欺に関与したと主張しました。

地面師側はそれぞれ「売買契約が詐欺とは認識していなかった」「共謀の事実はない」などと反論していました。

この事件をモチーフにした新庄耕さんの小説「地面師たち」はドラマ化され、ネットフリックスの配信が大きな話題を呼びました。

劇中に出てくるセリフ「もうええでしょう」は「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」の候補にも選ばれています。

天下の積水ハウスが詐欺にあったということで、非常に驚いた事件ですが、一部は取り返せるかもしれませんね。

この事件で、『地面師』ということばがメジャーになりましたが、地面師側の「売買契約が詐欺とは認識していなかった」とか「共謀の事実はない」などという反論はどうなのかと思います。

積水ハウスの詐欺被害で東京地裁が「地面師」に10億円の賠償命令を出したことについて、あなたはどう思われましたか?


敬称「さん」付け隆盛が時代を映す!

日本経済新聞によると、「さん」付けについて教えて!――。大和ハウス工業が昨年10月に発行した社内報は、2ページを割いてこんな記事を載せました。

この年の春、上司も部下も互いに「さん」で呼ぶことを推奨すると決めました。

社員からの提案をきっかけに、芳井敬一社長が決断したそうです。

大和ハウス工業は体育会的気風が強いといわれてきました。

それまでは上司は肩書、部下に向かっては呼び捨て、あるいは「くん」「さん」とバラバラでした。

大和ハウス工業に限りません。

昭和どころか、平成の世になっても当たり前の光景ではなかったでしょうか?

なぜなのでしょうか?

エンゲージメント推進部の川島英彦部長に聞くと、「これまでにない製品やサービスを生み出すには組織を逆ピラミッドやフラットにする必要がある。さん付けはその第一歩」と返ってきました。

人口が減り、いよいよ複雑になる社会に対応するためです。

当初は戸惑いも多かったようですが、1年半たって理解が進んだと感じているそうです。

「さん付け」推奨そのものはそう新しい話ではありません。

文化庁の国語審議会は1952年、今後の敬称について「『さん』を標準の形とする」と明記しました。

これは日常生活を念頭に置いたものですが、1987年には経済同友会が企業内での導入を提唱しました。

当時の新聞や雑誌を読むと、年功序列の崩壊などが理由に挙げられています。

「年上の部下をどう呼べばいいか」との特集もありました。

もっとも、急速な広がりは10年から数年ほど前からではないのでしょうか?

リクルートワークス研究所が2023年、課長級の管理職を対象に行った調査(複数回答)では、20代の部下を「さん」付けで呼ぶ割合は79%で、「ちゃん」「くん」(25%)、呼び捨て(18%)を圧倒的に上回っています。

ルール化するか否かはともかく、もはや常識になっているようです。

リクルートワークス研究所の主任研究員、古屋星斗さんは「パワーハラスメント対策の影響」とみています。

2020年の改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)施行などを機に、部下とのコミュニケーションのやり方が様変わりしました。

「『個人を尊重する』という姿勢の表れではないか」

この記事の筆者は、話を聞きながら、刑務所の光景を思い出したようです。

刑務官暴行事件をきっかけに2024年春、全国で受刑者の「さん付け」に踏み切りました。

SNSなどでは批判もあったようですが、取材した府中刑務所(東京都府中市)の担当者は「刑務官と受刑者が対等の関係になるわけではない。互いに人間として尊重し合うということだ」と話していました。

組織は違えども、目指す方向は重なっています。

「さん」はいたく使い勝手がいいのです。

もともと「様」が転じた敬称で、相手を敬う気持ちを含みます。

さりとて「様」ほどかしこまったニュアンスはありません。

立場や年齢を超えて使うことができます。

個性を重んじる多様性の時代にピッタリはまるのかもしれません。

使いやすさの理由はもう一つあります。

例え子どもであっても、男女を問わずに使えるのです。

小学校などで「くん」をやめて「さん」に統一する取り組みが広がったのは、ジェンダー中立性が重視されるようになったためです。

上下関係だけでなく、性差も超えます。

言語学者の大島義和名古屋大教授は2023年、学生にある調査をしました。

「くん=男性」「さん=女性」の呼び分けをどう思うか?

「どちらでもいい」が過半数を占めたものの、肯定派の16%に対し、「さん」に統一した方がいい割合が31%でした。

大島教授は「教育現場など公共性の高い場面では、『名字+くん』は衰退していく」と考えています。

実際に周囲を見ても、教授らが学生を呼ぶのは「さん」が多く、若い教員ほどその傾向が強いそうです。

これほど便利な言葉ゆえ、いずれ世を席巻してしまうのでしょうか?

そう単純ではないかもしれません。

大島教授によると、敬語には相手と距離を置くという働きがあります。

「くん」は敬意を欠くと受け止められることがあるものの、親しみを表す手段にもなり得ます。

「機械的に呼び捨てや『くん』は良くないと決めてしまうことは、日本語の表現を損なう恐れもある」のです。

確かに同期入社の同僚に「さん」を付ければよそよそしい感じがします。

第三者に上下関係を明確にするため、肩書で呼んだ方がいい場面もありそうです。

古屋さんも「優秀な管理職は相手との関係性を考えて呼称を使い分けている」と言っています。

要はケース・バイ・ケースということでしょうか?

相手がどう受け止めるかも考えねばなりません。

言語学に「敬意逓減の法則」と呼ばれる理論があります。

敬語の使用が広がるにつれ、そこに含まれる敬意が徐々に薄れていくと考えられています。

代表例が「貴様」「おまえ」です。

ともに昔は敬意を込めた呼び方でした。

画一的な「さん」が世を覆った時、同じ道をたどることになるかもしれません。

言葉もまた時代の鏡であり、意味は刻々と移ろいます。

これから社会のありようがどう変化していくか、「さん」の趨勢に耳をすませたいですね。

僕は、30年近く前に、最初に働いたところが『監査法人トーマツ』(現有限責任監査法人トーマツ)だったのですが、監査法人トーマツは、全員『さん』で呼ぶ組織だったので、今でも『さん』には何の抵抗もなく、逆に、公認会計士業界、税理士業、大学などは誰彼構わず『先生』と呼ぶ方が多いのですが、それが嫌いで、常に『さん』と呼んでいます。

こどもに関しては、うちは二人とも男の子なので、保育園のときは『くん』と呼ばれていたのですが、小学生になると授業参観の時に先生が全員『さん』と呼んでいるのを聞いて、多様性が叫ばれる世の中なので時代は変わったんだなぁと思いましたが、世間一般的にも広がっているんですね。

個人的には、スゴく良いことだと思っています。

敬称「さん」付け隆盛が時代を映していることについて、あなたはどう思われましたか?


バフェット氏が22年ぶりに「債券投資家」は米国株への警鐘か?

2024年12月04日(水)

日本経済新聞によると、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが22年ぶりに「債券投資家」になったようです。運用リスク抑制に動くバフェット氏の姿勢は、米国債利回りに比べて異例の割高さを示す米国株相場に対する警鐘と受け止められています。

毎四半期、バフェット氏の投資手法を垣間見ようとバフェット・ウオッチャーたちは米証券取引委員会(SEC)のウェブサイトにアクセスします。

米国の大手機関投資家が提出する報告書「フォーム13F」は四半期末の保有銘柄を一覧しています。

バークシャーが、先日開示した2024年9月末の保有リストで目を引いたのは米ピザ宅配大手ドミノ・ピザ株、5億4,900万ドル(約850億円)相当の新規取得でした。

バークシャーが傘下に抱えるファストフード大手デイリークイーンの知見が投資判断に影響した可能性があります。

しかしながら、話題を呼んだ新規投資案件も、主要株の保有圧縮の前ではかすんでしまいます。

バフェット氏がかつて「宝」と評したアップル株は保有株式数を3か月間で25%減らし、4四半期連続の売却となりました。

米銀大手バンク・オブ・アメリカ株など金融株の圧縮も目立ちました。

キャッシュの山は積み上がっています。

広義の手元資金は2024年9月末に前年同期比倍増して3,252億ドルとなりました。

総資産の3割近くを占め、円換算では約50兆円です。

手元資金のほとんどは換金性の高い短期債の一種、米財務省短期証券(Tビル)です。

Tビル以外の債券投資も合わせると、バークシャーが保有する債券投資額は2024年9月時点で3,040億ドルに及び、株式投資額2,716億ドルを上回りました。

形式上、バークシャーは債券を主な投資対象とする機関投資家となりました。

過去の年次報告書を遡るとドットコムバブル崩壊期の2001年〜2002年以来、22年ぶりの事態です。

なぜ、バフェット氏は「債券投資家」となったのでしょうか?

「資金ため込みの一因は、経営・投資の自由度を高めた状態で次世代に承継する準備だ」。米運用会社スミード・キャピタル・マネジメント創業者で、バークシャー株を長期保有するビル・スミード氏のような見解が一部にはあります。

多くのバフェット・ウオッチャーの意見に共通するのは、魅力的な投資機会の乏しさです。

バフェット氏自身、2024年5月の株主総会で「良い球が来た時しかバットを振らない」と語っていました。

22年前にヒントがあります。

ドットコムバブル当時もバフェット氏は債券投資に傾斜していました。

2000年には米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の株式を全て売却し、売却資金を債券投資に充てていました。

幅広い銘柄の株価が高騰していた当時の米国株市場は、バフェット氏には極めて割高に映っていました。

2000年代初頭の総会でも、バフェット氏は投資機会の乏しさを嘆いていました。

株式と債券のどちらが割高かを測る指標には、企業が稼ぐ年間の1株利益を株価で割った益回りと債券利回りを比較するイールドスプレッドがあります。

米S&P500種株価指数の予想益回りと米長期金利の差は現在、22年前と同様に株価の割高感を示しています。

ドットコムバブル期には株価が高く、益回りが長期金利を下回る状態でした。

2002年になってようやく明確に益回りが長期金利を上回り、この構図が続いていましたが、足元で22年ぶりに両者は肉薄しており、2024年11月21日時点で約0.13%にまで接近しています。

現在、米国の政策金利はなお4.5〜4.75%です。

バフェット氏は割高な株式より無リスクで高い利回りを得られるTビルを選んだもようです。

7〜9月期に新規投資したドミノ・ピザ株は、例外的な「良い球」だったのでしょうか?

2024年7月18日に出店計画の下方修正などが嫌気されて株価は1割強下落する場面がありました。

バフェット氏がドミノ・ピザに競争上の優位性を見いだして企業価値がより高い水準にあると見ていたなら、この日の急落は買い場に映ったかもしれません。

見方を変えれば、よほどの水準訂正がない限り買えるものはないという、バフェット流投資の根本をなすバリュー投資の考えに行き着きます。

2024年8月初旬の短期的な急落を除けば、しばらく調整らしい調整を経験しないまま米国株は長期上昇を続けてきました。

発射台が高いだけに「今後10年間の米国株の期待リターンはゼロに近いものかもしれない。バフェット氏もそう考えているのではないか」。

米運用会社LRTキャピタル・マネジメントの創業者ウーカシュ・トミチ氏は推察しています。

バフェット氏は短期的な相場予想はしません。

ただし、バークシャーの22年ぶりの債券シフトは、米株相場の先行き警戒感を色濃くにじませています。

一方で、2024年10月に、バークシャー・ハザウェイは円建ての社債を2,818億円発行しており、どこか日本の株式に投資するのではないかと言われています。

今後、株式市場はどうなっていくのでしょうか?

楽しみにしながら、株式市場をウォッチしていきたいと思います。

バフェット氏が22年ぶりに「債券投資家」は米国株への警鐘か?について、あなたはどう思われましたか?


戸籍の読み仮名登録の届け出は原則不要に!

日本経済新聞によると、法務省は、先日、2025年5月以降に始める戸籍の読み仮名の登録について、市区町村から通知された読み仮名が正しい場合には届け出を求めないと発表しました。

これまでは新たに届け出をするよう求める方針でしたが、事務負担の増加を懸念する自治体側の要請を受けて変更しました。

戸籍に氏名の読み仮名を記載する改正戸籍法は、2025年5月に施行されます。

施行にあわせ市区町村は、住民票を参考にした読み仮名を郵送で通知します。

通知に記載された読み仮名が正しければ、届け出は不要となります。

読み仮名が間違っていた場合は、市区町村の窓口やマイナンバーカード所有者の個人向けサイト「マイナポータル」で届け出ます。

牧原秀樹法務大臣は、先日の記者会見で、「本制度の円滑な実施には全国の市区町村の理解と協力が不可欠だ。今後の運用について市区町村にできるだけ早く情報をお届けする」と述べました。

税理士として、相続税の申告のお手伝いをそれなりに行っていますが、読み仮名が分からないことが多々あります。

それゆえ、戸籍の読み仮名登録はとてもありがたいと思いますが、手続きは簡単にして欲しいですね。

戸籍の読み仮名登録の届け出は原則不要になることについて、あなたはどう思われましたか?


三井住友信託銀行の元社員がインサイダー取引の疑い!

日本経済新聞によると、三井住友信託銀行は、先日、自社の元社員が企業の公開前情報に基づいて株式を売買するインサイダー取引を複数回した疑いが判明したと発表しました。

社内に第三者を含めた調査委員会を設置し、事実関係の確認や原因分析を進めます。

再発防止策も策定します。

大山一也社長は、記者会見で陳謝したうえで、「高い倫理性と自己規律を要求される信託銀行の社員が法令違反を犯したことは、当社の社会的存在意義が問われかねない」と話しました。

三井住友信託銀行では、2012年に会社の運用にインサイダー情報を用いる不正がありました。

今回の疑惑は、元社員が2024年10月30日に会社に申し出たことで発覚しました。

会社側が取引履歴などを確認し、10月31日にインサイダー取引の可能性が高いと判断しました。

業務上知り得た情報をもとに、自身の利益のために他社の株式を売買したようです。

元社員は管理職で、11月1日付で懲戒解雇になりました。

元社員の説明によると、他の社員の関与はなく、組織的な行為はなかったそうです。

社員の所属部署や取引の内容に関する具体的な言及は、避けました。

関係者によると、会社側がすでに証券取引等監視委員会に報告したようです。

証券取引等監視委員会は今後、調査を進め経緯を把握するとみられます。

大山社長は、「捜査、調査に全面的に協力する」と強調しました。

三井住友信託銀行はインサイダー取引に関する研修を年2回オンラインで実施し、インサイダー取引をしないとの誓約書も年2回提出させています。

法令順守に高い意識を持つべき組織に属する個人のインサイダー取引疑惑が、後を絶ちません。

最近では、東京証券取引所の社員や金融庁に出向中の男性裁判官が強制調査の対象になっていることが明らかになっています。

金融分野に詳しい帝京大学の宿輪純一教授は「組織内で上意下達を忌避する動きが強まっており、社内教育が行き届かない懸念が大きくなっている。増加傾向にあるM&A(合併・買収)などの情報に職員のよこしまな気持ちが働きやすくなる面がある」と指摘しています。

自ら申し出るくらいなら、最初からやらなければよいのにと思いますが、どういう心理でやったんでしょうね?

研修やらニュースやらで、やっていはいけないことは分かっていると思いますが、やはり、資質の問題なのでしょうか?

どういう再発防止策を出すのか、ウォッチしていきたいですね。

三井住友信託銀行の元社員がインサイダー取引の疑いがあることについて、あなたはどう思われましたか?


IT導入補助金で “実質無料”営業で資金環流の不正受給が横行!

NHKによると、中小企業などのITツール導入を支援する補助金について会計検査院が調べたところ、35%のケースでシステムを納入した事業者から資金がキックバックされ、このうち4分の1余りが補助金の不正受給にあたると認定されていたことが分かったようです。
「実質無料」などをうたう悪質な事業者が不正を行うよう働きかけていたいうことで、会計検査院は、中小企業庁などに対し、こうした事業者が関係した合わせて58億円余りについて、追加調査を行って不正受給分を速やかに返還させるよう求めました。

中小企業庁が所管する独立行政法人「中小企業基盤整備機構」は、企業の生産性革命を支援する事業の一環で、システム開発などを行うベンダーと呼ばれる事業者から新たな会計ソフトなどのITツールを導入した中小企業や小規模事業者に、経費の一部を補助しています。

会計検査院が、令和4年度までの3年間に交付された補助金の0.8%にあたる445件、12億1,000万円余りを抽出して調べたところ、9%にあたる41件で、補助金を受けた事業主がベンダーとその関連会社から協賛金や紹介料などの名目で資金のキックバックを受ける不正を行っていたことが分かりました。

「自己負担のない方法でITツールを導入できる」とか「自己負担額を上回る報酬を得ることができる」などとうたう悪質な営業によって、合わせて1億円余りが不正受給されていたということです。

さらに、88件でも、ベンダーとの間で同じような資金の流れがあり、不適切な補助金支給は、調査対象の35%にあたる154件、合わせて4億円近くにのぼっていました。

会計検査院は、中小企業庁などに対し、ベンダーが不正を働きかけていた1,978件、合わせて58億2,000万円余りについて、追加調査を行って不正受給分を速やかに返還させるよう求めました。

中小企業庁は「補助事業を執行している中小企業基盤整備機構に対し、審査の厳格化や立入検査の強化などを確実に実施し、再発防止策をとるよう指導や助言をしていく」としています。

問題の補助金を交付していたのは、大手広告代理店の関連会社や人材派遣会社の幹部が理事に名を連ね、新型コロナの持続化給付金事業を国から委託されていたことで知られる一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」でした。

この団体は、補助事業を執行している中小企業基盤整備機構から、事務局に指定され、2020年3月から2023年7月までは、補助金の対象となるベンダーの審査や登録も担っていましたが、会計検査院によりますと、不正の疑いがある79の登録ベンダーをリストアップしていながら、立ち入り調査や登録取り消しなどを行っていなかったということです。

一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」は、NHKの取材に対し、「確認が必要な時は、電話やメールで質問していたが、コロナ禍だったこともあり立ち入り調査はしていなかった。不正に関する通報の増加や会計検査院の指摘を受けて、ことし2月からは立ち入り調査も行っている」とコメントしています。

事務局の審査を経て登録されたベンダーは、不慣れな企業などがITツールの導入や補助金の交付申請手続きを円滑に行えるよう支援する「制度上のパートナー」と位置づけられ、補助金の不正受給などを防止するための管理・監督なども行うとされていました。

しかしながら、会計検査院の調査で、その登録ベンダーが、システム納入の見返りに資金提供を持ちかけ、不正を行うよう働きかけていた実態が明らかになりました。

さらに、41件の不正請求のうち21件では、不正を働きかけるだけでなく、補助金申請などの手続きを代行する中でベンダーがみずから不正請求していました。

このうち、福岡市の美容関連企業のケースでは、3つの登録ベンダーからECサイトなどのITツールを導入し、1,500万円余りの経費がかかったとして、922万円余りの補助金を受給しました。

ところが、ベンダーから資金のキックバックを受けた結果、581万円の自己負担分を実際には負担しておらず、さらに178万円余りの不当な利益も受けていました。

このケースでは、手続きを代行したベンダーが、水増しした売上高や実在しない従業員名など虚偽の情報を使って補助金を申請していたほか、ソフトウエアの管理画面などの偽の画面や偽造した預金通帳の写しなどを添えて、実際にはITツールの導入が完了していないのに、導入済みだと虚偽報告していたということです。

この会社の経営者は、NHKの取材に対し、「ベンダーから小遣い程度に金を渡すと言われ、事業運営に困っていたので受け取ってしまった。預金通帳などの偽造は知らなかった、こんなことになるとは思っておらず、自分の無知を反省するとしか言いようがない」と話していました。

会計検査院の調査で、国を挙げてデジタル化を進める中で、多くの事業者が「実質無料」をうたう悪質なベンダーの営業に乗せられ、国民が納めた税金から交付された補助金が食い物にされていた実態が浮き彫りになりました。

調査の過程で、従業員が1人しかいないのに勤怠管理ツールを導入したり、3年連続で同じソフトを購入したりしているなど、明らかに不自然なケースやシステム導入の必要性が疑わしいケースも見つかっています。

働き方改革や消費税のインボイス制度導入といった制度変更、それにサイバー攻撃へなどの対応が求められる中、3年間に交付された補助金は1,464億2,000万円余りになっています。

今回調査対象となったのはこのうち1%足らずで、会計検査院の担当者は、「発覚した不正は氷山の一角だ。もっと広範囲に調べればほかのベンダーも不正に関わっていた疑いが浮上する可能性もあり、不正受給や不適切な補助金支出はさらに膨らむだろう」と話していました。

久しぶりに、電通の「サービスデザイン推進協議会」という名前を聞きました。

こういう不正があれば、「サービスデザイン推進協議会」や「ベンダー」は一切の補助金から永久追放し、「サービスデザイン推進協議会」や「ベンダー」から、きっちりと不正分を利子を付けて返してもらわないといけないのではないかと思います。

あとは、制度をきちんと理解したうえで補助金は申請すべきだと思いますので、不正受給した会社名などもきちんと公表して、今後、補助金はもらえないようにして欲しいですね。

任せっきりの中小機構にも責任があるように思います。

IT導入補助金で “実質無料”営業で資金環流の不正受給が横行していることについて、あなたはどう思われましたか?


金融庁へ出向中の裁判官をインサイダー取引容疑で強制調査!

日本経済新聞によると、金融庁に出向中の裁判官が公表前のTOB(株式公開買い付け)情報などを基に株取引をした疑いがあるとして、証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で強制調査を受けていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

証券取引等監視委員会は東京地検特捜部への告発を視野に詳しい取引状況などを調べています。

関係者によると、強制調査を受けたのは金融庁に出向中の30代の男性裁判官です。

2024年4月から金融庁に出向し、企業開示課でTOBに関する書類の審査などを担当していました。

出向に伴い、裁判官の身分は外れています。

2024年4月の出向後に、職務を通じて知った企業の未公表情報を基に株式を売買した疑いが持たれています。

情報の中にはTOBに関するものもあったとみられます。

不審な株取引を把握した証券取引等監視委員会が2024年8月ごろから調査を進め、関係先の強制調査に踏み切ったもようです。

金融庁は全職員に対し、職務に関係する企業の株取引を原則禁じています。

これまでに出向者を含め職員によるインサイダー取引が疑われた事例はないそうです。

金融庁は「調査に全面的に協力している。今後の調査結果を踏まえて厳正に対処する」としています。

裁判官の出向先だった企業開示課は、上場企業の情報開示制度の企画・立案のほか、企業の上場時やTOB、M&A(合併・買収)などを行う際に提出する開示資料の審査も所管しています。

TOBの場合、買い付け価格によって公表直後に株価が変動することが少なくありません。

最高裁は主に任官10年以下の若手裁判官に多様な知識や経験を身につけさせることを目的に、行政機関や民間企業などに出向する制度を設けています。

期間は2年程度です。

男性裁判官はこの制度を利用して出向していました。

金融商品取引法は、上場企業のTOBやM&Aなど重要事実を知った会社関係者が公表前に株式を売買することをインサイダー取引として禁じています。

上場企業に対し法令に基づく権限を持つ公務員も対象となります。

法定刑は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方です。

最高裁の徳岡治人事局長は「裁判官であった者が、金融庁への出向中にインサイダー取引の疑いで調査を受けていることは遺憾。事実関係の詳細を把握していないためこれ以上のコメントは差し控えたい」としました。

公務員がインサイダー取引に関わった事例は過去にもありました。

経済産業省審議官(当時)が職務を通じて半導体メーカーに関する未公開情報を入手し、株取引をしたとして2012年に逮捕・起訴され、2016年に有罪判決が確定しました。

2005年にも経済産業省の係長が上場企業のTOB情報を事前に入手して株を売買をしたとして同年に有罪判決が確定しました。

やってはいけないということは当然分かっていたと思いますが、なぜやるんでしょうね。

バレないとでも思っていたのでしょうか?

証券取引等監視委員会の調査はかなり厳しいことは、有名な話しです。

そもそもこういう人を出向させてはいけないと思いますが。

金融庁へ出向中の裁判官をインサイダー取引容疑で強制調査したことについて、どう思われましたか?


独身寮で現金約20万円盗んだ「給料をギャンブルに使った」国税調査官を停職3か月!

産経新聞によると、名古屋国税局は、先日、自身が住む独身寮の他の部屋に侵入し現金を盗んだとして、半田税務署の国税調査官(34)を停職3か月の懲戒処分としました。

調査官は同日付で依願退職しました。

名古屋国税局によると、2023年7月ごろ~2024年4月、約10人の部屋に侵入し、現金約20万円を盗みました。

現金を盗む目的でバッグなどを物色したとして2024年5月に窃盗未遂容疑などで逮捕、起訴され、別の部屋への住居侵入罪でも追起訴されました。

名古屋国税局の調査に「給料をギャンブルに使ってしまい、生活費や借金返済のためにやった」と説明したそうです。

早川徹・国税広報広聴室長は「税務行政に携わる公務員としてあるまじき行為で、深くおわび申し上げます」と述べました。

毎年、税務署の職員も何名か事件を起こしますね。

公務員かどうかではなく、そもそもやってはいけないことをやっている人が多いと思いますので、いくら人手不足とはいえ、採用や教育をきちんとしてほしいですね。

納税者の方も、こういう人やこういう税務署に色々と指摘されて、税金を取られたくはないでしょうから。

独身寮で現金約20万円盗んだ「給料をギャンブルに使った」国税調査官を停職3か月となったことについて、あなたはどう思われましたか?


金融庁が生保の広告費問題でFPパートナーに報告命令!

日本経済新聞によると、金融庁が、先日、大手保険代理店のFPパートナーに保険業法に基づく報告徴求命令を出したことがわかったようです。

FPパートナーに多額の広告費を支払った生命保険会社の保険商品を優先して顧客に勧めていたと指摘されている問題について、販売実態などの報告を求めたとみられます。

FPパートナーは、ファイナンシャルプランナーなどの資格を持つ社員が家計の相談に乗る「マネードクター」を運営しています。

社員が職場や自宅に赴く訪問型の代理店として業界最大手で、東証プライム市場に上場しています。

金融庁はFPパートナーが生保から多額の広告費を受け取り、広告費の多寡が商品推奨を左右したのではないかと問題視しているようです。

保険業法で代理店は複数の保険会社の商品を比べて説明する「」のための情報提供が義務づけられています。

金融庁と生命保険協会は生保各社に対し、代理店への便宜供与の実態を調べるよう近く要請する方針です。

FPパートナー以外でも代理店が生保から広告費の名目で多額の金銭を受け取り、顧客のニーズに合っていない保険商品を勧めていた疑いが浮上しています。

こういうことが行われると、生保と大手代理店が蜜月の関係になって、生保が大手代理店を向いた営業をすることになってしまい、業界自体がおかしくなると思うので、やめてほしいですね。

こういうことをしないと自社の保険が売れない、他社と大差のない生保は淘汰された方がいいのではないかと思ってしまいますね。

金融庁が生保の広告費問題でFPパートナーに報告命令を出したことについて、あなたはどう思われましたか?


勤務中にスマホで株取引 “100回以上”の市役所の監査事務局に務める40代男性職員が減給3か月!

北海道ニュースによると、札幌市は勤務中にスマートフォンで株取引を繰り返していたとして、札幌市監査事務局に勤務する40代の係長職の男性職員を、先日、減給3か月の懲戒処分にしたと発表しました。

札幌市によると、この職員は、2020年3月から2023年12月までの間、少なくとも100回以上の株取引操作を勤務中に行っていたということです。

札幌市は、地方公務員法が定める職務専念義務および信用失墜行為の禁止規定に抵触するとして、この職員に対し減給3か月の懲戒処分としました。

また、管理監督する立場にあった当時の環境局の当時の上司についても訓告処分としました。
札幌市によると、2023年5月ごろ同僚職員から「頻繁に使用スマホで何かやっている、閲覧している、何か取引のようなものをやっているのを確認した」との情報が上司に複数寄せられたため、本人に事情聴取し、証券会社から取引履歴を取り寄せたところ、勤務中の取引が確認されたということです。

男性職員は「社会勉強のためにやっていたものが職務中にまで及んでしまった。結果的に皆さんにご迷惑おかけして反省しています」と述べたということです。

奥村俊文監査事務局長は「監査事務局職員として高い規律性が求められる立場にありながら、地方公務員法が定める職務に専念する義務に違反したことにより、市民の皆さまの信頼を損ねたことを心から深くお詫び申し上げます」とした上で、今後の再発防止と信頼回復に務める考えを示しました。

このような案件も時々目にしますが、どういう心理でやっているんでしょうね。

公務員でも民間企業のサラリ―マンでも同じだと思いますが、勤務時間中は仕事をするのが当たり前だと感じますが、そのようなことが分からない人を雇う側にも、採用や教育の責任があるのではないでしょうか?

勤務中にスマホで株取引 “100回以上”の市役所の監査事務局に務める40代男性職員が減給3か月の処分を受けたことについて、あなたはどう思われましたか?


金融庁が老後の資産形成の後押しのため税制改正でイデコ拡充を要望へ!

共同通信によると、金融庁が2025年度税制改正で、公的年金に上乗せできる個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の拡充を要望することが、先日、分かったようです。

加入者が拠出する掛け金の全額を課税所得から差し引いて所得税を優遇する仕組みを維持した上で、掛け金の上限引き上げを求めます。

老後の資産形成を後押しする狙いがあり、政府、与党が年末に決定する税制改正大綱への明記を目指すようです。

イデコは私的年金制度の一つで加入は任意です。

制度を運営する国民年金基金連合会によると、2024年6月末時点で337万人が加入しています。

現在、掛け金の上限は個人事業主が月6万8千円、サラリーマンが月2万3千円です。

厚生労働省が掛け金の上限引き上げを検討していることを受け、金融庁は2024年8月末に財務省に提出する税制改正要望に、税制面での対応策を盛り込みます。

ただ、上限を大幅に引き上げると、お金に余裕があって、多くの掛け金を出せる人ほど税金面で得をすることになりかねません。

政府、与党は「金持ち優遇」との批判は避けたい考えで、議論は曲折がありそうです。

メリットもデメリットもあるのでしょうが、イデコとかNISAとか、個人の資産形成に役立つものは、どんどん改正すれば良いのでないかと思います。

投資は自己責任ですが、やる人を増やすことが大事だと思いますので。

金融庁が老後の資産形成の後押しのため税制改正でイデコ拡充を要望していることについて、あなたはどう思われましたか?


三菱UFJ銀行員が親族らに顧客企業のインサイダー情報漏えいか?

読売新聞によると、三菱UFJ銀行(東京)の行員が、三菱UFJ銀行の顧客企業に関する株式公開買い付け(TOB)などの情報を、公表前に親族らに漏えいしていた疑いのあることが関係者の話でわかったようです。

親族らは顧客企業に関する株取引を行い、数百万円の利益を得ていた可能性があります。

証券取引等監視委員会も同様の事実を把握し、金融商品取引法違反の疑いで行員の自宅を強制調査するなどしたようです。

金融商品取引法は、上場企業のTOBや合併・買収などの「重要事実」を業務で知った企業や取引先の関係者が、公表前に株を売買したり、他人に利益を得させるために情報を漏らしたりすることを禁じています。

関係者によると、監視委の調査対象となっているのは、三菱UFJ銀行本社に勤務し、系列証券への出向経験もある行員です。

三菱UFJ銀行や系列証券の顧客企業に関するTOBなどの非公開情報を業務で把握し、2023年までの間、公表前に複数回にわたって親族らに伝えた疑いが持たれています。

証券取引等監視委員会は2024年5月頃に行員の自宅を強制調査し、関係先として証券取引等監視委員会や系列証券にも調査に入ったようです。

今後は親族らにも事情を聞くなどし、行員とのやりとりや取引の実態を慎重に調べます。

行員は証券取引等監視委員会に対し、不正への関与を否定しているようです。

三菱UFJ銀行の親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は読売新聞の取材に対し、「三菱UFJ銀行の行員が監視委の調査を受けていることは事実。情報漏えいが事実であれば誠に遺憾で、調査には全面的に協力したい」としています。

三菱UFJ銀行は内規で、顧客企業の非公開情報を親族らも含めて外部に漏らすことを禁止しています。

三菱UFJ銀行を巡っては、証券取引等監視委員会の調査で、顧客情報を系列証券と無断共有することを禁じる「ファイアウォール(FW)規制」の違反行為などが判明しました。

今回とは別の行員が顧客情報を使って自己利益目的の株取引を行っていたこともわかり、この行員は懲戒解雇されました。

証券取引等監視委員会の勧告を受けた金融庁は、先日、三菱UFJ銀行と系列証券2社に金融商品取引法に基づく業務改善命令を出したほか、MUFGと三菱UFJ銀行に銀行法に基づく報告徴求命令を出し、原因究明などを求めました。

証券取引等監視委員会は一連の調査の過程で、今回の情報漏えい疑惑も把握したとみられます。

三菱UFJ銀行の行員が顧客企業の非公開情報を漏らすなんて、業界トップ企業としては恥ずかしいですね。

行員も、やってはいけないことが分からないのでしょうか?

資質がない人が採用されているということなんでしょうね。

三菱UFJ銀行はグループ会社も含めて色々と問題があるようですので、きちんと調べてもらって、まともな会社になって欲しいです。

そうしないと、証券はいつまでも大手に追いつけないでしょうね。

三菱UFJ銀行員が親族らに顧客企業のインサイダー情報漏えいの疑いがあることについて、あなたはどう思われましたか?


南海トラフに危機感の徳島県の「復興準備」が進み進捗度全国1位!

日本経済新聞によると、災害への日ごろの備えが重要なのは一般家庭も自治体も変わりません。

被災した場合に復興を円滑に進めるため、国は自治体に事前準備の徹底を求めています。

全自治体の取り組みを庁内体制の整備など5項目に分けて調べており、2023年の進捗度は南海トラフ地震が懸念される徳島県がトップでした。

首都直下地震が想定される首都圏も高く、災害への危機感の差が対応にバラツキを生んでいるようです。

地震や津波、集中豪雨などの災害への対策は、建物の耐震化や防潮堤の整備といったハード面が注目されがちです。

ただし、ハードだけで全てを防ぐのは難しく、避難経路やハザードマップの整備・周知、復興に向けた訓練といったソフト面の準備も欠かせないのです。

国は自治体の準備に向けて「復興まちづくりのための事前準備ガイドライン」を2018年に公表しました。

2019年から毎年7月時点の全1,788自治体の取り組み状況を調べています。

復興に向けた①体制②手順③訓練④基礎データの把握・分析⑤目標と実施方針の策定の5項目が対象となります。

今回は、2023年の調査結果から「検討済み」を20点、「検討段階」が10点、「未検討・未回答」は0点として進捗度を得点化しました。

5項目すべてが「検討済み」の自治体は100点となります。

都道府県内の全自治体平均は徳島がトップで、東京、静岡が続いています。

徳島は全自治体が何らかの取り組みを進めており、平均点は53.2でした。

一方、全国の平均点は26.1にとどまり、1項目も検討していない自治体が約600ありました。

太平洋に面した徳島県海陽町は満点でした。

2021年度に、南海トラフを想定した事前復興計画を策定しました。

災害廃棄物の仮置き場の必要面積や仮設住宅の必要戸数などを算出しました。

関連部署を統合して庁内体制を整えたほか、職員が復興手続きを確認する訓練も実施します。

被災後に集落を高台移転する方法などを町民と話し合うワークショップも開きます。

海陽町は高齢化が急速に進み、人口も約8,300人と5年間で10%減りました。

「災害で町民が出て行くと本当に町が消滅しかねない」と、三浦茂貴町長の危機感は強いようです。

「被災してもスムーズに復興できるという未来を示すことが人口流出を抑える」とみています。

海陽町内に住む43歳の女性は「どこまでも不安は残るが、子どもたちも訓練に参加するなど気持ちに余裕ができる」と話しています。

徳島県は県の復興指針を策定したほか、計画策定経費の補助など市町村の取り組みも支援します。

後藤田正純知事は「高台移転の検討を含めてしっかりと復興の事前準備を進めていく」と強調しています。

同じく南海トラフ地震に備える静岡県内でも富士市が満点でした。

2016年にいち早く5項目を包含する事前都市復興計画を作り、市内で津波や火災などを想定した復興まちづくり訓練も実施してきました。

和歌山県でも、事前復興計画を策定済みのみなべ町が満点でした。

2024年1月に能登半島地震に見舞われた石川県は、平均を上回る31点で全国13位でした。

石川県の担当者は「平時から被災時に必要な行動などを確認する重要性を再認識した」と話しています。

一方、進捗度が最下位の我が香川県は「四国の他県と違って太平洋に面していない地理特性もある。県内でも自治体の危機感にバラツキがあり、具体的な取り組みは検討途上」としています。

災害復興に詳しい京都大学防災研究所の牧紀男教授は「地震大国の日本では予想外の災害もありうる。気候変動に伴って豪雨災害も増えており、全国どの地域でも事前準備を怠ってはいけない」と話しています。

我が香川県(うどん県)は最下位ですね。

瀬戸内海に面していて、普段から自然災害が少ないからか、危機感があまりないんでしょうね。

しかしながら、南海トラフ地震はいつきてもおかしくありませんので、できる限り、備えていきたいと思います。

南海トラフに危機感の徳島県の「復興準備」が進み進捗度全国1位であることについて、あなたはどう思われましたか?


生命保険協会会長が外貨建て一時払い保険の “販売の指針見直す” !

「外貨建て一時払い保険」という金融商品をめぐり、金融庁が、不適切な販売を行う金融機関が相次いでいると指摘したことを受けて、生命保険協会の清水博会長は、販売に関する指針を見直すなど対策を強化していく考えを示しました。
これは、生命保険協会の清水会長が、先日、定例の記者会見で明らかにしました。顧客から受け取る保険料をドルなどの外貨で運用する「外貨建て一時払い保険」をめぐっては、短い期間で解約した顧客に対し、再び同様の商品を販売する不適切なケースが相次いでいるとして、金融庁が金融機関に対し、改善を求めています。これについて、清水会長は「顧客に対する丁寧な説明が必ずしも十分ではなかった」と述べ、販売方法などを改善する必要があるという認識を示しました。そのうえで、清水会長は、顧客から一定のニーズがあることから、各社の判断で販売は続けていくものの、販売に関する指針を見直し、顧客の投資経験などを踏まえ、販売時の説明をより丁寧に行っていくことや、契約後も運用についての相談に応じるなど対策を強化していく考えを示しました。個人的には、保険代理店もやっているので、情報収集した限りでは、金融庁の指摘が必ずしも正しくないように思っていますが、やはり、きちんとした説明が必要ということを改めて感じた1件でした。生命保険協会会長が外貨建て一時払い保険の “販売の指針見直す” とコメントしたことについて、あなたはどう思われましたか?

税務署職員が育休中に「楽しくてやめられず」転売で売上2億円!

朝日新聞によると、仙台国税局は、先日、福島県内の税務署に勤務する20代の男性財務事務官を、国家公務法違反(兼業の禁止など)で停職1か月の懲戒処分にしたと発表しました。

事務官は同日付で辞職しました。

仙台国税局によると、事務官は育児休業中だった2022年8月から2024年2月の間、自動車62台と携帯電話4台を転売し、約2億円を売り上げたそうです。

車はネットオークションや新車・中古車の販売店から購入し、転売していました。

一番高く売れた車で1台約1,200万円だったようです。

事務官は仙台国税局の聞き取りに、もともと車が好きで、中古車価格が高騰していることに注目し「もうかるのではないかと考えて始めた」と説明しました。

いざ取引を始めると「車両の購入、納車、売却と楽しくて、悪いことだと分かっていたが、やめられなかった。大変申し訳ありませんでした」と話しているそうです。

転売で稼いだ収入は生活費などに使っていたと説明しました。

育児休業中は無給のため、共済組合からの給付金がありましたが、「大体半分ぐらいに収入が落ちている」状態だったようです。

仙台国税局によると、育児休業期間中も、公務員たる身分は保障されており、所属長の承認を得た一部の特例を除き、兼業は認められていないそうです。

職員が不要の私物を売却することが即問題になるわけではなく、仙台国税局国税広報広聴室の安ケ平亘室長は「反復継続して売買することが事業とみなされ問題」としました。

また、今回の件に関しては「もし仮に承認の申請があったとしても、認められないもの」と話しました。

やったことはいけないことだとは思いますが、この方は商才のある方でしょうから、税務署をやめて自分で商売される方がいいのではないかと思います。

どうやって発覚したのか?とか、きちんと申告・納税をしていたのだろうか?という点も気にはなりますが。

税務署職員が育休中に「楽しくてやめられず」転売で売上2億円をあげていたことについて、あなたはどう思われましたか?


新NISA起点に成長と分配の循環を!

日本経済新聞によると、2024年1月から仕組みを新たにした少額投資非課税制度(NISA)の利用が広がっています。

株式や投資信託への投資益に税金がかからない範囲や期間が広がり、若い世代からの関心も高いようです。

将来を見据えた投資が長期で実を結び、より多くの家計に経済的な豊かさをもたらす流れを太くしていきたいですね。

新NISAでは、これまで最長20年間だった非課税期間の制限をなくして恒久化し、非課税枠も最大1,800万円に引き上げました。

日本証券業協会によれば、証券10社のNISA口座の新設数は2024年1〜3月に累計170万件、資金流入額は同4.7兆円といずれも前年同期の約3倍のペースです。

環境の追い風もあります。

国内では日経平均株価が初めて4万円に乗せ、円安は海外投資の価値を押し上げる効果があります。

新NISAで投資を始めて早速成果を感じている家計も少なくないでしょう。

ただし、資産形成は本来、長期で行うものです。

価格が変動し、期待と逆に進むこともあります。

自分がとれるリスクの把握が欠かせません。

定額を積み立てる手法は有効で、投資対象の分散も考えたいですね。

目先の価格の動きを追う売買ではなく、長期で資産が膨らむ複利の効果を頭に入れておくべきです。

つみたて投資枠のNISAで選ばれている商品をみると、世界株全体に投資したり、米国株に連動したりする投信が日本株より上位に並んでいます。

持続的な株高への期待が、海外の方が高い実態を映しています。

国内で成長の機会が増え、資金の出し手となる家計に成果が分配される循環を生むことが日本の課題です。

企業は新たな価値を生む事業に果敢に挑み、資本効率を高めて家計の期待に応えてほしいですね。

成長投資枠のNISAでみれば、増配を重ねる企業やグローバルに成長する企業が人気です。

こうした企業が増えるのが大事になります。

「貯蓄から投資」は動き出したばかりです。

新NISAを起点にした資産形成が数十年単位になっていけば、金融機関は顧客本位の姿勢がいっそう問われます。

運用会社も高い運用益を継続して出す力と効率性を磨かねばなりません。

制度の継続的な見直しも欠かせません。

現状ではNISA口座は1つの金融機関でしか開けず、規模の小さい独立系には不利です。

非課税の対象や枠の増額なども含め、ニーズをくみ取りながら家計にとって長期に安定した資産形成に資する仕組みを目指してほしいですね。

個人的には、相続税の申告などで高齢の方とお話しをしていると、昔、金融機関に株式や投資信託や生命保険をすすめられてやったものの、損をしたため、今でも株式や投資信託や生命保険を毛嫌いする方が結構いらっしゃるように感じます。

新NISAが始まった今年の1月はかなり株価が高かったため、その頃に新NISAを始められた方は、現状だと、資産が目減りしている方もそれなりにいらっしゃるのではないかと推測されます。

株価が短期的に戻れば良いのでしょうけど、しばらく戻らないとなると、投資初心者の方には投資は怖いというイメージが付き、投資をしなくなるのではないかという不安も持っています。

やはり、小さな頃から投資に関する教育が必要だと思いますし、何度も言っていますが、投資以前に、簿記とかを学んで、稼ぐ方法を知ったり、稼いでいる会社社将来稼ぎそうな会社を見る目を持つようにしないと、そもそも投資する資金も得ることが難しいでしょうし、投資したとしても損をする結果になってしまうのではないかと思っています。

新NISA起点に成長と分配の循環について、あなたはどう思われましたか?


「マルチモニターが使いにくい」は過去のこと!

PC Watchによると、デスクトップを拡大して生産性を高められるマルチモニター環境ですが、Windows 10時代までは必ずしもメリットばかりではありませんでした。

解像度の異なるモニター同士ではマウスカーソルの行き来がスムーズではなかったり、モニターの着脱でウィンドウの位置がすぐにリセットされてしまったりなど、使いにくいと感じる場面もけっこうあったのです。

すべてのモニターの解像度を合わせ、マルチモニターの使い勝手を補助するサードパーティツールを導入するなど、独自の工夫で乗り切ってきた人もいるかもしれません。

ところが、Windows 11となった今、そうした不都合はほぼ解消されています。

OS標準機能だけで快適なマルチモニター環境を実現できるのです。

というわけで、今回はマルチモニター環境におけるWindows 11の改善ポイントと、より便利で快適なマルチモニターライフを送るためのテクニックをいくつかご紹介しています。

なお、ここではWindows 11のバージョン「23H2」をベースに解説しています。

Windows 10から11になったことで、マルチモニターまわりの挙動が変化した(変化させられる)ところがあります。

中でも使い勝手に大きく影響しそうなのが、各モニターの解像度が異なっていてもマウスカーソルの移動がスムーズに行なえるようになったことです。

Windows 10までは、たとえば異なる縦解像度のモニターを横に並べて使用するとき、高解像度のモニターから低解像度のモニターへマウスカーソルを移動させようとするとモニター間で「引っかかって移動できない」状態になりやすかったのです。

実際にはデスクトップに“段差”ができている状態なので、そうなるのも仕方がありません。

ところが、Windows 11では「ディスプレイ」設定の「マルチ ディスプレイ」セクションが拡充され、「ディスプレイ間でカーソルを簡単に移動させる」という項目が追加されました。

これをオンにすると、マウスカーソルが高解像度モニターのどの縦位置にあっても低解像度モニターのデスクトップに移動させやすくなります。

反対に低解像度モニターから高解像度モニターにカーソルを移動するときは、低解像度モニターでのカーソル座標がある程度引き継がれるため、モニター間移動を繰り返すと若干「不思議な感覚」になることもあります。

とはいえ、“段差”を意識することなくモニター間をシームレスに移動できるようになったのはうれしい改善です。

もう1つのポイントは、「モニターの接続に基づいてウィンドウの位置を記憶する」ようになったことです。

こちらも「マルチ ディスプレイ」セクションに追加された設定項目です。

シングルモニターなのか、デュアルモニターなのか、あるいはトリプル以上のマルチモニターなのかといったモニターの接続状況ごとに各ウィンドウの位置をちゃんと記憶して、接続を変えたときにも自動で位置を復元してくれる、というものになります。

これは特にノートPCユーザーにとって便利な機能でしょう。

外出先ではノートPC本体のシングルモニター環境だけれど、オフィスや自宅では外部モニターを接続してマルチモニターにしている、という人も少なくないはずだからです。

ノートPC本体のみの時はそれに最適なウィンドウ位置が、外部モニターを接続したときにもそれに最適なウィンドウ位置が、それぞれですぐさま復元されます。

モニターを接続/解除するたびに手動でウィンドウを配置し直す、なんていう煩雑な作業は一切不要なのです。

デスクトップまわりのWindows 11の標準機能には、使い方次第でマルチモニター環境をより快適にできるものがあります。

その中から3つほどピックアップしています。

Windows 10で導入されたウィンドウの「スナップ」機能は、Windows 11以降も継続的に改善が図られ、使い勝手が変わってきています。

現在のスナップ機能の利用方法は主に2通りです。

1つはアプリケーションウィンドウのタイトルバーにある最大化ボタンを使う方法です。

最大化ボタンの上にマウスカーソルを置く(またはウィンドウをアクティブ状態にして「Win+Z」キーを押す)と、スナップ レイアウトの候補が表示されるようになります。

あとはそのウィンドウをレイアウトしたいゾーンをクリックすればOKです。

もう1つはウィンドウのタイトルバーをドラッグして移動しているときに、デスクトップ上部に近づける方法です。

そうするとスナップ レイアウトの候補が現れるので、そのまま任意のゾーンにドロップすればレイアウトできます。

先ほどの最大化ボタンからスナップする方法は、そのアプリケーションがタイトルバーを独自にカスタマイズしている場合に利用できないケースがありますが、こちらの方法だとほとんどのアプリケーションが対応しています。

ある意味ウィンドウ単位でデスクトップを分割できるようにするスナップ機能は、マルチモニター化して広くなったデスクトップを有効活用するのに役立ってくれるでしょう。

Windows 11には仮想デスクトップの機能も標準で用意されています。

現在見えているデスクトップとは別に、仮想的なデスクトップを複数保持して、いつでも好きなデスクトップに切り替えられるようにする機能です。

仮想デスクトップの作成方法は、「Win+Tab」キーを押して画面下部に現れる「新しいデスクトップ」をクリックするだけです。

切り替え方も「Win+Tab」キーを押して使いたい(仮想)デスクトップをクリックするだけです。

配置したウィンドウの位置/大きさなどは、仮想デスクトップごとに記憶してくれます。

そのため、通常使っているデスクトップではオフィスアプリケーションを、仮想デスクトップではWebブラウザや画像編集ソフトを立ち上げておいて、用途に応じて切り替えながら作業するのに都合が良いでしょう。

仮想デスクトップという考え方は古くからあり、もともとは解像度のあまり高くないモニターを利用している場合に、デスクトップを仮想的に広げて効率良く使えるようにすることを狙ったものでもありました。

しかしながら、大容量のメモリを比較的低コストで搭載できるようになった今は、多数のアプリケーションを常時立ち上げておき、必要に応じて切り替えながら作業して、極限までマルチタスク化を極めるのもいいかもしれません。

なお、マルチモニター環境では全てのモニター画面がまとめて「1セットの仮想デスクトップ」として扱われることになります(モニター1台は通常のデスクトップにし、別のモニターは仮想デスクトップにする、というような使い方はできません)。

マルチモニター前提の作業環境を「マルチモニター×仮想デスクトップ」で複数作成しておけば、劇的な生産性アップを図れるのではないでしょうか?

マルチモニターにすると、こだわりたくなってくるのが壁紙です。

ずっとワンパターンの壁紙だと飽きてしまうかもしれませんが、Windows 11では(それ以前から)壁紙のさまざまなカスタマイズオプションが利用でき、デスクトップを賑やかに彩れます。

マルチモニター環境向けの壁紙設定としておすすめなのは、やはりモニターごとに異なる画像にするものです。

設定方法はデスクトップの右クリックで表示されるコンテキストメニューから「個人用設定」→「背景」を選び、「背景をカスタマイズ」のプルダウンから「画像」を選択します。

次に「写真を参照」ボタンで壁紙画像を選択した上で、「最近使った画像」として候補表示されているサムネイルの上で右クリックし、表示させたいモニターの識別番号を選びます。

これで任意のモニターに任意の壁紙が表示されます。

もちろんすべてのモニターで同じ壁紙に統一することも可能です。

または「スライドショー」にするのもアリです。

「ページ幅に合わせる」、「画面のサイズに合わせる」、「拡大して表示」、「中央に表示」のうちいずれかのレイアウトを選べば、モニター1台1台に異なる壁紙をランダムで表示させられます。

レイアウトを「スパン」にすれば、複数のモニターをまたがる形で1枚画像を表示できたりもします。

統一感を出しつつモニターごとに壁紙に変化をつけたい時は、これもおすすめです。

マルチモニターにすると、デスクトップが広くなるのと引き換えにマウス操作が非効率になったり、思わぬアクシデントに遭遇したりする場合もあります。

Windows 11が標準で用意しているキーボードショートカットなどの機能も活用して、マウス操作に頼ることなく自由自在にデスクトップを操れるようにしましょう。

マルチモニター環境で作業中、直前まで使っていたはずのウィンドウが何かの弾みで画面外に移動するなどして見えなくなってしまうことがあるかもしれません。

そんな時は下記の手順を試してください。

今使っているウィンドウを手っ取り早くきれいに配置したい、というときは、スナップ機能のショートカットキーとなる「Win+左右」キーを使いましょう。

そのモニターのデスクトップ内で、ウィンドウを素早く左右に寄せたり、元の位置に戻したりできます。

モニター間でウィンドウを移動したいときは、それに「Shift」キーを加えるだけです。

「Win+Shift+左右」キーで、一発でモニター間を移動させることが可能です。

全画面表示のゲームなど、タイトルバーがなくマウスで動かせないウィンドウもこれで移動できます。

また、Copilotのウィンドウをメインモニター以外に移動したいときにもこのワザは有効です。

通常はメインモニターの右側に固定表示となるCopilotですが、「Win+Shift+左右」キーでサブモニターに移動させておけば、常時表示でも邪魔にならず、いつでもAIのサポートを受けられるでしょう。

ちなみに「スナップ」機能が有効で、かつ「ウィンドウをドラッグした時に、画面の端までドラッグしなくてもウィンドウをスナップできるようにする」がオフになっていると、ウィンドウをマウス操作で移動しにくくなってしまいます。

そんなときにも「Win+Shift+左右」キーを使えば簡単です。

Windows 11の通常のスクリーンショット撮影手段としては「Win+PrintScreen」キーがよく知られています。

押すだけでスクリーンショットを撮影し、自動で「ピクチャ」フォルダに画像ファイルとして保存してくれる機能です。

ただし、この方法では全てのモニターのデスクトップがスクリーンショットの対象となってしまうのです。

任意のモニターのデスクトップを撮影することは不可能です。

よって、代わりに使いたいのがWindows 11標準の「Snipping Tool」を利用する方法です。
 

メインモニターのみのスクリーンショットを撮りたいのであれば、Snipping Toolで「ウィンドウ」を選択し、デスクトップやタスクバーにマウスカーソルを合わせてクリックする、という方法もあります。

ショートカットキー一発で、というわけにはいかないものの、ある程度省力化はできるはずです。

このように、Windows 11ではOS標準の機能が追加・改善され、マルチモニターの運用が以前よりもしやすくなっているのです。

ショートカットキーもあわせて活用することで、作業効率は一段とアップするでしょう。

独立前に勤めていた会計事務所時代からマルチモニターを利用しています。

ワードやエクセルやパワポ、会計ソフト、申告ソフトなどを使う会計事務所では、コピペも多いため、マルチモニターだと、効率が格段に上がります。

個人的には、モニターを縦で使うことも多いです。

知らない使い方もいっぱいありましたので、使っていきたいと思います。

「マルチモニターが使いにくい」は過去のことであることについて、あなたはどう思われましたか?


なぜ保険の見直しが大切なのか?

みなさんは「保険の見直し」と聞くと、どのようなイメージをお持ちですか?
「いろいろ説明されて、無駄な保険に入らされそう・・・」
「新しい保障を付けるようにしつこく勧誘してきそう・・・」
「最初の保障で十分だから、見直しなんて必要ない」

そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、保険は1回契約したら、それで終わりというものではありません。
日税ジャーナルでは、なぜ保険の見直しが必要なのか、その理由を一緒に確認しています。

①環境の変化  
例えば、独身時代に保険に加入された方が、数年後に結婚し、子供が誕生しました。

もし、その方に万が一のことが起きた場合、独身時代に入っていた保険で、家族をしっかり守ることができるでしょうか?

独身時代に加入した保険は、多くの場合、「とりあえず、自分に何かあった時のために」といった目的で入られています。

そのため、結婚して子供が生まれた後も保険の見直しを行わず、その後、自分に万が一のことが起きてしまった場合、残された家族の生活のことを独身時代の保障で守り切るのはとても難しいと思います。

だからこそ、愛する家族のためにも、もっと保障を手厚くするなど、保障内容を見直すことが必要となってくるわけです。

では、定年退職のタイミングはどうでしょうか?

退職後は収入が減少しますので、家計や老後の生活が気になるところです。

そうした状況において、すでに子供が独立しているのであれば、日々の生活費の中から高額の保険料を支払い、大きな死亡保障を用意する必要はそれほどないと思います。

保険の見直しをすることで家計にゆとりができるほか、死亡保障の代わりに、今後の生活でリスクが高まるケガや病気に備えるため、医療保険やがん保険などに重点を置くことも考えられます。

就職、結婚、子供の誕生、住宅購入、子供の独立、退職、老後など、人生の節目といわれるタイミングで、ぜひ、大切な人のために、必要な保障の確認や選択をしていただきたいと思います。

②保険商品のトレンドの変化 
もうひとつ、古い医療保険に入りっぱなしという方はいませんか?
もしかすると、必要な時に保険金がしっかりと受け取れないかもしれません。

昔は、手術には長い入院が付きものでした。 
そのため、古いタイプの医療保険は、長期入院に備えることに重きを置き、短期間の入院では保険金が受け取れない保険が主流でした。

特に、入院4日目までは保障の範囲外というのが一般的でした。

しかし、現在は医療技術の進歩により、入院期間は短くなり、通院での治療が増加しています。

そんな現代の医療実態に合わせて、入院1日目から保障するものや、入院や手術をした際に一時金として保険金が受け取れるタイプや、通院治療に手厚いタイプのものが主流になってきています。

せっかく保険に入っていても保険金が受け取れなかったといったことを防ぐためにも、今の医療実態に合った保険選びをすることをお勧めします。

③更新型による保障内容の変化   
更新型の保険は、契約した当初は保険料が安い、病気になっても更新できるなど、様々なメリットがあります。

しかし、更新時に保険料が大きく上がったり、特約ごとに保障期間が異なったり、気づいたときには保障が終わっていたという可能性もあります。

このタイプの保険に加入されている人は、内容の確認や見直しをしておくことが重要です。

『保険の見直し』というのは、決して新しい保障を付けたり、新しい特約を付けるようなことではありません。

新しい保障を付ける、付けないは関係なく、自分が最適な保険に入っているかどうかの確認をする機会だと思ってください。
もし、不安な点や分からない点があれば、保険会社や保険代理店、専門家へ保険の見直し相談をすることをお勧めします。

僕自身、保険代理店をやっていますが、保険を確認させていただくと、複数の保険会社の似たような保険に複数入っていたり、この保険は必要なのだろうかと思ったり、逆に保険でカバーできていない部分があるのではないかと思うことがほとんどです。

付き合いで保険に入ったり、説明をよく理解しないまま入ったり、長年、見直していないことなどが原因だと思います。

保険の見直し自体は、特に費用等が発生するわけではないと思いますので、定期的に保険の見直しをすることをお勧めします。

なぜ保険の見直しが大切なのか?について、あなたはどう思われましたか?


2024年の東京圏の地価公示は利便性重視の動きが反映され3年連続上昇!

NHKによると、国土交通省は、全国およそ26,000地点を対象に1月1日時点の価格を調べた「地価公示」の結果を公表しました。

それによると、東京を中心に埼玉、千葉、神奈川、茨城の4県の一部を含む「東京圏」の地価は、住宅地や商業地などを合わせた全体の平均が2023年と比べてプラス4.0%となり、3年連続で上昇しました。

上昇率も2023年より1.6ポイント拡大しました。

勤務先に近い都心部の住宅地で地価が大きく上昇するなど、利便性を重視する動きが地価に反映されました。

用途別にみると、住宅地はプラス3.4%で、上昇率は1.3ポイント拡大しました。
このうち、東京23区はプラス5.4%と東京圏の住宅地の平均を上回る上昇率となりました。

新型コロナウイルスの影響が薄れ、出社を再開する企業が広がる中、通勤などに便利な豊島区や中央区といった地域で地価の上昇が顕著になっています。

また、周辺の4県では、千葉市や横浜市、川崎市などで上昇率が拡大したほか、都心部へのアクセスがよい鉄道の沿線を中心に上昇しました。

一方、商業地は、平均でプラス5.6%となり、2023年より上昇率が2.6ポイント拡大しました。

このうち、東京23区は全体でプラス7.0%で上昇率は3.4ポイント拡大しました。

また周辺では、千葉市がプラス7.4%、横浜市がプラス6.0%、川崎市がプラス7.1%と高い伸びとなりました。

オフィス需要が底堅く推移したほか、円安を背景とした外国人観光客の増加で飲食店やホテルなどの業種で、土地の需要が増えたことなどが地価を押し上げました。

<全国の最高価格地点>
◇住宅地◇
住宅地では、7年連続で東京都港区赤坂1丁目で、1平方メートル当たり535万円でした。

上昇率はプラス4.5%で、2023年より2.1ポイント拡大しました。
高級住宅街でマンション用地としての需要が根強いことに加え、周辺の麻布台地区で2023年11月に複合施設が開業したことで、にぎわいや利便性への期待が一段と高まりました。

◇商業地◇
全国で最も地価が高かったのは、商業地が東京都中央区銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」で1平方メートル当たり5,570万円でした。

18年連続での最高価格となりました。

上昇率はプラス3.5%と2023年よりも2ポイント拡大しました。
富裕層の消費が好調なことに加えて、円安を背景に訪日外国人による消費、いわゆる山野楽器銀座本店が伸びていることが上昇率の拡大につながりました。

◇工業地◇
工業地の最高地点は、12年連続で東京都大田区東海2丁目で、1平方メートルあたり76万2,000円でした。

上昇率はプラス3.0%でした。

東京港や羽田空港、首都高速道路へのアクセスがよく、物流施設としての需要が引き続き堅調でした。

今回、住宅地が大きく伸びた東京圏ですが、それをけん引しているのが豊島区や港区といった都心部で、伸び率は7%を超えています。
それが顕著に表れているのが都心のマンション価格です。

不動産調査会社「東京カンテイ」によると、2023年、東京23区で発売されたマンションの平均価格は1戸当たり1億1,630万円と、おととしに比べて3,300万円あまり、率にして41%伸びました。

資材価格の高騰などで工事費が上昇しているという面もありますが、新型コロナの5類への移行で出勤などに便利な都心部のマンションに人気が集中しているのも一因です。

大手不動産会社が売り出している東京都渋谷区のマンションは、1戸当たりおよそ2億円から5億円台と高額ですが、完成予定まであと2年近くを残して、これまでに売り出した65戸はすべて完売しています。

最寄り駅まで徒歩7分という利便性や敷地の広さなどで人気を集め、国内の富裕層や共働きで世帯収入の高い「パワーカップル」のほか、海外の投資家などが購入するケースもあるということです。

物件のホームページを通じた問い合わせも6,000件を超えているということで、販売する三菱地所レジデンスの渡邊聡さんは次のように話していました。
「都心のマンション供給が減っていることや高級住宅街に建つ立地の希少性も反応の多さに繋がっている。物価高で工事費や販売価格が上昇する中でも、富裕層を中心に堅調な需要がある。」

今回の地価公示では、東京23区の中央区や港区など都心部で7%を超える高い伸びとなる一方、江戸川区や葛飾区、足立区といった地域は上昇率が4%台にとどまりました。

その背景のひとつには、都心部に多いマンションと、江戸川区や葛飾区、足立区といった地域に多い戸建て住宅の価格動向の違いがあるとみられています。

不動産調査会社「東京カンテイ」によると、2023年、東京23区で売り出された物件の平均価格は、マンションの上昇率が40%を超えたのに対して、戸建ての上昇率は4%程度にとどまっています。

間取りに余裕のある戸建て住宅はコロナ禍でのリモートワークの増加を背景に人気が高まりましたが、5類への移行とともに、出勤再開の動きが広がっています。

さらに、建築コストの上昇もあって、販売価格が中心となる購買層の予算を上回る傾向にあり、戸建ての人気が落ち着きつつあるとみられています。

こうした中、江戸川区や足立区といった地域では、戸建て住宅を値下げする動きも出ています。

東京都豊島区にある大手の住宅販売会社は、足立区で2023年10月に売り出した新築の戸建ての価格を今月、10%引き下げました。

出勤の機会が増える中、最寄り駅から徒歩15分という距離も敬遠される理由となり、より都心へのアクセスがよい地域に需要が移ったのではないかとみています。

足立区内では、ほかにも思うように買い手がつかず値下げした物件があるということです。

このため、会社では、新しい物件については、あえて狭い敷地に建設することで販売価格を引き下げる戦略をとっています。

敷地は狭くても階段をリビングの中に設けて廊下を省くことで居住スペースを広くとったり、屋上にバルコニーを設けたりして、快適に過ごせるよう工夫しているということです。

一建設の鈴木基晴さんは次のように話していました。
「戸建ての販売は非常に厳しい状況だが価格や設備など、客のニーズを細かくつかんでいくしかない。」

今回の地価公示の結果について、不動産調査会社「東京カンテイ」の井出武上席主任研究員に聞きました。
Q.住宅地・商業地ともに全国平均は3年連続で上昇し、上昇率も拡大しました。
A.全国の平均が2%を超える伸びとなったのは、30年以上なかったことで、大きな上昇と言える。
社会・経済活動の勢いが新型コロナウイルスの感染拡大前に戻りきったとみてよいのではないか。

Q.3大都市圏や地方4市を除く地域でも上昇率が拡大した
A.地価の上昇基調が地方にも波及していることが鮮明になった形だが、依然としてマイナスのままの地方も多い。
その点で都市部と地方、にぎわう地方とそうでない地方という2つの二極化が際だったともいえる。

Q.二極化が進んだ背景は
A.利便性を重視する考え方が再び強まったからだ。
新型コロナの感染が落ち着くにつれて、東京や大阪では転入超過の人数が拡大していて、交通の利便性のよさが地価を大きく押し上げる要因となった。
勤務先への距離が近い都心部だけでなく、郊外でも駅に近く、マンションなどの再開発が行われた地域で地価が大きく上昇している。
一方、最寄り駅からの距離が遠いことが多い戸建てはマンションと比べると販売が低調で、戸建ての多いエリアは都心部などと比べると地価の伸びが鈍くなっている。
また、地方でも行政が子育て施策に力を入れ、連動する形でショッピングモールや保育施設などの整備が進んでいるところと、そうではないところでは地価の二極化が進んでいる。

Q.日銀の金融政策の転換が不動産市場に与える影響はどう見ている
A.地価の上昇基調は続くと思われるが、日銀がマイナス金利政策を解除したことは今後を見通す上で注目だ。
金融機関が住宅ローンの金利をどの程度上げるかが重要で、大きく引き上げた場合は投資家以外の「実需層」と呼ばれる人たちの購入判断に影響を与える可能性がある。
今はマンションも戸建ても価格が上昇し、実需層には手が届きにくくなっている。
建設コストも上昇する中、住宅価格がすぐに大きく下落するとは考えにくいが、市場では、価格が頭打ちになる時期が近づいているという見方もある。
住宅の購入を検討している人は今、無理をして買うよりも安くなるタイミングを待つことも選択肢の1つだ。

ここまで高くなってくると、買える人が限られてくるでしょうね。

給与が物価水準の上昇以上に上がればいいのでしょうけど、人口は減っているわけですから、外国人に買い占められるか、不動産バブルが崩壊するかのように感じますね。

2024年の東京圏の地価公示は利便性重視の動きが反映され3年連続上昇したことについて、あなたはどう思われましたか?


石川県内灘町の液状化被害を“拡大させた場所”は香川県にも!

NHKによると、石川県金沢市に隣接する内灘町は震度5弱でしたが、液状化で道路は波打ち、住宅がおよそ12メートル動くなど、甚大な被害を受けました。

砂丘の町として知られる内灘町ですが、被害は砂丘の上でも海岸部でもなく、内陸部に集中していました。

しかも、震源域からの距離は100キロメートル以上で、これは香川から南海トラフ巨大地震の震源域までと同じ距離です。

<地元住民>
なんで内灘町の被害がこんなに大きいのか不思議でならんで。すごい揺れた感じはあったけど、まさかこんなふうになるとは思わなかった。

能登半島地震で大きな被害を拡大させた液状化ですが、液状化は、揺れで地盤が液状になり、道路や建物が沈下したり隆起したりする現象です。

問題になるのは、水道やガスなどのライフラインが長期間使えなくなることです。

そして、避難の妨げにもなります。

震源域から遠い町、しかも内陸部で被害が大きくなったのは、なぜでしょうか?

2024年2月下旬、香川大学特任教授の長谷川さん率いる研究チームが、液状化が激しかった西荒屋地区と室地区に調査に入りました。

<長谷川さん>
どういう地形条件や地盤条件のところで、住宅の被害が多いかということを調査に来ました。
まず注目したのは、地区のいたるところに現れた“段差”。

南北に伸びる何本もの“段差”の場所をひとつひとつ地図上に記録していきます。
調査を進めていくと、“段差”は、畑や道、庭、そして家の中をも貫いていました。

ここで長谷川教授が注目したのは“段差”が線状に連なっているということでした。

この段差はいったい何なのか?

現地調査でわかったのは、液状化の被害拡大につながる“新たな場所”でした。

<長谷川さん>
段差のある場所に、おそらく昔の海と陸地との境界があったんでしょうね。

海があそこまで来ていた。

砂丘とかつての海の「際」のところで、被害が大きいように見えますね。

長谷川さんが指摘したのは、内灘の町のなりたちです。
100年前の地図を重ねると、内陸にも海が広がっていたことがわかります。

先ほどの調査メモで段差の集中していたエリアと、かつての海と陸の境目が一致することが浮かび上がりました。

なぜ境目に被害が集中したのでしょうか?

そのヒントが、同じ地区の道を1本挟んだエリアにありました。
かつて海だった場所に作られた田んぼです。

液状化で、地下水と共に噴き出した砂の跡はあるものの、大きな段差はありません。

液状化が起きると一般的に、土地全体が地盤沈下します。

田んぼでもこの現象が起きました。

一方、かつての海と陸の境目には、わずかな傾斜がありました。

すると、地盤が低い方へ流れ出し、液状化による被害が拡大したと考えられるのです。

<長谷川さん>
地盤的には、圧倒的に田んぼのほうが悪いはずですが、平らだからいいんです。

いちばんいいのは平らでしっかりとした地盤。

一方で、地盤が悪くて軟弱で傾斜している。

これが最悪なんです。

危険性が明らかになった、かつての海と陸の境目ですが、香川県内では、どこにあるのでしょうか?

例えば、東かがわ市なら、白鳥の松原周辺。
かつての海を青で、陸を黄色で重ねると、危険な境界線が浮かび上がります。

そして、坂出市だと、JR坂出駅の北西部など。

さらに、多度津町は、JR多度津駅の西側にありました。

<長谷川さん>
香川県にも内灘の砂丘ほどの高さではないけど砂州があります。
かつての海の跡などに田んぼが広がっている低地があるとすれば、その境界は気をつけないといけないと思います。
液状化の被害は、このほかにも香川県内の広い範囲で想定されています。

最大クラスの南海トラフ巨大地震が発生した場合の香川県液状化危険度予測図によると、最も危ない場所を示すオレンジ色の総面積は県の15%にもなります。

東かがわ、さぬき、高松、坂出、宇多津、丸亀、多度津、三豊、観音寺と各地に大きなリスクが広がっていることがわかります。

<長谷川さん>
危険な境目がある場所を見分けるためには、正確にはボーリング調査をしないとわかりませんが、簡易的に判断できる方法はあります。

国土地理院の「標高図」を見ることです。

インターネットで見ることができますよ。

液状化の対策はどうすれば?
内灘町西荒屋地区に住む南さんの自宅ですが、家のすぐ目の前が「境目」で、大きく崩れています。

ところが、南さんの家は被害が比較的軽微で、居住が可能であることを示す青色の紙が貼られていました。

25年前に家を新築したときに「地盤改良」をしたことが、被害軽減につながったのではないかと考えています。

<南さん>
砂にコンクリートを混ぜて地盤改良をしたから、その分だけしっかりしとるかなと思う。それがなかったらたぶん家が傾いとった。

地盤改良は、東日本大震災の教訓を経て実施が盛んになりました。

液状化の被害は受けたとしても、家が倒壊するほどの深刻な液状化被害は防ぐことができ、命を守ることにつながります。

香川県内のどこでも起こりうる“身近なリスク”も発見しました。

それが“避難をせき止めてしまう”橋です。

橋のまわりが液状化した影響で、元々つながっていた地面と橋が離れてしまい、通行できない状態が続いていました。

<長谷川さん>
液状化で橋が寸断されると避難の妨げになり、津波に巻き込まれるリスクが大きくなります。

例えば、高松市には東から、新川、春日川、詰田川があり、橋が架かっていますが、南海トラフ巨大地震が起きたときに、これらがすべて通れなくなると考えるべきです。

もちろん高松だけに限らない話です。

長谷川さんは、自治体と地域住民が一体となることで対策できると言います。

<長谷川さん>
橋が寸断されたら、土木業者も到着できなくなります。

地元の人が橋の付近に土のうを常備しておいて、簡易的に段差を解消することができれば、避難がすばやくできるようになります。

先を見越して準備をしておくことが、より大事になってきます。

僕自身、阪神・淡路大震災と東日本大震災を経験しており、いつ我が香川県で地震が起こっても不思議ではないので、色々と準備をしているつもりです。

ただ、今回のように内陸部でも液状化が起こり、我が木太町も詰田川と春日川が流れており、御坊川や新川も近いので、さらに、準備をしないといけないですね。

BCP(事業継続計画)についても、真剣に考えないといけないないなぁと最近はすごく思います。

石川県内灘町の液状化被害を“拡大させた場所”は香川県にもあることについて、あなたはどう思われましたか?


企業の公的情報を登記で一括変更!

2024年03月07日(木)

日本経済新聞によると、デジタル庁は企業が商号や住所を変える際に商業登記を書き換えるだけで税や営業許可といった各省庁が持つ登録内容を一括で変更できるようにするようです。

年間で少なくとも500万件超の手続きが省略される見通しです。

企業にとっては事務負担が減り、より生産性が高い業務に人員を振り向けられる利点があります。

各省庁がバラバラに扱う公的情報を管理するデータベースを整備します。

商業登記のほか、不動産登記や住所表記などもそれぞれ一括のシステム構築を想定しています。

2024年3月にも関連法の改正案をまとめて、今国会に提出します。

商業登記のデータベースは、2025年度中の運用開始をめざしています。

法務省に変更を届け出ると、各省庁が持つ企業情報が自動で更新されます。

企業による商号、住所、資本金、役員の変更届は、年間で82万件ほどに達します。

企業は登記だけでなく、法人税や地方税、年金、国や自治体からの支援・給付金の届け出といった幅広い項目を変えなければならないのです。

デジタル庁は登記変更1件ごとに税や社会保険など7件ほどの変更事務が生じると仮定して、年500万件を超える手続きが生じていると推計しています。

企業は煩雑な業務に苦慮しています。

例えば、建築業者が本社を移転すると、建設業の営業許可の内容を変更したり、補助金申請の情報を更新したりする手続きが省庁ごと、制度ごとに発生するのです。

デジタル手続き法の改正案に、データベースの整備計画の策定を盛り込みます。

計画には、整備の期間や内容、基本方針、データの質を確保する方法などを書き込みます。

制定後は、関係する国の行政機関は計画に従わなければならない点も明記します。

デジタル社会形成基本法も、同時に改正します。

登録するデータの内容を、正確で最新に保つといった品質確保の基本理念を新たに入れます。

システム開発の体制強化も含めます。

国立印刷局はデータの加工、情報処理推進機構(IPA)はデータの標準化に関する業務を、追加する法改正を予定しています。

両機関の所管官庁にデジタル庁を加えます。

法案にはマイナンバー法の改正も含みます。

2023年に判明したマイナンバー誤登録を踏まえ、デジタル庁が特定個人情報の正確性確保に向けた支援業務を担うことを規定します。

2026年にも導入する新しい様式のマイナカードの券面から、性別の記載をなくします。

税理士業務をやっていると、例えば、会社の代表者が変わったときに変更の登記をしますが、税務署や県税事務所や市に、異動の届けを出す必要があります。

そのときに、まず、国税(e-Tax)と地方税(eLTAX)で様式が違うのはありますが、それぞれ、履歴事項全部証明書をPDFにして添付したり、FAXで送ったりしますが、いつも、先方で勝手に履歴事項全部証明書を見れれば、こんな面倒なことをしなくてもいいのにと思いながら送っています。

これらが解消されるのであれば、非常に嬉しいですね。

国や地方の手続きは、無駄だと思われることが多いですから。

企業の公的情報を登記で一括変更するようになることについて、あなたはどう思われましたか?


事業再構築補助金に政治家から「これを通せ」との「議員案件」!

毎日新聞によると、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた企業の業態転換を促す事業再構築補助金を申請した企業の中に、政治家と関係する「議員案件」が存在することが分かったようです。

補助金事務局で審査を担当した元従業員が毎日新聞の取材に証言しています。

新型コロナ対策では政府系金融機関の融資で国会議員が口利きした議員案件の存在が発覚して問題となりましたが、血税を原資にした補助金事業にも政治家が群がる構図が浮かび上がっています。

事業再構築補助金は2021年3月に創設され、1社当たり最大5億円を支給する仕組みです。

政府はこれまでに約2兆4,400億円を予算化しており、事務局業務は人材派遣大手パソナに委託しています。

元従業員の証言によると、「議員案件」と記したエクセルシートに掲載されていた企業の数は数十~約100件だそうです。

国会議員や秘書らから問い合わせを受けた案件のことだといい、「『議員案件』が(手元に)来た時は管理職に対応を委ねることになっていた」と明かしました。

補助金の申請が殺到し審査の遅延が問題となる中、ネット交流サービス(SNS)上では国会議員に依頼すると補助金が支給される趣旨の書き込みが散見されていました。

経済産業省の職員の一人も毎日新聞の取材に「(議員からの問い合わせは)山のようにある。ひどい場合、申請が通らなかった案件を持ち出してきて、『これを通せ』みたいなことを言ってくる議員もいた」と話しているようです。

パソナは毎日新聞の取材に対し、「議員からは中小企業庁を通してや直接事務局が照会を受けることはある。照会を受けた案件について事実関係や審査状況、その後の進捗を報告することがある」と回答しています。

中小企業庁の担当者も、、「議員から問い合わせを受けることはある」とし、「議員に限らず問い合わせがあった案件はパソナに確認することもある」と話しています。

一方、パソナ、中小企業庁ともに審査の判断に「手心」を加えることはないと強調しています。

「特定の案件に関し、審査過程において特別な取り扱いをすることはない」(パソナ)、「審査が優先されることは断じてない」(中小企業庁)と言い切っています。

「特定の案件に関し、審査過程において特別な取り扱いをすることはない」とか、「審査が優先されることは断じてない」のであれば、照会内容と採択結果を公表すれば良いのではないかと思います。

税金を使っている補助金で、議員が関わってくること自体、おかしいのですよね。

第1回から実際の調査をしてほしいですね。

事業再構築補助金に政治家から「これを通せ」との「議員案件」について、あなたはどう思われましたか?


「アクティブ天国」の日本!

日本経済新聞によると、日本で「パッシブ運用(インデックス運用)」がかくも急速に広がるとは予想できなかったそうです。

インデックスファンドがここ数年、投資信託の売れ筋上位を独占しているのです。

多くの個人は、企業の調査分析によってファンドマネジャーが個別銘柄を選ぶ「アクティブ運用」の実力を信用していません。

手数料がはるかに安いインデックスファンドにお金が流れるのは、必然でしょう。

インデックスファンドの優位性は、データから裏づけられます。

アメリカの指数算出会社の調査(SPIVA)によると、日本株を運用する国内アクティブファンドで過去10年間の運用成績が株価指数を上回ったのは、全体の26.4%でした。

シカゴ学派の経済学者たちは、今の株価には入手可能な情報が全て反映されており、誰も市場を出し抜けないという「効率的市場仮説」を唱えました。

アクティブ劣勢のデータを見れば、インデックス運用の理論的支柱となったこの考えは、もはや「仮説」ではなく「事実」と言っていいでしょう。

一方、この効率的市場仮説には有力な反論も出ています。

「全ての情報を反映するマーケットに勝ち目がないからといって投資家全員がパッシブ運用になってしまったら、誰が市場に情報を反映させるのか?」と、米経済学者ロバート・シラー氏が指摘しているのです。

こうした「インデックスのパラドックス」と呼べる状況が、実は今の日本株市場で生まれている可能性があります。

日銀と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)という第1位と2位の株主が、ほぼ全額をインデックスで購入しているからです。

この結果、市場全体に占めるインデックス運用の比率は半分を大きく超えている可能性があるのです。

インデックス投資家が多数派の市場は、アクティブ投資家にとっては「宝の山」です。

インデックス投資家は水準にかかわらず指数構成銘柄を機械的に買います。

その結果、株価が企業の経営状況や業績を反映せず、運用収益の源泉となるミスプライスが生じやすいのです。

先のSPIVAによると、インデックスに勝ったアクティブファンドの比率は、アメリカは9.8%、ヨーロッパは7.2%にすぎません。

日本株市場は今、欧米より格段に超過収益を出しやすい「アクティブ天国」なのです。

金融機関は、もっと自信を持って優良な日本株アクティブファンドを投資家に勧めてはどうなのでしょうか?

アクティブファンドよりインデックスファンドの方に資金が流れているというのは残念ですね。

ファンドに投資しているのは、投資に関する知識があまりない方で、知識がある方はファンドではなく個別株式に投資しているというのもあるかもしれませんが、日本国民がもっともっと証券リテラシーを高めないといけないのかもしれませんね。

「アクティブ天国」の日本について、あなたはどう思われましたか?


50年無料だったのに自身の田畑に行くための通行料を求められ所有者が簡裁に調停申し立て!

読売新聞によると、公道に面しない自身の田畑に行くために約50年間、隣接する市有地を無料で通行することを認められてきた大阪府和泉市の80歳代の農業男性が、市が有料化などを求めたのを不服として岸和田簡易裁判所に調停を申し立てていたことがわかったようです。

男性や不動産登記簿などによると、男性の田畑は先祖代々受け継がれたもので、広さ約1,000平方メートルです。
周囲は市有地や他人の土地に囲まれています。

こうした土地は「 袋地 」(ふくろち)と呼ばれ、民法では、隣接する他人の土地を通る権利が認められています。
隣接地の所有者は、通行料を求めることもできますが、田畑に隣接する土地約6,700平方メートルを1972年に取得した和泉市は、男性が無料で通行するのを認めてきました。

しかしながら、和泉市は、2023年4月、2026年移転予定の大阪府警和泉署の予定地としてこの市有地の一部を府と交換し、残りの区画も売却することを決定しました。
田畑に行くための幅約2メートル、長さ約50メートルの土地については、男性に最大約900万円で土地を買い取るか、和泉市が保有を続ける代わりに「通行料」として年最大43万円を支払うよう求めています。

調停を申し立てた男性側は「長年認めてきた権利を一方的に奪うのはおかしい」と主張しています。
一方、和泉市は「市有地は市民の財産。これまでは例外的に認めていたが、売却を機に改めることにした」としています。

相続税の申告をしていると、『赤道』(あかみち)とか『青道』(あおみち)と呼ばれるものに出くわすことがあります。
これと似たような話かと思いますが、和泉市の主張が正しいのではないかと、個人的には思います。
長年、言わなかったことはミスかもしれませんが、ある人からは通行料はもらって、ある人からもらわないというのは、市民に説明がつかないと思いますし、土地を維持するコストもかかっているでしょうから。
今後、このほかのエリアでも似たようなことが出てくるのではないかと思います。

50年無料だったのに自身の田畑に行くための通行料を求められ所有者が簡裁に調停申し立てをしたことについて、あなたはどう思われましたか?


札幌国税局の40代の男性職員が勤務中に1万5千回超のFX取引で停職1か月の懲戒処分で辞職!

北海道放送によると、札幌国税局は、先日、40代の男性職員が勤務中、2022年7月からの1年余りで1万5,000回を超えるFX取引などをしていたとして、停職1か月の懲戒処分としたと発表しました。
男性職員は、その後、辞職しています。

国税管理官だった男性職員は、2022年7月から2023年8月までの1年2か月だけで、勤務中、スマートフォンなどで証券会社が提供するアプリにアクセスし、合わせて1万5,164回のFX取引などを行っていて、信用失墜行為の禁止などを定めた国家公務員法違反にあたるとしています。

頻繁にトイレに行くなどした男性職員を心配し、同時に不審に思った上司が問い質すと、本人から申し出があり、発覚していました。

男性職員は「市場が気になり、自分を抑制できなかった」などと説明しているようです。

男性職員は「キャッシュバックキャンペーンを行っている証券会社を見つけ、キャッシュバックだけもらって止めようと思ったが、そのまま取引を継続してしまった。市場が気になり、自分を抑制できなかった」などと話しているということです。

職務上、知り得た情報を流用しての取引はなく、取引の総額などは、明らかにしないとしています。

今回の処分について、札幌国税局は「本件を厳粛に受け止め、今後とも職員の非行の未然防止について、より一層の徹底を図り、税務行政に対する信頼確保に努めていく所存であります」などとコメントしています。

停職1か月の懲戒処分でいいのかと思いますし、辞職なので、退職金も出るということですよね。
税務調査とかは担当していないんでしょうかね。
株にしろ、FXにしろ、市場がずっと気になる人は、やらない方がいいと思います。

札幌国税局の40代の男性職員が勤務中に1万5千回超のFX取引で停職1か月の懲戒処分で辞職したことについて、あなたはどう思われましたか?


「自腹」だった自衛隊の高速道路代問題がついに進展!

週刊フジによると、日本を取り巻く安全保障環境が悪化するなか、防衛省は2024年度一般会計予算の概算要求で、過去最大7兆7,050億円を求めました。
数十年にわたる防衛費抑制のため、自衛隊は装備・弾薬の不足、施設・官舎の老朽化などが深刻化していました。
国民の生命と安全を守り切るには、防衛力強化と防衛費増額、自衛隊員の待遇向上は絶対に不可欠です。
国防ジャーナリストの小笠原理恵氏は、懸案だった「高速道路代問題」の進展について報告しています。

「米軍や警察の公用車は無料なのに、自衛隊は高速道路代が足らず、隊員たちは仕方なく自腹で高速代を払っている」と、小笠原氏はニュースサイト「日刊SPA!」で2018年、問題提起しています。

この高速道路代問題に、やっと光明が見えました。
2024年度の防衛省概算要求に「必要な運搬費(有料道路使用料を含む)を計上し、隊員の移動にかかる負担を軽減し、勤務環境の改善を推進」と明記されたのです。

高速道路代は、アメリカ軍や警察の公用車は無料ですが、自衛隊は災害派遣時(自治体負担)以外は、演習場や訓練で遠方にいくためでも有料です。
高速道路を使うための「運搬費」は不足しており、上限を超えた場合、自衛隊車両は目的地のはるか手前から下道を走るしかありません。

自衛隊員の移動は、トラックの荷台が多くなっています。
道路交通法で、トラックの荷台への人の乗車は禁止されていますが、自衛隊や警察は適用除外です。
機動隊も昔は荷台に乗車していましたが、バスに改善されました。

クッションのないベンチに座って、下道での長距離移動はつらいでしょう。
振動も激しく座骨神経痛や痔を患う自衛隊員も多いそうです。
エアコンのない荷台は、熱中症のリスクも高くなっています。
重度の熱中症は、臓器に深刻なダメージをもたらしかねません。

あまりにも過酷なため、以前は仲間内でカンパして高速道路に乗っていましたが、規則で禁止されました。
仕方なく、つらい下道での長時間移動に耐えるしかありませんでした。

他の先進国では、熱中症予防と兵士の消耗を防ぐため、戦車や装甲車には冷暖房が完備され、乗用車用シートが搭載されています。
自衛隊にも空調付き防護機動車がありますが、数台しかありません。

浜田靖一前防衛相は、2023年版防衛白書の刊行に寄せて、「どれだけ高度な装備品を揃えたところで、それを扱う『人』がいなければ防衛力は発揮できません」とつづっていました。

昨年の自衛官候補生の採用は4割近くまで落ち込みました。
その職務に報いる待遇や生活環境でなければ、志願制で人を集めることはできません。

アメリカの俳優、シルベスター・スタローンのベトナム帰還兵を描いた映画「ランボー」の最後のセリフ、「俺たちが国を愛したように、国も俺たちを愛してほしい」という言葉を、新任の木原稔防衛相に考えてもらいたいですね。

自腹で高速代を支払っていたとは驚きですね。
乗り心地の悪そうな車で、長距離をした道でいくとなると、かなりきついでしょうから、国を守るために頑張って働いている方には、いざというときに疲れている状況ではないように改善してほしいなぁと思います。
少し前に、自衛隊は予算が少ないので故障しても部品が買えず、他のものから部品を取って使うことになるため、戦車とかでも動かないものがかなりたくさんあるというニュースを見ましたが、災害時とかに問題が生じないよう予算は付けるべきではないかと思います。

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「半農」増やしてみんなで農業!

日本経済新聞に、東京大学の鈴木宣弘氏教授が以下のように書いています。
世界の人口は増えていき、食料不足が大きな課題となっています。
中国は、14億人を1年半食べさせるだけの備蓄を確保しようと、世界中から食料を買い集めています。
対する日本は、1か月半の備蓄しかありません。

政府は2030年度に食料自給率を45%に高める目標を掲げていますが、今のままでは下がっていきます。
これまでも5年ごとに目標値を設定していますが、工程表すらつくったことがありません。
農家の平均年齢は70歳近くになっており、あと10年もすれば多くの農村は崩壊します。

これまで日本は、農業の将来にあまり目を向けずに工業化を推進してきました。
その結果、食料は海外に依存するようになってしまいました。

今回の食料・農業・農村基本法の改正では、農家が減って輸入も難しくなるため、食料安全保障の確保へ抜本的な策を打ち出すと思いました。
ところが、自給率をこれまでよりも軽視しているような内容にみえます。

改正案で示した農業法人のさらなる効率的な生産などは必要かもしれません。
しかしながら、アメリカやオーストラリアのような広大な農地は少なく、効率化は現実的ではありません。
例えば、他の仕事をしながら農業にも携わるような「半農」の形態を増やすということも必要でしょう。

極端に言えば、自分たちで食材を作るしかありません。
農家が地域住民に農作業を教え、耕作放棄地も使って身近な地域で生産から消費までの循環型の仕組みをつくりあげるという意識を国民が持つ必要があります。

確かに、自分たちで作るというのがいいかもしれませんね。
食品ロスなどに対する意識も変わるでしょうし、スーパー等で売られているものが安すぎないだろうかと思うかも知れないでしょうから。
あとは、日本人(JA?)は、形やサイズにこだわりすぎでしょうから、、形やサイズだけではないということが分かるでしょうし。

「半農」増やしてみんなで農業ということについて、あなたはどう思われましたか?


コロナで閉鎖の香川のホテルを東京の人材会社が体験型で復活!

日本経済新聞によると、新型コロナウイルス禍で閉鎖したホテルが、アウトドアなどが可能な体験型ホテルとして復活するようです。
人材関連会社のダイブ(東京都新宿区)が3億円を投じて改修工事を実施し、香川県東かがわ市に2024年1月下旬、開業します。
サウナやたき火などの体験を充実させた施設とし、年間3億〜4億円の売上高を目指します。

「三本松ロイヤルホテル」は宴会やビジネス利用を下支えしていたホテルでしたが、東かがわ市や周辺自治体の人口減に伴い需要が低迷し、コロナによる休業などによって経営がさらに悪化し、2020年6月に閉鎖を余儀なくされました。

人材派遣などを展開するダイブは、三本松ロイヤルホテルの建物と土地を温浴施設運営の創裕(香川県高松市)から今春に取得しました。
取得額は非公表です。
2023年9月中旬から改修工事に着手して12月末までに終え、「クラフトホテル瀬戸内」として新たなスタートを切ります。

欧州をイメージする中庭を整備するほか、水着利用が可能なサウナで、蒸気を発生させる「ロウリュ」も設けます。
テラス付近にはバーを用意する計画で、瀬戸内のクラフトビールや酒類、地元食材を使った食事を提供します。
開放的な屋外スペースではたき火を囲みながらの食事が可能です。

客室は全35室で、広さが16平方メートルのシングルが8室、33平方メートルのクイーンが5室などとなっています。
小学生以下などの子供同伴の利用は不可とします。
海辺に面するため景観も良く、晴天の日が多いという立地条件を生かし、ターゲットを非日常感の演出を求めるカップルや旅行客などに絞ります。
開業初年である2024年の売上高は1億6,000万円を見込み、瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)や国際博覧会(大阪・関西万博)が開催する2025年は2億円以上を目指します。数年間のうちに3億〜4億円規模に成長させる計画です。

海に面する東かがわ市は海水浴場や温泉などが点在する一方、周辺地域に宿泊施設が少なく、全国的に上向きつつある観光需要を十分に取り込めていない課題を抱えています。
一方、四国と大阪などの関西方面を行き来する高速バスの停留所が近くにあり、高松・徳島の両駅から最短30分と立地条件は良好です。
長期滞在できる体験型ホテルの需要があると判断したようです。

ダイブは観光施設に特化した人材派遣事業サービスなどを手がけています。
2023年6月期の売上高は82億6,000万円で、人材関連事業が全体の9割を占めます。
このほかにグランピング施設を「ザランタン」ブランドで全国5箇所で運営し、同事業の売上高は3億8,000万円でした。

「クラフトホテル」ブランドの展開は香川県東かがわ市が初めてで、遊休ホテルを活用したブランドとして今後全国展開するようです。
地域の特性を盛り込んだ体験を重視する施設などがコンセプトで、これまでダイブがグランピング施設運営で培ったノウハウを生かします。

以前から、三本松ロイヤルホテルは、地理的にも回収費用的にも今後どうしていくのだろうと思っていましたが、東京の会社が買ったんですね。
県外の方の方が、瀬戸内海の素晴らしさなどが分かるでしょうし、ここの会社は昨年まで、ベッセルおおちでグランピング施設を運営していたと思いますので、香川県のことや瀬戸内海のことも分かっているでしょうから、期待したいです。香川県の東部は飲食店や観光施設も少ないと思いますので、こういうことを契機に、地域の活性化を図ることができればいいですね。
次回の瀬戸内国際芸術祭の会場にも、初めて、東かがわ市やさぬき市も加わりますから。

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穴吹興産が200億円規模のファンドを形成し不動産証券化を加速!

日本経済新聞によると、穴吹興産が200億円規模のファンド形成を目標に、保有不動産を小口化した投資商品や私募ファンドを設立する事業を加速しているようです。
主力の分譲マンション事業以外に、商業ビルや区分所有のマンションなど保有不動産を増やしており、貸借対照表に計上しないオフバランス処理を進めて財務指標を改善し、企業価値を高めます。

穴吹興産は少額で短期間に投資できるクラウドファンディング型の不動産投資「アルファアセットファンド」を強化しています。
不動産特定共同事業法に基づき2019年春に始めた事業で、賃借人がいる区分所有のマンションからの家賃収入を複数の個人投資家に分配します。

これまで対象を1物件に限定した25ファンドを組成し、すべて募集期間中に目標額を集めました。
ファンド規模を徐々に拡大させ、5月と6月に約25の首都圏や関西圏などの物件でつくる2つのファンドを立ち上げました。
年利を3%に設定したところ、半日〜3日間で6億円の目標額に達しました。

これらのファンドは運用後に売却が可能ですが、穴吹興産が保有し続けることが前提です。
現状の運用期間も1年間などと短く、組み込んだ不動産は入れ替えません。
穴吹興産は自社開発の分譲マンションなどを除き、約1,000戸の区分所有のマンションを保有しています。

今後はこれらの保有資産のオフバランス化を加速させ、リスクが相対的に低いとされる特別目的会社(SPC)による事業に切り替えます。
対象不動産を入れ替えながら無期限で運用するファンド設立を準備中で、投資申し込みをクラウドファンディングで受け付けるために必要な金融庁管轄の登録手続きを進めています。

第1弾を2024年6月期中にも開始予定で年利は約2〜3%を想定しており、同事業の会員である約7,000人の個人投資家の需要を見込んでいます。
1つのファンドの規模を30億円程度に拡大させ、5年後をメドに全体で100億円規模に育てます。
銀行融資の金利上昇も見据え、資金調達の手法を多様化させる狙いもあるようです。

このほか47億円規模の私募ファンドを今夏に立ち上げました。
運用を受託するアセットマネジメント業務の一部をグループ会社が担いますが、主たる業務は他社が担当します。
ノウハウと運用資産を積み上げ、自社グループがマネジメント業務を主導する不動産投資信託(REIT)の組成を目指すようです。

穴吹興産の売上高は2024年6月期まで4期連続で過去最高を更新する見込みです。
一方、販売用の仕掛かり不動産が100億円以上増えた影響で、6月末時点の総資産は1,266億円と前年比で1割伸びました。
中期経営計画の一つに「収益構造改革の推進」を掲げており、一連のファンド形成を進めて総資産利益率(ROA)などの経営指標を改善させます。

穴吹興産は我が香川県高松市の会社ですが、以前、区分所有の不動産を販売したけれどあまり売れずすぐに売却したという噂を聞いていたので、今は区分所有の不動産はやっていないと勝手に思っていたのですが、やっているんですね。
オフバランスとか、資金調達の手法の多様化とか、経営指標の改善とかが目的のようですが、個人の方の資産運用の幅が広がればいいですね。
あとは、穴吹興産が利益をいっぱい出して、香川県の経済に貢献してくれれば嬉しいですね。

穴吹興産が200億円規模のファンドを形成し不動産証券化を加速していることについて、あなたはどう思われましたか?


SBI証券と楽天証券が日本株の売買手数料ゼロに!

日本経済新聞によると、ネット証券最大手のSBI証券と同2位の楽天証券が9月以降、相次いで日本株の売買手数料を無料にするようです。
無料は国内証券会社で初めてです。
2024年に新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まるのを前に、個人の投資を呼び込むのが目的のようです。
アメリカのネット証券で主流の株取引手数料ゼロが日本でも広がる可能性があります。

SBI証券はオンライン取引を対象に、2023年9月30日の注文分から日本株の現物取引と信用取引両方の売買手数料をゼロにします。
現在の現物株取引では、一部取引を除いて1注文あたり55〜1,070円かかっています。

楽天証券もSBI証券と同じく、日本株の売買手数料をゼロにします。
開始時期は未定ですが、9月以降になる見込みです。
現在はSBI証券と同じく1注文あたり55〜1,070円かかります。

SBI証券の親会社であるSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長は、2019年に売買手数料を将来、完全無料化する方針を掲げました。
2021年から25歳以下の若年層を対象に日本株の売買手数料をゼロにしてきましたが、すべての投資家に広げます。
SBI証券の完全無料化に伴い、楽天証券も追随します。

足元の証券口座数は最大手のSBI証券が約1,000万、2位の楽天証券が約900万で、3位のマネックス証券(約200万)に大きく差をつけています。
手数料の低さやネット取引の手軽さから若年層を中心に支持を得ています。
完全無料を前面に出して、さらなる囲い込みを狙います。

SBI証券では日本株取引の手数料収入は年200億円程度で、営業収益の1割程度を占めています。
手数料無料化の影響は、外国為替証拠金(FX)取引や暗号資産(仮想通貨)取引、法人営業などでカバーする方針とみられます。

今後、他のネット証券や、野村ホールディングスはじめ大手総合証券が追随するかが焦点になります。

アメリカでは2019年にネット証券大手チャールズ・シュワブが株式などの売買手数料を無料にしたのをきっかけに競合他社も相次ぎ無料化し、業界全体で無料が定着しました。
アメリカのネット証券各社は信用取引の金利収入などを主な収益源としています。

個人的には、SBI証券も楽天証券も口座を持っていますので、日本株の売買手数料が無料になるのはすごくありがたいですね。
日本株の売買手数料が無料になることで、投資を始める人が増え、株式市場が活性化すればいいなぁと思います。
また、会社の決算の数値などに興味を持つ人が増えて、会社経営や企業、普段の仕事などにおいて数値が大事だということを認識する人も増えればいいなぁと思います。

SBI証券と楽天証券が日本株の売買手数料ゼロになることについて、あなたはどう思われましたか?


瀬戸内の特産イイダコは20年間で漁獲量99%減し香川県が釣り人に自粛要請!

読売新聞によると、瀬戸内の特産イイダコが激減しているとして、香川県は釣り人に対し、イイダコ釣りの期間を2023年9月1日~10月15日の午前中に限り、それ以外は控えるよう呼びかけています。

香川県内の漁獲量は20年間で100分の1まで減少しており、「資源保護のために協力してほしい」としています。

イイダコは小型のタコで、煮付けやおでん、天ぷらなどで楽しまれてます。
漁業者は底引き網漁やたこつぼ漁で取っています。
一方、テンヤと呼ばれる仕掛けで手軽に釣れるため、船釣りの人気が高く、例年8月中旬から10月中旬にかけて香川県内外の釣り人が訪れます。

香川県水産課によると、県内の主要6漁協での漁獲量は、2002年には199トンありましたが、2009年には前年から約8割減の38トンになり、2022年には1.6トンまで落ち込んでいます。

大幅な減少について、香川県水産試験場の沢田晋吾主任研究員は、複数の要因が影響していると指摘しています。
漁業や遊漁で取り過ぎていることに加え、餌とされる二枚貝の減少や、海水温の上昇でイイダコを捕食するマダイやハモの増加などが考えられるそうです。

深刻な状況を受け、香川県は釣り人に小さなイイダコは釣っても放流するよう求めてきましたが、今年はさらに踏み込んで、釣りの期間を限定し、期間中は正午までに竿を納めてもらうことにしました。
しかしながら、要請のため拘束力はありません。

香川県では、期間を周知するためチラシを作成し、7月から県内の遊漁船業者や釣具店に配布し、協力を依頼しています。
瀬戸内海を挟んだ岡山県でも配っています。

イイダコ釣りの客も乗せるという高松市の遊漁船業者の男性(55)は、これまで午前と午後の1日2回の営業をしてきましたが、要請を受け、午後のイイダコ釣りは行っていません。
「5、6年前は5時間で1人約100匹釣れていたが、今は20匹程度しかない。期間の制限は、今年だけで終わらせず、長く続けたほうがいい」と話しています。

また、香川県は釣り人に対して、「正確な資源量を把握するため」として、釣った量などを香川県電子申請システムから報告することも求めています。

資源回復に向けては、香川県内の漁業者が、夏場以降の成長期は網にかかったイイダコを海に戻す取り組みを行っているほか、香川県は漁業者と協力し、2023年7月には稚ダコ約1,000匹を放流しました。
高松市庵治町の男性漁師(55)は「漁師や漁協などが協力して、資源回復に努めなければいけない」と話しています。

香川県水産課は「釣り人と漁業者の両方での取り組みが重要」としたうえで、釣り人向けのルールについては、「今年の状況を見て、今後の対応を検討していきたい」としています。

最近はイイダコ釣りに行っていませんが、20年ほど前はよく連れて行ってもらっていました。
当時は、海の底を埋め尽くすほどいっぱいいるのではないかと思うほど、入れ食いで、たくさん連れていましたし、家族などにもすごく喜ばれていました。
ところが、コロナ前には、税理士会のイベントでイイダコ釣りに行っていましたが、年々釣れなくなり、時期や天候の問題もあるのかもしれませんが、最後の年は1匹も釣れませんでした。
イイダコの数がかなり減っているとは聞いていたのですが、これほどまで減っているんですね。
皆さんの協力で、イイダコが増えて、楽しく釣りなどができ、最近目にしなくなったうどん屋さんでイイダコの天ぷらが食べれるようになるといいなぁと思いますね。

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「女性の下着に興味があった」と女性宅に侵入した高松国税局の税務署員(24)を逮捕!

山陽放送によると、香川県高松市の女性の家に侵入したとして、高松国税局の税務署員の男性が逮捕されました。

高松国税局の税務署員は、「女性の下着に興味があった」と供述しているということです。

住居侵入の疑いで逮捕されたのは、高松国税局長尾税務署に勤務する24歳の男性です。

警察によると、高松国税局の税務署員は、2023年5月16日午前3時前、香川県高松市内の24歳の女性の家に正当な理由もなく侵入した疑いです。

無施錠の玄関から侵入した高松国税局の税務署員に、寝ていた女性が気付き声をあげたところ逃げだしたということです。

その後の捜査で高松国税局の税務署員の犯行が浮上し、逮捕されました。

高松国税局の税務署員は、調べに対して容疑を認めていて「女性の下着に興味があった」などと話しているということです。

東京国税局は人が多いでしょうから、年間に数人はニュース沙汰になっていますが、我がうどん県にもいますね。
長尾税務署は少し前に退職により資産税の担当者がいなくなっていましたが、補充されないということは人が足りていないと思いますが、こういったことで、さらに人が足りなくなるとますます大変でしょうね。
また、このような人が出てくると、税務調査などもしにくくなるでしょうから。
やはり、資質とか教育というものが重要なのではないかと思った1件でした。

「女性の下着に興味があった」と女性宅に侵入した高松国税局の税務署員(24)が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


「負担だ」と敬遠されるPTA活動に外注サービスも登場し960団体が登録!

読売新聞によると、新年度を迎え、本格化するものの一つが、PTA活動です。
学校と協力し、子どもの健やかな成長をサポートする役割を担いますが、保護者から負担だとして敬遠されることも多いようです。
業務を外注できるサービスが登場するなど、従来の運営方法から脱却しようとする動きも出ています。

PTAの主な活動は、学校行事の手伝い、バザーの開催、ベルマークの収集などです。
保護者と教職員による任意組織で、保護者に加入を義務づける法的な根拠はありませんが、多くは全員参加を前提に運営されています。

生活情報サイトを運営するスナップレイス(東京)が2020年4月にPTA経験者100人を対象に実施した調査では8割が「参加したくない」と回答しています。
特に押し付け合いになっているのが役員の選任です。
受けられない理由を直接説明させる「免除の儀式」を行い、保護者の関係が険悪化することもあるようです。

PTAは専業主婦のボランティア意識に長年支えられてきた面がありましたが、その世帯はこの40年間で半減しています。
共働き世帯数は逆に倍増しました。
ひとり親世帯も増加しており、敬遠されるのは、社会構造の変化も影響しています。

役員は1〜2年の短期で入れ替わることも多く、運営は前例踏襲に陥りがちです。
ビジネス向けLINEを提供するワークスモバイルジャパン(東京)が2022年7月に役員経験者435人に非効率だと思うことを聞いたところ、「紙資料の作成」「活動の日程調整」などが挙がっています。

効率化のニーズが高まる中、活動の一部を企業に外注する動きが注目されています。

2020年11 月に開設された専用支援サービスサイト「PTA’S(ピータス)」では、会議録の作成や運動会の受付など、様々な業務を代行する60社を紹介しています。
当初は「後ろめたい」といった保護者の声もあったようですが、認知度が高まるにつれ、登録するPTAは増えており、現在は43都道府県の約960団体に上っています。

兵庫県姫路市の市立荒川小のPTAは、事故が起きやすい交差点や不審者情報を示すマップのデザインを依頼しました。
会長(46)は「何年も更新されておらず、自分たちでやろうとしたが負担が大きかった。思い切ってプロに任せたら、一目でわかるものになった」と喜んでいます。

世の中には色々なサービスがありますね。
お悩みやお困りごとを解決するということは、サービスの提供につながりますね。
小学校にはよく分からないことが多々あると思いますので、こういったサービスの提供などで、少しでも問題が解決すればいいなぁと切に願います。

「負担だ」と敬遠されるPTA活動に外注サービスも登場し960団体が登録していることについて、どう思われましたか?


雇用調整助成金の不正受給は自己申告なら非公表!

日本経済新聞によると、厚生労働省は、先日、従業員の休業手当を支払う企業向けの「雇用調整助成金」について不正受給した企業の公表基準を明らかにしました。
不正分を含めた受給額の合計が100万円以上の場合などは公表対象になりますが、労働局の調査前に自己申告し、返還命令から1か月以内に全額返納した場合などは公表しないようです。
なお、社会保険労務士らが関与した事案は、金額にかかわらず公表するとしました。

同日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で公表基準を報告しました。
2023年4月から適用が開始されています。
自主的な申告や返還を申し出やすい仕組みにすることで、不正受給のあぶり出しにつなげます。

雇用調整助成金は新型コロナウイルス禍の2020年から支給要件を緩和し、申請書類の提出を簡素化していました。
支給額は通常1人当たり1日最大8,355円だった上限を、一時は15,000円まで引き上げていました。
2023年3月までに累計で6兆円超の支給が決まっています。

不正受給は2022年12月時点で全国1,221件、約187億円が確認されています。
出勤しているのに休業したと虚偽の申請書類を作成するといった手口が報告されています。

迅速さが要求される中で手続きが簡略化されると、当然、不正受給がでてきますね。
調査前に自主申告すると公表されないとなると、直観的にはそれなりに自主申告する事業者がいらっしゃるのではないかと思います。

雇用調整助成金の不正受給は自己申告なら非公表とすることについて、どう思われましたか?


小規模事業者持続化補助金に「インボイス特例」を追加!

TabisLandによると、2023年度の小規模事業者持続化補助金の申請受付が3月10日からスタートしましたが、今回(第12回公募)から「インボイス特例」による補助金の拡充が行われています。

小規模事業者持続化補助金は、常時使用する従業員数が「商業・サービス業 ( 宿泊業、娯楽業を除く ) 」の場合5人以下、それ以外の業種の場合20人以下である小規模事業者を対象に、これらが作成した持続的な経営に向けた経営計画に基づく、地道な販路開拓等の取組や、これと併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するもので、「通常枠」と「賃金引上げ枠」、「卒業枠」、「後継者支援枠」、「創業枠」の5つの枠からなります。
補助上限額は、通常枠が50万円、その他の4つの枠は200万円とされ、補助率はすべての枠で3分の2です(ただし、賃金引上げに取り組む事業者のうち、赤字事業者の補助率は4分の3)。

補助対象となる主な要件は、「賃金引上枠」は最低賃金を、地域別最低賃金より+30円以上とした事業者、「卒業枠」は小規模事業者として定義する従業員数を超えて、規模を拡大する事業者、「後継者支援枠」はアトツギ甲子園のファイナリスト等となった事業者、「創業枠」は過3年以内に「特定創業支援事業」による支援を受け、創業した事業者となっています。

対象経費は、①機械装置等費、②広報費、③ウェブサイト関連費、④展示会等出展費、⑤旅費、⑥開発費、⑦資料購入費、⑧雑役務費、⑨借料、⑩設備処分費、⑪委託・外注費とされており、インボイス制度対応のための取引先の維持・拡大に向けた税理士など専門家への相談費用も対象に含まれます。

今回の公募から見直しが行われ、免税事業者であった事業者が、新たにインボイス発行事業者として登録し、販路開拓に取り組むことを要件とする「インボイス枠」を廃止する一方、上記の4つの枠の事業者で、2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録を受けた場合に補助額を一律50万円上乗となる「インボイス特例」の拡充措置が行われ、補助上限額が最高250万円にまで拡充されています。

なお、過去の公募回において、「インボイス枠」で採択され事業を実施した事業者は、「インボイス特例」の対象外となるので注意が必要です。
申請の締切りは、2023年6月1日です。

それほど高額なものを取得したりするのでなければ、小規模事業者持続化補助金は良いかもしれませんね。
普段、車で走っていたりしても、『これは、何かの補助金などを使ったんだろうなぁ。』と思うことが結構あります。
補助金などをうまく使っている人は、使っているのです。
現在あるような補助金も、いつまで続くか分かりませんので、チャレンジすることを検討しても良いと思います。

小規模事業者持続化補助金に「インボイス特例」を追加されたことについて、どう思われましたか?


アニメ「サザエさん」タラちゃん役の声優貴家堂子さんが逝去!

少し前の話しになりますが、FNNによると、先日、アニメ「サザエさん」のタラちゃん役で知られる声優の貴家堂子(さすがたかこ)さんが亡くなったことを所属事務所が発表しました。
87歳でした。

発表によると、声優の貴家堂子さん(87)は2月5日に亡くなったそうです。

貴家さんは、1969年開始のアニメ「サザエさん」のフグ田タラオ役を、開始以来50年以上つとめました。
多くの人に愛されている「タラちゃん」のキャラクターを、その愛らしい声で演じ続けした。

そのほか、貴家さんは「天才バカボン」のハジメちゃん役や「ハクション大魔王」のアクビ役など数多くの人気アニメで声優をつとめました。

所属事務所によると、通夜葬儀は近親者のみで済ませており、お別れの会は行う予定はないとのことです。

貴家さんの最後の出演は、2月26日(日)放送「サザエさん ひな祭り1時間SP」でした。
なお、3月5日(日)からは、新たに愛河里花子さんが同役を担当しています。

「サザエさん」の共演者および番組スタッフからのコメントは下記のとおり。

・加藤みどり(フグ田サザエ役)
『サザエさん』の初回放送から50年以上、ずっと一緒に家族として歩んできた貴家ちゃん。
“貴家ちゃんがいるうちは私も頑張らなきゃ”と思っていたので貴家ちゃんがいなくなって本当に寂しく、悲しい気持ちです。心よりご冥福をお祈りいたします。

・田中秀幸(フグ田マスオ役)
大切な宝物を失った悲しみで一杯です。
貴家さん。穏やかな語り口、優しいお言葉、素敵な笑顔・・・しっかりと胸に刻んでおきます。長い間、本当にお疲れ様でした。どうぞ安らかにお眠りください。ありがとう、タラちゃん。

・冨永みーな(磯野カツオ役)
スタジオでいつもいつも優しくしていただきました。そして、とてもキュートでいらっしゃった貴家さん。
突然の訃報にとても驚いています。寂しいです。。。心よりご冥福をお祈り致します。

・津村まこと(磯野ワカメ役)
貴家さんはお茶目でタラちゃんそのままのような本当に可愛らしい優しい方でした。全く実感はないのに脱力感がすごいです。あのタラちゃんの可愛らしい声が聞けなくなるなんて寂しいです、残念です。今まで本当にありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします。

・寺内よりえ(磯野フネ役)
貴家さんには折あるごとにあたたかく見守りお声がけ頂き感謝しております。
一つの役を長く演じてこられた大先輩のお言葉・お姿を胸に刻み、励んで参ります。
貴家さん、そして愛らしいタラちゃん、おつかれ様でした。心よりご冥福をお祈りいたします。

・茶風林(磯野波平役)
突然の訃報に言葉がありません。いつもオシャレでニコニコと優しい笑顔を振り撒いて下さいました。ずっとずっとご一緒出来ると思っていたのに残念でなりません。心からご冥福をお祈りいたします。

・「サザエさん」スタッフ一同
放送開始から53年もの間、貴家さんが演じ続けてこられたタラちゃんは、いつでも3歳の子供が初めての世界に触れた時のような新鮮な喜びに溢れていて、タラちゃんの目線で見るサザエさん一家には、いつも優しくみんなが見守ってくれている安心感がありました。
タラちゃんと一緒に笑ったり泣いたりしながら大人になっていく私たちのとなりで、次の世代の子供たちとずっと“はじめの一歩”を歩み続けてくださった貴家さん。
貴家さんが見せてくれたタラちゃんの目線を私たちが大事に受け継いで、これからも大切に描き続けていきたいと思います。長い間、本当にありがとうございました。

タラちゃんの声は87歳の方がやられていたのは驚きでした。
ご冥福をお祈り申し上げます。
先日、インボイス導入で廃業を考えている声優の方が多いという記事を取り上げましたが、声のイメージが出来上がっているので、そう簡単に途中で変えられないでしょうし、同じ方が有名どころの声を色々やっているということが多いでしょうから、食べていけない方が多いんでしょうね。
あとは、僕自身、相続関連のお仕事をそれなりにしていますが、相続関連の本で一番すごいなぁと思ったのは、長谷川裕雅さんという弁護士の方が書かれた『磯野家の相続』という本です。
国民的アニメで、家族関係が皆さん分かっているため、相続の知識が全くない方にも非常に分かりやすい本ですが、やはり、『サザエさん』ってすごいアニメだと思います。

アニメ「サザエさん」タラちゃん役の声優貴家堂子さんが逝去したことについて、どう思われましたか?


雇用調整助成金コロナ特例は2023年3月末ですべて終了!

日本経済新聞によると、厚生労働省は、先日、従業員の休業手当を払う企業を支援する雇用調整助成金で、新型コロナウイルス禍で設けた特例を2023年3月末にすべて終了することを正式に決めました。
支給額の上乗せに続き、支給要件の緩和も終えます。
支給額が6兆円を超え、約3年と長引いた雇用の下支え策は、労働力の円滑な移動を阻んだと指摘されています。
副作用を含めた検証が欠かせません。

同日に開いた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)分科会に特例の終了を諮り、了承されました。
3月中に省令を改正し、4月からは通常の支給要件に戻します。
支給対象かどうかを決める売上高の落ち込みに関し、特例として一部でコロナ禍前との比較を認めるなどしていたのを改め、前年水準との比較とします。

雇調金は一時、1人当たりの1日の支給上限額を1万5,000円まで引き上げていました。
すでに2月から通常の8,355円に戻しています。
雇用保険の被保険者以外の労働者を助成対象としていた特例も3月末で終えます。

政府はコロナ禍による失業の増加を抑えるため、2020年に雇調金の特例を設けて、雇用を維持する企業への支援を拡大しました。
その後の完全失業率は2〜3%程度で推移しています。
厚労省は雇調金などにより、2020年4〜10月の完全失業率を2.6ポイント分抑制できたと試算しています。

労働政策研究・研修機構によると、アメリカの失業率は一時14%程度まで上がり、イギリスやフランスも5%を超えました。
日本は失業率が5%台に達したリーマン・ショック時と比べても、雇用への打撃を抑えることができました。

一方、雇調金の支給額上乗せや支給要件の緩和が長引いたことで副作用も生じました。
企業が雇調金を支えに従業員を抱え込む「雇用保蔵」が起き、情報通信などのデジタル分野や介護、医療といったサービス需要が拡大する産業への人材移動を阻害したと指摘されています。

アメリカとイギリスはコロナ禍に対応した特別な雇用支援策を2021年中に終了しています。
ヨーロッパでは労働者による新たなスキル取得の支援を充実させ、労働力の円滑な移動や産業の新陳代謝に成功している国も多くなっています。
コロナ禍では企業の雇用維持支援に重点を置く日本の政策の問題点も浮き彫りになりました。

財源難も深刻です。
2月24日時点で支給決定件数は770万件超、支給決定額は6兆3,000億円を超えました。
本来の雇調金向けの財源だけでは足りず、失業等給付のための積立金からの借り入れや一般会計からの繰り入れも余儀なくされています。

個人的には、雇用保険に入っていないところにも給付したり、失敗の政策だと思っているので、終了するということでホッとしています。
大手飲食業の会社の決算書を見ていても、雇用調整助成金など数億円もらい、過去最高益とかになっているのを見ると、これってどうなんだろうか?と思ってしまいますね。

雇用調整助成金コロナ特例は2023年3月末ですべて終了することについて、どう思われましたか?


金融庁がミニ保険会社へ監督強化!

日本経済新聞によると、金融庁はペット保険などを扱う少額短期保険(ミニ保険)会社への監督を強化するようです。
保険期間が短く保険金も少額のミニ保険は参入障壁が低く成長していますが、保険金の支払いが滞るなどのトラブルも目立ち始めているそうです。
金融庁は監督指針を改正し、経営体制の拡充や手元資金を厚めに確保することを促します。
契約者の保護を通じて、市場の持続的な成長につなげます。

ミニ保険は保険期間が1 年から2 年以内、保険金の上限が最大1,000万円の保険をさします。
たとえばペットが病気になったときの治療費、テレビをはじめ家財が壊れたときの費用などを補償する保険があります。
全国の財務局が管轄し、2022年2月10日時点で大手の子会社も含めて115社が登録しています。

金融庁は意見を公募したうえで、2023年春をめどに、ミニ保険会社向けの監督指針を改正します。
具体的には、登録要件として企業の経営管理業務に3年以上携わったことのある人材を最低1 人配置することを求めます。
ずさんな経営で契約が守られないような事態を避けるための措置です。

また、登録済みの会社に対しても、十分な手元資金を確保するよう指針に盛り込みます。
事業を1年間継続できる現金や純資産を目安とし、財務基盤やリスク管理体制に懸念が生じた場合には、ヒアリングなどを通じて早期の経営改善を求めます。
金融庁は各地の財務局と連携して登録審査や経営のモニタリングにも力を入れていきます。

2022年にはミニ保険会社への行政処分が相次ぎました。
関東財務局は6月、保険スタートアップのジャストインケース(東京・中央)に業務改善命令を出しました。
新型コロナウイルス禍で需要が高まった「コロナ保険」をめぐり、保険引き受けのリスク管理に不備があったと指摘しました。
同社は保険金の支払いが想定を大幅に上回り、入院給付金を従来の1割に絞る対応を迫られました。

ペット保険を手がけるペッツベスト少額短期保険(東京・千代田)も8月に関東財務局から2か月間の業務停止命令を受けました。
外部からの資金調達のめどがたたず、7月24日時点で支払いの遅延が4,080件(金額では約2億円)残っていました。
11月にアフラック生命保険をスポンサーに選定し、顧客基盤を引き継ぎました。

また子供向け保険のユアサイド少額短期保険(岡山市)は12月、営業開始から約1年で中国財務局の登録取り消しを受けました。
新規の契約獲得がほとんどないまま、流動資産が枯渇して事業の存続ができなくなりました。
「ビジネスとして根本的に成立していなかった」(金融庁幹部)とのことです。

ミニ保険の制度は根拠となる法律がない無認可共済の受け皿として2006年にはじまりました。
規模に制限がある一方で、免許制である既存の保険会社と違って、最低資本金(1,000万円)などの条件を満たせば登録だけで事業を始めることができます。

ミニ保険の市場規模は参入社数とともに伸びています。
金融庁によるとミニ保険会社の2022年3月時点の合計収入保険料は1,276億円で、5年前の1.5倍以上になりました。
大手生保などの数兆円規模の保険料に比べれば小さいですが、多様な顧客のニーズに素早く対応するのに適しており、さらなる成長を見込む声が多いようです。

ある程度当初から予想できていたのではないかと思いますが、金融庁にきちんと監督していただいて、安心して入れる色々な保険ができればいいなぁと思います。

金融庁がミニ保険会社へ監督強化することについて、どう思われましたか?


金融資産を8,674億円も貯め込んでいるにもかかわらず特殊法人ゆえに税負担のないNHK!

東洋経済オンラインによると、NHKの「貯め込み」が加速しているようです。
2023年1月23日発売の『週刊東洋経済』の特集「NHKの正体」では、公共放送という衣をまとって「受信料ビジネス」を展開するこの組織を解剖しています。

2022年9月末時点のNHKの連結剰余金残高は5,135億円です。
営利を目的としない特殊法人でこの数字というだけでも貯め込みすぎの観がありますが、それより注視すべきは8,674億円もの金融資産残高です。
剰余金残高の1.7倍近くに上ります。

受信料収入は2018年度(2019年3月期)に過去最高の7,235億円を計上しましたが、営業スタッフによる戸別訪問を段階的に廃止した影響で、2021年度の受信料収入は6,896億円へと約340億円減少しました。

にもかかわらず一般事業会社の連結営業キャッシュフロー(CF)に該当する連結事業CFは、2019年度から2021年度までの3年間の累計で3,696億円となり、2018年度までの平均的な金額である年間1,200億円前後を維持した。2021年度の事業CFは1,056億円で、前年度に比べ約380億円の急減となりました。
ところが、これは、東京オリンピック・パラリンピック関連の放送費用(放送権料以外)180億円と、五輪など国際催事放送の放送権料80億円の計260億円を払ったうえでのことで、これらがなければ2019~2021年度の事業CFの累計は3,956億円にもります。

NHKがCF計算書の開示を開始したのは2008年度からです。
多少のばらつきはありますが、特別な事情で多額の資金流出があった年度を除けば、毎年1,000億円を超える事業CFを生んできました。

そして、その半分強が設備投資などに回り、残りは余資となり国債など公共債での運用に回されてきました。
その結果として積み上がったのが、7,360億円もの有価証券です。
これに現預金を加えた金融資産の残高が、冒頭で紹介した数字になるのです。

金融資産は総資産の6割を占めており、こ
まるで資産運用をなりわいとしているファンドのようなバランスシートです。

なぜこんな芸当が可能なのでしょうか?
第1に、収入が減ってもそれ以上に支出を抑え、しっかり利益を稼いでいるからです。
その利益はどう生み出されているのでしょうか?
2018年度と2021年度の連結決算で比較してみましょう。
2021年度の経常事業収入は7,508億円で3年前と比べると6.2%減少しました。
これはNHK単体での受信料収入が約339億円減ったことが主因です。

一方、2021年度の経常事業支出は7,057億円で3年前と比べ8.5%減少しました。
収入は6.2%しか減っていないのに、支出は8.5%減ったのだから、2021年度の経常事業収支差金(営業利益)は2018年度比で50%以上も増えたのです。

支出減の主因は、連結放送事業運営費が481億円減ったことにあります。
連結放送事業運営費の内訳は開示がなく、具体的に何が減ったのかは不明なので、内訳開示がある単体にヒントを求めています。
単体の国内放送費、国際放送費、番組配信費の合計額は、3年前比で382億円減っています。
内訳は、番組配信費が125億円増えた一方で、国内放送の番組費が461億円減っています。

これら放送関連の費用以外では、契約収納費つまり受信料の徴収にかかる費用が158億円減ったのに、人件費は28億円増えているのです。

この10年ほど、NHKの番組では、番組の最後に流れる制作者の表示に、NHKの子会社や外部の制作プロダクションの名前が頻繁に登場するようになっています。

良質な番組制作に外部の力を借りること自体は批判の対象になる話ではありませんが、NHKは番組制作予算が減った分を、外部の制作会社にシワ寄せしていないと言い切れるのでしょうか?

NHKは「外部の制作会社には適正な対価を支払っている」と胸を張っていますが、外部のディレクターからは「出張ロケの現場では、NHK本体の人たちは宿代はじめ費用はすべてNHK持ちなのに、制作するフリーランスは自分が知る限り、基本自腹。宿代や移動費を払える資力がないフリーランスは出張ロケにすら参加できない」という声が出ているようです。

第2に、先に述べたように事業収支と事業CFの乖離が大きいことです。
減価償却費は年々増加傾向にあります。
2021年度の連結の減価償却費は858億円です。
この分がキャッシュアウトを伴わない事業費用に計上されており、事業収支の何倍ものCFが手元に残るのです

そして何よりも、NHK本体は法人税負担がありません。
一般事業会社の税金等調整前当期純利益に当たる税金等調整前事業収支差金は、連結で478億円です。

このくらいの税引前利益があると、一般事業会社なら140億~150億円前後の税負担になりますが、NHKの税負担は単体ではゼロ、連結でもわずか25億円です。
納税義務を負っているのは、株式会社形態の子会社だけだからです。

世の中で非課税の扱いを受けている公益法人でも、収益事業を営めばその分は課税対象になります。

NHK本体は収益事業を営めないため、子会社の株式会社群で収益事業を営み、NHK本体の放送事業はすべて公益事業ということになっています。ドラマもバラエティー番組も、NHKが放送すれば公益事業で民放が放送すれば収益事業というのが、現行法の立て付けです。

自助努力で収入を確保しなければならない民放とは異なり、NHKは収入を法律によって守られ、番組制作に莫大な費用を投入し、なおかつ毎年、数百億円規模の余剰資金を生み続け、貯め込み続けても課税されないのです。
これほどの利益を生んでもなお、NHKを非課税扱いし続ける現行の法律に、根本的な矛盾を感じざるをえません。

NHKが視聴率、それも民放同様に若年層の視聴率を気にする理由も不可解です。
民放はスポンサーがその年齢層をターゲットにしたCMを流したいから、番組制作もその年齢層の視聴率を意識しなければなりません。

しかしながら、スポンサーの要望に縛られることのないNHKが、若年層の視聴率にこだわるのは、番組への支持率をNHKそのものへの支持率にすり替えることを目的に、手っ取り早く数値化できる視聴率に安易に飛びついているだけなのではないのでしょうか?
もしそうならば、NHKは自身の使命を完全に見誤っているというほかありません。

NHKは東京都渋谷区の放送センターの建て替え計画を持っています。
2021年に着工し、2036年に全体の完成を目指しています。
この建て替えのために2017年3月期に総工費と同額の1,700億円の積み立てが完了しています。
着工によって一部が取り崩され、2022年9月末時点で1,693億円となっています。

建て替えの積立金以外に、その4倍に当たる6,981億円も貯め込んでいるわけで、いったい何のために、放送センターをあと4回も建て替えられるほど貯め込まねばならないのか、理解に苦しみます。

NHKは2023年度に約700億円を原資に受信料を値下げします。
700億円という金額は年間の受信料の1割に該当しますが、連結事業収支差金のわずか1年半分、連結剰余金残高の13%程度、連結金融資産残高の8%程度でしかありません。

長年貯め込んだものを吐き出せば受信料はもっと下げられるのに、そんな気は毛頭ないことがわかります。

2022年6月の放送法改正で受信料の不払い世帯に対しては割増金も徴収できるようになりました。
公平性確保を盾に、毎年多額の余資を生んでいる実情には頰かむりしたままです。
受信料は申し訳程度にしか下げません。

受信料は番組の視聴料ではなく、公共財たるNHKを支えるための国民負担だからと、衛星放送のスクランブル化すら拒絶しています。
それなのに、なぜかその受信料で制作した番組のアーカイブ視聴は受益者負担とし、受信料の負担者に無償もしくは安価に開放するということもしません。

先月、NHKの会長は、みずほフィナンシャルグループ元会長の前田晃伸氏が退任し、日銀元理事でリコー経済社会研究所の元所長、稲葉延雄氏が就きました。

2008年以降、会長職には福地茂雄氏(アサヒビール元会長)、松本正之氏(JR東海元社長)、籾井勝人氏(三井物産元副社長)、上田良一氏(三菱商事元副社長)、前田氏と、外部からの登用が続きました。

いずれも経済界出身であるとともに、NHK改革を政治課題と位置づけた官邸が、自ら人事権を行使して送り込んだ会長たちです。

民間企業は自力で収益を稼いで税金も払うが、NHKは収入を法で保証され税金も払わず、ますます貯め込みを加速しています。

それはNHKをコントロールしたい官邸との駆け引きの結果であることに、国民はいいかげん気づくべきでしょう。

個人的には、NHKは必要なのかどうか疑問に思っています。
国営放送ではありませんし、何かあったときには、民放各社(テレビ東京は違うのかもしれませんが)も、特番をやっていますし、民報会社の競争を妨げているのではないかと思います。
早く、NHKの存続価値について、ゼロベースで議論して欲しいですね。

金融資産を8,674億円も貯め込んでいるにもかかわらず特殊法人ゆえに税負担のないNHKについて、どう思われましたか?


ナチス時代にゴッホ絵画を手放した銀行家子孫が返還を求めてSOMPOを提訴!

Bloombergによると、損害保険ジャパンの前身の一つである安田火災海上保険が1987年に競売で落札したゴッホの「ひまわり」を巡り、かつての所有者である銀行家の子孫が絵画の返還を求める訴訟を起こしたそうです。

原告はSOMPOホールディングスなどを相手取った訴訟で、10億ドル(約1,300億円)余りの損害賠償も求めています。
安田火災海上は「ひまわり」を約4,000万ドルで落札しました。
当時、絵画オークションの落札額としては過去最高でした。

ドイツの著名銀行家パウル・フォン・メンデルスゾーン・バルトルディ氏は1934年に「ひまわり」を手放すことを余儀なくされました。
ドイツ国内のユダヤ人が資産を没収され社会的地位を剥奪されたためです。
安田火災海上がロンドンのクリスティーズの競売で落札した絵画は、ひまわりを描いたゴッホ作品の一つです。

この落札は1980年代の日本のバブル期の象徴的な出来事でした。
その時代には三菱地所がニューヨーク・マンハッタンの「ロックフェラー・センター」を買収しました。
ブリヂストンによる米ファイアストン買収、ソニーによるコロンビア・ピクチャーズ買収もこの時代です。

訴訟はメンデルスゾーン・バルトルディ氏と妻のエルザさんの子孫がアメリカイリノイ州北部地区の連邦地裁に2022年12月13日に提起したもので、絵画の返却に加え、「不当利得」の返還分として6億9,000万ドル、懲罰的損害賠償金として7億5,000万ドルの支払いを命じるよう求めています。

訴状によると、原告はSOMPOが同作品について、ナチスの政策による犠牲となったことを「長年知りながら、その事実を曲げて偽って伝えていた」と主張しています。

SOMPOの広報担当者は電子メールで、「35年も前にクリスティーズのオークションを通じて公正に購入し、35年にわたって東京で展示してきた絵画であり、所有権の正当性について疑いの余地はない」と反論しています。
「報道されたような相手方の主張については、まずは適用されるべき法令や事実認識の誤りなどについて、しっかりと法的に争うことになると思うが、現時点では詳細なコメントはできない」としています。

メンデルスゾーン・バルトルディ氏は1934年にこの絵画をパリの美術商ポール・ローゼンバーグ氏に託しました。
それとほぼ同時期に、絵画の所有権を妻エルザさんに公式に移管していました。
ホロコースト前の時期に、ナチスによる資産没収を回避するため、こうした措置はよく取られていました。
メンデルスゾーン・バルトルディ氏は1935年に死去しています。

大阪大学の西洋美術史講座の圀府寺司教授は、「ひまわり」を失えばSOMPOにとって「ものすごい痛手ではあるだろう」と指摘しています。
「かなり会社のイメージと結び付けて出されているので、今回の件はかなり大変な状況かもしれない」と話しています。

『ひまわり』は、以前、新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で観たことがありますが、こういう状況になっているんですね。
きちんとしたオークションを通じて落札しているわけですから、今さら言われても困るのではないかと思いますが、どうなるんでしょうね?
今後、どうなるかウォッチしていきたいと思います。

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仕組み債販売で金融庁が地銀99行を調査し顧客軽視にメス!

日本経済新聞によると、金融庁は、地域銀行99行やグループの証券会社27社を対象に、仕組み債など金融商品の販売実態について一斉調査に乗り出したようです。
経営陣が複雑で高リスクの仕組み債の問題を十分に検証せず、顧客に販売してきたことを問題視しています。
ほかの金融商品でも同様の問題がないかどうか調査し、地銀のコーポレートガバナンス(企業統治)の課題を総点検します。

仕組み債は国債より利回りが高く、株価や金利などを組み込んだ複雑なデリバティブ(金融派生商品)で、価格変動時に大きな損失が発生しやくなっています。
もともとプロの機関投資家向けに開発され、高齢者など個人に販路を広げていました。
全国地方銀行協会によると、2021年度に加盟62行のうち、57行が総額約9,500億円を販売しました。

高齢者の退職金などを目当てに仕組み債を販売し、その後、損失が発生するケースがありました。
顧客からは金融機関側が商品の仕組みを十分に説明していなかったなどの不満が出ています。
仕組み債を販売していた地銀57行のうち、27行で約110件の苦情がありました。
57行は販売体制を見直しましたが、地銀全体の直近の苦情件数は横ばいで推移しています。

こうした状況を受け、金融庁は2022年12月にすべての地銀とグループの証券会社を対象に調査に乗り出しました。
顧客の利益を軽視した金融商品の販売を経営陣が見逃していないかどうかなどを確認します。
調査結果は地銀全体の動向として公表します。
改善が必要と判断した地銀については、個別で立ち入り検査に入る可能性もあるようです。

仕組み債にとどまらず、外貨建て一時払い保険など他の金融商品でも同様の問題があるとみています。
一部の地銀は事業環境が厳しさを増し、販売手数料の高い商品の販売に頼らざるを得ないためです。
仕組み債を扱っていない地銀も含め全地銀に共通の調査を行い、商品全般の販売実態や銀証連携のあり方を広く確認します。

仕組み債などの高リスク商品を傘下の証券会社で販売し、グループの収益源としていた地銀は少なくありません。
仕組み債を含むトレーディング収益が営業収益全体の8~9割を占める地銀系証券会社もあります。
金融庁が調べた地銀の2022年3月期の主な金融商品の販売構成をみると、グループに証券会社を持つ27の地銀では仕組み債の販売が全体の4分の1にあたる23%を占めました。

金融庁は2022事務年度(2022年7月~2023年6月)の金融行政方針で仕組み債の販売状況を重点的に検証する方針を盛り込みました。
販売を継続する場合、その理由を聞き取ることにしており、複数の地銀の検証作業を始めていました。
今回の一斉調査により地銀や傘下の証券会社は一段と仕組み債などを販売しにくくなる可能性がありますが、消費者保護を優先します。

そもそも、かなり投資に詳しい人がリスクを承知したうえで買うか、説明が上手人がきちんと説明して本当に納得したうえで買うかということになるかと思いますが、かなり投資に詳しい人が地銀で仕組み債を買わないように思いますし、きちんと説明をできる人が本当にいるのだろうかという疑問があります。
説明をしている人は、自分でも仕組み債を買ったことがあるのでしょうか?
個人的には、顧客のためではなく、自らの手数料収入のために売っているのではないかと思いますので、買う側も、買うところを選ぶ必要があると思いますね。

仕組み債販売で金融庁が地銀99行を調査し顧客軽視にメスが入ることについて、どう思われましたか?


寺田総務大臣は妻への賃料2,688万円は「適正」と脱税疑惑を改めて否定!

東京新聞によると、自民党の寺田稔総務大臣は、先日、自身の政治団体が、事務所を置くビルの一部を所有する妻に10年間で計2,688万円の賃料を支払っていたことに関し「全く問題ない。価格は適正だ」と述べたようです。
総務省で、記者団の取材に答えました。

賃料を巡っては、二つの政治団体が2012~2021年に毎年それぞれ120万円~165万円を支払っていたと立憲民主党に文書で回答しました。

寺田総務大臣は、「適法に処理しており、納税もしている」と述べ、一部週刊誌が報じた脱税疑惑を改めて否定しました。

なぜ、こんなに脇の甘い方が大臣とかにも多いんですかね?
国民に疑いの目を向けられるようなことをなぜするのでしょうか?
認められているとしても、国民に選ばれた方ですから、国民に疑いの目を向けられるようなことはすべきではないと思いますね。
国民感覚がないということの表れなんでしょうね。

寺田総務大臣は妻への賃料2,688万円は「適正」と脱税疑惑を改めて否定したことについて、どう思われましたか?


関西みらいフィナンシャルグループの社員がインサイダーの疑いで勧告!

産経新聞によると、証券取引等監視委員会は、先日、自社株でインサイダー取引をしたとして、金融商品取引法違反の疑いで、りそなホールディングス(HD)の完全子会社、関西みらいフィナンシャルグループ(FG)の40代男性社員に課徴金163万円を納付させるよう金融庁に勧告しました。

証券取引等監視委員会によると、男性は、りそなHDが関西みらいFG株の株式公開買い付け(TOB)を実施し、完全子会社化するとの未公表情報を職務上知り、公表前の2020年10月、第三者名義の証券口座で計約1万株を買い付けました。

値上がり後に売却して約107万円の利益を得たほか、親族にも買い付けを勧めていました。

また、証券取引等監視委員会は、男性の別の親族で、男性から情報を得て同様に株を買い付けた兵庫県の40代女性にも課徴金31万円を納付させるよう勧告しました。

金融機関の人間がインサイダー取引のことを知らないはずはないと思いますので、ひどい話ですね。
TOBなどの公表前からの取引については、証券取引等監視委員会はかなり調査しているというのはよく知られた話だと思いますので。

関西みらいフィナンシャルグループの社員がインサイダーの疑いで勧告されたことについて、どう思われましたか?


高校で始まった投資教育の金融庁の教材には何が書いてあるのか?

読売新聞によると、2022年4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、在学中に「成年」を迎える高校3年生の家庭科授業で、金融教育が始まりました。
金融庁が公表した金融教材は金融リテラシーを培う要素が網羅されており、18歳の新成人に限らず、一読の価値があります。
金融リテラシーの高い人ほど、年収や資産残高が高いというデータもあります。
ゼロ金利下で現金や預貯金を積み上げるだけでは有利な資産形成は望めませんが、とはいえ、知識が乏しいまま投資をするのは避け、まずリスクを学ぶことが不可欠です。
金融庁の教材は家計管理とライフプランに始まり、使う、貯める・増やす、借りるにまで及んでいます。
株式投資などに限らず、お金について幅広い知識を教えることが重要になります。

2022年4月から高校家庭科の授業の中で「金融教育」が始まりました。
高校3年生は18歳になる年齢だが、民法の一部改正に伴い、成年年齢は2022年4月から引き下げられ、18歳以上は成年という扱いになりました。
酒やたばこなどはこれまで通り20歳までは禁止されますが、返済能力があれば18歳でも自分の意思でローンを組んだり、一人暮らしの賃貸契約をしたりすることが可能になります。
条件をクリアして審査を通れば、クレジットカードを持つこともできます。

お金にどう向き合い、どんなことに注意すればいいか、新たに成年になる若者に教育することは非常に大切になります。
特に注意しなければならないのは、マルチ商法や詐欺まがいの投資話です。
お金がなければ断れる話も、ローンを組めるとなると、高額なマルチ商品を購入してしまうケースがあり得ます。
詐欺の手口はえてして巧妙で、本当にもうかるかのように話を持ちかけます。
最初は少しだけ利益を渡して信じ込ませ、深みにはまったところで大金を巻き上げる手口です。

こうした詐欺が後を絶たないのは、知識の乏しい人がターゲットになっているからです。
金融の知識を身につけることは、詐欺被害に遭わないための自衛策となるのです。

では、高校家庭科の授業は、どのようなことを教えるのでしょうか?
金融庁は2022年3月、「高校向け金融経済教育指導教材の公表について」と題して、金融教育に使う教材を公表しました。
金融庁は教材作成の意義について、以下のように説明しています。

2022年4月からの成年年齢引き下げにより、18歳から、クレジットカードを作るなど金融に関する様々な契約を自ら行えるようになり、金融経済教育の重要性はますます高まっています。また、2022年4月からの高校学習指導要領改訂で、金融経済教育の内容が拡充されます。
金融庁では、高校の先生等からご意見をいただきながら、新学習指導要領に対応した授業を行うための指導教材を作成いたしました。
実際の授業や先生方の準備のほか、一般の方の学習にもご活用ください。

最後に「一般の方の学習にもご活用ください」とあるように、教材は誰が読んでもわかりやすく、ためになる内容になっています。
資料の全体版はパワーポイントで114ページもありますが、あきのこないよう構成にも工夫の跡がみられます。
18歳に限らず、社会人であれば知っておくべきことばかりです。
こちらからダウンロードできます。

まず表紙をめくると、上のような記載があります。
これから社会に出る若者なら、一つや二つは頭に浮かぶ「お金が絡む話」が並んでいます。
この教材は、単なるお金の知識だけでなく、それを使い、また時に何をどう判断すれば良いのかといった部分まで踏み込んだ内容で構成されています。

図表1は、日本証券業協会が行った「個人投資家の証券投資に関する意識調査(インターネット調査)結果です。
金融(2021年は証券投資)に関する教育を受けた経験を聞いたところ、2021年に金融教育を「受けたことがある」と回答した割合は9.5%にとどまりました。
「受けたと思うが、あまり覚えていない」と回答した割合は5.4%、そして残りの85.1%が「受けていない」と答えています。
確実に金融教育を受けている認識がある割合は日本では10%にも満たないのが現実なのです。

この調査結果が示すように、日本は「金融リテラシー(理解・分析力)が低い国」とされてきました。
しかしながら、こうした教育が高校3年生や大学などの一般教養で行われるようになると、だいぶ変わってくるでしょう。

「金融リテラシー」については、経済協力開発機構(OECD)のINFE(インフェ)という金融教育に関する国際ネットワークが定めた国際的な定義があります。
「金融に関する健全な意思決定を行い、究極的には金融面での個人の良い暮らし(well-being)を達成するために必要な、金融に関する意識、知識、技術、態度及び行動の総体」というのがその定義です。
もっと簡単に説明すれば、「金融リテラシーがある人はお金の知識と判断力を備えている人」ということです。

では、金融リテラシーが高まると、人の行動はどうなるのでしょうか?
金融庁の教材は、以下のように例示しています。
・家計管理がしっかりしていて、借金が少ない
・計画を立ててお金を準備しているので、やりたいことを実現しやすい
・緊急時の備えがあるので、危機(自身のケガや病気、不景気による収入減など)に強い
・詐欺や借金などのトラブルにあうことが少ない
・経済的に自立し、より良い暮らしを送ることができる

最後の一文は、全体の総括といえるでしょう。
金融リテラシーが高い人は、より良い暮らしを行うことができる可能性が高いと思われます。
金融リテラシーが全くなくても世の中を生きていくことはできますが、金融知識をしっかりと身につければ、お金に関する知恵を活用し、無駄を省き、金融資産を増やすこともできるようになるのではないでしょうか?

金融リテラシーが高ければ高いほど年収も高く、実生活での金融資産総額も多いというデータもあります。
やはり日本証券業協会の調査によると、金融に関する知識と金融資産保有額、年収(いずれも平均値)の関係(図表縦軸は金融資産の平均保有額、横軸は平均年収)をみると、金融知識が高い人と低い人では、年収差が約110万円、保有する金融資産で約800万円くらいの差があることがわかります。

年収の差は必ずしも職業による収入差だけによるものではないと考えられます。
このような差が出るのは、金融に関する知識力が高い人ほど、上手に資産運用ができているからではないでしょうか?
資産運用による収益も年収と考えれば、運用によって年間100万円以上の差が出てもおかしくないでしょう。

<指導教材の内容>
上に示した目次のとおり、金融教材は「まとめ」を除くと六つの章で構成されています。
最初の章は「家計管理とライフプランニング」で、副題と家計の支出を理解するところから始まります。
バランスシートを含む財務諸表を作成することで、企業の体力や健全性等を定量的に理解できるのと同じです。
個人や家族に「財務諸表」の考え方を生かす手法は「パーソナルファイナンス」と呼ばれています。

2番目の「使う」は、文字どおりお金をどう使うかということです。
目的もなく、ついつい無駄なものを買っていることが多々あります。
多くの人が、コンビニエンスストアのATM(現金自動預け払い機)でお金を下ろし、そのついでに買う予定のなかった商品に手が伸びてしまった経験があるのではないでしょうか?
こうした行為を続けると、時間の経過とともに無駄遣いの総額はどんどん膨れ上がっていくのです。

お金を使う時にはそのお金を何のために使うのか、明確な目的を持てばおのずと無駄が減り、その分お金が残ります。
つまり、手元のお金は増えます。
自分は何にお金を使うのかを可視化する意識を持つことは、お金を使う上で非常に大切なのです。
お金の使い方を学ぶことは、「本当に必要なもの」と「欲しいもの」を区別すること、現金とキャッシュレスのメリット・デメリットを学ぶことにもつながります。

3番目の「備える」では、社会保険と民間保険を学びます。
日本の社会保険制度は「国民皆保険」が原則で、すべての人が立場に応じて必要な社会保険に加入する仕組みになっています。
年金保険、健康保険、雇用保険、労災保険などの仕組みを理解することは、社会人にとって大切な一歩となります。

任意で加入する民間の保険は、知識がないと自分にとって不要な保険でも、勧められるままに加入してしまったり、誰かが入っているから自分も入っておくか、と加入してしまったりすることがままあります。
民間保険は後で解約することもできますが、その間に支払った保険料は本来なら支払わないでよかったお金かもしれません。
やはり、事前に知識を得ておくことは大切でしょう。
(出所)
日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(2021年8月20日)資料より抜粋
(データ出所)
日本証券業協会「会員の主要勘定及び顧客口座数等」より作成

4番目の「『貯める・増やす』~資産形成」は、金融リテラシーの中でも重要な項目です。
日本の資産管理の半分以上は現金・預金で行われています。
2021年8月に日本銀行調査統計局がまとめた「資金循環の日米欧比較」によると、保有資産に占める現金・預金の比率は日本の54.3%に対し、アメリカは13.3%しかありません。
株式や投資信託などの比率はアメリカだけではなく、ヨーロッパに比べてもかなり低きなっています。

多くの場合、物価は預金の利子以上に上昇するため、金融の知識を持たずに現金で持ったり、ほぼ金利ゼロの預貯金を積み上げておいたりするだけでは、資産価値は目減りする一方になるのです。

新型コロナウイルス感染症の拡大でリモートワークが増え、自宅にいながら様々な金融情報を手に入れやすくなったこと、コロナ禍で世界的に株価が変動し、株式市場に注目が集まったことなどが影響したのか、最近は日本でも投資に興味を持つ人が増え、個人の証券口座の開設数が伸びています。
少し前に「老後2,000万円問題」が話題になったことも、自助努力が大事だと考える人を増やす一因になったのかもしれません。

しかしながら、知識がないうちは少額でも株式などに投資すべきではありません。
「無知であること」が一番の投資リスクです。
交通ルールを知らずに道に出れば事故に遭う確率は高まりますが、ルールの知識さえあれば確率は下げることができるのです。
乗り物の種類やそれぞれの特性を知れば、時間と費用のどちらを節約するかといった最適な選択もできます。

投資もルールを知り、金融商品の知識を活用できれば、資産運用にはかなり有利に働きます。
しかし、乗り物にも遅れや事故のリスクがあるように、全ての金融商品は万能ではなく、リスクがあります。
より自分に合った知識を増やしておくことが資産を形成する上で大切な武器となります。
金融教育を通じて知識を深めることは、自分に合った資産形成を行う金融商品を選べるようになるためのスタートラインとなります。

5番目は「借りる」です。
これまで、20歳未満の少年がお金を借りることや、後払いとなるクレジットカードを作ることはできませんでしたが、これからは18歳になれば可能になります。
借りたものは返さなければなりません。
借りることに対する意識もライフプランの中ではとても重要です。
特にクレジットカードの対応やスマートフォンの分割支払いで支払いが遅れると個人の信用情報にダメージを与えてしまい、場合によってはその後しばらくローンが組めなくなったり、クレジットカードが作れなくなったりして、将来の人生設計に大きなマイナスとなります。
知識がないままに若者が将来を生きづらくするのはもったいない話です。

そして6番目が「金融トラブル」です。
学生や社会人になりたての頃に出会いやすいトラブルの一つにマルチ商法があります。
「簡単にお金もうけができる」「紹介した友達が加入すると紹介料が入る」という甘い言葉で勧誘し、親切を装ってローン会社まで紹介したりするから、手持ちのお金がない人も、できそうな気にさせられてしまいます。
しかしながら、場合によっては大事な友達まで失いかねません。
金融庁の教材では、これまで学校で教えてくれなかったことが学べます。
この教材の活用が広がれば被害者も、詐欺に遭う確率も減ると期待しています。

金融庁の教材のいいところは、4つのスマホシミュレーターがついていることです。
資産形成、借金、家計管理、ライフプランのシミュレーターがあり、QRコードを読み取り、項目を選んで質問に答えたり、数字を入れたりしていくだけで、図表とともに結果が示されます。

例えば、ライフプランシミュレーションを開いて質問に答えていくと、将来、どのくらいお金が貯まるのかなどがわかります。
自身の興味のあるところから確認してみてはいかがでしょうか?
2022年があなたにとって「お金の教育元年」になることを心から願っています。

最近、芸能人の投資詐欺事件や宗教団体の話しが、ニュースなどで取り上げられていますが、小さな頃からこういった教育を受けていると、少しでも防げたのではないかと感じます。
個人的には、もちろん、『金融教育』も非常に大事なことだと思いますが、職業柄かもしれませんが、まずは、もうけ方とか決算書の見方を教える必要があるのではないかと思っています。
お金を稼がないとそもそも運用する資金がありませんし、もうけ方を知ることで、詐欺的なことがある程度は分かるようになるのでないか、仕事に活かし運用に回す資金を稼ぐことができるのではないか、決算書の見方が分かることで、例えば、将来伸びそうな会社なので投資するなど、投資の際の様々な判断に役立つのでないかなどと思うからです。
就職をする際にも、イメージだけではなく、現在の収益・将来性・安全性なども分かるようになるでしょうから。

高校で始まった投資教育の金融庁の教材には何が書いてあるのか?について、どう思われましたか?


会計処理怠った経済産業省職員を減給処分!

共同通信によると、経済産業省は、先日、会計処理を怠って契約先への支払いを遅れさせたとして、大臣官房の係長級の職員を減給10分の1(3か月)の懲戒処分にしたと発表しました。

ほかの会計処理でも、上司の決裁を受ける必要がある書類に、上司と同姓の印鑑を勝手に押して手続きを進めていたようです。

こういう人に税金で給料が支払われているのはどうなんでしょうね?
経理的なセンスがないとか、上司が面倒くさいとか何らかの理由があるのかもしれませんが、そういったところを把握し、評価するのも上司の仕事ではないかと思いますので、本人だけを処分すれば終わりということではないような気がします。
経済産業省も問題が多いですね。
管理できないほど大きくなりすぎているのであれば、組織自体を見直す必要があるのかもしれませんね。

会計処理怠った経済産業省職員を減給処分したことについて、どう思われましたか?


マニュライフ生命が行政処分で注目浴びる「前CEOの処遇」!

東洋経済オンラインによると、節税保険をめぐる行政処分としては、初めての事例となりました。

金融庁は、先日、「節税保険」の販売をめぐって外資系大手のマニュライフ生命保険に対し、保険業法に基づく業務改善命令を出しました。

2022年2~6月まで4か月間にわたり、同社に立ち入り検査を実施し、租税回避行為を指南するような営業手法や節税保険の開発・販売実態を調べていましたが、現経営陣をはじめとして組織性や悪質性が高いと判断しました。

金融庁が問題視した行為は大きく2つあります。
1つ目は、「低解約返戻金型逓増定期保険」という法人向け商品を利用した租税回避行為です。
同商品は契約からおおむね5年が経過すると、契約者が受け取る解約返戻金が大きく跳ね上がる仕組みになっています。
その仕組みを利用して、契約者は5年目になる直前に契約の名義を、法人から役員個人に変更し契約を譲渡します。
そうすると、返戻金は税制上個人の一時所得として扱われることになり、役員報酬を支払うときと比べて、所得税の負担を大きく軽減できるというからくりになっています。
通称「名変(名義変更)プラン」などと呼ばれており、マニュライフ生命では同プランを前面に押し出した営業手法が横行していたそうです。

2つ目は、「個人年金保険」を利用したものです。
2021年3月、節税保険の乱売に業を煮やした国税庁は、税務処理ルール(所得税基本通達)の改正を周知しました。
それによってマニュライフ生命をはじめとして、定期保険による名変プランは封じられることになりました。
しかしながら、マニュライフ生命はそれ以降も残された抜け道を探すことをやめず、個人年金保険による名変プランを編み出すと、ここぞとばかりに営業推進を図っていました。

そうした「悪質性が極めて高い事例」(金融庁)が立ち入り検査で次々に立証され、今春には行政処分は待ったなしという状況になっていました。
ただし、その中で、金融庁が最も頭を悩ませていたのは、節税保険の開発と営業を主導していたマニュライフ生命の旧経営陣の扱いだったようです。

すでにマニュライフ生命を去っている旧経営陣については、保険業法に基づく直接的な処分を下すことが難しいようです。
それでも、他社への移籍による“逃げ得”の前例をつくらないようにするには、どうすべきなのでしょうか?

生保の場合、歩合の方も多いでしょうから、何らかの方法で取り戻すことも考えないといけないかもしれないでしょうね。
本来の保険の趣旨と違いますが、生保会社も節税をうたわないとなかなか保険商品を販売することができないんでしょうね。
以前から、我が会計事務所にも名変プランを持って訪れる保険代理店などが結構あったのですが、税務リスクのことをあまり分かっていないのではないのかと思うことが多かったのですが、処分される生保が出てくることによって、普通に、節税ではなく、商品性で競うようになって欲しいと思います。

マニュライフ生命が行政処分で注目浴びる「前CEOの処遇」について、どう思われましたか?


仮想通貨を信託銀行が管理することが今秋にも解禁!

日本経済新聞によると、金融庁は信託銀行が暗号資産(仮想通貨)を管理できるように規制緩和をするようです。
株式や債券といった伝統資産と同様に、仮想通貨を信託財産として預かることが可能になります。
仮想通貨は値動きが不安定で、取引には高いリスクが伴います。
信託銀行に資産管理業務を認めることで投資家保護を強化し、適切な市場形成を促す狙いがあります。

金融庁は意見募集を経て、早ければ秋にも内閣府令を改正します。
信用や資本力のある信託銀行が仮想通貨を分別管理することで売買に際しての安全性が高まることになります。
交換事業者も信託銀行の資産管理の仕組みを使うことで、利用を促進する効果が見込めます。

従来の伝統資産とともに、仮想通貨などのデジタル資産も信託財産の対象になる時代が訪れています。
ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使って、あらゆる資産を電子的に発行したり、流通させたりするデジタル資産を管理できるようになれば、信託銀行にとっても収益機会が広がることを意味します。

海外は仮想通貨を信託財産として預かるカストディー業務で先行しています。
2019年以降に、アメリカ資産運用大手フィデリティやバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)など大手金融機関が資産管理の業務に参入しました。
当初は個人の売買が中心でしたが、取引の安全性が高まったことで機関投資家や企業の仮想通貨の保有が増えた経緯があります。

仮想通貨を巡っては交換事業者への不正アクセスによって資産が流出する問題がたびたび起きてきました。
2018年には交換業者のコインチェックから約580億円相当の資産が流出する事件が起きました。
2021年には分散型金融(DeFi、ディーファイ)関連サービスを手がけるポリ・ネットワークから約6億ドル(約820億円)の仮想通貨が流出する事態に発展しました。

信託銀行が暗号資産を管理できるようになると、取引の安全性が高まって、日本でももっと広まるかもしれませんね。
信託銀行にとっても、教育資金の贈与とか結婚・子育て資金の贈与みたいに、新たな顧客との取引が始まり、メリットがあるでしょうし。
個人的には、暗号資産の税制も、他の金融商品などとの整合性などを検討して、整備してほしいと思います。

仮想通貨を信託銀行が管理することが今秋にも解禁されることについて、どう思われましたか?


税理士の谷口先生!

読売新聞によると、「給付金は誰でももらえます」と、東京都港区六本木の拠点マンションや各地のファミリーレストランで開いたセミナーで、持続化給付金の詐欺容疑で逮捕された谷口容疑者は得意げにそう語っていたそうです。
「税理士の谷口先生」と呼ばれていたようですが、税理士資格は持っていませんでした。

捜査関係者によると、グループは谷口容疑者のほか十数人が中心メンバーでした。
さらに、各メンバーの知人ら40人ほどが約15班に分かれ、「著名な税理士が給付金を受ける方法を教える」などとうたってセミナー参加者を募っていたようです。

給付対象はコロナ禍で収入を減らした個人事業主らに限られますが、谷口容疑者は「誰でも受け取れる」と説明していたようです。
参加者から保険証や通帳のコピーを回収し、谷口容疑者の次男(21)(詐欺容疑で逮捕)らが確定申告書を偽造して税務署に提出していました。

元妻(45)(詐欺罪で起訴)と、長男(22)(詐欺容疑で逮捕)は、インターネットを通じた申請手続きを担当していました。
申請名義人になった人は、自分の口座に給付金100万円が入金される前後に、通常15万円~40万円ほどの「手数料」を現金でメンバーに渡していました。

警視庁は、制度が始まった2020年5月から約5か月間にグループが約960件の不正受給を行い、計約9億6,000万円をだまし取ったとみています。
申請名義人は36都道府県に広がり、申請数は多い時で1日約60件に上っていました。

一方、谷口容疑者の知人男性によると、グループによる申請は2020年7月以降、中小企業庁の審査で却下されることが増えたようです。
以前に提出した書類と同じ内容のものを使い回したことが原因だったとみられます。

2020年9月には、給付金を受け取れなかった名義人から谷口容疑者に「話が違う」「手数料を返せ」などと苦情が相次ぎました。
谷口容疑者は「手数料を名義人に返せば、自分は罪に問われない」と話していたそうですが、2021年10月に突然、インドネシアに出国しました。

出国直前には「自分だけが悪者になっている」と不満を口にし、「インドネシアで金を作り、給付金を返す」と語ったそうです。
知人男性は「あまりにも身勝手で、反省しているようには見えなかった」と話しています。

谷口容疑者はその後、元妻と離婚し、最近はスマトラ島南部のランプン州で水産事業に関与していたとされますが、先日、不法滞在容疑で現地当局に拘束されました。

ちなみに、持続化給付金は、コロナ禍で売り上げが前年同月比で50%以上減った個人事業主などを支援する国の給付金で、法人200万円、個人100万円が上限でした。
申請期間は2020年5月~2021年2月で、約5兆5,000億円が支給されました。

報道が出た当初、経営する会計事務所でセミナーを開催していたみたいなことが書いてあったので、会計士か税理士かと思って調べてみたのですが、出てこなくて、ニセ税理士だろうなぁと思っていたのですが、税理士と偽っていたんですね。
著名な税理士だとすれば、ネットで検索すれば出てくると思いますが、ネットで検索しておかしいと思う人はいなかったんですかね?
国税庁や税理士会にはもっとニセ税理士の調査をして欲しいですね。
こういうことが、税理士の信頼性の失墜につながっても行けませんので。

税理士の谷口先生について、どう思われましたか?


弁護士らが給付金詐取の疑いで逮捕!

日本経済新聞によると、広島県警は、先日、新型コロナウイルス対策の持続化給付金など約600万円をだまし取ったとして、広島県東広島市の弁護士(47)と、広島県広島市南区の会社役員(56)を詐欺の疑いで逮捕しました。

広島県警捜査2課によると、給付金詐欺容疑で弁護士が逮捕されるのは全国初だそうです。

2人の逮捕容疑は、共謀して2020年10月~12月、広島県内でホテルを経営するために弁護士が設立した会社が、コロナ禍の影響で事業収入が減少したと虚偽の申請をし、20年11月に持続化給付金200万円を、12月に家賃支援給付金約392万円を、弁護士の会社の口座に入金させた疑いです。

なお、広島県警捜査2課は、2人の認否を明らかにしていません。

弁護士が搾取するとは驚きです。
弁護士なので法律のことは分かっているでしょうし、弁護士になるのに、時間もお金も費やしているでしょうから、捕まるようなことをするのが信じられないですね。
弁護士の人数が増えて、お金に困っていたのでしょうか?
個人的には、持続化給付金の設計自体に問題があった(設計がザルだったので、犯罪者をたくさん生み出した)と今なお思っていますが。

弁護士らが給付金詐取の疑いで逮捕されたことについて、どう思われましたか?


不祥事が相次ぎ東京国税局長を厳重注意!

産経新聞によると、国税庁は、先日、国の新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったとして東京国税局の職員が逮捕、起訴された事件など不祥事が相次いだことを受け、市川健太東京国税局長(59)を厳重注意処分とした。

国税局トップが処分されるのは、異例だそうです。

東京国税局では、先日、持続化給付金をだまし取ったとして職員(24)=詐欺罪で起訴=が仲間とともに警視庁に逮捕されたことが判明しました。

関係者によると、職員は税務署で税金未納者に対応する「徴収部門」に所属し、グループでは虚偽の確定申告書を作成する立場だったそうです。

厳重注意だけでいいのか?、東京国税局長だけでいいのか?と思ってしまいますね。
近年、国税局の職員の不祥事が多いですが、国税庁全体の採用や教育に原因があると思います。
採用が厳しい時代を反映していると言えばそれまでかもしれませんが、採用時には、資質を確かめ、研修も採用時だけではなく、その後も倫理なども含めて、絶えず教育が必要なのではないかと思います。
これは、国税庁だけではなく、金融機関なども必要なのではないかと感じますが。

不祥事が相次ぎ東京国税局長を厳重注意したことについて、どう思われましたか?


40年未完の電子受発注で中小企業はなおFAXの山!

日本経済新聞によると、官民挙げて「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が叫ばれても、中小企業の事務机からファクスの山が消えないようです。
日本では1970年代から企業間取引の「EDI(電子受発注)」システムが動き出しましたが、2次、3次の下請けは蚊帳の外のままです。
中小企業の大多数が不在のDXでは、サプライチェーン(供給網)の生産性は底上げされないでしょう。

鋼材加工メーカー、中島特殊鋼(愛知県大府市)は約400社の取引先を抱え、FAXで届く注文書の束に6人ほどの事務員がかかりっきりだそうです。
大量にある注文書の内容を一つ一つ販売管理システムに入力していく手作業だけに、時には転記ミスもあります。
中島伸夫社長は「なかなか生産性が上がらない」とこぼしています。

政府は2023年度に企業間取引における電子受発注の導入率を5割に高める目標を掲げています。
コロナ下のDX投資を追い風に足元では受注で5割近く、発注でも4割に達しました。
ただし、EDIでつながる取引先が1社でもあれば「導入」に数えており、サプライチェーン効率化の目安にはなりにくいでしょう。

実は中島特殊鋼も大口取引先5社との受発注はファクスではなくEDIでのやり取りですが、紙は減っていません。
大企業各社のEDIは独自仕様で互換性がなく、中島特殊鋼はEDI画面をいったん紙に印刷し、あらためて自社の販売システムに入力するからです。
業務負担はFAXとほとんど同じです。

中島社長は「EDIの取引先が増えすぎると、むしろ業務が煩雑になってしまう」と指摘しています。
1970年代に大企業が1次取引先と専用回線を結んだ「個別EDI」は、1980年代に入って業界ごとに仕様が統一され「業界標準EDI」に進化しました。
それでも専用端末が必要で導入コストが高かったため、2次、3次の取引先までの広がりはありませんでした。

1990~2000年代にインターネット時代を迎えて状況が一変しました。
一般消費者向け市場では「アマゾン」「楽天市場」といったプラットフォーマーが台頭しましたが、企業間取引は様相が異なっています。
EDI構築のコストが下がり、大企業だけでなく、その1次取引先もそれぞれの「ウェブEDI」を立ち上げました。
2次、3次の中小企業が見た目も操作方法も異なるウェブEDIの乱立に翻弄される「多画面問題」が発生したのです。

全体最適のビジョンを欠いたままのEDIでは、事務コストが下請けにしわ寄せされます。
全国中小企業振興機関協会の2021年の調査によると、「EDIを十分活用している」という中小企業は12%にとどまっています。
「大企業にとっては業務効率化であっても、中小企業にしてみれば面倒な話」と、中小企業庁のある担当者は、サプライチェーンのどこに位置するかによって温度差が大きい実態を明かしています。

中小企業庁は2016年から、業界の垣根を越えて使える新しい標準規格「中小企業共通EDI」を提唱しています。
これを大企業や業界単位のEDIと相互接続して多画面問題を解消し、FAXの山を突き崩したい考えですが、成否は見通しにくい状況です。

まず、大企業や業界それぞれの商慣習が壁になります。
例えば特殊鋼業界では日本製鉄、JFEスチールといったメーカーが顧客に合わせて特別にカスタマイズした「客先協定鋼種」などが全体の1~2割を占めています。
1990年代から稼働している業界標準EDIですら、特殊鋼の取引ではほとんど使われていません。

異業種との共通EDIで束ねる利害調整は容易ではないのです。
約15万社の中小企業がひしめく設備工事業界は、従業員が10人に満たない零細経営が8割を占めています。
資材卸会社の桧山電業(東京都板橋区)は1日100通を超えるファクスを受信しています。
EDIで扱える商品コードがない注文が多く、「絵を描いて発注する人もいる。」(檜山義則社長)ようです。

全国設備業IT推進会は、あいまいな注文を商品に「翻訳」するシステム開発を検討しています。
製造業のDXで先行するドイツは、中小企業のEDI導入などを無償で支援してきました。
2020年には欧州域内で業界横断のデータ交換をする基盤整備プロジェクトが動き出しています。
一方、日本のEDIは1970年代から40年余り「未完」のままで、コロナ下でもファクスのための出社を余儀なくされました。

それでも2023年10月に義務付けられる消費税のインボイス(適格請求書)とのデータ接続や、取引代金決済のための全国銀行協会のEDIとの連携など生産性向上の足場はいくつかあります。
官民とも「部分最適」の思考に引きこもっていては、社数ベースで日本の産業界の99.7%を占める中小企業の底力は発揮できません。

中小企業庁とITコーディネータ協会による2017年の実証実験では「中小企業共通EDI」によって受発注業務の所要時間を平均58%削減できました。
参加企業全体の総労働時間を6%短縮できる可能性があります。
ファクスや紙による事務処理はそれだけコストが高くついているのです。

中小企業は約360万社ある日本企業の99.7%を占め、就業者の7割にあたる約3,200万人が働いています。
2050年の日本の生産年齢人口は5,275万人と2020年比で約2,200万人も減る見通しです。
いつまでもファクスや郵便に依存していては人手不足でビジネスが回らなくなります。

電子帳簿保存法で2024年から注文書や請求書を電子的に受け取った場合、電子的に保存しなければなりません。
ファクスからEDIへとDXを促す法改正ですが、効果は見えにくいでしょう。
2023年のインボイス導入も必要最小限の対策でやり過ごす中小企業が多いようです。

6%時短の実現はサプライチェーンに強い影響力を持つ大手企業が左右します。
花王は業務用洗剤などの最終ユーザーとの取引で、中小企業にとってメリットの大きい共通EDIを広げていく考えです。
めぐりめぐって花王の利益につながるとの判断があるからです。

中小企業のファクスの山に生産性の伸びしろを見いだし、目先の利害関係を乗り越えて「全体最適」を目指せるか?、官民一体でいま動き出さないと間に合わないでしょう。

<売掛金の消し込み>
顧客からの入金が確認できた売掛金を帳簿から消していく経理処理のこと。
中小企業の過半は月に延べ5時間以上を費やしているとの調査もあります。
月末などに銀行口座の入金記録と自社システムに入力されている売掛金を一つ一つ手作業で突き合わせるため、面倒なのは入金と売掛金が一致しない場合です。
考えられる原因の一つはファクスで受信した注文書を自社の販売管理システムに入力するときの転記ミスで、大量のファクスの山から注文書の原本を探し出して確認しなければなりません。
これに対して中小企業共通EDIは受発注システムと販売管理システムを直結できる設計のため、転記ミスが発生しないのです。
発注会社の買掛金の経理処理でも同じ効果があります。

公認会計士・税理士という職業柄、書類などのやり取りが面倒でどうにかならないものかとよく思いますが、2023年10月からのインボイス制度導入をきっかけに、色々な電子でのサービスの提供が始まっています。
一方の手間がなくなっても、相手先の手間が増えていることもありますので、全体最適を考え、商取引の慣習を変えるくらいの変化が起こってほしいと思います。
最近、コストアップで苦しんでいる企業等も多いと思いますが、こういったバックオフィスの業務の効率化で少しでもコスト削減を図っていくお手伝いができればいいなぁと考えています。

40年未完の電子受発注で中小企業はなおFAXの山であることについて、どう思われましたか?


『サラリーマン川柳』がなくなる?

2022年06月07日(火)

ハフポストによると、長年「サラ川」と呼ばれ親しまれてきた『サラリーマン川柳コンクール』の名称から、「サラリーマン」がなくなることになったようです。

主催する第一生命保険は、先日、新たな名称を発表しました。
2022年9月下旬から募集開始予定のコンクールから、『サラっと一句!わたしの川柳コンクール』との名称になるそうです。

新たな名称について、第一生命は「職場や家庭の日常を、五・七・五にのせてユーモアたっぷりに表現していただくコンセプトは守りながら、一人ひとり異なる価値観やライフスタイルを持つ『わたし』が感じた日常を気軽にご応募いただきたいという想いを込めた」としたうえで、「老若男女問わず、幅広い方々にご案内でき、より長くご愛顧いただける名称を目指した」と語っています。

「サラ川」は2021年度に35周年を迎えました。
名称変更を決定した理由について、第一生命の広報担当者は「これまでも主婦や定年を迎えた人など、働く人に限らず応募を受け付けてきました。開始から35年の節目でもあるので、より開かれたコンクールとしてバラエティに富んだものになったらいいなとの思いを込めています」とハフポスト日本版の取材に語っていました。

「サラリーマン」という言葉は、男性を意味する言葉が使われていることから、男性を中心としてきた社会構造や男女の役割分担意識が反映されたものだという指摘があります。
第一生命の担当者は「様々な“働く人”が増え、働き方も多様化しています。そうした時流を踏まえたものです」としていました。

時代の流れを感じますね。
『サラリーマン川柳』は世間にかなり認知された名称だと思いますので、名前を変えることには第一生命保険も悩んだのではないかと推測されますが、新たな名称で、ブランドを構築していってほしいですね。
今後も、なるほどと笑顔になれるような川柳を世の中に出していってほしいと思います。

『サラリーマン川柳』がなくなることについて、どう思われましたか?


明治安田生命ががん検診受診で給付金が受け取れる業界初の保険を投入!

産経新聞によると、明治安田生命保険の永島英器社長は、先日、産経新聞の取材に応じ、女性特有がんである「乳がん」と「子宮頸がん」の検診を受けただけで給付金が受け取れる保険商品を2022年6月に投入すると明らかにしました。
検診の結果、異常がなかった場合も給付金が支払われる保険商品は業界初だそうです。
低迷するがん検診の受診率向上を促すとともに、女性の健康増進や活躍推進を図るのが狙いだそうです。

永島氏は「こうした保険商品で、がん検診の未受診者が受診するよう背中を押したい」と述べました。

新商品は、健康診断の結果に応じて保険料がキャッシュバックされる健康増進型保険の特約として販売します。
2年に1回、乳がんか子宮頸がんの検診を受けて、異常が見つからなければ検診支援給付金として2万円が支払われます。
がんと診断された場合は保険金に加え、入院や通院に対する給付金が支払われます。
特約の保険料は年齢に応じて月1,000~2,000円程度となります。

平成28年実施の国民生活基礎調査によると、国内の乳がんと子宮頸がんの受診率は約4割で、8割近い受診率のアメリカやイギリスに比べ低くなっています。
日本対がん協会の調査では、新型コロナウイルス禍で医療機関が逼迫した影響で、令和3年のこれらのがんの受診者数は令和元年比で1割近く減っています。

永島氏は、「保険金や給付金というお金の支払いという価値だけでなく、新しい保険の在り方や価値を追求する」と強調し、無病の時に健康増進を促す「体験型保険商品」の開発をさらに進める方針を示しました。

節税目的の保険がふさがれる中で、保険会社は各社新たな保険を出そうと努力されていると思いますが、どんどん新たな保険が出てくるといいですね。
入り口の商品として今まで保険に入られていなかった方などと契約して、主契約で稼いだり、その後、他の商品を販売することも狙いでしょうが、その際は、保険会社のためではなく、契約者のための保険を販売してほしいと思います。

明治安田生命ががん検診受診で給付金が受け取れる業界初の保険を投入することについて、どう思われましたか?


新生銀行の投資信託販売で計算ミスがあり6万人対象に調査中で追加納税のケースも!

新生銀行は、先日、投資信託の販売に際して取得価格の計算に誤りがあったと発表しました。

顧客によっては、売却した際の利益が少なく報告されているため、本来の売却益に従って追加の納税が必要になるようです。

2013年12月末までに取引を行った約6万人を対象に調査を進めています。

原因や影響規模は。現在調査中のようです。

投資信託を管理するシステムを更新した2013年12月末以前に取引を行った口座で取得価格の誤りが確認されました。

2022年3月にマネックス証券への口座の移管に伴う確認作業で、誤りが判明しました。

実際よりも取得価格が過大に計算されていた場合、利益は本来よりも少なく認識され、納税額も少なくなります。

新生銀行は「顧客には誠意をもって対応していく」としています。

合ってはならないミスですよね。
取引報告書などを使って確定申告したりするわけですから、当然に、合っているはずのものだからです。
個人的には、以前から、専門外の銀行が投資信託を販売するのはどうなんだろう?と思っていましたが、投資信託にあまり興味はないため自分ですることはあまりないと思いますが、やるときは証券会社でやろうと思った1件でした。
おそらく、今後は(も?)、クライアントの方に聞かれたときなども、そう答えるでしょうね。

新生銀行の投資信託販売で計算ミスがあり6万人対象に調査中で追加納税のケースもあることについて、どう思われましたか?


かんぽ生命の法人営業部門で759件で法令違反の疑い!

朝日新聞によると、かんぽ生命の法人営業部門で、必要な書類確認をせずに取り付けた保険契約が多数見つかっていることがわかったようです。
法令違反が疑われる契約は759社分に上り、営業社員の約1割の114人が関与しています。
郵便局員による不正販売が社会問題化していたさなかでも、かんぽ生命社員による不適切な取引が昨春まで続いていたようです。

かんぽ生命は朝日新聞の取材に対し、「全面的な確認・調査を行っていることは事実」と回答しています。

反社会的勢力による資金洗浄(マネーロンダリング)などを防ぐため、金融機関は犯罪収益移転防止法で取引時の本人確認が義務づけられており、法人の場合は公的に発行された証明書などで確認する必要があります。
かんぽ生命は、社内ルールでも必要な確認作業として定めています。

複数のかんぽ生命関係者によると、松江支店(島根県)で昨春までの十数年間、法人向け保険の契約時に証明書の確認をしていない事例が発覚しました。
これを機に昨秋に全社でアンケートを実施したところ、営業社員の4割(約460人)が「社内ルール違反の取引をしたことがある」と回答しました。
2015年10月以降の新規契約を調べた結果、法令違反の疑いが759社分の契約で見つかったそうです。

営業社員の4割が「社内ルール違反の取引をしたことがある」ようなところは、保険の販売をできないようにしたほうが良いのではないかと思いますね。
知識がないのか、ノルマが厳しいのか、モラルが低いのかなど、原因はよく分かりませんが、今後、販売を継続するにしても、組織を根本的なところから見直さないといけないのではないでしょうか?
ちなみに、東証1部上場企業ですから、上場企業としてもふさわしくない会社でしょうね。

かんぽ生命の法人営業部門で759件で法令違反の疑いがあることについて、どう思われましたか?


「税金を納める場合には無制限に貨幣を使えます」って本当なのか?

ゆうちょ銀行が硬貨の取扱手数料を徴収するようになったことを受け、「税金を納める場合には無制限に貨幣を使えます」という日本銀行新潟支店のコラムがSNS上で拡散されているようです。

問題は、その法的根拠です。
古い通達があります
「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」では、「貨幣は、額面価格の20倍までを限り、法貨として通用する」と規定されています。
それゆえ、500円、100円、50円、10円、5円、1円硬貨は、一度の取引でそれぞれ20枚までしか使えない決まりです。

なぜなら、大量の硬貨は計算や保管に手間がかかるからであり、受け取る側が了解するのであれば構いませんが、同意できなければ受け取りを拒否できるのです。
しかも、この法律には「納税の際はこの限りでない」といった例外規定も設けられていません。

しかしながら、この枚数制限はあくまで民間の取引に限られ、納税など「公納」の場合には適用されないというのが財務省の見解だと思われます。
1937年に当時の大蔵省理財局長が発出した「補助貨ヲ無制限ニ公納受領ノ件」という通達がその根拠です。

すなわち、この通達は現行法の前身となる「貨幣法」に存在していた銀貨幣(50銭、20銭、10銭)、白銅貨幣(5銭)、青銅貨幣(1銭、5厘)の通用制限に関し、公的な解釈に基づいて注意喚起を行っています。

これによると、銀貨幣は合計10圓まで、白銅貨幣と青銅貨幣は1圓までといった規定は民間取引上の通用制限を定めたものにすぎないから、租税その他の「公納」に際して少額の貨幣が使用されたとしても、無制限で受領すべきだといっています。

この通達はいまも有効であり、旧貨幣法から現行法に移行しても通用制限の趣旨には変わりがないから、財務省はこれに沿った事務を行うことになるのです。
現に国税庁は、税務署の窓口で所得税などを現金納付する際、使用する硬貨の枚数を制限していません。
この通達の趣旨に沿い、地方税などについて同様の取り扱いをしている地方自治体も多いようです。

2008年には、福岡の税務署で400枚の500円硬貨を使って滞納消費税などの一部を納めようとした市民に対し、硬貨を数える機械があったにもかかわらず、担当の税務署員が「間違ったらいけない」「それくらい払っても仕方がない」などと受け取りを拒否し、徴収課の幹部ともども謝罪に追い込まれる事態となっています。

ただし、この通達は収納代行をしている民間の銀行やコンビニエンスストアまで拘束するものではありません。
税務署の窓口ではなく、銀行で大量の硬貨を使って納税しようとしたら、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」に基づいて受け取りを拒否されたり、所定の硬貨取扱手数料を徴収されるかもしれません。

このように、税務署の窓口で硬貨を使って納税すること自体は適法であり、日本銀行新潟支店のコラムで触れられている話は本当です。
それでも、あまりに大量だと確認のための待ち時間がそれだけ長くなるし、事務も停滞して迷惑となります。

全国的に頻発するようであれば、財務省が先ほどの通達を廃止し、枚数制限をかける事態に発展するかもしれないですね。

それぞれの硬貨は20枚までしか使えないというのは以前から知っていましたが、税金などの場合は大丈夫ということは、今回初めて知りました。
僕自身は、今後はペイジーなども使ってみようとは思っていますが、現状、個人としては振替納税やPayPayや金融機関窓口やコンビニで支払っており、法人としては金融機関窓口などで支払っており、税務署の窓口で支払うことはないので直接関係ないとは思いますが、知っておいて損はない知識かもしれませんね。

「税金を納める場合には無制限に貨幣を使えます」って本当なのか?について、どう思われましたか?


税務署職員が女性のスカート内盗撮の疑いで逮捕!

関西テレビによると、出勤途中の駅のエスカレーターで女性のスカートの中にスマートフォンを差し入れ盗撮したとして、税務署職員の男が逮捕されました。

大阪府の迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕されたのは、大阪国税局「北税務署」の上席国税調査官(49)です。

警察によると、先日午前7時半ごろ、南海本線「なんば」駅の上りエレベーターで女性のスカートの中にスマートフォンをかざしたりポケットに戻したりして不審な動きをしている上席国税調査官を会社員の男性が目撃しました。

エレベーターを上り切ったところで、男性が呼び止め追及すると、上席億税調査官は「何やねん!」などと叫び、逃げようとしたため、駆け付けた駅員が取り押さえました。

警察が上席国税調査官のスマートフォンを調べたところ、女性のスカートの中などが撮影された1分程度の映像が残されていました。

調べに対し、上席国税調査官は、「女の人に対してスマホを出したりひっこめたりしたのは、腕の曲げ伸ばしをして、しびれを取りたかったから」と容疑を否認しているようです。

職員の逮捕を受け、大阪国税局の萩尾大介国税広報広聴室長は「誠に遺憾。事実であればあるまじき行為であり、組織として厳正に対処する所存です」とコメントしています。

コロナ禍で、税務調査を思うように進めることができないなど、国税局の方もストレスはあるのかもしれませんが、やってはいけないことをやっていますね。
最近、国税局の職員やOBが不祥事を起こすことが多くなっているように感じますが、税務調査をして、修正申告を促す立場にあるのですから、まずは人間としてきちんとした方が、国税局の職員になってほしいと思います。
局内での定期的な研修も必要なのでしょうか?
そうでないと、納税者の国税局へのイメージがますます悪化し、協力をえられないようになるのではないでしょうか?

税務署職員が女性のスカート内盗撮の疑いで逮捕されたことについて、どう思われましたか?


国税庁職員が3人以上の飲み会に参加し7人が新型コロナウイルスに感染!

NHKによると、国税庁は、先日、職員7人が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。
いずれも2021年7月上旬、3人以上の職場の飲み会に参加し、東京都のまん延防止等重点措置に基づく要請に従っていなかったということです。

国税庁によりますと、新型コロナウイルスに感染したのは、いずれも東京・霞が関で勤務し、課税部に所属する20代から40代の男女7人です。

7月6日から9日にかけて、この7人のいずれかが参加する異動に伴う送別会などが、東京都内で毎日開かれていたということです。

それぞれの飲み会は3人から4人で開かれ、長いもので2時間半続いたと説明しています。

この期間、東京はまん延防止等重点措置の対象となっていて、国税庁は職員に対し、都の要請に従い、飲食店で飲酒する場合には2人までで90分以内とするよう指示していたということです。

既に取り消されましたが、国税庁は7月8日、国のコロナ感染症対策推進室と連名で、酒類を販売する事業者に文書を出し「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の対象区域で、飲食店が要請に応じずに酒の提供を続けていることがわかったら、酒類の取り引きを停止するよう求めています。

国税庁は「自治体の要請に一部沿わない形で飲酒を伴う会合を行い、感染者が発生したことは遺憾であり、深くおわび申し上げます」などとするコメントを出しました。

加藤官房長官は、記者会見で「まん延防止等重点措置などのもとで、国民の皆さんにお願いをしている自粛内容があり、それに反する形で会食などに参加していたことは誠に遺憾だ。国税庁でまずは適切に対応するよう指示した」と述べました。

このような状況で、やめておこうと言う人はいなかったのでしょうか?
国税庁は、職員に対し、倫理教育など、根本的なところから教育が必要でしょうね。
僕自身も、コロナ禍で、できれば拒否したい税務調査を受けたりしていますが、こういったことがあると、拒否するところも出てくるでしょうね。
そんなことも想像がつかないような人ばかりなのでしょうか?
厳しく処分してほしいですね。

国税庁職員が 3人以上の飲み会に参加し7人が新型コロナウイルスに感染していたことについて、どう思われましたか?


勤務中に4,200回余りの株取引をしていた税務署員が停職1か月の懲戒処分!

NHKによると、京都府内の税務署で働く統括国税調査官が、6年間にわたり、勤務時間中にスマートフォンで4,200回余りの株取引を行ったとして、停職1か月の懲戒処分となったようです。

懲戒処分を受けたのは、京都府内の税務署の管理職で、法人税を担当する統括国税調査官の50代の男性職員です。

大阪国税局によると、この職員は、2021年3月までの6年間にわたり、トイレや会議のため電車で移動する際などの勤務時間中に、スマートフォンを使って、4,200回余りの株取引を行っていました。
2021年4月に内部調査で発覚し、これを含む株取引では、ほぼ毎年度、数十万円の損失があったということです。

職員は「大学生のころから株取引をしていた。スマホで1回の取引が10秒ほどででき、つい行ってしまった」と話しているということです。
調査の結果、未公表の内部情報をもとに株取引をするインサイダー取引は、確認されなかったようです。

大阪国税局は、職務に専念する義務に違反したとして、先日、停職1か月の懲戒処分にし、職員は依願退職しました。

大阪国税局国税広報広聴室の雲田泰弘室長は、「公務員としてあるまじき行為で深くおわびします。再発防止と信頼回復に努めます」とコメントしています。

こういう人が、税務調査の時とかの決裁者をやっているというのが、非常に残念ですね。
ここ6年で株価は結構上がっていると思いますが、ほぼ毎年数十万円の損失を出していたというのは、そもそも株式投資のセンスもないように思いますが。
依願退職ということは退職金も支払われると思いますし、おそらく税理士登録もできるのだと思いますが、不祥事で退職した場合、税理士登録をできないようにしないと、税理士業界の社会的信頼を失ってしまうのではないかと思います。

勤務中に4,200回余りの株取引をしていた税務署員が停職1か月の懲戒処分を受けたことについて、どう思われましたか?


「会社の運転資金が必要」と会社役員の男性から約4,800万円詐取した男性を逮捕!

東海テレビによると、「会社の運転資金が必要、出資を募っている」などとウソの電話をかけ、会社役員の男性から現金およそ4,800万円をだまし取った詐欺の疑いで、先日、男性が逮捕されました。

逮捕されたのは住居不詳の男性(28)です。

男性は、2018年3月、東京都世田谷区在住の会社役員の男性(28)に電話をかけ、「会社の運転資金が必要なので出資を募っている」「2,000万円から3,000万円位のお金が必要」などとウソの電話をかけました。

2021年4月に、今度はアプリを使って「法人口座の件ですが明日資本金の準備ができます。登記完了次第申請開始します」とウソの内容を送信しました。

その後は大阪市北区の飲食店で株式譲渡契約書等を作成させ、2018年5月18日から6月4日の間に5回に渡り現金およそ4,800万円を振り込ませてだまし取った疑いが持たれています。

警察によりますと、2021年3月に、被害に遭った男性から相談があり事件が発覚しました。
逮捕された男性は「ほとんど事実ですがだまし取ってはいません」と容疑を一部否認しています。

逮捕された男性は複数の借金の債務返済をしていたことが確認されていて、警察は単独犯とみて余罪などを調べています。

だまされた方もこんな持っているんだと感じますが、こういった詐欺は世の中には多々あるのでしょうが、よほど信用できる人や会社じゃないと危険でしょうね。
そもそも、設備投資資金でなく、運転資金で第三者から出資を募るというのも、普通はあり得るのだろうか?という気はしますが。

「会社の運転資金が必要」と会社役員の男性から約4,800万円詐取した男性が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


総務省第三者委員会が「担当課長らが違反事実を認識の可能性高い」!

NHKによると、衛星放送関連会社「東北新社」の外資規制違反問題をめぐり総務省の第三者委員会は、先日公表した報告書で、4年前に当時の担当課長らが違反の事実を認識していた可能性が高いと指摘しました。
そのうえで、そうであれば法律上行うべき認定の取り消しなどを行わず、子会社による事業承継の申請を追認した可能性が高いという点で「行政がゆがめられたとの指摘を免れない」としています。

東北新社の外資規制違反問題について検証を進めてきた第三者委員会は、先日、武田総務大臣に報告書を提出しました。

この問題は、総務省の幹部職員らに違法な接待を繰り返していた「東北新社」が4年前、外資規制に違反した状態のまま総務省の認可を受けて衛星放送事業の認定を子会社に承継していたもので、総務省側が事前に違反を認識していたかどうかをめぐる判断が焦点となっていました。

これについて報告書では、担当課長らは当時、外資規制違反の事実を認識していた可能性が高いとしています。

そのうえで、そうであればその時点で法律上行うべき認定の取り消しなどを行わず、子会社による事業承継の申請を追認した可能性が高いという点で「行政がゆがめられたとの指摘を免れない」としています。

一方、外資規制違反について担当局の総務課長に相談したとの東北新社側の主張については裏付ける証拠は確認されず事実認定には至らないとしているほか、担当課よりも上位の職員が違反を認識していたとうかがわせる情報は確認できなかったとしています。

また、認定・認可に関わった職員で会社側から接待を受けたのは4件合わせて5人で、このうち担当課長は東京ドームでのプロ野球の観戦チケットを受け取っていたことが確認されたとしていますが、会食で外資規制違反の事実の伝達や対応方針の相談が行われた事実は確認されなかったとしています。

ただし、会食の有無にかかわらず、行政がゆがめられた可能性があり深刻に受け止めるべきだとしています。

一方、当時の担当課長は第三者委員会の調査に対し、4年前の8月18日に総務省で面談し、違反について相談したという東北新社側の主張について「東北新社の役員と会ったかどうか覚えていない」と答え「外資規制違反について聞いたことはない。東北新社の役員に事業の承継をするよう指示したことはない。部下に伝えたことはない」などと述べ、すべて否定しているとしています。

衛星放送事業は総務省の認可が必要で、申請する企業は放送法の規定によって議決権のある株式の外資比率が20%未満であることが条件となっています。

ところが、東北新社は4年前、外資比率が20%以上となり放送法に違反した状態だったにもかかわらず、新たな子会社を設立して衛星放送の事業を継承していました。

この問題を、2021年3月、立憲民主党が国会で指摘し、その後、総務省は東北新社が総務省に認定の申請を行った時点で違反状態だったことがわかったとして事業の認定を取り消す処分を行いました。

国会の議論では、子会社への事業の継承を認可した総務省が事前に外資規制違反を把握していたかどうかが大きな焦点となりました。

総務省側は問題の発覚当初から「当時、違反しているという認識はなかった」と説明してきました。

これに対し東北新社側は、衆参両院の予算委員会に社長が出席し「総務省から認定を受けたあとに違反に気付いたため、会社の幹部が総務省の担当局の総務課長に報告したうえで、違反状態を解消するために子会社に事業を継承するアイデアも出した」と述べ、総務省側と全く異なる説明をしました。

名指しされた当時の総務課長は「事前に報告を受けた記憶はない」と繰り返し答弁しました。

こうした中、総務省は総務省幹部らが東北新社やNTTから違法な接待を受けていた問題を受けて行政がゆがめられたことがなかったかを検証するため、検察官出身の弁護士をトップとする第三者委員会を設置し、この外資規制違反問題を最初の検証対象としました。

一方、東北新社は社内に設置した特別調査委員会の報告書を先月公表し、社内で見つかったメールのやりとりなどから当時、総務省の担当局の総務課長に加えて、担当課長にも何らかの報告・相談を行ったと認定することが合理的だと結論づけました。

東北新社側が総務省への事前報告があったことを示す新たな証拠が見つかったと公表したこと受けて、総務省の第三者委員会が食い違う両者の主張についてどのように判断するかが注目されていました。

武田総務大臣は総務省で記者団に対し、総務省の第三者委員会がまとめた報告書について「報告書では総務省が外資規制の抵触を認識しながら東北新社の認定を取り消さなかった可能性が高く、そうであれば行政がゆがめたとの指摘を逃れないとの指摘があり、深く反省しなければならないと考えている」と述べました。

そのうえで「東北新社との会食が影響したとはされていないが4K・8K放送の推進への影響にちゅうちょし、外資規制違反を見逃したことは重大な問題であり、再発防止にしっかりと取り組み信頼回復に努めたい」と述べました。

一方、武田大臣は「当時の担当者はみな、外資規制の抵触の認識について否定しており、こうした段階では処分を行い得る状況にないと判断している」と述べ、一連の接待問題で国家公務員の倫理規程に違反した職員を処分する一方、現時点では報告書をもとにした処分は行わない考えを示しました。

放送事業者などが放送法の外資規制に違反していたことが相次いで明らかになったことを受け、武田総務大臣は審査体制の強化などの対策を検討するため有識者会議を設置する方針を明らかにしました。

衛星放送関連会社「東北新社」や、フジテレビを傘下におく「フジ・メディア・ホールディングス」が過去に放送法の外資規制に違反していた問題では、会社側が違反に気付いたあと適切な対応を取っていなかったことや総務省のチェックが不十分だったことが指摘されました。

これを受けて、武田総務大臣は総務省で記者団に対し「外資規制の実効性確保などについて有識者の意見をいただきながら検討を進める」と述べ、審査体制の強化などの対策を検討するため、有識者会議を設置する方針を明らかにしました。

総務省は有識者会議からの提言を踏まえ、来年の通常国会に必要な法案を提出する方針です。

また、今回の問題を受けて総務省が放送事業者に対し外資規制を守っているかどうか確認している調査について、武田大臣は対象の580社のうちこれまでに調査を終えた認定放送持株会社10社と在京キー局5社については、違反が確認されなかったことを明らかにしました。

何か中途半端な感じの第三者委員会報告書ですね。
個人的には、総務省に許認可の権限を与えるべきではないのではないかと思います。
そもそも、色々な疑いがかけられないように接待などを禁止すべきなので、会食が影響したかどうかというのは論点がずれているのではないのでしょうか?

総務省第三者委員会が「担当課長らが違反事実を認識の可能性高い」ことについて、どう思われましたか?


宝くじの意外なルール!

NEWSポストセブンによると、3月12日にバレンタインジャンボ宝くじの抽せんが行われましたが、日本にはジャンボのような普通くじをはじめ、ロトやスクラッチなど一攫千金の期待が膨らむ多種類のくじが存在しますが、一体どんなルールで運営されているのでしょか?
ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が、法令をもとに意外と知らない宝くじの疑問について解説しています。

コロナ禍で様々なイベントが中止、延期、無観客となる中、宝くじへの注目度が高まっているようです。
巣ごもり生活でネット購入が浸透して、若者や女性など、購入する層が拡大しているそうです。

宝くじには、年に5回行われるジャンボ宝くじに代表される普通くじ(開封くじ)やロト、ビンゴ、ナンバーズといった自分で数字を選ぶ数字選択式宝くじ、削ったその場で当たりがわかるスクラッチ(被封くじ)など、いくつかの種類があります。
普通くじや数字選択式宝くじは、ネット購入が可能です。

ところで、宝くじには、どういうルールがあるのでしょうか?
たとえば、宝くじの会社を設立して、オリジナルの宝くじをつくり、人々にくじを発売して、抽せんを行い、当せん金の支払いをする、といった事業を行うことはできるのでしょうか?少し、法令をみていくことにします。

<宝くじはどんな目的で発行されるのでしょうか?>
そもそも、宝くじは、どういう法律のもとで行われているのでしょうか?
日本では、宝くじは、「当せん金付証票法」(1948年制定)に基づいて発行されます。
普通くじは法律上、「当せん金付証票」となります。

数字選択式宝くじやスクラッチも、この法律に基づき発行されます。
このうち、ロト7やロト6のようにキャリーオーバーの仕組みがあるものは、法律上、「加算型当せん金付証票」となります。

当せん金付証票法の目的は、「浮動購買力を吸収し、もつて地方財政資金の調達に資すること」(第1条/この法律の目的)とされています。
つまり、地方財政のために行われているわけなのです。
また、宝くじの発売主体は、都道府県と20の政令指定都市の67団体とされています。

当せん金の総額は、その発売総額の5割相当額を超えてはならないとされています(加算型当せん金付証票の場合は、その額にキャリーオーバーによる加算金を加えた額を超えてはなりません。)。
これは、地方財政資金の調達という目的を踏まえての規制といえるでしょう。

<海外の高額宝くじを国内で買うのは違法?>
ところで、この法律に基づかずに、宝くじを独自につくって事業を行うことはできるのでしょうか?
じつは、日本では刑法第187条により、富くじの発売、取次ぎ、授受をした者は、犯罪(富くじ罪)として罰せられるのです。

このため、宝くじを勝手に作って発売したり、海外の高額宝くじを国内で通信販売などにより購入したりすることは“違法”となります。

なお、刑法には、第35条(正当行為)に、「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」という規定があり、国内で発売される宝くじは、当せん金付証票法という根拠法があり、この規定に該当するため、違法性がしりぞけられているわけなのです。

ちなみに、MEGA BIG、BIG、totoなどのスポーツ振興くじは、「スポーツ振興投票の実施等に関する法律」(1998年制定)に基づいて発行されています。
これらは法律上、「スポーツ振興投票券」となります。
いずれも根拠法があるので、違法ではないのです。

<海外の宝くじに比べて当せん金の最高額が少ないのはなぜでしょうか?>
海外のメディアでは時々、「宝くじで7億ドル(約750億円)を超える高額当せんが出た」といったニュースが流れることがあります。
「そんなに高額の当せん金を手にした人は、この先、一体どうなってしまうのだろうか」などと、余計な心配をしてしまう人もいるでしょう。

日本では現在、宝くじの当せん金の最高金額は、年末ジャンボ宝くじの1等・前後賞合わせて10億円、ロト7でキャリーオーバー発生時の1等10億円となっています。
スポーツ振興くじのMEGA BIGは、キャリーオーバー発生時に1等最高12億円とされています。
実際にこれまでに何回か、1等12億円が出ています。

こうした当せん金の最高金額は法律で規制されているのです。
当せん金付証票法では、以下の規定があります。

「証票金額(くじの金額)の50万倍に相当する額を超えてはならない。ただし、総務大臣が当せん金付証票に関する世論の動向等を勘案して指定する当せん金付証票については、(中略)証票金額の250万倍(加算型当せん金付証票で加算金のあるときにあつては、500万倍)に相当する額を超えない範囲の額とすることができる」(第5条/当せん金付証票の当せん金品の限度 第2項)

この規定に基づいて、年末ジャンボ宝くじの場合は、総務大臣の指定により250万倍までとされています。
1枚300円の宝くじの場合、最高金額は7億5,000万円までとなります。
現在の10億円は、1等7億円と、前後賞1億5,000万円×2本の合計なので、法律の範囲内となります。

もし1等当せん金を8億円などに引き上げるには、法改正が必要となります。
日本では「1等・前後賞合わせて30億円」といった超高額の当せん金の宝くじはできないわけなのです。

ちなみに、スポーツ振興投票の実施等に関する法律にも、その施行令で、同様に最高金額が規定されています。
1枚300円のMEGA BIGについては、キャリーオーバー発生時の1等当せん金の最高金額は、法令上500万倍の15億円が限度とされています。

<当せん金は本当に税金が一切かからないのでしょうか?>
宝くじについて、当せん金は所得税非課税なので「当せんした人は全額を受け取ることができる」という話がよく知られています。
確かに、当せん金付証票法では、「当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない」(第13条)と規定されています。
個人住民税についても課税対象の所得とみなされないため、課税されません。

ただし、当せん金に税金が一切かからないというわけではないので、注意が必要です。

たとえば、「宝くじに当たったら半分あげるよ」といった冗談を家族に言う人は多いと思われますが、もし本当に当せんして、当せん金を家族に分配すると、その家族には贈与税がかかります。

また、宝くじを仲間と共同で購入する「グループ買い」の場合、代表者が当せん金全額を一旦受け取り、あとで共同購入したメンバー各人に分配すると、これも贈与税の対象となります。

このようなケースでは、当せん金を購入者全員で受け取り、受け取った全員が「当せん証明書」をもらっておいたり、代表者が委任状を用意しておいたり、といった事前準備をしておく必要があるようです。
詳細については、事前に税理士や税務署に相談しておいたほうがよいでしょう。

また、法人が購入した宝くじが当せんした場合、当せん金は益金に算入されて、法人税がかかります。
法人税は非課税とはされていないためです。
こちらも、注意が必要といえるでしょう。

<警察に届けた遺失物の宝くじが当せんしていたら?>
最後に、当せん金付証票法の条文の中に、一風変わった規定があり、紹介されています。

「当せん金付証票の当せん金品の債権は、これを行使することができる時から1年間行使しないときは、時効によつて消滅する」(第12条/特別措置)

つまり、宝くじの当せん金の時効は1年とされていて、支払期日を過ぎると、受け取ることができなくなるわけなのです。

そこで、もし、当せんしている宝くじが遺失物として警察で管理されている場合、そのまま時効を迎えると、当せん金は受け取れなくなるのです。
こうした事態を避けるために、「警察署長は、(中略)時効により消滅するおそれがある場合に限り、(中略)当せん金品の支払又は交付の請求をしなければならない」という規定がおかれています。

この条文は、第11条の2 第2項として規定されています。
「第11条の2」という条番号からわかるとおり、これは、1948年のこの法律の制定時からあったのではなく、1954年の法改正時に追加された条文です。
その条文追加の経緯を調べてみると、当時、話題になった1つの事件が浮かんできたのです。

【大阪・岸和田市で起きた事件】
戦争で夫を失った女性が、安い月収で宝くじを売りながら生活していました。
そんな中、たまたま拾った宝くじが当たっていることを知りながら、落とした人が喜ぶだろうと考えてわざわざ警察まで届けたのです。

警察では、警察署長が債権保全のために民法の規定に従って忠実に管理義務を履行しようとしました。
しかし、当時の法律に基づくと、この宝くじの当せん金の支払いや交付は請求できませんでした。

やがて、このくじは時効を迎えてしまい、遺失物として届け出た女性は、謝礼金などを1円も受け取れなかったのです。
当時、この事件は話題となり、国会でも審議されたようです。
法改正の理由が、以下のように述べられています。

(前略)このことは、法律の甚だしき不備欠陥ともいうべきでありまして、正しい者の味方たるべき法律が却って善行者を抑圧し、結局正直者だけが馬鹿を見る結果となり、為に遵法精神は地を払い、社会道徳頽廃(たいはい)の因を作るものといわねばなりません。もともと当せん金附証票のごときは極めて紛失しやすい性質のものでありますから、岸和田市におけるこういつた事例は、今後も必ずしも絶無とは思われないのであります。(以下略)

【1954年5月6日の参議院大蔵委員会での発議者の説明】
もし、この法改正がなされないままだと、社会道徳頽廃の原因となったかどうかはさておき、このような経緯で、この条文は追加されたのです。

遺失物として管理している宝くじについて、当せん金の時効消滅が近づいたら、法律に従って警察署長が支払い請求をするはずです。
したがって、街中で宝くじの落とし物を拾ったら、遵法精神を遺憾なく発揮して警察に届けるべきと思われるが、いかがでしょうか?

最近は宝くじを買っていません(東京に住んでいたときは、何度か有楽町の宝くじ売り場まで買いに行きました。)が、この記事を読んで非常に勉強になりました。
上限等は法律で決められているんですね。
宝くじとか、ノーベル賞の賞金とか、皇族の財産とか、ギャンブルとかは、税金を含め、奥が深いですね。

宝くじの意外なルールについて、どう思われましたか?


「東証改革」の影響で2022年4月から「株主優待制度」が激減するかもしれない?

株主優待制度は株式投資に親しむ個人投資家にとって銘柄選別の上で欠かせない要素として機能しています。
特にこれから、優待の権利確定日が集中する3月がやってきます。
「第二の配当」として、お歳暮やお中元感覚で楽しみにしている人も多いでしょう。

マネー現代によると、実は、2022年4月から、株主優待制度を維持継続する企業が減ってしまうかもしれないようです。
その原因は、予定されている東証の新市場区分改革です。

東証は、現在の「東証1部」「東証2部」「JASDAQ」「マザーズ」という市場を、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に編成をし直す方針です。
あまり表立って話題になることはありませんが、大きな影響が出ると読む市場関係者は多いようです。

それでは、その市場区分改革ですが、何がどのように変わるのでしょうか?

現在言われているのは、プライムが現在の東証1部、スタンダードが東証2部とJASDAQスタンダード、そしてグロースがマザーズとJASDAQグロースに相当する、という説明です。

本当はこの説明はかなりミスリードを含む説明なのですが、とりあえずこの説明を基に、プライムと東証1部、そこで何が変わるかを見ています。

プライムと東証1部を大きく分かつ基準のポイントは、マザーズや東証2部からの経由上場の際に問題となる「時価総額」40億円という緩やかな基準がなくなる(問題の根源でもあった経由上場自体がなくなる)点です。

次の注目点として、逆に流通株式時価総額の基準が100億円以上に引き上げられることが挙げられます。
これはガバナンスの観点で、株式持ち合い解消の一層の加速化や親子上場の解消などに繋がる大きな変更と考えられるでしょう。

そして、「株主数」の大幅な緩和、上場時2,200人以上、維持基準2,000人以上が共に800人以上に緩和されたことは非常に重要なポイントになります。
このうち、株主優待制度の存続に関係するのは「株主数の大幅な緩和」です。
少し古いデータになりますが、上図は東証に上場する各企業の時価総額の分布です。
これを見ると、東証1部上場企業と一言で括ることがいかに無理のある事なのか、市場区分の見直しがなぜ必要だったのかも明確です。
そこには時価総額1兆円を越える企業がいる一方で、時価総額が40億円に満たない企業も存在しています。
あまりに振り幅が広くなっています。

時価総額は、発行済み株式数と株価の乗数になりますので、この表で500億円以上の時価総額を持つ66%の企業には、2,000人以上という株主数の上場維持基準は切実な問題にはなっていませんでした。
日本たばこ産業や第一生命など50万人、75万人などの規模で株主を抱える企業からすれば、2,000人以上という維持基準など何の意味もないのは当然です。

しかしながら、現実には経由上場という経路で時価総額基準のいわば特典を受けながら東証1部上場銘柄のステイタスを勝ち得た企業など、時価総額が100億円に満たないような企業の中には、東証1部への上場を果たしたはいいけれど、その後、上場維持に悩む企業が数多く存在しました。

特に、上場基準である2,200人以上の株主確保はファイナンスを通じて可能であったとしても、維持基準である2,000人以上の株主を確保することは、そう簡単な話ではなかったのです。

証券会社や信託銀行の一員として、企業の悩みに応えて個人株主増加策の立案や実施にあたってきた筆者をはじめ、実務ベースであたってきた証券関係者にとって、株主増加策の立案は最も重要な業務のひとつなのです。

その施策のひとつとして、株主名簿の分析や株主へのアンケートを通じ、彼らがどのような性格の人間であり、自社のどこに魅力を感じて投資しているのか、どの程度のスパンでの投資なのか、誰に勧められて投資したのかを明確化しています。
株主名簿は企業という商品の顧客名簿であり、マーケティングの「王道」です。

仮に公募増資などを通じて2,200人以上の株主を確保して東証1部に指定されたとしても、公募増資を通じて投資した顧客の主たる動機は短期間でのキャピタルゲインであり、半年もすればその4割程度は株を手放し、また次の銘柄に投資していくのです。

とすれば、流動化をあらかじめ加味して、3,000人以上、4,000人以上の経営として安心感を得られる株主数を確保することが重要になります。
その場合に、株主分析などを通じて自社の顧客が見えていれば、その類型化された顧客に、彼らが好む回路で彼らに評価される情報を届ける努力ができるのです。

また、個人株主が買いやすい金額、50万円以下、できれば20万円程度で自社株が購入できるように、単位のくくり直しをしたり、株式を分割したりすることも施策のひとつです。

ところが、これらはあくまで「理想の」施策です。
一方で、多くの実務家が勧めたのは、より現実的な株主優待制度の導入だったのも事実です。

冒頭に記しているように、株主優待制度は日本の個人投資家にとって、銘柄選定の極めて大きな要素となっています。
優待制度自体は、諸外国では皆無とは言えないまでも、ほぼ例を見られない日本独特の制度・風習です。冷静に考えれば、たとえばQuoカードでいくらかの金額をもらうのなら、配当に還元してもらえれば問題ないはずなのです。

しかし、このような冷静さと異なる次元で、私たち日本人は株主優待制度を「愛している」のです。
実際に株主名簿分析などでは、優待制度がどれだけ現実的に個人株主の獲得に効果的なのかが証明されています。

また、様々な企業で行われている株主へのアンケート結果からも、株主優待制度を導入している企業については、当該企業への投資動機の上位に株主優待制度の魅力が挙げられています。
こうしたことは、実務家や証券代行機関関係者にとっては周知の事実でしょう。

東証1部上場企業は1990年には1,191社でしたが、2020年6月には2,167社にほぼ2倍に増加しています。
一方で、株主優待制度導入企業も野村インベスター・リレーションズの調査によれば、1992年には251社だったものが、2020年4月時点では1,537社と約6倍、ものすごい勢いで激増しているのです。

さて、問題は、プライム市場の上場維持基準が東証1部の時の2,000人以上から800人以上に緩和される中で、株主数に不安を感じて、その強い動機から株主優待制度を導入した企業が、プライム市場への残留を達成した後も、そのまま株主優待制度を続けるかどうかなのです。

実務家ベースの実感として、株主数800人以上という制約については、特別な努力をしなくてもほとんどの企業が達成していける数字に感じるそうです。
一方で、株主優待制度については、損益計算上の会計処理の費目としては交際費であったり、宣伝広告費であったり、費用として処理されたりするケースがほとんどです。

通常の利益からの配当と同列ではないものの、事実上それは「第二の配当」であり、かつ、レピュテーション(評判)を考えれば一度導入を決めた場合、すぐに見直しのできないものであり、見積もらなければならないコストとして外部に流出していくものになります。

とすれば、プライム市場への移行にともない、株主優待制度の継続について見直しを図る企業が現れてきても不思議ではないのです。

そして、株主数の新規上場基準もこれまでの2,200人以上から800人以上に緩和されたことで、新規公開企業や、公開間もない企業が、従来のように株主優待制度の導入を図ることもなくなっていくでしょう。

異質さが際立つ株主優待制度であっても、それが日本国民が多数を占める日本の株式市場の個人投資家を前提にしたときに、文化的・慣習的に何かしらの共感や相互理解、信頼を生む制度であり、互いにとって有用であれば、生き残っていく制度になってしかるべきです。

しかしながら、単にそれが上場のための、上場維持のための、東証1部上場銘柄というステイタスを得るがためのコストにすぎなかった、と陳腐化してしまえば、やがて制度は霧散していくでしょう。

個人的には、株主優待目的の株式を数的にはそれなりに持っているので、この記事を見て驚きました。
コロナ禍においても株価は上がっていますが、株主優待がなくなっていくと、株式市場に水を指すかもしれませんね。
僕自身も、株主優待を購入の判断にしている面もありますし、株主優待があると、値段が上がったり、下がったりしても気にならないので、購入しやすいのではないかと思っています。
企業としても、株主優待がきっかけで来店したり、購入したりしている株主の方もおられるでしょうから、判断に迷う企業もあるでしょうね。

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2014年の金融商品取引法改正で導入の「取引推奨」のみでドンキ前社長が初逮捕!

旧ドンキホーテホールディングス前社長(57)の逮捕容疑となった金融商品取引法の「取引推奨」は、2014年の法改正で「情報伝達」とともに禁止されました。
証券取引等監視委員会によると、取引推奨のみで立件されたのは今回が初となります。

取引推奨は、TOB(株式公開買い付け)など株価に影響を与える重要事実を知った会社関係者が、公表前に利益を得させる目的で他人に株式の売買を勧める行為です。
法定刑は5年以下の懲役または500万円以下の罰金で、法人の両罰規定もあります。

こうした行為が禁止されたのは2012年、証券会社が顧客の機関投資家に対し、上場企業の公募増資に関するインサイダー情報を漏らした問題が表面化したことがきっかけです。
当時は処罰規定がなく、証券会社を処罰できなかったことから規制につながりました。

ただし、勧められて株を買った側は、重要事実を知らない限り処罰されないのです。
元監視委特別調査指導官の清水真一郎弁護士は「未公表の重要事実を知りやすい立場にある会社関係者を取り締まるのが規制の目的。推奨された方は外部の人なので対象外だ」と話しています。

こういう方は、上場企業の経営者として資質がないように思います。
上場企業の経営者が不祥事などを起こすたびに思いますが、上場時の経営者はそれなりにモラルなどはあるのではないかと思いますが、その後、経営者になった方の教育や研修などを証券取引所がしないといけない時代になっているのではないかと感じています。

2014年の金融商品取引法改正で導入の「取引推奨」のみでドンキ前社長が初逮捕されたことについて、どう思われましたか?


積水ハウス詐欺被害にめぐって「封印された報告書」の驚愕!

 積水ハウスが2017年に東京都品川区の老舗旅館「海喜館」の土地購入に際して、詐欺師集団「地面師グループ」に計55億円をだまし取られた事件をめぐって、積水ハウスが第三者の協力を得て事実関係を調べ上げていながら、詳細をひた隠しにしてきた「調査報告書」の全容が『週刊東洋経済』の取材でわかったようです。

同事件は詐欺の被害額としては史上空前の規模で、マスコミは大きく取り扱りいました。

当時、事態を重くみた積水ハウスは弁護士や公認会計士による調査対策委員会を発足させ、「なぜ、こういう事件が起きてしまったのか」を綿密に調べた上で調査報告書を完成させました。
ところが、その報告書は、2018年1月24日の取締役会に提出されたのみで、社外に公表されたのは2ページ半の「概要」のみです。
1年9か月が経った現在も、積水ハウスは全文公開を拒んでいるようです。

積水ハウス地面師事件において、阿部俊則会長(事件当時は社長)をはじめとする経営陣に善管注意義務違反を問う株主代表訴訟が起きていることは、ほとんど報道されず、知られていません。
その株主代表訴訟が今、大きな岐路にさしかかっているそうです。
調査報告書が一般公開されるか否かの瀬戸際にあるのです。

きっかけは2019年4月、大阪地方裁判所が積水ハウスに「調査報告書を提出せよ」と命じる判決を出したことでした。
この判決に積水ハウスは反発し、即時抗告しました。
「(調査報告書は)外部の者に開示することが予定されていない文書であって、開示されると個人のプライバシーが侵害されたり個人ないし団体の自由な意思形成が阻害されたりする」(積水ハウス側の意見書)といった理屈からです。

しかしながら、大阪高等裁判所は2019年7月、積水ハウスの抗告棄却を決定しました。
ついに、積水ハウスは調査報告書を裁判所に提出することとなりました。
ただし、同時に、積水ハウスは「閲覧制限」をかけるよう裁判所に申請し、あくまでも公開を限定的にするよう求めました。
現在も、報告書は閲覧できない状態が続いています。

積水ハウスが報告書の公開を頑なに拒むのは、そこに現経営陣が知られたくない事実が記されているからです。
そこには何が書かれているのでしょうか?
『週刊東洋経済』は調査報告書の全文を独自入手し、裁判資料との照合と関係者への取材を通して事実関係を押さえました。

〈通常起こりえないこと〉と、調査報告書は冒頭、事件をこう評しています。
普通の会社が、常識的な判断をしていれば起こりえない事件だった、という意味です。

事件の経緯を知る、積水ハウスのある関係者は東洋経済の取材にこう話しました。
「地面師グループが狡猾で手口も巧妙だったため積水はそれを見破れず、騙されてしまった・・・世間はそう思ったかもしれない。だが、この事件はそんな単純なものではない。調査報告書には、積水の経営陣にとって何が何でも知られまいとする事実が克明に記されている」。

たとえば、不動産売買において、売り主が本物であるかどうかの「本人確認」をすることは基本中の基本です。
高額取引であればあるほど、パスポートや公正証書といった書類確認ではなく、知人や近隣住民による生の目で本人確認を実施します。
にもかかわらず、本件で積水ハウスは、決裁日当日まで書類以外の本人確認を怠っていました。

打ち合わせの途中で、偽地主が自分の住所や誕生日、干支を間違えるといった不自然な挙措を見せてもなお、本人確認を実施していなかったのです。

「通常起こりえないこと」が、なぜ起きてしまったのでしょうか?
そして、なぜ積水ハウスの経営陣は報告書の公開に抵抗するのでしょうか?
『週刊東洋経済』10月12日(土)発売号を読むと、今まで報道されていたようなこと(詐欺だと疑う局面がいくつかあったが、スルーした。)が載っていますが、第三者委員会の調査に関する費用はそれなりにかかっているでしょうから、公表し、場合によっては関係役員が負担するのが当然のような気がします。
従業員は個人情報を守る必要があるかもしれませんが、役員については、守る必要があるようには思えません。
積水ハウスも被害者かと思いますが、被害者になるのを防げた案件のように感じますので、経緯や責任の所在を明確にして、きちんとした対応を取って欲しいと思った1件でした。

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PBRが1倍に接近でソフトバンクグループ株を巡り個人対海外勢の攻防が激化!

 ソフトバンクグループ株のPBR(株価純資産倍率)1倍割れが目前に迫り、東京株式市場で個人投資家を中心とする買い方と海外勢が主力とみられる売り方の攻防が激しくなっているようです。
2019年11月6日に予定されている2019年4月から9月期決算発表まで、綱引きが続きそうです。

 2019年10月25日は一時、前日比109円(2.7%)安の3,958円まで売られ、株式分割考慮後で2019年1月23日以来約9か月ぶりの安値を付けました。
アメリカのシェアオフィス大手ウィーワークの運営会社ウィーカンパニーの経営難をきっかけとした投資先企業の減損リスクが意識されているようです。

PBRは1倍ちょうど近辺まで下落しました。
1倍を割り込むと、実に2003年5月以来16年半ぶりとなります。

「寄り付き直後に3,999円の指し値で1,000株買い増した」と、金融資産が1億円超の「億り人」投資家、かぶ1000さん(ハンドルネーム、46)は話しています。
かぶ1000さんは割安株投資を得意とするようですが、「孫正義社長の先を見通す目利き力は健在だ。昔に比べると、通信子会社やファンドからの継続的な配当収入もあるなど、収益基盤は安定している。将来性の高い企業にも数多く投資しており、いまの株価水準は悲観的すぎる」とみているようです。

SBI証券経由の2019年10月25日時点の売買動向は売り56億円に対し、買いは71億円で差し引き15億円の買い越しでした。
かぶ1000さんのように割安とみて買い出動した個人が多かったことが分かります。

松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「米通信子会社スプリントの経営不振で株価が急落した際、自社株買いを発表して株価が急回復した経緯がある。今回も孫社長が何らかの対策を講じ、短期的なリバウンドが狙えるとみる個人投資家は多い」と話しています。

足元の信用買い残(2019年10月18日時点で2,303万株)は2008年7月以来約11年ぶりの水準に積み上がっています。
個人の思惑通りに株価が反発しないと、年末にかけては処分売りがかさむリスクはあります。

売り方は主に海外を中心とする機関投資家です。
QUICK・ファクトセットによれば、過去1か月の売り手口には仏ソシエテ・ジェネラル傘下のリクソー・アセット・マネジメント(456万株)や米バンガード・グループ(232万株)などインデックス運用の機関投資家が上位に並びますが、成長株投資で知られる米運用大手キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーの54万株も目立ちます。

農林中金全共連アセットマネジメントの山本健豪ファンドマネージャーは「適正水準の判断がつきにくく、いまは積極的に買う局面ではない」と話しています。
裏返せば、機関投資家の持ち高が必要以上に減少し、きっかけ次第で買い戻しが膨らむ可能性もあります。

ソフトバンクグループ株を巡る攻防から当分、目が離せそうにないようです。

僕も最近は株を売買はしていないですが、以前買っていた時は、結構PBRを見て買っていました。
当然、貸借対照表のすべてが時価で表されているわけではないのですが、一つの目安にはなるのではないかと思っています。
もちろん、過去の株価の推移、配当、株主優待、監査法人など、PBRだけ見ているわけではないですが。

PBRが1倍に接近でソフトバンクグループ株を巡り個人対海外勢の攻防が激化していることについて、どう思われましたか?


申告書等閲覧の際のスマホでの撮影が可能に!

 過去、税務署へどのような内容で申告を行ったのか、あるいは、どのような届出書や申請書が提出されているのかを確認する際には、一定の手順を踏む必要があります。
特に、税理士事務所にとっては、新しいお客様となった申告者の過去の申告や届出・申請状況を確認する必要が生じることがあり、重要なことです。

税理士が閲覧する場合には、閲覧したい申告対象者から委任状を取得し、税務署へ出向いて閲覧することとなりますが、従来は、閲覧した書類をコピーすることは原則できなかったため、現物を見て、必要事項を書き写すしかありませんでした。
内容や税目など、確認すべき項目が多岐に渡るとそれだけでも煩雑ですが、これらを書き写すとなるとその作業は地味に大変なのです。

この申告書等閲覧について、今般改正されたのです。
今般の改正により最も影響が大きいのは、令和元年9月1日より、閲覧申請者が写真撮影を希望している場合(委任状による代理人の場合は委任状に写真撮影を希望する記載がある場合(未記載であっても一定の場合には可能))、スマートフォンやデジタルカメラなど、その場で写真が確認できる機器を用いて写真撮影をすることが可能となった点なのです。
ただし、この場合でも、“動画”撮影はできません。
あくまでも“写真”撮影です。

また、収受日付印、氏名、住所等は隠して(被覆して)撮影することとなりますので、収受日付を控えておきたい場合には、写真撮影ではなく、引き続き書き写しが必要です。
そして、撮影した画像については、誰の申告書なのか分かるように、ファイル名を工夫するなどする必要があるでしょう。

時代を反映したものとは思いますが、画期的な改正ですね。
個人的には、e-Taxで見ることができるようにして欲しいと思いますが。

申告書等閲覧の際のスマホでの撮影が可能になったことについて、どう思われましたか?


JPアセット証券が石井浩郎参院議員に証拠金不足分を一時負担!

 自民党の石井浩郎参院議員(55)=秋田選挙区=が行ったデリバティブ(金融派生商品)取引をめぐり、JPアセット証券(東京)が、石井議員から担保として預かった証拠金の不足分を一時的に負担するなどの利益提供を行っていたことが`、先日、関係者への取材で分かったようです。
証券取引等監視委員会は、2019年8月30日付で金融商品取引法が禁じる「特別の利益提供」に当たるとしてJPアセット証券を行政処分するよう金融庁に勧告しました。

証券取引等監視委員会の発表などによると、検査対象となった2018年10月1日から2019年5月7日までの間、石井議員の取引では141営業日のうち111営業日で担保として預かった証拠金に約40万~6,200万円の不足が生じました。
しかしながら、石井議員が取引継続を要望したため、JPアセット証券は不足分を負担し、新規取引も受けていたそうです。

金商法に基づく内閣府令では「顧客に対し、特別の利益を提供する行為」を禁止しています。
証券取引等監視委員会は、JPアセット證券が石井議員の不足証拠金を負担したことが「特別の利益提供」に該当すると判断し、「社会通念上、妥当性・相当性を著しく欠く」と指摘しました。

石井議員は元プロ野球選手で、平成2年にドラフト3位で近鉄(現オリックス)に入団後、巨人、ロッテなどに在籍しました。
引退後は野球解説者などを務め、平成22年の参院選で初当選し、現在2期目で自民党副幹事長などを務めています。

石井議員の事務所は、「証券会社に負担させる結果となってしまったことは認識が甘く勉強不足だった。関係者におわび申し上げる。現在すべて清算している」とコメントしました。

また、JPアセット証券は、「個人情報に関わるので特定の顧客との取引については答えられない」とした上で「勧告を真摯に受け止め、再発防止に努める」としています。

石井議員は素晴らしいプロ野球選手だっただけに残念です。
議員になったのは知っていましたが、名前を聞いたりすることはなかったですね。
こういうことではなく、議員としての活動で報道などに出るように頑張ってほしいですね。
すごく真面目な方だと思いますので、これを反省して、議員として実績を積み上げていって欲しいと思います。

JPアセット証券が石井浩郎参院議員に証拠金不足分を一時負担していたことについて、どう思われましたか?


企業主導型保育事業に絡み信用組合から1億円超詐取!

 内閣府の企業主導型保育事業をめぐり、信用組合から融資金名目で約1億1千万円をだまし取ったとして、東京地検特捜部は、先日、詐欺容疑で福岡市の保育コンサルタント会社代表取締役(51)ら3人を逮捕しました。
保育コンサルタント会社代表取締役らは助成金の認定機関の印鑑を偽造するなどして融資条件だった同事業の助成決定を偽装したとみられ、特捜部は実態解明を進めています。

 他に逮捕されたのは福岡県大野城市の会社役員(34)と佐賀県基山町の会社役員(38)です。

逮捕容疑は、3人は共謀し、2018年10月、横浜幸銀信用組合(横浜市)に対し、児童育成協会(東京)から企業主導型保育事業の助成決定を受けたとする虚偽の書類を提出し、融資金約1億990万円をだまし取ったとしています。
融資金は同月、保育コンサルタント会社に振り込まれたそうです。

産経新聞が入手した保育コンサルタント会社作成とみられる「助成決定通知書」には、「公益財団法人児童育成協会 理事長」とする印鑑が押され、1億5,060万円の助成金支給が決定したように記載されています。

関係者によると、保育コンサルタント会社は企業主導型保育事業助成金の申請代行業を行っており、実際に今回の保育所開設についても申請されていましたが、児童育成協会は助成を決定していなかったそうです。
保育コンサルタント会社代表取締役らは、助成決定が事実のように横浜幸銀信組を信じ込ませるために同協会の印鑑を偽造して書類を作成し、提出したとみられます。

保育コンサルタント会社は、他にも福岡市内などで複数の企業主導型保育所の開設にかかわっており、特捜部は会社の経営実態や助成金受給の経緯などについても詳しく調べています。

悪質なケースですね。
ただし、こういったことが起きる助成金の制度自体に問題があるのではないかと思います。
助成金に限らず、補助金もそうですが、書類を申請者からではなく、発行者から直接入手することも考えないといけないでしょうね。
税務署などの届け出なんかも、似たようなことを感じるときはありますが。

企業主導型保育事業に絡み信用組合から1億円超詐取したことについて、どう思われましたか?


ソフトバンクグループの資金取引で国が税収4,000億円を「かさ上げ」!

 このブログでも先日取り上げたソフトバンクグループ(SBG)の資金取引によって、2018年度の国の所得税収が事実上、約4千億円かさ上げされたことが分かったようです。
ルール上はSBGに還付される見通しで、2019年度は同額の減収になります。
2018年度の税収は約60兆4千億円とバブル期を超えて過去最高になったようですが、これがなければ達成できなかった可能性があります。

SBGはイギリス半導体設計大手アーム・ホールディングスの買収を巡って税務上の欠損金が発生し、2017年度は法人税の負担がなかったことが分かっています。
2018年度と2019年度の税収もSBGの財務戦略の影響を大きく受けます。

税収のぶれの発端はSBGの国内通信会社であるソフトバンク(SB)が2018年12月に東京証券取引所に上場したことです。

SBGは傘下の中間持ち株会社が保有していたSB株のうち約16億株(34%)を売却しました。
売却で得た資金は、SBGが2019年3月に約2.1兆円の配当金として受け取っています。
配当は支払う段階で所得税の源泉徴収の対象となり、SBG側は約4千億円の所得税を国税当局に支払いました。

税法では親子会社の間の配当は特別扱いされ、非課税になります。
関係者によると4千億円は2018年度税収として国庫に納まりましたが、同額が2019年度にSBGに還付されます。
「これほど大規模に起きることはかなり異例」(財務省幹部)そうです。

国が見込む2018年度の所得税収は19兆4,750億円です。
SBGの資金取引だけで2%ほど増減してしまいます。
税収の上振れ分は補正予算や国債償還の財源となるため、今後の予算編成にも影響が及びます。

SBGは財務の規模と税務戦略で、他国のグローバル企業に比肩する存在となりました。
それに翻弄される財政当局の姿は、現実とのズレが大きくなった税制の現状を象徴しています。

個人的には、還付することが分かっているものを税収としてカウントするのは、どうなのかなぁと思います。
毎年、この金額がほぼ同じで、少額であればそれほど気にしなくても良いかと思いますが、こういった金額が大きなものが出てくる時代を考えると、そろそろ国も考え方を変えないといけないでしょうね。
これを含んだところで税収が過去最高と言っても、実態とはかけ離れていますからね。

ソフトバンクグループの資金取引で国が税収4,000億円を「かさ上げ」していることについて、どう思われましたか?


不動産鑑定士を脅かす「依頼者プレッシャー」の実態!

 「不動産鑑定評価」と呼ばれる不動産価格の求め方があります。
鑑定評価とは「不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること」であり、国家資格である不動産鑑定士(不動産鑑定士補も含む)のみが、不動産鑑定業者の業務として、行うことができます。

 具体的な評価方法等については、国土交通省が作成している不動産鑑定評価基準で定められており、以下のように、①原価法、②取引事例比較法、③収益還元法の3種類があります。
①原価法
不動産の価格を判定する時点で、評価対象となる不動産を再び一から作り直すとすればどれだけのコストがかかるかを求め、その価格から、対象不動産の建築後から現在に至るまでの間に目減りした価値を差し引いて現時点の試算価格を求める方法。

②取引事例比較法
収集した多数の取引事例の中から適切な事例を選択し、その取引価格に必要に応じて補正・修正を加えたうえで、対象不動産との関係で地域的、個別的な要因を比較して求められた価格を比較考量して、対象不動産の試算価格を求める方法。

③収益還元法
対象不動産が将来生み出すことが期待される純収益の現在価値の総和を算出することにより、対象不動産の試算価格を求める方法。
収益還元法には、不動産から得られる特定期間の純収益を一定率で割り戻すことによりその価値を求める直接還元法と、不動産の保有期間中に得られる純収益と期間満了後の売却によって得られる予定の価格を現在価値に割り戻して合算するDCF法の2種類があります。

鑑定評価を行うにあたっては、これら①から③のすべてを適用するのが原則となっています。

さらに、不動産鑑定評価基準では、①正常価格、②限定価格、③特定価格、④特殊価格という4つの価格の概念が定められています。
それぞれの意味は以下のとおりです。
①正常価格
市場性を有する不動産について合理的な自由市場があったならば、その市場で成立するであろう適正な価格

②限定価格
市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合または不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格

③特定価格
市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさない場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格

④特殊価格
文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格

不動産鑑定評価では、原則として①正常価格を求め、必要に応じて②~④を求めます。

なお、不動産鑑定士が不動産鑑定評価を行う際に、依頼者が評価をつり上げたりあるいは引き下げようと“圧力(依頼者プレッシャー)”を加えてくることがあり、高度の公正さが求められる不動産鑑定評価のあり方を歪めるものとして問題視されています。

この“依頼者プレッシャー”の発生を未然に抑止するための対応策として、日本不動産鑑定士協会連合会は、平成24年から「依頼者プレッシャー通報制度」を実施しています。

その名称が示すように、“依頼者プレッシャー”があった場合に、鑑定業者または不動産鑑定士から、日本不動産鑑定士協会連合会への通報を義務づけ、同会において審議のうえ、依頼者や監督官庁等にその旨を通知・通報する制度です。
通報が求められている「依頼者プレッシャー」の項目としては、以下のものがあげられています。
①評価内容に関する事項
・一定の不動産鑑定評価額の要請や誘導
・妥当性を欠く評価条件の設定
②評価業務に関する事項
・評価内容に影響を与える低廉報酬に関するプレッシャー
・著しく短期間での評価スケジュール

 もっとも、このような対策だけでは“依頼者プレッシャー”を防ぐことは難しいらしく、2017年7月5日付朝日新聞の「不動産鑑定、政治家や企業の圧力排除へ国交省が対策」と題された記事の中では、「国交省が公認会計士や税理士らに行ったアンケートでは、65%が依頼者に都合の良い鑑定評価額となっている可能性も否定できないと回答した」と伝えられています。

 公認会計士などが行う『株価算定』も似たような面があるのは否定できませんが、『不動産鑑定』も『株価算定』も第三者の意見として客観性を持たせるために行うことがそれなりに多いと思います。
それらを行う前に、依頼者が考える金額があると思いますので、それに近い金額を求めるのは、依頼者としてはある意味、仕方ないのかなぁと思います。
しかしながら、それらを受ける立場としては、場合によってはきっぱりと断る勇気を持たなければ、自身の信頼や業界団体の信頼の問題にもつながる可能性もありますので、毅然とした態度で対応しないといけないですね。
第三者の意見としての客観性に疑問が生じるようになれば、依頼されることもなくなってしまいかねませんからね。

不動産鑑定士を脅かす「依頼者プレッシャー」の実態について、どう思われましたか?


『仮想通貨』の名称を『暗号資産』に!

 仮想通貨の交換業者や取引に関する規制強化策を盛り込んだ改正資金決済法と改正金融商品取引法が、2019年5月31日午前の参院本会議で可決・成立しました。

 20カ国・地域(G20)などの国際会議で使う表現にあわせ、行政手続きでは『仮想通貨』の名称を『暗号資産』に改めるようです。
明確な規制がなかった『仮想通貨』の取引ルールをつくり、相場操縦や風説の流布といった行為を禁止します。

2020年4月に施行する見通しです。
『仮想通貨』は呼び名を『暗号資産』に改めて、円やドルなどの法定通貨との誤認を防ぎます。
新たに『仮想通貨』を金融商品取引法の規制対象に加えることで、少ない元手で多額の売買ができる証拠金取引にも投機的な売買を抑えるための規制をかけます。

金融庁は2017年4月、マネーロンダリング(資金洗浄)対策を念頭に資金決済法で『仮想通貨』の交換業者に登録制を導入しました。
ただし、その後もハッキングによる『仮想通貨』の不正流出やマネーロンダリング対策の不備といった問題が噴出しました。
事態を重くみた金融庁は、規制強化に向けた有識者会議を立ち上げてルールづくりを進めてきました。
今後、新たな規制のもとで投資家保護を徹底します。

最近は『仮想通貨』のイメージが悪くなっていると思いますので、呼び名を変えたかったのはあるのでしょうが、『暗号通貨』という呼び名は、他にはなかったのかという気はしますね。
呼び名を変えるだけではなく、法律をきちんと整備して、安心して『暗号資産』の取引ができるようになればいいですね。

『仮想通貨』の名称を『暗号資産』にすることについて、どう思われましたか?


電子申請システムなのに郵送の必要はあるのか?

 中小企業庁は、「認定経営革新等支援機関電子申請システム」を開始しました。

サービスの開始に伴い、第57号の新規申請及び2019年5月22日以降に申請する更新申請については、金融機関を除き、「認定経営革新等支援機関電子申請システム」を使った申請しか認められません。

ただし、申請書の郵送は必要となります。
また、変更届及び廃止届については、随時電子申請の対象となる予定であり、運用変更までの期間は従来通りダウンロードした申請書により申請することになります。

電子申請システムを採用し、電子申請システムを使わないと申請できないのに、申請書の郵送がなぜ必要なのでしょうか?
税理士の場合、電子申告とか電子申請を行うことがありますが、送信できない書類を除き、書類を郵送することはありません。
郵送しないことが、国税庁の保管コストや管理コストの削減に役立っていると思いますが、郵送が必要ということはどうも理解できません。
本当に中途半端なことはやめてほしいですね。

電子申請システムなのに郵送の必要があることについて、どう思われましたか?


公証人は検事正らの高収入再就職ポスト!

 読売新聞によると、法務省と検察庁が、地検の検事正クラスの幹部らを早期退職させる際、同程度の収入が見込める公証人への再就職をあっせんしていたことが複数の法務・検察関係者の話でわかったようです。
同省人事課がどの幹部をどこの公証役場に配置するかの原案を作り、直属の上司である高検検事長らが公募前にあらかじめ本人に意向を打診していたそうです。
こうした仕組みは、歴代の検事総長や法務次官も把握していたようです。

公証人は、任命の公平性や透明性を高め、民間への開放を促す目的で2002年度から公募制が導入されましたが、法務・検察の人事に組み込まれることで事実上、形骸化していたようです。

複数の法務・検察関係者によると、検察では全国に50か所ある地検の検事正経験者のうち、天皇が認証する検事長に昇進しない検事正クラスの幹部は、「後進に道を譲る」との理由で63歳の定年を控えた60歳前後に早期退職を打診されるそうです。
その際、検事長らから再就職先の公証役場名を告げられ、受け入れた場合、面接試験を経て公証人に任命されていました。

法務・検察内部では長年、①検事長経験者は公証人になれない、②早期退職を受け入れた検事以外は公証人になれない、③高収入の東京都内の公証人は原則、2か所以上の検事正経験が必要、④応募は意向打診で提示された役場に限定、⑤任期は就任後最長10年か70歳までなどの慣行が続いていようです。

人事課は、応募が競合しないよう公証人の任期と幹部の年齢、経歴を踏まえ、内部の慣行に沿って配置案を作成していました。
横浜や千葉など規模の大きい地検の検事正経験者は格が高いとみなされ、東京都心の公証役場が優先的に割り振られていました。

検事正の年収は2,000万円前後ですが、都内の公証人の手数料収入から経費を差し引いた年収は2,000万円~3,000万円程度に上るようです。
早期退職後も検事正時代と同等以上の年収が最大10年保証されており、複数の検察関係者は「公募とは名ばかりで、検察組織の新陳代謝を図るため、検察組織での最終的な地位に応じて論功行賞的に公証人ポストが割り振られている」と証言しているようです。

公証人は検察官や裁判官らが無試験で任命されてきたことから、政府の規制改革委員会で批判が相次いだのです。
2002年度から民間の司法書士らも選考対象とした公募制が導入されましたが、民間からの登用は司法書士出身の4人にとどまっています。

公証人は2019年3月末現在で、全国で497人です。
このうち検察官OBが4割の199人を占めています。
直近5年間に応募した弁護士2人、司法書士21人は全員が合格しなかった一方、検事正経験者を含む検察官OB113人は、1人を除き全員が合格しています。

法務省人事課は取材に対し、「公募に手を挙げてくれる人を確保するため、公証人の空きポストを公募前に情報提供していた。ポストを保障していたわけではなく、公証制度の維持のためにはやむを得ないと考えているが、問題があれば改善したい」としています。

ここで、公証人とは、遺言や金銭貸借など法的証明力が認められる公正証書を作成する人です。
裁判なしで強制執行できる証書もあります。
法務大臣が任命する公務員で、国が定めた手数料のみを収入とします。
①裁判官と検察官、②弁護士の「法曹資格者」、③地方法務局長や裁判所職員、民間の司法書士らの「特任」に分かれて市区町村別に公募され、官報などに告知されます。

法務・検察による公証人ポストの事前調整が、公募制の趣旨に反するのは明らかでしょう。
検事正クラスの幹部は、早期退職を受け入れた時点で事実上、公証人への再就職が内定しています。
複数の検事長経験者は「受かるかどうか分からないのに『辞めてくれ』と言えるわけがない」と口をそろえています。

公証制度を所管する法務省民事局はこれまで「応募を増やしたい」と繰り返してきたようですが、弁護士会や司法書士側への積極的な働きかけは行っていません。
そもそも、「出来レース」といえる公募に積極的に応募する有能な弁護士や司法書士がどれほどいるのでしょうか?

選考の仕方も極めて不透明です。
法曹資格者を対象とした面接試験は法務省幹部のみで行われ、選考基準も明確化されていないのです。

民間からの登用を増やすには、法務・検察が「既得権」を手放すことが先決でしょう。
その上で客観性の高い筆記試験を導入したり、面接に外部の目を入れたりするなど、選考の透明性を高めることが欠かせないですね。

あと、幹部らが公証人への就任時、最長10年で退職することを誓約する「念書」を提出していたことが関係者の話でわかったようです。
同省が検察出身者の任期を制限することで、公証人ポストを後任にスムーズに回す狙いがあったとみられます。

山下法務大臣は、先日の閣議後記者会見で、法務・検察による公証人あっせん問題について「公募に応募する人数が少ないこともあり、様々な工夫をしているようだ」とし、「法律やルールに照らしてどうなのか、国民の疑念を招かないよう、しっかりと確認し、適切に対応したい」と述べています。

こういったことを法務省と検察庁がしていて、良いのでしょうか?
そもそもOBがやらないといけない仕事なのでしょうか?
公証人は公務員なので、OBではなく現職の公務員がやれば良いのではないでしょうか?
本当に、どんどん弁護士や司法書士を採用してほしいと思います。

公証人は検事正らの高収入再就職ポストであることについて、どう思われましたか?


多額の預かり金を着服した弁護士に実刑判決!

 依頼者から預かった多額の預かり金を着服していた大阪弁護士会の弁護士(66)に懲役5年の実刑判決が言い渡されました。

判決によると、弁護士は、2013年から2014年にかけて19回にわたり土地建物の管理会社から預かっていたビルの「賃料相当損害金」を、自身の口座に振り込むなどの手口であわせて1億8,200万円以上を着服していました。

判決で大阪地裁は「(弁護士は)自宅の購入や事務所運営のための借入金の返済など資金繰りに窮していたが、依頼者からの預かり金を着服するという手段を選択したのはあまりにも短絡であった」などと指摘し、弁護士に懲役5年の実刑判決を言い渡しました。

本当にこういったことはやめてほしいですね。
弁護士を信用して頼んでいるのでしょうから、こういったことがあると、誰を信用して良いのかわからなくなり、弁護士の信頼性の低下につながってしまいます。
また、士業全体にも及ぶ可能性があります。
自分の職業にプライトを持って業務にあたってほしいですね。

多額の預かり金を着服した弁護士が実刑判決を受けたことについて、どう思われましたか?


CLO投資で農林中金に損失生じれば系統金融機関に甚大な影響も!

 先日、このBLOGでも取り上げた話ですが、Bloombergによると、農林中央金庫がローン担保証券(CLO)投資を急拡大していることに関連し、吉川貴盛農林水産大臣は、先日の参院農林水産委員会で、仮に損失が発生すればJAバンクなどの系統金融機関に甚大な影響を与える恐れがあるとの認識を示しました。
立憲民主党の藤田幸久議員への答弁としてです。

アメリカでは、CLOの裏付け資産となるレバレッジドローン(高リスクローン)の市場が過熱し、利回りの高さが投資家の人気を集め、2018年の発行額は過去最大となりました。
2018年末にかけて、イエレン前連邦準備制度理事会議長らが次々と同市場のリスクを指摘しました。
こうした事態を受け金融庁は2019年1月、大手7銀行グループに対し、CLOに特化した一斉調査を実施しました。

欧米のCLO市場において、日本の金融機関の存在感は大きくなっています。
スタンダード・アンド・プアーズのマネジングディレクター、スティーブン・アンダーバーグ氏は、2018年にアメリカで発行された最上位(AAA)格付けのCLOの半分から3分の2を日本の金融機関が購入したとみているようです。

中でも農林中金の投資残高は突出しており、開示資料によると、CLOを含む債務担保証券(CDO)の保有残高は2018年12月末時点で6兆8,219億円と、2018年3月末時点の3兆8,134億円から1.8倍に急増しました。

農林中金のCLO投資急増の理由について、農林水産省の大澤 誠経営局長は、農林中金からの説明として国際分散投資という運用方針に従って投資判断を実施する中で結果的にCLOへの投資が増加したと答弁しました。
吉川農林水産大臣は、「仮に損失が発生すれば、JAバンク等や農村地域に甚大な影響を与える恐れがあると認識している」と述べました。

吉川農林水産大臣は、また、農林水産省として金融庁と連携しながら、農林中金の有価証券運用状況を把握するための聞き取り実施や保有する有価証券などのリスクに見合った管理体制の整備を求めているとしました。

藤田議員は同委員会に農林中金の奥和登理事長の出席を求めていたが、農林中金側から「国会で答弁できるレベルの人が出席できない」との理由で欠席したと明かしました。

これだけの投資をしていながら、理事長が説明できるだけの状況を把握していないというのもどうかと思いますね。
また、多額の投資をしているわけですから、複数名状況をきちんと把握している人がいないと危険ですよね。
個人的には、農林中金の行く末が見えているのではないかと感じます。
CLOが原因で、日本の農業の発展が妨げられることのないよう期待します。

CLO投資で農林中金に損失生じれば系統金融機関に甚大な影響が出る可能性があることについて、どう思われましたか?


金融庁が3メガ銀や農林中金などをCLO投資で一斉調査!

2019年03月18日(月)

 Bloombergによると、米ローン市場の過熱に警戒感が広がる中、金融庁が今年1月、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など3メガバンクや農林中央金庫など大手7銀行グループに対し、ローン担保証券(CLO)投資に関する一斉調査を実施していたことが先日に明らかになりました。
複数の同庁関係者が匿名を条件に明らかにしました。

今回の調査の対象金融機関はMUFG、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、りそなホールディングス、三井住友トラスト・ホールディングス、農林中金、ゆうちょ銀行です。
このうち、事前調査でCLO投資残高の大きかった農林中金、ゆうちょ銀行、MUFGに対してはより重点的な調査を実施したようです。

具体的には、リスク分析や監視のシステムなど管理状況について調査したほか、10年前の金融危機時並みのストレスがかかった場合の損失規模について説明を受け、内容を精査しました。
関係者は、国際的にシステム上重要な銀行(G-SIB)に指定されている3メガ銀行などに加え、機関投資家として金融機関との契約を多数抱える農林中金、ゆうちょ銀で問題が発生した場合も金融システム全体に幅広く波及する恐れがあるとの認識を示しました。

アメリカでは、CLOの裏付け資産となるレバレッジドローン(高リスクローン)の市場が過熱しています。
利回りの高さが投資家の人気を集め、2018年の発行額は過去最大となりました。
2018年末にかけて、イエレン前連邦準備制度理事会議長、エリザベス・ウォーレン上院議員らが次々と同市場のリスクを指摘し、こうした事態を受け、金融庁はCLOに特化した調査に踏み切ったようです。

同庁関係者の1人は、最近、アメリカのレバレッジドローン貸付先企業で、自己資本に対する借入金などの割合を示す「レバレッジ比率」が上昇し、質が劣化してきていることに懸念を感じていると話しています。
こうした問題意識はすでに調査先に伝えており、金融庁は各グループのCLO保有について23か月後に再度一斉に点検する方針です。
CLO保有に急拡大の動きなどがあれば個別の調査も検討します。

農林中金の開示資料によると、CLOを含む債務担保証券(CDO)の保有残高は昨年12月末時点で68,219億円と、3月末時点の38,134億円から1.8倍に急増しました。
MUFG広報担当によると、CLO残高は同12月末で25,000億円程度で20163月末時点と同水準になっているそうです。
ゆうちょ銀の資料によると、同12月末のアメリカCLO保有は163億円と3月末時点から2倍に増えていました。
3グループとも格付けは最上位のAAAだとしています。

特に、農林中金は欧米のCLO市場で重要な投資家として圧倒的な存在感を持っています。
欧州で今年新たに発行されたCLO8案件のうち6案件で購入者に名を連ねました。
金融庁関係者は、農林中金は今回、ストレステストで納得できる結果を提出しており、現時点で管理状況には問題ないと判断していると述べました。

一方で、農協など下部組織からの預金受け入れ時に市中より金利を上乗せする「奨励金制度」の存在が農林中金をより高収益に駆り立てていると認識しており、投資行動を注視しているとしました。
農林中金広報担当によると、平均の預金金利は約0.6%。これに比べ、三菱UFG銀行の10年定期預金は年利0.01%となっています。

東洋大学の野崎浩成教授は、CLOの発行残高が「結構なピッチで増えてきている」との認識を示した上で「クレジット市場の変調に対し、非常に脆弱(ぜいじゃく)な部分がある。また、流動性も高いようで低い。その意味で市場のクラッシュというものに対し脆弱性を持っている」と指摘しています。
農林中金については「CLOそのものが危険だと言うつもりはないが、保有量のコントロールが必要な段階にきたと思う」と述べています。

MUFGの広報担当者はリスクは厳重に管理しているとコメントしています。
現在の保有分については市場リスクの量を常に計測しているほか、新規分についてはストレステストを実施し個別に確認しているとした上で、低金利環境の下、CLOは相対的に魅力的な投資対象だとの考えを示しました。

ゆうちょ銀行の大野利治執行役・財務部長は先日の会見で、市場や投資家のリスクに対する目線が厳しくなる中で、格付けが「AAA」のCLOは良い投資の選択肢の一つだと述べました。
農林中金の広報担当はコメントを控えています。

過去の経験を踏まえていないのでしょうか?
リスクを指摘されているのに、コメントが楽観的なような気がしますし、コメントを控えているのはリスクを認識しているからなのかもしれませんね。
リスクが露呈し、破綻に至らなければいいですけどね。

金融庁が3メガ銀や農林中金などをCLO投資で一斉調査したことについて、どう思われましたか?


「極ZERO」訴訟で国に敗訴したサッポロが控訴へ!

 これについても何度かこのブログに書いていますが、ビール系飲料「極ZERO」の酒税として納付した約115億円の返還を巡って国に敗訴したことを受け、サッポロビールが控訴すると発表しました。
「引き続き当社の正当性を主張してまいります」とコメントしています。

サッポロビールは、2019年2月13日、ビール系飲料「サッポロ 極ZERO」(以下「極ZERO」)の酒税として自主的に納付した約115億円の返還を巡って国に敗訴したことを受け、「当該判決を不服として、東京高等裁判所に控訴を提起する」と発表しました。
控訴は2019年2月18日付で行いました。

「極ZERO」は2013年6月に第3のビールとして発売しましたが、国税当局から同区分に該当しない可能性があると指摘され、製造方法に関する情報提供を求められたため2014年5月末の製造分をもって販売を停止しました。
差額分として酒税約115億円などを自主的に納めていました(製法を見直し、発泡酒として2014年7月に再発売しています。)。

サッポロビールはその後社内調査を進め、旧「極ZERO」は第3のビールで間違いなかったという結論に至ったため、酒税の返還を求めて2017年4月に訴訟を提起しました。
しかしながら、東京地裁は、2019年2月6日、「第3のビールには該当しない」と判断し、この訴えを棄却していました。

これを受け、サッポロビールは、「控訴審においても、当社の主張が認められるよう、引き続き当社の正当性を主張してまいります」とコメントしています。

国税庁が事前に基準を明確にしていないため、こういうことになっているのでしょう。
監督官庁として監督するのであれば、事前に黒か白かをはっきりさせて、後からごじゃごじゃ言うのをやめて欲しいですね。
民間企業の足を国が引っ張っているように感じます。
こういうことに時間や人やお金を割くことになり、企業の経営上、何ら良いことはありません。

「極ZERO」訴訟で国に敗訴したサッポロが控訴したことについて、どう思われましたか?


「嬉しそう 酒税を納める お父さん!」など反響を呼ぶ東京法人会連合会作成の子供用税金かるた!

 「嬉(うれ)しそう 酒税を納める お父さん!」「査察官 しっかり税を みつめてる」。
少し前から、中小企業でつくる東京の納税協力団体がこんな五七五を集めて子供向けに作成した「税金かるた」が反響を呼んでいます。
インターネット上では「税金の仕組みがよく分かる」とする一方、「笑うしかない」「つらくなる」との声が出ているようです。

この団体は、東京都新宿区の東京法人会連合会(東法連)で、2015年にかるたを作成しました。
自動車税やたばこ税などさまざまな種類の税が紹介され、適正申告を呼び掛ける札もあります。

市販はしておらず、都内の児童館や子供向け職業体験施設「キッザニア東京」(東京・江東)で配布してきました。
2019年に入って一部の保護者がツイッターに内容を投稿し、「『悲しそう 酒税を納める お父さん!』の間違いでは」「世知辛い」と批判的な受け止めも出ました。

東法連の担当者は、「賛否があるのは知っている。税に関心を持つきっかけになれば」とし、「遊びながら税に親しんでほしい」と話しているようです。

少し前から、僕もこの話を目にしましたが、ツッコミどころはあるにしろ、東法連の担当者の方がおっしゃっているとおり、税に関心を持つきっかけになればいいなぁと思います。
世の中にはたくさんの種類の税がある一方、多くの方がサラリーマンで、自分で確定申告をすることなく、年末調整で終わっており、税に関する関心が薄いかと思います。
少しでも多くの方が税に関心を持ち、おかしいなぁと思うことを主張していくことにより、税金の無駄使いを止めたり、税法が改正されると思いますので。

「嬉しそう 酒税を納める お父さん!」など反響を呼ぶ東京法人会連合会作成の子供用税金かるたについて、どう思われましたか?


ブリヂストンが12年ぶり大型M&Aの「適時開示」で“ミス連発”!

 M&A Onlineによると、ブリヂストンは、先日、オランダ企業買収に関する「東証適時開示」資料の中に3か所の訂正があったと発表しました。
ユーロ建て表示の買収金額の単位の取り違えに加え、ブリヂストンの代表者の役職名、問い合わせ先である広報部長の氏名に誤りがあったようです。

今回の買収金額は約1,138億円で、ブリヂストンにとって2007年以来12年ぶりの大型M&Aですが、その公表資料で大手企業らしからぬケアレスミスが3か所見つかるのは異例です。

「東証適時開示」は上場企業に義務付けられた「重要な会社情報の開示」のことで、公正な株価形成と投資家保護を目的としています。
なかでも経営権の異動を伴うM&Aの開示は新聞などでニュースとして報じられることが多くなっています。

ブリヂストンは、1月22日午後3時半に、欧州子会社を通じて、オランダの地図情報大手トムトム(Tom Tom、アムステルダム)傘下で車両の運送管理データなどモビリティー関連事業を手がけるトムトムテレマティクスを買収することで合意したとする適時開示を行いました。

ところが、同日午後6時、この適時開示に関し、一部誤りがあったとして訂正を公表しました。
開示内容の一部訂正そのものは珍しくないですが、3つの訂正がいずれも初歩的なミスだったことがかえって目を引いたようです。

買収金額は「910百万ユーロ(約1,138億円)」とすべきところを「910万ユーロ(約1,138億円)」としました。
邦貨換算があるので、単位の取り違えはご愛敬ともいえるでしょう。
代表者名は「取締役代表執行役CEO兼取締役会長 津谷正明」が誤りで、「代表執行役CEO兼取締役会長 津谷正明」が正しいようです。

もう一つは問い合わせ先となっていた広報部長の氏名が前任者のものとなっていたことです。
1月1日の人事異動直後だったとはいえ、ボンヘッドのそしりは免れないでしょう。

買収金額1,000億円超の大型M&Aは、2007年に更生タイヤ大手の米バンダグを約1,200億円で傘下に収めて以来12年ぶりというエポックです。
にもかかわらず、対外発表に際し、思わぬ不首尾に見舞われた格好です。

今回買収したトムトムテレマティクスはインターネットによる車両管理を手がけ、約86万台の車両にサービスを提供しています。
ブリヂストンは車両やタイヤの稼働状況に関するビッグデータを活用し、商品開発やメンテナンスサービスの品質向上につなげる考えです。
2019年4~6月に買収完了を見込んでいます。

外部に開示する書類なのに、ブリヂストンともあろう企業が、他の人がチェックしないのでしょうか?
開示というものを軽視しているのかもしれませんし、内部統制も機能していないかもしれませんね。
これを機に、内部統制も確認してほしいですね。

ブリヂストンが12年ぶり大型M&Aの「適時開示」で“ミス連発”したことについて、どう思われましたか?


違法に出資を募り83億円集金した旅行会社代表ら8人を逮捕!

 金融庁に登録せず、アメリカの投資会社「SENER(セナー)」による運用をうたった架空の金融商品で現金を集めたとして、警視庁生活経済課は、先日、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで、東京都港区白金台の旅行会社代表(46)ら男8人を逮捕しました。

警視庁生活経済課によると、旅行会社を巡り違法に集められた出資金の総額は約83億円相当で、うち9割以上が仮想通貨だったとみられます。
顧客は1080代の延べ約6千人で、国内のほか海外に住む日本人も確認されました。
このうち約42億円相当について、旅行会社代表らが集めていたことが捜査で裏付けられました。

旅行会社代表らは20172月ごろから月利320%をうたって現金や仮想通貨のビットコインで投資を募っていましたが、20176月に配当の出金が停止しました。
警視庁生活経済課は旅行会社代表らが実際には資金を運用せず、大半を私的流用した疑いがあるとみて、資金の流れを調べています。

逮捕容疑は、201725月、金融商品取引業の登録がないのに、東京都内や千葉県の4070代の男女9人から現金計約2,900万円の出資を受けたとしています。

東京の被害対策弁護団によると、出資の勧誘では、元本保証のうえ「先物投資で資金を増やす」などと説明し、出資した人には、新たな出資者を勧誘するよう求めていたそうです。

毎年、この手の話に引っかかる方がいらっしゃいますが、もし、月利320%得られるものがあれば、自分で何とか資金を集めて、自分でやると思いますね。
それにしても、83億円を集めるということは、優れたプレゼン能力などをお持ちでしょうから、普通に何かを売ればたくさん売れる方だと推測されますが、なぜこういったことに向かうのでしょうか?

違法に出資を募り83億円集金した旅行会社代表ら8人が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


「実態は紙のまま」のハンコ消えた?茨城県の改革に賛否!

 先日、このブログでも取り上げましたが、茨城県庁が全国に先駆けて進めた電子決裁をめぐり、庁内の見方が割れているようです。
担当課は電子決裁率がほぼ100%に達したことを「庁内改革の成果」とアピールしていますが、職員からは「実態は紙時代のまま」と疑問視する声が上がっているようで、どうなっているのでしょうか?

行政システムを担当する自治体職員の間で2018年の夏に、衝撃が走りました。
茨城県が20188月末に「電子決裁の推進開始から4か月で99.1%を達成」と発表したためです。
東京都など県内外の自治体や公共機関から40件以上の問い合わせがあり、視察の依頼も受けているようです。

電子決裁率の全国統計はありませんが、ほとんどの自治体は10%以下とみられます。
茨城県庁でも、2017年度は11.8%でした。
改善を迫られている自治体からすると、「どうやったらそこまで急上昇するのか?」というわけです。

茨城県は急速な改善理由を、2017年に年就任した大井川和彦知事の「強いリーダーシップによる改革の成果」と説明しています。
電子決裁システムは13年前からあったのに、利用が低迷していたためです。
ただし、職員からは99.1%という数字が「大げさだ」という批判も聞こえてくるようです。

複数の茨城県庁職員によると、現在でも部内レベルの決裁では従来通り紙の文書も手渡しで回覧され、決裁印の欄に印鑑を押して回しているそうです。
正式な決裁はパソコン上で行いますが、慣習として残っているようです。
茨城県庁の課長級職員は「画面で文書を確認するには限界がある。各自で印字するのも無駄なので、紙を回している。パソコン上の作業は承認のクリックだけ」と話しています。

端末上での確認が難しいのは、決裁書類に添付される資料が多いためです。
参考として付ける前年の文書などだけで数十枚に上るケースも少なくありません。
建設関係だと、大型の図面が付属するため、電子化すること自体が困難だそうです。

別の茨城県庁の中堅職員も「電子化するにはスキャナーで取り込む必要がある文書もあり、手間がかかる。電子決裁化で、一般職員の業務量はかえって増えているとも感じる」と話しています。

職員からの不満に対し、電子決裁を推進する茨城県ICT戦略チームは「行政プロセスの透明化という最大の目的が認識されていない」と嘆いています。
大きな目的の一つが、改ざん防止にあるからです。
紙の決裁だと、文書差し替えをすれば改ざんは容易である一方、茨城県の電子決裁システムでは決裁後に字句を変更することは不可能で、途中で変更をしてもすべて記録されるそうです。

負担増の批判にも「決裁判断に直接関係ない参考資料などは、電子化する必要はないと説明している」と反論しています。
茨城庁内のホームページに電子化に応じた決裁文書作成のマニュアルを載せていますが、一般職員には徹底されていないようです。

菊池睦弥チームリーダーは、「慣れるまで負担に感じるかもしれないが、正しく運用すれば必ず業務軽減につながる。根強い『紙文化』を変えるには時間がかかるが、理解に努めていきたい」と話しています。

確かに添付書類がたくさんあると読む気にもなりませんので、すべてを電子化する必要がないように思いますね。
個人的には、電子で決裁をするという話だと思いますので、書類にその要旨をまとめておけば、特に問題はないのではないかと考えます。

「実態は紙のまま」のハンコ消えた?茨城県の改革に賛否があることについて、どう思われましたか?


最高裁判所が『分かりやすい裁判』を目指す!

 有価証券報告書などの虚偽記載で株価が下落したとして、個人株主らが造船重機大手IHI(東京)に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁判所第1小法廷(池上政幸裁判長)が、先日開かれた弁論の前に、争点に対する意見を当事者に確認する「求釈明(きゅうしゃくめい)」をしていたことが分かったようです。
最高裁判所が事前に説明を求めるのは異例だそうです。
弁論では裁判長が双方の主張内容を確認しました。
何を主張したいのかをあらかじめ整理することで、当事者や傍聴人に「分かりやすい裁判」を目指した形のようです。

最高裁判所は書面審査が中心で、弁論は当日に当事者双方が主張を読み上げて結審するのが通常で、裁判官からの質問はほとんどありません。

IHI20073月期の有価証券報告書などに虚偽記載があったとして、2008年に金融庁から課徴金約16億円の行政処分を受けました。

訴訟でIHIは「値下がり分の一部は虚偽記載以外の理由によるもの」と主張しました。
金融商品取引法は「他事情」で値下がった分と証明できた場合に、その一部または全額の賠償を免除しており、上告審は「他事情で値下がったのはいくら分か」を裁判所が独自に算定できるかが争点となりました。

株主側代理人によると、先日、裁判長名の期日外釈明書が届いたようです。
争点に関わる関連規定の解釈について追加主張があれば書面を出すよう求めるもので、その後も「特に強調したい点」の書面提出を求められたそうです。
先日の弁論では当事者が主張を述べた後、裁判長が「このような理解でよろしいでしょうか?」と、改めて双方の主張を整理しました。

結局、最高裁判所の判決は上告棄却でした。

株主側代理人の葛田勲弁護士は「当事者が事前に提出した書類だけで弁論を行う一方通行の審理ではなく、最高裁で争点への議論が深まり、私たちの主張を理解した上で判決を出してもらえるのは喜ばしい」と話していました。

裁判所関係者は「最高裁の弁論を活性化させたいという問題意識は以前からあった」と明かしています。
ベテラン裁判官は「当事者と意思疎通を図ることで当事者にも傍聴人にも分かりやすい裁判になる」としていました。

この訴訟の内容がどうかはともかく、裁判所が『分かりやすい裁判』を目指しているということは、素晴らしいことだと思います。
職業柄、判決文などを参考に見たりしますが、分かりにくいなぁと思うことが多いので。

最高裁判所が『分かりやすい裁判』を目指していることについて、どう思われましたか?


ハンコはもういらない!

 茨城県は、これまで紙文書で占められていた茨城県庁の決裁事務について、電子決裁率がほぼ100%に達したと発表しました。
茨城県ICT戦略チームによると、都道府県レベルでは初とみられます。
同チームによると、茨城県庁では年間26万〜27万件の決裁事務があり、2017年度の電子決裁率は11.8%にとどまっていました。
電子決裁のシステムは以前からあったが実施率が低かったのは、「公務員特有の文書主義が原因」(担当者)だそうです。

しかしながら、IT企業出身の大井川和彦知事が20179月に就任し、4月から電子決裁による作業効率化を高めるよう指示しました。
その結果、7月分の電子決裁率は99.1%を達成しました。
残り0.9%(約200件)を分析したところ、いずれも今後は電子決裁が可能だと確認できたようです。

電子決裁のメリットは、①文書ファイルの検索・再利用が容易となる、②ペーパーレス化で書棚スペースを削減できる、③出張先など庁外でも決裁作業ができるため在宅勤務を進められるなどです。

特に期待されているのが、文書保管後の書き換えができなくなり、改ざんを防げることです。
現在開会中の茨城県議会で、大井川知事は「公文書の適切な管理は将来の説明責任を全うするためにも重要。電子決裁率を高めることで、改ざん防止の効果が期待できる」などと答弁し、電子化の推進に意欲をみせました。

お役所関係の仕事もさせていただいていますが、書類が多く、これをコピーし、ファイリングするだけでも結構な時間がかかるだろうなぁと思うことがよくあります。
あとは、ちょっとしたことでも押印が必要な書類の提出を求められたりします。
内部的なものはもちろんのこと、対外部との書類においても、電子化を進めてほしいですね。
そうすれば、何も生み出さない事務的な業務が減り、その時間を、ゆっくりとものごとを考えたり、じっくりと住民に対応する時間に回せばよいと思います。
また、働き方改革にもつながるのではないでしょうか?

茨城県庁の電子決裁率がほぼ100%に達したことについて、どう思われましたか?


成年後見センター・リーガルサポート会員の横領続出!

2018年08月31日(金)

FACTAによると、まるで恒例行事のように所属会員が横領事件を起こしている公益社団法人があるそうです。
「成年後見センター・リーガルサポート」(矢頭範之理事長、以下「リーガル」という)のことです。

リーガルは、日本司法書士会連合会が成年後見制度のスタート(2000年)前年、成年後見業務推進のために立ち上げた任意団体で、2017年9月の会員数は7,994人で、司法書士(22,283人)のほぼ3人に1人が加入しているそうです。

リーガルが“後見の受け皿”として創設された背景には、司法書士業界の過当競争があるようです。
司法書士の主要業務の不動産登記件数は、1996年の2,088万件が、2016年には1,164万件に半減している一方で、司法書士は1995年の16,818人から20年あまりで3割増えています。

ベテラン司法書士によると、「過当競争で食えなくなった司法書士たちがリーガルを立ち上げ、後見業界に大量に流れ込んでいる。リーガル会員にならないと、司法書士は家庭裁判所から後見人の仕事をもらえない」ようです。

後見人になれば、認知症の高齢者などの成年被後見人から毎月報酬が支払われます。
後見事務の報酬は最低でも月額2万円程度で、管理財産が5千万円超になれば5~6万円とされます。

2018年6月16日、リーガルの定時総会で、業務上横領を理由に2人の司法書士がリーガルを除名されました。
このうち神奈川県横浜市の司法書士は2017年、成年被後見人ら2名の口座から約200万円を横領し、事務所の運転資金、住宅ローンの返済などに充てていたそうです。

もう1人の北海道函館市の司法書士は2017年、成年被後見人の女性の銀行口座から300万円を横領し、借金返済に流用していたようです。
横領を隠すため女性の通帳の原本を改竄し、この司法書士を後見人に選任した函館家庭裁判所に虚偽の後見事務報告を行っていました。

2003年から2015年の間に横領事件を起こした会員は少なくとも18人いるようです。
横領金を返済すれば内々に終わらせるケースもあり、横領の実数はもっと多いとみられます。
2012年に逮捕された沖縄県の会員は県司法書士会の元会長で、4人の口座から1億2,350万円もの大金を横領し、懲役4年の実刑判決を受けました。
2014年度には3件の不祥事が公式に発表されていますが、うち1件は岡山県支部元役員が5千万円を横領したというものだったようです。

とくに開いた口がふさがらないのが、リーガルのナンバー2の専務理事の横領事件だそうです。
専務理事は、リーガル創設時からの主要幹部で、司法書士の専門誌「月刊司法書士」に成年後見に関する署名論文を発表するなど成年後見制度の旗振り役でした。
高齢者を守る運動の先頭に立つ人物が高齢者を食い物にした深刻な事件にもかかわらず、専務理事の所業は、ほとんど表沙汰になっていないそうです。

東京法務局長名の「懲戒処分書」(2016年7月28日)によると、専務理事は2012から2015年にかけて、被後見人3人の口座から約2,387万円を横領し「自己のために費消」しています。
東京法務局長は、専務理事の行為は「業務上横領罪を構成」し「司法書士及び成年後見制度の社会的信用を著しく損なう」と批判しましたが、処分は業務禁止止まりでした。
その後、専務理事は司法書士を廃業したそうです。

リーガルは内閣府の公益認定により信用を付与され、税制上の優遇措置を受けています。
「これだけ次々に不祥事を起こしているリーガルが、なぜ公益法人認可を取り消されないのか不思議」(一般社団法人「後見の杜」の宮内康二代表)との声が上がるのも当然でしょう。

相次ぐ横領事件の防止策として、リーガルは、会員が成年被後見人から預かっている通帳のコピーを添付して本部に報告させる一方で、成年被後見人の通帳原本を担当司法書士立ち会いの下に本部が確認する「原本確認調査」を始めました。

しかしながら、「個人情報の最たるもの」(ある司法書士)ともいえる預貯金通帳を、成年被後見人本人の同意を得ずに本部が確認する原本確認調査については、リーガル内部からも「プライバシーの侵害に当たる」と異論が続出しています。
コピーを添付して報告することについても反対者が相当数いるようです。

「後見人を監督するのは本来なら家裁つまり国の仕事なのに、家裁にその人員と能力がないため、一民間団体に過ぎないリーガルに丸投げしているのが実態。預貯金通帳は本人のプライバシーそのもので家族にとっても将来、相続財産になるかもしれないお金。国の機関でもないリーガルに法的根拠もないのに提出しろという方がおかしい」

しかしながら、リーガル執行部は、報告に応じない会員を「報告義務違反」を理由に次々に除名し、その数はすでに約30人に上るとみられます。
2018年6月の総会でも、新たに3人が同じ理由で除名されました。
これに対し反対派は、2年前の総会での除名決議の取り消しを求めて東京地裁に提訴するなど、対決姿勢を強めています。

原告代理人の山川幸生弁護士はこう語っています。
「成年被後見人等が嫌だと言っている内容を報告することは、本人利益に反し、後見人の利益相反行為になると考えます。会員を監督したいなら、会員自身の通帳をリーガル本部に提出させて、会員の経済状況を把握すべき。成年被後見人等の意思を無視したコピー提出はプライバシーの侵害で許されないでしょう」

リーガルが行うべきことは、不正を防止しつつ被後見人本人の意思をどのように尊重していくかを真剣に考えることでしょう。
ところが、リーガル執行部は「徹底的に話し合うことなく、多数決で反対派を除名して終わらせようとしている」と山川氏は言っています。

先の宮内氏は「成年被後見人の本人意思の尊重は、日本も批准した国連の障害者権利条約や後見人の在り方について定めた民法858条で最重要の原則になっている。本人意思を無視するリーガルには後見に携わる資格はない」と話しています。
なお、リーガル側は、FACTA誌の取材申し込みと書面による質問を双方とも拒否し、理由の説明もなかったようです。

リーガルでは、横領事件多発で、徹底解明や再発防止を目指し外部有識者による会議が設置され、2016年9月に報告書が出ているようです。
「組織文化を見直すべき」「解体的出直しが必要」と非常に厳しい内容でしたが、リーガルの現理事30名のうち24名は報告書以後に再任されており、組織文化も変化がないようです。
こんな団体が“後見の受け皿”で大丈夫なのでしょうか?

この記事を見る限り、自分で自分の首を絞めているような気がしますね。
問題を起こされている司法書士に、プロフェッショナルとしてのプライドはないのでしょうか?
自分の行為が、自らはもちろんのこと、司法書士業界の信用を落とすことが分からないのでしょうか?
司法書士に限らず、根本的な資質の問題もあると思いますので、試験制度自体も変えていかないといけないでしょうね。
あとは、後見制度も使うと自由に財産を処分できないといった理由などで下火になり、財産管理の手法としては、民事信託が増えてきているのではないかと思います。
こういった方々が、民事信託の方に移っていって、不祥事を起こし、民事信託のイメージが悪くならないようにしていただきたいと思います。

成年後見センター・リーガルサポート会員の横領が続出していることについて、どう思われましたか?


株主総会のお土産がなくなり遠のく個人株主!

 株主総会の会場から次々とお土産が消えているようです。
 2000年代までは総会への出席を促すために土産を配る企業は増えてきたようですが、想定以上に手間や経費がかかるようになり、揺り戻しが起きているようです。
 会場での混乱も起き、総会運営の担当者からは「悲鳴」も聞こえてきているようです。
 「え、お土産なくなっちゃったの?」
 先日、東京・千代田のホテルで開催されたオリックスの定時株主総会で、70代の男性株主は、入り口付近で今年から土産が配布されなくなったことを知って驚いたそうです。
 「今ではインターネットで情報もとれるので、わざわざ交通費を支払ってまで総会に足を運ぶメリットが少なくなってきた。土産は総会に足を運ぶ大きな理由のひとつだったのに……」と、がっかりした様子で会場に入っていったようです。
 オリックスだけではありません。
 20186月に開かれた総会では、明治ホールディングス、タカラトミー、NEC、富士重工業などがお土産の配布を取りやめたようです。
 株主総会の動向を調査している三菱UFJ信託銀行によると、招集通知に「お土産の配布を予定していない」と明記した企業の数は、2014年に64社でしたが、2015年は114社、2018年は194社まで増えたようです。
 お土産廃止が相次ぐ背景を探ると、個人株主数の増加が大きな要因であることが見えてきます。
 東京証券取引所が単元株の引き下げを要請したことで株式を購入する際の最低金額を下げる動きが広がりました。
 東京証券取引所などによると、個人株主数は2015年度に362万人増え、過去最大の伸びを記録しました。
 「当日会場に来られる株主と来られない株主の公平性を保つ必要があります」と、明治ホールディングスや富士重工など多くの企業がお土産廃止の理由をこのように説明しています。
 しかしながら、本当の理由はこれだけではなさそうです。
 あるコンサルティング会社によると、「お土産が重いから後で家に郵送してくれと言われたり、家族の分も要求されたり、とにかく対応が大変」と、総会運営の担当者がこうぼやくのを頻繁に聞くそうです。
 ある食品会社の担当者は、「入り口でお土産だけ受け取って、帰ってしまう株主が多い」と嘆いているようです。
 お土産を紙袋に詰める作業に忙殺されるのも悩みの種だそうです。
 出席者を増やそうとしたら、思いのほか増えすぎてコストが膨らんだという笑えない事情もあるようです。
 お土産の配布を続けている素材大手の投資家向け広報(IR)担当者は「お土産をやめて出席者数が減れば小さな会場に変更できる。本音を言えば費用対効果を考えて廃止したい」と話しているようです。
 配布をやめる企業が増える分だけ、お土産を続ける企業に株主が流れ込む現象も出ているそうです。
 「NTTドコモ株主総会お土産 3,500円」「ホンダの株主総会で配られたNSXのキーホールダー 6,000円」--。
 フリーマーケットアプリの「メルカリ」やヤフーのネットオークション「ヤフオク!」には、今年も株主総会直後に土産が次々と出品されているようです。
 自社製品への理解を深めてもらうという配布目的は必ずしも達成されているとはいえないようです。
 ヤフオク!では、お土産を配布する株主総会の入場券が売られていた例もあるそうです。
 株主総会の動向に詳しい大和総研の吉川英徳氏は「個人株主が多くなったことで、ただ出席してもらうだけでいいのか、なんのために総会をやるのかということを企業は考える必要がある」と指摘しています。
 オリックスの今年の出席者数は540人と、前年(2,400人)から大きく減り、2年前の630人より少なかったそうです。
 お土産をなくしたことが出席者減少の一因と考えられます。
 ただし、個人向けIR1年に30回開催したり、株主優待を拡充したりするなど別の形で株主と向き合う工夫をこらしています。
 企業は株主との新しい対話のあり方を模索する必要に迫られているようです。
 僕も株式投資を行っていますが、高松市で株主総会を行う企業の株は持っていないため、株主総会に行くことはありません。
 株主に対するものであれば、個人的には、地理的な有利不利が生じますので、株主総会でのお土産ではなく、配当や株主優待に反映してほしいなぁとは思いますので、お土産がなくなっていっているという流れには、賛成です。
 株主総会のお土産がなくなり個人株主が遠のいていることについて、どう思われましたか?

シュレッダー業務3年専従後に解雇された元社員が会社を提訴!

 日本ハムの子会社の男性元社員(54)が、3年間終日シュレッダー業務をさせられた後、不当解雇されたとして、日本ハムの子会社に社員の地位確認などを求め、大阪地裁に提訴したようです。  先日の第1回口頭弁論で、日本ハムの子会社は請求棄却を求めました。 訴状によると、元社員は1997年、「日本ハム近畿直販」(現・日本ハム西販売、大阪市)に総合職で入社し、営業などをしていたようですが、遅刻や居眠りで指導され、2014年10月に、シュレッダー業務への専従を命じられました。
 元社員は午前8時半~午後5時半、機密書類を細断する仕事を続けましたが、2017年11月、「勤務不良」を理由に解雇されました。  元社員はシュレッダー業務について、「総合職の仕事を長年続けた社員に対し、通常では考えられない人事措置で、退職させる目的のもの」と主張し、慰謝料など220万円も求めています。  日本ハムの子会社は、「元社員は勤務態度に多くの問題点があった」と反論しています。
 取材に対し、「元社員との認識にずれがあり、法廷で主張する」としているようです。 シュレッダー業務を巡っては、「アリさんマークの引越社」として知られる「引越社関東」の社員が起こした東京地裁の訴訟で、労働組合加入後に異動させたことを引越社関東が謝罪し、2017年に和解しています。
 勤務態度がどうだったのかはよく分かりませんが、営業などをしていた人がシュレッダー業務専従というのはどうなんでしょうね。
 勤務態度が悪かったのであれば、他に何か解決の方法などはなかったのでしょうか?  シュレッダー業務3年専従後に解雇された元社員が会社を提訴したことについて、どう思われましたか? 

着服金でプロレス観戦していた元弁護士を再逮捕!

 依頼者からの預かり金約7,000万円を着服したとして、警視庁捜査2課は、先日、業務上横領容疑で、弁護士法人の元代表で元弁護士(51)=別の業務上横領罪で起訴=を再逮捕しました。
 元弁護士は容疑を認めているようです。
 再逮捕容疑は、平成235月中旬、中野区に住む50代の女性から、遺産分割請求や不動産売買交渉などの業務を依頼された際、預かり金約7,000万円を着服したとしています。
 元弁護士は、別の依頼者の女性からの預かり金約5,300万円を着服したとして、同容疑で逮捕、起訴されていました。
 警視庁捜査2課によると、元弁護士は着服したカネを事務所の運営費のほか、趣味のプロレス観戦や、応援するプロレス団体のイベントの協賛金などに充てていたそうです。
 最近、自分の職業にプライドを感じられない士業の人が多くなっているので、非常に残念に思います。
 一人の行動が、業界全体の信用を落としますので。
 改めて、自分が公認会計士を目指した時のことを思い出して、業務に邁進したいと思いました。
 着服金でプロレス観戦していた元弁護士が再逮捕されたことについて、どう思われましたか?

国税庁運営の「法人番号公表サイト」の検索機能の一部に不具合!

 国税庁が運営する「法人番号公表サイト」(以下、公表サイト)の検索機能の一部に不具合が生じていることがわかったようです。
 公表サイトでは約460万社の法人番号などの検索が出来ます。
 しかしながら、このうち推計2万社が所在地から商号や法人番号を検索できない状態にあるようです。
 公表サイトでは、「丁目」を算用数字で登録します。
 例えば「霞ヶ関三丁目11号」は、「霞ヶ関3丁目1-1」に変換して登録し、所在地から商号や法人番号を検索する時は、算用数字のルールに従うようにサイト上で案内されています。
 しかしながら、商業登記簿の記載ミスや存在しない住所、旧字など外字の認識エラーがあると算用数字に変換できません。
 その場合、漢数字のまま「三丁目」と登録され、公表サイトのルール通りでは検索できないことがわかりました。
  国税庁の担当者は、東京商工リサーチ(TSR)の指摘に対し、「ソフトウェアを利用してクレンジング(データ整理)しているが、置き換わらないとそのまま表示する仕様」と困惑しながら原因の可能性を説明したようです。
 法人番号は取引先などの情報収集を効率化できます。
 なお、TSRでは、法人番号と国内企業のTSR企業コード、全世界の企業や事業所を網羅するD-U-N-S ® Number (ダンズナンバー)がリンクし、国内企業を世界に紹介すると同時に、グローバル企業を一元化した情報も提供しています。
 法人番号は201510月から運用が始まり、1法人に1つ、13桁の番号を付番しています。
 公表サイトでは、基本3情報(商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号)が公表されています。
 国税庁によると、各法人が法務局で登記を完了すると、法務局から国税庁にデータが提供されています。
 国税庁は住所管理のソフトウェアを使用して公表サイトの住所データを作成し、作業は外部に委託せず国税庁で行っています。
 公表サイトは所在地データを一定のルールで加工しています。
 商業登記簿上の所在地が漢数字の「一丁目」は、算用数字の「1丁目」に置き換え、表記も算用数字で統一し、公表サイトでも算用数字で検索を求めています。
 しかしながら、法務局から提供される元データの不備や外字の認識、すでに使われていない住居表示などで漢数字から算用数字に変換できない場合、そのまま登録されており、漢数字の「丁目」が残存する原因になっています。

 TSRの調査では公表サイト全件のうち、所在地が漢数字の「丁目」の登録は約3万社あります。
国税庁担当者は、「ルール外の漢数字の丁目が登録されている件数は把握できていない」と説明しています。
「花巻市十二丁目」など地名が「丁目」だったり、ビル名に「丁目」が入るケースもあり、推計2万社が「ルール」外の登録で検索できない可能性が浮上してきました。

TSRの取材に対し国税庁の担当者は、「法務省と連携し正しいデータを提供していきたい」とコメントしています。
官報の破産や減資などの公告に法人番号が記載されず、まだ行政の連携は十分と言えません。
法人番号の利用促進には、より正確で利便性を高めた動きが必要でしょう。

役所の縦割り行政が影響しているのでしょう。
個人的には、職業柄、法人の正式名称、法人が存在するかなどを調べるために、まぁまぁ使っていますが、今回のエラーに該当するような会社にあたったことはなかったですね。
公表する際には、サンプルベースできちんと運用できるか確かめたうえでやってほしいですね。
やるのであれば、中途半端なものではなく、きちんと使えるものにしてほしいですね。

国税庁運営の「法人番号公表サイト」の検索機能の一部に不具合が生じていることについて、どう思われましたか?


依頼人の5,300万円の横領容疑で元弁護士を逮捕!

 依頼人に支払うために預かっていた5,000万円余りを着服したとして、警視庁は、先日、元弁護士(51)を業務上横領の疑いで逮捕したと発表しました。
元弁護士は容疑を認めているようです。
 警視庁捜査2課によると、逮捕容疑は弁護士事務所の代表だった20136月~20157月、遺産分割協議を任されていた東京都江東区の70代女性に支払うために、女性の親族の代理人から預かっていた約5,320万円を、事務所の口座から無断で引き出し着服したというものです。
 飲食費や事務所の経費に充てていたようです。
 別の依頼人からも8,000万円余りを横領されたとの申告があるといい、警視庁捜査第2課が調べています。
 元弁護士は、20177月、依頼人に渡すべき解決金などを横領したなどとして、所属していた東京弁護士会から除名処分を受けています。
 1年間に何件かは、弁護士による横領事件が起きていますね。
 ある意味、世の中で最も信用のある職業である弁護士がこのような事件を起こすということは、自らの手で自らの資格の信用を落とすということであり、プロフェッショナルとしての自覚はどこに行ったのでしょうか?
 我が公認会計士業界でも、不祥事を起こされる方が1年間に何人かおられますが、自分だけの問題ではないということを自覚しておいて欲しいですし、僕も、常に忘れずにおかないといけないなぁと改めて思いました。
 依頼人の5,300万円の横領容疑で元弁護士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?

公共事業評価の4分の1に問題!

 公共事業を実施するか否かの妥当性が、多くの事業で不適切に評価されていることがわかったようです。
将来の人口減少を考慮せずに事業効果を水増ししたり、維持管理費を無視して費用を過小評価したり、総務省がサンプル調査した各省庁の532事業の評価のうち、約4分の1に問題があったようです。公共事業は国の政策評価法令上、①10億円以上の新規、②政策決定後5年経っても未着工、③決定から10年経っても継続中の場合、所管する各省庁は着工や継続の妥当性を評価しなければなりません。
妥当性判断のポイントは、事業で得られる効果「便益」を金額にして算出し、投じる費用で割った「費用対効果」の推計結果が「1以上」になるかどうかです。総務省は毎年、国土交通省や農林水産省、厚生労働省などが自らの公共事業や補助事業の妥当性を評価した結果について、抽出してチェックしています。
朝日新聞が20102017年度の結果を入手して集計したところ、抽出された532事業のうち、総務省が各省庁の評価に疑義を呈していた事例が127件あったようです。多いのは、便益を過大に見込む手法です。
例えば長崎県の有喜漁港(諫早市)から国道への連絡道路を追加する事業では、実際は遠回りになるのに距離短縮の効果を見込んだり、運転手・同乗者の移動時間が減る効果を二重計上したりしていました。分母となる費用を小さく見込む例もあります。
国有林の治山、地滑り防止、工業用水道などの整備事業では、長期間必要になる維持管理費が考慮されていない例が相次いで見つかりました。各省庁が作成する評価マニュアル自体が不適切なものもあったようです。
税金を投じる意義を判断する根拠がゆがむとして、総務省は改善を求めています。このような問題があれば、担当者はきちんと責任を取るようにして欲しいですね。
例えば、その部署の給与やボーナスや退職金を返上するなどして欲しいと思います。
担当者も納税者であるわけですから、税金の無駄遣いにならないように仕事をして欲しいですね。公共事業評価の4分の1に問題があったことについて、どう思われましたか?

2019年は10連休?

2018年02月26日(木)

政府は、先日、2019年の祝日を発表しました。
1948年の祝日法の施行以来、天皇誕生日がない初めての年となります。
誕生日が12月23日の天皇陛下が2019年4月30日に退位し、2月23日の皇太子さまが同年5月1日に新天皇に即位するためです。
2020年から2月23日が天皇誕生日になります。

政府は、2019年5月1日を祝日か休日とする方向で検討しています。
祝日法を改正して祝日にした場合、4月29日の昭和の日と5月3日の憲法記念日にはさまれた前後の平日を休日にできます。
土曜日の4月27日からの10連休が可能となります。

2019年は、天皇誕生日がないんですね。
あと、4月末から10連休になるかもですね。
世の中は、10連休となると嬉しいのかもしれませんが、僕のような公認会計士とか税理士は、日本は3月決算の企業が多いので、決算や監査の日程が遅くなる可能性があり、大変になりそうですね(笑)。

2019年は10連休の可能性があることについて、どう思われましたか?


税や年金を一括して電子申請できるようになる!

2018年02月23日(金)

政府は2020年をめどに、企業による税や社会保険の手続きをオンラインで一括して済ませられるようにするようです。
オンライン申請の普及の障害になっていた電子署名を省略し、企業名や給与額など各申請に共通する情報は一度の入力で済ませるようになります。
企業の作業時間を2割超減らし、生産性を高めます。
規制改革推進会議が、3月中に計画をまとめます。

企業が代行する従業員の税・社会保険手続きはこれまで、所得税は税務署、住民税は地方自治体、年金は年金事務所、健康保険は全国健康保険協会(協会けんぽ)など、雇用保険はハローワークで扱っていました。
大半の企業が書類やCD-ROMを各機関の窓口に持ち込んでおり、主な項目のオンライン申請の割合は2016年度でたった13%にとどまります。
企業の申請は、社会保険だけで年6,300万件あるそうです。

オンライン申請は既にできますが、社会保険、所得税、住民税のシステムがそれぞれバラバラです。
申請に必要な電子署名は取得手続きが複雑で、年間7,900円の利用料がかかり、普及していません。

一括申請できる新システムでは、電子署名の代わりに国が通知した法人番号(企業版マイナンバー)とひもづけたIDとパスワードを無料で発行し、申請に活用するようです。
ただし、情報漏洩の防止が課題になるでしょう。
補助金の申請でも、共通情報の入力は一度きりにして、国・地方の様々な補助金を一括申請できるようにするようです。

マイナンバー制度を導入したわけですから、マイナンバーカードを取得する人を増やし、世の中に浸透させるためには、こうすることは当然のように思いますが、行政の縦割りが色々と足かせになるんでしょうね。
今回、前に進むことは良いことですね。
ただし、企業などがそもそも国などの代行しているということを念頭に置いたうえで、どんどん前に進めて欲しいと思います。

税や年金を一括して電子申請できるようになることについて、どう思われましたか?


銀行窓口販売の「外貨建て保険」でトラブルが絶えない!

2018年02月13日(火)

銀行窓口で販売する保険商品をめぐって、トラブルが絶えないようです。
特に、投資性の高い一時払い保険「外貨建て保険」に対し、高齢者を中心に「元本保証だと思っていたのに損失が生じた」といった相談が寄せられているといるそうです。
相談件数も多く、国民生活センターが注意を呼びかけています。

銀行窓口で保険商品の販売が全面解禁されてから、2017年12月で10年経ちましたが、一時払いの外貨建て保険のトラブルが目立ち始めています。
外貨建て保険は、年金や終身があり、顧客から預かった資金を利回りの高い米国債や豪州債などで運用し、保険金や年金、解約返戻金などは外貨で受け取ります。
ただし、為替相場が円安になれば受け取る資産がかさ上げされる半面、円高ドル安になれば目減りすることになります。
このため、投資型商品としての側面が強くなっています。

この外貨建て保険をめぐって、国民生活センターには相談が相次いでいます。
「相続税対策として勧められた。元本保証と思っていたら、変額終身保険で、300万円ほど元本が減った」(80代女性)
「解約しようとしたら、40万円ほど損をするといわれた」(70代女性)
「払い込みの金額にプラスした金額を受け取れると思っていたが9割しか受け取れなかった。苦情を伝えたら『当時の職員は退職した。損失補償はできない』といわれた」(50代男性)
といった内容で、平成29年4月~11月は前年同月比3割減となったものの、229件と高水準に変わりはないそうです。
相談の多くが高齢者で、全体の8割近くに上っています。

また、高齢者の親族からの相談も多く、「株取引もしたことがないのに外貨建て保険を勧められた」「銀行は為替リスクがあることを説明したというが、本人が理解しているとは思えないまま契約させた」といった苦情もきているようです。

国民生活センターは、
・保険契約していること自体に消費者の理解が得られていない
・消費者の希望に合っていない保険の勧誘や契約が行われている
・中途解約時や満期時もトラブルになりやすい
・外貨建て保険は、クーリング・オフしても損失が生じる可能性がある
ことが問題点だと指摘し、消費者に対し、「内容が分からなければ契約はしないことや、リスクや契約期間の確認をすべきだ」と注意を呼びかけています。

背景には、日銀のマイナス金利政策の影響で、利ざやが確保できないかわりに、保険商品を保険会社の代わりに「代理販売」することで、販売手数料を稼ぎたいという銀行側の思惑も透けてみえます。
金融庁は、銀行が生命保険会社から受け取る手数料が高い保険を優先して販売している可能性もあるとして、販売手数料を商品別に開示するなどの対策を打ち出していますが、「投資性商品と説明して販売していないならば問題」として動向を注視していく方針です。

銀行が手数料ビジネスに走ると、色々な問題が生じますね。
やはり、『餅は餅屋』だと思いますので、商品の特性を充分に理解したうえで、普段取引がある銀行窓口に限らず、信用できる保険会社や保険代理店の担当者から話を聞いたり、購入することも考えないといけないですね。

銀行窓口販売の「外貨建て保険」でトラブルが絶えないことについて、どう思われましたか?


80代姉妹から多額の金を横領したケアマネ夫婦を刑事告訴!

2018年02月05日(月)

神戸市東灘区のケアマネージャー夫婦が介護支援していた80代の姉妹から多額の金を横領していたとされる疑惑があったようですが、先日、親族らが刑事告訴に踏みきりました。

業務上横領などの疑いで刑事告訴されたのは、神戸市東灘区の居宅介護支援事業所の運営者(63)と妻のケアマネージャー(56)です。

告訴状などによりますと、2人は2011年、介護支援し認知症で判断能力のない80代の女性(故人)から900万円を居宅介護支援事業所側の銀行口座に送金させるなどして騙し取った疑いのほか、2014年同じく介護支援していたその女性の妹(86)の口座から、3,000万円を引き出して居宅介護支援事業所側が管理する貸金庫に移し横領した疑いです。
この妹(86)はケアマネージャーと不可解な養子縁組をしていて、死亡保険金の受け取り人も一時、ケアマネージャー側に変更されていました。

「とにかく家の中の家財が減っていくんよ。『なんでかな、おかしいな』言うてね。言われるがままやな。アホでしたわ」と、妹(86歳)は訴えています。

一連の疑惑について介護事業所の運営者(63歳)に話を聞くと、
Q.立場を利用し財産を横取りしようとしたか?
「そんなことはありません。いま係争中なのでやめてください」
Q.介護する上で養子縁組の必要はどこに?
「いや、ちょっとやめてください」

疑惑は姉妹の親族らが調べて発覚し、神戸市はすでに、この居宅介護支援事業所の事業指定を取り消しています。

ひどい話しですね。
こういう事件があると、誰を信じて良いのか分からなくなってしまいますね。
本当に日本も嫌な時代になってしまいましたね。
真面目にされている同業者の方はとても迷惑な話しだとは思いますが、社会的にとても重要なお仕事だと思いますので、頑張って欲しいですね。

80代姉妹から多額の金を横領したケアマネ夫婦が刑事告訴したことについて、どう思われましたか?


議事録の作成に当たり正午はどのように書く?

2018年02月01日(木)

TabisLandによると、株主総会議事録や取締役会議事録などの議事録を作成するにあたり、会議の開始時刻と終了時刻を必ず記載しなければならないことになっています(株主総会議事録については会社法施行規則第72条3項1号、取締役会議事録については同101条3項1号)。
この時刻に関して、昼の12時を「午前12時」「午後0時」「午後12時」のいずれにすべきかで悩んだ経験のある方は少なくないのではないでしょうか?

「正午」で午後になったと考えて、昼の12時を「午後12時」(例えば昼の12時30分であれば午後12時30分)と解する向きもあるかもしれません。
あるいは「正午」でリセットされたと考え、昼の12時を「午後0時」(例えば昼の12時30分であれば「午後0時30分」)と解する余地もあるでしょう。

もっとも、改暦を布告した明治5年太政官布告337号によると、「午前」は「零時」から「十二時」まであり、「午後」は「一時」から「十二時」までとされています。
この考え方に従うと、昼の12時30分は「午前12時30分」となります。

とは言え、この太政官布告337号が広く周知されているかというと、必ずしもそうではないでしょう。
そのため、昼の12時30分を「午後12時30分」や「午後0時30分」と表記するケースを見かけることも少なくありません。
心配であれば、議事録には24時制で表記するのも手でしょう。

たまに、こういったことで迷うことがありますよね。
こういうときに、色々と調べるのも楽しいですよね。

議事録の作成に当たり正午はどのように書くか?について、どう思われましたか?

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年収798万円以上の厚生年金保険料の2027年9月から「3段階で引き上げ」案を厚生労働省が調整!

読売新聞によると、厚生労働省は、通常国会に提出する年金改革関連法案に関し、年収798万円以上(賞与を除く)の会社員らが支払う厚生年金の保険料を2027年9月から3段階で増額する方向で調整に入ったようです。

2029年9月までに現在の月59,475円から約9,000円増やします。

厚生年金の保険料は、月収の水準によって32に区分した基準額である「標準報酬月額」に基づき、算出されます。

現在は最も高い区分の基準額は65万円に設定されており、上限の基準額を2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円に引き上げます。

厚生年金の保険料は、現在は年収がどんなに高くても、本人負担は月59,475円ですが、上限の引き上げに伴い、該当する年収の会社員らの保険料負担が増えます。

厚生労働省は2027年9月に上限額を75万円に引き上げる方針でしたが、段階的にすることで負担を緩和するようです。

少し前の有識者会議で話題にのぼっていたので、改正されると思っていましたが、引上げられてしまいますね。

これを利用して、社会保険料を抑えるということが行われていますが、考え直さないといけなくなるでしょうね。

年収798万円以上の厚生年金保険料の2027年9月から「3段階で引き上げ」案を厚生労働省が調整していることについて、あなたはどう思われましたか?


災害時は避難所などに活用のコンテナホテルが香川県丸亀市にオープン!

瀬戸内海放送によると、不動産事業などを営むデベロップ(千葉県市川市)が、香川県丸亀市にコンテナホテル「HOTEL R9 The Yard 丸亀」を9月18日にオープンさせます。

高松自動車道の坂出ICから車で3分のところにある3,386平方メートルの敷地に50台のコンテナを並べ、広さ13㎡のダブルルームとツインルームを合わせて45室設置します。
料金は1人利用が6,200円から、1室2人利用で8,700円からとなっています。

このコンテナホテルは、平時はホテルとして運営し、災害など有事の際は被災地へ移設し、避難所などとして機能する「レスキューホテル」の役割を果たします。

デベロップでは2018年以降、全国で89棟のコンテナホテルを営業していて、これまでに新型コロナ関連の医療施設として7棟がレスキューホテルとして利用されたということです。

現在、丸亀市と災害協定を結ぶ準備を進めているということです。

デベロップのコンテナホテルは四国では愛媛県四国中央市に続く出店で、香川県では初出店となります。

丸亀市周辺の臨海部に集積している工場関係者の利用をメインに、インバウンドの利用も見込んでいるということです。

このニュースを見ると、コンテナホテルができるのかぁという感じですが、実は、節税商品なのです。

会計事務所には少し前から郵便等が送られてきたりしていると思いますが、今年のゴールデンウィークに岩国基地に行ったときに、行く途中の道に、「HOTEL R9 The Yard」があって、結構きれいで、部屋と部屋の間にほどよい距離があるので、少し見たり、写真を撮ったりしましたが、最近は震災が増え、南海トラフなどの震災のリスクも高まっていることから、しばらくはコンテナホテルは増えるだろうなぁと思いました。

災害時は避難所などに活用のコンテナホテルが香川県丸亀市にオープンすることについて、あなたはどう思われましたか?


節税をすると景気がよくなる?

ダイヤモンドオンラインによると、「このまま」今の仕事を続けても大丈夫なのか?、あるいは「副業」をしたほうがいいのか?、それとも「起業」か?、「転職」をすべきなのか?と感じたとしたら、それは皆さんの考えが正しいそうです。

なぜなら、今感じているお金に対する不安は、現実のものとして近づいているからです。無収入となる65歳から70歳、もしくは75歳までの空白期間を、自己責任で穴埋めしなければならなくなる未来が、相次ぐ法改正でほぼ確定しました。
そんな人生最大の危機がいずれ訪れますが、解決策が1つだけあります。
それはいますぐ、「稼ぎ口」を2つにすることです。
稼ぎ口を2つにすれば、年収が増えて、節税もでき、お金が貯まるからです。

なぜ、節税すると景気がよくなるのでしょうか?
節約をしてお金を貯め込むよりも、お金を経費として使って豊かな生活を送るほうが、圧倒的に早く裕福になれます。
なぜなら、お金を経費として使うと、社会貢献活動とみなされて、税金がかからなくなるからです。

私たち日本人は、実質的に約6割もの莫大な税金を支払っています(財務省発表の潜在的国民負担率)。
ところが、お金を経費として使えば、その分だけ税金が免除されるのですから、かなり大きいです。

なぜ、そんなことができるのでしょうか?
それは日本の税金が、「景気に貢献した人に対してご褒美を与える仕組み」になっているからです。

景気に貢献するのは簡単です。
経費というお金を使えば、誰でも景気に貢献できます。

なぜ、経費というお金を使うと、景気がよくなるのでしょうか?
それは、お金を使えば使うほど、日本のGDPが増えるからです。

GDPの計算式は単純で「GDP=消費+投資+政府支出+(輸出-輸入)」です。
経費としてお金を使うことを投資といいます。
だから、会社や個人事業主が経費を使うほどに、GDPが増える仕組みになっているのです。

経費としてお金を使うことを、専門用語で「節税」と言います。
つまり、国民が一斉に「節税」に取り組めば、日本のGDPはすぐに拡大するのです。

GDPが増えることを、俗に「景気がよくなる」といいます。
「金は天下の回りもの」といいますが、貯め込むよりも使ったほうが、GDPが拡大して、日本の景気はよくなるのです。

では逆に、経費を使わずに、お金を貯め込むとどうなるでしょうか?

皆が「節約」をして、お金を使わずに貯め込むと、消費も投資も少なくなります。
その結果、GDPが減り始めます。
GDPが減るということは、景気が悪くなります。

私たちは、平成の失われた30年間で、身をもってその悪夢を体験してきました。
この間ずっと、日本の企業は投資を控えて経費を節約し、お金(内部留保)を貯め込んできました。
投資(経費)が減るのですから、当然GDPが減ります。
だから平成の30年はずっと、景気が悪かったのです。

景気が落ち込むと、給料も減りますし、国の税収も減ります。
その結果、国の財政赤字が膨らみます。
国の借金は平成の30年間で5倍にも膨らみましたが、景気悪化で税収が減ったのですから当然です。

税法は、お金を貯め込むと税金をかけて、お金を使って投資をすると税金を免除する仕組みになっています。
貯めるか投資するかによって、日本の景気が左右されるのですから、理にかなった仕組みです。

そうであるなら、私たち日本人は、もっともっと「節税」という社会貢献を行うべきです。
「節税」は社会貢献になるだけでなく、私たちの生活を豊かにしてくれます。

しかしながら、残念なことに、サラリーマンという身分には、「節税」がほとんど認められていません。
節税できないので、どんなに一所懸命頑張って収入を増やしても、税金という名の罰金をかけられてしまいます。

そこで、サラリーマンを続けつつも、サラリーマンとは別の身分を獲得して、「節税」という名の社会貢献をしてみてはいかがでしょうか。

方法はいたってシンプルです。
「稼ぎ口二刀流」を使えば、サラリーマンとは別の身分を獲得できます。
「稼ぎ口二刀流」とは、給料以外に、2つ目の稼ぎ口を作る生き方です。

なぜ2つ目の稼ぎ口を作る必要があるのでしょうか?
それは、雇われる稼ぎ方では、どんなに逆立ちしても、永遠に「節税」できないからです。

でも、雇われない稼ぎ方であれば、好きなだけ「節税」ができます。
だからこそ、給料とは別に、雇われない「2つ目の稼ぎ口」を作るのです。

平成は「節約の時代」でした。
だから、失われた30年を引き起こしてしまいました。

でも、令和は違います。
令和は「節税の時代」です。
失われた30年を取り戻すためにも、がんがん節税して、日本の景気を盛り上げていきましょう。

この記事の、『経費としてお金を使うことを、専門用語で「節税」と言います。』というところは、個人的にはすごく違和感を感じますが、消費を増やせば、日本の景気がよくなるというのは、以前から言われていることですが、そのとおりだと思います。
もちろん、副業で経費を使いすぎて赤字となって給与と損益通算すると税収が減るので、税金を支払うことも重要なことだと思いますし、無駄な経費を使う必要はないと思いますが。

節税をすると景気がよくなる?について、どう思われましたか?


金融庁が節税を主目的として販売される保険商品への対応で国税庁との更なる連携強化!

「節税(租税回避)を主たる目的として販売される保険商品」について、2019年の国税庁による法人税基本通達改正の周知、いわゆるバレンタインショック以降、金融庁からも累次にわたり注意喚起を行い、監督指針の改正等を実施してきたところですが、依然として、保険本来の趣旨を逸脱するような商品開発や募集活動が確認されており、保険契約者保護の観点で問題が生じています。

金融庁は、今後発生しうる保険本来の趣旨を逸脱するような商品開発や募集活動への対応として、国税庁との連携を更に強化し、商品審査段階及びモニタリング段階での取組を通じて、より一層の保険契約者保護を図ることとするようです。

(参考)保険会社向けの総合的な監督指針(抜粋)
II-4-2 保険募集管理態勢
II-4-2-2 保険契約の募集上の留意点 (17)その他 ③その他
(略)
(ウ)法人等の財テクなどを主たる目的とした契約又は当初から短期の中途解約を前提とした契約等の保険本来の趣旨を逸脱するような募集活動を行わせないなど、保険商品のそれぞれの商品特性に応じ、その本来の目的に沿った利用が行われるための適切な募集活動に対する措置
IV.保険商品審査上の留意点等
IV-1-11 法人等向け保険商品の設計上の留意点
法人等の財テクなどを主たる目的とした契約又は当初から短期の中途解約を前提とした契約等の保険本来の趣旨を逸脱するような募集活動につながる商品内容となっていないか。

商品審査段階
①金融庁から保険会社に対して、国税庁への税務に関する事前照会を慫慂
②保険会社から同意を得た上で、必要に応じて、金融庁からも国税庁に事前照会を実施
③金融庁において、事前照会の結果を商品審査で参考情報として活用(事業方法書への募集管理態勢に関する記載の指導等)

モニタリング段階
①両庁の定期的な意見交換の場等を通じて、国税庁から金融庁に対して、保険商品に関する節税(租税回避)スキームの情報提供
②金融庁において、国税庁からの情報や独自に把握した情報を活用し、保険会社・保険代理店における募集管理態勢の整備状況や販売実態等のモニタリング等を実施
③金融庁から国税庁に対して、商品開発や募集現場で利用されるスキームの情報提供

保険商品については、過去からいたちごっこの状態ですが、ここ最近、ようやく保険の本来の趣旨に基づいて販売するようになってきていますが、さらに、縦割りの弊害があった金融庁と国税庁がますます連携を強化するということですね。
先日もとある生命保険会社が業務改善命令を受けていますが、早く、節税ありきでない普通の状況になるといいですね。

金融庁が節税を主目的として販売される保険商品への対応で国税庁との更なる連携強化を行うことについて、どう思われましたか?


金融庁が節税保険で3社に報告命令を出しマニュライフ生命は立ち入り検査!

日本経済新聞によると、行き過ぎた節税が問題となってきた「節税保険」を巡り、金融庁がエヌエヌ生命保険など生命保険3社に保険業法に基づく報告徴求命令を出したことがわかったようです。

金融庁はいずれも節税効果を過度に強調するなど不適切な営業があったとみており、詳しく事情を聴くようです。

報告命令の対象はエヌエヌ生命保険のほか、SOMPOひまわり生命保険とFWD生命保険です。

問題視しているのは「名義変更プラン」と呼ばれる定期保険の一種で、国税庁が2021年6月にこの手法を実質認めない通達改正をしていました。

また、この日までにマニュライフ生命保険に立ち入り検査を始めたこともわかったようです。

4社とも一部の営業現場で節税効果を強調するなど保険本来の趣旨から逸脱した募集をしていた可能性があり、金融庁は詳しく実態を調べる方針です。

金融庁と生命保険会社のいたちごっこはいつまで続くのだろうかと思いますが、生命保険の本来の趣旨は『節税』ではないので、きちんと現状を把握して、処分等が必要であれば厳正に処分等して、業界が信用されるようにしてほしいですね。
僕自身も保険代理店をやっていますので。
この『名義変更プラン』の封じ込めもすべての保険ではなく、封じ込めの対象になっていないものもあるようなので、その辺りもきちんとルールを決めてやらないと、今回の件は良いとして、また、そこを利用した『名義変更プラン』を出してくる生命保険会社もあるのではないかと思いますので、数年後には再び封じ込められていないものの封じ込めがまた必要になるのではないかと思っています。

金融庁が節税保険で3社に報告命令を出しマニュライフ生命は立ち入り検査に入っていることについて、どう思われましたか?


「節税保険」排除へ金融庁と国税庁が審査でタッグ!

日本経済新聞によると、金融庁と国税庁は行きすぎた節税が問題となってきた「節税保険」の排除に向けてタッグを組むようです。
両庁が協力して生命保険会社が設計した商品の内容を審査するほか、現場での募集の実態も調べるようです。
長年にわたって続く生保とのいたちごっこに、今度こそ終止符を打つ狙いです。

節税保険は支払った保険料を会社の経費として損金算入し、課税額を抑えられると称する商品です。
2010年代後半に日本生命保険や第一生命ホールディングス(HD)傘下のネオファースト生命保険などが相次ぎ商品を投入し、中小企業経営者らの需要をとらえて販売が拡大しました。
2018年ごろの市場規模は推定8,000億円以上とされ、生命保険の新規契約全体の3割程度を占めるに至っています。

金融庁は保険商品の認可審査にあたって、近く国税庁と連携します。
脱税や、行きすぎた節税に関する現場の知見を積んできた国税庁が保険商品に悪質な節税目的がないかを金融庁の商品審査部門に助言する。

金融庁は従来、商品認可にあたって「節税につながるかは認可の要素ではなく、補償上問題がなければ認可する」との立場をとってきました。
節税効果を詳細に分析できず、節税保険が蔓延する結果を招きました。
国税庁が入り口段階から審査に絡むことで商品認可のハードルが上がる可能性が高いでしょう。

募集の現場にも介入します。
金融庁と国税庁は顧客にどのような勧誘をしているかについて、保険の販売代理店の調査でも協力します。
ヒアリングを通じて、募集人が本来の趣旨に沿った保険として説明しているか厳しくチェックします。
覆面調査をするかなど連携方法を今後詰めるようです。

省庁をまたぐ異例のタッグの背景には、節税の悪質性が年々高まっていることがあります。
国税庁は2019年6月に保険料の損金算入方法を大幅に見直す通達を出し、「ドル箱」状態だった中小企業の経営者向け保険にメスを入れました。
しかしながら、今度は別の抜け穴をついた「名義変更プラン」と呼ばれる商品が外資系など一部の生保から登場しました。

名義変更プランは定期保険の一種で、解約時の返金率が低いうちに契約者の名義を法人から個人へ変え、返金率が高くなった時期に解約して返戻金を受け取る仕組みです。
解約返戻金は「一時所得」として扱われ、通常の所得より税負担が軽くなります。
国税庁は、2021年6月に実質認めない通達を出しました。

介護保険にも問題が広がりました。
一部の外資系生保が、介護保険を通じて高所得者が子供など親族に非課税でお金を移せる手法として打ち出しました。
国税庁は2021年3月、介護保険で保険金の非課税制度を悪用した節税手法を取らないよう生保業界に注意喚起しました。

金融庁も2021年11月の生命保険協会との意見交換会で、節税保険も含め「適正な保険募集の徹底を改めてお願いしたい」とくぎを刺しました。
金融庁幹部は「節税効果の有無にかかわらず、顧客のための商品でなければ保険として意味をなさない」と話しています。

これまで金融庁と国税庁は事務的なやりとり以外は別に動いていました。
金融庁は顧客の保護、国税庁は税金の適正な徴収と行政目的が違うためです。
今回の連携について金融庁幹部は「保険商品の税務面での知識不足を補える」、国税庁幹部は「個別では対応しきれない部分に手がまわり、抑止力につながる」と意義を語っています。

一方、生保業界からは不満もこぼれます。
ある大手生保幹部は顧客への商品説明の充実は重要としながらも、「問題が長年収束しなかったのは、商品にお墨付きを与える当局にも責任の一端があるのではないか」と本音を漏らしています。

生命保険協会によれば、2020年度の個人保険(経営者保険含む)の保有契約高は815兆円と5年前比で5%減少しました。
人口減や若者の保険離れが進むなか、業界全体として売りやすい保険に飛びついた面は否めません。
今回の商品審査見直しをきっかけに、経営者向け保険のあり方について生保業界全体として真剣に考える必要があるでしょう。

個人的には、今まで連携していなかったからこそ、節税保険がはびこることになったのではないかと思っていますので、あまりにも遅すぎる気はしますが、今回の連携は良いことではないかと感じています。。
規制のきっかけとなった日本生命のプラチナフェニックスなんかは、保険金が支払われることがあまり想定できず、何のための保険か?、言い換えれば、節税目的しかないという感じの商品ですから。
名義変更プランもかなり前から、あまり税務の知識のないと思われる保険会社の担当者や保険代理店の担当者が積極的に勧めていましたから。
税務の現場にいる人間からすると、常識的に考えて、節税目的ではないということを示すのは限られたケースだと思いますので、リスクが高いというのは明らかですけどね。
あとは、『節税』と一括りにされていることが多いですが、本当に『節税』になる『狭義の節税』と単に課税を繰り延べているに過ぎない『課税の繰り延べ』の違いを、保険を販売する側も保険に入る側もきちんと理解しておかないといけないのではないかと思います。

「節税保険」排除へ金融庁と国税庁が審査でタッグを組むことについて、どう思われましたか?


トランクルームが8年間で12,000店に倍増!

日本経済新聞によると、国内でトランクルーム市場が拡大しているようです。

新型コロナウイルス禍で在宅勤務が広がり、自宅で働くスペースを確保するために荷物を預ける人が増えています。
店舗数は2021年に12,000店を超え、ファミリーレストランの店舗数を上回る規模になりました。
新規参入が相次ぎ市場拡大は続く見通しですが、用地取得を巡る競争は激しさを増しています。

大手のキュラーズ(東京都品川区)は、東京23区では1畳当たり月13,000円台からトランクルームを提供しています。

キュラーズによると、国内のトランクルームの店舗数は2021年8月時点で約12,000店で、ファミリーレストランの店舗数(2021年8月時点で10,305店)を上回りました。

コロナ前の2019年末比で11%増え、直近8年間でほぼ倍増しています。
国内の市場規模(屋内型と屋外型の合計)は2020年で約670億円と、10年前から約2倍に拡大しました。

都内で13店舗を運営しているトランクルーム東京(東京都港区)では、利用者の9割が個人でファミリー層が中心です。
趣味のスキーやサーフィン用具などを使わない季節に預ける人もいます。

足元で増えている顧客が、コロナ禍で在宅勤務を始めた会社員です。
自宅にパソコンやモニターを置き、快適に仕事をするスペースを確保するため、すぐに使用しないモノをトランクルームに収容するのです。

「ハローストレージ」ブランドで展開するエリアリンクも事業は堅調に推移しています。
全国で運営する10万室弱の2021年12月時点の稼働率は約86%と上場以降で最高水準に達しています。
2021年は1,000室を新規出店する計画でしたが、1,600室を超えました。
2021年12月には新ブランドとして小型店の出店を開始し、新たなニーズを掘り起こします。

市場の成長が続く背景には、日本の住まいの狭さもあります。
国土交通省によると、日本の新設住宅の1戸当たり床面積は2020年度に約82平方メートルと、20年前から約15平方メートル減りました。
1人当たりの住宅床面積を国際比較すると、日本はアメリカやフランス、ドイツより狭くなっています。
自宅近くのトランクルームに、普段は使わない品を収容したいというニーズは強まっています。

キュラーズのスティーブ・スポーン社長は、国内市場について「年率で前年を1割程度上回るペースで成長が続く」とみており、市場規模は2026年に1,000億円を超えると予測しています。
キュラーズによると、アメリカのトランクルームの世帯普及率は10%ほどで、1%にも満たない日本は成長余地が大きいです。

トランクルームは駅前や大通り沿いなど利便性の高い立地の出店で成長してきた側面もあります。
成長を取り込もうと新規参入組も増えるなか、最適な土地を巡る取得競争も激化しています。

「新型コロナの影響でこの2年は売り案件が減っている」(業界関係者)。
好立地の土地や不動産価格は上がっており、採算が取りにくい物件も目立ってきたそうです。

個人が融資を受けて物件を建て、運営を企業に委託するケースも多いようです。
投資物件としての魅力が下がれば、店舗の増加にブレーキがかかる可能性もあります。

比較的少額で始められる投資物件として収益性が高く、節税にもなるため、人気が高いようですね。
最近、節税や運用のニーズが増えてきているように感じていますので、今度、セミナーを受講して、詳しい内容を聴いてみたいと思っています。

トランクルームが8年間で12,000店に倍増していることについて、どう思われましたか?


今から年末にかけては節税の機会!

今年も節税を考える時期になりました。
所得税は1~12月の暦年単位で課税されます。
この先1か月強の対応次第で、今年分の納税額が変わることもあります。
自分に該当しそうなケースを確認し、無理のない範囲で対策をしよう。

日本経済新聞によると、「投資をしている人は、年内に売却して損益を確定させるかを考えておきたい。」と、辻・本郷税理士法人の浅野恵理税理士は今年の注意点として、株や投資信託などの投資損益の確認を挙げています。

今年は日経平均株価が31年ぶりの高値を付けるなど、株価は高値圏での推移が目立ちました。
既に大きな売却益を出した人もいるでしょう。
投資で利益を実現した年は含み損を抱えた銘柄を売り、損失を確定させる機会でもあるのです。

株式や投資信託などを売却して利益を出したり、配当や分配金を受け取ったりすると、通常は所得税(復興特別税を除く、以下同じ)15%がかかります(このほかに住民税が5%かかります。)。
ただし、課税対象となる利益は1年間の損益を通算した結果で、損失が出れば、その分税額は減ります。
損失を実現させるのは痛いですが、節税になれば多少はカバーできるともいえるでしょう。

多くの個人投資家が利用する「源泉徴収ありの特定口座」では、税は源泉徴収(天引き)されます。
今年、既に売却益を出した口座で年内に別の銘柄を売って損失を確定させれば、売却益から源泉徴収された税が戻るのです。

複数の証券口座で損益通算をする場合には確定申告をする必要があります。
例えばA証券で100万円の利益、B証券で40万円の損失が出た場合、いずれも源泉徴収ありの特定口座で、そのままなら所得税はA証券が15万円、B証券はゼロですが、確定申告をすると、差し引き60万円の利益となり所得税は9万円となり、払いすぎた6万円が戻ってきます。

2018年までの年間の投資損益も確認しましょう。
通算の運用成績がマイナスの年があれば、節税できる可能性があります。
投資で発生した損失は翌年から3年間繰り越せるからです。

例えば、2018年に差し引き100万円の損失があれば、今年までの3年間、累計100万円までの利益は非課税となるのです。
特に2018年分の損失は2021年が利益を通算できる最終年となります。
繰り越しの損失があれば、年内に含み益のある資産を売却して利益を確定させてもよいでしょう。
繰越損失の分、課税額を抑えられるからです。

ただし、損失の繰り越しをするには確定申告が必要です。
源泉徴収ありの特定口座で取引し、過去に損失があった年以降、確定申告していなかった場合は「期限後申告」ができます。
昨年に損失があれば、まず期限後申告をして、今年の取引分を来年確定申告するのも手です。

投資以外の所得税の節税で、身近なものが医療費関連でしょう。
まず、1年間に病気やケガで医療機関に払った治療費や医薬品代などを確認しましょう。
一緒に暮らす配偶者や子どもなどの分も含め10万円(所得金額が200万円未満の場合はその5%)を超えると医療費控除の対象となります。
10万円もしくは所得金額が200万円未満の場合はその5%を超えた金額が課税所得から引かれ、税負担が軽くなるのです。

既に10万円以上か、あと少しで超える、というときには「自分で時期を選べる、虫歯の治療や入れ歯作りなどを年内に済ませれば節税効果がある」(税理士の藤曲武美氏)。
手元にお金がないときはクレジットカードを使うのも一案です。
銀行口座からの引き落としは年明けでも「年内に窓口で支払い手続きをすれば今年の所得から控除できる」(岡田俊明税理士)。

医療費が10万円を大きく下回る場合でも「セルフメディケーション税制が使えるかもしれない」(ランドマーク税理士法人の清田幸弘代表税理士)。
市販の「スイッチOTC医薬品」の年間購入額が1万2,000円を超えれば、超えた金額(上限8万8,000円)を課税所得から控除できます。

対象の医薬品はパッケージに表示があるほか、「★」を付けるなどレシートでも区別されています。
購入額が1万2,000円以上やそれに近い場合、確実に使う分を年内に買うのも一案です。
風邪薬や胃薬など対象は広くなっています。
ただし、制度の利用には予防接種の領収書や健康診断の結果通知表などが必要です。
また、医療費控除との併用はできません。

そのほか、ふるさと納税の利用額や16歳以上の子どものアルバイト収入も確認しておきましょう。
ふるさと納税は所得に応じた一定額までは、実質2,000円の負担で返礼品を受け取れます。
子のアルバイト収入は103万円を超えると扶養控除の対象外になります。
節税目的で収入を抑えるなど無理をする必要はありませんが、後でがっかりする事態は避けられるでしょう。

税理士として確定申告のお手伝いをしていると、もったいないなぁと思うケースが時々あります。
税務は知らないと損をして、知っていると得をするという面がありますので、今から年末に向けて、色々とチェックをすると、予想外の節税につながるかもしれませんよ。

今から年末にかけては節税の機会であることについて、どう思われましたか?


令和2年度は大企業1,000社が減資で中小企業に衣替え!

産経新聞によると、大企業が資本金を減らす「減資」の手続きを取り、税制上の「中小企業」に衣替えした事例が、令和2年度は約1,000社に及んだことが分かったようです。
財務悪化のイメージダウンは避けられませんが、資本金が1億円以下になると税負担が軽くなるのです。
ただし、本来は経営体力に乏しい企業のための優遇措置を大企業が受けることには、批判も根強いものがあります。
資本金の多寡で負担が変わる税制の見直しにつながる可能性もあるでしょう。

東京商工リサーチによると、令和2年度に資本金を1億円超から1億円以下に減らした企業は997社と、前年度の1.4倍に急増しました。
飲食業では「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトや居酒屋「はなの舞」を運営するチムニー、旅行関連ではスカイマークやJTBが名を連ねます。
令和3年度に入っても減資企業は後を絶たないようです。

減資企業の最終損益の内訳をみると、黒字企業は令和元年度の54.9%から令和2年度は43.9%に減ったのに対し、赤字企業は27.9%から38.6%へと増えました。
新型コロナウイルス禍で痛手を負った企業が減資に動いたことをうかがわせます。

資本金が1億円以下になると、税負担軽減のメリットがあるのです。
法人税率の引き下げが期待できるほか、法人事業税については赤字でも収める必要がある外形標準課税が免除されます。

資本金は、企業の〝格〟を示す指標とされてきました。
しかしながら、日本総合研究所の小谷和成主席研究員は「資本金の額が大きいほど『安心な企業』と見なす資本金信仰は薄れてきた」と指摘しています。
減資しても、銀行などが融資の際に重視する純資産自体が減るわけではないというのがその理由です。

とはいえ、中小企業の経営を支援するための措置を大企業が利用することには厳しい目が向けられてきました。
平成27年には、シャープが減資を試みたものの、批判を受けて1億円への減資を行いませんでした。

与党の平成28年度税制改正大綱には、中小企業への課税を実態に即して見直すことが盛り込まれましたが、実現には至っていません。

大和総研の斎藤航研究員は「中小企業の支援や税の公平性という観点から、従業員数などの基準も活用し、企業規模を把握することが望ましい」と語っています。

コロナ禍のもとでの減資増加をきっかけに、中小企業の課税をめぐる議論が再び活発化する可能性があります。

資本金1円で会社が設立できる時代に、資本金で会社の規模を判定し、優遇税制も変わってくるというのは、時代錯誤だと思いますし、早く見直したほうがいいと思っています。
また、法人税関連の優遇税制は、資本準備金などを考慮しない資本金のみで判断しますので、そこも見直す必要があるのではないかと思います。
ちなみに、黒字でも赤字でもかかる地方税の均等割は、資本準備金などを考慮した『資本金等の額』で判断されます。
資本金よりは、従業員数とか売上高とか利益とかで判断するほうが実態に合っているでしょうね。
それはそれで、そこを外すような手法が出てくるんでしょうけど。

令和2年度は大企業1,000社が減資で中小企業に衣替えしたことについて、どう思われましたか?


「節税保険」を巡る国税庁と生保との攻防が再燃!

日本経済新聞によると、生命保険会社が販売する経営者向け保険を巡る国税庁と生保業界の攻防が再燃しそうです。
課税を免れていると問題視する国税庁が2019年に続き、2021年6月にも再びメスを入れる検討に入りました。
解約返戻金を低く抑えた種類の商品でできた「抜け道」をふさぐためですが、10年以上続くいたちごっこが終わる気配はありません。

国税庁は生保各社に課税手法を見直す検討に入ったことを伝えました。
先日、詳細を説明しました。
経営者保険だけでなく、介護保険を通じた節税手法も問題視しています。

国税庁は2019年に損金算入できる保険料の範囲を制限しています。
これにより、生保各社は一斉に同保険の販売を停止しました。
いたちごっこは終止符が打たれたかに見えましたが、実体は抜け道ができていたのです。

経営者向け保険の中には、保険に加入した初期の解約時の返戻金を抑えた商品があります。
低い返戻金で会社から経営者に保険の名義を移し替える際の課税額を抑え、経営者は返戻金が増加した後に解約して節税効果を得る手法が広がっていたとされます。

今回、国税庁が見直す新たな課税手法では解約返戻金が保険料の支払額などから算出される保険の資産計上額の一定割合を下回る場合に資産計上額で課税額を算出する方針です。
2019年7月8日以降の契約が対象になります。
経営者は名義変更時の課税額が増え、節税が困難になるでしょう。

ただし、国税庁と生保業界のいたちごっこは10年以上続く古くて新しい課題なのです。
2006年、国税庁の要請を受けて、「節税商品」とうたい販売していた長期傷害保険を金融庁が問題視しました。
当時は節税にならないという苦情が寄せられたためで、販売トラブルの温床にもなっていました。

会計事務所は保険代理店をやっているところが多く、一時期、色々な代理店がこのタイプの保険を提案しに来たのですが、直感的に、こんなものが認められるはずはなく、否認されるリスクもあり、将来的には防がれるだろうなぁと考えていました。
提案があったときに、代理店の人に、『合理的な説明ができないと税務上のリスクが高いと思いますが、合理的な理由ってありますかね?』と必ず聞いていたのですが、まともに答えられる代理店はほとんどありませんでした。
根本的に、節税をうたわないと保険商品が販売できない人が多いというのは非常に残念に思いますね。
それゆえ、僕自身は、お薦めはしていません。
あと、以前、とある方に、顧問税理士のセミナーでこの節税方法の話があって、実行したら、責任が持てないからと言って顧問契約を切られたということを伺いました(笑)。
個人的には、過去の契約すべてを対象にすべきではないかと思います。
生保業界は、前回(2019年)はバレンタインデーショック、今回(2021年)はホワイトデーショックと言われ、大変でしょうね。

「節税保険」を巡る国税庁と生保との攻防が再燃していることについて、どう思われましたか?


JTBが1億円に減資して「中小企業扱い」で税負担を軽減!

日本経済新聞によると、JTBが資本金を現在の23億400万円から1億円に減資することが、先日、わかったようです。
税制上、中小企業とみなされることで税負担を軽くするほか、今期発生する巨額損失の補塡原資を確保する狙いがあります。
増資で財務を健全にする手もありますが、引受先を見つけなくてはなりません。
減資は緊急事態宣言の影響を受けた航空や飲食業界でも相次いでいます。
外出自粛による苦境は一段と深まっているようです。

JTBは、2021年2月12日の株主総会で決議済みで、3月31日付で実施します。
JTBの2020年4月~9月期は781億円の連結最終赤字に転落しました。
株主資本のうち利益剰余金は2020年9月末で799億円と、半年でほぼ半減しました。
10月以降も利用は回復せず、2021年3月期は過去最大の1,000億円程度の経常赤字を想定しています。

資本金が1億円以下の企業は税制上中小企業とみなされ、税負担が軽くなります。
大企業と特に異なるのは欠損金と、地方税である法人事業税の扱いです。

企業が赤字になり欠損金が生じた場合は、来期以降に欠損金を繰り越して税負担を圧縮することができます。
資本金1億円以下の中小企業は、大企業よりも圧縮割合を多くすることが認められているため、新型コロナウイルスの感染拡大によって大きな赤字が発生する一方で、一定の回復が見込めればメリットが大きいのです。

欠損金とならび、中小企業にメリットがあるのが地方税です。
地方税である法人事業税は「外形標準課税」と呼ばれる仕組みを採用しています。
赤字であっても一定程度の税負担を求める仕組みですが、対象になるのは資本金1億円超の法人のみです。

資本金1億円以下に減資して外形標準課税の対象から外れれば、法人事業税の支払いを抑えることができ、手元資金を確保できます。
飲食業界ではカッパ・クリエイトやチムニーなどが1億円への減資を表明しており、航空業界でもスカイマークが資本金を90億円から1億円に減資して配当原資などに充てる方針です。

JTBも中小企業になることでキャッシュアウトをまずは抑え、来期以降の再浮上に備えて手元資金をできるだけ確保する環境を整える狙いがあるようです。
ただし、旅行業界を取り巻く環境は依然として厳しいものとなっています。

観光庁によると、JTBの旅行取扱高は2020年5月に前年同月比96%減の51億円まで落ち込みました。
需要喚起策「Go Toトラベル」事業の効果で国内旅行は11月に同28%減まで回復したものの、感染再拡大により12月には同41%のマイナスとなりました。
業界全体で影響は甚大で、12月は海外旅行が主力のエイチ・アイ・エス(HIS)は同87%減、近畿日本ツーリスト各社を傘下に置くKNT-CTホールディングスは同56%減となりました。
緊急事態宣言が追い打ちをかけ2021年1月以降はさらに落ち込んでいるもようです。

緊急事態宣言が3月に解除されても観光がすぐに回復するかは不透明で、海外旅行に至っては「来年以降になる」(旅行大手首脳)という見方が多いようです。
JTBの売上高に占める海外旅行の割合は3割強にも及んでいます。

JTBは国内店舗を統廃合で25%削減するほか、早期退職や採用抑制でグループ全体で6,500人の社員を減らす計画を打ち出していますが、観光の低迷が長引けばさらなる構造改革に踏み込まざるを得ません。
コロナ禍は1年以上になり、旅行や外食などはいよいよ厳しい状況に追い込まれています。

JTBも減資をするんですね。
資本金は1円でも会社設立できる時代ですから、資本金で会社規模を判断し、税制の優遇などを図る時代ではなくなってきていると言えるでしょう。
そろそろ資本金で判断するというルールを見直さないといけないでしょうね。
売上高とか従業員数とか株主の属性とかで判断し、中小企業の範囲を狭くする方が良いのではないかと考えています。
一方で、「Go Toトラベル」は政治家とつながりの深い旅行業者の救済のために行われているのかもしれませんが、一定規模以上の組織であることが必要な国の恩恵を受けられる施策は大企業じゃないと応募できないようなアメとムチを用意しないといけないのではないかと思います。
ちなみに、減資は、事業承継税制の打ち切り要件になりますので、気をつけましょうね。

JTBが1億円に減資して「中小企業扱い」で税負担を軽減することについて、どう思われましたか?


トランプ大統領が「会計はスポーツ」と過去の損失巡る報道を一蹴!

 ロイターによると、アメリカのトランプ大統領は、先日、過去の事業で総額10億ドル超の損失を計上したとの報道を受け、会計処理は「スポーツ」のようなものと主張し、自身の業績を擁護する姿勢を示しました。

アメリカのニューヨーク・タイムズ(NYT)はその前日、トランプ大統領が1985年から1994年にかけて、カジノやホテル、マンションなど中核事業で11億7,000万ドルの損失を負い、この10年間のうち8年は納税の必要がなかったと報じました。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で、資産の減価償却に絡む多額の損金処理や非金銭損失によるものと説明し、報道は「非常に古い情報」と一蹴しました。

さらに「税金対策として損失を計上したいわけで、多くの不動産開発業者がやっていることだ。スポーツのようなものだ」と述べました。

アメリカ大統領候補は通常、選挙中に確定申告書を公表するようですが、トランプ大統領はこれまで開示を拒否してきています。

僕は会計業界に身を置く人間なので、会計処理は選択適用の余地があること、不動産関連の事業は設備投資が多額になるため減価償却費も多額になることなどから、トランプ大統領の言っていることは理解できます。
ただし、大統領は税金を取る側の立場にあると思いますので、『税金対策』というのはどうなんでしょうね?
日本では、最近、『税金対策』というものが認められなくなってきているように感じますが、もし、日本の総理大臣がこのような発言をすると、『税金対策』がやりやすくなるのかもしれませんけどね(笑)。

トランプ大統領が「会計はスポーツ」と過去の損失巡る報道を一蹴したことについて、どう思われましたか?


節税保険に国税庁が示した規制案が「腰砕け」になった事情!

 「正直なところ、拍子抜けしましたね」。
ダイヤモンドオンラインによると、2019年4月10日夜、生命保険会社42社が集まった拡大税制研究会が終わると、参加した幹部たちは口々にそう話しながら会場を後にしていったようです。
この日の会合には、国税庁の幹部が出席。注目を集めていた節税保険(法人定期、経営者保険)を巡る新たな税務処理案を生保各社に示したものの、その内容は腰が砕けたかのような手緩いものだったようです。

今から2か月前、同じ会合の席で国税庁は、新種の節税保険が登場しては通達で厳しく規制してきた経緯を踏まえて、「業界とのいたちごっこを解消したい」「個別通達を廃止し、単一的な(資産計上)ルールを創設する」と言明しました。
また、新たなルールは、既契約にも影響が及ぶことをちらつかせ脅しをかけるなど、今にも鉄槌を下ろそうかという勢いでした。

その様子を見て、生保や販売代理店は震え上がり大騒ぎになったわけですが、2019年4月10日の会合では意見募集(パブコメ)にかける前の段階で早々と、「既契約への遡及はしない」という方針を国税庁は示しています。

さらに、新たな損金算入ルールにおいても、提示した案ではピーク時の返戻率が50%超から70%以下なら6割、返戻率70%超から85%以下なら4割を認めるとしており、「意外にも損金算入の割合が大きくてホッとした」との声があちこちで漏れたほどだったようです。

「OBたちを見殺しにできないということじゃないですかね」と、国税庁の腰砕けの規制案について、大手生保の幹部はそう解説しています。

そもそも節税保険は中小企業の経営者をターゲットにしており、保険会社の代理店として経営者に販売している主役は税理士たちです。
国税庁OBの多くが税理士として活躍する現状で、食い扶持を奪い、果ては受け取った販売手数料を戻入(れいにゅう)させるような税務処理の見直しには、なかなか踏み込みにくいというわけです。

加えて、足元では統一地方選があり、2019年夏には参院選、10月には消費増税を控える中で、中小企業や税理士団体を敵に回すような施策には、政治家が黙っていないはずという見方もあったようです。

そうした要因が国税庁の判断にどこまで影響したかはまだ不明ですが、規制当局としていかにも弱腰の姿勢をとり、生保業界と裏で握り合っているかのような印象を与えたことだけは確かです。

2019年4月11日以降、新たな税務処理ルールは意見募集にかけられ、早ければ6月に適用となる見通しです。
生保各社も順次、節税保険の販売を再開する傍ら、新ルールの抜け穴を探すいたちごっこが始まることになるでしょう。

個人的には遡及を密かに期待していましたが、予想どおり(がっかり)の感じはしますね。
本当に一度遡及するくらいのことをしないと、今後もやったもん勝ちになるような気はしますが、どうなんでしょうか?

節税保険に国税庁が示した規制案が「腰砕け」になった事情について、どう思われましたか?


国税庁はなぜ「節税保険」にとどめを刺したのか?

 「代理店全体の収入保険料に占める経営者向け保険の割合は約4割を占める。これをどうやって穴埋めするか」
「ここ2~3年は節税保険のバブルだった。年間の手数料で1億円を超えた募集人もおり、(今回の販売休止による)ダメージは大きい」
東洋経済によると、2019年2月14日に生命保険各社が経営者向け定期保険などの販売休止を決定した、いわゆる「バレンタイン・ショック」から1か月後の2019年3月14日に、保険販売代理店の経営者らで構成する「保険乗合代理店協会」が開いた会議で、こんなやり取りが交わされたようです。

販売休止となった経営者向け保険とは、主に中小企業の経営者・役員を被保険者とする保険商品で、会社が契約者となるものです。
経営者の死亡時の保障を円滑な相続・事業承継に活用したり、解約した際に戻ってくるお金(解約返戻金)を退職慰労金などに充てることなどが想定されています。
支払った保険料の全額または一部が税務上、損金扱いできることが多いため、節税目的に活用されることが少なくありません。

この保険は、国内の生命保険会社の約半数に当たる約20社が扱っています。
推定市場規模は新契約年換算保険料ベースで8,000億~9,000億円で、2017年度の個人保険・個人年金保険料の新契約年換算保険料は約2兆6,000億円ですので、その3割にも達しています。
マイナス金利の影響で年金保険など個人向けの貯蓄性保険が縮小する一方で、急拡大している保険商品です。

しかしながら、国税庁が同保険の販売による行き過ぎた節税を問題視したことから、各社が販売を自粛しています。
生保業界全体では経営者向け保険の6~7割の商品が販売休止に追い込まれており、経営者向け保険の全商品の販売をストップした中堅生保もあります。
新たな課税ルールが決まるまで販売自粛が続く見通しで、生保各社の業績に与える影響は小さくありません。

国税庁が問題視しているのは、定期保険に関する税務上の取り扱いです。
定期保険とは、保険期間中に死亡保障を備え、保険料が毎年変わらない保険のことです。
法人税基本通達の中で、契約者が支払う保険料は全額を損金に算入できることが認められているのです。

ところが、定期保険の中には、死亡保険金額が保険期間中に徐々に上がっていく「逓増定期保険」などがあり、これは一部のケースを除いて保険料は全額損金となりません。
こうした保険商品は、支払った保険料の80%以上が解約時に「解約返戻金」として契約者のもとに戻ってくる仕組みをとっており、これだけ多くのお金が戻ってくる以上、保険料は損金ではなく、資産として計上すべき、というのが国税庁の考えです(当たり前の考え方だと個人的にも思いますが。)。

国税庁としては、全額損金扱いにすることを制限することで、過度な節税の動きに歯止めをかけてきました。
しかしながら、近年、「節税保険」の販売競争がヒートアップし、これが国税庁を大いに刺激したのです。

「とにかく違和感があった」
都内で複数の生保商品を扱う乗合代理店経営者は、2017年4月に発売された日本生命の「プラチナフェニックス」に初めて接した際の印象をこう語っています。
同商品は、死亡保険の保障がついた定期保険だが、保障開始から最初の10年間の「第1保険期間」は、病気による死亡は保障せず、ケガや事故などの保障(傷害死亡保険金)だけになっている。
この商品では加入から10年目に解約返戻率(既払い保険料に対する解約返戻金の割合)がピークに達し、そこで解約すれば、保険料の80%以上が戻ってくる設計になっています。
しかも、国税庁の基本通達にのっとって開発されており、保険料は全額損金扱いが可能とうたっていました。

「いつかは国税庁の指摘を受けるに違いない。でも、あの日本生命が金融庁から認可を取った商品だから大丈夫かも……」と、この代理店経営者はこのように考え、「『赤信号みんなで渡れば怖くない』という気持ちから販売してしまった」と心情を吐露しています。

こうした保険は年間の保険料が数百万円にのぼる場合もあります。
その分が全額、税務上の損金扱いとなり、10年後に解約すれば、80%以上の保険料が戻ってくるのです。
受け取った保険料は雑収入となり課税対象となるが、退職慰労金や設備投資など、課税所得を打ち消せるだけの費用があれば節税効果は高くなります。
病気に関する簡単な告知をクリアすれば持病を持つ経営者でも加入できたこともあり、プラチナフェニックスは発売から1年半で7.3万件を販売する大ヒット商品となったのです。

その後、東京海上日動あんしん生命やアクサ生命、朝日生命などが同様の災害保障重視型の定期保険を発売し、2018年3月に販売した第一生命グループのネオファースト生命の「ネオdeきぎょう」は、傷害死亡しか保障しない第1保険期間を最短5年に設定し、その分、前払い保険料を多くして5年後の解約返戻率をピークに持ってくる設計にしました。
さらに、この商品は保険料に占める「付加保険料」の比率を高めて、保険料を高く設定しました。
保険料は、死亡保険金を支払う財源などになる「純保険料」と、保険会社の経費などからなる「付加保険料」の合計で決まります。
通常、同じ保障内容であれば、保険料が安いほうがよいはずだが、経営者向け保険では保険料が高ければ損金扱いの金額がそれだけ増えるため、利益を出している中小企業ほど節税効果が大きくメリットを感じやすくなるのです。

ほかの生保会社の商品でも付加保険料を高くする動きが見られます。
通常の法人向け保険では、保険料に占める付加保険料の割合は2~3割が適正ですが、これを6~7割に設定している会社もあったようです。
この結果、ほぼ同じ保障内容なのに保険料が3倍も違うこともあったようです。

金融庁も付加保険料の設定について問題視しています。
2018年6月以降に生保各社にアンケート(法人向け定期保険の付加保険料実態調査)を実施し、問題点を指摘された会社は、おおむね2019年4月から保険料を下げるなど商品内容の改定を予定していました。

「ネオdeきぎょう」の2018年3月の新契約年換算保険料は100億円を超えたようです。
第一生命の営業職員経由の販売も加わった2018年4月~12月のネオファースト生命の新契約年換算保険料は前年同期比で40倍の888億円に膨らみました。
「国税庁にとっては、予定していた税収が取れない想定外の事態だったのではないか」との臆測も業界内では流れているようです。

現在、国税庁は生保各社に対して実施した経営者向け保険に関するアンケートや商品データをもとに、新しい税務取り扱いのルールを策定中です。
具体的には、保険種類を問わず、ピーク時の解約返戻率が50%超の商品について、損金算入割合が見直される可能性が高いようです。

この状況下で、現在生保各社は前述のプラチナフェニックスのような災害保障重視型の定期保険だけでなく、これまでの通達にのっとれば大手を振って販売できるはずの長期平準定期保険や逓増定期保険のうち、解約返戻率が50%を超える商品までも、新しい税務取り扱いルールが決まるまでは、販売休止にせざるをえない状況に陥っています。
販売再開は2019年5月末頃とも6月末頃とも臆測が流れているようですが、現時点では未定です。

深刻なのは、国税庁の新ルールが適用されるのが、新ルール以降の新契約だけなのか、新ルール以前の契約にまでさかのぼって適用されるのかということなのです。
国税庁の担当者は「現在検討中だが、過去にさかのぼって遡及適用の可能性もある」と話しているようです。

もし、遡及適用となれば現場の大混乱は必至でしょう。
保険料が全額損金扱いになると思って契約した保険の税務上の取り扱いが変わるため、保険契約そのものを解約する企業が増えるとみられます。
そうなれば保険会社は想定より早い段階で、解約返戻金の支払いに追われることになります。
代理店や募集人も、早期解約では代理店手数料の返還などを求められる可能性もあり、販売面の打撃は避けられないでしょう。

こうした国税庁などの動きに対し、「金融庁が保険商品を認可するときに、国税庁に法人税の取り扱いに関しての見解を聞いていれば、問題はこれほど大きくこじれなかったのではないか」という恨み節も中小企業経営者から漏れ聞こえてくるようです。

もともと節税を目的とした保険の存在そのものに懐疑的な声はありました。
相続・事業承継が専門の保険代理店「A・B・U・K・U」(アブク)の鉄尾猛司代表は「中小企業の経営者に万が一のことがあった場合に、相続・事業承継を円滑に進めるために加入するのが経営者向け保険の本来の役割。そのために最も必要なのは十分な死亡保障であり、節税だけを目的とした保険には、相続・事業承継の“そ”の字もない」と語っています。
保険料や解約返戻金が適正な水準で、万が一の死亡保障も備えた経営者向け保険はもちろん存在します。

今回、取材を進める中で、経営者向け保険を積極的に販売したある生保会社から、「法人向け保険はもう死んだ」という声も聞かれたようです。
しかしながら、それは時期尚早ではないでしょうか?
保険という商品は物品などとは異なり、販売してそれで終わりという類いのものではありません。
購入した時点(入口)では、顧客は保険の価値や効用を実感することはできません。
いったん販売したら、その出口(保険金や給付金、解約返戻金受取りなど)までしっかりとサポートする必要があります。
これはたとえ節税対策の保険であっても、その基本は変わらないでしょう。

例えば今回問題視された災害保障重視型の定期保険にしても、第1保険期間の10年間は、万が一病気で死亡しても、支払った保険料総額を下回るお金しか受け取れません。
経営者がそのことを理解していたとしても、遺族からすれば高い保険料と釣り合わない保障の低さに納得いかない思いの人も出てくるとみられます。
実際、すでに募集人との間でトラブルになっている例もあるそうです。

国税庁からは早晩今後の方向性が示されるでしょうが、たとえどのような内容の通達が出ようとも、経営者向け保険の在り方について生保業界として原点に戻って考え直す必要性があるでしょう。

遡及がないかビクビクしている保険会社や保険代理店の担当者は多いでしょうね。
何度かこのブログでも書いていますが、個人的には、そもそも保険が違った目的で使われていると思いますので、遡及をして、保険に関わる方々に改めて保険の目的を認識してほしいと思っています。
遡及となると訴訟が起こるのでしょうが、国税庁には毅然とした態度で取り扱いをきめてもらいたいですね。

国税庁はなぜ「節税保険」にとどめを刺したのか?について、どう思われましたか?


アマゾンが2年連続税金ゼロのからくり!

 Newsweekによると、世界最大のeコマースサイトでクラウドコンピューティング企業のアマゾン・ドットコム(以下、『アマゾン』という。)は、2年連続でアメリカ連邦税を1セントも払わないことがわかったようです。

アマゾンは、2018年の売上額は2,392億ドル、課税対象の純利益は112億ドルだったと発表しました。
2017年の56億ドルと比べてざっと2倍の儲けです。

これほど巨額の利益を上げておきながら、アメリカ連邦税をまったく払わずに済むのは、税法上の抜け穴を巧みに利用しているからです。
加えて、トランプ大統領が2017年に成立させた税制改革法(TCJA)による巨額減税の恩恵も受けています。
税制・経済政策研究所(ITEP)の報告書によると、トランプ減税のおかげで、アマゾンが2018年に支払うべき連邦法人税率は35%から21%に下がりました。

アマゾンは2017年度も、56億ドルの利益を上げながら払った税金はゼロでした。

ITEPの連邦税政策部門ディレクター、スティーブ・ワムホフ氏は、「アマゾンがどんな手を使っているのか、正確に知ることは難しい」と述べています。

「アマゾンは税務戦略を公表していないので、どのような抜け穴を利用しているのかはわからない。同社は漠然と税控除を利用したと言っているだけだ。トランプ減税で拡充された事業用固定資産の即時償却など、企業が取り得る方策はいくらでも考えられる」

ITEPの説明によると、トランプ減税によって、法定法人税の税率は35%から21%へと大幅に引き下げられました。
法人税率が下がったことに加え、トランプ減税には「おびただしい数の抜け道がある。それによって、利益のほぼ半分に課税される連邦と州の法人税を、当たり前のように回避している」と、ITEPのシニアフェロー、マシュー・ガードナー氏は指摘しています。

アマゾンは2011年から2016年まで、11%を超える税率でアメリカ連邦法人税を払ってきましたが、トランプ減税に乗じることで、その税率が今年はマイナス1%になります。
それに税控除などを加えた結果、アマゾンは1億2,900万ドルもの還付金を連邦政府から受け取るそうです。
昨年の還付金はさらに多く1億3,700万ドルでした。

ITEPのガードナー氏によると、アマゾンの税逃れをさらに助けているのは、従業員の持ち株と幹部に与えたストックオプションです。
その総額を控除することができるのです。

アマゾン創業者で最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾスは、推定1,362億ドルの資産を持つ、世界一裕福な人間であることは言うまでもありません。

節税も利益の最大化、ひいては株主の利益の最大化につながりますので、節税策をとるのは、個人的には当然のことだと思います。
アマゾンなどを批判するのではなく、トランプ大統領など抜け穴の多い税制を作った方を批判すべきのような気はします。
トランプ大統領は元々経営者なので、法人を優遇する税制改正はどうなのかなぁと思います。
かと言って、一国だけではどうにもならないところもありますので、世界的に国家が強調して対応すべきなのでないのかと思いますね。

アマゾンの2年連続税金ゼロのからくりについて、どう思われましたか?


怒れる国税庁が鳴らした「生保業界再編」の号砲!

 このブログで何度も書いている話ですが、週刊ダイヤモンドによると、販売競争が過熱していた「節税保険」にようやくメスを入れた国税庁ですが、生命保険業界に動揺が広がる中、税務ルールの見直し策が再編の号砲を鳴らしてしまったようです。

生命保険業界で、中小企業経営者を主な対象にして販売競争が異常なほど過熱していた「節税保険(法人定期、経営者保険)」が、ついに販売停止になりました。

2019年2月13日、国税庁が生保41社の担当者を緊急招集し、法人における支払保険料の経費算入ルールについて、抜本的に見直すことを伝えたためです。

国税庁が見直しの方向性として生保各社に示したポイントは、大きく分けると3つあります。
①長期平準定期や逓増定期をはじめ、これまで商品個別に決めていた損金(経費)算入割合の通達を廃止すること
②新たな算入ルールについては解約返戻金の返戻率が50%を超える商品を対象とすること
③解約返戻金のピーク時の返戻率に応じて、損金算入の割合を区分けすること

国税庁の怒りが分かりやすいほどにじみ出ていますが、ここまでの大幅なルール変更を、生保各社は全く想定していなかったようです。

それだけに動揺は大きかったようですが、さらに担当者の顔を青ざめさせたのは、国税庁幹部の「いたちごっこを解消したい」という趣旨の発言だったそうです。

生保業界はこれまで、2008年の法人向け逓増定期や2012年の同がん保険をはじめとして、個別通達の抜け穴を通すようなかたちで、支払った保険料を全額損金(いわゆる全損)算入でき節税効果を高めた保険を新たに開発し、集中的に販売してはその後国税庁からダメ出しを食らうということを繰り返してきました。

そうした過去の経緯や、今回の節税保険ブームの火付け役が業界最大手の日本生命だったこともあり、「『必要悪』として国税庁も一定期間は目をつぶってくれている」という認識が一部で広がり、「いつものように個別通達の見直しまでが勝負だ」といった声すら漏れていたようです。

ところが、もはやそこに生保の期待していた予定調和はなく、あるのは「プラチナ型商品のような」と日本生命の商品を名指ししながら、いたちごっこと言い切って気色ばむ国税庁の姿だったわけです。

その姿を見て、多くの生保担当者たちの脳裏をよぎった事柄があるそうです。
「既契約遡及」です。

これまでの事例を見ると、2008年以降、逓増定期をはじめ3種の節税保険については、通達を見直した日以降の契約に対して新ルールを適用しており、既契約については不問としてきました。

しかしながら、国税庁がいたちごっこを解消しようと税務の抜本的な見直しを宣告しているため、今回ばかりは既契約についても新ルールを適用するというシナリオが現実味を帯びているのです。

もし、既契約についても新ルールを適用するとどうなるのでしょうか?
中小企業は期待していた節税効果を得られず、一定数の解約発生は避けられないことになり、業界の混乱は必至です。

そもそも節税保険は、多くの生保が税理士代理店などに高い手数料を払って中小企業に販売してもらっています。
そのため、早期解約の場合は、保険会社の費差益がマイナスになってしまうケースが大半とみられます。

代理店にとっても死活問題です。
早期解約の場合、受け取った販売手数料は保険会社に返す決まりがあり、ともすると大量の手数料戻入によって代理店の資金繰りが行き詰まる可能性があるのです。

国税庁との会合以降、多くの生保が節税保険の販売停止を決めたのは、これ以上国税庁の不興を買って、既契約に影響が及ぶような事態になることを、何としても避けたかったからです。

ただ、この一時的な販売停止すらも一部の生保にとっては大ダメージです。

なぜなら、新契約の大半が返戻率50%超の節税保険という生保もあり、国税庁が新ルールを適用するまでの間、販売する商品がほとんどなくなってしまうのです。

そうした事情を抱える一部の生保は、国税庁との会合後数日間は、同業他社の対応を無視するかのように販売を続ける姿勢を取っていたものの、既契約遡及の可能性を指摘されると、お茶を濁すように全損型商品に限って販売停止を決めたようです。

これまでも業界で縁起が悪いとされている地域への移転を検討する傍らで、経営基盤を固めるために出資を募っているという観測が絶えなかったところもあり、ここにきて国税庁にとどめを刺された格好です。

生保やその代理店の経営を監督する役目を担うのは金融庁だが、節税保険のブームによってその生殺与奪と再編の手綱は、今や国税庁が握り始めています。

そもそも節税保険でないと販売できないような生保はいらないと思いますし、何か改正があると、改正までは大丈夫ということで特需を生み出してきた生保業界には以前から疑問を持っていましたので、今回の国税庁の毅然とした対応で、生保業界が正常な姿になってほしいと思います。
個人的には、『既契約遡及』してもいいような案件ではないかと思っています。
そうなると、保険会社、保険代理店、保険の手数料が主要な収入源の税理士事務所などは大変でしょうね。
最初に発売した最大手の日本生命もどう対応していくのでしょうか?
どうなるか、興味津々でウォッチしていきたいですね。

怒れる国税庁が鳴らした「生保業界再編」の号砲について、どう思われましたか?


生命保険各社が「節税保険」を販売停止!

 このブログでも何度か取り上げましたが、日本生命保険など生命保険各社は、2019年2月13日、節税目的の加入が増えている経営者保険の販売を一時取りやめることを決めました。
国税庁が同保険の税務上の取り扱いを見直し、支払った保険料を損金算入できる範囲に制限をかける検討を始めるためです。
中小企業の節税ニーズをとらえて市場が急拡大してきましたが、転機を迎えています。

日本生命のほか第一生命保険や明治安田生命保険、住友生命保険が解約時の返戻率が50%を超える法人向け保険の販売を、2019年2月14日から停止しました。
外資系のメットライフ生命保険なども販売を止めます。
国税庁が、2019年2月13日、同保険の課税方法を定めた通達を見直す考えを生保各社に伝えました。
各社は、見直し案が固まるまで販売を自粛する方向のようです。

販売を停止する経営者保険は、中小企業が契約主体となり、経営者が死亡すると数億円単位の保険金が支払われます。
保険料を全額会社の損金に算入でき、途中解約すると保険料の大部分が戻ってくる設計で、実態は節税目的の利用が多くなっています。

国税庁は解約時に保険料の大部分が戻る前提の商品については、保険料を損金ではなく資産として計上すべきだとの考えのため、現在の商品が保険料の全額を損金処理できる点を問題視しています。
法人の保険料の税務上の取り扱いを定めた通達を見直して制限をかけるようです。

節税保険は中小企業経営者のニーズをつかみ、市場規模が数千億円にまで拡大しましたが、金融庁が節税効果を強調した販売手法などを問題視し、各社は商品設計や販売手法を見直す準備に入っていました。
国税庁が商品の根幹である税の取り扱いを見直すことで、より根本的な見直しを迫られました。

なお、節税効果の高い経営者保険は過去にも登場し、その度に国税庁が規制を重ねてきました。
今回は日本生命が2017年に出した新商品「プラチナフェニックス」をきっかけに各社がこぞって商品を投入しました。

国税庁がどう出てくるか興味深く見ていましたが、意外と対応が早かったですね。
この『節税保険』を販売して稼いでいる方もたくさんおられるでしょうから、どうなるか心配している方も多いでしょうね。
今後どうなるか楽しみにウォッチしたいですね。

生命保険各社が「節税保険」を販売停止したことについて、どう思われましたか?


外貨建て・節税保険めぐる攻防で金融庁の生保への「嫌悪感」が高まる!

 週刊ダイヤモンドによると、金融庁が、外貨建てと節税保険という生命保険会社の食い扶持にメスを入れ始めました。
2018年から続く規制強化に向けた取り組みの裏側で、金融庁内では生命保険会社への嫌悪感が否応なく高まっているようです。

生命保険会社とその経営を監督する金融庁の攻防が年明け以降、本格化しているようです。
舞台となっているのは、一時払い(一括払い)の外貨建て貯蓄性保険と、中小企業経営者を主なターゲットにした「節税保険」の2つです。
特に、外貨建て保険については主要な販路となっているメガバンクや地域銀行も巻き込んで、攻防が激しくなっているのです。

発端となったのは、2018年2月の生命保険会社役員との意見交換会で、金融庁は、「投信と類似の貯蓄性保険商品は(中略)各種のリスクや費用を除いた後の実質的なリターンについて、投信と同じレベルの情報提供・説明が求められる」との見解を伝えています。
低金利による運用難で、米ドルや豪ドルといった外貨建ての貯蓄性保険の販売に生命保険会社各社が傾注する中で、運用利回りや元本割れ、為替リスクなどの情報提供が、分かりやすく行われていないという実態が散見されたためです。

その後、生命保険会社が対応を渋るような様子をみせる中で、金融庁は2018年9月、金融行政方針の中で改めてこの問題を取り上げ、募集(販売)ガイドラインを改定し、各種費用を除いた「実質的な利回り」など、顧客本位に向けた情報を表示するよう求めました。

そこには金融庁首脳の強い意向もあったようですが、業界サイドの動きはなおも鈍かったようです。

2018年末に予定していた募集資料に関する指針の改定では、実質利回りなどに言及することを見送ろうとしたことで、金融庁が激怒し、急きょ年の瀬に生命保険会社の役員を集め、幹部が問題意識を改めて伝える事態になったわけです。

その9日後には、一時払いの外貨建て保険に関して、顧客に資する分かりやすい情報が載った募集資料とはこういうものだというひな形まで、金融庁はわざわざ示してみせています。

圧力をかわしきれなくなった業界サイドは2019年1月中旬、指針とは別に「積立利率、予定利率及び実質的な利回りの分かりやすい表示について」という資料を作成し各社に配布しました。
実質利回りなどを表示する際の定義について統一を図りましたが、文面に「拘束力を有するものではない」と明記することも忘れませんでした。

当局対応が稚拙で反抗することが多い外資系生命保険会社や、銀行における窓口販売への影響に一定の配慮をしたとみられますが、いつまで経っても後ろ向きの姿勢が抜け切れない状況に、金融庁内でため息が広がったのは言うまでもありません。

節税保険の販売を巡っても、金融庁のため息は深いようです。
2017年春以降、各社が保険料を全額損金算入できる新商品を投入し、販売競争が一気に過熱する中で、金融庁は節税効果を過度にアピールする販売手法を問題視し、調査票を配り、実態調査に着手したのが2018年6月のことです。

調べを進める中で、保険会社の経費の上乗せ分となる「付加保険料」で合理性が欠けていることが分かると、各社を呼びつけて速やかな見直しを迫ってきました。

年が明けると、複数の生命保険会社が4月に付加保険料を見直すことを金融庁に伝えているようですが、それまでの間商品を販売停止にするところまでは至っていません。

3月期決算の企業が多く、この3か月間が節税保険の一番の売り時のため、生命保険会社としては当局の意向を汲んで、バカ正直に販売停止するわけにはいかないわけです。

金融庁内では当初、「2月までに販売停止に追い込むべき」という強硬論も出ていたようですが、そうなると付加保険料の調整をしていない一部生命保険会社だけが、大手を振って販売できることになってしまいます。

結果として一部の生命保険会社に利益誘導したことにもなり兼ねないことから、今のところそこまでは踏み込んでいないようです。

現在は、節税手法について「将来に向けて保証されているものではない」などとした注意喚起文書を、顧客企業に配布するよう促している最中です。

ここで問題なのは、金融庁内で強硬論が収まったことをこれ幸いとして、一部の生命保険会社が「加入するなら(4月の保険料改定前の)今がおすすめ」とあおるような募集を足元で始めていることです。

当然ながら、金融庁もそうした実情を把握しており、「金融機関としてのプライドはないのか」(幹部)と半ばあきれ顔です。
それゆえ、金融庁内で生保への嫌悪感が高まり、沸点の低下が止まらないという状況に、業界サイドはどう向き合っていくのでしょうか?

下手を打てばさらなる規制強化というリスクがある中で、生命保険会社各社の足並みが全くそろわない現状を危惧し、業界内からは金融庁との「折衝役」を途中交代させるべきという声が漏れ始めました。

このブログでも何度か書いていますが、この攻防はどうなっていくのでしょうか?
個人的には、本来、保険は『節税』目的ではなく、『保障』目的だと思いますので、まずは生命保険会社がそこを再認識して、商品を販売してほしいですね。
『節税』目的をアピールしないと販売できないのであれば、どうなのかなぁ?と思いますね。
あとは、ほとんどの税金が増税の中で、法人税は減税の方向ですから、節税の効果は弱まっていくんですよね。
もちろん、金融庁にも商品設計をきちんと確認してほしいと思いますが。

外貨建て・節税保険めぐる攻防で金融庁の生保への「嫌悪感」が高まっていることについて、どう思われましたか?


金融庁が高い返戻金を問題視し「節税保険」の見直しを要求!

 中小企業経営者向けの死亡定期保険を巡り、販売現場で節税効果の㏚が過熱している問題で、金融庁が生命保険業界に一部商品の設計の見直しを求めたことがわかったようです。 こうした保険は保険料を経費算入する節税目的での加入が目立ち、一部で「節税メリット」をことさらに強調するような商品が出ています。

関係者によると、2018年11月中旬の金融庁と生保業界の意見交換の場で、金融庁幹部が一部商品について「(商品設計が)合理性や妥当性を欠く」などと指摘し、「適切な対応」を求めたようです。

「節税保険」は経営者らが高額の保険料を払って加入し、保険料は全額経費に算入し会社の利益を圧縮して節税します。 10年ほどで途中解約すれば「解約返戻金」で保険料の多くが戻ります。 同時に役員退職金の支払いや設備投資をすれば、返戻金も課税されずに済みます。

こうした保険は期間の前期は保障範囲が狭く、年齢を重ねた後期は保障範囲が広くなっています。 保険料は全期間で平準化され、前期は割高な保険料になります。 ただし、前期での中途解約を前提にすれば、多額の保険料支払いで節税し、解約返戻金で保険料も取り戻せると営業現場で強調されているようです。

今回金融庁が問題視したのは、保険料や返戻金が不自然に高く、節税メリットが強調されがちな商品です。

保険の商品設計は金融庁の認可が必要で、保険料や返戻金を極端に引き上げるのは難しくなっています。 そこで一部商品では、営業経費などが含まれる「付加保険料」を後期に多く見積もっていました。 付加保険料は金融庁の認可が不要なのです。 この手法で保険料と返戻金の水準を引き上げ、節税メリットをさらに強調していました。

金融庁は2018年6月以降、各社へのアンケートや聞き取りで実態を調査し、一部の商品を問題視しており、今回見直しを求めました。

すでに金融庁の調査を受け新商品の発売が延期されたケースもあり、さらに今回の見直し要求で、発売中の商品にも影響が出る可能性があります。

ただし、今回金融庁が問題視したのは付加保険料の部分だけで、業界はこの保険自体は問題ないと主張しています。 2017年春に、保険料が全額経費に算入できるタイプの商品を発売してブームを起こした日本生命保険の三笠裕司常務は先日の2018年9月中間決算会見で、「短期解約を推奨する商品ではない。保障ニーズに応える商品だ」と述べました。 明治安田生命の荒谷雅夫専務も、「節税の部分についても説明するだろうが、保険本来の目的を丁寧に説明する」と話しました。

今年もこの手の保険をたくさん販売して稼いでいる保険の営業マンや会計事務所があるようですが、保険代理店もやっている僕としては、個人的には節税ありきではなく、『何のための保険か?』ということを考えて、保険を販売しないといけないなぁと改めて思います。

金融庁が高い返戻金を問題視し「節税保険」の見直しを要求したことについて、どう思われましたか?


金融庁が「節税保険」の監督を強化し発売延期する新商品も!

 主に中小企業経営者向けの死亡定期保険を巡り、生命保険の販売現場で「節税」アピールが過熱し、金融庁が監督を強化しているようです。 一部の商品設計は保険の趣旨を逸脱しかねないとみて、各社に繰り返し調査して説明を要求しており、一部で新商品の発売延期の動きも出ているそうです。

問題の保険は、経営者らの死亡時に高額の保険金が支払われる定期保険で、保険料は条件次第で全額経費扱いにでき、加入者が経営する企業の利益を減らして節税できます。 保険期間は数十年だが10年ほどで中途解約すれば高い返戻金が得られ、支払った保険料の多くを取り戻せます。 中途解約と役員退職金などの支払時期を合わせれば、返戻金への課税も回避できます。

既存の同種の商品では、国税庁が保険料の一部を経費算入できなくするなどしました。 しかしながら、20174月、日本生命保険が全額経費算入できる商品を発売しました。 その後、各社が追随して、返戻金がより多く得られる商品も登場し、販売現場で「節税」㏚が過熱しました。

これに対し、金融庁は、一部商品では「付加保険料」と呼ばれる営業経費が保険期間の後期に大幅に高くされ、前期も含む保険料全体が引き上げられ、返戻金が多くなっていることを問題視しています。 6月以降、各社へのアンケートなどで保険料の算出根拠を繰り返し問い、追加説明を求めているようです。

金融庁の「厳格化」に波紋が広がり、オリックス生命は来月予定だった経営者向け保険の発売の延期を代理店に通知しました。 代理店への書面で「(金融庁の)調査への対応を継続している」と記載しています。 オリックス生命は、「金融庁による対応次第で、いったん販売してしまうと顧客に迷惑をかける可能性がある」(広報)と説明しているようです。

販売後にどうこういうのもどうかと思いますが、実質、節税が目的となっている保険商品はどうなのかなぁと疑問に思います。 この商品ではないですが、節税が目的の商品を販売するがために、税務上リスクが高いということで反対する顧問税理士がいる場合、代わりの税理士を紹介して税理士を変えさせたうえで保険商品を販売している保険代理店がいるような話を先日耳にしましたが、今まで否認されていないからO.K.というわけではなく、保険の入口から出口まで合理性があるかストーリーを描けるかどうかを、会社も保険会社も保険代理店も税理士も考えないと、将来痛い目にあうような気はしますね。

金融庁が「節税保険」の監督を強化し発売延期する新商品も出てきていることについて、どう思われましたか?


節税目的の経営者向け大人気保険に「待った」をかけた金融庁vs生保の戦い!

 週刊ダイヤモンドによると、個別の保険商品の販売実態について金融庁が異例の調査に踏み切ったことに、生保各社は警戒を強めているようです。
 大人気の経営者保険に対し、金融庁が実態調査「とうとう来たなという感じですね」と、6月中旬、金融庁から送られてきた1通の書類について、国内生命保険会社の幹部はこうつぶやいたようです。
 書類とは、中小企業経営者などを対象にしたいわゆる「経営者向け保険」について、「付加保険料の設定状況」などを尋ねた調査用紙で、626日を回答期限としていました。
 経営者向け保険を巡っては、2017年春に最大手の日本生命保険が、「プラチナフェニックス」の愛称で商品を投入したことで市場に一気に火がつき、大手を始め他の生保も相次いで追随したことで、販売が過熱しています。
 各社とも「傷害保障」「生活保障」などとパンフレットでうたい、経営者が倒れたときの事業リスクをカバーする保険としていますが、その実態は紛れもなく企業向けの「節税商品」です。
 なぜならば、支払った保険料の全額を「損金」として算入できる仕組みがあるため、税引前利益を保険料で“相殺”し、法人税などの負担を軽減できるからです。
 単純な返戻率だけを見ると80%前後と、支払った保険料を下回るお金しか戻ってこない計算になりますが、法人税などを支払った場合と比べた「実質返戻率」は、2年目からプラスになる設計のものが多く、5年も経てば120%を大きく上回る水準になります。
 第一生命グループのネオファースト生命保険が20183月に発売した「ネオdeきぎょう」は、その返戻率の高さから、3月単月でANP(新契約年換算保険料)が120億円に達するなど、多くの企業が決算期末を迎える3月は「お祭りのような状態」(保険代理店関係者)だったそうです。
 しかしながら、そのようなタイミングで金融庁が「待った」をかけたのです。
 そもそも、金融庁が個別商品の販売状況について実態調査に踏み切るのは異例のことです。
 ところが、販売現場の過熱ぶりや、足元で新たな商品認可の審査も相次ぐという実情を踏まえて、調査によって生保各社を牽制する狙いがあるとみられます。
 調査の中で詳細な報告を求めている付加保険料については、2018年春以降に外資系生保などが発売している商品の中に「保険期間によって大きな差をつけることで、返戻率を高めている」(金融庁幹部)として、当局は目を光らせているようです。
 調査によって、今後生保各社には付加保険料の見直しの圧力がかかることになりますが、外資系生保の幹部によると、返戻率を高める“裏ワザ”は「付加保険料以外にも、まだたくさんある」ようです。
 そうであれば、金融庁による実態調査に過敏に反応する必要はないように思えますが、冒頭の生保幹部の発言のように警戒を強めているのは、一体なぜなのでしょうか?
 それは、保険料の全額損金算入という経営者保険の根幹部分が、今後、否認される可能性が出てきたからです。
 全損の認否自体は国税庁が担っているものの、情報連携をする中で金融庁がその「前段階」として実態調査に着手したと、生保各社は捉えているわけです。
 生保は過去にも、逓増定期やがん保険を始め、全損タイプの経営者向け保険をこぞって販売しては、その後、国税当局から“ダメ出し”を受けるということを繰り返してきた経緯があります。
 国税庁からいつ全損否認の通達が示されるか、その時期を見極めながら、生保各社の「駆け込み販売」が今後本格化することになるでしょう。
 T&A masterによると、①当局、節税効果の高い「一定期間災害保障重視型定期保険」を問題視。現在の「全額損金算入」が見直される恐れ。過去の例からすると、損金算入割合が1/2に圧縮される可能性、②早ければ年内に通達改正も。ただし、過去の例からすると、改正通達は施行日前の契約には遡及しない公算とありますので、特需が発生する可能性がありますね。
 節税目的の経営者向け大人気保険に「待った」をかけた金融庁vs生保の戦いがあることについて、どう思われましたか?