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ファミマTOB価格は高裁も安すぎと判断し非公開化価格設定に影響も!

M&A Onlineによると、伊藤忠商事がファミリーマート(東京都港区)を完全子会社化する際に実施した株式公開買い付け(TOB)の価格を巡る裁判で、東京高裁は先日までに、公正な価格は実際の買い付け価格よりも300円高いとする東京地裁の判断を支持し、ファミリーマート側の抗告を棄却する決定をしました。

TOBに関して公正な価格を裁判所が決定するのは近年ではまれで、親子上場の解消のための非公開化や経営陣が参加する買収(MBO)による株式非公開化に影響を与える可能性があります。

伊藤忠商事は2020年、50.1%を保有していたファミリーマートに対し1株2,300円でTOBを実施しましたが、TOBに応募せずに強制的に株式を買い取られた海外投資家などが、買い取り価格が安すぎるとして東京地裁に公正な価格の決定を求めて申し立てを行いました。

東京地裁は2023年、ファミリーマートが設置した特別委員会が十分に機能していなかったとした上で、2,600円を公正な価格として示しました。

ファミリーマートはこの決定を不服として、東京高裁に抗告していました。

ロイターが閲覧した決定文によると、東京高裁は東京地裁の決定内容を概ね支持しました。

価格水準が不十分といった特別委員会からの意見が尊重されず、TOBが一般に公正と認められる手続きにより行われたと認めることはできないとしました。

TOB価格は、ファミリーマートの特別委員会が選任した財務アドバイザーが算定した企業価値の下限を下回っていたのです。

ファミリーマートは「当社が主張してきた手続きの公正性が認められなかったことは誠に遺憾であり、不服申し立てを行う方針。今後の対応に向けて準備を進めていく」と回答しました。

伊藤忠商事は「ファミリーマートで係争中の案件であり、コメントは差し控える」とした。

経営陣が株式を取得して非上場化したり、親会社が上場子会社を完全子会社化したりする際に実施するTOBでは、なるべく安く株式を取得したい経営陣や親会社と、高値で株式を売却したい少数株主との間で構造的な利益相反が存在します。

大正製薬ホールディングスが実施したMBOについて複数の投資家が価格決定を申し立てるなど、公正な買い取り価格について裁判所に判断を仰ぐ事例が増えています。

しかしながら、2016年以降、裁判所はTOBを巡る公正な価格の判断は行ってきませんでした。

このきっかけとなったのが、ジュピターテレコムTOBに関する2016年の最高裁の決定です。

特別委員会を設置するなど、意思決定が恣意的になることを排除する措置が講じられ、手続きが公正であればTOB価格は尊重されるとしたため、価格に不満を持つ株主側はまず手続きが公正でなかったことを立証しなければならず、価格の審査の前に門前払いとなっていました。

一方、手続きの公正性の審査が特別委員会の設置などといった形式的なものとどまれば、価格の公正さが審理される場が事実上なくなることを懸念する声も出ています。

ファミリーマートのTOBで価格にまで踏み込んだ地裁の判断は、今後の司法判断に影響を与えるとして注目を集めていました。

僕自身も個人的に何度か持っていた株式がMBOによりスクイーズアウトされたことがありますが、少数株主は何もできませんからね。

一方、仕事で上場企業のMBOに携わったことがありますが、株主から質問があった場合にはどう答えるか考えながら、言い換えれば、説明できるようなロジックかどうかを念頭に置いて業務を進めていましたが、その辺りの意識が欠けていたのでしょうか?

この事件の結果は今後のTOBに影響を与えると思いますので、どんな結論になるか楽しみにウォッチしていきたいですね。

ファミマTOB価格は高裁も安すぎと判断し非公開化価格設定に影響を与える可能性があることについて、あなたはどう思われましたか?


ファミマのTOB価格2,300円は不当に安かったのか?

東京地裁が不当に安いと判断した伊藤忠によるファミマTOB価格は本当に安かったのでしょうか?
M&A Onlineによると、ブルームバーグの報道では、東京地裁はファミリーマートの買収対価をめぐり反対株主から提起されていた株式買取価格決定訴訟において、伊藤忠商事による買取価格の2,300円は不当に安く、2,600円とする判決を下したとのことです。

その理由は、企業法務ナビの記事(https://www.corporate-legal.jp/news/5220)によると、ファミリーマートが設置した特別委員会が意見表明書の中で2,300円を「安い」と評しており、これを「妥当でない」と表現していればTOB自体に賛同できなかった可能性があるため、多数株主と少数株主の利害を適切に調整された結果とは言い難いからとのことです。

なお、事件の経緯の概略は、以下のとおりです。
<判決に至った経緯>
伊藤忠商事は、上場子会社であったファミリーマートの完全子会社化を行うことを決定し、2020年7月9日に1株当たり2,300円でTOBを開始しました。
TOBの実施について、伊藤忠商事の2020年7月8日付のプレスリリースでは目的・理由が詳しく記載されていますが、要約すると、「子会社上場を維持していると少数株主との利害対立を避けられず、その調整のため実施できない施策が発生するなどの弊害が大きいので、TOBによる完全子会社化を実施して親子上場を解消し、より抜本的な成長戦略を実施したい」ということになります。

ファミリーマートは同プレスリリースで、伊藤忠グループとの一体性を高めることが競争に勝つために必要であることを理由に、「TOB自体には賛同しつつ、提示された価格が一般株主への投資回収機会の提供という観点では一定の合理性があるため、妥当性を欠くとまでは言えないが、一般株主に対し積極的に応募を推奨できる水準の価格に達しているとまでは言えないため、応募するかどうかは株主の判断に委ねる」とする意見を表明しました。

ファミリーマートはメリルリンチ日本証券に、また、ファミリーマートが設置した特別委員会は、PwCにそれぞれ株式価値算定を依頼し、提示価格の妥当性を検討しています。
結論として、提示価格は両評価書の提示するレンジの範囲内であるため、妥当といえる水準には達しているが、PwCによる評価で採用したDCF法の下限値である2,472円には届いていないこと、また、2010年以降に発表され、非公開化を目的とし、買付規模が500億円以上である他の公開買付けの事例のプレミアム水準と比較して、見劣りするプレミアム水準にとどまることから、十分に高い水準であるとまでは言えない旨記載しています。

その後、TOBに十分な応募があったため、伊藤忠商事は同年11月10日に買収を完了させてファミリーマートを上場廃止とし、その後応募しなかった株主に対して同額の2,300円で株式併合によるスクイーズアウトを実施しました。このスクイーズアウトに反対する株主が、東京地裁に買取価格決定を申し立てました。

そして、東京地裁は冒頭に記載したとおり、特別委員会がプレミアムが不十分としたことを問題視し、「株価が安い」と判断した模様です。

では、TOB価格の2,300円は本当に安かったのでしょうか?
ここから先は、巽 震二氏が、アナリスト目線で検証しています。

ファミリーマートのTOBに関する意見表明のプレスリリースで開示されている提示価格のプレミアムと類似事例の平均値の比較及び類似事例の平均値に基づく株価評価を見ると、類似事例プレミアムは36%~39%で測定期間を通じて大きくはぶれていないのに対し、提示プレミアムは11%~30%と大きくぶれています。
測定期間が長いほどプレミアムが低くなっていますので、これはファミリーマートの株価が6か月間下落トレンドで推移してきたこと、一方で類似事例では6か月間に大きなトレンドがなく概ね持ち合い圏での推移をたどっていたことが読み取れます。

提示価格の2,300円が安かったのかどうかは、この下落トレンドが市場のどのような判断に起因するのかによるといえます。

スタンドアロンの今後の成長が市場の要求水準に届かず、価格訂正が続いている状況であれば、公表前日の株価に30%のプレミアムを付けて損切のチャンスが与えられる一般株主には、有利な価格と考えられます。

そうではなく、コロナ禍という一過性の業績悪化等による下落トレンドに過ぎず、今後スタンドアロンの経営努力で市場の要求水準を満たす利益成長が期待できるのであれば、足元の底値を基準にした公表前日株価に対するプレミアムではなく、6か月平均に対するプレミアムが十分なものでなければ、TOB価格が不当に抑えられたという結論になるでしょう。

そこで、2019年1月からTOB公表までのファミリーマートの株価推移をまずは見てみると、2019年1月~8月は、時折戻りを入れながらも一貫した下落トレンドを描いています。
同期間中、TOPIXは弱いながらも上昇トレンドでしたので、銘柄固有の要因でファンダメンタルな売られ方をしたのであろうと推測されます(上場廃止に伴い、当時の決算説明資料等が公開されなくなってしまいましたので、具体的な要因の分析は現時点では残念ながら困難です)。

その後、一旦株価は底打ちして反転上昇トレンドを10月まで維持しますが、結局そこで頭打ちとなり、再び下落トレンドに入ります。

さらに、2020年2月下旬から発生した新型コロナ第1波の拡大懸念による世界同時株価急落が発生して下落速度が急加速し、下落幅のおよそ半値戻し水準まで来て持ち合いの動きとなりました。
そして、一旦は上放れしたものの反落して持ち合い起点の安値を割れるかどうかというところでTOB公表となりました。

この株価推移からすると、ファミリーマートの株にはファンダメンタルな弱さがあり、市場が要求する利益成長に届かないという判断はおそらく下されていたのであろうと推察されます。
他方で、平均株価の算出期間はコロナショックの影響が非常に強く反映された時期であり、業績が落ち込んでいたとはいえ、果たしてそこまでコロナショックの影響を織り込むことが妥当であったのかという疑問が生じます。

特に3か月平均までは、コロナショック後の株価だけの平均ですが、6か月平均であれば、コロナショック前の株価を含んだ平均となりますので、コロナショックの影響を一定程度調整するのであれば、6か月平均を重視するという考え方になるかと思います。

2020年7月は、世界各地でのロックダウンが解除されはじめ、日本でも緊急事態宣言解除後、Go Toトラベル政策の開始が予定され、また5月にはモデルナワクチンの治験が成功したことが報じられるなど、ワクチン開発の進捗によるコロナ収束の期待も高まり始めた時期ですので、一定程度コロナからの立ち直りを見込んでも良い時期にあったと考えられます。

実際に、意見表明のプレスリリースで開示されている伊藤忠商事にも提出していた株価算定用の事業計画では、営業収益・事業利益は2022/2期にコロナ前の2020/2期を超過し、EBITDAも2025/2期にはほぼ2020/3期と同水準まで回復することを見込んでいます。

フリーキャッシュフローは2020/3期水準を大きく下回る水準が想定されていますが、日々現金売上が生じ、食品等販売期間の短い商品の比率が高いコンビニエンスストアという業態から見て、キャッシュ・コンバージョン・サイクルはそれほど長くないはずですので、利益が回復しているのにフリーCFが大きく減少するというのは設備投資を増加させているからと考えられます。

であるとすれば、長期的には減価償却費の増加を通じでフリーCFが反転増加トレンドになるはずですので、いずれはコロナ前の水準に回復できるとみてよいと思います。

以上から考えると、TOBを公表した7月の時点では、コロナ前水準への回復をある程度見込んだ事業計画が策定されていることから、価格面でもそれを織り込むべきと考えられ、ファミリーマート特別委員会の2,300円は「安い」という意見は合理的であると思います。

他方で、2019年からの大きな下落トレンドを見る限り、ファンダメンタルな株価下落の理由も否定はできなそうですので、あまり高くは買えないという伊藤忠商事サイドの主張も一定の合理性はあろうかと思います。

そうすると、2,600円という判決の水準は、意見表明のプレスリリースにおいてコロナショック前の交渉の初期段階で伊藤忠商事が最初に提示した価格として言及された価格でもあり、また、過去3か月分の平均株価に類似事例プレミアムを乗じた水準とほぼ同じです。

当該3か月間は、コロナショック後の底打ちから業績回復期待による小反発局面を含めた期間でもありますので、コロナからの回復期待の織り込み度合いという点でも落としどころとしてちょうどよい水準のように感じられます。

過去にも「牛角」などの飲食チェーンを運営するレックス・ホールディングスなどで問題になっているとは思いますが、なかなか難しい問題ですね。
こういった訴えられるリスクもありますので、MBOなどをやる際には、かなり慎重にやらないといけないですね。

ファミマのTOB価格2,300円は不当に安かったのか?について、どう思われましたか?


「サザビーリーグ」創業者らの80億円課税処分を「株価の根拠明確でない」との裁決で全額取り消し!

読売新聞によると、生活雑貨ブランド「アフタヌーンティー」などを展開する「サザビーリーグ」(東京都)の創業者らが東京国税局から受けた計約80億円の課税処分について、「国税不服審判所」が全額を取り消す裁決をしたことがわかったようです。
裁決は2022年1月20日付です。
巨額の課税処分の取り消しは異例です。

課税処分の取り消しを受けたのは、創業者の鈴木陸三氏(78)と、森正督会長(73)の資産管理会社「三木家」(東京都)です。
関係者によると、サザビーリーグはかつてジャスダックに上場していましたが、鈴木氏の親族が代表を務める投資会社が株式公開買い付け(TOB)を行い、2011年3月までに非上場化しました。

株を大量保有していた鈴木氏と森氏から、親族に事業を承継した形です
この際、投資会社はTOBの資金調達の一環として新株を発行し、鈴木氏と三木家が1株5万円で計6万株(30億円)を取得しました。
投資会社はTOBに成功してサザビーリーグを吸収合併した後、鈴木氏と三木家から1株8万円で株の一部を買い戻しました。

鈴木氏と三木家は計9億円の売却益について税務申告していました。
これに対し、東京国税局は一連の取引に事業承継時の税負担を軽減する目的がなかったかどうかなどについて調査を行いました。
東京国税局は、サザビーリーグの吸収合併で投資会社の資産は増えており、株の買い戻し価格は1株8万円ではなく「84万円」が相当だと判断しました。
2019年9月、当初申告との差額に当たる計約210億円の申告漏れがあったとして、過少申告加算税を含む計約80億円を追徴しました。
鈴木氏と三木家は追徴を不服とし、2019年12月に国税不服審判所に審査請求しました。
鈴木氏らは審判で「株価は投資会社の定款で定められており、適正だ。株の売却で巨額の利益を得たわけでもない」などと主張しました。
裁決はこれを認め、「国税当局側の主張する株価の根拠は明確でなく、課税処分は違法だ」と結論付けました。

納付済みだった追徴税は、利子に当たる「還付加算金」を上乗せして鈴木氏らに返還されたようです。
鈴木氏らは取材に「審判所の適正な判断に心から安堵している」と文書で回答しています。
一方、東京国税局は「個別事案については回答を差し控える」としています。
なお、サザビーリーグは1972年創業で、人気アパレルブランド「カナダグース」なども販売しており、2021年3月期の連結売上高は851億円です。
また、国税不服審判所は、国税庁に設置され、納税者からの審査請求を受けて国税職員や裁判官が審査を行うところです。
2020年度に審査された2,328件のうち、全面的な課税取り消しは65件(2.8%)で、裁決は行政の最終処分で、国税当局は再調査や提訴ができません。

個人的には、『株価が定款に定められている』というのは、根拠にならないと思います。
あくまで、『時価』ですから。
これが認められると、定款に定めることで、安易に租税回避を図ろうとする人がでてくるのではないかなぁと不安になります。
国税庁が、持って行き方を誤った案件なのではないでしょうか?

「サザビーリーグ」創業者らの80億円課税処分を「株価の根拠明確でない」との裁決で全額取り消されたことについて、どう思われましたか?


サイブリッジ合同会社がカーディナル株式会社(証券コード:7855)に対して山田マーケティング株式会社による公開買付けに関して質問書を送付!

サイブリッジ合同会社(代表:水口翼)は、カーディナル株式会社(代表取締役社長:山田弘直、証券コード:7855)の株主です。
サイブリッジ合同会社は、2021年8月5日に開示された山田マーケティング株式会社(以下「山田マーケティング社」)によるカーディナル株式会社へのいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われる株式公開買付(以下「本公開買付け」)について、本公開買付けに係る買付価格が一般株主に対して十分に配慮された価格ではない可能性があるため、カーディナル株式会社に対して本文記載の内容の質問書を送付しました。

質問書

2021年8月5日付「山田マーケティング株式会社によるカーディナル株式会社株式(証券コード:7855)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」により、山田マーケティング株式会社(以下「公開買付者」といいます。)によるカーディナル株式会社(以下「貴社」といいます。)の普通株式(以下「貴社株式」といいます。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)が公表されました。
そして、貴社は、2021年8月5日付け「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」を公表し、本件公開買付けに賛同する意見を表明しております。
一方で、本公開買付けに係る貴社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)は、普通株式1株につき851円となっており、1株当たりの貴社の純資産額(第54期における1株当たりの純資産額は1,133.53円)を大幅に下回る金額となっております。
そのため、貴社の株主であるサイブリッジ合同会社(以下「サイブリッジ」といいます。)は、本公開買付価格は貴社の一般株主に対して十分に配慮された価格ではない可能性があると考えております。
貴社に対して本事前質問状を提出し、下記の質問に対して、2021年9月1日午後5時までに、貴社のHP上にて回答を公開することを求めます。
万が一、本質問書記載のご質問に対して、了解可能なご回答をいただけなかった場合、サイブリッジは本公開買付価格の見直しの要請をすることを具体的に検討しております。

1.フェアネス・オピニオンの取得について
2021年8月6日付「意見表明報告書」(以下「本意見表明報告書」といいます。)によれば、貴社は、貴社、公開買付者及び不応募合意株主から独立した株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
経済産業省の「公正なM&Aのあり方に関する指針」(以下「MA指針」といいます。)においては、「第三者評価機関からフェアネス・オピニオンの取得が行われた場合には、公正性担保措置として積極的に評価されるべきものと考えられる。」とされております。
MA指針において、MBOを実施する際の公正性担保措置の一つとして指摘をされている「フェアネス・オピニオン」をプルータス・コンサルティングから取得しないという判断をされた理由について、具体的にご説明を願います。

2.株価算定方法について
(1)加重平均資本コストの算出について
本意見表明報告書によれば、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、プルータス・コンサルティングに対し、貴社株式価値の算定を依頼し、株式価値算定書を取得しております。
プルータス・コンサルティングは、貴社株式価値の算定にあたっては市場株価法及びDCF法を算定手法として用いて、算定を行なっております。そして、本意見表明報告書によれば、DCF法での貴社株式価値の算定において、割引率は加重平均資本コスト(以下「WACC」といいます。)とし、WACCは5.288%〜9.214%を採用しております。
WACCの評価プロセスにおいて、必要な算定要素であるベータ値の抽出が必要となりますが、このベータ値は評価対象会社の事業と類似性のある他の上場企業のLeveredベータを収集したうえで業界平均のUnleveredベータを弾き、評価対象会社としてのベータ値を算出するのが一般的であると理解をしております。
この点、本意見表明報告書によれば、プルータス・コンサルティングは、貴社株式価値の算定手法として「適切な類似上場会社を選定することが困難である」ことを理由に、類似会社比較法を不採用としています。
そこで、適切な類似上場会社を選定することが困難な状況の中で、どのようにしてWACCの評価に必要なReleveredベータを抽出したのかをご教示ください。

(2)永久成長率について
第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングは、DCF法での貴社株式価値の算定において、永久成長率法を採用した上で、0%の永久成長率を採用しております。
永久成⾧率は、インフレ率、GDP成⾧率、あるいは、過去の企業成⾧率のいずれかを引用することが一般的であると理解をしております。
この点、国内の経済状況をふまえつつ合理的かつ客観的な値を見つけるのは難しいとも思われますが、国際通貨基金は、日本国の2021年から2025年にかけてのインフレ率について0.137%から0.963%と公表しています(「IMF World Economic Outlook Databases(2021年4月)」)。
このような公表情報がある中、貴社株式価値の算定において、永久成⾧率を0%に設定をした理由をご教示ください。

以上

MBOは、対象会社の役員等が出資した会社を通じて対象会社の株式を購入し、非上場化をはかるということですので、役員等に比べ情報力で圧倒的に劣る対象会社の一般株主は、勝手に株主から排除されてしまう結果となります。
それゆえ、一般株主が納得できるような内容でないといけないと思います。
以前、上場会社のMBOの際に、対象会社(上場企業)側の株価算定の仕事に携わったことがありますが、訴訟のリスクもあるため、使用する率などについて、質問があったときにどう回答するかということも考え、文章にしつつ、株価算定の作業を進めたことがあります。
おそらく日本でNo.1のプルータス・コンサルティングなので、明確な理由等を持っていると思いますので、時々バリュエーション業務をやっている僕としてはどのような回答があるのか非常に興味深いです。
また、こういう質問が一般的に行われるようになり、企業側もきちんと株主が理解できるような報告書などの文書を開示するようになるといいなぁと思います。

サイブリッジ合同会社がカーディナル株式会社(証券コード:7855)に対して山田マーケティング株式会社による公開買付けに関して質問書を送付したことについて、どう思われましたか?

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M&A・組織再編

<参考>
時価純資産法(または簿価純資産法)に数年分の利益を加算する場合
時価純資産法(または簿価純資産法)により算定した純資産に、数年分の任意の利益を加算した金額を譲渡額とする場合もある。

なお、加算対象とする利益の種類(税引後利益または経常利益等)及び年数(通常1年~3年)は事例ごとに異なり、交渉によって決まるケースが多い。

パターン 企業グループ内 共同事業 スピンオフ
完全支配関係
(100%)
支配関係(50%)
分割対価要件
主要資産等引継要件
事業関連要件
事業規模または
経営参画要件

(経営参画要件
の充足が必要)
従業者引継要件
移転事業継続要件
株式継続保有要件
(完全支配関係
の継続)

(支配関係
の継続)
非支配関係継続要件

『分割型分割』とは、分割対価を分割元会社ではなくその株主に交付する分割のことである。

なお、『分割型分割』は『人的分割』と呼ぶこともある。

会社法上は、『分社型分割』のみ規定されているが、『分社型分割+剰余金の配当』という形で、実質的に『分割型分割』の効果を得られる。

2021年2月25日

<事前照会の趣旨及び事前照会に係る取引等の事実関係>

1.事実関係

 医療法人である当社は、当社と出資関係のない医療法人Z社との間で、当社を合併法人、Z社を被合併法人とする吸収合併(以下「本件合併」という。)を行うことを予定している。
本件合併に際し、被合併法人の従業者の雇用関係については、以下のとおりとすることとしている。

(1)本件合併の日の前日における従業者の総数は81名ですが、当該従業者全員は、同日付けで、被合併法人との間の雇用契約を終了(退職)するとともに、被合併法人から退職金の支払いを受ける。

(2)被合併法人の従業者であった81名のうち79名は、本件合併の日において、合併法人との間に新たな雇用契約を締結し、同日から合併法人の従業者として合併法人の業務に従事する。

2.照会要旨

本件合併は、本件合併の直前において合併法人と被合併法人との間に出資関係がないことから、本件合併が法人税法第2条第12号の8に規定する適格合併に該当するためには、本件合併が同号ハの「被合併法人と合併法人とが共同で事業を行うための合併」に該当する必要があり、この要件の一つである、いわゆる従業者引継要件(法令4の3④三)を満たす必要がある。
本件合併においては、合併の日の前日に被合併法人の全従業者は、被合併法人との間で締結された雇用契約を終了(退職)し、当該雇用契約は合併法人に承継されないことから、合併法人は被合併法人の従業者を引き継いでおらず、従業者引継要件を満たしていないとも考えられる。
しかしながら、本件合併後においては、本件合併の前日まで被合併法人の業務に従事していた被合併法人の従業者の総数の80%以上が合併法人の業務に従事することが見込まれていることから、本件合併は従業者引継要件を満たすと考えてよいか?

<照会者の求める見解の内容及びその理由>

1.関係法令

(1)適格合併について

 法人税法上、次のいずれかに該当する合併で被合併法人の株主等に合併法人株式又は合併親法人株式のいずれか一方の株式又は出資以外の資産が交付されないものは適格合併に該当する(法法2十二の八)。

イ.その合併に係る被合併法人と合併法人との間に完全支配関係がある場合の当該合併(法法2十二の八イ、法令4の3②)。

ロ.その合併に係る被合併法人と合併法人との間に支配関係がある場合の当該合併のうち、所定の要件を満たすもの(法法2十二の八ロ、法令4の3③)。

ハ.その合併に係る被合併法人と合併法人とが共同で事業を行うための合併として法人税法施行令第4条の3第4項に掲げる要件(以下「共同事業要件」という。)の全てに該当するもの(法法2十二の八ハ、法令4の3④)。

(2)いわゆる「従業者引継要件」について

 上記(1)ロの所定の要件及び共同事業要件の一つに、いわゆる「従業者引継要件」が規定されている。
具体的には、合併に係る被合併法人の当該合併の直前の従業者のうち、その総数のおおむね80%以上に相当する数の者が当該合併後に当該合併に係る合併法人の業務に従事することが見込まれていることを、その要件としている(法法2十二の八ロ(1)、法令4の3④三)。
なお、ここにいう「従業者」とは、役員、使用人その他の者で、合併の直前において被合併法人の合併前に行う事業に現に従事する者をいうこととしている(法基通1-4-4)。

2.当てはめ

被合併法人であるZ社と合併法人である当社との間には出資関係がないことから、本件合併が適格合併に該当するためには、共同事業要件を満たす必要があり、この共同事業要件の1つである従業者引継要件を満たす必要がある。
吸収合併が行われた場合、その合併により消滅する法人(被合併法人)の権利義務の全部は合併後存続する法人(合併法人)に承継され(医療法58)、当該合併に際し特段の合意がない限り、被合併法人の従業者の地位も合併法人に承継される。
一方で、従業者引継要件においては、「合併の直前の従業者のうち、その総数のおおむね80%以上に相当する数の者が当該合併後に当該合併に係る合併法人の業務に従事することが見込まれていること」と規定していることから、当該被合併法人の従業者の地位、具体的には被合併法人の従業者の権利義務や当該被合併法人の従業者と被合併法人との間の雇用契約などが必ずしも合併法人に承継されることまでをその要件とはしていないものと考えられる。
また、従業者引継要件における「従業者」とは、役員、使用人その他の者で、合併の直前において被合併法人の合併前に行う事業に現に従事する者とされており、その従業者がその合併の直前の従業者に該当するか否かを判断するに当たって、雇用契約があるかどうかといった雇用形態は関係がないものと考えられる。
以上のことからすれば、被合併法人の従業者の雇用契約が合併法人に承継されるか否かということとは関係なく、被合併法人の合併の直前の従業者の総数のおおむね80%以上に相当する者が合併後に合併法人の業務に従事することが見込まれているのであれば、従業者引継要件を満たすと考えられる。
本照会では、本件合併の前日に被合併法人であるZ社とその従業者との間の雇用契約は終了(退職)するものの、本件合併後において、被合併法人の合併の直前の従業者全81名のうち79名が引き続き合併法人である当社の業務に従事することが見込まれていることから、従業者引継要件を満たすものと考える。

<回答>

回答年月日
平成30年11月15日

回答者
名古屋国税局審理課長

回答内容
標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
ただし、次のことを申し添えます。

(1)ご照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。

(2)この回答内容は名古屋国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。

 ★リンクはこちら  合併に際し、被合併法人の従業者との雇用契約を終了させ、当該合併後に合併法人において当該従業者を新たに雇用する場合の従業者引継要件の判定

2019年3月11日


『「スピンオフ」の活用に関する手引』を改訂しました

経済産業省は、我が国企業が収益力(「稼ぐ力」)や中長期的な企業価値の向上に向け、大胆な事業再編を機動的に行うことを可能とするための環境整備に取り組んでいる。
こうした取組のひとつとして、スピンオフの円滑な実施を支援するため、2018年3月に『「スピンオフ」の活用に関する手引』を公表しているが、今般、平成30年度税制改正の内容を踏まえて当該手引きを改訂した。

<今回の改訂のポイント>
●平成30年度税制改正の内容を反映
平成30年度に改正された、(1)スピンオフ準備のための完全支配関係内の組織再編の適格要件の緩和、(2)スピンオフ元の会社による証券会社への分割割合等の通知義務について、説明を追加している。

スピンオフとは、企業が「選択と集中」を図るため、自社内の特定の事業部門や完全子会社を切り出して資本関係の無い別会社とし、経営を独立させる取組である。
経営の独立による迅速、柔軟な意思決定や、資本の独立による独自の資金調達や取引先の拡大が可能となり、スピンオフする側とされる側の双方にとって企業価値向上が期待される。

 ★リンクはこちら  「スピンオフ」の活用に関する手引(平成30年8月)

2018年9月4日


「我が国企業による海外M&A研究会」報告書及び「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」

<本件の概要>
経済産業省は、2017年8月より開催した「我が国企業による海外M&A研究会」等における議論の成果として、(1)日本企業が今後、海外M&Aを有効に活用していく上で留意すべきポイントと参考事例をまとめた報告書及び(2)特に経営者目線で重要なポイントを事例とともにまとめた「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」をとりまとめた。

1.背景・目的とこれまでの経緯
近年、海外M&Aは、激しいグローバル競争の中で、日本企業がスピード感を持った成長を実現していくうえで重要かつ有効なツールとなっている。
また、これまで国内を主たる事業基盤としてきた企業も含め、海外M&Aの裾野が一層拡大している。
他方で、海外M&Aに関しては、国内のM&Aや現地法人設立による海外進出と比較しても、制度・言語・文化面の違いをはじめとして難度が高い側面があり、期待された成果を十分挙げられていない事例も少なくない。
そこで、経済産業省は、2017年8月より、海外M&Aに関し豊富な経験と知見を有する専門家を集めた「我が国企業による海外M&A研究会」を開催し、日本企業が抱える課題やその克服のための取組について、海外M&Aに積極的に取り組む企業へのヒアリングや専門家を交えた議論、公開シンポジウムを通じて検討してきた。

2.「報告書」と「9つの行動」のポイント
今般、その成果物として、日本企業が今後、海外M&Aを有効に活用していく上で留意すべきポイントと参考事例をまとめた(1)「我が国企業による海外M&A研究会報告書」をとりまとめた。
さらに、研究会等において、海外M&Aに取り組む上では経営者の果たすべき役割やコミットメントが重要であるとの指摘が多くなされたことを踏まえ、今後の海外M&Aの取組に役立てていただけるよう、特に経営者目線からみて特に重要なポイントについて事例とともに、(2)「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」として、簡潔で読みやすい形でとりまとめた。
海外M&Aの裾野が一層拡大している中、今後、「報告書」や「9つの行動」の浸透を目指す。
「報告書」と「9つの行動」の主なポイントは以下のとおりである。

(1)報告書のポイント
海外M&Aを企業の成長に有効活用するためには、経営トップがプロセス全体に主体的にコミットして、リーダーシップを発揮した上で、個別案件の実行力のみならず、戦略ストーリーの構想力、基盤としてのグローバル経営力を併せ持つことが重要である。
1.「海外M&Aの実行力」
海外M&Aを効果的に活用していく上では、デュー・デリジェンスやバリュエーション、契約交渉といったM&Aのディール実行に関わる専門的な知見やスキル、買収契約成立後の統合プロセス(PMI)といった「海外M&Aの実行力」が重要であり、海外M&Aを実行する企業自身が十分なM&Aリテラシーを身につけ、外部アドバイザーに過度に依存することなく、主体的にM&Aプロセスを実行できる能力を向上させていくことがまずは重要である。
2.「M&A戦略ストーリーの構想力」と「グローバル経営力の強化」
一方で、海外M&Aを自社の成長に有効活用している企業は、M&Aの実行力にとどまらず、海外M&Aの実行の前と後の「平時」の段階から、将来の海外M&Aを見据え、海外M&Aを日常事として地道な取組みを行っている。
「前」の段階では、中長期の時間軸で自社の「目指すべき姿」をまずはっきりさせたうえで、そこから逆算して、成長戦略・ストーリーに基づいて主体的・戦略的に海外M&Aの検討・準備を行うことに十分な時間や人材等のリソースを投入している。(「M&A戦略ストーリーの構想力」)
「後」の段階では、海外企業の優れた部分を積極的に取り入れたうえで、自社グループをグローバル規模での成長が可能な経営体制へ変革させていくことが重要である。(「グローバル経営力の強化」)

(2)「9つの行動」のポイント
海外M&Aにおいては、経営トップが果たすべき役割が極めて大きい。海外M&Aを自社の成長に活用している企業の多くは、経営トップ自らが海外M&Aの本質を理解し、先手を打った主体的リーダーシップを発揮するとともに、プロセス全体を通して腰を据えてコミットしていく覚悟を持って取り組んでいる。そこで、報告書の内容から、特に経営トップ等が留意すべき点を抽出し事例とともに以下の9つの行動にとりまとめた。

  • 行動1:「目指すべき姿」と実現ストーリーの明確化
  • 行動2:「成長戦略・ストーリー」の共有・浸透
  • 行動3:入念な準備に「時間をかける」
  • 行動4:買収ありきでない成長のための判断軸
  • 行動5:統合に向け買収成立から直ちに行動に着手
  • 行動6:買収先の「見える化」の徹底(「任せて任さず」)
  • 行動7:自社の強み・哲学を伝える努力
  • 行動8:海外M&Aによる自己変革とグローバル経営力
  • 行動9:過去の経験の蓄積により「海外M&A巧者」へ

<担当>
貿易経済協力局 投資促進課長 小泉
担当者:慶野、仁平
電話:03-3501-1511(内線 3181~6)
03-3501-1662(直通)
03-3501-2082(FAX)
経済産業政策局 産業組織課長 坂本
担当者:安藤、奈良
電話:03-3501-1511(内線 2621~9)
03-3501-6521(直通)
03-3501-6046(FAX)

<公表日>
平成30年3月27日(火)

 ★「我が国企業による海外M&A研究会」報告書はこちら ⇒ 「我が国企業による海外M&A研究会」報告書(既に削除済み)
 ★「我が国企業による海外M&A研究会」報告書概要はこちら ⇒ 「我が国企業による海外M&A研究会」報告書概要
 ★「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」はこちら ⇒ 「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」

2018年6月15日


いわゆる「三角株式交換」に係る具体的な適格判定

<照会要旨>
A社の100%子会社であるB社とA社が発行済株式の22%を保有するC社との間で、B社を株式交換完全親法人、C社を株式交換完全子法人とする株式交換を予定している(A社、B社及びC社はいずれも株式会社である。)。
この株式交換は、C社の株主に交付する株式交換の対価を株式交換完全親法人であるB社の株式ではなく、B社の100%親会社であるA社(株式交換完全支配親法人)の株式とするいわゆる「三角株式交換」により行うことを予定している。
この株式交換が「共同で事業を営むための株式交換」(法2十二の十六ハ)として適格株式交換に該当するための要件(法人税法施行令第4条の3第16項各号に掲げられている要件をいい、以下「共同事業要件」という。)のうち、株式交換完全子法人の株主のうち一定の株主が保有する株式数の発行済株式等の数に占める割合が80%以上であることを求める「株式継続保有要件」については、具体的にはどのように判定することになるのか。
なお、株式交換前におけるC社の株主の数は50人未満であり、A社以外のC社の株主は株式交換により交付を受けるA社株式の全部を継続して保有することが見込まれている。
また、株式交換後の関係会社において更なる組織再編をすることは予定していない。

<回答要旨>
お尋ねの場合の株式継続保有要件の判定に当たっては、次の1と2の株式の数を合算した株式数が、株式交換完全子法人の発行済株式等の数の80%以上であるかどうかを判定することとなる。

1 株式交換により交付されるA社株式を継続保有することが見込まれているC社の株主が保有するC社株式の数
2 株式交換完全支配親法人であるA社が保有するC社株式の数

したがって、ご照会の株式交換については、A社以外のC社の株主が保有するC社株式の数とA社が保有するC社株式の数を合算した株式数は、C社の発行済株式等の100%となるので、株式継続保有要件を満たすことになる。

(理由)

  1. 株式会社である株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との関係が、完全支配関係及び支配関係のいずれにも該当しない場合において、その株式交換が次の①及び②のいずれをも満たすときには、当該株式交換は適格株式交換に該当することとなる(法2十二の十六ハ)。
    株式交換完全子法人の株主に株式交換完全親法人の株式又は株式交換完全支配親法人株式(株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を保有する関係がある法人の株式をいう。)のいずれか一方の株式以外の資産が交付されないこと。
    その株式交換が、株式交換完全子法人と株式交換完全親法人とが共同で事業を営むための株式交換に該当すること。
  2. 上記②の「共同で事業を営むための株式交換」に該当するための要件(共同事業要件)の一つに「株式継続保有要件」がある。「株式継続保有要件」とは、リンク先の算式により算出した割合が80%以上であることを要件とするものである(法令4の316五)。
    割合の計算に際し、株式交換完全親法人が株式交換完全子法人の株式を保有している場合には、当該株式を分子に含めて計算することとされている。
  3. いわゆる「三角株式交換」が行われる場合には、株式交換完全子法人の株主に対して株式交換完全支配親法人の株式が交付される。
    「三角株式交換」の場合にも、共同事業要件の一つである「株式継続保有要件」の判定については、上記2と同様の算式により算出した割合が80%以上であることが要件とされる。
    割合の計算に際し、株式交換完全支配親法人が株式交換完全子法人の株式を保有しているときには、当該株式も分子に含めて判定することとされている。
  4. ご照会の株式交換については、B社とC社の関係は、完全支配関係又は支配関係のいずれにも該当しないため、この株式交換が適格株式交換に該当するためには、共同事業要件を満たす必要がある。
    共同事業要件の一つである「株式継続保有要件」の判定について検討すると、A社以外のC社の株主については、株式交換により交付を受けるA社株式(株式交換完全支配親法人株式)の全部を継続して保有することが見込まれている。
    そして、A社以外のC社の株主が保有するC社株式の数とA社が保有するC社株式の数を合算した株式数は、C社の発行済株式等の100%となるので、「株式継続保有要件」を満たすことになる。

 ★リンクはこちら⇒ いわゆる「三角株式交換」に係る具体的な適格判定について

2016年1月20日

被合併法人(合併法人との間に支配関係がある他の法人を被合併法人とする新設合併により設立された法人)から引継ぎを受ける未処理欠損金額に係る制限の適用除外

<照会要旨>
A社は、B・C・D各社の発行済株式の100%を10年前から保有する親会社である。
平成25年4月1日に、B社とC社は、E社を新設合併設立会社とする新設合併(適格合併1)を行った。
この合併はいわゆる「みなし共同事業要件」を満たすので、E社は、B社及びC社が有する未処理欠損金額を引き継いだ。
このたび、D社とE社は、D社を合併法人、E社を被合併法人とする吸収合併(適格合併2)を行った(合併の効力発生日は平成27年6月30日)。
この場合、合併法人であるD社は、E社の未処理欠損金額を引き継ぐことができるか。
なお、適格合併2は「みなし共同事業要件」を満たさない。

<回答要旨>
D社は、E社の未処理欠損金額を引き継ぐことができる。

(理由)

  1. 適格合併が行われた場合に、被合併法人(Y)に未処理欠損金額があるときは、その未処理欠損金額は、合併法人(X)の合併の日の属する事業年度前の各事業年度に生じた欠損金額とみなして合併の日の属する事業年度以後の各事業年度において繰越控除することとされている(法法57①、②)。
  2. ただし、合併法人(X)と被合併法人(Y)との間に支配関係がある場合の適格合併であって、いわゆる「みなし共同事業要件」を満たす合併に該当する場合、又はその支配関係が合併法人(X)の適格合併の日の属する事業年度開始の日の5年前の日から継続している場合のいずれにも該当しないときには、被合併法人(Y)の有する欠損金額のうち
    合併法人(X)との支配関係が生じた日の属する事業年度前の各事業年度に生じた欠損金額
    合併法人(X)との支配関係が生じた日の属する事業年度以後の各事業年度に生じた欠損金額のうち、被合併法人(Y)が当該支配関係が生じた日において有する資産の譲渡等による損失額から成る部分の金額(特定資産譲渡等損失相当額)

    は、上記1の未処理欠損金額に含まれない(合併法人(X)の欠損金額とみなされない)こととされている(法法57③、法令112④一)。

  3. なお、被合併法人(Y)が適格合併の日の属する事業年度開始の日の5年前の日後に設立された法人である場合であって、その被合併法人(Y)とその合併法人(X)との間にその被合併法人(Y)の設立の日から継続して支配関係があるときは、上記2の制限措置は適用されず、被合併法人(Y)の未処理欠損金額を引き継ぐことができる(法法57③、法令112④二)。
  4. また、上記3に該当する場合であっても、適格合併(適格合併2)の日の前日以前に、その合併法人(X)との間に支配関係がある他の内国法人(y1、y2)を被合併法人とする適格合併(適格合併1)で、3の被合併法人(Y)を設立するものが行われていた場合には、上記3の取扱いはなく、被合併法人(Y)の未処理欠損金額を引き継ぐことはできない(法令112④二イ前段)。
    ただし、その合併法人(X)と他の内国法人(y1、y2)との間に最後に支配関係があることとなった日が、適格合併(適格合併1)の日の属する事業年度開始の日の5年前の日以前である場合には、この制限はなく、被合併法人(Y)の未処理欠損金額を引き継ぐことができる(法令112④二イ括弧書)。
  5. お尋ねのD社とE社の合併は、適格合併に該当し、被合併法人であるE社と合併法人であるD社との間には被合併法人であるE社の設立の日から継続して支配関係があるので、D社はE社の未処理欠損金額を引き継ぐことができる。
    また、D社とE社の適格合併の日の前日以前に、合併法人であるD社との間に支配関係がある他の内国法人であるB社及びC社を被合併法人としてE社を設立する適格合併が行われているが、B社及びC社とD社との間に支配関係があることとなったのは10年前であり、D社とE社の適格合併が行われた日の属する事業年度開始の日の5年前の日以前なので、E社の未処理欠損金額の引継ぎが制限されることはない。

 ★リンクはこちら⇒ 被合併法人から引継ぎを受ける未処理欠損金額に係る制限の適用除外について

2016年1月18日

株式交換契約の承認を受けるための株主総会の日に任期満了に伴い取締役が退任した場合の特定役員継続要件

<照会要旨>
支配関係のない法人間で行われる株式交換については、法人税法第2条第12号の16ハに規定する共同で事業を営むための株式交換の要件(以下「共同事業要件」という。)を満たすときは、適格株式交換に該当するとされている。
この共同事業要件の1つとして、次のいずれかを満たすことが必要となる(法令4の316二)。
1.株式交換完全子法人の子法人事業と株式交換完全親法人の親法人事業のそれぞれの売上金額、従業者の数又はこれらに準ずるものの規模の割合が、おおむね5倍を超えないこと(事業規模要件)。
2.株式交換前の株式交換完全子法人の特定役員のいずれかが当該株式交換に伴って退任(株式交換完全親法人の役員への就任に伴う退任等を除く。)をするものでないこと(特定役員継続要件)。
当社(A社)は、B社との間で当社を株式交換完全子法人とする株式交換を行うことを検討している。
具体的には、次の定時株主総会決議によって、株式交換契約の承認を受けることを予定している。
ところで、当社では、取締役の任期を2年とすることを定款で定め、また、原則として、専務取締役の再任はしないことを取り決めている。
当社の専務取締役であるXは、任期満了に伴い次の定時株主総会の終結の時をもって退任する見込みである。
この場合、特定役員継続要件を満たさないこととなるか。

<回答要旨>
お尋ねの株式交換については、特定役員継続要件を満たすものと考えられる。

(理由)
1.
株式交換に係る株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に支配関係がない場合に共同事業要件を満たせば、適格株式交換に該当することとなるが、この共同事業要件の1つとして、事業規模要件又は特定役員継続要件のいずれかを満たすものであることが規定されている(法法2十二の十六ハ、法令4の316二)。
このうち特定役員継続要件とは、当該株式交換前の当該株式交換完全子法人の特定役員のいずれかが当該株式交換に伴って退任(当該株式交換に係る株式交換完全親法人の役員への就任に伴う退任等を除く。)をするものでないことと規定されている(法令4の316二)。
この特定役員とは、社長、副社長、代表取締役、代表執行役、専務取締役若しくは常務取締役又はこれらに準ずる者で法人の経営に従事している者をいう(法令4の34二)。

2.
お尋ねの場合のように、株主総会決議によって株式交換契約の承認を受ける場合で、たまたま当該株主総会の終結をもって任期満了となる特定役員が退任したとしても、この退任は、当該株式交換に伴ってする退任とは言えないものと考えられる。
したがって、他に当該株式交換に伴って退任する特定役員がない場合には、当該株式交換は、特定役員継続要件を満たすものと考えられる。
ただし、例えば、その特定役員の再任をしないことが株式交換を実行するための条件とされているような場合には、当該特定役員は、当該株式交換に伴って退任するものと考えられる。このような場合には、特定役員継続要件を満たさないものと考えられる。

 ★リンクはこちら⇒ 株式交換契約の承認を受けるための株主総会の日に任期満了に伴い取締役が退任した場合の特定役員継続要件について(リンク削除済)

2016年1月15日

「事業引継ぎガイドライン」「事業引継ぎハンドブック」

中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化が急速に進む中、少子化等の影響から、親族内での後継者の確保が厳しさを増しており、M&A等による事業引継ぎの必要性が年々高まってきている。

中小企業庁では、後継者のいない中小企業・小規模事業者の皆様方が安心してM&A等を活用することができるよう、今般、有識者からなる「中小企業向け事業引継ぎ検討会」を開催し、「事業引継ぎガイドライン」、「事業引継ぎハンドブック(紹介用のチラシ含む)」を策定した。
「事業引継ぎガイドライン」は、M&Aの手続きや、手続毎の利用者の役割・留意点、トラブル発生時の対応等を詳細に記載している。
また、「事業引継ぎハンドブック」は、事業者の皆様方がM&A等を活用する際の手引き書となるよう、ガイドラインを分かりやすくまとめたものである。

 ★『事業引継ぎガイドライン』はこちら⇒ 事業引継ぎガイドライン
 ★『事業引継ぎハンドブック』はこちら⇒ 事業引継ぎハンドブック
 ★『事業引継ぎチラシ』はこちら⇒ 事業引継ぎチラシ

2015年5月11日

いわゆる「三角分割(分割型分割)」に係る適格要件

<照会要旨>
C社は、A社の100%子会社であるB社との間で、C社を分割法人、B社を分割承継法人とする分割を予定している(A社、B社及びC社はいずれも株式会社である。)。
この分割は、C社に交付する分割対価をB社株式ではなく、B社の親会社の株式であるA社株式とし、分割法人C社が交付を受ける分割対価(A社株式)の全てがその分割の日においてC社株主に交付されるいわゆる「三角分割(分割型分割)」により行うことを予定している。分割対価をB社株式とする通常の分割型分割の場合と「三角分割(分割型分割)」の場合とでは、適格分割型分割に該当するための要件に異なる点はあるのか?

<回答要旨>
分割対価は異なるが、適格分割型分割に該当するための要件に、原則として、異なる点はない。
(理由)
1.株式会社が行う分割型分割(法法2十二の九)が適格分割型分割に該当するためには、分割承継法人と分割法人との関係が、完全支配関係、支配関係又はそれ以外の関係のいずれに当たるかによってそれぞれ定められた要件(法法2十二の十一イ~ハ。以下「支配関係別要件」という。)を満たすとともに、これらの関係に共通して定められた要件(法法2十二の十一柱書き。以下「共通要件」という。)を満たす必要がある。
このうち、共通要件は、分割対価資産として、次に掲げる株式のいずれか一方の株式以外の資産が交付されないこととされており(法法2十二の十一柱書き)、いわゆる「三角分割(分割型分割)」の場合には、2の分割承継親株式以外の資産が交付されないこと(分割承継親法人株式が分割法人の株主等の有する当該分割法人の株式の数の割合に応じて交付されるものに限る。)が要件となる。
①分割承継法人の株式
又は
②分割承継親法人株式(分割承継法人との間に当該分割承継法人の発行済株式等の
全部を保有する関係とされる一定の関係がある法人の株式をいう。)

2.これに対して、分割法人と分割承継法人との関係ごとに定められた要件(支配関係別要件)は、いわゆる「三角分割(分割型分割)」であるか、それ以外の分割型分割であるかにかかわらず定められた要件であり、いわゆる「三角分割(分割型分割)」であることをもって異なる要件が定められているわけではない。
(注)
分割承継法人と分割法人との関係が、完全支配関係及び支配関係のいずれにも当たらない「それ以外の関係」である場合における適格要件のうちに、分割対価である株式を継続保有する見込みの者が保有する分割法人の株式の割合により判定する要件があり(法令4の38六イ)、この判定において、いわゆる「三角分割(分割型分割)」への対応がなされている。具体的には、通常の分割型分割において分割承継法人が分割法人の株主である場合には、分割承継法人を「継続保有することが見込まれる者」に含めることとされており、いわゆる「三角分割(分割型分割)」においても分割承継親法人が分割法人の株主である場合には、分割承継親法人を「継続保有することが見込まれる者」に含めて判定することとされているものであり、実質的に要件が異なるものではない。

3.したがって、いわゆる「三角分割(分割型分割)」の場合には、分割対価が分割承継親法人株式に限られる点は異なるが、いわゆる「三角分割(分割型分割)」とそれ以外の分割型分割の間で適格分割型分割に該当するための要件に、原則として、異なる点はない。

 ★リンクはこちら⇒ いわゆる「三角分割(分割型分割)」に係る適格要件

2015年3月2日

いわゆる「三角分割(分社型分割)」に係る適格要件

<照会要旨>
C社は、A社の100%子会社であるB社との間で、C社を分割法人、B社を分割承継法人とする分割を予定している(A社、B社及びC社はいずれも株式会社である。)。
この分割は、C社に交付する分割対価をB社株式ではなく、B社の親会社の株式であるA社株式とするいわゆる「三角分割(分社型分割)」により行うことを予定している。分割対価をB社株式とする通常の分社型分割の場合と「三角分割(分社型分割)」の場合とでは、適格分社型分割に該当するための要件に異なる点はあるのか?

<回答要旨>
分割対価は異なるが、適格分社型分割に該当するための要件に、原則として、異なる点はない。
(理由)
1.株式会社が行う分社型分割(法法2十二の十)が適格分社型分割に該当するためには、分割承継法人と分割法人との関係が、完全支配関係、支配関係又はそれ以外の関係のいずれに当たるかによってそれぞれ定められた要件(法法2十二の十一イ~ハ。以下「支配関係別要件」という。)を満たすとともに、これらの関係に共通して定められた要件(法法2十二の十一柱書き。以下「共通要件」という。)を満たす必要がある。
このうち、共通要件は、分割対価資産として、次に掲げる株式のいずれか一方の株式以外の資産が交付されないこととされており(法法2十二の十一柱書き)、いわゆる「三角分割(分社型分割)」の場合には、2の分割承継親法人株式以外の資産が交付されないことが要件となる。
①分割承継法人の株式
又は
②分割承継親法人株式(分割承継法人との間に当該分割承継法人の発行済株式等の全部を保有する関係とされる一定の関係がある法人の株式をいう。)

2.これに対して、分割法人と分割承継法人との関係ごとに定められた要件(支配関係別要件)は、いわゆる「三角分割(分社型分割)」であるか、それ以外の分社型分割であるかにかかわらず定められた要件であり、いわゆる「三角分割(分社型分割)」であることをもって異なる要件が定められているわけでない。

3.したがって、いわゆる「三角分割(分社型分割)」の場合には、分割対価が分割承継親法人株式に限られる点は異なるが、いわゆる「三角分割(分社型分割)」とそれ以外の分社型分割との間で適格分社型分割に該当するための要件に、原則として、異なる点はない。

 ★リンクはこちら⇒ いわゆる「三角分割(分社型分割)」に係る適格要件

2015年2月27日

いわゆる「三角合併」において端数調整金の交付を受けた被合併法人の株主における課税関係

<照会要旨>
A社の100%子会社であるB社と出資関係を有しないC社との間で、B社を合併法人とする適格合併を予定している(A社、B社及びC社はいずれも株式会社である。)。
この合併は、C社の株主に交付する対価をB社株式ではなく、B社の親会社の株式であるA社株式とするいわゆる「三角合併」により行うことを予定しているが、合併比率に端数が生じ、交付すべきA社株式の数に1に満たない端数が生じることから、この端数に相当する金銭(端数調整金)をC社の株主に交付することとしている。この場合において、被合併法人C社の株主における端数調整金に係る課税関係はどのようになるのか?

<回答要旨>
C社の株主においてA社株式の端数部分の交付を受け、これを直ちに譲渡しその対価として金銭を受け取ったものと取り扱われるため、その譲渡に係る課税関係が生じる。
ただし、端数調整金に相当する金額を雑益等として益金の額に算入する処理も認められる。
(理由)
1.合併に伴い被合併法人の株主である法人が、被合併法人の株式を有しないこととなった場合には、一定の要件を満たす場合を除き、その合併の日の属する事業年度に当該被合併法人の株式の譲渡に係る譲渡損益を計上することになる(法法61の21、法規27の3九)。
2.ただし、その合併により、被合併法人の株主に合併法人株式(合併法人の株式をいう。)又は合併親法人の株式(合併法人との間に当該合併法人の発行済株式等の全部を保有する関係とされる一定の関係がある法人の株式をいう。)のいずれか一方の株式のみが交付された場合には、上記1の譲渡損益の算定に際し、被合併法人の株主は被合併法人の株式の譲渡対価の額を当該合併直前の被合併法人の株式の帳簿価額に相当する金額として計算することとされているので(法法61の22)、譲渡対価の額と譲渡原価の額が同額(いずれも合併の直前の被合併法人の株式の帳簿価額)となり、譲渡損益は生じない。
3.また、合併対価として交付すべき合併親法人株式の数に1に満たない端数が生ずる場合で、その端数に応じて金銭が交付されるときは、その端数に相当する部分は合併親法人株式に含まれるものとして、株主の各事業年度の所得の金額の計算をすることとされている(法令139の3の21)。このとき、被合併法人の株主は一旦端数に相当する部分の合併親法人株式の交付を受け、これを直ちに譲渡してその金銭を受領したものとして譲渡損益を認識することとされている(法法61の21、法基通2-3-25)。
4.したがって、ご照会の「三角合併」においてC社の株主が端数調整金の交付を受けた場合には、一旦その端数に相当する合併親法人の株式であるA社株式の交付を受け、これを直ちに譲渡し端数調整金を受け取ったものとして譲渡損益の計算を行うこととなる。
具体例を示すと、次のようになる。
【例】C社株主甲社の端数調整金に係る譲渡損益の計算
C社株主である甲社は、合併直前において、C社株式を1,055株(帳簿価額527,500円。@500円)保有していたところ、その合併により、甲社はA社株式527.5株の割当てを受け、A社株式527株と端数調整金600円を受領した。
合併に際しては、C社株式(時価@600円)1株につき、A社株式(時価@1,200円)0.5株が割り当てられている。
(甲社における処理)
A社株式 527,500 / C社株式 527,500
現  金  600 / A社株式(0.5株) 500
/ 有価証券譲渡益  100
5.ただし、上記の処理によらず、甲社が受領した端数調整金を雑益等として益金の額に算入する処理も認められている(法基通2-3-25ただし書)。

 ★リンクはこちら⇒ いわゆる「三角合併」において端数調整金の交付を受けた被合併法人の株主における課税関係

2015年2月26日

適格現物分配による資本の払戻しを行った場合の税務上の処理

<照会要旨>
乙社は、100%親法人である甲社に対して、乙社の保有するX社株式(簿価130)を現物分配により交付した。
この現物分配は、その他資本剰余金120とその他利益剰余金10を原資として行っており、資本剰余金120の減少を伴っていることから、法人税法第24条第1項第3号に規定する資本の払戻しに該する。
この場合の乙社における処理はどうなるか?

なお、乙社の前事業年度終了時の純資産の額(資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を減算した金額)は1,200 、資本の払戻し直前の資本金等の額は600する。

<回答要旨>
次の2(1)及び(2)の算式によりそれぞれ計算された金額を資本金等の額及び利益積立金額から減算することとなる。
(理由)
1.現物分配とは、法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。)がその株主等に対し当該法人の剰余金の配当や資本の払戻しなどの一定の事由により金銭以外の資産を交付することをいう(法法2十二の六)。
また、適格現物分配とは、内国法人を現物分配法人(現物分配によりその有する資産の移転を行った法人をいう。)とする現物分配のうち、その現物分配により資産の移転を受ける者がその現物分配の直前において当該内国法人との間に完全支配関係がある内国法人(普通法人又は協同組合等に限る。)のみであるものをいう(法法2十二の十五)。
内国法人が適格現物分配により資産の移転をしたときは、その適格現物分配の直前の帳簿価額による譲渡をしたものとして所得の金額を計算することとされており(法法62の53)、その資産の移転により譲渡損益は発生しないこととなる。

2.法人が資本の払戻し又は解散による残余財産の分配(以下「資本の払戻し等」という。)により、その株主等に対して金銭及び金銭以外の資産の交付をした場合には、次の(1)及び(2)の算式によりそれぞれ計算された金額を資本金等の額及び利益積立金額から減算することとなる。
なお、資本の払戻しとは、剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)のうち、分割型分割によるもの以外のものをいうとされてる(法法241三)。
(1)資本金等の額から減算する金額(法令81十六)
(算式)
資本金等の額から減算する金額(減資資本金額)=A×B÷C(※)
A 資本の払戻し等の直前の資本金等の額
B 資本の払戻しにより減少した資本剰余金の額又は解散による残余財産の一部の分配により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額(適格現物分配に係る資産にあっては、その交付直前の帳簿価額)の合計額
C 資本の払戻し等の前事業年度終了の時の純資産の額
※1 A≦0のときはB÷C=0、A>0かつC≦0のときはB÷C=1として計算する。
※2 少数点以下第3位未満の端数がある場合にはこれを切り上げる。
※3 上記算式により計算した金額が、資本の払戻し等により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額(適格現物分配に係る資産にあっては、その交付直前の帳簿価額)の合計額(この合計額を(2)においてDという。)を超える場合には、その超える部分の金額を減算した金額となる。
(2)利益積立金額から減算する金額(法令91十一)
(算式)
利益積立金額から減算する金額=D-減資資本金額(※)
※ D>減資資本金額の場合に限る。

3.甲社と乙社との間には、本件現物分配の直前に当事者間の完全支配関係(一の者が法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係)があることから、本事例の現物分配は適格現物分配に該当する。このため、現物分配により移転をした資産(X社株式)の移転により譲渡損益は生じない。また、本事例の現物分配は、資本の払戻しとして行われるものであることから、次のとおり、資本金等の額及び利益積立金額を減少させることとなる。
(1)資本金等の額から減算する金額
本事例において、資本の払戻し直前の資本金等の額(A)は600であり、資本の払戻しの前事業年度終了の時の純資産の額(C)は1,200となる。
次に(B)の金額については、「資本の払戻しにより減少した資本剰余金の額又は解散による残余財産の一部の分配により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額(適格現物分配に係る資産にあっては、その交付直前の帳簿価額)の合計額」とされており、本件における資本の払戻しは、適格現物分配によるものではあるが、解散による残余財産の分配により交付されたものではないため、(B)の金額は、「適格現物分配に係る資産の交付直前の帳簿価額」130ではなく、「資本の払戻しにより減少した資本剰余金の額」120となる。
したがって、減少する資本金等の額(減資資本金額)は、60(=600×120÷1200)となる。
(2)利益積立金額から減算する金額
本事例において、適格現物分配に係る資産の交付直前の帳簿価額が130であることから、(D)の金額は130となり、減少する利益積立金額は70(=130-60)となる。

 ★リンクはこちら⇒ 適格現物分配による資本の払戻しを行った場合の税務上の処理

2015年2月25日

2014年第2四半期のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2014年第2四半期のTOBの結果は以下のとおり。

  • 件数は公表ベースで6件。ちなみに前年同期は9件。
  • 第2四半期の公表案件として注目されるものは、以下のとおり。
  1. 三菱ケミカルホールディングスが資本業務提携関係の強化のため、大陽日酸に対する公開買
    付に対する基本合意を締結し、公表(公開買付は2014年11月上旬を目途として開始予定)
  2. ローランドのMBO
  • 第2四半期のボジティブプレミアムの平均値は45.2%となっており、株価が上昇した水準を保っていることから、50%を超えるプレミアムのTOBの割合は引き続き低い割合となっている。

2014年7月24日

2014年第1四半期のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2014年第1四半期のTOBの結果は以下のとおり。

  • 件数は公表ベースで8件。ちなみに前年同期は27件。
  • 第1四半期の公表案件として注目されるものは、以下のとおり。
  1. 日本電気によるNECフィールディングに対する公開買付
  • 第1四半期のボジティブプレミアムの平均値は50.5%となっており、昨年から上昇したように見えるが、テクタイトのシーエスロジネットに対するTOBの影響が大きく、実質的には大きな変化は生じていない。

 ★リンクはこちら⇒ TOBプレミアム分析レポート2014年1Q

2014年5月8日

2013年第4四半期のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2013年第4四半期のTOBの結果は以下のとおり。

  • 件数は公表ベースで9件。ちなみに前年同期は12件。
  • 第4四半期の公表案件として注目されるものは、以下のとおり。
  1. やまやによるチムニーの買収(143億円)
  2. セブン&アイホールディングスによるニッセンホールディングスの買収(126億円)
  3. ベインキャピタルによるマクロミルの買収(513億円)
  • 第4四半期のプレミアムは、株価が堅調に推移したために、37.7%に減少している。
    ポジティブプレミアムの平均値は48.4%で傾向に大きな変化は見られないが、分布で見た場合には、ディスカウントプレミアムの案件が増加しているため、0%以下の案件割合が増加し、50%超の案件割合が増加している。

 ★リンクはこちら⇒ TOBプレミアム分析レポート2013年4Q

2014年1月30日

2013年第3四半期のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2013年第3四半期のTOBの結果は以下のとおり。

  • 件数は公表ベースで10件。ちなみに前年同期は11件。
  • 大型案件は少なく、100億円を超えるものは以下の1件のみ。
  1. タイヨーの経営陣によるMBO(153億円)
    なお、トータル・メディカルサービスに対するMBO(47億円)については、プレミアムが206.81%となっており、調剤薬局事業に対するM&Aニーズが高いことを示す結果となっているといえよう。
  • ポジティブプレミアムの平均値はは3Qのみで54.4%となっており、2Qから上昇したように見えるが、トータル・メディカルサービスに対するTOBの影響が大きく、実質的には大きな変化は生じていない。
  • 分布で見ても大きな変化はないものの、株価が上昇した水準を保っていることから、50%を超えるプレミアムのTOBの割合が減少傾向にある。
  • 3Qとしては前年比で減少したものの、年間を通じたTOB件数は前年1年間の件数に既に迫っており、再編傾向は引き続き継続している。

 ★リンクはこちら⇒ 2013年第3四半期TOBプレミアム分析

2013年11月7日

2013年第2四半期のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2013年第2四半期のTOBの結果は以下のとおり。

  • 件数は公表ベースで9件。ちなみに前年同期は7件。 第2Qは毎年少ない。
  • 大型案件は以下のとおり。
  1. 丸紅によるNECモバイリングに対するTOB(716億円)
  2. 1stホールディングスの経営陣によるMBO(270億円)
  3. メガネトップの経営陣によるMBO(299億円)
  4. シンプレクス・ホールディングスの経営陣によるMBO(277億円)
  • ポジティブプレミアムの平均値はは2Qのみで41.3%、2013年上期で48.6%となっており、株価の上昇にともない、若干ダウントレンドとなっている。
  • 分布で見ても大きな変化はないものの、株価上昇の流れを受け、50%を超えるプレミアムのTOBの割合が若干減少している。
  • 2Qも前期を超える件数となり、TOBを含めた再編トレンドが継続している。

2013年7月10日

2013年第1四半期のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2013年第1四半期のTOBの結果は以下のとおり。

  • 件数は公表ベースで27件。ちなみに前年同期は18件。
  • 大型案件は以下のとおり。
  1. サーベラスによる西武ホールディングスに対する敵対的TOB(191億円)
  2. ソフトバンクによるガンホー・オンライン・エンターテインメントへのTOB(250億円)
  3. イオンによるダイエーに対するTOB(403億円)
  • 2013年1QはディスカウントTOBが5件もあっため、総プレミアムの平均は32.6%と低下しているが、ポジティブプレミアムの平均値は51.4%で傾向に大きな変化は見られず、分布で見ても大きな変化はない。
  • 1Qのみで前期の上期(25件)を超える件数となり、TOBを含めた再編が活発化してきている。一方、株価の上昇に伴いMBO案件は減少している。

2013年4月24日

2012年第4四半期のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2012年第4四半期のTOBの結果は以下のとおり。

  • 件数は公表ベースで12件。ちなみに前年同期は18件。
  • 公表案件としては注目されるのは以下のとおり。
  1. 住友商事とKDDIIによるジュピターテレコムの共同買収(進行中)
  2. PGMホールディングスによるアコーディア・ゴルフへの敵対的買収(不成立)
  3. ブラザー工業によるニッセイの連結子会社化(成立)
  • 2012年11月の中旬以降株価が上昇したことに加え、新星堂に対するTOBのプレミアムがディスカウントではないものの0%であったため、ポジティブプレミアムの平均値が37.2%と急低下している。

2013年2月1日

2012年第3四半期のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2012年第3四半期のTOBの結果は以下のとおり。

  • 件数は公表ベースで11件。ちなみに前年同期は21件。
  • 大型のTOBは、J.フロントリテイリングによるパルコに対するTOB(424億円)、ソニーによるソネットエンタテインメントに対するTOB(548億円)であった。パルコについては、主要株主であるイオンがTOBに応じなかった。
    ニッシン債権回収のTOBでは大株主を対象とした第1回のTOB(6億円)、一般株主を対象として第2回TOB(1億円)と二段階のTOBが実施された。
  • ポジティブプレミアムの平均値は54.0%で傾向に大きな変化は見られない。

2012年11月6日

2012年第2四半期のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2012年第2四半期のTOBの結果は以下のとおり。

  • 件数は公表ベースで7件。ちなみに前年同期は6件。
  • 大型案件は、エイブル&パートナーズのMBO(308億円)くらいである。
  • ポジティブプレミアムの平均値は50.9%で大きな変化なし。

2012年7月25日

2012年第1四半期のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2012年第1四半期のTOBの結果は以下のとおり。

  • 件数は公表ベースで18件。ちなみに前年同期は14件。
  • 大型案件として、ユニーのサークルKサンクスの完全子会社化(712億円)、フジ・メディア・ホールディングスのサンケイビルの完全子会社化(313億円)があり、成立金額は1,712億円。
  • MBOはベンチャーパブリックのみ。ちなみに前年同期は7件。
  • ポジティブプレミアムの平均値は56.8%で大きな変化なし。

2012年5月1日

パチンコ40グループ 申告漏れ総額1,000億円

パチンコ店をチェーン展開する約40のグループが、東京国税局などの一斉調査を受け、総額約1,000億円の申告漏れを指摘されたようである。

詳細は不明であるが、報道等によると、以下のようなスキームのようである。

  1. 含み損を抱える不動産を現物出資して子会社を設立
  2. 含み損を抱える子会社株式を現物出資して子会社を設立(これを繰り返す)
  3. 含み損を抱える子会社株式を時価で売却して損失を実現後、利益の出ているグループ企業と合併して所得を圧縮

このスキームが租税回避行為と判断され、申告漏れの指摘となったようである。

2012年2月17日

2011年のTOB

株式会社ストライクのレポートによると、2011年のTOBの結果は以下のとおりである。

  • 件数は公表ベースで58件。ちなみに2010年は59件。
  • 大型案件が少なく、成立金額は7,715億円で、平均は193億円と、2006年以降で最少。
  • ポジティブプレミアムの平均値は54.9%。
  • プレミアム上位は、チップワンストップの203.7%を筆頭に、ジェイエムテクノロジーが127.1%、三條機械製作所が123.9%、ワオ・コーポレーションが102.5%、エナジーサポートが101.1%と、5社が100%超え。

2012年2月14日

分割型新設分割

分割型は、会社法では分社型+剰余金の分配という扱いである。
この場合、組織再編行為ゆえ分配可能額の制限はない。

会計処理は、会社計算規則第49条を適用する場合と第50条を適用する場合があり。前者はB/Sの借方から子会社株式が減少し、貸方からその他利益剰余金が減少する。
後者は分割会社(親会社)で減らした分を新設会社(子会社)で計上する。つまり、分割会社のB/Sを2つに分けたと考える。
なお、第50条適用型は減資の手続と利益準備金の減少手続も必要である。

2011年12月15日

行為計算否認(日産自動車)?

少し前から気にはなってはいたものの、詳細がよく分からなかった日産自動車の税務訴訟。

T&A master No.419によると、組織再編税制関係との情報も流れているが、有価証券の譲渡対価を巡る寄附金課税がなされたとのことである。

日産自動車は、各子会社の株式消却を伴う減資により各子会社から金銭の払い戻しを受けたが、この払い戻し額が時価純資産価額よりも低いとされ、差額を寄附金と認定し、約640億円の申告漏れが指摘されたようである。

この件も、今後の訴訟の結果がどうなるか注目したい。

2011年9月21日

国内上場企業のM&Aに関する意識調査

日本M&Aセンターが国内上場企業のM&Aに関する意識調査の結果を発表した。

東日本大震災後、一時は低下していた企業のM&Aへの意欲は回復し、非常に高い水準(「積極的に検討したい」と「良い案件があれば検討したい」を合わせて93%弱)にある。

ただし、アンケートの送付先企業数が3,433社で、回答企業者数が231社ということであり、7%以下の企業しか回答していないということであり、国内上場企業全体の意識とは言えないと考えられよう。

2011年9月9日

行為計算否認(日本IBM)

T&A master No.416に日本IBMの行為計算否認の記事が載っている。スキームは以下のとおり。なお、今回の、みなし配当の益金不算入と、株式譲渡損失の2重取りは、税制改正により、使えなくなっている。

①米国IBMが、日本IBMの親会社のホールディングカンパニー(日本)へ、資金を提供
②ホールディングカンパニーが、米国IBMから、日本IBMの株式を取得
③日本IBMが、ホールディングカンパニーから、日本IBMの株式(いわゆる自己株式)を取得

自己株式を取得した場合、みなし配当と、株式譲渡所得もしくは譲渡損失(今回のケースでは、譲渡損失)が生じる。
そして、みなし配当は益金不算入となり、ホールディングカンパニーと日本IBMは連結納税制度を採用し、この譲渡損失と日本IBMの黒字を相殺し、法人税がかからないようにした。

今回のケースは、連結法人に係る行為計算否認規定(法人税法132の3)を適用したものではなく、連結納税申告そのものではなく、その前の行為に問題があったと判断し、同族会社等の行為計算否認規定(法人税法132)を適用したようである。

こちらも、ヤフー同様、今後の訴訟の結果に注目したい。

2011年8月31日

行為計算否認(ヤフー)

T&A master No.416にヤフーの行為計算否認の記事が載っている。時系列的には以下のとおり。

平成20年12月 ヤフーの社長が今回問題となったI社の副社長に就任
平成21年2月  ヤフーがI社を100%子会社化
平成21年3月  ヤフーがI社を吸収合併

買収価格に繰越欠損金の引継ぎによる節

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国税徴収法

役員退職給与の不相当に高額な部分が国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するとした事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 棄却
  • 令和5年12月14日裁決

<ポイント>
本事例は、滞納会社が請求人に役員退職慰労金として支給した金額は、請求人の当該会社における役員としての職務執行及び功労との対価的均衡を著しく欠くものであり、その支給は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するとしたものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁がした第二次納税義務の納付告知処分について、①過去に、滞納会社(本件滞納会社)から役員退職慰労金として支給を受けた不動産(本件不動産)を本件滞納会社に売却したことにする売買契約(本件売買契約)をしたのは、帳簿上、本件滞納会社の使途不明金を請求人に対する役員貸付金に振り替えた残高を消し込むためであり、本件不動産の所有権は請求人が有したままであったから、本件不動産は、退職慰労金として請求人に譲渡された財産ではない旨、また、②滞納会社が請求人に本件不動産や生命保険契約(本件保険契約)の契約上の地位等を役員退職慰労金として支給したこと(本件支給)は、請求人の役員退職慰労金として相当と認められる金額の範囲内であり、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分には該当しない旨主張する。

しかしながら、上記の役員貸付金及びこれと相殺された本件売買契約に基づく売買代金には、いずれも実体があったというべきであることや、本件滞納会社が本件売買契約に沿って、本件不動産の所有権を取得した買主として振る舞っていたことなどからすれば、本件売買契約は、実体のない仮装売買であったとはいえない。

また、国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分に該当するかどうかは、平均功績倍率法によって求めた相当とされる役員退職給与の金額と実際に支給された役員退職給与の金額の乖離の程度に加えて、当該役員の職務又は功労の内容、程度、勤務年数のほか当該役員退職給与が支給されるに至った具体的事情等をも考慮した上で判断するのが相当であるところ、本件支給の額は、平均功績倍率法により求められる請求人の役員退職慰労金として相当と認められる金額の7倍を超え、その乖離の程度が大きいことに加え、請求人の主な業務は社員教育であり、本件滞納会社の経営を担っていたとはいえないことや本件支給の決議当時の状況等に鑑みれば、本件支給がされたのは、本件滞納会社が滞納国税の徴収などを回避するためであり、本件支給の額は、本件不動産及び本件保険契約を請求人に得させるために設定されたもので、請求人の職務及び功労と役員退職慰労金の金額との対価的均衡を考慮した上で決定されたものではなかったと認められるから、本件支給は、同条に規定する無償譲渡等の処分に該当する。

★リンクはこちら ⇒ 役員退職給与の不相当に高額な部分が国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するとした事例

2024年9月18日


公売公告処分は、原処分庁が分割納付誓約期間内に公売に付したという時期の判断において、その裁量権の行使が差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らして合理性を欠く不当な処分であると判断した事例

  • 公売公告処分
  • 全部取消し
  • 令和5年8月21日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人の自主納付の見込み、公売による換価額、差押財産の公売による請求人への影響等の諸般の事情をも考慮すると、公売に付した時期の判断において、その裁量権の行使が差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らして合理性を欠く不当な処分であると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、差押財産を公売に付すべき時期については、国税の徴収の所轄庁の合理的な裁量に委ねられていると解されており、請求人が所有する各不動産(本件各不動産)の公売公告処分(本件公売公告処分)は、公売に付すべき時期について裁量権の範囲内で合理的に行われたものであるから、違法又は不当な処分ではない旨主張する。

ところで、換価に関する時期の判断に当たっては、滞納者の個々の実情を踏まえ、国税の効果的な徴収に向け、個々の滞納事案における自主納付の見込み、公売による換価額、差押財産の公売による滞納者への影響等諸般の事情をも考慮して判断することが相当と解されるところ、本件は、請求人には自主納付による完納の見込みがないこと、本件各不動産の換価額として相応の金額が見積もられていたこと、本件各不動産の公売が必ずしも請求人の事業の継続を不可能にするものではないことなどの事情があり、これらの事情を考慮すれば、本件各不動産を公売に付する時期について、原処分庁に裁量権の範囲の逸脱又は濫用があったとは認められないから、本件公売公告処分は適法である。

しかしながら、原処分庁の裁量権の行使が、差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らし合理性を欠く場合には不当と判断すべきであるところ、本件は、請求人が提出した分割納付誓約書の誓約期間(本件分割納付誓約期間)内に、納付計画どおりの自主納付をする蓋然性が高く、また、本件分割納付誓約期間内に本件各不動産を直ちに換価することで、換価額の下落の回避又は換価額の相対的な価値の維持ができたなどの徴収上有利となる事情がない。

また、原処分庁の徴収担当職員が、本件分割納付誓約期間内に本件各不動産が公売に付されることはないとの請求人の期待を排斥しなかったことにより、本件各不動産の代替土地を確保し得る機会及び期間が事実上なくなり、公売による請求人の事業に対する影響がより大きくなったことなどの事情があり、これらの事情を考慮すれば、本件公売公告処分は、公売に付する時期の判断において、その裁量権の行使が、差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らして合理性を欠く不当な処分であるといえる。

★リンクはこちら ⇒ 公売公告処分は、原処分庁が分割納付誓約期間内に公売に付したという時期の判断において、その裁量権の行使が差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らして合理性を欠く不当な処分であると判断した事例

2024年4月25日


請求人には国税を一時に納付することにより、その事業の継続を困難にするおそれがあるとは認められないとした事例

  • 換価の猶予不許可処分・棄却
  • 令和4年12月9日裁決

<ポイント>
本事例は、当座資金の額から納付すべき国税の金額を控除した残額はつなぎ資金の額を上回るため、国税を一時に納付することにより事後の決済資金に不足を生じると認められないのであるから、国税徴収法第151条の2第1項に規定する事業の継続を困難にするおそれがあるとは認められないとしたものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁が行った換価の猶予不許可処分に対し、コロナ禍が長期間にわたっているため、つなぎ資金の額を1年間の収支状況で考慮すると、国税徴収法第152条《換価の猶予に係る分割納付、通知等》第1項に規定する納付を困難とする金額が算定され、納付すべき国税を一時に納付することにより事業の継続を困難にするおそれがあると主張する。

しかしながら、申請による換価の猶予は納税者救済のための例外的な制度であるから、つなぎ資金は必要最小限度の期間を基礎として計算するものであり、1年間の収支状況を考慮すべきではない。そして、同法第151条の2第1項に規定する事業の継続を困難にするおそれがあると認められる場合とは、事業に不要不急の資産を処分するなど事業経営の合理化を行った後においても、なお国税を一時に納付することにより事後の決済資金に不足を生じ、その結果、滞納者がその事業を休廃止せざるを得ない状態に至るおそれがあると認められる場合をいうものと解されるところ、本件では当座資金の額から納付すべき国税の金額を控除した残額はつなぎ資金の額を上回ることから、国税を一時に納付することにより事後の決済資金に不足が生じるとは認められない。

したがって、請求人には国税を一時に納付することにより、その事業の継続を困難にするおそれがあるとは認められない。

★リンクはこちら ⇒ 請求人には国税を一時に納付することにより、その事業の継続を困難にするおそれがあるとは認められないとした事例

2023年12月15日


会社法第762条の規定に基づく新設分割によって滞納法人の事業を承継した請求人は国税徴収法第38条の規定による第二次納税義務を負うとした事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 一部取消し
  • 令和3年4月12日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が事業を間断なく継続して運営するためには、資産の承継が前提となっており、新設分割と資産譲渡という2つの法形式により事業譲渡が完成したことが認められ、複数の取引による事業譲渡については、いずれの取引により譲渡されたものであっても国税徴収法第38条にいう譲受財産に当たると判断したものである。

<要旨>
請求人は、会社法第762条《新設分割計画の作成》の規定に基づく新設分割(本件新設分割)により滞納法人から事業(本件事業)を譲り受け、本件事業に係る契約上の地位のほか、本件事業に属する消極財産を承継した後、滞納法人が本件新設分割により取得した請求人の全株式を第三者法人に譲渡した上で、本件事業の用に供するための資産(本件資産)である積極財産を時価で譲り受けた(本件資産譲渡)ことから、本件資産が国税徴収法第38条《事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務》にいう譲り受けた事業に属する譲受財産に該当せず、請求人が本件資産を譲り受けた時点で同条及び国税徴収法施行令第13条《納税者の特殊関係者の範囲》第1項第5号に規定する特殊関係者に該当しない旨主張する。

しかしながら、本件新設分割において、請求人が本件事業を間断なく継続して運営するためには、本件資産の承継が前提となっており、滞納法人が本件資産譲渡に関する手続を本件新設分割と並行して行っていたことから、本件事業の譲渡は、本件新設分割と本件資産譲渡という2つの法形式により完成したことが認められる。

加えて、近時は事業譲渡が複数の取引により行われることも通常みられ、複数の取引が1つの企業結合を構成している場合には、それらを一体として取り扱うとされていることから、複数の取引による事業譲渡については、いずれの取引により譲渡されたものであっても譲受財産に当たると解するのが自然である。

したがって、本件事業の譲渡は、複数の取引による事業譲渡に当たると認められ、それらの取引の一つである本件資産譲渡により譲渡された本件資産は、国税徴収法第38条にいう譲受財産に該当すると解する。

また、特殊関係者の判定は、本件資産に係る事情を踏まえると、請求人が本件新設分割の時点において特殊関係者であれば足りるというべきであることから、請求人は、国税徴収法第38条及び国税徴収法施行令第13条第1項第5号に規定する特殊関係者に該当する。

ただし、原処分庁が認定した譲受財産には、原処分庁の差押えにより請求人への引渡しが不能となった債権が含まれ、この場合あらかじめ請求人と滞納法人との間において譲渡対価を減額する旨の合意をしていたことから、本件資産譲渡に係る契約の一部を合意解除したものと解され、当該債権は国税徴収法第38条に規定する譲受財産には含まれない。

★リンクはこちら ⇒ 会社法第762条の規定に基づく新設分割によって滞納法人の事業を承継した請求人は国税徴収法第38条の規定による第二次納税義務を負うとした事例

2022年3月8日


令和2年度租税滞納状況について

国税庁は、適正かつ公平な徴収を実現するため、期限内収納の確保に努めるとともに、滞納となったものについては、納税者個々の実情を踏まえながら、法令等に基づき、納税緩和措置の適用や滞納処分を実施するなどして確実な徴収に努めている。

特に、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方に対しては、法令等に基づき、納税の猶予等の納税緩和措置を迅速かつ柔軟に適用するなど、引き続き、適切に対応している。

★リンクはこちら ⇒ 令和2年度租税滞納状況について

2021年8月17日


請求人を所有者とする不実の登記がなされている不動産を滞納法人が請求人に取得させた行為が、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の第三者に利益を与える処分に該当するとしてされた納付告知処分について、当該不動産があたかも請求人所有の不動産であったかのような会計処理が行われていることをもって不動産の所有権を請求人に取得させたとは認められないと判断した事例

  • 第二次納税義務納付告知処分
  • 全部取消し
  • 令和2年7月28日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人を買主として作成された不動産売買契約書について、処分証書ではないとして契約の成立を否認した上で、仮に契約が成立したと認められるとしても、内心の意思とは異なる意思表示について売主は悪意であったといえるから、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)第93条《心裡留保》ただし書の規定により無効であるという判断をしたものであり、また、会計処理等によっては不動産の所有権移転が認められず、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の第三者に利益を与える処分がされたとはいえないと判断したものである。

<要旨>
請求人は、買主を滞納法人とする4月付の売買契約(4月売買契約)は解除合意(本件解除合意)がされ、その後、買主を請求人とする5月付の売買契約(5月売買契約)が成立しており、これを無効とする事情はないから、5月売買契約に基づいて、請求人名義で不実の登記がなされた各不動産(本件各不動産)を取得した旨主張する。

しかしながら、事実関係からすれば、請求人が5月売買契約に係る契約書(5月売買契約書)を作成する意思は有していたとしても、その作成によって、本件各不動産を請求人が買い受ける旨の意思表示がされたものとは認められない。
仮に5月売買契約書等の作成によって、請求人等がこれらの書面に記載されたとおりの意思表示をしたと認められるとしても、事実関係を前提とすれば、内心の意思とは異なる意思表示がされ、これを売主も認識していたといえるから、いずれにしても民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)第93条《心裡留保》ただし書の規定により、5月売買契約等は無効となる。

また、原処分庁は、請求人を所有者とする不実の登記がされた本件各不動産について、①本件各不動産の売買代金を仮払金として計上していた滞納法人が、売買後、これを請求人に対する貸付金に振り替え(本件会計処理)、請求人が、本件各不動産の賃料収入を売買時から遡って計上したこと、②滞納法人の代表者が請求人も支配できる立場にあり、税務調査を切り抜けるためにこれらの会計処理をしたこと等からすれば、本件会計処理の日に本件各不動産の所有権は滞納法人から請求人に移転している旨主張する。

しかしながら、滞納法人は、本件会計処理の日以降も本件各不動産の賃料収入を受領しており、その余の事情を考慮しても、本件各不動産の所有権が請求人に移転したと認めるに足りる証拠もないことから、本件会計処理の日に本件各不動産の所有権が滞納法人から請求人に移転したとは認められない。

★リンクはこちら ⇒ 請求人を所有者とする不実の登記がなされている不動産を滞納法人が請求人に取得させた行為が、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の第三者に利益を与える処分に該当するとしてされた納付告知処分について、当該不動産があたかも請求人所有の不動産であったかのような会計処理が行われていることをもって不動産の所有権を請求人に取得させたとは認められないと判断した事例

2021年4月23日


滞納法人の売上げを譲り受けたことによる国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく第二次納税義務の納付告知処分の取消請求において、請求人が受けた利益の一部は滞納法人に係る売上げではないとした事例

  • 第二次納税義務の告知処分
  • 一部取消し
  • 令和2年7月9日裁決

<ポイント>
滞納法人の売上除外等に加担した法人の口座へ売上金を振り込ませた後、請求人に当該売上金を現金又は振込みにより無償譲渡したとして告知処分された第二次納税義務について、請求人及び関係者らの答述等の信用性を検討した上で、上記加担した法人の口座に振り込まれた金員の一部は、滞納法人に係る売上げではないとして、当該第二次納税義務の一部を取り消したものである。

<要旨>
原処分庁は、滞納法人が各取引先から受け取るべき売上金が、請求人の指示の下、請求人の知人が主宰する法人を発行元とした各請求書に基づき、請求人に交付されたことについて、請求人、滞納法人の代表者及び請求人の知人(請求人ら)が認めていることから、滞納法人から請求人に対して、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償の譲渡があった旨主張する。

しかしながら、一部の取引先について、請求人らから、滞納法人に帰属する売上げを請求したものであるとの具体的な申述はなく、当該取引先から原処分庁への回答書にも、滞納法人に帰属する売上げであるなどの具体的な記載もない。

また、本件の全証拠を検討しても、滞納法人に係る売上げであると断定するに足りる証拠は認められない。

★リンクはこちら ⇒ 滞納法人の売上げを譲り受けたことによる国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく第二次納税義務の納付告知処分の取消請求において、請求人が受けた利益の一部は滞納法人に係る売上げではないとした事例

2021年4月19日


売却決定処分に係る見積価額が時価より著しく低廉であり違法であるとの請求人の主張に対し、売却決定価額と時価(基準価額)とを比較し、低廉ではないと判断した事例

  • 不動産の売却決定処分
  • 棄却
  • 令和元年7月2日裁決

<ポイント>
本事例は、売却決定価額の低廉性の判断においては、売却決定価額と時価(基準価額)を比較するのが相当であり、見積価額の低廉性の主張に対しても、結果として売却決定価額が著しく低廉でない限り、低廉による違法の認定はないと判断したものである。

<要旨>
請求人は、請求人が所有する土地(本件土地)の時価については、少なくとも不動産販売会社による簡易査定価格を下回らないから、本件土地の見積価額(本件見積価額)は時価より著しく低廉であり、時価より著しく低廉な見積価額で公売された場合の売却価額は、見積価額が時価相当額であった場合と比べて当然に低廉となる旨主張する。

しかしながら、公売財産の見積価額は、その財産の時価に相当する基準価額を求めた上、公売の特殊性を考慮し、基準価額からそのおおむね30%程度の範囲内の公売特殊性減価を行い算定することから、時価を相当に下回るのが通常であるところ、公売財産の見積価額が時価より著しく低廉であり、その結果、売却価額も時価より著しく低廉となった場合には、見積価額の決定が最低売却価額の保障をすることにあるという趣旨に反することとなるから、この場合の売却決定処分は違法になると解すべきである。

本件では、本件土地の基準価額に公売特殊性減価(減価率20%)をした額を本件見積価額として決定し、本件土地の売却価額は、本件土地の時価と認められる本件土地の基準価額の約85%に相当する価額であったことから、時価より著しく低廉でないと認められる。

★リンクはこちら ⇒ 売却決定処分に係る見積価額が時価より著しく低廉であり違法であるとの請求人の主張に対し、売却決定価額と時価(基準価額)とを比較し、低廉ではないと判断した事例

2020年6月5日


当初の基準価額から再公売による市場性減価及び公売特殊性減価の上算出した見積価額による最高価申込者決定処分について、減価は徴収法基本通達の範囲内で行われており、合理性を欠くものとは認められないことから、見積価額が時価より著しく低廉であるとは認められず、最高価申込者決定処分も違法なものとはいえないとした事案

  • 最高価申込者決定処分
  • 棄却
  • 令和元年9月19日裁決

<要旨>
請求人は、請求人が所有する土地(本件土地)の最高価申込価額(本件最高価申込価額)は、請求人が任意売却を申し入れた際の金額や本件土地の近隣の土地の販売価格よりも低廉であるため、最高価申込者決定処分は違法である旨主張する。

しかしながら、本件最高価申込価額と同額の公売時見積価額は、国税徴収法(平成30年3月法律第7号による改正前のものをいう。)第98条《見積価額の決定》第1項や国税徴収法基本通達第98条関係2《公売財産の評価》、同3《見積価額の決定》、同通達第107条関係1-2《見積価額の変更》を根拠として、不動産鑑定士による鑑定評価額を基に、期間経過に伴う価格変動を時点修正し、公売において需要がなく公売が不成立となった事実を根拠に市場性減価し、公売が強制売却であること等による公売特殊性減価した上で算出されたものであり、算出過程に不合理な点は認められないから、本件最高価申込価額も公売財産の時価より著しく低廉であるとは認められない。

★リンクはこちら ⇒ 当初の基準価額から再公売による市場性減価及び公売特殊性減価の上算出した見積価額による最高価申込者決定処分について、減価は徴収法基本通達の範囲内で行われており、合理性を欠くものとは認められないことから、見積価額が時価より著しく低廉であるとは認められず、最高価申込者決定処分も違法なものとはいえないとした事案

2020年6月2日


差押処分の前に差押財産を商品売買契約により取得し、引渡しを受け対抗要件を備えたとの請求人の主張について、商品売買契約書により売買の意思表示は認められるものの、売買の意思表示が同契約書作成時にされたとは認められないとした事例

  • 動産の差押処分
  • 棄却
  • 令和元年7月8日裁決

<ポイント>
本事例は、直接証拠として提出された商品売買契約書について、その証拠力の適切な検討を踏まえて、請求人と滞納法人との商品売買契約の成否について、当事者の真意を事実認定のプロセスに則り適切に認定し、書証の区分による判断の枠組みに従い適切な法的構成により判断したものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁が差し押さえた各動産のうち動産1(動産1)の所有権は、請求人が徴収職員に提示した商品売買契約書(本件商品売買契約書)による契約(本件商品売買契約)により当該各動産の各差押処分時(本件各差押処分時)までに、滞納法人から請求人に移転している旨主張する。

しかしながら、①本件商品売買契約書によって本件商品売買契約が本件各差押処分より前に成立しているとは認められないこと、②本件商品売買契約書に滞納法人の代表取締役として記名のある者は、本件商品売買契約時において滞納法人の業務について執行する権限を有していないこと、③本件商品売買契約に基づき滞納法人から請求人に対し本件各差押処分より前に動産1の引渡し(占有改定)が行われていたと認められないこと、以上から、本件商品売買契約により本件各差押処分時までに、動産1の所有権が滞納法人から請求人に移転していたとは認められない。

また、請求人は、原処分庁が差し押さえた各動産のうち動産2(動産2)は、請求人から滞納法人に販売を委託したものであるとも主張するが、この主張を認めるに足りる証拠はないことから、本件各差押処分時における、動産2の所有者は滞納法人であると認められる。

★リンクはこちら ⇒ 差押処分の前に差押財産を商品売買契約により取得し、引渡しを受け対抗要件を備えたとの請求人の主張について、商品売買契約書により売買の意思表示は認められるものの、売買の意思表示が同契約書作成時にされたとは認められないとした事例

2020年5月27日


第二次納税義務の受けた利益の額の算定において、無償譲渡した不動産を財産評価通達を参考にして評価することは妥当とはいえないとして、納付告知処分の一部を取り消した事例

  • 第二次納税義務の各納付告知処分
  • 一部取消し
  • 令和元年6月4日裁決

<ポイント>
本事例は、国税徴収法第39条の第二次納税義務における受けた利益の額は、財産処分時等の現況に応じて、客観的な交換価値である通常の取引価額により算出するものとして、国税不服審判所における不動産鑑定評価による認定額を用いて審理をしたものである。

<要旨>
請求人らは、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の受けた利益の限度の算出に当たり、①仮に、本件贈与者が本件各係争不動産を贈与したこと(本件各贈与)がなかったならば、本件各係争不動産は別件各公売不動産と一緒に公売されていたと想定されるから、広大地評価による減価を考慮して算定すべきである旨、また、②本件建物1は、その贈与当時、賃貸されていたが、耐用年数が経過していることから、建物の取壊費用相当額を減額すべきである旨主張する。

しかしながら、請求人らの主張は、①本件各贈与がなかったという仮定に基づくものにすぎず、実際には本件各贈与が行われており、前提を欠き、②本件建物1の経済的残存耐用年数は6年だったこと、賃貸としての利用が最有効使用であること等から、価額の算定に際し、更地価額から建物の取壊費用相当額を減額するのは合理的ではない。

一方、原処分庁は、譲受財産の価額を財産評価基本通達(評価通達)により算定することは特段不合理ではない旨主張する。

しかしながら、評価通達は、相続税等の課税価格計算の基礎となる財産の評価を定めたものであり、譲受財産の価額の算定に評価通達を適用すべきとする法令等の規定は存在せず、本件では、当審判所が原処分庁とは異なる算定をした本件各係争不動産のうち、建物の一部が隣接地との境界を越えて建っていること、一部の土地上に経済的合理性を有しない賃貸用建物が存在すること、建物の所有者に使用借権があること、一部の土地が共有関係にあることなどを考慮して算定する必要があるにもかかわらず、原処分庁が算定した価額では、これらの事情が適切に考慮されていないから、これらの価額の算定に際して評価通達を参考にするのは妥当とはいえない。

★リンクはこちら ⇒ 第二次納税義務の受けた利益の額の算定において、無償譲渡した不動産を財産評価通達を参考にして評価することは妥当とはいえないとして、納付告知処分の一部を取り消した事例

2020年4月17日


事業の譲受人である請求人は滞納者と同一とみられる場所において事業を営んでいるとされた事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 棄却
  • 平成31年3月26日裁決

<ポイント>
本事例は、タクシー事業における車庫は、タクシー事業を営む者が事業活動を行っていくために、運行管理業務等を行う営業所と同視できる程度に重要かつ必要不可欠な場所であると認められることから、滞納者が車庫として使用していた場所を営業所としてタクシー事業を営んでいる請求人は社会通念上同一の場所と認められる場所で事業を営んでいると認められるとしたものである。

<要旨>
請求人は、国税徴収法(平成28年法律第15号による改正前のもの。徴収法)第38条《事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務》に規定する「事業を営んでいる場所」とは、タクシー事業においては、道路運送法第5条《許可申請》第1項第3号に規定する営業所を指すと解するべきであり、車庫は営業所には含まれないから事業を営んでいる場所には当たらず、請求人は同一の場所で事業を営んでいるとはいえない旨主張する。

しかしながら、徴収法第38条の「同一とみられる場所」とは、同一の場所のほか、社会通念上同一の場所と認められる場所をいうと解するのが相当であるところ、請求人は、第二次納税義務の納付告知処分時において、滞納法人が車庫として使用していた場所を営業所としてタクシー事業を営んでおり、同営業所は滞納法人の営業所とは地理的に異なった場所であるが、タクシー事業における車庫は、その確保が事業許可の要件となっているだけでなく、その場所についても営業所と近接していなければならないという制限があるなど、営業所と相互に密接に関連付けて利用・管理され、有機的一体として機能する財産の一部であり、また、車庫に保管されている営業用車両が収益を生み出す基礎となるというタクシー事業の特質に鑑みると、車庫は、タクシー事業を営む者が事業活動を行っていくために、運行管理業務等を行う営業所と同視できる程度に重要かつ必要不可欠な場所であると認められる。

加えて、請求人の営業所は、滞納法人の営業所と、物理的に異なる場所とはいえ県道を挟んだ斜め向かいに位置し、いずれも当該県道に面しているほか、直線距離で42メートルしか離れていないことも踏まえると、請求人の事業と滞納法人の事業は外形的に同一性を有するということができるから、請求人の事業は社会通念上同一の場所と認められる場所で営まれているものと認められる。

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2020年2月6日


死亡した滞納者からその生前に無償譲渡等の処分により権利を取得した者は死亡後においても第二次納税義務を負うとされた事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 納付催告書による督促処分
  • 一部取消し
  • 平成31年3月18日裁決

<ポイント>
本事例は、納税者の国税の法定納期限の1年前の日以後に同人がその財産につき無償譲渡等の処分を行い、その後死亡した場合には、死亡後の第二次納税義務を負わせるかどうかの判定をしようとする時の現況において、死亡により相続人に承継された国税につき滞納が生じており、滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められ、かつ、その不足することが当該無償譲渡等の処分に基因すると認められるときは、当該無償譲渡等の処分により権利を取得した者は第二次納税義務を負うと解するのが相当であるとしたものである。

<要旨>
請求人は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》は、滞納者である主たる納税者が贈与等を行った場合の規定であるところ、被相続人から請求人への土地の贈与(本件贈与)は、請求人が被相続人(本件被相続人)から受けたものであって、相続人(本件相続人ら)から受けたものではないため、滞納者である主たる納税者(本件相続人ら)が請求人に対して贈与等を行った事実はなく、本件贈与は、本件被相続人の死亡後においては、国税徴収法第39条に規定する滞納者が行ったとの要件を満たさないから、滞納者であった本件被相続人が行った無償譲渡等の処分により権利を取得した請求人は、本件被相続人の死亡後においては、第二次納税義務を負わない旨主張する。

しかしながら、納税者の国税の法定納期限の1年前の日以後に同人がその財産につき無償譲渡等の処分を行い、その後死亡した場合には、死亡後の第二次納税義務を負わせるかどうかの判定をしようとする時の現況において、死亡により相続人に承継された国税につき滞納が生じており、滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められ、かつ、その不足することが当該無償譲渡等の処分に基因すると認められるときは、当該無償譲渡等の処分により権利を取得した者は第二次納税義務を負うと解するのが相当である。

ただし、本件各納付告知処分に係る納付すべき限度の額はそれぞれ○○○○円とされているところ、本件相続人らは、本件被相続人の死亡により本件被相続人の滞納国税の納付義務を承継している以上、当該納付すべき限度の額については、民法第900条及び第901条の規定によるその相続分によりあん分した額、すなわち、○○○○円を本件相続人らの相続分(2分の1)であん分して計算した額となる。

そうすると、本件各納付告知処分に係る納付すべき限度の額は、それぞれ○○○○円となる。

したがって、本件各納付告知処分は、納付すべき限度の額につき○○○○円を超える部分はいずれも違法となる。

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2020年2月4日


見積価額の適否は、公売公告処分の適法性には影響しないとした事例

  • 公売公告処分
  • 棄却
  • 平成30年10月22日裁決

<ポイント>
本事例は、見積価額は、公売公告事項ではなく、公売公告とは別個独立に公告されることが予定されている上、見積価額の公告は、公売公告がされた後においてもすることができることとされていることから、見積価額の適否は、公売公告処分の適法性には影響しないと判断したものである。

<要旨>
請求人は、公売財産に係る見積価額が低廉であるから、公売公告処分(本件公売公告処分)は違法であり取り消されるべきである旨主張する。

しかしながら、見積価額は、徴収法第95条《公売公告》第1項に規定する公売公告事項ではなく、公売公告とは別個独立に公告されることが予定されている上、見積価額の公告は、公売公告がされた後においてもすることができることとされている。

この点、本件公売公告処分と見積価額公告は同時にされたことが認められるものの、徴収法の定めに鑑みると、法的には、別個独立の公告が同時にされたものと評価するほかないものである。

そうすると、見積価額の適否は、徴収法上、見積価額公告の後に行われることとなっている最高価申込者の決定処分又は売却決定処分の違法事由を構成し得るものの、公売公告処分の適法性には影響せず、本件公売公告処分の違法事由を構成し得ないというべきである。

したがって、請求人は、公売財産に係る見積価額が低廉であることを理由として本件公売公告処分の取消しを求めることはできない。

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2019年12月24日


国税徴収法第35条の第二次納税義務の納付告知処分に係る限度額は、同族会社である請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出されたものではないとして、当該納付告知処分の一部を取り消した事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 一部取消し
  • 平成30年5月29日裁決

<ポイント>
本事例は、国税徴収法第35条の第二次納税義務の限度額の算定に当たっては、同族会社の直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、納付通知書を発した日における金額が明らかとなっている資産又は負債が含まれている場合等には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて客観的な時価を算定するのが相当としたものである。

<要旨>
原処分庁は、国税徴収法第35条《同族会社の第二次納税義務》の規定に基づき、請求人が負うべき第二次納税義務の限度となる株式(本件株式)の価額を、請求人に納付通知書(本件納付通知書)を発する日の直前の決算期末の貸借対照表(本件貸借対照表)に記載されている金額により算定したことは、国税徴収法基本通達第35条関係の13《資産及び負債の額の計算》に基づいて本件株式の適正な時価を反映させた適法なものである旨主張する。

しかしながら、当該通達が、特に徴収上支障がない場合には、直前の決算期の貸借対照表等を参考とすることを認めているのは、納付通知書を発した日の時価評価を簡便に行えるようにすることを企図するものである一方、飽くまで「参考」とすることができるにとどめているのは、国税徴収法第35条第2項の「当該会社の資産の総額から負債の総額を控除した額」は、同族会社に対し納付通知書を発する時の客観的な時価を標準として計算されるべきものであることを踏まえたものと解され、納付通知書を発する日の直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、納付通知書を発した日における金額が明らかになっている資産又は負債が含まれている場合や、具体的な経済的価値を有しているとはいい難い資産や、その債務の発生が確実といえないような負債が含まれている場合には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて、納付通知書を発した日における客観的な時価を算定するのが相当である。

本件においては、現金や預金など本件納付通知書を発した日における金額が明らかとなっている資産等があると認められる以上、一定の修正を加えて本件株式の客観的な時価を算定するのが相当であり、原処分庁が本件貸借対照表に記載されている金額をそのまま用いて算定した本件株式の価額は、適正な時価を反映して算出された適法なものとはいえない。

 ★リンクはこちら ⇒ 国税徴収法第35条の第二次納税義務の納付告知処分に係る限度額は、同族会社である請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出されたものではないとして、当該納付告知処分の一部を取り消した事例

2019年7月18日


国税徴収法第39条における債務免除により受けた利益の額は、債務免除の対象となった債権の額面上の金額と同額であるとした事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 棄却
  • 平成30年6月7日裁決

<ポイント>
本事例は、国税徴収法第39条における債務免除により受けた利益の額とは、債務免除がされた時における債権の客観的時価に相当する価額をいい、当該価額の算定に当たっては、債務者の資産状況、支払能力等の債務者側の事情を踏まえて算定するのが相当であるとしたものである。

<要旨>
請求人は、債務免除(本件債務免除)当時における請求人の財務状況等から、その時点で請求人が破産した場合、一般債権者への配当はなかったこと、また、債務免除前に、事実上支払停止に陥っており支払能力はなかったことを理由に、滞納者が債務免除をした貸付金(本件貸金債権)の本件債務免除の時の価額は零円であるから、請求人が本件債務免除により受けた利益の額は零円である旨主張する。

しかしながら、債権の評価に当たっては、債務者の資産状況、支払能力等の債務者側の事情を踏まえて算定するのが相当であるところ、請求人は、本件債務免除当時、①手形交換所における取引停止処分や法的整理(再生手続、破産手続等)の開始決定及び事業の休廃業等の事実はなく、②事業活動は継続されており、本件債務免除の前後において相当の売上高を計上していたこと、③本件貸金債権の額を大きく上回る流動資産を有していたこと、④本件債務免除は、主要取引銀行に対し、請求人の代表者である滞納者の経営責任を明確にするために行われたものであり、本件貸金債権の回収が不可能又は著しく困難であるとして債務免除が行われたものではないことからすると、本件貸金債権の全部又は一部の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるような特別な事情があったとは認められないから、債務免除により請求人が受けた利益の額は、本件貸金債権の額面上の金額と同額であるとするのが相当である。

 ★リンクはこちら ⇒ 国税徴収法第39条における債務免除により受けた利益の額は、債務免除の対象となった債権の額面上の金額と同額であるとした事例

2019年7月17日


請求人が滞納者から財産分与により取得した財産の価額は不相当に過大ではないから無償譲渡等の処分があったとは認められないとして、国税徴収法第39条の第二次納税義務の告知処分の全部を取り消した事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 全部取消し
  • 平成30年1月11日裁決

<ポイント>
本事例は、離婚に伴う財産分与が民法第768条の規定の趣旨に反して不相当に過大であるか否かは、財産の額や婚姻期間中の状況等の諸事情を考慮して、清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素に相当する額をそれぞれ算定した上で判断するのが相当であるところ、請求人が滞納者から財産分与により取得した財産の価額は、上記要素に基づき算定した財産分与相当額を下回るものであり、不相当に過大ではないから、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分があったとは認められないとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、滞納者(請求人の元夫)から請求人に対する預金債権及び生命保険契約等に係る解約返戻金の支払請求権(本件各債権)の譲渡は、滞納者が営んでいた事業(本件事業)の請求人への引継ぎに伴い無償で譲渡されたものであり、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡、債務の免除その他第三者に利益を与える処分」(無償譲渡等の処分)に該当する旨主張する。

しかしながら、本件事業の引継ぎに伴い、滞納者から請求人に対し本件各債権の無償による譲渡があったとは認められず、滞納者と請求人の離婚協議の場で作成された合意書その他の状況等を踏まえると、本件各債権は離婚に伴う財産分与により滞納者から請求人に譲渡されたものと認めることが相当である。

そして、離婚に伴う財産分与が民法第768条《財産分与》の規定の趣旨に反して不相当に過大であるか否かは、財産の額や婚姻期間中の状況等の諸事情を考慮して、清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素に相当する額をそれぞれ算定した上で判断するのが相当であるところ、請求人が滞納者から財産分与により取得した財産の価額は、上記要素に基づき算定した財産分与相当額を下回るものであり、不相当に過大ではないから、無償譲渡等の処分があったとは認められない。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が滞納者から財産分与により取得した財産の価額は不相当に過大ではないから無償譲渡等の処分があったとは認められないとして、国税徴収法第39条の第二次納税義務の告知処分の全部を取り消した事例

2019年1月25日


平成30年11月にインターネット公売を実施します。

1.「インターネット公売」とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。

2.インターネット公売(平成30年11月)の実施内容
(1)公売予定財産
自動車、絵画、土地、土地付建物など

(2)日程

公売参加申込受付期間 平成30年10月26日(金)13時~11月6日(火)17時
買受申込期間 平成30年11月16日(金)13時~11月19日(月)13時
最高価申込者の決定日 平成30年11月21日(水)10時
買受代金の納付期限 平成30年12月4日(火)14時

※詳細については、公売情報ホームページまたはヤフー株式会社の「官公庁オークション」をご覧のこと。
※インターネット公売への参加を希望される場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みが必要である。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年11月にインターネット公売を実施します。

2018年10月29日


平成30年9月にインターネット公売を実施します。

1.「インターネット公売」とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。

2.インターネット公売(平成30年9月)の実施内容
(1)公売予定財産
リゾート会員権、自動車、掛軸、時計、土地、土地付建物など
(2)日程

公売参加申込受付期間 平成30年8月24日(金)13時~9月4日(火)17時
買受申込期間 平成30年9月14日(金)13時~9月18日(火)13時
最高価申込者の決定日 平成30年9月20日(木)10時
買受代金の納付期限 平成30年10月2日(火)14時

※詳細については、公売情報ホームページまたはヤフー株式会社の「官公庁オークション」をご覧のこと。
※インターネット公売への参加を希望される場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みをしてください。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年9月にインターネット公売を実施します。

2018年8月28日


不服申立ての期限の特例の適用がある換価代金等の配当処分に対する審査請求については、不服申立期間の延長を定めた国税通則法第77条第1項ただし書(正当な理由)の適用はないとした事例

  • 換価代金等の配当処分
  • 却下
  • 平成29年12月6日裁決

<要旨>
国税徴収法第171条《滞納処分に関する不服申立て等の期限の特例》第1項第4号は、換価代金等の配当処分に関し欠陥があることを理由としてする不服申立ては、国税通則法第77条《不服申立期間》の規定にかかわらず、換価代金等の交付期日まででなければすることはできない旨規定しているところ、当該特例が定められた趣旨は、滞納処分手続の安定を図り、かつ、換価手続により権利を取得し、または利益を受けた者の権利、利益を保護しようとすることにあるものと解される。

したがって、換価代金等の配当処分に関し欠陥があることを理由とする審査請求には、国税通則法第77条第1項ただし書(正当な理由があるとき)の適用はないと解するのが相当であり、本審査請求は、法定の不服申立てができる期限を経過した後にされた不適法なものである 。

 ★リンクはこちら ⇒ 不服申立ての期限の特例の適用がある換価代金等の配当処分に対する審査請求については、不服申立期間の延長を定めた国税通則法第77条第1項ただし書(正当な理由)の適用はないとした事例

2018年8月22日


差押財産の公売において、買受勧奨がなかったことにより、最高価申込価額が差押財産の所有者等の期待する価額に達しなかったとしても、そのことによって最高価申込者の決定処分が違法となることはないとした事例

  • 最高価申込者の決定処分
  • 棄却
  • 平成29年12月20日裁決

<ポイント>
本事例は、差押財産の公売において、買受勧奨がなかったことにより、最高価申込価額が差押財産の所有者等の期待する価額に達しなかったとしても、そのことによって最高価申込者の決定処分が違法となることはないとしたものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁に対して公売財産の購入希望者の存在を伝えていたにもかかわらず、原処分庁が当該購入希望者に公売に参加するように連絡(買受勧奨)をしなかった結果、当該購入希望者が公売に参加せず、請求人の期待した価額より低廉な価額で最高価申込者の決定処分(本件最高価決定処分)がされたとして、当該決定処分は違法である旨主張する。

しかしながら、国税徴収法第104条《最高価申込者の決定》第1項は、徴収職員は、見積価額以上の入札者等のうち最高の価額による入札者等を最高価申込者として定めなければならない旨規定し、また、見積価額の決定につき、同法第98条《見積価額の決定》第1項は、国税局長は公売財産の価格形成上の事情を適切に勘案するとともに、差押財産を公売するためのものであることを考慮しなければならない旨規定しており、国税徴収法は、これらの規定をもって、最高価申込価額が時価と比し著しく低廉となることを防止し、もって最低売却価額を保障しようとしたものと解される。
また、国税徴収法には、公売公告は国税局の掲示場その他国税局内の公衆の見やすい場所に掲示して行う旨の規定(国税徴収法第95条《公売広告》第2項)は存在するものの、買受勧奨に関する規定は存在しない。

これらのことからすると、最高価申込価額が時価より著しく低廉でない場合には、最高価申込価者の決定処分がその価額の点から違法になることはないから、買受勧奨がなかったことにより、最高価申込価額が公売財産の所有者等の期待する価額に達しなかったとしても、そのことによって最高価申込者の決定処分が違法となることはないと解される。

したがって、買受勧奨の有無が、本件最高価決定処分の適法性に影響を及ぼすことはない。

 ★リンクはこちら ⇒ 差押財産の公売において、買受勧奨がなかったことにより、最高価申込価額が差押財産の所有者等の期待する価額に達しなかったとしても、そのことによって最高価申込者の決定処分が違法となることはないとした事例

2018年8月9日


原処分庁による動産の差押処分が行われた時点において、当該動産は既に第三者へ譲渡されており、第三者対抗要件である引渡しも完了していたとして、当該差押えを取り消した事例

  • 動産の差押処分
  • 全部取消し
  • 平成29年10月18日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が行った動産の差押処分につき、当該動産は差押処分の時点で既に第三者へ譲渡されていたところ、第三者対抗要件たる引渡しについては占有改定により完了していたと認定したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人と滞納法人との間で締結された合意書(本件合意書)には、建物(本件建物)の占有移転に係る記載はあるが、本件建物内にあった動産(本件動産)の占有移転に係る記載はなく、本件動産に対する差押処分(本件差押処分)時に、本件動産が請求人の所有物であったことを第三者が知り得るような明示もされていなかったことから、本件動産に係る占有改定の合意があったとはいえない上、本件建物の賃貸人は滞納法人が本件建物の賃借人であると認識していたことからしても、請求人は本件動産の引渡しを受けていない旨主張する。

しかしながら、そもそも動産の引渡しには第三者が知り得るような明示が必要であるとする民法の条文や判例は見当たらないところ、請求人と滞納法人は、関係者への影響を最小限にすべく、事業の承継に必要な本件建物と本件動産を滞納法人から滞りなく請求人に承継させることを企図していたことからすると、請求人と滞納法人が、この企図に反して本件動産のみの占有を移転しないことは考えられず、たとえ、本件合意書にそのことが明示的に記載されていなくとも、本件建物の占有の移転だけでなく、本件建物内に存する本件動産の占有の移転にも合意するとともに、本件動産が現実に引き渡されるまでは本件動産を請求人のために占有することに合意したものと解するべきであり、さらに本件動産の引渡し(占有改定)は、請求人及び滞納法人間でできるものであって、上記認定が賃貸人の認識により左右されるものではないことからしても、請求人は、本件差押処分の前に、占有改定により本件動産の引渡しを受けていたといえるから、原処分庁の主張は採用できない 。

 ★リンクはこちら ⇒ 原処分庁による動産の差押処分が行われた時点において、当該動産は既に第三者へ譲渡されており、第三者対抗要件である引渡しも完了していたとして、当該差押えを取り消した事例

2018年8月7日


国税徴収法第35条の第二次納税義務の告知処分に係る限度額は、同族会社である請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出されたものではないとして、当該告知処分の全部を取り消した事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 全部取消し
  • 平成29年12月13日裁決

<ポイント>
本事例は、国税徴収法第35条の第二次納税義務の限度額の算定に当たっては、同族会社の直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる債権などのように、額面どおりの経済的価値があるとはいい難い資産や、その債務の発生が確実といえないような負債が含まれている場合には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて客観的な時価を算出するのが相当であるとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、国税徴収法第35条《同族会社の第二次納税義務》の規定に基づき、請求人の負うべき第二次納税義務の各限度額(本件各限度額)を、請求人の直前の決算期末の貸借対照表に記載されている簿価により算出したことは、国税徴収法基本通達第35条関係の13《資産及び負債の額の計算》に定める「特に徴収上支障がない」場合に該当することから、株式の適正な時価を反映させた適法なものである旨主張する。

しかしながら、当該通達が、特に徴収上支障がない場合には、直前の決算期の貸借対照表等を参考とすることを認めているのは、納付通知書を発した日の時価評価を簡便に行えるようにすることを企図するものである一方、国税徴収法第35条第2項の「当該会社の資産の総額から負債の総額を控除した額」は、同族会社に対し納付通知書を発する時の客観的な時価を標準として計算されるべきものであることを踏まえ、飽くまで「参考」とすることができるにとどめているものと解される。そうであるとすると、直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる債権などのように、額面どおりの経済的価値があるとはいい難い資産や、その債務の発生が確実といえないような負債が含まれている場合には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて客観的な時価を算出するのが相当であり、本件各限度額は、請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出された適法なものとはいえない 。

 ★リンクはこちら ⇒ 国税徴収法第35条の第二次納税義務の告知処分に係る限度額は、同族会社である請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出されたものではないとして、当該告知処分の全部を取り消した事例

2018年7月31日


滞納会社が行った生命保険の委託先代理店の変更が国税徴収法第39条の「第三者に利益を与える処分」に当たるとした事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 一部取消し
  • 平成29年12月14日裁決

<ポイント>
本事例は、滞納会社が行った生命保険の委託先代理店の変更により、代理店たる契約上の地位が滞納会社から請求人に譲渡された結果、請求人は滞納会社が行った保険募集業務に係る代理店手数料を受領することとなったことが認められ、当該代理店手数料相当額の利益を受けたと認められるとしたものである。

<要旨>
請求人は、生命保険の代理店業を営む滞納会社(本件滞納会社)には、保険会社との代理店業務委託契約における契約上の地位を第三者に譲渡する権限はないこと、代理店手数料は請求人自らが行った業務の対価として、請求人が受け取るべきものといえることなどを理由に、本件滞納会社から請求人への代理店の変更によって、本件滞納会社から国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する利益は受けていない旨主張する。

しかしながら、本件滞納会社及び請求人による保険会社に対する代理店の継承に係る承認申請等(本件申請)は、代理店としての地位を譲渡する手続を履践する目的で行われたものと認められ、本件申請から保険会社による承認までの一連の行為(本件委託先代理店変更)によって、本件滞納会社の代理店たる契約上の地位(本件契約上の地位)が請求人に譲渡された結果、請求人が代理店手数料を受領することとなったことが認められる。
また、代理店手数料は、保険募集業務の遂行に基づく保険契約の獲得がなければ発生しないものである一方、保険契約の締結に至った場合には、解約等の事象が発生しない限り、保険契約者は契約期間にわたって保険料を支払うこととなるのであるから、当該保険料に係る代理店手数料は、その発生について高度の蓋然性があるということができ、本件契約上の地位には財産的価値が認められる。

したがって、本件契約上の地位は、国税徴収法第39条の処分の対象たる積極財産に該当し、本件委託先代理店変更によって、請求人は、本件契約上の地位を本件滞納会社から無償で譲り受けた結果、本件契約上の地位の評価額に相当する利益を受けたといえることから、本件委託先代理店変更は、国税徴収法第39条に規定する第三者に利益を与える処分に該当するものと認められる。

ただし、原処分庁が算定した納付すべき限度の額の一部については、本件契約上の地位の内容には含まれていない月分の代理店手数料等を考慮して算定されており、当該金額については納付すべき限度の額に含めることはできない。

 ★リンクはこちら ⇒ 滞納会社が行った生命保険の委託先代理店の変更が国税徴収法第39条の「第三者に利益を与える処分」に当たるとした事例

2018年7月27日


請求人は、過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引につき、二個の貸付取引の存在を主張し、最初の過払金返還請求権について時効による消滅を主張しているが、その全体が一個の貸付取引であると認められ、過払金返還請求権の消滅時効は、本件取引の終了日である最終弁済日から進行するとして、請求人の主張を排斥した事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 一部取消し
  • 平成29年3月24日裁決

<要旨>
請求人は、国税の滞納者との間で行った金銭消費貸借取引(本件取引)は、本件取引1と本件取引2との二つに分かれており、前後二個の貸付取引が成立・存在するためには、原則として二個の基本契約の成立が要求されるところ、本件取引2においても、本件取引1とは法律的同一性を欠く基本契約が締結されていたものであり、本件取引1の終了時から10年を経過し、本件取引1に係る過払金返還債務は時効により消滅している旨主張する。

確かに、本件取引1における最終の弁済から本件取引2の最初の貸付までの期間は約1年11か月であり、本件取引1と本件取引2では、約定利率の変更がされるなどの事実が認められるが、本件取引2の開始日において、基本契約が締結され、契約書が取り交わされた事実は認められず、本件取引1の最終弁済後も、将来において取引を再開し、新たな借入金債務の発生が見込まれる状態にあったことに照らせば、本件取引は、その全体が本件取引に係る基本契約に基づく一個の貸付取引であると認めるのが相当である。過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては、同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は、同取引が終了した時から進行するものとされており(最高裁平成21年1月22日判決)、したがって、一個の貸付取引である本件取引の終了日は、本件取引(本件取引2)の最終弁済日であり、過払金返還請求権の消滅時効は、同日から進行する。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人は、過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引につき、二個の貸付取引の存在を主張し、最初の過払金返還請求権について時効による消滅を主張しているが、その全体が一個の貸付取引であると認められ、過払金返還請求権の消滅時効は、本件取引の終了日である最終弁済日から進行するとして、請求人の主張を排斥した事例

2018年1月19日


滞納者から請求人に譲渡された各診療報酬債権は、譲渡担保財産に当たらないと認定した事例

  • ①譲渡担保権者の物的納税責任に関する告知処分 →全部取消し
  • ②債権の各差押処分 →却下
  • ③平成28年2月17日付、平成28年2月23日付及び平成28年3月16日付でされた換価代金等の各配当処分 →却下
  • ④平成28年3月23日付及び平成28年3月24日付でされた換価代金等の各配当処分・①④全部取消し →全部取消し
  • 平成29年3月3日裁決

<ポイント>
本件における滞納者から請求人に対する診療報酬債権の譲渡契約を譲渡担保設定契約とみることは相当でない。

<要旨>
原処分庁は、滞納者(本件滞納者)が将来取得する診療報酬債権(本件各債権)を請求人に一括で譲渡した取引(本件取引)については実質的な買戻権が設定され、売渡担保に相当する法律関係にあると認められ、また、将来の集合債権の譲渡が売買又は譲渡担保のいずれの法的性質を有するかの判断については、契約条件、取引の経済的実質その他の要素を総合的に評価するなど、実質においても担保取引として扱われるべきものかを判断することとなるところ、本件取引における事情を考慮すると、譲渡担保であることが強く推認され、本件各債権は、国税徴収法第24条《譲渡担保権者の物的納税責任》第1項に規定する譲渡担保財産に当たる旨主張する。

しかしながら、譲渡担保設定契約は、法形式に着目すると、①金銭消費貸借契約などに基づく被担保債権が存在することが前提となる譲渡担保設定契約、②担保のための権利の移転につき売買の形式をとるもので、買戻特約付売買の形式をとる譲渡担保設定契約又は再売買の予約の形式をとる譲渡担保設定契約とに大別されるところ、本件取引においては、被担保債権は存在せず、本件取引に係る契約(本件契約)には、買戻特約又は再売買の予約は付されていないことから、本件取引は1及び2のいずれにも該当しない。
また、本件契約には、本件滞納者が、第三債務者に信用不安等が生じた場合に請求人から本件各債権を買い戻す義務の定め及び請求人による本件各債権の処分を禁止又は制限する定めはなく、本件滞納者に本件各債権を買い戻す誘因も認められない。

したがって、本件各債権は譲渡担保財産には当たらない。

 ★リンクはこちら ⇒ 滞納者から請求人に譲渡された各診療報酬債権は、譲渡担保財産に当たらないと認定した事例

2018年1月16日


滞納者が自己の債務弁済に係る事務を請求人に委任していたことからすると、滞納者の預金口座から請求人の預金口座への振込入金は、当該委任に係る事務に関連して行われたものというべきであるから、当該入金をもって国税徴収法第39条が規定する無償譲渡等の処分があったということはできないとした事例

  • 第二次納税義務の納付告知処分
  • 全部取消し
  • 平成28年5月10日裁決

<ポイント>
本事例は、争点の判断に当たり、審理の範囲を原処分庁が主張する間接事実の有無のみに絞ることなく、原処分庁が主張していない間接事実を認定し、当該認定事実から課税等要件の充足を否定したものである。

<要旨>
原処分庁は、滞納者の自宅売却代金(本件売却代金)の一部が滞納者の預金口座から請求人の預金口座に振込入金(本件入金)されたところ、滞納者が請求人に対して本件入金に係る金員の返還を求める意思を示していないこと、請求人が本件入金を自宅のリフォーム費用に充てていることなどから、本件入金は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》が規定する無償譲渡等の処分に該当する旨主張する。

しかしながら、滞納者が本件売却代金を原資とする滞納者の債務弁済に係る事務を請求人に委任していた事実(本件委任)が認められることからすると、本件入金は、請求人が本件委任に係る事務に関連して行ったものというべきであるから、本件入金をもって国税徴収法第39条が規定する無償譲渡等の処分があったということはできない。

 ★リンクはこちら ⇒ 滞納者が自己の債務弁済に係る事務を請求人に委任していたことからすると、滞納者の預金口座から請求人の預金口座への振込入金は、当該委任に係る事務に関連して行われたものというべきであるから、当該入金をもって国税徴収法第39条が規定する無償譲渡等の処分があったということはできないとした事例

2017年3月2日

平成28年度第4回インターネット公売の実施

1.「インターネット公売」とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成28年度におけるオークションサイトは、一般競争入札で決定したヤフー株式会社の「官公庁オークション」である。

2.インターネット公売(平成29年2月)の実施内容
(1)公売予定財産
自動車、ボート、リゾート会員権、商標権、土地、土地付建物など
(2)日程

 公売参加申込受付期間  平成29年1月27日(金)13時から2月6日(月)17時
 買受申込期間  平成29年2月17日(金)13時から2月20日(月)13時
 最高価申込者の決定日  平成29年2月22日(水)10時
 買受代金の納付期限  平成29年3月6日(月)14時

 ※詳細については、公売情報ホームページ又はヤフー株式会社の「官公庁オークション」を参照のこと。
 ※インターネット公売への参加を希望する場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みをすること。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成28年度第4回インターネット公売の実施について

2017年1月31日

訴訟上の和解における停止条件付の支払義務の免除も国税徴収法第39条に規定する「債務の免除」に含まれ、他に特別の事情も認められないことからすると、同条規定の「債務の免除」があったということができるとした事例

第二次納税義務告知処分
棄却
平成28年1月15日裁決

<ポイント>
本事例は、訴訟上の和解における停止条件付の支払義務の免除も国税徴収法第39条に規定する「債務の免除」に含まれると判断した事例である。

<要旨>
請求人は、原処分庁が滞納国税を徴するために請求人に対して行った国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく納付告知処分は裁判上の和解(本件和解)で定められた条項に基づいて滞納法人から支払義務の免除(本件免除)を受けたことを同条に定める「債務の免除」とするものであるが、本件免除に係る本件和解上の条項は、請求人が滞納法人に支払うとされた金額の履行を確保するために設けられたものであり、請求人が期限の利益を喪失した場合を除いて何ら意味を持つものではないから、同条に定める「債務の免除」には該当しない旨主張する。

しかしながら、本件和解は、滞納法人が請求人に対して停止条件付で債務を免除する旨を合意した契約であり、このような契約による免除も国税徴収法第39条の「債務の免除」に含まれると解されるところ、本件免除は同条の制度趣旨に合致するといえるだけの実質を有するものと評価できることから、同条に定める「債務の免除」があったといえる。

 ★リンクはこちら ⇒ 訴訟上の和解における停止条件付の支払義務の免除も国税徴収法第39条に規定する「債務の免除」に含まれ、他に特別の事情も認められないことからすると、同条規定の「債務の免除」があったということができるとした事例

2017年1月30日

猶予の申請の手引

国税庁は、『猶予の申請の手引』をホームページに公表した。

国税をその納期限までに納付していない場合には、納付するまでの日数に応じて延滞税がかかるほか、督促状の送付を受けてもなお納付されない場合には、財産の差押えなどの滞納処分を受けることがある。

ただし、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、財産の換価(売却)や差押えなどの猶予が認められる場合がある。

<換価の猶予>
国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められる場合に、申請に基づいて差押財産の換価(売却)が猶予される制度である。

<納税の猶予>
災害、病気、事業の休廃業などによって国税を一時に納付することができないと認められる場合や、本来の期限から1年以上経って納付すべき税額が確定した国税を一時に納付することができない理由があると認められる場合に、申請に基づいて納税が猶予される制度である。

 ★リンクはこちら⇒ 猶予の申請の手引(既に削除済み)

<改訂 平成29年9月>

 ★リンクはこちら⇒ 猶予の申請の手引(平成29年9月)

2016年11月4日

国税徴収法第39条が規定する「受けた利益」が取引相場のない株式である場合において、同条の第二次納税義務の限度額の算定に当たり、原処分庁がディスカウント・キャッシュ・フロー法と時価純資産法を併用して当該株式を評価したことに不合理な点は認められないとした事例

第二次納税義務の納付告知処分
一部取消し
平成27年10月28日裁決

<ポイント>
本事例は、国税徴収法第39条が規定する「受けた利益」が取引相場のない株式である場合において、同条の第二次納税義務の限度額の算定に当たり、原処分庁がディスカウント・キャッシュ・フロー法と時価純資産法を併用して当該株式を評価したことに不合理な点は認められないとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、滞納法人が同社の100%子会社の株主総会において第三者割当増資による新株の発行に係る議案について議決権を行使したことにより、滞納法人の代表者である請求人が著しく低い価額で当該子会社の新株(本件新株式)を取得したことは、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「その他第三者に利益を与える処分」に該当するとして、請求人に第二次納税義務の納付告知処分をした。

これに対して、請求人は、原処分庁が本件新株式の評価に当たって、一般に用いられる相続税の評価方法を準用せず、ディスカウント・キャッシュ・フロー法(DCF法)を加味して評価したことには合理性がなく、そもそも、本件新株式の取得価額は時価相当額であるから、本件新株式を取得したことによって「受けた利益」(時価相当額と取得価額との差額)は生じていない旨主張する。

しかしながら、国税徴収法第39条の第二次納税義務の限度額について、「受けた利益」が金銭以外のものであるときの財産の評価方法として、同法上、相続税の評価方法を適用又は準用する旨の規定はなく、取引相場のない株式の評価に当たり、DCF法と時価純資産法の併用を採用した原処分庁の評価方法に不合理な点は認められず、請求人には本件新株式を取得したことによって「受けた利益」が生じている。

 ★リンクはこちら ⇒ 国税徴収法第39条が規定する「受けた利益」が取引相場のない株式である場合において、同条の第二次納税義務の限度額の算定に当たり、原処分庁がディスカウント・キャッシュ・フロー法と時価純資産法を併用して当該株式を評価したことに不合理な点は認められないとした事例

2016年10月14日

平成28年度第1回インターネット公売の実施

国税局及び税務署が実施するインターネット公売をヤフー株式会社の「官公庁オークション」サイトにおいて行う。

実施日程等は以下のとおり。
【公売方法】
競り売り(オークション)
【対象財産】
動産等(自動車、宝飾品、家具等)
 不動産等(土地、土地付建物、マンション等)
【官公庁オークションサイトへの公開日時】
5月17日(火)午後1時
【公売参加申込期間】
5月17日(火)午後1時から5月25日(水)午後5時
 ※公売参加申込みを行わなければ、インターネット公売には参加できないので、注意すること。
【公売保証金の提供及び必要書類の提出】
○公売保証金の提供期限 クレジットによる場合 5月25日(水)午後5時
現金による場合    6月1日(水)午後2時
○必要書類の提出期限 6月1日(水)午後5時(必着)
 ※公売保証金の提供、必要書類の提出がない場合は、インターネット公売には参加できないので、注意すること。
【買受申込(競り売り)期間】
6月3日(金)午後1時から6月6日(月)午後1時
 ※買受申込みは、ヤフー株式会社の「官公庁オークション」サイトで受け付ける。
【最高価申込者(落札者)の決定日等】
○最高価申込者の決定 6月8日(水)午前10時
○売却決定日     6月8日(水)午前11時(動産等)
6月15日(水)午前9時(不動産等)
○買受代金納付期限  6月20日(月)午後2時

 ★リンクはこちら ⇒ 平成28年度第1回インターネット公売の実施

2016年5月19日

振替納税の領収証書送付取りやめ

現在、国税を口座振替により納付した方には、口座振替の都度、金融機関から領収証書が送付されているが、国税庁は、会計検査院の指摘を踏まえ、国の経費節減の観点から、平成29年1月から領収証書を送付しないこととする予定である。

なお、平成28年12月までは、これまでどおり金融機関から領収証書が送付される。

(注)
平成29年1月以降は、ご希望の方には、これまでの領収証書の送付に代えて、振替結果を証明するなどの対応を予定しているとのこと。

 ★リンクはこちら ⇒ 振替納税の領収証書送付取りやめ

2016年2月8日

平成27年度第4回インターネット公売の実施

国税局及び税務署が実施するインターネット公売をヤフー株式会社の「官公庁オークション」サイトにおいて行う。
実施日程等は以下のとおり。

【公売方法】
競り売り(オークション)

【対象財産】
動産等(自動車、金、骨董品、宝石等)
 不動産等(土地、土地付建物、マンション等)

【官公庁オークションサイトへの公開日時】
1月29日(金)午後1時

【公売参加申込期間】
1月29日(金)午後1時から2月8日(月)午後5時
 ※公売参加申込みを行わなければ、インターネット公売には参加できないので、注意すること。

【公売保証金の提供及び必要書類の提出】
 ○公売保証金の提供期限
クレジットによる場合 2月8日(月)午後5時
現金による場合    2月17日(水)午後2時
 ○必要書類の提出期限 2月17日(水)午後5時(必着)
 ※公売保証金の提供、必要書類の提出がない場合は、インターネット公売には参加できないので、注意すること。

【買受申込(競り売り)期間】
2月19日(金)午後1時から2月22日(月)午後1時
 ※買受申込みは、ヤフー株式会社の「官公庁オークション」サイトで受け付ける。

【最高価申込者(落札者)の決定日等】
 ○最高価申込者の決定 2月24日(水)午前10時
 ○売却決定日 2月24日(水)午前11時(動産等)
3月2日(水)午前9時(不動産等)
 ○買受代金納付期限 3月7日(月)午後2時

 ★リンクはこちら ⇒ インターネット公売の実施について

2016年1月28日

滞納者の詐害の意思の有無は、国税徴収法第39条の第二次納税義務の成立要件ではないとした事例

第二次納税義務の納付告知処分
棄却
平成27年1月19日裁決

<要旨>
請求人は、原処分庁が請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分(本件告知処分)について、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の第二次納税義務を課すには詐害の意思が必要であるところ、滞納者が請求人に対して行った土地の持分の贈与(本件譲渡)には詐害の意思はないから、本件譲渡は無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。

しかしながら、同条の規定によれば、滞納者に詐害の意思のあることは同条所定の第二次納税義務の成立要件ではないと解されるから、本件譲渡に詐害の意思がないことを理由に、本件告知処分が違法であるということはできない。

 ★リンクはこちら ⇒ 滞納者の詐害の意思の有無は、国税徴収法第39条の第二次納税義務の成立要件ではないとした事例

2015年11月26日

見積価額が低廉であることを理由として公売公告処分の取消しを求めることはできないとした事例

①公売公告処分 ②見積価額公告
①棄却 ②却下
平成26年8月21日裁決

<要旨>
請求人は、原処分庁が行った公売公告処分(本件公売公告処分)について、当該公売に係る公売財産(本件公売財産)の見積価額が低廉であるから、本件公売公告処分は比例原則に違反し違法である旨主張する。

しかしながら、見積価額公告は、法令上、公売公告処分の後にされることが予定されているところ、かかる見積価額公告の内容いかんによって公売公告処分の適否が左右されることはないと解され、見積価額の適否は、公売公告処分の取消しを求める審査請求において取消理由となり得ない。

したがって、請求人は、本件公売財産の見積価額が低廉であることを理由として本件公売公告処分の取消しを求めることはできない。

 ★リンクはこちら ⇒ 見積価額が低廉であることを理由として公売公告処分の取消しを求めることはできないとした事例

2015年6月22日

第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額は、譲り受けた財産等の価額から無償譲渡等の処分と直接対価性のある支出又は負担を控除した残額であることを明らかにした事例

第二次納税義務の納付告知処分
棄却
平成26年9月9日裁決

<要旨>
請求人は、原処分庁が納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために、請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額について、請求人は本件滞納者から売掛金債権(本件売掛金債権)を譲り受けたが、請求人が本件滞納者に支出した香典代等(本件香典代等)は、請求人が本件滞納者に利益を与える行為であるから、「受けた利益の限度」の額の算定上、本件香典代等を控除すべきである旨主張する。

しかしながら、第二次納税義務の制度の趣旨に鑑みれば、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「受けた利益の限度」の額については、譲り受けた財産の額、免れた債務の額、又は享受した利益の額から、これらと直接の対価関係にあると認められる支出又は負担を控除した残額をいうところ、本件香典代等の支出は、本件売掛金債権の譲渡と直接の対価関係にあるとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。

 ★リンクはこちら ⇒ 第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額は、譲り受けた財産等の価額から無償譲渡等の処分と直接対価性のある支出又は負担を控除した残額であることを明らかにした事例

2015年6月19日

猶予の申請の手引き

国税をその納期限までに納付していない場合には、納付するまでの日数に応じて延滞税がかかるほか、督促状の送付を受けてもなお納付されない場合には、財産の差押えなどの滞納処分を受けることがある。
ただし、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、財産の換価(売却)や差押えなどが猶予される制度がある。

1.換価の猶予
国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある場合に、申請に基づいて差押財産の換価(売却)が猶予される制度である。

2.納税の猶予
災害、病気、事業の休廃業などによって国税を一時に納付することができないと認められる場合や、本来の期限から1年以上経って納付すべき税額が確定した国税を一時に納付することができない理由があると認められる場合に、申請に基づいて納税が猶予される制度である。

 ★リンクはこちら ⇒ 猶予の申請の手引き(既に削除済み)

<改訂 平成29年9月>

 ★リンクはこちら ⇒ 猶予の申請の手引(平成29年9月)

2015年4月16日

価額弁済者も特段の事情のない限り、差押処分をした国に対し登記なくして対抗することができないことを明らかにした事例

不動産の各差押処分
棄却
平成26年2月19日裁決

<要旨>
請求人らは、原処分庁が、被相続人から請求人らが承継した滞納国税を徴収するため、請求人らが相続によって取得した各不動産の各共有持分を差し押さえた(本件各差押処分)のに対し、当該各不動産の各共有持分は、民法第932条《弁済のための相続財産の換価》ただし書に基づく価額弁済(本件価額弁済)により請求人らのうちの1人が固有財産として取得していることから、本件各差押処分は財産の帰属を誤ってなされた違法又は不当な処分である旨主張する。

しかしながら、民法第177条《不動産に関する物権の変動の対抗要件》は、不動産に関する物権の得喪及び変更について、登記をしなければ、第三者に対抗することができない旨規定しており、滞納処分による差押えの関係においても同条の適用があり、価額弁済者も特段の事情がない限り、差押処分をした国に対し、登記なくして不動産を取得したことを対抗することができないものと解するのが相当である。

もっとも、本件価額弁済の公示に当たっての登記手続において、価額弁済者以外の共同相続人の持分については、価額弁済者へ持分移転登記手続が可能であるが、価額弁済者の持分については、相続人本人が価額弁済をしたことになり、価額弁済者の固有財産に切り替わったことを公示する手段がないが、価額弁済者以外の共同相続人の持分の移転登記を経由することで、価額弁済者の固有財産へと切り替わったことを第三者からみて推測可能なように公示できる以上、移転登記がされていない本件価額弁済に関し、固有財産として取得したことを対抗できないとしても民法第177条の趣旨に反するとまではいうことはできない。

以上のとおりであるから、本件各差押処分が財産の帰属を誤った違法又は不当な処分であるということにはならない。

 ★リンクはこちら ⇒ 価額弁済者も特段の事情のない限り、差押処分をした国に対し登記なくして対抗することができないことを明らかにした事例

2015年2月6日

滞納者の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座に入金されたことは、国税徴収法第39条の無償譲渡には該当しないとした事例

平成25年3月27日裁決

<要旨>
原処分庁は、請求人が、請求人所有の建物の賃借人(本件滞納法人)からの申出により、賃貸借契約(本件賃貸借契約)を賃貸借期間の途中で解約するに当たり、本件滞納法人との間でした、本件滞納法人が請求人に対して敷金(本件敷金)の返還請求権(本件敷金返還請求権)を放棄する旨の合意(本件合意)に基づき、その放棄を受けたことは、本件滞納法人による国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「債務の免除」に該当する旨主張する。

しかしながら、国税徴収法第39条にいう債務の免除とは、広く第三者に利益を与えるものというと解されるところ、本件合意は、本件滞納法人がその賃借する建物を本件合意で定めたとおり明け渡すことを条件として、本件賃貸借契約の解約によって発生する損害賠償の額を予定し、その損害賠償請求権と本件敷金返還請求権等とを相殺することを定めたものであり、社会通念上、損害賠償の額を予定し、相殺することについて合理的な期待を有すると認められる範囲内にあるから、本件合意による約定は有効と認められ、これにより請求人の損害賠償の額が本件敷金等に相当する額に制限された上、その損害賠償請求権と本件敷金返還請求権等とが相殺されて消滅することとなることからすると、本件合意により請求人が利益を受けたということはできない。

 ★リンクはこちら ⇒ 滞納者の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座に入金されたことは、国税徴収法第39条の無償譲渡には該当しないとした事例

2015年2月6日

平成26年度第3回インターネット公売の実施

平成26年度第3回インターネット公売を実施する。
国税局及び税務署が実施するインターネット公売を楽天オークション株式会社の官公庁オークション」サイトにおいて行う。実施日程等は以下のとおり。

【公売方法】
競り売り(オークション)
【対象財産】
動産等(自動車、酒類、ガラス工芸品等)
 不動産等(土地、土地付建物、マンション等)
【官公庁オークションサイトへの公開日時】
10月31日(金)午後1時
【公売参加申込期間】
10月31日(金)午後1時から11月10日(月)午後5時
※公売参加申込みを行わなければ、インターネット公売には参加できないので、注意すること。
【公売保証金の提供及び必要書類の提出】
○公売保証金の提供期限 クレジットによる場合 11月10日(月)午後5時
現金による場合    11月19日(水)午後2時
○必要書類の提出期限 11月19日(水)午後5時(必着)
※公売保証金の提供、必要書類の提出がない場合は、インターネット公売には参加できないので、注意すること。
【買受申込(競り売り)期間】
11月21日(金)午後1時から11月25日(火)午後1時
※買受申込みは、楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」サイトで受け付ける。
【最高価申込者(落札者)の決定日等】
○最高価申込者の決定 11月27日(水)午前10時
○売却決定日     11月27日(木)午前11時(動産等)
12月4日(木)午前9時(不動産等)
○買受代金納付期限  12月9日(火)午後2時

 ★リンクはこちら ⇒ 平成26年度第3回インターネット公売の実施

2014年11月10日

平成26年度第2回インターネット公売の実施

<公売方法>
せり売り(オークション)
<対象財産>
動産等(ダイヤモンド、腕時計、自転車、美術品等)
 不動産等(リゾート会員権、土地付建物等)
<官公庁オークションサイトへの公開日時>
9月5日(金)午後1時
<公売参加申込期間>
9月5日(金)午後1時から9月16日(火)午後5時
※公売参加申込みを行わなければ、インターネット公売には参加できません。
<公売保証金の提供及び必要書類の提出>

公売保証金の提供期限 クレジットによる場合 9月16日(火)午後5時
現金による場合 9月24日(水)午後2時
必要書類の提出期限 9月24日(水)午後5時(必着)
※公売保証金の提供、必要書類の提出がない場合は、インターネット公売には 参加できません。

<買受申込(せり売り)期間>
9月26日(金)午後1時から9月29日(月)午後1時
※買受申込みは、楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」サイト で受け付ける。
<最高価申込者(落札者)の決定日等>

最高価申込者の決定 10月1日(水)午前10時
売却決定日 10月1日(水)午前11時(動産等)
10月8日(水)午前9時(不動産等)
買受代金納付期限 10月14日(火)午後2時


★リンクはこちら ⇒
 平成26年度第2回インターネット公売の実施

2014年9月3日

平成26年度第1回インターネット公売の実施

<公売方法>
せり売り(オークション)
<対象財産>
動産等(絵画、美術品等)、自動車、不動産等(土地付建物、マンション等)
<公売参加申込期間>
5月2日(金)午後1時から5月14日(水)午後5時まで
※参加申込を行わない場合はインターネット公売に参加できません。
<買受申込(せり売り)期間>
5月23日(金)午後1時から5月26日(月)午後1時まで

  • 日程の詳細については、リンク先の「お知らせ」に掲載している「インターネット公売の実施日程について」 をご覧のこと。
  • 公売財産は、公売情報のトップ画面「インターネット公売物件を条件で探す」から簡単に検索することができる。
  • インターネット公売への参加に当たっては、公売情報のトップ画面右下の「ネット公売ガイドラインほか」に掲載されている「国税関係インターネット公売ガイドライン」を必ず読むこと。
  • 楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」での物件の公開は、5月2日(金)午後1時から行う。
  • 公売財産に関するお問い合わせは、各執行機関(国税局及び税務署)へ。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成26年度第1回インターネット公売の実施

2014年5月9日

残余財産の分配後に成立した国税が国税徴収法第34条第1項に規定する「法人に課されるべき、又はその法人が納付すべき国税」に該当するとした事例

<要旨>
請求人は、請求人が株主である解散した法人(本件滞納法人)から残余財産の分配を受けたときには、本件滞納法人は国税を滞納しておらず正当かつ適法に残余財産の分配をしたものであるから、国税徴収法第34条《清算人等の第二納税義務》第1項の要件に該当しない旨主張する。

しかしながら、国税徴収法第34条第1項に規定する「法人に課されるべき、又はその法人が納付すべき国税」とは、法人が結果的に納付しなければならないこととなる全ての国税をいい、解散の時又は残余財産の分配若しくは引渡しの時に成立していた国税に限られないところ、本件滞納法人は、請求人に対し残余財産の分配をしたものと認められ、第二次納税義務の納付告知処分時に国税を滞納していたのであるから、国税徴収法第34条第1項の要件に該当し、請求人は第二次納税義務を負う。

 ★リンクはこちら ⇒ 残余財産の分配後に成立した国税が国税徴収法第34条第1項に規定する「法人に課されるべき、又はその法人が納付すべき国税」に該当するとした事例

2014年4月28日

離婚に伴う財産分与が不相当に過大であるとして国税徴収法第39条に規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」があったとした事例

<要旨>
請求人は、離婚に伴い滞納者である夫から財産分与(本件財産分与)として不動産(本件分与財産)を譲り受けたが、本件財産分与は不相当に過大ではないから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二納税義務》が規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」に該当しない旨主張する。

しかしながら、離婚における財産分与が同条の「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」等の処分に当たるか否かは、夫婦間における諸事情を考慮して清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素を算定した上で当該財産分与が不相当に過大か否かを判断するのが相当であるところ、本件分与財産の価額は、財産分与相当額の8倍以上であるから、本件財産分与は、国税徴収法第39条が規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」に該当する。

 ★リンクはこちら ⇒ 離婚に伴う財産分与が不相当に過大であるとして国税徴収法第39条に規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」があったとした事例

2014年4月18日

インターネット公売(2013年9月)の実施

1.インターネット公売とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成25年度におけるインターネット公売は、一般競争入札で決定したヤフー株式会社の「官公庁オークション」で行う。

2.インターネット公売(平成25年9月)の実施内容

  • 公売予定財産(平成25年8月22日現在)
    不動産、腕時計、貴金属や宝石など、合計296件
  • 日程
    公売参加申込受付期間 平成25年9月6日(金)13時~9月17日(火)17時
    買受申込期間 平成25年9月27日(金)13時~9月30日(月)13時
    最高価申込者の決定日 平成25年10月2日(水)10時
    買受代金の納付期限 平成25年10月15日(火)14時



    ※1 詳細については、公売情報ホームページを閲覧のこと。
    ※2 ヤフー株式会社の「官公庁オークション」は、9月6日(金)13時に公開される。
    ※3 インターネット公売への参加を希望する場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みをする必要がある。

 ★リンクはこちら ⇒ インターネット公売の実施について(既に削除済み)

2013年9月2日

平成25年度第1回インターネット公売の実施

1.「インターネット公売」とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成25年度におけるオークションサイトは、一般競争入札で決定したヤフー株式会社の「官公庁オークション」に変わった。ちなみに、平成24年度は楽天オークション株式会社が運営するオークションサイト(「官公庁オークション」)を利用して行っていた。

2.インターネット公売(平成25年5月)の実施内容
(1)公売予定財産(平成25年4月23日現在)
刀、自動車、指輪や那覇市の土地付建物など、合計310物件

(2)日程

  • 公売参加申込受付期間 平成25年5月10日(金)13時から5月20日(月)17時
  • 買受申込期間 平成25年5月30日(金)13時から6月3日(月)13時
  • 最高価申込者の決定日 平成25年6月5日(水)10時
  • 買受代金の納付期限 平成25年6月17日(月)14時

※詳細については、公売情報ホームページを参照のこと。
※ヤフー株式会社の「官公庁オークション」(http://koubai.auctions.yahoo.co.jp/) は、5月10日(金)13時に公開される。
※インターネット公売への参加を希望する場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みが必要である。

2013年5月8日

平成24年度第4回インターネット公売の実施

インターネット公売とは、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成24年度において実施するインターネット公売は、一般競争入札で決定した楽天オークション株式会社が運営するオークションサイト(「官公庁オークション」)を利用して行う。

<インターネット公売(平成25年2月)の実施内容>
(1)公売予定財産(平成25年1月8日現在)
腕時計、プリウス、札幌市の区分所有建物や秋田市の土地付建物など、合計318物件

(2)日程

  • 公売参加申込受付期間 平成25年1月25日(金)13時から2月4日(月)17時
  • 買受申込期間 平成25年2月15日(金)13時から2月18日(月)13時
  • 最高価申込者の決定日 平成25年2月20日(水)10時
  • 買受代金の納付期限 平成25年3月4日(月)14時

(3)実施する国税局等(平成25年1月8日現在)
11国税局及び37税務署

※詳細については、公売情報ホームページを閲覧すること。
※楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」サイト( http://public.auction.rakuten.co.jp/ )は、1月25日(金)13時に公開される。
※インターネット公売への参加を希望する場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みをする必要がある。

2013年1月24日

平成24年度第3回インターネット公売の実施

1.インターネット公売とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成24年度において実施するインターネット公売は、一般競争入札で決定した楽天オークション株式会社が運営するオークションサイト(「官公庁オークション」)を利用して行う。

2.インターネット公売(平成24年11月)の実施内容
(1)公売予定財産(平成24年10月16日現在)
7カラット超のダイヤモンド、フェラーリやベンツ、札幌市の区分所有建物や秋田市の土地付建物など、合計273物件

(2)日程

  • 公売参加申込受付期間
    平成24年11月2日(金)13時から11月12日(月)17時
  • 買受申込期間
    平成24年11月22日(木)13時から11月26日(月)13時
  • 最高価申込者の決定日
    平成24年11月28日(水)10時
  • 買受代金の納付期限
    平成24年12月10日(月)14時

(3)実施する国税局等(平成24年10月16日現在)
12国税局及び34税務署

※詳細については、公売情報ホームページを参照のこと。
※楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」サイト(http://public.auction.rakuten.co.jp/)は、11月2日(金)13時に公開される。
※インターネット公売への参加を希望される場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みが必要である。

2012年11月2日

平成24年度第2回インターネット公売の実施

インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成24年度において実施するインターネット公売は、一般競争入札で決定した楽天オークション株式会社が運営するオークションサイト(「官公庁オークション」)を利用して行う。
インターネット公売(平成24年9月)の実施内容は以下のとおりである。

(1)公売予定財産(平成24年8月22日現在)
腕時計、焼酎等の動産、茨城県龍ケ崎市の土地付建物や大分県別府市の旅館等の不動産など188物件

(2)日程

  • 公売参加申込受付期間 平成24年9月7日(金)13時~9月18日(火)17時
  • 買受申込期間 平成24年9月28日(金)13時~10月1日(月)13時
  • 最高価申込者の決定日 平成24年10月3日(水)10時
  • 買受代金の納付期限 平成24年10月15日(月)14時

(3)実施する国税局等(平成24年8月22日現在)
10国税局及び26税務署

(注1)詳細については、公売情報ホームページを参照
(注2)楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」サイト(http://public.auction.rakuten.co.jp/)は、9月7日(金)13時に公開される。
(注3)インターネット公売への参加を希望する場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みをする必要がある。

2012年9月4日

年金保険料滞納の強制徴収

 国税徴収法は、国税収入の確保を目的とする日本の法律である。
具体的には、以下のようなことが定められている。

  • 国税債権と他の債権(地方税に係る債権、被担保債権、私債権)との優先関係の調整
  • 第二次納税義務
  • 滞納処分の手続・猶予・停止

他の法律において、債務が履行されない場合、「~については、国税滞納処分の例により差し押さえる~」といった形で準用されている。
具体的には、地方税法、労働保険徴収法、会社更生法、国民年金法、介護保険法などであるが、厚生労働省が2012年3月22日に、厚生年金保険料を滞納している業者について、国税庁に強制徴収の権限を委任しているが、このようなケースがこれにあたるであろう。

2012年3月23日

国税徴収法

 国税徴収法は、国税の滞納処分その他の徴収に関する手続の執行について必要な事項を定めるものである。

ちなみに、国税通則法は、 国税についての基本的な事項及び共通的な事項を定め、税法の体系的な構成を整備するものである。

2011年9月2日

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税務署

申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)

標題のことについては、下記のとおり定めたので、平成17年4月1日以降はこれにより適正に取り扱われたい。

(目的)
申告書等の閲覧については、法令等により定められたものではないが、「財務省設置法」(平成11年法律第95号)第19条に規定された国税庁の任務である「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現、酒類業の健全な発達」に資するため、行政サービスとしてこれを実施することとし、その事務処理要領を定めるものである(本事務運営指針において、当該行政サービスを「申告書等閲覧サービス」という。)。

なお、本事務処理要領により行う申告書等閲覧サービスは、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第57号)に規定する保有個人情報の開示請求制度とは異なるものであるが、同法及び「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年法律第27号)の規定を踏まえ、納税者又はその代理人から当該納税者に係る申告書等の閲覧申請を受けた場合の対応について、当該納税者及び第三者の個人情報(個人番号を含む。)を保護する見地から必要な措置を講ずるものである。

★リンクはこちら⇒ 申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)

2025年2月7日


国税庁レポート2024

国税庁は『国税庁レポート2024』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 国税庁レポート2024

2024年8月2日


令和5年度査察の概要

国税庁は、『令和5年度査察の概要』をホームページに掲載した。

査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としている。

国税査察官は、経済取引の広域化、デジタル化、国際化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施している。

★リンクはこちら⇒ 令和5年度査察の概要

2024年7月31日


パンフレット『国税査察制度~脱税は、犯罪。~』(令和6年6月)

国税庁は、パンフレット『国税査察制度~脱税は、犯罪。~』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ パンフレット『国税査察制度~脱税は、犯罪。~』(令和6年6月)

2024年7月30日


電子帳簿保存法に関する「お問い合わせの多いご質問」(随時更新)

国税庁は、電子帳簿保存法に関する「お問い合わせの多いご質問」に質問を追加した。

★リンクはこちら⇒ 電子帳簿保存法に関する「お問い合わせの多いご質問」(随時更新)

2024年3月22日


パンフレット「暮らしの税情報」(令和5年度版)

国税庁は、ホームページに「パンフレット「暮らしの税情報」(令和5年度版)」を掲載した。

★リンクはこちら⇒ パンフレット「暮らしの税情報」(令和5年度版)

2023年8月18日


電話等の事前予約による申告相談体制への移行のお知らせ

具体的に書類や事実関係を確認する必要がある場合など、電話での回答が困難な相談内容については、所轄の税務署において面接にて相談を受けている。

面接相談は、面接時間を十分に確保するほか、持参していただく書類などを伝える必要があることから、電話等で事前に相談日時等をご予約いただいている。

入場整理券による個人の確定申告に関する申告相談体制については、令和5年3月16日(木)以降、税務署ごとに順次終了し、電話等の事前予約による申告相談体制に移行していく。

★リンクはこちら⇒ 電話等の事前予約による申告相談体制への移行のお知らせ

2023年3月14日


国税庁ホームページ携帯版サイト閉鎖のお知らせ

国税庁ホームページ携帯版サイト(https://www.nta.go.jp/m/)は、2021年5月31日(月)をもって閉鎖となる。

2021年5月31日(月)以降は、パソコン、スマートフォンなどから国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/)をご覧のこと。

★リンクはこちら⇒ 国税庁ホームページ携帯版サイト閉鎖のお知らせ

2021年5月19日


税務署の内部事務のセンター化について

<内部事務のセンター化の概要>
国税庁では、内部事務の効率化・高度化を図るとともに、納税者利便の向上や外部事務(調査・徴収事務)の充実・高度化を目指し、令和元年7月から、複数の税務署(対象署)の内部事務(※)を専担部署(センター)で集約処理する「内部事務のセンター化」の試行に取り組んでいる。

令和3年7月からは、国税局の組織として「業務センター室」(仮称)を設置するなど国税組織の体制を変更した上で、一部の税務署を対象とした「内部事務のセンター化」の実施へ移行する。

()内部事務とは、例えば、申告書の入力処理、申告内容等についての照会文書の発送などの事務をいう。

<納税者や税理士の皆様へのお願い>
内部事務のセンター化は、納税者の皆様の所轄税務署を変更するものではないが、内部事務を処理するため、納税者や税理士の皆様に対し、センターから電話や文書により問合せることがある。

なお、センターから送付する文書によって、行政指導の責任者が国税局長となる場合がある。

令和3年7月以降、内部事務のセンター化の対象となっている税務署(対象署)に、申告書、申請書等を提出する場合は、以下のとおり対応すること。

  • e-Tax(データ)により提出する場合は、従来どおり所轄税務署へ送信。
  • 書面により提出する場合は、郵送でセンターへ送付。

()書面の申告書、申請書等を、センターへ直接持ち込むことはできない。

電話による税務相談や申請書、申告書等の送付は、従来どおり電話相談センターまたは所轄税務署まで問い合わせること。

納税証明書の交付や現金領収、面接による相談等の窓口対応は、従来どおり所轄税務署で行う。

★リンクはこちら⇒ 税務署の内部事務のセンター化について

2021年5月12日


PDFファイルによる電子納税証明書の発行等について

2021年7月から、電子納税証明書について、従来のXMLファイルに加え、PDFファイル(以下「電子納税証明書(PDF)」という。)による発行ができるようになる。

なお、電子納税証明書(PDF)の導入に伴い、納税証明書のデザインが変わる。

パソコンからe-Tax(Web版)にログインし、「納税証明書の交付請求書(電子交付用)」から、PDFデータを選択し、画面表示に従い必要事項を入力し、送信することで電子納税証明書(PDF)の申請ができる。

また、e-Taxでの送信及びメッセージボックスの確認には、マイナンバーカードなどの電子証明書が必要でである。

★リンクはこちら⇒ PDFファイルによる電子納税証明書の発行等について

2021年5月11日


税務署窓口における押印の取扱いについて

令和2年12月21日に「令和3年度税制改正の大綱」が閣議決定され、税務関係書類の押印の見直しについて、以下の方針が示された。

提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除き、押印を要しないこととするほか、所要の措置を講ずる。

(1) 担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
(2) 相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類
(注1) 国税犯則調査手続における質問調書等への押印については、刑事訴訟手続に準じた取扱いとする。
(注2) 上記の改正は、令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用する。
(注3) 上記の改正の趣旨を踏まえ、押印を要しないこととする税務関係書類については、施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととする。

この閣議決定に基づき、全国の税務署窓口においては、本件見直しの対象となる税務関係書類について押印がなくとも改めて求めないこととする。

★リンクはこちら⇒ 税務署窓口における押印の取扱いについて

2021年1月8日


令和元年度における再調査の請求の概要

  • 国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁(税務署長など)に対する再調査の請求や国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度(不服申立制度)と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度がある。
  • このうち、「再調査の請求」は、税務署長などが更正・決定や差押えなどの処分をした場合に、その処分に不服がある納税者が税務署長などに対してその処分の取消しや変更を求める手続である。
  • 国税庁においては、納税者の権利利益の救済及び行政の適正な運営の確保という制度の趣旨を踏まえた適切な不服申立事務の遂行に努めている。

1.再調査の請求の発生状況
再調査の請求の発生件数は1,359件で、前年度より33.5%減少

2.再調査の請求の処理状況
再調査の請求における認容割合は12.4%

★リンクはこちら⇒ 令和元年度における再調査の請求の概要

2020年7月30日


令和元年度における訴訟の概要(令和2年6月)

  • 国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁に対する再調査の請求及び国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度(不服申立制度)と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度がある。
  • 納税者は、上記の行政上の不服申立てを経た後、なお不服があるときは、裁判所に対して「訴訟」を提起することができる。
  • 国税庁においては、法務当局とも連携し訴訟事務の適切な遂行に努めている。

1.訴訟の発生状況
訴訟の発生件数は223件で、前年度より23.2%増加(第一審発生件数は微増)

2.訴訟の終結状況
国側敗訴件数は21件、国側敗訴割合は9.7%

★リンクはこちら⇒ 令和元年度における訴訟の概要(令和2年6月)

2020年7月21日


令和元年度査察の概要

査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としている。

国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施している。

【令和元年度の取組】

  • 検察庁に告発した件数は116件、脱税総額(告発分)は93億円
  • 海外に不正資金を隠す国際事案、無申告ほ脱事案のほか、市場が拡大する分野や時流に即した社会的波及効果の高い事案を告発
  • 重点事案(注)として、消費税受還付事案11件、無申告ほ脱事案27件、国際事案25件を告発。
  • 国際事案では、海外に不正資金を隠した所得税ほ脱事案で、国外財産調書の不提出犯を初適用。
  • 無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、過去5年間で最も多い27件を告発。
  • その他、インターネット広告会社や消費税還付コンサルにより多額の利益を得た税理士など、市場が拡大する分野や時流に即した社会的波及効果の高い事案を告発。

(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。

【令和元年度中の判決状況】

  • 124件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、5人に実刑判決
  • 最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役 10 月、他の犯罪と併合されたものが懲役9年。

★リンクはこちら⇒ 令和元年度査察の概要

2020年7月17日


公用文等における日本人の姓名のローマ字表記について

2019年10月25日の「公用文等における日本人の姓名のローマ字表記に関する関係府省庁連絡会議」において、各府省庁が作成する公用文等において日本人の姓名をローマ字表記する際は、原則として「姓―名」の順で表記することの申合せが行われた。

詳細はリンク先の首相官邸ホームページをご覧のこと。

★リンクはこちら⇒ 公用文等における日本人の姓名のローマ字表記について

2020年4月20日


国税庁レポート2019

国税庁は、「国税庁レポート2019」を公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 国税庁レポート2019

2019年8月19日


QRコードを利用したコンビニ納付手続の開始について

コンビニ納付は、従来、税務署から交付又は送付されたバーコード付の納付書がなければ利用できなかったが、平成31年(2019年)1月4日(金)以降、自宅等において納付に必要な情報(氏名や税額など)をいわゆる「QRコード」(PDFファイル)として作成・出力することにより可能となる。

利用方法は以下のとおり。

自宅等で作成・出力した「QRコード」(PDFファイル)をコンビニ店舗に持参
いわゆるキオスク端末(「Loppi」や「Famiポート」)に読み取らせることによりバーコード(納付書)が出力
バーコード(納付書)によりレジで納付

(注)詳細な利用方法等については、今後お知らせがある。


1.QRコードの作成・出力方法

(1)確定申告書等作成コーナーからの作成・出力
確定申告書等作成コーナーにおいて、所得税、消費税、贈与税の申告書を作成する際に、QRコードの作成を選択することで、申告書に併せて、QRコード(PDFファイル)を印字した書面が出力(作成)される。
(2)国税庁ホームページからの作成・出力
国税庁ホームページのコンビニ納付用QRコード作成専用画面において、納付に必要な情報(住所、氏名、納付税目、納付金額等)を入力することで、QRコード(PDFファイル)を印字した書面が出力(作成)される。
(注1)納付できる金額は従来のコンビニ納付と同様に30万円以下となる。
(注2)作成したQRコード(PDFファイル)をスマートフォンやタブレット端末に保存し、スマートフォンやタブレット端末の画面に表示してキオスク端末に読み取らせることも可能である。

2.利用可能コンビニ
ローソン、ナチュラルローソン、ミニストップ(いずれも「Loppi」端末設置店舗のみ)
ファミリーマート(「Famiポート」端末設置店舗のみ)

QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標である。

 ★リンクはこちら⇒ QRコードを利用したコンビニ納付手続の開始について

2018年11月13日


「平成30年7月豪雨」により被災された納税者の国税に関する法律に基づく申告・納付等の期限の延長について

この度の平成30年7月豪雨により被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

国税庁は、下記の指定地域に納税地のある方について、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出及びその他の書類の提出並びに納付等の期限を延長(地域指定)することとした。

1.対象となる納税者
下記の指定地域に納税地のある方(法人を含む。)

(注)対象地域については、今後の状況を踏まえて見直す可能性がある。

2.延長される期限
平成30年7月5日以後に到来する国税の申告・納付等の期限について、自動的に延長されることとなる。
なお、申告・納付等の期限をいつまで延長するかについては、今後、被災者の状況に十分配慮して検討するとのこと。

3.指定地域外に納税地のある方の期限延長
指定地域外に納税地のある方であっても、今回の豪雨により被災された方については、所轄の税務署長に対して個別に申請することにより、申告・納付等の期限の延長を受けることができるので、状況が落ち着けば、税務署へご相談ください。

 ★リンクはこちら⇒ 「平成30年7月豪雨」により被災された納税者の国税に関する法律に基づく申告・納付等の期限の延長について

2018年8月3日


国税審判官(特定任期付職員)のコラム

国税不服審判所は、国税審判官(特定任期付職員)を志す方の多くが国税不服審判所を身近に感じるとともに、国税審判官の業務に興味・関心を抱いていただけるよう、ホームページに、特定任期付職員によるコラムの掲載を開始した。

コラムは、税理士・弁護士・公認会計士の現職国税審判官がリレー形式で執筆し、毎月1回の掲載を予定している。

ちなみに、第1回は『審判所ってこんなところ』である。

 ★リンクはこちら⇒ 国税審判官(特定任期付職員)のコラム

2018年4月6日


国税庁ホームページリニューアルのお知らせ(2018年3月)

国税庁では、電子政府指針等を踏まえ、ホームページの更なる利便性の向上を図るため、平成30年(2018年)3月31日(土)に国税庁ホームページのリニューアルを行う。

<リニューアルの対象>
国税庁ホームページ(www.nta.go.jpをドメインとするサイト)

※以下のサイトは、今回のリニューアルの対象にはならない。
•国税電子申告・納税システム(e-Tax)(www.e-tax.nta.go.jp)
•確定申告書等作成コーナー(www.keisan.nta.go.jp)
•財産評価基準書(路線価図・評価倍率表)(www.rosenka.nta.go.jp)
•公売情報(www.koubai.nta.go.jp)
•法人番号公表サイト(www.houjin-bangou.nta.go.jp)
•国税不服審判所(www.kfs.go.jp)

<ご留意いただきたい事項>
リニューアルに当たり、トップページのURL(https://www.nta.go.jp)に変更はないが、情報分類の整理を行ったことから、各ページの掲載場所や全てのページのURLが変更になる。
各ページをブックマークに登録されている方やリンク設定をされている方は、リニューアル後にブックマークの再登録やリンク設定の変更が必要になる。

 ★リンクはこちら⇒ 国税庁ホームページリニューアルのお知らせ(2018年3月)

2018年3月27日


~口座開設等を行う法人の方へ~
金融機関等で法人の方が口座開設等をする際は、「特定法人」に該当するかどうかの確認が必要です!(平成30年2月)

平成27年度税制改正(平成29年1月1日施行)により、平成29年1月1日以後、新たに国内に所在する金融機関等(銀行、証券会社、保険会社、組合、信託等)で口座開設等を行う方(自然人、法人、組合等)は、金融機関等へその方の居住地国等を記載した届出書()の提出が必要となる。

届出書には、氏名・住所(名称・所在地)、居住地国、外国の納税者番号などを記載する必要がある。
詳しくは、リーフレット「~口座開設等を行う方へ~ 金融機関等で口座開設等をする際は、居住地国等を記載した届出書の提出が必要です!」をご覧のこと。

さらに、口座開設等を行う方が法人である場合、「特定法人」に該当するかどうかを確認していただき、「特定法人」に該当するときには、その法人の「実質的支配者」に係る居住地国等についても届出書に記載する必要がある。

 ★リンクはこちら⇒ ~口座開設等を行う法人の方へ~ 金融機関等で法人の方が口座開設等をする際は、「特定法人」に該当するかどうかの確認が必要です!(平成30年2月)

2018年3月13日


「審査請求書作成・提出時のセルフチェックシート」の新設

国税不服審判所は、審査請求をされる方に向けて、審査請求書が正しく作成・提出されるよう、ポイントや誤りやすい点をまとめた「審査請求書作成・提出時のセルフチェックシート」を、ホームページに掲載した。

審査請求書を提出する前に、ご自身で、記載漏れや不備等がないことを確認する際にご活用のこと。

 ★リンクはこちら⇒ 提出書類一覧(審査請求関係)

2018年2月15日


ダイレクト納付口座の複数利用の開始

預貯金口座ごとにあらかじめ「ダイレクト納付利用届出書」を提出することで、平成30年1月4日(木)から、ダイレクト納付の際に利用する預貯金口座を選択することができるようになる。

これにより、例えば、源泉所得税や法人税など、税金の種類別に異なる預貯金口座を使用して、ダイレクト納付が利用できる。

ますます便利なダイレクト納付を、この機会に是非利用しよう。

※1
同一金融機関における複数の預貯金口座のダイレクト納付の利用可否については、「利用可能金融機関一覧」を確認のこと。
※2
各金融機関における複数の預貯金口座の開設の可否については、利用金融機関に確認のこと。

 ★リンクはこちら⇒ ダイレクト納付口座の複数利用の開始

2017年12月20日


平成29年度版暮らしの税情報 Edit

国税庁は、『平成29年度版暮らしの税情報』を、ホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒平成29年度版暮らしの税情報

2017年10月10日

「同業者団体等からの照会に対する文書回答の事務処理手続等について」の一部改正について(事務運営指針) Edit

標題のことについては、平成16年2月17日付課審1-3ほか8課共同「同業者団体等からの照会に対する文書回答の事務処理手続等について」(事務運営指針)の一部を下記のとおり改正したから、平成29年7月1日以後に受け付ける照会に対する文書回答手続等については、これによること。

<趣旨>
同業者団体等からの照会に対する文書回答の事務処理手続等について、納税者利便の一層の向上の観点から、所要の整備を行うものである。

★リンクはこちら⇒「同業者団体等からの照会に対する文書回答の事務処理手続等について」の一部改正について(事務運営指針)(課審1-31 課総2-5 課個1-11 課資1-21 課法1-39 課酒1-28 課評1-7 課消1-11 課軽1-3 査調1-29 平成29年5月23日)

2017年10月4日

「事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について」の一部改正について(事務運営指針)

標題のことについては、平成14年6月28日付課審1-14ほか8課共同「事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について」(事務運営指針)の一部をリンクのとおり改正したから、平成29年7月1日以後に受け付ける事前照会に対する文書回答手続等については、これによること。

<趣旨>
事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について、納税者利便の一層の向上の観点から、所要の整備を行うものである。

★リンクはこちら⇒ 「事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について」の一部改正について(事務運営指針)(課審1-31 課総2-5 課個1-11 課資1-21 課法1-39 課酒1-28 課評1-7 課消1-11 課軽1-3 査調1-29 平成29年5月23日)

2017年7月20日

国税庁レポート2017

国税庁は、『国税庁レポート2017』を、ホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 国税庁レポート2017

2017年7月19日

平成29年2月19日及び2月26日の日曜日に確定申告の相談を行う税務署

平成28年分確定申告期間中は、平日(月から金曜日)以外でも、一部の税務署では、2月19日と2月26日に限り日曜日も、確定申告の相談・申告書の受付を行う。

閉庁日対応を行う税務署等については、下記リンクを参照のこと。

道府県内の一部の税務署で閉庁日対応を行う場合、確定申告電話相談センターなどで、広く道府県内の納税者の方々からの電話相談にお答えする。
税務署にお越しの際は、なるべく公共交通機関を利用すること。

なお、税務署は、通常、土・日・祝日は閉庁している。

ちなみに、香川県は高松税務署のみである。

★リンクはこちら⇒ 平成29年2月19日及び2月26日の日曜日に確定申告の相談を行う税務署

2017年2月3日

税務署窓口へ税務関係書類を提出される際の「提出票」作成

平成29年1月から 納税者の方が 税務署の総合窓口(管理運営部門の窓口)で申告書・届出書等の税務関係書類を提出される際には、以下のとおり「提出票」を記載・提出することになった。

<施策の概要>
平成29年1月から、税務署に多くのマイナンバー記載書類が提出されることなり、税務行政において社会保障・税番号制度が本格化した 。
これを契機に、重要な個人情報を取り扱う行政関として提出された書類を従来にも増して厳格に管理する必要があることから、納税者(税理士)の方が税務署の総合窓口(管理運営部門の窓口)で申告書・届出等の税務関係類を提出される際には、併せて「提出票」の記載・提出をお願いすることした。

<施策の開始時期>
本施策は、原則として平成29年1月から実施している。

税務署の総合窓口(管理運営部門の窓口)で税務関係書類を提出される際、提出票を作成し、提出書類及び提出票を総合窓口へ提出する。
提出票の様式は、税務署総合窓口で渡される。
受付担当者が、提出受付担当者が、提出書類の概要を提出票に記録するとともに、提出書類の収受手続を行う。

★リンクはこちら⇒ 税務署窓口へ税務関係書類を提出される際の「提出票」作成

2017年1月6日

クレジットカード納付

<概要>
クレジットカード納付とは、インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、国税庁長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へ、国税の納付の立替払いを委託することにより国税を納付する手続である。
クレジットカード納付は、平成29年1月4日8時30分からサービスを開始することとしており、同日10時00分に当ページから専用のWebサイトにアクセスを可能とする更新を行う予定である。

<対象となる国税>
申告所得税及び復興特別所得税法人税消費税及び地方消費税、贈与税、酒税などほぼ全ての税目で利用可能である(一部対象外の税目がある。)。
詳しくは下記リンクの『クレジットカード納付のQ&A』を参照のこと。

<ご準備いただくもの>
納付する税目や金額のわかるもの(確定申告書など)と、利用するクレジットカード

<受付時間>
24時間利用可能
※メンテナンス作業等でご利用いただけない時間が生じる場合がある。

<注意事項>
1.クレジットカード納付では、納付税額に応じた決済手数料がかかる。
※決済手数料は、国の収入になるものではない。
2.クレジットカード納付ができる金額は、1,000万円未満、かつ、ご利用になるクレジットカードの決済可能額以下の金額(決済手数料含む)である。
3.利用可能なクレジットカードは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、TS CUBIC CARDである。
4.領収証書は発行されない。
※領収証書が必要な方は、最寄りの金融機関又は所轄の税務署の窓口で納付のこと。
5.「国税クレジットカードお支払サイト」での納付手続が完了すると、その納付手続の取消しはできない。
6.納付手続の完了後、その納付手続により納付済となった国税については、納税の猶予等を受けることはできない。
7.国税のクレジットカード納付はインターネット上のみの手続であり、金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口では、クレジットカードによる納付はできない。
8.クレジットカード納付をしてから、納付済の納税証明書の発行が可能となるまで、3週間程度かかる場合がある。

<クレジットカード納付の方法>
・インターネットの利用が可能なパソコン、スマートフォン及びタブレット端末から「国税クレジットカードお支払サイト」へアクセスする。
※アクセス方法
①国税庁ホームページから
国税庁ホームページで「国税クレジットカードお支払サイト」をクリックしてアクセス(平成29年1月4日からアクセス可能)
②確定申告書等作成コーナーから
確定申告書等作成コーナーで、納税額のある申告書を作成した場合などに表示される納付方法の案内画面からアクセス(平成29年1月4日からアクセス可能)
③サイトの検索等
各種検索エンジンで「国税クレジットカード納付」と検索していただくか、サイトURL「https://kokuzei.noufu.jp」を入力してアクセス
④e-Tax(国税電子申告・納税システム)から
平成29年6月からの開始を予定している。
・「国税クレジットカードお支払サイト」での手続は『クレジットカード納付手続の流れ』を参考のこと。

<その他>
その他ご不明な点は、下記リンクの『クレジットカード納付のQ&A』を参照のこと。

★リンクはこちら⇒ クレジットカード納付のQ&A

2016年12月20日

平成29年度税制改正大綱

自民党・公明党は、2016年12月8日に『平成29年度税制改正大綱』を公表した。

★リンクはこちら⇒ 平成29年度税制改正大綱

2016年12月8日

パンフレット『暮らしの税情報』(平成28年度版)

国税庁は、パンフレット『暮らしの税情報』(平成28年度版)を作成した。

目次は、以下のとおり。

  • 税の基礎知識
  • 給与所得者と税暮らしの中の税不動産と税
  • 贈与・相続と税申告と納税
  • 高齢者や障害者と税
  • 暮らしの中の税
  • 不動産と税 贈与・相続と税
  • 申告と納税
  • その他

★リンクはこちら⇒ パンフレット『暮らしの税情報』(平成28年度版)

2016年8月10日

租税教育の事例集(平成28年5月改訂版)

平成27年4月、租税教育推進関係省庁等協議会(中央租推協)では、租税教育に対する教員等の意識啓発を図ることを目的とし、全国で行われている租税教育の優れた取組事例などを基に、租税教育の事例集を作成した。

租税教育に関係する様々な立場の方に広く御活用いただけるつくりとしているので、よりよい租税教育の授業づくりのため、関連する教科・時間などにおいて、ぜひ活用すること。

★リンクはこちら⇒ 租税教育の事例集(平成28年5月改訂版)

2016年7月11日

添付書類のイメージデータによる提出

e-Taxでの添付書類のイメージデータによる提出については、平成28年4月1日より開始している。
ただし、以下に掲載している添付書類については、平成29年1月4日(水)までは、イメージデータによる提出はできない。
また、平成29年1月3日(火)以前に提出した申告、申請・届出等に係る添付書類については、平成29年1月4日(水)以降もイメージデータによる提出はできない。

<申告>

  1. 所得税確定申告等
  2. 贈与税申告

<申請・届出等>

  1. 所得税関係
  2. 相続税・贈与税関係
  3. 消費税(個人)関係
  4. 電子帳簿保存法関係(個人)

★リンクはこちら⇒ 添付書類のイメージデータによる提出

2016年6月3日

e-Taxの受付日の拡大

e-Taxの受付日については、平成28年5月以降、利用者の利便性向上の観点から、法人税申告書等の提出が多い、5月、8月、11月の最後の土曜日及び日曜日を拡大する。

なお、平成28年5月以降のe-Taxの受付日等は以下のとおり。
1.通常期
【受付日】

  • 月曜日~金曜日(祝日等及び12月29日~1月3日を除く。)
  • 5月、8月、11月の最後の土曜日及び日曜日(月末が土曜日の場合は、最後の日曜日を翌月の最初の日曜日とする。)

【受付時間】

  • 8時30分~24時

【平成28年度における土日対応】

  • 平成28年5月28日(土)、29日(日)
  • 平成28年8月27日(土)、28日(日)
  • 平成28年11月26日(土)、27日(日)

2.所得税等の確定申告時期

  • 全日(土日祝日等を含む。)24時間(メンテナンス時間を除く。)

具体的な期間については、12月上旬にe-Taxのホームページでお知らせする予定である。

★リンクはこちら⇒ e-Taxの受付日の拡大について

2016年5月16日

平成27年度の確定申告期におけるe-Tax・作成コーナーヘルプデスク電話混雑予想

国税庁は、『平成27年分確定申告期におけるe-Tax・作成コーナーヘルプデスクの電話混雑予想』を公表した。

それによると、平成27年分確定申告が始まる2月16日前後や3月に入ると「比較的電話が繋がりにくい状況」や「多少お待ちいただく場合がある」と予想しているほか、月曜日や12~16時の時間帯は問い合わせが集中する傾向にあるとしており、問い合わせの際は注意したい。

★リンクはこちら⇒ 平成27年度の確定申告期におけるe-Tax・作成コーナーヘルプデスク電話混雑予想

2016年1月29日

税務当局における税務代理人の本人確認書類

日本税理士会連合会(日税連)は、税務当局における税務代理人の本人確認について、国税庁及び総務省にその取扱いを確認し、一覧に取りまとめた。

国税関係手続、地方税関係手続ともに、基本的には同様の取扱いとなる。

なお、税務代理権限証書の添付の有無により、実際に番号を提供したとみなされる者及び提出する書類が異なる点に留意すること。

★リンクはこちら⇒ 税務当局における税務代理人の本人確認書類

2016年1月7日

マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得にご注意ください!

内閣府のコールセンターや地方公共団体、消費生活センターなどに、マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得を行おうとする電話、メール、手紙、訪問等に関する情報が寄せられている。
注意していただきたい事項、困った場合の相談窓口、これまでに寄せられている相談事例をお知らせしている。

マイナンバー制度をかたった不審な電話、メール、手紙、訪問等には十分注意し、内容に応じて、相談窓口を利用してください。

★リンクはこちら⇒ マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得にご注意ください!

2015年11月19日

社会保障・税番号制度<マイナンバー>FAQページの改修

国税庁は、社会保障・税番号制度<マイナンバー>FAQページを改修した。

申告書等の税務関係書類に個人番号・法人番号を記載しなければならない対象者、申告書等の税務関係書類への個人番号・法人番号の記載時期、法定調書提出義務者等(個人番号関係事務実施者)における本人確認方法など、国税分野における個人番号・法人番号の利用に関するFAQを掲載している。

★リンクはこちら⇒ 社会保障・税番号制度<マイナンバー>FAQページの改修

2015年11月12日

税の役割と税務署の仕事

国税庁は、取組紹介ページ「税の役割と税務署の仕事」を開設した。

★リンクはこちら⇒ 税の役割と税務署の仕事

2015年11月5日

法人番号公表サイト

法人にもマイナンバーが付与されるが、平成27年10月26日(月)の夕刻以降、通知したものから順次、法人の基本3情報を検索・閲覧することができるようになっている。

このサイトでは、法人番号の指定を受けた者の
1.商号又は名称
2.本店又は主たる事務所の所在地
3.法人番号(基本3情報)
を公表している。

また、「基本3情報ダウンロード」画面より、データをダウンロードすることもできる。

★リンクはこちら⇒ 法人番号公表サイト

2015年10月29日

法人番号指定通知書の転送

国税庁では、本年10月から通知を開始している法人番号について、よくある質問と回答をホームページ上で「法人番号に関するFAQ」として公表している。

この度、当該FAQのうちQ5-2「法人番号指定通知書が届かない場合は、どのようにすればいいのでしょうか。」に、登記上の本店所在地と実態が異なる場合、郵便局の転居・転送サービスを利用することができるとの記載が追加された。

★リンクはこちら⇒ 法人番号指定通知書の転送

2015年10月22日

個人番号カードの交付申請を予定されている方へ

個人の方がe-Taxで申告手続等を行う際に必要な公的個人認証サービスに基づく電子証明書については、現在、「住民基本台帳カード」に格納されているが、平成28年1月以降、「個人番号カード」に格納されることとなる。

この「個人番号カード」の交付申請については、平成27年10月から可能となるが、申請が集中した場合、カードの作成に時間を要し、市区町村窓口における交付が遅れる可能性がある旨の注意が総務省ホームページに掲載されている。

詳しくは、総務省ホームページ「『住民基本台帳カードの電子証明書を利用されている皆様へ』~有効期間満了に伴う失効について~」を確認のこと。

★リンクはこちら⇒ 住民基本台帳カードの電子証明書を利用されている皆様へ』~有効期間満了に伴う失効について~

2015年10月16日

退職手当金等受給者別支払調書

死亡退職により退職手当等を支払った場合は、「退職所得の源泉徴収票」は提出する必要はなく、相続税法の規定による「退職手当金等受給者別支払調書」を提出することになる。

支払った日の属する月の翌月15日までに、「退職手当金等受給者別支払調書」に「平成 年 月分 退職手当金等受給者別支払調書合計表」を添付して、納税地等を所轄する税務署長に送付または持参する必要がある。

★リンクはこちら⇒ 退職手当金等受給者別支払調書

2015年9月18日

「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」及び「(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」 に関するQ&A(平成26年12月11日)(平成27年8月6日更新)

特定個人情報保護委員会は、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」及び「(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」 に関するQ&Aを追加・更新した。

★リンクはこちら⇒ 「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」及び「(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」 に関するQ&A(平成26年12月11日)(平成27年8月6日更新)

2015年9月3日

東日本大震災による被災者、 DV・ストーカー行為等・児童虐待等の被害者、 一人暮らしで長期間医療機関・施設に入院・入所されている方へ

平成27年10月以降、国民一人一人の住民票の住所地にマイナンバー(個人番号)が「通知カード」により通知される。
この「通知カード」は、皆さまの住民票の住所地に簡易書留で送付される。

しかしながら、

  • 東日本大震災による被災者
  • ドメスティック・バイオレンス(DV)、ストーカー行為等、児童虐待等の被害者(以下「DV等被害者」という。)
    の方で、住民票を残して、別の場所(居所)にお住まいの方や、
  • 長期間にわたって医療機関・施設等に入院・入所することが見込まれ、かつ、入院・入所期間中は住所地に誰も居住していない方

などについては、住民票の住所地では通知カードを受け取ることができないこと、また、住民票の住所地に送付された通知カードをDV等の加害者が受け取ってしまうことも想定される。

住民票の住所地と異なる場所(居所)にお住まいの方は、居所に生活の本拠がある場合にはそこに住民票を異動することが基本だが、上記のような方については、現在お住まいの場所(居所)を登録すれば、そこに通知カードを送付してもらうことも可能なので、該当する方は居所情報の登録申請をすること。

★リンクはこちら⇒ 東日本大震災による被災者、 DV・ストーカー行為等・児童虐待等の被害者、 一人暮らしで長期間医療機関・施設に入院・入所されている方へ

2015年8月24日

FY2015 Japan Tax Reform

財務省は先日、パンフレット「平成27年度税制改正」の英語版を発刊した。
目次は、以下のとおり。

 Chapter1  Corporate Taxation
 Chapter2  Consumption Taxation
 Chapter3  International Taxation
 Chapter4  Development of the Environment for Tax Payment
 Chapter5  Individual Income Taxation
 Chapter6  Property Taxation

★リンクはこちら⇒ FY2015 Japan Tax Reform

2015年8月17日

パンフレット「暮らしの税情報」(平成27年度版)

国税庁は、パンフレット「暮らしの税情報」(平成27年度版)を作成した。

★リンクはこちら⇒ パンフレット「暮らしの税情報」(平成27年度版)

2015年8月5日

中小企業・小規模事業者向けのマイナンバー電子書籍(入門編資料、チェックリスト)

日本商工会議所は、経営に役立つ情報を電子書籍で提供する『商工会議所ライブラリー』において、中小企業向けにマイナンバー制度のポイントを絞って分かりやすく説明した『マイナンバー(社会保障・税番号制度)がはじまります!中小企業の皆さんへ(入門編)』および、小規模事業者がマイナンバー導入時に対応すべき内容をまとめた『マイナンバー導入チェックリスト』(いずれも内閣府作成)を掲載した。

★『マイナンバー(社会保障・税番号制度)がはじまります!中小企業の皆さんへ(入門編)』のリンクはこちら⇒ 『マイナンバー(社会保障・税番号制度)がはじまります!中小企業の皆さんへ(入門編)』
★『マイナンバー導入チェックリスト』のリンクはこちら⇒ 『マイナンバー導入チェックリスト』

2015年7月7日

インターネット番組ダイジェスト版

国税庁は、『インターネット番組ダイジェスト版』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ インターネット番組ダイジェスト版(既に削除済み)

2015年6月18日

国税電子申告・納税システム(e-Tax)ご利用案内(平成27年4月)

国税庁は、「国税電子申告・納税システム(e-Tax)ご利用案内(平成27年4月)」をホームページに掲載した。

e-Taxのメリットとしては以下のようなものがある。

  • 税務署へ出向くことなく、インターネットを利用して申告、申請・届出、納付などの手続を行うことができる。
  • 所得税の確定申告において、添付書類(源泉徴収票や医療費の領収書など)の内容を入力して送信することにより、添付を省略することができる。
  • e-Taxで提出された還付申告は、還付金を3週間程度で受け取ることができる。
  • 確定申告書等作成コーナーを利用すれば、自動計算機能等により容易かつ正確に申告書を作成することができる。
  • 納税証明書の交付請求手数料が書面請求の場合よりも安価である。

★リンクはこちら⇒ 国税電子申告・納税システム(e-Tax)ご利用案内(平成27年4月)(既に削除済み)

2015年6月12日

マイナンバーの利用開始日が平成28年1月1日で確定

マイナンバーの利用開始日が、平成28年1月1日で確定した。

既に利用開始日を平成28年1月1日とする予定で周知されていたが、マイナンバー法の施行日を平成27年10月5日とし、同法附則第1条4号に定めるマイナンバーの利用等の施行日を平成28年1月1日とする政令が4月3日に公布されたことから確定した。

平成27年度税制改改正では、マイナンバー導入後、確定申告書等に住民票の写し等の添付が不要になる規定が盛り込まれた。
これらの適用期日は、マイナンバーの利用等の施行日とリンクしてくる。
施行日の確定により、確定申告書等は平成28年1月1日の属する年分以後、相続・贈与税申告書等は平成28年1月1日以後の相続・遺贈・贈与により取得する財産に係るもの、地方税申告書等は平成28年1月1日以後に提出する申告書に適用される。

1人に1つ。マイナンバー

番号制度の概要、メリットや今後のスケジュールについて分かりやすく解説している政府広報のサイトである。

★リンクはこちら⇒ 1人に1つ。マイナンバー

2015年5月8日

法人番号について(ご紹介コーナー)

国税庁は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)」に基づき、法人番号の指定、通知、公表に関する事務を行うこととなった。

国税庁では、法人番号の付番機関として、平成27年10月からの番号の指定、通知、公表業務の適切な実施に向け、法人番号のシステム構築などの準備を進めている。

現在構築中である法人番号の公表サイトの運用開始までの間、このコーナーを通じて、法人番号に関する最新情報を、順次提供していく。

★リンクはこちら⇒ 法人番号について(ご紹介コーナー)

2015年4月23日

国税の番号制度に関する情報

国税庁のホームページで、番号制度の概要・よくある質問や国税関係書類への番号記載時期や国税関係手続の本人確認方法など、番号制度に関連した国税に関する情報をカテゴリー別に整理している。

★リンクはこちら⇒ 国税の番号制度に関する情報

2015年4月14日

平成25年度分会社標本調査結果

国税庁は、平成25年度分会社標本調査結果について、ホームページに掲載した。
平成25年度分の推計調査結果から見た主要な点は、以下のとおりである。

  • 平成25年度分の法人数は259万5,903社で、このうち連結親法人は1,392社、連結子法人は10,171社となっている。
  • 資本金の総額は139兆6,664億円となっている。
  • 平成25年度分の法人数259万5,903社から、連結子法人の数(10,171社)を差し引いた258万5,732社のうち、欠損法人は176万2,596社で、欠損法人の割合は68.2%となっている。
    このうち連結法人(1,392社)について見ると、欠損法人が589社で、欠損法人の割合は42.3%となっている。
  • 営業収入金額は1,493兆4,688億円で、このうち利益計上法人の営業収入金額は、
    1,138兆1,711億円、所得金額は49兆7,926億円で、営業収入金額に対する所得金額の割合(所得率)は4.4%となっている。
  • 利益計上法人における益金処分の内訳を構成比で見ると、社内留保51.1%、支払配当23.0%、法人税額15.3%、その他の社外流出10.6%となっている。
  • 法人税額は10兆1,122億円となっている。また、所得税額控除は2兆885億円、外国税額控除は6,492億円となっている。
  • 繰越欠損金の当期控除額は9兆8,041億円で、翌期繰越額は68兆6,344億円となっている。
  • 交際費等の支出額は3兆825億円で、営業収入金額10万円当たりの交際費等は
    206円となっている。
  • 寄附金の支出額は6,986億円で、営業収入金額10万円当たりの寄附金は47円となっている。
  • 貸倒引当金の期末残高は3兆6,451億円となっている。
  • 当期発生分の減価償却費の損金算入額は35兆6,198億円で、損金算入限度額に対する損金算入の割合は92.3%となっている。

★リンクはこちら⇒ 平成25年度分会社標本調査結果

2015年4月7日

税のはたらきから社会の仕組みを学ぼう(小学生以上向け)

国税庁は、インターネット番組『税のはたらきから社会の仕組みを学ぼう(小学生以上向け)』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 税のはたらきから社会の仕組みを学ぼう(小学生以上向け)

2015年3月24日

マイナンバー制度への対応準備のお願い

一般社団法人日本経済団体連合会(いわゆる経団連)が、先日、『マイナンバー制度への対応準備のお願い』を公表した。

マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)の導入に向け、2015年10月より、マイナンバー(個人番号)の市区町村から全国民への通知が開始される。
企業においては、給与所得の源泉徴収票の作成、社会保険料の支払・事務手続きなどでマイナンバーの取扱いが必要となり、対象業務の洗い出しや対処方針の決定等、マイナンバー制度への円滑な対応に向けた準備を行う必要がある。
各社においては、政府の事業者向けマイナンバー広報資料や特定個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」を参照のうえ、実務上の対応準備を進めていただきたい。

★リンクはこちら⇒ マイナンバー制度への対応準備のお願い

2015年3月20日

マイナンバー社会保障・税番号制度

内閣官房は先日、2015年10月から導入される『マイナンバー社会保障・税番号制度』についての概要資料等を公表した。

もうすぐ導入する割には、ほとんど知られておらず、もっと広報活動が必要だと思われる。

★リンクはこちら⇒ マイナンバー社会保障・税番号制度

2015年3月10日

インターネット番組「国税庁ホームページの上手な使い方」

国税庁は、インターネット番組「国税庁ホームページの上手な使い方」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ インターネット番組「国税庁ホームページの上手な使い方」

2015年2月5日

平成27年2月22日及び3月1日の日曜日に確定申告の相談を行う税務署

平成26年分確定申告期間中は、平日(月~金曜日)以外でも、一部の税務署では、平成27年2月22日と3月1日に限り日曜日も、確定申告の相談・申告書の受付を行う。
閉庁日対応を行う税務署等については、ホームページを参照のこと。
ちなみに、香川県は高松税務署のみである。

道府県内の一部の税務署で閉庁日対応を行う場合、確定申告電話相談センターなどで、広く道府県内の納税者の方からの電話相談に答える。
税務署に行く際には、なるべく公共交通機関を利用すること。
なお、税務署は、通常、土・日・祝日は閉庁している。

★リンクはこちら⇒ 平成27年2月22日及び3月1日の日曜日に確定申告の相談を行う税務署(既に削除済み)

2015年2月4日

確定申告期におけるe-Tax・作成コーナーヘルプデスク電話混雑予想

国税庁は、平成26年分所得税等の確定申告におけるe-Tax利用者へのサービスとして、e-Taxの利用開始のための手続き、e-Taxソフト、確定申告書等作成コーナー及びその利用のためのパソコン操作などに関する問い合わせに電話で対応する専門窓口である「e-Tax・作成コーナーヘルプデスク」の混雑状況を、ホームページ上のe-Taxサイトに掲載した。
このサービスは、ヘルプデスクに電話をかけてもなかなかつながらないとの声を受ける形で平成23年分所得税等の確定申告期から実施しているものである。

混雑予想は、週間混雑予想(時間帯別)と月間混雑予想(日別)に分かれており、週間混雑予想は、縦軸を日付(1週間)、横軸を利用可能時間(「9時~12時」、「12時~14時」、「14時~17時」、「17時~20時」の4区分)とした表形式中に、ほとんど待たずに電話が繋がる場合は「◎」、比較的電話がつながりやすい場合は「○」、混雑することが予想され、つながるまで時間がかかる場合は「△」、非常に混雑することが予想されるため、つながりやすい時間帯への電話を勧める場合は「▲」で明記している。
また、月間混雑予想は、カレンダー様式を用いて1月19日から3月15日まで日別同様にその日の混雑予想をマークで区分している。

ちなみに現在の予想をみると、申告期限間近では3月9日~11日に「▲」が付いている。また、曜日では「月曜日」、時間帯では「11時~16時」に問い合わせが集中する傾向にあるとしている。

★リンクはこちら⇒ 確定申告期におけるe-Tax・作成コーナーヘルプデスク電話混雑予想

2015年1月30日

査察の役割

<査察調査とは>
査察調査とは、悪質な脱税をしている疑いのある者に対し、犯罪捜査に準じた方法で行われる特別な調査ある。調査に当たる国税査察官には、裁判官の発する許可状を受けて事務所などの捜索をしたり、帳簿などの証拠物件を差し押えたりする強制調査を行う権限が与えられている。

<査察調査の目的>
査察調査は、悪質な脱税者に対して単に免れた税金(本税)や重加算税等を納めさせるだけでなく、検察官への告発を通じて懲役や罰金といった刑罰を科すことを目的としている。

<悪質な脱税者に対する刑事責任の追及>
検察官によって裁判所に起訴され有罪が確定すると、懲役や罰金の刑罰が科される。この刑罰は、10年以下の懲役または1,000万円(脱税額が1,000万円を超える場合は、脱税相当額)以下の罰金となるか、あるいは懲役と罰金の併科となる。

<平成25年度の査察の概要>
平成25年度においては、185件の査察調査に着手し、118件(前年度以前の着手事案を含む。)を検察官に告発した(表1)。
平成25年度中に一審判決が言い渡された査察事件116件のうち、115件の事件において有罪判決が出され、実刑判決が9人に出された(表2)。

(表1)平成25年度の査察調査の状況

着手件数 処理件数 告発件数 告発率 脱税総額 内告発分
185件 185件 118件 63.8% 145億円 117億円

(注)脱税額には、加算税額を含む。

(表2)平成25年度中の査察事件の判決(第一審判決)の状況

判決件数 有罪件数 実刑判決数 一件当たり
犯則税額
一人当たり
懲役月数
一人(社)当たり
罰金額
116件 115件 9人 52百万円 12.9か月 12百万円

(注)一件(人・社)当たりの計数は、他の犯罪との併合事件を除いて算出している。

多くの納税者は適正な申告・納税を行っているが、一部に悪質な脱税者がいることは非常に残念なことである。全国に配置されている国税査察官は、悪質な脱税者に対して厳正な態度で臨み、その告発に全力を挙げている。

★リンクはこちら⇒ 査察の役割(既に削除済み)

2014年10月28日

マイナちゃんのマイナンバー解説

内閣官房は、マイナンバーという言葉自体を知らない方や、言葉は聞いたことがあるけれど内容がよくわからないという方向けにマイナンバー制度に関する基本的な疑問点に答えている。

INDEXは、以下のとおり。

  • マイナンバーって、何?何のために導入されるの?
  • 自分のマイナンバーはいつわかるの?
  • マイナンバーはいつから誰がどのような場面で使うの?
  • マイナンバーは自由に使っていいの?個人情報の管理は安全なの?
  • カードが配布されるの?使い道は?
  • 詳しい情報はどこで分かるの?

★リンクはこちら⇒ マイナちゃんのマイナンバー解説

2014年9月25日

平成26年の「税を考える週間」

国税庁は、国民に租税の意義や役割、税務行政に対する知識と理解を深めてもらうため、1年を通じて租税に関する啓発活動を行っているが、毎年11月11日から11月17日を「税を考える週間」として、集中的に様々な広報広聴施策を実施している。

平成26年の「税を考える週間」は、テーマを「税の役割と税務署の仕事」とし、以下のとおり実施する。

1.インターネットを活用した広報
国税庁の取組等を紹介するコーナーを更新
国税庁ホームページ内の「ご紹介します 税の役割と税務署の仕事」を「税を考える週間」の開催に合わせて更新する。
また、スマートフォン版も更新する。

  • 動画で見る税務署の仕事 調査や徴収などの業務をドラマ仕立てで紹介する。
  • イラストやグラフで見る税の役割と税務署の仕事  国税庁の取組等を分かりやすく最新のデータで紹介する。

ツイッターの活用
「税を考える週間」の開催に合わせて各種情報を提供する。
(YouTubeの国税庁動画チャンネルや、国税庁ホームページのインターネット番組「Web-TAX-TV」などの情報を発信する。

2.講演会の実施や関係民間団体等との連携
職員による講演会や関係民間団体、地方公共団体等と連携してイベントや作品展などを実施する。

2014年8月29日

平成26年度版暮らしの税情報

国税庁は、パンフレット「暮らしの税情報」(平成26年度版)を公表した。

どれだけの方が読まれているのかは分からないが、大変分かりやすいものになっている。

★リンクはこちら⇒ パンフレット「暮らしの税情報」(平成26年度版)

2014年7月1日

6月16日から、スマートフォン等でのe-Taxの利用開始

近年、スマートフォンやタブレット端末(以下、「スマートフォン等」という。)の急速な普及が進み、パソコンの代替としてのアクセス手段の多様化が進んでいる。
これらスマートフォン等の普及や利用者からの意見要望を受けて、利便性の向上を図るため、これまでパソコンでの利用を前提としていたe-Taxのサービスのうち、一部の手続等について、スマートフォン等でのご利用を平成26年6月16日(月)より開始する。

1.新たなサービスの名称

  • 「e-Taxソフト(SP版)」
    ※ e-Taxソフト(SP版)のSPとは【SmartPhone】の略称である。

2.利用できる機能及び手続
以下の機能及び手続が利用できる。

  • e-Taxホームページ(スマートフォン等専用)の閲覧
    スマートフォン等専用のe-Taxホームページにて「重要なお知らせ」及び「お知らせ」の閲覧等ができる。
  • e-Taxソフト(SP版)の利用
    スマートフォン等専用のe-Taxホームページへアクセスし、「e-Taxソフト(SP版)」へのログインにより利用できる。

    利用者情報の登録・確認・変更
    申告・申請等データの基本情報となる氏名、住所等の情報、「税務署からのお知らせ」等を受信するメールアドレスの登録・確認・変更(法人利用者については、利用者情報の確認機能のみ利用が可能。)
    納税
    納付情報登録依頼(税目、納付金額等の納付情報データの作成及び送信等)、ダイレクト納付、インターネットバンキング(金融機関等サイト)へのリンク
    メッセージボックスの確認
    e-Taxに送信した申告・申請等データの送信結果、「税務署からのお知らせ」等の確認
    還付金処理状況の確認
    e-Taxを利用して還付申告を行った場合の、還付金の処理状況の確認

3.推奨環境
スマートフォン等で利用可能なOS及びブラウザ等は、以下のとおり。

  • 対応OS等
    端末 OS バージョン ブラウザ
    Android Android Android4以降 Android Browser
    iPhone iOS iOS6以降 iOS Safari

    ※標準ブラウザ(スマートフォン等に初期搭載されているブラウザ)以外では、正常に動作しない場合がある。

4.利用可能時間
e-Taxソフト(SP版)の利用可能時間は、e-Taxの利用可能時間と同様。
なお、ダイレクト納付(即時納付)及びインターネットバンキングによる電子納税については、e-Taxの利用可能時間内で、かつ、納税手続を行う金融機関のシステムが稼動している時間となる。

2014年6月12日

暮らしを支える税を学ぼう

国税庁は、インターネット番組(Web-TAX-TV)『暮らしを支える税を学ぼう』を作成し、学校教育の中で税の意義や役割などを考えるきっかけとなるような内容を、ドラマ仕立てで紹介している。

★リンクはこちら⇒ 暮らしを支える税を学ぼう

2014年3月18日

税の役割と税務署の仕事

国税庁は、取組み紹介ページ「税の役割と税務署の仕事」を開設した。

★リンクはこちら⇒ 税の役割と税務署の仕事

2013年11月19日

税を考える週間

11月11日(月)から17日(日)は、『税を考える週間』である。
毎年11月11日から11月17日までを、『税を考える週間』とし、国民の皆様に税の意義や役割についてより能動的に考えていただくとともに、税務行政への理解を深めていただくため、国税庁及び税務署は各種広報広聴活動を行っている。

2013年度は、「税の役割と税務署の仕事」をテーマとし、適正・公平な税務行政の推進や納税者サービスの向上に関する取組を紹介し、特に、e-TaxをはじめとしたITを活用した納税環境の整備について、納税者の皆様から広く意見を聴く。

また、期間中は、国税庁ホームページに『税を考える週間』特集ページを開設し、テーマに即した情報の提供を行う。

★リンクはこちら⇒ 税を考える週間(既に削除済み)

2013年11月8日

国税庁レポート2013

国税庁が、『国税庁レポート2013』を公表した。
平成23年度租税及び印紙収入決算額(一般会計分)を見ると、源泉所得税が11兆円、消費税が10兆円、法人税が9兆円、揮発油税・申告所得税が2兆円、相続税・酒税・たばこ税が1兆円で、合計42兆円で、前年度より増加している。

これらを見ると、法人実効税率の引き下げの代替収入はあるのかという疑問が生じ、消費税の増税はインパクトが大きいが相続税の増税はインパクトはあまりないことが見て取れる。

リンクはこちら⇒  国税庁レポート2013

2013年8月14日

暮らしの税情報(平成25年度版)

国税庁は、パンフレット『暮らしの税情報』(平成25年度版)を公表した。

とても分かりやすいものとなっている。

リンクはこちら⇒ 『暮らしの税情報』(平成25年度版)

2013年7月29日

納税証明書交付請求時の本人確認方法等の変更

平成25年7月から、納税証明書交付請求時の本人確認方法等変更になる。
納税者の大切な情報を保護するために、納税証明書交付請求時の本人確認方法等が以下ののとおり変更された。

<税務署窓口で提示する本人確認書類>
本人(法人の場合は代表者本人)または代理人本人であることを確認する本人確認書類は、以下のとおりとなる。
なお、本人確認書類の種類により、1枚の提示で足りるものと2枚の提示が必要なものに分かれるので、留意すること。

(注1)有効期限のある本人確認書類は、有効期限内のものに限る。
(注2)本人確認書類に記載された識別番号等を控えるので、あらかじめ了承のこと。

~1枚の提示で足りるもの~

  • 運転免許証
  • 写真付き住民基本台帳カード
  • 旅券(パスポート)
  • 海技免状
  • 小型船舶操縦免許証
  • 電気工事士免状
  • 宅地建物取引主任者証
  • 教習資格認定証
  • 船員手帳
  • 戦傷病者手帳
  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳
  • 在留カードまたは特別永住者証明書
  • 国または地方公共団体の機関が発行した身分・資格証明書(顔写真付き)

~2枚の提示が必要なもの~

  • 写真の貼付のない住民基本台帳カード
  • 国民健康保険、健康保険、船員保険、または介護保険の被保険者証
  • 共済組合員証
  • 国民年金手帳
  • 国民年金、厚生年金保険または船員保険の年金証書
  • 共済年金または恩給の証書
  • 上記に掲げる書類を除く、国または地方公共団体の機関が発行した身分・資格証明書(顔写真なし)※
  • 学生証、法人が発行した身分証明書(顔写真付き)※

(注)「※」を表示した本人確認書類は、「※」を表示していない本人確認書類と組み合わせて提示のこと。「※」を表示した本人確認書類のみを2枚以上ご提示いただいても本人確認できない。

<郵送で請求した場合の納税証明書の送付先>
納税証明書は、原則として本人または法人の住所(納税地)以外には送付できないので、あらかじめ了承のこと。
なお、代理人の住所への送付を希望する場合は、以下の書類が必要となる。
①本人(法人の場合は代表者本人)からの委任状
委任状には、必ず、本人が署名・押印(法人の場合は代表者の署名及び代表者の印鑑を押印)すること。
なお、委任されたかどうかを本人に電話で確認することがあるので、あらかじめ了承のこと。
②代理人本人であることを確認できる書類(<税務署窓口でご提示いただく本人確認書類>を参照)のうち送付先住所が確認できるいずれか1種類の写し
代理人の方の住所及び氏名が記載された面(ページ)の写しが必要となる。
なお、代理人本人であることを確認できる書類に記載された住所以外には送付できないので、あらかじめ了承のこと。
有効期限のある書類は、有効期限が記載されている面(ページ)の写しも同封すること。

(注)
代理人が税理士等である場合は、委任状のほか、税理士等であることを証する書類の写しを同封すれば、税理士等の事務所へ送付できる。

2013年7月1日

租税史料室

税務大学校和光校舎の「租税史料室」は、税に関する貴重な歴史的資料(租税史料)を保存・展示しており、国税庁ホームページ(税務大学校コーナー)を通じて広く一般の方々に租税史料を公開している。
「租税史料室」は、社会人、大学生の方をはじめ、小中学生、高校生等の校外学習の場としても活用でき、開館時間中は、誰でも展示室を見学できるほか、備え付けの音声ガイド(所要時間は約30分)を利用すると、展示史料の解説を聞くことができ大変便利である。

※団体の場合は、事前に連絡すれば、専門スタッフが展示室を案内してくれる。
※展示していない所蔵史料を閲覧希望する方は、租税史料室1階事務室で受付を行っている。

<平成25年度特別展示の案内>
平成25年度特別展示を行う。
平成25年度特別展示のテーマ:「災害からの復興と税」
日本では、過去から様々な災害が発生しており、災害による被害の大きさを物語る租税史料や災害における税との関わり、そして災害からの復興に関する租税史料を展示する。
展示開設期間(予定) 平成25年10月1日(火)~平成26年9月29日(月)
参考:特別展示とは、毎年テーマを定めて行う1年間限定の展示である。

<租税史料の収集に協力を>
「租税史料室」では、所蔵史料の一層の充実を図るため、租税史料の収集に努めている。
皆さんのお近くに、税務行政に関する文書に限らず、図書、写真、器具など人々の暮らしと税との関係が感じられる史料があれば、最寄りの税務署(総務課)まで問い合わせのこと。

2013年6月26日

平成25年度以降のe-Tax受付時間

利用者の利便性の向上を図る観点から、利用者のニーズ、費用対効果を踏まえて受付時間の検討を行った結果、以下のとおり、e-Taxの受付時間を拡大している。

  • 平成25年7月31日(水)まで
    月曜日~金曜日(祝日等及び以下の期間を除く。) 8時30分~21時
    平成25年5月28日(火)~31日(金) 8時30分~22時30分
  • 平成25年8月1日(木)以降
    月曜日~金曜日(祝日等及び年末年始(12月29日
    ~1月3日)並びに以下の期間を除く。)
    8時30分~24時
    確定申告時期(1月第3週月曜日~所得税確定申告期限) 24時間

    ※メンテナンス時間(毎週月曜日0時~8時30分)を除く。
    ※具体的な期間については、2013年12月上旬に国税庁のホームページで知らされる。

2013年4月15日

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譲渡所得

特定の事業用資産の買換えの特例の適用を受けるためには事前に届出が必要です(令和6年6月)

国税庁は、『特定の事業用資産の買換えの特例の適用を受けるためには事前に届出が必要です(令和6年6月)』をホームページに掲載した。

「特定の事業用資産の買換えの特例」の内容についての詳細は、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.3405 事業用の資産を買い換えたときの特例」をご覧のこと。

★リンクはこちら⇒ 特定の事業用資産の買換えの特例の適用を受けるためには事前に届出が必要です(令和6年6月)

2024年7月19日


個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和6年度税制改正のあらまし(令和6年5月)

国税庁は、ホームページに『個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和6年度税制改正のあらまし(令和6年5月)』を掲載した。

このパンフレットは、令和6年3月30日付で公布された「所得税法等の一部を改正する法律(令和6年法律第8号)」等の主な改正の概要を掲載している。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和6年度税制改正のあらまし(令和6年5月)

2024年6月14日


個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の令和5年度税制改正のあらまし(令和5年5月)

国税庁は、ホームページに『個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和5年度税制改正のあらまし(令和5年5月)』を掲載した。

このパンフレットは、令和5年3月31日付で公布された「所得税法等の一部を改正する法律(令和5年法律第3号)」等の主な改正の概要を掲載している。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和5年度税制改正のあらまし(令和5年5月)

2023年6月5日


個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和4年度税制改正のあらまし(令和4年5月)

国税庁は、ホームページに『個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和4年度税制改正のあらまし(令和4年5月)』を掲載した。

このパンフレットは、令和4年3月31日付で公布された「所得税法等の一部を改正する法律(令和4年法律第4号)」等の主な改正の概要を掲載している。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和4年度税制改正のあらまし(令和4年5月)

2022年7月21日


「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達 課資3-5 課個2-8 課法11-25 課審7-11 令和3年6月25日)

平成14年6月24日付課資3-1ほか3課共同「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)、昭和46年8月26日付直資4-5ほか2課共同「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)、昭和45年7月1日付直審(所)30「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)、平成24年1月26日付課資3-1ほか2課共同「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の制定等に伴う所得税(譲渡所得関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)及び令和元年6月28日付課資3-3ほか3課共同「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について」(法令解釈通達)の一部を下記のとおり改正したから、これによられたい。

(趣旨)
所得税法等の一部を改正する法律(令和3年法律第11号)等の施行に伴い、譲渡所得等に関する取扱いの整備を行ったものである。

リンク先の「新旧対照表」の「改正前」欄に掲げる部分を「改正後」欄のように改める。

(注)リンク先には、この改正により新たに取扱いを定めたものについてはその全文を掲げ、単に法令改正に伴い引用条文等を改めたものについては原則としてその改正箇所のみ掲げることとした。

★「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」関係はこちら⇒ 「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」関係

★「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」本文関係はこちら⇒ 「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」本文関係

「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」別表関係はこちら⇒ 「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」別表関係

★「所得税基本通達の制定について」関係はこちら⇒ 「所得税基本通達の制定について」関係

★「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の制定等に伴う所得税(譲渡所得関係)の取扱いについて」関係はこちら⇒ 「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の制定等に伴う所得税(譲渡所得関係)の取扱いについて」関係

★令和元年6月28日付課資3-3ほか3課共同「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について」関係はこちら⇒ 令和元年6月28日付課資3-3ほか3課共同「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について」関係

2021年7月21日


個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和3年度税制改正のあらまし(令和3年5月)

国税庁は、「個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和3年度税制改正のあらまし(令和3年5月)」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和3年度税制改正のあらまし(令和3年5月)

2021年5月14日


公益法人等に財産を寄附した場合おける譲渡所得等の非課税の特例のあらまし

国税庁は、『公益法人等に財産を寄附した場合おける譲渡所得等の非課税の特例のあらまし』をホームページに掲載した。

個人が、土地、建物、株式などの財産 (事業所得の基因となるもを除く。)を法人に寄附した場合には、これらの財産は寄附時の時価により譲渡があったものとみなされ、 これらの財産の取得時から寄附時までの値上がり益に対して所得税が課税される

これは、個人から法人に土地、建物などの財産が無償で移転するときに、個人に帰属する値上がり益に対する所得税を精算するための制度的要請によるものである。

ただし、これらの財産(国外の土地など一定のものを除きます。)を公益法人等に寄附した場合に、一定の承認要件を満たすものとして国税庁長官の承認(以下「非課税承認」という。)を受けたときは、この所得税を非課税とする制度が設けられている。

この非課税制度には、「一般特例」と「承認特例」の2つの制度があり、それぞれ対象となる法人の種類や承認要件などが異なる。

★リンクはこちら⇒ 公益法人等に財産を寄附した場合おける譲渡所得等の非課税の特例のあらまし

2020年8月25日


未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合

<照会要旨>
私は、今年の6月に、所有する土地及び家屋を3,000万円で譲渡する売買契約を締結した。譲渡した土地及び家屋には本年度分の固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)が課されているところ、その売買契約では、譲渡から今年の年末までの期間に係る固定資産税等に相当する額(以下「未経過固定資産税等に相当する額」という。)を、買主が私に支払うことになっている。
この受け取った未経過固定資産税等に相当する額は、譲渡所得の計算上、収入金額に算入することになるか。

<回答要旨>
支払を受けた未経過固定資産税等に相当する額は、譲渡所得の収入金額に算入される。

固定資産税等は、各年ごとに、その賦課期日(その年度の初日の属する年の1月1日)における土地または家屋の所有者を納税義務者として課されるものであり、その年度の賦課期日後に所有者の異動が生じたとしても、新たに所有者となった者がその賦課期日を基準として課される固定資産税等の納税義務を負担することはない。
固定資産税等の賦課期日とは異なる日をもって土地建物の売買契約を締結するに際し、買主が売主に対し、売主が納税義務を負担する固定資産税等の税額のうち未経過固定資産税等に相当する額を支払うことを合意した場合、この合意は、土地及び家屋の売買契約を締結するに際し、売主が1年を単位として納税義務を負う固定資産税等につき、買主がこれを負担することなくその土地及び家屋を所有する期間があるという状況を調整するために個々的に行われるものであると考えられる。

このことからすれば、支払を受けた未経過固定資産税等に相当する額は、実質的にはその土地及び家屋の譲渡の対価の一部を成すものと解するのが相当と考えられる。

★リンクはこちら⇒ 未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合

2015年12月14日

NISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)の拡充等(平成27年10月)

  • 20歳以上の居住者等を対象として、非課税口座で取得した上場株式等の配当等やその上場株式等を売却したことにより生じた譲渡益が非課税となるNISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)について、平成28年1月1日以後、非課税口座に設けられる各年分の非課税管理勘定に受け入れることができる上場株式等の取得対価の額の限度額が120万円(平成27年分以前は100万円)になる。
  • 平成28年1月1日以後、非課税口座を開設するため、金融商品取引業者等に対して「非課税適用確認書の交付申請書」及び「基準日(注)における住所を証する書類(住民票の写し(提出日前6か月以内に作成されたもの)等)」の提出をする際、または「非課税適用確認書」及び「非課税口座開設届出書」の提出をする際には、氏名、生年月日、住所に加え、個人番号の告知が必要になる。
    また、平成28年1月1日前に非課税口座開設届出書を提出して非課税口座を開設した居住者等は、同日から3年を経過した日以後最初に非課税口座内の上場株式等の譲渡または配当等の受入れをする日までに、金融商品取引業者等に対して個人番号を告知する必要がある。
 非課税対象  非課税口座内の少額上場株式等の配当等、譲渡益
 開設者(対象者)  口座開設の年の1月1日において20歳以上の居住者等
 口座開設可能期間  平成26年1月1日から平成35年12月31日までの10年間
 金融商品取引業者等の変更 一定の手続の下で、1非課税管理勘定(各年分)ごとに変更可
 非課税投資額  1非課税管理勘定における投資額(①新規投資額及び②継続適用する 

上場株式等の移管された日における終値に相当する金額の合計額) 

は120万円を上限(未使用枠は翌年以後繰越不可)
 非課税期間  最長5年間、途中売却可(ただし、売却部分の枠は再利用不可)
 非課税投資総額  最大600万円(120万円(平成27年分以前は100万円)×5年間)

(注)勘定設定期間及び各勘定設定期間に対応する基準日は、以下のとおり。

 勘定設定期間  基準日
 平成26年1月1日から平成29年12月31日まで  平成25年1月1日
 平成30年1月1日から平成33年12月31日まで  平成29年1月1日
 平成34年1月1日から平成35年12月31日まで  平成33年1月1日

★リンクはこちら⇒ NISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)の拡充等(平成27年10月)

2015年11月20日

ジュニアNISA(未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)が始まります(平成27年10月)

 非課税対象  未成年者口座内の少額上場株式等の配当等、譲渡益
 開設者(対象者)  口座開設の年の1月1日において20歳未満又はその年に出生した居住者等
 口座開設可能期間  平成28年4月1日から平成35年12月31日までの8年間 

(口座開設の申込みは平成28年1月から可)
 金融商品取引 

業者等の変更
 変更不可(1人につき1口座のみ)
 非課税投資額  1非課税管理勘定における投資額(①新規投資額及び②継続適用する上場株式等の移管された 

日における終値に相当する金額の合計額)は80万円を上限(未使用枠は翌年以後繰越不可)
 非課税期間  最長5年間、途中売却可(ただし、売却部分の枠は再利用不可)
 非課税投資総額  最大400万円(80万円×5年間)
 払出制限  その年の3月31日において18歳である年(基準年)の前年12月31日までは、原則として 

未成年者口座及び課税未成年者口座からの払出しは不可

★リンクはこちら⇒ ジュニアNISA(未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)が始まります(平成27年10月)

2015年11月10日

特定口座制度

特定口座には、以下のとおり、簡易申告口座と源泉徴収口座の2種類があり、金融商品取引業者等に特定口座を開設した場合、その特定口座内における上場株式等の売却による所得の金額については、他の株式等の売却による所得と区分して計算する。
なお、この計算は金融商品取引業者等が行う。

(1)簡易申告口座
簡易申告口座とは、金融商品取引業者等から送られてくる特定口座年間取引報告書により、簡便に申告を行うことができる口座のことをいう。

(2)源泉徴収口座
源泉徴収口座とは、特定口座内で生じる所得に対して源泉徴収(20%(所得税15%、住民税5%))することを選択することにより、その特定口座における上場株式等の売却による所得を申告不要とすることができる口座のことをいう。
なお、金融商品取引業者等を通じて支払を受ける上場株式等の配当等については、その金融商品取引業者等に開設している源泉徴収口座に受け入れることができる。
また、上場株式等の配当等を受け入れた源泉徴収口座内に上場株式等を売却したことにより生じた譲渡損失の金額があるときは、上場株式等の配当等の額の総額からその上場株式等を売却したことにより生じた譲渡損失の金額を控除(損益通算)した金額を基に源泉徴収税額が計算される。

◆源泉徴収口座における留意点◆

  • 源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得またはその源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得を申告するかどうかは口座ごとに選択できる(1回の売却ごと、1回に支払を受ける配当等ごとの選択はできない。)。
  • 源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得とその源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得のいずれかのみを申告することができる。
    ただし、源泉徴収口座の譲渡損失の金額を申告する場合には、その源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得も併せて申告しなければならない。
  • 源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得または配当所得を申告した後に、その源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得または配当所得を申告しないこととする変更はできない。
    また、源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得の金額または配当所得の金額を含めないで申告した後に、その源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得または配当所得を申告することとする変更もできない。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が上場株式等を保有・売却した場合の金融・証券税制について

2015年3月18日

上場株式等の譲渡損失に係る損益通算及び繰越控除

平成21年分以後の各年分において上場株式等を金融商品取引業者等を通じて売却したことにより生じた譲渡損失の金額は、確定申告により、その年分の上場株式等に係る配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限る。以下同じ。)と損益通算ができる。

また、損益通算してもなお控除しきれない譲渡損失の金額については、翌年以後3年間にわたり、確定申告により株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得の金額から繰越控除できる。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が上場株式等を保有・売却した場合の金融・証券税制について

2015年3月16日

株式を売却した場合の所得金額及び所得税額(住民税額)の計算

株式等の売却による所得金額及び所得税額(住民税額)は、以下のように計算する。

(1)所得金額の計算
売却価額-(取得費()十委託手数料等)=所得金額


株式等の取得費は、その購入価額(購入手数料等を含む。)となるが、同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入している場合には、総平均法に準ずる方法によって算出した1株当たりの金額に売却株数を乗じて計算した金額が、その取得費の金額となる。

(2)所得税額(住民税額)の計算
所得金額(譲渡益)×所得税15%(ほかに住民税5%)=所得税額(住民税額)

★リンクはこちら⇒ 個人の方が上場株式等を保有・売却した場合の金融・証券税制について

2015年3月13日

同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入している場合の取得費は…

同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入し、その株式等の一部を譲渡した場合の取得費は、総平均法に準ずる方法によって求めた1単位当たりの価額を基に計算する。

総平均法に準ずる方法とは、株式等をその種類及び銘柄の異なるごとに区分して、その種類等の同じものについて以下の算式により計算する方法を言う。

((A+B)÷(C+D)=1単位当たりの価額)

 A  株式等を最初に購入した時(その後既にその株式等を譲渡している場合には、直前の譲渡の時)の購入価額の総額
 B  株式等を最初に購入した後(その後既にその株式等を譲渡している場合には、直前の譲渡の後)から今回の譲渡の時までの購入価額の総額
 C  Aに係る株式等の総数
 D  Bに係る株式等の総数

2013年5月21日

取得費を計算する際の1単位当たりの価額の調整が必要な場合は…

取得費は、株式等の取得に要した1単位当たりの価額に株数等を乗じて計算するが、その1単位当たりの価額が調整される場合がある。
その主なものは以下のことが生じた場合またはそれによる株式等の取得があった場合である。

  1. 株式等の分割または併合が行われた場合
  2. 同一種類の株式を株主割当てにより取得した場合
  3. 課税の繰延べの対象となる合併により合併法人の株式等を取得した場合
  4. 課税の繰延べの対象となる分割型分割により分割承継法人の株式等を取得した場合
  5. 課税の繰延べの対象となる株式交換または株式移転により株式交換完全親法人または株式移転完全親法人の株式等を取得した場合

2013年5月17日

払込みや購入以外で株式等を取得した場合の取得費は…

払込みや購入以外での株式等の主な取得原因とそれに係る取得費は、以下のとおり。
(1)相続(限定承認を除く。)、遺贈(限定承認を除く。)または贈与により取得した場合
●被相続人、遺贈者又は贈与者の取得費を引き継ぐ。

(2)発行法人から与えられた以下に掲げる権利の行使により取得した株式等(いわゆる税制適格ストックオプションの行使により取得する特定権利行使株式を除く。)
イ 平成13年法律第79号による改正前の商法に規定する株式譲渡請求権
●その権利の行使の日における価額
ロ 平成13年法律第128号による改正前の商法に規定する新株の引受権
●その権利の行使の日における価額
ハ 改正前の商法に規定する新株予約権
●その権利の行使の日における価額
会社法第238条第2項の決議等に基づき交付された新株予約権(新株予約権を引き受ける者に特に有利な条件、金額であるとされるものまたは役務の提供による対価であるとされるものに限る。)
●その権利の行使の日における価額
ホ 株式と引換えに払い込むべき金額が有利な場合におけるその株式を取得する権利(イからニに該当するものを除く。)
●その権利に基づく払込みまたは給付の期日における価額

(3)発行法人の株主等として与えられた新たな払込みや給付を要しないで取得した株式(下記の3(2)で取得費を調整する場合を除く。)または新株予約権
●零

(4)(1)から(3)以外の方法により取得した株式
●その取得の時におけるその株式等の取得のために通常要する価額

2013年5月15日

譲渡した株式等の取得費は…

株式等を譲渡(売却)した場合の譲渡所得の金額は、以下のように計算する。

(譲渡所得=譲渡価額(売却金額)-取得費(取得価額)-売却手数料等)

取得費(取得価額)は、株式等を取得したときに支払った払込代金や購入代金だが、購入手数料(購入手数料に係る消費税も含まれる。)のほか購入時の名義書換料などその株式等を取得するために要した費用も含まれる。

2013年5月13日

株式としての価値を失ったことによる損失と上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の関係

特定管理株式について、その発行会社が解散し清算が結了したことから、その株式としての価値を失ったことによる損失が株式等の譲渡による損失の金額とみなされることになったが、特定管理株式は「上場株式等に該当しないこととなった内国法人の株式」であることから、上場株式等を対象とする「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除」の適用対象とはならない。
したがって、株式としての価値を失ったことによる損失の金額が当年分の他の株式等の譲渡益から控除しきれない場合に、これを翌年以降に繰り越して控除することはできない。

2012年11月13日

ゴルフ会員権を譲渡したときは…

1.課税方法
ゴルフ会員権は、特定の会社の株主にならなければ、会員となれない会員権とその他の会員権とに区分されるが、これらの会員権を譲渡したときの所得は、いずれも譲渡所得として事業所得や給与所得などの所得と合わせて総合課税の対象となる。

2.計算方法
この場合の所得金額の計算は、その会員権の所有期間に応じて以下のとおりとなる。
(1)所有期間が5年以内のもの(短期譲渡所得)
譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-50万円(特別控除額(注))
(2)所有期間が5年を超えるもの(長期譲渡所得)
課税される金額={譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-50万円(特別控除額(注))}✕1/2
(注)
譲渡所得の特別控除の額は、その年のゴルフ会員権の譲渡益とそれ以外の総合課税の譲渡益の合計額に対して50万円である。これらの譲渡益の合計額が50万円以下のときはその金額までしか控除できない。
また、(1)と(2)の両方の譲渡益がある場合には、特別控除額は両方合わせて50万円が限度で、(1)の譲渡益から先に控除する。

3.注意事項

  • ゴルフ会員権を売ったことにより生じた損失は、事業所得や給与所得など他の所得と損益通算することができる。
    ただし、ゴルフ場経営法人が破産した場合など損益通算できない場合がある。
  • ゴルフ会員権の譲渡が営利を目的として継続的に行われている場合には、その実態に応じて事業所得または雑所得となる。

2012年10月30日

譲渡した土地・建物の取得費が分からない時はどうするのか…

譲渡所得の金額は、土地や建物を譲渡した金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算する。
取得費は、土地の場合、買い入れたときの購入代金や購入手数料などの合計額である。
建物の場合は、購入代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた額である。

しかし、譲渡した土地建物が先祖伝来のものであるとか、 買い入れた時期が古いなどのため取得費が分からない場合には、取得費の額を譲渡した金額の5%相当額とすることができる。
なお、取得費が分かっている場合でも、実際の取得費が譲渡した金額の5%相当額を下回る場合も同様である。

2012年10月25日

相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期はいつになるのか…

1.相続や贈与によって取得した資産の取得費
譲渡所得の金額は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算する。
取得費は、土地の場合、買い入れたときの購入代金や購入手数料などの合計額である。
建物の場合は、購入代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた額である。
譲渡した土地建物の中には相続や贈与により取得したものもある。
この場合の取得費は、死亡した人や贈与した人がその土地建物を買い入れたときの購入代金や購入手数料などを基に計算する。
なお、業務に使われていない土地建物を相続や贈与により取得した際に相続人や受贈者が支払った登記費用や不動産取得税の金額も取得費に含まれる。

2.相続や贈与によって取得した資産の取得の時期
取得の時期は、通常、売った土地建物を買い入れた日だが、相続や贈与で取得したときは、死亡した人や贈与した人の取得の時期がそのまま取得した人に引き継がれる。
したがって、死亡した人や贈与した人が取得した時から、相続や贈与で取得した人が譲渡した年の1月1日までの所有期間で長期か短期かを判定することになる。

2012年10月23日

ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取得費の取扱い

ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取得費の取扱いが変更になった。

<従来の取扱い>
預託金会員制ゴルフ会員権とは、契約上の地位であり、優先的施設利用権と預託金返還請求権をその内容とする譲渡所得の基因となる資産(事実上の権利)となる。このため、ゴルフ会員権を巡る種々の方策の判定に当たってのメルクマールは、そのゴルフ会員権はゴルフ会員権としての性質を有しているか(維持しているか)、という点を基本として取り扱ってきた。
このことから、自主再建型の再建が行われたゴルフクラブのゴルフ会員権を譲渡した際の譲渡所得の金額の計算において、当該譲渡による収入金額から控除する取得費は、会社更生法に基づく更生計画による更生手続等により、預託金債権の一部のみを切り捨てられた場合には、切り捨てられた損失の金額は認識せず、取得価額から減額(付け替え)しないものと取り扱い、また、預託金債権の全額を切り捨てられた場合には、更生手続等により取得した優先的施設利用権のみのゴルフ会員権の時価相当額として取り扱ってきた。

<今後の取扱い>
上記の従来の取扱いの一部を以下のとおり変更する。
預託金会員制ゴルフ会員権が会社更生法に基づく更生計画による更生手続等(注)によって、預託金債権の全額を切り捨てられたことにより優先的施設利用権(年会費等納入義務等を含む。以下同じ。)のみのゴルフ会員権となったときであっても、当該更生手続等により優先的施設利用権が、以下に掲げる状況その他の事情を総合勘案し、更生手続等の前後で変更なく存続し同一性を有していると認められる場合には、その後に当該優先的施設利用権のみのゴルフ会員権を譲渡した際の譲渡所得の金額の計算において、当該譲渡による収入金額から控除する取得費については、更生手続等前の預託金会員制ゴルフ会員権を取得したときの優先的施設利用権部分に相当する取得価額とする。

  • 当該更生計画等の内容から、優先的施設利用権が会員の選択等にかかわらず、当該更生手続等の前後で変更がなく存続することが明示的に定められていること。
  • 当該更生手続等により優先的施設利用権のみのゴルフ会員権となるときに、新たに入会金の支払いがなく、かつ、年会費等納入義務等を約束する新たな入会手続が執られていないこと。

(注)
会社更生法に基づく更生計画による更生手続と同等の法的効果を有する民事再生法に基づく再生計画による再生手続等を含む。

<所得税の還付手続>
上記の取扱いの変更は、過去に遡って適用することとし、これにより、過去の所得税の申告の内容に異動が生じ所得税が納めすぎになる場合には、国税通則法の規定に基づき、この取扱いの変更を知った日の翌日から2か月以内に所轄の税務署に更正の請求をすることにより、当該納めすぎとなっている所得税が還付となる。
更正の請求をする場合は、更生計画など上記に掲げた内容が分かる書類を併せて提出する必要がある。
なお、法定申告期限等から既に5年を経過している年分の所得税については、法令上、減額できないこととされているので留意が必要である。

2012年8月28日

個人から個人への固定資産の低額譲渡

時価の2分の1以上であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は課税されない
  • 譲受者
    相続税評価額または通常の取引価額(土地・家屋などはこちらのみ)と譲受価額の差額はみなし贈与
    取得価額は譲受価額

時価の2分の1未満であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は課税されない
    (時価で譲渡したとされる、いわゆる『みなし譲渡』課税はない)
    ただし、譲渡損はなかったものとされる
  • 譲受者
    相続税評価額または通常の取引価額(土地・家屋などはこちらのみ)と譲受価額の差額はみなし贈与
    取得価額は譲受価額
    ただし、譲渡者に譲渡損が発生する場合は、譲渡者の取得価額・取得時期を引き継ぐ

2011年11月4日

個人から法人への固定資産の低額譲渡

時価の2分の1以上であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は原則として課税されない
    (同族会社等の行為計算の否認の可能性あり)
  • 譲受者
    時価と譲受価額の差額は受贈益
    取得価額は時価

時価の2分の1未満であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は譲渡所得
    (時価で譲渡したとされる、いわゆる『みなし譲渡』となる)
  • 譲受者
    時価と譲受価額の差額は受贈益
    取得価額は時価

2011年11月2日

法人から個人への固定資産の低額譲渡

時価未満であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は寄附金(譲受者が役員の場合は役員給与)
  • 譲受者
    時価と譲受価額の差額は一般的には一時所得(譲受者が役員の場合は役員給与)
    取得価額は時価

2011年11月1日

法人から法人への固定資産の低額譲渡

時価未満であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は寄附金
  • 譲受者
    時価と譲受価額の差額は受贈益
    取得価額は時価

2011年10月31日

相続税評価額による土地の譲渡

時価とは、客観的交換価値のことをいう。

よって、相続税評価額が時価と言えるかどうかが問題となる。

相続税評価額と同水準かそれ以上の価額で譲渡すれば、原則として、『著しく低い価額』による譲渡とはいえず、例外として、何らかの事情により相続税評価額が時価の80%よりも低くなっており、それが明らかであると認められる場合のみ、『著しく低い価額』による譲渡となりうる。

(東京地方裁判所 平成19年8月23日判決)

2011年9月29日

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事業承継

個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし(令和6年6月)

国税庁は、『個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし(令和6年6月)』をホームページに掲載した。

個人版事業承継税制は、青色申告(正規の簿記の原則によるものに限ります。)に係る事業(不動産貸付業等を除きます。)を行っていた事業者の後継者※1として円滑化法の認定を受けた者が、平成31年1月1日から令和10年12月31日まで※2の贈与又は相続等により、特定事業用資産を取得した場合は、
①その青色申告に係る事業の継続等、一定の要件のもと、その特定事業用資産に係る贈与税・相続税の全額の納税が猶予され、
②後継者の死亡等、一定の事由により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納税が免除されるものです。

※1平成31年4月1日から令和8年3月31日までに「個人事業承継計画」を都道府県知事に提出し、確認を受けた者に限ります。

※2先代事業者と生計を一にする親族からの特定事業用資産の贈与・相続等については、上記の期間内で、先代事業者からの贈与・相続等の日から1年を経過する日までにされたものに限ります。

★リンクはこちら ⇒ 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし(令和6年6月)

2024年7月12日


非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし(令和6年6月)

国税庁は、『非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし(令和6年6月)』をホームページに掲載した。

法人版事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度である。

★リンクはこちら ⇒ 非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし(令和6年6月)

2024年7月10日


法人版事業承継税制の適用を受けられている方に~継続届出書の提出について~(令和3年6月)

国税庁は、『法人版事業承継税制の適用を受けられている方に~継続届出書の提出について~(令和3年6月)』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 法人版事業承継税制の適用を受けられている方に~継続届出書の提出について~(令和3年6月)

2021年7月12日


円滑な事業承継のための3ステップ

中小企業庁は、中小企業の皆様の営む事業をしっかりと次世代に引き継いでいただけるよう、事業承継のステップに応じた支援を紹介する、リーフレットを作成した。

<円滑な事業承継のための3ステップ>
事業承継への取組は会社にとって非常に大きな問題だが、ついつい先送りされがちである。
しかしながら、事業承継の準備には、後継者の育成も含めると、5~10年程度を要する。
経営者の平均引退年齢が70歳前後であることを踏まえると、60歳ごろには事業承継に向けた準備に着手する必要があると言える。
中小企業庁では、今後10年間を事業承継支援の集中実施期間と位置づけ、事業承継のステップに応じた切れ目のない支援を行う。

本リーフレットは、事業承継問題を取り上げたNHKドラマで主演を務めた内山理名さんを表紙に起用している。


<本発表のお問い合わせ先>

中小企業庁事業環境部財務課長 菊川
担当者:増田
電話:03-3501-1511(内線5281~4)
03-3501-5803(直通)
FAX:03-3501-6868
メールアドレス:chusyo-toiawase@meti.go.jp
(メールによるお問い合わせの際は、差し支えなければ電話番号もご記入のこと。)

 ★リンクはこちら ⇒ 円滑な事業承継のための3ステップ

2018年5月31日


平成30年4月1日から事業承継税制が大きく変わります

平成30年度税制改正において、事業承継時の贈与税・相続税の納税を猶予する事業承継税制が大きく改正され、10年間限定の特例措置が設けられた。
なお、申請書類等の提出先は申請企業の主たる事務所が所在している都道府県庁になる。

<改正の概要>
事業承継税制の特例の内容については、以下の概要資料をご覧のこと。
平成30年度事業承継税制の改正の概要
特例の適用を受けるためには、以下の2点を満たしていることが必要である。

(1) 平成30年4月1日から平成35年3月31日までに、都道府県庁に「特例承継計画」を提出していること。
(2) 平成30年1月1日から平成39年12月31日までに、贈与・相続(遺贈を含む)により自社の株式を取得すること。

平成29年12月31日までに贈与・相続により株式を取得した場合は、特例の認定を受ける(あるいは通常の認定から特例の認定へ切替えを行う)ことはできない。

<申請の手引き・記載例>
納税猶予を受けるための手続
詳細な手引きや記載例については、順次中小企業庁のホームページに掲載予定である。公表までしばらくお待ちのこと。

<申請書類>

特例承継計画(事業承継税制の認定の申請をするまで、かつ、平成35年3月31日までに都道府県に提出する必要がある。)
第一種特例認定申請書(「先代経営者」から後継者への贈与・相続等)
第二種特例認定申請書(「先代経営者以外の株主」から後継者への贈与・相続等)
通常の事業承継税制に関する申請書類
報告(認定を受けた中小企業者用。通常認定・特例認定で共通。)


<参考資料>

中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則の一部を改正する省令
新旧対照表
附則

<認定・申請に関するお問い合わせ先>
お問い合わせが集中しており、電話がつながりにくくなっている。
認定・申請に関するお問い合わせにつきましては、各都道府県庁の担当課へ問い合わせること。
各都道府県の申請窓口・お問い合わせ先
なお、申請の手引きや記載例を順次掲載するので、公表までしばらくお待ちのこと。

<本発表のお問い合わせ先>
中小企業庁事業環境部財務課
電話:03-3501-5808(直通)
FAX:03-3501-6868

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年4月1日から事業承継税制が大きく変わります

2018年5月14日


平成29年度補正予算「事業承継補助金(後継者承継支援型~経営者交代タイプ~)」の概要を公表します

中小企業庁は、事業承継をきっかけとした、中小企業による経営革新や事業転換への挑戦を応援するため、平成29年度に引き続き、「事業承継補助金」を実施する。
「後継者承継支援型~経営者交代タイプ~」は4月下旬の公募開始を予定しているので、事業の活性化に、是非ご活用のこと。

<概要>
「後継者承継支援型~経営者交代タイプ~」は、(1)地域経済に貢献する中小企業者等による、(2)事業承継(事業再編・事業統合を除く)をきっかけとした、(3)経営革新や事業転換などの新しい取組を支援する補助金である。
補助率:2/3
補助上限:経営革新を行う場合 200万円
事業所の廃止や既存事業の廃止・集約を伴う場合 500万円

補助対象者や事業承継についての考え方は以下のとおりである。
(1)地域への貢献
他社との取引関係や地域の需要に応える商品・サービスの提供、雇用の維持・創出によって地域に貢献している中小企業が補助の対象である。
(2)事業承継
平成27年4月1日から、補助事業期間完了日(最長平成30年12月31日)までの間に事業承継(代表者の交代)を行ったまたは行う必要がある。
(3)新しい取組
・経営革新等
※ビジネスモデルの転換(新商品、新分野への挑戦等)による市場創出、新市場開拓等
※新規設備導入(製造ラインのIT化、顧客管理システム刷新等)による生産性向上等
・事業転換
※事業所の廃止や既存事業の集約・廃止等

<公募期間>
平成30年4月下旬~平成30年6月上旬頃(予定)

<留意点>
応募の際は、認定支援機関が作成する、以下に関する「確認書」が必要である。最寄りの認定支援機関にご相談のこと。ちなみに、弊所も認定支援機関である。
(1) 地域に貢献する中小企業であること
(2) 経営革新等の独創性など
(3) 事業期間中に継続的な支援を行うこと

※確認書のフォーマットは公募開始後、ホームページに掲載される。
※事業承継補助金事務局ページは4月下旬OPEN予定。

<本発表の問い合わせ先>
中小企業庁事業環境部財務課長 菊川
担当者:成田、鈴木、小野
電話:03-3501-1511(内線5281~4)
03-3501-5803(直通)
FAX:03-3501-6868

 ★リンクはこちら ⇒ 平成29年度補正予算「事業承継補助金(後継者承継支援型~経営者交代タイプ~)」の概要を公表します

2018年4月25日


非上場株式等について贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)のあらまし

国税庁は、『非上場株式等について贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)のあらまし』をホームページに公表した。

事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与または相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度である。

 ★リンクはこちら ⇒ 非上場株式等について贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)のあらまし

2018年4月17日


中小企業施策調査会研究報告第3号「公認会計士による中小企業の事業承継支援-事業継続・廃業に対する早期判断とその支援手法について」の公表

日本公認会計士協会は、平成30年1月15日付けで「公認会計士による中小企業の事業承継支援-事業継続・廃業に対する早期判断とその支援手法について」を公表した。

本研究報告は、事業承継支援の重要性が叫ばれている中で、事業承継と表裏一体ともいえる廃業への対応も喫緊の課題であると考え、廃業支援における一般的な検討・考慮すべき事項や想定されるトラブルを事前に列挙することで、公認会計士として相談企業の廃業支援に資する情報を提供しようとするものである。

また、今後、研修会を実施する予定とのことである。

 ★リンクはこちら ⇒ 中小企業施策調査会研究報告第3号「公認会計士による中小企業の事業承継支援-事業継続・廃業に対する早期判断とその支援手法について」の公表

2018年1月30日


中小企業施策調査会研究報告第2号「公認会計士による中小企業の事業承継支援-従業員承継の支援手法について」の公表

日本公認会計士協会は、平成30年1月15日付けで「公認会計士による中小企業の事業承継支援-従業員承継の支援手法について」を公表した。

本研究報告は、昨今、中小企業の事業承継支援の重要性が叫ばれている中で、従業員承継に焦点を絞り、従業員承継における一般的な検討・考慮すべき事項や想定されるトラブルを事前に列挙することで、公認会計士として相談企業の事業承継支援に資する情報を提供しようとするものである。

また、今後、研修会を実施する予定とのことでである。

 ★リンクはこちら ⇒ 中小企業施策調査会研究報告第2号「公認会計士による中小企業の事業承継支援-従業員承継の支援手法について」の公表

2018年1月23日


経営研究調査会研究報告第60号「事業承継支援マニュアル」の公表 Edit

日本公認会計士協会(経営研究調査会)は、平成29年9月15日付けで経営研究調査会研究報告第60号「事業承継支援マニュアル」を公表した。

本研究報告は、平成23年10月11日に公表された経営研究調査会研究報告第45号「事業承継支援マニュアル」の見直しであり、事業承継を取り巻く環境が厳しさを増す中、経営者保証ガイドラインの制定、民法や会社法の改正、相続税・贈与税の納税猶予制度の改正等が行われており、これらに対応するため新たな経営研究調査会研究報告として取りまとめたものである。

本研究報告では、「事業価値源泉」に着目し、その分析と承継を軸として事業承継の進め方を示している。
最近では、事業承継の課題において単に税や資金調達など個別の問題だけではなく、中小企業の経営を強化し事業を継続・発展させることに注目が置かれているためより一層本研究報告の活用が期待される。
今回の見直しでは、更に増えつつある第三者売却に対応すべく対応する章の記述を充実させるとともに、実際に公認会計士が行う支援業務の具体例を追加している。

★リンクはこちら ⇒ 経営研究調査会研究報告第60号「事業承継支援マニュアル」の公表

2017年10月19日

『中小企業経営承継円滑法の申請マニュアル・申請様式の一覧』の更新 Edit

中小企業庁は、平成29年度より、事業承継税制・金融支援に係る認定・確認等の窓口が都道府県知事に委譲されたことに伴い、申請マニュアルの改訂を行った。

★リンクはこちら ⇒ 中小企業経営承継円滑法の申請マニュアル・申請様式の一覧(既に削除済み)

2017年9月27日

事業承継5ヶ年計画 Edit

中小企業庁は、中小企業経営者の高齢化の進展等を踏まえ、地域の事業を次世代にしっかりと引き継ぐとともに、事業承継を契機に後継者がベンチャー型事業承継などの経営革新等に積極的にチャレンジしやすい環境を整備するため、今後5年程度を事業承継支援の集中実施期間とする「事業承継5ヶ年計画」を策定した。

<背景・経緯>
中小企業経営者の高齢化が進み、数十万者の中小企業が事業承継のタイミングを迎えようとしている。
しかし、今後5年間で30万以上の経営者が70歳になるにもかかわらず、6割が後継者未定であり、70代の経営者でも、事業承継に向けた準備を行っている経営者は半数にとどまる。
また、経営者の高齢化が進むと、企業の業績が停滞する可能性も高くなる。

中小企業庁はこうした現状を踏まえ、地域の事業を次世代にしっかりと引き継ぐとともに、事業承継を契機に後継者がベンチャー型事業承継などの経営革新等に積極的にチャレンジしやすい環境を整備すべく、今後5年程度を事業承継支援の集中実施期間と定め、支援のあり方についてまとめた「事業承継5ヶ年計画」を策定した。

<事業承継5ヶ年計画の概要>
今後5年程度を事業承継支援の集中実施期間とし、以下の観点から、支援体制、支援施策を抜本的に強化する。

  • 経営者の「気付き」の提供
    地域毎に、それぞれの支援機関がつながる事業承継プラットフォームを立ち上げ、事業承継診断等によるプッシュ型の支援を行い、事業承継ニーズを掘り起こす。
  • 後継者が継ぎたくなるような環境を整備
    資金繰り・採算管理等の早期段階からの経営改善の取組を支援する。また、早期承継のインセンティブを強化し、後継者や経営者による経営の合理化やビジネスモデルの転換など成長への挑戦を支援する。
  • 後継者マッチング支援の強化
    事業引継ぎ支援センターの体制強化や、民間企業との連携により、小規模M&Aマーケットを整備する。
  • 事業からの退出や事業統合等をしやすい環境の整備
    サプライチェーンや地域における事業承継、事業再編・統合を促進し、中小企業の経営力強化を後押しする。
  • 経営人材の活用
    次期経営者候補やアドバイザーとして、経営スキルの高い外部人材を活用しやすい環境を整備する。

★リンクはこちら ⇒ 中小企業の事業承継に関する集中実施期間について(事業承継5ヶ年計画)

2017年7月13日

平成29年度予算「事業承継ネットワーク構築事業(全国事務局事業)」に係る地域事務局の決定

平成29年度予算「事業承継ネットワーク構築事業」では、地域における事業承継支援体制の強化に向けて、各都道府県に拠点を置く支援機関等による、地方自治体等と連携した、地域における事業承継支援のためのネットワーク(事業承継ネットワーク)の構築に取り組む。

この度、都道府県や地域の支援機関等と連携して事業承継支援の中核を担う「地域事務局」を19の県において採択した。

なお、我がうどん県も入っており(採択事業者は、(公財)かがわ産業支援財団)、19県のうち3県が四国である。

★リンクはこちら ⇒ 平成29年度予算「事業承継ネットワーク構築事業(全国事務局事業)」に係る地域事務局を決定しました

2017年6月7日

事業承継に関するパンフレット『会社を未来につなげる-10年先の会社を考えよう-』

中小企業庁は、中小企業の皆様の営む事業をしっかりと次世代に引き継いでいただけるよう、事業の見える化・磨き上げ、そして来たるべき事業承継に向けた準備を分かりやすく解説したパンフレットを作成した。

会社を未来につなげるために、経営の見える化・磨き上げに取り組むことが重要である。
自社の経営状況を客観的に把握し、10年先を見据えた本業の強化に着手しよう。
また、10年後に事業運営を担うのは誰か、を考えることも必要である。
経営者の皆様の年齢・状況によっては、その間に事業承継のタイミングを迎えるかもしれない。
後継者の確保と育成、資産やノウハウの承継には時間がかかる。
60歳を目安に、事業承継に向けた準備にとりかかろう。

このパンフレットでは、見える化・磨き上げに向けた具体的な取組や、事業承継の進め方について紹介している。

10年先を見据えて会社を未来につなげていくために、ぜひ活用しよう。

★リンクはこちら ⇒ 事業承継に関するパンフレット『会社を未来につなげる-10年先の会社を考えよう-』

2017年4月18日

事業承継マニュアル』の公表

中小企業庁は、中小企業の皆様の営む事業をしっかりと次世代に引き継いでいただけるよう、事業承継計画の立て方や後継者の育成方法、その他事業承継に伴う課題と対策について分かりやすく解説した「事業承継マニュアル」を作成した。

なお、紙媒体での配布は行っていない。

中小企業経営者の皆様に円滑な事業承継を実現していただくために、中小企業庁は平成28年12月、「事業承継ガイドライン」を10年ぶりに改訂し、公表した。
この度、同ガイドラインの内容を踏まえ、

  • 事業承継計画の立て方
  • 後継者の育成方法
  • 経営権の分散防止や税負担、資金調達等の課題への対策

等についてわかりやすくまとめた「事業承継マニュアル」を作成した。

円滑な事業承継の実現のために、是非活用のこと。

★リンクはこちら ⇒ 事業承継マニュアル

2017年4月12日

事業承継税制の適用を受けようとしている方又は、事業承継税制の適用を受けている方へ

平成29年4月1日から、非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例の適用を受けようとしている方、又は、適用を受けている方で、 相続税又は贈与税の申告書・納税猶予の継続届出書等に添付して提出する 「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則」に基づく認定・確認及びそれに係る申請書・報告書の提出に関する窓口が、各地の経済産業局から都道府県に変更となる。

★リンクはこちら ⇒ 事業承継税制の適用を受けようとしている方又は、事業承継税制の適用を受けている方へ

2017年2月22日

事業承継ガイドライン

中小企業庁は、中小企業経営者の高齢化の進展等を踏まえ、円滑な事業承継の促進を通じた中小企業の事業活性化を図るため、事業承継に向けた早期・計画的な準備の重要性や課題への対応策、事業承継支援体制の強化の方向性等について取りまとめた「事業承継ガイドライン」を策定した。

<背景・経緯>
中小企業経営者の高齢化が進み、今後5年から10年程度で、多くの中小企業が事業承継のタイミングを迎えようとしている。
中小企業に蓄積されたノウハウや技術といった価値を次世代に受け継ぎ、世代交代によるさらなる活性化を実現していくために、円滑な事業承継は極めて重要な課題である。
そこで、中小企業庁では近年の中小企業を取り巻く状況の変化を踏まえた事業承継のあり方を議論する場として、「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会」および「事業承継ガイドライン改訂小委員会」を開催し、具体的検討を経て、この度、「事業承継ガイドライン」として取りまとめた。

<事業承継ガイドラインの概要>
本ガイドラインの主な内容は、以下の3点である。
(1)事業承継に向けた早期・計画的な取組の重要性(事業承継診断の導入)
(2)事業承継に向けた5ステップの提示
(3)地域における事業承継を支援する体制の強化
中小企業経営者の皆様や、経営者の身近な存在として活動されている団体や金融機関等の支援機関の皆様に、本ガイドラインを参考にしていただき、価値ある事業をしっかりと次世代へ承継していただくことを期待している。

★リンクはこちら ⇒ 事業承継ガイドライン

2016年12月8日

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律(承継円滑化法)」の施行

2015年8月21日に第189回通常国会にて成立、同28日に公布された「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律(承継円滑化法)」が2016年4月1日に施行された。
本法律は、事業承継の円滑化を図るため、経営承継円滑化法における遺留分特例制度の対象を親族外へ拡充することや、小規模企業共済制度における親族内承継等の共済金引上げ等の措置を講じている。

<法律の背景・目的>
事業承継の形態が多様化し、20年前は親族内承継が9割だったが、近年は親族外承継が約4割と増加傾向となっている。また、中小企業基本法等で掲げられた「事業承継の円滑化」を促進し、中小企業・小規模事業者の持続的発展を図る必要がある。
こうした状況を踏まえ、中小企業・小規模事業者の事業承継を円滑化するための措置を講じ、中小企業・小規模事業者の持続的発展を図る。

<法律の概要>
●中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)の一部改正
(1)遺留分特例制度の対象を親族外へ拡充
対象が親族内承継に限定されている遺留分特例制度()について、親族外承継の際にも適用できるよう、制度を拡充した。
()
後継者が、経営者から贈与を受けた株式について、事前に後継者以外の親族と合意し、経済産業大臣の確認を受けることにより、遺留分放棄の法的確定に係る家庭裁判所の申請手続を単独で行うことが可能となる制度。
(2)独立行政法人中小企業基盤整備機構による事業承継サポート機能の強化
独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下「中小機構」。)が、事業承継に係る計画的な取組を後押しするため、経営者、後継者等に対して必要な助言等のサポートを行えるようになった。

●小規模企業共済法の一部改正
個人事業者や会社等の役員が、廃業・退職後の生活の安定等を図るための資金として積み立てを行う小規模企業共済制度を見直した(中小機構が実施)。
(1)小規模企業者の事業承継の円滑化
小規模企業者の事業承継の円滑化を図るため、個人事業者が親族内で事業承継した場合や65歳以上の会社役員が退任した場合の共済金を引き上げた。
(2)小規模企業者の経営状況に応じた掛金の柔軟化
小規模企業共済制度の利便性向上を図るため、掛金の変更を柔軟にした。

●独立行政法人中小企業基盤整備機構法(中小機構法)の一部改正
(1)中小機構による事業承継サポート機能の強化(再掲)
(2)中小機構による「申込金」に係る金融機関への委託業務の廃止
共済加入時の「申込金」を手続き面の簡素化の観点から廃止した。

★リンクはこちら ⇒ 承継円滑化法が本日施行されました

2016年4月13日

中小企業税制パンフレット

地域の経済と雇用を支えているのは中小企業の皆様である。
こうした中小企業を応援する、様々な税制上の措置が用意されている。
製造業の方が新しい設備を入れて、生産性を上げようとする場合、商業、サービス業の方が自店の魅力向上を図るための投資を行う場合、新規事業開拓のために試験研究をする場合、 後継者へ経営のバトンタッチ(事業承継)を行う場合など、企業活動の様々な局面に応じて使える税制が用意されている。

本パンフレットでは、中小企業の皆様に、代表的で、使ってお得な税制措置について、具体的な内容のポイントについて解説している。
「税制は難しいから・・・」と敬遠せず、経営上の課題の解決や経営戦略に応じて、上手に活用していただきたい。

★リンクはこちら ⇒ 中小企業税制パンフレット

2014年3月28日

新・事業承継税制

平成25年度税制改正において事業承継税制(非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度)の適用要件等が見直されることになった。

中小企業庁のホームページで、平成27年1月施行の新しい事業承継税制について情報提供を行っている。

★リンクはこちら ⇒ 新・事業承継税制について

2013年10月11日

事業承継税制の制度改正(平成27年1月施行)

平成25年度税制改正において事業承継税制(非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度)の適用要件等が見直されることになった。

中小企業のホームページでは、平成27年1月施行の新しい事業承継税制について情報提供をしている。

リンクはこちら ⇒ 事業承継税制の制度改正(平成27年1月施行)

2013年7月31日

事業承継に関する支援策を紹介する分かりやすいリーフレット(4種類)(一部改訂)

中小企業庁が、事業承継に関する支援策を紹介する分かりやすいリーフレット(4種類)を一部改訂した。

平成25年4月1日に施行された中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則の一部を改訂する省令(平成25年経済産業省令第18号)により、経済産業大臣の事前確認手続が事業承継税制の適用の前提となる認定の要件から外れることになった。
これに伴い、平成25年4月1日以後に経済産業大臣に認定申請する申請者は、事前確認を受けなくても申請が可能となる。
このため、(2)「事業承継の際の相続税・贈与税の納税猶予制度」(税制版)が一部改訂となった。

これまで、事業承継円滑化のための支援策等を説明した「中小企業事業承継ハンドブック29問29答」を作成し、提供してきたが、今回、支援策毎に、そのポイントを簡潔に説明した以下の4種類の小冊子を作成していた。
(1)『大切な会社の将来のために』~円滑な事業の承継に向けて~(全体版)
(2)『事業承継の際の相続税・贈与税の納税猶予制度』(税制版)
(3)『事業承継を円滑に行うための遺留分に関する民法の特例』(民法特例版)
(4)『事業承継における融資・保証制度』(金融版)

事業承継に関する支援策の内容を短時間で把握したい方、「中小企業事業承継ハンドブック29問29答」を読まれる前にまず簡単に概要を把握したい方、経営者の方で事業承継をどの様に進めたら良いのかお悩みの方などにご利用いただきたい。

事業承継に関する支援策を紹介する分かりやすいリーフレット(4種類)(一部改訂)

2013年4月19日

事業承継に関する支援策を紹介する分かりやすいリーフレット(4種類)

中小企業庁は、これまで、事業承継円滑化のための支援策等を説明した『中小企業事業承継ハンドブック29問29答』を作成し、提供していたが、今回、支援策毎に、そのポイントを簡潔に説明した以下の4種類の小冊子を作成した。

  1. 『大切な会社の将来のために』~円滑な事業の承継に向けて~(全体版)
  2. 事業承継の際の相続税・贈与税の納税猶予制度』(税制版)
  3. 事業承継を円滑に行うための遺留分に関する民法の特例』(民法特例版)
  4. 事業承継における融資・保証制度』(金融版)

事業承継に関する支援策の内容を短時間で把握したい方、『中小企業事業承継ハンドブック29問29答』を読む前にまず簡単に概要を把握したい方、経営者の方で事業承継をどの様に進めたらいのかお悩みの方などにご利用いただきたい。

事業承継に関する支援策を紹介する分かりやすいリーフレット(4種類)

2012年10月12日

事業承継のリスク

事業承継には、以下の3つのリスクがある。

  • 事業存続リスク
    現経営者に頼るところが大きくいなくなると経営ができない、後継者が役員や従業員と上手く行かず反対勢力が生まれたり退職者が出る、金融機関や取引先の信頼関係が崩れるなど。
  • 争族リスク
    相続人間の経営権や財産を巡る争いなど。
  • 納税リスク
    相続税に加え加算税や延滞税が発生したり、借入で納税することによる返済が負担になったり、会社から借り入れると財務内容が悪化したりするなど。

2012年4月12日

事業承継とは?

事業承継とは、企業の現経営者が後継者に事業を承継させることをいう。

事業承継の目的は、以下の2つである。

  • 事業を存続させ、発展させる
  • 経営者一族の資産を保全し、繁栄させる

事業承継の方法は、以下の3つプラス1つである。

  • 親族内の後継者への承継
  • 役員・従業員や外部から招いた経営者への承継
  • M&A
  • 廃業

2012年3月21日

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監査

財務報告内部統制監査基準報告書第1号「財務報告に係る内部統制の監査」の改正の公表について

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、2024年4月18日開催の常務理事会の承認を受けて、財務報告内部統制監査基準報告書第1号「財務報告に係る内部統制の監査」(以下「本報告書」という。)の改正を公表した。

【改正の背景及び主な改正内容】

改正倫理規則(2022年7月25日)において、監査業務の依頼人が社会的影響度の高い事業体(Public Interest Entity :PIE)である場合、報酬関連情報(監査報酬、非監査報酬及び報酬依存度)の開示が、要求事項として新設された。

これを受けて、2022年10月13日付けで監査基準報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」の改正を公表し、2023年7月28日付けで監査基準報告書700実務指針第1号「監査報告書の文例」及び監査基準報告書700実務ガイダンス第1号「監査報告書に係るQ&A(実務ガイダンス)」の改正を公表している。

内部統制監査の対象となる企業のほとんどはPIEであると考えられることから、本報告書の「付録3 一体型内部統制監査報告書の文例」について、報酬関連情報の記載例を追加している。

なお、本改正の取りまとめに当たっては、2024年3月19日から4月3日までの間、草案を公開し、広く意見を求めているが、特段の意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 財務報告内部統制監査基準報告書第1号「財務報告に係る内部統制の監査」の改正の公表について

2024年5月30日


報告書「内部監査の状況の開示のあり方」等の公表に関するお知らせ(一般社団法人日本内部監査協会)

一般社団法人日本内部監査協会 内部監査実務委員会特別委員会「内部監査に係る開示ガイダンス委員会」(委員長:吉武一理事)は、標記の報告書を公表した。

  • 報告書「内部監査の状況の開示のあり方」
  • 【別紙1】記載事項
  • 【別紙2】記載事例

開示関連資料にも掲載している。

★リンクはこちら⇒ 報告書「内部監査の状況の開示のあり方」等の公表に関するお知らせ(一般社団法人日本内部監査協会)

2023年5月21日


品質管理基準報告書第1号等の改正及び倫理規則の改正に伴う財務報告内部統制監査基準報告書、四半期レビュー基準報告書、保証業務実務指針及び専門業務実務指針の改正の公表について

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、2023年3月16日に開催した常務理事会の承認を受けて、以下の財務報告内部統制監査基準報告書、四半期レビュー基準報告書、保証業務実務指針及び専門業務実務指針の改正を公表した。

本改正は、2022年6月の品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」の改正、品質管理基準報告書第2号「監査業務に係る審査」の公表及び監査基準報告書220「監査業務における品質管理」の改正(以下合わせて「品質管理基準報告書第1号等の改正という。)並びに2022年7月の倫理規則の改正に伴い、所要の見直しを行ったものである。

本改正の取りまとめに当たっては、2023年2月17日から3月3日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段の意見は寄せられなかった。

1.改正対象

  • 財務報告内部統制監査基準報告書第1号「財務報告に係る内部統制の監査」(以下「内基報第1号」という。)
  • 四半期レビュー基準報告書第1号「四半期レビュー」
  • 保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」
  • 保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」
  • 保証業務実務指針3402「受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」
  • 保証業務実務指針3420「プロフォーマ財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」
  • 保証業務実務指針3700「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」
  • 保証業務実務指針3701「非パブリック型のブロックチェーンを活用した受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」
  • 保証業務実務指針3702「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」
  • 専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」(以下「専門実4400」という。)
  • 専門業務実務指針4450「労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対する合意された手続業務に関する実務指針」
  • 専門業務実務指針4451「産業競争力強化法における事業再編計画の認定申請書に添付する資金計画に対する合意された手続業務に関する実務指針」
  • 専門業務実務指針4452「農業競争力強化支援法における事業再編計画の認定申請書に添付する資金計画に対する合意された手続業務に関する実務指針」
  • 専門業務実務指針4453「電子開示書類等のXBRLデータに対する合意された手続業務に関する実務指針」

2.主な改正内容
(1)品質管理基準報告書第1号等の改正を踏まえ、所要の用語等の修正を行っている。また、保証業務実務指針及び専門業務実務指針については、関連する国際保証業務基準等との整合性の観点による修正を行っている。
(2)倫理規則の改正により、セーフガードの定義が以下のとおり見直された(「倫理規則の改正概要」より引用)ことを踏まえ、当該定義と整合的な表現に修正している。
セーフガードの定義の見直し改正前の倫理規則では、阻害要因を除去又は許容可能な水準にまで軽減するものをセーフガードとしていたが、改正倫理規則では、阻害要因に対処するための対応策を「阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するために講じる対応策」と「阻害要因を生じさせている状況を除去するための対応策」に分け、前者をセーフガードとして定義する(R120.10、120.10 A1、120.10 A2)。

また、財務報告内部統制監査基準報告書第1号においては、非保証業務の提供における独立性に関する規則の強化に伴う現行第51項の削除を含む、所要の修正も行っている。

なお、2022年10月にも倫理規則の変更に伴う見直しを行っているが、今回の見直しは倫理規則関連の事項について更なる明確化を図ることを目的としている。

3.公開草案からの主な変更点
(1)内基報第1号の改正案(第47項、第49項、第50項及び付録5)における「指摘」という表現について、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」との平仄の観点から修正しないこととした。
(2)内基報第1号の本文末尾に記載した他の公表物の改正・公表に伴う所要の見直し(適合修正)である旨を示すための記載(破線四角囲み内)から、会員が遵守すべき基準等に該当しない倫理規則実務ガイダンス第1号「倫理規則に関するQ&A(実務ガイダンス)」の記載を削除した。
(3)専門実4400《付録2》の《文例2》について、設例の前提条件と文例の内容に一部不整合があったため、修正を行った。
(4)適用時期の明確化等のため、所要の字句修正を行った。

★リンクはこちら⇒ 品質管理基準報告書第1号等の改正及び倫理規則の改正に伴う財務報告内部統制監査基準報告書、四半期レビュー基準報告書、保証業務実務指針及び専門業務実務指針の改正の公表について

2023年3月28日


「公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」の公表について

日本公認会計士協会(公会計委員会)は、2023年3月16日に開催された常務理事会の承認を受け、同日付けで「公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

今回の改正は、監査報告書の文例に記載している「その他の記載内容」について、その対象範囲を整理し明確にするため、検討を行ったものである。

本改正は、2022年4月1日以後開始する事業年度に係る監査から適用される。

なお、本実務指針の改正に当たっては、2023年1月16日から2月15日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 「公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」の公表について

2023年3月24日


監査ファイルの適切な整理並びに監査調書の管理及び保存に係る留意事項(通知)

昨今、監査事務所における監査調書の整理、管理及び保存に関し、適切な運用がなされていないこと及びこれに端を発する不適切な検査対応に起因し、監査法人の業務運営が著しく不当であるとして(公認会計士法(昭和23年法律第103号。)第34条の21第2項第3号への抵触)、公認会計士・監査審査会からの行政処分勧告や、金融庁からの行政処分が行われた事例が見受けられる。

このような状況は、監査人が監査意見を表明するための合理的な基礎を得ていたかどうか、監査基準等に準拠して監査を実施したかどうかについての疑念を生じさせるとともに、職業的専門家としての誠実性の欠如として、財務諸表監査に対する社会からの信頼性を損なうことにもつながりかねない。

★リンクはこちら⇒ 監査ファイルの適切な整理並びに監査調書の管理及び保存に係る留意事項(通知)

2023年3月22日


品質管理基準報告書第1号実務ガイダンス第4号「監査事務所における品質管理に関するツール(実務ガイダンス)」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、2023年2月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、「品質管理基準報告書第1号実務ガイダンス第4号「監査事務所における品質管理に関するツール(実務ガイダンス)」」を公表した。

本実務ガイダンスの概要は以下のとおり。
・主に、2021年11月改訂の「監査に関する品質管理基準」のほか、以下の品質管理基準報告書及び監査基準報告書を参照して作成している。
- 品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」
- 品質管理基準報告書第2号「監査業務に係る審査」
- 監査基準報告書220「監査業務における品質管理」

・品質管理システムの構築に当たっての具体的な手順や文書等について様式例として取りまとめている。様式は、設定した品質目標に対して識別して評価した品質リスク及び品質リスクに対処するためにデザインした対応を整理・記録するための様式の例示である。

・関連する品質管理基準報告書等の記載事項を取り込んで作成しているが、一つの例示にすぎず、品質管理システムの構築に当たっての標準的な様式になることを目指し作成したものではない。

・公認会計士法上の大規模監査法人以外の監査事務所の利用を想定して作成している。

本実務ガイダンスの取りまとめに当たっては、2022年10月18日から11月23日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段の意見は寄せられなかった。
なお、品質管理システムの評価に当たっての具体的な手順や文書等については、2024年2月を目途に、取りまとめて公表する予定である。

★品質管理基準報告書第1号実務ガイダンス第4号「監査事務所における品質管理に関するツール(実務ガイダンス)」はこちら⇒ 品質管理基準報告書第1号実務ガイダンス第4号「監査事務所における品質管理に関するツール(実務ガイダンス)」

★様式はこちら⇒ 様式

2023年3月7日


品質管理基準報告書第1号実務ガイダンス第3号「監査事務所及び監査業務における品質管理並びに監査業務に係る審査に関するQ&A(実務ガイダンス)」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、2023年2月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、「品質管理基準報告書第1号実務ガイダンス第3号「監査事務所及び監査業務における品質管理並びに監査業務に係る審査に関するQ&A(実務ガイダンス)」」を公表した。

本実務ガイダンスの適用に際し関連する報告書は、主に以下のとおり。
- 品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」
- 品質管理基準報告書第2号「監査業務に係る審査」
- 監査基準報告書220「監査業務における品質管理」

本実務ガイダンスの構成は以下のとおり。
- 品質管理基準報告書第1号のQ&A
Q1 品質管理システムの整備の期限と初回の評価基準日について
Q2 「最高責任」と「最終的な責任」の相違
Q3 監査業務の検証において他の監査事務所を利用する場合の独立性の確認
- 品質管理基準報告書第2号のQ&A
Q1 審査担当者の選任に関する責任者自身が審査担当者となることについて
Q2 審査担当者の適格性における適切な権限の留意点
- 監査基準報告書220のQ&A
Q1 サービス・プロバイダーの範囲

なお、2023年1月25日に公布された公認会計士法施行規則の一部改正及び附則における品質管理システムの整備の期限の考え方と公開草案における「Q1 品質管理システムの整備の期限と初回の評価基準日について」の記載を整合させるための変更を行っている。

本実務ガイダンスの取りまとめに当たっては、2022年10月18日から11月23日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段の意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 品質管理基準報告書第1号実務ガイダンス第3号「監査事務所及び監査業務における品質管理並びに監査業務に係る審査に関するQ&A(実務ガイダンス)」の公表

2023年3月3日


監査基準報告書910「中間監査」の改正の公表

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、2023年2月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査基準報告書910「中間監査」の改正を公表した。

本改正は、監査基準報告書600「グループ監査」の改正(2023年1月12日)及び監査基準報告書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」の改正(2021年6月8日)に伴うものである。

主な改正内容
(1)監査基準報告書600の改正(2023年1月12日)に伴う見直し

  • 重要な構成単位の概念が廃止されることに伴い、中間監査に係るグループ監査においても整合性を図り、中間監査に係るグループ財務諸表の重要な虚偽表示リスクに適切に対応した中間監査の手続の立案及び実施、中間監査に係るグループ監査における重要性の基準値の設定について明示しました(第17項及び第18項参照)。
  • 構成単位における作業の範囲の決定に関して、改正前の第18項の手続を参考にしつつ、考慮事項を追加した(A8項参照)。

(2)監査基準報告書315の改正(2021年6月8日)に伴う見直し

  • 中間監査においては年度監査と同程度の信頼性を保証するものではないことから、関連するアサーションを識別していない(中間監査に係る重要な虚偽表示リスクを識別していない。)が重要性のある取引種類、勘定残高又は注記事項に対する手続として、実証手続を必ずしも実施する必要はなく、分析的手続及び質問を中心とする監査手続として実施する場合もあれば、全般的な結論を形成するための分析的手続として実施する場合もある旨を明示している(第14項参照)。
  • そのほか、所要の用語修正を行っている。

本報告書の改正に当たっては、2023年1月17日から1月31日までの間、草案を公開し、広く意見を求めていたが、特段の意見は寄せられなかった。

最新の改正後本文PDFは監査実務指針等ページにも掲載している。

★リンクはこちら⇒ 監査基準報告書910「中間監査」の改正の公表

2023年2月28日


「独立性に関する指針」等の廃止

2022年7月25日に開催された第56回定期総会において倫理規則の改正が承認された。

また、この倫理規則の改正を受けて、2022年12月15日付けで、倫理規則実務ガイダンス第1号「倫理規則に関するQ&A(実務ガイダンス)」を公表した。

この倫理規則及び実務ガイダンスの公表に伴い、役割が終了することになる次の指針等を2023年3月31日付けで廃止することとした。

  • 「独立性に関する指針」
  • 「利益相反に関する指針」
  • 「違法行為への対応に関する指針」
  • 「職業倫理に関する解釈指針」
  • 独立性に関する法改正対応解釈指針第4号「大会社等監査における非監査証明業務について」

★リンクはこちら⇒ 「独立性に関する指針」等の廃止

2023年2月24日


改正監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」及び 「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、2023年1月12日に開催された常務理事会の承認を受けて、改正監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を公表した。

本改正は、2022年4月に国際監査・保証基準審議会(The International Auditing and Assurance Standards Board :IAASB)から公表された、International Standard on Auditing 600 (Revised), Special Considerations- Audits of Group Financial Statements (Including the Work of Component Auditors)の改訂内容を反映させるものであり、改正後の本報告書(監査基準報告書600)の概要については、別添の「改正監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」等の概要」を参照のこと。

本報告書の検討に当たっては、2022年10月18日から11月25日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。

なお、監査基準報告書600については、現行から大幅な項目の追加・削除等を行っているため、新旧対照表は作成していない。

【適合修正対象】

  • 監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」
  • 監査基準報告書220「監査業務における品質管理」
  • 監査基準報告書230「監査調書」
  • 監査基準報告書240「財務諸表監査における不正」
  • 監査基準報告書250「財務諸表監査における法令の検討」
  • 監査基準報告書260「監査役等とのコミュニケーション」
  • 監査基準報告書300「監査計画」
  • 監査基準報告書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」
  • 監査基準報告書320「監査の計画及び実施における重要性」
  • 監査基準報告書402「業務を委託している企業の監査上の考慮事項」
  • 監査基準報告書501「特定項目の監査証拠」
  • 監査基準報告書510「初年度監査の期首残高」
  • 監査基準報告書550「関連当事者」
  • 監査基準報告書570「継続企業」
  • 監査基準報告書610「内部監査人の作業の利用」
  • 監査基準報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」
  • 監査基準報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」
  • 監査基準報告書705「独立監査人の監査報告書における除外事項付意見」
  • 監査基準報告書706「独立監査人の監査報告書における強調事項区分とその他の事項区分」
  • 監査基準報告書710「過年度の比較情報-対応数値と比較財務諸表」
  • 監査基準報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」
  • 監査基準報告書805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」
  • 監査基準報告書900「監査人の交代」
  • 品質管理基準報告書第1号「監査事務所における品質管理」
  • 品質管理基準報告書第2号「監査業務に係る審査」

本改正の一部には2022年12月15日付で公表された「倫理規則の改正に伴う監査基準報告書及び監査基準報告書実務指針の改正」(公開草案)の内容を反映した上で確定している。

★リンクはこちら⇒ 改正監査基準報告書600「グループ監査における特別な考慮事項」及び 「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

2023年2月21日


ロシア連邦向けの会計・監査サービスの提供の禁止措置に伴うグループ監査における構成単位の財務情報に関する作業の実施の取扱い(許可が必要な規制取引に該当するか否かの考え方)

ウクライナをめぐる現下の国際情勢に鑑み、我が国ではロシア連邦に対する外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」という。)による支払規制を含めた諸般の措置を実施している。

2022年7月5日に、外務省、財務省及び経済産業省から「ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置について」が公表され、財務省告示(7月5日公布)により、ロシア連邦向けに公認会計士法第2条第1項に規定する業務及び財務書類の調製、財務に関する調査又は立案、財務に関する相談対応その他財務に関する事務を行う業務(以下「会計・監査サービス」という。)並びに経営コンサルティング・サービス等の提供が許可制とされた。

当該措置は、2022年9月5日以後に開始される役務取引について適用されている。

今般、当該財務省告示における会計・監査サービスの業務への適用に関する解釈について、本会から財務省国際局調査課外国為替室に対して問合せを行ったので、その内容について、以下のとおりお知らせする。

なお、本周知文書の前提となるロシア連邦向けの会計・監査サービスの提供については慎重に検討し、外為法をはじめとした関係法令に従った対応を行うこと。

また、不明な点があれば、財務省国際局調査課外国為替室にお問い合わせのこと。

★リンクはこちら⇒ ロシア連邦向けの会計・監査サービスの提供の禁止措置に伴うグループ監査における構成単位の財務情報に関する作業の実施の取扱い(許可が必要な規制取引に該当するか否かの考え方)

2023年2月16日


IT委員会研究資料の廃止

日本公認会計士協会(テクノロジー委員会)は、2022年12月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、次の研究資料を12月28日付けで廃止することとした。

  • IT委員会研究資料第3号「認証局のためのWebTrustプログラム」
  • IT委員会研究資料第5号「一般に公正妥当と認められたプライバシー原則(グローバルプライバシーフレームワーク)」
  • IT委員会研究資料第6号「Trustサービス原則、規準及びその例示(セキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る適合するTrustサービス原則、規準及びその例示の2006年版の更新
  • IT委員会研究資料第7号「Trustサービス原則、規準及びその例示(セキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る適合するTrustサービス原則、規準及びその例示の2009年版の更新)」
  • IT委員会研究資料第8号「情報インテグリティ」
  • IT委員会研究資料第9号「Trust サービス原則、規準及びその例示(セキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る適合するTrust サービス原則、規準及びその例示の2014 年版の更新)」
  • IT委員会研究資料第10号「セキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに関するTrustサービス規準」

なお、上記のうち、IT委員会研究資料第8号「情報インテグリティ」及びIT委員会研究資料第10号「セキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに関するTrustサービス規準」については、同一の内容で翻訳公表物として公表している。

  • AICPAホワイトペーパー「情報インテグリティ」の翻訳の公表について
  • AICPA「セキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに関するTrustサービス規準」の翻訳の公表について

★リンクはこちら⇒ IT委員会研究資料の廃止

2023年2月9日


会長声明「公認会計士資格の適切な表記と集計の要請について」

日本公認会計士協会は、会長声明「公認会計士資格の適切な表記と集計の要請について」を2022年12月26日付けで発出した。

★リンクはこちら⇒ 会長声明「公認会計士資格の適切な表記と集計の要請について」

2023年2月7日


監査基準報告書701研究文書第2号「「監査上の主要な検討事項」の事例分析(2021年4月~2022年3月期)レポート)研究文書)」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、2022年12月15日開催の常務理事会の承認を受けて、監査基準報告書701研究文書第2号「「監査上の主要な検討事項」の事例分析(2021年4月~2022年3月期)レポート(研究文書)」を公表した。

監査上の主要な検討事項(Key AudIT Matters:KAM)が上場会社等の監査に適用されて2022年3月期で強制適用2年目を迎えたことを受けて、当協会において2021年4月~2022年3月期に係る監査報告書におけるKAMの事例を収集・分析し、本研究文書の取りまとめを行っている。

本研究文書においては、定量分析(KAMの個数・文字数)を行うとともに、定性分析の対象を特定のトピック(早期適用会社、収益認識、IT、不正、継続企業、気候変動、工事進行基準)に絞って全体的な傾向、記載上の工夫が見られる点等について分析を行っている。

★リンクはこちら⇒ 監査基準報告書701研究文書第2号「「監査上の主要な検討事項」の事例分析(2021年4月~2022年3月期)レポート)研究文書)」の公表

2023年2月3日


「公会計委員会実務指針第8号「地方独立行政法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」の公表

日本公認会計士協会(公会計委員会)は、2022年10月13日に開催された常務理事会の承認を受け、同日付けで「公会計委員会実務指針第8号「地方独立行政法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

今回の改正は、2022年5月25日から6月24日まで、総務省において「「地方独立行政法人会計基準」及び「地方独立行政法人会計基準注解」報告書」及び「地方独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書」の改訂に係る意見募集が実施され、2022年8月31日付けで改訂されたことを受けて、所用の見直しを行ったものである。

本改正は、2023年3月31日以降終了する事業年度(令和4事業年度)に係る監査から適用される。

なお、本実務指針の改正に当たっては、2022年9月1日から10月3日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 公会計委員会実務指針第8号「地方独立行政法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例(最終修正2022年10月13日)

2022年12月9日


保証業務実務指針3850「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」及びIT委員会研究報告第55号「保証業務実務指針3850「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」に係るQ&A」の改正

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書の発行業務について、海外団体が公表している特定の規準を利用する場合は、当協会の参考翻訳ではなく海外団体の原文を適用する必要があることを明らかにするために、以下の実務指針及び研究報告(実務ガイダンス)の改正を行い、2022年10月13日の常務理事会で承認を受けた。

また、監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」(2022年7月21日公表)並びに倫理規則(2022年7月25日変更)に伴う適合修正を行い、表題を変更した。

(表題変更前)

  • IT委員会実務指針第9号「保証業務実務指針3850「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」
  • IT委員会研究報告第55号「保証業務実務指針3850「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」に係るQ&A」

(表題変更後)

  • 保証業務実務指針3702「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」
  • 保証業務実務指針3000実務ガイダンス第5号「保証業務実務指針3702「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」

本改正にあたって、2022年7月25日から2022年8月25日までの間、公開草案を公開し、広く意見を求めたが、コメントが寄せられなかった。

保証業務実務指針3702「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」はこちら⇒ 保証業務実務指針3702「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」

保証業務実務指針3000実務ガイダンス第5号「保証業務実務指針3702「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」はこちら⇒ 保証業務実務指針3000実務ガイダンス第5号「保証業務実務指針3702「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」

2022年12月5日


「監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の改正」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、2022年10月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の改正」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を公表した。

本実務ガイダンスにつきましては、2022年8月10日から9月14日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられたコメントの概要とその対応も併せて掲載しているのでご参照のこと。

改正の概要は以下のとおり。

監査報告書の誤用防止の観点で、以下のQ&Aを追した。
(1)開示書類等において、監査報告書を開示せず、監査を受けている旨の記載を企業が行う場合の留意点
監査報告書は対象である財務諸表と一体となって利用されることが想定されているが、実務上、ディスクロージャー誌等の開示書類等において監査報告書を開示せず監査を受けている旨のみの記載が行われることがあるため、状況例ごとの起こり得る利用者の誤解と、対応例を記載した。

(2)EDINETで提出する監査報告書関係のQ&A
監査関連公表物体系の見直しを機に、これまでIT委員会から公表していたEDINET関係の審理通達等について、再編の上、「監査報告書に係るQ&A」に追加した。

主な項目は以下のとおり。

  • EDINETで提出する監査報告書の記載内容の適切性を確保する取組
  • EDINETで提出される監査報告書の欄外記載について
  • XBRLデータが訂正された場合の監査上の取扱い

(3)監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び倫理規則に係る適合修正を行っている。

また、本改正において「4.EDINETで提出する監査報告書関係のQ&A」を追加したことに伴い、以下の審理通達を廃止することとした。

  • 自主規制・業務本部 平成26年審理通達第1号「EDINETで提出する監査報告書の欄外記載の変更及びXBRLデータが訂正された場合の監査上の取扱い」
  • 自主規制・業務本部 平成26年審理通達第2号「EDINETで提出する監査報告書及び財務諸表等に関する監査上の留意点」
  • 2021年審理通達第1号「監査報告書の作成及びEDINETによる提出並びにXBRLタグ付けへの関与について」

★『監査基準報告書700実務ガイダンス第1号本文』はこちら⇒ 監査基準報告書700実務ガイダンス第1号本文

★『審理通達の廃止について』はこちら⇒ 審理通達の廃止について

★『コメント対応表』はこちら⇒ コメント対応表

2022年11月30日


「監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」の公表等に伴うテクノロジー委員会公表物の改正について」の公表

日本公認会計士協会(テクノロジー委員会)は、2022年10月13日開催の常務理事会の承認を受けて、テクノロジー委員会(前:IT委員会)公表物の改正を公表した。

本改正は、以下に伴うものである。

1.監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」(以下「監基報序」という。)の改正及び保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」(以下「保証実序」という。)の公表(2022年7月21日公表)

(主な改正内容)

  • 各公表物の表題及び公表物内における他の公表物の表題修正を行っている。
  • 周知文書及び研究文書について、これらの公表物の位置付けを明確化するため、会員が遵守すべき基準等には該当しないことなどの記載を本文に追加した。
  • 各公表物の本文の末尾に、今回の改正が他の公表物の改正・公表に伴う所要の見直し(適合修正)である旨を示すための記載を追加している。本記載は公表物の改正経緯の補足であり、本文を構成するものではない。

2.監基報序の改正及び保証実序の新設に伴う監査・保証基準委員会公表物の改正(2022年10月13日公表)
(主な改正内容)

  • 監査・保証基準委員会の公表物を参照している箇所について、所要の修正を行っている。

★リンクはこちら⇒ 「監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」の公表等に伴うテクノロジー委員会公表物の改正について」の公表

2022年11月28日


IT委員会実務指針等の廃止

日本公認会計士協会(テクノロジー委員会)は、公認会計士の提供する業務に関する社会及び会員の理解の促進を図るため、財務諸表の監査及びレビュー業務、それ以外の保証業務並びに合意された手続業務に関する報告書及び実務指針の体系化に取り組んでおり、関連する公表物の見直しを継続的に行ってきた。

上記見直しに伴い、内容が陳腐化している、又は既にその役割を終了している実務指針等を廃止することとなり、2022年10月13日に開催された常務理事会の承認を受けた。

ついては、次の実務指針等を同日付けで廃止することとした。

  • IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」
  • IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」
  • 情報システム委員会研究報告第19号「財務諸表及び監査報告書の電子化とその対応(中間報告)」
  • 情報システム委員会研究報告第20号「連結会計制度における情報システムの要件と統制手続」
  • 情報システム委員会研究報告第21号「電子化された会計帳簿の監査対応」
  • IT委員会研究報告第22号「電子商取引の諸問題と監査上の対応<B to Cにおける固有のリスクと内部統制>」
  • IT委員会研究報告第25号「Trustサービス業務に関する契約書文例」
  • IT委員会研究報告第39号「情報セキュリティ検証業務」
  • IT委員会研究報告第46号「重要な虚偽表示リスクとIT全般統制の評価」
  • IT委員会研究報告第53号「IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」に関するQ&A」

なお、監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」の公表等に伴い、テクノロジー委員会(前:IT委員会)公表物の改正作業も行っている。

詳細は以下をご参照のこと。

  • 「監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」の公表等に伴うテクノロジー委員会公表物の改正について」の公表について

★リンクはこちら⇒ IT委員会実務指針等の廃止

2022年11月25日


「監査契約時に添付する特別目的の財務諸表の監査報告書又は個別の財務表に対する監査報告書の文例」の廃止

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、公認会計士の提供する業務に関する社会及び会員の理解の促進を図るため、財務諸表の監査及びレビュー業務、それ以外の保証業務並びに合意された手続業務に関する報告書及び実務指針の体系化に取り組んでおり、関連する公表物の見直しを継続的に行ってきた。

上記見直しに伴い、既にその役割を終了している周知文書を廃止することとなり、2022年10月13日に開催された常務理事会の承認を受けた。

ついては、次の周知文書を同日付けで廃止することとした。

  • 「監査契約時に添付する特別目的の財務諸表の監査報告書又は個別の財務表に対する監査報告書の文例」

★リンクはこちら⇒ 「監査契約時に添付する特別目的の財務諸表の監査報告書又は個別の財務表に対する監査報告書の文例」の廃止

2022年11月24日


「監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」の公表等に伴う監査・保証基準委員会公表物の改正について」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、2022年10月13日開催の常務理事会の承認を受けて、監査・保証基準委員会公表物の改正を公表した。

本改正は、以下の公表物の公表に伴うものである。

1.監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」(2022年7月21日公表)
(主な改正内容)
各公表物の表題及び公表物内における他の公表物の表題修正を行っている。

実務ガイダンス、周知文書及び研究文書には、これらの公表物の位置付けを明確化するため、会員が遵守すべき基準等には該当しないことなどの記載を本文に追加した。

各公表物の本文の末尾に、今回の改正が他の公表物の改正・公表に伴う所要の見直し(適合修正)である旨を示すための記載を追加している。

本記載は公表物の改正経緯の補足であり、本文を構成するものではない。

2.倫理規則(2022年7月25日変更)
(主な改正内容)
倫理規則、独立性に関する指針、利益相反に関する指針及び違法行為への対応に関する指針の参照箇所等の見直し

3.その他
2021年6月8日付けで公表した「監査基準委員会報告書315「企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示リスクの識別と評価」及び関連する監査基準委員会報告書の改正」の適用時期の記載の明確化及び適合修正すべき箇所への対応が一部未了だった箇所の修正を行っている。

字句表記の修正を行っている。

★リンクはこちら⇒ 「監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」の公表等に伴う監査・保証基準委員会公表物の改正について」の公表

2022年11月22日


「監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」の改正について」 の公表

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)は、2022年10月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」の改正について」を公表した。

改正倫理規則において、監査業務の依頼人が社会的影響度の高い事業体(Public Interest EntITy :PIE)である場合、報酬関連情報(監査報酬、非監査報酬、報酬依存度)の開示が、要求事項として新設された。

監査業務の依頼人又は(依頼人が開示しない場合は)会計事務所等が開示する(改正倫理規則 R410.31)とされており、我が国においては、会計事務所等が報酬関連情報の開示を行う場合は監査報告書において記載する方法が適切と考えられる(倫理規則実務ガイダンス案「倫理規則に関するQ&A」Q410-13-3)としている。

国際会計士倫理基準審議会(The International Ethics Standards Board for Accountants :IESBA)の報酬規程に関するFAQ Q27では、監査報告書における記載箇所として、監査人の「その他の報告責任」の一部として扱うことが適切とされている。

本報告書の現行A53項では「その他の報告責任」の我が国における例として、内部統制監査について記載しており、今回、報酬関連情報が追加となるため、内部統制監査同様、A53項において、例として記載した。

また、監査基準報告書(序)「監査基準報告書及び関連する公表物の体系及び用語」及び倫理規則に係る適合修正を行っている。

なお、監査報告書のその他の報告責任区分における報酬関連情報の記載例については、監査基準報告書700実務指針第1号「監査報告書の文例」の改正により提供される予定である。

本報告書の取りまとめに当たっては、2022年7月30日から8月31日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段の意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 「監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」の改正について」 の公表

2022年11月21日


監査・保証実務委員会実務指針等の廃止

日本公認会計士協会(監査・保証基準委員会)では、公認会計士の提供する業務に関する社会及び会員の理解の促進を図るため、財務諸表の監査及びレビュー業務、それ以外の保証業務並びに合意された手続業務に関する報告書及び実務指針の体系化に取り組んでおり、関連する公表物の見直しを継続的に行ってきた。

上記見直しに伴い、既に制度が存在しない、または、既にその役割を終了している実務指針等を廃止することとなり、2022年10月13日に開催された常務理事会の承認を受けた。

ついては、次の実務指針等を同日付けで廃止することとした。

  • 監査・保証実務委員会実務指針第86号「受託業務に係る内部統制の保証報告書」
  • 監査・保証実務委員会研究報告第1号「監査マニュアル(その1~その10)」
  • 監査・保証実務委員会研究報告第10号「監査マニュアル作成ガイド「監査アプローチ編」(中間報告)」
  • 監査・保証実務委員会研究報告第11号「監査マニュアル作成ガイド「財務諸表項目の監査手続編」(中間報告)」
  • 監査・保証実務委員会研究報告第13号「監査マニュアル作成ガイド「連結財務諸表の作成に関する監査手続編」(中間報告)」
  • 監査・保証実務委員会研究報告第4号「関連当事者との取引に係る情報の開示に関するガイドライン」
  • 監査・保証実務委員会研究報告第8号「有価証券報告書等の「関係会社の状況」における債務超過の状況にある関係会社の開示に係る重要性の判断基準について」
  • 監査・保証実務委員会研究報告第18号「監査時間の見積りに関する研究報告」
  • 監査・保証実務委員会研究報告第21号「二酸化炭素排出量の検証業務に関する論点の整理」
  • 監査・保証実務委員会研究報告第23号「義援金収支計算書に対して公認会計士等が行う保証業務に関する研究報告」
  • 「改正商法における子会社の判定について」
  • 「会社分割及び営業の譲渡、譲受けに伴う事業譲渡等対象部門に係る部門財務情報に対する証明業務について」
  • 「中堅・成長企業における四半期財務諸表に対する公認会計士等による意見表明手続について」
  • 「令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しを受けた監査上の対応について(お知らせ)」

★リンクはこちら⇒ 監査・保証実務委員会実務指針等の廃止

2022年11月18日


経営研究調査会研究報告第69号「フォレンジック業務に関する研究」の公表

日本公認会計士協会(経営研究調査会)は、2022年9月14日の常務理事会の承認を受けて、経営研究調査会研究報告第69号「フォレンジック業務に関する研究」を公表した。

会計事務所等(公認会計士、監査法人やコンサルティングファームなど)が行うフォレンジック業務は、弁護士等と協働することも多く、不正・不祥事のほか、各種リスクの予防及び発見、調査及び是正に関する広範な範囲の業務が行われている。

本研究報告は、フォレンジック業務を行う会計事務所等の実務及び業務開発に資するため、改めて整理を行い、主に「リスクの概要」「必要な能力・知見等」「業務支援事例」といった切り口から取りまとめを行ったものである。

★リンクはこちら⇒ 経営研究調査会研究報告第69号「フォレンジック業務に関する研究」の公表

2022年11月16日


「品質管理レビューにおける重点的実施項目」の 一般公表への変更

品質管理委員会は、2022年6月20日付けで会員マイページ(会員・準会員専用のウェブサイト)に「2022年度 品質管理レビューにおける重点的実施項目」を公表している。

このたび、資本市場関係者、とりわけ監査人との連携に当たっての監査役等の皆様の品質管理レビュー制度に対する理解を深めていただけるよう、「品質管理レビューにおける重点的実施項目」 を一般公表することとした。

★リンクはこちら⇒ 「品質管理レビューにおける重点的実施項目」の 一般公表への変更

2022年11月4日


「業種別委員会実務指針第47号「特定目的会社に係る監査上の実務指針」の改正について」の公表

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2022年7月21日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業種別委員会実務指針第47号「特定目的会社に係る監査上の実務指針」の改正について」を公表した。

本改正は、金融商品に関する会計基準の改正等を受けて、見直しを行ったものである。

内容に係る主な変更点は次のとおり。

  • 2019年7月4日付けで改正された金融商品に関する会計基準に対応して、本実務指針の金融商品に関する注記のひな型(記載上の注意)の記載を一部修正した。
  • 一般社団法人日本経済団体連合会「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)」に対応して、本実務指針の事業報告に係る附属明細書のひな型(記載上の注意)の記載を一部削除した。
  • 字句及び体裁の修正を行った。

本改正は、公表日から適用される。

★リンクはこちら⇒ 「業種別委員会実務指針第47号「特定目的会社に係る監査上の実務指針」の改正について」の公表

2022年10月26日


保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の 体系及び用語」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2022年7月21日に開催された常務理事会の承認を受けて、保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」を公表した。

監査・保証実務委員会は、公認会計士の提供する業務に関する社会及び会員の理解の促進を図るため、財務諸表の監査及びレビュー業務、それ以外の保証業務並びに合意された手続業務に関する報告書及び実務指針(以下「監査等業務公表物」という。)の体系化に取り組んでいる。

また、業務の品質を担保することを目的として、報告書及び実務指針の構成、要求事項又は適用指針を区分するための表現等に係る起草方針の見直しを行ってきた。

本実務指針は、監査等業務公表物の新たな体系及び起草方針を反映したものである。

本実務指針の取りまとめに当たっては、2022年4月21日から6月13日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段の意見は寄せられなかった。

なお、監査基準委員会報告書及び関連する公表物の体系及び用語は、同日付けで公表した監査基準委員会報告書(序)「監査基準委員会報告書の体系及び用語」の改正において整理されている。

★リンクはこちら⇒ 保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の 体系及び用語」の公表

2022年10月24日


監査基準委員会報告書(序)「監査基準委員会報告書の体系及び用語」の改正の公表

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2022年7月21日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査基準委員会報告書(序)「監査基準委員会報告書の体系及び用語」の改正を公表した。

監査基準委員会では、公認会計士の提供する業務に関する社会及び会員の理解の促進を図るため、財務諸表の監査及びレビュー業務、それ以外の保証業務並びに合意された手続業務に関する報告書及び実務指針(以下「監査等業務公表物」という。)の体系化に取り組んでいる。

また、業務の品質を担保することを目的として、報告書及び実務指針の構成、要求事項又は適用指針を区分するための表現等に係る起草方針の見直しを行ってきた。

本報告書の改正は、監査等業務公表物の新たな体系及び起草方針を反映したものである。

本報告書の取りまとめに当たっては、2022年4月21日から6月13日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段の意見は寄せられなかった。

なお、保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語は、同日付けで公表した保証業務実務指針(序)「保証業務実務指針及び専門業務実務指針並びに関連する公表物の体系及び用語」において整理されている。

★リンクはこちら⇒ 監査基準委員会報告書(序)「監査基準委員会報告書の体系及び用語」の改正の公表

2022年10月20日


IT委員会研究報告等の訂正

下記のIT委員会研究報告等について一部字句等の誤りがあったため、訂正した。

1.については、最終改正の改正後本文を修正している。

  1. IT委員会研究報告第34号「IT委員会実務指針第4号「公認会計士業務における情報セキュリティの指針」Q&A」(最終改正 2022年1月13日)
  2. IT委員会研究報告第56号「リモートワークに伴う業務プロセス・内部統制の変化への対応 (提言)」(公表日 2021年7月30日)
  3. IT委員会研究報告第57号「ITの利用の理解並びにITの利用から生じるリスクの識別及び対応に関する監査人の手続に係るQ&A」(公表日 2021年8月6日)
  4. EDINET で提出する監査報告書へのXBRL タグ付けについて(お知らせ)(公表日 2022年2月4日)

★リンクはこちら⇒ IT委員会研究報告等の訂正

2022年10月17日


業種別委員会実務指針の訂正

以下の業種別委員会実務指針について、一部誤りがあったので、訂正した。

いずれも最終改正の改正後本文を訂正している。

  • 業種別委員会実務指針第38号「投資事業有限責任組合における会計上及び監査上の取扱い」(最終改正 2022年3月17日)
  • 業種別委員会実務指針第61号「暗号資産交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」(最終改正 2022年3月30日)
  • 保証業務実務指針2450「生命保険会社における任意の四半期レビューに係る実務指針」(改正 2021年11月15日)
  • 保証業務実務指針3802「金融商品取引業者における顧客資産の分別管理の法令遵守に関する保証業務に関する実務指針」(改正 2022年2月17日)
  • 保証業務実務指針3803「受益証券等の直接募集等を実施する投資信託委託会社等における顧客資産の分別管理の法令等遵守に関する保証業務に関する実務指針」(改正 2022年3月17日)
  • 専門業務実務指針4460「投資信託及び投資法人における特定資産の価格等の調査に係る合意された手続業務に関する実務指針」(最終改正 2021年12月7日)
  • 専門業務実務指針4461「暗号資産交換業者における利用者財産及び履行保証暗号資産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針」(最終改正 2022年3月30日)
  • 専門業務実務指針4465「自己資本比率及びレバレッジ比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針」(最終改正 2022年3月17日)

★リンクはこちら⇒ 業種別委員会実務指針の訂正

2022年10月14日


監査・保証実務委員会実務指針等の訂正

下記の監査・保証実務委員会実務指針等について一部字句等の誤りがあったため、訂正した。

いずれも最終改正の改正後本文を修正している。

なお、本訂正は、監査・保証実務委員会実務指針における定めを実質的に変更するものではない。

  • 監査・保証実務委員会実務指針第68号「監査人から引受事務幹事会社への書簡について」(最終改正 2021年9月16日)
  • 監査・保証実務委員会実務指針第92号「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」」(最終改正 2021年11月15日)
  • 監査・保証実務委員会実務指針第97号「保証業務実務指針3402「受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」(最終改正 2021年9月16日)
  • 監査・保証実務委員会実務指針第98号「保証業務実務指針3701「非パブリック型のブロックチェーンを活用した受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」(最終改正 2021年9月16日)
  • 監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」(最終改正 2022年3月17日)
  • 監査・保証実務委員会研究報告第29号「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」に係るQ&A」(最終改正 2021年11月15日)

★リンクはこちら⇒ 監査・保証実務委員会実務指針等の訂正

2022年10月12日


監査基準委員会報告書等の訂正

下記の監査基準委員会報告書等について一部字句等の誤りがあったため、訂正した。

いずれも最終改正の改正後本文を修正している。

なお、本訂正は、監査基準委員会報告書における定めを実質的に変更するものではない。

  • 監査基準委員会報告書220「監査業務における品質管理」(最終改正 2022年6月16日)
  • 監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」(最終改正 2022年6月16日)
  • 監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」(最終改正 2022年6月16日)
  • 品質管理基準委員会報告書第1号「監査事務所における品質管理」(最終改正 2022年6月16日)
  • 監査基準委員会実務指針第1号「保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」」(最終改正 2021年9月16日)
  • 監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」(最終改正 2022年6月16日)
  • 監査基準委員会研究報告第5号「保証業務実務指針2400に係るQ&A」(最終改正 2019年6月12日)
  • 監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」(最終改正 2021年10月4日)

★リンクはこちら⇒ 監査基準委員会報告書等の訂正

2022年10月7日


IAASB議長記事「国際的なサステナビリティ保証基準における緊急性と有効性のバランス」の翻訳の公表

国際監査・保証基準審議会(International Auditing and Assurance Standards Board:IAASB)から2022年6月8日に公表されたIAASB議長の記事「国際的なサステナビリティ保証基準における緊急性と有効性のバランス」(原題:BALANCING URGENCY AND EFFECTIVENESS IN INTERNATIONAL SUSTAINABILITY ASSURANCE STANDARDS)の翻訳を公表した。

原文は、IAASBウェブサイトをご参照のこと。

なお、本文書は原文記事の内容をご理解いただくために日本公認会計士協会が作成した仮訳である点に留意すること。

★リンクはこちら⇒ IAASB議長記事「国際的なサステナビリティ保証基準における緊急性と有効性のバランス」の翻訳の公表

2022年10月4日


「監査提言集(2022年版)」の公表

日本公認会計士協会では、監査提言集の一部を一般に公表しているが、このたび2022年版を公表した。

★リンクはこちら⇒ 「監査提言集(2022年版)」の公表

2022年9月30日


国際監査基準600(改訂)最終基準等の翻訳の公表

国際監査・保証基準審議会(International Auditing and Assurance Standards Board:IAASB)から2022年4月7日付けで公表された下記の基準等の翻訳を公表する。

  • 国際監査基準 600(改訂)「グループ財務諸表監査における特別な考慮事項(構成単位の監査人の作業を含む。)」(原題:International Standard on Auditing 600(Revised), Special Considerations—Audits of Group Financial Statements(Including The Work of Component AUDITORS))
  • 結論の根拠:国際監査基準600(改訂)グループ財務諸表監査における特別な考慮事項(構成単位の監査人の作業を含む。)及びISA 600(改訂)その他の国際基準に対する適合修正を含む。(原題:Basis for Conclusions:ISA 600(Revised), Special Considerations—Audits of Group Financial Statements(Including the Work of Component Auditors) Including Conforming and Consequential Amendments to Other International Standards)
  • ファクトシート:グループ財務諸表監査(原題:Fact Sheet: Audits of Group Financial Statements)

原文は、IAASBウェブサイトをご参照のこと。

国際監査基準 600(改訂)はこちら⇒ 国際監査基準 600(改訂)

★結論の根拠はこちら⇒ 結論の根拠

★ファクトシートはこちら⇒ ファクトシート

2022年9月16日


個別事案審査制度の活動概要(2021年度)の公表

日本公認会計士協会は、自主規制の取組の一つとして、会員が実施した監査業務等に対する個別事案審査制度を導入し運営している。

この制度の2021年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の活動概要を「個別事案審査制度の活動概要(2021年度)」として取りまとめ、公表した。

★リンクはこちら⇒ 個別事案審査制度の活動概要(2021年度)の公表

2022年9月14日


「2021年度 品質管理レビューの概要」等の公表

日本公認会計士協会は、自主規制の重要な取組の一つである品質管理レビュー制度について、制度の概要や2021年度の運用状況を取りまとめた「2021年度品質管理レビューの概要」及び「2021年度品質管理レビューの概要(資料編)」、品質管理レビューを通じて発見された改善勧告事項等を基に品質管理に係る事例を取りまとめた「2021年度品質管理レビュー事例解説集(Ⅰ部・Ⅱ部)」並びに品質管理レビューや上場会社監査事務所登録制度等を詳細に説明した「品質管理レビュー制度等の解説」を公表した。

各公表物は、日本公認会計士協会ウェブサイト内「品質管理レビュー制度」よりご参照のこと。

★リンクはこちら⇒ 「2021年度 品質管理レビューの概要」等の公表

2022年9月12日


品質管理レビュー基準及び品質管理レビュー手続の改正について(お知らせ)

2022年5月20日開催の理事会において、品質管理レビュー基準の改正が、また、2022年5月19日開催の常務理事会において、品質管理レビュー手続の改正が承認された。

今回の改正における主な改正点は以下のとおり。

主な改正点 基準 手続
1 通常レビューにおいては、「通常レビュー対象期間」が規定されている一方、改善状況の確認の基準日については規定がなかったため、現行の実務上の取扱いに合わせて、往査初日を改善状況の確認の基準日とする旨を追加し、併せて、改善状況の確認結果報告書の文例にその旨の脚注を追加する。 第522-2項
付録Ⅳ
2 改善状況の確認においては、改善状況の確認の実施に併せて品質管理委員会が必要と認めた手続を実施することができるが、現行規定ではその例示が明確でないため、具体的な例示を記載する。 第554項
3 通常レビューであれば、監査事務所の品質管理のシステムの整備及び運用の状況において、職業的専門家としての基準及び適用される法令等に対する重要な準拠違反又は極めて重要な準拠違反が発生している懸念があると認められる可能性がある事項を、改善状況の確認の手続において発見した場合、品質管理委員会の承認を経て、特別レビューを実施する旨が規定されている。しかしながら、実務上、改善状況の確認は、レビュー実施年度の後半に実施されることが多く、実施時期によっては翌年度、通常レビューを実施することも想定され、また、当該規定がない場合であっても、改善状況の確認結果を受けて品質管理委員会が必要と認めた場合には、特別レビューを実施することが可能であることから、当該規定を削除する。 第539-2項
4 通常レビューにおいて、極めて重要な不備事項又は重要な不備事項が認められた場合、又はそれに準じて監査事務所の自主的な改善に懸念があると判断された場合には、改善勧告書に、監査事務所に対して発見事項が発生した原因及び根本的な原因に応じた改善を求める旨を記載している。他方、改善状況の確認においては、同様に監査事務所の自主的な改善に懸念があると判断された場合であっても、監査事務所に対して発見事項が発生した原因及び根本的な原因に応じた改善を求める旨を改善状況の確認結果報告書に記載する根拠が明確に規定されていないため、規定を追記した。また、改善状況の確認結果報告書の文例の修正を行う。 第551項
付録Ⅳ
5 通常レビューを実施し、極めて重要な不備事項又は重要な不備事項が認められた場合、監査事務所に対して発見事項が発生した原因及び根本的な原因に応じた改善を求める旨が、改善勧告書において重複して記載されているため整理する。また、品質管理レビューにおいて改善勧告事項とした項目について、改善勧告の対象となった業務以外の監査業務において適切に改善が図られていない事例が複数見受けられることから、極めて重要な不備事項又は重要な不備事項に限らず、全ての改善勧告事項について、専門要員への研修等による周知及び改善措置の的確な実施及び確認等により、全ての監査業務に対して適切な対応を図る必要がある旨を、改善勧告書に記載する。 付録Ⅱ
6 品質管理レビューにおける監査事務所との文書・書面の授受に関して、実務上、電子データによる例が増加しているが、紙媒体による授受を前提とした記載が残っていたため、これらの文書・書面には電磁的記録を含む旨を明記する。 Ⅲ.2 改正箇所
多数

(表中の「基準」は品質管理レビュー基準、「手続」は品質管理レビュー手続を指す。)

なお、改正後の品質管理レビュー基準及び品質管理レビュー手続は、2022年7月1日からの適用となる。

★品質管理レビュー基準はこちら⇒ 品質管理レビュー基準

★品質管理レビュー手続はこちら⇒ 品質管理レビュー手続

2022年9月9日


品質管理基準委員会報告書第1号「監査事務所における品質管理」及び監査基準委員会報告書220「監査業務における品質管理」の改正、品質管理基準委員会報告書第2号「監査業務に係る審査」の公表並びに関連する監査基準委員会報告書等の改正

日本公認会計士協会(品質管理基準委員会及び監査基準委員会)では、2022年6月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、品質管理基準委員会報告書第1号「監査事務所における品質管理」及び監査基準委員会報告書220「監査業務における品質管理」の改正並びに品質管理基準委員会報告書第2号「監査業務に係る審査」を公表した。

今回の改正等は、企業会計審議会から2021年11月に公表された「監査に関する品質管理基準」の改訂内容を反映させるものであり、各報告書の概要については、別添の参考資料をご参照のこと。

なお、品質管理基準委員会報告書第1号及び監査基準委員会報告書220の改正に関する公開草案については現行の品質管理基準委員会報告書第1号及び監査基準委員会報告書220からの大幅な項目の追加・削除等を行っているため、新旧対照表は作成していない。

(注)品質管理基準委員会報告書第1号のA24項については、改正後の倫理規則の記載に基づくものであるため、同報告書の改正公表後も倫理規則の改正後に適用される項となる。

【適合修正対象】

  • 監査基準委員会報告書200「財務諸表監査における総括的な目的」
  • 監査基準委員会報告書210「監査業務の契約条件の合意」
  • 監査基準委員会報告書230「監査調書」
  • 監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」
  • 監査基準委員会報告書300「監査計画」
  • 監査基準委員会報告書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」
  • 監査基準委員会報告書500「監査証拠」
  • 監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」
  • 監査基準委員会報告書600「グループ監査」
  • 監査基準委員会報告書610「内部監査人の作業の利用」
  • 監査基準委員会報告書620「専門家の業務の利用」
  • 監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」
  • 監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」
  • 監査基準委員会報告書900「監査人の交代」(※)
  • 監査基準委員会報告書910「中間監査」(※)
  • 監査基準委員会研究報告第2号「金融商品の監査における特別な考慮事項」

(※)監査基準委員会報告書900「監査人の交代」及び監査基準委員会報告書910「中間監査」については各報告書の公開草案公表時点以降に適合修正すべき項目が検出されたため、今回適合修正対象に追加している。

各報告書の検討に当たっては、2022年3月23日から5月16日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているのでご参照のこと。

★リンクはこちら⇒ 品質管理基準委員会報告書第1号「監査事務所における品質管理」及び監査基準委員会報告書220「監査業務における品質管理」の改正、品質管理基準委員会報告書第2号「監査業務に係る審査」の公表並びに関連する監査基準委員会報告書等の改正

2022年9月7日


「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について」の公表

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2022年6月16日の常務理事会の承認を受けて、「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について」を公表した。

本研究報告については、2022年4月18日から5月20日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているのでご参照のこと。

今回の改正における主な改正点は以下のとおり。
2021年8月改正の監査基準委員会報告書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」及び同540「会計上の見積りの監査」の改正等に対応するため、所要の見直しを行った。
主な改正対象の様式は以下のとおり。

(監査基準委員会報告315改正(2023年3月期監査から適用)に伴う見直し)

  • 【様式3-2-1】企業及び企業環境の理解
  • 【様式3-2-2】適用される財務報告の枠組みの理解
  • 【様式3-9】全社的な内部統制の理解
  • 【様式3-13-1】重要な虚偽表示リスクの識別と評価
  • 【様式3-14】IT環境の理解
  • 【様式4】財務諸表全体レベルのリスクへの全般的な対応の立案
  • 【様式5-1】アサーション・レベルのリスク評価・リスク対応手続の立案
  • 【様式5-2】重要な虚偽表示リスクへの対応手続の立案(新設)
  • 【様式7】IT全般統制の評価

(監査基準委員会報告540改正(2023年3月期監査から適用)に伴う見直し)

  • 【様式3-4】会計上の見積りに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価
  • 【様式8-7】会計上の見積りに関する重要な虚偽表示リスクへの対応(新設)

(監査実務を踏まえた新様式の提供・既存様式の見直し)

  • 【様式3-13-2】不正シナリオの検討(新設)
  • 【様式8-3-2】仕訳テストの立案
  • 【様式8-6】企業が作成した情報の検討(新設)

なお、2021年改正からの修正履歴付きの本文、解説、並びに赤字で変更箇所を示した様式(《Ⅳ 調書様式例》)も掲載している。

★「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」はこちら⇒ 「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」

★Ⅲ 解説はこちら⇒ Ⅲ 解説

★Ⅳ 調書様式例はこちら⇒ Ⅳ 調書様式例

★監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について はこちら⇒ 監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

2022年9月5日


監査契約書(国立大学法人等)様式の更新

2022年2月10日付けで「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」報告書」(国立大学法人会計基準)及び「国立大学法人に対する会計監査人の監査に係る報告書」(国立大学法人監査基準)が改訂され、それを受けて2022年5月19日付けで「公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」」を改正したことに伴い、以下の監査契約書の様式を更新した。

■国立大学法人等
・様式1~3

※各監査契約書及び任意監査契約書の様式は、日本公認会計士協会ウェブサイト内「各種様式ダウンロード」からダウンロードできる。

★リンクはこちら⇒ 監査契約書(国立大学法人等)様式の更新

2022年9月2日


保証業務に関する解説動画

近年、投資家及びその他のステークホルダーに対して非財務情報を含めて開示する新たな企業報告に関する注目度が国内外で高まっており、併せて、それに対する保証業務についても注目度が高まっている。

そこで、日本公認会計士協会では、皆様に保証業務について、改めて理解いただく機会になればと考え、保証業務に関する解説動画を作成した。

ポイントをまとめて解説しているので、ぜひご覧ください。

★リンクはこちら⇒ 保証業務に関する解説動画

2022年8月30日


金融商品取引法監査における監査役等とのコミュニケーション(監査の最終段階)について

日本公認会計士協会は、金融商品取引法監査における監査役等とのコミュニケーション(監査の最終段階)について取りまとめ、2022年5月25日、公表した。

★リンクはこちら⇒ 金融商品取引法監査における監査役等とのコミュニケーション(監査の最終段階)について

2022年8月26日


公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について

日本公認会計士協会(公会計委員会)は、2022年5月19日に開催された常務理事会の承認を受け、同日付けで「公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

今回の改正は、2022年2月10日付けで「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」報告書」(以下「国大会計基準」という。)が改訂されたことを受けて、所要の見直しを行ったものである。

また、連結財務諸表に関する監査報告書文例の新設を行っている。

本改正は、2023年3月31日以降終了する事業年度(令和4事業年度)に係る監査から適用される。

なお、本実務指針の取りまとめに当たっては、2022年3月30日から5月2日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について

2022年8月24日


電子化された監査報告書等を発行する場合の被監査会社との事前合意に係る留意点(お知らせ)

日本公認会計士協会は、2022年5月12日付けで「電子化された監査報告書等を発行する場合の被監査会社との事前合意に係る留意点(お知らせ)」を公表した。

電子化された監査報告書等を発行する場合には、事前に被監査会社の承諾を得ることが求められているが、その際に被監査会社に提示する「監査報告書の受け渡しの方法」の記載の要領について、会員各位の参考に資するために補足的な解説を提供するものである。

★リンクはこちら⇒ 電子化された監査報告書等を発行する場合の被監査会社との事前合意に係る留意点(お知らせ)

2022年8月19日


中小事務所等施策調査会研究報告第4号「有価証券報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、2022年4月14日に開催された常務理事会の承認を受けて、「中小事務所等施策調査会研究報告第4号「有価証券報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について」を公表した。

本研究報告は、中小規模の監査事務所が、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく財務計算に関する書類の監査において、有価証券報告書に関する表示の確認を実施する際の参考に資するため、チェックリストの形式で取りまとめたものである。

法令等の改正による改正箇所及び早期適用に関する記載については網掛けをして明示している。

なお、本研究報告は、その一例を示したものであるため、被監査会社の有価証券報告書の表示を確認する際には、それぞれの実情に即して、加除修正等の検討を行う必要がある。

また、2022年3月31日時点で施行されている法令や会計基準等に基づいて作成しているため、法令や会計基準等の改正が実施された場合には、その改正事項を考慮した上で使用する必要があることを申し添える。

その他、利用上の注意については、チェックリスト本文「3.本研究報告利用上の留意点」を参照のこと。

★リンクはこちら⇒ 中小事務所等施策調査会研究報告第4号「有価証券報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について

2022年8月8日


非営利法人委員会研究報告第28号「公益法人・一般法人の収支計算書に対する監査に関する研究報告」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2022年4月14日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会研究報告第28号「公益法人・一般法人の収支計算書に対する監査に関する研究報告」の改正について」を公表した。

今回の改正は、監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正及び「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正等に対応した監査基準委員会報告書805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」等の改正を受け、所要の見直しを行ったものである。

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会研究報告第28号「公益法人・一般法人の収支計算書に対する監査に関する研究報告」の改正について

2022年8月5日


中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正について

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、2022年4月14日に開催された常務理事会の承認を受けて、「中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正について」を公表した。

本研究報告は、中小規模の監査事務所が、会社法第436条第2項第1号に基づく計算書類及びその附属明細書の監査並びに会社法第444条第4項に基づく連結計算書類の監査において、その表示の確認を実施する際の参考に資するため、チェックリストの形式で取りまとめたものである。

法令等の改正による改正箇所及び早期適用に関する記載については、網掛けをして明示している。

なお、本研究報告は、その一例を示したものであるため、被監査会社の計算書類等の表示を確認する際には、それぞれの実情に即して、加除修正等の検討を行う必要がある。

また、本研究報告は、2022年3月31日時点で施行されている法令や会計基準等に基づいて作成しており、法令や会計基準等の改正が実施された場合には、各監査事務所においても、その改正事項を考慮した上で使用する必要があることを申し添える。

その他、利用上の注意については、チェックリスト本文「3.本研究報告利用上の留意点」を参照のこと。

★リンクはこちら⇒ 中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正について

2022年8月4日


有限責任監査法人の計算書類に対する監査報告書について(その3)

日本公認会計士協会は、「有限責任監査法人の計算書類に対する監査報告書について(その3)」を取りまとめ、2022年4月8日、公表した。

★リンクはこちら⇒ 有限責任監査法人の計算書類に対する監査報告書について(その3)

2022年8月2日


2022年3月期監査上の留意事項(ウクライナをめぐる現下の国際情勢を踏まえた監査上の対応について)

日本公認会計士協会は、2022年3月期監査上の留意事項(ウクライナをめぐる現下の国際情勢を踏まえた監査上の対応について)について取りまとめ、2022年4月7日、公表した。

★リンクはこちら⇒ 2022年3月期監査上の留意事項(ウクライナをめぐる現下の国際情勢を踏まえた監査上の対応について)

2022年7月29日


私立学校振興助成法監査及び財産目録監査における「その他の記載内容」の範囲に関する留意事項」

日本公認会計士協会(学校法人委員会)は、「私立学校振興助成法監査及び財産目録監査における「その他の記載内容」に関する監査人の作業内容及び範囲に関する留意事項について」を2022年3月30日付けで公表した。

★リンクはこちら⇒ 私立学校振興助成法監査及び財産目録監査における「その他の記載内容」の範囲に関する留意事項」

2022年7月27日


専門業務実務指針4465「自己資本比率及びレバレッジ比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2022年3月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、「専門業務実務指針4465「自己資本比率及びレバレッジ比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」を公表した。
本改正は、2021年11月15日付けで専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」が改正されたことを受けて、見直しを行ったものである。
内容に係る主な変更点は以下のとおりである。
  • 業務契約書に記載すべき契約条件の内容の追加(第10項)
  • 実施結果報告書に記載すべき内容の修正(第16項)
  • 実施結果報告書の配布及び利用の制限に関する記載の修正(A11項)
  • 実施結果報告書の文例の修正(付録1)
  • 経営者確認書の記載例の修正(付録2)
自己資本比率の算定に対する合意された手続チェック項目及びチェックポイント、合意された手続及び手続実施結果対照表の修正(付録3)
本改正は、2022年3月17日以降に契約を締結する自己資本比率及びレバレッジ比率の算定に対する合意された手続業務から適用となる。
本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2022年2月7日から2022年3月8日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

★リンクはこちら⇒ 専門業務実務指針4465「自己資本比率及びレバレッジ比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応

2022年7月22日


監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」の改正及び公開草案に対するコメントの概要及び対応」

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2022年3月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」の改正」を公表した。

本改正は、監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」に関連する後発事象への対応等として、従来の監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」の見直しを行ったものである。

本実務指針の取りまとめに当たっては、2022年1月21日から2月21日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

★監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」の改正はこちら⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」の改正

★監査・保証実務委員会実務指針第 103 号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」の改正(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第 103 号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」の改正(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2022年7月20日


非営利法人委員会実務指針第37号「労働組合監査における監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2022年3月17日に開催された常務理事会の承認を受け、同日付けで「非営利法人委員会実務指針第37号「労働組合監査における監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。
本改正は、企業会計審議会「監査基準の改訂に関する意見書」(2020年11月6日)の公表及び「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受けた監査基準委員会報告書の改正を踏まえ、労働組合監査における監査上の取扱いについて所要の見直しを行ったものである。
本改正は、2022年3月31日以後終了する会計年度に係る監査から適用される。ただし、2021年3月31日以後終了する会計年度に係る監査から適用することができる。
また、2021年5月12日付けの公認会計士法の改正を踏まえた改正については、2021年9月1日以降に提出する監査報告書から適用される。
本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2022年1月14日から2月15日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に対してコメントが1件寄せられたが、委員会で検討した結果、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」は公表していない。

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会実務指針第37号「労働組合監査における監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について

2022年7月15日


私立学校法における会計監査人監査の導入に対する意見

日本公認会計士協会は、学校法人ガバナンス改革を検討している文部科学省・学校法人制度改革特別委員会に対して、私立学校法における会計監査人監査の導入に関する意見をとりまとめ、2022年3月7日付けで提出した。

★リンクはこちら⇒ 私立学校法における会計監査人監査の導入に対する意見

2022年7月14日


業種別委員会実務指針第38号「投資事業有限責任組合における会計上及び監査上の取扱い」の改正について

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2022年3月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業種別委員会実務指針第38号「投資事業有限責任組合における会計上及び監査上の取扱い」の改正について」を公表した。

本改正は、次の監査基準委員会報告書が改正されたことを受けて、見直しを行ったものである。

  • 監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」(2021年1月14日)
  • 監査基準委員会報告書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」(2021年6月8日)

内容に係る主な変更点は以下のとおりである。

  • 重要な虚偽表示リスクの識別と評価に関する記載及び監査基準委員会報告書315を参照している項番号を修正した(第65項及び第95項)。
  • その他の記載内容についての留意事項及び考え方に関する項(第104-2項、第104-3項、第105-2項、第108-2項、第110-2項及び第110-3項)を追加した。
  • 監査報告書の文例(付録5及び付録6)における「その他の記載内容」の区分及び脚注を追加した。

なお、2021年12月8日に経済産業省産業組織課から「投資事業有限責任組合契約に関する法律第8条第2項に基づき、公認会計士又は監査法人が意見を作成する際の、監査対象以外の書類等の取扱いについて」が公表され、投資事業有限責任組合契約に関する法律第8条第2項に基づく監査におけるその他の記載内容の取扱いが示されているので、併せてお知らせする。

本改正は、2022年3月31日以後終了する事業年度又は会計期間に係る監査から適用となる。

また、2021年6月改正の監査基準委員会報告書315の適用に伴う改正部分(第65項及び第95項)は、原則として2023年3月31日以後終了する事業年度又は会計期間に係る監査及び2022年9月30日以後終了する中間会計期間に係る中間監査から適用となる。

本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2022年2月21日から2022年3月4日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 業種別委員会実務指針第38号「投資事業有限責任組合における会計上及び監査上の取扱い」の改正について

2022年7月13日


IT委員会研究報告第60号「監査データ標準化に関する留意事項とデータアナリティクスへの適用」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」

日本公認会計士協会(IT委員会)は、2022年2月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、IT委員会研究報告第60号「監査データ標準化に関する留意事項とデータアナリティクスへの適用」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を公表した。

IT委員会では、かねてよりITを活用した監査に関する調査研究を行っていたが、ITを活用した分析ツール等を利用するに当たっての課題として、監査データの標準化が進んでおらず、データの前処理が煩雑になる、データ項目が不足するといった論点を識別していた。

監査データの標準化については、2013年にAICPAからAudit Data Standardsが、2019年に国際標準化機構(ISO)からISO 21378 Audit Data Collectionが公表されている等、世界的にも関心が高い領域となっている。

このような状況を踏まえ、会員各位にISO 21378をはじめとした監査データの標準化の動向を解説するとともに、監査データの標準化が実現した将来において可能になることが見込まれる監査手法の概要・留意事項に関する情報を提供することを目的として、本研究報告の取りまとめを行った。

本研究報告の取りまとめに当たっては、2021年12月17日から2022年1月18日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。寄せられた意見及びその対応については、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を参照のこと。

★IT委員会研究報告第60号「監査データ標準化に関する留意事項とデータアナリティクスへの適用」はこちら⇒ IT委員会研究報告第60号「監査データ標準化に関する留意事項とデータアナリティクスへの適用」

★IT委員会研究報告「監査データ標準化に関する留意事項とデータアナリティクスへの適用」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら⇒ IT委員会研究報告「監査データ標準化に関する留意事項とデータアナリティクスへの適用」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

★IT委員会研究報告第60号「監査データ標準化に関する留意事項とデータアナリティクスへの適用」の概要はこちら⇒ IT委員会研究報告第60号「監査データ標準化に関する留意事項とデータアナリティクスへの適用」の概要

2022年7月5日


監査意見不表明及び有価証券報告書等に係る訂正報告書の提出時期に関する留意事項

日本公認会計士協会は、「監査意見不表明及び有価証券報告書等に係る訂正報告書の提出時期に関する留意事項」を2022年3月1日に公表した。

★リンクはこちら⇒ 監査意見不表明及び有価証券報告書等に係る訂正報告書の提出時期に関する留意事項

2022年7月4日


「財務諸表の監査及びレビュー業務、保証業務並びに合意された手続業務に関連する公表物の体系及び起草方針に関する論点の整理」に対するコメントの概要及び対応について

日本公認会計士協会は、2022年2月18日に開催されました理事会の承認を受けて、「「財務諸表の監査及びレビュー業務、保証業務並びに合意された手続業務に関連する公表物の体系及び起草方針に関する論点の整理」に対するコメントの概要及び対応について」を公表した。

今般公表するコメントの概要及び対応では、2021年11月17日から12月17日まで意見募集を行った「財務諸表の監査及びレビュー業務、保証業務並びに合意された手続業務に関連する公表物の体系及び起草方針に関する論点の整理」に寄せられた主なコメントの概要とその対応(当協会の考え方及び対応方針)を示している。

★リンクはこちら⇒ 「財務諸表の監査及びレビュー業務、保証業務並びに合意された手続業務に関連する公表物の体系及び起草方針に関する論点の整理」に対するコメントの概要及び対応について

2022年6月30日


非営利法人委員会研究報告第41号「農業協同組合監査における経営者確認書の文例」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2022年2月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会研究報告第41号「農業協同組合監査における経営者確認書の文例」の改正について」を公表した。

今回の改正は、監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正及び「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正等に対応した監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正を受け、所要の見直しを行ったものである。

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会研究報告第41号「農業協同組合監査における経営者確認書の文例」の改正について

2022年6月28日


非営利法人委員会研究報告第37号「医療法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2022年2月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会研究報告第37号「医療法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について」を公表した。

今回の改正は、監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正及び「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正等に対応した監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正を受け、所要の見直しを行ったものである。

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会研究報告第37号「医療法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について

2022年6月24日


非営利法人委員会研究報告第33号「社会福祉法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2022年2月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会研究報告第33号「社会福祉法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について」を公表した。

今回の改正は、監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正及び「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正等に対応した監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正を受け、所要の見直しを行ったものである。

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会研究報告第33号「社会福祉法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について

2022年6月22日


営利法人委員会研究報告第22号「公益社団・財団法人、一般社団・財団法人、移行法人及び特例民法法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2022年2月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会研究報告第22号「公益社団・財団法人、一般社団・財団法人、移行法人及び特例民法法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について」を公表した。

今回の改正は、監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正及び「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正等に対応した監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正を受け、所要の見直しを行ったものである。

また、移行申請期間が終了したため特例民法法人に関する記載を削除し、研究報告のタイトルについても対応する見直しを行っている。

★リンクはこちら⇒ 営利法人委員会研究報告第22号「公益社団・財団法人、一般社団・財団法人、移行法人及び特例民法法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について

2022年6月20日


専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」の改正に伴う関連する専門業務実務指針の改正

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2022年1月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」の改正に伴う関連する専門業務実務指針の改正」を公表した。

本改正は「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」及び監査・保証実務委員会研究報告第29号「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」に係るQ&A」(2021年11月19日公表)の公表に伴い、以下の公表物の見直しを行ったものである。

  • 監査・保証実務委員会実務指針第94号「専門業務実務指針4450「労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対する合意された手続業務に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第95号「専門業務実務指針4451「産業競争力強化法における事業再編計画及び特別事業再編計画の認定申請書に添付する資金計画に対する合意された手続業務に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第96号「専門業務実務指針4452「農業競争力強化支援法における事業再編計画の認定申請書に添付する資金計画に対する合意された手続業務に関する実務指針」」

なお、本実務指針の取りまとめに当たっては、2021年12月9日から12月23日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」の改正に伴う関連する専門業務実務指針の改正

2022年6月17日


監査契約書(学校法人)様式の更新

学校法人委員会実務指針第40号「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等の告示に基づく財産目録監査の取扱い及び監査報告書の文例」を2022年1月13日付けで改正したことに伴い、以下の監査契約書の様式を更新した。

■学校法人
・認可申請監査(様式4~6)
各監査契約書及び任意監査契約書の様式は、本ウェブサイト内「各種様式ダウンロード」からダウンロードできる。

★リンクはこちら⇒ 監査契約書(学校法人)様式の更新

2022年5月27日


「学校法人委員会実務指針第40号「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等の告示に基づく財産目録監査の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」の公表

日本公認会計士協会(学校法人委員会)は、2022年1月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、「学校法人委員会実務指針第40号「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等の告示に基づく財産目録監査の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

日本公認会計士協会は、企業会計審議会の「監査基準の改訂に関する意見書(2020年11月6日付け)の公表、「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受けて、関連する監査基準委員会報告書を改正した。

これらを踏まえ、学校法人委員会では、学校法人の理事者又は設立準備委員会等が「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等」(平成6年7月20日 文部省告示第117号)に準拠し作成した財産目録に対する公認会計士による監査における監査上の取扱い及び監査報告書の文例について、所要の見直しを行ってきた。

本実務指針の改正は、財産目録の作成日が2022年3月31日以後の財産目録監査から適用される。

なお、本実務指針の改正の取りまとめに当たっては、2021年11月19日から同年12月20日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 「学校法人委員会実務指針第40号「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等の告示に基づく財産目録監査の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」の公表

2022年5月25日


自主規制・業務本部 平成27年審理通達第3号「平成27年度税制改正における国税関係書類に係るスキャナ保存制度見直しに伴う監査人の留意事項」の廃止

日本公認会計士協会は、2022年1月26日付けで、監査・保証実務委員会実務指針第104号「イメージ文書により入手する監査証拠に関する実務指針」が公表されたことを受けて、同日付けで自主規制・業務本部 平成27年審理通達第3号「平成27年度税制改正における国税関係書類に係るスキャナ保存制度見直しに伴う監査人の留意事項」を廃止した。

★リンクはこちら⇒ 自主規制・業務本部 平成27年審理通達第3号「平成27年度税制改正における国税関係書類に係るスキャナ保存制度見直しに伴う監査人の留意事項」の廃止

2022年5月20日


IT委員会研究報告第50号「スキャナ保存制度への対応と監査上の留意点」の廃止

日本公認会計士協会は、2022年1月26日付けで、監査・保証実務委員会実務指針第104号「イメージ文書により入手する監査証拠に関する実務指針」が公表されたことを受けて、同日付けでIT委員会研究報告第50号「スキャナ保存制度への対応と監査上の留意点」を廃止した。

★リンクはこちら⇒ IT委員会研究報告第50号「スキャナ保存制度への対応と監査上の留意点」の廃止

2022年5月19日


監査・保証実務委員会実務指針第104号「イメージ文書により入手する監査証拠に関する実務指針」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2022年1月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査・保証実務委員会実務指針第104号「イメージ文書により入手する監査証拠に関する実務指針」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を公表した。

本実務指針は、令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しに伴い、スキャナ保存制度について要件緩和がなされたことや電子取引に係る電子情報の保存が義務付けられたことを受けて、今後、企業の取引情報の電子化が一層加速することが見込まれること等に対応して、監査人が監査証拠を電子データの一種であるイメージ文書で入手する場合の実務上の指針を提供することを目的としたものである。

本実務指針の取りまとめに当たっては、2021年11月19日から2021年12月20日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。
寄せられた意見及びその対応については、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を参照のこと。

★監査・保証実務委員会実務指針第104号「イメージ文書により入手する監査証拠に関する実務指針」はこちら⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第104号「イメージ文書により入手する監査証拠に関する実務指針」

★監査・保証実務委員会実務指針「イメージ文書により入手する監査証拠に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について はこちら⇒ 監査・保証実務委員会実務指針「イメージ文書により入手する監査証拠に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2022年5月18日


「IT委員会研究報告第34号「IT委員会実務指針第4号「公認会計士業務における情報セキュリティの指針」Q&A」の改正」の公表

日本公認会計士協会(IT委員会)は、2022年1月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、「IT委員会研究報告第34号「IT委員会実務指針第4号「公認会計士業務における情報セキュリティの指針」Q&A」の改正」を公表した。

本改正はリモートワークの定着化により想定される課題への対応等として、従来のIT委員会研究報告第34号「IT委員会実務指針第4号「公認会計士業務における情報セキュリティの指針」Q&A」の見直しを行ったものである。

なお、本実務指針の取りまとめに当たっては、2021年11月17日から12月17日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、意見は寄せられなかった。

なお、「IT委員会研究報告第34号「IT委員会実務指針第4号「公認会計士業務における情報セキュリティの指針」Q&A」の改正」の概要については、別紙資料を併せて参照のこと。

★IT委員会研究報告第34号「IT委員会実務指針第4号「公認会計士業務における情報セキュリティの指針」Q&Aはこちら⇒ IT委員会研究報告第34号「IT委員会実務指針第4号「公認会計士業務における情報セキュリティの指針」Q&A

★IT委員会研究報告第34号の改訂ポイントはこちら⇒ IT委員会研究報告第34号の改訂ポイント

2022年5月17日


「東京証券取引所における市場区分の再編に伴う監査・保証実務委員会実務指針の改正」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2022年1月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、「東京証券取引所における市場区分の再編に伴う監査・保証実務委員会実務指針の改正」を公表した。

本改正は、2022年4月4日より東京証券取引所における市場区分が従来の市場第一部、市場第二部、マザーズ及びJASDAQの4つの区分からプライム、スタンダード及びグロースの3つの区分に再編されることに伴い、以下の公表物の適合修正を行ったものである。

  • 監査・保証実務委員会実務指針第99号「保証業務実務指針2430「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める被合併会社等の財務諸表等に対するレビュー業務に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第100号「保証業務実務指針2431「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める部門財務情報に対するレビュー業務に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第102号「保証業務実務指針3700「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」」

★リンクはこちら⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第99号「保証業務実務指針2430「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める被合併会社等の財務諸表等に対するレビュー業務に関する実務指針」」

★リンクはこちら⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第100号「保証業務実務指針2431「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める部門財務情報に対するレビュー業務に関する実務指針」」

★リンクはこちら⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第102号「保証業務実務指針3700「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」」

2022年4月6日


会長声明「金融審議会公認会計士制度部会報告の公表を受けて」

日本公認会計士協会は、会長声明「金融審議会公認会計士制度部会報告の公表を受けて」を2022年1月5日付けで発出した。

★リンクはこちら⇒ 会長声明「金融審議会公認会計士制度部会報告の公表を受けて」

2022年4月4日


IT委員会研究報告第57号「ITの利用の理解並びにITの利用から生じるリスクの識別及び対応に関する監査人の手続に係るQ&A」の公表及び監査・保証実務委員会実務指針第93号「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」等の改正に伴う関連するIT委員会実務指針等の改正(改正後本文)

日本公認会計士協会(IT委員会)は、「IT委員会研究報告第57号「ITの利用の理解並びにITの利用から生じるリスクの識別及び対応に関する監査人の手続に係るQ&A」の公表及び監査・保証実務委員会実務指針第93号「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」等の改正に伴う関連するIT委員会実務指針等の改正について」を公表した。

今般の改正は、以下を受けて所要の適合修正を行ったものである。

  • IT委員会研究報告第57号「ITの利用の理解並びにITの利用から生じるリスクの識別及び対応に関する監査人の手続に係るQ&A」の公表(2021年8月6日)
  • デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受けた監査・保証実務委員会実務指針第93号「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」等の改正(2021年10月7日)

今般の改正の対象となるIT委員会実務指針等は以下のとおりである※。

  • IT委員会実務指針第9号「保証業務実務指針3850「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」
  • IT委員会研究報告第22号「電子商取引の諸問題と監査上の対応<B to Cにおける固有のリスクと内部統制>」
  • IT委員会研究報告第40号「ITに対応した監査手続事例~事例で学ぶよくわかるITに対応した監査~」
  • IT委員会研究報告第43号「電子的監査証拠~入手・利用・保存等に係る現状の留意点と展望~」
  • IT委員会研究報告第46号「重要な虚偽表示リスクと全般統制の評価」
  • IT委員会研究報告第47号「業務処理統制に関する評価手続」
  • IT委員会研究報告第49号「給与計算システムの受託業務に係る内部統制の保証報告書の記載例」
  • IT委員会研究報告第52号「次世代の監査への展望と課題」
  • IT委員会研究報告第55号「保証業務実務指針3850「情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」に係るQ&A」
  • IT委員会研究資料第11号「WebTrustの保証報告書等の記載例」

★リンクはこちら⇒ IT委員会研究報告第57号「ITの利用の理解並びにITの利用から生じるリスクの識別及び対応に関する監査人の手続に係るQ&A」の公表及び監査・保証実務委員会実務指針第93号「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」等の改正に伴う関連するIT委員会実務指針等の改正(改正後本文)

2022年3月31日


「銀行等取引残高確認書について(お知らせ)」の公表

日本公認会計士協会では、「銀行等取引残高確認書について(お知らせ)」を公表した。

監査手続の一つである「確認」は、監査人が確認回答者から回答を直接受領することにより証明力の強い監査証拠が得られるとされ、多くの監査業務において利用されている。

一方で、確認手続に当たっては、確認回答者から協力を得ていることを再認識する必要がある。

特に、決算期においては、残高確認書が銀行等に集中する状況にあることから、金融機関からの要請を受け、本書を周知する次第である。

確認回答者の状況も十分に考慮し、監査手続を実施することを今一度検討しましょう。

★リンクはこちら⇒ 銀行等取引残高確認書について(お知らせ)

2022年3月25日


監査・保証実務委員会報告第83号「四半期レビューに関する実務指針」の改正の公表

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2021年12月7日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査・保証実務委員会報告第83号「四半期レビューに関する実務指針」を改正した。

本改正は、2021年12月10日付けで公表された監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正を受けて、監査・保証実務委員会報告第83号「四半期レビューに関する実務指針」の適合修正を行っている。

★リンクはこちら⇒ 監査・保証実務委員会報告第83号「四半期レビューに関する実務指針」

2022年3月23日


法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」の改正

日本公認会計士協会(法規・制度委員会)は、2021年12月7日に開催された常務理事会の承認を受けて、「法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」の改正」を、同日付けで公表した。

法規・制度委員会研究報告第1号(以下「本研究報告」という。)は、2021年3月25日及び8月19日付けでそれぞれ改正を行っているが、今回の改正では、11月15日付けで改正された監査・保証実務委員会実務指針第92号「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」」(以下「専門実4400」という。)を受けて、所要の見直しを行っている。主な改正内容は、次のとおりである。

・専門実4400の改正に伴う対応
2022年1月1日以降に契約を締結する合意された手続業務に適用される専門実4400の改正を受けて、本研究報告の「Ⅴ 合意された手続業務契約書の作成例」を中心に見直しを行った。

<主な改正箇所>
・「Ⅴ 合意された手続業務契約書の作成例」及び様式を専門実4400の記載に合わせて修正
・様式13(業務依頼者との間の業務契約書(実施結果の利用者が「業務依頼者」のみの場合))及び様式14(業務依頼者との間の業務契約書(実施結果の利用者が「業務依頼者」と「その他の実施結果の利用者」の場合))を統合

本研究報告に示している各種様式は、契約締結に際して留意すべき事項や内容等について例示し、会員の業務の参考に資することを目的とするものである。そのため、利用に際しては、適宜、会員の判断により追加・削除されることを想定している点に留意すること。

なお、今回の改正に伴い、別途協会ウェブサイトに掲載している個別の監査契約書・監査約款の更新は予定していない。

また、本研究報告は、毎年3月付けで改正することが通常となっているが、現時点では2022年3月改正は予定していないので、留意すること。

★リンクはこちら⇒ 法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」

2022年3月17日


「監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2021年12月7日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正」を公表した。

今回の改正は、収益認識に関する会計基準(2018年3月30日)の公表及び金融商品に関する会計基準(2019年7月4日)等の改正に伴い、「《付録2 経営者確認書の記載例》 4.その他追加項目の確認事項(財務諸表監査全般に共通する事項)の記載例」の検討を行ったものである。

本報告書の検討に当たっては、2021年10月18日から2021年11月18日までの期間にわたり草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

なお、本改正により、財務諸表の作成に重要な影響を与える収益の認識や金融商品に関する確認事項の記載例を変更しており、経営者確認書の入手に当たっては、経営者に対して十分に説明することが経営者確認書の実効性の確保につながると考えている。

★監査基準委員会報告書580「経営者確認書」はこちら⇒ 監査基準委員会報告書580「経営者確認書」

★公開草案に対するコメントの概要及び対応はこちら⇒ 公開草案に対するコメントの概要及び対応

2022年3月15日


監査・保証実務委員会研究報告第25号「不適切な会計処理が発覚した場合の監査人の留意事項について」及び監査・保証実務委員会研究報告第28号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査上の留意事項について」の廃止について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2021年12月7日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査・保証実務委員会研究報告第25号「不適切な会計処理が発覚した場合の監査人の留意事項について」及び監査・保証実務委員会研究報告第28号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査上の留意事項について」を2021年12月31日付けで廃止することといたした。

★リンクはこちら⇒ 監査・保証実務委員会研究報告第25号「不適切な会計処理が発覚した場合の監査人の留意事項について」及び監査・保証実務委員会研究報告第28号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査上の留意事項について」の廃止について

2022年3月11日


「EDINETで提出する監査報告書の欄外記載について(お知らせ)」の公表

日本公認会計士協会(IT委員会)は、2021年11月19日付けで「EDINETで提出する監査報告書の欄外記載について(お知らせ)」を公表した。

IT委員会研究報告第44号「新EDINETの概要とXBRLデータに関する監査人の留意事項」(以下「IT研44号」という。)では、EDINETで提出する監査報告書において、監査報告書の原本に記載された事項を電子化した旨及びXBRLデータについては監査対象でない旨を欄外記載する場合の記載例を提供しているが、2021年5月に改正された公認会計士法の施行日(2021年9月1日)後においては、電磁的方法により電子署名を付した監査報告書を作成することが可能になることを踏まえ、監査報告書の作成方法が書面または電磁的方法のいずれにおいても利用可能な記載例を追加することを目的として、本お知らせの取りまとめを行っている。

なお、本お知らせにおいて新たに追加した記載例については、必ず使用しなければならないという性質のものではない。

例えば、書面により監査報告書を作成する場合においては、IT研44号において提供している記載例を引き続き使用することも考えられる。

★リンクはこちら⇒ 「EDINETで提出する監査報告書の欄外記載について(お知らせ)」

2022年3月10日


「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」及び監査・保証実務委員会研究報告第29号「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」に係るQ&A」」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2021年11月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」及び監査・保証実務委員会研究報告第29号「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」に係るQ&A」を公表した。

本実務指針の取りまとめに当たっては、専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」に関しては、2021年4月30日から6月30日までの間、監査・保証実務委員会研究報告第29号「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」に係るQ&A」に関しては、2021年10月1日から11月1日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

★専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」はこちら⇒ 専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」

★監査・保証実務委員会研究報告第29号「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」に係るQ&A」はこちら⇒ 監査・保証実務委員会研究報告第29号「専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」に係るQ&A」

★専門業務実務指針 4400「合意された手続業務に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら⇒ 専門業務実務指針 4400「合意された手続業務に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

★監査・保証実務委員会研究報告第 29 号「専門業務実務指針 4400「合意された手続業務に関する実務指針」に係るQ&A」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら⇒ 監査・保証実務委員会研究報告第 29 号「専門業務実務指針 4400「合意された手続業務に関する実務指針」に係るQ&A」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2022年3月9日


ゆうちょ銀行残高証明書請求に係る様式の変更について

2022年1月17日より、ゆうちょ銀行への残高証明書請求に係る手数料が変更された。

それに伴い、2017年5月26日付けで公表している「自主規制・業務本部審理ニュース[No.3]「ゆうちょ銀行への残高証明書請求について」」の「(別添1)貯金等残高証明請求書」及び「(別添2)振替口座残高証明請求書」の様式が変更されるので、留意すること。

判断の基準 2022年1月16日以前
旧料金
2022年1月17日以降
新料金
貯金等残高証明請求書の事務センター到着日
(貯金等残高証明書を取得する場合)
520円 1,100円
貯金等残高証明請求書の事務センター到着日
(振替国債記載事項証明書を取得する場合)
366円 1,100円
貯金等残高証明請求書の事務センター到着日
(投資信託残高証明書を取得する場合)
無料 1,100円
振替口座残高証明請求書の事務センター到着日 520円 1,100円

新様式は2022年1月17日以降使用すること。

なお、手数料(新料金)は、ゆうちょ銀行受付日を基準に適用される。

★リンクはこちら⇒ ゆうちょ銀行残高証明書請求に係る様式の変更について

2022年3月7日


「「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポート」の公表

日本公認会計士協会は、「監査上の主要な検討事項」の2021年3月期における記載事例分析について、青山学院大学大学院 蟹江 章教授と研究委託契約を締結し、同氏により組成された久留米大学 異島須賀子教授、北海道大学大学院 岡野泰樹准教授、北海道情報大学 松本紗矢子准教授、久留米大学 木下和也教授からなる分析チーム(以下「分析チーム」という。)により実施された分析結果についてこの度取りまとめを終えたため「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポート」(以下「分析レポート」という。)として公表した。

併せて当協会では、「監査上の主要な検討事項」の2021年3月期の監査人の対応について関係する会員向けアンケートを実施しており、その結果も公表した。

なお、このうち分析レポートにつきましては、日本公認会計士協会との研究委託契約上、著作権は蟹江氏にある。

また、分析レポートにおける解釈や意見に関する部分は、分析チームの見解であり、本研究委託元である日本公認会計士協会の公式見解ではない。

★「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポートはこちら⇒ 「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポート

★「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポート本文付録はこちら⇒ 「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポート本文付録

★「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポート別紙はこちら⇒ 「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポート別紙

★「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポートサマリーはこちら⇒ 「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポートサマリー

2022年3月3日


非営利法人委員会研究報告第42号「保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」の非営利法人への適用に関する研究報告」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2021年10月14日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第42号「保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」の非営利法人への適用に関する研究報告」を公表した。

非営利法人は、公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人、社会福祉法人、医療法人、労働組合、消費生活協同組合、農業協同組合及び特定非営利活動法人など様々な法人形態が存在し、一定規模以上の法人について財務諸表監査が制度化されている法人形態があり、想定利用者の財務諸表に対する信頼性を高めることに寄与している。

また、任意監査も幅広く利用されている。

一方、監査業務とは別に、財務諸表監査や任意監査を利用していない法人に対する公認会計士等の関与、費用対効果の観点等から、公認会計士等が幅広く関与する限定的保証業務としてのレビューを求めるニーズがある。

本研究報告は、当該ニーズに応えるため、保証実2400を非営利法人に適用する場合の留意点を整理し、会員の理解を支援するために作成した。

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会研究報告第42号「保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」の非営利法人への適用に関する研究報告」の公表

2022年2月25日


「「その他の記載内容」に関する監査人の作業内容及び範囲に関する留意事項」の公表

日本公認会計士協会は、「「その他の記載内容」に関する監査人の作業内容及び範囲に関する留意事項について」を2021年10月12日に公表した。

企業会計審議会は、2020年11月6日付けで「監査基準の改訂に関する意見書」を公表し、「その他の記載内容」に関する監査人の手続を明確にするとともに、監査報告書に必要な記載を求めることとした。

これを受け、日本公認会計士協会は、2021年1月14日に、監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」(以下「監基報720」という。)及び関連する他の監査基準委員会報告書の改正を公表している。

「その他の記載内容」を通読し、その他の記載内容と監査人が監査の過程で得た知識の間に重要な相違があるかどうかを検討する等、新たに改正後の監基報720 において求められる「その他の記載内容」への対応は法定監査又は任意監査にかかわらず求められており、監査人はそれぞれの監査業務における「その他の記載内容」の範囲、また「その他の記載内容」に対して監査人に求められる作業内容等を正しく理解した上で業務を実施する必要がある。

本留意事項は、改訂された監査基準及び監基報 720 に基づく監査業務を実施するに当たって理解が必要と思われる事項、特に「その他の記載内容」に対する監査人の作業内容及び「その他の記載内容」の範囲に関する論点について、会員の実務の参考に資するために、監査上留意すべき事項を提供するものである。

★リンクはこちら⇒ 「「その他の記載内容」に関する監査人の作業内容及び範囲に関する留意事項」の公表

2022年2月22日


「「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受けた監査基準委員会実務指針及び監査・保証実務委員会報告等の改正」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2021年9月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、2021年10月7日付けで「「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受けた監査基準委員会実務指針及び監査・保証実務委員会報告等の改正」を公表した。

本改正は、2021年5月19日に公布された「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正、2021年8月4日に公布された「公認会計士法施行規則」、「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」及び「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令」の改正を受けて、以下の公表物の適合修正を行っている。

  • 監査基準委員会実務指針第1号「保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第68号「監査人から引受事務幹事会社への書簡について」
  • 監査・保証実務委員会報告第82号「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」
  • 監査・保証実務委員会報告第83号「四半期レビューに関する実務指針」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第93号「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第97号「保証業務実務指針3402「受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第98号「保証業務実務指針3701「非パブリック型のブロックチェーンを活用した受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第99号「保証業務実務指針2430「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める被合併会社等の財務諸表等に対するレビュー業務に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第100号「保証業務実務指針2431「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める部門財務情報に対するレビュー業務に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第101号「保証業務実務指針3420「プロフォーマ財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会実務指針第102号「保証業務実務指針3700「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」」
  • 監査・保証実務委員会研究報告第34号「建設業及び受注制作のソフトウェア業における収益の認識に関する監査上の留意事項」

※なお、専門業務実務指針4400及び関連する合意された手続業務のその他の実務指針についても、順次、同様の適合修正を行う予定である。

★リンクはこちら⇒ 「「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受けた監査基準委員会実務指針及び監査・保証実務委員会報告等の改正」の公表

2022年2月18日


「令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しを受けた監査上の対応について(お知らせ)」の公表

日本公認会計士協会は、「令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しを受けた監査上の対応について(お知らせ)」を公表した。

本文書は、令和3年度税制改正における電子帳簿等保存制度見直しを受けて、監査に携わる会員各位に注意喚起を図ることを目的として公表するものである。

★リンクはこちら⇒ 「令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しを受けた監査上の対応について(お知らせ)」の公表

2022年2月14日


「学校法人委員会実務指針第36号「私立学校振興助成法に基づく監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」並びに「学校法人委員会研究報告第32号「施設型給付費を受ける幼稚園のみを設置する学校法人等の監査上の留意事項及び監査報告書の文例」の改正について」の公表

日本公認会計士協会(学校法人委員会)は、2021年9月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、「学校法人委員会実務指針第36号「私立学校振興助成法に基づく監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」及び「学校法人委員会研究報告第32号「施設型給付費を受ける幼稚園のみを設置する学校法人等の監査上の留意事項及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

今回の改正では、2020年11月6日付けで企業会計審議会から「監査基準の改訂に関する意見書」が公表され、関連する監査基準委員会報告書が改正されたことを踏まえて、監査報告書の「その他の記載内容」区分に関連する内容を中心に所要の見直しを行った。学校法人委員会実務指針第36号「私立学校振興助成法に基づく監査上の取扱い及び監査報告書の文例」(以下「実務指針第36号」という。)についてはその改正案を2021年4月に草案として公表している。

加えて、実務指針第36号の草案公表後に「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受け監査基準委員会報告書700等が改正されたため、併せて見直しを行っている。

実務指針第36号の公開草案からの主な変更点は以下のとおり。

  • 新設第26項について、「その他の記載内容」を通読した結果の追加的な対応に関する文章を変更
  • 監査報告書への押印の廃止による「印」の削除
  • 監査責任者の氏名の表示に関する(注)を追加

実務指針第36号の改正は、2022年3月31日をもって終了する事業年度に係る監査から適用される。

なお、前述のとおり、実務指針第36号の見直し及び検討に当たっては、2021年4月28日から同年6月30日までの間、草案を公開し、広く意見を求めました。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表しました。

★リンクはこちら⇒ 学校法人委員会実務指針第36号私立学校振興助成法に基づく監査上の取扱い及び監査報告書の文例

★リンクはこちら⇒ 学校法人委員会研究報告第32号施設型給付費を受ける幼稚園のみを設置する学校法人等の監査上の留意事項及び監査報告書の文例

★リンクはこちら⇒ 「学校法人委員会実務指針第36号「私立学校振興助成法に基づく監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2022年2月9日


法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」の改正

日本公認会計士協会(法規・制度委員会)は、2021年8月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、「法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」の改正」を、同日付けで公表した。

法規・制度委員会研究報告第1号(以下「本研究報告」という。)は、2021年3月25日付けで一度改正を行っているが、2021年9月1日に施行された改正公認会計士法において、監査報告書を電磁的方法で発行すること等が可能となったことから、今回は、以下を中心に改正を行った。

なお、今回の改正に伴い、別途協会ウェブサイトに掲載している個別の監査契約書・監査約款の更新は予定していない。

1.監査報告書等の電磁的方法による発行に関する対応

2021年年9月1日に公認会計士法が施行されたことから、従前までの改正法案を前提とした記載から、以下のとおり修正を行った。

<改正箇所>
・「Ⅲ 監査及び四半期レビュー契約書の作成例」「2.契約書の記載内容」「(5)報告書等」の説明書きの修正及び被監査会社から承諾を得るための同意書の文例を追加

2.無限責任監査法人の指定社員の通知に関する対応

無限責任監査法人の指定社員の通知に関して、改正公認会計士法では、被監査会社の承諾を得た場合に電磁的方法によることを可能とする旨の記載が盛り込まれたことから、以下のとおり修正を行った。

<改正箇所>

・「Ⅲ 監査及び四半期レビュー契約書の作成例」「2.契約書の記載内容」「(8)業務執行社員又は指定社員若しくは指定有限責任社員の通知」の説明書きの修正及び被監査会社の承諾を得た上で、同じ電子契約で指定社員の通知を行う場合の様式例を追加

本研究報告に示している各種様式は、契約締結に際して留意すべき事項や内容等について例示し、会員の業務の参考に資することを目的とするものである。

そのため、利用に際しては、適宜、会員の判断により追加・削除されることを想定している点に留意すること。

★リンクはこちら⇒ 法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」の改正

2022年2月7日


IT委員会研究報告第58号「リモートワークを俯瞰した論点・課題(提言)」 の公表

日本公認会計士協会(IT)は、IT委員会研究報告第58号「リモートワークを俯瞰した論点・課題(提言)」を公表した。

本研究報告は、「リモートワーク環境下における企業の業務及び決算・監査上の対応」の一環で2021年4月22日に公表した「リモートワークを俯瞰した論点・課題(提言)」について研究報告の形式で再度公表するものであり、公表物としての形式を変更しておりますが、内容に変更はない。

★リンクはこちら⇒ IT委員会研究報告第58号「リモートワークを俯瞰した論点・課題(提言)」 の公表

2022年2月3日


「非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2021年8月19日に開催された常務理事会の承認を受け、同日付けで「非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

今回の改正は、企業会計審議会から2020年11月6日付けで「監査基準の改訂に関する意見書」が公表されたことを受けた監査基準の改訂及びそれらに対応するために行われた監査基準委員会報告書の改正を受け、監査報告書の「その他の記載内容」区分に関連する内容を中心に所要の見直しを行うものであり、2021年4月に公開草案として公表した。

加えて、草案公表後に「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受け監査基準委員会報告書700等が改正されたため、併せて見直しを行っている。

<公開草案からの主な変更点>

  • 監査報告書への押印の廃止による「印」の削除
  • 監査責任者の氏名の表示に関する(注)を追加

本改正は、2022年3月31日以後終了する会計年度から適用される。
ただし、2021年3月31日以後終了する会計年度に係る監査から適用することができる。
また、2021年5月12日付けの公認会計士法の改正を踏まえた改正については、2021年9月1日以降に提出する監査報告書から適用される。

なお、前述の通り、本実務指針の取りまとめに当たっては、2021年4月22日から5月31日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要及び対応につきましては、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」に記載している。

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」

★リンクはこちら⇒ 「非営利法人委員会実務指針第 42 号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2022年1月18日


「非営利法人委員会実務指針第40号「社会福祉法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2021年8月19日に開催された常務理事会の承認を受け、同日付けで「非営利法人委員会実務指針第40号「社会福祉法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

今回の改正は、企業会計審議会から2020年11月6日付けで「監査基準の改訂に関する意見書」が公表されたことを受けた監査基準の改訂及びそれらに対応するために行われた監査基準委員会報告書の改正を受け、監査報告書の「その他の記載内容」区分に関連する内容を中心に所要の見直しを行うものであり、2021年4月に公開草案として公表した。

加えて、草案公表後に「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受け監査基準委員会報告書700等が改正されたため、併せて見直しを行っている。

<公開草案からの主な変更点>

  • 監査報告書への押印の廃止による「印」の削除
  • 監査責任者の氏名の表示に関する(注)を追加

本改正は、2022年3月31日以後終了する会計年度から適用される。

ただし、2021年3月31日以後終了する会計年度に係る監査から適用することができる。

また、2021年5月12日付けの公認会計士法の改正を踏まえた改正については、2021年9月1日以降に提出する監査報告書から適用される。

なお、前述の通り、本実務指針の取りまとめに当たっては、2021年4月22日から5月31日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 「非営利法人委員会実務指針第40号「社会福祉法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」の公表

2022年1月13日


「非営利法人委員会実務指針第39号「医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2021年8月19日に開催された常務理事会の承認を受け、同日付けで「非営利法人委員会実務指針第39号「医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

今回の改正は、企業会計審議会から2020年11月6日付けで「監査基準の改訂に関する意見書」が公表されたことを受けた監査基準の改訂及びそれらに対応するために行われた監査基準委員会報告書の改正を受け、監査報告書の「その他の記載内容」区分に関連する内容を中心に所要の見直しを行うものであり、2021年4月に公開草案として公表した。

加えて、草案公表後に「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受け監査基準委員会報告書700等が改正されたため、併せて見直しを行っている。
<公開草案からの主な変更点>

  • 監査報告書への押印の廃止による「印」の削除
  • 監査責任者の氏名の表示に関する(注)を追加

本改正は、2022年3月31日以後終了する会計年度から適用される。
ただし、2021年3月31日以後終了する会計年度に係る監査から適用することができる。

また、2021年5月12日付けの公認会計士法の改正を踏まえた改正については、2021年9月1日以降に提出する監査報告書から適用される。

なお、前述の通り、本実務指針の取りまとめに当たっては、2021年4月22日から5月31日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要及び対応につきましては、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」に記載している。

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会実務指針第 39 号『医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例』

★リンクはこちら⇒ 「非非営利法人委員会実務指針第 39 号「医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2022年1月11日


「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2021年8月19日に開催された常務理事会の承認を受け、同日付けで「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

今回の改正は、企業会計審議会から2020年11月6日付けで「監査基準の改訂に関する意見書」が公表されたことを受けた監査基準の改訂及びそれらに対応するために行われた監査基準委員会報告書の改正を受け、監査報告書の「その他の記載内容」区分に関連する内容を中心に所要の見直しを行うものであり、2021年4月に公開草案として公表した。

加えて、草案公表後に「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正を受け監査基準委員会報告書700等が改正されたため、併せて見直しを行っている。

<公開草案からの主な変更点>
・監査報告書への押印の廃止による「印」の削除
・監査責任者の氏名の表示に関する(注)を追加

本改正は、2022年3月31日以後終了する会計年度から適用される。

ただし、2021年3月31日以後終了する会計年度に係る監査から適用することができる。

また、2021年5月12日付けの公認会計士法の改正を踏まえた改正については、2021年9月1日以降に提出する監査報告書から適用される。

なお、前述の通り、本実務指針の取りまとめに当たっては、2021年4月22日から5月31日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」の公表

2022年1月5日


「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正等を受けた監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」及び監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」の改正

日本公認会計士協会は、2021年5月19日に公布された「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」における公認会計士法の改正並びに2021年8月4日に公布された「公認会計士法施行規則」、「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」及び「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令」の改正を受けて、2021年8月19日付けで以下を公表した。

  • 監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」の改正
  • 監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」の改正

本改正は、2021年9月1日から適用された。

なお、本改正の取りまとめに当たっては、2021年7月26日から2021年8月9日までの間、草案を公表し、広く意見募集を行った。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」文例14の連結計算書類(会社計算規則第120条第1項後段の規定により指定国際会計基準又は同規則第120条の2第3項において準用する同規則第120条第1項後段の規定により修正国際基準で求められる開示項目の一部を省略して連結計算書類が作成されている場合)に対する監査報告書については、2021年12月31日以後終了する連結会計年度に係る監査報告書から適用される。

★監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」

★監査・保証実務委員会実務指針第 85 号「監査報告書の文例」はこちら ⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第 85 号「監査報告書の文例」

★監査基準委員会報告書 700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」の公開草案に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 監査基準委員会報告書 700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

★監査・保証実務委員会実務指針第 85 号「監査報告書の文例」の改正(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてこちら ⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第 85 号「監査報告書の文例」の改正(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

★適合修正の対象となる監査基準委員会報告書はこちら ⇒ 適合修正の対象となる監査基準委員会報告書

2021年12月22日


「監査・保証実務委員会研究報告第35号「事業報告等と有価証券報告書の一体開示に含まれる財務諸表に対する監査報告書に関する研究報告」」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2021年8月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査・保証実務委員会研究報告第35号「事業報告等と有価証券報告書の一体開示に含まれる財務諸表に対する監査報告書に関する研究報告」」を公表した。

本研究報告の取りまとめに当たっては、2021年1月18日から2月1日までの間及び同年6月8日から6月29日の間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

★監査・保証実務委員会研究報告第35号「事業報告等と有価証券報告書の一体開示に含まれる財務諸表に対する監査報告書に関する研究報告」はこちら ⇒ 監査・保証実務委員会研究報告第35号「事業報告等と有価証券報告書の一体開示に含まれる財務諸表に対する監査報告書に関する研究報告」

★監査・保証実務委員会実務指針「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 監査・保証実務委員会研究報告「事業報告等と有価証券報告書の一体開示に含まれる財務諸表に対する監査報告書に関する研究報告」(公開草案)及び同研究報告(再公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2021年12月20日


「監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2021年8月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」」を公表した。

本実務指針の取りまとめに当たっては、2021年4月22日から6月22日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

なお、適用に当たっては、以下に留意すること。
1.本実務指針は、2022 年1月1日以後に監査報告書を発行する訂正後の財務諸表に対する監査に適用されます。ただし、2021年12月31日以前に監査契約が締結された訂正後の財務諸表に対する監査においては、本実務指針を適用しないことができる。

2.2021年8月19日付けの監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」(以下「改正第85号実務指針」という。)で は、文例35「事後判明事実により訂正報告書を提出する場合」が改正され、2021年9月1日以後に提出する監査報告書から適用される。
そのため、本実務指針適用前の訂正後の財務諸表に対して監査報告書を発行する場合であっても、改正第85号実務指針の適用後においては、同文例35に従って、本実務指針付録7の記載例に示された追加情報と同内容の文言を記載した監査報告書の文例を適用することになる。

本実務指針の概要については、別紙の参考資料を参照のこと。

★監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」はこちら ⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」

★監査・保証実務委員会実務指針「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 監査・保証実務委員会実務指針「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

★監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」の概要はこちら ⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第103号「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査に関する実務指針」の概要

2021年12月17日


公認会計士法改正に伴う「監査報告書の電磁的方法による発行のための承諾に関する同意書」の文例の公表

2021年5月に可決した「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)」により、公認会計士法が改正され、2021年9月1日より施行された。

改正後の公認会計士法では、公認会計士及び監査法人による監査証明を、従前までの書面に代えて電磁的方法で行うことが可能となっている。

改正後の公認会計士法に基づき監査証明を電磁的方法で行うには、あらかじめ被監査会社の承諾が必要となっている(法第34条の12第3項(監査法人が対象の条項)、法第25条第3項(公認会計士が対象の条項))。

被監査会社の承諾を得るに当たって、電磁的方法の種類及び内容を示す必要があり、2021年9月1日の施行日に間に合うよう多少の時間的余裕が必要であることから、法規・制度委員会では、被監査会社に対する「監査報告書の電磁的方法による発行のための承諾に関する同意書」の文例を作成した。

★リンクはこちら ⇒ 公認会計士法改正に伴う「監査報告書の電磁的方法による発行のための承諾に関する同意書」の文例の公表

2021年12月8日


国際品質マネジメント基準等の概要の翻訳の公表

国際監査・保証基準審議会(IAASB)から2020年12月17日に公表された下記の基準の概要の翻訳を公表した。

  • ISQM1の概要(原題:INTRODUCTION TO ISQM1)
  • ISQM2の概要(原題:INTRODUCTION TO ISQM2)
  • ISA220(改訂)の概要(原題:INTRODUCTION TO ISA 220 (REVISED)

原文は、IAASBウェブサイトを参照のこと。

国際品質マネジメント基準等本体の翻訳は、「国際品質マネジメント基準等の翻訳の公表について」ご参照のこと。

なお、本文書は原文の翻訳であり、我が国の監査基準委員会報告書等とは異なる点に留意すること。

★ISQM1の概要(原題:INTRODUCTION TO ISQM1)はこちら ⇒ ISQM1の概要(原題:INTRODUCTION TO ISQM1)

★ISQM2の概要(原題:INTRODUCTION TO ISQM2)はこちら ⇒ ISQM2の概要(原題:INTRODUCTION TO ISQM2)

★ISA220(改訂)の概要(原題:INTRODUCTION TO ISA 220 (REVISED)はこちら ⇒ ISA220(改訂)の概要(原題:INTRODUCTION TO ISA 220 (REVISED)

2021年12月7日


IT委員会研究報告第56号「リモートワークに伴う業務プロセス・内部統制の変化への対応(提言)」の公表

日本公認会計士協会(IT委員会)は、2021年7月20日に開催された常務理事会の承認を受けて、IT委員会研究報告第56号「リモートワークに伴う業務プロセス・内部統制の変化への対応(提言)」を2021年7月30日付けで公表した。

本研究報告は、リモートワークの導入・進展によって企業の業務プロセス及び内部統制並びに監査人による監査に生じる変化に伴う主要な課題を識別し、公認会計士等に対してその対応の方向性を示すことを目的として取りまとめたものである。

★リンクはこちら ⇒ IT委員会研究報告第56号「リモートワークに伴う業務プロセス・内部統制の変化への対応(提言)」の公表

2021年12月3日


経営研究調査会研究資料第8号「上場会社等における会計不正の動向(2021年版)」の公表

日本公認会計士協会(経営研究調査会)は、2021年7月29日付けで経営研究調査会研究資料第8号「上場会社等における会計不正の動向(2021年版)」を公表した。

本研究資料は、近年の会計不正の動向を適時にお知らせするため、上場会社及びその関係会社が公表した会計不正を集計し、取りまとめたものである。

2018年6月26日付けの同5号「上場会社等における会計不正の動向」から公表をはじめ、今回は、2020年7月15日付けで公表した同7号「上場会社等における会計不正の動向(2020年版)」に続く更新版となる。

★リンクはこちら ⇒ 経営研究調査会研究資料第8号「上場会社等における会計不正の動向(2021年版)」の公表

2021年12月2日


中小事務所等施策調査会研究報告第5号「四半期報告書に関する表示のチェックリスト」の改正

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、2021年7月20日に開催された常務理事会の承認を受けて、「中小事務所等施策調査会研究報告第5号「四半期報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について」を公表した。

本研究報告は、中小規模の監査事務所が、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく財務計算に関する書類の四半期レビューにおいて、四半期報告書に関する表示の確認を実施する際の参考に資するため、チェックリストの形式で取りまとめたものである。

なお、法令等の改正による改正箇所については網掛けをして明示している。

(注)
従来、指定国際会計基準に従って四半期連結財務諸表等を作成する場合における「企業内容の開示に関する内閣府令」等の規定内容についてはチェックリストに含めていなかったが、今回の改正で追加している。

なお、法令等の改正による改正箇所ではないため、網掛けは付していない。

本研究報告は、チェックリストの一例を示したものであるため、被監査会社の四半期報告書の表示を確認する際には、それぞれの実情に即して、加除修正等の検討を行う必要がある。

また、2021年6月30日時点で施行されている法令や会計基準等に基づいて作成しているため、法令や会計基準等の改正が実施された場合には、その改正事項を考慮した上で使用する必要があることを申し添える。

★リンクはこちら ⇒ 中小事務所等施策調査会研究報告第5号「四半期報告書に関する表示のチェックリスト」の改正(ログインが必要)

2021年11月30日


監査基準委員会報告書810「要約財務諸表に関する報告業務」の改正

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2021年6月10日の常務理事会の承認を受け、同日付けで「監査基準委員会報告書810「要約財務諸表に関する報告業務」の改正を公表した。

今回の改正は2018年7月5日付け及び2020年11月7日付けの監査基準の改訂並びに監査報告に関する国際監査基準(ISA)の改訂を受けた監査基準委員会報告書700、同701、同705、同706、同720の改正に対応したものである。

本報告書については、2021年4月14日から5月14日までの期間にわたり草案を公開し、広く意見を求めたが、特段意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら ⇒ 監査基準委員会報告書810「要約財務諸表に関する報告業務」の改正

2021年11月29日


「監査提言集(2021年7月1日)」の公表

日本公認会計士協会では、監査提言集の一部を一般に公表しているが、このたび2021年版を公表した。

個人的には、一部ではなく、全部で良いのではないかと考えている。

★リンクはこちら ⇒ 「監査提言集(2021年7月1日)」の公表

2021年11月19日


監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の改正

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2021年6月10日の常務理事会の承認を受けて、2021年6月25日付けで監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の改正を公表した。

今回の主な改正内容は、監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正に伴う、監査報告書におけるその他の記載内容についての解説及び証券発行に関する文書におけるその他の記載内容の適用範囲についてのQ&Aの追加である。

本研究報告については、2020年10月21日から11月24日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているので参照すること。

★監査報告書に係るQ&Aはこちら ⇒ 監査報告書に係るQ&A

★監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の公開草案に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

2021年11月18日


「2020年度 品質管理レビューの概要」等の公表

日本公認会計士協会は、自主規制の重要な取組の一つである品質管理レビュー制度について、制度の概要や2020年度の運用状況を取りまとめた「2020年度品質管理レビューの概要」及び「2020年度品質管理レビューの概要(資料編)」、品質管理レビューを通じて発見された改善勧告事項等を基に事例を取りまとめた「2020年度品質管理レビュー事例解説集」並びに品質管理レビューや上場会社監査事務所登録制度等を詳細に説明した「品質管理レビュー制度等の解説」を公表した。

なお、「品質管理レビュー制度等の解説」の公表に伴い、「品質管理レビュー制度Q&A」は廃止となった。

★「2020年度 品質管理レビューの概要」(本編)はこちら ⇒ 「2020年度 品質管理レビューの概要」(本編)

「2020年度 品質管理レビューの概要」(資料編)はこちら ⇒ 「2020年度 品質管理レビューの概要」(資料編)

★2020年度 品質管理レビュー事例解説集はこちら ⇒ 2020年度 品質管理レビュー事例解説集

★品質管理レビュー制度等の解説はこちら ⇒ 品質管理レビュー制度等の解説

2021年11月17日


監査基準委員会報告書(序)「監査基準委員会報告書の体系及び用語」の改正及び 「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)では、2021年6月8日付けで監査基準委員会報告書(序)「監査基準委員会報告書の体系及び用語」の改正を公表した。

本改正は、2016年1月以降に新設又は改正された監査基準委員会報告書等の内容について反映すべく所要の見直しを行うものである。

本改正では、主に下記の監査基準委員会報告書における「定義」に含まれる用語及び監査基準委員会報告書等の「定義」以外に報告書の理解を促進するために必要と考えられる用語の追加・修正等を行っている。

  • 監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」(最終改正 2021年1月14日)
  • 監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」(公表 2019年2月27日、改正 2021年1月14日)
  • 監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」(最終改正 2021年1月14日)
  • 監査基準委員会報告書315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」(最終改正 2021年6月8日)

本改正の検討に当たっては、2021年3月1日から4月1日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているので参照すること。

★監査基準委員会報告書(序)「監査基準委員会報告書の体系及び用語」の改正はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書(序)「監査基準委員会報告書の体系及び用語」の改正

★「公開草案に対するコメントの概要及び対応」はこちら ⇒ 「公開草案に対するコメントの概要及び対応」

2021年10月28日


監査基準委員会報告書315「企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示リスクの識別と評価」の改正に伴う監査基準委員会報告書の適合修正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)では、2021年6月8日付けで、監査基準委員会報告書315「企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示リスクの識別と評価」の改正を公表した。
https://jicpa.or.jp/specialized_field/20210609fac.html

上記の監査基準委員会報告書の改正により、適合修正の対象として以下の監査基準委員会報告書を改正しているので、各監査基準委員会報告書の新旧対照表及び改正後本文については、本ページより参照のこと。

■適合修正の対象となる監査基準委員会報告書の一覧
①監査基準委員会報告書200「財務諸表監査における総括的な目的」
②監査基準委員会報告書210「監査業務の契約条件の合意」
③監査基準委員会報告書230「監査調書」
④監査基準委員会報告書240「財務諸表監査における不正」
⑤監査基準委員会報告書250「財務諸表監査における法令の検討」
⑥監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」
⑦監査基準委員会報告書265「内部統制の不備に関するコミュニケーション」
⑧監査基準委員会報告書300「監査計画」
⑨監査基準委員会報告書330「評価したリスクに対応する監査人の手続」
⑩監査基準委員会報告書402「業務を委託している企業の監査上の考慮事項」
⑪監査基準委員会報告書500「監査証拠」
⑫監査基準委員会報告書501「特定項目の監査証拠」
⑬監査基準委員会報告書505「確認」
⑭監査基準委員会報告書530「監査サンプリング」
⑮監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」
⑯監査基準委員会報告書550「関連当事者」
⑰監査基準委員会報告書600「グループ監査」
⑱監査基準委員会報告書610「内部監査人の作業の利用」
⑲監査基準委員会報告書620「専門家の業務の利用」
⑳監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」
㉑監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」

なお、監査基準委員会では、今般の監査基準委員会報告書315の改正と並行して、一連の監査基準委員会報告書について字句修正を行っており、これらのうち上記①~㉑に含まれる監査基準委員会報告書の字句修正については、今般の監査基準委員会報告書315の改正に伴う適合修正の新旧対照表及び改正後本文に含めているので、留意すること(字句修正に該当する部分については、新旧対照表上グレーの網かけで表示している。)。

★リンクはこちら ⇒ 監査基準委員会報告書315「企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示リスクの識別と評価」の改正に伴う監査基準委員会報告書の適合修正について

2021年10月26日


監査基準委員会報告書315「企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示リスクの識別と評価」及び関連する監査基準委員会報告書の改正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)では、2021年6月8日付けで、監査基準委員会報告書315「企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示リスクの識別と評価」及び関連する監査基準委員会報告書の改正を公表した。

今回の改正は、2019年12月に国際監査・保証基準審議会(IAASB)から公表されたISA315(Revised 2019)及び2020年11月に公表された監査基準の改訂に対応させるものである。

本報告書の検討に当たっては、2021年2月26日から2021年3月26日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているので参照すること。

なお、改正後の本報告書(監査基準委員会報告書315)の概要については、別添の参考資料を参照すること。
■適合修正の対象となる監査基準委員会報告書の一覧
①監査基準委員会報告書200「財務諸表監査における総括的な目的」
②監査基準委員会報告書210「監査業務の契約条件の合意」
③監査基準委員会報告書230「監査調書」
④監査基準委員会報告書240「財務諸表監査における不正」
⑤監査基準委員会報告書250「財務諸表監査における法令の検討」
⑥監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」
⑦監査基準委員会報告書265「内部統制の不備に関するコミュニケーション」
⑧監査基準委員会報告書300「監査計画」
⑨監査基準委員会報告書330「評価したリスクに対応する監査人の手続」
⑩監査基準委員会報告書402「業務を委託している企業の監査上の考慮事項」
⑪監査基準委員会報告書500「監査証拠」
⑫監査基準委員会報告書501「特定項目の監査証拠」
⑬監査基準委員会報告書505「確認」
⑭監査基準委員会報告書530「監査サンプリング」
⑮監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」
⑯監査基準委員会報告書550「関連当事者」
⑰監査基準委員会報告書600「グループ監査」
⑱監査基準委員会報告書610「内部監査人の作業の利用」
⑲監査基準委員会報告書620「専門家の業務の利用」
⑳監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」
㉑監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」

■適合修正の対象となる監査基準委員会報告書の新旧対照表及び改正後本文について
適合修正の対象となる上記の監査基準委員会報告書の新旧対照表及び改正後本文については、以下に掲載しているので参照すること。
https://jicpa.or.jp/specialized_field/20210609fjh.html

★監査基準委員会報告書315改正後本文はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書315改正後本文

★参考資料(コメント対応表)はこちら ⇒ 参考資料(コメント対応表)

★参考資料(監査基準委員会報告書315の概要資料)はこちら ⇒ 参考資料(監査基準委員会報告書315の概要資料)

★参考資料(ISA315と監査基準委員会報告書315の比較資料)はこちら ⇒ 参考資料(ISA315と監査基準委員会報告書315の比較資料)

2021年10月25日


「保証業務実務指針3420「プロフォーマ財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」及び同3700「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」」の公表及び関連する保証業務実務指針の改正について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)では、2021年4月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、「保証業務実務指針3420「プロフォーマ財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」及び同3700「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」」の公表及び関連する保証業務実務指針を改正した。

本実務指針は、保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」(2017年12月19日)等の公表に伴い、東京証券取引所意見表明業務に関する従来の監査・保証実務委員会研究報告第17号「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報に関する書類に対する公認会計士又は監査法人の報告業務について(中間報告)」に代わる実務指針の検討を行ったものである。

したがって、2021年6月10日付けで、監保研第17号は廃止した。

本実務指針等の取りまとめに当たっては、保証業務実務指針3420に関しては、2021年1月29日から3月1日までの間、保証業務実務指針3700に関しては、2021年3月2日から4月2日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要及び対応については、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」に記載している。

また、本実務指針の公表と併せて、東京証券取引所(https://www.jpx.co.jp/)の有価証券上場施行規則の改正が6月11日付けで行われている。

なお、本実務指針に関しては、2022年4月に設けられる東京証券取引所の新市場区分ではなく、現行の市場区分に基づいて作成しているので、留意すること。

本件に関連して、適合修正の対象となる保証業務実務指針については、以下のとおり。
・保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」
※これに関連する保証業務に関連するその他の実務指針については、順次適合修正を行う予定だが、改正までは従前の各実務指針を適用すること。

★「プロフォーマ財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」はこちら ⇒ 「プロフォーマ財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」

★「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」はこちら ⇒ 「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」

★「監査・保証実務委員会実務指針3700「監査・保証実務委員会実務指針「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 「監査・保証実務委員会実務指針3700「監査・保証実務委員会実務指針「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める結合財務情報の作成に係る保証業務に関する実務指針」」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

★監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針はこちら ⇒ 監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針

2021年10月22日


「保証業務実務指針2430「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める被合併会社等の財務諸表等に対するレビュー業務に関する実務指針」及び同2431「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める部門財務情報に対するレビュー業務に関する実務指針」」の公表及び関連する保証業務実務指針の改正について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)では、2021年3月25日に開催された常務理事会の承認を受けて、「保証業務実務指針2430「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める被合併会社等の財務諸表等に対するレビュー業務に関する実務指針」及び同2431「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める部門財務情報に対するレビュー業務に関する実務指針」」の公表及び関連する保証業務実務指針を改正した。

本実務指針は、保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」(2016年1月26日)等の公表に伴い、東証意見表明業務に関する従来の監査・保証実務委員会研究報告第12号「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める被合併会社等の財務諸表等に対する意見表明業務(中間報告)」及び同第14号「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める部門財務情報に対する意見表明業務(中間報告)」に代わる実務指針の検討を行ったものである。

したがって、2021年6月10日付けで、監保研第12号及び同第14号は廃止した。

本実務指針等の取りまとめに当たっては、2021年1月22日から2月22日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、意見は寄せられなかった。

また、本実務指針の公表と併せて、東京証券取引所(https://www.jpx.co.jp/)の有価証券上場施行規則の改正が6月11日付けで行われている。

なお、本実務指針に関しては、2022年4月に設けられる東京証券取引所の新市場区分ではなく、現行の市場区分に基づいて作成しているので、留意すること。

本件に関連して、適合修正の対象となる保証業務実務指針については、以下のとおり。
・保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」
※これに関連するレビュー業務に関連するその他の実務指針については、順次適合修正を行う予定だが、改正までは従前の各実務指針を適用すること。

★本文(2430)はこちら ⇒ 「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める被合併会社等の財務諸表等に対するレビュー業務に関する実務指針」

★本文(2431)はこちら ⇒ 「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める部門財務情報に対するレビュー業務に関する実務指針」

★本文(2400)はこちら ⇒ 財務諸表のレビュー業務

2021年10月21日


監査契約書及び任意監査契約書の様式の更新について

法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」を2021年3月25日付けで改正したことに伴い、以下の監査契約書及び任意監査契約書の様式を更新した。

1.監査契約書
(1)個人用
・会社法監査単独
・会社法監査・金融商品取引法監査(内部統制監査及び四半期レビューを受ける会社用)
・会社法監査・金融商品取引法監査(四半期報告書の提出を選択しない会社用)
(2)監査法人用
・会社法監査単独
・会社法監査・金融商品取引法監査(内部統制監査及び四半期レビューを受ける会社用)
・会社法監査・金融商品取引法監査(四半期報告書の提出を選択しない会社用)
・国際会計基準(IFRS)任意適用会社の監査及び四半期レビュー(連結計算書類について会社計算規則第120条第1項後段による開示一部省略、四半期連結財務諸表について国際会計基準第34号「期中財務報告」第8項による要約を行う場合)
・臨時計算書類監査

2.任意監査契約書
(1)会社法の規定に準じた監査
(2)その他の任意監査 適正表示の枠組み
(3)その他の任意監査 準拠性の枠組み

※各監査契約書及び任意監査契約書の様式は、日本公認会計士協会ウェブサイト内「各種様式ダウンロード」からダウンロードできる。

★リンクはこちら ⇒ 監査契約書及び任意監査契約書の様式の更新について

2021年10月15日


監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)では、2021年5月13日の常務理事会の承認を受けて、同日付けで「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について」を公表した。

本研究報告につきましては、2021年3月30日から4月30日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているので参照すること。

今回の改正における主な改正点は以下のとおり。

・監査基準委員会報告書610「内部監査人の作業の利用」改正に伴う見直し(2022年3月期から適用)
監査基準委員会報告書610の改正により、従来より我が国では禁止されている内部監査人による監査人の直接補助(ダイレクトアシスタンス)について、海外の構成単位の監査においても内部監査人が構成単位の監査人を直接補助することがないようにするため、本文第29項及び様式2-5等について見直しを行っている。

・監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」改正に伴う見直し(2022年3月期から適用、2021年3月期から早期適用可)
監査基準委員会報告書720の改正により、その他の記載内容について監査人に求められる対応について本文第50項及び様式9-1、10等について見直しを行っている。

なお、2020年改正からの修正履歴付きの本文(《Ⅰ本研究報告の適用範囲》及び《Ⅱ主要な概念》)並びに赤字で変更箇所を示した様式(《Ⅳ調書様式例》)も掲載している。

★コメント対応表はこちら ⇒ コメント対応表

★本文(修正履歴付き)はこちら ⇒ 本文(修正履歴付き)

★様式(修正履歴付き)はこちら ⇒ 様式(修正履歴付き)

★本文はこちら ⇒ 本文

★解説はこちら ⇒ 解説

★様式はこちら ⇒ 様式

2021年10月13日


法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」の改正

日本公認会計士協会(法規・制度委員会)は、2021年3月25日に開催された常務理事会の承認を受けて、「法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」の改正」を同日付けで公表した。

なお、本年1月召集の第204回通常国会に提出されている「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案」を構成する公認会計士法において、監査報告書の電子署名が盛り込まれているが、その詳細については、今後の法案成立及び施行規則等の公布を待つ必要があることから、本年中に関係する箇所を再度改正する予定である。

今回2021年3月25日付けで改正する本研究報告では、前回公表時から、主に以下の改正を行った。

1.監査基準委員会報告書720の改正に伴う対応
2020年11月の監査基準改訂により、監査基準委員会報告書720「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」(改正後の名称:監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」)が2021年1月14日付けで改正された。これにより、監査意見を表明しない場合を除き、監査報告書にその他の記載内容に関する報告を行うことが求められたことから、該当する監査約款の見直しを行った。

<改正箇所>
・監査約款(様式1~様式11)

2.リモートワークの定着化を考慮した対応
リモートワークの定着化によって、各種契約書をはじめとした脱押印が求められていることから、電子契約にも考慮した文言の見直しを行った。

<改正箇所>
・「Ⅱ契約書作成に関する概括的内容」の説明書きの修正
・各種監査契約書様式の修正(「印」の削除や監査業務の従事場所等に関する記載の削除など)

3.無限責任監査法人の指定社員の通知
現在通常国会で審議中の公認会計士法の改正法案において、無限責任監査法人の指定社員の通知に関し、被監査会社の承諾を得た場合に電磁的方法によることを可能とする旨の記載が盛り込まれていることから、当該部分を追記した。

<改正箇所>
・「Ⅲ監査及び四半期レビュー契約書の作成例」「2.契約書の記載内容」の「(8)業務執行社員又は指定社員若しくは指定有限責任社員の通知」に関して、被監査会社の承諾を得た場合に電磁的方法により通知することが可能となる旨を追記

4.監査手法・監査ツールの開発や改良に際して秘密情報を利用する場合を想定した監査約款の「守秘義務」規定の見直し
監査法人(受嘱者)がAI・デジタル技術を活用した監査手法・監査ツールを利用する場合、当該監査手法・監査ツールの開発や改良に際して被監査会社(委嘱者)の秘密情報を利用することがある。

例えば、監査業務の実施過程で入手した総勘定元帳・仕訳データ等のデータを受嘱者が開発する監査ツールに入力し、AIによる機械学習をさせる場合等が想定される。

そこで、このような監査手法・監査ツールの開発・改良を目的として入手した秘密情報の利用目的を明確化するために、監査約款第9条「守秘義務」の記載例を例示した。

<改正箇所>
・「Ⅲ監査及び四半期レビュー契約書の作成例」「2.契約書の記載内容」の「(13)守秘義務その他受領情報の取扱い」に、新たに⑧として記載例を追記した(※監査約款には追記せず、飽くまで任意で追記する場合のみの記載例にとどめている。)。

本研究報告に示している各種様式は、契約締結に際して留意すべき事項や内容等について例示し、会員の業務の参考に資することを目的とするものである。

そのため、利用に際しては、適宜、会員の判断により追加・削除されることを想定している点に留意すること。

★リンクはこちら ⇒ 法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」の改正

2021年6月25日


リモートワークを俯瞰した論点・課題(提言)

日本公認会計士協会は、リモートワーク環境下における決算・監査上の対応として、リモートワークを俯瞰した論点・課題(提言)について取りまとめ、公表した。

★リンクはこちら ⇒ リモートワークを俯瞰した論点・課題(提言)

2021年6月14日


監査・保証実務委員会実務指針第91号「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱い」の廃止について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2021年3月25日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査・保証実務委員会実務指針第91号「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱い」を同年3月31日付けで廃止することとした。

ただし、2021年4月1日前に開始する連結会計年度及び事業年度の連結財務諸表及び個別財務諸表については、従前のとおり本実務指針を適用する。

★リンクはこちら ⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第91号「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱い」の廃止について

2021年6月10日


「監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」及び関連する監査・保証実務委員会報告」の改正について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2021年3月25日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」及び関連する監査・保証実務委員会報告の改正について」を公表した。

今回の改正は、企業会計審議会「監査基準の改訂に関する意見書」(2020年11月6日)及び「監査基準委員会報告書720「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正(改正後の名称:監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」)及び関連する監査基準委員会報告書の改正について」(2021年1月14日)等の公表に伴い、関連する実務指針等の検討を行ったものである。

本実務指針等の取りまとめに当たっては、2021年1月19日から2月19日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら ⇒ 「監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」及び関連する監査・保証実務委員会報告」の改正について

2021年6月3日


「コロナ対応下の監査業務(2020年3月期)に対する自主規制対応 新型コロナウイルス感染症に関連した監査上の対応状況についての調査報告書」の公表について

日本公認会計士協会は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策の影響下においても、監査人が十分かつ適切な監査証拠が入手できるよう、2020年3月以降「新型コロナウイルス感染症に関する監査上の留意事項」を順次公表し、周知を図ってきた。

これを踏まえ、自主規制本部では、上場会社監査事務所名簿に登録されている監査事務所を対象として、2020年3月期における監査が適切に行われていることを確認するため、新型コロナウイルス感染症に関連した監査上の対応の状況について調査を実施し、調査結果について取りまとめた。

このたび、調査結果の取りまとめが完了し、その概要を公表した。

★リンクはこちら ⇒ 「コロナ対応下の監査業務(2020年3月期)に対する自主規制対応 新型コロナウイルス感染症に関連した監査上の対応状況についての調査報告書」の公表について

2021年5月31日


監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」及び 監査基準委員会報告書720「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正に伴う適合修正対象の監査基準委員会報告書改正後本文について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2021年1月14日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」及び監査基準委員会報告書720「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正を、2021年2月12日にそれぞれ公表している。

上記2つの監査基準委員会報告書の改正により、適合修正の対象として以下の監査基準委員会報告書が改正されたので、各報告書の改正後本文については、以下を参照のこと。

■監査基準委員会報告書540及び720改正に伴う適合修正対象の監査基準委員会報告書改正後本文について

  • 監査基準委員会報告書200「財務諸表監査における総括的な目的」
  • 監査基準委員会報告書210「監査業務の契約条件の合意」
  • 監査基準委員会報告書230「監査調書」
  • 監査基準委員会報告書240「財務諸表監査における不正」
  • 監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」
  • 監査基準委員会報告書450「監査の過程で識別した虚偽表示の評価」
  • 監査基準委員会報告書500「監査証拠」
  • 監査基準委員会報告書510「初年度監査の期首残高」
  • 監査基準委員会報告書560「後発事象」
  • 監査基準委員会報告書570「継続企業」
  • 監査基準委員会報告書580「経営者確認書」
  • 監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」
  • 監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」
  • 監査基準委員会報告書705「独立監査人の監査報告書における除外事項付意見」
  • 監査基準委員会報告書706「独立監査人の監査報告書における強調事項区分とその他の事項区分」
  • 監査基準委員会報告書710「過年度の比較情報-対応数値と比較財務諸表」
  • 監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」
  • 監査基準委員会報告書805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」
  • 監査基準委員会報告書910「中間監査」

★リンクはこちら ⇒ 監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」及び 監査基準委員会報告書720「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正に伴う適合修正対象の監査基準委員会報告書改正後本文について

2021年4月22日


監査基準委員会報告書720「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」の改正(改正後の名称:監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」)及び関連する監査基準委員会報告書の改正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2021年1月14日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査基準委員会報告書720「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」(改正後の名称:監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」)及び関連する監査基準委員会報告書の改正を公表した。

今回の改正は、企業会計審議会から2020年11月に公表された監査基準の改訂内容を反映させるものであり、主な改正点は以下のとおり。

また、改正後の本報告書(監査基準委員会報告書720)の概要については、リンクを参照のこと。

■本報告書の主な改正点

  • その他の記載内容と監査人が監査の過程で得た知識の間に重要な相違があるかどうかを検討することが求められることとなった。
  • 財務諸表又は監査人が監査の過程で得た知識に関連しないその他の記載内容について、重要な誤り(適切な理解のための必要な情報の省略や曖昧にしている場合を含む。)があると思われる兆候に注意を払うことが求められることとなった。
  • 監査報告書に、(監査意見を表明しない場合を除き)見出しを付した独立した区分を常に設け、その他の記載内容に関する報告を行う。その他の記載内容に関する経営者、監査役等及び監査人の責任や、監査人の作業の結果等が記載されることとなった。

■適合修正の対象となる監査基準委員会報告書の一覧

  • 監査基準委員会報告書210「監査業務の契約条件の合意」
  • 監査基準委員会報告書230「監査調書」
  • 監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」
  • 監査基準委員会報告書450「監査の過程で識別した虚偽表示の評価」
  • 監査基準委員会報告書500「監査証拠」
  • 監査基準委員会報告書510「初年度監査の期首残高」
  • 監査基準委員会報告書560「後発事象」
  • 監査基準委員会報告書570「継続企業」
  • 監査基準委員会報告書580「経営者確認書」
  • 監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」
  • 監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」
  • 監査基準委員会報告書705「独立監査人の監査報告書における除外事項付意見」
  • 監査基準委員会報告書706「独立監査人の監査報告書における強調事項区分とその他の事項区分」
  • 監査基準委員会報告書710「過年度の比較情報-対応数値と比較財務諸表」
  • 監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」
  • 監査基準委員会報告書805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」
  • 監査基準委員会報告書910「中間監査」

本報告書の検討に当たっては、2020年10月21日から11月24日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているので参照のこと。

★監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任 」はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任 」
★監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の概要はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の概要
★監査基準委員会報告書 720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の公開
草案に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒
 監査基準委員会報告書 720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

2021年4月21日


監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」及び 関連する監査基準委員会報告書の改正について

日本公認会計士協会((監査基準委員会)は、2021年1月14日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」及び関連する監査基準委員会報告書の改正を公表した。

今回の改正は、企業会計審議会から2020年11月に公表された監査基準の改訂内容を反映させるものであり、主な改正点は以下のとおり。

また、改正後の本報告書(監査基準委員会報告書540)の概要については、リンクの参考資料を参照のこと。

■本報告書の主な改正点

  • 「固有リスク要因」という新たな概念の導入、定義の明確化
  • リスク評価手続の明確化・詳細化
  • 注記事項に関する検討手続の充実
  • 監査調書に記載すべき要求事項の拡大
  • 職業的専門家としての懐疑心の一層の発揮
  • 監査役等とのコミュニケーションの必要性の強調
  • 規模・状況に応じた柔軟な基準適用

■適合修正の対象となる監査基準委員会報告書の一覧

  • 監査基準委員会報告書200「財務諸表監査における総括的な目的」
  • 監査基準委員会報告書230「監査調書」
  • 監査基準委員会報告書240「財務諸表監査における不正」
  • 監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」
  • 監査基準委員会報告書500「監査証拠」
  • 監査基準委員会報告書580「経営者確認書」
  • 監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」
  • 監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」

本報告書の検討に当たっては、2020年10月23日から11月24日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載している。

なお、今回の改正後の監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」(報告書:第77号、2021年1月14日付け公表)については、改正前の監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」(報告書:第44号、2015年5月29日改正)から大幅な項目の追加・削除等を行っているため、新旧対照表は作成していない。

また、本報告書は、2023年3月決算に係る財務諸表の監査及び2022年9月に終了する中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査から実施(※早期適用可)されるが、それ以前の決算に係る財務諸表の監査及び中間会計期間に係る中間財務諸表の中間監査については、改正前の監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」(報告書:第44号、2015年5月29日改正)に基づく従前の取扱いによることとなるため、十分留意すること。

★監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」
★改正監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」の概要はこちら ⇒ 改正監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」の概要
★監査基準委員会報告書 540「会計上の見積りの監査」の公開草案に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 監査基準委員会報告書 540「会計上の見積りの監査」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

2021年4月20日


「監査・保証実務委員会研究報告第34号「建設業及び受注制作のソフトウェア業における収益の認識に関する監査上の留意事項」」の公表について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2021年2月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査・保証実務委員会研究報告第34号「建設業及び受注制作のソフトウェア業における収益の認識に関する監査上の留意事項」」を公表した。

本研究報告の取りまとめに当たっては、2020年12月11日から2021年1月12日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら ⇒ 監査・保証実務委員会研究報告第34号「建設業及び受注制作のソフトウェア業における収益の認識に関する監査上の留意事項」

2021年4月13日


自主規制・業務本部審理ニュース[No.4]「独立行政法人福祉医療機構からの借入金の残高確認について」の様式の変更等について

独立行政法人 福祉医療機構からの借入金の残高確認については、2018年(平成30年)3月16日付けで公表した自主規制・業務本部審理ニュース[No.4]「独立行政法人 福祉医療機構からの借入金の残高確認について」にてお知らせしているところである。

このたび、福祉医療機構から様式の変更と留意点についての周知の依頼があった。

社会福祉法人及び医療法人の監査を受嘱した会員各位においては、審理ニュース及び変更後の様式、留意点を踏まえた対応を行うこと。

<残高確認書の様式の変更点>
①貸付番号の記載(貸付番号は9桁である。4桁-1桁-4桁(例:1234/5/6789)で記載すること。)
②依頼人の担当及び電話番号の記載
③和暦の削除

<留意点の変更点>
①残高確認の対象について、様式の依頼人の項目に貸付番号を記載すること
②回答期間について、依頼のタイミングによっては、返送までに1か月程度時間を要することから、可能な限り残高確認書を早期に発送すること
③同封する返信用封筒について、A4用紙が折らずに収まる角2規格とすること
④返信用封筒の切手料金が不足する場合、料金受取人払いとなること

★リンクはこちら ⇒ (別紙)様式

2021年4月9日


「新型コロナウイルス感染症に関連する監査上の留意事項(その7)」の公表について

日本公認会計士協会は、企業会計基準委員会より2月10日に第451回企業会計基準委員会議事概要が公表されたことを受けて、「新型コロナウイルス感染症に関連する監査上の留意事項(その7)」を3月2日に公表した。

詳細な内容については、リンクをご参照のこと。

★リンクはこちら ⇒ 「新型コロナウイルス感染症に関連する監査上の留意事項(その7)」の公表について

2021年4月8日


リモートワーク対応第6号「電子メールを利用した確認に関する監査上の留意事項」

日本公認会計士協会は、リモートワーク環境下における決算・監査上の対応として、リモートワーク対応第6号「電子メールを利用した確認に関する監査上の留意事項」について取りまとめ、公表した。

詳細な内容については、リンクをご参照のこと。

★リンクはこちら ⇒ リモートワーク対応第6号「電子メールを利用した確認に関する監査上の留意事項」

2021年4月7日


監査基準委員会報告書610「内部監査人の作業の利用」及び 関連する監査基準委員会報告書の改正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2021年1月14日に開催された常務理事会の承認を受けて、従来我が国において禁止されている内部監査人による監査人の直接補助(ダイレクトアシスタンス)について、海外の構成単位の監査においても内部監査人が構成単位の監査人を直接補助することがないようにするための監査基準委員会報告書610「内部監査人の作業の利用」及び関連する監査基準委員会報告書の改正を公表した。

適合修正
・監査基準委員会報告書550「関連当事者」
・監査基準委員会報告書600「グループ監査」

本改正に当たっては、2020年10月21日から11月24日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているのでご参照のこと。

★監査基準委員会報告書 610「内部監査人の作業の利用」はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書 610「内部監査人の作業の利用」

★監査基準委員会報告書550「関連当事者」はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書550「関連当事者」

★監査基準委員会報告書600「グループ監査 」はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書600「グループ監査 」

★『監査基準委員会報告書 610「内部監査人の作業の利用」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について』はこちら ⇒ 『監査基準委員会報告書 610「内部監査人の作業の利用」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について』

2021年4月6日


リモートワーク対応第5号「リモート会議及びリモート会議ツールの活用について」

日本公認会計士協会は、リモートワーク環境下における決算・監査上の対応として、リモートワーク対応第5号「リモート会議及びリモート会議ツールの活用について」について取りまとめ、公表した。

詳細な内容については、リンクをご参照のこと。

★リンクはこちら ⇒ リモートワーク対応第5号「リモート会議及びリモート会議ツールの活用について」

2021年4月5日


リモートワーク対応第4号「構成単位等への往査が制限される場合の留意事項」

日本公認会計士協会は、リモートワーク環境下における決算・監査上の対応として、リモートワーク対応第4号「構成単位等への往査が制限される場合の留意事項」について取りまとめ、公表した。

詳細な内容については、リンクをご参照のこと。

★リンクはこちら ⇒ リモートワーク対応第4号「構成単位等への往査が制限される場合の留意事項」

2021年4月2日


リモートワーク対応第3号「PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の留意事項」

日本公認会計士協会は、リモートワーク環境下における決算・監査上の対応として、リモートワーク対応第3号「PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の留意事項」について取りまとめ、公表した。

詳細な内容については、リンクをご参照のこと。

★リモートワーク対応第3号「PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の留意事項」(本紙)はこちら ⇒ リモートワーク対応第3号「PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の留意事項」(本紙)

★リモートワーク対応第3号「PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の留意事項」(別紙)はこちら ⇒ リモートワーク対応第3号「PDFに変換された証憑の真正性に関する監査上の留意事項」(別紙)

2021年3月31日


リモートワーク対応第2号「リモート棚卸立会の留意事項」

日本公認会計士協会は、リモートワーク環境下における決算・監査上の対応として、リモートワーク対応第2号「リモート棚卸⽴会の留意事項」について取りまとめ、公表した。

詳細な内容については、リンクをご参照のこと。

★リモートワーク対応第2号「リモート棚卸立会の留意事項」はこちら ⇒ リモートワーク対応第2号「リモート棚卸立会の留意事項」

★施策の全体像はこちら ⇒ 施策の全体像

2021年3月29日


リモートワーク対応第1号「電子的媒体又は経路による確認に関する監査上の留意事項 ~監査人のウェブサイトによる方式について~」

日本公認会計士協会はリモートワーク環境下における決算・監査上の対応として、リモートワーク対応第1号「電子的媒体又は経路による確認に関する監査上の留意事項 ~監査人のウェブサイトによる方式について~」について取りまとめ、公表した。

詳細な内容については、リンクをご参照のこと。

★リモートワーク対応第1号「電子的媒体又は経路による確認に関する監査上の留意事項 ~監査人のウェブサイトによる方式について~」はこちら ⇒ リモートワーク対応第1号「電子的媒体又は経路による確認に関する監査上の留意事項 ~監査人のウェブサイトによる方式について~」

★施策の全体像はこちら ⇒ 施策の全体像

2021年3月25日


監査基準委員会研究資料第1号「「監査上の主要な検討事項」の早期適用事例分析レポート」の公表について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2020年10月8日の常務理事会における承認を経て、監査基準委員会研究資料第1号「「監査上の主要な検討事項」の早期適用事例分析レポート」を公表した。

本研究資料は、2021年3月期から上場会社等の監査に強制適用される監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」に基づいて「監査上の主要な検討事項」を独立監査人の監査報告書に記載する上で参考となる情報等を提供するために、2020年3月期までの早期適用事例の分析等を行ったものである。

★「監査上の主要な検討事項」の早期適用事例分析レポートはこちら ⇒ 「監査上の主要な検討事項」の早期適用事例分析レポート

「監査上の主要な検討事項」の早期適用事例分析レポート 別紙1・2はこちら ⇒ 「監査上の主要な検討事項」の早期適用事例分析レポート

★「監査上の主要な検討事項」の早期適用事例分析レポート 別紙3~6はこちら  「監査上の主要な検討事項」の早期適用事例分析レポート

2020年12月15日


非営利法人委員会実務指針第34号 「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2020年7月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」を改正した。

本改正は、2020年5月15日の「公益法人会計基準」改正において、「継続事業の前提」の呼称が「継続組織の前提」に変更されたことを受け、「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」」を適合修正するものである。

本改正は、2020年4月1日から開始する事業年度から適用される。また、同日前に開始する事業年度から適用することを妨げない。

★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針第34号 「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について

2020年11月20日


非営利法人委員会研究報告第22号「公益社団・財団法人、一般社団・財団法人、移行法人及び特例民法法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2020年7月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第22号「公益社団・財団法人、一般社団・財団法人、移行法人及び特例民法法人の理事者確認書に関するQ&A」を改正した。

本改正は、2020年5月15日の「公益法人会計基準」改正において、「継続事業の前提」の呼称が「継続組織の前提」に変更されたことを受け、「非営利法人委員会研究報告第22号「公益社団・財団法人、一般社団・財団法人、移行法人及び特例民法法人の理事者確認書に関するQ&A」」を適合修正するものである。

★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第22号「公益社団・財団法人、一般社団・財団法人、移行法人及び特例民法法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について

2020年11月17日


監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2020年7月15日の常務理事会の承認を受けて、同日付けで「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について」を公表した。

本研究報告につきましては、2020年4月17日から5月18日までの期間にわたり広くコメントを募集したが、特段コメントは寄せられなかった。

今回の改正における主な改正点は以下のとおり。

●監査上の主要な検討事項に関する見直し
監査上の主要な検討事項に関する記載については、一部、2019年9月に改正を行ったが、監査基準委員会研究報告第6号の「監査報告書に係るQ&A」も踏まえ、説明を本文80~86項に集約及び追加するとともに、様式11として「監査上の主要な検討事項と監査上の対応の立案」を新設した。

●監基報610及び監基報315の改正に伴う見直し
監基報610の改正により、監基報315に従って得た内部監査機能に関する予備的な理解に基づき、監査証拠の一部として内部監査人の作業を利用するにあたっての枠組みが強化されたことに伴い、本文第46項及び様式3-9を全面的に見直している。
また、監基報315の改正により、リスク評価にあたって内部監査機能の知識や指摘事項をより適切に考慮し利用するために、内部監査人への質問の実施が求められたことに伴い、本文46項のその旨を追加するとともに、様式3-1の見直しを行っている。
さらに、監基報315等の改正より、財務諸表における注記事項の重要性の高まりを踏まえて、本文及び様式について見直しを行っている。
なお、2019年改正からの修正履歴付きの本文(《Ⅰ本研究報告の適用範囲》及び《Ⅱ主要な概念》)並びに赤字で変更箇所を示した様式(《Ⅲ解説》及び《Ⅳ調書様式例》)も掲載している。

★本文はこちら ⇒ 本文

★解説はこちら ⇒ 解説

★様式はこちら ⇒ 様式

2020年8月24日


監査契約書(学校・非営利・業種別関係)様式の更新について

2020年3月17日付けの法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」(法規委員会研究報告第16号「監査及びレビュー等の契約書の作成について」の改正)の公表に伴い、以下の監査契約書の様式を更新した。

1.学校法人
(1) 私学振興助成法監査
(2) 認可申請監査
(3) 施設型給付費を受ける幼稚園法人等の監査

2.公益法人
(1) 公益社団法人・公益財団法人
(2) 一般社団法人・一般財団法人

3.社会福祉法人

4.医療法人

5.農業信用基金協会

6.農業協同組合

7.消費生活協同組合

8.投資事業有限責任組合監査
(1) 委嘱者の無限責任組合員が法人である場合
(2) 委嘱者の無限責任組合員が個人である場合

※各監査契約書及び任意監査契約書の様式は、日本公認会計士協会ウェブサイト内「各種様式ダウンロード」からダウンロードできる。

★リンクはこちら ⇒ 監査契約書(学校・非営利・業種別関係)様式の更新について

2020年8月20日


「学校法人委員会実務指針第40号「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等の告示に基づく財産目録監査の取扱い」の改正について」及び「学校法人委員会研究報告第14号「理事者確認書に関するQ&A」の改正について」の公表について

日本公認会計士協会(学校法人委員会)は、2020年6月4日に開催された常務理事会の承認を受けて、「学校法人委員会実務指針第40号「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等の告示に基づく財産目録監査の取扱い」の改正について」及び「学校法人委員会研究報告第14号「理事者確認書に関するQ&A」の改正について」を公表した。

2018年7月5日及び2019年9月3日に企業会計審議会から「監査基準の改訂に関する意見書」が公表され、関連する監査基準委員会報告書が改正された。

これを受けて、学校法人委員会では、学校法人委員会実務指針第40号「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等の告示に基づく財産目録監査の取扱い」について、独立監査人の監査報告書の文例等の見直しを行うため、改正の検討を行ってきた。

合わせて、実務指針第40号のかかる改正を踏まえて、学校法人委員会研究報告第14号「理事者確認書に関するQ&A」についても見直し、寄附行為等の認可申請に係る監査に関する理事者確認書の記載例の改正の検討も行った。

実務指針第40号の改正は、2020年3月31日をもって終了する事業年度に係る監査から適用される。

なお、実務指針第40号の見直し及び検討に当たっては、2020年4月25日から同年5月25日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、一部表現上の修正を求めるものを除き、特段意見は寄せられなかった。

★学校法人委員会実務指針第40号「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等の告示に基づく財産目録監査の取扱い」の改正についてはこちら ⇒ 学校法人委員会実務指針第40号「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等の告示に基づく財産目録監査の取扱い」の改正について

★学校法人委員会研究報告第14号「理事者確認書に関するQ&A」の改正についてはこちら ⇒ 学校法人委員会研究報告第14号「理事者確認書に関するQ&A」の改正について

2020年8月11日


「監査提言集」の公表について

日本公認会計士協会では、監査提言集の一部を一般に公表しているが、このたび2020年版を公表した。

日本公認会計士協会では、会員の監査業務の適正な運用発展及び規律の維持を図るため、会員の監査実施状況及び監査意見の妥当性について調査及び審査を行い、必要と認めた場合は、業務改善のために会員に対し勧告又は指示を行っている。

また、法令等違反事実があり懲戒処分を相当とし、必要があると認めた場合は、綱紀審査会に事案の審査を要請している。

監査・規律審査会の審査内容の公表は行っていないが、会員の監査業務等の改善のために、監査・規律審査会の審査内容を参考にした上で監査提言集にまとめ、2008 年より、毎年、公表している。

監査・規律審査会は、会員の監査業務の改善指導を主たる目的の一つとするものであり、調査事案の審査を通して浮き彫りとなった業務改善事項は、全ての監査人にとって有意義なものであることから、実際の調査事案を参考にして監査提言集に取りまとめ、会員・準会員に送付している。

また、会員のみならず会員以外の一般の方にも公表してはどうかというご意見もあることから、「監査提言集」におけるポイント、事例の概要等を集約した「監査提言集(一般用)」を日本公認会計士協会ウェブサイトに公表することとしている。

個人的には、一般の方にももう少し公開しても良いのではないかと思う。

★リンクはこちら ⇒ 「監査提言集」の公表について

2020年8月6日


監査契約書及び任意監査契約書の様式の更新について

2020年3月17日付けの法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」(法規委員会研究報告第16号「監査及びレビュー等の契約書の作成について」の改正)の公表に伴い、以下の監査契約書及び任意監査契約書の様式を更新した。

1.監査契約書
(1)個人用
・会社法監査単独
・会社法監査・金融商品取引法監査(内部統制監査及び四半期レビューを受ける会社用)
・会社法監査・金融商品取引法監査(四半期報告書の提出を選択しない会社用)

(2)監査法人用
・会社法監査単独
・会社法監査・金融商品取引法監査(内部統制監査及び四半期レビューを受ける会社用)
・会社法監査・金融商品取引法監査(四半期報告書の提出を選択しない会社用)
・国際会計基準(IFRS)任意適用会社の監査及び四半期レビュー(連結計算書類について会社計算規則第120条第1項後段による開示一部省略、四半期連結財務諸表について国際会計基準第34号「期中財務報告」第8項による要約を行う場合)
・臨時計算書類監査

(3)独立行政法人

(4)国立大学法人等

(5)地方独立行政法人

2.任意監査契約書
(1)会社法の規定に準じた監査

(2)その他の任意監査 適正表示の枠組み

(3)その他の任意監査 準拠性の枠組み

★リンクはこちら ⇒ 監査契約書及び任意監査契約書の様式の更新について

2020年8月6日


「公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等監査に関する実務上の留意点」の改正について」の公表について

日本公認会計士協会(公会計委員会)は、2020年5月14日に開催された常務理事会の承認を受けて、「公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等監査に関する実務上の留意点」の改正について」を公表した。

2018年7月5日及び2019年9月3日に企業会計審議会より「監査基準の改訂に関する意見書」が公表され、企業会計の監査基準が改訂されたことを踏まえ、2019年11月25日付けで「国立大学法人に対する会計監査人の監査に係る報告書」の改訂が公表された。

これを受けて、公会計委員会では、公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等監査に関する実務上の留意点」について、独立監査人の監査報告書の文例等の見直しを行うため、改正の検討を行ってきた。

本改正は、2021年3月31日以降終了する事業年度に係る監査から適用される。

また、本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2020年3月12日から4月13日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、一部表現上の修正を求めるものを除き、特段意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら ⇒ 「公会計委員会実務指針第6号「国立大学法人等監査に関する実務上の留意点」の改正について」の公表について

2020年8月5日


監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2020年5月14日の常務理事会における承認を経て、同日付けで監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の改正を公表した。

今回の改正は、新規上場の際に提出される有価証券届出書に関する、監査上の主要な検討事項(KAM)の適用範囲に関する取扱いを明確にするために、所要の改正を行ったものである。

★リンクはこちら ⇒ 監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の改正について

2020年8月4日


監査基準委員会研究報告第3号「監査基準委員会報告書800及び805に係るQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2020年4月9日の常務理事会における承認を経て、同日付けで監査基準委員会研究報告第3号「監査基準委員会報告書800及び805に係るQ&A」の改正を公表した。

今回の改正は、主に、2020年3月17日付けで公表した監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」及び同805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」の改正を受け、所要の改正を行ったものである。

★リンクはこちら ⇒ 監査基準委員会研究報告第3号「監査基準委員会報告書800及び805に係るQ&A」の改正について

2020年7月29日


「非営利法人委員会実務指針第37号「労働組合監査における監査上の取扱い」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2020年6月4日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会実務指針第37号「労働組合監査における監査上の取扱い」の改正について」を公表した。

本改正は、企業会計審議会から2018年7月5日付けで公表された「監査基準の改訂に関する意見書」を受けた監査基準の改訂並びにそれらに対応するために行われた監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」及び監査基準委員会報告書805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」ほか、監査基準委員会報告書の改正を受け、所要の見直しを行ったものである。

本改正は、2020年3月31日以後終了する会計年度に係る監査から適用される。

また、本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2020年4月17日から5月18日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要及び対応については、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」に記載している。

★非営利法人委員会実務指針第37号「労働組合監査における監査上の取扱い」の改正についてはこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針第37号「労働組合監査における監査上の取扱い」の改正について

★非営利法人委員会実務指針第37号「労働組合監査における監査上の取扱い」の改正について(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針第37号「労働組合監査における監査上の取扱い」の改正について(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2020年7月22日


非営利法人委員会研究報告第41号「農業協同組合監査における経営者確認書の文例」の公表について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2020年1月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第41号「農業協同組合監査における経営者確認書の文例」を公表した。

本研究報告は、監査基準委員会報告書580「経営者確認書」に基づく経営者確認書について、農業協同組合の計算書類等の監査等における具体的な記載例を示したものである。

★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第41号「農業協同組合監査における経営者確認書の文例」の公表について

2020年6月30日


「非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2019年11月7日に開催された常務理事会の承認及びその後の農業協同組合法施行規則の改正(2020年(令和2年)3月23日)を受けて、「非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

本改正は、企業会計審議会から2018年7月5日付けで「監査基準の改訂に関する意見書」が公表されたことに伴う監査基準の改訂並びに関連する監査基準委員会報告書の策定及び改正を受け、検討を行ったものである。

本改正は、2020年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用される。

また、本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年5月31日から7月1日までの間、公開草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要及び対応については、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」に記載している。

★非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正についてはこちら ⇒ 「非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

★公開草案に対するコメントの概要及び対応はこちら ⇒ 「非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

2020年6月25日


監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」、監査基準委員会報告書805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」及び監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2020年3月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、同日付けで監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」、監査基準委員会報告書805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」及び監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正を公表した。

今回の改正は、2018年7月5日付けの監査基準の改訂及び2019年9月3日付けの中間監査基準の改訂並びに監査報告に関する国際監査基準(ISA)の改訂を反映させるため、関連する監査基準委員会報告書の改正の検討を行ったものである。
検討に当たっては、2020年1月31日から3月2日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているのでご参照のこと。

★監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」の改正はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」の改正

★監査基準委員会報告書805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」の改正はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」の改正

★監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正はこちら ⇒ 監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正

★監査基準委員会報告書 580「経営者確認書」、同 800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」及び同 805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」の公開草案に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 監査基準委員会報告書 580「経営者確認書」、同 800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」及び同805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

2020年6月15日


非営利法人委員会研究報告第22号「理事者確認書に関するQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2020年3月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会研究報告第22号「理事者確認書に関するQ&A」の改正について」を公表した。

本研究報告は、公益社団・財団法人、移行法人、一般社団・財団法人(移行法人を除く。)及び特例民法法人といった法人ごとの「理事者確認書」の具体的な記載例を示すとともに、これらの法人に特有の留意事項について、Q&Aとして示したものである。

本改正は、2019年6月12日付けで監査基準委員会報告書580「経営者確認書」が改正されたことを踏まえ、継続事業の前提についての記載の追加等所要の見直しを行ったものである。

なお、公益法人会計基準及び公益法人会計基準の運用指針は今後改正が予定されており、同改正への対応は改めて行う予定である。

★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第22号「理事者確認書に関するQ&A」の改正について

2020年6月12日


業務本部2020年審理通達第2号 「開示書類におけるその他の記載内容に関する手続実施上の留意事項」の公表について

日本公認会計士協会は、2020年2月20日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業務本部2020年審理通達第2号「開示書類におけるその他の記載内容に関する手続実施上の留意事項」」を公表した。

2019年1月31日に「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」が公布・施行され、有価証券報告書の記述情報について、より充実した開示が求められることとなる。

このような企業情報の開示の充実に伴い、開示書類におけるその他の記載内容に関する手続を定める監査基準委員会報告書720「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」の重要性が高まると考えられることから、本通達において改めて手続実施上の留意事項を記載している。

詳細については、リンクのファイルをご覧のこと。

★リンクはこちら ⇒ 業務本部2020年審理通達第2号 「開示書類におけるその他の記載内容に関する手続実施上の留意事項」の公表について

2020年6月10日


業務本部2020年審理通達第1号 「前任監査人の監査調書の閲覧に関する留意事項」の公表について

日本公認会計士協会は、2020年2月20日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業務本部2020年審理通達第1号「前任監査人の監査調書の閲覧に関する留意事項」」を公表した。

監査人の交代に際しては、監査調書の閲覧の目的を十分理解した上で、少なくとも、大量の監査調書を書き写すといった引継ぎとならないよう、引継ぎの方法(引継ぎ期間や監査調書の閲覧機会の十分な確保を含む。)について、前任監査人と後任監査人が十分に協議し、協力することが重要であることに留意すること。

★リンクはこちら ⇒ 業務本部2020年審理通達第1号 「前任監査人の監査調書の閲覧に関する留意事項」の公表について

2020年6月8日


非営利法人委員会研究報告第37号「医療法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2020年1月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第37号「医療法人の理事者確認書に関するQ&A」を、2020年2月5日付けで公表した。

本改正は、企業会計審議会から2018年7月5日付けで公表された「監査基準の改訂に関する意見書」を受けた監査基準の改訂及びそれらに対応するために行われた監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正を踏まえ、所要の見直しを行ったものである。

★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第37号「医療法人の理事者確認書に関するQ&A」の改正について

2020年6月3日


「専門業務実務指針4461「仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」の公表について

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2019年12月12日に開催された常務理事会の承認を受けて、「専門業務実務指針4461「仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」を公表した。

本実務指針は、金融庁の「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」(以下「ガイドライン」という。)が2019年9月3日に改正され即日適用されたこと及びこれまでの実務を踏まえて、所要の見直しを行ったものである。

本改正は、2019年9月3日のガイドライン適用日以後で改正資金決済法の施行日前を基準日として実施結果報告書を提出する仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に適用する。

なお、「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」(2019年6月7日公布)においては「暗号資産」及び「暗号資産交換業者」という用語が用いられているが、本実務指針においては現行の資金決済法の規定に基づいて「仮想通貨」及び「仮想通貨交換業者」と記載している。

本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年11月8日から12月9日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表されたので、参照にすること。

★専門業務実務指針4461「仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針(2020年1月15日改正)」はこちら ⇒ 専門業務実務指針4461「仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針(2020年1月15日改正)

★「専門業務実務指針 4461「仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について はこちら ⇒ 「専門業務実務指針 4461「仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2020年4月23日


「業種別委員会実務指針第61号「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」 の改正について」の公表について

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2019年12月12日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業種別委員会実務指針第61号「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」の改正について」を公表した。

今回の改正は、金融庁の「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」(以下「ガイドライン」という。)が2019年9月3日に改正され即日適用されたこと及びこれまでの実務を踏まえて、所要の見直しを行ったものである。

本改正は、2019年9月3日のガイドライン適用日以後で改正資金決済法の施行日前に終了する事業年度に関する監査に適用する。

なお、「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」(2019年6月7日公布)においては「暗号資産」、「暗号資産交換業」及び「暗号資産交換業者」という用語が用いられているが、本実務指針においては現行の資金決済法の規定に基づいて「仮想通貨」、「仮想通貨交換業」及び「仮想通貨交換業者」と記載している。

本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年11月8日から12月9日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表されたので、参照にすること。

★業種別委員会実務指針第61号「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」 の改正はこちら ⇒ 業種別委員会実務指針第61号「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」 の改正

★「業種別委員会実務指針第 61 号「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」の
改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について はこちら ⇒
 「業種別委員会実務指針第 61 号「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2020年4月10日


学校法人委員会研究報告第14号「理事者確認書に関するQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(学校法人委員会)は、2019年12月12日に開催された常務理事会の承認を受けて、「学校法人委員会研究報告第14号「理事者確認書に関するQ&A」の改正について」を公表した。

企業会計審議会「監査基準の改訂に関する意見書」(2018年7月5日付け)の公表と関連する監査基準委員会報告書の改正を受け、2019年9月17日付けで学校法人委員会実務指針第36号「私立学校振興助成法に基づく監査上の取扱い及び監査報告書の文例」を改正した。

これを踏まえて、本研究報告の今回の改正では理事者確認書における「継続法人の前提」(学校法人における継続企業の前提)の考え方を示している。

★リンクはこちら ⇒ 学校法人委員会研究報告第14号「理事者確認書に関するQ&A」の改正について

2020年2月26日


「業種別委員会実務指針第14号「投資信託及び投資法人における監査上の取扱い」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2019年11月7日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業種別委員会実務指針第14号「投資信託及び投資法人における監査上の取扱い」の改正について」を公表した。

今回の改正は、主に投資法人の監査報告書の文例について所要の見直しを行ったものである。

本改正は、2020年3月31日以後終了する営業期間に係る監査から適用される。

実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年9月26日から10月28日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表されたので、参照のこと。

★業種別委員会実務指針第14号『投資信託及び投資法人における監査上の取扱い』はこちら ⇒ 業種別委員会実務指針第14号『投資信託及び投資法人における監査上の取扱い』

★『「業種別委員会実務指針第14号「投資信託及び投資法人における監査上の取扱い」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について 』はこちら ⇒ 「業種別委員会実務指針第14号「投資信託及び投資法人における監査上の取扱い」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2020年2月12日


非営利法人委員会研究報告第23号「公益法人の財務諸表等の様式等に関するチェックリスト(平成20年基準)」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2019年11月7日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会研究報告第23号「公益法人の財務諸表等の様式等に関するチェックリスト(平成20年基準)」の改正について」を公表した。

本研究報告は、公益法人が作成した財務諸表(貸借対照表、正味財産増減計算書及びキャッシュ・フロー計算書)及び附属明細書並びに財産目録の様式等が「公益法人会計基準」(平成20年4月11日、改正平成21年10月16日、内閣府公益認定等委員会)等に準拠しているか否かを確かめるために使用するものである。

今般、内閣府公益認定等委員会から公表された「平成29年度 公益法人の会計に関する諸課題の検討結果について」(平成30年6月15日)及び「「公益法人会計基準」の運用指針」(平成20年4月11日、改正平成30年6月15日)を踏まえた改正を行っている。

★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第23号「公益法人の財務諸表等の様式等に関するチェックリスト(平成20年基準)」の改正について

2020年2月7日


「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」」及び「IT委員会研究報告第45号「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」の実施上の留意点」」の改正について

日本公認会計士協会(IT委員会)では、2019年10月16日に開催されました常務理事会の承認を受けて、「「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」」及び「IT委員会研究報告第45号「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」の実施上の留意点」」の改正について」を2019年11月6日付けで公表した。

本実務指針及び本研究報告は、財務報告目的以外の受託業務に係る内部統制を検証し、報告する保証業務に関する実務上の指針を提供するものである。

今般の改正では、これらの実務指針及び研究報告が基礎としている受託業務に係る内部統制の保証報告書業務の実務指針が改正され、保証業務実務指針3402「受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」として2019年8月1日付けで公表されたため、所要の見直しを行っている。

本改正の取りまとめに当たっては、2019年8月9日から2019年9月9日までの間、草案を公表し、広く意見募集を行ったことを申し添える。

★保証業務実務指針3852『受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針』はこちら ⇒ 保証業務実務指針 3852『受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針』

受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の評価のための規準はこちら ⇒ 受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の評価のための規準

★IT委員会研究報告第45号『保証業務実務指針3852「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」の実施上の留意点』はこちら ⇒ IT委員会研究報告第45号『保証業務実務指針3852「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」の実施上の留意点』

★「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」」及び「IT委員会研究報告第45号「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」の実施上の留意点」」の改正(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」」及び「IT委員会研究報告第45号「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」の実施上の留意点」」の改正(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2020年2月5日


「監査契約書及び監査約款」(学校法人)の様式の更新について

法規委員会研究報告第16号「監査及びレビュー等の契約書の作成について」 の改正(2019年3月29日付け)並びに学校法人委員会実務指針第36号「私立学校振興助成法第14条第3項の規定に基づく監査の取扱い」及び同委員会研究報告第32号「施設型給付費を受ける幼稚園のみを設置する学校法人等の会計及び監査に関する研究報告」の改正(同年9月17日付け)についての公表に伴い、次の「監査契約書及び監査約款」の様式を変更した。

<学校法人>

(1) 私学振興助成法監査(様式1~3)
(2) 施設型給付費を受ける幼稚園法人等の監査(様式7~9)

★様式1はこちら ⇒ 私学振興助成法監査の監査契約書の作成例(個人用)

★様式2はこちら ⇒ 私学振興助成法監査の監査契約書の作成例(監査法人用)

★様式3はこちら ⇒ 私学振興助成法監査の監査契約書の作成例(監査法人用-指定社員制度利用)

★様式7はこちら ⇒ 施設型給付費を受ける幼稚園法人等の監査の監査契約書の作成例(個人用)

★様式8はこちら ⇒ 施設型給付費を受ける幼稚園法人等の監査の監査契約書の作成例(監査法人用)

★様式9はこちら ⇒ 施設型給付費を受ける幼稚園法人等の監査の監査契約書の作成例(監査法人用-指定社員制度利用)

2020年1月24日


自主規制・業務本部審理ニュース[No.3]「ゆうちょ銀行への残高証明書請求について」の公表について

平成29年6月1日からゆうちょ銀行の残高証明請求書の様式が変更され、従来同行所定の請求書の場合に必要であった預金者の同意が請求書に盛り込まれ、同意書の提出が不要となった。

このため、今般の請求方法の変更について、「自主規制・業務本部審理ニュース[No.3]「ゆうちょ銀行への残高証明書請求について」」として取りまとめ、平成29年5月26日付けで公表した。

2019年10月1日に手数料が変更された。

★自主規制・業務本部審理ニュース[No.3]「ゆうちょ銀行への残高証明書請求について」はこちら ⇒ 自主規制・業務本部審理ニュース[No.3]「ゆうちょ銀行への残高証明書請求について」

貯金等残高証明請求書(2019年10月1日受付分から)はこちら ⇒ 貯金等残高証明請求書(2019年10月1日受付分から)

★振替口座残高証明請求書(2019年10月1日受付分から)はこちら ⇒ 振替口座残高証明請求書(2019年10月1日受付分から)

★担当貯金事務センター一覧はこちら ⇒ 担当貯金事務センター一覧

2020年1月21日


「学校法人委員会実務指針第36号「私立学校振興助成法第14条第3項の規定に基づく監査の取扱い」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」並びに「学校法人委員会研究報告第32号「施設型給付費を受ける幼稚園のみを設置する学校法人等の会計及び監査に関する研究報告」の改正について」の公表について

日本公認会計士協会(学校法人委員会)は、2019年9月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、「学校法人委員会実務指針第36号「私立学校振興助成法第14条第3項の規定に基づく監査の取扱い」の改正について」及び「学校法人委員会研究報告第32号「施設型給付費を受ける幼稚園のみを設置する学校法人等の会計及び監査に関する研究報告」の改正について」を公表した。

今回の改正では、2018年7月5日付けで企業会計審議会から「監査基準の改訂に関する意見書」が公表され、関連する監査基準委員会報告書が改正されたことを踏まえて、学校法人が作成した計算書類に対する監査上の取扱いについて変更した。

実務指針の改正は、2020年3月31日をもって終了する事業年度に係る監査から適用される。

なお、実務指針及び研究報告の見直し及び検討に当たっては、2019年8月1日から同年9月2日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表したので、ご参照のこと。

★学校法人委員会実務指針第36号 『私立学校振興助成法に基づく監査上の取扱い及び監査報告書の文例』はこちら ⇒ 学校法人委員会実務指針第36号 『私立学校振興助成法に基づく監査上の取扱い及び監査報告書の文例』

★学校法人委員会実務指針第32号 『施設型給付費を受ける幼稚園のみを設置する学校法人等の監査上の留意事項
及び監査報告書の文例 』はこちら
 ⇒
 学校法人委員会実務指針第32号 『施設型給付費を受ける幼稚園のみを設置する学校法人等の監査上の留意事項及び監査報告書の文例 』

★コメント対応表 はこちら ⇒ 「学校法人委員会実務指針第36号「私立学校振興助成法第14条第3項の規定に基づく監査の取扱い」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応

2020年1月17日


ゆうちょ銀行残高証明書請求に係る様式の変更について

 2019年10月1日より、ゆうちょ銀行への残高証明書請求に係る手数料が変更された。それに伴い、2017年5月26日付けで公表している「自主規制・業務本部審理ニュース[No.3]「ゆうちょ銀行への残高証明書請求について」」 の「(別添1)貯金等残高証明請求書」及び「(別添2)振替口座残高証明請求書」の様式が変更されたので、留意すること。

<2019年10月1日以降新料金>

貯金残高証明書 520円
振替国債記載事項証明書 366円
振替口座残高証明書 520円

2019年10月1日以降は、新様式は使用のこと。

2020年1月8日


監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)では、2019年9月17日の常務理事会の承認を受けて、同日付けで「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について」を公表した。

本研究報告については、2019年7月25日に公開草案を公表し、広くコメント募集を行った後、寄せられたコメント等を検討し、内容を一部加筆・修正している。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているのでご参照のこと。

今回の改正における主な改正点は以下のとおり。
●監査基準委員会報告書(以下「監基報」という。)250の改正に伴う違法行為関連(2019年4月1日以後開始事業年度から適用)
監基報250は、倫理委員会から公表された「違法行為への対応に関する指針」に伴い改正されたものであり、本文第42項(P18)においてその旨の解説を加えるとともに、様式3-6「財務諸表監査における法令の検討」の見直しを行っている。
また、「違法行為への対応に関する指針」において求められている文書化の要求事項に対応するため、様式3-6別紙「倫理規則に基づく違法行為への対応」を新設している。

●監査報告関連(2020年3月31日以後終了する事業年度から適用、ただし監査上の主要な検討事項に関連する改正は、2021年3月31日以後終了する事業年度から適用(早期適用も可))
監基報700の改正により、財務報告の枠組みが適正表示の場合の意見形成における留意点が加筆されているため、本文第74項(P26)において追加している。
また、監査上の主要な検討事項は2020年3月期の監査より早期適用が始まるため、監査上の主要な検討事項に関連する説明を追加している(本文第74-2項(P26)、78-2項(P27))。
さらに、これら監査基準委員会報告書の改正を反映するため、様式9-1「監査意見の形成」、様式9-4「監査の過程で識別した虚偽表示の評価」及び様式9-5「監査役等とのコミュニケーション」の見直しを行っている。
なお、2016年改正からの修正履歴付きの本文(《Ⅰ 本研究報告の適用範囲》及び《Ⅱ 主要な概念》)並びに赤字で変更箇所を示した様式(《Ⅳ 調書様式例》)も掲載している。

 ★監査基準委員会研究報告第1号『監査ツール』はこちら ⇒ 監査基準委員会研究報告第1号『監査ツール』

 ★様式はこちら ⇒ 様式

 ★解説 はこちら ⇒ 解説

 ★『監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について 』はこちら ⇒ 監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

2019年12月19日


「監査・保証実務委員会研究報告第33号「保証業務実務指針3402「受託業務に係る 内部統制の保証報告書に関する実務指針」に係るQ&A」」の公表について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)では、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査・保証実務委員会研究報告第33号「保証業務実務指針3402「受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」に係るQ&A」」の公表について」を2019年8月1日付けで公表した。

本研究報告の取りまとめを行うに当たっては、2019年5月27日から6月28日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

 ★リンクはこちら ⇒ 「監査・保証実務委員会研究報告第33号「保証業務実務指針3402「受託業務に係る 内部統制の保証報告書に関する実務指針」に係るQ&A」」の公表について

2019年12月13日


「業種別委員会実務指針第14号「投資信託及び投資法人における監査上の取扱い」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業種別委員会実務指針第14号「投資信託及び投資法人における監査上の取扱い」の改正について」を公表した。

今回の改正は、主に投資信託の監査報告書の文例について所要の見直しを行ったものである。

本改正は、2020年3月31日以後終了する計算期間または営業期間に係る監査から適用される。

実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年5月31日から6月30日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表したので、参照のこと。

なお、本実務指針における投資法人に関する部分の改正については、別途公開草案を公表する予定である。

 ★業種別委員会実務指針第14号『投資信託及び投資法人における監査上の取扱い」はこちら ⇒ 業種別委員会実務指針第14号『投資信託及び投資法人における監査上の取扱い」

 ★「業種別委員会実務指針第14号「投資信託及び投資法人における監査上の取扱い」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について はこちら ⇒ 「業種別委員会実務指針第 14 号「投資信託及び投資法人における監査上の取扱い」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2019年12月11日


キャッシュレス・消費者還元事業に関する合意された手続実施結果報告書のフォーマットの公表について

2019年10月1日からの消費税率引き上げに対応した需要平準化対策として、中小・小規模事業者等におけるキャッシュレス決済手段を使ったポイント還元等を実施するための決済事業者等の事業費等の経費の一部を補助するキャッシュレス・消費者還元事業が実施されている。

本事業において補助対象となるキャッシュレス発行事業者(キャッシュレス決済で購買を行った消費者に対して、ポイント還元等を実施する事業者)に対する補助金額の算定に当たって用いられるポイント等の失効率又は利用率に関して、公認会計士又は監査法人による確認が求められている。

この公認会計士または監査法人による確認業務に関して、キャッシュレス・消費者還元事業ウェブサイトにおいて、「合意された手続実施結果報告書フォーマット」が公表された。本フォーマットの中に、この確認において公認会計士または監査法人が実施することが想定される手続が記載されている。

本フォーマットを利用して、専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」に従って業務を実施することとなる。

 ★リンクはこちら ⇒ キャッシュレス・消費者還元事業ウェブサイト

2019年12月9日


「専門業務実務指針4465「自己資本比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(業種別委員会)では、2019年8月1日に開催された常務理事会の承認を受けて、「専門業務実務指針4465「自己資本比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」を公表した。

今回の改正は、自己資本比率を補完する指標としてレバレッジ比率の開示が国際統一基準行に対して義務付けられ、2019年3月15日に金融庁から「銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準」(平成31年金融庁告示第11号)が公表されたことにより、レバレッジ比率の最低比率基準が2019年3月31日から適用されることになったことを受け、レバレッジ比率に対して実施される合意された手続業務に関する取扱いを加えるものである。

実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年6月25日から7月26日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられたコメントの概要とその対応も併せて公表したので、ご参照のこと。

なお、改正後の本実務指針は、2019年9月30日以降に発行する自己資本比率及びレバレッジ比率の算定に対する合意された手続実施結果報告書に適用される。

 ★専門業務実務指針 4465『自己資本比率及びレバレッジ比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針』 はこちら ⇒ 専門業務実務指針 4465『自己資本比率及びレバレッジ比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針』

 ★「専門業務実務指針 4465『自己資本比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針』の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について はこちら ⇒ 「専門業務実務指針 4465『自己資本比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針』の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2019年12月5日


「保証業務実務指針3402「受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」 及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「保証業務実務指針3402「受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」」を2019年8月1日付けで公表した。

本実務指針の取りまとめを行うに当たっては、2019年4月26日から5月27日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

 ★保証業務実務指針3402『受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針』はこちら ⇒ 保証業務実務指針3402『受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針』

 ★保証業務実務指針 3402『受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針』の公開草案に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 保証業務実務指針 3402『受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針』の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

2019年12月3日


IT委員会研究報告第49号「給与計算システムの受託業務に係る内部統制の保証報告書 の記載例」の改正について

日本公認会計士協会(IT委員会)は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、2019年8月2日付けで、IT委員会研究報告第49号「給与計算システムの受託業務に係る内部統制の保証報告書の記載例」の改正を公表した。

本研究報告は、企業の財務報告に関連する業務を提供する受託会社の内部統制に関して、監査・保証実務委員会実務指針第86号「受託業務に係る内部統制の保証報告書」に基づき保証業務を実施する場合の事例を提供することを目的として、2016年3月30日付けで公表していたが、今般、2019年8月1日付けで保証業務実務指針3402「受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」が公表されたことを受けて、所要の修正を行っている。

 ★リンクはこちら ⇒ IT委員会研究報告第49号「給与計算システムの受託業務に係る内部統制の保証報告書 の記載例」の改正について

2019年11月28日


「「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)では、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」の改正について」を2019年8月1日付けで公表した。

本実務指針の取りまとめを行うに当たっては、2018年6月6日から同年7月7日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

なお、2019年2月27日付けで品質管理基準委員会報告書第1号「監査事務所における品質管理」が改正され、同報告書における用語の定義が変更されていることから、本実務指針においても同様の修正を行っている。

 ★保証業務実務指針3000『監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針』はこちら ⇒ 保証業務実務指針3000『監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針』

 ★「「保証業務実務指針 3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」
の改正について」の公開草案に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒
 「「保証業務実務指針 3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」の改正について」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

2019年11月26日


「監査契約書及び監査約款」の様式の更新について(2019年7月)

2019年3月29日の法規委員会研究報告第16号「監査及びレビュー等の契約書の作成について」 の改正についての公表に伴い、以下の「監査契約書及び監査約款」の様式を変更した。

1.公益法人
(1)公益社団法人・公益財団法人
(2)一般社団法人・一般財団法人

2.医療法人

2019年11月25日


「業種別委員会実務指針第33号「信用金庫等における監査報告書の文例について」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業種別委員会実務指針第33号「信用金庫等における監査報告書の文例について」の改正について」を公表した。

本改正は、2020年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用される。

実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年5月31日から6月30日までのまでの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表したので、参照のこと。

 ★業種別委員会実務指針第33号『信用金庫等における監査報告書の文例』はこちら ⇒ 業種別委員会実務指針第33号『信用金庫等における監査報告書の文例』

 ★「業種別委員会実務指針第33号「信用金庫等における監査報告書の文例について」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について はこちら ⇒ 「業種別委員会実務指針第33号「信用金庫等における監査報告書の文例について」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2019年11月22日


非営利法人委員会実務指針第39号「医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会実務指針第39号「医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

本改正は、企業会計審議会から2018年7月5日付けで「監査基準の改訂に関する意見書」が公表されたことに伴う監査基準の改訂並びに関連する監査基準委員会報告書の策定及び改正を受け、検討を行ったものである。

本改正は、2020年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用される。

また、本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年5月10日から6月10日までの間、公開草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要及び対応については、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」に記載している。

 ★非営利法人委員会実務指針第39号『医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例』はこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針第39号『医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例』

 ★「非営利法人委員会実務指針第39号「医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2019年11月15日


「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を公表した。

本改正は、企業会計審議会から2018年7月5日付けで「監査基準の改訂に関する意見書」が公表されたことに伴う監査基準の改訂並びに関連する監査基準委員会報告書の策定及び改正を受け、検討を行ったものである。

本改正は、2020年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用される。

また、本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年5月10日から6月10日までの間、公開草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要及び対応については、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」に記載している。

 ★非営利法人委員会実務指針第34号『公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例』はこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針第34号『公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例』

 ★「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について はこちら ⇒ 「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2019年11月13日


監査・保証実務委員会実務指針第90号「特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査・保証実務委員会実務指針第90号「特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A」の改正を2019年7月19日付で公表した。

今回の改正は、2019年7月4日付けで公表された企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」及び改正企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」並びにこれらの公表に対応した日本公認会計士協会の会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」の改正を踏まえ、所要の改正を行ったものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第90号「特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A」の改正

2019年11月8日


IT委員会研究報告第42号「IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システム に関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」に関するQ&A」の廃止について

2019年7月8日付けで、IT委員会研究報告第53号「IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」に関するQ&A」が公表されたことに伴い、同日付けでIT委員会研究報告第42号「IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」に関するQ&A」を廃止した。

 ★リンクはこちら ⇒ IT委員会研究報告第42号「IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システム に関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」に関するQ&A」の廃止について

2019年10月30日


IT委員会研究報告第54号「公認会計士業務におけるオープンデータの利用可能性」 の公表について

日本公認会計士協会(IT委員会)は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、2019年8月1日付けで、IT委員会研究報告第54号「公認会計士業務におけるオープンデータの利用可能性」を公表した。

公認会計士は、監査業務において、企業の内部で生成された会計データや、企業の外部で生成された株価、地価といったデータなど、様々なデータの分析を行っている。

一方で、昨今のIT技術の進展等により、利用可能なデータの範囲が加速度的に広がっていることを受けて、様々な業界において、こうしたデータを利活用する取組が進められている。

本研究報告では、政府が推進しているオープンデータを対象として、その概要を紹介するとともに、実際に政府機関等が公表している企業に関連するオープンデータを取り上げ、その公認会計士業務における利用可能性を検討している。

 ★リンクはこちら ⇒ IT委員会研究報告第54号「公認会計士業務におけるオープンデータの利用可能性」 の公表について

2019年10月17日


IT委員会研究報告第53号「IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」に関するQ&A」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(IT委員会)は、2019年7月8日付けで、IT委員会研究報告第53号「IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」に関するQ&A」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を公表した。

本研究報告は、2012年6月5日付けで公表したIT委員会研究報告第42号「IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」に関するQ&A」(以下「IT研42号」という。)について、クラウドサービス、ERP(Enterprise Resource Planning)といったIT技術の進歩や普及が多岐にわたることを踏まえ、見直しを行ったものである。

なお、本研究報告の公表をもって、IT研42号は廃止することとした。

本研究報告の取りまとめに当たっては、2019年4月5日から2019年5月6日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要及び対応については、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」に記載している。

 ★IT委員会研究報告第42号「IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」に関するQ&A」はこちら ⇒ IT委員会研究報告第42号「IT委員会実務指針第6号「ITを利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの識別と評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について」に関するQ&A

 ★「公開草案に対するコメントの概要及び対応」はこちら ⇒ 公開草案に対するコメントの概要及び対応

2019年10月8日


「監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、以下の「監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を公表した。

2018年7月に企業会計審議会から公表された「監査基準の改訂に関する意見書」に対応するため、日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2019年2月に監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」等を公表している。

今般の監査の基準の改訂は、従来の監査報告書に大きな変革をもたらすものと考えられることから、日本公認会計士協会(監査基準委員会)では、この新しい監査報告書の実務の定着を支援するために、より具体的な解説を提供するQ&Aの検討を行ってきた。

本研究報告の検討に当たっては、2019年6月14日から7月5日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とそれらに対する対応は、「「監査報告書に係るQ&A(公開草案)」に対するコメントの概要及び対応について」に記載しているのでご参照のこと。

 ★監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」はこちら ⇒ 監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」

 ★公開草案に対するコメントの概要及び対応はこちら ⇒ 公開草案に対するコメントの概要及び対応

2019年9月27日


監査・保証実務委員会報告第82号「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」の改正について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2019年6月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査・保証実務委員会報告第82号「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」の改正を2019年7月5日付けで公表した。

今回の改正は、企業会計審議会から2018年7月5日付けで公表された「監査基準の改訂に関する意見書」を受けた監査基準の改訂及びそれらに対応するための監査基準委員会報告書の作成・改正を踏まえ、監査報告書の様式の検討を行ったものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 監査・保証実務委員会報告第82号「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」の改正について

2019年9月20日


監査強化対応会議報告書「日本公認会計士協会の監査強化の取組について」の公表について

日本公認会計士協会は、公認会計士の自主規制団体として、健全な資本市場の維持に貢献するため、関係役員等を構成員とした監査強化対応会議を2016年1月に設置している。

監査強化の取組は、今後も継続して実施すべきものであるが、同会議では、現執行部の任期を一つの区切りとし、これまでに実施した施策を総括し、今後の展望について整理し取りまとめたので公表した。

 ★リンクはこちら ⇒ 監査強化対応会議報告書「日本公認会計士協会の監査強化の取組について」の公表について

2019年9月18日


監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」の改正について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2019年6月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」の改正を2019年6月27日付けで公表した。

今回の改正は、企業会計審議会から2018年7月5日付けで公表された「監査基準の改訂に関する意見書」を受けた監査基準の改訂及びそれらに対応するための監査基準委員会報告書の作成・改正を踏まえ、関連する実務指針の検討を行ったものである。

検討に当たっては、2019年4月6日から5月6日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要及びコメントに対する当協会の考え方も併せて掲載しているのでご参照のこと。

 ★監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」はこちら ⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」

 ★コメント対応表はこちら ⇒ 監査・保証実務委員会実務指針第 85 号「監査報告書の文例」の改正に関する公開草案に対するコメントの概要及びコメントに対する当協会の考え方

2019年9月13日


「監査契約時に添付する特別目的の財務諸表の監査報告書又は個別の財務表に対する監査報告書の文例」の公表について

2018年7月に企業会計審議会から公表された改訂監査基準において監査報告書の記載内容及び記載順序の見直しが行われ、新様式の監査報告書は2020年3月31日以後終了する事業年度(または期間)に係る監査から適用となる。この新様式の監査報告書は、特別目的の財務諸表の監査や個別の財務表または財務諸表項目等の監査においても適用される。

監査基準委員会では、改訂監査基準に基づき、監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」及び同805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」の改正作業を行い、本年末を目途に公開草案を公表する予定としている。

一方、監査基準委員会報告書210「監査契約の契約条件の合意」では、監査契約書に想定される監査報告書の様式及び内容を記載することを求めているため(監基報210第8項(5))、2020年3月期の監査契約の締結時期に間に合うように、新様式の監査報告書の文例を先行して参考資料として示すこととした。添付の新様式の監査報告書の文例を参考に、各業務において必要な修正を行い、監査契約書の作成に活用すること。

 ★リンクはこちら ⇒ 「監査契約時に添付する特別目的の財務諸表の監査報告書又は個別の財務表に対する監査報告書の文例」の公表について

2019年8月22日


会長声明「「監査上の主要な検討事項」の適用に向けて」

日本公認会計士協会は、会長声明「「監査上の主要な検討事項」の適用に向けて」を2019年7月12日付けで発出した。

なお、関根愛子氏は2019年7月22日に退任している。

 ★リンクはこちら ⇒ 会長声明「「監査上の主要な検討事項」の適用に向けて」

2019年8月16日


「監査提言集(2019年度版)」の公表について

日本公認会計士協会は、監査提言集の一部を一般に公表しているが、このたび2019年版を公表した。

日本公認会計士協会は、会員の行った個別の監査業務について、必要と認めた場合には、監査手続の実施状況及び監査意見の妥当性等に関する調査を実施している。

監査業務審査会の審査内容の公表は行っていないが、昨今の不適切な会計処理事例が後を絶たない現状を踏まえ、会員の監査業務改善のために、監査業務審査会の審査内容を参考にした上で監査提言集にまとめ、2008 年より、毎年、公表している。

監査業務審査会の役割は、監査業務の瑕疵の有無について会則に基づく懲戒処分を行うことではない。

会員の監査業務の改善指導を主たる目的とするものだが、調査事案の審査を通して浮き彫りとなった業務改善事項は、全ての監査人にとって有意義なものであることから、実際の調査事案を参考にして監査提言集に取りまとめ、会員・準会員に送付している。

また、会員のみならず会員以外の一般の方にも公表してはどうかというご意見もあることから、「監査提言集」におけるポイント、事例の概要等を集約した「監査提言集(一般用)」を日本公認会計士協会ウェブサイトに公表することとしている。

 ★リンクはこちら ⇒ 監査提言集(2019年度版)

2019年8月6日


「専門業務実務指針4461「仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」の公表について

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2019年6月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、「専門業務実務指針4461「仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」を2019年6月20日付けで公表した。

実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年4月26日から5月27日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、意見は寄せられなかった。

なお、一般社団法人日本仮想通貨交換業協会から「会員における利用者財産の分別管理のチェック項目及びチェックポイント」(資金決済に関する法律第63条の11第2項の規定に基づく、同協会会員における利用者財産の分別管理に係る「チェック項目」及び「チェックのポイント」を示したもの)が2019年6月4日に公表されているので、適宜参照のこと。

 ★リンクはこちら ⇒ 「専門業務実務指針4461「仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針」の改正について」の公表について

2019年7月22日


監査基準委員会報告書610「内部監査の利用」、監査基準委員会報告書315 「企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示リスクの識別と評価」 及び関連する監査基準委員会報告書の改正について

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2019年5月23日に開催された常務理事会の承認を受けて、以下の監査基準委員会報告書等の改正を2019年6月12日付けで公表した。

今回の改正は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)において検討された内部監査プロジェクト(2013年3月に改訂版のISA315 及びISA610 を公表)及び財務諸表の注記事項の監査を強化するプロジェクト(2015年7月に改訂版のISA315等を公表)に対応すべく、関連する監査基準委員会報告書の検討を行ったものである。内部監査、注記の監査それぞれのプロジェクトに対応して検討した監査基準委員会報告書等は以下のとおり。

検討に当たっては、2019年2月26日から3月26日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて掲載しているので参照のこと。

 ★リンクはこちら ⇒ 監査基準委員会報告書610「内部監査の利用」、監査基準委員会報告書315 「企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示リスクの識別と評価」 及び関連する監査基準委員会報告書の改正について

2019年7月19日


学校法人委員会研究報告第25号「確認について」の改正について

日本公認会計士協会(学校法人委員会)は、2019年4月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「学校法人委員会研究報告第25号「確認について」の改正について」を公表した。

本研究報告の改正は、監査・保証実務委員会研究報告第6号「銀行等取引残高確認書及び証券取引残高確認書の様式例」(2018年10月26日改正)及び監査・保証実務委員会実務指針第73号「訴訟事件等に関わる顧問弁護士への質問書に関する実務指針」(2018年2月19日改正)を踏まえ、本研究報告中の対応する様式例を中心に改正を行ったものである。

なお、銀行等取引残高確認書の様式例(別紙1)、証券取引残高確認書の様式例(別紙2)、顧問弁護士への質問書(白紙送付方式)の様式例(別紙4)は、2019年3月5日付けで会員専用サイトに掲載・公表したものと同一である。

 ★学校法人委員会研究報告第 25 号『確認及び顧問弁護士への質問に関するQ&A』はこちら ⇒ 学校法人委員会研究報告第 25 号『確認及び顧問弁護士への質問に関するQ&A』

 ★別紙1 銀行等取引残高確認書の様式例はこちら ⇒別紙1 銀行等取引残高確認書の様式例

 ★別紙2 証券取引残高確認書の様式例はこちら ⇒別紙2 証券取引残高確認書の様式例

 ★別紙3 債権・債務等残高確認書の様式例はこちら ⇒別紙3 債権・債務等残高確認書の様式例

 ★別紙4 顧問弁護士への質問書の様式例はこちら ⇒別紙4 顧問弁護士への質問書の様式例

2019年6月13日


「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」」及び「IT委員会研究報告第45号「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」の実施上の留意点」」の改正

日本公認会計士協会(IT委員会)は、2019年3月19日に開催されました常務理事会の承認を受けて、「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」及びIT委員会研究報告第45号「IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」の実施上の留意点」の改正について」を3月29日付けで公表した。

本実務指針及び研究報告は、財務報告目的以外の受託業務に係る内部統制を検証し、報告する保証業務に関する実務上の指針を提供するものである。

今般の改正では、2017年4月に、米国公認会計士協会(AICPA)から、2017年版の Trust Services Criteria(TSC)が公表されたことを受け、付録4の内容を中心に見直しを行うとともに、2018年2月にAICPAから公表されたDC section 200の内容を受けて、受託会社のシステムに関する記述書の記述規準について、見直しを行っている。

本改正の取りまとめに当たっては、2019年1月25日から2019年2月25日までの間、草案を公表し、広く意見募集を行った。

 ★IT委員会実務指針第7号『受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書』はこちら ⇒ IT委員会実務指針第7号『受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書』

 ★『《付録4》受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の評価のための規準』はこちら ⇒ 《付録4》受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の評価のための規準

 ★IT委員会研究報告第45号『IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」の実施上の留意点』はこちら ⇒ IT委員会研究報告第45号『IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」の実施上の留意点』

2019年6月12日


解説動画「KAMとは」の公開について

日本公認会計士協会は、KAMに関する解説動画を公開した。
KAMの周知・浸透に関する広報ツールとして自由に使用できる。
上場企業の会計監査に導入される「KAM」について解説している。

「KAM」とは、”監査上の主要な検討事項(Key Audit Mutters)”のことである。
「KAM」が導入されると、会計監査人は監査において、特に重要と考えた事項を、監査報告書へ記載することとなる。
では、どのような効果が期待されているのか?

 ★リンクはこちら ⇒ 解説動画「KAMとは」の公開について

2019年6月10日


法規委員会研究報告第16号「監査及びレビュー等の契約書の作成について」 の改正(2019年3月29日)

日本公認会計士協会(法規委員会)は、2019年3月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、「法規委員会研究報告第16号「監査及びレビュー等の契約書の作成について」の改正について」を公表した。

今般の改正は、2018年7月5日付けで公表された「監査基準の改訂に関する意見書」に関連して2019年2月28日付けで公表された監査基準委員会報告書の新設及び改正、並びに2018年7月24日付で公表された倫理規則の改正を受けて行うものである。

研究報告の主な改正内容は以下のとおり。

1. 監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」の公表に伴い、同報告書を早期適用し金融商品取引法監査において「監査上の主要な検討事項」を記載する場合の追加
2. 監査基準委員会報告書700「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」等の改正に伴う記載の見直し
3. 倫理規則改正に伴う守秘義務に関する記載の見直し

なお、本研究報告に示している各種様式は、契約締結に際して留意すべき事項や内容等について例示して会員の業務の参考に資することを目的とするものであり、利用に際しては、適宜、追加、削除、修正されることを想定しているので、留意すること。

 ★リンクはこちら ⇒ 法規委員会研究報告第16号「監査及びレビュー等の契約書の作成について」 の改正(2019年3月29日)

2019年6月7日


倫理委員会研究報告第1号「監査人の独立性チェックリスト」の改正

2019年3月19日の日本公認会計士協会常務理事会において、「倫理委員会研究報告第1号「監査人の独立性チェックリスト」の改正について」が承認された。

今回の改正は、2018年4月に「独立性に関する指針」が改正され、非保証業務の同時提供に関する規定が見直されたことを受けて、チェックリストの関連する項目について見直しを行ったものである。

主な改正内容は、以下のとおり。

1.改正対象のチェックシート
・倫理規則編の「会計事務所等用」、「チーム構成員用」及び「会計事務所等のその他の構成員用」の3つのシート

2.見直しを行った主なチェック項目
○「依頼人に対する非保証業務の提供」に関するチェック項目
・事務代行に関するチェック項目の追加
・「会計帳簿の記帳代行及び財務諸表の作成」及び「財務諸表作成目的の税額計算」のチェック項目の修正(依頼人が大会社等の場合に例外的に認められていた緊急の場合の取扱いを削除)

具体的な改正箇所については、参考資料を参照のこと。

 ★倫理委員会研究報告第1号「監査人の独立性チェックリスト」の改正はこちら ⇒ 倫理委員会研究報告第1号「監査人の独立性チェックリスト」(最終改正2019年2019年3月19日)
 ★(法令編)監査人の独立性チェックリスト<公認会計士用>はこちら ⇒(法令編)監査人の独立性チェックリスト<公認会計士用>
(倫理規則編)監査人の独立性チェックリスト<会計事務所等用>はこちら ⇒(倫理規則編)監査人の独立性チェックリスト<会計事務所等用>

2019年5月30日


外部監査の対象となる医療法人における内部統制の構築ついて

厚生労働省から各都道府県あてに、「外部監査の対象となる医療法人における内部統制の構築について」という事務連絡が通知され、ホームページに公表された。

 ★リンクはこちら ⇒ 外部監査の対象となる医療法人における内部統制の構築ついて

2019年5月24日


「業種別委員会実務指針第30号「自己資本比率の算定に関する合意された手続による調査業務を実施する場合の取扱い」の改正について」の公表

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2016年4月に専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」(以下「専門実4400」という。)が公表されたことを受け、専門実4400に対応するための業種別委員会実務指針第30号「自己資本比率の算定に関する合意された手続による調査業務を実施する場合の取扱い」の見直しを行ってきた。

このたび、2019年3月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、実務指針を3月28日付けで改正した。

実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年1月30日から3月1日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、意見は寄せられなかった。

なお、改正後の本実務指針は、公表日以降に発行する自己資本比率の算定に対する合意された手続実施結果報告書から適用される。

 ★リンクはこちら ⇒ 自己資本比率の算定に対する合意された手続業務に関する実務指針

2019年5月20日


IT委員会研究報告第52号「次世代の監査への展望と課題」及び 「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(IT委員会)は、2019年1月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、IT委員会研究報告第52号「次世代の監査への展望と課題」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を公表した。

本研究報告では、最近のIT技術の進化を考慮して2030年頃の次世代の監査の在り方を展望するとともに、それを現実のものとするに当たって想定される諸問題についても明らかにしている。

本研究報告の取りまとめに当たっては、2018年10月25日から2018年11月25日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

本研究報告は、現状におけるIT技術の進化に関する展望を基に取りまとめたものであるが、今後も引続き、IT技術の進化を含めた社会環境の変化に対応し、更なる監査の効率化及び品質向上に向けた調査・研究を進めていくとのこと。

 ★『IT委員会研究報告第52号「次世代の監査への展望と課題」』はこちら ⇒ IT委員会研究報告第52号「次世代の監査への展望と課題」

★『IT委員会研究報告「次世代の監査への展望と課題」(公開草案)」に対するコメントの概要及び対応について 』はこちら ⇒ IT委員会研究報告「次世代の監査への展望と課題」(公開草案)」に対するコメントの概要及び対応について

2019年3月14日


動画コンテンツ「監査業務におけるITの活用事例(初級編・上級編)」の公表

日本公認会計士協会は、このたび動画コンテンツ「監査業務におけるITの活用事例(初級編・上級編)」を公表した。

公認会計士が監査業務を行う上でITをどのように活用しているのかについて、監査業務になじみのない一般の方向けの初級編と、一般事業会社の監査役等、監査に関する知識を持つ方向けの上級編に分けて、それぞれ解説している。

この動画は、2018年10月15日に公表したパンフレット「監査業務におけるITの活用事例」の説明用動画として制作した。

パンフレットと併せてご覧いただくことで、公認会計士業界のITの活用状況について、理解を深められる内容となっている。

 ★リンクはこちら ⇒ 動画コンテンツ「監査業務におけるITの活用事例(初級編・上級編)」の公表

2019年3月6日


不適正意見・意見不表明・限定付適正意見等一覧

この一覧は、財務諸表等(四半期財務諸表等)に添付される監査報告書(四半期レビュー報告書)において、「不適正意見(否定的結論)」、「意見の表明をしない(結論の表明をしない)」旨、又は「限定付適正意見(限定付結論)」が記載された上場会社について、投資者に注意を促す目的で掲載しているものである。

不適正意見等一覧

銘柄名 コード 市場区分 対象 監査報告書等の作成日 監査意見等 監査意見等
の内容及び
その理由
㈱シベール 2228 JQスタンダード 2019年8月期
第1四半期訂正報告書
(個別財務諸表)
2019/02/15 結論不表明

(注)2019年以降の公表分を掲載している。

「不適正意見(否定的結論)」又は「意見の表明をしない(結論の表明をしない)」旨が記載された場合、直ちに上場廃止としなければ市場の秩序を維持することが困難であることが明らかであると当取引所が認めるときは、上場廃止となるほか、内部管理体制等について改善の必要性が高いと当取引所が認めるときは、特設注意市場銘柄への指定や改善報告書の提出要求の対象となるので、十分に注意すること。

「監査意見等の内容及びその理由」の欄には、上場会社の開示資料を代用して掲載している。

限定付適正意見等一覧

銘柄名 コード 市場区分 対象 監査報告書等の作成日 監査意見等
㈱ウェッジホールディングス 2388 JQグロース 2019年9月期
第1四半期報告書
(連結財務諸表)
2019/02/14 限定付結論
昭和ホールディングス㈱ 5103 第二部 2019年3月期
第3四半期報告書
(連結財務諸表)
2019/02/14 限定付結論
㈱東京衡機 7719 第二部 2019年2月期
第3四半期報告書
(連結財務諸表)
2019/01/15 限定付結論

(注)2019年以降の公表分を掲載している。

限定付適正意見(限定付結論)の内容等は、各社の有価証券報告書又は四半期報告書をEDINETで参照のこと。

 ★リンクはこちら ⇒ 不適正意見・意見不表明・限定付適正意見等一覧

2019年3月5日


非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」を、2018年12月28日付けで公表した。

本実務指針は、平成27年8月、農業協同組合法等の一部を改正する等の法律が成立したことにより、一定規模以上等の農業協同組合及び同連合会が作成する計算書類等について、JA全国監査機構による監査から会計監査人による監査へ移行することを受けて、会員が農業協同組合法に基づく監査を行うに当たっての留意点について検討を行い、取りまとめたものである。

上記改正法附則第50条第2項においては、会計監査人監査への円滑な移行を図るため、農林水産省、金融庁、全国農業協同組合中央会及び当会による協議の場を設けることとされており、本実務指針の策定についても必要な協議を重ねてきた。

なお、全国農業協同組合中央会は、同会の監査規程等に係る前任監査人について、監査基準委員会報告900「監査人の交代」に準ずるよう規定を追加設定した。
これにより、会計監査人間の引継ぎの場合と同等の情報の入手が可能となる。

また、従来の農業協同組合監査士による監査に係る監査調書等については、農協法において厳格な管理が求められており、全国農業協同組合中央会から会計監査人に対して、公正な引継ぎがなされることとなっている。

本実務指針の取りまとめに当たっては、2017年9月26日から2017年10月26日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表している。

 ★『非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」』はこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針第42号「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」

★『非営利法人委員会実務指針「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について』はこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針「農業協同組合法に基づく会計監査に係る監査上の取扱い及び監査報告書の文例」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2019年2月15日


「専門業務実務指針4450「労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対する合意された手続業務に関する実務指針」」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表並びに監査・保証実務委員会研究報告第24号「一般労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対して公認会計士等が行う監査及び合意された手続業務に関する研究報告」の廃止について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2018年12月11日に開催された常務理事会の承認を受けて、専門業務実務指針4450「労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対する合意された手続業務に関する実務指針」(以下「本実務指針」という。)を2018年12月20日付けで公表した。

なお、本実務指針の取りまとめを行うに当たっては、2018年10月22日から11月23日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表する。

本実務指針は、専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」の適用開始に伴う適合修正の一環として監査・保証実務委員会研究報告第24号「一般労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対して公認会計士等が行う監査及び合意された手続業務に関する研究報告」(以下「研究報告24号」という。)の見直しを行ったものであるため、本実務指針の公表をもって研究報告24号は廃止する。

研究報告24号が廃止されることに伴い、新規許可の事後申立てに当たっての公認会計士又は監査法人による中間又は月次決算書に対する監査証明(研究報告24号2(1)参照)について、今後は次のように考えられる。

  • 研究報告24号公表後、監査基準が改訂され、これに伴い、2014年4月に監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」が公表されている。
  • 新規許可の事後申立てに当たっては、適用される財務報告の枠組み(財務諸表作成の基礎及び会計方針等)を注記した中間又は月次決算書に対して、当該財務報告の枠組み(一般目的又は特別目的)が受入可能か検討を行った上で監査を実施し、上記の監査基準委員会報告書に照らして必要な場合には監査報告書に強調事項並びに配布及び利用制限を記載することとなる。

 ★『専門業務実務指針4450「労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対する合意された手続業務に関する実務指針」』はこちら ⇒ 専門業務実務指針4450「労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対する合意された手続業務に関する実務指針」

★『 監査・保証実務委員会実務指針「労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に
対する合意された手続業務に関する実務指針」の公開草案に対するコメントの概要及び対応
について 』はこちら ⇒
 監査・保証実務委員会実務指針「労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対する合意された手続業務に関する実務指針」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

2019年2月14日


監査実務チェックリスト研究会報告書2018『監査役監査チェックリスト④【上場会社編】』

公益社団法人日本監査役協会中部支部監査実務チェックリスト研究会は、このほど「監査実務チェックリスト研究会報告書2018『監査役監査チェックリスト④【上場会社編】』」を取りまとめた。

 ★リンクはこちら ⇒ 監査実務チェックリスト研究会報告書2018『監査役監査チェックリスト④【上場会社編】』

2019年2月8日


「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2018年11月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について」を2018年11月15日付けで公表した。

本改正は、「平成29年度公益法人の会計に関する諸課題の検討結果について」(2018年6月15日 内閣府公益認定等委員会 公益法人の会計に関する研究会)に基づき、2018年8月27日に内閣府公益認定等委員会委員長から当協会会長あてに「公益法人の会計に関する諸課題の検討について(継続的協力依頼)」が発出され、9月5日に内閣府公益認定等委員会事務局長から非営利法人委員会委員長あてに検討を依頼する項目の連絡があったことを受け、協力の依頼があった項目について、非営利法人委員会における検討を重ねてきた。

本改正は、2019年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用される。

また、本実務指針の取りまとめに当たっては、2018年9月21日から2018年10月21日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

 ★『公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例 』はこちら ⇒ 公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例

★『非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について 』はこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針第34号「公益法人会計基準を適用する公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人の財務諸表に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の改正について(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2018年12月25日


監査事務所情報開示検討プロジェクトチーム 「監査法人の計算書類及び監査報告書の文例に関する研究報告」の公表及び公認会計士法改正対策プロジェクトチームからの研究報告 「監査法人の計算書類に係るひな型」の廃止について

日本公認会計士協会では、2017年2月に監査事務所情報開示検討プロジェクトチームを設置し、監査法人が作成する年次報告書「業務及び財産の状況に関する説明書類」に含まれる計算書類、及び一定の要件を満たした有限責任監査法人の計算書類に求められている監査において使用する監査報告書の文例について検討を行ってきた。

このたび、2018年11月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査法人の計算書類及び監査報告書の文例に関する研究報告」を 2018年11月21日付けで公表した。

検討に当たっては、2018年3月23日から6月25日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とそれらに対する対応は、「「監査法人の計算書類及び監査報告書の文例に関する研究報告(公開草案)」に対するコメントの概要及び対応について」に記載しているのでご参照のこと。

なお、本研究報告の公表に伴い、公認会計士法改正対策プロジェクトチームからの研究報告「監査法人の計算書類に係るひな型」は、廃止となる。

★『監査法人の計算書類及び監査報告書の文例に関する研究報告』はこちら ⇒ 監査法人の計算書類及び監査報告書の文例に関する研究報告

 ★『「監査法人の計算書類及び監査報告書の文例に関する研究報告(公開草案)」に対するコメントの概要及び対応について』はこちら ⇒ 「監査法人の計算書類及び監査報告書の文例に関する研究報告(公開草案)」に対するコメントの概要及び対応について

2018年12月19日


「監査委員会研究報告第6号「銀行等取引残高確認書及び証券取引残高確認書の様式例」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、2018年10月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、「監査委員会研究報告第6号「銀行等取引残高確認書及び証券取引残高確認書の様式例」の改正について」を2018年10月26日付けで公表した。

今般の改正は、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」が導入されて金融商品に関する広範な開示が求められることになったこと、銀行等取引及び証券取引がさらに高度化及び複雑化したこと、ITシステムの技術発展により残高確認の実務にもIT化への対応が求められていることなど、現行の実務に対応させるべく見直しを行ったものである。

なお、本改正の取りまとめを行うに当たっては、2018年7月30日から8月31日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

 ★「銀行等取引残高確認書及び証券取引残高確認書の様式例」はこちら ⇒ 「監査委員会研究報告第6号「銀行等取引残高確認書及び証券取引残高確認書の様式例」の改正について

★「公開草案に対するコメントの概要及び対応」はこちら ⇒ 「監査委員会研究報告第6号「銀行等取引残高確認書及び証券取引残高確認書の様式例」の改正について」の公開草案に対するコメントの概要及び対応について

2018年11月26日


パンフレット「監査業務におけるITの活用事例」(改訂版)

日本公認会計士協会は、このたびパンフレット「監査業務におけるITの活用事例」(改訂版)を公表した。 本パンフレットは、会員外の方向けに、当業界のITの活用状況について説明するための資料として取りまとめた。 公認会計士が監査業務を行う上で、ITをどのように活用しているのかについて、事例を用いて解説している。

<パンフレットの送付をご希望の方へ> 本パンフレットをご希望の方に郵送にて配布している。 ご注文の際は、電子メールのタイトルに「ITの活用事例パンフレット送付申込み」と記入し、本文に氏名(会員の方は会員番号)・送付先(郵便番号及び住所)・電話番号・必要部数を明記の上、電子メールにて申し込むこと。 パンフレット申込み受信専用アドレス:kigyokaikei@sec.jicpa.or.jp

送料については負担が必要である。 送付部数や送付先の所在地により異なる。10部の場合で400円程度)。 申し込み状況によっては発送まで2週間程度時間を要することがあるので、余裕をもってお申し込みのこと。

なお、内容に関するお問い合わせは、企業会計・監査・保証グループまで。 TEL:03-3515-1128

 ★リンクはこちら ⇒ パンフレット「監査業務におけるITの活用事例」(改訂版)

2018年11月8日


「開示検査事例集」の公表について

証券取引等監視委員会は、「開示検査事例集」を、リンクのとおり取りまとめ、公表した。

「開示検査事例集」は、適正な情報開示に向けた市場関係者の自主的な取組みを促す観点から、証券取引等監視委員会による開示検査の最近の取組みや開示検査によって判明した開示規制違反の内容、その背景・原因及び是正策等の概要を取りまとめたものである。

「開示検査事例集」は、平成20年以降、毎年公表してきた「金融商品取引法における課徴金事例集~開示規制違反編~」をより利用しやすいものとするため、昨年、内容を刷新するとともに名称を変更した。

今般公表した今年度版の「開示検査事例集」は、昨年度版に最近の開示検査事例を追加し、課徴金納付命令勧告を行った事例だけでなく、勧告は行わないものの、開示規制違反の背景・原因を追究した上でその再発防止策を会社と共有した事例、会社に対して訂正報告書等の自発的な提出を促した事例等、さまざまな事例を積極的に紹介するともに、市場関係者への皆様へのメッセージでも掲載している。

この事例集を通じて、上場会社、会計監査人、投資家の皆さんの、開示規制違反の手法、背景・原因等についての理解を深めていくことで、上場会社とその会計監査人である公認会計士・監査法人とのコミュニケーションや投資家の皆さんと投資先である上場会社との対話がますます活発に行われることを期待している。

 ★リンクはこちら ⇒ 「開示検査事例集」の公表について

2018年10月30日


不適正意見・意見不表明・限定付適正意見等一覧

日本取引所グループは、『不適正意見・意見不表明・限定付適正意見等一覧』を、ホームページに更新した。

この一覧は、財務諸表等(四半期財務諸表等)に添付される監査報告書(四半期レビュー報告書)において、「不適正意見(否定的結論)」、「意見の表明をしない(結論の表明をしない)」旨、または「限定付適正意見(限定付結論)」が記載された上場会社について、投資者に注意を促す目的で掲載しているものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 不適正意見・意見不表明・限定付適正意見等一覧

2018年8月23日


業種別委員会実務指針第61号「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」の公表

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、2018年6月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、業種別委員会実務指針第61号「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」を6月29日付けで公表した。 本実務指針は、2016年6月3日に資金決済法が改正され、仮想通貨交換業者が事業年度ごとに内閣総理大臣へ提出する財務に関する報告書に対して、公認会計士又は監査法人の監査報告書を添付することが求められたこと、また、2018年3月14日に企業会計基準委員会から実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」(以下「実務対応報告」という。)が公表されたことを受けて公表したものである。

本実務指針の公開草案へ寄せられたコメントを受けての主な修正点は以下のとおりである。 (1)監査基準委員会報告書の体系に合わせるため、一部の規定の順序を入れ替えた。 (2)本実務指針の中で定義として示した方がよい項目を定義の項として取りまとめた。 (3)詳細な例示事項として本文に置いていた仮想通貨交換業者の業務内容の理解に関する事項、内部統制の例示並びに収益の発生、仮想通貨の実在性及び仮想通貨の評価に関する実証手続例を付録へ移設した。

本実務指針の適用は、仮想通貨交換業者が内閣総理大臣へ提出する財務に関する報告書に対する監査報告書の添付が、改正された資金決済法の施行日(2017年4月1日)の属する事業年度の翌事業年度から適用されること及び監査基準委員会報告書から追加される要求事項がないため、公表日から適用となる。 なお、本実務指針の取りまとめを行うに当たっては、2018年3月23日から4月24日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。 公開草案に寄せられたコメントの中には、発展途上の技術を基礎としたビジネスである仮想通貨交換業について、監査意見を表明する際の考え方や留意事項を明示してほしいというものがあった。 これらを含め、主なコメントの概要とその対応として、本実務指針と併せて公表したので、監査関係者はご一読のこと。

 ★仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針はこちら ⇒ 業種別委員会実務指針第61号「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」 ★「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応はこちら ⇒ 業種別委員会実務指針「仮想通貨交換業者の財務諸表監査に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について 

2018年7月24日


専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」の改正について

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)では、平成30年3月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」の改正を平成30年3月20日付けで公表した。

本改正は、保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」が平成29年12月19日付けで公表されたことを受けて見直しを行ったものである。 本改正の取りまとめに当たっては、平成30年1月18日から2月19日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、意見は寄せられなかったようである。

なお、改正後の本実務指針は、平成30年4月1日以降に発行する合意された手続実施結果報告書に適用されるが、本実務指針の第3項、第4項及び全ての要求事項が適用可能である場合には、公表日以降に発行する合意された手続実施結果報告書から適用することも可能である。

 ★リンクはこちら ⇒ 専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」の改正について

2018年5月17日


中小企業施策調査会研究報告第1号「『経営者保証に関するガイドライン』における公認会計士等が実施する合意された手続に関する手続等及び関連する書面の文例」の公表

日本公認会計士協会は、平成29年12月1日付けで「『経営者保証に関するガイドライン』における公認会計士等が実施する合意された手続に関する手続等及び関連する書面の文例」を公表した。

平成25年12月に「経営者保証に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)及び「『経営者保証に関するガイドライン』Q&A」が、日本商工会議所及び一般社団法人全国銀行協会を事務局とする「経営者保証に関するガイドライン研究会」から公表され、平成26年2月1日から適用されている。 ガイドラインは、中小企業・小規模事業者等(以下「中小企業」という。)の経営者による個人保証(以下「経営者保証」という。)の契約時及び履行時等における様々な課題に関して、中小企業、経営者及び金融機関による対応についての自主的自律的な準則として策定されたものである。

ガイドラインは、経営者保証について、保証契約時と主たる債務の整理局面における保証債務の整理(履行等)時とに区分して、それぞれの課題と具体的な解決策について整理している。 このうち、前者では、ガイドラインが経営者保証に依存しない融資の一層の促進が図られることを本旨とすることを明示しつつ、経営者保証のない融資の実現に当たって求められる中小企業の経営状況を明らかにするとともに、保証を求めない可能性や停止条件又は解除条件付保証契約(主たる債務者が特約条項に抵触しない限り保証債務の効力が発生しない契約等)等の代替的な融資手法の活用等を含めた金融機関側の検討項目を示している。 経営者保証のない融資の実現に当たって求められる中小企業の経営状況として挙げられている項目は、① 法人と経営者との関係の明確な区分・分離、② 財務基盤の強化、③ 財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保となっている。 これらのうち①と③は、ガバナンスや情報開示に係る事項であって、経営方針や経営体制の改善によって計画的に実現を図ることが可能であり、公認会計士等による適切な検証が期待されている。 一方、後者は、主たる債務者について事業再生等が開始された場合、経営者の帰責性や経営資質等を勘案して一律に経営者の交代を求めないことや、経営者の事業再生等の着手の決断が早く、事業再生の実効性の向上に資するものとして、債権者としても一定の経済合理性が認められる場合には、保証債務の履行・減免に当たって経営者に一定の資産を残すことを検討するとしている。

本研究報告は、公認会計士等が、専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」に基づき、ガイドラインに関連して主たる債務者が開示することとされている「法人と経営者との関係の明確な区分・分離」に関する情報の信頼性を向上することに資するために公認会計士等が合意された手続の業務を行う際の手続を例示するものである。 本研究報告は、本会の会員である公認会計士等が債務者である会社等と合意された手続を協議して決定するとともに合意された手続業務契約書を会社等と締結することに資するために作成されている。 示されている手続はあくまでも一例を示したものにすぎず、言うまでもなく、合意された手続は、契約当事者の合意によって実施されるものである。 実際の業務実施に当たっては、債務者の状況及び債権者の求める水準等を反映して、事案に応じて適宜柔軟に合意された手続が決定された上で、合意された手続業務契約書を作成することに留意するよう、お願いする。 例えば、金融機関が、債務者との間で親密な関係を長く維持することにより蓄積された債務者に関する情報を有していることや債務者の事業規模等を踏まえながら手続が決定されること等が考えられる。

本研究報告は、公認会計士等が合意された手続の業務を行う際の手続を例示するものであり、引き続き検討していきたいと考えている。 今後の経営者保証に関する実務の進展とともに、必要に応じて継続的に見直し・改正を行うこととしている。なお、ガイドライン等の概要や本研究報告で示されている手続等に関して、今後、研修会を実施する予定とのことである。

 ★リンクはこちら ⇒ 中小企業施策調査会研究報告第1号「『経営者保証に関するガイドライン』における公認会計士等が実施する合意された手続に関する手続等及び関連する書面の文例」の公表

2018年2月14日


監査・保証実務委員会実務指針第93号「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」、監査・保証実務委員会研究報告第30号「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」に係るQ&A」及び同研究報告第31号「監査及びレビュー業務以外の保証業務に係る概念的枠組み」並びに「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)では、平成29年12月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、監査・保証実務委員会実務指針第93号「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」」(以下「本実務指針」という。)、監査・保証実務委員会研究報告第30号「保証業務実務指針3000「監査及びレビュー業務以外の保証業務に関する実務指針」に係るQ&A」及び同研究報告第31号「監査及びレビュー業務以外の保証業務に係る概念的枠組み」を平成29年12月19日付けで公表した。

本実務指針の適用日については、本実務指針に従って監査及びレビュー業務以外の保証業務を行おうとする監査事務所において品質管理システム等の体制の整備が必要となることから、一定の期間を確保することが適切と考え、平成32年1月1日以降に発行する保証報告書から適用することとした。 ただし、本実務指針の第3項、第4項及び全ての要求事項が適用可能である場合には、本実務指針の公表日以降に発行する保証報告書から適用することも可能である。

また、本実務指針が確定したことを受けて、今後、監査及びレビュー以外の保証業務に関連する既存の実務指針等について、適合修正の要否の検討を行う予定である。

なお、本実務指針の取りまとめを行うに当たっては、平成29年10月10日から11月11日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

 ★実務指針第93号(訂正後)はこちら ⇒ 実務指針第93号

★研究報告第30号(訂正後)はこちら ⇒ 研究報告第30号

★研究報告第31号(訂正後)はこちら ⇒ 研究報告第31号

★コメント対応表はこちら ⇒ 公開草案に対するコメントの概要及び対応

2018年1月31日


日本公認会計士協会会長声明『十分な期末監査期間の確保について』

日本公認会計士協会は、公認会計士が高品質の監査を実施するためには、企業とのコミュニケーションや専門的な判断を行うのに十分な期末監査期間の確保が必要であることから、これまでにも公認会計士に対して、十分な期末監査期間の確保を要請してきた。

しかしながら、当協会の調査(平成29年3月期)によれば、監査意見を形成するに足る基礎は得られているものの、将来的に監査品質に影響を及ぼしかねない時間的な制約を受けている状況にあると考えられる。

こうした状況に鑑み、当協会では、監査業務を実施する公認会計士に対して、十分な期末監査期間の確保に関し、これまでの要請を踏まえて必要な対応を被監査会社に求めることを改めて要請することにした。 なお、この現状が、公認会計士だけではなく、監査業務を依頼する企業を含む市場関係者の間で共通の課題として理解されることが必要であると考えている。 そのため、今般、十分な期末監査期間の確保に関する会長声明、及び平成29年3月期決算会社を対象にした期末監査期間に関するアンケート調査の概要等を公表した。

 ★リンクはこちら ⇒ 日本公認会計士協会会長声明『十分な期末監査期間の確保について』

2017年12月26日


「開示検査事例集」の公表

証券取引等監視委員会は、「開示検査事例集」について、取りまとめ、公表した。

本書は、適正な情報開示に向けた市場関係者の自主的な取組みを促す観点から、最近の開示検査の取組みや開示検査で確認された不適正な会計処理やその根本原因等の概要を取りまとめたものである。 平成20年以降、「金融商品取引法における課徴金事例集~開示規制違反編~」として公表してきたが、今年度から、「開示検査事例集」と名称を変更した。

これは、本書において、課徴金納付命令勧告を行った事例だけでなく、勧告は行わないものの、開示規制違反の根本原因を追究した上でその再発防止策を会社と共有した事例、会社に対して訂正報告書等の自発的な提出を促した事例等、さまざまな事例を積極的に紹介することとしたためである。

この事例集を通じて、上場会社とその会計監査人である公認会計士・監査法人とのコミュニケーションが、そして、投資家の皆さんと投資先である上場会社との対話が活発に行われることを期待される。

 ★リンクはこちら ⇒ 「開示検査事例集」の公表

2017年12月7日


金融商品取引法における課徴金事例集~不公正取引編~ Edit

証券取引等監視委員会は、「金融商品取引法における課徴金事例集~不公正取引編~」について取りまとめ、公表した。

本書は、証券取引等監視委員会(以下、「証券監視委」という。)が、平成28年6月から平成29年3月までの間に、金融商品取引法違反となる不公正取引に関し勧告を行った事例について、その概要を取りまとめたものである。

従来、個別事例は6月から翌年5月までに課徴金納付命令の勧告を行った事例を掲載していたが、今後は年度ベースである4月から翌年3月までの個別事例を掲載することにした。 本年度は移行期間として、平成28年6月から平成29年3月に勧告を行った個別事例を掲載している。

本年度の事例集においては、市場関係者の皆様に、不公正取引を未然に防止するための参考としていただけるよう、(1)勧告事案を分析し、新たに「情報伝達・推奨規制違反に係る勧告の状況」や「重要事実等の決定・発生から公表までの日数」等を追加するとともに、バスケット条項該当性を判断するうえでの参考となる資料を添付したほか、(2)見やすくするために、1事案を見開きページで掲載するようにしたり、相場操縦事案については株価チャートを追加する、等の工夫を行っている。

証券監視委としては、不公正取引の未然防止という観点から、本書が、

(1) 重要事実の発生源となる上場会社等におけるインサイダー取引管理態勢の一層の充実
(2) 公開買付け等企業再編の当事者からフィナンシャル・アドバイザリー業務等を受託する証券会社・投資銀行等における重要事実等の情報管理の徹底
(3) 証券市場のゲートキーパーとしての役割を担う証券会社における適正な売買審査の実施

のためにそれぞれ役立てていただくことを期待している。

また、一般投資者におかれても、不公正取引の疑いがある場合には、証券監視委による調査等の対象となり、法令違反が認められた場合には課徴金が課されることを十分にご理解いただければ幸いである。 本書が活用されることにより、全ての市場利用者による自己規律、市場の公正性・透明性の確保及び投資者保護につながることを強く期待している。

★リンクはこちら ⇒ 金融商品取引法における課徴金事例集~不公正取引編~

2017年10月27日

平成29年度版『監査提言集』の公表

日本公認会計士協会では、会員の行った個別の監査業務について、必要と認めた場合には、監査手続の実施状況及び監査意見の妥当性等に関する調査を実施している。 監査業務審査会の審査内容の公表は行っていないが、昨今の不適切な会計処理事例が後を絶たない現状を踏まえ、会員の監査業務改善のために、監査業務審査会の審査内容を参考にした上で監査提言集にまとめ、平成20年より、毎年、公表している。

監査業務審査会の役割は、監査業務の瑕疵の有無について会則に基づく懲戒処分を行うことではない。 会員の監査業務の改善指導を主たる目的とするものであるが、調査事案の審査を通して浮き彫りとなった業務改善事項は、全ての監査人にとって有意義なものであることから、実際の調査事案を参考にして監査提言集に取りまとめ、会員・準会員に送付している。

また、会員のみならず会員以外の一般の方にも公表してはどうかというご意見もあることから、「監査提言集」におけるポイントを集約した「監査提言集(一般用)」を日本公認会計士協会ウェブサイトに公表することとしている。

★リンクはこちら ⇒ 平成29年度版『監査提言集』の公表

2017年7月27日

改定版「英訳 監査役監査基準」

日本監査役協会は、会社法の改正及び改正会社法に係る法務省令の改正を踏まえた「監査役監査基準」を改定したが、この度、その英訳版についても改定をしたので、公表した。

★リンクはこちら ⇒ 改定版「英訳 監査役監査基準」

2017年7月24日

「非営利法人委員会実務指針第40号『社会福祉法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例』」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、平成29年3月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会実務指針第40号「社会福祉法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」を、平成29年4月27日付けで公表した。 本実務指針は、平成28年3月の社会福祉法の改正により、一定規模を超える社会福祉法人は、会計監査人を設置し、公認会計士または監査法人による監査を受けることが義務付けられたことを受けて、会員が社会福祉法に基づく監査を行うに当たっての留意点について検討を行い、取りまとめたものである。

今般の社会福祉法人制度改革では、先に公表している、会長声明「非営利法人への公認会計士監査の導入に当たって」(平成28年10月13日)や、非営利担当役員連名の「社会福祉法人への公認会計士監査の導入に当たって」(平成28年12月16日)において記載されているとおり、我々公認会計士には、監査を通じて計算書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することが第一に求められているが、結果として社会福祉法人におけるガバナンスの強化や経営の透明性の向上等の経営力強化に資することが期待されている。 また、公認会計士が行う会計監査業務と、所轄庁(社会福祉法人を直接指導・監督する地方自治体等)が行う指導監査との関係については、厚生労働省の発出した通知「社会福祉法人指導監査実施要綱の制定について」(平成29年4月27日、局長連名通知)、「会計監査及び専門家による支援等について」(平成29年4月27日、課長通知)を確認のこと。

なお、今般の社会福祉法人制度改革においては、社会福祉協議会等に特有の会計処理等について、今後も関係する通知等が発出されることが想定される。 これらの通知等を踏まえ、本実務指針についても、適宜必要な見直しを行うことを予定している。

本実務指針の取りまとめに当たっては、平成29年1月30日から平成29年3月2日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表する。

★リンクはこちら ⇒ 「非営利法人委員会実務指針第40号『社会福祉法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例』」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

2017年6月23日

医療法人の公認会計士監査の義務化

<開始年度> 平成29年4月2日以降に開始する事業年度から (多くの医療法人は平成30年4月1日開始事業年度から)

<対象法人の規模> 厚生労働省令第96号(平成28年4月20日)

  • 負債50億円又は事業収益70億円の医療法人
  • 負債20億円又は事業収益10億円の社会医療法人
  • 社会医療法人債発行医療法人

<根拠条文> 医療法第51条 2 医療法人(その事業活動の規模その他の事情を勘案して厚生労働省令で定める基準に該当する者に限る。)は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の貸借対照表及び損益計算書を作成しなければならない。 5 第二項の医療法人は、財産目録、貸借対照表及び損益計算書について、厚生労働省令で定めるところにより、公認会計士又は監査法人の監査を受けなければならない

★リンクはこちら ⇒ <社会福祉法人・医療法人編>公認会計士監査(会計監査人の監査)の概要

2017年6月8日

社会福祉法人の公認会計士監査の義務化

<開始年度> 平成29年4月1日に開始する事業年度から

<対象法人の規模>

 平成29年度・平成30年度  収益30億円を超える法人又は負債60億円を超える法人
 平成31年度・平成32年度  収益20億円を超える法人又は負債40億円を超える法人
 平成33年度以降  収益10億円を超える法人又は負債20億円を超える法人

ただし、段階施行の具体的な時期及び基準については、平成29年度以降の会計監査の実施状況等を踏まえ、必要に応じて見直しを検討する(第19回社会保障審議会福祉部会の資料より)。

<根拠条文> 社会福祉法第37条「会計監査人の設置義務」 特定社会福祉法人(その事業の規模が政令で定める基準を超える社会福祉法人をいう。第四十六条の五第三項において同じ。)は、会計監査人を置かなければならない。 社会福祉法第45条の2「会計監査人の資格等」 会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)又は監査法人でなければならない。

★リンクはこちら ⇒ <社会福祉法人・医療法人編>公認会計士監査(会計監査人の監査)の概要

2017年6月6日

監査実施報告書の様式変更

1.監査実施報告書の様式変更について 監査実施報告書の様式に、「第36号様式 農業協同組合・連合会監査」を新たに設けた。 また、その他の監査実施報告書様式についても見直しを行い、一部を変更した。 【新設】

  • 第36号様式(農業協同組合・連合会監査)

【変更】

  • 第1-1号様式(会社法監査)
  • 第1-2号様式(会社法監査-大会社等・保険業法監査)
  • 第2-1号様式(信用金庫・農林中央金庫監査)
  • 第3-1号様式(労働金庫監査)
  • 第4-1号様式(信用組合監査)
  • 第5-1号様式(私立学校振興助成法監査―都道府県知事所轄)
  • 第5-2号様式(私立学校振興助成法監査―文部科学大臣所轄)
  • 第22号様式(一般社団法人・一般財団法人監査)
  • 第25号様式(中小企業等協同組合監査)
  • 第26号様式(消費生活協同組合監査)
  • 第27号様式(漁業信用基金協会監査)
  • 第35号様式(施設型給付費を受ける教育・保育施設等)

2.監査実施報告書新様式の適用時期について 改正後の別紙様式(第5-1号様式、第5-2号様式、第35号様式及び第36号様式)は、平成28年4月1日以後開始する事業年度または会計年度に係る監査について適用される。 また、改正後の別紙様式(第5-1号様式、第5-2号様式、第35号様式及び第36号様式を除く。)は、平成29年3月31日以後終了する事業年度または会計年度に係る監査について適用される。

郵送をご利用の方は、日本公認会計士協会のウェブサイト内「各種様式ダウンロード」からダウンロードのこと。 電子提出システムをご利用の方は、電子提出システムの「各種様式ダウンロード」からダウンロードのこと。

【お問い合わせ先】 情報管理センター・法定監査情報管理グループ TEL:03-3515-2181

★リンクはこちら ⇒ 監査実施報告書の様式変更について(お知らせ)

2017年5月11日

労働組合の会計監査

労働組合は、『労働組合法』によって、会計報告につき、会計監査人(公認会計士または監査法人)による監査を受けることが義務付けられている。

<労働組合法第5条第2項第7号> すべての財源及び使途、主要な寄附者の氏名並びに現在の経理状況を示す会計報告は、組合員によって委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少なくとも毎年一回組合員に公表されること。

2017年4月24日

「非営利法人委員会実務指針第39号『医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例』」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、平成29年3月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会実務指針第39号「医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」を、平成29年3月28日付けで公表した。

本実務指針は、平成27年9月の医療法の改正により、一定規模以上の医療法人及び社会医療法人には、平成29年4月2日以降開始する会計年度から公認会計士又は監査法人による監査を受けることが義務付けられたことを受けて、会員が医療法に基づく監査を行うに当たっての留意点について検討を行い、取りまとめたものである。

また、今回の医療法の改正により地域医療連携推進法人制度が創設され、地域医療連携推進法人についても、公認会計士又は監査法人による監査を受けることが求められている。 地域医療連携推進法人の会計基準等の諸規則は厚生労働省から順次公表されており、その動向を踏まえつつ、日本公認会計士協会としても実務指針の取りまとめ等の対応を行う予定である。

本実務指針の取りまとめに当たっては、平成29年1月27日から平成29年2月28日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。 公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針第39号『医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例』

★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針『医療法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例』(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2017年3月31日

監査法人トーマツの2016年9月期の決算

有限責任監査法人トーマツは、2016年9月期の決算を公表した。

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)

  • 業務収入 964億円(891億円)
  • 業務費用 951億円(883億円)
  • 営業利益 13億円(8億円)
  • 経常損益 28億円(19億円)
  • 税引前当期純損益 27億円(27億円)
  • 当期純利益 16億円(18億円)

今年も増収増益である。

★リンクはこちら ⇒  第49期 説明書類

2016年12月26日

監査役の会計監査と監査役スタッフの役割~会計不祥事の防止に向けた実効性のある監査とは~

公益社団法人日本監査役協会関西支部監査役スタッフ研究会は、このほど報告書「監査役の会計監査と監査役スタッフの役割~会計不祥事の防止に向けた実効性のある監査とは~」を取りまとめ、公表した。

★リンクはこちら ⇒ 監査役の会計監査と監査役スタッフの役割~会計不祥事の防止に向けた実効性のある監査とは~

2016年11月10日

非営利法人への公認会計士監査の導入

平成28年3月31日に成立した「社会福祉法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第21号)により、平成29年4月1日に開始する会計年度から一定規模を超える社会福祉法人に公認会計士監査が導入されることとなり、社会福祉法人の規模に応じ、監査を段階導入することとした社会保障審議会福祉部会での議論を踏まえ、当該一定規模を規定する政令案が平成28年9月27日に公表された。

また、平成27年9月に成立した「医療法の一部を改正する法律」(平成27年法律第74号)により、一定規模以上の医療法人にも、公認会計士監査が導入されることとなっている。

いずれも各法人の経営組織のガバナンスの強化や経営の透明性の向上を目指す施策の一環として、一般に公正妥当と認められる監査の基準に基づく公認会計士監査が導入されるものである。 我々公認会計士には、第一に適切な監査を実施することが求められている。 また、監査を通じ、結果として監査対象法人におけるガバナンスの強化や経営の透明性の向上等の経営力の強化に資することが求められており、こうした動きは、公認会計士の役割に対する社会的な期待の高まりとして捉えることができる。

★リンクはこちら ⇒ 非営利法人への公認会計士監査の導入

2016年10月24日

有限責任あずさ監査法人の2016年6月期の決算

有限責任あずさ有限責任監査法人は、2016年6月期の決算を公表した。

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)

  • 業務収入 898億円(831億円)
  • 業務費用 883億円(814億円)
  • 営業損益 15億円(16億円)
  • 経常損益 12億円(15億円)
  • 税引前当期純損益 12億円(38億円)
  • 当期純損益 7億円(22億円)

当期は増収減益である。 ただし、業務収入は大幅に増加しているものの、前期は特別利益にグローバル関連費用返戻金というものが22億円計上されていたこともあり、当期純利益は大幅に減少している。

★リンクはこちら ⇒ 有限責任あずさ監査法人の2016年6月期の決算

2016年10月24日

有限責任あずさ監査法人が監査業務に対するデータ分析(Data & Analytics)技法を導入

有限責任あずさ監査法人は、データ分析(Data & Analytics、以後D&A)技法を用いた精査的手法(対象とする母集団100%について監査的検討を行うこと)の導入に取り組んでいたが、このたびすべての監査業務において導入可能な体制を整え、2016年8月より全監査対象会社に対して展開することにした。

近年における情報技術の発展やビッグデータの普及・拡大を受け、企業および会計を取り巻く環境は大きく変わってきている。 また、会計不祥事が後を絶たない状況下、監査に対する期待や監査そのもののあり方も大きく変わりつつある。 これらの急速に変化する社会の期待・ニーズに応えるべく、有限責任あずさ監査法人は、2014年7月に「次世代監査技術研究室」を設置し、ビッグデータを利用した新しい監査技術の導入を検討してきた。

このたび導入する精査的手法では、試査(対象とする母集団のうち一部を検証すること)では検出できなかった異常点が検出可能となるため、特に不正を示唆する取引を検出するための有効な手段になると考えている。 有限責任あずさ監査法人では、このたび監査業務におけるD&A技法を用いた精査的手法を全監査対象会社に導入可能な体制を整え、その実施が必要と判断される場合にはD&A技法を効果的に適用し、監査品質の向上を図っていく方針である。

★リンクはこちら ⇒ 監査業務に対するデータ分析(Data & Analytics)技法の導入について

2016年9月27日

新日本有限責任監査法人の2016年6月期の決算

新日本有限責任監査法人は、2016年6月期の決算を公表した。

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)。

  • 業務収入 1,064億円(991億円)
  • 業務費用 1,027億円(989億円)
  • 営業損益 37億円(2億円)
  • 経常損益 41億円(7億円)
  • 税引前当期純損益 18億円(10億円)
  • 当期純損益 2億円(8億円)

クライアント数が減少しているが、増収となっている。 久しぶりに業務収入が1,000億円を超えたが、業務停止の影響が来期以降に出るだろう。 普段、連結財務諸表が大事だと言っている監査法人の決算が連結ではなく、単体なのが、業界の体質を表しているように思われる。

★リンクはこちら ⇒ 新日本有限責任監査法人の2016年6月期の決算

2016年9月9日

『監査提言集(平成28年度版)』の公表

日本公認会計士協会は、監査提言集の一部を一般に公表しているが、このたび平成28年版を公表した。

この一般用は14ページであるが、会員用は88ページある。

個人的には、もっと一般にも公表すべきだと考える。

★リンクはこちら ⇒ 『監査提言集(平成28年度版)』の公表

2016年8月9日

監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、平成28年6月14日に開催された常務理事会の承認を受けて、6月14日付けで「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について」を公表した。

本研究報告については、中小監査事務所のツール利用者や品質管理レビューアーから寄せられた質問及び提案に基づき改正の検討を行い、平成28年4月21日に公開草案を公表し、広くコメント募集を行った。 その結果、外部からのコメントはなかったが、内容には影響しない範囲での字句修正を一部行っている。

なお、様式については、Excelで提供されている。

★リンクはこちら ⇒ 監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正

2016年7月20日

「不正な財務報告及び監査の過程における被監査会社との意見の相違に関する実態調査報告書」の公表

日本公認会計士協会は、「監査における不正リスク対応基準」の適用状況や公認会計士の不正な財務報告等に関する意識等を調査し、不正な財務報告等に対して会計監査での適切な対応を行うための施策を検討する際の参考とするため、「不正な財務報告及び監査の過程における被監査会社との意見の相違に関する実態調査」を行った。

この実態調査は、平成26年4月期から平成27年3月期に係る1年間に上場企業の監査責任者として関与した公認会計士を対象に実施した(アンケート実施期間:平成27年10月19日~11月9日)。

このたび、アンケートの回答内容を詳細に分析し、「不正な財務報告及び監査の過程における被監査会社との意見の相違に関する実態調査報告書」として取りまとめ、平成28年5月30日付で公表した。

★リンクはこちら ⇒ 不正な財務報告及び監査の過程における被監査会社との意見の相違に関する実態調査報告書

2016年6月28日

専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」の公表

日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は、平成28年4月12日に開催された常務理事会の承認を受けて、専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」を平成28年4月27日付けで公表した。

本実務指針は、監査事務所が実施する合意された手続業務に関する実務上の指針を提供するものであり、平成30年4月1日以降に発行する合意された手続実施結果報告書に適用される。 ただし、平成28年10月1日以降に発行する合意された手続実施結果報告書からの早期適用も認められている。

なお、監査・保証実務委員会研究報告第20号「公認会計士等が行う保証業務等に関する研究報告」(平成21年7月1日付け公表)の「14.合意された手続(Agreed upon procedures)」については、本実務指針の適用以後は、本実務指針の規定が優先することとなる。

本実務指針の取りまとめに当たっては、平成27年12月22日から平成28年1月22日までの間、草案を公開し、広く意見を求めている。 なお、公開草案に寄せられた主なコメントの概要とそれらに対する対応は、「専門業務実務指針4400「合意された手続に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要とその対応」に記載している。

★リンクはこちら ⇒ 専門業務実務指針4400「合意された手続業務に関する実務指針」の公表

2016年6月8日

倫理委員会研究報告第1号「監査人の独立性チェックリスト」及び同第2号「監査法人監査における監査人の独立性チェックリスト」の改正

平成28年4月12日の常務理事会で、「倫理委員会研究報告第1号「監査人の独立性チェックリスト」及び同第2号「監査法人監査における監査人の独立性チェックリスト」の改正について」が承認された。

今回の改正は、本研究報告の公表・改正から数年が経過していることから、倫理委員会において、平成26年7月に改正された倫理規則等に関連する事項を含めた全般的な見直しを行ったものである。

主な改正内容は、以下のとおり。 1.倫理委員会研究報告第1号「監査人の独立性チェックリスト」 ①倫理規則等の改正への対応 ・利益相反に関するチェック項目を追加 ・倫理規則違反への対応に関するチェック項目を追加 ②利便性を高めるための見直し ・事務所内のどの者がどのシートを利用すべきかを示した付表を追加 ・その他、チェック項目内容の見直し・整理等 2.倫理委員会研究報告第2号「監査法人監査における監査人の独立性チェックリスト」 ①利便性を高めるための見直し ・チェック項目内容の見直し・整理等

★リンクはこちら ⇒ 倫理委員会研究報告第1号「監査人の独立性チェックリスト」及び同第2号「監査法人監査における監査人の独立性チェックリスト」の改正

2016年6月7日

中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、平成28年4月12日に開催された常務理事会の承認を受けて『中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正について』を公表した。

本研究報告は、日本公認会計士協会東京会「監査表示チェックリストプロジェクトチーム」に審議を委託し、その協力を得て、中小規模の監査事務所が、会社法第436条第2項第1号に基づく計算書類及びその附属明細書の監査並びに会社法第444条第4項に基づく連結計算書類の監査において、その表示の確認を実施する際の参考に資するため、チェックリストの形式で取りまとめたものである。 また、法令等の改正箇所については網掛けして明示している。

なお、本研究報告は、その一例を示したものであるため、被監査会社の計算書類等の表示を確認する際には、それぞれの実情に即して、加除修正等の検討を行う必要があること、また、平成28年33月31日時点で施行・適用されている法令や実務指針等に基づいて作成しているため、法令や実務指針等の改正が実施された場合には、その改正事項を考慮した上で使用する必要がある。

★リンクはこちら ⇒ 中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正

2016年5月31日

中小事務所等施策調査会研究報告第4号「有価証券報告書に関する表示のチェックリスト」の改正

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、平成28年4月12日に開催された常務理事会の承認を受けて『中小事務所等施策調査会研究報告第4号「有価証券報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について』を公表した。

本研究報告は、日本公認会計士協会東京会「監査表示チェックリストプロジェクトチーム」に審議を委託し、その協力を得て、中小規模の監査事務所が、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく財務計算に関する書類の監査において、有価証券報告書に関する表示の確認を実施する際の参考に資するため、チェックリストの形式で取りまとめたものである。 また、法令等の改正箇所については網掛けして明示している。

なお、本研究報告は、その一例を示したものであるため、被監査会社の有価証券報告書の表示を確認する際には、それぞれの実情に即して、加除修正等の検討を行う必要があること、また、平成28年3月31日時点で施行・適用されている法令や実務指針等に基づいて作成しているため、法令や実務指針等の改正が実施された場合には、その改正事項を考慮した上で使用する必要がある。

★リンクはこちら ⇒ 中小事務所等施策調査会研究報告第4号「有価証券報告書に関する表示のチェックリスト」の改正

2016年5月17日

監査実施報告書の様式変更

1.監査実施報告書の様式変更について 監査実施報告書の様式に「第35号様式  施設型給付費を受ける教育・保育施設監査(第34条関係)」を新たに設け、これに伴い、以下の「監査実施報告書」の様式について、一部を変更した。

第5-1号様式 私学振興助成法監査 都道府県知事所轄
第5-2号様式 私学振興助成法監査 文部科学大臣所轄
第6号様式 学校法人の寄付行為等の認可申請の監査

2.監査実施報告書新様式の適用時期について 適用時期は別紙様式(第5-1号、第5-2号及び第35号様式に限る)は、平成27年4月1日以後開始する事業年度または会計年度に係る監査について適用し、同日前に終了する事業年度または会計年度に係る監査については、なお従前の例によることができる。 別紙様式(第6号に限る)の規定は、財産目録の作成日が施行日後の財産目録の監査から適用する。 施行日前を作成日とする財産目録に係る監査については、なお従前の例によることができる。

★リンクはこちら ⇒ 監査実施報告書の様式変更について(お知らせ)

2016年4月21日

「特別レビューの実施概要」の公表

日本公認会計士協会は、プレスリリース「特別レビューの実施概要の公表について」を公表した。

日本公認会計士協会は、昨今の会計不祥事は監査の信頼を揺るがすものであり、監査人は職業的専門家として真摯に監査業務に取り組む必要があると認識している。 そのような認識の下、監査に対する信頼を維持・確保するため、会長通牒「公認会計士監査の信頼回復に向けた監査業務への取組」(平成28年1月27日)において特に留意すべきものとされた事項に対応して、上場会社の監査を実施している監査事務所が、適切に監査業務を実施する体制を整備していることを確認するとともに、必要に応じて指導を行うことを目的として、「特別レビュー」を平成28年2月から3月まで緊急に実施したので、その概要を公表した。

★リンクはこちら ⇒ 特別レビューの実施概要について

2016年4月12日

監査法人トーマツの2015年9月期の決算

有限責任監査法人トーマツは、2015年9月期の決算を公表した。

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)

  • 業務収入 891億円(865億円)
  • 業務費用 842億円(883億円)
  • 営業利益 8億円(23億円)
  • 経常損益 19億円(28億円)
  • 税引前当期純損益 27億円(28億円)
  • 当期純利益 16億円(13億円)

今年は増収増益である。 ただし、受取配当金の増加(2.4億円→8.3億円)及び関係会社清算益7.9億円の影響が大きく、営業利益は減少している。

★リンクはこちら ⇒ 業務及び財産の状況に関する説明書類(第48期)

2016年2月23日

「監査提言集(特別版)「財務諸表監査における不正への対応」」の公表

日本公認会計士協会は、監査提言集(特別版)を公表した。

目次は以下のとおり。 1.職業的専門家としての懐疑心 (1) 職業的懐疑心 (2) 経営者の信頼性及び誠実性 2.リスク評価手続とこれに関連する活動 (1) 企業環境の理解 (2) コーポレートガバナンスの評価 (3) 内部統制の評価手続 (4) グループ監査 3.特別な検討を必要とするリスクの識別と評価 4.評価した不正リスクへの対応 (1) 監査アプローチ (2) リスク対応手続 (3) 監査チーム内の連携強化 5.経営者による内部統制を無効化するリスク (1) 経営者とのディスカッション (2) 経営者による内部統制を無効化するリスクの評価 6.審査 7.監査時間・期間

★リンクはこちら ⇒ 「監査提言集(特別版)「財務諸表監査における不正への対応」」の公表

2016年2月15日

公認会計士監査の信頼回復に向けた監査業務への取組

日本公認会計士協会は、新日本有限責任監査法人の東芝の問題を受け、プレスリリース「会長通牒「公認会計士監査の信頼回復に向けた監査業務への取組」の発出について」を公表した。

わざわざこのような当たり前の文章を出さないといけないなんて、残念ですね。

★リンクはこちら ⇒ 公認会計士監査の信頼回復に向けた監査業務への取組

2016年2月10日

会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針

公益社団法人日本監査役協会会計委員会は、『会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針』をとりまとめ、公表した。

★リンクはこちら⇒ 会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針

2015年11月16日

品質管理レビュー制度Q&A

日本公認会計士協会品質管理委員会は、平成27年5月29日付けで改正された監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」により監査人から監査役等への伝達義務が明確化されたことなどを踏まえ、平成27年7月から適用されている品質管理レビュー制度等の概要について、会員のみならず、監査役等の皆様にも理解いただくために、「品質管理レビュー制度Q&A」を作成した。

監査人と監査役等との的確なコミュニケーションにお役立ていただきたい。

★リンクはこちら⇒ 品質管理レビュー制度Q&A

2015年11月6日

監査実施報告書の様式変更(2015年10月)

1.監査実施報告書の様式変更について 以下の「監査実施報告書」の様式について、用語等の変更した。

  • 会社法監査(1-1号様式)
  • 会社法監査-大会社・保険業法監査(1-2号様式)
  • 信用金庫監査(2-1号様式)
  • 信金中央金庫・農林中央金庫監査(2-2号様式)
  • 労働金庫監査(3-1、3-2号様式)
  • 信用組合監査(4-1、4-2号様式)
  • 学校法人監査(5-1、5-2号様式)
  • 特定目的会社監査(11号様式)
  • 投資法人監査(13号様式)
  • 独立行政法人監査(14号様式)
  • 地方独立行政法人監査(16号様式)
  • 国立大学法人等監査(17号様式)
  • 放送大学学園監査(19号様式)
  • 信託法監査(21号様式)
  • 一般社団・財団法人監査(22号様式)
  • 公益社団・財団法人監査(23号様式)
  • 社会医療法人監査(24号様式)
  • 中小企業等協同組合監査(25号様式)
  • 消費生活協同組合監査(26号様式)
  • 全国健康保険協会監査(28号様式)
  • 有限責任監査法人監査(29号様式)
  • 日本放送協会監査(30号様式)
  • 地方公共団体金融機構監査(31号様式)
  • 日本年金機構監査(32号様式)
  • 日本司法支援センター監査(33号様式)
  • 沖縄科学技術大学院大学学園監査(34号様式)

2.監査実施報告書新様式の適用時期について 適用時期は平成27年6月30日以後終了する事業年度または会計年度について適用し、同日前に終了する事業年度または会計年度に係る監査については、なお従前の例によることができる。 なお、それ以前の決算期についても使用できる。

★リンクはこちら⇒ 監査実施報告書の様式変更(2015年10月)

2015年10月14日

有限責任あずさ監査法人の2015年6月期の決算

有限責任あずさ有限責任監査法人は、2015年6月期の決算を公表した。

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)。

  • 業務収入 831億円(807億円)
  • 業務費用 814億円(783億円)
  • 営業損益 16億円(23億円)
  • 経常損益 15億円(20億円)
  • 税引前当期純損益 38億円(17億円)
  • 当期純損益 22億円(6億円)

今年は増収増益である。 ただし、特別利益にグローバル関連費用返戻金というものが22億円計上されている。

★リンクはこちら⇒ 第 31 期業務及び財産状況説明書

2015年10月14日

新日本有限責任監査法人の2015年6月期の決算

新日本有限責任監査法人は、2015年6月期の決算を公表した。

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)。

  • 業務収入 991億円(964億円)
  • 業務費用 989億円(962億円)
  • 営業損益 2億円(1億円)
  • 経常損益 7億円(7億円)
  • 税引前当期純損益 10億円(7億円)
  • 当期純損益 8億円(2億円)

クライアント数が増加したこともあり、増収・増益となっている。 ただし、東芝の会計監査人であるため、処分などが下される可能性があり、今後どうなるのだろうか?

★リンクはこちら⇒ 第16期業務及び財産の状況に関する説明書類

2015年9月28日

監査実施報告書の様式変更(2015年08月19日)

日本公認会計士協会情報管理センターは、監査実施報告書の様式変更についてお知らせを行った。

内容は、以下のとおり。 1.監査実施報告書の様式変更について 監査実施報告書「投資事業有限責任組合監査(12号様式)」並びに「農業信用基金協会監査(20号様式)」及び「漁業信用基金協会監査(27号様式)」について、準拠性の監査意見に係る変更した。 2.監査実施報告書新様式の適用時期について 適用時期は平成27年6月30日以後終了する事業年度または会計年度について適用し、同日前に終了する事業年度または会計年度に係る監査については、なお従前の例によることができる。 なお、それ以前の決算期についても使用できる。

★リンクはこちら⇒ 監査実施報告書の様式変更(2015年08月19日)

2015年9月11日

改定版「監査役監査基準」及び「内部統制システムに係る監査の実施基準」

日本監査役協会は、会社法の改正及び改正会社法に係る法務省令の改正を踏まえた「監査役監査基準」及び「内部統制システムに係る監査の実施基準」を改定し、公表した。

★監査役監査基準はこちら⇒ 監査役監査基準

★内部統制システムに係る監査の実施基準はこちら⇒ 内部統制システムに係る監査の実施基準

2015年9月9日

監査事務所検査結果事例集

公認会計士・監査審査会は、「監査事務所による監査の品質の維持・向上に向けた自主的な取組の促進」、「審査会としての期待水準の提示」、及び「上場会社等の取締役・監査役や一般投資家等の市場関係者に対する参考情報の提供」という観点から、直近の検査で確認された事例等を取りまとめ、「監査事務所検査結果事例集」として公表しており、年度ごとにその内容を見直している。

今回の公表においては、平成26年度までの検査で確認された事例を掲載するとともに、これまでの「品質管理編」と「個別監査業務編」に加え、新たに「根本原因の究明」を新設したほか、コーポレートガバナンス・コードの公表等を踏まえ、冒頭の「監査事務所に対する期待」の次に「取締役、監査役、投資家等の皆様へ」を記載している。

また、監査役等と会計監査人とのコミュニケーションの際の参考となるよう、監査役等から会計監査人に対する質問例を参考資料として添付している。

本事例集は、品質管理のシステムの整備・運用に努める監査事務所において、参考資料として積極的に活用されるとともに、被監査会社の監査役をはじめとする資本市場関係者において、外部監査の充実・強化のために広く活用されることを期待されている。

★監査事務所検査結果事例集はこちら⇒ 監査事務所検査結果事例集

★監査事務所検査結果事例集参考資料はこちら⇒ 監査事務所検査結果事例集参考資料

2015年8月27日

監査提言集(一般用)(2015年7月1日)

日本公認会計士協会は、毎年、監査提言集の一部を一般に公表しているが、このたび平成27年版を公表した。

会員用と比べると極端にページ数が少ないが、一般用ももう少し内容を増やすべきだと考える。

★リンクはこちら⇒ 監査提言集(一般用)(2015年7月1日)

2015年7月31日

監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正

日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、平成27年5月26日に開催した常務理事会の承認を受けて、5月29日付けで「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について」を公表した。

本研究報告の改正は、同日に公表する監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」の改正に合わせて、本文第79項、様式1-1(監査契約の締結及び更新)、様式9-5(監査役等とのコミュニケーション)等について所要の改正を行ったものであるため、公開草案には付さずに改正を行っている。 また、主な改正内容についてはリンク先の「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の主な改正点」を参照のこと。

★リンクはこちら⇒ 監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正

2015年6月26日

ゆうちょ銀行への残高証明書請求方法の追加について

日本公認会計士協会は、平成22年2月12日付けで公表した業務本部審理ニュース[No.5]にて、ゆうちょ銀行の郵便貯金等への残高確認に関する留意事項を知らせていたが、平成27年1月から、今までのゆうちょ銀行窓口における残高証明請求に加え、新たに、貯金口座を保有する企業等の監査人向けに、貯金口座に対する郵送での残高証明請求が可能となった。

このため、今般可能となった監査人による郵送での残高証明書請求手続について、「自主規制・業務本部審理ニュース[No.1]「ゆうちょ銀行への残高証明書請求方法の追加について」」として取りまとめ、平成26年12月26日付けで公表した。

 ★リンクはこちら⇒ ゆうちょ銀行への残高証明書請求方法の追加について(既に削除済み)

<追加 平成29年6月1日から残高証明請求書の様式が変更>

 ★リンクはこちら⇒ ゆうちょ銀行への残高証明書請求について

2015年1月6日

監査法人トーマツの2014年9月期の決算

有限責任監査法人トーマツは、2014年9月期の決算を公表した。 損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)

  • 業務収入 865億円(838億円)
  • 業務費用 842億円(811億円)
  • 営業利益 23億円(26億円)
  • 経常損益 28億円(32億円)
  • 税引前当期純損益 28億円(34億円)
  • 当期純利益 13億円(18億円)
  • 今年も増収減益である。

★リンクはこちら⇒ 第47期業務及び財産の状況に関する説明書類

2014年12月15日

監査役監査チェックリスト

公益社団法人日本監査役協会中部支部監査実務チェックリスト研究会は、先日、以下のとおり「監査役監査チェックリスト①~③」を取りまとめた。 「監査役監査チェックリスト① 機関設計が【取締役会+監査役】の場合」 「監査役監査チェックリスト② 機関設計が【取締役会+監査役+会計監査人】の場合」 「監査役監査チェックリスト③ 機関設計が【取締役会+監査役会+会計監査人】の場合」

このうち、「監査役監査チェックリスト①」は、前回公表(2013年9月26日)の「中小規模会社の監査役監査チェックリスト(改訂版)」に若干の見直しを加えたものである。 この研究会は、中堅規模会社や大規模会社にも利用いただけるよう、「監査役監査チェックリスト①」をベースとして機関設計等の前提条件を変更し、「監査役監査チェックリスト②」及び「監査役監査チェックリスト③」を取りまとめた。 「監査役監査チェックリスト①~③」は、これまでのチェックリスト作成主旨と同様に、ある一定の類型の会社を想定し、そのような会社の監査役に就任した場合すぐに使えるチェックリストとすること、また、期末の監査報告書作成に向けて期中監査のツールとなるチェックリストとすること、を基本的な考え方として取りまとめている。 これらのチェックリストは、監査役監査の支援ツールの一例であるが、チェックリストの活用を契機に、より効率的で効果的な監査の実施に繋がれば良い。 なお、「監査役監査チェックリスト③」は非公開大規模会社を前提としているので、公開会社・有価証券報告書作成会社・上場会社等で利用いただく場合は、金融商品取引法上の規制や証券取引所ルールに関するチェック内容等を加えて利用すること。 チェックリストの取りまとめにあたっては、この協会発行の「新任監査役ガイド<第5版>」、「監査役監査実施要領」、その他の委員会等報告書、過去に中部支部の実務部会において検討を重ねてきた「監査役監査実務のチェックリスト集」、政府発行の指針・ガイドライン等を参考としている。

★リンクはこちら⇒ 「監査実務チェックリスト研究会報告書2014【監査役監査チェックリスト①~③】」中部支部監査実務チェックリスト研究会(その他報告)

2014年10月30日

あずさ有限責任監査法人の2014年6月期の決算

あずさ有限責任監査法人は、2014年6月期の決算を公表した。 損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)。

  • 業務収入 807億円(808億円)
  • 業務費用 783億円(780億円)
  • 営業損益 23億円(20億円)
  • 経常損益 20億円(22億円)
  • 税引前当期純損益 17億円(21億円)
  • 当期純損益 6億円(21億円)

前年は減収増益であったが、今年は減収減益である。

個人的には、有限責任監査法人の提出している業務及び財産状況説明書は、並びがイマイチで見にくいと感じられる。

★リンクはこちら⇒ 第30期業務及び財産の状況に関する説明書類

2014年9月30日

新日本有限責任監査法人の2014年6月期の決算

新日本有限責任監査法人は、2014年6月期の決算を公表した。 損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)。

  • 業務収入 964億円(925億円)
  • 業務費用 962億円(921億円)
  • 営業損益 1億円(3億円)
  • 経常損益 7億円(7億円)
  • 税引前当期純損益 7億円(7億円)
  • 当期純損益 2億円(3億円)

クライアント数が増加したこともあり、業務収入(売上高)は、5年ぶりに増収となったが、減益となっている。

★リンクはこちら⇒ 第15期業務及び財産の状況に関する説明書類

2014年9月17日

金融商品取引法における課徴金事例集~開示規制違反編~

証券取引等監視委員会は、「金融商品取引法における課徴金事例集~開示規制違反編~」について取りまとめ、公表した。

本書は、適正な開示に向けた市場関係者の自主的な取組を促す観点から、開示検査の傾向や開示検査で確認された不適正な会計処理等の概要を取りまとめたものである。

証券取引等監視委員会としては、本書が、市場監視行政の透明性を高めるとともに、証券市場を巡るルールの共有の促進を通じて幅広い市場関係者の自主的な規律の向上に役立つことを期待している。

★リンクはこちら⇒ 金融商品取引法における課徴金事例集~不公正取引編~

2014年9月5日

金融商品取引法における課徴金事例集~不公正取引編~

証券取引等監視委員会は、「金融商品取引法における課徴金事例集~不公正取引編~」について取りまとめ、公表した。 本事例集は、証券取引等監視委員会が、平成25年6月から平成26年5月までの間に、金融商品取引法違反となる不公正取引に関し勧告を行った事例について、その概要を取りまとめたものである。 今回の改訂では、課徴金制度に対する理解をさらに深めていただくよう、「過去にバスケット条項に該当するとされた個別事例」に全てのバスケット条項該当事例を掲載することとしたほか、「審判手続の状況及び個別事例」の項を新たに掲載した。 内訳は、

内部者取引に係るもの(24事例) (大型公募増資に係るもの4事例、それ以外のもの20事例)
相場操縦に係るもの(9事例)
偽計に係るもの(1事例)
過去にバスケット条項に該当するとされた個別事例(7事例)
審判手続の状況及び個別事例(5事例)

である。 さらに、不公正取引の未然防止に役立てていただくよう、「上場会社における内部者取引管理態勢の状況について」の項を新たに掲載した。 証券取引等監視委員会としては、本事例集が、市場監視行政の透明性を高めるとともに、証券市場を巡るルールの共有の促進を通じて幅広い市場関係者の自主的な規律の向上に役立つことを期待している。

★リンクはこちら⇒ 金融商品取引法における課徴金事例集~不公正取引編~

2014年9月4日

「監査提言集」の公表(2014年)

日本公認会計士協会では、監査提言集の一部を一般に公表しているが、このたび改訂した。

★リンクはこちら⇒ 監査提言集(一般用)

2014年7月29日

法規委員会研究報告第14号「監査及び四半期レビュー契約書の作成例」の改正

日本公認会計士協会(法規委員会)では、平成26 年3月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、法規委員会研究報告第14号「監査及び四半期レビュー契約書の作成例」を公表した。

なお、本研究報告に示している各種作成例(ひな型)は、契約締結に際して留意すべき事項や内容等について例示して会員の業務の参考に資することを目的とするものであり、利用に際しては、適宜、追加、削除、修正されることを想定しているので、留意すること。

 ★リンクはこちら⇒ 法規委員会研究報告第14号「監査及び四半期レビュー契約書の作成例」の改正(廃止)

2014年4月23日

監査法人トーマツの2013年9月期の決算

有限責任監査法人トーマツは、2013年9月期の決算を公表した。

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)

  • 業務収入 838億円(824億円)
  • 業務費用 811億円(774億円)
  • 営業利益 26億円(49億円)
  • 経常損益 32億円(54億円)
  • 税引前当期純損益 34億円(55億円)
  • 当期純利益 18億円(22億円)

今年は増収減益である。

★リンクはこちら⇒  第46期 説明書類

2013年12月25日

内部統制システムの監査-期中における監査の方法を中心に-

日本監査役協会は、「内部統制システムの監査-期中における監査の方法を中心に-」 を公表した。

主な内容は以下のとおり。

  • 本報告書における内部統制システム監査の論点整理
  • 期中における内部統制システムの監査
  • 内部統制システムの監査のポイントと課題

★リンクはこちら⇒ 内部統制システムの監査-期中における監査の方法を中心に-

2013年11月26日

監査実施報告書の様式変更

監査概要書(第一号様式)の様式について、項目名「内部統制の重要な欠陥」が「内部統制の重要な不備」に変更されたので、同様の項目名がある監査実施報告書の様式の文言も変更されている。

なお、変更後の様式は、平成25年6月30日以後終了する事業年度に係る監査からとなっている。

★リンクはこちら⇒ 監査実施報告書の様式変更について

2013年11月13日

あずさ有限責任監査法人の2013年6月期の決算

あずさ有限責任監査法人は、2013年6月期の決算を公表した。

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)

  • 業務収入 808億円(828億円)
  • 業務費用 780億円(793億円)
  • 営業損益 20億円(35億円)
  • 経常損益 22億円(37億円)
  • 税引前当期純損益 21億円(15億円)
  • 当期純損益 21億円(2.0億円)

前年は減収減益であったが、今年は減収増益である。

★リンクはこちら⇒ 第29期業務及び財産状況説明書

2013年9月26日

新日本有限責任監査法人の2013年6月期の決算

新日本有限責任監査法人は、2013年6月期の決算を公表した。

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)。

  • 業務収入 925億円(929億円)
  • 業務費用 921億円(909億円)
  • 営業損益 3億円(20億円)
  • 経常損益 7億円(26億円)
  • 税引前当期純損益 7億円(26億円)
  • 当期純損益 3億円(5億円)

クライアント数が減少していることもあり、業務収入(売上高)は、4年連続で減収である。

★リンクはこちら⇒ 第14期業務及び財産の状況に関する説明書類

2013年9月12日

IT委員会研究報告第43号「電子的監査証拠~入手・利用・保存等に係る現状の留意点と展望~」の公表

日本公認会計士協会(IT委員会)では、平成25年7月30日に開催された常務理事会の承認を受けて、IT委員会研究報告第43号「電子的監査証拠~入手・利用・保存等に係る現状の留意点と展望~」を同日付けで公表した。

本研究報告は、電子的な取引記録や証憑などが増大している経営環境を踏まえ、監査人が電子的監査証拠を入手・利用・保存するに当たっての留意点並びに監査アプローチの変化及び監査調書作成上の留意点を取りまとめたものである。

なお、本研究報告の取りまとめに当たっては、平成25年6月5日から6月25日までの間、草案を公表し、広く意見募集を行っている。

リンクはこちら⇒ IT委員会研究報告第43号「電子的監査証拠~入手・利用・保存等に係る現状の留意点と展望~」の公表について

2013年8月29日

法規委員会研究報告第10号「財務情報の保証業務等の契約書の作成について」の改正

日本公認会計士協会(法規委員会)では、平成25年7月30日に開催された常務理事会の承認を受けて、法規委員会研究報告第10号「財務情報の保証業務等の契約書の作成について」を同日付で公表した。

今回の改正は、法規委員会研究報告第14号「監査及び四半期レビュー契約書の作成例」の改正を受け、所要の見直しを行ったものである。

なお、本研究報告に示している各種作成例(ひな型)は、契約締結に際して留意すべき事項や内容等について例示して会員の業務の参考に資することを目的とするものであり、利用に際しては、適宜、追加、削除、修正されることを想定しているので、留意すること。

リンクはこちら⇒ 法規委員会研究報告第10号「財務情報の保証業務等の契約書の作成について」の改正(廃止)

2013年8月27日

監査基準委員会研究報告第1号『監査ツール』」の改正

日本公認会計士協会(監査基準委員会)では、会員が「監査における不正リスク対応基準」の設定、及びそれに伴い6月17日に改正された監査基準委員会報告書に基づく実務を行う際の参考に資することを目的として、監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正作業を行っていたが、このたび、7月30日の常務理事会で承認された。

本研究報告については、平成25年7月10日に公開草案を公表し、広くコメント募集を行った後、寄せられたコメントを検討し、内容を一部加筆・修正している。

公開草案からの主な加筆・修正の内容は、以下のとおり。

  • 「【様式8-4】アサーション・レベルの不正による重要な虚偽表示リスクへの対応」 本文第16項の説明に合わせ、アサーション・レベルの不正リスクに対して実施した手続の結果、監査人としての重要な判断を記載する旨に修正した。
  • 「【様式8-5】不正による重要な虚偽表示の疑義への対応」 不正による重要な虚偽表示の疑義に対する手続を実施した後のリスク評価の適切性の判断については、様式9-2で対応できることから様式8-5のF3に含まれていた事後的なリスク評価の適切性の判断については削除した。

また、その他、用語の統一や、より読みやすくなるように一部字句修正を行った。 なお、現行の監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」からの主な改正点については、別添の「現行監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」からの主な改正点」を参照のこと。

リンクはこちら⇒ 「監査基準委員会研究報告第1号『監査ツール』」の改正について(お知らせ)

2013年8月26日

国別海外監査ガイドブック

日本監査役協会海外監査研究会は、このほど報告書「国別海外監査ガイドブック」を取りまとめ、公表した。

15カ国に分けて、記載されている。

リンクはこちら⇒ 国別海外監査ガイドブック

2013年8月23日

監査提言集(2013年7月1日)

日本公認会計士協会では、監査提言集の一部を一般に公表しているが、2013年7月1日に改訂を行い、公表した。

なお、会員については冊子(一部ではなく全部)が送られている。

リンクはこちら⇒ 監査提言集(2013年7月1日)

2013年7月23日

金融商品取引法における課徴金事例集~開示規制違反編~

証券取引等監視委員会は、平成25年6月26日に「金融商品取引法における課徴金事例集~開示規制違反編~」を公表した。

本書は、適正な開示に向けた市場関係者の自主的な取組を促す観点から、開示検査の傾向や開示検査で確認された不適正な会計処理等の概要を取りまとめたものである。このような事例集は、平成20年6月以降、「金融商品取引法における課徴金事例集」として、開示規制違反以外の課徴金事例も含めて一冊にまとめてきたところであるが、今回の改訂では、事例の性質に応じて、開示規制違反に関する課徴金事例集(本書)と不公正取引に関する課徴金事例集の二冊に分けて公表することとしたものである。

証券取引等監視委員会としては、本書が、市場監視行政の透明性を高めるとともに、証券市場を巡るルールの共有の促進を通じて幅広い市場関係者の自主的な規律の向上に役立つことを期待しているようである。

リンクはこちら⇒ 金融商品取引法における課徴金事例集~開示規制違反編~

2013年7月19日

監査人の法的責任に関する裁判例

日本公認会計士協会(法規委員会)では、平成25年6月4日に開催された常務理事会の承認を受けて、法規委員会研究報告第15号「監査人の法的責任に関する裁判例」を公表した。

本研究報告は、監査人の役割と責任に対する関心が高まるとともに、監査人の法的責任に関係する裁判例が徐々に蓄積されつつあることを踏まえ、監査人の法的責任が問題となった民事裁判例について、事案や裁判所の判断の概要を説明するだけでなく、それらへの分析や論評を記載する等、様々な観点から検討を行ったものである。

なお、本研究報告は、監査人の理解と参考に資するために裁判例を紹介することを目的としており、特定の事件についてまたは監査人の責任の具体的な論点について、日本公認会計士協会としての見解を述べるものではない。また、裁判結果そのものや、監督官庁による処分、日本公認会計士協会の会員または監査業務に対する審査や調査に関連して当協会の見解を述べるものではなく、日本公認会計士協会が将来行う審査等を拘束するものではない。

リンクはこちら⇒ 監査人の法的責任に関する裁判例

2013年7月17日

「監査契約書及び監査約款」の各種様式の更新

日本公認会計士協会は、法規委員会研究報告第14号「監査及び四半期レビュー契約書の作成例」の改正(平成25年4月17日)に伴い、「監査契約書及び監査約款」(会社法・金融商品取引法・任意監査)の各種様式を変更した。

なお、学校法人、公益法人、独立行政法人等の各種様式についても更新されている。

(現在の)リンクはこちら⇒ 監査契約書

2013年7月4日

日本公認会計士協会の次期会長の決定

平成25年3月19日、有限責任あずさ監査法人の森 公高(もり きみたか)氏が、日本公認会計士協会の次期会長に決定した。

なお、現在は、以前のように個々の公認会計士に会長選挙の投票権は与えられていない。

2013年3月21日

京都監査法人

あらた監査法人、プライスウォーターハウスクーパース株式会社、および税理士法人プライスウォーターハウスクーパースなどで構成されるPwC Japanは、京セラなどの会計監査人である京都監査法人(京都市下京区、代表者:松永 幸廣)がPwCのメンバーファームになるとともに、PwC Japanに加入したことを発表した。

アメリカの上場企業の監査を監督する企業会計監督委員会(PCAOB)の調査が原因という報道もあるが、どうなのだろうか?

2013年3月18日

抜き打ち監査

金融庁で先日開催された企業会計審議会の監査部会は、監査の新基準「不正リスク対応基準」を盛り込んだ報告書を取りまとめた。

不正が疑われる企業に対する「抜き打ち」監査などを監査計画に組み込むことや、監査法人の交替時に詳細な引継ぎを義務づけることが柱で、不正会計の抑止を図り、日本企業の財務諸表や監査に対する投資家からの信頼回復を目指すものである。

2014年3月決算の監査から適用され、上場企業など約3,800社が対象となり、監査法人が新基準に従わず不正会計が発覚すれば、金融庁による行政処分の対象になる。

2013年3月15日

英訳版海外監査チェックリスト

監査役監査を巡る環境が刻々と変化する中、監査役の海外監査のあり方についても変化に対応した実効性の向上が要請されていることを受け、去る平成24年7月12日に、公益社団法人日本監査役協会海外監査研究会において「海外監査チェックリスト」の改定を行い、「監査役の海外監査について」の報告書と合わせ公表するに至った。

「海外監査チェックリスト」においては、「Ⅰ.本社における海外事業の経営管理・運営に関する監査」、「Ⅱ.海外事業会社における経営および業務執行に関する監査」及び「Ⅲ.監査役監査に当たっての留意点」の3部構成となっており、また、この中でも特に、業種・規模等を問わず必要と考えられる基本的な項目を「Ⅰ」、「Ⅱ」及び「Ⅲ」の記載事項の中から抽出し、「参考抜粋」として整理した。

英訳版海外監査チェックリスト

2013年2月14日

監査法人トーマツの2012年9月期の決算

有限責任監査法人トーマツは、2012年9月期の決算を公表した。 第45期 説明書類

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)

  • 業務収入 816億円 → 824億円
  • 業務費用 774億円(757億円)
  • 営業利益 49億円(58億円)
  • 経常損益 54億円(63億円)
  • 税引前当期純損益 55億円(3億円)
  • 当期純利益 22億円(1億円)

今年は増収増益である。

2012年12月17日

重大な企業不祥事の疑いを感知した際の監査役等の対応に関する提言

公益社団法人日本監査役協会ケース・スタディ委員会は「重大な企業不祥事の疑いを感知した際の監査役等の対応に関する提言―コーポレート・ガバナンスの一翼を担う監査役等に求められる対応について―」を取りまとめ、公表した。

企業不祥事において監査役が任務懈怠を問われる理由としては、以下の2つに大別される。 ①監査役が感知すべき不祥事の兆候、いわば「黄色信号」を感知できない ②黄色信号を感知しても適切な行動を取ることができていない

最近の企業不祥事を見ると、①の感知の問題3もさることながら、②の感知した後の行動が不十分なため、より深刻な事態に発展しているものが見受けられる。 そこで、第39 期ケース・スタディ委員会では、②の感知した後の行動に重点を置いて研究し、監査役として留意すべき点等についてまとめた。

重大な企業不祥事の疑いを感知した際の監査役等の対応に関する提言

2012年10月5日

企業不祥事防止に係るチェックリスト

関西支部監査役スタッフ研究会(関西支部)が「予防監査に重点を置いた監査役監査と監査役スタッフの役割~社内及びグループ会社からの情報収集、コミュニケーションのあり方~」を公表した。 その中に、企業不祥事防止に係るチェックリストもある。

「予防監査に重点を置いた監査役監査と監査役スタッフの役割 ~社内及びグループ会社からの情報収集、コミュニケーションのあり方~」

2012年10月1日

あずさ監査法人の2012年6月期の決算

あずさ有限責任監査法人は、2012年6月期の決算を公表した。 第28期業務及び財産状況説明書

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)。

  • 業務収入 828億円(880億円)
  • 業務費用 793億円(840億円)
  • 営業損益 35億円(39億円)
  • 経常損益 37億円(41億円)
  • 税引前当期純損益 15億円(23億円)
  • 当期純損益 2.0億円(2.4億円)

前年は増収増益だったが、今年は減収減益である。

2012年9月27日

新日本有限監査法人の2012年6月期の決算

新日本有限責任監査法人は、2012年6月期の決算を公表した。 第13期業務及び財産の状況に関する説明書類

損益計算書の数値は以下のとおり(括弧内は前年)。

  • 業務収入 929億円(959億円)
  • 業務費用 909億円(918億円)
  • 営業損益 20億円(41億円)
  • 経常損益 26億円(47億円)
  • 税引前当期純損益 26億円(22億円)
  • 当期純損益 5億円(18億円)

クライアント数が減少していることもあり、業務収入(売上高)は、3年連続で減収である。

2012年9月26日

新たな「監査役等の英文呼称」の推奨

公益社団法人日本監査役協会は、監査役等の英文呼称に関し、新たな呼称を推奨することとした。 推奨する英文呼称は以下のとおりである。

  • 監 査 役 Audit & Supervisory Board Member
  • 監査役会 Audit & Supervisory Board

2012年9月25日

中小規模会社の監査役監査チェックリスト

(公社)日本監査役協会中部支部監査実務チェックリスト研究会が、「中小規模会社の監査役監査チェックリスト」を取りまとめた。

「中小規模会社」といっても、実際には、様々な機関設計や監査体制等が存在するので、今回は、ある一定の類型を想定し、そのような中小規模会社の監査役に就任した場合、すぐに使えるチェックリストを作成し、期末の監査報告書作成に向けて、期中監査のツールとなるものを中心として15点のチェックリストに取りまとめている。 また、会計監査のチェックリストには、詳細資料を添付し、より具体的な視点による内容を例示している。

★リンクはこちら⇒ 「中小規模会社の監査役監査チェックリスト」中部支部監査実務チェックリスト研究会(その他研究会等 報告)(既に削除済み)

<追加 改訂版>

 ★リンクはこちら⇒ 「中小規模会社の監査役監査チェックリスト【改訂版】」中部支部監査実務チェックリスト研究会(その他報告)

2012年9月6日

内部統制報告書の訂正件数の増加

上場企業が自ら管理体制を確認し、報告する「内部統制報告書」の訂正が増加している。

いったん管理体制が有効と報告した企業がその後に訂正した件数は、2011年度(2011年3月期~2012年2月期)に27件と、前の年度の16件から7割も増加している。社数も15社と4社増加している。

不適切な会計処理などが発覚し、管理体制の不備を認める企業が相次いだことが原因である。 これだけ、増加しているということは、管理体制が構築されていない、もしくは構築はしているものの機能していない上場企業が多いということであろう。

2012年8月16日

学校法人の監査報告書

日本公認会計士協会(学校法人委員会)は以下の学校法人委員会報告等の見直しを行っており、草案を公表し、広く意見を求めていた。

  • 学校法人委員会報告第36号「私立学校振興助成法第14条第3項の規定に基づく監査の取扱い」
  • 同第40号「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る書類の様式等の告示に基づく財産目録監査の取扱い」

<主な改正内容>

  • 監査報告書は、「監査の対象」、「計算書類に対する理事者の責任」、「監査人の責任」、「監査意見」の区分に分け、「監査の対象」以外はそれぞれ見出しを付して明瞭に記載し、意見を表明しない場合にはその旨を監査報告書に記載しなければならないとした。
  • 追記情報を強調事項区分とその他の事項区分に整理した。
  • 計算書類に対する監査人の報告責任に加えて、計算書類に関
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会計

中小事務所等施策調査会研究報告第4号「有価証券報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、2024年4月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「中小事務所等施策調査会研究報告第4号「有価証券報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について」を公表した。

本研究報告は、監査事務所が、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく財務計算に関する書類の監査において、有価証券報告書に含まれる連結財務諸表及び財務諸表に関する表示の確認を実施する際の参考に資するため、チェックリストの形式で取りまとめたものである。

法令等の改正による改正箇所及び早期適用に関する記載については網掛けをして明示している。

本研究報告は、従来会員向けウェブサイトでの公表としてきたが、今回の改正から財務諸表等の作成者も利用できるよう一般向けウェブサイトでの公表とした。

利用上の注意については、チェックリスト本文「1.はじめに」及び「3.本研究報告利用上の留意点」を参照のこと。

なお、本研究報告は、その一例を示したものであるため、被監査会社の有価証券報告書の表示を確認する際には、それぞれの実情に即して、加除修正等の検討を行う必要がある。

また、2024年3月31日時点で施行されている法令や会計基準等に基づいて作成しているため、法令や会計基準等の改正が実施された場合には、その改正事項を考慮した上で使用する必要があることを申し添える。

★リンクはこちら⇒ 中小事務所等施策調査会研究報告第4号「有価証券報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について

2024年5月28日


「企業会計基準適用指針の開発についての当面の対応」の改正

日本公認会計士協会(会計制度委員会)は、企業会計基準委員会(Accounting Standards Board of Japan:ASBJ)から公表されている「企業会計基準適用指針の開発についての当面の対応」について、ASBJと協議し、内容の見直しを行った。

このたび、2022年12月16日に開催された理事会の承認を受けて、改正後の「企業会計基準適用指針の開発についての当面の対応」を公表した。

【参考】
ASBJのウェブサイトにおいても改正後の「企業会計基準適用指針の開発についての当面の対応」が公表されている。

★リンクはこちら⇒ 「企業会計基準適用指針の開発についての当面の対応」の改正

2023年2月14日


会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」、同7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」、同9号「持分法会計に関する実務指針」、同14号「金融商品会計に関する実務指針」及び金融商品会計に関するQ&Aの改正

本公認会計士協会(会計制度委員会)では、2022年10月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」、同7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」、同9号「持分法会計に関する実務指針」、同14号「金融商品会計に関する実務指針」及び金融商品会計に関するQ&A(以下、これらを合わせて「外貨建取引等実務指針等」という。)を2022年10月28日付けで公表した。

1.改正の背景
企業会計基準委員会(Accounting Standards Board of Japan:ASBJ)において、税金費用の計上区分(その他の包括利益に対する課税)及びグループ法人税制が適用される場合の子会社株式等の売却に係る税効果の取扱いに関して検討がなされ、改正企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」、改正企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」及び改正企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(以下、これらを合わせて「法人税等会計基準等」という。)が公表された。

これに伴い、外貨建取引等実務指針等についても改正する必要が生じたため、ASBJから当協会に対し、外貨建取引等実務指針等の改正の検討の依頼があった。

本改正は、当協会による検討の結果、外貨建取引等実務指針等の改正を行うものである。

2.改正内容
外貨建取引等実務指針等の主な改正内容は、以下のとおり。

(1)税金費用の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する取扱い
法人税等会計基準等では、税金費用の計上区分(その他の包括利益に対する課税)について、当事業年度の所得に対する法人税、住民税及び事業税等を、その発生源泉となる取引等に応じて、損益(税引前当期純利益から控除)、株主資本及びその他の包括利益の各区分に計上する案が示された。そのため、株主資本及びその他の包括利益の各項目(評価差額及び繰延ヘッジ損益等)について、従来、繰延税金資産又は繰延税金負債に対応する額を控除した金額を計上することとしていたが、これに加えて、各項目に対して課税された法人税等の額についても控除した金額を計上することとした。

(2)グループ法人税制が適用される場合の子会社株式等の売却に係る税効果の取扱い
法人税等会計基準等では、グループ法人税制が適用される場合の子会社株式等の売却に係る税効果の取扱いについて、連結財務諸表上のみ、売却時に税金費用を計上しないようにする案が示された。

そのため、持分法適用会社における留保利益、のれんの償却額、負ののれんの処理額及び欠損金について、税務上の要件を満たし、課税所得計算において売却損益を繰り延べる場合(法人税法第61条の11)に該当する当該持分法適用会社の株式売却の意思決定を行った場合には、税効果を認識しないようにした。

3.適用
法人税等会計基準等を適用する連結会計年度及び事業年度から適用することを予定している。
なお、外貨建取引等実務指針等の見直し及び検討に当たっては、2022年3月30日から2022年6月8日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、意見は寄せられなかった。
【参考】
ASBJより法人税等会計基準等が公表されているので、リンク先のASBJのウェブサイトを参照のこと。

★リンクはこちら⇒ 会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」、同7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」、同9号「持分法会計に関する実務指針」、同14号「金融商品会計に関する実務指針」及び金融商品会計に関するQ&Aの改正について

2022年12月12日


中小事務所等施策調査会研究報告第6号「半期報告書に関する表示のチェックリスト」の改正(会員限定)

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、2022年10月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、「中小事務所等施策調査会研究報告第6号「半期報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について」を公表した。

本研究報告は、中小規模の監査事務所が、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく財務計算に関する書類の中間監査において、半期報告書に関する表示の確認を実施する際の参考に資するため、チェックリストの形式で取りまとめたものである。

なお、法令等の改正による改正箇所については網掛けをして明示している。

本研究報告は、チェックリストの一例を示したものであるため、被監査会社の半期報告書の表示を確認する際には、それぞれの実情に即して、加除修正等の検討を行う必要がある。

また、2022年9月30 日時点で施行されている法令や会計基準等に基づいて作成しているため、法令や会計基準等の改正が実施された場合には、その改正事項を考慮した上で使用する必要があることを申し添える。

2022年12月2日


「「地方独立行政法人会計基準」及び「地方独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A」等の一部改訂

2022年5月25日から6月24日まで、総務省において「「地方独立行政法人会計基準」及び「地方独立行政法人会計基準注解」報告書」(以下「地方独立行政法人会計基準」という。)及び「地方独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書」の改訂に係る意見募集が実施され、2022年8月31日付けで改訂された。

これに伴い、地方独立行政法人会計基準の実務上の取扱いについて定める以下のQ&Aについても、総務省及び日本公認会計士協会の二者で検討を行い、改訂した。

<改訂対象のQ&A>

  • 「地方独立行政法人会計基準」及び「地方独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A
  • 「地方独立行政法人会計基準」及び「地方独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A【公営企業型版】
  • 「固定資産の減損に係る地方独立行政法人会計基準」及び「固定資産の減損に係る地方独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A
  • 「固定資産の減損に係る地方独立行政法人会計基準」及び「固定資産の減損に係る地方独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A【公営企業型版】

改訂後のQ&Aの適用時期は以下のとおり。

  • 資産見返負債の廃止:2023(令和5事業)年度から
  • 収益認識基準の導入:2024(令和6事業)年度から
  • その他の改訂   :2022(令和4事業)年度から

本Q&Aの改訂に当たっては、2022年7月26日から8月25日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特段意見は寄せられなかった。

★リンクはこちら⇒ 「「地方独立行政法人会計基準」及び「地方独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A」等の一部改訂

2022年11月17日


国際公会計基準(IPSAS)第1号「財務諸表の表示」、第2号「キャッシュ・フロー計算書」、第3号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」、第4号「外国為替レート変動の影響」、第5号「借入コスト」、第9号「交換取引から生ずる収益」、第10 号「超インフレ経済下における財務報告」(国際公会計基準書ハンドブック2021年版)の翻訳完了

公会計委員会では、国際会計士連盟(IFAC)の国際公会計基準審議会(International Public Sector Accounting Standards Board – IPSASB)から公表されている国際公会計基準(International Public Sector Accounting Standards – IPSAS)第1号から第10号までの翻訳作業を完了した。

  • 国際公会計基準(IPSAS)第1号「財務諸表の表示」(IPSAS 1, Presentation of Financial Statement)
  • 国際公会計基準(IPSAS)第2号「キャッシュ・フロー計算書」(IPSAS 2, Cash Flow Statements)
  • 国際公会計基準(IPSAS)第3号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」(IPSAS 3, Accounting Policies, Changes in Accounting Estimates and Errors)
  • 国際公会計基準(IPSAS)第4号「外国為替レート変動の影響」(IPSAS 4, The Effects of Changes in Foreign Exchange Rates)
  • 国際公会計基準(IPSAS)第5号「借入コスト」(IPSAS 5, Borrowing Costs)
  • 国際公会計基準(IPSAS)第9号「交換取引から生ずる収益」(IPSAS 9, Revenue from Exchange Transactions)
  • 国際公会計基準(IPSAS)第10号「超インフレ経済下における財務報告」(IPSAS 10, Financial Reporting in Hyperinflationary Economies)

※第6号、第7号、第8号は欠番である。

本翻訳は、2021年3月に発行された「国際公会計基準書ハンドブック2021年版(2021 Handbookof International Public Sector Accounting Pronouncements)」に収録されている時点のものを翻訳対象としている。

★リンクはこちら⇒ 国際公会計基準(IPSAS)第1号「財務諸表の表示」、第2号「キャッシュ・フロー計算書」、第3号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」、第4号「外国為替レート変動の影響」、第5号「借入コスト」、第9号「交換取引から生ずる収益」、第10 号「超インフレ経済下における財務報告」(国際公会計基準書ハンドブック2021年版)の翻訳完了

2022年11月2日


非営利組織会計検討会による報告「非営利組織モデル会計基準の普及のための課題の整理~非営利組織会計基準の共通化に向けた提案~」の公表

日本公認会計士協会(非営利組織会計検討会)は、2022年7月21日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利組織会計検討会による報告「非営利組織モデル会計基準の普及のための課題の整理~非営利組織会計基準の共通化に向けた提案~」を公表した。

当協会は、非営利組織会計検討会を設置し、2019年7月18日付けで「非営利組織における財務報告の検討~財務報告の基礎概念・モデル会計基準の提案~」を公表し、モデル会計基準を提案した。

その後、モデル会計基準の普及を行う過程において、公益法人、学校法人、社会福祉法人、医療法人の各会計基準とモデル会計基準との比較を行い、現時点における調査・研究の成果として、非営利組織会計検討会による報告「非営利組織モデル会計基準の普及のための課題の整理~非営利組織会計基準の共通化に向けた提案~」を取りまとめた。

今後、本報告が、各非営利組織において、会計基準を見直す場合や制度発展のための検討を行う際に参照されること等によって、非営利組織の財務報告における比較可能性の改善につながることを期待する。

当協会は、今後も多くの関係者との協力及び連携を深めながら、引き続き調査・研究を進めて、非営利組織の財務報告の発展に貢献していく所存である。

※本報告の概略は、非営利組織会計検討プロジェクト(リンクはこちら)にて、掲載を予定している。

★リンクはこちら⇒ 非営利組織会計検討会による報告「非営利組織モデル会計基準の普及のための課題の整理~非営利組織会計基準の共通化に向けた提案~」の公表

2022年10月25日


会計制度委員会研究資料第7号「ソフトウェア制作費等に係る会計処理及び開示に関する研究資料 ~DX環境下におけるソフトウェア関連取引への対応~」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会は、2022年6月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、会計制度委員会研究資料第7号「ソフトウェア制作費等に係る会計処理及び開示に関する研究資料~DX環境下におけるソフトウェア関連取引への対応~」を公表した。

本研究資料は、ソフトウェアに関するビジネスの環境変化に伴い、多様な実務が生じていることを踏まえ、ソフトウェア及びその周辺の取引に関する会計上の取扱いについて調査し、現時点における考えを取りまとめたものである。

本研究資料の取りまとめに当たっては、2022年2月24日から2022年4月24日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表したので、ご参照のこと。

★会計制度委員会研究資料第7号「ソフトウェア制作費等に係る会計処理及び開示に関する研究資料 ~DX環境下におけるソフトウェア関連取引への対応~」はこちら⇒ 会計制度委員会研究資料第7号「ソフトウェア制作費等に係る会計処理及び開示に関する研究資料 ~DX環境下におけるソフトウェア関連取引への対応~」

★会計制度委員会研究資料「ソフトウェア制作費等に係る会計処理及び開示に関する研究資料 ~DX環境下におけるソフトウェア関連取引への対応~」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら⇒ 会計制度委員会研究資料「ソフトウェア制作費等に係る会計処理及び開示に関する研究資料 ~DX環境下におけるソフトウェア関連取引への対応~」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2022年9月26日


経営研究調査会研究資料第9号「上場会社等における会計不正の動向(2022年版)」の公表

日本公認会計士協会(経営研究調査会)は、2022年6月27日付けで経営研究調査会研究資料第9号「上場会社等における会計不正の動向(2022年版)」を公表した。

本研究資料は、近年の会計不正の動向を適時にお知らせするため、上場会社及びその関係会社が公表した会計不正を集計し、取りまとめたものである。

2018年6月26日付けの同5号「上場会社等における会計不正の動向」から公表をはじめ、今回は、2021年7月29日付けで公表した同8号「上場会社等における会計不正の動向(2021年版)」に続く更新版となる。

★リンクはこちら⇒ 経営研究調査会研究資料第9号「上場会社等における会計不正の動向(2022年版)」の公表

2022年9月20日


「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」の一部改訂について

2022年2月10日付けで「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」報告書」が改訂されたことを受けて、文部科学省及び日本公認会計士協会の二者で検討を行い、「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」(以下「Q&A」という。)を改訂した。

改訂後のQ&Aの適用時期は以下のとおりである。

  • 「会計上の見積りの開示」に関する内容、「引当特定資産の会計処理のうち国立大学法人等債引当特定資産」に関する内容及び「附属明細書の引当特定資産の明細」に関する内容については2021(令和3事業)年度から適用される。
  • 「収益認識基準の導入」に関する内容については2023(令和5事業)年度から適用される。
  • その他の改訂に関する内容については、2022(令和4事業)年度から適用される。

本Q&Aの改訂に当たっては、2022年3月30日から5月2日までの間、草案を公開し、意見募集を行った。

草案に寄せられたコメントの概要とその対応も併せて公表した。

★「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」はこちら⇒ 「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」の一部改訂について

★「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」の一部改訂について(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について はこちら⇒ 「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」の一部改訂について(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2022年8月22日


非営利法人委員会研究資料第7号「医療法人会計基準に関する実務上のQ&A」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2022年3月17日に開催された常務理事会の承認を受け、同日付けで「非営利法人委員会研究資料第7号「医療法人会計基準に関する実務上のQ&A」の改正について」を公表した。

本改正は、会員各位の業務の参考とするため、医療法人監査の導入後の実務を踏まえて、新たなQ&Aを追加する等の見直しを行ったものである。

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会研究資料第7号「医療法人会計基準に関する実務上のQ&A」の改正について

2022年7月25日


公会計委員会研究報告第28号「国の財務書類の課題~国際公会計基準(IPSAS)との比較~」

日本公認会計士協会(公会計委員会)は、2022年2月17日に開催された常務理事会の承認を受けて、公会計委員会研究報告第28号「国の財務書類の課題~国際公会計基準(IPSAS)との比較~」を公表した。

国際公会計基準(International Public Sector Accounting Standards:IPSAS)は、基準書の内容が充実するとともに採用国(地方政府・国際機関等も含む)が増加しており、国際的な政府会計基準としての地位を確立しつつある。

公会計委員会では、今般「国の財務書類」の概要や国際的な政府会計の動向をご紹介するとともに、「国の財務書類」とIPSASの主な相違点を整理し、「国の財務書類」の改善に向けた提言を行うべく、研究報告「国の財務書類の課題~国際公会計基準(IPSAS)との比較~」を取りまとめた。

本研究報告が、公会計分野に携わる会員の理解の一助となるとともに、今後の国の財務報告の更なる発展の一助となれば幸いである。

★公会計委員会研究報告第28号「国の財務書類の課題~国際公会計基準(IPSAS)との比較~」はこちら⇒ 公会計委員会研究報告第28号「国の財務書類の課題~国際公会計基準(IPSAS)との比較~」

★公会計委員会研究報告第28号「国の財務書類の課題~国際公会計基準(IPSAS)との比較~」(要約)はこちら⇒会計委員会研究報告第28号「国の財務書類の課題~国際公会計基準(IPSAS)との比較~」(要約)

2022年7月12日


Q&A収益認識の開示に関する基本論点

日本公認会計士協会は、「Q&A収益認識の開示に関する基本論点」を作成した。

日本公認会計士協会は、「収益認識に関する会計基準」の開示(表示及び注記事項)に関する理解を深めていただくことを目的として、基礎的な論点を図表等を用いて解説する資料を取りまとめた。

詳細はリンクを参照のこと。

★リンクはこちら⇒ Q&A収益認識の開示に関する基本論点

2022年6月13日


改正「中小企業の会計に関する指針」の公表

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の関係4団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」(以下「委員会」という。)は、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」という。)の見直しを行い、2021年8月3日の委員会においてその公表が承認されたので、改正「中小企業の会計に関する指針」を公表した。

関係4団体においては、我が国の経済の好循環を実現していくためには中小企業の果たす役割が重要であると認識している。

この点を踏まえ、中小会計指針を取引実態に合わせたより利用しやすいものとするために、継続的に見直しを行っており、今回の見直しもその一環である。

これにより、中小企業における会計の質の向上、ひいては持続的な経済社会の成長と経済基盤の整備に貢献してまいりたいと考えているので、ご協力いただきたい。

<今回の改正における改正点>
今回の改正では、改元に伴い、本文中の和暦に西暦を併記するとともに、各計算書類の例示について元号を平成から令和に変更した。

また、法令等の改正については、会社計算規則の改正に伴い、「個別注記表」等の見直しを行った。

各項目の改正の趣旨については、プレスリリースを参照のこと。

<お問い合わせ先>
日本公認会計士協会
https://www.jicpa.or.jp/
(伊藤:03-3515-1160)

日本税理士会連合会
https://www.nichizeiren.or.jp/
(河野:03-5435-0931)

日本商工会議所
https://www.jcci.or.jp/
(鶴岡:03-3283-7844)

企業会計基準委員会
https://www.asb.or.jp/jp/
(伊藤:03-5510-2711)

★リンクはこちら⇒ 中小企業の会計に関する指針(最終改訂2021年8月3日)

2021年12月13日


会計制度委員会研究資料第6号「非財務情報の充実と情報の結合性に関する 実務を踏まえた考察」の公表について

日本公認会計士協会(会計制度委員会)は、2021年4月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、会計制度委員会研究資料第6号「非財務情報の充実と情報の結合性に関する実務を踏まえた考察」を公表した。

近年、非財務情報を含む企業報告の質を高める動きが急速に加速しており、各国政府及び様々な民間機関・団体による非財務情報の開示の充実に向けた取組が進められている。

我が国においても、制度開示・自主開示について、特に非財務情報の開示の充実に向けた取組が進展している。

それに伴い、企業による価値創造の全体像について報告する流れが顕著になっており、非財務情報と財務情報又は非財務情報相互間における開示内容が有機的に結合し、経営者の認識に基づいた一貫した企業報告に対する投資家の期待も高まってきている。

こうした背景を踏まえ、本研究資料では、今後の企業報告の更なる質の向上に向けた課題の中から、開示される情報間の「結合性」に焦点を当て、結合性が求められる要因と求められる結合性の側面を整理することとした。

あわせて、実際の開示例の分析を通じて、結合性を高める手法や工夫が見られる点についての考察も行っている。

本研究資料が、当協会の会員のみならず、広く企業経営者や情報開示に携わる実務家、さらに、投資家にとって建設的な対話を深化させる一助となり、ひいては、持続的な経済社会の発展に役立つものになれば幸いである。

★リンクはこちら⇒ 会計制度委員会研究資料第6号「非財務情報の充実と情報の結合性に関する 実務を踏まえた考察」の公表について

2021年6月23日


「Q&A収益認識の基本論点(追補版)」の公表について

「Q&A収益認識の基本論点(追補版)」が作成された。

日本公認会計士協会は、「収益認識に関する会計基準」の円滑な導入を支援することを目的に、2020年7月から10月にかけて「Q&A収益認識の基本論点」を公表したが、その続編として、主に「Q&A収益認識の基本論点」で取り上げた基本的な論点をもとに、業種別の切り口でポイントを絞って解説した資料を作成した。

★収益基準の適用(製造業)はこちら⇒ 収益基準の適用(製造業)

★収益基準の適用(建設業、不動産業)はこちら⇒ 収益基準の適用(建設業、不動産業)

★収益基準の適用(情報サービス・ソフトウェア業)はこちら⇒ 収益基準の適用(情報サービス・ソフトウェア業)

★収益基準の適用(小売業、コンシューマ―向けサービス業、消費財製造業)はこちら⇒ 収益基準の適用(小売業、コンシューマ―向けサービス業、消費財製造業)

★収益基準の適用(卸売業)はこちら⇒ 収益基準の適用(卸売業)

2021年6月7日


非営利法人委員会研究報告第26号「社会福祉法人会計基準に基づく計算書類等の様式等に関するチェックリスト」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2021年3月25日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第26号「社会福祉法人会計基準に基づく計算書類等の様式等に関するチェックリスト」の改正を公表した。

本研究報告で示すチェックリストは、社会福祉法人会計基準の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第157号)及び関連する通知等の改正を踏まえたチェック項目の追加のほか、実務として使いやすいよう所要の見直しを行っているが、本省令は令和3年4月1日施行となるので留意すること。

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会研究報告第26号「社会福祉法人会計基準に基づく計算書類等の様式等に関するチェックリスト」の改正について

2021年6月2日


「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」 に関する実務指針」の一部改訂について

文部科学省及び日本公認会計士協会は、国立大学法人会計基準の実務上の留意点を定める「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」(以下「実務指針」という。)を改訂した。

2019年5月に国立大学法人法が改正され、一国立大学法人の下に複数大学を設置することが可能になった。

これに伴い、国立大学法人等の財務状況をより適切に開示する観点から、実務指針の見直しを行ったものである。

今般改訂された実務指針は、令和2事業年度から適用される。

本実務指針の改訂を行うに当たっては、2020年9月18日から10月19日までの間、草案を公開し、広く意見を求めたが、特にご意見は寄せられなかった。

最後に、今後も国立大学法人の会計の理論及び実務の進展とともに、実務指針を充実・改善していく予定である。

★「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針(令和2年12月24日最終改訂)の目次はこちら⇒ 「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針(令和2年12月24日最終改訂)の目次

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2021年3月30日


中小事務所等施策調査会研究報告第6号「半期報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、2020年10月8日に開催された常務理事会の承認を受けて、「中小事務所等施策調査会研究報告第6号「半期報告書に関する表示のチェックリスト」の改正について」を公表した。

本研究報告は、日本公認会計士協会東京会「監査表示チェックリストプロジェクトチーム」に審議を委託し、その協力を得て、中小規模の監査事務所が、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく財務計算に関する書類の中間監査において、半期報告書に関する表示の確認を実施する際の参考に資するため、チェックリストの形式で取りまとめたものである。

また、法令等の改正箇所については網掛けして明示している。

なお、本研究報告は、その一例を示したものであるため、被監査会社の半期報告書の表示を確認する際には、それぞれの実情に即して、加除修正等の検討を行う必要があること、また、2020年9月30日時点で施行されている法令や会計基準等に基づいて作成しているため、法令や会計基準等の改正が実施された場合には、その改正事項を考慮した上で使用する必要がある。

2021年1月6日


「Q&A 収益認識の基本論点(第6回)」の公表について

「Q&A 収益認識の基本論点」第6回を作成した。

これまでに公表した論点1~13に続き、今回公表する論点は下表の論点14~16となる。

番 号 論  点  名
論点1 約束した財又はサービスが別個のものか否かの判断
論点2 独立販売価格に基づく取引価格の配分 
論点3 契約の結合 
論点4 一定の期間にわたり充足される履行義務
論点5 一時点で充足される履行義務
論点6 契約の変更
論点7
変動対価
論点8
顧客に支払われる対価
論点9 追加の財又はサービスを取得するオプションの付与
論点10 顧客により行使されない権利(非行使部分)
論点11 返金が不要な契約における取引開始日の顧客からの支払
論点12 本人と代理人の区分
論点13 製品保証
論点14 知的財産のライセンス
論点15 返品権付きの販売
論点16 有償支給取引

★論点14はこちら ⇒ 知的財産のライセンス

★論点15はこちら ⇒ 返品権付きの販売

論点16はこちら ⇒有償支給取引

2020年12月3日


「Q&A 収益認識の基本論点(第5回)」の公表について

「Q&A 収益認識の基本論点」第5回を作成した。

これまでに公表した論点1~11に続き、今回公表する論点は下表の論点12、13となる。

番 号 論  点  名
論点1 約束した財又はサービスが別個のものか否かの判断
論点2 独立販売価格に基づく取引価格の配分 
論点3 契約の結合 
論点4 一定の期間にわたり充足される履行義務
論点5 一時点で充足される履行義務
論点6 契約の変更
論点7
変動対価
論点8
顧客に支払われる対価
論点9 追加の財又はサービスを取得するオプションの付与
論点10 顧客により行使されない権利(非行使部分)
論点11 返金が不要な契約における取引開始日の顧客からの支払
論点12 本人と代理人の区分
論点13 製品保証

<公表を予定している論点>

  • 知的財産のライセンス
  • 返品権付きの販売

★論点12はこちら ⇒ 本人と代理人の区分

★論点13はこちら ⇒ 製品保証

2020年12月3日


「Q&A 収益認識の基本論点(第4回)」の公表について

「Q&A 収益認識の基本論点」第4回を作成した。

これまでに公表した論点1~8に続き、今回公表する論点は下表の論点9~11となる。

番 号 論  点  名
論点1 約束した財又はサービスが別個のものか否かの判断
論点2 独立販売価格に基づく取引価格の配分 
論点3 契約の結合 
論点4 一定の期間にわたり充足される履行義務
論点5 一時点で充足される履行義務
論点6 契約の変更
論点7
変動対価
論点8
顧客に支払われる対価
論点9 追加の財又はサービスを取得するオプションの付与
論点10 顧客により行使されない権利(非行使部分)
論点11 返金が不要な契約における取引開始日の顧客からの支払

<公表を予定している論点>

  • 本人と代理人の区分
  • 製品保証
  • 知的財産のライセンス
  • 返品権付きの販売

★論点9はこちら ⇒ 追加の財又はサービスを取得するオプションの付与

★論点10はこちら ⇒ 顧客により行使されない権利(非行使部分)

★論点11はこちら ⇒ 顧客により行使されない権利(非行使部分)

2020年11月30日


「Q&A 収益認識の基本論点(第3回)」の公表について

日本公認会計士協会は、「Q&A 収益認識の基本論点」第3回を作成した。

これまでに公表した論点1~6に続き、今回公表する論点は下表の論点7及び8となる。

番 号 論  点  名
論点1 約束した財又はサービスが別個のものか否かの判断
論点2 独立販売価格に基づく取引価格の配分 
論点3 契約の結合 
論点4 一定の期間にわたり充足される履行義務
論点5 一時点で充足される履行義務
論点6 契約の変更
論点7
変動対価
論点8
顧客に支払われる対価

<公表を予定している論点>

  • 追加の財又はサービスを取得するオプションの付与
  • 顧客により行使されない権利
  • 返金が不要な顧客からの支払
  • 本人と代理人の区分
  • 製品保証
  • 知的財産のライセンス
  • 返品権付きの販売

★論点7はこちら ⇒ 変動対価

★論点8はこちら ⇒ 顧客に支払われる対価

2020年11月27日


「Q&A 収益認識の基本論点(第2回)」の公表について

日本公認会計士協会は、「Q&A 収益認識の基本論点」第2回を作成した。

2020年7月31日に公表した第1回の論点1~3に続き、今回公表する論点は下表の論点4~6となる。

番 号 論  点  名
論点1 約束した財又はサービスが別個のものか否かの判断
論点2 独立販売価格に基づく取引価格の配分
論点3 契約の結合
論点4 一定の期間にわたり充足される履行義務
論点5 一時点で充足される履行義務
論点6 契約の変更

<公表を予定している論点>

  • 変動対価
  • 顧客に支払われる対価
  • 追加の財又はサービスを取得するオプションの付与
  • 顧客により行使されない権利
  • 返金が不要な顧客からの支払
  • 本人と代理人の区分
  • 製品保証
  • 知的財産のライセンス
  • 返品権付きの販売

★論点4はこちら ⇒ 一定の期間にわたり充足される履行義務

★論点5はこちら ⇒ 一時点で充足される履行義務

★論点6はこちら ⇒ 契約の変更

2020年11月26日


「Q&A 収益認識の基本論点(第1回)」の公表について

日本公認会計士協会は、「Q&A 収益認識の基本論点」第1回を作成した。

2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から、「収益認識に関する会計基準」が適用となる。

日本公認会計士協会は、「収益認識に関する会計基準」の円滑な導入を支援することを目的に、基礎的な論点を図表や設例を用いて解説する資料を取りまとめた。

今回公表する論点は下表の論点1~3であり、順次論点を公表する予定である。

番 号 論  点  名
論点1 約束した財又はサービスが別個のものか否かの判断
論点2 独立販売価格に基づく取引価格の配分 
論点3 契約の結合 

<公表を予定している論点>

  • 一定の期間にわたり充足される履行義務
  • 一時点で充足される履行義務
  • 契約の変更
  • 変動対価
  • 顧客に支払われる対価
  • 追加の財又はサービスを取得するオプションの付与
  • 顧客により行使されない権利
  • 返金が不要な顧客からの支払
  • 本人と代理人の区分
  • 製品保証
  • 知的財産のライセンス
  • 返品権付きの販売

★論点1はこちら ⇒ 約束した財又はサービスが別個のものか否かの判断

★論点2はこちら ⇒ 独立販売価格に基づく取引価格の配分

★論点3はこちら ⇒ 契約の結合

2020年11月25日


非営利法人委員会研究報告第21号「公益法人の継続事業の前提について」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2020年7月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第21号「公益法人の継続事業の前提について」を改正した。

本改正は、2020年5月15日の「公益法人会計基準」改正において、「継続事業の前提」の呼称が「継続組織の前提」に変更されたことを受け、「非営利法人委員会研究報告第21号「公益法人の継続事業の前提について」」を適合修正するものである。

★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第21号「公益法人の継続事業の前提について」の改正について

2020年11月16日


「「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A」の一部改訂について

2020年3月25日に「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」が見直されたことを受けて、総務省行政管理局、財務省主計局及び日本公認会計士協会の三者で検討を行い、「「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A」を改訂した。

このQ&Aの改訂は、独立行政法人会計基準において、連結財務諸表の作成の目的及び連結の範囲等などの改訂がなされたことに伴い、所要の見直しを行ったものである。

改訂後のQ&Aは、令和2事業年度から適用される。

本Q&Aの改訂に当たっては、2020年6月5日から6月25日までの間、総務省が草案を公開し、意見募集を行ったが、草案の修正を要するコメントは寄せられなかった。

★リンクはこちら ⇒ 「「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A」の一部改訂について

2020年8月26日


経営研究調査会研究資料第7号「上場会社等における会計不正の動向(2020年版)」の公表について

日本公認会計士協会(経営研究調査会)は、2020年7月15日付けで経営研究調査会研究資料第7号「上場会社等における会計不正の動向(2020年版)」を公表した。

本研究資料は、近年の会計不正の動向を適時にお知らせするため、上場会社及びその関係会社が公表した会計不正を集計し、取りまとめたものである。

2018年6月26日付けの同5号「上場会社等における会計不正の動向」から公表をはじめ、今回は、2019年6月13日付けで公表した同6号「上場会社等における会計不正の動向(2019年版)」に続く更新版となる。

★リンクはこちら ⇒ 経営研究調査会研究資料第7号「上場会社等における会計不正の動向(2020年版)」の公表について

2020年8月12日


IFRS年次財務諸表ガイド – 開示チェックリスト(2019年9月版)

あずさ監査法人は、『IFRS年次財務諸表ガイド – 開示チェックリスト(2019年9月版)』を公表した。

本冊子は、国際財務報告基準(IFRS)に準拠した財務諸表を作成する際に最低限必要となる開示項目を特定することにより、初度適用企業を含む財務諸表作成者に役立つよう作成されている。

本冊子は、2019年1月1日に開始する会計年度に適用される2019年8月31日時点で公表されている規定に基づいて作成されている。

2019年1月1日以降開始する事業年度からIFRS第16号「リース」の適用が開始されることによる、財務諸表における開示への影響についても記載されている。

<PDFの内容>
1.本冊子について
2.参照及び略語
3.チェックリスト
4.Appendix
5.KPMGによるその他の刊行物

★リンクはこちら ⇒ IFRS年次財務諸表ガイド – 開示チェックリスト(2019年9月版)

2020年3月3日


内閣府子ども・子育て本部からの「幼児教育・保育の無償化に関する 自治体向けFAQ」の公表について

2019年10月1日から開始された幼児教育・保育の無償化に関し、会計処理を含む事務手続の方向性を定めたFAQが内閣府の子ども・子育て本部から公表された。

○内閣府「幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQ」
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/index.html

FAQに関する資料データは上記ページの「FAQ・実務フロー」の項目に掲載されている。
会計処理に関する事項は、【17.会計処理】(61頁)に記載されている。

★リンクはこちら ⇒ 幼児教育・保育の無償化に関する 自治体向けFAQ(2019年10月18日版)

2020年1月28日


非営利組織会計検討会による報告「非営利組織における財務報告の検討~ 財務報告の基礎概念・モデル会計基準の提案~」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

日本公認会計士協会(非営利組織会計検討会)は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利組織会計検討会による報告「非営利組織における財務報告の検討~財務報告の基礎概念・モデル会計基準の提案~」を公表した。

当協会は、2013年7月2日付けで非営利法人委員会研究報告第25号「非営利組織の会計枠組み構築に向けて」を公表し、民間の非営利組織に共通の会計枠組みを構築する必要性と、そのための重要なステップとして、モデル会計基準の開発を提唱した。

その後、非営利組織会計の重要な論点について掘り下げた議論が必要であるとの認識の下、非営利組織会計検討会を設置し、非営利組織における財務報告の基礎概念及び重要な個別論点に関する検討を行い、2015年5月26日付けで「非営利組織の財務報告の在り方に関する論点整理」(以下「論点整理」という。)を公表した。

上述の経緯を受けて、当協会では、モデル会計基準開発に向けて、論点整理で取り上げた個別論点のうち、「反対給付のない収益の認識」、「固定資産の減損」について研究報告をとりまとめるなど検討を進めてきた。

このたび、連結等のいくつかの個別論点は残されているものの、これまでの検討結果を基礎に、非営利組織会計検討会において、モデル会計基準について検討を行い「非営利組織における財務報告の検討~財務報告の基礎概念・モデル会計基準の提案~」として取りまとめて公表した。

本報告の検討に当たっては、2019年4月26日から6月3日までの間、公開草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案とした際に寄せられた主なコメントの概要及び対応については、「公開草案に対するコメントの概要及び対応」に記載している。

今後、各法人形態の会計基準設定主体が、制度に基づく会計基準を改訂する際に、モデル会計基準を参照することにより、法人形態間の財務報告の相互整合性が高まり、非営利組織に対する資源提供者、債権者、より広範なステークホルダーによる財務情報の利用が広がっていくことを期待している。

当協会は、今後も多くの関係者との協力及び連携を深めながら、引き続きモデル会計基準及び個別論点の検討を進めて、非営利組織の財務報告の発展に貢献していく所存である。

 ★非営利組織における財務報告の検討~財務報告の基礎概念・モデル会計基準の提案~ はこちら ⇒ 非営利組織における財務報告の検討~財務報告の基礎概念・モデル会計基準の提案~

★附属資料1 非営利組織における財務報告の基礎概念はこちら ⇒ 附属資料1 非営利組織における財務報告の基礎概念

★附属資料2 非営利組織モデル会計基準はこちら ⇒ 附属資料2 非営利組織モデル会計基準

★非営利組織会計検討会による報告「非営利組織における財務報告の検討~財務報告の基礎概念・モデル会計基準の提案~」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら ⇒ 非営利組織会計検討会による報告「非営利組織における財務報告の検討~財務報告の基礎概念・モデル会計基準の提案~」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応

2019年11月11日


会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」、金融商品会計に関するQ&A及び同4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」の改正について

日本公認会計士協会(会計制度委員会)は、2019年6月13日に開催された常務理事会の承認を受けて、会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」(以下「金融商品会計実務指針」という。)、金融商品会計に関するQ&A(以下「金融商品会計Q&A」という。)及び同4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」(以下「外貨建取引等実務指針」という。)を2019年7月4日付けで公表した。

1.改正の背景
企業会計基準委員会(以下「ASBJ」という。)において、主に金融商品の時価の算定に関するガイダンス及び開示に関して、国際的な会計基準との整合性を図るための検討が行われ、その結果、ASBJから当協会に対し、関連する会計制度委員会報告等として、外貨建取引等実務指針、金融商品会計実務指針及び金融商品会計Q&Aの改正の検討の依頼があった。

本改正は、当協会による検討の結果、金融商品会計実務指針等の改正を行うものである。

2.改正内容
金融商品会計実務指針等の主な改正内容は、以下のとおり。
(1)時価の算定に関する取扱い
金融商品の時価の算定に関する取扱いについては、ASBJが公表した時価算定会計基準で定めることとされたため、金融商品会計実務指針等における定めは削除することとした。
(2)その他有価証券の決算時の時価としての期末前1か月の市場価格の平均に基づいて算定された価額の取扱い
時価の定義の変更に伴い、金融商品会計基準におけるその他有価証券の期末の貸借対照表価額に期末前1か月の市場価格の平均に基づいて算定された価額を用いることができる定めについては、その平均価額が改正された時価の定義を満たさないことから削除されている。
これに併せ、金融商品会計実務指針においても、同様の規定を削除することとした。
ただし、その他有価証券の減損を行うか否かの判断については、期末前1か月の市場価格の平均に基づいて算定された価額を用いることができる実務上の取扱いを継続している。
なお、この場合であっても、減損損失の算定には期末日の時価を用いることとしている。
また、上記の取扱いに併せ、外貨建取引等実務指針において時価として期末前1か月の市場価格の平均に基づいて算定された価額を用いる場合の換算についての取扱いも削除することとした。
(3)時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券等の取扱い
時価算定会計基準において、時価を把握することが極めて困難な場合は想定されないため、当該取扱いを削除することとした。
ただし、改正金融商品会計基準にて、市場価格のない株式等に関しては、たとえ何らかの方式により価額の算定が可能としても、それを時価とはしないとする従来の考え方を踏襲することとされている。

3.適用について
改正金融商品会計基準を適用する連結会計年度及び事業年度から適用することとしている。
本改正の取りまとめに当たっては、2019年1月18日に公開草案を公表し、同年4月5日まで広くコメントを募集した。公開草案に寄せられたコメントの書面及びコメントに対する当協会の対応を併せて公表した。
なお、コメントの書面の公表については、予めコメント提出者の承諾を得ている。

【参考】
ASBJより企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等別ウィンドウで開くが公表されているので、リンク先のASBJのウェブサイトを参照のこと。

 ★金融商品会計に関する実務指針はこちら ⇒ 金融商品会計に関する実務指針

★金融商品会計に関するQ&Aはこちら  ⇒  金融商品会計に関するQ&A

★外貨建取引等の会計処理に関する実務指針はこちら  ⇒  外貨建取引等の会計処理に関する実務指針

★「会計制度委員会報告第 14 号「金融商品会計に関する実務指針」、金融商品会計に関するQ&A及び同4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」の改正について(公開草案)」に対するコメントの概要とその対応はこちら   ⇒ 「会計制度委員会報告第 14 号「金融商品会計に関する実務指針」、金融商品会計に関するQ&A及び同4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」の改正について(公開草案)」に対するコメントの概要とその対応

2019年9月11日


経営研究調査会研究資料第6号「上場会社等における会計不正の動向(2019年版)」の公表について

日本公認会計士協会(経営研究調査会)は、2019年6月13日付けで経営研究調査会研究資料第6号「上場会社等における会計不正の動向(2019年版)」を公表した。

本研究資料は、近年の会計不正の動向を適時にお知らせするため、上場会社及びその関係会社が公表した会計不正を集計し、取りまとめたものであり、2018年6月26日付けで公表した経営研究調査会研究資料第5号「上場会社等における会計不正の動向」の更新版となる。

経営研究調査会では、このほか、企業等で発生した不正の内容や手口、実施された不正調査手法も研究しており、これまでにも研究報告を作成し、公表している。

 ★リンクはこちら ⇒ 経営研究調査会研究資料第6号「上場会社等における会計不正の動向(2019年版)」の公表について

2019年8月20日


非営利法人委員会研究報告第26号「社会福祉法人会計基準に基づく財務諸表等の様式等に関するチェックリスト」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2019年4月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第26号「社会福祉法人会計基準に基づく計算書類等の様式等に関するチェックリスト」(改正2019年4月18日)を公表した。

本研究報告で示すチェックリストは、今般の社会福祉法人会計基準の改正、関係する厚生労働省通知の改廃が行われたことに伴い、所要の見直しを行っている。

 ★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第26号「社会福祉法人会計基準に基づく財務諸表等の様式等に関するチェックリスト」の改正について

2019年6月5日


建設業における「収益認識に関する会計基準」の研究報告

一般社団法人日本建設業連合会は、『建設業における「収益認識に関する会計基準」の研究報告』を公表した。

建設業の収益認識、つまり売上高に関する会計処理は、現在「工事契約に関する会計基準」に則って、工事進行基準等の会計処理を実施しているが、先般2018年3月に「収益認識に関する会計基準」が公表され、2021年度からは建設業各社はこの新基準に移行する必要がある。

本研究報告は、建設業界として一定程度は同じ方向の会計処理ができるように、新基準の具体的な建設業への当てはめ、各社での留意点等といった観点から、研究資料として取りまとめたものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 建設業における「収益認識に関する会計基準」の研究報告

2019年5月27日


非営利法人委員会実務指針第38号「公益法人会計基準に関する実務指針」 の改正

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2019年3月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、「公益法人会計基準に関する実務指針」の改正について」を公表した。

本改正は、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正(企業会計基準第28号)」において、繰延税金資産の取扱いが改正されたこと及び内閣府公益認定等委員会「29年度報告」により、外貨建有価証券の会計処理に係る実務上の指針の明確化が必要となったことを受け、非営利法人委員会における検討を重ねてきた。

本改正は、2018年4月1日以後開始する事業年度に係る監査から適用される。

また、本実務指針の見直し及び検討に当たっては、2019年1月18日から2月18日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

 ★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針第38号「公益法人会計基準に関する実務指針」 の改正

2019年5月16日


非営利法人委員会研究報告第38号「医療法人会計基準に基づく計算書類等の様式等に関するチェックリスト」の改正について

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2019年4月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第38号「医療法人会計基準に基づく計算書類等の様式等に関するチェックリスト」(改正2019年4月18日)を公表した。

本研究報告で示すチェックリストは、医療法人会計基準の改正、関係する厚生労働省通知の改廃が行われたことに伴い、所要の見直しを行っている。

 ★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第38号「医療法人会計基準に基づく計算書類等の様式等に関するチェックリスト」の改正について

2019年5月14日


非営利法人委員会研究報告第40号「農業協同組合等の会計に関する研究報告」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2019年3月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第40号「農業協同組合等の会計に関する研究報告」を公表した。

本研究報告は、第189回国会における「農業協同組合法等の一部を改正する等の法律」の成立により、農業協同組合等が作成する計算書類及びその附属明細書(以下、「計算書類等」という。)について、全国農業協同組合中央会による監査から、会計監査人による監査へ移行することとなったことを受け、組合の会計と企業会計等との異同・特徴を中心に円滑な移行に向けた検討を行い、会員が組合に対する適切な監査業務を実施できるよう、会計に関する論点をより明確に周知することを目的として、Q&A方式で整理したものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第40号「農業協同組合等の会計に関する研究報告」の公表

2019年4月25日


非営利法人委員会研究資料第1号「農協の決算開示書類実態分析Q&A」及び同第2号「農業協同組合の会計に関するQ&A」の廃止

第189回国会における「農業協同組合法等の一部を改正する等の法律」の成立により推進されている農協改革に伴い、関係法令の改廃が活発に行われている。

そのため、次の研究資料については役割が終了したと判断されることから、2019年3月19日付けで廃止した。

  • 非営利法人委員会研究資料第1号「農業の決算開示書類実態分析Q&A」(2003年1月16日付け公表)
  • 非営利法人委員会研究資料第2号「農業協同組合の会計に関するQ&A」(2007年2月28日付け公表)

 ★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究資料第1号「農協の決算開示書類実態分析Q&A」及び同第2号「農業協同組合の会計に関するQ&A」の廃止

2019年4月17日


「非営利法人委員会研究資料第5号「社会福祉法人会計基準に関する実務上のQ&A」の改正について」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2018年12月11日に開催された常務理事会の承認を受けて、「非営利法人委員会研究資料第5号「社会福祉法人会計基準に関する実務上のQ&A」の改正について」を公表した。

本研究資料は、平成23年7月27日に「社会福祉法人会計基準」(「社会福祉法人会計基準の制定について」(平成23年7月27日雇児発0727第1号、社援発0727第1号、老発0727第1号 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長、老健局長連名通知))が厚生労働省より公表されたことを受け、本会計基準を適用する場合の実務上の留意事項についてQ&Aとして公表したが、その後、一定規模の社会福祉法人に対して公認会計士又は監査法人による会計監査が義務付けられるなどの法改正を受けて、社会福祉法人が準拠すべき会計基準等も改正されたことから、改正後の社会福祉法人会計基準にも対応しつつ、引き続き会員各位の業務の参考とするため、再度検討を行い、新たなQ&Aを追加する等所要の見直しを行っている。

 ★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究資料第7号「医療法人会計基準に関する実務上のQ&A」(2019年3月27日改正)

2019年4月12日


「「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A」の 一部改訂及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

独立行政法人評価制度委員会会計基準等部会及び財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会(以下「会計基準等部会等」という。)から「独立行政法人の財務報告に関する基本的な指針(平成29年9月1日)」が公表されたことを踏まえ、2018年(平成30年)9月3日付けで、会計基準等部会等から「独立行政法人の事業報告に関するガイドライン」の設定及び「「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」」(以下「独立行政法人会計基準」という。)の改訂が公表された。

これを受けて、総務省行政管理局、財務省主計局及び日本公認会計士協会の三者で検討を行い、独立行政法人会計基準の実務上の留意点を定める「「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A」を改訂した。

今般の本Q&Aの改訂は、独立行政法人会計基準において、行政コスト計算書及び純資産変動計算書の創設、行政サービス実施コスト計算書の廃止、特定の承継資産に係る費用相当額の会計処理の新設、運営費交付金等による財源措置が明らかにされている賞与又は退職一時金等に係る引当金及び引当金見返の計上などの改訂がなされたことに伴い、実務上の取扱いなどについて所要の見直しを行ったものである。

改訂後のQ&Aは、平成31事業年度から適用される。

本Q&Aの改訂に当たっては、2019年1月25日から2月26日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

最後に、今後も独立行政法人の会計の理論及び実務の進展とともに、Q&Aを充実・改善していく予定である。

 ★「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A(2019年3月最終改訂)はこちら ⇒ 「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A(2019年3月最終改訂)

★「「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A」の一部改訂(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について はこちら ⇒ 「「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に関するQ&A」の一部改訂(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について 

2019年4月10日


非営利法人委員会研究資料第7号「医療法人会計基準に関する実務上のQ&A」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、2019年3月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究資料第7号「医療法人会計基準に関する実務上のQ&A」を公表した。

本研究資料は、「医療法人会計基準」(平成28年4月20日 厚生労働省令第95号)が厚生労働省より公表されたことを受け、本会計基準の適用に当たり新たに導入された会計手法等についての実務上の留意事項についてQ&Aとしてまとめたものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究資料第7号「医療法人会計基準に関する実務上のQ&A」の公表

2019年4月2日


改正「中小企業の会計に関する指針」の公表について(2019年3月)

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の関係4団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」(以下「委員会」という。)は、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」という。)の見直しを行い、2月27日の委員会においてその公表が承認されたので、改正「中小企業の会計に関する指針」を公表した。

関係4団体は、我が国の経済の好循環を実現していくためには中小企業の果たす役割が重要であると認識している。
この点を踏まえ、中小会計指針を取引実態に合わせたより利用しやすいものとするために、継続的に見直しを行っており、今回の見直しもその一環である。
これにより、中小企業における会計の質の向上、ひいては持続的な経済社会の成長と経済基盤の整備に貢献したいと考えている。

<今回の改正における改正点>
今回の改正では、「税効果会計」について、平成30年2月16日に企業会計基準委員会から企業会計基準第28号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」及び企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」が公表されたことに伴い、繰延税金資産と繰延税金負債の貸借対照表上の表示について見直しを行った。

また、その他、軽微な修正を行っている。

 ★リンクはこちら ⇒ 改正「中小企業の会計に関する指針」の公表について(2019年3月)

2019年3月20日


「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」 に関する実務指針」の一部改訂について

国立大学法人等の会計に関する認識、測定、表示及び開示について定める「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」(以下「国立大学法人会計基準」という。)が、2018年6月11日に改訂されたことを受け、文部科学省及び日本公認会計士協会は、国立大学法人会計基準の実務上の留意点を定める「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」(以下「実務指針」という。)を改訂した。

2017年4月の国立大学法人法の一部改正の施行により、国立大学法人等の財務基盤の強化を図ることを目的に、国立大学法人等の資産の有効活用を図るための規制緩和がなされている。
また、国立大学法人等が財源の多元化を図っていく中で、従来想定されていなかった国や地方公共団体以外の団体からの補助金等が増加している。
こうした背景を踏まえ、国立大学法人等の財務状況をより適切に開示する観点から、実務指針の見直しを行ったものである。

なお、改訂後の実務指針については、平成30事業年度から適用される。

検討に当たっては、2018年11月16日から12月17日までの期間にわたり公開草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要とそれらに対する対応は、『「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について』に記載しているので参照のこと。

最後に、今後も国立大学法人の会計の理論及び実務の進展とともに、実務指針を充実・改善していく予定とのこと。

 ★「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」 に関する実務指針」はこちら ⇒ 「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」 に関する実務指針」

★「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」(公開草
案)に対するコメントの概要及び対応についてはこちら
 ⇒
 「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」(公開草案)に対するコメントの概要及び対応について

2019年3月5日


事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組の支援について

「事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組について」(平成29年12月28日内閣官房、金融庁、法務省、経済産業省策定)にて、制度上は、会社法と金融商品取引法の両方の要請を満たす一つの書類を作成して、株主総会前に開示することは可能となっていることが示され、関係省庁は、会社法に基づく事業報告及び計算書類(以下「事業報告等」)と金融商品取引法に基づく有価証券報告書の一体的開示を行おうとする企業の試行的取組を支援するための方策を、当該企業及び投資家とともに、検討してきたところである。

検討の中で、当該企業の試行的取組に基づき、別添の記載例が作成された()。

当該記載例は、今後、一体的開示を行おうとする企業が参考にできるものとして有益であると考えられるため、当該記載例を紹介している。

()当該企業が、既に開示した自社の事業報告等と有価証券報告書に基づいて、事業報告等と有価証券報告書の記載内容の共通事項、有価証券報告書においてのみ記載している事項、事業報告等においてのみ記載している事項の整理を行った上で試行的に作成した一体的開示書類をもとに、関係省庁において、汎用的になるよう当該企業の個別情報を除いたもの。

 ★リンクはこちら ⇒ 事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組の支援について

2019年2月12日


国際公会計基準(IPSAS)第1号「財務諸表の表示」(国際公会計基準書ハンドブック2017年版)の翻訳完了について

日本公認会計士協会公会計委員会は、国際会計士連盟(IFAC)の国際公会計基準審議会(International Public Sector Accounting Standards Board – IPSASB)から公表されている「国際公会計基準(International Public Sector Accounting Standards – IPSAS)第1号「財務諸表の表示」」の翻訳作業を完了した。

  • 「国際公会計基準(IPSAS)第1号「財務諸表の表示」」 (「IPSAS 1, Presentation of Financial Statement」)

本翻訳は、2018年2月に発行された「国際公会計基準書ハンドブック2017年版(2017 Handbook of International Public Sector Accounting Pronouncements)」に収録されている時点のものを翻訳対象としている。

 ★リンクはこちら ⇒ 国際公会計基準(IPSAS)第1号「財務諸表の表示」(国際公会計基準書ハンドブック2017年版)の翻訳完了について

2019年1月31日


Applying IFRS 仮想資産の保有者の会計処理

EY新日本有限責任監査法人は、『Applying IFRS 仮想資産の保有者の会計処理』を発行した。

仮想通貨、仮想コインおよび仮想トークンが、様々な仮想通貨取引所で取引または上場されている。

本稿では、仮想資産の一般保有者向けのIFRS上の会計処理に関するガイダンスを提供している。

 ★リンクはこちら ⇒ Applying IFRS 仮想資産の保有者の会計処理

2018年12月4日


監査提言集2018(一般用)の公表

日本公認会計士協会は、監査提言集の一部を一般に公表しているが、このたび2018年版を公表した。

会員向けには全文を公表しているが、一般向けは、一部だけにする必要はあるのだろうか?

 ★リンクはこちら ⇒ 監査提言集2018(一般用)の公表

2018年7月13日


経営研究調査会研究資料第5号「上場会社等における会計不正の動向」の公表について

日本公認会計士協会(経営研究調査会)は、2018年6月26日付けで経営研究調査会研究資料第5号「上場会社等における会計不正の動向」を公表した。

本研究資料は、近年の会計不正の動向を適時にお知らせするため、上場会社及びその関係会社が公表した会計不正を集計し、取りまとめたものである。

経営研究調査会では、このほか、企業等で発生した不正の内容や手口、実施された不正調査手法も研究しており、これまでにも研究報告を作成し、公表している。

 ★リンクはこちら ⇒ 経営研究調査会研究資料第5号「上場会社等における会計不正の動向」の公表について

2018年7月4日


企業会計基準第28号 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」等の公表

我が国における税効果会計に関する会計基準として、平成10年10月に企業会計審議会から「税効果会計に係る会計基準」が公表され、当該会計基準を受けて、日本公認会計士協会から実務指針が公表されている。

これらの会計基準及び実務指針に基づきこれまで財務諸表の作成実務が行われてきたが、企業会計基準委員会は、基準諮問会議の提言を受けて、日本公認会計士協会における税効果会計に関する実務指針(会計に関する部分)について、当委員会に移管すべく審議を行ってきた。

このうち、繰延税金資産の回収可能性に関する定め以外の税効果会計に関する定めについて、基本的にその内容を踏襲した上で、必要と考えられる見直しを行うこととし、主として開示に関する審議を重ねてきた。

今般、平成30年2月9日開催の第378回企業会計基準委員会において、以下の企業会計基準及び企業会計基準適用指針(以下合わせて「本会計基準等」という。)の公表を承認し、公表された。

  • 企業会計基準第28号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」
  • 企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」
  • 改正企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」
  • 企業会計基準適用指針第29号「中間財務諸表等における税効果会計に関する適用指針」

なお、本会計基準等については、平成29年6月6日に公開草案を公表し、広くコメント募集を行った後、当委員会に寄せられたコメントを検討し、公開草案の修正を行った上で公表するに至ったものである。

企業会計基準第28号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」はこちら ⇒ 企業会計基準第28号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」

★企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」はこちら ⇒ 企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」

★改正企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」はこちら ⇒改正企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」

企業会計基準適用指針第29号「中間財務諸表等における税効果会計に関する適用指針」はこちら ⇒企業会計基準適用指針第29号「中間財務諸表等における税効果会計に関する適用指針」

2018年4月12日


改正「中小企業の会計に関する指針」の公表について(2018年3月)

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の関係4団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」(以下「委員会」という。)は、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」という。)の見直しを行い、3月12日の委員会においてその公表が承認されたので、改正「中小企業の会計に関する指針」を公表した。
関係4団体においては、我が国の経済の好循環を実現していくためには中小企業の果たす役割が重要であると認識している。
この点を踏まえ、中小会計指針を取引実態に合わせたより利用しやすいものとするために、継続的に見直しを行っており、今回の見直しもその一環である。
これにより、中小企業における会計の質の向上、ひいては持続的な経済社会の成長と経済基盤の整備に貢献したいと考えているようである。

<今回の改正における改正点>
今回の改正では、「税金費用・税金債務」について、平成29年3月16日に企業会計基準委員会から企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」が公表されたことに伴い、【関連項目】として記載している会計基準等の改正を行った。
なお、本文の内容については、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」が従前の監査・保証実務委員会実務指針第63号の内容を基本的に踏襲した上で表現の見直しや考え方の整理等を行ったものであることから、変更を行っていない。

各項目の改正の趣旨については、プレスリリースを参照のこと。

Press Releaseはこちら ⇒ Press Release

★中小企業の会計に関する指針(平成30年3月12日改正)はこちら ⇒ 中小企業の会計に関する指針(平成30年3月12日改正)

★改正「中小企業の会計に関する指針」と旧指針との対照表はこちら  改正「中小企業の会計に関する指針」と旧指針との対照表

2018年3月28日


【弥生会計(やよいの青色申告)】Windows Update後にExcelへの書き出しを行うと「ADOエラー」が発生するお客さまへ Edit

2017年10月11日以降、「弥生会計(やよいの青色申告)」をお使いのお客さまより、Windows Update後にExcelへの書き出しを行うと「ADOエラー データオープンに失敗しました」のエラーが表示されるとの問い合わせが多いようである。
こちらは、Windows Updateで配布されたプログラムの不具合であることを確認している。
現象を解消するには、今後日本マイクロソフト株式会社から配布される修正プログラムを待つこと。

なお、お急ぎの場合は、該当のプログラムをアンインストールすることで回避できることを確認している。
ただし、日本マイクロソフト株式会社のプログラムのため、その他アプリケーションへの影響について、弥生株式会社では確認できない。
必ずお客さまご自身でご判断の上、アンインストールを行うこと。
アンインストールはコントロールパネルの[プログラムと機能]から[インストールされた更新プログラムを表示]をクリックし、「KB*******」を削除すること。
なお、該当するプログラムは、利用しているOSによって異なるので以下を確認のこと。

<該当するプログラム>

OS 該当するプログラム 
Windows 7 KB4041681
Windows 8.1 KB4041693
Windows 10 KB4041691 または KB4041676
(インストールされている方をアンインストールする)

 ★リンクはこちら ⇒ 【弥生会計(やよいの青色申告)】Windows Update後にExcelへの書き出しを行うと「ADOエラー」が発生するお客さまへ

2017年10月17日

動画コンテンツ「もっと教えて!XBRL」の公表

日本公認会計士協会は、このたび動画コンテンツ「もっと教えて!XBRL」を公表した。

この動画は、XBRLに関する基本的な内容をまとめた「ちょっと教えて!XBRL」(2010年制作)の続編として、インラインXBRLをはじめとしたXBRLの進化、開示制度におけるXBRLの適用範囲の拡大について解説している。
XBRLは、財務諸表を記述するコンピュータ言語として、金融庁のEDINETや東京証券取引所のTDnet等で採用されている。
今後、ますます利用価値が高まるXBRLについて、理解の一助となれば幸いである。

 ★リンクはこちら ⇒ もっと教えて!XBRL

2017年6月12日

労働組合会計基準

労働組合会計に関するものとして、昭和60年に『労働組合会計基準』が制定されている。

公表されてから30年以上経過しているが、既に多くの労働組合において採用されており、『一般に公正妥当と認められる労働組合会計の基準』として定着している。

2017年5月23日

債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い

企業会計基準委員会は、国債等の利回りでマイナスが見受けられる状況に関連して、平成28年3月に開催された第331回企業会計基準委員会において、退職給付債務の計算における割引率に関して議論を行い、当該議論の内容を周知するため、同月に議事概要を公表した。
また、平成28年7月に開催された第340回企業会計基準委員会において、基準諮問会議より、マイナス金利に係る種々の会計上の論点への対応について、必要に応じて適時に対応を図ることの依頼を受けた。
これらを踏まえ、当委員会では、必要と考えられる当面の取扱いを明らかにすることを目的として審議を行ってきた。

今般、平成29年3月28日開催の第357回企業会計基準委員会において、標記の「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い」(以下「本実務対応報告」という。)の公表が承認されたので、公表した。
本実務対応報告は、平成29年1月27日に公開草案を公表し、広くコメント募集を行った後、当委員会に寄せられたコメントを検討し、公開草案の修正を行った上で公表するに至ったものである。

<本実務対応報告の概要>
以下の概要は、本実務対応報告の内容を要約したものである。
●会計処理(本実務対応報告第2項)
退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、利回りの下限としてゼロを利用する方法とマイナスの利回りをそのまま利用する方法のいずれかの方法による。

●適用時期(本実務対応報告第3項)
本実務対応報告は、平成29年3月31日に終了する事業年度から平成30年3月30日に終了する事業年度まで適用する。
なお、平成30年3月31日以後に終了する事業年度の取扱いに関しては、利回りの下限としてゼロを利用する方法とマイナスの利回りをそのまま利用する方法のいずれかの方法によることを定めたガイダンスの公表に向けて、今後、速やかに検討を開始する予定である。

 ★リンクはこちら ⇒ 債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い

2017年4月20日

非営利法人委員会研究報告第23号「公益法人の財務諸表等の様式等に関するチェックリスト(平成20年基準)」の改正

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、平成29年3月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、『非営利法人委員会研究報告第23号「公益法人の財務諸表等の様式等に関するチェックリスト(平成20年基準)」の改正について』を平成29年3月28日付けで公表した。

本研究報告は、公益法人が作成した財務諸表(貸借対照表、正味財産増減計算書及びキャッシュ・フロー計算書)及び附属明細書並びに財産目録の様式等が「公益法人会計基準」(平成20年4月11日 平成21年10月16日改正、内閣府公益認定等委員会)等に準拠しているか否かを確かめるために使用するものである。

今般、内閣府公益認定等委員会により公表された「公益法人の会計に関する諸課題の検討状況について」(平成27年3月26日)及び「公益法人の会計に関する諸課題の検討結果について」(平成28年3月23日)を踏まえた改正を行っている。

 ★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第23号「公益法人の財務諸表等の様式等に関するチェックリスト(平成20年基準)」の改正

2017年3月23日

改正「中小企業の会計に関する指針」の公表(平成29年3月)

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の関係4団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」(以下「委員会」という。)は、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」という。)の見直しを行い、平成29年3月9日の委員会においてその公表が承認されたので、改正「中小企業の会計に関する指針」を公表した。

関係4団体においては、我が国の経済の好循環を実現していくためには中小企業の果たす役割が重要であると認識している。
この点を踏まえ、中小会計指針を取引実態に合わせたより利用しやすいものとするために、継続的に見直しを行っており、今回の見直しもその一環である。
これにより、中小企業における会計の質の向上、ひいては持続的な経済社会の成長と経済基盤の整備に貢献していきたいと考えているようである。

<今回の改正における改正点>
今回の改正では、従来の中小会計指針第89項にあった「今後の検討事項」(資産除去債務)への対応として、固定資産の項目に新たに敷金に関する会計処理を明記した(第39項)。
また、税効果会計については、平成27年12月28日に企業会計基準委員会から企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」が公表されたことに伴い、関連項目の見直しを行った。

 ★リンクはこちら ⇒ 「中小企業の会計に関する指針」(平成29年3月9日)

2017年3月23日

IFRSクイックガイド(2016年6月)

昨今、M&Aを積極的に行っている企業を中心に、日本におけるIFRS(国際会計基準)の任意適用が活発化している。

新日本有限責任監査法人が作成した本冊子は、IFRSの任意適用を行うにあたり、日本基準を適用している多くの一般事業会社で重要な影響が生じる可能性が高い項目について、その概要、財務およびビジネスに与える影響、並びに想定される課題をコンパクトに解説している。

 ★リンクはこちら ⇒ IFRSクイックガイド(2016年6月)

2016年7月28日

『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~

経済産業省は、「中小企業の会計に関する基本要領」(以下「中小会計要領」という。)を活用して中小企業の抱える経営課題を可視化するとともに、課題解決に向けた取り組みを後押しするため、「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」を作成した。

<背景・経緯>
中小企業を取り巻く経営環境は、一層厳しさを増している。こうした環境下において、会社の売上や利益、雇用の場を守っていくためには、しっかりとした経営目標を掲げ、社員が一丸となって経営課題に取り組むことが必要である。
今般、経済産業省は、「中小会計要領」の活用によって中小企業の抱える経営課題を可視化するとともに、課題解決に向けた取り組みを後押しするため、「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」を作成した。
本冊子は、「中小企業の会計を活用した経営の促進事業 会計活用事例集作成委員会」(委員長:河﨑照行甲南大学共通教育センター教授)において、取りまとめられたものである。
この冊子を通じて、多くの中小企業が、「中小会計要領」を自社の経営力の強化や資金調達力の強化等のために活用いただくことによって、事業の発展につなげることを期待している。

<「『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~」の概要>
第1章 「会計」の活用とは?
1 経営の「困った」を解決
2 会計のメリット
3 「会計」は簡単
第2章 「会計」を活用する
自社に必要な会計のレベル
第3章 「会計」の活かし方
Level1 資金繰りを安定させる
Level2 業績を共有する
Level3 部門長に業績責任をもってもらう
Level4・5 先を読み、先手を打つ・中長期戦略を全社で共有する

 ★ リンクはこちら⇒ 『経営力向上』のヒント~中小企業のための『会計』活用の手引き~

2016年6月29日

オンライン基礎講座 税効果会計

KPMGのホームページに、『オンライン基礎講座 税効果会計』が掲載された。

「税効果会計」の会計処理について、音声解説付きスライドにより分かりやすく解説している(26分21秒)。

 ★リンクはこちら ⇒ オンライン基礎講座 税効果会計

2016年6月6日

会計制度委員会報告第6号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」、同第10号「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」、同第11号「中間財務諸表等における税効果会計に関する実務指針」、同第14号「金融商品会計に関する実務指針」、税効果会計に関するQ&A及び土地再評価差額金の会計処理に関するQ&Aの改正

日本公認会計士協会(会計制度委員会)は、平成28年3月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、下記の会計制度委員会報告等の改正を平成28年3月25日付けで公表した。

<改正する会計制度委員会報告等>

(1) 会計制度委員会報告第6号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」
(2) 会計制度委員会報告第10号「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」
(3) 会計制度委員会報告第11号「中間財務諸表等における税効果会計に関する実務指針」
(4) 会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」
(5) 税効果会計に関するQ&A
(6) 土地再評価差額金の会計処理に関するQ&A

本改正は、企業会計基準委員会から平成27年12月に公表された企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」及び平成28年3月に公表された企業会計基準適用指針第27号「税効果会計に適用する税率に関する適用指針」に対応するため、関連する規定の整理、字句の見直し等を行ったものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 会計制度委員会報告第6号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」、同第10号「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」、同第11号「中間財務諸表等における税効果会計に関する実務指針」、同第14号「金融商品会計に関する実務指針」、税効果会計に関するQ&A及び土地再評価差額金の会計処理に関するQ&Aの改正について

2016年4月19日

「業種別委員会実務指針第53 号「年金基金の財務諸表に対する監査に関する実務指針」」 及び「業種別委員会研究報告第10 号「年金基金に対する監査に関する研究報告」の改正について」並びに「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(業種別委員会)は、平成28年3月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、「業種別委員会実務指針第53号「年金基金の財務諸表に対する監査に関する実務指針」」及び「業種別委員会研究報告第10号「年金基金に対する監査に関する研究報告」の改正について」を公表した。

本改正は、平成26年2月における監査基準の改訂及び同年4月における監査基準委員会報告書800「特別目的の財務報告の枠組みに準拠して作成された財務諸表に対する監査」及び監査基準委員会報告書805「個別の財務表又は財務諸表項目等に対する監査」が公表されたこと等に対応するため、現在行われている年金基金に対する監査について、特別目的の監査の枠組みに照らし、見直したものである。
平成25年3月29日に公表した業種別委員会研究報告第10号「年金基金に対する監査に関する研究報告」の記載内容のうち、監査上の留意事項に当たるものを基礎として実務指針を策定し、当該実務指針には含まれない年金基金の制度及び業務に関する事項については、監査実施上、年金基金及び基金環境の理解に資するものであるため、その記載内容を見直し研究報告を改正している。

本改正の取りまとめに当たっては、平成27年12月25日から平成28年1月25日までの間、草案を公開し、広く意見を求め、公開草案に寄せられた主なコメントの概要とそれらに対する対応は「公開草案に対するコメントの概要及びその対応について」に記載している。

なお、本実務指針は、平成28年4月1日以後開始する事業年度に係る監査から適用されている。

 ★業種別委員会実務指針第53 号「年金基金の財務諸表に対する監査に関する実務指針」はこちら ⇒ 業種別委員会実務指針第53 号「年金基金の財務諸表に対する監査に関する実務指針」

 ★業種別委員会研究報告第10 号「年金基金に対する監査に関する研究報告」の改正についてはこちら ⇒ 業種別委員会研究報告第10 号「年金基金に対する監査に関する研究報告」の改正について

 ★「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表についてはこちら ⇒ 公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について

2016年4月15日

非営利法人委員会研究報告第29号「正味財産増減計算書内訳表等に関する研究報告」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、平成28年2月23日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第29号「正味財産増減計算書内訳表等に関する研究報告」を平成28年3月22日付けで公表した。

本研究報告は、内閣府公益認定等委員会のもとに設置された公益法人の会計に関する研究会により公表された「公益法人の会計に関する諸課題の検討状況について」(平成27年3月26日)にて決定された事項で、会計基準に関連する事項として、公益認定等委員会委員長から当協会会長あてに検討の依頼があった項目の一部について、検討の結果、公表することとした事項についてまとめたものである。

同様に検討の依頼があったその他の事項については、「公益法人会計基準に関する実務指針」(非営利法人委員会実務指針第38号)として、同日に公表している。

 ★リンクはこちら ⇒ 非営利法人委員会研究報告第29号「正味財産増減計算書内訳表等に関する研究報告」

2016年4月8日

繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針

ASBJ(企業会計基準委員会)・FASF(公益財団法人財務会計基準機構)のサイトに、「季刊 会計基準」 第52号の記事「税効果会計に関する適用指針の公表」が掲載された。

 ★リンクはこちら ⇒ 繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針

2016年4月7日

非営利法人委員会実務指針第38号「公益法人会計基準に関する実務指針」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、平成28年3月16日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会実務指針第38号「公益法人会計基準に関する実務指針」を平成28年3月22日付けで公表した。
本実務指針の公表に当たっては、「公益法人の会計に関する諸課題の検討状況について」(平成27年3月26日公益認定等委員会公益法人の会計に関する研究会)に基づき、平成27年4月24日に内閣府公益認定等委員会委員長から当協会会長あてに「公益法人の会計に関する諸課題の更なる検討について(協力依頼)」が発出されたことを受け、協力依頼があった事項について、非営利法人委員会における検討を行ってきた。

あわせて、「公益法人会計基準について」(平成20年4月11日 内閣府公益認定等委員会、平成21年10月16日改正)が設定されたことに伴い、「公益法人会計基準等の改正について」(平成16年10月14日公益法人等の指導監督等に関する関係省庁連絡会議申合せ)に基づいて公表された非営利法人委員会報告第28号、第29号、第31号及び第32号に必要な改訂を行った上で、各委員会報告を統合した。

本実務指針は、上記を併せて、規範性のある実務指針として公表するものである。

また、本実務指針の取りまとめに当たっては、平成28年2月24日から平成28年3月8日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要とその対応も併せて公表した。

 ★公益法人会計基準に関する実務指針はこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針第38号「公益法人会計基準に関する実務指針」

★公開草案に対するコメントの概要及び対応はこちら ⇒ 非営利法人委員会実務指針「公益法人会計基準に関する実務指針」(公開草案)に対するコ メントの概要及び対応について

2016年3月29日

企業会計基準適用指針公開草案第55号「税効果会計に適用する税率に関する適用指針(案)」の概要

ASBJ(企業会計基準委員会)・FASF(公益財団法人財務会計基準機構)のサイトに、「季刊 会計基準」 第52号の記事「税効果会計に関する適用指針の公表」が掲載された。

 ★リンクはこちら ⇒ 「季刊 会計基準」 第52号の記事「税効果会計に関する適用指針の公表」(削除)

2016年3月28日

IT委員会研究報告第47号「業務処理統制に関する評価手続」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表

日本公認会計士協会(IT委員会)では、平成28年2月23日に開催された常務理事会の承認を受けて、IT委員会研究報告第47号「業務処理統制に関する評価手続」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」を公表した。

本研究報告は、ITの利用の促進に伴い重要性が増している業務処理統制を含んだ業務プロセスについて、財務諸表監査におけるリスク評価手続及びリスク対応手続のうち運用評価手続についての具体的な例示を提供することを目的として作成した。

本研究報告の取りまとめに当たっては、平成27年11月11日から12月11日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。
公開草案に寄せられた主なコメントの概要及び対応もあわせて公表した。

なお、ITに係る内部統制については、先般公表したIT委員会研究報告第46号「重要な虚偽表示リスクと全般統制の評価」(平成26年9月30日付け公表)と一体として理解いただければと思う。

 ★業務処理統制に関する評価手続はこちら ⇒ IT委員会研究報告第47号「業務処理統制に関する評価手続」

 ★公開草案に対するコメントの概要及び対応はこちら ⇒ コメント対応表

2016年3月17日

企業会計基準委員会「第331回企業会計基準委員会議事概要別紙(審議事項(4)マイナス金利に関する会計上の論点への対応について)」の公表

第331回企業会計基準委員会(平成28年3月9日開催)において、マイナス金利に関連する会計上の論点のうち、退職給付債務の計算における割引率に関する論点について、企業会計基準委員会における議論の内容を周知するために、別紙を議事に残すこととされた。

当該議事概要別紙が企業会計基準委員会のウェブサイトにて公表されている。

 ★リンクはこちら ⇒ 企業会計基準委員会「第331回企業会計基準委員会議事概要別紙(審議事項(4)マイナス金利に関する会計上の論点への対応について)」の公表

2016年3月15日

改正「中小企業の会計に関する指針」

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の関係4団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」(以下「委員会」という。)は、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」という。)の見直しを行い、1月26日の委員会においてその公表が承認され、改正「中小企業の会計に関する指針」を公表した。
関係4団体においては、我が国の経済の好循環を実現していくためには中小企業の果たす役割が重要であると認識しており、この点を踏まえ、中小会計指針を取引実態に合わせたより利用しやすいものとするために、継続的に見直しを行っており、今回の見直しもその一環である。
これにより、中小企業における会計の質の向上、ひいては持続的な経済社会の成長と経済基盤の整備に貢献したいと考えているようである。

1.今回の改正における改正点
今回の改正では、誤謬の訂正の注記において、企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に基づく会計処理を行わない場合には、当該注記が要求されないことを明確化した(第82項)。
また、重要性の原則(第9項(2))、固定資産の減損会計(第36項)、税効果会計(第61項)に関する記載についても明確化を図る観点から見直しを行った。
これらの見直しは、従来の取扱いについて変更することを意図したものではない。

2.「今後の検討事項」(資産除去債務)の取扱いに関する検討
企業会計基準第18号「資産除去債務に関する会計基準」(以下「資産除去債務会計基準」という。)では、有形固定資産の除去に関して法令等で要求される義務(例えば、不動産の賃貸借契約における原状回復義務や建物等のアスベストの除去義務など。以下「資産除去債務」という。)についての会計処理を定めている。
資産除去債務会計基準については、改正後本文60ページの「今後の検討事項」において「本指針における資産除去債務の取扱いについては、今後の我が国における企業会計慣行の成熟を踏まえつつ、引き続き検討することとする。」としている。
委員会は、資産除去債務会計基準が金融商品取引法適用会社等に対して適用されてから5年が経過したことを勘案し、今後、「今後の検討事項」として記載している資産除去債務を「各論」の一項目として取扱うかどうかについて、中小企業関係者の意見を踏まえ、コスト・ベネフィットも考慮して検討を行っていくことを考えている。

 ★リンクはこちら ⇒ 改正「中小企業の会計に関する指針」の公表について(2016年)

2016年2月18日

中小企業の会計に関する指針の適用に関するチェックリスト

日本税理士会連合会は、中小企業の計算書類について、「中小企業の会計に関する指針」の適用状況を確認するための書類として、「中小企業の会計に関する指針の適用に関するチェックリスト」を作成した。

現在、多くの金融機関において、このチェックリストを活用した融資商品が取り扱われている。
ちなみに、四国は、以下のとおり。

  • 百十四銀行
  • 宇和島信用金庫
  • 東予信用金庫
  • 伊予銀行
  • 愛媛信用金庫
  • 愛媛銀行
  • 川之江信用金庫

1行だけ香川県で、残りはすべて愛媛県なのはなぜなのだろうか?

★リンクはこちら⇒ 中小企業の会計に関する指針の適用に関するチェックリスト

2015年7月8日

一般社団・財団法人法施行規則による一般社団法人の各種書類のひな型(改訂版)

経済団体連絡会は、わが国を代表する業界ごとに組織されている約60の経済団体などから構成されており、経済団体が抱える諸課題の解決や会員相互の情報共有などの活動を行っている。
本ひな型は、公益法人改革に伴い、多くの経済団体が一般社団法人へ移行し、新法の趣旨を踏まえた書類の作成、提供、公告に取り組む中で、法人運営の実務を踏まえた書類の基準となるべきものを作成し、法人運営をする皆様方の参考に供することをめざして、2013年に作成された。

今般、内部統制システムの整備等に関する一般社団・財団法人法施行規則の改正を受けて、改訂した。
なお、本ひな型は、一般社団法人全体としての統一的フォームを定めたものではない。
各団体の皆様においては、それぞれの事情に応じて、本ひな型を参考資料のひとつとして活用いただき、創意工夫を凝らした適切な開示により、社員等への説明責任を果たしていただければ幸甚に存ずる。

★リンクはこちら⇒ 一般社団・財団法人法施行規則による一般社団法人の各種書類のひな型(改訂版)

2015年6月29日

改正「中小企業の会計に関する指針」の公表

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の関係4団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」(以下「委員会」という。)は、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」という。)の見直しを行い、2015年4月21日の委員会においてその公表が承認されたので、改正「中小企業の会計に関する指針」を公表した。

今般の中小会計指針の改正では、企業会計基準委員会が公表した各種の企業会計基準のうち、企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」に対応した用語の見直し等を行っている。
関係4団体においては、我が国の経済の好循環を実現していくためには中小企業の果たす役割が重要であると認識している。
この点を踏まえ、中小会計指針を取引実態に合わせたより利用しやすいものとするために、今後も継続的に見直しを行い、中小企業における会計の質の向上、ひいては持続的な経済社会の成長と経済基盤の整備に貢献したいと考えている。

なお、本指針の「関連項目」に記載している法人税法等の条文は、公表日現在のものであることに留意すること。

★リンクはこちら⇒ 改正「中小企業の会計に関する指針」の公表について(2015年)

2015年6月15日

決算・開示ヘルスチェック

あらた監査法人は、決算・開示ヘルスチェックをホームページに掲載した。

おカネは会社にとっての血液である。
おカネを滞りなく循環させること、そしておカネの流れを表す決算を円滑に実施することは、会社の健康状態を良好に保つ上で非常に重要と考えられる。
この決算・開示ヘルスチェックサイトでは、自社の決算・開示業務に関する課題・問題点を、担当者やマネジメントの皆様にご自身で確認いただくための簡単な問診表を用意した。
各問診に対して回答頂いた内容を集計分析し、簡単な診断書が表示されるので、これにより貴社の現状をおおまかに把握することができる。

★リンクはこちら⇒ 決算・開示ヘルスチェック(既に削除済)

2015年6月4日

平成27年3月期決算上の留意事項

新日本有限責任監査法人が、『平成27年3月期 決算上の留意事項』をホームページに掲載した。

この平成27年3月期決算においては、改正後の退職給付会計基準の定めのうち、退職給付債務等の計算に係る部分が原則適用となる。
また、改正企業結合会計基準の早期適用が可能となっているほか、今後公布されることが見込まれる平成27年度税制改正が税効果会計に与える影響も考慮する必要がある。

これらの論点について、基本的な取扱いを中心に、平成27年3月期決算での留意事項をQ&A方式で解説している。

★リンクはこちら⇒ 平成27年3月期決算上の留意事項

2015年3月23日

統一的な基準による地方公会計マニュアル

総務省は、『統一的な基準による地方公会計マニュアル』を公表した。
以下の構成となっている。

  1. 財務書類作成要領
  2. 資産評価及び固定資産台帳整備の手引き
  3. 連結財務書類作成の手引き
  4. 財務書類等活用の手引き

★リンクはこちら⇒ 統一的な基準による地方公会計マニュアル(既に削除済み)

<2016年5月に改訂>

★リンクはこちら⇒ 統一的な基準による地方公会計マニュアル(平成28年5月改訂)

2015年1月28日

有価証券報告書レビューの実施(平成26年3月期以降)

金融庁では、有価証券報告書の記載内容の適切性を確保するため、各財務局及び福岡財務支局並びに沖縄総合事務局(「財務局等」)と連携し、平成24年より、「法令改正関係審査」、「重点テーマ審査」及び「情報等活用審査」を柱とした有価証券報告書レビューを実施している。平成26年3月期以降の有価証券報告書については、以下の内容でレビューを実施することとしたため、公表された。

1.法令改正関係審査
本審査は、法令改正により有価証券報告書の記載内容が変更または追加された事項のうち、特に重要な事項について記載内容をアンケート形式で審査するものである。
今回は、平成24年5月に公表された「退職給付に関する会計基準」等を踏まえて改正された連結財務諸表規則等が平成26年3月期より適用されることから、同規則等に基づき適切な記載がなされているかどうかを審査する。
このため、以下のすべての要件に該当する企業におかれては、Excel「調査票」に回答を記入し、所管の財務局等へ、平成26年7月15日(火)までに提出いただくようお願いすることとなる。具体的な手続き等については、所管の財務局等から別途連絡がある。

  • 平成26年3月31日を決算日とする連結財務諸表を作成している。
  • 退職給付制度を採用している。
  • 連結財務諸表を日本基準で作成している。

2.重点テーマ審査
本審査は、特定の重点テーマに着目して審査対象となる企業を抽出し、当該企業に対して所管の財務局等が個別の質問事項を送付し、回答を受けることで(ヒアリングを行うこともある。)、より深度ある審査を実施するものである。
今回(平成26年3月期以降)の重点テーマは、以下のとおり。審査対象となる企業には、所管の財務局等より別途連絡する。

  • 退職給付
  • 企業結合及び事業分離等
  • 固定資産の減損

3.情報等活用審査
上記の重点テーマに該当しない場合であっても、適時開示や報道、一般投資家等から提供された情報等を勘案して、所管の財務局等より、個別の質問事項を送付させていただくことがある。

★リンクはこちら⇒ 有価証券報告書レビューの実施について(平成26年3月期以降)

2014年4月7日

有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項(平成26年3月期版)

金融庁は、平成26年3月期以降の有価証券報告書の作成に当たって留意が必要な事項等を以下のとおり取りまとめた。
各提出者におかれては、これらの点に留意して有価証券報告書を作成し、各財務局もしくは福岡財務支局または沖縄総合事務局へ提出のこと。
1.新たに適用となる開示制度・会計基準に係る留意事項
平成26年3月期に新たに適用となる開示制度・会計基準は以下のとおり(一部、早期適用されているものもある。)。

  • 「退職給付に関する会計基準」等の公表を踏まえた連結財務諸表規則等の改正
  • 「連結財務諸表に関する会計基準」等の公表を踏まえた連結財務諸表規則等の改正
  • 単体開示の簡素化を図るための財務諸表等規則等の改正

2.最近の課徴金事案及び自主訂正事案を踏まえた留意事項
最近の課徴金事案及び自主訂正事案において、以下の点などについて不適切な会計処理が認められている。

  • 売上の過大計上・前倒し計上
  • 固定資産(不動産)の減損損失の過少計上
  • 固定資産(のれん)の減損損失の不計上など

3.有価証券報告書レビュー(平成25年3月期以降)を踏まえた留意事項
平成25年3月期以降の有価証券報告書を対象とした有価証券報告書レビュー(現在、重点テーマ審査及び情報等活用審査を実施中)において、現在までに把握された事象を踏まえた留意すべき点を取りまとめた。
なお、平成25年3月期を対象とした法令改正関係審査については、審査を終了し、実施結果を公表(平成25年12月10日)しておりますので、併せて参照のこと。

★リンクはこちら⇒ 有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項について(平成26年3月期版)

2014年4月4日

中小会計要領に取り組む事例65選

経済産業省は、中小企業の抱える諸課題に対し、「中小企業の会計に関する基本要領」(以下「中小会計要領」という。) を活用して、諸課題を解決し、経営を良くした具体的な事例を「中小会計要領に取り組む事例65選」として取りまとめた。

1.背景と経緯
中小企業の実態に即し、中小企業の経営者が容易に理解できる新しい会計ルールとして、平成24年2月1日に、「中小企業の会計に関する基本要領」(以下「中小会計要領」という。)が策定された。
「中小会計要領」は、中小企業の多様な実態に配慮し、その成長に資するため、中小企業が会社法上の計算書類(貸借対照表、損益計算書等)を作成する際に求められている会計処理や注記等を示しているものである。
「中小会計要領」の活用によって、中小企業の経営者が自社の財務情報や経営状況をタイムリーかつ正確に把握すれば、経営課題の早期発見、早期改善が可能になり、会社の経営戦略を立てる際や、投資判断を行う際に非常に役に立つ。また、経営者自らが自社の強みを語ることができれば、会社の見える化につながるとともに、金融機関や取引先等への信頼性を高めることになり、新たな取引や、融資にもつながる。
「中小会計要領に取り組む事例65選」は、中小企業の抱える諸課題に対し、「中小会計要領」を活用して経営を良くした企業65社の具体的な成功事例をベストプラクティスとして取りまとめたものである。
事例の取りまとめは、「中小企業の会計を活用した経営の促進に関する事例研究審委員会」 (委員長:河﨑照行 甲南大学会計大学院院長)において、審査が行われ、65社を選定した。
今回の取組事例の情報発信を通じて、さらに多くの中小企業が、「中小会計要領」 を自社の経営力の強化や資金調達力の強化等のために活用いただくことによって、事業の発展につなげることを期待する。

2.「中小会計要領に取り組む事例65選」の構成
第1章 中小会計要領作成の背景と概要について
第2章 事例から学ぶ会計の取り組み
第3章 ベストプラクティス集
• ベストプラクティス事例の企業一覧
• 65 社の概要

3.今後の予定
「中小会計要領に取り組む事例65選」は、以下の18機関等を通じて中小企業に配布するとともに中小企業庁HPや中小企業支援ポータルサイト「ミラサポ」に掲載する。
• 中小企業関係団体 (中小四団体、中小企業家同友会全国協議会、中小企業基盤整備機構)
• 金融機関関係団体(全国銀行協会、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会、商工組合中央金 庫、日本政策金融公庫、全国信用保証協会連合会)
• 会計専門団体(日本税理士会連合会、日本公認会計士協会、中小企業診断協会、企業会計基準委員会)
また「中小会計要領に取り組む事例65選」を紹介するフォーラムを、3月7日に大阪、3月12日に名古屋、3月26日に東京で開催する予定である。

★リンクはこちら⇒ 「中小会計要領に取り組む事例65選」を取りまとめました

2014年3月10日

「退職給付会計に関する数理実務ガイダンス」の改定

公益社団法人日本年金数理人会及び公益社団法人日本アクチュアリー会の正式な手続きを経て、「退職給付会計に関する数理実務ガイダンス」を改定することとなり、公表された。

改定の内容は、平成25年11月にIASBからIAS19の改定(Defined Benefit Plans: Employee Contributions)が公表されたことに伴い、「退職給付会計に関する数理実務ガイダンス」において参照している関係部分について改定するものである。

ちなみに、今回の改定にあたって、平成25年12月19日に改定草案を公表して平成26年1月10日までコメントを受け付けたが、提出されたコメントはなかった。
そのため、改定草案どおりの内容で確定した。

なお、「退職給付会計に関する数理実務基準」に関しては、今回の改定は該当しなかったが、利用者の便宜のために、「退職給付会計に関する数理実務基準」と「退職給付会計に関する数理実務ガイダンス」とを合わせた形にしている。

★リンクはこちら⇒ 「退職給付会計に関する数理実務ガイダンス」の改定

2014年2月27日

中小企業の会計に関する指針(平成25年版)の公表

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の関係四団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」(以下「委員会」という。)は、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」という。)の見直しを行い、2104年1月29日の委員会においてその公表が承認されたので、「中小企業の会計に関する指針(平成25年版)」として公表した。

今般の中小会計指針の改正では、企業会計基準委員会が公表した各種の企業会計基準のうち、主に企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」に対応した用語の見直し等を行っている。

関係四団体においては、中小会計指針を取引実態に合わせたより合理性のあるものとするために、年次ごとの見直し及び改正を行うことを決定しており、関係者が協力して中小会計指針の定着に取り組んでいくことによって、中小企業における会計の質の向上、ひいては持続的な経済社会の成長と経済基盤の整備に貢献できるものと期待している。

なお、「中小企業の会計に関する指針(平成25年版)」の全文及び新旧対照表は、日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所、企業会計基準委員会のそれぞれのウェブサイトに掲載している。

★リンクはこちら⇒ 「中小企業の会計に関する指針(平成25年版)」の公表について

2014年2月7日

社会福祉法人会計基準に基づく財務諸表等の様式等に関するチェックリスト

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、平成25年12月3日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第26号「社会福祉法人会計基準に基づく財務諸表等の様式等に関するチェックリスト」を同日付けで公表した。

本研究報告は、会員の業務の参考に資することを目的として、社会福祉法人が作成した財務諸表等の様式等が、「社会福祉法人会計基準」(「社会福祉法人会計基準の制定について」(平成23年7月27日(改正平成25年3月29日)雇児発0727第1号、社援発0727第1号、老発0727第1号 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長、老健局長連名通知)別紙)に準拠しているか否かを確かめるためのチェックリストとしてとりまとめたものである。

★リンクはこちら⇒ 社会福祉法人会計基準に基づく財務諸表等の様式等に関するチェックリスト

2014年1月16日

改正退職給付会計基準チェック・シート

仰星監査法人が、改正退職給付会計基準チェック・シートを無料で配布している。

★リンクはこちら⇒ 改正退職給付会計基準チェック・シートのご提供

2013年10月16日

監督指針案、金融検査マニュアル案等及び自己資本比率規制に関するQ&A等の公表(平成25年9月20日)

金融庁は、今般、国内基準に係る自己資本比率告示の改正(平成25年3月8日公布)を受け、監督指針案、金融検査マニュアル案等及び自己資本比率規制に関するQ&A等を取りまとめ、公表した。

★リンクはこちら⇒ 監督指針案、金融検査マニュアル案等及び自己資本比率規制に関するQ&A等の公表について

2013年10月8日

XBRL

先日、金融庁のEDINETがリニューアルし、XBRLを採用した。

このXBRLについて、公認会計士協会のHPで、動画で詳しく説明がなされている。

★リンクはこちら⇒ ちょっと教えて!XBRL

2013年10月2日

不正調査ガイドライン

日本公認会計士協会(経営研究調査会)は、平成25年9月4日付けで経営研究調査会研究報告第51号「不正調査ガイドライン」を公表した。

本研究報告は、主に公認会計士が、企業や企業以外の組織体(以下「企業等」という。)から不正調査業務の依頼を受けた場合、当該業務を受嘱するかの判断、当該業務の体制と計画・管理、情報の収集と分析、仮説の構築と検証、不正の発生要因と是正措置案の提言、調査報告、企業等が行うステークホルダー対応への支援、及び不正調査業務の終了といった一連の業務に関する概念や留意事項等について体系的に取りまとめたものである。

なお、本研究報告は、監査の基準である「監査における不正リスク対応基準」とは全く別のものである。

ちなみに、本研究報告の取りまとめに当たっては、7月2日から7月15日までの間、草案を公開し、広く意見を求めた。

★リンクはこちら⇒ 経営研究調査会研究報告第51号「不正調査ガイドライン」の公表について

2013年9月27日

IFRS任意適用に関する実務対応参考事例(2013年9月13日版)

我が国では、2010年3月31日以降に終了する事業年度から、国際的な財務活動または事業活動を行う一定の上場企業の連結財務諸表に、国際会計基準(IFRS)を任意適用することが可能となっている。
既に任意適用を開始している企業に加え、今後、適用を検討する企業は増加していくことが予想される。

そこで、経団連企業会計委員会企画部会では、既に任意適用を開始している企業ならびに任意適用に向けた具体的な検討を開始している企業の有志からなる「IFRS 実務対応検討会」を2012年8月に設置し、IFRS 適用にあたっての各社の対応事例を整理し、とりまとめることで、各企業における今後の任意適用の検討に向けた参考としていただくこととした。

なお、各社の対応事例は、各社の主たる検討・判断の過程を記載しているものであり、その背景や判断の全てを記述できているものではない。
具体的なIFRS 適用のあり方は、各企業の個別の状況を踏まえて検討し、判断すべきものですので、留意すること。

★リンクはこちら⇒ IFRS任意適用に関する実務対応参考事例(2013年9月13日版)

2013年9月24日

次世代EDINETの稼働開始

2013年9月17日から、次世代EDINETが稼働した。

1.次世代EDINETの概要
(1)経緯
金融庁では、「有価証券報告書等に関する業務の業務・システム最適化計画」(平成23年3月31日改定)等に基づき、開示書類の二次利用性の向上、検索機能等の向上等を目的として、「有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム(EDINET)の次世代システム」(以下「次世代EDINET」という。)に係る設計・開発を行ってきた。

(2)次世代EDINETの目的
次世代EDINETの目的は、以下のとおり。

  • 国際水準を踏まえたXBRLの対象範囲の拡大
  • 投資家向けの検索・分析機能の向上
  • システム運用経費の削減
  • 事業継続に係る機能の向上

(3)次世代EDINETの稼働開始
次世代EDINETは、2013年9月17日午前8時30分に稼働開始した。
なお、従前のEDINETに記録されていたデータについては、先の案内(※1)のとおり、「提出書類作成一覧画面」の「書類状況」が「提出済(開示中)」、「提出済(非開示)」等(※2)となっているものは、次世代EDINETに移行されているが、提出に至っていないもの(「確定待」、「作成中」等)は移行されていない。

※1 「次世代EDINETの稼働開始日時とシステム移行に伴うサービス停止等について」(平成25年9月9日公表)。
※2 先頭3文字が「提出済」となっている全てのもの。

2.次世代EDINETのURLについて
次世代EDINETのURLは、以下のとおり。
提出用:http://submit.edinet-fsa.go.jp/
閲覧用:http://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

★リンクはこちら⇒ 次世代EDINETの稼働開始(9月17日)について

2013年9月18日

次世代EDINETタクソノミの公表(平成25年8月21日 金融庁)

金融庁では、「有価証券報告書等に関する業務の業務・システム最適化計画」(平成23年3月31日改定)に基づき、「開示書類の二次利用性の向上」、「検索機能等の向上」等を目的として「有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム(EDINET)の次世代システム」(以下「次世代EDINET」という。)に係る設計・開発を行ってきた。EDINETにおけるXBRL(注)での提出は、平成20年4月以後開始する事業年度から行われているが、次世代EDINETにおいては、XBRLの対象範囲が拡する。
次世代EDINETタクソノミについては、平成24年6月25日に次世代EDINETタクソノミ(案)の初版を公表し、いただいた意見等を踏まえて策定した次世代EDINETタクソノミ(案)第二版を同年10月4日に公表した。同第二版を用いて、同年11月5日から平成25年3月29日まで「提出者向け事前チェックテスト」を実施した。また、「企業内容等の開示に関する内閣府令」、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」等の法令及び会計基準の改正等に対応するため、次世代EDINETタクソノミ(案)第三版を平成25年1月18日に公表し、いただいた意見等を踏まえて策定した次世代EDINETタクソノミ(案)第四版を同年3月21日に公表した。同第四版を用いて、同年5月21日から同年7月12日まで「次世代EDINET総合運転試験」を実施した。
ついては、次世代EDINET総合運転試験の結果等を踏まえて策定した次世代EDINETタクソノミ及び関連資料を公表した。

(注)XBRLとは、財務情報等を効率的に作成・流通・利用できるよう、国際的に標準化されたコンピュータ言語である。XBRLでは財務報告の電子的雛型である「タクソノミ」を基に、財務報告内容そのものを表す「インスタンス」を作成する。

1.次世代EDINETタクソノミの概要
次世代EDINETタクソノミでは、XBRLの対象範囲が拡大し、有価証券報告書等については、報告書全体がその対象になる。また、公開買付届出書、大量保有報告書等が新たにXBRL対象様式となる。技術面においては、従来の表示変換方式に替えてインラインXBRL方式を採用している。また、ディメンション等の新たな技術を採用している。
次世代EDINETタクソノミの特徴、内容等については、『次世代EDINETタクソノミ更新概要』、『EDINETタクソノミの概要説明』等を参照のこと。

2.適用時期
次世代EDINETタクソノミの適用時期の概要は、以下のとおり(詳細は、「「金融商品取引法施行令第十四条の十第一項の規定に基づき入出力装置の技術的基準を定める件(案)」等に対するパブリックコメントの結果等について」を参照のこと。)。

有価証券報告書 平成25年12月31日以後に終了する事業年度に係る書類に適用
四半期報告書
半期報告書
平成26年1月1日以後に開始する事業年度に含まれる四半期
または半期に係る書類に適用
有価証券届出書 平成25年12月31日以後に終了する事業年度を直近の事業年度と
する財務諸表等を掲げる書類に適用
大量保有報告書
臨時報告書
公開買付届出書
自己株券買付状況報告書
平成26年1月1日以後に提出する書類に適用。
ただし、早期適用可。
意見表明報告書
公開買付撤回届出書
公開買付報告書
対質問回答報告書
平成26年1月1日以後に提出する公開買付届出書(早期適用可)に
関連する書類に適用
発行登録書
発行登録追補書類
平成26年1月1日以後に提出する発行登録書及び当該発行登録書に
関連する発行登録追補書類に適用
内部統制報告書 平成25年12月31日以後に終了する事業年度に係る書類に適用。
ただし、早期適用可。

リンクはこちら⇒ 次世代EDINETタクソノミの公表について

2013年8月30日

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(平成25年8月21日 金融庁)

金融庁では、次世代EDINETに移行するための「金融商品取引法施行令第十四条の十第一項の規定に基づき入出力装置の技術的基準を定める件」等()の施行及び適用に伴い、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等を(別紙1)及び(別紙2)のとおり改正した。

「金融商品取引法施行令第十四条の十第一項の規定に基づき入出力装置の技術的基準を定める件」(金融庁告示)、「開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する留意事項について」(電子開示手続等ガイドライン)等について、平成25年6月20日付けで改正(案)を公表し、意見募集の上、平成25年8月20日付けで結果公表及び官報掲載した(同日付けで施行)。

なお、今回の改正は、上記の次世代EDINETのXBRL(財務情報を効率的に作成・流通・利用できるよう、国際的に標準化されたコンピュータ言語)の表現形式に、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等に定める財務諸表(様式)の体裁等を揃えるものであり、行政手続法第39条第4項第8号に該当するため、同法に定める意見公募手続は実施していない。

<改正の概要>
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の改正
株主資本等変動計算書等につき純資産の各項目を縦に並べる様式から横に並べる様式に変更

<公布・施行日等>
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令の適用時期は以下のとおり。

有価証券届出書 直近の事業年度または特定期間が平成25年12月31日以後に終了するもの
有価証券報告書 平成25年12月31日以後に終了する事業年度に係るもの
半期報告書 平成26年1月1日以後に開始する事業年度または特定期間に属する中間会計期間または中間計算期間に係るもの

リンクはこちら⇒ 「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」について

2013年8月28日

「中小企業の会計に関する指針の適用に関するチェックリスト」の改訂

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所、企業会計基準委員会が主体となって設置している「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」は、「中小企業の会計に関する指針(以下「中小会計指針」という。)」を公表しているが、日本税理士会連合会では、中小企業の計算書類について、「中小企業の会計に関する指針」の適用状況を確認するための書類として、「中小企業の会計に関する指針の適用に関するチェックリスト」を作成している。

ちなみに、現在、多くの金融機関において、このチェックリストを活用した融資商品が取り扱われている。

この改訂が平成25年6月に行われている。

リンクはこちら⇒ 「中小企業の会計に関する指針の適用に関するチェックリスト」の改訂について(既に削除済み)

<2015年6月改訂>

リンクはこちら⇒ 「中小企業の会計に関する指針の適用」に関するチェックリスト

2013年7月9日

中小企業の会計に関する指針(平成24年版)

日本公認会計士協会、 日本税理士会連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の関係4団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」(以下、「委員会」という。)は、「中小企業の会計に関する指針(以下、「中小会計指針」という。)」について、「非上場会社の会計基準に関する懇談会 報告書(平成22年8月30日)」及び「中小企業の会計に関する研究会 中間報告書(平成22年9月30日)」の内容を踏まえて、見直しを図り、2月13日の委員会においてその公表が承認されたので、「中小企業の会計に関する指針(平成24年版)」として公表した。

今般の中小会計指針の改正では、会計処理のあり方自体の変更はなく、「非上場会社の会計基準に関する懇談会 報告書」及び「中小企業の会計に関する研究会 中間報告書」の提言内容を踏まえて、平易な表現に改める等経営者にとって利用しやすいものとすることを目的として見直しを行っている。

また、本指針(平成24年版)の全文及び新旧対照表は、日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所、企業会計基準委員会のそれぞれのウェブサイトに掲載している。

中小企業の会計に関する指針(平成24年版)

2013年2月26日

中小企業の会計処理による割引制度の見直し

中小企業の会計処理による割引制度は、「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小指針」という。)に準拠して作成される中小企業の計算書類について、税理士税理士法人および公認会計士(以下「税理士等」という。)により中小指針の準拠を確認するチェックリストが提出された場合において、信用保証協会の保証料率0.1%の割引が認められる制度である。

会計割引制度の適用は、平成18年4月の制度創設時では、チェックリストの添付によって認められ、平成19年4月の制度見直し後では、チェックリスト中の15項目のうち1項目以上の準拠によって認められることとされていたが、以下の見直しが行われる。

  • 信用保証協会は、チェックリストの全15項目全て(当該中小企業が保有しない資産の項目については除外)が中小指針に準拠していることをもって会計割引制度を適用する。
  • チェックリストの全15項目について中小指針に準拠している旨の記載があるにもかかわらず、故意・過失を問わず事実と異なる記載が認められると信用保証協会が判断する場合は、会計割引制度の利用を認めない。
  • 故意・過失を問わず事実と異なる記載と保証協会が認めるチェックリストが、複数回にわたり同一の税理士等から提出された場合において、当該税理士等から提出されるチェックリストの添付をもって、計算書類の信頼性向上に寄与することが認められないと保証協会が判断するときは、当該税理士等が確認したチェックリストについては、会計割引制度の利用を1年間認めない。

この変更は、平成24年4月1日から行う(平成24年4月1日以降に終了する事業年度の計算書類より適用する。)。

一時利用停止措置を受けると、税理士会や中小企業庁や全国信用保証協会連合会にも通知等が行くようであり、このようなものを公認会計士税理士がリスクを負ってまで受けるのであろうか?

2012年3月26日

税効果会計

今回、法人税率の引き下げは見送られたが、法人税の引き下げは必ずしも喜ばしいことではない。
税率が引き上げられると、繰延税金資産が減少してしまうからである。これは、繰延税金資産が多額な会社の場合はインパクトが大きい。
簡単に言うと、実効税率が40%から35%になったとすると、単純に考えると12.5%(5%÷40%)も減少してしまう。
よって、必ずしも喜んではいられないのである。

2011年7月1日

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会社法

中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正について

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、2024年4月18日に開催された常務理事会の承認を受けて、「中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正について」を公表した。

本研究報告は、監査事務所が、会社法第436条第2項第1号に基づく計算書類及びその附属明細書の監査並びに会社法第444条第4項に基づく連結計算書類の監査において、その表示の確認を実施する際の参考に資するため、チェックリストの形式で取りまとめたものである。

法令等の改正による改正箇所及び早期適用に関する記載については、網掛けをして明示している。

本研究報告は、従来会員向けウェブサイトでの公表としてきたが、今回の改正から計算書類等の作成者も利用できるよう一般向けウェブサイトでの公表とした。利用上の注意については、チェックリスト本文「1.はじめに」及び「3.本研究報告利用上の留意点」を参照のこと。

なお、本研究報告は、その一例を示したものであるため、被監査会社の計算書類等の表示を確認する際には、それぞれの実情に即して、加除修正等の検討を行う必要がある。

また、本研究報告は、2024年3月31日時点で施行されている法令や会計基準等に基づいて作成しており、法令や会計基準等の改正が実施された場合には、各監査事務所においても、その改正事項を考慮した上で使用する必要があることを申し添える。

★リンクはこちら ⇒ 中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正について

2024年5月23日


「会計参与の行動指針」の改正

日本公認会計士協会と日本税理士会連合会は、2021年8月3日付けで「会計参与の行動指針」の改正を行った。

今般の改正では、「中小企業の会計に関する指針」の改正に対応した見直し等を行っている。

★リンクはこちら ⇒ 「会計参与の行動指針」の改正

2021年12月14日


監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の適用を踏まえた会社法監査等のスケジュールの検討について

日本公認会計士協会は、監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の適用を踏まえた会社法監査等のスケジュールの検討についてを2021年6月22日に公表した。

★リンクはこちら ⇒ 監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」の適用を踏まえた会社法監査等のスケジュールの検討について

2021年11月16日


「監査役等と監査人との連携に関する共同研究報告」の改正について

日本監査役協会及び日本公認会計士協会(監査基準委員会)は、2021年4月14日付けで「監査役等と監査人との連携に関する共同研究報告」を改正した。

今回の改正は、主に前回(2018年1月)の改正以後行われた以下の改訂や改正などの状況の変化を踏まえて、内容の見直しを行ったものである。

<主な改正内容>
①監査基準(2020年11月改訂)
「2. 監査役等と監査人との連携と効果」の「①監査基準等における関連規定」にて「・監査基準における規定」を追加等

②監査基準委員会報告書260(2019年2月、同年6月、2020年8月改正)
「4.連携の時期及び情報・意見交換すべき基本的事項の例示」の「監査人に関する重要な事項」に「規制当局又は日本公認会計士協会による懲戒処分等の内容」を追加等

③監査基準委員会報告書701(2019年2月公表)
「2. 監査役等と監査人との連携と効果」にてKAMの選定過程について追加、「4.連携の時期及び情報・意見交換すべき基本的事項の例示」のKAMに関するコミュニケーション項目の追加等

④監査基準委員会報告書720「その他の記載内容に関連する監査人の責任」(2021年1月改正)
「4.連携の時期及び情報・意見交換すべき基本的事項の例示」にその他の記載内容に関するコミュニケーション項目(入手時期等)を追加等

なお、本研究報告は、日本監査役協会のウェブサイト(http://www.kansa.or.jpにおいても同日に公表されている。

★リンクはこちら ⇒ 「監査役等と監査人との連携に関する共同研究報告」の改正について

2021年6月4日


中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正について

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、2020年4月9日に開催された常務理事会の承認を受けて、「中小事務所等施策調査会研究報告第3号「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト」の改正について」を公表した。

本研究報告は、日本公認会計士協会東京会「監査表示チェックリストプロジェクトチーム」に審議を委託し、その協力を得て、中小規模の監査事務所が、会社法第436条第2項第1号に基づく計算書類及びその附属明細書の監査並びに会社法第444条第4項に基づく連結計算書類の監査において、その表示の確認を実施する際の参考に資するため、チェックリストの形式で取りまとめたものである。
また、法令等の改正による改正箇所については網掛けをして明示している。
なお、本研究報告は、その一例を示したものであるため、被監査会社の計算書類等の表示を確認する際には、それぞれの実情に即して、加除修正等の検討を行う必要がある。
また、本研究報告は、2020年3月期決算会社を対象として、2020年3月31日時点で施行されている法令や会計基準等に基づいて作成しており、法令や会計基準等の改正が実施された場合には、各監査事務所においても、その改正事項を考慮した上で使用する必要があることを申し添える。
その他、利用上の注意については、会員ページのチェックリスト本文「3.本研究報告利用上の留意点」を参照のこと。
(注)
9月15日に、チェックリスト内のチェックボックスについてクリックで入力できる機能を付加した「会社法計算書類等に関する表示のチェックリスト(チェックボックス機能付版)」を掲載した。
なお、本チェックリストは、チェックボックス機能以外は2020年4月13日に公表したものと同一の内容になる。

2020年12月7日


企業集団のガバナンスにおける親会社監査役の役割と責任について-子会社の不祥事防止に向けて-

公益社団法人日本監査役協会関西支部監査役スタッフ研究会は、報告書「企業集団のガバナンスにおける親会社監査役の役割と責任について-子会社の不祥事防止に向けて-」を取りまとめ、公表した。

公益社団法人日本監査役協会関西支部 監査役スタッフ研究会(以下「スタッフ研究会」と記載」)では、毎年、監査役や監査役スタッフの監査活動の参考となるテーマを取り上げて議論し、報告書を作成している。

これまでにも企業集団の監査の在り方に関する議論は盛んに行われているものの、企業不祥事は依然として後を絶たず、監査役の責任を問う声も厳しさを増している。

そうした中、日本監査役協会(以下「当協会」)においては、平成25年11月7日付けケース・スタディ委員会報告書「企業集団における親会社監査役等の監査の在り方についての提言」が公表され、その後も他の団体より実務指針や調査結果が数多く公表されているが、依然として企業不祥事がなくなることはないというのが実状である。

そのような状況の下、スタッフ研究会では、企業集団の監査における親会社監査役の役割に焦点を置き、子会社往査や子会社監査役・会計監査人との連携、親会社における子会社管理部門、内部監査部門(親会社、子会社における)との連携や要請事項、内部通報制度の運用等、企業集団監査における親会社監査役の役割について、実務的な内容を軸に調査・研究を行った。

スタッフ研究会では、研究会メンバーの自社事例や研究会における議論を基に研究を進めた他、関西支部の監査役スタッフ実務部会の参加会社にも協力を仰ぎアンケートを実施するとともに、令和元年6月14日公表の「親会社による企業集団の監査に関するアンケート」も報告書の内容を補完する目的で活用した。

本研究報告書の末尾には、今までの議論やアンケートによる結果等を基に研究会としての意見を記載した。

本意見は一研究会としての意見であり、当協会の公式の意見ではないことを御了承いただきたい。

内容については、同志社大学名誉教授の森田章先生に確認いただいている。

最後に、本報告書を取りまとめるに当たり御助力いただいた全ての皆様にこの場をお借りして謝意を表するとともに、今後の各社の監査役等の監査活動の一助として本報告書がお役に立てば幸甚である。

★リンクはこちら ⇒ 企業集団のガバナンスにおける親会社監査役の役割と責任について-子会社の不祥事防止に向けて-

2020年5月28日


Q&A実務 令和元年改正会社法で変わること

有限責任あずさ監査法人は、『Q&A実務 令和元年改正会社法で変わること』を公表した。

令和元年12月4日、会社法の一部を改正する法律が成立し、同月11日に公布された。

会社法の改正は平成26年以来となるが、当時の改正法の附則において、施行後2年を経過した場合に必要に応じ、社外取締役の義務付け等の措置を講ずると規定されたことを受けてのものとなっている。

本稿は、QA方式にて、令和元年改正会社法の改正ポイントについて解説している。

★リンクはこちら ⇒ Q&A実務 令和元年改正会社法で変わること

2020年4月6日


会長声明「社外役員等に就任している会員に対する倫理規則の遵守徹底について」の発出について

日本公認会計士協会は、会長声明「社外役員等に就任している会員に対する倫理規則の遵守徹底について」を2019年12月5日付けで発出した。

 ★リンクはこちら ⇒ 会長声明「社外役員等に就任している会員に対する倫理規則の遵守徹底について」の発出について

2020年2月14日


監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集・前編

公益社団法人日本監査役協会会計委員会は、「監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集・前編」を取りまとめ、公表した。

 ★リンクはこちら ⇒ 監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集・前編

2019年7月23日


会計参与の行動指針の改正(2019年4月25日)

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会は、2019年4月25日付けで「会計参与の行動指針」の改正を行った。

今般の改正では、「中小企業の会計に関する指針」の改正に対応した見直し等を行っている。

 ★リンクはこちら ⇒ 会計参与の行動指針(2019年4月25日改正)

2019年5月23日


社外取締役ガイドライン2019年改訂版

日本弁護士連合会(いわゆる日弁連)は、2013年2月に、弁護士会会員およびその他の社外取締役候補者、社外取締役を新たに選任する企業等を対象とした「社外取締役ガイドライン」を作成し、2015年3月に改訂したところ、この度、2019年3月に再改訂した。

本ガイドラインは、取締役の善管注意義務の法的分析・整理を踏まえ、社外取締役の就任から退任までの役割等について、ベストプラクティスをコンパクトに取りまとめたものとなっている。

社外取締役の方々や、社外取締役を迎え入れる企業等において、広く参考とすること。

 ★リンクはこちら ⇒ 社外取締役ガイドライン2019年改訂版

2019年5月22日


平成30年度全株懇調査報告書

全国株懇連合会は、従来から各種の研究活動のほか調査活動として昭和58年以降毎年株主総会の実態調査を実施し、その結果を会員各位の参考に供してきたが、本年度も株主総会 関係を中心に、その実態調査を実施した。

なお、調査内容は多種多様にわたっており、会員会社によっては、該当しない項目もあって、一部に回答数と回答提出会社数が一致しないところも見受けられるが、本調査結果は、一応の実態なり、傾向値を把握できるものと考えられ、概ね所期の目的を達成できた。

今後、会員各社の株式業務の参考として活用いただきたい。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年度全株懇調査報告書

2018年12月10日


改正版「会計監査人との連携に関する実務指針」

公益社団法人日本監査役協会会計委員会は、改正版「会計監査人との連携に関する実務指針」を取りまとめ、公表した。

 ★リンクはこちら ⇒ 改正版「会計監査人との連携に関する実務指針」

2018年10月31日


監査役監査の基礎知識 自己診断

公益社団法人日本監査役協会は平成30年8月1日に、「監査役監査の基礎知識 自己診断」をリニューアルした。

設問は監査役に関する法律問題を中心に10問で、1ヵ月単位で更新される。

10問全てに答えた後に解答及び解説が表示される。

月に一度のトレーニングとして、ぜひチャレンジしていただきたい。

 ★リンクはこちら ⇒ 監査役監査の基礎知識 自己診断

2018年9月21日


改訂版監査役監査チェックリスト①~③ Edit

公益社団法人日本監査役協会中部支部監査実務チェックリスト研究会は、このほど報告書「監査実務チェックリスト研究会報告書2017【改訂版監査役監査チェックリスト①~③】」を取りまとめ、公表した。

 ★「改訂版 監査役監査チェックリスト①~③」の公表にあたってはこちら
 「改訂版 監査役監査チェックリスト①~③」の公表にあたって
 ★改訂版監査役監査チェックリスト①はこちら
 改訂版監査役監査チェックリスト①
 ★改訂版監査役監査チェックリスト②はこちら
 改訂版監査役監査チェックリスト②
 ★改訂版監査役監査チェックリスト③はこちら
 改訂版監査役監査チェックリスト③

2017年11月7日

コーポレート・ガバナンスに関するリンク集 Edit

一般社団法人日本取締役会は、『コーポレート・ガバナンスに関するリンク集』をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ コーポレート・ガバナンスに関するリンク集(既に削除済) → ホームページのリニューアルにつき、ガバナンス情報に変わっている。

2017年9月21日

監査役監査と監査役スタッフの業務(最終報告書) Edit

公益社団法人日本監査役協会本部監査役スタッフ研究会は、「監査役監査と監査役スタッフの業務(最終報告書)」を取りまとめ、公表した。

また、併せて、「監査業務支援ツール」も全面的に見直しをした。

 ★監査役監査と監査役スタッフの業務(最終報告書)はこちら
 監査役監査と監査役スタッフの業務(最終報告書)
 ★監査役監査と監査役スタッフの業務(最終報告書)本体はこちら
 監査役監査と監査役スタッフの業務(最終報告書)本体
 ★参考資料1 監査業務支援ツールはこちら
 参考資料1 監査業務支援ツール
 ★参考資料2 「監査役スタッフに関するアンケート調査」結果報告はこちら
 参考資料2 「監査役スタッフに関するアンケート調査」結果報告
 ★「監査業務支援ツール」(2017年)はこちら
 「監査業務支援ツール」(2017年)

2017年9月15日

2017年3月期決算会社の定時株主総会開催日の集計結果

このたび東京証券取引所は、2017年3月期決算会社に係る定時株主総会開催日の集計を行った。
概況は以下のとおり。

  • 3月期決算会社の定時株主総会の開催は、例年「6月最終営業日の前営業日」(当該日が月曜日である場合には、その前週の金曜日)に集中する。
    本年も「6月最終営業日の前営業日」にあたる6月29日(木)が最も集中する日となっており、2,348社中、696社(29.6%)が開催を予定している。
  • 集中日の開催率は前年比で2.5ポイント減少した。
    1995年の96.2%をピークに分散化傾向にあり、本年も昨年に引き続き、集計開始以来の最低水準を更新した。
  • 事業年度の末日が3月31日である上場会社のうち、最も早く定時株主総会を開催したのは、5月26日開催のソーシャルワイヤー(株)(コード:3929、市場区分:マザーズ)である。

東京証券取引所は、株主総会における議決権行使を容易にするための環境整備として、定時株主総会開催日の分散化に努めることなどを求めている(有価証券上場規程施行規則第437条第1号)。

また、コーポレートガバナンス・コード補充原則1-2③では、「上場会社は、株主との建設的な対話の充実や、そのための正確な情報提供等の観点を考慮し、株主総会開催日をはじめとする株主総会関連の日程の適切な設定を行うべきである。」としている。

東京証券取引所は引き続き、定時株主総会の開催日の分散化をはじめとする議決権行使環境の改善を呼びかけている。

 ★リンクはこちら⇒ 2017年3月期決算会社の定時株主総会開催日の集計結果

2017年6月19日

新任監査役ガイド(第6版)

公益社団法人日本監査役協会は、『新任監査役ガイド(第6版)』を公表した。

平成23年に「新任監査役ガイド(第5版)」を刊行後、平成27年5月に改正会社法及び改正会社法施行規則等が施行されたが、この改正には、社外取締役及び社外監査役に関する規律の見直し、監査の実効性を確保するための仕組みの拡充、監査役(会)に対する会計監査人の選解任等に関する議案内容の決定権の付与、親子会社に関する規律の見直しなど、監査役の職務に関連する内容が含まれている。
また、平成27年6月には主に上場会社を対象として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた企業統治の在り方を提示したコーポレートガバナンス・コードが適用開始となり、監査役についても、より積極的な対応と関係者間の連携強化などが求められている。

当協会においても、これらの動きを受け、監査役監査基準等の基準や関連するひな型等を改定している。
本ガイドにもこれらの変化を織り込む必要があることから、このほど第6版を刊行することとし、監査法規委員会にて検討を進め、取りまとめた。

なお、本ガイドは、主に新任監査役の方々に向けて作成されたものであるが、ベテランの監査役の方々のお役に立つ情報も数多く掲載されており、多くの監査役の方々にご活用いただければ幸いである。

 ★リンクはこちら⇒ 新任監査役ガイド(第6版)

2017年6月5日

「会計参与の行動指針」の改正(平成29年3月)

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会は、平成29年3月24日付けで「会計参与の行動指針」の改正を行った。

今般の改正では、「中小企業の会計に関する指針」の改正に対応した見直し等を行っている。

 ★リンクはこちら⇒ 会計参与の行動指針(平成29年3月24日)

2017年3月30日

社外取締役&監査役紹介サービス

中央経済社は、社外取締役&監査役紹介サービスを開始した。

社外取締役&監査役紹介サービスは、上場企業に対して、独立的・中立的な立場から高度な 専門知識や実務経験に基づいたプロフェッショナルな執筆陣を紹介する サービスである。

中央経済社から書籍を出版している私(國村 年)も、もちろん含まれている。

 ★リンクはこちら⇒ 社外取締役&監査役紹介サービス

2017年3月29日

英文で作成した監査役制度説明資料(簡易版)

日本監査役協会は、この度、2013年7月に公表した英文資料”Explanatory Memorandum on the Audit & Supervisory Board Members”の簡易版”THE AUDIT & SUPERVISORY BOARD MEMBERS:A BRIEF INTRODUCTION”を作成し、公表した。

本資料は、監査役等が海外往査へ行った際に、「監査役」について現地関係者に簡潔に説明することができるよう、各社の状況に応じてカスタマイズして活用いただくことを目的に、前回資料の内容をより簡潔にまとめたPowerPoint資料である。

 ★リンクはこちら⇒ 英文で作成した監査役制度説明資料(簡易版)

2016年9月12日

「監査役監査実施要領」の改定

公益社団法人日本監査役協会は、平成27年5月1日施行の会社法令の改正及び平成27年6月1日に実施されたコーポレートガバナンス・コードの策定並びにそれらを受けて行われた監査役監査基準等の改定等、平成23年7月の前回改定後の状況の変化等を踏まえて、今般監査役監査実施要領を改定した。

今回の改定では、上記の会社法改正、コーポレートガバナンス・コードの策定並びに監査役監査基準の改定への対応のほか、実施要領の冒頭に「用語解説」を掲載し、重要な用語について解説した。

また、「独立役員の解説内容の変更」、「ストック・オプションについての解説の追加」等、状況の変化に即した改定も行っている。

★リンクはこちら⇒ 「監査役監査実施要領」の改定

2016年6月9日

中小事務所等施策調査会研究報告第1号「「会計参与の行動指針」に関するQ&A」の改正

日本公認会計士協会(中小事務所等施策調査会)は、平成28年2月23日に開催されました常務理事会の承認を受けて、平成28年2月29日付けで『中小事務所等施策調査会研究報告第1号「「会計参与の行動指針」に関するQ&A」の改正について』を公表した。

本改正では、「中小企業の会計に関する指針」、「会社法」の改正に対応した見直し等を行っている。

 ★リンクはこちら⇒ 中小事務所等施策調査会研究報告第1号「「会計参与の行動指針」に関するQ&A」の改正

2016年3月14日

会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)

一般社団法人日本経済団体連合会(いわゆる経団連)は、2007年2月9日に、会社法施行を契機に旧商法の下でのいわゆる「経団連ひな型」を全面的に刷新した「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型」を公表した。
その後も、規則等の改正にあわせて、随時、改訂を重ねながら、関係の皆様の参考に供している。

今般、2016年1月に改正法務省令が公布されたこと、2016年3月期に企業結合に関する会計基準が全面適用になること等から、所要の修正を行った。

なお、本ひな型は、経済界全体としての統一的なフォームを定めたものではない。
各社各位においては、それぞれの事情に応じて、本ひな型を参考資料のひとつとして活用いただき、創意工夫を凝らした適切な開示により株主・債権者等への説明責任を果たし、もって企業価値向上に繋げていただければ幸いである。

 ★リンクはこちら⇒ 会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)

2016年3月11日

「会計参与の行動指針」の改正

「会計参与の行動指針」は、日本公認会計士協会及び日本税理士会連合会が平成18年4月、会社法(平成18年5月1日施行)において新たに創設された会計参与の実務の参考に資するため取りまとめた指針である。

上記2団体は、平成28年2月29日付けで「会計参与の行動指針」の改正を行った。

今般の改正では、「中小企業の会計に関する指針」、「会社法」の改正に対応した見直し等を行っている。

 ★リンクはこちら⇒ 「会計参与の行動指針」の改正

2016年3月10日

財務報告に係る内部統制報告制度の下での監査報告書記載上の取扱いについて-文例集の作成にあたって-

公益社団法人日本監査役協会は、「監査報告のひな型」の改定等を踏まえて、『財務報告に係る内部統制報告制度の下での監査報告書記載上の取扱いについて-文例集の作成にあたって-』を改定し、公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 財務報告に係る内部統制報告制度の下での監査報告書記載上の取扱いについて-文例集の作成にあたって-

2015年11月30日

改定版「監査委員会監査報告のひな型」及び「監査等委員会監査報告のひな型」

公益社団法人日本監査役協会は、会社法及び法務省令の改正を踏まえて、『監査委員会監査報告のひな型』の改定及び『監査等委員会監査報告のひな型』の制定について、取りまとめ、公表した。

 ★改定版「監査委員会監査報告のひな型」はこちら⇒ 改定版「監査委員会監査報告のひな型」
 ★改定版「監査等委員会監査報告のひな型」はこちら⇒ 改定版「監査等委員会監査報告のひな型」

2015年11月24日

改定版「監査委員会監査基準」及び「内部統制システムに係る監査委員会監査の実施基準」

日本監査役協会は、会社法及び法務省令の改正などを踏まえて、「監査委員会監査基準」及び「内部統制システムに係る監査委員会監査の実施基準」の見直しを行い、このたび、協会として最終的に取りまとめ、公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 改定版「監査委員会監査基準」及び「内部統制システムに係る監査委員会監査の実施基準」

2015年11月2日

改定版「監査報告のひな型」

日本監査役協会は、会社法及び法務省令の改正を踏まえて、「監査報告のひな型」の見直しを行い、このたび、協会として最終的に取りまとめ、公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 改定版「監査報告のひな型」

2015年10月30日

「監査等委員会監査等基準」及び「内部統制システムに係る監査等委員会監査の実施基準」

日本監査役協会は、会社法及び法務省令の改正などを踏まえて、「監査等委員会監査等基準」及び「内部統制システムに係る監査等委員会監査の実施基準」の検討をすすめ、本年8月に草案を公開して広くご意見の募集を行った。

いただいた意見も踏まえ、協会として最終的に取りまとめ、公表した。

 ★監査等委員会監査等基準はこちら⇒ 「監査等委員会監査等基準」
 ★内部統制システムに係る監査等委員会監査の実施基準はこちら⇒ 「内部統制システムに係る監査等委員会監査の実施基準」

2015年10月21日

改正会社法等と監査役スタッフ業務

公益社団法人日本監査役協会本部監査役スタッフ研究会は、「改正会社法等と監査役スタッフ業務」を取りまとめ、公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 改正会社法等と監査役スタッフ業務

2015年10月5日

法規委員会研究報告第4号「株主代表訴訟に関するQ&A」の改正

日本公認会計士協会(法規委員会)では、平成27年8月6日に開催された常務理事会の承認を受けて、「法規委員会研究報告第4号「株主代表訴訟に関するQ&A」の改正について」を公表した。

本改正は、平成26年の会社法改正を受け、多重代表訴訟制度に関するQ&Aの追加等を行ったものである。

また、本研究報告を公表した平成18年当時からの法令改正等を踏まえた所要の見直しを併せて行っている。

 ★リンクはこちら⇒ 法規委員会研究報告第4号「株主代表訴訟に関するQ&A」の改正

2015年9月2日

「監査等委員会規則(ひな型)」及び「監査委員会規則(ひな型)」

日本監査役協会は、「監査等委員会規則(ひな型)」及び「監査委員会規則(ひな型)」 を制定し、公表した。

 ★監査等委員会規則(ひな型)はこちら⇒ 「監査等委員会規則(ひな型)」
 ★監査委員会規則(ひな型)はこちら ⇒ 「監査委員会規則(ひな型)」

2015年8月31日

会社法及び法務省令の改正に伴う監査報告の文例

日本監査役協会は、会社法及び法務省令の改正に伴う監査報告のひな型の改正について検討を進めているが、注記等多岐にわたる改定が見込まれることから、当面の対応として2015年5月1日以降に決算期を迎える会社が対応を考慮することが必要な個所に限定して、「会社法及び法務省令の改正に伴う監査報告の文例」を公表した。
監査役、監査役会または監査委員会が会社法に定める監査報告書を作成するに当たり、本「文例」を適宜参考にしていただければ幸いである。

文例の主なポイントは、事業報告または事業報告の附属明細書に記載されている、親会社等との利益相反取引において当該取引をするに当たり当社の利益を害さないように留意した事項及び当該取引が当社の利益を害さないかどうかについての取締役会の判断及びその理由、についての監査役及び監査役会の意見の記載である(会社法施行規則第129条第1項第6号、第130条第2項第2号)。

なお、親会社等との利益相反取引がなく、会社法施行規則第118条第5号の事項が事業報告に記載されない場合には監査報告へ記載する必要はないこと、事業報告及び監査報告への記載の対象となる取引は、2015年5月1日の改正会社法施行日以後にされた利益相反取引に限られることに留意すること。

 ★リンクはこちら⇒ 会社法及び法務省令の改正に伴う監査報告の文例

2015年8月3日

「監査役会規則(ひな型)」の改正

日本監査役協会は、会社法の改正及び改正会社法に係る法務省令の改正を踏まえた「監査役会規則(ひな型)」を改正し、公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 「監査役会規則(ひな型)」の改正について 2021/7/13改正

2015年6月2日

社外取締役ガイドライン(2015年3月19日改訂)

日本弁護士連合会(いわゆる日弁連)は、2013年2月に、弁護士会会員及びその他の社外取締役候補者、社外取締役を新たに選任する企業等を対象とした「社外取締役ガイドライン」を作成したが、今回(2015年3月)に改訂を行った。

本ガイドラインは、取締役の善管注意義務の法的分析・整理を踏まえ、社外取締役の就任から退任までの役割等について、ベストプラクティスをコンパクトに取りまとめたものとなっている。
社外取締役の方々や、社外取締役を迎え入れる企業等において、広く参考としていただければ幸いである。

 ★リンクはこちら⇒ 社外取締役ガイドライン(2015年3月19日改訂) ←2019年3月14日改訂

2015年4月28日

会計制度委員会研究報告第9号「計算書類に係る附属明細書のひな型」の改正

日本公認会計士協会(会計制度委員会)では、平成26年3月19日に開催された常務理事会の承認を受けて、「会計制度委員会研究報告第9号「計算書類に係る附属明細書のひな型」の改正について」を公表した。
本改正は、平成26年3月に公布された「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」(内閣府令第19号)に対応するため、所要の見直しを行ったものである。

 ★リンクはこちら⇒ 会計制度委員会研究報告第9号「計算書類に係る附属明細書のひな型」の改正

2014年4月8日

取締役会規則における独立取締役の選任基準モデル(2014)

日本取締役協会独立取締役委員会は、「取締役会規則における独立取締役の選任基準」の2014年版を作成した。
本モデル案は、会社法改正案にも対応している。

本基準は2011年5月、東京証券取引所上場企業に独立役員届出制度が義務付けられた際に、その「独立性」を判断する具体的な基準を示し、多くの企業に参照される資料となった。
その後、米国大手議決権行使助言会社が、独立性についてのより詳細な開示を求めるようになり、一部を見直し、主要株主や主要な取引先についての規準を追記した。
また国会において成立予定の会社法改正案にも対応し、社外取締役の独立要件(親会社の関係者等の扱い、対象期間)なども追加して改訂した。

また会社法改正案では、社外取締役を置いていない上場会社は、定時株主総会において社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならず、本選任基準モデルはその重要性がさらに増すものと考えられる。
日本取引所グループも、上場企業に対して独立社外取締役を1人以上確保するよう努力義務を課す上場規則の改正を予定している。

この基準は独立した社外取締役を導入する企業における取締役会規則の一部として、各社の参考となるべきモデルを提示するものである。
選任基準モデルの考え方や参照例について詳細な解説編も合わせて、日本取締役協会ホームページで公開した。

 ★リンクはこちら⇒ 取締役会規則における独立取締役の選任基準モデル(2014)(既に削除済み)

2014年3月3日

会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(2013年12月27日改訂版)

日本経済団体連合会(いわゆる経団連)は、2013年12月27日に『会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)』を公表した。

2013年5月20日の改正法務省令の施行、退職給付に関する会計基準の公表等を踏まえ、改正事項に即した修正を行ったものである。

 ★リンクはこちら⇒ 会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(2013年12月27日改訂版)

2014年1月14日

社外取締役ガイドライン

日本弁護士連合会が、弁護士会会員及びその他の社外取締役候補者、社外取締役を新たに選任する企業等を対象とした「社外取締役ガイドライン」を作成した。
このガイドラインは、取締役の善管注意義務の法的分析・整理を踏まえ、社外取締役の就任から退任までの役割等について、ベストプラクティスをコンパクトに取りまとめたものとなっている。
社外取締役の方々や、社外取締役を迎え入れる企業等において、広く参考としていただきたい。

 ★リンクはこちら⇒ 社外取締役ガイドライン ←2015年3月19日改訂

2013年2月27日

定時株主総会の開催時期に関する定款の定め

特定の時期に定時株主総会を開催すべき旨の定款の定めについては、通常、天災等のような極めて特殊な事情によりその時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合にまで形式的・画一的に適用してその時期に定時株主総会を開催しなければならないものとする趣旨ではない。

よって、震災などにより、定款所定の時期に定時株主総会を開催できないような状況が生じた場合、事業年度の終了後一定の時期に定時株主総会を開催すれば足り、その時期が定款所定の時期よりも後になったとしても、定款に違反することにならない。

2011年11月28日

定時株主総会の開催時期

 会社法296条1項に、株式会社の定時株主総会は毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならないと規定されているが、事業年度終了後3か月以内に必ず招集しなければならないわけではない。

なお、議決権行使のための基準日を定める場合、基準日株主が行使することができる権利は、当該基準日から3か月以内に行使するものに限られるため、定款に定められた基準日から3か月を経過した後に定時株主総会が開催される場合に、議決権行使の基準日を定めるためには、当該基準日の2週間前までに、当該基準日及び基準日株主が行使することができる権利の内容を公告する必要がある。

また、定款に剰余金の配当の基準日を定めている場合に、その基準日株主に剰余金の配当をするためには、当該基準日から3か月以内の日を効力発生日とする剰余金の配当に係る決議をする必要がある。

2011年11月25日

会社法監査

少し前に林原の破綻で、会社法監査が話題となった。
資本金5億円以上もしくは負債総額200億円以上の株式会社は会計監査人による監査を受けないといけないが、企業会計審議会によると約1,000社、日本公認会計士協会によると約500社が監査を受けていないとのことである。

林原は中国銀行(林原は中国銀行の筆頭株主)ら2行が単独で200億円以上融資をしていたが、銀行は知らなかったのだろうか?
ちなみに、会計監査人を設置しなかった場合の過料は100万円以下であり、通常、監査報酬はこれよりも高いため、会計監査人を設置しない会社が多いのだろう。

2011年7月6日

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「金融庁からの周知依頼」インボイス制度について

インボイス制度開始後に寄せられたご質問等を踏まえ、国税庁において以下の資料等を作成・更新しています。

特に、新規作成の①・②に関しては、これまでインボイス制度に馴染みが薄かった方にもできるだけ分かりやすいものとなっておりますので、ぜひご活用ください。

また、インボイス制度開始後初めての消費税の確定申告を迎えるにあたって、消費税の確定申告に関するコンテンツや中小企業・小規模事業者向け支援策に関する資料も併せてご参考ください。

<インボイス制度について>
インボイス記載事項チェックシート(記載不備のインボイスを受け取った場合の対応についても記載しています)

マンガでわかる インボイス記載事項

動画「3分でわかる インボイス○○○○」シリーズ

お問合せの多いご質問(令和6年2月19日更新)

<消費税の確定申告に関する情報>
インボイス発行事業者の登録を受けた方の確定申告について

2割特例 特設ページ(2割特例の概要や動画による申告書作成の解説など)

<中小企業・小規模事業者向け支援策>
インボイス制度への対応に取り組むみなさまへ 各種支援策のご案内

中小企業・小規模事業者インボイス相談受付窓口 オンライン税理士相談

★リンクはこちら→ 「金融庁からの周知依頼」インボイス制度について

2024年5月20日


<多く寄せられるご質問 問㉖>
多く寄せられるご質問問㉖当社は、機械装置の貸付けを行っている免税事業者です。契約上、毎月末に使用料を受領し、領収書を発行しているところ、この度、月の中途に適格請求書発行事業者の登録を受けたのですが、どのように領収書(適格請求書)を交付すべきでしょうか。また、棚卸資産としての機械装置の販売やその保守点検といった役務提供も行っていますが、この場合の適格請求書の交付はどうなりますか。
【インボイスQ&A問77-2として追加】

1.資産の貸付けに係る適格請求書
適格請求書発行事業者は、登録日以後の取引について、相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じて、適格請求書を交付する義務が生じます(免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間において登録を受ける場合、登録日から適格請求書発行事業者となる経過措置が設けられています。

詳細は「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問7」をご参照ください。)。

資産の賃貸借契約に基づいて支払を受ける使用料等の額(前受けに係る額を除きます。)を対価とする資産の譲渡等の時期は、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日とすることとされています。

そのため、ある月の中途に適格請求書発行事業者の登録を受けた場合においても、月末にその月分の支払を受けることとしているなど、使用料等の支払を受けるべき日が登録日以後となるのであれば、その月分の使用料等の全額につき適格請求書を交付することとなります。

(注)
この場合、課税資産の譲渡等がその支払を受けるべき日に行われたこととなるため、その登録を受けた月分の使用料等については、適格請求書発行事業者の登録前の期間に係るものについて日割計算などは行わず、全額を課税売上げとして消費税の申告を行うこととなります。

他方、前受けに係るもの(翌月分を前払で受けるようなもの)である場合には、その資産の譲渡等の時期は、原則として現実に資産の譲渡等を行った時となるため、登録日前の取引と登録日以後の取引に区分するなどの対応が必要となります。この場合、適格請求書ではない領収書を交付し、登録通知を受け登録日が判明した後に、適格請求書となる部分を区分して交付するなどの方法によることとして差し支えありません。

【3月15日に登録を受けた場合のイメージ】

買手においては、領収金額の総額から適格請求書として交付を受けた金額(3月15日から31日までの分)を差し引いた金額を、3月1日から14日までの分の課税資産の譲渡等に係る対価の額として追記することにより、当該金額につき区分記載請求書等と同様の記載事項が記載された請求書等の保存があるものとして、仕入税額の一定割合(80%、50%)を仕入税額とみなして控除できる経過措置の適用を受けることができます。

2.棚卸資産の譲渡に係る適格請求書
棚卸資産の譲渡を行った日は、その引渡しのあった日とされており、引渡しの日がいつであるかについては、例えば、出荷した日、相手方が検収した日、相手方において使用収益ができることとなった日、検針等により販売数量を確認した日等、当該棚卸資産の種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じてその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち、事業者が継続して棚卸資産の譲渡等を行ったこととしている日によるものとされています。

したがって、貴社が継続して棚卸資産の譲渡等を行ったこととしている日が、登録日以後となる取引について、適格請求書を交付することとなります。

【3月15日に登録を受けた場合のイメージ】

3.役務の提供に係る適格請求書
役務の提供を行った日は、原則として、その約した役務の全部の提供を完了した日になります。したがって、貴社の行う保守点検が完了した日が適格請求書発行事業者の登録を受けた日以後であるならば、その保守点検料等の全額につき適格請求書を交付することとなります。

(注)
保守点検が完了した日が適格請求書発行事業者の登録を受けた日以後である場合、その保守点検料については、適格請求書発行事業者の登録前の期間に係るものについて日割計算などは行わず、全額を課税売上げとして消費税の申告を行うこととなります。

【3月15日に登録を受けた場合のイメージ】

★リンクはこちら→ 多く寄せられるご質問問㉖当社は、機械装置の貸付けを行っている免税事業者です。契約上、毎月末に使用料を受領し、領収書を発行しているところ、この度、月の中途に適格請求書発行事業者の登録を受けたのですが、どのように領収書(適格請求書)を交付すべきでしょうか。また、棚卸資産としての機械装置の販売やその保守点検といった役務提供も行っていますが、この場合の適格請求書の交付はどうなりますか。

2024年5月14日


<多く寄せられるご質問 問㉕>
当社は、クレジットカード会社が発行しているタクシーチケットを利用しています。そうしたタクシーチケットは、タクシー事業者等が発行しているものとは異なり、クレジットカード利用明細書しか送られてこず、また、タクシーチケット自体取引先等に手交していることから、タクシーを利用した際に交付を受ける適格簡易請求書の保存をすることもできません。この場合、当社は仕入税額控除の適用を受けるためにどうすべきでしょうか。【インボイスQ&A問108-2として追加】

クレジットカード会社が発行しているタクシーチケットにつき、その使用された金額について仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、その使用に当たってタクシー事業者(当該タクシー事業者に係る事業者団体など、個々の契約等により当該タクシー利用に係る課税売上げを計上すべきこととされている者を含みます。以下同じです。)から受領した適格簡易請求書の保存が必要となります。

しかしながら、ご質問のようにタクシーチケットは取引先等に手交されることも多いことを踏まえれば、適格簡易請求書の保存が困難といった事情があると考えられます。

そのため、受領したクレジットカード利用明細書及び以下の資料に記載された内容等に基づき、利用されたタクシー事業者が適格請求書発行事業者であることが確認できる場合には、適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている証票が使用の際に回収される取引として、帳簿のみの保存により仕入税額控除の適用を受けることとして差し支えありません(回収特例)。

  • 利用されたタクシー事業者のホームページ
  • クレジットカード会社のホームページ等に掲載されている利用可能タクシー一覧

なお、適格請求書発行事業者以外のタクシー事業者の利用であったことが確認された場合には、当該タクシー利用時に受領した領収書(未収書等)や、別途当該タクシー事業者から発行を受けた書類など、区分記載請求書の記載事項を満たした書類及び一定の事項を記載した帳簿の保存があれば、仕入税額相当額の一定割合(80%、50%)を仕入税額とみなして控除できる経過措置の適用を受けることができます。

★リンクはこちら→ 当社は、クレジットカード会社が発行しているタクシーチケットを利用しています。そうしたタクシーチケットは、タクシー事業者等が発行しているものとは異なり、クレジットカード利用明細書しか送られてこず、また、タクシーチケット自体取引先等に手交していることから、タクシーを利用した際に交付を受ける適格簡易請求書の保存をすることもできません。この場合、当社は仕入税額控除の適用を受けるためにどうすべきでしょうか。

2024年5月10日


<多く寄せられるご質問 問㉔>
当社は適格請求書発行事業者です。当社の提供しているサービスは、利用規約においてその対象を消費者に限定しているため、課税事業者から適格請求書の求めがあったとしても適格請求書の交付は行わないこととしてよいでしょうか。【インボイスQ&A問24-3として追加】

適格請求書発行事業者は、課税事業者の求めに応じて、適格請求書の交付義務が生じます。

そのため、消費者に対しては適格請求書を交付する義務は生じませんので、貴社の利用規約等において提供するサービスの対象を消費者に限定し、実際に事業者による利用がないのであれば、適格請求書を交付する必要はありません。

しかしながら、そうした制限にもかかわらず、実際に当該サービスを利用した課税事業者から適格請求書の交付を求められた場合には、利用規約等にかかわらず、消費税法上、貴社にその交付義務が生じることとなります。

その際、貴社の提供するサービスが不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業である場合には、適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付することが可能です。

(参考)
適格簡易請求書の記載事項等に関する詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問58」をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は適格請求書発行事業者です。当社の提供しているサービスは、利用規約においてその対象を消費者に限定しているため、課税事業者から適格請求書の求めがあったとしても適格請求書の交付は行わないこととしてよいでしょうか。

2024年5月8日


<多く寄せられるご質問 問㉓>
金融機関の窓口又はオンラインで決済を行った際の金融機関の入出金手数料や振込手数料について、仕入税額控除の適用を受けるために、何を保存すればよいでしょうか。【インボイスQ&A問103-2として追加】

入出金手数料や振込手数料について仕入税額控除の適用を受けるには、原則として適格簡易請求書及び一定の事項が記載された帳簿の保存が必要となります(注1)。

他方、金融機関における入出金や振込みが多頻度にわたるなどの事情により、全ての入出金手数料及び振込手数料に係る適格簡易請求書の保存が困難なときは、金融機関ごとに発行を受けた通帳や入出金明細等(個々の課税資産の譲渡等(入出金サービス・振込サービス)に係る取引年月日や対価の額が判明するものに限ります。)と、その金融機関における任意の一取引(一の入出金又は振込み)に係る適格簡易請求書を併せて保存する(注2・3)ことで、仕入税額控除を行って差し支えありません。

また、基準期間における課税売上高が1億円以下であるなど一定規模以下の事業者については、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存により仕入税額控除の適用を受けることができる経過措置(少額特例)も設けられていますので、上記のような対応は必要ありません(少額特例の詳細については、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問111」をご参照ください。)。

(注1)
一般的に、金融機関の入出金サービスや振込サービスについては、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う事業に該当し、適格簡易請求書の交付対象になるものと解されます。

また、金融機関のATMによるものである場合、3万円未満の物であれば、自動サービス機により行われる取引として、一定の事項が記載された帳簿のみの保存により仕入税額控除が可能です(詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問47」をご参照ください。)。

(注2)
インターネットバンキングなど、オンラインで振込みを行った際の手数料等について、電磁的記録により適格簡易請求書が提供される場合には、当該電磁的記録をダウンロードする必要があります。

ただし、同種の手数料等を繰り返し支払っているような場合において、当該手数料等の適格簡易請求書に係る電磁的記録が、インターネットバンキング上で随時確認可能な状態であるなど一定の要件を満たすのであれば、必ずしも当該適格簡易請求書に係る電磁的記録をダウンロードせずとも、仕入税額控除の適用を受けることが可能です(適格簡易請求書に係る電磁的記録の取扱いについては「多く寄せられるご質問の問⑱」を、電子帳簿保存法の取扱いについては「電子帳簿保存方法一問一答」の「お問合せの多いご質問 電取追2-2」をご参照ください。)。

(注3)
金融機関が適格請求書発行事業者の登録を取りやめないことを前提に、一回のみ取得・保存することで差し支えありません。

また、金融機関から各種手数料に係るお知らせ(適格請求書発行者の氏名又は名称及び登録番号、適用税率、取引の内容が記載されたものに限ります。)を受領した場合には、当該一のお知らせを保存することで適格簡易請求書の保存に代えることが可能です。

★リンクはこちら→ 金融機関の窓口又はオンラインで決済を行った際の金融機関の入出金手数料や振込手数料について、仕入税額控除の適用を受けるために、何を保存すればよいでしょうか。

2024年4月30日


<多く寄せられるご質問 問㉒>
私は、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者となった個人事業者ですが、それまでの間は免税事業者でした。令和7年分の申告における基準期間(令和5年分)における課税売上高は、免税事業者であった令和5年1月から9月までの金額を含むのでしょうか。【インボイスQ&A問8-2として追加】

適格請求書発行事業者になったことにより、令和5年10月1日から課税事業者となった個人事業者が、令和7年分の消費税の確定申告を行うに当たり、その基準期間は令和5年となりますが、この場合の基準期間における課税売上高(税抜)は、当該個人事業者が免税事業者であった期間(令和5年1月から9月)の課税売上高を含む金額で計算することとなります。

また、その免税事業者であった期間に係る課税売上高について税抜処理は行わず、その売上げ(非課税売上げ等を除きます。)がそのまま課税売上高となりますので、以下の例のとおり計算することとなります。

★リンクはこちら→ 私は、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者となった個人事業者ですが、それまでの間は免税事業者でした。令和7年分の申告における基準期間(令和5年分)における課税売上高は、免税事業者であった令和5年1月から9月までの金額を含むのでしょうか。

2024年4月26日


<多く寄せられるご質問 問㉑>
当協会は、協会に所属する会員向けに講師を招いてセミナーを開催しています。その際の講演料はまとめて当協会が支払いますが、一定割合を協会で負担することとした上で、残りをセミナーの参加予定者数で按分して参加費として受領しています(1,000円未満の端数は切上げ)。この場合、参加者に対してどのように適格請求書を交付すればよいでしょうか。【インボイスQ&A問94-3として追加】

国外事業者が行う「電気通信利用役務の提供」のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」(例:「インターネット広告の配信」等)については、特定課税仕入れとして、当該役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務が課されます(リバースチャージ方式)。

そして、当該リバースチャージ方式により申告・納税を行う消費税額については、仕入税額控除の対象となりますが、その適用要件として適格請求書の保存は必要なく、一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が可能となります。

これに対し、国外事業者が行う事業者向け電気通信利用役務の提供以外の電気通信利用役務の提供(いわゆる消費者向け電気通信利用役務の提供)(例:「電子書籍・音楽の配信」等)について仕入税額控除の適用を受けるためには、売手である国外事業者から交付を受けた適格請求書(当該適格請求書の記載事項に係る電磁的記録を含みます。)の保存が必要です。

また、国外事業者が行う消費者向け電気通信利用役務の提供について、適格請求書の保存がない場合に、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れについて一定割合(80%、50%)を仕入税額とみなして控除できる経過措置の適用を受けることはできませんが、少額特例(一定規模以下の事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に行う税込み1万円未満である課税仕入れについて、一定の事項が記載された帳簿のみの保存により仕入税額控除の適用を受けることができる経過措置)の適用を受けることはできます。

(注)
令和5年9月1日時点で登録国外事業者(適格請求書等保存方式の開始前において、消費者向け電気通信利用役務の提供を行うため、国税庁長官の登録を受けた国外事業者をいいます。)であり、かつ、同日おいて「登録国外事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出していない事業者は、令和5年10 月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けたものとみなされ、登録番号(T+13 桁の数字)が付番されています。

また、そうした国外事業者においては、令和6年3月31日までは登録国外事業者として付番されている番号(00001等の5桁の番号)を登録番号として適格請求書に記載することができることとされています。

(参考)
電気通信利用役務の提供やリバースチャージ方式の詳細については、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当協会は、協会に所属する会員向けに講師を招いてセミナーを開催しています。その際の講演料はまとめて当協会が支払いますが、一定割合を協会で負担することとした上で、残りをセミナーの参加予定者数で按分して参加費として受領しています(1,000円未満の端数は切上げ)。この場合、参加者に対してどのように適格請求書を交付すればよいでしょうか。

2024年4月24日


<多く寄せられるご質問 問⑳>
当社は、国外事業者との間でリバースチャージ方式の対象となる取引(インターネット広告の配信)や、消費者向け電気通信利用役務の提供に該当する取引(電子書籍の購入)を行っていますが、仕入税額控除を行うために適格請求書の保存は必要でしょうか。【インボイスQ&A問103-3として追加】

国外事業者が行う「電気通信利用役務の提供」のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」(例:「インターネット広告の配信」等)については、特定課税仕入れとして、当該役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務が課されます(リバースチャージ方式)。

そして、当該リバースチャージ方式により申告・納税を行う消費税額については、仕入税額控除の対象となりますが、その適用要件として適格請求書の保存は必要なく、一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が可能となります。

これに対し、国外事業者が行う事業者向け電気通信利用役務の提供以外の電気通信利用役務の提供(いわゆる消費者向け電気通信利用役務の提供)(例:「電子書籍・音楽の配信」等)について仕入税額控除の適用を受けるためには、売手である国外事業者から交付を受けた適格請求書(当該適格請求書の記載事項に係る電磁的記録を含みます。)の保存が必要です。

また、国外事業者が行う消費者向け電気通信利用役務の提供について、適格請求書の保存がない場合に、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れについて一定割合(80%、50%)を仕入税額とみなして控除できる経過措置の適用を受けることはできませんが、少額特例(一定規模以下の事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に行う税込み1万円未満である課税仕入れについて、一定の事項が記載された帳簿のみの保存により仕入税額控除の適用を受けることができる経過措置)の適用を受けることはできます。

(注)
令和5年9月1日時点で登録国外事業者(適格請求書等保存方式の開始前において、消費者向け電気通信利用役務の提供を行うため、国税庁長官の登録を受けた国外事業者をいいます。)であり、かつ、同日おいて「登録国外事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出していない事業者は、令和5年10 月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けたものとみなされ、登録番号(T+13 桁の数字)が付番されています。

また、そうした国外事業者においては、令和6年3月31日までは登録国外事業者として付番されている番号(00001等の5桁の番号)を登録番号として適格請求書に記載することができることとされています。

(参考)
電気通信利用役務の提供やリバースチャージ方式の詳細については、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、国外事業者との間でリバースチャージ方式の対象となる取引(インターネット広告の配信)や、消費者向け電気通信利用役務の提供に該当する取引(電子書籍の購入)を行っていますが、仕入税額控除を行うために適格請求書の保存は必要でしょうか。

2024年4月22日


<多く寄せられるご質問 問⑲>
私は、今まで免税事業者であったものの、令和5年に入ってから適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者(課税事業者)となった個人事業者です。当該登録申請書の提出に当たり、「消費税課税事業者選択届出書」も同時に提出したのですが、その提出日によっては令和5年分の確定申告において2割特例が適用できないことがあると聞きました。私のような場合には、令和5年分の申告において2割特例を適用できますか。【インボイスQ&A問116-2として追加】

2割特例は「消費税課税事業者選択届出書」の提出により課税事業者となった事業者も適用を受けることができますが、令和5年10月1日より前から同届出書の提出により引き続き課税事業者となる同日を含む課税期間、つまり、令和5年9月30日以前の期間を含む課税期間の申告については、2割特例の適用を受けることはできません(注1)

「消費税課税事業者選択届出書」の効果は、原則として、その提出した日の属する課税期間の翌課税期間から生じるところ、ご質問の場合、その効果は令和6年1月1日から生じるため、令和5年分については、令和5年10月1日(適格請求書発行事業者の登録日)から令和5年12月31日までの期間に行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて申告を行うことになり、令和5年9月30日以前の期間を含まないことから、2割特例の適用を受けることができます(注2)

(注1)「消費税課税事業者選択届出書」の提出により令和5年10月1日の属する課税期間から課税事業者となった事業者が、同日より前に登録申請書を提出している場合は、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を当該課税期間の末日までに提出することで、令和5年10月1日を含む課税期間に係る申告につき2割特例の適用を受けることができます(その場合、上記と同様、登録日から課税期間の末日までの期間に行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて申告を行うことになります。)。

その他、2割特例の適用ができない課税期間についての詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問115」及び「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問116」をご参照ください。

(注2)令和6年1月1日から課税事業者となる効果が生じますが、令和6年分の申告においても、基準期間である令和4年分の課税売上高が1,000万円以下である場合には、原則として、2割特例の適用を受けることができます。

★リンクはこちら→ 私は、今まで免税事業者であったものの、令和5年に入ってから適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者(課税事業者)となった個人事業者です。当該登録申請書の提出に当たり、「消費税課税事業者選択届出書」も同時に提出したのですが、その提出日によっては令和5年分の確定申告において2割特例が適用できないことがあると聞きました。私のような場合には、令和5年分の申告において2割特例を適用できますか。

2024年4月19日


<多く寄せられるご質問 問⑱>
継続的な役務提供に係る課税仕入れについて、仕入先からは書面での適格請求書は交付されず、取引先が指定したホームページ上の「マイページ」等にログインし、契約ごとに電磁的記録をダウンロードすることとなっています。当社が仕入税額控除を行うには、これらの電磁的記録を毎月ダウンロードして保存する必要があるのでしょうか。なお、この電磁的記録は、7年間いつでもダウンロードして確認することが可能な状態になっています。【インボイス
Q&A問102-2として追加】

売手である適格請求書発行事業者から適格請求書に代えて、適格請求書に係る電磁的記録による提供を受けた場合、仕入税額控除の適用を受けるためには、その電磁的記録を保存する必要があります。

その際、提供を受けた電磁的記録をそのまま保存しようとするときには、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成10年法律第25号。以下「電帳法」といいます。)に準じた方法により保存することとされています。

この点、電帳法においては、ECサイト(インターネット上に開設された商品などを販売するウェブサイトをいいます。)で物品を購入したとき、ECサイト上の購入者の購入情報を管理するページ内において、領収書等データをダウンロードすることができる場合に、当該 ECサイト上でその領収書等データの確認が随時可能な状態である場合には、必ずしもその領収書等データをダウンロードして保存していなくても差し支えないこととされています。

こうした取扱いは、当該 EC サイト提供事業者が、物品の購入者において満たすべき真実性の確保及び検索機能の確保の要件を満たしている場合に認められるものであり、また、当該領収書等データは各税法に定められた保存期間が満了するまで確認が随時可能である必要があります(その他、本取扱いに関する詳細は、国税庁ホームページに掲載されている「電子帳簿保存法一問一答」の「お問合せの多いご質問 電取追2」を参考としてください。)。

これは、適格請求書に係る電磁的記録の保存においても同様であり、ご質問のように取引先が指定したホームページ上の「マイページ」等にログインすることで、上記要件を満たした形で適格請求書に係る電磁的記録の確認が随時可能な状態である場合には、必ずしも当該電磁的記録をダウンロードせずとも、その保存があるものとして、仕入税額控除の適用を受けることとして差し支えありません。

(参考)
電帳法において、例えば次のような事業者については、検索機能の確保の要件が不要とされています。

(1)税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録の提示等の求めに応じることができるようにしている場合における
①判定期間に係る基準期間における売上高が1,000万円(令和6年1月1日以後にやり取りする電磁的記録の場合は、5,000万円)以下の事業者
②電磁的記録を出力した書面を取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたものを提示・提出できるようにしている事業者

⑵税務署長が相当の理由があると認め、かつ、保存義務者が税務調査等の際に、税務職員からの求めに応じ、その電磁的記録及び出力書面の提示等をすることができる場合には、その保存時に満たすべき要件にかかわらず電磁的記録の保存が可能となる措置(猶予措置)の対象となる事業者

そのため、こうした事業者にあっては、取引先のホームページにおいて、検索機能の確保がなされていなかったとしても、適格請求書に係る電磁的記録の確認が随時可能な状態であれば、仕入税額控除の適用を受けることとして差し支えありません。

なお、上記⑴②、⑵における電磁的記録を出力した書面としては、必ずしも適格請求書そのものに係る電磁的記録でなくてもよく、当該取引に係る金額や取引年月日等の情報が判別できる資料でも差し支えありません。

★リンクはこちら→ 継続的な役務提供に係る課税仕入れについて、仕入先からは書面での適格請求書は交付されず、取引先が指定したホームページ上の「マイページ」等にログインし、契約ごとに電磁的記録をダウンロードすることとなっています。当社が仕入税額控除を行うには、これらの電磁的記録を毎月ダウンロードして保存する必要があるのでしょうか。なお、この電磁的記録は、7年間いつでもダウンロードして確認することが可能な状態になっています。

2024年4月17日


<多く寄せられるご質問 問⑰>
当社は、役務の提供に当たり、予約サイトを通じて予約や代金の精算を行っています。この際、媒介者交付特例を適用し、予約サイトから購入者に適格請求書を交付してもらっていますが、実際の役務の提供に際し、顧客から当社に対して適格請求書の交付を求められました。この場合、当社は改めて適格請求書を交付しなければならないのでしょうか。【インボイスQ&A問49-2として追加】

適格請求書発行事業者には、課税資産の譲渡等を行った場合、課税事業者からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されています。

また、ご質問のように予約サイトを通じて代金の精算等を行う場合、一定の要件を満たしていれば、当該予約サイトの運営者が、媒介者等として、自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書を、委託者である貴社に代わって顧客に対し交付することができます(以下「媒介者交付特例」といいます。)。

媒介者交付特例を適用し、媒介者等が適格請求書を交付したのであれば、その時点で適格請求書の交付義務を果たしていますが、ご質問のように、改めて委託者が適格請求書を交付することについて、消費税法上妨げられるものではありませんので、顧客の求めに応じて、適格請求書を交付することもできます。

この場合において、委託者が交付しようとする適格請求書に記載すべき課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額は、委託者である売手の認識している金額によることとなる点にご留意ください。

なお、仕入税額控除は、行った課税仕入れに対して適用されるものですので、購入者において、一の課税仕入れについて複数枚の適格請求書の保存があったとしても、仕入税額控除の適用は一回となります。

(注)
予約サイトの運営者が適格請求書発行事業者ではないなどの理由により、媒介者交付特例を適用できない場合に、課税事業者である顧客から適格請求書の交付を求められた際は、委託者においては、適格請求書の交付義務が生じることとなります。

(参考)
適格請求書を再交付するに当たり、既に交付した複数枚の適格請求書をまとめて一の適格請求書として再発行する必要がある場合にはそのような対応も可能です。その場合、当該一の適格請求書に記載された全ての課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額の合計額を基礎として再計算した消費税額等が、適格請求書の記載事項としての消費税額等となります。

他方、売手において既に交付した適格請求書の写しを保存しているなど、再発行であることが客観的に明らかである場合には、その記載すべき消費税額等は、既に交付した適格請求書に記載された消費税額等を基に記載することとして差し支えありません。

【イメージ】(記載事項は一部省略しています。)

★リンクはこちら→ 当社は、役務の提供に当たり、予約サイトを通じて予約や代金の精算を行っています。この際、媒介者交付特例を適用し、予約サイトから購入者に適格請求書を交付してもらっていますが、実際の役務の提供に際し、顧客から当社に対して適格請求書の交付を求められました。この場合、当社は改めて適格請求書を交付しなければならないのでしょうか。

2024年4月15日


<多く寄せられるご質問 問⑯>
当社は、他の事業者が経営する食堂を社員食堂として従業員に利用させています。例えば、従業員が1,000円分の喫食を行った場合、当社はその7割(700円)を従業員から徴収し、差額300円を負担する形で食堂を経営する当該他の事業者に対して支払を行っています。適格請求書には、課税資産の譲渡等に係る税込価額として支払を行った全額が記載されているのですが、当社はどのように仕入税額控除を行うことになるのでしょうか。なお、従業員から徴収した代金は預り金として処理しています。【インボイスQ&A問 94-4として追加】

事業者が他の事業者が経営する食堂を社員食堂として従業員に利用させるという契約を当該他の事業者と締結し、その従業員の食事代の全部又は一部を支払っているときは、給与として課税されるかどうかにかかわらず、その金額は課税仕入れに該当し、当該他の事業者から受領した適格請求書及び一定の記載をした帳簿の保存により仕入税額控除を行うことが可能です。

ただし、従業員から一部の代金を徴収し、預り金として処理している場合には、事業者が実際に負担した部分の金額のみが課税仕入れの対象となることから、ご質問の例であれば、喫食に係る代金の全額が記載されている適格請求書を保存していたとしても、貴社は300円を基礎として、仕入税額控除の適用を受けることとなります。

なお、仕入控除税額の計算に当たって、積上げ計算を行う場合、受領した一の適格請求書に記載された課税資産の譲渡等に係る消費税額等のうち、課税仕入れに係る部分の金額として算出した金額に1円未満の端数が生じる場合は、受領した一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要がありますが、その方法については切上げ、切捨て、四捨五入など、任意の方法とすることができます。

【一部を従業員負担にしている場合の適格請求書に係る仕入控除税額の計算例】

★リンクはこちら→ 当社は、他の事業者が経営する食堂を社員食堂として従業員に利用させています。例えば、従業員が1,000円分の喫食を行った場合、当社はその7割(700円)を従業員から徴収し、差額300円を負担する形で食堂を経営する当該他の事業者に対して支払を行っています。適格請求書には、課税資産の譲渡等に係る税込価額として支払を行った全額が記載されているのですが、当社はどのように仕入税額控除を行うことになるのでしょうか。なお、従業員から徴収した代金は預り金として処理しています。

2024年4月12日


<多く寄せられるご質問 問⑮>
当社は、自社で雇用している従業員と同様に、派遣社員や出向社員が出張した際にも、旅費規程に基づき出張旅費を支払っています。当該出張旅費については、派遣元企業や出向元企業を通じて当該社員に支払われることになるのですが、仕入税額控除の要件として派遣元企業や出向元企業から請求書等の交付を受け、これを保存する必要はありますか。また、内定者や採用面接者に対し、内定者説明会会場や面接会場までの交通費等を支給する場合の取扱いはどうなりますか。
【インボイスQ&A問107-3として追加】

従業員等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等(以下「出張旅費等」といいます。)のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして取り扱われ、この金額については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(以下「出張旅費等特例」といいます。)。

1.派遣社員や出向社員に対して支払われる出張旅費等について
派遣社員や出向社員(以下「派遣社員等」といいます。)に対して支払われる出張旅費等については、それぞれ次のとおり取り扱うこととなります。
(1)派遣元企業等に支払うもの
当該出張旅費等が直接的に派遣社員等へ支払われるものではなく、派遣元企業や出向元企業(以下「派遣元企業等」といいます。)に支払われる場合、派遣先企業や出向先企業(以下「派遣先企業等」といいます。)においては、人材派遣等の役務の提供に係る対価として、仕入税額控除に当たり派遣元企業等から受領した適格請求書の保存が必要となります。

(2)派遣元企業等を通じて派遣社員等に支払うもの
派遣元企業等が当該出張旅費等を預かり、そのまま派遣社員等に支払われることが派遣契約や出向契約等において明らかにされている場合には、派遣先企業等において、出張旅費等特例の対象として差し支えありません。この場合、当該出張旅費等に相当する金額について、派遣元企業等においては立替払を行ったものとして課税仕入れには該当せず、仕入税額控除を行うことはできません。

2.内定者や採用面接者に対して支払われる交通費等について
内定者のうち、企業との間で労働契約が成立していると認められる者※に対して支給する交通費等については、通常必要であると認められる部分の金額について出張旅費等特例の対象として差し支えありません。

※労働契約が成立していると認められるか否かは、例えば、企業から採用内定通知を受け、入社誓約書等を提出している等の状況を踏まえて判断されることとなります。

一方、採用面接者は通常、従業員等に該当しませんので、支給する交通費等について、出張旅費等特例の対象にはなりません。

(注1)
出張旅費等特例の対象となる出張旅費等や交通費等(以下「旅費交通費等」といいます。)には、概算払によるもののほか、実費精算されるものも含まれます。
なお、出張旅費等特例の対象とならない場合の派遣社員等、内定者又は採用面接者(以下「派遣社員・内定者等」といいます。)に対して支払われる旅費交通費等については、貴社が当該旅費交通費等を派遣社員・内定者等を通じて公共交通機関(船舶、バス、鉄道又は軌道)に直接支払っているものと同視し得る場合には、3万円未満の支払について、一定の事項を記載した帳簿のみの保存により仕入税額控除が認められます(以下「公共交通機関特例」といいます。)。

(注2)
海外出張のために支給する出張旅費等については、原則として課税仕入れには該当しません。

(注3)
上記の出張旅費等特例や公共交通機関特例の対象にはならない旅費交通費等について仕入税額控除の適用を受けるには、派遣社員・内定者等が交付を受けた旅費交通費等に係る適格請求書又は適格簡易請求書の提出を受け、それを保存する必要があります(宛名として派遣社員・内定者等の氏名が記載されている場合には、原則として、立替金精算書の保存も必要となります。
詳細は「多く寄せられるお問合せの問⑩」をご参照ください。)。

★リンクはこちら→ 当社は、自社で雇用している従業員と同様に、派遣社員や出向社員が出張した際にも、旅費規程に基づき出張旅費を支払っています。当該出張旅費については、派遣元企業や出向元企業を通じて当該社員に支払われることになるのですが、仕入税額控除の要件として派遣元企業や出向元企業から請求書等の交付を受け、これを保存する必要はありますか。また、内定者や採用面接者に対し、内定者説明会会場や面接会場までの交通費等を支給する場合の取扱いはどうなりますか。

2024年4月10日


<多く寄せられるご質問 問⑭>
当団体は、多数の会員を有する事業者団体です。当団体は、定期的に会員の中から広く参加者を募ってセミナーを開いており、セミナー当日に参加者からその対価を徴収しています。このセミナーについては、適格簡易請求書の交付対象になりますか。なお、参加者は毎回多数に上るため、参加費を徴収する際に「●●会会員様」という宛名を事前に印刷した領収書、あるいは宛名のない領収書を配布しています。

適格請求書発行事業者が、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う一定の事業を行う場合には、適格請求書に代えて、記載事項を簡易なものとした適格簡易請求書を交付することができます。

この適格簡易請求書の交付ができる事業は、小売業や飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業及び駐車場業(不特定かつ多数の者に対するものに限ります。)の他、「これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業」についても対象になりますが、当該事業に該当するかは、個々の事業の性質により判断されます。

「不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行うもの」には、その取引に当たり、相手方の氏名等を確認するものであったとしても、相手方を問わず広く一般を対象に資産の譲渡等を行う、ホテル・旅館等の宿泊サービスや航空サービス、レンタカー事業なども含まれます。

他方、通常の事業者間取引や、消費者を含めた多数の者に対して行う取引であったとしても、その相手方を一意に特定したうえで契約を行い、その契約に係る取引の内容に応じて個々に課税資産の譲渡等を行うようなもの(電気・ガス・水道水の供給、電話料金など)は、一般的には、適格簡易請求書の交付ができる事業には当たりません。

ご質問のセミナーについては、その参加者が貴団体の会員に限られ、一定の対象者に対して取引を行うものではありますが、相手方を一意に特定したうえで開催されるものではなく、また、対象者も多数に上るものであることから、適格簡易請求書の交付を行う事業に該当することとなります。

これにより、領収書に「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の記載は不要となりますので、あらかじめ「●●会会員様」との宛名を印刷した領収書を適格簡易請求書として交付することも認められます。

また、仮に宛名として会員名を記載した場合であっても、適格簡易請求書であることには変わりはないため、消費税額等又は適用税率のいずれかの記載があれば問題ないことになります。

★リンクはこちら→ 当団体は、多数の会員を有する事業者団体です。当団体は、定期的に会員の中から広く参加者を募ってセミナーを開いており、セミナー当日に参加者からその対価を徴収しています。このセミナーについては、適格簡易請求書の交付対象になりますか。なお、参加者は毎回多数に上るため、参加費を徴収する際に「●●会会員様」という宛名を事前に印刷した領収書、あるいは宛名のない領収書を配布しています。

2024年4月8日


<多く寄せられるご質問 問⑬
当社は、ハンドメイド作家が作成した雑貨を仕入れ、小売店に販売する事業を営んでいる個人事業者です。これまで免税事業者でしたが、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者となり、令和5年分について初めて消費税の確定申告を行います。このような場合、消費税の納付税額を軽減できる2割特例や、簡易課税制度も適用できると思いますが、どのような方法により消費税の申告を行えばよいのでしょうか。

消費税の申告方法は、仕入控除税額について実額で計算する「一般課税」、業種ごとに決められたみなし仕入率を適用し仕入控除税額を計算する「簡易課税制度」、そして、適格請求書等保存方式を機に免税事業者から適格請求書発行事業者となった方を対象に、売上税額の2割を納税額として計算する「2割特例」による方法があります。

貴社の行っている事業は、「卸売業」に該当し、簡易課税制度を適用して申告する場合、90%のみなし仕入率が適用されることになりますので、2割特例を適用するよりも、消費税の納付金額が少なくなると考えられます。

2割特例については、適用を受ける旨を確定申告書に付記することで適用できますが、簡易課税制度は、原則として、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります(その課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下である場合に限ります。)。

しかし、免税事業者が登録日から課税事業者となる経過措置の適用を受ける場合には、その登録日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した届出書をその課税期間中に提出すれば、その課税期間から、簡易課税制度の適用を受けることができることとされています。

したがって、ご質問のような前提のもと、令和5年分の申告について簡易課税制度の適用を選択する場合には、課税期間の末日(令和5年12月31日)まで(注)に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。

なお、多額の設備投資などがあり、課税仕入れ等に係る消費税額が課税売上げに係る消費税額を上回る場合、一般課税であれば還付税額が生じますが、簡易課税制度や2割特例を適用している場合には、通常、還付税額が生じることはありませんので、その点も踏まえ申告方法をご検討ください。

(注)
課税期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他一般の休日、土曜日又は12月29日、同月30日若しくは同月31日であったとしても、これらの日の翌日とはなりませんのでご留意ください。

(参考)
2割特例についての詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問114」をご参照ください。

また、免税事業者が登録日から課税事業者となる経過措置についての詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問7」を、簡易課税制度を選択する場合の手続等についての詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問9」をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、ハンドメイド作家が作成した雑貨を仕入れ、小売店に販売する事業を営んでいる個人事業者です。これまで免税事業者でしたが、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者となり、令和5年分について初めて消費税の確定申告を行います。このような場合、消費税の納付税額を軽減できる2割特例や、簡易課税制度も適用できると思いますが、どのような方法により消費税の申告を行えばよいのでしょうか。

2024年2月21日


<多く寄せられるご質問 問⑫
当社は、取引先に書類を送付し、その控えを返信用封筒で当社に送り返してもらうこととしています。この際、封筒に同封する返信用封筒に郵便切手をあらかじめ貼付していますが、この郵便切手により返送を受けるという引換給付についても仕入税額控除を行ってよいでしょうか。

郵便切手類は、購入時においては原則として、課税仕入れには該当せず、役務又は物品の引換給付を受けた時にその引換給付を受けた事業者の課税仕入れとなります。

適格請求書等保存方式においては、仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として適格請求書等の保存が必要となりますが、郵便切手類のみを対価とする郵便ポスト等への投函による郵便サービスは、適格請求書の交付義務が免除されており、買手においては、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除の適用を受けることができます。

この点、ご質問のように、返信用封筒に貼付された郵便切手類(自らが購入した郵便切手類)により返送を受けるのであれば、郵便切手類のみを対価とする郵便ポスト等への投函による郵便サービスを受けたものとして、帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うこととして差し支えありません。

(注)
この場合、当該郵便切手類の購入時に仕入税額控除を行うことも可能ですが、その後、返送を受けないことが明らかとなった際には、その明らかとなった課税期間において、仕入控除税額を調整することとして差し支えありません。

★リンクはこちら→ 当社は、取引先に書類を送付し、その控えを返信用封筒で当社に送り返してもらうこととしています。この際、封筒に同封する返信用封筒に郵便切手をあらかじめ貼付していますが、この郵便切手により返送を受けるという引換給付についても仕入税額控除を行ってよいでしょうか。

2024年2月19日


<多く寄せられるご質問 問⑪>
当社は、事業に必要な消耗品等を従業員が自ら購入し、その際受領した適格簡易請求書と引き換えに、当該消耗品費を支払っています。この場合、当該適格簡易請求書の宛名には「従業員名」が記載されているのですが、これをそのまま保存することで、当社は仕入税額控除を行ってもよいでしょうか。

社員に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして取り扱われ、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

この社員に対する支給には、概算払いによるもののほか、実費精算されるものも含まれますので、実費精算に係るものであっても、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うことができます。

(注)
帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる「その旅行に通常必要であると認められる部分」については、所得税基本通達9-3に基づき判定しますので、所得税が非課税となる範囲内で、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められることになります。詳しくは、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問107」をご参照ください。

(参考)
実費精算が貴社により用務先へ直接対価を支払っているものと同視し得る場合には、通常必要と認められる範囲か否かにかかわらず、他の課税仕入れと同様、一定の事項を記載した帳簿及び社員の方から徴求した適格請求書等の保存により仕入税額控除を行うこととなります。

その際、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送など、一定の課税仕入れに当たるのであれば、当該帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

詳しくは、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問104」をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、事業に必要な消耗品等を従業員が自ら購入し、その際受領した適格簡易請求書と引き換えに、当該消耗品費を支払っています。この場合、当該適格簡易請求書の宛名には「従業員名」が記載されているのですが、これをそのまま保存することで、当社は仕入税額控除を行ってもよいでしょうか。

2024年2月15日


<多く寄せられるご質問 問⑩>
当社は、事業に必要な消耗品等を従業員が自ら購入し、その際受領した適格簡易請求書と引き換えに、当該消耗品費を支払っています。この場合、当該適格簡易請求書の宛名には「従業員名」が記載されているのですが、これをそのまま保存することで、当社は仕入税額控除を行ってもよいでしょうか。

従業員が事業に必要なものとして購入した消耗品等の代金を貴社が負担する場合には、それは貴社が負担すべき費用を従業員から立替払いを受けたことになります。

原則として、本来宛名の記載を求められない適格簡易請求書であったとしても、書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称として仕入税額控除を行う事業者以外の者の氏名又は名称が記載されている場合には、当該適格簡易請求書をそのまま受領し保存したとしても、これをもって、仕入税額控除を行うことはできません。

しかしながら、当該従業員が貴社に所属していることが明らかとなる名簿や当該名簿の記載事項に係る電磁的記録(以下「従業員名簿等」といいます。)の保存が併せて行われているのであれば、宛名に従業員名が記載された適格簡易請求書と、当該従業員名簿等の保存をもって、貴社は当該消耗品費に係る請求書等の保存要件を満たすこととして、仕入税額控除を行うこととして差し支えありません。

なお、従業員名簿等がなく、立替払を行う者である従業員を特定できない場合には、宛名に従業員名が記載された適格簡易請求書と、従業員が作成した立替金精算書の交付を受け、その保存が必要となります(詳しくは、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問94」をご参照ください。)。

★リンクはこちら→ 当社は、事業に必要な消耗品等を従業員が自ら購入し、その際受領した適格簡易請求書と引き換えに、当該消耗品費を支払っています。この場合、当該適格簡易請求書の宛名には「従業員名」が記載されているのですが、これをそのまま保存することで、当社は仕入税額控除を行ってもよいでしょうか。

2024年2月13日


<多く寄せられるご質問 問⑨>
当社は、複数の事業所がある顧客との間では、その事業所ごとに契約を締結し、その代金を毎月まとめて顧客に請求しています。この代金請求に関しては、従来、毎月の請求額と消費税相当額の合計を記載した請求書に、その内訳として契約ごとの本体価格と消費税相当額(端数処理済)を記載したものを送付する方法で行ってきました。適格請求書等保存方式の開始により、消費税の端数処理については「一の適格請求書につき、税率ごとに1回」とされたことを踏まえ、一カ月分をまとめて請求するのではなく、個々の契約ごとに適格請求書を作成・交付する方法に変更しましたが、交付した適格請求書の写しとして保存すべき量が多量となることや顧客の利便性も勘案し、複数の契約に係る料金を1カ月分まとめて一の適格請求書で請求する方法に改めることを検討していますが、問題ないでしょうか。また、その際に気を付けるべき点としてはどういったことがあるでしょうか。

適格請求書に記載する消費税額等は、適格請求書に記載した税率ごとに合計した課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額に、一定の割合(税抜価額の場合100分の10(又は100分の8)、税込価額の場合110分の10(又は108分の8))を乗じて算出し、その算出した消費税額等に1円未満の端数が生じた場合にその端数を処理するため、適格請求書に記載する消費税額等の端数処理は一の適格請求書につき、税率ごとに1回行うこととなります。

ご質問のように、事業所ごとに締結した契約に基づき課税資産の譲渡等を行っているとしても、その課税資産の譲渡等に係る対価の額を請求書内で合計し、適格請求書の記載事項(課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額)とすることは何ら問題ありません。

また、ご質問の場合の適格請求書の記載例としては、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問66」にあるとおり、例えば、以下のように課税資産の譲渡等の税込価額を合計し、その合計金額から算出した消費税額等を記載することにより、適格請求書の記載事項である消費税額等とすることができます。

なお、契約ごとに算出した消費税額等を参考として記載することは問題ありませんが、法令で求められる適格請求書の記載事項としての消費税額等にはなりませんのでご留意ください。

★リンクはこちら→ 当社は、複数の事業所がある顧客との間では、その事業所ごとに契約を締結し、その代金を毎月まとめて顧客に請求しています。この代金請求に関しては、従来、毎月の請求額と消費税相当額の合計を記載した請求書に、その内訳として契約ごとの本体価格と消費税相当額(端数処理済)を記載したものを送付する方法で行ってきました。適格請求書等保存方式の開始により、消費税の端数処理については「一の適格請求書につき、税率ごとに1回」とされたことを踏まえ、一カ月分をまとめて請求するのではなく、個々の契約ごとに適格請求書を作成・交付する方法に変更しましたが、交付した適格請求書の写しとして保存すべき量が多量となることや顧客の利便性も勘案し、複数の契約に係る料金を1カ月分まとめて一の適格請求書で請求する方法に改めることを検討していますが、問題ないでしょうか。また、その際に気を付けるべき点としてはどういったことがあるでしょうか。

2024年2月6日


<多く寄せられるご質問 問⑧>
当社は飲食料品を販売しており、取引は全て軽減税率(8%)対象となります。銀行振込みで代金請求するに当たり、取引当事者の合意の下で買手が振込手数料相当額を請求金額から差し引いて支払うこととしています(代金請求の際に既に適格請求書を交付しています)。売手である当社としては、売上げに係る対価の返還等として経理処理することとしていますが、この場合、当社は適格返還請求書を交付する必要があるのでしょうか。

売手が負担する振込手数料相当額に係る経理処理について、当該振込手数料相当額を売上げに係る対価の返還等として処理する場合、原則として、買手に対して適格返還請求書を交付する必要がありますが、一般的には、こうした振込手数料相当額は1万円未満となると考えられますので、その場合は適格返還請求書の交付義務が免除されることとなります。

そのため、取引の相手方から適格返還請求書の交付を求められたとしても、交付する義務はありません。

なお、売手が買手に対して売上げに係る対価の返還等を行った場合の適用税率は、売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等の適用税率に従うこととなります。そのため、軽減税率(8%)対象の課税資産の譲渡等を対象とした振込手数料相当額の売上値引きには、軽減税率(8%)が適用されます。

<参考>
売手が負担する振込手数料相当額の取扱いについての詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問29」をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は飲食料品を販売しており、取引は全て軽減税率(8%)対象となります。銀行振込みで代金請求するに当たり、取引当事者の合意の下で買手が振込手数料相当額を請求金額から差し引いて支払うこととしています(代金請求の際に既に適格請求書を交付しています)。売手である当社としては、売上げに係る対価の返還等として経理処理することとしていますが、この場合、当社は適格返還請求書を交付する必要があるのでしょうか。

2024年1月22日


<多く寄せられるご質問 問⑦>
当社は、仕入先が多数あり、登録番号の記載のない請求書の交付を受けることも多くあります。この場合、適格請求書発行事業者から交付を受けた登録番号の記載のない請求書等を含め、登録番号の記載のない請求書等については、一律に、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置の適用を受けてもよいでしょうか。

適格請求書発行事業者以外の者(消費者、免税事業者又は登録を受けていない課税事業者)からの課税仕入れであっても、適格請求書等保存方式開始から一定期期間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。

ただし、当該経過措置の適用は、取引の相手方が適格請求書発行事業者以外の者である場合に限りませんので、例えば適格請求書発行事業者から交付を受けた登録番号のない請求書等を含め、区分記載請求書等の記載事項を満たしたものの保存がある場合には、一律に、当該経過措置の適用を受けることとなります。

★リンクはこちら→ 当社は、仕入先が多数あり、登録番号の記載のない請求書の交付を受けることも多くあります。この場合、適格請求書発行事業者から交付を受けた登録番号の記載のない請求書等を含め、登録番号の記載のない請求書等については、一律に、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置の適用を受けてもよいでしょうか。

2024年1月19日


<多く寄せられるご質問 問⑥>
取引先から受領した適格請求書の記載事項に誤りがありました。この場合、取引先から修正した適格請求書の交付を受けなければならないと思いますが、例えば、取引先に電話等で修正事項を伝え、取引先が保存している適格請求書の写しに同様の修正を行ってもらえば、自ら修正を行った適格請求書の保存で仕入税額控除を行ってもよいでしょうか。

売手である適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書(電磁的記録により提供を行ったものも含みます。)の記載事項に誤りがあったときは、買手である課税事業者に対して、修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなければならないこととされており、買手においては、追記や修正を行うことは認められていません。

ただし、買手が作成した一定事項の記載のある仕入明細書等の書類で、売手である適格請求書発行事業者の確認を受けたものについても、仕入税額控除の適用のために保存が必要な請求書等に該当しますので、買手において適格請求書の記載事項の誤りを修正した仕入明細書等を作成し、売手である適格請求書発行事業者に確認を求めることも認められます。

この際、例えば、相互に関連する複数の書類により、仕入明細書等を作成することも可能であることから、受領した適格請求書と関連性を明確にした別の書類として修正した事項を明示したものを作成し、当該修正事項について売手の確認を受けたものを保存することも認められます。

したがって、ご質問のように、受領した適格請求書に買手が自ら修正を加えたものであったとしても、その修正した事項について売手に確認を受けることで、その書類は適格請求書であるのと同時に修正した事項を明示した仕入明細書等にも該当することから、当該書類を保存することで、仕入税額控除の適用を受けることとして差し支えありません。

なお、これらの対応を行った場合でも、売手において当初交付した適格請求書の写しを保存しなければなりません。

また、売手において、売上税額の積上げ計算を行う場合には、これらの対応により確認を行った仕入明細書等を適格請求書等の写しと同様の期間・方法により保存する必要があります。

(参考)
仕入明細書等による適格請求書等の誤りの修正についての詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問32」を、修正した適格請求書の交付方法の詳細については「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問33」を、適格請求書と仕入明細書等を一の書類で交付することの詳細については、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問91」を、仕入明細書を受領した場合における売上税額の積上げ計算の詳細については「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問121」をそれぞれご参照ください。

★リンクはこちら→ 取引先から受領した適格請求書の記載事項に誤りがありました。この場合、取引先から修正した適格請求書の交付を受けなければならないと思いますが、例えば、取引先に電話等で修正事項を伝え、取引先が保存している適格請求書の写しに同様の修正を行ってもらえば、自ら修正を行った適格請求書の保存で仕入税額控除を行ってもよいでしょうか。

2024年1月17日


<多く寄せられるご質問 問⑤>
当社の取引先に適格請求書発行事業者以外の方がいるのですが、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置を受けるためには、どのような請求書や電磁的記録を保存すればよいのでしょうか。また、受け取った請求書等に「軽減対象資産の譲渡等である旨」等の記載がなかった場合、当社で追記することはできるのでしょうか。

適格請求書発行事業者以外の者(消費者、免税事業者又は登録を受けていない課税事業者)からの課税仕入れであっても、適格請求書等保存方式開始から一定期期間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。

ご質問のように、この経過措置の適用を受けるためには、例えば、「80%控除対象」、「免税」など、当該経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨の記載をした帳簿及び、区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等(区分記載請求書等に記載すべき事項に係る電磁的記録を含みます。)の保存が必要となります。

この請求書等の記載事項について、具体的には次の事項となります。

書類の作成者の氏名又は名称
課税資産の譲渡等を行った年月日
課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額
書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称

ご質問の③かっこ書きの「軽減対象資産の譲渡等である旨」及び④の「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額」については、受領者が自ら請求書等に追記して保存することが認められます。

なお、提供された請求書等に記載すべき事項に係る電磁的記録を整然とした形式及び明瞭な状態で出力した書面に追記して保存している場合も同様に認められます。

★リンクはこちら→ 当社の取引先に適格請求書発行事業者以外の方がいるのですが、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置を受けるためには、どのような請求書や電磁的記録を保存すればよいのでしょうか。また、受け取った請求書等に「軽減対象資産の譲渡等である旨」等の記載がなかった場合、当社で追記することはできるのでしょうか。

2024年1月15日


<多く寄せられるご質問 問④>
私は、免税事業者である個人事業者です。適格請求書等保存方式においては適格請求書発行事業者しか適格請求書を交付できないとのことですが、免税事業者はこれまで出していたような請求書や領収書等を交付することはできないのでしょうか。

適格請求書等保存方式において、適格請求書を交付することができるのは適格請求書発行事業者に限られます。

他方、適格請求書発行事業者以外の者であっても、適格請求書に該当しない(適格請求書の記載事項を満たさない)請求書や領収書等の交付や、それらに記載すべき事項に係る電磁的記録の提供を行うことは、これまでと同様に可能です(注1)

ただし、適格請求書発行事業者以外の者が、適格請求書発行事業者が作成した適格請求書又は適格簡易請求書であると誤認されるおそれのある表示をした書類(注2)を交付することや、当該書類の記載事項に係る電磁的記録を提供することは禁止されており、罰則(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)の適用対象となります。

なお、免税事業者が請求書等に消費税相当額を記載したとしても、それが適格請求書等と誤認されるおそれのあるものでなければ、基本的に罰則の適用対象となるものではありません。

また、免税事業者であっても、仕入れの際に負担した消費税相当額を取引価格に上乗せして請求することは適正な転嫁として、何ら問題はありません。

(注1)
適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、仕入税額相当額の一定割合(80%、50%)を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられていますが、当該経過措置の適用を受けるためには、区分記載請求書の記載事項を満たした書類等の保存が求められていますので、取引の相手方からそうした書類等の作成・交付を求められることも考えられます。

なお、保存されている書類が消費税法上の適格請求書か区分記載請求書であるかは、所得税・法人税の必要経費性・損金性に影響を与えるものではありません。

(注2)
適格請求書又は適格簡易請求書であると誤認されるおそれのある表示をした書類とは、例えば、登録番号(T+13桁の数字)と類似した英数字や、自身のものではない登録番号を、自らの「登録番号」として記載した書類などをいいます。

(参考)
免税事業者等からの仕入れに係る経過措置についての詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問113」をご参照ください。

★リンクはこちら→ 私は、免税事業者である個人事業者です。適格請求書等保存方式においては適格請求書発行事業者しか適格請求書を交付できないとのことですが、免税事業者はこれまで出していたような請求書や領収書等を交付することはできないのでしょうか。

2024年1月12日


<多く寄せられるご質問 問③>
当社は旅館を経営しており、企業に懇親会でご利用いただくこともあります。領収書の発行を求められたときには手書きで領収書を作成し、交付してきました。これを適格請求書等とするためには、宛名や税率ごとの対象金額・消費税額を明記して交付しなければならないのでしょうか。また、温泉に入浴した顧客から受け取る対価には入湯税など課税対象外のものも含まれていますが、どのように記載したらよいでしょうか。

適格請求書等保存方式においては、適格請求書発行事業者が、小売業など不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う一定の事業を行う場合には、適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付することが可能です。

適格簡易請求書の具体的な記載事項は以下のとおりとされており、下記記載例のとおり、「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の記載が不要であり、「税率ごとに区分した消費税額等」又は「適用税率」のいずれか一方の記載で足りることとなります。

また、適格請求書や適格簡易請求書のいずれについても、手書きの領収書等により交付することが可能であり、課税資産の譲渡等に係る「税込価額」が記載されていれば、「税抜価額」を記載する必要はありません。

【適格簡易請求書の記載事項】
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象課税資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象課税資産の譲渡等である旨)
④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率

(参考)
適格簡易請求書の詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問 58」を、手書きの領収書の詳細は、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問 26」ご参照ください。

また、課税対象外の取引について適格請求書等の交付義務はありませんが、適格請求書等に併せて記載することも可能です。

その場合には、受け取った対価のうち課税対象外のものを除いた税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額を内訳欄に記載してください。

例えば、旅館に宿泊した顧客から宿泊料 16,500 円の他 150 円を入湯税として受け取った場合には、領収金額は実際に受け取った 16,650 円を記載しつつ、但書きに「入湯税」を追加するとともに、左下の金額(税抜・税込)欄に課税資産の譲渡等(宿泊費)に係る税込価額 16,500 円を記載してください。

★リンクはこちら→ 当社は旅館を経営しており、企業に懇親会でご利用いただくこともあります。領収書の発行を求められたときには手書きで領収書を作成し、交付してきました。これを適格請求書等とするためには、宛名や税率ごとの対象金額・消費税額を明記して交付しなければならないのでしょうか。また、温泉に入浴した顧客から受け取る対価には入湯税など課税対象外のものも含まれていますが、どのように記載したらよいでしょうか。

2024年1月10日


<多く寄せられるご質問 問②>
屋号が記載されたレシート(適格簡易請求書)の交付を受けました。当該レシートに記載された登録番号に基づき、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」にて検索した結果、事業者の氏名又は名称のみが表示され、屋号は表示されませんでした。このような場合、当社は仕入税額控除の適用を受けてよいのでしょうか。

【答】
適格請求書等に記載する氏名・名称については、電話番号等により適格請求書を交付する事業者を特定することができれば、屋号や省略した名称などの記載で差し支えないこととされています(詳細は「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問 55」をご参照ください。)。
したがって、その氏名・名称の代わりに屋号が記載された適格請求書等を受領した事業者においては、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」で当該適格請求書等に記載された登録番号を基にして検索したとしても、その結果として表示された事業者が当該適格請求書等に記載された屋号の事業者と同一であるか明らかとならないことも考えられます。
この点、本サイトは、取引先から受領した請求書等に記載されている登録番号が取引時点において有効なものかを確認するために利用されるものであるため、その登録番号の有効性が確認できれば、一義的には有効な適格請求書等として取り扱うこととして差し支えありません(注)。
(注) 売手が適格請求書発行事業者以外の者であるにもかかわらず、自らの登録番号と誤認されるような英数字が記載されているような場合には、当該請求書等は適格請求書等に該当しないこととなりますが、適格請求書発行事業者以外の者がそうした適格請求書又は適格簡易請求書であると誤認されるおそれのある表示をした書類を交付することや、適格請求書発行事業者が偽りの記載をした適格請求書又は適格簡易請求書を交付すること、それらの書類の記載事項に係る電磁的記録を提供することは禁止されており、罰則(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)の適用対象となります。
また、そうした書類や電磁的記録を受領した事業者において、災害その他やむを得ない事情により、請求書等の保存をすることができなかったことを証明した場合には、帳簿や請求書等の保存がなくとも仕入税額控除の適用を受けることが可能です。

(参考)適格請求書を発行する事業者における対応例
国税庁適格請求書発行事業者公表サイトの検索結果として表示される事業者名とレシートに表記した屋号等が異なる場合、売手である適格請求書発行事業者において、顧客から問合せを受けることも考えられます。

こうした問合せに対する対応としては、例えば、個人事業者については、申出により「主たる屋号」を公表することが考えられます。

また、法人については「主たる屋号」の公表ができる仕組みとはなっていませんが、例えば、レシートに、屋号に加えて「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」に掲載されている運営会社等の名称を併記することや、店頭に「公表サイトには運営会社等の名称(○○(株))が表示される」旨を掲示する等の方法によることもご検討ください。

【適格簡易請求書に運営会社名を表示した場合の例】

★リンクはこちら→ 屋号が記載されたレシート(適格簡易請求書)の交付を受けました。当該レシートに記載された登録番号に基づき、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」にて検索した結果、事業者の氏名又は名称のみが表示され、屋号は表示されませんでした。このような場合、当社は仕入税額控除の適用を受けてよいのでしょうか。

2024年1月9日


<多く寄せられるご質問 問①>
私は先日、適格請求書発行事業者の登録申請書を提出しましたが、まだ登録通知を受けていません。登録申請の処理状況を確認したい場合は、どうしたらよいでしょうか。また、自分の登録番号が記載されている通知書を紛失してしまった場合、どうすればよいでしょうか。

【答】
1.登録申請の処理状況の確認方法
登録申請書については、一時期に大量の登録申請書が提出された場合や、登録申請書に記載誤り等がある場合、内容の確認が必要になるなど、インボイス登録センターでの処理に一定の期間を要することとなります。

現時点における登録申請書を提出してから登録通知までに要する期間は、「インボイス制度特設サイト」の「適格請求書発行事業者の登録件数及び登録通知時期の目安について」に掲載しています。

まずはこの登録通知時期の目安をご確認いただき、当該目安を超えていた場合は、各国税局(所)インボイス登録センターへお問合せください。

2.ご自身の登録番号がわからなくなった場合の確認方法
既に登録を受けている事業者の方が自身の登録番号を確認したい場合には、各国税局(所)インボイス登録センターの案内ページに記載の問合せ先にお問合せください。

(注)
1.法人番号を有する法人の登録番号は「T+13 桁の法人番号」となります。
法人番号については、「国税庁法人番号公表サイト」で検索できます。

2.登録通知を e-Tax(電子データ)で受領することを希望された場合、e-Tax(電子データ)で確認ができます。
具体的な確認手順は、「インボイス制度特設サイト」の「申請手続」にある「登録通知データ確認マニュアル」をご参照ください。

★リンクはこちら→ 私は先日、適格請求書発行事業者の登録申請書を提出しましたが、まだ登録通知を受けていません。登録申請の処理状況を確認したい場合は、どうしたらよいでしょうか。また、自分の登録番号が記載されている通知書を紛失してしまった場合、どうすればよいでしょうか。

2024年1月5日


<インボイス制度に関するQ&A 問130
適格請求書等保存方式開始後6年間は、免税事業者等からの課税仕入れについても一定割合の仕入税額控除の適用を受けられるとのことですが、その場合の仕入税額控除の具体的な計算方法を教えてください。【令和4年4月追加】【令和5年10月改訂】

適格請求書等保存方式の下では、原則、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、仕入税額控除を行うことはできませんが、制度開始後6年間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。

本経過措置の適用を受けるために必要な要件については、問 113《免税事業者等からの仕入れに係る経過措置》をご参照ください。

本経過措置を適用する場合に仕入税額とみなす金額の具体的な計算方法は、次のとおりとなります。
1.仕入税額について「積上げ計算」を適用している場合
本経過措置の適用を受ける場合においても「積上げ計算」により計算する必要があります。

本経過措置の適用を受ける課税仕入れの都度、その課税仕入れに係る支払対価の額に 110分の7.8(軽減税率の対象となる場合は 108 分の6.24)を乗じて算出した金額に100分の80(注)を乗じて算出します(その金額に1円未満の端数が生じたときは、その端数を切捨て又は四捨五入します。)(改正令附則 22①一、23①一)。

なお、本経過措置の適用を受ける課税仕入れを区分して管理し、課税期間の中途や期末において、当該区分した課税仕入れごとに上記の計算を行うこととしても差し支えありません。

また、税抜経理を採用している場合、課税仕入れの都度、経過措置対象分(消費税額等相当額の100分の80(注))の仮払消費税額等を算出し端数処理(その金額に1円未満の端数が生じたときは、その端数を切捨て又は四捨五入します。)を行っていれば、その金額の合計額に100分の78を乗じて算出した金額(切捨て)を本経過措置の適用を受けた課税仕入れに係る消費税額としても差し支えありません


税抜経理を採用し、積上げ計算を行っている場合における適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れに係る経過措置を適用する場合の税額計算(標準税率適用時の場合)

2.仕入税額について「割戻し計算」を適用している場合
本経過措置の適用を受ける場合においても「割戻し計算」により計算する必要があります。

課税期間中に行った本経過措置の適用を受ける課税仕入れに係る支払対価の額の合計金額に 110 分の 7.8(軽減税率の対象となる場合は 108 分の 6.24)を乗じて算出した金額に100分の80(注)を乗じて算出します(改正令附則22①二、23①二)。

(注)
経過措置を適用できる期間に応じた割合は、以下のとおりとなります。

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式開始後6年間は、免税事業者等からの課税仕入れについても一定割合の仕入税額控除の適用を受けられるとのことですが、その場合の仕入税額控除の具体的な計算方法を教えてください。【令和4年4月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月27日


<インボイス制度に関するQ&A 問129
当社は、3月決算の法人です。取引先から、3月21日から4月20日までの期間をまとめた消費税額が記載されている適格請求書の交付を受けたのですが、これを基に仕入税額について積上げ計算することができますか。【令和3年7月追加】【令和5年10月改訂】

仕入税額の積上げ計算については、交付された適格請求書などの請求書等に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて算出します(請求書等積上げ計算)(消法30①、消令46①)。

ご質問のような適格請求書の交付を受けた場合、当課税期間(3月21日から3月31日まで)の消費税額等と翌課税期間(4月1日から4月20日まで)の消費税額等が合計して記載されていることになるため、これを基に仕入税額の請求書等積上げ計算をする場合は、当課税期間に係る消費税額と翌課税期間に係る消費税額について、それぞれの期間の取引に係る消費税額を算出し、それぞれの期間が含まれる課税期間においてそれぞれ積上げ計算をする必要があります。

また、仕入税額の積上げ計算は、課税仕入れの都度、課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を乗じて算出した金額(1円未満の端数が生じたときは、端数を切捨て又は四捨五入します。)を仮払消費税額等などとし、帳簿に記載(計上)している場合は、その金額の合計額に100分の78を掛けて算出する方法も認められます(帳簿積上げ計算)(消令46②)。

このため、ご質問の適格請求書について、当課税期間に行った課税仕入れにつき、帳簿積上げ計算することもできます。

(参考)
仕入税額の計算に当たり、請求書等積上げ計算と帳簿積上げ計算を併用することも認められますが、これらの方法と割戻し計算を併用することは認められません(基通11-1-9)。

(注)
法人税基本通達2-6-1により決算締切日を継続して3月20日としているような場合、消費税の課税仕入れの時期についても、同様とすることが認められています(基通11-3-1)。

このように決算締切日により、法人税及び消費税の申告をしている場合には、仕入税額の積上げ計算のための課税期間ごとの区分の対応は不要です。

【参考】
○法人税基本通達2-6-1(決算締切日)
法人が、商慣習その他相当の理由により、各事業年度に係る収入及び支出の計算の基礎となる決算締切日を継続してその事業年度終了の日以前おおむね10日以内の一定の日としている場合には、これを認める。
(注) (省略)

★リンクはこちら→ 仕入税額の計算について、適格請求書に記載のある消費税額等に基づいて積上げ計算する場合、消費税額等の記載がない適格簡易請求書の交付を受けたときは、どのように計算すればよいですか。【令和5年10月改訂】

2023年11月24日


<インボイス制度に関するQ&A 問128
仕入税額の計算について、適格請求書に記載のある消費税額等に基づいて積上げ計算する場合、消費税額等の記載がない適格簡易請求書の交付を受けたときは、どのように計算すればよいですか。【令和5年10月改訂】

適格請求書又は適格簡易請求書に記載された消費税額等を基礎として、仕入税額を積み上げて計算する場合には、次の区分に応じた金額を基として仕入税額を計算することとなります(消令46①)。

交付を受けた適格請求書(電磁的記録により提供されたものも含みます。)に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額
交付を受けた適格簡易請求書(電磁的記録により提供されたものも含みます。)に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額
(適格簡易請求書に適用税率のみの記載があり、消費税額等が記載されていない場合は、適格請求書に消費税額等を記載する際の計算方法と同様の方法により計算した金額のうち課税仕入れに係る部分の金額)
作成した仕入明細書(電磁的記録により作成したものも含みます。)に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額
卸売市場において、委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の譲渡及び農業協同組合等が委託を受けて行う農林水産物の譲渡について、受託者から交付を受けた書類(電磁的記録により提供されたものも含みます。)に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額
公共交通機関特例など、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるものについては、課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を掛けて算出した金額(1円未満の端数が生じたときは、端数を切捨て又は四捨五入します。)

したがって、ご質問の場合は、上記②の場合ですので、適格簡易請求書に記載された対価の額が、税込金額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を掛けて消費税額等を算出し、その金額を基礎として、仕入税額の積上げ計算を行います。

(注)
一定規模以下の事業者の事務負担の軽減措置(少額特例)により、帳簿のみの保存で仕入税額控除の適用を受けることができる課税仕入れについては、⑤の場合と同様の計算となります(改正令附則24の2②)。

少額特例については、問 111《一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 仕入税額の計算について、適格請求書に記載のある消費税額等に基づいて積上げ計算する場合、消費税額等の記載がない適格簡易請求書の交付を受けたときは、どのように計算すればよいですか。【令和5年10月改訂】

2023年11月22日


<インボイス制度に関するQ&A 問127
当社は、一部の取引について米ドル建てにより仕入れを行っており、当該取引に係る法人税の処理については、取引を行った日の対顧客直物電信売相場(TTS)と対顧客直物電信買相場(TTB)の仲値(TTM)により円換算を行っており、消費税の処理についても同様としております。このような場合に、適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法は、どのようになりますか。【令和4年11月追加】【令和5年10月改訂】

外貨建取引の場合における仕入税額の計算方法の留意点は以下のとおりです。

なお、適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法は、問126≪仕入税額の計算方法≫をご参照ください。
1 積上げ計算
(1)請求書等積上げ計算の場合(消法30①、消令46①)
取引先から交付を受けた適格請求書などの請求書等を基礎として計算することとなりますので、外貨建取引に係る適格請求書等を取引先から交付を受けた場合、当該適格請求書等に記載された「税率の異なるごとに区分した消費税額等」を基礎として計算することとなります。

外貨建取引に係る適格請求書の記載事項については、問68≪外貨建取引における適格請求書の記載事項≫をご参照ください。

この場合において、当該適格請求書等に記載された消費税額等が貴社の円換算の方法と異なるところにより算出されていたものであったとしても、問題ありません(当該適格請求書等に記載された「税率の異なるごとに区分した消費税額等」を基礎として計算することとなります。)。

(2)帳簿積上げ計算の場合(消令46②)
課税仕入れに係る支払対価の額から帳簿に記載(計上)する仮払消費税額等を算出することとなるため、外貨建取引の場合、以下のいずれかの計算方法により、仮払消費税額等を算出することとなります。

なお、税抜経理により記帳している事業者については、現在行っている外貨建取引に係る記帳方法と異なるものではありませんが、仮払消費税額等を算出する際の端数処理は、切捨て又は四捨五入となりますのでご留意ください。
①課税仕入れに係る支払対価の額(外貨税込)を円換算後、仮払消費税額等を算出する方法

②課税仕入れに係る支払対価の額(外貨税込)から計算過程の仮払消費税額等(外貨)を算出後、円換算する方法

2 割戻し計算(消法30①、消令46③)
割戻し計算により行う場合、課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額を税率ごとに合計した金額を基礎として仕入税額を算出することから、外貨建取引の場合、帳簿に記載された円換算後の課税仕入れに係る支払対価の額を基礎として行うこととなります。

なお、仕入税額を割戻し計算することができるのは、売上税額を割戻し計算する場合に限ります。

★リンクはこちら→ 当社は、一部の取引について米ドル建てにより仕入れを行っており、当該取引に係る法人税の処理については、取引を行った日の対顧客直物電信売相場(TTS)と対顧客直物電信買相場(TTB)の仲値(TTM)により円換算を行っており、消費税の処理についても同様としております。このような場合に、適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法は、どのようになりますか。【令和4年11月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月21日


<インボイス制度に関するQ&A 問126
適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法について教えてください。【令和5年10月改訂】

適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法は、次のとおりです。

1.積上げ計算
原則として、交付された適格請求書などの請求書等に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて算出します(請求書等積上げ計算)(消法30①、消令46①)。

また、これ以外の方法として、課税仕入れの都度(注1)、課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を乗じて算出した金額(1円未満の端数が生じたときは、端数を切捨て又は四捨五入します。)を仮払消費税額等(注2)などとし、帳簿に記載(計上)している場合は、その金額の合計額に100分の78を掛けて算出する方法も認められます(帳簿積上げ計算)(消令46②)。

なお、仕入税額の計算に当たり、請求書等積上げ計算と帳簿積上げ計算を併用することも認められますが、これらの方法と割戻し計算(下記「2」参照)を併用することは認められません(基通11-1-9)。

(注)1
例えば、課税仕入れに係る適格請求書の交付を受けた際に、当該適格請求書を単位として帳簿に仮払消費税額等として計上している場合のほか、課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税仕入れにつきまとめて交付を受けた適格請求書を単位として帳簿に仮払消費税額等として計上している場合が含まれます(基通11-1-10)。

なお、帳簿積上げ計算において計上する仮払消費税額等については、受領した適格請求書ではない納品書又は請求書を単位として計上することや継続的に買手の支払基準といった合理的な基準による単位により計上することでも差し支えありません。

(注)2
課税仕入れに係る支払対価の額には消費税額等を含みますので、帳簿に記載する仮払消費税額等は、一般的に、適格請求書等の請求書等に記載された課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を乗じて算出するものと考えられますが、例えば、課税仕入れに係る税抜対価の額が記載された納品書を基礎として帳簿に仮払消費税額等を記載する場合において、当該税抜対価の額に100分の10(軽減税率の対象となる場合は100分の8)を乗じて算出する方法も認められます。

2.割戻し計算
課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額を税率ごとに合計した金額に110分の7.8(軽減税率の対象となる部分については108分の6.24)を掛けて算出することができます(消法30①、消令46③)。

ただし、仕入税額を割戻し計算することができるのは、売上税額を割戻し計算する場合に限ります。

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法について教えてください。【令和5年10月改訂】

2023年11月20日


<インボイス制度に関するQ&A 問125
当社は、3月決算の法人で、売上げの請求書については、毎月20日締めとしています。3月21日から4月20日までの期間に係る適格請求書には、同期間に係る消費税額を記載しているのですが、これを基に売上税額について、積上げ計算することができますか。【令和3年7月追加】【令和5年10月改訂】

売上税額の計算については、交付した適格請求書及び適格簡易請求書の写し(電磁的記録により提供したものを含みます。)を保存している場合に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を乗じて計算した金額とすることができます(積上げ計算)(消法45⑤、消令62)。

ご質問のような適格請求書を交付した場合、翌課税期間(4月1日から4月20日まで)の消費税額も合計して記載されていることになるため、これを基に売上税額の積上げ計算をすることはできません。

なお、売上税額の計算は、割戻し計算と積上げ計算を併用することが認められています。

したがって、ご質問のような期間(3月21日から3月31日まで(期末を含む請求書の期間)及び4月1日から4月20日まで(期首を含む請求書の期間))の取引については割戻し計算とし、それ以外の期間(4月21日から翌年3月20日)の取引については積上げ計算とすることも可能です。

また、課税期間をまたぐ期間(3月21日から3月31日及び4月1日から4月20日)に係る取引をまとめて一の適格請求書とする場合、当該適格請求書において、課税期間の範囲に応じて適格請求書の記載事項をそれぞれ区分して記載していれば、その課税期間で区分した税率ごとに合計した課税資産の譲渡等に係る税込対価(税抜対価)の額から算出した消費税額等を当該適格請求書に係る消費税額等としても差し支えありません。

一方で、課税期間をまたがない期間について一の適格請求書を交付する場合においては、その期間内で任意に区分した期間に応じた税率ごとに合計した課税資産の譲渡等に係る税込対価(税抜対価)の額から算出した消費税額等を記載したとしても、当該消費税額等は、適格請求書の記載事項としての消費税額等とはなりません。

(注)
法人税基本通達2-6-1により決算締切日を継続して3月20日としているような場合、消費税の資産の譲渡等の時期についても、同様とすることが認められています(基通9-6-2)。

このように決算締切日により、法人税及び消費税の申告をしている場合には、売上税額の積上げ計算のための課税期間ごとの区分の対応は不要です。

★リンクはこちら→ 当社は、3月決算の法人で、売上げの請求書については、毎月20日締めとしています。3月21日から4月20日までの期間に係る適格請求書には、同期間に係る消費税額を記載しているのですが、これを基に売上税額について、積上げ計算することができますか。【令和3年7月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月17日


<インボイス制度に関するQ&A 問124
当社は、委託販売等に係る資産の譲渡等について受託し、その手数料を受け取っており、売上税額の計算について、委託された商品の譲渡等に伴い収受した又は収受すべき金額を課税資産の譲渡等の金額とし、委託者に支払う金額を課税仕入れに係る金額としていますが、適格請求書等保存方式の下での取扱いについて教えてください。なお、当社が委託された商品の販売は軽減税率の適用対象ではありません。【令和3年7月追加】【令和5年10月改訂】

委託販売等について、委託販売等に係る受託者においては、委託者から受ける委託販売手数料が役務の提供の対価となりますが、委託者から軽減税率の適用対象とならない課税資産の譲渡等のみを行うことを委託されている場合、委託された商品の譲渡等に伴い収受した又は収受すべき金額を課税資産の譲渡等の金額とし、委託者に支払う金額を課税仕入れに係る金額とすることも認められています(基通10-1-12(2))。

適格請求書保存方式においても、委託された商品の販売が軽減税率の適用対象でない場合には、委託された商品の譲渡等に伴い収受した又は収受すべき金額を課税資産の譲渡等の金額とし、委託者に支払う金額を課税仕入れに係る金額とすることができます。

この場合、委託者に支払う金額に係る課税仕入れに関し、適格請求書等の保存は不要です。

★リンクはこちら→ 当社は、委託販売等に係る資産の譲渡等について受託し、その手数料を受け取っており、売上税額の計算について、委託された商品の譲渡等に伴い収受した又は収受すべき金額を課税資産の譲渡等の金額とし、委託者に支払う金額を課税仕入れに係る金額としていますが、適格請求書等保存方式の下での取扱いについて教えてください。なお、当社が委託された商品の販売は軽減税率の適用対象ではありません。【令和3年7月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月16日


<インボイス制度に関するQ&A 問123
当社は、委託販売等に係る資産の譲渡等を行った場合の売上税額の計算について、資産の譲渡等の金額から、受託者に支払う委託販売手数料を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額としていますが、適格請求書等保存方式の下での取扱いについて教えてください。なお、当社が行う委託販売等は軽減税率の適用対象ではありません。【令和3年7月追加】【令和5年10月改訂】

委託販売等について、委託販売等に係る委託者においては、受託者が委託商品の譲渡等をしたことに伴い収受した又は収受すべき金額が委託者における資産の譲渡等の金額となりますが、軽減税率の適用対象とならない課税資産の譲渡等のみを行うことを委託している場合、その課税期間中に行った委託販売等の全てについて、その資産の譲渡等の金額から受託者に支払う委託販売手数料を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額とすることも認められています(基通10-1-12(1))。

適格請求書等保存方式においては、行った課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、受託者から交付を受けた適格請求書等の保存が必要となります。

したがって、その資産の譲渡等の金額から受託者に支払う委託販売手数料(課税仕入れ)を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額とするためには、当該委託販売手数料に係る適格請求書等の保存が必要となります。

★リンクはこちら→ 当社は、委託先に商品の販売を委託しており、毎月、販売に係る精算書を受領しています。その精算書には、適格請求書の記載事項が全て記載されているのですが、これを基に売上税額の積上げ計算をしてもいいのですか。【令和3年7月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月15日


<インボイス制度に関するQ&A 問122
当社は、委託先に商品の販売を委託しており、毎月、販売に係る精算書を受領しています。その精算書には、適格請求書の記載事項が全て記載されているのですが、これを基に売上税額の積上げ計算をしてもいいのですか。【令和3年7月追加】【令和5年10月改訂】

売上税額の計算は、交付した適格請求書及び適格簡易請求書の写し(電磁的記録により提供したものも含みます。)を保存している場合に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を乗じて計算した金額とすることができます(積上げ計算)(消法45⑤、消令62)。

また、委託販売における受託者が媒介者交付特例を適用して適格請求書を交付する場合においては、

買手に交付した適格請求書の写し又は提供した電磁的記録を保存する
買手に交付した適格請求書の写し又は提供した電磁的記録を速やかに委託者に交付又は提供する

こととされており、②について、例えば、複数の委託者の商品を販売した場合や、多数の購入者に対して日々適格請求書を交付する場合などで、コピーが大量になるなど、適格請求書の写しそのものを交付することが困難な場合には、適格請求書の写しと相互の関連が明確な、精算書等の書類等を交付することで差し支えないものとされています(基通1-8-11)。

したがって、ご質問のように、委託先から適格請求書の記載事項が全て記載されている精算書の交付を受けている場合は、その精算書を基に売上税額の積上げ計算をして差し支えありません。

★リンクはこちら→ 当社は、委託先に商品の販売を委託しており、毎月、販売に係る精算書を受領しています。その精算書には、適格請求書の記載事項が全て記載されているのですが、これを基に売上税額の積上げ計算をしてもいいのですか。【令和3年7月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月14日


<インボイス制度に関するQ&A 問121
当社は売上税額の積上げ計算を行うため、適格請求書を交付して、その写しを保存することとしています。しかし、取引先の中には、仕入明細書により支払が行われ、当社が作成した適格請求書を受けとってもらえない取引先もあります。そういった取引先に対する売上げについては、売上税額の積上げ計算を行うために必要な「交付した適格請求書の写し」の保存を行うことができません。このような場合、当該取引先に対する売上げに係る売上税額の積上げ計算を行うことはできないのでしょうか。なお、確認をするために取引先から受領した仕入明細書については、当社でも保存しています。【令和4年4月追加】【令和5年10月改訂】

適格請求書等保存方式における売上税額の計算方法については、割戻し計算のほか、相手方に「交付」した適格請求書等の写しを保存している場合(適格請求書等に係る電磁的記録を保存している場合を含みます。)に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を掛けて算出した金額を売上税額とする積上げ計算も認められています(消法45⑤、消令62)。

また、買手である取引先が、仕入明細書を仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等とするには、当該仕入明細書に記載されている事項について売手である貴社の確認を受けることが必要です。

この確認の結果、貴社と相手方との間で仕入明細書に記載された消費税額等について共有されることになりますので、ご質問のように、取引当事者間での取決め等により、仕入明細書により代金の支払が行われ、売手が適格請求書を交付することができない場合であっても、仕入明細書に記載されている事項の確認に当たって仕入明細書を受領しており、かつ、当該受領した仕入明細書を適格請求書等の写しと同様の期間・方法により保存している場合には、「交付した適格請求書等の写しの保存」があるものとして、売上税額の積上げ計算を行って差し支えありません。

※適格請求書の写しの保存期間や方法については、問79《適格請求書の写しの保存期間等》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は売上税額の積上げ計算を行うため、適格請求書を交付して、その写しを保存することとしています。しかし、取引先の中には、仕入明細書により支払が行われ、当社が作成した適格請求書を受けとってもらえない取引先もあります。そういった取引先に対する売上げについては、売上税額の積上げ計算を行うために必要な「交付した適格請求書の写し」の保存を行うことができません。このような場合、当該取引先に対する売上げに係る売上税額の積上げ計算を行うことはできないのでしょうか。なお、確認をするために取引先から受領した仕入明細書については、当社でも保存しています。【令和4年4月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月13日


<インボイス制度に関するQ&A 問120
当社はスーパマーケットを経営しています。交付した適格請求書及び適格簡易請求書の写しを保存している場合には、売上税額の積上げ計算をすることができるとのことですが、例えば、商品販売時に顧客に対して適格簡易請求書であるレシートを交付しようとしたところ、顧客がこれを受け取らなかった場合などは、交付がないとして売上税額の積上げ計算はできないのですか。【令和元年7月追加】【令和5年10月改訂】

適格請求書等保存方式における売上税額の計算方法については、原則の割戻し計算のほか、相手方に「交付」した適格請求書等の写しを保存している場合(適格請求書等に係る電磁的記録を保存している場合を含みます。)に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を掛けて算出した金額を売上税額とする積上げ計算も認められています(消法45⑤、消令62)。

この点、ご質問のように、適格請求書等を交付しようとしたものの顧客が受け取らなかったため、物理的な「交付」ができなかったような場合や交付を求められたとき以外レシートを出力していない場合であっても、適格請求書発行事業者においては、当該適格請求書等の写しを保存しておけば、「交付した適格請求書等の写しの保存」があるものとして、売上税額の積上げ計算を行って差し支えありません。

※適格請求書等の写しの範囲については、問78《適格請求書等の写しの範囲》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社はスーパマーケットを経営しています。交付した適格請求書及び適格簡易請求書の写しを保存している場合には、売上税額の積上げ計算をすることができるとのことですが、例えば、商品販売時に顧客に対して適格簡易請求書であるレシートを交付しようとしたところ、顧客がこれを受け取らなかった場合などは、交付がないとして売上税額の積上げ計算はできないのですか。【令和元年7月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月10日


<インボイス制度に関するQ&A 問119
適格請求書等保存方式における売上税額の計算方法について教えてください。【令和5年10月改訂】

適格請求書等保存方式における売上税額については、原則として、課税期間中の課税資産の譲渡等の税込金額の合計額に110分の100(軽減税率の対象となる場合は108分の100)を掛けて計算した課税標準額に7.8%(軽減税率の対象となる場合は6.24%)を掛けて算出します(割戻し計算)。

また、これ以外の方法として、交付した適格請求書及び適格簡易請求書の写し(電磁的記録により提供したものも含みます。)を保存している場合に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を乗じて計算した金額とすることもできます(積上げ計算)(消法45⑤、消令62)。

ただし、適格簡易請求書の記載事項は、「適用税率又は税率ごとに区分した消費税額等」であるため、「適用税率」のみを記載して交付する場合、税率ごとの消費税額等の記載がないため、積上げ計算を行うことはできません。

なお、売上税額の計算は、取引先ごとに割戻し計算と積上げ計算を分けて適用するなど、併用することも認められますが、併用した場合であっても売上税額の計算につき積上げ計算を適用した場合に当たるため、仕入税額の計算方法に割戻し計算を適用することはできません(基通15-2-1の2)。

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式における売上税額の計算方法について教えてください。【令和5年10月改訂】

2023年11月9日


<インボイス制度に関するQ&A 問118
適格請求書等保存方式における税額計算の方法について教えてください。【令和5年10月改訂】

軽減税率制度の実施後は、消費税率が軽減税率と標準税率の複数となることから、売上げと仕入れを税率ごとに区分して税額計算を行う必要がありますが、売上税額から仕入税額を控除するといった消費税額の計算方法は、適格請求書等保存方式においてもこれまでと変わりません。

具体的な売上税額と仕入税額の計算方法は、次のとおりとなります。
1.売上税額(詳細については、問119《売上税額の計算方法》をご参照ください。)
(1)原則(割戻し計算)
税率ごとに区分した課税期間中の課税資産の譲渡等の税込価額の合計額に、108分の100又は110分の100を掛けて税率ごとの課税標準額を算出し、それぞれの税率(6.24%又は7.8%)を掛けて売上税額を算出します(消法45)。

(2)特例(積上げ計算)
相手方に交付した適格請求書又は適格簡易請求書(以下これらを併せて「適格請求書等」といいます。)の写しを保存している場合(適格請求書等に係る電磁的記録を保存している場合を含みます。)には、これらの書類に記載した消費税額等の合計額に100分の78を掛けて算出した金額を売上税額とすることができます(消法45⑤、消令62①)。
なお、売上税額を積上げ計算した場合、仕入税額も積上げ計算しなければなりません。

2.仕入税額(詳細については、問 126 及び問 128 をご参照ください。)
(1)原則(積上げ計算)
相手方から交付を受けた適格請求書などの請求書等(提供を受けた電磁的記録を含みます。)に記載されている消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて仕入税額を算出します(消法30①、消令46①②)。

(2)特例(割戻し計算)
税率ごとに区分した課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額の合計額に、108分の6.24又は110分の7.8を掛けて算出した金額を仕入税額とすることができます(消令46③)。
なお、割戻し計算により仕入税額を計算できるのは、売上税額を割戻し計算している場合に限られます。

★リンクはこちら→ 小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用を受けていましたが、翌課税期間から2割特例が適用できなくなるため、簡易課税制度の適用を受けたいのですが、いつまでに消費税簡易課税制度選択届出書を提出すればよいですか。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月8日


<インボイス制度に関するQ&A 問117
小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用を受けていましたが、翌課税期間から2割特例が適用できなくなるため、簡易課税制度の適用を受けたいのですが、いつまでに消費税簡易課税制度選択届出書を提出すればよいですか。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

簡易課税制度を適用して申告する場合には、原則として、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。

この点、2割特例の適用を受けた事業者が、その適用を受けた課税期間の翌課税期間中に納税地を所轄する税務署長にその課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した場合には、その課税期間の初日の前日に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出したものとみなされます(28年改正法附則51の2⑥)。

したがって、例えば、令和8年分まで2割特例により申告を行った個人事業者が翌年分から簡易課税制度の適用を受けようとする場合には、令和9年中に「消費税簡易課税制度選択届出書(令和9年分から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載したもの)」を提出すれば、令和9年分から、簡易課税制度の適用を受けることができます。

(注)簡易課税制度を適用して申告する場合には、2割特例と異なり、申告時の選択ではないため、事前の届出が必要となりますので、ご留意ください。

★リンクはこちら→ 小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用を受けていましたが、翌課税期間から2割特例が適用できなくなるため、簡易課税制度の適用を受けたいのですが、いつまでに消費税簡易課税制度選択届出書を提出すればよいですか。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月7日


<インボイス制度に関するQ&A 問116
課税選択届出書の提出により納税義務の免除が制限されている場合であっても小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用を受けられない場合があるとのことですが教えてください。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

2割特例は、適格請求書発行事業者の令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において、免税事業者(「課税選択届出書」の提出により課税事業者となった免税事業者を含みます。)が適格請求書発行事業者となる場合に適用することができます(28年改正法附則51の2①)。

一方で、令和5年10月1日より前から「課税選択届出書」の提出により引き続き課税事業者となる同日を含む課税期間、つまり、適格請求書等保存方式の開始前である令和5年9月30日以前の期間を含む課税期間の申告については、2割特例の適用を受けることはできません(28年改正法附則51の2①一)。

適格請求書発行事業者の登録申請書を提出した事業者であって、「課税選択届出書」の提出により令和5年10月1日を含む課税期間の初日から課税事業者となる事業者(注)については、当該課税期間中に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出することにより、「課税選択届出書」を失効させることができます(28年改正法附則51の2⑤)。

この場合、当該登録申請書の提出により、適格請求書発行事業者となった場合においては、登録日から課税事業者となり、当該課税事業者となった課税期間から2割特例を適用できることとなります。

なお、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出しない場合であっても、令和5年10月1日を含む課税期間の翌課税期間以後については、基準期間の課税売上高が1千万円以下である場合には、問115≪2割特例の適用ができない課税期間①≫の課税期間に該当しない限り、2割特例を適用することができます。

(注)上記の「「課税選択届出書」の提出により令和5年10月1日を含む課税期間の初日から課税事業者となる事業者」とは、当該課税期間から初めて課税事業者となる事業者をいうのであり、「課税選択届出書」の提出により令和5年10月1日を含む課税期間より前の課税期間から課税事業者となっていた事業者は、該当しません。

そのため、対象外となる事業者においては、令和5年10月1日を含む課税期間中に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出したとしても、当該課税期間につき「消費税課税事業者選択届出書」を失効させることはできません。また、結果として当該課税期間においては2割特例を適用できないこととなります。

《消費税課税事業者選択不適用届出書の提出に係る特例》
(例)令和5年10月1日を含む課税期間を対象として課税選択届出書を提出した個人事業者が当該届出書を失効させる場合

★リンクはこちら→ 課税選択届出書の提出により納税義務の免除が制限されている場合であっても小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用を受けられない場合があるとのことですが教えてください。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月6日


<インボイス制度に関するQ&A 問115
小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)は、基準期間の課税売上高が1千万円を超える課税期間などについては適用できないとのことですが、具体的に教えてください。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

2割特例は、適格請求書発行事業者の令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において、免税事業者(「課税選択届出書」の提出により課税事業者となった免税事業者を含みます。)が適格請求書発行事業者となる場合に適用することができます(28年改正法附則51の2①)。

ただし、以下の課税期間については、2割特例の適用を受けることはできません。

適格請求書等保存方式の開始前である令和5年9月30日以前の期間を含む申告については、2割特例の適用はありません。詳しくは、問116《2割特例の適用ができない課税期間②》をご参照ください。

【過去の売上が一定金額以上ある場合】
① 基準期間の課税売上高が1千万円を超える課税期間(消法9①)

② 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例により事業者免税点制度の適用が制限される課税期間(消法9の2①)

③ 相続(注1)・合併・分割があった場合の納税義務の免除の特例により事業者免税点制度の適用が制限される課税期間(消法10、11、12)

(注1)相続のあった課税期間について、当該相続により事業者免税点制度の適用が制限される場合であっても、適格請求書発行事業者の登録が相続日以前であり、他の2割特例の適用が制限される課税期間でなければ、2割特例の適用を受けることができます(28年改正法附則51の2①三)。

【新たに設立された法人が一定規模以上の法人である場合】
④ 新設法人・特定新規設立法人の納税義務の免除の特例により事業者免税点制度の適用が制限される課税期間(消法12の2①、12の3①)

【高額な資産を仕入れた場合】
⑤ 「課税選択届出書」を提出して課税事業者となった後2年以内に本則課税で調整対象固定資産(注2)の仕入れ等を行った場合において、「消費税課税事業者選択不適用届出書」の提出ができないことにより事業者免税点制度の適用が制限される課税期間(注3)(消法9⑦)

(注2)調整対象固定資産とは、一の取引単位につき、課税仕入れ等に係る支払対価の額(税抜き)が百万円以上の棚卸資産以外の資産をいいます(消法2①十六、消
令5)。

(注3)免税事業者に係る登録の経過措置(28年改正法附則44④)の適用を受けて適格請求書発行事業者となった者は、「課税選択届出書」の提出をして課税事業者となっていませんので、これに該当することはありません。

⑥ 新設法人及び特定新規設立法人の特例の適用を受けた課税期間中に、本則課税で調整対象固定資産の仕入れ等を行ったことにより事業者免税点制度の適用が制限される課税期間(消法12の2②、12の3③)

⑦ 本則課税で高額特定資産(注4)の仕入れ等を行った場合(棚卸資産の調整の適用を受けた場合)において事業者免税点制度の適用が制限される課税期間(消法12の4①②③)

(注4)高額特定資産とは、一の取引単位につき、課税仕入れ等に係る支払対価の額(税抜き)が1千万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいいます(消法12の4①、消令25の5①)。

【課税期間を短縮している場合】
⑧ 課税期間の特例の適用を受ける課税期間(注5)

(注5)課税期間の特例の適用を受ける課税期間とは、「消費税課税期間特例選択届出書」の提出により、課税期間を一月又は三月に短縮している課税期間であり、当該届出書の提出により一の課税期間とみなされる課税期間も含みます(消法19)。

★リンクはこちら→ 小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)は、基準期間の課税売上高が1千万円を超える課税期間などについては適用できないとのことですが、具体的に教えてください。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

2023年11月2日


<インボイス制度に関するQ&A 問114
適格請求書等保存方式の開始後一定期間は、適格請求書発行事業者の登録により課税事業者となった免税事業者については、消費税の申告について簡易に計算できる経過措置(2割特例)があるそうですが、その内容について教えてください。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において、免税事業者(免税事業者が「課税選択届出書」の提出により課税事業者となった場合を含みます。)が適格請求書発行事業者となる場合(注)には、納付税額の計算において控除する金額を、その課税期間における課税標準である金額の合計額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額に8割を乗じた額(以下「特別控除税額」といいます。)とすることができる経過措置(以下「2割特例」といいます。)が設けられています(28年改正法附則51の2①②)。

(注)
課税事業者が適格請求書発行事業者となった場合であっても、当該適格請求書発行事業者となった課税期間の翌課税期間以後の課税期間について、基準期間の課税売上高が1千万円以下である場合には、原則として、2割特例の適用を受けることができます。

また、2割特例は、簡易課税制度のように事前の届出や継続して適用しなければならないという制限はなく、申告書に2割特例の適用を受ける旨を付記することにより、適用を受けることができます(28年改正法附則51の2③)。

なお、2割特例の適用を受けることができない課税期間については、問115《2割特例の適用ができない課税期間①》及び問11《6 2割特例の適用ができない課税期間②》をご参照ください。

《2割特例を適用した場合の納付税額の計算イメージ》
納付税額 = 売上税額 - 特別控除税額(売上税額の8割)
⇒ 売上税額の2割

《適用可能期間》
 (例)個人事業者(12月決算の法人)の場合
(本来免税事業者である事業者が適格請求書発行事業者となる場合)

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式の開始後一定期間は、適格請求書発行事業者の登録により課税事業者となった免税事業者については、消費税の申告について簡易に計算できる経過措置(2割特例)があるそうですが、その内容について教えてください。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

2023年10月27日


<インボイス制度に関するQ&A 問113
適格請求書等保存方式の開始後一定期間は、免税事業者等からの仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置があるそうですが、この場合の仕入税額控除の要件について教えてください。【令和5年10月改訂】

適格請求書等保存方式の下では、適格請求書発行事業者以外の者(消費者、免税事業者又は登録を受けていない課税事業者)からの課税仕入れについては、仕入税額控除のために保存が必要な請求書等の交付を受けることができないことから、仕入税額控除を行うことができません(消法30⑦)。

ただし、適格請求書等保存方式開始から一定期間は、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れであっても、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています(28年改正法附則52、53)。

経過措置を適用できる期間等は、次のとおりです。

期 間 割 合
令和5年10月1日から令和8年9月30日まで 仕入税額相当額の80%
令和8年10月1日から令和11年9月30日まで 仕入税額相当額の50%

なお、この経過措置の適用を受けるためには、次の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が要件となります。
1.帳簿
区分記載請求書等保存方式の記載事項に加え、例えば、「80%控除対象」など、経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨の記載が必要となります。

具体的には、次の事項となります。

課税仕入れの相手方の氏名又は名称
課税仕入れを行った年月日
課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである旨)及び経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨
課税仕入れに係る支払対価の額

(参考1)
③の「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」の記載については、個々の取引ごとに「80%控除対象」、「免税事業者からの仕入れ」などと記載する方法のほか、例えば、本経過措置の適用対象となる取引に、「※」や「☆」といった記号・番号等を表示し、かつ、これらの記号・番号等が「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」を別途「※(☆)は80%控除対象」などと表示する方法も認められます。

2.請求書等
区分記載請求書等と同様の記載事項が必要となります(区分記載請求書等に記載すべき事項に係る電磁的記録を含みます。)。

具体的には、次の事項となります。

書類の作成者の氏名又は名称
課税資産の譲渡等を行った年月日
課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額
書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称

(参考2)
適格請求書発行事業者以外の者から受領した請求書等の内容について、③かっこ書きの「資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨」及び④の「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額」の記載がない場合に限り、受領者が自ら請求書等に追記して保存することが認められます。

なお、提供された請求書等に係る電磁的記録を整然とした形式及び明瞭な状態で出力した書面に追記して保存している場合も同様に認められます。

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式の開始後一定期間は、免税事業者等からの仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置があるそうですが、この場合の仕入税額控除の要件について教えてください。【令和5年10月改訂】

2023年10月26日


<インボイス制度に関するQ&A 問112
一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(少額特例)については、1万円未満の課税仕入れが対象とのことですが、どのような単位となりますか。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

一定規模以下の事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価の額(税込み)が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存により、当該課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けることができる経過措置が設けられています(28年改正法附則53の2、改正令附則24の2①)。

また、ここでいう「課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満」に該当するか否かについては、一回の取引の課税仕入れに係る金額(税込み)が1万円未満かどうかで判定するため、課税仕入れに係る一商品ごとの金額により判定するものではありません。
この考え方は、公共交通機関特例における「3万円未満の公共交通機関による旅客の運送」の判定と同様です。
この考え方の詳細については問43《公共交通機関特例の3万円未満の判定単位》をご参照ください。

なお、基本的には、取引ごとに納品書や請求書といった書類等の交付又は提供を受けることとが一般的であるため、そのような書類等の単位で判定することが考えられます。

(注)
月まとめ請求書のように複数の取引をまとめた単位により判定することとはならないことにご留意ください。
例:

5,000円の商品をXX月3日に購入、7,000円の商品をXX月10日に購入し、それぞれで請求・精算
 ⇒ それぞれ1万円未満の取引となり、本経過措置の対象
5,000円の商品と7,000円の商品(合計額12,000円)を同時に購入
 ⇒ 1万円以上の取引となり、本経過措置の対象外
1回8,000円のクリーニングをXX月2日に1回、XX月15日に1回行い、それぞれで請求・精算
 ⇒ それぞれ1万円未満の取引となり、本経過措置の対象
月額100,000円の清掃業務(稼働日数:12日)
 ⇒ 1万円以上の取引となり、本経過措置の対象外

★リンクはこちら→ 一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(少額特例)については、1万円未満の課税仕入れが対象とのことですが、どのような単位となりますか。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

2023年10月25日


<インボイス制度に関するQ&A 問111
一定規模以下の事業者は、1万円未満の課税仕入れについて、一定期間、適格請求書の保存を要しないとのことですが、その内容について教えてください。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

基準期間(※1)における課税売上高が1億円以下又は特定期間(※2)における課税売上高(※3)5千万円以下である事業者が、令和年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価の額(税込み)が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿(※4)みの保存により、当該課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けることができる経過措置(少額特例)が設けられています(28年改正法附則53の2、改正令附則24の2①)。

※1
基準期間とは、個人事業者についてはその年の前々年、法人についてその事業年度の前々事業年度をいいます(消法2①十四)。

※2
特定期間とは、個人事業者についてはその年の前年1月1日から6月30日までの期間、法人についてはその事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間をいいます(消法9の2④)。

※3
特定期間における課税売上高については、納税義務の判定における場合と異なり、課税売上高に代えて給与支払額の合計額によることはできません。

※4
当該経過措置の適用に当たっては、帳簿に「経過措置(少額特例)の適用がある旨」を記載する必要はありません。

(注1)
新たに設立した法人における基準期間のない課税期間については、特定期間の課税売上高が5千万円超となった場合であっても、当該課税期間について、本経過措置の適用を受けることができます。

(注2)
適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れであっても、課税仕入れに係る支払対価の額(税込み)が1万円未満である場合には本経過措置の対象となります。

★リンクはこちら→ 一定規模以下の事業者は、1万円未満の課税仕入れについて、一定期間、適格請求書の保存を要しないとのことですが、その内容について教えてください。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

2023年10月24日


<インボイス制度に関するQ&A 問110
3万円未満の公共交通機関による旅客の運送などは、請求書等の保存が不要で、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うことができるそうですが、この場合の帳簿への記載事項について教えてください。【令和5年10月改訂】

請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、次の取引については、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められます(消法30⑦、消令49①、消規15の4)。

適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引
古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物の購入
質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物の取得
宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物の購入
適格請求書発行事業者でない者からの再生資源又は再生部品の購入
適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストにより差し出されたものに限ります。)
従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)

この場合、帳簿の記載事項に関し、通常必要な記載事項に加え、次の事項の記載が必要となります。
・帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨
例:①に該当する場合、「3万円未満の鉄道料金」
②に該当する場合、「入場券等」
・ 仕入れの相手方の住所又は所在地(一定の者を除きます。)
例:⑦に該当する場合、「〇〇市 自機」、「✕✕銀行▢▢支店ATM」

(注)
帳簿に仕入れの相手方の住所又は所在地の記載が不要な一定の者は、次のとおりです(令和5年国税庁告示第26号)。

適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送について、その運送を行った者
適格請求書の交付義務が免除される郵便役務の提供について、その郵便役務の提供を行った者
課税仕入れに該当する出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)を支払った場合の当該出張旅費等を受領した使用人等
上記③から⑥の課税仕入れ(③から⑤に係る課税仕入れについては、古物営業法、質屋営業法又は宅地建物取引業法により、業務に関する帳簿等へ相手方の氏名及び住所を記載することとされているもの以外のものに限り、⑥に係る課税仕入れについては、事業者以外の者から受けるものに限ります。)を行った場合の当該課税仕入れの相手方

(参考)
古物営業を営む場合、古物営業法において、商品を仕入れた際の対価の総額が1万円以上(税込み)の場合には、帳簿(いわゆる「古物台帳」)に①取引年月日、②古物の品目及び数量、③古物の特徴、④相手方の住所、氏名、職業及び年齢、⑤相手方の確認方法を記載し、保存しなければならないこととされています(古物営業法16、18)。

帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿の記載事項は、「①課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び住所又は所在地(古物台帳に、取引の相手方の氏名や住所を記載することとされていない場合には不要)」、「②課税仕入れを行った年月日」、「③課税仕入れに係る資産又は役務の内容」、「④課税仕入れに係る支払対価の額」、「⑤帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨」ですが、古物台帳には①から④の事項が記載されていることになります。

なお、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿の記載事項としては、⑤の事項も必要となるため、古物台帳と⑤の事項について記載した帳簿(総勘定元帳等)を合わせて保存することで、帳簿の保存要件を満たすことができます。

この場合、古物台帳については帳簿の保存期間(課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間)保存しておく必要がある点にご留意ください(消令71②)。

★リンクはこちら→ 3万円未満の公共交通機関による旅客の運送などは、請求書等の保存が不要で、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うことができるそうですが、この場合の帳簿への記載事項について教えてください。【令和5年10月改訂】

2023年10月23日


<インボイス制度に関するQ&A 問109
令和5年10月1日から、仕入税額控除の方式は、「適格請求書等保存方式」となりましたが、仕入税額控除の要件として保存が必要な帳簿の記載事項について教えてください。【令和5年10月改訂】

令和元年9月30日まで、仕入税額控除については、一定の帳簿及び請求書等の保存が要件とされていました(請求書等保存方式)。

また、令和元年10月1日から令和5年9月30日(適格請求書等保存方式の開始前)までの間は、この仕入税額控除の要件について、請求書等保存方式を基本的に維持しつつ、軽減税率の適用対象となる商品の仕入れかそれ以外の仕入れかの区分を明確にするための記載事項を追加した帳簿及び請求書等の保存が要件とされていました(区分記載請求書等保存方式)。

具体的には、請求書等保存方式において必要とされている記載事項に、次の事項が追加されています(28年改正法附則34②)。
1 帳簿
課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合にはその旨

2 区分記載請求書等

  • 課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合にはその旨
  • 税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額

令和5年10月1日から開始された適格請求書等保存方式の下では、帳簿及び請求書等の保存が要件とされているところ、保存すべき帳簿の記載事項については次のとおりであり、区分記載請求書等保存方式の下での帳簿の記載事項と同様です(相手方の登録番号の記載は不要です。)。

課税仕入れの相手方の氏名又は名称
課税仕入れを行った年月日
課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである旨)
課税仕入れに係る支払対価の額

(参考)取引先コード等による表示
帳簿に記載する課税仕入れの相手方の氏名又は名称は、取引先コード等の記号・番号等による表示で差し支えありません。

また、課税仕入れに係る資産又は役務の内容についても、商品コード等の記号・番号等による表示で差し支えありませんが、この場合、課税資産の譲渡等であるか、また、軽減対象課税資産の譲渡等に係るものであるときは、軽減対象課税資産の譲渡等に係るものであるかの判別が明らかとなるものである必要があります(基通11-6-1 )。

★リンクはこちら→ 令和5年10月1日から、仕入税額控除の方式は、「適格請求書等保存方式」となりましたが、仕入税額控除の要件として保存が必要な帳簿の記載事項について教えてください。【令和5年10月改訂】

2023年10月20日


<インボイス制度に関するQ&A 問108
社員に支給する通勤手当については、社員は適格請求書発行事業者ではないため、適格請求書の交付を受けることができませんが、仕入税額控除を行うことはできないのですか。【令和5年10月改訂】

従業員等で通勤する者に支給する通勤手当のうち、通勤に通常必要と認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額として取り扱われます。この金額については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消法30⑦、消令49①一ニ、消規15の4三、基通11-6-5)。

なお、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる「通勤者につき通常必要と認められる部分」については、通勤に通常必要と認められるものであればよく、所得税法施行令第20条の2において規定される非課税とされる通勤手当の金額を超えているかどうかは問いません。

また、この場合の帳簿の記載事項については、問110《帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿への一定の記載事項》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 社員に支給する通勤手当については、社員は適格請求書発行事業者ではないため、適格請求書の交付を受けることができませんが、仕入税額控除を行うことはできないのですか。【令和5年10月改訂】

2023年10月19日


<インボイス制度に関するQ&A 問107
社員に支給する国内の出張旅費、宿泊費、日当等については、社員は適格請求書発行事業者ではないため、適格請求書の交付を受けることができませんが、仕入税額控除を行うことはできないのですか。【令和5年10月改訂】

社員に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして取り扱われます。

この金額については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消法30⑦、消令49①一ニ、消規15の4二、基通11-6-4)。
なお、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる「その旅行に通常必要であると認められる部分」については、所得税基本通達9-3に基づき判定しますので、所得税が非課税となる範囲内で、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められることになります。

また、この場合の帳簿の記載事項については、問110《帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿への一定の記載事項》をご参照ください。

【参考】
○ 所得税基本通達9-3(非課税とされる旅費の範囲)
法第9条第1項第4号の規定により非課税とされる金品は、同号に規定する旅行をした者に対して使用者等からその旅行に必要な運賃、宿泊料、移転料等の支出に充てるものとして支給される金品のうち、その旅行の目的、目的地、行路若しくは期間の長短、宿泊の要否、旅行者の職務内容及び地位等からみて、その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内の金品をいうのであるが、当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に当たっては、次に掲げる事項を勘案するものとする。
⑴その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。
⑵その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。

★リンクはこちら→ 社員に支給する国内の出張旅費、宿泊費、日当等については、社員は適格請求書発行事業者ではないため、適格請求書の交付を受けることができませんが、仕入税額控除を行うことはできないのですか。【令和5年10月改訂】

2023年10月18日


<インボイス制度に関するQ&A 問106
当社は、中古車販売業(古物商)を営んでおり、事業者及び消費者から中古車の仕入れを行っています。適格請求書等保存方式の下では、消費者からの仕入れは、仕入税額控除を行うことはできないのですか。【令和5年10月改訂】

古物営業法上の許可を受けて古物営業を営む古物商が、適格請求書発行事業者以外の者から同法に規定する古物(古物商が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります。)を買い受けた場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消法30⑦、消令49①一ハ(1))。したがって、貴社が消費者から中古車の仕入れを行った場合には、一定の事項を記載した帳簿を保存することで、仕入税額控除が認められます。

なお、相手方が適格請求書発行事業者である場合は、適格請求書の交付を受け、それを保存する必要があります。

この場合の帳簿の記載事項については、問110《帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿への一定の記載事項》をご参照ください。

また、古物商が適格請求書発行事業者以外の者から古物を買い取る場合のほか、適格請求書発行事業者以外の者から仕入れを行う、次の場合も同様に、仕入税額控除のために保存が必要な請求書等の交付を受けることが困難な場合として、一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消令49①一ハ(2)~(4))。

質屋営業法に規定する質屋営業を営む質屋が、適格請求書発行事業者以外の者から質物(質屋が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります。)を取得する場合
宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引業者が、適格請求書発行事業者以外の者から同法に規定する建物(宅地建物取引業者が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります。)を購入する場合
再生資源卸売業その他不特定かつ多数の者から資源の有効な利用の促進に関する法律に規定する再生資源及び再生部品を購入する事業を営む事業者が、適格請求書発行事業者以外の者から再生資源及び再生部品(購入する事業者が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります。)を購入する場合

★リンクはこちら→ 当社は、中古車販売業(古物商)を営んでおり、事業者及び消費者から中古車の仕入れを行っています。適格請求書等保存方式の下では、消費者からの仕入れは、仕入税額控除を行うことはできないのですか。【令和5年10月改訂】

2023年10月17日


<インボイス制度に関するQ&A 問105
取引先への移動に際し、券売機で乗車券を購入し、公共交通機関である鉄道を利用した場合に、仕入税額控除の要件として請求書等の保存は必要ですか。【令和5年10月改訂】

適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消法30⑦、消令49①一イ、70の9②一)。

一方、3万円以上の公共交通機関を利用した場合には、その利用に係る適格請求書の保存が仕入税額控除の要件となりますので、ご留意ください。

ただし、この場合であっても、公共交通機関である鉄道事業者から適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)を記載した乗車券の交付を受け、その乗車券が回収される場合は、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消令49①ロ)。

なお、この場合の帳簿の記載事項については、110《帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿への一定の記載事項》をご参照ください。

(参考)
・ 適格請求書の交付義務が免除される取引:問41参照
・ 公共交通機関特例の3万円未満の判定単位:問43参照

★リンクはこちら→ 取引先への移動に際し、券売機で乗車券を購入し、公共交通機関である鉄道を利用した場合に、仕入税額控除の要件として請求書等の保存は必要ですか。【令和5年10月改訂】

2023年10月16日


<インボイス制度に関するQ&A 問104
適格請求書等保存方式の下では、帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件ですが、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除の要件を満たすのは、どのような場合ですか。【令和5年10月改訂】

適格請求書等保存方式の下では、帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件とされます(消法30⑦)。

ただし、請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、次の取引については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消令49①、消規15の4)。

  1. 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
  2. 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(1.に該当するものを除きます。)
  3. 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物(古物営業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
  4. 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物(質屋を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の取得
  5. 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物(宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
  6. 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源及び再生部品(購入者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
  7. 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
  8. 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
  9. 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式の下では、帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件ですが、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除の要件を満たすのは、どのような場合ですか。【令和5年10月改訂】

2023年10月13日


<インボイス制度に関するQ&A 問103
当社では高速道路を頻繁に利用するのですが、高速道路利用について、いわゆるETCシステムを利用し、後日、クレジットカードにより料金を精算しています。この場合、クレジットカード会社から受領するクレジットカード利用明細書の保存により仕入税額控除を行うことはできますか。【令和5年10月追加】

クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付するクレジットカード利用明細書は、そのカード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が作成及び交付する書類ではなく、また、課税資産の譲渡等の内容や適用税率など、適格請求書の記載事項も満たしませんので、一般的に、適格請求書には該当しません。

そのため、高速道路の利用について、有料道路自動料金収受システム(ETCシステム)により料金を支払い、ETCクレジットカード(クレジットカード会社がETCシステムの利用のために交付するカードをいい、高速道路会社が発行するETCコーポレートカード及びETCパーソナルカードを除きます。)で精算を行った場合に、支払った料金に係る仕入税額控除の適用を受けるには、原則、高速道路会社が運営するホームページ(ETC利用照会サービス)から通行料金確定後、適格簡易請求書の記載事項に係る電磁的記録(以下「利用証明書」といいます。)をダウンロードし、それを保存する必要があります。

他方、高速道路の利用が多頻度にわたるなどの事情により、全ての高速道路の利用に係る利用証明書の保存が困難なときは、クレジットカード会社から受領するクレジットカード利用明細書(個々の高速道路の利用に係る内容が判明するものに限ります。また、取引年月日や取引の内容、課税資産の譲渡等に係る対価の額が分かる利用明細データ等を含みます。)と、利用した高速道路会社及び地方道路公社など(以下「高速道路会社等」といいます。)の任意の一取引(複数の高速道路会社等の利用がある場合、高速道路会社等ごとに任意の一取引)に係る利用証明書をダウンロードし、併せて保存することで、仕入税額控除を行って差し支えありません。

(注1)
利用証明書については、クレジットカード利用明細書の受領ごとに(毎月)取得・保存する必要はなく、高速道路会社等が適格請求書発行事業者の登録を取りやめないことを前提に、利用した高速道路会社等ごとに任意の一取引に係る適格簡易請求書の記載事項を満たした利用証明書を一回のみ取得・保存することで差し支えありません。また、例えば、A高速道路会社からB高速道路会社を経由してC高速道路会社の料金所で降りた際、C高速道路会社がまとめて利用証明書を発行している場合には、C高速道路会社の利用証明書を保存することになります。

(注2)
空港と内陸部を結ぶ連絡橋の通行料金(空港連絡橋利用税)など、消費税の課税対象とならない金額がある場合、その金額は仕入税額控除の対象外となりますのでご留意ください。

★リンクはこちら→ 当社では高速道路を頻繁に利用するのですが、高速道路利用について、いわゆるETCシステムを利用し、後日、クレジットカードにより料金を精算しています。この場合、クレジットカード会社から受領するクレジットカード利用明細書の保存により仕入税額控除を行うことはできますか。【令和5年10月追加】

2023年10月12日


<インボイス制度に関するQ&A 問102
当社は、取引先から、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録の提供を受けています。仕入税額控除の要件を満たすためには、電磁的記録をどのような方法で保存すればよいですか。【令和5年10月改訂】

相手方から適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録による提供を受けた場合、仕入税額控除の適用を受けるためには、その電磁的記録を保存する必要があります(消法30⑦⑨二)。

提供を受けた電磁的記録をそのまま保存しようとするときには、以下の措置を講じる必要があります(消令50①、消規15の5)。
①次のイからニのいずれかの措置を行うこと
イ タイムスタンプが付された適格請求書に係る電磁的記録を受領すること(受領した者がタイムスタンプを付す必要はありません。)(電帳規4①一)

ロ 次に掲げる方法のいずれかにより、タイムスタンプを付すとともに、その電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと(電帳規4①二)
・ 適格請求書に係る電磁的記録の提供を受けた後、速やかにタイムスタンプを付すこと
・ 適格請求書に係る電磁的記録の提供からタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合において、その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかにタイムスタンプを付すこと

ハ 適格請求書に係る電磁的記録の記録事項について、次のいずれかの要件を満たす電子計算機処理システムを使用して適格請求書に係る電磁的記録の受領及びその電磁的記録を保存すること(電帳規4①三)
・ 訂正又は削除を行った場合には、その事実及び内容を確認することができること
・ 訂正又は削除することができないこと

ニ 適格請求書に係る電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと(電帳規4①四)

② 適格請求書に係る電磁的記録の保存等に併せて、システム概要書の備付けを行うこと(電帳規2②一、4①)

③ 適格請求書に係る電磁的記録の保存等をする場所に、その電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、その電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できるようにしておくこと(電帳規2②二、4①)

④ 適格請求書に係る電磁的記録について、次の要件を満たす検索機能を確保しておくこと(電帳規2⑥六、4①)
※ 国税に関する法律の規定による電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときは、ⅱ及びⅲの要件が不要となります。

また、当該電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしている場合で、かつ、その判定期間に係る基準期間における売上高が1,000万円以下の事業者であるときは検索機能の全てが不要となります。
ⅰ 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索条件として設定できること
ⅱ 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること
ⅲ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できること

他方、提供を受けた適格請求書に係る電磁的記録を紙に印刷して保存しようとするときは、整然とした形式及び明瞭な状態で出力する必要があります(消規15の5②)。

(参考)電帳法上の保存方法等については、国税庁ホームページに掲載されている、「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」や「電子帳簿保存法一問一答」を参考としてください。

(注)令和5年度の税制改正により、令和6年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存要件について、次のとおり見直しが行われました。
・ 上記①ロの「その電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと」は不要とされました。
・ 上記④の※書きについて、下線部分が変更されました。

※国税に関する法律の規定による電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときは、ⅱ及びⅲの要件が不要となります。
また、当該電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしている場合で、かつ、その判定期間に係る基準期間における売上高が 5,000万円以下の事業者であるとき又は国税に関する法律の規定による電磁的記録の出力書面(整然とした形及び明瞭な状態で出力され、取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたものに限る。)の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときは検索機能の全てが不要となります。

・上記④の根拠法令のうち、電帳規第2条第6項第6号は同項第5号に改正されました。

★リンクはこちら→ 当社は、取引先から、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録の提供を受けています。仕入税額控除の要件を満たすためには、電磁的記録をどのような方法で保存すればよいですか。【令和5年10月改訂】

2023年10月11日


<インボイス制度に関するQ&A 問101
当社は、購入した物品切手等により引換給付を受けた場合、当該物品切手等の購入金額を課税仕入れに係る支払対価の額としていました。適格請求書等保存方式においては、物品切手等により引換給付を受ける場合であっても、原則として、適格請求書等の保存が必要とのことですが、物品切手等の購入金額を基礎として仕入税額控除の適用を受けることになりますか。【令和4年11月追加】【令和5年10月改訂】

適格請求書等保存方式以前の取扱いにおいて、物品切手等による引換給付として課税仕入れを行った場合の課税仕入れに係る支払対価の額は、事業者がその物品切手等の取得に要した金額とされていました。

他方、適格請求書等保存方式においては、仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、適格請求書等の保存が必要となりますので、物品切手等の取得(購入)に要した金額の如何にかかわらず、当該適格請求書等に記載された金額を基礎として仕入税額控除の適用を受けることとなります。

なお、物品切手等に適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されているものが、引換給付を受ける際に適格請求書発行事業者により回収される場合、当該物品切手等により役務又は物品の引換給付を受ける買手は、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けることができますが(新消令49①一ロ)、このような物品切手等には、適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されていることから、当該物品切手により引換給付を受ける課税仕入れについては、当該物品切手等に記載された金額を基礎として仕入税額控除の適用を受けることとなります。

(参考)仕入税額の計算方法については、問126《仕入税額の計算方法》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、購入した物品切手等により引換給付を受けた場合、当該物品切手等の購入金額を課税仕入れに係る支払対価の額としていました。適格請求書等保存方式においては、物品切手等により引換給付を受ける場合であっても、原則として、適格請求書等の保存が必要とのことですが、物品切手等の購入金額を基礎として仕入税額控除の適用を受けることになりますか。【令和4年11月追加】【令和5年10月改訂】

2023年10月10日


<インボイス制度に関するQ&A 問100
当社は、購入した郵便切手類又は物品切手等のうち、自社で引換給付を受けるものについては、継続的に郵便切手類又は物品切手等を購入した時に課税仕入れを計上していました。適格請求書等保存方式において、引き続き、郵便切手類又は物品切手等を購入した時に課税仕入れを計上しているものについて仕入税額控除の適用を受けることができますか。【令和4年11月追加】【令和5年10月改訂】

郵便切手類又は物品切手等は、購入時においては原則として、課税仕入れには該当せず、役務又は物品の引換給付を受けた時にその引換給付を受けた事業者の課税仕入れとなりますが、適格請求書等保存方式以前における取扱いとして、郵便切手類又は物品切手等を購入した事業者が、その購入した郵便切手類又は物品切手等のうち、自ら引換給付を受けるものにつき、継続してその郵便切手類又は物品切手等の対価を支払った日の属する課税期間の課税仕入れとしている場合には、これを認めることとされていました。

適格請求書等保存方式においては、仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、適格請求書等の保存が必要となりますが、郵便切手類のみを対価とする郵便ポスト等への投函による郵便サービスは、適格請求書の交付義務が免除されており、買手においては、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けることができます(消令49①一ニ、消規15の4一)。

また、物品切手等で適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されているものが、引換給付を受ける際に適格請求書発行事業者により回収される場合、当該物品切手等により役務又は物品の引換給付を受ける買手は、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けることができます(消令49①一ロ)。

したがって、このような郵便切手類及び物品切手等(適格請求書発行事業者により回収されることが明らかなものに限ります。)のうち、自ら引換給付を受けるものについては、適格請求書等保存方式においても、購入(対価の支払)時に課税仕入れとして計上し、一定の事項を記載した帳簿を保存することにより、仕入税額控除の適用を受けることができます(基通11-3-7)。

なお、上記(一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けることができるもの)以外の物品切手等に係る課税仕入れは、購入(対価の支払)時ではなく、適格請求書等の交付を受けることとなるその引換給付を受けた時に課税仕入れを計上し、仕入税額控除の適用を受けることとなります。

★リンクはこちら→ 当社は、購入した郵便切手類又は物品切手等のうち、自社で引換給付を受けるものについては、継続的に郵便切手類又は物品切手等を購入した時に課税仕入れを計上していました。適格請求書等保存方式において、引き続き、郵便切手類又は物品切手等を購入した時に課税仕入れを計上しているものについて仕入税額控除の適用を受けることができますか。【令和4年11月追加】【令和5年10月改訂】

2023年10月6日


<インボイス制度に関するQ&A 問99
所有権移転外ファイナンス・リース取引については、リース資産の譲渡時に適格請求書の交付義務が生じるとのことですが、当該リース取引につき賃借人が賃貸借処理し、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)している場合、リース譲渡時に交付を受ける適格請求書の保存により仕入税額控除の適用を受けることができますか。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

所有権移転外ファイナンス・リース取引(所得税法施行令第120条の2第2項第5号又は法人税法施行令第48条の2第5項第5号に規定する「リース取引」をいい、以下「移転外リース取引」といいます。)については、リース資産の譲渡として取り扱われるため、移転外リース取引によりリース資産を賃借した賃借人においては、当該リース資産の引渡しを受けた日の属する課税期間の課税仕入れとして処理(一括控除)することが原則です。

しかしながら、経理実務の簡便性という観点から、移転外リース取引について賃借人が賃貸借処理(通常の賃貸借取引に係る取引に準じた会計処理をいいます。)している場合、リース資産の譲渡時の課税仕入れとするのではなく、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)して差し支えないこととしています。

この点、移転外リース取引における適格請求書については、リース資産の引渡し時に当該リース取引の全額に対する適格請求書が交付されるものと考えられます。

したがって、移転外リース取引について、賃借人が賃貸借処理によりそのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)している場合、リース資産の引渡し時に交付を受けた適格請求書を保存することにより、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間ごとに計上した課税仕入れに係る仕入税額控除の適用要件を満たすこととなります。

なお、当該適格請求書については、リース料の最終支払期日(移転外リース取引について賃貸借処理により計上する最後の課税仕入れ)の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間保存する必要があります。

(注)令和5年10月1日前に行われた移転外リース取引について、賃借人が賃貸借処理によりそのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)している場合の当該移転外リース取引に係る同日以後に賃貸借処理により計上する課税仕入れについては、区分記載請求書等保存方式により仕入税額控除の適用を受けることとなります。

★リンクはこちら→ 所有権移転外ファイナンス・リース取引については、リース資産の譲渡時に適格請求書の交付義務が生じるとのことですが、当該リース取引につき賃借人が賃貸借処理し、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)している場合、リース譲渡時に交付を受ける適格請求書の保存により仕入税額控除の適用を受けることができますか。【令和5年4月追加】【令和5年10月改訂】

2023年10月5日


<インボイス制度に関するQ&A 問98
当社は、法人税基本通達2-2-14の取扱いの適用を受けている前払費用について、その支出した日の属する課税期間の課税仕入れとしています。また、当該前払費用は相手方から交付を受けた請求書等に基づき支払っています。適格請求書等保存方式において、相手方から交付を受ける請求書等が適格請求書の記載事項を満たすものであった場合、当該前払費用について、支出した日の属する課税期間の課税仕入れとして仕入税額控除の適用を受けることができますか。【令和4年11月追加】【令和5年10月改訂】

法人税の計算において、前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち支出した事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいいます。以下同じです。)の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、当該前払費用を損金の額に算入することが認められています(法人税基本通達2-2-14)(所得税についても同様です。)。

消費税の計算についても、当該取扱いの適用を受ける前払費用に係る課税仕入れは、その支出した日の属する課税期間において行ったものとして取り扱うこととしています(基通11-3-8)。

したがって、このような前払費用については、その支出した日の属する課税期間において行ったものとして取り扱うこととなりますが、当該前払費用に係る課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、適格請求書の保存が必要となり、ご質問のように当該前払費用に係る適格請求書等を保存している場合は、支出した日の属する課税期間の課税仕入れとして仕入税額控除の適用を受けることができます。

また、当該前払費用に係る課税仕入れが適格請求書発行事業者から行われるものである場合には、当該前払費用を支出した日の属する課税期間において適格請求書の交付を受けられなかったとしても、事後に交付される適格請求書を保存することを条件として、当該前払費用として支出した額を基礎として仕入税額控除の適用を受けることとして差し支えありません。

なお、当該前払費用として仕入税額控除の適用を受けた金額が契約変更等により変動した場合の対応については、問96《見積額が記載された適格請求書の保存等》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、法人税基本通達2-2-14の取扱いの適用を受けている前払費用について、その支出した日の属する課税期間の課税仕入れとしています。また、当該前払費用は相手方から交付を受けた請求書等に基づき支払っています。適格請求書等保存方式において、相手方から交付を受ける請求書等が適格請求書の記載事項を満たすものであった場合、当該前払費用について、支出した日の属する課税期間の課税仕入れとして仕入税額控除の適用を受けることができますか。【令和4年11月追加】【令和5年10月改訂】

2023年10月4日


<インボイス制度に関するQ&A 問97
所有権移転外ファイナンス・リース取引については、リース資産の譲渡時に適格請求書の交付義務が生じるとのことですが、当該リース取引につき賃借人が賃貸借処理し、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)している場合、リース譲渡時に交付を受ける適格請求書の保存により仕入税額控除の適用を受けることができますか。【令和5年4月追加】

所有権移転外ファイナンス・リース取引(所得税法施行令第120条の2第2項第5号又は法人税法施行令第48条の2第5項第5号に規定する「リース取引」をいい、以下「移転外リース取引」といいます。)については、リース資産の譲渡として取り扱われるため、移転外リース取引によりリース資産を賃借した賃借人においては、当該リース資産の引渡しを受けた日の属する課税期間の課税仕入れとして処理(一括控除)することが原則です。

しかしながら、経理実務の簡便性という観点から、移転外リース取引について賃借人が賃貸借処理(通常の賃貸借取引に係る取引に準じた会計処理をいいます。)している場合、リース資産の譲渡時の課税仕入れとするのではなく、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)して差し支えないこととしています。

この点、移転外リース取引における適格請求書については、リース資産の引渡し時に当該リース取引の全額に対する適格請求書が交付されるものと考えられます。

したがって、移転外リース取引について、賃借人が賃貸借処理によりそのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)している場合、リース資産の引渡し時に交付を受けた適格請求書を保存することにより、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間ごとに計上した課税仕入れに係る仕入税額控除の適用要件を満たすこととなります。

なお、当該適格請求書については、リース料の最終支払期日(移転外リース取引について賃貸借処理により計上する最後の課税仕入れ)の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間保存する必要があります。

(注)令和5年10月1日前に行われた移転外リース取引について、賃借人が賃貸借処理によりそのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)している場合の当該移転外リース取引に係る同日以後に賃貸借処理により計上する課税仕入れについては、区分記載請求書等保存方式により仕入税額控除の適用を受けることとなります。

★リンクはこちら→ 所有権移転外ファイナンス・リース取引については、リース資産の譲渡時に適格請求書の交付義務が生じるとのことですが、当該リース取引につき賃借人が賃貸借処理し、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)している場合、リース譲渡時に交付を受ける適格請求書の保存により仕入税額控除の適用を受けることができますか。【令和5年4月追加】

2023年10月3日


<インボイス制度に関するQ&A 問96
当社は、法人税基本通達2-2-14の取扱いの適用を受けている前払費用について、その支出した日の属する課税期間の課税仕入れとしています。また、当該前払費用は相手方から交付を受けた請求書等に基づき支払っています。適格請求書等保存方式において、相手方から交付を受ける請求書等が適格請求書の記載事項を満たすものであった場合、引き続き、当該前払費用について、支出した日の属する課税期間の課税仕入れとして仕入税額控除の適用を受けることができますか。【令和4年11月追加】

法人税の計算において、前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち支出した事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいいます。以下同じです。)の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、当該前払費用を損金の額に算入することが認められています(法人税基本通達2-2-14)(所得税についても同様です。)。

消費税の計算についても、当該取扱いの適用を受ける前払費用に係る課税仕入れは、その支出した日の属する課税期間において行ったものとして取り扱うこととしており(基通11-3-8)、これは、適格請求書等保存方式においても同様です。

このような前払費用については、適格請求書等保存方式においても、現行制度と同様にその支出した日の属する課税期間において行ったものとして取り扱うこととなりますが、当該前払費用に係る課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、適格請求書の保存が必要となります。

したがって、ご質問のように当該前払費用に係る適格請求書等を保存している場合は、引き続き、支出した日の属する課税期間の課税仕入れとして仕入税額控除の適用を受けることができます。

また、当該前払費用に係る課税仕入れが適格請求書発行事業者から行われるものである場合には、当該前払費用を支出した日の属する課税期間において適格請求書の交付を受けられなかったとしても、事後に交付される適格請求書を保存することを条件として、当該前払費用として支出した額を基礎として仕入税額控除の適用を受けることとして差し支えありません。

なお、当該前払費用として仕入税額控除の適用を受けた金額が契約変更等により変動した場合の対応については、問94《見積額が記載された適格請求書の保存等》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、法人税基本通達2-2-14の取扱いの適用を受けている前払費用について、その支出した日の属する課税期間の課税仕入れとしています。また、当該前払費用は相手方から交付を受けた請求書等に基づき支払っています。適格請求書等保存方式において、相手方から交付を受ける請求書等が適格請求書の記載事項を満たすものであった場合、引き続き、当該前払費用について、支出した日の属する課税期間の課税仕入れとして仕入税額控除の適用を受けることができますか。【令和4年11月追加】

2023年9月29日


<インボイス制度に関するQ&A 問95
当社は、請け負った建設工事について、当該建設工事の一部を他の事業者(以下「下請業者」といいます。)に請け負わせています。下請業者に対しては、下請業者が行った工事の出来高について検収を行い、当該検収の内容及び出来高に応じた金額を記載した書類(以下「出来高検収書」といいます。)を作成し、それに基づき請負金額を支払っています。現在、当該出来高検収書については、下請業者に記載事項の確認を受けており、これを保存することにより仕入税額控除を行っていますが、適格請求書等保存方式において、このような出来高検収書により仕入税額控除の適用を受けることは可能でしょうか。【令和4年11月追加】

適格請求書等保存方式の下においても、建設工事を請け負った事業者(以下「元請業者」といいます。)が作成した出来高検収書を、下請業者に記載事項の確認を受けた上で保存することにより、仕入税額控除の適用を受けること(基通11-6-6)については、現行の取扱いと変わりません。

なお、出来高検収書は、適格請求書等保存方式における仕入明細書等の記載事項を満たす必要があります※。仕入明細書等の記載事項については、問85≪仕入明細書等の記載事項≫をご参照ください。

元請業者が出来高検収書を下請業者に交付し、それに基づき下請業者が請求書を作成・交付する場合において、当該請求書を仕入税額控除の適用を受けるために保存する場合には、当該請求書が適格請求書の記載事項を満たす必要があります。適格請求書の記載事項については、問26≪適格請求書の様式≫をご参照ください。

したがって、ご質問の場合、貴社の取引の相手方である下請業者が適格請求書発行事業者であって、現在作成している出来高検収書を適格請求書等保存方式の下における仕入明細書等の記載事項を満たすものとして下請業者の確認を受けることにより、適格請求書等保存方式においてもその出来高検収書により仕入税額控除を行うことができます。

ただし、下請業者の行う建設工事について、当該下請業者が適格請求書発行事業者でなくなったことにより、適格請求書の交付ができないものであることが判明した場合には、出来高検収書により仕入税額控除の対象とした消費税額を、その交付ができないことが明らかとなる建設工事完了日の属する課税期間における課税仕入れに係る消費税額から控除することとなります(仕入税額の計算方法として、割戻し計算による場合、仕入税額控除の対象とした課税仕入れに係る支払対価の額をその建設工事完了日の属する課税期間における課税仕入れに係る支払対価の額から控除することとなります。)。

★リンクはこちら→ 当社は、請け負った建設工事について、当該建設工事の一部を他の事業者(以下「下請業者」といいます。)に請け負わせています。下請業者に対しては、下請業者が行った工事の出来高について検収を行い、当該検収の内容及び出来高に応じた金額を記載した書類(以下「出来高検収書」といいます。)を作成し、それに基づき請負金額を支払っています。現在、当該出来高検収書については、下請業者に記載事項の確認を受けており、これを保存することにより仕入税額控除を行っていますが、適格請求書等保存方式において、このような出来高検収書により仕入税額控除の適用を受けることは可能でしょうか。【令和4年11月追加】

2023年9月28日


<インボイス制度に関するQ&A 問94
当社では、水道光熱費など検針等に一定期間を要し、課税仕入れを行った課税期間の末日までに支払対価の額が確定しない課税仕入れについては、対価の額を見積もることにより仕入税額控除を行っています。適格請求書等保存方式において、このような見積額による仕入税額控除の取扱いはどのようになりますか。【令和元年7月追加】【令和4年11月改訂】

ご質問のように、課税期間の末日までにその支払対価の額が確定せず、見積額で仕入税額控除を行う場合の取扱いについては、以下のとおりとなります。

なお、以下の①、②のいずれの場合も、その後確定した対価の額が見積額と異なるときは、確定した対価の額に基づく課税仕入れに係る消費税額と見積額に基づく課税仕入れに係る消費税額との差額を、その確定した日の属する課税期間における課税仕入れに係る消費税額に加算又は減算することとなります(仕入税額の計算方法として、割戻し計算による場合、確定した対価の額と見積額との差額をその確定した日の属する課税期間の課税仕入れに係る支払対価の額に加算し、又は当該課税仕入れに係る支払対価の額から控除することとなります。)。

①見積額が記載された適格請求書の交付を受ける場合
取引の相手方から見積額が記載された適格請求書の交付を受ける場合、これを保存することで見積額による仕入税額控除が認められます(注1)。

その後、確定額が見積額と異なる場合には、確定額が記載された適格請求書(対価の額を修正した適格請求書)の交付を受けた上で、これを保存する必要があります。

②見積額が記載された適格請求書の交付を受けられない場合
見積額が記載された適格請求書の交付を受けられない場合であっても、電気・ガス・水道水の供給のような適格請求書発行事業者から継続して行われる取引(注2)については、見積額が記載された適格請求書や仕入明細書の保存がなくとも、その後、金額が確定したときに交付される適格請求書を保存することを条件として、課税仕入れを行う事業者が課税期間の末日の現況により適正に見積もった金額で、仕入税額控除を行うこととして差し支えありません。

(注)1
見積額を記載した仕入明細書を自ら作成し、相手方の確認を受けた場合は、これを保存することで見積額による仕入税額控除が認められます。
確定額が見積額と異なる場合の取扱いは、上記と同様です。

(注)2
このほか、例えば、機械等の保守点検、弁護士の顧問契約のように契約等に基づき継続的に課税資産の譲渡等が行われ、金額が確定した際に適格請求書の交付を受ける蓋然性の高い取引がこれに該当します。

★リンクはこちら→ 当社では、水道光熱費など検針等に一定期間を要し、課税仕入れを行った課税期間の末日までに支払対価の額が確定しない課税仕入れについては、対価の額を見積もることにより仕入税額控除を行っています。適格請求書等保存方式において、このような見積額による仕入税額控除の取扱いはどのようになりますか。【令和元年7月追加】【令和4年11月改訂】

2023年9月27日


<インボイス制度に関するQ&A 問93
当社は、事務所を賃借しており、口座振替により家賃を支払っています。不動産賃貸契約書は作成していますが、請求書や領収書の交付は受けておらず、家賃の支払の記録としては、銀行の通帳に口座振替の記録が残るだけです。このような契約書の締結後に口座振替等により代金を支払い、請求書や領収書の交付を受けない取引の場合、請求書等の保存要件を満たすためにはどうすればよいですか。【令和4年4月改訂】

通常、契約書に基づき代金決済が行われ、取引の都度、請求書や領収書が交付されない取引であっても、仕入税額控除を受けるためには、原則として、適格請求書の保存が必要です。

この点、適格請求書は、一定期間の取引をまとめて交付することもできますので、相手方(貸主)から一定期間の賃借料についての適格請求書の交付を受け、それを保存することによる対応も可能です。

なお、適格請求書として必要な記載事項は、一の書類だけで全てが記載されている必要はなく、複数の書類で記載事項を満たせば、それらの書類全体で適格請求書の記載事項を満たすことになりますので、契約書に適格請求書として必要な記載事項の一部が記載されており、実際に取引を行った事実を客観的に示す書類とともに保存しておけば、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。

ご質問の場合には、適格請求書の記載事項の一部(例えば、課税資産の譲渡等の年月日以外の事項)が記載された契約書とともに通帳(課税資産の譲渡等の年月日の事実を示すもの)を併せて保存することにより、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。

また、口座振込により家賃を支払う場合も、適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書とともに、銀行が発行した振込金受取書を保存することにより、請求書等の保存があるものとして、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。

なお、このように取引の都度、請求書等が交付されない取引について、取引の中途で取引の相手方(貸主)が適格請求書発行事業者でなくなる場合も想定され、その旨の連絡がない場合には貴社(借主)はその事実を把握することは困難となります(適格請求書発行事業者以外の者に支払う取引対価の額については、原則として、仕入税額控除を行うことはできません。)。

そのため、必要に応じ、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」で相手方が適格請求書発行事業者か否かを確認してください。

(参考)令和5年9月30日以前からの契約について
令和5年9月30日以前からの契約について、契約書に登録番号等の適格請求書として必要な事項の記載が不足している場合には、別途、登録番号等の記載が不足していた事項の通知を受け、契約書とともに保存していれば差し支えありません。

★リンクはこちら→ 当社は、取引先のB社に経費を立て替えてもらう場合があります。この場合、経費の支払先であるC社から交付される適格請求書には立替払をしたB社の名称が記載されますが、B社からこの適格請求書を受領し、保存しておけば、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすこととなりますか。【令和4年11月改訂】

2023年9月26日


<インボイス制度に関するQ&A 問92
当社は、取引先のB社に経費を立て替えてもらう場合があります。この場合、経費の支払先であるC社から交付される適格請求書には立替払をしたB社の名称が記載されますが、B社からこの適格請求書を受領し、保存しておけば、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすこととなりますか。【令和4年11月改訂】

貴社が、C社から立替払をしたB社宛に交付された適格請求書をB社からそのまま受領したとしても、これをもって、C社から貴社に交付された適格請求書とすることはできません。

ご質問の場合において、立替払を行ったB社から、立替金精算書等の交付を受けるなどにより、経費の支払先であるC社から行った課税仕入れが貴社のものであることが明らかにされている場合には、その適格請求書及び立替金精算書等の書類の保存をもって、貴社は、C社からの課税仕入れに係る請求書等の保存要件を満たすこととなります(インボイス通達4-2)。

また、この場合、立替払を行うB社が適格請求書発行事業者以外の事業者であっても、C社が適格請求書発行事業者であれば、仕入税額控除を行うことができます。

なお、立替払の内容が、請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる課税仕入れに該当することが確認できた場合、貴社は、一定の事項を記載した帳簿を保存することにより仕入税額控除を行うことができます。

この場合、適格請求書及び立替金精算書等の保存は不要となります。

帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる課税仕入れについては、問101《帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合》を、帳簿の記載事項については、問107《帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿への一定の記載事項》をご参照ください。


(参考)
A社を含む複数者分の経費を一括してB社が立替払している場合、原則として、B社はC社から受領した適格請求書をコピーし、経費の支払先であるC社から行った課税仕入れがA社及び各社のものであることを明らかにするために、B社が作成した精算書を添えるなどし、A社を含む立替えを受けた者に交付する必要があります。

しかしながら、立替えを受けた者に交付する適格請求書のコピーが大量となるなどの事情により、立替払を行ったB社が、コピーを交付することが困難なときは、B社がC社から交付を受けた適格請求書を保存し、立替金精算書を交付することにより、A社はB社が作成した(立替えを受けた者の負担額が記載されている)立替金精算書の保存をもって、仕入税額控除を行うことができます。

この場合、立替払いを受けたA社等は、立替金精算書の保存をもって適格請求書の保存があるものとして取り扱われるため、立替払を行った取引先のB社は、その立替金が仕入税額控除可能なものか(すなわち、適格請求書発行事業者からの仕入れか、適格請求書発行事業者以外の者からの仕入れか)を明らかにし、また、適用税率ごとに区分するなど、A社が仕入税額控除を受けるに当たっての必要な事項を立替金精算書に記載しなければなりません。

したがって、立替金精算書に記載する「消費税額等」については、課税仕入れの相手方であるC社から交付を受けた適格請求書に記載された消費税額等を基礎として、立替払いを受ける者の負担割合を乗じてあん分した金額によるなど合理的な方法で計算した「消費税額等」を記載する必要があります。

また、立替金精算書に記載する複数の事業者ごとの消費税額等の合計額が適格請求書に記載された「消費税額等」と一致しないことも生じますが、この消費税額等が合理的な方法により計算されたものである限り、当該立替金精算書により仕入税額控除を行うこととして差し支えありません。

なお、仕入税額控除の要件として保存が必要な帳簿には、課税仕入れの相手方の氏名又は名称の記載が必要であるほか、その仕入れ(経費)が適格請求書発行事業者から受けたものか否かを確認できるよう、立替払を行ったB社とA社の間で、課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号を確認できるようにしておく必要があります。

ただし、これらの事項について、別途、書面等で通知する場合のほか、継続的な取引に係る契約書等で、別途明らかにされているなどの場合には、精算書において明らかにしていなくても差し支えありません。

★リンクはこちら→ 当社は、取引先のB社に経費を立て替えてもらう場合があります。この場合、経費の支払先であるC社から交付される適格請求書には立替払をしたB社の名称が記載されますが、B社からこの適格請求書を受領し、保存しておけば、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすこととなりますか。【令和4年11月改訂】

2023年9月25日


<インボイス制度に関するQ&A 問91
当社は、取引先数社と任意組合を組成し、イベントを行っています。現行、仕入先から交付される請求書等は、幹事会社が保管し、当社を含めた構成員は、幹事会社から精算書の交付を受けています。適格請求書等保存方式においては、構成員である当社も仕入先から適格請求書の交付を受け、保存する必要がありますか。

適格請求書等保存方式の下では、適格請求書など請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります(新消法30⑦⑨)。

任意組合の共同事業として課税仕入れを行った場合に、幹事会社が課税仕入れの名義人となっている等の事由により各構成員の持分に応じた適格請求書の交付を受けることができないときにおいて、幹事会社が仕入先から交付を受けた適格請求書のコピーに各構成員の出資金等の割合に応じた課税仕入れに係る対価の額の配分内容を記載したものは、貴社及びその他の構成員における仕入税額控除のために保存が必要な請求書等に該当するものとして取り扱われますので、その保存をもって、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすことになります。

また、任意組合の構成員に交付する適格請求書のコピーが大量となる等の事情により、立替払を行った幹事会社が、コピーを交付することが困難なときは、幹事会社が仕入先から交付を受けた適格請求書を保存し、精算書を交付することにより、貴社は幹事会社が作成した(立替えを受けた構成員の負担額が記載されている)精算書の保存をもって、仕入税額控除を行うことができます(インボイス通達4-2)。

この場合、幹事会社は、精算書に記載されている仕入れ(経費)について、仕入税額控除が可能なものか(すなわち、適格請求書発行事業者からの仕入れか、適格請求書発行事業者以外の者からの仕入れか)を明らかにし、また、適用税率ごとに区分するなど、各構成員が仕入税額控除を受けるに当たっての必要な事項を記載しておく必要があります。

なお、仕入税額控除の要件として保存が必要な帳簿には、課税仕入れの相手方の氏名又は名称の記載が必要となりますし、適格請求書のコピーにより、その仕入れ(経費)が適格請求書発行事業者から受けたものか否かを確認できなくなるため、幹事会社と構成員の間で、課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号を確認できるようにしておく必要があります。

ただし、これらの事項について、別途、書面等で通知する場合のほか、継続的な取引に係る契約書等で、別途明らかにされている等の場合には、精算書において明らかにしていなくても差し支えありません。

★リンクはこちら→ 当社は、取引先数社と任意組合を組成し、イベントを行っています。現行、仕入先から交付される請求書等は、幹事会社が保管し、当社を含めた構成員は、幹事会社から精算書の交付を受けています。適格請求書等保存方式においては、構成員である当社も仕入先から適格請求書の交付を受け、保存する必要がありますか。

2023年9月22日


<インボイス制度に関するQ&A 問90
記載事項に誤りがある適格請求書の交付を受けた事業者が、その課税仕入れについて仕入税額控除の適用に係る請求書等の保存要件を満たすために必要となる対応について教えてください。【令和3年7月追加】

買手である課税事業者は、交付を受けた適格請求書又は適格簡易請求書(電磁的記録により提供を受けた場合も含みます。)の記載事項に誤りがあったときは、売手である適格請求書発行事業者に対して修正した適格請求書又は適格簡易請求書の交付を求め、その交付を受けることにより、修正した適格請求書又は適格簡易請求書を保存する必要があります(自ら追記や修正を行うことはできません。)。

なお、買手である課税事業者が作成した一定事項の記載のある仕入明細書等の書類で、売手である適格請求書発行事業者の確認を受けたものについても、仕入税額控除の適用のために保存が必要な請求書等に該当しますので(新消法30⑨三)、買手において適格請求書の記載事項の誤りを修正した仕入明細書等を作成し、売手である適格請求書発行事業者の確認を受けた上で、その仕入明細書等を保存することもできます。

売手である適格請求書発行事業者の対応は、問33《交付した適格請求書に誤りがあった場合の対応》を、仕入明細書等の記載事項については、問85《仕入明細書等の記載事項》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、現在、自ら作成した仕入明細書を相手方の確認を受けた上で請求書等として保存しています。仕入明細書には、当社が行った商品の配送について、配送料として記載し、仕入金額から控除しており、これは、当社の売上げとして計上しています。この場合、仕入明細書とは別にその配送料に係る適格請求書を相手方に交付しなければならないのでしょうか。【平成30年11月追加】【令和2年9月改訂】

2023年9月21日


<インボイス制度に関するQ&A 問89
当社は、現在、自ら作成した仕入明細書を相手方の確認を受けた上で請求書等として保存しています。仕入明細書には、当社が行った商品の配送について、配送料として記載し、仕入金額から控除しており、これは、当社の売上げとして計上しています。この場合、仕入明細書とは別にその配送料に係る適格請求書を相手方に交付しなければならないのでしょうか。【平成30年11月追加】【令和2年9月改訂】

適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されています(新消法57の4①)。

ご質問の場合、貴社が行う配送(課税資産の譲渡等)の対価として収受する配送料については、別途、相手方の求めに応じて適格請求書を交付する義務があります。このため、配送料に係る適格請求書を仕入明細書とは別に交付する、又は仕入明細書に合わせて配送料に係る適格請求書の記載事項を1枚の書類で交付するといった方法により対応する必要があります。

なお、仕入明細書と適格請求書の記載事項は、それぞれ次のとおりです。
1 仕入明細書の記載事項(新消令49④)

仕入明細書の作成者の氏名又は名称
課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
課税仕入れを行った年月日
課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等

2 適格請求書の記載事項

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
課税資産の譲渡等を行った年月日
課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
 税率ごとに区分した消費税額等
書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

★リンクはこちら→ 当社は、現在、自ら作成した仕入明細書を相手方の確認を受けた上で請求書等として保存しています。仕入明細書には、当社が行った商品の配送について、配送料として記載し、仕入金額から控除しており、これは、当社の売上げとして計上しています。この場合、仕入明細書とは別にその配送料に係る適格請求書を相手方に交付しなければならないのでしょうか。【平成30年11月追加】【令和2年9月改訂】

2023年9月20日


<インボイス制度に関するQ&A 問88
当社は、食品及び日用雑貨の販売を行う事業者です。当社の商品販売売上げに関しては、請求書の交付をすることなく、相手方から交付される次の支払通知書に基づき支払を受けています。また、返品があった場合には、支払通知書にその内容等が記載されていますが、こうした場合であっても、適格請求書等保存方式においては、改めて、適格返還請求書を交付する必要がありますか。なお、相手方は、仕入税額控除の適用を受けるために、支払通知書を保存しています。【平成30年11月追加】【令和5年4月改訂】

適格請求書発行事業者には、課税事業者に返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書の交付義務が課されています(新消法57の4③)。

適格返還請求書の記載事項は、次のとおりです。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
売上げに係る対価の返還等を行う年月日及びその売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日(適格請求書を交付した売上げに係るものについては、課税期間の範囲で一定の期間の記載で差し支えありません。)
売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
売上げに係る対価の返還等の金額に係る税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率

また、課税仕入れの相手方において課税資産の譲渡等に該当する場合において、仕入側が作成した次の記載事項のある仕入明細書等の書類で、相手方の確認を受けたものについては、仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等に該当します(新消法 30⑨三、新消49④)。

仕入明細書の作成者の氏名又は名称
課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
課税仕入れを行った年月日
課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
 税率ごとに区分した消費税額等

ご質問の場合、相手方が仕入税額控除のために作成・保存している支払通知書に、返品に関する適格返還請求書として必要な事項が記載されていれば、貴社と相手方の間で、貴社の売上げに係る対価の返還等の内容について確認されていますので、貴社は、改めて適格返還請求書を交付しなくても差し支えありません。

なお、支払通知書に適格返還請求書として必要な事項を合わせて記載する場合に、事業者ごとに継続して、課税仕入れに係る支払対価の額から売上げに係る対価の返還等の金額を控除した金額及びその金額に基づき計算した消費税額等を税率ごとに支払通知書に記載することで、仕入明細書に記載すべき「税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」と適格返還請求書に記載すべき「売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」及び「売上げに係る対価の返還等の金額に係る税率ごとに区分した消費税額等」の記載を満たすこともできます。

(注)
売上げに係る対価の返還等に係る税込価額が1万円未満である場合には、その適格返還請求書の交付義務が免除されます(新消法57の4③、新消令70の9③二)。

ここでいう1万円未満の判定単位については、問29《少額な対価返還等に係る適格返還請求書の交付義務免除に係る1万円未満の判定単位》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、食品及び日用雑貨の販売を行う事業者です。当社の商品販売売上げに関しては、請求書の交付をすることなく、相手方から交付される次の支払通知書に基づき支払を受けています。また、返品があった場合には、支払通知書にその内容等が記載されていますが、こうした場合であっても、適格請求書等保存方式においては、改めて、適格返還請求書を交付する必要がありますか。なお、相手方は、仕入税額控除の適用を受けるために、支払通知書を保存しています。【平成30年11月追加】【令和5年4月改訂】

2023年9月19日


<インボイス制度に関するQ&A 問87
適格請求書等保存方式の下では、記載事項を満たす仕入明細書には、「税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額」と「税率ごとに区分した消費税額等」の記載が必要とのことですが、税抜きの仕入金額と消費税額等を記載することで、必要な記載事項を満たすことになりますか。【平成30年11月追加】

適格請求書等保存方式の下で、仕入税額控除の要件として保存すべき仕入明細書には、次の事項が記載されていることが必要です(新消法30⑨三、新消令49④)。

仕入明細書の作成者の氏名又は名称
課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
課税仕入れを行った年月日
課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等

ご質問の「税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額」については、税込金額となりますが、税率ごとに区分した仕入金額の税抜きの合計額及び税率ごとに区分した消費税額等を記載することで、その記載があるものとして取り扱われます。

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式の下では、記載事項を満たす仕入明細書には、「税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額」と「税率ごとに区分した消費税額等」の記載が必要とのことですが、税抜きの仕入金額と消費税額等を記載することで、必要な記載事項を満たすことになりますか。【平成30年11月追加】

2023年9月15日


<インボイス制度に関するQ&A 問86
当社は、EDI取引を行っており、取引先と電磁的記録を交換することにより、日々の受発注などを行っています。また、決済に当たっては、取引先から請求書が交付されず、当社から取引先に、月まとめで支払通知書を書面で交付しています(いわゆる請求レス取引)。支払通知書には相手方の登録番号等の記載を行いますが、日々の取引の明細については、取引先から提供される電磁的記録である取引明細(税率ごとに分けて作成されています。)を参照しようと考えています。このような場合、相手方の確認を受けた上で、書面の支払通知書と取引明細の電磁的記録を合わせて保存することで、仕入税額控除の要件である仕入明細書の保存があることとなりますか。【令和2年9月改訂】
(注)EDI(Electronic Data Interchange)取引とは、異なる企業・組織間で商取引に関連するデータを、通信回線を介してコンピュータ間で交換する取引等をいいます。

相手方から確認を受けた仕入明細書を仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等とするには、次の事項が記載されていることが必要です(区分記載請求書等保存方式における仕入明細書の記載事項に加え、次の②、⑤及び⑥の下線部分が追加されました。)(新消法30⑨三、新消令49④)。

また、保存すべき請求書等には仕入明細書に係る電磁的記録も含まれます(新消令49⑤)。

仕入明細書の作成者の氏名又は名称
課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
課税仕入れを行った年月日
課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等

なお、保存が必要な請求書等の記載事項は、一の書類だけで記載事項を満たす必要はなく、複数の書類や、書類と電磁的記録について、これらの書類(書類と電磁的記録)相互の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法で交付されていれば、その複数の書類や電磁的記録の全体により適格請求書の記載事項を満たすことができます。

したがって、ご質問の場合、課税資産の譲渡等の内容(軽減税率の対象である旨を含みます。)を記録した取引明細に係る電磁的記録と書面で作成する支払通知書の全体により、請求書等の記載事項を満たすため、貴社は、書面で作成した支払通知書と取引明細に係る電磁的記録を合わせて保存することで、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすこととなります。

また、取引明細に係る電磁的記録の保存方法は、提供を受けた適格請求書に係る電磁的記録の保存方法と同様となります(新消令50①、新消規15の5)。

この電磁的記録の保存方法については、問100《提供を受けた適格請求書に係る電磁的記録の保存方法》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、EDI取引を行っており、取引先と電磁的記録を交換することにより、日々の受発注などを行っています。また、決済に当たっては、取引先から請求書が交付されず、当社から取引先に、月まとめで支払通知書を書面で交付しています(いわゆる請求レス取引)。支払通知書には相手方の登録番号等の記載を行いますが、日々の取引の明細については、取引先から提供される電磁的記録である取引明細(税率ごとに分けて作成されています。)を参照しようと考えています。このような場合、相手方の確認を受けた上で、書面の支払通知書と取引明細の電磁的記録を合わせて保存することで、仕入税額控除の要件である仕入明細書の保存があることとなりますか。【令和2年9月改訂】

2023年9月14日


<インボイス制度に関するQ&A 問85
当店は、食料品及び日用雑貨の小売を行っています。軽減税率制度の実施後、仕入先への代金の支払に当たり、以下のような仕入明細書を作成し、仕入先の確認を受け、保存しています。令和5年10月1日からは、適格請求書等保存方式における請求書等としての記載事項を満たすためには、仕入明細書について、どのような対応が必要ですか。【令和4年4月改訂】

区分記載請求書等保存方式においても、仕入側が作成した一定事項の記載のある仕入明細書等の書類で、相手方の確認を受けたものについては、仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等に該当します(消法30⑨二)。

適格請求書等保存方式の下でも同様に仕入明細書等による仕入税額控除は可能ですが、課税仕入れの相手方において課税資産の譲渡等に該当するものであり、次の事項が記載されていることが必要となります(区分記載請求書等保存方式における仕入明細書の記載事項に加え、②、⑤及び⑥の下線部分が追加されています。)(新消法30⑨三、新消令49④)。

仕入明細書の作成者の氏名又は名称
課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
課税仕入れを行った年月日
課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等

(注)
上記の記載事項のうち、②の登録番号を記載しないで作成した仕入明細書は、令和元年10月1日から令和5年9月30日(適格請求書等保存方式の開始前)までの間における区分記載請求書等として取り扱われます。

(参考)仕入明細書等の電磁的記録による保存
仕入税額控除の要件として保存が必要な請求書等には、上記①から⑥までの記載事項に係る電磁的記録も含まれます(新消令49⑦)。

したがって、上記①から⑥までの記載事項を記録した電磁的記録を保存することで、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たします。

なお、仕入明細書等の電磁的記録の保存方法は、提供を受けた適格請求書に係る電磁的記録の保存方法と同様となります(新消令50①、新消規15の5)。

この電磁的記録の保存方法については、問100《提供を受けた適格請求書に係る電磁的記録の保存方法》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当店は、食料品及び日用雑貨の小売を行っています。軽減税率制度の実施後、仕入先への代金の支払に当たり、以下のような仕入明細書を作成し、仕入先の確認を受け、保存しています。令和5年10月1日からは、適格請求書等保存方式における請求書等としての記載事項を満たすためには、仕入明細書について、どのような対応が必要ですか。【令和4年4月改訂】

2023年9月13日


<インボイス制度に関するQ&A 問84
当社は、現在、自ら作成した仕入明細書を相手方の確認を受けた上で請求書等として保存しています。適格請求書等保存方式の下でも仕入明細書を保存することによって、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすそうですが、相手方への確認は、どのように行えばよいですか。【令和2年9月改訂】

仕入税額控除の適用を受けるための請求書等に該当する仕入明細書等は、相手方の確認を受けたものに限られます(新消法30⑨三、インボイス通達4-6)。この相手方の確認を受ける方法としては、例えば、

仕入明細書等の記載内容を、通信回線等を通じて相手方の端末機に出力し、確認の通信を受けた上で、自己の端末機から出力したもの
仕入明細書等に記載すべき事項に係る電磁的記録につきインターネットや電子メールなどを通じて課税仕入れの相手方へ提供し、相手方から確認の通知等を受けたもの
仕入明細書等の写しを相手方に交付し、又は仕入明細書等の記載内容に係る電磁的記録を相手方に提供した後、一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする基本契約等を締結した場合におけるその一定期間を経たもの

があります。

なお、③については、

仕入明細書等に「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする」旨の通知文書等を添付して相手方に送付し、又は提供し、了承を得る。
仕入明細書等又は仕入明細書等の記載内容に係る電磁的記録に「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする」といった文言を記載し、又は記録し、相手方の了承を得る。

といったように、仕入明細書等の記載事項が相手方に示され、その内容が確認されている実態にあることが明らかであれば、相手方の確認を受けたものとなります。

(参考)
区分記載請求書等保存方式においても、仕入れを行った者が作成する仕入明細書等の書類で、一定事項が記載されており、相手方の確認を受けたものについては、仕入税額控除のために保存が必要な請求書等に該当します。

ただし、適格請求書等保存方式における仕入明細書等と区分記載請求書等保存方式における仕入明細書等の記載事項は異なりますので、ご注意ください。

★リンクはこちら→ 当社は、現在、自ら作成した仕入明細書を相手方の確認を受けた上で請求書等として保存しています。適格請求書等保存方式の下でも仕入明細書を保存することによって、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすそうですが、相手方への確認は、どのように行えばよいですか。【令和2年9月改訂】

2023年9月12日


<インボイス制度に関するQ&A 問83
当社は、取引先から請求書を電子データにより提供を受けました。これを出力して保存することで、仕入税額控除の要件を満たしますか。なお、提供を受けた請求書データは、適格請求書の記載事項を満たしています。【令和5年4月改訂】

ご質問の請求書の電子データのように、適格請求書に係る電磁的記録による提供を受けた場合であっても、電磁的記録を整然とした形式及び明瞭な状態で出力した書面を保存することで、仕入税額控除の適用に係る請求書等の保存要件を満たします(新消規15の5②)。

(参考)
令和3年度の税制改正により、電帳法において、所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税の保存義務者については、令和4年1月1日以後行う電子取引に係る電磁的記録を書面やマイクロフィルムに出力してその電磁的記録の保存に代えられる措置が廃止されましたので、全ての電子取引の取引情報に係る電磁的記録を一定の要件の下、保存しなければならないこととされました。

なお、令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に電子取引を行う場合には、授受した電磁的記録について要件に従って保存をすることができないことについて、納税地等の所轄税務署長がやむを得ない事情があると認め、かつ、保存義務者が税務調査等の際に、税務職員からの求めに応じ、その電磁的記録を整然とした形式及び明瞭な状態で出力した書面の提示又は提出をすることができる場合には、その保存要件にかかわらず電磁的記録の保存が可能となり、また、その電磁的記録の保存に代えてその電磁的記録を出力することにより作成した書面による保存をすることも認められます(この取扱いを受けるに当たり税務署への事前申請等の手続は必要ありません。)。

また、令和6年1月1日以後に行う電子取引の取引情報については要件に従った電子データの保存が必要(注)ですので、そのために必要な準備をお願いします。

電帳法上の保存方法等については、国税庁ホームページに掲載されている、「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」や「電子帳簿保存法一問一答」を参考としてください。

(注)
令和5年度の税制改正により、令和6年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存要件について見直しが行われました。令和5年度の税制改正を反映した「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」などについては、国税庁ホームページに随時掲載していきます。

★リンクはこちら→ 当社は、取引先から請求書を電子データにより提供を受けました。これを出力して保存することで、仕入税額控除の要件を満たしますか。なお、提供を受けた請求書データは、適格請求書の記載事項を満たしています。【令和5年4月改訂】

2023年9月6日


<インボイス制度に関するQ&A 問82
適格請求書等保存方式の下での仕入税額控除の要件を教えてください。【令和5年4月改訂】

適格請求書等保存方式の下では、一定の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件とされます(新消法30⑦)。

保存すべき請求書等には、適格請求書のほか、次の書類等も含まれます(新消法30⑨)。

適格簡易請求書
適格請求書又は適格簡易請求書の記載事項に係る電磁的記録
適格請求書の記載事項が記載された仕入明細書、仕入計算書その他これに類する書類(課税仕入れの相手方において課税資産の譲渡等に該当するもので、相手方の確認を受けたものに限ります。)(書類に記載すべき事項に係る電磁的記録を含みます。)
次の取引について、媒介又は取次ぎに係る業務を行う者が作成する一定の書類(書類に記載すべき事項に係る電磁的記録を含みます。)

  • 卸売市場において出荷者から委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の販売
  • 農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等が生産者(組合員等)から委託を受けて行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式によるものに限ります。)

なお、請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、次の取引については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(新消法30⑦、新消令49①、新消規15の4)。

公共交通機関特例の対象として適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(①に該当するものを除きます。)
古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物(古物営業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物(質屋を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の取得
宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物(宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
適格請求書発行事業者でない者からの再生資源及び再生部品(購入者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)

(注)一定規模以下の事業者は、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存により、当該課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けることができる経過措置が設けられています(28年改正法附則53の2、改正令附則24の2①)。

詳しくは、問108《一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式の下での仕入税額控除の要件を教えてください。【令和5年4月改訂】

2023年9月5日


<インボイス制度に関するQ&A 問81
当社は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録(PDF形式)を提供しています。提供した電磁的記録については、電帳法に準じた方法により保存することとされていますが、保存する電磁的記録は、相手方に提供したPDF形式のものではなく、このPDF形式を作成するための基となったXML形式の電磁的記録でも認められますか。【令和4年11月追加】

適格請求書発行事業者が適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合であって、電帳法に準じた方法により、当該電磁的記録を保存したときは、消費税法における適格請求書の写しの保存要件を満たすこととなります。適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合の保存方法の詳細については、問79《適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合の保存方法》をご参照ください。

この場合、保存する電磁的記録は、必ずしも、相手方に提供した電磁的記録そのものに限られたものではなく、取引内容が変更されるおそれのない合理的な方法により編集された電磁的記録により保存することも可能です(電帳法一問一答【電子取引関係】問35参照)。

ご質問の場合、相手方に提供する電磁的記録は、PDF形式とのことですが、例えば、データベースからフォーマットに出力してPDF形式の請求書を作成するといった、そのPDF形式がXML形式の電磁的記録から取引内容が変更されるおそれがなく合理的な方法により編集されたものであれば、PDF形式の基となったXML形式の電磁的記録を保存することでも差し支えありません。

なお 、当該電磁的記録の保存に当たっては、相手方に提供したPDF形式として出力できるなど、整然とした形式及び明瞭な状態でディスプレイ等に出力できるようにしておく必要がありますのでご注意ください。

★リンクはこちら→ 当社は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供しています。提供した電磁的記録については、保存しなければならないとのことですが、どのような方法で保存すればよいですか。【令和5年4月改訂】

2023年9月4日


<インボイス制度に関するQ&A 問80
当社は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供しています。提供した電磁的記録については、電帳法に準じた方法により保存することとされていますが、当該電磁的記録がXML形式等の取引情報に関する文字の羅列である場合、電帳法における保存要件の一つである「整然とした形式及び明瞭な状態」での画面及び書面への出力は、どの程度の表示が求められるのでしょうか。例えば、適格請求書の記載事項を示す文言(例えば、「取引年月日」という文言)も必要となるのでしょうか。【令和4年11月追加】

適格請求書発行事業者が適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合において、電帳法に準じた方法により、当該電磁的記録を保存することで、消費税法における適格請求書の写しの保存要件を満たすこととなります。

適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合の保存方法の詳細については、問79《適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合の保存方法》をご参照ください。

ご質問において保存する電磁的記録は、XML形式等の取引情報に関する文字の羅列とのことですが、請求書等のフォーマットなどにより視覚的に確認・出力されるものについては、保存要件を満たすこととなります(電帳法一問一答【電子取引関係】問33参照)。

具体的には、以下の出力(印刷)イメージのように適格請求書であることが視覚的に確認でき、内容が記載事項のどの項目を示しているか認識できるものであれば、消費税法上は、必ずしも、適格請求書の記載事項を示す文言(「取引年月日」や「課税資産の譲渡等の税抜金額又は税込金額を税率ごとに区分して合計した金額」という文言など)が必要となるものではありません。

なお、電帳法においては、「取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項)に係る電磁的記録」を保存する必要があり(電帳法2五、7)、当該電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるようにしておく必要があります(電帳規4①柱書、2②二)。

したがって、原則としては、電磁的に授受をした内容に含まれる「通常記載される事項」は全て出力(表示)することができる必要がありますが、その記載事項(金額等)が一見して何を表しているかが明らかである場合には、当該記載事項に係る項目が出力されていなくても差し支えありません。

ただし、授受した「通常記載される事項」に係る電磁的記録について、要件を満たして保存を行う必要があるのでご注意ください。

★リンクはこちら→ 当社は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供しています。提供した電磁的記録については、電帳法に準じた方法により保存することとされていますが、当該電磁的記録がXML形式等の取引情報に関する文字の羅列である場合、電帳法における保存要件の一つである「整然とした形式及び明瞭な状態」での画面及び書面への出力は、どの程度の表示が求められるのでしょうか。例えば、適格請求書の記載事項を示す文言(例えば、「取引年月日」という文言)も必要となるのでしょうか。【令和4年11月追加】

2023年8月31日


<インボイス制度に関するQ&A 問79
当社は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供しています。提供した電磁的記録については、保存しなければならないとのことですが、どのような方法で保存すればよいですか。【令和5年4月改訂】

適格請求書発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)から求められたときは適格請求書を交付しなければなりませんが、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を相手方に提供することができます(新消法57の4①⑤)。

その場合、適格請求書発行事業者は、提供した電磁的記録を

  • 電磁的記録のまま、又は
  • 紙に印刷して、

その提供した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、納税地又はその取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地に保存しなければなりません(新消法57の4⑥、新消令70の13①、新消規26の8)。

また、その電磁的記録をそのまま保存しようとするときには、以下の措置を講じる必要があります(新消規26の8①)。

①次のイからニのいずれかの措置を行うこと
イ 適格請求書に係る電磁的記録を提供する前にタイムスタンプを付し、その電磁的記録を提供すること(電帳規4①一)

ロ 次に掲げる方法のいずれかにより、タイムスタンプを付すとともに、その電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと(電帳規4①二)

  • 適格請求書に係る電磁的記録の提供後、速やかにタイムスタンプを付すこと
  • 適格請求書に係る電磁的記録の提供からタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合において、その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかにタイムスタンプを付すこと

ハ 適格請求書に係る電磁的記録の記録事項について、次のいずれかの要件を満たす電子計算機処理システムを使用して適格請求書に係る電磁的記録の提供及びその電磁的記録を保存すること(電帳規4①三)

  • 訂正又は削除を行った場合には、その事実及び内容を確認することができること
  • 訂正又は削除することができないこと

ニ 適格請求書に係る電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと(電帳規4①四)

②適格請求書に係る電磁的記録の保存等に併せて、システム概要書の備付けを行うこと(電帳規2②一、4①)

③適格請求書に係る電磁的記録の保存等をする場所に、その電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、その電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できるようにしておくこと(電帳規2②二、4①)

④適格請求書に係る電磁的記録について、次の要件を満たす検索機能を確保しておくこと(電帳規2⑥六、4①)

国税に関する法律の規定による電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときはⅱ及びⅲの要件が不要となり、その判定期間に係る基準期間における売上高が 1,000 万円以下の事業者が国税に関する法律の規定による電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときは検索機能の全てが不要となります(注)。

  1. 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索条件として設定できること
  2. 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること
  3. 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できること

他方、適格請求書に係る電磁的記録を紙に印刷して保存しようとするときには、整然とした形式及び明瞭な状態で出力する必要があります(新消規26の8②)。

(参考)電帳法上の保存方法等については、国税庁ホームページに掲載されている、「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」や「電子帳簿保存法一問一答」を参考としてください。

(注)令和5年度の税制改正により、令和6年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存要件について見直しが行われました。
令和5年度の税制改正を反映した「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」などについては、国税庁ホームページに随時掲載していきます。

★リンクはこちら→ 当社は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供しています。提供した電磁的記録については、保存しなければならないとのことですが、どのような方法で保存すればよいですか。【令和5年4月改訂】

2023年8月30日


<インボイス制度に関するQ&A 問78
当社は、自己の業務システムで作成した適格請求書を出力し、書面で交付しています。適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書の写しを保存しなければなりませんが、書面で交付した適格請求書の写しとして、当該システムで作成したデータを保存することも認められますか。【令和4年11月改訂】

適格請求書発行事業者には、交付した適格請求書の写しの保存義務があります(新消法57の4⑥)。

こうした国税に関する法律の規定により保存が義務付けられている書類で、自己が一貫して電子計算機を使用して作成したものについては、電帳法に基づき、電磁的記録による保存をもって書類の保存に代えることができることとされています(電帳法4②)。

なお、作成したデータでの保存に当たっては、次の要件を満たす必要があります。

適格請求書に係る電磁的記録の保存等に併せて、システム関係書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等)の備付けを行うこと(電帳規2②一、③)
適格請求書に係る電磁的記録の保存等をする場所に、その電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、その電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できるようにしておくこと(電帳規2②二、③)
国税に関する法律の規定による適格請求書に係る電磁的記録の提示若しくは提出の要求に応じることができるようにしておくこと又は適格請求書に係る電磁的記録について、次の要件を満たす検索機能を確保しておくこと(電帳規2②三、③)

  •  取引年月日、その他の日付を検索条件として設定できること
  •  日付に係る記録項目は、その範囲を指定して条件を設定することができること

(参考1)
複数の適格請求書の記載事項に係る一覧表等を適格請求書の写しとして電磁的記録により保存する場合には、消費税法上は、必ずしも交付した適格請求書として出力する必要はなく、上記①~③の要件を満たした当該一覧表等の電磁的記録を保存することで問題ありません。

(参考2)
電帳法上の保存方法等については、国税庁ホームページに掲載されている、「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」や「電子帳簿保存法一問一答」を参考としてください。

★リンクはこちら→ 当社は、自己の業務システムで作成した適格請求書を出力し、書面で交付しています。適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書の写しを保存しなければなりませんが、書面で交付した適格請求書の写しとして、当該システムで作成したデータを保存することも認められますか。【令和4年11月改訂】

2023年8月28日


<インボイス制度に関するQ&A 問77
交付した適格請求書の写しや提供した適格請求書に係る電磁的記録については、何年間保存が必要ですか。

適格請求書発行事業者には、交付した適格請求書の写し及び提供した適格請求書に係る電磁的記録の保存義務があります(新消法57の4⑥)。

この適格請求書の写しや電磁的記録については、交付した日又は提供した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、納税地又はその取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地に保存しなければなりません(新消令70の13①)。

(参考)
仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等についても、同様です(新消令50①)。

★リンクはこちら→ 交付した適格請求書の写しや提供した適格請求書に係る電磁的記録については、何年間保存が必要ですか。

2023年8月25日


<インボイス制度に関するQ&A 問76
適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書の写しの保存が義務付けられるとのことですが、「交付した適格請求書の写し」とは、交付した書類を複写したものでなければならないのですか。【令和元年7月追加】

適格請求書発行事業者には、交付した適格請求書の写し及び提供した適格請求書に係る電磁的記録の保存義務があります(新消法57の4⑥)。

「交付した適格請求書の写し」とは、交付した書類そのものを複写したものに限らず、その適格請求書の記載事項が確認できる程度の記載がされているものもこれに含まれますので、例えば、適格簡易請求書に係るレジのジャーナル、複数の適格請求書の記載事項に係る一覧表や明細表などの保存があれば足りることとなります。

自己が一貫して電子計算機を使用して作成した適格請求書については、その写しを電磁的記録により保存することも認められます。
詳しくは、問78《適格請求書の写しの電磁的記録による保存》をご参照ください。
また、適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合の保存については、問79《適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合の保存方法》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書の写しの保存が義務付けられるとのことですが、「交付した適格請求書の写し」とは、交付した書類を複写したものでなければならないのですか。【令和元年7月追加】

2023年8月23日


<インボイス制度に関するQ&A 問75
当社は、令和5年10月1日に適格請求書発行事業者の登録を受ける予定です。当社は、売上げの請求書について、毎月15日締めとしています。適格請求書等保存方式が開始する令和5年10月1日をまたぐ令和5年9月16日から10月15日までの期間に係る請求書の記載についてどのような対応が必要ですか。【令和4年4月追加】

適格請求書発行事業者には、登録日以後の取引について、相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じ、適格請求書を交付する義務があります。

登録日をまたぐ一定の期間の取引に係る請求書については、登録日以後の課税資産の譲渡等について適格請求書を交付することとなるため、課税資産の譲渡等の対価の額や税率ごとに区分した消費税額等の記載に当たっては、登録日前の課税資産の譲渡等に係るものと登録日以後の課税資産の譲渡等に係るものとに区分するなどの対応が必要となります。

ただし、ご質問のように、登録日が令和5年10月1日(適格請求書等保存方式の開始日)である場合については、買手において登録日前後の課税仕入れがいずれも仕入税額控除の対象となることから、登録日をまたぐ請求書を適格請求書とするときは、登録日前後の課税資産の譲渡等(令和5年9月16日から30日までの期間と令和5年10月1日から15日までの期間)を区分することなく請求書に記載して交付することも認められます。

★リンクはこちら→ 当社は、令和5年10月1日に適格請求書発行事業者の登録を受ける予定です。当社は、売上げの請求書について、毎月15日締めとしています。適格請求書等保存方式が開始する令和5年10月1日をまたぐ令和5年9月16日から10月15日までの期間に係る請求書の記載についてどのような対応が必要ですか。【令和4年4月追加】

2023年8月21日


<インボイス制度に関するQ&A 問74>
当社は、令和3年10月に登録申請書を提出し、適格請求書等保存方式が開始される前(令和5年9月30日以前)に登録番号が通知されました。令和5年9月30日以前に交付する区分記載請求書等に登録番号を記載しても問題ないですか。【令和4年4月改訂】

書等の記載事項が記載されていれば、取引の相手方は、区分記載請求書等保存方式の間(令和元年10月1日から令和5年9月30日まで)における仕入税額控除の要件である区分記載請求書等を保存することができますので、区分記載請求書等に登録番号を記載しても差し支えありません。

また、適格請求書の発行に対応したレジシステム等の改修を行い、適格請求書の記載事項を満たした請求書等を発行する場合にも、その請求書等は、区分記載請求書等として必要な記載事項を満たしていますので、区分記載請求書等保存方式の間に交付しても問題ありません。

(注)区分記載請求書等の記載事項のうち、税率ごとに区分して合計した税込価額については、適格請求書の記載事項である課税資産の譲渡等の税抜価額を税率ごとに区分して合計した金額及び税率ごとに区分した消費税額等を記載することとして差し支えありません。

★リンクはこちら→ 当社は、令和3年10月に登録申請書を提出し、適格請求書等保存方式が開始される前(令和5年9月30日以前)に登録番号が通知されました。令和5年9月30日以前に交付する区分記載請求書等に登録番号を記載しても問題ないですか。【令和4年4月改訂】

2023年8月17日


<インボイス制度に関するQ&A 問73>
民法上の任意組合(組合員の全てが適格請求書発行事業者であり、その旨の届出書を所轄税務署長に提出しています。)の事業として行った取引について、適格請求書を交付する場合、適格請求書には、組合員全ての「氏名又は名称及び登録番号」を記載する必要がありますか。

任意組合等の事業として行われる取引については、その組合員の全てが適格請求書発行事業者であり、業務執行組合員が、その旨を記載した届出書に、当該任意組合等の契約書の写しを添付し、納税地を所轄する税務署長に提出した場合に限り、適格請求書を交付することができます(新消法57の6①、新消令70の14①)。

この場合、交付する適格請求書に記載する「適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号」は、原則として組合員全員のものを記載することとなりますが、次の事項(①及び②)を記載することも認められます(新消令70の14⑤)。

その任意組合等の、いずれかの組合員の「氏名又は名称及び登録番号」(一又は複数の組合員の「氏名又は名称及び登録番号」で差し支えありません。)
その任意組合等の名称

★リンクはこちら→ 民法上の任意組合(組合員の全てが適格請求書発行事業者であり、その旨の届出書を所轄税務署長に提出しています。)の事業として行った取引について、適格請求書を交付する場合、適格請求書には、組合員全ての「氏名又は名称及び登録番号」を記載する必要がありますか。

2023年8月15日


<インボイス制度に関するQ&A 問72>
当社は、日用雑貨の卸売を行う事業者です。当社では、軽減税率の適用対象となる商品の販売がありません。軽減税率制度の実施後、買手の仕入税額控除のための請求書等の記載事項を満たすものとして、次の請求書を取引先に交付しています。当社が交付する請求書を適格請求書とするためには、記載内容にどのような変更が必要でしょうか。【平成30年11月追加】【令和2年9月改訂】

適格請求書の記載事項は、次のとおりです(区分記載請求書等保存方式における請求書等の記載事項に加え、①、④及び⑤の下線部分が追加されます。)(新消法57の4①)。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
課税資産の譲渡等を行った年月日
課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等
書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

このため、貴社の対応としては、次の記載例のように、適格請求書として必要な事項(上記①、④及び⑤の下線部分)を記載することが必要です。

ご質問のように、販売する商品が軽減税率の適用対象とならないもののみであれば、「軽減対象資産の譲渡等である旨」の記載は不要であり、これまでと同様に課税資産の譲渡等の対価の額(税込価格)の記載があれば、結果として「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」の記載があるものとなります。

なお、適用税率(10%)や消費税額等の記載が必要となる点には、ご留意ください。

★リンクはこちら→ 当社は、日用雑貨の卸売を行う事業者です。当社では、軽減税率の適用対象となる商品の販売がありません。軽減税率制度の実施後、買手の仕入税額控除のための請求書等の記載事項を満たすものとして、次の請求書を取引先に交付しています。当社が交付する請求書を適格請求書とするためには、記載内容にどのような変更が必要でしょうか。【平成30年11月追加】【令和2年9月改訂】

2023年8月9日


<インボイス制度に関するQ&A 問71>
適格請求書の記載事項である「軽減対象資産の譲渡等である旨」の記載方法について教えてください。【令和5年4月追加】

適格請求書の記載事項である「軽減対象資産の譲渡等である旨」の記載については、軽減税率が適用された課税資産の譲渡等であることが客観的に明らかであるといえる程度の表示がされていればよく、個々の取引ごとに適用税率が記載されている場合のほか、例えば、以下のような場合も認められます(軽減通達18)。

同一の適格請求書において、軽減対象資産の譲渡等に該当する取引内容ごとに軽減対象資産の譲渡等であることを示す記号、番号等を表示し、かつ、当該適格請求書において当該記号、番号等が軽減対象資産の譲渡等に係るものであることとして表示されている場合
同一の適格請求書において、軽減対象資産の譲渡等に該当する取引内容を区分し、当該区分して記載された軽減対象資産の譲渡等に該当する取引内容につき軽減対象資産の譲渡等であることが表示されている場合
軽減対象資産の譲渡等に係る適格請求書と軽減対象資産の譲渡等以外のものに係る適格請求書とが区分して作成され、当該区分された軽減対象資産の譲渡等に係る適格請求書に、記載された取引内容が軽減対象資産の譲渡等であることが表示されている場合

★リンクはこちら→ 適格請求書の記載事項である「軽減対象資産の譲渡等である旨」の記載方法について教えてください。【令和5年4月追加】

2023年8月7日


<インボイス制度に関するQ&A 問70>
当社は、EDI取引を行っており、受発注や納品などの日々の取引については、取引先と電磁的記録を交換することにより行っています。ただし、請求書については、月まとめで、書面により取引先に交付しています。請求書を適格請求書とするために、請求書には、以下のように登録番号等の記載を行い、日々の取引の明細については、電磁的記録である請求明細(税率ごとに分けて作成します。)を参照しようと考えています。このような場合であっても、適格請求書を交付したことになりますか。
(注)EDI(Electronic Data Interchange)取引とは、異なる企業・組織間で商取引に関連するデータを、通信回線を介してコンピュータ間で交換する取引等をいいます。

適格請求書とは、次の事項が記載された請求書、納品書等の書類をいいますが、一の書類のみで全ての記載事項を満たす必要はなく、書類相互(書類と電磁的記録)の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法で交付されていれば、複数の書類や、書類と電磁的記録の全体により、適格請求書の記載事項を満たすことになります。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  2. 課税資産の譲渡等を行った年月日
  3. 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(当該課税資産の譲渡等が軽減税率の対象となるものであれば、その内容及び軽減税率の対象である旨)
  4. 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 適格請求書の交付を受ける事業者の氏名又は名称

したがって、ご質問の場合、課税資産の譲渡等の内容(軽減税率の対象である旨を含みます。)を含む請求明細に係る電磁的記録を提供した上で、それ以外の記載事項のある月まとめの請求書を交付することで、これら全体により、適格請求書の記載事項を満たすことになります。

なお、請求明細に係る電磁的記録については、提供した適格請求書に係る電磁的記録と同様の措置等を行い、保存する必要があります。

提供した適格請求書に係る電磁的記録の保存方法については、問79《適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合の保存方法》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、EDI取引を行っており、受発注や納品などの日々の取引については、取引先と電磁的記録を交換することにより行っています。ただし、請求書については、月まとめで、書面により取引先に交付しています。請求書を適格請求書とするために、請求書には、以下のように登録番号等の記載を行い、日々の取引の明細については、電磁的記録である請求明細(税率ごとに分けて作成します。)を参照しようと考えています。このような場合であっても、適格請求書を交付したことになりますか。

2023年8月4日


<インボイス制度に関するQ&A 問69>
当社で主催する演劇の入場券について、一定の販売方法においては、券面金額から一定金額を値引きして販売しています。例えば、12,000円の入場券について、1,000円引きの11,000円で販売しています。このような場合において、当該入場券と引換えに行う演劇に係る適格請求書(又は適格簡易請求書)の記載事項はどのようになりますか。【令和4年11月追加】

適格請求書(又は適格簡易請求書)に記載する「課税資産の譲渡等の税抜価額(又は税込価額)を税率ごとに区分して合計した金額」は、売手において課税売上げとして計上する金額を基礎として記載することとなります。

この点、貴社は、当該入場券を11,000円で販売しているとのことですので、当該入場券と引換えに行う演劇(役務の提供)の対価(課税売上げとして計上する金額)は、11,000円となります。

したがって、当該入場券と引換えに行う演劇について適格請求書(又は適格簡易請求書)を交付する場合、当該適格請求書等に記載する「課税資産の譲渡等の税抜価額(又は税込価額)を税率ごとに区分して合計した金額」は、券面金額としている12,000円ではなく、実際に受領した金額11,000円を基礎とした金額となります。

★リンクはこちら→ 当社で主催する演劇の入場券について、一定の販売方法においては、券面金額から一定金額を値引きして販売しています。例えば、12,000円の入場券について、1,000円引きの11,000円で販売しています。このような場合において、当該入場券と引換えに行う演劇に係る適格請求書(又は適格簡易請求書)の記載事項はどのようになりますか。【令和4年11月追加】

2023年8月2日


<インボイス制度に関するQ&A 問68>
当社は、事業者に対して食料品などの卸売を行っています。取引先に対する請求に際して、当該請求金額の合計額の端数を値引きすることがあるのですが(いわゆる「出精値引き」)、適格請求書等保存方式においては、請求書の記載についてどのような対応が必要ですか。【令和4年4月追加】【令和5年4月改訂】

ご質問のように課税資産の譲渡等の対価の額の端数を値引きする場合、値引きの時期が課税資産の譲渡等を行う前か後かで以下のように対応が分けられます。

既に行った課税資産の譲渡等の対価の額に係る値引きである場合、売上げに係る対価の返還等として処理する
これから行う課税資産の譲渡等の対価の額に係る値引きである場合(課税資産の譲渡等を行う際に当該課税資産の譲渡等の対価の額を減額している場合)、課税資産の譲渡等の対価の額から直接減額して処理する

なお、値引きの時期が課税資産の譲渡等を行う前か後かについて厳密な区分が困難である場合は、①と②のいずれの処理を行っても差し支えありません。

1.売上げに係る対価の返還等として処理する方法(上記①)
既に行った課税資産の譲渡等の対価の額の端数の値引きである場合、当該課税資産の譲渡等に対する値引きについては適格返還請求書を交付することとなりますが、適格請求書と適格返還請求書のそれぞれの記載事項を満たして一の書類で記載することもできます。

この場合、貴社が行う出精値引きは既に行った個々の取引のいずれかに対して値引きを行う性質のものではなく、その請求全体に対して値引きを行うものであるため、適格返還請求書の記載事項である「売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」は、適格請求書の記載事項である「課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」と同一となることから、記載する必要はありません。

また、例えば、標準税率の取引のみを行っているなど、取引に係る適用税率が単一である場合、適格返還請求書の記載事項である売上げに係る対価の返還等の金額に係る「適用税率」に関しても同様に、適格請求書の記載事項である「適用税率」とは別に記載する必要はありません。

なお、適格返還請求書は、売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額等又は適用税率のいずれか一方のみの記載が求められている(両方記載することも可能です。)ことから、適用税率を記載した場合は、「売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額等」の記載を省略することができます。

貴社が帳簿に記載する「売上げに係る対価の返還等に係る課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」については、端数値引きによる対価の返還等であることが明らかな記載であれば問題ありません。

2.課税資産の譲渡等の対価の額から直接減額して処理する方法(上記②)
これから行う課税資産の譲渡等の値引きである場合、課税資産の譲渡等の対価の額から直接減額して処理することとなりますので、適格請求書には、値引き後の対価の額に係る消費税額等の記載が必要となります。

また、標準税率及び軽減税率対象の取引を同時に行う場合の出精値引きについては、当該出精値引額をその資産の譲渡等の価額の比率によりあん分し、適用税率ごとに区分する必要があります。

なお、この場合において、例えば、標準税率対象のものからのみ値引きを行うとしても値引額又は値引き後の対価の額が明らかとなっていれば、合理的に区分されているものに該当します(軽減通達15)。

軽減対象資産の譲渡等とそれ以外の資産の譲渡等を一括して値引きする場合の適格簡易請求書の記載方法については、問 67《一括値引きがある場合の適格簡易請求書の記載》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、事業者に対して食料品などの卸売を行っています。取引先に対する請求に際して、当該請求金額の合計額の端数を値引きすることがあるのですが(いわゆる「出精値引き」)、適格請求書等保存方式においては、請求書の記載についてどのような対応が必要ですか。【令和4年4月追加】【令和5年4月改訂】

2023年7月31日


<インボイス制度に関するQ&A 問67>
当社は、小売業(スーパーマーケット)を営む事業者です。当社では、飲食料品と飲食料品以外のものを同時に販売した際に、合計金額(税込み)から1,000 円の値引きができる割引券を発行しています。令和5年10月から、顧客が割引券を使用し、値引きを行った場合、当社が発行するレシートには、どのような記載が必要となりますか。【平成30年11月追加】

飲食料品と飲食料品以外の資産を同時に譲渡し、割引券等の利用により、その合計額から一括して値引きを行う場合、税率ごとに区分した値引き後の課税資産の譲渡等の対価の額に対してそれぞれ消費税が課されることとなります。

そのため、適格簡易請求書であるレシート等における「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」は、値引き後のものを明らかにする必要があります。

なお、税率ごとに区分された値引き前の課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額と税率ごとに区分された値引額がレシート等において明らかとなっている場合は、これらにより値引き後の課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額が確認できるため、このような場合であっても、値引き後の「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」が明らかにされているものとして取り扱われます。

また、レシート等に記載する「消費税額等」については、値引き後の「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」から計算することとなります。

ご質問の場合、レシートの記載方法としては次のようなものがあります。

★リンクはこちら→ 当社は、小売業(スーパーマーケット)を営む事業者です。当社では、飲食料品と飲食料品以外のものを同時に販売した際に、合計金額(税込み)から1,000 円の値引きができる割引券を発行しています。令和5年10月から、顧客が割引券を使用し、値引きを行った場合、当社が発行するレシートには、どのような記載が必要となりますか。【平成30年11月追加】

2023年7月28日


<インボイス制度に関するQ&A 問66>
当社は、米ドル建てにより取引を行っており、当該取引に係る資産の譲渡等の対価の額については、法人税における処理と同様に取引を行った日の対顧客直物電信売相場(TTS)と対顧客直物電信買相場(TTB)の仲値(TTM)により円換算を行っています。このような外貨建取引に係る適格請求書は、どのように記載すればよいですか。【令和4年4月追加】【令和4年11月改訂】

米ドルなどの外貨建てによる取引であっても、適格請求書に記載が必要な事項は問52《適格請求書に記載が必要な事項》と同様ですが、「税率の異なるごとに区分した消費税額等」を除き、記載事項を外国語や外貨により記載しても問題ありません。

しかし、外貨建てによる取引であっても、「税率の異なるごとに区分した消費税額等」については、円換算した金額を記載する必要があります。

具体的には、以下のいずれかの計算方法により、円換算して「税率の異なるごとに区分した消費税額等」を算出することとなります。

  1. 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税抜)を円換算後、消費税額等を算出する方法
  2. 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税込)を円換算後、消費税額等を算出する方法
  3. 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税抜)から計算過程の消費税額等(外貨)を算出後、円換算する方法
  4. 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税込)から計算過程の消費税額等(外貨)を算出後、円換算する方法

★リンクはこちら→ 当社は、米ドル建てにより取引を行っており、当該取引に係る資産の譲渡等の対価の額については、法人税における処理と同様に取引を行った日の対顧客直物電信売相場(TTS)と対顧客直物電信買相場(TTB)の仲値(TTM)により円換算を行っています。このような外貨建取引に係る適格請求書は、どのように記載すればよいですか。【令和4年4月追加】【令和4年11月改訂】

2023年7月26日


<インボイス制度に関するQ&A 問65>
当社は、商品の納品の都度、取引先に納品書を交付しており、そこには、当社の名称、商品名、納品書ごとの合計金額を記載しています。令和5年10月から、納品書に税率ごとに区分して合計した税込価額、適用税率と納品書ごとに計算した消費税額等の記載を追加するとともに、請求書に登録番号の記載を追加すれば、納品書と請求書を合わせて適格請求書の記載事項を満たすことになりますか。また、その場合、端数処理はどのように行えばよいでしょうか。【平成30年11月追加】【令和4年4月改訂】

適格請求書とは、必要な事項が記載された請求書、納品書等の書類をいいますが、一の書類のみで全ての記載事項を満たす必要はなく、交付された複数の書類相互の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法(例えば、請求書に納品書番号を記載する方法など)で交付されていれば、これら複数の書類に記載された事項により適格請求書の記載事項を満たすことができます(インボイス通達3-1)。

このため、ご質問のように納品書に「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率」及び「税率ごとに区分した消費税額等」の記載を追加するとともに、「登録番号」を請求書に記載した場合は、納品書と請求書を合わせて適格請求書の記載事項を満たすこととなります。

この場合、納品書に「税率ごとに区分した消費税額等」を記載するため、納品書につき税率ごとに1回の端数処理を行うこととなります。

★リンクはこちら→ 当社は、商品の納品の都度、取引先に納品書を交付しており、そこには、当社の名称、商品名、納品書ごとの合計金額を記載しています。令和5年10月から、納品書に税率ごとに区分して合計した税込価額、適用税率と納品書ごとに計算した消費税額等の記載を追加するとともに、請求書に登録番号の記載を追加すれば、納品書と請求書を合わせて適格請求書の記載事項を満たすことになりますか。また、その場合、端数処理はどのように行えばよいでしょうか。【平成30年11月追加】【令和4年4月改訂】

2023年7月24日


<インボイス制度に関するQ&A 問64>
当社は、複数の事業所がある顧客に対しては、その事業所ごとに契約を締結し取引を行っています。一方、請求書は、以下のように複数の契約をまとめて交付しています。現在、契約ごとに消費税額等の端数処理を行い、ご請求金額欄における消費税額等はその端数処理をした消費税額等の合計額を記載していますが、令和5年10月から、この請求書に登録番号を追加すれば適格請求書の記載事項を満たすことになりますか。【令和4年11月追加】

適格請求書に記載する消費税額等は、適格請求書に記載した税率ごとに合計した課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額に、一定の割合(税抜価額の場合100分の10(又は100分の8)、税込価額の場合110分の10(又は108分の8)を乗じて算出し、その算出した消費税額等に1円未満の端数が生じた場合にその端数を処理するため、適格請求書に記載する消費税額等の端数処理は一の適格請求書につき、税率ごとに1回行うこととなります(新消令70の10、インボイス通達3-12)。

ご質問の請求書については、契約ごとに課税資産の譲渡等の税抜金額及び消費税額等を記載しているものですが、一の書類として交付しているものであるため、この書類を適格請求書とする場合、当該一の書類に係る課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額の合計額から消費税額等を算出する必要があります。

この点、ご質問の請求書に記載されている消費税額等は、契約ごとの課税資産の譲渡等の税抜価額から算出して端数処理した消費税額等を合計しているため、適格請求書の記載事項を満たしません。

なお、例えば、以下の場合のように、課税資産の譲渡等の税込価額を合計し、その合計金額から算出した消費税額等を記載することにより、適格請求書の記載事項である消費税額等とすることができます。

この場合、契約ごとに算出した消費税額等を参考として記載することは問題ありませんが、法令で求められる適格請求書の記載事項としての消費税額等にはなりませんのでご留意ください。

★リンクはこちら→ 当社は、複数の事業所がある顧客に対しては、その事業所ごとに契約を締結し取引を行っています。一方、請求書は、以下のように複数の契約をまとめて交付しています。現在、契約ごとに消費税額等の端数処理を行い、ご請求金額欄における消費税額等はその端数処理をした消費税額等の合計額を記載していますが、令和5年10月から、この請求書に登録番号を追加すれば適格請求書の記載事項を満たすことになりますか。【令和4年11月追加】

2023年7月20日


<インボイス制度に関するQ&A 問63>
当社は、書類に代えて、インターネットを利用して電子メールで請求書に係る電磁的記録を提供しています。適格請求書に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供できるそうですが、この電磁的記録には、どのような内容を記録する必要がありますか。

適格請求書とは、次の事項が記載された請求書、納品書等の書類をいいますが、一の書類のみで全ての記載事項を満たす必要はなく、交付された複数の書類相互の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法(例えば、請求書に納品書番号を記載するなど)で交付されていれば、その複数の書類の全体により適格請求書の記載事項を満たすことになります(インボイス通達3-1)。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
課税資産の譲渡等を行った年月日
課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等
適格請求書の交付を受ける事業者の氏名又は名称

したがって、ご質問の場合、次の対応が考えられます。

1.請求書に適格請求書として必要な事項を全て記載する場合
適格請求書として必要な事項を全て記載することにより、請求書の交付のみをもって、適格請求書の交付義務を果たすことができます。この場合、納品書の様式を変更していただく必要はありません。
【適格請求書として必要な記載事項を全て請求書に記載する場合の記載例】

2.請求書のみでは適格請求書の記載事項が不足するため、納品書で不足する記載事項を補完する場合
請求書に、登録番号、税率ごとに区分した消費税額等及び適用税率を記載するとともに、日々の取引の内容(軽減税率の対象である旨を含みます。)については、納品書に記載することにより、2種類の書類で適格請求書の記載事項を満たすことができます。
したがって、この場合、請求書と納品書を交付することにより、適格請求書の交付義務を果たすことができます。
【請求書に不足する適格請求書の記載事項を納品書で補完する場合の記載例】

★リンクはこちら→ 当社は、書類に代えて、インターネットを利用して電子メールで請求書に係る電磁的記録を提供しています。適格請求書に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供できるそうですが、この電磁的記録には、どのような内容を記録する必要がありますか。

2023年7月18日


<インボイス制度に関するQ&A 問62
当社は、書類に代えて、インターネットを利用して電子メールで請求書に係る電磁的記録を提供しています。適格請求書に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供できるそうですが、この電磁的記録には、どのような内容を記録する必要がありますか。

適格請求書発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)から求められたときは適格請求書を交付しなければなりませんが、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供することができます(新消法57の4①⑤)。

なお、提供する電磁的記録は、次のとおり適格請求書の記載事項と同じ内容の記録である必要があります。

電磁的記録を提供する適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
課税資産の譲渡等を行った年月日
課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等
電磁的記録の提供を受ける事業者の氏名又は名称

また、電磁的記録による提供方法については、問32《適格請求書に係る電磁的記録による提供》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、書類に代えて、インターネットを利用して電子メールで請求書に係る電磁的記録を提供しています。適格請求書に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供できるそうですが、この電磁的記録には、どのような内容を記録する必要がありますか。

2023年7月14日


<インボイス制度に関するQ&A 問61
当社は、販売促進の目的で、一定の商品を対象として、取引高に応じて、取引先(当社の売上先)に販売奨励金を支払うこととしています。 販売奨励金の精算に当たっては、取引先から交付される奨励金請求書に基づき支払い、消費税については、売上げに係る対価の返還等として処理しています。この場合、適格請求書等保存方式においては、当社から取引先に対して、改めて、適格返還請求書を交付する必要がありますか。【平成30年11月追加】【令和5年4月改訂】

ご質問の販売奨励金は、貴社の売上げに係る対価の返還等に該当します(基通14-1-2)ので、貴社は、取引先に対し、適格返還請求書を交付する義務があります(新消法57の4③)。

適格返還請求書の記載事項は、次のとおりです。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
売上げに係る対価の返還等を行う年月日及びその売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日(適格請求書を交付した売上げに係るものについては、課税期間の範囲で一定の期間の記載で差し支えありません。)
売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
売上げに係る対価の返還等の金額に係る税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率

ご質問の場合、取引先が作成する書類である奨励金請求書に販売奨励金に関する適格返還請求書として必要な事項が記載されていれば、貴社と取引先との間で、貴社の売上げに係る対価の返還等の内容について記載された書類が共有されていますので、貴社は、改めて、適格返還請求書を交付しなくても差し支えありません。

★リンクはこちら→ 当社は、販売促進の目的で、一定の商品を対象として、取引高に応じて、取引先(当社の売上先)に販売奨励金を支払うこととしています。 販売奨励金の精算に当たっては、取引先から交付される奨励金請求書に基づき支払い、消費税については、売上げに係る対価の返還等として処理しています。この場合、適格請求書等保存方式においては、当社から取引先に対して、改めて、適格返還請求書を交付する必要がありますか。【平成30年11月追加】【令和5年4月改訂】

2023年7月12日


<インボイス制度に関するQ&A 問60
当社は、事業者に対して食料品及び日用雑貨の卸売を行っています。取引先と販売奨励金に係る契約を締結しており、一定の商品を対象として、取引高に応じて、取引先に販売奨励金を支払うこととしています。また、販売奨励金の精算に当たっては、当月分の請求書において、当月分の請求金額から前月分の販売奨励金の金額を控除する形式で行っています。適格請求書等保存方式においては、請求書の記載についてどのような対応が必要ですか。【令和5年4月改訂】

ご質問の販売奨励金は、貴社の売上げに係る対価の返還等に該当します。

したがって、貴社は、取引先に対し、課税資産の譲渡等と売上げに係る対価の返還等を行っていることから、取引先に対し、適格請求書と適格返還請求書を交付する義務があります。

この場合において、貴社が交付する請求書に、適格請求書と適格返還請求書それぞれに必要な記載事項を記載して1枚の書類で交付することも可能です。

具体的には、当月販売した商品について、適格請求書として必要な事項を記載するとともに、前月分の販売奨励金について、適格返還請求書として必要な事項を記載すれば、1枚の請求書を交付することで差し支えありません。

また、継続して、課税資産の譲渡等の対価の額から売上げに係る対価の返還等の金額を控除した金額及びその金額に基づき計算した消費税額等を税率ごとに請求書等に記載することで、適格請求書に記載すべき「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」と適格返還請求書に記載すべき「売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」及び「売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額等」の記載を満たすこともできます(インボイス通達3-16)。

(注)
この場合、課税資産の譲渡等の金額から売上げに係る対価の返還等の金額を控除した金額に基づく消費税額等の計算については、税率ごとに1回の端数処理となります。

★リンクはこちら→ 当社は、事業者に対して食料品及び日用雑貨の卸売を行っています。取引先と販売奨励金に係る契約を締結しており、一定の商品を対象として、取引高に応じて、取引先に販売奨励金を支払うこととしています。また、販売奨励金の精算に当たっては、当月分の請求書において、当月分の請求金額から前月分の販売奨励金の金額を控除する形式で行っています。適格請求書等保存方式においては、請求書の記載についてどのような対応が必要ですか。【令和5年4月改訂】

2023年7月10日


<インボイス制度に関するQ&A 問59
適格返還請求書には、「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」を記載する必要があるとのことですが、日々、商品の返品が行われているため、個々の商品について正確な販売年月日を把握することが困難です。そのため、例えば、10月中に返品を受けた商品は、前月である9月中に販売したものの返品として処理している場合には「9月末日」を、同商品について最後に販売したものの返品として処理している場合には「最終販売年月日」を、それぞれ「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」として記載することも認められるでしょうか。【令和元年7月追加】

適格請求書発行事業者には、課税事業者に対して売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書を交付する義務が課されており、適格返還請求書には、「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」を記載することとされています(新消法 57の4③)。

この点、「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」は、課税期間の範囲内で一定の期間の記載で差し支えありませんので、例えば、月単位や「○月~△月分」といった記載も認められることとなります。

他方、返品等の処理を合理的な方法により継続して行っているのであれば、当該返品等の処理に基づき合理的と認められる年月日を記載することとしても差し支えありませんので、ご質問のように「前月末日」や「最終販売年月日」を「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」として記載することも、そのような処理が合理的な方法として継続して行われているのであれば、認められることとなります。

なお、その年月日が、適格請求書発行事業者の登録前の期間に属するものであるときは、適格返還請求書の交付義務はありません(インボイス通達3-14)。

★リンクはこちら→ 適格返還請求書には、「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」を記載する必要があるとのことですが、日々、商品の返品が行われているため、個々の商品について正確な販売年月日を把握することが困難です。そのため、例えば、10月中に返品を受けた商品は、前月である9月中に販売したものの返品として処理している場合には「9月末日」を、同商品について最後に販売したものの返品として処理している場合には「最終販売年月日」を、それぞれ「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」として記載することも認められるでしょうか。【令和元年7月追加】

2023年7月6日


<インボイス制度に関するQ&A 問58
適格返還請求書の記載事項について教えてください。【令和5年4月改訂】

適格請求書発行事業者には、課税事業者に返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書を交付する義務が課されています(新消法57の4③)。

適格返還請求書の記載事項は、次のとおりです。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
売上げに係る対価の返還等を行う年月日及びその売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日(適格請求書を交付した売上げに係るものについては、課税期間の範囲で一定の期間の記載で差し支えありません。)
売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額等又は適用税率

(注)
売上げに係る対価の返還等に係る税込価額が1万円未満である場合には、その適格返還請求書の交付義務が免除されます(新消法 57の4③、新消令 70の9③二)。ここでいう1万円未満の判定単位については、問 29《少額な対価返還等に係る適格返還請求書の交付義務免除に係る1万円未満の判定単位》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 適格返還請求書の記載事項について教えてください。【令和5年4月改訂】

2023年7月4日


<インボイス制度に関するQ&A 問57
当社は、小売業(スーパーマーケット)を経営する事業者です。当社のレジシステムで買い物客に発行するレシートは、一般の商品は、税抜価額を記載していますが、たばこなどの一部の商品は税込価額を記載しています。この場合、適格簡易請求書に記載する「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」は、どのように算出すればよいのですか。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】

適格請求書の記載事項である消費税額等に1円未満の端数が生じる場合は、一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要があります(新消令70の10、インボイス通達3-12)。

この取扱いについては、適格簡易請求書に消費税額の記載を行う場合についても同様です。

ご質問のように、一の適格簡易請求書において、税抜価額を記載した商品と税込価額を記載した商品が混在するような場合、いずれかに統一して「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した額」を記載するとともに、これに基づいて「税率ごとに区分した消費税額等」を算出して記載する必要があります。

なお、税抜価額又は税込価額のいずれかに統一して「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した額」を記載する際における1円未満の端数処理については、「税率ごとに区分した消費税額等」を算出する際の端数処理ではありませんので、この場合にどのように端数処理を行うかについては、事業者の任意となります。

ただし、たばこなど、法令・条例の規定により「税込みの小売定価」が定められている商品や再販売価格維持制度の対象となる商品と、税抜価額で記載するその他の商品を合わせて一の適格簡易請求書に記載する場合については、「税込みの小売定価」を税抜化せず、「税込みの小売定価」を合計した金額及び「税率の異なるごとの税抜価額」を合計した金額を表示し、それぞれを基礎として消費税額等を算出し、算出したそれぞれの金額について端数処理して記載することとしても差し支えありません。

★リンクはこちら→ 当社は、小売業(スーパーマーケット)を経営する事業者です。当社のレジシステムで買い物客に発行するレシートは、一般の商品は、税抜価額を記載していますが、たばこなどの一部の商品は税込価額を記載しています。この場合、適格簡易請求書に記載する「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」は、どのように算出すればよいのですか。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】

2023年6月30日


<インボイス制度に関するQ&A 問56
当社は、小売業(スーパーマーケット)を営む事業者です。軽減税率制度の実施後、買手の仕入税額控除のための請求書等の記載事項を満たすものとして、次のレシートを取引先に交付しています。小売業などは、適格請求書の交付に代えて、記載事項を簡易なものとした適格簡易請求書を交付することができるそうですが、その記載事項について教えてください。【令和4年4月改訂】

適格請求書等保存方式においては、適格請求書発行事業者が、小売業など不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う一定の事業(適格簡易請求書を交付することができる事業については問25《適格簡易請求書の交付ができる事業》をご参照ください。)を行う場合には、適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付することができます(新消法57の4②、新消令70の11)。

適格簡易請求書の記載事項は、適格請求書の記載事項よりも簡易なものとされており、適格請求書の記載事項と比べると、「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の記載が不要である点、「税率ごとに区分した消費税額等」又は「適用税率」のいずれか一方の記載で足りる点が異なります。

なお、具体的な記載事項は、次のとおりです。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
課税資産の譲渡等を行った年月日
課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率()

「税率ごとに区分した消費税額等」と「適用税率」を両方記載することも可能です。

(注)
上記の記載事項のうち、①の登録番号を記載しないで作成したレシートは、令和元年10月1日から令和5年9月30日(適格請求書等保存方式の開始前)までの間における区分記載請求書等に該当します。

(参考)
これまでも仕入税額控除の要件として保存が必要な請求書等の記載事項について、小売業など不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う一定の事業に係るものである場合には、請求書等の交付を受ける相手方の氏名又は名称の記載は不要とされています(消法30⑨一)。

★リンクはこちら→ 当社は、小売業(スーパーマーケット)を営む事業者です。軽減税率制度の実施後、買手の仕入税額控除のための請求書等の記載事項を満たすものとして、次のレシートを取引先に交付しています。小売業などは、適格請求書の交付に代えて、記載事項を簡易なものとした適格簡易請求書を交付することができるそうですが、その記載事項について教えてください。【令和4年4月改訂】

2023年6月28日


<インボイス制度に関するQ&A 問55
適格請求書には、税率ごとに区分した消費税額等の記載が必要となるそうですが、消費税額等を計算する際の1円未満の端数処理はどのように行えばよいですか。【令和3年7月改訂】

適格請求書の記載事項である消費税額等に1円未満の端数が生じる場合は、一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要があります(新消令70の10、インボイス通達3-12)。
なお、切上げ、切捨て、四捨五入などの端数処理の方法については、任意の方法とすることができます。
(注) 一の適格請求書に記載されている個々の商品ごとに消費税額等を計算し、1円未満の端数処理を行い、その合計額を消費税額等として記載することは認められません。

★リンクはこちら→ 適格請求書には、税率ごとに区分した消費税額等の記載が必要となるそうですが、消費税額等を計算する際の1円未満の端数処理はどのように行えばよいですか。【令和3年7月改訂】

2023年6月26日


<インボイス制度に関するQ&A 問54
現在、当社は、名称に代えて、取引先と共有する取引先コード(取引先コード表により当社の名称等の情報を共有しています。)を請求書に記載しています。取引先コードの内容に登録番号を追加することにより、適格請求書の記載事項
を満たすことになりますか。

適格請求書には、「適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号」の記載が必要となります(新消法57の4①一)。

登録番号と紐付けて管理されている取引先コード表などを適格請求書発行事業者と相手先の間で共有しており、買手においても取引先コードから登録番号が確認できる場合には、取引先コードの表示により「適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号」の記載があると認められます。

したがって、貴社の請求書は、適格請求書の記載事項を満たすことになります(インボイス通達3-3)。

なお、売手が適格請求書発行事業者でなくなった場合は、速やかに取引先コード表を修正する必要があるほか、事後的な確認を行うために、売手が適格請求書発行事業者である期間が確認できる措置を講じておく必要があります。

★リンクはこちら→ 現在、当社は、名称に代えて、取引先と共有する取引先コード(取引先コード表により当社の名称等の情報を共有しています。)を請求書に記載しています。取引先コードの内容に登録番号を追加することにより、適格請求書の記載事項を満たすことになりますか。

2023年6月21日


<インボイス制度に関するQ&A 問53
現在、当社は、請求書を交付する際に記載する名称について、屋号を使用しています。適格請求書に記載する名称も屋号で認められますか。

現行、請求書等に記載する名称については、例えば、請求書に電話番号を記載するなどし、請求書を交付する事業者を特定することができる場合、屋号や省略した名称などの記載でも差し支えありません。

適格請求書に記載する名称についても同様に、例えば、電話番号を記載するなどし、適格請求書を交付する事業者を特定することができれば、屋号や省略した名称などの記載でも差し支えありません。

★リンクはこちら→ 現在、当社は、請求書を交付する際に記載する名称について、屋号を使用しています。適格請求書に記載する名称も屋号で認められますか。

2023年6月19日


<インボイス制度に関するQ&A 問52
当社は、事業者に対して飲食料品及び日用雑貨の卸売を行っています。軽減税率制度の実施後、買手の仕入税額控除のための請求書等の記載事項を満たすものとして、次の請求書を取引先に交付しています。今後、令和5年10月からの適格請求書等保存方式の開始を踏まえ、適格請求書の記載事項を満たす請求書を取引先に交付したいと考えていますが、どのような対応が必要ですか。【令和4年4月改訂】

適格請求書には、次の事項が記載されていることが必要です(区分記載請求書等保存方式における請求書等の記載事項に加え、①、④及び⑤の下線部分が追加されます。)(新消法57の4①)。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
課税資産の譲渡等を行った年月日
課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲
渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等
書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

このため、貴社の対応としては、次の記載例のように、適格請求書として必要な事項(上記①、④及び⑤の下線部分)を記載することが必要です。

(注)上記の記載事項のうち、①の登録番号を記載しないで作成した請求書等は、令和元年10月1日から実施された軽減税率制度における区分記載請求書等として取り扱われます。

★リンクはこちら→ 当社は、適格請求書発行事業者です。適格請求書発行事業者でない事業者と共有している建物を売却することになりましたが、適格請求書はどのように交付すればよいですか。

2023年6月14日


<インボイス制度に関するQ&A 問51>
当社は、適格請求書発行事業者です。適格請求書発行事業者でない事業者と共有している建物を売却することになりましたが、適格請求書はどのように交付すればよいですか。

適格請求書発行事業者が適格請求書発行事業者以外の者と資産を共有している場合、その資産の譲渡や貸付けについては、所有者ごとに取引を合理的に区分し、相手方の求めがある場合には、適格請求書発行事業者の所有割合に応じた部分について、適格請求書を交付しなければなりません(インボイス通達3-5)。

したがって、貴社は、建物の売却代金のうち、貴社の所有割合(例えば持分など)に対応する部分を基礎として、適格請求書を交付することとなります。

★リンクはこちら→ 当社は、適格請求書発行事業者です。適格請求書発行事業者でない事業者と共有している建物を売却することになりましたが、適格請求書はどのように交付すればよいですか。

2023年6月14日


<インボイス制度に関するQ&A 問50>
当社は、取引先数社と任意組合であるJVを組成し、建設工事を行っています。このような任意組合により事業を行う場合、取引の相手方に対し、どのように適格請求書を交付すればよいですか。【令和3年7月改訂】

民法第667条第1項に規定する組合契約によって成立する組合、投資事業有限責任組合契約に関する法律第2条第2項に規定する投資事業有限責任組合若しくは有限責任事業組合契約に関する法律第2条に規定する有限責任事業組合又は外国の法令に基づいて設立された団体であってこれらの組合に類似するもの(以下「任意組合等」といいます。)が事業として行う課税資産の譲渡等については、その組合員の全てが適格請求書発行事業者であり、民法第670条第3項に規定する業務執行者などの業務執行組合員が、納税地を所轄する税務署長に「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」を提出した場合に限り、適格請求書を交付することができます(新消法57の6①、新消令70の14①②)。

この場合、任意組合等のいずれかの組合員が適格請求書を交付することができ、その写しの保存は、適格請求書を交付した組合員が行うこととなります。

なお、次の場合に該当することとなったときは、該当することとなった日以後の取引について、適格請求書を交付することができなくなります。

適格請求書発行事業者でない新たな組合員を加入させた場合
当該任意組合等の組合員のいずれかが適格請求書発行事業者でなくなった場合

これらの場合に該当することとなったときは、業務執行組合員が速やかに納税地を所轄する税務署長に「任意組合等の組合員が適格請求書発行事業者でなくなった旨等の届出書」を提出しなければなりません(新消法57の6②)。

(参考)
任意組合等の事業に係る適格請求書の記載事項については問73《任意組合が交付する適格請求書の記載事項》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社は、取引先数社と任意組合であるJVを組成し、建設工事を行っています。このような任意組合により事業を行う場合、取引の相手方に対し、どのように適格請求書を交付すればよいですか。【令和3年7月改訂】

2023年6月12日


<インボイス制度に関するQ&A 問49>
当社(受託者)は、複数の取引先(委託者)から委託を受けて、受託販売を行っています。一の売上先に対して、複数の取引先の商品の販売を行うことがあり、その場合、媒介者交付特例により、当社が一括して適格請求書を交付することは可能でしょうか。【平成30年11月追加】【令和4年11月改訂】

次の①及び②の要件を満たすことにより、媒介又は取次ぎを行う者である受託者が、委託者の課税資産の譲渡等について、自己(受託者)の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書又は適格請求書に係る電磁的記録を、委託者に代わって、購入者に交付し、又は提供することができます(新消令70の12①)。

委託者及び受託者が適格請求書発行事業者であること
委託者が受託者に、自己が適格請求書発行事業者の登録を受けている旨を取引前までに通知していること(通知の方法としては、個々の取引の都度、事前に登録番号を書面等により通知する方法のほか、例えば、基本契約等により委託者の登録番号を記載する方法などがあります(インボイス通達3-7)。)

この媒介者交付特例の適用により、ご質問のように複数の委託者に係る商品を一の売上先に販売した場合であっても、1枚の適格請求書により交付を行うことが可能です。

この場合、適格請求書の記載事項である課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額は、委託者ごとに記載し、消費税額等の端数処理についても委託者ごとに行うことが原則となります。

ただし、受託者が交付する適格請求書単位で、複数の委託者の取引を一括して記載し、消費税額等の端数処理を行うことも差し支えありません。

この場合において、受託者が各委託者に適格請求書の写しに替えて交付する精算書等(適格請求書の写しに替えて精算書等の書類等を交付することで差し支えない場合については、48《媒介者交付特例》の【受託者の対応(新消令70の12①③)】をご参照ください。)に記載する消費税額等の合計額と、売上先に交付した適格請求書に記載した消費税額等とが必ずしも一致しないことも生じますが、各委託者の税込対価の合計額から消費税額等を計算するなど、合理的な方法によることとしている場合には差し支えありません。

また、委託者に適格請求書発行事業者とそれ以外の者が混在していたとしても、適格請求書発行事業者とそれ以外の者とに区分することにより、適格請求書発行事業者に係るもののみを適格請求書とすることができます。

★リンクはこちら→ 当社(受託者)は、複数の取引先(委託者)から委託を受けて、受託販売を行っています。一の売上先に対して、複数の取引先の商品の販売を行うことがあり、その場合、媒介者交付特例により、当社が一括して適格請求書を交付することは可能でしょうか。【平成30年11月追加】【令和4年11月改訂】

2023年6月9日


<インボイス制度に関するQ&A 問48>
当社(委託者)は、取引先(受託者)に商品の販売を委託し、委託販売を行っています。これまで、販売した商品の納品書は取引先から購入者に交付していましたが、この納品書を適格請求書として交付することはできますか。なお、当社と取引先はいずれも適格請求書発行事業者です。【令和4年11月改訂】

適格請求書発行事業者には、課税資産の譲渡等を行った場合、課税事業者からの求めに応じて適格請求書の交付義務が課されています(新消法57の4①)。

委託販売の場合、購入者に対して課税資産の譲渡等を行っているのは、委託者ですから、本来、委託者が購入者に対して適格請求書を交付しなければなりません。

このような場合、受託者が委託者を代理して、委託者の氏名又は名称及び登録番号を記載した、委託者の適格請求書を、相手方に交付することも認められます(代理交付)。

また、次の①及び②の要件を満たすことにより、媒介又は取次ぎを行う者である受託者が、委託者の課税資産の譲渡等について、自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書又は適格請求書に係る電磁的記録を、委託者に代わって、購入者に交付し、又は提供することができます(以下「媒介者交付特例」といいます。)(新消令70の12①)。

委託者及び受託者が適格請求書発行事業者であること
委託者が受託者に、自己が適格請求書発行事業者の登録を受けている旨を取引前までに通知していること(通知の方法としては、個々の取引の都度、事前に登録番号を書面等により通知する方法のほか、例えば、基本契約等により委託者の登録番号を記載する方法などがあります(インボイス通達3-7)。)

この媒介者交付特例は、物の販売などを委託し、受託者が買手に商品を販売しているような取引だけではなく、請求書の発行事務や集金事務といった商品の販売等に付随する行為のみを委託しているような場合も対象となります。

なお、媒介者交付特例を適用する場合における受託者の対応及び委託者の対応は、次のとおりです。
【受託者の対応(新消令70の12①③)】

交付した適格請求書の写し又は提供した電磁的記録を保存する。
交付した適格請求書の写し又は提供した電磁的記録を速やかに委託者に交付又は提供する。

(注)
委託者に交付する適格請求書の写しについては、例えば、複数の委託者の商品を販売した場合や、多数の購入者に対して日々適格請求書を交付する場合などで、コピーが大量になるなど、適格請求書の写しそのものを交付することが困難な場合には、適格請求書の写しと相互の関連が明確な、精算書等の書類等を交付することで差し支えありませんが、この場合には、交付した当該精算書等の写しを保存する必要があります(インボイス通達3-8)。

なお、精算書等の書類等には、適格請求書の記載事項のうち、「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率」や「税率ごとに区分した消費税額等」など、委託者の売上税額の計算に必要な一定事項を記載する必要があります。

【委託者の対応(新消令70の12④)】

自己が適格請求書発行事業者でなくなった場合、その旨を速やかに受託者に通知する。
委託者の課税資産の譲渡等について、受託者が委託者に代わって適格請求書を交付していることから、委託者においても、受託者から交付された適格請求書の写しを保存する。

したがって、ご質問の場合は、取引先も適格請求書発行事業者ですから、貴社が取引先に自らが適格請求書発行事業者であることを通知することにより、取引先が自らの名称及び登録番号を記載した納品書を作成し、貴社の適格請求書として購入者に交付することができます。

なお、貴社は取引先から交付を受けた適格請求書の写しを保存する必要があります。

(注)
媒介者交付特例により適格請求書の交付を行う受託者が、自らの課税資産の譲渡等に係る適格請求書の交付も併せて行う場合、自らの課税資産の譲渡等と委託を受けたものを一の適格請求書に記載しても差し支えありません。

★リンクはこちら→ 当社(委託者)は、取引先(受託者)に商品の販売を委託し、委託販売を行っています。これまで、販売した商品の納品書は取引先から購入者に交付していましたが、この納品書を適格請求書として交付することはできますか。なお、当社と取引先はいずれも適格請求書発行事業者です。【令和4年11月改訂】

2023年6月7日


<インボイス制度に関するQ&A 問47>
3万円未満の自動販売機や自動サービス機による商品の販売等は、適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的にはどのようなものが該当しますか。【令和4年11月改訂】

適格請求書の交付義務が免除される自動販売機特例の対象となる自動販売機や自動サービス機とは、代金の受領と資産の譲渡等が自動で行われる機械装置であって、その機械装置のみで、代金の受領と資産の譲渡等が完結するものをいいます(インボイス通達3-11)。

したがって、例えば、自動販売機による飲食料品の販売のほか、コインロッカーやコインランドリー等によるサービス、金融機関のATMによる手数料を対価とする入出金サービスや振込サービスのように機械装置のみにより代金の受領と資産の譲渡等が完結するものが該当することとなります。

なお、小売店内に設置されたセルフレジを通じた販売のように機械装置により単に精算が行われているだけのもの、コインパーキングや自動券売機のように代金の受領と券類の発行はその機械装置で行われるものの資産の譲渡等は別途行われるようなもの及びネットバンキングのように機械装置で資産の譲渡等が行われないものは、自動販売機や自動サービス機による商品の販売等に含まれません。

(参考)
コインパーキングは、適格請求書の交付義務が免除される自動販売機特例の対象とはなりませんが、駐車場業(不特定かつ多数の者に対するもの)に該当することから、適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付することができます。

★リンクはこちら→ 3万円未満の自動販売機や自動サービス機による商品の販売等は、適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的にはどのようなものが該当しますか。【令和4年11月改訂】

2023年6月2日


<インボイス制度に関するQ&A 問46>
農業協同組合等を通じた農林水産物の委託販売は、組合員等の適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的には、どのような取引が対象となりますか。

農業協同組合法に規定する農業協同組合や農事組合法人、水産業協同組合法に規定する水産業協同組合、森林組合法に規定する森林組合及び中小企業等協同組合法に規定する事業協同組合や協同組合連合会(以下これらを併せて「農協等」といいます。)の組合員その他の構成員が、農協等に対して、無条件委託方式かつ共同計算方式により販売を委託した、農林水産物の販売(その農林水産物の譲渡を行う者を特定せずに行うものに限ります。)は、適格請求書を交付することが困難な取引として、組合員等から購入者に対する適格請求書の交付義務が免除されます(新消法57の4①、新消令70の9②二ロ)。

なお、無条件委託方式及び共同計算方式とは、それぞれ、次のものをいいます(新消令70の9②二ロ、新消規26の5②)。

無条件委託方式 出荷した農林水産物について、売値、出荷時期、出荷先等の条件を付けずに、その販売を委託すること
共同計算方式 一定の期間における農林水産物の譲渡に係る対価の額をその農林水産物の種類、品質、等級その他の区分ごとに平均した価格をもって算出した金額を基礎として精算すること

また、この場合において、農林水産物を購入した事業者は、農協等が作成する一定の書類を保存することが仕入税額控除の要件となります。

仕入税額控除の要件については、問82《仕入税額控除の要件》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 農業協同組合等を通じた農林水産物の委託販売は、組合員等の適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的には、どのような取引が対象となりますか。

2023年5月31日


<インボイス制度に関するQ&A 問45>
卸売市場を通じた生鮮食料品等の委託販売は、出荷者等の適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的には、どのような取引が対象となりますか。【令和2年9月改訂】

卸売市場法に規定する卸売市場において、同法に規定する卸売業者が卸売の業務として出荷者から委託を受けて行う同法に規定する生鮮食料品等の販売は、適格請求書を交付することが困難な取引として、出荷者等から生鮮食料品等を購入した事業者に対する適格請求書の交付義務が免除されます(新消法57の4①、新消令70の9②二イ)。

本特例の対象となる卸売市場とは、

農林水産大臣の認定を受けた中央卸売市場
都道府県知事の認定を受けた地方卸売市場
①及び②に準ずる卸売市場として農林水産大臣が財務大臣と協議して定める基準を満たす卸売市場のうち農林水産大臣の確認を受けた卸売市場とされています。

農林水産大臣が財務大臣と協議して定める基準は、以下の5つが定められています(令和2年農林水産省告示第683号)。

生鮮食料品等(卸売市場法第2条第1項に規定する生鮮食料品等をいいます。②についても同じです。)の卸売のために開設されていること
卸売場、自動車駐車場その他の生鮮食料品等の取引及び荷捌きに必要な施設が設けられていること
継続して開場されていること
売買取引の方法その他の市場の業務に関する事項及び当該事項を遵守させるための措置に関する事項を内容とする規程が定められていること
卸売市場法第2条第4項に規定する卸売をする業務のうち販売の委託を受けて行われるものと買い受けて行われるものが区別して管理されていること

なお、この場合において、生鮮食料品等を購入した事業者は、卸売の業務を行う事業者など媒介又は取次ぎに係る業務を行う者が作成する一定の書類を保存することが仕入税額控除の要件となります。

仕入税額控除の要件については、問82《仕入税額控除の要件》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 卸売市場を通じた生鮮食料品等の委託販売は、出荷者等の適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的には、どのような取引が対象となりますか。【令和2年9月改訂】

2023年5月29日


<インボイス制度に関するQ&A 問44>
特急列車に乗車するために支払う特急料金や駅構内に入場するために支払う入場料は、公共交通機関特例の対象になりますか。

適格請求書の交付義務が免除される公共交通機関特例の対象となるのは、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送です(新消令70の9②一)。

ご質問の特急料金、急行料金及び寝台料金は、旅客の運送に直接的に附帯する対価として、公共交通機関特例の対象となります。

他方、入場料金や手回品料金は、旅客の運送に直接的に附帯する対価ではありませんので、公共交通機関特例の対象となりません(インボイス通達3-10)。

★リンクはこちら→ 特急列車に乗車するために支払う特急料金や駅構内に入場するために支払う入場料は、公共交通機関特例の対象になりますか。

2023年5月25日


<インボイス制度に関するQ&A 問43>
3万円未満の公共交通機関による旅客の運送かどうかは、どのような単位で判定するのですか。

適格請求書の交付義務が免除される公共交通機関特例の対象となるのは、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送です(新消令70の9②一)。

この3万円未満の公共交通機関による旅客の運送かどうかは、1回の取引の税込価額が3万円未満かどうかで判定します(インボイス通達3-9)。

したがって、1商品(切符1枚)ごとの金額や、月まとめ等の金額で判定することにはなりません。

【具体例】
東京-新大阪間の新幹線の大人運賃が13,000円であり、4人分の運送役務の提供を行う場合には、4人分の52,000 円で判定することとなります。

★リンクはこちら→ 3万円未満の公共交通機関による旅客の運送かどうかは、どのような単位で判定するのですか。

2023年5月23日


<インボイス制度に関するQ&A 問42>
公共交通機関特例の対象となる公共交通機関の行う旅客の運送とは、具体的にはどのようなものですか。

適格請求書の交付義務が免除される公共交通機関特例の対象となるのは、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送で、次のものをいいます(新消令70の9②一)。

①船舶による旅客の運送
一般旅客定期航路事業(海上運送法2⑤)、人の運送をする貨物定期航路事業(同法19の6の2)、人の運送をする不定期航路事業(同法20②)(乗合旅客の運送をするものに限ります。)として行う旅客の運送(対外航路のものを除きます。)

②バスによる旅客の運送
一般乗合旅客自動車運送事業(道路運送法3-イ)として行う旅客の運送
(注)路線不定期運行(空港アクセスバス等)及び区域運行(旅客の予約等による乗合運行)も対象となります。

③鉄道・軌道による旅客の運送
・鉄道:第一種鉄道事業(鉄道事業法2②)、第二種鉄道事業(同法2③)として行う旅客の運送
・軌道(モノレール等):軌道法第3条に規定する運輸事業として行う旅客の運送

★リンクはこちら→ 公共交通機関特例の対象となる公共交通機関の行う旅客の運送とは、具体的にはどのようなものですか。

2023年5月19日


<インボイス制度に関するQ&A 問41>
適格請求書の交付が困難な取引として、交付義務が免除される取引にはどのようなものがありますか。【令和2年9月改訂】

適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書の交付義務が課されています(新消法57の4①)。

ただし、次の取引は、適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、適格請求書を交付することが困難なため、適格請求書の交付義務が免除されます(新消令70の9②)。

  1. 3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送(以下「公共交通機関特例」といいます。)
  2. 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
  3. 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
  4. 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等(以下「自動販売機特例」といいます。)
  5. 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)

★リンクはこちら→ 適格請求書の交付が困難な取引として、交付義務が免除される取引にはどのようなものがありますか。【令和2年9月改訂】

2023年5月17日


<インボイス制度に関するQ&A 問40>
工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例(工事進行基準)など、資産の譲渡等の時期の特例を適用した場合、適格請求書の交付義務はどのようになるでしょうか。【令和5年4月追加】

工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例(工事進行基準)(消法17)など、資産の譲渡等の時期の特例により、資産の譲渡等を行ったものとみなされるものについては、適格請求書の交付を要しないこととされています(新消法57の4①、新消令70の9①)。

これは、当該資産の譲渡等の時期の特例により、原則的な資産の譲渡等の時期よりも前に課税売上げを計上した際、当該特例により資産の譲渡等を行ったものとみなされる部分について、適格請求書の交付を要しないこととしているものです。

したがって、原則的な資産の譲渡等の時期において、当該資産の譲渡等に係る適格請求書の交付を要しないこととしているものではありません。

このため、例えば、工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例(工事進行基準)の適用を受ける工事の請負工事については、適格請求書発行事業者は、工事完成(引渡し)時に相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書の交付義務が生じることとなります。

また、リース譲渡(所得税法第65条第1項又は法人税法第63条第1項に規定するリース譲渡に係る資産の譲渡等をいいます。)については、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例(延払基準)により、リース資産の譲渡(引渡し)時ではなく、支払期日ごとに当該支払期日に係るリース料部分について、課税売上げを計上することができます(消法16)。

この点、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例(延払基準)により、資産の譲渡等を行ったものとみなされるものについては、適格請求書の交付を要しないこととされていませんが、これは、リース資産の譲渡(引渡し)を行った時に当該リース資産の譲渡に対して、適格請求書の交付義務が生じるためであり、支払期日ごとに当該支払期日に係るリース料部分について、課税売上げを計上したものに対して適格請求書の交付義務が課されているものではありません。

★リンクはこちら→ 工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例(工事進行基準)など、資産の譲渡等の時期の特例を適用した場合、適格請求書の交付義務はどのようになるでしょうか。【令和5年4月追加】

2023年5月15日


<インボイス制度に関するQ&A 問39>
当社はシステム保守を業としています。この点、定期保守については、月額22,000円(税込み)であるところ、1年間分を保守開始前に相手方から支払ってもらうこととしており、当該代金請求時において請求書を交付しています。適格請求書等保存方式の下では、この請求書を適格請求書とする予定ですが、問題ありませんか。【令和5年4月追加】

適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されています(新消法57の4①)が、課税資産の譲渡等を行う前であっても、適格請求書を交付することは可能です。

したがって、貴社は、現状交付している定期保守に係る代金請求時における請求書について適格請求書として必要な事項を記載することにより、当該請求書を適格請求書とすることができます。

なお、課税資産の譲渡等を行った時において、交付した適格請求書の記載事項に変更が生じることとなった場合には、修正した適格請求書を交付する必要があります。交付した適格請求書の修正方法等の詳細については、問34《修正した適格請求書の交付方法》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当社はシステム保守を業としています。この点、定期保守については、月額 22,000 円(税込み)であるところ、1年間分を保守開始前に相手方から支払ってもらうこととしており、当該代金請求時において請求書を交付しています。適格請求書等保存方式の下では、この請求書を適格請求書とする予定ですが、問題ありませんか。【令和5年4月追加】

2023年5月12日


<インボイス制度に関するQ&A 問38>
適格請求書等保存方式の下では、仕入税額控除の適用を受けるためには、課税仕入れ等に係る帳簿及び適格請求書等の保存が原則として必要になるとのことですが、令和5年10月1日前後の取引において、売手における売上げの計上時期と買手における仕入れの計上時期が異なる場合、適格請求書等の保存の要否についてどのように考えればよいでしょうか。【令和5年4月追加】

適格請求書等保存方式の下では、適格請求書発行事業者である売手は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合、取引の相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じ、適格請求書を交付する義務が課されています(新消法57の4①)。

また、課税事業者である買手は、仕入税額控除の要件として、原則として、課税仕入れ等に係る帳簿及び適格請求書等の保存を要することとなります(新消法30⑦⑧⑨)。

これらについては、令和5年10月1日以後に売手が行う課税資産の譲渡等及び買手が行う課税仕入れについて適用されることとなります(28年改正法附則46①)。

この点、同じ取引であっても、売手における売上げの計上時期と買手における仕入れの計上時期が必ずしも一致しない場合があります。

例えば、機械装置の販売において、売手が出荷基準により令和5年9月に課税売上げを計上し、買手が検収基準により令和5年10月に課税仕入れを計上するといったことも生じます。

この場合、売手においては、適格請求書等保存方式の開始前に行った取引(課税資産の譲渡等)であることから、買手から当該取引について適格請求書の交付を求められたとしても、当該取引に係る適格請求書の交付義務はありません。

このため、買手においては、原則として、売手における課税売上げの計上時期(課税資産の譲渡等の時期)が令和5年10月1日以後のものとなる取引から、仕入税額控除の適用を受けるために適格請求書等を保存する必要があります。

なお、上記の例のように、売手における課税売上げの計上時期(課税資産の譲渡等の時期)が令和5年9月となる取引については、買手は区分記載請求書等保存方式により仕入税額控除の適用を受けることができます。

(注)1
令和5年10月1日前であっても、適格請求書の記載事項を満たした請求書等を交付することとしても問題ありません。
詳細は、問74《令和5年9月30日以前の請求書への登録番号の記載》をご参照ください。

(注)2
電気料金等のように検針日基準で売上げ及び仕入れを計上している場合であって、当該検針した期間に令和5年10月1日を含んでいたとしても、検針日により売上げ及び仕入れを計上している限り、令和5年10月1日前後の取引を厳密に区分する必要はありません。

(注)3
未成工事支出金及び建設仮勘定に係る課税仕入れの計上時期について、建設工事等の目的物の引渡し又は完成の日の属する課税期間の課税仕入れとすることができます(基通11-3-5、11-3-6)。
この場合、当該引渡し等の日(課税仕入れを計上する日)が令和5年10月1日以後であったとしても、当該未成工事支出金等の基礎となる課税仕入れに含まれる令和5年10月1日前の取引については、区分記載請求書等保存方式により仕入税額控除の適用を受けることができます。

(注)4
短期前払費用に係る課税仕入れの計上時期について、その支出した日の属する課税期間の課税仕入れとすることができます(基通11-3-8)。
この場合、当該短期前払費用に係る取引に係る売手における課税売上げの計上時期(課税資産の譲渡等の時期)が令和5年10月1日以後になるものであっても、買手において同日前までに課税仕入れを計上しているものについては、区分記載請求書等保存方式により仕入税額控除の適用を受けることができます(短期前払費用について、買手における課税仕入れの計上時期が令和5年10月1日以後になる場合の取扱いに関しては、問96《短期前払費用》をご参照ください。)。

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式の下では、仕入税額控除の適用を受けるためには、課税仕入れ等に係る帳簿及び適格請求書等の保存が原則として必要になるとのことですが、令和5年10月1日前後の取引において、売手における売上げの計上時期と買手における仕入れの計上時期が異なる場合、適格請求書等の保存の要否についてどのように考えればよいでしょうか。【令和5年4月追加】

2023年5月10日


<インボイス制度に関するQ&A 問37>
適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者に対しては、その旨が書面等で通知されるそうですが、登録日から通知を受けるまでの間の取引については、既に請求書(区分記載請求書等の記載事項である「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額」を記載しており、「税率ごとに区分した消費税額等」の記載はありません。)を交付しています。改めて、適格請求書の記載事項を満たした書類を交付しなければいけませんか。【令和5年4月改訂】

ご質問の場合、登録日から登録の通知を受けるまでの間の取引について、相手方に交付した請求書は、登録番号、税率ごとに区分した消費税額等の記載がなく適格請求書の記載事項を満たしていません。

この場合、通知を受けた後、登録番号や税率ごとに区分した消費税額等を記載し、適格請求書の記載事項を満たした請求書を改めて相手方に交付する必要がありますが、通知を受けた後に登録番号などの適格請求書の記載事項として不足する事項を相手方に書面等()で通知することで、既に交付した請求書と合わせて適格請求書の記載事項を満たすことができます(インボイス通達2-4)。

()既に交付した書類との相互の関連が明確であり、書面等の交付を受ける事業者が適格請求書の記載事項を適正に認識できるものに限ります。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者に対しては、その旨が書面等で通知されるそうですが、登録日から通知を受けるまでの間の取引については、既に請求書(区分記載請求書等の記載事項である「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額」を記載しており、「税率ごとに区分した消費税額等」の記載はありません。)を交付しています。改めて、適格請求書の記載事項を満たした書類を交付しなければいけませんか。【令和5年4月改訂】

2023年5月8日


<インボイス制度に関するQ&A 問36>
当社の行う建設工事等について、その建設工事等の引渡しの日において当該建設工事等の請負代金に係る請求書を交付しています。一方、建設工事等の請負契約に伴い収受する値増金については、相手方との協議によりその収入すべきことが確定することから、当初交付した請求書とは別に値増金に係る請求書を交付しています。この場合、それぞれ交付している請求書を適格請求書とすることで問題ないですか。【令和4年11月追加】

建設工事等の請負契約に伴い収受する値増金は、当該建設工事等の対価の一部を構成するものですが、その金額の確定時期は区々であり、必ずしも建設工事等の引渡しの時までに確定するものではありません。

そのため、相手方との協議によりその収入すべきことが確定する値増金については、その収入すべき金額が確定した日の属する課税期間の課税標準額に算入することとしています(基通9-1-7)。

このように、ご質問の値増金は、相手方との協議によりその収入すべきことが確定した日の属する課税期間の課税標準額に算入することとしているため、当該値増金が建設工事等の対価の一部を構成するものであったとしても、当初交付している適格請求書とは別に当該値増金に係る適格請求書を交付することとなります。

この場合における適格請求書の次の記載事項は、当該値増金に係る金額を基礎として記載することとなります。

  1. 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
  2. 税率ごとに区分した消費税額等

(参考)
協同組合等において農産物の買取販売に係る販売代金の価格修正として組合員が受け取る事業分量配当金についても同様です。

★リンクはこちら→ 当社の行う建設工事等について、その建設工事等の引渡しの日において当該建設工事等の請負代金に係る請求書を交付しています。一方、建設工事等の請負契約に伴い収受する値増金については、相手方との協議によりその収入すべきことが確定することから、当初交付した請求書とは別に値増金に係る請求書を交付しています。この場合、それぞれ交付している請求書を適格請求書とすることで問題ないですか。【令和4年11月追加】

2023年5月2日


<インボイス制度に関するQ&A 問35
当社は機械用部品の卸売業者です。販売先の小売業者に対しては、1月ごとに請求書を交付しており、単価や数量誤りなどにより当月の請求金額が変わる場合には、以下のとおり、継続的に翌月の請求書において前月の過少請求又は過大請求分を加減算し調整しています。以下の請求書について登録番号等を追加することで適格請求書の記載事項を満たす場合において、現在と同様に当月分の請求書で前月分の過少請求等を調整する記載は認められますか。【令和4年11月追加】

適格請求書発行事業者が、適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付した場合(電磁的記録により提供を行った場合を含みます。)において、これらの書類の記載事項に誤りがあったときには、これらの書類を交付した相手方に対して、修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなければなりません(新消法57の4④⑤)。

これらの交付方法として、

  • 誤りがあった事項を修正し、改めて記載事項の全てを記載したものを交付する方法
  • 当初に交付したものとの関連性を明らかにし、修正した事項を明示したものを交付する方法

などが考えられます(具体的な記載方法については、問34《修正した適格請求書の交付方法》をご参照ください。)。

一方で、ご質問における過少請求等の調整に関しては、単に誤りを修正するもののほか、売上げに係る対価の返還等に該当するものも含まれるものと考えられます。

当該対価の返還等については、適格返還請求書を交付することとなりますが、適格返還請求書と適格請求書は一の書類で交付することができます(具体的な方法については、問60《適格請求書と適格返還請求書を一の書類で交付する場合》をご参照ください。)。

したがって、ご質問のような過少請求等について、翌月の請求書において継続的に調整している場合には、当該調整(翌月の請求書において、過少請求等に関する金額を当該請求書における課税資産の譲渡等の対価の額から直接加減算した金額及びその金額に基づき計算した消費税額等を記載する方法)により修正した適格請求書の交付があったものとして取り扱って差し支えありません。

この場合における当月分の適格請求書等に記載すべき「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」は、前月分の過少請求等について加減算を行った調整後の金額となります。

★リンクはこちら→ 当社は機械用部品の卸売業者です。販売先の小売業者に対しては、1月ごとに請求書を交付しており、単価や数量誤りなどにより当月の請求金額が変わる場合には、以下のとおり、継続的に翌月の請求書において前月の過少請求又は過大請求分を加減算し調整しています。以下の請求書について登録番号等を追加することで適格請求書の記載事項を満たす場合において、現在と同様に当月分の請求書で前月分の過少請求等を調整する記載は認められますか。【令和4年11月追加】

2023年4月28日


<インボイス制度に関するQ&A 問34
交付した適格請求書等に誤りがあった場合に交付する修正した適格請求書等の交付方法について教えてください。【令和3年7月追加】

適格請求書発行事業者が、適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付した場合(電磁的記録により提供を行った場合を含みます。)において、これらの書類の記載事項に誤りがあったときには、これらの書類を交付した相手方に対して、修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなければなりません(新消法57の4④⑤)。

これらの交付方法は、例えば、

  • 誤りがあった事項を修正し、改めて記載事項の全てを記載したものを交付する方法
  • 当初に交付したものとの関連性を明らかにし、修正した事項を明示したものを交付する方法

などが考えられます。

★リンクはこちら→ 交付した適格請求書等に誤りがあった場合に交付する修正した適格請求書等の交付方法について教えてください。【令和3年7月追加】

2023年4月26日


<インボイス制度に関するQ&A 問33
交付した適格請求書の記載事項に誤りがあった場合、何か対応が必要ですか。【令和3年7月改訂】

売手である適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書(電磁的記録により提供を行った場合も含みます。)の記載事項に誤りがあったときは、買手である課税事業者に対して、修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなければなりません(新消法57の4④⑤)。

なお、買手である課税事業者が作成した一定事項の記載のある仕入明細書等の書類で、売手である適格請求書発行事業者の確認を受けたものについても、仕入税額控除の適用のために保存が必要な請求書等に該当しますので(新消法30⑨三)、買手において適格請求書の記載事項の誤りを修正した仕入明細書等を作成し、売手である適格請求書発行事業者に確認を求めることも考えられます。

この場合は、売手である適格請求書発行事業者は、改めて修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなくても差し支えありません。

買手である課税事業者の対応は、問90《交付を受けた適格請求書に誤りがあった場合の対応》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 交付した適格請求書の記載事項に誤りがあった場合、何か対応が必要ですか。【令和3年7月改訂】

2023年4月24日


<インボイス制度に関するQ&A 問32
当社は、請求書を取引先にインターネットを通じて電子データにより提供していますが、この請求書データを適格請求書とすることができますか。【令和3年7月改訂】

適格請求書発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)から求められたときは、適格請求書を交付する必要がありますが、交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供することができます(新消法57の4①⑤)。

したがって、貴社は、請求書データに適格請求書の記載事項を記録して提供することにより、適格請求書の交付に代えることができます。

ただし、適格請求書発行事業者が提供した電子データを電磁的に保存しようとする場合には一定の要件を満たした状態で保存する必要がありますが、その具体的な内容については、問79《適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合の保存方法》をご参照ください。

(参考)
電磁的記録による提供方法としては、光ディスク、磁気テープ等の記録用の媒体による提供のほか、例えば、次の方法があります(インボイス通達3-2)。

EDI取引(注)における電子データの提供
電子メールによる電子データの提供
インターネット上にサイトを設け、そのサイトを通じた電子データの提供

(注)
EDI(Electronic Data Interchange)取引とは、異なる企業・組織間で商取引に関連するデータを、通信回線を介してコンピュータ間で交換する取引等をいいます。

★リンクはこちら→ 当社は、請求書を取引先にインターネットを通じて電子データにより提供していますが、この請求書データを適格請求書とすることができますか。【令和3年7月改訂】

2023年4月21日


<インボイス制度に関するQ&A 問31
当社は機械用部品の卸売業者です。販売先の小売業者に対しては、1月ごとに請求書を交付しており、単価や数量誤りなどにより当月の請求金額が変わる場合には、以下のとおり、継続的に翌月の請求書において前月の過少請求又は過大請求分を加減算し調整しています。以下の請求書について登録番号等を追加することで適格請求書の記載事項を満たす場合において、現在と同様に当月分の請求書で前月分の過少請求等を調整する記載は認められますか。【令和4年11月追加】

適格請求書発行事業者が、適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付した場合(電磁的記録により提供を行った場合を含みます。)において、これらの書類の記載事項に誤りがあったときには、これらの書類を交付した相手方に対して、修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなければなりません(新消法57の4④⑤)。

これらの交付方法として、

  •  誤りがあった事項を修正し、改めて記載事項の全てを記載したものを交付する方法
  •  当初に交付したものとの関連性を明らかにし、修正した事項を明示したものを交付する方法

などが考えられます(具体的な記載方法については、問30《修正した適格請求書の交付方法》をご参照ください。)。

一方で、ご質問における過少請求等の調整に関しては、単に誤りを修正するもののほか、売上げに係る対価の返還等に該当するものも含まれるものと考えられます。当該対価の返還等については、適格返還請求書を交付することとなりますが、適格返還請求書と適格請求書は一の書類で交付することができます(具体的な方法については、問53《適格請求書と適格返還請求書を一の書類で交付する場合》をご参照ください。)。

したがって、ご質問のような過少請求等について、翌月の請求書において継続的に調整している場合には、当該調整(翌月の請求書において、過少請求等に関する金額を当該請求書における課税資産の譲渡等の対価の額から直接加減算した金額及びその金額に基づき計算した消費税額等を記載する方法)により修正した適格請求書の交付があったものとして取り扱って差し支えありません。

この場合における当月分の適格請求書等に記載すべき「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」は、前月分の過少請求等について加減算を行った調整後の金額となります。

★リンクはこちら→ 当社は機械用部品の卸売業者です。販売先の小売業者に対しては、1月ごとに請求書を交付しており、単価や数量誤りなどにより当月の請求金額が変わる場合には、以下のとおり、継続的に翌月の請求書において前月の過少請求又は過大請求分を加減算し調整しています。以下の請求書について登録番号等を追加することで適格請求書の記載事項を満たす場合において、現在と同様に当月分の請求書で前月分の過少請求等を調整する記載は認められますか。【令和4年11月追加】

2023年4月19日


<インボイス制度に関するQ&A 問30
交付した適格請求書等に誤りがあった場合に交付する修正した適格請求書等の交付方法について教えてください。【令和3年7月追加】

適格請求書発行事業者が、適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付した場合(電磁的記録により提供を行った場合を含みます。)において、これらの書類の記載事項に誤りがあったときには、これらの書類を交付した相手方に対して、修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなければなりません(新消法57の4④⑤)。

これらの交付方法は、例えば、

  •  誤りがあった事項を修正し、改めて記載事項の全てを記載したものを交付する方法
  •  当初に交付したものとの関連性を明らかにし、修正した事項を明示したものを交付する方法

などが考えられます。

★リンクはこちら→ 交付した適格請求書等に誤りがあった場合に交付する修正した適格請求書等の交付方法について教えてください。【令和3年7月追加】

2023年4月17日


<インボイス制度に関するQ&A 問29
交付した適格請求書の記載事項に誤りがあった場合、何か対応が必要ですか。【令和3年7月改訂】

売手である適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書(電磁的記録により提供を行った場合も含みます。)の記載事項に誤りがあったときは、買手である課税事業者に対して、修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなければなりません(新消法57の4④⑤)。

なお、買手である課税事業者が作成した一定事項の記載のある仕入明細書等の書類で、売手である適格請求書発行事業者の確認を受けたものについても、仕入税額控除の適用のために保存が必要な請求書等に該当しますので(新消法30⑨三)、買手において適格請求書の記載事項の誤りを修正した仕入明細書等を作成し、売手である適格請求書発行事業者に確認を求めることも考えられます。

この場合は、売手である適格請求書発行事業者は、改めて修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなくても差し支えありません。

買手である課税事業者の対応は、問82《交付を受けた適格請求書に誤りがあった場合の対応》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 交付した適格請求書の記載事項に誤りがあった場合、何か対応が必要ですか。【令和3年7月改訂】

2023年4月14日


<インボイス制度に関するQ&A 問28
当社は、請求書を取引先にインターネットを通じて電子データにより提供していますが、この請求書データを適格請求書とすることができますか。【令和3年7月改訂】

適格請求書発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)から求められたときは、適格請求書を交付する必要がありますが、交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供することができます(新消法57の4①⑤)。

したがって、貴社は、請求書データに適格請求書の記載事項を記録して提供することにより、適格請求書の交付に代えることができます。

ただし、適格請求書発行事業者が提供した電子データを電磁的に保存しようとする場合には一定の要件を満たした状態で保存する必要がありますが、その具体的な内容については、問71《適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合の保存方法》をご参照ください。

(参考) 電磁的記録による提供方法としては、光ディスク、磁気テープ等の記録用の媒体による提供のほか、例えば、次の方法があります(インボイス通達3-2)。

EDI取引(注)における電子データの提供
電子メールによる電子データの提供
インターネット上にサイトを設け、そのサイトを通じた電子データの提供

(注)EDI(Electronic Data Interchange)取引とは、異なる企業・組織間で商取引に関連するデータを、通信回線を介してコンピュータ間で交換する取引等をいいます。

★リンクはこちら→ 当社は、請求書を取引先にインターネットを通じて電子データにより提供していますが、この請求書データを適格請求書とすることができますか。【令和3年7月改訂】

2023年4月12日


<インボイス制度に関するQ&A 問27
返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格請求書発行事業者は、何か対応が必要ですか。【令和2年9月改訂】

適格請求書発行事業者には、課税事業者に返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書の交付義務が課されています(新消法57の4③)。
ただし、適格請求書の交付義務が免除される場合と同様、次の場合には、適格返還請求書の交付義務が免除されます(新消令70の9③)。
①3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送
②出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が
卸売の業務として行うものに限ります。)
③生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
④3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等
⑤郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
なお、適格返還請求書の記載事項については、問51から問53までをご参照ください。

★リンクはこちら→ 返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格請求書発行事業者は、何か対応が必要ですか。【令和2年9月改訂】

2023年4月10日


<インボイス制度に関するQ&A 問26
当店は、現在、顧客に手書きの領収書を交付しています。適格請求書等保存方式の開始後においても、その手書きの領収書を適格請求書として交付することはできますか。【令和4年4月改訂】

手書きの領収書であっても、適格請求書として必要な次の事項が記載されていれば、適格請求書に該当します(新消法57の4①、インボイス通達3-1)。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
課税資産の譲渡等を行った年月日
課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等
書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

なお、適格簡易請求書を交付する場合の記載事項については、問49《適格簡易請求書の記載事項》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 当店は、現在、顧客に手書きの領収書を交付しています。適格請求書等保存方式の開始後においても、その手書きの領収書を適格請求書として交付することはできますか。【令和4年4月改訂】

2023年4月6日


<インボイス制度に関するQ&A 問25
適格請求書の様式は、法令又は通達等で定められていますか。【令和4年4月改訂】

適格請求書の様式は、法令等で定められていません。

適格請求書として必要な次の事項が記載された書類(請求書、納品書、領収書、レシート等)であれば、その名称を問わず、適格請求書に該当します(新消法57の4①、インボイス通達3-1)。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  2. 課税資産の譲渡等を行った年月日()
  3. 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
  4. 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税資産の譲渡等につき適格請求書をまとめて作成する場合には、当該一定の期間を記載することができます。

★リンクはこちら→ 適格請求書の様式は、法令又は通達等で定められていますか。【令和4年4月改訂】

2023年4月4日


<インボイス制度に関するQ&A 問24
適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付できるのは、どのような場合ですか。【令和4年11月改訂】

適格請求書発行事業者が、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う次の事業を行う場合には、適格請求書に代えて、適格請求書の記載事項を簡易なものとした適格簡易請求書を交付することができます(新消法57の4②、新消令70の11)。

また、適格簡易請求書についても、その交付に代えて、その記載事項に係る電磁的記録を提供することができます(新消法57の4⑤)。

小売業
飲食店業
写真業
旅行業
タクシー業
駐車場業(不特定かつ多数の者に対するものに限ります。)
その他これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業

①から⑤までの事業については、「不特定かつ多数の者に対するもの」との限定はありませんので、例えば、小売業として行う課税資産の譲渡等は、その形態を問わず、適格簡易請求書を交付することができます。

また、「不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業」であるかどうかは、個々の事業の性質により判断します。

例えば、以下のような事業が該当することとなります。

  • 資産の譲渡等を行う者が資産の譲渡等を行う際に相手方の氏名又は名称等を確認せず、取引条件等をあらかじめ提示して相手方を問わず広く資産の譲渡等を行うことが常態である事業
  • 事業の性質上、事業者がその取引において、氏名等を確認するものであったとしても、相手方を問わず広く一般を対象に資産の譲渡等を行っている事業(取引の相手方について資産の譲渡等を行うごとに特定することを必要とし、取引の相手方ごとに個別に行われる取引であることが常態である事業を除きます。)

★リンクはこちら→ 適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付できるのは、どのような場合ですか。【令和4年11月改訂】

2023年3月31日


<インボイス制度に関するQ&A 問23
適格請求書発行事業者は、どのような場合に適格請求書の交付義務が課されるのですか。また、交付義務が課されない場合はあるのですか。【令和2年9月改訂】

適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等(注1、2)を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されています(新消法57の4①)。

なお、適格請求書発行事業者は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供することができます(新消法57の4⑤)。

ただし、次の取引は、適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、適格請求書を交付することが困難なため、適格請求書の交付義務が免除されます(新消令70の9②)(適格請求書の交付義務が免除される取引の詳細については問34から問40までをご参照ください。)。

3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送
出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等
郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)

(注1)
課税資産の譲渡等に係る適用税率は問いませんので、標準税率の取引のみを行っている場合でも、取引の相手方(課税事業者に限ります。)から交付を求められたときは、適格請求書の交付義務があることにご留意ください。
(注2)
免税取引、非課税取引及び不課税取引のみを行った場合については、適格請求書の交付義務は課されません。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者は、どのような場合に適格請求書の交付義務が課されるのですか。また、交付義務が課されない場合はあるのですか。【令和2年9月改訂】

2023年3月29日


<インボイス制度に関するQ&A 問22
適格請求書発行事業者の公表情報に変更等があった場合の手続について教えてください。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】

適格請求書発行事業者の氏名又は名称、法人の本店所在地などの法定の公表事項に変更があった場合は、適格請求書発行事業者は、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書」(個人事業者の氏名について「住民票に併記されている外国人の通称」若しくは「住民票に併記されている旧氏(旧姓)」を公表している場合又はこれらを氏名と併記して公表している場合に、その公表事項等を変更するときは、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」)を提出する必要があり、これにより、適格請求書発行事業者登録簿の情報及び公表情報が変更されます(新消法57の2⑧)。

また、個人事業者等が主たる屋号や主たる事務所の所在地を公表している場合に、その情報に変更等があったとき又は公表をしないこととするときは、当該個人事業者等は、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出する必要があり、これにより、公表情報が変更されます。

なお、通知を受けた適格請求書発行事業者の登録番号は変更することはできません。

「適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書」及び「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」は、e-Tax を利用して提出することができますのでぜひご利用ください。

また、郵送により提出する場合の送付先は、各国税局のインボイス登録センターとなります。

届出の概要については、問2《登録の手続》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者の公表情報に変更等があった場合の手続について教えてください。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】

2023年3月27日


<インボイス制度に関するQ&A 問21
適格請求書発行事業者公表サイトでの適格請求書発行事業者の公表情報の確認方法について教えてください。【令和4年4月改訂】

「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」では、交付を受けた請求書等に記載された登録番号を基にして検索する方法により、適格請求書発行事業者の氏名・名称や登録年月日などの公表情報を確認することができます。

なお、相手方から交付を受けた請求書等に記載がある登録番号に基づき、検索を行った結果、該当する公表情報がない場合(交付を受けた請求書等の記載内容と異なる情報が表示される場合を含みます。)、請求書等に記載された登録番号が誤っている可能性などがありますので、まずは、相手方にご確認いただきますようお願いします。

<参考>
「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」には、登録番号を基にした検索のほか、システム間連携のための Web-API 機能や公表情報に係るデータのダウンロード機能があります。

これらの機能の詳細については、同サイトで仕様公開しておりますので、ご確認ください。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者公表サイトでの適格請求書発行事業者の公表情報の確認方法について教えてください。【令和4年4月改訂】

2023年3月23日


<インボイス制度に関するQ&A 問20
適格請求書発行事業者の情報は、どのような方法で公表されますか。【令和4年4月改訂】

適格請求書発行事業者の情報(登録日など適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項)は、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」において公表されます(新消法57の2④⑪、新消令70の5②)。

また、適格請求書発行事業者の登録が取り消された場合又は効力を失った場合、その年月日が「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」において公表されます。

具体的な公表情報については、次のとおりです。

(1)法定の公表事項(新消法57の2④⑪、新消令70の5①)

適格請求書発行事業者の氏名(※)又は名称
法人(人格のない社団等を除きます。)については、本店又は主たる事務所の所在地
特定国外事業者以外の国外事業者については、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地
登録番号
登録年月日
登録取消年月日、登録失効年月日

(※)個人事業者の氏名について、「住民票に併記されている外国人の通称」若しくは「住民票に併記されている旧氏(旧姓)」を氏名として公表することを希望する場合又はこれらを氏名と併記して公表することを希望する場合は、登録申請書と併せて、必要事項を記載した「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」をご提出ください。

(2)本人の申出に基づき追加で公表できる事項
次の①、②の事項について公表することを希望する場合には、必要事項を記載した「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」をご提出ください。

個人事業者の「主たる屋号」、「主たる事務所の所在地等」
人格のない社団等の「本店又は主たる事務所の所在地」

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者の情報は、どのような方法で公表されますか。【令和4年4月改訂】

2023年3月20日


<インボイス制度に関するQ&A 問19
登録番号は、どのような構成ですか。【令和4年4月改訂】

登録番号(注1)の構成は、次のとおりです(インボイス通達2-3)。

① 法人番号を有する課税事業者
「T」(ローマ字)+法人番号(数字13桁)

② ①以外の課税事業者(個人事業者、人格のない社団等)
「T」(ローマ字)+数字13桁(注2)

(注1)
一度付番された登録番号は、変更することはできません。
(注2)
13桁の数字には、マイナンバー(個人番号)は用いず、法人番号とも重複しない事業者ごとの番号となります。

<参考>登録番号の記載例
・ T1234567890123
・ T-1234567890123

※請求書等への表記に当たり、半角・全角は問いません。

★リンクはこちら→ 登録番号は、どのような構成ですか。【令和4年4月改訂】

2023年3月17日


<インボイス制度に関するQ&A 問18
当社は、適格請求書発行事業者の登録を受けています。翌課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下ですが、当社は、免税事業者となりますか。【令和4年4月改訂】

その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、原則として、消費税の納税義務が免除され、免税事業者となります。

しかしながら、適格請求書発行事業者は、その基準期間における課税売上高が1,000万円以下となった場合でも免税事業者となりません(新消法9①、インボイス通達2-5)。

したがって、適格請求書発行事業者である貴社は、翌課税期間(適格請求書等保存方式の開始後)に免税事業者となることはありません。

★リンクはこちら→ 当社は、適格請求書発行事業者の登録を受けています。翌課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下ですが、当社は、免税事業者となりますか。【令和4年4月改訂】

2023年3月15日


<インボイス制度に関するQ&A 問17
適格請求書発行事業者の登録が取り消される場合はありますか。【令和4年4月改訂】

税務署長は、次の場合に適格請求書発行事業者の登録を取り消すことができます(新消法 57の2⑥)。

  1. 1年以上所在不明であること
  2. 事業を廃止したと認められること
  3. 合併により消滅したと認められること
  4. 納税管理人を定めなければならない事業者が、納税管理人の届出をしていないこと
  5. 消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたこと
  6. 登録拒否要件に関する事項について、虚偽の記載をした申請書を提出し、登録を受けたこと

このうち、1.「1年以上所在不明であること」における「所在不明」については、例えば、消費税の申告書の提出がないなどの場合において、文書の返戻や電話の不通をはじめとして、事業者と必要な連絡が取れないときなどが該当します。

なお、消費税法上、事業者に、2.事業の廃止の事実があった場合は「事業廃止届出書」を、3.合併による消滅の事実があった場合は「合併による法人の消滅届出書」をそれぞれ提出する義務があります(これらの届出書の提出により登録は失効します。)(消法57①三、五、新消法57の2⑩)。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者の登録が取り消される場合はありますか。【令和4年4月改訂】

2023年3月13日


<インボイス制度に関するQ&A 問16
適格請求書発行事業者の登録を受けていた親から相続を受け、事業を承継したのですが、適格請求書等保存方式において必要となる手続及び適格請求書発行事業者の登録の効力について教えてください。【令和3年7月追加】

1.令和5年10 月1日より前に死亡した場合
令和5年10月1日から登録を受けることとされていた事業者が、令和5年10月1日より前に死亡した場合は、登録の効力は生じません。したがって、相続により事業を承継した相続人が、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請書を提出する必要があります(相続人が既に登録申請書を提出していた場合を除きます。)。

令和5年10月1日から登録を受けようとする場合は、原則として、令和5年3月31日までに登録申請書を提出する必要がありますが、令和5年3月31日までに登録申請書を提出できなかったことにつき困難な事情がある場合に、令和5年9月30日までの間に登録申請書にその困難な事情を記載して提出し、税務署長により適格請求書発行事業者の登録を受けたときは、令和5年10月1日に登録を受けたこととみなされる措置が設けられています(改正令附則15)。相続による事業承継は、この困難な事情に該当しますので、令和5年9月30日までに登録申請書を提出していただければ、令和5年10月1日から登録を受けることができます。

なお、登録申請を行った事業者が死亡した場合は、相続人は、「個人事業者の死亡届出書」を提出いただきますようお願いします。

2.令和5年10月1日以後に死亡した場合
令和5年10月1日以後に適格請求書発行事業者が死亡した場合、その相続人は「適格請求書発行事業者の死亡届出書」を提出する必要があり、届出書の提出日の翌日又は死亡した日の翌日から4月を経過した日のいずれか早い日(※)に登録の効力が失われます。

また、相続により事業を承継した相続人が、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、相続人は登録申請書の提出が必要となります(相続人が既に登録を受けていた場合を除きます。)。

なお、相続により適格請求書発行事業者の事業を継承した相続人の相続のあった日の翌日から、その相続人が適格請求書発行事業者の登録を受けた日の前日又はその相続に係る適格請求書発行事業者が死亡した日の翌日から4月を経過する日のいずれか早い日までの期間については、相続人を適格請求書発行事業者とみなす措置(※)が設けられており、この場合、被相続人の登録番号を相続人の登録番号とみなすこととされています。

登録申請書の提出から登録通知を受けるまでには、その審査等に一定の期間を要しますので、相続により事業を承継した相続人が適格請求書発行事業者の登録を受ける場合は、お早めに登録申請書をご提出ください。
(※)相続人を適格請求書発行事業者とみなす措置の適用がある場合、その措置の適用がある期間は被相続人の登録は有効です。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者の登録を受けていた親から相続を受け、事業を承継したのですが、適格請求書等保存方式において必要となる手続及び適格請求書発行事業者の登録の効力について教えてください。【令和3年7月追加】

2023年3月10日


<インボイス制度に関するQ&A 問15
事業の廃止や法人の合併による消滅があった場合の手続について教えてください。【令和3年7月追加】【令和4年11月改訂】 

消費税法上、事業者が事業を廃止した場合は「事業廃止届出書」を、合併による消滅の事実があった場合は「合併による法人の消滅届出書」を、納税地を所轄する税務署長に提出する義務があります(消法57①三、五)。

なお、「事業廃止届出書」を提出した場合は、事業を廃止した日の翌日に、「合併による法人の消滅届出書」を提出した場合は、法人が合併により消滅した日に適格請求書発行事業者の登録の効力が失われます(新消法57の2⑩、インボイス通達2-7、2-8)。

(注) これらの届出書を提出していない場合であっても、税務署長は、事業を廃止したと認められる場合、合併により消滅したと認められる場合に適格請求書発行事業者の登録を取り消すことができます(新消法57の2⑥)。

★リンクはこちら→ 事業の廃止や法人の合併による消滅があった場合の手続について教えてください。【令和3年7月追加】【令和4年11月改訂】

2023年3月8日


<インボイス制度に関するQ&A 問14
当社は3月決算法人であり、令和5年10月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けていましたが、令和8年4月1日から適格請求書発行事業者の登録を取りやめたいと考えています。この場合、どのような手続が必要ですか。【令和3年7月改訂】

適格請求書発行事業者は、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」(以下「登録取消届出書」といいます。)を提出することにより、適格請求書発行事業者の登録の効力を失わせることができます(新消法57の2⑩一)。

なお、この場合、原則として、登録取消届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日に登録の効力が失われることとなります(新消法57の2⑩一)。

ただし、登録取消届出書を、その提出のあった日の属する課税期間の末日から起算して30日前の日から、その課税期間の末日までの間に提出した場合は、その提出があった日の属する課税期間の翌々課税期間の初日に登録の効力が失われることとなります。

したがって、ご質問の場合については、令和8年3月1日までに登録取消届出書を提出する必要があります。

★リンクはこちら→ 当社は3月決算法人であり、令和5年10月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けていましたが、令和8年4月1日から適格請求書発行事業者の登録を取りやめたいと考えています。この場合、どのような手続が必要ですか。【令和3年7月改訂】

2023年3月6日


<インボイス制度に関するQ&A 問13
適格請求書発行事業者の登録を申請した場合に、登録を拒否される場合はありますか。【令和4年4月改訂】

登録を受けようとする事業者が、特定国外事業者以外の事業者であって、次のいずれかの事実に該当しなければ、原則として、登録を拒否されることはありません(新消法57の2⑤)。

  • 納税管理人を定めなければならない事業者が、納税管理人の届出をしていないこと
  • 消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者であること

(注1)
例えば、法人が消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた場合において、当該法人の代表者が法人とともに罰金以上の刑に処せられたときは、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しなければ、代表者は個人事業者としての登録も受けることができません。
(注2)
「罰金以上の刑」には、各種加算税や延滞税の賦課決定処分は含まれません。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者の登録を申請した場合に、登録を拒否される場合はありますか。【令和4年4月改訂】

2023年3月2日


<インボイス制度に関するQ&A 問12
適格請求書等保存方式の開始後、新たに設立した法人が事業開始(設立)と同時に適格請求書発行事業者の登録を受けることはできますか。【令和4年11月改訂】

適格請求書発行事業者の登録を受けることができるのは、課税事業者に限られます(新消法57の2①)。
新たに設立された法人が免税事業者の場合、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに、課税選択届出書を提出すれば、その事業を開始した日の属する課税期間の初日から課税事業者となることができます(消法9④、消令20一)。
また、新たに設立された法人が、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに提出した場合において、税務署長により適格請求書発行事業者登録簿への登載が行われたときは、その課税期間の初日に登録を受けたものとみなされます(以下「新たに設立された法人等の登録時期の特例」といいます。)(新消令70の4、新消規26の4、インボイス通達2-2)。
したがって、新たに設立された法人が免税事業者である場合、事業開始(設立)時から、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、設立後、その課税期間の末日までに、課税選択届出書と登録申請書を併せて提出することが必要です。
なお、新たに設立された法人が課税事業者の場合については、事業を開始した課税期間の末日までに、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を提出することで、新たに設立された法人等の登録時期の特例の適用を受けることができます。

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式の開始後、新たに設立した法人が事業開始(設立)と同時に適格請求書発行事業者の登録を受けることはできますか。【令和4年11月改訂】

2023年2月27日


<インボイス制度に関するQ&A 問11
当社は、軽減税率対象品目の販売を行っていませんが、適格請求書発行事業者の登録を必ず受けなければなりませんか。

適格請求書を交付できるのは、登録を受けた適格請求書発行事業者に限られますが、適格請求書発行事業者の登録を受けるかどうかは事業者の任意です(新消法57の2①、57の4①)。

ただし、登録を受けなければ、適格請求書を交付することができないため、取引先が仕入税額控除を行うことができませんので、このような点を踏まえ、登録の必要性をご検討ください。

また、適格請求書発行事業者は、販売する商品に軽減税率対象品目があるかどうかを問わず、取引の相手方(課税事業者に限ります。)から交付を求められたときには、適格請求書を交付しなければなりません。

一方で、消費者や免税事業者など、課税事業者以外の者に対する交付義務はありませんので、例えば、顧客が消費者のみの場合には、必ずしも適格請求書を交付する必要はありません。

このような点も踏まえ、登録の必要性をご検討ください。

★リンクはこちら→ 当社は、軽減税率対象品目の販売を行っていませんが、適格請求書発行事業者の登録を必ず受けなければなりませんか。

2023年2月22日


<インボイス制度に関するQ&A 問10
免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける場合には、登録を受けた日から課税事業者になるとのことですが、その課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができますか。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】

免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受けることとなった場合には、登録日(令和5年10月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日から生じます。)から課税事業者となる経過措置が設けられています(28年改正法附則44④、インボイス通達5-1)。

この経過措置の適用を受ける事業者が、登録日の属する課税期間中にその課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した「消費税簡易課税制度選択届出書」を、納税地を所轄する税務署長に提出した場合には、その課税期間の初日の前日に消費税簡易課税制度選択届出書を提出したものとみなされます(改正令附則18)。

したがって、ご質問の場合、登録日の属する課税期間中にその課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することにより、その課税期間から、簡易課税制度の適用を受けることができます。

★リンクはこちら→ 免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける場合には、登録を受けた日から課税事業者になるとのことですが、その課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができますか。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】

2023年2月20日


<インボイス制度に関するQ&A 問9
個人事業者が、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受ける場合における、令和5年1月1日から令和5年12月31日までの課税期間(令和5年分)の消費税の申告について具体的に教えてください。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】

1.令和5年分について免税事業者である個人事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けた場合(登録に際して令和5年分を適用開始課税期間とする課税選択届出書を提出した場合を除きます。)
令和5年分について免税事業者である個人事業者が令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けた場合(令和5年10月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日である令和5年10月1日から生じることとなります。)には、登録日である令和5年10月1日以後は課税事業者となりますので、令和5年10月1日から令和5年12月31日までの期間に行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて、令和5年分の消費税の申告が必要となります。

2.令和5年分について課税事業者である個人事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けた場合(登録に際して令和5年分を適用開始課税期間とする課税選択届出書を提出した場合を含みます。)
令和5年分について課税事業者である個人事業者が令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けた場合、同日から適格請求書発行事業者となりますが、その課税期間(令和5年1月1日から令和5年12月31日まで)中に行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて、令和5年分の消費税の申告が必要となります。

★リンクはこちら→ 個人事業者が、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受ける場合における、令和5年1月1日から令和5年12月31日までの課税期間(令和5年分)の消費税の申告について具体的に教えてください。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】

2023年2月17日


<インボイス制度に関するQ&A 問8
免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける場合の取扱いについて教えてください。また、この場合、いつから課税事業者となりますか。【令和4年4月改訂】

免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受けることとなった場合には、登録日(令和5年10月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日から生じることとなります。)から課税事業者となる経過措置が設けられています(28 年改正法附則 44④、インボイス通達5-1)。

したがって、この経過措置の適用を受けることとなる場合は、登録日から課税事業者となり、登録を受けるに当たり、課税選択届出書を提出する必要はありません。

なお、経過措置の適用を受けて適格請求書発行事業者の登録を受けた場合、基準期間の課税売上高にかかわらず、登録日から課税期間の末日までの期間について、消費税の申告が必要となります。

★リンクはこちら→ 免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける場合の取扱いについて教えてください。また、この場合、いつから課税事業者となりますか。【令和4年4月改訂】

2023年2月15日


<インボイス制度に関するQ&A 問7
適格請求書等保存方式が開始される令和5年10月1日から登録を受けるためには、いつまでに登録申請書を提出すればよいですか。【令和4年4月改訂】

適格請求書等保存方式が開始される令和5年10月1日から登録を受けようとする事業者は、令和5年3月31日まで(注)に納税地を所轄する税務署長に登録申請書を提出する必要があります(28年改正法附則44①)。

登録申請書は、e-Tax を利用して提出できますので、ぜひご利用ください(個人事業者はスマートフォンでも手続が可能となります。)。

なお、郵送により登録申請書を提出する場合の送付先は、各国税局のインボイス登録センターとなります。

インボイス登録センターの所在地は問2《登録の手続》をご参照ください。

なお、免税事業者が登録を受けるためには、原則として、消費税課税事業者選択届出書(以下「課税選択届出書」といいます。)を提出し、課税事業者となる必要がありますが、登録日が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中である場合は、課税選択届出書を提出しなくても、登録を受けることができます(28 年改正法附則44④、インボイス通達5-1)。

★リンクはこちら→ 適格請求書等保存方式が開始される令和5年10月1日から登録を受けるためには、いつまでに登録申請書を提出すればよいですか。【令和4年4月改訂】

2023年2月13日


<インボイス制度に関するQ&A 問6
課税事業者は、課税期間の途中であっても、適格請求書発行事業者の登録を受けることができますか。【令和3年7月追加】

課税事業者は、課税期間の途中であっても、登録申請書を提出し、登録を受けることができます。
登録申請書を提出し登録を受けた場合、登録の効力は、登録日から生じます。

なお、新たに設立された法人等の登録時期の特例については、問12《新たに設立された法人等の登録時期の特例》をご参照ください。

(参考)令和5年10月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日である令和5年10月1日から生じることとなります。

★リンクはこちら→ 課税事業者は、課税期間の途中であっても、適格請求書発行事業者の登録を受けることができますか。【令和3年7月追加】

2023年2月10日


<インボイス制度に関するQ&A 問5
適格請求書発行事業者の登録の効力は、いつから発生するのですか。【令和3年7月改訂】

登録申請書の提出を受けた税務署長は、登録拒否要件に該当しない場合には、適格請求書発行事業者登録簿に法定事項を登載して登録を行い、登録を受けた事業者に対して、その旨を通知することとされています(新消法 57 の2③④⑤⑦)。

登録の効力は、通知の日にかかわらず、適格請求書発行事業者登録簿に登載された日(以下「登録日」といいます。)から生じます。
このため、登録日以降の取引については、相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じ、適格請求書を交付する義務があります(インボイス通達2-4)。

なお、登録日から登録の通知を受けるまでの間の取扱いについては、問33《登録日から登録の通知を受けるまでの間の取扱い》をご参照ください。

(参考)令和5年10月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日である令和5年10月1日に生じることとなります。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者の登録の効力は、いつから発生するのですか。【令和3年7月改訂】

2023年2月8日


<インボイス制度に関するQ&A 問4
登録申請書を提出してから登録の通知を受けるまでにどの程度の期間がかかりますか。

登録申請書を提出してから登録通知を受けるまでの期間については、一時期に多量の登録申請書が提出された場合は処理に時間を要するなど、登録申請書の提出状況により異なります。

現時点における登録申請書を提出してから登録通知までに要する期間については、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」に掲載していますのでご確認ください。

なお、登録申請書を e-Tax で提出し、登録通知を電子データで受け取ることを希望される場合は、事前にメールアドレスを登録すると、登録したメールアドレス宛に、登録通知が「通知書等一覧」に格納されたことをお知らせするメールが送信され、すぐに登録通知を確認できますので、ぜひご利用ください。

★リンクはこちら→ 登録申請書を提出してから登録の通知を受けるまでにどの程度の期間がかかりますか。

2023年2月6日


<インボイス制度に関するQ&A 問3
適格請求書発行事業者の登録は、どのような方法で通知されますか。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】 

適格請求書発行事業者の登録の通知については、登録申請書を e-Tax により提出して、登録通知について電子での通知を希望した場合は、通知書等一覧に登録番号等が記載された登録通知書がデータで格納され、その他の場合は、書面にて登録番号等が記載された登録通知書が送付されます。 電子データで登録通知を希望していただくことで、

  • 税務署での処理後、速やかに電子通知が行われるため、書面より早期に登録通知書を受領
    することができる
  • 通知書等一覧内にデータ保管されるため、登録通知書の紛失のおそれがない(保管されたデータは、書面により出力することやPDFデータでの保存をすることが可能)

などのメリットがありますので、ぜひご利用ください。

なお、登録通知書は、原則として再発行を行いませんので大切に保管してください。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者の登録は、どのような方法で通知されますか。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】 

2023年2月2日


<インボイス制度に関するQ&A 問2
適格請求書発行事業者の登録は、どのような手続で行うのですか。【令和4年4月改訂】

適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者(登録を受けることができるのは、課税事業者に限られます。)は、納税地を所轄する税務署長に登録申請書を提出する必要があります(新消法57の2②、インボイス通達2-1)。

登録申請書は、e-Tax を利用して提出できますので、ぜひご利用ください(個人事業者はスマートフォンでも手続が可能となります。)。

なお、郵送により登録申請書を提出する場合の送付先は、各国税局のインボイス登録センターとなります。

登録申請書の提出を受けた税務署長は、登録拒否要件に該当しない場合には、適格請求書発行事業者登録簿に法定事項を登載して登録を行い、登録を受けた事業者に対して、その旨を通知することとされています(新消法57の2③④⑤⑦)。

また、適格請求書発行事業者の情報は、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」において公表されます。

なお、免税事業者が登録を受ける場合の手続については、問8《免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける場合》をご参照ください。

★リンクはこちら→ 適格請求書発行事業者の登録は、どのような手続で行うのですか。【令和4年4月改訂】

2023年1月30日


<インボイス制度に関するQ&A 問1
令和5年10月1日から開始される「適格請求書等保存方式」の概要を教えてください。

複数税率に対応した仕入税額控除の方式として、令和5年10月1日から「適格請求書等保存方式」(いわゆる「インボイス制度」)が開始されます(新消法 30、57の2、57の2)。

★リンクはこちら→ 令和5年10月1日から開始される「適格請求書等保存方式」の概要を教えてください。

2023年1月27日