Warning: Constant TRUE already defined in /home/minoru7227/kunimura-cpa.jp/public_html/wp-content/plugins/amazon-associates-link-builder/plugin_config.php on line 114
事務所通信 アーカイブ - 2ページ目 (17ページ中) - 棚卸、事業承継、M&A・組織再編、贈与・相続などのコンサルティングが中心の國村公認会計士事務所・株式会社Your Partner(香川県高松市木太町)
カテゴリー
事務所通信

事務所通信2024年5月

事務所通信

2024年5月号『非上場会社でも従業員持株会を活用できる!』

『従業員持株会』という制度をご存じでしょうか?

聞いたこともない方もたくさんおられるでしょうし、知っていても上場会社で使われる制度と思われている方もおられるのではないでしょうか?

実は、非上場会社でも使えるのです。

そこで今回は、『非上場会社でも従業員持株会を活用できる!』について、書きたいと思います。

1.従業員持株会とは?

会社の従業員(当該会社の子会社の従業員を含む。)が、当該会社の株式の取得を目的として運営する組織をいいます。

2.従業員持株会のメリット

メリットとしては以下のようなものが挙げられます。

<会社>
従業員福利厚生制度の柱となる
従業員に経営参加意識を持たせることができる
株式の社外流出を防止できる
株主からの買取要請に対処しやすい
オーナーの相続税対策に役立つ
<従業員>
財産形成に役立つ

3.従業員持株会のデメリット

一方、デメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

<会社>
従業員の資本参加の度合いによってはオーナーの会社支配権が揺るぎかねない
公正に運営が行われないと従業員から不満の声が出る
退会等による換金の申し込みが集中すると株式転売の対応が難しくなる
既存の従業員株主を持株会に吸収できないと株主管理に問題が残る
配当が期待できないと従業員の不信感、不満が表面化し運営が困難になる
<従業員>
倒産の場合、資産も失うことになる

4.従業員持株会の設立形態

設立形態としては、以下の①から③が考えられますが、③民法上の組合として設立することが多いと考えられます。

民法上の組合
法人格のない社団
任意団体

③民法上の組合の特徴は以下のとおりです。

法的性格 民法667条の規定に基づく団体
法人格を持たない
税務上の

取り扱い

法人税の課税なし
会員個人が受ける
配当金は配当所得(配当控除可)
採  用 ほとんどの会社で採用

5.従業員持株会の参加者

会社の正社員を参加者とするのが一般的だと考えられます。

なお、子会社の正社員も参加させることも可能です。

6.最後に

上場会社のみならず、非上場会社でも従業員持株会は使えます。

従業員に報いたいと考えていたり、相続税対策を考えている経営者の方は、検討してもよいかもしれません。

2024年5月28日 國村 年

カテゴリー
事務所通信

事務所通信2024年4月

事務所通信

2024年4月号『経営者保証を提供しない3つの制度!』

最近、経営者保証を外すことが話題になっています。

そのような中、2024年3月15日から保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等が開始されました。

そこで今回は、『経営者保証を提供しない3つの制度!』について、書きたいと思います。

1.事業者選択型経営者保証非提供制度

<要件>

次の要件のいずれにも該当すること(*)

過去2年間(法人の設立日から2年経過していない場合は、その期間)において決算書等を申込金融機関の求めに応じて提出していること
直近の決算において代表者への貸付金等がなく、かつ、代表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められる額を超えていないこと
直近の決算において債務超過でない(純資産の額がゼロ以上である)こと又は直近2期の決算において減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと
上記①及び②については継続的に充足することを誓約する書面を提出していること
中小企業者が、保証料率の上乗せにより保証人の保証を提供しないことを希望していること

(*)法人の設立後最初の決算が未了の者の場合にあっては①から③までに掲げるものを、法人の設立後最初の2期分の決算が未了の者にあっては③に掲げるものをそれぞれ除く。

<保証料率>

  • 上記の③の要件の両方を満たす場合

信用保証協会所定の保証料率に0.25%上乗せ

  • 上記の③の要件のいずれか一方を満たす場合又は法人の設立後2事業年度の決算がない場合

信用保証協会所定の保証料率に0.45%上乗せ

<保証人>
不要
<対象となる保証>
無担保保険(限度額8,000万円)に係る保証など。
<その他>
原則として、本制度を適用する個別の保証制度等の取扱いに準じる。

2.事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度

<要件>
前記1.と同じ。
<保証限度額>
8,000万円セーフティネット保証(4号・5号)の場合は、別枠で8,000万円
<保証期間>
・一括返済の場合:1年以内・分割返済の場合:10年以内(据置期間は1年以内)
<保証料率>
前記1.と同じ。
<保証料補助>
保証申込日に応じて、次の補助率に相当する額を国が補助します。

  • 2024年3月15日~2025年3月31日の保証申込分 補助率 0.15%
  • 2025年4月1日~2026年3月31日の保証申込分 補助率 0.10%
  • 2026年4月1日~2027年3月31日保証申込分 補助率 0.05%
<保証人>
不要
<取扱期間>
2027年3月31日まで

3.プロパー融資借換特別保証制度

<要件>
以下の全ての要件を充足する法人

資産超過であること
EBITDA有利子負債倍率(*1)が15倍以内であること
法人・個人の分離がなされていること
申込日(*2)において返済緩和している借入金がないこと

(*1)EBITDA有利子負債倍率=(借入金・社債-現預金)÷(営業利益+減価償却費)

(*2)危機関連保証又はSN保証4号(新型コロナ)の指定期間内の場合は、指定期間の始期の前日でも差し支えない。

<対象資金>
借換資金(プロパー融資のうち、経営者保証を提供している事業資金の借換えに限る。)
<保証限度額>
保証限度額:2億8,000万円(組合等4億8,000万円)申込金融機関における保証限度額は、プロパー融資のうち、経営者保証を提供していない残高の範囲内。
<保証期間>
  • 一括返済の場合:1年以内
  • 分割返済の場合:10年以内(据置期間は1年以内)
<保証料率>
0.45%~1.90%
<保証人>
不要
<取扱期間>
2027年3月31日まで
<その他>
申込金融機関において、次のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 経営者保証を不要とし、かつ、保全のないプロパー融資を実行すること
  • 経営者保証を提供している既往のプロパー融資(本制度による返済部分を除く。)の全部又は一部について経営者保証を解除し、かつ、解除したプロパー融資については保全がないこと

4.最後に

経営者保証を提供しなくてすむ制度が色々とできましたので、ふさわしいものを使っていただきたいですね。

個人的には、普段から会社の状況を見て減価償却費を入れたり入れなかったりしていますが、減価償却前経常利益で考えれば良いということを改めて認識しました。

2024年4月24日 國村 年

カテゴリー
事務所通信

事務所通信2024年3月

事務所通信

2024年3月号『経営セーフティ共済制度の不適切な利用への対応!』

弊事務所でも、小規模企業の経営者・役員や個人事業主の方の退職金の積立のため、法人や個人事業主の方の取引先事業者が倒産した際に連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐため、小規模企業共済や経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)の加入をお勧めしています。

ところが、中小企業庁によると、経営セーフティ共済については、制度の趣旨からかけ離れた税制上の優遇措置のみを加入の決め手としている者が多く、経営セーフティ共済による節税を指南する事例も数多く存在するようです。

そこで今回は、『経営セーフティ共済制度の不適切な利用への対応!』について、書きたいと思います。

1.加入・在籍状況(令和4年度末現在)

平成23年10月に掛金積立限度額を増額(320万円→800万円)して以降、共済金貸付の発生は減少傾向にあるにも関わらず、加入が急増しています。

2.任意解約による脱退状況(令和4年度)

解約手当金の支給率が100%となる、加入後3年目、4年目に解約が大きくなっていますが、近年その傾向が特に顕著になっており、直近では約33%が3年目、4年目に解約している状況です。

解約してすぐに再加入する行動変容が発生しており、加入・脱退の増加の一因になっています。

3.短期間で繰り返される脱退・再加入

加入者全体のうち再加入者は約16%で、再加入者のうち2年未満に再加入する者は約8割を占めています。

脱退・再加入は、積立額の変動により貸付可能額も変動することとなり、連鎖倒産への備えが不安定となるため、本来の制度利用に基づく行動ではありません。

4.節税を目的とした加入とそれを指南する情報源

加入者へのアンケートでは、共済への加入理由として、「税制上の優遇措置があるため」を理由とする回答が約3割となっています。

このうち、税制上の優遇措置のみを目的としたものが約2割となっており、約2割~3割が節税目的による加入と推定されます。

ホームページやYouTubeなどのインターネット上や書籍・雑誌でも、専ら節税をアピールして共済への加入を勧めるページが数多く存在しています。

5.令和6年度税制改正大綱

令和6年度税制改正大綱において、経営セーフティ共済契約の解除があった後に経営セーフティ共催契約を締結した場合には、その解除の日から同日以後2年を経過する日までの間に支出する経営セーフティ共済契約に係る掛金については、損金算入ができないこととされました(法人税・所得税にともに。)。

なお、上記改正は、令和6年10月1日以後の共済契約の解除について適用されます。

6.最後に

最近、節税手法があると、課税当局も研究しており、すぐに防がれる傾向にあります。

SNSとかを見ていても、節税をうたっている広告は想像以上に多いですので、安易に飛びつかず、慎重に検討したいですね。

2024年3月25日 國村 年

カテゴリー
事務所通信

事務所通信2024年2月

事務所通信

2024年2月号『不動産を譲渡した場合の取得費!』

現在、確定申告シーズンで、不動産を譲渡した方の取得費の算出に悪戦苦闘中です。

普段は、取得費が分からず、売った金額の5%相当額を取得費とすることが多く、もったいないぁなと思うことが多いのですが、取得費が分かるケースでも、簡単ではないケースもあるのです。

そこで今回は、『不動産を譲渡した場合の取得費!』について、書きたいと思います。

1.取得費となるもの

譲渡所得は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引き計算します。

取得費には、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます。

その他、以下のようなものが含まれます。

土地や建物を購入(贈与、相続または遺贈による取得も含む。)した時に納めた登録免許税(登記費用も含む。)、不動産取得税、特別土地保有税(取得分)、印紙税
借主がいる土地や建物を購入する時に、借主を立ち退かせるため支払った立退料
土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用
土地の取得に際し支払った土地の測量費
所有権等を確保するため要した訴訟費用
建物付の土地を購入して、その後概ね1年以内に建物を取り壊す等、当初から土地の利用が目的であったと認められる場合の建物の購入代金や取壊しの費用
土地や建物を購入するために借り入れた資金の利子のうち、その土地や建物を実際に使用開始する日までの期間に対応する部分の利子
既に締結されている土地等の購入契約を解除して、他の物件を取得することとした場合に支出する違約金

2.取得費が分からないとき

売った土地建物が先祖伝来のものであるとか、買い入れた時期が古い等、取得費が分からない場合は、売った金額の5%相当額を取得費とすることができます。

また、実際の取得費が売った金額の5%相当額を下回る場合も、売った金額の5%相当額を取得費とすることができます。

3.取得費を算出する際に苦労する点

現在、かなり悪戦苦闘中です。

なぜなら、取得したのが、明治時代、大正時代、昭和初期のものが多く、契約書や登記簿謄本等が手書きのものが多いため、達筆で読めないものが多々あるのです。

『卅(さんじゅう)』とか見たことのない漢字もありますし、『壱』『弐』『参』『拾』等も結構読み取りにくいケースがあります。

そして、今では面積は『㎡』で書かれていますが、古いものは、『反(たん)』『畝(せ)』『歩(ぶ)』『坪』等の記載もあり、換算が必要になってきます。

あとは、現在では建物と土地を購入した場合、消費税額から建物と土地を分けることができるのですが、消費税導入(平成元年4月1日)以前はそれができないのです。

4.最後に

今回、色々と調べる中で、CASIOのkeisanというサイトが非常に役立つことが分かりました。

取得費の算出にぜひ使ってみて下さいね。

2024年2月28日 國村 年

カテゴリー
事務所通信

事務所通信2024年1月

事務所通信

2024年1月号『税務署で受付印を押印してくれなくなる!』

弊事務所では、法人の法人税・消費税・地方税、個人の所得税・消費税・贈与税の申告は、基本的に電子申告しています。

ただし、相続税は、相続人がお一人でない限りは紙で提出し、控えに税務署で受付印(収受日付印)を押印してもらっています。

ところが、2025年から、税務署で受付印を押印しないようになるようです。

そこで今回は、『税務署で受付印を押印してくれなくなる!』について、書きたいと思います。

1.申告書等の控えへの収受日付印の押なつの見直し

国税庁は、納税者の利便性の向上等の観点から、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」を目指し、申告手続等のオンライン化、事務処理の電子化、押印の見直し等、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し(税務行政のDX)を進めています。

こうした中、e-Tax利用率は向上しており、今後もe-Taxの利用拡大がさらに見込まれることや、DXの取組の進捗も踏まえ、国税に関する手続等の見直しの一環として、2025年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないことにしました。

ここで、対象となる「申告書等」とは、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他の書類のほか、納税者の方が、他の法律の規定により、もしくは法律の規定によらずに国税庁、国税局(沖縄国税事務所を含む。)、税務署に提出されるすべての文書をいいます。

2.申告書等の提出事実及び提出年月日の確認方法

今後は、申告書等の提出事実・提出年月日の確認を以下の方法で行うことになります。

●e-Taxによる申告・申請手続

e-Taxで申告等データの送信が完了した後、送信されたデータの受信通知(申告書等を提出した者の氏名または名称、受付番号、受付日時等を確認することができます。)がメッセージボックスに格納されます。

●申告書等情報取得サービス(オンライン請求のみ)

所得税の確定申告書、青色申告決算書及び収支内訳書について、書面により提出している場合であっても、PC・スマホからe-Taxを利用してPDFファイルを無料で取得することができます。

●保有個人情報の開示請求(法人は除く)

税務署が保有する個人情報に対する開示請求により、提出した申告書等の内容を確認することができます。

●税務署での申告書等の閲覧サービス

税務署の窓口で、ご自身が過去に提出した申告書等を閲覧することができます。

●納税証明書の交付請求

納税証明書の交付請求を行うことにより、確定申告書等を提出した場合の納税額、所得金額または未納の税額がないことの証明書を取得することができます。

3.最後に

当分の間は、『リーフレット』に日付や税務署名を記載するようですが、受付印の押印はなくなることは知っておきたいですね。

2024年1月30日 國村 年

カテゴリー
事務所通信

事務所通信2023年12月

事務所通信

2023年12月号『対策は定期的に見直しを!』

独立開業してから書籍を3冊(すべて共著)出版していますが、すべて中央経済社から出版しています。

中央経済社が新社屋に移転したこと、コロナ禍でしばらく訪問できていなかったことから、先日、東京に行った際に訪問してきました。

その際に、対策は一度やれば終わりではないということを改めて感じました。

そこで今回は、『対策は定期的に見直しを!』について、書きたいと思います。

1.中央経済社の応接室から眺め

先日、東京に行った際に、今年新社屋に移転した中央経済社に訪問しました。

応接室に案内され、担当者が来られるまで、窓から外を眺めていました。

東京都千代田区の神保町駅のすぐ近くにあるのですが、10階建て以下の事務所などが入っている古いビルが周りにはたくさん建っています。

眺めていると、最上階は、おそらくビルのオーナーが住まれているだろうと思われるビルだらけでした。

その時、僕は思いました。

この辺りのビルは、相続税対策で建てられたのだろうけど、・・・と。

以前は、ビルとかマンションの最上階に住み、それ以下の階を賃貸していると、土地の全部について小規模宅地等の特例のうち居住用とされ、240㎡までは80%の減額を受けることができたため、相続税対策として、ビルやマンションを建て、その最上階に住むということが、行われていました。

ところが、その後税制改正が行われ、居住用部分と賃貸用部分を分けて考えるようになり、節税効果が薄れることになりました。

2.節税対策の封じ込め

課税当局も節税対策を研究しているものと思われますが、ここ数年、節税対策が封じ込まれる傾向にあります。

例えば、以下のようなものがあります。

タワーマンション

海外不動産

一般社団法人

家なき子

類似業種比準価額

足場レンタル

ドローンレンタル

LEDレンタル

法人保険

3.対策は定期的に見直しを!

上記のように、一度対策したとしても、その後税制改正により、対策の効果が薄れてしまったり、効果がなくなったりするケースがあります。

あとは、コロナ禍を経て、会社やご自身の環境が大きく変化したり、路線価が大幅に変動していることもあるかもしれません。

税制改正は毎年行われるわけですから、一度対策を行えば終わりというわけではなく、情報をキャッチアップし、定期的な見直しが必要となってきます。

4.最後に

2023年からは、生前贈与加算及び相続時精算課税制度の見直しが行われたりしますので、相続税対策の見直しに良い時期かも知れませんね。

2023年12月25日 國村 年

カテゴリー
事務所通信

事務所通信2023年11月

事務所通信

2023年11月号『無予告調査!』

コロナ明け後、無予告調査が増えていると言われていますが、弊事務所のクライアントでも、先日、無予告調査がありました。

そこで今回は、『無予告調査!』について、書きたいと思います。

1.調査の事前通知等

原則的に、実地の調査を行う場合は、事前通知をしなければならないとされています。

2.事前通知を要しない場合

納税義務者の申告もしくは過去の調査結果の内容又はその営む事業内容に関する情報その他国税庁等もしくは税関が保有する情報に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合、事前通知を要しません。

3.その営む事業内容に関する情報

単に不特定多数の取引先との間において現金決済による取引をしているということのみをもって事前通知を要しない場合に該当するとはいえません。

4.違法又は不当な行為

事前通知をすることにより、事前通知前に行った違法又は不当な行為の発見を困難にする目的で、事前通知後は、このような行為を行わず、又は、適法な状態を作出することにより、結果として、事前通知後に、違法または不当な行為を行ったと評価される状態を生じさせる行為が含まれます。

5.違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等または税額等の把握を困難にするおそれ

事前通知をすることにより、納税義務者において、例えば、以下に掲げるようなことが合理的に推認される場合をいいます。

1

法第128条第2号又は同条第3号に掲げる行為を行うことを助長する

2

調査の実施を困難にすることを意図し逃亡する

3

調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、又は偽造する

4

過去の違法又は不当な行為の発見を困難にする目的で、質問検査等を行う時点において適正な記帳又は書類の適正な記載と保存を行っている状態を作出する

5

その使用人その他の従業者もしくは取引先又はその他の第三者に対し、上記1から4までに掲げる行為を行うよう、又は調査への協力を控えるよう要請する(強要し、買収し又は共謀することを含む。)

6.その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ

例えば、以下の1から3までに掲げるような場合をいいます。

事前通知をすることにより、税務代理人以外の第三者が調査立会いを求め、それにより調査の適正な遂行に支障を及ぼすことが合理的に推認される

2

事前通知を行うため相応の努力をして電話等による連絡を行おうとしたものの、応答を拒否され、又は応答がなかった

3

事業実態が不明であるため、実地に臨場した上で確認しないと事前通知先が判明しない等、事前通知を行うことが困難

7.最後に

無予告調査といっても、基本的に強制調査ではなく、任意調査ですので、すぐに顧問税理士に連絡してから対応しましょう。

2023年11月29日 國村 年

カテゴリー
事務所通信

事務所通信2023年10月

事務所通信

2023年10月号『弥生の会計ソフトウエアでデジタルインボイスの送受信ができる!』

2023年10月1日からインボイス制度が開始されました。

皆さんも色々と手間が増えていることでしょう。

このような中、デジタルインボイスを使えば、業務負担が軽減できます。

そこで今回は、『弥生の会計ソフトウエアでデジタルインボイスの送受信ができる!』について、書きたいと思います。

1.背景

2023年10月1日から施行されたインボイス制度に伴い、事業者は新たに対応しなければならないバックオフィス業務が発生し、負担の増加が懸念されています。

また事業者のバックオフィス業務は、現在、紙と電子データが混在しており、これが効率化や生産性向上の妨げとなっていると言われています。

このたび、弥生の会計ソフトウエアの『スマート証憑管理』に新しく「デジタルインボイス送受信」機能を搭載することで、事業者の業務負担を軽減し、業務効率化が実現することになりました。

なお、『スマート証憑管理』は、得意先から受領、あるいは自社発行した証憑をクラウド上で保存・管理できるサービスです。

デスクトップソフトの「あんしん保守サポート」にご加入のお客様、クラウドサービスを契約のお客様であれば追加費用なしでご利用いただけます。

2.デジタルインボイスとは?

デジタルインボイスとは、「標準化され構造化された電子インボイス」のことをいいます。

弥生の会計ソフトウエアの「デジタルインボイス送受信」は請求書(インボイス)などの電子文書をネットワーク上でやり取りするためのグローバルな標準仕様である「Peppol(Pan European Public Procurement Online)」を採用しています。

3.「デジタルインボイス送受信」機能

弥生の会計ソフトウエアの『スマート証憑管理』に「デジタルインボイス送受信」機能が追加されました。

これにより、『Misoca』や『弥生販売 24 +クラウド』 で作成した請求書を、『スマート証憑管理』経由でデジタルインボイスとして取引先に送信することができます。

送信した請求書の控えは、電子帳簿保存法第7条(電子取引)の要件に基づいて『スマート証憑管理』に保存されます。

また、取引先から受信したデジタルインボイスは、『スマート証憑管理』に電子帳簿保存法第7条(電子取引)の要件に基づいて保存されます。

その後、弥生の会計ソフトウエアへの仕訳連携も可能です。

なお、『スマート証憑管理』及び『Misoca』は10月24日火曜日の早朝から、『弥生販売 24 +クラウド Ver.27.1.1』は10月26日木曜日0時から提供されています。

4.最後に

インボイス制度は大変だと思われている方もたくさんいらっしゃるのではないかと思いますが、デジタルインボイスを使えば手間が減るかもしれませんので、導入の検討の余地はありますね。

2023年10月30日 國村 年

カテゴリー
事務所通信

事務所通信2023年9月

事務所通信

2023年9月号『2023年10月からふるさと納税のルールが変わる!』

皆さまは『ふるさと納税』をされていらっしゃいますでしょうか?

お得なため、私自身、毎年しています。

この『ふるさと納税』ですが、2023年10月からルールが変わります。

そこで今回は、『2023年10月からふるさと納税のルールが変わる!』について、書きたいと思います。

1.ふるさと納税とは?

ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除されるという制度です(一定の上限があります。)。

例えば、年収600万円の給与所得者の方で扶養家族が配偶者のみのケースですと、50,000円のふるさと納税を行えば、2,000円を超える部分である48,000円(30,000円-2,000円)が所得税と住民税から控除されるのです。

2.2023年10月からのルール変更

2023年10月1日から、総務省はふるさと納税のルールを変更します。

変更点は、以下の2つです。

(1) 経費まで含めて5割ルール厳格化
(2) 返礼品にできる熟成肉・精米は同一都道府県産のみ

まず、(1)経費まで含めて5割ルールの厳格化ですが、総務省は、従来から、ふるさと納税の返礼品について「寄付額の3割以下」、発送などの経費まで含めて「寄付額の5割以下」というルールを定めていますが、そのルール自体に変更はありません。

今回、「5割ルール」が厳格化されます。

ふるさと納税の募集経費に含まれていない費用が、寄付を受ける自治体で膨らんでいる実態が明らかになり、総務省がルールの厳格化を決めたのです。

具体的には、ふるさと納税のポータルサイトに支払う手数料、寄付金に関する受領証の発行費用、ワンストップ特例に関する申請書の受付事務費用などがこれまで募集費用に含まれていませんでしたが、2023年10月より、これらの費用まで含めて寄付額の5割以下に収めることが義務付けられます。

次に、(2)返礼品にできる熟成肉・精米は同一都道府県産のみですが、総務省は、従来から、返礼品は地元産品のみというルールを定めており、このルールにも変更はありません。

地元産品の解釈が厳格化されるのです。

具体的には、海外などから輸入した肉を、地元で一定期間熟成させた後、地元産の熟成肉として返礼品とする例がありましたが、2023年10月以降は、熟成のみの場合は返礼品に使えなくなります。

つまり、2023年10月からは、熟成肉と精米については、同じ都道府県産品を原料とする場合のみ、地元産品として返礼品に使えるようになるのです。

3.最後に

来月からは返礼品の金額が減るかも知れませんし、熟成肉や精米が返礼品からなくなるかも知れませんので、今月中にふるさと納税をするのが良いかも知れませんね。

2023年9月25日 國村 年

カテゴリー
事務所通信

事務所通信2023年8月

事務所通信

2023年8月号『生前贈与の持ち戻し漏れを防ぐには?』

相続税の申告をする際に、生前贈与の持ち戻しをしていないケースがあります。

これを防ぐ方法はないのでしょうか?

実はあるのです。

それが、『相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求書』というものです。

そこで今回は、『生前贈与の持ち戻し漏れを防ぐには?』について、書きたいと思います。

1.相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求とは?

相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求とは、相続税の申告や更正の請求をしようとする者が、他の相続人等が被相続人から受けた①相続開始前3年以内の贈与または②相続時精算課税制度適用分の贈与に係る贈与税の課税価格の合計額について開示を請求する場合の手続きです。

2.相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求の必要性

相続税の申告をする際に、生前贈与の持ち戻しをしていないケースがあります。

生前贈与の持ち戻し計上の対象となるものは、①暦年贈与による相続開始前3年以内の贈与と②相続時精算課税制度適用による贈与があります。

暦年贈与による相続開始前3年以内の贈与については、覚えていたり、書類が残されていたりで、漏れは少ないかもしれませんが、高齢で覚えていなかったり、相続人の仲が悪かったりして他の相続人について分からないかもしれません。

相続時精算課税制度適用による贈与については、制度ができたのが2003年ゆえ、古い可能性があり、忘れていたり、書類がないかもしれません。

よって、過去の贈与について、税務署に確認したいケースがあるのです。

3.相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求の手続き

開示請求者が、自らを除く、開示対象者について、開示対象者が2003年1月1日以後に被相続人からの贈与により取得した財産で、当該相続の開始前3年以内に取得したものまたは続時精算課税制度適用による贈与を受けたものに係る贈与税の課税価格の合計額について開示の請求をします。

開示の請求をする理由は、①期限内申告、②期限後申告、③修正申告、④更正の請求となります。

添付書類としては、a)遺産分割協議書の写し、b)戸籍の謄(抄)本、c)遺言書の写し、d)住民票の写し、e)その他が必要です。

先日請求したときは、戸籍の謄本の代わりに、税務署に確認のうえ、法定相続情報一覧図の写しを添付しました。

開示所の受領方法は、直接受領か送付受領かを選びます。

4.最後に

記憶があやふやだったり、相続人の仲が悪かったりするなかで相続税の申告をすると、生前贈与の持ち戻し漏れで修正申告をすることになる可能性があります。

よって、開示請求は使う方が望ましいでしょう。

ちなみに、先日請求したところ、2日後に開示されました。

2023年8月31日 國村 年