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事務所通信 アーカイブ - 14ページ目 (17ページ中) - 棚卸、事業承継、M&A・組織再編、贈与・相続などのコンサルティングが中心の國村公認会計士事務所・株式会社Your Partner(香川県高松市木太町)
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事務所通信2014年6月

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2014年6月号 『類似業種の株価等の公表時期』

 取引相場のない株式の贈与を受けたり、相続したりすると、贈与税や相続税の申告が必要になることがありますが、取引相場のない株式の原則的評価方式の1つに、『類似業種比準方式』というものがあります。
これは、国税庁から公表される『類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等』に基づいて評価を行います。
 最近は、ホームページのアクセス解析をしていると、『いつ 平成26年 類似業種比準価額』という検索キーワードが非常に多くなっています。
これには、理由があるのです。
 そこで、今回は、『類似業種の株価等の公表時期』について書きたいと思います。

1.類似業種比準価額方式とは?
 類似業種比準価額方式とは、業種の類似する大会社の平均株価に比準させて、評価会社の株式価格を求める方式です。
 比準要素は、

1株当たりの配当金額
1株当たりの利益金額
1株当たりの純資産価額(帳簿価額)

の3要素です。
 つまり、似た会社の株価及び3要素と、対象会社の3要素を用いて、対象会社の株式価格を求めるのです。

2. 類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等はいつ公表されるのか?
 類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(株価、1株当たりの配当金額、1株当たりの利益金額、1株当たりの純資産価額(帳簿価額))については、国税庁から公表されます。
 これは、いつ公表されるのでしょうか?
 平成25年を見てみると、以下のようになっています。

対象月 公表月
1月・2月分 平成25年6月
3月・4月分 平成25年6月
5月・6月分 平成25年8月
7月・8月分 平成25年10月
9月、10月分 平成25年12月
11月・12月分 平成26年1月

 上記のとおり、1月から4月に相続が発生したり、贈与を行った場合、相続税額や贈与税額を計算できるのは、6月以降になってしまうのです。
 そのあとは、基本的に、2か月後くらいに2か月分が公表されます。
 特筆すべきは、11月・12月分です。
 翌月の1月に公表されています。
 これは、贈与税の申告と納税の期間が、原則として、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までにすることになっていることが原因です。
 ちなみに、平成26年についても、1月・2月分(6月2日付の文書)が6月16日に、3月・4月分(6月10日付の文書)が6月23日にホームページで公表されています。

3.最後に
 11月及び12月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等については、1月中に公表されているので、1か月以内に公表できるはずです。
 相続税の申告期限はお亡くなりになってから10か月以内ですが、早く相続税額を知りたい方もいるでしょう。
 また、贈与の検討をする場合にも、贈与税がいくらかかるかを知りたい方もいるでしょう。
 よって、現在のようにしばらく経ってからではなく、翌月に公表して欲しいですね。

2014年6月26日 國村 年

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事務所通信2014年5月

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2014年5月号 『繰延税金資産』

 私は、2012年10月から、香川大学大学院地域マネジメント研究科(香川大学ビジネススクール)の教員になり、大学院生や大学生の会計の授業を担当しています。
 減価償却もそうですが、授業の中で、説明がなかなか難しく、理解してもらうのに苦労するものの一つが、税効果会計であり、その中の『繰延税金資産』です。
 そこで、今回は『繰延税金資産』について書きたいと思います。

1.繰延税金資産とは?
 ご存じない方が想像以上に多いのが、会計と税務の取り扱いは必ずしも同じではないということであり、この会計と税務の取り扱いの違いを埋めるための仕組みが税効果会計です。
 例えば、企業の業績が悪化し、リストラに踏み切る場合、貸倒引当金や固定資産の評価損などを計上することが多くなります。
 この場合、会計上は損失として処理できても、税務上は損金として認められないケースがあるのです。
 そこで、ざっくりと言うと、会計上は、税金を前払いしたものとして、税金相当額を『繰延税金資産』として計上するのです。
 ただし、すべてが税金の前払いとして認められるわけではなく、将来、税務上の所得が発生することが前提となります。

2.最近の傾向
 最近は、『繰延税金資産』を追加計上する企業が増えているようです。
 2014年3月期は、マツダやセイコーエプソンなど865社が『繰延税金資産』を積み増し、純利益が大きく改善したようです。
 『繰延税金資産』の積み増しは将来に渡り、企業が安定的に黒字を出せることを監査法人が認めたことを表すとも言えます。
 日本経済新聞社が、金融などを除く3月期決算企業で比較可能な1,701社を対象に集計したところ、2014年3月期決算で『繰延税金資産』が前期より増えたのは865社とほぼ半分を占め、前期から約3割増えています。
 『繰延税金資産』が税金の前払いという性格上、将来の税務上の所得の発生が前提となりますので、業績の回復により将来の税務上の所得が増加すると予想され、会計上『繰延税金資産』を積み増すと、純利益を押し上げる効果があるのです。
 業績が回復し、過去に赤字を出した企業が『繰延税金資産』を再計上するケースは今後も続きそうで、構造改革を進めたパナソニックは、今期に1,200億円の『繰延税金資産』の計上を見込んでいるようです。
 また、東日本大震災に関連して2013年3月期に300億円強の『繰延税金資産』を取り崩したコスモ石油は、早期に同資産を再計上することを経営課題の一つにしており、監査法人の厳しい審査をクリアして『繰延税金資産』を計上できれば財務や収益体質の改善を市場にアピールできると考えているようです。

3.最後に
 『繰延税金資産』は将来の税務上の所得の発生が前提となるため、監査人としては、非常に判断が難しいところがあります。
 業績が回復し、積み増すことになるのは喜ばしいことですが、将来、業績が悪化し、『繰延税金資産』を取り崩すことになると、ダブルパンチで赤字が増えますので、監査人の慎重な判断を期待したいですね。

2014年5月29日 國村 年

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事務所通信2014年4月

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2014年4月号 『消せるボールペン』

 数年前から、ゴムの摩擦熱で筆跡を消し書き直せるパイロットコーポレーションのフリクションボールなどの『消せるボールペン』が流行っています。
 本来、消せないものが消せるという便利なものである半面で、『消せるボールペン』を悪用した不正が相次いでいるようです。
 そこで、今回は、『消せるボールペン』について書きたいと思います。

1.消せるボールペンとは?
 消せるボールペンは、パイロットコーポレーションが2007年に発売しました。
 フリクションボールのインキは、1975年に基本原理が発見されたメタモカラーというインキを改良研究し、進化させたもので、開発に30年以上かかっています。
 このフリクションインキを使用したものが現在発売されているフリクションボールシリーズなのです。

  • こするとインキが透明になる
  • 何度でも書き・消しが可能である
  • こすっても消しカスがでない
    などの特長があります。

2.『消せるボールペン』を悪用した不正
 このようにとても便利な『消せるボールペン』ですが、この『消せるボールペン』を悪用した不正が相次いでいるようです。
 また、不正に至らなくても、自治体職員が消せるペンを使って行政文書を作成し、監査で指摘を受けた例もあるようです。
 メーカー側は、証書類や宛名書きに使わないようペンに明記するなどしており、「便利なものなので、適正な使用をしてほしい」と用途の徹底を呼びかけています。
 茨城県土浦市消防本部で、2013年9月、時間外勤務手当約70万円を不正受給していたとして、男性主任が懲戒免職となっています。
 給与担当だった男性は『消せるボールペン』で勤務管理表を書いて上司の決裁を受け、市の人事課に運ぶ途中に書き換えて時間を水増ししていたようです。

3.不正の可能性
 僕自身、昨年2月に中央経済社から『誰も教えてくれなかった実地棚卸の実務Q&A』という本を出版しましたが、著者3人の打ち合わせ時に、『消せるボールペン』のことが話題に登りました。
 実地棚卸の際に、在庫の数をカウントして『棚卸原票』という用紙に、在庫の名称や数量などを記入するのですが、鉛筆で書くのではなく、書き換えられたりすることを防ぐためにもボールペンで記入することが必要になってきます。
 このような場合に、『消せるボールペン』を用いると、後ほど書き換えられたりする可能性が生じます。
 このようなことは、『棚卸原票』に限らず、ボールペンで書いているものについては、起こりうる可能性があります。
 実務的には、『消せるボールペン』を使用することを禁止することになるのでしょうが、実際に消えるかどうか確かめることは非常に手間で、難しいことかもしれません。

4.最後に
 『消せるボールペン』は便利な半面、デメリットもありますね。
 かと言って、メーカーに責任があるわけではなく、個人のモラルの問題でしょう。
 内部統制上、企業も対応を早めに考えたほうが良さそうですね。

2014年4月28日 國村 年

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事務所通信2014年3月

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2014年3月号 『NISAの落とし穴』

 2014年1月からNISAが導入されています。
 新聞等でもたびたび報じられていますので、おそらく、多くの方がご存じかと思います。
 しかしながら、メリットのみ報じられ、デメリットはあまり報じられていないように感じます。
 そこで、今回は、『NISAの落とし穴』について書きたいと思います。

1.NISAとは?
 NISAとは、2014年1月から導入された「少額投資非課税制度」のことであり、毎年100万円を上限とする新規購入分を対象にその配当金や売買益等を最長5年間非課税にする制度です。
 NISAは、イギリスのISA(Individual Savings Account)を参考に導入された制度で、イギリスでは国民の約4割がISAを利用し、広く国民の資産形成・貯蓄の手段として定着しています。
 NISAのNは、NIPPON(日本)のNを意味し、日本で、ISAが広く普及・定着するようにとの願いが込められています。

2.損益通算・損失繰越
 NISAは、利益が出た場合には非課税になりますが、逆に損失が出た場合にはなかったものと見做されます。
 通常、株式の譲渡損などは、その他の株式の譲渡益などと相殺すること(いわゆる損益通算)が可能なのですが、NISAの場合、損益通算はできません。
 また、株式の譲渡損などが生じた場合に損失を3年間繰り越せる制度がありますが、NISAの場合、損失を繰り越せません。

3.特定口座などへの移行価額
 非課税期間5年間が終わると、新たにNISA口座を開設し、そのまま保有し続けることもできます(ただし、口座を新たに開設できるのは平成26年から平成35年の10年間のみ)。
 しかしながら、最終的に売却しない場合には、特定口座や一般口座に移行することになります。
 この場合、移行時の時価が取得価額となるため、元々100万円を入れ、移行時の時価が70万円で、90万円で売却すると、20万円(90万円-70万円)の譲渡益が生じてしまうのです。

4.配当金の受取方法
 NISAの場合、譲渡益のみならず、配当金等についても、原則、非課税となります。
 しかしながら、配当金等の受取方法によっては非課税とはならないこともあります。
 配当金等の受取方法は、①銀行や郵便局などで受け取る(配当金領収証方式)、②指定の銀行口座で受け取る(登録配当金受領口座方式、個別銘柄指定方式)、③証券会社の取引口座で受け取る(株式数比例配分方式)3つの方法の中から選択できます。
 この中で非課税となるのは、③のみで、①や②は20.315%の税率で課税されます。

5.最後に
 2014年から株式の譲渡益や配当金の税率が20.315%に上昇したこと、証券会社等が顧客の囲い込みに走っていることもあり、NISAに興味を持たれている方は多いと思います。
 しかしながら、メリットだけではなく、デメリットもありますので、色々と勘案したうえで使ってくださいね。

2014年3月28日 國村 年

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事務所通信2014年2月

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2014年2月号 『農業経営アドバイザー』

 先月、日本政策金融公庫の『農業経営アドバイザー』試験に合格しました。
 おそらく、『農業経営アドバイザー』についてご存じの方は、非常に少ないかと推測されます。
 そこで、今回は、『農業経営アドバイザー』について書きたいと思います。

1.農業経営アドバイザーとは?
 農業経営アドバイザーとは、日本政策金融公庫(旧農林漁業金融公庫)が平成17年に創設した農業経営に関するアドバイザーの資格制度です。
 高度化する農業経営の特殊性を理解した上で、税務・労務・経営改善・農業マーケティング・農地制度・農業政策などを学び、専門知識をもった専門家からのアドバイスを求める農業経営者のニーズに応えるために創設されました。

2.試験
 「農業経営アドバイザー審査会」で定めた研修・試験が年2回(春、秋)募集され、この合格者に「農業経営アドバイザー」の称が付与されます(有効期間5年)。
 事前試験(公認会計士税理士は免除)、研修(4日間のうち公認会計士税理士は2日間免除)・試験、レポート、面接試験を経て合否の判定がなされます。
 試験は、農業簿記・農業税務(公認会計士税理士は免除)、農業問題、労務管理、農地制度・法人制度、志望動機(公認会計士税理士のみ)です。
 レポートは、経営分析・診断(公認会計士税理士は免除)、マーケティングです。
 役割としては、農業経営の相談役として経営の発展を支援すること、そして農政の課題である地域農業の担い手の育成・確保を進めることが期待されています。
 農業経営アドバイザーは農業経営上の様々な相談を受け、必要に応じて農林金融公庫および関係機関と連携し、改善策提案、情報提供などにより、経営を支援します。
 また、農林金融公庫の融資業務に農業経営アドバイザー機能を組合せ、政策金融の効果を高め、担い手を支援し、育成、確保の推進をします。

3.第18回試験
 日本政策金融公庫農林水産事業は1月23日に、平成25年度後期(第18回)の農業経営アドバイザー試験の結果、新たに255人が合格したと発表しました。
 僕もこのうちの一人です。
 これで、全国のアドバイザー数は2,675人となりました。
 今回の試験は453人が受験し、税理士51人、金融機関職員105人、普及指導員など88人、公庫職員11人の計255人が合格しました(合格率56.3%)。
 平成26年度前期(第19回)の研修・試験は6月に行う予定だそうです。

4.最後に
 僕の場合、水曜日と木曜日が研修で、金曜日が試験でしたが、試験に向けての勉強が結構大変でした。
 公認会計士税理士以外の方は、月曜日から金曜日なので、もっと大変でしょうね。
 高松で開業していると、農家の方、農地などに関係することが多く、この資格を活かして、農業が経営として成り立つこと、そして、地域活性化に、微力ではありますが貢献したいと考えていますので、よろしくお願いいたします。

2014年2月18日 國村 年

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事務所通信2014年1月

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2014年1月号 『消費税増税に伴う会計ソフトの対応』

 本年もよろしくお願いします。
 本年(2014年)の4月1日から消費税等が5%(消費税4%、地方消費税1%)から8%(消費税6.3%、地方消費税1.7%)に引き上げられることが決まっており、来年(2015年)の10月1日からは10%(消費税7.8%、地方消費税2.2%)に引き上げられることが予定されています。
 それに対応して、現在お使いになっている会計ソフトの対応も必要になってきます。
 そこで、今回は、『消費税増税に伴う会計ソフトの対応』について書きたいと思います。

1.会計ソフト
 会計ソフトといっても、無料のものから有料ソフトまでいろいろなものがあります。
 有料のものの代表的なものとしては、弥生会計(弥生)、かんたん!法人会計(ミロク)、PCA会計(PCA)、会計王(ソリマチ)、勘定奉行(OBC)、財務応援(EPSON)などがあります。

2.消費税に増税に伴う対応
 消費税増税に伴う各社の対応は様々ですが、大きく分けると2つに分けられます。
 1つ目は、消費税率の変更をユーザーが行うことができないため、バージョンアップしないといけないものです。
 もう1つは、消費税率をユーザーが行うことはできますが、バージョンアップすることを推奨しているものです。
 弥生会計などが前者、PCAなどが後者となります。
 詳細についてはは、顧問税理士かお使いの会計ソフトメーカーのHPなどでご確認下さい。 

3.弥生会計
 私は、弥生と会計事務所のパートナーシップである弥生PAP会員ですので、以下では、弥生会計について述べます。
 弥生会計の場合、初めて購入する方も旧製品からバージョンアップする方でも、最新の『弥生会計14』を購入すれば、平成26年4月1日からの8%への増税については、日付で対応しています。
 また、「あんしん保守サポート」というものがあり、『弥生会計14』購入者であれば最大で15ヶ月間無料または特別価格で加入することができますし、次回発売される『弥生会計15』を無償で提供してもらえます。
 ただし、その期間経過後に消費税率が10%に引き上げられないことになった場合には、有償となってしまうことにはご留意下さい。

4.最後に
 消費税率が頻繁に変わることは、法人にとっても個人事業主にとっても会計事務所にとっても余分な負担が生じます。
 ただし、会計ソフトの購入やバージョンアップについては、お金は必要ですが、手間を考えるとソフトによってはそれほどの負担も生じないと考えられます。
 また、未だにたくさんの方が使っているものと思われるWindows XPのサポートが2014年4月9日に打ち切りになってしまいます。
 よって、早めの対応が望まれますね。
 弥生PAP会員は、弥生会計を市場価格より安く購入することができますので、弥生会計の購入やバージョンアップを考えている方は連絡下さいね。

2014年1月28日 國村 年

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事務所通信2013年12月

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2013年12月号 『借用書の印紙税

 早いもので、今回でNo.30を迎えました。
 最近、猪瀬東京都知事の借用書が話題になっていますが、印紙が貼られていないのが税理士としては気になりました。
 そこで、今回は、『借用書の印紙税』について書きたいと思います。

1.印紙税の概要
 印紙税は、「契約書」「手形」「領収書」など、「印紙税額一覧表」に掲げる文書に対して課される税金です。
 印紙税は、これらの文書を作成した人が、定められた金額の収入印紙を文書に貼り付け、これに消印して納付します。
 例えば、「不動産売買契約書」、「工事請負契約書」、「売上代金の領収書」などは、その文書に記載されている金額に応じて納める印紙税額が異なるので、注意が必要です。

2.印紙を貼らなかったら
 印紙税が課税される文書の作成者が、印紙税を納付しなかったときは、たとえ印紙税が課税されることを知らなかったり、収入印紙を貼り忘れた場合であっても、納付しなかった印紙税の額の3倍(収入印紙を貼っていないことを自主的に申し出たときは 1.1倍)の過怠税が課税されます。
 また、文書に貼り付けた収入印紙に所定の方法で消印をしなかったときは、その消印しなかった収入印紙の金額と同額の過怠税が課税されます。
 なお、過怠税は、その全額が法人税の損金や所得税の必要経費に算入されません。

3.印紙を間違って貼ったら
 印紙税を納付する必要がない文書に誤って収入印紙を貼って印紙税を納付したり、印紙税として定められた金額を超えた収入印紙を文書に貼って印紙税を納付した場合には、その文書を過誤納となったそのままの状態で所轄税務署に持参し、一定の手続をとることによって、印紙税の還付を受けることができます。
 なお、収入印紙は国の各種手数料の納付などにも使用されますが、これらの納付のために誤って収入印紙を貼った場合などは、印紙税の還付の対象にはなりません。

4.借用書の印紙税
 借用書は、前述の「印紙税額一覧表」によると、第1号文書『消費貸借に関する契約書』に該当します。
 猪瀬東京都知事の場合、記載された契約金額が、5,000万円なので、印紙税額は2万円となり、印紙を貼っていない場合、6万円の過怠税が必要となります。

5.最後に
 ちなみに、①税務代理、 ②税務書類の作成、③税務相談は税理士の独占業務とされており、税理士でないものが他人の求めに応じてこれらの業務を業として行うことは、有償・無償を問わず法律で禁止されていますが、印紙税登録免許税、自動車重量税、関税などは対象外になっています。
 以前も書きましたが、印紙税は文書に対して課税されるため、一般的に、電子メールやFAXなどの電子データで送付された電子的契約書に対しては課税されないとされており、文書と電子データで印紙税がかかったり、かからなかったりするのです。
 そもそも何に税金がかかっているのかよく分かりませんし、金額を書くかどうか、文書か電子データかなどで税額が異なることに対して違和感を感じます。
 早く廃止して欲しいですね。

2013年12月4日 國村 年

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事務所通信2013年11月

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2013年11月号 『復興特別法人税

 2012年度から2014年度まで、復興特別法人税というものが課されているのをご存じでしょうか。
 最近では、2013年度で廃止されるという話しも出ていますが、おそらく、ご存じでない方が多いのではないでしょうか。
 そこで、今回は、『復興特別法人税』について書きたいと思います。

1.概要
 この制度は、法人の各事業年度の所得の金額に対する法人税の額に10%の税率を乗じて計算した復興特別法人税を、法人税と同じ時期に申告・納付することとされているものであり、利子など一定の所得に課された復興特別所得税の額などがある場合には、所定の金額を控除した後の金額を納付することとされています。

2.課税事業年度
 復興特別法人税の課税の対象となる事業年度は、一定の場合を除き、法人の平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度とされています。
 しかしながら、2年間で廃止になるとの話しも出ています。

3.申告及び納付
 法人は、各課税事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、税務署長に対し、復興特別法人税申告書を提出しなければなりません。
 ただし、課税標準である課税標準法人税額がない場合には、復興特別法人税申告書を提出する必要はありません。
 復興特別法人税の額があるときは、復興特別法人税申告書の提出期限までに、その復興特別法人税を国に納付する必要があります。
 具体的には、申告書も納付書も法人税とは別となっているのです。

4.落とし穴
 上記のとおり、課税標準である課税標準法人税額がない場合には、復興特別法人税申告書を提出する必要はありません。
 ただし、法人税額が零円と計算され法人税の確定申告書を期限内に提出したものの、復興特別法人税の確定申告書は提出していない場合に問題が生じることがあります。
 税務調査により確定申告額が過少であったことが判明し、法人税の修正申告書を提出するとともに、復興特別法人税の期限後申告書を提出すると、無申告加算税(期限後申告により納付すべき税額に15%の割合(その提出が、その申告に係る国税についての調査があったことにより決定があるべきことを予知してされたものでないときは、5%)を乗じて計算した金額)が課されることになってしまうのです。
 よって、復興特別法人税がかからなくても、復興特別法人税申告書を提出しておきましょう。

5.最後に
 税理士として申告業務を行っていても、復興特別法人税申告書を別途作成したり、納付書も別途用意したりするのは非常に手間だと感じます。
 いつも、法人税の申告書や納付書と合わせてくれれば良いのに思ってしまいますね。
 早く廃止されることに越したことはないのですが、無申告加算税が課されないように注意したいものですね。

2013年11月26日 國村 年

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事務所通信2013年10月

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2013年10月号 『ミラサポ』

 中小企業庁が、中小企業・小規模事業者の未来をサポートする『ミラサポ』というサイト (https://www.mirasapo.jp/) を開設しているのをご存じでしょうか。
 おそらく、ほとんどの方がご存じないのではないでしょうか。
 そこで、今回は、『ミラサポ』について書きたいと思います。

1.概要
 中小企業庁は、2013年7月末から、支援ポータルサイト『ミラサポ』を「お試し版」として開設・運用してきました。
 開設から約2か月半で、アクセス数約20万件、ユーザー登録数約1.6万件を達成していますが、先日、これまでにユーザーから寄せられた意見なども踏まえ、「本格版」の運用を開始しました。

2.『ミラサポ』の主な機能
 『ミラサポ』の主な機能としては、以下のようなものがあります。

 ①   施策情報提供 
 ②   コミュニティ機能 
 ③   専門家相談 

 ①ですが、国や公的機関の施策情報を分かりやすく提供しています。

 ②ですが、中小企業・小規模事業者等のユーザーが先輩経営者や専門家と情報交換ができるコミュニティを提供しています。
 ユーザーが自らの課題に応じて、新たなコミュニティを作ることもできます(10/15現在、195開設)。

 ③ですが、分野ごとの専門家データベースが整備されており、ユーザーが自らの課題に応じた専門家を選択し、オンライン上で派遣を依頼することができます。
 ちなみに、私も、『ミラサポ』の専門家として登録されています。

3. 「本格版」のポイント

 ①   サイトの構造やレイアウトの改良 
 ②   コミュニティ機能の活用促進のための「グッド・ビジネス・アワード」の実施 
 ③   機能拡充やコンテンツの充実 

 ①は、ユーザーの利便性の向上の観点から、トップ画面でサイト全体の主要コンテンツを一覧できるようにし、補助金等の施策や『ミラサポ』を有効活用したビジネス等の実例を紹介するエリアを設置するなど、サイトの構造やレイアウトを改良しました。

 ②は、コミュニティ機能の活用を促進するため、「グッド・ビジネス・アワード」を実施するというものです。
 サイト上でビジネス・アイディアを募集し、優れたものに対して、コミュニティ機能を活用して、ビジネスパートナーとのマッチング等の機会を提供します。
 新たなビジネス創出につながる特に優れた取組については、表彰等を通じて幅広い周知広報を支援します。

 ③は、創業補助金の申請に当たり、『ミラサポ』からの電子エントリーを受け付けるなど、引き続き、ユーザーが使いやすい機能の拡充や施策情報等のコンテンツの充実を図っていくというものです。

4.最後に
 私自身、『ミラサポ』を使いこなせていませんが、無料で会員登録をすると、コミュニティに参加したり、サポートツールや専門家派遣が無料で利用できたり、補助金の電子エントリーができたり、興味・関心に合った情報がレコメンドされます。
 これは、使わない手はないですね。

2013年10月24日 國村 年

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事務所通信2013年9月

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2013年9月号 『50歳になるあなたが親と相談するとき 最初に読む相続の本』

 2か月近く経ちましたが、2013年8月6日に中央経済社から『50歳になるあなたが親と相談するとき 最初に読む相続の本』を出版しました。
 前職の後輩3人と4人で書いた本です。
 そこで、今回は、『50歳になるあなたが親と相談するとき 最初に読む相続の本』について書きたいと思います。

1.この本の特徴
 相続の本は、本屋さんに行くとたくさん並んでいますが、以下のような特徴のある本となっています。

  • きっかけ作り
     一般的になかなか切り出しにくい、デリケートな問題である相続について、きっかけとなるようなトピック・話題を掲載しています。
  • 図やイラストの多用
     とっつきにくい相続関係の必要な情報・知識について少しでも分かりやすくするため、重要なものについては、できるだけ図やイラストを使って、専門用語を使用せず解説しています。
  • 相続短歌
     各項目で、親に想いを伝える短歌を詠んでいます。
     まずはここから読むのも面白いかもしれませんね。
  • 平成25年度税制改正に対応
     相続税が増税される平成25年税制改正に対応しています。
     平成27年から相続税が増税になりますので、事前の準備が必要です。

2.争族について
 相続をきっかけに親族間で争い(いわゆる争族)が起こったり、借金を相続してしまったり、相続にトラブルは付きものです。
 トラブルに巻き込まれるのは、お亡くなりになる親御さんではなく、遺されるお子さんなのです。
 しかしながら相続のトラブルは、事前に準備をしておけば回避することもできます。
 よって、親御さんからではなく、お子さんから相続の話しを切り出し、準備を主導していくべきと考えています。
 この本は、そのために知っておくべきことについて書いています。

3.最近の出版状況
 最近、会計事務所向けのメルマガを読んでいると、出版のことを書いているものを結構目にします。
 執筆する人はいるのですが、お金を払って自分の名前を載せてもらうとものです。
 執筆する人にとっては印税以外にも収入が入り、名前を載せてもらう人は書いてもいないのに書いたかのように見せることができ、両者の利害が一致します。
 僕自身は、このような行為には疑問を感じますので、絶対にしないですね。
 もちろん、この本は、自分たちで苦労して書いていますよ。

4.最後に
 うちは財産が少ないから相続税はかからないので相続は関係ないと思っている方がたくさんおられますが、相続税がかからなくても、遺産分割は必要なのです。
 実は、相続でモメるのは、お金持ちではなく、遺産が少ない方のほうが圧倒的に多いのです。
 そろそろ相続について、身近な問題として考えてみませんか?

2013年9月27日 國村 年