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東証1部上場は「内部昇格」が7割を超える!

 

 東京証券取引所市場第1部の企業数が、第2部やマザーズ経由で上場する「内部昇格」で押し上げられていることが分かったようです。
 第1部企業の増加ペースが高まった2011年以降では内部昇格が7割超にのぼります。
 第2部・マザーズ経由だと上場基準が大幅に緩くなるためで、内部昇格企業は時価総額や売買代金で見劣りします。
 国際競争力の面で日本市場の問題となっており、東証は20193月中に改善案をまとめる見通しです。

 東証1部は企業数の肥大化が続くうえ、「日本最高の市場」にしては小粒な企業も目立ち、投資マネーが日本株を敬遠する要因になっているとの指摘もあります。
 実際、「1部企業の時価総額の中央値はニューヨーク市場の約4分の1、ロンドン市場の半分以下にとどまる」(みずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジスト)ようです。

 実態を確認するために、東証が取引を再開した1949年以降の第1部銘柄の動きを日本経済新聞が調べました。
 東証1部の企業数は1949年からの約70年で5倍超に増え、2,100を超えます。
 上位市場としては国際的にも膨張が目立ち、例えばロンドン証券取引所は「プレミアム」を約500社に絞り込んでいます。

 第1部の企業数は世界的な株高の影響もあって、20112018年に約460社増と急拡大しました。
 新規上場の内訳をみると、未公開企業などによる直接上場は14%にとどまった一方、2部経由が51%、マザーズ経由が21%と多く、内部昇格全体では7割超にのぼりました。

 内部昇格の方が第1部上場のハードルが低いためです。
 直接上場とジャスダック経由の場合、250億円の時価総額(上場時の見込み額)が必要ですが、一方、第2部・マザーズ経由だと40億円とハードルは大幅に下がるのです。
 第2部・マザーズへの上場に必要な時価総額は10億~20億円ともっと小さくてすみます。

 第1部上場の基準がばらつく背景には、統合前の東証と大阪証券取引所(現大阪取引所)が上場予備軍のベンチャー企業を奪い合っていたという歴史的な経緯があります。
 2012年に現在のルールになるまで、第1部に直接、もしくは大証傘下だったジャスダックから上場するには500億円の時価総額が必要で、ハードルはもっと高かったのです。

 そうしたなか、東証は2002年に「2部・マザーズ経由なら40億円」という内部昇格の基準を新設したため、知名度が高く、社員の採用などでも有利になる第1部をめざすうえで、第2部・マザーズからの内部昇格ルートを選ぶ企業が増えたのです。

 第2部・マザーズ上場から第1部昇格までにかかった期間を東証が2013年~2017年を対象に調べたところ、「1年以上、2年未満」が6割と過半を占めました。
 企業の質や体力を抜本的に高めるには限られた期間だといえます。
 モバイル端末向けゲームの開発を主力とするエイチームのように、マザーズ上場後約7か月で第1部に移った例もあります。

 内部昇格した企業は時価総額や売買代金で見劣りします。
 直接上場した企業の平均時価総額(2018年末値)は3,492億円ですが、これに対して、内部昇格は408億円と約1割の規模しかありません。
 売買代金(2018年合計)でみても、直接上場は2,378億円ある一方、内部昇格は847億円と4割弱の水準にとどまります。

 第2部やマザーズには「ステップアップ市場」としての役割があり、企業が第1部に移っていくのはおかしなことではありません。
 ただし、上場基準の緩さによって、「小粒企業の増加」という問題が生じてしまっているのです。

 個人的にも、『東証1部』でも、知らない企業が多いなぁとは感じていました。
 やはり、もっと厳しくして、本当にステータスになるものにしてほしいと思います。
 もちろん、不祥事があったり、粉飾などを行えば、すぐに降格になるようなシステムになればいいですね。

 東証1部上場は「内部昇格」が7割を超えていることについて、どう思われましたか?


「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」の公表

 日本取引所自主規制法人は、このたび、「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」を公表した。

 日本取引所自主規制法人は、上場会社における多くの不祥事が表面化し報道されるなど、不祥事がまれな事象ではなくなっている現状において、上場会社における不祥事予防の取組みに資するために「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」(案)を策定し、2018年2月21日に公表した。
 本プリンシプルについて、2018年2月21日から同年3月14日までの間、パブリック・コメント手続を実施した結果、11の個人及び団体から意見があった。
 これらのご意見を踏まえ、日本取引所自主規制法人において検討を行った結果、「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」を正式決定した。

 日本取引所自主規制法人は、本プリンシプルが上場会社の皆様の不祥事予防の取組みにおいて広く活用されるとともに、上場会社に助言等を行う法律専門家や会計専門家、さらには広く株主・投資者の皆様に共有されることを期待しているとのこと。

 ★リンクはこちら ⇒ 「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」の策定について

2018年4月23日


新規上場申請会社に対する上場審査におけるeラーニングの活用

日本取引所自主規制法人は、2017年4月27日より新規上場申請を行う申請会社の役員に、eラーニングを受講していただくこととした。
これは、新規公開に先立ち、当該役員に、上場に伴う責務や心構え等、上場にあたって特に意識を傾けていただきたい事項についての理解をより深めていただくことを目的としている。

このeラーニングの活用は、上場前後の経営者主導による不適切な取引等が発生したことを受け、2015年3月31日に公表した「最近の新規公開を巡る問題と対応について」に係る取組みを、更に前進させるために実施するものである。
これまで、日本取引所自主規制法人では、上記取組みの一環として㈱東京証券取引所と共同で上場準備会社の経営者や社外役員に対して、上場会社役員としての自覚と責任感を持ち、上場後に健全かつ透明性の高い経営を行っていただくことを目的としたセミナーを開催してきた。

本eラーニングのコンテンツは、上場に伴う責務、上場会社にふさわしい経営管理体制の整備及び適切な運用の必要性や、内部者取引及び情報伝達・取引推奨行為の未然防止()など、上場にあたって特に認識・留意していただきたい事項で構成している。そして、テーマ毎に具体的な事例を用いた解説を行うなど、これまで開催してきたセミナーの内容をより拡充させ、掘り下げた内容とした。
また、セミナーとは異なり日時や会場に制約がないことから、新規公開する全ての会社の方に受講いただくことが可能となった。さらに、受講いただく方の範囲も、経営者や社外役員に限らず、業務執行取締役等を含めた全役員の皆様へと広げることとした。
この取組みは、新規公開のより健全な発展に寄与するものと期待される。

:内部者取引及び情報伝達・取引推奨行為の未然防止に関するeラーニングは、2016年6月より先行して受講いただいている。

リンクはこちら⇒ 新規上場申請会社に対する上場審査におけるeラーニングの活用

2016年6月27日

「上場会社における不祥事対応のプリンシプル」の策定

日本取引所自主規制法人は、「上場会社における不祥事対応のプリンシプル」を策定した。

<趣旨>
上場会社には、株主をはじめ、顧客、取引先、従業員、地域社会など多様なステークホルダーが存在する。
このため、上場会社の不祥事(重大な法令違反その他の不正・不適切な行為等)は、その影響が多方面にわたり、当該上場会社の企業価値の毀損はもちろんのこと、資本市場全体の信頼性にも影響を及ぼしかねない。
したがって、上場会社においては、パブリックカンパニーとしての自覚を持ち、自社(グループ会社を含む)に関わる不祥事又はその疑いを察知した場合は、速やかにその事実関係や原因を徹底して解明し、その結果に基づいて確かな再発防止を図る必要がある。上場会社は、このような自浄作用を発揮することで、ステークホルダーの信頼を回復するとともに、企業価値の再生を確かなものとすることが強く求められていると言える。

しかし、上場会社における不祥事対応の中には、一部に、原因究明や再発防止策が不十分であるケース、調査体制に十分な客観性や中立性が備わっていないケース、情報開示が迅速かつ的確に行われていないケースなども見受けられる。

このような認識の下、日本取引所自主規制法人として、不祥事に直面した上場会社に強く期待される対応や行動に関する原則(プリンシプル)を策定した。
このプリンシプルが、問題に直面した上場会社の速やかな信頼回復と確かな企業価値の再生に資することを期待するものである。

本プリンシプルの各原則は、従来からの上場会社の不祥事対応に概ね共通する視点をベースに、最近の事例も参考にしながら整理したものである。
本来、不祥事への具体的な対応は各社の実情や不祥事の内容に即して行われるもので、すべての事案に関して一律の基準(ルール・ベース)によって規律することには馴染まないと言える。
他方、それらの対応策の根底にあるべき共通の行動原則があらかじめ明示されていることは、各上場会社がそれを個別の判断の拠り所とできるため、有益と考えられる。

なお、本プリンシプルは、法令や取引所規則等のルールとは異なり、上場会社を一律に拘束するものではない。
したがって、仮に本プリンシプルの充足度が低い場合であっても、規則上の根拠なしに上場会社に対する措置等が行われることはない。

リンクはこちら⇒ 「上場会社における不祥事対応のプリンシプル」の策定

2016年4月4日

HABITA CRAFT株式会社

HABITA CRAFT株式会社という会社が、2013年7月31日に、東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場した。

注文住宅事業及び建売住宅事業の会社で、担当J-Adviserはフィリップ証券である。

リンクはこちら⇒ TOKYO PRO Market銘柄一覧

2013年8月1日

2013年上場会社数(予想)

東京証券取引所の清田瞭社長の7月9日の日本経済新聞などとのインタビューによると、2013年に全国で株式を新規上場する企業数については、「60社は期待している。秋に発表される成長戦略第2弾などが市場から評価され株式相場に持続性が出てくれば、70社も可能だ」と話している。

ちなみに、2012年の新規上場は48社であった。

2013年7月26日

「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」の改正案に対するパブリックコメントの結果等

  1. パブリックコメントの結果
    金融庁は「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」の改正案について、平成25年3月27日(水)から同年4月26日(金)にかけて公表し、広く意見の募集を行った。
    その結果、4の個人及び団体より9件のコメントがあったそうである。
    本件に関してコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方はリンク先の(別紙1)のとおりである。
    また、具体的な改正の内容はリンク先(別紙2)のとおりである。
  2. 適用日
    本件のガイドラインは、2013年6月12日付で適用された。

「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」の改正案に対するパブリックコメントの結果等について

2013年6月18日

沖縄の企業がTOKYO PRO Marketへ上場

沖縄県を中心に鉄板焼きステーキ店を展開する碧(へき、那覇市、西里弘一社長)は、東証が運営するプロ向け市場「TOKYO PRO Market」に株式上場を申請したと発表した。
6月4日に上場する予定である。
株式を公開し、資金調達手段の多様化や首都圏などでの知名度向上につなげる。

東証の認可を受けた上場支援会社「OKINAWA J-Adviser」(同県名護市、知念栄治社長)が同社にとって初の案件として碧の経営状況や事業計画、取引先を調査し、上場の適格性を確認したとしている。

2013年5月7日

法定開示書類及び適時開示事項を自社ウェブサイト等に掲載する場合の留意事項

先般、証券取引等監視委員会が市場監視活動を行う過程で、一部の上場会社において、インターネット上に公開している自社ウェブサイト等に会社情報を掲載するにあたり、公表予定時刻より前に資料を自社ウェブサーバ内の「公開ディレクトリ」に情報セキュリティ措置を講ずることなく保存したため、公表予定時刻より前に外部の者が容易に閲覧できるケースがあることが明らかとなった。
法定開示書類や適時開示事項には、インサイダー取引規制上の「重要事実」に該当する情報が含まれていることから、このようなケースにおいては、外部の者が当該情報を利用した取引を行うことにより、金融商品市場の公正性が著しく損なわれるおそれがある。

金融庁及び全国証券取引所は、そうした取引を助長させかねない公表前の情報の杜撰な取扱いが放置されることは、我が国金融商品市場への信頼性の観点からも極めて重大な問題であると認識しており、直ちに改善される必要がある。
よって、上場会社各社においては、法定開示書類や適時開示事項を自社ウェブサイト等に掲載する場合には、下記の事項に留意し、直ちにシステム上の情報セキュリティ措置を講ずるなど、適切な改善を図る必要がある。

  1. 公開ディレクトリに資料を保存した場合、情報セキュリティ措置を講じなければ、容易に外部者からのアクセスが可能であり、例えば、トップページ等にリンク付けを行っていなくても、アドレスを直接指定することでファイルを閲覧することは可能である。
  2. このような事態を回避するためには、例えば、次のいずれかの措置を講ずる必要がある。
    (1)公表予定時刻までは、公開ディレクトリに資料を保存しないこと。
    (2)公表予定時刻より前に公開ディレクトリに資料を保存する場合には、外部者が容易にアクセスできないよう、パスワードの設定等によるアクセス制限を実施すること。
  3. また、上記2.の措置を含む自社ウェブサイトへの会社情報の掲載手順については、社内でルール化した上で周知徹底される必要があり、併せてその遵守状況について定期的に点検を行うことが重要である。

2013年4月17日

2012年の新規上場会社数

2012年の新規上場会社数は最終的には46社となった。
2011年の36社と比べると10社増加している。
日本航空を除くと全体的に小粒であり、スマホ関連の企業が多い。
12月だけで14社上場した。

2012年12月26日

史上最短での東証一部への市場変更

エイチームは、本日(平成24年11月22日)、東証マザーズから東証一部へ市場変更した。
平成24年4月4日に東京証券取引所マザーズ市場へ株式を公開しているが、233日目での市場第一部への変更は東京証券取引所の開設以来、最短である。

2012年11月22日

TOKYO PRO Market上場第1号

新東京グループ(産業廃棄物処理会社、千葉県松戸市、吉野勝秀社長)が、うまくいかなかったTOKYO AIMの流れを汲む東京証券取引所傘下のプロ向け市場「TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)」に上場申請した。
7月に東証の単独運営になってからの上場第1号である。
2週間後に承認が下り、9月25日に上場する見込み。
TOKYO AIMの上場2社と同様、シンガポール系のフィリップ証券が主幹事を務める。

2012年8月23日

2011年役員報酬1億円以上

東京商工リサーチによると、2011年1月~12月期決算上場企業のうち、有価証券報告書に開示された役員報酬1億円以上は、367人(226社)である。

個人別上位3名は、以下のとおり。

  • カルロス・ゴーン(日産自動車) 982百万円
  • ハワード・ストリンガー(ソニー) 882百万円
  • 多田勝美(大東建託) 823百万円

法人別上位3社は、以下のとおり。

  • 大塚ホールディングス 8名
  • 日産自動車 7名
  • キヤノン・ソニー・ファナック・トヨタ自動車 6名

2012年5月7日

TOKYO AIM上場第2号

2011年7月15日にようやく第1号でメビオファームという会社が上場したが、第2号が2012年4月26日に上場するようである。

福岡県の冷凍洋菓子製造販売の五洋食品産業という会社で、第1号のメビオファームと同様、J-Nomadはフィリップ証券である。

2012年2月29日

2011年の新規上場会社数

2011年の新規上場会社数は最終的には36社となった。2010年の22社と比べると14社増加している。

特徴としては以下のようなものが挙げられる。

  • 売上高1,000億円を超える会社はカルビーだけで全体的に小粒
  • 2000年以降に設立された会社が20社と多い
  • 業種的にも情報通信業が11社と多い
  • 地方の新興市場は3年連続なし

2012年2月13日

TOKYO AIM上場第1号

TOKYO AIMができて約2年になるが、2011年7月15日に、メビオファームという会社が初めて上場した。

しかしながら、上場直前に新株発行を中止したことなどもあり、不安感が広がったのか、買いに比べて売りがかなり多かったため、初値はつかなかったようである。TOKYO AIMにとっては最初が肝心なのに、これでは第2号がなかなか現れないかもしれない。

2011年7月19日

(追記)
2011年7月22日にようやく初値が付いたようである。

AIM市場の示した基準値1200円に対し、286円。

2011年7月22日

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酒税

日本酒輸出ハンドブック(2018年3月版)

 国税庁は、『日本酒輸出ハンドブック(2018年3月版)』をホームページに掲載した。

 以下の国のものがある

2018年11月9日


「地ビール等製造業の概況(平成28年度調査分)」及び「単式蒸留焼酎製造業の概況(平成28年度調査分)」の公表

 国税庁は、「地ビール等製造業の概況(平成28年度調査分)」及び「単式蒸留焼酎製造業の概況(平成29年度調査分)」を、ホームページに公表した。

 ★地ビール等製造業の概況(平成28年度調査分)はこちら ⇒ 地ビール等製造業の概況(平成28年度調査分)

 単式蒸留焼酎製造業の概況(平成28年度調査分)はこちら ⇒ 単式蒸留焼酎製造業の概況(平成28年度調査分)

2018年7月6日


酒類の公正な取引に関する基準に関するQ&A Edit

国税庁は、『酒類の公正な取引に関する基準に関するQ&A』を、ホームページに掲載した。

酒類は、酒税の課される財政上重要な物品であるとともに致酔性や習慣性を有するなど社会的に配慮を要するものである。
こうした特殊性を有する酒類について、酒税の保全及び酒類の取引の円滑な運行を図る観点から、「酒税法」及び「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」の一部改正が行われ、「酒類の公正な取引に関する基準」が定められることになった。

この基準は、平成29年6月1日以降に酒類業者(製造・卸・ 小売)が行う酒類の取引に適用された。

本Q&Aは、基準の内容について理解を深めていただけるよう、質疑応答形式で基準について解説したものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 酒類の公正な取引に関する基準に関するQ&A

2017年9月25日

酒類販売管理者制度に関するQ&A

国税庁は、『酒類販売管理者制度に関するQ&A』を、ホームページに掲載した。

「酒税の保全及び酒類の取引の円滑な運行」及び「酒類の適正な販売管理の確保」を図ることを目的とした酒税法等の一部改正法が平成29年6月1日から施行された。
酒類小売業者は、「酒類販売管理研修を受講した者の中から酒類販売管理者を選任すること」、「酒類販売管理者に3年を超えない期間ごとに酒類販売管理研修を受講させること」及び「標識を掲示すること」が義務化されている。

本Q&Aは、新たな酒類販売管理者制度の内容について理解を深めていただくよう、Q&Aとしてまとめている。

 ★リンクはこちら ⇒ 酒類販売管理者制度に関するQ&A

2017年8月4日

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国際税務

わが国の関税制度の概要

<関税とは>
 関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきたが、今日では一般に「輸入品に課される税」として定義されている。

 関税は、他の租税同様、その収入は国庫収入となる。

 かつては、国家の財源として重要な位置を占めていた。国家間の経済交流が活発化し、貨幣経済が浸透する一方、国家の財政規模が巨大になり、国家の徴収体制が整備されるのに伴い、財源調達手段としての関税の意義は相対的に小さくなっているが、厳しい財政事情の下でこれを適正に確保することは重要となっている。

 他方、関税が課せられると、その分だけコストが増加し、国産品に対して競争力が低下することから、関税の国内産業保護という機能が生まれる。

 現在では、この産業保護が重要な関税の機能となっている。

<税関の役割>
 税関では以下の3つの大きな使命のもと、国内関係機関や関係業界、さらには各国の税関や国際機関などと連携・協力しながら、適正な税関行政の運営に取り組んでいる。

1.安全・安心な社会の実現
 銃器・不正薬物等の密輸阻止を最重要課題とするとともに、我が国におけるテロ行為等を未然に防止することにより「世界一安全な国、日本」を築く。

2.適正かつ公平な関税等の徴収
 国税収入の約1割相当を徴収する歳入官庁として、適正かつ公平に関税等を徴収する。

3.貿易の円滑化
 国際物流におけるセキュリティを確保しつつ、通関手続を一層迅速化する。

 ★リンクはこちら ⇒ わが国の関税制度の概要

2018年11月7日


BEPS防止措置実施条約に署名 Edit

2017年6月7日(水)【日本時間8日(木)】、パリにおいて、我が国は「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約」(BEPS防止措置実施条約)に署名した。

1.本条約の目的
本条約は、BEPSプロジェクトにおいて策定された税源浸食及び利益移転(BEPS)を防止するための措置のうち租税条約に関連する措置を、本条約の締約国間の既存の租税条約に導入することを目的としている。
本条約の締約国は、租税条約に関連するBEPS防止措置を、多数の既存の租税条約について同時かつ効率的に実施することが可能となる。

2.署名に至る経緯
2015年10月に公表されたBEPSプロジェクトの最終報告書では、多国籍企業による国際的な租税回避に対応するための様々な措置を勧告している。
本条約は、BEPSプロジェクト行動15の勧告に基づき、我が国を含むおよそ100か国・地域が参加した交渉によって策定され、2016年11月24日の交渉会合において採択された後、同年12月31日に全ての国及び特定の地域に対して署名のために開放された。
BEPSプロジェクトは、グローバルに協調して実施されてその真価を発揮するものであるところ、BEPSプロジェクトを先導してきた我が国としても、BEPSプロジェクトの成果の実施に向けて適切に対応していくため、今般、67か国・地域が出席して開催された本条約の署名式において、本条約に署名するに至った。

3.今後の手続
本条約は、本条約に署名した5か国・地域が批准書、受諾書又は承認書を寄託することにより、その5番目の寄託から所定の期間が満了した後に、その5か国・地域について効力を生じる。その後に批准書等を寄託する国・地域については、それぞれの寄託から所定の期間が満了した後に効力を生じる。
本条約は、本条約の適用対象となる各租税条約の全ての締約国について本条約が効力を生じてから所定の期間が満了した後に、その租税条約について適用が開始される。
我が国においては、本条約について批准書等を寄託するためには国会の承認が必要である。

★リンクはこちら⇒ BEPS防止措置実施条約に署名

2017年8月15日

移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~

国税庁は、BEPSプロジェクトの進展や、移転価格文書化制度の整備などの移転価格を取り巻く環境変化の下、移転価格税制に関する納税者の自発的な税務コンプライアンスを高めることを目指し、事務運営(取組方針、具体的な施策)を見直すとともに、納税者の予測可能性や行政の透明性を向上させるため、平成29年(2017年)6月、「移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~」を公表した。

★概要はこちら⇒ 移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~の概要
★全文はこちら⇒ 移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~

2017年7月21日

移転価格税制に関する事前確認の申出及び事前相談

移転価格税制に関する事前確認(APA: Advance Pricing Arrangement)とは、移転価格課税に関する納税者の皆様の予測可能性を確保するため、納税者の皆様の申出に基づき、その申出の対象となった国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法及びその具体的内容(以下「独立企業間価格の算定方法等」という。)について、税務署長等が事前に確認を行うことをいい、昭和62年(1987年)に我が国が世界に先駆けて導入した施策である。
その後、米国(1991年)に続き、カナダ(1994年)、豪州(1995年)、韓国(1996年)、中国(1998年)に導入され、現在では30ヶ国以上で導入されている。

(注)
移転価格税制は、国外の関連企業(国外関連者)との取引を通じた海外への所得移転に対処し、適正な国際課税の実現を図る観点から、昭和61年度税制改正で導入された制度で、現在、主要先進国をはじめ40ヶ国以上で導入されている。
本税制の基本的仕組みは、法人と国外関連者との取引価格が第三者間の取引価格(独立企業間価格)と異なることにより、我が国の課税所得が減少している場合に、その取引が独立企業間価格で行われたとみなして所得を計算するというものである。

事前確認については、近年の国際取引の増加を反映し、その申出件数が増加してきていることから、国税庁においては、担当者を増員するなど、処理促進のための体制整備を図ってきているところである。

また、納税者に事前確認を円滑に利用いただけるよう、事前確認の申出の前に税務当局が相談を受ける事前相談を行っており、各国税局に事前相談の担当窓口を設けている。

事前相談は、納税者の皆様と税務当局の双方が申出内容について基本的な理解を共有するためのものであり、この事前相談を行うことにより、納税者にとっては、申出時に必要な資料作成事務を効率的に行うことができ、また税務当局における申出後の審査の円滑化・迅速化の効果が期待されるため、事前相談を積極的に活用することをお勧めする。
また、申出を行うかどうかのご判断がつきかねている納税者の方々のご相談も受け付けている。

★リンクはこちら⇒ 移転価格税制に関する事前確認の申出及び事前相談

2016年8月15日

移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし

OECDのBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトの勧告(行動13「多国籍企業情報の文書化」)を踏まえ、平成28年度税制改正により、租税特別措置法の一部が改正され、下記リンクのとおり移転価格税制に係る文書化制度が整備された。

このパンフレットでは、移転価格税制に係る文書化制度に関する改正内容のうち主要な項目のあらましを紹介している。

★リンクはこちら⇒ 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし

2016年6月15日

多国籍企業情報の報告

OECD(経済協力開発機構)のBEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)プロジェクトの勧告(行動13「多国籍企業情報の文書化」)を踏まえ、平成28年度税制改正により、多国籍企業情報の報告制度(最終親会社等届出事項、国別報告事項及び事業概況報告事項)が整備された。

これらの届出事項や報告事項は、国税電子申告・納税システム(e-Tax)により、所轄税務署長へ提供する。

★リンクはこちら⇒ 多国籍企業情報の報告

2016年6月10日

国外財産調書の提出制度(FAQ)

国税庁は、国外財産調書の提出制度(FAQ)を公表した。

その年の12月31日においてその価額の合計額が5千万円を超える国外財産を保有する居住者の方(非永住者の方を除く。)は、翌年の3月15日までに当該国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した「国外財産調書」を、所轄税務署長に提出しなければならないこととされている。

★リンクはこちら⇒ 国外財産調書の提出制度(FAQ)

2014年1月6日

新興国における課税問題の事例と対策

経済産業省は、今後新興国への進出を検討している日本企業に対し、進出先国において発生している課税問題を広く周知すべく、「新興国における課税問題の事例と対策」を作成した。

『新興国における課税問題の事例と対策(概要版)』と『新興国における課税問題の事例と対策(詳細版)』とがある。

移転価格税制・ロイヤリティ・PEのことなどが分かりやすく書かれている。

★「新興国における課税問題の事例と対策」(概要版)はこちら⇒ 「新興国における課税問題の事例と対策」(概要版)
★「新興国における課税問題の事例と対策」(詳細版)はこちら⇒ 「新興国における課税問題の事例と対策」(詳細版)

2013年9月11日

国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明

2013年6月11日に、我が国の金融庁・財務省及び国税庁は、アメリカ合衆国の財務省とともに「国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明」を発表した。

国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明(既に削除済み) 

<追加>
国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明の一部を修正する追加的声明(仮訳)(2013年12月18日)

2013年6月20日

国外財産調書の提出制度

平成25年度から、居住者(「非永住者」の方を除く。)の方で、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方は、その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を、その年の翌年の3月15日までに提出しなければならないこととされた。

2013年4月26日

パーペチュアル・トラベラー

1.居住者と非居住者
我が国の所得税法上、「居住者」とは、国内に「住所」があり、または、現在まで引き続いて1年以上「居所」がある個人をいう。居住者(非永住者を除く)は、所得が生じた場所が国の内外を問わず、その所得について我が国において所得税を納める義務がある。なお、居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に国内に住所または居所を有する期間の合計が5年以下である人を「非永住者」という。非永住者は、国内において生じた所得とこれ以外の所得で日本で支払われたものまたは国外から送金されたものについて我が国において所得税を納める義務がある。
また、「非居住者」とは、居住者以外の個人をいい、日本国内で生じた所得(国内源泉所得)に限って所得税を納める義務がある。

2.住所と居所
「住所」とは、「各人の生活の本拠」をいい、国内に「生活の本拠」があるかどうかは、客観的事実によって判断することになっている。
また、「居所」とは、「その人の生活の本拠という程度には至らないが、その人が現実に居住している場所」とされている。

3.複数の滞在地がある人
ある人の滞在地が2か国以上にわたる場合に、その住所がどこにあるかを判定するためには、例えば、住居、職業、資産の所在、親族の居住状況、国籍等の客観的事実によって判断することになる。
(注)
滞在日数のみによって判断するものでないことから、外国に1年の半分(183日)以上滞在している場合であっても、我が国の居住者となる場合がある。
1年の間に居住地を数か国にわたって転々と移動する、いわゆる「永遠の旅人(Perpetual Traveler, Permanent Traveler)」の場合であっても、その人の生活の本拠が我が国にあれば、我が国の居住者となる。
外国(A国)の居住者となるかどうかは、A国の法令によって決まることになる。A国で居住者と判定され、我が国でも居住者と判定される場合、租税条約では、二重課税を防止するため、居住者の判定方法を定めている。どちらの国の居住者となるかを判定するに当たっては、我が国とA国との租税条約によるが、国籍をひとつの判断要素としている条約もある(日米租税条約等)。なお、必要に応じ、両国当局による相互協議が行われることもある。

2012年12月11日

平成23事務年度の相互協議の状況

国税庁では、移転価格課税等により国際的な二重課税が生じた場合、外国税務当局との相互協議を実施して問題の解決を図っている。また、納税者の予測可能性を高め、移転価格税制の適正・円滑な執行を図る観点から、事前確認に係る相互協議を実施している。

  1. 相互協議事案の発生件数
    平成23事務年度は143件の相互協議事案が発生し、うち事前確認に係るものは112件と、全体の発生件数の約80%を占めている。
    これを10年前の平成13事務年度と比較すると、相互協議件数で1.6倍、事前確認に係る相互協議件数で2.7倍となっており、増加傾向にある。ただし、この2年間は、主に事前確認の減少により発生件数は全体として減少している。
  2. 相互協議事案の処理件数
  • 処理件数
    相互協議の処理件数は157件(前年比96%)、事前確認に係る相互協議の処理件数は135件(前年比105%)で、全体の処理件数はやや減少したものの、事前確認に係る相互協議の処理件数は過去最高となった。
  • 処理事案の地域別内訳
    平成23事務年度の処理件数は、件数の多い順に、米国、豪州、英国となっている。
    相互協議の相手国の数は、ここ数年はおおむね横ばいで推移している(平成18年:25か国→平成23年:23か国)。
  • OECD非加盟国との相互協議事案の件数
    対OECD非加盟国の発生件数は24件(前年比75%)、処理件数11件(同46%)、繰越件数95件(同116%)となっている。
  • 1件当たりの平均的な処理期間
    事案の処理に係る期間は、平均すると1件当たり25.1か月となっている。そのうち、事前確認に係る相互協議事案の処理に係る期間は、同様に1件当たり23.6か月となっている。

2012年10月15日

国内外の勤務がある場合のストック・オプションに係る国内源泉所得の範囲

例えば、以下のようなケースで考える。
米国人Aは、5年間の予定で米国法人B社の日本支店で勤務していたが、今般期間満了とともに帰国した。
ところで、Aは、日本支店での勤務期間中にB社からストック・オプションを付与されており、帰国後権利行使している。この場合の課税関係(国内源泉所得の範囲及び源泉徴収の要 否)はどうなるか?

(時系列)
H17.07.01 入国(日本支店勤務)
H18.07.01 権利付与
H22.06.30 出国
H23.06.30 権利行使

米国の居住者が受けるストック・オプション制度に基づく利益で、権利の付与から行使までの期間中、日米両国内で勤務が行われているものについては、日本での勤務期間に関連する部分のみ日本で課税することとされている(日米租税条約議定書第10項)。
このケースだと、ストック・オプションの付与時から行使時までの期間(5年)のうち日本での勤務期間(4年)に関連する部分の経済的利益を国内源泉所得(給与所得)として取り扱うのが相当と考えられる。
なお、Aは、帰国後、非居住者に該当し、国外において国内源泉所得の支払が行われることとなるが、米国法人は日本支店を有しているので、所得税法第212条第2項の規定により、日本支店は、その国内源泉所得について20%の税率で所得税を徴収し、その翌月末日までに納付しなければならない。

2012年8月27日

国外財産調書の提出制度のチラシ

国外財産調書の提出制度が創設され、法施行後の最初の国外財産調書は、平成25年12月31日における国外財産の保有状況を記載して、平成26年3月17日までに提出する必要があるが、そのチラシが作成された。

<趣旨>
適正な課税・徴収の確保を図る観点から、国外財産を有する方からその保有する国外財産について申告をしていただく仕組み(国外財産調書制度)が創設された。

<概要>
その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方は、その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した調書(以下「国外財産調書」という。)を、翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出しなければならない。
(注)
「国外財産」とは、「国外にある財産をいう」こととされている。ここでいう「国外にある」かどうかの判定については、財産の種類ごとに行うこととされ、例えば、以下のように、その財産自体の所在、その財産の受入れをした営業所または事業所の所在、その財産の発行者等の所在などによることとされている。

  • 「動産又は.動産」は、その動産、または動産の所在
  • 「預金、貯金または積金」は、その預金、貯金または積金の受入れをした営業所または事業所の所在
  • 「社債または株式」は、その社債または株式の発行法人の本店または主たる事務所の所在

<国外財産の価額>
国外財産の「価額」は、その年の12月31日における「時価」または時価に準ずるものとして「見積価額」によることとされている。また、「邦貨換算」は、その年の12月31日における「外国為替の売買相場」によることとされている。
(注)
上記の「時価」または「見積価額」の具体的な算定方法、及び「外国為替の売買相場」の具体的な基準については、今後、通達等において示される予定である。

<国外財産調書の記載事項>
国外財産調書には、提出者の氏名、住所(または居所)に加え、国外財産の種類、用途(一般用及び事業用の別)、所在、数量、価額などを記載することとされている。
(注)
「事業用」とは、動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき事業または業務の用に供することをいい、「一般用」とは、それ以外の用に供することをいう。

2012年7月30日

非居住者等への給与等の人的役務の提供に対する報酬等の源泉徴収

非居住者や外国法人(以下「非居住者等」という。)に対して、源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」を支払う場合には、その支払の際に所得税を源泉徴収しなければならない場合がある。
したがって、取引において、非居住者等に何らかの支払をする場合には、その対価が源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」に該当するかを確認する必要がある。

非居住者に支払う給与その他の人的役務の提供に対する報酬等のうち、国内において行った勤務その他の人的役務の提供に対するものを支払う際には、所得税を源泉徴収しなければならない。

(注)
非居住者等の居住地国と我が国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約の定めるところにより課税が軽減または免除され、源泉徴収が不要となる場合などがある。

2012年7月27日

非居住者等への工業所有権や著作権等の使用料等の源泉徴収

非居住者や外国法人(以下「非居住者等」という。)に対して、源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」を支払う場合には、その支払の際に所得税を源泉徴収しなければならない場合がある。
したがって、取引において、非居住者等に何らかの支払をする場合には、その対価が源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」に該当するかを確認する必要がある。

国内において業務を行う者が、非居住者等に支払う、工業所有権や著作権等の使用料またはそれらの取得の対価のうち、その国内業務に係るものを支払う際には、所得税を源泉徴収しなければならない。

(注)
非居住者等の居住地国と我が国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約の定めるところにより課税が軽減または免除され、源泉徴収が不要となる場合などがある。

2012年7月26日

非居住者等への不動産の賃借料等の源泉徴収

非居住者や外国法人(以下「非居住者等」という。)に対して、源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」を支払う場合には、その支払の際に所得税を源泉徴収しなければならない場合がある。
したがって、取引において、非居住者等に何らかの支払をする場合には、その対価が源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」に該当するかを確認する必要がある。

非居住者等から、日本国内にある土地や建物等の不動産を借りる場合、その賃借料を支払う際に、所得税を源泉徴収しなければならない。
なお、個人が、自己またはその親族の居住の用に供するために土地や家屋を借りる場合に支払うものについては、源泉徴収をする必要はない(法人が借りて賃借料を支払う場合には、源泉徴収をしなければならない。)。

(注)
非居住等の居住地国と我が国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約の定めるところにより課税が軽減または免除され、源泉徴収が不要となる場合などがある。

2012年7月23日

非居住者等への土地等の対価の源泉徴収

非居住者や外国法人(以下「非居住者等」という。)に対して、源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」を支払う場合には、その支払の際に所得税を源泉徴収しなければならない場合がある。
したがって、取引において、非居住者等に何らかの支払をする場合には、その対価が源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」に該当するかを確認する必要がある。

非居住者等から、日本国内にある土地や建物等の不動産を取得した場合、その対価を支払う際に、所得税を源泉徴収しなければならない。
なお、個人が、自己またはその親族の居住の用に供するために取得した土地等で、その土地等の対価の額が1億円以下である場合は、その個人が支払うものについては源泉徴収をする必要はない(法人が取得して対価を支払う場合には、1億円以下であっても源泉徴収をしなければならない。)。

(注)
非居住者等の居住地国と我が国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約の定めるところにより課税が軽減または免除され、源泉徴収が不要となる場合などがある。

2012年7月20日

個人の海外の組合への投資に関する課税

個人が海外投資を行なっている場合、個別的な判断が必要になるが、LLCは法人への投資、LPは任意組合への投資と考えられることが多い。

この場合、前者は配当所得、後者は雑所得として、組合の決算に基づき所得を認識する(純額方式の場合)。

2012年2月23日

非居住者の国内不動産の譲渡

非居住者が国内不動産を譲渡した場合、原則として、譲渡対価の10%の源泉徴収の必要がある。
以下の2つを充たす場合、例外的に、源泉徴収は不要である。

  • 譲渡対価が1億円以下であること
  • 当該土地等を自己またはその親族の居住の用に供するために譲り受けることなお、3,000万円の特別控除や居住用財産の税率の特例なども適用可能である。

2012年2月22日

居所とは?

『住所』は所得税基本通達2-1で「各人の生活の本拠をいい、生活の本拠であるかどうかは客観的事実によって判定する」と定義されている。

しかしながら、『居所』については所得税法上定義はないが、「住所以外の場所において人が相当期間継続して住む場所で、かつ、生活の本拠という程度には至らないものをいう」とされている。

2011年8月18日

非居住者とは?

非居住者とは居住者以外の個人をいう。

日本で課税されるのは、以下のみである。

  • 国内源泉所得

2011年8月17日

非永住者以外の居住者とは?

非永住者以外の居住者とは、居住者のうち非永住者以外の個人をいう。

いわゆる日本人(一般的な日本居住者)である。

全世界所得(大きく分けると以下の2つ)が課税対象となる。

  • 国内源泉所得
  • 国外源泉所得

2011年8月16日

非永住者とは?

非永住者とは、居住者のうち、日本国籍を有しておらず、かつ、過去10年間のうち5年以下の期間国内に住所または居所を有する個人をいう。

非永住者については、以下のものが課税される。

  • 国内源泉所得
  • 国外源泉所得のうち国内払いまたは国内に送金された部分

2011年8月11日

居住者とは?

居住者とは、国内に住所があるか、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいう。

居住者は、

  • 非永住者
  • 非永住者以外の居住者

とに区分される。

2011年8月10日

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時事

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴う宿泊税の課税停止

 東京都では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴い、2020年7月1日から同年9月30日までの3か月の間、宿泊税を課税停止することとした。

<宿泊税の課税停止の概要>

課税停止する期間 2020年7月1日から同年9月 30日までの3か月間
対象者 都内の旅館・ホテルの全ての宿泊者

※大会期間
  オリンピック:2020年7月24日~同年8月9日
  パラリンピック:2020年8月25日~同年9月6日
  
(参考)
1.宿泊税とは
 都内の旅館・ホテルに宿泊する方に課税される法定外目的税で、平成14年10月から実施されている。
 宿泊税の税収は、国際都市東京の魅力を高めるとともに、観光の振興を図る施策に要する費用に充てられている。

2.宿泊税の仕組み
 ●納める方は、都内の旅館・ホテルに宿泊する方
 ●納める額は、宿泊数×税率

宿泊料金(1人1泊) 税率
10,000円以上15,000円未満 100円
15,000円以上 200円

  ※宿泊料金が1人1泊10,000円未満の宿泊には課税されない。
  ※宿泊料金とは、食事料金などを含まない、いわゆる素泊まりの料金をいう。

 ●納める時期と方法
 旅館・ホテルの経営者が宿泊者から税金を預かり、1か月分をまとめて翌月末日までに千代田都税事務所等へ申告して納める。
 旅館・ホテルとは、旅館業法第3条第1項の営業許可を「旅館・ホテル営業」で受けたものをいう

【問合せ先】
 〇千代田都税事務所事業税課個人事業税班(宿泊税担当)   電話 (03)3252-7144(直通)
 〇東京都主税局課税部課税指導課個人事業税班(宿泊税担当) 電話 (03)5388-2956(直通)

 ★リンクはこちら ⇒ 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴う宿泊税の課税停止

2018年10月12日


2011年「休廃業・解散企業動向」調査

東京商工リサーチが、2011年の休廃業・解散企業動向を発表した。
特徴としては以下のとおり。

  • 25,000件を上回り、2年連続で倒産件数の約2倍で推移
  • 倒産は6年ぶりに13,000件を割り込んだが、廃業・解散は高水準で推移
  • サービス業他・不動産業・情報通信業で増加

事業不振や後継者不足などにより休廃業・解散をしている企業が多いのであろう。
また、サービス業他は小さな飲食業が中心で、不動産業は震災の影響などで取引が減少したこと、情報通信業は内製化やアウトソーシングの縮小が影響しているようである。

2012年3月29日

2013年春卒業予定の新卒の就職希望企業調査

先日、日本経済新聞社が2013年春卒業予定の新卒の就職希望企業調査を発表した。
総合ランキング上位10位を見ると、以下のとおり、生保、損保、金融機関が多い(括弧内は順位)。

  • 生保…日本生命(1)、第一生命(7)
  • 損保…東京海上(2)、三井住友海上(5)、損保ジャパン(6)
  • 金融機関…三菱東京UFJ銀行(3)、三井住友銀行(4)、みずほFG(8)、三菱UFJ信託銀行(9)
  • その他…サントリーホールディングス(10)

企業の寿命は30年とか言われるが、30年後にこれらの企業はどうなっているのだろうか?

2012年3月5日

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ディスクロージャー

「金融商品取引法第27条の36の規定に関する留意事項について(フェア・ディスクロージャー・ルールガイドライン)」に対するパブリックコメントの結果等について

<パブリックコメントの結果>
 金融庁は、平成29年金融商品取引法改正に関し、「金融商品取引法第27条の36の規定に関する留意事項について(フェア・ディスクロージャー・ルールガイドライン)」(案)について、平成29年10月24日(火)から平成29年11月22日(水)にかけて公表し、広く意見の募集を行った。
 その結果、13先の個人及び団体より延べ約36件のコメントをいただいた。

 本件に関して寄せられたコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は、下記リンクのとおり。
 また、フェア・ディスクロージャー・ルールガイドラインの内容についても、下記リンクのとおり。

<制定・適用日>
 フェア・ディスクロージャー・ルールガイドラインは、平成30年4月1日付で制定・適用される。

<問い合わせ先>
 金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
 総務企画局企業開示課(内線3802、3849)

 ★『コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方』はこちら ⇒ コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方

 ★『フェア・ディスクロージャー・ルールガイドライン』はこちら ⇒ 金融商品取引法第27 条の36 の規定に関する留意事項について(フェア・ディスクロージャー・ルールガイドライン)

2018年3月16日

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登記

株主リストに関するよくあるご質問

 平成28年10月1日以降の株式会社・投資法人・特定目的会社の登記の申請に当たっては、添付書面として「株主リスト」が必要となる場合があるが、法務省は「株主リストに関するよくあるご質問」のページを更新した。

 ★リンクはこちら ⇒ 株主リストに関するよくあるご質問

2018年2月21日


「株主リスト」を登記の添付書面とする商業登記規則等の改正

商業登記規則等の一部を改正する省令(平成28年法務省令第32号)が2016年10月1日から施行され、株式会社・投資法人・特定目的会社が登記申請をするに当たり、一定の場合に、当該会社の株主等の氏名または名称及び住所、株式数並びに議決権数等を記載した書面(通称「株主リスト」)の添付が必要となる。
この「株主リスト」の様式は法定されていないが、一定の条件を満たす場合には、法人税申告書の別表二(「同族会社等の判定に関する明細書」)の写しを添付して作成することも可能となっている。

<株主リストの添付が必要となる場合>
株主リストの添付は,以下の2つの場合に必要となる。 ※1

  • 登記すべき事項につき株主全員の同意(種類株主全員の同意)を要する場合
  • 登記すべき事項につき株主総会の決議(種類株主総会の決議)を要する場合 ※2

※1  株式会社のほかに,投資法人,特定目的会社も社員のリストの提出が必要(その他の法人は不要)である。
※2 登記事項につき,株主総会決議を省略する場合(会社法319条 1項)にも,株主リストの添付が必要である。

<株主リストの内容>
①登記すべき事項につき株主全員の同意を要する場合 ※3
●株主全員について次の事項を記載した株主リスト
(1)株主の氏名または名称
(2)住所
(3)株式数(種類株式発行会社は,種類株式の種類及び数)
(4)議決権数
 これら4点を代表者が証明
※3 登記すべき事項につき,種類株主全員の同意を要する場合には,種類株主全員についての株主リストが必要である。
②登記すべき事項につき株主総会の決議を要する場合 ※4
●議決権数上位10名の株主 ※5
●議決権割合が2/3に達するまでの株主 ※6
…いずれか少ない方の株主について,以下の事項を記載した株主リスト
(1)株主の氏名または名称
(2)住所
(3)株式数(種類株式発行会社は,種類株式の種類及び数)
(4)議決権数
(5)議決権数割合
 これら5点を代表者が証明
※4 登記すべき事項につき,種類株主総会の決議を要する場合には,当該種類株主についての株主リストが必要である。
※5 自己株式等の当該事項につき議決権を行使することができない株式を除くが,株主総会に欠席し,または議決権を行使しなかった株主を含む。
※6 2/3に達するまでの株主は,議決権割合の多い方から加算していく必要がある。

<施行日>
施行日前に,株主総会が行われた場合であっても,施行日以降に登記の申請をするときは,株主リストの添付が必要である。

 ★リンクはこちら ⇒ 「株主リスト」を登記の添付書面とする商業登記規則等の改正

2016年8月22日

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信託

家族信託

家族信託とは、民事信託の中でも、財産管理を信じて託すのが最もふさわしいのはご自身の家族・親族であることが多いため、家族・親族を受託者として財産管理を任せる信託のことを呼ぶ。

2017年3月17日

民事信託

民事信託とは、受託者が信託報酬を得ないで行う信託のことをいう。

信託業法に基づかないため、受託者は、基本的には、個人でも法人でも誰でもなることができる。

2017年3月10日

商事信託

商事信託とは、受託者が信託報酬を得るために業務として行う信託のことをいう。

信託業法に基づき、信託銀行や信託会社が行う。

営業信託とも呼ばれる。

対する言葉としては、民事信託家族信託がある。

2017年3月9日

他益信託

益信託とは、委託者と受益者が別人である信託のことをいう。

2017年3月8日

自益信託

信託とは、委託者と受益者が同一人である信託のことをいう。

2017年3月7日

自己信託

信託とは、特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理または処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面または電磁的記録で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載しまたは記録したものによってする方法をいう。

2016年11月7日

信託の機能

信託の主な機能としては、①財産管理機能②転換機能③倒産隔離機能があげられる。
これらの機能を活用することにより、信託は様々なニーズに対応する仕組みとして利用されている。

①財産管理機能
委託者や受益者に代わって、専門家である受託者に財産の管理・処分を委ねることができる。
なお、受託者は、信託目的の範囲内で、これを行使しなければならない。

②転換機能
信託することにより信託財産が信託受益権という権利となり、信託目的に応じ、その財産の属性や数、財産権の性状などを転換することができる。
具体的には、ア.効率的な運用を行うため、多数の者が信託した金銭をまとめることイ.投資しやすくするため、大きな信託財産を小口化することウ.流通しやすくするため、不動産などの信託財産を受益権にすることなどが可能である。

③倒産隔離機能
信託された財産は、委託者の名義ではなく、受託者の名義となることから委託者の倒産の影響を受けない。
また、信託財産は、受託者の相続財産にはならず、さらに受託者の債権者による強制執行が禁じられているため、受託者の倒産の影響を受けない。

2016年11月2日

信託業法の改正

1.平成16年の改正
平成18年の改正に先立って、平成16年12月に信託業法の抜本改正がされた。
この改正によって、新たな信託の担い手が増えることにより競争が一層促進され、信託のすそ野が広がるとともに、知的財産権等信託財産の多様化が図られた。

2.平成18年の信託法の改正に伴う信託業法の改正
平成18年の信託法の改正に伴い、信託業法が改正された。主な内容は以下のとおりである。
受託者等の義務 受託者の善管注意義務・分別管理義務等について、新しい信託法では原則として当事者間の契約により軽減が可能となるが、信託業法においては、基本的には従来どおり受託者に義務が課される。
ただし、受益者保護上問題がない範囲内で見直しが行われ、例えば、動産・有価証券等については、物理的分別管理の代替として、帳簿上の管理が認められる。

受託者が信託業務を第三者に委託する場合には、基本的に従来どおり、委託先は受託者と同様に善管注意義務等の義務を直接負う(委託先の業務が信託財産の保管に留まる場合などを除く)。また、受託者は委託先の行為について厳しい損害賠償責任を負う(委託者が関係者を指名した場合、または受益者の指図による場合を除く)。

新しい信託類型(自己信託)に対する規制 自己信託では委託者と受託者が同一となることを踏まえて、受益者の保護のため、通常の信託の場合の規制に加え、信託設定が真正になされたことを弁護士、公認会計士税理士等にチェックさせるなどの義務が課される。
自己信託は、受益者(実質的な受益者を含む)が50名以上となる場合に信託業法の規制対象となる。


平成16年改正時の信託業法附則第124条では「政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」とされており、また、今回の新しい信託法等に係る衆参両院の法務委員会における附帯決議では、高齢者や障害者の生活を支援する福祉型の信託についてその担い手として弁護士、NPO等の参入の取扱い等を含め、幅広い観点から検討を行うことを政府および関係者に対し求めている。

2016年10月25日

信託法の改正

平成18年12月に信託法が改正された(平成19年9月施行)。
改正された信託法のポイントは以下のとおりである。

1.受託者の義務等の内容を適切な要件の下で合理化
(1)忠実義務に関する規定の合理化
忠実義務に関する一般規定を新設したうえで、広く受託者・受益者間の利益相反行為を制限する規定を設けた。
また、一定の要件(信託行為に利益相反行為を許容する旨の定めがある場合など)を満たせば、利益相反行為が許容されること(任意規定)を明らかにした。
(2)自己執行義務に関する規定の合理化
受託者が第三者に信託事務の処理を委託することが許容される範囲を拡大した。

2.受益者の権利行使の実効性・機動性を高めるための規律の整備
(1)受益者が複数の信託における意思決定方法の合理化
複数の受益者による意思決定を多数決で行うことを許容するとともに、受益者集会制度や決議に反対する受益者の保護などに関する規定を整備した。
(2)信託監督人・受益者代理人制度の創設
受益者が未存在の場合に信託管理人を選任することを認めるほか、受益者が特定・現存している場合であっても、受益者のために受託者の監督を行う者(信託監督人)や、受益者のために受益者の権利を行使する者(受益者代理人)を選任することができる制度を創設した。
(3)帳簿等の作成、保存等に関する規律の整備
受益者に対する情報開示をより合理的・実効的なものとするため、信託財産に関する一定の情報を定期的に受益者に対して提供する義務を新たに受託者に課すなどの規律の整備を行った。
(4)受託者の行為の差止請求権の創設
信託違反行為についての受益者の救済の実効性を図る観点から、事前の救済手段として受託者の行為の差止請求権を創設した。

3.多様な信託の利用形態に対応するための制度の整備
(1)信託の併合・分割の制度の創設
信託の併合・分割の手続を明確化するとともに関係当事者間における適切な利害調整を図るために、新たに規定を設けた。
(2)受益証券発行信託、限定責任信託、自己信託等の創設
信託を多様な形で利用するというニーズに応えるため、新しい類型の信託(受益証券発行信託・限定責任信託・目的信託・自己信託)を創設した。
また、担保権の信託、家族信託等に関する規定を整備した。

2016年10月3日

信託法の歴史

信託法は、大正11年(1922年)に制定されて以来、80年以上にわたり、実質的な改正が行われていなかった。
この信託法は、当時の弱小信託会社の乱立・不健全経営といった時代背景の下で成立したことから取締り的な性格を持ち、また、主として民事信託(例えば、個人間の財産管理)を念頭に置いたものであった。

しかしながら、信託制度は、特に第二次世界大戦以後、信託銀行による商事信託(例えば、貸付信託、年金信託)を中心に発展を遂げてきた。
さらに、近年においては、商事信託の分野では新たな投資・金融スキームとしてのニーズが高まり、他方で民事信託の分野でも高齢社会の到来を背景に後見的な財産管理や遺産承継を目的とする家族信託への期待が高まってきた。

このような背景の中で、政府においても信託法を見直しその現代化を図るための検討が始められ、平成16年9月には法務大臣から法制審議会に対して信託法の見直しに関する諮問があり、これを受けて同審議会では信託法部会を設置し、審議を進めた。同部会の審議結果は、平成18年2月に法制審議会において「信託法改正要綱」として決定され、法務大臣に答申された。
その後、平成18年3月に「信託法改正要綱」に基づく信託法案およびその整備法案が第164回通常国会に提出されたが、継続審議となり、同年12月に第165回臨時国会において成立した。
平成19年7月には信託法施行令、信託法施行規則および信託計算規則が公布され、同年9月30日に施行された。

また、新しい信託法制定に伴い、金融審議会金融分科会第二部会・信託に関するWG合同会合において平成17年11月から審議され、平成18年1月に報告書「信託法改正に伴う信託業法の見直しについて」がとりまとめられた。
この報告書に基づく信託業法の改正案(信託法の整備法案に含まれている)は、平成18年12月に信託法案とともに成立した。
平成19年7月には信託業法関連の政府令が公布され、同年9月30日に施行された。

2016年9月30日

受益権

受益権とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。

2016年9月26日

信託目的

信託財産とは、委託者が信託設定によって達成しようとする目標であり、受託者の行動の指針となるものである。

2016年9月15日

信託財産

信託財産とは、受託者に属する財産であって、信託により管理または処分をすべき一切の財産をいう。

例えば、以下のようなものがある。

  • 現金
  • 有価証券
  • 貸付金
  • 土地、建物
  • 知的財産権(特許権、著作権など)

2016年9月13日

信託行為

信託行為には、以下のものがある。

  • 信託契約
  • 遺言
  • 自己信託

2016年9月8日

受益者

受益者とは、受益権を有する者をいう。

2016年9月7日

受託者

受託者とは、信託行為の定めに従い、信託財産に属する財産の管理または処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。

2016年9月6日

委託者

委託者とは、以下により信託をする者をいう。

  • 信託契約
  • 遺言
  • 自己信託

2016年9月5日

信託とは?

信託とは、その名のとおり、『信じて託す』ということであり、委託者が信託行為により、受託者に対して、金銭や土地などの財産を移転し、受託者は委託者が設定した信託目的に従って受益者のために信託財産の管理・処分などをするものである。

2016年9月2日

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内部統制

非営利法人委員会研究報告第32号「会計監査人非設置の社会福祉法人における財務会計に関する内部統制の向上に対する支援業務」の公表

日本公認会計士協会(非営利法人委員会)は、平成29年3月15日に開催された常務理事会の承認を受けて、非営利法人委員会研究報告第32号「会計監査人非設置の社会福祉法人における財務会計に関する内部統制の向上に対する支援業務」を、平成29年4月27日付けで公表した。

平成28年3月の社会福祉法の改正により、一定規模を超える社会福祉法人は、会計監査人を設置し、公認会計士または監査法人による監査を受けることが義務付けられた。
その一方で、社会福祉法人は社会福祉事業の主たる担い手であり、会計監査人の設置が義務付けられないとしても、自主的にその経営基盤の強化を図るとともに、サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図ることが求められている。

本研究報告は、会員が会計監査人を設置していない社会福祉法人に対して、内部統制の向上に対する支援業務を行う際に留意すべき事項等について検討をした結果を取りまとめたものである。
また、公認会計士が行う内部統制の向上に対する支援を始めとした各種業務と、所轄庁(社会福祉法人を直接指導・監督する地方自治体等)が行う指導監査との関係については、厚生労働省の発出した通知「社会福祉法人指導監査実施要綱の制定について」(平成29年4月27日、局長連名通知)、「会計監査及び専門家による支援等について」(平成29年4月27日、課長通知)を確認のこと。

公認会計士が社会福祉法人に対して行い得る業務の中での本業務の位置付けについては、以下の「参考資料」において図を用いて整理したので、適宜確認のこと。
参考資料

★リンクはこちら⇒ 非営利法人委員会研究報告第32号「会計監査人非設置の社会福祉法人における財務会計に関する内部統制の向上に対する支援業務」の公表

2016年5月25日

COSO内部統制の統合的フレームワーク「エグゼクティブ・サマリー」の公表

日本公認会計士協会は、平成26年1月に刊行した書籍「COSO内部統制の統合的フレームワーク・フレームワーク篇」の「エグゼクティブ・サマリー」(書籍1~17頁)をウェブサイトにて公表した。

これは、米国のCOSOウェブサイトが原著の冒頭部分「Executive Summary」を無料で公表していることに対応したものである。

これにより、内部統制のフレームワークを広く利用していただければ幸いである。

ちなみに、原著の「Executive Summary」はCOSOのウェブサイトは以下のとおり。
http://www.coso.org/

★リンクはこちら⇒ COSO内部統制の統合的フレームワーク「エグゼクティブ・サマリー」の公表

2016年2月16日

中小企業のための「自主点検チェックシート」及び「自主点検ガイドブック」

公益財団法人全国法人会総連合では、中小企業の税務コンプライアンス向上を目的として、「自主点検チェックシート」及び「自主点検ガイドブック」を作成した。

当該チェックシートは、中小企業が自社の文書管理や経理処理などの項目について自主点検することで、将来の内部統制及び経理能力の水準向上に役立てるというものである。
日本税理士会連合会においてもその趣旨に賛同し、税理士の視点から当該チェックシート等の監修を行った。

この取組は平成26年4月から、全国の法人会で取組を実施することとしている。
なお、現在、4法人会(茂原(千葉県)、四谷(東京都)、川崎北(神奈川県)、甲府(山梨県))において試行が開始されている。
詳しくは法人会ホームページをご覧のこと。

★リンクはこちら⇒ 企業のための「自主点検チェックシート・ガイドブック」(既に削除済み)

2014年2月26日

情報セキュリティ検証業務

今日、事業体においては、その活動を有効かつ効率的に行うために、情報技術の利用が不可欠であり、また内部統制の確立も含めた情報セキュリティの管理体制を確保することが強く望まれている。

IT委員会研究報告第39号「情報セキュリティ検証業務」は、公認会計士または監査法人が情報セキュリティ検証業務を行う上で必要となる評価規準(「情報セキュリティ評価規準」)、検証手続の考え方と例示、検証報告書の文例等を示している。
本研究報告は、公認会計士または監査法人が行う情報セキュリティ検証業務の実務を検討する上で、一つのモデルを提供している。
情報セキュリティ検証業務のよりよい進展に寄与すべく、本研究報告の具体的な実務への適用に関して理解するための説明資料を作成した。

★リンクはこちら⇒ 情報セキュリティ検証業務

2013年11月1日

Trustサービス

Trustサービスとは、インターネットを介した電子商取引の安全性やシステムの信頼性等に関する内部統制について保証を与えるサービスであり、米国公認会計士協会(以下「AICPA」という。)とカナダ勅許会計士協会(以下「CICA」という。)によって基準化され、世界基準として既に欧米を中心として各国で公認会計士が広くサービスを提供し認知されている。

Trustサービスは、原則として、AICPAとCICAの会員のみが提供できるサービスだったが、国際イノベーション・ネットワーク(International Innovation Network)を通じて、各国の会計士協会がAICPA/CICAとTrustサービスのライセンス契約を締結することにより、各国の会計士協会の会員がTrustサービスを提供することができるようになっている。

日本公認会計士協会は、2003年12月にAICPA/CICAとTrustサービスのライセンス契約を締結し、日本公認会計士協会とサブライセンス契約を締結した監査法人・公認会計士は、一般企業、金融機関、官公庁等のシステムの信頼性又は電子商取引の安全性等に関する内部統制についての検証業務を行うことができる。

★リンクはこちら⇒ Trustサービス

2013年10月24日

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民法

停止条件付法律行為

停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。

例えば、親の承認を得たら、譲渡するということである。

2012年9月10日

解除条件付法律行為

解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。

例えば、親の承認を得られなかったら、譲渡を取り消すということある。

2012年9月7日

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節税

自社の事務室の蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取り替えた場合の取替費用の取扱い

<照会要旨>
当社では、節電対策として自社の事務室の蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取り替えることを考えているが、その取替に係る費用については、修繕費として処理して差し支えないか。
なお、当社は、これまで蛍光灯が切れた際の取替費用を消耗品費として処理している。
【取替の概要】
①事務室の蛍光灯100本すべてを蛍光灯型LEDランプに取り替える。
なお、この取替えに当たっては、建物の天井のピットに装着された照明設備(建物附属設備)については、特に工事は行われていない。
②蛍光灯型LEDランプの購入費用 10,000円/本
③取付工事費 1,000円/本
④取替えに係る費用総額 1,100,000円
【取替メリット】
①消費電力が少ない(電気代の削減)
②寿命が長い
③LEDランプの白色光は、紫外線をほとんど含まないため、生鮮物や化学薬品に影響が小さく、また虫の飛来抑制にもなる
④安全で軽量
⑤発熱が少ないため、空調に与える影響が少なく、エアコンなどに係る負担を軽減できる

<回答要旨>
照会要旨に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおり解して差し支えない。
(理由)
1.修繕費と資本的支出
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため、またはき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額は修繕費となる(法基通7-8-2)。
一方、法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、当該固定資産の価値を高め、またはその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額は資本的支出となる(法令132、法基通7-8-1)。

2.本件へのあてはめ
蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取り替えることで、節電効果や使用可能期間などが向上している事実をもって、その有する固定資産の価値を高め、またはその耐久性を増しているとして資本的支出に該当するのではないかとも考えられるが、蛍光灯(または蛍光灯型LEDランプ)は、照明設備(建物附属設備)がその効用を発揮するための一つの部品であり、かつ、その部品の性能が高まったことをもって、建物附属設備として価値等が高まったとまではいえないと考えられるので、修繕費として処理することが相当である。

★リンクはこちら⇒ 自社の事務室の蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取り替えた場合の取替費用の取扱い

2016年7月7日

少額減価償却資産の購入による節税

原則として、備品などの減価償却資産は資産として計上し、減価償却を行うことによって費用化する。

ただし、法人が以下の減価償却資産を事業の用に供した事業年度において、その取得価額に相当する金額を損金経理した場合には、その損金経理をした金額は、損金の額に算入される。

  1. 使用可能期間が1年未満のもの
  2. 取得価額が10万円未満のもの

また、取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、各事業年度ごとに、その全部または一部の合計額を一括し、これを3年間で償却する一括償却資産の損金算入の規定を選択することができる。

さらに、中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成26年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができる。

2012年6月14日

短期前払費用による節税

前払費用とは、法人が一定の契約により継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち、その事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。
前払費用は、原則として、支出した時に資産に計上し、役務の提供を受けた時に損金の額に算入すべきである。

ただし、法人が、前払費用の額で、その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った金額を継続してその事業年度の損金の額に算入しているときは、その支払時点で損金の額に算入することが認められる。
なお、借入金を預金や有価証券などに運用する場合のその借入金の支払利息のように、収益と対応させる必要があるものについては、たとえ1年以内の短期前払費用であっても、支払時点で損金の額に算入することは認められない。

2012年6月13日

消耗品等の購入による節税

一定の要件を満たせば、消耗品(例えば、コピー用紙、包装紙、チラシなど)を購入するタイミングを考慮することで節税が可能になる。
消耗品は期中に購入分を費用(損金)処理したとしていたとしても、期末に残っているものについては資産計上するのが原則である。
しかしながら、一般的には金額的な重要性は低いため、以下の要件を満たせば、購入時に損金処理できる。

  • 各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得している
  • 経常的に消費するものである
  • 継続してその取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入している

2012年6月12日

オペレーティングリースによる節税

オペレーティングリースを契約することにより、節税が可能である。

定率法償却により逓減償却となることにより節税が可能と思っている人が多いようであるが、それに加えて借入金を用いたレバレッジ効果を働かせている。

期間は10年前後のことが多いが、為替変動、償却率の変更、法人税率の変更などの影響を受けることには留意すべきである。

2011年11月29日

保険による節税

解約返戻金のあるがん保険(全額損金算入)や逓増定期保険(原則として50%損金算入)に加入することにより、節税が可能になる。

解約返戻率の高い商品は、資金繰り対策としても有効である。

2011年11月17日

修繕による節税

近いうちに修繕をすべきものにつき、当期に修繕を行うことにより、節税が可能である。

なお、固定資産の使用可能年数が延びたり、価値が増加するものは資本的支出になる。

ただし、以下のようなものは形式基準で損金となる。

  • 資本的支出であっても、20万円未満または3年以内の周期で行われるもの
  • 資本的支出かどうか明らかでないものについては、60万円未満または資産の取得価額の10%相当額以下のもの

2011年11月14日

含み損を抱える資産の売却による節税

土地などの固定資産、商品・製品・原材料などのたな卸資産、有価証券、ゴルフ会員権などについては、含み損を抱えていることがある。

原則的に資産の含み損は損金算入できないので、売却により実現させることにより節税が可能となる。

ただし、グループ法人税制には留意が必要である。

2011年11月10日

固定資産の現物調査による節税

商品・製品・原材料などのたな卸資産の棚卸し、現金や定期預金証書や有価証券の実査は定期的に行われるケースが多いが、固定資産の現物調査は行われていないことが多い。

固定資産の現物調査を行うことにより、節税が可能なケースがある。
既に除却していたり、なくなったりしているのに除却処理がされていないものや、使っておらず必要ないのにかかわらずそのまま置いており除却処理をしていないものが、現物調査を行うと出てくるケースがある。

2011年11月8日

決算賞与の支給による節税

決算賞与を計上することにより節税が可能である。
ただし、以下の要件を満たす必要がある。

  1. 支給額を各人別かつ同時期に支給を受けるすべての使用人に通知していること
  2. 通知額を通知日の属する事業年度終了日翌日から1か月以内に支給していること
  3. 支払額を1.の通知日の属する事業年度において損金算入していること

なお、節税にはなるが、キャッシュ・アウトは伴うので留意が必要。
従業員のモチベーションアップにつながるのであれば、企業経営にも好影響を及ぼす。

2011年11月7日

キャッシュ・アウトを伴わない税金の削減

キャッシュ・アウトを伴わず、税金を削減するものには以下のようなものがある。

  • 中小企業の固定資産の税額控除
  • 試験研究費の税額控除

キャッシュ・アウトもなく、税金の削減が可能である。。通常、有利である。

2011年10月17日

キャッシュ・アウトを伴わない課税の繰り延べ

キャッシュ・アウトを伴わず、課税を繰り延べるものには以下のようなものがある。

  • 割増償却
  • 圧縮記帳

単なる課税の繰り延べに過ぎないが、近い将来、資金需要が発生するような場合には有効である。

2011年10月14日

キャッシュ・アウトを伴う税金の削減

キャッシュ・アウトを伴い、税金を削減するものには以下のようなものがある。

  • 消耗品の購入
  • 従業員への決算賞与の支給

課税の繰延ではなく、税金の削減が可能である。モチベーションのアップ等につながれば、効果は大である。

2011年10月12日

キャッシュ・アウトを伴う課税の繰り延べ

キャッシュ・アウトを伴い、課税を繰り延べるものには以下のようなものがある。

  • 解約返戻金のあるがん保険
  • オペレーティングリース

単なる課税の繰り延べに過ぎないが、将来的に、例えば、多額の修繕費や役員退職金などの損失が発生し、相殺できるような場合には有効である。

2011年10月6日

いわゆる節税の種類

世間一般的に『節税』ということばがよく使われるが、以下の4つに分類できる。

①キャッシュ・アウトを伴う課税の繰り延べ

②キャッシュ・アウトを伴う税金の削減

③キャッシュ・アウトを伴わない課税の繰り延べ

④キャッシュ・アウトを伴わない税金の削減

2011年10月4日

固定資産の評価減

固定資産であるが、以下の場合には評価損が計上できる。

①災害により著しく損傷

②1年以上にわたり遊休状態

③本来の用途に使用することができないため、他の用途に使用

④所在する場所の状況が著しく変化

⑤固定資産がやむを得ない事情により、その取得の時から1年以上事業の用に供されていないため、
その価額が低下したと認められる

⑥事故により著しく損傷

なお、以下のような場合には、評価損は計上できない。

(1)過度の使用又は修理の不十分等により著しく損耗している

(2)償却を行わなかったため償却不足額が生じている

(3)取得価額がその取得の時における事情等により同種の資産の価額に比して高い

(4)機械及び装置が製造方法の急速な進歩等により旧式化している

2011年9月8日

有価証券の評価減

有価証券であるが、以下の場合には評価損が計上できる。

①上場有価証券等の価額が帳簿価額のおおむね50%相当額を下回り、かつ近い将来その価額の回復の見込みがない

②非上場有価証券及び上場有価証券のうち企業支配株式につき、その発行会社の資産状態が著しく悪化したため、
その価額が著しく低下した

③会社更生法の規定による更生手続の開始決定、商法の規定による整理開始の命令があったことにより、その
有価証券につき評価替えが必要となった

なお、外国法人の場合、外貨ベースで判定することになる。ただし、物価変動が著しい場合は、この限りではない。

2011年9月7日

棚卸資産の評価減

棚卸資産であるが、以下の場合には評価損が計上できる。

①災害により著しく損傷

②著しく陳腐化

③破損・型崩れ・たなざらし・品質変化等により、通常の方法により販売できなくなった

②は例えば、以下のような状態にあることをいう。

(1)いわゆる季節商品で売れ残ったものについて、今後通常の価額では販売することができない
ことが既往の実績その他の事情に照らして明らかである

(2)当該商品と用途の面ではおおむね同様のものであるが、型式、性能、品質等が著しく異なる
新製品が発売されたことにより、当該商品につき今後通常の方法により販売することができない
ようになった

なお、評価減を行う場合には、時価の算定根拠を合理的に証明できる証拠資料を集めておくことが必要である。

2011年9月6日