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事務所通信2021年9月

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2021年9月号『M&A支援機関登録制度!』

2021年9月13日に、中小企業庁の推進するM&A支援機関に國村公認会計士事務所及び株式会社Your Partnerが登録されました。

そこで今回は、『M&A支援機関登録制度!』について、書きたいと思います。

1.M&A支援機関登録制度の趣旨

2021年4月28日、中小企業庁は中小企業を当事者とするM&A(以下「中小M&A」という。)を推進するため今後5年間に実施すべき官民の取組を「中小M&A推進計画」として取りまとめました。

この計画では、中小企業におけるM&A支援機関に対する信頼感醸成の必要性が課題の一つとして掲げられ、対応への方向性として、①事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)において、M&A支援機関の登録制度を創設し、M&A支援機関の活用に係る費用の補助については、予め登録された機関の提供する支援に係るもののみを補助対象とすること、②登録したM&A支援機関による支援を巡る問題等を抱える中小企業等からの情報提供を受け付ける窓口も創設することに取り組むこととしています。

M&A支援機関に係る登録制度の実施を通じて、M&Aの基本的な事項及び手数料の目安や適切なM&Aのための行動指針を提示した「中小M&Aガイドライン」の理解及び普及を促し、中小企業が、培ってきた貴重な経営資源を将来につないでいこうとする際、より一層円滑にかつ安心してM&Aを手段の一つとして選択できる環境の実現を目指すものです。

2.中小M&A支援機関とは?

本登録制度の対象者は、本制度の趣旨(前述1.)を踏まえ、中小M&Aガイドラインにおける「支援機関」(以下「中小M&A支援機関」という。)のうち、中小企業に対してファイナンシャルアドバイザー(以下「FA」という。)業務又は仲介業務を行う者です。なお、FA業務又は仲介業務を専業で行う者に限らず、例えば仲介業務を行う金融機関なども対象になります。逆に、FA業務及び仲介業務を行わず、例えばデューデリジェンス業務のみを行う士業等専門家などは対象となりません。

具体的には中小企業とFA業務又は仲介業務に係る契約(契約の名称や形態を問わない。)を締結する者とし、譲渡側・譲受側に対するマッチング支援や中小M&Aの手続進行に関する総合的な支援を行う者、又は中小M&AのFA業務又は仲介業務に係る、相談料、着手金、中間報酬、成功報酬等の手数料を受け取って支援を行う者です。

中小企業庁が実施する「事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)」において、FA業務又は仲介業務に係る手数料については、本登録制度にあらかじめ登録されたFA業務又は仲介業務を行う者(以下「登録FA・仲介業者」という。)によるもののみ補助対象となります。

3.最後に

開業当初からFA業務を年間数件やっていますが、今回、申請し登録されました。

補助金の対象にもなりますので、M&Aのお話がある方やM&Aに興味のある方は、お気軽にご相談くださいね。

2021年9月27日 國村 年

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事務所通信2021年8月

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2021年8月号『インボイス制度の登録申請開始!』

2019年10月1日より消費税率が8%から10%にアップして2年近く経ちましたが、2023年10月1日から導入される『インボイス制度』の登録申請が2021年10月1日からスタートします。

そこで今回は、『インボイス制度の登録申請開始!』について、書きたいと思います。

1.インボイスとは?

売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。

具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータです。

2.インボイス(適格請求書)制度とは?

<売手側>

売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません。

また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります。

<買手側>

買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス()の保存等が必要となります。

(※)買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

3.適格請求書発行事業者登録制度

適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。

適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」(以下「登録申請書」といいます。)を提出し、登録を受ける必要があります。

なお、課税事業者でなければ登録を受けることはできませんので、ご留意ください。

4.適格請求書発行事業者の申請~登録

登録申請手続

税務署による審査

登録及び公表・登録簿への登載

税務署からの通知

 

5.登録申請のスケジュール

登録申請手続は、2021年10月1日から行うことができますが、インボイス制度が導入される2023年10月1日から登録を受けるためには、原則として、2023年3月31日までに登録申請手続を行う必要があります。

なお、登録申請手続は、郵送もしくはe-Taxにより行いますが、e-Taxの場合、登録申請時に電子データでの受け取りを選択すれば、『登録通知書』を電子データで受領することができます。

6.免税事業者の登録手続

免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請書に加えて「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となる必要がありますが、2023年10月1日を含む課税期間中に登録を受ける場合、登録を受けた日から課税事業者となる経過措置が設けられています。

7.最後に

売手の立場、買手の立場双方を考え、登録するかどうかの検討を早めに行いましょう。

2021年8月23日 國村 年

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事務所通信2021年7月

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2021年7月号『公認会計士のできること!』

最近、行政書士登録をしようかどうかなどと考えたりしているので、公認会計士のできる業務を確認したりしています。

その中で、恥ずかしながら知らなかったこともありました。

そこで今回は、『公認会計士のできること!』について、書きたいと思います。

1.公認会計士法

公認会計士の業務は、公認会計士法第二条に定められています。

第一項

公認会計士は、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを業とする。

第二項

公認会計士は、前項に規定する業務のほか、公認会計士の名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の調製をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずることを業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。

第三項

第一項の規定は、公認会計士が他の公認会計士又は監査法人の補助者として同項の業務に従事することを妨げない。

第一項は、いわゆる『監査業務』であり、公認会計士の独占業務です。

第二項は、いわゆる『コンサルティング業務』や『アドバイザリー業務』です。

2.税理士登録

公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)は、税理士となる資格があります(なお、2017年4月1日以後に公認会計士試験に合格した者については、公認会計士法第16条第1項に規定する実務補習団体等が実施する研修のうち、財務省令で定める税法に関する研修を修了した公認会計士となります。)。

3.行政書士登録

公認会計士は、行政書士となる資格があります。

4.社会保険労務士業務

公認会計士は、公認会計士法第二条二項に規定する業務に付随して行う場合には社会保険労務士法第2条に掲げる事務(社会保険労務士の業務)を業として行うことができます。

なお、税理士はできません。

一方、社会保険労務士は年末調整業務はできません。

5.商業登記

公認会計士は、司法書士法第七十三条ただし書きに相当する公認会計士法第二条第二項に付随する商業登記を業として行うことができます。

なお、税理士・行政書士はできません。

6.最後に

最近、色々なことを聞かれたりするため、もっと幅広い業務の提供ができないかと思案しています。

その中で、意外とできる業務が広いということを知りました。

難しい案件は専門家に任せますが、徐々に業務の幅を広げていきたいと思います。

 

2021年7月26日 國村 年

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事務所通信2021年6月

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2021年6月号『バトンズM&A相談所!』

2011年7月1日の開業後、毎月この事務所通信を書いていますが、今回、No.120となりました。

つまり、今月末で、開業後丸10年です。

いつも、ありがとうございます。

守りに入らず、常に前を向いて進んでいくことをモットーとしていますので、株式会社Your Partnerの方で、先日、『バトンズM&A相談所』を開設しました。

そこで今回は、『バトンズM&A相談所!』について、書きたいと思います。

1.バトンズM&A相談所とは?

バトンズM&A相談所は、日本全国で、譲渡検討について無料相談できるサービスです(https://batonz.jp/lp/counter/)。

お住まいの近くの店舗で対面相談ができますし、オンライン・お電話での相談も可能となっています。

各店舗は、バトンズが提供する相談システムを使って、経験豊富なM&Aアドバイザーが運営しています。

2.ご相談の流れ

ご相談の流れは、以下のとおりです。

時間的には、60分から90分くらいを想定しています。

Step1

現状やご希望のヒアリング

Step2

『ご提案シート』の提示

Step3

今後に関するご相談

 

なお、『ご提案シート』は、以下のような内容をお示しするものです。

01

事業承継の方法

02

M&Aによる第三者承継のメリット

03

M&Aの進め方

04

バトンズを活用するメリット

05

バトンズの成約事例

06

譲渡スキームのご紹介

07

譲渡価格の相場

08

買い手候補のご紹介

 

3.まずはご相談ください!

バトンズM&A相談所では、社長のこんなニーズにお応えします。

<譲渡金額を知りたい!>

 

会社・事業はいくらで譲渡できるのか?10,000件以上の成約事例価格を参考に、評価額や相場額をお伝えします。

<手取り額を増やしたい!>

 

退職金・貸付金、株価を組み合わせるなど、手取り額を増やす方法をお伝えします。

<譲受先がいるかを見てみたい!>

 

自社を引き継いでくれる譲受先はいるのか?バトンズに登録している譲受先候補をご紹介します。

<進め方を知りたい!>

 

譲渡には複数の方法があり、準備しておくことや進め方が異なってくるため、最適な進め方をご提案します。

 

4.最後に

バトンズM&A相談所は、それぞれ支店名が付いており、株式会社Your Partnerは、高松市木太町店となっています(https://batonz.jp/counters/38)。

こちらから無料相談を申し込めますので、会社・事業の譲渡をご検討されている方は、お気軽にお申し込みくださいね。

 

2021年6月28日 國村 年

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事務所通信2021年5月

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2021年5月号『一倉定(いちくらさだむ)!』

最近、オンラインでセミナーを受講することが多いのですが、色々な場で、『一倉定』さんの名前を耳にします。

そこで今回は、『一倉定(いちくらさだむ)!』について、書きたいと思います。

1.一倉定さん

 今では56年前になる1965年に発売された1冊の経営書が2020年6月に復刊され、反響を呼んでいるようです。

 日経BP社から出版された『マネジメントへの挑戦 復刻版』です。

 著者は、「日本のドラッカー」と称され、赤字会社を次々と立て直した伝説の経営コンサルタントである一倉定(いちくらさだむ)さんです。

 1918年生まれで、1999年に80歳でお亡くなりになるまで、日本中をくまなく行脚し、大中小1万社の社長を指導したと言われています。

 門下生には、ユニ・チャーム創業者の高原慶一朗さん、ドトールコーヒー創業者の鳥羽博道さんなど、そうそうたる顔ぶれが並び、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんやアイリスオーヤマ会長の大山健太郎さんも一倉定さんの思想に学んだ一人だそうです。

2.経営にまつわる「言葉」の定義

 56年も前に販売された経営書が今なお役立つのとてもすごいことだと思います。

 この本で特徴的なのは、経営にまつわる「言葉」の定義でしょう。

 例えば、「経営計画」とは何か?に対する解釈です。

 一般的には、経営ビジョンや目標を達成するための行動計画といった広い意味を指す言葉ですが、一倉定さんの考え方は少しばかり違っています。

 「死に物狂いの努力をしなければ『そのとおりやる』ことができないような計画」こそが「ほんとうの(経営)計画」であり、実現可能、無理でない、科学的といった世間でいわれる経営計画の考え方に対しては、「綺麗ごとの観念論」だと一蹴しているのです。

3.電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任だ

 個人的には、一倉定さんの『電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任だ』という言葉が大好きです。

 自分が知らないところで起きた外部環境の変化や社員の行動も、すべて社長の責任であるということです。

 売上や利益が減少しているのを、新型コロナウイルスのせいにはできませんね。

 まず自分自身を管理して、決定に対する全責任を負い、摩擦をおそれずに障害をぶち破っていきましょう。

4.最後に

 一倉定さんの経営書を読むと、今まで当たり前だと思っていたことが、間違っていたと思うことがたくさんあります。

 こういう時代だからこそ、改めて、一倉定さんの経営書から経営を学んでもよいかもしれませんね。

 僕自身もそろそろ全部で14万円以上する『新装版 一倉定の社長学シリーズ全10巻』を買って読みたいと思います。

2021年5月28日 國村 年

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事務所通信2021年4月

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2021年4月号『決算期を変更をするには?』

M&Aにより親会社の決算期に合わせる、経営計画を立てやすいようにする、消費税のステータスを早めに変えたいなど様々なケースで決算期を変更することがあるのではないかと思います。

そこで今回は、『決算期を変更するには?』について、書きたいと思います。

1.決算期の実態

国税庁の令和元年度統計年報「2直接税 法人税」(令和3年3月26日)をベースに、年1回決算の申告法人数を決算期ごとに集計すると、以下のようになります。

決算期

申告法人数

割 合

4月

195,004

7.10%

5月

227,592

8.29%

6月

268,192

9.77%

7月

210,109

7.65%

8月

240,760

8.77%

9月

299,291

10.90%

10月

134,262

4.89%

11月

102,304

3.73%

12月

285,436

10.40%

1月

100,172

3.65%

2月

180,631

6.58%

3月

502,060

18.28%

合 計

2,745,813

100.00%

皆さんの想像どおりかと思いますが、一番多いのは3月決算です。

ちなみに、弊事務所の顧問先は、一番多いのはなぜか10月決算です。

 

2.決算期変更のメリット

決算期変更のメリットとしては、

節税対策になる

資金繰りが楽になる

役員報酬を早めに変えられる

消費税のステータスを早めに変えられる

などが挙げられます。

 

3.決算期変更のデメリット

一方、決算期変更のメリットとしては、

手間が生じる

決算業務の負担が増える

などが挙げられます。

 

4.決算期変更の手続き

 決算期変更の手続きは、以下のものが必要になります。

株主総会の開催

決算期変更をするには、定款を変更しないといけないため、定時もしくは臨時株主総会における特別決議が必要です。

株主総会議事録も作成しましょう。

定款の変更

株主総会における定款変更の特別決議後、定款の『事業年度』を変更します。

なお、『事業年度』は登記事項ではないため、登記手続きは不要です。

税務署等への届け出

税務署・都道府県税事務所・市区町村役所へ『異動届出書』の提出が必要です。

株主総会決議後、『遅滞なく』提出することとされていますので、遅くとも確定申告の提出期限までには提出しましょう。

 

5.最後に

資金繰りが楽になり、節税対策もしやすいため、売上の多い月を事業年度の最初の方に持ってくるのが最近の主流だと思いますので、検討されてみてはいかがですか?

2021年4月26日 國村 年

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事務所通信2021年3月

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2021年3月号『事業再構築補助金の公募要領!』

先月は『事業再構築補助金』を取り上げ、3月中に公募開始とのことでしたが、2021年3月26日に、ようやく、公募要領が公表されました。

しかしながら、なかなかハードルが高いと言われています。

そこで今回は、『事業再構築補助金の公募要領!』について、書きたいと思います。

1.事業再構築補助金の公募要領の公表

2021年3月26日に、事業再構築補助金の公募要領が、ようやく公表されました。

36ページと、ページ数は少ないです。

2.公募期間

令和3年度内に4回程度公募予定で、第1回の公募期間は、以下のとおりです。

公募開始

2021年3月26日(金)

申請受付

2021年4月15日(木)予定

応募締切

2021年4月30日(金)18時

 

3.添付書類

申請は、GビズIDプライムアカウントを用いて電子申請システムで行いますが、以下の書類の添付が必要です。

事業計画書(最大15ページ)

認定計画革新等支援機関・金融機関による確認書

コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類

決算書(直近2年間の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)

ミラサポplus「活動レポート(ローカルベンチマーク)」の事業財務情報

【卒業枠(グローバル展開を実施する場合に限る)・グローバルV字回復枠のみ】海外事業の準備状況を示す書類(

【緊急事態宣言特別枠のみ】従業員数を示す書類

【緊急事態宣言特別枠のみ】令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、2021年1月~3月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で30%以上減少していることを証明する書類

【緊急事態宣言特別枠のみ】2021年1月~3月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同期間に受給した協力金の額を上回ることを証明する書類

審査における加点を希望する場合に必要な追加書

 

4.審査項目・加点項目

審査項目・加点項目は以下のとおりです。

(1)

補助対象事業としての適格性

(2)

事業化点

(3)

再構築点

(4)

政策点

(5)

加点項目(上記3.⑧又は⑨に該当)

 

5.最後に

補助金額が大きいので、1)具体的取組内容、2)将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)、3)取得する主な資産、4)収益計画をきっちりまとめて、申請してみてはいかがですか?

2021年3月29日 國村 年

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事務所通信2021年2月

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2021年2月号『事業再構築補助金とは?』

新型コロナウイルス影響で、何か良い補助金とかがないだろうかと思われている方も多いのではないかと思います。

そういう方には、最近、話題になっている補助金があります。

そこで今回は、『事業再構築補助金とは?』について、書きたいと思います。

1.内容

新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編またはこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す、以下の2.の要件をすべて満たす企業・団体等の新たな挑戦を支援するものです。

2.要件

1

申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等

2

事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等

3

補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成

3.補助額・補助率

<中小企業>

 

補助額(万円)

補助率

通常枠

100~6,000

2/3

卒業枠

6,000~10,000

2/3

※卒業枠:400社限定。事業計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金または従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠。

中小企業の範囲については、中小企業基本法と同様。

<中堅企業>

 

補助額(万円)

補助率

通常枠

100~8,000

1/2
(4,000万円超は1/3)

グローバルV字回復枠

8,000~10,000

1/2

※グローバルV字回復枠:100社限定。以下の要件を全て満たす中堅企業向けの特別枠。

①直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業

②補助事業終了後3~5年で付加価値額または従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること

③グローバル展開を果たす事業であること

4.緊急事態宣言特別枠

上記2.の1~3の要件に加え、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少していること。

従業員数

補助額(万円)

補助率

5人以下

100~500

中小企業3/4

中堅企業2/3

6~20人

100~1,000

21人以上

100~1,500

5.最後に

3月からjGrantsを使った公募開始となりますが、金額も大きいので、該当する皆さんはぜひ応募されてはいかがでしょうか?

2021年2月24日 國村 年

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事務所通信2021年1月

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2021年1月号『企業生存率はうそ!』

以前から、『企業の寿命は30年』と時々耳にしますが、人気企業の推移を見るたびに、まさしくそうなのだろうなぁとか、就職時に人気企業でもそれなりの立場になる頃には斜陽産業の企業になっているかもしれないなぁと思います。

一方、『30年後の企業生存率は0.4%』という記事などを結構目にします。

そこで今回は、『企業生存率はうそ!』について、書きたいと思います。

1.概要

皆さんも、ネットや有名ビジネス紙などで、『企業生存率は、5年後は15.0%、10年後は6.3%。20年後は0.3%、30年後は0.025%』などという記事を目にしたことがあるのではないでしょうか?

僕自身も、何度も目にしていますし、最近、会場で受講した事業承継のセミナーでもレジュメにも書いていましたし、講師の方もお話されていました。

これについては、『出典:国税庁』とか『2005年国税庁調べ』などと書かれたりしています。

以前から、そんなに低いのだろうか?と疑問に思っていました。

職業柄色々な企業と接し、商業登記簿謄本(履歴事項証明書)を見る機会がそれなりに多いと思いますが、創業20年以上、30年以上の企業がたくさんあるからです。

しかしながら、数年前に調べてみました。

やはり、事実ではないようです。

2.本当の数値

調べられている方がたくさんおられますが、そもそも、2005年に国税庁が調べたデータは見つけることができません。

最近だと、2017年度版『中小企業白書』の第2部中小企業のライフサイクルのコラム2-1-2②図を見ると、企業生存率は、以下のようになっています。

1年後

95.3%

2年後

91.5%

3年後

88.1%

4年後

84.8%

5年後

81.7%

5年後でもかなりの差がありますし、年数が経てば安定していくと思いますので、仮に5%ずつ減っていくとしても、30年後に20%以上は残っているのではないかと推測されます。

3.最後に

おそらく、『企業生存率は、5年後は15.0%、10年後は6.3%。20年後は0.3%、30年後は0.025%』などというのは、コンサルタントの方などが、危機感をあおるために作った数値なのでないかと考えられます。

そこまで、起業というものが難しいものではないと思います(この数値を見て起業をやめるのは避けてほしいですね。)。

一方で、5年で2割近くの企業がなくなっているわけですから、きちんと経営しないと生き残っていくことはできないというのも事実でしょう。

あとは、ブログを書いたり、セミナーのレジュメを作成する際などには、きちんと出典を確かめないといけないと自戒しました。

2021年1月25日 國村 年

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事務所通信2020年12月

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2020年12月号『M&Aが節税に使われる?』

2020年12月10日に、自民党と公明党の『令和3年度税制改正大綱』が公表されました。

その中で、中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設というものがあり、一部では、これが、オペレーティングリースや保険のように節税に使われるのではないかとの声が出ています。

そこで今回は、『M&Aが節税に使われる?』について、書きたいと思います。

1.概要

中小企業等経営強化法の経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限る。)の認定を受けたものが、その認定に係る経営力向上計画に従って他の法人の株式等の取得(購入による取得に限る。)をし、かつ、これをその取得の日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合(その株式等の取得価額が10億円を超える場合を除く。)において、その株式等の価格の低落による損失に備えるため、その株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積立てたときは、その積み立てた金額は、その事業年度において損金算入できます。

なお、中小企業者とは、中小企業等経営強化法の中小企業者等であって租税特別措置法の中小企業者に該当するものをいいます。

この準備金は、その株式の全部または一部を有しなくなった場合、その株式等の帳簿価額を減額した場合等に取り崩すほか、その積み立てた事業年度終了の日の翌日から5年を経過した日を含む事業年度から5年間でその経過した準備金残高の均等額を取り崩して、益金算入します。

2.適用時期

中小企業等経営強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)のうち同法の改正法の施行の日から令和6年3月31日までの間です。

3.留意点

まだ、確定しておらず、上記くらいしか決まっておらず、詳細が分かりませんが、経営力向上計画の認定を受ける必要があります。

よって、M&Aのスケジュールが、これに引きずられるかもしれません。

また、売り手や買い手の要件、株式等の等に何が含まれるのか、購入による取得とは何が含まれるのか、議決権は何%以上であれば良いのか、数年間に渡り分割して準備金を計上しても良いのかなど、要件等がどうなるか分かりませんので、使う場合には、取り崩しのことも含め、よく検討したうえで使わないといけないでしょうね。

あとは、広義の節税であって、単なる課税の繰延に過ぎません。

4.最後に

新型コロナウイルスの影響で、M&Aの売り案件が増えている一方、業績が上がっている企業、それほど落ちていない企業で、積極的にM&Aしたいと考えている買い手も多いように思われます。

よって、業績の良い買い手には、節税(課税の繰延)が目的ではなくても、とても素晴らしい税制が付いてくるかもしれませんね。

2020年12月21日 國村 年