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作業が約50時間増える試算の定額減税の給与明細への明記義務化で経理現場で不満が爆発!

産経新聞によると、2024年6月から始まる定額減税を巡り、政府が給与明細に所得税の減税額の明記を義務付けたことで、企業の経理現場などでは不満が爆発しているようです。

国民に早く減税を実感して欲しいという政府の思惑が見え隠れしますが、事務負担が増える現場にとっては「ありがた迷惑」です。

減税条件も複雑で、企業によっては一連の対応で約50時間の事務負担が増えるとの試算もあります。

政府の補助金終了で電気料金が6月使用分から引き上げられることもあり、減税の恩恵よりもさまざまな負担感が顕在化しそうです。

定額減税は、1人当たり所得税3万円と住民税1万円を本来の税額から差し引く形で行います。

サラリーマンの場合、勤務先から受け取る給与や賞与から源泉徴収される所得税を6月分から順次差し引きます。

対象は年収2千万円以下の納税者で、納税者と配偶者、子ども1人の世帯なら計12万円の減税となります。

ただし、企業は減税分を差し引いて給与を支給すればいいというわけではないのです。

今回の減税対象は、所得税法上で控除扶養親族として定めている16歳以上の扶養親族だけでなく、16歳未満も含まれます。

そのため、企業は新たに従業員の扶養人数などの情報を集め直さなくてはなりません。

その上で、減税金額を算出し、給与に反映させていくなどの作業工数が増えるのです。

さらに、今回、毎月の給与明細に所得税減税額の記載が義務付けられたことで、年末調整の給与支払明細書にまとめて減税額分を記載しようとしていた企業にとっては、新たな仕組みを整えなければならなくなります。

クラウド会計ソフトなどを手掛けるのfreeeは、減税対象者の詳細抽出や減税額算出、計算、明細書類の出力など一連の定額減税に関わる作業が追加された場合、企業の経理担当者の事務負担が計約40~52時間増えると試算しています。

負担が増えるのは企業だけではないのです。

所得が少なく減税額が本来の税額を上回る場合は現金が給付されることとなり、その作業は市区町村が担います。

一部では、給与取得者の大半で給付が発生する見込みの自治体もあるようです。

東京都内の企業の経理担当者からは「最初からすべて現金給付で対応してもらった方が、企業と自治体の双方の作業が楽になる」と不満の声が漏れています。

大手税理士法人「辻・本郷税理士法人」の菊池典明税理士は、「今回の定額減税制度を理解するには数十ページに及ぶ手引書を読み込まねばならず、従業員などからの質問対応、システム反映状況など目に見えない負担も生じる」と指摘しています。

「freeeの試算(約40~52時間の事務負担の増加)以上の負担がかかるのではないか」とみています。

また、菊池氏は減税額の給与明細への明記義務化についても、「通知が直前すぎる」と苦言を呈しています。

給与明細に減税額明記をしなかった場合も罰則は科されないといい、「義務化は形骸化している」と強調しています。

僕自身も税理士なので、定額減税に関して色々と質問を受けたりするのですが、減税ではなく、給付にした方が、手間がかからず、安く付くのではないかと思っています。

減税といっても、毎月だとそれほど多額になる人は少ないと思いますし、そもそも給与明細をきちんと見ている人はどれくらいいるのだろうか?とも思いますし、おそらく、最終の給付の段階で国から業務を押しつけられた市町村のどこかでミスが発生して責め立てられたり、混乱を招いたりするのでは思うからです。

現場のことをまったく知らない人たちが考えているのでしょうね。

あとは、給付で、マイナンバーカードの普及を図った方が良いのではないかとも感じますね。

作業が約50時間増える試算の定額減税の給与明細への明記義務化で経理現場で不満が爆発していることについて、あなたはどう思われましたか?


国税庁が「申告書等閲覧サービスの実施について」を公表!

TabisLandによると、税務署では、納税者が過去の申告事績等を確認してじ後の適正な申告書等の作成を行う場合に、「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現、酒類業の健全な発達」という行政目的にかなう範囲で、提出済みの申告書等(各種申請書、届出書、請求書を含む)を閲覧できるサービスを実施しているようです。

国税庁はこのほど、申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)を公表しました。

それによると、申告書等が業務センターや外部書庫等に保管されている場合があるので、事前に税務署宛に連絡すると手続きがスムーズとなります。

また、この申告書等閲覧サービスは、申告書等を作成するに当たり、過去に提出した申告書等の内容を確認する必要があると認められる場合に限って実施するものなので、これ以外の目的(第三者からの申告内容の問合せに対する回答など)のためには利用することはできないと注意しています。

閲覧申請は、納税地を所轄する税務署の管理運営部門又は管理運営・徴収部門(いずれも設置されていない税務署では総務課)の窓口で受け付けます。

閲覧時に記録が必要な際は、原則として書き写しになりますが、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット、携帯電話など、撮影した写真をその場で確認できる機器を使用すること(動画は不可)などの事項に同意する場合には、写真撮影も可能となります。

閲覧サービスの対象文書は、所得税及び復興特別所得税申告書、法人税及び地方法人税申告書、復興特別法人税申告書、消費税及び地方消費税申告書、相続税申告書、贈与税申告書、酒税納税申告書、間接諸税の申告書、各種申請書、届出書、請求書、報告書等及び納税者がこれらの申告書等に添付して提出した書類(例えば、青色申告決算書や収支内訳書などをいい、所得税及び復興特別所得税申告書に添付された医療費の領収書等を除く)です。

申告書等の閲覧は、納税者本人又はその代理人が行うことができます。

代理人の範囲は、1)未成年者又は成年被後見人の法定代理人(納税者が個人である場合に限る)、2)配偶者及び4親等以内の親族(納税者が個人である場合に限る)、3)納税管理人(納税者が個人である場合に限る)、4)税理士、弁護士、行政書士(行政書士については、その業務として作成できる書類に限る)、5)当該法人の役員又は従業員となります。

なお、申告書等のコピーの交付は、原則として、実施いません。

それは、このサービスは申告書の作成等に資するために実施しており、閲覧により当該目的を達成できることや、個人又は法人の固有の目的のために謄写費用や事務量を負担することは公平性の観点から制約があることなどの理由からです。

同様の趣旨から、書き写した又は写真撮影した内容等が原本と相違ないことを証明するといったことも行っていません。

時々、過去の申告書等を確認したいケースもありますので、ありがたい制度ではあるかと思います。

コピーをできないのはどうかと思いますが。

あとは、e‐Taxで閲覧とかできるようにならないのだろうかとも思います。

国税庁が「申告書等閲覧サービスの実施について」を公表したことについて、あなたはどう思われましたか?


複雑怪奇な「4万円定額減税」で企業の給与事務に募る不安!

経済対策として1人当たり4万円の税負担を減らす定額減税が2024年6月にスタートします。

日経クロステックによると、制度の実務が明らかになるにつれて、実務関係者からは「複雑すぎる」と事務負担やミスの多発を心配する指摘が上がり始めているようです。

減税は所得税(国税)と住民税(地方税)に分けて実施しますが、年収額や扶養親族の人数によっては減税のタイミングが異なってくるケースがあります。

減税と給付を組み合わせる、年末調整で残った減税分を一括で処理するなど、様々なパターンが出てくるからです。

最も人口が多い給与所得者の世帯では、その実務を担うのは税金を源泉徴収している企業です。

企業などに住民税額を通知している自治体も負担が大きいと見られています。

企業を支援する税理士や、企業に人事給与パッケージソフトなどの業務システムを供給しているIT(情報技術)ベンダーからは「実務が複雑すぎて顧客企業にどう説明するかを思案している」との声が出ているようです。

岸田文雄政権が物価高対策として打ち出した定額減税は、現在のところ2024年度に実施して終わります。

しかしながら、一度限りの措置のために業務システムに対して複雑な改修対応や事務負担を求める政策は賢明とはいえないでしょう。

減税と給付のどちらが政策効果として有効かについては様々な意見もあります。

手続きの簡便さや効果を迅速に国民に行き渡らせる点では給付が優れているとこの記事の筆者は考えているそうです。

給付の方法では、マイナンバーと個人の銀行口座をひも付けた公金受取口座の登録制度が2022年に始まりました。

新型コロナウイルス禍以降、全国民的な施策に初めて活用できる機会でもありました。

2024年2〜3月にかけて財務省や国税庁、総務省が段階的に定額減税の実務情報を発信しています。

ただし、不明な点も残されており、今後も実務の疑問に答える情報が更新されていく見通しです。

2024年3月末から5月には全国で、企業などの実務担当者に向けた説明会も予定しているようです。

定額減税は1人当たり4万円で、このうち3万円を国が徴収する所得税から、1万円を地方の財源である住民税から差し引きます。

後述しますが、所得税と住民税で減税を反映させる方法が異なることに注意が必要です。

扶養親族や配偶者がいる世帯は人数分の減税を受けられます。

例えば「生計を同一にする」配偶者が1人、扶養する親と子供が1人ずついる4人家族ならば減税額は16万円になります。

減税対象になる配偶者は収入などの条件があります。

なお、給与所得2,000万円超や、合計所得1,805万円超などの高所得者は対象外です。

年金受給者や非課税世帯などには減税の代わりに給付金を支払います。

4人家族を例に所得税に関する減税の例を示しています。

給与所得者である世帯主の年間所得税が12万円(月当たり1万円)、住民税が18万円(月当たり1万5,000円)とします。

減税額合計が16万円で、このうち12万円を所得税から、4万円を住民税から差し引きます。

定額減税は2024年6月からの給与・賞与支払いに反映させます。

この例では、世帯主が天引きされる所得税は2024年6月以降1万円からゼロ円へと減り、2024年11月まで続きます。

しかし2024年11月時点で、減税分12万円のうち6万円が残ってしまいます。

そこで2024年12月は年末調整によって、12月の給与支払い後に残った減税額を集計し、居住する自治体から給付金を支払うのです。

給付額の計算は、自治体の事務を簡略化するために1万円単位で切り上げることになっています。

例えば、2024年12月までの給与支払いで2万1,000円の減税分が残った場合は、3万円を給付するのです。

複雑なのは実際には給付が2回になるケースが多いことです。

年収と家族構成から給付が発生する可能性が高い人は、先行して想定される給付額を計算して2024年6月の時点で給付を行うようです。

計算は自治体が担うと見られます。

このように減税と給付とを組み合わせる必要がある納税者は、国の見積もりでは全国で2,000万人ほどが該当するそうです。

ただし、子供が生まれて扶養親族が増えるなど、減税額はずれが生じる可能性があります。

2024年12月の年末調整では実際の減税額を集計して、給付を含めて過不足を調整するのです。

つまり、2024年6月時点で給付を受けたにもかかわらず、状況が変わって減税額が足りなかった人には2回目の給付を行うわけです。

一方、過剰に給付・減税した人には所得税を増やすなど何らかの方法で還付してもらうと見られます。

このように、今回の減税ではかなり複雑な対応が要求されます。

企業は給与明細に減税額や累計額を新たに記載するなど、帳票を改修する必要もあります。

人事給与システムのパッケージソフトを提供するITベンダーは制度対応を進めており、各社ともリリースを間に合わせる構えです。

それでも企業の人事担当が短期間で混乱なく実務に活用するハードルは決して低くありません。

一方、主に自治体が担当する住民税の減税は、まず2024年6月に原則として全国民の住民税をゼロ円にします。

関係者によれば、1カ月限りとはいえ年収や家族構成によらず住民税をゼロにするのは極めて異例だそうです。

関係者の説明を総合すると、国民に減税の効果を実感してもらうほか、2024年6月は給付も含めて制度対応に忙しい自治体の負担をなくし、7月以降の実務準備に充ててもらう狙いがあるそうです。

その上で減税額を反映した地方税の計算や通知は、2024年7月〜2025年5月の11か月間で行います。

通常の年の住民税は、前の年の収入実績から税額を計算し、12等分した金額をその年の6月から翌年5月までの12か月間で天引きしています。

例えば、2024年の税額は2023年の収入を基に計算し、2024年6月〜2025年5月の給与・賞与支払いに反映しているのです。

今回の減税措置は期間を11か月間に短縮して行います。

先述した家族の例でいえば、年間地方税18万円から減税額4万円を引いた14万円を11等分し、月当たりの地方税を1万2,727円とするのです。

天引きされる毎月の住民税が1万5,000円から2,273円減る計算です。

従業員の税金を天引きしている企業にとって、定額減税は様々な追加業務を生じさせる存です。

最初に必要な業務は、2024年6月1日時点での減税対象者を特定し、対象者ごとの減税額、特に減税対象となる扶養親族を把握することです。

このために企業の人事担当は従業員から5月までに「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」を集める必要があるのです。

通年の源泉徴収票に近いですが、配偶者の扱いが異なる点などに注意が必要だそうです。

年末調整では年収1,000万円超の所得者に配偶者控除が認められません。

しかし、今回の定額減税では、その限りではありません。

また、配偶者の収入には給与所得のみの場合で103万円以下などの条件があり、源泉徴収の配偶者控除と扱いも異なります。

こうした今回の制度に合わせた世帯情報を把握する必要があるのです。

給与年収2,000万円超などの高額所得者の扱いも注意が必要です。

定額減税の対象外ですが、実務では2024年6〜11月は年収2,000万円以下の従業員と同じく所得減税の処理を行うことが必要と定められているからです。

年末調整により所得税を増やすことで減税分を相殺するそうです。

見かけ上の減税と増税がある該当者にすれば家計管理が面倒になる仕組みです。

今回は定額減税を巡る複雑怪奇な制度の一部を紹介しています。

複雑な実務は他にも多くあるようです。

自治体に対してはデジタル庁が税計算などのツールを提供して支援する予定など、備える動きはあります。

それでも企業や自治体で実務に混乱が起こらないか、心配は尽きません。

会社等にとっても、会計事務所にとっても、手間がかなり増えるのは明らかです。

それも1年間のみの制度です。

引ききれなかったら、所得税と住民税を合わせて、市町村から1万円単位に切り上げて支給するということですから、市町村の手間も格段に増加することでしょう。

僕には何の意味があるのかよく分かりません。

給付にすればいいのではないかと思います。

マイナンバーカードを普及させたいのであれば、マイナンバーカードの口座を紐づけした人から優先的に支給するということにすれば良いのではないかと以前から感じています。

企業等や会計事務所の手間は増えるわけですから、一人いくらとか税額控除とかをしてくれてもいいのではないかと思いますね。

人手不足が叫ばれている中、どうして手間がかかることをするんですかね?

複雑怪奇な「4万円定額減税」で企業の給与事務に募る不安について、あなたはどう思われましたか?


「薬屋のひとりごと」の漫画家ねこクラゲ氏が4,700万円の脱税疑い!

産経新聞によると、所得約2億6,000万円を申告せず、所得税約4,700万円を脱税したとして、福岡国税局は  、先日、所得税法違反の疑いで、福岡市南区の漫画家(36)を福岡地検に告発したと発表しました。

この漫画家は「ねこクラゲ」のペンネームで活動し、人気小説「薬屋のひとりごと」の漫画版の作画を担当しています。

この漫画家は、先日、X(旧ツイッター)で「誠に申し訳ありません。税金に関して無知であったため確定申告を怠っていました。深く反省しています」とのコメントを発表しました。

全額納付したとしています。

告発容疑は令和3年までの3年間、漫画家として得た所得を含む約2億6,000万円を申告せず、所得税約4,700万円の納付を免れたとしています。

国税局によると、脱税した金は不動産購入などに充てていたそうです。

「薬屋のひとりごと」はテレビアニメ化もされ、公式サイトによると、2023年10月~2024年3月に放送されました。

来年にも放送することが決まっています。

漫画家の方も結構稼いでいらっしゃるんですね。

ただし、40歳に近い方が無知で済まされるのでしょうか?

やはり、小さな頃から、投資教育より先に納税教育が必要だと思いますね。

「薬屋のひとりごと」の漫画家ねこクラゲ氏が4,700万円の脱税疑いで告発されたことについて、あなたはどう思われましたか?


ブリーダー業の男性等らを6千万円の脱税罪で起訴!

共同通信社によると、新潟地検は、先日、所得税約6,100万円を脱税したとして、所得税法違反の罪で新潟県五泉市のブリーダー業の男性(79)と、娘の会社役員(50)を起訴しました。

起訴状などによると、共謀して犬や猫の餌代を架空計上するなどして、2020~2021年分の所得約1億6千万円を隠し、所得税を免れたとしています。

娘が父親の仕事を経理面で手伝っていたようです。

新潟地検は、先日、所得税法違反容疑で2人を逮捕し、関東信越国税局(さいたま市)が、先日、同容疑で告発していました。

架空経費を計上する事件を見るたびに、世の中にはむちゃくちゃ儲かる仕事があるんだなぁと思いますが、ブリーダー業も儲かるんですね。

2年間で1億6,000万円の所得を隠しているわけですから。

一方、脱税ではなく、節税をすればいいのにと毎回思います。

ブリーダー業の男性等らが6千万円の脱税罪で起訴されたことについて、あなたはどう思われましたか?


「議員は納めてない」と確定申告の窓口にクレームで受付は困惑!

テレビ朝日によると、自民党の裏金事件を巡り納税者から怒りの声が上がるなか、確定申告の窓口で働く人たちは困惑しているようです。

●税務署で働く女性(20代)
「『クレーム言われた時は職員に言って』とは言われていたが、やっぱり言いに来る人はいました。自分らに言われても怖いなっていうのはある」

こう話すのは、2月16日から税務署で確定申告の受付のアルバイトをしている女性です。

書類を提出に来た男性から突然、こんな言葉を浴びせられたといいます。

●税務署で働く女性
「『納税で自分らがこうやって確定申告を出しに来ているのに、なんで国会議員の人らは出さんの』みたいな。『国会議員が納めてないのに、何で自分らが納めないけんのや』みたいなことは言っていた。一言ボソッと言うかんじです」

クレームに困惑した女性。次のように答えるのが精一杯だったといいます。

●税務署で働く女性
「『自分たちもそれは良くないとは思ってるけど』みたいなふんわりとした回答しかできないですけど、どこに言えばいいのか分からないから、税務職員にみたいな。そういう理由というのは何となくわかるが、こっちも困るという感じ」

確定申告を前に国民にこう呼び掛けた岸田文雄総理大臣。
岸田総理
「納税者のみなさま方に、法令にのっとり、適切に申告納税を行うようお願い申し上げたい」

「裏金は納税の対象ではないのか」と国民の怒りが爆発寸前です。

納税者からは現在の政権に対して多く不満の声が聞かれました。

●80代
「自民党はおかしいよ、やり方が。きちんと説明してほしい」

●70代
「正しくやってほしいけど、私の声は届かない」
「納得感はないが、仕方がない。義務なので。もう不信感しかない」

国会でも、裏金は納税の対象だとして野党が批判を強めています。
●立憲民主党 江田憲司議員
「何千万円もの裏金を受け取っておきながら、どうして犯罪にならないのか、どうして脱税が問えないのか。税金一揆が起こりますよ」

自民党は、2月15日にいわゆるキックバックの不記載などがあった国会議員は85人で、総額5億7,000万円を超えるとする調査結果を発表しました。

●立憲民主党 末松義規議員
「修正申告の85人について税務調査をやりましたか?」

●国税庁次長
「個別の事柄につきましては、答えを差し控えさせていただきます」

国税庁は守秘義務があるとして、税務調査を行ったかどうか明らかにしていません。

実際、政治家への税務調査は行われることはあるのでしょうか?

専門家はこのように話します。

●元国税調査官・税理士 松嶋洋さん
「政治家なので、非常に相手がデリケートなので、税務署の一存ですぐ調査しますということはなかなかしづらい。想定と食い違うことはよくあることで、あなた脱税的なことやってますといって、実際やってませんでしたとなると、政治家は反撃もしてくるでしょうし、名前が売れているだけに大事になる可能性が高い。そういう懸念は当然ある」

さらに、政治団体が集めた政治資金は原則非課税であることや、その使い道が政治活動だったのか、個人的なものだったのかを明らかにすることが難しいため、政治家への税務調査はハードルが高いといいます。

一方で、確定申告の際に納税者からの批判の矢面に立たされている税務署の職員。

実際にクレームを受けたアルバイトの女性は、今後もこうしたことが続くことを覚悟していると話します。

●税務署で働く女性
「税務署がどうのこうの言われたらちょっと傷ついたりする。そういうものと割り切ってやっていくしかない。もう仕方ないものだと思って」

「政治と金」の問題で、煮え切らない対応を続ける政治家については…。

●税務署で働く女性
「説明責任を果たして、ちゃんと納税者たちのお手本になるように。そういう行動を心がけてほしい。」

税務署の方も大変ですね。

すごく気の毒に思います。

自民党はきちんと説明しないと、税務調査とかでも、政治家は脱税しているのにとかおっしゃる方が続くのではないかと思いますね。

何に使ったか明らかにできないので、きちんと説明できないのかもしれませんが。

政治活動に使ったについても、もっと説明できる書類を残さないと認めないとかにするとか、収入についても、口座を1つにしてそこに入金されたもの以外は政治に関するものではなく課税するとかにしないと、いつまで経っても、政治と金の問題は解決しないように感じます。

課税当局にも頑張ってほしいですね。

「議員は納めてない」と確定申告の窓口にクレームで受付は困惑していることについて、あなたはどう思われましたか?


自民党は「脱税」批判踏まえ還流資金分の納税を検討!

読売新聞によると、自民党は、派閥の政治資金パーティー収入のキックバック(還流)分などを政治資金収支報告書に記載していなかった議員に対し、使途不明などの場合には課税対象として税を納付させる案の検討に入ったようです。

所得税などを想定しています。

国会審議で「脱税の疑いがある」などの批判が出ていることを踏まえたもので、国民の政治不信の払拭につなげる狙いもあります。

複数の自民関係者が明らかにしたようです。

政治団体が寄付やパーティーで集めた政治資金は、政治活動の公益性を重視し、原則、非課税となっています。

今回は不記載分に関して、政治活動に使用したのかどうか、具体的な使い道を説明できていない議員が多いようです。

このため、野党などが、議員個人の「雑所得」とみなし、所得税の課税対象とすべきだと主張しています。

先日の衆院予算委員会の集中審議では、自民党の上野賢一郎衆院議員が、「仮に個人的に使われていた場合や、支出の事実が確認されない場合は、個人の所得として課税されるべきだ」と訴えました。

岸田首相(自民党総裁)に対し、「党として早急な修正申告を指示し、納税させる対応が必要だ」とも要求しました。

今後、党内で具体的な納税方法などの検討が進むとみられます。

自民派閥の政治資金規正法違反事件を巡っては、自民党のアンケート調査で、議員ら85人に、2018~2022年の収支報告書で総額約5.8億円の収入の記載漏れがあったことが明らかになっています。

個人的には、脱税だと思いますので、早く修正申告をして欲しいと思います。

こんなのを得意のうやむやにしていたら、国民は税金を支払うのが馬鹿らしいと思うと思いますし、自民党の考えは民意とかけ離れすぎていて、政権を担う政党にはなりえないと思います。

脱税者や金額や使途を明確に欲しいですね。

自民党内にもまともな感覚の方はいるわけですから。

自民党は「脱税」批判踏まえ還流資金分の納税を検討していることについて、あなたはどう思われましたか?


令和7年から申告書等控えへの収受日付印の押なつ不要に!

国税庁では、納税者の利便性の向上等の観点から、「あらゆる税務手続きが税務署に行かずにできる社会」を目指し、申告手続き等のオンライン化、事務処理の電子化、押印の見直し等、国税に関する手続きや業務の在り方の抜本的な見直し(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX))を進めています。

こうしたなか、令和7年1月から、国税に関する手続き等の見直しの一環として、申告書等の控えに収受日付印の押なつを不要とします。

この背景には、e-Tax利用率が向上しており、今後もe-Taxの利用拡大が更に見込まれることや、DXの取組みの進捗などがあります。

対象となる「申告書等」とは、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他の書類のほか、納税者が、他の法律の規定により、若しくは法律の規定によらずに国税庁、国税局(沖縄国税事務所を含む)、税務署に提出される全ての文書をいいます。

上記のように、令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないことになりました。

国税庁では、書面申告等における申告書等の提出(送付)の際は、申告書等の正本(提出用)のみを提出(送付)することや、申告書等の控えへ収受日付印の押なつは行いませんが、必要に応じて、自身で控えの作成及び保有、提出年月日の記録・管理をするよう要請しています。

その上で、申告書等の控えの収受日付印以外で、申告書等の提出事実・提出年月日を確認する方法を示しています。

例えば、申告・申請手続きは、e-Taxでできます。

e-Taxで申告等データの送信完了後、送信されたデータの受信通知がメッセージボックスに格納されます。

受信通知では、申告書等を提出した者の氏名又は名称、受付番号、受付日時等を確認できます。

また、受信通知から電子申請等証明書の交付を請求することもできます。

また、申告書等情報取得サービス(オンライン請求のみ)があります。

所得税の確定申告書、青色申告決算書及び収支内訳書について、書面により提出している場合であっても、パソコン・スマートフォンからe-Taxを利用してPDFファイルを無料で取得できます。

利用に当たっては、マイナンバーカードが必要となります。

そのほか、保有個人情報の開示請求や税務署での申告書等の閲覧サービス、納税証明書の交付請求があります。

保有個人情報の開示請求は、税務署が保有する個人情報に対する開示請求により、提出した申告書等の内容を確認するものです。

手数料は300円(オンライン申請の場合は200円)です。

法人の申告書等には利用できません。

また、納税証明書の交付請求により、確定申告書等を提出した場合の納税額、所得金額又は未納の税額がないことの証明書を取得できます。

手数料は、税目ごと1年度1枚につき400円(オンライン申請の場合は370円)です。

受付印で安心される方も多いでしょうから、受付印を押さないとなると色々と問題が起こるでしょうね。

結局、電子で申告しろということでしょうけど、世の中にはできない方も嫌がる方もいるわけですから。

相続税の申告時に、全員の番号を取るのも面倒ですし。

令和7年から申告書等控えへの収受日付印の押なつ不要になることについて、あなたはどう思われましたか?


Jリーグ複数クラブの申告漏れが税務調査で判明し全60クラブに適切な納税を通達!

スポーツ報知によると、サッカーのJリーグに加盟する複数クラブが、国税局から申告漏れを指摘されていたことが、先日、スポーツ報知の取材で分かったようです。

今年の春頃からの税務調査で、外国人選手の報酬に課される所得税や住民税が契約実態に見合わないケースが複数あったことが判明しました。

事態を重く見たJリーグはJ1~J3の全60クラブに対し、適切な納税を行うよう通達を出しました。

修正申告となった場合、クラブ経営に影響を及ぼす規模となる可能性があります。

Jリーグの関係者によると、今春頃から各地の国税局が外国人選手に税務調査を行いました。

調査の中で、外国人選手の契約と納税が実態に即した形になっておらず、当局から修正申告が必要との指摘を受けたケースがあったようです。

G大阪は過去に所属した選手について指摘を受け、対応を進めているほか、名古屋なども対象になっている模様です。

外国人選手の多くは国内で課される税について、クラブ側が負担する契約を結んでいます。

クラブ側は外国人選手と契約する際、国内の滞在期間や契約年数などに応じて「非居住者」とするか、「居住者」として納税します。

滞在期間など様々な制限が課される「非居住者」とする場合は、所得税だけの20.42%が適用され、課税所得が4,000万円を超える「居住者」の場合は、所得税と住民税で55%となります。

1億円の契約をクラブと直接契約を交わし、そのすべてが所得となるケースでは「非居住者」が2,042万円を納めるのに対し、累進課税、復興特別所得税を加味した「居住者」は約5,104万円となり、差額は約3,000万円以上になるのです。

関係者によると、複数のJクラブが税率の低い「非居住者」として申告していたとみられます。

国税当局は選手の契約内容や居住実態などを調べた上で、約30%税率が高い「居住者に当たる」と判断しました。

近年では引き抜きに対応するため、複数年契約を結ぶケースが増加しましたが、多くのクラブは「非居住者」として慣例的に行っていたとみられます。

Jリーグはこの日、スポーツ報知の取材に対し、「個別の事案について、基本的には各個人で対応することであり、Jリーグがコメントする立場にはないが、一部税務申告に対して見解の相違があったことは聞いております。本件にかかわらず、適切な税務対応を引き続き呼びかけていきます」とコメントしました。

居住者・非居住者の区別は難しいのは間違いないですが、心情的には、居住者としてプレーして欲しいですね。

少し前に、Jリーグのクラブチームの上場をJリーグが支援するという報道がありましたが、重加算税になるとやばいですしね。

Jリーグ複数クラブの申告漏れが税務調査で判明し全60クラブに適切な納税を通達したことについて、あなたはどう思われましたか?


3月に「誤記載」発表のさいたま市が消防団員報酬の源泉徴収で今度は計算ミス!

埼玉新聞によると、埼玉県さいたま市は、先日、消防団員に支給した報酬の源泉所得税額で計算誤りが判明し、本来徴収すべき額より過少に源泉徴収していたと発表しました。

徴収不足額は1人当たり4,608円~1,524円の計63万2,896円です。

さいたま市は対象の178人に経緯を説明し、追加徴収の了承を得たとしています。

さいたま市消防団活躍推進室によると、年額報酬が5万円を超えた場合、5万円を控除した金額を課税対象とする国の通達が1998年11月に廃止されていました。
さいたま市は取り扱いの廃止を認識せず、源泉徴収を続けていました。
記録の残る2004~2021年分に誤りが判明し、5年の時効を迎えていない2019~2021年分を再計算しました。

さいたま市消防団活躍推進室は、2023年3月、源泉徴収票に非課税分の5万円も含める誤記載をしていたと発表しました。
3月の発表内容を事前に浦和税務署に説明したとしています。
報道発表後、浦和税務署から指摘を受け、5月9日に今回の誤りが判明したそうです。

さいたま市の担当者は「調整をしたが、なぜ1回で指摘してくれなかったのかというのが正直な気持ち」と話しています。
関東信越国税局広報室は「相談内容については、守秘義務があり、お答えできない」と取材に回答しています。

松本穂高消防局長は「消防団員と元消防団員ら関係者に重ね重ねご迷惑をおかけしたことに、心よりおわび申し上げます。法令、関連する通達の変更などの確認を徹底するよう努めてまいります」とコメントを出しました。

お粗末な感じですね。
前回、税務署がどこまで指摘したのか分かりませんが、さいたま市も対応が甘かったのではないかと思います。
こういうところには、顧問税理士もいらっしゃらないのでしょうか?

3月に「誤記載」発表のさいたま市が消防団員報酬の源泉徴収で今度は計算ミスがあったことについて、あなたはどう思われましたか?


8億円の脱税で弁護士と元妻の公認会計士に再び実刑判決!

東京新聞によると、8億円余りを脱税したとして、所得税法違反罪に問われた弁護士(81)と元妻の公認会計士(72)の差し戻し後の控訴審判決で、東京高裁は、先日、弁護士を懲役2年6か月、罰金2億円、公認会計士を懲役1年6か月とした2020年の東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却しました。

2014年の一審東京地裁判決は弁護士の収益ではなく無罪としましたが、二審東京高裁判決は「事実誤認の疑いがある」と破棄して審理を差し戻し、東京地裁が有罪としていました。

判決によると、2人は共謀し、2004年、2005年分の不動産取引による所得計約21億8千万円を隠し、計約8億1千万円を脱税しました。

不動産で約22億円の所得というのはスゴいですね。
錬金術を学びたいですね。
もちろん脱税はやってはいけないことはお二人とも分かるでしょうから、複数の法人を通じて取引をしていたようですが何か良い方法はなかったのだろうかとか、適正に申告すれば税金を支払ってもそれなりに残るのではないかと思った事件でした。

8億円の脱税で弁護士と元妻の公認会計士に再び実刑判決が出たことについて、どう思われましたか?


東京国税局職員が確定申告で不正還付を行い懲戒免職!

産経新聞によると、虚偽の確定申告書を提出して5年間計約176万円の不正還付を受けたとして、東京国税局は、先日、東京国税局の男性職員(48)を懲戒免職処分にしたと発表しました。

この職員は都内の税務署で上席国税徴収官として勤務しており、他の徴収官を指導する立場でした。
「管理費やマンション購入時の借入金の返済が困難になり、実際より多く還付を受け取りたいと思った」と不正を認めているそうです。

東京国税局によると、男性は平成29年~令和3年分の確定申告で、所有するマンションの賃貸料で得た所得を過少に申告。さらに管理費など架空の経費を計上し、赤字を過大にすることで還付金を実際より多く受け取っていました。

還付金の審査で不正が発覚しました。
男性はすでに修正申告を済ませ、重加算税を含めた追徴金約236万円を納付したそうです。
東京国税局は刑事告発はしない方針だそうです。

東京国税局は「税務行政に携わる公務員としてあるまじき行為。信頼を損なうことになり、深くおわびいたします」とコメントしました。

毎年、何名かはこのような人が出てきますね。
こういう人が徴収したりしていることを考えると、腹立たしいですね。
毎回、謝罪のコメントは出していますが、具体的に、何か改善策などは施しているのでしょうか?
以前、うちの事務所にも『税務調査が入ることになったので助けて欲しい。』と電話があり、お会いすると、上場企業にお勤めの方で、不動産所得に架空の経費を入れているとのことでしたが、世間一般的に、その行為は脱税という認識はあり、安易に、収入を減らしたり、経費を増やしたりすることができると思っているんですかね?

東京国税局職員が確定申告で不正還付を行い懲戒免職となったことについて、どう思われましたか?


確定申告「サボった」金継ぎ漆芸家が3億3千万円の申告漏れ!

産経新聞によると、割れたり欠けたりした陶器を漆や金を用いて修復する技法「金継ぎ」を行う漆芸家の男性が名古屋国税局の税務調査を受け、令和3年までの5年間で計3億3千万円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

追徴税額は約1億7千万円で、男性は期限後申告し、納税も済ませたとしています。

調査を受けたのは、一般社団法人「漆芸伝承の会」(名古屋市守山区)を監修する金継ぎ漆芸家です。

関係者によると、金継ぎ漆芸家は金継ぎに関する教室や合宿の受講料などを得ていました。
平成29年~令和3年で計約4億2千万円の収入があったものの、申告していませんでした。

国税局は経費を差し引いた所得が約3億3千万円だったとし、重加算税などを含めて、所得税と消費税計約1億7千万円を追徴しました。

金継ぎ漆芸家は取材に対し、仕事が忙しく確定申告を「サボった」と認めたようです。

『サボった』ということで、世間的には通用するんですかね?
これくらいの所得があるのに、税理士もつけていないんですね。
過去から著名な方で、申告をしていなかった方がニュースになったりしていますが、自分は大丈夫という感じなのでしょうか?
申告・納税はきちんとしましょうというすごく当たり前のことのような気がします。

確定申告「サボった」金継ぎ漆芸家が3億3千万円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


仙台市消防局が消防団員の報酬について1996年から27年間源泉徴収票の記載ミス!

東日本放送によると、仙台市消防局は、消防団員の報酬について源泉徴収票の記載にミスがあったと発表しました。
ミスは少なくとも27年間続いていたということです。

仙台市消防局によると、2017年から2021年までの5年間、消防団員の源泉徴収票を記入する際、課税対象となる50,000円を超えた金額を記入するべきところを誤って非課税分を含む総額を記載していたことが確認されました。

対象となるのは団長、副団長、分団長の3つの階級の計160人です。

この記載ミスにより160人は、住民税が最大25,000円多く徴収されていました。

また、所得税も過大に徴収されていましたが、額は団員により所得額などが異なるため算出できないということです。

仙台市によると、この記載ミスは少なくとも1996年から続いていたということですが、税法の規定により多く徴収された税金が還付されるのは過去5年分ということです。

会社などを完全に信じるのではなく、自分でも、たまにはチェックしたほうがいいかもしれませんね。
個人的には、年末調整制度をやめて、皆さんが確定申告するようにすれば、皆さんの税金に関する知識も高まるでしょうし、税金が高いことを改めて実感する方もおられるでしょうし、税金の使われ方などにも興味を持つ方も増えるでしょうから、もっとシンプルな税制とかへの改正にもつながるのではないかと思っています。

仙台市消防局が消防団員の報酬について1996年から27年間源泉徴収票の記載ミスがあったことについて、どう思われましたか?


香川県内の税務署職員が“扶養手当を約14年間不正受給”で停職処分!

NHKによると、香川県内の税務署に勤務する50代の男性職員が、実際には扶養していない別居する両親を扶養しているかのように装い、2022年12月までおよそ14年間にわたって、扶養手当などあわせておよそ268万円を不正に受給していたとして、高松国税局は、先日、停職1か月の懲戒処分にしました。
この職員は、同日、辞職したということです。

高松国税局によると、停職1か月の懲戒処分を受けたのは、香川県内の税務署に勤務する50代の男性職員で、2022年12月までのおよそ14年間にわたって実際には扶養していない別居の両親を扶養しているかのように装い、扶養手当などあわせておよそ268万円を不正に受給していたということです。

さらに、この職員は、「両親を扶養している」と偽っていたことで扶養控除や医療費控除の適用を受け、所得税などおよそ185万円を過小に申告していたということです。

職員は不正に受給した手当などをすべて国に返還し、先日、辞職したということです。

高松国税局は「国民の信頼を損ない誠に遺憾であり深くお詫びします。今後とも職員の非行の未然防止について、より一層の徹底を図り信頼確保に努めたい」としています。

適正な申告・納税をさせる側の税務署の職員が、扶養していると偽って、扶養手当をもらい、扶養控除や医療費控除を使って所得税を減らしていたのですから、真面目に申告・納税をしている人はばからしくなりますよね。
どこの部署にいた方かは分かりませんが、こういう人が税務調査などをできるのでしょうか?
まずは、署内の調査から始める必要があるかもしれませんね。
税務署職員という立場上、停職1か月の懲戒処分でいいのか?(退職金はもらえる?)、税理士登録できるのか?ということが気になります。

香川県内の税務署職員が“扶養手当を約14年間不正受給”で停職処分になったことについて、どう思われましたか?


上場株式の課税方式の自由選択は令和4年分が最後!

税務通信によると、上場株式等の配当所得と譲渡所得の課税方式については、令和4年分の確定申告で個人住民税と異なる課税方式を選択できます。
個人住民税で「申告不要」を選択する場合、所得税の確定申告書に一定の記載をすれば、個人住民税の申告書提出が不要になります。
令和4年度改正により、令和6年度の住民税(令和5年分の所得税)から所得税と個人住民税の課税方式が一致されるため、所得税の確定申告で意思表示できるのは、令和4年分が最後となります。

上場株式等の配当所得と譲渡所得(源泉徴収ありの特定口座)については、課税方式を「総合課税」(譲渡所得は選択不可)、「申告分離課税」、「申告不要」から、所得税と個人住民税で異なる課税方式を選択できます。

個人住民税において、所得税と異なる課税方式とするには、原則として納税通知書送達日(おおむね5月下旬~6月上旬)までに、選択する課税方式の適用を受けようとする旨の記載がある住民税の申告書等(自治体によっては申出書等)を提出します。

ただし、令和3年度改正により、個人住民税で「申告不要」を選択する場合は、納税者の負担軽減の観点から、一定の手続をすれば、住民税の申告書等の提出が不要となる措置が手当されたのです。

個人住民税で「申告不要」を選択して、住民税の申告書等の提出を不要とするには、所得税の確定申告書・第二表の「○住民税・事業税に関する事項」に設けられている欄に、○印を記載する必要があります。

この欄は、3年分の確定申告書から設けられているものの、○印の記載を失念するケースがあるようです。
記載を失念したとしても、原則どおり、住民税の申告書等を別途提出すればよいですが、手続が簡素化されることから、提出前に記載漏れがないか確認したいですね。

また、住民税の申告書等の提出が不要となるのは、あくまで個人住民税で上場株式等の配当所得等の 全部 に「申告不要」を選択する場合のみ(【参考】)です。
「総合課税」や「申告分離課税」を選択する場合は、原則どおり住民税の申告書等の提出が必要です。

なお、令和4年度改正により、令和5年分の所得税(令和6年度の住民税)からは、異なる課税方式の選択ができなくなります。
税務上の有利・不利を踏まえた選択ができるのは、令和4年分の所得税までとなります。

【参考】所得税と個人住民税で異なる課税方式を選択する場合の対応

個人住民税

①総合課税

②申告分離課税

③申告不要

①総合課税

住民税の申告書等が必要

第二表のみでOK(※)

②申告分離課税

住民税の申告書等が必要

第二表のみでOK(※)

③申告不要

住民税の申告書等が必要

住民税の申告書等が必要

※配当所得等の一部についてのみ③申告不要を選択する場合は、住民税の申告書等の提出

今回が最後ですので、うまく使いたいですね。
それにしても、株式関連は税制がややこしすぎます(笑)。

上場株式の課税方式の自由選択は令和4年分が最後であることについて、どう思われましたか?


「バレると思ってなかった」と副業のネット取引で所得申告漏れ年間116億円!

読売新聞によると、働き方が多様化するなどして副業への関心が高まる中、会社員らがインターネット取引で得た所得の申告漏れが相次いでいます。
2022年6月までの1年間では、全国で前年比約22億円増の約116億円に上ります。
このうち、福岡県の男性は副業のネット販売で得た1億円超が無申告でした。
2月16日には確定申告が始まりました。
国税当局は適正な申告を呼びかけています。

福岡県の40歳代の会社員男性は、副業とするネット販売で2020年までの7年間で得た約1億400万円について申告せず、一部で所得の隠ぺいを図っていたとして、福岡国税局から2022年、重加算税を含め約2,100万円を追徴課税されました。

男性はアメリカなど海外から掃除機やドローン、アウトドア商品などをネットで仕入れていました。
大半は新品で、ショッピングサイトやオークションサイト、フリマサイトで売却しました。
年間約500万~約1,000万円の利益を得ていましたが、申告していなかったそうです。

サイトの出店者情報には、架空の法人名を使って法人経営を装うとともに、この法人の代表者名を親族名義で登録するなどしていました。
調査に対し、「反省している」などと話したそうです。

「税務署にばれるとは思っていなかった」と、福岡県の30歳代の会社員男性は福岡国税局の税務調査を受け、驚いた様子だったそうです。

男性は小遣い稼ぎで、質屋などで購入した中古のブランド品を複数のフリマサイトで転売するなどしていました。
年間100万~500万円の利益を得ていましたが申告せず、2021年までの5年間の申告漏れは計約1,800万円に上りました。
2022年、無申告加算税を含め約140万円を追徴課税されました。

国税庁によると、ネット通販やネット広告、民泊などのネット取引(暗号資産等取引除く)を行う個人を対象にした調査で、2022年6月までの1年間で全国で申告漏れを指摘されたのは756人で前年比1.3倍になっています。
うち、福岡国税局管内は福岡、佐賀、長崎各県に住む同3倍の45人で、申告漏れは、同2.5倍の約8億2,600万円に上りました。

会社員やパートをしている主婦などの給与所得者は、副業での年間所得が20万円を超えれば、確定申告する必要があります。
しかしながら、「これくらいの金額なら大丈夫」という安易な認識で申告しない人もいるとみられます。

一方、国税当局は、サイトを運営する業者に対し、申告漏れの疑いがある人の氏名や住所を照会できる手続きを活用するなどして、問題があるとみられる納税者の把握に力を入れています。
福岡国税局は「副収入に関する所得の計算や申告義務を確認し、適正な申告をお願いしたい」としています。

インターネットを通じて、個人間などでモノやスキルを売買・貸借するシェアリングエコノミー(シェアエコ)に取り組む人らが申告漏れを指摘されるケースが出ています。

シェアエコは、衣服などのモノや、記事執筆や家事のスキル、駐車場や空き部屋のスペースなどをネットで貸し借りしたり、売買したりする経済活動で、在宅勤務の普及などを背景に最近は副業としても広がっています。

一般社団法人シェアリングエコノミー協会(東京)によると、市場規模は拡大しており、2022年度は約2兆6,000億円で、2018年度に比べて約7,000億円増加しています。
同協会は、申告に慣れていない人を対象に確定申告のやり方などを学ぶセミナーを開催し、適正申告の啓発に力を入れています。

同協会の税制委員で、公認会計士・税理士の矢冨健太朗氏は「まずは自分で確定申告が必要かを確認することが大切。申告が必要な人は売り上げや経費などの記録を基に適切に納税してほしい」と話しています。

バレないと思っているのがそもそもの間違いですね。
納税は国民の義務ですから、申告しないといけないのは当たり前です。
申告が必要だとは思わなかったというのは理由としては通用しないと思います。
こういった無申告の方からバンバン税金を取ってほしいですね。

「バレると思ってなかった」と副業のネット取引で所得申告漏れ年間116億円もあることについて、どう思われましたか?


ウソの副業赤字で源泉所得税の不正還付の背後にSNS上の指南役!

日本経済新聞によると、副業で赤字が出たとする虚偽の申告書類を作成し、給料から天引きされた源泉徴収税額の還付を受けようとする不正が増えているそうです。
中には会社員がSNS(交流サイト)上で不正代行業者に申告書の作成を依頼する事例もあるようです。
2023年2月16日から確定申告が始まるのを前に、国税当局の幹部は「申告書に不審な点があれば積極的に税務調査を行う」などと厳しく対応していく方針を示しています。

中部地方に住む30代の男性は、確定申告の書類上は実在する企業に所属し源泉徴収をされていると装っていました。
他方、小売事業を手掛けて多額の赤字があるとして、源泉徴収された税金の還付を申告していました。

名古屋国税局が調査すると、男性は企業に所属しておらず、赤字なども全て虚偽だったことが判明し、源泉徴収票などを自ら偽造していたことも発覚しました。
重加算税を含めた追徴税額は約2,290万円にのぼったそうです。

会社員は通常、給料をもらう際に、会社側が所得税分を天引き(源泉徴収)をしています。
後日、会社が会社員に代わって所得税を納付します。
仮に、この会社員が副業を行っていて赤字だった場合、一定の条件をみたせば給料と副業の赤字を相殺(損益通算)することが可能で、天引きされた税金の還付が受けられます。

最近、増えているのはこの還付制度を利用した不正行為です。
国税庁によると2022年6月までの1年間で、国税当局が追徴課税した不正還付は前事務年度比約5%増の191件、重加算税を含めた追徴税額は計約2億円でした。

不正還付の申告件数は、2018年に比べて約2.5倍になっているようです。
副業ブームや若者がSNS上で指南役などとつながり、安易に不正に手を染めやすくなったことなどが背景にあるとみられます。

熊本国税局が調査した事例では、20代の男性会社員は実際に大手企業で働き、給与を得ていました。
SNSを通じて不正還付の指南役とつながり、手数料25万円を支払って虚偽の申告書を作成してもらっていました。

会社員は指南役に申告に必要な情報を提供し、指南役がその情報に基づいて虚偽の申告書を作成し、実際に還付を受けていました。
男性と指南役に直接の面識はなく、無料通話アプリでやり取りを行っていたそうです。

熊本国税局の調査で不正が判明し、重加算税を含めて約174万円が追徴課税されたそうです。
男性は調査時に「知人もやっているので大丈夫だと思った。簡単にお金が手に入ることに魅力を感じた」などと話したそうです。

国税庁の山県哲也個人課税課長は「所得税の不正還付は国庫金の詐取とも言える許しがたい行為。申告書の厳格な審査を行い、積極的に税務調査する。詐欺などの犯罪行為があれば、刑事上の責任の追及も行う」と話しています。

悪質ですね。
ただし、納税者も簡単にお金が入ることをおかしいと思わないといけないと思いますし、税理士以外に頼むことは基本的にできないということを知っておかないといけないと思います。
指南役は税理士ではない、ニセ税理士だと思いますが、こちらを摘発してもらいたいと思います。
今後、副業の赤字の場合、なかなか還付されなくなるように推測されますので、まじめに申告されている方がとばっちりを受ける感じになるのが残念ですね。

ウソの副業赤字で源泉所得税の不正還付の背後にSNS上の指南役がいることについて、どう思われましたか?


無店舗型のコンパニオン収入を資料情報から無申告者を把握!

日税ジャーナルによると、インターネットのプラットフォームを介して単発の仕事を引き受ける「ギガワーカー」ですが、自分のペースで収入を得られるほか、自由度の高さから新しい働き方として注目を集めていますが、その一方で、収入を得ているのに税務申告をしないケースも相次いでおり、国税当局が監視の目を光らせているようです。

調査対象者Aは、スマートフォンのマッチングアプリを介してコンパに参加し収入を得る、いわゆる「ギャラ飲み」を行っていました。
当局が収集した資料情報などから、Aがギャラ飲みにより収入を得ている事実を把握しましたが、税務申告をしておらず、無予告により調査に着手しました。

スマートフォン内の情報について確認調査を実施したところ、マッチングアプリ内に多額のポイント(運営企業から支払われる飲み会参加報酬や顧客からのプレゼント報酬)を得ている事実を把握しました。

Aに対してギャラ飲みの収入について追及したところ、3年ほど前からギャラ飲みによる収入を得ていましたが、過去に働いていたホステスと同様に税金が天引きされていると思っていたと供述しました。
運営会社にAに対する報酬の支払い状況について反面調査を実施したところ、報酬から税金は差し引かれていないことが確認されました。

運営企業からの回答結果などから所得を算出し、所得税(3年分)の申告漏れ所得金額が約4,000万円となり、追徴税額(加算税込み)として約1,100万円の課税を行いました。

ギャラ飲みのような無店舗型のキャバクラのコンパニオン収入に関しても、国税当局では資料情報を積極的に収集して調査に活用しています。

3年で4,000万円とは、ギャラ飲みって結構稼げるんですね。
こちらも、運転資本を調べれば、一網打尽ですね。
きちんと申告しましょう。

無店舗型のコンパニオン収入を資料情報から無申告者を把握していることについて、どう思われましたか?


国税もスマホのPayアプリで手数料無料で納付可能に!

日本経済新聞によると、2022年12月からスマートフォンのアプリを使った国税の納付「Pay払い」が始まりました。
個人になじみ深い税目としては所得税、贈与税、相続税などがスマホ払いに対応しました。

手順は簡単です。
Pay払いに対応したスマホで「国税スマートフォン決済専用サイト」にアクセスします。
e-Taxを使って申告書データを送信した人は、受信通知からアクセスすることもできます。

利用できる決済方法は「PayPay」「d払い」「au PAY」「LINE Pay」「メルペイ」「Amazon Pay」の6種類です。
従来からクレジットカードでも納付できましたが、クレジットカードの場合は手数料が発生します。
例えば、納付額が2万円超3万円以下なら250円の手数料がかかります。

一方、Pay払いは手数料がかかりません。
スマホのPayアプリのアカウント登録をしておけば、事前の手続きも不要で、夜間休日を問わず24時間、思い立ったときに納付手続きができます。
利用する決済サービスによってはポイントを獲得できる場合もあり、上手に使うとクレジットカード納付よりもお得度は高いでしょう。

ただし、Pay払いにも注意点があります。
一度に納付できる金額の上限は、30万円です。仮に、それぞれのPay払いに支払いの上限が設定されているなら、そちらが優先されます。

個人に関係ある税目は所得税、贈与税、相続税ですが、贈与税や相続税は納付税額が高くなる可能性があります。
上限を超える税額の場合には、複数に分けて納付する必要があります。

国税に限らず、地方自治体の税金などでもPay払い対応が増えてきています。
今後はクレジットカード納付と手数料や獲得ポイントを比較し、お得な方法を選択するといいでしょう。

ますます便利になってきていますね。
個人的には、金融機関に行く手間もなくなり、キャッシュレスサービスが大好きですので、使っていきたいと思いますし、クライアントの方にも進めていきたいと思います。

国税もスマホのPayアプリで手数料無料で納付可能になったことについて、どう思われましたか?


動画配信による収入を無申告の場合の重加算税となった決め手は?

日税ジャーナルによると、インターネットを利用した新しいビジネスとして、YouTuber(ユーチューバー)のように動画配信によって収入を得るケースが急増していますが、その中には多額の利益を得ていても、「どうせバレないから」などと所得税の申告をしないケースも少なくないそうです。

調査対象者Bは、所得税の申告がなく、また、収入はなかったとの内容で住民税の申告を行っていましたが、当局が収集した資料などから動画配信による収入を得ている事実が確認されたため、調査に着手しました。
Bが「申告すべき収入はない」との申し立てを行ったことから、当局が現物確認調査を実施した結果、多額の入金が認められる預金口座を確認しました。
さらに、動画配信サービス運営会社に対して反面調査を行い、投げ銭などの収入も含んだ動画配信収入の全貌を把握しました。
しかしながら、Bを追及したところ、動画配信による収入だと認めたものの、申告の必要はないとの認識であったという回答は変わりませんでした。

そこで当局は、動画配信サービス運営会社に対する反面調査や、Bのパソコンから把握した各種サイトの閲覧履歴などから、Bはほかの動画配信者の税務調査に係る動画を視聴したこと、また、動画配信サービス運営会社による申告の必要性に係るメッセージを開封していたことを把握しました。
それらを踏まえ、Bを厳しく追及したところ、動画配信による利益の申告の必要性を認識していたにもかかわらず、収入はないとの虚偽の内容で住民税の申告書を提出し、所得税の申告書を提出しなかった事実を認めました。

その結果、所得税(3年分)について申告漏れ所得金額は約3,600万円、重加算税を含む追徴税額(加算税込み)約700万円を課税しました。

世の中には申告しなくてもバレないと思っている方はそれなりにいらっしゃるのではないかと推測されますが、それほど甘くはありません。
特に、このケースの動画配信サービス運営会社のようなところを調べると、一網打尽ですよね。
稼いでいるわけですから、きちんと申告しましょう。

動画配信による収入を無申告の場合の重加算税となった決め手はについて、どう思われましたか?


仙台市が源泉所得税“納付遅れ”で延滞税“5,000万円”発生か?

TBSによると、宮城県仙台市職員の夏のボーナスの源泉所得税について、仙台市から税務署への納付が遅れ、およそ5,000万円に上る延滞税などを課される見通しとなったようです。

仙台市によると、税務署への納付が遅れたのは、2022年6月30日に支給された職員およそ1万3,000人分のボーナスにかかる源泉所得税およそ9億6,000万円です。

納付の期限は2022年7月11日でしたが、担当者が8月10日までと勘違いし、納付が遅れたということです。

この納付遅れによる延滞税や加算税はあわせておよそ5,000万円に上る見込みです。

仙台市は総務局長と次長を減給10分の1、3か月とするなど職員を処分しました。

仙台市は再発防止のためマニュアルを刷新するとともに、チェックシートでの確認を徹底するとしています。

お粗末なお話しですね。
民間は延滞税をきっちり取られますので、市であっても取られるのは当然のことかと思います。

仙台市が源泉所得税“納付遅れ”で延滞税“5,000万円”発生することについて、どう思われましたか?


鳥獣ハンターら32人が1.7億円の申告漏れ!

毎日新聞によると、農作物を荒らす野生のイノシシや鹿を捕獲する滋賀県内の男性ハンターら32人が大阪国税局の税務調査を受け、2020年12月までの5年間で計約1億7,000万円の申告漏れを指摘されたことが関係者への取材で判明したようです。
駆除した動物の種類や頭数に応じて自治体から支給される「捕獲報償金」などについて、所得として申告しない税逃れが頻発していました。

関係者によると、32人は滋賀県長浜市や米原市の地元猟友会などに所属し、それぞれ猟銃やわなで有害鳥獣の駆除活動をしています。
追徴税額は無申告加算税を含めて約640万円で、全員が修正申告に応じて既に全額を納付したとみられます。

ハンターは税務上、個人事業主として扱われます。
自治体から受け取った報酬は「事業所得」に当たるほか、雑所得とみなされる場合もあります。
いずれも税務申告が必要になりますが、32人はいずれも申告を怠っていたとみられます。
一部のハンターは過去に自治体から無申告を注意されていたのに、放置していました。

野生のイノシシや鹿の増加に伴う農作物の食害や生態系への悪影響が広がる中、各地の自治体は地元のハンターと連携し、被害を防ぐ駆除を進めています。
長浜市ではイノシシやニホンジカ、ニホンザル、カラスなどを有害鳥獣に指定し、地元の狩猟団体と1年更新で駆除に関する協定を結び、団体を通じてハンターたちに捕獲報償金を支給しています。
米原市は地元猟友会と委託契約を交わし、駆除した動物の種類や頭数に応じて委託料を支払っているようです。

報酬額は動物や鳥類の種類によって異なり、両市とも滋賀県の基準に基づき決めています。
ニホンジカの雌が最も高額で1頭当たり2万2,000円(雄は1万7,000円)です。
イノシシやニホンザルは一律で1頭当たり1万5,000円で、カラスは1羽当たり900円などと公表されています。

両市は報償金を支給する条件として、各ハンターに狩猟日時や場所を詳しく記録した書面を求め、駆除した動物のしっぽの提出も呼び掛けています。
大阪国税局は両市に調査への協力を要請し、報酬の支給実績や関連資料を基に無申告のハンターを特定し、申告漏れを認定した模様です。

直感的にどこかの組織から支払いを受けている場合、支払っているところを調べれば一網打尽のように思いますが、分からないとでも思っているのでしょうか?
効率的に取れると思いますので、こういうところは支払っているところの協力をあおぎ、どんどん取って欲しいですね。

鳥獣ハンターら32人が1.7億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


仮想通貨の取引情報を各国で共有し税逃れ防止へ新枠組み!

日本経済新聞によると、暗号資産(仮想通貨)の取引に伴う課税逃れを防ぐため、日本やアメリカ、ヨーロッパなどの主要国を中心に各国が取引情報を交換する枠組みをつくるようです。
ドルや円などの通貨は各国が税務調査の必要に応じて、口座残高といった情報をやりとりしています。
仮想通貨でも各国が情報を共有し、適正な課税に向けた環境整備を進めるようです。

仮想通貨の売却などで得た利益は、日本では原則として所得税の確定申告が必要です。
ただし、現在は、日本に住む人が外国の交換業者を使う取引を日本の税務当局が把握する仕組みはありません。

新たな枠組みでは交換業者に世界共通の報告義務を課し、各国の当局間で情報を共有します。
例えば、アメリカの交換業者が日本に住む個人の取引を扱った場合、アメリカ税務当局に報告します。
この情報が日本の税務当局に伝わり、申告していない利益が見つかれば課税します。
ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨ごとに年間取引額を把握します。

経済協力開発機構(OECD)租税委員会の作業部会が非加盟の新興国や途上国を巻き込み、110カ国ほどで議論しています。
近く合意すれば、2022年10月にアメリカのワシントンで開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に報告する見通しです。

各国の法整備を経て2025年ごろに情報交換が始まる可能性があります。
日本は租税条約実施特例法の改正が必要になります。

交換業者は外国人の取引を抜き出して、税務当局に報告します。
膨大な作業になれば、コストが利用者の手数料などに転嫁される可能性があります。

交換業者を把握する国内制度も必要です。
日本は資金決済法で登録制にしていますが、制度のない国は導入のための行政コストがかかります。
情報交換を始めるときの参加国数は不透明な部分もあります。

対象に例外を設けるかどうかも今後詰めます。
交換業者を介さない相対取引や、中央銀行デジタル通貨は対象外となりそうです。

ドルや円などの通貨は預金や証券口座の残高情報を交換する共通報告基準(CRS)があります。
租税回避を防ぐため2014年にOECDで策定し、100カ国以上が参加しています。
日本も2018年に運用を始めました。
各国の税務当局が金融機関に外国在住の客の口座残高を報告させ、参加国で情報を共有しています。

日本の国税庁は2021年6月までに87カ国・地域から191万件の情報を受け取りました。
残高は12.6兆円に上ります。
税務調査で効力を発揮し、10億円を超える申告漏れの指摘につながった例もあるようです。
日本・アメリカ・ヨーロッパなどはこれをモデルに仮想通貨の枠組みを構築します。

こういうことは非常に有効なことだと思いますので、どんどんやってほしいですね。
参加しない国に、取引が集中するということにならなければ良いですが。
少しでも、申告していない方から税金が取れれば、日本のために非常に良いことだと思いますね。

仮想通貨の取引情報を各国で共有し税逃れ防止へ新枠組みをつくることについて、どう思われましたか?


東証プライム上場のM&A仲介大手の元役員を所得税1.1億円脱税の疑いで告発!

読売新聞によると、所得税約1億1,100万円を脱税したとして、東京国税局が東証プライム上場のM&A仲介大手「日本M&Aセンターホールディングス」(東京都千代田区)の元役員(54)(東京都港区)を所得税法違反の疑いで東京地検に告発していたことがわかったようです。

関係者によると、元役員は2019年6月に同社役員を退任し、2020年、以前に同社から付与されていたストックオプション(自社株購入権)を行使するなどして得た所得の一部約7億4,600万円を申告せず、所得税約1億1,100万円を免れた疑いです。

元役員は不正に得た資金を、自身がコンサルタントとして関与する会社の運転資金などに充てていたようです。
取材に対し、「既に修正申告と納税は済ませた。深く反省しており、申し開きする点もない」と文書で回答しています。

この方は、日本M&Aセンターホールディングスの関連会社のバトンズというネットでM&Aを成約させるプラットホームを運営している会社の社長をやっていて、僕自身も会員になっているのですが、今年の3月末でいきなり退任し、社長が変わっていました。
少し前に、日本M&Aセンターホールディングスの粉飾事件が表沙汰になったので、日本M&Aセンターホールディングスの役員をしていた時に、粉飾事件に関わっていてその責任を取って退任したのかなぁと勝手に思っていたのですが、こういうことがあったんですね。
日本M&Aセンターホールディングスもバトンズも、仕事の何割かは会計事務所から来ていると思いますので、会計事務所と付き合いもあると思いますし、普段から、M&Aの際にはできるだけ税理士などの専門家をつけましょうとか、M&A後もできるだけ税理士を変更しないように心掛けているようなことをおっしゃっていたので、一般の方よりは税務の知識はあるはずなので、こういう事件を起こしたということは非常に残念です。
旅館の経営などもやっていたはずですから、税務に無知ということはないはずです。
モラルの問題だと思いますので、最近、バトンズの会員を継続するかどうか考えていたので、解約する良い機会かもしれないですね。

東証プライム上場のM&A仲介大手の元役員が所得税1.1億円脱税の疑いで告発されたことについて、どう思われましたか?


当たり馬券1億円超の申告をしなかった男性を告発!

熊本県民テレビによると、当たり馬券で1億円以上の利益を得た男性が脱税の疑いで熊本国税局から告発されたようです。

3年間で約3,200万円を脱税した疑いがもたれています。

所得税法違反の疑いで告発されたのは、熊本県熊本市東区に住む自営業の男性(49)です。
男性は2016年から3年間インターネットで馬券を購入し、当たった所得合わせて約1億200万円を申告せず、約3,200万円を脱税した疑いがもたれています。

熊本国税局は、2021年3月に熊本地検に告発していて、認否や公表が遅くなった理由については明らかにしていません。
現在、検察が捜査を進めています。

国税局は2017年4月以降告発した事案を公表していて、熊本県内では今回が4例目だそうです。

インターネットだと隠してもすぐにバレるような気がしますが、ご本人は意図的だったのでしょうか、それとも無知だったのでしょうか?
3年間で約1億円なので、年度ごとの内訳は分かりませんが、おそらく、コンスタントに稼がれている方なんでしょうね。
たまたまではなく、競馬でコンスタントに稼がれる方もいらっしゃるんですね。
当然、きちんと申告している方もおられるでしょうから(こちらが当たり前)、きちんと申告してほしいですし、国税局ももっともっと申告漏れを指摘してほしいですね。

当たり馬券1億円超の申告をしなかった男性が告発されたことについて、どう思われましたか?


iDeCoは受取時期次第で退職所得控除の調整不要も一部実務家の間で疑問の声も!

税務通信によると、私的年金制度の一つとされる「イデコ(iDeCo・個人型確定拠出年金)」は、その老齢給付金を“一時金(以下、イデコ一時金)”で受け取る場合、退職手当等として退職所得課税の対象となります。
実務上、イデコ一時金を受け取る時点では、その前年19年以内に会社から退職金の支払を受けているケースが一般的であるため、イデコ一時金に係る退職所得控除額の計算上、一定の調整を行うことが基本です。

この点、イデコ一時金の受取時期等を工夫し、同調整を不要とするケースも少なくないようで、一部実務家の間で疑問視する向きもあるようです。

イデコは、加入者自身が掛金を拠出・運用し、その掛金と運用益との合計額をもとに将来の給付額が決定する私的年金制度です。
掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象となるほか、運用益が非課税となること等が特徴です。
近年、加入者数が大幅に増加しており、2022年4月時点の加入者数は約240万人にのぼります。

イデコの老齢給付金は、“年金”又は“一時金”として受け取ることが可能であり、所得税法上、“年金”で受け取る場合は「雑所得」に該当する一方で、“一時金”で受け取る場合は退職手当等とみなす一時金として「退職所得」に該当します( 所法31 、 所令72 ③七等)。

退職所得控除額の計算では、複数の退職金の支払を受ける場合に、一定の調整が必要とされています。
会社から退職金の支払を受けた後にイデコ一時金を受け取るのであれば、その受取時期の“前年以前19年以内(通常の退職手当等の場合は前年以前4年以内)”に会社からの退職金の支払を受けている場合が調整の対象です( 所法30 ⑥一、 所令70 ①二)。

そのため、例えば、(1)60歳で会社から退職金を受けた後、(2)65歳でイデコ一時金を受け取る場合には、イデコ一時金を受け取る“前年以前19年以内”に退職金の支払を受けているため、イデコ一時金に係る退職所得控除額の計算上、会社からの退職金に係る退職所得控除額との調整を行うことが必要となります。
例えば、(1)会社からの退職金に係る退職所得控除額は、勤続年数38年をベースに計算した金額となる一方で、(2)イデコ一時金に係る退職所得控除額は、「加入期間(勤続年数)35年をベースに計算した金額」から「重複勤続年数30年をベースに計算した金額」を控除した金額となります。

そのイデコ一時金に係る退職所得控除額は、「①その年に支払を受ける退職手当等に係る勤続年数をベースにした金額」から「②重複する勤続期間を勤続年数とみなして計算した金額」を控除した金額となります。

一方で、一部実務家の間で疑問視されているのが、 先に イデコ一時金を受け取り、 後で 会社から退職金の支払を受ける場合です。
この場合、会社からの退職金の支払を受ける“前年以前4年以内”のイデコ一時金の受取りとならないようにすれば、退職所得控除額の調整が不要となるのです。

例えば、(1)60歳でイデコ一時金を受け取った後、(2)65歳で会社から退職金の支払を受けた場合には、会社からの退職金の支払を受けた“前年以前4年以内”にイデコ一時金を受け取っていないため、調整を行うことなく、イデコ一時金に係る退職所得控除と会社からの退職金に係る退職所得控除を適用できます。
例えば、(1)イデコ一時金に係る退職所得控除額は、加入期間(勤続年数)30年をベースに計算した金額となり、(2)会社からの退職金に係る退職所得控除額も、勤続年数43年をベースに計算した金額となります。

このように、現行法令上は、イデコ一時金の受取時期と会社からの退職金の支払時期を工夫することにより、退職所得控除額の調整の対象外とすることができるため、実務上、活用されるケースもあるようです。
しかしながら、受取時期等を工夫することで、税務メリットの大きい退職所得控除額が異なることに疑問を呈する実務家も少なくないようです。

現在、多くの会社が定年を60歳としているため、会社からの退職金の支払時期を65歳などとするケースは限定的ですが、2025年4月からの高年齢者雇用確保措置の義務化に向けて、定年を65歳に引き上げる会社もあるでしょう。
こうした背景を踏まえ、今後、対応が検討される可能性も考えられます。

このようなスキームが使われていることを知りませんでしたが、確かに、現行法上は可能ですね。
iDeCoを販売しているようなところが、提案しているのでしょうか?
個人的には、近いうちに税法が改正されて防がれるように思いますが。

iDeCoは受取時期次第で退職所得控除の調整不要も一部実務家の間で疑問の声があがっていることについて、どう思われましたか?


お笑い芸人への追徴課税で再注目の競馬の配当金の税務!

TabisLandによると、競馬で大当たりしたお笑い芸人への高額追徴課税のニュースが取沙汰される中、競馬の配当金税務が改めて注目されているようです。

お笑いトリオ・インスタントジョンソンのじゃいさんは2020年12月、競馬で6,400万円の高額払戻しを受け、自身のYouTubeで報告しました。
「競馬の配当による税金もしっかり納めさせていただいております。」(本人)としていましたが、後日税務調査が入り追徴課税されたそうです。
外れ馬券を必要経費に含めていたため、高額追徴課税となった模様です。

競馬の払戻金は、一般的には、一時所得扱いとなっています。
「総収入金額-収入を得るために支出した金額」が年間50万円を超えていれば一時所得として確定申告が必要になります。
ここでいう収入を得るために支出した金額」とは、その収入を生じた行為をするため直接要した金額です。
つまり、競馬の場合は、「当たり馬券」のみということになるのです。

競馬の払戻金税務をめぐっては、一時所得と雑所得のいずれに該当するか、外れ馬券の購入費用が必要経費にできるかが争われていた裁判で、最高裁判所が2017年、「本件の競馬の馬券の払戻金については、馬券購入の態様や利益発生の状況等から雑所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当する」と判断し注目を集めました。

しかしながら、敗訴した国税庁は通達を整備したのです。
競馬の馬券の払戻金の所得区分について、「馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合」は雑所得に該当するとし、それ以外の場合は一時所得とするとしました。

今回のニュースでは、競馬の配当金税務が改めて取り沙汰される一方で、インターネット上の情報発信へ向けられる税務署の目にも注目が集まっています。

最近は、課税当局も、ネットとかをかなり見ているということですね。
SNS上で、稼いでいることをアピールしている方々を目にしますが(もちろん、見栄をはって投稿等されている方々もいるのでしょうが。)、課税当局に把握されているということは認識したうえでやってくださいね。
競馬の配当金については、税務上の取り扱いは確定していると思いますので、間違いのないように申告してくださいね。
個人的には、馬券購入時に購入者が税金を支払うような仕組みにしたり、払い戻し率を下げて、JRAとかに課税する仕組みにしたりして、配当金自体は非課税となるようにした方がすっきりするのではないかと思いますが。

お笑い芸人への追徴課税で再注目の競馬の配当金の税務について、どう思われましたか?


三菱電機がコロナ帰国者の給与の源泉徴収漏れで国税が1.4億円を追徴!

朝日新聞によると、三菱電機(東京都千代田区)が、新型コロナの影響で一時帰国した海外赴任者に支払った給与をめぐり、東京国税局から所得税の源泉徴収漏れを指摘されていたことがわかったようです。

所得税法は、国内で働いた分の給与は所得税の課税対象と定めています。
三菱電機は、帰国した従業員が海外の業務を続けていたため、課税対象に当たらないと判断したとみられます。

東京国税局の税務調査で発覚し、約1億4千万円を追徴課税されました。

関係者によると、三菱電機では新型コロナの感染が広がりつつあった2020年春以降、アジアや欧州などの現地法人に出向していた従業員数百人が一時帰国しました。
帰国中も現地の会議にリモートワークで参加するなどして海外の業務に携わり、その間の給与は三菱電機が支払っていたようです。

所得税法は、海外への転勤などで国内の住まいがなくなった人でも、国内で働いた分の給与には所得税がかかり、源泉徴収が必要だと定めています。
このため国税局は、一時帰国中に国内で働いた対価として支払った給与について三菱電機が源泉徴収する必要があったと判断した模様です。
2021年3月までの約1年間に支払った約6億円を源泉徴収の対象とし、不納付加算税を含めた計約1億4千万円を追徴しました。

三菱電機広報部は朝日新聞の取材に対し、「税務調査の有無や内容については回答を差し控えさせていただきます」とコメントしました。

ほかにも同じような会社はあるのではないかと推測されますが、コメントをきちんとして欲しいように思います。
当然、利益が減るわけなので、株主や投資家にも影響を及ぼすわけですから。
あと、2021年4月以降はどうなのかも気になります。

三菱電機がコロナ帰国者の給与の源泉徴収漏れで国税が1.4億円を追徴されたことについて、どう思われましたか?


国税庁がコロナ税務のFAQを更新!

Tabis Landによると、国税庁はこのほど、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」を更新し、国税局のホームページ上で公表しました。

これは、国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応や当面の申告や納税などに関して、国税庁に寄せられた質問等を取りまとめたものです。

2022年4月18日付で更新された質問は全部で8項目です。
申告・納付等の期限の個別延長関係は、以下のとおりです。
・期限までに申告等ができなかった場合の個別延長(問1)
・簡易な方法による個別延長(問2)
・個別指定による延長後の申告・納付期限(問3)
・申告所得税等以外の税目の個別延長(問4)
・期限の個別延長が認められるやむを得ない理由(問5)
・法人税又は消費税の中間申告期限の個別延長について(問6)
・個別延長のための申請手続きの期限について(問14)

新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置関係は、
・特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税(問9)
です。

いずれも2022年4月18日現在の法令等に基づいて更新されており、FAQの各ページから、必要書類や申請書等のフォーマットが開けるようになっています。

国税庁ホームページではこのほか、申告・納付期限の期限延長手続きの具体的な方法について、税目別の解説も掲載されています。
「申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限の個別指定による期限延長手続の具体的な方法」、「法人税及び地方法人税並びに法人の消費税の申告・納付期限と源泉所得税の納付期限の個別指定による期限延長手続きの具体的な方法」、「相続税の申告・納付期限の個別指定による期限延長手続きの具体的な方法」等の文字列をクリックすると該当書式の記載例を開くことができます。

例えば、所得税の確定申告に関しても、右上のところに書けば認められるみたいな簡易な方法は、終わりました。
色々と参考になることが載っていますので、まだ、令和3年分の確定申告が終わっていない方などは、一度確認しておいた方が良いでしょうね。
個人的には、これは使えるのではないかと思うようなことがありましたが、使える方がほんの一部の方だと思いますので、書くのはやめておこうと思います。

国税庁がコロナ税務のFAQを更新したことについて、どう思われましたか?


宇和島の自動車販売会社の代表が商品の車を業務用と偽り申告し約2,100万円を脱税!

宇和島の自動車販売会社の代表が商品の車を業務用と偽り申告し約2,100万円を脱税!

テレビ愛媛によると、法人税など約2,100万円を脱税した罪で自動車販売会社と代表の男に、松山地裁は先日、有罪判決を言い渡しました。

判決を受けたのは宇和島市の自動車販売会社と代表取締役(60)です。

判決によりますと、自動車販売会社の代表取締役は2014年から3年間にわたり、販売する目的の中古の高級外車7台を業務で使うと偽って確定申告するなどして、法人税など約2,100万円を脱税しました。

自動車販売会社の代表取締役は4台について販売目的はなかったとして無罪を訴えていたものの、松山地裁は「商品のリストに掲載されていた」と退け、懲役8か月・執行猶予3年などを言い渡しました。

よく分かりませんが、販売目的なのに、業務用と偽って償却していたということですかね。
中古車で法定耐用年数が短いでしょうから、先日、別のところで書きましたが、200%定率法は違和感を感じますが、実際には1年で償却できてしまいますから。
中古車販売会社の場合、実際に業務として使っていても、買いたいと言う人がいれば売るのではないかとは思いますが、有罪になるくらいなので、よっぽど悪質だったんでしょうね。

宇和島の自動車販売会社の代表が商品の車を業務用と偽り申告し約2,100万円を脱税していたことについて、どう思われましたか?


茨城県の農家が1億800万円を脱税!

茨城で農家を営む男性が売り上げの一部を申告しないなどの手口であわせておよそ1億800万円を脱税したとして、刑事告発されました。

所得税法違反などの疑いで、関東信越国税局から水戸地検に刑事告発されたのは茨城県八千代町の農家(50)です。

関東信越国税局によると、八千代町の農家は、白菜やキャベツなどの野菜の売り上げを実際より少なく申告する「つまみ申告」と呼ばれる手口で2018年までの3年間でおよそ1億7,600万円を隠し、所得税およそ7,000万円を脱税したほか、消費税などおよそ3,800万円を脱税した疑いがもたれています。

関係者によると、脱税で得た金は、現金で保管するなどして事業の資金や生活費、遊興費に使っていたということです。

3年間で2億円弱の所得隠しというのは、スゴいですね。
白菜yで年間1億円売ろうとすればかなりの量を売らないといけないと思いますが、それを隠すなんて、これ以外にも結構売上があるんでしょうね。
よっぽど儲かるんですね。
昨年もこの町の2億円弱脱税した方がニュースになっていたと思いますが、他にもいらっしゃるかもしれませんね。
どういった意図でやったのか、あと、これだけの規模になると税理士がついているのではないかと思いますが、どうやって偽ったのかを知りたいですね。
有罪にもなり、重加算税や延滞税などを考えると、ほとんどお金は残らないと思いますので、きちんと申告しましょうということですね。

茨城県の農家が1億800万円を脱税していたことについて、どう思われましたか?


令和3年度分の確定申告期限の延長は一律に行わず!

KaikeiZineによると、国税庁は、先日、令和3年分の所得税の確定申告期間(2022年2月16日~3月15日)について、今年は全国一律の延長はしないと発表しました。
新型コロナウイルスの影響で、一昨年(令和元年分)、昨年(令和2年分)と2年連続で一律延長されてきました。

国税庁は、急速なオミクロン株による感染拡大に伴い、令和3年分の所得税の確定申告期間を、全国一律の延長はしないとのことです。

所得税の確定申告期限は、新型コロナウイルスの影響で2年連続で一律延長されてきましたが、令和3年分は全国一律ではなく、それぞれの状況に応じて延長を認めます。

例えば、感染者や自宅待機者のほか、通常の業務体制が維持できないことなどにより、申告が困難となった場合、2022年4月15日までの間、簡易な方法により申告・納付期限の延長を申請することができるようにします。

具体的には、期限後に申告が可能となった時点で、申告書の余白等に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」などと記すだけで延長が認められるのです。

なお、所得税以外の贈与税や消費税及び地方消費税の申告においても、オミクロン株の影響により期限内申告が困難な場合は、申告書の余白等に所得税同様に記載することで延長が認められます。

当然、税理士として確定申告のお手伝いをしていますので、今回はどうなるのか気になっており、延長するにしろしないにしろ早く発表して欲しかったのですが、ようやく発表されましたね。
中途半端な感はしますが、個人的には延長がない方が、事務所としてはダラダラとした感じにならなくて良いとは思います。
スパッと3月決算や確定申告業務により先送りしているお仕事などに入っていけると思いますので。

令和3年度分の確定申告期限の延長は一律に行わないことについて、どう思われましたか?


東京国税局の27歳女性職員が副業でソープ嬢!

日刊ゲンダイによると、「当局としては適正に税務申告するよう、本人に指導しました」と、 東京国税局の職員が職場に内緒で風俗でバイトしてホスト代を稼ぎ、身内から異例の「指導」を受けていたようです。

ヘルスやソープランドで働くなど、国家公務員法の兼業規定に違反し、約125万円の収入を得ていたとして、東京国税局は、先日、都内の税務署に勤務する女性事務官(27)を停職9か月の懲戒処分にしました。
なお、女性は同日付で依願退職しました。

女性事務官は2020年10月から2022年1月、平日の夜や休日、病気治療のために取得した休暇日に、それぞれ“ホテヘル”で134日間、デリバリーヘルスで9日間、ソープランドで7日間、計150日間勤務し、約125万円の報酬を受け取っていました。

2021年10月、部内の同僚から情報提供があり、東京派遣国税庁監察官室が調査に乗り出し、許可なく兼業していたことを確認しました。

聞き取りに対し、女性事務官は「ホストクラブでの飲食代を捻出するために兼業した」と説明しているそうです。

「事務官は所得税に関する内部事務、調査事務を担当していました。病気休暇に関しては医師の診断書が添付され、承認を受けていたので、病気であること自体は疑いがなく、不正取得には当たりません。ただ、本来なら自宅で療養すべき病気休暇中に、兼業していたことは問題です。勤務日数や報酬額は本人への事実確認と、兼業先の風俗店の勤務実態などから算出しました」(東京国税局広報室担当者)

女性事務官は風俗店をやめるよう指導を受けた後も、シレッと勤務を続けていました。
職場では難しい顔をして数字とにらめっこしながら、夜の街でホストに囲まれ、日頃の鬱憤を晴らしていたのかもしれません。

「ホストクラブの飲食代に加え、借金も抱えていたのでお金が必要だったのかもしれません。勤務していた風俗店は都内とその近郊で、わざわざ足を延ばしていたようです。一昨年は20日間、昨年は127日間、今年は3日間、兼業していたことが明らかになっています。一昨年の副収入は20万円以下だったので申告の必要はありませんが、昨年分は確定申告をする必要があります」(東京国税局関係者)

仕事を失い、今後は税金を納めるために働かなければなりませんが、「納税」は国民の義務です。

最近、モラルの低い方が税務署に結構いらっしゃいますね。
こういった組織に税務調査などをする資質はあるのでしょうか?
今一度、組織内の教育をしっかりとやっていただいて、発言等をまともに聞き入れることができるような組織になってほしいと思います。
きちんと申告するよう指導している点は、当たり前かもしれませんが、役目を果たしているとは思いますが、おそらく、副業をしているのはこの人だけではないかと推測されますので、きっちりと対応してほしいですね。

東京国税局の27歳女性職員が副業でソープ嬢をしていたことについて、どう思われましたか?


年収400万円の人のふるさと納税限度額はどれくらいか?

ファイナンシャルワールドによると、税制メリットを得られるふるさと納税の限度額は、所得や家族構成によって異なります。

今回は年収400万円の場合のふるさと納税の限度額と、税金を安くするための手続き方法をまとめています。
ふるさと納税を賢く利用して、節税対策をしましょう。

年収400万円の場合、全額控除できるふるさと納税の限度額(以下「ふるさと納税の限度額」もしくは単に「限度額」といいます)は最高42,000円です。
ただし、年収は同じであっても、家族構成や扶養状況によって、ふるさと納税の限度額が異なります。

家族構成によっては限度額が12,000円の場合もあり、注意が必要です。
家族構成別のふるさと納税限度額の目安を解説します。

総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」をもとに、年収400万円のふるさと納税の限度額の目安を家族構成別に整理します。
●独身または共働き:42,000円
●夫婦のみ(配偶者は働いていない):33,000円
●共働き+子1人(高校生):33,000円
●共働き+子1人(大学生):29,000円
●共働き+子2人(大学生と高校生):21,000円
●夫婦+子1人(高校生)(配偶者は働いていない):25,000円
●夫婦+子2人(大学生と高校生)(配偶者は働いていない):12,000円

年収400万円で独身または夫婦ともに給与収入がある場合、ふるさと納税の限度額は42,000円ともっとも高くなります。

一方、扶養家族が多くなれば多くなるほど、ふるさと納税の限度額は小さくなります。
配偶者に加え、大学生と高校生の子どもを扶養している場合、ふるさと納税の限度額は12,000円です。
ふるさと納税の限度額は、家族の扶養状況が大きく影響します。

なお、今回ご紹介した限度額はあくまでも目安です。
家族構成のみでなく、収入状況等によっても限度額は異なるため、詳細は税理士やお住まいの市町村にご確認ください。

ふるさと納税の限度額とは、自己負担額を除く寄付金額すべてが所得税や住民税から控除される金額のことです。
ただし、ふるさと納税には自己負担額2,000円が定められています。

つまり、税金から控除される金額は、ふるさと納税額から2,000円を引いた額となります。
ただし、全額控除されるふるさと納税には限度額が設けられており、限度額を超えた分の金額については税金から控除することはできません。

ふるさと納税をして、税金が安くなることを「所得控除」や「税額控除」といいます。
所得税と住民税それぞれから一定の金額が差し引かれ、納税額を少なくすることができます。

例えば、年収400万円で独身もしくは共働きの場合の税額控除の目安は、(納税額:42,000-自己負担額:2,000)=40,000円です。

また、各控除は以下の計算式で計算されます。
●所得税控除:(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
※所得税の税率は所得によって異なります。
●住民税基本分控除:(ふるさと納税額-2,000円)×10%
●住民税特例分控除:(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)

返礼品が注目されるふるさと納税ですが、節税効果が大きな点もメリットの1つです。

税額控除を受ける方法を解説します。
税額控除を受ける方法は2パターンです。
●確定申告
●ワンストップ特例制度

確定申告を行う人は、確定申告で税額控除を申告しましょう。

確定申告を行う予定がなく、寄付先が1年間で5自治体までの人はワンストップ特例制度を利用できます。

ワンストップ特例制度は、確定申告なしで簡単に税額控除が受けられる制度です。
ワンストップ特例制度の申請方法についてまとめます。
●申請期間:ふるさと納税をした翌年1月10日まで(自治体によっては早めに締め切ることもあるため、確認が必要です。)
●申請方法:自治体から送付される書類に記入、押印し、マイナンバーカードをお持ちの場合はマイナンバーカードの表面と裏面のコピーを添付し、提出する。なお、マイナンバーカードをお持ちでない場合は、個人番号通知カード(記載された氏名、住所等が住民票に記載されている事項と一致する場合に限る)と本人確認書類のコピー、またはマイナンバーが記載された住民票と本人確認書類のコピーを添付します。
●ワンストップ特例制度を利用した場合、寄付翌年の住民税から一定の金額が差し引かれます。所得税からの控除はありません。

家族の扶養状況によって、ふるさと納税の限度額に差があります。
限度額を超えて、ふるさと納税をしてしまい自己負担分が多くなることがないよう、ご注意ください。

また、税額控除を受けるためには確定申告やワンストップ特例制度の申請が必要です。
ふるさと納税後の手続きも忘れないようにしましょう。

僕自身は、かなり前からふるさと納税をしていますが、ここ数年、確定申告のお手伝いをしている方でふるさと納税をしている方が増えてきた印象があります。
ECモールでお買い物をする感じで、意外と簡単にできますので、ご興味のある方はやってみてはいかがですか?

年収400万円の人のふるさと納税限度額はどれくらいか?について、どう思われましたか?


倒産防止共済をめぐり3億円に上る申告漏れ!

JIJI.COMによると、取引先の倒産時に備えて掛け金を納付する中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)をめぐり、解約時に受け取る返戻金を所得税の申告時に収入計上していない個人事業主が相当数いる可能性があることが、先日、会計検査院の調査で分かったようです。

申告漏れは約3億円に上るとみられ、検査院は国税庁に改善を要求しました。

経営セーフティ共済は中小企業基盤整備機構(東京)が運営しており、取引先の倒産時に無担保・無保証で借り入れができます。
月々の掛け金を経費計上した場合、解約時の返戻金を収入として計上する必要があります。

会計検査院が全国34税務署を調査したところ、2016~2018年に共済を任意解約した個人事業主464人のうち約4割に当たる189人が、返戻金計約3億2,600万円を受け取ったにもかかわらず、適切に収入計上していない可能性があることが判明したようです。

支払ったときに経費にしているわけですから、返ってきたら収入になるのは当たり前のような気がしますが、知らずにやっているのか、知っていてやっているのかどちらなんでしょうね?
解約時に中小機構がどのような書類を出しているのか分かりませんが、それには確定申告が必要であることをきちんと分かるように書いておいてほしいですね。
税務署へ支払調書的なものも出さないんですかね?
さすが、会計検査院は鋭いなぁと思いました。

倒産防止共済をめぐり3億円に上る申告漏れがあったことについて、どう思われました?


平井卓也デジタル改革担当大臣が大臣規範に違反しIT株を購入・売却し納税もせず!

毎日新聞によると、平井卓也デジタル改革担当大臣は、先日の閣議後記者会見で、内閣府政務官だった2006年に大臣規範に反してIT企業の株式を購入していたとして「不注意だった。おわびを申し上げたい」と陳謝しました。

平井大臣によると、2006年6月の株購入後、国会議員資産公開法で提出が義務づけられている資産報告書に保有の事実を記載していませんでした。
2018年の科学技術担当相就任時に公表した閣僚資産報告で初めて記載したものの、2020年3月に同株を売却して得た収入を所得報告書に記載せず、納税もしていなかったそうです。
既に所得税の修正申告を済ませ、報告書の修正作業を進めているとしています。

平井氏は2006年当時、内閣政務官としてIT政策などを担当していました。
「(株購入は)会社を応援したいという気持ちだった。隠す意図は全くなかった」と釈明しました。
大臣規範は、在任中は株取引を自粛するよう定めています。

大臣になってから色々と過去の問題等が発覚する方が多いですが、大臣就任する前に、きちんと身辺調査をしたうえで、問題がない人だけしか大臣にしないようにすべきなのではないでしょうか?
あとは、問題が生じたら、即刻大臣のみならず、国会議員自体も辞任する(辞任した場合は、大臣であったという経歴も取り消す)くらいにしないと今後も同じようなことは出てくるのではないかと思います。
不祥事を起こす方も多く、人間としてどうなのかなぁと思う方もたくさんおられますから、国会議員を大幅に減らした方がいいのではないかと思いました。
バレたら直せばすむという考えがまかり通っているのではないかと感じるのと、納税をしていないということは脱税だと思いますので、そこを報じない新聞のレベルもどうなのかなぁと感じた1件でした。
納税は国民の義務ですから、それができない方が国会議員なのはどう考えてもおかしいのではないかと思いますね。

平井卓也デジタル改革担当大臣が大臣規範に違反しIT株を購入・売却し納税もしていなかったことについて、どう思われましたか?


役所を信じてはいけない!

2021/4/15に自分の確定申告を終え、今シーズンの確定申告業務が終わりました。
昨シーズンは、自分を除き、当初の期限である3/15に終えたのですが、今シーズンは、3/16以降に申告を終えた方がそれなりにいて、4/14にも2名電子申告をしました。

備忘録を兼ねて、今週は、今回の確定申告で感じた留意点をまとめたいと思います。
<所得税>
①事業的規模でなくても65万円控除ができる!
②役所を信じてはいけない!
<消費税>
③雑所得でも所得税の還付申告ができる!
④新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!
<贈与税>
⑤すぐに贈与税の申告ができない!

初回の昨日は、『事業的規模でなくても65万円控除ができる!』でしたので、2日目の本日は、『役所を信じてはいけない!』です。

確定申告業務をやっていると、2年におひとりぐらい、土地が収用になった方がおられます。

土地収用法やその他の法律で収用権が認められている公共事業のために土地建物を売った場合には、収用などの課税の特例が受けられます。
この課税の特例は、以下の2つがあります。
<1.対価補償金等で他の土地建物に買い換えたときは譲渡がなかったものとする特例>
これを収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例といいます。
この特例を受けると、売った金額より買い換えた金額の方が多いときは所得税の課税が将来に繰り延べられ、売った年については譲渡所得がなかったものとされます。
売った金額より買い換えた金額の方が少ないときは、その差額を収入金額として譲渡所得の金額の計算を行います。
この特例を受けるには、以下の要件すべてに当てはまることが必要です。
(1)売った土地建物は固定資産であること(不動産業者などが販売目的で所有している土地建物は、固定資産ではありません。)。
(2)原則として、売った資産と同じ種類の資産を買い換えること。
同じ種類とは、例えば土地と土地、建物と建物のことです。
このほか、 一組の資産として買い換える方法や事業用の資産を買い換える方法などがあります。
(3)原則として、土地建物の収用等のあった日から2年以内に代わりの資産を取得すること。

<2.譲渡所得から最高 5,000万円までの特別控除を差し引く特例>
この特例を受けるには、以下の要件すべてに当てはまることが必要です。
(1)売った土地建物は固定資産であること。
(2)その年に公共事業のために売った資産の全部について収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例を受けていないこと。
(3)最初に買取り等の申出があった日から6か月を経過した日までに土地建物を売っていること。
(4)公共事業の施行者から最初に買取り等の申し出を受けた者(その者の死亡に伴い相続又は遺贈により当該資産を取得した者を含みます。)が譲渡していること。

この特別控除の特例は、同じ公共事業で2以上の年にまたがって資産を売るときは最初の年だけしか受けられません。
公共事業のために土地建物を売った場合は、これらの2つの特例のうち、どちらか一方の特例を受けることができます。
確定申告書には公共事業の施行者から受けた公共事業用資産の買取り等の申出証明書や買取り等の証明書など一定の書類を付けることが必要です。

また、個人が土地等を収用等されることにより取得する補償金には、いろいろな名目の補償金がありますが、これらの補償金のうち収用等の課税の特例の適用がある補償金は、原則として、対価補償金だけですが、課税上の取扱いは、以下のとおりです。

<対価補償金(収用等された資産の対価となる補償金)>
譲渡所得の金額又は山林所得の金額の計算上、収用等の場合の課税の特例の適用があります。
<収益補償金(資産を収用等されることによって生ずる事業の減収や損失の補てんに充てられるものとして交付される補償金)>
その補償金の交付の基因となった事業の態様に応じ、不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入します。
ただし、建物の収用等を受けた場合で建物の対価補償金がその建物の再取得価額に満たないときは、収益補償金のうちその満たない部分を対価補償金として取り扱うことができます。

<経費補償金(事業上の費用の補てんに充てるものとして交付される補償金)>
(イ)休廃業等により生ずる事業上の費用の補てんに充てるものとして交付を受ける補償金は、その補償金の交付の基因となった事業の態様に応じ、不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入します。
(ロ)収用等による譲渡の目的となった資産以外の資産(棚卸資産を除きます。)について実現した損失の補てんに充てるものとして交付を受ける補償金は、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入します。
ただし、事業を廃止する場合等でその事業の機械装置等を他に転用できないときに交付を受ける経費補償金は、対価補償金として取り扱うことができます。

<移転補償金(資産の移転に要する費用の補てんに充てるものとして交付される補償金)>
その交付の目的に従って支出した場合は、その支出した額については各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入されません。
その交付の目的に従って支出されなかった場合又は支出後に補償金が残った場合は、一時所得の金額の計算上、総所得金額に算入されます。
ただし、建物等を引き家又は移築するための補償金を受けた場合で実際にはその建物等を取り壊したとき及び移設困難な機械装置の補償金を受けたときは、対価補償金として取り扱うことができます。
また、借家人補償金は、対価補償金とみなして取り扱われます。

<その他の補償金(原状回復費、協力料などの補償金)>
その実態に応じ、各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入します。
ただし、改葬料や精神的補償など所得税法上の非課税に当たるものは課税されません。
ここで、譲渡所得から最高 5,000万円までの特別控除を差し引く特例の場合、具体的には、確定申告書に以下の添付が必要になります。
①収用等証明書
②公共事業用資産の買取り等の申出証明書
③公共事業用資産の買取り等の証明書

②は、事業名、買取り等の申出年月日、買取り等の区分、所在地、種類、数量などが記載されています。

③は、資産の所在地、資産の種類、数量、買取り等の区分、買取りなどの年月日、買取り等の価額などが記載されています。

①は、買取り等に係る資産の所在地・種類等・区分・買取り等年月日・買取り等の金額、取り壊し又は除去をしなければならなくなった資産の所在地・種類・面積等・区分・買取り等の日・補償項目・補償金額などが記載されています。

当然、3枚の金額などは整合していると思っていたのですが、職員が作った確定申告書を僕がチェックしているとどうも数値が合わないのでおかしいなぁと思っていたら、②と③は整合していたのですが、①と②及び③が整合していませんでした。役所に①と②及び③が整合していないことはあるのか電話してみると、整合していないことはありえないと言うので調べてもらうと、①が間違えていたとのことでした。
すぐに、①を再発行してもらいました。
役所といえども、信用してはいけませんよ(笑)。

役所を信じてはいけないということについて、どう思われましたか?


事業的規模でなくても65万円控除ができる!

2021/4/15に自分の確定申告を終え、今シーズンの確定申告業務が終わりました。
昨シーズンは、自分を除き、当初の期限である3/15に終えたのですが、今シーズンは、3/16以降に申告を終えた方がそれなりにいて、4/14にも2名電子申告をしました。

備忘録を兼ねて、今週は、今回の確定申告で感じた留意点をまとめたいと思います。

<所得税>
事業的規模でなくても65万円控除ができる!
②役所を信じてはいけない!

<消費税>
③雑所得でも所得税の還付申告ができる!
④新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!

<贈与税>
⑤すぐに贈与税の申告ができない!

初回の本日は、『事業的規模でなくても65万円控除ができる!』です。

不動産などの貸付けによる所得は、不動産所得になります。
不動産所得は、その不動産貸付けが事業として行われているかどうかによって、所得金額の計算上の取扱いが異なる場合があります。
不動産の貸付けが事業として行われているかどうかについては、原則として社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかによって、実質的に判断します。
ただし、建物の貸付けについては、以下のいずれかの基準に当てはまれば、原則として事業として行われているものとして取り扱われます(いわゆる5棟10室基準)。

(1) 貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
(2) 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

不動産の貸付けが事業として行われている場合とそれ以外の場合の所得金額の計算上の相違点のうち主なものは以下のとおりです。

(1) 賃貸用固定資産の取壊し、除却などの資産損失については、不動産の貸付けが事業として行われている場合は、その全額を必要経費に算入しますが、それ以外の場合は、その年分の資産損失を差し引く前の不動産所得の金額を限度として必要経費に算入されます。
(2) 賃貸料等の回収不能による貸倒損失については、不動産貸付けが事業として行われている場合は、回収不能となった年分の必要経費に算入しますが、それ以外の場合は、収入に計上した年分までさかのぼって、その回収不能に対応する所得がなかったものとして、所得金額の計算をやり直します。
(3) 青色申告の事業専従者給与又は白色申告の事業専従者控除については、不動産貸付けが事業として行われている場合は適用がありますが、それ以外の場合には適用がありません。
(4) 青色申告特別控除については、不動産貸付けが事業として行われている場合、正規の簿記の原則による記帳をおこなうなどの一定の要件を満たすことにより最高55万円の控除を受けることができます。

この55万円の青色申告特別控除を受けることができる人が電子帳簿保存又はe-Taxによる電子申告を行っている場合は、65万円の青色申告特別控除が受けられます。
なお、それ以外の場合の控除額は最高10万円となります。

よって、事業的規模ではない場合、通常、最高10万円控除となります。

ただし、そうでない場合があります。
青色申告特別控除65万円の控除を受けるための要件は、以下のようになっています。

(1) 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
(2) これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
(3) (2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。
(4) 以下のいずれかに該当していること。
①その年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について、電子帳簿保存を行っていること。
②その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、確定申告書の提出期限までにe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用して行うこと。

ここで、事業所得と不動産所得がある場合、不動産所得の金額、事業所得の金額から順次控除します。
よって、例えば、事業所得がマイナスの場合、事業的規模でないにもかかわらず、不動産所得から最高65万円控除が可能になります。

僕もそうだったのですが、違和感を感じる方が多いのではないかと思いますが、これは、条文が、65万円控除の要件の一つが、『不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営むもの』となっている一方で、順番は、『不動産所得の金額又は事業所得の金額から順次控除する。』となっており、事業的規模かどうかは規定されていないからです。

事業的規模でなくても65万円控除ができることについて、どう思われましたか?


年末調整やめてみては?

朝日新聞によると、コロナ禍で、多くの働く人々や中小企業が疲弊していますが、これを受けて、国税庁は納税手続きなどで負担軽減措置をとっています。

しかしながら、所得税の年末調整は今のところ特に変わりはありません。
これに対し、税理士から「今年の年末調整をやめて欲しい」という声が上がっているようです。

年末調整の書類が難しすぎるようで、「確定申告書を書くほうがよほど簡単だろう」とまで言われているそうです。
控除制度の変更で、例年以上に複雑になっているようです。

また、所得の内容が多様になり、親族の所得を年内に正確に見積もるのは難しくなっています。
扶養者情報の修正による事務負担も増大しつつあります。

もともと年末調整は、申告納税制度に抵抗していた当時の大蔵省が事務負担を減らすために導入したものです。
ところが、税制の民主化という申告納税の趣旨に合わないと指摘されてきました。

税額の精算手続きを勤め先が行うので、多くの給与所得者を税制から遠ざけ、無自覚者にしてしまいました。
おまけに企業は、その作業の費用を負担させられているのです。

そもそも日本の源泉徴収の仕組みは厳格な自己完結型で、国際的にもまれです。

わかりやすく言うと、多くの国々はおおまかな税率で一律に税金を前取りし、後から確定申告で調整させる制度ですが、日本では税率などが細かく規定され、確定申告しなくてもすむようにされています。
過大徴収などのミスは源泉徴収自体を是正しなければならず、申告での調整が許されない制度とも言えます。

今の仕組みは問題が多いでしょう。
思い切って今年は年末調整をやめ、確定申告で最終調整できるようにしてみてはどうなのでしょうか?

僕も、税理士として、年末調整業務も確定申告業務も報酬をいただいてやっていますが、今年はいつになく年末調整業務の質問が多くなっています。
個人的にも、以前から、もう少し所得税を簡単にしたうえで、年末調整制度をやめて、ご本人が申告するような制度にすれば、企業等の負担も減り、ご本人の税金に関する意識も大きく変わるのではないかと思っています。
どうしてもできない方のみが、税理士に頼めばいいのではないかと思います。

年末調整やめてみては?について、どう思われましたか?


香川県高松市の男性の外れ馬券代を東京高裁は経費と認めず逆転敗訴!

大量に馬券を購入していた香川県高松市の男性が、外れ馬券の購入代金を税制上、経費に算入するよう求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は、先日、算入できるとした1審東京地裁判決を取り消し、課税処分は適法と判断しました。
男性側の請求を棄却し、逆転敗訴となりました。

なお、最高裁は、2015年に「営利目的で継続的に購入していた場合、算入できる」との判断を示しています。

高裁の秋吉仁美裁判長は、営利目的と認めるには、ある程度の期間継続し、客観的に利益を期待できることが必要だと指摘しました。
男性は2010~2014年のうち、4年間で計約3,077万円の利益を上げる一方、2012年は約790万円という損失を計上しており「恒常的に利益を上げていたとまでは認められない」として、営利目的を否定しました。

同様の裁判で、最高裁は過去2件の判決で経費算入を認めています。
一方、別の2件では、経費算入できないとする判断が確定しています。

2015年の納税者勝訴の最高裁の判決があっても、結局のところ、個別案件ごとの判断になりますので、結論がどうなるのかの見極めがなかなか難しいですね。
納税者も困ると思いますので、もう少し明確な基準を示すべきだと思います。
また、赤字企業が7割と言われています(新型コロナウイルスの影響でもっと増えると思われます。)ので、5年のうちたった1年が損失になっただけで営利目的だと認められないというのはどうなのだろうか?と疑問に思いますね。
税務署の職員も裁判官も、もっと商売のことを知らないといけないのではないかと思います。

香川県高松市の男性の外れ馬券代を東京高裁は経費と認めず逆転敗訴したことについて、どう思われましたか?


元国税実査官が教える脱税がバレやすい「怪しい申告」の特徴!

週刊SPAによると、フリーランスだけじゃなく副業など給与以外の収入がある会社員も、領収書やレシートの経費を計算したりと提出の準備で大変な確定申告です。
しかしながら、週刊SPA!によると、節税もやり方を一歩間違えると大変なことになるそうです。

「国税局の調査能力は半端じゃないんです。ひとたび『怪しいな』と睨んだら徹底的に調査しますから」
こう話すのは国税局の元職員である佐藤弘幸氏です。
国税庁の発表によれば、平成30年には約2,222万人が確定申告をしたうち、税務署による調査を受けたのは約7万3,000件です。
すなわち0.3%未満なのですが、その大多数は追徴などのペナルティを受けています。
つまり、ひとたび目をつけられたら、ほぼ逃れられないということです。
それは、副業だろうが何だろうが同じことです。

税務署がチェックする際に注目する点は何なのでしょうか?

「税務署が何より嫌がるのは不正申告による還付金を出すこと。会社員が損益通算して還付を受けるケースは過去に不正が多発したのでウォッチしてます。さらに事業所得の申告で赤字が続くと、当然怪しまれます。
商売を続けているのにずっと赤字なのはおかしいので。経費も家賃や車、水道光熱費、通信費のうち半分なら『そんなものかな』となるかもしれませんが、100%はありえない。洋服も、スーツならわかるけどカジュアルだと否認されやすいです」

そもそも個人の場合は計上する経費の幅が狭いと、佐藤氏は続けています。
「法人は見込み客をつくるための接待なども交際費になりますが、個人だと、原則では飲み代が認められません。だから芸能人は個人会社をつくりたがるんですよ。さすがに先のチュートリアル徳井さんみたいに、プライベートな旅行や洋服を経費にするのはダメですけどね」

では、もし税務署に目をつけられた場合、どのような流れで税務調査は進むのでしょうか?

「申告内容によってまちまちですが、簡易なケースでは確定申告が終わった後、3~5月に電話やはがきなどの文書で呼び出しをします。そして、本格的にターゲットを狙っていくのは7月に税務署の人事異動が終わったあと。7月後半から11月くらいまでに納税地(居住地など)に行き、税務調査を行います。税金の時効は7年だから、そこまでは掘り返せるので」

また、いったん怪しいと思った人はSNSなどもチェックされます。
「ピンポイントで調査選定した人ならSNSはもちろん、ブログやYouTubeまですべて目を通します。もしそこで豪遊していたら『そんなの必要経費にならないでしょ?』となるので」

最後に佐藤氏は、確定申告シーズンになると“裏で動く存在”について注意喚起をしています。
「ヤミ税理士です。会計事務所に勤めていた人とかで、税理士資格がなくても知識はあるから申告書作成や提出を請け負ってしまう人がいるんです。それは税理士法違反なので、くれぐれも軽はずみに頼まないようにしてください」
▼こんな申告内容を税務署はチェックしている
●事業所得での申告内容が赤字になっている(数年続くとなお怪しい)
●スーツ以外の洋服代や装飾代も経費にしている
●SNSに派手な生活の様子を載せている
●家賃や車代を丸ごと経費にしている
●「見込み客」を募るための飲み代は基本的にNG
●アフィリエイト収入などは“カネの流れ”が追いやすい

おおむね正しいような気はしますが、個人的には、スーツはなかなか経費にするのは厳しいのかなと思っています。
あとは、『ヤミ税理士』ではなく、『にせ税理士』だと思います。
なお、『にせ税理士』は国税庁のホームページでも使われています。
それほど甘くはないので、きちんと申告しましょう。

元国税実査官が教える脱税がバレやすい「怪しい申告」の特徴について、どう思われましたか?


⼟地開発めぐる⽮作建設工業への賠償請求は棄却!

愛知県名古屋市中川区の⼟地開発をめぐり、東証一部上場の⽮作建設⼯業(愛知県名古屋市東区)の説明不⾜で国税局から追徴課税を受けたとして、地権者24⼈が矢作建設工業や仲介業者などに約6億2千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、先日、名古屋地裁でありました。
末吉幹和裁判⻑は請求を棄却しました。

判決理由で末吉裁判⻑は、地権者との⼟地取引の契約書に「課税される可能性がある」旨の⽂⾔が⼊っていることなどから、「税務当局の判断を地権者に知らせる義務はない」と判断しました。

地権者らは2011年、⽮作建設工業に⼟地を提供し、別の⼟地を得るなどの契約を結びました。
名古屋国税局は等価交換ではなく売却とみなし、地権者らに計約2億1千万円を追徴課税しました。

詳細は分かりませんが、等価交換になるため土地取引をされた方もおられる(おそらく課税されないからというセールストークに応じて取引をされた方も多いと思われます。)と思いますので、ひどい案件ですよね。
地権者側が勝つと思っていましたが、今後も争うのであれば、ウォッチしていきたいと思います。
地権者側が最終的に勝ったとしても、たぶん今後の経営に支障を及ぼすでしょうね。
地権者側も、業者の話を鵜呑みにするのではなく、自分で調べるなどして納得したうえで取引をしないといけない時代にはなっていますね。
矢作建設工業側も顧問税理士などに確認しないのだろうか?とも思いますが。

⼟地開発めぐる⽮作建設工業への賠償請求が棄却されたことについて、どう思われましたか?


高松市の男性の外れ馬券代を経費と認める!

 大量に馬券を購入していた高松市の男性が、外れ馬券の購入代金を経費に算入するよう所得税の見直しを求めた訴訟で、東京地裁は、先日、「馬券の代金は必要経費と認めるのが相当だ」として、見直しを認めなかった税務署の決定を取り消しました。

最高裁は、2015年に、「営利目的で継続的に購入していた場合、算入できる」との判断を示しています。
今回の訴訟で税務署側は、「購入額は年間数千万円にすぎず、外れ馬券代が30億円近くに上った最高裁判決の事案より小規模で、継続的ではない」と主張していました。

しかし古田孝夫裁判長は、営利目的で継続的に購入していたと判断しました。

営利目的かどうかはともかく、継続的かどうかに金額の大小は関係ないように思います。
年間数千万円だから小規模という税務署の感覚がどうなのでしょうか?
個人的には、東京地裁はまっとうな判断をしたなと思います。
まぁ、安易に認めると、損をしても経費となるからと思う方々が出てくるようでしょうから、危険なような気はしますが。

高松市の男性の外れ馬券代を経費と認めたことについて、どう思われましたか?


国外財産調書の未提出の疑いで全国初告発!

 所得税約8,300万円を脱税し、海外の口座などに7,300万円の預金があったのに国外財産調書を提出しなかったとして、大阪国税局が京都市山科区の家具輸入販売仲介会社の代表取締役(49)を所得税法違反と国外送金等調書法違反の疑いで京都地検に告発したことが、先日、分かったようです。
国外財産調書の提出制度が始まった2014年1月以降、制度に絡む告発は全国で初めてです。

同制度は年末時点で5,000万円を超える国外財産を保有する国内居住者に対し、財産の種類や金額などを記した国外財産調書の提出を義務付けているものです。
税務当局が把握しにくい海外資産の課税逃れを防ぐのが狙いです。

関係者によると、2015年1月~2017年12月、タイ在住で知人の日本人男性名義の口座に売り上げを入金したり、男性名義で日本国内の家具業者と業務契約を結んだりして、約2億1,500万円の所得を申告せず所得税を免れた疑いが持たれています。
脱税した金は男性名義の口座から家具輸入販売仲介会社の代表取締役が現金で運び出し、日本国内の口座に預けていました。

さらに、売り上げの一部を入金していた香港の自身名義の口座などに2017年12月末時点で7,300万円の預金がありましたが、国外財産調書を提出しなかった疑いがあります。

国税局は故意に提出しなかったと判断したとみられます。

提出の実績を見ると、桁がいくつか違うのではと思うくらい少なかったので、提出していない方がかなりいらっしゃるのではないかと思っていたのですが、ようやく告発されましたね。
今後も、おそらく次々と出てくるのではないかと思いますね。
所得税の税務調査がきっかけでたまたま見つかったのかもしれませんが、こういう報道で未提出の抑制につながると思いますし、仮想通貨(暗号資産)もそうですが、きちんと、提出したり、申告したりするようになればいいなぁと思います。

国外財産調書の未提出の疑いで全国初告発されたことについて、どう思われましたか?


平成30年度査察の概要(2/5)

 先日、国税庁が『平成30年度査察の概要』を公表しました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。

<査察調査の概要>
【平成30年度の取組】
○査察事案121件を告発
平成30年度は、免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した消費税受還付事案、太陽光発電設備の取得を装った消費税 受還付事案、他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案、外国法人を利用した国際事案など、計121件を告発。
○重点事案を多数告発、特に消費税受還付事案は16件を告発(注)
消費税受還付事案16件、無申告ほ脱事案18件、国際事案20件を告発 。
消費税受還付事案は、国庫金の詐取ともいえ悪質性が高いが、過去5年間で最も多い16件を告発。うち、平成23年に創設された未遂犯も過去最多の8件を告発。
 無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、18件を告発。
(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。
○脱税総額(告発分)は112億円
平成30年度の査察事案に係る脱税額(告発分)は112億円。
【平成30年度中の判決状況】
○122件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、7人に実刑判決
最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役4年6月。

この中で、『重点事案への取組』として、以下のものが挙げられています。
(1)消費税受還付事案
(2)無申告ほ脱事案
(3)国際事案
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
また、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についても書かれています。

今週は、これらについて、順番に取り上げていきたいと思います。
2日目の今日は、『無申告ほ脱事案』についてです。

平成30年度においては、現下の経済社会情勢を踏まえて、特に、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案、市場が拡大する分野における事案などの社会的波及効果の高いと見込まれる事案を重点事案として積極的に取り組みました。
(2)無申告ほ脱事案
申告納税制度の根幹を揺るがす無申告によるほ脱犯について積極的に取り組み、平成30年度は18件を告発しました。
平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯を適用した事案は、平成26年度に初めて告発し、本年度は10件を告発しました。

<トピック4>他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案を告発
無店舗形態やヒト・モノの移動を伴わないなど匿名性の高いインターネットによる取引が普及しているところ、インターネットを介して数十もの他人名義で取引を行うことにより所得を隠していた無申告ほ脱事案を告発しました。
【事例】
Dは、外国為替証拠金取引(FX)により多額の利益を得ていたものですが、インターネットを利用した自動売買ソフトを用いて、数十もの他人名義で同取引を行うことにより所得を隠し、所得税の確定申告を一切せずに納税を免れていました。
なお、Dは過去においても所得税法違反の罪で有罪判決を受けていました。

<トピック5>私設ファンクラブ運営利益の単純無申告ほ脱事案を告発
個人事業により得た所得に係る申告義務を認識していながら、所得税の確定申告を行わず故意に納税を免れていた単純無申告ほ脱事案を告発しました。
【事例】
Eは、元歌劇団トップスターの私設ファンクラブを運営し、多額の利益を得ていたものですが、所得税の確定申告を一切せずに納税を免れていました。

無申告ほ脱事案について、どう思われましたか?


仮想通貨取引で50人と30社で100億円の申告漏れを指摘!

 仮想通貨(暗号資産)の取引にからみ、2019年3月までの数年間に全国で少なくとも50人と30社が総額約100億円の申告漏れを国税当局から指摘されたことがわかったようです。
2017年末に主要通貨「ビットコイン」の相場が年初の約20倍に高騰しており、このころに多額の売却益を得たのに税務申告しなかったり、実際よりも少なく申告したりしたケースが相次いだとみられます。

 関係者によると、東京国税局の電子商取引を担当する調査部門が2018年、都内の複数の仮想通貨交換業者(取引所)から顧客らの取引データの任意提出を受けました。
同部門はデータを分析し、多額の売却益を上げたと見込まれる個人や法人をリストアップし、札幌から熊本まで全11国税局と沖縄国税事務所が、この取引データや独自に集めた情報に基づき税務調査し、個人・法人を合わせて少なくとも80件、総額約100億円の申告漏れを指摘した模様です。

このうち70億円以上は、親族や知人名義の口座で取引したり、実際の取引記録を残しているのに故意に売却益を少なく見せかけたりしたとして、重加算税対象の「所得隠し」と判断されました。
高額・悪質なものについては脱税容疑での告発も検討しているとみられます。

一般社団法人「日本仮想通貨交換業協会」(東京)によると、主要5通貨が売買された総額は2017年度は69兆1,465億円で、2016年度の20倍、2015年度の788倍に急増しています。
取引による利益は所得税法上の「雑所得」になり、一般的なサラリーマンの場合、年間20万円を超えると確定申告が必要になります。
ただし、取引の実態が見えにくいことから税務申告しないケースが多数あるとみられていました。

こうした「税逃れ」を防ぐため、取引額など一定の条件にあてはまる顧客らの氏名を民間事業者に国税側が照会できる制度が2020年1月から始まります。
顧客らの申告漏れ割合が高いことが見込まれるにもかかわらず、事業者が照会に応じない場合などは罰則もあります。
無登録の仮想通貨交換業者など、税務調査に非協力的な業者などが念頭にあります。

ただし、この制度は国内の事業者のみが対象となるため、海外の交換業者を使った取引や、所有者の特定がほぼ不可能な匿名性の高い仮想通貨に換えることを勧める業者もいるそうです。
国税幹部は「いたちごっこは当分続くだろう」と話しています。

国税庁によると、2017年分の確定申告で公的年金を除く雑所得が1億円以上あり、仮想通貨取引の利益が含まれていた人は331人いました。
2018年分でも271人にのぼりました。
金融庁によると、資金決済法に基づき国に登録している仮想通貨交換業者(取引所)は19社で、取引量が最も多い「ビットコイン」は全社が取り扱っています。
世界で流通する仮想通貨は1千種を超えるとされています。

個人的には、今回申告漏れを指摘されたのは氷山の一角で、今後もたくさん出てくるのではないかと思っています。
国税庁はそんなに甘くないですよ。
あとは、金融庁にきちんと法整備をしてほしいですね。

仮想通貨取引で50人と30社で100億円の申告漏れが指摘されたことについて、どう思われましたか?


マイナンバー活用して2021年分から医療費控除手続きを簡素化!

 政府は、家族の医療費が一定額を超えた場合に税負担を軽くする医療費控除の手続きをすべての人を対象に自動化するようです。
マイナンバーカードの活用による新しいシステムを作り、1年間の医療費を自動計算して税務署に通知する仕組みです。
2021年分の確定申告をメドに始めます。
確定申告の煩わしさを軽減する効果を実感できるようにして、公的サービスの電子化を一段と加速します。

政府は、行政手続きを簡便に済ますことができるデジタル社会作りをめざしています。
社会の生産性を向上させ、経済成長につなげる狙いです。
マイナンバーカードの普及をその中核と位置づけています。

日本の医療費控除の利用者は年間約750万人で、現在もネットを活用して申告できますが、医療機関名や支払った医療費、保険で補填される額などを自ら入力して書類を作成する必要があります。

医療費控除が適用されるのは、基本的に、1年間の家族の医療費から保険で補填された額を引いた額が10万円を超える場合です。
1年間、領収書を残して計算しても基準に達しないこともあります。
領収書の保存や申告書作りが面倒で初めから利用しようとしない人もいます。

政府は、2021年3月にマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする方針です。
新システムは保険診療のデータを持つ社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会のシステムを政府が運営する「マイナポータル」のシステムとつなぎます。
国税庁のシステムとも連携し、控除の申告を完全に自動化します。

確定申告する際には、まず国税庁の申告書作成のサイトに入り、マイナンバーカードで個人認証します。
「医療費通知」のボタンを押すと、1年分の医療費の合計額が一目で分かるようになります。
控除の適用基準を超えていれば、そのままサイト上で申告できます。
領収書を保存しておく必要もありません。

政府は2017年の税制改正で、個人が健康保険組合から1年分の医療費を記した「医療費通知」をネット上で取得し税務署に提出できるようにしました。
ただし、加入する健保組合のシステム対応が必要で、広がっていません。

海外では、行政手続きの電子化が進んでいます。
韓国では、税務の電子申告の利用率が9割を超えます。
国税当局のサイトを通じて医療費や保険料、教育費などが確認でき、間違いがなければそれを基にオンラインで控除の申告ができます。
エストニアでは、個人番号カードでほぼ全ての行政サービスが受けられます。
日本のマイナンバーカードの交付実績は2019年4月時点で1,666万枚と、人口の13%程度にとどまっています。

現在、マイナンバーカードがあれば、「マイナポータル」を通じてネット上で行政サービスの利用などを申請できます。
カードの普及が進めば、書類や対面での行政手続きを原則、全廃できる可能性があります。
民間サービスにも広げれば、例えば引っ越しの際に役所に転出入届を提出するだけで電気・ガスや郵便物の転送、運転免許証の住所変更などが一括してできるようになります。

確定申告を税理士として業務として受けている立場としては、すごく楽になるように思います。
集計や中身の確認は結構手間がかかるからです。
補足しておきますが、実務をやっていて結構感じますが、医療費控除は医療費が10万円を超えないと使えないと思っている方がかなりたくさんおられますが、必ずしもそうではありません。
所得が200万円以上の方は確かにそうなのですが、それ以下の方は、10万円が基準ではなく、所得の5%が基準となります。
あと、この記事でも『カードの普及が進めば』とありますが、個人的には、インセンティブを与えて、国が本腰を入れて普及させないといけないと思っています。
税理士は、年末調整、所得税の確定申告及び準確定申告、相続税の申告、個人事業主の青色申告の届などで、普通の方よりはマイナンバーに触れることが多いと思いますが、マイナンバーカードを持っている方はほとんどいません。
普及させれば、個人も国などもかなり便利になるのではないかと思います。

マイナンバー活用して2021年分から医療費控除手続きを簡素化することについて、どう思われましたか?


1千万円以上の大穴的中のうち8割が未申告?

 競馬や競輪などでの高額払戻金について会計検査院が調べたところ、1千万円以上の「大穴」で当たった金額の8割ほどは税務申告されていない可能性があることがわかったようです。
主催者側から聞き取った2015年の払戻金約127億円に対し、税務申告されたとみられるのは20数億円だったことが、関係者への取材でわかったようです。

関係者によると、会計検査院は競馬などの公営ギャンブルの主催者から、2015年の1年間に1回の払戻金が1,050万円以上あったケースを聞き取りました。
中央競馬では100円のかけ金、中央競馬以外では50円~200円のかけ金にそれぞれ絞って調べたところ、計約530口で約127億円の払戻金があったようです。

一方で、会計検査院は、2015年に1千万円以上の一時所得や雑所得を税務申告した全国の約18,200件を調査しました。
公営ギャンブルで1回の払戻金が1,050万円以上あった人から申告されたとみられるのは、50数件の20数億円だったようです。

払い戻しされた約127億円のうち、20数億円を差し引いた約100億円の大半が申告されていないと推測できるそうです。

公営ギャンブルで得た一定以上の収入は、一時所得や雑所得として税務署に申告する必要があります。
総収入からその収入を得るためにかかった経費、特別控除として50万円を差し引いた額が一時所得となります。
経費は、原則として当選した投票券を指すため、例えば、他の競馬レースの外れ馬券などは、基本的に経費として計上することができません。
マイナンバーをうまく使えば良いかもしれませんね。
あとは、源泉徴収をしたほうが良いようにも思いますね。
このような状態を放置していると、怠慢と言わざるを得ないでしょうね。

1千万円以上の大穴的中のうち8割が未申告と推測されることについて、どう思われましたか?


カジノ勝ち金は「一時所得として課税」と国税庁幹部が注目見解!

 現在、国会ではカジノを含む統合型リゾート実施法案について議論がされていますが、日本にカジノが整備されたとして、そこで得た勝ち金は課税されるのかどうかは、ギャンブルとは無縁という人を除き、多少なりとも気になるところではないでしょうか?
税理士ドットコムによると、この論点について、国税庁幹部が「一般論としては、一時所得にあたる」との認識を国会で示したようです。530日の衆院内閣委員会で、勝ち金の課税関係について問われた国税庁の山名規雄課税部長は、以下のように答えたようです。
「現時点でその内容や性質が明らかでないため、その課税関係についても確たることは申し上げられませんが、その上で一般論で申し上げますと、居住者である個人がいわゆるギャンブルにより得た利益については、営利を目的とする継続的行為から生じたものに該当せず、一時的、偶発的な所得と考えられることから、一時所得として課税の対象となります」一方、外国からの観光客など日本に居住しない人が勝ち金を得た場合の課税は、租税条約との関係もあり、簡単な問題ではなさそうです。
山名部長は「その非居住者の居住地国と日本が租税条約を締結している場合には、その租税条約の規定いかんにより、日本で課税されるか否かが判断されることとなります」としました。また、把握することが難しい場合も懸念されます。
山名部長は「あらゆる機会を通じて課税上有効な資料情報の収集に努め、必要があると認められる場合には調査を行うなどして、カジノで得た利益につきましても適正公平な課税の実現に努めてまいりたい」と答弁しました。僕自身は、カジノに反対というわけではないのですが、法案に賛成しかねるところはあります。
それはさておき、一時所得というのは妥当なところかなと思います。
きちんと、入場者を把握して、勝ち負けのデータもきちんと把握して、公正な課税を行ってほしいですね。カジノ勝ち金は「一時所得として課税」との国税庁幹部による注目見解について、どう思われましたか?

2017年度の確定申告における仮想通貨の収入が1億円以上の人は331人!

 国税庁は、先日、2017年に仮想通貨取引を含めた収入が1億円以上あったと申告したのは331人だったと発表しました。
 2017年分の確定申告を集計しました。
 仮想通貨の高騰で1億円以上の資産を築いた人が、ヒット映画の題名をもじった「億り人」と呼ばれて話題となるなどしており、業界関係者は「実際はもっと多いはず」と指摘しています。
 国税庁によると、2017年分の所得税の確定申告を提出したのは2,198万人で、2016年分からほぼ横ばいです。
 所得額は414,298億円で、2016年分から約3%増えました。
 緩やかな景気回復などが背景にあるとみられます。
 全体の申告から公的年金以外の雑所得の収入が1億円以上あった549人を抽出し、このうち、仮想通貨取引による収入があったのが331人でした。
 国税庁が、仮想通貨関連の申告の集計結果を公表するのは初めてです。
 情報サイトのコインデスクによれば、代表的な仮想通貨ビットコインのドル建て価格は201712月半ばに2万ドルに迫り、2016年末に比べて20倍に跳ね上がる場面もありました。
 2017年1年間の上昇率は1,331%と、26年ぶりの高値を付けた日本株(19%)や米国株(25%)をはるかに上回っています。
 日本仮想通貨交換業協会(東京都千代田区)によると、主な仮想通貨の国内取引金額は2017年度に約69兆円と、前年度の20倍に増加し、2018年3月時点の取引口座数は延べ350万にまで拡大しています。
 今回の集計の対象になったのは仮想通貨の売却などで損益を確定したうえで申告手続きをした人だけです。
 331人という数字について、国税庁は「おおむね適正な申告がなされたのではないか」としています。
 しかしながら、仮想通貨の業界関係者は、「昨年の高騰や広がりを踏まえると少なすぎるという印象。申告しなかった人もかなりいるのではないか」と指摘しています。
 国税庁としても、仮想通貨に関連する納税環境の整備に本格的に乗り出したのは2017年からです。
 20178月に仮想通貨で得た所得は原則「雑所得」に該当するという見解を公表し、201712月には仮想通貨を別の仮想通貨と交換した場合の所得の計算方法などを具体的に例示し、適正申告を呼びかけました。
 課題の一つとして挙がっているのが、申告の前提となる取引データの内容や形式が仮想通貨交換会社ごとにバラバラなことです。
 業界関係者によると、交換会社によっては取引データを見ても個別の取引記録が売却なのか購入なのか区別できなかったり、取引履歴を取得できる件数に上限が設けられたりしていることもあったそうです。
 取引履歴を集約して税務申告の資料を作成するサービスを手がけているエアリアル・パートナーズ(東京)の取締役は、「交換会社はビジネスの拡大の方に目が向きがちで、顧客の税務申告の利便性に配慮する意識が低い会社もある」と話しているようです。
 僕自身は仮想通貨取引を行っていませんが、昨今の仮想通貨に関する報道などを見ていると、直感的には331人は少なすぎるのではないかという気はします。
 今後、国税庁がどう調査をして、どれだけ申告漏れを指摘してくるのか、ウォッチしていきたいと思います。
 2017年度の確定申告における仮想通貨の収入が1億円以上の人は331人だったことについて、どう思われましたか?

コインチェックの返金は課税対象!

2018年03月26日(月)

不正アクセスなどによって流出した分の仮想通貨を日本円で補償された時に、取得時の価格より返金価格が高い時には、非課税である損害賠償金には当たらず、課税所得に含まれるとの見解を政府が示しました。
2018年1月に約580億円の仮想通貨「NEM(ネム)」を流出させたコインチェック社は、今週中に顧客に対して日本円で返金する方針を打ち出しています。

政府が、2018年2月27日、立憲民主党の逢坂誠二衆院議員の質問に答えました。
「コインチェック社が日本円で返金したとして、取得時の価格より上回っていた時には、差額が利益とみなされて課税されるのか」との問いに対して、「どのような法律関係に基づき行われるものか、現時点では明らかでないので、お答えすることは困難である」と前置きした上で、「一般論として損害賠償金として支払われるものであっても、本来所得となるべきものや失った利益への賠償は非課税所得にはならない」との認識を明らかにしました。

コインチェック社は、被害当時にNEMを所有していた約26万人全員に対して、1NEM=88.549円として、日本円で総額約460億円の全額を返金する方針を発表しています。
政府の見解に照らし合わせると、NEMを88.549円以下で取得した人は、補償の際に生じた差額が利益とみなされ、所得税を課されることになりそうです。
仮想通貨で得た利益については、2017年9月に国税庁が発表したタックスアンサーにより、原則として「雑所得」として課税されることが明らかとなっています。
雑所得は他の所得と合算されて総合課税され、年をまたいでの損失繰越や、他の所得との損益通算はできません。

コインチェック社の返金対応の方針に対しては、NEM保有者からも反発の声があるようです。
2018年2月15日には、被害者7人が日本円ではなく仮想通貨での返還を求めて、東京地裁に提訴しました。
流出問題を受けてNEMの価格は2018年3月1日現在で41.01円と大きく値下がりしているため、コインチェック社の示した88.549円で返金されたほうが利益は大きくなりますが、「仮想通貨で取り戻したい人もいて、ニーズの問題だ」(原告側の弁護士)というように、保有者にとっては多額の納税が発生する可能性があるにもかかわらず選択の余地がないことが問題の本質と言えそうです。
しかしながら、当のコインチェック社はというと、補償について、原資の説明もされていないため、「本当に返ってくるのか」という利用者の不安は募るばかりのようです。

上場株式の場合でも、MBOなどがあると、自らの意思に関係なくスクイーズアウトされてしまいますが、やはり、投資は自己責任ということですね。
特に、仮想通貨に関しては、市場がまだ成熟していないため、今後予想もしえないようなことが起こりかねません。
値上がりを狙うのはもちろん良いですが、その辺のリスクを認識したうえで投資しないといけないですね。

コインチェックの返金は課税対象となりそうなことについて、どう思われましたか?


海外不動産を使う節税を見直し!

2018年01月23日(火)

給与所得控除の見直しやたばこ増税、森林環境税の創設など、2018年度の税制改正では比較的高所得のサラリーマンへの増税が目立った一方、使えなくなるとみられていたある節税策が制限を免れました。
海外不動産への投資を通じ発生させた赤字を、日本国内の所得に合算して税負担を圧縮する手法です。
今回は優先度が高くなかったため見送られましたが、今後は見直し対象になる可能性があります。

この手法は、アメリカやイギリスなど海外の中古住宅を購入して賃料収入を得つつ「減価償却費(=経費)」も発生させて所得を圧縮する(赤字にする)というものです。
海外不動産から生じた赤字を個人所得の総額から差し引く対象にできるという、日本の所得税法の仕組みを活用しているスキームです。

所得税率は課税対象となる年間所得が1,800万円以下なら33%ですが、この額を超えると40%になります。
例えば所得2,000万円の人が、海外不動産投資で300万円ほど「赤字」を出せば最終的な税率を抑えられるのです。

特に効くのが高所得のサラリーマンです。
各国の資産課税に詳しいネイチャー国際資産税の芦田敏之代表税理士は、「企業のオーナー社長より、外資系証券など高額給与所得者の利用が多い」と話しているようです。

ヨーロッパやアメリカの建物の平均寿命は日本より長くなっています。
一方で、日本の税法の計算方法では、法律上の耐用年数を過ぎた中古建物の使用可能年数は4~9年程度です。
これをヨーロッパやアメリカの物件にも当てはめ、あと10年以上は使える物件の価値を4年程度でゼロにして書類上の損失を出すという節税策が、富裕層を中心に活用されているようです。

ヨーロッパやアメリカでは建物の価値が日本より高く、賃料も稼げます。
不動産会社以外にもコンサルタントなどが参入し、節税目的の海外不動産投資が静かな盛り上がりを見せていました。

こうした手法を苦々しく見ていたのが、会計検査院です。
日本の税法での建物の使用可能年数の考え方が「国外にある物件には適合していない恐れがある」とし、富裕層が多い東京・麹町税務署管内などの延べ2万8千人超の確定申告書を分析して実態を調査しました。
その結果、賃料収入を上回る減価償却費を計上し損失を出している例が多いと分かったようです。
「損益通算して所得税額が減ることになり、公平性を高める検討が必要」と指摘し、2016年には見直しを求める検査報告も出しています。

不動産業界は、この節税策が「間もなく使えなくなる可能性がある」とみて駆け込み営業を展開しました。
分譲大手が2017年秋に実施したセミナーに出席した男性投資家も「2018年以降に制度が変わる可能性への言及があった」と話しているようです。

だがフタを開けると、今回は“温存”されました。
制度変更では他に優先度の高い項目が多かったためのようです。
減価償却制度を海外不動産の耐用年数を踏まえたものに変えるには大幅な作業も伴い、「それなりの時間がかかる」(減価償却制度を担当する財務省の税制第3課)ようです。
過去には、検査院が2010年に問題を指摘した中小企業への租税特別措置の見直しが、2017年までずれたこともあります。

それでも財務省の担当者は「検査院報告は重く受け止めており、海外不動産の実態把握がまず必要」と強調しており、節税策を放置するつもりはないようです。
数年単位の時間がかかりそうだが、見直しが実現すれば、日本の高所得者層による海外不動産の取得動向も変化してきそうですね。

会計検査院は頑張っていますね。
たまに、疑問符の付く調査もしていますが(笑)。
あとは、こういったこともあり、国税局も節税について研究しており、節税策はどんどんふさがれているという印象ですね。
税理士として、なかなか節税策を提案しにくい時代になってきていますね。
きちんと税制改正のリスクを説明していないコンサルタントなどが、世の中には結構いるような気がしますが、ここはきちんと説明しておかないと危ないですね。

海外不動産を使う節税が見直されそうなことについて、どう思われましたか?

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