OECDがデジタル課税のルールの合意を目指すことを公表!
デジタル経済に対応した国際課税ルールの見直しを巡り、経済協力開発機構(OECD)は、先日、2020年末までの具体的な作業計画を公表しました。
サービスの利用者がいる国により多くの法人税収を配分する仕組みや、法人実効税率に関する各国共通の「最低税率」について、2020年1月までに大枠合意することを目指すとしました。
見直し作業は、20カ国・地域(G20)の指示を受けてOECDが進めています。
2020年末までに最終合意することが目標とされていました。
今月に福岡市で開くG20財務相・中央銀行総裁会議では、作業計画を承認し、利用者がいる国に税収を配分するという基本方針で一致する見通しです。
作業の柱の一つは、企業が工場や支店など物理的拠点を置かない国は原則として企業に課税できないというルールの見直しです。
経済のデジタル化で従来の原則が成り立たない場面が増えているため、企業の拠点がない国でも課税できるようルールを拡張するようです。
拠点がない国が課税する際の法的な根拠や税収の配分方法を巡っては、アメリカ・イギリス・新興国から3つの案が出されています。
2020年1月までにこの3つの案を1つに統合することを目指しています。
柱の2つ目が、国家間の税率引き下げ競争を防ぐための「最低税率」の導入です。
「最低」をどの程度の水準に設定するかや、最低税率を下回った国で発生した収益を本国に付け替えて課税する場合の方法などについても、2020年1月までに大枠をまとめるようです。
作業計画では論点ごとに課題を提示しました。
OECDの専門家でつくる作業部会に対し6月以降に技術的な検討を進めるよう指示しました。
いわゆるタックスヘイブンが存在するため、国際企業を中心に過度な節税行為が行われているのは事実だと思います。
一方で、その国の税制も移住者や進出企業にとって大事なことであり、その国の移住者や進出企業につながっていますので、国策として、尊重すべきだと思います。
よって、過度な節税行為を防ぐためには、最低税率を設けることは良いことだと思います。
当然、導入されたとしても、研究がなされ、節税方法が出てくるのだとは思いますが、国がある意味お墨付きを与えるということになると考えられますので、これを機に、日本でも、税務当局が節税を当たり前のことだと思うようになってきてほしいなぁと思います。
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サンリオがタックスヘイブン対策税制で11億円の追徴課税!
2018年01月16日(火)
サンリオ(東京都)は、先日、香港にある子会社が東京国税局から税負担の不当な軽減を防ぐ「タックスヘイブン対策税制」の対象に認定されたと発表しました。
この認定により、子会社の2016年3月期までの4年間の所得約28億円を親会社と合算して申告すべきだと判断され、約11億円を追徴課税されたそうです。
サンリオは、法人税分6億円を既に納めたようですが、処分を不服として東京国税局への再調査の請求などを検討しているようです。
子会社は、香港の「サンリオ ウェーブ ホンコン」と「サンリオ グローバル アジア」の2社です。
「ハローキティ」や「ぐでたま」といった人気キャラクターを、東南アジア各地の市場に合わせて企画、デザインして現地企業に提供する事業を展開しています。
著作権の提供事業を主に行う海外子会社は、タックスヘイブン対策税制の対象企業と認定されますが、サンリオは、「現地でしかできない事業をしており、適用除外要件を満たしているはずだ。租税回避の意図はない」と主張しているようです。
サンリオのような知的財産権が重要な海外に進出している企業だと、当然、タックスヘイブン税制は慎重に検討していると思います。
最近、ニュースなどを見ると、課税当局は、きちんとした根拠を持って追徴しているのだろうかと思ったりしますが、サンリオには争っていただいて、勝って、税務当局の姿勢が改まればいいなぁと思いますね。
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