わが国の関税制度の概要
<関税とは>
関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきたが、今日では一般に「輸入品に課される税」として定義されている。
関税は、他の租税同様、その収入は国庫収入となる。
かつては、国家の財源として重要な位置を占めていた。国家間の経済交流が活発化し、貨幣経済が浸透する一方、国家の財政規模が巨大になり、国家の徴収体制が整備されるのに伴い、財源調達手段としての関税の意義は相対的に小さくなっているが、厳しい財政事情の下でこれを適正に確保することは重要となっている。
他方、関税が課せられると、その分だけコストが増加し、国産品に対して競争力が低下することから、関税の国内産業保護という機能が生まれる。
現在では、この産業保護が重要な関税の機能となっている。
<税関の役割>
税関では以下の3つの大きな使命のもと、国内関係機関や関係業界、さらには各国の税関や国際機関などと連携・協力しながら、適正な税関行政の運営に取り組んでいる。
1.安全・安心な社会の実現
銃器・不正薬物等の密輸阻止を最重要課題とするとともに、我が国におけるテロ行為等を未然に防止することにより「世界一安全な国、日本」を築く。
2.適正かつ公平な関税等の徴収
国税収入の約1割相当を徴収する歳入官庁として、適正かつ公平に関税等を徴収する。
3.貿易の円滑化
国際物流におけるセキュリティを確保しつつ、通関手続を一層迅速化する。
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2018年11月7日
BEPS防止措置実施条約に署名
2017年6月7日(水)【日本時間8日(木)】、パリにおいて、我が国は「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約」(BEPS防止措置実施条約)に署名した。
1.本条約の目的
本条約は、BEPSプロジェクトにおいて策定された税源浸食及び利益移転(BEPS)を防止するための措置のうち租税条約に関連する措置を、本条約の締約国間の既存の租税条約に導入することを目的としている。
本条約の締約国は、租税条約に関連するBEPS防止措置を、多数の既存の租税条約について同時かつ効率的に実施することが可能となる。
2.署名に至る経緯
2015年10月に公表されたBEPSプロジェクトの最終報告書では、多国籍企業による国際的な租税回避に対応するための様々な措置を勧告している。
本条約は、BEPSプロジェクト行動15の勧告に基づき、我が国を含むおよそ100か国・地域が参加した交渉によって策定され、2016年11月24日の交渉会合において採択された後、同年12月31日に全ての国及び特定の地域に対して署名のために開放された。
BEPSプロジェクトは、グローバルに協調して実施されてその真価を発揮するものであるところ、BEPSプロジェクトを先導してきた我が国としても、BEPSプロジェクトの成果の実施に向けて適切に対応していくため、今般、67か国・地域が出席して開催された本条約の署名式において、本条約に署名するに至った。
3.今後の手続
本条約は、本条約に署名した5か国・地域が批准書、受諾書又は承認書を寄託することにより、その5番目の寄託から所定の期間が満了した後に、その5か国・地域について効力を生じる。その後に批准書等を寄託する国・地域については、それぞれの寄託から所定の期間が満了した後に効力を生じる。
本条約は、本条約の適用対象となる各租税条約の全ての締約国について本条約が効力を生じてから所定の期間が満了した後に、その租税条約について適用が開始される。
我が国においては、本条約について批准書等を寄託するためには国会の承認が必要である。
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2017年8月15日
移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~
国税庁は、BEPSプロジェクトの進展や、移転価格文書化制度の整備などの移転価格を取り巻く環境変化の下、移転価格税制に関する納税者の自発的な税務コンプライアンスを高めることを目指し、事務運営(取組方針、具体的な施策)を見直すとともに、納税者の予測可能性や行政の透明性を向上させるため、平成29年(2017年)6月、「移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~」を公表した。
★概要はこちら⇒ 移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~の概要
★全文はこちら⇒ 移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~
2017年7月21日
移転価格税制に関する事前確認の申出及び事前相談
移転価格税制に関する事前確認(APA: Advance Pricing Arrangement)とは、移転価格課税に関する納税者の皆様の予測可能性を確保するため、納税者の皆様の申出に基づき、その申出の対象となった国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法及びその具体的内容(以下「独立企業間価格の算定方法等」という。)について、税務署長等が事前に確認を行うことをいい、昭和62年(1987年)に我が国が世界に先駆けて導入した施策である。
その後、米国(1991年)に続き、カナダ(1994年)、豪州(1995年)、韓国(1996年)、中国(1998年)に導入され、現在では30ヶ国以上で導入されている。
(注)
移転価格税制は、国外の関連企業(国外関連者)との取引を通じた海外への所得移転に対処し、適正な国際課税の実現を図る観点から、昭和61年度税制改正で導入された制度で、現在、主要先進国をはじめ40ヶ国以上で導入されている。
本税制の基本的仕組みは、法人と国外関連者との取引価格が第三者間の取引価格(独立企業間価格)と異なることにより、我が国の課税所得が減少している場合に、その取引が独立企業間価格で行われたとみなして所得を計算するというものである。
事前確認については、近年の国際取引の増加を反映し、その申出件数が増加してきていることから、国税庁においては、担当者を増員するなど、処理促進のための体制整備を図ってきているところである。
また、納税者に事前確認を円滑に利用いただけるよう、事前確認の申出の前に税務当局が相談を受ける事前相談を行っており、各国税局に事前相談の担当窓口を設けている。
事前相談は、納税者の皆様と税務当局の双方が申出内容について基本的な理解を共有するためのものであり、この事前相談を行うことにより、納税者にとっては、申出時に必要な資料作成事務を効率的に行うことができ、また税務当局における申出後の審査の円滑化・迅速化の効果が期待されるため、事前相談を積極的に活用することをお勧めする。
また、申出を行うかどうかのご判断がつきかねている納税者の方々のご相談も受け付けている。
★リンクはこちら⇒ 移転価格税制に関する事前確認の申出及び事前相談
2016年8月15日
移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし
OECDのBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトの勧告(行動13「多国籍企業情報の文書化」)を踏まえ、平成28年度税制改正により、租税特別措置法の一部が改正され、下記リンクのとおり移転価格税制に係る文書化制度が整備された。
このパンフレットでは、移転価格税制に係る文書化制度に関する改正内容のうち主要な項目のあらましを紹介している。
★リンクはこちら⇒ 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし
2016年6月15日
多国籍企業情報の報告
OECD(経済協力開発機構)のBEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)プロジェクトの勧告(行動13「多国籍企業情報の文書化」)を踏まえ、平成28年度税制改正により、多国籍企業情報の報告制度(最終親会社等届出事項、国別報告事項及び事業概況報告事項)が整備された。
これらの届出事項や報告事項は、国税電子申告・納税システム(e-Tax)により、所轄税務署長へ提供する。
★リンクはこちら⇒ 多国籍企業情報の報告
2016年6月10日
国外財産調書の提出制度(FAQ)
国税庁は、国外財産調書の提出制度(FAQ)を公表した。
その年の12月31日においてその価額の合計額が5千万円を超える国外財産を保有する居住者の方(非永住者の方を除く。)は、翌年の3月15日までに当該国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した「国外財産調書」を、所轄税務署長に提出しなければならないこととされている。
★リンクはこちら⇒ 国外財産調書の提出制度(FAQ)
2014年1月6日
新興国における課税問題の事例と対策
経済産業省は、今後新興国への進出を検討している日本企業に対し、進出先国において発生している課税問題を広く周知すべく、「新興国における課税問題の事例と対策」を作成した。
『新興国における課税問題の事例と対策(概要版)』と『新興国における課税問題の事例と対策(詳細版)』とがある。
移転価格税制・ロイヤリティ・PEのことなどが分かりやすく書かれている。
★「新興国における課税問題の事例と対策」(概要版)はこちら⇒ 「新興国における課税問題の事例と対策」(概要版)
★「新興国における課税問題の事例と対策」(詳細版)はこちら⇒ 「新興国における課税問題の事例と対策」(詳細版)
2013年9月11日
国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明
2013年6月11日に、我が国の金融庁・財務省及び国税庁は、アメリカ合衆国の財務省とともに「国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明」を発表した。
国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明(既に削除済み)
<追加>
国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明の一部を修正する追加的声明(仮訳)(2013年12月18日)
2013年6月20日
国外財産調書の提出制度
平成25年度から、居住者(「非永住者」の方を除く。)の方で、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方は、その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を、その年の翌年の3月15日までに提出しなければならないこととされた。
2013年4月26日
パーペチュアル・トラベラー
1.居住者と非居住者
我が国の所得税法上、「居住者」とは、国内に「住所」があり、または、現在まで引き続いて1年以上「居所」がある個人をいう。居住者(非永住者を除く)は、所得が生じた場所が国の内外を問わず、その所得について我が国において所得税を納める義務がある。なお、居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に国内に住所または居所を有する期間の合計が5年以下である人を「非永住者」という。非永住者は、国内において生じた所得とこれ以外の所得で日本で支払われたものまたは国外から送金されたものについて我が国において所得税を納める義務がある。
また、「非居住者」とは、居住者以外の個人をいい、日本国内で生じた所得(国内源泉所得)に限って所得税を納める義務がある。
2.住所と居所
「住所」とは、「各人の生活の本拠」をいい、国内に「生活の本拠」があるかどうかは、客観的事実によって判断することになっている。
また、「居所」とは、「その人の生活の本拠という程度には至らないが、その人が現実に居住している場所」とされている。
3.複数の滞在地がある人
ある人の滞在地が2か国以上にわたる場合に、その住所がどこにあるかを判定するためには、例えば、住居、職業、資産の所在、親族の居住状況、国籍等の客観的事実によって判断することになる。
(注)
滞在日数のみによって判断するものでないことから、外国に1年の半分(183日)以上滞在している場合であっても、我が国の居住者となる場合がある。
1年の間に居住地を数か国にわたって転々と移動する、いわゆる「永遠の旅人(Perpetual Traveler, Permanent Traveler)」の場合であっても、その人の生活の本拠が我が国にあれば、我が国の居住者となる。
外国(A国)の居住者となるかどうかは、A国の法令によって決まることになる。A国で居住者と判定され、我が国でも居住者と判定される場合、租税条約では、二重課税を防止するため、居住者の判定方法を定めている。どちらの国の居住者となるかを判定するに当たっては、我が国とA国との租税条約によるが、国籍をひとつの判断要素としている条約もある(日米租税条約等)。なお、必要に応じ、両国当局による相互協議が行われることもある。
2012年12月11日
平成23事務年度の相互協議の状況
国税庁では、移転価格課税等により国際的な二重課税が生じた場合、外国税務当局との相互協議を実施して問題の解決を図っている。また、納税者の予測可能性を高め、移転価格税制の適正・円滑な執行を図る観点から、事前確認に係る相互協議を実施している。
- 相互協議事案の発生件数
平成23事務年度は143件の相互協議事案が発生し、うち事前確認に係るものは112件と、全体の発生件数の約80%を占めている。
これを10年前の平成13事務年度と比較すると、相互協議件数で1.6倍、事前確認に係る相互協議件数で2.7倍となっており、増加傾向にある。ただし、この2年間は、主に事前確認の減少により発生件数は全体として減少している。 - 相互協議事案の処理件数
- 処理件数
相互協議の処理件数は157件(前年比96%)、事前確認に係る相互協議の処理件数は135件(前年比105%)で、全体の処理件数はやや減少したものの、事前確認に係る相互協議の処理件数は過去最高となった。 - 処理事案の地域別内訳
平成23事務年度の処理件数は、件数の多い順に、米国、豪州、英国となっている。
相互協議の相手国の数は、ここ数年はおおむね横ばいで推移している(平成18年:25か国→平成23年:23か国)。 - OECD非加盟国との相互協議事案の件数
対OECD非加盟国の発生件数は24件(前年比75%)、処理件数11件(同46%)、繰越件数95件(同116%)となっている。 - 1件当たりの平均的な処理期間
事案の処理に係る期間は、平均すると1件当たり25.1か月となっている。そのうち、事前確認に係る相互協議事案の処理に係る期間は、同様に1件当たり23.6か月となっている。
2012年10月15日
国内外の勤務がある場合のストック・オプションに係る国内源泉所得の範囲
例えば、以下のようなケースで考える。
米国人Aは、5年間の予定で米国法人B社の日本支店で勤務していたが、今般期間満了とともに帰国した。
ところで、Aは、日本支店での勤務期間中にB社からストック・オプションを付与されており、帰国後権利行使している。この場合の課税関係(国内源泉所得の範囲及び源泉徴収の要 否)はどうなるか?
(時系列)
H17.07.01 入国(日本支店勤務)
H18.07.01 権利付与
H22.06.30 出国
H23.06.30 権利行使
米国の居住者が受けるストック・オプション制度に基づく利益で、権利の付与から行使までの期間中、日米両国内で勤務が行われているものについては、日本での勤務期間に関連する部分のみ日本で課税することとされている(日米租税条約議定書第10項)。
このケースだと、ストック・オプションの付与時から行使時までの期間(5年)のうち日本での勤務期間(4年)に関連する部分の経済的利益を国内源泉所得(給与所得)として取り扱うのが相当と考えられる。
なお、Aは、帰国後、非居住者に該当し、国外において国内源泉所得の支払が行われることとなるが、米国法人は日本支店を有しているので、所得税法第212条第2項の規定により、日本支店は、その国内源泉所得について20%の税率で所得税を徴収し、その翌月末日までに納付しなければならない。
2012年8月27日
国外財産調書の提出制度のチラシ
国外財産調書の提出制度が創設され、法施行後の最初の国外財産調書は、平成25年12月31日における国外財産の保有状況を記載して、平成26年3月17日までに提出する必要があるが、そのチラシが作成された。
<趣旨>
適正な課税・徴収の確保を図る観点から、国外財産を有する方からその保有する国外財産について申告をしていただく仕組み(国外財産調書制度)が創設された。
<概要>
その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方は、その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した調書(以下「国外財産調書」という。)を、翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出しなければならない。
(注)
「国外財産」とは、「国外にある財産をいう」こととされている。ここでいう「国外にある」かどうかの判定については、財産の種類ごとに行うこととされ、例えば、以下のように、その財産自体の所在、その財産の受入れをした営業所または事業所の所在、その財産の発行者等の所在などによることとされている。
- 「動産又は.動産」は、その動産、または動産の所在
- 「預金、貯金または積金」は、その預金、貯金または積金の受入れをした営業所または事業所の所在
- 「社債または株式」は、その社債または株式の発行法人の本店または主たる事務所の所在
<国外財産の価額>
国外財産の「価額」は、その年の12月31日における「時価」または時価に準ずるものとして「見積価額」によることとされている。また、「邦貨換算」は、その年の12月31日における「外国為替の売買相場」によることとされている。
(注)
上記の「時価」または「見積価額」の具体的な算定方法、及び「外国為替の売買相場」の具体的な基準については、今後、通達等において示される予定である。
<国外財産調書の記載事項>
国外財産調書には、提出者の氏名、住所(または居所)に加え、国外財産の種類、用途(一般用及び事業用の別)、所在、数量、価額などを記載することとされている。
(注)
「事業用」とは、動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき事業または業務の用に供することをいい、「一般用」とは、それ以外の用に供することをいう。
2012年7月30日
非居住者等への給与等の人的役務の提供に対する報酬等の源泉徴収
非居住者や外国法人(以下「非居住者等」という。)に対して、源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」を支払う場合には、その支払の際に所得税を源泉徴収しなければならない場合がある。
したがって、取引において、非居住者等に何らかの支払をする場合には、その対価が源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」に該当するかを確認する必要がある。
非居住者に支払う給与その他の人的役務の提供に対する報酬等のうち、国内において行った勤務その他の人的役務の提供に対するものを支払う際には、所得税を源泉徴収しなければならない。
(注)
非居住者等の居住地国と我が国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約の定めるところにより課税が軽減または免除され、源泉徴収が不要となる場合などがある。
2012年7月27日
非居住者等への工業所有権や著作権等の使用料等の源泉徴収
非居住者や外国法人(以下「非居住者等」という。)に対して、源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」を支払う場合には、その支払の際に所得税を源泉徴収しなければならない場合がある。
したがって、取引において、非居住者等に何らかの支払をする場合には、その対価が源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」に該当するかを確認する必要がある。
国内において業務を行う者が、非居住者等に支払う、工業所有権や著作権等の使用料またはそれらの取得の対価のうち、その国内業務に係るものを支払う際には、所得税を源泉徴収しなければならない。
(注)
非居住者等の居住地国と我が国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約の定めるところにより課税が軽減または免除され、源泉徴収が不要となる場合などがある。
2012年7月26日
非居住者等への不動産の賃借料等の源泉徴収
非居住者や外国法人(以下「非居住者等」という。)に対して、源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」を支払う場合には、その支払の際に所得税を源泉徴収しなければならない場合がある。
したがって、取引において、非居住者等に何らかの支払をする場合には、その対価が源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」に該当するかを確認する必要がある。
非居住者等から、日本国内にある土地や建物等の不動産を借りる場合、その賃借料を支払う際に、所得税を源泉徴収しなければならない。
なお、個人が、自己またはその親族の居住の用に供するために土地や家屋を借りる場合に支払うものについては、源泉徴収をする必要はない(法人が借りて賃借料を支払う場合には、源泉徴収をしなければならない。)。
(注)
非居住等の居住地国と我が国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約の定めるところにより課税が軽減または免除され、源泉徴収が不要となる場合などがある。
2012年7月23日
非居住者等への土地等の対価の源泉徴収
非居住者や外国法人(以下「非居住者等」という。)に対して、源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」を支払う場合には、その支払の際に所得税を源泉徴収しなければならない場合がある。
したがって、取引において、非居住者等に何らかの支払をする場合には、その対価が源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」に該当するかを確認する必要がある。
非居住者等から、日本国内にある土地や建物等の不動産を取得した場合、その対価を支払う際に、所得税を源泉徴収しなければならない。
なお、個人が、自己またはその親族の居住の用に供するために取得した土地等で、その土地等の対価の額が1億円以下である場合は、その個人が支払うものについては源泉徴収をする必要はない(法人が取得して対価を支払う場合には、1億円以下であっても源泉徴収をしなければならない。)。
(注)
非居住者等の居住地国と我が国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約の定めるところにより課税が軽減または免除され、源泉徴収が不要となる場合などがある。
2012年7月20日
個人の海外の組合への投資に関する課税
個人が海外投資を行なっている場合、個別的な判断が必要になるが、LLCは法人への投資、LPは任意組合への投資と考えられることが多い。
この場合、前者は配当所得、後者は雑所得として、組合の決算に基づき所得を認識する(純額方式の場合)。
2012年2月23日
非居住者の国内不動産の譲渡
非居住者が国内不動産を譲渡した場合、原則として、譲渡対価の10%の源泉徴収の必要がある。
以下の2つを充たす場合、例外的に、源泉徴収は不要である。
- 譲渡対価が1億円以下であること
- 当該土地等を自己またはその親族の居住の用に供するために譲り受けることなお、3,000万円の特別控除や居住用財産の税率の特例なども適用可能である。
2012年2月22日
居所とは?
『住所』は所得税基本通達2-1で「各人の生活の本拠をいい、生活の本拠であるかどうかは客観的事実によって判定する」と定義されている。
しかしながら、『居所』については所得税法上定義はないが、「住所以外の場所において人が相当期間継続して住む場所で、かつ、生活の本拠という程度には至らないものをいう」とされている。
2011年8月18日
非居住者とは?
非居住者とは居住者以外の個人をいう。
日本で課税されるのは、以下のみである。
- 国内源泉所得
2011年8月17日
非永住者以外の居住者とは?
非永住者以外の居住者とは、居住者のうち非永住者以外の個人をいう。
いわゆる日本人(一般的な日本居住者)である。
全世界所得(大きく分けると以下の2つ)が課税対象となる。
- 国内源泉所得
- 国外源泉所得
2011年8月16日
非永住者とは?
非永住者とは、居住者のうち、日本国籍を有しておらず、かつ、過去10年間のうち5年以下の期間国内に住所または居所を有する個人をいう。
非永住者については、以下のものが課税される。
- 国内源泉所得
- 国外源泉所得のうち国内払いまたは国内に送金された部分
2011年8月11日
居住者とは?
居住者とは、国内に住所があるか、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいう。
居住者は、
- 非永住者
- 非永住者以外の居住者
とに区分される。
2011年8月10日