事務所通信
2025年4月号『シェアリングサービス用の敷地の落とし穴!』
数年前から、我が香川県高松市でも、LUUPという電動キックボードと電動アシスト自転車のシェアリングサービスをみかけるようになりました。
利用者にとっては便利かと思いますが、土地の有効利用を考える所有者にとっては思わぬ落とし穴があります。
そこで今回は、『シェアリングサービス用の敷地の落とし穴!』について取り上げます。
1.シェアリングサービスとは?
最近、レンタサイクルなどのサービスが広がっています。
我が香川県高松市でも、水色の車体のLUUPという電動キックボードと電動アシスト自転車のシェアリングサービスを結構目にするようになりました。
カーシェアリングなども同様です。
2.住宅用地の特例
ここで、住宅用地については、特例措置があり、税金が軽減されています(空き地は除きます。)。
小規模住宅用地(住宅やアパート等の敷地で200㎡以下の部分) |
・固定資産税:価格×1/6 ・都市計画税:価格×1/3 |
一般住宅用地(住宅やアパート等の敷地で200㎡を超える部分) |
・固定資産税:価格×1/3 ・都市計画税:価格×2/3 |
(注1)アパート・マンション等の場合は、戸数×200㎡以下の部分が小規模住宅用地となります。
(注2)併用住宅(家屋の一部が住宅のほか、店舗等に利用されている家屋)の場合は、建物の構造、階数、住宅として利用している部分の割合によって、住宅用地となる面積が異なります。
(注3)1月1日において新たに住宅の建設が予定されている土地や住宅が建設されつつある土地は、住宅の敷地とはされません。
3.シェアリングサービス用の敷地の税金
一般的に、建物と道路の間の空きスペースを利用してポートなどが設置されています。
テナントビルの敷地であればそもそも非住宅用地なので影響はありませんが、例えば、アパート敷地のちょっとしたスペースに設置されていたら、非住宅用地として取扱われることになります。
よって、シェアリングサービス用の敷地は住宅用地の特例対象地から外れ、固定資産税と都市計画税の負担が増加するのです。
実際には、敷地面積はそれほど広くないと考えられますが、設置場所はサイトで簡単に分かるため、現地を確認すれば一目瞭然であり、東京都主税局などはこの調査を強化しており、発見次第、是正する旨のお尋ね文書を郵送しているようです。
それゆえ、シェアリングサービス用の敷地は、固定資産税等が増加することを考慮して賃貸料を設定する必要があります。
運営会社も、これについては認識しているようなので、既に設置しているのであれば、設置料の見直しも検討に値します。
4.最後に
世の中には、色々な節税や資産運用の商品・サービスがありますが、思わぬ落とし穴が待っていることもありますので、始める際には自己責任で慎重に検討しましょう。
2025年4月22日 國村 年