事務所通信2018年9月

事務所通信

2018年9月号『準確定申告とは?』

 数年ごとにあるのですが、2018年は、相続税申告業務をたくさんご依頼いただいているので、それに伴って『準確定申告』をすることが多くなっています。

 初回の面談時に相続人の方とお話をしていると、亡くなった場合も、翌年の3/15までに所得税の『確定申告』をすれば良いと思っている方が多いように感じられます。

 そこで今回は、『準確定申告とは?』について、書きたいと思います。

1.準確定申告とは?

 年の中途で死亡した人の場合は、相続人が、1/1から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしないといけないのです。

 これを『準確定申告』といいます。

2.準確定申告の留意点

 以下の点に留意しましょう。

1

確定申告をしなければならない人が翌年の1/1から確定申告期限(原則、翌年3/15)までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合

準確定申告の期限は、前年分、本年分とも相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内

2

相続人が2人以上いる場合

原則、各相続人が連署により準確定申告書を提出

3

準確定申告における所得控除の適用

イ.医療費控除の対象は、死亡の日までに被相続人が支払った医療費のみ

ロ.社会保険料、生命保険料、地震保険料控除等の対象は、死亡の日までに被相続人が支払った保険料等の額

ハ.配偶者控除や扶養控除等の適用の有無(親族関係やその親族等の1年間の合計所得金額の見積り等)は、死亡の日の現況により判定

 なお、準確定申告書には、各相続人の氏名、住所、被相続人との続柄などを記入した付表を添付し、被相続人の死亡当時の納税地の税務署長に提出します。

3.相続人の青色申告承認申請書

 青色申告の被相続人の業務を、相続人が相続により承継し、青色申告をする場合、提出期限までに納税地の所轄税務署長に青色申告承認申請書を提出する必要があります。

1

被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の1/1~8/31)

死亡の日から4か月以内

2

被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の9/1~10/31)

その年の12/31

3

被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の11/1~12/31)

翌年2/15

 

4.最後に

 準確定申告はお亡くなりになった日から4か月以内にしないといけません。

 また、青色申告については、お亡くなりになった日によって提出期限が異なりますし、被相続人が白色申告の場合、2か月以内に提出しないといけないため、うっかりしていると、お亡くなりになった年が青色申告となりませんので、注意しましょうね。

2018年9月21日 國村 年

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