事務所通信2018年12月

事務所通信

2018年12月号『相続税の申告状況と調査状況はどうなっているのか?』

 2018年は、相続税の申告のご依頼、相続税対策のご依頼を想像以上にたくさんいただきました。
 依頼者には、必ず相続税の申告状況や調査状況をお話しすることにしています。
 そのような中、先日、国税庁から『平成29年分の相続税の申告状況』及び『平成29事務年度における相続税の調査の状況』が公表されました。

 そこで今回は、『相続税の申告状況と調査状況はどうなっているのか?』について、書きたいと思います。

1.平成29年分の相続税の申告状況

 平成29年中(平成29年1月1日~平成29年12月31日)に亡くなられた方から、相続や遺贈などにより財産を取得した方についての相続税の申告状況の概要は、以下のとおりです。

 

H29

対前年比

死亡者数


1,340,397


102.5

相続税の申告書の提出者数


111,728


105.5

課税割合
(②÷①)


8.3

ポイント
0.2

 なお、相続財産の金額の構成比は、土地36.5%、現金・預貯金等31.7%、有価証券15.2%、家屋5.4%、その他11.2%となっています。

2.平成29事務年度における相続税の調査の状況

 相続税の実地調査は、平成27年に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報等から申告額が過少であると想定される事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告と想定される事案等について実施しました(平成29年7月から平成30年6月まで)。

 

H29

対前年比

実地調査件数


12,576


103.8

申告漏れ等の非違件数


10,521


106.0

非違割合
(②÷①)


83.7

ポイント
1.7

重加算税賦課件数


1,504


115.7

重加算税賦課割合
(④÷②)


14.3

ポイント
1.2

 ちなみに、実地調査のほか、文書、電話による連絡または来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤り等がある申告を是正するなどの接触(以下「簡易な接触」といいます。)を実施しています。

 なお、実地調査の申告漏れ相続財産の金額の構成比は、現金・預貯金等34.1%、有価証券15.2%、土地11.8%、家屋1.8%、その他37.1%となっています。

3.最後に

 亡くなった方のうち相続税を支払っているのは8%強ですが、そのうち8人に1人くらいが税務調査を受け、8割以上が修正申告しています。
 名義預金・名義有価証券などに留意して、相続税の申告をしましょうね。

2018年12月25日 國村 年

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