役員退職給与の不相当に高額な部分が国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するとした事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 棄却
- 令和5年12月14日裁決
<ポイント>
本事例は、滞納会社が請求人に役員退職慰労金として支給した金額は、請求人の当該会社における役員としての職務執行及び功労との対価的均衡を著しく欠くものであり、その支給は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するとしたものである。
<要旨>
請求人は、原処分庁がした第二次納税義務の納付告知処分について、①過去に、滞納会社(本件滞納会社)から役員退職慰労金として支給を受けた不動産(本件不動産)を本件滞納会社に売却したことにする売買契約(本件売買契約)をしたのは、帳簿上、本件滞納会社の使途不明金を請求人に対する役員貸付金に振り替えた残高を消し込むためであり、本件不動産の所有権は請求人が有したままであったから、本件不動産は、退職慰労金として請求人に譲渡された財産ではない旨、また、②滞納会社が請求人に本件不動産や生命保険契約(本件保険契約)の契約上の地位等を役員退職慰労金として支給したこと(本件支給)は、請求人の役員退職慰労金として相当と認められる金額の範囲内であり、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償譲渡等の処分には該当しない旨主張する。
しかしながら、上記の役員貸付金及びこれと相殺された本件売買契約に基づく売買代金には、いずれも実体があったというべきであることや、本件滞納会社が本件売買契約に沿って、本件不動産の所有権を取得した買主として振る舞っていたことなどからすれば、本件売買契約は、実体のない仮装売買であったとはいえない。
また、国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分に該当するかどうかは、平均功績倍率法によって求めた相当とされる役員退職給与の金額と実際に支給された役員退職給与の金額の乖離の程度に加えて、当該役員の職務又は功労の内容、程度、勤務年数のほか当該役員退職給与が支給されるに至った具体的事情等をも考慮した上で判断するのが相当であるところ、本件支給の額は、平均功績倍率法により求められる請求人の役員退職慰労金として相当と認められる金額の7倍を超え、その乖離の程度が大きいことに加え、請求人の主な業務は社員教育であり、本件滞納会社の経営を担っていたとはいえないことや本件支給の決議当時の状況等に鑑みれば、本件支給がされたのは、本件滞納会社が滞納国税の徴収などを回避するためであり、本件支給の額は、本件不動産及び本件保険契約を請求人に得させるために設定されたもので、請求人の職務及び功労と役員退職慰労金の金額との対価的均衡を考慮した上で決定されたものではなかったと認められるから、本件支給は、同条に規定する無償譲渡等の処分に該当する。
★リンクはこちら ⇒ 役員退職給与の不相当に高額な部分が国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分に該当するとした事例
2024年9月18日
公売公告処分は、原処分庁が分割納付誓約期間内に公売に付したという時期の判断において、その裁量権の行使が差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らして合理性を欠く不当な処分であると判断した事例
- 公売公告処分
- 全部取消し
- 令和5年8月21日裁決
<ポイント>
本事例は、請求人の自主納付の見込み、公売による換価額、差押財産の公売による請求人への影響等の諸般の事情をも考慮すると、公売に付した時期の判断において、その裁量権の行使が差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らして合理性を欠く不当な処分であると判断したものである。
<要旨>
原処分庁は、差押財産を公売に付すべき時期については、国税の徴収の所轄庁の合理的な裁量に委ねられていると解されており、請求人が所有する各不動産(本件各不動産)の公売公告処分(本件公売公告処分)は、公売に付すべき時期について裁量権の範囲内で合理的に行われたものであるから、違法又は不当な処分ではない旨主張する。
ところで、換価に関する時期の判断に当たっては、滞納者の個々の実情を踏まえ、国税の効果的な徴収に向け、個々の滞納事案における自主納付の見込み、公売による換価額、差押財産の公売による滞納者への影響等諸般の事情をも考慮して判断することが相当と解されるところ、本件は、請求人には自主納付による完納の見込みがないこと、本件各不動産の換価額として相応の金額が見積もられていたこと、本件各不動産の公売が必ずしも請求人の事業の継続を不可能にするものではないことなどの事情があり、これらの事情を考慮すれば、本件各不動産を公売に付する時期について、原処分庁に裁量権の範囲の逸脱又は濫用があったとは認められないから、本件公売公告処分は適法である。
しかしながら、原処分庁の裁量権の行使が、差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らし合理性を欠く場合には不当と判断すべきであるところ、本件は、請求人が提出した分割納付誓約書の誓約期間(本件分割納付誓約期間)内に、納付計画どおりの自主納付をする蓋然性が高く、また、本件分割納付誓約期間内に本件各不動産を直ちに換価することで、換価額の下落の回避又は換価額の相対的な価値の維持ができたなどの徴収上有利となる事情がない。
また、原処分庁の徴収担当職員が、本件分割納付誓約期間内に本件各不動産が公売に付されることはないとの請求人の期待を排斥しなかったことにより、本件各不動産の代替土地を確保し得る機会及び期間が事実上なくなり、公売による請求人の事業に対する影響がより大きくなったことなどの事情があり、これらの事情を考慮すれば、本件公売公告処分は、公売に付する時期の判断において、その裁量権の行使が、差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らして合理性を欠く不当な処分であるといえる。
★リンクはこちら ⇒ 公売公告処分は、原処分庁が分割納付誓約期間内に公売に付したという時期の判断において、その裁量権の行使が差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らして合理性を欠く不当な処分であると判断した事例
2024年4月25日
請求人には国税を一時に納付することにより、その事業の継続を困難にするおそれがあるとは認められないとした事例
- 換価の猶予不許可処分・棄却
- 令和4年12月9日裁決
<ポイント>
本事例は、当座資金の額から納付すべき国税の金額を控除した残額はつなぎ資金の額を上回るため、国税を一時に納付することにより事後の決済資金に不足を生じると認められないのであるから、国税徴収法第151条の2第1項に規定する事業の継続を困難にするおそれがあるとは認められないとしたものである。
<要旨>
請求人は、原処分庁が行った換価の猶予不許可処分に対し、コロナ禍が長期間にわたっているため、つなぎ資金の額を1年間の収支状況で考慮すると、国税徴収法第152条《換価の猶予に係る分割納付、通知等》第1項に規定する納付を困難とする金額が算定され、納付すべき国税を一時に納付することにより事業の継続を困難にするおそれがあると主張する。
しかしながら、申請による換価の猶予は納税者救済のための例外的な制度であるから、つなぎ資金は必要最小限度の期間を基礎として計算するものであり、1年間の収支状況を考慮すべきではない。そして、同法第151条の2第1項に規定する事業の継続を困難にするおそれがあると認められる場合とは、事業に不要不急の資産を処分するなど事業経営の合理化を行った後においても、なお国税を一時に納付することにより事後の決済資金に不足を生じ、その結果、滞納者がその事業を休廃止せざるを得ない状態に至るおそれがあると認められる場合をいうものと解されるところ、本件では当座資金の額から納付すべき国税の金額を控除した残額はつなぎ資金の額を上回ることから、国税を一時に納付することにより事後の決済資金に不足が生じるとは認められない。
したがって、請求人には国税を一時に納付することにより、その事業の継続を困難にするおそれがあるとは認められない。
★リンクはこちら ⇒ 請求人には国税を一時に納付することにより、その事業の継続を困難にするおそれがあるとは認められないとした事例
2023年12月15日
会社法第762条の規定に基づく新設分割によって滞納法人の事業を承継した請求人は国税徴収法第38条の規定による第二次納税義務を負うとした事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 一部取消し
- 令和3年4月12日裁決
<ポイント>
本事例は、請求人が事業を間断なく継続して運営するためには、資産の承継が前提となっており、新設分割と資産譲渡という2つの法形式により事業譲渡が完成したことが認められ、複数の取引による事業譲渡については、いずれの取引により譲渡されたものであっても国税徴収法第38条にいう譲受財産に当たると判断したものである。
<要旨>
請求人は、会社法第762条《新設分割計画の作成》の規定に基づく新設分割(本件新設分割)により滞納法人から事業(本件事業)を譲り受け、本件事業に係る契約上の地位のほか、本件事業に属する消極財産を承継した後、滞納法人が本件新設分割により取得した請求人の全株式を第三者法人に譲渡した上で、本件事業の用に供するための資産(本件資産)である積極財産を時価で譲り受けた(本件資産譲渡)ことから、本件資産が国税徴収法第38条《事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務》にいう譲り受けた事業に属する譲受財産に該当せず、請求人が本件資産を譲り受けた時点で同条及び国税徴収法施行令第13条《納税者の特殊関係者の範囲》第1項第5号に規定する特殊関係者に該当しない旨主張する。
しかしながら、本件新設分割において、請求人が本件事業を間断なく継続して運営するためには、本件資産の承継が前提となっており、滞納法人が本件資産譲渡に関する手続を本件新設分割と並行して行っていたことから、本件事業の譲渡は、本件新設分割と本件資産譲渡という2つの法形式により完成したことが認められる。
加えて、近時は事業譲渡が複数の取引により行われることも通常みられ、複数の取引が1つの企業結合を構成している場合には、それらを一体として取り扱うとされていることから、複数の取引による事業譲渡については、いずれの取引により譲渡されたものであっても譲受財産に当たると解するのが自然である。
したがって、本件事業の譲渡は、複数の取引による事業譲渡に当たると認められ、それらの取引の一つである本件資産譲渡により譲渡された本件資産は、国税徴収法第38条にいう譲受財産に該当すると解する。
また、特殊関係者の判定は、本件資産に係る事情を踏まえると、請求人が本件新設分割の時点において特殊関係者であれば足りるというべきであることから、請求人は、国税徴収法第38条及び国税徴収法施行令第13条第1項第5号に規定する特殊関係者に該当する。
ただし、原処分庁が認定した譲受財産には、原処分庁の差押えにより請求人への引渡しが不能となった債権が含まれ、この場合あらかじめ請求人と滞納法人との間において譲渡対価を減額する旨の合意をしていたことから、本件資産譲渡に係る契約の一部を合意解除したものと解され、当該債権は国税徴収法第38条に規定する譲受財産には含まれない。
★リンクはこちら ⇒ 会社法第762条の規定に基づく新設分割によって滞納法人の事業を承継した請求人は国税徴収法第38条の規定による第二次納税義務を負うとした事例
2022年3月8日
令和2年度租税滞納状況について
国税庁は、適正かつ公平な徴収を実現するため、期限内収納の確保に努めるとともに、滞納となったものについては、納税者個々の実情を踏まえながら、法令等に基づき、納税緩和措置の適用や滞納処分を実施するなどして確実な徴収に努めている。
特に、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方に対しては、法令等に基づき、納税の猶予等の納税緩和措置を迅速かつ柔軟に適用するなど、引き続き、適切に対応している。
★リンクはこちら ⇒ 令和2年度租税滞納状況について
2021年8月17日
請求人を所有者とする不実の登記がなされている不動産を滞納法人が請求人に取得させた行為が、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の第三者に利益を与える処分に該当するとしてされた納付告知処分について、当該不動産があたかも請求人所有の不動産であったかのような会計処理が行われていることをもって不動産の所有権を請求人に取得させたとは認められないと判断した事例
- 第二次納税義務納付告知処分
- 全部取消し
- 令和2年7月28日裁決
<ポイント>
本事例は、請求人を買主として作成された不動産売買契約書について、処分証書ではないとして契約の成立を否認した上で、仮に契約が成立したと認められるとしても、内心の意思とは異なる意思表示について売主は悪意であったといえるから、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)第93条《心裡留保》ただし書の規定により無効であるという判断をしたものであり、また、会計処理等によっては不動産の所有権移転が認められず、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の第三者に利益を与える処分がされたとはいえないと判断したものである。
<要旨>
請求人は、買主を滞納法人とする4月付の売買契約(4月売買契約)は解除合意(本件解除合意)がされ、その後、買主を請求人とする5月付の売買契約(5月売買契約)が成立しており、これを無効とする事情はないから、5月売買契約に基づいて、請求人名義で不実の登記がなされた各不動産(本件各不動産)を取得した旨主張する。
しかしながら、事実関係からすれば、請求人が5月売買契約に係る契約書(5月売買契約書)を作成する意思は有していたとしても、その作成によって、本件各不動産を請求人が買い受ける旨の意思表示がされたものとは認められない。
仮に5月売買契約書等の作成によって、請求人等がこれらの書面に記載されたとおりの意思表示をしたと認められるとしても、事実関係を前提とすれば、内心の意思とは異なる意思表示がされ、これを売主も認識していたといえるから、いずれにしても民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)第93条《心裡留保》ただし書の規定により、5月売買契約等は無効となる。
また、原処分庁は、請求人を所有者とする不実の登記がされた本件各不動産について、①本件各不動産の売買代金を仮払金として計上していた滞納法人が、売買後、これを請求人に対する貸付金に振り替え(本件会計処理)、請求人が、本件各不動産の賃料収入を売買時から遡って計上したこと、②滞納法人の代表者が請求人も支配できる立場にあり、税務調査を切り抜けるためにこれらの会計処理をしたこと等からすれば、本件会計処理の日に本件各不動産の所有権は滞納法人から請求人に移転している旨主張する。
しかしながら、滞納法人は、本件会計処理の日以降も本件各不動産の賃料収入を受領しており、その余の事情を考慮しても、本件各不動産の所有権が請求人に移転したと認めるに足りる証拠もないことから、本件会計処理の日に本件各不動産の所有権が滞納法人から請求人に移転したとは認められない。
2021年4月23日
滞納法人の売上げを譲り受けたことによる国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく第二次納税義務の納付告知処分の取消請求において、請求人が受けた利益の一部は滞納法人に係る売上げではないとした事例
- 第二次納税義務の告知処分
- 一部取消し
- 令和2年7月9日裁決
<ポイント>
滞納法人の売上除外等に加担した法人の口座へ売上金を振り込ませた後、請求人に当該売上金を現金又は振込みにより無償譲渡したとして告知処分された第二次納税義務について、請求人及び関係者らの答述等の信用性を検討した上で、上記加担した法人の口座に振り込まれた金員の一部は、滞納法人に係る売上げではないとして、当該第二次納税義務の一部を取り消したものである。
<要旨>
原処分庁は、滞納法人が各取引先から受け取るべき売上金が、請求人の指示の下、請求人の知人が主宰する法人を発行元とした各請求書に基づき、請求人に交付されたことについて、請求人、滞納法人の代表者及び請求人の知人(請求人ら)が認めていることから、滞納法人から請求人に対して、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する無償の譲渡があった旨主張する。
しかしながら、一部の取引先について、請求人らから、滞納法人に帰属する売上げを請求したものであるとの具体的な申述はなく、当該取引先から原処分庁への回答書にも、滞納法人に帰属する売上げであるなどの具体的な記載もない。
また、本件の全証拠を検討しても、滞納法人に係る売上げであると断定するに足りる証拠は認められない。
2021年4月19日
売却決定処分に係る見積価額が時価より著しく低廉であり違法であるとの請求人の主張に対し、売却決定価額と時価(基準価額)とを比較し、低廉ではないと判断した事例
- 不動産の売却決定処分
- 棄却
- 令和元年7月2日裁決
<ポイント>
本事例は、売却決定価額の低廉性の判断においては、売却決定価額と時価(基準価額)を比較するのが相当であり、見積価額の低廉性の主張に対しても、結果として売却決定価額が著しく低廉でない限り、低廉による違法の認定はないと判断したものである。
<要旨>
請求人は、請求人が所有する土地(本件土地)の時価については、少なくとも不動産販売会社による簡易査定価格を下回らないから、本件土地の見積価額(本件見積価額)は時価より著しく低廉であり、時価より著しく低廉な見積価額で公売された場合の売却価額は、見積価額が時価相当額であった場合と比べて当然に低廉となる旨主張する。
しかしながら、公売財産の見積価額は、その財産の時価に相当する基準価額を求めた上、公売の特殊性を考慮し、基準価額からそのおおむね30%程度の範囲内の公売特殊性減価を行い算定することから、時価を相当に下回るのが通常であるところ、公売財産の見積価額が時価より著しく低廉であり、その結果、売却価額も時価より著しく低廉となった場合には、見積価額の決定が最低売却価額の保障をすることにあるという趣旨に反することとなるから、この場合の売却決定処分は違法になると解すべきである。
本件では、本件土地の基準価額に公売特殊性減価(減価率20%)をした額を本件見積価額として決定し、本件土地の売却価額は、本件土地の時価と認められる本件土地の基準価額の約85%に相当する価額であったことから、時価より著しく低廉でないと認められる。
★リンクはこちら ⇒ 売却決定処分に係る見積価額が時価より著しく低廉であり違法であるとの請求人の主張に対し、売却決定価額と時価(基準価額)とを比較し、低廉ではないと判断した事例
2020年6月5日
当初の基準価額から再公売による市場性減価及び公売特殊性減価の上算出した見積価額による最高価申込者決定処分について、減価は徴収法基本通達の範囲内で行われており、合理性を欠くものとは認められないことから、見積価額が時価より著しく低廉であるとは認められず、最高価申込者決定処分も違法なものとはいえないとした事案
- 最高価申込者決定処分
- 棄却
- 令和元年9月19日裁決
<要旨>
請求人は、請求人が所有する土地(本件土地)の最高価申込価額(本件最高価申込価額)は、請求人が任意売却を申し入れた際の金額や本件土地の近隣の土地の販売価格よりも低廉であるため、最高価申込者決定処分は違法である旨主張する。
しかしながら、本件最高価申込価額と同額の公売時見積価額は、国税徴収法(平成30年3月法律第7号による改正前のものをいう。)第98条《見積価額の決定》第1項や国税徴収法基本通達第98条関係2《公売財産の評価》、同3《見積価額の決定》、同通達第107条関係1-2《見積価額の変更》を根拠として、不動産鑑定士による鑑定評価額を基に、期間経過に伴う価格変動を時点修正し、公売において需要がなく公売が不成立となった事実を根拠に市場性減価し、公売が強制売却であること等による公売特殊性減価した上で算出されたものであり、算出過程に不合理な点は認められないから、本件最高価申込価額も公売財産の時価より著しく低廉であるとは認められない。
2020年6月2日
差押処分の前に差押財産を商品売買契約により取得し、引渡しを受け対抗要件を備えたとの請求人の主張について、商品売買契約書により売買の意思表示は認められるものの、売買の意思表示が同契約書作成時にされたとは認められないとした事例
- 動産の差押処分
- 棄却
- 令和元年7月8日裁決
<ポイント>
本事例は、直接証拠として提出された商品売買契約書について、その証拠力の適切な検討を踏まえて、請求人と滞納法人との商品売買契約の成否について、当事者の真意を事実認定のプロセスに則り適切に認定し、書証の区分による判断の枠組みに従い適切な法的構成により判断したものである。
<要旨>
請求人は、原処分庁が差し押さえた各動産のうち動産1(動産1)の所有権は、請求人が徴収職員に提示した商品売買契約書(本件商品売買契約書)による契約(本件商品売買契約)により当該各動産の各差押処分時(本件各差押処分時)までに、滞納法人から請求人に移転している旨主張する。
しかしながら、①本件商品売買契約書によって本件商品売買契約が本件各差押処分より前に成立しているとは認められないこと、②本件商品売買契約書に滞納法人の代表取締役として記名のある者は、本件商品売買契約時において滞納法人の業務について執行する権限を有していないこと、③本件商品売買契約に基づき滞納法人から請求人に対し本件各差押処分より前に動産1の引渡し(占有改定)が行われていたと認められないこと、以上から、本件商品売買契約により本件各差押処分時までに、動産1の所有権が滞納法人から請求人に移転していたとは認められない。
また、請求人は、原処分庁が差し押さえた各動産のうち動産2(動産2)は、請求人から滞納法人に販売を委託したものであるとも主張するが、この主張を認めるに足りる証拠はないことから、本件各差押処分時における、動産2の所有者は滞納法人であると認められる。
2020年5月27日
第二次納税義務の受けた利益の額の算定において、無償譲渡した不動産を財産評価通達を参考にして評価することは妥当とはいえないとして、納付告知処分の一部を取り消した事例
- 第二次納税義務の各納付告知処分
- 一部取消し
- 令和元年6月4日裁決
<ポイント>
本事例は、国税徴収法第39条の第二次納税義務における受けた利益の額は、財産処分時等の現況に応じて、客観的な交換価値である通常の取引価額により算出するものとして、国税不服審判所における不動産鑑定評価による認定額を用いて審理をしたものである。
<要旨>
請求人らは、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の受けた利益の限度の算出に当たり、①仮に、本件贈与者が本件各係争不動産を贈与したこと(本件各贈与)がなかったならば、本件各係争不動産は別件各公売不動産と一緒に公売されていたと想定されるから、広大地評価による減価を考慮して算定すべきである旨、また、②本件建物1は、その贈与当時、賃貸されていたが、耐用年数が経過していることから、建物の取壊費用相当額を減額すべきである旨主張する。
しかしながら、請求人らの主張は、①本件各贈与がなかったという仮定に基づくものにすぎず、実際には本件各贈与が行われており、前提を欠き、②本件建物1の経済的残存耐用年数は6年だったこと、賃貸としての利用が最有効使用であること等から、価額の算定に際し、更地価額から建物の取壊費用相当額を減額するのは合理的ではない。
一方、原処分庁は、譲受財産の価額を財産評価基本通達(評価通達)により算定することは特段不合理ではない旨主張する。
しかしながら、評価通達は、相続税等の課税価格計算の基礎となる財産の評価を定めたものであり、譲受財産の価額の算定に評価通達を適用すべきとする法令等の規定は存在せず、本件では、当審判所が原処分庁とは異なる算定をした本件各係争不動産のうち、建物の一部が隣接地との境界を越えて建っていること、一部の土地上に経済的合理性を有しない賃貸用建物が存在すること、建物の所有者に使用借権があること、一部の土地が共有関係にあることなどを考慮して算定する必要があるにもかかわらず、原処分庁が算定した価額では、これらの事情が適切に考慮されていないから、これらの価額の算定に際して評価通達を参考にするのは妥当とはいえない。
★リンクはこちら ⇒ 第二次納税義務の受けた利益の額の算定において、無償譲渡した不動産を財産評価通達を参考にして評価することは妥当とはいえないとして、納付告知処分の一部を取り消した事例
2020年4月17日
事業の譲受人である請求人は滞納者と同一とみられる場所において事業を営んでいるとされた事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 棄却
- 平成31年3月26日裁決
<ポイント>
本事例は、タクシー事業における車庫は、タクシー事業を営む者が事業活動を行っていくために、運行管理業務等を行う営業所と同視できる程度に重要かつ必要不可欠な場所であると認められることから、滞納者が車庫として使用していた場所を営業所としてタクシー事業を営んでいる請求人は社会通念上同一の場所と認められる場所で事業を営んでいると認められるとしたものである。
<要旨>
請求人は、国税徴収法(平成28年法律第15号による改正前のもの。徴収法)第38条《事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務》に規定する「事業を営んでいる場所」とは、タクシー事業においては、道路運送法第5条《許可申請》第1項第3号に規定する営業所を指すと解するべきであり、車庫は営業所には含まれないから事業を営んでいる場所には当たらず、請求人は同一の場所で事業を営んでいるとはいえない旨主張する。
しかしながら、徴収法第38条の「同一とみられる場所」とは、同一の場所のほか、社会通念上同一の場所と認められる場所をいうと解するのが相当であるところ、請求人は、第二次納税義務の納付告知処分時において、滞納法人が車庫として使用していた場所を営業所としてタクシー事業を営んでおり、同営業所は滞納法人の営業所とは地理的に異なった場所であるが、タクシー事業における車庫は、その確保が事業許可の要件となっているだけでなく、その場所についても営業所と近接していなければならないという制限があるなど、営業所と相互に密接に関連付けて利用・管理され、有機的一体として機能する財産の一部であり、また、車庫に保管されている営業用車両が収益を生み出す基礎となるというタクシー事業の特質に鑑みると、車庫は、タクシー事業を営む者が事業活動を行っていくために、運行管理業務等を行う営業所と同視できる程度に重要かつ必要不可欠な場所であると認められる。
加えて、請求人の営業所は、滞納法人の営業所と、物理的に異なる場所とはいえ県道を挟んだ斜め向かいに位置し、いずれも当該県道に面しているほか、直線距離で42メートルしか離れていないことも踏まえると、請求人の事業と滞納法人の事業は外形的に同一性を有するということができるから、請求人の事業は社会通念上同一の場所と認められる場所で営まれているものと認められる。
★リンクはこちら ⇒ 事業の譲受人である請求人は滞納者と同一とみられる場所において事業を営んでいるとされた事例
2020年2月6日
死亡した滞納者からその生前に無償譲渡等の処分により権利を取得した者は死亡後においても第二次納税義務を負うとされた事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 納付催告書による督促処分
- 一部取消し
- 平成31年3月18日裁決
<ポイント>
本事例は、納税者の国税の法定納期限の1年前の日以後に同人がその財産につき無償譲渡等の処分を行い、その後死亡した場合には、死亡後の第二次納税義務を負わせるかどうかの判定をしようとする時の現況において、死亡により相続人に承継された国税につき滞納が生じており、滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められ、かつ、その不足することが当該無償譲渡等の処分に基因すると認められるときは、当該無償譲渡等の処分により権利を取得した者は第二次納税義務を負うと解するのが相当であるとしたものである。
<要旨>
請求人は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》は、滞納者である主たる納税者が贈与等を行った場合の規定であるところ、被相続人から請求人への土地の贈与(本件贈与)は、請求人が被相続人(本件被相続人)から受けたものであって、相続人(本件相続人ら)から受けたものではないため、滞納者である主たる納税者(本件相続人ら)が請求人に対して贈与等を行った事実はなく、本件贈与は、本件被相続人の死亡後においては、国税徴収法第39条に規定する滞納者が行ったとの要件を満たさないから、滞納者であった本件被相続人が行った無償譲渡等の処分により権利を取得した請求人は、本件被相続人の死亡後においては、第二次納税義務を負わない旨主張する。
しかしながら、納税者の国税の法定納期限の1年前の日以後に同人がその財産につき無償譲渡等の処分を行い、その後死亡した場合には、死亡後の第二次納税義務を負わせるかどうかの判定をしようとする時の現況において、死亡により相続人に承継された国税につき滞納が生じており、滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められ、かつ、その不足することが当該無償譲渡等の処分に基因すると認められるときは、当該無償譲渡等の処分により権利を取得した者は第二次納税義務を負うと解するのが相当である。
ただし、本件各納付告知処分に係る納付すべき限度の額はそれぞれ○○○○円とされているところ、本件相続人らは、本件被相続人の死亡により本件被相続人の滞納国税の納付義務を承継している以上、当該納付すべき限度の額については、民法第900条及び第901条の規定によるその相続分によりあん分した額、すなわち、○○○○円を本件相続人らの相続分(2分の1)であん分して計算した額となる。
そうすると、本件各納付告知処分に係る納付すべき限度の額は、それぞれ○○○○円となる。
したがって、本件各納付告知処分は、納付すべき限度の額につき○○○○円を超える部分はいずれも違法となる。
★リンクはこちら ⇒ 死亡した滞納者からその生前に無償譲渡等の処分により権利を取得した者は死亡後においても第二次納税義務を負うとされた事例
2020年2月4日
見積価額の適否は、公売公告処分の適法性には影響しないとした事例
- 公売公告処分
- 棄却
- 平成30年10月22日裁決
<ポイント>
本事例は、見積価額は、公売公告事項ではなく、公売公告とは別個独立に公告されることが予定されている上、見積価額の公告は、公売公告がされた後においてもすることができることとされていることから、見積価額の適否は、公売公告処分の適法性には影響しないと判断したものである。
<要旨>
請求人は、公売財産に係る見積価額が低廉であるから、公売公告処分(本件公売公告処分)は違法であり取り消されるべきである旨主張する。
しかしながら、見積価額は、徴収法第95条《公売公告》第1項に規定する公売公告事項ではなく、公売公告とは別個独立に公告されることが予定されている上、見積価額の公告は、公売公告がされた後においてもすることができることとされている。
この点、本件公売公告処分と見積価額公告は同時にされたことが認められるものの、徴収法の定めに鑑みると、法的には、別個独立の公告が同時にされたものと評価するほかないものである。
そうすると、見積価額の適否は、徴収法上、見積価額公告の後に行われることとなっている最高価申込者の決定処分又は売却決定処分の違法事由を構成し得るものの、公売公告処分の適法性には影響せず、本件公売公告処分の違法事由を構成し得ないというべきである。
したがって、請求人は、公売財産に係る見積価額が低廉であることを理由として本件公売公告処分の取消しを求めることはできない。
★リンクはこちら ⇒ 見積価額の適否は、公売公告処分の適法性には影響しないとした事例
2019年12月24日
国税徴収法第35条の第二次納税義務の納付告知処分に係る限度額は、同族会社である請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出されたものではないとして、当該納付告知処分の一部を取り消した事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 一部取消し
- 平成30年5月29日裁決
<ポイント>
本事例は、国税徴収法第35条の第二次納税義務の限度額の算定に当たっては、同族会社の直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、納付通知書を発した日における金額が明らかとなっている資産又は負債が含まれている場合等には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて客観的な時価を算定するのが相当としたものである。
<要旨>
原処分庁は、国税徴収法第35条《同族会社の第二次納税義務》の規定に基づき、請求人が負うべき第二次納税義務の限度となる株式(本件株式)の価額を、請求人に納付通知書(本件納付通知書)を発する日の直前の決算期末の貸借対照表(本件貸借対照表)に記載されている金額により算定したことは、国税徴収法基本通達第35条関係の13《資産及び負債の額の計算》に基づいて本件株式の適正な時価を反映させた適法なものである旨主張する。
しかしながら、当該通達が、特に徴収上支障がない場合には、直前の決算期の貸借対照表等を参考とすることを認めているのは、納付通知書を発した日の時価評価を簡便に行えるようにすることを企図するものである一方、飽くまで「参考」とすることができるにとどめているのは、国税徴収法第35条第2項の「当該会社の資産の総額から負債の総額を控除した額」は、同族会社に対し納付通知書を発する時の客観的な時価を標準として計算されるべきものであることを踏まえたものと解され、納付通知書を発する日の直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、納付通知書を発した日における金額が明らかになっている資産又は負債が含まれている場合や、具体的な経済的価値を有しているとはいい難い資産や、その債務の発生が確実といえないような負債が含まれている場合には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて、納付通知書を発した日における客観的な時価を算定するのが相当である。
本件においては、現金や預金など本件納付通知書を発した日における金額が明らかとなっている資産等があると認められる以上、一定の修正を加えて本件株式の客観的な時価を算定するのが相当であり、原処分庁が本件貸借対照表に記載されている金額をそのまま用いて算定した本件株式の価額は、適正な時価を反映して算出された適法なものとはいえない。
★リンクはこちら ⇒ 国税徴収法第35条の第二次納税義務の納付告知処分に係る限度額は、同族会社である請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出されたものではないとして、当該納付告知処分の一部を取り消した事例
2019年7月18日
国税徴収法第39条における債務免除により受けた利益の額は、債務免除の対象となった債権の額面上の金額と同額であるとした事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 棄却
- 平成30年6月7日裁決
<ポイント>
本事例は、国税徴収法第39条における債務免除により受けた利益の額とは、債務免除がされた時における債権の客観的時価に相当する価額をいい、当該価額の算定に当たっては、債務者の資産状況、支払能力等の債務者側の事情を踏まえて算定するのが相当であるとしたものである。
<要旨>
請求人は、債務免除(本件債務免除)当時における請求人の財務状況等から、その時点で請求人が破産した場合、一般債権者への配当はなかったこと、また、債務免除前に、事実上支払停止に陥っており支払能力はなかったことを理由に、滞納者が債務免除をした貸付金(本件貸金債権)の本件債務免除の時の価額は零円であるから、請求人が本件債務免除により受けた利益の額は零円である旨主張する。
しかしながら、債権の評価に当たっては、債務者の資産状況、支払能力等の債務者側の事情を踏まえて算定するのが相当であるところ、請求人は、本件債務免除当時、①手形交換所における取引停止処分や法的整理(再生手続、破産手続等)の開始決定及び事業の休廃業等の事実はなく、②事業活動は継続されており、本件債務免除の前後において相当の売上高を計上していたこと、③本件貸金債権の額を大きく上回る流動資産を有していたこと、④本件債務免除は、主要取引銀行に対し、請求人の代表者である滞納者の経営責任を明確にするために行われたものであり、本件貸金債権の回収が不可能又は著しく困難であるとして債務免除が行われたものではないことからすると、本件貸金債権の全部又は一部の回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるような特別な事情があったとは認められないから、債務免除により請求人が受けた利益の額は、本件貸金債権の額面上の金額と同額であるとするのが相当である。
★リンクはこちら ⇒ 国税徴収法第39条における債務免除により受けた利益の額は、債務免除の対象となった債権の額面上の金額と同額であるとした事例
2019年7月17日
請求人が滞納者から財産分与により取得した財産の価額は不相当に過大ではないから無償譲渡等の処分があったとは認められないとして、国税徴収法第39条の第二次納税義務の告知処分の全部を取り消した事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 全部取消し
- 平成30年1月11日裁決
<ポイント>
本事例は、離婚に伴う財産分与が民法第768条の規定の趣旨に反して不相当に過大であるか否かは、財産の額や婚姻期間中の状況等の諸事情を考慮して、清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素に相当する額をそれぞれ算定した上で判断するのが相当であるところ、請求人が滞納者から財産分与により取得した財産の価額は、上記要素に基づき算定した財産分与相当額を下回るものであり、不相当に過大ではないから、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等の処分があったとは認められないとしたものである。
<要旨>
原処分庁は、滞納者(請求人の元夫)から請求人に対する預金債権及び生命保険契約等に係る解約返戻金の支払請求権(本件各債権)の譲渡は、滞納者が営んでいた事業(本件事業)の請求人への引継ぎに伴い無償で譲渡されたものであり、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡、債務の免除その他第三者に利益を与える処分」(無償譲渡等の処分)に該当する旨主張する。
しかしながら、本件事業の引継ぎに伴い、滞納者から請求人に対し本件各債権の無償による譲渡があったとは認められず、滞納者と請求人の離婚協議の場で作成された合意書その他の状況等を踏まえると、本件各債権は離婚に伴う財産分与により滞納者から請求人に譲渡されたものと認めることが相当である。
そして、離婚に伴う財産分与が民法第768条《財産分与》の規定の趣旨に反して不相当に過大であるか否かは、財産の額や婚姻期間中の状況等の諸事情を考慮して、清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素に相当する額をそれぞれ算定した上で判断するのが相当であるところ、請求人が滞納者から財産分与により取得した財産の価額は、上記要素に基づき算定した財産分与相当額を下回るものであり、不相当に過大ではないから、無償譲渡等の処分があったとは認められない。
★リンクはこちら ⇒ 請求人が滞納者から財産分与により取得した財産の価額は不相当に過大ではないから無償譲渡等の処分があったとは認められないとして、国税徴収法第39条の第二次納税義務の告知処分の全部を取り消した事例
2019年1月25日
平成30年11月にインターネット公売を実施します。
1.「インターネット公売」とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
2.インターネット公売(平成30年11月)の実施内容
(1)公売予定財産
自動車、絵画、土地、土地付建物など
(2)日程
公売参加申込受付期間 | 平成30年10月26日(金)13時~11月6日(火)17時 |
買受申込期間 | 平成30年11月16日(金)13時~11月19日(月)13時 |
最高価申込者の決定日 | 平成30年11月21日(水)10時 |
買受代金の納付期限 | 平成30年12月4日(火)14時 |
※詳細については、公売情報ホームページまたはヤフー株式会社の「官公庁オークション」をご覧のこと。
※インターネット公売への参加を希望される場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みが必要である。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年11月にインターネット公売を実施します。
2018年10月29日
平成30年9月にインターネット公売を実施します。
1.「インターネット公売」とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
2.インターネット公売(平成30年9月)の実施内容
(1)公売予定財産
リゾート会員権、自動車、掛軸、時計、土地、土地付建物など
(2)日程
公売参加申込受付期間 | 平成30年8月24日(金)13時~9月4日(火)17時 |
買受申込期間 | 平成30年9月14日(金)13時~9月18日(火)13時 |
最高価申込者の決定日 | 平成30年9月20日(木)10時 |
買受代金の納付期限 | 平成30年10月2日(火)14時 |
※詳細については、公売情報ホームページまたはヤフー株式会社の「官公庁オークション」をご覧のこと。
※インターネット公売への参加を希望される場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みをしてください。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年9月にインターネット公売を実施します。
2018年8月28日
不服申立ての期限の特例の適用がある換価代金等の配当処分に対する審査請求については、不服申立期間の延長を定めた国税通則法第77条第1項ただし書(正当な理由)の適用はないとした事例
- 換価代金等の配当処分
- 却下
- 平成29年12月6日裁決
<要旨>
国税徴収法第171条《滞納処分に関する不服申立て等の期限の特例》第1項第4号は、換価代金等の配当処分に関し欠陥があることを理由としてする不服申立ては、国税通則法第77条《不服申立期間》の規定にかかわらず、換価代金等の交付期日まででなければすることはできない旨規定しているところ、当該特例が定められた趣旨は、滞納処分手続の安定を図り、かつ、換価手続により権利を取得し、または利益を受けた者の権利、利益を保護しようとすることにあるものと解される。
したがって、換価代金等の配当処分に関し欠陥があることを理由とする審査請求には、国税通則法第77条第1項ただし書(正当な理由があるとき)の適用はないと解するのが相当であり、本審査請求は、法定の不服申立てができる期限を経過した後にされた不適法なものである 。
★リンクはこちら ⇒ 不服申立ての期限の特例の適用がある換価代金等の配当処分に対する審査請求については、不服申立期間の延長を定めた国税通則法第77条第1項ただし書(正当な理由)の適用はないとした事例
2018年8月22日
差押財産の公売において、買受勧奨がなかったことにより、最高価申込価額が差押財産の所有者等の期待する価額に達しなかったとしても、そのことによって最高価申込者の決定処分が違法となることはないとした事例
- 最高価申込者の決定処分
- 棄却
- 平成29年12月20日裁決
<ポイント>
本事例は、差押財産の公売において、買受勧奨がなかったことにより、最高価申込価額が差押財産の所有者等の期待する価額に達しなかったとしても、そのことによって最高価申込者の決定処分が違法となることはないとしたものである。
<要旨>
請求人は、原処分庁に対して公売財産の購入希望者の存在を伝えていたにもかかわらず、原処分庁が当該購入希望者に公売に参加するように連絡(買受勧奨)をしなかった結果、当該購入希望者が公売に参加せず、請求人の期待した価額より低廉な価額で最高価申込者の決定処分(本件最高価決定処分)がされたとして、当該決定処分は違法である旨主張する。
しかしながら、国税徴収法第104条《最高価申込者の決定》第1項は、徴収職員は、見積価額以上の入札者等のうち最高の価額による入札者等を最高価申込者として定めなければならない旨規定し、また、見積価額の決定につき、同法第98条《見積価額の決定》第1項は、国税局長は公売財産の価格形成上の事情を適切に勘案するとともに、差押財産を公売するためのものであることを考慮しなければならない旨規定しており、国税徴収法は、これらの規定をもって、最高価申込価額が時価と比し著しく低廉となることを防止し、もって最低売却価額を保障しようとしたものと解される。
また、国税徴収法には、公売公告は国税局の掲示場その他国税局内の公衆の見やすい場所に掲示して行う旨の規定(国税徴収法第95条《公売広告》第2項)は存在するものの、買受勧奨に関する規定は存在しない。
これらのことからすると、最高価申込価額が時価より著しく低廉でない場合には、最高価申込価者の決定処分がその価額の点から違法になることはないから、買受勧奨がなかったことにより、最高価申込価額が公売財産の所有者等の期待する価額に達しなかったとしても、そのことによって最高価申込者の決定処分が違法となることはないと解される。
したがって、買受勧奨の有無が、本件最高価決定処分の適法性に影響を及ぼすことはない。
★リンクはこちら ⇒ 差押財産の公売において、買受勧奨がなかったことにより、最高価申込価額が差押財産の所有者等の期待する価額に達しなかったとしても、そのことによって最高価申込者の決定処分が違法となることはないとした事例
2018年8月9日
原処分庁による動産の差押処分が行われた時点において、当該動産は既に第三者へ譲渡されており、第三者対抗要件である引渡しも完了していたとして、当該差押えを取り消した事例
- 動産の差押処分
- 全部取消し
- 平成29年10月18日裁決
<ポイント>
本事例は、原処分庁が行った動産の差押処分につき、当該動産は差押処分の時点で既に第三者へ譲渡されていたところ、第三者対抗要件たる引渡しについては占有改定により完了していたと認定したものである。
<要旨>
原処分庁は、請求人と滞納法人との間で締結された合意書(本件合意書)には、建物(本件建物)の占有移転に係る記載はあるが、本件建物内にあった動産(本件動産)の占有移転に係る記載はなく、本件動産に対する差押処分(本件差押処分)時に、本件動産が請求人の所有物であったことを第三者が知り得るような明示もされていなかったことから、本件動産に係る占有改定の合意があったとはいえない上、本件建物の賃貸人は滞納法人が本件建物の賃借人であると認識していたことからしても、請求人は本件動産の引渡しを受けていない旨主張する。
しかしながら、そもそも動産の引渡しには第三者が知り得るような明示が必要であるとする民法の条文や判例は見当たらないところ、請求人と滞納法人は、関係者への影響を最小限にすべく、事業の承継に必要な本件建物と本件動産を滞納法人から滞りなく請求人に承継させることを企図していたことからすると、請求人と滞納法人が、この企図に反して本件動産のみの占有を移転しないことは考えられず、たとえ、本件合意書にそのことが明示的に記載されていなくとも、本件建物の占有の移転だけでなく、本件建物内に存する本件動産の占有の移転にも合意するとともに、本件動産が現実に引き渡されるまでは本件動産を請求人のために占有することに合意したものと解するべきであり、さらに本件動産の引渡し(占有改定)は、請求人及び滞納法人間でできるものであって、上記認定が賃貸人の認識により左右されるものではないことからしても、請求人は、本件差押処分の前に、占有改定により本件動産の引渡しを受けていたといえるから、原処分庁の主張は採用できない 。
★リンクはこちら ⇒ 原処分庁による動産の差押処分が行われた時点において、当該動産は既に第三者へ譲渡されており、第三者対抗要件である引渡しも完了していたとして、当該差押えを取り消した事例
2018年8月7日
国税徴収法第35条の第二次納税義務の告知処分に係る限度額は、同族会社である請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出されたものではないとして、当該告知処分の全部を取り消した事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 全部取消し
- 平成29年12月13日裁決
<ポイント>
本事例は、国税徴収法第35条の第二次納税義務の限度額の算定に当たっては、同族会社の直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる債権などのように、額面どおりの経済的価値があるとはいい難い資産や、その債務の発生が確実といえないような負債が含まれている場合には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて客観的な時価を算出するのが相当であるとしたものである。
<要旨>
原処分庁は、国税徴収法第35条《同族会社の第二次納税義務》の規定に基づき、請求人の負うべき第二次納税義務の各限度額(本件各限度額)を、請求人の直前の決算期末の貸借対照表に記載されている簿価により算出したことは、国税徴収法基本通達第35条関係の13《資産及び負債の額の計算》に定める「特に徴収上支障がない」場合に該当することから、株式の適正な時価を反映させた適法なものである旨主張する。
しかしながら、当該通達が、特に徴収上支障がない場合には、直前の決算期の貸借対照表等を参考とすることを認めているのは、納付通知書を発した日の時価評価を簡便に行えるようにすることを企図するものである一方、国税徴収法第35条第2項の「当該会社の資産の総額から負債の総額を控除した額」は、同族会社に対し納付通知書を発する時の客観的な時価を標準として計算されるべきものであることを踏まえ、飽くまで「参考」とすることができるにとどめているものと解される。そうであるとすると、直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる債権などのように、額面どおりの経済的価値があるとはいい難い資産や、その債務の発生が確実といえないような負債が含まれている場合には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて客観的な時価を算出するのが相当であり、本件各限度額は、請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出された適法なものとはいえない 。
★リンクはこちら ⇒ 国税徴収法第35条の第二次納税義務の告知処分に係る限度額は、同族会社である請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出されたものではないとして、当該告知処分の全部を取り消した事例
2018年7月31日
滞納会社が行った生命保険の委託先代理店の変更が国税徴収法第39条の「第三者に利益を与える処分」に当たるとした事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 一部取消し
- 平成29年12月14日裁決
<ポイント>
本事例は、滞納会社が行った生命保険の委託先代理店の変更により、代理店たる契約上の地位が滞納会社から請求人に譲渡された結果、請求人は滞納会社が行った保険募集業務に係る代理店手数料を受領することとなったことが認められ、当該代理店手数料相当額の利益を受けたと認められるとしたものである。
<要旨>
請求人は、生命保険の代理店業を営む滞納会社(本件滞納会社)には、保険会社との代理店業務委託契約における契約上の地位を第三者に譲渡する権限はないこと、代理店手数料は請求人自らが行った業務の対価として、請求人が受け取るべきものといえることなどを理由に、本件滞納会社から請求人への代理店の変更によって、本件滞納会社から国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する利益は受けていない旨主張する。
しかしながら、本件滞納会社及び請求人による保険会社に対する代理店の継承に係る承認申請等(本件申請)は、代理店としての地位を譲渡する手続を履践する目的で行われたものと認められ、本件申請から保険会社による承認までの一連の行為(本件委託先代理店変更)によって、本件滞納会社の代理店たる契約上の地位(本件契約上の地位)が請求人に譲渡された結果、請求人が代理店手数料を受領することとなったことが認められる。
また、代理店手数料は、保険募集業務の遂行に基づく保険契約の獲得がなければ発生しないものである一方、保険契約の締結に至った場合には、解約等の事象が発生しない限り、保険契約者は契約期間にわたって保険料を支払うこととなるのであるから、当該保険料に係る代理店手数料は、その発生について高度の蓋然性があるということができ、本件契約上の地位には財産的価値が認められる。
したがって、本件契約上の地位は、国税徴収法第39条の処分の対象たる積極財産に該当し、本件委託先代理店変更によって、請求人は、本件契約上の地位を本件滞納会社から無償で譲り受けた結果、本件契約上の地位の評価額に相当する利益を受けたといえることから、本件委託先代理店変更は、国税徴収法第39条に規定する第三者に利益を与える処分に該当するものと認められる。
ただし、原処分庁が算定した納付すべき限度の額の一部については、本件契約上の地位の内容には含まれていない月分の代理店手数料等を考慮して算定されており、当該金額については納付すべき限度の額に含めることはできない。
★リンクはこちら ⇒ 滞納会社が行った生命保険の委託先代理店の変更が国税徴収法第39条の「第三者に利益を与える処分」に当たるとした事例
2018年7月27日
請求人は、過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引につき、二個の貸付取引の存在を主張し、最初の過払金返還請求権について時効による消滅を主張しているが、その全体が一個の貸付取引であると認められ、過払金返還請求権の消滅時効は、本件取引の終了日である最終弁済日から進行するとして、請求人の主張を排斥した事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 一部取消し
- 平成29年3月24日裁決
<要旨>
請求人は、国税の滞納者との間で行った金銭消費貸借取引(本件取引)は、本件取引1と本件取引2との二つに分かれており、前後二個の貸付取引が成立・存在するためには、原則として二個の基本契約の成立が要求されるところ、本件取引2においても、本件取引1とは法律的同一性を欠く基本契約が締結されていたものであり、本件取引1の終了時から10年を経過し、本件取引1に係る過払金返還債務は時効により消滅している旨主張する。
確かに、本件取引1における最終の弁済から本件取引2の最初の貸付までの期間は約1年11か月であり、本件取引1と本件取引2では、約定利率の変更がされるなどの事実が認められるが、本件取引2の開始日において、基本契約が締結され、契約書が取り交わされた事実は認められず、本件取引1の最終弁済後も、将来において取引を再開し、新たな借入金債務の発生が見込まれる状態にあったことに照らせば、本件取引は、その全体が本件取引に係る基本契約に基づく一個の貸付取引であると認めるのが相当である。過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては、同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は、同取引が終了した時から進行するものとされており(最高裁平成21年1月22日判決)、したがって、一個の貸付取引である本件取引の終了日は、本件取引(本件取引2)の最終弁済日であり、過払金返還請求権の消滅時効は、同日から進行する。
2018年1月19日
滞納者から請求人に譲渡された各診療報酬債権は、譲渡担保財産に当たらないと認定した事例
- ①譲渡担保権者の物的納税責任に関する告知処分 →全部取消し
- ②債権の各差押処分 →却下
- ③平成28年2月17日付、平成28年2月23日付及び平成28年3月16日付でされた換価代金等の各配当処分 →却下
- ④平成28年3月23日付及び平成28年3月24日付でされた換価代金等の各配当処分・①④全部取消し →全部取消し
- 平成29年3月3日裁決
<ポイント>
本件における滞納者から請求人に対する診療報酬債権の譲渡契約を譲渡担保設定契約とみることは相当でない。
<要旨>
原処分庁は、滞納者(本件滞納者)が将来取得する診療報酬債権(本件各債権)を請求人に一括で譲渡した取引(本件取引)については実質的な買戻権が設定され、売渡担保に相当する法律関係にあると認められ、また、将来の集合債権の譲渡が売買又は譲渡担保のいずれの法的性質を有するかの判断については、契約条件、取引の経済的実質その他の要素を総合的に評価するなど、実質においても担保取引として扱われるべきものかを判断することとなるところ、本件取引における事情を考慮すると、譲渡担保であることが強く推認され、本件各債権は、国税徴収法第24条《譲渡担保権者の物的納税責任》第1項に規定する譲渡担保財産に当たる旨主張する。
しかしながら、譲渡担保設定契約は、法形式に着目すると、①金銭消費貸借契約などに基づく被担保債権が存在することが前提となる譲渡担保設定契約、②担保のための権利の移転につき売買の形式をとるもので、買戻特約付売買の形式をとる譲渡担保設定契約又は再売買の予約の形式をとる譲渡担保設定契約とに大別されるところ、本件取引においては、被担保債権は存在せず、本件取引に係る契約(本件契約)には、買戻特約又は再売買の予約は付されていないことから、本件取引は1及び2のいずれにも該当しない。
また、本件契約には、本件滞納者が、第三債務者に信用不安等が生じた場合に請求人から本件各債権を買い戻す義務の定め及び請求人による本件各債権の処分を禁止又は制限する定めはなく、本件滞納者に本件各債権を買い戻す誘因も認められない。
したがって、本件各債権は譲渡担保財産には当たらない。
★リンクはこちら ⇒ 滞納者から請求人に譲渡された各診療報酬債権は、譲渡担保財産に当たらないと認定した事例
2018年1月16日
滞納者が自己の債務弁済に係る事務を請求人に委任していたことからすると、滞納者の預金口座から請求人の預金口座への振込入金は、当該委任に係る事務に関連して行われたものというべきであるから、当該入金をもって国税徴収法第39条が規定する無償譲渡等の処分があったということはできないとした事例
- 第二次納税義務の納付告知処分
- 全部取消し
- 平成28年5月10日裁決
<ポイント>
本事例は、争点の判断に当たり、審理の範囲を原処分庁が主張する間接事実の有無のみに絞ることなく、原処分庁が主張していない間接事実を認定し、当該認定事実から課税等要件の充足を否定したものである。
<要旨>
原処分庁は、滞納者の自宅売却代金(本件売却代金)の一部が滞納者の預金口座から請求人の預金口座に振込入金(本件入金)されたところ、滞納者が請求人に対して本件入金に係る金員の返還を求める意思を示していないこと、請求人が本件入金を自宅のリフォーム費用に充てていることなどから、本件入金は、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》が規定する無償譲渡等の処分に該当する旨主張する。
しかしながら、滞納者が本件売却代金を原資とする滞納者の債務弁済に係る事務を請求人に委任していた事実(本件委任)が認められることからすると、本件入金は、請求人が本件委任に係る事務に関連して行ったものというべきであるから、本件入金をもって国税徴収法第39条が規定する無償譲渡等の処分があったということはできない。
2017年3月2日
平成28年度第4回インターネット公売の実施
1.「インターネット公売」とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成28年度におけるオークションサイトは、一般競争入札で決定したヤフー株式会社の「官公庁オークション」である。
2.インターネット公売(平成29年2月)の実施内容
(1)公売予定財産
自動車、ボート、リゾート会員権、商標権、土地、土地付建物など
(2)日程
公売参加申込受付期間 | 平成29年1月27日(金)13時から2月6日(月)17時 |
買受申込期間 | 平成29年2月17日(金)13時から2月20日(月)13時 |
最高価申込者の決定日 | 平成29年2月22日(水)10時 |
買受代金の納付期限 | 平成29年3月6日(月)14時 |
※詳細については、公売情報ホームページ又はヤフー株式会社の「官公庁オークション」を参照のこと。
※インターネット公売への参加を希望する場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みをすること。
★リンクはこちら ⇒ 平成28年度第4回インターネット公売の実施について
2017年1月31日
訴訟上の和解における停止条件付の支払義務の免除も国税徴収法第39条に規定する「債務の免除」に含まれ、他に特別の事情も認められないことからすると、同条規定の「債務の免除」があったということができるとした事例
第二次納税義務告知処分
棄却
平成28年1月15日裁決
<ポイント>
本事例は、訴訟上の和解における停止条件付の支払義務の免除も国税徴収法第39条に規定する「債務の免除」に含まれると判断した事例である。
<要旨>
請求人は、原処分庁が滞納国税を徴するために請求人に対して行った国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に基づく納付告知処分は裁判上の和解(本件和解)で定められた条項に基づいて滞納法人から支払義務の免除(本件免除)を受けたことを同条に定める「債務の免除」とするものであるが、本件免除に係る本件和解上の条項は、請求人が滞納法人に支払うとされた金額の履行を確保するために設けられたものであり、請求人が期限の利益を喪失した場合を除いて何ら意味を持つものではないから、同条に定める「債務の免除」には該当しない旨主張する。
しかしながら、本件和解は、滞納法人が請求人に対して停止条件付で債務を免除する旨を合意した契約であり、このような契約による免除も国税徴収法第39条の「債務の免除」に含まれると解されるところ、本件免除は同条の制度趣旨に合致するといえるだけの実質を有するものと評価できることから、同条に定める「債務の免除」があったといえる。
2017年1月30日
猶予の申請の手引
国税庁は、『猶予の申請の手引』をホームページに公表した。
国税をその納期限までに納付していない場合には、納付するまでの日数に応じて延滞税がかかるほか、督促状の送付を受けてもなお納付されない場合には、財産の差押えなどの滞納処分を受けることがある。
ただし、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、財産の換価(売却)や差押えなどの猶予が認められる場合がある。
<換価の猶予>
国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められる場合に、申請に基づいて差押財産の換価(売却)が猶予される制度である。
<納税の猶予>
災害、病気、事業の休廃業などによって国税を一時に納付することができないと認められる場合や、本来の期限から1年以上経って納付すべき税額が確定した国税を一時に納付することができない理由があると認められる場合に、申請に基づいて納税が猶予される制度である。
★リンクはこちら⇒ 猶予の申請の手引(既に削除済み)
<改訂 平成29年9月>
★リンクはこちら⇒ 猶予の申請の手引(平成29年9月)
2016年11月4日
国税徴収法第39条が規定する「受けた利益」が取引相場のない株式である場合において、同条の第二次納税義務の限度額の算定に当たり、原処分庁がディスカウント・キャッシュ・フロー法と時価純資産法を併用して当該株式を評価したことに不合理な点は認められないとした事例
第二次納税義務の納付告知処分
一部取消し
平成27年10月28日裁決
<ポイント>
本事例は、国税徴収法第39条が規定する「受けた利益」が取引相場のない株式である場合において、同条の第二次納税義務の限度額の算定に当たり、原処分庁がディスカウント・キャッシュ・フロー法と時価純資産法を併用して当該株式を評価したことに不合理な点は認められないとしたものである。
<要旨>
原処分庁は、滞納法人が同社の100%子会社の株主総会において第三者割当増資による新株の発行に係る議案について議決権を行使したことにより、滞納法人の代表者である請求人が著しく低い価額で当該子会社の新株(本件新株式)を取得したことは、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「その他第三者に利益を与える処分」に該当するとして、請求人に第二次納税義務の納付告知処分をした。
これに対して、請求人は、原処分庁が本件新株式の評価に当たって、一般に用いられる相続税の評価方法を準用せず、ディスカウント・キャッシュ・フロー法(DCF法)を加味して評価したことには合理性がなく、そもそも、本件新株式の取得価額は時価相当額であるから、本件新株式を取得したことによって「受けた利益」(時価相当額と取得価額との差額)は生じていない旨主張する。
しかしながら、国税徴収法第39条の第二次納税義務の限度額について、「受けた利益」が金銭以外のものであるときの財産の評価方法として、同法上、相続税の評価方法を適用又は準用する旨の規定はなく、取引相場のない株式の評価に当たり、DCF法と時価純資産法の併用を採用した原処分庁の評価方法に不合理な点は認められず、請求人には本件新株式を取得したことによって「受けた利益」が生じている。
2016年10月14日
平成28年度第1回インターネット公売の実施
国税局及び税務署が実施するインターネット公売をヤフー株式会社の「官公庁オークション」サイトにおいて行う。
実施日程等は以下のとおり。
【公売方法】
競り売り(オークション)
【対象財産】
動産等(自動車、宝飾品、家具等)
不動産等(土地、土地付建物、マンション等)
【官公庁オークションサイトへの公開日時】
5月17日(火)午後1時
【公売参加申込期間】
5月17日(火)午後1時から5月25日(水)午後5時
※公売参加申込みを行わなければ、インターネット公売には参加できないので、注意すること。
【公売保証金の提供及び必要書類の提出】
○公売保証金の提供期限 クレジットによる場合 5月25日(水)午後5時
現金による場合 6月1日(水)午後2時
○必要書類の提出期限 6月1日(水)午後5時(必着)
※公売保証金の提供、必要書類の提出がない場合は、インターネット公売には参加できないので、注意すること。
【買受申込(競り売り)期間】
6月3日(金)午後1時から6月6日(月)午後1時
※買受申込みは、ヤフー株式会社の「官公庁オークション」サイトで受け付ける。
【最高価申込者(落札者)の決定日等】
○最高価申込者の決定 6月8日(水)午前10時
○売却決定日 6月8日(水)午前11時(動産等)
6月15日(水)午前9時(不動産等)
○買受代金納付期限 6月20日(月)午後2時
★リンクはこちら ⇒ 平成28年度第1回インターネット公売の実施
2016年5月19日
振替納税の領収証書送付取りやめ
現在、国税を口座振替により納付した方には、口座振替の都度、金融機関から領収証書が送付されているが、国税庁は、会計検査院の指摘を踏まえ、国の経費節減の観点から、平成29年1月から領収証書を送付しないこととする予定である。
なお、平成28年12月までは、これまでどおり金融機関から領収証書が送付される。
(注)
平成29年1月以降は、ご希望の方には、これまでの領収証書の送付に代えて、振替結果を証明するなどの対応を予定しているとのこと。
★リンクはこちら ⇒ 振替納税の領収証書送付取りやめ
2016年2月8日
平成27年度第4回インターネット公売の実施
国税局及び税務署が実施するインターネット公売をヤフー株式会社の「官公庁オークション」サイトにおいて行う。
実施日程等は以下のとおり。
【公売方法】
競り売り(オークション)
【対象財産】
動産等(自動車、金、骨董品、宝石等)
不動産等(土地、土地付建物、マンション等)
【官公庁オークションサイトへの公開日時】
1月29日(金)午後1時
【公売参加申込期間】
1月29日(金)午後1時から2月8日(月)午後5時
※公売参加申込みを行わなければ、インターネット公売には参加できないので、注意すること。
【公売保証金の提供及び必要書類の提出】
○公売保証金の提供期限
クレジットによる場合 2月8日(月)午後5時
現金による場合 2月17日(水)午後2時
○必要書類の提出期限 2月17日(水)午後5時(必着)
※公売保証金の提供、必要書類の提出がない場合は、インターネット公売には参加できないので、注意すること。
【買受申込(競り売り)期間】
2月19日(金)午後1時から2月22日(月)午後1時
※買受申込みは、ヤフー株式会社の「官公庁オークション」サイトで受け付ける。
【最高価申込者(落札者)の決定日等】
○最高価申込者の決定 2月24日(水)午前10時
○売却決定日 2月24日(水)午前11時(動産等)
3月2日(水)午前9時(不動産等)
○買受代金納付期限 3月7日(月)午後2時
★リンクはこちら ⇒ インターネット公売の実施について
2016年1月28日
滞納者の詐害の意思の有無は、国税徴収法第39条の第二次納税義務の成立要件ではないとした事例
第二次納税義務の納付告知処分
棄却
平成27年1月19日裁決
<要旨>
請求人は、原処分庁が請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分(本件告知処分)について、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の第二次納税義務を課すには詐害の意思が必要であるところ、滞納者が請求人に対して行った土地の持分の贈与(本件譲渡)には詐害の意思はないから、本件譲渡は無償譲渡等の処分に該当しない旨主張する。
しかしながら、同条の規定によれば、滞納者に詐害の意思のあることは同条所定の第二次納税義務の成立要件ではないと解されるから、本件譲渡に詐害の意思がないことを理由に、本件告知処分が違法であるということはできない。
★リンクはこちら ⇒ 滞納者の詐害の意思の有無は、国税徴収法第39条の第二次納税義務の成立要件ではないとした事例
2015年11月26日
見積価額が低廉であることを理由として公売公告処分の取消しを求めることはできないとした事例
①公売公告処分 ②見積価額公告
①棄却 ②却下
平成26年8月21日裁決
<要旨>
請求人は、原処分庁が行った公売公告処分(本件公売公告処分)について、当該公売に係る公売財産(本件公売財産)の見積価額が低廉であるから、本件公売公告処分は比例原則に違反し違法である旨主張する。
しかしながら、見積価額公告は、法令上、公売公告処分の後にされることが予定されているところ、かかる見積価額公告の内容いかんによって公売公告処分の適否が左右されることはないと解され、見積価額の適否は、公売公告処分の取消しを求める審査請求において取消理由となり得ない。
したがって、請求人は、本件公売財産の見積価額が低廉であることを理由として本件公売公告処分の取消しを求めることはできない。
★リンクはこちら ⇒ 見積価額が低廉であることを理由として公売公告処分の取消しを求めることはできないとした事例
2015年6月22日
第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額は、譲り受けた財産等の価額から無償譲渡等の処分と直接対価性のある支出又は負担を控除した残額であることを明らかにした事例
第二次納税義務の納付告知処分
棄却
平成26年9月9日裁決
<要旨>
請求人は、原処分庁が納税者(本件滞納者)の滞納国税を徴収するために、請求人に対して行った第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額について、請求人は本件滞納者から売掛金債権(本件売掛金債権)を譲り受けたが、請求人が本件滞納者に支出した香典代等(本件香典代等)は、請求人が本件滞納者に利益を与える行為であるから、「受けた利益の限度」の額の算定上、本件香典代等を控除すべきである旨主張する。
しかしながら、第二次納税義務の制度の趣旨に鑑みれば、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「受けた利益の限度」の額については、譲り受けた財産の額、免れた債務の額、又は享受した利益の額から、これらと直接の対価関係にあると認められる支出又は負担を控除した残額をいうところ、本件香典代等の支出は、本件売掛金債権の譲渡と直接の対価関係にあるとは認められないことから、請求人の主張には理由がない。
★リンクはこちら ⇒ 第二次納税義務の納付告知処分の「受けた利益の限度」の額は、譲り受けた財産等の価額から無償譲渡等の処分と直接対価性のある支出又は負担を控除した残額であることを明らかにした事例
2015年6月19日
猶予の申請の手引き
国税をその納期限までに納付していない場合には、納付するまでの日数に応じて延滞税がかかるほか、督促状の送付を受けてもなお納付されない場合には、財産の差押えなどの滞納処分を受けることがある。
ただし、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、財産の換価(売却)や差押えなどが猶予される制度がある。
1.換価の猶予
国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある場合に、申請に基づいて差押財産の換価(売却)が猶予される制度である。
2.納税の猶予
災害、病気、事業の休廃業などによって国税を一時に納付することができないと認められる場合や、本来の期限から1年以上経って納付すべき税額が確定した国税を一時に納付することができない理由があると認められる場合に、申請に基づいて納税が猶予される制度である。
★リンクはこちら ⇒ 猶予の申請の手引き(既に削除済み)
<改訂 平成29年9月>
★リンクはこちら ⇒ 猶予の申請の手引(平成29年9月)
2015年4月16日
価額弁済者も特段の事情のない限り、差押処分をした国に対し登記なくして対抗することができないことを明らかにした事例
不動産の各差押処分
棄却
平成26年2月19日裁決
<要旨>
請求人らは、原処分庁が、被相続人から請求人らが承継した滞納国税を徴収するため、請求人らが相続によって取得した各不動産の各共有持分を差し押さえた(本件各差押処分)のに対し、当該各不動産の各共有持分は、民法第932条《弁済のための相続財産の換価》ただし書に基づく価額弁済(本件価額弁済)により請求人らのうちの1人が固有財産として取得していることから、本件各差押処分は財産の帰属を誤ってなされた違法又は不当な処分である旨主張する。
しかしながら、民法第177条《不動産に関する物権の変動の対抗要件》は、不動産に関する物権の得喪及び変更について、登記をしなければ、第三者に対抗することができない旨規定しており、滞納処分による差押えの関係においても同条の適用があり、価額弁済者も特段の事情がない限り、差押処分をした国に対し、登記なくして不動産を取得したことを対抗することができないものと解するのが相当である。
もっとも、本件価額弁済の公示に当たっての登記手続において、価額弁済者以外の共同相続人の持分については、価額弁済者へ持分移転登記手続が可能であるが、価額弁済者の持分については、相続人本人が価額弁済をしたことになり、価額弁済者の固有財産に切り替わったことを公示する手段がないが、価額弁済者以外の共同相続人の持分の移転登記を経由することで、価額弁済者の固有財産へと切り替わったことを第三者からみて推測可能なように公示できる以上、移転登記がされていない本件価額弁済に関し、固有財産として取得したことを対抗できないとしても民法第177条の趣旨に反するとまではいうことはできない。
以上のとおりであるから、本件各差押処分が財産の帰属を誤った違法又は不当な処分であるということにはならない。
★リンクはこちら ⇒ 価額弁済者も特段の事情のない限り、差押処分をした国に対し登記なくして対抗することができないことを明らかにした事例
2015年2月6日
滞納者の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座に入金されたことは、国税徴収法第39条の無償譲渡には該当しないとした事例
平成25年3月27日裁決
<要旨>
原処分庁は、請求人が、請求人所有の建物の賃借人(本件滞納法人)からの申出により、賃貸借契約(本件賃貸借契約)を賃貸借期間の途中で解約するに当たり、本件滞納法人との間でした、本件滞納法人が請求人に対して敷金(本件敷金)の返還請求権(本件敷金返還請求権)を放棄する旨の合意(本件合意)に基づき、その放棄を受けたことは、本件滞納法人による国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》に規定する「債務の免除」に該当する旨主張する。
しかしながら、国税徴収法第39条にいう債務の免除とは、広く第三者に利益を与えるものというと解されるところ、本件合意は、本件滞納法人がその賃借する建物を本件合意で定めたとおり明け渡すことを条件として、本件賃貸借契約の解約によって発生する損害賠償の額を予定し、その損害賠償請求権と本件敷金返還請求権等とを相殺することを定めたものであり、社会通念上、損害賠償の額を予定し、相殺することについて合理的な期待を有すると認められる範囲内にあるから、本件合意による約定は有効と認められ、これにより請求人の損害賠償の額が本件敷金等に相当する額に制限された上、その損害賠償請求権と本件敷金返還請求権等とが相殺されて消滅することとなることからすると、本件合意により請求人が利益を受けたということはできない。
★リンクはこちら ⇒ 滞納者の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座に入金されたことは、国税徴収法第39条の無償譲渡には該当しないとした事例
2015年2月6日
平成26年度第3回インターネット公売の実施
平成26年度第3回インターネット公売を実施する。
国税局及び税務署が実施するインターネット公売を楽天オークション株式会社の官公庁オークション」サイトにおいて行う。実施日程等は以下のとおり。
【公売方法】
競り売り(オークション)
【対象財産】
動産等(自動車、酒類、ガラス工芸品等)
不動産等(土地、土地付建物、マンション等)
【官公庁オークションサイトへの公開日時】
10月31日(金)午後1時
【公売参加申込期間】
10月31日(金)午後1時から11月10日(月)午後5時
※公売参加申込みを行わなければ、インターネット公売には参加できないので、注意すること。
【公売保証金の提供及び必要書類の提出】
○公売保証金の提供期限 クレジットによる場合 11月10日(月)午後5時
現金による場合 11月19日(水)午後2時
○必要書類の提出期限 11月19日(水)午後5時(必着)
※公売保証金の提供、必要書類の提出がない場合は、インターネット公売には参加できないので、注意すること。
【買受申込(競り売り)期間】
11月21日(金)午後1時から11月25日(火)午後1時
※買受申込みは、楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」サイトで受け付ける。
【最高価申込者(落札者)の決定日等】
○最高価申込者の決定 11月27日(水)午前10時
○売却決定日 11月27日(木)午前11時(動産等)
12月4日(木)午前9時(不動産等)
○買受代金納付期限 12月9日(火)午後2時
★リンクはこちら ⇒ 平成26年度第3回インターネット公売の実施
2014年11月10日
平成26年度第2回インターネット公売の実施
<公売方法>
せり売り(オークション)
<対象財産>
動産等(ダイヤモンド、腕時計、自転車、美術品等)
不動産等(リゾート会員権、土地付建物等)
<官公庁オークションサイトへの公開日時>
9月5日(金)午後1時
<公売参加申込期間>
9月5日(金)午後1時から9月16日(火)午後5時
※公売参加申込みを行わなければ、インターネット公売には参加できません。
<公売保証金の提供及び必要書類の提出>
公売保証金の提供期限 | クレジットによる場合 9月16日(火)午後5時 現金による場合 9月24日(水)午後2時 |
必要書類の提出期限 | 9月24日(水)午後5時(必着) ※公売保証金の提供、必要書類の提出がない場合は、インターネット公売には 参加できません。 |
<買受申込(せり売り)期間>
9月26日(金)午後1時から9月29日(月)午後1時
※買受申込みは、楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」サイト で受け付ける。
<最高価申込者(落札者)の決定日等>
最高価申込者の決定 | 10月1日(水)午前10時 |
売却決定日 | 10月1日(水)午前11時(動産等) 10月8日(水)午前9時(不動産等) |
買受代金納付期限 | 10月14日(火)午後2時 |
★リンクはこちら ⇒ 平成26年度第2回インターネット公売の実施
2014年9月3日
平成26年度第1回インターネット公売の実施
<公売方法>
せり売り(オークション)
<対象財産>
動産等(絵画、美術品等)、自動車、不動産等(土地付建物、マンション等)
<公売参加申込期間>
5月2日(金)午後1時から5月14日(水)午後5時まで
※参加申込を行わない場合はインターネット公売に参加できません。
<買受申込(せり売り)期間>
5月23日(金)午後1時から5月26日(月)午後1時まで
- 日程の詳細については、リンク先の「お知らせ」に掲載している「インターネット公売の実施日程について」 をご覧のこと。
- 公売財産は、公売情報のトップ画面「インターネット公売物件を条件で探す」から簡単に検索することができる。
- インターネット公売への参加に当たっては、公売情報のトップ画面右下の「ネット公売ガイドラインほか」に掲載されている「国税関係インターネット公売ガイドライン」を必ず読むこと。
- 楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」での物件の公開は、5月2日(金)午後1時から行う。
- 公売財産に関するお問い合わせは、各執行機関(国税局及び税務署)へ。
★リンクはこちら ⇒ 平成26年度第1回インターネット公売の実施
2014年5月9日
残余財産の分配後に成立した国税が国税徴収法第34条第1項に規定する「法人に課されるべき、又はその法人が納付すべき国税」に該当するとした事例
<要旨>
請求人は、請求人が株主である解散した法人(本件滞納法人)から残余財産の分配を受けたときには、本件滞納法人は国税を滞納しておらず正当かつ適法に残余財産の分配をしたものであるから、国税徴収法第34条《清算人等の第二納税義務》第1項の要件に該当しない旨主張する。
しかしながら、国税徴収法第34条第1項に規定する「法人に課されるべき、又はその法人が納付すべき国税」とは、法人が結果的に納付しなければならないこととなる全ての国税をいい、解散の時又は残余財産の分配若しくは引渡しの時に成立していた国税に限られないところ、本件滞納法人は、請求人に対し残余財産の分配をしたものと認められ、第二次納税義務の納付告知処分時に国税を滞納していたのであるから、国税徴収法第34条第1項の要件に該当し、請求人は第二次納税義務を負う。
★リンクはこちら ⇒ 残余財産の分配後に成立した国税が国税徴収法第34条第1項に規定する「法人に課されるべき、又はその法人が納付すべき国税」に該当するとした事例
2014年4月28日
離婚に伴う財産分与が不相当に過大であるとして国税徴収法第39条に規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」があったとした事例
<要旨>
請求人は、離婚に伴い滞納者である夫から財産分与(本件財産分与)として不動産(本件分与財産)を譲り受けたが、本件財産分与は不相当に過大ではないから、国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二納税義務》が規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」に該当しない旨主張する。
しかしながら、離婚における財産分与が同条の「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」等の処分に当たるか否かは、夫婦間における諸事情を考慮して清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素を算定した上で当該財産分与が不相当に過大か否かを判断するのが相当であるところ、本件分与財産の価額は、財産分与相当額の8倍以上であるから、本件財産分与は、国税徴収法第39条が規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」に該当する。
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2014年4月18日
インターネット公売(2013年9月)の実施
1.インターネット公売とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成25年度におけるインターネット公売は、一般競争入札で決定したヤフー株式会社の「官公庁オークション」で行う。
2.インターネット公売(平成25年9月)の実施内容
- 公売予定財産(平成25年8月22日現在)
不動産、腕時計、貴金属や宝石など、合計296件 - 日程
公売参加申込受付期間 平成25年9月6日(金)13時~9月17日(火)17時 買受申込期間 平成25年9月27日(金)13時~9月30日(月)13時 最高価申込者の決定日 平成25年10月2日(水)10時 買受代金の納付期限 平成25年10月15日(火)14時
※1 詳細については、公売情報ホームページを閲覧のこと。
※2 ヤフー株式会社の「官公庁オークション」は、9月6日(金)13時に公開される。
※3 インターネット公売への参加を希望する場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みをする必要がある。
★リンクはこちら ⇒ インターネット公売の実施について(既に削除済み)
2013年9月2日
平成25年度第1回インターネット公売の実施
1.「インターネット公売」とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成25年度におけるオークションサイトは、一般競争入札で決定したヤフー株式会社の「官公庁オークション」に変わった。ちなみに、平成24年度は楽天オークション株式会社が運営するオークションサイト(「官公庁オークション」)を利用して行っていた。
2.インターネット公売(平成25年5月)の実施内容
(1)公売予定財産(平成25年4月23日現在)
刀、自動車、指輪や那覇市の土地付建物など、合計310物件
(2)日程
- 公売参加申込受付期間 平成25年5月10日(金)13時から5月20日(月)17時
- 買受申込期間 平成25年5月30日(金)13時から6月3日(月)13時
- 最高価申込者の決定日 平成25年6月5日(水)10時
- 買受代金の納付期限 平成25年6月17日(月)14時
※詳細については、公売情報ホームページを参照のこと。
※ヤフー株式会社の「官公庁オークション」(http://koubai.auctions.yahoo.co.jp/) は、5月10日(金)13時に公開される。
※インターネット公売への参加を希望する場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みが必要である。
2013年5月8日
平成24年度第4回インターネット公売の実施
インターネット公売とは、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成24年度において実施するインターネット公売は、一般競争入札で決定した楽天オークション株式会社が運営するオークションサイト(「官公庁オークション」)を利用して行う。
<インターネット公売(平成25年2月)の実施内容>
(1)公売予定財産(平成25年1月8日現在)
腕時計、プリウス、札幌市の区分所有建物や秋田市の土地付建物など、合計318物件
(2)日程
- 公売参加申込受付期間 平成25年1月25日(金)13時から2月4日(月)17時
- 買受申込期間 平成25年2月15日(金)13時から2月18日(月)13時
- 最高価申込者の決定日 平成25年2月20日(水)10時
- 買受代金の納付期限 平成25年3月4日(月)14時
(3)実施する国税局等(平成25年1月8日現在)
11国税局及び37税務署
※詳細については、公売情報ホームページを閲覧すること。
※楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」サイト( http://public.auction.rakuten.co.jp/ )は、1月25日(金)13時に公開される。
※インターネット公売への参加を希望する場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みをする必要がある。
2013年1月24日
平成24年度第3回インターネット公売の実施
1.インターネット公売とは
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成24年度において実施するインターネット公売は、一般競争入札で決定した楽天オークション株式会社が運営するオークションサイト(「官公庁オークション」)を利用して行う。
2.インターネット公売(平成24年11月)の実施内容
(1)公売予定財産(平成24年10月16日現在)
7カラット超のダイヤモンド、フェラーリやベンツ、札幌市の区分所有建物や秋田市の土地付建物など、合計273物件
(2)日程
- 公売参加申込受付期間
平成24年11月2日(金)13時から11月12日(月)17時 - 買受申込期間
平成24年11月22日(木)13時から11月26日(月)13時 - 最高価申込者の決定日
平成24年11月28日(水)10時 - 買受代金の納付期限
平成24年12月10日(月)14時
(3)実施する国税局等(平成24年10月16日現在)
12国税局及び34税務署
※詳細については、公売情報ホームページを参照のこと。
※楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」サイト(http://public.auction.rakuten.co.jp/)は、11月2日(金)13時に公開される。
※インターネット公売への参加を希望される場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みが必要である。
2012年11月2日
平成24年度第2回インターネット公売の実施
インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売手続のうち、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものである。
なお、平成24年度において実施するインターネット公売は、一般競争入札で決定した楽天オークション株式会社が運営するオークションサイト(「官公庁オークション」)を利用して行う。
インターネット公売(平成24年9月)の実施内容は以下のとおりである。
(1)公売予定財産(平成24年8月22日現在)
腕時計、焼酎等の動産、茨城県龍ケ崎市の土地付建物や大分県別府市の旅館等の不動産など188物件
(2)日程
- 公売参加申込受付期間 平成24年9月7日(金)13時~9月18日(火)17時
- 買受申込期間 平成24年9月28日(金)13時~10月1日(月)13時
- 最高価申込者の決定日 平成24年10月3日(水)10時
- 買受代金の納付期限 平成24年10月15日(月)14時
(3)実施する国税局等(平成24年8月22日現在)
10国税局及び26税務署
(注1)詳細については、公売情報ホームページを参照
(注2)楽天オークション株式会社の「官公庁オークション」サイト(http://public.auction.rakuten.co.jp/)は、9月7日(金)13時に公開される。
(注3)インターネット公売への参加を希望する場合は、公売参加申込受付期間中に参加申込みをする必要がある。
2012年9月4日
年金保険料滞納の強制徴収
国税徴収法は、国税収入の確保を目的とする日本の法律である。
具体的には、以下のようなことが定められている。
- 国税債権と他の債権(地方税に係る債権、被担保債権、私債権)との優先関係の調整
- 第二次納税義務
- 滞納処分の手続・猶予・停止
他の法律において、債務が履行されない場合、「~については、国税滞納処分の例により差し押さえる~」といった形で準用されている。
具体的には、地方税法、労働保険徴収法、会社更生法、国民年金法、介護保険法などであるが、厚生労働省が2012年3月22日に、厚生年金保険料を滞納している業者について、国税庁に強制徴収の権限を委任しているが、このようなケースがこれにあたるであろう。
2012年3月23日
国税徴収法
国税徴収法は、国税の滞納処分その他の徴収に関する手続の執行について必要な事項を定めるものである。
ちなみに、国税通則法は、 国税についての基本的な事項及び共通的な事項を定め、税法の体系的な構成を整備するものである。
2011年9月2日