事務所通信
2025年3月号『物価高や人手不足等の影響を受けている中小企業者に向けた新しい保証制度!』
米をはじめ、様々なものの価格が上がっていることが毎日報道されていますが、物価高や人手不足等の影響を受けている中小企業者も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、『物価高や人手不足等の影響を受けている中小企業者に向けた新しい保証制度!』について、取り上げます。
1.協調支援型特別保証制度
原材料の価格高騰、物価高、人手不足等の影響を受ける中小企業者に対し、金融機関のプロパー融資と保証付き融資を組み合わせることなどにより、金融仲介機能の一層の強化を図り、人手不足に対応するための省力化投資による中小企業の経営の安定や事業の発展など、多岐にわたる経営課題解決への取組を後押しする保証制度を3年間(2028年3月末まで)の時限措置として、開始します。
制度概要は、以下のとおりです。
要件 | 以下のいずれかに該当する中小企業者
1.申込金融機関から本制度による保証付き融資の実行と原則同時に本保証付き融資の実行と原則同時に本保証付き融資額の1割以上(融資期間12か月以上)のプロパー融資を受けること。 2.申込金融機関の支援を受けつつ、自ら経営行動計画の策定並びに計画の実行及び進捗の報告を行うこと。 |
保証限度額 | 2億8,000万円 |
保証期間 | 一括返済の場合:1年以内
分割返済の場合:10年以内 |
据置期間 | 運転資金:1年以内
設備資金及び運転設備資金:3年以内 |
金利 | 金融機関所定 |
保証料率 | 0.45%~1.90% |
保証料補助 | 保証申込日に応じて、次の保証料補助率に相当する額を国が補助(要件2は、1/4相当)
2025年3月14日~2026年3月31日の保証申込分:1/2相当 2026年4月1日~2027年3月31日の保証申込分:1/3相当 2027年4月1日~2028年3月31日の保証申込分:1/4相当 |
取扱期間 | 2028年3月31日まで |
2.経営改善サポート保証(経営改善・再生支援強化型)制度
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、借入が過大となり、また、物価高や人手不足等の影響により、厳しい状況に置かれている中小企業者にあっては、必要に応じて、早期に事業再生の取組を進める必要があります。
こうした取組みを後押しするため、経営サポート会議(※)や中小企業再生支援協議会等の支援により作成した再生計画等に基づき、中小企業者が事業再生を実行するために必要な資金の借入を保証する「経営改善サポート保証制度」について、2025年3月31日に終了する「感染症対応型」の後継として、開始します。
(※)経営サポート会議:金融機関等の関係者により個別事業者の支援の方向性について意見交換する場で、信用保証協会等を事務局とした支援の枠組み
制度概要は、以下のとおりです。
保証限度額 | 2億8,000万円 (一般の普通・無担保保証とは別枠) |
保証割合 | 責任共有保証(80%保証)
ただし100%保証およびコロナ禍のセーフティネット5号からの借換については100%保証(いずれも保証付きの既往借入金の範囲内の額を借り換える場合に限る。) |
保証料率 | 0.3% (国による補助前は原則0.8%または1.0%) |
金利 | 金融機関所定 |
保証期間 | 15年以内 |
据置期間 | 3年以内 |
3.最後に
最近は米の価格上昇ばかりがクローズアップされている感はありますが、物価高や人手不足等の影響で、価格転嫁ができていない中小企業者や、人手さえ見つかれば売上をどんどん増やせる中小企業者も多いのではないかと思います。
生き残るためには、使える制度は、うまく使っていきたいものですね。
2025年3月28日 國村 年