事務所通信
2022年11月号『内部統制の重要性!』
ニュースとか新聞で、横領とか着服と書かれている記事を頻繁に目にすると、経営者が内部統制をきちんと構築しておけば、横領などをした従業員を守ることができたのではないかと非常に残念に思います。
そこで今回は、『内部統制の重要性!』について、書きたいと思います。
1.内部統制とは?
内部統制とは、基本的に、4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスをいい、6つの基本的要素から構成されます。
2.内部統制の目的
内部統制の目的は、以下の4つあります。
① | 業務の有効性および効率性 |
② | 財務報告の信頼性 |
③ | 事業活動に関わる法令などの遵守 |
④ | 資産の保全 |
①は、情報共有の徹底やITの効果的な活用などができるようになれば、「時間・人・お金」などの資源を、より有効に活用することが可能です。
②は、財務情報の信頼性・透明性が高まれば、企業の評価も高まりまるでしょう。
③は、法令を犯すようなことがないよう、法令遵守を徹底しておく必要があります。
④は、企業の資産を効率的かつ適切に管理することで、事業に充てる資金が増え、事業活動に良い影響をもたらすでしょう。
3.内部統制の基本的要素
内部統制には、以下の6つの基本的要素があります。
① | 統制環境 |
② | リスクの評価と対応 |
③ | 統制活動 |
④ | 情報と伝達 |
⑤ | モニタリング(監視活動) |
⑥ | IT(情報技術)への対応 |
①は、そのほか5つの基本的要素の基盤となるもので、企業の基本理念や基盤となる方針であり、その中には経営方針や経営戦略、経営者の姿勢、誠実性、倫理観など、多くの要素が含まれます。
②は、何かしらのリスクが伴う可能性がある場合、そのリスクはどんなものか、どれくらいの規模に及ぶかなどを議論し、解決すべきか、回避すべきかなどの判断を下すことになります。
③は、各部門の担当者が、経営者の指示通りに業務を遂行するための仕組みづくりのことです。
④は、発信から到着までのプロセスを、いかに適切に、迅速に行うかということです。
⑤は、内部統制が有効に機能しているかを継続的に評価するプロセスのことです。
⑥は、業務にIT技術を利用できているかと、ITを活用して内部統制のほかの基本的要素を機能させることができているかです。
4.最後に
難しいことばが並んでいますが、結局、企業が不祥事を防ぎ、健全かつ効率的に事業運営するための仕組みのことです。
企業を守るためにも、信頼を失わないためにも、従業員を守るためにも、経営者には内部統制の重要性を理解していただき、内部統制を整備・運用してほしいですね。
2022年11月29日 國村 年