事務所通信
2019年12月号『相続税法改正後の申告及び調査の状況(平成30年度版)!』
平成27年(2015年)から相続税法が大幅に改正され、相続税がかかる方が増えていると言われていますが、改正後そろそろ5年が経過します。
個人的にも年間多数の相続税案件が持ち込まれ、計算をしてみると相続税がかからない方が増えてはきていますが、相続税の申告件数がここ数年増えています。
そこで今回は、『相続税法改正後の申告及び調査の状況(平成30年度版)!』について、書きたいと思います。
1.平成30年分の相続税の申告事績
先日、国税庁から公表された『平成30年分の相続税の申告事績の概要』によると、平成30年分における相続税の申告事績は、以下のとおりとなっています。
なお、相続財産の金額の構成比は、土地35.1%、現金・預貯金等32.3%、有価証券16.0%、家屋5.3%、その他11.3%となっています。
2.平成30事務年度における相続税の調査等の状況
先日、国税庁から公表された『平成30事務年度における相続税の調査等の状況』によると、平成30事務年度における相続税の実地調査の状況は、以下のとおりとなっています。
相続税の実地調査は、平成28年に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報等から申告額が過少であると想定される事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告と想定される事案等について実施しています。
ちなみに、実地調査のほか、文書、電話による連絡または来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤り等がある申告を是正するなどの接触(以下「簡易な接触」といいます。)も実施しています。
なお、実地調査の申告漏れ相続財産の金額の構成比は、現金・預貯金等36.5%、有価証券11.2%、土地12.2%、家屋2.0%、その他38.1%となっています。
3.最後に
平成27年改正前は相続税がかかる方が4%強でしたが、改正後は倍増しています。
調査により修正申告をされる方も、最近は80%台で推移しています。
最近は相続税対策が否認されるケースも出てきていますので、早めに財産を把握し、慎重に相続税対策を行いましょうね。
2019年12月24日 國村 年