事務所通信
2018年3月号『収益事業とは?』
税務業務をやっている中で、頭を悩ますことがあるのが、『収益事業』かどうかという点です。
なお、『収益事業』は、法人税法第2条第13項、法人税法施行令第5条第1項に、34の事業が規定されています。
そこで今回は、『収益事業とは?』について書きたいと思います。
1.収益事業とは?
法人税法第2条第13項、法人税法施行令第5条第1項に、以下の34の事業が規定されています。
これらの34事業(その性質上その事業に付随して行われる行為を含みます。)で、継続して事業場を設けて行われるものを、『収益事業』といいます。
1 |
物品販売業 |
18 |
代理業 |
2 |
不動産販売業 |
19 |
仲立業 |
3 |
金銭貸付業 |
20 |
問屋業 |
4 |
物品貸付業 |
21 |
鉱業 |
5 |
不動産貸付業 |
22 |
土石採取業 |
6 |
製造業 |
23 |
浴場業 |
7 |
通信業 |
24 |
理容業 |
8 |
運送業 |
25 |
美容業 |
9 |
倉庫業 |
26 |
興行業 |
10 |
請負業 |
27 |
遊技所業 |
11 |
印刷業 |
28 |
遊覧所業 |
12 |
出版業 |
29 |
医療保健業 |
13 |
写真業 |
30 |
技芸教授業 |
14 |
席貸業 |
31 |
駐車場業 |
15 |
旅館業 |
32 |
信用保証業 |
16 |
料理店業その他の飲食店業 |
33 |
無体財産権の提供等を行う事業 |
17 |
周旋業 |
34 |
労働者派遣業 |
2.収益事業が課税される法人
公益法人などについては、以下のようになっています。
課税対象 |
該当法人 |
収益事業から生じた所得のみ課税 |
公益社団法人 |
収益事業から生じた所得のみ課税 |
非営利型の一般社団法人・一般財団法人 |
全ての所得に対し課税 |
一般社団法人 |
3.NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合
国税庁は、原則、法人税法上の収益事業に該当し、法人税の納税義務があると判断しています。
行う事業が公益法人等の本来の目的たる事業であるかどうかや、会員等に対して利益の分配を行わない(非営利)といったことにより、収益事業に該当するかどうかの判断を行うものではありません。
4.最後に
どの事業に該当するのか、納税者は公益性があるから非課税と考えがちなところが実務上、難しいところです。
そろそろ、課税されるかどうかの判断方法を見直す時期かもしれませんね。
2018年3月30日 國村 年