事務所通信
2018年11月号『出張手当はいくら支給すれば良いのか?』
出張がある企業の場合、『出張手当』が支給されることがあります。
しかし、『出張手当』について、税務上、相場が示されているわけではありません。
それゆえ、『出張手当』をいくらに設定すべきか頭を悩ますことがあります。
そこで今回は、『出張手当はいくら支給すれば良いのか?』について、書きたいと思います。
1.国内・海外出張旅費に関する調査
人事労務・医療介護経営分野における出版を中心に同分野での調査研究・提言を行う民間シンクタンクである株式会社産労総合研究所が、企業・団体等が自社の旅費規程を作成するために一般的な企業の旅費規程の実態を明らかにするため、原則2~3年毎に、会員企業及び上場企業から任意に抽出した約3,000社に対する自記式アンケート票により、『国内・海外出張旅費に関する調査』を行っています。
なお、現時点で最新のものは、2017年10月公表のものです(回答は174社)。
2.国内出張旅費
<日帰り出張の日当を支給する企業(86.8%)の平均支給額(距離・時間・地域区分がない場合)>
- 部長クラス 2,491円
- 一般社員 1,954円
<宿泊出張の日当を支給する企業(91.4%)の平均支給額(全地域一律の場合)>
- 部長クラス 2,809円
- 一般社員 2,222円
<宿泊出張の宿泊料の平均支給額(全地域一律の場合)>
- 部長クラス 9,870円
- 一般社員 8,723円
<新幹線グリーン車の利用を許可している企業(条件付きの許可を含む)>
- 部長クラス 19.5%
<有期契約社員の出張がある企業(60.3%)>
- うち日当等が正社員と同じ企業81.9%
3.海外出張旅費
<日当の平均支給額(円建て企業)>
【北米】
- 部長クラス 6,189円
- 一般社員 5,080円
【中国地域】
- 部長クラス 5,604円
- 一般社員 4,603円
<宿泊料の平均支給額(円建て企業)>
【北米】
- 部長クラス 15,950円
- 一般社員 14,170円
【中国地域】
- 部長クラス 13,780円
- 一般社員 12,259円
<海外旅行傷害保険に加入している企業(79.9%)の治療費の平均保険金額>
【傷害保険】
- 部長クラス 923万円~
- 一般社員 875万円
【疾病保険】
- 部長クラス 680万円~
- 一般社員 671万円
<航空機の利用クラス(部長クラス)>
- ビジネスクラス 5.7%
- エコノミークラス 61.5%
4.最後に
この調査結果を用いる必要はありませんが、一つの目安にはなるとは思います。
色々なものを参考のうえ、慎重に金額を決めてくださいね。
2018年11月28日 國村 年