消費税

非課税と免税の違い

非課税と免税は、その取引のために行った課税仕入れについて仕入税額の控除を行うことができるかどうかという点が異なります。

<非課税取引>
消費税は国内で消費される財貨やサービスに対して広く公平に負担を求める税金です。原則として国内におけるすべての取引が課税の対象となります。

しかし、国内取引であっても消費に負担を求める税としての性質上や社会政策的配慮から課税の対象としないこととされている取引があり、これを「非課税取引」といいます。

例えば、土地や有価証券、商品券などの譲渡、預貯金や貸付金の利子、社会保険医療などの取引がこれに当たります。

非課税とされる取引には消費税が課税されませんので、非課税取引のために行った課税仕入れについては、原則としてその仕入れに係る消費税額を控除することができません。

<免税取引>
消費税では、非課税取引のほかにも、消費税が免除される「免税取引」があります。

例えば、商品の輸出や国際輸送、外国にある事業者に対するサービスの提供などのいわゆる輸出類似取引などです。

この場合には、輸出証明書を保管するなど、一定の要件を備えている必要があります。

免税とされる輸出や輸出類似取引は、課税資産の譲渡等に当たりますが、一定の要件が満たされる場合に、その売上げについて消費税が免除されるものです。

したがって、その輸出や輸出類似取引などの免税取引のために行った課税仕入れについては、原則として仕入れに係る消費税額を控除することができることとなります。

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2024年12月13日


消費税還付申告に関する国税当局の対応について(令和6年11月)

消費税は、輸出免税や免税店における免税販売が主要な事業である場合、ないしは多額の設備投資を行った場合などに、還付申告書を提出することで還付金を受けることができる仕組みとなっています。

多くの納税者の方々が正しく申告をする一方、そのような消費税の仕組みを悪用し、実際に取引をしたように見せかけるなど、虚偽の内容で申告書を提出して、消費税の還付を不正に受けようとする事案も発生しています。

消費税の還付申告の中には、上記のような不正還付事案の他にも、各取引に関する課税取引や非課税取引といった区分の誤りや固定資産等の取得時期の誤りなども見受けられます。

そのため、国税当局としては、各種情報に照らして必要があると認められる場合は、還付金の支払いをいったん保留しつつ、還付申告の原因を確認するため、行政指導において、証拠書類(例えば、還付申告の主な原因が輸出免税である場合には輸出許可通知書やインボイス等の写し、設備投資である場合には契約書や請求書等の写しのほか、取引実態の確認できる資料)の提出をお願いすることや、税務調査を実施する場合もあります。

還付申告の原因の確認に当たっては、個別具体的な各種の事情に応じた対応を行うことから、例えば、課税仕入れや免税取引等の相手方と連絡が取れないことなどにより取引の実態の確認が困難である場合や、取引に係る金銭授受の事実確認が困難である場合、輸出等に係る証拠書類が適切に保管されていない場合などにおいては、それらの確認に時間を要し、還付を保留する期間が長期にわたる場合があります。

国税当局としては、可能な限り速やかに上記の実態の確認等に努めるとともに、これらの結果、還付税額が過大と認められる事由がないことが判明した場合には、遅滞なく還付を行うこととしていますので、納税者の皆様のご理解とご協力をお願いします。

★リンクはこちら⇒ 消費税還付申告に関する国税当局の対応について(令和6年11月)

2024年12月11日


非課税となる取引

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引を課税の対象としています。

しかし、これらの取引であっても消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が定められています。

<主な非課税取引>

(1) 土地の譲渡および貸付け
土地には、借地権などの土地の上に存する権利を含みます。
ただし、1か月未満の土地の貸付けおよび駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引には当たりません。
(2) 有価証券等の譲渡
国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡
ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引には当たりません。
(3) 支払手段(注)の譲渡
銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形などの譲渡
ただし、これらを収集品として譲渡する場合は非課税取引には当たりません。
(注)
支払手段に類するものとして、資金決済に関する法律第2条に規定する電子決済手段及び暗号資産(令和2年4月までは「仮想通貨」という名称が用いられていました。)及び電子決済手段の譲渡も非課税となります。
(4) 預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等
預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など
(5) 日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡および地方公共団体などが行う証紙の譲渡
(6) 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
(7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
国、地方公共団体、公共法人、公益法人等が法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料
なお、この一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付などです。
(8) 外国為替業務に係る役務の提供
(9) 社会保険医療の給付等
健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療など
ただし、美容整形や差額ベッドの料金および市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引に当たりません。
(10) 介護保険サービスの提供等
介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービスなど
ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引には当たりません。
(11) 社会福祉事業等によるサービスの提供等
社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業、更生保護事業法に規定する更生保護事業などの社会福祉事業等によるサービスの提供など
(12) 助産
医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供等
(13) 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
(14) 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け等
義肢、視覚障害者安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車椅子、身体障害者の使用に供するための特殊な性状、構造または機能を有する自動車などの身体障害者用物品の譲渡、貸付け、製作の請負およびこれら身体障害者用物品の修理のうち一定のもの
(15) 学校教育
学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校等の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料など
(16) 教科用図書の譲渡
(17) 住宅の貸付け

契約において人の居住の用に供することが明らかにされているもの(契約において貸付けの用途が明らかにされていない場合にその貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかなものを含みます。)に限られます。
ただし、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりません。

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2024年12月9日


消費税の軽減税率制度

令和元年10月1日から、消費税および地方消費税の税率が8パーセントから10パーセントへ引き上げられ、この税率引き上げと同時に消費税の軽減税率制度が実施されました。

<消費税率および地方消費税率>
令和元年10月1日(適用開始日)以後に行われる資産の譲渡等、課税仕入れおよび保税地域から引き取られる課税貨物に適用される税率は、次のとおりとなります。

  • 標準税率は10パーセント(消費税率7.8パーセント、地方消費税率2.2パーセント)です。
  • 軽減税率は8パーセント(消費税率6.24パーセント、地方消費税率1.76パーセント)です。

<軽減税率の対象となる品目>
軽減税率が適用されるのは、次の対象品目の譲渡(販売)です。
(1)飲食料品(酒類を除く)
飲食料品とは、食品表示法に規定する食品(注1)をいい、一定の一体資産(注2)を含みます。

なお、外食やケータリング等(注3)は軽減税率の対象には含まれません。

(注1)
食品表示法に規定する食品とは、人の飲用または食用に供されるものをいい、医薬品、医薬部外品および再生医療等製品が含まれず、食品衛生法に規定する添加物が含まれます。

(注2)
一体資産とは、例えば、おもちゃ付きのお菓子など、食品と食品以外の資産があらかじめ一体となっている資産で、その一体となっている資産に係る価格のみが提示されているものをいいます。一体資産のうち、税抜価額が1万円以下であって、食品の価額の占める割合が3分の2以上の場合に限り、その全体が軽減税率の対象となります(それ以外は全体が標準税率の対象となります)。

(注3)
外食とは、飲食店業等の事業を営む者が飲食に用いられる設備がある場所において行う食事の提供をいいます。
ケータリング等とは、相手方が指定した場所において行う加熱、調理または給仕等の役務を伴う飲食料品の提供をいいます。

(2)新聞
軽減税率の対象となる新聞とは、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもの(定期購読契約に基づくものに限ります。)をいいます。

<適用税率の判定時期>
軽減税率が適用される取引か否かの判定は、事業者が課税資産の譲渡等を行うとき(飲食料品を提供する時点)で行うことになります。

販売する事業者が、人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した場合には、顧客がそれ以外の目的で購入し、又はそれ以外の目的で使用したとしても、その取引は「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となります。

<帳簿および請求書等の記載と保存>
消費税等の税率が標準税率(10パーセント)と軽減税率(8パーセント)の複数税率となっていますので、事業者は、消費税等の申告等を行うために、取引等を税率の異なるごとに区分して記帳するなどの経理(以下「区分経理」といいます。)を行う必要があります。

令和5年10月1日から、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が開始し、仕入税額控除の適用を受けるためには、帳簿および税務署長に申請して登録を受けた課税事業者(適格請求書発行事業者)から交付を受けた「適格請求書(インボイス)」などの請求書等の保存が必要です。

適格請求書には、「登録番号」、「適用税率」、「税率ごとに区分した消費税額等」などの法定記載事項を記載する必要があります。

ただし、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間は、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れであっても、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。

この経過措置の適用を受けるためには、次の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が必要となります。

  • 帳簿:区分記載請求書等保存方式の記載事項に加え、「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」
  • 請求書等:区分記載請求書等と同様の記載事項

(参考)区分記載請求書等保存方式
令和元年10月1日から令和5年9月30日までの期間において、消費税の仕入税額控除を適用するためには、区分経理に対応した帳簿および請求書等(区分記載請求書等)の保存が要件となっていました(区分記載請求書等保存方式)。

適格請求書等保存方式とは異なり、免税事業者であっても、課税事業者に対して軽減税率の対象となる商品を販売する場合には、相手方に対して区分記載請求書等を交付することができました。

<税額計算の特例(参考)>
消費税額は税率ごとに計算しますが、売上げを税率ごとに区分することにつき困難な事情がある中小事業者(注)については、令和元年10月1日から令和5年9月30日までの期間において、税額計算の特例を用いて売上税額を計算することができます。

(注)
中小事業者とは、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者をいいます。

詳しくは、特設ページ「消費税の軽減税率制度」をご参照ください。

★リンクはこちら⇒ 消費税の軽減税率制度

2024年12月5日


前受金や前払金などがあるとき

消費税の課税資産の譲渡等や課税仕入れの時期は、所得税や法人税の場合と同じように、原則として資産の引渡しやサービスの提供があった時とされています。

したがって、例えば、工事代金の前受金を受け取ったり、機械の購入について前払金を支払っていたとしても、その受取や支払の時期に関係なく、実際に引渡しやサービスの提供があった時が売上げや仕入れの時期となります。

同じように、未収金や未払金がある時も、その代金の決済の時期に関係なく、資産の引渡しやサービスの提供があった時が売上げや仕入れの時期になります。

なお、前払費用のうち、所得税または法人税の取扱いによりその支出した年度において必要経費の額または損金の額に算入している短期前払費用は、その支出した課税期間の課税仕入れとして取り扱われます。

(注)
個人事業者で所得税法第67条の規定により、現金主義による所得計算の特例の適用を受ける者(小規模事業者等)の資産の譲渡等および課税仕入れを行った時期は、その資産の譲渡等にかかる対価の額を収入した日およびその課税仕入れにかかる費用の額を支出した日とすることができます(申告書にその旨を付記するものとされています。)。

★リンクはこちら⇒ 前受金や前払金などがあるとき

2024年12月3日


リース取引についての消費税の取扱いの概要

<リース取引の賃貸人における処理>
(1)原則的な処理方法
所得税法または法人税法の規定により売買があったものとされるリース取引(以下「リース取引」といいます。)については、原則として、賃貸人が賃借人にその取引の目的となる資産(以下「リース資産」といいます。)の引渡し(以下「リース譲渡」といいます。)を行った日に資産の譲渡があったことになります。

したがって、事業者が行ったリース譲渡が課税資産の譲渡等に該当する場合には、そのリース資産の譲渡対価の全額がその引渡しを行った日の属する課税期間における資産の譲渡等の対価の額に含まれます。

(2)リース譲渡に係る譲渡等の時期の特例
事業者がリース取引について所得税法または法人税法の所得金額の計算において延払基準の方法により経理することにより、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例の適用を受けている場合には、消費税についてもこの特例の適用を受けることができます。

この場合には、リース譲渡をした日の属する課税期間においてリース料の支払期日の到来しないものに係る部分については、その課税期間において資産の譲渡等を行わなかったものとみなしてその部分に係る対価の額をその課税期間におけるリース譲渡に係る対価の額から控除することができます。

また、リース譲渡をした日の属する課税期間において資産の譲渡等を行わなかったものとみなされた部分は、その翌課税期間以後、そのリース料の支払期日の到来する日の属する課税期間において資産の譲渡等を行ったものとみなされます。

(注)
「延払基準の方法」については、コード5703「リース取引の賃貸人における収益及び費用の計上方法(平成20年4月1日以後契約分)」を参照してください。

<リース取引の賃借人における処理>
リース取引による資産の譲受けが課税仕入れに該当する場合には、その課税仕入れを行った日はそのリース資産の引渡しを受けた日となります。

したがって、その課税仕入れについては、そのリース資産の引渡しを受けた日の属する課税期間において仕入税額控除の規定の適用を受けることになります。

(注1)
リース取引の賃貸人が上記リース取引の賃貸人における処理の(2)のリース譲渡に係る譲渡等の時期の特例の適用を受ける場合であっても、そのリース取引の賃借人の課税仕入れの時期はそのリース資産の引渡しを受けた日となります。

(注2)
リース取引の契約においてリース料のうち利子に相当する部分とそれ以外の部分に区分表示されている場合には、利子に相当する部分は非課税となりますので、その部分は課税仕入れとはなりません。

(注3)
賃借人が所有権移転外リース取引に係るリース資産につき、賃貸借取引として会計処理している場合には、「所有権移転外ファイナンス・リース取引について賃借人が賃貸借処理した場合の取扱い」を参照してください。

(注4)
所有権移転外リース取引については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。

★リンクはこちら⇒ リース取引についての消費税の取扱いの概要

2024年11月27日


延払基準、工事進行基準を用いているとき

消費税の納税義務の成立の時期は、資産の譲渡等の時とされていますが、所得税や法人税の申告に当たって、延払基準や工事進行基準により経理処理が行われ収入計上されている場合は、消費税でもこれらの基準によって申告を行うことができます。

<リース譲渡を行った場合の延払基準>
事業者がリース取引について所得税法または法人税法の所得金額の計算において延払基準の方法により経理することにより、リース譲渡にかかる資産の譲渡等の時期の特例の適用を受けている場合には、消費税についてもこの特例の適用を受けることができます(申告書にその旨を付記するものとされています。)。

この場合は、その課税期間において支払期限の到来しない賦払金の部分については、現実に支払を受けたものを除き、その課税期間において資産の譲渡等はなかったものとすることができます。

この資産の譲渡等はなかったものとした部分は、支払期限の到来したときに資産の譲渡等が行われたものとされます。

(注1)
リース取引についてこの取扱いの適用を受ける場合、コード6163「リース取引についての消費税の取扱いの概要」を参照してください。

(注2)
長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例は、平成30年4月1日から廃止されました(リース譲渡については、引き続き、延払基準による計上に関する特例の措置が設けられています。)。

なお、長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例の廃止にあたっては、以下の経過措置が設けられています。

1 平成30年4月1日(施行日)前に特定長期割賦販売等(長期割賦販売等からリース譲渡を除いたもの。)を行った事業者(施行日前に行われた特定長期割賦販売等に係る契約の移転を受けた事業者を含みます。)は、令和5年3月31日以前に開始する各事業年度に含まれる各課税期間(個人事業者の方は、令和5年12月31日以前に開始する各課税期間)については、延払基準により資産の譲渡等の対価の額を計算することができます。なお、当該経過措置の適用を受ける特定長期割賦販売等のうち、令和5年3月31日以前に開始した事業年度に含まれる各課税期間(個人事業者の方は、令和5年12月31日以前に開始した各課税期間)において、資産の譲渡等を行ったものとしなかった部分がある場合には、令和5年3月31日後最初に開始する事業年度終了の日の属する課税期間(個人事業者の方は、令和6年12月31日の属する課税期間)に資産の譲渡等を行ったものとみなされます。
2 1の経過措置の適用を受ける特定長期割賦販売等について、長期割賦販売等に係る特例の適用を受けないこととした場合や所得税、法人税において延払基準の方法による経理をやめた場合には、賦払金残額についてそれぞれ、その適用を受けないこととした課税期間または延払基準の方法による経理をやめた事業年度終了の日の属する課税期間(個人事業者の方は、その適用を受けないこととした課税期間または延払基準の方法による経理をやめた年の12月31日の属する課税期間)に資産の譲渡等を行ったものとみなされます。
3 法人税または所得税における経過措置(10年均等取崩特例)の規定の適用を受けようとするときは、当該規定の適用による各事業年度の益金の額に算入される収益の額または各年の総収入金額に算入される金額に係る部分については、当該規定の適用を受ける事業年度の終了の日の属する課税期間(個人事業者の方は、当該規定の適用を受ける年の12月31日の属する課税期間)において、資産の譲渡等を行ったものとみなすことができることとされており、賦払金の残額について所得税または法人税と同様に10年間の均等計上を行うことができることとされています(この場合には、その規定の適用を受けようとする最初の課税期間に係る申告書にその旨を付記するものとされています。)。

<工事を請け負った場合の工事進行基準>
事業者が所得税法または法人税法の所得金額の計算において工事進行基準の方法により経理することにより、工事の請負にかかる資産の譲渡等の時期の特例の適用を受けている場合には、消費税についてもこの特例の適用を受けることができます(申告書にその旨を付記するものとされています。)。

この場合は、その課税期間において売上処理した金額の部分については、その課税期間に資産の譲渡等を行ったこととすることができます。

また、工事進行基準により経理を行っていたものについて、その後その経理を行わないこととした場合の取扱いは、所得税または法人税の取扱いと同様になります。

なお、所得税または法人税の申告に当たって、工事進行基準による経理処理が行われ収入計上されている場合でも、消費税については原則どおり資産の譲渡等の時を基準として申告することも認められます。

したがって、所得税または法人税の申告に当たって、工事進行基準により経理しなければならない長期大規模工事の場合であっても、消費税については実際の資産の譲渡等の時を基準として申告することが認められます。

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2024年11月25日


課税の対象とならないもの(不課税)の具体例

国内において事業者が事業として(注1)対価を得て行う(注2)資産の譲渡や貸付け、役務の提供(以下「資産の譲渡等」といいます。)は、消費税の課税の対象となります。

したがって、国外で行われる取引や、資産の譲渡等に該当しない取引は課税の対象となりません。

(注1) 事業者が事業として行う取引

「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を反復、継続、かつ、独立して行うことをいいます。
なお、法人は事業を行う目的をもって設立されたものですから、その活動はすべて事業として行う取引となります。

(注2) 対価を得て行う取引
「対価を得て行う」とは、物品の販売などをして反対給付を受けることをいいます。
すなわち反対給付として対価を受け取る取引をいいます。

<具体例>

(1) 給与・賃金
雇用契約に基づく労働の対価であり、事業者が事業として行う取引(注1)ではないからです。
(2) 寄附金、祝金、見舞金、国または地方公共団体からの補助金や助成金等
一般的に対価を得て行う(注2)取引ではないからです。
(3) 無償による試供品や見本品の提供
対価を得て行う取引(注2)ではないからです。
(4) 保険金や共済金
資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。
(5) 株式の配当金やその他の出資分配金
株主や出資者の地位に基づいて支払われるものであり、資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。
(6) 資産について廃棄をしたり、盗難や滅失があった場合
資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。
(7) 心身または資産について加えられた損害の発生に伴い受ける損害賠償金
対価を得て行う(注2)資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。ただし、損害賠償金でも、例えば次のような場合は対価を得て行う(注2)資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引であり、課税の対象となります。
イ.損害を受けた製品などの棚卸資産が加害者に引き渡される場合で、その資産がそのままで使用できる場合や、軽微な修理をすれば使用できる場合
ロ.無体財産権の侵害を受けたために受け取る損害賠償金が権利の使用料に相当する場合
ハ.事務所の明渡しが期限より遅れたために受け取る損害賠償金が賃貸料に相当する場合

★リンクはこちら⇒ 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例

2024年11月21日


役務の提供の具体例

国内において事業者が事業として対価を得て行う役務の提供(サービスの提供)は、消費税の課税の対象となります。

この「役務の提供(サービスの提供)」とは、請負契約、運送契約、委任契約、寄託契約などに基づいて労務、便益その他のサービスを提供することをいいます。

また、税理士、公認会計士、作家、スポーツ選手、映画監督、棋士などによる、その専門的知識、技能に基づく役務の提供もこれに含まれます。

<具体例>
・土木工事、修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、興行、宿泊、飲食、技術援助、情報の提供、便益、出演、著述は、役務の提供に該当します。

・弁護士、公認会計士、税理士、作家、スポーツ選手、映画監督、囲碁や将棋の棋士による専門的知識、技能に基づく役務の提供は、役務の提供に該当します。

なお、信用の保証、保険、登記・検査・裁判などの公共サービスといった消費税の性格からみて課税対象とすることになじまない役務の提供のほか、一定の医療、教育といった社会政策的な配慮から課税することが適用でない役務の提供は、非課税となっています。

★リンクはこちら⇒ 役務の提供の具体例

2024年11月18日


資産の貸付けの具体例

<概要>
国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の貸付けは、消費税の課税の対象となります。

この「資産の貸付け」とは、事務所の賃貸借や自動車のレンタルなど賃貸料を受け取る一般の資産の貸付けだけでなく、資産に係る権利の設定のほか他人に資産を使用させる一切の行為(電気通信利用役務の提供に該当するものを除きます。)を含むものとされています。

事業として行われる資産の貸付けは、通常の貸付けのほか使用や利用も含まれます。

また、資産を貸し付けたときや利用させるときに、権利金や保証金などの名目で金銭を受け取ることがあります。これらのうち、契約の終了に際して返還する必要のない金銭は、資産の貸付けの対価として課税の対象になります。

なお、いわゆる無償の貸付けなど対価を受け取らないで行うものは課税されません。

<具体例>

自動車などの有形資産の貸付けのほか、特許権、実用新案権、ノウハウなどの無形の資産を利用させることは、資産の貸付けに該当します。
保養所などの福利厚生施設を割安な料金で社員に利用させる場合や音楽、デザインなどの著作物を使用させる場合は、資産の貸付けに該当します。

なお、土地の貸付けや住宅の貸付けは、原則として非課税となっています。

★リンクはこちら⇒ 資産の貸付けの具体例

2024年11月11日


資産の譲渡の具体例

国内において事業者が事業として対価を得て行う資産(注)の譲渡は、消費税の課税の対象となります。

この「資産の譲渡」とは、資産につき同一性を保持しつつ、他人に移転させることをいいます。例えば、売買、代物弁済、交換、現物出資などにより、資産の所有権を他人に移転することをいいます。

資産の譲渡はその原因を問いませんので、例えば、他人の債務の保証を履行するために行う資産の譲渡または強制換価手続により換価された場合の資産の譲渡は、いずれも、事業として対価を得て行う資産の譲渡に該当します。

また、土地収用法その他の法律の規定に基づいてその所有権その他の権利を収用され、かつ、その権利を取得する者からその権利の消滅にかかる補償金を取得した場合は、対価を得て資産の譲渡を行ったものとされています。

なお、相続や時効により財産が移転した場合は、資産の譲渡には当たりません。

(注)
「資産」とは、販売用の商品、事業等に用いている建物、機械、備品などの有形資産のほか、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの権利やノウハウその他の無体財産権など、およそ取引の対象となるすべてのものをいいます。

<事業として対価を得て行う資産の譲渡とみなす場合>
次の場合には、その時点で、原則として、時価により譲渡したものとみなされ、消費税の課税の対象となります。

(1) 個人事業者が自己の販売する商品や事業に用いている資産を家庭で使用したり消費した場合
(2) 法人が自社の製品などをその役員に対して贈与した場合

【具体例】

商品の販売、事業等に用いている建物、機械、備品などの売却、特許権などの無体財産権の譲渡は、資産の譲渡に該当します。
代物弁済による資産の譲渡、負担付き贈与による資産の譲渡、資産の交換、金銭以外の資産の出資(現物出資)は、対価を得て行う資産の譲渡に該当します。
土地や建物が収用され、対価補償金を取得した場合は、対価を得て資産の譲渡を行ったものに該当します。

なお、土地、有価証券、郵便切手類、印紙、物品切手や一定の身体障害者用物品の譲渡は、原則として非課税となっています。

★リンクはこちら⇒ 資産の譲渡の具体例

2024年11月7日


納税義務の成立の時期

<国内取引の場合>
国内取引にかかる消費税の納税義務は、「課税資産の譲渡等をした時」又は「特定課税仕入れをした時」に成立します(注)。

納税義務はその都度成立しますが、申告や納付は課税期間ごとに行います。

課税資産の譲渡等の時期は、原則として、その取引の態様に応じた資産の引渡しの時または役務の提供の時となります。

その引渡しや役務の提供時期について取引の態様に応じて例示すると以下のとおりになります。
(1)棚卸資産の販売または固定資産の譲渡
棚卸資産の販売または固定資産の譲渡の時期は、原則としてその引渡しの日です。

(2)資産の貸付け
資産の貸付けについては、契約や慣習などにより支払日が定められている場合はその定められた支払日です。

(3)役務の提供
請負による役務の提供の時期は、原則として、物の引渡しを要する請負契約にあっては目的物の全部を完成して引き渡した日、物の引渡しを要しない請負契約にあってはその約した役務の全部の提供を完了した日です。

また、請負を除く人的役務の提供の時期は、原則としてその人的役務の提供を完了した日です。

(4)延払基準等
リース譲渡で延払基準を適用している場合や工事の請負で工事進行基準を適用している場合には、それらの基準に従って売上げを計上する日とすることができます。

(注)
課税資産の引渡しや役務の提供が行われる前に、前受金の収受が行われた場合には、前受金の収受の時にかかわらず、現実に課税資産の引渡しや役務の提供等をした時が課税資産の譲渡等をした時となります。

また、未収金についても代金決済の時期に関係なく、課税資産の引渡しや役務の提供をした時が課税資産の譲渡等をした時となります。

ただし、所得税法上の現金主義の適用を受けている小規模事業者は、対価を受領した日を資産の譲渡等の時期とすることができます。

<輸入取引の場合>
輸入取引の場合には、「課税貨物を保税地域から引き取る時」に消費税の納税義務が成立します。

★リンクはこちら⇒ 納税義務の成立の時期

2024年11月5日


課税期間

<課税期間>
個人事業者の課税期間は、1月1日から12月31日までの期間です。

年の中途で新たに事業を開始した場合や事業を廃止した場合においても、課税期間の開始の日は1月1日、終了の日は12月31日となります。

法人の課税期間は、その法人の事業年度です。

新たに法人を設立した場合には、課税期間の開始の日は設立の日、終了の日はその事業年度の末日となります。

なお、課税事業者は、課税期間ごとに、原則として、その課税期間の終了の日の翌日から2か月以内(個人事業者の12月31日の属する課税期間は翌年3月31日まで)に、納税地の所轄税務署長に消費税および地方消費税の確定申告書を提出するとともに、その申告に係る消費税額と地方消費税額を併せて納付しなければなりません。

<課税期間の特例>
課税期間は、特例として事業者の選択により、3か月ごとまたは1か月ごとに区分して短縮することができます。

個人事業者が課税期間を3か月ごとに短縮する場合には、1月1日から3月31日まで、4月1日から6月30日まで、7月1日から9月30日まで、10月1日から12月31日までの各期間を課税期間とすることができます。

また、課税期間を1か月ごとに短縮する場合には、1月1日から1か月ごとに区分した各期間を1つの課税期間とすることができます。

法人が課税期間を短縮する場合には、事業年度の初日から3か月または1か月ごとに区分した各期間を1つの課税期間とすることができます。(注1)

課税期間の特例の適用を受けようとするときや、既に課税期間の特例の適用を受けている事業者が他の課税期間の特例に変更しようとするときは、原則として、その特例の適用を受けようとするまたは変更しようとする短縮に係る課税期間の開始の日の前日までに、「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。(注2)

また、課税期間の特例の適用を受けている事業者が、その適用をやめようとする場合には、課税期間の特例の適用をやめようとする課税期間の開始の日の前日までに、「消費税課税期間特例選択不適用届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

なお、課税期間の特例の適用を受けた場合には、事業を廃止した場合を除き、2年間はその特例をやめることはできません。

(注1)
年または事業年度の途中でこの特例の適用を受けた場合は、課税期間の開始の日から適用開始の日の前日までの期間を、また、3か月ごとの課税期間の特例を適用している事業者が、1か月ごとの特例へ変更する場合は、課税期間の開始の日から変更後の課税期間の開始の日の前日までの期間を1つの課税期間とみなして確定申告をすることになります。

なお、年または事業年度の途中でこの特例の適用をやめた場合にも、その適用をしないこととした課税期間の末日の翌日から、その年の12月31日またはその事業年度の末日までが1つの課税期間となります。

(注2)
3か月ごとの課税期間から1か月ごとの課税期間へ変更する場合または1か月ごとの課税期間から3か月ごとの課税期間へ変更する場合は、変更前の特例の適用を受けた課税期間の開始の日から2年間はその特例を変更することはできません。

★リンクはこちら⇒ 課税期間

2024年10月31日


輸入する貨物の納税義務者

輸入する貨物については、その貨物を保税地域から引き取る時に消費税が課税されます。

輸入する貨物についての消費税の納税義務者は、その貨物を保税地域から引き取る者です。そして、この貨物を保税地域から引き取る者とは、輸入申告者のことです。

したがって、通関業務を通関業者に委託して輸入貨物を引き取る場合の納税義務者は、その通関業者ではなく、通関業務を委託した者となります。

<納税義務者>
輸入取引の場合の納税義務者は、国内取引の場合のように事業者に限定されず、また、事業者免税点制度などの規定も設けられていません。

したがって、事業者だけでなく給与所得者等も、外国貨物を輸入すれば消費税の納税義務者となります。

また、輸入とは、外国から我が国に到着した貨物または輸出の許可を受けた貨物を我が国に引き取ることをいいます。

したがって、一般的な貿易により輸入される貨物のほか、海外旅行からの帰国の際におみやげなどとして持ち帰ったものも課税の対象になります。

ただし、海外旅行から帰国したときに課税される輸入関税がいわゆる携帯品免税として免除されるものについては、消費税も免除になります。

なお、輸入する貨物についても地方消費税が課税されますから、保税地域から引き取る場合には、消費税と併せて地方消費税も税関長に納付する必要があります。

★リンクはこちら⇒ 輸入する貨物の納税義務者

2024年10月28日


共同企業体の納税義務

<概要>
建設工事や土木工事では、共同企業体、いわゆるジョイントベンチャーを組んで行われる場合があります。

この共同企業体は、通常、各構成員が共同企業体に対して出資を行い、その出資金の持分割合により、利益の分配を受けることになっています。

この共同企業体は、民法上の組合に当たりますので、消費税法上、共同企業体が行う資産の譲渡等や課税仕入れは、各構成員の利益の分配割合に応じて、それぞれの構成員に直接帰属することになります。

なお、法人税法上も共同企業体の損益は直接各構成員に帰属するものとして取り扱われます。

したがって、共同企業体が建設機材などの購入や請負った工事の目的物の引渡しを行ったときは、それぞれ各構成員の利益の分配割合に応じて、各構成員が課税仕入れや課税資産の譲渡等を行ったことになります。

<資産の譲渡等の時期>
共同事業において各構成員が行ったこととされる資産の譲渡等については、原則として、当該共同企業体として資産の譲渡等を行った時に各構成員が資産の譲渡等を行ったことになりますが、各構成員が、当該資産の譲渡等の時期を当該共同事業の計算期間(1年以内のものに限ります。)の終了する日の属する自己の課税期間において行ったものとして取り扱っている場合には、それも認められます。

なお、発注者から共同企業体が中間金などの名目で金銭を受領した場合に、その受領した金銭を出資金等の持分割合に応じて、各構成員に配賦金として分配したとしても、工事の発注者に対して目的物の引渡しがなされるまでは、単なる前受金でしかありませんから、消費税の課税関係は生じないことになります。

<適格請求書の発行>
共同企業体等の任意組合等が事業として行う課税資産の譲渡等については、その構成員の全てが適格請求書発行事業者であり、民法第670条第3項に規定する業務執行者などの業務執行組合員が、納税地を所轄する税務署長に「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」を提出した場合に限り、その任意組合等の事業として国内において行った課税資産の譲渡等について適格請求書を交付することができます。

★リンクはこちら⇒ 共同企業体の納税義務

2024年10月24日


国内取引の納税義務者

国内取引の納税義務者は、国内において課税資産の譲渡等および特定課税仕入れを行った事業者です。

この事業者とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。

なお、法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めのあるもの(人格のない社団等)は、法人とみなされます。

したがって、事業を行っていない給与所得者などは消費税の納税義務者にはなりません。また、国や地方公共団体、公共法人、公益法人等などが資産の譲渡や貸付け、役務の提供を行う場合は、消費税の納税義務者となります。

<納税義務の免除>
消費税には事業者免税点制度が設けられており、基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除されます。

ただし、令和5年10月1日以後、適格請求書発行事業者として登録を受けた事業者については、基準期間の課税売上高にかかわらず消費税の納税義務は免除されません。

詳しくは、コード6501「納税義務の免除」およびコード6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」をご参照ください。

<高額特定資産を取得した場合等の納税義務の免除等の特例>
課税事業者が、高額特定資産または自己建設高額特定資産の仕入れ等を行った場合は、当該高額特定資産等の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から一定の期間について、事業者免税点制度の適用および簡易課税制度の選択が制限されます。

詳しくは、コード6502「高額特定資産を取得した場合等の納税義務の免除等の特例」をご参照ください。

<基準期間がない法人の納税義務の免除の特例>
新たに設立された法人については、設立当初の2年間は基準期間が存在しないことから、原則として免税事業者となります。

ただし、その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人や特定新規設立法人に該当する法人の場合、その基準期間のない事業年度については、納税義務は免除されません。

詳しくは、コード6503「基準期間がない法人の納税義務の免除の特例」をご参照ください。

★リンクはこちら⇒ 国内取引の納税義務者

2024年10月21日


納税義務者

消費税の納税義務者は、国内において課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除きます。)および特定課税仕入れを行った事業者と外国貨物を保税地域から引き取る者です。

<国内取引の納税義務者>
国内取引の場合には、事業者は、非課税取引を除き、事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供について消費税の納税義務を負うことになっています。

このように、国内取引の消費税の納税義務者は事業者ですから、事業者でない者は納税の義務はありません。

事業者とは個人事業者(事業を行う個人)および法人をいい、法人には株式会社等の営利法人、公共法人、公益法人等のほか人格のない社団等も法人とみなされますので、これらの法人が課税資産の譲渡等を行う場合には納税義務者となります。

また、国や地方公共団体も事業者となり課税資産の譲渡等を行う限り納税義務者となります。

ただし、その課税期間の基準期間(個人事業者は前々年、法人は原則として前々事業年度)における課税売上高および特定期間における課税売上高等が1,000万円以下の事業者は、課税事業者となることを選択した場合や、適格請求書発行事業者として登録を受けている場合を除き、原則として、その課税期間の納税義務が免除されています(以下「事業者免税点制度」といいます。)。

詳細については、コード6125「国内取引の納税義務者」コード6501「納税義務の免除」を参照してください。

<特定課税仕入れにかかる納税義務者(リバースチャージ方式)>
消費税は、資産の譲渡等を行った事業者がその資産の譲渡等について申告・納付を行うこととされていますが、電気通信利用役務の提供のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」の課税方式については、国外事業者からその役務の提供を受けた国内事業者が、その役務の提供に係る申告・納税を行う「リバースチャージ方式」が採られています。

(注)
「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」を「特定資産の譲渡等」といい、また、事業として他の者から受けた「特定資産の譲渡等」を「特定仕入れ」といいます。

この特定仕入れには消費税が課されます。

課税仕入れのうち特定仕入れに該当するものを「特定課税仕入れ」といい、事業者は国内において行った「特定課税仕入れ」について消費税を納める義務があります。

<輸入取引の納税義務者>
輸入取引の納税義務者は、その輸入品を保税地域から引き取る者です。

したがって、事業者だけでなく給与所得者等も輸入品を保税地域から引き取った場合には、納税義務を負うことになります。

輸入品を保税地域から引き取る者には、事業者免税点制度は適用されません。

★リンクはこちら⇒ 納税義務者

2024年10月16日


国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について

電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置付け、その役務の提供が国内の事業者・消費者に対して行われるものについては、国内、国外いずれから行われるものも国内取引として消費税が課税されることとされています(注)

(注)
平成27年10月1日以後、国外から行われる「電気通信利用役務の提供」についても消費税が課税されることとされました。

<「事業者向け電気通信利用役務の提供」にかかる課税方式(リバースチャージ方式)>
国外事業者が行う電気通信利用役務の提供については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」とそれ以外のものとに区分されます。


「事業者向け電気通信利用役務の提供」とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、「役務の性質または当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの」をいいます。

消費税法においては、課税資産の譲渡等を行った事業者が、当該課税資産の譲渡等に係る申告・納税を行うこととされていますが、電気通信利用役務の提供のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、国外事業者から当該役務の提供を受けた国内事業者が、「特定課税仕入れ」として、申告・納税を行います(注)

(注)
平成28年4月1日以後に国外事業者が国内で行う「特定役務の提供(国外事業者が国内で行う芸能・スポーツ等の役務の提供)」については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」と同様に、当該役務の提供を受けた事業者が「特定課税仕入れ」としてリバースチャージ方式による申告・納税義務が課されています。

<リバースチャージ方式に関する経過措置>
「事業者向け電気通信利用役務の提供」等の特定課税仕入れ(注1)を行った国内事業者は、当該特定課税仕入れについて、申告・納税の義務が課されるとともに、仕入税額控除の対象とすることができますが、一般課税かつ当該課税期間における課税売上割合が95パーセント以上である課税期間又は簡易課税制度並びに小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(注2)が適用される課税期間については、当分の間、特定課税仕入れはなかったものとされます(注3)(注4)。

したがって、これらに該当する場合は、特定課税仕入れを行ったとしても、その課税期間の消費税の確定申告については、特定課税仕入れを申告等に含める必要はありません。

(注1)特定課税仕入れとは、国内において国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」をいいます。

(注2)小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置とは、インボイス制度を機に免税事業者から適格請求書発行事業者として課税事業者になった事業者が、納付税額を課税標準額に対する消費税額の2割とすることができる特例(2割特例)をいいます。

(注3)これらに該当する場合は特定課税仕入れがなかったものとされますので、特定課税仕入れに係る申告納税義務もありません。また、仕入税額控除のみを行うこともできません。

(注4)免税事業者は、消費税の確定申告等を行う必要がありませんので、特定課税仕入れを行ったとしても申告等を行う必要はありません。
これらの詳細については、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」をご参照ください。

<「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外の電気通信利用役務の提供にかかる課税方式(国外事業者申告納税方式)>
国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外のもの(いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」)については、原則どおり、その電気通信利用役務の提供を行う国外事業者が申告・納税を行います(注)

(注)
令和7年4月以降、プラットフォーム課税の対象となる「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、特定プラットフォーム事業者(一定の要件を満たすものとして国税庁長官の指定を受けたプラットフォーム事業者をいいます。)が申告・納税を行うこととなります。プラットフォーム課税についての詳細は、「消費税のプラットフォーム課税について」をご参照ください。

<登録国外事業者制度のインボイス制度への移行について>
令和5年10月1日から、適格請求書等保存方式(インボイス制度)が開始されました。

インボイス制度では、「帳簿」および登録を受けた「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」(いわゆるインボイス)の保存が仕入税額控除の要件となります。

これに伴い、登録国外事業者制度(注)は、令和5年9月30日をもって廃止され、インボイス制度に移行されました。

インボイス制度についての詳細は、「消費税インボイス制度特設サイト」を、廃止前の制度についての詳細は、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」を、それぞれご参照ください。

なお、令和5年9月1日において登録国外事業者であって、「登録国外事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出していない者について、令和5年10月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けたものとみなされる経過措置が設けられており、この経過措置により適格請求書発行事業者となった事業者については、適格請求書等に適格請求書発行事業者の登録番号を記載等することにつき困難な事情がある場合には、令和5年10月1日から令和6年3月31日までの間は、登録国外事業者名簿に記載された登録番号(00001等の5桁の番号)を記載等することができることとされていました。

令和5年9月30日時点の登録国外事業者については、こちら(登録国外事業者名簿)をご覧ください。

(注)
登録国外事業者制度(令和5年9月30日をもって廃止)
国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受けた国内事業者は、当該役務の提供に係る仕入税額控除が制限されますが、国税庁長官の登録を受けた登録国外事業者から受ける当該役務の提供については、その仕入税額控除を行うことができる制度です(平成27年10月1日から令和5年9月30日までの間に行った取引に適用されます。)。

★リンクはこちら⇒ 「資産の譲渡等」とは

2024年10月11日


「資産の譲渡等」とは

「資産の譲渡等」とは、事業として対価を得て行われる資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供をいいます。

(1)資産の譲渡
「資産の譲渡」とは、売買等の契約により、資産の同一性を保持しつつ、他人に移転させることをいいます。

したがって、例えば、商品や製品の販売のほか、事業用設備を売却することが資産の譲渡に当たり、また、これら有形の資産のほか、例えば、特許権や商標権などの無体財産権の譲渡も資産の譲渡に含まれます。

さらに、現物出資、負担付贈与、代物弁済なども資産の譲渡に含まれます。

(2)資産の貸付け
「資産の貸付け」とは、資産に係る権利の設定など他の者に資産を使用させる一切の行為をいいます。

なお、無体財産権の実施権や使用権等を設定する行為も資産の貸付けに含まれます。

(3)役務の提供
「役務の提供」とは、例えば、土木工事、修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、興行、宿泊、飲食、情報の提供、出演などのサービスを提供することをいいます。

医師、弁護士、公認会計士、税理士などによるその専門的知識、技能等に基づく役務の提供も含まれます。

★リンクはこちら⇒ 「資産の譲渡等」とは

2024年10月8日


「対価を得て行われる」の意義

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引に課税されます。

<「対価を得て行われる」の意義>
「対価を得て行われる」とは、資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供に対して反対給付を受けることをいいます。

例えば、商品を販売して代金を受け取ったり、事務所を貸し付けて家賃を受け取ったり、工事を請け負って代金を受け取ったりするような取引です。

また、交換、代物弁済、現物出資などのように金銭の支払を伴わない資産の引渡しでも、何らかの反対給付があるものは、対価を得て行われる取引になりますので、課税の対象となります。

負担付き贈与については、その負担部分を対価として行われる取引になります。

しかし、単なる贈与や寄附金、補助金、損害賠償金などは、原則として対価を得て行われる取引に当たりませんので、課税の対象になりません。

また、試供品や見本品の提供は対価を受け取らない限り課税の対象になりません。

その他、商品を販売する際にサービス品をつけたり、自社製品を得意先に無償で贈与した場合も対価を得て行われる取引となりません。

なお、個人事業者が自分が販売する商品などを家庭で使用したり消費した場合や、法人が自社製品などをその役員に贈与した場合には、対価を得て行われたものとみなされ、消費税の課税の対象となります。

★リンクはこちら⇒ 「対価を得て行われる」の意義

2024年10月4日


事業者が事業として行うものとは

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引に課税されます。

<「事業者」の意義>
「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。

(1)個人事業者の場合
個人事業者の場合、例えば、小売業や卸売業をしている人をはじめ、賃貸業や取引の仲介、運送、請負、加工、修繕、清掃、クリーニング、理容や美容といった業を営んでいる人はすべて事業者になります。

さらに、医師、弁護士、公認会計士、税理士などの業を営む人も事業者になります。

(2)法人の場合
株式会社などの会社、国、都道府県や市町村、公共法人、宗教法人や医療法人などの公益法人など、法人はすべて事業者になります。

なお、法人でない社団または財団で、代表者または管理人の定めがあるものは、法人とみなされることにより事業者となります。

<「事業として」の意義>
「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供を反復、継続、かつ、独立して行うことをいいます。

例えば、商店が販売用の商品を売った場合や、運送業者が運送サービスを提供して対価を受け取るような場合が典型的なものです。

なお、事業活動の一環としてまたはこれに関連して行われる取引も課税対象となります。

例えば、商品の配達用に使用していたトラックを売ったときのように、事業に使用していた自動車、機械、建物などの事業用資産を売った場合も、事業として行う取引になります。

しかし、個人事業者が事業用でない自家用車やテレビなどの生活用に使用していた資産を売った場合には、事業として行う取引とはなりませんので、消費税は課税されません。

(注)個人事業者の場合、事業者の立場と消費者の立場とを兼ねていますが、事業者の立場で行う取引が「事業として」に該当し、消費者の立場で行う取引は「事業として」には該当しません。

★リンクはこちら⇒ 事業者が事業として行うものとは

2024年9月30日


課税の対象

消費税の課税対象は、次の3つの取引に限られます。

(1) 国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等
(2) 特定仕入れ
(3) 保税地域から引き取られる外国貨物の引取り(輸入取引)

なお、国外において行われる取引および資産の譲渡等に該当しない取引は、課税の対象とはなりません。

<国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等>
(1)事業者が事業として行う取引
「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。

「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を反復、継続かつ独立して行うことをいいます。

したがって、個人の中古車販売業者が行う中古車の販売は事業として行う取引になりますが、給与所得者がたまたま自家用車を売却する行為などは、事業として行う取引とはなりません。

なお、法人は事業を行う目的をもって設立されたものですから、その活動はすべて事業として行う取引となります。

(2)対価を得て行う取引
「対価を得て行う」とは、物品の販売など(資産の譲渡等)をして反対給付を受けることをいいます。すなわち反対給付として対価を受け取る取引をいいます。

したがって、無償で行われる取引は、消費税の課税の対象とはなりません。

また、寄附金、補助金および宝くじの賞金などは、一般的には対価とは認められませんので、これらを受け取る取引も原則として課税の対象とはなりません。

なお、個人事業者が、販売する商品などを家庭で消費したり使用した場合や、法人が自社製品などをその役員に贈与した場合には、事業として対価を得て行われたものとみなされ、消費税の課税の対象となりますのでご注意ください。

(3)資産の譲渡等
消費税法上、「資産の譲渡等」とは、事業として対価を得て行われる資産(注)の譲渡(商品や製品などの販売)および資産の貸付けならびに役務(サービス)の提供をいいます。

(注)資産とは、取引の対象となる一切の資産をいい、棚卸資産または固定資産のような有形資産のほか、権利その他の無形資産が含まれます。

<特定仕入れ>
「特定仕入れ」とは、事業として他の者から受けた「特定資産の譲渡等」をいいます。

ここでいう「特定資産の譲渡等」とは、「事業者向け電気通信利用役務の提供」と「特定役務の提供」であり、特定資産の譲渡等を仕入れた場合、その仕入れが「特定仕入れ」となります。

また、「特定課税仕入れ」とは、課税仕入れのうち国内において行った「特定仕入れ」に該当するものをいいます。

「特定課税仕入れ」は、リバースチャージ方式により、「特定課税仕入れ」を行った事業者に消費税の納税義務が課されることとなります。

詳しくはコード6118「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」をご参照ください。

<外国貨物の引取り>
外国貨物の引取り(輸入取引)については、保税地域から引き取られる外国貨物が課税対象となります。

この場合、引き取る者が事業者であるかどうかは問いませんので、事業者はもとより一般消費者も納税義務者になります。

★リンクはこちら⇒ 課税の対象

2024年9月26日


消費税の基本的なしくみ

<概要>
消費税は、特定の物品やサービスに課税する個別消費税(酒税・たばこ税等)とは異なり、消費一般に広く公平に課税する間接税です。消費税が課税される取引には、併せて地方消費税も課税されます。

ほぼ全ての国内における商品の販売、サービスの提供等および保税地域から引き取られる外国貨物を課税の対象とし、取引の各段階ごとに標準税率10パーセント(うち2.2パーセントは地方消費税)、軽減税率8パーセント(うち1.76パーセントは地方消費税)の税率で課税されます。

なお、消費税の消費一般に広く公平に負担を求める税の性格からみて、課税の対象になじまないものや社会政策的な配慮から課税することが適当でない一定の取引については、消費税を課税しない非課税取引とされています。

<消費税の負担者>
消費税は、事業者に負担を求めるものではありません。

税金分は事業者が販売する商品やサービスの価格に含まれて、次々と転嫁され、最終的に商品を消費しまたはサービスの提供を受ける消費者が負担することとなります。

<課税のしくみ>
生産、流通の各段階で二重、三重に税が課されることのないよう、課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を控除し、税が累積しないしくみとなっています。

この課税仕入れ等に係る消費税額を控除することを「仕入税額控除」といいます。

令和5年10月1日から開始した「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」では、この仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)から交付を受けた適格請求書(インボイス)と一定の事項を記載した帳簿の保存が必要です。

詳しくは「インボイス制度特設サイト」をご参照ください。

<申告・納付>
納税義務者は、製造、卸、小売、サービスなどの各段階の事業者と、保税地域からの外国貨物の引取者です。

納税義務者は、納税地の所轄税務署長に、原則として、課税期間の末日の翌日から2か月以内(個人事業者の場合は翌年の3月31日まで)に消費税および地方消費税の確定申告書を提出し、消費税額と地方消費税額とを併せて納付します。

なお、直前の課税期間の確定消費税額に基づき中間申告・納付をすることになります。

また、外国貨物の引取者は、保税地域から引き取る時までに、その所轄税関長に引取りに係る消費税額および地方消費税額を申告し、納付します。

<納税事務の負担軽減措置等>
事業者の納税事務の負担等を軽減するために、次のような措置が講じられています。

1.事業者免税点制度
基準期間および特定期間()の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、免税事業者となります。

(注)適格請求書発行事業者の登録を受けている事業者は、基準期間および特定期間の課税売上高に関わらず、免税事業者となることはありません。

特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間をいいます。

2.簡易課税制度
基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、課税売上高から納付する消費税額を計算する簡易課税制度が選択できます。

3.2割特例(経過措置)
免税事業者がインボイス制度を機に課税事業者(インボイス発行事業者)となった場合に、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間において、納付する消費税額を売上に係る消費税額の2割とすることができます。

★リンクはこちら⇒ 消費税の基本的なしくみ

2024年9月20日


消費税及び地方消費税の更正等及び加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

標題のことについては、下記のとおり定めたから、今後処理するものからこれにより取り扱われたい。

(趣旨)
消費税及び地方消費税の更正等を行う場合並びにこれらの税について過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税を課する場合の取扱基準の整備等を図ったものである。

★リンクはこちら⇒ 消費税及び地方消費税の更正等及び加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

2024年8月7日


消費税法改正のお知らせ(令和6年4月)

国税庁は、『消費税法改正のお知らせ(令和6年4月)』をホームページに掲載した。

令和6年4月に消費税法等の一部が改正された。

主な改正内容は以下のとおり。
Ⅰ 消費税のプラットフォーム課税の創設
Ⅱ 国外事業者等における事業者免税点制度の特例等の見直し
1 国外事業者における「特定期間の課税売上高による納税義務の免除の特例」の見直し
2 外国法人が国内において事業を開始した場合の納税義務の免除の特例の見直し
3 「特定新規設立法人の納税義務の免除の特例」における判定対象者に係る金額基準の見直し
4 恒久的施設を有しない国外事業者における簡易課税制度及び2割特例の適用の見直し
Ⅲ 金又は白金の地金等を取得した場合の事業者免税点制度等の制限
Ⅳ 免税事業者等からの仕入れに係る経過措置の適用の制限
Ⅴ 仕入税額控除に係る帳簿の記載事項の見直し
Ⅵ 免税購入品と知りながら行った課税仕入れに係る仕入税額控除の制限

★リンクはこちら⇒ 消費税法改正のお知らせ(令和6年4月)

2024年4月2日


帳簿及び請求書等の保存要件を充足するとして消費税の仕入税額控除の適用を認めた事例

  • ①平成26年分以後の所得税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成26年分から平成29年分及び令和元年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
  • ③平成30年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに重加算税の賦課決定処分
  • ④平成26年分及び令和元年分の所得税及び復興特別所得税の各再更正処分」
  • ⑤平成29年分及び平成30年分の所得税及び復興特別所得税の各再更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ⑥平成27年分及び平成28年分の所得税及び復興特別所得税の各再更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各変更決定処分
  • ⑦平成26年1月1日から平成28年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
  • ⑧平成29年1月1日から平成30年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分
  • ⑨平成26年1月から令和元年6月までの各期間の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに重加算税の各賦課決定処分
  • ①③⑧棄却、②一部取消し、棄却、却下、④⑤⑦一部取消し、棄却、⑥却下、⑨一部取消し

<ポイント>
本事例は、原処分庁が調査を行った日において消費税の請求書等の保存を要する期間を経過していた課税期間について、当該課税期間の帳簿は保存されていたことから帳簿及び請求書等の保存要件を充足しているとして、当該課税期間に係る支払対価の額が3万円以上の取引についても仕入税額控除が適用されるとしたものである。

<要旨>
請求人は、平成26年1月1日から同年12月31日まで(平成26年課税期間)、平成27年1月1日から同年12月31日まで(平成27年課税期間)及び平成28年1月1日から同年12月31日まで(平成28年課税期間)の各課税期間(本件3課税期間)の消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第7項の規定に係る帳簿(法定帳簿)及び請求書等(法定請求書等)は、消費税等の実地の調査の初日に保存があり、調査担当職員に対し法定帳簿を提示し、また法定請求書等についても提示しようとしていたことなどから、本件3課税期間においては課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が3万円以上の取引についても仕入税額控除が適用されるべきである旨主張する。

しかしながら、法定請求書等を実際に保存している場合において、税務職員が法定請求書等を検査することができるときに限り、仕入税額控除の適用が認められるところ、平成27年課税期間及び平成28年課税期間については、請求人は調査担当職員に対して法定請求書等を、その保存を要する期間内に適時に提示しなかったのであるから、課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が3万円以上の取引については仕入税額控除が認められない。

一方で、原処分庁は、本件3課税期間の法定請求書等の保存はない旨主張するが、平成26年課税期間の処分の適法性に関し具体的に主張しておらず、同課税期間については、調査初日において法定請求書等の保存を要する期間を経過しており、よって、平成26年課税期間の消費税等については、課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が3万円以上の取引についても仕入税額控除が適用される。

★リンクはこちら⇒ 帳簿及び請求書等の保存要件を充足するとして消費税の仕入税額控除の適用を認めた事例

2023年12月14日


売上先において課税仕入れの過大計上額と認定した金額を、請求人における課税売上額の過大計上額と認定した事例

  • ①平成28年4月1日から平成29年3月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成28年4月1日から平成29年3月31日まで及び平成29年4月1日から平成30年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分
  • ③平成28年4月1日から平成28年6月30日まで、平成28年7月1日から平成28年9月30日まで、平成28年10月1日から平成28年12月31日まで、平成29年1月1日から平成29年3月31日まで、平成29年4月1日から平成29年6月30日まで、平成29年7月1日から平成29年9月30日まで、平成29年10月1日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①棄却、②却下、③全部取消し、一部取消し、棄却
  • 令和4年10月25日裁決

<ポイント>
本事例は、当審判所が認定した請求人の売上先における請求人からの課税仕入れの過大計上額が、請求人における課税売上の過大計上額に該当すると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、原処分庁が請求人の売上先の更正処分において過大であると認定した課税仕入れの額は、間接的な資料を用いて所得金額を認定する推計課税の方式により算出したものであり、請求人と当該売上先との取引に係る実額で認定された課税仕入れの額とは性質が異なるから、当該売上先の課税仕入れの額を過大であると認定したとしても、請求人の課税売上額が過大であるとは認められない旨主張する。

しかしながら、当審判所は、当該売上先の課税仕入れの過大計上額を実額で認定しているところ、請求人と当該売上先との間の売買取引が私法上同一の取引であることは明らかであり、当該売上先における課税仕入れの金額と請求人における課税売上の金額とは一致しているから、当該売上先における課税仕入れの過大計上額は、請求人における課税売上の過大計上額と認められ、請求人の課税売上額から減額することが相当である。

★リンクはこちら⇒ 売上先において課税仕入れの過大計上額と認定した金額を、請求人における課税売上額の過大計上額と認定した事例

2023年12月13日


請求人が輸出者として輸出免税の適用を受けることができるとした事例

  • ①平成29年1月〇日から平成29年12月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成29年1月〇日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年12月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分
  • ③平成29年1月〇日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年12月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分
  • ④平成30年1月1日から平成30年12月31日まで及び平成31年1月1日から令和元年12月31日までの各事業年度の法人税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • ⑤令和2年1月1日から令和2年12月31日までの事業年度の欠損金の繰戻しによる平成31年1月1日から令和元年12月31日までの事業年度の法人税の還付請求に理由がない旨の通知処分
  • ⑥平成29年1月〇日から令和元年5月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
  • ⑦平成30年1月1日から平成30年12月31日まで及び平成31年1月1日から令和元年12月31日までの各課税事業年度の地方法人税の更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • ①④⑤⑦棄却、②③却下、⑥一部取消し、棄却
  • 令和4年10月25日裁決

<ポイント>
本事例は、本邦からの輸出取引について、輸出許可の申請や、輸出許可通知書の保存状況から、請求人において輸出免税の適用を受けることができると判断した事例である。

<要旨>
原処分庁は、本件における輸出取引(本件取引)は、請求人から商品を仕入れた取引先が国外に販売したものであるから、請求人が、消費税法第7条《輸出免税等》第1項第1号に規定する本邦からの輸出として行われる資産の譲渡を行ったものではない旨主張する。

しかしながら、請求人は、取引先から受注した商品を国内でコンテナに積載し、自らの名義で輸出許可を申請して国外へ搬出しているのであり、本件取引は、請求人による本邦からの輸出として行われる資産の譲渡であると認められる。

そして、請求人は、請求人名義の輸出許可通知書を保存していることから、請求人において、輸出免税の適用を受けることができる。

★リンクはこちら⇒ 請求人が輸出者として輸出免税の適用を受けることができるとした事例

2023年12月12日


任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書

国税庁は、ホームページに「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書」を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書

2023年1月12日


任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書

国税庁は、ホームページに「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書

2023年1月6日


消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(インボイスQ&A)の改訂(令和4年11月改訂)

国税庁は、『消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A』を改訂した。

★リンクはこちら⇒ 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(インボイスQ&A)の改訂(令和4年11月改訂)

2022年11月29日


e-Taxで適格請求書発行事業者の登録申請書を提出される方へ

<e-Taxで適格請求書発行事業者の登録申請書を提出される方へのお知らせ>
適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合に提出が必要な「適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)及び(国外事業者用)」については、令和4年9月20日(火)以降、令和4年度税制改正内容を反映した「新様式」の送信が可能となった。

なお、これまで令和4年度税制改正内容が反映されていない「旧様式」による送信も可能としておりましたが、令和4年10月11日(火)以降、「旧様式」で送信できないこととなる(※1)ので、現在ご利用のベンダーソフトやe-Taxソフト(※2)などについては、「新様式」に対応したソフトウェアのダウンロードやバージョンアップをした上で提出のこと。

(※1)即時通知にエラーが表示される。

(※2)e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(SP版)をご利用の方は、そのままご利用のこと。

★リンクはこちら⇒ e-Taxで適格請求書発行事業者の登録申請書を提出される方へ

2022年10月6日


税務相談チャットボット(インボイス制度)が始まりました

個人の方の国税に関する相談は、チャットボット(ふたば)を気軽にご利用ください。

ご質問したいことをメニューから選択するか、自由に文字で入力いただくとAI(人工知能)が自動回答します。

土日、夜間でもご利用いただけます。

<チャットボットの利用可能期間>
インボイス制度に関するご相談
令和4年5月12日(木)から
※24時間ご利用いただけます(メンテナンス時間を除く)。

<チャットボットの相談範囲>
チャットボットは、次のご相談に対応しています。
“インボイス制度”に関するご相談
・インボイス制度の概要に関すること
・登録申請の手続に関すること
・インボイス発行事業者の情報の公表(公表サイト)に関すること
・インボイスの作成に当たっての留意点に関すること
・売手の留意点(インボイス発行事業者の義務)に関すること
・買手の留意点(仕入税額控除の要件)に関すること
・消費税の基本的な仕組みに関すること

★リンクはこちら⇒ チャットボット(ふたば)に質問する

2022年7月28日


『消費税申告チェックシート(国、地方公共団体及び公共法人用)』の改訂

国税庁は、『消費税申告チェックシート(国、地方公共団体及び公共法人用)』を改訂した。

国税庁は、実地調査以外の多様な手法を用いて、納税者の皆様方に自発的な適正申告をしていただく取組を充実させていくこととしており、国、地方公共団体及び公共法人の皆様が消費税申告書の作成及び提出をするにあたり、その内容の自主的な点検に活用いただくためのチェックシートを作成している。

このページは、当該取組の内容を案内するとともに、チェックシートの様式を掲載し、提供するものである。

様式はダウンロードして活用してください。

(注)
チェックシートの様式については、Excel版とPDF版の2種類が用意されている。

Excel版については、印刷時にご利用のPC環境により改ページ位置の変更等レイアウトが変更される場合があるので、利用の際は留意すること。

★消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(Excel版)はこちら⇒ 消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(Excel版)

★消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(PDF版)はこちら⇒ 消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(PDF版)

2022年7月26日


適格請求書発行事業者公表サイトに屋号(お店の名前)を公表することができます!

屋号を公表することで、あなたがインボイス(請求書やレシート)に記載した登録番号を、取引先が公表サイトで確認する際に、それがあなたのお店の登録番号なのかを確認しやすくなる。

「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出することで、公表サイトに屋号を公表することができる。

是非、ご検討ください!

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者公表サイトに 屋号(お店の名前)を公表することができます!

2022年6月9日


「適格請求書発行事業者の登録申請書」の処理期間について

登録申請書を提出してから登録の通知を受けるまでの期間については、提出された登録申請書の件数や個々の審査等に要する期間によって異なるが、おおまかな目安として、

  • 書面で提出された登録申請書については1か月程度
  • e-Tax で提出された登録申請書については2週間程度

の期間を見込んでいるところである。

現在、登録申請の受付開始直後で多くの登録申請書が提出されたこと、また、記載誤りや記載漏れ等が多く見受けられ、上記の期間内に登録通知が終了しないケースが発生している。

まだ登録通知が届いていない方においては、提出された登録申請書は順次審査をしているので、登録処理終了までしばらくお待ちください。

また、これから登録申請書を提出される事業者の方においては、提出前に記載誤りや記載漏れ等がないかどうか確認のうえ、提出をしましょう。

「適格請求書発行事業者の登録申請書の提出に当たりご注意いただきたい事項」は
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0021011-019.pdf
をご覧のこと。

★リンクはこちら⇒ 「適格請求書発行事業者の登録申請書」の処理期間について

2021年11月25日


インボイス登録センター

国税局(所)では、「インボイス登録センター」を設置し、インボイス制度に関する申請書の入力や電話照会等の事務について集約処理を行う。

インボイス制度に関する申請書等を書面により提出される場合は、郵送でインボイス登録センターへ送付すること。

各局(所) 管轄地域
札幌国税局インボイス登録センター 北海道
仙台国税局インボイス登録センター 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
関東信越国税局インボイス登録センター 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 新潟県 長野県
東京国税局インボイス登録センター 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県
金沢国税局インボイス登録センター 富山県 石川県 福井県
名古屋国税局インボイス登録センター 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県
大阪国税局インボイス登録センター 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
広島国税局インボイス登録センター 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
高松国税局インボイス登録センター 徳島県 香川県 愛媛県 高知県
福岡国税局インボイス登録センター 福岡県 佐賀県 長崎県
熊本国税局インボイス登録センター 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県
沖縄国税事務所インボイス登録センター 沖縄県

インボイス登録センター名をクリックすると各局(所)のインボイス登録センターの所在地等の詳細ページに遷移する。

<相談窓口>
提出いただいた申請書等の記載内容などについて、インボイス登録センターから連絡がある場合があるが、インボイス登録センターでは、インボイス制度に関する相談は受け付けていないので注意すること。

インボイス制度に関する一般的な電話相談については、軽減・インボイスコールセンター(消費税軽減税率・インボイス制度電話相談センター)で受け付けている。

インボイス制度に関して、税務署での個別相談を希望される方は、あらかじめ相談日時等を予約が必要なので、所轄の税務署に電話し、自動音声案内に沿って、「2」を選択すること。

★リンクはこちら⇒ インボイス登録センター

2021年10月13日


適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書

[概要]
適格請求書発行事業者の公表に当たり、国税庁ホームページでの公表事項について「屋号」、「本店又は主たる事務所等の所在地」、「外国人の通称又は旧姓氏名」を新たに追加するまたは変更しようとする場合の手続である。

[手続根拠]

[手続対象者]
国税庁ホームページでの公表事項を新たに公表を追加するまたは変更しようとする個人事業者または人格のない社団等

[提出時期]
国税庁ホームページでの公表事項を新たに追加するまたは変更しようとするとき
なお、適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者の方が、登録申請書と同時にこの申出書を提出した場合、申出書の内容を反映した状態で公表される。

[提出方法]
申出書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申出書はe-Taxでも提出できる。

[手数料]
不要

[添付書類・部数]
外国人の通称または旧姓氏名を公表する場合 住民票の写し 1部

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書

2021年10月12日


適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書

[概要]
適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があった場合の手続きである。

[手続根拠]
所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則第44条第2項

[手続対象者]
適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があった適格請求書発行事業者

[提出時期]
適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があったとき速やかに

[提出方法]
届出書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申請書はe-Taxでも提出できる。

[手数料]
不要

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書

2021年10月11日


適格請求書発行事業者の登録申請書(国外事業者用)

[概要]
国外事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合の手続きである。

[手続根拠]
所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則第44条第1項

[手続対象者]
適格請求書発行事業者の登録を受けようする事業者

[提出時期]
2023年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、原則として2021年10月1日から2023年3月31日までに提出する必要がある。

[提出方法]
申請書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申請書はe-Taxでも提出できる。

[手数料]
不要

0020009-098_05

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の登録申請書(国外事業者用)

2021年10月8日


適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)

[概要]
国内事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合の手続きである。

[手続根拠]
所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則第44条第1項

[手続対象者]
適格請求書発行事業者の登録を受けようする事業者

[提出時期]
2023年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、原則として2021年10月1日から2023年3月31日までに提出する必要がある。

[提出方法]
申請書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申請書はe-Taxでも提出できる。

[手数料]
不要

0020009-098_04

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)

2021年10月7日


受け取ると「書面」に比べてこんなに便利!!

登録申請書をe-Taxで作成する際に「登録通知書の電子通知」に同意すると登録通知をデータで受け取れる。

<申請者にとって…>
➢登録通知が早く受け取れる!
税務署における登録とほぼ同時に受け取れる。
➢紛失リスクがない!
登録通知は、メッセージボックス内に保管されるため書面のように紛失リスクがない(1,900日間保存)。
➢取引先への連絡が便利!
メールに登録通知のデータを添付して取引先に連絡することもできる。

<関与税理士にとって…>
➢税理士にもお知らせが届く!
事前にメールアドレスを登録しておけば、関与先の登録通知があったことをメールで関与税理士にもお知らせする。

<取引先にとって…>
➢書面保存が不要!
登録通知を電子データで受領することで書面保管が不要である。
➢真正性の確認が可能!
登録通知の電子データに税務署による認証を付しているため、e-Taxソフト又はe-Taxソフト(WEB版)を利用すれば、税務署が作成した改ざんのないデータであることが確認できる。

★リンクはこちら⇒ 「データ」で受け取ると「書面」に比べてこんなに便利!!

2021年10月6日


適格請求書発行事業者公表サイトの機能等について

適格請求書発行事業者公表サイトでは、「登録番号」から検索できる機能のほか、

  • 「Web-API」によるシステム連携を可能とする機能
  • 適格請求書発行事業者のデータを一定の形式でダウンロードできる機能

があり、こうした機能を活用することで、業務の効率化を図ることも可能である。

詳しくは、適格請求書発行事業者公表サイトを確認のこと。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者公表サイトの機能等について

2021年10月5日


適格請求書発行事業者公表サイト(2021年10月運用開始)の概要

適格請求書発行事業者公表サイトでは、「登録番号」を入力し、その登録番号に係る適格請求書発行事業者に関する公表事項を確認できる。

<確認できる事項>

適格請求書発行事業者の氏名又は名称()
法人の場合、本店又は主たる事務所の所在地
登録番号
登録年月日
登録取消年月日、登録失効年月日

個人事業者の氏名について、「住民票に記載されている外国人の通称」又は「住民票に併記されている旧氏(旧姓)」を氏名として公表することを希望する場合又はこれらを氏名と併記して公表を希望する場合は、必要事項を記載した公表申出書の提出が必要

上記のほか、以下の項目について事業者から公表の申出があった場合には、追加で公表可能

  • 個人事業者:主たる屋号、主たる事務所の所在地等
  • 人格のない社団等:本店又は主たる事務所の所在地

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者公表サイト(2021年10月運用開始)の概要

2021年10月4日


簡易課税制度による消費税額の計算

消費税額は課税仕入れ等に係る消費税額を課税売上げに係る消費税額から算出する。

そのため、実額による仕入税額の計算や課税仕入れ等に係る適格請求書等の保存などが不要となり、事務負担の軽減を図ることができる。

★リンクはこちら⇒ 簡易課税制度による消費税額の計算

2021年9月30日


簡易課税制度を選択する場合の届出書の提出

簡易課税制度は、課税期間の基準期間の課税売上高が 5,000 万円以下であり、原則として、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している場合に適用することができる(簡易課税制度の選択は任意である。)。

ただし、免税事業者が2023年10月1日の属する課税期間に適格請求書発行事業者の登録を受け、登録を受けた日から課税事業者となる場合、その課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した届出書をその課税期間中に提出すれば、その課税期間から簡易課税制度を適用することができる。

★リンクはこちら⇒ 簡易課税制度を選択する場合の届出書の提出

2021年9月29日


免税事業者の登録に当たっての留意点

  • 適格請求書発行事業者になると・・・
    基準期間の課税売上高が1,000万円以下となっても、登録の効力が失われない限り、申告が必要である。
    取引の相手方(課税事業者に限る。)から求められたときは、適格請求書を交付しなければならない(交付義務)。
  • 登録を受けるかどうかは、事業者の任意である。

★リンクはこちら⇒ 免税事業者の登録に当たっての留意点

2021年9月28日


免税事業者の登録申請手続

2023年10月1日を含む課税期間中に登録を受けた場合は、登録を受けた日から課税事業者となることが可能である(経過措置)。

登録を受けるためには登録申請手続を行う。

この場合、「消費税課税事業者選択届出書」の提出は必要ない。


上記以外の課税期間について免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請手続を行うだけでなく、消費税課税事業者選択届出書を提出する必要がある。

「消費税課税事業者選択届出書」()を提出し、課税事業者を選択するとともに、課税事業者となる課税期間の初日の前日から起算して1月前の日までに登録申請手続を行う必要がある。
原則として、課税事業者選択届出書を提出した課税期間の翌課税期間から、課税事業者となる。

★リンクはこちら⇒ 免税事業者の登録申請手続

2021年9月27日


適格請求書発行事業者になると

  • 基準期間の課税売上高が1,000万円以下となっても、登録の効力が失われない限り、申告が必要である。
  • 適格請求書の記載事項には、登録番号が含まれるので、現在使用している請求書等の様式の改定や、取引先への登録番号の通知など、事業実態に応じて準備を行う必要がある。
  • 公表事項に変更が生じた場合や、登録を失効させる以下のような場合には、一定の手続が必要である。

※1  2023年10月1日以降提出することができる。
※2  「消費税課税事業者選択届出書」を提出した事業者が、免税事業者に戻るためには「消費税課税事業者選択不適用届出書」の提出も必要となる。

(注)次の取消事由に該当する場合には、適格請求書発行事業者の登録が取り消されることがある。

1年以上所在不明である場合(「所在不明」とは、例えば、消費税の申告書の提出がない場合などにおいて、文書の返戻や電話の不通をはじめとして、事業者と必要な連絡がとれないときをいう。)
事業を廃止したと認められる場合
合併により消滅したと認められる場合(法人の場合)
消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた場合

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者になると

2021年9月22日


登録申請のスケジュール

登録申請のスケジュールは、以下のようになっている。

★リンクはこちら⇒ 登録申請のスケジュール

2021年9月21日


登録通知の受領もe-Taxで

e-Tax で登録申請する際に、「登録通知書の電子通知」に同意することで、登録通知をデータで受け取ることができ、データで受け取った場合、以下のメリットがある。

書面通知より、登録通知を早く受け取ることができる(郵送によるタイムラグがない。)。
登録通知の紛失リスクがない。
取引先への連絡が便利(メールに登録通知のデータを添付して、メールでの送信が可能)。

★リンクはこちら⇒ 登録通知の受領もe-Taxで

2021年9月17日


登録申請手続は、e-Taxで!!

  • e-Taxソフトのほか、「e-Taxソフト(WEB版)」(パソコンで利用可能)又は「e-Taxソフト(SP版)」(スマートフォンで利用可能)を利用して登録申請手続を行うことができる。
  • 「e-Taxソフト(WEB版)」又は「e-Taxソフト(SP版)」を利用すると、画面案内に従い入力する(問答形式)ことにより、入力に必要な項目に漏れのない登録申請データを作成・送信することができる。

(注)e-Taxを利用した作成・送信は、2021年10月1日から利用可能となる。

e-Tax を利用した登録申請手続には、電子証明書(マイナンバーカード等)が必要となるので、事前に準備をしておくこと。

★リンクはこちら⇒ 登録申請手続は、e-Taxで!!

2021年9月16日


適格請求書発行事業者になる(登録を受ける)には?

  • 適格請求書発行事業者の登録申請手続が必要である。
  • 登録は課税事業者が受けることができる。登録を受けなければ適格請求書を交付できない。登録を受けるかどうかは、事業者の任意である。
  • 税務署による審査を経て、登録された場合は、登録番号などの通知及び公表が行われる。
通知される登録番号の構成は、次のとおり。
法人番号を有する課税事業者は、T+法人番号
上記以外の課税事業者(個人事業者及び人格のない社団等)は、T+13桁の数字
e-Taxで登録申請し、登録通知について電子データでの通知(電子通知)を希望した場合は、電子データで登録通知が送信される。その他の場合は、税務署から登録通知書が郵送される。
公表事項は、適格請求書発行事業者公表サイトで確認することができる。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者になる(登録を受ける)には?

2021年9月15日


免税事業者の登録手続

免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請書に加えて「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となる必要があるが、2023年10月1日を含む課税期間中に登録を受ける場合は、登録を受けた日から課税事業者となる経過措置が設けられている。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書等保存方式における税額計算の方法

2021年9月13日


適格請求書等保存方式における税額計算の方法

2023年10月1日以降の売上税額及び仕入税額の計算は、以下の①または②を選択することができる。

適格請求書に記載のある消費税額等を積み上げて計算する「積上げ計算」
適用税率ごとの取引総額を割り戻して計算する「割戻し計算」

ただし、売上税額を「積上げ計算」により計算する場合には、仕入税額も「積上げ計算」により計算しなければならない。

なお、売上税額について「積上げ計算」を選択できるのは、適格請求書発行事業者に限られる。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書等保存方式における税額計算の方法

2021年9月10日


免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置

適格請求書等保存方式の導入後は、免税事業者や消費者など、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れは、原則として仕入税額控除を行うことができない。

ただし、区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等及びこの経過措置の規定の適用を受ける旨を記載した帳簿を保存している場合には、以下の表のとおり、一定の期間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額として控除できる経過措置が設けられている。

期  間 割  合
2023年10月1日から2026年9月30日まで 仕入税額相当額の80%
2026年10月1日から2029年9月30日まで 仕入税額相当額の50%

★リンクはこちら⇒ 免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置

2021年9月9日


適格請求書等保存方式における帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合

請求書等の交付を受けることが困難な以下の取引は、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる。

適格請求書の交付義務が免除される(a)公共交通機関である船舶、バスまたは鉄道による旅客の運送(3万円未満のものに限る。)、 (b)自動販売機により行われる課税資産の譲渡等(3万円未満のものに限る。)、(c)郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る。)
適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除く。)を満たす入場券等が、使用の際に回収される取引
古物営業、質屋または宅地建物取引業を営む者が適格請求書発行事業者でない者から棚卸資産を取得する取引
適格請求書発行事業者でない者から再生資源または再生部品(棚卸資産に限る。)を購入する取引
従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当等に係る課税仕入れ

★リンクはこちら ⇒ 適格請求書等保存方式における帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合

2021年9月8日


適格請求書等保存方式における請求書等の範囲

保存が必要となる請求書等には、以下のものが含まれる。

適格請求書または適格簡易請求書
仕入明細書等(適格請求書の記載事項が記載されており、相手方の確認を受けたもの)
卸売市場において委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の譲渡及び農業協同組合等が委託を受けて行う農林水産物の譲渡について、受託者から交付を受ける一定の書類
①から③の書類に係る電磁的記録

★リンクはこちら⇒ 適格請求書等保存方式における請求書等の範囲

2021年9月7日


適格請求書等保存方式における帳簿の記載事項

適格請求書等保存方式の下では、適格請求書などの請求書等の交付を受けることが困難な一定の場合を除き、一定の事項を記載した帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件となる。

<帳簿の記載事項>
保存が必要となる帳簿の記載事項は、以下のとおり(現行と同様)。

課税仕入れの相手方の氏名又は名称
取引年月日
取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
対価の額

★リンクはこちら⇒ 適格請求書等保存方式における帳簿の記載事項

2021年9月6日


適格請求書の交付方法の特例

媒介又は取次ぎに係る業務を行う者(媒介者等)を介して行う課税資産の譲渡等について、委託者及び媒介者等の双方が適格請求書発行事業者である場合には、一定の要件の下、媒介者等が、自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書を委託者に代わって交付することができる。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書の交付方法の特例

2021年9月3日


適格請求書の交付義務免除

媒介又は取次ぎに係る業務を行う者(媒介者等)を介して行う課税資産の譲渡等について、委託者及び媒介者等の双方が適格請求書発行事業者である場合には、一定の要件の下、媒介者等が、自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書を委託者に代わって交付することができる。

適格請求書を交付することが困難な以下の取引は、適格請求書の交付義務が免除される。

公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の運送(3万円未満のものに限る。)
出荷者が卸売市場において行う生鮮食料品等の譲渡(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限る。)
生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の譲渡(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限る。)
自動販売機により行われる課税資産の譲渡等(3万円未満のものに限る。)
郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る。)

★リンクはこちら⇒ 適格請求書の交付義務免除

2021年9月2日


適格請求書の記載事項

適格請求書発行事業者は、以下の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類を交付しなければならない(下線の項目が、現行の区分記載請求書の記載事項に追加される事項である。)。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
取引年月日
取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
消費税額等(端数処理は一請求書当たり、税率ごとに1回ずつ)
書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

(注)適格簡易請求書の記載事項は上記①から⑤となり(ただし、「適用税率」「消費税額等」はいずれか一方の記載で足りる。)、上記⑥の「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」は記載不要である。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書の記載事項

2021年8月31日


適格請求書発行事業者の義務等(売手側の留意点)

適格請求書発行事業者には、適格請求書を交付することが困難な一定の場合を除き、取引の相手方(課税事業者に限る。)の求めに応じて、適格請求書を交付する義務及び交付した適格請求書の写しを保存する義務が課される。

なお、不特定多数の者に対して販売等を行う小売業、飲食店業、タクシー業等については、記載事項を簡易なものとした「適格簡易請求書」を交付することができる。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の義務等(売手側の留意点)

2021年8月30日


登録申請のスケジュール

登録申請のスケジュールは、以下のようになっています。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の申請から登録まで

2021年8月27日


適格請求書発行事業者の申請から登録まで

適格請求書発行事業者の申請から登録までは、以下のようになっています。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の申請から登録まで

2021年8月26日


適格請求書発行事業者登録制度

適格請求書(いわゆるインボイス)を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られる。

適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」(以下「登録申請書」という。)を提出し、登録を受ける必要がある。

なお、課税事業者でなければ登録を受けることはできない。

ちなみに、適格請求書発行事業者は、基準期間の課税売上高が 1,000 万円以下となった場合であっても免税事業者にはならず、消費税及び地方消費税の申告義務が生じるので注意すること。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者登録制度

2021年8月25日


適格請求書(いわゆるインボイス)とは?

適格請求書(いわゆるインボイス)とは、「売手が、買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類をいう。

請求書や納品書、領収書、レシート等、その書類の名称は問わない。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書(いわゆるインボイス)とは?

2021年8月24日


インボイス制度とは?

2023年10 月1日から、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)が導入される。

適格請求書等保存方式の下では、税務署長に申請して登録受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」(いわゆるインボイス)等の保存が仕入税額控除の要件となる。

ちなみに、2019年10 月1日から2023年9月30日までの間の仕入税額控除の方式は、区分記載請求書等保存方式である。

★リンクはこちら⇒ インボイス制度とは?

2021年8月23日


「インボイス制度特設サイト」に登録申請手続に係る詳細な情報等を掲載しました

2023年(令和5年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入される。

適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要がある。

★リンクはこちら⇒ 「インボイス制度特設サイト」に登録申請手続に係る詳細な情報等を掲載しました

2021年8月11日


「インボイス制度特設サイト」をリニューアルしました

国税庁は、「インボイス制度特設サイト」をリニューアルした。

2023年(令和5年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入される。

適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要がある。

なお、登録申請書の提出が可能となるのは、2021年(令和3年)10月1日(金)以降である。

★リンクはこちら⇒ 「インボイス制度特設サイト」をリニューアルしました

2021年5月28日


消費税法改正のお知らせ(令和3年4月)

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★リンクはこちら⇒ 消費税法改正のお知らせ(令和3年4月)

2021年4月27日


イメージデータで提出可能な添付書類(消費税確定申告(法人))

イメージデータ(PDF形式)による提出が可能な主な添付書類は、次のとおり。

なお、この一覧は、令和3年4月1日現在の法令に基づくものである。

<添付書類をイメージデータで提出する場合の注意事項>
「消費税の還付申告に関する明細書」など、電子データ(XML形式)により提出が可能な添付書類については、イメージデータで提出することができない。

なお、電子データにより提出が可能な添付書類は、「利用可能手続(消費税確定申告等)」でご確認のこと。

★リンクはこちら⇒ イメージデータで提出可能な添付書類(消費税確定申告(法人))

2021年3月23日


消費税申告チェックシート(国、地方公共団体及び公共法人用)

下記リンクのページは、当該取組の内容をご案内するとともに、チェックシートの様式を掲載し、ご提供するものである。様式はダウンロードしてご活用のこと。

(注)チェックシートの様式については、Excel版とPDF版の二種類をご用意している。Excel版については、印刷時にご利用のPC環境により改ページ位置の変更等レイアウトが変更される場合があるので、ご利用の際には留意すること。

1.取組の内容
本取組の内容については、リーフレットをご参照のこと。
リーフレット

2.消費税申告チェックシート(様式)
令和2年4月1日以後終了課税期間分
消費税申告チェックシート

3.問合せ先
本取組についての問合せは、国税庁または所轄の国税局(事務所)まで。

問合せ先 電話番号(代表) 内線
国税庁 調査査察部 調査課 調査係 03-3581-4161 3417
札幌国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 011-231-5011 6130
仙台国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 022-263-1111 3484
関東信越国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画係 048-600-3111 2716
東京国税局 調査第一部 調査開発課 消費税担当 03-3542-2111 3845
金沢国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 076-231-2131 2817
名古屋国税局 調査部 調査開発課 052-951-3511 7512
大阪国税局 調査第一部 調査開発課 06-6941-5331 2620
広島国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 082-221-9211 3848
高松国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 087-831-3111 514
福岡国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 092-411-0031 5125
熊本国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 096-354-6171 6266
沖縄国税事務所 調査課 総務係 098-867-3601 459

★リンクはこちら⇒ 消費税申告チェックシート(国、地方公共団体及び公共法人用)

2021年2月3日


令和3年4月1日より、税込価格の表示(総額表示)が必要になります!

財務省は、リーフレット『令和3年4月1日より、税込価格の表示(総額表示)が必要になります!』を作成した。

★リンクはこちら⇒ 令和3年4月1日より、税込価格の表示(総額表示)が必要になります!

2021年1月28日


請求人と取引先との売買契約は通謀虚偽表示には当たらないとした事例

  • 平成31年2月28日付でされた平成27年1月1日から平成27年12月31日まで及び平成29年1月1日から平成29年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和2年5月19日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が、請求人が取引先の法人から軽種馬を購入する取引に係る売買契約は、通謀虚偽表示により無効であるとして、請求人の課税仕入れに係る支払対価の額の一部を認めない旨の更正処分をしたところ、本件における売買契約は、契約内容のとおり履行されており、また、請求人と当該法人との間に通謀虚偽表示を行う十分な動機があったとまでいえない上、これを基礎付ける証拠もないから、通謀虚偽表示により無効であると認めることはできないと判断して、原処分を取り消したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が取引先の法人(本件法人)から軽種馬(本件軽種馬)を購入する取引(本件各取引)に係る売買契約は、通謀虚偽表示により無効であり、実体は、請求人が軽種馬生産に関する農業協同組合を通じて直接本件軽種馬を購入したものであるから、本件法人が当該農業協同組合から落札し購入した金額と、本件各取引に係る売買金額の差額分に相当する金額(本件各差額)は、請求人の課税仕入れに係る支払対価の額に該当しない旨主張する。

しかしながら、本件各取引に係る売買契約については、契約内容のとおり履行されており、また、請求人と本件法人との間に通謀虚偽表示を行う十分な動機があったとまでいえない上、これを基礎付ける証拠もないから、通謀虚偽表示により無効であると認めることはできない。

したがって、本件各差額は課税仕入れに係る支払対価の額に該当する。

★リンクはこちら⇒ 請求人と取引先との売買契約は通謀虚偽表示には当たらないとした事例

2021年1月25日


個人的な使用に供される輸入貨物について、税関告知書記載の価格に基づいてされた消費税等の賦課決定処分に誤りがあるとして取り消した事例

  • 令和元年6月9日付でされた課税物品を内容とする郵便物の輸入に係る消費税及び地方消費税の賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和2年5月7日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が、請求人を名宛人とする外国からの郵便物に添付された税関告知書記載の価格に基づき消費税の課税標準を算出するなどした上で、請求人に消費税等の賦課決定処分を行ったところ、当該郵便物の内容品の価格は、請求人が購入した商品の価格であると認められ、当該税関告知書に記載された価格は誤りであると判断して、原処分を取り消したものである。

<要旨>
原処分庁は、外国から発送された請求人を名宛人とする郵便物(本件郵便物)の内容品の価格は、税関告知書に記載された金額(本件金額)と認められることから、関税定率法(定率法)第4条の6《航空運送貨物等に係る課税価格の決定の特例》第2項の適用がある場合における本件郵便物の課税価格は本件金額に基づいて算出すべきである旨主張する。

しかしながら、請求人は中古のミニカー1個(本件商品)を購入していたところ、①請求人による本件商品の発注から本件郵便物の受取までを一連の手続としてみた場合に時系列の点で矛盾点がなく、かつ、不自然な点がないことに加え、請求人と本件商品の譲渡人との電子メールの件名や添付された画像データからも、本件郵便物の内容品は本件商品であったと考えるのが自然であること、②本件郵便物の内容品及び本件商品の原産国や重量などをみても、本件郵便物の内容品は本件商品であったと考えるのが自然であること、③請求人と本件商品の譲渡人との電子メールでのやり取りから、本件郵便物の内容品が本件商品以外の別の貨物である可能性は極めて低いことを総合勘案すると、本件郵便物の内容品は本件商品であったと認められる。

したがって、本件郵便物の課税価格を本件金額に基づいて算出した賦課決定処分はその全部を取り消すべきである。

★リンクはこちら⇒ 個人的な使用に供される輸入貨物について、税関告知書記載の価格に基づいてされた消費税等の賦課決定処分に誤りがあるとして取り消した事例

2021年1月18日


消費税法第30条第2項第1号の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額を計算するに当たり、調剤薬品等の課税仕入れは、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分すべきと判断した事例

  • ①平成23年10月1日から平成24年9月30日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正の請求に対して平成30年2月28日付でされた更正をすべき理由がない旨の通知処分
  • ②平成24年10月1日から平成25年9月30日まで、平成25年10月1日から平成26年9月30日まで、平成26年10月1日から平成27年9月30日まで及び平成27年10月1日から平成28年9月30日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正の請求に対して平成30年8月28日付でされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • 一部取消し
  • 令和元年7月17日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が問屋から医薬品等を仕入れた日の状況等を客観的にみれば、仕入れた医薬品等を全て非課税となる売上げのために使用するとは限らず、課税となる売上げのために使用する場合もあったと認められるから、当該問屋からの課税仕入れについては、課税資産の譲渡等のみに要するものにも、その他の資産の譲渡等のみに要するものにも区分することができず、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分するのが相当であると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第2項第1号に基づき医薬品等の課税仕入れの用途区分を課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等(その他の資産の譲渡等)のみに要するものに区分したことは、その目的等に照らして合理的であるから、用途区分を誤っていたことを理由とする請求人の更正の請求は、国税通則法第23条《更正の請求》第1項第1号の要件を満たさない旨主張する。

しかしながら、請求人が問屋から医薬品等を仕入れた日の状況等を客観的にみれば、仕入れた医薬品等を全て非課税となる売上げのために使用するとは限らず、課税となる売上げのために使用する場合もあったと認められるから、当該問屋からの課税仕入れについては、課税資産の譲渡等のみに要するものにも、その他の資産の譲渡等のみに要するものにも区分することができず、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分するのが相当である。

よって、請求人が、問屋からの医薬品等の課税仕入れをその他の資産の譲渡等のみに要するものに区分したことは、消費税法第30条第2項第1号の適用を誤ったものと認められ、国税通則法第23条第1項第1号に規定する国税に関する法律の規定に従っていなかった場合に該当する。

★リンクはこちら ⇒ 消費税法第30条第2項第1号の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額を計算するに当たり、調剤薬品等の課税仕入れは、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分すべきと判断した事例

2020年5月25日


消費税軽減税率制度対応申告前チェック!

国税庁は、ホームページに『消費税軽減税率制度対応申告前チェック!』を掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 消費税軽減税率制度対応申告前チェック!

2020年3月9日


消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和元年7月改訂)

国税庁は、『消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和元年7月改訂)』を、ホームページに掲載した。

2023年10月1日から消費税の仕入税額控除制度において適格請求書等保存方式が導入される。

この「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」は、事業者の皆様が、2019年10月1日に実施される消費税の軽減税率制度への対応とともに適格請求書等保存方式への対応もご検討いただけるよう、適格請求書等保存方式について、わかりやすく解説したものである。

また、今後、寄せられた質問や頂いた疑問点を踏まえて、随時、追加や掲載内容の改訂を行っていく予定とのこと。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和元年7月改訂)

2019年10月25日


消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)(令和元年7月改訂)

国税庁は、『消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)(令和元年7月改訂)』を、ホームページに掲載した。

令和元年 10 月1日の消費税率の引上げと同時に、消費税の軽減税率制度が実施された。

消費税の軽減税率制度は事業者の方のみならず、日々の買い物等で消費者の方にも関係するものである。

この「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」は、軽減税率制度について、広く国民に理解を深めていただけるよう、わかりやすく解説したものである。

また、今後、寄せられた質問や頂いた疑問点を踏まえて、随時、追加や掲載内容の改訂を行っていく予定である。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)(令和元年7月改訂)

2019年10月10日


請求人が土地及び建物を信託財産とする信託受益権の取得に要した手数料に係る課税仕入れの用途区分については、共通用に区分するのが相当であるとした事例 

平成26年4月1日から平成27年3月31日まで及び平成27年4月1日から平成28年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・平成30年4月25日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人の信託受益権の取得時においては、信託財産である土地及び建物の事業用資産の賃貸のみではなく、当該信託受益権を譲渡することを目的としていたと認められることから、当該信託受益権の取得に要した手数料に係る課税仕入れの用途区分は、課税用ではなく共通用に該当するとしたものである。

<要旨>
請求人は、土地及び建物(本件各物件)を信託財産とする各信託受益権(本件各信託受益権)の取得に要した各手数料(本件各手数料)に係る課税仕入れについて、消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第2項第1号に規定する個別対応方式による用途区分の判定をするに当たっては、その用途区分は、当該課税仕入れをした事業者が有する、その課税仕入れを行った日における確定的な状況の下においての、目的、意図等をも勘案した上で、なお客観的に判断すべきであり、また、本件各物件はその取得時には事業用に賃貸されており、決算上も有形固定資産に計上しているから、本件各手数料に係る課税仕入れは課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当する旨主張する。

しかしながら、個別対応方式による用途区分の判定は、課税仕入れを行った日の状況により行うこととされ、課税仕入れを行った日の状況とは、当該課税仕入れの目的及び当該課税仕入れに対応する資産の譲渡等がある場合にはその資産の譲渡等の内容等を勘案して判断するのが相当であり、本件各信託受益権の取得時においては、本件各物件の賃貸のみではなく本件各信託受益権を譲渡することを目的としていたと認められること及び会計上の科目の判定が課税仕入れの用途区分の判定につながるものではないことなどからすれば、本件各手数料に係る課税仕入れは、課税資産の譲渡等と課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等に共通して要するものに区分するのが相当である。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が土地及び建物を信託財産とする信託受益権の取得に要した手数料に係る課税仕入れの用途区分については、共通用に区分するのが相当であるとした事例 

2019年7月12日


請求人が国際郵便により輸出した資産の譲渡については、消費税法第7条《輸出免税等》第2項に規定する証明がされていないため、輸出免税規定の適用はないとした事例

  • 平成25年8月1日から平成26年7月31日まで、平成26年8月1日から平成27年7月31日まで及び平成27年8月1日から平成28年7月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の①各更正処分並びに②過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①棄却、②却下
  • 平成30年6月5日裁決

<ポイント>
本事例は、輸出申告時点で資産の価格が未確定である郵便物については、郵便物1個当たりの輸出時見積価格をもって当該郵便物の価格とみるのが相当であるとした事例

<要旨>
請求人は、国際便物により輸出した資産の譲渡(本件取引)について、郵便物1個当たりの価格が20万円を超えないことから消費税法施行規則第5条《輸出取引等の証明》第1項第2号(本件条文)に規定する郵便物(簡易郵便物)として資産を輸出した場合に該当し、同号に規定する帳簿又は郵便物受領証等を保存をしているのだから、消費税法第7条第2項に規定する証明がされている旨主張する。

しかしながら、本件取引の輸出申告時点では、取引の対象となる資産の価格が未確定の状態であり、そのような場合には郵便物1個当たりの輸出時見積価格(調達原価に通常の利潤、一般管理費等を加えた額又は値引き等の調整が加えられる前の額)をもって当該郵便物の価格とみるのが相当であるところ、本件取引においては、1個の郵便物にまとめられた各資産のそれぞれの仕入金額の合計額は、最も少ないもので20万円の2倍超であることから、郵便物1個当たりの輸出時見積価格は、いずれも20万円を上回ると認められ、本件取引は、本件条文に規定する簡易郵便物としての資産の輸出には該当せず、消費税法第7条第2項に規定する証明がされているとは認められない。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が国際郵便により輸出した資産の譲渡については、消費税法第7条《輸出免税等》第2項に規定する証明がされていないため、輸出免税規定の適用はないとした事例

2019年7月11日


消費税の軽減税率制度に対応した経理・申告ガイド ~区分経理(記帳)から消費税申告書作成まで~

国税庁は、『消費税の軽減税率制度に対応した経理・申告ガイド~区分経理(記帳)から消費税申告書作成まで~』を作成し、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税の軽減税率制度に対応した経理・申告ガイド ~区分経理(記帳)から消費税申告書作成まで~

2019年6月20日


臨時販売場制度に関するQ&A(2019年4月)

国税庁は、『臨時販売場制度に関するQ&A』を公表した。

 ★リンクはこちら ⇒ 臨時販売場制度に関するQ&A(2019年4月)

2019年5月21日


「消費税軽減税率まるわかりBOOK」を改訂しました

中小企業庁は、軽減税率対策補助金がよくわかる「消費税軽減税率まるわかりBOOK」を改訂した。

<国の軽減税率対策について>

2019年10月の消費税率10%への引き上げと同時に、低所得者層へ配慮する観点から「軽減税率制度」(複数税率)を実施する。

国は、中小企業者・小規模事業者の方々が、「軽減税率制度」に対応するための負担を少なくするため、地方自治体、商工会・商工会議所、中小企業団体中央会、メーカー・ベンダー等と連携した理解促進と対応のための支援に取り組んでいる。

また、「軽減税率制度」に対応するために必要なレジの導入・改修や受発注システムの改修等のための支援(軽減税率対策補助金)を行っている。

<軽減税率対策補助金について>

「軽減税率制度」への対応が必要となる中小企業・小規模事業者等の方には、複数税率対応レジの導入や、受発注システムの改修等を行う際(リースによる導入も補助対象となる。)に、その経費の一部を補助する「軽減税率対策補助金」を実施している。

2019年1月から、軽減税率対策補助金制度の拡充を行ったので、軽減税率対策補助金がよくわかる「消費税軽減税率まるわかりBOOK」の改訂を行った。

<拡充の内容>

  • 補助対象の拡大
従来は補助対象外としていた事業者間取引における請求書等の作成に係る対応(「区分記載請求書等保存方式」への対応)について、これに対応するシステムの開発・改修、パッケージ製品・事務機器等の導入に係る費用を補助対象とする。
また、これまでレジの設置と同時に行われる商品情報(商品マスタ)の登録に係る費用を補助対象としてきましたが、レジ設置時とは別に行う場合も補助対象とする。
さらに、複数税率に対応する「券売機」についても、補助の対象とする。
  • 補助率の引上げ

レジの設置・改修、受発注システムの改修等に要する経費の「3分の2以内」であった補助率を、原則「4分の3以内」に引き上げる。併せて、3万円未満のレジを1台のみ導入する場合の補助率を「4分の3以内」から「5分の4以内」に引き上げる。

  • 補助対象事業者の取扱い

事業者が営む事業に関連する規制により、補助対象外となっていた旅館・ホテル等の一部の事業者に係る取扱いについて、広く補助対象として認められるよう、制度の運用改善を行う。

<軽減税率対策補助金の申請期限、問い合わせ>

軽減税率対策補助金の内容及び申請期限等の詳細は、以下のホームページまたは「軽減税率対策補助金事務局」に問い合せること。

  • 軽減税率対策補助金ホームページ(既に削除済み)
  • 軽減税率対策補助金事務局 電話:0120-398-111

 ★リンクはこちら ⇒ 「消費税軽減税率まるわかりBOOK」を改訂しました

2019年5月10日


飲食料品の製造業者が発注元から有償又は無償で支給される原材料等を使用して飲食料品を製造し、発注元へ納品した場合の資産の譲渡等に係る適用税率について

<事前照会の趣旨>

 当社は、国内において飲料製品の受託製造販売を主な業とする内国法人で、発注元から飲料製品の製造委託を受け、発注元の定める飲料製品の仕様書や製造基準等に基づき、当社自らが発注元の商標が表示される飲料製品を製造し(ペットボトル容器の成型等を含む。)、当該飲料製品を発注元へ納品(販売)している。
飲料製品の製造に当たって、原材料(飲用水を除く。)及び包装資材については、発注元から有償又は無償により支給される場合と当社が調達する場合(以下「自社調達」という。)があり、次の表(以下「表」という。)のとおりの形態となっている。

原材料A 原材料B 包装資材A 包装資材B
発注元1 有償支給 自社調達 有償支給
発注元2 有償支給 自社調達 自社調達 有償支給
発注元3 無償支給 自社調達 無償支給
発注元4 無償支給 自社調達 自社調達 無償支給
発注元5 無償支給

※1
原材料Aはコーヒー豆、茶葉、砂糖又は乳等、原材料Bは基本的に添加物である。

※2
包装資材Aはペットボトル容器の素となる原材料(以下「プリフォーム」という。)、包装資材Bはキャップ、ラベル、梱包用のダンボール(以下「キャップ等」という。)である。

 軽減税率制度の実施後に行われる当社から各発注元への当該飲料製品に係る資産の譲渡等の適用税率は、次のとおりと解して差し支えないか照会する。

(1) 当社から発注元1又は発注元2への飲料製品に係る資産の譲渡等は「飲食料品の譲渡」に該当することから、その適用税率は軽減税率となる。
(2) 当社から発注元3、発注元4又は発注元5への飲料製品に係る資産の譲渡等は「役務の提供」(製品の加工)に該当することから、その適用税率は標準税率となる。

<事前照会に係る取引等の事実関係>

(1)製造工程について
飲料製品の製造・販売に係る工程の概要は、以下のとおりとなっている。

発注元から注文を受け、必要な原材料と包装資材を仕入れる。
原材料に飲用水を混ぜ合わせ、製品液を調合・殺菌する。
製品液をペットボトル容器(ペットボトル容器は自社でプリフォームから成型する。)に充填し、キャップで密封する。
製品液が充填されキャップで密封されたペットボトル容器に発注元の商標が表示されているラベルを巻き付け、ダンボールに箱詰めし、発注元へ納品する。

飲料製品の製造・販売に係る工程の概要

(2)発注元との間の契約内容
当社と発注元との間の飲料製品の製造委託に係る契約は、いわゆる製作物供給契約に該当するものであり、当社が製造を委託された飲料製品の完成品を発注元へ納品し、当該製造委託に係る対価を発注元が当社へ支払うものとなっている。
また、原材料及び包装資材の調達方法については下記(3)、製造委託に係る対価の算出根拠については同(4)、完成した飲料製品等の所有権の帰属については同(5)のとおりとなっている。

(3)原材料等の調達方法
飲料製品の製造において使用する飲用水以外の原材料及び包装資材の調達方法は、上記1の表のとおりである。
なお、飲用水については、当社工場の地下水源からくみ上げた水で浄化したものを使用している。

(4)飲料製品の製造委託に係る対価について
一般的に、事業者が原材料等の支給を受けて加工等を行い、その加工等による完成品を他の事業者に引き渡す場合のいわゆる製作物供給契約は、大別すると下記3(1)ニに記載の「製造販売方式」によるものと「賃加工方式」によるものとがあるものと考えられる。
また、経理方法もそれに対応して、製造販売方式を採用している場合には、支給を受けた原材料については当事者間で売買されていることから、原材料費を費用に計上するとともに、完成品の販売代金をその原材料費込みで収益に計上し、一方、賃加工方式を採用している場合には、原材料については無償支給されていることから、賃加工料収入のみを収益に計上することが一般的と考えられる。
したがって、当社が発注元へ請求する飲料製品の製造委託に係る対価の額は、原材料及び包装資材の取引形態によって、次のとおりに分類することとしている。

イ.原材料の全てと包装資材B(キャップ等)については発注元から有償支給を受け、包装資材A(プリフォーム)のみ自社調達する場合(発注元1との取引)には、当社は製造販売方式を採用しており、原材料代と包装資材代(自社調達した物の購入費用を含む。)に加工料(主として地下水の浄化、原材料と飲用水との調合、プリフォームからペットボトル容器の成型及びペットボトルへの充填等に係る手間賃をいう。以下同じ。)を加算した金額を対価の額とし、同額を販売代金として請求する。

ロ.原材料Aと包装資材B(キャップ等)は発注元から有償支給を受け、原材料B(添加物)と包装資材A(プリフォーム)を自社調達する場合(発注元2との取引)には、当社は製造販売方式を採用しており、原材料代と包装資材代(自社調達した物の購入費用を含みます。)に加工料を加算した金額を対価の額とし、同額を販売代金として請求する。

ハ.原材料の全てと包装資材B(キャップ等)は発注元から無償支給を受け、包装資材A(プリフォーム)のみ自社調達する場合(発注元3との取引)には、当社は賃加工方式を採用しており、自社調達したプリフォーム代に加工料を加算した金額を対価の額とし、同額を賃加工料として請求する。

ニ.原材料Aと包装資材B(キャップ等)は発注元から無償支給を受け、原材料B(添加物)と包装資材A(プリフォーム)を自社調達する場合(発注元4との取引)には、当社は賃加工方式を採用しており、自社調達した原材料代とプリフォーム代に加工料を加算した金額を対価の額とし、同額を賃加工料として請求する。

ホ.全ての原材料と包装資材は発注元から無償支給を受ける場合(発注元5との取引)には、当社は賃加工方式を採用しており、加工料のみを対価の額とし、同額を賃加工料として請求する。

(5)飲料製品等の所有権

イ.飲料製品
飲料製品の所有権は、完成品の引渡時にその所有権が当社から発注元へ移転する場合と、当社にその所有権が一度も帰属することなく、発注元にその所有権が帰属する場合がある。
発注元1及び発注元2との取引では、完成品の引渡時(契約により、完成品を納入した後の納品報告時や完成品を納入した後の受入数量検査の合格時)にその所有権は当社から発注元へ移転することとされている。
一方、発注元3、発注元4及び発注元5との取引では、無償で支給された原材料及び包装資材とともに、当社にその所有権が一度も帰属することなく、発注元にその所有権が帰属することとされている。

ロ.原材料及び包装資材
有償で支給される原材料及び包装資材は、これらの引渡しの完了と同時に、その所有権が発注元から当社へ移転し、以後、当社が自己の資産として管理している。
また、無償で支給される原材料及び包装資材は、その所有権が当社に一度も帰属することなく発注元に帰属するため、数量等の管理は行うが、自己の資産として管理していない。
なお、自社調達した原材料及び包装資材は、当社が自己の資産として管理している。

(6)その他
当社が製造する飲料製品は、コーヒー、お茶、スポーツ飲料等であり、酒類や医薬品等に該当する栄養ドリンク等は含まれない。

<事前照会者の求める見解となる理由>

(1)消費税法令等の規定

イ.課税の対象
消費税法第4条第1項は、国内において事業者が行った資産の譲渡等が消費税の課税の対象となる旨、同法第2条第1項第8号は、「資産の譲渡等」とは、事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供をいう旨規定している。

ロ.軽減対象課税資産の譲渡等
平成28年法律第15号による改正後の消費税法第2条第1項第9号の2は、「軽減対象課税資産の譲渡等」とは、課税資産の譲渡等のうち別表第一に掲げるものをいう旨、また、同法別表第一第1号において、飲食料品の譲渡(一定の食事の提供等を除く。)を掲げている(平成28年法律第15号附則第34条第1項に規定する「31年軽減対象資産の譲渡等」同旨)。

ハ.飲食料品の販売に係る包装材料等の取扱い
消費税の軽減税率制度に関する取扱通達第3項は、飲食料品の販売に際し使用される包装材料及び容器(以下「包装材料等」という。)が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、当該包装材料等も含め軽減税率の適用対象となる「飲食料品の譲渡」に該当する旨定めている。

ニ.原材料等の支給による加工等の場合の課税売上高の計算
消費税法基本通達1-4-3は、事業者が原材料等の支給を受けて加工等を行った場合の基準期間における課税売上高に算入される国内において行った課税資産の譲渡等の対価の額は、原則として、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる対価の額となることに留意する旨定めている。

(イ)製造販売契約の方式により原材料等の有償支給を受けている場合
加工等を行った製品の譲渡の対価の額

(ロ)賃加工契約の方式により原材料等の無償支給を受けている場合
加工等に係る役務の提供の対価の額

(2)本件の当てはめ

イ.消費税の課税対象
本件飲料製品に係る受託製造販売は、国内において事業者が事業として対価を得て行われる資産の譲渡等に該当するので、消費税の課税対象となる。

ロ.適用税率の判断
軽減税率制度の実施後に行われる当社から各発注元への飲料製品に係る資産の譲渡等の適用税率については、当該資産の譲渡等が「飲食料品の譲渡」に該当する場合は軽減税率を適用し、「役務の提供」(製品の加工)に該当する場合は標準税率を適用することとなるが、その適用税率の判断に当たっては、当社と各発注元との間の契約内容(原材料等の調達方法、委託に係る対価の額の設定、製品の所有権の帰属等)を総合的に勘案して行うことになるものと考える。
これを踏まえ、上記2の事実関係を前提とすれば、軽減税率制度の実施後に行われる当社から各発注元への当該飲料製品に係る資産の譲渡等の適用税率は、以下のとおりになるものと考える。

(イ)当社から発注元1又は発注元2への当該資産の譲渡等
飲料製品の製造に当たって、当社は全ての原材料及び包装資材に係る対価を支払って仕入れているので、仕入れ後、当社が全ての原材料等を管理している。
また、完成品の所有権は、発注元へ完成品を引き渡すことで、当社から発注元へ移転することとしている。
そのうえ、当社は、いわゆる製作物供給契約における製造販売方式を採用しており、支出した原材料代及び包装資材代を費用に計上し、これに加工代を加算した金額を販売代金として請求の上、発注元へ納品し、当該販売代金を収益に計上することとしている。
これらの事実関係を踏まえれば、当該取引は飲料製品の製造販売契約と考えられ、一般の製造業者が原材料等を仕入れて製品を製造し、当該製品を発注元へ販売していることと何ら変わらないことから、当該取引は「飲食料品の譲渡」に該当するものと判断する。
したがって、当社は、発注元1又は発注元2との間の飲料製品に係る資産の譲渡等について、軽減税率を適用する。

(ロ)当社から発注元3、発注元4又は発注元5への当該資産の譲渡等
飲料製品の製造に当たって、当社は原材料の一部(添加物)又は包装資材の一部(プリフォーム)を自社調達する場合があるものの、他の原材料と包装資材は全て発注元から無償で支給され(発注元5との間の取引にあっては、全ての原材料及び包装資材が無償で支給される。)、無償で支給された原材料等は当社で自己の資産として管理していない。
また、当社が自社調達する原材料等の一部は、例えば、添加物やプリフォームなど、飲料製品の製造に際して使用する副次的なものであるため、完成品の所有権は、当社に一度も帰属することなく、発注元に帰属することとしている。
そのうえ、当社は、いわゆる製作物供給契約における賃加工方式を採用しており、支出(費用計上)した包装資材代に加工代を加算した金額を賃加工料として請求の上、発注元へ納品し、当該賃加工料金を収益に計上することとしている。
これらの事実関係を踏まえれば、当該取引は、原材料又は包装資材の一部を自社調達する場合があるものの、包装の加工も含め、無償で支給された原材料等を用いて飲料製品としての完成品とすることを内容とする一連の役務の提供(製品の製造行為)を行い、その製造に係る対価として賃加工料を受領しているものと考えられるから、当該取引は「役務の提供」に該当するものと判断する。
したがって、当社は、発注元3、発注元4又は発注元5との間の飲料製品に係る資産の譲渡等について、標準税率を適用する。

<回答>

回答年月日
平成30年12月7日

回答者
東京国税局審理課長

回答内容
標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
ただし、次のことを申し添えます。
(1)ご照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
(2)この回答内容は東京国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。

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2019年3月29日


計量法関係法令改正後の器差検定を中心とした指定検定機関が行う特定計量器の検定に係る手数料の消費税の取扱いについて

<照会の趣旨>
計量法では、社会・経済活動において取引又は証明に使用する計量器で、その精度を公的に担保することが必要なもの等を特定計量器として定めており、適正な計量の確保の観点から、指定製造事業者が製造するものを除き、経済産業大臣(以下「経産大臣」といいます。)、都道府県知事、日本電気計器検定所(以下「日電検」という。)又は経産大臣が指定した者(以下「指定検定機関」という。)が行う検定に合格したものとして検定証印が付されている特定計量器以外の特定計量器については、取引又は証明における計量に使用してはならないこととされている。
今般、平成28年11月に計量行政審議会で取りまとめられた答申「今後の計量行政の在り方-次なる10年に向けて-」(平成28年11月)を踏まえて、指定検定機関の指定要件の見直しに関する計量法関係法令の改正が行われた。
従来の指定検定機関が、その指定を受ける要件として、器差検定、構造検定、型式承認の試験及び指定製造事業者の品質管理の調査などの業務を全国規模で実施できることが求められていたが、今般の改正により、その要件が見直され、器差検定と構造検定の一部のみを実施する検定機関(以下「器差検定を中心とした指定検定機関」という。)の指定や、地域ブロック単位に限定した業務の実施が可能とされている。
この場合、器差検定を中心とした指定検定機関が行う特定計量器の検定に係る手数料については、消費税が非課税となる行政手数料に該当するものと解して差し支えないか伺う。

<照会に係る取引等の事実関係>
1.検定の実施機関(指定検定機関)について
指定検定機関とは、特定計量器の検定を実施する者(検定の実施主体)として、経産大臣から検定に関する事務(指定検定機関の指定に係るものを除く。)を委任されている国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)、都道府県知事及び日電検といった公的機関と並ぶものであり、経産大臣が指定する民間の検定機関のことをいう。
計量法(平成4年法律第51号)第106条《指定検定機関》の規定に基づく同法第16条第1項第2号イ《使用の制限》の指定は、計量法施行令(平成5年政令第329号)第26条《指定検定機関の指定の区分》で定める区分ごとに、指定定期検査機関、指定検定機関、指定計量証明検査機関及び特定計量証明認定機関の指定等に関する省令(平成5年通商産業省令第72号。以下「機関等省令」という。)で定めるところにより、検定を行おうとする者の申請により行うこととされており、現在、この指定を受けている指定検定機関は、一般財団法人日本品質保証機構(昭和32年10月28日に財団法人日本機械金属検査協会という名称で設立された法人をいう。)のみとなっている。
また、当該指定には、計量法第27条《欠格条項》から第33条《事業計画等》まで及び第35条《解任命令》から第38条《指定の取消し等》までの規定が準用されることから、例えば、同法第28条《指定の基準》の規定に基づき、指定機関への無秩序な民間事業者(検定機関)の参入を制限する観点から、行政の裁量により、経産大臣はその申請のあった者の指定を行わないことがあるほか、同法第36条《役員及び職員の地位》の規定に基づき、検査業務に従事する指定検定機関の役員又は職員は、いわゆるみなし公務員となることが求められる。
今般、平成28年11月の計量行政審議会答申を踏まえて、適正な計量の実施を確保するため、制度の信頼性は確保した上で検定実施者の拡大を図ることを目的とし、器差検定を中心とした検定を実施する者を認めるべく、指定検定機関の指定要件の見直しが行われた。
具体的には、機関等省令第9条《指定の申請》の改正により、経産大臣は、検定を行おうとする者の能力又は申請により、当該者が行うことができる検定の種類を、器差検定と構造検定の一部のものに限ることとする指定が可能とされるとともに、その業務の範囲についても、関東・甲信越ブロックなど全国を6つのブロックに区分した地域ブロックに限定して指定することが可能とされている。
以上のことから、従来の指定検定機関は、器差検定、構造検定、型式承認の試験及び指定製造事業者の品質管理の調査などの業務を全国規模で実施できることが、その指定を受ける際の要件となっていたが、新たに経産大臣が指定する器差検定を中心とする指定検定機関については、これらの指定に関する要件が緩和されることとなった。
なお、器差検定を中心とする指定検定機関の指定についても、従来の指定検定機関に対する指定と同様、計量法第106条の規定に基づき、検定を行おうとする者の申請により経産大臣が行うことに変更点はない。

2.特定計量器の検定業務について
(1)特定計量器について
計量器とは、長さ・質量・時間等の「計量」の対象となる量(「物象の状態の量」)を計るための器具、機械又は装置のことをいう。また、これらのうち、取引若しくは証明における計量に使用され、又は主として一般消費者の生活の用に供される計量器(例えば、体温計や血圧計など)について、適正な計量の実施を確保するためにその構造(計量器の基本的な構造や性能を示す基準)又は器差(計量器の精度、許容される誤差)に係る基準を定める必要がある一定の計量器を「特定計量器」という。
特定計量器には、電気・ガス・水道メーター、非自動はかり、体温計、タクシーメーター、燃料油メーター等が指定されており、それぞれに技術基準が規定されている。
(2)特定計量器の使用について
計量法は、特定計量器の使用者がこれを取引(有償、無償を問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為をいう。)又は証明(公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいう。)に用いる場合、国や自治体等が精度を確認した計量器を使用すること等を義務づけることで、正確な計量を確保することとしている。
計量法第16条《使用の制限》は、経産大臣、都道府県知事、日電検又は指定検定機関が行う検定を受け、これに合格したものとして同法第72条第1項《検定証印》の検定証印が付されている特定計量器及び指定製造事業者が製造し、基準適合証印が付された特定計量器以外のものは、取引又は証明における法定計量単位による計量に使用してはならないとしている。また、同法第172条《罰則》の規定により、この使用制限に違反した場合には、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられる。
(3)特定計量器の検定について
特定計量器の検定は、計量法第70条《検定の申請》の規定に基づき、特定計量器について同法第16条の検定を受けようとする者の申請に基づき行われるものであり、当該検定とは、特定計量器の構造と器差について、特定計量器検定検査規則(平成5年通商産業省令第70号)で定める技術基準への適合性を、国、都道府県などが確認する計量法上の検査のことをいう。
具体的な検定の方法は、特定計量器検定検査規則及び同規則において引用される日本工業規格(JIS)によることとされており、これに合格した計量器には、「検定証印」というマークが付される。
なお、検定に有効期限が定められている計量器もある。
(4)特定計量器の検定に係る手数料について
産総研又は日電検による特定計量器の検定を受けようとする者は、計量法第158条《手数料》の規定に基づき、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならないとされている。
他方、指定検定機関が特定計量器の検定を受けようとする者から徴収する特定計量器の検定に係る手数料(以下「検定手数料」という。)については、前述のようなその徴収の根拠となる法令上の規定はないが、当該検定手数料は指定検定機関が定める検定業務に関する規程の記載事項とされて経産大臣の認可が必要とされていることから、指定検定機関は、当該認可を受けた検定手数料について、その検定を受けようとする者から徴収している。
なお、経産大臣は、指定検定機関の検定手数料の額について、前述の実費を勘案して定める計量法関係手数料令(平成5年政令第340号)の考え方を踏まえた審査を行うこととしており、その積算根拠が不明瞭なものや極端な額のものについては、審査に合格しない場合がある。

<上記の事実関係に対して照会者の求める見解となることの理由>
1.検定に係る手数料に関する消費税の非課税規定等
国、地方公共団体、消費税法別表第三に掲げる法人(以下「別表第三法人」という。)その他法令に基づき国若しくは地方公共団体の委託若しくは指定を受けた者が、法令に基づき行う検査、検定、試験、審査、証明及び講習に係る役務の提供で、その手数料その他の料金の徴収が法令に基づく一定のもの及び当該役務の提供に類するものとして政令で定める一定のものについては、消費税が非課税とされている(消費税法第6条第1項、別表第一第五号イ及びロ)。
また、これを受けて、消費税法施行令第12条第2項第2号《国、地方公共団体等の役務の提供》では、国、地方公共団体、別表第三法人その他法令に基づき国又は地方公共団体の委託又は指定を受けた者が法令に基づき行う登録、認定、確認、指定、検査、検定、試験、審査及び講習(以下「検定等」という。)のうち、法令において、資産の輸出その他の行為を行う場合にその使用する資産について当該検定等に係る役務の提供を受けることが要件とされているものについては、消費税が非課税となる旨を定めている(消費税法施行令第12条第2項第2号イ(2))。
なお、「料金の徴収が法令に基づくもの」とは、「手数料を徴収することができる」又は「手数料を支払わなければならない」等の規定をいい、「別途手数料に関する事項を定める」又は「手数料の額は〇〇〇円とする」との規定は含まれないと解されている(消費税法基本通達6-5-2)。

2.照会者の求める見解となることの理由
上記のとおり、指定検定機関が特定計量器の検定を受けようとする者から徴収する検定手数料については、その徴収の根拠となる法令上の規定がないことから、上記のとおり、照会の検定手数料について、これが非課税となる場合の要件としては次のような点について検討する必要があると考えるので、当該要件の該当性について、以下検討する。
①検定を行う者が、国、地方公共団体、別表第三法人その他法令に基づき国若しくは地方公共団体の委託若しくは指定を受けた者であること
②当該事務が、法令に基づき行う検定等に係る役務の提供で、法令において、資産の輸出その他の行為を行う場合にその使用する資産について当該検定等に係る役務の提供を受けることが要件とされているものであること
(1)検定を行う者が国等に該当するか
上記のとおり、指定検定機関は、特定計量器の検定を実施する者(検定の実施主体)として、産総研、都道府県及び日電検といった公的機関と並ぶものであり、計量法第106条の規定に基づき経産大臣が指定するものである。
また、今般の改正による指定検定機関の指定要件の見直しは、あくまで経産大臣が検定機関を指定する際の要件緩和に止まるものであり、当該改正により新たに指定されることとなる「器差検定を中心とした指定検定機関」についても、経産大臣がその指定を受けようとする者の申請により、計量法第106条の規定に基づき、所定の審査を実施した上で指定するものである。
したがって、器差検定を中心とした指定検定機関は、法令に基づき国の指定を受ける者に該当するものと認められ、上記①の要件を満たすものと考える。
(2)法令に基づき行う検定等に係る役務の提供に該当し、法令において、一定の行為を行う場合にその使用する資産について当該検定等に係る役務の提供を受けることが要件とされているものに該当するか
特定計量器の検定は、上記II2(3)のとおり、計量法及び特定計量器検定検査規則の定めるところにより実施されるものであり、法令に基づき行われるものである。
また、上記Iのとおり、指定製造事業者が製造し、基準適合証印が付されているものを除き、指定検定機関等が行う検定を受け、これに合格したものでない特定計量器については、計量法第16条の規定に基づき、取引又は証明における計量に使用してはならないこととされており、例えば、食料品(肉等)の量り売りにおいて使用する計量器は、当該検定を受ける必要があるものと認められることから、特定計量器の検定は、上記②の要件を満たすものと考える。
(3)まとめ
以上のことからすると、照会の器差検定を中心とした指定検定機関が行う特定計量器の検定に係る手数料は、消費税法第6条第1項及び消費税法別表第一第5号ロ並びに消費税法施行令第12条第2項第2号イ(2)の規定に基づき、消費税が非課税となるものと考える。

<回答>

回答年月日
平成30年12月13日

回答者
国税庁課税部審理室長

回答内容
標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
ただし、次のことを申し添えます。
(1)この文書回答は、ご照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答ですので、個々の納税者が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
(2)この回答内容は国税庁としての見解であり、個々の納税者の申告内容等を拘束するものではありません。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税法第9条の2第1項及び第3項の規定により、基準期間がない場合でも請求人の消費税の納税義務は免除されないとした事例

2019年3月19日


消費税法第9条の2第1項及び第3項の規定により、基準期間がない場合でも請求人の消費税の納税義務は免除されないとした事例

  • 平成26年4月1日から平成27年3月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の決定処分並びに無申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 平成30年2月23日裁決

<ポイント>
本事例は、消費税法第9条の2第1項に規定する「法人のその事業年度の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である場合」には、「その事業年度の基準期間がない」場合が含まれるとしたものである。

<要旨>
請求人は、消費税法第9条の2《前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例》第1項の規定は「法人のその事業年度の基準期間の課税売上高が1,000万円以下である場合において」と限定されており、同項の規定を条文に沿って解釈すれば、その事業年度の基準期間がない場合には同項の適用はないところ、請求人の場合、同項の規定の適用はなく、また、同法第12条の2《新設法人の納税義務の免除の特例》第1項の規定の適用もないから、同法第9条《小規模事業者に係る納税義務の免除》第1項本文の規定により、消費税の納税義務はない旨主張する。

しかしながら、消費税法第9条第1項本文に規定する「事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下である者」には、当然に「その事業年度の基準期間がない法人」も含まれ、同法第9条の2第1項に規定する「法人のその事業年度の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である場合」についても、同様に「その事業年度の基準期間がない」場合が含まれる。

また、同法第12条の2第1項の括弧書において、同条の適用がある法人の課税期間から同法第9条の2第1項の規定により納税義務が免除されないこととなる課税期間が除かれていることからすると、同法第12条の2第1項は、同法第9条の2第1項の規定の適用対象に「その事業年度の基準期間がない法人」が含まれていることを前提に規定されており、このことをみても、同法第9条の2第1項の規定の適用対象に「その事業年度の基準期間がない法人」が含まれることは明らかである。

以上のことから、消費税法第9条の2第1項の規定は、その事業年度の基準期間がない場合についても適用があり、同項の規定の適用がある場合、同法第12条の2第1項の規定の適用はないことから、同法第9条の2第1項及び第3項の規定により、請求人の消費税の納税義務は免除されない。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税法第9条の2第1項及び第3項の規定により、基準期間がない場合でも請求人の消費税の納税義務は免除されないとした事例

2019年1月24日


平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A

国税庁は、「平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」をホームページに掲載した。

 【基本的な考え方編】と【具体的事例編】とがある。

 ★【基本的な考え方編】 はこちら ⇒ 平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【基本的な考え方編】

★【具体的事例編】はこちら ⇒ 平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【具体的事例編】

2018年12月17日


消費税軽減税率制度の手引き(平成30年8月版)

国税庁は、『消費税軽減税率制度の手引き(平成30年8月版)』を、ホームページに掲載した。

目次は、以下のとおり。

消費税の軽減税率制度
軽減税率の対象品目
区分記載請求書等保存方式
税額計算
中小事業者の税額計算の特例
適格請求書等保存方式
免税事業者の方に留意していただきたい事項

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税軽減税率制度の手引き(平成30年8月版)

2018年9月28日


中古車販売における未経過自動車税等の取扱い

<照会要旨> 中古車を販売する際に、車両本体価格と未経過分の自動車税相当額及びリサイクル預託金相当額を区分して表示した場合、未経過分の自動車税相当額及びリサイクル預託金相当額は、資産の譲渡等の対価の額に含まれないこととなるのか?

<回答要旨> 自動車税は、4月1日現在の所有者に対して課税される税(道府県税)であるから、買主が支払う自動車税の未経過期間に対応する金額は、自動車税そのものとして都道府県に対して支払うものではなく、当該未経過の期間内に継続して乗用できる中古車の購入代金の一部として支払うものである。

したがって、車両本体価格と区分表示したとしても、自動車税相当額は資産の譲渡等の対価に含まれる(消費税法基本通達10-1-6)。 また、未経過分の自賠責保険料相当額を区分して表示する場合も、自動車税相当額と同様、資産の譲渡等の対価の額に含まれる。

一方、リサイクル預託金相当額については、「使用済自動車の再資源化等に関する法律」に基づき資金管理法人に預託されているものだから、中古車として転売する際のリサイクル預託金相当額は、売主から買主への預託金の譲渡となり、金銭債権の譲渡として非課税となる(消費税法別表第一第2号、消費税法施行令第9条第1項第4号)。

 ★リンクはこちら ⇒ 中古車販売における未経過自動車税等の取扱い

2018年8月31日


よくわかる消費税軽減税率制度

国税庁は、「よくわかる消費税軽減税率制度」(リーフレット)を公表した。

内容は、以下のとおり。

  • 軽減税率制度は全ての事業者の方に関係があります。
  • 事業者の方に知っておいていただきたい軽減税率制度のポイントを紹介します。
  • 平成 35 年 10 月1日から導入される適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)の概要を説明します。
  • 事業者の方からのよくある質問に答えます。

本当に、消費税軽減税率制度はやめてほしいと思う。

 ★リンクはこちら ⇒ よくわかる消費税軽減税率制度

2018年8月24日


価格が20万円を超える郵便物として資産を輸出した場合に消費税の輸出免税規定が適用されるには、税関長が証明した書類の保存を要するとした事例

  • 平成23年10月1日から平成27年6月30日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに当該各課税期間のうち特定の課税期間を除く各課税期間の消費税及び地方消費税に係る過少申告加算税の各賦課決定処分 →棄却または却下
  • 平成29年9月15日裁決

<ポイント> 本事例は、関税法上の郵便物の輸出入に係る簡易手続を経て資産を輸出した場合であっても、その郵便物の現実の取引価格が20万円を超えるものである場合には、消費税の輸出免税規定の適用に当たり、税関長が証明した書類の保存が要件とされるとしたものである。

<要旨> 請求人は、その現実の取引価格が20万円を超えていた郵便物(本件郵便物)について、郵便発送伝票に20万円以下の金額が記載され、税関長の管理の下、何らの指摘もなく輸出されたものである以上、関税法第76条《郵便物の輸出入の簡易手続》第1項に規定する郵便物(簡易郵便物)として輸出されたものとして、消費税法施行規則第5条《輸出取引等の証明》第1項第1号に規定する輸出許可書等の保存がなくても、消費税法第7条《輸出免税等》第1項第1号の規定(輸出免税規定)が適用される旨主張する。

しかしながら、関税法第76条第1項に規定する「価格」とは、現実の取引価格であると解されることなどからすると、ある郵便物が簡易郵便物に該当するか否かは、当該郵便物の現実の取引価格を基準として判断されるべきであり、また、簡易郵便物として資産を輸出した場合に当たるか否かは、当該郵便物が簡易郵便物に該当するか否かにより判断されるべきである。

本件郵便物は、現実の取引価格が20万円を超えていることから、簡易郵便物として輸出したことには該当せず、したがって、輸出許可書等の一定期間の保存がない限り、輸出免税規定の適用はない。

 ★リンクはこちら ⇒ 価格が20万円を超える郵便物として資産を輸出した場合に消費税の輸出免税規定が適用されるには、税関長が証明した書類の保存を要するとした事例

2018年6月28日


請求人が行った商品券の販売は物品切手の譲渡に該当し、非課税取引に該当するとした事例

  • 消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 平成29年8月7日裁決

<ポイント> 本事例は、請求人は、発行を受けた商品券の同一性を保持しつつ、顧客へ販売しているから、当該商品券の販売は、消費税法別表第一第4号ハに規定する物品切手の譲渡に該当し、当該取引は非課税取引であるとしたものである。

<要旨> 請求人は、①請求人の店舗のみで使用できる商品券(本件商品券)が、資金決済に関する法律(資金決済法)上の自家型前払式支払手段に該当し、②本件商品券は流通している商品券等には該当しないことなどから、本件商品券の発行者は請求人であり、請求人の本件商品券の顧客への販売は、消費税法別表第一第4号ハに規定する物品切手の譲渡に該当しない旨主張する。

しかしながら、請求人と本件商品券の発行会社との間で締結した本件商品券の発行及び販売に関する契約(本件契約)は、当該発行会社が本件商品券を作成・発行の上で請求人に券面金額で販売し、これを請求人が顧客に再販売するものとされていること、請求人が購入代金を支払うまで本件商品券の所有権は当該発行会社に留保されること、本件商品券の裏面に発行元は当該発行会社である旨表示されていることからすれば、当該発行会社が本件商品券を発行し、それを請求人に販売するものとして締結されたと認められる。そして、本件商品券は、資金決済法に規定する前払式支払手段に該当し、その発行者に義務付けられた手続を実際に行っていたのは当該発行会社であったことなどからすると、当該発行会社が資金決済法上の発行者として本件商品券の発行の業務を行っていたといえる。

これらの事情から判断すると、本件商品券の発行者は当該発行会社であると認められ、請求人は当該発行会社から発行を受けた本件商品券につきその同一性を保持しつつ顧客へ移転させることにより、資産の譲渡を行ったものであるから、請求人が行った本件商品券の顧客への販売は、物品切手の譲渡に該当する。 ただし、請求人の課税売上割合及び控除対象仕入税額を再計算すると、原処分の一部を取り消すべきである。

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2018年6月25日


平成31年(2019年)10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます(リーフレット)

国税庁のホームページに、『平成31年(2019年)10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます』(リーフレット)が掲載された。

★リンクはこちら ⇒ 平成31年(2019年)10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます(リーフレット)

2018年5月18日


消費税申告チェックシート(国、地方公共団体、公共法人用)

国税庁は、実地調査以外の多様な手法を用いて、納税者の方に自発的な適正申告をしていただく取組を充実させていくこととしており、国、地方公共団体及び公共法人のが消費税申告書を作成される前の自主的な確認や、申告書を提出される直前の自主的な点検にご活用いただくためのチェックシートを作成している。

国税庁のホームページで、当該取組の内容を案内するとともに、チェックシートの様式を掲載し、提供している。

★リンクはこちら ⇒ 消費税申告チェックシート(国、地方公共団体、公共法人用)

2018年4月10日


事業を行うために必要な準備行為を行った日の属する課税期間は「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に当たるとした事例

  • 平成26年1月1日から平成26年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分 →棄却
  • 平成29年6月16日裁決

<ポイント> 本事例は、新たに事業を開始した場合にはその事業を開始した日の属する課税期間の末日までに課税事業者選択届出書を提出すればその課税期間から課税事業者となるところ、請求人は、当該届出書を提出した課税期間の前年に新たに事業を行うための必要な準備行為を行っていることから、当該届出書は事業を開始した日の属する課税期間に提出されたものではあるとはいえず、本件課税期間は免税事業者となるとしたものである。

<要旨> 請求人は、消費税法施行令第20条《事業を開始した日の属する課税期間等の範囲》第1号に規定する「事業者が国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」の判断に当たっては、「事業を開始した日」について法令等に明確な規定がない以上、納税者の意思を尊重し、かつ、経済活動の実態に即した一般的な社会通念に沿って判断すべきであり、本件では、請求人が事業(本件事業)を開始したと認識し、個人事業開業届出書に本件事業を開始した日として記載した日の属する課税期間(本件課税期間)が同号に規定する「事業を開始した日の属する課税期間」に該当する旨主張する。

しかし、新たに事業を行うに当たり必要な準備行為を行った日の属する課税期間は、同号に規定する「事業を開始した日の属する課税期間」に当たると解するのが相当であり、本件において、請求人は、本件課税期間の前の課税期間中に請負契約を締結してその契約金を支払うなどしており、これらの行為は本件事業を行うために必要な準備行為と認められるから、本件課税期間は、同号に規定する「事業を開始した日の属する課税期間」には該当せず、請求人が本件課税期間中に提出した課税事業者選択届出書の効力は、本件課税期間の翌課税期間から生ずるため、本件課税期間について、請求人は消費税の免税事業者となる。

★リンクはこちら ⇒ 事業を行うために必要な準備行為を行った日の属する課税期間は「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に当たるとした事例

2018年4月3日


信用を出資の目的とした出資の額は消費税法上の出資の金額に含まれ、請求人は消費税法上の新設法人に該当するため消費税等を納める義務が免除されないとした事例

  • 消費税及び地方消費税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分 →棄却
  • 平成29年6月15日裁決

<ポイント> 本事例は、信用を出資の目的とした出資の額は消費税法第12条の2《新設法人の納税義務の免除の特例》第1項に規定する「出資の金額」に該当するとしたものである。

<要旨> 請求人は、消費税法第12条の2《新設法人の納税義務の免除の特例》第1項に規定する「事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額」について、消費税法に定義規定が置かれていないから会社計算規則第30条《資本金の額》第1項の規定を借用すべきであり、これを借用すると信用を出資の目的とした出資(以下「信用出資」という。)は資本金概念に含まれないから、当該課税期間において消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)を納める義務はない旨主張する。

しかしながら、関係法令の規定からすると、請求人が受け入れた信用出資は消費税法第12条の2第1項に規定する「出資の金額」に該当するものと解され、当該信用出資の額は1千万円以上であることから、請求人は当該課税期間において消費税等を納める義務を免除されない。

★リンクはこちら ⇒ 信用を出資の目的とした出資の額は消費税法上の出資の金額に含まれ、請求人は消費税法上の新設法人に該当するため消費税等を納める義務が免除されないとした事例

2018年3月29日


請求人が合衆国軍隊と請求人との間に介在する米国法人と行った取引が日米地位協定の所得税等特例法に規定する免税取引には該当しないとした事例 Edit

  • 平成23年4月1日から平成27年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分 →棄却
  • 平成28年12月20日裁決

<ポイント> 本事例は、請求人が合衆国軍隊と請求人との間に介在する米国法人と行った取引について、日米地位協定の所得税等特例法及びそれを受けた所得税等特例法施行令に定める免税証明書の保存要件を満たしていないことから、所得税等特例法に規定する免税取引には該当しないとしたものである。

<要旨> 請求人は、請求人とアメリカ合衆国(合衆国)軍隊の調達機関との間に合衆国の法人(本件米国法人)が介在する商品販売取引(本件取引)について、本件米国法人は合衆国軍隊の公認調達機関であり、合衆国軍隊の権限ある官憲の発給する免税証明書(本件免税証明書)が発給されたのであるから、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律(日米地位協定の所得税等特例法)第7条《消費税法の特例》第1項が適用され、消費税及び地方消費税が免除される旨主張する。

しかしながら、同条第2項では、同条第1項の適用を受けるには政令で定めるところによる証明が必要である旨規定し、その委任を受けた日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律施行令第2条《消費税の免税手続》では、事業者が、同条に規定する免税証明書を日米地位協定の所得税等特例法第7条第1項の免税取引を行った日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、所定の方法で保存することを手続要件としているところ、本件免税証明書は審査請求後に発給されたものであり、本件取引においては、免税証明書の保存要件を満たしていないから、日米地位協定の所得税等特例法第7条第1項の適用を受けることはできない。

★リンクはこちら ⇒ 請求人が合衆国軍隊と請求人との間に介在する米国法人と行った取引が日米地位協定の所得税等特例法に規定する免税取引には該当しないとした事例

2017年11月30日

請求人が所有する物件の賃貸借に係る契約において、賃借人が当該物件を住宅として転貸することが契約書その他において明らかであるとした事例 Edit

  • 平成26年1月1日から平成26年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分 →棄却
  • 平成28年9月7日裁決

<ポイント> 本事例は、消費税法上、非課税とされる住宅の貸付け(消費税法別表第一第13号)には、住宅が転貸借及び再転貸借される場合も含まれると判断したものである。

<要旨> 請求人は、消費税法基本通達6-13-7《転貸する場合の取扱い》(本件通達)が想定するのは転貸借取引のみであるところ、請求人が不動産販売会社(本件会社)から取得した物件(本物件)を本件会社に賃貸する取引(本件賃貸借取引)は、その契約(本件賃貸借契約)の内容からすれば、本物件が再転貸借されること及び本物件に実際に居住することができない法人が再転貸人になることが想定されているから、本件通達適用の前提を欠いており、また、仮に本件通達適用の余地があるとしても、本件賃貸借契約等において、本件会社が本物件を実際に人の居住の用に供することが明らかでないなどとして、本件賃貸借取引は、非課税取引である「住宅の貸付け」には該当しない旨主張する。

しかしながら、「住宅の貸付け」が非課税とされる趣旨は、住宅の貸付けを行う事業者が賃借人に対し、消費税相当額を転嫁しないことにより、住宅賃借人を政策的に保護することにあるものと解され、消費税法第6条《非課税》に規定する別表第一第13号に掲げる「住宅の貸付け」は、「当該貸付けに係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされているものに限る」と規定されていることからすれば、本件通達の適用範囲を限定しようとする請求人の主張に合理性は認められず、また、本物件に係る本件会社との売買契約書及び賃貸借契約書の記載内容、本件賃貸借契約締結時の請求人に対する本件会社の社員の説明などからすれば、本件賃貸借契約における賃借人である本件会社が本物件を住宅(人の居住の用に供する家屋等)として転貸することが契約書その他において明らかであるから、本件賃貸借取引は「住宅の貸付け」に該当し、その全額が非課税取引となる。

★リンクはこちら ⇒ 請求人が所有する物件の賃貸借に係る契約において、賃借人が当該物件を住宅として転貸することが契約書その他において明らかであるとした事例

2017年10月3日

いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合の仕入税額控除

<照会要旨> 当社は、国外事業者からインターネットを介して電子書籍を購入した。この取引は、「事業者向け電気通信利用役務の提供」には該当せず、いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」()に該当するものであるが、仕入税額控除をすることができるか。 ()「電気通信利用役務の提供」のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当しないものを、ここでは便宜的に「消費者向け電気通信利用役務の提供」という。

<回答要旨> 事業者が、国内において行った課税仕入れのうち、国外事業者から受けた、いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、当分の間、仕入税額控除の適用は認められていない。

ただし、「登録国外事業者」から受けた「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、帳簿及び請求書等の保存など、一定の要件を満たす場合には、仕入税額控除の適用が認められる。 この場合、他の課税仕入れの要件に加えて、帳簿については「登録国外事業者」に付された「登録番号」、請求書等については「登録番号」と「当該役務の提供を行った事業者において消費税を納める義務があること」の記載が要件とされている。

【消費者向け電気通信利用役務の提供」に係る請求書等の記載事項 】

  • 書類の作成者の氏名または名称及び登録番号
  • 課税資産の譲渡等を行った年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税資産の譲渡等につきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
  • 課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容
  • 課税資産の譲渡等の対価の額(当該課税資産の譲渡等に係る消費税額及び地方消費税額に相当する額がある場合には、当該相当する額を含む。)
  • 書類の交付を受ける当該事業者の氏名または名称
  • 課税資産の譲渡等を行った者が消費税を納める義務がある旨

太字が、他の課税仕入れに係る請求書等の記載事項と異なる部分である。

なお、その取引の性質に鑑み、取引相手から交付される請求書等の保存については、紙によるものに代えて、法令に規定された記載事項を満たした電子的な請求書等の保存によることができることとされている。

また、「登録国外事業者」は、その消費者向け電気通信利用役務の提供を受ける事業者の求めに応じ、必要な事項が記載された請求書等を交付する義務が課されている。

おって、国外事業者が「登録国外事業者」に該当するかどうかは、当該事業者の氏名または名称、登録番号及び登録年月日等について、国税庁ホームページで公表しているので、国税庁ホームページで確認することができる。

 ★リンクはこちら ⇒ いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合の仕入税額控除

2016年3月7日

特定課税仕入れがある場合の課税売上割合の計算

<照会要旨> 特定課税仕入れがある場合の課税売上割合の計算は、どのように行うのか。

<回答要旨> 国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた国内事業者に納税義務が課されている。

課税売上割合の計算は、原則として、事業者の資産の譲渡等及び課税資産の譲渡等の対価の額により計算するので、「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた事業者の課税売上割合の計算においては、その事業者の資産の譲渡等及び課税資産の譲渡等ではない「特定課税仕入れ」に係る金額は考慮する必要はなく、その金額は、分母にも分子にも算入しないで計算する。

また、「事業者向け電気通信利用役務の提供」を行った国外事業者の課税売上割合の計算においても、資産の譲渡等及び課税資産の譲渡等からは「特定資産の譲渡等」(事業者向け電気通信利用役務の提供)が除かれているので、特定資産の譲渡等に係る金額は、分母にも分子にも算入しないで計算する。

 ★リンクはこちら ⇒ 特定課税仕入れがある場合の課税売上割合の計算

2016年3月3日

免税事業者からの特定課税仕入れ

<照会要旨> 当社は、当課税期間について簡易課税制度の適用がなく、課税売上割合も95%未満の事業者である。 このたび、国外の免税事業者にインターネットによる広告配信を依頼したが、免税事業者からの特定課税仕入れ(事業者向け電気通信利用役務の提供)についても、リバースチャージ方式により申告を行う必要があるのか。

<回答要旨> 国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた国内事業者に納税義務が課されており、いわゆるリバースチャージ方式により消費税の申告をする必要がある。

ところで、「特定課税仕入れ」とは、課税仕入れのうち事業として他の者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」をいうこととされており、その提供者が免税事業者であっても、提供される役務が「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当するのであれば、「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた事業者に納税義務が課される。

したがって、ご質問のように当課税期間に簡易課税制度の適用がなく、課税売上割合が95%未満であれば、リバースチャージ方式による申告が必要である。

 ★リンクはこちら ⇒ 免税事業者からの特定課税仕入れ

2016年3月1日

リバースチャージ方式による申告を要する者

<照会要旨> 国外事業者から「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合、リバースチャージ方式により消費税の申告をする必要があるのは、どのような者なのか。

<回答要旨> 国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた国内事業者に納税義務が課されており、いわゆるリバースチャージ方式により消費税の申告をする必要がある。

また、特定課税仕入れは、他の課税仕入れと同様に、役務の提供を受けた事業者において仕入税額控除の対象となる。 ただし、国外事業者から「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合であっても、役務の提供を受けた事業者の、

  • 一般課税で、かつ、課税売上割合が95%以上の課税期
  • 簡易課税制度が適用される課税期間

については、当分の間、「事業者向け電気通信利用役務の提供」(特定課税仕入れ)はなかったものとされるので、「特定課税仕入れ」として申告する必要はなく、また仕入税額控除の対象にもならない。

したがって、リバースチャージ方式により申告をする必要があるのは、一般課税により申告を行う事業者で、その課税期間の課税売上割合が95%未満の事業者に限られる。

(注) 平成27年10月1日以降に、国境を越えて行われるデジタルコンテンツの配信等の役務の提供に係る消費税の課税関係については、見直しが行われている。 詳しくは、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について」を参照のこと。

 ★リンクはこちら ⇒ リバースチャージ方式による申告を要する者

2016年2月26日

特定課税仕入れがある場合の納税義務の判定

<照会要旨> 当社は、国内に本店を有する法人だが、当課税期間に国外事業者から「特定課税仕入れ」である「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた。 また、当課税期間は一般課税で課税売上割合も95%未満なので、特定課税仕入れに係る支払対価の額を課税標準として申告を行う。 この場合に、翌々課税期間の納税義務の判定を行う際の基準期間における課税売上高に、特定課税仕入れに係る支払対価の額は含まれるのか。

<回答要旨> 納税義務の判定は、その事業者が行った課税資産の譲渡等の対価の額から計算した「課税売上高」により判定することとされている。 「特定課税仕入れ」は、その事業者の仕入れであって、課税資産の譲渡等ではないので、「特定課税仕入れ」に係る支払対価の額を課税標準として消費税の申告・納税を行っていたとしても、納税義務の判定や簡易課税制度が適用されるか否かの判定における課税売上高には、特定課税仕入れに係る支払対価の額は含まれない。

 ★リンクはこちら ⇒ 特定課税仕入れがある場合の納税義務の判定

2016年2月24日

消費税の複数税率(軽減税率)について(日本税理士会連合会会長コメント)

 日本税理士会連合会会長が、消費税の複数税率(軽減税率)について、以下のコメントを出しているが、僕自身も同感である。

消費税の複数税率については、平成27年度の与党税制改正大綱に「関係事業者を含む国民の理解を得た上で税率10%時に導入する」と記載され、先般、安倍首相から自民党税制調査会の会長に対し、商工業者への配慮をしつつ、平成29年4月の消費税率引き上げ時に軽減税率を導入する方向で検討するようにとの指示がありました。これを受け、与党税制協議会では、具体的な対象品目、区分経理及び財源等について検討が進められています。 消費税率の引き上げは、少子化・高齢化の進展に伴う社会保障費の増加に対応する財源について、現役世代にこれ以上の負担は求められないこと等から決定されたものであり、消費税の制度設計にあたっては、慎重な検討が必要です。 日本税理士会連合会では、対象品目の公平な選定や区分経理の方法が困難であること、事業者の事務負担が増加すること、低所得者対策としては非効率であること、財政再建が損なわれ社会保障給付の抑制が必要となること、簡易課税制度が複雑な制度となってしまうこと等の観点から、かねてより、税制改正建議書において単一税率制度を維持すべきことを強く主張し、低所得者対策としては給付付き税額控除制度の導入を検討するよう求めてきました。 複数税率の導入は、「単一税率は、公平・中立・簡素で、かつ広く薄くという消費税の長所」を後退させます。その結果、納税義務を負う事業者は、今まで以上に複雑な事務処理を要することになり、特に中小・小規模事業者は、これらの事務負担だけでなく、複数税率に対応するための人件費など、過度なコスト負担も強いられることになります。また、行政コストも増加します。 日本税理士会連合会では、今後も、税務の専門家団体として、消費税の複数税率制度が内包する欠陥や実現した場合に発生する問題点を明らかにしつつ、消費税制を含めたあるべき税制の全体像について意見表明を行ってまいります。

2015年11月27日

公正取引委員会及び中小企業庁が実施する「消費税の転嫁拒否等に関する調査」における調査票の送付

今般の消費税率の引上げに伴う消費税の円滑かつ適正な転嫁については、政府全体で取り組むこととしている。 この取組の一環として、公正取引委員会及び中小企業庁では、商品または役務(サービス)を供給している事業者が、取引先事業者から消費税の転嫁拒否等の法律上問題となる行為を受けていないかの実態を把握し、問題のある行為の是正につなげるため、「消費税の転嫁拒否等に関する調査」を実施している。

この度、公正取引委員会及び中小企業庁から、事業者の皆様から幅広く情報を収集するため、消費税転嫁対策特別措置法第16条第2項に基づき、調査票の送付について国税庁に協力依頼があった。 この協力依頼に応じて、以下のスケジュールにて調査票を税務署から送付することを予定している。

  • 皆様の個人情報等について税務署から公正取引委員会及び中小企業庁には一切提供していない。
  • 回答用紙の回答者氏名欄等の記載は、任意となっている。
  • 幅広く情報を収集するため、昨年度送付した方についても改めて送付している。

<調査票送付予定日>

 税務署  調査票送付予定日
東京国税局・大阪国税局・福岡国税局・熊本国税局・沖縄国税事務所管内の税務署 平成27年10月20日(火)及び10月27日(火)
札幌国税局・仙台国税局・関東信越国税局・金沢国税局・名古屋国税局・広島国税局・高松国税局管内の税務署 平成27年11月16日(月)及び11月24日(火)

本書面調査に関して御不明な点等があれば、公正取引委員会及び中小企業庁が設置している「照会センター」(0570-783-731)に問い合わせること。

個人的には、なぜ有料ダイヤルなのか疑問である。

 ★リンクはこちら ⇒ 公正取引委員会及び中小企業庁が実施する「消費税の転嫁拒否等に関する調査」における調査票の送付

2015年10月20日

請求人が行った建物のリース取引に係る課税仕入れの用途区分については、共通用に区分するのが相当であると認定した事例

①平22.9.1~平23.8.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分 ②平23.9.1~平24.8.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分 ①一部取消し 却下 ②棄却 却下 平成26年12月10日裁決

<ポイント> 本事例は、請求人が賃借する建物の賃貸借契約に係る取引は、法人税法上売買があったものとされるリース取引に該当し、当該リース取引に係る課税仕入れの用途区分は、非課税用ではなく共通用に該当するとして、原処分の一部を取り消したものである。

<要旨> 原処分庁は、請求人が締結した有料老人ホーム(本件物件)の賃貸借契約については、法人税法上売買があったものとされるリース取引に該当するところ、本件物件は、入居者が生活を営む場所及び日常生活を送る上で必要不可欠な場所で構成されており、その全体が住宅に該当することから、本件物件に係る課税仕入れの用途区分は、個別対応方式の計算上、非課税売上げのみに要するものに該当する旨主張する。

しかしながら、本件物件においては、入居者に対して、非課税売上げである居住スペースの貸付け及び介護サービスの提供だけでなく、課税売上げである居室清掃や洗濯等の各種サービスの提供が予定されていた上、実際にこれらの売上げに必要な設備を備えていたことが認められるから、本件物件に係る課税仕入れの用途区分は、個別対応方式の計算上、課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れに該当する。

 ★リンクはこちら ⇒ 「請求人が行った建物のリース取引に係る課税仕入れの用途区分については、共通用に区分するのが相当であると認定した事例

2015年9月14日

ケースで考える消費税率引上げ対策(改訂版)

この度、日本商工会議所は、消費税率引上げに伴う価格転嫁対策をわかりやすく解説した小冊子「ケースで考える消費税率引上げ対策」(改訂版)を発行した。 本小冊子は、消費税率10%への引上げが平成29年4月に延期されたことを踏まえ、作成したものである。

中小企業がさらなる税率引上げを乗り越えられるように、駆け込み需要とその反動減、物流の混雑等、今回の税率引上げ前後に発生した様々な影響を振り返るとともに、価格表示、新商品開発、資金繰り、消費税転嫁対策特別措置法への対応等、業種別のケーススタディを掲載し、わかりやすく解説している。

なお、本小冊子は、ホームページでダウンロードも可能であるし、各地商工会議所を通じて、全国の中小企業・小規模事業者へ無料で配布している。

 ★リンクはこちら ⇒ 「ケースで考える消費税率引上げ対策」(改訂版)

2015年8月4日

消費税法改正のお知らせ(平成27年4月)

国税庁は、「消費税法改正のお知らせ(平成27年4月)」をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税法改正のお知らせ(平成27年4月)

2015年6月8日

消費税転嫁拒否に関する主な違反事例

公正取引委員会はこのほど、パンフレット「消費税の転嫁拒否に関する主な違反事例」をホームページに掲載した。

今般の消費税率(8%・10%)の引上げに当たり、平成25年10月1日に、「消費税転嫁対策特別措置法」が施行されたが、パンフレットは、消費税転嫁対策特措法の施行以降の主な違反事例の概要紹介を通じて、事業者等に消費税の転嫁拒否等の行為に関する理解をより一層深めてもらうことを目的として作成したもの。

パンフレットはまず、平成26年4月1日以降に特定供給事業者(売手)から受ける商品または役務(サービス)の供給について、特定事業者(買手)が特定供給事業者(売手)に対して消費税の転嫁拒否等の行為を行う場合が規制対象となると説明。 禁止されている消費税の転嫁拒否等の行為として、『買いたたき』、『減額』、『商品購入、役務利用、利益提供の要請』、『本体価格での交渉の拒否』、『報復行為』の5類型を挙げている。 その上で、特定事業者(買手)が消費税の転嫁拒否等の行為を行った場合には、公取委等による調査が行われ、転嫁拒否による不利益の回復など必要な指導が行われ、また、重大な転嫁拒否等の行為を行った事業者に対しては、公取委が勧告を行い、事業者名等を公表することを明らかにしている。 そして、禁止されている消費税の転嫁拒否等の行為5類型についての違反事例を紹介しながら、分かりやすく解説している。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税転嫁拒否に関する主な違反事例

2015年5月18日

米軍基地内における資産の譲渡等は非課税取引に該当するとした事例

平22.5.1~平24.4.30の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分 棄却 平成26年5月8日裁決

<要旨> 請求人は、在日米軍基地内の営業店舗におけるアメリカ合衆国軍隊の構成員等に対する物品の販売(本件米軍基地内取引)については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)第15条の規定により消費税法が適用されないから、消費税法上の「国内において行った資産の譲渡等」に該当せず、また、消費税法別表第一にも掲げられていないため、課税売上割合の計算において分母及び分子のいずれにも算入されない旨主張する。

しかしながら、消費税法第2条《定義》第1項第1号が「国内」を「この法律の施行地」と定義しており、在日米軍基地が日本の領土内にあることは明らかであるから、本件米軍基地内取引は、消費税法上の国内における資産の譲渡等に該当する。 そして、条約である日米地位協定は国内法である消費税法に優先して適用されることになるところ、本件米軍基地内取引は、日米地位協定第15条第2項前段に規定する諸機関による商品等の販売に該当し消費税が課されないが、本件米軍基地内取引に係る商品の購入については、同項後段の規定により消費税が課されることとなる。

ところで、仕入税額控除の制度は、多段階課税である消費税の累積を避けるため仕入れに含まれている消費税額を控除するという制度であるから、消費税が課されない売上げに対応する課税仕入れに係る消費税は本来的に仕入税額控除の対象とはなり得ないものであるところ、日米地位協定第15条第2項が「諸機関による商品及び需品の日本国内における購入」には日本の租税である消費税を課する旨規定していることからすると、本件米軍基地内取引は、消費税法における仕入税額控除に関する規定の適用上、同法別表第一に掲げられているか否かとは関わりなく、国内において行った資産の譲渡等には該当するものの、国内において行った課税資産の譲渡等には該当しないものと取り扱うのが相当であり、その対価の額は課税売上割合の計算において分母に算入され、かつ、分子に算入されないこととなる。

 ★リンクはこちら ⇒ 米軍基地内における資産の譲渡等は非課税取引に該当するとした事例

2015年4月27日

請求人が販売員に支払った金員は給与等に該当するとした事例

①平21.5.1~平23.4.30の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分 ②平成20年1月~平成22年6月の各期間分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分 棄却 平成26年2月17日裁決

<ポイント> 本事例は、百貨店の物産展において弁当の調理・販売を行っている請求人が、職業紹介事業者等を介して手配した各販売員(いわゆるマネキン)に支払った金員について、当該販売業務の具体的態様等に基づき、所得税法第28条第1項に規定する給与等に該当するとして、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に該当しないと判断したものである。

<要旨> 請求人は、マネキン紹介所等からの紹介に基づいて請求人に対する役務の提供を行った販売員(本件各販売員)に金員を支払っていたところ、当該金員に関して、イ.本件各販売員は販売のプロであること、ロ.販売業務に必要なエプロン等は本件各販売員が用意していたこと、ハ.本件各販売員は他者をして代わりに販売に当たらせることができること、ニ.請求人は業務委託契約を締結する意思であったこと等から、本件各販売員は業務委託契約に基づき役務の提供を行っていたのであり、請求人が本件各販売員に支払った金員は給与等に該当しない旨主張する。

しかしながら、給与等とは、雇用契約又はこれに類する原因に基づき、自己の危険と計算によることなく、使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいうものと解され、具体的には、受給者が①指揮監督を受けているかどうか、②時間的な拘束を受けているかどうか、③材料や用具等の供与を受けているかどうか、④自己の責任において他者を手配して役務の提供に当たらせることが認められるものではないかどうか等の事情を総合勘案して判断するのが相当であると解されるところ、販売業務を行う際に必要なエプロン等については請求人が用意したものでなかったことが認められるが、本件各販売員は、請求人の指揮監督を受けるとともに、時間的拘束を受け、役務の提供の代替が認められていなかったこと、さらに、本件各販売員の役務提供に至る経緯等を併せ考慮すれば、本件各販売員に支払われた金員は、いずれも雇用契約に基づき、自己の危険と計算によることなく、使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として支給されたものといえ、給与等に該当すると認められる。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が販売員に支払った金員は給与等に該当するとした事例

2015年2月3日

平成26年の中間申告の方法と納付

中間申告は、以下の2つの方法のいずれかによることができる。

1.前年実績による中間申告 平成25年分の確定消費税額に応じて、以下により算出した中間納付税額を記載した「消費税及び地方消費税の中間申告書」及び「納付書」が所轄税務署から送付されるので、必要事項を記入の上、税務署に中間申告書を提出するとともに、納付書により消費税及び地方消費税を納付する。

平成25年分の確定消費税額(注) 中間申告・納付の回数 中間納付税額 申告・納付期限
48万円超 400万円以下 年1回 平成25年分の確定消費税額の12分の6の消費税額とその25%の地方消費税 平成26年9月1日(月) (振替納税利用の場合の振替日) 平成26年9月29日(月)
400万円超 4,800万円以下 年3回 平成25年分の確定消費税額の12分の3の消費税額とその25%の地方消費税 詳しくは、国税庁ホームページ(www.nta.go.jp)で確認のこと。
4,800万円超 年11回 平成25年分の確定消費税額の12分の1の消費税額とその25%の地方消費税

(注) 「確定消費税額」とは、中間申告対象期間末日までに確定した消費税の年税額(申告書⑨欄の差引税額)をいう。

2.仮決算に基づく中間申告 事業状況が平成25年と著しく異なる場合などは、「1.前年実績による中間申告」の方法に代えて、各中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算を行い、これに基づいて計算した消費税額及び地方消費税額により中間申告・納付ができる。 なお、この計算によりマイナスとなった場合でも還付を受けることはできない(この場合、中間申告税額は「0」になる。)。 また、仮決算による中間申告書は、提出期限を過ぎて提出することはできない。 中間申告の期限までに、中間申告書を提出しない場合でも、上記「1.前年実績による中間申告」の消費税額及び地方消費税額が納付すべき税額として確定するので、納付期限までに必ず納付すること。

  • 消費税及び地方消費税の中間申告は、「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」を利用できる。
  • 詳しくは、e-Taxホームページ(www.e-tax.nta.go.jp)を見ること。
  • 消費税及び地方消費税(個人事業者)の納税には、振替納税が便利である。
  • 振替納税を利用するために必要な振替依頼書は、国税庁ホームページから入手できる。

2014年9月2日

平成26年に消費税及び地方消費税の中間申告と納付が必要な個人事業者

個人事業者の方で、平成25年分の確定消費税額(地方消費税額は含まない。)が48万円を超える方は、消費税及び地方消費税の中間申告と納付が必要である。

この「平成25年分の確定消費税額」とは、平成25年分の確定申告により確定した消費税の年税額をいい、期限後申告または修正申告等が行われた場合には、これらによって確定した消費税の年税額をいう。

2014年9月1日

平成26年4月1日以後終了する課税期間分の消費税及び地方消費税の申告書・添付書類

国税庁は、平成26年4月1日以後終了する課税期間分の消費税及び地方消費税の確定申告書及び添付書類の様式等をホームベージに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 平成26年4月1日以後終了する課税期間分の消費税及び地方消費税の申告書・添付書類

2014年3月20日

消費税法改正への対応

日本政策金融公庫は、トピックとして「消費税法改正への対応」を公表した。

2014年4月1日からの消費税増税に備え、事業者が心得ておくべきポイントを分かりやすく紹介している。

★リンクはこちら⇒ 消費税法改正への対応(既に削除済み)

2014年3月17日

会社員が自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却

【照会要旨】 会社員が自宅に太陽光発電設備を設置し、いわゆる太陽光発電による固定価格買取制度に基づき、その余剰電力を電力会社に売却している場合、課税の対象となるのか。

【回答要旨】 余剰電力の買取りは、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づき、太陽光発電による電気が太陽光発電設備が設置された施設等において消費された電気を上回る量の発電をした際、その上回る部分が当該施設等に接続されている配電線に逆流し、これを一般電気事業者である電力会社が一定期間買い取ることとされているものである。 消費税の課税対象となる取引は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等であり、個人事業者が生活の用に供している資産を譲渡する場合の当該譲渡は課税対象とならないが、会社員が行う取引であっても、反復、継続、独立して行われるものであれば、課税対象となる。 余剰電力の売却は、会社員が事業の用に供することなく、生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた電気のうち、使い切れずに余った場合に当該余剰電力を電力会社に売却しているものであって、これは消費者が生活用資産(非事業用資産)の譲渡を行っているものであることから、消費税法上の「事業として」の資産の譲渡には該当しない。 したがって、事業者ではない者が生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた余剰電力の売却は、課税の対象とならない。

(注) 会社員が自宅で行う太陽光発電であっても、平成24年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却することが可能とされている(全量売電)。 会社員が行うこの全量売電は、電力会社との間で太陽光発電設備により発電した電気の全量を売却する旨の契約を締結し、その発電した電気を生活の用に供することなく数年間にわたって電力会社に売却するものであることから、会社員が反復、継続、独立して行う取引に該当し、課税の対象となる。

★リンクはこちら⇒ 会社員が自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却

2014年3月4日

中小企業・小規模事業者のための消費税の転嫁万全対策マニュアル

平成26年4月1日の消費税率引上げに際し、消費税を円滑かつ適正に転嫁できるかどうかは、事業を行う方々、 とりわけ中小企業・小規模事業者にとって最大の懸案事項の一つである。 このため、消費者や取引先への消費税の転嫁を円滑かつ適正に進めることを目的として、 「買いたたき」や「減額」などの行為を禁止する「消費税転嫁対策特別措置法」が制定され、平成25年10月1日に施行された。

中小企業庁は、中小企業・小規模事業者をはじめとする事業者の方々に対して、 本法における規制や実務等の内容を分かりやすく解説したパンフレットを作成した。 このパンフレットは、経済産業省・中小企業庁のホームページで公表するほか、中小企業庁・各経済産業局、 各地域の商工会・商工会議所・中小企業団体中央会・商店街振興組合連合会に配布しているので、 冊子を希望の方は最寄りの窓口に問い合わせのこと。

★リンクはこちら⇒ 中小企業・小規模事業者のための消費税の転嫁万全対策マニュアル

2014年1月29日

改正消費税法に関するQ&A(平成25年11月11日Q9追加)

公益社団法人リース事業協会が、改正消費税法に関するQ&Aを出しているが、平成25年11月11日にQ9(第三者保証が付されたリース取引)を追加した。

Q9 第三者保証が付されたリース取引(平成20年4月1日以後のリース取引)について、改正消費税法の経過措置の適用関係(借手・貸手)を教えてください。

A9 消費税の取扱いとしては、当該取引に対して、資産の譲渡等を受ける側借手)の認識にかかわらず、資産の譲渡等を行う側(貸手)の消費税率が適用される。 これにより、貸手側がファイナンス・リース取引として認識する場合は、借受日が改正法施行日前(平成26年3月31日まで)の場合は旧税率(5%)、改正法施行後(平成26年4月1日以降)の場合は新税率(8%)が適用される。この適用関係は、借手が分割控除した場合も同じ取扱いとなる。 また、貸手側がオペレーティング・リース取引として認識し、経過措置の要件を満たした場合は、経過措置の適用により借受日の税率が適用される。一方、経過措置の要件を満たさない場合は、改正法施行後のリース料については新税率(8%)が適用される。 このようなことから、借手は貸手の請求書に基づき適用される消費税率を確認して課税仕入れの計算をする必要がある。

★リンクはこちら⇒ 改正消費税法に関するQ&A(平成25年11月11日Q9追加)(既に削除済み)

<2014年3月31日 Q10~12追加>

★リンクはこちら⇒ 改正消費税法に関するQ&A(平成26年3月31日Q10~12追加)

2014年1月8日

小冊子「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のために」

内閣官房、内閣府、公正取引委員会、消費者庁、財務省は、小冊子「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のために」を発行した。

内容は以下のとおり。

  • 消費税率引上げの趣旨・消費税の性格
  • 転嫁拒否等の行為の是正
  • 転嫁を阻害する表示の是正
  • 総額表示義務の特例
  • 総額表示に係る景品表示法の適用除外
  • 転嫁カルテル・表示カルテルの独占禁止法適用除外
  • 便乗値上げ

★リンクはこちら⇒ 小冊子「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のために」(既に削除済み)

2013年11月15日

小冊子「消費税率引上げ対策早わかりハンドブック」

この度、日本商工会議所では、消費税率引上げに伴う価格転嫁対策をわかりやすく解説した小冊子「消費税率引上げ対策早わかりハンドブック」を発行した。

本ハンドブックは、中小企業・小規模事業者が、消費税率引上げを乗り切ることができるように、収益確保策、資金繰り、社内体制の整備、経理処理、本年10月1日に施行された消費税転嫁対策特別措置法の活用等について、ポイントを絞り、わかりやすく解説していることが特徴である。

なお、本小冊子は、各地商工会議所を通じて、全国の中小企業・小規模事業者へ無料配布する。

★リンクはこちら⇒ 小冊子「消費税率引上げ対策早わかりハンドブック」

2013年10月23日

中小企業・小規模事業者のための消費税の手引き

平成26年4月1日の消費税率引上げに際し、消費税を円滑かつ適正に転嫁できるかどうかは、事業を行う方々、 とりわけ中小企業・小規模事業者にとって最大の懸案事項の一つである。 このため、消費者や取引先への消費税の転嫁を円滑かつ適正に進めることを目的として、 「買いたたき」や「減額」などの行為を禁止する「消費税転嫁対策特別措置法」が制定され、平成25年10月1日に施行された。

この度、中小企業庁は、中小企業・小規模事業者をはじめとする事業者の方々に対して、 本法の内容を周知・普及するため、本法の内容を分かりやすく解説したパンフレットを作成した。 本パンフレットは、経済産業省・中小企業庁のホームページで公表する他、中小企業庁・各経済産業局、 各地域の商工会・商工会議所・中小企業団体中央会・商店街振興組合連合会に配布しているので、 冊子を御希望の方は最寄りの窓口にお問い合わせのこと。

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2013年10月18日

消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」(平成25年10月1日閣議決定)の概要

<冒頭>

  • 消費税率(国・地方)を平成26年4月1日に5%から8%へ引き上げることを確認する。
  • 消費税率の引上げによる反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げと好循環の実現を図り、持続的な経済成長につなげるため、経済政策パッケージを決定。

<消費税率引上げにあたっての対応> 消費税率の引上げにあたっては、税収増を社会保障の充実・安定化に充てるのみならず、デフレ脱却と経済再生に向けた取組みを更に強化するため、以下の(1)~(7)を「経済政策パッケージ」として取り組む。 (1)成長力底上げのための政策 ①成長戦略関連施策の当面の実行方針 ②投資減税措置等

  • 設備投資減税・研究開発減税、事業再編促進税制、ベンチャーファンドへの投資を促す税制等について、所要の措置を講ずる。

(2)「政・労・使」の連携による経済の好循環の実現

  • 企業収益の拡大が賃金上昇や雇用拡大による消費拡大・投資増加につながる好循環を実現するため、政府は、9月20日に立ち上げた「経済の好循環実現に向けた政労使会議」等において取組を進める。
  • 所得拡大促進税制について、企業による賃金引上げの取組を強力に促進するため、拡充を行う。
  • 足元の経済成長を賃金上昇につなげることを前提に、復興特別法人税の一年前倒しでの廃止について検討する。その検討にあたっては、税収の動向などを見極めて復興特別法人税に代わる復興財源を確保すること、国民の理解、なかでも被災地の方々の十分な理解を得ること、及び復興特別法人税の廃止を確実に賃金上昇につなげられる方策と見通しを確認すること等を踏まえたうえで、12月中に結論を得る。

(3)新たな経済対策の策定

  • 消費税率引上げに伴う駆け込み需要とその反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力を底上げして成長軌道に早期に復帰できるよう、反動減等に対応した給付措置(後述)と合わせて、新たな経済対策を策定する。
  • 来年度4~6月期に見込まれる反動減を大きく上回る5兆円規模とし、3%の消費税率引上げによる影響を大幅に緩和するとともに、経済の成長力の底上げ、成長軌道への早期の復帰に対応。
  • その中で、 ・競争力強化策(中小企業に重点を置いた投資補助金などの設備投資支援策、エネルギーコスト対策、東京オリンピックへの対応などの交通・物流ネットワークの整備、競争力強化・イノベーションにつながる重点課題の研究開発、地域活性化のための農業の6次産業化の推進など) ・高齢者・女性・若者向け施策(簡素な給付措置の加算措置、若者や女性を含めた雇用拡大・賃上げ促進のための措置、子育て支援など) ・復興、防災・安全対策の加速(被災地の災害復旧、学校施設の耐震化、地域経済に配慮した社会資本の老朽化対策など。復興事業については、復興特別法人税を減税する場合には復興財源を補填。) などを措置すべく、今後、来年度予算と併せて具体化し、景気や税収の動向を見極めた上で、12月上旬に新たな経済対策として策定する。
  • その上で、これらの施策を実行するための平成25年度補正予算を、来年度予算と併せて編成する。
  • また、来年度予算においても、経済成長に資する施策に重点化する。

(4)簡素な給付措置 : 市町村民税非課税者2,400万人に1万円支給。老齢基礎年金(65歳以上)の受給者等に5,000円を加算。

(5)住宅取得等に係る給付措置(給与収入約500万円以下の住宅購入者に10~30万円給付。 被災地は標準的な負担増加額を給付。)、車体課税の見直し

(6)転嫁対策:消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保するため、実効性ある対策を推進。

(7)復興の加速等(再掲):①新たな経済対策の中で復旧・復興の加速に取り組み、平成25年度補正予算及び平成26年度当初予算で予算措置を講じる。②その対策の中で、復興特別法人税を廃止する場合は復興財源を補填する。③被災者の住宅再建に係る給付措置を行う。

★リンクはこちら⇒ 「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」(平成25年10月1日閣議決定)の概要

2013年10月10日

消費税転嫁対策室

平成26年4月1日に予定される消費税率の引上げに際し、消費税を円滑かつ適正に転嫁できるかどうかは、事業を行う方にとって最大の懸念事項の一つである。

このため、経済産業省は、2013年10月2日で「消費税転嫁対策室」を設置し、消費税の転嫁に係る取引上の悩み等に関し、電話で、または直接会って相談できる体制を整備した。

★リンクはこちら⇒ 「消費税転嫁対策室」を設置しました

2013年10月7日

消費税転嫁対策特別措置法のガイドライン

平成25年10月1日から施行される消費税転嫁対策特別措置法の円滑な施行に向けて,法運用の透明性の確保や事業者の予見可能性を高めること等を目的として、公正取引委員会、消費者庁及び財務省は,同法のガイドラインを策定することとし、同年7月25日にガイドライン(原案)を公表し、同年8月23日を期限として関係各方面から広く意見を求めた。 今回の意見募集では関係各方面から多くの意見が寄せられ、提出された意見について担当省庁において慎重に検討した結果、「消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方(案)」、「消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方(案)」及び「総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方(案)」については一部を修正した上で、また、「総額表示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の適用除外についての考え方(案)」については原案どおりガイドラインを公表することとした。

各ガイドラインの,担当省庁は以下のとおり。

消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方 公正取引委員会
消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方 消費者庁
総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方 財務省
総額表示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の適用除外についての考え方 消費者庁

★リンクはこちら⇒ (平成25年9月10日)消費税転嫁対策特別措置法のガイドラインの公表について(既に削除済み)

2013年9月13日

消費税のあらまし(平成25年6月)

国税庁は、先日、消費税のあらまし(平成25年6月)を公表した。

リンクはこちら⇒ 消費税のあらまし

2013年7月25日

国、地方公共団体や公共・公益法人等と消費税(平成25年6月)

国税庁から、国、地方公共団体や公共・公益法人等と消費税(平成25年6月)が公表された。

リンクはこちら⇒ 国、地方公共団体や公共・公益法人等と消費税(平成25年6月)

2013年7月16日

消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント

この度、日本商工会議所は、2013年6月5日に国会で成立した消費税転嫁対策特別措置法の概要について解説した小冊子「消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント」を作成した。 図表などをまじえ、分かりやすく解説している。

本小冊子は、各地商工会議所を通じて、全国の中小企業・小規模事業者へ配布される。

リンクはこちら⇒ 消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント

2013年7月12日

通信販売等の税率等に関する経過措置

通信販売(不特定かつ多数の者に商品の内容、販売価格その他の条件を提示し、郵便、電話その他の方法により売買契約の申込みを受けて当該提示した条件に従って行う商品の販売をいい、予約販売に係る書籍等の税率等に関する経過措置に規定する契約に係る販売を除く。)の方法により商品を販売する事業者が、指定日前にその販売価格等の条件を提示し、または提示する準備を完了した場合において、施行日前に申込みを受け、提示した条件に従って施行日以後に商品を販売するときは、その商品の販売については旧税率が適用される。

2013年6月28日

予約販売に係る書籍等の税率等に関する経過措置

事業者が、指定日前に締結した不特定かつ多数の者に対する定期継続供給契約に基づき譲渡する書籍その他の物品に係る対価の全部または一部を施行日前に領収している場合において、その書籍等の譲渡を施行日以後に行うときは、その領収した対価に係る部分の書籍等の譲渡については旧税率が適用される。

2013年6月24日

指定役務の提供の税率等に関する経過措置

平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した役務の提供に係る契約で、その契約の性質上、当該役務の提供の時期をあらかじめ定めることができないものであって、当該役務の提供に先立って対価の全部または一部が分割して支払われる契約(割賦販売法第2条第6項に規定する前払式特定取引に係る契約のうち、同項に規定する指定役務の提供に係るもの)に基づき、施行日以後に当該契約に係る役務の提供を行う場合において、当該役務の内容が以下の①及び②に掲げる要件に該当するときは、当該役務の提供については、旧税率が適用される。

ただし、指定日以後において当該役務の提供の対価の額の変更が行われた場合は、この経過措置は適用されない。

①当該契約に係る役務の提供の対価の額が定められていること ②事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと

例えば、冠婚葬祭のための施設の提供その他の便宜の提供等に係る役務の提供などが挙げられる。

2013年6月21日

資産の貸付けに係る契約における「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨の定め

資産の貸付けに関する税率等の経過措置に規定する経過措置の適用要件の1つとして、「対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと」が掲げられているが、「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨の定めは、「事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定め」に該当しないものとして取り扱われる。

したがって、資産の貸付けに係る契約において「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨の定めがあったとしても、当該契約の内容が他の要件を満たす場合には経過措置が適用され、新税率が適用されないこととなるから、結果として、当該契約に定める「消費税率の改正があったとき」には該当しないこととなる。

なお、経過措置の対象となる資産の貸付けについて、当該資産の貸付けに係る契約における「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨の定めに基づき、指定日以後に賃貸料を変更した場合には、変更後の資産の貸付けについては経過措置の対象とならない。

2013年6月19日

資産の貸付けの税率等に関する経過措置

平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、施行日前から引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている場合において、当該契約の内容が以下の「①及び②」または「①及び③」に掲げる要件に該当するときは、施行日以後に行う当該資産の貸付けについては、旧税率が適用される。 ただし、指定日以後に当該資産の貸付けの対価の額の変更が行われた場合、当該変更後における当該資産の貸付けについては、この経過措置は適用されない。

当該契約に係る資産の貸付期間及びその期間中の対価の額が定められていること
事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと
契約期間中に当事者の一方または双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないこと並びに当該貸付けに係る資産の取得に要した費用の額及び付随費用の額(利子または保険料の額を含む。)の合計額のうちに当該契約期間中に支払われる当該資産の貸付けの対価の額の合計額の占める割合が100分の90以上であるように当該契約において定められていること

なお、事業者が、この経過措置の適用を受けた課税資産の譲渡等を行った場合には、その相手方に対して当該課税資産の譲渡等がこの経過措置の適用を受けたものであることを書面で通知することとされている。

2013年6月17日

「建物の譲渡を受ける者の注文」の範囲

「建物の譲渡を受ける者の注文」とは、例えば、以下に掲げる区分に応じ、それぞれに掲げるものにつき付される注文をいう。

  • 建物の内装…畳、ふすま、障子、戸、扉、壁面、床面、天井等
  • 建物の外装…玄関、外壁面、屋根等
  • 建物の設備…電気設備、給排水または衛生設備及びガス設備、昇降機設備、冷房、暖房、通風またはボイラー設備等
  • 建物の構造…基礎、柱、壁、はり、階段、窓、床、間仕切り等

(注1)注文の内容、注文に係る規模の程度及び対価の額の多寡は問わない。 (注2)その注文が壁の色またはドアの形状等の建物の構造に直接影響を与えないものも含まれる。

2013年6月13日

「仕事の内容につき相手方の注文が付されていること」の範囲

「仕事の内容につき相手方の注文が付されている」契約とは、例えば、以下のような契約をいい、注文の内容、注文に係る規模の程度及び対価の額の多寡は問わない。

  1. 請負等の契約に係る目的物の仕様または規格等について相手方の指示が付されている場合のその契約
  2. 請負等の契約に係る目的物の原材料を相手方が支給することとされている場合のその契約
  3. 修理または加工等を目的とする請負等の契約

なお、具体的には、以下のようなものが該当する。

  • 名入アルバム、名入タオル、名入引出物の製作
  • カップ、トロフィーの名入
  • 絵画、工芸品等の修復
  • 肖像画、胸像等の製作
  • パック旅行の引受け
  • 結婚式、披露宴の引受け
  • インテリアの製作(カーテン、敷物の取付工事を含む。)
  • どん帳の製作
  • 服、ワイシャツ等の仕立て
  • 宝飾品の加工

2013年6月11日

工事の請負等に関する税率等の経過措置に規定する経過措置の適用対象となる契約

工事の請負等に関する税率等の経過措置に規定する経過措置の適用対象となる契約は、平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した以下の契約である。

  1. 工事の請負に係る契約 日本標準産業分類(総務省)の大分類の建設業に分類される工事につき、その工事の完成を約し、かつ、それに対する対価を支払うことを約する契約をいう。
  2. 製造の請負に係る契約 日本標準産業分類(総務省)の大分類の製造業に分類される製造につき、その製造に係る目的物の完成を約し、かつ、それに対する対価を支払うことを約する契約をいう。 (注) 製造物品であっても、その製造がいわゆる「見込み生産」によるものは「製造の請負に係る契約」によって製造されたものにはならない。
  3. これらに類する契約 測量、地質調査、工事の施工に関する調査、企画、立案及び監理並びに設計、映画の制作、ソフトウエアの開発その他の請負に係る契約(委任その他の請負に類する契約を含む。)で、仕事の完成に長期間を要し、かつ、当該仕事の目的物の引渡しが一括して行われることとされているもののうち、当該契約に係る仕事の内容につき相手方の注文が付されているものをいう。 (注) 「仕事の内容につき相手方の注文が付されているもの」には、建物の譲渡に係る契約で、当該建物の内装もしくは外装または設備の設置もしくは構造についての当該建物の譲渡を受ける者の注文に応じて建築される建物に係るものも含まれる。

2013年6月10日

工事の請負等の税率等に関する経過措置

事業者が、平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した工事の請負に係る契約、製造の請負に係る契約及びこれらに類する一定の契約に基づき、施行日以後に当該契約に係る課税資産の譲渡等を行う場合には、当該課税資産の譲渡等(指定日以後に当該契約に係る対価の額が増額された場合には、当該増額される前の対価の額に相当する部分に限る。)については、旧税率が適用される。

なお、事業者が、この経過措置の適用を受けた課税資産の譲渡等を行った場合には、その相手方に対して当該課税資産の譲渡等がこの経過措置の適用を受けたものであることを書面で通知することとされている。

2013年6月6日

施行日前にICカードに現金をチャージ(入金)し、施行日以後にそのICカードにより乗車券等を購入する等の場合の経過措置の適用

事業者が、旅客運賃、映画・演劇を催す場所等への入場料金を施行日前に領収している場合において、当該対価の領収に係る課税資産の譲渡等が施行日以後に行われるときは、当該課税資産の譲渡等については旧税率が適用される。

この「施行日前に領収している場合」とは、具体的には、乗車券等を施行日前に販売した場合をいう。

したがって、利用者によってICカードへ現金がチャージ(入金)された時点では、乗車券等の販売を行っていることとならないから、旅客運賃等の税率等に関する経過措置は適用されない。

2013年6月4日

旅客運賃、映画・演劇を催す場所等への入場料金の消費税率等に関する経過措置

事業者が、旅客運賃、映画・演劇を催す場所等への入場料金を施行日前に領収している場合において、当該対価の領収に係る課税資産の譲渡等が施行日以後に行われるときは、当該課税資産の譲渡等については、旧税率が適用される。

この経過措置の適用対象となる旅客運賃等の範囲は、以下のとおり。

  • 汽車、電車、乗合自動車、船舶又は航空機に係る旅客運賃(料金を含む。)
  • 映画、演劇、演芸、音楽、スポーツまたは見せ物を不特定かつ多数の者に見せ、または聴かせる場所への入場料金
  • 競馬場、競輪場、小型自動車競走場又はモーターボート競走場への入場料金
  • 美術館、遊園地、動物園、博覧会の会場その他不特定かつ多数の者が入場する施設または場所でこれらに類するものへの入場料金

2013年5月31日

施行日前に行った製商品の販売について、施行日以後に製商品が返品などになった場合の消費税の取扱い

施行日前に行った商品の販売について、施行日以後に商品が返品され、対価の返還などをした場合には、旧消費税法の規定に基づき売上げに係る対価の返還などに係る消費税額の計算することとされている。

合理的な方法(例えば、4月中に返品を受けた商品は、3月中の販売に対応するものとして処理している場合)により継続して返品などの処理を行っている場合には、事業者が継続している方法により、売上げに係る対価の返還などに係る消費税額を計算しても差し支えない。

なお、このように取り扱う場合には、取引当事者間において取り交わす請求書などに適用税率を明記し、取引の相手方は当該請求書等に記載された税率により仕入れに係る対価の返還などに係る消費税額を計算することとなる。

2013年5月30日

施行日を含む1年間の役務提供を行う場合の消費税法の適用関係

役務の提供に係る資産の譲渡等の時期は、物の引渡しを要するものにあってはその目的物の全部を完成して引き渡した日、物の引渡しを要しないものにあってはその約した役務の全部を完了した日とされている。 役務の提供は、物の引渡しを要しないものだから、資産の譲渡等の時期は役務の全部を完了する日となる。

したがって、施行日以後に行う課税資産の譲渡等となるから、原則として新消費税法(新税率)が適用される。

ただし、契約または慣行により、1年分の対価を収受することとしており、事業者が継続して当該対価を収受したときに収益に計上しているときは、施行日の前日(平成26年3月31日)までに収益に計上したものについて旧消費税法(旧税率)を適用して差し支えない。

2013年5月28日

施行日の前日(平成26年3月31日)までに仕入れた商品を施行日以後に販売した場合の消費税法の適用関係

消費税法は、経過措置が適用される場合を除き、施行日以後に行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等について適用される。

したがって、施行日の前日(平成26年3月31日)までに仕入れた商品を施行日以後に販売する場合には、当該販売については新消費税法(新税率)が適用されるが、商品の仕入れについては施行日の前日までに行われたものであるから、課税仕入れに係る消費税額は旧消費税法の規定に基づき計算することとなる。

2013年5月27日

施行日前後の取引に係る消費税法の適用関係

消費税法は、施行日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等並びに施行日以後に国内において事業者が行う課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物(以下「課税仕入れ等」という。)に係る消費税について適用し、施行日前に国内において事業者が行った資産の譲渡等及び課税仕入れ等に係る消費税については、なお従前の例によることとされている。

したがって、施行日の前日(平成26年3月31日)までに締結した契約に基づき行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等であっても、施行日以後に行われるものは、経過措置が適用される場合を除き、当該資産の譲渡等及び課税仕入れ等について新消費税法が適用されることとなる。

2013年5月24日

消費税法改正(税率引上げに伴う経過措置)

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正された。

その中で、税率引上げに伴う経過措置が設けられた。

改正後の税率は、適用開始日以後に行われる資産の譲渡等、課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税について適用され、適用開始日前に行われた資産の譲渡等、課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税については、改正前の税率が適用されることとなる。 ただし、適用開始日以後に行われる資産の譲渡等のうち一定のものについては、改正前の税率を適用することとするなどの経過措置が講じられている。

2013年4月12日

消費税法改正(任意の中間申告制度)

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正された。

その中で、任意の中間申告制度が創設された。

<制度の概要> 直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税額を含まない年税額)が48万円以下の事業者(中間申告義務のない事業者)が、任意に中間申告書(年1回)を提出する旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合には、当該届出書を提出した日以後にその末日が最初に到来する6月中間申告対象期間(注1)から、自主的に中間申告・納付(注2)することができることとされた。

(注1) 「6月中間申告対象期間」とは、その課税期間開始の日以後6月の期間で、年1回の中間申告の対象となる期間をいう。 (注2) 中間納付税額は、直前の課税期間の確定消費税額の1/2の額となる。また、中間納付税額と併せて地方消費税の中間納付税額を納付することとなる。 なお、任意の中間申告制度を適用する場合であっても、仮決算を行って計算した消費税額及び地方消費税額により中間申告・納付することができる。

<適用開始時期> 個人事業者の場合には平成27年分から、また、事業年度が1年の法人については、平成26年4月1日以後開始する課税期間(平成27年3月末決算分)から適用される。

2013年4月11日

消費税法改正(特定新規設立法人の事業者免税点制度の不適用制度)

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正された。

その中で、特定新規設立法人に係る事業者免税点制度の不適用制度が創設された。

<制度の概要> その事業年度の基準期間(原則として、その事業年度の前々事業年度をいう。)がない法人で、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円未満の法人(新規設立法人)のうち、以下のいずれにも該当するもの(特定新規設立法人)については、当該特定新規設立法人の基準期間のない事業年度に含まれる各課税期間における課税資産の譲渡等について、納税義務が免除されないこととなった。

  • その基準期間がない事業年度開始の日において、他の者により当該新規設立法人の株式等の50%超を直接または間接に保有される場合など、他の者により当該新規設立法人が支配される一定の場合(特定要件)に該当すること。
  • 上記の特定要件に該当するかどうかの判定の基礎となった他の者及び当該他の者と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者(判定対象者)の当該新規設立法人の当該事業年度の基準期間に相当する期間(基準期間相当期間)における課税売上高が5億円を超えていること。

<適用開始時期> 平成26年4月1日以後に設立される新規設立法人で、特定新規設立法人に該当するものについて適用される。

2013年4月8日

消費税法改正(消費税率の引上げ)

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正された。

その中で、消費税率を引き上げることとされた。

消費税率及び地方消費税率について、以下のとおり2段階で引き上げることとされた。

区 分 現 行 平成26年4月1日 平成27年10月1日
消費税 4.0% 6.3% 7.8%
地方消費税 1.0%(消費税額の25/100) 1.7%(消費税額の17/63) 2.2%(消費税額の22/78)
合  計 5.0% 8.0% 10.0%
  • 経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、消費税率引上げの前に、経済状況等を総合的に勘案した上で、消費税率の引上げの停止を含め所要の措置を講ずることとされている。
  • 引上げ後の税率は、経過措置が適用されるものを除き、適用開始日以後に行われる資産の譲渡等について適用される。

2013年4月8日

平成25年3月期決算における消費税の改正点

消費税の益税が問題となっていたこともあり、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から、課税売上高が5億円を超える事業者は95%ルールの適用対象外とされたため、課税仕入れ等に対する消費税額の全額の仕入税額控除は認められず、個別対応方式または一括比例配分方式で仕入税額控除額の計算をすることとなった。

95%ルールの見直しによって、控除対象外消費税が生じるが、企業会計上も費用、税務上も法人税の所得計算において損金の額に算入される。

2013年4月3日

消費税法改正(使途の明確化)

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正された。

その中で、消費税収入の使途が明確化された。

国分の消費税収入については、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費(社会保障4経費)に充てるものとされた。

(注) 地方消費税収入(引上げ分)及び消費税収入に係る地方交付税分については、社会保障4経費を含む社会保障施策に要する経費に充てるものとされている。

2013年4月2日

消費税課税期間特例選択不適用届出書

課税期間の特例の適用をやめようとするときには、適用をやめようとする課税期間の初日の前日までに消費税課税期間特例選択不適用届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

ただし、課税期間の特例を選択した場合は、事業を廃止した場合を除き、2年間継続して適用した後でなければ、課税期間の特例の適用をやめることはできない。

なお、年または事業年度の途中でこの特例の適用を受けることをやめた場合には、その適用しないこととした課税期間の開始日以後、その年の12月31日またはその事業年度の終了する日までが一課税期間となる。

2013年3月14日

消費税課税期間特例選択・変更届出書

課税期間は、個人事業者は暦年、法人は事業年度だが、消費税課税期間特例選択・変更届出書を、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに、納税地の所轄税務署長に提出することにより、3月または1月ごとに区分した期間に短縮することができる。

この届出書を提出して課税期間の特例を受けようとする場合には、特例を受けようとする短縮に係る課税期間(3月または1月ごとに区分した期間)の初日の前日までに提出しなければならない。ただし、新規開業等した事業者については、この届出書を提出した日の属する3月または1月ごとに区分した期間からこの特例の適用を受けることができる。

なお、この特例の適用を受けている場合は、事業を廃止した場合を除き、2年間継続して適用した後でなければ、他の課税期間の特例に変更することはできない。

2013年3月12日

消費税課税事業者選択不適用届出書

消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者を選択していた事業者が、選択をやめようとするときは、選択をやめようとする課税期間の初日の前日までに消費税課税事業者選択不適用届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

ただし、消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者となった事業者は、事業を廃止した場合を除き、課税事業者となった日から2年間は、免税事業者となることはできない。

2013年3月11日

消費税課税事業者選択届出書

基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者であっても、消費税課税事業者選択届出書を、選択する課税期間の初日の前日までに、納税地の所轄税務署長に提出することにより、課税事業者となることができる。

なお、新規開業等した事業者は、その開業等した課税期間の末日までにこの届出書を提出すれば、開業等した日の属する課税期間から課税事業者となることができる。

2013年3月8日

消費税の新設法人に該当する旨の届出書

その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度の開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人(以下、「新設法人」という。)は、その課税期間の納税義務が免除されない。

新設法人に該当する場合は、速やかに消費税の新設法人に該当する旨の届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

なお、法人設立届出書の提出時に、その届出書に消費税の新設法人に該当する旨を記載したときは、改めて消費税の新設法人に該当する旨の届出書を提出する必要はない。

2013年3月7日

消費税の納税者でなくなった旨の届出書

その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下となった場合には、速やかに消費税の納税者でなくなった旨の届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

2013年3月5日

消費税簡易課税制度選択不適用届出書

簡易課税制度の適用を受けている事業者が、その適用をやめようとする場合は、適用をやめようとする課税期間の初日の前日までに消費税簡易課税制度選択不適用届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

ただし、簡易課税制度の適用を受けている事業者は、事業を廃止した場合を除き、2年間継続して適用した後でなければ、消費税簡易課税制度選択不適用届出書を提出して、その適用をやめることはできない。

2013年3月4日

消費税簡易課税制度選択届出書

その課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに消費税簡易課税制度選択届出書を納税地の所轄税務署長に提出することにより、簡易課税制度を選択することができる。 なお、新規開業等した事業者は、その開業等した課税期間の末日までにこの提出書を提出すれば、簡易課税制度を選択することができる。

  • 簡易課税制度とは、課税売上高から納付する消費税額を計算する制度のことである。 具体的には、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものである。この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用する。
    事業区分 みなし仕入率
    第一種事業(卸売業) 90%
    第二種事業(小売業) 80%
    第三種事業(製造業等) 70%
    第四種事業(その他の事業) 60%
    第五種事業(サービス業等) 50%

2013年3月1日

消費税課税事業者届出書

その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超えた事業者は消費税の課税事業者となり、消費税課税事業者届出書(基準期間用)を、速やかに、納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

  • 基準期間とは、個人事業者はその年の前々年、事業年度が1年である法人はその事業年度の前々事業年度である。
  • 課税期間とは、個人事業者は1月1日から12月31日までの1年間、法人は事業年度である。
  • 課税売上高とは、消費税が課税される取引の売上金額(消費税等を除く。)と輸出取引等の免税売上高の合計額をいう(売上返品等に係る金額ある場合には、これらの金額を控除した残額)。

ただし、平成25年1月1日以後に開始する年または事業年度については、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間から課税事業者となる。なお、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできる。

  • 特定期間とは、個人事業者は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいう。

2013年2月28日

スキャン文書の保存による仕入税額控除の適用

国税関係書類の全部または一部について、当該国税関係書類に記載されている事項をスキャナにより電磁的記録に記録する場合に、所轄税務署長等の承認を受けたときは、当該承認を受けた国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該承認を受けた国税関係書類の保存に代えることができることとされている(以下「スキャナ保存」という。)。

したがって、スキャナ保存の承認を受けて国税関係書類(取引先から受け取った請求書等)に係る電磁的記録を保存している場合には、その基となった書類を保存していない場合であっても消費税法第30条第7項に規定する請求書等が保存されていることとなるので、仕入税額控除の適用を受けることができる。

2012年11月28日

インターネットを通じて取引を行った場合の仕入税額控除の適用

課税事業者が仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として課税仕入れ等の事実の帳簿への記載、保存及び課税仕入れ等の事実を証する請求書等の保存をしなければならないこととされている。 この場合の請求書等とは、事業者に対し課税資産の譲渡等を行う他の事業者が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類で、書類の作成者の氏名または名称、課税資産の譲渡等を行った年月日、課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容、課税資産の譲渡等の対価の額及び書類の交付を受ける当該事業者の氏名または名称(以下「法定事項」という。)が記載されているものとされている。 また、請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるときは、帳簿に消費税法第30条第8項の記載事項に加えて当該やむを得ない理由及び課税仕入れの相手方の住所または所在地を記載して保存することにより、仕入税額控除の適用を受けることができる旨が定められている。

インターネットを通じて取引を行った場合には、請求書等に記載されるべき法定事項が通信回線を介してコンピュータ間で電子データとして交換されるため、請求書等そのものが作成・交付されないこととなり、当該電子データ以外の保存が行えない状況となるが、これは、請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由がある場合に該当するものと考えられる。 したがって、帳簿に記載すべき事項に加えて、インターネットを通じた取引による課税仕入れであること及び課税仕入れの相手方の住所又は所在地を記載して保存する場合には、仕入税額控除の適用を受けることができる。

2012年11月26日

消費税の届出はお早めに

個人事業者で、新たに課税事業者(消費税の申告・納付が必要な方)となる場合には、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者届出書」(基準期間用)の提出が必要である。

課税事業者とは、基準期間(※1)における課税売上高(※2)が1,000万円を超える方が該当する(※3)。 したがって、個人事業者は、平成23年分の課税売上高が1,000万円を超えている場合には、平成25年分は消費税の課税事業者に該当する。

※1 「基準期間」とは、個人事業者の場合は、その年の前々年をいう。 ※2 「課税売上高」とは、消費税が課税される取引の売上金額と輸出取引等の免税売上金額の合計額(これらの売上げに係る売上返品、売上値引や売上割戻し等に係る金額がある場合には、これらの金額を差し引いた金額)をいう。 ※3 基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいう。)の課税売上高が1,000万円を超える方はその年から消費税の課税事業者となる。 したがって、個人事業者は、平成24年1月1日から6月30日の課税売上高が1,000万円を超えている場合には、平成25年分は消費税の課税事業者に該当する。この場合、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者届出書」(特定期間用)を提出する必要がある。 なお、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできる。

基準期間における課税売上高が5,000万円以下の方は、簡易課税制度を選択することができる。 なお、平成25年分から簡易課税制度を適用して申告する方は、平成24年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

(注1) 簡易課税制度は、「みなし仕入率」により納付税額を計算するので、多額の設備投資を行った場合などで一般課税(簡易課税制度を選択しなかった場合)により計算すれば還付となるような場合でも、還付を受けることはできない。 (注2) 簡易課税制度を選択された方は、事業を廃止した場合を除き2年間以上継続した後でなければ選択をやめることはできない。なお、選択をやめる場合にはやめようとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

※ 課税事業者は、消費税法に基づく帳簿の記載が必要となる。 また、一般課税で申告される方(簡易課税制度を選択しない方)は、課税仕入れ等の事実を記録した帳簿及び請求書等の両方の保存がない場合、仕入税額控除の適用を受けることができないので注意が必要である。

2012年11月21日

消費税の届出

個人事業者で、新たに課税事業者(消費税の申告・納付が必要な方)となる場合には、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者届出書」(基準期間用)の提出が必要である。 課税事業者とは、基準期間(※1)における課税売上高(※2)が1,000万円を超える方が該当する(※3)。 したがって、個人事業者は、平成23年分の課税売上高が1,000万円を超えている場合には、平成25年分は消費税の課税事業者に該当する。

※1 「基準期間」とは、個人事業者の場合は、その年の前々年をいう。 ※2 「課税売上高」とは、消費税が課税される取引の売上金額と輸出取引等の免税売上金額の合計額(これらの売上げに係る売上返品、売上値引や売上割戻し等に係る金額がある場合には、これらの金額を差し引いた金額)をいう。 ※3 基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいう。)の課税売上高が1,000万円を超える方はその年から消費税の課税事業者となる。したがって、個人事業者は、平成24年1月1日から6月30日の課税売上高が1,000万円を超えている場合には、平成25年分は消費税の課税事業者に該当する。この場合、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者届出書」(特定期間用)を提出する必要がある。 なお、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできる。

また、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の方は、簡易課税制度を選択することができる。 なお、平成25年分から簡易課税制度を適用して申告する方は、平成24年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

(注1)簡易課税制度は、「みなし仕入率」により納付税額を計算するので、多額の設備投資を行った場合などで一般課税(簡易課税制度を選択しなかった場合)により計算すれば還付となるような場合でも、還付を受けることはできない。 (注2)簡易課税制度を選択された方は、事業を廃止した場合を除き2年間以上継続した後でなければ選択をやめることはできない。なお、選択をやめる場合にはやめようとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

※ 課税事業者の方は、消費税法に基づく帳簿の記載が必要となる。 また、一般課税で申告される方(簡易課税制度を選択されない方)は、課税仕入れ等の事実を記録した帳簿及び請求書等の両方の保存がない場合、仕入税額控除の適用を受けることができない。

2012年9月24日

個人事業者の消費税の中間申告

前年(平成23年)の消費税の年税額(注1)が48万円を超える個人事業者は、消費税の中間申告をする必要がある。 ただし、課税期間の特例制度(注2)を適用している個人事業者については、中間申告をする必要はない。 また、事業を開始した日の属する課税期間については、中間申告をする必要はない。

(注1) 地方消費税額は含まない。 (注2) 課税期間の特例とは、事業者が届出により消費税の課税期間を3か月または1か月に短縮できる制度である。

2012年8月29日

個人事業者の消費税及び地方消費税の中間申告と納付

個人事業者で、平成23年分の確定消費税額(地方消費含まない。)が48万円を超える場合、消費税及び地方消費税の中間申告と納付が必要である。 この「平成23年分の確定消費税額」とは、平成23年分の確定申告により確定した消費税の年税額をいい、期限後申告または修正申告等が行われた場合には、これらによって確定した消費税の年税額をいう。

中間申告の方法 以下の2つの方法があり、いずれかの方法によることができる。

  1. 前年実績による中間申告 平成23年分の確定消費税額が以下の表に当てはまる場合、中間申告・納付の期限に応じて、以下により算出した中間納付税額を記載した「消費税及び地方消費税の中間申告書」及び「納付書」が所轄の税務署から送付されるので、必要事項を記入の上、税務署に中間申告書を提出するとともに、納付書により消費税及び地方消費税を納付する必要がある。
    平成23年分の確定消費税額(注) 中間申告・納付の回数 中間納付税額
    48万円を超え400万円以下 年1回 平成23年分の確定消費税額の12分の6の消費税額とその25%の地方消費税
    400万円を超え4,800万円以下 年3回 平成23年分の確定消費税額の12分の3の消費税額とその25%の地方消費税
    4,800万円超 年11回 平成23年分の確定消費税額の12分の1の消費税額とその25%の地方消費税

    (注)「確定消費税額」とは、中間申告対象期間末日までに確定した消費税の年税額(申告書欄の差引税額)をいう。

  2. 仮決算に基づく中間申告 事業状況が平成23年と著しく異なる場合などは、上記1の方法に代えて、各中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算を行い、これに基づいて計算した消費税額及び地方消費税額により、中間申告・納付することができる。 なお、この計算によりマイナスとなった場合でも還付を受けることはできない(マイナスとなった場合は、中間申告税額はゼロになる。)。 また、仮決算による中間申告書は、提出期限を過ぎて提出することはできないので留意が必要である。
  • 中間申告及び納付の期限について 平成23年分の確定消費税額が48万円を超え400万円以下の方(年1回の中間申告・納付)は、平成24年8月31日(金)までに、申告・納付する必要がある(同確定消費税額が400万円を超え4,800万円以下の方(年3回の中間申告・納付)の2回目と4,800万円を超える方(年11回の中間申告・納付)の6回目の中間申告・納付の期限も同一日になる。)。 振替納税をご利用の方の振替日は、平成24年9月27日(木)である。 平成23年分の確定消費税額が400万円を超える方の次回以後の期限等については、国税庁ホームページ(www.nta.go.jp)でご確認を。 なお、中間申告の期限までに中間申告書を提出しなかった場合でも、上記「中間申告の方法」の「1.前年実績による中間申告」の消費税額及び地方消費税額が納付すべき税額として確定することになるので、納期限までに必ず納付する必要がある。

2012年8月9日

平成23年度租税滞留状況

国税庁が、『平成23年度租税滞留状況について』を先日公表した(単位:億円)。

区分 A

平成22年度滞納

整理中のものの額

(前期繰越額)
B

新規発生滞納額
C

整理済額
D(A+B-C)

平成23年度滞納

整理中のものの額

(次期繰越額)
全税目 (95.0%) 

14,201
(88.8%) 

6,073
(87.7%) 

6,657
(95.9%) 

13,617
うち消費税 (96.3%) 

4,256
(94.8%) 

3,220
(92.9%) 

3,307
(98.0%) 

4,169
  • 注1 新規発生滞納額とは、国税が納期限までに納付されず、督促状が発付されたものをいう。
  • 注2 括弧内の数値は、対前年度比である。
  • 注3 地方消費税を除いている。
  • 注4 平成24年4月及び5月に督促状を発付した滞納のうち、その国税の所属年度(納税義務が成立した日の属する年度)が平成23年度所属となるものを含んでいる。

2012年8月6日

DESの消費税

DES(デット・エクイティ・スワップ)によって株式を取得する場合、 金銭出資による通常の株式取得は消費税法上資本取引として不課税取引であることとの整合性、消費税における「資産の譲渡の意義」は、「同一性を保持して他者に資産を移転させることをいう」とされている点から、実際にDESの実態をみると,資産の移転・譲渡ではないことから,消費税法上は不課税取引に該当すると考えられる。

2012年7月12日

国税庁レポート2012

国税庁が、『国税庁レポート2012』を公表した。 平成22年度租税及び印紙収入決算額を見ると、源泉所得税消費税が10兆円、法人税が8兆円、相続税が1兆円で、合計41兆円である。

これを見ると、消費税の増税はインパクトが大きい一方、相続税の増税はインパクトはあまりないことが見て取れる。

国税庁レポートはこちらから。 国税庁レポート

2012年7月11日

総額表示

「総額表示」とは、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う課税事業者が、値札やチラシなどにおいて、あらかじめその取引価格を表示する際に、消費税額(地方消費税額を含む。)を含めた価格を表示することをいう。 消費者に対して、商品の販売、役務の提供などを行う場合、いわゆる小売段階の価格表示をするときには総額表示が義務付けられる。 なお、事業者間での取引は総額表示義務の対象とはならない。 例えば、以下に掲げるような表示が「総額表示」に該当する。

  • 10,500円
  • 10,500円(税込)
  • 10,500円(税抜価格10,000円)
  • 10,500円(うち消費税額等500円)
  • 10,500円(税抜価格10,000円、消費税額等500円)

支払総額である「10,500円」さえ表示されていればよく、「消費税額等」や「税抜価格」が表示されていても構わない。 対象となる価格表示は、商品本体による表示(商品に添付または貼付される値札等)、店頭における表示、チラシ広告、新聞・テレビによる広告など、消費者に対して行われる価格表示であれば、それがどのような表示媒体により行われるものであるかを問わず、総額表示が義務付けられる。 なお、口頭による価格の提示は、これに含まれない。 総額表示が義務付けられるのは、あらかじめ取引価格を表示している場合であり、価格表示がされていない場合にまで価格表示を強制するものではない。総額表示の義務付けは、不特定かつ多数の者に対する値札や店内掲示、チラシあるいは商品カタログにおいて、「あらかじめ」価格を表示する場合を対象としているため、見積書、契約書、請求書等については、総額表示義務の対象とはならない。

2012年6月26日

簡易課税制度の事業区分

みなし仕入率の適用を受けるそれぞれの事業の意義は、以下のとおり。

  • 第一種事業…90% 卸売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業)をいう。
  • 第二種事業…80% 小売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで販売する事業で第一種事業以外のもの)をいう。
  • 第三種事業…70% 農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業をいい、第一種事業、第二種事業に該当するもの及び加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を除く。
  • 第四種事業…60% 第一種事業、第二種事業、第三種事業及び第五種事業以外の事業をいい、具体的には、飲食店業、金融・保険業などである。 なお、第三種事業から除かれる加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業も第四種事業となる。
  • 第五種事業…50% 不動産業、運輸通信業、サービス業(飲食店業に該当する事業を除く。)をいい、第一種事業から第三種事業までの事業に該当する事業を除く。

なお、事業区分の判定に当たっては、以下の点に留意が必要である。

  • 事業区分 事業者が行う事業が第一種事業から第五種事業までのいずれに該当するかの判定は、原則として、その事業者が行う課税資産の譲渡等ごとに行う。
  • 第一種事業 消費者から購入した商品を品質又は形状を変更しないで他の事業者に販売する事業も卸売業に該当することになります。また、業務用に消費される商品の販売(業務用小売)であっても事業者に対する販売であることが帳簿、書類等で明らかであれば卸売業に該当することになる。
  • 第二種事業 食料品小売店が他から購入した食料品を、その小売店舗において、仕入商品に軽微な加工をして販売する場合で、加工前の食料品の販売店舗において一般的に行われると認められるもので、当該加工後の商品が当該加工前の商品と同一の店舗において販売されるものについては、加工後の商品の販売についても第二種事業に該当するものとして差し支えない。
  • 第三種事業 第三種事業は、おおむね日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎として判定する。なお、以下の事業は、第三種事業に該当するものとして取り扱われる。 イ 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品とする、いわゆる製造問屋 ロ 自己が請け負った建設工事の全部を下請に施工させる建設工事の元請 ハ 天然水を採取して瓶詰等して人の飲用に販売する事業 ニ 新聞・書籍等の発行、出版を行う事業
  • 第五種事業 第五種事業も、第一種事業から第三種事業以外の事業とされる事業を対象として、おおむね日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎として判定する。 なお、日本標準産業分類の大分類の区分が不動産業、運輸通信業、サービス業に該当するものは、「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業」であっても、第五種事業に該当する。 また、サービス業から除くこととされている「飲食店業に該当するもの」とは、例えば以下のようなものいう。 イ ホテル内にある宴会場、レストラン、バー等のように、そのホテルの宿泊者以外の者でも利用でき、その場で料金の精算をすることもできるようになっている施設での飲食物の提供 ロ 宿泊者に対する飲食物の提供で、宿泊サービスとセットの夕食等の提供時に宿泊者の注文に応じて行う特別料理、飲料等の提供や客室内に冷蔵庫を設置して行う飲料等の提供のように、料金体系上も宿泊に係る料金と区分されており、料金の精算時に宿泊料と区分して領収されるもの なお、例えば、「一泊二食付で2万円」というように、食事代込みで宿泊料金が定められている場合は、その料金の全額が第五種事業の対価となる。
  • 第四種事業 事業者が自己において使用していた固定資産の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当することになる。

2012年5月9日

簡易課税制度

消費税の納付税額は、通常は以下のように計算する。

(課税売上高(税抜き)×4%-課税仕入高(税込み)×4/105)

しかし、その課税期間の前々年または前々事業年度の課税売上高が5千万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができる。 この制度は、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものである。この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとの以下のみなし仕入率を適用する。

  • 第一種事業(卸売業)…90%
  • 第二種事業(小売業)…80%
  • 第三種事業(製造業等)…70%
  • 第四種事業(その他の事業)…60%
  • 第五種事業(サービス業等)…50%

2012年5月8日

寄附金や交際費の消費税

寄附金の支出は、対価を得て行われる取引ではないため、課税仕入れとはならない。 ただし、名目は寄附であっても、その寄附に対価性が認められる場合には課税仕入れとなる。 また、金銭を寄附するのではなく、物品を購入して寄附した場合には、その物品の購入代金は課税仕入れとなる。

交際費については、その支出がお中元やお歳暮のように得意先への贈答品としての物品の購入代金や、得意先の接待のための飲食代の支払である場合には、原則として課税仕入れとなる。 ただし、得意先へ商品券の交付をする場合や、祝金・餞別・弔慰金などを支出した場合には、課税仕入れとならない。 なお、渡切交際費などで、その使途が明らかにされていない場合には、仕入税額控除の対象とならない。

2012年4月24日

平成23年分の消費税の振替納税日

平成23年分の個人事業者の消費税及び地方消費税の振替納税日は、平成24年4月25日(水曜日)である。

振替口座に残高があることの確認が必要である。

2012年4月23日

運転手などに対するチップの消費税

運転手などに対するチップは、運送などの役務の提供の対価の支払とは別に支出するものであり、提供を受ける役務との間に明白な対価関係は認められないから、課税仕入れに該当しない。

2012年4月20日

物品を寄付した場合の消費税

今回の東日本大震災が起こったような場合に、企業が物品を寄付することがある。

このような場合、対価を得て行われる取引ではないため、原則として資産の譲渡等には該当しないが、寄付した物品が購入してきたものであれば、課税仕入れに該当するため、仕入税額控除の対象となる。

個別対応方式により仕入控除税額を計算する場合、 ①課税資産の譲渡等にのみ要するもの ②その他の資産の譲渡等のみに要するもの ③課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの のいずれかに区分しなければならないが、購入してきたもの寄付した場合、③とされる。

一方、自社製品を寄付した場合、①とされる。

2011年8月22日

未経過固定資産税等の精算

不動産を売買する際に、未経過の固定資産税(都市計画税を含む。)の精算を行うのが一般的である。

この未経過固定資産税の精算は、資産の譲渡の金額に含まれることに留意が必要である。よって、建物部分は課税、土地部分は非課税となる。

固定資産税は、毎年1月1日現在の土地・建物(家屋)の所有者に課せられる税金であることから、未経過の固定資産税の精算は、消費税法上、税金の精算ではなく、譲渡対価の一部とされている。

2011年8月8日

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