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事務所通信2025年2月 - 棚卸、事業承継、M&A・組織再編、贈与・相続などのコンサルティングが中心の國村公認会計士事務所・株式会社Your Partner(香川県高松市木太町)
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2025年2月号『吸血型M&A!』

私は20年近く前からM&Aに関わっていますが、昨年、吸血型M&Aと呼ばれる詐欺的案件が出てきて、せっかくM&Aというものが世間に認知されてきていましたが、現在は逆風が吹いています。

そこで今回は、『吸血型M&A!』について、取り上げます。

1.吸血型M&Aとは?

『吸血型M&A』とは、ルシアン事件がきっかけとなり、買収する企業の事業継続は考えておらず、所有している資産を奪取することだけが目的であるM&Aを言います。

ルシアンという会社は、2021年11月に設立され、設立直後から、結婚式場や車両部品・輸入車販売、砕石販売、土木工事、農業法人など、異業種を矢継ぎ早にM&Aで傘下に収めています。

ところが、トラブルが引き起こされます。

トラブルには、主に以下の2つがあります。

1

現預金を抜き取る

2

経営者保証を解除しない

まず、現金を抜き取るということですが、傘下企業に、ルシアンが管理する口座に送金することを指示していました。

従業員の給与や金融機関からの借入金の返済、オフィスの賃料などの経費の支払いなど、必要になったタイミングで傘下企業に資金を戻す前提だったとはされています。

しかしながら、その約束が、常には果たされず、資金が戻されなかったり、遅れたりしたこともあり、現預金を抜き取られた傘下企業は給料未払いや債務不履行に陥りました。

顧客や取引先、従業員の信用がき損され、あっという間に経営難に直面する傘下企業も表れました。

次に、経営者保証を解除しないということですが、経営者保証は、経営者が個人で負う、企業が金融機関から融資などを受ける際に設定する債務保証です。

企業が返済できなくなった場合に、経営者は企業に代わって返済しなくてはならず、経営者が自宅に抵当権を設定しているケースが多くなっています。

M&Aで会社を売却するときは、経営者保証は金融機関での手続きを経て、解除されるべきもので、株式譲渡契約書では、M&Aが成立するタイミングで、買い手によって行われると明記されていることが多くなっています。

ところが、ルシアンは解除を行わなかったのです。

その結果、現預金を抜き取られ、経営難で債務不履行に陥ったときには、銀行などの債権者は、すでに会社を売却した元経営者に対して取り立てを行うことになるのです。

元経営者はこのときに、経営者保証が解除されていないことにようやく気付くのです。

2.最後に

報道によると、ルシアンはM&Aをする際に、財務デューデリジェンスを行っていましたが、現預金残高が大きくなるタイミングを調査していたと聞きます。

こういう悪質な企業もありますので、業界的には、M&A支援機関協会が会員を増やそうとしていますが、会社を売却しようとする際は、信頼できる仲介会社やファイナンシャルアドバイザーを選定し、自らも買い手候補をきちんと調査しましょう。

2025年2月25日 國村 年

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