事務所通信2015年3月

事務所通信

2015年3月号 『小規模企業共済』

 2015年は、個人事業主の方などは、3月16日で所得税、3月31日で消費税の確定申告シーズンも終わりです。
 最近、確定申告時期の無料相談会、相続税の申告業務などで、小規模企業共済の良さを改めて感じています。
 そこで、今回は、『小規模企業共済』について書きたいと思います。

1.小規模企業とは?
 小規模企業共済制度は、個人事業をやめられたとき、会社等の役員を退職したとき、個人事業の廃業などにより共同経営者を退任したときなどの生活資金等をあらかじめ積み立てておくための共済制度です。
 小規模企業共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

2.小規模企業共済に加入できる人は?
 小規模企業共済制度の加入条件は、以下のとおりです。

 1   常時使用する従業員の数が20人以下(宿泊業・娯楽業を除くサービス業、商業では5人以下)の個人事業主及び会社の役員 
 2   事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員 
 3   常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員 
 4   常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員 
 5   小規模企業者たる個人事業主に属する共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)  

3.掛金の税法上のメリット
 掛金月額は1,000円から70,000円の範囲内で500円単位で自由に選べ、「小規模企業共済等掛金控除」として、課税対象所得から全額控除できます。

4. 掛金の税法上のメリット
 満期はなく、共済金は廃業時・退職時に受け取れます。
 共済金等の受取方法には、「一括」、「分割(10年・15年)」「一括と分割の併用」の3種類があります。
 税法上、共済金を一括で受け取る場合には「退職所得扱い」、共済金を分割で受け取る場合には「公的年金等の雑所得扱い」となります。
 ちなみに、死亡の場合で、共済金を一括で受け取る場合、死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)とは別枠で、死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を用いることができますので、例えば、相続人が配偶者とお子様2人の合計3人の場合、1,500万円(500万円×3人)までは相続税はかかりません。

5.事業資金の借入
 契約者(一定の資格者)の方は、担保・保証人不要で、納付した掛金合計額の範囲内で、事業資金などの貸付けが受けられます。

6.最後に
 とある団体に加盟されている方は、かなりの割合で小規模企業共済に加入されていました。
 掛金は所得税の確定申告において全額所得控除できますし、死亡時に共済金を一括で受け取る場合は、死亡金退職金の非課税枠を使えますので、かなりお勧めですよ。

2015年3月30日 國村 年

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