事務所通信2013年7月

事務所通信

2013年7月号 『路線価の推移』

 早いもので、2011年7月1日に独立開業して2年が経ち、2013年7月1日に開業3年目を迎えました。
 これもひとえに皆さまのおかげだと思っております。
 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 さて、2013年7月1日に、国税庁から平成25年分の路線価が公表されました。
 路線価とはどのようなものかということについては、ちょうど1年前の事務所通信2012年7月号(No.13)で書きましたので、今回は、『路線価の推移』について書きたいと思います。

1.路線価とは?
 路線価とは、通常7月に国税庁によって公表されるその年の1月1日における路線(道路)に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価額(千円単位で表示)のことです。
 路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。

2.日本の最高路線価
 日本で最も路線価が高いのは、東京都中央区銀座5丁目中央通りの鳩居前で、2,152万円となっています。
 ここは、ピークは1992年の3,650万円だったことから、当時の水準の60%弱になっています。
 また、最近のピークであるリーマン・ショック前の2008年の3,18万円と比べると、70%以下の水準になっています。

3.香川県の最高路線価
 香川県で最も路線価が高いのは、香川県高松市兵庫町の中央通りで、31万円となっています。
 香川県は、ピークは1992年の445万円だったことから、なんと当時の水準の7%弱になっています。
 また、最近のピークであるリーマン・ショック前の2008年の44万円と比べると、70%強の水準になっています。

 香川県についてもっと詳しく見てみると、1992年の445万円という数値は、全国で19位でした。
 しかしながら、2013年は全国で28位となっています。
 ちなみに、香川県の最高路線価は、21年連続下落しています。つまり、ピークの1992年からずっと下落し続けています。

 全国の最高路線価を見てみると、長崎県(75万円)、熊本県(117万円)、鹿児島県(81万円)、沖縄県(55万円)など、九州が高いところが多いような感じがしますね。
 香川県の路線価が大幅に下落しているのは、線引き制度の廃止がかなり影響していると考えられます。
 線引き制度とは、市街化区域と宅地造成などを抑制する市街化調整区域を分ける線引き制度のことであり、2004年に香川県は全国で初めて県レベルで廃止しました。

4.最後に
 土地を持っている方は、路線価は相続税額に影響を及ぼしますので、路線価が下がることは相続税額が減るという面では良いことかもしれませんが、資産価値としては下がっているので悩ましい問題ですね。
 アベノミクスの結果によっては、来年以降の路線価は上昇に転ずる可能性もあり、もうすぐお盆ですので、路線価を確認し、相続や資産運用について考える良いタイミングかもしれませんね。

2013年7月24日 國村 年

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