事務所通信2013年11月

事務所通信

2013年11月号 『復興特別法人税

 2012年度から2014年度まで、復興特別法人税というものが課されているのをご存じでしょうか。
 最近では、2013年度で廃止されるという話しも出ていますが、おそらく、ご存じでない方が多いのではないでしょうか。
 そこで、今回は、『復興特別法人税』について書きたいと思います。

1.概要
 この制度は、法人の各事業年度の所得の金額に対する法人税の額に10%の税率を乗じて計算した復興特別法人税を、法人税と同じ時期に申告・納付することとされているものであり、利子など一定の所得に課された復興特別所得税の額などがある場合には、所定の金額を控除した後の金額を納付することとされています。

2.課税事業年度
 復興特別法人税の課税の対象となる事業年度は、一定の場合を除き、法人の平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度とされています。
 しかしながら、2年間で廃止になるとの話しも出ています。

3.申告及び納付
 法人は、各課税事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、税務署長に対し、復興特別法人税申告書を提出しなければなりません。
 ただし、課税標準である課税標準法人税額がない場合には、復興特別法人税申告書を提出する必要はありません。
 復興特別法人税の額があるときは、復興特別法人税申告書の提出期限までに、その復興特別法人税を国に納付する必要があります。
 具体的には、申告書も納付書も法人税とは別となっているのです。

4.落とし穴
 上記のとおり、課税標準である課税標準法人税額がない場合には、復興特別法人税申告書を提出する必要はありません。
 ただし、法人税額が零円と計算され法人税の確定申告書を期限内に提出したものの、復興特別法人税の確定申告書は提出していない場合に問題が生じることがあります。
 税務調査により確定申告額が過少であったことが判明し、法人税の修正申告書を提出するとともに、復興特別法人税の期限後申告書を提出すると、無申告加算税(期限後申告により納付すべき税額に15%の割合(その提出が、その申告に係る国税についての調査があったことにより決定があるべきことを予知してされたものでないときは、5%)を乗じて計算した金額)が課されることになってしまうのです。
 よって、復興特別法人税がかからなくても、復興特別法人税申告書を提出しておきましょう。

5.最後に
 税理士として申告業務を行っていても、復興特別法人税申告書を別途作成したり、納付書も別途用意したりするのは非常に手間だと感じます。
 いつも、法人税の申告書や納付書と合わせてくれれば良いのに思ってしまいますね。
 早く廃止されることに越したことはないのですが、無申告加算税が課されないように注意したいものですね。

2013年11月26日 國村 年

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